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2010/01/20 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第2号
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2010/01/20 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第2号

#1
第174回国会 本会議 第2号
平成二十二年一月二十日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  平成二十二年一月二十日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、国際問題及び地球温暖化問題に関する調査
  の中間報告
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る十八日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。尾辻秀久君。
   〔尾辻秀久君登壇、拍手〕
#4
○尾辻秀久君 去る十七日は、六千四百三十四人が犠牲になった阪神大震災から十五年目の哀悼の日でありました。被害に遭われた方、肉親を亡くされた方、大変つらい日々を過ごしてこられたことと存じます。改めてお見舞いを申し上げます。地震国日本は、防災には万全を期さなければなりません。政府の積極的な取組を要請します。
 さきのハイチ大地震では、各国に比べ、日本政府の対応の遅さが気に掛かりました。人命の大切さ、我が国の国際的支援への取組を考慮した今後の迅速な対応を望みます。
 まず、総理にお尋ねしなければならないことがあります。政治と金についてであります。質問は二問です。
 最初の質問は、総理御自身の問題についてであります。
 自らの資金管理団体の偽装献金をめぐる問題で、母上から十二億六千万円を供与されていた事実を認め、約六億円もの贈与税を納付されました。世間の常識とは大きく懸け離れております。修正申告をすれば一件落着とお考えですか。脱税の認識は本当になかったのでしょうか。国民の納税意識にどういう影響があると考えておられるのでしょうか。これまで秘書の責任にして逃げるのはひきょうであると言ってこられたことにどのようにけじめを付けられるのでしょうか。
 総理は、この問題で何回か謝罪をされております。昨日、我が党の大島幹事長が何をおわびするのですかと尋ねましたが、お答えはよく分かりませんでした。そこで質問です。仰いで天に愧じず、俯して人にはじずといいます。天に恥じるところありやなしや、お尋ねをいたします。
 政治と金の二問目であります。民主党小沢幹事長の金の問題についてであります。
 この件で、現職国会議員を含む小沢幹事長の秘書経験者三名が逮捕されました。これに対して小沢幹事長は検察と断固戦うと表明し、総理は戦ってくださいと後押しをされました。野党時代には国策捜査とまで発言された総理が、現在は行政府の長、つまり検察を指揮する立場で、検察と戦えと言明されたのです。これは検察への圧力になりませんか。総理の御認識をお聞きします。
 次に、鳩山内閣発足後の最初の通常国会の冒頭でありますので、総理の日本国への思いをお聞きいたします。
 総理は、昨年、就任後の所信表明演説で、無血の平成維新と表現されました。確かに、昨年夏の総選挙で自由民主党は惨敗して下野、内閣は民主党を中心に交代をしました。しかし、それをもって維新とは呼べません。維新と称するなら、近代化を推し進め、欧米諸国に追い付くべく白い雲を見詰めて坂を上っていった先人たちの心意気に倣うべきです。
 冒頭、天に恥じるところありやと問いました。恥じるところがあるのなら即刻辞職してください。ないと言われるのなら、日本国の総理です、倒れて後やむ気概でやってください。明治維新に熱い思いのある薩摩の人間としてこのことを申し上げて、質問を続けます。
 憲法改正についてお考えをお尋ねいたします。
 五年前に総理は独自の憲法改正試案を発表されました。自衛隊を軍隊として認め、集団でも個別でも自衛権を持つようにしたい、地方がより大きな権限を持つ地域主権に転換する、国会を一院制とするなどなどの内容であります。総理の五年前の試案は生きていますか。憲法改正が総理の視野に入っているのか、お伺いします。
 昨年の総選挙の際、私の地元鹿児島で驚くべき事件がありました。民主党の候補者が主催した集会で掲げられていた党旗は二枚の国旗日の丸を切り刻んで上下につなぎ合わせたものでした。この問題を麻生総理に指摘された当時の鳩山代表は、我々の神聖なマークであるからきちんと作らなければいけなかったと国旗の尊厳には一言も触れずに答えておられます。国旗・国歌に敬意を表するのは国際社会の常識であります。民主党では国旗を掲揚し、国歌を斉唱することはあるのでしょうか。民主党の中に国旗・国歌に対する様々な意見があることを承知しておりますので、総理の日の丸・君が代についてのお考えを御披瀝願います。
 昨年暮れ、中国国家副主席の訪日に際して、一か月前告知ルールを破り、天皇陛下との会見が設定されました。これは天皇の政治利用ではありませんか。日中関係の重要性は認識するものでありますが、あの時期、ルールを破ってまで会見する必要があったとは思えません。小沢民主党幹事長は、内閣が判断したことについて、天皇陛下がその意を受けて行動なさるのは当然のことだと語ったと報道されています。陛下に対する尊崇の念が伝わってきません。総理は、象徴天皇制をどのように理解しておられるのか、お尋ねをいたします。
 鳩山内閣は政治主導確立関連法案を今次国会に提出されると伺っております。マニフェストで政治家百人を政府入りさせて政治主導を強化するとされていたものが実行に移されるものと思います。事務次官会議は廃止をされ、内閣法制局長官の答弁の機会もなくなるようであります。法制局長官の答弁廃止には、憲法解釈を時の政権の都合で変更しないという不文律が崩れるおそれを感じます。
 そこで、政と官の役割分担についてきちんとした理念、思想があるのか、お尋ねをしたいのであります。あるのは、官僚排除の論理だけではありませんか。結果として国会軽視になりませんか。
 三権分立の下、行政府と立法府はそれぞれ独立した存在です。立法府である国会は、行政府である政府と対峙して審議することがその本分ではないですか。有権者たる国民は、与党であれ野党であれ、国会における発言や政策づくりに期待して投票するものです。与党になって政府に入り、それで事足りるわけではありません。
 菅財務大臣は、憲法のどこにも三権分立とは書いてないと主張しておられます。多数党が内閣を組織し、立法権と行政権の両方を握るという意味でしょうか。総理は議院内閣制の下での三権分立に関してどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。
 我が国官僚制度は、明治の改革以来続いてきた制度であります。長い歴史の中で培ってきたその力量は、今後も国家のために役立つものと信じます。日本の最大、最高のシンクタンクであると考えます。排除の論理ではなく、活用するのが人事の要諦です。政治主導で官僚を使いこなすことが政治家に求められていると私は思いますが、総理のお考えを伺います。
 五五年体制下、与党自民党と野党社会党との対立軸は、憲法改正・保守・安保護持と憲法護持・革新・反安保でありました。総理の考えておられるこれからの対立軸は何でしょうか、お尋ねをいたします。
 私は、その一つが小さな政府か大きな政府かであると考えます。そこで、鳩山内閣は小さな政府を目指すのか、大きな政府を目指すのか、国民負担率を何%にするのか、数値で答えてください。
 このことに触れますと、我が国の社会保障関係費は何で賄うのかという議論をしなければなりません。私は消費税を上げるほかないと主張しております。
 総理は消費税の議論は四年間やらないと言っておられます。一方で、報道によれば、仙谷大臣は議論やるべし、菅大臣は、議論は先送りというものの少し踏み込んで福祉目的税導入を選挙公約にして国民に判断してもらうとの発言をされており、閣内の意見も様々です。議論するのかしないのか、社会保障関係費増大にどう対処するのか、鳩山総理のお考えをお聞かせください。
 次に、財政演説に関して質問をいたします。
 初めに、財政問題について、新たな財源のために無駄の排除ができたのか伺います。
 補正予算を含め、これからの予算は鳩山内閣での予算であります。さきの総選挙で約束された政策が財源の裏付けを伴って実行されなければなりません。民主党の候補者は、マニフェストを掲げ、当面の政策実現に必要となる十二兆円は無駄をなくすことで生み出せると主張をしました。無駄をなくせば、天下りを排除すれば十二兆円はすぐに出てくるという話を、テレビを含めあらゆるところで繰り返しました。
 さて、いかがなったでしょうか。事業仕分は国民、マスコミ注目の下で行われました。ところが、それによって削られた予算は、補正の凍結で約三兆円、事業仕分で当初は七千億円、最終的には約一兆円にすぎません。総理、無駄の排除で十二兆円を確保できるともう一度約束できますか、答えてください。
 一昨日の財政演説をお聞きいたしましても、どのような財政見通しに立っておられるのか分かりません。分かるのは、国債増発でほとんどの財源を賄うということです。
 今年六月をめどに中期財政フレームを策定すると報じられていますが、六月と言わず、一刻も早く財政再建の道筋を国民に示す必要があります。財政破綻の懸念が少しでも出てくると、国債金利が上昇し、マーケット、実体経済に深刻な影響が出ます。総理は二十二年度予算案での国債発行額を適正な額であるとお考えでしょうか、お尋ねします。財政の健全さと規律をどのようにして市場に納得させるのか、菅財務大臣、お答えください。
 予算編成についてお尋ねします。どこが責任を持って主導するのか分からないからです。
 政権発足当初は、マニフェストにあるように、財務省ではなく国家戦略室が政治主導により国家ビジョンをつくり、予算を策定すると言われましたが、実際にはその機能は果たせませんでした。今国会での内閣法の改正により国家戦略室は局に格上げされますが、予算取りまとめの権限を持てるようになるのですか。あるいは、菅大臣が財務大臣になったことで、再び財務省に主導権が移るのでしょうか。主導権が不明確なまま、結果として財政規律が緩んだままで予算編成作業が進められたのではないでしょうか。財務大臣の御説明を求めます。
 このところ、予算執行、事務手続に当たる地方の不信感が強まっています。先般、長妻厚生労働大臣は、地方六団体に子ども手当の財政負担を求め、同時に謝罪をされました。地方の理解を得られるのか、原口総務大臣にお尋ねをいたします。
 一昨年九月のリーマン・ショック以来、世界経済は大変な状況に陥りました。景気後退や株価暴落に見舞われる中、各国の自国経済てこ入れと国際的な政策協調により、昨年辺りから徐々に世界経済は回復してきました。
 我が国においては、麻生政権下で、百年に一度との厳しい認識の下、累次にわたる経済対策を進め、特に昨年五月には経済危機対策十五兆円を盛り込んだ第一次補正予算を成立させました。その効果が出始め、また中国、インドなど新興国向け輸出の増大などにより、昨年四月から九月まで半年間の実質GDPはプラス成長に転じ、先行きに明るさが戻ってきていました。
