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2009/11/25 第173回国会 参議院 参議院会議録情報 第173回国会 国際・地球温暖化問題に関する調査会 第2号
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2009/11/25 第173回国会 参議院

参議院会議録情報 第173回国会 国際・地球温暖化問題に関する調査会 第2号

#1
第173回国会 国際・地球温暖化問題に関する調査会 第2号
平成二十一年十一月二十五日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任
     風間 直樹君     徳永 久志君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     犬塚 直史君     金子 洋一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         石井  一君
    理 事
                主濱  了君
            ツルネン マルテイ君
                藤田 幸久君
                牧野たかお君
                加藤 修一君
    委 員
                相原久美子君
                大石 正光君
                大久保潔重君
                大島九州男君
                金子 洋一君
                徳永 久志君
                室井 邦彦君
                森 ゆうこ君
                加納 時男君
                神取  忍君
                川口 順子君
                小池 正勝君
                佐藤 正久君
                松田 岩夫君
                丸山 和也君
                山下 栄一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        藤崎  昇君
   参考人
       特定非営利活動
       法人気候ネット
       ワーク代表
       弁護士      浅岡 美恵君
       東京工業大学准
       教授       蟹江 憲史君
       社団法人日本経
       済団体連合会地
       球環境部会委員
       東京電力株式会
       社環境部長    影山 嘉宏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○国際問題及び地球温暖化問題に関する調査
 (「日本の国際社会における役割とリーダーシ
 ップの発揮」のうち、京都議定書目標の達成に
 向けた地球温暖化対策の現状と課題及び国際的
 な取組と日本の役割・課題―二〇一三年以降の
 問題―(COP15に向けた我が国の取組の在
 り方)について)
    ─────────────
#2
○会長(石井一君) ただいまより国際・地球温暖化問題に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、風間直樹君及び犬塚直史君が委員を辞任され、その補欠として徳永久志君及び金子洋一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(石井一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際問題及び地球温暖化問題に関する調査のため、本日の調査会に特定非営利活動法人気候ネットワーク代表・弁護士浅岡美恵さん、東京工業大学准教授蟹江憲史君及び社団法人日本経済団体連合会地球環境部会委員・東京電力株式会社環境部長影山嘉宏君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○会長(石井一君) 国際問題及び地球温暖化問題に関する調査を議題といたします。
 本日は、「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」のうち、京都議定書目標の達成に向けた地球温暖化対策の現状と課題及び国際的な取組と日本の役割・課題―二〇一三年以降の問題―に関して、COP15に向けた我が国の取組の在り方について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 各参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。
 各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず浅岡参考人、次いで蟹江参考人、そして影山参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、浅岡参考人から御意見をお述べいただきます。どうぞ。
#6
○参考人(浅岡美恵君) 浅岡でございます。
 本日は、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。(資料映写)
 私たち気候ネットワークと申します団体は、十二年前京都でございましたCOP3、地球温暖化防止の国連の京都会議、京都議定書が採択されました会議に向けまして日本のNGOが力を合わせてつくりましたものでございます。今日まで、京都議定書の発効、そして次の約束期間の交渉の枠組みにつきまして、国際的な交渉の行方、また国内の、日本の国としましての政策、各地域におきました取組につきましてウオッチし、提言をしてまいりました。
 本日は、直前に迫っておりますCOP15の会議に向けましての日本の役割として期待されるところ、また国内におきまして今直ちに対応しなければならないと私どもが考えますところをお話しさせていただきます。
 まず、申し上げるまでもないところでありますけれども、この温暖化の影響は現在におきましても様々な影響が出ておりますが、それは途上国におきましてより深刻でありますし、私どもの将来世代にとりまして同じように大変深刻な問題でありますが、こうした問題を人権への侵害であるというふうにとらえてくる動きが最近顕著になってきております。私は弁護士という立場でありますので余計こういう思いを強くするわけでありますけれども、こうした人の生命、健康、また財産等への侵害が十分に予測されるという状況の下におきまして、この被害の最小化を図っていくということはまさに政治の課題だと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、最近の動きであります。
 私たちも十二年ウオッチをしてまいりましたけれども、特に昨年末からこの一年の動きというものは大変大きな転換があったと思います。
 京都議定書といいますのは、先進国の法的な拘束力のある二〇一二年までの削減数値目標を合意をしたという点、またこれを実効あるものにする地球規模の仕組みを取り入れているという点でとても画期的でありますし、今後もこうした枠組みは十分継続されなければならない基本となるものでありますけれども、このときは、二〇一二年までに先進国全体で五%程度を削減するといいましょうか、本当に目先の削減に踏み出したというところであったと思いますが、ここ近年、またとりわけこの一年といいますものは、気候を安定化させるために二〇五〇年までに世界全体で少なくとも半減以上の削減が必要であり、これを先進国と途上国で公平に分け合い、また先進国間でもこれを分担し合って確実に達成していかなければならない、そのためのプロセスとして二〇二〇年の中期の目標を今、削減目標の、数値目標の交渉をすると、こういう位置付けになってまいりまして、非常に大きなスケールで議論がされるようになったと思います。バックキャスティングという考え方も、政治の世界におきましても私たちの市民の社会の中で議論いたしますときもかなり定着をしてまいったと思うところであります。
 とりわけ、ここ数か月の間でありますけれども、この七月のラクイラ・サミットにおきましては二〇五〇年までに八〇%削減、これは先進国全体での目標としたわけでありますが、なぜこういう目標が必要なのかということにつきまして、産業革命の前から二度C程度の気温の上昇にとどめることが人々の安全のためにも、また大変大きな損害を避けていくというためにも必要であると、こういう認識が示されたわけであります。また、十月には、これはバンコクで会議がありましたときにも速報で示されたのでありましたけれども、IEAという国際エネルギー機関が、二度Cということとともに、それを実現するために大気中の濃度として四五〇ppm程度に抑えていく必要があると、そういう大きな目標をこうした機関も提起するということになりました。
 つい先ごろでありますけれども、日本の民主党、鳩山政権の下での二〇五〇年目標につきまして、オバマ大統領とともに、それぞれが、日米共に八〇%以上の削減が必要だという、こういう認識を示したということであります。二〇二〇年二五%削減目標ということは、国連で鳩山首相が表明されまして大変大きな反響を呼んだわけでありますけれども、今、わずかこの一、二か月の間に更に大きな枠組みというものに皆様の共通認識が広がっていると思います。
 問題は、こうした削減を実現していくための国内の体制をどうするかということでありますが、今日申し上げたいことは、他の先進国はこうした準備がかなりの程度終わっているということであります。しかしながら、日本はまだこれから議論を始めるに等しいところがあると。鳩山首相の国連での演説の機会といいますのは、こうした大きく低炭素経済に向けて移行を始めた世界の動きに日本がようやく滑り込んで最後のチャンスを得たと、こういうふうに理解をしているところでございます。
 二度という気温上昇のラインといいますものがなぜこのように重要視されるのかという点につきましては、こうした様々な影響がいろいろなところへ出てまいるという点でよく御案内のとおりであります。IPCCの科学的な知見に基づきましてそうした議論がなされております。このようなこれまでの世界の動きを後押ししてまいりましたのは、二〇〇六年、このスターン・レビューと言われる経済学的な分析であり、そうしたIPCCやスターン・レビューなどを受けた結果、G8のサミットになったと、こういう経過を御紹介しております。
 こういう中で、二五%削減目標というものを、九〇年比でこうした数字を出したということにつきまして、これは科学の要請に基づくもの、それまでの国連の下でのこうした交渉会議で積み上げられてきた合意の流れに沿うものということで大変国際社会から歓迎をされました。また、ノルウェーなどのその他の先進国の目標引上げを誘引するという意味でも、国際合意形成に貢献したところは多々あったというふうに思います。
 そういう意味で、先進国の削減目標を交渉の大きな焦点としてある中、更にもう一つ、その途上国の削減行動を支援していくための技術及び資金の移転、とりわけ資金問題ということが今日非常に大きな争点となっております。COP15の合意ができるかどうかといいますことは、この資金のメカニズム、またどの程度の資金を途上国に先進国全体で出していけるのかということが詰められるかどうかということに懸かっていると言っても過言ではないと思います。
 鳩山イニシアチブという形で示されておりますけれども、まだこの見解が十分ではないと私たちは思っております。とりわけ、この資金につきましては、どの程度の額が必要であり、日本としてどの程度のことができるのかということの具体的なやはり数字は共通認識のために必要でありますし、途上国に必要な資金が予測可能で継続性のある形で提供されるということを途上国は求めているわけでありまして、そうした枠組みについてまだ議論が、望ましい形での提案がなされているとは言えない状況にございます。また、そうした資金をどこがどのように管理をしていくのか、これも大変途上国の関心事であります。こうした点が今交渉を難航させている一つの要因でございます。
 このスライドは、これまでの交渉の中で、世界全体で今後十年から十五年の程度でピークアウトをし、二〇五〇年には半減以上の削減をする、先進国は二〇二〇年には二五ないし四〇%の削減、二〇五〇年には八〇%以上の削減が必要だというCOP13、バリでの合意を模式化したものでございます。
 こうしたCOP15の合意といいますものは、もう申すまでもなく、今も繰り返しました先進国の削減目標、途上国の削減行動、これらを中心といたしまして、それを実現するための資金や技術移転の仕組み、適応への先進国からの資金の移転の仕組みということが争点でありますが、更なる具体的な争点といいますと、やはりアメリカの問題が大変重要になっております。ブッシュ政権の遺産を、負の遺産を引き継いでいるという中でオバマ政権は苦慮しているわけでありますが、後で申し上げますように、アメリカは、当面のところはそうした問題を抱えておりますけれども、もう少し長期的に見ますと、大きな仕組み、経済の仕組みを変えようとする取組が大変進んでいると言えます。
