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2010/04/23 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第19号
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2010/04/23 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第19号

#1
第174回国会 本会議 第19号
平成二十二年四月二十三日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十九号
  平成二十二年四月二十三日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(核セキュリ
  ティ・サミットへの出席等に関する報告につ
  いて)
 第二 刑事に関する共助に関する日本国とロシ
  ア連邦との間の条約の締結について承認を求
  めるの件(衆議院送付)
 第三 刑事に関する共助に関する日本国と欧州
  連合との間の協定の締結について承認を求め
  るの件(衆議院送付)
 第四 刑を言い渡された者の移送及び刑の執行
  における協力に関する日本国とタイ王国との
  間の条約の締結について承認を求めるの件(
  衆議院送付)
 第五 国際受刑者移送法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 加納時男君から来る五月一日から九日間、井上哲士君から来る三十日から十日間、それぞれ海外渡航のため請暇の申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(江田五月君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(核セキュリティ・サミットへの出席等に関する報告について)
 内閣総理大臣から発言を求められております。発言を許します。鳩山内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#6
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、四月十二日から十四日まで、米国のワシントンを訪問し、核セキュリティ・サミットに出席をいたしました。
 サミットにおいては、各国は、核セキュリティ向上のための国内措置及び国際措置、核セキュリティにおけるIAEAの役割等について意見交換を行いました。
 私は、我が国は非核兵器国の道を歩むことが唯一の戦争被爆国としての道義的責任であると考え、核廃絶の先頭に立ってきたことを述べるとともに、核テロ防止に貢献するためのイニシアティブとして、次の四つの協力措置を表明しました。
 この四つの措置は、核セキュリティ強化のためのアジア総合支援センターを本年中に我が国に設立すること、核物質の測定、検知及び核鑑識に係る研究開発を実施すること、IAEA核セキュリティ事業に対して一層の財政的・人的貢献を行うこと、世界核セキュリティ協会会合を本年中に我が国で開催することであります。
 サミットにおいては、天野IAEA事務局長よりIAEAの活動の報告がありました。これに対し、多くの国がこれを支持し、IAEAの権限と資源の必要性に言及しました。私からも、我が国のIAEA支援策を紹介し、今後の活動への期待を表明しました。
 サミットの議論の結果、コミュニケとその具体的な指針としての作業計画が採択されました。すべての脆弱な核物質の管理を四年以内に完全なものとするとのオバマ大統領の呼びかけの下、各国が核物質の管理や原子力施設のセキュリティを効果的にすることを確認するとともに、各国が協調して核セキュリティの向上を図ることで合意ができました。
 なお、サミット出席に加え、各国及び国際機関の首脳等と個別に会談を行いました。
 胡錦濤中国国家主席とは、日中関係及び地域・グローバルな課題につき意見交換を行い、首脳往来を通じて日中戦略的互恵関係を充実させていくことで一致しました。
 ルーラ・ブラジル大統領とは、鉄道問題や経済分野を始めとする二国間関係の強化について意見交換を行うとともに、国連安保理改革でも引き続き協力していくことで一致しました。
 ズン・ベトナム首相とは、ベトナム南北高速鉄道や原子力発電所建設事業等、経済分野を中心とした両国の連携について意見交換を行いました。
 オバマ米国大統領とは、日米同盟を一層深化、発展させていきたい旨述べ、普天間飛行場の移設問題に関して意見交換するとともに、イランの核問題についても議論しました。
 メドベージェフ・ロシア大統領とは、政治と経済の車の両輪を前進させ、領土問題の解決に向け、首脳レベルで集中的に協議していくことで一致しました。
 サルコジ・フランス大統領とは、来年、G8、G20議長国を務めるフランスとサミット成功に向けて協力していくことで一致するとともに、日・EU経済連携協定についても意見交換を行いました。
 ナザルバエフ・カザフスタン大統領とは、原子力分野やレアアース共同開発の分野を中心とする二国間経済関係などについて意見交換を行いました。
 ファン・ロンパイ欧州理事会議長とは、気候変動、核軍縮・不拡散等への対応について日・EUで協力を強化していくことで一致するとともに、日・EU経済連携協定についても意見交換を行いました。
 国際連合の潘基文事務総長からは、八月六日の広島平和記念式典に出席する意向が伝えられたほか、九月のミレニアム開発目標に関する国連首脳会合への出席の要請がありました。
 また、チュー米国エネルギー長官の表敬を受け、高速増殖炉「もんじゅ」等の原子力技術を始め、日米クリーン・エネルギー技術協力の更なる強化、APECを通じた日米連携等について意見交換を行いました。
 我が国は、今回のサミットの成果を、具体的な行動に移します。
 また、国際的な核セキュリティ強化のため、引き続き積極的な役割を果たしてまいります。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(江田五月君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。山下八洲夫君。
   〔山下八洲夫君登壇、拍手〕
#8
○山下八洲夫君 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本の山下八洲夫です。会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました鳩山総理の訪米帰国報告に対して質問をいたします。
