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2010/03/10 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第8号
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2010/03/10 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第8号

#1
第174回国会 本会議 第8号
平成二十二年三月十日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
  平成二十二年三月十日
   午前十時開議
 第一 過疎地域自立促進特別措置法の一部を改
  正する法律案(衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、平成二十二年度における財政運営のための
  公債の発行の特例等に関する法律案、所得税
  法等の一部を改正する法律案及び租税特別措
  置の適用状況の透明化等に関する法律案(趣
  旨説明)
 一、国務大臣の報告に関する件(平成二十二年
  度地方財政計画について)
 一、地方税法等の一部を改正する法律案及び地
  方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。菅財務大臣。
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(菅直人君) ただいま議題となりました平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案について御説明申し上げます。
 平成二十二年度予算は、国民生活が第一、コンクリートから人への理念の下、国民生活に安心と活力をもたらす施策を充実させたいのちを守るための予算であります。
 家計を直接応援し、国民の生活を守るため、マニフェストの工程表に掲げられた主要事項である子ども手当、農業の戸別所得補償、高校の実質無償化等の施策を実施することとしております。
 一方、こうした新規施策を実現するに当たっては、行政刷新会議における事業仕分等を通じた予算の全面的な組替えや公益法人等の基金の返納等による歳入確保を図っております。
 財政投融資特別会計財政融資資金勘定からの受入れ四兆七千五百四十一億円及び外国為替資金特別会計からの受入れ二兆八千五百七億円を含め、その他収入としては十兆六千二億円を見込んでおります。
 以上のように、税収が大幅に減少する中、歳出歳入両面において最大限の努力を行った結果、新規国債発行額については四十四兆三千三十億円となっております。
 本法律案は、こうした国の財政収支の状況にかんがみ、平成二十二年度の適切な財政運営に資するため、同年度における公債の発行の特例に関する措置等を定めるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、平成二十二年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書の規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができることとしております。
 第二に、平成二十二年度において、特別会計に関する法律第五十八条第三項の規定にかかわらず、財政投融資特別会計財政融資資金勘定から、四兆七千五百四十一億円を限り、一般会計の歳入に繰り入れることができることとしております。
 第三に、平成二十二年度において、特別会計に関する法律第八条第二項の規定による外国為替資金特別会計からの一般会計の歳入への繰入れをするほか、同特別会計から、三千五百億円を限り、一般会計の歳入に繰り入れることができることとしております。
 第四に、平成二十二年度において、特別会計に関する法律第八条第二項の規定による食料安定供給特別会計調整勘定からの一般会計の歳入への繰入れをするほか、同勘定から、百四億六千八百三十五万四千円を限り、一般会計の歳入に繰り入れることができることとしております。
 次に、所得税法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 本法律案は、支え合う社会を実現するとともに、経済社会の構造変化に適応し、国民が信頼できる税制を構築する観点からの税制全般にわたる改革の一環として、個人所得課税、法人課税、国際課税、資産課税、消費課税、市民公益税制、納税環境整備、租税特別措置等について所要の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、個人所得課税について、年齢十六歳未満の扶養親族に対する扶養控除及び特定扶養親族のうち年齢十六歳以上十九歳未満の者に対する扶養控除の上乗せ部分を廃止する等の措置を講じることとしております。
 第二に、法人課税について、資本に関する取引等に係る税制の整備、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の廃止等を行うこととしております。
 第三に、国際課税について、外国子会社合算税制を見直す等の措置を講ずることとしております。
 第四に、資産課税について、住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置を拡充する等の措置を講じることとしております。
 第五に、消費課税について、揮発油税等及び自動車重量税に係る十年間の暫定税率の廃止等の見直し、たばこ税の税率の引上げ等を行うこととしております。
 第六に、市民公益税制について、所得税の寄附金控除の適用下限額の引下げを行うこととしております。
 第七に、納税環境整備について、所得税、法人税及び相続税等の脱税犯に係る懲役刑の上限の引上げ等の罰則の見直し等を行うこととしております。
 その他、情報基盤強化税制の廃止など既存の租税特別措置の整理合理化を図り、あわせて中小企業投資促進税制等の適用期限を延長するなど、所要の措置を講じることとしております。
 最後に、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案について御説明申し上げます。
 本法律案は、租税特別措置に関し、適用の状況の透明化を図るとともに、適宜適切な見直しを推進し、もって国民が納得できる公平で透明性の高い税制の確立に寄与するため、適用の実態を把握するための調査及びその結果の国会への報告等の措置を定めるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、法人税関係特別措置で一定のものの適用を受ける法人は、適用額明細書を法人税申告書に添付しなければならないこととしております。
 第二に、財務大臣は、適用額明細書の記載事項を集計する等の方法により、適用の実態を調査することとしております。
 第三に、財務大臣は、毎会計年度、当該調査の結果に関する報告書を作成し、内閣は、これを国会に提出しなければならないこととしております。
 その他、行政機関の長等は、政策評価を行うため、財務大臣に対し、当該調査に関する情報の提供を求めることができるなど、所要の措置を定めることとしております。
 以上、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。大久保勉君。
   〔大久保勉君登壇、拍手〕
#7
○大久保勉君 民主党・新緑風会・国民新・日本の大久保勉です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案につきまして質問を行います。
 最初に、財政や税制の関連の深い資本市場法制についてお尋ねします。
 本年一月十九日、日本航空は会社更生法の手続に入りました。同社の経営悪化の原因に関しましては、自民党政権下における政官業癒着構造や航空行政の失態等、様々な問題が指摘されております。中でも、同社の純資産金額が、二〇〇九年三月末の一千九百六十八億円から会社更生法適用後、マイナス八千六百七十六億円と、一年足らずで一兆円以上減少していることです。総資産が一兆七千五百億円の企業で総資産の約六割も減少していることは明らかに異常で、粉飾決算が長期にわたり行われていたのではないのかと、専門家の指摘もあります。この点、日本の株式市場の公正性、信頼性を担保するために証券取引等監視委員会による調査の必要性の有無を含め、亀井金融担当大臣の御所見を伺います。
 日本航空の株式は二月二十日に上場廃止となり、また財務諸表を信じて購入した投資家の日本航空の株券が紙くずになってしまいました。日本航空の旧経営陣の責任はもとより、株主の権利を守る役割を負ったはずの旧監査役、公認会計士が適切に職責を全うしていたのか、いささか疑問です。
 昨年七月、民主党は公開会社法プロジェクトチームで取りまとめを行い、情報開示の徹底、内部統制の強化、企業集団の明確化の三つを柱とする公開会社法要綱案を作成しました。日本航空をめぐる問題への対応としてこの公開会社法の制定は急務であると考えます。
 公開会社法をめぐる政府の対応としては、単なる会社法の見直しという形で既に法制審議会へ諮問されており、法務省内でも議論が始まろうとしております。しかし、公開会社法が扱う問題は上場企業の統治形態だけにとどまるものではなく、雇用、企業の成長、資本市場の活性化、投資家保護等の日本国家基本戦略上重要な問題を多く含んでおります。これまでのように法務省、金融庁、経済産業省、厚生労働省といった省庁ごとの縦割りによる検討では対応できないと考えます。この点に対する鳩山総理大臣と仙谷国家戦略担当大臣の御認識を伺います。
 次に、税制全般についてお尋ねします。
 税制を定めることは政治の根幹であると考えています。新しい税制を定めることは新しい国の在り方を定めることと同じです。逆も真です。新しい国の政策、特に持続可能な社会保障政策のためには、それに見合った財源の確保が必要です。消費税引上げ議論を含んだ税制と鳩山政権が目指す国の在り方との基本的な関係につきまして、鳩山総理大臣の御見解を伺います。
 個別の項目についてもお尋ねします。
 まず、法人税率についてお聞きします。
 経済のグローバル化に伴い、世界的競争が激しくなっています。個々の企業はもとより、国全体として成長戦略、競争戦略が勝敗を大きく左右すると考えていますが、その戦略に大きくかかわる項目の一つに法人税率があります。日本の法人税率の現状と今後の方針について、国際比較、特に東アジア近隣諸国との比較、競争力強化の観点からどのように考えているのか、菅財務大臣に御見解を伺います。
 続いて、金融所得の課税についてお尋ねいたします。
 現在、国の競争力を高めるため、資本に対して中立で効率的な税制を構築する動きが世界的な主流となっています。日本では個々の金融商品の種類や構成によって税率が異なる税制となっていますが、これは中立ではなく効率的でもないと考えます。金融所得一体課税の方向性について、菅財務大臣の御見解を伺います。
 新年度の国債発行計画についてお尋ねします。
 国債の残高については、今月末で約六百兆円に上ると見込まれており、来年度の新規国債発行予定額である四十四兆円がこれに加わります。このように国債の発行が巨額になった原因については、無駄な公共事業を始め、自民党政権下での政官業癒着による利益誘導型政治によるものであると指摘されていますが、鳩山総理大臣の御見解を伺います。
 なお、最近、国際金融の世界では、PIGS、ピッグスという言葉がよく使われます。これは、財政悪化が深刻な欧州の四か国、すなわちポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインの頭文字を並べたものです。しかし、このいずれの国よりも日本の財政状況が良好であるという保証は必ずしもありません。
 将来の子供たちに過大な負担を残さないために、財政状況の改善方法について議論を始めるべきではないでしょうか。日本の財政状況への国際的評価の現状及び基礎的財政収支の黒字化の見込みについて、菅財務大臣の御認識を伺います。
 最後に、租税特別措置についてお尋ねいたします。
 日本の税制については、二百四十一件に上る租税特別措置があり、複雑怪奇になっております。これは、長期に及んだ自民党政権下で政官業が一丸となって数多くの租税特別措置をつくり、さらに効果が検証されないまま漫然と放置されていたことによります。
 民主党は、公平、透明、納得が税制の基本です。この点、現在の租税特別措置には大きな問題があると指摘せざるを得ません。そこで、これまでの租税特別措置の効果と今後の方針について、菅財務大臣の御見解を伺います。
 今、政治に国家百年の計が求められております。財政と税制はその基本を成すものです。静かな革命と言える政権交代が実現し、鳩山政権の下で編成された平成二十二年度予算と予算関連法案が友愛あふれる新しい百年の象徴とならんことを祈念して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#8
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大久保議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、会社法制の見直しについてのお尋ねがございました。
 これまで大久保議員が大変に健全な企業統治を実現するためのルールづくりに大変御尽力されてこられたことに敬意を表したいと思います。
 御指摘の会社法制の見直しに関しましては、会社を取り巻く幅広い利害関係者から一層の信頼を確保するためにも、さらにまた、我が国の企業の競争力を強化をして資本市場を活性化をしていくためにも、関係省庁の間でしっかりと連携を取ることが必要であります。その際、決して縦割りにならないように議論を進めていくことが肝要であること、大久保議員が指摘されたとおりでございます。
