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2010/03/31 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第13号
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2010/03/31 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第13号

#1
第174回国会 本会議 第13号
平成二十二年三月三十一日(水曜日)
   午後一時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十三号
  平成二十二年三月三十一日
   午後一時開議
 第一 北朝鮮当局によって拉致された被害者等
  の支援に関する法律の一部を改正する法律案
  (衆議院提出)
 第二 地震防災対策強化地域における地震対策
  緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に
  関する法律の一部を改正する法律案(衆議院
  提出)
 第三 株式会社日本政策金融公庫法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 国の直轄事業に係る都道府県等の維持管
  理負担金の廃止等のための関係法律の整備に
  関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 雇用保険法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第六 放送法第三十七条第二項の規定に基づき
  、承認を求めるの件(衆議院送付)
 第七 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び
  高等学校等就学支援金の支給に関する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、環境影響評価法の一部を改正する法律案(
  趣旨説明)
 一、日程第一より第四まで
 一、国土調査促進特別措置法及び国土調査法の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 一、日程第五
 一、介護保険法施行法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、日程第六及び第七
 一、国立国会図書館法の規定により行政各部門
  に置かれる支部図書館及びその職員に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関
  する件
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 環境影響評価法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。小沢環境大臣。
   〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(小沢鋭仁君) 環境影響評価法の一部を改正する法律案につきまして、趣旨説明を申し上げたいと思います。
 ただいま議題となりました環境影響評価法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成十一年六月の本法の完全施行以降、環境影響評価の適用実績は着実に積み重ねられてきている一方、法の施行から十年が経過する中で、法の施行を通して明らかになった課題等を踏まえ、更なる取組の充実が必要となっております。
 具体的には、今日の環境政策の課題は一層多様化、複雑化しており、平成二十年六月に公布された生物多様性基本法、地球温暖化対策の推進や再生可能エネルギーの導入促進等の状況の変化を踏まえ、環境影響評価が果たすべき機能や評価技術をめぐる状況の変化への対応が求められております。
 これに関しては、法附則第七条において、政府は、この法律の施行後十年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとされており、また、平成十八年四月に閣議決定した第三次環境基本計画においても、法の施行の状況について検討を加え、法の見直しを含め必要な措置を講ずることとされているところでございます。
 こうした状況を踏まえ、法の施行後の状況の変化及び法の施行を通じて明らかになった課題等に対応するため、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、対象事業の範囲の拡大についてであります。
 法対象事業の条件の一つとして、交付金の交付を受けて実施される事業を追加しております。
 第二に、事業計画の立案段階における環境保全のために配慮すべき事項についての検討手続の新設についてであります。
 第一種事業を実施しようとする者は、方法書手続の実施前に、事業計画の立案段階における環境影響評価を実施し、その結果を記した計画段階環境配慮書を作成して、主務大臣への送付及び公表等を行わなければならないこととしております。
 第三に、環境影響評価書に記載された環境保全措置等に係る公表手続の新設についてであります。
 事業者は、事業着手後の環境保全措置の状況等に関し、報告書を作成し、公表及び許認可等権者への送付を行わなければならないこととしております。環境大臣は許認可等権者に意見を述べることができることとし、許認可等権者は事業者に対し、意見を述べることができることとしております。
 その他の改正事項として、環境影響評価手続におけるインターネットの活用等の情報提供手段の拡充、地方公共団体の意見提出に関する手続の見直し等所要の措置を講ずることとしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(江田五月君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。広中和歌子君。
   〔広中和歌子君登壇、拍手〕
#7
○広中和歌子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の広中和歌子でございます。会派を代表して、環境影響評価法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 今年の十月には、生物多様性条約COP10が名古屋で開催されます。多くの日本国民は、生物多様性と言われてもぴんとこないのではないかと思います。この会議における主要テーマ、達成すべき目標、そして国民の理解を深める方法について、環境大臣に伺います。
 二〇〇四年にノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんは、もったいないという言葉を知り、世界に広めた方ですが、先般の来日で京都の知恩院法主から、法然上人の言葉として「ともいき」という言葉を学んだと。ともいきとは、すなわち今様には共生ですが、日本の文化には古くから自然と共生する哲学があったということでございます。是非、日本政府にも今回の名古屋のCOP10でともいきの哲学を世界に広めていただきたいとお願いいたします。
 さて、本題に入ります。
 一九九九年に施行された環境影響評価法以来、初めての抜本改正となります。今回の改正で戦略的環境アセスメントの手続が新設導入され、事業の検討段階において環境影響評価が実施されることになったことは一歩前進であると評価いたします。
 しかしながら、今回の改正によるアセスは、事業の促進や規模の計画段階でのアセスであり、事業の実施を前提としております。事業そのものの必要性を環境面だけでなく社会、経済面での便益など総合的に判断し、事業の中止も選択肢に含めたものではございません。もしそうであれば、多くのダム事業、湾の埋立てなどアセスの検討の対象になるはずです。コンクリートから人へを掲げる新政権として、国の総合計画として政策段階や計画段階で環境影響評価を導入すべきだと思いますが、政府のお考えを伺います。