 八月六日広島、八月九日長崎に原子爆弾が投下されました。日本は世界で唯一の被爆国であります。
 広島市の広島平和記念公園に千羽鶴を持った少女の像がございます。一九五五年、私が中学一年生の夏に、原爆による白血病で亡くなった同級生の佐々木禎子さんをモデルにした像であります。同級生から、禎子さんを始め原爆で死んだ子の霊を慰める石碑を造ろうと呼びかけ、運動は全国の小中学校、高校へと広がり、募金は海外からも寄せられ、石碑は建造されました。石碑には「これはぼくらの叫びです これは私たちの祈りです 世界に平和をきずくための」と刻まれております。
 さて、今回の鳩山総理が訪米された最大の目的は、地球上に核兵器のない世界、平和な世界の実現を目指すオバマ米国大統領が主宰した核セキュリティ・サミットに世界で唯一の被爆国である我が国が招きに応じて出席をし、広島、長崎の悲痛な体験を生かして、核軍縮、核拡散防止、核テロ防止への核セキュリティ向上のための貢献策を表明するのが大きな目的であったと思います。
 核セキュリティ・サミットには世界四十七か国から首脳や閣僚が参加をいたしました。各国の指導者が一堂に会してこのような大規模な会合を開いたのは、一九四五年、国際連合の創設会合以来と言われております。イギリスやフランス、ロシア、中国など核保有国に伍して、被爆国としての日本がその存在感を十二分に示す誠に良い機会であります。
 鳩山総理、あなたはかねてから友愛の旗を掲げ、世界平和に貢献することを信条としてこられました。今回、有意義な核セキュリティ・サミットに出席をされ、他の国に先駆け、核テロ防止のための拠点センターを茨城県東海村につくり、人材育成を図ることを明言されました。日本の技術力の強みを生かして、核物質の製造元を追跡、確認する核鑑識システムの構築も提案されました。今回の核セキュリティ・サミットに参加され、どのような感慨を持たれたか、率直な真情の吐露をお願いいたします。
 次に、共同声明では、対話と協力で核の安全を強化することが盛り込まれ、核物質の適切な管理など十二の行動を取ることを確認いたしました。具体的な成果として、米国とロシアは兵器級のプルトニウムをそれぞれ三十四トン、核兵器一万七千個分を廃棄することで合意をいたしました。
 しかし、核をめぐる国際社会の現実は、イランや北朝鮮のように国際協調の枠外にいる国があり、パキスタンのようにテロ組織との関係が懸念される国があるなど、多くの不安材料を抱えております。日本としても、国際社会にとって最大の脅威である核テロの防止に最大限の協力をしていかねばなりません。
 鳩山総理、IAEAの重要な役割を踏まえ、新たな資金協力と人的貢献を打ち出しましたが、このほかにどのような形で貢献していくつもりなのか、抱負をお聞かせいただきたいと思います。
 さて、世界核セキュリティ協会会合を本年中に我が国で開催し、次回の核セキュリティ・サミットは二〇一二年にお隣の韓国で開催されることになりましたが、どのような経緯で韓国に決定されたのでしょうか。鳩山総理は、日本の広島での開催を強く要請されましたでしょうか。冒頭に述べましたように、日本は唯一の被爆国であり、オバマ米国大統領始め世界の首脳や閣僚が広島を訪れる最大、最高のチャンスであり、核セキュリティ・サミット開催地として最高の都市であります。是非、御答弁をお願い申し上げます。
 今年は日米安全保障条約の改定署名から五十年という節目の年であり、一月十九日には日米同盟の深化を盛り込んだ共同声明が発表されました。しかし、鳩山外交が基軸としている米国との協調に揺らぎが見られるとの指摘が有識者の間から強まっています。とりわけ、日米間における当面の懸案として沖縄普天間基地移設問題を抱える中、今回の訪米で夕食会におけるオバマ大統領との首脳会談が大きく注目されたことは、その指摘とは無関係ではなかったと思います。
 極めて残念なことに、米国の一部メディアは鳩山総理を名指しして酷評しました。また、首脳会談の内容について、オバマ大統領が、きちんと実現できるのか、キャン・ユー・フォロー・スルーとの疑念を表明したとも報じました。許し難い屈辱であり、極めて遺憾な報道であります。外交上の機密につながる事柄ですが、誤解があればできるだけ早い時期に解いておく必要があると考えます。この機会に総理御自身の真意をお伺いしたいと思います。
 鳩山総理は、日米同盟基軸を主張しつつ、他方では東アジア共同体の構想を堅持しております。このため、米国の、特に知日派とされる外交関係者の間では、我が国が米国に距離を置き、中国への傾斜を深めているのではないかと、総理の真意をいぶかる声が今なお消えておりません。
 一方、核セキュリティ・サミットに先立ち、米国は核戦略体制見直しを発表し、日本への核の傘を象徴する核搭載型巡航ミサイル、トマホークの退役が盛り込まれました。日本の周辺には、核保有国である北朝鮮や中国が厳として存在する中、トマホークの退役は日本への核の傘が弱まることになるとの懸念が防衛関係者らの間で指摘されております。鳩山総理は、こうした核の傘、核抑止力についてどのようにお考えですか。加えて、今後の日米安保の在り方についての認識を率直にお示し願いたいと思います。
 外交の最も大切なところは、首脳同士の緊密な関係の維持であります。今回も、サミット出席に加え、胡錦濤中国国家主席、サルコジ・フランス大統領を始め、各国の首脳と個別に会談をなされ、多くの成果を上げられたと思いますが、鳩山総理は就任以来、オバマ大統領との首脳対話を積み重ねていますが、これまでの対話を通じて、新しい日米関係の信頼をつくり上げられたと思います。また、懸案の普天間問題は必ず解決なされると私は確信をいたしておりますが、日米関係の緊密化に対する総理の率直なお考えをお示しいただいて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#9
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 山下議員にお答えをいたします。
 まず、サミット出席の所感に関してお尋ねがございました。
 核セキュリティという喫緊の課題に対処するために、多くの首脳の皆さんがお集まりし、そして核物質の管理の四年以内の徹底などについて一致をし、具体的な措置を盛り込んだコミュニケ及び作業計画をコンセンサスとして採択ができたということは、私は画期的なことであったと思っております。