 しかしながら、秋の政権交代により状況は一変しました。鳩山内閣は、第一次補正には不要なものがかなり含まれているとして、約三兆円の予算の執行を停止し、景気回復に水を差したのであります。さらに問題は、その執行停止にした予算を、よく精査してみるとやっぱり必要だったと、来年度の本予算で復活していることであります。半年以上の予算の空白期間をつくり、結局は元に戻しただけではありませんか。総理に、第一次補正予算執行停止とその復活に関しての認識をお聞きします。
 景気が悪化する中、輸出で一息ついている大企業はまだしも、地方経済や中小企業は一段と厳しい状況にあります。総理は、現在の我が国の経済状況をいかに判断され、将来をどう見通しておられるのか伺います。
 心配していることがあります。経済苦を理由に自ら命を絶たれる方が増えるのではないかということです。特に三月の決算期が心配です。これまで自殺対策については何度も質問をしてまいりました。自殺対策に万全を期すよう強く要望をいたします。内閣府参与に任命した、NPOライフリンクの清水代表を宝の持ち腐れにしないでください。
 鳩山内閣発足以来、普天間移設問題は、総理を始めとする関係閣僚が勝手に発言をし、迷走を続けています。
 沖縄は、第二次世界大戦中、多くの民間人を巻き込み、激しい地上戦が行われた悲しい記憶が詰まっている島であります。何の裏付けもない、思い付きとしか言いようのない発言が、県民や米国をどれほど混乱に陥れているかお分かりですか。
 普天間基地は、米軍が住民から勝手に奪った土地に造られ、その後、銃剣とブルドーザーによって拡大されました。軍事的な優位性から基地は今もその位置にありますが、市内のど真ん中に存在するため経済発展が阻害され、また安全面、治安面への不安があることから、絶えず県民に返してほしいという声があります。その声にこたえるべく、普天間飛行場の全面返還合意から十四年もの間、私どもは地元と真摯に向き合いながら、米国と交渉し、あと一歩のところまで参りました。それを白紙にしてやり直すというのであれば、県民に踏み絵を踏ませてはいけません。ここで、総理御自身の覚悟を示してください。
 また、これ以上この問題を先送りすれば、日米同盟に更に大きな亀裂が生じることになります。日本の安全保障の観点からのビジョンをお示しください。
 インド洋補給支援活動について伺います。
 海上自衛隊によるこの補給活動は、平成十三年十二月から開始され、アメリカやパキスタン等の艦船に約八年間で九百三十九回の給油を行い、国際社会から高い評価を得てまいりました。我が国が国際社会の責任ある一員として取り組んできた活動ですが、結果的に日米同盟の深化やインド洋の海上交通路の安全を守り、石油の安定確保を図ることにもつながる極めて重要な活動であったと高く評価しております。インド洋補給支援活動の総括を北澤防衛大臣にお願いいたします。
 あわせて、先日の記者会見で、今後類似の貢献を求められていると言っておられますが、具体的に説明をしてください。
 我が国の撤収を受けて、中国海軍が代わりに補給活動を引き継ぐことを検討しているとの報道が見られます。中国は、二十一年連続、軍事費を二けた以上増強し、空母建設も行うなど、その軍事拡張は大きな脅威となりつつあります。この中国がシーレーンの確保にも大きな影響を持とうとしているのであります。総理の御認識を伺います。
 鳩山内閣は、年間平均約九十億円の補給支援に代わり、五年間で四千五百億円に及ぶアフガニスタンに対する民生支援策を表明しました。巨額の金を投じるならば、どのような支援なのか明らかにすべきです。
 昨日の答弁では抽象的に支援策を述べられましたが、我が国が直接実施できるものではなく、結局はカルザイ政権に金を渡すだけの支援になりませんか。汗をかかずに金だけを出すという小切手外交との批判を受けないためにも、昨日の答弁よりも更に踏み込んだ具体的な内容をお示しください。
 社会保障の給付の在り方に関してお尋ねいたします。
 私どもは、サービスや施設の提供、いわゆる現物給付により社会保障の充実を図ってきたのですが、現内閣は、お金を配る現金給付に大きくかじを切りました。その代表的なものが子ども手当であります。
 総理は、昭和三十年に公開された「幼きものは訴える」という映画を御存じでしょうか。父親が戦死し、母親も亡くした幼い子が、その子に付いている恩給年十万円欲しさに身内でその子を奪い合い殴り合う姿に絶望して、最後に身を投げるというストーリーでした。同じ境遇にあった私には、忘れることのできない映画であります。
 子ども手当は両親がいない子には支給されないケースもあるやに聞きました。本当でしょうか。現金給付にするとこうなるのです。
 子供は、家族にとっては宝であり、国の宝、地域の宝でもあります。子供を家族と社会が一緒に育てる、その意気込みはよしとします。ただ、それを具体的にどう進めるかであります。現物給付か現金給付かの議論は古くからありました。が、保育所の充実など現物給付にウエートを置いた方がいいという答えが既に出た問題と私は理解しております。給付の在り方について、総理の御見解を伺います。
 次に、若者自立塾について伺います。
 事業仕分においては、若者自立塾は廃止と判定されました。同事業は、平成十七年度からスタートし、ニートなどの若者の職業的自立を支援するため、合宿形式による生活訓練や労働体験などを通じて就労に結び付けていくものであります。
 事業仕分においては、研修生一人当たり約五十四万円掛かっている、抜本的に見直しをすべきと決め付けました。一人の若者を助けるのに五十四万円は高過ぎますか。人間の価値はそんなに低いものでしょうか。何年も引きこもっている人たちが六二%も就職したのに、効果が小さいのですか。これでは、コンクリートから人へではなく、人より金です。鳩山内閣の基本的な姿勢を問うべく、総理の御所見を伺います。
 政府は、マニフェストに書いてあったということで八ツ場ダムの中止を宣言しました。地域住民の長い間の御労苦、御努力を無視して継続事業も廃止にしました。一方で、小沢幹事長の地元で建設中の胆沢ダムは、全国のダム事業を見直す検証作業の対象外となりました。なぜ八ツ場ダムは中止で胆沢ダムは続行なのですか。最後に、この件に関する鳩山総理の御見解を求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#5
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 尾辻参議院総会長の御質問にお答えをいたします。
 まず、私自身の問題で、脱税の認識、国民の納税意識についての御質問をいただきました。
 私の母からの資金提供につきまして、私自身は全く承知をしておりませんでしたが、結果として、その資金が私のために提供され、使われたということで、そのことが捜査によって判明をいたしました。したがいまして、昨年の末、その事実に基づいて贈与として申告をして納税を行い、法にのっとって納税の義務を果たしたと考えております。
 脱税の認識、国民の納税意識という御質問をいただきました。
 確かに国民の意識との乖離はあろうかと、私もそのようにも思っておりますが、母からの資金提供については、先ほど申し上げましたように、何も承知をしておりませんでしたために、贈与税を免れようなどという発想自体もあり得るわけではありません。したがいまして、脱税の認識は全くありませんでしたことは御理解願いたいのでございます。そうした思いを込めて、この参議院の本会議場におきまして、十一月三十日、法にのっとって対応したいと、そのことを申し上げたところでございます。
 また、私の過去の発言に関して弁解するつもりは一切ありません。ただ一方で、私腹を肥やしたり、不正な利得に手を染めたり、そういったことはいたしてはおりません。御批判は真摯に受け止めさせていただいて、政権交代に対して期待をしていただいた多くの国民の皆さんの御期待にこたえること、これが私自身の使命だと改めて考えているところでございます。
 天に恥じることがないよう、身を粉にして、私に課せられた使命を果たしていくために全力を遂行してまいりたい、その決意であり、それが政治家、総理としての責任を果たす道だと、そのように考えております。
 小沢幹事長に対して、戦ってくださいという言葉が検察への圧力ではないかというお尋ねでございましたが、小沢幹事長は政権交代を成し遂げた民主党の同志であることは間違いありません。したがって、党代表である私に対して、自分は潔白である、したがって戦うと言われました。したがって、私は、幹事長職として日本の政治の変革に向けて共に戦おうではないかと、そのことを了といたしたのでございます。小沢幹事長の戦うという意思の表明は、自らの潔白を証明したい、その決意表明であり、そのことも了といたしました。
 私は行政の長であり、検察が公正な捜査を行うことを信じております。また、検察の捜査を冷静に見守るということが現在必要なことだと、そのように考えており、私の発言には検察に対する圧力などという意図もなく、またそのような影響は全くない、そのように考えております。
 憲法改正についての私の見解を問うお尋ねがございました。
 政治家である以上、一人一人が憲法はかくあるべきだという考え方を持つのは当然のことだと思っております。ただ、首相という立場においては、特に重い憲法尊重擁護義務というものが課せられていると、そのようにも考えております。したがいまして、今はその私の考え方について申し上げるときではない、そのようにも考えております。したがいまして、私の在任中になどと考えるべきものだとも思ってはおりません。
 日の丸・君が代についての御質問がございました。
 国旗と国歌はいずれの国でも国家の象徴として大切に扱われているものであります。日本においても、日の丸が国旗、そして君が代が国歌として定着をしていることは多くの国民の皆さんがお認めになさっていることでございます。こういった国民感情というものを尊重して、この内閣においても敬意を持って対応すべきものだと考えております。
 なお、昨年の総選挙のときにおける鹿児島での件について、議員の御指摘は曲解でございます。昨年の臨時国会、下村議員の質問に対して私は答弁をいたしましたが、私ども民主党のシンボルよりも日の丸の方が大変重い、重要なものだと認識をしている、したがって日の丸を切って張り合わせるような行為は大変けしからぬものだと、当人に対しても厳重に注意をいたしたところでございます。国旗に対する尊厳というものは当然持ち合わせております。
 なお、民主党においては、国旗・国歌に関する規定は特にはありませんが、先般の党大会においては国旗を会場に掲揚いたしたところでございます。
 それから、習近平国家副主席と天皇陛下の御引見及び象徴天皇制に対する御質問がありました。
 習近平、中国の副主席の昨年十二月の訪日は、日中関係を未来に発展させるという友好親善、この観点から大きな意義を有している、そのように考えて、政府としてお会いいただけないかとお願いしたものでございます。天皇の政治利用だという指摘は当たりません。日本国憲法の定める象徴天皇制に関しては十分に理解をしております。そして、適切に対応をしてきております。天皇に対する尊崇の念は持ち合わせております。