 現行のアセス法は、道路、飛行場、発電所など十三種の事業が対象で、規模に応じて必ず評価する第一種事業と個別に判断する規模の小さい第二種事業とに分類されます。今回の改正案では、戦略アセスの必要なものは第一種事業に限っています。事業規模が小さくても環境アセスが必要なものもございます。事業を細分化し、第一種から第二種に分類することでアセスを逃れる可能性もあります。この点について、環境大臣の御所見を伺います。
 さらに、日本では、九九年の法施行以来、法律上の環境アセスを行った事業が十年間でたったの百七十九件。米国では、連邦政府のアセスは年間三万から五万件です。二〇〇三年にアセスを導入をした中国でも年間三万件の実施だそうです。時間や費用を掛けず、負担の小さい簡易アセスを実施した上で、問題のあるものには詳細なアセスをし、より多くの事業にアセスの網をかぶせることが大切だと思いますが、その点について伺います。
 一九九七年六月に環境影響評価法が成立されて以来、環境への悪影響を回避、低減、代償とすることの重要性が示されました。しかし、自然環境は、開発事業が実施されるごとに失われていきます。
 米国やドイツでは、ノー・ネット・ロスといって、回避、低減をしてもどうしても残る生物多様性の損失分を他の場所で生物多様性回復活動を行うことで埋め合わせ、全体として損失がないようにする取組が行われていると聞きます。日本では、回避、低減、代償を検討することの重要性は、環境影響評価法の基本的な事項として告示はされましたが、努力目標に終わっています。
 生物多様性の減少という流れを止め、現状以上に豊かなものになっていくためには、日本でも今後開発に当たってノー・ネット・ロスを原則としていく必要があると考えます。環境省として各国の実施状況をどの程度把握されているか、また、日本でも導入を検討すべきだと考えますが、環境大臣の御所見を伺います。
 また、アセスの基準、手法について、昨今、自然資本、生態系の経済価値評価の重要性が各国の議員の間でも議題となります。例えばヨーロッパにおいては、ハチの病気が授粉活動に損害を与え、ひいては千億円規模の農産物の減産につながりました。また、日本にも多くある干潟は、千ヘクタールで何と建設費八百億円以上、維持管理費五・七億円規模の下水処理施設に相当する浄化能力を持つとの試算もされています。これは干潟に生息するゴカイや貝類などの働きによるものであります。
 これからは、今まで当たり前のように享受してきた生態系のサービスについてしっかりと経済的な価値付けをし、アセスを行う際の評価基準としていくことが求められていると思いますが、環境大臣のお考えを伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(小沢鋭仁君) 広中議員にお答え申し上げたいと思います。
 COP10における主要テーマと達成すべき目標及び生物多様性についての国民の理解に関する御質問がございました。
 COP10における主要テーマと達成すべき目標としては、生物多様性に関する二〇一〇年以降の世界目標、いわゆるポスト二〇一〇年目標を策定すること、さらには遺伝資源の取得とその利益配分、ABSに関する国際的枠組みの検討を終了すること、この二点が大きな目標だと考えております。
 また、国民の理解に関してでありますが、COP10を通じて生物多様性をより分かりやすく国民に伝え理解を深めていただけるよう、COP10について国連地球生きもの会議という愛称を付けさせていただきました。本年は国連の定めた国際生物多様性年でありまして、そのことから、経済界、地方公共団体、NGO、有識者など各界の関係者から成る国際生物多様性年地球生きもの委員会を中心とした記念行事の実施や普及啓蒙活動を通じて、生物多様性に関する国民の理解を深めてまいりたいと思っております。
 政策段階や計画段階での環境影響評価についての御質問がございました。
 今回の制度見直しにおいては、実績の積み重ねがある個別事業の位置、規模又は施設の配置、構造等の検討段階を対象とした戦略的環境アセスメント制度を導入したものでございます。御指摘のより上位の計画や政策段階での環境影響評価の取組については、中央環境審議会答申においても検討の必要性を指摘されているところでありまして、今後の課題として前向きに検討してまいりたいと思っております。
 第二種事業のSEA実施についての御質問がございました。
 第二種事業は、現行制度においても評価の必要性を許認可等権者が個別に判定する事業でございます。SEAの検討段階は事業内容の熟度が低く、許認可等権者が環境影響の程度を判定することは難しいことから、SEAについてもその実施を義務付けないものとしてございます。ただし、事業者の自主的な判断によるSEAの実施には、環境保全の観点から望ましいため、第二種事業についても自主的に実施することを可能とする制度としておるところでございます。
 簡易アセスについての御質問がございました。
 我が国の環境影響評価制度では、法と条例とが一体となって、より環境の保全に配慮した事業の実施を確保することにより十分に環境保全が図られていると認識をしております。法と条例の役割分担を尊重する観点から、広範囲の事業を対象とした簡易アセスについては慎重に対応する必要があると考えております。
 ノー・ネット・ロスについての御質問がございました。
 事業による影響を回避、低減した上で、なお残存する影響を代償することにより価値の損失をゼロとするノー・ネット・ロスの考え方は、既に米国やドイツ等で導入されていると承知をしております。島国であり、固有種を多く有する我が国においてノー・ネット・ロスの考え方を導入することについては、その導入が可能かどうかも含めまして、国内外の事例の蓄積を行い、今後具体的な検討を行ってまいりたいと思っております。
 生態系等の経済的価値評価についての御質問がございました。
 人類が生物多様性から受ける恩恵を経済的に評価することは、生物多様性の価値を認識し、それを政策に反映するために必要なものと認識をしております。
 例えば、環境省では、日本の主要なサンゴ礁地域による観光レクリエーション分野での経済的価値を二千四百億円以上と試算をしております。しかしながら、生態系サービスの経済的な評価については、国際的な研究が開始されたばかりであり、このような取組を踏まえつつ、環境影響評価制度への適用の可能性についても今後検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(江田五月君) 有村治子君。
   〔有村治子君登壇、拍手〕
#10
○有村治子君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、議題となりました環境影響評価法の一部を改正する法律案に関して、環境大臣及び関係大臣に質問いたします。
 平成十一年に現行法が施行され、十年がたちました。この間、環境影響評価制度、いわゆる環境アセスメントは着実に前進し、住民、事業者、行政各方面において環境への影響に配慮する意識は着実に向上してきたと考えます。時代の要請に応じようとする今回の法改正によって、住民参加の機会が増え、事業者の負担を適切なものにし、より良い環境が残ることによって国民の安心が図られるという法の目的を達成していかなければなりません。このための建設的な議論であれば、自由民主党もこれを歓迎いたします。
 政府は、現行法の不足を是正すべく、戦略的環境アセスメントを導入する旨説明されてきました。十年間の現行法の運用においてどういった問題があり、改正案によってそれをいかにして解決されるのか、まず伺います。
 天然資源の乏しい日本にとって、安定的にエネルギーを供給する体制を整えるエネルギー安全保障、また地球温暖化対策の視点からも、政府として推進を明言されている原子力発電所の新規建設に、戦略的環境アセスは大きな影響力を持ちます。
 従来の環境アセスにおいても、私が把握している民間事業者の事例では、方法書百三十四ページ、準備書は千百十八ページ、評価書は更に千百七十三ページ、合わせて二千四百二十五ページという莫大な書類作成に実に四年の歳月が掛かっていたプロジェクトが見受けられました。今回のアセスでは、加えて事業計画段階での環境予測の実施が求められることになり、屋上屋を架す手続だとの批判も一部では聞かれます。では、あと何千ページ加えればよいのだろうとの悲鳴にも似た戸惑いも聞こえてきます。従来の環境アセスに加え、計画段階でのアセスメントを更に追加することによって、環境に与える影響はどのくらい低減できるものなのでしょうか。御所見を伺います。