 私自身といたしましても、この核テロがまさに現実の脅威となっているという中で、唯一の戦争の被爆国としての道義的な責任というものを考え、さらには、非核保有国の中で最大の規模の原子力発電所というものを保有している国としての責任を自覚していく中で、いかにして国際的な核セキュリティ強化において日本がその責任を果たしていくか、この役割について決意を新たにしたところでございます。
 核テロ対策への我が国の貢献についてのお尋ねがございました。
 今回のサミットにおいて、私は、まず御指摘の計六百十万ドル規模でありますが、IAEAへの財政的支援及び人的支援というものに加えて、アジア総合支援センターの設置をする、これは情報共有が大変重要でありますし、またアジアを中心として人材の育成を図るということでございます。核物質の測定、検知、鑑識に係る技術開発を行うこと、これは日米の連携が極めて不可欠だということを申し上げておきます。さらには、世界核セキュリティ協会会合、WINSと呼ばれますが、この本邦開催といった具体的な貢献策を表明を申し上げ、参加国首脳からは歓迎をいただいたところでございます。今後、これらの貢献策の実施によって、国際的な核テロ対策の強化に一層貢献をしてまいりたいと考えております。
 サミットの開催地についてのお尋ねがございました。
 次期の開催地の決定の詳細について述べることは差し控えたいと思いますが、参加国のコンセンサスによって決定をいたしました。特に、北東アジア地域においては北朝鮮の核問題という喫緊の課題が存在している中で、この課題に直面をしております韓国が次期会合を開催するということを歓迎をいたしたところでございます。
 自分としては、昨年の九月の核不拡散・核軍縮に関する国連安保理の首脳会合の中でのスピーチにおきまして、世界の指導者にも是非広島、長崎を訪れていただきたい、そして核兵器の悲惨さを心に刻んでいただきたいと述べたところでございます。私自身の呼びかけにもこたえていただき、広島、長崎を訪問する要人も増えてきておりまして、多くの各国の要人が広島、長崎を訪問していただければ大変意義のあることだと考えております。将来的に、核セキュリティというよりも、むしろ核軍縮、核不拡散あるいは核廃絶、こういったテーマに関するメッセージを発出できる場所としての、すなわちそういったサミットを広島、長崎で開けるように努力をしてまいりたいと考えております。
 日米の首脳会談の報道ぶりについてのお尋ねであります。
 報道の逐一にコメントすることはいたしませんが、ワシントン・ポスト紙に対しましてはしかるべく注意を喚起したという報告をいただいております。なお、オバマ大統領から、キャン・ユー・フォロー・スルーというメッセージ、言葉は私にはありませんでした。
 いずれにいたしましても、オバマ大統領は会議のホスト国として多忙でありました中で、私自身と会う機会を設けるためにワーキングディナーで隣り合わせの席としたと理解をしておりまして、必ずしも冷遇だとか不信感の表れだと理解をしているわけではありません。十分間オバマ大統領と二人だけで話をすることができたわけでございまして、会談時間の長短で重要性が決まるわけではありません。普天間の飛行場の移設問題につきましては、自分自身の思いを直接伝える場ができたということは意義があったと考えております。
 核抑止力と日米安保の在り方についての御質問でございます。
 国際社会におきましては核戦力を含む大規模な軍事力が存在をし、また核兵器を始めとする大量破壊兵器などの拡散といった危機が増大をしている中で、引き続いて不透明、不確実な要素が存在をしております。このような状況で、我が国としては日米安保を堅持をし、その下で抑止力を引き続き維持していくことが重要だと考えております。
 オバマ大統領も、昨年の十一月に来日をした際、核兵器が存在する限り米国の同盟国に対して引き続き抑止力を提供すると述べたところでもございますし、また、今回の米国の核態勢の見直しにおきましても、米国は、これは核の役割あるいは数を縮小するという方向性を一方では打ち出しながら、我が国を含む同盟国に対する安全保障へのコミットメントを引き続いて保証しているところでございます。日本としては、今後とも核を含む拡大抑止について日米間で緊密に協議を続けていくことによって、日米安保体制の信頼性の更なる向上に努めてまいりたいと考えます。
 日米関係の緊密化についての御質問をいただきました。
 オバマ大統領とは、昨年十一月の訪日の際の日米首脳会談を始め意見交換を行ってきております。また、一月の日米安保条約の署名五十周年の機会には、自分とオバマ大統領がそれぞれ談話を発出をしておりまして、日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で深化をするということについてお互いに確認をいたしているところでございます。
 また、普天間飛行場の移設問題につきましては、地元の理解を求めつつ、米国ともすり合わせをして理解を求め、政府として本年五月末までに具体的な移設先を決定いたします。このような方針について自分からオバマ大統領にも説明をしているところでございます。
 このように日米間では十分な信頼関係に基づく意見交換が続けられておりまして、今後、同盟深化のために日米間におきまして緊密に協力をしてまいる所存でございます。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(江田五月君) 山本一太君。
   〔山本一太君登壇、拍手〕
#11
○山本一太君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、鳩山総理の訪米報告について質問いたします。
 もし総理の答弁が不明確、不十分である場合には再質問、再々質問を行う考えがあることをあらかじめ申し上げておきます。
 この度の訪米については、総理が帰国されてからも、日々日本の国益を損なう報道がなされています。毎日ニュースを見るのが本当に情けない。普天間交渉の一連の過程で明らかになったのは、鳩山政権のあきれるばかりの外交能力の欠如にほかなりません。
 鳩山内閣は普天間移設問題に関して、発足以来、迷走を重ねてきました。総理、官房長官、外務大臣、防衛大臣のそれぞれ無責任でばらばらな発言がいかに沖縄県民、そして移設候補地として報道された地域の方々を混乱させ、米国の信頼を失ってきたか、総理、あなたはきちんと認識されているでしょうか。
 米国の不信感がここまで高まっているのかと私が報道を見て一番驚いたのは、日米首脳の非公式な意見交換におけるオバマ大統領の言葉です。