 また、税制と国の在り方についての基本的なお尋ねがございました。
 厳しい財政状況を踏まえながら、支え合う社会の実現に必要な財源を確保して、経済社会の構造変化に適応した新しい税制を構築をすることが今必要になっております。その際に、世代間及び世代内の両面にわたって、お互いにいかにして支え合うかと、そのために必要な費用を社会全体で分かち合うという基本的な視点がどうしても必要だと思っております。今後、そのような方針の下で、中長期的な財政健全化の道筋、社会保障制度改革など、政府全体の検討も踏まえながら、税制の抜本的な改革を実現していくために税制全般について幅広く検討してまいりたいと思っております。
 最後に、巨額の国債発行の要因に関するお尋ねがございました。
 御案内のとおり、我が国の財政状況、大変最悪の水準になっておること、御案内のとおりでございます。税収がピークであった平成二年度以降の国債発行残高が急速に増えてきていると、この要因を見れば、歳入面と歳出面、両方が半々であると、ほぼ半々だということになります。歳入面に関して申し上げる必要もないかと思っておりますが、歳出面に関して申し上げれば、大久保議員が指摘されたように、やはり利益誘導型の政治というものが多くの無駄な公共事業を生んだと、そのことが歳出を極めて大きく肥大化させてしまったということは否めない事実であろうと、そのようには思っております。
 しかしながら、新政権といたしましては、こうした財政状況が過去の政権下の財政あるいは経済政策の結果であるということは指摘をする必要があろうかと思っておりますが、だからといって責任を逃れるというものではないと思っておりまして、巨額の財政赤字の削減に向けて積極的にやはり取り組んでいかなければならないと、そのように考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(菅直人君) 大久保議員にお答えをいたします。
 まずは法人税率についてでありますけれども、我が国の法人実効税率は、とりわけ、御指摘のありました東アジア諸国など諸外国と比較してみますと、高い水準にあるというふうに承知しております。他方、法人所得課税の負担に社会保険料の事業主負担を合わせた形で計算しますと、これは国によりますけれども、全体として必ずしも日本が突出しているということでもないという指摘もされております。
 いずれにいたしましても、法人税の在り方については、平成二十二年度税制改正大綱において、租税特別措置の抜本的な見直しなどを進め、これにより課税ベースが拡大した際には、成長戦略との整合性や企業の国際的な競争力の維持向上、国際的な協調などを勘案しつつ、法人税率を見直していくと、このように閣議決定したところでありまして、まさに大久保さんの御指摘も踏まえながら、大いに議論をして方向性を定めていきたいと、このように考えております。
 二点目は、金融所得に対する一体課税の方向性についての御質問でありました。
 昨年末に同じく閣議決定しました税制改正大綱においては、金融所得課税の在り方については、本来、すべての所得を合算して課税する総合課税が理想ではあるが、金融資産の流動性等にかんがみ、当面の対応として、景気情勢に十分配慮しつつ、株式譲渡益・配当課税の税率の見直しに取り組むとともに、損益通算の範囲を拡大し、金融所得の一体課税を進めると、このように閣議決定をいたしております。
 この点についてもいろいろ問題点がありまして、また、大久保さんの知恵も借りながら、金融所得課税の在り方については税制調査会においてしっかりと議論して方向性を出していきたいと考えております。
 第三番目に、現在の日本財政への国際的な評価に関する御質問であります。
 二月の初めに私も初めてG7の会議に行きまして、そのときはヨーロッパの関係者が多かったせいもあってギリシャが大きく議論の題材に上がっておりました。幸いと言うべきなのか、日本はまだその場ではそうした議論の題材にはのっておりませんでしたけれども、しかし、我が国の財政状況がそういった国々の中で最悪の水準であるということは、まさにお互いに認識をしておかなければならないと改めて感じたところであります。財政健全化の取組がそういった意味では必要でありまして、IMFやOECDなどの国際機関からもやんわりと指摘をされていることはよく承知をいたしております。
 こうした中、財政健全化は重要な課題でありまして、本年前半には国家戦略担当大臣を中心に複数年度を視野に入れた中期財政フレームをつくるとともに、中長期、十年程度の中長期の財政規律の在り方を含む財政運営戦略を策定し、財政健全化への道筋を示していく方針であります。
 基礎的財政収支の議論も含めて、財政健全化の具体的な目標は、今後、国家戦略担当大臣を中心に検討されることになりますけれども、いずれにしても、成長戦略、それから税制の在り方、場合によっては年金制度の在り方等々含めて、今の日本の財政状況をどのようにして改善していくのか、まさに鳩山内閣にとっての最大の内政における政策課題と言っても言い過ぎではないと思っておりまして、大久保議員を始めとして皆様の知恵をお互いに出し合っていただきたいとお願いを申し上げておきます。
 租税特別措置についての御質問であります。
 現在の租税特別措置にはいろんな問題があるということはおっしゃるとおりでありまして、産業政策などの特定の政策目的を実現するために設けられたと言われておりますけれども、中には、これがどのように利用され、どのような効果を生じているか、必ずしも明らかでなくなっているものも幾つかというか数多くあります。
 納税者の立場に立って公平、透明、納得の税制を構築するためには、税制における既得権益を一掃する必要があります。このため、今後四年間の間に租税特別措置を抜本的に見直す方針であります。また、租税特別措置の適用の実態を国民の目に明らかにするために、いわゆる租税透明化法案、先ほど趣旨説明をさせていただきましたが、この法案の審議をお願いをいたしております。
 今後、こうした枠組みも活用しつつ、一層効果的な見直しにつなげてまいりたいと、このように考えております。
 答弁は以上です。(拍手)
   〔国務大臣亀井静香君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(亀井静香君) お答えいたします。
 個別案件については申し上げるわけにはまいりませんが、法令違反の疑いがある場合には、調査、検査を実施をいたしまして、所要の措置を講じます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣仙谷由人君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(仙谷由人君) 会社法制の見直しについての質問が大久保議員からございましたので、答弁をいたします。
 結論から申し上げますと、大久保議員と問題意識をほとんど全面的にといいましょうか、共有をいたします。
 株式会社、とりわけ上場会社は、社会的、経済的に重要な役割を果たしていると、そういうふうに考えておりまして、経営者の監督や監視の在り方を検討することが非常に重要だというふうに考えております。そして、リーマン・ショック後のこの現在の状況というものは、企業、とりわけ公開された株式会社とは何なのか、どのようなものでなければならないのかという問題が私どもに突き付けられているというふうに考えております。
 今般、上場会社を含む会社法制の見直しということになっているわけでありますが、我が国の企業の競争力を強化しなければならない、そして資本市場を活性化しなければならないということに十二分に配慮しなければなりませんけれども、とりわけ上場会社については、その社会性、公共性を重視するという観点、すなわち上場会社のコーポレートガバナンスの仕組みをどうつくるか、このことが大変な重要、問題であるという問題意識を持っておりまして、そういう観点から、政府一丸となって会社を、企業を取り巻く幅広い利害関係者からの一層の信頼を確保する、そういう観点も併せて検討を進めていくべきであるというふうに考えているところでございます。
 以上であります。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(江田五月君) 愛知治郎君。
   〔愛知治郎君登壇、拍手〕
#13
○愛知治郎君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案等三法案に関して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず初めに、チリ地震においてお亡くなりになった方々の御冥福をお祈りいたします。また、地震に伴う津波で私の地元宮城県においても多くの被害を受けました。被災者の皆様にお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復興をお祈りいたします。
 さて、最初に税収についてお尋ねいたします。
 今二十二年度予算において国債の発行額は四十四兆円に達し、税収見込みの三十七兆円に比較して、戦後では昭和二十一年度以来初めて税収より国債発行額が上回る当初予算を組んだことになります。
 鳩山政権において、総理始め各閣僚、関係者から、想定外に税収が落ち込んだせいである旨発言されているようですが、そもそも民主党において、リーマン・ショックから生じた経済危機の影響を余りにも過小評価していたのではなかったでしょうか。そして、国のため、国民のため、その危機的状況に対応するため奔走していた自公政権を混乱に乗じ政局優先で振り回し、政権を取ることを優先させる余り、十分な見込みもないまま立案した子ども手当や高校授業料無償化、農家への所得補償等の公約を実行しようとした結果ではないでしょうか。改めて総理に現状認識をお伺いいたします。
 また、事あるごとに過去の自民党のせいであるとの発言は、余りにも現に政権を担っていることに対し無責任ではないでしょうか。私が初当選をしたとき、国及び地方の借金は既に七百兆円近くありました。しかし、その事実を知ってなおかつ、その状況を改善、改革しようと立候補したのであり、当選後、ひたすら自分なりに努力もしてきました。
 鳩山総理は、何のために政権を取って総理大臣になったのですか。何でもかんでも自民党のせいということですべての問題が解決するのであれば、幾らでも自民党のせいにしていただいて構いませんが、実際はそうはいきません。現政権を担い、未来に対しても責任を負っている自覚が本当におありになるのか、とても不安に思います。財政政策における総理の覚悟をお伺いいたします。
 また、我々自由民主党は、財政再建への道筋を付けるため財政責任法を取りまとめ、今国会に提出いたします。この法案は、我が国財政が既に危機的状況に突入したとの厳しい認識の下、国、地方を挙げて財政健全化の責務を有することを規定しております。そして、ストック、フローの両面で数値目標を明確に掲げ、将来の十年間を目途に財政の立て直しを図るものであります。
 政府においては、六月までにといった悠長な姿勢で臨むのではなく、我々の財政責任法案に賛同し、予算の成立と同時に、この法案の成立に協力していただきたいと存じます。併せて総理の見解をお伺いいたします。
 さて、続いて個別の事項、暫定税率についてお尋ねいたします。
 ちょうど二年前の今ごろ、この国会において、この暫定税率について大変な議論がありました。正確に言いますと、この参議院においては、ただの一度も審議すらしていないのですが、少なくとも大混乱していたのは覚えているはずであります。
 当時から参議院において民主党は第一党でした。当時、私は財政金融委員会の自民党の筆頭理事をしていましたが、なぜ審議拒否をしてまで暫定税率部分を反対、失効させたのでしょうか。そして、なぜ今回は実質的に継続させるのでしょうか。明確にお答えください。
 民主党のマニフェストには、ガソリン税などの暫定税率は廃止し、生活コストを引き下げますとあります。当時と比べ、現在は景気が回復し、生活が改善されていると考えているのでしょうか。また、しきりに何十年も暫定を続けているのはおかしいとおっしゃっておりました。今の措置は恒久的なものなのでしょうか。私には暫定税率の暫定措置に思えますが、いかがでしょうか。
 そして、鳩山政権においては、二酸化炭素排出量一九九〇年比二五%を掲げておりますが、当時から地球環境は劇的に変化したのでしょうか。なぜここまで姿勢を急変させたのでしょうか。
 さらに、暫定税率が失効し、ガソリン価格が乱高下したことによる経済への影響、歳入に瑕疵が生じ、自治体運営に混乱等があったことについてどう考えているのか、お伺いいたします。特に、自治体に対する影響については、現在の政権運営においても様々な分野にわたり混乱を生じさせているように思えます。併せて総理にしっかりとお答えいただきたいと思います。
 それぞれの問いにお答えいただく前提ですが、私が思うに、今回暫定税率を維持する最も大きな理由は、やはり財源不足だと思います。この点、民主党は昨年の総選挙において、予算の組替えと無駄遣いの根絶により財源は確保できると大変な自信を持って国民に確約しておりました。まさかそんなうまい話があるのかと思いながらも、一度やらせてみようじゃないかと思い、多くの有権者が民主党に投票したのは紛れもなく事実だと思います。あれはうそだったのでしょうか。できないのであれば、はっきりと認め、国民に謝罪するべきではないでしょうか。
 特に、菅財務大臣におかれましては消費税の議論に前向きと伺っておりますが、その点では私も消費税の議論なしに財政問題の解決はあり得ないというふうに考えております。しかし、財源が確保できるとの前提であれば、議論すること自体、論理的におかしいのではないでしょうか。お答えいただきたいと存じます。