 具体的な事例で考えます。例えば、原子力発電所などの場合に、本案が求めるように、A案、B案、C案と都道府県の異なる複数の候補予定地を公表した上で環境影響を検討することが本当に可能でしょうか。計画を発表した瞬間から、候補地周辺の投機的土地買収や反対運動、社会的混乱が起こるリスクがあります。用地の複数案提示が無理なら、せめて発電所施設の規模や配置などについて複数案提示せよというのであれば、戦略的環境アセスメントの意図する効果は限定的になります。これでは、事業者の時間的、経済的、技術的負担を増した割には、ねらったほどの環境保護効果が出てこないというジレンマが起きます。環境大臣は、この点の整合性をどのように図っていかれるのでしょうか。原子力発電所を含め、電気事業を所管される経済産業大臣の御所見も伺います。
 政府は、国民生活の安定のために、エネルギー安全保障を固めていかなければならない責務を負います。地球温暖化対策を進め、環境を守っていくと同時に、強力に推進していかなければならないのがエネルギーセキュリティーに対する国民的な理解の促進です。エネルギー自給率が四%と極めて低い日本にあって、自給率を高めていくための関係者の合意形成が長きにわたって成し得ず、意思決定がなされない結果としてエネルギー供給が不安定になり、国民の雇用と富をつくっていくべき国際競争力が下がる一方というのでは困ります。経済産業大臣には、エネルギーセキュリティーの国民的理解を進めるために具体的にどんな施策を展開されるのか、お考えを伺います。
 生産者、消費者、産業界、労働界、NGO団体など、国民各層の声を聞く手段として、近年パブリックコメントが多用されます。そこで、政府や省庁が実施するパブリックコメントが民意を受け止める場としてどれだけ機能しているかについて伺います。
 近年、インターネットなどで寄せられる意見は、定型ひな形の文章が組織的な動員によって一斉に送信される動向が見られます。理論的には、たった一人の発信者からでも一千通の意見を政府に提出することが可能である現在、賛成、反対、慎重等を表明する意見数は実際に発信している人の数と合致しない場合もあります。
 先日閣議決定された地球温暖化対策基本法案のパブリックコメントにおいても、法案が規定する施策に反対又は慎重な意見が多数を占めていたと報告を受けていますが、では、これらの国民の賛否の声や意見の数が本当に法案内容に反映されているのか、されなかったのか、どういう対応をしていただいたのかは明確にされません。パブリックコメントをどのように解釈し、寄せられた意見から何を読み取り、どう意見者や国民にフィードバックしていくのでしょうか。環境大臣、お答えください。
 次に、高速道路の環境アセスメントについて伺います。
 民主党政権肝いりの政策、高速道路無料化の前段階として、今年六月から全国の三十七路線で無料化の社会実験が始まります。環境団体等が繰り返し指摘されるように、これは鳩山総理自らが掲げた温室効果ガス二五%削減に逆行する政策です。交通量の増大に伴って、既に、二酸化炭素や有害物質排出量の増大、騒音、振動の問題など、環境への影響が懸念されています。
 既存の公共施設の場合は今回新たに導入される戦略的環境アセスの範疇に入らないということですが、さりとて、建ててしまった施設であれば環境負荷が幾ら多くとも何をやってもいいという話にはならないはずです。既存の公共交通施設についても時の政権が強い政策誘導を行うのであれば、その環境影響を十分に調査し、検討する必要があると考えます。
 国土交通省は、高速道路無料化に伴う交通量の予測のみならず、今後、環境アセスメントを行い、それを政策に反映する意思があるのかどうか、また、環境調査をするのであれば、その期間、規模、内容についても国土交通大臣に御説明を願います。
 次に、環境行政の推進においても大きな課題となる普天間基地移設問題における環境アセスメントについて伺います。
 鳩山首相は、今年五月末までに普天間基地の移転先を決着させると明言されています。これによって、四年の歳月を掛け進めてきた辺野古周辺の環境アセスは、現在、中断せざるを得ない状況にあります。そして、移転先を新たに検討する場合にはアセスメントのやり直しが必要です。移転先が確定した場合、環境アセスメントのやり直しに要する期間はどのくらいと見込んでおられるのでしょうか。
 また、本法案は公布後二年で施行されますが、その後に基地の新設が計画される場合は戦略的環境アセスメントを適用されるのか、それとも、事実上環境アセスを免除することを規定した第五十二条三項を適用するおつもりなのか、その可能性の是非を含めてお答えください。
 その際、小沢環境大臣は、自然環境への影響を最小限にとどめる側に立たれるのか、それとも、政府の一員として、事業計画推進ありきで環境影響を過小に予測する、いわゆるアワスメントに徹するのでしょうか。環境大臣の立ち位置を伺います。
 残念なことですが、実際のところ、環境への影響が全くない大規模公共事業などあり得ません。この事実を直視した上で、努めて環境への負荷を少なくし、国民生活の利便性や安定向上のために戦略的にアセスメントを行い、その妥当性を吟味して環境保全と経済発展、エネルギーも含めた安全保障の確立を図るというのは極めて大切なことであり、同時に極めて難しいことです。相反するかけがえのない複数の価値観を前にして、しかしそれでも意思決定を下し、進むべき方向を明示していくのが政治の宿命であり、内閣の責任でありましょう。
 環境大臣が好んで引用されるように、いのちを守りたいと二十四回も連発される鳩山政権であるならば、まずは一億二千七百万人の国民のいのちを守る安全保障政策がイの一番の政策にならなければ、これは欺瞞です。現政権には、日本の未来のために、環境の保全、エネルギーの安定供給も含めた安全保障の視点を是非とも補強していただきたいと切に念じて、自由民主党、私、有村の質問を完了いたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(小沢鋭仁君) 有村議員にお答え申し上げます。
 まず、戦略的環境アセスメントの意義についての御質問がございました。現行の環境影響評価法は、早期段階で選定に住民関与や主務大臣等第三者の参画がないことから、いわゆる環境影響の回避、低減等が不十分となると、そういう指摘がございました。
 今回の改正によりまして、戦略的環境アセスメントの導入によって、より早い段階での環境面での検討を行うことにより、事業者がより柔軟な措置をとることが可能となり、環境影響の回避、事業の早期着手が図られるなど、これまでの問題点の解決につながるものと考えているところでございます。
 計画段階配慮の効果についての御質問がございました。
 どのくらい回避、低減できるものなのかと、こういう御質問でございましたが、数量的に申し上げるところではございません。しかし、今回新たに導入する計画段階配慮において、例えば事業敷地内に湿地や藻場が存在するような場合でも、施設の配置に関する複数案の評価を行うことにより、関係行政機関や一般から聴取した意見を反映することでこれらの貴重な生態系への悪影響を回避、低減する効果が期待できるなど、十分な効果が期待できるものと考えております。
 原子力発電所を始めとするそういった施設に関しての複数案検討についての御質問がございました。
 原子力発電所等の場合であっても、事業の立地箇所ではなくて施設の配置等に関する複数案の検討は十分可能だと思っております。検討の結果、配置のみが変更される場合であっても、当該箇所に固有の貴重な生態系への影響を回避、低減する効果等が考えられます。また、新設される計画段階配慮の手続に係る期間、コストについて、現行においても方法書を準備する以前から既存情報等を用いた調査を行っているため、大幅な事業者の負担の増加は見込まれないものと考えております。
 パブリックコメントの活用についての御質問がございました。
 御指摘のような組織的な動員の可能性については十分理解をしているところでございますが、パブリックコメントは市民の意見をより幅広く収集するという観点から政府にとって欠かすことのできない有効な手段の一つでございます。このため、いただいた御意見等についてはできる限り吟味し、施策の立案、実施に生かすことにより適切な実施に努めてまいることとしております。
