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2010/03/24 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第11号
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2010/03/24 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第11号

#1
第174回国会 本会議 第11号
平成二十二年三月二十四日(水曜日)
   午後四時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十一号
    ─────────────
  平成二十二年三月二十四日
   午後四時 本会議
    ─────────────
 第一 平成二十二年度一般会計予算
 第二 平成二十二年度特別会計予算
 第三 平成二十二年度政府関係機関予算
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、裁判
  官訴追委員及び同予備員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員等各種委員の選挙
 一、日程第一より第三まで
 一、地方税法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 一、地方交付税法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 一、平成二十二年度における財政運営のための
  公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 一、所得税法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 一、租税特別措置の適用状況の透明化等に関す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 松田岩夫君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、木村仁君から同予備員を、吉田博美君から裁判官訴追委員を、加納時男君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(江田五月君) この際、欠員となりました
 裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、
 裁判官訴追委員各一名の選挙
を行います。
 つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員の職務を行う順序は、これを議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 裁判官弾劾裁判所裁判員に木村仁君を、
 同予備員に岩城光英君を、
 裁判官訴追委員に加納時男君を、
それぞれ指名いたします。
 なお、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員の職務を行う順序は、岩城光英君を第三順位といたします。
     ─────・─────
#7
○議長(江田五月君) 日程第一 平成二十二年度一般会計予算
 日程第二 平成二十二年度特別会計予算
 日程第三 平成二十二年度政府関係機関予算
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長簗瀬進君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔簗瀬進君登壇、拍手〕
#8
○簗瀬進君 ただいま議題となりました平成二十二年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 平成二十二年度予算三案は、去る一月二十二日、国会に提出され、衆議院から送付の後、三月三日、財務大臣より趣旨説明を聴取し、同日より質疑に入りました。
 以来、本日まで審査を行ってまいりましたが、この間、三月十日には政治姿勢一般に関する集中審議を、十二日には経済・財政に関する集中審議を、十八日には社会保障・雇用等に関する集中審議を、二十三日には外交・防衛に関する集中審議を、また、十六日には公聴会を開催し、さらに、十九日及び二十三日には各委員会に審査を委嘱するほか、予備審査中の二月十八日及び十九日の二日間、福島県及び栃木県に委員を派遣して現地調査を行うなど、本日まで熱心に審査を行ってまいりました。
 以下、質疑のうち若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
 まず、「政権交代から半年が経過したが、政治主導を貫く決意はどうか」との質疑があり、これに対し、鳩山内閣総理大臣より、「官僚主導の政治体制を大きく変え、政治家自らが意思決定に力強くかかわっていくことが必要であり、政治主導の確立を図るための法律を用意しているところである。行政を刷新する会議や国家ビジョンを作成する組織をつくり上げていくほか、政治任用を促進するなど、政治主導を更に進めてまいりたい」旨の答弁がありました。
 次に、経済問題について、「デフレ脱却に向け、どう取り組むのか。新成長戦略の基本的な考え方は何か」との質疑があり、これに対し、鳩山内閣総理大臣及び関係各大臣並びに日本銀行総裁より、「デフレ脱却には、需給ギャップを埋めることが必要であり、二十一年度第二次補正予算に続き、二十二年度予算でも、雇用と需要を生み出す施策に重点を置いて、予算を編成した。日本銀行においても、低金利を維持し、金融緩和を続けるなど、物価と経済の安定に努めており、政府と日銀が一体となって、デフレ脱却に向け全力を挙げていく所存である。新成長戦略については、これからの経済政策は、公共事業中心の第一の道ではなく、また、デフレ状態でも経済が効率化さえすればよいという第二の道でもない、雇用と需要を拡大する第三の道を進めていく必要がある。もとより、供給を無視するのではなく、介護、医療、保育といった潜在的な需要がある部分の供給を重視するなど、財政配分を含めて政策運営を変えていこうと考えている」旨の答弁がありました。
