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2010/04/08 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 総務委員会 第10号
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2010/04/08 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 総務委員会 第10号

#1
第174回国会 総務委員会 第10号
平成二十二年四月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     佐藤 正久君     木村  仁君
     中山 恭子君     小泉 昭男君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     那谷屋正義君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     外山  斎君     前川 清成君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     前川 清成君     外山  斎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰介君
    理 事
                加賀谷 健君
                武内 則男君
                林 久美子君
                礒崎 陽輔君
                世耕 弘成君
    委 員
                高嶋 良充君
                土田 博和君
                外山  斎君
                友近 聡朗君
                那谷屋正義君
                長谷川憲正君
                吉川 沙織君
                木村  仁君
                末松 信介君
                関口 昌一君
                谷川 秀善君
                二之湯 智君
                溝手 顕正君
                魚住裕一郎君
                澤  雄二君
                山下 芳生君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    原口 一博君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚 耕平君
       総務副大臣    渡辺  周君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        津村 啓介君
       総務大臣政務官  小川 淳也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地域主権改革の推進を図るための関係法律の整
 備に関する法律案(内閣提出)
○国と地方の協議の場に関する法律案(内閣提出
 )
○地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、佐藤正久君、中山恭子君及び行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として木村仁君、小泉昭男君及び那谷屋正義君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰介君) 地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案、国と地方の協議の場に関する法律案、地方自治法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。原口国務大臣。
#4
○国務大臣(原口一博君) おはようございます。
 地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 地域主権改革は、明治以降の中央集権体質から脱却し、この国の在り方を大きく転換する改革であります。国と地方自治体の関係を国が地方に優越する上下の関係から根本的に転換し、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めることのできる、活気に満ちた地域社会をつくっていかなければなりません。
 本法案は、昨年十二月に閣議決定し国会に報告した地方分権改革推進計画に基づき、地域主権改革を総合的かつ計画的に推進するため、内閣府に地域主権戦略会議を設置するとともに、地方公共団体に対する事務の処理又はその方法の義務付けを規定している関係法律を改正する等、所要の措置を講ずるものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、地域主権改革を総合的かつ計画的に推進するため、地域主権改革に関する基本的な方針その他の地域主権改革に関する重要事項を調査審議等するための体制を整備することとし、内閣府設置法に規定する重要政策に関する会議として、内閣府に地域主権戦略会議を設置することとしております。
 第二に、地方分権改革推進委員会第三次勧告で示された義務付け・枠付けの見直しの三つの重点事項、すなわち、一、施設・公物設置管理の基準、二、協議、同意、許可・認可・承認、三、計画等の策定及びその手続のうち、特に地方要望に係る事項を中心に、第二次勧告の見直し対象条項等の一部も含め、地方分権改革推進計画に基づき、関連法律の改正を行うこととしております。
 このほか、施行期日及びこの法律の施行に関し必要な経過措置について規定するとともに、関係法律について必要な規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 国と地方の協議の場に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 地域主権改革の推進並びに国及び地方公共団体の政策の効果的かつ効率的な推進を図るため、地方自治に影響を及ぼす国の政策の企画及び立案並びに実施について、関係各大臣並びに地方公共団体の長及び議会の議長の全国連合組織の代表者が協議を行う国と地方の協議の場に関し、その構成及び運営、協議の対象その他所要の事項を定める必要があります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、協議の場は、国側は、内閣官房長官、地域主権改革担当大臣、総務大臣、財務大臣及び国務大臣のうちから内閣総理大臣が指定する者、地方側は、都道府県知事、都道府県議会の議長、市長、市議会の議長、町村及び町村議会の議長のそれぞれの全国的連合組織の代表者で構成することとしております。また、内閣総理大臣は、いつでも協議の場に出席し発言することができることとしております。
 第二に、協議の場において協議の対象となる事項は、国と地方公共団体との役割分担に関する事項、地方行政、地方財政、地方税制その他の地方自治に関する事項及び経済財政政策、社会保障に関する政策、教育に関する政策、社会資本整備に関する政策その他の国の政策に関する事項で地方自治に影響を及ぼすと考えられるもののうち、重要なものとすることとしております。
 このほか、協議の場の招集、分科会の開催、協議の概要の国会への報告、協議の結果の尊重等について規定しております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、地方公共団体の組織及び運営について、その自由度の拡大を図るとともに、直接請求の制度についてその適正な実施を確保するため、所要の措置を講ずるものです。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、議会制度の充実に関する事項であります。
 議会の議員定数の上限数に係る制限を廃止するとともに、議会の議決事件について、法定受託事務に係る事件についても、議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定めるものを除き、条例で議会の議決事件とすることができることとしております。
 第二は、行政機関等の共同設置に関する事項であります。
 普通地方公共団体は、協議により規約を定めて、議会の事務局若しくはその内部組織、行政機関、普通地方公共団体の長の内部組織、委員会若しくは委員の事務局若しくはその内部組織又は普通地方公共団体の議会の事務を補助する職員を置くことができることとしております。
 第三は、全部事務組合等の廃止に関する事項であります。
 全部事務組合、役場事務組合及び地方開発事業団を廃止することとしております。
 第四は、地方分権改革推進計画に基づく義務付けの廃止に関する事項であります。
 市町村の基本構想に関する規定を削除するとともに、総務大臣又は都道府県知事への内部組織に関する条例の制定又は改廃の届出並びに予算、決算及び条例の制定又は改廃の報告を要しないこととしております。また、広域連合の広域計画の地方公共団体の長への送付、公表及び総務大臣又は都道府県知事への提出並びに財産区の財産を処分する場合等の都道府県知事への同意を要する協議を要しないこととしております。
 第五は、直接請求に関する事項であります。
 平成二十一年十一月十八日の最高裁判決を受け、直接請求の代表者の資格について、選挙人名簿に表示をされている者、選挙人名簿から抹消された者及び選挙管理委員会の委員又は職員である者を制限の対象とする規定を設けることとしております。また、直接請求のための署名の自由と公正を確保するため、地位を利用して署名運動をした国又は地方公共団体の公務員等に対する罰則を設けることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#5
○委員長(佐藤泰介君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○加賀谷健君 おはようございます。加賀谷でございます。
 初めに、先月の十日の本会議で私は代表質問に立たせていただきました。原口大臣から、地域主権に取り組む強い決意を込めた御答弁をいただきました。本会議ではお礼を申し上げる場がございませんでしたので、この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。
 さて、議題となっております地域主権改革三法案については、鳩山総理そして原口大臣が常々申されている民主党政権のまさに一丁目一番地の地域主権を実現する大きな一歩であり、私も与党の一員としてその実現に力を合わせていきたい、こう思っているところでございます。
 しかしながら、国民や自治体関係者の中にも、必ずしもその意義が十分に理解されていないため、逆に言えば、政府・与党は国民や自治体に対しその趣旨を理解をしていただくための努力がまだまだ必要ではないかと感じています。特に、この地域主権改革は政権が交代したからこそ実現する最大の成果の一つとなるはずであります。昨日の本会議では、武内議員の質問に対して大臣の崇高な理念と熱い思いを伺わせていただきましたが、本日はこの委員会での質疑を通じて地域主権改革の意義と大臣の思いや理念をより国民に分かりやすく伝えていただければと思って質問をさせていただきます。
 まず、地域主権改革の定義についてお尋ねをいたします。