 普天間飛行場代替施設についての御質問でございました。
 普天間飛行場代替施設の候補地再選定については、どのような事業が行われるか決まっていない時点において、やり直しに要する期間や法改正の適用については、コメントを申し上げることはできません。
 なお、法案第五十二条第三項の規定については、災害発生後の対応等、社会的要請から事業に速やかに着手することが求められる場合があることから配慮書手続の適用除外の規定を設けたものでございまして、具体的には何が対象になるかについては現段階では特に決めているところではございません。
 さらに、普天間飛行場代替施設の環境影響評価に関する立ち位置についての御質問でございました。
 環境大臣としては、制度の趣旨にのっとり最大級の環境配慮を求める立場を取ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣赤松広隆君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(赤松広隆君) 有村議員の御質問にお答えを申し上げます。
 原子力発電所の戦略的環境アセスメントの効果と事業者負担の整合性についてのお尋ねでございますけれども、原子力発電所については、立地地点や規模の複数案を検討することは議員御指摘のとおり困難と認識をしております。他方、施設の配置や構造などは複数案を検討することが可能なものもあると考えております。
 新設される計画段階配慮の手続により、こうした点について、より環境への影響が少ない案が選択されることが想定されます。手続の新設による事業者の負担は著しく大きいということはないと考えておりますが、事業者の負担に十分配慮し、制度の詳細を検討してまいりたい、このように考えております。
 次に、エネルギーセキュリティーへの国民的理解のための具体的取組についてのお尋ねであります。
 御指摘のとおり、エネルギーに関する理解と関心を深めるための普及啓発活動は、国の重要な役割と認識をいたしております。具体的には、原子力や再生可能エネルギーの導入についての広報や、エネルギー政策に関するパンフレットの作成、配付、子供たちへのエネルギー教育推進のための教職員向け研修会等を実施しておるところでございます。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣前原誠司君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(前原誠司君) 有村議員にお答えをいたします。
 高速道路の無料化についてお尋ねがありました。
 環境影響評価法の対象となる事業は、規模が大きく、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業であり、高速自動車国道については、その新設事業や改築事業であって、車線数の増加を伴う等とされておりまして、既存の高速道路の無料化は対象とはなっておりません。
 しかしながら、高速道路の一部無料化につきましては、まずは六月より社会実験を行いますけれども、地域経済への影響、そして他の交通機関への影響と併せて渋滞や環境への影響を検証することとしております。期間につきましては、今年の六月から来年の三月末まで、今お示しをしている路線について社会実験を行う予定でございます。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(江田五月君) 加藤修一君。
   〔加藤修一君登壇、拍手〕
#15
○加藤修一君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました環境影響評価法の一部を改正する法律案について、環境大臣並びに関係大臣に質問いたします。
 まず、法律案の質疑に入る前に、鳩山内閣の環境戦略の基本方針について確認しておきたいと思います。
 持続可能な社会の実現に向けた政府の環境戦略は、平成十九年六月に二十一世紀環境立国戦略が閣議決定されております。鳩山内閣としては同戦略をどのように評価し、推進していく考えか、環境大臣の見解を伺います。
 二十一世紀環境立国戦略でも示されているように、今日の環境戦略に求められているのは環境と経済の二人三脚であり、どちらを欠いても将来の社会発展がないということであります。
 昨年、韓国政府は低炭素グリーン成長基本法を成立させました。同法は、地球温暖化対策の推進とグリーン産業の育成を関係付け、これを経済発展の新たな牽引力、起爆剤にすることを目指し、まさに国家挙げて国際競争力の強化を踏まえて戦略的に取り組むことになりました。我が国としても大いに参考にすべきものと考えますが、こうしたグリーンニューディールについて、改めて環境大臣の見解を伺います。
 本法律案の提出理由として、今日の環境政策の課題は一層多様化し、複雑化しており、平成二十年六月に公布された生物多様性基本法、地球温暖化対策の推進や再生可能エネルギーの導入促進等の状況の変化を踏まえ、環境影響評価が果たすべき機能や評価技術をめぐる状況の変化への対応としております。私は、本来の環境アセス法は、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の三者を統合的に進め、乱開発なき持続可能な社会の実現に向けて大きな役割を果たすものと考えておりますが、環境大臣の見解を伺います。
 ところで、鳩山内閣は、昨年、輝きのある日本へと題する新成長戦略を閣議決定しました。強みを生かす成長分野として、グリーンイノベーションによる環境・エネルギー大国戦略の意義を酌み取れば、本法律案により、環境産業の一分野であるアセス産業の拡大、発展にもつなげるべきものであります。いかなる仕組みを導入しましたか、環境大臣の見解を伺います。
 また、新成長戦略では、日本は環境大国というブランドを有していることを強調しております。事環境アセスの分野に関していえば、現行の環境アセス法が制定されたのは一九九七年のことであり、これは当時のOECD加盟国二十九か国中一番最後でありました。また、改正案の目玉の戦略的環境アセスメントは、事業計画が固まった段階で行ういわゆる事業アセスよりは、早期の行政の意思形成過程、すなわち戦略的な段階で行う環境アセスメントのことであります。一般的に、ポリシー、プラン、プログラムの三つのPから構成され、環境配慮の柔軟な取組がしやすいとされております。既に、欧米など約三十か国で実施され、日本国内では、例えば埼玉県、東京都、広島県、京都市、千葉県が独自に導入しております。
 本法律案においては、どのように三つのPを明確に立て分け、少なくとも計画及びプログラム段階で戦略的アセスとして導入しているのか、また政府が強調した環境大国というブランドにふさわしい内容としてどこがどのように改正されたのか、環境大臣の見解を伺います。
 また、生物多様性条約は、締約国に対し、関連する一つあるいは複数の分野の計画及びプログラムに、生物多様性の保全及び持続的利用を適切に取り入れることを要求しております。
 また、生物多様性基本法の第二十五条は、国が戦略的アセスの実施、すなわち事業計画の立案の段階等での生物の多様性に係る環境影響評価の推進を行うべきとなっておりますが、条約並びに国内法は具体的にどこにどのように的確に反映されているのか、環境大臣の見解を伺います。
 ところで、我が国の国際協力上の戦略アセスを含めた環境配慮は、JICAの環境配慮ガイドラインなどでチェックされており、国際的に高い評価を受けております。一方、国内の環境アセスは緩いことから、国民のための環境配慮が不十分であり、この度の戦略的アセスについて、より実効性を高めるべきとの指摘があります。この内外格差をどのように認識しているのか、すぐさま解消すべき課題でありますが、環境大臣の見解を伺います。
 そもそも、現行法に基づく環境アセスの実施件数が少ないのは、対象を大規模事業に限定していることであり、規模は小さくても環境に大きな影響を及ぼす可能性のある事業もあります。そこで、対象事業の拡大とともに規模要件を撤廃し、簡易アセスを実施できるようにして、その結果により詳細なアセスを実施するかどうかを判断する仕組みにすべきと考えます。環境大臣の見解を伺います。
 次に、環境アセスの予測結果の検証についてであります。