 そもそも、この度の訪米においては、日本政府の強い要請にもかかわらず、公式な首脳会談は米国に断られました。これは同盟国として極めて異常な事態です。何とかかんとかワーキングディナーが始まる前にオバマ大統領と話ができたようですが、わずか十分、通訳が入ったことを考えれば半分の五分、その中でイランの核問題も話し合われたということですから、普天間問題に当てられた時間は実質たったの二分半です。これは現在の日米関係を象徴していると言わざるを得ません。中国首脳との一時間半には比べようがありません。
 しかしながら、総理、あなたはその短い時間で見事な答弁を引き出されました。総理は否定されていますが、オバマ大統領は五月末決着への協力を求めた首相に対して、キャン・ユー・フォロー・スルー、きちんと責任を取れるのかと強い疑問を呈したと報道されています。事実だとすれば、大変なことだと思います。かつて、米国大統領が同盟国である日本の首相に対してこれほど強い不信感を示したことがあったでしょうか。
 九〇年代の日米摩擦などで、大統領が日本の対応を批判するなど、双方の主張がぶつかったことはありました。が、しかし、大統領が首相個人に対する不信感を口にするのは極めて異例です。トラスト・ミーなどと幾ら言っても、実績を伴わなければ協力も信頼も得られません。
 総理、あなたは米国紙にも酷評されました。ワシントン・ポストのコラムでは、サミットでの最大の敗者は鳩山総理であり、ハップレス・アンド・インクリーシングリー・ルーピー、哀れでますますいかれた日本の首相だと書かれてしまいました。米国のみならず世界中の有識者に影響を与える米国の主要メディアにこのような報道が載る、これが日米関係にどれほどマイナスの影響を与えるのか、日本の立場をいかに不利にするのか、総理には明確な認識がおありなんでしょうか。
 鳩山政権の外交は、まさに行き当たりばったりです。何の周到な戦略も根回しもなく、ただ相手の善意を好意的に解釈し、自己中心的な結論を夢想する、これを外交と呼べるのでしょうか。まさに思い付き、八方美人外交と呼ばせていただきたいと思います。
 日米首脳の意見交換では本当は何が語られたのでしょうか。わずか十分足らずの話合いではありますが、大統領から何か発言があったとすれば、改めてこの場で明らかにしていただきたいと思います。報道は正確なのか、そして現在の日米関係が最悪の状況にあるという認識が総理におありなのか、そのことを伺います。
 更に驚くべきは、鳩山政権の移設先候補地に対する無神経なアプローチです。政府高官の無責任な情報発信、勇み足によって、政府が何も説明をしないうちから次々とマスコミに候補地の名前が挙がり、地元が反発し、正式な打診すらできない、こういう最悪のパターンを繰り返しています。
 鹿児島県の徳之島では、先週末、島民の何と六割が参加する一万五千人もの反対集会が開かれ、反対の民意が明確に示されました。慌てた鳩山政権は瀧野官房副長官に官房長官との会談をセットさせようとしたようですが、地元三町長にきっぱりと拒否されました。
 鳩山政権には驚かされることばかりです。しかし、極め付けは、この件に対する総理の発言です。総理は、瀧野副長官がどのような思いで電話をされたのかは分からない、政府の考え方がまとまった段階で移設先にお願いすることはあろうかと思うが、まだその段階ではないと述べられ、正式な打診でないとの考えを示しておられます。この他人事のような口ぶり。総理、この国の最高責任者は一体だれなんでしょうか。
 政権の主要官僚であり、官邸内で地元自治体との交渉窓口を担っている官房副長官が、政権発足以来初めて具体的な候補地である自治体首長と接触したのに、正式な案ではないという、これはもう怒りを超えて言葉が見付かりません。政府の統治能力の欠如はもちろん、総理の一人の人間としての人格を疑わざるを得ません。徳之島の方々、日本国民を余りにばかにした言いぐさではないでしょうか。徳之島案は政府の正式な案ではないのか。そもそも有力な候補地の一つではないのか。総理、明確にお答えをいただきたいと思います。
 五月末までの決着はもはや絶望的です。にもかかわらず、総理は、サミットでオバマ大統領に明確に約束されました。もはやこれは国際公約、果たせなければ外交詐欺と言われても仕方がありません。
 総理は、再三にわたり、決着とは、米政府の同意、移設先である地元の受入れ合意、そして与党の合意を終えることだと明言されています。しかし、徳之島での反対集会、三町長の会談拒否という事実を繰り返すまでもなく、既に足下の民主党鹿児島県連からさえも白紙撤回を申し入れられている有様です。地元の受入れ合意という条件は現時点でもう完全に崩れ去っているではありませんか。
 鳩山総理自身が繰り返し決着の定義を言明しているにもかかわらず、平野官房長官は最近になって、五月末までに技術的詳細も含めて全部終了していなければ合意や理解ではないという認識には立っていないなどと、決着の定義を変えるかのような発言を始めました。全くもって言語道断、耳を疑うしかありません。
 北澤防衛大臣も外交防衛委員会での私の質問に答えて、五月末までに完全決着するということを私の立場で申し上げるわけにはいかないとおっしゃるなど、各閣僚が結論先延ばしに向け軌道修正を図っているように見えます。
 万が一、決着の定義が移設先、米国、与党の合意から少しでも後退するとしたら、これほど日本国民、沖縄県民、そして米国政府を愚弄した話はありません。これをやったら、国民も米国も二度と総理の言葉を信じなくなります。
 日本国のリーダーである総理が国民と米国政府に約束した五月末までの決着を先送りすることは、改めて申し上げます、決して許されません。総理は既に、三月までに政府案をまとめるという約束を、法律で決まっているわけではないからと先送りをされました。ここで五月末決着の約束を果たせないということになったら、無責任・先送り総理として、同盟国アメリカはもとより世界の失笑を買うことは間違いありません。
 総理、改めてお尋ねします。五月末までに移設先、米国、与党の合意を得て、これまでの党首討論でおっしゃったように、現行のキャンプ・シュワブ沿岸部に移設する現行案と同等か、それ以上の案で決着する、このことを改めて明確にお約束いただきたいと思います。
 私が会談した米国政府や議会要人も、五月末までに結論が得られなければ日米関係全般に悪影響を及ぼすと強い懸念を抱いておりました。
 もし普天間問題の解決が先送りされた場合には、約束が守れない日本として国際的な信用が失墜する、こういう認識はおありでしょうか。また、もしできなかった場合、改めてお聞きします、どのように責任を取るおつもりでしょうか。潔くお辞めになるのか、国民の信を問うおつもりなのか、逃げずに明確に御答弁をお願いします。
 本来ならば、唯一の被爆国として、また米国の同盟国として日本が核セキュリティ・サミットでどのようなイニシアティブを発揮したのか、訪米の成果をお聞きすべきところですが、鳩山総理のサミットでの存在感は余りにも希薄で、質問すべき成果が全く見当たりません。