 政と官の役割分担についてのお尋ねがございました。
 政治主導というものは何か。それは、政治家自らが国政の最終的な意思決定を行う、その責任を持つということであります。官僚は、その際の選択肢の提示とか、あるいは行政事務の執行を行うという役割分担がなされるべきだと、そのように考えておりまして、この内閣においては、国民の審判を受けた政治家が政府の運営に名実共に責任を持つ新たな体制を構築をしてまいります。
 三権分立についての御質問がございました。
 日本国憲法は、これは国民主権の原理の下で、まず、国会は国権の最高機関である、国の唯一の立法機関であると。行政権は内閣に属すると。そして、すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属するとして、国の機関の三つの機能を規定するとともに、とりわけ国会と内閣の関係については、内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名すると規定してあります。菅大臣の発言は以上の規定というものを踏まえたものだと、そのように認識しております。私としても、ただ、今お尋ねがありましたが、国会は内閣と殊更対峙をする必要はないとも考えております。
 官僚の活用についてのお尋ねでありますが、この内閣においては、いわゆる官僚たたきではありません。政と官の適切な役割分担というものを行い、政治家が公務員の持てる力を活用していくことが極めて重要だと、このように認識をしております。今後、公務員制度改革を進めていきたいと思っておりますが、その公務員制度改革の中でもこのような視点を十分に取り入れてやっていきたいと、そのように考えております。
 この内閣の目指す政府についての御質問がございました。
 この内閣の目指す政府は、御指摘のような大きな政府とか小さな政府という対立軸の中にはありません。むしろ私が申し上げたいのは、今までのような利益追求社会からいかにして幸せを築き上げていくかと、幸福追求社会への転換であって、そのために、過去の私的利益追求企業と官僚に支えられてしまっているような国民負担の大きな政府ではなくて、むしろ命を大事にする、人間のための経済と新しい公共というものに支えられていく新たな友愛社会を構築をしていく、こういう政府を目指していきたいと考えております。
 そのためには、政府の予算、財政を抜本的に見直す必要があります。そして、真に国民の幸せに資する分野に資源を振り分けて規制改革を行っていき、新しい社会のプレーヤーを育成をしていく、そしてそのことによって経済社会を活性化をしていきたいと考えています。したがいまして、御指摘のような国民負担率を幾らにするかという数値の目標を設定するという性質のものではありません。
 社会保障費増大への対応についての御質問がございました。
 年金、医療、介護、こういった社会保障制度を信頼できる持続可能なものにしていくために、国民的な議論を尽くして財源をきちんと確保していく、そして連立政権の合意あるいはマニフェストで示した政策を着実に実行していきたい、このように考えておりまして、その財源につきましては、四年間は消費税は引き上げない、既存の予算、財政を抜本的に見直す、どこに無駄遣いがあるか、まだまだ無駄遣いがあると、そのような認識の中でこの無駄遣いを排除していくことを積極的に行いながら対応していきたいと、このように考えております。
 政策実現に向けての必要な財源についてのお尋ねがございました。
 二十二年度の予算においては、マニフェストの主要事項を実現するための財源は、大幅な歳出削減、公益法人などの基金の返納、あるいは特別会計の見直しなど徹底した予算の見直しにより無駄遣いを削減をすると、そのことによって確保したところであります。
 二十三年度以降の財政運営に関して申し上げれば、今後策定をいたします中期財政フレーム、これやあるいは財政運営戦略というものを踏まえて、行政刷新会議と連携をしながら、歳出歳入両面にわたる徹底した予算の見直しを行うことによって必要な財源を確保してまいりたいと考えております。
 二十二年度の予算における国債発行額に関する御質問でありますが、確かに約四十四兆円という国債発行額は決して小さい額ではない、このように考えております。しかしながら、これはかなり前政権から引き継がれたものと思わざるを得ませんが、税収が大幅に減少していく中で財政の果たす役割に配慮をしつつ財政規律の確保を図ったものであって、最大限の努力、工夫を行った結果として生じたものだということで御理解を願いたいのであります。
 一次補正予算の執行の見直し及びその復活に関する御質問でありますが、第一次補正予算の執行を停止をしながら二十二年度予算で措置した事業も確かに一部存在をいたしますが、これらは厳しい財政事情の中で、御案内のように、事業の緊急性、そういったものの観点から予算編成の過程において内容をきちんと精査をして予算措置をしたものでございます。むしろ、執行の見直しの結果生まれた財源を有効に活用した結果、めり張りのある予算ができたと、そのように考えているところでございます。
 我が国の経済状況と将来の見通しについてのお尋ねでございます。
 景気は、持ち直しは若干してきておりますが、いまだ自律性には乏しい、失業率が高水準にあると、大変依然として厳しい状況にあることは理解をいたしております。中でも地方の経済あるいは中小企業の多くの方々、大変必死に頑張っておられますが、厳しい状況であることは間違いありません。したがいまして、予算編成の過程の中でも様々な目配りを行ってきたところでございます。
 今後の見通しに関して申し上げれば、予算に盛り込まれた家計を支援をする施策などによって、民間需要を底堅く推移をさせていくということに加えて、世界経済の緩やかな回復が見込まれるということでございます。そういう中で我が国の景気は基本的に持ち直していける、そのように考えているところでございます。
 普天間飛行場の移設に関してお尋ねがございました。
 普天間飛行場の移設問題に関して、先ほどもお話がございましたが、やはり沖縄県民の皆様方のお気持ちを大事にしていくこと、これがやはり一番重要なことだと思っております。それとともに、日米の合意がなされている、連立政権の合意というものもある、こういった合意の下でしっかりと議論をして結論を出してまいりますが、その目的を果たすために、平野官房長官を長とする沖縄基地問題検討委員会というものを昨年設けて、議論を連立与党の中で精力的に行っているところでございまして、この委員会を中心として検討をいたしまして、五月末までに政府としてしっかりとした結論を出してまいります。
 日本の安全保障の観点からの普天間飛行場の移設についての御質問がございましたが、アジア太平洋地域には、御案内のとおり依然としてまだ不安定要素が存在をしております。したがいまして、こういった中で日米安保体制はやはり我が国の安全保障にとって不可欠だと、堅持していかなければなりません。
 したがいまして、私としては、一九六〇年の日米安保条約から五十周年を記念する今年、日米安保体制を中核とする日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で深化をさせていきたいと、そのように考えております。その目的を果たしていくためにも、普天間飛行場の移設問題に関して五月末までに必ず結論を出す考えでございます。
 中国海軍の活動に関してのお尋ねがありましたが、政府としては、我が国の補給支援活動の終了後、中国がこの活動を引き継ぐということは必ずしも承知をしておるわけではありません。ただ、いずれにしましても、近年、中国の海洋における活動が活性化してきているということは認識をしておりまして、その動向は引き続き注視をしていきたいと考えております。
 アフガニスタンの支援に関するお尋ねでございます。
 より詳しく述べよということでありましたので多少申し上げますが、我が国の具体的な支援内容、一つとして、まず治安能力の向上としては、警察の支援でございます。また、二つ目の元タリバーンの末端兵士の再統合として、職業訓練や雇用機会の創出のための小規模開発プログラムを用意しているところでございます。また、三つ目の持続的、彼らの自立的な発展のための支援として、これは規模が大きくなりますが、農業・農村開発、あるいはインフラ整備、さらには教育、医療、保健などの支援を行っていきたい、そのように考えておりまして、こういった支援は我が国の援助関係者が国際機関などと連携をして様々なノウハウあるいは経験を生かしていく、共有して実施をしていきたいと考えておりまして、決して小切手外交という指摘は当たるわけではありません。
 子育てに関する現金給付と現物給付に関してでございますが、私どもは、結論を申し上げればどちらも大事だと、そのように考えております。
 この内閣では、子ども手当の創設に向けて制度の検討を急ぎますとともに、保育所の待機児童の解消など、子育て支援、いわゆるサービスを重視することも推進をしてまいりたい、現金給付と現物給付をバランスよく充実をしていきたいと考えておるところでございます。
 若者自立塾の事業仕分結果を踏まえた基本的姿勢についてのお尋ねがございました。
 若者自立塾の事業に関しては、まず一つは、効果の検証や実績の把握が必ずしもきっちりとできていなかったというのがございます。また、手数料が過大で外郭団体に中抜きをされているなど、問題点がかなり指摘をされております。したがいまして、事業仕分においていったん廃止をして徹底的に見直すべきだと考えております。
 若者の職業的な自立を支援するという方針に変わりはありません。したがいまして、新卒者の支援とか、あるいは職業訓練、生活支援の強化など、施策の充実を図っていきたいと考えております。
 最後に、ダムに関するお尋ねがございましたが、できるだけダムに頼らない治水への政策転換を進めるという考え方に基づいて全国のダム事業を検証しているところでございまして、その際、既に本体工事に着手しているものなど一定の客観的な要件を満たしているダム事業については事業を継続をして進めていくということにしております。既に胆沢ダムに関しては本体工事が進んでいるということでありますので建設を続行したものでございまして、あくまでも客観的な指針に基づいておるということを御理解を願いたい。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(菅直人君) 尾辻参議院議員会長から、財政規律について、さらには国家戦略室と財務省の関係について御質問をいただきました。
 まず、財政規律について申し上げますと、御承知のように、巨額の国債残高がある一方で、リーマン・ショック以来の経済危機からいかに脱却していくかという、この両方を満たすという意味での狭い道を選択をしてまいりました。そうした中で、平成二十二年度予算については新規の国債発行を約四十四兆円に抑えたところでありまして、このことは、ぎりぎりではありますけれども、マーケットからの信認も得られる水準だと、このように考えております。
 なお、前内閣において、前内閣において当初の国債発行三十三兆、一次補正後の国債発行合わせて四十四兆、税収見通しが麻生内閣において九兆円実際が下がりましたので、それを合わせると五十三兆というものが今年度の国債発行でありまして、それに対して四十四兆円で抑えるということは、私は一定の抑制効果を、財政規律を考えた行動であると、このように理解いただけると思っております。