 一括法案の第一の柱は地域主権戦略会議の設置ですが、この設置のための内閣府設置法改正の中で、地域主権改革の定義について、「地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革」とされています。地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにする、あるいは地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするというのは具体的にどのようなことを想定をされているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#7
○国務大臣(原口一博君) 加賀谷委員におかれましては、本当にこの地域主権改革のエンジンとなって、そしてこれ百四十年ぶりの改革でございますから、これまでの中央集権に慣れて、その中から発想をしている方々にはなかなか分かりにくい、そのとおりだと思います。しかし、これは単なる分権の改革ではなくて、民主主義そのものの改革なんだと、自らが決定し自らが責任を持つということでございます。
 そこで、お尋ねでございますが、地域主権改革の定義において、「住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにする」とは、まさに憲法が定めている地方自治の原則、その中の補完性の原理や団体自治の充実を意味するものでございます。また、委員が御指摘の「地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにする」とは、同じく憲法の地方自治の原則、住民自治の充実を意味するものでございます。
 私たちは、地域のことは自分たちで決め、活気に満ちた地域社会をつくる。やはり、加賀谷委員、国づくりも地域づくりから始まると思います。公共に対する信頼、これが厚い人たちは地域の良質な公共サービスを受けたその経験を持つ方々だと、こういうアンケートも出ておりまして、国民各般の御協力と御理解を得ながら大きな変革を進めてまいりたいと思いますので、御指導をよろしくお願いいたします。
#8
○加賀谷健君 ありがとうございます。
 今、大臣の答弁の中で大変強く、自分で決めて自分で自らが実行するという地方自治の理念を強く説明をいただきました。このことはまさにそのとおりなのでありますけれども、この状況というのは、更に進んでいくと、まさに地方議会というのは要らないという議論も出てきそうな気がしてならないんですけれども、常に住民が自ら決めるということになると、住民投票、そういうものが主体になっていく場合も多うございますけれども、この辺の議会との在り方について大臣の思いがありましたら、ちょっと教えてください。
#9
○国務大臣(原口一博君) 地方議会はまさに、地方公共団体、その執行とともに車の両輪というふうに言われています。逆に、この地域主権改革が進めば、憲法第九十三条第一項の規定による、地方公共団体は、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置するとされている、この意義は更に深まるんだと私は考えています。また、同条第二項の規定により、地方公共団体の議会の議員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙することとされ、代表民主制を取っているところでございます。
 地域主権を確立していくためには、住民の意見を地方自治体の運営にいかに的確に反映させていくか、ここが勝負です。そのような観点から、自治体経営の住民参画の手法や議会の在り方などについて、総務省において開催している地方行財政検討会議において幅広く議論を進めているところでございます。
 憲法によって保障されている地方公共団体の議事機関としての議会を設置するというこの権能そして責任は更に拡大強化されるべきものだというふうに考えておりまして、地方六団体の中でも自らこれからの地方議会の在り方について活発に御検討をいただいているところでございます。
 国・地方協議の場でもその御提案をしっかりと受けて前進をさせていきたいと、このように考えております。
#10
○加賀谷健君 私もまさにそのとおりだと思うんです。ともすると、常に住民の意見を聞けというようなことになっていく場合が多うございますので、今おっしゃられたとおり、私もやっぱり議会の重要性というのをこれからも訴えていかなければならない、こんなふうに思っているところでございます。
 とは申しながら、最近の人と人とのつながりというのが、地域によっては大変大事にしている地域もありますけれども、私が選挙区としていたような地域あるいは大都市では、どうもコミュニケーションというよりもプライバシーを大切にするというような考え方から、公よりも個を大切にするような人々が増えている。こういう人たちは地域主権改革とは積極的にならないのではないか。このような人を私は引き込んでいくのはまさに我々の仕事だとは思うんですけれども、やはり国としても取組をしていく必要があるのではないかなと思っておりますけれども、大臣、これに対して何か思いがありましたら。
#11
○国務大臣(原口一博君) 私は、今のような一回中央にお金を集めてそれを地方に分配する、こういうことをやっているといろんなところにひずみが出てくるというふうに思います。その中でも、大都市もそれに無縁ではございません。むしろ、私どもは消防庁を所管していますけれども、大都市の緊急消防、この状況の在り方を見ると、今だんだんだんだん、コールされて、それから実際に病院に搬送させていただくまでに時間が掛かっています。今四十六という数字さえあるわけです。
 まさに、自らの地域を自らで決定する、この地域主権改革を進めないと、地方だけがこれは恩恵を受ける改革ではなくて、むしろ大都市の、まさに再配分でもって様々な不利益を得るということ、地域に住む方々にとっても大変大事なことだというふうに思います。私は大都市に住んだことがありませんで、この二人は大都市に住んでいますので、ちょっと答弁をさせていただきたいと思いますが、まさに大都市問題あるいは地域の問題ということを分け隔てなく考え、そしてその方々に御協力をいただくことが地域主権改革の成功のかぎだというふうに考えております。
#12
○加賀谷健君 ありがとうございます。
 今の話、私も中間的な大都市でございまして、国政選挙ですとやっぱり六十数%、国並みの投票率に上がっていくんですけれども、地方の選挙、私ども県会議員をやっていた時代、あるいは同時に市会議員の選挙が行われていながら四〇%を少し超えるぐらいの投票率にしか上がっていかない。どうも地域に目が向いていない住民に対して地域主権を語っていくというのは非常に難しいなという気がしているので、お伺いをさせていただきました。
 また、今大臣が言うように、権限と財源を地方へ移管をしていくこと、まさにそのとおりでございます。しかし一方で、自治体に任せても大丈夫なのかという不安視する声が国民や政府内部にもあるし、また受ける自治体にもあるのではないか、こんなふうに思うわけであります。
 例えば、最近の例ですけれども、どことは言わないですけど大体お分かりになると思いますけれども、首長が議会への出席を拒否している市があったり、今回市町村のたばこ税の課税適正化のきっかけとなった自治体によるたばこ小売業に対する奨励金の支出問題、こういうもの、首長や自治体の行動が必ずしも、やっていることが間違ってはいないんですけれども果たして適正なのかどうかというような、言い難いケースも見られると思います。
 これは、全国的に見れば大多数の首長さんは厳しい財政難の中で必死に知恵を絞って住民のために頑張っているわけですから、こうした非常にまれなケースでありますけれども、大臣、地域主権という理念の上で、ある意味でこういう行き過ぎというのか、そういう部分についてどのように対応していったらと思っているのか、お伺いいたします。
#13
○国務大臣(原口一博君) これは昨日、武内委員の本会議での御質問の中にもございましたけれども、まさに、加賀谷委員、責任の改革なんですね。地方自治は自動操縦でやれるものではない。つまり、自ら住民がお選びになったその首長なり議会の行動は即住民に返ってくる。これは民主主義の基本です。責任の改革をやろうとしておるわけでございまして、やはりそのためにもまず何が必要かというと、私は教育であるというふうに思っています。
 二十歳過ぎてから被選挙権や選挙権が来ますけれども、そこでいきなりどのような民主主義を打ち立てればいいかと教育をされてもそれはなかなか難しゅうございます。自らの地域は自らがはぐくむんだ、自らの国は自らが参画して良くするんだと、こういう気持ちを小さいころから教育によってしっかりとはぐくむ民主主義の教育こそが今の委員に対する、御質問に対する解であるというふうに考えております。
#14
○加賀谷健君 そのとおりだと思います。
 これは自治体のことですから自治体に任せて、住民がそれに納得をしていくということであればそれは問題のないことかもしれませんけれども、ややもすると前に述べたような行為が行われる可能性がある。この辺については我々もこれから意識をして取り組んでいかなければならないのではないか、こんなふうに思います。
 次に、一括法案のもう一つの柱であります義務付け・枠付けの見直しについてお尋ねをいたします。
 この義務付け廃止については、地方の要望の百四条項に対して、一括法に勧告どおりに盛り込まれているのが三十六条項と理解をしております。また、先月三十一日に地域主権戦略会議に報告された自治体への権限移譲に関する各省庁の検討では、検討対象三百八十四条項に対し、勧告どおりに実施されるのは九十六条項と四分の一でございます。
 マスコミなどは各省庁の政務三役が消極的と批判をしておりますが、このような批判、意見に対し大臣の考えをお伺いしたいと思います。
#15
○副大臣(大塚耕平君) 大臣への御質問でありますが、直接各省庁と議論をさせていただいている立場から一言お答えを申し上げさせていただきます。
 各省庁消極的という報道がなされているわけではありますが、消極的というよりも、やはり各省庁のこれまで積み上げてきたいろんな考え方を一番理解し得る立場に置かれてみると、いろんな意見があるという状況になっているかとは思います。
 ただ、これまでそういうふうに各省庁が積み上げてきた考え方でこの国がいい方向に行っていればいいわけでありますが、必ずしもそうでない状況の中で新しい政権が誕生したわけでありますので、今後、各省庁の政務三役はその考え方のどの点を改善あるいは修正していけばいいのかということをそれぞれの立場で最善の努力をされることと思います。
 今後、更に議論を積み重ねて、まだ残された勧告の課題もありますので、しっかりとした成果を上げてまいりたいというふうに思っております。
#16
○国務大臣(原口一博君) 事実について今大塚副大臣からお話をさせていただきましたが、分権委員会の第三次勧告のうち、地方要望分を中心とする第一次分の見直しを地方分権改革推進計画として閣議決定させていただきました。この計画では、地方要望分四十九項目のうち四十二項目、約九割について見直しを決定をしています。今回の一括法案はこれを盛り込んでいます。
 各省がちょっと慎重だったというところは、この委員会でも御議論がございましたが、補助金とセットになっているところ、つまり一気に補助金をなくすことはできませんから、そういったものについて、権限あるいは義務付け・枠付けの移譲ということについて全体のセットとしてやりたいということでございまして、夏の戦略大綱に向けて、しっかりとその辺の工程を国民の皆さんあるいは地方の公共団体の皆さんにお見せをしたい、御納得いただけるようにしたいと、このように考えております。
#17
○加賀谷健君 まさにそのとおりで、大塚副大臣のおっしゃるとおり、各省庁それなりきにやってきた積み上げがあるということであれば、そのような簡単にはいかないのだということは私どもも十分理解をしております。仙谷大臣も、これは新聞報道ですけれども、そういう政務三役に対しては首にしたらいいのではないかというような発言もされているのでございます。私は、やはりこの部分が解決をしていかないと我々民主党が求めているこの分権というのは進んでいかない、こんなふうに思っておりますので、大変だと思いますけれども、是非とも第三次勧告を含めたそういうものの実現に向けて努力をしていただきたい、こんなふうに思うわけでございます。
