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2010/03/17 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第9号
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2010/03/17 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第9号

#1
第174回国会 本会議 第9号
平成二十二年三月十七日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第九号
    ─────────────
  平成二十二年三月十七日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 平成二十二年度における子ども手当の支
  給に関する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 日程第一 平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。長妻厚生労働大臣。
   〔国務大臣長妻昭君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(長妻昭君) おはようございます。
 平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援するために、子どもを養育している方に対し、子ども一人につき月額一万三千円の平成二十二年度分の子ども手当を支給することとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、子ども手当の支給についてであります。
 子ども手当は、中学校修了前の子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父母である等の支給要件に該当する方に支給するものであり、その額は、一月につき、子どもの数に一万三千円を乗じた額としております。
 また、市町村長は、受給資格等について認定をし、子ども手当を支給することとしており、その支払期月は、平成二十二年六月及び十月並びに平成二十三年二月及び六月としております。
 第二に、子ども手当の費用についてであります。
 子ども手当の支給に要する費用については、児童手当相当部分は児童手当法の規定に基づき、国、地方自治体及び事業主が負担することとし、それ以外の費用については、全額を国が負担することとしております。
 なお、公務員に係る子ども手当の支給に要する費用については、全額所属庁が負担することとしております。
 このほか、子ども手当について、差押禁止等の受給権の保護や公租公課の禁止を定めるとともに、子ども手当を市町村に寄附することができる仕組みを設けることとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き平成二十二年四月一日としております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院において、検討規定について、第一に、政府は、児童養護施設に入所している子どもなど、子ども手当の支給対象とならない子どもに対する支援等を含め制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること、第二に、政府は、平成二十三年度以降の子育て支援に係る全般的な施策の拡充について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることを内容とする修正が行われております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。
 よろしくお願いをいたします。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。島田智哉子君。
   〔島田智哉子君登壇、拍手〕
#6
○島田智哉子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の島田智哉子でございます。
 ただいま議題となりました平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案について、会派を代表して質問を行います。
 本題に入ります前に、子どもに対する虐待死亡事件、あるいは子どもが自ら命を絶つという悲しく痛ましい事件が相次いで発生している問題への対応について、政府のお考えをお聞きいたします。
 今年一月、東京都江戸川区において、男の子の尊い命が親の虐待によってわずか七年で絶たれました。この亡くなった子どもは、御飯を食べるのが遅いことを理由に正座をさせられた状態で父と母に顔を繰り返し殴られたということです。しかしながら、それでもなおその子どもは、近所の方からのお父さんにいじめられてないかとの問いかけに、いじめられてないと親をかばっていたといいます。親から虐待を受けながらも親をかばうけなげな子どもの心を思うと、子を持つ母親の一人としてもとてもやりきれない悲しさと憤りを強く感じます。
 また、このところの報道によりますと、我が子をオーブンレンジや洗濯機に入れたでありますとか、お水を下さいと哀願するほど食事を与えないなど、想像を絶するほどの虐待が繰り返し行われています。こうした痛ましい事件の中には、児童相談所や市町村等の関係機関が情報提供を受けていたにもかかわらず子どもの命が奪われる事例も生じており、問題点として関係機関の連携、情報の共有化が不十分であることが指摘されています。
 また、児童虐待対応の中心を担う児童相談所では、相談件数の増加により児童福祉司等の人員不足が叫ばれており、一層の人員確保が課題となっています。親の虐待により子どもたちが傷つけられ、小さな命が亡くなっている現状に対して、いのちを守る鳩山内閣として、このような課題を踏まえ、これまで以上の対策が求められると思います。厚生労働大臣のお考えをお伺いいたします。
 また、子どもたちが自ら命を絶つという痛ましい事件も相次いで発生しており、先月には、東京都清瀬市の中学二年生の女子生徒が自宅マンションから飛び降り、自ら命を絶ちました。これまでの子どもの自殺対策については、いまだその実態把握のための手法を検討する段階にとどまっており、その対策は極めて不十分であり、対策の強化が急務であると認識いたしますが、子どもの自殺対策について文部科学大臣のお考えをお聞かせください。
