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2010/06/15 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第28号
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2010/06/15 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 本会議 第28号

#1
第174回国会 本会議 第28号
平成二十二年六月十五日(火曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十九号
  平成二十二年六月十五日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、元本院副議長秋山長造君逝去につき哀悼の
  件
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 元本院副議長秋山長造君は、去る二日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
 つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ さきに参議院副議長として憲政の発揚につとめ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられました 元議員勲一等秋山長造君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
     ─────・─────
#5
○議長(江田五月君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る十一日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。林芳正君。
   〔林芳正君登壇、拍手〕
#6
○林芳正君 私は、自由民主党を代表して、菅総理の所信表明演説について質問します。
 質問に先立ち、この度の新内閣発足に伴う政治空白の間も口蹄疫問題が拡大しましたが、手塩に掛けて育て上げた家畜を処分しなければならない怒りと悲しみと、今後の生活への不安にさいなまれておられる畜産農家を始め関係者の方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 まず冒頭、本院の議事運営に関して江田議長に一言申し上げます。
 去る六月二日の本会議は流会になりましたが、その際の議長の発言には耳を疑いました。予定どおりの本会議を主張する自民、公明の議運の理事に対し、今回は、それを超えた動きがあるとすれば、議長としてはそこまで云々する立場にないと発言されたと聞いております。
 国権の最高機関である国会における本会議を超える動きとは何でありましょうか。後で急に決まった民主党の両院議員総会が、先に与野党の合意の下で決まっていた本会議を超えるものなのでしょうか。本会議で法律案などを審議することは我々議員に課せられた最高の責務であります。これを超えるものがありますか。議長の見識に疑問を持つものであります。
 思い起こせば、平成二十年度歳入法案は、衆議院から送付後六十日が経過して、憲法五十九条第四項の規定によりみなし否決という最悪の結果を招き、参議院の歴史に汚点を残しました。このときも、江田議長は委員会の混乱の収拾に乗り出されませんでした。参議院が何の結論も見出せなかったという現実は、参議院無用論につながる院存立の否定であります。七月に任期が切れますが、江田議長は、この三年間、多数会派の横暴を黙認してきたと言っても過言ではありません。今回の流会を正当化する江田議長には猛省を促しておきます。
 さて、まずは同じ長州の出身者として新総理に祝意を表したいと思います。その上で、長州人として一言申し上げておきます。
 新内閣発足に当たり、総理はこの内閣を奇兵隊内閣と名付けられました。総理もよく御存じのように、奇兵隊の目的は倒幕でありました。明治の思想家徳富蘇峰は、その著書「吉田松陰」の中で、大きな国の改革を成し遂げるには三種類の人物が必要であると述べています。すなわち、思想家、破壊者、創造者であります。奇兵隊はまさに成功した破壊者でありました。
 まさか、今回の政権交代が明治維新に匹敵するなどという思い上がりはお持ちではないでしょうが、あえて並べてみたとしても、政権交代後の菅内閣がなすべきことは破壊ではなく創造であります。松陰や晋作は私も尊敬してやまない郷土の英雄ですが、今、菅内閣として、総理としての歴史的使命がもしあるとすれば、それは奇兵隊よりは伊藤公や大久保公の役割に、すなわち創造者に近いと思いますが、総理の思いをお聞かせください。
 六月四日午後、衆参両院で首班指名が行われ、民主党菅代表が総理大臣に指名をされました。これに先立ち、内閣は総辞職をしております。ただ、憲法七十一条、内閣は、新たに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行うの規定で、鳩山前内閣が職務執行内閣として存続しました。八日の皇居での親任式まで事実上二人の総理が存在し、総辞職した内閣が丸四日間も存続したことになりました。
 職務執行内閣の権限には明確な規定がなく、重要な政策決定はできないと解釈されてきたはずであります。政府・与党は、この間に不測の事態、例えば有事で自衛隊に防衛出動を命ずるような判断が必要な事態が生じたとき一体どうしたのでしょう。辞めた鳩山総理に任せるのですか。今回の総理の交代は危機管理上大きな問題を残しましたが、なぜこのように時間を掛けたのか、その理由をお示し願います。
 鳩山前総理の突然の辞任表明もあり、中一日置いただけの新代表選出となりました。なぜ鳩山政権が九か月余りで国民の信を失い、政権運営が行き詰まったか、これほど短期間の代表選の中でその総括は十分なされたのでしょうか。
 一方で、国会は、会期終盤の中、衆議院から送付された法案の審議もすべて中断し、民主党の代表選挙のために国会は開店休業に追い込まれました。そのようなぎりぎりの状況で内閣が発足したにもかかわらず、一度署名した連立合意に基づく郵政法案の取扱いをめぐって国会の会期延長に関する政府・与党内の意思決定がもたつき、貴重な残り少ない会期を浪費した上に、果ては亀井大臣の辞任に至りました。政権交代後に発足した連立内閣の党首であった鳩山、福島、亀井三氏が、たった九か月でだれもいなくなってしまったわけであります。
 なぜ、ほやほやの連立合意を踏みにじってまで、参議院選挙の日程を変えなくて済むたった一日の延長、それすら行えないことになるのでしょうか。菅新政権の基本政策を、予算委員会や決算委員会などの審議を通じてじっくりと国民に説明するべきではなかったでしょうか。まさか、支持率が高いうちに、閣僚のぼろが出ないうちに選挙をというよこしまな思いがあったとは思いたくありませんが、総理の見解を問います。
 与党が政権を担う能力を失ったならば、直ちに野党に政権を渡し、総選挙を行うのが議会制民主主義の筋道だと心得ますが、総理は憲政の常道というものをいかがお考えでしょうか、お答え願います。これは、平成二十年十月一日、麻生新総理の初めての所信表明に対する当時の小沢民主党代表の質問であります。
 だれの目から見ても、支持率が一〇%前後という麻生政権も、常識的に言えば行き詰まったと見るわけで、そのときに、いいんですよ、そのまま解散するのも一つの手です。しかし、首のすげ替えをまたやれば何とかなるという考え方が、二大政党というものを理解していない、あるいはそれを機能させようとしていないことになるんじゃないか。これは、昨年二月二十七日、衆議院予算委員会における菅委員の発言です。
 野党時代に主張されてきた、総理の交代に伴う衆議院総選挙の機会が到来いたしました。衆議院を解散して国民に信を問うことこそが新総理の最初の仕事と存じますが、いかがされますでしょうか。
 菅総理は、財務大臣のときには、日本は三権分立ではない、なぜなら、日本国憲法には三権分立とはどこにも書いていないからと述べておられます。
 私はそのときにも申し上げましたけれども、三権分立、すなわち立法、行政、司法の三権の間の抑制と均衡という考え方は、近代国家の存立の基本的な思想であり、三権分立という単なる言葉としてでなく、統治構造の基本理念としてどこの国の憲法にも採用されている思想であります。これは、三権のうちどれか一つが強力になり過ぎることから国民の権利、自由を守るために人類が生み出した英知であると理解しております。
 これに対して総理は、三権の抑制と均衡という考え方そのものが間違っている、つまり、国会は国民が直接選んだ国会議員で構成されているから、他の二権よりも権力的には上にあるのであって、国権の最高機関とはまさにそのことを述べていると、いわゆる政治的美称説を明快に否定されました。選挙で選ばれた者が権力を握るのであって、これを抑制するのは、あえて言えば任期しかないと述べられておられます。所信でも、御自身の基本的な政治理念は国会内閣制と述べておられます。総理に御就任されてもこの考え方は変わりませんか、お答えください。
 また、法制担当の仙谷官房長官にも確認の意味で、総理のこの考え方は菅内閣としての正式見解なのか、また、総理を始めとする閣僚の憲法尊重義務に反しないのか、お尋ねします。
 次に、普天間問題を中心に外交・安全保障問題について伺います。
 鳩山前総理は、退任の際、政治と金、そして普天間問題が解決できなかったことが政権を投げ出した理由だと述べられました。最低でも県外という代表としての発言、総理になられるまで沖縄の海兵隊の抑止力を正しく認識していなかったことなど、あきれ返るばかりのことが続きましたが、鳩山内閣ナンバーツーであった菅総理は、普天間問題をどう考えておられたのでしょうか。
 総理の座が目の前に近づいてきたからでしょうか、君子危うきに近寄らず、火中のクリは拾わず、副総理として何をされたのか、全く分かりません。しかし、言うまでもなく、菅総理は当時、普天間問題についても指導力及び調整能力を発揮する立場にありました。県外移設ができない責任を取って鳩山総理がお辞めになったにもかかわらず、自分はのうのうと昇格する、全く信じられません。
 所信表明演説では、普天間問題は先月末の日米合意を踏まえつつ進められるとのことですが、総理は、鳩山政権が日米同盟にどのような影響を与えたと考えるか、また、普天間基地問題をこれだけこじらせた鳩山政権の対応の責任をどうお考えになっておられるか、お伺いいたします。
 鳩山政権は、普天間の移転先について何の展望も国家としての戦略もなく、各閣僚がばらばらに無責任な発言をし、沖縄の期待感を高めた挙げ句、手ひどい裏切りをいたしました。
 今後、沖縄との信頼関係を回復されるのは容易なことではありません。このずたずたになったきずなをどう回復されるおつもりでしょうか。鳩山内閣で沖縄担当であった前原大臣を始め、岡田外務大臣、北澤大臣と戦犯三大臣は留任されておられます。当然、退任されるものと思っておりましたが、なぜ留任なのでしょうか。
 また、総理は、所信表明演説で、外交について、時には自国のために代償を払う覚悟ができるか、国民一人一人がこうした責任を自覚し、それを背景に行われるのが外交であると考えますと国民に覚悟を迫っておられます。代償を支払う覚悟とは一体どういう意味でしょうか。自衛隊員は、職に就くに当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえるとの服務の宣誓をいたします。総理は、一般の国民の皆様にも同様の宣誓を強いるおつもりでしょうか、お伺いいたします。
 また、総理は、日米同盟を着実に深化させると述べておられますが、ここまで悪化した日米関係を立て直すための具体案はありますか。集団的自衛権の行使に向けての取組、武器輸出三原則の見直しなどを含んだ前向きな議論を行い、一刻も早く防衛大綱の見直しと中期防の策定を行うべきだと思いますが、総理の見解をただします。
 次に、経済政策についてお聞きします。
 今月中には菅内閣としての新成長戦略を中期財政フレームとともに取りまとめられると聞いております。これは中長期的な日本経済の再構築につながる重要な経済政策の指針となるべきものと理解をしております。鳩山内閣では昨年の十二月三十日に成長戦略の骨格をまとめておりますが、その後これを具体的に実行していくための予算や税制などを含む具体的な支援策を盛り込み、六月に公表するとされていました。
 所信表明では、昨年末の骨子と同様の六項目がただ並んでいるだけで、どうやって実行していくかの具体策が欠けており、全く期待外れと言わざるを得ません。我々の成長戦略は実行のための補正予算を伴ったものでありましたが、今度おまとめになる成長戦略を実行していくために補正予算を編成したり、税制の手当てをするおつもりがありますか。学者の論文ではありませんので、中身のあるものを出していただいてきちっと国会で議論すべきだと思いますが、総理の見解をお伺いします。
 菅総理は、成長戦略の考え方として従来より、公共事業中心の第一の道、市場原理主義による第二の道のいずれでもない第三の道を追求すると宣言されています。その説明として、経済社会が抱える課題の解決を新たな需要の創出や雇用創出のきっかけとし、その成長につなげようとする政策ですと説明されております。
 しかし、私には何遍聞いてもこの第三の道が少なくとも経済政策としては理解できません。少子高齢社会の進展の中で、医療や介護といった分野による需要創出を考えているのかと想像はいたします。しかし、こういった分野の多くは、税金や保険料といった公的な財源により支えられており、サービスも診療報酬といった公定価格による部分が大半であります。
 経済学的には、第一の道の公共事業と同じことではないでしょうか。要は、課題の解決を政府自ら若しくは公的支出で行うのか、若しくは企業が行うのか。政府ならば第一の道、企業なら第二の道ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 私は、強い経済というのは、まず競争力のある力強い企業活動から始まるものと理解しております。多くの企業が、内外市場における競争を通じて、良い商品、良いサービスを供給することで販売を拡大し、利潤を上げ、そこから設備投資の拡大、雇用の増加を行っていく、そしてそれが家計収入を増大させ、個人消費を拡大させるといった好循環を生むことにより日本経済が成長するものと考えます。政府の役割は、呼び水的な誘導策によってこの好循環を促進すると同時に、これを阻む要因を取り除くとともに、経済活動が行われやすいようなマクロの経済環境の維持に努めることです。
 しかしながら、私の誤解であれば幸いですが、菅総理と委員会などで経済、財政に関する議論を交わした上での率直な感想を申し上げますと、総理は、資本主義や市場経済、企業の営利活動といったものに対してどうも否定的な見解をお持ちなのではないでしょうか。かつての社会主義的な思想が、経済問題を考える際にも、菅総理の頭に残っているように思えます。
 確かに計画経済の社会では、乗数効果や消費性向という概念はないのかもしれません。しかし、菅総理、日本はれっきとした資本主義の市場経済国家であります。総理となられた今、日本経済を間違いない方向にかじ取りしていただかなければなりません。そして、自由な企業活動を大前提に、強い日本経済を再生されんことを望みます。総理に新成長戦略の柱となる経済思想に関して御所見を伺います。
 次に、財政健全化の方策について伺います。
 自民党は二〇二〇年度までを目途に基礎的財政収支の黒字化を達成するとの目標などを定めた財政健全化責任法案を既に国会に提出しており、総理からも、財務大臣として委員会で前向きな答弁をいただき、所信表明演説でも言及いただきました。
 菅内閣においても、遅ればせながら財政再建の必要性を認識され、またそのために何をすべきかとの議論が始まったものと少しは安心をしております。そして、かつて民主党が野党であったころ、そうした認識は全くなく、予算の組替えで幾らでも財源は出てくるという根拠のない自信の下で、我々の財政再建の提案にもほとんど興味を示されなかったことを今懐かしく振り返っております。
 我々の財政健全化責任法案に賛成いただけるのであれば、早速、財政金融委員会に付託していただき、すぐにでも審議を開始し、速やかに成立させるべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
 その上で、財政健全化検討会議を開き、具体的な検討を進めていければと思いますが、そのためには二つのことが当然必要になります。
 一つは、予算の組替えや仕分などによる財源の捻出には限度があること、消費税の引上げは不要であるとした民主党のマニフェストが全く間違いだったことを認め、それをきちんと国民におわびすることであります。二つ目は、巨額のばらまき施策が並んでいる民主党のマニフェストを根本から見直すこと。この当然のことをおやりになる覚悟があるのか、総理並びに政調会長を兼務しておられる玄葉大臣に伺います。
 現内閣は、来年度の国債発行額を今年度と同額の四十四兆円以下に抑制するという考えを示しています。しかしながら、マニフェストの実行を前提とすれば、財源不足は明らかです。少なくとも五兆円以上抑制しないと、国債発行額の目標は達成できないでしょう。このため、最終的には増税しかないという方向に内閣の判断も傾いてきたものと思います。
 四月に仙谷戦略大臣は、消費税だけではなく税制改革、歳入改革を掲げて選挙をしなければ国民に甚だ失礼だ、今の税収のままなら財政は大きな壁にぶち当たると発言、また、野田財務大臣は、財源確保はマニフェストの大事な要素だ、財源を確保しながら実現していくというフレーズは絶対に入れていくべきだと言われております。
 我々は、参議院選挙のマニフェストの中で消費税率一〇%を明記し、国民に財政再建の必要性と社会保障目的税化による持続可能な社会保障制度を提案いたします。
 これに比べ、政府・与党の消費税を含む税制の抜本的改革についての考え方は依然として不透明であります。具体的に、消費税は何%が適切であり、どのようなタイミングで見直すべきなのか、そして法人税の水準など税体系全体をどのように見直すお考えなのか、総理の認識を確認します。
 次に、口蹄疫問題について伺います。
 四月に発生して以来、いまだ感染は収まらず、ついには先週、国内最大級の畜産地帯、都城市でも疑似患畜が確認されました。
 鳩山内閣は口蹄疫に関し全く危機感が欠如しており、辞任された赤松大臣は我が党が第二弾の対策の申入れを行った四月三十日から、国内にとどまるべきだという我が党の忠告を振り切って、中南米に不要不急の九日間の外遊に出かけられました。さらに、鳩山総理が本部長を務める口蹄疫対策本部の初会合が行われたのは、口蹄疫の発生を最初に確認してから約一か月後のことであります。このような政府の危機意識の甘さにより、すべての対策は後手に回りました。
 私どもが政権を担っていた平成十二年、口蹄疫が九十二年ぶりに発生したとき、処分された家畜は七百四十頭でありました。被害が拡大しなかったのは、我が党のリーダーシップの下、百三十二億円を確保し、様々な施策を迅速に打ち出したからであります。当時は発生当初から現場には国から迅速な指導がなされました。発生農場から半径十、二十、五十キロメートルのところに消毒ポイントを設置し、対象地域では埋却処分が終わるまで自宅の出入りを禁じるなど、非常に厳格な体制がしかれました。早急に予算が確保され、国が責任を取るという意識が明確に示されたことによって、現場が安心して様々な対応をすることができたのではないでしょうか。
 それに比べて、この度の消毒ポイントは発生した農場から半径十、二十キロメートル地点にある国道十号線の四か所のみで、周囲の住民も自由に出入りができました。また、感染が広がっている地域の県道を閉鎖するにも数日を要し、四月二十日の発生後、JAが消毒薬の不足を懸念し政府に追加支援を要請しても、到着したのは二十八日だったそうであります。初期の段階で国が先頭に立ち道路閉鎖などの対策を厳しくしておけば、これほど被害が拡大することはなかったのではないでしょうか。
 菅総理は鳩山内閣の初動の遅れをお認めになりますでしょうか。また、赤松大臣はこの度農林水産大臣に再任されませんでしたが、口蹄疫拡大の責任を取って再任されなかったということでしょうか、お伺いいたします。
 また、鹿児島県などからは、国会を延長して更なる対応策を検討することを要望するとともに、選挙による人や車両等の移動による口蹄疫拡大に対する懸念から参議院選挙を延期してほしいとの声も出ております。かつてブレア英首相が狂牛病の拡大を防ぐため総選挙の延期を決断したように、菅総理もこの地元の悲痛な叫びにおこたえになる気持ちがおありですか。
 次に、郵政法案の中身について伺います。
 そもそも郵政改革の出発点は、入口が出口を決めてしまうという財政投融資の改革でありました。郵貯や簡保に入ってくる多額な資金を運用するため、不要不急の投資や融資が行われ多額の損失を出した反省から、預託義務を廃止し、政策金融機関がそれぞれ必要な額を財投機関債の発行により市場から調達する仕組みに変えました。その結果、財政投融資の規模はピーク時の半分になったわけであります。
 今回の法案は、この官から民への大きな改革の流れをまさに逆転させるものであります。そもそも民主党の二〇〇五年衆議院選挙のマニフェストでは、郵便貯金の限度額は二〇〇六年度中に七百万円に、その後更に五百万円に引き下げると掲げられておりました。現行からの大幅引下げであります。それが、どうしたことか、今回の案では、郵便貯金が二千万円、簡易保険が二千五百万円と公約が大逆行しております。これは、民間の金融機関に預けられ民間企業に投融資されるべき資金を、官営の郵貯、簡保にシフトさせ、非効率な投融資を再び復活させるものであります。これが菅総理のおっしゃる第三の道なのでしょうか。
 このような民業圧迫法案に対し、国内のみならず国外からも懸念が表明され、WTOに提訴する動きすらも出てきております。
 この改革逆行法案が廃案となるこの機会をとらえ、今申し上げた改革の原点に立ち戻り、市場経済国家日本にふさわしい法案に変えるべきだと思いますが、総理の見解を伺います。
 次に、八ツ場ダムの問題であります。
 前原国土交通大臣が建設中止を明言したのは昨年の九月十七日でありました。約九か月たった現在でも、大臣と建設継続を求める地元の方々との話合いは進まず、本体工事は凍結のままであります。二十年間にわたってダム建設を前提にした町づくりをしてきた住民と、最初から建設中止を前提とした生活再建策の話合いを促す前原大臣との協議はいまだ平行線であります。
 住民の移転先の代替地間を結ぶ湖面一号橋はダム湖ができなければ不要として凍結を検討しながら、生活に欠かせないとの地元の声を受けて工事継続となるなど、全く一貫性が見られません。水没予定地で転居を決めた方も、休業を既に決めていらっしゃる温泉旅館の方もいらっしゃるんです。
 政治主導とやらで公共事業を削減する一環でしょうが、地域主権の金看板が泣かないよう、地元住民が十分に納得できる説明と誠意ある対応を可能にするために、まず中止ありきのマニフェスト至上主義を見直すべきだと思いますが、総理の御所見を伺います。
 実際、民主党はマニフェストで、ガソリン等の暫定税率は廃止と約束されましたが、今年度予算で早くも公約破棄をされ、暫定税率を実質維持しております。なぜ八ツ場ダムだけはマニフェストを変えられないのでしょうか。
 高速道路料金の無料化はどうですか。今月末に試行を始めると伺いましたが、余り実験の成果の期待できない路線です。今国会では衆議院に、高速道路建設財源を新たに確保するため、高速道路料金の実質値上げをする法案が提出されております。
 しかしながら、この法案を審議する衆議院国土交通委員長は、あのガソリン値下げ隊の隊長でありまして、法案に賛成することができないと宣言されております。与党所属の委員長が政府提出の法案に反対されているという異常な状態であります。マニフェスト違反は明白であり、方針変更をせよと身内から御意見されているのであります。いかがするおつもりですか、総理の見解をお聞きします。
 次に、日本航空の再建策について伺います。
 同社の稲盛会長は、先月、裁判所への会社更生計画の提出期限を、当初の予定の六月より二か月先送りして、八月末と表明されました。会社更生法の適用を申請してから既に四か月を経過しておりますのに、いまだに日航をどのように再生し、どんな会社にしていくのかが全く見えてきません。
 前原大臣は当初タスクフォースをつくって取り組まれましたが、高い手数料を掛けて細かな資産査定をする前に、本来大臣がやるべきことは、国家の航空戦略、すなわち日本にメガキャリアが何社必要で、国内、国際それぞれの線をだれがどう担当していくのかという骨太の方針を示すことではなかったのでしょうか。この基本戦略がないことが、JALの再建計画が迷走し、結果として税金で損失補てんをするリスクを増大させていると思いますが、総理の見解を伺います。
 次に、地球温暖化対策についてお聞きいたします。
 所信では、強い経済の実現の中で、グリーンイノベーションには、鳩山前総理が積極的に取り組まれ、二〇二〇年における温室効果ガスの二五%削減目標を掲げた地球温暖化も含まれますと述べられました。この目標数値が本当に強い経済につながるのなら、世界中の国がこぞって二五%削減を採用することでしょう。しかし、残念ながら、国内外、少なくとも経済界で本気でそう思っている方にはいまだにお目にかかったことがございません。
 鳩山前総理の辞任のごたごたで、郵政改革法案共々、参議院で審議中の地球温暖化対策基本法案は廃案となる見通しです。衆議院で強行採決したにもかかわらず、あっさりと成立をあきらめられました。まあ法律事項は本部の設置だけで、あとは削減計画を含め閣議決定で足りるという内容だということであれば、それも当然でしょうか。問題点がかなりある法案でしたので、この際、国民負担の議論からきちんと始め、数値目標を含め一から見直すべきではないでしょうか。総理のお考えを伺います。
 以上、基本的な政治理念から政策の各論に至るまでお聞きをしてまいりました。
 これらの政策等の中身と同様に大事なのが、これらの政策を練り上げ実行していくための体制づくりやその運営の仕方であります。鳩山前政権の失敗を反省し、与党の中の政調会を復活させたのは、遅きに失したとはいえ、正しい方向だったと思います。
 しかし、今後の運営の仕方として、与党の事前承認を内閣提出法案に義務付けるかどうかが大事なポイントとなります。これがなければ、今までの勉強会と何ら変わるところはないことになるでしょう。若しくは、事前承認をしない代わりに党議拘束を掛けないということも理論的にはあり得ますが、議院内閣制とは相入れない仕組みではないでしょうか。
 また、政と官の関係についても菅総理は、官僚は大ばかだという従来の見解を修正され、プロとして評価をするという姿勢に転じておられますが、いつ宗旨変えをされたのでしょうか。真の政治主導とは、官僚を排除することではなくて、官僚を使いこなすことであると思いますが、総理の見解をお伺いいたします。
 こうして見ると、普天間移設問題では回り回って現行案、財政再建も超党派で消費税を含む税制の抜本改革、与党の政調組織も復活、政治主導も官僚排除から官僚使いこなしへ、民主党政権もだんだん与党らしくなってきたということなのでしょうか。これが政権交代の成果なのでしょうか。それにしても、そのために国民が負担した授業料は余りにも大きかったと言わざるを得ません。
 まさに内憂外患、国の内外に課題が山積する今、国のかじ取りに一瞬の油断も許されません。その重責に堪えられずに政権を投げ出す前に、一刻も早く国民に信を問うことを再度要請し、また答弁が不十分な場合は再質問をさせていただくことも申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#7
○内閣総理大臣(菅直人君) 林議員にお答えを申し上げます。
 まず、同じ長州の生まれの同僚として祝意をいただいたことを心からお礼を申し上げたいと思います。