 鳩山総理、あなたは先日の党首討論で、総理を酷評したワシントン・ポストのコラムに触れ、私は愚かな総理かもしれないとおっしゃいました。私からはっきり申し上げます。自ら自分は愚かかもしれないなどと言う総理は、まさしく愚かなリーダーです。日本の国益のために、そして日本の国民のために一刻も早く退陣されることを求めるとともに、それこそあなたが今この国のためにできる最大の貢献であると強く申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#12
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 山本議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、関係閣僚の発言の認識に関するお尋ねでございます。
 普天間問題、普天間の飛行場の移設先の検討状況につきましては、いろいろな予見や憶測を生じさせないようにすることはやはり必要だと思っております。普天間飛行場の移設問題については、関係閣僚が考え方を共有をし、心を一つにしてそれぞれがそれぞれの役割を果たしているところでございまして、沖縄県民や地元の皆様方の御理解を求め、アメリカ側とも十分に協議をしながら五月末までに具体的な移設先を決定をいたします。
 米国の主要メディアの報道が日米関係に与える影響についてのお尋ねがございました。
 報道の逐一にコメントをすることはいたしません。日米関係は個別の報道に左右されるような小さなものではありません。日米同盟は、日米二国間のみならず、アジア太平洋地域の平和と安定のために大きな役割を担っておりまして、強固なものだと認識をしております。日米安保条約締結五十周年を記念する本年、日米の同盟を二十一世紀にふさわしい形で一層深化、発展をさせていく所存でございます。
 日米首脳会談及び日米関係についての御質問をいただきました。
 核セキュリティ・サミットのワーキングディナーの席上、十分間オバマ大統領と二人だけで話を行うことができたわけでございます。私の方からは、これは日米同盟を一層深化、発展させたい旨述べたところでございます。そして、そのためにも普天間の飛行場の移設問題に関して今解決に向けて努力をしている、岡田大臣とルース大使との間でよく協議を行ってまいりたい、オバマ大統領にも是非御協力を願いたいと、そのことを申し上げ、五月末までに決着をする旨を述べたところでございます。
 ただ、オバマ大統領のこの反応に関する御説明は差し控えるべきだと、やはりこれは信義の問題でありますので差し控えるべきだと思っておりますが、いわゆるキャン・ユー・フォロー・スルーという発言があったわけではありません。
 現在の日米関係が最悪だという御指摘は私は当たっていないと思っておりまして、日米間では日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で一層深化をさせていくための協議が順調に進んでおります。
 普天間の飛行場の徳之島移設に関するお尋ねでございます。
 普天間の飛行場の移設先につきましては、政府の考え方が最終的にまとまっているという状況ではまだありません。具体的な移設先について今真剣に検討しているところであり、お答えは差し控えさせていただきます。
 五月末の決着の意味と現行案との比較についてお尋ねがございました。
 普天間飛行場の移設問題につきましては、沖縄県民の皆さんの今日までの負担をなるべく軽減をさせていかなきゃならぬということ、普天間飛行場の危険性をできるだけ早く除去をする、この二つの原点の上に立ちまして、また一方では、抑止力という安全保障上の観点も踏まえながら、連立政権の考え方として、沖縄を始め国民の皆様方の御理解をいただきながら、地元と米国の理解を求めて、五月末までに具体的な移設先を決定をいたしてまいります。沖縄の皆様方の大変な御負担を考えましたときに、現行案よりも更に一層の軽減を図る道はないかという思いの下で現在努力を申し上げているところでございます。
 普天間飛行場の移設問題についてのお尋ねがございました。
 普天間の基地の移設問題につきましては、内閣総理大臣として、覚悟を持って全力を挙げて取り組んでおるところでありまして、それ以上申し上げる必要はありません。(拍手)
#13
○議長(江田五月君) ただいま理事が協議中でございます。しばらくお待ちください。
 山本君から再質疑の申出があります。これを許します。山本一太君。
   〔山本一太君登壇、拍手〕
#14
○山本一太君 先ほどの鳩山総理の御答弁に対して、再質問させていただきます。
 総理は、この答弁で、徳之島が政府案かどうか、徳之島が移設先の候補地なのかどうか、このことについての発言、明言を避けました。
 総理、官房長官が官房副長官に指示をして、そして徳之島の地元の三町長と話をして、官房長官に会ってくれというふうに言ったんです。これが、徳之島が移設先であるという余りにも明確な事実じゃないでしょうか。こういうことをちゃんと隠さずに言わないから国民の信頼がないんです。もし徳之島が候補地でないんだったら、政府案でないのだったらば、否定してください、ここで。この徳之島が政府案なのか、少なくとも候補地の一つなのか、このことについて改めて総理の明確な御答弁を求めます。
 もう一つ。総理は、おとといの党首討論で、すべての政策の実現に向けて職を賭して頑張るとおっしゃいました。すべての政策には当然、日米同盟の最大の懸案である普天間基地移設問題も含まれるのは当然だと思います。はっきりお答えをいただけませんでしたが、総理の国民との約束、オバマ大統領との約束でもある五月末決着、これについても職を賭して臨むと、ここではっきり総理の覚悟をお聞きしたいと思います。
 以上、二問について再質問させていただきます。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#15
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 山本議員から二問ちょうだいをいたしました。
 徳之島の件でございます。私は、いわゆる県民集会、大変な多くの方がお集まりになったということは、まさにそれが民意の表れの一つだと、そのように理解をいたしております。そのような現実の民意の表れの下で、具体的な移設先について政府の考え方がまだ最終的にまとまっているという状況ではありません。それだけに、具体的な移設先について今真剣に検討しているところでございまして、したがいまして、お答えをこれ以上申し上げることはできないと申し上げているところでございます。