 次に、財政問題について、「平成二十二年度予算の特徴は何か。今後、事業仕分の第二弾にどう取り組むのか」との質疑があり、これに対し、鳩山内閣総理大臣及び関係各大臣より、「二十二年度予算では、コンクリートから人へという理念の下、公共事業費を大幅に減額する一方、社会保障費や文教及び科学振興費を増額するなど、めり張りを付け、大胆な資源配分の変更ができたと考えている。リーマン・ショックにより税収が大幅に落ち込む中、景気対策とマニフェストの実現を図る一方、マーケットの信認が得られるよう、国債発行額は約四十四兆円に抑え、財政規律も踏まえた予算となっている。また、事業仕分は、税金の使われ方、事業の必要性・有効性等について不断の見直しを行っていく手段であるとともに、マニフェストを実現していく上で、歳出の無駄を削減する大きな役割の一つを担うものと考えている。今後、独立行政法人や公益法人を対象とした事業仕分の第二弾を考えており、独法や公益法人等の実態等を把握し、どういった制度が望ましいのかを検討するなど、ゼロベースでの見直しに全力を注いでまいりたい」旨の答弁がありました。
 質疑はこのほか、政治と金の問題、日米密約問題、普天間基地移設問題、自衛隊の位置付け、報償費問題、税制改革、公共事業の在り方、郵政民営化の見直し、地方の行財政改革、医療・介護の拡充、子育て支援策、年金記録問題、雇用対策、被爆者支援策、農業の戸別所得補償、中小企業対策、高校の無償化、学校の耐震化、スポーツ・文化の振興、地球温暖化対策、チリ大地震による津波被害対策など、広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、本日をもって質疑を終局し、討論に入りましたところ、自由民主党・改革クラブを代表して西田理事が反対、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して大島理事が賛成、公明党を代表して澤委員が反対、社会民主党・護憲連合を代表して近藤委員が賛成、日本共産党を代表して大門委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、平成二十二年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(江田五月君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。舛添要一君。
   〔舛添要一君登壇、拍手〕
#10
○舛添要一君 自由民主党・改革クラブの舛添要一でございます。
 ただいま議題となりました平成二十二年度予算三案に関しまして、反対の立場から討論いたします。
 振り返りますと、二〇〇八年九月のリーマン・ショック以来、世界経済は大変な状況に陥りました。景気後退や株価暴落に見舞われる中、我が国においては、麻生政権下で、日本は百年に一度の経済危機にあるとの厳しい認識により、累次にわたり大規模かつ有効な経済対策を進めました。昨年夏ごろからは自公政権での経済対策の効果が出始め、また中国、インドなど新興国向け輸出の増大などによりGDPがプラス基調に回復するなど、景気の先行きに明るさが戻ってきていました。
 ところが、政権交代により状況は一変しました。鳩山政権は、第一次補正予算には不要なものがかなり含まれているとして約三兆円の予算の執行を停止し、景気回復に水を差したのであります。さらに問題は、第一次補正予算で執行停止したものを、第二次補正予算や議題になっている二十二年度本予算で復活していることであります。数か月あるいは半年以上の予算の空白期間を意図的につくり、結局、元に戻しただけなのであります。
 まずは、鳩山政権になってから予算編成に一貫した方針がなく、それにより景気の低迷を招いたことを指摘しておきたいと思います。霞が関や地方自治体を巻き込んで大きな混乱を招き、国民の信頼を失ったのであります。
 本来、現在のような危機的状況に直面したときに取るべき政策は、成長戦略であります。国内市場だけでは限られており、中国などの成長のダイナミズムを取り込む形で日本企業のグローバルな成長を促進する必要があります。そのために、法人税減税と規制緩和の一層の促進で後押しし、企業収益、雇用を拡大することで日本全体の経済のパイを増やす政策が求められております。それにより、税収、歳入を拡大し、他方で歳出を見直すという歳入歳出一体の改革が重要であります。その際、社会保障の充実を図るため、足りない部分は消費税を福祉の目的税化することで対応するのであります。こうした手続を踏んで初めて国民の理解を得られ、社会保障改革も進むのであります。
 しかし、現政権の行っている政策は、単なる所得の再配分にすぎません。昨年末に新成長戦略を打ち出しましたが、これは何ら新しい内容はなく、思い付きの寄せ集めと言っても過言ではありません。具体的な工程表のない、絵にかいたもちにすぎないのであります。
 また、現政権では、無駄削減に向けた姿勢が弱いことも問題であります。民主党マニフェストでは、無駄遣いを根絶し、新しい財源を生み出しますと高らかにうたわれておりましたが、実績は上がったと言えるでしょうか。無駄として削られた予算は本当に微々たるものでありました。事業仕分で当初は七千億円、最終的には約一兆円にすぎないのであります。これではマニフェストの政策実行に必要な額の十分の一も賄えません。その結果、二十二年度予算は、税収を国債発行額が大幅に上回るという大借金予算になったのであります。