 また、このことのみならず、今回の税制改正においては、マニフェストで明示していた中小企業の法人税を一一%に引き下げるという公約が実行されておりません。
 我々が政権を担っているとき、当時の野党からさんざん大企業優遇、中小企業軽視だとやゆされましたが、そんなことはありません。日本経済を支えてきたのは中小企業であり、その活性化こそが景気回復の大前提と考えております。しかし、実際に中小企業だけを支援する政策には限界があります。だからこそ、資金繰り対策や、法人税率を本来三〇%であるところを二二%にし、更に今回の経済危機に際し一八%まで引き下げてきたのであります。なぜマニフェストどおりに実行しないのでしょうか。経済対策として行うのであれば、今やらないで四年後では意味がありません。総理に理由をお尋ねいたします。
 このように、暫定税率や法人税の減税など、やるべきことをやらないことに加え、今回の税制改正では、たばこ税の大幅増税が盛り込まれております。そもそもこのたばこ税の大増税は何のためにやるのでしょうか。私は、平成二十二年度税制改正大綱において、国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するため、将来に向かって、税率を引き上げていく必要があるとの方針を見て、大変驚きました。
 そもそも税とは何であるのでしょうか。少なくとも、辞書等で調べる限り、国や地方公共団体等が公共サービスを実施するための資源として民間から徴収する金銭その他の財貨・サービスであると定義をされており、私もずっとそう思ってまいりました。鳩山政権においては、ジョン・ロックやジャン・ジャック・ルソーから続く憲法の理念の下にある税の概念を根本から変えるというのでしょうか。聞くところによると、今回の増税において議論がしっかりなされているようには思えないのですが、どのような経緯で、また改めてどのような理由で決定されたのでしょうか。総理にお尋ねいたします。
 もし財源を確保する目的で増税への理解を得やすくするため単純に国民の健康を理由にしているのであれば、余りに安易な考え方であり、今後いついかなる理由においても増税がなし得ることにつながり、国民にとって大変恐ろしく危険な発想ではないですか。特に、今後議論が予想される環境税等において、排出抑制のためと称し、ありとあらゆる分野において際限なく増税が行われる可能性を私は危惧しております。
 私は現在国会議員でありますが、いついかなるときにでも、一市民、一国民として生きていこうと思っています。一国民として、こんなに安易に増税されるのを黙って見過ごすわけにはいきません。総理の税に対する基本的な認識を併せてお伺いいたします。
 また、この税に関して議論を避けて通れないのが、やはり総理の脱税問題であります。
 もちろん、法的には脱税犯と認定されているわけではありません。また、総理が知らなかったと言い張る以上、知っていたことを証明しない限り犯罪として追及することも難しいのかもしれません。しかし、正直申し上げれば、我々は総理の行った行為は脱税そのものであると考え、また、これまでの説明では国民の大多数もやはり脱税だったのではないかと考えているのだと思います。たとえ知らなかったにしても、十二億円以上に上る巨額のお金を受け取っていた事実を知らないのでは、余りに重大な過失があると言わざるを得ないですし、そのことは総理自身が率直に非を認めているところでもあります。
 なぜさかのぼって通常の税を納めれば済んでしまうのでしょうか。そして、それで責任を果たしたと言えるのでしょうか。どうして重加算税が課されないのですか。一般の人であれば有無を言わさず徴税されるのに、総理なら許されるのかというのが国民の感情だと思います。
 総理、総理は覚えていないでしょうが、二十年ほど前に私の父と志を同じくし、サロンにおいて勉強会をしていたとき、朝食を運んでいたのは私でした。おれがおれがという政治家の中で、何と謙虚で常識的な人だろうと思い、逆にこの世界でやっていけるのかとすら思いました。あなたが金に汚く、悪意を持って蓄財しようとしたとは多分だれも思っていないでしょう。問題はそこではないのです。
 私は、この問題を取り上げなければならないのが残念でなりません。また、国民もうんざりしていると思います。しかし、納得し、このままうやむやにするわけにもいきません。ほかに多くの喫緊の課題を議論しなければならない国会において、このことに時間を割かなければいけないという現実をどう考えているのか、そして、どう責任を取りこの事態を解決するのか、国の最高責任者としての具体的な解決方法を御提案いただきたいと思います。
 ところで、今回の所得税法の改正で脱税犯に係る罰則が厳しくなりました。懲役刑の上限は五年から十年へ、また罰金刑の上限は五百万円から一千万円へ引き上げられます。まじめに税金を払っている者からすればどんどんやればよいと思いますが、仮に総理がこのことによって少しでも責任を果たしたと考えるのであれば、とんでもない間違いであります。逆に、このタイミングで改正をすること自体、問題のすり替え、ごまかし、言い訳にとらえられても仕方がないと思います。
 あわせて、今国会において、企業・団体献金の禁止を法制化しようとしている旨聞いております。私自身、幼少のころからこういった問題を見ておりますが、問題が起きた後制度を改正することの繰り返しで、一向に政治環境が良くなったとは思えません。現在の政治制度は、まじめに政治活動をしようとする者にとって最悪と言っても過言ではありません。
 かつ、問題を起こした者が提案した改正案が良いとは到底思えません。自分自身に問題がないのであれば、なぜ制度を改正するのですか。無責任な制度改正をすれば、後進の者は迷惑いたします。やめていただきたいと存じます。過ちては改むるにはばかることなかれといいます。本当に改めるべきところを改め、前向きな議論をするべきではありませんか。
 この点について総理の見解を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#14
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 愛知議員にお答えをいたします。
 かつて愛知サロンでお世話になりましたことを御礼を申し上げます。
 まず、二十二年度予算に関する御質問でございましたが、これは、リーマン・ショックから起こった経済危機の影響を過小評価をしたのはむしろ旧政権ではないかと、そのように考えておりまして、そのことを決して我々、言い逃れするつもりもありません。
 二十二年度予算編成に当たっては、税収が大幅に減少する中で、財政の果たす役割にも配慮したぎりぎりの水準として国債発行額を約四十四兆円に抑えたというところでございまして、こういう中で、マニフェスト主要事項の実現に当たって、徹底した歳出削減、さらには国の総予算の見直しということを行いながら、優先順位というものを付けて効率的に実施をするとともに、国債の増発というものは極力抑えると、それを行わないで、依存しないで必要な財源というものを確保してきた、そのように考えているところでございます。
 財政政策への覚悟に対するお尋ねでございます。
 現在の日本の財政状況、主要先進国の中で最悪の水準にある、これは御案内のとおりでございまして、そのことに関して旧政権だと言って言い逃れするつもりはありません。平成二十二年度の予算編成におきまして、厳しい経済状況の中で財政の果たす役割にも配慮しながら、未来への責任というものを果たすために財政運営をどのように行っていくか、そのような観点から、先ほど申し上げましたように、国債発行額を四十四兆円に抑えたということでございまして、財政規律をぎりぎりで確保したと、そのように考えております。今後は、本年の前半に複数年度を視野に入れた中期財政フレームと財政運営戦略というものを策定をして、財政健全化への道筋をしっかりと示してまいります。
 自民党の財政責任法案に関するお尋ねでございましたが、御指摘の財政責任法案について詳細を恐縮ですが存じ上げておりませんので、コメントをすることは差し控えたいと思っております。いずれにしても、政府といたしましては、中身のある中期財政フレームさらには財政運営戦略を策定する、このことが責任ある政府としての態度であると、そのように考えております。
 揮発油税などの暫定税率についてのお尋ねでございます。
 まず、二年前になぜ審議拒否までしたのかということでありますが、やはりこの時代、当時を思い出しますと、異常に高騰したガソリンに対して何としても、これではいかぬと、せめて暫定税率分だけ下げようではないかと、そのような思いに対して多くの国民の皆さんがエールを送ってくださったということも私たちは理解をしていくべきだと考えております。
 そして、現在ということになるわけでありますが、ガソリン税などのいわゆる暫定税率について、熟慮を重ねた結果、現行の十年間の税率は廃止をすると。しかしながら、厳しい財政事情やあるいは地球温暖化防止の観点、さらには原油価格は今回は極めて安定をしてきているという状況などを踏まえて、当分の間の措置として現在の揮発油税等の税率水準は維持するということにしたのでございます。
 その揮発油税等の暫定税率についての更なるお尋ねでございますが、今回維持することとなったというのは、これは基本的には暫定的なものでございまして、今回それを維持されることとなった税率の在り方については、地球温暖化対策のための税に関する検討の際に併せて検討をするということにいたしたわけでございます。
 それから、暫定税率の失効に伴う影響についてのお尋ねでございます。
 これは平成二十年の四月に揮発油税等の暫定税率が一時失効したということでございますが、そのときに、先ほど申し上げましたように多くの国民の皆さんはむしろ喜んだという事実はございます。ただその一方で、国や地方の道路特定財源であった揮発油税の税収が減少すると、あるいはガソリン、軽油の流通、販売の現場において一定の混乱が生じるなどの影響が生じたことは理解をしております。このうちの国の税収の減少分についてとか、あるいは地方財政の減少分に関して、それなりにいわゆる財政運営に支障が生じないように適切な財源措置が、当時の政権でございますが、講じられたものだと、そのように理解をしているところでございます。
 中小法人に対する軽減税率についてのお尋ねでありますが、平成二十二年度の改正におきましては、厳しい財政状況の中で実施に要する財源の確保が難しいという状況から実施は見送ったところでございますが、中小法人に対します軽減税率の引下げについて、マニフェストの期間中に財源を確保した上で実施することとしております。できるだけ早く実現をすることがやはり肝要ではないかと、そのように思っておりまして、これから課税ベースの見直しなどによって財源をしっかりと確保をした上で実施に向けて真摯に検討をしてまいります。
 たばこ税の増税の経緯とその理由についてのお尋ねでございます。
 このたばこ税に関しましては、私の方から税調に対して、健康に対する負荷を踏まえた課税へ、そのための必要な事項について検討するようにという諮問をいたしたところでございまして、これを踏まえた形で昨年末の税調で議論が進められたところでございます。その結果として、たばこ税については、国民の健康の観点からたばこの消費を抑制するために将来に向かって税率を引き上げていく必要があると、その方針にのっとりまして、今般その税率を引き上げたということでございます。
 また、税に関する基本的な認識についてのお尋ねでございます。
 現代の税制は、これは言うまでもありませんが、御指摘のような財源の調達機能のほかに様々な機能を果たしているものだと承知をしておりまして、個別間接税につきましては、課税による価格効果を通じた消費抑制やあるいは排出抑制という政策効果もあるということから、税制改正の大綱において、健康に配慮をした税制や地球規模の課題に対応した税制の検討を進めることにしたわけでございます。
 いずれにしても、税というものは広く国民の皆様方に負担を求めるものでございますので、公平、透明あるいは納得、この理念の下で、税調において十分な議論を経た上で制度設計を行う必要がありますので、際限なく増税が行われる可能性があるという御懸念は決して当たりません。
 それから、母から提供された資金に係る贈与税についての御質問でございます。
 これに関しては、お答えを今までも申し上げておったわけでございますが、検察の捜査による解明で初めて母からの資金提供を知ったというわけでございまして、納税を免れようという意思はありませんでした。これは何度も申し上げたところでございます。昨年末に贈与として申告、そして納税をしたところでございますが、現在も国税当局が調査中であると聞いておりまして、そもそも、申告内容や納税額、そして加算税などを含めたその取扱いについての判断は国税当局が行うものだと考えております。
 言うまでもありませんが、脱税や滞納の意思は全くなかったわけでありますが、この検察の捜査によって初めて解明されたことは私自身の不徳の致すところでございます。したがいまして、国民の皆様方に納得いただくにはまだ時間が掛かるとは思っておりますが、今後もありのままに説明を尽くしてまいりたいと思っております。
 それから、所得税法の改正についてのお尋ねでございますが、課税の適正化を図り、税制に対する信頼を確保する観点から、今般、現行の国税に関する犯罪類型における法定刑の水準などについて、他の経済犯罪の法定刑などを勘案をして見直すとしたわけでございまして、先ほどから申し上げております母からの資金提供にかかわる納税とのかかわりについてのお尋ねではございますが、母からの資金提供について、検察の捜査による解明で初めて知ったものでございまして、今般の法改正とは何らかかわるものではありません。したがいまして、国民の皆様方に御納得いただくには若干の時間が掛かるとは思っておりますが、ありのままこれからも説明を尽くしてまいりたいと考えております。