 それから、私は党首討論におきまして、山本議員が御指摘のように、総理大臣としては、当然すべての政策に対して責任を有する者として、すべての政策に対して職を賭して、その覚悟で臨んでいるのは当然のことでございまして、その中にも普天間の移設先の問題も当然含まれていると、そのように御理解願って結構であります。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(江田五月君) 浜田昌良君。
   〔浜田昌良君登壇、拍手〕
#17
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。ただいま議題となりました鳩山総理の訪米報告につきまして、公明党を代表して質問をさせていただきます。
 質問に入ります前に、一言申し上げます。
 鳩山総理、あなたはうそつきだ、そのように国民に思わせてしまった。予算委員会では、元秘書の裁判が終わったら、資料の返還を求めて国民に説明すると答弁していたではないですか。それを一昨日の我が党の山口代表との党首討論ではこれを言下に突っぱねた。もはや国民のあなたに対する信頼は地に落ちました。そのことを強く申し上げ、質問に入ります。
 最初に、四月十八日に徳之島で行われた基地移転反対集会について質問します。
 何と住民の半数以上の一万五千人以上の島民が反対集会に参加し、反対決議が採択されたと報道されています。
 そもそも、鳩山総理は、昨年夏の衆議院選挙で示された沖縄県民の民意を受けて、従来の辺野古沖の政府案を見直すと言われていました。そのように民意と言われるのであれば、今次の徳之島の民意は明らかであり、即刻徳之島への基地機能移転を除外して政府案を検討すべきと考えます。さもなければ、それは鳩山政権による民意という言葉の恣意的な濫用であります。腹案があると言われている総理と、三月二十三日の予算委員会での私の質問に対し、地元の皆さんの民意を聞くことなくして決定することはない、御安心くださいと明言された福島大臣に対し、明確な答弁を求めます。
 本題に入りますが、今次サミットにおいては、核セキュリティという単独の事項を題材にしたものにもかかわらず、四十七か国、そのうち三十七か国の首脳が一堂に会するというまさに一大イベントでありました。特に、核不拡散条約非締約国であるインド、パキスタン及びイスラエルも参加する中で、オバマ大統領が提唱した四年以内に核物質の管理を徹底することが賛同された意義は大きいと言えます。
 しかし、非核兵器国で最も多くのIAEAの査察を受けており、かつ、核関連物資・技術の輸出管理も最も進んでいるとされている我が国がその存在感を示し得たかというと、必ずしも問題なしとしないというのが国内外の評価ではないでしょうか。
 私は、その原因として、今次鳩山核廃絶・不拡散外交には三つの失望があったと言わざるを得ません。
 第一の失望、それは、自由主義経済国第二位の我が国の首相がわざわざ訪問しながら、第一位の米国の大統領との直接会談が夕食前のわずか十分というぎくしゃくした日米関係に対する失望であります。
 日米関係は我が国外交の基軸であり、さらに五月の核不拡散条約運用検討会議、十一月のAPEC、年末までの五十周年を節目とした日米安保の深化など、日米共同作業が今ほど求められているときはありません。しかも、もはや日米関係は二国関係を超えて核廃絶や地球温暖化対策といった世界規模の課題を解決していくための基軸であるはずです。今後、日米関係をどのように立て直していくのか、まず鳩山総理の決意を伺います。
 第二に、この四月は、我が国は国連安全保障理事会の議長国であり、かつ、理事国のほとんどの国の首脳が一堂に会しておりながら、核不拡散・核軍縮に関しての国連安保理会合が開催できなかったことに対する失望です。
 本会合開催を、私は二月の決算委員会で鳩山総理に提案し、総理も国会日程が許されればと意欲を示されていたのではなかったのですか。特に、今回の核セキュリティ・サミットの合意については、世界のマスコミからも法的拘束力がないとの問題点が指摘されている中、安保理会合を開催して一部でも法的拘束力化を目指すという日米の連係プレーはなぜできなかったのでしょうか。さらには、米国が核態勢見直しで消極的安全保証を再び宣言したことを受け、他の核兵器国にも同様な宣言を迫るため、本来、国連安全保障理事会を鳩山総理が議長として開催することこそ唯一の被爆国の道義的責任と言えるのではなかったのでしょうか。
 さらに失望を深めているのは、今次の、米、ロ、中、仏の首脳との直接会談において、この消極的安全保証はおろか、核廃絶について会談したことが全く報告なかったことであります。これらの核兵器国首脳との会談において、どのような核廃絶外交を進められたのですか。具体的に明らかにしていただきたい。一体、昨年九月二十四日、総理が国連で唯一の被爆国の道義的責任に言及されたあの高揚感は、今やどこに行ってしまったのかと、多くの国民はまさに落胆をしています。鳩山総理の明確な答弁を求めます。
 第三の失望は、今回の核セキュリティ・サミットに日本が提案した内容についてであります。
 確かに、核セキュリティのために人材育成や国際会議の招聘、核物質の検知、鑑識技術の開発も重要です。しかし、一国の総理が提案するには余りにも技術論的であり、事業仕分の対象となっている独立行政法人にわざわざ人材育成センターを設置するなど、官僚の提案そのままではないでしょうか。政治主導を標榜されるのであれば、もっと核テロの根絶に向けての提案も併せて行うべきであったと考えます。
 私は、核テロを根絶するためには、単に核に関する管理技術を強化、高度化するだけではなく、管理する人の内面において、核兵器の非人道性についての認識の確立が必要であると考えています。そのために、唯一の被爆国として、その悲惨さを世界にもっと発信すべきではないでしょうか。
 東京在住のある被爆二世の女性の体験を新聞で読みました。父が広島で被爆。小学校四年生のときに甲状腺の異常で入院し、原爆のせいじゃないかと悩むこととなった。しかし、被爆二世を特に意識するのは長女が生まれてからだという。この苦しみを我が子は引き継いでしまうのかという絶望感。世界の核関連施設にかかわる人たちにこのような被爆の悲惨さが共有されて初めて、核関連物質の管理にも魂が入るのではないでしょうか。