 鳩山政権には、中長期的な観点から放漫財政に歯止めを掛ける措置が存在しておりません。本来なら、本予算を取りまとめた昨年末の時点で財政計画を同時に出して、財政規律を国民に示すべきでありました。政府は今年六月をめどに中期財政フレームを策定すると言っておりますが、その実現への道筋が全く示されておりません。消費税についても四年間引き上げないと明言されていますが、それでは財政再建のめどが立ちません。
 予算の内容について見ていきますと、国費一兆七千億円もが投じられる子ども手当には大きな問題があります。現金を配ることがどれだけの経済効果につながるのでしょうか。消費性向を七〇%もの高率に想定して、一兆円もの景気押し上げ効果を見込んでおりますが、過去の定額給付金などの消費性向は二〇%から三〇%と言われるにすぎません。まさに過大広告であります。
 また、本当に子供のために使われるのでしょうか。貯蓄に回るか、最悪の場合、遊興費として多くが浪費される危険性があります。さらに、子ども手当は、親が国内に居住していることを受給の要件としているため、外国籍の子へ支給される一方、親が海外で働いている日本の子供には支給されないといった問題があります。まさに、選挙目当てのばらまき政策以外の何物でもございません。
 二十二年度予算では、子ども手当、高校授業料無償化、農業の戸別所得補償などに代表されるように、現金給付といった経済政策が前面に押し出されております。このような政策が続けば、日本を破綻させてしまうことになります。
 我々自民党政権下では、国民一般、そして弱者や困窮者に対して自立を促し、解決することを政策哲学として、決して現政権のように、単にお金を渡して助ける一時しのぎの政策は取ってきませんでした。それは、自主自立の精神を後退させ、怠惰な生活に甘えることを許し、ひいては日本の国力を大きく衰退させるからであります。私が本予算に反対する最大の理由はこの点にあります。
 予算委員会では、各派の代表が二月十八、十九日に福島県、栃木県を訪ね、元気のいい企業を視察してきました。日本の企業は本当に頑張っておりますし、また地方にありながら世界市場で活躍していることが改めて確認できました。そして、こうした企業のみならず、元気のない企業をも更に後押しするためには、やはり世界的に見て水準が高いと言われる法人税率の引下げ、そして更なる規制緩和が必要であります。
 我々自民党は、現在のデフレを克服するしっかりとした成長政策を具体的に打ち出し、消費税を社会保障目的税化することなどによる歳入歳出一体改革を推し進めます。政府、日銀にもその方向での更なる努力を求めたいと思います。
 予算委員会では、政治と金、外交・安保、雇用を含めた社会保障問題など、様々な角度から鳩山政権の政策運営の在り方が論じられました。しかしながら、政治献金問題や普天間基地の移設に代表されるように、先送り答弁が返ってくるばかりで本当に残念でありました。特に、普天間基地の継続使用を示唆するかのような昨日来の総理の発言は、沖縄県民を裏切り、その心を踏みにじるものであります。
 最後になりますが、政治と金の問題であります。
 我々は、あらゆる場で、小沢幹事長を始め数多くの関係者の参考人招致、証人喚問を求めてきました。しかしながら、何ら前向きな返事がなく、鳩山政権は逃げようとするばかりであります。さらに、北海道教職員組合の政治資金規正法違反の問題でも、組合丸抱えの選挙の実態が明らかになっております。多くの国民の批判を招いており、民主党は肝に銘じて反省すべきであります。
 民主党は自ら姿勢を正し、自浄作用を発揮しようとする意思はないのでしょうか。一刻も早く国民監視の場で政治と金の問題を堂々と説明し、取るべき責任はしっかり取るよう強く求めます。そして、この日本を救うために多くの国民が鳩山内閣の一日も早い退陣を求めていることを強調して、私の討論を終わります。(拍手)
#11
○議長(江田五月君) 平野達男君。
   〔平野達男君登壇、拍手〕
#12
○平野達男君 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表しまして、平成二十二年度総予算案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 以下、賛成の理由を申し上げます。
 昨年、現行憲法下で初めてという、選挙による政権交代が実現をいたしました。まず第一に、本予算案は、その歴史的総選挙において民主党が国民に示したマニフェストを実行に移す予算であるということであります。
 一人当たり月額一万三千円を支給する子ども手当、高校の実質無償化、農業の戸別所得補償制度などの導入、さらには年金記録問題への対応、医師不足解消などの段階的実施、現下の厳しい雇用情勢に対応した雇用対策など、国民への約束を踏まえた予算となっております。いのちを大切にしたい、公約を大事にしなければならないという鳩山総理の思いが込められた予算でもあります。
 第二に、硬直した予算の配分を大きく見直したことであります。公共事業費を切り込み、社会保障関係費を大きく伸ばすなど、政策の優先性を踏まえた大胆な予算配分を行っております。
 第三に、財源の生み出しに新たな手法を導入したことであります。予算編成に当たっては、行政刷新会議における事業仕分などを通じて予算の全面的な組替えを行い、新しい事業の実施に必要な財源を政治主導によって生み出しました。特に、既存の事業を、国民注視の下、政治家、各界各層の方々の感性と判断力によって仕分を行ったことは、主権者たる国民と国の予算との距離を大きく縮めたという点一つを取っても画期的な手法と言えます。事業仕分にますます磨きが掛かり、鋭さが増すことを期待申し上げる次第であります。
 最後に、歳出規模が九十二兆円と、当初予算としては過去最高の規模になったことは、リーマン・ショック以降の世界的な不況下に我が国経済もある中、景気の下支えをするという観点から、適切と言えることであります。その反作用として、税収が大きく落ち込む中、国債発行は四十四兆円に上りましたが、税収以外の財源捻出に様々な工夫をしたことは評価されるべきであります。