 また、アメリカが参加するためにも、日本の国内におきましても、中国など排出が急増しています主要途上国の削減行動を実効ある形にしたいと。これも京都議定書のころから考えますと予想を超える大きな増加が見られますので、非常に重要な点ではあります。
 いずれにいたしましても、どの国もやらなければいけないことは分かっているわけでありますけれども、安心して早く取り組むという気持ちになれるような、担保する仕組みをつくるということが課題になっていると思います。
 どのような適応のお金が必要とされているかという資金の試算につきまして少し併せてあります。
 今いろいろ申し上げましたようなことを併せまして、日本はバンコクの会議では大変歓迎されましたが、バルセロナの会議では化石賞を取得いたしました。前政権時代の発言と変わらないではないかという意見が多々出てまいったということであります。これは、化石賞というものではありますけれども、やはりここで日本がいま一歩前に出てほしいという国際社会からの期待であります。
 どうして日本のポジションがいま一つ鮮明にならないのかという点につきまして、私たちは、この中期目標の達成の担保の政策、また法的な整備が遅れているということだと思います。二〇五〇年目標を見据えつつ二〇二〇年の削減を確実にしていくというために必要な政策措置として、鳩山演説の中では、国内排出量取引制度、また地球温暖化対策税、そして再生可能エネルギーの買取り制度を含めましてあらゆる政策を動員して達成するという意気込みは示されたわけでございますけれども、その具体的な中身がまだできていないということであります。
 その背景といたしまして、中期目標の二五%につきましてもまだそれは高過ぎるのではないかという国内議論もあり、それは日本にとって不公平ではないかという意見もあるのではないかと思います。この点につきましては、今メモをあげてございますので、ちょっと時間がありませんので御覧いただければと思います。
 しかしながら、世界の動きを見ますと、世界は明らかに二〇五〇年八〇%以上削減に向けて先進国の動きは始まっているわけでありまして、日本が同じように野心的な目標をちゃんと見据えて一歩でも早く取り組まない限りは、日本の競争力は逆に失われるというふうに思うところでございます。
 その背景といたしまして、これは他の先進国、アメリカ、EU、ドイツ、イギリスの国内法の、法律に示された目標をここに掲げております。EU、ドイツ、イギリスにつきましては、二〇五〇年の数字まできちっと入っているというのはイギリスだけでありますけれども、国内の必要な法的整備はほぼ終わり、また実施の段階に入っているわけであります。更に強化する過程はあります。アメリカにおきましても、上院、下院に千ページに及ぶような法律案が議論をされ、下院は通過しているというわけであります。これに、その中にこうした数値目標がしっかり入り、かつ目標達成の政策が盛り込まれていると。日本にはまだ一ページも議会に、この国会にはかかっていないということであります。
 これを時系列で国ごとにいつ、どのような法律が整備されたのかというのをまとめたのがこの表でございます。
 ドイツにおきましては二十年掛かりで政策、制度整備を図ってきたと。イギリスにおきましてはおよそ十年掛かりでやってまいっていると。日本はこれまでずっと自主的取組で推移してきたと。このギャップは非常に大きいと。それは地図上におきますと、オーストラリアなども、今議会で苦慮しつつラッド政権は成立に向けて努力をされておりますけれども、議会でどのような立法状況にあるのかということを地図で示しましたものがこれでございます。ロシアと日本だけがある意味で何もないという地域になっていると。
 再生可能エネルギーの増加状況もそうでありますが、これはドイツ政府の再生可能エネルギーのこれまでの実施と今後の拡大目標、計画でございますけれども、既に二十八万人を超える雇用を生み出し、それらはさほど大きな負担ではない。一人当たり一・五ユーロぐらい、一世帯でも三ユーロぐらいの負担で十分ここまでのことがやってこれたということを示しております。
 翻って日本の状況でありますけれども、なかなか取組は動かなかったという背景には、このグラフを見ていただきたいと思いますが、直接排出というとらえ方で日本の排出量をしっかり見てこなかったということが一つ。そうして見ますと、発電所からは三〇%、三割ほどの排出があり、これが九〇年比でこの発電所からの排出は四割ないし五割の増加を見ているということがあります。また、鉄鋼も大きな排出源であり、その他、化学、セメント、石油精製等の二百ほどの大口の排出サイトで日本の排出の半分を超えると、このような状況でありますが、こうした皆様方がなかなか、法的なルールの整備に反対をしてこられて自主的取組を強調してこられたということが今日に至っている大きな要因だと思います。
 電力につきましては、排出原単位の電事連自主行動計画の目標から乖離した状況にございますが、その原因はといいますと、このグラフ、スライドの右下のところを見ていただきますと、下の紫色のところが石炭火力発電所からの排出量でありますけれども、この増加分が日本の排出量の増加分にほぼ匹敵する量であったということであります。
 左の二重円のところをよく御覧いただきたいのでありますが、外側が直接排出で見た排出量、内側は日本で特有の、また官僚、行政庁がこれまでずっと使ってまいりました間接排出というものであります。間接排出で見る限りは、この電力の排出原単位の悪化、また排出増加の要因というものをちゃんととらえることができず、対策を取ることもできません。石炭火力発電所を減らしていくということは不可欠であります。
 このように、自主行動計画でやってきたと、すべてを自主的な取組ということでやってきて、せいぜいトップランナー方式ということを取り入れたことはありますけれども、これも大型化を抑止するようなもの、仕組みではなかったと。こういうことから増加をし、また再生可能エネルギーが伸びなかったことも、もう昨年の実績で今年度の目標が一月一日をもって達成しているような低い目標のままこれまで推移してきたと。やる気がなかったと言わざるを得ないわけであります。
 それをやり直そうということで、新政権でタスクフォースを組まれまして試算見直しをしておりますけれども、やはり政治のリーダーシップといいましょうか、こういう政策でこういうふうにやりたいと、そのときの試算はいかがなものかと、こういうふうにしていただかないと、こうした研究者の方々も十分に仕事ができないという状況に来ているのではないかと。現在のところは旧政権のフレームワークそのままを引き継いだ形でしか動けていないということであります。
 こうした状況から、日本が世界のリーダー国に移行するというためには、国内削減目標を明確にし、そして企業の皆様あるいは国民の一人一人、消費者ももう少し長い目で、自分たちの生活改善、あるいは町を変える、国の経済構造を変えるということを自ら投資をしていくという発想でやっていけるということが大事であり、それが、グリーンニューディールという言葉にも言われますように、経済再生への道でもあろうと思います。
 こうしたことを確実に達成していくためには、やはりキャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度を国際標準型でつくることが必要であります。そのためには、効率原単位目標ではなく総量で排出枠を設定し、直接排出によって発電所に必ず上限枠を総量で設定をする、そして事業所単位で行うものでありまして、会社単位とか業界単位のような現在の試行でやっているような形では国際標準とはならない、すなわち国際社会、国際的なルールというものに、流通するものにならないということであります。
 また、炭素税をしっかり調整の上、早く導入いただきたいと思いますし、再生可能エネルギーにつきましては、何といいましても、しっかりした投資が回収できるという見通しを人々につくるための買取り制度というものをつくっていただく。
 さらに、自治体におきまして、これから非常に小口の排出源、中小事業者、家庭など、また森林に対応するとか交通、町づくりをしていくというようなことは自治体でしかやれないことが多々ありますが、そこにしっかりした方針が見える、また国の基本的な、排出をたくさんする人には負担があるけれども削減するとメリットがあるという仕組みをしっかり入れていっていただくという上に、自治体が更に自由に地域に合った活動が、取組ができるような、そういう仕組みを包括的な法律の中に組み込んで、次の通常国会では是非とも早期に制定いただきたいと思っております。
 国内排出量取引制度の制度設計につきましては、皆様のお手元に私どもが九月三十日に第一次案としていたしました提案を出しておりますので、御覧ください。先ほど申しましたようなところであります。
 これはどういうところを、すそ切りとしてどういう考え方でやればいいのかというところで、やたらと数を増やせば行政コストが掛かるばかりであり、必ずしもカバレッジは上がらないと。直接排出で日本は七割近い排出源を数千の事業所でカバーできるという対処状況にあるということであります。
 また、私どもなりに、二〇二〇年三〇%削減もどうすればできるだろうかということで、先般、考え方、大きな枠組みの考え方を提示したところでございます。発電部分で石炭火発を減らすということを基本としながらでありますけれども、これも机上にお配りさせていただきましたので御覧いただければと思います。
 そんなことができるのかと思われるかもしれませんが、このスライドの右下のところを見ていただきますと、これは、私どもが情報開示請求もいたしまして、いつごろどの燃料源による発電所が造られ、その発電所が、これは二〇〇三年のデータでありますけれども、どれくらい排出をしているのか、発電もしているのかということを示しております。もう既にリプレースする時期に来ている発電所も多々あり、天然ガスの発電所だから効率がいいというわけでもない状況が分かります。
 こうしたことを見て大きな日本の電力部門の改善に向けた行動計画を作っていただきたいと、こう思います。
 私たちは決して家庭や小さな事業所で何もしなくていいと言っているわけではありません。そうした炭素税の導入ということを求めているのもそういう趣旨でありますが、しかし、ただスイッチを消せば削減できるというわけではなく、家庭の中におきましても、住宅対策がいかに重要であるか、機器の選択がいかに重要であるかということを、こうした図などを使いまして、また木材資源をいかに活用していくことができるのか、すべきなのかということなどを多くの市民に紹介しているところでございます。
 今日は大変雑駁な説明になっておりますけれども、まとめといたしまして、何しろ日本は国内の本当に中長期しっかり削減をしていくための制度整備が他の先進諸国に比べまして極めて遅れていると思う、圧倒的に遅れている。これをキャッチアップしていただくためには本当に今すぐ取り組んでいただく。それはこのCOP15の合意がどのようになろうとも、このことにつきましてはいろいろな議論がございますけれども、そのできるだけのことは実現していくと思いますけれども、それがどこまでできているかということにかかわらず国内の対応はしなければいけないということをお願いしたいと思います。
 以上でございます。
#7
○会長(石井一君) ありがとうございました。
 次に、蟹江参考人から御意見をお述べいただきたいと存じます。
#8
○参考人(蟹江憲史君) ありがとうございます。東工大の蟹江と申します。(資料映写)
 COP15とポストCOP15へ向けた日本の外交政策のあり方というタイトルにさせていただいておりますけれども、今、来月行われるCOP15へ向けていろいろな議論がなされていますけれども、いろいろな報道を見ていますと、余りCOP15で議定書、次の議定書ができるというところまではいかない方向になりそうだということは大分明らかになってきているかと思います。ということは、そろそろCOP15の先、ポストCOP15、恐らくこの問題はあと一年ぐらいは議論されていくと思いますし、ヨーロッパなんかではCOP15では決まらずにCOP15から始まるんだという認識が強まっていると私は認識しています。ですので、ポストCOP15を含めて、今後日本がどうあるべきかということについてお話をさせていただければと思っております。
 国際・地球温暖化問題に関する調査会ということでお呼びいただきまして、本当にありがとうございます。
 私自身の認識ですと、先日、ちょっと新聞の方にも書かせていただきましたけれども、国際的な問題として温暖化問題はもうとらえなければいけないというふうに考えております。特に、冷戦が終わってからいろいろな国際秩序の模索というのがなされていますけれども、気候変動の問題というのは、この国際秩序の今後の方向性を決定付けるような非常に重要な課題であるというふうに考えております。そういう認識の下で、今後の、これからのお話を始めさせていただきたいと思っています。
 私は、バックグラウンドは東工大というところにおりますけれども、私、専門は国際政治、政治学が専門でして、東工大の中ではマイノリティーなんですけれども、国際政治という側面から見て気候変動がどうとらえられてきたのかということをちょっと歴史的に振り返ってみますと、気候変動に限らず、環境問題あるいは地球環境問題というのはずっと余り、それほど重要な問題とは考えられていなかったと。九二年のリオの地球サミットのときにようやく、アジェンダ21という言葉にも表れているように、アジェンダとして、課題として、国際的な課題として上がってきましたけれども、その程度の問題だったわけですね。それが大体今から二十年、十五年ぐらい前のことだと思います。