 来月の核不拡散条約の運用検討会議で、唯一の被爆国として、核テロを防止するためにも、被爆の悲惨さを伝える取組を更に拡充していただきたいと考えますが、総理の見解はいかがですか。また、そのような取組の一環として、次の核不拡散条約運用検討会議が開催される二〇一五年に、広島、長崎において核廃絶サミットを開催することを提案します。是非、来月の運用検討会議などで各国に積極的にその開催を提案すべきと考えますが、鳩山総理の見解はいかがでしょうか。
 さらに、核兵器の悲惨さ、非人道性について国際的コンセンサスを世界の市民レベルで拡大していくためには、日豪が主導した核不拡散・核軍縮に関する国際委員会、ICNNDの勧告にもあるように、核兵器禁止条約についての検討を直ちに開始することが求められています。これまで政府が取ってきた核廃絶に関するステップ・バイ・ステップの漸進的アプローチと並行して、多くのNGOが要望しているように、中期的な目標である核兵器禁止条約に向かう包括的アプローチを直ちに開始すべきと考えますが、総理の見解をお伺いします。
 最後に、テロの温床をなくしていくためには、貧困、差別などの怨嗟の元を断っていくことが重要であります。人間の安全保障の確保に向けて、鳩山総理の力強い決意を求め、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#18
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 浜田議員にお答えをいたします。
 まず、普天間の飛行場の徳之島移設に関してのお尋ねでございます。
 米軍基地移設断固反対一万人集会、これが開催をされたということは、やはり徳之島の島民の皆さんの民意の表れの一つであると、そのように認識をいたしております。したがいまして、普天間の飛行場の移設問題そのものについては、そういう民意というものもしっかりと勉強させていただきながら真剣に今検討をしているところでございまして、御理解を願いたいと存じます。
 日米関係に関するお尋ねでございます。
 オバマ大統領は、核セキュリティ・サミットで冒頭発言を行う首脳として、私に発言をしてほしいと依頼をいただきました。同盟国である日米の両国が、この問題に関して協力をして核軍縮・不拡散問題、さらには核セキュリティ問題に取り組んでいる姿というものを示すことができたと認識をしております。
 また、オバマ大統領は、会議のホストとして多忙であった中で、自分と会う機会を設けるためにワーキングディナーで隣り合わせにしたと、そのように考えておりまして、必ずしも日米関係がぎくしゃくしているとは考えておりません。
 今年は、御案内のとおり、日米の安保条約五十周年の節目の年でもございます。日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で深化をさせてまいります。その中で、御指摘のNPT運用検討会議やAPECなどでの課題についても日米で緊密に連携をしてまいる所存でございます。
 サミットの合意の法的拘束力についてのお尋ねがございました。
 核セキュリティに関する国際約束については、もう既に核物質防護条約、さらには核テロ防止条約というものが既に存在をしていることは御案内のとおりでございまして、今次のサミットはこういった基盤の上に立って、それぞれの国がそれぞれの国内法を整備するべきだという自発的な措置により、更に核セキュリティを強化をすることについて一致をしたものでございます。このために、今回の合意文書は政治文書として採択をされたと理解をしております。核セキュリティに関して四十七か国もの代表がコンセンサスで文書を採択したということは初めてであり、やはり画期的なことだったと思っておりまして、また核セキュリティの強化のための具体的な作業計画も採択をされております。
 日米の両国は、サミットの準備会合を日本で開催をするなど連携をしているところでもございまして、今後は、サミットに参加しなかった国に対して合意文書をやはり共有をしていく努力が必要だと思っておりまして、こういうことなどに関してもお互いに協力をしてまいりたいと考えております。
 安保理の議長国としての役割についての御質問がございました。
 今月十六日、安保理の議長国として、岡田外務大臣の議長の下、我が国が重視する外交課題である平和構築に関する公開討論を開催をして、多くの国から評価をいただいたところでございます。核軍縮に関しましては、唯一の戦争の被爆国として核廃絶に向けて先頭を切ってまいる決意は同じでございまして、NPT運用検討会議で前向きな合意を達成できるようにリーダーシップをしっかりと取ってまいりたいと思っております。
 いわゆる消極的安全保証につきましては、我が国としてはこれを支持しております、御案内のとおりでございます。そして、むしろ核セキュリティの会議よりもNPTの運用検討会議において、既に文書を提出をしているところでございまして、アメリカの核態勢の見直しの内容も踏まえながら、関係国の間で議論を深めていきたいと考えております。
 サミットの機会の核軍縮に関するやり取りについてのお尋ねがございました。
 御指摘の様々な二国間会談において、例えば北朝鮮とあるいはイランの核問題の話、あるいは核軍縮・不拡散の問題について議論を行ったところでございます。消極的安全保証を始め核廃絶に向けた取組については、核セキュリティ・サミットの場においても、自分としては我が国の立場を主張し、積極的に議論に参加をしてきたところでありますが、さらにむしろNPT運用検討会議において議論を行っていく考えでありまして、我が国としては、既に消極的安全保証の論点を含め、文書を提出をいたしているところでございます。
 むしろ被爆の悲惨さを発信するべきではなかったかというお尋ねでございます。
 核兵器の惨禍の実相を様々な国に伝えることは、唯一の戦争被爆国であります日本としての責務であると考えております。これまでも原爆展への支援を行ったり、あるいは毎年、各国の若手の外交官を広島、長崎に招待をしております。
 あるいは、様々な機会をとらえて被爆の実相を紹介をしているところでございまして、今回行われますNPTの運用検討会議におきまして、日本として適切にこのことを発信をしてまいりたいと思っております。会議の期間の中で、被爆者証言プロジェクトあるいは爆心地復元CG上映企画、こういったものがあるわけでございまして、こういったものに対して政府として支援を行ってまいります。
 核廃絶のための国際会議についてのお尋ねでございます。
 日本は、唯一の戦争被爆国として、核廃絶に向けて先頭に立って行動する道義的な責任を持っております。大変私はこれは真剣に受け止めるべき御指摘をいただいたと理解をしておりまして、まずはNPT運用検討会議で前向きな合意を達成できるように各国と協力をしてまいりたいと思っております。先ほども山下議員のお尋ねに対しても申し上げたとおりでございます。