 親の虐待によって命を絶たれた子どもが、いじめられていないと親をかばい、自ら命を絶った子どもの遺書には、お父さん、お母さん、ごめんなさいと書かれていたそうです。そのような状況に追い込まれても、なお子どもは親を思い続けているのです。
 こうした子どもたちの悲痛な訴えに対して、私ども政治や行政によるその対策のなお一層の強化が必要なことは言うまでもございませんが、しかし、家庭、職場、地域、学校など、社会全体でいま一度こうした現実を直視し、子どもと子育てを応援する社会の実現に向けた取組が求められています。まさに、本法案の第一条にございます次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援する、このことこそが、鳩山内閣、そして私ども政治が果たさなければならない使命であると考えます。
 今回の子ども手当の創設は、子どもたちの健やかな育ちを社会全体で支援するための大きな一歩です。すべての子どもたちが健やかに育つことができる社会づくりに向けた厚生労働大臣の御決意をお伺いいたします。
 本法案では、次代を担う子どもの健やかな育ちをひとしく支援するという理念の下、所得制限を設けず、年齢や出生順にかかわらず一律の手当額とし、また、これまでの児童手当に比べて金額を大幅に拡充し、さらには、対象者を中学卒業まで拡大するなど、私ども民主党がこれまでに本院に提出してまいりました子ども手当法案の政策目的が十分に反映されたものであるものと高く評価いたします。
 本法律案の大きな目的は、子どもの健やかな育ちを支援することですが、その上で、子どもの貧困対策など様々な効果が期待されています。政府としては、子ども手当による政策効果はどのようなものがあるとお考えでしょうか。厚生労働大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、平成二十三年度以降の子ども手当についてお聞きをいたします。
 長妻厚生労働大臣のこれまでの御発言では、昨年十二月の四大臣合意を踏まえて、平成二十三年度予算編成過程において改めて検討する。基本的には、マニフェストどおり、一か月二万六千円の支給を実現できるよう、政府全体で結論を得たいとお述べになり、また、その財源確保については、政府全体でより一層の歳出削減や予算の見直しに徹底して切り込むこととしているともお述べになっています。
 この二十三年度以降の子ども手当について、その財源確保に向けた一層の歳出削減について、枝野行政刷新担当大臣の基本認識をお伺いいたします。
 次に、今年一月二十九日に策定されました子ども・子育てビジョンについてお聞きをいたします。
 本ビジョンにつきましては、すべての市町村において子育て調査を行い、それにより把握したニーズ量そのものを計画的に実現することを基本に数値目標を制定する、また、そのニーズにつきましても、潜在的な需要をニーズ調査で把握して意欲的な数値目標を設定するなど、まさに画期的なものであると思います。
 また、本ビジョンで掲げられた十二の主要政策の中には、例えば新生児集中治療管理室の整備などによる周産期医療体制の確保、あるいは児童扶養手当を父子家庭にも支給するなど、私どもが野党時代に調査検討の上、提言あるいは議員立法として提出してきた政策につきましても着実に鳩山内閣の政策に反映されていることに対しても高く評価を申し上げます。また、ワーク・ライフ・バランスの推進に向け、子育て中の労働者が短時間労働等を利用しやすい職場環境の整備や男性の育児休業の取得促進などの取組も重要です。
 今後、本ビジョンに基づき政府を挙げてそれぞれの施策を強力に推進していくことが求められますが、厚生労働大臣より、その実現に向けてのお考えについてお聞かせいただきたいと思います。
 鳩山総理は施政方針演説の冒頭、生まれてくるいのち、そして、育ち行くいのちを守りたいとお述べになりました。私も、国会議員、与党議員の一人として、その尊いいのちを守るための政治に、御負託をいただきました任期の最後の最後まで全力を尽くしてまいることをお誓い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣長妻昭君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(長妻昭君) 島田議員にお答えをいたします。
 児童虐待の防止に向けた関係機関の連携、児童福祉司等の人員確保について御質問がありました。
 御指摘のように、子どもの命が失われる痛ましい事件はあってはならないことであり、大変残念なことと考えます。亡くなられたお子さんの御冥福をお祈り申し上げます。
 まず、関係機関の連携につきましては、地域の学校、警察、病院、児童相談所などで構成される要保護児童対策地域協議会の設置を進めるとともに、同協議会の中心となる市町村への研修を支援するなど、その専門性の向上にも努めております。こうした取組を通じて、関係機関の連携の確保を図ってまいります。また、特に東京都江戸川区の事件を受けて、現在、学校、市町村、児童相談所相互の連携を強化するための方法等について、厚生労働省と文部科学省で検討を進めているところであります。
 次に、児童虐待対応の中心的な役割を担う児童福祉司の人員の確保を図ることは重要なことであり、以下三点を重点として取り組んでまいりたいと思います。
 第一に、児童福祉司確保のための支援の充実を図ること。第二に、児童福祉司の専門性向上のため、児童相談所において指導的立場にある者の研修を実施すること。第三に、児童相談所が高度な専門性を持った学識経験者等の助言を得られるような体制の整備を図ること。以上、相談対応体制の充実に努めているところであります。
 相次ぐ虐待の疑いによる痛ましい事件を踏まえて、来月初めに、これは緊急に全国の児童相談所長に集まっていただいて、児童虐待に対する適確な対応について徹底を図って、児童相談所の所長さんからも、具体的にどういうような形をすれば連携が図れるのか、こういう痛ましい事件が二度と起こらないようにできるのかというのを意見を聞いて、一方的にこちらが指導するだけではなくて、コミュニケーションを良くして対応を協議をしてまいります。
 次に、子どもが健やかに育つことができる社会づくりについて質問がありました。
 少子化が進展する中で、安心して子育てをできる環境を整備することが喫緊の課題であります。こうした中で、各種調査によると、子育て世帯からは子育てや教育にお金が掛かるという声も強いところであります。他方、子育てに掛ける予算で見ると、先進国の中で日本はGDP比で最も少ない国の一つとなっております。合計特殊出生率も、G7諸国中最低となっております。