 新内閣の使命は創造ではないかという御指摘をいただきました。
 私が奇兵隊内閣と名付けたいと述べたのは、日本の長きにわたる閉塞状態を打ち破るため、奇兵隊のような果断に行動することが必要だと、それと同時に、武士階級以外からも様々な人が参加した奇兵隊のように、幅広い国民の中から出てきた我が党の国会議員が志を持って勇猛果敢に戦ってもらいたい、こういう期待を込めてのことであります。
 つまり、奇兵隊が庶民の隊であったことは林議員もよく御承知でありまして、そういった意味で、そうした広い国民の中から我が党の議員の大半が出てきておりますので、そういう皆さんに頑張っていただきたいという期待を込めて申し上げました。
 私は、新内閣の課題として、戦後行政の大掃除の本格実施、そして経済・財政・社会保障の一体的建て直し、また責任感に立脚した外交・安全保障の三つを掲げたところであります。まさに、ある意味では、時代に合わなくなった古い政治と行政は、国民とともにスクラップ化し、新たな創造に取り組むことが必要だと思っております。
 確かに、明治維新においては、理念的な段階、破壊の段階、創造の段階という三段階があったというふうに私も認識しておりますが、今私がやらなければならないことは破壊と創造の両方だと思っております。
 次に、総理交代に伴う危機管理について御質問をいただきました。
 私自身が職務執行内閣において副総理の位置にあったこと、また、鳩山総理退陣を受けて新政権発足に万全を期すため、国政に支障のない範囲でそうした職務執行内閣という形が対応できるように注意をして時間をいただいたものであります。鳩山総理、内閣とよく協議の上、危機管理に迅速に対応するよう体制を整えていましたので、御指摘のような危機管理上の問題は一切生じていないものと理解をいたしております。
 前政権の総括と新政権の基本政策についてお尋ねがありました。
 鳩山前総理は、退陣表明の中で自らの内閣についての総括を真摯に述べられたと認識をしております。そして、政権を引き継ぐ私に課せられた最大の責務は、鳩山前総理の決断と総括を生かし、歴史的な政権交代の原点に立ち戻って、この挫折を乗り越え、政権への信頼を回復することにあると考えております。そのことは民主党の代表選挙においても全議員が共有し、新たなスタートを切ったところであります。幸い、国民の皆様にも一定の御期待をいただいているものと理解しております。
 新政権の基本政策については先日の所信表明で述べさせていただき、本日、代表質問をお受けをいたしているところであります。
 衆議院の解散について御指摘をいただきました。
 短期間のうちに四代の総理が退陣されたことは、政治の安定と政策の遂行において、国民にとって望ましくないことであったと思っております。民主党は、党として、昨年の総選挙で四年間に実行する政策を国民との間で約束をし、国民の皆さんは、そういったことと同時に、この二十年間の、つまりは経済の低成長など行き詰まりを何とか打破してもらいたいという、その国民の気持ちが私は政権交代につながったと、このように思っているところであります。したがって、そうした原点に戻って、新しい内閣の中で政策を実行していきたいと考えております。
 また、衆議院の解散についてでありますけれども、参議院の選挙も国政選挙であることは言うまでもありません。民意を聞くという意味では、まず参議院の選挙において民意を聞くのが私は筋だと考えております。
 三権分立についての御質問をいただきました。
 これは、林議員とは何度も委員会の席で御議論を、同僚議員の質問も含めてさせていただいたことでありますので、余り詳しく申し述べると時間を費やしますので簡明に申し上げたいと思います。
 日本国憲法は、国民主権の下で、国会と内閣と裁判所のこの三つの機能を位置付けております。機能として三つあるということについては、もちろん私は否定するものではありません。しかし、それらの相互関係について、先ほど林議員自らおっしゃったように、憲法四十一条でしたか、国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関であるという、最高機関という言葉が使われております。
 なぜ最高機関であるかということを私なりに解釈すれば、この憲法の大原則は国民主権でありますから、その国民主権の下における国民がまず直接に選ぶのが国会議員を選挙で選ぶわけです。そして、国会と内閣の関係は、これも言うまでもありません、国民によって選ばれた国会議員がその多数で内閣総理大臣を選ぶわけです。
 そういった意味で、内閣と国会が独立しているという考え方をもしお持ちだとすれば、なぜ内閣総理大臣を国会議員が選ぶことになるんですか。つまりは、選ぶ側の国会が国民の代表としてまさに最高機関としての機能を果たしている、そういう意味で私は申し上げているわけであります。
 普天間飛行場の移設問題と日米関係について御質問をいただきました。
 鳩山内閣は、日米同盟の更なる深化に努め、五月の二十八日の日米合意を策定されました。私も、日米安保条約五十周年を記念する本年、二国間関係のみならず、アジア太平洋地域情勢やグローバルな課題についても緊密に日米間で協力をしていき、日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で着実に深化、発展させていきたいと考えております。
 先日行いましたオバマ大統領との電話会談においても、普天間飛行場の移設問題を含む日米関係の課題のほか、韓国哨戒艦の沈没事件やイランの核問題についても意見交換を行い、日米が緊密に連携していくことを確認したところであります。
 沖縄との信頼関係についての御質問をいただきました。
 普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように、沖縄の負担軽減に全力を尽くす覚悟であります。沖縄において、これらの日米合意や閣議決定に対する厳しい声があることは理解をいたしております。今後、移設計画や負担軽減の具体策について、沖縄を始め地元の方々に誠心誠意説明し、理解を求めていく所存であります。
 実は、今日朝、私の方が六月二十三日に沖縄の全戦没者の追悼会に出席をするということをお伝えしたこともあって、仲井眞知事が官邸を訪問していただきました。まず、この沖縄の全戦没者の追悼会に出席する中で、この沖縄の皆さんとの真摯な形での意思疎通を改めて始めていきたいと、このように考えております。
 普天間基地問題を担当した関係閣僚を再任した理由についてという御質問であります。
 私は、それぞれの閣僚はそれなりにこの問題でも苦労されたと思っておりまして、そういった意味で、これから私の下で官房長官を軸として改めて取り組む上では、この三閣僚のこれまでの経験、そして識見を活用することは大変重要である、適材適所だと考えてそのまま留任をお願いした次第であります。
 所信表明演説で述べた、代償を支払う覚悟の意味について御質問がありました。
 外交の主役は、言うまでもありませんが、本質的には国民一人一人であって、それをある意味で代表したり、ある意味でいろいろな行政の役割を担うのが政治家や官僚であると、そのように理解をいたしております。
 この国の在り方について国民に共通の覚悟がなければ国の防衛も外交交渉も脆弱にならざるを得ないことは、林議員もよく御理解されているものと思います。国民一人一人がこうした責任を自覚することにより、これを背景とする力強い外交が実現するものと、そういった意味で「平和の代償」という本の名前をお借りをして、こうした代償という言葉を使わせていただきました。
 日米関係と防衛大綱の見直しなどについて御質問をいただきました。
 日米安保体制を中核とする日米同盟は、日本の防衛のみならず、アジア太平洋地域の安定と繁栄を支える国際的な共有財産だと考えております。日米同盟は日本外交の基軸であります。日米安保条約五十周年に当たる本年、二国関係のみならず、アジア太平洋地域やグローバルな課題についても緊密に協力をしていき、日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で着実に深化、発展させていきたいと考えております。先日行ったオバマ大統領との電話会談においても、このことを確認いたしたところであります。
 防衛計画の大綱の見直しについては、現在有識者による新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会において日米同盟の問題も含め幅広く御議論をいただいており、本年中に結論を得た上で、次期の中期的な防衛力整備計画を策定する所存であります。
 成長戦略を実行するため、補正予算や税制に関しての御質問をいただきました。
 強い経済、強い財政、強い社会保障の一体的な実現を目指し、月内に新成長戦略と中期財政フレームを取りまとめる方針であります。新成長戦略においては、グリーンイノベーション、ライフイノベーション、アジアの経済、観光・地域といった成長分野を掲げておりまして、これを支える基盤として、科学・技術と雇用・人材に関する戦略を実施することといたしております。
 新成長戦略に掲げる諸目標を達成するためには、政策に優先順位を付け、限られた財源を最も効果的に使う必要があり、今後の予算編成や税制改革に当たっても、このような観点を踏まえて、つまりは成長にプラスになるかどうかというそういった観点を踏まえて取り組んでまいりたい、このように考えております。
 第三の道について御質問をいただきました。
 九〇年代以降の公共事業の多くは、需要を創造することは部分的にはできましたけれども、内容的には我が国の供給サイドの競争力の強化や有効な成果には結び付かないものが多かったと思っております。例えば、九十幾つも飛行場がありながら、残念ながら国際的に通用するようなハブ空港が一つもないというのもこの第一の道の失敗の典型的な事例だと考えております。
 また、生産性の向上が必要であることは言うまでもありませんが、供給サイドさえ整備すれば需要は自動的に付いてくるという、もしかしたら林さんも新古典主義的な発想かもしれませんけれども、私は、こうした考え方は、現在の日本の経済情勢に対しては必ずしも当てはまらないと考えております。
 そして、結果として、小泉・竹中路線という形で行き過ぎた市場原理主義に基づき就業形態の過度の規制緩和などを行った結果、第二の道では非正規雇用が拡大し、需要や雇用が拡大せずデフレが深刻化することになった失敗の政策であったと思います。
 一方、私が申し上げている第三の道とは、こうした過去の失敗に学び、環境や医療、介護、保育など、現在の経済社会が抱える課題の解決を通じて、需要サイドと供給サイドの好循環を目指そうとする政策であります。例えば介護などは、潜在的な需要がありながら、残念ながら賃金が低過ぎるために供給が出ていない、こういう分野には財政をもってして手当てすることで供給が出ると同時に需要が顕在化し経済成長につながる、例えばの例ですが、こういうことを考えております。
 新成長戦略の経済思想について質問をいただきました。
 健全な資本主義や市場経済、企業の営利活動は国の発展を支える基本的なインフラと認識しており、御指摘のように、何か私が資本主義や市場経済に否定的な見解を持っているのではという御指摘は全く当たらないと思っております。社会主義的な思想という御質問もありましたけれども、今スウェーデンとか北欧が行っているそういうことまで含めておられるのかどうか分かりませんが、少なくともかつてのソ連や中国がやったような社会主義的な計画経済など全く考えておりません。
 新成長戦略の柱となる第三の道の考え方は、産業構造、社会構造の変化に合わない政策を遂行した結果、経済が低迷したことを踏まえ、環境や医療、介護など、潜在需要が存在する分野の課題を解決することによって、需要サイドと供給サイドの好循環の創造を目指すものであります。
 自民党の財政健全化責任法案について御質問をいただきました。
 私は、これは委員会で林議員の方から、こういう法案を出したんだということの紹介をいただき、十分に検討させていただいてその後の参考にさせていただいたことを、高い席からで恐縮ですが、お礼を申し上げたい、このように思います。
 財政健全化を進め、財政に対する内外の信認を確保するという基本的考え方については、この自民党が出された法案と私どもの内閣も問題意識は共有するものと考えております。他方で、経済成長と社会保障と財政健全化が相互に密接な関係を有するようになっていることから、強い経済、強い財政、強い社会保障を一体的に実現することが重要だと考えております。
 いずれにしても、財政健全化については、我が国の将来を左右する重大な課題と認識しており、与野党の壁を越えた国民的な議論が必要だと思っております。財政健全化の緊要性を認める超党派の議員により財政健全化検討会議をつくり、建設的な議論を共に進めていきたいと、このように思っております。いろいろ前提条件を挙げられておりますけれども、これは前提条件についていろいろ申し上げることも可能ですけれども、余りややこしい前提条件を付けるよりも、まさにこの国家的な危機に対してどのように対応するかという、そういう共通認識で是非ともこうした協議に加わっていただきたいとお願いを申し上げておきたいと思います。
 マニフェストの見直しについての御質問をいただきました。
 税収の大幅な落ち込みやギリシャなど、二〇〇九年のマニフェストでは想定していなかった事態がその後生じております。そうしたことを踏まえ、来る参議院議員選挙において国民の皆様にお示しする政権公約については、もちろん従来のマニフェストを踏襲するもの、一部修正するものなどいろいろありますが、個別の項目については順次最終的な判断を現在しているところであり、そう遠くない時期にきちんと提示ができるものと考えております。
 税制抜本改革の具体的内容について御質問をいただきました。
 我が国財政の危機的状況を改善するには、無駄遣いの根絶と経済成長を実現する予算編成に加えて、税制の抜本改革に着手することが不可欠だと考えております。消費税を含む税制改革の具体的な内容や実施のタイミングについては、強い経済、強い財政、強い社会保障を一体的に実現するために必要な財源をどのように分担するかという観点から税制の抜本改革を議論する中で国民の皆様にお示ししていきたいと考えております。同時に、近く提示をさせていただく予定の中期財政フレームあるいは財政運営戦略の中でもこうした方向性はきちんと示させていただきたいと、このように思っております。
 口蹄疫の初動対応について御質問いただきました。
 四月二十日の口蹄疫の発生確認を受け、直ちに農水省に対策本部を設置し、宮崎県と連携し、殺処分や国の負担による消毒等の防疫対応を実施いたしたところであります。四月二十二日には国の負担による宮崎県全域における消毒薬の散布を決定し、宮崎県からの聞き取りによれば、四月二十三日、川南町で消毒薬の配布を実施したところであります。自衛隊、警察の派遣や獣医師の増員なども実施をいたしております。さらに、対策を徹底するため、五月十七日には鳩山前総理を本部長とする口蹄疫対策本部を設置し、口蹄疫の防疫及び経営対策等に万全を期するように指示をいたしたところであります。
 私が総理に就任して更なる残念ながら都城などに対する拡大が伝わってまいりましたので、それ以来連日のようにこの本部を開かせていただき、また、先週土曜日には、私自身、宮崎の現地に赴き、直接畜産農家の皆さんからも話を聞き、また、知事を始め関係自治体の長ともしっかりと話をしてきたところであります。
 確かに、いろいろな問題点があり、あるいは反省すべき点もあろうかと思いますが、今まさにやらなければいけないことは、今の感染の範囲を何としてもこれ以上拡大させないこと、これがまず大事だと、このように考えておりまして、自衛隊の増派も含めて対応し、そしてその上で、この拡大が止まり終息した後には、生活を守り、あるいは畜産の再建のために全力を尽くすことも畜産農家の皆さんに対しても約束をしてきたところであります。
 農林水産大臣の人事について御質問がありました。
 赤松大臣からは、自ら、自分はこの大臣を留任するつもりはないので、できれば頑張ってきた副大臣に後を任せたいといったようなお話もあったところであります。口蹄疫問題はまさに国家的危機でありまして、現状において、自ら畜産をされた経験もあり、また、宮崎県に現地対策本部を設置して以来、現場で陣頭指揮を執っておられた山田農水副大臣に大臣となっていただいたことは、そうした意味から適材適所であると考えております。
 口蹄疫問題と参議院選挙の日程についての御質問であります。
 口蹄疫問題については、国家的危機と認識をした上で、先ほど申し上げたように宮崎県を訪問してきたところであります。新内閣としては、何よりもこれ以上の拡大を防止するため、全力を更に挙げていきたいということは先ほども申し上げました。参議院議員通常選挙については、その執行に万全を期するように適切な対応に努めてまいりたい、このように考えております。
 郵政改革関連法案について御質問いただきました。
 郵政改革関連法案に関して、郵政民営化の結果、郵政事業の経営基盤が脆弱となっており、その役務を郵便局で一体的に利用することが困難となっているといった問題が出ております。こういった問題に対処するために、この法案は成立が必要だと考えております。
 また、郵政改革関連法案は、経営の自主性を尊重する観点から、株式会社形式を前提として組織を再編成するものであり、公社や国営に戻すものではありません。加えて、ゆうちょ、かんぽは、銀行法、保険業法に基づく一般会社であり、その資金運用は会社が自主的に経営判断すべきものであります。非効率な投融資を再び復活させるものとの御指摘は当たらないと考えております。政府・与党としては、参議院議員選挙の後の臨時国会において同一の郵政改革法案を再び提出し、早期に成立させていただけるようお願いする所存であります。
 八ツ場ダムについての質問をいただきました。
 八ツ場ダムについては、できるだけダムに頼らない治水への政策転換の端緒として、前原国土交通大臣が中止の方向性を示してきているところであります。全国のほかのダムと同様、予断を持たず検証を行うと、これも前原大臣が述べておられます。今後とも、御迷惑をお掛けしている地元住民の方々に対しても、この政策転換について御理解をいただく努力を続けてまいりたいと考えております。
 高速道路料金について御質問をいただきました。
 高速道路の段階的な原則無料化については、今月二十八日より、全国の高速道路の約二割の区間で社会実験を開始するものと承知をいたしております。また、高速道路の新たな料金割引については、関係する法案を今国会に提出しているところであります。今後の国会における審議も踏まえつつ、国土交通省を中心として、政府・与党の連携の下、新たな料金割引を検討していくことになろうと思っております。
 日本航空の再建について御質問をいただきました。
 我が国の航空ネットワークに関しては、複数の会社による適切な競争を通じて、国内、国際共に、安全、安定的な航空輸送サービスの提供が確保されることが必要だと考えております。
 現在、日本航空においては、管財人であります企業再生支援機構により、路線、機材、人員等の徹底的な見直しが行われており、再建の確実性を高めるため、更生計画の提出時期を八月末に延長し、更生計画の策定を行っているところであります。政府としても、企業再生支援機構と連携して、安全、安定的な運航を確保しつつ、国民負担を生じさせることのないよう日本航空の確実な再生を図っていく所存であります。
 地球温暖化対策基本法の見直しに関する御質問をいただきました。
 地球の将来を真剣に考え、主要国の背中を押して積極的な取組を促すために、鳩山前総理は、前提条件を付して九〇年度比二五%減との思い切った削減目標を率先して掲げられました。このような目標を掲げた地球温暖化対策基本法案は、政府としては最善の案であり、見直す必要があるとは考えておりません。
 政調復活と事前承認、党議拘束について御質問をいただきました。
 自民党政権下では事前承認は当たり前だったかもしれませんが、民主党では事前承認という考え方は採用しないものと理解をいたしております。国民の声、地域の意見を集約し、国政に反映させるのが政党の役割であり、政策決定については内閣に一元化をいたしているところであります。
 そして、この私の内閣において、政調会を復活させ、政調会長を玄葉さんにお願いしましたが、同時に、玄葉政調会長は内閣の大臣として入閣をいただいております。党の意見が政調会長を通して反映されることで、内閣と党の調整が図られることと考えております。なお、法案を閣議決定し、国会で採決する時点において党議拘束が掛かるのは当然だと思っております。
 政治主導と官僚の関係について御質問をいただきました。
 官僚の持つ行政上の知識、行政経験に基づく蓄積は、国民のために生かす方針を改めて示したものであります。私が官僚は大ばかだと言ったということで、確かに言葉としてはちょっと言い過ぎだったかもしれませんが、しかし、私は官僚の皆さんが正しいとも思っておりません。例えば、財務省が長年、優秀な人が集まっていたかもしれませんが、なぜ、それでは八百兆円もの赤字がたまるまでそれを阻止することができなかったんでしょうか。
 そういった意味で、つまりは、官僚の皆さんはある意味での専門的な知識はあるけれども、この国の将来、国民の立場に立って判断するのは、それは政治家でありあるいは閣僚であるわけでありまして、そういった意味で、私は官僚を排除しようとはいたしておりません。そういう官僚の力を借りながら、最終的には、まさに国家国民、将来の日本を考えて判断するのが私の内閣がやらなければならないことだと考えているところであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣仙谷由人君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(仙谷由人君) 林議員の御質問にお答えをいたします。
 林議員御指摘の菅総理の発言は、憲法の国民主権原理、憲法第四十一条、憲法第六十五条、憲法第七十六条、そして憲法第六十七条一項の規定を正しく解釈して行われたものであると認識をしておりまして、したがって、憲法尊重擁護義務に反するなどとは考えておりません。(拍手)
   〔国務大臣玄葉光一郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(玄葉光一郎君) 林議員のマニフェストの質問にお答えをいたします。
 国政選挙へのマニフェスト導入について林議員とも議論をし、協力をしてきたことを思い出しますけれども、言うまでもなく、マニフェストというのは、従来の公約のような、いわゆる抽象的な言葉の羅列ではなくて、財源とか期限とかあるいは実現手法などを明記をし、そして契約をする、そういう位置付けなわけです。しかし、あわせて、常に念頭に置かなければならないのは、マニフェストは生き物である、そして手入れが必要なものであるということだと思います。したがって、環境の変化、そして状況の変化に応じて柔軟に見直すこともまた重要であるというふうに私は考えております。
 現に、昨年のマニフェスト作成時点で私たちが前提とした税収見積りは、麻生内閣の税収見積りです。四十六兆円でした。実際はどうだったかといえば、三十七兆円なんですね。それだけをもってしても、マニフェストの見直しが必要になるということだと思います。
 そして、民主党は無駄遣いの根絶を掲げました。ぎりぎりまでこれからも努力をいたします。ただ、一方で、昨年の総選挙のマニフェストで民主党が掲げた金額に現時点では届いていない、そのことは国民の皆様に正直に説明を申し上げなければならないと考えております。今後も、環境、子育て、医療などの分野に重点を置くという昨年のマニフェストの基本方針は維持をしつつ、成長戦略の策定、実行、財政健全化などを進めていきたいと考えております。
 なお、最後に、近く公表する予定のマニフェストは、民主党全国会議員、そしてそれぞれの総支部で幅広く意見交換をし、さらにはインターネットを通じて国民の皆様から広く意見を伺ってまとめ上げたものでございます。そして、その修正マニフェストを参議院選挙で掲げて戦います。したがって、マニフェストの修正プロセスとしては極めて妥当な手法を取ったというふうに確信しております。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(江田五月君) 山口那津男君。
   〔山口那津男君登壇、拍手〕
#11
○山口那津男君 私は、公明党を代表し、菅総理の所信表明演説に対し質問を行います。
 総理、私はあなたの演説を聞いてあきれてしまいました。あなたの言葉を借りれば、政治と金の問題、普天間問題に対する責任を率直に認め、辞任というけじめを付けた前総理の勇断を受けて政権を引き継いだという政権なのですか。
 それでは伺います。普天間問題にどうけじめが付いたのですか。鳩山前総理と小沢前幹事長の政治と金の問題にどうけじめが付いたのですか。はっきり説明してください。
 総理は、民主党の代表選挙に当たって、小沢氏はしばらく静かにしてもらった方が本人にとっても民主党にとっても日本の政治のためにとってもいいのではないかと述べたと伺いました。特に、日本の政治のためにもというのは、前二者と異なり客観的な意味で使われている。静かにしていないとすると、なぜ日本の政治のために悪いのですか。昨日の我が党の井上幹事長の質問にも答えていなかったので、きちんと答弁してください。それほど大事な問題であるのなら、静かにしていた方がいいのではなく、徹底した解明が必要ではないですか。それとも臭い物にふたをするということですか。これで、あなたが青春の思い出として演説の中で誇らしく触れられた市川房枝さんに顔を向けられないのではありませんか。前内閣の一員として責任を痛感するというのであれば、その責任をもっと具体的な言動で示すべく、明確に御答弁ください。
 次に、荒井国家戦略担当大臣の事務所費問題について伺います。
 あなたは、昨日の答弁で、法律事務所や監査法人等に調査してもらっていると人ごとのように述べていましたが、公表された領収書によれば、パチンコ店で流れる音楽を集めたCD、キャミソール、漫画本、マッサージ料金など、明らかに不適切な支出ではありませんか。私も弁護士ですが、調査するまでもなく、だれが見ても不適切ですよ。荒井大臣自身の認識をはっきりと御答弁ください。
 新内閣がスタートしたばかりなのに、またしても政治と金の問題ですか。私は、三月三十一日の党首討論で鳩山前総理大臣に、いまだに政治と金の問題で議論しなければならないのはざんきの念に堪えませんと厳しく指摘したにもかかわらず、二か月半たっても民主党は自発的に問題解決ができず、また新たな問題をさらけ出している。政治と金の問題は政治家が起こしたものであり、国民生活とは直接関係のない障害物なのであります。
 国民からすれば、景気対策を始め、口蹄疫問題への対応など国民生活に直結するあらゆる問題を議論したいのに、次から次と起きては解決が放置される政治と金の問題が邪魔になって、肝心な議論ができないではないですか。総理、この問題について、国民に納得いく責任ある答弁をしてください。
 以下、具体的な課題について質問します。
 まず、改めて明確にしておきたいのは、鳩山氏も小沢氏も政治と金の問題について、総理や幹事長辞任では免責されず、何の決着も付いていないこと、その解明をなすべきことであります。その上で、国民のための議論の障害物である政治と金の問題を二度と起こさせないために、しっかりとした再発防止策を講じる必要があります。
 私は、二月十七日の党首討論で当時の鳩山総理に、政治資金規正法改正に向けた与野党の協議機関に参加するよう提案しました。当時、鳩山総理は、民主党としても与野党の協議機関の設置に賛成をしたい、大いにこれは各党で協議を進めていこうではありませんかと答弁されました。
 しかし、実態はどうでしょうか。民主党は鳩山氏や小沢氏の参考人招致、証人喚問を嫌がり、与野党の協議機関に参加しようともしない。他党に事寄せて自発的に解決する姿勢がない。前回衆議院選挙で民主党がマニフェストに掲げた企業・団体献金の禁止も、当時の鳩山総理の答弁も単なるパフォーマンスだったと言われても仕方ありません。