 国家戦略室との関係についてお話がありました。
 国家戦略室の役目は税財政の骨格をつくっていく、そういう意味で、予算編成の基本方針の原案は国家戦略室でつくったものであります。今後のことについて言えば、昨年十二月の三十日に新成長戦略の基本方針を発表いたしました。そして、これを今年の五月、六月に向けて肉付けをする一方で、国家戦略室を中心に複数年度予算を含む中期財政フレームを策定していく、それを含んだ財政運営戦略をつくっていくことになっております。
 なお、当然のことでありますが、財務省としては、この国家戦略室とこうした問題については緊密に連携をして予算編成などに当たってもきましたし、これからも当たっていきたいと、このように考えております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣原口一博君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(原口一博君) 尾辻議員会長から地方の御理解、子ども手当の問題についてお尋ねがございました。
 これは、平成二十二年度に限り従来の児童手当を支給する仕組みを残すものでございまして、私たちは、一方で、地方交付税の大幅増、そして国、地方協議の場、そして義務付け、枠付けの撤廃、こういったものを実行に移してきておるわけでございまして、明治維新に熱い思いを持たれる薩摩の代表として、私も薩長土肥の肥の人間でございますが、地域主権改革を共に進めていくことに御協力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣北澤俊美君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(北澤俊美君) 尾辻議員会長にお答えをいたします。
 インド洋での補給支援活動についてお尋ねがございました。
 自衛隊員が過酷な環境の下、これまで高い士気と規律を保ちながら補給支援活動に従事してきたことについて、防衛大臣として大変誇りに思うとともに、称賛の意を表したいと思います。さらに、我が国が任務を完遂したことで、国際社会に対し、自衛隊の能力と技術の高さを示すことができたと考えております。
 防衛省・自衛隊としては、これまで培ってきた洋上補給を始めとする自衛隊の高度な能力や技術を生かし、引き続き国際平和協力活動に積極的、主体的に貢献すべく様々な活動について幅広く研究、検討をしてまいりたいと思います。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(江田五月君) 藤原正司君。
   〔藤原正司君登壇、拍手〕
#10
○藤原正司君 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本の藤原正司でございます。
 先般のハイチにおきます地震で被災し、亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表するとともに、被災者の方々に対して謹んでお見舞いを申し上げたいと思います。
 会派を代表して、ただいま議題になりました財務大臣の財政演説に対して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 私たち民主党が昨年九月に政権を担当してから早くも四か月が経過いたしました。この間、政権交代を強く求めた国民の皆さんの熱い期待にこたえるため、懸命に努力してまいりました。その一つの成果が今回の第二次補正予算案であります。
 先ほど、尾辻議員の質問を心を込めて拝聴いたしました。しかし、その現象や原因の多くが前政権までの負の遺産であると痛感したことも事実でございます。政権交代は偉大な事業であります。どうぞ鳩山総理、堂々と王道を歩んでいただきたいということを申し上げたいと思います。
 具体的な予算案に対する質問の前に、一点お伺いいたします。それは、先般コペンハーゲンで行われたCOP15の結果を受けての質問です。
 まず、総理を始め、交渉に当たられた政府関係者の皆さん方の御苦労に対し、敬意を表したいと思います。新たな国際的枠組みに関する合意には至りませんでしたが、難しい国際交渉の舞台において、地球環境の保全と同時に、我が国の国益を忘れることなく、主要国が参加する公平で実効性のある枠組みの構築と、主要国が意欲的な目標で合意するという二つの前提を堅持し、ぶれない判断を貫いた姿勢は、多くの国民が陰ながら拍手を送っているところであります。本当にお疲れさんでした。
 同時に、COP15では大きな課題も浮き彫りにされました。削減目標の設定や国際ルールの構築に関する先進国と途上国との間の対立です。
 特に、一部の主要途上国の交渉態度は誠にかたくなであり、全体会合の場で反対のための反対の行動を取るような一部途上国もありました。全会一致であるがゆえに、一部の途上国の動きに全体が振り回されたのであります。先進国と途上国、お互いの主張は平行線であり、今後の交渉の行方も不透明と言わざるを得ない状況下で、全会一致を前提とした国連方式自体、限界に来ているのではないでしょうか。
 実質的に温室効果ガスを減らすため、今後は新たな国際連携も視野に、日本が長年の努力で生み出してきた省エネ技術など先進の環境技術による世界への貢献が正当に評価される仕組みの構築を目指すべきであります。総理の考え方をお聞きしたいと思います。
 次に、温暖化対策中期目標と国内政策についてお尋ねします。
 総理が二五%減の国際約束に当たって必ず付言されていた前提は、温暖化対策の基本ともいうべきものです。主要排出国のすべてが意欲的な目標に向かって行動しなければ温暖化は止められません。また、主要排出国のすべてがこぞって参加行動するためには枠組みの公平性は欠かせません。
 しかしながら、COP15の結果を見る限り、前提の実現に向けて道半ばであり、国際的にマイナス二五%はいまだ留保されている状態と言えます。この状況で、国内対策はどこを目指していくべきでしょうか。
 今、物づくりを始めとした我が国産業の多くが厳しい国際競争にさらされています。日本だけに不利な条件が課されることは産業の存亡にかかわります。
 競争相手である他の国が温暖化に対して十分な取組を進めていないのに、日本だけが突出して国民負担を増大させたり、産業の国際競争力を弱めかねない経済的規制を導入したらどうなるでしょう。町工場のような企業は撤退を余儀なくされることもあるでしょう。そして、同じような企業が規制のない途上国にできて、日本はそこから自国で作るよりも多くの温暖化ガスを排出して作られた製品を輸入することになるかもしれません。規制強化によって、世界全体の温暖化ガス排出はかえって増えてしまうことも考えられます。国内における経済的な規制を検討する場合は、これらをよほど慎重に勘案する必要があると考えます。
 温暖化対策基本法を今国会に提出する準備を進めておられると承知しておりますが、国民生活や経済との整合を図ることは当然のこととして、仮に同法案に二五%減を記載する場合においても、国際交渉上の我が国の立場とそごを来さないよう、前提を付けることを明確にすべきです。
 今申し上げたこと、経済的規制への慎重な対応と二五%減の前提は、物づくりを始めとした我が国の産業に生活を預ける労働者の強い強い願いでもあります。これらについて、総理から見解をお聞きしたいと思います。
 関連して、これから検討が本格化すると思われる環境税、排出量取引、新エネの買取りの三つの制度についてであります。
 これらは、いずれも国民負担や産業の競争力に直結するものであり、相互の関連も極めて深いものであることを十分考慮し、一体的な議論で慎重な制度設計がなされるべきであります。直嶋経済産業大臣と小沢環境大臣からそれぞれ見解をお聞きしたいと思います。
 次に、二次補正予算案等についてお尋ねします。
 二次補正予算は、雇用の悪化、円高、デフレ危機等緊急経済対策を柱として織り込んだものであります。しかし一方で、税収が当初見積りを九兆円下回り、その多くを赤字国債の発行に踏み切らざるを得ませんでした。景気がいま一つ回復せず税収に多くを期待できない状況下で、財源をいかに確保し国民の期待にこたえるか、大変難しい課題であると言えます。
 私は、予想せざる大きな状況変化に対しては、国民に対する十分な説明を前提に、マニフェスト等についても変更することはやむを得ないと考えますが、マニフェストに対する総理の考え方をお伺いいたします。
 政府は、補正予算の見直し、二十二年度予算編成において無駄の削減に取り組まれましたが、今後、政治主導の予算編成、予算編成プロセスの更なる改革、さらに予算の抜本的な組替えにどう取り組み、実現していかれるのか、併せて総理の答弁を求めます。
 ところで、二十二年度末には国債残高は六百三十七兆円、対GDPで一・三倍にも上ります。利払いだけでも年間九・八兆円に達するのです。これは自民党政権の負の遺産でありますが、総理、今こそ国債残高の削減に道筋を付けるべきであると考えますが、どのような対策をお持ちか、お伺いいたします。
 また、国債残高の増大は、長期金利の高騰を引き起こすといった悪影響が懸念されます。総理は、国債残高増大と長期金利の関係をどのようにお考えか、併せて御答弁をお願いします。
 次に、緊急経済対策が景気に与える効果についてお尋ねいたします。
 我が国経済は、一昨年のリーマン・ショックの急激な経済の落ち込みから脱し、アジアを中心とした輸出の回復から生産活動に持ち直しの動きが見られます。しかし、依然、デフレの状況が続き、国民生活を圧迫しています。総理は、景気対策にどのように取り組むおつもりか、お伺いします。
 政府の新経済成長戦略では、二〇二〇年度までに平均で名目三%、実質二%を上回る成長を目指すとしておりますが、これからの日本経済が輝きを取り戻す、その基盤となる新経済成長戦略の具体的な政策づくりに今後どう取り組んでいかれるのか、併せて総理のお考え方をお伺いいたします。
 景気回復が見られない中、そのしわ寄せをもろにかぶったのが中小企業であります。そのため、地域経済は疲弊しております。今回、戦後最悪の財政事情により見送らざるを得なかった中小企業の法人税率引下げも、国際競争力の観点も含め、今後可及的速やかに実施すべきと考えますが、経済産業大臣の考え方をお伺いいたします。
 また、緊急保証制度につきましては、その対象を今日まで七百九十三業種に拡大してまいりましたが、いまだ病院や歯科診療所などは対象になっておりません。これらの機関から指定を求める声は極めて強いものがございます。国民の健康維持増進を図る上でもこれらの声にこたえるべきと考えますが、併せて経済産業大臣のお考えをお尋ねいたします。
 ところで、一部のエコノミストの中には、従来の政策との継続や強化、拡充が目立つだけで新鮮味がないと景気押し上げの効果を疑問視し、二番底への警戒感を強めている発言が目立っております。私は、今回の補正予算と二〇一〇年度予算を切れ目なく執行することによって景気回復は十分可能であると考えますが、菅大臣、国民の安心できる明確な答弁をお願いいたします。次いで、経済産業大臣からも見解をお聞きしたいと考えます。
 次に、雇用対策についてお尋ねします。