 こうした中、子ども手当は、次代を担う子どもの育ちを社会全体で応援する観点から実施するものであり、子ども・子育て支援策の充実の第一歩であるというふうに考えております。まずは、平成二十二年度に子ども手当を着実に実施し、さらに、保育サービス等の現物給付の充実、ワーク・ライフ・バランスの現実を三本柱として推進します。子どもが健やかに育ち、かつ安心して子どもを育てられる社会の構築に向けて努力をしてまいります。
 次に、子ども手当の政策効果について御質問がありました。
 子ども手当については、子育てを未来への投資として、次代を担う子どもの育ちを個人の問題とするのではなく、社会全体で応援するという観点から実施するものであります。子ども手当の実施によって、結果として少子化の流れを変えたい、そして、現物給付やワーク・ライフ・バランスの推進と相まって、子どもを安心して産み育てることができる社会をつくり上げていきたいということであります。また、子どもを持つ家庭は持たない家庭よりも消費支出も多く、子ども手当の実施によって子どもの健やかな育ちにつなげていきたいと考えております。子ども手当の実施は、結果として、現状では国際的に見て高い水準にある子どもの貧困率の削減にも資するというふうに考えております。
 次に、子ども・子育てビジョンについてお尋ねがございました。
 子育て支援の総合的な対策として、一月末に子ども・子育てビジョンを決定をいたしました。このビジョンの中では、抽象的なスローガンではなくて、五年後の具体的な数値目標をきめ細かに設定をいたしました。ビジョンでは、市町村においてニーズ調査をした結果を基に、平成二十六年度を目標年度として、例えば保育サービスであれば、毎年五万人増やすことを数値目標として設定をいたしたところであります。
 これ以外に、第一に、新生児集中治療管理室、いわゆるNICUの整備について、病床数の数値目標を設定し周産期医療体制の確保を図ること、第二に、児童扶養手当を父子家庭にも支給するなど一人親家庭への支援を推進すること、第三に、男性の育児休業取得の促進、子育て中の短時間勤務制の導入によりワーク・ライフ・バランスの実現を図ることなど、ビジョンでは子ども、子育てについて総合的な施策を位置付け、取組を進めることとしております。
 これらの取組を通じて、子ども手当等の現金給付と保育サービス等の現物給付、ワーク・ライフ・バランスを組み合わせ、この三つを適切に運営、そして実行することによって、子どもの育ちを社会全体で支え合う環境づくりに取り組んでまいりたいと思います。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣川端達夫君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(川端達夫君) 島田議員から子どもの自殺対策についてのお尋ねがございました。
 児童生徒が自ら命を絶つということは、理由のいかんを問わず決してあってはならないことであり、自殺予防に向けた取組は教育上最も重要な課題であると認識いたしております。児童生徒が抱える問題を解決するためには、学校だけでなく社会全体でその悩みを受け止め、解決に導くことが重要です。
 このため、今年一月、関係行政機関と民間団体による子どもを見守り育てるネットワーク推進会議を設置し、子どもたちを見守り育てる体制づくりを図ったところでございます。また、自殺予防のためには事実解明をしっかりと行うことが大変重要であることから、第三者機関による調査を視野に入れた背景調査の手法の研究や、児童生徒の自殺の実態把握の充実について調査研究を行っているところでございます。
 文部科学省としては、これらの取組を通じ、学校や教育委員会における子どもの自殺防止に向けた取組を一層推進してまいりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣枝野幸男君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(枝野幸男君) 島田議員にお答えをいたします。
 子ども手当を含めたマニフェスト実現の財源確保のために一層の努力をしてまいらなければならないというふうに思っておりますが、特に私の行政刷新の所管では、狭い意味での無駄の削減、つまり政策目的につながっていない、生きた金になっていない部分をどうやって削減するかということで、現時点で当面二つのことを実行しようと思っております。
 一つは、四月から事業仕分第二弾を行います。特に、独立行政法人、そして政府系の公益法人というターゲットを絞って、その結果をこれらの制度の改革へとつなげていくということを考えております。また、これまでの事業仕分の成果を踏まえまして、仙谷大臣とも連携をいたしまして公務員制度改革、あるいは原口大臣とも連携をいたしまして地域主権の確立と、こういった制度改革へと事業仕分の結果をつなげていくことで歳出の削減、財源の確保に努めてまいりたいと。
 そして、もう一点。行政事業レビューと名付けまして、事業仕分を言わば内製化をするという意味で、各省庁内において、外部の目線で公開において、そしてミクロに個々の事業をしっかりとチェックをしていくと、こういったことを行うことによって、各省庁内においてもしっかりと無駄を削減していく。こういう努力を進めていただくよう、行政刷新会議でも既に決定しております。
 こうした狭い意味での無駄の削減に加えて、国家戦略、あるいは財務省とも協力いたしまして、全体としての政策の優先順位のめり張りを付けることで子ども手当の実現を含めたマニフェストの実行に向けた財源をしっかりと確保していくべく、更に邁進をしてまいりたいと思います。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(江田五月君) 丸川珠代君。
   〔丸川珠代君登壇、拍手〕
#11
○丸川珠代君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案に関しまして、厚生労働大臣並びに関係大臣に質問をいたします。
 まず、この子ども手当法案は、衆議院の厚生労働委員会において、委員からの質問の最中にもかかわらず強引な手続によって強行採決をされました。許されざる数の横暴によって衆議院での成立を見た法案であり、私たちはこれを決して認めるわけにはいきません。
 この法案は、数の力で強引に成立をさせるには余りにも大きい、多過ぎる問題を抱えております。政策の目的も効果もはっきりせず、その支給の手続や内容を見れば、新たな不公正、新たな不公平が生まれることは明白です。夏の参議院選挙前の支給を焦り、拙速に議論を進めるのは大きな間違いです。この参議院では徹底的に議論をさせていただくよう要望いたします。