 菅総理自身、政治と金にまつわる問題にけじめを付けることが必要と発言しました。その上クリーンな政治と言うのなら、公明党が提出した政治家の監督責任を強化する政治資金規正法改正案を丸のみしたらどうですか。各党各会派で相談しろではなく、あなた自身のお考えはどうなのですか。賛成なら、今国会で、政治家の監督責任を強化する政治資金規正法の改正に協力すべきです。
 鳩山氏と小沢氏、両氏の異なる検察審査会においても共通して指摘されていることは、会社の上司が責任を取らされている世間一般の常識に合致しない、秘書に任せていたと言えば政治家本人の責任は問われなくてよいのか、市民目線からは許し難いとして、監督責任強化の法改正の必要性が提起されているところであります。
 また、小沢氏の企業献金、小林千代美氏の団体献金事件の再発防止のために企業・団体献金の全面禁止も制度化しようではありませんか。総理は所信の中で企業献金にしか触れなかったのは腰が引けているとしか言いようがありません。さらに、予算委員会の議論まで逃げようとリーダーシップを発揮できないのですか。総理の責任ある答弁を求めます。
 さて、あなたの演説を聞いていて、その無責任ぶりとともに目立ったのが空疎な言葉の羅列でした。第三の道、強い経済、強い財政、強い社会保障などなど。ところが、一つ一つ聞いてみると、言葉は躍っても、どれも具体策がありません。
 そこで、私は、具体的に提案を含めて総理に伺います。
 まずは、財政再建についてです。
 菅総理は、財政再建のための与野党協議機関の設置を呼びかけられました。私たちも財政の危機的状況に目をそらすべきではなく、与野党が一定の責任を持ってその打開に努力すべきであると考えます。しかしながら、総理の提案は、余りにも虫が良過ぎる話であると言わざるを得ません。
 そもそも、民主党は、無駄を削ればマニフェストに必要な財源は簡単に出てくると豪語してきました。その結果、財政再建の絵姿もないまま平成二十二年度予算を編成し、結果、フローで四十四・三兆円にまで借金を膨らませてきました。さらには、消費税は四年間上げないと公言してきた。にもかかわらず、今般、増税を含めた財政再建へと大きくかじを切ろうとするならば、まずは民主党のマニフェストは間違いであったことを明確にすることがすべての大前提ではありませんか。総理、いかがですか。
 成長戦略もない、社会保障も、年金改革はおろか医療や介護などの具体的方向性も示されていません。また、所信表明演説では、財政再建、税制改革を進める上での重要テーマであるべき消費税については、その言葉すら出てきませんでした。要するに、今般の協議機関の提案の前提というべき政府の方針なるものは全くのゼロ提案ではありませんか。財政に赤信号をつけた自らの責任を棚に上げる一方で、増税が見え隠れする財政健全化の議論だけは与野党を超えてみんなで渡ろうというのは、まさに責任転嫁、責任逃れであり、消費税隠しなのではありませんか。
 私はむしろ、年金、医療、介護、子育て支援などの社会保障のあるべき姿について、その財源の在り方と併せて国民的コンセンサスを得ていくことが正しい議論の筋道であると思います。政府の借金を返すために消費税を増税しようという論議は言語道断であり、反対です。
 そこで、私は、財政再建の前に、社会保障のあるべき姿、社会保障の機能強化の在り方を検討する与野党の協議機関を設置すべきと逆提案いたします。総理の見解を求めます。
 公明党は、行政の無駄を省くためにこれまで先頭に立って取り組んできました。例えば、事業仕分については、二〇〇五年の衆院選のマニフェストで提唱し、翌年の行政改革推進法に事業仕分という言葉と考え方を盛り込んだのも公明党です。また、政策ごとに予算と決算を結び付け、予算とその成果を評価できるように予算書、決算書の見直しなども行いました。
 私は、これから財政健全化を本気で進めていくためには、例えば事業仕分に関しても、公会計制度を含めたインフラを整備し、その上で、客観性、透明性のあるデータに基づいた歳出改革を行うことが重要であると考えます。
 そうした観点から一点提案申し上げたい。東京都では、既に複式簿記、発生主義会計が導入されたことにより、お金の流れ、資産の状況がより透明化され、財政再建に一定の成果を上げております。私は、企業や自治体とはその性質が違うことも承知の上で、財政再建を本気で進めるのであれば、自治体などの実績、成果を踏まえて、公会計制度の見直しを真正面から議論してはどうかと考えます。総理の見解を求めます。
 関連して、平成二十三年度予算について伺います。
 もはや、歳出の見直しや事業仕分だけでは十兆円、二十兆円の財源が生み出せないことが明白になりました。この点は総理も認められますね。まず、答弁を求めます。そうであれば、平成二十三年度予算編成に関しては、財政再建が喫緊の課題とするならば、極論すれば、マニフェストを思い切って見直すか、それとも財政規律に目をつぶってでもマニフェストを実現するかしかありません。二兎は追えません。総理はどちらの道を選ぶのか、明確にお答えください。
 平成二十二年度予算では、いわゆるシーリングがなく、結果として大型予算につながってしまいました。私は、財政規律、要求省庁の自己査定機能の発揮との観点からシーリングが必要と考えますが、総理はどう認識されていますか。
 また、来年度予算は新規国債発行を四十四・三兆円以内に抑制する旨の発言があります。これは公約と受け取ってよろしいですか。さらに、一般会計総額九十二兆円はどうするのですか。マニフェスト達成のために膨らむのでしょうか。併せて方針をお聞かせください。
 次に、成長戦略についてであります。
 年内にGDPが中国に抜かれる、日本の世界競争力は二十七位、日本は先進国ならぬ老大国になってしまったなど、残念ながら日本の相対的地位や影響力は弱くなり、このまま衰退してしまうのではないかという声が聞こえてきます。しかし、私は、ピンチをチャンスに変える、これこそが成長戦略のポイントであると訴えたいと思います。
 第一には、地球環境、気候変動への対応についてです。
 私は、省エネ・環境技術では世界に誇れる優位性を保っており、また国際貢献も十分に可能です。環境・エネルギーの分野への研究投資を拡大しながら、いかに競争力を確保していくか。あわせて、農業を含めたグリーン産業革命を起こすなど戦略的な取組が重要であります。
 第二には、魅力ある日本の構築と産業構造の転換についてです。
 日本に投資する魅力をいかに確保するか。日本に来れば良い仕事ができると海外の企業や投資家の方たちが思えるようなインフラ整備を早急に進めていく必要があります。税制もさることながら、物流、立地環境の整備、高度人材の呼び込み、金融の見直しなどを含めた総合的な拠点化を目指すべきです。産業構造の転換、中でも環境・エネルギー、農業、医療・介護、教育、文化などの分野に重点投資して雇用も生み出していく。また、アジアを始めとする新興国の成長を取り込み、中でも、政府が先頭に立って新幹線、上下水道などのインフラ輸出を積極的に推し進めていくべきです。
 第三には、人口減少、少子高齢化への対応です。
 公明党は、雇用の安定確保を基軸とした安心の社会保障、福祉の確立こそが日本の経済成長の基盤であると認識しており、介護、医療の分野を中心に雇用を拡大し、さらには学校教育、職業教育、職業訓練などの人的投資を拡大していくことが重要と考えます。さらには、日本の中小企業の製造業などが持つ物づくりの技術力、たくみの技をもっと生活現場あるいは社会保障、福祉の分野などで積極的に生かしていくべきです。そのことは結果として産業構造の転換にもつながるものであります。
 以上申し述べた諸点について、総理の見解を伺います。
 次に、地球温暖化問題です。
 総理は、成長戦略の第一にグリーンイノベーションを挙げ、温室効果ガス二五%削減目標を掲げた地球温暖化対策に言及しました。しかし、具体策のない成長戦略は夢物語です。温暖化対策では、何よりも二五%削減という意欲的な目標が出発点となります。日本がいち早くグリーン産業革命を遂行し、世界経済における競争優位を獲得していくには二五%削減への速やかな着手が必要です。
 ところが、政府の温暖化対策基本法案では、二五%削減目標に国際合意の実現という前提条件を付け、凍結してしまっています。肝心の削減目標がないのでは法律は機能せず、本格的な温暖化対策も始動しません。総理の言う国際交渉の主導にもマイナスになります。
 公明党は、国際法上の義務にかかわる外交交渉はともかく、国内法における自主的目標に前提条件は全く不要であると考えます。温暖化対策の画竜点睛は、政府案の二五%削減目標から前提条件を外すことです。総理のリーダーシップで、及び腰が透けて見える前提条件を外す考えはないか、伺います。
 一方、公明党は必ずしも二五%のすべてを国内で削減しなければならないとは考えていません。もちろん、低炭素社会への移行、省エネルギーやグリーン産業の育成などの政策効果を考えると、なるべく国内で削減した方がよいことは間違いありません。
 しかし、目標の二〇二〇年は十年後に迫っており、国内だけでは無理が生じるおそれがあります。ゆえに、海外クレジットの取得についても途上国での具体的な削減と結び付く形で前向きに考えてよいと思います。その上で、国内での適切な削減量を早急に検討すべきです。それが決まらなければ、排出量取引などの制度設計や企業の方針決定のための前提がいつまでも明確になりません。例えば、国内で最小限この程度は削減するとの目標を示してはどうか、総理の考えを伺います。
 公務員制度について伺います。
 鳩山前政権は、発足当初、天下りあっせんの全面禁止を打ち出したにもかかわらず、舌の根も乾かぬ昨年十月、官僚の中の官僚OBと言われる元大蔵事務次官の齋藤次郎氏を日本郵政の社長に据え、自らが天下りあっせんの道を開きました。
 こんな政権が天下りを禁止できるはずがありません。案の定、国家公務員法改正案には、天下りの温床となっている早期退職勧奨の禁止や退職後の再就職を一定期間禁止する事前規制など、重要な規定が盛り込まれていませんでした。口では天下り根絶と言いながら、やっていることは天下り自由化そのものではありませんか。
 公明党は、早期退職勧奨の禁止、在職中に密接な関係にあった営利企業、独法、公益法人への再就職を五年間禁止する事前規制の復活、強化、さらに、事後規制として、あっせん禁止違反に対する刑事罰の新設などを盛り込んだ修正案を提案しましたが、民主党は自らの非を隠すように強行採決を行いました。
 世論の厳しい批判に耐え切れず退陣した前政権の轍を二度と踏まないためにも、総理、公務員制度改革担当大臣を新設したことでもありますので、この際、国家公務員法改正案については、私の指摘したとおり、抜本的に見直し、出直すべきです。答弁を求めます。
 次に、公務員等による税金の不正使用について伺います。
 国あるいは地方公務員が取引先業者などと結託し、虚偽の請求書を作成して裏金づくりを行うなどの不正は今も後を絶ちません。しかも、不正に預けた裏金を使い込まれて返還を求めるなどという、クリーンハンドの原則に反するようなみっともない事件まで起きる始末です。
 行政に対する国民の不信を払拭するため、公明党は、本年四月、いわゆる不正経理防止法案と会計検査院の事務権限の強化を目的とした会計検査院法改正案を自民党と共同で提出しました。この不正経理防止法案は、公務員にとどまらず、独立行政法人や公益法人等も対象に含め、不適切な会計処理を行った場合、三年以下の懲役刑又は百万円以下の罰金刑を定めた画期的な内容となっております。速やかなる法律の制定を行うべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 国会議員の歳費について伺います。
 国会議員の歳費は月額で支給されており、昨年八月三十日の衆議院選挙後には、二日間だけで八月分が満額支給されたことに国民から疑問の声が上がりました。間もなく実施される参議院議員選挙後にも同様の問題が起こり、新人で当選した場合には任期開始となる七月二十六日から三十一日の六日間だけで七月分の歳費が満額支給されることになります。こうした庶民感覚から考えられない仕組みは改めるべきです。
 公明党は、既に一部自治体で臨時職員などに日割りで給与が支給されているように、国会議員の当選月の歳費を日割り支給にするべきだと考えますが、いかがですか。
 総理は演説の中で、新たな年金制度に関する基本原則を提示する、介護についても安心して利用できるサービスの確立に努めますとおっしゃいました。民主党は一体いつまで検討を続けているんですか。民主党が年金制度の抜本改革を言い出したのは二〇〇三年、既に七年が経過しています。今ごろ基本原則などと言っている場合ではありません。早く具体策を出してください。それができないのなら、抜本改革など撤回していただきたい。総理の答弁を求めます。
 公明党は、新しい福祉について具体的に提案いたします。
 まず、うつ病などの心の病、深刻化するDVや児童虐待、高齢者の孤独死、貧困や不安定雇用など、国民は新たなリスクに直面しています。公明党は、これまで年金、医療、介護など社会保障制度や子育て支援の充実に全力を挙げてきました。しかし、これらの新たなリスクは今までの社会保障、福祉の枠では対応できない課題であります。
 公明党は、福祉の党として、これらの二十一世紀の新たな社会問題に対応するため、新しい福祉を提案しています。社会保障制度の抜本的な充実を図る新しい生活保障、生活の安定に直結する雇用保障の確立に向けた新しい雇用保障、そしてうつ病など現代の社会問題に対応する新しいヒューマンケアの三本柱であります。
 二十一世紀の新しい福祉政策について、特に喫緊の課題であるうつ病対策と介護に絞って伺いたい。
 うつ病は、だれもが身近に接する疾病となっています。うつ病患者は約二百五十万人、不安障害などの気分障害全体では実に一千万人を超えています。もちろん日本だけの現象ではなく、WHOの将来予測では二〇二〇年には総疾病の第二位とまで言われています。
 しかし、患者のうち四分の三は医療機関での治療を受けていません。まず、入口となる職場のメンタルヘルス対策の推進、かかりつけ医の研修事業の拡充など、早期発見の体制整備を図るべきであります。
 また、治療法では、公明党が推進してきた認知行動療法が本年四月の診療報酬改定で健康保険が適用されましたが、まだまだ圧倒的に専門家が足りません。先進的に行ってきた沖縄県精神保健センターでは、実に九二%の方が改善したとの成果が出ている治療法です。認知行動療法の更なる推進、早期発見から治療体制への充実、社会復帰までの支援体制の充実について、総理はどう取り組まれるか、答弁を求めます。
 次に、介護について伺います。
 公明党は昨年十一月、全国三千人の議員が介護現場に飛び込み、全国四十七都道府県で介護総点検運動を実施しました。介護現場では、高齢者や介護家族、介護従事者など、五つの分野で実態調査を行い、十万件を超える介護現場の切実な声を聞き取りました。特に、介護施設、在宅支援、介護労働力という三つの不足に対する不安の声が数多く寄せられました。
 本年二月、公明党独自の新・介護公明ビジョンを発表し、介護と医療の連携の強化、高齢者住宅の整備など、地域の暮らしを支える地域包括ケアの実現を提案しました。
 特に重要課題として十二項目の政策提言を行い、特養ホームなど介護施設の倍増、二十四時間訪問介護サービスの拡充、家族に休息を取ってもらうレスパイトケアの充実などを主張し、その提言に対し鳩山前総理は、大いに政府として参考にする、具体的な内容については厚生労働省などに検討を促すと述べました。
 そこで、総理に伺います。公明党の介護ビジョンを検討した結果はどうなったのか、お答えください。
 また、介護を必要とする高齢者が年々増加する中で、自宅で暮らし続けられるためには、二十四時間三百六十五日の在宅サービスの充実が不可欠であります。ところが、施設介護は定額払なのに対して、在宅介護は出来高払。在宅介護において、施設と同様に定額で提供され、何度でも訪問できる小規模多機能型居宅介護のサービスが普及しなければ、地域包括ケアの実現は難しい状況です。
 総理、小規模の在宅支援事業は全く足りていません。せめて小学校区に一か所以上展開する必要があります。明確な答弁を求めます。
 次に、子育て支援策について伺います。
 初めにお聞きします。総理、来年度以降の子ども手当はマニフェストどおり二万六千円に拡充するのですか。その際、財源はどうするのですか。一部閣僚より見直すとの発言が見受けられますが、ぱらぱらと無責任な発言をせずに、明快に国民に対し来年度以降の姿を示していただきたい。子ども手当は民主党マニフェストの一丁目一番地でした。もし変えるのならば、きちんと説明すべきです。総理、お答えください。
 本年度の月額一万三千円を中学生まで支給する子ども手当は、実質児童手当の拡充であり、公明党が目指してきたものであるところから賛成をいたしました。
 しかし、来年度以降の話は別です。私は、子育て支援は、経済的負担の軽減と保育サービスの一層の充実など、あえて法案を修正して明記させたように、総合的な子育て支援が重要と考えています。
 これからは、待機児童ゼロに向けた保育所の緊急整備や幼児教育と公立小学校の給食費の無償化など、子育て環境の整備にこそ力を入れるべきです。総理の見解を伺います。
 最後に、外交問題について菅首相の基本的姿勢、立場を伺います。
 普天間移設問題をめぐる鳩山前総理の失政により、沖縄県民の期待は怒りへと変わり、日米関係も悪化、普天間問題解決の道のりはかつてなく困難なものとなりました。日米合意では代替施設の位置、配置及び工法に関する検討を八月末までに完了させるとしていますが、本当にできるのですか。
 総理はかつて、沖縄に駐留するアメリカ海兵隊について、沖縄にいなくても極東の安全は維持できる、日本から移転を考えている、一方で普天間の辺野古移転について、不可能だ、県外、国外へ移転すべきだと述べられました。したがって、政権交代当初は、アメリカ海兵隊の抑止力について鳩山総理と同様の認識だったのですか。まず、お答えください。
 日本周辺では、今年三月の韓国海軍哨戒艦の天安沈没事件、昨年のミサイル発射事案、核実験など北朝鮮による挑発的な行動が相次ぎ、地域の平和と安定を損なっています。このような冷徹な事実を前に、鳩山前総理と同様、菅総理は抑止力に対する認識を変えたのですか。変えたのであれば、いつの時点で、どのような理由で改めたのか、お答えください。あわせて、日米安保体制に対する総理の基本的な見解を伺います。
 五月三日から二十八日までニューヨークの国連本部で開かれた核拡散防止条約、いわゆるNPT再検討会議では、初めて核兵器禁止条約に言及した最終文書が全会一致で採択されました。昨年四月五日、オバマ・アメリカ大統領がプラハで核のない世界に向けて行動すると演説して以来、世界の核廃絶への機運は着実に高まっています。
 今月二十六日よりカナダでG8サミットが開催され、総理は初めて参加されます。その場で、今回のNPTで言及された核兵器禁止条約について議論を始めるよう各国のリーダーに提起すべきだと考えますが、総理の所感を伺います。
 質問の最後に一言申し上げます。
 総理は演説の最後に、国民の皆様が私を信頼してくださるかどうかで、リーダーシップを持つことができるかどうかが決まるとの趣旨の発言に、私は耳を疑いました。まずあなたがリーダーシップを発揮することによって、国民の信頼が得られるのではないですか。あなたの主張は本末転倒です。このことを厳しく指摘し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#12
○内閣総理大臣(菅直人君) 公明党山口代表の御質問にお答えをいたします。
 普天間、さらに政治と金のけじめについての御質問がありました。
 内閣総理大臣と与党幹事長が政治的な責任を取り辞任をされたということは、政治的には責任の取り方として一つの大きなけじめだと考えております。この決断を踏まえ、普天間問題については、普天間基地の危険性の除去と沖縄の負担軽減について内閣として全力を挙げる決意であります。政治と金の問題については、企業献金禁止を含め、また不祥事の再発防止に向けて制度の抜本改革を目指してまいります。すなわち、けじめの問題と課題の解決の問題を全くイコールとは考えておりませんで、それぞれがそれぞれとして考えなければならないと思っております。
 小沢氏はしばらく静かにしていただいた方がいいという私の発言についてでありますけれども、小沢前幹事長については検察が二回不起訴としており、また本人も説明をしてきておられるわけですが、一回目の検察審査会で起訴相当と判断され、国民の皆さんの納得が十分に得られなかったということもあって、自ら決断して幹事長を辞してけじめを付けられたものと理解をいたしております。
 鳩山前総理、小沢前幹事長は辞任することで、また残された我々がその決意を受けて政権交代に対する国民の期待にこたえることがそれぞれの責任を果たすことになると考えております。
 私がしばらく静かにしてほしいということを、その方がいいんじゃないかと言ったのは、一般的に、私もかつて年金未納問題、これは社会保険庁の間違いであったことが後に分かりますけれども、そういう問題で責任を取って辞めたときには、一般に責任を取って辞めたときにはしばらくは謹慎しているというのが普通の社会常識でありまして、そういう意味で私は、しばらく静かにされていた方がいいのではないかと申し上げたところであります。小沢氏の問題については、現在検察審査会で議論されている最中でありまして、総理としてこれ以上の発言は慎むべきと考えております。
 荒井大臣の事務所費についての御質問をいただきました。
 閣僚の事務所費問題については、党として調査し、領収書等を公開して、架空計上などの疑惑がないということは明らかになったと承知をいたしております。そのことは党顧問弁護士においても確認をされていると聞いております。なお、支出の中に不適切なものがあったということも指摘されており、訂正願を速やかに提出されることとなっております。
 なお、昨日、官房長官が荒井大臣を呼んで厳重注意をして、不適切な支出については速やかに修正手続を行うよう指示したところであります。
 規正法について御質問がありました。
 鳩山、小沢両氏の政治団体の問題については、検察が捜査し、本人も説明していると理解をいたしております。政治資金規正法の改正、強化については、各党各会派で速やかに御協議に入っていただき、成案を得ていただくことを期待をいたしております。
 さらに、規正法改正について、解明と言われておりますけれども、つまり鳩山氏も小沢氏も政治と金の問題についてその解明をなすべきではないかという御指摘でありますが、両氏の政治団体の問題は検察が全部調べて既に解明していると考えております。国会のことに関しては、各党各会派で御議論をいただきたいと思います。
 公明党提案の制度改正は承知しており、御承知のとおり、鳩山前総理も積極的に検討するため与野党協議を呼びかけられた経緯があったと思っております。反対している政党も存在し、最初から丸のみと言われなくても、採決をすれば成案はおのずと得られたのではないかと思っております。途中から公明党も、制度改正と国会対策をいろいろと関連させられたことから制度改正の議論が頓挫したというように見ておりまして、大変残念なことだと思っております。この会期末に至って今国会成立という主張をされるのではなく、臨時国会では自民党の反対を押し切ってでも規正法改正をすると表明をしていただければ有り難いと思っております。
 企業・団体献金の禁止について御質問いただきました。
 企業・団体献金の禁止については、政治と金にまつわる不祥事の再発防止にも資するものと考えられますが、各党にかかわる問題でもありますので、与野党間で積極的に議論し、成案を得るべきと考えております。
 マニフェストは間違いであったのではないかと御質問をいただきました。
 昨年のマニフェストでは、そこに盛り込まれている政策の財源は歳出などの見直しで対応することとし、二十二年度予算では、子ども手当などマニフェストの実施に必要な財源約三兆円は歳出削減等により確保したということは御承知のとおりであります。国債発行額が四十四兆円に膨らんだのは、税収の大幅な落ち込み等によるものでありまして、これは二〇〇九年のマニフェストでは想定していなかった事態であります。国民の皆様の声を聞きながら、強い財政の実現のため、経済成長を実現する予算編成に加え、税制の抜本的な改革について十分議論していきたいと考えております。
 来る参議院議員選挙において国民の皆様にお示しする政権公約については、現在、個別項目について順次最終的な判断をしているところでありまして、近く発表ができるものと承知をいたしております。
 社会保障のあるべき姿を検討する与野党協議機関の設置についての御質問をいただきました。
 まずは財政健全化という我が国の将来を左右する重大な課題について、与野党の壁を越えた国民的議論を行うことを提案をいたしているところです。山口委員長からも、与野党が一定の責任を持ってこれに当たるということは必要だという御趣旨の話もいただきまして、大変理解をいただいたと思っております。
 また、今日の財政の危機について、私は決して私どもも責任がないとは申し上げませんが、現在のGDP一八〇%を超えるような債務残高の累積には、現在野党になった皆さんの中でも相当程度の責任があるということは改めて申し上げておきたいと思います。まずは財政健全化という我が国の将来を左右する重大な課題について、そういったことから与野党の壁を越えた議論が必要だということで提案をさせていただきました。新内閣は、強い経済、強い経済と同時に強い社会保障の実現を目指すこととしており、社会保障のあるべき姿についてもこうした動きの中で検討してまいりたいと、このように思っております。
 公明党の会計制度の見直しについての御質問でありますが、政府としても、国の財政状況を国民に分かりやすく説明するとともに、財政活動の効率化、適正化に資する財務情報を提供する上で、企業会計の考え方を活用することは有意義と考えております。国全体のストックとフローの状況を一覧で開示する国の財務書類を平成十五年度決算から作成、公表していると承知をしております。今後とも、国の財務状況については的確な開示が進められていくよう、制度的な面も含め引き続き研究してまいりたいと、このように思っております。
 二十三年度予算における財源確保に関する質問をいただきました。
 新内閣においては、昨年の政権交代から始めた改革を続行し、貫徹することを第一の政策課題と掲げております。限られた人材、予算を有効に活用するため、事業仕分の実施など、これまで推進してきた無駄遣いの根絶を一層徹底する所存であります。したがって、二十三年度予算編成に当たっても、行政刷新会議等を活用しつつ、歳出と歳入両面にわたる徹底した予算の見直しを行うことにより、必要な財源を確保してまいりたいと考えております。
 二十三年度予算編成とマニフェストの見直しに関する質問をいただきました。
 我が国財政については、税収の大幅な落ち込みやギリシャ問題などで、二〇〇九年のマニフェストでは想定していなかった事態が生じております。こうしたことを踏まえつつ、国民の皆様の声を聞きながら、強い財政の実現のため、与野党の壁を越え、十分議論をしていきたいと思います。マニフェストについては、踏襲するべきものは踏襲し、改めるべきものは改めてまいりたいと思っております。財政規律については、中期財政フレームや財政運営戦略をまとめ、今最終段階に来ておりまして、そう遠くない時期にお示しすることができると思っております。
 シーリングに関する御質問をいただきました。
 二十三年度以降の財政運営に関しては、今月中に複数年度を視野に置いた中期財政フレームをつくるとともに、中長期的な財政規律の在り方を含む財政運営戦略を策定し、近く提示をいたしたいと思っております。
 シーリングという手法については、私ども、今年の予算に関してはこの手法を取りませんでした。なぜかと申し上げますと、ややもすれば、このシーリングというやり方は、中身よりもとにかく、この省庁はマイナス五パーだとかこの省庁はマイナス三パーだとか、そういう数値目標は目標として一定の意味はありますけれども、本来なら二〇%ぐらいカットする、本来なら一〇%ぐらい増やす、そういうふうなめり張りの付いた予算編成には、必ずしもこのシーリングというやり方を取ることが望ましいとは思わなかったからであります。