 以上が賛成の理由であります。
 とはいえ、政権交代によって誕生した鳩山内閣の初めての本格予算をめぐっては、手放しで喜んでばかりいられない財政事情があることを直視しなければなりません。歳入の基礎を成す税収と歳出との乖離が年々拡大し続け、我が国財政への信頼が国の内外を問わず大きく揺らぎかねない状況になりつつあることであります。
 本来、国の財政は、歳入である税収と歳出が均衡し、借金たる国債の発行に頼ることのない均衡財政であることが基本であります。しかし、ここ十年以上にわたって、税収が伸び悩む中、歳出は拡大の一途をたどってまいりました。その結果、歳入の多くを国債、特に赤字国債に依存する財政構造が定着し、世界に例を見ない水準にまで国の債務残高は膨脹してしまいました。かつ、膨脹の勢いはとどまる気配を見せておりません。
 もちろん、景気の後退局面や大きな経済の落ち込みに対し、積極的な国の財政発動によって経済の下支えをすることは、財政政策に求められる重要な役割であります。場合によっては、減税を含めた大胆な財政政策を実行することも時に必要であります。しかし、恒常的に国債、特に赤字国債に財源の多くを依存する財政構造をそのままにして、国の財政の持続性を損なう事態は、政治の責任において絶対避けなければならないことであります。
 財政の健全化の基本は簡単明瞭です。歳出を抑制する、歳入を増やす、両者を組み合わせるであります。
 歳出抑制の基本は、いわゆる無駄の排除というよりは、予算支出の優先順位を決め、必要とされる予算であっても削減をするという厳しい政治の決断にあります。歳入に関しては、経済成長による税収増と併せ、最後の手段として、国民に負担をお願いすることが大きな政策選択になってまいります。特に、成長については、成長戦略に基づいて確実に実現することが必要であります。しかし、財政再建の前提としては、経済成長による税収増に過度な期待を掛けるべきではないと考えます。
 いずれも楽しい話ばかりではありません。また、決断と実行の難しい問題でもあります。だからこそ、これまでの政権は財政問題と対峙することをひたすら避け、ひたすら先送りを続けてきました。その結果が今の財政状況であることを、自民党と公明党の諸君はもちろん、与党の我々もはっきりと自覚すべきであります。
 言うまでもなく、現下の最大の経済課題は、デフレ不況からの脱却であります。この状態での無理な歳出抑制、国民負担の増は避けなければなりません。まずは、財政政策、金融政策、あらゆる手段によるデフレ不況対策が優先されるべきです。
 しかし、同時に必要なことは、国の財政への信頼が揺るぐことがないように措置することであります。そのためには、いずれ財政の悪化には必ず歯止めを掛けるとの強い政治の意志を示すとともに、市場に評価され得る具体的な道筋を示すことであります。さらに、丁寧な説明を通じて国民の理解を得るとともに、国民にも再建への覚悟を持っていただくことであります。そして、時期を見て大胆に不退転の決意で再建策を実行に移すことであります。ただし、時間的な余裕はそれほどないかもしれないということも我々は十分留意しておく必要があります。
 鳩山政権には、これまでの政権運営の大きな負の遺産の一掃と、新しい社会制度、政治システムの構築という大きな仕事が待ち受けております。財政の立て直しは、その根幹にあってじっくりと対峙しなければならない課題であります。逆に言えば、こうしたことを実行し、かつ成果を出せるのは民主党を中心とした我が会派だけであり、鳩山政権だけであると覚悟を決める必要があります。
 大きな困難とつらさが伴う仕事ですが、鳩山政権はそれを歴史的使命として意気に感じ、果敢に挑戦し切り開いていく政権であることを確信し、賛成討論とさせていただきます。(拍手)
#13
○議長(江田五月君) 加藤修一君。
   〔加藤修一君登壇、拍手〕
#14
○加藤修一君 私は、公明党を代表して、平成二十二年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
 現在、我が国の景気は、一部持ち直しているとはいえ、国民の実感に程遠く、特に雇用は失業率が高止まりし、賃金が低迷するなど、極めて厳しい状況であります。しかし、鳩山内閣は、昨年の秋、景気対策として着実に効果を発揮していた二十一年度第一次補正予算の執行を国会に諮ることなく停止したことは、地方で仕事がない大変なときに追い打ちを掛け、景気に冷や水を浴びせました。これは巨大政権与党の国民無視の暴挙であります。
 以下、本予算に反対する主な理由を申し述べます。
 第一の反対理由は、暫定税率など多くの点でマニフェストに反していることであります。民主党が従来から廃止を主張していたガソリン税などの暫定税率については、昨年の臨時国会本会議において、藤井前財務大臣は、暫定税率をやめるのは当たり前なんです、つまり、暫定税率をやめなかったなら納税者に対する違反行為なんですよと大見えを切り、民主党席から大喝采でした。しかし、その税率は依然として続いております。これは、実質的な増税ではないですか。このように国民を愚弄する公約違反は到底容認できません。
 また、年金の事務費利用を激しく追及、反対し、年金流用禁止法案を参議院で可決までして流用に反対したのはどこの党ですか。本予算案では、あろうことか、年金保険料から約二千億円を事務費に流用するに至っては、自己矛盾を飛び越えて、厚顔無恥以外の何物でもありません。度重なる国民裏切りは、国民目線と言いながら、実は権力の目線へと変貌し始めた兆候ではないでしょうか。
 第二の反対理由は、国民生活にとって重要な予算がおろそかになっている点です。本予算では、例えば学校耐震化は概算要求よりも大幅に削られました。いのちを守る予算に明らかに反しております。
 ユニセフは、子供に優しい学校、すなわち地震等に強い学校づくりを進め、学校が子供にとって危機のときには避難場所となり、傷ついた心をいやす場所にすべきと世界に呼びかけておりますが、この趣旨にも反するものであります。