 雇用をめぐる環境には依然厳しいものがあります。完全失業率はなお五%台と高く、新規の短大や大学卒業者の就職率も楽観できない状況に直面しております。雇用の安定なくして消費の回復はなく、鳩山政権が目指す内需中心の安定した経済成長も望めません。今次補正予算案では雇用対策として六千億円を計上していますが、私は雇用対策の充実こそ民主党内閣の政策の本命に位置付けられるべきものだと考えております。現下の雇用情勢に対する認識及び鳩山政権が打ち出しました対策の効果、さらに今後の雇用対策の方針について長妻厚生労働大臣に伺います。
 また、新経済成長戦略の基本方針では、二〇二〇年までに環境、健康、観光の三分野で四百七十六万人の新たな雇用を創出するとの目標が提示されましたが、具体的な雇用創出の戦略をどのように描いておられるのか、総理にお伺いいたします。
 私たち民主党が与党として迎えた通常国会は、正直申し上げて前途多難であります。鳩山政権は内外共に多くの課題を抱えており、総理の日本丸のかじ取りは決して容易ではありません。いわゆる新政権のハネムーン期間百日は既に過ぎ、国民の目もシビアになってきております。政権交代が無駄ではなかったと、国民の皆さんに信頼してもらうために、私は、与党が一致団結して荒波を乗り越えていくしかありません。
 そこで最後に、総理の政権運営の決意のほどをお伺いし、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#11
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 藤原議員の御質問にお答えをいたします。
 王道を歩めという大変叱咤激励をいただきました。そのとおり歩んでまいりたいと思っておりますが、是非皆様方の御協力をお願いをいたします。
 まず、温室効果ガスを削減する仕組みについてのお尋ねがございました。
 私は、先進国と途上国間の対立というお話がございまして、まさにそのとおりでありますが、もっと正確に言えば、先進国と新興国との間の対立が極めて激化してきていると、その中でコペンハーゲン合意が一応でき上がったと、さらにそれをいかにして法律的にもしっかりとした枠組みにしていくかということでありまして、なかなかこれも前途多難であることは予想されるわけでありますが、日本としてのリーダーシップを何としても発揮をしてまいりたい、そのように思います。
 おっしゃるとおりでありまして、交渉に当たりましては、日本が世界に誇っておりますクリーンな技術などの提供を行った企業の貢献が適切に評価をされるような仕組みをいかにして国際的に構築をしていくかということに懸かっていると思っておりまして、努力をしてまいりたいと思います。是非、藤原議員の御指導をお願いを申し上げたいと存じます。
 二五%削減の前提が実現をしない状況下での国内政策に関するお尋ねがございました。
 日本は、一九九〇年比で申し上げれば、二〇二〇年までに二五%の温室効果ガスの排出削減を目指すということをうたいました。おっしゃるとおり、これまでも表明しておりますが、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際的な枠組みと、それから意欲的な目標の合意というものを前提として発言をしたものでございます。この目標が前提も含めて実現していけるようにあらゆる政策を総動員をしていかなければならない、そのように思っております。
 経済的な規制を導入した場合に様々生ずる産業や国民の皆様方への負担、これには配慮しなければなりません。そういったことを、国会に提出することとしている地球温暖化対策に係る基本法案の中でもきちっと御指摘の点も含めて具体的な内容を詰めてまいりたいと思っておりまして、是非このことを十分に議論してまいりたいと考えております。
 マニフェストの財源確保に関する御質問をいただきました。
 二十二年度の予算におきましては、マニフェストの主要事項を実現するために大幅な歳出削減を行うと同時に、公益法人などの基金、これを返納する、あるいは特別会計からの繰入れにより過去最大の税外収入を確保する、こういったことを行って歳出歳入両面にわたって徹底した予算の見直しを行ってきたところでございます。マニフェストを最初からすべて実現ができるという状況でも、御案内のとおり、ございません。したがいまして、様々歳出の削減に努力をしていく中で国民の皆さんにお約束をしたマニフェストを着実に実現できるようにしてまいりたいと思っております。
 二十三年度以降の予算編成の過程においても、行政刷新会議などと連携をして、歳出歳入両面にわたって徹底した予算の見直しを行って、必要な財源をできる限り確保してまいりたいと思っております。御協力を願いたいと存じます。
 今後の予算編成についてのお尋ねがございました。
 二十二年度の予算につきましては予算編成の基本方針というものをつくったわけでありますが、それに基づいてトップダウン型のいわゆる政治主導により予算編成を実現をしたということでございますが、二十三年度からは、中期財政フレームというものを検討して、中長期的な視野に立った予算編成を何としてもつくり上げていかなければなりません。
 したがいまして、更なる予算編成の改革とか、あるいは税金の無駄遣いの根絶というものを徹底してまいらなければならないと思っておりまして、これは大変大きな力が要るものでございまして、民主党、また連立与党挙げて努力をして、協力をしていく中で行財政の抜本的な見直しを断行していきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 国債残高の削減に向けた対策に関して御質問がございました。
 まさに御指摘のとおりでありまして、日本の財政状況は主要先進国の中で最悪の水準でございまして、こういった中で財政規律を守り国債市場、国債の市場でありますが、その信認を保たなければなりません。
 したがいまして、先ほどから申し上げておりますように、複数年度を視野に入れた中期財政フレームというものを六月ごろにはつくらしていただいて、中長期的な財政規律の在り方を含む財政運営戦略というものを作成をして、財政健全化に向けての道筋を必ず示してまいりたいと思っております。
 それから、国債残高の増大と長期金利の関係に関してお尋ねがございました。
 まさに、議員御指摘のとおりでございまして、長期金利の安定を図らなければなりません。この長期金利の安定は財政運営への信頼が前提でありまして、仮に財政運営への信頼が損なってしまうと、リスクプレミアムで長期金利が上昇してしまうというこの懸念を強く感じているところであります。
 したがいまして、いろいろと財政出動も必要なところもございますが、一方で財政規律を維持していかなければなりません。何としても長期金利の急激な上昇というものを招かないように、市場の信認を確保しながら予算などを実現してまいりたいと考えております。
 景気対策への取組方針についてのお尋ねがございます。
 政府としてデフレの克服に向けて最も肝要なことは、日本銀行と一体となって強力かつ総合的な取組を行ってまいることでございます。昨年末、おかげさまで日本銀行との間の一体となった努力が進められていくことができたと考えておりますが、十二月に雇用、環境、景気を主な柱とした緊急経済対策というものも一方でつくり上げてきたところでございます。
 デフレを克服をするということ、そして併せて景気回復に向けて道筋を確かなものにしていくと、この両方が重要でございまして、そのためにも、議員がお話をされましたように、まずは第二次補正予算を早期に成立をさせていただきたい、そのことを強くお願いをするところでございます。
 新成長戦略についての御質問もございました。
 新成長戦略は、今までの従来型の発想を大転換をしていく、従来型というと供給という方向を中心とした発想でありました。これをまさに、供給と需要が極めて大きなギャップがあるということでございまして、むしろ需要側からの成長を目指すものと大きく発想を転換をさせたものでございまして、国民生活の向上に主眼を置いた人間のための成長戦略というものをつくり上げていかなければなりません。
 より細かく申し上げれば、環境や健康分野における我が国のむしろ強みというものを十分に発揮させていくということとともに、アジアとの連携、フロンティアの開発、これを支える科学技術や人材の強化というものが柱になってまいります。
 従来のようないわゆる縦割りやしがらみにとらわれて、成長戦略をつくったけれども、うまくいかなかったというわけにはいきません。これからは強い決意の下で、内閣一丸となり、また与野党、野党の皆さん方にも是非御協力をいただいて、更には一丸となって具体化に取り組んでいきたいと思っておりますので、是非成長戦略に対する御協力をお願いを申し上げます。
 新成長戦略の雇用創出についてのお尋ねがございましたが、今申し上げましたように、この環境、健康、観光といった三つの分野において大きな需要の創出が見込まれるわけでございます。
 環境分野につきましては、エコ家電あるいはエコ住宅の普及拡大などを中心として約百四十万人の新規雇用を目指してまいりたいと考えております。健康の分野に関しましては、民間事業者の参入促進などによって提供体制を多様化をさせていくということなどを中心として二百八十万人程度の新規雇用を目指していきたいと考えております。観光分野についても約五十六万人の新規雇用を目指してまいりたい。こういった戦略を具体的に実現をさせていくということによって新規雇用の創出を行ってまいります。十分に取り組んでまいりたいと考えております。
 今後の政権運営の決意についてのお尋ねがございました。
 藤原議員がお話ありましたように、もう既にいわゆるハネムーンピリオド、期間は過ぎたと思っておりまして、私ども、四か月余りが経過をしました。今まで以上に更に私どもに課せられた使命というものを大きく実感をしなければならないときだ、そのように考えておりまして、我々が行わなければならないことは、今までのような従来型の発想を一掃していく、予算一つ取ってみてもそうだと、あるいは行政の仕組みもそうだ、国と地方の在り方も大きく転換をさせていくと。過去のしがらみにとらわれない、政治主導で国民の皆様方の期待にこたえていくということが何より大事なことだと考えております。
 その国民の皆さんの期待に政治主導でこたえていくという一環の中で、私どもは昨年末、補正予算案、第二次の補正予算案をつくらせていただきましたし、また、来年度の予算案も提出予定でございます。こういったものを早期にまず実現をさせていく。そのことによって、着実に政治主導で、政治が変わったな、国民の皆さんに夢と希望を与える、そういう政治をつくり上げてまいりたいと思っておりまして、是非皆様方の御協力をお願いを申し上げます。
 最後に、この内閣として大変政治を変えていく大きな使命を担っていかなければなりません。まさに最初に藤原議員がお話をされた王道を歩む、王道を歩むことをお誓いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。(拍手)
   〔国務大臣直嶋正行君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(直嶋正行君) 藤原議員にお答えをいたします。