 ということを見ていくと、安全保障上の重要な課題がのしてきたときにはどうしても環境問題というのは重要視されていないというのが政治的な現実だったかと思います。例えば二〇〇一年ですか、ヨハネスブルクで地球サミット、十年目のサミットが行われましたけれども、そのときも当時のブッシュ大統領は来ませんでしたし、あのときは九・一一が起こった直後でしたので、どうしても安全保障の課題に世界は注目していて、環境で非常に重要な会議、十年に一度の非常に重要な会議でしたけれども、ほとんど重要な決定はなされないということが過去の歴史だったかと思います。
 ところが、この状況が特に温暖化問題に関して二〇〇五年ぐらいから変わってきたというふうに言っていいかと思います。例えばここに幾つか挙げましたけれども、グレンイーグルス以来、イギリスがやったグレンイーグルス以来、G8のサミットの中では非常に最重要課題として基本的に取り上げられてきておりますし、二〇〇七年には国連の安全保障理事会で気候変動の問題が議論されています。それから今年も鳩山首相が演説した国連の特別総会、それから二年前も気候変動で国連の特別総会が開かれると。それから、ASEANなんかを見ても、APECなんかを見ても、気候変動が最重要課題として取り上げられているという大きな違いがあります。テロとの戦い、相変わらず続いているわけですけれども、それから北朝鮮の問題なんかもあるわけですけれども、安全保障上の不安定な要因がいろんな形で出てきているにもかかわらず、でも気候変動がやっぱり重要だという位置付けに変わってきています。
 それは、その理由はちょっとまた後ほど申し上げますけれども、この問題、本当に地球の構造を変える、地球、国際政治の構造を変える問題という認識がいろんな国のリーダーで認識されているということが大きな要因かと思います。その違いを一つ、COP15を迎えるに当たって我々認識しておく必要があるかと思います。
 それからもう一つは、科学と政治が非常に緊密なインタラクションを持っていると。先ほど浅岡先生の話からも、中期目標の議論、今日本で行われている中期目標の計算の議論がありましたけれども、ああいうところに表れていますように、科学的なデータというものと政策的な決定、政治的な決定というのが非常に強く関係していると。ということは、科学の側に政治の影響が及ぼされてきておりますし、逆に科学の影響が政治的な決定にも影響を及ぼしているということが、いい悪いは別として、一つ大きな特徴としてとらえておくべき事柄ではないかなと思います。
 今し方申し上げました二〇〇五年ぐらいから気候変動の問題というのが世界的にとらえられ方が変わってきているのではないかという変化の理由ですけれども、二つ大きな理由があるかと思います。
 一つは、気候変動の影響、あるいは気候変動の影響とはっきり言えないまでも、これ気候変動の影響と言っていいんじゃないかと言われるような様々な現象が表面化してきているということです。具体的な事例は先ほど浅岡さんの方からもう御紹介ありましたので、特に詳細は言いませんけれども、そういう一つの象徴的な話というのが、IPCCがノーベル賞を取ったり、あるいはアル・ゴアさんの「不都合な真実」がIPCCと一緒にノーベル賞を取ったりということが大きな象徴的な出来事だったと思います。いろいろな影響があって、それがメディアによって温暖化の影響ではないかという形で我々に伝えられ、そしてそれが人々の認識になっているということですね。それが一つの変化ですけれども。
 もう一つ大きな変化、より大きな変化は、政治の側で事の重大性というのを認識を強くしているということが挙げられるかと思います。
 実はこの課題というのは、エネルギーの問題、気候変動対策をするということはエネルギーの問題に非常に強くかかわっていますし、それから技術革新の問題に強くかかわっているということが言えるかと思います。
 気候変動というのは、我々がエネルギーを使った結果として地球が温暖化していって気候変動が出ていくという結果の部分の現象ではありますけれども、では気候変動対策をどうするかということを考えると、逆に何を使うかというところを考えなければいけないわけですね。
 そうすると、今までは化石燃料を使うことに制約がなかったので、いかに化石燃料を得るかということでその国際的な勢力争いというのも決まっていったということがありますけれども、今度そのエネルギー、特に化石燃料ですね、今まで使っていた化石燃料に制約が掛かる、使えなくなっていくということになっていくと、新しいエネルギー源を使わなければいけないということになります。そうすると、その新しいエネルギー源をめぐって国際的な戦略争いというのが今まさに起こっているということだと思います。
 それから、新しいエネルギー源を使うためにはそれなりの技術が必要だと。今技術がない状態で使うと非常にコストも掛かるので、技術も普及させていくことも必要だということで、エネルギーを、どういうエネルギー源を使うかということと技術革新をするということが非常に密接にかかわってくると。その技術ができれば、途上国に非常に大きなマーケットがありますので、そこに売っていくこともできる、そうすると国が今後長期的に発展していく戦略にもつながっていくということで、国際的な戦略の問題と非常に強くかかわっているということだと思います。エネルギーと技術の問題がかかわっているというのが、この温暖化が国際課題として重要になってきているという非常に大きな理由かと思います。
 したがって、その制度的な枠組みを決めるようなCOP、まあそこで決まるとはまだ分からないですけれども、制度的な枠組みを決める足掛かりとなりそうな今度のコペンハーゲンの会議というのが非常に重視されていると。それがゆえに、各国の首脳も六十五か国ぐらい、既に首脳が行くというふうに言っていますけれども、我々COPをずっと見ていまして、これだけ首脳レベルが集まるのは初めてですし、非常にある意味異様な、温暖化の問題としての国際会議としては異様な光景になるんだと思います。ただ、それだけ各国、首脳レベルの課題と認識しているということが言えるかと思います。
 そのCOPは、COP15を足掛かりとして決められるであろう次期枠組みですけれども、大きく言って求められる要素はここに書きましたような五つ程度、大きな要素があるのではないかと思います。
 一つ目は、長期目標ですね。先ほども御紹介ありましたけれども、世界レベルでは、例えば二〇五〇年半減ということを既に日本も二年前ですか、から言っております。それから、先進国としてはその中で、二〇五〇年八〇%削減、あるいはそれ以上の削減が必要だというようなことですね。
 これは、例えば今ある京都議定書の目標なんかと違って、政治的な拘束力というのは特に考えなくてもいいものだと思います。というのは、幾ら拘束力を掛けても、我々、二〇五〇年まであと四十年もありますので、そのときにどうかということは、当然今の政治家の皆さん方も責任を取れないでしょうし、逆に時間のギャップというのがあるので、拘束力を持たせるということが難しいと思います。ただ、その長期的な目標というのは、我々が進んでいく方向付けをするという意味で非常に重要だと思います。企業なんかもそれに向けて努力をしますし、我々人々の意識もそれによって変わってくる。そういう意味で、長期目標を定めておくというのが一つ目の重要な要素かと思います。
 それから二点目ですけれども、それに対して、それに対してというか、そこに導く道筋としての二〇二〇年の中期目標と言われているものですね、それから、その中期目標をどう配分するのかという問題を検討しておく必要があるかと思います。
 どう配分するかというのは、先進国と途上国の間でどう配分するかという問題もありますし、先進国の間でどう配分するかという問題もあるかと思います。先進国の間でどう配分するかという問題は、意外にも日本ではそれほど余りまだ議論されていないことだと思います。ただ、ヨーロッパなんかでは、この話、既に四、五年前から科学的な検討もどんどん進んでいますし、恐らくそういうものを素材として国際交渉の俎上にものってくるものだと考えています。それに対する対策を国内で余りしていないというのは非常に不安を持つところではあります。
 それから、この問題、もう一つは、先進国といったときにどこを先進国に入れるかという問題ですね。既に韓国であるとかメキシコはOECDの国に入っていますけれども、今の国連のカテゴリーの中では発展途上国のカテゴリーに入っていると。そういう国を、じゃ、どう入れるのか。それから、もっと長期的に考えて、どういうレベルに発展が達したら先進国になっていくのか、そういう問題も併せて考えておくべき課題ではないかと思います。
 それから三点目ですけれども、途上国の削減努力とインセンティブとしての資金メカニズム。先ほど浅岡さんの方からも資金メカニズムは非常に重要だということをおっしゃっていましたけれども、その資金の問題ですね。資金の量もそうですけれども、どうやって資金を移転していくのか、こういうことも課題に入ってくるかと思います。
 それから、途上国の義務ということを考えて、義務あるいは途上国の削減努力ということを考えていったときには、どうやって長期的に、最初にこの一番で挙げた二〇五〇年半減ですか、世界で半減するという道筋にどう途上国を導いていくのか、あるいは途上国がどうそこに到達するのか、そういう長期的視野を持って考えていく課題ではないかと思います。
 ですので、今COP15に目指してという話をしていますけれども、最初にポストCOP15もというふうに申し上げたのは、その次ですね、二〇二〇年で温暖化の問題終わるわけではないので、二〇三〇年あるいは二〇四〇年にどうつなげていくか、そういうことを考えた上で途上国の約束ということを考えておく必要があるのではないかと思います。
 基本的には、先進国もそうですけれども、いきなり義務を負えという形を取ってきてはいません。気候変動枠組条約の中では、先進国はまず拘束力のない目標を設定して、それができなかったときに、じゃ京都議定書を作りましょうという流れになっています。同じことが恐らく途上国にも当てはまるのではないかなと思います。まず、何らかの努力をしてもらいましょうと。
 ただ、そこで重要になってくるのは計測、報告、検証ですね。我々MRVというような言葉で短縮して呼んでいますけれども、途上国における、計測して報告して検証できるようにしておくと。もしできなかったとき、目標を、途上国が努力をしているけれどもさほど削減できないというときには、じゃ次のステップを考えましょう、そういうステップ・バイ・ステップでアプローチしていくことが大事ではないかなと思います。
 それから四点目は、途上国への資金ですね。先ほど具体的な数値出ていましたけれども、資金をどうするかというのは非常に重要な課題かと思います。これは、途上国にとっては参加するインセンティブにもなりますし、資金を提供することによって途上国から妥協を導き出すという外交上の一つの、何というか、持ちごまということにもなるかと思います。
 資金の問題だと、えてして目標であるとか、二〇二〇年の目標、二〇五〇年の目標といった先進国の目標削減量とは離れて考えられる傾向があるかと思いますけれども、もう少しその辺は結び付ける必要があるのではないかと私自身は考えております。というのも、先進国で排出削減をするときに、より費用対効果が高い削減をする場合どうするかということを考えたときに、じゃ途上国にやってもらった方が安い、安くてたくさんの量が削減できる、だから途上国にお金を出しましょう、こういう論理が成り立つかと思います。ですので、自国でやるよりも安いから途上国に資金を流そう、こういう発想で、目標とこの資金の問題、結び付けて考えることが大事ではないかなと思います。
 それから、最近は余り語られなくなっていますけれども、セクターですね、産業界とかセクターとの連携を取るということが非常にもう一つ重要ではないかと思います。
 国際政治の動向を見ていますと、グローバル化に伴って企業の役割であるとかNGOの役割、期せずして両サイドにお二方いらっしゃいますけれども、の国際的な役割というのが非常に重要になってきているということは明らかだと思います。であるとしたら、国ですべてをやろうとするのではなくて、そういうNGOであるとか産業界であるとか、そういう力を借りながらパートナーシップという形で新たな枠組みをつくっていく、そういう発想が大事ではないかなというふうに考えております。
 これだけの内容を次期枠組み、もっと細かく言えば技術的にはいろいろ更に分かれていく点がありますけれども、それを多国間で合意するのは難しいんじゃないかというふうにお感じになる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、実は多国間交渉というのは、これだけの多様な争点、多様な利害関係があるがゆえにいろんな役割があって、逆に合意がつくりやすいというふうにも言われています。ですので、その辺をいかに組み合わせるかというところで外交力が問われてくるのではないかなと思います。
 先ほどの途上国の努力ということに関連しまして、既に発展途上国も、自主的にほかの国に先んじて目標を設定している国などもあります。中国も恐らくコペンハーゲンでは数値を具体的に出してくるのではないかなと私は考えています。インドネシア、ブラジル、韓国などもそれぞれ目標の数値を出してきています。そういうことで、それぞれの国が何かほかの国と違うことをやろうということで、この問題、イニシアチブを取ろうという中に我々いるということかと思います。