 子ども手当が様々な不公平、不公正を生み出すことは既に数々指摘をされております。日本人の海外駐在員の子は日本に住んでいても手当を受け取ることができません。一方で、海外に居住する外国人の子どもは親が日本から仕送りをしていれば手当を受け取ることができます。虐待を受け、児童養護施設に措置入所となったお子さんは手当の対象にならず、親の同意があって入所しているお子さんは親が手当を受け取ることになります。実質の手取り額は年収九百万、一千万円の世帯が最も優遇されています。児童手当や各種控除の廃止を差し引くと、手元に残る額は、子どもが幼いほど、親の年収が低いほど少ないのです。なぜ年収が九百万、一千万円もある世帯が優遇されるのか、控除から給付にしたら苦しい家庭が助かるというのはうそなのか、いまだかつて納得できる答弁を聞いたことがありません。
 あなた方政府は、子ども手当の目的を社会全体で子どもを育てる経費をシェアすることだと言っています。それでは、なぜ日本人ではない、日本で育っているわけでもない子どもの育ちのための費用を、なぜ子ども手当という手段で日本社会がシェアしなければならないのか。日本で育っている日本人の子どもが、親が海外にいるという理由だけで子ども手当による支援から排除される理由は何なのか。長妻大臣、お答えください。子ども手当は児童手当とはわざわざ目的を変えています。目的を変えたのであるから、子ども手当の目的に従ってお答えをいただきたい。
 手続の不備も問題です。日本に住む外国人が海外に住む子どもを監護していることをどのように証明するのか。長妻大臣は、法案成立後、通知を出して書類を統一すると言っております。しかし、例えば新宿区では、およそ百八十人の外国人受給者のうち八割程度が自ら現金を母国に運んで子どもたちに生活費を届けています。現金の流れは証明しようがありませんから、本人が申告をした時期にパスポートに往来が記録されているかどうかをもって証拠としているんです。江戸川区では、このような場合、母国で子の監護をしている祖父母などから現金を受け取っている旨の一筆をもらっています。問題は、これらのパスポートや一筆といった書類が正式な確認書類だと国から指定をされたところで不正受給が防げるのかどうかという点です。
 政府は、児童手当も同じ仕組みだったから問題がないと主張しています。しかし、問題はあるのです。児童手当と子ども手当は支給額が全く違うんです。児童手当は一人最高でも年間十二万円でした。子ども手当は、半額で十五万六千円、満額で三十一万二千円になります。
 今、中国の農村部の一人当たりの平均年収が六万七千円と言われていますから、仮に、中国の農村部から子どもを残して日本に移り住み、一人分でも子ども手当を受給すれば、本国の子どもや面倒を見ている親族は十分過ぎるほどの収入を得ることができます。事実、この情報は在日外国人の間でじわじわと広がっています。
 豊島区では、連日問い合わせが相次いでおり、外国人による児童手当の申請がうなぎ登りに増えています。対象児童数は、十六日現在で三百五十人になりました。この事実認識が広がれば広がるほど、児童手当の駆け込み申請は増えてくるでしょう。子ども手当を商売にするブローカーが出てこないとも限りません。
 それでも政府は、何が何でも六月に支給を開始するんですか。財源が厳しい中、地方にも事業主にも負担をお願いして支給をするのに、支給要件もそのまま、手続もそのままですか。
 東京二十三区のうち十八の区で、二千百六十人の海外に住む外国人児童が児童手当を受けています。子ども手当にすれば、年間三億三千七百万円にもなります。これは余りにも国民感情と懸け離れた大盤振る舞いです。仮にこのままで支給をすれば、やっぱり日本はカモだったと、そう皮肉られるだけでは済みません。すべての負担は日本の子どもたちに将来跳ね返ってくるんです。
 仮に、この度の子ども手当法案に、監護している子の国内居住要件を書き込めば、問題の多くは解決します。たった一行の条文で不正の多くは防止することができるんです。なぜそれをやらないんでしょうか。不利益変更については周知期間が必要というのであれば、半年間支給を遅らせればいいんです。なぜその周知のための半年が待てないのか。
 しかも、長妻大臣は、海外の別居監護をめぐる制度の不備に法案の作成過程で気が付いたと答えておられます。なぜ法案を作成する過程で気付いていながら修正する手だてを取らなかったのか。なぜですか、大臣。夏の参議院選挙までにどうしても現金をばらまきたいから、不正にも目をつぶるつもりだったんですか。今からでも修正するつもりはないのか、長妻大臣に御答弁をお願いいたします。
 子ども手当は財源も問題です。政府は、無駄削減で子ども手当を賄いましたと喧伝しておられますが、地方と事業主に七千六百億円を負担させたのは、その分の無駄を見付けられなかったからではないですか。七千六百億円すら地方にツケ回している人たちが来年は十二・一兆円無駄が出せますと言って、だれが信じるでしょうか。
 私は、子育てひろばに来ていたあるお母さんからこう言われました。子ども手当をもらっても、この先どうなるか分からない、だから使えないんです。もう国民は気付いています。子ども手当には恒久財源がない。無理やりひねり出した無駄を当てにするのでは、いずれきっと大増税になるだろう。それが分かっているから、国民は不安で手当を使えないんです。
 来年度の満額支給もあやふやです。鳩山総理は、子ども手当の満額支給について、六月に中期財政フレームを示すときにできるかどうかのめどを付けたいなどと発言しておられます。では一体、マニフェストの工程表とは何だったのでしょうか。絵にかいたもちですか。
 子ども手当だけではありません。暫定税率も歳入庁も中小企業減税も、やるのかやらないのか、無駄が出せるのか出せないのか、結局先が見えないから生活も商売も前に進めないんです。将来への投資ができないんです。
 景気を回復したいのなら、このあやふやなマニフェストによる国民不安も一刻も早く取り除いていただきたい。せめて、あなた方が言う無駄削減がどのように実現されていくのか、そのプロセスを国民に示してください。そうしなければ、国民は何を信じていいのか分かりません。枝野大臣、無駄削減の工程表を国民にお示しください。
 私たちも、もちろん財源があれば子育て支援をもっと充実させていました。自民党政権時代、いいかげんな財源を示すわけにはいかなかったがゆえに、子育て家庭に対する支援が足りていなかったことは深く反省すべきだと思っています。しかし、総額を増やすに当たって極端に現金給付に偏る必然性があるのでしょうか。諸外国の例を見る限り、保育のサービスや幼児教育などの現物給付と現金給付とのバランスが取れて初めて少子化対策としての効果が上がると考えられています。