 環境税、排出量取引、新エネルギー買取り制度の制度設計に関する質問でございますが、これらの制度は地球温暖化対策を進める上で不可欠な制度でありますが、御指摘のように国民や産業への負担ともなり得るため、三つの施策を含めた地球温暖化対策の全体像を描く中で、互いの整合性を図りつつ検討を進めてまいりたいと思っております。これらの施策の具体的な内容については、国民の皆様からの御意見もよく伺いながら、環境と経済の両立や産業の国際競争力の確保の観点等を踏まえ、地球温暖化問題に関する閣僚委員会等の場で検討をしてまいりたいと思います。
 中小企業の法人税率の引下げについての御質問がございました。
 平成二十二年度税制改正大綱において、厳しい経営環境の中で必死に利益を上げている中小企業を支援するため中小法人に対する軽減税率を引き下げることが必要であり、課税ベースの見直しによる財源確保などと併せ、その早急な実施に向けて真摯に検討する、この旨を閣議で決定をさせていただいております。私ども経済産業省としては、平成二十二年度の税制改正大綱を踏まえ、その早急な実施に向けて検討を進めてまいりたいと思っております。
 三点目の緊急保証制度の医療、介護業種追加についての御質問でございます。
 今回創設をいたします景気対応緊急保証は、民主党マニフェストにある特別信用保証の復活、それから多くの業種での売上げの減少という現在の経済情勢を踏まえ、原則全業種を対象とし、特別信用保証と同様のものとして準備をいたしております。
 御指摘の歯科を含む医療、それに介護業についても、昨今経営状況は厳しさを増しており、景気対応緊急保証の対象業種とすることで、これらの事業に携わる方々の資金繰りを支援してまいりたいと思っております。
 景気対応緊急保証の速やかな実施のためにも一刻も早い補正予算の成立をお願いを申し上げたいと思います。
 四点目でございますが、補正予算が景気に及ぼす効果についての質問でございます。
 これについては後ほど菅大臣からも御説明があると思いますが、明日の安心と成長のための緊急経済対策及び補正予算の効果については、総理の答弁にもございました雇用、環境、景気を主な柱として足下の厳しい経済情勢に対して緊急に対応するとともに、中長期的な成長力強化を図るものと認識をいたしております。
 経済産業省としては、緊急経済対策に関し、できるものから着実に実施するとの考えの下、関係省庁と連携しながら既に対応を進めてきておりまして、例えば、昨年十二月十四日から二十九日にかけて資金繰りや雇用調整助成金など中小企業の様々な相談に一か所で応じるワンストップ・サービス・デイを全国で九十六回開催をいたしました。また、年末には採用意欲のある企業一千四百三十七社を掲載した雇用創出リストを公表させていただきました。家電、車、住宅のエコ消費三本柱の推進や中小企業の金融対策の拡充強化を始めとする補正予算関連施策についても、予算成立後速やかに実施できるよう現在鋭意準備を進めてきております。
 景気の回復を確実なものとするよう早期の補正予算の成立を併せてお願いを申し上げたいと思います。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(小沢鋭仁君) 藤原議員にお答えを申し上げます。
 温室効果ガスの削減のためには環境税、排出量取引等経済的アプローチは極めて重要でありまして、諸外国においても順次実施され、今や世界の潮流になりつつございます。我が国においては、まずは今国会に提出予定の地球温暖化対策基本法に、二五%削減策の大きな柱として、その導入を位置付けるべく議論を進めております。
 具体的な制度設計については、産業界や国民の負担、排出量取引のマネーゲーム化など慎重な検討を要する課題があることも念頭に、諸外国の制度も参考にしながら、我が国の技術と産業の発展にも役立つ制度として順次実施していけるよう、温暖化問題に関する閣僚委員会等で慎重に総合的に検討をしてまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(菅直人君) 藤原議員の御質問にお答えいたします。
 二次補正予算が景気に及ぼす影響についての御質問であります。
 今回の二次補正予算は、ドバイ発の金融資本市場の変動の影響も踏まえ、景気の持ち直しの動きを確かなものにするために取りまとめました明日の安心と成長のための緊急経済対策を実施するためのものであります。この経済対策の実施により、今後一年程度の間に実質GDPが〇・七%程度押し上げられると見込んでおります。緊急経済対策の効果等により、民間需要が底堅く推移することに加え、世界経済の緩やかな回復が続くことが期待されることから、我が国の景気は持ち直していくと見込まれております。
 しかしながら、雇用情勢の一層の悪化、デフレの影響や海外景気の下振れなど先行きのリスクも存在しておりまして、この第二次補正予算を迅速に成立をさせて執行してまいりたい。よろしくお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣長妻昭君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(長妻昭君) 藤原議員から雇用についてのお尋ねがございました。
 昨年十一月の完全失業率は五・二%、有効求人倍率は〇・四五となっており、現下の雇用情勢は依然として厳しい状況にあるというふうに認識をしております。特に御指摘のとおり、新卒者の就職難が憂慮をされます。今年三月末までに全国で就職面接会を百五十回開催し、新卒者の就職を支援するジョブサポーターをハローワークに倍増し配備する予定でございます。新卒者を体験雇用する事業主を支援する新卒者体験雇用事業を新たに創設するなど、取組を強化をいたします。
 また、雇用調整助成金の生産量要件の緩和により、従来であれば助成金の支給対象から外れることとなる約八十万人の方が引き続き助成金の対象となるようにいたします。
 重点分野雇用創造事業では、今後成長が見込まれる介護、医療などの分野で新たな雇用を創出するとともに、地域ニーズに応じた人材育成を推進することにより、新規の雇用創出を図ることとしております。
 雇用対策の重点ポイントの一つは介護です。介護の分野は有効求人倍率が一・三といまだに人手不足が続いており、雇用対策としても、介護事業を立て直すという意味でも特に重点を置いて取り組んでまいります。介護職員の給与を上げるなど処遇改善の取組とともに、介護事業者などを招いた大規模な就職面接会を随時開催する予定でございます。
 また、住居が不安定では職を探すこともできません。住宅手当について、現行最長六か月とする支給期間を一定の条件下で更に三か月延長可能としてまいります。
 このほか、様々な政策を総動員し、雇用対策に全力で取り組む所存です。何とぞ予算の早期成立をお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(江田五月君) 松あきら君。
   〔松あきら君登壇、拍手〕
#17
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました財政演説、平成二十一年度第二次補正予算案に関連し、総理並びに関係大臣に御質問をいたします。
 質問に入ります前に、先般発生しましたハイチにおける地震によって亡くなられた方々、そして御遺族の皆様に対して心からの哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に謹んでお見舞いを申し上げます。
 現地では、食料、水を始めとする物資、医療が不足し、現在でも多くの方が苦しんでいらっしゃいます。私ども公明党も、直ちに全国各地で被災復興支援のための街頭募金活動に党を挙げて取り組んでおります。我が国は、阪神・淡路大震災を始め地震で大変な思いをした国だからこそ、その教訓を生かしながらハイチ国民のために全力で支援すべきだと思います。政府の迅速で積極的な対応を強く要望いたします。
 さて、総理、鳩山内閣が発足して四か月余り、国民が今どんな気持ちで内閣を見ているか御存じですか。言っていたこととやっていることが違うという声が耳に届きませんか。昨年夏の総選挙で民主党が国民に約束したマニフェストが早くも色あせてきたことに多くの国民ががっかりし、落胆をしております。
 例えば、二十一年度第一次補正予算を凍結させた挙げ句、似たような政策を第二次補正予算案として提出するなど、大見えを切ったものの、その結果は政策の実行を遅らせただけではありませんか。また、初めて編成した当初予算案も恒久財源は確保されず、普天間をめぐって迷走する閣僚の発言、政治資金の疑惑も広がる一方、その中で景気の二番底が懸念されているのが現状です。
 公明党は、最も困っている人たちのために働きます。山口代表を中心に全国の地方議員、国会議員、三千有余名が一丸となってチーム三〇〇〇の旗印の下、総力を挙げて、福祉、教育、平和という公明党の原点に立ち返り、この難局に臨んでまいります。
 鳩山政権が進めようとする政策に対してはっきりと物を言わせていただきます。国民のため、困っている人たちのために、鳩山政権も我々の提案にも積極的におこたえをいただきたい。
 さて、総理のリーダーシップ発揮に暗い影を落とし、足かせとなっている問題の一つに、お母様からもらったという巨額の資金の問題があります。総理がお母様からもらった毎月千五百万円、総額十二億六千万円もの贈与が課税を逃れて、その一部が偽装献金の出どころとなっていたという疑惑は、もし発覚しなければ約六億円もの贈与税は納めないままだったのでしょうか。一般国民であれば脱税と言われます。総理、お答えください。
 また、民主党の小沢幹事長をめぐって、西松建設からの違法献金疑惑に加え、不明朗な土地取引についての疑惑は、強制捜査から小沢氏の元秘書だった民主党の石川衆議院議員ら三人が逮捕される事態に発展しました。現職国会議員の逮捕は、政治全体への信頼を失墜させるゆゆしき事態と言わざるを得ません。
 四億円もの土地購入資金の出どころについて、世論調査では九割の国民が説明に納得をしておりません。そんな中、あろうことか総理は、検察当局と全面対決を主張する小沢幹事長に、どうぞ戦ってくださいとおっしゃったそうですね。
 行政の長である総理が、行政機関の一つである検察批判に同調するなど前代未聞、余りに不見識ではありませんか。総理は国民の反発に苦し紛れの言い訳に終始をしておられますが、言い訳ではない、だれもが納得する答弁を求めます。
 菅副総理にお伺いをいたします。
 菅副総理が政治の世界に飛び込まれたときに真っ先に師事をされ、終生清潔な政治の実現に尽力をされた、かの市川房枝さんは、政治家の金銭関係を清潔にするということが何よりも大事と主張されておられました。鳩山総理や小沢幹事長にまつわる不可解な政治と金の問題について、菅副総理の御見解をお聞きしたいと思います。
 次に、経済情勢に対する認識についてお伺いをします。
 デフレが日本経済にとって大きなおもしになっております。その最大の理由は、世界的な需要不足であることは論をまちません。我が国におきましても需給ギャップがGDPの七%、約三十五兆円に上るとの内閣府の推計があります。
 スーパーマーケットに足を運べば、二百円を切るお弁当など価格破壊にびっくりさせられます。多くの国民は、賃金が上がらず、先行きも不安な中で、賢く買物をし、生活を防衛しなければならない。その結果、売る側の小売は更に値下げ合戦に走らざるを得ない。一見、物が安くなるということは消費者にとってうれしいことのようでも、デフレが長期化し、これがスパイラルに陥ることになれば、日本経済にとって深刻なダメージとなります。