 シーリングについては、基本的な方向性を出した上で、一定の範囲で予算編成の手法として使うことの有効性は認めるわけですが、今申し上げたような大きなところでは、特に次の予算の編成では成長戦略を出しますので、その成長にいわゆるプラスになるもの、マイナス、マイナスといいましょうかプラスにならないもの、そういう判断基準を持って優先的な予算編成を行いたい、このように考えております。
 新規国債発行額及び予算規模に関する質問をいただきました。
 我が国の財政状況は主要先進国の中で最悪の水準にあり、市場の信認を確保するため、二十三年度予算については、財政健全化に向けて二十二年度の新規国債発行額である四十四・三兆円という目標は何としても実現、実行していきたいと考えております。
 なお、御承知のように、この金額は決して、持続可能な数字であるかといえば、必ずしも私は持続可能な数字だとは思っておりません。ですから、私たちも中期的、長期的なものを出そうと思っておりますが、まさに与野党を超えて、本当にこの程度の国債を出し続けることがいいのか、できるのか、そういった議論を党派を超えてお願いをいたしたいと改めて申し上げておきたいと思います。
 二十三年度の予算の規模については現時点でお答えすることは困難でありますが、いずれにしても、歳出歳入両面にわたって徹底した予算の見直しを行ってまいる所存です。
 グリーン産業革命について御質問いただきました。
 新成長戦略において、グリーンイノベーションによる環境・エネルギー大国の実現を目標と掲げております。その実現のためには環境・エネルギー分野における革新的技術開発への重点投資等を推進することが重要と認識しており、成長戦略を具体化する作業を急ぎ、今月中にはその全体像を示していきたい。公明党が主張されていることとも基本的には共通した考え方だと思っております。
 対日投資とアジア拠点化についての御質問をいただきました。
 近年、企業の工場に加えて研究開発や本社まで海外に移転する動きがあり、危機感を抱いているところであります。日本の繁栄には、外国企業や投資家が我が国に入ってくるよう、人、物、金の流れを阻害するあらゆる制度を見直すとともに、インフラや誘引措置を整備する必要があると考えております。一丸となって大胆な改革を実行し、日本をアジアの拠点として復活させてまいりたいと思っております。この考え方も公明党の主張されていることと相当程度共通ではないかと思っております。
 産業構造の転換のための施策についての御質問をいただきました。
 御指摘のとおり、新たな時代に対応した産業構造を構築するためには、環境・エネルギーや医療、介護などの分野で課題解決型の国家戦略によって重点投資を促していくことが重要だと考えております。また、インフラシステム輸出を積極的に進めていくことなどを通して、アジアと一体となった成長を進めていくことが重要であると、このように考えております。
 人口減少、少子高齢化への対応についての御質問をいただきました。
 これまで社会保障は、経済成長の足を引っ張る負担とみなされる傾向がありましたが、医療や介護など、雇用創出を通じて成長をもたらす分野が多く含まれていると認識しております。このため、新成長戦略において、ライフイノベーションを重点分野に位置付け、成長戦略の視点からも強い社会保障を目指すという考えを示しております。
 さらに、成長分野を担う人材の育成を推進するため、産業構造の変化に対応した実践的な能力育成を推進するなど、国民一人一人の能力を高め、厚みのある人材層を形成していきたいと考えております。また、社会保障、福祉の分野にも資するような物づくり基盤技術の高度化や福祉用具の開発を支援しているところであります。引き続き、物づくり中小企業を取り巻く環境の整備を含めて支援することが重要だと思っております。
 二五%目標の前提条件を外すことに関しての御質問をいただきました。
 二五%削減目標の前提条件については、主要国の背中を押して積極的な取組を促すことを意図したものであります。むしろ、我が国の掲げる前提条件が満たされるような有意義な合意の形成に向けて最大限の努力を傾ける所存であります。
 一方で、この法案では、二〇五〇年までに一九九〇年度比八〇%削減という長期目標も掲げており、長期目標の達成に資するよう政府一丸となって国内対策等について講じることとしております。
 私としては、環境・エネルギー分野は我が国の強みを生かす成長分野と考えており、今月中に取りまとめ予定の成長戦略においてもグリーンイノベーションとして積極的に打ち出してまいりたいと考えております。
 二五%削減のうち、国内削減目標について御質問がありました。
 二五%削減のうち国内削減分をどの程度とするかについての数値目標を示すことは、これ自身私は意味がないとは申しませんが、国際交渉をする上では、先ほども言ったように、我が国もここまでやるからあなたのところもやってくれという、そういう意味での国際的な交渉に影響があるということもあり、また、技術的にもいろいろと問題点があると思っております。しかしながら、私は環境・エネルギー分野は我が国の強みを生かす成長分野と考えており、まずは、可能な限り国内削減分を増やすよう努力をすべきと考えております。
 国家公務員制度の改革の進め方について御質問いただきました。
 今国会において、内閣人事局を設置し、内閣による人事管理機能の強化を図るとともに、民間人材登用・再就職適正化センターを設置し、国家公務員の退職管理の一層の適正化を図ること等を内容とする国家公務員法等改正案を提出し、御審議をいただいたところであります。改革は道半ばであり、引き続き、国家公務員制度の見直しに政治主導で取り組み、天下り禁止などの取組を本格化させていく所存であります。
 公務員等の不正経理防止と会計検査院の機能強化についての御質問をいただきました。
 政府としても、公務員等の不正経理の防止の徹底を図るとともに、会計検査院の機能を向上していくことは重要な課題であると認識をしております。御指摘の問題意識は共有しているつもりであります。
 提出をいただいております不正経理防止法案及び会計検査院法改正案については、政府としても、不正経理に対する罰則や会計検査院の事務権限の強化の在り方など、関係機関における十分かつ慎重な検討を行う必要があると考えておりますが、いずれにせよ、税金の無駄遣いを一掃すべく、引き続き予算執行の適正化に向けて積極的に取り組んでいく所存であります。
 国会議員歳費の日割り支給について御質問いただきました。
 国会議員の歳費の日割り支給の是非については、国会の機能と議員の役割、国民の声を踏まえつつ、積極的な議論が行われるべきと考えております。また、国会議員の待遇にかかわることでもあり、各党各会派で十分に御議論いただくべき課題であると考えておりますが、民主党の政治改革推進本部でも同様な議論を行ってきていると承知をいたしております。
 年金制度の改革についての御質問をいただきました。
 年金制度については、公平、透明で新しい時代に合った制度について、平成二十五年の法案提出を目指し、党派を超えた国民的議論を始めることが必要だと考えております。このため、仕事が変わっても変わらない年金制度の構築などの内容を盛り込んだ基本原則を今月中をめどにできる限り分かりやすくお示ししたいと思っておりますが、この日程、少しきついところもあるかもしれませんので、御容赦をいただきたいと思います。
 総合的なうつ対策についての質問をいただきました。
 うつ病は患者数も多く、まただれでもなり得ることから、早期発見、心の病に関する医療の質の向上、職場等への復帰支援が重要な課題であります。今年四月の診療報酬改定では、うつ病に有効とされる認知行動療法を新たに評価をいたしたところであります。今後も、相談体制や訪問支援、職場におけるメンタルヘルス対策の充実を図り、うつ病の方を総合的に支援していくこととしたいと思います。
 公明党の介護ビジョンについて御質問いただきました。
 高齢化が進展していく中で、介護が必要になっても地域で安心して暮らすことができる体制を構築することが重要であるという認識は共通にいたしております。このため、公明党から提言のあった事項についても、介護基盤の整備や介護職員の処遇改善を進めるとともに、二十四時間地域において巡回する訪問介護サービスなど、在宅サービスの充実の検討などを進めているところであります。今後、介護サービスの将来の見通しを示しつつ、地域において介護、医療や様々な生活を支援するサービスが連携した地域包括ケアシステムの構築に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 小規模多機能型居宅介護の普及についての御質問をいただきました。
 小規模多機能型居宅介護については、平成十八年の創設以来、年々利用者が増加し、現在四万人程度の方々が利用をされ、着実に普及が進んでおります。平成二十一年四月の介護報酬改定における経営安定化のための新たな加算の創設などの支援策を講じたところであり、今後とも、これらの施策の活用により普及を図るなど、在宅サービスの充実に努めてまいりたいと考えます。
 来年度以降の子ども手当についての御質問がありました。
 平成二十三年度以降の子ども手当については、現在、党の方でも議論されているところでありますが、現行の一万三千円の手当額の上乗せ分については、今後、国民の皆様の御意見も十分に勘案しながら、保育サービスの充実など現物支給することも含め、財源の在り方とともによく検討してまいりたいと考えております。
 子育て環境の整備についての御質問をいただきました。
 保育所については、安心こども基金を活用し、集中、重点的に整備を進めていきたいと考えております。また、子ども・子育てビジョンに基づき、待機児童の解消に向け保育サービスの充実を図るなど、子供の育ちを社会全体で支え合う環境づくりに取り組んでまいりたいと思います。
 さらに、すべての子供に質の高い幼児教育、保育を保障する幼保一体化を含め、次世代育成支援のための包括的、一元的な制度の構築について、速やかに基本的な方向をまとめ、平成二十三年の通常国会に法案として提出をすべく努力をしているところであります。
 在沖海兵隊の県外、国外移転に関する私の過去の発言と抑止力に対する認識についての御質問をいただきました。
 我が国周辺の東アジアの安全保障環境には、最近の朝鮮半島情勢などに見られるとおり、不安定性、不確実性が強く残っております。したがって、海兵隊を含む在日米軍の抑止力は、安全保障上の観点から極めて重要だと認識をいたしております。
 私の過去の発言について、その発言そのものを否定するつもりはありません。と同時に、時代の変化の中で、ある時期米ソの対立が、つまりはソ連が崩壊して、ある時期には平和のある種の配当と言われた時期もあり、緊張が緩和した時期もあり、また一方では九・一一のテロ等があり、最近のより厳しくなっている北朝鮮問題もあるわけでありまして、現在私が内閣総理大臣としてその職に就いた中での認識はただいま申し上げた認識であることを改めて申し上げておきたいと思います。
 日米安保体制についての御質問をいただきました。
 我が国周辺の東アジアの安全保障環境には、先ほど申し上げたように、朝鮮半島の情勢等に見られるとおり、不安定性、不確実性が残っております。このような状況が近い将来大幅に改善する見込みは、現在のところまだ見込まれてはおりません。
 このような現実の中、日米安保体制が引き続き我が国の安全保障の基軸であることには変わりありません。日米安保条約五十周年を記念する本年、二国間関係のみならず、アジア太平洋地域情勢やグローバルな課題についても緊密に協力していき、日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で着実に深化、発展させていきたいと考えております。
 核兵器禁止条約についての御質問をいただきました。
 核兵器禁止条約については、NPT運用検討会議の最終文書において、国連事務総長による提案として言及されていることは承知をいたしております。他方、核兵器禁止条約については、現時点で核兵器保有国を含む多くの国が受け入れていないのが実情であります。今月末に開催されるG8サミットも含め、様々な機会において、我が国は唯一の被爆国として、核兵器のない世界に向け、先頭に立ってリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣荒井聰君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(荒井聰君) 山口代表にお答えいたします。
 私の事務所費問題の件ですが、昨日、衆議院本会議で答弁させていただいたとおり、御指摘の点を含め、現在、弁護士事務所や監査法人等において厳正かつ客観的なチェックを受けているところでございます。その結果を待って、必要な部分は修正することといたしてございます。(拍手)
#14
○議長(江田五月君) 答弁の補足があります。菅内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#15
○内閣総理大臣(菅直人君) 一点答弁漏れがありましたので、おわびを申し上げ、補足をさせていただきます。
 普天間基地移設問題に係る工法等の検討時期に関する御質問をいただきました。
 本年五月二十八日の日米合意を踏まえるという原則はしっかりと守ってまいります。また、同日の閣議決定でも強調されたように、沖縄の負担軽減に尽力する覚悟であります。
 このような原則の下、本年八月末までに、代替の施設の位置、配置及び工法に関して日米の専門家の間での検討を終えることとなっております。さらに、これと並行して、移設計画や負担軽減の具体策について沖縄県を始め地元の方々に誠心誠意説明し、理解を求めてまいりたいと思います。
 先ほど自民党の議員の方の御質問にもお答えしましたように、今日、この六月二十三日に沖縄の全戦没者慰霊の式に私が出席をするということを申し上げましたら、仲井眞知事がそのことも含めて官邸においでをいただきまして、いろいろな意見をお聞かせをいただきました。二十三日の沖縄訪問がある意味での総理としてのこの問題に対して取り組むスタートの日になる、しっかりと沖縄の皆さんとの誠意ある話合いを始めさせていただきたいと、このように思っております。(拍手)
#16
○議長(江田五月君) これにて午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十一分開議
#17
○議長(江田五月君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の演説に対する質疑を続けます。佐藤正久君。
   〔佐藤正久君登壇、拍手〕
#18
○佐藤正久君 私は、自由民主党、元自衛官の佐藤正久です。
 まずは、総理、御就任おめでとうございます。ただ、過去の反省なしに前進はありません。もし答弁が不明確、不十分であれば、再質問、再々質問を行うことをあらかじめ申し上げておきます。
 今、菅総理に対する国民の大いなる懸念と深刻な不安は、北朝鮮と総理との親密過ぎる関係です。平成十年四月、総理が民主党代表に就任した党の結成大会で、あろうことか北朝鮮の朝鮮労働党や朝鮮総連、中国共産党からお祝いメッセージが寄せられ、それを晴れ晴れしく紹介されていました。総理、もちろん覚えていますよね。どういう関係なのでしょうか。我々は強い衝撃を受けました。
 さらに、菅総理はかつて在日韓国人政治犯釈放のため署名、嘆願しています。政治犯が日韓両国民の友好のきずなとして働くことができるよう、心からお願いするものでありますと。釈放を求めた政治犯の中には、日本人拉致容疑者である辛光洙も含まれています。辛は、原敕晁さんを拉致した上、その原さんに成り済まし、日本と韓国で工作活動を行い、横田めぐみさんを拉致した作戦の責任者と言われています。その辛光洙の釈放運動に、菅総理御自身に加え、総理が再任した千葉景子法務大臣、そして江田五月議長らが協力し、支援したのです。
 横田めぐみさんのお母さん、早紀江さんにお目にかかった折、お母さんはこうおっしゃっていました。あなたの子供が拉致されたらと思って、目の前で子供がおぼれている、助けたいと思うでしょう、そう思ってこの問題に当たっていただきたいと。何の罪もない親子が北朝鮮のテロ行為によって仲を引き裂かれてしまいました。しかし、菅総理、あなたは拉致された日本人と家族の希望ではなく、何と拉致した実行犯とその家族の希望を願ったのです。繰り返すが、あなたが願ったのは拉致実行犯とその家族の希望ですよ。
 このような総理に、このような内閣に本当に私たち日本国民の命運を預けることができるのでしょうか。総理に就任された今、過去の言動とはいえ、日本国の国会議員としてあるまじき軽薄な政治姿勢と許し難い行動に恥じるところはありませんか。天に恥じるところはありませんか。国民が納得できる謝罪、御存念をお聞かせください。
 現在の日米関係は、残念ながら戦後最悪と言われる惨状に陥っています。関係悪化の直接の原因は、言うまでもなく普天間問題でした。民主党政権は、軍事問題であるにもかかわらず、軍事的合理性や抑止力について議論もせず、沖縄の負担軽減のみを議論してきました。
 その結果、迷走に迷走を重ね、公約だった国外、最低でも県外をあっさりとほごにしました。最終的な結論は、驚くべきことに、民主党がずっと否定し批判してきた県内、しかも辺野古崎でした。何だったのか、この八か月。学べば学ぶにつけ自民党案に近づいてくる。その間、自民党案のどこが悪いか一言も説明することなく、ただひたすらゼロベースで検討するという答弁の繰り返し。まさに知識がゼロベースとの批判が出たぐらい情けないものでした。
 そのお勉強のために想像を絶するほどの税金と空虚な政治活動に沖縄県民を始め国民は振り回され続けてきたわけです。総理、あなたは九日の会見で官邸を修行の場などと例えていましたが、だれのために政治を行うおつもりか。官邸は断じて修行や勉強の場ではありません。普天間問題がほぼ現行案に戻るなら、このお勉強こそが無駄遣いの最たるものです。国民はスーパーコンピューターではなく、謝れば無駄も約束ほごも許されるという民主党政権の体質こそを事業仕分してほしいと考えています。十一人もの閣僚が再任された菅内閣は、居抜き内閣であることを踏まえると、再任された外務、防衛、沖縄北方担当は無駄にした実費を国庫に返納すべきではないでしょうか。総理のお考えをお伺いします。
 前内閣は、八か月間の迷走を小さな一歩かもしれないがと総括しました。何が一歩か。あなた方は全く分かっていない。振出しに戻ったどころか、深い深い大きな傷を沖縄の方々に負わせた状態ではないですか。菅総理御自身は、副総理としてどのように鳩山前総理を補佐したのでしょうか。副総理とは名前だけですか。あなたは目を閉じて国会で惰眠をむさぼるだけではなく、口まで閉じて普天間問題から逃げてきたとの批判もあります。この迷走の結果、どのような国益を失い何を得たと総括しているのか、総理、沖縄県民や米国を頭に浮かべながら率直に答弁をしてください。
 さらに、国民の多くは、菅内閣は普天間問題を解決する決意と覚悟があるのか、できるのかと強い疑念を抱いています。それは、関係閣僚がそのまま居座り、責任を取っていないからです。民主党の皆さんは、官僚の方々を、失敗しても責任を取る必要がない、政治家と違い選挙の洗礼を受けていない、果ては大ばか者と口汚くののしりながら、脱官僚依存、政治主導と繰り返してきました。菅総理を首班とする民主党政権にそうした官僚批判をする資格があるでしょうか。いいですか。はっきり言います。資格は全くありません。
 更に強く言いたいことがあります。さきの総選挙において、普天間国外、県外移設を訴え当選した沖縄の与党議員は辞職すべきであり、党代表の菅総理も辞職を促すなど責任を明確にすべきです。恥ずかしげもなく居座り続けることは国民を愚弄した行為と言わざるを得ません。総理、明確に御答弁願います。
 総理に関係閣僚の再任理由を伺います。例えば、ある会社が会社の存立を揺るがす愚かな大失敗を犯したとします。にもかかわらず、社長と秘書室長だけが引責辞任し、名実共にナンバーツーの副社長が反省の色も見せずあっさりと社長に昇格し、担当重役もそろって居座り続ける、そのようなことが常識で考えて許されるでしょうか。民間では絶対あり得ない話です。
 北澤、岡田大臣は憶面もなく再任されました。指名する方も指名する方ですが、受ける方も受ける方です。それは、鳩山退陣の陰の論功行賞なのでしょうか。なぜ再任したのか、午前中の答弁はちんぷんかんぷんでした。明確にお答えください。
 国民の目には、関係閣僚は責任感が欠如しているとしか映りませんでした。特に、地元調整の主管大臣の北澤防衛大臣は、週末にはほぼ選挙区の長野に帰ってしまう。普天間の政府方針を決めるはずであった三月もそうでした。防衛医科大学校の卒業式を副大臣に任せ、自分は選挙区で政治活動、こんなことはこれまでの大臣ではあり得なかったことです。しかも、鳩山前総理が沖縄訪問し、罵声の中お願いしている際に、北澤、岡田大臣は共に外遊に出かけておりました。この責任感のなさ、どういうことでしょうか。現場で苦労している沖縄防衛局の職員が気の毒でなりませんでした。
 更にあきれてしまったのは、米軍施設を迷惑な施設、迷惑施設と断じた、耳を疑うような北澤大臣の四月八日の国会答弁です。日米がぎくしゃくしている中、担当閣僚がこんな認識では解決できないと思いました。また、日本を守るために命を懸ける可能性がある米軍の兵士や家族にも大変失礼な話です。もし自衛隊基地を迷惑施設と言われれば、北澤大臣も顔を真っ赤にして怒るはずです。
 総理、地元調整で二度と過ちを起こさないためにも、関係閣僚には選挙より閣僚の仕事を優先せよと当たり前のことを改めて指示すべきです。選挙より仕事を徹底するお考えはありますか。
 続いて、普天間基地移設の具体的な進め方についてお伺いします。
 日米合意を引き継ぐのであれば、八月末までに滑走路の位置、工法などの日米専門家の合意を終え、次回の2プラス2までに政府間合意を完了させることになります。ところが、日米合意には、地元調整の話が一切何も書かれておりません。沖縄の方が、ふざけるな、沖縄差別と言うのは当たり前です。外務、防衛大臣の記者会見を調べても、八月末の話にしても、2プラス2に関しても、沖縄の合意は絶対条件ではない旨のことを堂々としゃべっています。こんなことを言う外務大臣や防衛大臣で地元調整なんてまとまるはずもなく、恐らくまとめるつもりもないのでしょう。
 我々自民党は、滑走路の位置、工法を決めるにしても、丁寧に地元との協議を重ねながら慎重に日米合意を進めてきました。基地問題は、外交問題と同時に内政問題です。汗をかく量も外交二割に対して内政八割と言葉があるように、地元合意が最も重要で中心に位置付けられるべきものです。菅総理が地元の頭越しに滑走路建設を決めてしまうのであれば、鳩山前総理と同じく、地元の方々をばかにした話です。余計なお世話かもしれませんが、再び関係閣僚のおかげで新内閣が退陣となるでしょう。八月末にせよ、次回の2プラス2にせよ、地元の合意なくして日米合意はあり得ないと、総理、この場で国民に、そして沖縄県民に約束する考えはありませんか。明確に御答弁ください。
 また、鳩山総理は辞任に際し、沖縄県民に一切謝罪していません。基地を押し付け、途中でほうり投げたことに沖縄県民も怒っています。沖縄に行き、直接謝罪するべきです。総理、今月二十三日の沖縄訪問の際、鳩山前首相を同行し、知事や市長、住民に謝罪し、そして住民対話をする考えがあるのか、お伺いいたします。
 総理、いいですか、埋立てにせよ、桟橋方式にせよ、工事を始める前には県知事の許可が必要です。地元市長が同意をしていないのに、県知事が許可を出せると思いますか。市民派を最大の売りにしてきた総理が堂々と市民を無視するのですか。
 総理、稲嶺名護市長は移設反対で当選されましたが、稲嶺氏を選挙支援したのは今の与党です。民主党が応援して辺野古移設反対の市長を当選させておきながら、それから数か月たって、その民主党が平然と辺野古に基地を造ることを決めてしまう。理解不能です。訳が分からない。
 総理、名護市長の任期はあと三年半です。今朝の会談にあったように、知事も厳しいという見方をし、知事も埋立てを許可するかどうか分からない。どうやって二〇一四年の移設完了を果たすのか。総理、最大の当事者であります沖縄の方々に対してこの場で説明してみてください。しっかりと明確な答弁を求めます。また、その際、沖縄の知事権限を取り上げる特別措置法を使う可能性についても答弁願います。そうした特措法を使わないのであれば、明確にここで特措法は使用しないと明言してください。
 また、総理、現行の辺野古の工期を御存じでしょうか。約五年掛かるんです。既に九か月も浪費しています。年末から工事を始めても、二〇一四年までに四年しかありません。新たな環境評価には更に二年ないし三年掛かります。知事の許可も下りるかどうか分からない。二〇一四年末までに普天間移設完了が難しいのであれば、今度は厚木から岩国への艦載機の移駐など、ほかの在日米軍再編にも影響が出る可能性もあります。
 二〇一四年までの移設が難しい場合、沖縄の負担の軽減の観点及び他の再編事業への影響を最小限に抑える観点から、海兵隊司令部要員など約八千人とその家族約九千人を普天間基地の移設に先立ってグアムに移駐させる、嘉手納以南の一部の土地の返還を前倒しすることも一案だと考えますが、総理の御所見を伺います。
 さきの日米合意では訓練移転も記載されています。まだ個別具体的な移転先や訓練内容は想定していないなどとしながら、なぜか徳之島だけがしっかりと明記をされ、施設整備にまで言及しています。何ですか、これは。地元の合意も軍事的合理性の説明もないまま記載され、徳之島の方々は大変怒っています。前官房長官からは、訓練移転の項目には記載はされているが、訓練以外の米軍の活動も想定しているため徳之島を記載したとの答弁、これは基地の一部機能移転のことでしょうか。官房長官、訓練以外の米軍の活動とはいかなるもので、それを徳之島で行うことがどのような軍事的合理性を持つのか、御説明願います。
 更に許せないのは、思いやり予算です。外務大臣は認めていますが、なぜ米軍の施政権が及ぶグアムの米軍基地整備に思いやり予算を使うことを検討しないといけないのですか。これまで民主党は思いやり予算自体に批判してきたのではないでしょうか。総理、何でこんな話になってしまっているのか。日米どちら側から言い出したことなのか。あなた方が勝手に使おうとしているお金はすべて国民の財布から出ている税金です。筋を通してください。明確に答弁を願います。
 民主党は日米同盟の深化と東アジア共同体の創設を明言しています。他の政策同様、ここでもあなた方の政策は観念的で言葉だけが躍り、具体的な中身は一向に見えません。菅総理が考えている東アジア共同体とはどのようなもので、それをどのようなプロセスで、いつまでに創設する計画なのか。民主党の総理ですから、きっと腹案とやらをお持ちのことと思います。いつまでも腹案とごまかさず、具体的に御説明ください。日米同盟の深化についても同様です。果たしてどこをどう深化させるのか、具体的にお答えください。
 また、今後の在日米軍再編協議の中で、米国の打撃力、核抑止力をどのように位置付けるのでしょうか。米国の戦術核廃棄に伴い核抑止力が低減する可能性について、総理はどのように評価、判断されているのでしょうか、答弁を願います。
 また、打撃力も今後もアメリカに依存するのであれば、その拠点の一つである普天間飛行場を将来できれば海外へ移転させたいなどというのも随分と虫の良い身勝手な話ではないかと思います。是非、どうやって海外移設を具体化させるのか、説明願います。よもや、何の根拠もなく希望的観測を振りまいているなどということではないと思います。政権を担っている以上、一言一言の重みを十分に理解した上で言葉を吐いているはずでしょうから、総理、お考えをお聞かせください。
 鳩山前総理は、二十年以上も国会議員をやっていながら、総理に就任して八か月、辞任間際になってようやく抑止力を学んだそうです。民主党の政治家は総理の立場になって初めてお勉強や修行をするそうですから仕方のないことかもしれませんが、国民にとってはいい迷惑です。