 一方、日本の評価ですけれども、ここでは三点に絞って述べさせていただきます。
 一点目は目標の検討ですけれども、やはりこれまではほかの国の動向を見てから対応していたと。非常にリアクティブな対応であったと。それを考えると、今回の二五%削減というのをどんと打ち出したというのは非常に国際的にも好意的に受け取られていますし、ある意味、日本のBAU、ビジネス・アズ・ユージュアル、成り行きシナリオと我々呼んでいますけれども、その政治の成り行きシナリオを超えた政治的なイニシアチブとして非常に評価してよいんじゃないかなというふうに考えております。
 ただ、その目標検討へのアプローチ、どうやって目標を考えるか、それからどうやって国の間の目標を変えていくか、日本とアメリカ、日本と中国、日本とヨーロッパ、それぞれがどういう負担をするのが公平かという考え方に関しては、余りにも削減のコストということを強調し過ぎていると。今回の再計算もそうですけれども、日本の中にいると、コストがすべてなのかというような誤った印象を持ってしまいがちだと思います。
 一方、国際交渉の場に行くと、例えば責任ですね、先進国は責任ある、途上国はどういう責任を負えばいいのかであるとか、あるいは削減能力ということがむしろ重要視されて議論されていると。そういうことへ対応しておかないと、今後日本は、国際交渉に行っても結局対応できずに戻ってきてしまうというので、京都のときと同じような最後交渉にもつれ込まれてしまうのではないかという懸念を抱いております。
 それから、資金の問題ですけれども、資金はかなり額としては出すという国が日本ですけれども、かなり二国間の資金援助が主体になっていたりして、国際的な制度構築に結び付いていないと思います。あれだけのお金を出すのであれば、もっと制度をつくるために労力を投じてもいいのではないかなと思います。我々の資金が有効に活用されるような多国間の仕組みをつくる、そういう動きがどうも余り見られないというのが、残念ながら今までの日本の取組の評価ということかと思います。
 目標に関しては、国際的には残念ながら、例えばバリのCOPでは全然目標、ポジション持っていかずに、このポスターはいろんなところで見られましたけれども、日本が沈むタイタニックの主役の一人になっているというような皮肉を国際的なNGOから浴びせられたりしています。こういうとらえ方が残念ながら日本の現実だったというふうに言わざるを得ないかと思います。それがあったから福田首相は、その後日本も目標を設定するということを言ったということですね。非常にリアクティブな対応の象徴だったというふうに言えるかと思います。
 こういうことを考えて、今後のCOP15あるいはビヨンドCOP15、COP15のその先へ向けた課題ということを考えますと、時間が大分なくなってきましたので要点だけ申し上げますと、一つは、その気候変動を外交政策の軸として位置付けることが重要ではないかなというふうに考えます。エネルギーの問題に関連している、それから気候変動の影響も大きいということを考えると、この問題がかなり長期にわたって国際政治の重要な柱となっていく、国際的な勢力争いの非常に重要なかぎとなっていくということが考えられます。そういう認識を持って外交、気候変動の問題を位置付けるべきだというふうに思います。
 それから、二点目ですけれども、今までのBAU、成り行きですね、を超えるような削減をしなければいけないというのが気候変動の問題であるとしたら、政策の側、あるいは政策形成も今までの成り行きを超えなければいけないということだと思います。そういう意味では、もう少し、今ちょうど政権交代でいろいろと言われていますけれども、政治主導で外交政策、外交交渉というのをイニシアチブを取っていっていいのではないかなというふうに考えます。
 例えば、アメリカなんかでも、交渉のリーダーシップを取っている方は政治的にアポイントされた新たな交渉担当官なわけですね。彼らは非常に気候変動に関して精通していて、前のクリントン政権のときに交渉をしていて、ブッシュ政権のときにはNGOで活動していて、その人たちがまた気候変動交渉に出てきていると、非常に国際的にも認知された方々であると。そういう方々が交渉していると、やっぱりアメリカであれ発言の重みが出てくるわけですね。そういうことも日本もそろそろやってもいいのかなという感じがします。
 それから、新たな問題へのリンクですね。今までの交渉の流れを見てみますと、交渉がどうも行き詰まり状態にあると。これを打開するには、例えば数値目標と資金援助をリンクする、あるいは大気汚染と気候変動の問題をリンクする、あるいは資金援助と多国間の制度設計のリンクをする。新たなリンクを見出すことによって、問題間のリンクを見出すことによってイノベーションをしていくということが考えられるのではないかと思います。
 それから四点目、これは先ほども申し上げましたけれども、国内の論理にこだわらない外交というのが重要ではないかと。これまでは環境省、具体的には環境省それから経産省のパワーゲームでこの気候変動の国際的なポジションも決まっていったと言って過言ではないかと思います。ただ、そうしていると、この公平性論議、中期目標の論議にも表れているように、非常に国際的には不自然な議論がなされるという結果になってしまうかと思います。国際的な公平性の論議も三つ大きな考え方があるにもかかわらず、日本は実効性、実効性、実効性、削減ポテンシャルだというところでごり押しをしているわけですね。ただ、そのごり押しは国際的には通じない。国際的に通じないとなると、またそれを国内に持ち帰ってどうしようということになっていくわけですね。そういうリアクティブな外交ではなくてプロアクティブ、率先してほかの可能性も見ながら国際交渉に備えるという態度が必要なのではないかなと思います。
 時間が過ぎましたので、以上で終わりにしたいと思います。
 どうもありがとうございます。
#9
○会長(石井一君) どうもありがとうございました。
 最後に、影山参考人から御意見をお述べいただきます。
#10
○参考人(影山嘉宏君) ありがとうございます。
 日本経団連の地球環境部会の委員で、東京電力の環境部長の影山と申します。本日は、このような機会を与えていただきまして大変ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 私の方からは、産業界全体の取組及び私の所属しております電気事業の取組と意見を御紹介させていただきます。済みません、こちらの画面の方で御紹介をさせていただきます。(資料映写)
 産業界の取組の方から御紹介させていただきます。
 日本経団連の環境自主行動計画でございますが、ここにございますように、一九九七年から取組を開始いたしました。産業部門、エネルギー転換部門合わせまして三十四業種の統一目標ということで、これ全体で九〇年比〇%、九〇年比に安定化するという目標を持ってございます。さらに、業務部門、運輸部門の取組を加えまして、現在六十一業種で取組を進めてございます。この中で各業種はそれぞれ目標を持っておりまして、それぞれに合った目標を立ててそれの取組をやっております。
 取組の成果でございますが、取組の成果につきましては、ここのグラフにございますように、これは産業・エネルギー転換部門トータルのCO2排出量でございますが、九〇年比に比べまして、九年連続で九〇年比安定化という目標を達成し、二〇〇七年度はちょっと地震で原子力が止まっていた影響もございまして九〇年を超えましたが、二〇〇八年度は一〇・五%の減少という、そういう実績を残しているわけでございます。この中には、電気事業者につきましては、目標達成に向けて京都メカニズムクレジットの償却、約六千四百万トンを償却いたしまして、一千億のコストを掛けて、この目標達成に向けて努力をしているというところでございます。
 これは部門別のCO2排出量を示してございますが、産業部門はここにございますように九〇年比一三%減という実績でございまして、業務部門、家庭部門がかなり伸びているというところで、ここら辺のところの対策が今後重要になろうかというふうに思います。
 これは各業界のエネルギー原単位の現状を示した図でございます。各業界の製品一単位を作るのにどのくらいエネルギーを消費するかというのを各国で比較したものでございまして、各業種とも、御覧いただいて分かるように、世界でトップレベル、ほとんどの業界で世界一のエネルギー効率を誇っているということでございます。
 このように現在も我々の取組は世界でも非常に優れているというふうに思いますが、更にポスト京都に向けましてこの取組を進めまして、効率を更に上げる、世界最高効率を維持するという取組を続けていきたいと思います。
 ここで申し上げたいことは、我々別に手を抜いているわけでも何でもなく、非常に真摯に温暖化問題に取り組んでまいりましたし、今後も最大限の努力をこの温暖化問題に掛けていくという、そういうことを申し上げたいというふうに思います。
 次に、中期目標について産業界の方の御意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 鳩山総理が二五%削減という目標値を掲げられまして、ただ、その前提ということで、世界のすべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築が不可欠ということで、すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意ということが前提というふうに申し上げられました。
 この前提というのにつきましては、我々産業界としましては強く支持をしたいというふうに思っております。我々の事業は、主要排出国と熾烈な国際競争を展開しております。こういったような公平性が失われるということになれば、国際競争力が低下いたしまして、雇用、財政、地域経済に悪影響を及ぼすということになろうかと思いますので、この前提が必須条件だというふうに我々考えてございます。
 それでは、その公平な目標というのはどういうことか、どういう目標が考えられるかということで、我々の考える一つの目安としまして、限界削減費用という、そういう考え方があろうかと思います。これは、現在行われておりますタスクフォースでRITEより提出された資料でございますが、日本が、これは〇五年比三〇%、九〇年比二五%の削減コストと同じ限界削減費用を払って各国がどのくらい削減する必要があるかというのを示したものでございますが、EUでは三五%、米国では五二%というような、そういうもので削減コストが同じというふうになりますので、こういったものを目安にして公平な削減目標というのを考えていただきたいということでございます。
 まとめて申し上げますと、今後、中期目標に向かいまして、どういう道筋で中期目標を達成するのかという、そういうものが示され、かつコストがどのくらい掛かるか、国民の負担がどのくらいかという計算がされると思いますが、その道筋の実現可能性あるいは国民負担の妥当性、こういったものをよく議論していただきたい。さらには、先ほど申し上げました公平性というものについては、しっかりと確保した上で取組を行っていただきたいと、そういうふうに思います。
 これは、産業界の取組のうち需要サイドにおける取組もやってございます。電機業界その他は需要サイド、特に製品の効率を上げるということに努力してございまして、テレビ、レコーダー、こういったもので効率向上を図ってございます。
 それで、その需要サイドでもかなり効率向上、省エネが期待されるわけでございますが、我々の方のお願いとしましては、消費者が省エネ製品をちゃんと買っていただかないとこの取組が進まないということで、適切な政策支援で消費者が適切な消費行動をしていただくというところをお願いしたいと思っております。
 それから、省エネ製品を作るに当たりましては、工場側での排出量が増えるという、そういうこともございます。ということで、ライフサイクル全体を見た、原料調達から使用、製品全体を見ましたそういった考え方というのもあろうかというふうに思いますので、そこら辺にも是非御配慮をお願いしたいということでございます。
 次に、革新的技術、技術開発について御説明をさせていただきたいと思います。
 技術開発につきましては、今後、二〇五〇年に向かいまして、現在の技術を普及、海外への移転ということ、それから、さらには革新的技術の開発ということで大幅な削減を達成していこうという、そういうことだろうというふうに思いますが、ここに書いてございますように、製品の平均耐用年数、あるいはこれは買換え年数というふうに見ていただいていいかと思いますが、自動車で十年、テレビでもこのような年数、もっと使われる方もいるかと思います。こういったような耐用年数ですとか設備が変わるという年数をよく考えていただかないと、技術ができたからすぐに普及してそれでCO2削減が図られるということではないと、かなりタイムディレーがあるんだということを是非ひとつお考えいただきたいというふうに思います。
 さらには、ここに書かさせていただきましたように、技術開発には我々技術開発のためのコストが掛かります。資源が必要でございます。それを無理な排出枠、キャップを掛けられますと、その我々としての必要なコストを海外に流出するというようなことにもなりかねません。こういったような技術開発の活力というのを失わないような、そういう政策を是非ともお願いしたいということでございます。
 これは、クレジット購入による負担額を参考で書いてございますが、京都議定書の目標達成のために五年間で大体一兆円ぐらいのお金が海外へ払われているということだと思います。