 核兵器禁止条約に関する御質問でございますが、核兵器の禁止条約につきましては、核不拡散・核軍縮に関する国際委員会、いわゆる川口・エバンス委員会でありますが、この報告書の中において政策提案の一つとして触れているわけでありまして、その重要性は十分に認識をいたしております。
 ただ、一方で、核兵器の禁止条約については、現時点で核兵器国を含む多くの国がまだ受け入れていないというのが実情でございまして、したがいまして、日本としては、核廃絶に向けて現実的な措置を積み重ねていきながらこの到達点に対して努力をしていくことが重要だと、そのように認識をいたしているところでございます。
 人間の安全保障についてのお尋ねがございました。
 人間の安全保障に関しては、日本の外交政策の柱の一つでございまして、重視をいたしております。自分としては、昨年の国連の総会の一般討論演説におきましても、友愛の理念によって支え合う安全保障というものの重要性が大事だと、このことを実現することこそが人類を救う道であるということを述べて、その推進を表明してきたところでございます。テロの温床をなくしていくためにも、国連などでの人間の安全保障の議論を主導してまいりたいと考えております。また、ODAを効果的に活用した現場における実践に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(福島みずほ君) 浜田議員にお答えをいたします。
 現在、三党で取り決めた政策合意にある沖縄県民の負担軽減のために、社民党党首として、そして内閣の一員として全力を尽くしているところです。
 今後、政府案が策定され最終案となる際には、鳩山総理もおっしゃっていたように、地元住民の皆さんの御理解を得られるよう、調整がなされていくと考えております。(拍手)
#20
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#21
○議長(江田五月君) 日程第二 刑事に関する共助に関する日本国とロシア連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 刑事に関する共助に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第四 刑を言い渡された者の移送及び刑の執行における協力に関する日本国とタイ王国との間の条約の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上三件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長田中直紀君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔田中直紀君登壇、拍手〕
#22
○田中直紀君 ただいま議題となりました三件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、ロシアとの刑事共助の条約及び欧州連合との刑事共助の協定は、いずれも被請求国が請求に基づき、捜査、訴追その他の刑事手続について共助を実施すること、そのための枠組みとして中央当局を指定し、相互の連絡を直接行うこと等について定めるものであります。
 次に、タイとの受刑者移送の条約は、我が国とタイとの間で、相手国の裁判所が拘禁刑を言い渡した自国民の受刑者について、締約国及び受刑者の同意等一定の条件を満たす場合にその本国に移送する手続等を定めるものであります。
 委員会におきましては、三件を一括して議題とし、共助の拒否事由となる政治犯罪の定義、死刑を科し得る犯罪が共助の拒否事由と明記された理由、国際組織犯罪に係る共助要請への対応、受刑者の移送に当たっての被害者感情への配慮等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、順次採決の結果、三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(江田五月君) これより三件を一括して採決いたします。
 三件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百一  
  賛成              二百  
  反対               一  
 よって、三件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#26
○議長(江田五月君) 日程第五 国際受刑者移送法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長松あきら君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔松あきら君登壇、拍手〕
#27
○松あきら君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、受刑者の移送について、現行の欧州評議会の刑を言い渡された者の移送に関する条約に基づくものに限らず、刑を言い渡された者の移送及び刑の執行における協力に関する日本国とタイ王国との間の条約その他の今後我が国が締結する受刑者移送に関する条約に基づいて行うことができるようにするため所要の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、これまでの国際受刑者移送の実績、中国等非締結国との条約締結に向けた今後の取組、国際受刑者数の推移及び受入れ移送が増えない理由、タイとの二国間条約において条約の通知が努力義務となった理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#28
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#29
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#30
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百一  
  賛成             二百一  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#31
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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