 さて、菅総理は、平成十七年七月、沖縄宜野湾市の労組の大会で、チャンスでありながら、日本政府は沖縄に海兵隊を残す、あるいは動かさないようにしていると発言し、さらに十九年十月、記者会見で、海兵隊は全部グアムなどに帰ってもらっても日本の安全保障上それほど大きなマイナスにはならないと海兵隊不要論を力強くおっしゃっていましたね。国民は、こう繰り返してきた総理の御発言に大変注目していたと思います。
 ところが、テレビを見ていた我々が目にしたのは、就任直後から平然と普天間基地移設は日米合意どおりとおっしゃる総理の姿です。我々にはさっぱり分かりません。普通の頭で考えれば、これは不整合あるいは矛盾と言うべきものではないでしょうか。自分の本当の真の考えを総理の所信表明で隠すということは許されないことです。総理、違いますか。
 総理、あなたがこれまで自信満々に口にしてきた言葉のうち、どれを信じてよくて、どれを信じてはいけないのか、これも御教授いただけないでしょうか。民主党というのは、代表に就く方であっても、過去の約束との整合性は問われないものなのでしょうか。総理、綸言汗のごとしという格言を御存じですか。以前とは立場が変わったから発言も変わったでは、カンはカンでも変節漢と言わざるを得ません。
 総理は、既に現在の立場について修行などと予防線を張っていらっしゃいますが、前任者のように、浅かったと言われればそのとおりかもなどと口にすることがないようにお願いいたします。総理は、いやしくも日本政府の代表、日本国民の代表です。代表が変節漢では日本が変節漢と受け止められてしまいます。今ここではっきりと過去の発言との整合性についてお答えください。
 そもそも、総理は在沖米軍の抑止力の意義をどのように考えているのでしょうか。鳩山前総理は、朝鮮半島を例に挙げて在沖海兵隊の重要性を強調しておられましたが、在沖海兵隊の抑止力の意義、またその中に占める普天間海兵隊の役割について、総理がどのようにお考えなのか、明確に答弁をしてください。その意義の中には、台湾海峡の安定と尖閣諸島を含む南西諸島防衛も入るのか、それに普天間海兵隊がどのような役割を果たすのかも併せ、逃げずに明確に答弁願います。
 自民党は、自衛隊の国際協力活動の一般法や在外邦人の避難措置の法律を今国会に提出しましたが、民主党には、箇条書程度のものはあっても防衛政策と呼べるようなものは全くありませんし、議論もない。菅総理は、鳩山前総理のように駐留なき安保や実態が伴わない自主防衛路線を進めるおつもりですか。菅総理御自身の安保政策や防衛力整備の理念、主軸をお聞かせください。ただ、国民が不安になるような、安保の理念を検討中とかないとかの答弁は絶対やめていただきたい。
 また、自民党は防衛計画の大綱への提言をまとめ、先週政府に提出しています。基本的な安全保障政策で二大政党間で大きな差があってはなりません。大綱見直しに当たって、与野党協議を行う考えはありませんか。明確な答弁を求めます。
 自衛隊は、国連PKOだけではなく、海賊対処にも汗を流しています。国内でも、昨年は新型インフルエンザ、今年は口蹄疫災害派遣など自衛隊の任務は拡大しましたが、その任務を遂行する自衛官の増員は認められていません。
 昨年の事業仕分でも、法的な権限も不明確な仕分人の蓮舫議員が、第一線部隊実員充足要求を却下し、事実上の現状維持も認められないとの結論でした。これにより、警察官や消防士は増加の傾向ですが、自衛官は来年三月までに約三千五百人の削減が決定しました。第一線の現場からは、人のやりくりが付かず、もう限界との悲鳴が聞こえています。三千五百名というのは、航空自衛隊でいえば、例えば北海道の千歳、青森の三沢のこの二つの航空団がなくなるに等しい計算になります。自民党は、この現状にかんがみ、任務遂行に必要な人員の増と防衛費の増額を党の公約として掲げました。
 総理、奇兵隊に夢やロマンを求めるのも結構ですが、現実の世界であなたが最高指揮官を務めるのも自衛隊です。そのことを少しは考えたらいかがでしょうか。国民の命を守り、災害派遣などをしてくれるのは、残念ながら奇兵隊ではありません。あなたの頭の片隅にでも今現在の国民のことが浮かぶなら、奇兵隊よりも先にしっかりとした自衛隊への見識を語るべきです。総理、お願いします。
 総理、あなたは副総理としてアメリカを公式訪問し、アーリントン墓地に献花をささげました。そのことは素直に評価したいと思います。その上で伺います。これまで靖国神社を参拝したことはありますか。また、今後、総理在任中に靖国神社を参拝される予定はありますか。ないなら、参拝しない理由は何か。米国兵士を慰霊しながら、我が国難に殉じられた英霊を祭る靖国は参拝しない。なぜそう判断するのか。英霊の遺族を含め、国民が納得できる御説明をお聞かせください。
 加えて、鳩山前政権が実現を目指していた外国人地方参政権や選択的夫婦別姓についてはどのようにお考えなのでしょうか。我々はいずれも日本国の命運を左右する重大な問題だと考え、反対の立場です。同じ民主党政権として、前政権の方針を踏襲して両方共に実現を目指すのか、そうではないのか、明確にお答えください。
 さらに、総理、あなたは今、自衛隊の最高指揮官です。この重責を今後どう果たしていくおつもりなのか。そもそも、あなたにとって守るべき国益とは何ですか、答弁を求めます。
 その国益を断固守っていく姿勢をお持ちなのか、正直不安も感じます。なぜなら、あなたはかつて国旗・国歌法案にも反対した政治家です。そうした過去の判断は浅かったとお認めになりますか。あるいは、その後、学べば学ぶにつけ、考えが変わったのでしょうか。閣僚の中にも国旗・国歌法に反対した方もいますし、今でも国旗に敬礼しない閣僚もいる。総理、あなたは今日の本会議においても国旗に敬礼をしていません。自衛隊員は、毎朝、国旗を掲揚し敬礼します。君が代も歌います。私も迷彩服に日の丸を付け、イラクに赴きました。
 総理、あなたは自衛隊の最高指揮官です。今後、日の丸を背負い、君が代を歌い、国を守り抜く覚悟はあるのか、責任ある答弁を求めます。
#19
○議長(江田五月君) 佐藤君、時間が超過しております。簡単に願います。
#20
○佐藤正久君(続) 最後に、総理、普天間問題や口蹄疫問題、経済対策等、これだけ大事な問題が山積みです。なぜ予算委員会を開かないのか。小沢さんより選挙第一が菅直人の本性ですか。決して逃げたり責任逃れしない、それが菅直人という政治家のはずです。まずは、今ここで私の質問に逃げずに正面から答えてください。官僚の作文ではなく、眼鏡を掛けずに御自身の言葉でお願いします。もしあいまいな答弁に終始するなら、以前あなたが批判をしてきた政治をあなたが続けることになるのです。
#21
○議長(江田五月君) 佐藤君、簡単に願います。
#22
○佐藤正久君(続) 予算委員会を開いて菅直人のその考えを国民に示して、そして選挙に臨む、これが筋です。
 最後にそう訴え、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#23
○内閣総理大臣(菅直人君) 佐藤正久議員の大変熱のこもった御質問にできるだけしっかり答えてまいりたいと思います。
 まず、私の過去の言動等についていろいろと御指摘をいただきました。
 辛光洙工作員の助命、釈放要望という問題でありますが、この問題、何度かNHK討論や衆議院などでも指摘をされ、その都度お答えをいたしておりますが、重なりますが、若干御説明をしたいと思います。
 たしか全斗煥大統領当時でありますが、大統領が訪日されるに当たって、日本生まれの在日韓国人の学生が韓国で民主化運動を行って逮捕され、死刑判決などを受けた方があったと。当時、社会党を中心に、その人たちに対するそうした釈放要求をしたいということで、公明党からも署名が集められ、当時私は社民連という小さな政党におりましたが、田英夫さんが党首で土井たか子さんとも近かったものですから、こういう趣旨だということでこの協力要請がありましたのでサインをいたしました。しかし、その要望書の釈放要求の中に辛光洙という名前が入っていたということは私は全く知っておりませんでした。しかし、そうした名前を細かくきちっと確かめないで署名したということは政治家として不用意なことであり、反省をいたしているところであります。
 普天間基地に関係した経費について、国庫に返納すべきではないかということであります。
 確かに、この普天間基地をめぐる問題でいろいろとある意味での迷走状態があったということを鳩山総理自ら認めて、その政治と金の問題も含めて辞任を自らされたわけであります。佐藤議員とはこのことで何かお金を返す返さないということになるというふうな見方を私は必ずしもいたしておりません。普天間基地の基地の除去と沖縄の負担軽減に向けた様々な検討と努力がなされたわけでありまして、それがすべて無駄遣いであったというふうには思っておりません。
 鳩山前内閣により失った国益と得られたものについてという御質問がありました。
 鳩山前総理は率直に普天間問題についての政治責任を認められて、退陣という総理として最も重い決断をされたわけで、政治的に一つのけじめを付けられたものと、このように理解をいたしております。もちろん、それによって普天間問題が解決したわけではありません。新内閣においても、日米合意を踏まえつつ、普天間基地の危険性の除去と沖縄の負担軽減に向けて全力を挙げてまいる覚悟であります。
 さきの総選挙における沖縄の与党議員の主張について御指摘がありました。
 さきの総選挙における民主党のマニフェストは、米軍再編や在日米軍の在り方について見直しの方向で臨むと記しておりました。沖縄選出の民主党議員も基本的にはこのマニフェストに沿った主張をしたものと認識をいたしております。いずれにしても、佐藤議員の御主張はいささか乱暴な議論ではないかと、このように考えております。
 普天間基地問題を担当した関係閣僚を再任した理由についてでありますけれども、私は、それぞれこの九か月間、この問題を含めて真摯に取り組んでいただいたと見ておりましたし、また、今後のこの内閣としていろいろな役目を担う上で最も適材適所の人たちを選んだ結果、外務、防衛大臣を含め留任をお願いしたところであります。
 普天間基地問題の関係閣僚の責任感と重なる御質問ですが、普天間基地問題の関係閣僚はそれぞれに責任感を持って仕事をしておられたということで、今申し上げたように、再任をお願いしたところであります。
 普天間飛行場の移設に係る地元合意についての御質問がありました。
 今月の二十三日、沖縄全戦没者追悼式に参加をいたしまして、沖縄を襲った悲惨な過去に思いを致すとともに、長年の過重な負担に対する感謝の念も深めてまいりたいと思っております。
 普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように沖縄の負担軽減に全力を挙げるつもりであります。沖縄において、これらの日米合意や閣議決定に対して厳しい声があることは十分理解をいたしております。今後、移設計画や負担軽減の具体策について、沖縄を始め地元の方々に誠心誠意理解を求めてまいりたい、このように思っております。
 今日の午前中、二十三日に私が沖縄を訪問するということをお伝えしていたこともあって、仲井眞知事が官邸においでになりまして、この二十三日のことを含めていろいろと意見交換をいたしました。私自身、知事とはそうした形でお話をするのは初めての機会でありましたので、これをある意味でスタートとして、しっかりと沖縄の皆さんとも話を続けてまいりたい、このように考えているところであります。
 鳩山前総理を同行されたらどうかということもたしか質問の中にありましたけれども、こういった問題はやはり御本人が自分で判断されることでありまして、私がどうこうということでやるべきことではないと、こう思っております。
 二〇一四年までの移設完了と県知事権限を取り上げる特措法の可能性についての御質問をいただきました。
 普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように沖縄の負担軽減に尽力をする覚悟であります。沖縄の負担軽減及び普天間の飛行場の危険性除去に最大限努力していること等について、沖縄県を始め地元の方々に誠心誠意説明し、理解を求めてまいる所存です。
 なお、埋立許可等の県知事の権限を取り上げるような特別措置法については念頭に全くありません。
 在沖米海兵隊のグアム移転と嘉手納以南の施設・区域の返還の前倒しについての御質問をいただきました。
 先般の日米合意では、在沖米海兵隊のグアム移転と嘉手納以南の施設・区域の返還の着実な実施についても改めて確認いたしたところであります。これらの取組は沖縄の負担軽減に直結するものであり、普天間飛行場の移設と併せて着実に進めてまいる所存であります。
 今後、グアムの米軍基地に対して在日米軍駐留経費負担を検討することについての御質問がありました。
 先般の日米合意では、環境面の措置として、日本国内とグアムで整備中の米軍基地に再生可能エネルギーの技術を導入する方法について、在日米軍駐留経費負担、HNSの一構成要素とすることを含め検討することとされております。このような技術の導入については、国内における在日米軍駐留経費負担の効率化に資するものと考えております。
 東アジア共同体構想と日米同盟についての御質問をいただきました。
 我が国は、日米同盟を外交の基軸とし、アジア諸国との間で様々な面での連携を強化し、将来的にはアジア共同体を構想していく。既存の枠組みを活用し、開放的で透明性の高い地域協力をこのアジア地域においても一歩一歩着実に進めることが重要であると思っておりまして、特に期限は設けて考えてはおりません。具体的取組においては、関係国と協力しながら、日本の技術を生かし、インフラ整備、環境、気候変動等の地域共通の課題解決に貢献してまいりたいと考えます。
 日米同盟については、日米安保条約五十周年に当たる本年、二十一世紀にふさわしい形で着実に深化、発展をさせるために日米の協力を進めてまいりたいと考えます。具体的には、東アジアにおける安全保障環境の共通認識の確認を始め、ミサイル防衛、拡大抑止、情報保全、宇宙、サイバーといった個別分野における協力に加え、グローバルな課題についても緊密に協力をしてまいりたいと考えております。
 米国の打撃力、核抑止力について御質問をいただきました。
 国際社会には、核戦力を含む大規模な軍事力が存在し、また核兵器を始めとする大量破壊兵器等の拡散といった危機が増大するなど、引き続き不透明、不確実な要素が存在をいたしております。
 我が国は、自らの防衛力を整備しつつ、日米安保体制の下、米軍のプレゼンスを確保し、その抑止力をもって我が国の安全を確保することが必要と考えております。同時に、米軍のプレゼンスは地域の平和と安定の維持に寄与するものと認識をいたしております。このような抑止力は、あらゆる種類の米国の軍事力、核、非核の双方の打撃力、防衛能力などによるものと理解をいたしております。今般の米国の核態勢の見直し、NRPによって決定された巡航ミサイル、トマホークの退役がなされても、米国の抑止力は信頼でき、効果的なものと認識をいたしております。
 打撃力の米国への依存と在沖海兵隊の県外、国外移転に関する考え方について御質問をいただきました。
 我が国周辺の東アジアの安全保障環境には、最近の朝鮮半島情勢などに見られるとおり、不安定性、不確実性が強く残っております。したがって、海兵隊を含む在日米軍の抑止力は、安全保障上の観点から極めて重要だと認識をいたしております。
 普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように、沖縄の負担軽減に尽力する覚悟であります。
 在沖米軍と在沖海兵隊の抑止力の意義等について御質問をいただきました。
 我が国周辺の東アジアの安全保障環境には、最近の朝鮮半島情勢等に見られるとおり、不安定性、不確実性が強く残っております。したがって、海兵隊を含む在日米軍の抑止力は、安全保障上の観点から極めて重要だと認識をいたしております。
 在日米軍の抑止力は、我が国の安全の確保のみならず、地域における不透明、不確実な要素に起因する不測の事態の発生等の抑止にも寄与するものと考えております。そういった意味で、この地域について、日本の領土だけではなくて、この地域全体に対して不測の事態の発生の抑止にも役立っていると、このように認識をいたしております。
 安全保障政策及び防衛力整備の基本方針について御質問をいただきました。
 私の政権においても、日米安全保障体制を堅持し、適切な防衛力の整備に努めるとともに、我が国を取り巻く国際環境の安定を確保するための外交努力や国際平和協力等の政策を推進していく考えであります。
 また、我が国の安全保障、防衛力の在り方の指針を示す防衛計画の大綱については、国際的な安全保障環境に対応する観点から、有識者による新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告や、国会等での議論も参考にしつつ、本年中に見直す予定といたしております。
 自衛官の削減と自衛隊に対する見識に関する御質問をいただきました。
 防衛力は、安全保障の最終的担保として、他の手段では代替できないものであると認識をいたしております。自衛隊がその任務を十分に果たし今後とも国民の安全、安心を確保できるよう、自衛官の人員数も含め、防衛計画の大綱の見直しの中でしっかりと検討してまいりたいと考えております。
 靖国神社参拝についての御質問をいただきました。
 私は、これまで個人的には何度も靖国神社を参拝をいたしたことはあります。しかし、靖国神社は、A級戦犯が合祀されているといった問題などから、総理や閣僚が公式参拝をすることには問題があると考えておりまして、総理在任中に参拝するつもりはありません。
 永住外国人への地方参政権付与についての質問をいただきました。
 民主党においては、従来から外国人の地方参政権の実現に努力をしてまいりました。その姿勢に変更はありません。しかしながら、この問題は、様々な意見があり、各党各会派においてしっかり議論していただくことが必要であります。そのような議論の中でその取扱いも決めていくことになると考えているところであります。
 選択的夫婦別氏制度についての御質問をいただきました。
 選択的夫婦別氏制度の導入については、平成八年に法制審議会において、民法改正案の要綱を決定し、法務大臣への答申が行われたところであります。導入については、いろいろな意見があることは承知しており、この答申を踏まえ、引き続き与党内において調整をしてまいりたいと考えております。
 自衛隊の最高司令官としての覚悟についてという御質問をいただきました。
 一九九九年当時の民主党は国旗のみを法制化する修正案を提出いたしましたが、否決され、国旗・国歌法案の原案には、内心、心のうちですね、思想にかかわるという認識から、党としては自主投票に臨んだところであります。
 私は、国旗は、この日の丸というすばらしい国旗だと思っておりまして、国歌についてはもう少し元気のいいものであってもいいんではないかというような認識も少し持っておりましたので、そうした意味で私は反対したことは事実であります。しかし、日の丸・君が代は国民の間に定着し、私の内閣においても尊重すべきと考えております。
 私も、あらゆる場所でということまでは申しませんが、できるだけ日の丸の掲示してあるところではきちんと敬意を表し、また、君が代が歌われるところでは皆さんとともに歌っているということは申し上げておきたいと思います。
 当然のことでありますけれども、自衛隊の最高指揮官としてこの日本という国を守り抜く覚悟がなければ総理に就任することはできないと、こういう覚悟で臨んでまいりたいと、このように思っております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣仙谷由人君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(仙谷由人君) 佐藤議員から徳之島への訓練移転についての質問をいただきました。
 先般の日米合意では、適切な施設が整備されることを条件として、徳之島の活用を検討することにも言及しつつ、米軍の活動の沖縄県外への移転を拡充する決意を明確にいたしたところでございます。
 お尋ねの訓練以外の米軍の活動、徳之島で行うことの軍事的合理性につきましては、まさしく今般の日米合意を踏まえて今後検討されるものだと考えております。
 いずれにいたしましても、普天間飛行場の移設につきましては、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されましたように、沖縄の負担軽減に尽力する覚悟でございます。
 以上でございます。(拍手)
#25
○議長(江田五月君) 答弁の補足があります。菅内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#26
○内閣総理大臣(菅直人君) 一か所だけ私の表現が間違っておりました。
 米国の打撃力、核抑止力についての御質問に対する答弁で、米国の核態勢の見直し、NPRと呼ぶべきところをNRPと答弁いたしましたので、NPRに訂正をさせていただきます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(江田五月君) 西田昌司君。
   〔西田昌司君登壇、拍手〕
#28
○西田昌司君 自由民主党の西田昌司です。私は、菅総理の所信表明演説に関しまして、特に政治と金の問題を中心に、菅総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 なお、あらかじめ申し上げておきますが、不十分な答弁で納得のいかない場合には再質問をさせていただくことをあらかじめ宣言しておきます。
 最初に、蓮舫大臣にお聞きします。今朝の新聞報道によりますと、あなたの公設秘書が痴漢で任意聴取を受けたとありました。事実関係についてお伺いいたします。
 また、先日の「はやぶさ」帰還の快挙は国民の大喝采を浴びました。しかし、後継機の開発費は、麻生政権の概算要求の十七億円から鳩山政権で五千万円に、さらに事業仕分で三千万円にまで削られたのであります。菅総理は、日本の技術水準の高さを世界にアピールしたと称賛していますが、全くもって不見識です。その技術力の開発を、なぜ一番ですか、二番ではいけないんですかと言って切り捨てたのは、あなた方民主党政権ではないですか。
 こうしたケースは「はやぶさ」に限らず、ほかにも多々あります。パフォーマンスだけの事業仕分を事業仕分すべきと考えますが、菅総理、蓮舫大臣に認識をお伺いいたします。
 昨日の衆議院でも取り上げられましたが、鳩山前総理の突然の辞任、政権の投げ出しは国民を愚弄し、政治不信を招く大変大きな問題です。それを継いだ菅政権は、ほとんどの大臣が残留をし、まさに鳩山政権そのものであるというのが実態であります。
 鳩山前総理は、政治と金の問題、普天間基地の移転という二大問題で何の解決も示さず行き詰まり、政権を放棄せざるを得なかったのであります。にもかかわらず、菅政権はこれらの問題についていかに対応するのか、方針は明確に示されず未解決のままであります。つまり、鳩山内閣と何の変わりもないということです。
 政治と金の問題で民主党の鳩山、小沢の両氏はその役職を辞職されましたが、二人からは何の説明もありません。辞任するということで責任を取ったと国民に了承してほしいということでありましょうか。思い違いも甚だしい、国民を愚弄するのもいいかげんにしろ、私はそう言いたいのであります。
 民主党はクリーンな政党に生まれ変わるというのであるならば、我々が求めているように、予算委員会で鳩山、小沢両氏の証人喚問に応じるべきであります。
 まず、菅総理は、二人が説明責任を果たしたとの認識なのでしょうか。そもそも鳩山、小沢両氏が言うように、知らなかったや秘書がやったことという説明で菅総理は納得をしているのでしょうか。あるいは、今後どのような形で説明責任を果たすべきとお考えなのでしょうか。また、民主党として、二人の政治と金にまつわる深い疑惑に関して、党として調査チームを設けるなど実態調査を進める考えはないのか、御認識をお伺いいたします。
 私は、国会の場で鳩山前総理の偽装献金、脱税疑惑に対して本人を厳しく追及をしてまいりました。しかしながら、鳩山前総理は、私は全く知らなかった、公判中であるので答えられない、資料は検察にあるので説明できないと逃げ回り、最後は裁判が終われば説明すると答弁をされたのであります。
 そして、その裁判ですが、四月に有罪判決が鳩山前総理の元秘書に下されたことは御承知のことと思います。にもかかわらず、いまだ鳩山前総理からは何の説明も資料提供もありません。
 菅総理、あなたは、私が参議院予算委員会の場でこの問題を取り上げ、鳩山前総理から裁判が終われば国民にちゃんと説明するとの答弁を確かに聞いておられたはずです。ならば、鳩山前総理に、偽装献金、脱税疑惑が明確に晴れるよう国民に説明することを強く求めるべきではありませんか。見解を求めます。
 脱税に関して言えば、先般、スーパー、ダイエーの創業者の次男の方が逮捕されました。生前贈与された五億五千万円を申告せず、二億七千万円を免れたという相続税法違反の容疑からであります。鳩山前総理と同じ脱税容疑での逮捕なのです。しかしながら、鳩山前総理は何の取調べも受けていないようです。おかしいではありませんか。
 そもそも総理が捜査を受けられなかったのは、国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されないという憲法七十五条の規定により守られていたからなのであります。総理を退任された今こそ、脱税の調査を国税庁に命ずるべきではありませんか。総理の御決断を伺います。
 小沢前幹事長も、幹事長の職を辞せば一件落着ということではありません。陸山会の政治資金報告書に関する虚偽、不記載の疑惑で、確かに小沢さんは不起訴処分となりました。しかしながら、小沢さんの右腕とも言われた元秘書の石川議員は逮捕されています。しかも、検察審査会は全会一致で起訴相当を議決しているのです。これは、国民の目から見れば間違いなく小沢さんの犯罪だということなんです。
 そもそも、菅総理、あなた自身も小沢さんについて問題ありと考えてこられたのでしょう。だからこそ、今回の人事で小沢さんを外されたのでしょう。それならなおさらのこと、小沢さんに、証人喚問の場に出て、国民が納得するよう説明すべきと勧告すべきではありませんか。御認識をお伺いいたします。
 さて、日教組と民主党の選挙協力の実態について伺います。
 先日、鳩山前総理は、小林千代美衆議院議員に対して議員辞職を迫られました。自分の辞意を表明した民主党の両院議員総会において、小林千代美議員もその責めを是非負うていただきたいと、異例とも言える言及をなされました。当然のことでありますが、むしろ遅過ぎたとのそしりは免れません。
 しかも、先日、札幌地裁は小林議員の選挙陣営の会計担当者に対して、政治資金規正法の罪で有罪の判決を言い渡しました。これは、日教組傘下の北海道教職員組合、北教組から一千六百万円もの裏金を受け取り、さきの衆議院選挙の費用に充てていた事件であります。昨日は、北教組の委員長代理に対しても改めて有罪判決が出ました。
 これは北海道だけのことではありません。こうした日教組の関係した違法な選挙活動は、民主党候補者のいる全国各地で展開されているのではありませんか。現に、山梨県では民主党の輿石参議院議員会長が今回の参議院選挙に立候補されていますが、これまでも黒いうわさが絶えません。前回の自分の選挙では、教職員から組織的に選挙資金を集め、有権者への電話作戦に教職員を動員し、略式起訴されたことも明らかになっています。
 菅総理は、全国各地で展開する、こうした日教組丸抱えの民主党の選挙実態に関して、調査し、再発を防止することが必要だとお考えになりませんか。また、輿石議員会長は、かつて教育の政治的中立はあり得ないといったとんでもない発言をされています。菅総理も教育の中立はないとお考えですか。このような人物は、たとえ民主党といえども参議院会長に置くべきではないでしょう。御認識をお伺いします。