 それから、企業・団体献金の禁止についてのお尋ねでございます。
 民主党の企業・団体献金禁止の提案は党内で積み重ねた政策論議の上にあるものでございまして、さきの総選挙でも既に国民の皆様方から信任していただいたマニフェスト、この中でも明記をしております。決して無責任なものでも思い付きで出したものでもございません。個々の問題と制度改正は明確に区分をして考える必要があると思っておりますが、政治資金規正法違反の多くが企業・団体献金に絡むものであると、それは客観的な事実でございますので、誤解と疑念を払拭するためには禁止をすることが有効な改革だと私どもは考えております。
 無責任な改正は後進が迷惑だという御主張でございますが、私は国民の多くの皆様方は決してこのことを迷惑だと思っているとは思っておりません。ただし、この件は各党にかかわる問題でございますので、全党挙げての参加の協議機関の中でしっかりと御議論をいただいて、その進展の中で今国会で成案を得ることを願っているところでございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(菅直人君) 私には、消費税の議論をすること自体が、財源確保ができる前提であれば論理的におかしいと考えるということであります。
 ちょっとこの意味が私には理解が十分できないんですが、消費税を含む税制全般にわたって議論をするというのは、もちろん税財源の確保という問題もありますが、必ずしも目の前の財源確保だけを目的にして議論するのでないことは皆さんもよく御承知のとおりであります。この十数年の経緯を見ておりましても、これだけ国債残高が急激に増大した原因を分析してみますと、社会保障などでの歳出増大と税制改正による歳入の減少が大体半々ぐらいのウエートでそうした結果を生み出しているというふうに分析をしております。
 そういったことも踏まえて、二十二年度税制改正大綱において税制全般の見直しを進めていくこととしておりまして、消費税の在り方についても、今後、社会保障制度の抜本改革の検討などと併せて税制全般の見直しを進めていく中で検討していくというのがこの大綱における閣議決定の中身であります。
 こういった意味で、消費税の議論はこうした方針に沿って始められるものでありまして、消費税の議論をすること自体がおかしいという指摘は全く当たらないと考えております。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(江田五月君) 荒木清寛君。
   〔荒木清寛君登壇、拍手〕
#17
○荒木清寛君 私は、公明党を代表して、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案外二案につきまして、鳩山総理大臣並びに関係大臣に質疑いたします。
 我が国経済は、リーマン・ショック後の最悪期からは脱したものの、鳩山政権の理念なき経済財政運営によりデフレの進行に歯止めが掛からず、国民の生活不安は募るばかりです。
 このような鳩山不況の最大の原因は、経済効果が見込まれていた第一次補正予算を不要不急との理由で一部執行停止し、わざわざ景気を押し下げたばかりか、デフレ対策を日銀任せにするなど、政府の無策ぶりにあることは言うまでもありません。しかし、このような政府の失政により苦しめられるのは中小企業や家計であり、私たちは断じて看過することはできません。デフレ対策について、日銀頼みにせず、政府として責任ある対策を早急に講じるべきと考えます。総理の明快な答弁を求めます。
 このような極めて厳しい経済状況において、景気回復、雇用拡大が最優先課題であり、とりわけ中小企業に対しては金融面、税制面での適切な支援策が不可欠であります。しかし、今般の予算、税制を見てみると、子ども手当の財源を事業主や地方に押し付ける一方で、中小企業減税の多くは現状維持、さらに民主党がマニフェストで掲げた中小法人の軽減税率の半減は財源確保の見通しの甘さから先送りとなってしまいました。
 公明党は、中小企業支援に対する予算を更に充実するとともに、資金繰り対策、貸し渋り防止対策や景気を刺激する投資減税を今こそ大胆に講ずるべきと考えます。この点について、鳩山総理、財務大臣及び金融担当大臣の答弁を求めます。
 また、中小企業支援と併せて、公明党は国民生活の安全、安心の確保にも積極的に取り組んでまいりました。しかし、鳩山総理は、二十二年度予算において学校の耐震化予算を大幅に削減するなど、とてもいのちを守る政治とは思えない対応を講じようとしております。このような理念のなき歳出削減に対して我々が指摘を申し上げた結果、鳩山総理からは予備費で賄う余地もある旨の答弁がありました。改めて、学校の耐震化を予備費で対応するのかどうか、明快な答弁を求めます。
 あわせて、国債発行により確保した一兆円の経済危機対応・地域活性化予備費について、財政規律を守りつつどのように活用していくのか、その方針を財務大臣にお尋ねします。
 こうした国民生活の安全、安心の確保や中小企業の活性化など、国民のための施策を進めていくためには、その一方で将来世代に負担を押し付けることのないよう国の財政規律を確保し、将来の不安を払拭することが政府の責務であります。
 しかし、鳩山総理が無駄遣いの削減等で確保するとした子ども手当等の財源は、二十二年度に必要な七兆一千億円のうち、わずか二兆三千億円しか確保できませんでした。二十三年度には十二兆六千億円の恒久財源が必要となりますが、いわゆる埋蔵金によるその場しのぎはもう限界です。結局、特例公債に依存することとなるのではありませんか。総理は、負担先送りの回避を将来世代に対してどのように約束されますか、お答えください。
 負担の先送りを回避し、国民の将来不安を解消するためには、財政健全化目標を責任を持って示すことが必要です。複数年度を視野に入れた中期財政フレームや中長期的な財政規律の在り方を含む財政運営戦略は一体いつ示されるのですか。当初、予算編成時の十二月ごろとされていたその作成時期は、いつの間にか本年前半となり、ついには六月ごろだと総理はさきの党首討論において明言されました。公明党としては、財政健全化目標を早急に策定すべきと主張してまいりましたが、次々と先送りされていく印象を受けるのは私だけでしょうか。一体、早期策定の重要性を認識しているのかどうか、総理の見解を求めます。
 あわせて、財政健全化に向けた具体的な道筋と検討状況を財務大臣及び国家戦略担当大臣にお尋ねいたします。
 次に、所得税法等の一部改正案について質疑いたします。
 鳩山内閣初めてとなる二十二年度税制改正において示された国民の納得を得られる透明、公平な税制の構築との基本方針は肯定できます。しかし、実際に行われた改正はマニフェスト違反による理念なき増税など、真に国民の納得を得られるものとはなっておりません。
 例えば、社会で子育てを支援をすることや、控除から手当へという考え方の下、控除を見直すこと自体については特に異議はありません。しかし、子ども手当や高校の実質無償化の財源確保のため、個人住民税を含めた扶養控除の廃止や特定扶養控除の縮減など、マニフェストに掲げていないつまみ食い的な控除の廃止を行うのであれば一部の世帯は負担増になります。本来、人的控除の在り方は税制抜本改革の中で整合的に検討されるべきであり、理念なき増税は国民生活を不安にさせるだけです。
 今後、二十三年度の子ども手当の財源として配偶者控除や成年扶養控除を廃止するのかどうか、また給付付き税額控除の制度をいつから導入するのか、財務大臣の答弁を求めます。
 マニフェスト違反という点では、ガソリンの暫定税率が実質的に維持され、二兆五千億円の実質増税となった点についても批判は免れません。総理にはまず、ガソリン値下げ隊など過剰なパフォーマンスで暫定税率の廃止を国民との約束だと明言されてきたことについて、不明を恥じるとともに、その真意を改めて説明していただきたい。
 公明党は、地球温暖化対策を更に推し進めるためには環境税の検討が必要だと考えておりますが、その導入には、税収の使途や、企業、家庭の負担などについて国民に十分な理解を求めることが不可欠となります。二十三年度税制改正に向けた総理の決意をお尋ねします。
 いわゆる租特透明化法案については、これまで参議院の議員立法について様々な問題点を指摘してきたところです。今回の政府案については、個別企業名の公表が削除されるなど改善が図られており、参議院における充実した審議が反映されたものとして評価します。その上で、さらに、適用額明細書の提出や適用実態調査に当たって納税者及び課税当局の事務負担の軽減について更に配慮が必要であることを政府に要請をいたします。財務大臣の答弁を求めます。
 最後に、真に国民に納得される税制を構築するという点で、鳩山総理の贈与税問題は極めて重大です。税制に対する国民の信頼を傷つけた徴税行政の最高責任者のこうした行為は到底許されるべきものではありません。改めて御自身の贈与税問題に対し国民の納得できる明確な説明を求めるとともに、総理の納税意識の欠落に対し猛省を求め、質疑を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#18
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 荒木議員にお答えをいたします。
 まず、デフレ対策についての御質問がございました。
 政府は、デフレの克服に向けて日銀と一体となって強力かつ総合的な取組を今日まで行ってまいりましたし、これからも行ってまいりたいと思います。日銀に対して、したがって今後とも適切かつ機動的な金融政策運営によってデフレ克服に向けて頑張っていただかなきゃならぬと、その思いで経済を下支えするように期待をしたいと思っております。
 また、緊急経済対策に伴う第二次の補正予算と、今御審議をいただいている平成二十二年度の予算、さらに、これは中長期的でありますが新成長戦略の推進、こういったものを行って、デフレ克服と景気回復、この道筋を確かなものにしていきたいと、そのように考えているところでございます。
 中小企業の支援に対する御質問でございました。
 国の礎である中小企業への対策は、この内閣の最も重要な柱の一つでございます。二十二年度の当初予算案の中では、資金繰りの対策あるいはものづくり、さらには商店街、海外の展開支援など、前年度比二十一億円増でありますが、千九百十一億円を確保したところでございます。特に、資金繰りの対策については、当初予算案と二次補正予算を合わせまして一兆二千億円以上の予算を確保しておりまして、中小企業の金融円滑化法の適切な執行も併せて行っているところでございます。
 また、本国会に提出中の改正税法において、中小企業者が一定の設備投資を行った場合に税制上の優遇措置を設ける制度についても、平成二十三年度末まで延長する内容を盛り込んでいるところでもございます。
 それから、学校の耐震化についての御質問もいただいたところでございます。
 子供たちや地域の住民の皆さん方のいのちを守るという観点から、学校の施設の耐震化は早期に進めるべき重要な課題であると、公明党さんもかねてから主張しておられます、私どももそのように考えております。まずは、平成の二十二年度の予算の早期成立を目指して、その上で予算の効果的あるいは効率的な執行に努めるとともに、その執行状況を踏まえて二兆円の景気対策枠の活用なども視野に入れてまいりたいと思っておりまして、学校の耐震化を積極的に推進をしてまいりたいと思っております。
 恒久的な財源に関するお尋ねでございます。
 二十二年度の予算におきましては、国の総予算の見直しによって二兆三千億円に上る大幅な歳出削減を行うとともに、公益法人の基金の返納などによって一兆円の税外収入も確保したところでありまして、国債増発に依存することなく、マニフェストの工程表の主要事項に充てることのできる財源を合わせて三兆三千億円確保したところでございます。
 二十三年度以降についても、今後策定をいたします中期財政フレームやあるいは財政運営戦略、こういった戦略を踏まえて、行政刷新会議などを積極的に活用してまいります。そのことによって必要な財源をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
 その中期財政フレームあるいは財政運営戦略の策定時期についてのお尋ねが重ねてございました。
 未来に向けて国民の皆さんが安心してお暮らしができる社会保障の整備と、さらに新たな経済成長への投資を行うために財政の健全化は不可欠の前提だと認識をいたしております。したがいまして、本年前半には、複数年度を視野に入れました中期財政フレームをつくり上げますとともに、中長期的な財政規律の在り方を含む財政運営戦略を策定をすると。そのことによって、財政健全化への道筋をきちっと示してまいります。
 揮発油税などの暫定税率についての御質問がございました。
 これは先ほどもお答えをいたしましたが、ガソリン税などの暫定税率につきまして熟慮を重ねた結果、現行の十年間の暫定税率そのものは廃止をいたしますけれども、厳しい財政事情や地球温暖化防止の観点、それから原油価格が現在安定しているということなどを勘案した結果、当分の間、その税率水準は維持をするということにいたしたわけでございます。
 暫定税率の取扱いに係りましてこのような考え方になりましたことで、これまでも率直に国民の皆様方におわびを申し上げてまいったところでございまして、これからもしっかりと説明をしてまいりたいと考えております。
 地球温暖化対策税の導入について御質問がございました。
 地球温暖化対策のための、いわゆる環境税とおっしゃっていましたが、税につきましては、所得税法等の一部を改正する法律案において、平成二十三年度の実施に向けた成案を得るよう検討を行うと、その旨の規定を盛り込んだところでございます。したがいまして、この方針にのっとりまして、政府としてしっかりと取り組んでまいります。検討に当たりましては、税の在り方について国民の皆様方の御理解が得られるよう努めてまいりたいと思っておりまして、公明党さんにも様々御指導願えればと思っております。