 事前の環境アセスでは予測し得なかった事態が生じた場合には事後アセスが必要でありますが、現行法では実施義務はなく、事業者の自主的判断に任されております。環境アセスの信頼性の充実には、今回導入される戦略アセスとともに、ダムや道路などの事後評価を行うことは公益性などの視点からも重要であります。事後アセスを義務付けることが必要と考えますが、国土交通大臣の見解を伺います。
 本改正案によれば、環境大臣は方法書の段階などにおいて意見を付することができます。科学的知見や実効性の担保のためには、常設の環境影響審査会が必要であります。例えば、イギリスにおいては法定協議会、米国は環境諮問委員会、そして韓国は環境政策評価研究院などを設置しております。国土全体を見渡しての知見、生物多様性の保全など、持続可能性を担保する役割を果たしております。
 以上のように、県条例の審査会と重複するものではなく、役割分担を明確にすることが可能であります。環境大臣の見解を伺います。
 最後に申し上げます。
 鳩山政権は、政治と金、基地問題、遅刻閣僚、スキャンダルや勘違い閣僚、閣内不協和音など政権末期状態であります。そこで、政権アセスメントの実施を提案しますが、残された代替案はただ一つ、総退陣しかないことを申し上げて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(小沢鋭仁君) 加藤議員にお答え申し上げたいと思います。
 二十一世紀環境立国戦略についての御質問がございました。
 二十一世紀環境立国戦略で施策の方向として打ち出された車の両輪として進める環境保全と経済活性化、地域活性化については、私も積極的に評価できるものと思っております。私どもは環境と成長の両立と、こう訴えさせていただいているわけでありまして、実現に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
 グリーンニューディールについての御質問がございました、韓国のグリーンニューディールについての御質問がございました。
 韓国において制定されました低炭素グリーン成長基本法において、政府全体で低炭素社会づくりを進めることによって経済成長を実現するという趣旨が盛り込まれていることと承知をしております。先ほど申し上げましたとおり、環境と成長の両立を目指す私どもとしても十分参考にしてまいりたいと思っております。
 環境アセス法の役割についての御質問がございました。
 環境影響評価法は、平成十一年の施行以来、乱開発なき持続可能な社会に合致した、より環境保全に配慮した事業の実施に貢献してきたものと認識しており、本改正を踏まえ、今後とも制度の適切な運用に努めてまいる所存でございます。
 環境影響評価法の改正とアセス産業の拡大、発展についての御質問でございました。
 今般の法改正は、環境影響評価の各種手続を充実させることにより、より一層環境配慮が充実されるよう図るものでありまして、アセス産業の発展を一義的に目的とするものではございません。しかし、環境影響評価に関する実務者の育成等、適切に進めてまいる所存でございます。
 いわゆる戦略的アセスメントは、一般的にポリシー、プラン、プログラム、三つのPから構成されている、そういった御質問がございました。
 今回の制度見直しにおいて導入した戦略的環境アセスメント、いわゆるSEAの手続は、実績の積み重ねがある個別事業の位置、規模又は施設の配置、構造等の検討段階を対象としているものでございます。御指摘の三つのPの一部については今回の法改正の対象に含まれておりませんが、今後の課題として取り組んでまいりたいと思っております。
 生物多様性基本法の第二十五条とのかかわりについての御質問がございました。
 今回の改正は、より早い時点で環境面の検討を行うことで、動植物の生息・生育環境等に配慮した事業の実現に資することから、御指摘の生物多様性条約や生物多様性基本法の規定は十分に反映されているものと認識をしております。
 JICAの環境社会配慮ガイドラインについての御質問がございました。
 JICA環境社会配慮ガイドラインに基づく環境影響評価は、途上国における事業の特性等の国際的な要因も踏まえたものでありまして、我が国の環境影響評価制度とは全く異なることから、一概に比較することは困難であると思っております。配慮が不十分であるとの御指摘は当たらないと考えております。
 簡易アセスについての御質問がございました。
 法と条例が一体となって、より環境の保全に配慮した事業の実施を確保している本制度によって十分に環境保全が図られていると認識しておりまして、法と条例の役割分担を尊重する立場から、広範囲の事業を対象とした簡易アセスについては慎重に対応する必要があると考えてございます。
 審査会の常設についての御質問がございました。
 中央環境審議会においても、審査会の常設について議論をさせていただきました。答申において、手続の重複の可能性があること等から不要であるという意見が多数を占めておりました。今後、例えば環境省が助言を求めるための専門家をあらかじめ指名、公表し、環境大臣意見形成の際に必要に応じて助言を求めるといった仕組みを設けることなど、適切な運営を心掛けてまいりたいと思います。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣前原誠司君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(前原誠司君) 加藤議員にお答えをいたします。
 環境影響評価の事後調査の義務付けについて、お尋ねがありました。
 国土交通省所管の環境影響評価の事後調査につきましては、現在でも、住民や知事、環境大臣等の意見等を踏まえながら、予測の誤差が大きい可能性がある場合や実績の少ない環境保全対策を行う場合等については、環境大臣の定める基本的事項に基づく主務省令によりまして実施することとされております。
 ちなみに、環境影響評価法施行、平成十一年六月以降で実績を申し上げますと、道路は三十一件中三十件、ダムにつきましては事業中止の一件を除きますと四件中四件、そして空港については七件中七件、事後アセスを行っておりまして、今後も適切に実施をしてまいりたいと考えております。
 以上です。(拍手)
#18
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#19
○議長(江田五月君) 日程第一 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長前田武志君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔前田武志君登壇、拍手〕
#20
○前田武志君 ただいま議題となりました法律案につきまして、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、北朝鮮当局によって拉致された被害者等であって本邦に永住するものが置かれている状況にかんがみ、拉致被害者等給付金の支給期間の限度を五年から十年に延長するものであります。
 委員会におきましては、提出者である衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、拉致被害者等の自立及び生活基盤の再建等に資するよう、支援策の実施に十全の対応をすること、拉致被害者等支援法改正後の実施状況、帰国した被害者の生活基盤の再建等の状況及び補償の問題、未帰国の被害者の状況等を勘案の上、被害者の支援について万全を期すこと等を政府に要請する決議が行われたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#22
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#23
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成           二百二十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#24
○議長(江田五月君) 日程第二 地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長岡崎トミ子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔岡崎トミ子君登壇、拍手〕