 次に、これも広い意味での義務付け・枠付けなんだと思いますけれども、私たちは、今民主党は特別会計を基本的に廃止する方向で見直しを進めております。そこで、総務省にかかわる交付税特別会計の中に交通安全対策特別交付金勘定というのが入っております。これは、交通反則金制度による反則納付金、いわゆる青切符を歳入として、各都道府県に交通事故あるいは人口等を勘案をして交通安全対策特別交付金として配賦している制度と私は思っておりますけれども、大臣、この反則金の収入というのは、今大体、年間でどのぐらいになるのでしょうか。
#18
○副大臣(渡辺周君) 大臣へのお尋ねでございますが、事実関係でございますので私の方から御説明させていただきます。
 平成二十二年度予算における交通安全対策特別交付金勘定の歳入は、前年度からの繰越金、剰余金受入れが六十億円あります。それで、交通反則者による納金、交通違反のまさに納めた罰金が七百六十三億円ありまして、前年度からの受入れ六十億円を合わせると、およそ、やや単位に一致しないところがありますが、歳入で八百二十四億円でございます。歳出が七百六十四億円でございまして、歳出の七百六十四億円の内訳は、今御指摘のありました交通安全対策特別交付金、七百五十七億円でございます。あと、七億円が諸支出金ということで、それ以外のことに使われているということでございます。
#19
○加賀谷健君 八百億を超える、前年度分というのは三月の末の分が入ってくるというふうに私も聞いておりますけれども、大変大きな金額が動いておりまして、これが果たして特別会計という形で交付税特別会計の中で処理されているのはいかがなものかというのは私ども民主党が見直しの中でも過去言ってきた部分でございまして、私は、これは全部地方で使っているということであるならば、地方交付税といいますか、の中に入れてしまうということも一つの思いではないかと思うわけでございます。いろいろ雑誌なんかによりますと、一つの交通利権という利権の巣にも使われているというような報道もございますので、私はこの際、この部分については、交付税特別会計というよりも、そのまま交付税という形にしていくことも一つの方法ではないかなと思っているのですけれども、大臣のお考えがありましたらお聞かせください。
#20
○副大臣(渡辺周君) 今委員の御指摘というのは、昭和四十三年度に創設されてから昭和五十七年度までは国の一般会計で整理されていたではないか、それを戻すべきではないかというような御趣旨だと思います。
 これは、御案内のとおり、私はまだ経験ありませんが、白バイ隊員等に運悪く捕まってしまいまして、そして切符切られるわけですけれども、大体地方の機動隊、県警に捕まるわけです。そうしますと、地方の財源という意味で、大体地方の捕まったところで払うこの交付金という反則金が地方財源としてより性格を明確にする必要があるんじゃないかということで特別会計になって、地方公共団体に交付金という形で交付されているというように聞いております。それでこのような現状になったと。
 ただ、先生の御指摘の、交付金の使途についてはもっと拡大していくべきじゃないかということでもあろうかと思います。まさに、これまではガードレールとか交通標識の整備から交通安全教育のようなソフト事業に移ってきておりますけれども、それだけに、警察庁や地方公共団体とともにこれはいろいろ議論をしていく必要があるだろうというふうに思います、もう少し幅広くできるのかどうか。
 ただ、やっぱり交通安全という最も大事なことに使うということはこれは維持しなきゃいけないと思いますし、その点で今後、抜本的な交通安全対策は第一義でございますが、安全、安心の郷里をつくるために、地域をつくるために関係省庁や地方公共団体とも十分議論をしていく必要があるだろうというふうに考えております。
#21
○加賀谷健君 確かに、そういう形での交通安全施設の整備というのは大事であり、そういう使われ方はしなければならないのかと思いますけれども、これはやはり地方行政の中で必要なものは行っていかなければならないわけですから、そういう面でいうと、余りひもを付けてこれにしか使えないというような、どうも私どもの思いに、違うのではないかなと思っておりますので、是非とも検討していただきたいと思います。
 今いろいろ御質問させていただきましたが、最初に触れましたとおり、個別法令の見直しは膨大な条項を抱える中でおのずと限界があると思いますけれども、第三次勧告で盛り込まれている上書き権についても検討の価値があるのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
 これは条例による国の法令の上書きというのはできないわけでありますけれども、個別の条項を見直さずに補正できるようにしようという考え方は、憲法上の議論も大変必要でありますけれども、法制化を求める声が上がってきている。地方自治基本法に組み込むこともできるという専門家の意見もございますけれども、大臣、この部分についてはいかがでしょうか。
#22
○国務大臣(原口一博君) 今まさに委員がおっしゃったように、地方自治基本法という議論をしています。多くの今審議会の中でも御議論が出ているのは、基本法はあり過ぎじゃないか、実質、憲法を補強するような基本法ってそんなにないんじゃないか、今回私たちが作ろうとしている、射程に入れようとしているものは、憲法の理念を更に補完をし、そして補強するものにすべきじゃないかという御議論が出ています。
 その上で、今の上書き権でございますけれども、第三次勧告は、法律の制定はやはり憲法四十一条、国権の最高機関とされている国会によって行われる、あるいは憲法九十四条、地方自治体の条例制定権は法律の範囲内とされている、これを踏まえながらやはり慎重な検討が必要だと、これも第三次勧告の中身でございまして、私たち今、この憲法との関係について慎重に議論が必要ではないかと。文字どおり、その検討についても、やはり私たちは憲法の尊重擁護義務を負っておるわけでございまして、その中でじゃどのような法体系全体の在り方が望ましいのか、その中でできるものなのか、それを慎重に議論をしていきたいと、こう考えておるところでございます。
#23
○加賀谷健君 是非前向きな検討をお願いをしたいと思います。
 直接この法には触れないのかもしれませんけれども、行政の見える化ということで、大臣のよく使われる言葉ではないかと思いますので、この辺についてちょっとお話をお伺いをしたいと思います。
 徹底した情報公開、行政の意思決定の透明化ということが見える化ではないかと思います。大臣は、ビジョンの中でも電子行政による行政刷新を掲げられております。この見える化とも深く関係しているのではないかと思いますけれども、行政の見える化についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(原口一博君) 行政を可視化する、そして多くの方々に公正で公平でそして透明な行政としての高い信頼を国民に培っていく、これは極めて大事だというふうに考えています。
 政府としては、電子政府の総合窓口、e―Govや各省のホームページを通じて、政策や統計など様々な行政情報を積極的に提供しています。
 一方で、記者クラブの公開、つまり、だれにどのようにアクセスの自由をあるいはアクセス権をオープンにしていくか、それから総務省ではもう既に政務三役会議の動画配信、記者会見のオープン化を実施をしておりまして、なお、これは電子政府の中で、先ほど少しお話しになりましたHAT―KZシステム、補助金や天下りや官製談合、随意契約、そして特殊法人、特別会計、こういったものの不透明さを正していくためにも、あるいは公共調達の公正性をしっかりと担保する上でも、電子政府にして、そしてだれからでもどこから見てもオープンで瑕疵がない、このことが必要であると思っておりまして、今総務省において積極的にこの電子政府化ということを推進しているところでございます。
 以上です。
#25
○加賀谷健君 まさに地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするということを私、冒頭質問をさせていただきましたけれども、地域主権改革の理念を実現するためにも、住民が、法律、政令はもとより、通知、通達や、あるいはこれから作ろうとしている法律、制度についても自由に手軽に知ることができる、アクセスができるという見える化の推進が大切な要素と思っております。是非この辺での取組をひとつお願いをしたいわけでありますけれども。
 総務省のホームページを見ていきますと、各省庁のホームページにはそれぞれの省庁のトップページに通知、通達というタグがあり、そこから簡単にそういうものへ入っていって調べることができるのですけれども、残念ながら総務省のホームページには通知、通達がタグが見付からない。見える化の推進を標榜する総務省としても是非この辺を公開をしていくべきではないかと思いますけれども、大臣、この辺についてはどう思いますか。
#26
○国務大臣(原口一博君) 今総務省では、これまでの省令であるとかあるいは通達であるとかいうものを極力廃止しなさいと、そして政治主導によらないものについてはそれはしっかりと再検証しますよということを今現在やっております。
 ただ、今委員がおっしゃるように、通知や通達、こういったものについても丁寧に公開をしなさいということで指示をしたところでございまして、政策の決定プロセス、あるいはどういうものを例えば地方にお願いをしているか、これまではまるで命令であるかのようにいろんなものが行っていたわけですけれども、それも新政権になって大幅に変わっておりますので、それを整理して、より丁寧に公開をしてまいりたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#27
○加賀谷健君 次に、国と地方の協議の場に関してお尋ねをさせてください。
 この法律は自治体側からの強い要望にこたえて作られたわけでありますけれども、そもそも地方の時代と言われて四十年前後たちながら、これまで国と地方の正式な協議の場がなかったこと自体、大変不思議だと思っているわけでありますけれども、しかし法案や組織図を拝見しますと、協議の場は総理大臣が招集をする、地方を含む議員は総理大臣に対し招集を求めることができるとなっていますが、何となく国と地方の関係が対等ではないのではないかなという感じを受けなくもないのですけれども、この辺についてどう思うか、お伺いしたいと思います。
#28
○副大臣(大塚耕平君) お尋ねの件でございますが、むしろ、国の側が招集を掛けないとこの協議の場を開けないという形でありますとこれは一方的な関係になるわけでありますが、地方の側からもこれは協議の場を開催してほしいということを要請することができるということで、むしろ対等な関係を確保しているものというふうに考えております。
#29
○加賀谷健君 せっかくの場ですから、是非そういう形でお互いに意見交換ができるようにしていただきたいと思います。
 今月の一日に神奈川の相模原市が全国で十九番目の政令市となったわけでありますけれども、政令市の人口はすべての市を合わせると全国の人口の約二割になるそうでございます。
 ところが、この協議の場に、地方側の構成を見ますと、地方六団体の代表は含まれておりますけれども、政令市というのは含まれておりません。まさに、政令市の市長会というのはあるわけですけれども、それは任意で集まっているということになるわけでございますけれども、私は、やはり人口の二割を抱えている政令指定都市というのは大変いろんな面で悩みを持っているし大きな影響を与える自治体ではないか、こんなふうにも思いますので、政令市を別格にするということではございませんけれども、こういう意見を聞く場はあるというふうには聞いておりますけれども、考えていく必要があるのではないかなと思いますけれども、この辺に対する思いをお聞かせください。