 それから、贈与税につきましての御質問でございます。
 これまでもお答えを申し上げておりましたが、検察の捜査によりまして初めて母から資金提供があるということを理解をいたしました。したがいまして、脱税とか滞納の意図というものは全くなかったわけでございます。これまで全く承知をしておらなかったと。そして、検察の捜査によって初めて解明されたということ自体がやはり私の不徳の致すところだと、そのようにも認識しております。
 納税が遅れたことを真摯に反省をいたしておりまして、納税者の皆さん、国民の皆様方に改めて深くおわびを申し上げておきたいと思います。国民の皆様方になかなか御納得いただくにはまだ時間が掛かるとは思っておりますが、事実は事実としてありのままに説明を尽くすしかないと、そのように思っておりまして、一方で、政権交代で私どもに与えられました使命を果たさなければなりません。したがいまして、身を粉にして働くことで責任を取ってまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(菅直人君) 荒木議員にお答えします。
 中小企業支援対策については、予算全体を必要性の高い分野に配分するとの考え方の下、重点的に措置をしているつもりであります。
 まず、二十一年度二次補正予算では、中小企業の資金繰り対策等について一兆円を超える予算を講じたところであります。さらに、二十二年度当初予算案においても、中小企業対策を充実させる観点から、中小企業の資金調達の円滑化、仕事をつくるための研究開発支援、中小企業の経営支援・下請取引適正化に関する施策等に重点的に予算配分をし、前年度比一・一%増の金額を確保しております。
 また、本国会に提出中の改正税法において、中小企業投資促進税制の適用期限を延長する内容を盛り込むなど、中小企業にはできる限りの配慮を行っている、そのようにいたしております。
 二番目に、経済危機対応・地域活性化予備費に関する御質問でありますけれども、二十一年度予算ではこの項目に一兆円を計上いたしております。これは、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい景気の現状にかんがみ、景気の二番底を回避するため万全の備えをすることとしたものです。予備費は予見し難い予算の不足に充てるものでありまして、現段階で具体的に決まっているわけではありませんが、我が国経済や地域の動向を注視し、必要に応じて機動的に対応してまいりたいと、このように考えております。
 財政健全化の道筋についてでありますけれども、現在、内閣の下に、成長戦略、税制調査会、新しい年金制度の検討、社会・税制番号等の議論を始めておりまして、そういうものを踏まえながら、いよいよこれから財政健全化のある意味での議論にそれぞれの中で得た結論を反映させていきたいと思っております。
 そういった意味で、本年前半には、国家戦略担当大臣を中心に、複数年度を視野に入れた中期財政フレーム及び中長期的な財政規律を含む財政運営戦略を策定し、財政健全化への道筋を示していく方針です。中期財政フレームと財政運営戦略の基本的な枠組みについては、その検討のために、一月末に、これは国家戦略室において有識者による中期的な財政運営に関する検討会を立ち上げていただいておりまして、財務省からも副大臣、政務官が参加をして国家戦略室と連携して検討を進めてまいることにしております。
 次に、配偶者控除、成人扶養控除の廃止及び給付付き税額控除の導入についての御質問でありますけれども、昨年末に閣議決定いたしました税制改正大綱において、まず成人扶養控除については、議論を深めて幅広い国民的な合意を得ながら、今後、その見直しに取り組むとしており、配偶者控除については、考え方等について広く意見を聴取しつつ整理を行った上で、今後、その見直しに取り組む。さらに給付付き税額控除については、我が国で導入する場合には、所得把握のための番号制度等を前提に、関連する社会保障制度の見直しと併せて検討を進めるとされておりまして、こういった形で検討を進めていきたいと、このように考えております。
 租特透明化に関する事務負担についての御質問をいただきました。
 適用額明細書の提出を求めるに当たっては、明細書の様式や記載を求める内容を工夫するなど、納税者の事務負担には極力配慮をすることといたしております。今後、納税者への周知徹底を図るなど、丁寧に対応してまいりたいと思っております。
 また、租特透明化法の執行に当たっては、まずITの活用などにより極力効率的な事務の実施に努めることといたしており、それでも現状の体制で人員が不足されると見込まれる場合には所要の手当ても検討しなければなりませんが、できるだけITの活用などによってそうした人員増は避けてまいりたい、このように考えております。
 以上、答弁とさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣亀井静香君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(亀井静香君) お答えいたします。
 中小企業、零細企業、また商店、サラリーマンの金繰りを少しでも楽にしてあげるために、昨年の臨時国会において、公明党の強い御協力をいただきまして金融円滑法案を成立をさせ、現在施行しておるわけであります。
 また、金融庁といたしましても、監督検査マニュアル、これを抜本的に改正いたしまして、金融機関がコンサルタント的そうした役割を果たすように、今もう必死になって指導を展開しておるところであります。
 ただ、私が今痛感をしておりますことは、金繰りを楽にしてあげることも大事なことでありますが、それ以上にもうかる仕事をどう出していくかと、このことだと私は思っております。金融政策と相まって内需の拡大を大胆に思い切ってやっていくことをやらなければならない、そのように考えております。鳩山総理は今後それを私はやっていただけると、このように確信をしております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣仙谷由人君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(仙谷由人君) 財政健全化についての御質問をいただきましたので、答弁をいたします。
 我が国の財政状況が主要先進国の中で最悪の水準であることは御承知のとおりでございます。
 先ほど総理大臣、財務大臣からもお答えをいたしましたので重複しないように補充をいたしますと、この中期財政フレーム、財政運営戦略の策定に際しましては、諸外国の取組も参考としながら構造的な財政赤字の削減につなげる、中長期的には公的債務残高の対GDP比を安定的に縮減させていく、このことを念頭に置いて検討を進めます。
 もう少し具体的に申し上げますと、私の下に設置されております中長期的な財政運営に関する検討会におきまして、今月末までをめどに論点整理を取りまとめたいと。この論点整理を踏まえて今後更に検討していきたい、こう考えております。
 以上であります。(拍手)
#22
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#23
○議長(江田五月君) この際、日程に追加して、
 平成二十二年度地方財政計画についての国務大臣の報告並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案についての提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。原口総務大臣。
   〔国務大臣原口一博君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(原口一博君) 平成二十二年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成二十二年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 本計画の策定に際しては、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、地域主権の確立に向け、地域に必要なサービスを確実に提供できるよう、地方財政の所要の財源を確保することで、住民生活の安心と安全を守るとともに地方経済を支え、地域の活力を回復させていくとの基本理念に立ち、経費全般について徹底した節減合理化に努める一方、地域のニーズに適切にこたえるために必要な経費を計上するほか、安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税などの一般財源総額の確保を図ることを基本としております。
 過去最大規模の財源不足については、適切な補てん措置を講じることとし、地方財政の運営に支障が生じないようにしております。
 以上の方針の下に、平成二十二年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、八十二兆一千二百六十八億円となり、前年度に比べ四千二百八十九億円の減となっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 支え合う社会を実現するとともに、経済社会の構造変化に対応し、国民が信頼できる税制を構築する観点からの税制全般にわたる改革の一環として、個人住民税における扶養控除の見直し、自動車取得税及び軽油引取税の税率の特例措置の見直し、地方のたばこ税の税率の引上げ、地方税における税負担軽減措置等の適用状況等に関する報告書を国会に提出する措置の創設を行うとともに、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成二十二年度分の地方交付税の総額については十六兆八千九百三十五億円を確保するとともに、単位費用の改定を行うほか、平成二十二年度における措置として雇用対策・地域資源活用臨時特例費を創設し、あわせて、旧資金運用部資金等の繰上償還に係る措置の延長、公営競技納付金制度の延長、地方特例交付金の拡充等を行うこととしております。
 以上が、平成二十二年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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#26
○議長(江田五月君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。加賀谷健君。
   〔加賀谷健君登壇、拍手〕
#27
○加賀谷健君 民主党・新緑風会・国民新・日本の加賀谷健です。
 ただいま議題となりました平成二十二年度地方財政計画並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問をさせていただきます。
 初めに、本日、この本会議場で質問に立つ機会をお与えいただき、また私の演説に耳を傾けてくださるすべての会派の先輩、同僚議員の皆様に深く感謝を申し上げます。
 さて、地方の長期債務残高と国債等を合わせた我が国の借金は、平成二十二年度末で一千兆円を優に超えます。国民一人当たり一千万円近い借金は、残念ながら間違いなく私たちの子供や孫に押し付けることになります。国会においては、こうした視点から、子供たちに納得してもらえるよう真摯で建設的な議論をする責任があるのではないでしょうか。
 しかし、昨今の国会の状況はいかがでしょうか。審議拒否や激しいやじはとても子供たちのお手本とは言えません。政権交代が実現しても、国民の間に国会審議の在り方は何も変わらないではないかという失望感が漂うことを私は心配をしております。
 今年は我が国の議会制度がスタートをして百二十年目になりますが、尾崎行雄翁は、昭和二十二年三月十三日の衆議院本会議で議会の在り方を次のように問うています。
 立憲政治によって開かれたところの議会は、打ち解けて国家全体のために懇談熟議すべき場所である。各々己の主張はあるけれども、それはごく穏やかに述べて、お互いに譲り、力を合わせて国家全体の利益を図らなければならない。それが議会の本体であり、激しい言葉を用いて、互いに悪口ざんぼうするのが議会の真面目と心得て、今日もなおそれを継続してござるように見受けられる。
 このように述べてから六十年余り、憲政の神様は今の国会をどのように御覧になっているのでしょうか。
 今、我が国から信頼が失われつつあります。それは政治や行政、世界的な我が国の大企業、マスコミ、さらには警察、検察まで広がり、日本総不信と言っても言い過ぎではありません。
 敗戦以来とも言える危機的な状況から我が国を立ち直らせ、国民の生活を守り、希望と安心を与えることこそ、政治の、そして私たち政治家の最大の使命であるはずです。そして、私たち国会議員が真摯な議論と行動によって国民からの信頼を取り戻すことがその第一歩ではないでしょうか。信なくば立たずであります。
 さて、政権交代が実現し、鳩山内閣が誕生し、今月の十六日で半年を迎えます。地域主権を掲げる民主党を中心とする鳩山内閣が、小泉内閣以来の五兆円もの交付税大幅削減により格差が拡大し、疲弊し切った地方を三位一体改悪以前の水準に戻そうとしている点は高く評価できます。そこで、原口総務大臣に小泉構造改革の評価と地方交付税に対する基本的な考え方をお尋ねいたします。
 平成二十二年度地方財政計画では、大幅な税収減の下でも地方交付税を一・一兆円増額し、臨時財政対策債と合わせた実質的な地方交付税を三・六兆円増額するなど、地方自治体からもおおむね好意的な評価をいただいているものと思います。