 さらに、この二五%削減というのをどういうふうにやっていくかですが、半分、この一五%ぐらい、〇五年比で一五%ぐらいをクレジット購入で達成した場合、場合によっては二兆から四兆ぐらい五年間で掛かる可能性があると。非常に巨大な金でございますので、こういったことで技術開発の原資等、そういうものが失われてしまうというのは非常に我々としては耐えられないということでございます。
 次に、電気事業についての取組について御説明させていただきます。
 電気事業の基本的なスタンス、我々の電気供給あるいはエネルギー供給業者のエネルギー供給の基本的な方針というものは、ここに書いてございます三つの要素、これを同時に達成するということを我々の方針としておりますし、これはエネルギー供給、需給の基本であるというふうに思っております。
 申し上げますと、安定供給、これは電気でいいますと、停電のない、電気の供給不足というようなことがないように安定的に電気を供給させていただく。それから、できるだけ安い、これは国民の基軸となるエネルギーでございますので、できるだけ安いエネルギーを供給させていただく。そして、もちろんCO2の削減も含めた環境保全も併せて考えるという、この三つを同時に達成する、あるいは、相反するものにつきましてはバランスを考えてこの三つを同時に考えていくという、そういうことが我々の基本だと思っておりますし、かつ、このエネルギーというものの基本的な原則だと思っております。多分、今日の議論はここに帰ってくることが多いと思いますので、この三つの要素というのを是非覚えておいていただけると大変有り難いと思います。
 先ほどの三つの要素、これをお考えいただいた上で、我々電気事業者としてこれから低炭素社会の構築に向けてやっていくこと、これを書いてございます。今日のお話のほとんどすべてがここに凝縮されているかと思いますが、三つのE、先ほどの三つのEの同時達成を、これを考えた上で、供給サイド、我々できるだけCO2の少ない電気をお客様にお届けするということ、それから、お客様側ではできるだけ省エネを図っていただいて、高効率の機器の導入等による省エネによって対策を進めていただくということ、これが掛け算で効いてまいりますので、この取組を進めることによりまして将来大幅なCO2削減というのが可能になるというふうに思います。これまでもやっていることでございますが、今後ともこの取組を一層進めることによりましてCO2の削減というのがかなり見込まれるということではないかというふうに思っております。
 具体的に申し上げますと、こちらの供給サイドの取組につきましては、原子力の活用、それから再生可能エネルギーをできるだけ使用するということで、非化石エネルギーの比率をこれを二〇二〇年までに五〇%以上にするという、そういう目標を立ててございます。さらには、化石燃料の利用に当たりましては効率をなるべく上げていくと、高効率、コンバインドサイクル等の効率を上げていくという点。それから、将来的にはCO2を取って地中に埋めるというようなCCSという技術の開発もやっていくということで、できる限りCO2の削減を図って電気をお届けする。
 さらには、需要サイドの取組につきましても、効率化の推進ということで、ヒートポンプが非常に効率のいい需要サイドのシステムでございますので、給湯器、エコキュートというようなものがございますし、こういったような高効率のヒートポンプの普及を図っていきたいと。それから、運輸部門でも電気自動車の普及というのを図ってまいりまして、需要サイドの効率向上というところにも努力していきたいというふうに思っております。
 これは電源構成の推移でございまして、現在、二〇〇八年で、原子力がちょっと稼働率が低下しておりますので二六%程度ですが、原子力、それからこれが水力を含めました再生可能エネルギー、それからLNG、石油、そして石炭でございます。これを将来、原子力等再生可能エネルギーで五割以上ということを目指しまして、それにLNGと石炭、それから石油をできるだけ使わないようにするということで全体で電源構成を取っていきたいと。この非化石を五割以上取って、できるだけCO2の少ない電気をお届けするというのがポイントでございます。
 さらに、これは原子力の稼働率でございますが、原子力の稼働率も、日本の場合、一%向上すると約三百万トンのCO2の削減につながるということでございまして、現在七〇%から六〇%台でございまして低迷してございます。海外の各国に比べまして、不祥事等あり、かつ地震による影響等がございまして稼働率が低下しておりますが、これを持ち上げることによりまして大幅なCO2の削減というのも図られますので、これにも努力していきたいというふうに思っております。
 さらに、再生可能エネルギーにつきましては、余剰電力の購入メニューでの買上げ等いろいろな取組をやっておりますので、これによりましてできる限りの普及というのに努力していきたいというふうに思っております。
 さらには、火力の効率の向上というのにつきましても、新しい火力発電所の効率は五九から将来六一%まで向上するという予定でございますので、こういった取組を続けまして、できるだけCO2の少ない電気ということに努力していきたいと思っております。
 ということで、先ほど浅岡先生からの御指摘もありましたが、九〇年比原単位が下がって、これはCO2の排出原単位、電気のCO2排出原単位の推移でございますが、下がっていったわけでございますが、この後、原子力の稼働率の低迷によりまして、現在ちょっと高い位置にございます。炭素クレジットの反映をしまして二〇〇八年度はこのレベルにありまして、これが、将来的に先ほどの対策を講じます、原子力あるいは再生可能エネルギーのできるだけの利用と、それから効率の向上というのを、それを合わせまして二〇二〇年に〇・三三まで下げていくという、そういう目標を立ててございます。これは現状のレベルからいきますと二五%ぐらい低減されるという、そういうレベルになってございます。
 非常に我々も努力しているつもりでございまして、二〇二〇年までにここまで下げていくわけでございますが、ただ、できることは限界がありまして、将来的にもっと二〇三〇年以降ということになれば、更に先ほどの掛け算の取組を進めるということは可能だと思いますが、二〇二〇年までには、電力設備というのは、非常に建設の時間もそれからアセスメントの時間も含めて長期間掛かります。ですから、二〇二〇年までにできることというのはそれほど多くはないと。かなりのことをやってここまでだというのを是非御理解いただきたいというふうに思います。
 これは二〇二〇年以降に向けまして石炭のガス化複合発電、これはもう効率がかなり上がりまして現状よりも二割ぐらい原単位を下げられますので、こういった取組、それからCCS、CO2を取って地中に埋めるという取組、こういったものも更に研究開発を進めていきたいというふうに思っております。
 これは先ほどの需要面での効率化の推進の例でございまして、これは電気の給湯器、ヒートポンプ給湯器を示したものでございます。このヒートポンプの導入によりまして、業務部門、民生部門それから家庭部門、これを合わせまして一・三億トンぐらいCO2が削減できるという、そういう試算もございますので、できるだけこの取組を推進していきたいというふうに思っております。
 さらには、電気自動車、これもガソリン車に比べますと七割ぐらいCO2の削減が図られますので、電気自動車の推進というのにも努力していきたいというふうに思っております。
 これは電気事業者の国際的な取組の例でございますが、APP、アジア太平洋パートナーシップという取組を六か国、今七か国でやっておりまして、それでピアレビューということで各国の石炭火力を訪問いたしまして、そのいいところを学び合う、あるいは改善すべきところを指摘し合うという、そういう取組を行っております。これでも、中国が日本並みに改善すれば八億トンのCO2の削減につながるというような、そういう試算もございますので、かなりのポテンシャルがあるだろうというふうに思います。熱効率は日本が世界一ということでございますので、こういった日本の取組を各国に移転するということがこれから我々日本のやっていくべきことではないかというふうに考えてございます。
 最後に、幾つか電気事業からの意見を申し上げたいと思います。
 これは、各国の電源構成を示したものでございます。先ほどの日本の電源構成、一八年ごろには、これが水力を含めた再生可能エネルギー、それから原子力ですね、こういったような非化石のものと、それから化石燃料と使用するのでございますが、各国御覧いただきまして、日本は二〇%台の石炭の使用率ですが、かなりほかの先進国は石炭の利用率が高い状況にございます。
 これが悪いとかと言っているわけではなくて、やっぱり各国ともエネルギーの確保というのには非常に神経を使いまして、それでエネルギー確保が大変なものだということを知っているからこそ、できるだけ自国のエネルギーを使う、あるいはいろいろなところから燃料を調達してエネルギーミックスをやっている。その中で石炭というのが非常に世界に広く普及している燃料でございますので、それを上手に使っているということかなと思います。
 日本もどれだけ使えばエネルギーのセキュリティーが確保されるかというのは難しい課題だと思いますが、できるだけしっかりと使っていって、これは日本のエネルギーセキュリティーをしっかりと守っていくべきだというふうに思っております。
 さらに、もう一点申し上げますが、これはRPS制度という、電気事業者に新エネルギーの発電あるいは購入を義務付けている制度でございます。先ほど、浅岡先生の方にもございましたが、この義務量を達成するために、大体キロワットアワー五円ぐらいで現在やり取りされておりますので、現状でも五百億ぐらい、将来的には六百七十億ぐらいのコストが掛かるというふうに見込まれてございます。
 さらに、この十一月から太陽光の余剰買取りというのを始めまして、最初は八百から九百億円だというふうに見積もられておりますが、将来は三千億円、これがもっと増えていくという可能性もあろうかというふうに思っております。
 さらには、太陽光導入に当たりましては系統対策費用というのが掛かってくる可能性がございまして、二千八百万キロワットぐらいまではそれほど大きなコストは掛かりませんが、これを超えてまいりますとバッテリーを大量に導入しなければいけないということで、ここに書いてありますようにかなり大きなお金が掛かってくるという、そういうことが見込まれているわけでございます。
 これ以外に、税金、それからキャップ・アンド・トレードというのも考えられているわけでございますが、そのいろんな対策がすべて電気に向けられていると。電気の方に向けられて、それを転嫁して電気料金に上乗せすればいいという、そういうことで今進められているようでございますが、この電気料金というのは各国民の非常に基軸となるエネルギー、一番効いてくるのは弱者、低所得者の方ですとか、あるいは零細企業、こういったところに大きな影響があるというふうに思われます。こういったことで本当にいいのかどうかというのを、国民的な議論をしていただきまして、慎重に是非検討をお願いしたいというふうに思います。
 以上で御報告を終わります。
#11
○会長(石井一君) どうもありがとうございました。
 これで、御意見をお伺いいたしますのは終了をいたしました。
 そこで、これより質疑に入りたいと存じます。
 質疑は、従来どおり、挙手を願いまして、二、三分程度の御質問をいただき、その都度答弁者を御指名いただければ大変幸いであります。
 それでは、御自由にどうぞ。
 大島九州男君。
#12
○大島九州男君 どうも今日はありがとうございました。
 各それぞれの三人の参考人の方に簡単に御質問をさせていただいて、それを聞かせていただいてもう一回質問したいと思いますので、よろしくお願いします。
 まず、浅岡参考人さんに、経済界はこのCO2削減に積極的に取り組んでいるような意識をお持ちでしょうか、まあ感じることをお伝えをいただきたいと思います。
 それから、蟹江参考人さんには、CO2削減をするには具体的には、やはり我々がどういうことに取り組まなければいけないかということを具体的に御指導いただきたい。
 それから、影山参考人さんには、経団連の考え方として、公平性が保たれなければ経団連としてはこれはやれないよというような感覚なのか、そこの点をお聞かせをいただきたいと思います。
#13
○会長(石井一君) それじゃ、順次お願いします。浅岡参考人。
#14
○参考人(浅岡美恵君) ありがとうございます。
 経済界と申しましても一つではないと。今までは経団連の意見ということですべて表明されてまいりましたが、私どもも最近いろいろな企業の方とお話を伺いますと、非常に前向きで私たちと共感するところが多い企業があり、ほかの経済界の方で消極意見がある中、どうしてそうなんですかとお聞きしますと、こういう温暖化の大きな排出削減が不可避であるということをまず受け入れた上で、そしてそういう認識の下に、世界の中で一社でもより高い目標に向かって取り組んでいる企業がある以上、我が社がやらない理由はないと、そういうふうな前向きなところもございます。
 しかしながら、日本の問題は、経済界の意見イコール経団連の意見ということで、先ほど影山参考人の意見、お話からもありましたように、九〇年以来二十年にわたってもう九〇年比ゼロベースが目標であり、今後とも減らすということについては、削減目標、二〇五〇年八〇%削減とか、そういう大きな流れを受け入れた姿勢の下に意見を言っていただくということがいまだないこと。