#30
○副大臣(大塚耕平君) まず、今回の議員の構成でございますが、地方側は、これは地方自治法上、政府に対して意見の申出をすることが認められている連合組織の長という形で地方六団体を選出をさせていただいたわけでございます。
 御下問の政令指定都市の問題は、法制化に当たっての検討の中でも議論をされましたが、全国市長会の中で政令指定都市の意見なども反映していただけるという前提の下で、今回はあくまでそうした地方自治法上の一定の地位のある連合組織に限らせていただいたということであります。
 ただ、今後の課題として、政令指定都市あるいは中核市の問題などもございますので、そういうゾーンに属する地方自治体の問題をこの場で議題として議論することも可能でありますので、しっかりと検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#31
○国務大臣(原口一博君) 若干補足させていただきますが、やはり地方六団体のそれぞれの自主的な思いあるいは市長会のお考えというものはこれはあるというふうに考えておりまして、そこを尊重したいと思っておりますが、一方で、地域主権戦略会議の中には政令都市の代表であります、あるいは私たちはマニフェストで大都市問題、これに一定の解を得たいということをお約束をしていますが、北九州市の北橋市長さんに参加をしていただいて、積極的に御発言をしていただいているところでございます。
#32
○加賀谷健君 ありがとうございます。
 臨時の議員に連合組織の指定で入れるというようなこともこの中にはございますので、是非そういう場面を使って政令市等の意見も聞いていただけるようにしていただければと思っております。
 地方との関係で、これは直接今回の問題には関係はないのかと思いますけれども、ヨーロッパ、フランスなどでは兼職ということで地方の首長さんが国会議員になれるというような制度があり、かなり地方の意見が国会の中でも反映をされているというふうに聞いておりますけれども、これはそんな簡単なことではないと思うんです。いろんな制約条件はあるのは分かっておりますけれども、日本の実は参議院の改革の問題も今議論をされている中でありますけれども、総務大臣として、こういう形で地方の意見を国の中で現実に経験をしていることを伝えていくということは大事じゃないかと私は思うんですけれども、この辺についての考えがありましたらお聞かせください。
#33
○副大臣(渡辺周君) これはもう国論を二分する議論になるんだろうというふうに思います。もちろん、御案内のとおり、国会議員はほかの職務と兼務することはできませんけれども、地方の知事や市長が国会議員を兼務することはできませんけれども、反面で、ただ、国と地方の協議の場をこれから法制化をする、あるいは総務省に地方行財政の検討会議を今設置しまして、仙台の市長さんや岩手県の知事に、達増知事にも来ていただいています。
 そうした中で、これまで諮問委員のメンバーというのは何となく御意見を恐る恐る言うような場だったのかもしれませんが、もう対等な立場で、まさにその会議においては議員であるかのように、首長の立場で、一議員であるかのような思いで是非発言をしていただいて、我々もイコールパートナーとしてしっかり受け止めていくと、そういう形で考えてまいりたいなと思います。
 将来的に、例えば地方の知事の在り方をどうするかということについては、これはなかなか国論、大きな議論を巻き起こすことだろうと思いますけれども、私は、やっぱり地方自治と国の統治ということに関して幅広く国民が議論する中では、一つの研究テーマとしては大変幅広い議論を行っていくことは大事なことではないかなというふうに思いますが、ただ急に今すぐどうこうということはなかなか難しいんですが、ただ、いろんな協議の場を通じて、まさに首長さんたちにはそういう思いを持って臨んでいただきたいと、そんなふうに考えております。
#34
○加賀谷健君 最後になりましたけれども、地方自治法の一部改正についてお伺いをしたいと思います。
 この法案で、行政機関等の共同設置もできるようにするということになっております。例えば、議会事務局についても、その独立性と専門性を高めることによって議会の条例作成や議会活動そのものをより活性化する環境整備に役立てることができるのではないかと私も経験から思っている、期待をしているところでございますけれども、ここで言う共同設置は、ほかにも具体的にはいろいろなものがあろうかと思いますけれども、総務省としてこの部分で特にイメージをしているところというのがありましたら、ちょっと教えていただきたいと思います。
#35
○副大臣(渡辺周君) 一つには監査委員会、監査のノウハウというものをまずやはりしっかりと各自治体でしていただくということで共同設置ができると思います。
 また、議会事務局の共同設置も考えられると思います。町村の議会の平均で、この議会事務局の職員って大体平均どれぐらいいるんだということを総務省にちょっと調べさせたら、町村の議会で平均二・五人でございます。町村ですから、大体議員の数は十二人前後、十四人から十二人ぐらいかなと思いますけれども、それにしても、二・五人では、一人が何か例えば議員と打合せしたら、もう一人しかいない。そうすると、ほかの議会ではどうあるか、あるいはいろんな国の法案を含めて議案の研究をする時間などほとんどない。ロジに取られてしまうともう何もできないということでございますので、例えば共同設置をすることによって議会の活性化に資する、あるいは職員、議員の向上に資するものだろうというふうに、貢献できるものというふうに期待をしております。
#36
○加賀谷健君 今、渡辺副大臣の答弁で、私もまさに監査委員会もやらせていただいたこともありますけれども、なかなか独立性ということでいえば、県レベルでも県の職員が監査に行って監査をしているというような状況、そういうことを考えると、やっぱり別な機関をつくって、監査というものが独立をして人事も行えるような、あるいはまさに議会もそのとおりだと思うんです。議会の独立性ということも今どこでもほとんどなくて、首長さんの辞令による人事異動が行われているというのが現状でございますので、その辺を含めて是非指導をしていただいて、より良いそういうことができるように御努力をいただければと、こんなふうに思っております。
 最後の最後ですけれども、まさに私は、分権は地方の人材だと、こんなふうに思います。大塚副大臣が過日の会合の中で、国家公務員を採用するに当たっては、地方で採用をして、そこで訓練をして国に何かの試験を通して上げるべきではないかという発言をされておりますけれども、まさに私もそういうふうに感じております。
 最後に、そこに関して大塚副大臣の思いを聞かせていただいて、終わりにしたいと思います。
#37
○副大臣(大塚耕平君) 個人的なアイデアを申し述べる機会をいただきましてありがとうございます。先日、私が申し上げましたのは、地域主権の推進や国と地方の関係を改革していくためには、実は公務員制度全体の改革が必要ではないかという政府・与党内での会議での御質問を受けての私の発言でございました。
 したがって、公務員制度改革どうあるべきかということについて私が従前から考えていたことを申し上げたわけでありますが、例えばという一例でありまして、すべての公務員の皆さんは、まず新卒で仮にお入りになる場合には地方の自治体に一度公務員として採用される、そして十年ぐらい訓練を受け、そして実務を十分に熟知した後に、中央で今度は働いてみたいと思われる方々が一定の試験なりをクリアして、しかもUターン禁止で中央官僚として働かれる。しかも、各地域ごとに何人ずつを中央官僚としてお招きするかということをシェア配分をしっかりし、そして最初の段階での地方の公務員の採用を例えば地方の学校を出た方を採用するということになりますと、そもそも東京に大勢の学生が集まって東京の人を中心に中央省庁を構成するということが人員的にもできなくなりますので、日本全国にしっかり目配りのできる中央省庁になるのではないかという個人的意見を申し述べさせていただきました。
#38
○加賀谷健君 終わります。
#39
○武内則男君 民主党・新緑風会・国民新・日本の武内則男です。
 先日は、大臣、本会議での御答弁、本当にありがとうございます。
 質問に入る前に、今、高知は「龍馬伝」で少し県民も元気を取り戻しまして少し潤いを持っております。昨日の本会議では二之湯先輩議員と京都と高知での本会議質問になりましたが、坂本龍馬の方から、実は本会議では言いたかったんですが、少し高知の言葉って、がいですから、がいなき、なかなかよう言わなかったんですが、今回の地域主権改革関連二法案並びに地方自治法の改正、是非頑張ってほしいということで、頼むぜよという言葉を生誕の地高知から是非大臣の方に贈っておきたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。
 実は、この地域主権改革関連二法案及び地方自治法の改正につきましては私自身も大きな思い入れがございます。地方議会にいて、二〇〇四年、平成十六年の地財ショック以降、本当に、私の出身自治体で大変申し訳ないんですが、高知市においては百八十億の財源不足に陥って、そして三位一体改革によって三年間で百八十億の財源不足、その後も三年間で百九十億の財源不足に陥っていくという、大変厳しい自治体の財政運営を強いられるという事態になりました。当時、地方議会で議員をしておりまして、後半三か月間の予算の執行停止とか様々な工夫をしながら、あるいは縁故債の借換えなんかやりながら何とか乗り切っていくという事態にもなりました。
 ちょうど旧政権のときに成立をした法律でありますが、地方分権一括法、私も地域にいて、高知市にいて、この法案の成立を大変喜びました。そして、よく成立をさせていただいたと、この国が変わっていくんだなということをあの法律の成立をもって実感をすると同時に、地方自治体にいる職員や議会、行政や住民、それがこの地方分権改革の中で大きくやっぱり責任や在り方というものが問われていくんだろう、そうした国と地方が真の意味での協働というものができ上がっていく、そうした国家になっていくということを願っておりました。しかしながら、その思いは成熟することなく月日が流れてまいりました。今回、二〇〇七年の国政に挑戦する大きなきっかけとなったのも、実はこの地域主権改革関連法案に示された趣旨であり基調理念である、そのことが私自身の国政への挑戦のきっかけとなりました。
 そういう熱い思いを持ちながら、この国の形を変えていくその大きな第一歩だということで、これから様々なことが大臣を始め副大臣、政務官の周りで起こってこようかというふうに思いますが、何としてでもこの法案、ひるむことなく、微動だにせず、堂々と進めていってもらいたいし、正しいことは正しい、間違っていることは間違っているということを地方に対しても、首長さんらに対しても遠慮なく堂々と言っていっていただきたい。我々も地域でその役割の一翼を担っていきたいというふうに思っておりますので、その決意を申し上げながら、質問については絞らさせていただいておりますのでかなり、大臣や副大臣、それぞれ思いも含めて御答弁をいただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず初めに、地方公共団体の自由度の拡大を図るための措置についてお伺いをしたいというふうに思います。
 地方公共団体の議会の議員の定数について、いわゆる上限数というものを人口によって定めていた規定を撤廃をするという内容なんですが、私のつたない知識の中でも、いわゆる市町村合併の特例措置を除いては、この上限いっぱいを使っている自治体というのはほとんどないんだろうというふうに理解をしております。
 今回の撤廃措置というものは、国と地方自治体、そして地方自治体と住民のそれぞれ相互の信頼関係がなければ、真にやっぱり成熟した関係が築けていくのは大変難しいんだろうというふうに思います。こうしたやっぱり相互の信頼関係というものを築いていく上でも、私自身は今回のこの定数に対する撤廃措置というものは評価をいたしておりますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