 これまで、自民党政権では現金給付と現物給付がほぼ一対一でした。しかるに、二十二年度予算においては、現金給付およそ二兆六千億円、現物給付はおよそ一兆四千億円となります。子ども手当が満額支給されれば、現金給付は現物給付の二・七倍になると試算されています。
 現金給付への偏重は格差の再生産を際立たせるでしょう。複数の世論調査で、年収の低い世帯は子ども手当を生活費の一部に充てる傾向が強く出ています。一方で、年収の高い世帯は塾などの教育費を増やす傾向が強くなります。現金を支給すれば、ただでさえ教育にお金を掛けている裕福な家庭の子はますます教育費が増え、逆に生活に余裕のない家庭では教育費は余り増えず、子どもの格差は広がる一方です。
 問題なのは、お金の使い方なんです。現金として配らずに、保育や教育、児童養護などの子育て環境を充実させることに使えば、どんな家庭の子どもでもその恩恵を受けることができます。格差を解消するためにも、私たちなら給食や副教材の無償化、また児童虐待の対策強化を優先するでしょう。政府はなぜバランスの取れた給付の形態から現金給付重視に切り替える必要があったのか。マニフェストに書いてあるから、それ以外の理由はあるんでしょうか。
 長妻大臣に伺います。この政策転換が何を目指しているのか、少子化にどのようなプラス、マイナスの効果をもたらすと考えているのか、お答えください。
 原口大臣は、参議院予算委員会において、現金給付については基本的に国、サービス給付は市町村がそれぞれの財源でやるべきだとおっしゃいました。恐らくは、これまで地方が負担していた児童手当分を財源として、現物給付は地方が独自の財源でやればいいということだと思います。これは鳩山内閣としての総意なのでしょうか。
 児童手当における地方の負担額はおおむね五千億円程度でした。これを財源とした場合、政府の現物給付の目標は達成できません。なぜなら、ゴールである平成二十六年度まで毎年六千億円以上が必要だからです。
 しかも、この現物給付の工程表である子ども・子育てビジョンは、単に数を増やすだけの計画でしかありません。この計画には、保育士の待遇向上も、放課後児童クラブの施設整備費も、その指導員の配置を増やすことも含まれていません。保育の一時預かりも、一人年間たった七日しか利用しないという計算です。まるで数を満たせば十分と言わんばかりで、子どもが育つ環境の充実には何ら踏み込んだ政策はないんです。こんな不十分な五か年計画をそもそも不足している地方の財源で進めていくというのであれば、子育て環境の整備はいつまでも質の議論にたどり着くことなく、それはやがて日本人の劣化へとつながっていくでしょう。
 保育サービスが地方独自の財源となれば、施設や人員配置の基準もまた自治体独自の判断となるでしょう。国として、子どもたちのために最低限の基準を守ってもらうための実効性ある手段も失うことになります。鳩山政権は、今後、本当に子育て支援における現物給付をすべて地方独自の財源で行うべきだとお考えなのでしょうか。長妻大臣、原口大臣、それぞれにお答えをいただきたい。
 最後に、ここにはおられませんが、鳩山総理大臣には、お母様からの子ども手当、すなわち自らが得た労働なき富の全容について、是非御説明をいただきたい。国会の場で何の憶面もなく労働なき富という言葉を口にしたからには、自分がどれだけの大罪を犯したのか、よく顧みて国民に告白し、ざんげをしていただきたい。その気がないなら、その軽薄な言葉を恥じて政権から去っていただきたい。
 内閣として、総理が自らの大罪について国民に説明する機会を設けるべきだと考えますが、平野官房長官の御認識をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣長妻昭君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(長妻昭君) 丸川議員にお答えをいたします。
 まず、外国人の子等への子ども手当の支給について御質問がありました。
 現在の児童手当制度においては、一九八一年の難民の地位に関する条約の加入に当たり、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の趣旨も踏まえ、他の国内関係法と同様に国籍要件を撤廃をしたところであります。
 一九八一年から、国籍にかかわらず、親が日本に居住している場合に、その子について監護が行われ、かつ生計を同一にしているときは、その子が外国に居住していても支給対象となっております。子ども手当については、児童手当の支給要件と同様の取扱いとしたところであります。
 子どもに係る居住要件について御質問がございました。
 平成二十二年度においては法案を修正する考えはありませんが、適用確認を厳格化することとし、子どもの監護や生計同一に係る支給要件について確認を徹底するとともに、海外に居住する子どもの監護や生計同一に関する証明書類の提出の徹底と統一化を図るなど、地方公共団体に対してその旨を通知をしてこれを厳格に守っていただくということにします。
 そして、平成二十三年度に向けた本格的な制度の検討の中で、支給対象となる子どもに国内居住要件を課すことを検討したいと考えております。ただし、そのような支給要件を課すこととした場合、日本人の海外に居住する子どもも対象から除外されることから、海外の事例も参考にしつつ、地方公共団体の御意見などもよくお聞きしながら結論を得たいと考えております。
 次に、子育て支援策の考え方、少子化対策への効果について御質問がありました。
 少子化が進展する中で、安心して子育てをできる環境を整備することが喫緊の課題となっております。いつも日本では子育てに係る予算がこれまで後回しにされてきました。子育てに掛ける予算で見ると、先進国の中で日本はGDP比で最も少ない国の一つとなっております。合計特殊出生率も今やG7諸国中最低になってしまいました。こうした中、今思い切った対策を講じなければ、将来、経済や社会の担い手が不足し、国の基盤が揺らぎかねないというふうに考えております。
 こうした状況も踏まえ、子ども手当については、子育てを未来への投資として、次代を担う子どもの育ちを個人の問題とするのではなく、社会全体で応援するという観点から実施するものであります。
 子ども・子育て支援策としては、子ども手当の実施とともに、保育サービス等の現物給付の充実、ワーク・ライフ・バランスの実現を三本柱として推進することが重要であるというふうに考えております。子ども手当の実施によって、結果として少子化の流れを変え、現物給付やワーク・ライフ・バランスの推進と相まって子どもを安心して産み育てることができる社会を構築してまいります。
 子育て支援における現物給付の財源についてお尋ねがありました。