 このように見てくると、少なくとも鳩山前総理、小沢前幹事長、石川知裕衆議院議員、小林千代美衆議院議員の四人は、本来ならばもっと早い時期に議員を辞職するべきでありました。小林議員は国会閉会後に辞職すると伝えられていますが、遅過ぎます。議員辞職の判断も、国会開会中の辞任だと参議院選挙と同時に補欠選挙が実施されるために、それを避けたいという党利党略ではありませんか。全くこそくです。
 四人は、自ら政治家として道義的責任を自覚し、国民に政治不信を招いたことをおわびし、議員の職を辞することが当然取るべき選択肢であると考えます。菅総理は、この四人の身の処し方に関して、どのように判断され、それぞれ議員辞職を含めて具体的にどのような勧告をするお考えなのか、お伺いをいたします。
 次に、民主党と企業・団体献金の在り方に関してお伺いをいたします。
 民主党の枝野幹事長は、就任会見において次のように述べています。今日を機に、私自身は、政治団体は別として、企業・団体献金については一切受け取らないと明言されました。
 国民をだますのもいいかげんにしていただきたい。あなた方民主党議員は、確かにマニフェストなどで企業・団体献金の廃止を主張されています。しかしその一方で、労働組合などが結成した政治団体からの献金は対象外にされているではありませんか。あなた方が提案されてきた法案は、実質的には、組合献金や企業献金を偽装するだけのもので、透明性が著しく損なわれる悪法なんです。
 ここにその具体的例を挙げましょう。その一つが小沢さんの西松建設事件です。西松建設のダミーの政治団体未来産業研究会というこの団体を通じて、小沢さんの資金管理団体である陸山会に全体で二億円と言われる多額の寄附が行われてきたのです。そして、この問題に対しては、それが実質企業献金ではないかと司直の手が入っているんです。
 菅総理、あなたは小沢さんの西松事件を何と考えているんですか。まさにあなた方が言う企業・団体献金の禁止が虚構であることを証明しているではありませんか。御所見をお伺いいたします。
 さらに、読売新聞の調査によると、民主党の閣僚と党幹部二十二名のうち、企業・団体献金を受けていた者が十九人と、ほとんどを占めているではありませんか。特に、献金総額に占める企業、団体や労働組合、業界が結成した政治団体からの献金の割合が五割以上の者が十一人にも上り、とりわけ直嶋経済産業大臣は九九・六%、さらに川端文部科学大臣は九七・一%と、極めて高い比率を占めています。まさに労働組合依存内閣と言って過言ではありません。菅総理、これは異常だと思いませんか。
 菅総理は、民主党政権の労組資金依存、団体資金依存体質をどのように認識されていますか。そのことの是非についてどのような問題意識をお持ちなのか、お伺いをいたします。
 さらに、労働組合から民主党の幹部議員に対して不透明な政治資金の流れがあることも指摘しておきます。これは私が予算委員会で指摘したところでありますが、原口総務大臣の例を典型例として取り上げさせていただきます。
 大臣は、野党時代のことと言われますが、アピール21というNTT労組の政治団体から政治献金を受けられています。後で訂正されたということですが、当初は政治資金収支報告書にアピール21の記載が漏れていました。しかも、アピール21というだけでは、一体何の団体か国民には全く分かりません。これは、政治資金の透明性が著しく損なわれるゆゆしき問題です。
 総務省の管轄下にある情報通信産業の労働組合がつくった政治団体が、野党のときとはいえ大臣に献金し、直接陳情し、現実に政策に口を出していく、しかも、こういう疑いがある資金の流れが不透明になっているということは大きな問題です。
 このように、民主党が言う企業・団体献金の禁止は、表面的なクリーンさを装うためのものであり、現実は、政治団体を利用することにより、事実上、企業献金や労働組合からの献金を確保しようとする、こそくで大変ずるいものなんです。
 菅総理、あなたは、こんなずるい法案を考える前に、もっと先にすべきことがあるでしょう。それは、企業・団体献金の規制を叫ぶ前に、その透明性を確保することです。そしてまた、どうしても企業・団体献金を禁止するなら、企業、団体が設立した政治団体からの寄附も規制すべきではありませんか。御所見を伺います。
 さて、菅内閣発足直後、菅総理の側近と言われる荒井国家戦略大臣の事務所費の問題がクローズアップされました。これは、荒井大臣の政治団体が、平成十四年から七年間、都内の知人宅を主たる事務所として届け出、この間、四千二百万円の事務所費を計上していた問題です。
 そもそも荒井大臣の選挙区は北海道であり、なぜ東京の、しかも都心から離れた府中という場所に事務所を置かねばならなかったのか、全く疑問です。府中といえば菅総理の地元です。菅総理、あなたがまさか関与したのではありませんね。菅総理と荒井大臣に事務所開設の事実関係をお伺いいたします。なぜ府中なのか、明確にお答えください。
 府中の事務所、これはURのいわゆる公団住宅です。これは規約により、他人への転貸や企業や団体の事務所の使用を禁止しているはずです。荒井大臣、あなたはこの規則に違反しているのではありませんか。この事実関係をお聞かせください。
 また、荒井大臣は、事務所費問題が報じられると早速領収書を公開されましたが、それは過去三年間だけです。疑問が持たれているのは七年間、すべてをなぜ公開しないのですか、領収書がないのではないですか。その理由をお答えください。
 事務所費の中には、少女漫画やキャミソール、背広の代金の領収書も含まれていると報道にありました。ところが、翌日には少女漫画の領収書は秘書のものが混入したと弁明されています。では、キャミソールは、背広は一体どなたのものだったんですか。これらは政治活動に必要な経費ではなくて、生活費そのものではないですか。一体だれの生活費なんですか。そもそも、あなたの事務所の問題をなぜ党の幹事長代理が説明しなければならないんですか。しかも、わずか二時間では領収書の照合のしようもありません。党を挙げて臭い物にふたをしようとするつもりなんですか。菅総理、荒井大臣、お答えください。
 こうした事実を総合して勘案すれば、東京に事務所の実態はなく、事務所費の中身も極めて不自然かつ不透明であると言わざるを得ません。しかも、この時期は、松岡農水大臣などの事務所費問題について、野党であった民主党が国会においてさんざんやり玉に上げていた時期です。菅総理、あなたは与党議員に厳しい攻撃を加える一方で、自らの側近が同じ時期に同様の行為をしていることを許すつもりなんですか。即刻大臣を罷免すべきと考えます。そして、あなた自身にも任命責任があると考えますが、御認識をお伺いいたします。
 なお、民主党の議員の皆さんが違法ではないということを繰り返し発言されていますが、松岡農水大臣なども事務所費などにおいて、当時の法律からすれば領収書添付などの違法はなかったはずなんです。それを説明できないなら辞任すべきだと追及してきたのは、菅総理、あなた自身なんですよ。よもやお忘れではないでしょうね。
 荒井大臣は、平成十九年に北海道知事選挙に出馬するために衆議院議員を辞職されましたが、その後も江田五月参議院議長の議員会館に東京事務所の電話を置いていたとの報道がありました。これが事実なら、割り当てられた議員の職務遂行のためのみに使用するという会館運営規程に明確に違反します。荒井大臣に事実関係をお聞きいたします。
 江田議長、あなたは会館の不正使用に加担していたのですか。もし事実なら、公平公正を旨とすべき議長が不正な政治的便宜供与を行ったことになり、議長職を汚し、あなたは即刻辞任をすべきと考えます。議長自ら御説明願います。
 さて、荒井大臣に関する疑惑はこれだけではありません。荒井大臣は、当時落選中だった阿久津総理補佐官を政策秘書として、御自身が知事選挙に出るまでの間、採用されています。阿久津議員も菅総理の側近と言われている方ですが、阿久津補佐官はその後、小川敏夫参議院議員の政策秘書に渡られ、昨年の選挙で衆議院議員に返り咲かれました。
 問題は、阿久津補佐官が本当にお二人の秘書をしていた実態があるのかということなんです。阿久津補佐官は、浪人中は選挙区の民主党の支部長として次の選挙に備えての活動をしてきたと自らのホームページで示されていますが、お二人の政策秘書になっていたことは一切触れられていません。政策秘書の実態がないなら、明らかに違法な採用ではありませんか。荒井大臣、お答えください。
 十年前、菅総理の秘書をしていた衆議院議員が秘書給与の詐取という問題を起こして服役されたことは皆さん方も覚えておられると思います。阿久津議員の問題はまさにこれとそっくりではありませんか。いずれも菅総理、あなたの側近で起きている問題なんです。菅総理、これはまさしくあなた自身の政治と金の問題ではありませんか。国民の納得のいく説明を求めます。
 以上述べてまいりましたように、菅内閣は、鳩山内閣が総辞職を余儀なくされた原因である政治と金の問題について、反省の気持ちが全くないばかりか、国会で説明責任を果たすという最低限のモラルさえ感じられません。
 菅総理、あなたの頭の中には参議院選挙のことしかないのではありませんか。看板の付け替え効果で支持率の高いうちに選挙をしたい、そのためには一日も早く国会を閉会したい、それがあなたの本音でしょう。予算委員会を開くという約束さえもほごにされました。この暴挙に強く抗議します。
 考えてみれば、昨年の衆議院選挙も同じ手が使われました。西松事件で小沢氏の秘書が逮捕され、支持率が低下した際、小沢氏は衆議院選挙対策のために代表を辞し、鳩山代表が誕生しました。その看板差し替えが功を奏し、民主党は圧勝しました。今回も二匹目のドジョウを捕まえようとしているのでしょう。国民を愚弄するのもいいかげんにしてほしい。
 菅内閣の実態が鳩山内閣と何にも変わっていないことが国民に知れるのは時間の問題です。そのときこそ、菅内閣、いや、民主党に厳しい国民の審判が下されることを断言して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#29
○内閣総理大臣(菅直人君) 西田議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、「はやぶさ」の後継機開発費に関する御質問をいただきました。
 幾多の困難を乗り越えて帰還した「はやぶさ」は、私たちに勇気や夢を、希望を与えてくれるとともに、我が国の科学技術の高さを世界に示してくれたものと思っております。私も昨日、川口プロジェクトリーダーにお祝いのお電話をさせていただいたところであります。「はやぶさ」の後継機については、今回の実績を踏まえ、その開発経費について必要な手当てをできるように配慮をしてまいりたいと、このように考えております。
 鳩山、小沢両氏の説明責任について御質問をいただきました。
 鳩山前総理、小沢前幹事長とも説明責任を果たそうとされたわけでありますが、とりわけ小沢前幹事長についてはなかなか国民の御理解をいただけなかったと認識をいたしております。したがって、お二人とも政治責任を取り、自ら辞任という形で重大な決断をされたものと、このように理解をいたしております。国会でのことについては各党各会派で議論されたいと思いますが、今後のことについては、基本的には国会での議論と御本人の意思によるものと考えております。
 なお、鳩山前総理については、検察の捜査によっても本人の関与はないとされ、支出についても違法性の指摘はなく、司法も同じ判断を下したと理解しております。小沢前幹事長についても検察が二回不起訴処分としております。したがって、検察処分が決した以上、民間である政党が調査をすることは、これ以上は必要ないのではないかと思っております。
 鳩山前総理の脱税調査等についての御質問をいただきました。
 西田議員の御主張は御主張として、鳩山前総理の政治団体の政治資金規正法違反問題は司法判断によって決着したものと理解をいたしております。また、脱税との御指摘についても、既に相続税について国税庁において調査していると聞いておりますが、いまだ脱税との指摘はないものと理解しております。鳩山総理は国民に対してもできる限りの説明を尽くされたものと、このように理解しております。
 小沢前幹事長の証人喚問等について御質問をいただきました。
 小沢前幹事長は、検察が調べて不起訴とされたわけです。そして、御本人も御本人なりに説明をされてきたわけですが、一回目の検察審査会では起訴相当と判断され、国民の納得を得られず、そういったこともあって自ら決断され、幹事長を辞任してけじめを付けられたと理解をいたしております。小沢氏の問題については、検察審査会での更なる議論がされている最中でありまして、総理としてこれ以上の発言は慎むべきと考えております。国会のことについては国会でお決めをいただきたいと考えております。
 日教組丸抱え調査と輿石議員会長の発言について御質問がありました。
 個別の事件が発生したから全国的、普遍的な問題と考えるのはやや短絡的ではないかと思っております。民主党の選挙はいろいろな皆さんに御支援をいただいていることはもちろんでありますけれども、何か労組がすべて丸抱えというような趣旨であるとすれば、必ずしもそうではないと思っております。一人区で当選するにはなかなか一定の組織だけの応援では難しいわけでありまして、そういった意味も含めて、丸抱えという言い方は少し言い過ぎではないかと思っております。
 四人の議員の辞職についてお尋ねがありました。
 西田議員の御意見は賜りましたが、政治家の出処進退は基本的には政治家自身が決すべきものと考えております。政治家はそれぞれの使命に基づき行動を決めていくものであり、最終的に判断するのは有権者であると理解をいたしております。
 企業・団体献金について御質問をいただきました。
 陸山会の政治資金規正法違反事件は現在公判中と認識しており、総理として発言すべきものではないと考えております。企業・団体献金については脱法的行為が多いというのが議員の認識だと理解しておりますが、そうであるからこそ、全面禁止をすることによって不透明さや不祥事の再発を防止すべきと考えております。
 なお、閣僚の所属総支部や関係政治団体等についての御指摘がありますが、自民党は数千の職域や企業支部をつくっているわけでありまして、企業・団体献金禁止の合理性は、こういったことを考えても合理性の説明はできるものと、このように考えております。
 さらに、企業・団体献金について御質問がありました。
 原口大臣の例を殊更といいましょうか、指摘をされておりますが、政治団体間の寄附は認められていることは議員も御承知のとおりであります。何をもって不透明さと言うのか、私には若干理解に苦しむところであります。
 その前提に立って、企業・団体献金の禁止については、企業、団体が設立した政治団体の扱い、パーティー券の扱いなど様々な論点があることは議員のおっしゃるとおりであります。まず議論をして、必要であるなら抜け道をふさいでいけばよいのではないか。抜け道があるから禁止しても無駄という議員の主張は余り論理性がないと、このように思っております。速やかに協議機関を設置し、御指摘の論点を含め建設的な御議論をしていただきたいと考えております。
 荒井大臣の府中の事務所についての御質問をいただきました。
 荒井大臣からは、落選して議員会館の事務所が使えなくなり、東京を拠点として活動する政治団体の連絡事務所として、府中に住んでいる古い友人のお宅を借りることとしたと聞いております。私は、報道がされるまで荒井大臣のそうした事務所が府中にあることは知っておりませんでした。
 荒井大臣の事務所費の領収書についての質問がありました。
 党の調査で架空計上などの疑惑が事実ではなかったとされ、そのことは党顧問弁護士も確認していると聞いております。なお、不適切な支出があったことも指摘をされており、訂正願を速やかに提出するとされております。帳簿の控えは報道記者に配付したと承知をしております。また、領収書の量が膨大であるので閲覧に供したと聞いております。
 過去、自民党も含めて領収書のコピーを配付した例があるのかどうか承知しておりませんが、透明性と公開性という点において何ら問題はないと思っております。
 なお、昨日、官房長官が荒井大臣を呼んで厳重注意をいたしたということも触れておきたいと思います。
 荒井大臣の罷免、任命責任についてでありますが、過去追及された旧与党議員の事務所費問題とは全く異なる性格だというふうに理解をいたしております。荒井大臣を罷免すべきとの主張については、私はそのようなことは全く考えておりませんので、そのことは明確にいたしておきたいと思います。
 阿久津補佐官についての御質問をいただきました。
 阿久津議員については、荒井議員の秘書としては、議員会館に籍を置き、当時国対委員長代理を務めていた荒井議員の補佐を務め、国対の会議に陪席し、他の会議、会合にも代理出席をしていたと聞いております。また、小川議員の秘書としては、小川議員の選挙区である東京を二分する三多摩地域を担当する秘書として地元活動を支えていたと聞いております。いずれの議員の秘書としても勤務実態はあり、御指摘のような問題はないと聞いております。元議員が秘書に就任する例はほかにもあり、議員の指摘は当たらないと思っております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣蓮舫君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(蓮舫君) 西田議員から二つの質問をいただきました。
 まず最初ですが、私の元公設秘書に対するお尋ねでございました。
 六月二日に、秘書から私に路上で女性とトラブルがあったという報告を受けました。翌日に弁護士を代理人として所管署に行っていただき、事実関係を確認し、私に御報告をいただきました。その結果、女性として、人として、あってはならない本当に申し訳ないことだと思い、この思いで翌四日秘書と再度話をし、本人から依願退職の申出がありました。速やかにそれを受理したところでございます。
 次に、事業仕分についての御質問をいただきました。
 これは、西田議員のみならず、メディアの一部でも事業仕分時の私の発言の一部、一言だけを切り取って仕分を語られるということが多々あるんではございますが、御案内のとおり、事業仕分はその仕分を行う準備段階に相当の時間を掛け多くの人間が携わっておりますので、私のたった一言で決まるということではございません。
 その意味で、事業の手段について、その手段が適切に使われているのか、あるいは税金が適正に使われているのかを公開の場所で国民に見える形で税金の浪費を徹底的に省いていくという手段を行っているもので、決してパフォーマンスではございません。国民の皆様方に、税金が、だれに、どのように、どうやって使われているのかを公開の場所で、税金の浪費をただすという行い方をするものでありまして、これは政権交代をしなければ成し得なかったことだと思っております。
 今後も、菅総理の強い指導力の下で、税金の浪費を徹底的にただす行政刷新に全力で取り組んでいく所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣荒井聰君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(荒井聰君) 西田議員から六問いただきました。
 まず、事務所を府中市に置いた理由についてのお尋ねでありますが、当時は府中の友人宅しかお願いできる心当たりがありませんでしたので、ここにお願いをした次第でございます。菅総理の地元であることとは全く関係がございません。
 次に、公団住宅の規則違反ではないかとのお尋ねでありますが、府中の事務所は選管からの郵便物の受領などのため利用していたもので、一定の区画を専有的に使用していたわけではありませんので、公団住宅の規約の詳細は存じておりませんが、御指摘のような問題はないものと考えております。
 次に、七年間の領収書を公開すべきではないかとのお尋ねでありますが、法に照らして、三年間というまとまった期間を今回、領収書を明らかにしたものでございます。
 事務所費の使途についてのお尋ねですが、先ほども申し上げたとおり、現在、弁護士事務所や監査法人等において厳正なかつ客観的なチェックを受けているところでありますが、その結果を待って必要な部分は修正をすることといたしてございます。
 次に、江田議長の、議員会館の電話を置いていたかどうかの事実関係についてのお尋ねでありますが、私が落選中、私の秘書が江田事務所でボランティアとして活動しておりましたが、私との連絡などで電話を使うことも多く、電話代のことが気になっておりました。江田事務所が電話回線を増設した折に、江田先生に御迷惑をお掛けすることがないよう秘書に注意したことが伝票処理に混乱を招いたと理解をしてございます。
 最後に、阿久津幸彦さんの勤務実態についてのお尋ねですが、阿久津さんは大変有能な方でありまして、落選中、私の政策秘書として働いていただきました。とりわけ、当時、私は国対委員長代理でございましたが、余りその方は経験がなかったときでございまして、阿久津さんの持っている国会対策関係の深い知識が私には大変役に立ちました。
 ありがとうございます。(拍手)
#32
○議長(江田五月君) 西田君から再質疑の申出があります。これを許します。西田昌司君。
   〔西田昌司君登壇、拍手〕
#33
○西田昌司君 ただいま御答弁いただきましたが、答弁になっていませんよ。
 まず、蓮舫大臣、私は、「はやぶさ」を事業仕分したことが良かったのかということなんですよ、聞いているのは。もう一度お答えください。「はやぶさ」の開発費を三千万にしたことが良かったんですか。誤りでしょう。もう一度答弁を求めます。
 それから、菅総理、鳩山前総理や小沢幹事長の証人喚問、これは国会で決めることだとおっしゃいました。まさにこれは鳩山前総理と同じ言い方じゃないですか。まさに詭弁なんですよ。あなたが民主党の代表者じゃないですか。積極的に予算委員会での証人喚問、勧告すべきですよ。もう一度お尋ねします。
 それから、輿石会長に関連して、総理、あなたの教育の政治的中立はないのかということも聞いているんですよ。答弁漏れですよ、明確にお答えください。
 それから、荒井大臣、あなたは今大事なことをおっしゃいましたよ。あなたが今おっしゃったことによると、まさに江田議長の事務所を自分の事務所として使っていたということを認められたんですよ。江田議長、これは大変な話ですよ。罰則はないとはいえ、会館の利用規程を、議長自ら、範を垂れるべき者がこれをほごにしてやっているというのは、これはあり得ない。私は、議長にもう一度この事実関係、そしてその責任の所在についてお伺いします。
 そして、荒井大臣、あなたは知人のお宅に事務所を指定した理由を、できるだけお金を節約したかったからなんだということをお話しされていますよ。じゃ、それだけお金を困っているのに、どうして公設秘書を阿久津補佐官、しかも、その方は選挙区の選挙が忙しくて、ほとんど出てこれないんじゃないんですか。片方で選挙区支部長の公費を受ける、そしてもう片方で政策秘書の給料をもらう、これは公費の二重取りじゃないですか。これこそ税金の無駄遣いですよ。
#34
○議長(江田五月君) 西田君、時間が超過しております。簡単に願います。
#35
○西田昌司君(続) 蓮舫大臣、おかしいと思いませんか。あなたが事業仕分して、この現実をどう思いますか。
 荒井大臣の問題は、まさに野党時代と与党になってから全く民主党の扱いが違うということを証明しています。菅総理は、ちゃんとした説明ができなければお辞めしなさいと言ったんですよ。
#36
○議長(江田五月君) 西田君、西田君、簡単に願います。
#37
○西田昌司君(続) もう一度お聞きいたします。荒井大臣は即刻罷免すべきです。そして荒井大臣、あなたは責任を取って辞職すべきだ。もう一度お尋ねします。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#38
○内閣総理大臣(菅直人君) 西田議員の方から再質問として二つのことを御質問いただきました。
 鳩山、小沢両氏について国会での証人喚問等の御指摘でありますけれども、この国会、いろんな場面を私も見ておりますが、基本的にはそうしたことは与野党間で議論をされるものと考えておりまして、そういう意味で、鳩山前総理が言われたことと今私が申し上げていることが同じだからといってそれがおかしいと言われるのはちょっと私には解せないところであります。
 もう一点は、これは私の答弁漏れでありましたが、日教組の問題に関連して、輿石議員会長の教育の政治的中立はあり得ないという発言についての御指摘をいただきました。
 輿石議員会長の発言は、教育や教育現場は本来政治的に中立でなければならないが、時に政治の影響を受け、政治的中立が侵される危険性があることを指摘したものと私は理解をいたしております。
 なお、民主党がだれを参議院会長に選ぶかは、党内の民主主義に基づくものでありまして、他党の人事に介入されるがごときの発言はいかがなものかと考えます。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#39
○議長(江田五月君) 市田忠義君。
   〔市田忠義君登壇、拍手〕
#40
○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、菅総理に質問いたします。
 口蹄疫の拡大は、南九州はもちろん、日本の畜産業、国民の食料にも大きな影響を与える重要問題であります。国が全面的に責任を持って徹底的な防疫措置を講ずることを求めます。
 同時に、被害を受けた畜産農家を何としても守り抜かなければなりません。その意思を政府が明確に示すことが急がれます。そうしてこそ、被害の拡大の防止に農家の皆さんの協力も得られ、日本の畜産業の再生への道も開かれます。
 そのために最低必要なことは、第一、被害農家への被害の全額補償と生活支援、第二、大規模経営農家の従業員の雇用保障、第三、新たに家畜を導入するための資金及び家畜が販売できるまでに育つ間の直接支援など、従来型の融資にとどまらず直接支援の道を示すことが必要であります。特措法の見直しも含めて、早急に方針を示すべきではありませんか。
   〔議長退席、副議長着席〕
 さて、菅内閣は、鳩山前首相の突然の辞任によって発足しました。あなたは、この事態を挫折と呼び、その原因が政治と金の問題と普天間移設をめぐる混乱にあり、責任を痛感していると述べられました。
 まず、政治と金の問題についてであります。
 鳩山前首相は、裁判が終われば資金の使い道について説明すると再三国会で答弁してきたのに、何の説明もしないまま辞任されました。総理は、それでけじめが完全に付いたとお考えですか。
 小沢前幹事長は、法的には問題ないの一点張りで、国民がひとしく疑問を抱いた土地購入資金の出どころについて国会の場ではただの一言も説明していません。辞任が何のけじめにもならないこと、それは昨年、代表辞任で説明責任を逃れた小沢氏を幹事長に据えたことからも民主党自身が証明していることであります。それを今回また同じことを許すのですか。もしそうなら、民主党の党ぐるみの疑惑隠しと言われても仕方ありません。国会のことは国会で決めていただきたいと逃げるのではなくて、小沢氏に対して、総理の責任で国会の場において事実を解明し、政治的、道義的責任を明らかにするよう指示すべきではありませんか。
 次に、沖縄の普天間基地問題についてであります。
 沖縄県民の総意と自らの公約を踏みにじった鳩山前総理の責任は重大ですが、副総理として共同の責任を負っていたあなたの口からは一言の謝罪もありませんでした。それどころか、総理は、イの一番にアメリカのオバマ大統領と電話会談を行い、普天間基地の辺野古への県内たらい回しの合意を踏まえしっかり取り組んでいきたいという決意を述べました。これは、あなたが混乱の責任を痛感した相手は、沖縄県民や日本国民ではなく、アメリカ大統領だったということの何よりの証左ではありませんか。
 総理は、昨日の衆議院本会議で、かつて民主党幹事長、代表代行だったときの自らの言動、海兵隊は即座に米国に戻ってもらいたい、海兵隊は抑止力とは関係ないを我が党の志位委員長に問われて、過去にいろいろ言っても、変わるのは政治家として当然だとの趣旨の答弁をされました。開き直りも甚だしいではありませんか。あなたには一片の誠実さもないと言わなければなりません。その場その場で変わるあなたの言動のどれを国民は信頼したらいいのか。