#40
○国務大臣(原口一博君) 武内委員におかれましては、まさに土佐、龍馬の里の代表として、この地域主権改革を強力に進めてくださっております。私も、薩長土肥の一番最後の肥が私のところでございまして、坂本龍馬も佐賀藩には随分来ていただいて、二之湯先輩には申し訳ないですけれども、アームストロング砲を持って江戸に攻め上がったのも我が先祖でございまして、そういう意味でも、今新たな百四十年ぶりの国の形を変える改革をやっている。その中心は何か。昨日、委員がお話しになりましたとおり、これは責任の改革なんですね。そして、信頼の改革であるというふうに思います。国民自らが自ら学び、そして自らを高め、そして民主主義を支える、この基本が外れたところにはどんな権限も財源も生きてきません。そこのところの改革をやろうというのが私たちの地域主権改革だというふうに考えております。
 平成の龍馬であります武内先生におかれましては、今龍馬ばやりで自分のことを龍馬と言う人は随分いますけれども、私は、これは御本人にこういうところで言うのは非常にあれですけれども、武内さんこそ平成の龍馬であるというふうに思っております。
 是非、その思いでも、今議員定数については、現在、人口区分に応じて上限数を法定し、その数を超えない範囲内において条例で定数を定めるものとされています。しかし、わざわざこんなことをする必要があるのかと。先ほどおっしゃったような信頼関係からいえば、また地方自治体は、私たちこの国の様々な削減改革が不十分だと言われるぐらい、本当に絞れないようなぞうきんを絞り切るようなことをなさっている。そこにわざわざ国が法定上限を置く必要はない。そこはまさに今委員がおっしゃったように信頼関係だと、まさにこれこそが民主主義の基本だということで今回撤廃させていただいたところでございます。
 以上でございます。
#41
○武内則男君 ありがとうございました。大臣にそういうふうに言われたということに恥じないように、私自身も頑張ってまいりたいというふうに思っております。
 実は、いきさつは別にしまして、実は高知市議会、今回、三月定例議会において、定数四十四をマイナス十削減の三十四という、合併によって三十五万を超す都市になりながら、定数三十四に、マイナス十という削減措置が議会で成立をいたしております。この議員の定数の削減というのは、幅広くそこに住む地域住民のニーズなりあるいは実態というものをしっかりとやっぱり酌み取って、議会の場で議員が自らが、行政が出す、執行部の出す案件に加えて、福祉だとか町づくりだとか、いろんなことをやっぱり提案をしていくというのは非常に重要なことで、そういう民意が幅広く反映されなくなるのではないかという。定数問題というものは、そういう議論に対してもしっかり今後の、三十四になったとしても、やっぱり議会の活動としてきちっとそういう不安に対して払拭をしていく努力が逆に地方議会の議員にも求められていくんだろうというふうに思っていますし、そうした幾つかのプロセスを踏みながら、その地域にとって本当に必要な議員定数というのは幾らなんだということが住民の側からもしっかり提言をされていく時代が来るんだろうというふうに思っていますし、そういう時代を是非つくり上げていきたいなというふうに思っております。
 次に、行政機関についての共同設置について、先ほど加賀谷議員の方からも御指摘がございましたが、今回、議会事務局とか行政機関、長の内部組織、委員会又は委員の事務局、議会の事務を補助する職員等を挙げられております。まさに、高知県は合併がなかなか進まなくて小さな自治体たくさん残っておりますが、それはそれでその地域の皆さんが選択をしやってきた内容でございますが、しかしながら、そうした小さな自治体同士が広域連携というものを、自治体間の交流だとか連携というものを通じて、何かをやりたくてもできないという状況にあったものをやっぱりこういう形で共同設置ができるというふうにしたということは、広域連携が視野に入っていくだけではなくて、逆に選択の自由というものも自治体に担保されていったんだろう、いくということがこの措置の中には含まれているんだろうというふうに思いますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
#42
○国務大臣(原口一博君) まさに委員がおっしゃるように、自治体の選択の自由を広げるものだというふうに考えています。それぞれの自治体がワンセット主義で、すべて自らのところで自己完結をしなければいけない時代は終わりました。お互いに情報を共有し、協働し、そして共同設置を置くことによって広域連携など多様な選択肢の中から最も適した体制を自らが選択していくことができるわけでございます。また、税務部門や監査部門や保健センターなどについては共同設置の仕組みを活用することにより専門性が向上される。
 私は、この間、総務省の三役会議で、自治体サービスの標準化法、つまり電子政府化するときに、それぞれの自治体が共通化している部分を標準的なものを抜き出して、そしてそれを共同で開発する、あるいは、今は逆に言うと電子化にとっても様々なベンダーごとに規格が異なればそれを今度つなぎ合わせるときにまた多くの困難が伴いますけれども、中央政府でそういったところもしっかりと横ぐしを通してお手伝いできないか検討するようにということを申し上げましたが、それは中央政府が出張っていくという話ではなくて、まさに委員がおっしゃるように、マンパワーを集中させることによって選択肢の幅を広げる、公共サービスの質を高めるためでございます。
 以上でございます。
#43
○武内則男君 ありがとうございます。
 以上二点、地方自治法の一部を改正する法律案についてお伺いをした上で、そこで、今回提案のありました地方自治法の改正案、地方自治法の抜本的見直しの第一弾として位置付けているというふうに私自身は理解をいたしておりますが、今後の地方自治法の抜本的な見直しについてどのような観点からこれを一つのスタートとして進めようとしておられるのか、その方向性について御所見をお伺いいたします。
#44
○国務大臣(原口一博君) これも委員がおっしゃるとおり、まず、この第一弾でございまして、地域主権の確立を目指した地方自治法の抜本的な見直し案を取りまとめる場として総務大臣をトップとした地方行財政検討会議、これを開催しております。
 そこで、地域主権を確立していくためには、地方自治体の運営に地域住民の意思がこれまで以上に反映されるように、地方自治の仕組みそのものについても地域の住民自らが考えて主体的に行動していく、その行動と選択、昨日委員がおっしゃった責任の変革をやろうとしているわけでございます。
 このような観点から、地方自治の憲法である地方自治法について、地方行財政検討会議において、自治体の基本構造の在り方、それから住民参加の在り方、財務会計制度、財政運営の見直し、自治体の自由度の拡大など、根本的に見直していく。そして、この会議において成案を得られた検討結果を地域主権戦略の工程表、原口プラン、昨年十二月に地方とのお話合いの中で出させていただきましたけれども、地方自治法改正案として取りまとめ、順次国会へ提出していく予定でございますので、是非お知恵とお力をいただきますようにお願いを申し上げます。
#45
○武内則男君 ありがとうございました。
 少し懸念される事項について、二点ほどお伺いをしたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事加賀谷健君着席〕
 昨日も本会議の中で二元代表制の件について触れさせていただきましたが、現在、阿久根市で起きているああいう事態が今後不幸にも起きるということになってしまうと、これはやっぱり行政が停滞をしていく、それのツケはすべてそこに住む住民に降りかかってくるという大変不幸な事態になってまいります。こうした事態になるということに対して、大臣、今後、この事態にどう考え、どのように対応していこうとお考えになっているのか、少し御見解をお伺いしたいと思います。
#46
○副大臣(渡辺周君) 後に大臣からも御発言があろうかと思いますが、この点につきましては以前も別の委員会で答弁しておりますので、私の方からまず最初お答えをさせていただきます。
 鹿児島県の阿久根市の問題については、個別に私どもがどうこうとなかなか論評することはできません。しかし、新聞やテレビ等で報道されている中身については大変注意を払っているつもりではおります。
 いずれにしても、市長さんも議会の方も、いずれも選挙という洗礼で民意を受けた住民の代表でありますので、これは当然、住民の民意をしょった代表の方々のことですので、それは我々としてどちらが正しいとか間違っているとかということは当然言えないわけでございますが、しかし、行政の停滞ということになったときには、いろいろと法律上、知事が勧告をすることができるとか、あるいは大臣は知事を通じて市町村に対して是正の要求をすることができるという仕組みはありますけれども、まず第一義的には、やはりそこは住民の民意を受けた方々同士で結論、決着を付けていただきたいなということは当たり前だろうと思います。その中で、様々な民意を問い直す方法等も規定をされているわけですから、その中で合法的に当然御判断をされるべきだろうというふうに思います。
 ただ、やはりこれから地域主権改革を進めていけば、必ず様々な地域で民意と民意がぶつかり合うことが出てくると。そうしたときにどう解決していくかも、これも地域主権の中でそこはやはり知恵を絞って判断をしていただくしかもうないようになってくるんではないかなというふうに私なんかは思うわけでございます。
 ただ、最終的に地域住民にも、どういう方を選択をするかということもこれは住民の意識もまたこれから問われることでございまして、来年は統一地方選挙がめじろ押しでございますけれども、まさにそういうことになろうかなというふうに思います。それは、国としても財源、権限を渡すけれども、地方においては責任と、やはり投票行動によってどういう方を選ぶかという代議員制のまさにこれ質を今度は問うことにも住民は神経を張り巡らせて選択をしていかなければならない、そういうふうなお互いに緊張関係と責任の重さが出てくるということになるんだろうというふうに考えております。
#47
○国務大臣(原口一博君) もう渡辺副大臣が答弁したとおりでございますが、地方公共団体の違法な自治事務の処理が自主的に是正されない場合、地方自治法は是正の勧告及び是正の要求という手段を現行法でも用意しています。
 私は、じゃ、その大臣としての務めをどの段階で、そしてどのような基準を持ってやるべきかということをその選出の国会議員、これ与野党おられますのでお話をしています。あるいは、様々な方からいろんな御意見を、特定の市というわけではなくてお話を今聞いておりますが、極めてそこは慎重であるべきであろうというふうに思っております。
 ただ、地域主権型社会において地方の判断と責任が尊重されるべきですけれども、現行制度が用意する手段でもなお違法状態が是正されない、こういう場合に最終的にどのような適法性を確保するかという観点は極めて重要でございまして、逆に責任が重くなればなるほど、私たち中央政府で地方自治を様々なところでサポートしている、このつかさにある者が何をすべきかということは極めて大事だと思っていますので、今政務三役でそれを、基準というか、乗り出す、あるいは様々な適法性を担保する措置について更に強化することがあるのかないのか、そのことも含めて議論をしているところでございます。
#48
○武内則男君 おっしゃるとおりだというふうに思います。