 さらに、地方交付税の在り方を含め、地方の自主財源の充実強化に向けてまだまだ見直しが必要だと考えます。私たち民主党は、マニフェストの中でひも付き補助金の廃止と一括交付金化を掲げ、また折半ルールの見直しを求めてきました。
 原口大臣は、地域主権改革担当大臣として地域主権改革関連二法案をまとめられ、地方と国とが真に対等な地域主権国家に向けて大きな一歩を踏み出されましたが、税財源についても今後更に地方への移譲を進めるべきと考えますが、具体的にどのように取り組まれようとしているのか、お聞かせをください。
 この点に関連し、地方財政審議会が昨年十二月に出した意見では、地域主権型地方財政においては、国と地方の役割分担に応じて五対五に税源を配分することを当初目標として、歳入の中心を地方税とすべき、一括交付金制度は過渡的な制度と位置付け、できるだけ速やかに地方が自由に使える財源としていくことを前提とすべきと提言されています。政府としてこの提言を具体的にどのように受け止め、取り組んでいく方針なのでしょうか。
 また、地方財政の基盤を強固にしない限り、地方の借金も膨らむばかりです。消費税を含む我が国の税制全体の在り方や納税者番号制度など、タブーをなくし、自治体や広く国民の声を聞きながら早急に論議をすべきと考えていますが、いかがでしょうか。併せてお伺いをいたします。
 公債費負担対策については、一・一兆円規模の公的資金補償金免除、繰上償還を三年間延長しました。このことは、当面の措置としては大いに評価すべきと思います。しかし、地方が抱える過去の借金への負担を軽減することはもとより、根本的かつ将来的に地方の借金をなくしていくための取組が求められます。原口大臣のお考えをお聞かせください。
 昨今の景気と雇用の悪化による生活保護費など社会保障関係経費の急増は、失業者などが集中する大都市の一般財源を大きく圧迫をしています。大阪市では市民の二十人に一人が生活保護受給者という状態で、朝日新聞が県庁所在地や指定都市など六十九自治体を対象に調査したところ、生活保護関連予算は前年比四・二倍の千三百八十四億円にも上ったとのことでした。
 生活保護制度は憲法二十五条が保障する国の制度であり、必要な費用は全額国が負担すべきとの意見も少なくありません。大臣のお考えをお聞かせください。
 私の地元千葉市では昨年、三十一歳で熊谷市長が誕生をいたしました。脱・財政危機宣言を出し、財政健全化に向けて積極的に取り組んでおります。ところが、不良債務を抱える土地開発公社などを整理するために、第三セクター等改革推進債を活用すると、かえって早期健全化団体となってしまうため、債務処理に対しちゅうちょせざるを得ない状況となっております。指定都市の自主的な財政健全化推進を促すためにも、一般市町村とは異なる基準の設定や実質公債費比率の弾力的な算定が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 以上、各論についてはこれからの委員会でも議論をさせていただきたいと思いますが、政権交代で地方が元気になるんだという強いメッセージを込めた決意を是非原口大臣にお伺いしたいと思います。
 私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣原口一博君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(原口一博君) 加賀谷議員から八点お尋ねがございました。
 尾崎咢堂公のお言葉を引かれて、そして県議として五期連続、一貫して地域の発展に貢献された議員に心から敬意を表します。
 小泉構造改革の評価についてでございますが、これはトリクルダウンといいまして、だれかが一点を持って、そしてその人が先に行けば、あと地域は何とかなるだろうと、こういう考え方、私たちはこういう考え方に立ちません。小泉政権時に実施された三位一体改革は、地方交付税の五・一兆円減などにより、財政力の弱い自治体を中心に地方をより疲弊させたというふうに考えています。私たちはそのような立場に立つんではなくて、日本は様々な可能性を地域が持っています。その可能性をどこからでも開けるようにする、これが大事だと思います。
 地方交付税については、鳩山内閣の一丁目一番地である地域主権改革を財政面で支える重要な財源です。このため、法定率の引上げを視野に入れ、これから地方の自主財源確保に努めてまいりたいと思っております。
 次に、地方の税源移譲についてお尋ねがございました。
 地域主権を実現するためには、地方が自由に使える財源を増やし、自治体が地域のニーズに適切にこたえられるようにしなければなりません。公共サービス格差が広がっています。この格差は是認できません。そのため、地域の自給力と創富力を高める緑の分権改革を推進するとともに、ひも付き補助金の一括交付金化等に向けた検討を行います。
 さらには、平成二十二年度税制大綱を踏まえ、地方環境税、それから地方消費税の充実に向けて、税制調査会において積極的に議論を行い、地方の御意見を勘案しつつ、地方税財源の充実に取り組んでまいります。
 次に、地方税に関する地方財政審議会の意見についてお尋ねがございました。
 地方自らが課税権を持つ地方税を地方の歳入の中心となるよう充実していくことは極めて重要です。先ほども申し上げました大綱においても、地方が自由に使える財源を拡充する観点から、国、地方間の税財源の配分の在り方を見直すと明記したところでございます。地方財政審議会の意見や税制改正大綱の方向性に沿って、地方の御意見を踏まえながら、地方消費税の充実など、税の偏在性が少ない、税収が安定的な地方税体系の構築に努めてまいります。
 次に、一括交付金に関する地方財政審議会の意見についてお尋ねがございました。
 鳩山内閣の一丁目一番地である地域主権の実現のためには、地方が自由に使える財源を増やす、先ほど申し上げたとおりです。その中で、ひも付き補助金の一括交付金化や地方税財源の充実確保に向けた検討を行い、更には財源保障機能や財政調整機能、これを強化して新たな制度の検討を進め、地方が自由に使える財源の充実強化に取り組んでまいります。
 次に、税制全体の在り方に関する議論についてお尋ねがございました。
 先ほどの大綱の中には、歳入構造改革と歳出構造改革一体に議論すべきだということを入れさせていただいています。具体的な我が国の中長期的な税制抜本改革実現に向けて、具体的ビジョンの調査研究を行うため、先般、税制調査会に専門家委員会を設置し、検討を開始したところでございます。
 また、番号制度の導入に関しても、社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会において検討を開始いたしました。地域主権改革を推進する観点から、地方の意見、国民の声を伺いながら早急に議論を重ねてまいります。
 次に、地方の借金をなくしていくための取組についてお尋ねがございました。
 財政の健全性や自由度の確保は重要であり、このため、地方債発行量の抑制に取り組むことは大変意義深いことであると、議員がおっしゃるとおりだと思います。
 地域主権改革が財政面で過度に地方債に依存するものとならないよう、地方交付税の法定率の引上げを視野に入れ、地域主権戦略会議において、地方税財源の充実確保に向け、財源保障機能と財政調整機能を強化した新たな制度の検討を進め、何といっても地方が自由に使える、今回も随分増やさせていただきましたが、この財源の充実強化に取り組んでまいります。
 生活保護についてお尋ねがございました。
 生活保護費について、地方も一部、これ四分の一ですけれども、負担をする趣旨は、地方もその区域内の住民の保護の実施について責任を負っている等によるものでございます。
 現行の国庫負担率四分の三については、生活保護が国として責任を持つべき事業であることから他の制度と比べて高い水準の負担率となっており、また、地方の負担四分の一については、地方交付税の基準の財政需要額、この中に算入し、財源保障を行っているところでございます。
 最後に、実質公債費比率についてお尋ねがございました。
 千葉・熊谷市長さん、随分頑張っていただいています。ありのままの財政状況を公表し、財政の健全性を確保する見地から、実質公債費比率は客観性や全国での共通性を維持する必要があります。金融市場関係者にも指標の客観性を信頼していただいております。
 また、御指摘の公社等の処理も全国的な課題でございまして、第三セクター等改革推進債の償還期間を十分に、薄く長くですね、確保し、毎年度の負担や実質公債費比率にも配慮することが可能であると考えております。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
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#29
○議長(江田五月君) 礒崎陽輔君。
   〔礒崎陽輔君登壇、拍手〕
#30
○礒崎陽輔君 自由民主党の礒崎陽輔です。
 自由民主党・改革クラブを代表して、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案並びに平成二十二年度地方財政計画について質疑を行います。
 初めに、チリ大地震において被災された皆様に対し、心からお見舞いを申し上げます。あわせて、一刻も早い復興をお祈りいたします。
 平成二十二年度予算案を審議する参議院予算委員会の冒頭で、原口総務大臣、前原国土交通大臣、仙谷特命担当大臣の三人が遅刻をするという前代未聞の不祥事が起きました。内閣の緩み切った姿勢が明らかにされるとともに、参議院を軽視した極めて遺憾な事態であります。今回は遅刻三兄弟と呼ばせていただいても与党の皆様に御不満はないと思います。政治主導、政治主導と言いながら、いかに事務方との意思疎通を欠いているかということも露呈いたしました。
 原口総務大臣は、予算委員会開会時刻後にツイッターをしていたと聞いています。先日のチリ大地震の際にも津波警報をツイッターに掲載したとして批判されたばかりであります。ツイッターが悪いとは言いませんが、消防庁を所管する危機管理担当大臣としてもう少し職務に専念してはいかがなものでしょうか。大臣が日々ツイッターに明け暮れている姿は国民が望むものではないでしょう。原口総務大臣の答弁を求めます。
 今、地域経済は極めて厳しい状況に陥っています。高校生や大学生の就職も本当に深刻です。そうした中で政府は、コンクリートから人へと称して、公共事業費を一八%以上も削減する予算案を提出しています。このことにより失業率が一・一%以上増大するという民間機関の調査結果も出ています。
 前原国土交通大臣は、公共事業が減っても地方に配るお金は増えているから大丈夫だという趣旨の答弁を繰り返しています。本当でしょうか。原口総務大臣は、地方交付税を一兆一千億円増やして地方が自由に使える財源を増やしたと大宣伝しています。これも本当でしょうか。
 平成二十二年度の地方の財源不足額は十八兆円を超え、本年度と比べても一気に八兆円近く増大しています。財源不足額とは、簡単に言えば基準財政収入額と基準財政需要額の差額で、本来地方交付税で補てんすべき額が地方交付税の法定分だけでは満たされない額をいいます。
 今、財源不足額が十八兆円もあるのです。地方交付税を一兆一千億円増額して、後年度、国と地方が折半する財政対策債の発行を縮減したことは一定の評価ができます。しかし、それは十八兆円にも及ぶ財源不足額のごく一部であり、焼け石に水であります。かつ、地方交付税の増額は財源不足額の補てんであって、これによって地方が自由に使える財源が増えるわけでは決してありません。
 さらに、この措置は単年度の措置であり、平成二十三年度以降の保証は全くありません。原口総務大臣は、昨年の臨時国会における私の質問に対し、地方交付税の交付率を一〇ポイント程度引き上げると答弁しました。全然実現していません。約束違反ではありませんか。原口総務大臣の答弁を求めます。
 地方が自由に使える財源が増えたと言えるためには、地方財政計画上、一般歳出や一般財源が増えていることが必要です。このことについて、総務省資料では、地方一般歳出が三年連続の増で、一千億円増額したと宣伝しています。本当でしょうか。
 驚いたことには、総務省資料のどこにも書いていないのですが、この一般歳出の増の中には子ども手当一兆三千億円が含まれていたのです。今日は子ども手当の善しあしは論じません。しかし、御承知のとおり、子ども手当は一部を除き全額国が負担するスルーの経費、すなわち財政的には地方を素通りする経費であります。当然地方が自由に使える財源などではなく、子ども手当を差し引けば、一般歳出は実に一兆二千億円のマイナスではないですか。さらに、子ども手当以外の義務的経費の増も差し引けば、一般歳出は本年度より二兆一千億円のマイナスになります。大緊縮予算ではないですか。
 また、地方一般財源についても、総務省資料では、地方税が減る中、一般財源が三千億円増額したと宣伝しています。本当でしょうか。この増額の中にも子ども手当に係る五百億円が含まれていました。義務的経費の増に係る一般財源五千億円や、起債の償還財源である公債費の増一千億円までも含まれており、これらを差し引けば、実質的には一般財源は三千億円のマイナスになります。
 このように、総務省資料による厳しい財政状況の中、地方一般歳出や地方一般財源を増額したという宣伝は、全くの誇大広告と言わざるを得ません。子ども手当のような義務的経費を加えれば、一般歳出や一般財源は、形式的には本年度より多少増加していますが、これを差し引けば実質的には大幅なマイナスになっています。
 このような官僚の作文を総務大臣がうのみにして、地方の皆さんに誤解を与えるような表現で都道府県知事や市町村長に伝えていいのでしょうか。原口総務大臣の答弁を求めます。
 最大の問題は、コンクリートから人へと称して、地方単独事業を一兆二千億円、一五%も削減したことです。