#25
○岡崎トミ子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律は、大規模地震対策特別措置法で定めている地震防災対策強化地域において、地震対策緊急整備事業として公立小中学校等に係る国の財政上の特別措置を講じるものでありますが、本法律案は、この財政上の特別措置を平成二十七年三月三十一日まで五年間延長すること、関係都道府県知事が作成しなければならないとしている地震対策緊急整備事業計画を義務制から任意制に変更すること、及び公立小中学校に対する国の財政上の特別措置の引上げ等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者衆議院災害対策特別委員長より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成           二百二十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#29
○議長(江田五月君) 日程第三 株式会社日本政策金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長大石正光君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大石正光君登壇、拍手〕
#30
○大石正光君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地球温暖化を始めとした地球環境問題の解決に向け我が国として貢献するため、株式会社日本政策金融公庫の目的及び国際協力銀行の業務の範囲に、地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とする海外における事業を促進することを追加しようとするものであります。
 委員会におきましては、国際協力銀行の担うべき役割と今後の組織の在り方、政策金融機関の統合による効果、鳩山イニシアティブによる途上国支援の具体的内容等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#31
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#32
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#33
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十六  
  賛成            二百十九  
  反対               七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#34
○議長(江田五月君) 日程第四 国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
並びに本日委員長から報告書が提出されました
 国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
を日程に追加し、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長椎名一保君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔椎名一保君登壇、拍手〕
#36
○椎名一保君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案は、国が管理する道路、河川等の維持管理に要する費用に係る都道府県等の負担金を廃止するため、砂防法等関係法律の整備を行うとともに、平成二十二年度に限って、一定の場合、負担金を継続する特例措置等を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、都道府県の維持管理負担金の廃止の意義及び地域経済に与える影響、直轄事業負担金の廃止と負担金制度の根拠となっている受益者負担原則との関係、直轄事業における今後の事業採択の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案は、地籍調査など国土調査法で定義する国土調査を一層促進するため、平成二十一年度で終了する国土調査促進特別措置法に基づく国土調査事業十箇年計画を新たに二十二年度を初年度として策定するとともに、都道府県又は市町村が一定の要件を満たす法人に国土調査の実施を委託することができることとする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、国土調査事業十箇年計画の進捗状況及びその在り方、国土調査業務の民間委託の在り方、地籍調査の進捗状況及びその促進対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#37
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 まず、国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#38
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#39
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十六  
  賛成           二百二十二  
  反対               四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#40
○議長(江田五月君) 次に、国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#41
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#42
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成           二百二十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#43
○議長(江田五月君) 日程第五 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
並びに本日委員長から報告書が提出されました
 介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
を日程に追加し、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長柳田稔君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
#45
○柳田稔君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、雇用保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえ、非正規労働者に対するセーフティーネット機能の強化、雇用保険の財政基盤の強化等を図るために被保険者の要件の見直し等所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、今回の雇用保険の適用範囲拡大の意義、効果及び妥当性、マルチジョブホルダーの実態調査及び適用方策を検討する必要性、雇用保険に係る財政運営の見通し等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局しましたところ、自由民主党・改革クラブを代表して衛藤晟一理事より、平成二十二年度における失業等給付に係る雇用保険率を千分の八とする旨の修正案が提出され、国会法第五十七条の三の規定に基づいて内閣から意見を聴取いたしましたところ、政府としては反対である旨の意見が述べられました。