 また、電力事業者連合会では二〇二〇年〇・三三、ところの目標であると、原単位改善であると、こうおっしゃられましたけれども、あれは、二〇一〇年目標としてつい先ごろまで経団連自主行動計画として〇・三四と言っておりましたものをそのまま十年また先送りして〇・三三というようなことを言っておられ、結局、現状程度でずっと推移するということをいかにして守るかということの上に、あれは駄目これは駄目という御意見をいただいているというふうに思います。
 個々に技術開発をされたり、企業として国際競争もあって御努力されることがあるのは私はよく理解ができますし、意欲もあるとは思うのですけれども、やはり今の大きな、世界全体の大きな経済の仕組みや政治やもうすべてが大きく変わっていこうとしているときに、その大きな枠組みとか大きな視野の下にやはり大きな目標を持って、皆さんと競争条件をそろえつつ我が社もやっていくと、そういう姿勢を早く持っていただきたいものだと思っております。
#15
○参考人(蟹江憲史君) 御質問ありがとうございます。
 具体的に削減をどうすればいいかということですけれども、先ほどお二方のお話にもありましたように、いろんな再生可能エネルギーを促進するであるとか、具体的にはそういう対策は可能なんだと思います。それから環境税であるとか、環境税をつくることによってインセンティブを与えるであるとか、あるいは排出量取引を導入することによって、今までお金の掛かっていなかった大気というものがお金が掛かるものなんだと、大気の利用にはお金の掛かるものなんだという形でインセンティブを与えるということは、一つ具体的な方法として考え得るのではないかなと思います。
 ただ、本日のこの調査会の文脈で申し上げますと、やはり国際制度をつくるであるとか国際的な合意をつくるということも一つの削減の方策として重要なものだと思います。
 というのも、例えばゲーム理論なんかでよく言われることですけれども、個別の利益に、各国でも、国でも主体でも、個別の利益ばかりに余りこだわってしまうと全体の利益が減ってしまうと。ただ、全体の利益を上げるためには、ちょっと個別の利益を抑えてもその分で全体の利益が上がるので、総体としては社会全体のパイは大きくなるというようなことがよく言われています。合意をつくるというのはそういうことなんじゃないかなと思います。
 例えば、先ほどの影山さんのお話でも、中期目標の、日本、アメリカ、EUですか、の並べた数字があって、アメリカはやっぱりプラス・マイナス〇%、日本は二五%九〇年比でいっていると、余りにも不平等じゃないかという議論なんかもあり得るのではないかなと思います。
 ただ、だとすれば、むしろアメリカの値を引き上げることによって公平性を確保すると。環境面で対策を取るというのであれば、要するに競争力を確保するためには、自分が下りてもいいですけれども、相手を上げるということもありなわけですね。むしろ、今までの日本の外交というのはそういうものが足りなかったと思いますので、そういう形で国際合意をつくるということで削減、世界全体を削減していく、そういう形で日本もリーダーシップをポジティブに取っていただくのが非常にいいのではないかなというふうに考えます。
#16
○参考人(影山嘉宏君) ありがとうございます。
 公平性が保たれない中で日本がコミットするということについて経団連としてどう思うかということでございますが、公平性が保たれないということになりますと、日本の企業が競争力を失うということにもなりかねない。それから、先ほどクレジットの購入の費用をお示しいたしましたけれども、我々、公平性が何かというのに対していろいろ意見があると思いますので、削減費用ということで先ほどお示しいたしましたが、削減費用が同じにならないとすると、日本のお金がどんどん海外に出ていってクレジットを買うという、そういうことにもなりかねない。そういうような、日本のお金が出ていったり、あるいは産業界が競争力をなくして雇用を失ったり、あるいは経済が悪化したりというようなことがいいかどうかということに対して国民的にどう思うかということだと思います。
 産業界としましては、そういうような状況でコミットするというのについてはいかがなものかというふうに思いますが、それでも日本が合意すべきだというのは、これはもう国民全体の御判断というふうに思います。
#17
○大島九州男君 済みません。ありがとうございました。
 一つ、今、蟹江参考人からお話がありました、やはり相手を引き上げるという意味では、私は日本のこのCO2削減の技術は製鉄にしてもやはりトップレベルを行っていると思うんですね。だから、それが世界スタンダードになって、当然そういったものをみんなが足をそろえなくちゃならないというふうになったときに、そこに日本のビジネスチャンスがあるんだと。そして、いろんな技術を世界に供給することによってこの世界を高めていくという、そういうふうにチャンスととらえて経済界はしっかりとそこを率先してやらないといけないんだというふうに、私はそういうふうに思っているんですね。
 雇用の関係にしても、浅岡参考人の資料にもありましたように、風力だとかそういうもの、地熱発電だとか、そういった再生可能エネルギーをしっかり取り組んでいけばもっともっと雇用も上がるし、中小の鉄鋼界だとかそういった、それこそ零細企業にも潤うんですよ。ところが、日本は太陽光の発電なんというのを一生懸命やるものだから、逆に私は、それは製造過程でもCO2の発生が多かったり、大企業偏重である再生可能エネルギーの施策だというふうに、私はそういうふうに理解をしているんですね。
 だから、そういうことも含めて、今私が言う、高めることによって日本の経済、そしていろんな技術を世界に発信をすることによって日本の景気対策、そしてまた再生可能エネルギーも風力、洋上発電だとか、そういういろんな部分をもっともっと積極的にやることによって、今はすぐ原子力というふうな話をおっしゃいますけれども、そうじゃないところに雇用だとか、そういうビジネスチャンスがあるという理解をしているんですが、各それぞれ参考人の方にそれに対する感想、意見を簡単に述べていただきたいと思います。
#18
○参考人(影山嘉宏君) 今お話ありましたのは、やはり公平性が保たれるということだと思いますので、公平な競争の中でそれで日本がビジネスチャンスをねらっていくというのは、これは是非我々としてもやっていきたいというふうに思います。
 ただ、日本が過度な規制を受けるということになりますと、日本の企業の技術でそれがクリアできるんであればそれはいいと思いますが、今目いっぱいやっている中でそれ以上の規制、大きな削減というのを掛けられますと、今度は生産量を落とさなきゃいけない。あるいは海外からクレジットを買ってきて、その分のお金を、コストを掛けなければいけないということになりますので、これは競争力を失うことにつながりますので、あくまでも公平性が保たれているという中でのお話だというふうに思います。そうであれば、今のお話というのは、我々としては是非企業としてやってみたいという、そういうふうに思います。
#19
○参考人(浅岡美恵君) 私の資料の中で、公平性につきまして少しメモをいたしました七ページの上のところを御覧いただきますと、公平性につきましては、蟹江先生からもお話ありましたように、費用、責任、能力を総合的に評価をすると。限界削減費用は費用の公平性の指標の一つにすぎず、GDP当たりの費用などの指標を考えなければいけないという点でありますが、その関係で二十ページから二十一ページにかけてのグラフを御覧いただきますと、GDP当たりの日本のCO2排出量で見ますと、二十一ページ上のところ、購買力平価と為替レートでは大きく違っております。
 国際的な比較をするときは購買力平価をもってするというのが二十ページにあります。これは内閣府の図でありますけれども、これが通常でございまして、そうしますと、二〇〇七年、日本はGDP当たりのCO2排出量はヨーロッパの諸国に比べて成績はよろしくないというところになっております。
 経団連の資料では常に為替レートをお使いになること、さらに、この部門別の内訳が分からない形でお示しになられますので、なぜ日本の排出量が、GDP当たりの排出量がどうなっているのかといった辺りが誤解をされていると思います。
 二十ページのグラフは二〇〇五年、六年ぐらいまででありますが、日本はGDPも成長しない中、GDP当たりの排出量も改善してこなかった、停滞した二十年ということが大変端的にグラフに示されております。
 先ほどの影山参考人の資料はGDP当たりのエネルギー消費量でありまして、エネルギー消費量とCO2排出量では燃料源を何を使うのかということによって大きく変わってまいります。日本の場合は、全体といたしまして産業部門でもやはり石炭、石油の割合が大きいということからこういう状況になっております。
 そして、また七ページに戻っていただきまして、この限界削減費用というのはどういうものかということでありますが、なかなかこの日本の限界削減費用は一体幾らなのかということは、本当はよく分からないわけであります。とても高いと産業界の方は言われますけれども、本当のところ、資料を十分に調査しているわけではありません。
 不思議なことに、今の二〇二〇年中期目標につきましては、例えばマッキンゼー社とかバッテンフォール社などが各国の産業界の方々と協力をいたしまして最小費用曲線というものを作っております。その中でどういう対策を取れば、どの対策は費用を、むしろマイナスの費用といいましょうか、もうかる対策であると。投資回収年を何年と見るかによってどれくらいもうかる対策になるのかというようなことを個別にしっかり把握をして、国としてどれくらい削減ポテンシャルがあり、これを改善することがどのような意味があるのかという議論をしているわけでありますが、先進国の中で日本は、この例えばマッキンゼー社との最小費用曲線が作られませんでした。これは経済界の方が協力をなさらなかったと聞いております。だから、なかなか本当のところの国際的な比重は分からない。安い対策というものをなかなか経済界の方はしっかり外に見せておられないと。また、政治の側、行政の側もそれをちゃんと把握できていないのではないかと思います。
 二十ページの上のところに、発電所とそれからセメント工場につきまして、私たちが情報を得ました工場ごとの排出効率、CO2の排出効率を見まして、そして、どのレベルの工場でどれくらい生産をしているのか、発電をしているのか。発電所につきましては火力発電の燃料源を石炭、石油、天然ガスに区分をしてグラフ化いたしました。これを見ていただきますと、電力会社はもうどの発電所も目いっぱい改善の余地がないのではなく、十分改善の余地がある。あるいは、先ほど稼働年のグラフも併せてお見せいたしましたけれども、リプレースすべきときに来ていて、改善していくものがあると。こういう辺りを、工場全体とおきましても、本当はちゃんと調査をしていくならば、日本の限界削減費用というのはどういうものなのかということを大っぴらに議論ができるのではないかと思います。
 影山参考人から、家庭におきまして機器の更新には十年近くいろいろあるから、なかなかすぐに替わってくれないんだというふうなことを言われましたけれども、少なくとも、今、二〇〇九年に新しい機器を入れました方は二〇二〇年までにはほぼすべて入れ替える時期になるわけで、新しい、その時々の新しいものに替わっていくわけであります。そういうことは工場の中の設備においても常にあることでありますので、当然の設備更新、機器更新あるいは建物更新の機会を活用しつつこうやっていくと。それが、他の欧米諸国を見ます限り、アメリカにおきましても、今そうしたことを制度の中に取り込もうとしているのがこのキャップ・アンド・トレードというか、排出上限枠を設けてそういうことを誘導しようとしているということだというふうに思います。
 ビジネスチャンスというのは、こうした大きな変化の中に、あらゆるところにあらゆる発想で、様々な発想で、その思いで見られれば十分見出し得るのではないか。そして、おっしゃられました、特に風力などは部品産業の多いところでありますから、先生おっしゃるとおり、より下の産業を拡大するという機会になるというふうに思っております。風力に限りませず、機械メーカーというものは、削減技術を更新し広げていくという中で、非常に大きなビジネスチャンスが全体の中にあるのではないかと思っております。
#20
○会長(石井一君) 大変深い議論の必要な提案でもあり、また立場が違いますので、議論をやりましてもエンドレスになります。どうかひとつできるだけ簡潔にお答えをいただきたい。
 そして、大島君だけでなしに、多くの人が手を挙げておりますから。あなたは消化不良かも分かりませんが。
 蟹江参考人。
#21
○参考人(蟹江憲史君) それでは、手短にお答えしたいと思います。
 トップレベルでいくというのは、私は非常に大事なことだと思います。我々の国際政治の世界、国際政治学の世界でも、ドメスティック、国内でリーダーシップを取ることによって国際的なリーダーシップにつながるという指針的なリーダーシップというものがあるということが認められています。
 例えば、EUなんかでも既にキャップ・アンド・トレードの仕組みを先んじて導入すると、それによって既にEUには経験があるわけですね。だから、やはり国際的な取引市場に発展していった場合、EUは、必ずEUの国にある企業というのは先んじて、五年ぐらいの経験がありますから、利益をより多く取るんではないかなと思います。そういう経験というのも非常に欠かせない要素なんだと思います。そういう意味で、トップレベルを行くことでビジネスチャンスが生まれるというのはまさにそのとおりだと思います。