 昨年の臨時国会で私は、地方交付税を増額しても財政需要を積み上げなければ全く意味がないと質問しました。そのとき、原口総務大臣は何を言われたのかちんぷんかんぷんな顔をしていましたが、その後、理解してくれたようであります。結果的に、地域活性化・雇用等臨時特例費九千八百五十億円を地方財政計画に計上したことは一定の評価をします。
 しかし、その一方で、地方単独事業を一兆二千億円削減し、本年度計上された地域雇用創出推進費五千億円を削減し、合計で一兆七千億円の歳出を削減しては何にもならないじゃないですか。差引き約七千億円のマイナスになります。どうしてこれで地方が自由に使える財源が増えたことになるのですか。単純な引き算をすれば分かることでしょう。
 このことを一般財源ベースで見ても同じことです。地方単独事業は、現実にはその財源として大部分が地方債を充てていますが、地方財政計画上は約六割が一般財源とされています。そのため、一兆二千億円の事業費の削減に伴い、七千億円の一般財源が削減されています。一般財源割合の高い地方単独事業費を削減するのが、財務省が一番喜ぶことなんです。地方交付税を一兆一千億円増やしたといっても、一方で地方単独事業を一兆二千億削ってやれば、財務省はほいほいと笑顔で応じたことでしょう。お釣りも一千億円出ます。
 国の予算で公共事業が大幅に削減され、さらに地方財政計画で地方単独事業も大幅に削減され、地方は踏んだりけったりです。地方財政と地域経済は本年度よりも一層厳しくなりました。
 報道によれば、都道府県予算案の地方単独事業は本年度よりも一%しか減っていません。公共事業を一八%も削減されると、地方では地方単独事業に望みを託すしかないのです。そのため、徳島県では、地方単独事業を積み上げるため、万やむなく自殺対策基金や雇用再生基金まで取り崩したと聞いています。これだけ大幅な地方単独事業費の削減を行っていながら、地方が自由に使える財源を増やしたなどといいかげんなことを言うのはもうやめてください。
 このような縮小された国や地方の財政措置の下で、どうしたら地域経済の活性化を図ることができるとお考えですか。原口総務大臣及び前原国土交通大臣の答弁を求めます。
 結局、地方財政計画は官僚ベースで作られ、地方財政を一層厳しくするものになっているのです。与党の皆さんは政治主導ということを声高に唱えています。そうであれば、地方財政についても官僚主導にならないようもっとしっかり勉強してほしいものです。
 民主党は、地域主権は一丁目一番地の政策であると言っています。自民党は地域主権という言葉は不適切な言葉であると考え、使っていません。しかし、地方分権はこれまで与野党一致して取り組んできた課題であり、今後も一緒に取り組んでいかなければならない重要な政策です。
 そうした中、来年度の地方財政計画を見る限り、原口総務大臣は財務省というお釈迦様のたなごころの上できん斗雲に乗って世界を飛び回っていると勘違いしている孫悟空にしか見えません。これから大出世するのでは、今の厳しい地域経済を救うのには手遅れです。
 地方交付税は増額されましたが、地方が自由に使える財源は全然増えていないのです。地方財政計画は、地方交付税の増額を主張する原口総務大臣の顔を立てるため、一方で地方単独事業を大幅に削減して均衡を図ったものと考えますが、違いますか。原口総務大臣の答弁を求めます。
 地方財政計画も、結局子ども手当に振り回されました。経常的な財源であった地方単独事業が大幅に削減されたことも地方にとっては大きな痛手です。私は、今年も財務省の壁が破れなかったと落胆せざるを得ません。
 最後に、真に地方財政の自立を確実なものとするため、地方交付税関連五税の交付率の大幅な引上げを求めます。引上げの方針について、原口総務大臣及び菅財務大臣の明確な答弁を求め、質疑を終わります。(拍手)
   〔国務大臣原口一博君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(原口一博君) 礒崎議員から六点お尋ねがございました。
 まず、危機管理担当大臣としてもう少し職務に専念すべきとのお尋ねがございました。参議院予算委員会の遅刻については、改めておわびを申し上げます。そして、二度とこのようなことが起こらないよう三重の対策を講じたところでございます。
 総務大臣としては消防庁も所管しており、危機管理には万全を尽くす必要がございます。先般のチリ中部沿岸を震源とする地震による津波に際しましても、地震発生当日の二月二十七日から、消防庁に対し今回の津波の対応に万全を期すよう指示し、津波当日の二十八日には、消防防災・危機管理センターに設置した災害対策本部にて随時指示を行うとともに、北海道、青森、岩手、宮城の四道県知事とは直接連絡を取り、状況を確認いたしました。今後とも、国民の安全確保のため、危機管理に万全を期してまいります。
 なお、ツイッターについては、適時適切に正確な情報の発信のツールとして活用しておるところでございます。
 次に、地方交付税の法定率の引上げができなかった理由及び今後の方針についてお尋ねがございました。
 法定率の引上げについては、平成二十二年度における国税五税の税収が異常とも言える低い状況にあることも踏まえ見送ることとなりましたが、財源不足の補てんルールは平成二十二年度限りの措置としたところでございます。
 今後は、地域主権改革を財政面で支えるため、議員が御指摘のように法定率の引上げを視野に入れ、地域主権戦略会議において、地方税財源の充実確保に向けて、地方が自由に使える財源の充実強化とともに取り組んでまいります。
 次に、一般歳出及び一般財源が実質的にマイナスであり、地方に誤解を与えるのではないかとのお尋ねがございました。
 来年度の地方財政計画では、単独の投資的経費は一・二兆円の減としておりますが、約一兆円の地域活性化・雇用等臨時特例費の創設などによって減少分と同額を歳出に計上しています。これにより、地方の一般歳出の総額は、前年度に比べて〇・一兆円の増を確保しています。これは歳出です。目、財源。一般財源についても、総額で〇・三兆円の増、不交付団体の水準超経費に相当する額を除いた場合には一・〇兆円の増となっており、地方が自由に使える財源を充実しているところでございます。
 次に、地域経済活性化の方策についてお尋ねがございました。
 平成二十二年度においては、当面の地方単独事業の実施に必要な歳出として地方財政計画に約一兆円の特別枠、地域活性化・雇用等臨時特例費を創設し、同額を交付税に加算したこと等により、交付税を一・一兆円増額しています。また、本年度の第二次補正予算において、自治体によるインフラ整備等を支援する地域活性化・きめ細かな臨時交付金五千億を創設しております。
 これらの地方が自由に使える財源を活用して、地域の実情やニーズに応じた経済活性化につながる施策を展開していただくとともに、地域の、議員がおっしゃるように、財源が十八兆も不足していたら、それはやれることは限りがあるんです。その中で、やはり地域の自給力、創富力、富を生み出す力、これを高める緑の分権改革を推進してまいります。
 最後に、地方単独事業の削減と交付税の増額についてお尋ねがございました。
 来年度の地方財政計画では、単独の投資的経費は一・二兆円の減としておりますが、当面の地方単独事業の実施に必要な歳出として約一兆円の地域活性化・雇用等臨時特例費を創設し、同額を先ほど申し上げましたように地方交付税に加算したこと等により、一般歳出総額で前年度増の〇・一兆円を確保するとともに、地方交付税を一・一兆円増額しました。これにより、各自治体は、経済情勢など地域の実情やニーズに応じた施策を実施できるものと考えております。地方六団体からも高く評価する旨の共同声明もいただいておることを付け加えて、答弁に代えます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣前原誠司君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(前原誠司君) 礒崎議員にお答えいたします。
 公共事業削減に関するお尋ねがありました。
 人口減少、少子高齢化、莫大な財政赤字という日本が置かれた状況を踏まえますと、公共事業を抑制し、一方で、子育て、教育、社会保障など、人への予算配分へと変えていかなければならないと考えております。
 来年度予算におきましては、公共事業を通じた地方への資金供給は確かに減っておりますが、一方で、地方交付税一・一兆円の増額、子ども手当や農業戸別所得補償制度の創設、高校の実質無償化、さらには医療、介護向けの予算等が増えており、これらのいのちを守る予算が民間消費の拡大を通じて地域経済を下支えするものと考えております。
 ちなみに、議員が選出をされています大分県で見ますと、投資的経費推計は確かに二百八十五・八億円減っておりますけれども、地域活性化・雇用等臨時特例費配分推計五十八・七億円、子ども手当あるいは高校無償化予算配分を含めた一般行政経費増分二百六十二・八億円、農家戸別所得補償配分七十二・二億円と、プラスマイナスいたしますと七十二・九億円の増となっております。議員は自治体へのお金のプラスマイナスを論じておられましたが、鳩山政権は家計に直接渡る比率を増やしておりますので、地方自治体のみの予算の増減で論ずるのは極めて一面的であります。
 いずれにいたしましても、これからは、暮らしの安心を支える医療や介護、未来への投資である子育てや教育、地域を支える農業、林業、観光などの分野でしっかりとした産業を育て、新しい雇用と需要を生み出していくことが地域経済の活性化に重要であり、政府一体となって取り組んでいきたいと考えております。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(菅直人君) 礒崎議員にお答えを申し上げます。
 地方交付税法定率の引上げについての御質問をいただきました。
 私どもとしては、地域主権戦略の工程表に従い、ひも付き補助金の一括交付金化などによって地域主権を支える財源を確保してまいる所存です。
 地方交付税については、平成二十二年度予算において地方に最大限配慮したところでありますけれども、厳しい国の財政状況や国と地方の役割分担を踏まえつつ、法定率を含むその在り方について引き続き真摯に検討を深めてまいりたいと考えております。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#34
○議長(江田五月君) 西田実仁君。
   〔西田実仁君登壇、拍手〕
#35
○西田実仁君 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案等について質問をいたします。
 景気の低迷、急激な公共事業の削減による地方経済の停滞は、法人住民税のみならず、個人住民税をも大きく落ち込ませています。その結果、日本全国、地方税収はどこも大幅に減少しております。
 地方経済の落ち込みは中小企業の不振と同義です。地元埼玉を歩いてみても、三、四年前の設備投資が重くのしかかり、廃業したくてもできないとうつむく経営者や、これまでにない売上減にうなだれる外食企業の社長、職人さんの手当をかつてないほどに抑えざるを得ないと嘆く建設会社の事業主と、その惨状は目を覆うばかりであります。
 中小企業対策として、法人税の引下げや相続税の軽減も結構ですが、いずれも黒字で企業の永続性が保証されているのでなければ対象となりません。中小企業が今最も欲しているのは売上高、すなわち仕事であります。
 新産業の育成や国内供給経路の開発、海外市場の開拓などもっと活発な中小企業育成策を用意するのでなければ、地方の時代も日本経済の復活もあり得ません。地方の税収回復策についてどのように考えているのですか。中小企業はいつまで我慢をすればよいのでしょうか。仙谷国家戦略担当大臣にお聞きします。
 鳩山政権では、改革の一丁目一番地に地域主権を位置付けています。しかし、その具体的な未来図はいまだよく見えません。
 鳩山政権の言う地域主権は、地方政府と中央政府との対立関係を前提としているのでしょうか。そうであれば、米国のような州政府こそ政府であるとする連邦国家を目指していくのでしょうか。それとも、国がのさばり過ぎているので地方の自主性が喪失されているという意味であれば、地方分権という言葉が当てはまります。どちらでしょうか。原口地域主権推進担当大臣にお聞きします。
 地方が本来的に認められている税収入は、中央政府の容喙や介入を許すことなく自らの歳入として確保できなければなりません。
 平成二十二年度の国と地方間における租税収入の実質的配分状況を見ると、国税収入三十九兆四千六百億円から地方交付税、地方譲与税や国庫支出金などを控除した国の純租税収入は九兆二千百億円にすぎません。一方、地方政府は、地方税三十二兆九千三百億円に加えて国から地方への税収入や補助金等が加わり、その純計は六十三兆一千九百億円にも上ります。
 租税純収入の九割近くを地方が占めています。しかし、これは地方が豊かというのではありません。本来的には地方が地方独自の財源として確保し、歳出に向けるところが、すべて国の台所を通して容喙、介入が行われた結果がこうした比率となっています。
 片や、歳出について、国と地方の重複分を差し引いてそれぞれの純歳出を計算すると、国の純歳出は約五十八兆円、地方の純歳出は約八十九兆円、合計百四十九兆円となります。四割弱が国、六割弱が地方となります。鳩山政権では、国と地方の純歳入と純歳出に関する配分について、今後どのようにしていくべきと考えているのですか。総務大臣、お聞かせください。
 平成二十二年度地方交付税の概算要求において、総務大臣は、地方の財源不足の補てんは国による従来のような一般会計加算ではなく、法定率引上げによる対応を求めました。結果は従来どおりでしたが、総務大臣の主張は率直に評価したいと思います。今回の措置は単年度とされています。再来年度に向けて、地方の税財源の安定化にどう取り組みますか。原口総務大臣の決意をお聞きします。