 私自身も、基本的には大原則は地方自治体の中で御判断される、地域で御判断されることだというふうに思っています。ですから、あえて現行の法律の下で、いわゆる国家として、国としてやっぱりでき得る対応というものを常にいろんなシミュレーションを是非検討しておいていただきたいということと、この場を通じて私は阿久根市民の方々に是非発信をしたいと思うのは、こういう事態が起こったということを大変不幸とかというふうにとらえるのではなくて、こういう事態というのは必ずどこの自治体でも起こり得るものであるということの上に立った上で、是非今後、議会とあるいは執行部と地域の阿久根市民との間できちっとしたやっぱり協働ができていけれるような、そうした大きな一歩を是非市民の皆さんの本当に協働で、協力で進めていっていただきたい。その市民が進めていくという内容において、国家としても、やっぱり政治の場からもそれをサポートでき得ることはすべてサポートしていっていただきたいなというふうに思っております。
   〔理事加賀谷健君退席、委員長着席〕
 それともう一点、地方自治体の不正経理問題についてでございます。
 私も自治体で事業をしていましたのでよく分かるんですが、実はこうした不正経理問題だというふうに指摘される事態が起こる要素を今の国の制度の中にも存在をしているというふうに思っています。事業であれば、その事務費をこちらに使えない、それでやっぱり流用はできない、あるいは単年度予算の中で決まっていく、そうした状況の中での問題というものも私は要因として含んでおるというふうに思いますが、しかしこれは地方自治体と住民との信頼関係を損なってしまうという事態を招いております。
 今後、市民との、住民との信頼関係を回復をしていくに向けてどのような対策を考えられておられるのか、御所見を伺いたいと思います。
#49
○副大臣(渡辺周君) 私も地方の議会におりまして、例えば地方の議会の中あるいは委員会でこのような議論ってほとんどしないで、何となく流れるようにして終わってしまったこともございます。決算委員会も例えば名ばかりで、何となく早く終わらせることが当時の最大多数の会派の仕事だったりするようなところにも出くわして、驚いたことがございます。
 まさに地方の会計についてはいろんな指摘がされているところでございます。我々として、これから不適正経理の昨今のいろいろな問題、住民にとっては社会面に自分の我が郷土が載っているということは大変不名誉なことでございます。連日報じられることは大変不名誉なことでございます。ですので、先ほどからお話出ているように、監査制度についての抜本的なこれは見直し、そして地方行財政の検討会議の中でこの点についても分科会を設けて今集中的にやっているところでございます。
 またあわせて、預け金等の有無の点検の徹底。なぜ起きたかということにおいて、今御指摘があったように、単年度主義であったり、あるいは使い道が非常に細かく決められていて本当に必要な支出のところに使えなくなっているということに起因はしていないだろうかということについても徹底的に検証して、自治体にとって使い勝手のいいものにやっぱりこれからルールも変えていくということも必要だろうと思います。
 反面で、違法行為等があった場合の厳正な措置を当然行わなければいけませんけれども、あわせて、もうお役所任せにするんではなくて、住民も、もちろん議会、住民の代表たる議会も、あるいは出納を扱う金融機関も、これ当事者としての意識を持って公金の管理には責任を負っていただきたいという、やっぱり意識ができてこないと抜本的な解決にはならないんだろうというふうに思っております。
#50
○武内則男君 ありがとうございます。一括交付金化の持つ意味は実はそういうところにもあるんだということについて是非広く御検討いただけたらというふうに思っております。
 次に、地域主権改革について、本会議でも野田市のことを触れたんですが、少し野田市のことに触れながらお伺いをしたいと思います。
 千葉県野田市は、二〇〇九年の九月に日本で初めて公契約条例というものをいわゆる議会全会一致で成立をさせた。私は、執行部や野田市の議会、そして住民の皆さんに本当に心から敬意を表したいというふうに思っています。この今回の公契約条例というものは、自治体が財あるいはサービスを購入をする際に締結をする契約に関して、自治体自らに対して規制をする条例であると同時に、契約の相手方に対しても規制を掛けています。野田市というのは、私も千葉の生まれではないんで隣の加賀谷先生にお伺いをしながら、千葉県の北西部に位置して、しょうゆ生産で知られている人口十六万人弱の中規模都市であるというふうに伺っております。
 なぜ野田市が全国初という栄誉を勝ち取ることができたのか。私なりにいろいろ思うところもございましたし、根本市長のリーダーシップがすごかったのだというふうには思っておるんですが、あるシンポジウムで市長がグレーゾーンならばやってしまった方が勝ちというふうに述べられました。この意味は、例えばグレーゾーンであるならば、新たな法規範というものをきちっと作り上げることによってより明確に理解が得られていく、あるいはそういう新たな規範を作ってしまうことの方がいいんだという見地に立っての御発言だったというふうに私は理解をいたしました。これは、やっぱり豊富な政治や行政経験を持つからこそできた非常にすばらしい政治判断だというふうに高く評価をするものでございます。
 そこで、今回、地域主権改革が目指すいわゆる国と地方の役割分担の姿について、是非大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#51
○国務大臣(原口一博君) まさに、その野田市の根本市長さんのリーダーシップ、私たちが目指すリーダーシップあるいは国と地方の関係についても大きな示唆をいただくものだと考えています。
 というのは、答えが一つしかない百点満点を前提とする教育は、これは他者を排除します。それから、当然のことながら百点満点を超えることはできないわけです。百七十点、二百点ということを想定をしていない。私たちが国と地方で何を考えようとしているかというと、協働型です。むしろ、教育の中でいうと解決型の教育、つまり答えが一つしかないんじゃなくて、みんなが解決に向けて情報を共有し、協働、共に働き共に知恵を出し合うと、こういう形を想定しているわけです。協働教育は人を排除しません。答えが一つしかない教育は人を排除し、そこに合わない人たちは出ていけと言います。それでは日本はもちません。
 私たちは、まさに国・地方協議の場、これを法制化することによって定期的な開催や幅広い協議対象など協議ができますし、協議事項も含めて地方側から招集を求めることもできます。あるいは、協議が調った事項については、国側及び地方側の構成員が共に尊重することによって協議の実効性を確保し、そしてそれを共に実行することができるようになるわけでございます。これまで私たちの国の在り方を命令や上から下という形ではなくてお互いのパートナーシップに変えたい。政府税調も、私は会長代行という形になっているのもまさにそのような表れだというふうに考えております。
#52
○武内則男君 ありがとうございました。
 そうしたこれからの地域主権改革が目指す国と地方の姿について大臣の方からお話をいただきましたが、じゃ、この改革を今後どのように進めていくおつもりなのか、原口プランも出されておりますし、その辺も含めて、是非今後の方向性について御答弁いただけたらと思います。
#53
○国務大臣(原口一博君) これは工程表を一緒に、国・地方協議、あるいは国会の先生方にも大変な御指導をいただきながら去年の十二月に作りました。これは、工程表そのものもキャンバスだと思っています。つまり、よく国のあるべき姿あるいは国と地方の姿を示せと言われます。おっしゃるとおりです。私たちは示そうと思っています。しかし、その示し方は、自分たちだけで示そうとは思っていません。協働で、先ほど申し上げたように協働で示そうということを考えているわけです。
 そして、夏の地域主権戦略大綱に向けて次の五つのことをやってまいります。
 難易度からいくと、義務付け・枠付けの撤廃、これは今回の法律の中にも作らせていただきました。今回、二次分についても各省から上がってきました。一万にも及ぶ義務付け・枠付けをいまだに持っているこの不合理さ、これはもう決して許されるものではないというふうに考えています。これを徐々に撤廃していくというか、これは三年で撤廃をしていくと。
 そして、次が権限移譲でございます。先日も地域主権戦略会議で議論をさせていただきましたけれども、もう埼玉や大阪府では権限移譲をしているものについても、まだ四の五の理屈を言ってそれが権限移譲されないと。これはあってはならない。ですから、先ほども加賀谷先生もお話しになりましたけれども、見える化をして、どんな理屈を言っているのか、これも事業仕分と同じような公開性の場でもって各副大臣あるいは政務官の意見を聞いて、それを決めるのは地域主権戦略会議の場であると、総理を議長とする場で結論を得てまいります。ですから、私たちはもう各省と今交渉をしているんじゃないんです。昨日も本会議質問で二之湯先生からもお話がありましたけれども、勧告を受けたことを私たちは実行するために行動をしている。
 次に難易度が高いのは、これは一括交付金化でございます。補助金を全廃すると言っています。ただ、ここはまだパターナリズムがあって、中央がまだ持っておかないと駄目だろうというようなものがありますが、中央が持っておかなきゃ駄目だといいながら県と市町村でばらばらにやっているわけです。ばらばらにやることによってどれほど多くの国民に公共サービスの格差を押し付け、あるいは迷惑を掛けているか考えると、この一括交付金化、これは必ずやらなきゃいけない。
 最後が、やはりこれは一番、難易度から言うのはおかしいかも分かりませんが、出先機関の改革です。私たちは、地方の出先機関について、これを原則廃止するということを言っています。ただ、そこで人間の尊厳にかかわるところ、雇用や労働、そして命にかかわるところ、それは何といっても中央政府が保障しなければいけません。出先機関の改革については事業仕分という手法は使いません。事業仕分ではなくて権限仕分、理想の労働を中心とした福祉型社会を目指すためにはどのような権限が仕分けられるべきか。事業仕分というのは事業の効果と費用を計算するものです。ある意味じゃ一番プリミティブな仕分です。そうではなくて、私たちは、先ほど申し上げたような人間の尊厳あるいは一人一人の命を守るという立場から、どのような出先機関が何を地方に移し、そして何は中央政府が強化する方がいいか、それをこの六月ぐらいまでの間に、政務三役を中心に権限とそしてミッションの仕分ということをやっていきたいと思っています。
 そこでは、これも公開でやらせていただきたいと思っていますけれども、何回も申し上げますが、規制を何でも撤廃すればいいというふうに私たちは考えていません。むしろ、人間の尊厳にかかわるところは強化である、雇用であるとか命の部分は強化であるというふうに考えています。しかし、それでもなおかつ中央政府が一律にやるには不合理な規制あるいは出先というものがございます。そういったものについては大胆に移していく、あるいは改革を行いサンセットしていく、このような形で対応していきたいと、こう考えているところでございます。
#54
○武内則男君 よく分かりました。是非、今御答弁いただいた中身、難易度の問題は確かにあろうかというふうに思います。しかし、しっかりやっぱり進めていっていただきたいというふうに思っておりますが。
 その上で、国と地方の協議の場について、そこが果たすべき役割というものが大変重要になってくるんだろうという私自身の認識の下で少しお伺いをしたいというふうに思っていますが、地方自治に影響を及ぼす法律又はその政令の事項に関する国と地方の調整を通じて、地方公共団体の自主性、自立性を確保するために、国と地方が協議を行う場を設けるための所要の法整備というふうにされております。
 いわゆる真の地方自治を実現をしていこうというふうにしたときに、地方公共団体が地域の統治主体としてどのように位置付けられ、そしていかなる役割を担うべきなのか、そのためにはいかなる事務をどのように自主的、自立的に選択、執行していけるかなど、非常に検討する課題というのは幅広く存在をするんだろうというふうに思いますし、多くの課題があるんだろうというふうに思います。