 次いで、討論に入りましたところ、自由民主党・改革クラブを代表して石井準一委員より修正案に賛成し、原案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、介護保険法施行法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、介護保険法の施行の日前に、市町村の措置により特別養護老人ホームに入所した要介護被保険者に対して、平成二十二年三月三十一日までの間講じられている利用料等の負担軽減措置を当分の間延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、介護施設等の整備の必要性、小規模介護施設等の防災対策、介護療養病床の今後の在り方等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#46
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 まず、雇用保険法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#47
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#48
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成             百五十  
  反対             七十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#49
○議長(江田五月君) 次に、介護保険法施行法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#50
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#51
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成           二百二十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#52
○議長(江田五月君) 日程第六 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長佐藤泰介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤泰介君登壇、拍手〕
#53
○佐藤泰介君 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本件は、日本放送協会の平成二十二年度収支予算、事業計画及び資金計画について国会の承認を求めるものであります。
 収支予算は、一般勘定事業収支におきまして、事業収入が六千七百八十六億円、事業支出が六千八百四十七億円となっており、六十一億円の収支不足となります。この不足額については、前年度までの繰越金の一部をもって補てんすることとしております。
 また、事業計画においては、放送の自主自律の堅持、公正公平で信頼できる情報や多様で質の高いコンテンツの提供、受信料制度への理解促進と公平負担に向けた取組強化、デジタルテレビジョン放送の普及等に取り組むこととしております。
 なお、本件について、総務大臣から、収支予算等については、国民の意見、要望等を踏まえて着実に遂行すべきものと認められる旨の意見が付されております。
 委員会におきましては、受信料収入の確保と公平負担の実現、経営委員会の在り方、ハイビジョン技術等の教育・医療分野での活用、放送の完全デジタル化に向けた取組、災害情報の的確な伝達、BPO意見等へのNHKの対応等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本件に対し十項目から成る附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#54
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#55
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#56
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成           二百二十七  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#57
○議長(江田五月君) 日程第七 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長水落敏栄君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔水落敏栄君登壇、拍手〕
#58
○水落敏栄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与するため、公立高等学校の授業料を不徴収とするとともに、私立高等学校等の生徒等に対して高等学校等就学支援金を支給し、授業料の一部を助成しようとするものであります。
 なお、衆議院において、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、この法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする旨の規定を加える修正が行われております。
 委員会におきましては、鳩山内閣総理大臣、川端文部科学大臣、衆議院修正案提出者等に対して質疑を行うとともに、参考人から意見を聴取いたしました。
 委員会における主な質疑の内容は、就学支援金支給の対象となる外国人学校の判定基準、高所得世帯に対して就学支援金を支給することの妥当性、授業料以外の学校納付金の負担軽減策の必要性等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、自由民主党・改革クラブを代表して橋本理事より反対、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して谷岡委員より賛成、公明党を代表して山下委員より賛成の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#59
○議長(江田五月君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。義家弘介君。
   〔義家弘介君登壇、拍手〕
#60
○義家弘介君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、いわゆる高校授業料無償化法案に対して反対の立場から討論いたします。
 まず、これまでの高校授業料無償化法案に関する国会での審議は何であったのか、心の底からの怒りを抑えることができません。
 高校授業料無償化は、戦後の学制改革以来の六十年ぶりの大改革であり、本来なら中央教育審議会に諮問し、各界各層の意見を聞くなど、最低でも一年を掛けて国民的な議論を行うべき重要政策であります。
 にもかかわらず、民主党は、急ごしらえのずさんな法案のために、数々の致命的な問題が指摘されたにもかかわらず、国会での審議を考慮することなく、参議院選挙に間に合わせるために審議を打ち切りました。その目的は、まさに利益誘導のばらまきであり、決して子供たちのためではありません。
 まず、法案について、最重要事項である、何のために高校授業料無償化を行うのかという後期中等教育の理念、在り方を含む本質的ビジョン、そして無償化による成果や効果に対する考え方が極めてあいまいであるということを明確に指摘しておかねばなりません。
 代表質問の際に、民主党からすら、初等中等教育に優先課題が幾つもあるのにもかかわらず、高校授業料無償化を最優先にし、四千億もの膨大な予算を確保した政策意図及び目的を端的に説明してほしいと質問がありました。しかし、川端文部科学大臣の答弁は、法案の趣旨説明を機械的に繰り返すのみで、初めから理念などない、選挙対策の利益誘導であったことを改めて示す結果となりました。
 ほかにも、低所得者への支援にならない、公私間格差を拡大する、地方公共団体の間での格差が生じるなど数多くの問題が指摘されています。