 子ども・子育て施策は、未来への投資として、国、地方などを含めた社会全体で取り組むべき課題であると考えております。このため、厚生労働省としては、保育所整備などについて引き続き責任を持って取り組む必要があると考えております。子ども・子育てビジョン等にあるように、幼保一体化など、保育等のサービスを含めたシステムの構築について、本年前半までに基本的な方向性を固め、平成二十三年通常国会に法案を提出します。
 その際、財源の考え方については、昨年十二月二十三日の子ども手当等の取扱いに係る四大臣合意を踏まえ、地域主権という観点からの検討とともに、今後、一月二十九日に設置された子ども・子育て新システム検討会議において議論し、結論を得てまいります。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣枝野幸男君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(枝野幸男君) 丸川議員にお答えをいたします。
 無駄削減の工程表という御質問でございますが、まず、マニフェストで九・一兆円、四年後に九・一兆円のフローで、予算の組替えによって生み出すという工程を示しております。
 これについては、経済状況やそれによって影響を受ける歳入構造の状況を勘案しながら柔軟に対応していきませんと、経済状況とずれたやり方をしていきますと、経済に大きなマイナスの影響を与えるというふうに考えておりますので、財務大臣、国家戦略大臣ともしっかりと連携をしながら、四年後に九・一兆円、フローでしっかりと予算の組替えにより財源を生み出すということを進めてまいりたいというふうに思っております。
 一方、狭い意味での無駄の削減、先ほど申し上げましたが、政策目的につながっていない無駄の削減をしていくということについては、まさにこうした無駄が従来から生き残っているのは、旧来の与党がしっかりとチェックをしていなかったこともございますが、同時に、その無駄が非常に巧妙に隠されているという構造があります。これをあぶり出して、そして削減をしていくということでございますので、あえて申し上げれば、そのプロセスを、手のうちをさらすようなことをすればむしろ無駄が残ってしまうということになりますので、そこの詳細についてはここで述べるのは遠慮させていただきたいと思っております。(拍手)
   〔国務大臣原口一博君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(原口一博君) 丸川議員から二点お尋ねがございました。
 まず、子ども手当に関し、国と地方の経費の負担についてお尋ねがございました。つまり、サービス給付は地方でやるといって、地方の財源だけでそれが足りるのか、地方が全部それを賄うのかというお尋ねでございます。
 子ども手当等に関する四大臣合意においては、地域主権戦略会議等の場において、地方が主体的に実施するサービス給付等に係る国と地方の役割分担、それから経費負担の在り方等の議論を行い、平成二十三年度の予算編成過程において結論を得ることとされています。したがって、平成二十三年度以降における子ども手当や子育て政策を始めとするサービス給付等の在り方については、四大臣合意を踏まえ、政府において予算編成過程において検討する必要があると考えています。
 次に、子育て支援における財源についてお尋ねがございました。
 子育て支援に係るサービス給付については、地域の実情に応じて提供されるべきであり、このため、地方が自由に使える財源を増やし、地方公共団体が地域のニーズに適切にこたえられるようにすることが重要です。ですから、地域の独自財源、これを増やしていきたい。このような認識の下、地域主権戦略会議等の場において、子育て政策を始め地方が実施するサービス給付等に係る国と地方の役割分担、そして経費負担の在り方について議論を行い、予算編成過程において検討を行ってまいります。
 以上、お答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣平野博文君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(平野博文君) 丸川さんにお答えをいたします。
 労働なき富、国会での説明、こういうことでございますが、今までも総理が度々機会あるごとに御説明を申し上げていると思いますが、改めて私の方から御説明を申し上げます。
 まず、鳩山総理の施政方針演説における労働なき富、この現代的な概念は、資産の贈与や相続、あるいは株式配当などを示すものではないと、このように理解をいたしております。すなわち、カジノ経済やマネーゲームとも呼ばれる拝金主義的なひずんだ経済、行き過ぎた競争至上主義、弱肉強食の市場原理の偏重などによる警鐘と、人間のための経済への転換を提唱されたものと理解をいたします。
 また、総理が国会での説明をとの主張でございますが、鳩山総理は、国会外での記者会見はもとより、昨年の臨時国会以来、今国会においても、衆参の本会議、予算委員会を中心として与野党の相当な数の議員の皆さんに対して、相当な時間を費やし、既に何回何十回と私どもは答えて説明をいたしていると私は認識をいたしております。
 事実関係につきましては、検察の捜査によって解明され、処分は下されました。総理は、必要な説明は今後も尽くすとされておりますが、国会における審議は、私は十分に行われたものと認識をいたしております。もし足りないとおっしゃるならば理事会等で御議論をお願いをしたい、このように考えております。
 総理は、自らの責任を認め、厳しく反省をし、所定の贈与税を納税し、政治資金規正の強化に向けた制度改正を今訴え、お願いをいたしているところであります。そして、政権交代への国民の期待にこたえるために、自らの使命を果たし、身を粉にして働く決意を表明をいたしております。総理の決意を文字どおり受け止めていただき、御理解をいただきたいと思います。
 以上でございます。(拍手)
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#16
○議長(江田五月君) 鰐淵洋子君。
   〔鰐淵洋子君登壇、拍手〕
#17
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案について質問をいたします。
 まず、具体的な質問に入る前に、長妻厚生労働大臣に申し上げます。
 本法案に関する衆議院の質疑では、我が党の議員が法案の問題点やこれまでの民主党の主張との相違点などについて説明を求めましたが、大臣の答弁は納得できるものとは言い難く、本院では明快かつ十分な説明がなされますよう冒頭強く要望し、質問に入ります。
 初めに、本法案における児童手当の果たす役割について伺います。