 こうした課題について、自治体側と国の十分なやっぱり協議の場があったんだろうとは思うんですが、結果として協議の場がなかったこと自身に私自身は問題があったんだろうというふうに思っています。それだけ重い位置付けがやっぱりされてこれまではこなかったんだろうというふうに思っていますが、それは地方分権改革そのものが霞が関中心になりがちないわゆる霞が関からの改革であった、そのことがこの改革が未完に終わった私は大きな要因だというふうに思っております。
 そういう意味からもいえば、今回この協議の場の役割というのは大変重要になってくるというふうに思っております。そうした認識の下で、今回なぜこういう法律を制定するという、そういう御判断をし提案をされたのか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#55
○国務大臣(原口一博君) まさにおっしゃるように、昨年十一月十六日に開催された事実上の国と地方の協議の場における地方側からの提案を受けて、実務検討グループ、これを三回やらせていただきました。地方側からの提案の御説明や国側の考え方等の提示、あるいは今回の制度案の骨子ということで、それで閣議決定をして今回国会にお願いをしているところでございます。
 前もあったんですよ、国と地方の協議の場。事実上実施されてきていました。しかし、制度的な裏付けがない、あるいは開催頻度やその内容が時々の状況に大きく左右されてしまう。もっと言うと、何か文句あるのか、国が決めたことを地方が逆らうなんてとんでもないと、こんなことでは地方は思いっ切り言えません。そして、私も県会議員をさせていただいていましたが、当時、一九九〇年代の前半でしたけれども、交付税は後で見るからこの事業をやっておいてねと言われました。あのとき、私たち小さな佐賀県でしたけれども、五千五百億円、年間の予算がありました。交付税を後で見てくれるというんだから、交付税は増えてなきゃいけませんよね。実際、でも今は予算総額はもう四千億円台の前半です。一千何百億円減っているわけです。こんなことじゃ本当に言えるのか。
 今回、法律を制定して、先ほど少し触れましたけれども、定期的な開催もできる、あるいは幅広い協議の対象、いや、協議の内容そのものも地方側から提案ができる、まさに民主的なルールを法制化することによって担保している、これが私たちのねらいでございますので、是非平成の坂本龍馬の御支援をよろしくお願いいたします。
#56
○武内則男君 ありがとうございました。
 私も国会議員になって二年とまだ九か月でございます。しかし、この間、国会において国家公務員の皆さんやいろんな方たちと出会い、そして御指導もいただきながら、あるいは勉強もさせていただきました。これからやっぱり国家公務員が国家公務員として本来やるべき仕事とは、役割というのは何なのか、そして自分たちが誇りを持って仕事をしていくためにどういうふうに取り組まなければならないのか。地方自治体は地方自治体の公務員としてやるべき仕事、やるべき役割、そうしたものをもう一回僕は足下を見詰め直してこの国の形というものを一緒にやっぱり変えていく、そうした国家にしていきたい。
 共に頑張っていく決意を申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#57
○又市征治君 社民党の又市です。
 提案をされております三法案につきましては当然賛成をしながら、地方分権あるいは地域主権と言われる内実について様々な論点があるわけですけれども、私は主として財政自主権の観点からこれまでの地方財政の運営の実態を振り返りながら質問と意見を述べたいと、このように思っています。
 この質問に入る前に、先ほども武内さんちょっとお触れになりましたけれども、今度の自治法改正では議員定数の法定上限の撤廃が図られておりますけれども、これが何か誤っているとかと言うつもりは全くないんですけれども、実態として、これによってむしろ一般的に定数削減をもたらすんではないか、あるいは、それによって正統な住民代表制度が縮小して自治体政治への住民参加が抑制されたり、あの大合併に続いて地域民主主義が後退するんではないかという、こういうことを危惧せざるを得ない、これが今の全体的な状態じゃなかろうか、こういう気が実は私はいたします。
 その一例が、これは総務大臣の顧問か総務省の顧問か分からぬが、名古屋の市長があんな格好で市議会議員半減と議員報酬半減の提案をされて、これは市議会は全会一致で否決をされたようですけれども。だからいいということではなくて、私は議員の数が少なければいいという今日の風潮、財政論から入っているんだろうと思うけど、金がない金がない金がない、どこを削るか。公務員バッシングが起こる、議会なんかももっと金減らしたらいい、何かこんな格好で、大変重大なことをやっぱり住民の側は見落としているんではないのか、こう言わなきゃならぬような気がするんです。
 現行法による定数というのは、やっぱりそれなりの、人口に応じてこのくらいは必要じゃありませんかという一定のものを、目安を示してきた。このことが少なければいいという論議になっていってしまうと、少数意見の住民の声であるとかあるいは人口の少ない地域の住民の代表が選ばれない、こういう事態が起こってくる。まさに、そういう意味では、そういう人々の権利を奪う、意見を奪う、こういうことにやっぱりなりかねない、こういうのがあちこちに今出ているんではないかという気がしてならないんですね。
 これは、今申し上げた議員報酬や調査費の問題も問題になっていますけれども、同じ私はことだと思うんです。結局は、金を持っておって、そしてあるいは何か資産を持っておって、そんな議員報酬をもらわなくてもやれる人はそれはそれでいいのかもしれませんけれども、一般の勤労者がやはり議会に出よう、自分たちの声を議会に反映しようと、こう思ってやろうと思えば、今持っておる職を賭して、つまり職をなげうって議会に出る、その報酬を得て何とか自分たちの議員活動やあるいは自分たちの生活を賄っていくということが実態なんですが、これもみんな下げろ下げろみたいなこういう風潮というのは、私はこれは大変憂慮すべき空気ではないかと、こんな気がします。
 こうした議員の数あるいは一定の報酬というのはまさに民主主義のためのコスト、こんなふうに思うわけでありまして、これは認識が全然違うわけではないだろうと思うんですけれども、こうした点でいえば、こういう傾向というのは勤労者に立候補の機会さえ与えない、こういうことになりかねない。これは私、国会議員の年金問題のときも随分と我が党は反対をしました。年金を全部なくしてしまって、本当に金持ちしか議員になれなくなっていってしまうような、こんなばかな話あるかと、こう言って反対したんですが。
 ここらのところは私は声を大にして、今安易に議会のコスト縮減論あるいは議員の歳費縮減論などというもの、これはやっぱり国民の皆さんに本当に考えてほしい。こういうことを、たまたま今このことが出ておる関係から、この場を通じて国民の皆さんに真剣にやっぱり御判断いただきたい、そんなことを訴えておきたいと思います。これは余り大臣と認識が違わぬと思いますから、答弁は求めません。そのことを、だから、さっき冒頭申し上げたように、これを出したのはおかしいとか間違っているとかと言うつもりは全くありませんで、少し民度の問題ということは問われるのかもしれません。そういうこととして、前段に申し上げておきたいと思っています。
 そこで、地域主権、この二つの法案ですけれども、今ほどもありました、国と地方との協議機関を設けて、その議題の列挙の中に地方行財政に関する事項もありますけれども、ただ、具体的な案はまだ明示がされていないわけですね。私は、この協議の具体的な内容として、毎年度の地方交付税の基本と並んで地方財政計画の基本合意をむしろ含めてもらいたい、こんなふうに思っています。だから、そういう観点から今日は質問をしたいと思うんですが。
 地方財政計画は、年度開始前に総務省が財務省と協議をして、そして決める計画値にすぎないわけですけれども、現実にはこれが地方財政全般を縛って、特に旧政権下においては国の対地方財政支出を減らす目的で地財計画が意図的に切り下げられてきた、後で申し上げますけれども、そういう格好になっています。
 そこでまず、質問なんですが、これは小川政務官ですか、地財計画は毎年、いつ、だれとだれが、何と何の項目をどういうデータに基づいて策定をされているのか、この点、まず先に御説明いただきたいと思います。
#58
○大臣政務官(小川淳也君) 地方財政計画の策定過程についてお答えを申し上げます。
 これにつきましては、委員もうよく御案内のとおり、毎年度の経費とそして収入について適正な見積りをするよう期しているものでございます。
 この作業のスケジュールでございますが、大体、翌年度の予算が八月に行われます概算要求から本格的にスタートするわけでございまして、基本的にこれと機を合わせてスタートをいたします。この際に、地方財政収支の仮試算を公表いたしますし、議論が中盤に入ってまいります十月には再度その仮試算を公表する、そして十二月の上旬に財務省との間で地方財政対策が決着をし、翌年二月、地方財政計画として国会へ提出をさせていただくというプロセスをたどります。
 この間に用います様々な材料でございますが、政府の経済見通しに基づきました経済指標、そして翌年度に向けた税制改正の動向、さらには各省庁の国庫補助金やそれに伴う地方負担額の調査、さらには前年度の決算の状況などを総合的に勘案するものでございます。
#59
○又市征治君 そういうことですよね。問題は、地方の意見がそこに反映されるという仕組みはないわけですよね。
 そこで、次に大臣に質問をいたしますけれども、近年の旧政権の地財計画がいかに自治体財政を縛り、あるいは引き下げてきたかは前回も申し上げたんですけれども、今日新たなデータとしてそこにグラフをお示しをいたしました。
 まず、グラフ一、総額のところを御覧いただきたいんですが、棒グラフの各年度の左側が地財計画の額、右側が約一年後の実際の自治体の決算額ということであります。そして、折れ線グラフは、どのぐらい乖離しているか、乖離率をグラフに落としております。乖離率は、大きければ自治体の自由度が高いとはいえ、逆に小さいほど自治体の地財計画への従属度というか拘束力が、地財計画の拘束力が強いということを示しているというふうに思います。
 見られたとおり、一九九八年度まで決算額は八十六兆円台から百兆円へ伸びてきたわけです。その間に地財計画との乖離率は一〇%から五%台へ。つまり、地財計画に下へ引っ張られてかなり下がりましたけれども、まだ地財計画全体は伸びを容認していた時代、これがこの時期なわけですね、九八年ごろまでです。ところが、九九年度から一転して、地財計画は前年度よりも大きく縮小されて、その影響で実際の決算額も縮小に転じて、以後はデータの出されておる二〇〇七年度までほぼ一直線に下がり続けています。九年間で計画は十一兆円の減、決算は十五兆円減になっている、これがそのグラフで明らかだろうと思います。結果の乖離率は最低記録一・八%という神業としか思えないような合致ぶりなわけでありまして、つまり国の地財計画の支配力の強さというのがここに表れている。
 そこで、大臣、まずこの総額、総論レベルで伺いますけれども、このグラフにはない、もう少し右側に行くわけですが、二〇〇八年度から二〇一〇年度、これは計画になりますけれども、これを見ましても、地財計画の額というのは八十二兆ないし八十三兆程度なんですね。つまり、このピークの九八年、ここから見れば十五兆円以上、十八兆ぐらいもう落ち込んでいる。
 こういうことに低迷しているわけでありまして、自治体及び地方経済、社会を元気にすると、こう我々は言っているわけですけれども、じゃ元気にするためには、この地財計画の規模を計画ベースでいうならば少なくともやはり九十五兆円台以上に大胆に上げていく必要があるんではないか、これは一般論ですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
#60
○国務大臣(原口一博君) これ、又市委員の大変精緻な御議論で、大事な御視点だと思います。