   〔会長退席、理事藤田幸久君着席〕
 ただ、今は、グリーンニューディールの話が出てから、どこの国も競って皆ビジネスチャンスを先んじてやろうという方向に行っているんだと思います。そういうことを考えると、逆にやらないことはデメリットになるという世の中になってきているのではないかなと思います。対策を取らないと、リーダーシップを取れないだけでなく他国に遅れていくというところで、ある意味、危機感を持ってやっていくことが必要なんじゃないかなと思います。
 影山さんのお話にもありましたけど、日本は確かに国際的に見ても、例えば省エネの技術であるとか世界のトップレベルにあるというのは確かだと思います。ただ、トップレベルにあるからこそ、更に上を目指すということが大事なんじゃないかなと思います。こちらの参考資料の中にウサギとカメの例えについて書きましたけれども、ウサギのように先に行ったからそこで一休みするんではなくて、更に継続的な努力をすることによって日本モデルをつくる、で、日本モデルを世界に発信していくと、そういうことが今非常に大事ですし、逆にそれをやらないと危なくなるんではないかなというふうに考えております。
#22
○大島九州男君 ありがとうございました。
#23
○理事(藤田幸久君) よろしいですか。
 では、佐藤正久君。
#24
○佐藤正久君 三人の参考人の方、どうも御説明ありがとうございました。
 私は影山参考人にだけ質問いたします。二点質問します。
 一点目は、クリーンコールテクノロジーというんですか、説明いただきましたけれども、二十ページですね、これについてもう少し教えていただきたいと思います。
 さっきの説明の中に、各国ともまだまだ石炭というものにこだわっていたり、あるいは天然ガスというのにこだわっているという実情が説明ありました。そういう意味で、石炭をガス化して複合発電に使うとか、CO2を回収あるいは貯留するというものは、これは結構日本の国際貢献という観点では重要な分野ではないかなというふうに思います。そういう意味で、ほかの国はこういう形でどんな今研究開発をやっているのか、あるいはこれは日本が更に進んでいるのかどうかを含めて、もう少し詳しくお聞かせ願いたいというのが一点です。
 二つ目は、地球温暖化対策税、十一月の十一日に、環境省ですか、どこか発表しましたよね。これの影響についての考えをお聞かせ願いたいと。例えば、十四ページの説明の中で、まさに供給サイドと需要サイドの掛け算の絵がありました。この地球温暖化対策税がそれぞれ供給サイドと需要サイドにどういうような影響を与えるのかと。
 前、ちょっと漏れ聞いたところによりますと、十一月十一日に発表されたその税によりますと、大体電気事業全体で約、年間四千三百億円ほどの負担が増えると。これは電気十社の経常利益にほぼ匹敵するぐらいの額だと。となると、これは企業経営上、供給サイドからすると、やはり電気の方、電気料金に転嫁しないといけないということになると思います。そうすると、当然需要サイドの方の、さっき言われました弱者の方にまた負担が掛かると。電気の買取りでまた負担、電気料金が上がり、この税でまた電気料金が上がると。また、いろんな設備投資、キャップ等で上がると。税でどんどんどんどん高くなると、弱者が更に負担が多くなるようなイメージを持ってしまうんです。
 また、高効率機器の普及といっても、やっぱりお金がない方はそんなの買えませんから、そういう面でも更に弱者の方に負担が行くような気がして仕方ないんですけれども、この辺りの影響というものを、供給サイドと需要サイド両方に分けて、環境税の影響というものをお聞かせ願いたいと思います。
#25
○参考人(影山嘉宏君) ありがとうございます。
 まず、クリーンコールテクノロジーでございますが、二十ページに書いてございますように、石炭の高効率利用技術、あるいはCO2削減技術につきまして、ここでは二点挙げさせていただいております。
 石炭ガス化複合発電につきましては、現状、石炭をそのまま微粉炭で燃やすというのではなく、一度ガス化させまして、それで、そのガス化で複合発電、これをガスタービンとそれから蒸気ボイラーを組み合わせてやる非常に高効率のシステムでございますが、このシステムを石炭にも使ってみようということで現在研究開発をしているところでございます。
 勿来の発電所に建設しました二十五万キロワットの発電プラントで、ほぼこれで行けるというめどが立っておりまして、今後商用機をいつ建設するかというところかなというふうに思っております。このシステムで行きますと大体二割ぐらい、まあざっくり申し上げまして二割ぐらい現状よりもCO2の削減を図るということができますので、かなりCO2削減に貢献するというような、そういうシステムだというふうに思っております。
 海外の状況でございますが、この石炭ガス化複合発電は大きく二つの方法がございまして、酸素吹き、空気吹きというふうに申しておりますが、日本は空気吹きという方法を取っております。海外の酸素吹きの方法につきましてはかなり確立された技術でございますが、これよりも日本でやっております空気吹きの方が効率がいいという、そういう特徴がございますので、日本独自のこの空気吹きのIGCC、石炭ガス化複合発電を現在開発中ということでございます。
 それから、その下のCO2回収・貯留技術、CCSにつきましては、CO2を排ガス中から除去しまして、取りまして、それを地中に埋めるという技術でございますが、これについてはコストがどのくらい掛かるのか、かなり高いコストで現状はあるというふうに見込まれております。
 それから、日本の場合は埋める場所が非常に限られていると。このCO2を埋める場所というのは石油の油田ですとか、あるいはガス田に埋めるというのが通常でございますが、そういった場所が少ない状況にございますので、今後国内でやる場合には、そういうような埋める場所をどう発掘していくのかという、そういうところがあり、今後、まだちょっとしばらく、十年オーダーではちょっと難しいかなと思う研究開発課題でございます。これで行きますと、かなりCO2の削減量も八割とか九割の削減量を見込まれますので、将来的に石炭火力には欠かせない技術だというふうに思いますので、一生懸命技術開発をしているところでございます。
 それから、地球温暖化対策税でございますが、今御指摘ありましたように、電気事業で計算してみますと大体四千数百億の増税ということになろうかというふうに思います。これにつきまして、我々、先ほども申し上げましたが、いろんな対策がばらばら別個に検討されているように感じまして、これ以外にも、先ほどの新エネルギーの買取り制度、それからキャップ・アンド・トレードというのも検討されているようですので、一体日本としてどういう対策をセットでやるのかというのを十分考えられて、それでその地球温暖化対策税というものの位置付けを考えていただきたいと思うわけでございます。
 これにつきましては、先ほど御指摘にありましたように、四千三百億、四千プラスほかの税金等が、あるいは費用等が掛かってまいりますと、それを電気料金に転嫁するということになろうかと思います。それに当たりましては、需要家サイドへの負担増ということになりますので、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、特に低所得者の方ですとかあるいは零細企業に大きく効いてまいりますので、そこのところにつきましてはかなり慎重に議論していただかないと、安易に電気料金に転嫁するということで国民の納得が得られるということではないのかなというふうに思っております。
 先ほどのお話で供給サイドというふうにございましたが、供給サイドにつきましては石炭の増税というようなことになりまして、供給サイドの方も一層の取組というのを考えていくことになろうかというふうに思います。
 ちょっと簡単でございますが、そんなことです。
#26
○理事(藤田幸久君) では、主濱了君。
#27
○主濱了君 お三人の参考人の皆様には、本当に貴重な御意見、ありがとうございます。
 私はそれぞれ参考人の皆様に簡単な質問をさせていただきますので、端的にお答えをいただきたいなというふうに、こう思います。
 まず、浅岡参考人に対しましてですが、浅岡参考人は二〇二〇年に九〇年比二五%削減を歓迎と、こういうふうに主張されております。また、八〇%の削減への道は人類が生存していくために必ずやり遂げなければならない道であると、このようにも主張されているところでございます。私も全く同感であります。
 それで、今の現状を見ますと、京都議定書の中で六%削減というのが今約束期間の二年目になっているわけであります。この六%の内容を見ますと、皆様既に御承知のとおり、三・八%が森林の吸収源と、それからあと一・六%が京都メカニズム、要するにお金を出してどこかに削減をしてもらうと、こういったようなこと。日本自体が汗をかく分というのは〇・六しかないんですよ。六%のうち〇・六しかないと、こういう状況で、現状はどうなのかというと、この〇・六に対して今は八・七%も増加していると、こういう状況であります。私もこの二五%削減、それからこれは五〇年の八〇%削減、これを本当に実現したいものだなと、こういうふうに思っている一人であります。
 それで、今、日本でこれらを実現するために様々なことをやらなくちゃいけないということだと思いますけれども、端的に、最も必要なことは何だろうか、この一点について、非常に簡単でありますけれども難しい質問になるかもしれませんが、この一点について御見解をお聞かせいただければ幸いです。
 それから、あと、蟹江参考人に対しましては、気候変動問題で国際的にリーダーシップを取ることが必要だと、こういうように主張されていると、私、受け取りました。
 このリーダーシップを取るためには、国際的にリーダーシップを取るということは様々なポイントがあると思うんですよ。資金面だとか技術面だとか、あるいは私どもがもう既に国際約束をしていることの達成であるとか、様々なことをやって、やはり日本がリーダーシップを取っていくというふうなことになるんですが、最も必要な政策あるいは真っ先に講ずるべきことは何だとお考えなのか。様々ある中でこれだと、こういうものがあるとすればそれを端的に御披瀝をいただきたいと、こういうお願いでございます。
 それから、影山参考人に対しましては、なかなか産業界ということで大変だったと思うんですが、六月には一五%削減、九〇年比でいいますと八%削減、それが三か月たった九月には二五%削減と、こういうふうに段階的に厳しくなってきているというふうに思っておりますが、先ほど申し上げましたように、私はこの二五%というのは最低のラインであろうというふうに思っております。このためには、私自身も国民も頑張っていかなくちゃいけないだろうし、産業界も頑張っていかなければいけないと、こういうふうに思っております。電力業界ということで、エネルギー確保、今、東電も中心になって頑張っているわけでございます。原単位も、電力における指数ではもう世界でトップだと、先ほど見せていただいたとおりでありますけれども、そういう状況であります。
 それで、またここも端的に、今の六%削減あるいは二〇年の二五%削減、どうすれば達成可能なのか、何を一番最初に優先してやるべきなのか、これを端的にお話をいただければと思います。
 これは、本当に簡単で難しい問題だと思いますが、それぞれの参考人に端的に御披瀝をいただきたいと思います。
#28
○理事(藤田幸久君) それでは、順番に、浅岡参考人からお願いいたします。
#29
○参考人(浅岡美恵君) ありがとうございます。
 日本の排出量は、二〇〇七年は九%も増加をいたしましたが、二〇〇八年はいろいろな経済問題もありましてかなり排出量の増加率というのは低くなっているようでありますが、決して政策によって減ったものではないということであります。
 九七年、京都議定書が採択されまして、先ほど私も冒頭で申しましたように、ヨーロッパの国々は、第一約束期間二〇一二年までの目標に対してではなく、より長期の二〇二〇年、三〇年、五〇年の削減を実現するための政策を導入をしてきたと。それが先ほど紹介いたしました国内排出量取引、炭素税をベースにして国内排出量取引、さらに再生可能エネルギーを拡大する政策であります。その成果が今現れ、さらにその制度を進化させようとしているところであります。
   〔理事藤田幸久君退席、会長着席〕
 日本も、今、あと二〇一二年までに何年か、この間にどうするのかという発想ではなくて、十年遅れてしまいましたけれども、今、やはり基本の制度整備を早くやる。そして、そのときには二〇五〇年、大きな削減目標を政府としてしっかり国民、事業者に示し、投資をしていくことが損をしないということに確信を与えていただくと。そして初めて新たな経済が回ると思いますし、そうした削減の実効性がある形になろうかと思います。
 先ほど、排出量取引のような、あるいはキャップを掛ける、税を掛けるということが低所得者にとても厳しい、消費者に厳しいというようなことがありましたが、どの国でもそうしたことは議論しておりまして、アメリカの排出量取引を中心とする今のワクスマン・マーキー法案などでは、明らかに、電力事業者に配分をした排出枠をオークションにかけたものは消費者の利益擁護のために使うということを明記しているわけです。だから、それは政治の問題でありまして、どのようにソフトランディングさせていくかということを十分図りながら、何しろ日本におきましてはしっかりした目標を明確に、政府の方針として、国の方針として明確にし、事業者の方の心構えをしっかりさせていただき、それを実現して、損をしない制度、促す制度を、削減する人が報われる仕組みを制度化早くしていただくということに尽きると思います。