 平成二十二年度における子ども手当を実現するためには、総額二兆二千億円が必要です。本法案は、現行の児童手当法を併存させることで地方負担四千六百五十二億円と事業主負担千四百三十六億円を確保し、それ以外を国費で賄うことにより、中学校修了まで、支給対象となるすべての子どもに対し一人一万三千円の支給を行うものです。
 現行の児童手当制度は、子どもは未来の宝であり社会全体で育てていくとの理念の下、公明党の主導により、まず地方自治体の制度として誕生させ、昭和四十七年一月から国の制度となりました。そして、今日まで着実に、かつ一貫して拡充してまいりました。児童手当は、今や子育て支援、少子化対策の基幹として広く社会に定着しています。
 特に、公明党が連立政権に参画をし、平成十二年以降五回にわたって拡充、その支給総額は平成二十一年度予算で一兆百六十億円となりました。すなわち、公明党が主導し拡充してきた現行の児童手当制度がなければ、現政権は今年度だけでも二兆円もの追加費用を要していたはずです。これまで公明党が進めてきた児童手当拡充の取組を踏まえ、本法案における児童手当制度の果たす役割について大臣にお伺いいたします。
 次に、平成二十三年度以降の制度の在り方について何点かお伺いいたします。
 これまで長妻大臣は、制度の在り方について、平成二十三年度予算編成過程において財源の在り方を含めて改めて検討すると答弁していますが、要するにこれは何も決まっていないということであり、何度も法案を提出し、その実現を迫ってきたこれまでの民主党の主張からすると余りにも無責任な対応です。
 そこで、満額支給に向けて一番の課題となる財源問題についてお伺いします。
 仮に、二十三年度以降、満額支給の一人二万六千円を全額国庫負担で賄おうとすれば、今年度より三兆円以上多い五兆五千億円もの費用が必要ですが、その財源は、大臣が言うように、歳出削減や予算の見直しで本当に確保できるのでしょうか。これまでの民主党政権による事業仕分を通じた削減額が目標の三兆円に対して六千七百七十億円にとどまっていることを考えても、簡単に捻出できる金額ではありません。今年度のように必要財源が確保できないからといって土壇場で地方負担、事業主負担を残すようなやり方ではなく、早急に財源構成を含めた安定的な財源確保の在り方を提示すべきと考えますが、大臣の答弁を求めます。
 また、仮に安定財源を確保できず、その費用を借金で賄えば、子ども手当といいながら、そのツケを将来子どもたちに回すことになるという批判に対して大臣はどのようにお考えか、併せてお伺いいたします。
 次に、子ども手当の支給額の根拠について伺います。
 民主党の子ども手当の当初の金額は一万六千円であり、その根拠について当時の国会における質疑では、所得税の配偶者控除や扶養控除などの改廃による税の増収分により支給することができる額をベースとする考え方を民主党議員が述べていらっしゃいます。この考え方からすると、確保できる財源によって支給額が変わることがあり得るのか、長妻大臣、明確に御答弁ください。
 また、二十三年度以降予定する二万六千円の根拠について長妻大臣は、第一に子どもの育ちに必要な基礎的な費用をカバーする、第二に諸外国の手当制度と比較しても遜色ない水準といった点を総合的に勘案して決めたと答弁していますが、これは後付けの理由であり、根拠に乏しいと言わざるを得ません。
 そこで、大臣が根拠の第一に挙げた子どもの育ちに必要な基礎的な費用の細目について、中学校修了までの成長過程でどのくらいの費用が必要なのか、また、支給額を一万六千円から二万六千円に引き上げる際にどのような要素を勘案して増額したのか、具体的にお答えください。
 次に、法案の修正箇所に関連し、子育て支援に係る全般的な施策の拡充について伺います。
 政府案における附則の検討規定は、子ども手当の平成二十三年度以降の制度の在り方等について検討するという内容でしたが、公明党の主張により、この部分は、子育て支援に係る全般的な施策の拡充について検討するという内容に修正されました。
 我々がこの修正を求めた趣旨は、トータルな子育て支援策を拡充するという意味において、子ども手当などの現金給付とともに、そのほかの保育所待機児童対策や放課後児童対策、さらにはワーク・ライフ・バランスの実現などが必要であり、これらの施策をバランスよく進めることが子育て世帯のニーズにこたえるものだからです。
 先般、政府が発表した子ども・子育てビジョンでは、保育所や放課後児童クラブなど、大幅な整備目標が示された項目もありますが、例えば、妊婦健診や出産費用の負担軽減、予防接種の推進と支援の在り方、障害児への支援策など、今後どのように施策を拡充するのか、具体性に乏しい点もあります。こうした点を踏まえ、子育て支援に係る全般的な施策の拡充について、その姿を明確にするとともに、こうした施策を実現するために社会全体で財源を確保する仕組みを早急に検討すべきと考えますが、大臣の御見解をお伺いします。
 最後に、これまでの児童手当法改正における民主党の対応について伺います。
 冒頭にも申し上げましたが、平成十二年以降、児童手当は五回にわたり拡充をされましたが、そのうち法改正を伴う四回の拡充案すべてに唯一反対をしたのが民主党です。その反対理由について長妻大臣は、給付内容が十分ではない等と答弁をしています。
 しかし、これまでの児童手当拡充法案の審議において、複数の民主党議員は、選挙を意識し過ぎて、慌てて性急に、いわゆるばらまきというようなものにつながるなどと我々の拡充案を批判してきました。大臣が言うように、給付内容が十分ではない等の理由で反対したのであれば、少なくともこのような発言は出ないはずです。反対のための反対ではなく、子育て支援を一歩でも二歩でも前進させるために、民主党は我々の拡充法案に賛成すべきではなかったのでしょうか。本当に子育て支援に取り組む御決意があるのか、大臣の御見解をお伺いいたします。
 同様に、福島大臣にも伺います。社民党は、我々が進めた四回の拡充法案のうち、平成十六年と十九年の法改正には賛成をされております。どのような理由で賛成をされたのか、お伺いをいたします。
 子ども手当は、子育て世帯を始め、期待する方がいらっしゃる一方で、財源を始めとして様々な問題点が残されています。我が党は、衆議院におきまして修正案に賛成をいたしましたが、来年度以降の子ども手当の様々な課題がすべてクリアになったわけではありません。十分に議論を重ね、確実な財源と国民の理解を得、しっかりと制度設計を行った上で子ども手当を導入しない限り、国民や子どもの利益に反する結果になりかねません。