 国税三税など地方独自の財源であるべきものが、国の政策、方針によって大きく変動するのでは、地方政府は国の方針に従って補助金などを受け取るしかなくなります。景気落ち込み時の歳入欠陥補てん策や国の増減税などについて、地方政府が発言権や拒否権を持たないのはおかしな話です。国と地方の協議の場において、こうした地方の言い分は主張できるのですね。総務大臣に確認を求めます。
 地方にとって安定財源として最も望ましいのは消費税であり、本来、地方政府の主要財源として育てるべきと考えます。その消費税は、予算総則で、全額を社会保障関係費に充当することになっています。その提唱者は当時の小沢自由党党首、平成十年十一月の自民党との連立合意に盛り込まれました。政権の枠組みは変わっても、この予算総則は今日まで維持されております。
 しかし、平成二十二年度当初予算を見ると、基礎年金、老人医療、介護という対象経費の合計額は十六兆五千五百六十一億円、これに対して消費税の国分は六兆七千九百四十八億円にすぎず、実に九兆七千六百十三億円の不足となっています。不足額は年々大きくなっており、平成二十二年度のそれは十年前の約四倍、過去最大です。
 しかし、鳩山政権は、今後四年間は消費税は引き上げないと明言しています。他に新規の財源があるわけでもなく、今後の財政運営はどのようにしていくのでしょうか。その展望について菅副総理にお聞きします。
 消費税収入が充てられる範囲は、基礎年金、老人医療、そして介護となっております。子育て支援は、今後、予算総則の消費税収が充てられる対象経費に入ってくるのでしょうか。消費税の使途と子育て支援の関係について菅副総理にお聞きします。
 今回、個人住民税の扶養控除について、子ども手当の創設と相まって廃止とされました。しかし、地方分権の立場からは、子ども手当の財源は国の一般会計から拠出すべきであり、勝手に地方税も含めた特定の世帯構成、例えば専業主婦や手当対象の子供のいない世帯に対する増税などで賄うのはもってのほかです。本来、歳出の削減により子ども手当の財源を捻出すると言いながら、実質的には税負担の付け回しに走っているのではありませんか。総務大臣の見解を伺います。
 子ども手当交付金一兆六千億円は年金特別会計から支払われます。なぜ子ども手当が年金からなのでしょうか。児童手当が消えるとされる再来年度の子ども手当は年金特別会計からは支払われないのでしょうか。年金特別会計から支払われると、歳出削減あるいは増税などの財源捻出措置がどれだけなされたのかの判明が困難になります。子ども手当に関する歳入と歳出の対応をより明確にしていただきたい。総務大臣にお聞きします。
 本来、所得税も住民税も原則として税負担者の属性を問いません。所得水準に対して課税されるだけで、税金の使途は特定していません。しかし、子ども手当を支払うために、今後、子供のいない夫婦世帯や専業主婦世帯などから税金を徴収して子ども手当の財源にするのであれば、明らかに所得税、住民税の一部が目的税化されることになります。
 控除から手当へという美名の下に、特定の歳出のための財源捻出に向けて所得税制の基本構造を変えるのは全くの本末転倒ではないでしょうか。最後に菅財務大臣にお聞きして、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣原口一博君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(原口一博君) 西田議員から六点お尋ねがございました。
 まず、地域主権についてでございますが、政府が今国会に提出する地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案の中では、地域主権改革についてこのように書いています。日本国憲法の理念の下、住民に身近な行政は地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革、こう位置付けているところでございます。
 地域への愛なくして国家への思いというのはなかなか遂げることができません。あるいは、地域をつくる参加なくして国家全体の国づくりということも考えられません。このように、地域主権改革とは連邦制を志向するものでも国家主権と対立する概念でもございません。日本国憲法の掲げる国民主権の理念の下、主権を持つ国民が自らの住む地域を自らの責任においてつくっていくという改革の取組でございます。これに対して地方分権というのは、中央にあった様々な権限を地方に移していくという、分け与えていくというパラダイムだと考えております。
 地域主権改革を推進し、補完性の原理に基づいて、基本的に基礎自治体が中心となって自分たちの地域は自分たちの責任でつくっていくという方向に変えていきたいと考えています。
 次に、国と地方の純歳入と純歳出の配分についてお尋ねがございました。
 平成二十二年度の税制改正大綱において、地域主権を確立するために国の役割を限定して地方に大幅に事務事業の権限を移譲し、国と地方の役割分担を踏まえ、地方が自由に使える財源を拡充するという観点から、国と地方の間の税財源の配分の在り方を見直すこととしております。
 今後、この方針に沿って、例えばサービス給付については住民に身近な地方が主に担うこととするなど、歳出構造及び歳入構造の改革を一体的に行ってまいりたい、そして地方が自由に使える財源の充実強化に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、再来年度に向けた地方税財源の安定化についてお尋ねがありました。
 今、地方税が減っているのは、今の景気で減っているんじゃないんです。これは前の景気で減っておりまして、法定率の引上げについては、平成二十二年度における国税五税の税収が異常とも言える低い状況にあることも踏まえ見送ることとなりましたが、委員が御指摘のように、財源不足の補てんルールは平成二十二年度限りの措置としたところでございまして、地域の自主財源、これの拡充に努めてまいります。
 また、地域の自給力と創富力を高める緑の分権改革を推進するとともに、これ、議員がおっしゃるとおりです。地方自治体が予見可能性がある、これがまた安定的であると、財源が安定的に見えると、これとても大事だと考えておりまして、地方交付税の安定性、そういう観点から消費税の議論についてもやっていきたいと思います。地方税財源の充実確保に向け、財源保障機能と財政調整機能を強化し、新たな制度の検討を含め、地方が自由に使える財源の充実強化に取り組んでまいります。
 次に、国と地方の協議の場における協議事項についてお尋ねがございました。
 政府が今国会に提出する国と地方の協議の場に関する法律案では、協議の対象を地方行政、地方財政、地方税制その他の地方自治に関する事項など三項目のうち重要なものと規定しております。したがって、御指摘の点も含め幅広く協議の対象となるものでございますが、具体的な協議事項の設定については、法制化後、地方側の意見も踏まえ、政府内でも調整の上適切に対応してまいります。
 また、協議の結果については、協議の参加者には協議が調った事項について、協議結果の尊重義務を課すこととしております。いずれにしても、国の政策については、国と地方の協議を踏まえ、内閣が責任を持って決めていくものでございます。
 次に、子ども手当についてお尋ねがございました。
 二十二年度予算においては、国の総予算の見直しによる大幅な歳出削減や税外収入の確保により、子ども手当を始めとする新規施策に充てることのできる財源を合計三・三兆円確保したものでございます。ただ、これは暫定的な措置でございまして、平成二十三年度以降については、四大臣合意にはございますように、地域主権戦略会議等の場において、地方が実施するサービス給付等に係る国と地方の役割分担、経費負担の在り方等について議論を行い、予算編成過程において検討してまいります。
 最後に、子ども手当交付金についてお尋ねがございました。
 現行の児童手当は、費用の一部が事業主からの拠出金により賄われていることから、年金特別会計に児童手当勘定を区分して経理していると承知をしております。平成二十二年度の子ども手当は、暫定的な措置として児童手当法を存続させ、児童手当分について事業主負担を求めることとしたことから、会計上の取扱いも現行と同様にされたものと承知しております。
 いずれにせよ、平成二十三年度以降の子ども手当の制度設計を行う一環において、国の予算措置の在り方についても検討がなされるものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣仙谷由人君登壇、拍手〕
#37
○国務大臣(仙谷由人君) 西田議員の御質問は、地方税収の回復策についての質問でございました。
 国家戦略室といたしましては、本年六月ごろに取りまとめます新成長戦略に向けまして、今後、中小企業の知財活用や中小企業の技術開発の促進に対する具体策の検討を行うということにしております。このような中小企業の活性化策を通じて地方経済の回復を図って、ひいては税収の回復に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(菅直人君) 西田実仁議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、今後の財政運営についての御質問でありますけれども、財政の運営には成長戦略、税制、あるいは今後の社会保障、特に年金、そういった議論が必要でありまして、今その議論の場を順次準備をいたしております。
 その上で、二十三年度以降についても、今後策定する、これは戦略担当大臣のところで中心になっていただきますが、中期財政フレームや中長期の財政運営戦略を踏まえ、また行政刷新会議等と連携しつつ、歳出歳入両面にわたる徹底した予算の見直しを行うことにより必要な財源を確保し、また財政の規律も確保してまいりたいと思っております。
 また、子育て支援について、消費税収が充てられる対象になるのかという御質問であります。
 私は、広い意味ではこの子育て支援も社会保障の範囲に入るというふうに認識をいたしておりますけれども、現在のところは、御承知のように基礎年金や老人医療費、介護等で消費税収を超える費用が既に掛かっておりますので、今後、社会保障制度の抜本改革の検討などと併せて検討してまいりたいと、このように考えております。
 また、控除から手当への考え方についてでありますけれども、何か目的税化というものを御心配をされているようにも受け止められるわけですが、決して今般の税制改正においての控除から手当へという考え方は目的税化ということを考えてのことではなくて、ある意味では所得再配分機能の回復や、あるいは高齢者の皆さんにもう少し大きな負担をしていただくと、そういうところで子ども手当の創設と相まって年少扶養控除を廃止することといたしましたし、その結果がやや高所得者に大きな負担をいただくことになってくると、このように理解をいたしております。
 また、子ども手当の創設によって、一定額の手当の支給を行うことで低所得者の方についてはより手厚い支援が実現するものとなると考えております。
 なお、配偶者控除については、昨年末に閣議決定した税制改正大綱において、考え方等について広く意見を聴取しつつ整理を行った上で、今後、その見直しに取り組むとされており、今後、それに沿って取り組んでまいりたい、このように考えております。
 以上です。(拍手)
#39
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#40
○議長(江田五月君) 日程第一 過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長佐藤泰介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔佐藤泰介君登壇、拍手〕
#41
○佐藤泰介君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、過疎地域自立促進特別措置法の実施の状況にかんがみ、その有効期限を平成二十八年三月三十一日まで延長するとともに、過疎地域の要件を追加するほか、過疎地域自立促進のための地方債の対象経費として過疎地域における地域医療の確保、住民の日常的な移動のための交通手段の確保、集落の維持及び活性化等の事業の実施に要する経費を追加する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、衆議院総務委員長近藤昭一君から趣旨説明を聴取した後、過疎地域における規制緩和の在り方、過疎対策事業債に係る交付税措置の充実、過疎地域における図書館の整備等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し五項目から成る附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#42
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#43
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#44
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十八  
  賛成            二百十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#45
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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