 普天間基地の辺野古移設に反対する声は県民の八四%に達しています。沖縄県民、日本国民の期待にこたえて今政治がやるべきこと、それは普天間基地の無条件撤去を求めること、そして、その機能をアメリカのどこに持っていくかはアメリカが自由に決めればよいことと真正面から堂々とアメリカに通告し、交渉することではありませんか。
 総理は、鳩山内閣が後期高齢者医療制度を廃止するという公約を投げ捨てたことへの責任には何一つ触れられませんでした。
 あなたは、かつてこの制度について、七十五歳で差別するような制度は断固として廃止しなければならないと述べられていました。政府が廃止を先送りした間にも、七十五歳になった人が次々にこの制度に移行させられ、保険料も引き上げられました。あなたが自分の言動に責任を持つのなら、先送りではなく、直ちに廃止の措置に踏み切るべきではありませんか。
 違憲訴訟の和解に応じた障害者団体との約束はどうなったのか。障害者の声を無視し、応益負担の原則を残した民主、自民、公明による法案は撤回すべきではありませんか。
 昨日、福岡高裁で、生活保護の老齢加算廃止は不当だとの判断が示されました。総理は、これを謙虚に受け止めて上告を断念し、老齢加算の復活をすべきだと思いますが、いかがですか。
 最後に、税と財政についてであります。
 総理は、財政の危機的状況を改善するために税制の抜本的改革に着手することが不可避だと述べられました。財政の危機というなら、やるべきことは幾らもあります。五兆円に及ぶ軍事費をまず削減すべきであります。民主党政権で過去最大の三千三百七十億円にまで膨れ上がった米軍への思いやり予算や、グアム移転費などは撤廃すべきであります。
 歳入についてはどうか。株式を大量に持っているだけで巨額の所得を得ている大資産家は、法律で定められた税金の半分を免除されています。この免除をなくすだけでも、いわゆる事業仕分により生み出されたのと同じぐらいの税収は確保できるではありませんか。
 大企業は、日本の法人税は高過ぎるという大合唱の陰で、研究開発減税、外国税額控除、受取配当金不算入など、様々な大企業優遇税制を享受しています。今、大企業の手元には六十兆円を超える空前の金余り現象さえ起きています。税制改革というのなら、こうした大企業優遇税制こそ廃止すべきであります。これこそ税制改革の本丸であるべきだと思いますが、いかがですか。
 ところが、日本経団連は法人税の引下げを求めて、直嶋経済産業大臣も法人税の一五%削減、来年から五%削減をと打ち出しました。これによる減収はどうして埋めるつもりなのですか。大企業への減税によって景気が良くなり税収が増えるという夢物語は、もはや通用しません。この十年間の大企業減税の結果は、内部留保が八十七兆円も増えたように、大企業の懐は大いに豊かにしたけれども、国民の暮らしも日本の経済も先進国中最低水準に落ち込ませてしまったのではありませんか。
 消費税は、年収二百万円に満たないワーキングプア、生活保護世帯、国保、介護、後期高齢者などの保険料の軒並み引上げで手取りがいよいよ少なくなった年金生活者からも、有無を言わせず税金を取り上げるものであります。その引上げがどれだけ生活を破壊するか、総理には想像できないのでしょうか。
 総理は、自民党の消費税増税を含む財政健全化責任法案に呼応して、財政健全化の緊要性を認める超党派の議員による財政健全化検討会議を提起されました。これは消費税増税大連立を目指すものではないのかというのが多くの国民の疑念ではないでしょうか。
 税金は負担能力に応じて払う、これが原則であります。我が党は、国民の暮らしを破壊し、日本経済の危機を一層加速する、社会保障とは最も対極にある消費税増税には絶対反対であることを明らかにして、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#41
○内閣総理大臣(菅直人君) 市田議員の御質問にお答えをいたします。
 口蹄疫の防疫措置についての御質問をいただきました。
 口蹄疫の問題については、国家的危機との認識の下、私も先週末、宮崎県を訪問し、畜産農家の方や知事を始め、関係自治体の長の方々と対応について協議をしたところであります。新内閣としては、口蹄疫対策本部を連日開催し、迅速に殺処分、埋却を行い、感染拡大を何としても阻止するよう全力を挙げているところであります。
 消毒措置については、宮崎県及び隣接県の全域において国の負担で消毒液の散布を行うとともに、国からは自衛隊を、他県からは警察を派遣し、一般車両も含めた車両消毒を徹底をいたしております。都城市等の新たな発生を受け、消毒ポイントを増加するなど、消毒体制を強化いたしております。また、埋却の促進のため、自衛隊を更に増派をいたしました。
 口蹄疫については、危機管理上の重要な課題として、内閣としてはやるべきことはすべてやるとの考えの下、総力を挙げて取り組んでいるところであります。
 口蹄疫の被害を受けた農家への支援についての御質問をいただきました。
 農家の皆様にとっては、我が子のように大切に育ててこられた牛や豚を殺処分せざるを得なくなることは、本当に言葉に表せないつらい話と私もお聞きをいたしました。殺処分を余儀なくされた農家に対しては、時価による評価での手当金等の交付、互助基金からの支払など雇用労働費も考慮した生活支援、経営再開に要する経費の支援など、前例にとらわれない対応を講じることといたしております。
 政府としては、感染拡大の阻止に総力を挙げるとともに、農家の方々の生活支援、経営再建対策にも万全を処す所存であります。
 鳩山前総理の説明責任についての御質問をいただきました。
 鳩山前総理が自ら政治責任を取り、総理を辞任されたことの意味は大変重いと考えております。検察の調べでも、御本人の関与はないとされ、資金の使い方についても違法性の指摘はなかったと了解しております。質問によって答弁は当然異なってくるものでありますが、説明責任は尽くしておられると理解をいたしております。これ以上の説明については本人の意思によるものと考えております。
 小沢前幹事長の国会での事実解明について御質問をいただきました。
 小沢前幹事長は検察が不起訴といたしましたが、一回目の検察審査会審査で起訴相当と判断され、国民の納得を得られず、自ら決断して幹事長を辞任し、けじめを付けられたものと理解をいたしております。すなわち、政治責任という意味では辞任という形でけじめを付けられたというふうに思っております。
 なお、小沢氏の問題については、検察審査会での議論が更にされている最中でありますので、これ以上の総理としての発言は慎むべきと考えております。
 普天間飛行場の移設問題の責任についての質問をいただきました。
 五月二十八日の閣議決定に閣僚の一人として署名をいたしておりまして、その決定について責任を持っているものと私自身認識をいたしております。
 普天間飛行場の移設問題については、先般の日米合意を踏まえ、しっかりと取り組んでいく所存であります。六日のオバマ大統領との電話会談でもその旨を申し上げたところであります。同時に、沖縄の負担軽減に向けて最大限努力をしている等について、沖縄県を始め地元の方々に誠心誠意説明し、理解を求めてまいりたい、このように思っております。
 先ほども申し上げましたように、六月の二十三日に沖縄の全戦没者の慰霊の会に出席をすることといたしておりまして、また、そのことを伝えたところ、今日、仲井眞知事がわざわざ訪れていただきまして、私としては、直接お話をするのは初めての機会でありましたが、まさに知事とのそうした会談をある意味ではスタートとしてこれからしっかりと沖縄の皆さんと誠心誠意話合いを進めてまいりたいと、このように思っております。
 在沖海兵隊の県外、国外移転に関する過去の発言と抑止力に対する認識についての御質問をいただきました。
 我が国周辺の東アジアの安全保障環境には、最近の朝鮮半島情勢等に見られるとおり、不安定性、不確実性が強く残っております。したがって、海兵隊を含む在日米軍の抑止力は安全保障上の観点から極めて重要だと認識をいたしております。
 普天間飛行場の無条件撤去を求める対米交渉についての御質問をいただきました。
 我が国周辺の東アジアの安全保障環境には、先ほども申し上げたように、最近の朝鮮半島情勢などに見られるとおり、不安定性、不確実性が強く残っております。したがって、海兵隊を含む在日米軍の抑止力は安全保障上の観点から極めて重要だと認識をいたしております。
 普天間飛行場の移設問題については、先般の日米合意を踏まえ、しっかりと取り組んでいく覚悟であります。同時に、沖縄の負担軽減についても尽力をしてまいりたいと思います。
 私の過去のいろいろな発言については、今の市田さん始め何人かの方から御指摘をいただいております。確かに、私も、例えばベルリンの壁が崩壊し、いわゆる東西対立がなくなったときには、世界の軍事情勢、安全保障情勢も大きく変わっていくのではないか、そういったことも期待をいたしたり、いろいろな時期において国際情勢を見てまいりました。しかし、その後、九・一一のテロなどがあり、そして近年は北朝鮮の核実験も行われ、そして最近においては韓国の哨戒艦の沈没事件といったことも起きております。そういったことを考えた中で、私が内閣総理大臣として就任するに当たっての私の考え方は、就任以降、国会等で申し上げているとおりであります。
 後期高齢者医療制度の廃止についての質問をいただきました。
 高齢者の方々を年齢で差別する後期高齢者医療制度については、マニフェストによれば、一期四年の中で廃止することになっております。現在、厚生労働大臣の下で新たな制度の検討を行っており、八月末をめどにその骨格を中間的に明らかにした上で、来年の通常国会に関連法案を提出する予定と伺っているところです。
 障害者自立支援法を改正するための議員立法について御質問をいただきました。
 障害者自立支援法を改正する議員立法については、その法律名や趣旨にあるとおり、障害保健福祉施策を見直すまでの法律と位置付けられているものと承知をいたしております。衆議院で可決、参議院では厚生労働委員会で可決されたところと承知しており、政府としては今後の審議を見守ってまいりたいと思います。
 いずれにせよ、政府としては、引き続き、障がい者制度改革推進会議等において障害のある方などの御意見を十分に伺いながら、障害者自立支援法に代わる新たな制度について検討を進めてまいりたいと考えております。
 生活保護の老齢加算についての御質問をいただきました。
 生活保護の老齢加算に関する訴訟について、生活保護法の違反である旨の福岡高裁の判決があったことを私も承知をいたしております。今後の訴訟の進め方については、被告自治体、これは北九州市でありますが、被告自治体が判断されるものでありますけれども、国として助言を求められているので、これまでの一連の判決結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと思っております。
 老齢加算については現在復活させると判断する状況にはありませんが、ナショナルミニマムの考え方を整理する中で、生活保護基準の在り方についても多角的な視野に立って検討いたしたいと思います。
 防衛関係費を削減し、在日米軍駐留経費負担及びグアム移転費を撤廃すべきとの御意見をいただきました。
 防衛関係費については、財政事情が厳しい中にあって、思い切った合理化、効率化を行い、効率的な防衛力の整備に努めてきたところであります。在日米軍駐留経費負担は日米安保体制の円滑かつ効果的な運用に資するものでありますが、その予算額は見直しにより減少してきたところであります。現在も日米で包括的な見直しを実施しているところであります。
 また、海兵隊のグアム移転は、沖縄の負担軽減のための重要な取組だと認識しております。日本側の費用負担については、今後とも毎年度その内容を精査していく所存であります。いずれにせよ、これらの経費については撤廃するものではないと考えているところであります。
 証券税制の優遇措置について御質問いただきました。
 証券税制については、現在、分離課税に適用される二〇%の本則税率を一〇%に軽減をしていることは御承知のとおりであります。これは厳しい経済金融環境にかんがみて講じられた時限的な措置でありまして、現行法上、平成二十四年分から二〇%の本則税率に戻ることとなっております。証券税制の在り方については、今後、税制調査会において更に議論をしてまいりたい、このように考えております。
 大企業への優遇税制について御質問いただきました。
 租税特別措置については、税制における既得権益を一掃する観点から、ゼロベースで見直すこととしておりますが、法人税を含む企業に対する課税の在り方については、強い経済、強い財政、強い社会保障を一体的に実現するために、必要な財源をどのように分担していくかといった観点から、税制抜本改革の中で検討する必要があると考えております。
 なお、企業がどのような資産を保有するかについては、それぞれの置かれた経済状況に応じ、企業自らが判断すべきであり、手元資金の量といった点だけに着目して課税を行うことは必ずしも適切ではないと考えております。
 法人税の在り方についての御質問をいただきました。
 経済産業大臣が成長戦略の一環として法人実効税率の引下げを提言されていることは承知をいたしております。法人税の在り方については、国際的な競争という観点や、企業の立地競争力の改善などの観点を踏まえ、我が国の経済や社会にプラスになる形となるよう、経済成長が税収に与える影響や財源の在り方を含め、税制調査会で幅広く検討していただきたいと、このように考えているところであります。
 消費税についての御質問をいただきました。
 消費税については、所得が低いほど負担感が強い、いわゆる逆進性が指摘をされているものと承知をしております。消費税の在り方については、平成二十二年度税制改正大綱において、社会保障制度の抜本改革の検討などと併せて、逆進性対策等も含め、検討していくことといたしております。
 今後とも、この大綱を踏まえ、税制の抜本改革について、消費税のみならず、個人所得課税、法人課税等を含めた具体的な全体像をお示しできるよう、議論を進めてまいります。
 財政健全化検討会議に関する御質問をいただきました。
 我が国財政は主要先進国中で最悪の水準であり、もはや国債発行に過度に依存することは困難で、持続可能性が少なくなっていると認識しております。公的債務の増加を放置し、国債市場における信認が失われれば、財政破綻に陥るおそれがあり、財政健全化を着実に進めていく必要があると考えております。
 財政の健全化という我が国の将来を左右する重大な課題について、与党、野党の壁を越えた国民的な議論が必要であると考えており、財政健全化検討会議を是非超党派でつくろうではないかという提案をさせていただいたところであります。この会議を具体的にどのようなものにするかなどについては、野党の皆さんの御意見も聞きながら検討してまいりたい、このように考えております。
 以上、私の答弁とさせていただきます。(拍手)
    ─────────────
#42
○副議長(山東昭子君) 舛添要一さん。
   〔舛添要一君登壇、拍手〕
#43
○舛添要一君 新党改革の舛添要一です。新党改革を代表いたしまして、菅総理の所信表明演説に対して質問いたします。
 質問に入ります前に、議会制民主主義のルールを無視した昨今の民主党の国会運営に強く抗議をいたします。私たちは、引き続き予算委員会の開催を求めます。
 さて、鳩山内閣は、政権就任後、八か月の迷走の末、退陣に至りました。この間、政治と金の問題をめぐっては、国民が求めてきた国会における小沢前幹事長の説明を拒否し続けたのみならず、普天間基地移設問題、口蹄疫対策などで政権の責任を果たさず、人気取りのばらまき政策に終始して経済の低迷を打破できず、国民の信を失いました。鳩山内閣において副総理という重職にあった菅首相は、その責任をどう認識しているのでしょうか。
 また、昨年の総選挙のときに国民に約束したマニフェストは、実際に政権を取ると、実現不可能であったり、大幅な見直しを迫られたりするものが多く、これでは、マニフェストがうそつきの代名詞と言われても仕方がありません。この国民に対する公約違反をどう説明するのでしょうか。
 さらには、連立政権の在り方も問題です。選挙で集票する、そして、国会、とりわけ参議院で多数派を形成するためだけの数合わせの連立で、政策については、都合の悪いところは沈黙、また合意した内容もほごにするというのなら、この連立政権そのものが国民に対して背信行為を行ったことになります。社民党が普天間問題で連立政権から離脱し、国民新党は郵政法案の取扱いをめぐって亀井大臣が辞任するという事態は、まさに異常であります。
 これからも何らかの形で連立政権の時代が続くことが予想されます。菅総理は、連立政権の在り方、言わば連立の作法というものについてどのように考えているのか、そのお考えをお聞かせください。
 政治と金の問題については、小沢前幹事長が国会で説明責任を果たしたとは言い難い状況であります。今後、予算委員会などの場で証人喚問などの形で国民の代表である私たち国会議員が小沢氏にきちんと説明を求める場を設定すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 それに関連して、政治浄化のために、私たち新党改革は企業・団体献金の全面禁止を政策に掲げておりますが、民主党政権になってから、政権与党が企業のみならず労働組合と癒着していることが明らかになりました。企業・団体献金に対する総理の見解を求めます。
 総理は、行政組織や国家公務員制度の見直しについて述べられましたが、公務員の数を何年掛けてどのくらい減らすのか、具体的な工程表をお示しください。
 私たち新党改革は、まず隗より始めよ、国会議員定数の半減をうたっておりますが、国会議員の定数削減について総理はどう考えておられますか。
 次に、郵政事業については、総理は、民主党と国民新党の合意に基づき、郵政改革法案の速やかな成立を期してまいりますと述べられましたが、この法案には問題点が山積しております。例えば、郵貯、簡保の限度額をそれぞれ二千万円、二千五百万円に引き上げることなど、民業圧迫も甚だしく、容認することはできません。このような問題点を残したまま、総理は郵政改革法案を原案のまま成立させる考えなのでしょうか。
 その点にも関連いたしますが、官と民の役割分担について、総理の御見解を求めたいと思います。
 国民の安心を担保するセーフティーネットは、戦後の高度経済成長時代は個人の所属する会社や団体が担ってきました。しかし、企業が国際社会で生き残るための熾烈な競争を強いられている今日、もはや日本の企業にはセーフティーネットを張り巡らすだけの力はありません。そこで、政府がセーフティーネットの責任を果たすべきであります。しかしながら、それには当然費用が掛かります。どのような形で費用を捻出するのか、それこそが政府の最大の役割であります。
 八か月にわたる財務大臣在任中は、総理はこの問題について明確な方針を示しませんでした。どのようにして強い財政を実現するのでしょうか。私たち新党改革は、法人税を二〇%台にする、消費税を福祉目的税化して増税するという提案をしておりますが、総理の税制改革案を具体的にお示しください。総理は超党派の財政健全化検討会議を提案していますが、経済政策についての哲学の一致を見ないまま、党派を超えて財政健全化を議論しても実りある結論は出ないと思いますが、いかがでしょうか。
 総理の提案する第三の道路線は、基本的にケイネジアン、ケインズ主義の立場に立脚する限り、総理が批判する公共事業中心の第一の道と変わらないのではありませんか。例えば、介護分野への投資は内需拡大効果が大きいとしても、それだけで日本のGDPを大きく拡大させる効果は望めません。国際社会の中で日本国がどのようにして競争力を強化し、富を蓄積するかという視点がなければ、お金が天から降ってくるわけではありませんので、総理の言う第三の道は、作文としては通用しても、現実に日本国を経営する観点からは破綻すると思いますが、いかがでしょうか。
 私は、若いころヨーロッパで学んできましたが、ヨーロッパと日本では歴史も国民性も風土も違います。ヨーロッパを参考にするのは結構ですが、無批判的にイギリスなどの制度や考え方を日本に導入するのは間違っていると思います。
 日本の国際競争力はなぜ低下したのか。セーフティーネットがほころびたことだけが原因ではありません。それは日本のガラパゴス化と呼ばれる現象が蔓延しているからであります。言うまでもなく、ガラパゴスとは進化に取り残された生物の生息する島です。今や日本は、進化に取り残された企業、組織、ルール、人々が生存する島になっております。国際的視点を欠いた物づくり、国際的ルールづくりの場での日本の不在、過剰な規制による行政の効率低下などが大きな問題です。日本の空港や港湾の国際的地位が低下しており、ハブ空港、ハブ港湾の地位が他のアジア諸国に奪われておりますが、これなどその典型例です。
 菅総理は、日本のガラパゴス化に対する危機感を私と共有しますか。もし共有するのならば、具体的にどのような対策を取るおつもりでしょうか。
 次に、政府の最大の責務である外交・防衛問題について質問いたします。
 鳩山政権の八か月は、これまで歴代政権が営々として築いてきた日米関係の信頼性を失墜させるものでありました。そしてまた、この間の経緯は沖縄県民の心をもてあそぶものでありました。総理は日米関係をどのようにして修復するのですか。また、沖縄県民の信頼をどのようにして回復させるのですか。このような中で普天間代替施設の工法を八月末までに決めることができるのでしょうか。
 総理は、さきの日米合意を踏襲して、沖縄の負担軽減に尽力する覚悟ですと述べておられますが、何の具体策も示しておりません。これでは鳩山総理の発言と五十歩百歩ではありませんか。結局は、沖縄の人々は政府に切り捨てられたという思いを強くするのみだと思いますが、いかがでしょうか。
 憲法改正問題も重要であります。菅総理はこの問題について所信表明演説では全く触れられませんでした。憲法改正についてはどのようなお考えでしょうか。また、憲法改正国民投票法に基づいて設置されるべき憲法審査会が与党の反対でまだ始動しておりませんが、この点については民主党代表として総理がリーダーシップを発揮されることを強く求めますが、いかがでしょうか。
 最後に、失われた二十年間の反省の上に、夢と希望に満ちあふれた日本に新生していくという課題について述べたいと思います。
 総理は失われた二十年の原因として政治的リーダーシップの欠如を指摘しておりますが、その点については私も同感であります。しかしながら、人の側面も重要ですが、制度の側面もまた大事です。強力なリーダーシップの下で、政官業、そして労働組合の癒着に見られるような旧弊を打破し、新しい国の形をつくらねばなりません。私は、明治の廃藩置県と逆のベクトル、つまり道州制を推進すべきだと思いますが、いかがでしょうか。私の提唱する大阪経済特区構想もその一環であります。
 総理には、是非とも新しい国の形を明示して、国民の信を問われることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#44
○内閣総理大臣(菅直人君) 舛添議員の御質問にお答えを申し上げます。
 鳩山内閣の副総理としての責任についての御質問であります。
 副総理、財務大臣として所管事項の遂行に努めてまいったところでありますが、鳩山内閣の一員として、こうした内閣が行き詰まったことの責任は痛感をいたしております。この挫折を乗り越えて、政権交代に対して、昨年の秋、国民の皆さんからいただいた期待を回復すべく全力を挙げてまいりたいと考えております。
 衆議院選マニフェストの違反について御質問をいただきました。
 総じて言えば、二十二年度予算では、子ども手当や高校無償化など、さきの総選挙でお示ししたマニフェストに盛り込んだ施策を実行すべく措置できたものも多くあったと思います。ただし、ガソリン税の暫定税率の維持などはできなかったことで、これは当時の財政事情あるいはいわゆる地球温暖化対策等の考え方など熟慮を重ねた結果でありまして、しかし、いずれにしてもマニフェストと異なる結論を出したことについては、鳩山前総理も国民の皆さんに率直におわびをされたところであります。
 来る参議院議員選挙において新政権として新たな政権公約をお示しすることとなりますが、これにはこうした従来のマニフェストを踏襲するもの、あるいは一部修正するものも盛り込まれることになるわけです。今後とも、国民の皆様と真摯に向き合い、議論しながら、国民の生活が第一という政治の原点に立って全力で進んでいきたい、こう考えております。
 連立政権の在り方について御質問をいただきました。
 連立については、もとより政党が異なることから、すべての政策において一致をするわけではありません。したがって、連立政権として実施すべき政策合意を取り交わしてきたところであります。同時に、国会運営は各党各会派の協議で決められていくものであり、政府はもとよりとして与党だけで決することはできないことになります。我が国において、この十数年間、連立政権の経験を蓄積してまいりましたが、今後も国民の理解と支持を得られる連立政権の運営を目指していきたいと考えております。
 小沢前幹事長の説明責任についてお尋ねがありました。
 小沢前幹事長は自ら辞任をすることによって政治責任を取り、政治的なけじめを付けられたものと理解をいたしております。国会における証人喚問が必要という御主張については、各党会派の御議論に基づき国会でお決めをいただきたいと思います。政府として、国会の運営について余り深くは申し上げることは慎むべきものと考えております。
 企業・団体献金の禁止について御指摘をいただきました。
 労組に限らず、政治と金にまつわる不祥事の解消を目指して、企業・団体献金の禁止について今国会中に成案を得られるよう、前代表の指示で党が各党協議を呼びかけてきたと理解をいたしております。しかし、各党会派では、建設的な議論を進め制度論は制度論として成案を得ることについて、各党の中に消極的な声もあり、実現していないのは残念でございます。引き続き、制度改革に向けて呼びかけていきたいと考えております。
 国家公務員の数の削減についての質問をいただきました。
 民主党マニフェストにおいては、平成二十五年までの四年間で、地方分権推進に伴う地方移管、労使交渉を通じた給与改定などと併せて国家公務員の定員の見直しに取り組むことにより、国家公務員の総人件費を二割、一・一兆円削減することを目標としているところであります。国家公務員の数の削減については、この枠組みの中で適切に取り組んでいく所存であります。
 国会議員の定数削減について御意見をいただきました。
 このことは、内閣の責任者として申し上げるのは余り適切ではないと思いますが、民主党の代表という立場で申し上げれば、衆議院は比例定数の八十の削減を、さきの総選挙マニフェストと同様に今後も盛り込んでいきたい。それに加えて、参議院定数についても四十程度の削減を目指す方向を打ち出していきたいと考えております。民主党としては、この方針に基づき、与党及び与野党で協議し、成案を得るべく努力をいたしたいと思います。
 郵政改革法案を原案のまま成立させるのかとの御質問であります。
 郵政改革関連法案は、郵政民営化の結果、郵政事業の経営基盤が脆弱となったこと、その役務を郵便局で一体的に利用することが困難となったといった問題に対処するために成立が必要な法案だと考えております。また、郵政改革関連法案は、経営の自主性を尊重する観点から株式会社形態を前提として組織を再編成するものであり、公社や国営に戻すものではありません。
 政府・与党としては、参議院議員選挙後の臨時国会において同一の郵政改革法案を再提出し、早期に成立させていただくようお願い申し上げるところであります。
 セーフティーネットにおける官と民の役割について御質問いただきました。
 これまで我が国では、終身雇用などにより企業がセーフティーネットに大きな役割を果たしてきましたけれども、御指摘のように、グローバルな競争の激化などや経済の低迷に直面して、その役割が必ずしも果たせなくなってまいりました。このため、新内閣では、強い経済、強い財政、強い社会保障の一体的な実現を、政治の強いリーダーシップで実現をしてまいりたいと考えております。