 そのことを改めて指摘するとともに、安心して子どもを産み育て、青年が希望を持って活躍できる社会を築くためにも、参議院におきまして各党が更に議論を深め、大臣におかれましてはだれもが理解をし納得できる答弁をしていただくよう強く要望し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣長妻昭君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(長妻昭君) 鰐淵議員にお答えをいたします。
 まず、児童手当の役割について御質問がございました。
 児童手当は昭和四十七年に創設された制度であり、公明党の御尽力もあり、順次制度の拡充が図られてきました。具体的には、平成十二年から平成十九年の改正において、支給対象者の範囲の拡大や手当額の拡充、所得制限の緩和といった拡充が図られており、これまで児童の健全育成の面で重要な役割を果たしてきたものと考えております。子ども手当と児童手当は、子どもの健全育成を社会全体で支援するという面では思いを同じくするものであります。
 次に、平成二十三年度以降の子ども手当の財源の確保策について、また子どもにツケを回すのではないかという御質問がありました。
 平成二十二年度においては財源をめぐり様々な議論がある中で、まずは一万三千円の子ども手当について、児童手当分を現行どおり国、地方、事業主が費用を負担し、それ以外の費用については全額を国庫が負担する仕組みの下で実施することとしたものであります。
 平成二十三年度以降の子ども手当については、昨年十二月の四大臣合意を踏まえつつ、財源の在り方も含め、平成二十三年度予算編成過程において改めて検討することとなっております。財源の確保については、政府全体で一層の歳出の削減や予算の見直しに徹底して取り組んでいくこととしており、将来の子どもたちに負担を残すことのないよう結論を得てまいりたいというふうに考えております。
 次に、平成二十三年度以降の子ども手当の額について、財源によって変わるのかという御質問がございました。
 平成二十三年度以降の子ども手当の額については、基本的にはマニフェストどおりに実施できるよう、政府全体で結論を得てまいりたいというふうに考えております。
 次に、子どもの育ちに必要な基礎的な費用について御質問がありました。
 子育ての費用は家庭によって異なりますが、例えばこども未来財団の調査研究のデータでは、中学校修了までの月額平均で五万六千円程度となっております。なお、民主党において同データを基に作成した資料では、中学生修了までの食費、被服費等の生活費及び学校教育費等の基礎的学費の平均額が月額約二万六千円となっております。
 このような子育て費用のうち、基礎的な費用についてはどのような費用項目を選択するかで異なってくるものと考えておりますが、二万六千円の手当額は子どもの育ちに必要な基礎的な費用の相当部分がカバーできる水準にあると考えております。
 民主党が二万六千円に子ども手当の水準を決めた経緯についてお尋ねがありました。
 民主党は、従来、一人当たり一万六千円としてきた子ども手当の支給額について、平成十九年に二万六千円に拡充をいたしました。その理由としては、経済情勢の変化などを踏まえ、いま一度社会全体で子どもの育ちを支援する制度とするために支給額の洗い直しをしたものと承知をしております。その際、各種の調査結果を踏まえて、子どもの育ちに必要な基礎的な費用の相当部分をカバーすること、諸外国の手当制度と比較して遜色ない水準とすることなど、総合的に勘案したものであります。
 次に、子ども・子育てビジョンを踏まえた子育て支援に係る全般的な施策の拡充についてお尋ねがありました。
 子育て支援の総合的な対策として、一月末に子ども・子育てビジョンを決定しました。具体的には、保育サービスの定員を五万人ずつ増加する目標値の設定など、子育て支援サービスの拡充等に取り組みます。これまでは毎年二万人ずつの増加でありましたから、二倍のスピードでこれを速めてまいります。その他、妊婦健診や出産に係る経済的負担の軽減など、子ども・子育て施策について総合的に施策を推進することにより、子どもと子育てを社会全体で支えるという姿勢で邁進してまいります。
 また、一月二十九日には子ども・子育て新システム検討会議が設置され、保育サービスを始めとする子育て支援サービス、給付の充実に向け、その財源の在り方等も含め議論を進めることとなっております。
 これらにより、現金給付と現物給付、ワーク・ライフ・バランスを組み合わせ、子どもの育ちを社会全体で支え合う環境づくりに取り組みます。
 次に、民主党は過去の児童手当法改正案をばらまきだと批判したこと等についての御質問がございました。
 児童手当は、家計の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成を図ることを目的として昭和四十七年に創設された制度であります。公明党の御尽力もあり、順次制度の拡充が図られてまいりました。
 一方、民主党は、児童手当制度を少しずつ継ぎ足していくのではなく、生まれた順番や年齢にかかわらず、すべての子どもに平等に給付する子ども手当へと大胆に改革すべきであると主張し、児童手当の改正では給付内容が十分でないこと等を挙げて反対した経緯があると承知をしております。
 児童手当の対象者と給付額を徐々に増やしていくのか、大胆な改革を行うのかといった手法の違いはあるにしても、公明党の皆様も私どもも、子育て支援を拡充したいという思いは同じであると思います。我が国にとって子育て支援を拡充することが待ったなしの重要課題であるとの認識は共有しております。
 以上、よろしくお願いをいたします。(拍手)
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(福島みずほ君) 鰐淵議員にお答えをいたします。
 各国の子ども、家族関係、社会支出の対GDP比を比較すると、例えばスウェーデンやフランスが三%台であるのに対し、日本はアメリカと並んで〇・七%台にすぎませんでした。また、公的教育支出も、残念ながら先進国最低レベルとなっており、私費負担が大きく、このことが格差拡大の原因となってきました。
 社民党は、子どもや家族への公的給付や支援が不十分であると考え、若い子育て世帯等の経済的負担の軽減を図る観点もあり、二〇〇六年の三位一体改革に伴う国と地方公共団体の負担割合を変更するための改正案を除き、御指摘のとおり、児童手当の拡充については賛成をしてきたところです。
 今は少子化担当大臣、子ども担当大臣として子育て支援のために子ども手当の創設と育児支援、最大限頑張ってやってまいります。(拍手)
#20
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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