 どうすればデフレが止まるのか、日本銀行の役割分担はどうなっているのか、将来ビジョンの裏付けを持った政府としての明確なメッセージを発するべきではありませんか。総理の見解を求めます。
 そもそも、鳩山政権には経済の司令塔がだれなのかが見えない、迷走を続けていると言わざるを得ません。そこで、何点か総理に基本的な考え方について質問をいたします。
 新成長戦略なるものの基本方針が昨年末に決定されました。しかし、来年度の予算編成が終わってからという、まさに戦略なき対応でございました。具体策は今後の六月ごろまでにまとめるとのことですが、それでいて名目三%、実質二%を上回る成長を目指すというのは、いささか無理があるのではないでしょうか。総理、こうした数字となる積算根拠を明らかにしていただきたいと思います。
 財政健全化について伺います。
 現時点における民主党マニフェスト工程表によれば、四年後の平成二十五年度には、政権が掲げる政策の実現に要する財源は十六・八兆円に上ります。しかしながら、平成二十二年度予算では、予算の組替えによる財源捻出は微々たるもので、平成二十三年度以降の恒久財源はほとんどめどが立っておりません。他方で、社会保障の自然増を含めた費用はこれからも増え続ける中で、消費税は四年間上げないと明言をされておられます。
 総理、消費税は四年間上げないのですか。であれば、当然、中期の財政の姿も消費税増税を前提としない姿で示されるということでしょうか。これは極めて重要です。この点をあいまいにしたままでは、将来の借金、すなわち国債の増発リスクは解消されず、日本の信認そのものが傷を負いかねません。総理、明確に御答弁ください。
 第二次補正予算についてお伺いします。
 総理は、第一次補正予算を凍結し、その財源を活用して第二次補正予算案を編成されました。総理にとっては第二次補正予算の編成は想定外だったのかもしれませんが、経済対策という観点からすれば、わざわざ第一次補正予算を執行停止せずにそのまま執行していれば一層の効果があったのではないか、結果として、第二次補正予算が成立、執行するまでの間、経済対策に空白期間が生まれ、効果を著しく低減させてしまうことになってしまうのではありませんか。生き物である経済運営を預かる政府として、臨機応変に対応することこそが国民生活を守るため重要なのではないでしょうか。総理の御見解を賜ります。
 次に、具体的な政策課題について伺います。
 今、雇用問題は深刻です。仕事がない、ハローワークに何百回通っても決まらない、いつ解雇されるか分からないなど、庶民は日々の暮らしに苦しんでおります。特に若者の失業の増大は将来の日本の危機です。今こそ、政府が全力を挙げて、雇用対策、雇用創出に取り組むべきです。雇用調整助成金の積極活用、雇用保険や住宅困窮者への対策などセーフティーネットの強化、医療、介護、子育て分野、環境、農林水産、観光などの各分野の戦略的な雇用創出など、あらゆる政策手段を総動員すべきです。
 雇用対策に取り組む総理の決意と具体的な取組方針をお伺いします。
 次は、子育て支援についてです。
 民主党マニフェストの一丁目一番地と言われた子ども手当が来年度より一万三千円、いわゆる半額支給として実施されますが、実態は、公明党が四十年掛けて拡充してきた児童手当の五千円に八千円を上乗せする形で実施となるようでございます。子ども手当の創設というよりは、児童手当の拡充ではないですか。
 この子ども手当、社会全体で子育てを応援する、特に負担の重い方々に対して経済的な支援を拡充する方向性は、公明党が進めてきた方向性と同じであります。しかし、安定財源を確保できなければ制度は持続できません。子ども手当の財源をどうするのか、特に、配偶者控除を廃止し、恒久財源として活用するのかどうか、総理の明確な方針を示していただきたい。
 一方、子育て支援は子ども手当だけですべてが解決されるわけではありません。公明党は、児童手当や出産育児一時金などの経済的な負担軽減とともに、保育所の待機児童ゼロ作戦、放課後児童クラブの拡充、病後児保育の推進など、子育ての環境整備を両輪として取り組んでまいりました。現場からは、子ども手当もいいけれど、保育所などに入れるようにしてほしいとの声を多く聞きます。
 子育ては、経済的支援、環境整備の両面を含めたパッケージで支援してこそ社会全体で応援する体制と言えるのではないでしょうか。トータルな子育て支援をどう進めるのか、具体策を総理に伺います。
 次に、子供を化学物質から守る取組についてお尋ねをいたします。
 我が国では、この十年で先天異常の子供が倍増するなど、深刻な状況であります。子供の健康にかかわる異変が指摘されております。これらに加えて、発達障害、精神障害、アレルギー疾患、肥満、生殖能力などに化学物質が影響している可能性が指摘をされております。
 公明党は、子供の健康と化学物資の関係について解明する疫学調査の実施を主張してまいりました。新年度より十万人のお母さんを対象とする大規模な疫学調査を実施することになったことは評価をするものであります。その上で、この調査とは別に、子供を取り巻く化学物質について各省横断的な実態調査を実施することを提案したいと思います。総理のお考えをお伺いします。
 さらに、東京都が化学物質の健康影響を未然に防止するため子どもガイドラインを策定していますが、国としてガイドラインを策定する考えがないか、併せてお伺いします。また、子供の健康と環境について国際的な連携を一層強化するため、日本が主導して子ども環境保健関係大臣世界サミットを開催することを提案いたしますが、総理の御見解をお伺いします。
 次に、乳がん、子宮頸がん検診の無料クーポンの拡充についてお伺いをいたします。
 がんは、診断と治療の進歩により、早期発見、早期治療が可能となりました。しかし、女性特有のがんについては、いまだ検診受診率が極めて低い状況にあります。このため、公明党が主導した二十一年度第一次補正予算で、一定年齢の方を対象に、乳がん、子宮頸がん検診の無料クーポンと検診手帳の配付を実現し、多くの自治体から個別勧奨が検診率向上に効果を上げているという報告が寄せられております。
 無料クーポンは五歳刻みで、五年たたないとすべての人に行き渡らないことから、最低でも同じ条件で五年間の継続事業が不可欠であります。ところが、二十二年度予算案では、女性特有のがん検診の国負担分を半分に減らし、残りの半分を地方負担分とし、地方交付税で措置されることとなりました。子宮頸がん征圧をめざす専門家会議の野田起一郎議長は、無料クーポンはがん検診にとって起死回生の妙手であり久しぶりのホームランだと高く評価をされております。
 日本は、OECD三十か国中、検診率は最低レベルであります。二十一年度の検診クーポン事業は二百十六億円。今回は七十六億円。なぜ必要な制度の予算を半分以上も削ろうとするのか。女性の命が懸かっているんです。総理、見解を求めます。
 最後に、子宮頸がん予防ワクチンの公費助成について、政府の見解を伺います。
 近年、若い女性の子宮頸がんが急増し、毎年一万人以上の方がこの病気で苦しんでおります。子宮頸がんはウイルスによって感染します。つまり、粘膜感染です。しかし、実はこれを知らない方がほとんどです。女性も知らない方がほとんど、多いんです。しかも、死亡率の高いこの子宮頸がんの増加傾向をこのまま放置することは日本社会にとって大きな損失であり、今こそ政府の真剣な対応が求められております。
 子宮頸がん対策は、海外では百か国以上で予防ワクチンが承認され、大きな効果を上げております。日本では昨年十二月にやっと発売が開始され、十歳以上の女性に予防接種が可能となりました。ところが、この予防ワクチンの接種費用は、一回のワクチン価格一万二千円、それを最低三回は接種する必要があり、三万六千円と高額になります。
 子宮頸がんは予防ができる唯一のがんであります。予防ができる唯一のがんであります。女性のだれもが平等に予防接種が受けられるよう、公費助成への英断を下していただきたいのであります。公費助成でも約二百十二億円と言われております。治療費との費用対効果を考えると、投資額に対して約二倍の効果が期待できるとの試算を示す専門家もおります。総理、公費助成への明快な御答弁をお願いいたします。
 以上、公明党は、清潔政治の実現、国民生活を守る景気・経済回復、命を守る政策実現に全力で取り組んでまいりますことをお誓いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#18
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 松議員からの御質問にお答えをいたします。
 まず、私の母からの資金提供にかかわる贈与税に関するお尋ねでございます。
 母からの資金提供につきまして、国民の多くの皆さんはなかなか御理解をいただけないと、そのようには思っておりますが、私自身、何も承知をしていなかったというのが事実でございまして、この事実に基づいて行動をいたしました。贈与税を免れようという意識はまるでございませんでした。資金提供そのものを存じていなかったわけでありますが、弁護士の調査によってもこれは判明をいたしませんでしたが、検察の捜査によって初めて解明をされたものでございます。
 事実は事実として、一つでございます。解明されたというのが事実でございますので、検察が解明された事実に基づいて税務申告をして、納税の義務を果たしたところでございまして、脱税という思いは当たらないと私は理解をしております。できれば御理解を願えればと存じます。
 不見識な発言に対して納得できる答弁を求めるということでございましたが、先ほども尾辻先生からの御質問にお答えをいたしましたが、行政の長である立場は言うまでもありません。自覚をしているつもりでございますが、検察が公正な捜査を行うことを信じております。
 小沢幹事長は、政権交代を成し遂げた民主党の同志でございます。そして、だからこそ党代表である私に対して、自分は潔白であると信じている、したがって戦うと、そういうように私に申しました。したがいまして、私はそのことを了といたしたわけであります。すなわち、小沢氏の戦うという表明は、自らの潔白を証明していく決意であると、そのように受け止めたわけでございます。幹事長が日本の政治の変革に向けて戦うことを了としたわけでありまして、私は政党人として当然だと考えております。
 デフレ克服に向けて政府、日本銀行の役割分担についてのお尋ねがございました。
 デフレの克服のために必要なことは、政府と日本銀行が一体となって行動していくと、適切かつ機動的な政策運営に努めるということに尽きると思っておりますが、同時に、政府としては、昨年十二月に景気回復、デフレ克服のための緊急経済対策を取りまとめたわけでございまして、その迅速な実施のためにも、是非、一日も早い補正予算の成立に公明党の皆様方に御協力をお願いを申し上げたいと存じます。
 GDPの成長率の積算根拠についてのお尋ねがございました。