 まず第一点は、地財計画は標準的な行政経費を積み上げた結果決まるものという、こういう標準的な答弁がありますけど、じゃ実際に、私たちは六団体の意見も聞きながらやっていますけど、どれぐらい反映しているのかと。今、中期財政フレームの検討も与党併せてやっていただいていますけれども、ともすれば、要するに地方にたがをはめたがる、そして目先の、自分の庭先だけはきれいにして、そのごみを地方に持っていく、そして今委員がおっしゃるような三位一体改革や様々な地方の切捨てによって地方そのものの活力を奪ってきている、このことからスタートしないと私は地方の再生はないんだというふうに考えております。
 どの財政規模がいいかというのは、これはまさに地方との御議論の過程でございますけれども、全体を窮屈に縛り込んで、そして地域の活力を奪う、この仕組みについてはしっかりと議論することが必要だと、私も委員と同じ認識を持っております。
 この間、交付税、委員のお力によって一・一兆円増額させていただきましたけれども、まだこれも中途だと考えておりまして、平成二十二年度限りの特別枠、地域活性化・雇用等臨時特例費等の地域のニーズにこたえるために必要な歳出を安定的に地方財政計画に計上する。やはり何といっても、地方を回っていると、委員、雇用ですね、雇用に対するまだ施策を更に膨らませていく必要があると、そう考えておりますので、地方が自由に使える財源の充実強化に今後とも取り組んでまいりたいと思います。御指導をよろしくお願い申し上げます。
#61
○又市征治君 それじゃ次に、歳出の内訳ごとに、地財計画と自治体決算が金額と率においてどのくらい乖離しているか、またどういう推移をしてきたかというのを見たいと思いますけれども。
 内訳を見ますと、地財計画を非常に大きく超えている費目と、逆にそれに全く至らない、達しない、こういう費目があります。そして、その傾向はどの年度を取ってみても共通しているというのが見えてまいります。つまり、地財計画を超える費目は、国が幾ら統制しても自治体がこれだけは必要だとして支出した費目、それから後者は、逆に国に誘導されてもそうは支出しなかった費目があるわけです。主な三項目だけを表にしてありますので、二枚目の表を見ていただければお分かりですが、そこの乖離率、マイナスのもの、プラスのもの、ずっと大体傾向が同じであります。
 この表には省略している費目が四つあるんですが、それは実は乖離率が小さいので今日は出しませんでしたが、額も小さい。この点について、表にしていないもの、これ小川さんですか、直近の金額と乖離率の最大、最小の値で少し説明をいただけますか。
#62
○大臣政務官(小川淳也君) 昨日いただきました御通告に従って申し上げたいと思いますが、まず平成十九年度の計画額の金額でございます。御指摘の四つの項目、一つ目は給与関係経費が二十四兆円、公債費が十三兆円、維持補修費が一兆円、投資的経費のうちの普通建設事業、補助事業分でありますが、これが六兆円ということでございます。
 さらに、お尋ねの乖離率でございますが、御指摘に従いまして、平成四年から十九年まで一覧してみました。そうしましたところ、給与関係の最大の乖離が平成十二年でございまして七・四%、これは実績が計画を上回りました。最小は二・六%が平成十六年でございます。公債費につきましては、最大の乖離が平成七年でございまして二・四%の増、最小の乖離は逆に実績が計画を下回ったのが平成十五年でございましてマイナス六・五%。維持補修に関して申し上げますと、最大の乖離は平成四年で三一%、最小の乖離は逆に実績が下回りました平成十八年のマイナス〇・二%。最後に、補助事業、普通建設事業でございますが、最大の乖離は平成四年でございまして二・九%の増、最小は平成十九年のマイナス八・八%。
 以上の状況でございます。
#63
○又市征治君 どうもありがとうございました。
 今お話しいただいた公債費は、過去の起債が国の許可あるいは同意で縛られておりますから、当然これは固定をしている。それから、普通建設事業費の補助事業も国から補助金で規模が決まってまいりますから、これも当然固定している。
 そして、ここで私が言いたいのは、給与費ですけれども、自治体が国に反して高い給与を払っているような宣伝だとか地方公務員バッシングが横行していましたけれども、実際は乖離率が高いときでも七%で、年度内の人員の変動などを考えますと誤差の範囲内なわけですね。少なくとも地財の総額に影響を及ぼすような規模では全くないわけです。年度内の人員の変動などを考えれば、当然そういうことだと思います。定数削減も行われてきたわけでありまして、不足人員を非正規労働者に依存する、こんな格好で、先般も申し上げた官製ワーキングプア六十万と、こんな事態まで起こっている、こういう状況です。逆に言えば、給与費もまた国の統制が非常に強く働いていた、こういうことを証明しているんだろうと思うんです。
 そこで、お出しをしたこの表にいたしました内訳の残りの三項目ですけれども、乖離の大きな費目ですね。プラスの乖離は、地財計画を実際の自治体決算が超えているのは一般行政経費。マイナス、つまり計画を消化し切れなかったのが普通建設費の単独事業ですね。そして、公営企業の繰出金は、時期によって若干変動しておりますけれども、おおむねオーバーをしている。
 こういう特徴が見えると思うんですが、総務省側からこの三つの傾向をどういうふうに認識をされているのか説明をいただきたいと思うんですけれども、その原因については既に議論されたところですけれども、改めて、国の視点ではなくてむしろ自治体の視点に立って、どうしてこれだけ長期間、自治体の実態から懸け離れた計画が策定をされてきたのか、どんなふうにとらえているのか、御説明いただきたいと思います。
#64
○大臣政務官(小川淳也君) 再三この委員会でも御答弁申し上げてまいりましたとおりでございますが、これはやはり適切な見積りとなるように日々努力をしているわけでございます。
 しかしながら、大まかに申し上げまして委員御指摘のとおりでございまして、やはりバブル崩壊以降の普通建設事業、これは景気対策も含めてでありますが、相当な経費を見込んできたのに対して実際の自治体の需要はこうしたところに回す余力はなかなか限られておった、一方で、高齢者対策あるいは少子化対策、その他社会福祉方面については大変な経費を必要としてきた、その乖離がこうした形で表れているものかと思っております。
 その点については、毎年度の決算などをよく勘案をいたしまして、あるいは国会での御指摘などを踏まえてその縮小に努めてきたわけでございまして、最近では、委員がお出しになっております資料のとおり、この乖離については縮小する方向にあるわけでございます。
 この点については、引き続きこれからも適切な見積りに努めてまいりたいというふうに考えております。
#65
○又市征治君 小川さん、何か前政権の代表をしてしゃべっておられるような感じだったね、今。
 問題は、いずれにしても、こういう格好で計画で統制をされても現実には一般行政経費は全くずっとオーバーをしていかざるを得ない、そういう状況にあるということなんですが、逆に、普通建設費は押し付けられても実際上もうできない、金がないと、こういう格好だということを表していると思うんです。
 そこで、最後に大臣にお尋ねをいたしますが、旧政権も乖離の是正をとは言ってきたわけです。今、小川さんが説明されたようなことをずっと言ってきたわけです。しかし、それは果たして自治体の財政、決算の実態に学んで国の計画を是正しようという姿勢だったかどうか、私はこれが問われている、このことを一貫して私も申し上げてまいりました。
 一般行政経費に分類をされる福祉や教育などの基礎的サービスというものは、これは旧政権時代冷たかった。交付税の上でも補助金でもそうです。例えば、私は何度も申し上げてきましたけれども、就学援助をだんだん削っていく、あるいは小規模介護のサービスなかなか拡充してくれない、自治体はみんな困っている、あるいは消費者相談員など非常に身分不安定なこういう状況で数も少ないなどなど、多くのことを申し上げてきたんですが、そういう実態が、自治体はどうしても経費膨らんでいく、こういう格好になっています。
 他方で、建設事業にはたっぷりと補助金と起債許可で振る舞ったわけですが、それでも自治体は、国庫補助事業をやり、その補助の裏負担した分までで精いっぱいで、普通建設の単独事業については国がやれといっても自主財源が残っていないからやれない、返上せざるを得なかったというのがこのマイナスの乖離率の表れということだと思うんです。
 公営企業繰出金については、自治体の一般会計から公立病院への出資や補助金が代表的なわけですけれども、この表より前の八〇年代というのは毎年三〇%から四〇%台の乖離を見ていました。オーバーしていたわけですね。それだけ自治体は国に逆らっても病院を重視してきたわけです。それがだんだんと病院というものが軽視される格好になってきた、こういうことの表れでありました。それが九二年度から統制が厳しくなって、九八年度からは御覧のとおり七%にまで締め付けられてきた。自治体病院がどんどんつぶされたり民営化された結果だというふうに言わざるを得ない。その行き着く果てに、この数年、地域医療の崩壊、医療人材不足が世論が高まるにつれて逆転して少し自由度を回復しつつある、大変な努力を自治体がやっている、こういう変化をこの数字は私は示しているというふうに思うんです。
 繰り返しますけれども、国の作る地方財政計画はガイドラインとしてはあってもよいですけれども、しかし現実に自治体財政の自主性を締め付けるようなこういう決め方と内容を改めない限り、結局は地方自治体の、今ここでやろうとしている地方のことは地方の自治体があるいは住民が決める、こう言っても、こういう格好で財源が締め付けられているという格好だとするならば、何をやったのか、全くそれは理屈の上だけの話になってしまいかねないということになろうかと思うわけです。もちろん財源的には、財務省を代弁して国費を削るための計画ではなく、前回私述べさせていただきました、あるいはまた大臣も約束をされた、地方交付税の大幅復元を中心としながら地方財政の規模を拡大をすべきだということが今日、日本社会に求められている。
 そういう意味で、最後に、今回の法案の具体化として、毎年の地財計画の基本を国と地方の協議機関の合意事項に引き上げていくように、その努力を是非大臣にお願いしたいと思いますが、以上申し上げた点の、最後、見解をお伺いしたいと思います。
#66
○国務大臣(原口一博君) 今委員の御議論を伺っていて、アメリカにホームステイしていたときのことを思い出しました。ママがでっかいケーキを食えと言うんですけど、とても食い切れずに、毎日家に帰るのが憂うつだった。この普通建設事業を見てみると、食い切れないものを、やりたくてもやれない、財源がないものを地方に随分な勢いで押し付けてきたというのがよく分かります。一方で、福祉、教育の部分の一般行政経費、これも非常に縛りが強くなっていると、このことも委員がおっしゃる視点というのはとても大事な視点だと思います。
 そこで、やはり地方の自立性と予算について、財源についての予見可能性、これを高めることが極めて重要であるというふうに考えます。一方で、私たちは緑の分権改革ということで、地域の創富力ということを申し上げていますけれども、今委員の御指摘を受けて、国・地方協議の場において、やはり自らが自由に使える財源について国と協議をすることができない、あるいは財政計画についてそれが協議の場に入らないということは、それは非常に逆に言うと地域主権改革の理念から見て外れるものだというふうに考えますので、地方の意見を十分に伺いながら、地域主権改革を財政面で支えるための地方税財源の充実確保、それから協議の中への入れ込みということについて考えてまいりたいと思います。
 ありがとうございました。
#67
○又市征治君 終わります。
#68
○委員長(佐藤泰介君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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