 また、公共事業には、治山治水を始め国民の生命、安全に直結するものが多くあり、コンクリートから人へを金科玉条とする余り、関係予算の大幅削減は鳩山内閣のいのちを守る予算がいかに見せかけであるかということであります。
 第三の反対理由は、財政健全化への道筋を示さないまま、多額の国債が発行されている点であります。本予算では、税収見込みが三十七兆円であるのに対して、国債発行額が四十四兆円と、当初予算で初めて国債発行額が税収を上回っており、政府は国債発行を約四十四兆円以内の方針を守ったとしていますが、本来は鳩山総理が選挙戦に公言していた前年度当初予算、三十三兆円を基準とすべきではないですか。明らかに欺瞞的であり、御都合主義であります。こうした多額の国債発行の結果、二十二年度末の国債残高は六百三十七兆円の見通しであり、一般会計税収の十七年分に相当し、財政はもはや危機的な状況と言わざるを得ません。
 以上、平成二十二年度予算に反対の主な理由を申し述べました。
 時の総理大臣と与党幹事長が共に政治と金の問題に絡む重大な疑惑の渦中にあることは、前代未聞の異常事態であり、国会の自浄能力をおとしめ、政党政治に対する国民の信頼を失墜させた政府・与党の責任は極めて重大であります。一刻も早く政治と金の問題について与野党協議機関の議論を経て、全会派一致に向けて主導的に果たすことを強く要望し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(江田五月君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#16
○議長(江田五月君) これより三案を一括して採決いたします。
 表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#17
○議長(江田五月君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#18
○議長(江田五月君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#19
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十六票  
  白色票          百二十九票  
  青色票            百七票  
 よって、三案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#20
○議長(江田五月君) この際、日程に追加して、
 地方税法等の一部を改正する法律案
 地方交付税法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長佐藤泰介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤泰介君登壇、拍手〕
#22
○佐藤泰介君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案は、個人住民税における扶養控除の見直し、自動車取得税及び軽油引取税の税率の特例措置の見直し、地方たばこ税の税率引上げ、地方税における税負担軽減措置等の適用状況等に関する報告書を国会に提出する措置の創設を行うとともに、税負担軽減措置等の整理合理化等を行おうとするものであります。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、平成二十二年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるほか、地方交付税の単位費用等の改正を行うとともに、公営競技納付金制度及び公的資金補償金免除繰上償還措置を延長し、あわせて、子ども手当の支給に伴う地方特例交付金の制度の拡充等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、住民税の扶養控除見直しと子ども手当創設との峻別の必要性、地方交付税増額が地方の自由になる財源増額とならない地方財政計画の問題点、民主党マニフェストでの暫定税率廃止と現行税負担水準維持との矛盾、たばこ税増税に伴う葉たばこ農家等への支援策、地方交付税の削減過程と臨時財政対策債の功罪、住民税に係る制度改正が低所得者の生活に与えた影響等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、自由民主党・改革クラブを代表して礒崎陽輔理事より、地方税法等一部改正案に反対、地方交付税法等一部改正案に賛成、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して武内則男理事より両法律案に賛成、日本共産党を代表して山下芳生委員より両法律案に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、まず、地方税法等一部改正案につきましては、可否同数となりましたので、国会法第五十条により、委員長は本法律案を原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方交付税法等一部改正案につきましては、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(江田五月君) 両案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。世耕弘成君。
   〔世耕弘成君登壇、拍手〕
#24
○世耕弘成君 私は、自由民主党・改革クラブを代表し、地方税法等の一部を改正する法律案には反対、地方交付税法等の一部を改正する法律案には賛成の立場から討論を行います。
 まず、地方税法改正案の反対の理由を申し上げます。
 反対の第一の理由は、事実上、子ども手当の財源を確保するために、個人住民税の扶養控除の見直しをしている点です。