 子供たちの将来にかかわる重要な政策であることから、我が党としましても、所得制限を設け、低所得者支援や公私間格差是正のための財源を確保するなどの対案をもって国会審議に臨んでまいりました。しかし、野党が十分な審議を求めたにもかかわらず、民主党は、本日、法案を強権的に成立させようとしています。
 施行日は明日です。周知期間や準備期間はありません。しかも、無償化の対象となっている外国人学校や地方公共団体への交付金の額などは政令、省令で定めるとしており、法案成立後も未決定のまま残ります。また、実施主体である地方公共団体や私立高校などにはいまだ制度の詳細を明示できておらず、大きな不安と混乱を現場に与えております。さらには、公立高校で授業料を徴収する際の基準や、公私間格差、地域間格差の是正などの課題は地方公共団体に丸投げにされております。また、十分な財源を確保できなかったため、選挙中は国の負担ですべて賄うと説明していたにもかかわらず、地方の負担が残ります。
 民主党は教育の地方分権を標榜していますが、面倒な課題や責任、不足分の財源を地方に押し付けるということは教育の地方分権ではなく、公教育に対する国の責任放棄にほかなりません。
 私は、代表質問の際に、民主党が公教育の根本的な改革を行う適格性を問いました。その後、小林千代美衆議院議員への裏献金疑惑に関して、北教組の幹部などが政治資金規正法違反で起訴されるに至りました。しかし、小林議員はあくまで議員辞職を否定しています。これは、今議員辞職すれば補欠選挙が参議院選挙と同日になり、政治と金が争点になるから不利だという民主党の思惑からにほかならないでしょう。しかも、小林議員は、地検側の事実誤認もあるのではないかと思うと捜査への疑問まで口にし、連合北海道幹部は、逮捕された四人は完全黙秘で頑張った、小林議員が辞めたらはしごを外したことになると述べたと報道されています。自らへの反省のかけらもない、あきれ果てた発言です。
 既に北海道議会では、三月二十四日に小林千代美衆議院議員の議員辞職を求める決議が可決されております。これこそが民意であり、進退を個人の判断に任せ自浄能力を発揮しようとしない民主党の態度は、到底、道民、国民の理解を得られるものではありません。さらに、小林議員の事件では団体としての北教組も起訴され、組織として選挙違反などを行っていた疑いが強まっています。
 だからこそ、我が党は教育の政治的中立を確保するために、教育公務員特例法の改正案を今国会に提出いたしました。しかし、これに対し、日教組の中村委員長は、法案を時代錯誤とし、教育の政治的中立が求められるのは当然だが、労働条件の改善が必要となる以上、必然的に政治活動は必要だと述べました。
 本当に労働条件の改善を目的とした教育内容に中立かつ適法な活動であれば、それも一理はあるでしょう。しかし、日教組が行っているのは、日の丸・君が代や道徳教育反対などの学習指導要領違反、あるいは靖国神社参拝反対や日米地位協定の見直しなど、労働組合運動と政治運動が一体化した、それこそ時代錯誤なイデオロギー闘争なんです。それに現場の教師や子供たちを巻き込むから、法による規制が検討されることになったのです。にもかかわらず、自らを公教育の中心とうそぶき、一切の規制を許さないという傲慢は断じて許されるものではありません。
 北教組事件に関しては、民主党内から批判の声が出ないばかりか、赤松農林水産大臣は、非常にまじめな一生懸命な組合なものですから、場合によってはそういうおしかりも受ける点があったのかもしれません、罪に問われるようなことがないよう私自身は希望しておりますなどと述べ、模範解答だとまで言い切っております。日教組に対しては模範解答でしょうが、国民に対しては落第です。
 組合に人、物、金を丸抱えされているために、民主党からはもはや健全な批判精神が失われてしまっているのです。国民の健全な倫理感覚から完全に懸け離れた民主党に、教育行政に携わる適格性はないと断じざるを得ません。
 教育制度や教育現場を党利党略の道具として子供たちを犠牲にする民主党の大罪を我々は決して許しません。民主党が数の力で欠陥を残したまま強引に法案を成立させようとも、教育再生の流れを止めようと画策しようとも、我が党は不退転の覚悟を持って、子供たちを守るためにそれと対峙していくことを約束します。
 法案には見直し規定がありますが、重大な欠陥が明らかな制度を三年も放置するわけにはいきません。自民党は、直ちに真に子供たちのためになるきちんとした理念を持った制度にすべく、責任を持って改めていくことをこの場で国民にお誓いしたいと思います。
 そして、民主党には、国民と歴史、その双方の審判が近日中に下されるであろうことを申し上げ、法案への反対討論といたします。(拍手)
#61
○議長(江田五月君) これにて討論は終局いたしました。
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#62
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#63
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#64
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成            百五十二  
  反対             七十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#65
○議長(江田五月君) この際、日程に追加して、
 国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長西岡武夫君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔西岡武夫君登壇、拍手〕
#67
○西岡武夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、議院運営委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、消費者庁に国立国会図書館の支部図書館を置こうとするものであり、公布の日から施行することといたしております。
 委員会におきましては、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決するべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#68
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#69
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#70
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十五  
  賛成           二百二十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#71
○議長(江田五月君) この際、参議院事務局職員定員規程の一部改正に関する件についてお諮りいたします。
 議長は、本件につきまして議院運営委員会に諮りましたところ、議席に配付いたしました参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案のとおりとする旨の決定がございました。
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   〔議案は本号末尾に掲載〕
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#72
○議長(江田五月君) 本規程案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#73
○議長(江田五月君) 過半数と認めます。
 よって、本規程案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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