 新成長戦略というものは、これまでの発想を大転換いたしたものでございます。供給中心の発想から、需要中心、需要に基づいて成長を目指していくという発想でございます。すなわち、人間のための経済という視点からの成長戦略というものを考えていきたい。今までの成長戦略がなぜうまくいかなかったのか。しがらみ、縦割り行政、こういったものの大きな壁の中でとらわれて、現実に成長戦略が実現をしなかったということでございます。これからは、改めて政治主導で行動をしてまいるという強い決意の中で、内閣一丸となって新成長戦略に取り組んでまいります。
 したがいまして、他の先進国と同程度の成長は十分できる、すなわち、二〇二〇年までの平均で名目三%、実質二%を上回る成長を実現することは十分に実現可能な目標であると思っております。見通しというよりも、むしろそのような目標に向けて政策を確実に実行していくという決意を述べたと御理解を願いたいと存じます。
 消費税などの財源と財政健全化に関するお尋ねでありますが、社会保障費が増大していく中で、だから、財源が足りないからすぐにもう消費税しかないというような発想は私たちは取りません。まずは、徹底した無駄遣いの排除、あるいは予算の抜本的な見直しというものを行って財源の確保を図っていくという努力が重要であります。したがいまして、四年間は消費税を上げない、そう明言を申し上げたところでございます。
 本年の前半には複数年度を視野に入れた中期財政フレームをつくって、さらに中長期的な財政規律の在り方を含む財政運営戦略を策定をしてまいります。そこに財政の健全化に向けての道筋を示してまいりたいと考えております。
 一次補正予算の執行の見直しと二次補正予算に関する御質問でございますが、一次補正予算については、御案内のとおり、基金の積立てや官庁施設整備費などを中心に事業の必要性などを十分に勘案して見直したところでございます。すなわち、第二次補正予算においては、昨年十二月の緊急経済対策に基づいて雇用、環境、景気に重点的にまさにめり張りを付けて資金を配分をしたと、そのことができたのも一次補正予算を一部凍結をしたからと、そのように考えております。むしろ、このことによって実質のGDPを〇・七%程度押し上げる効果があると、そのように見込んでおりまして、執行停止による影響を上回る効果があると、そのように私たちは認識をしているところでございます。
 雇用対策の取組方針についてのお尋ねがございました。
 まさにこの点は松議員の御指摘のとおりでございまして、雇用調整助成金の積極活用やあるいはセーフティーネットの強化など、それから雇用創出に関して医療、介護、子育て、あるいは環境、農林水産、観光、こういった分野において積極的な雇用創出を図っていく、あらゆる手段というものを取ってまいりたい、そのように思っておりまして、このような政策の総動員の中で経済、雇用を下支えをしていきたい、そのように思っておりまして、そのことによって経済を必ず上向かせていきたいと思っております。
 子ども手当の財源についての御質問がございました。
 これは、平成二十二年度におきましては、新たに支給する分については国が負担をするということにしながら、過去の経緯もあるということにかんがみて、地方自治体と事業者にも現行どおりの御負担をいただくようにしたものでございまして、今後については、平成二十三年度の予算編成過程において、これは配偶者控除の扱いも含めて改めて検討してまいりたいと考えております。
 トータルな子育て支援についての御質問でございます。
 これは尾辻議員の御質問のところでもお答えを申し上げたところでございますが、資金的な応援の部分、すなわち子ども手当というものの資金的な手当ての重要さ、それとサービス、保育所の充実などの両面というものをバランスを取って充実をさせていきたいと、そのように考えているところでありまして、両面作戦で行動してまいりたいと考えております。
 それから、松議員が大変御熱心に研究、行動されておられる、いわゆる化学物質の実態調査の実施に関する御質問でございます。
 政府は、環境の中の化学物質などが子供の健康に与える影響を明らかにするために、来年度から十万人のお母さんを対象に子どもの健康と環境に関する全国調査を実施してまいります。子供を取り巻く化学物質の実態調査については、こういった調査によって知見をしっかりと得た中で十分に積極的に検討していきたいと考えておりますし、御指摘のガイドラインの策定についても、どのようなものが策定できるか、このことも松議員が御指摘をされました、積極的に検討してまいりたい、大変重要な御指摘をいただいたと考えております。
 子ども環境保健関係大臣の世界サミット開催にかかわる御質問でありますが、昨年の四月に開催をされたG8の環境大臣会合の中でも、我が国の提案によって子供の健康と環境の問題を御議論いただいたところでございます。御指摘のような会合を現実に行ってきたところでございますが、今後とも、日本としてこういったものに対してリーダーシップを発揮していけるように国際的な連携を強化をしてまいりたいと考えております。
 また、女性の特有のがんの検診推進事業についての御質問でございます。
 本来、このがんの検診は、御案内のとおり、健康増進法に基づいておりまして、これは市町村が行うものだと、そのように事務として定められているところでございます。ただ、平成二十一年度に限っては試験的な施行を行いたいということでございまして、全額を国費で国として行って、制度の普及促進、推進を図ってまいったところでございます。そのおかげで、ほとんどの市町村でこのがんの検診が実施をされた、すなわち制度の普及という目的は達せられたということでございまして、平成二十二年度から事業実施主体であります元々の市町村に応分の負担を求めることにいたしましたが、市町村の負担分については地方交付税の措置を行うことにいたしておりまして、これまでどおり事業が実施できると、そのように考えているところでございます。
 子宮頸がんを予防するためのワクチン接種の助成についてのお尋ねがございました。
 御指摘のワクチンは、対応するウイルスの範囲が限定的であり、現在、我が国において子宮頸がんの原因となるすべての型のウイルスに対応するワクチンを研究開発途上であるということでございますが、今後、厚生労働省におきまして、子宮頸がんワクチン接種の助成について、他のワクチンの開発状況なども踏まえて総合的に検討することとしたいと考えております。
 この件に関して松議員が重ねて大変強調されておられましたので、私どもとしても積極的に検討をしてまいりたいと、できる限り早期に実現できるように努力をしてまいりたいと、そのように考えております。
 以上です。
 残余の質問については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(菅直人君) 松あきら議員から市川房枝先生のお名前を挙げられて、政治と金についての見解を求められました。
 市川先生は本院に長く御在籍され、カンパとボランティアの選挙を実践されまして、私も一九七四年の選挙のお手伝いをしたことがこの政治の道に深くかかわるようになったきっかけになりました。
 亡くなられて三十年になりますけれども、私は、当時のことを思い出してみますと、少しずつは政治と金の問題、良くなってきていると、このように感じております。しかし、まだまだ道半ばでありまして、企業献金の禁止といったことと同時に、残念ながら個人献金の拡大ということが、当時から強く市川先生もおっしゃっておりましたけれども、残念ながらそのことが実現をいたしておりません。アメリカではオバマ大統領も多くの個人献金によって大統領に当選をされたわけでありまして、そういった道の拡大にも努力をする必要があると、このように考えております。
 以上です。(拍手)
#20
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#21
○議長(江田五月君) この際、国際・地球温暖化問題に関する調査会長から、国際問題及び地球温暖化問題に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。国際・地球温暖化問題に関する調査会長石井一君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔石井一君登壇、拍手〕
#23
○石井一君 国際・地球温暖化問題に関する調査会の中間報告の概要を申し上げます。
 長い本会議の後でございますので、どうか寛容と忍耐を持って、五分以内で終わりますので、お許しをいただきたいと存じます。
 本調査会は、国際問題及び地球温暖化問題に関し、長期的かつ総合的な調査を行うことを目的に、平成十九年十月五日に設置され、向こう三年間にわたる調査テーマを「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」と決定しました。
 今や持続可能性ということが一つの国際指針となり、温暖化問題は国際政治の重要課題となっております。
 一昨年秋を起点とする第二年目においては、国際問題に関し「NGOの役割」、「地震等大規模自然災害及び感染症への国際的取組」及び「アフリカをいかに助けるか」を、また、地球温暖化問題に関し「京都議定書目標の達成に向けた地球温暖化対策の現状と課題及び国際的な取組と日本の役割・課題―二〇一三年以降の問題―」を具体的なテーマとして、計九回の調査を行い、関係府省から報告を聴取するとともに、関係者十九名の参考人を招いて意見を聴取し、様々な観点から議論を行いました。
 具体的に「NGOの役割」では、政府とNGOとの連携強化及びその財政基盤、「地震等大規模自然災害及び感染症への国際的取組」では、災害支援等における国際的取組の在り方、救助隊員や医師等の活動環境の整備、アフリカ問題では、効果的な援助や持続的成長を実現するための支援の在り方などについて、その方向性や具体的施策を計三十八項目にわたって示しております。
 また、地球温暖化問題に対しては、家庭部門での温室効果ガス削減の意義に着目し、「国民運動としてのCO2削減努力」について取り上げるとともに、COP15での合意形成に向けた「低炭素社会実現と環境分野での日本のリーダーシップ」についても議論の対象としました。この中では、CO2削減に向けて国民の行動指針、目指すべき低炭素社会の姿、リーダーシップ発揮には、国際約束である京都議定書目標の達成や途上国への技術・資金協力が必要であることなど様々な意見が述べられましたが、本年の最終報告に向けて更に議論を深めるための論点整理をいたしました。
 昨年十二月に開催されましたCOP15におきましては、コペンハーゲン合意で気温上昇を二度以下に抑える必要性について合意がなされたものの、中期の削減目標についての具体的な言及はなく、合意に留意するとの結果に終わりましたが、途上国に対し先進国が三年間で三百億ドルの支援を約束するなど、いささか前進を見ております。
 政府におかれましては、本調査会での議論を踏まえ、今後の新たな枠組みに関する合意形成に向け、自ら先頭に立ち、是非とも強力なリーダーシップを発揮されることを調査会として強く期待するものであります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#24
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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