 民主党はマニフェストに、所得税の配偶者控除、扶養控除を廃止し、子ども手当を創設としか明記しておりませんでした。民主党は、扶養控除の廃止は、国税すなわち所得税のみであり、地方税である住民税は含んでいないと説明をしておりました。しかし、この法案には個人住民税の年少扶養控除の廃止と特定扶養控除の縮減が盛り込まれています。明らかにマニフェスト違反であると断ぜざるを得ません。
 反対の第二の理由は、事実上、軽油等の暫定税率を維持しているとともに、原油価格の一定以上の高騰が続いた場合には、本則税率を上回る部分の課税を停止する法的措置、すなわちトリガー税制を創設している点であります。
 一昨年のいわゆるねじれ国会において、民主党は、衆参両院議長あっせんをほごにして、税法、地方税法等の年度内の審議入りすら認めず、約一か月間だけ暫定税率がなくなり、ガソリンや軽油の値段が一か月限定で下がるという、国民生活に大きな混乱を引き起こしてまで暫定税率の廃止のアピールにこだわり続けました。また、その前後にはガソリン値下げ隊なるものを結成して、のぼりを立てて全国を練り歩き、民主党は暫定税率の廃止によりガソリンの値下げを実現する党であるとの印象を国民に強く植え付けました。また、昨年の衆議院総選挙では、暫定税率の廃止をマニフェストに掲げ、政権交代が起こればガソリンが値下がりするとの幻想を国民に与えました。
 にもかかわらず、今回、鳩山内閣は小沢幹事長のツルの一声で、事実上、暫定税率の維持を決定し、この公約をほごにしたのであります。鳩山内閣はこの公約違反に後ろめたさを感じたのでしょう。本法案には、今までの国内法制では聞いたことがない課税停止措置、すなわちトリガー条項を併せて盛り込んだのであります。
 民主党の皆さん、一昨年四月の暫定税率の期限切れに伴う国民生活などの混乱を再び招こうとしているのでしょうか。ガソリンスタンドやドライバーがいかに混乱するかに思いを致したことはないのでしょうか。現在の苦しい経済情勢の中、課税が停止されたときには、課税が復活するときの値上がりを見込んだ個人の買いだめも想定されますが、それにより火災や爆発が発生した場合にはだれが責任を取るのでしょうか。鳩山総理のいのちを守りたいとの言葉がむなしく響きます。
 かつ、法案には、この措置が発動された場合の地方税減収の補てん措置も明記されておらず、都道府県財政を不安定な情勢に置くことになります。
 民主党政権のマニフェスト破りの言い訳や、埋め合わせのように導入されるトリガー税制によって地方が混乱する、これが地域主権の実態なのでしょうか。民主党の掲げる政策の多くが百害あって一利なしの机上の空論であることに国民は気付き始めておりますが、このトリガー税制によりその確信は一層強まることになるでしょう。
 反対の第三の理由は、国民的な議論や十分な検討が行われないままにたばこ税の増税が行われようとしている点であります。
 税制関連法案が成立すれば、たばこは一本当たり三・五円の税率の引上げ等により一本五円値上がりします。このような大増税が拙速に行われますが、民主党のマニフェストにはたばこ増税については全く触れられておりません。また、健康のために値上げするのか、財政のために値上げするのか、関係閣僚の発言が混乱いたしました。
 今回は、ほとんど国民的議論もないまま大幅に引き上げられるのです。たばこ税を引き上げる際には、葉たばこ農家や小売店等への影響、税収やたばこ消費量への影響等について十分な検討を行う必要があります。今回の引上げは、数字のつじつま合わせの拙速な増税と申さざるを得ません。
 次に、地方交付税改正案に対しては、内容は極めて不十分ではありますが、賛成いたします。ただし、改めて不十分な点を数点指摘させていただきます。
 政府は、地方交付税を一兆一千億円増やして地方が自由に使える財源を増やしたと大宣伝しております。確かに、地方交付税を一兆一千億円増額して財政対策債の発行を縮減したことは、一定の評価はいたします。それは十八兆円にも及ぶ財源不足のごく一部であり、焼け石に水であることも指摘させていただきます。また、交付税の増額はあくまでも財源不足額の補てんであって、これによって地方が自由に使える財源が増えるわけでは決してなく、余り効果がないと申し上げておきます。さらに、一・一兆円の増額は単年度の措置にとどまっており、平成二十三年度以降の保障は全くありません。総務大臣がかねてより主張されておりました交付税率の引上げも行われることはありませんでした。
 地方財政計画には地域活性化・雇用等臨時特例費一兆円を新設はしましたけれども、一方で五千億円の地域雇用創出推進費の廃止を行い、地方単独事業については、コンクリートから人への名の下に一兆二千億円、一五%も大幅に削減しております。
 また、地方の一般歳出は、政府は一千億円増などとアピールしておりますが、地方自治体を経由するだけの子ども手当一兆三千億円など、一般行政経費の増二兆二千億円を差し引くと二兆一千億円のマイナスになっているのが実態であります。
 地方財政の問題を解決するには、地方が実感できない数字や水膨れさせた数字を羅列して宣伝するのではなく、地方交付税率の引上げを含む地方税財政制度の抜本的な改革はもちろんのこと、やはり企業立地を進め、地方の税収自体を上げていくことが重要であると考えます。
 鳩山政権に対して、地方の視点での実効ある成長戦略や企業立地につながる地方のインフラ整備を望むのは無理なことだとは思います。であるならば、支持率が三〇%まで下落し、金科玉条のごとく掲げてきたマニフェストの公約も、今回の暫定税率の廃止の事実上断念を始め、次々とほごにされているわけですから、ここで一度衆議院を解散され、国民の信を問うていただき、政権の座から離れていただくことが地方税財政再建の特効薬であるということを申し上げて、私の反対と賛成の討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#25