 その中で、財政健全化の取組により、財政の機能を通じて社会保障サービスの安定的な提供とセーフティーネットを確保してまいりたいと考えます。また、経済成長を促し、国民に安心を約束することにより持続的な成長を導き、強い経済を実現していきたいと思っております。
 舛添議員の政府がセーフティーネットの責任を果たすべきという考え方は、私たちとも極めて共通性が高いものと、そのように認識をいたしております。
 税制抜本改革の具体的内容について御質問をいただきました。
 我が国において、経済の成長力が低下するとともに、財政は主要先進国で最悪という厳しい状況に陥っております。こうした状況から脱却するには、今後、強い経済、強い財政、強い社会保障を一体的に実現するという道を目指すべきであり、そのために必要な財源を国民全体でどのように分担していくかという議論をしっかりと行う必要があると考えております。
 こうした考え方の下、税制の抜本改革を行うに当たっては、個人所得課税、法人課税、消費課税等を含めた全体像を具体的にお示しできるよう議論を進めてまいりたいと考えております。
 財政健全化検討会議に関する質問をいただきました。
 財政の健全化という我が国の将来を左右する重大な課題について、与党、野党の壁を越えた国民的な議論が必要であると考えており、財政健全化検討会議をそうした超党派の皆さんでつくることを提案をいたしたところであります。この会議を具体的にどのようなものにするか、野党の皆さんの御意見も聞きながら検討してまいりたいと考えております。この党派を超えての財政健全化の議論をしても、哲学の一致を見ないままやれば実りある結論が出ないのではないかということでありますが、どなたとどなたであれば哲学が一致しているのかを含めて、こういう会議で意見交換ができればと、このように思っているところであります。
 第三の道について御質問いただきました。
 多少、舛添さん、もしかしたら第三の道について多少の誤解があるのかもしれませんが、私が申し上げているのは、九〇年代以降、公共事業の多くは当座の需要を創出することはできたものの、内容的には我が国の供給サイドの競争力の強化や有効な成果に結び付かないものが多く、これを私は第一の道として失敗に終わったと指摘をいたしております。舛添議員からも指摘のあった、あの九十幾つもある飛行場の中でまともなハブ空港がないといったことがこの一つの象徴的な例であります。
 第三の道は、環境や医療、介護、保育など、潜在需要が存在する分野の課題解決や生産性向上に寄与するハブ空港などの整備によって、需要サイドと供給サイドの両面の好循環を目指す政策であります。こうした課題解決型の国家戦略の推進は、御指摘のような競争力の強化や富の蓄積につながる有効な政策と考えております。
 日本の国際競争力低下の原因と対応策について御指摘がありました。
 新興国が世界の経済成長を牽引していくと見込まれる中で我が国が国内だけに閉じた発想に陥っては、今後の経済成長を実現する上でも問題であると思っております。日本のガラパゴス化といった指摘はこのような危機感の表れだと私も認識しておりまして、私もいろいろな場面でこうしたガラパゴス化を打ち破らなければならない、そういう点では危機感を共有しているものと理解をいたしております。
 我が国の産業の国際競争力の低下の背景には、技術的に高品質の製品であれば売れるとの思い込み、国際標準などのルールづくりへの影響力の弱さ、さらにはハブ空港など真に生産性の向上に寄与する物流インフラの整備の遅れなどがあると認識しております。こうした課題に的確に対処していくことも念頭に、今月中に新成長戦略の全体像と工程表を取りまとめ、第三の道による成長を実現する道筋を示してまいりたいと考えております。
 日米関係についての御質問をいただきました。
 日米安保体制を中核とする日米同盟は、日本の防衛のみならず、アジア太平洋地域の安定と繁栄を支える国際的な共有財産であると考えております。日米同盟は日本外交の基軸であります。普天間飛行場の移設問題に関しては、先般の日米合意を踏まえ、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 同時に、日米間には協力して対処、対応すべき重要な課題がほかにも数多く存在しております。先日行ったオバマ大統領との電話会談においても、日米の関係のほか、韓国哨戒艦沈没事件やイランの核問題についても意見交換を行い、日米が緊密に連携していくことを確認をいたしたところであります。日米安保条約五十周年に当たる本年、二国間関係のみならず、アジア太平洋地域情勢やグローバルな課題についても緊密に協力し、日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で着実に深化、発展させてまいりたいと考えております。
 普天間飛行場の移設に係る沖縄の人々の思いについて御質問をいただきました。
 普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように沖縄の負担軽減に尽力をしていく覚悟であります。沖縄において、これらの日米合意や閣議決定に対する厳しい声があることは十分理解をいたしております。今後、移設計画や負担軽減の具体策について、沖縄を始め地元の方々に誠心誠意説明し、理解を求めていく所存です。
 先ほども申し上げましたが、今日は仲井眞知事に初めてお話をすることができまして、これをある意味ではスタートとして沖縄の皆さんともしっかりとお話合いをしていきたいと、このように考えております。
 憲法改正について、さらにはリーダーシップについて御指摘がありました。
 憲法改正と憲法審査会の問題については、まず党の中でしっかり議論をし、その上で与党、しかる後に与野党間でしっかりと協議をして決めていくべきものと考えております。憲法審査会の始動の問題も同様と考えております。
 なお、憲法改正が当面する内閣の喫緊の課題というふうには現在考えてはおりません。経済と国民生活を立て直すことが第一だと思っております。
 総理のリーダーシップということでありますが、このリーダーシップというのは、自分一人がリーダーシップを発揮しようといっても、それだけではなくて、国民の皆さんから、よし、やってみろという、そういう信頼が得られてこそリーダーシップが発揮できるものと考えておりまして、そうしたリーダーシップが発揮できるように努力をしてまいりたい、このように思っております。
 道州制の推進についての御質問をいただきました。
 住民参加による行政を実現するためには、地域主権の徹底が不可欠だと考えております。地域主権改革においては、住民に身近な行政は基礎自治体が広く担うことを原則とし、広域自治体については、当分の間、現行の都道府県の枠組みを基本と考えております。地域主権改革を推進していく中で、地域の自主的判断を尊重しつつ、現行制度を前提とする広域連合や合併の実施、将来的な道州制の導入についても検討していくことは十分あり得ると思っております。明治の廃藩置県と逆のベクトルで分権の日本をつくっていきたいというその基本的な考え方は、私も同じ考え方を持っているということを申し上げておきたいと思います。
 私からの答弁は以上です。(拍手)
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#45
○副議長(山東昭子君) 福島みずほさん。
   〔福島みずほ君登壇、拍手〕
#46
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。社民党を代表して、菅総理に対して質問をいたします。
 まず、所信表明演説と代表質問の後、予算委員会すら開かず閉会をするのは例がありません。なぜ予算委員会を開かせないのでしょうか。また、予算委員会を開催するとした自らの提案を数日で撤回をするのは約束違反ではないでしょうか。また、決算委員会も開かないのは大問題です。議論をさせないというやり方は、民主主義の観点から極めて問題だと思いますが、いかがですか。社民党は、予算委員会、決算委員会を開くことを求めます。
 まず、口蹄疫に苦しむふるさと宮崎の皆さんに対し、心よりお見舞いを申し上げます。そして、一刻も早く安心して生活ができるよう、社民党は全力を尽くします。政府の一刻も早い対応が求められていますが、政府の対応、対策についてお聞きをいたします。
 次に、普天間基地問題について質問をします。
 菅総理は、一九九八年、沖縄で開催をした民主党大会で、党代表として、海兵隊をアメリカ領に戻しても日米安保上支障はない、どうしても必要があれば削減をして本土へ移転するのも当然だと海兵隊の国外、県外移転を打ち出しています。総理は、このような発言をされたことをお認めになりますか。また、沖縄の基地問題に関する超党派勉強会の会長に就任をした二〇〇五年、普天間の辺野古移転について、不可能だ、県外、国外へ移転すべきだと宣言をしていますが、そのこともお認めになりますね。それが、現在、辺野古に基地を造ると決めていますが、国外、県外移転をするべきだという考え、沖縄や国民への約束は、一体いつ、なぜ変わったのですか。総理は、政治家として、これらの言葉に責任を持つべきではありませんか。どうですか。
 鳩山前総理は、普天間基地の問題について、国外、県外移転を沖縄、国民の皆さんに約束をしてきました。鳩山内閣は、そのことを実現する内閣でなければならなかったはずです。社民党は、総理とこの考えを共有し、総理を支え、実現のために頑張ってきたつもりです。菅総理は、副総理として、国外、県外移設を目指す総理を支え、どのような行動を取ったのでしょうか。副総理としての責任をどう果たされたのでしょうか。また、外務省は、アメリカに対し、国外移設についてどのような交渉をしたのでしょうか。具体的に説明をしてください。
 菅総理は、日米共同声明を守ると述べられました。沖縄の同意がないにもかかわらず、なぜ辺野古に基地を造るという約束ができるのでしょうか。民主主義を踏みにじり強行することには反対です。
 総理は、最小不幸社会と言っています。新基地建設で沖縄の負担と犠牲は明確に増加をします。沖縄は最小不幸社会の対象にならないんでしょうか。また、総理は地域主権を言っています。地域の声を無視し計画を強行しようとすることは、地域主権に明らかに反しています。どうですか。地域主権を言う資格はないと思いますが、いかがですか。
 社民党は、日米共同声明に辺野古と明記していることの撤回を求めます。菅総理、御自身が主張されてきたとおり、国外の主張をなぜなさらないのですか。
 次に、政治とお金の問題についてお聞きします。
 社民党は、これまで一貫して企業・団体献金の禁止の法制化を提言してきました。まず、これを実現すべきではありませんか。決意を示してください。
 次に、雇用についてお聞きします。
 自民党政権下、労働時間や派遣法について規制緩和をしてきたことが雇用をまさに破壊をしました。年収二百万円以下で働く世帯が四世帯に一世帯となっていることは、まさに政治の責任です。社民党は、規制緩和をされてきた働く人のための法律を規制強化すべきだと考えていますが、総理も同じ見解に立ちますか。私は、総理と野党時代から、そして政権下で一緒に派遣法の改正に取り組んできましたが、派遣法の抜本改正を次期臨時国会で成立させるべきだと考えますが、総理の決意を聞かせてください。また、社民党は、パートの人も含め、時給千円以上の最低賃金を実現すべきだと考えますが、いかがですか。所信表明演説では、介護や医療、年金について具体的に今後どう改革をしていくのか、具体像が見えません。具体的な立て直しをどう考えているのか、お示しください。
 子育て支援についてお聞きします。
 社民党は、子ども手当は一万三千円とし、むしろ保育所や学童クラブなどの現物支給にもっと力を入れ、質と量を確保すべきだと考えていますが、いかがですか。
 地域主権とナショナルミニマムについてお聞きします。
   〔副議長退席、議長着席〕
 地域主権は大事な考え方です。しかし、すべてを自治体にゆだねれば、地域によってナショナルミニマムを下回る実態が起きることは避けられません。障害者政策、児童虐待対策、ドメスティック・バイオレンス対策、保育など、国が責任を持ってナショナルミニマムを保障すべきだと考えますが、いかがですか。子ども・子育て新システム検討会議が進んでいますが、子供を中心に据えて国と自治体が保育のナショナルミニマムとしての質と量を保障すべきだと考えますが、いかがですか。
 私が担当していた障がい者制度改革推進会議で障害者政策が大きく変わろうとしています。この会議の半数以上を障害当事者や家族が占めています。私たち抜きに私たちのことを決めないで、このことが大事です。だからこそ、社民党は、障害者自立支援法の改正法案に反対をしました。現在、この障がい者制度改革推進会議が続けている議論を踏まえ、障害者総合福祉法や障害者差別禁止法の制定をすべきだと考えています。総理の決意を示してください。
 また、男女平等についてお聞きします。
 前政権で、私は多くの皆さんの協力を得て男女共同参画第三次基本計画を作りました。女性が仕事を続けられるような環境の整備、男女共に人間らしい働き方を実現するための施策、貧困の根絶、マイノリティーである困難を抱える人たちへの施策など、具体的な計画を示し、実現することが必要です。その実現への総理の決意を示してください。
 また、選択的夫婦別姓の導入や婚外子差別撤廃などの民法改正や人権条約の選択議定書の批准などが急務だと思います。総理、実行されますか。
 財源についてお聞きします。
 三党合意では、四年間は消費税を上げないとなっていました。これは国民に対する約束です。約束は守るべきだと考えますが、いかがですか。
 社民党は、法人税と所得税の最高税率を十年前に戻すことで四・二兆円財源が捻出できることを試算しています。貧困率が一五・七%、一人親家庭の貧困率が五四・三%という中で消費税を上げれば、生活そのものが成り立たなくなる人々が増えることは明らかです。初めに消費税値上げありきではなく、なぜ所得税の最高税率を上げるということに踏み切らないのですか。今の日本に必要なことは所得の再分配だと考えますが、いかがですか。
 総理は、所信表明演説でパーソナルサポートについて言及されました。このことについては私もやってきましたし、大賛成です。しかし、日本の中で、基地の負担という最も困難を抱える沖縄という地域に政治が寄り添わなくていいのでしょうか。
 総理は、支え合いのネットワークからだれ一人として排除されることのない社会とおっしゃいました。私もその理念を共有しています。しかし、そのネットワークから沖縄は明らかに排除されています。だれ一人として排除されることのない社会と本当におっしゃるのであれば、総理は初心に戻り、普天間基地の国外、県外移設に取り組むべきだと考えますが、いかがですか。
 社民党こそ、沖縄を支え、労働条件で苦しむ人を支え、高齢者や障害のある人を支え、支え合いのネットワークを、だれ一人として排除されることのない社会を全力でつくり、国民の権利を守ると国民の皆さんにお約束し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#47
○内閣総理大臣(菅直人君) 福島みずほ党首にお答えを申し上げます。
 まず、国会の日程については、与党、野党それぞれ御主張があると伺っておりますが、政府としては、国会のことは各党各会派で御議論、決定されるものと考えております。
 口蹄疫について、予備費の投入などについての御質問をいただきました。
 口蹄疫については、まず迅速な殺処分、埋却等の感染拡大の阻止に全力を挙げているところであります。経営・生活支援については、殺処分を余儀なくされた農家に対し、五月二十五日、家畜伝染病予防法に基づく手当金の概算払の受付を開始し、六月一日、手当金を速やかに交付するために、その一部として予備費九十六億円を措置いたしました。
 政府としては、時価による評価での手当金等の交付、互助基金からの支払など、雇用労働費も考慮した生活支援、経営再開に要する経費の支援など、前例にとらわれない対応を講じることとしており、今後も予備費や特別交付税などの活用を検討してまいります。
 海兵隊の県外、国外に関する私の過去の発言についていろいろと御質問いただきました。
 我が国周辺の東アジアの安全保障環境は、最近の朝鮮半島情勢などに見られるとおり、不安定性、不確実性が残っております。したがって、海兵隊を含む在日米軍の抑止力は安全保障上の観点から極めて重要だと認識をいたしております。
 普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように、沖縄の負担軽減に尽力する覚悟であります。
 私が過去いろいろな場面で発言をしたことを否定するつもりはありません。そして、他の議員の方にも申し上げましたけれども、ある時期にはアメリカの戦略が変わる中でいろいろな可能性があるのではないかと思って申し上げたことも事実であります。しかし、この近年になって、いろいろな時期がありますけれども、残念ながら、米ソの対立がなくなった後に新たな九・一一の問題等々生じてまいりましたし、今の東北アジアの状況は決して安定的な状況ではないということで、私が内閣総理大臣として申し上げているのはそういうことを踏まえての内閣総理大臣としての私の見解を申し上げております。
 なお、一九九四年に、当時、自社さ政権ができたときに、当時の村山総理もそれまでの日米安保を破棄すべきというものを撤回をされたこともあります。内閣の総理大臣になられた当時の社会党委員長は、やはり日米安保条約を破棄するという線では日米関係は維持されないという、そういう高度の判断もあったのではないかと思いますが、私はそういったことについてもいろいろ過去の状況を見ている中で、私としての見解を現在申し上げているところであります。
 鳩山内閣の副総理としての責任について御指摘がありました。
 鳩山内閣において、私は副総理としてはもちろん、当初は国家戦略担当相として、後には財務相として担当をした職務に全力を尽くしてきたところであります。普天間基地移設をめぐる混乱状況を結果として防げなかったことには責任を痛感をいたしております。
 普天間飛行場の国外移設に関する米国との交渉についての御質問をいただきました。
 我が国周辺の東アジアの安全保障環境には、最近の朝鮮半島情勢等に見られるとおり、不安定性、不確実性が残っておりまして、したがって、海兵隊を含む在日米軍の抑止力は安全保障上の観点から極めて重要だと認識をいたしております。
 米国との信頼関係にかんがみ、日米間のやり取りの具体的な内容についてつまびらかにすることは差し控えるのが内閣の姿勢だと思っております。他方、先般の日米合意は、米海兵隊の一体運用の必要性に配慮しつつも、沖縄の負担軽減及び普天間飛行場の危険性の除去のため、ぎりぎりの交渉を行って合意したものであるというふうに聞き及んでいるところであります。
 沖縄の合意がないにもかかわらず辺野古に移設できるのか、移設計画は地域主権に反しているのではないか、県外、国外を主張すべきではないかとの御質問をいただきました。
 普天間飛行場の移設については、先般の日米合意を踏まえつつ、同時に、閣議決定でも強調されたように、沖縄の負担軽減に尽力をする覚悟であります。
 御承知のように、沖縄の負担軽減には嘉手納以南の問題とかいろいろな課題があるわけでありまして、もちろんこの普天間の移設の問題が最大の問題ではありますけれども、そういったそれ以外の問題についてもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 なお、沖縄においてこれらの日米合意や閣議決定に対する厳しい声があることは十分承知をいたしております。
 今後、移設計画や負担軽減の具体策について、沖縄県を始め地元の方々に誠心誠意説明して理解を求めていく所存であります。
 企業・団体献金の禁止について申し上げます。
 企業・団体献金の禁止については、今国会中に成案を得られるよう、前代表の指示で党が各党協議を呼びかけてきたことは福島党首御承知のとおりであります。しかし、各党会派で建設的な議論を進め、制度論は制度論として成案を得ることについて各党の中に消極的な声もあり、実現していないのは残念という思いは社会民主党とも共有しているのではないかと思っています。引き続き制度改革に向け呼びかけていきたい、社会民主党におかれても是非御協力をお願いいたしたいと思います。
 労働法制の規制緩和と労働者派遣法改正案について御質問いただきました。
 行き過ぎた規制緩和を適正化し、労働者の生活の安定を図ることは極めて重要だと考えております。労働時間については、自民党政権下において企画裁量労働制の導入やその要件緩和が行われました。一方で、月六十時間を超える時間外労働について割増し賃金率の引上げなども行われたところであり、その施行を通じて長時間労働の抑制に努めてまいりたいと思います。
 また、現在審議をお願いしている労働者派遣法改正案は、派遣労働者を保護するための抜本的な改正を行うものであります。この法案は特に福島党首の極めて思いの濃いところであったことは私もよく承知をしておりまして、三党の間で合意をした中身でありますので、何とか早期の成立を図っていきたいし、御協力をお願いいたしたいと思っております。
 最低賃金の引上げについて御質問いただきました。
 働く方々の暮らしを守るため、最低賃金の引上げに取り組むことは重要だと考えております。先般の雇用戦略対話において、最低賃金引上げの目標については、二〇二〇年までに、できる限り早期に全国最低八百円を確保し、景気状況に配慮しつつ、全国平均千円を目指すこととされました。まずはこの目標の達成に向けて、労使関係者との調整を行いつつ進めることが必要だと考えております。
 介護、医療、年金改革の具体像についての御質問をいただきました。
 国民の方々の安心を確保するためには、強い社会保障を実現し、しっかりとした介護、医療、年金制度の確立が重要です。このため、後期高齢者医療制度を廃止し新たな高齢者医療制度を構築すること、質の高い医療、介護人材の確保等により医療、介護サービスを安定的に提供すること、介護、医療や様々な生活を支援するサービスが連携した地域包括ケアシステムを構築することといった取組を実施してまいりたいと思います。
 また、年金制度については、公平、透明で新しい時代に合ったものとするため、新制度創設の法案を平成二十五年度に国会に提出することを目指し、国民的な議論を進めてまいりたいと考えております。
 子育て支援の充実についての御質問をいただきました。
 平成二十三年度以降の子ども手当については、現在、党の方で議論がされておりますが、現行の一万三千円の手当額の上乗せ分については、今後、国民の皆様の御意見も十分に勘案しながら、保育サービスの充実など現物支給することも含め、財源の在り方ともよく検討してまいりたい。このような考え方は福島党首も御理解をいただけるものと思っております。
 子育て支援については、包括的、一元的な次世代育成支援のための制度の構築について速やかに基本的な方向をまとめ、平成二十三年の通常国会に法案を提出する予定といたしております。
 地域主権とナショナルミニマムについて御質問をいただきました。
 住民参加による行政を実現するためには地域主権の徹底が不可欠であります。各地の要望を踏まえ、権限や財源の移譲を丁寧に進めてまいります。一方、御審議をいただいている地域主権一括法案においては、保育の質等に大きな影響を与える人員配置基準等については、条例に委任した上で全国一律の最低基準を確保できるものとして国において整理をいたしております。
 また、自治体の判断で定められるとされる基準についても、各自治体がより充実したサービスを推進できるよう助言や支援を行うなど、自治体と連携してナショナルミニマムの確保にも配慮をしつつ地域主権を推進してまいりたいと考えております。
 障害者自立支援法の廃止等についての御質問をいただきました。
 障害保健福祉施策を見直すまでの間に関する議員立法については、衆議院で可決、参議院では厚生労働委員会で可決されたところと承知しており、政府としては、今後の審議を見守ることといたしております。
 いずれにせよ、政府としては引き続き、障がい者制度改革推進会議などにおいて障害のある方などの御意見を十分に伺いながら、障害者自立支援法に代わる新たな制度や障害者の差別禁止法について検討を進めてまいりたいと考えております。
 第三次男女共同参画基本計画策定についての御質問をいただきました。
 本年中の策定に向け、男女共同参画会議において基本計画の基本的な考え方について議論が行われていると承知をいたしております。男性も女性も、一人一人の人権が尊重され、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会を実現するため、実効性のある基本計画を策定してまいりたい、このように考えております。
 民法改正と選択議定書の批准について御質問をいただきました。
 選択的夫婦別氏制度の導入や嫡出でない子供の相続分を嫡出である子と等しくすることなどについては、平成八年に法制審議会において、民法改正案の要綱を決定し、法務大臣への答申が行われたところであります。民法改正については、いろいろな意見があるわけでありますが、この答申を踏まえ、引き続き与党内で調整をいたしているところであります。
 また、自由権規約や女子差別撤廃条約の選択議定書に設けられている個人通報制度については、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から注目すべきものであると考えておりますが、この制度の受入れの是非については、各方面から寄せられている意見も踏まえ、政府として真剣に検討を進めているところでございます。
 消費税についての質問をいただきました。
 三党合意では、さきの衆議院の任期の間は消費税を上げないという合意がなされたと理解をいたしております。我が国財政は、長期債務残高がGDPの一八〇%に及ぶとともに、近年税収が大幅に落ち込むなど、危機的な状況にあります。また、先般のギリシャの財政危機なども踏まえると、財政健全化が喫緊の課題だと考えております。消費税については、二十二年度税制改正大綱でも社会保障制度の抜本改革の検討と併せて検討していくこととされており、これを踏まえて検討を続けてまいりたいと思います。
 社会民主党として社会保障の充実には非常に力を入れられるわけでありますが、その財源を消費税に求めることについてかなり抵抗感を持っておられることを私も承知をしておりますが、社民党が一つのモデルとされている北欧諸国においては相当程度そうした付加価値税によって賄われているということを考えますと、もし福祉を充実した上で、それをやるための財源としてどういうものがその規模に合わせて存在するのかということも併せて御提案をいただければ有意義な議論が行われるのではないかと、このように思っております。
 今後とも、この税制大綱を踏まえ、税制の抜本改革についても、消費税のみならず、個人所得課税、法人課税を含めた具体的な全体像をお示しできるよう議論を進めてまいりたいと考えております。
 所得税の再配分機能の回復について御質問をいただきました。
 所得税については、累次の改正により、税率の引下げ、その適用範囲の拡大などが行われており、所得再配分機能が低下している状況にあることは認識をいたしております。こうした状況を踏まえ、所得再配分機能の回復等を図るための所得税の見直しに加えて、税制の抜本改革を行うことといたしております。
 今申し上げましたように、所得税についても確かにこの再配分機能を回復すればある程度の増収効果があるわけでありますが、社会保障に係る費用を賄うにはなかなか所得税の改正だけでは十分ではないというふうに思っておりますので、先ほど申し上げたことについても御検討いただければと思っております。
 そういったことで、税制の抜本改革を行うに当たって、消費税、法人税等を含めた具体的な全体像をお示しできるよう議論を進めてまいりたいと思っております。
 以上、答弁とさせていただきます。(拍手)
#48
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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