○議長(江田五月君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#26
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成            百二十九  
  反対              百六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#29
○議長(江田五月君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百二十六  
  反対               八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#32
○議長(江田五月君) この際、日程に追加して、
 平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案
 所得税法等の一部を改正する法律案
 租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長大石正光君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔大石正光君登壇、拍手〕
#34
○大石正光君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案は、平成二十二年度の適切な財政運営に資するため、同年度における公債の発行の特例に関する措置等を定めようとするものであります。
 次に、所得税法等の一部を改正する法律案は、支え合う社会を実現するとともに、経済・社会の構造変化に適応し、国民が信頼できる税制を構築する観点からの税制全般にわたる改革の一環として、個人所得課税、法人課税、国際課税等について所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案は、租税特別措置に関し、適用状況の透明化を図るとともに、適宜適切な見直しを推進し、もって国民が納得できる公平で透明性の高い税制の確立に寄与するため、適用実態を把握するための調査及び国会への結果報告等の措置を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、内閣総理大臣に対する質疑を行うとともに、参考人から意見を聴取し、財政健全化目標の早期策定とその内容、恒久的な財源を確保する必要性、公債の安定消化に向けた政府の取組、海外の動向を踏まえた今後の法人所得課税の在り方、揮発油税等の暫定税率の水準を実質的に維持したことの是非、租特透明化法の実効性を確保するための具体的な方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党・改革クラブを代表して愛知治郎理事、公明党を代表して荒木清寛委員、日本共産党を代表して大門実紀史委員より、それぞれ公債特例法案及び所得税法等改正案に反対、租特透明化法案に賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、順次採決の結果、公債特例法案及び所得税法等改正案はいずれも多数をもって、租特透明化法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、公債特例法案及び所得税法等改正案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#35
○議長(江田五月君) 三案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。林芳正君。
   〔林芳正君登壇、拍手〕
#36
○林芳正君 私は、自由民主党・改革クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案に反対、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案に賛成の立場から討論をいたします。
 総理始め閣僚の皆さんは、最近の世論調査をどのように思って見ていらっしゃるでしょうか。内閣支持率はとどまるところを知らぬ下落を続けており、鳩山政権に対する国民の信頼は地に落ちたと言っても過言ではないでしょう。
 その理由は、改めて申すまでもありません。鳩山総理のお母様からの友愛に満ちた十二億四千五百万円もの贈与、それを全く知らなかったとうそぶく総理の姿勢、小沢幹事長の出どころが不明な資金を使っての不動産購入、北海道教職員組合丸抱えの小林議員の選挙実態など、枚挙にいとまがありません。
 ここで議題となっている歳入関連の法案は、国民の皆様に多くの負担をお願いするものであります。にもかかわらず、法案を提出している内閣の最高責任者が、国会での審議で明らかになったように、納税者意識に欠け、母親からの資金提供などの疑いに対し、いまだ国民の納得する説明を全く果たしていないのであります。
 私が法案に反対する最大の理由は、総理が逃げの姿勢、後ろ向きの考えで国会審議を乗り切ろうとしているからであります。
 まず、特例公債法案に関して申し上げます。
 日本の財政は大変な局面に入ってきました。国債発行額は、今年度第二次補正後で五十三・五兆円にも上りますが、二十二年度予算では当初でも四十四兆円にも達し、昭和二十一年度以降初めて税収額を上回りました。
 さらに、政府・与党では、二十二年度中に追加的な経済政策、補正予算を検討すると報じられており、それを織り込むと、恐らく年度末までには五十兆円以上に及ぶのではないでしょうか。そうでなくても、来年三月末の国の借金は九百七十三兆円、国民一人当たり七百六十三万円もの規模に達すると見込まれています。ばらまきの民主党政権下で国の借金が一千兆円を突破するという恐ろしい場面を我々は見ることになります。
 平成二十二年度予算の歳入では、四十四兆円の国債を発行した上、それでも足らず、十・六兆円ものその他の収入が見込まれています。財政投融資特別会計や外国為替資金特別会計からの受入れ、いわゆる埋蔵金と言われるものを何とか掘り起こした苦しいやりくりです。
 しかしながら、埋蔵金は何年も掘り当てることはできない単発のお金であり、すぐに枯渇をいたします。しかも、二十二年度には予想される追加の経済対策などから補正予算が編成される公算がある上、続く二十三年度は、民主党のマニフェストの全面実行に必要な新規財源は十兆円規模にも上るとの予想があります。さらに、社会保障では、自然増で一兆円、基礎年金国庫負担の二分の一維持で二・五兆円もの財源が手当てをされなければならないわけであります。そうした財源を歳出の無駄の削減だけで捻出できるわけがありません。将来にわたり大幅な赤字国債の増発が不可避であるのは目に見えており、財政破綻への第一歩となる今回の公債特例法案に我々はとても賛成することはできません。
 所得税法等の一部改正案について申し上げます。
 民主党は、かねてより暫定税率の廃止を声高にうたい、ガソリン値下げ隊などのパフォーマンスを繰り広げてきました。ちょうど二年前の今ごろ、国会においてこの暫定税率について大変な議論があり、当時、参議院において第一党であった民主党は、審議拒否をしてまで暫定税率部分に反対し、失効させました。
 それがどうでしょうか。今回は、昨年末の小沢幹事長のまさにツルの一声で暫定税率の存続が簡単に決まりました。ここでも政策決定の過程が不透明であり、その上、従来の党の主張とは全く反対の方向に政策が決定なされたのであります。しかも、廃止を望んでいた総理の意見は簡単につぶされ、マニフェストにおいて国民に約束したこともほごにされたわけであります。税率が下がり、ガソリン価格などが安くなることを期待した国民は多かったはずであります。
 なぜ野党のときに威勢よくできたことが、与党になるとできなくなったのでありましょうか。国民の期待を裏切る今回の税制改正に反対すべきなのは、むしろ民主党の皆さんではないのでしょうか。
 また、子ども手当や高校授業料無償化の導入に伴う扶養控除の廃止に関しても問題があることを指摘しておきます。税制改正により、十五歳までの年少扶養控除、そして十六歳から十八歳までの特定扶養控除の上乗せ部分が廃止され、負担増となる世帯が発生いたします。所得税に加え、マニフェストでは明記されていなかった住民税に関しても同様の措置がとられたことは、明らかに公約違反と言わざるを得ません。
 また、税制改正においては、民主党がマニフェストで明示していた中小企業の法人税率を一一%に引き下げるという公約が全く実行されておりません。我々は、日本経済を支えてきたのは中小企業であり、その活性化こそが景気回復の大前提と認識してまいりました。だからこそ、法人税率を本来三〇%であるところを二二%にし、さらに今回の経済危機に際し、自公政権では一八%まで引き下げたのであります。民主党政権では更に引下げが必要だとの認識だったのでしょうが、マニフェストで主張したとおりの引下げをなぜ今実行しないのか、全く理由が分かりません。これも大きな税制上の公約違反であります。
 その一方で、マニフェストには書いてもいないたばこ税の大幅引上げを断行しています。今回の改正で、たばこは一本五円、一箱百円もの大幅な値上げになります。愛好家にとっては不景気による収入減に輪を掛けて財布が痛むことになります。
 我々自公政権では、引上げを図る際には、幅広くたばこ関連業者や国民の意見を聞いた上で、せいぜい一円の値上げを段階的に行うという丁寧な手法を取ってまいりました。しかし、昨年末の政府税制調査会などの議論を見ても、たばこ関連業者や国民の声を幅広く聞くという、丁寧かつ真剣な議論や民主的な手続を踏んだとは到底思えません。しかも、増税の実施時期は今年十月からであります。国民に痛みを強いる政策だからでしょう。参議院選挙後に先送りをしております。まさに政局あって政策なしの民主党の体質そのものであります。
 なお、租税特別措置の透明化法案に関しては、その目的が適用状況を透明化し、適切な見直しを推進するものであり、課税の公平性に寄与するものであるから、賛成をいたします。
 責任ある野党である我が党は、以上述べましたように、マニフェストでの国民との約束をないがしろにした与党の横暴や身勝手な御都合主義の財政運営には強く反対をいたします。しかし、国家国民のためになる法案や政策であれば、成立を阻むものではなく、またその運営に全面的に協力することを約束して、私の討論といたします。(拍手)
#37
○議長(江田五月君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#38
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 まず、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成            百二十八  
  反対              百六  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#41
○議長(江田五月君) 次に、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#42
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#43
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百三十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#44
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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