#30
○参考人(蟹江憲史君) 日本がリーダーシップを取るために何が最も必要かという御質問ですけれども、これは一つに集約できると思います。それは、省庁の壁を越えるということだと思います。
 結局、今二五%削減という大きな目標出ていますけれども、具体的な、例えば先日、バンコクであるとかバルセロナで行われた国際交渉というレベルになっていきますと、結局、具体的には経産省と環境省の力関係でポジションが決まっていると。ということで、そこに突き詰めていくと、結局、前の二〇〇五年比一五%のときとポジションはそれほど変わらないわけですね。ところが、具体的な、専門的な知識のレベルでいくと、いろんないいアイデアが出てきてもそこの意思決定のところで消えていってしまうと。そういうのがもっと国際的に主張できるようになれば日本はもっと国際社会に貢献できると思いますし、もっといいプレゼンテーションもできるんだと思います。
 ですので、何というんですか、上のレベルというか、大きな方針のレベルだけではなくて、いろんなレベルで政治主導というところを是非発揮していただきたいなというふうに思っています。そこがやっぱりアカウンタビリティーを高めるという上でも非常に大事だと思います。
 今までの合意形成のプロセスを見ていくと、繰り返しになりますけれども、省庁の力関係ということで決まっていくとなると、どうしてもアカウンタビリティーが弱いと。本当にこれ、我々の、国民の主張なんだろうかということを実際国際交渉で日本政府代表団が主張したりしているわけですね。それは非常に民主国家としてもまずいことだと思います。
 ですので、是非そういうことはやっていただきたいと思いますけれども、答えとしては、省庁の壁を越えるというところが一番大事なのではないかなと思います。
#31
○参考人(影山嘉宏君) ありがとうございます。
 まず、京都議定書の六%削減どうしたらできるかということでございますが、私は、今まで日本がやってきた道のりというのはこれは間違ったと思っておりません。対策をし、かつそれのチェックをして、対策が不十分である場合は上乗せをして、それでPDCAを回しながら六%をやる対策を積み上げてきたというこの方法で私は悪いと思っていませんので、このままその対策の強化で何とか六%削減を達成すべきだというふうに思っております。
 特に今やるべきことは、需要サイドの、家庭ですとかあるいは民生の対策というのがもう少し進む方が全体としてのCO2削減ができると思いますので、そちらの高効率機器の普及というのに力を入れて、それで六%削減というのを何とか全員の力でやっていけばできないことはないというふうに考えております。
 二五%につきましては、必ずしもそういう取組で達成できるとは余り考えられないと思いますので、これは別の方法が必要かと思います。先ほど申し上げましたように、産業界の取組もそれから電気事業の取組も二〇二〇年までにできるということというのはすべて大体明らかになっておりまして、新たな方法というのはなかなか難しい状況になっております。
 そういったのを全部組み合わせてもなかなか二五%どころか一五%も非常に大変という状況でございましたので、その残りの部分というのは多分、これはもう私の私見によるところでございますが、海外から調達するという方法かなと。ただ、現状のように、CDM等のように、単にお金を海外に流して、それでクレジットを買ってくるということではなく、国際貢献、日本の技術が効率がいいということは、これは途上国あるいは海外に十分周知されていることだと思いますので、そういった技術を海外に普及させるということに努力を払って、それで海外での削減を行うと。これが一番コスト、効果的であり、かつ地球温暖化にも資する対策だというふうに思いますので、そういったことで二五%というのを考えていくのかなというふうに思います。
#32
○会長(石井一君) 川口順子さん。
#33
○川口順子君 三人の方にはありがとうございました。
 私のは質問ではなくて、蟹江参考人がおっしゃったことを非常に興味深く聞かせていただいて、おっしゃったことへのコメントでございまして、そのコメントについて更に御感想があれば承らせていただければ大変幸いに存じます。
 これは、先ほど主濱議員が御質問なさったことで、それに対するお答えと非常に密接に関係のあることなんですけれども、私も今まで環境も含め、あるいは貿易の交渉も含め、いろいろな国際的な場でやったときの印象として、参考人がおっしゃるのと同様に、どうして日本はもっと国際的にプロアクティブに動けないんだろうかというのは、ずっと何十年私は残念だと思い続けてきたことの一つでございます。
 特にこの環境問題、非常に二十一世紀、我々が解決をしなければいけない大きな問題であるので、そこで、できることならば日本として格好良くリーダーシップを取っていきたいというのが私の思いでもありますけれども、同時に、なかなか、これは省庁の壁を越えるという話、それも含みますけれども、よりも更にもっと深いところに日本のコンセンサスシステム、意思決定の仕方というのがあるんだろうと思うんですね。省庁は自分で意思を持って動いている部分もありますが、それぞれの省庁が持っている、何ですかね、例えば経産省なら産業界とか、それから環境省ならNGOの方々とか、いろんなそこのところを考えながら仕事をしているということであるわけでして、基本的に日本は国内コンセンサス優先型、それが国際的に反映されるという意思決定のパラダイムを持っているということだと思うんですね。
 アメリカは、これはよく我々が、京都議定書でも経験したことですけれども、割にさっと言える、行政府と立法府の間の独立関係がありますから言えるけれども、それが本当に実行に移されるかどうかというのは立法府次第ということで、京都議定書もそうですし、ほかのことでもあるわけですけれども、その行政府と立法府のやり方、在り方も関係も、ある意味国内コンセンサスと国際的なリーダーシップとのアメリカ流の調整の仕方であるということだと思うんですね。ただ、こちらの方が外で行政府が思うままに言えますから、よりイニシアティブを取っているように見える。
 気候の問題について、EUというのは、今はバブルがあったり、あるいはホットエアがあったり、いろんなことがありましたから割に調整が中でしやすいということで、国際的なイニシアティブと国内的なEU内のイニシアティブが割にうまく調整ができる状況にあるという、そういうモデルの違いなんではないかなというふうに私は思っていまして、先ほど参考人がおっしゃったように、民主党政権になって、連立政権になって、政治主導だということで鳩山総理が二五%ということをおっしゃった。これは今までのパラダイムを乗り越えようとする一つの実験なんだろうと私は思っておりまして、逆に今、ですから今起こっていることが二五%、だれともそのコンセンサスを国内的につくってないじゃないかという批判が経済界とかいろんなところからあるということで、これの裏返しは本当に実行できるのかどうか分からないということでもあると思うんですね。今までは、国内コンセンサスがあるということは、実行の段階では非常に容易であるというメリットが逆にあったということだけなんだろうと思うんですね。
 民主党のパラダイム、実験に期待したいというふうには思いますが、民主党の政治家といえども決して中立ではなくて、昨日の環境委員会でもいろいろ議論がありましたけれども、どういう、自分のよって立つところがどこにあるかということで、労働組合出身だったり、あるいは経済界寄りだったり、あるいは環境寄りだったり、いろいろあるわけですから、これが政務三役の間で、それが各省にある中で一本になって出やすいかどうかというのは、これも今後見て、客観的に、学者風に言えばですけれども、見ていかなければいけないことなのかなというのが私の印象でしてというのが一点です。
 それからもう一つ、日本はこの環境の分野では、例えばWTOなんかと比較をすると非常にリーダーシップを取ってきた分野だというふうに私は思っていまして、そのリーダーシップの根拠、取れる根拠というのは、日本の省エネ技術の進歩あるいはトップランナー方式に見られるような制度があるということを各国が関心を持って見てくれたということにもあるんだろうと思っておりますけれども、例えば八〇%というのを洞爺湖サミットで福田総理がこれを合意しようということで一生懸命なさったというのは本当にリーダーシップの発揮であると思いますし、それから、セクターアプローチということで、これは余り国際社会をコントロールするに至らなかったアイデアですけれども、これも一つの萌芽として私は評価されるべきだろうというふうに思っています。
 それで、結局、国益、この問題は先生もおっしゃったように環境益といいますか、環境十全性とか、あるいはエネルギーの安全保障とか、あるいは経済の発展とか、いろんな要素を議論していって国内的にコンセンサスをどこかでつくることが必要な問題であって、その過程で、これは影山参考人もおっしゃいましたけれども、今、国内で重厚長大を抱えているということが本当に日本にふさわしいのかどうかということの議論も含めて、それからそれの雇用にもたらす影響とかやっていかなきゃならないと思うんです。
 蟹江参考人は、それを省庁の力関係で決まっているというふうにおっしゃられて、それは現実問題、環境省と経済産業省を比較すると、先生のおっしゃっていることはそういうことかなというふうに思いますけれども、それが日本流の、何が国益かという国益の決め方であるということで、それを超えて中立的に、抽象的に国益が決まるということはないんだというのが現実の政治なんだろうと私は思っておりますというコメントを申し上げて、何か御感想を聞かせていただければ幸いです。
#34
○参考人(蟹江憲史君) ありがとうございます。非常に的確な御指摘、インスパイアする、私の考え方を刺激するような御指摘をありがとうございます。いろいろと私も今おっしゃっていただいたことに考えがございまして、是非このことは広く議論すべき話だと、広く深く時間を掛けて議論すべき話だと思っております。
 まず一点目の日本の意思決定システムということですけれども、確かに、一言で簡潔に申し上げますと、省庁間の争いの中に日本の意思決定が集約されているという意味で申し上げましたけれども、一言では語り尽くせないところがあるというのは私も認識しております。
 日本の場合は、国内コンセンサスがあって国内コンセンサス主導型で決まっていくと。そのコンセンサスというのが省庁間のコンセンサス形成というところで出ていくというのは、確かにそういう面はあるかとは思いますけれども、どうもその中に国民というものが十分入っていないと。国民の声を、例えば省庁の人が選挙で選ばれて国民の声を吸い上げてくれている、それであればまだいいと思いますけれども、どうも国民の声というのが省庁のお話の中には入っていかないというところが最大の問題点ではないかなと思います。
 民主党政権になって二五%というのが出てきて、それが従来的なコンセンサス形成のプロセスにのっとっていないというのは確かだと思います。ただ、従来的なコンセンサス形成のプロセスに乗っかっていたのではあの数字は出てこなかったというのも確かだと思います。
 先ほどのプレゼンテーションでも申し上げましたけれども、この問題、ビジネス・アズ・ユージュアル、成り行きのシナリオを超えなければいけない話ということになっています。今までと同じような排出パスではなくて、それを大幅に削減の方向に持っていかなければいけないと。ということは、やっぱり政治の側も合意形成の側もBAUを超える必要があるのではないかなと思います。
 そのときの一番大事なことというのはいかに国民の意思に基づいた政治をするかということで、そういう意味で省庁主導ではなく政治主導ですね。少なくともあの二五%という数字は選挙の公約の中にあったものであって、それで選ばれた政権ということはアカウンタビリティーはあるということは言えるかと思います。一人の国民として自分の意思を通す場というのは今のシステムではやはり選挙という方法しかないとは言い過ぎだと思いますけれども、それが一番直接的な方法だというふうに考えております。
 ただ、それを言った上で、やはり現代社会、いろんな問題によって考え方が異なりますので、すべてが選挙で出ているかといえば必ずしもそうではないというふうには思います。ただ、そこを補完するような意思決定システムが日本には欠けているということも確かだと思います。
 済みません、余り長くなるとあれですけれども。ですので、日本の意思決定システムを新たに変えていかなければいけないというのは確かにそうだと思いますけれども、そういう今申し上げたような意味で考えると、選挙で選ばれた国会議員、首相、民主党ですね、政権が主導で提示した数字というのは我々国民のコンセンサスが、今までとは違う意味ですけれども、ある数字ということは言えるのではないかなと思います。
 それから二点目ですけれども、環境面では日本がリーダーシップを取ってきたということ、実質的なその環境の流れというか、環境の技術であるとか資金援助の面もそうですけれども、そういう意味ではある程度リーダーシップを取ってきたということは私も言えるのではないかと思います。
 ただ、一番日本の弱点と言っていいのは、そのプレゼンテーションの仕方がどうも余りうまくないというところだと思います。例えば、私元々オランダの外交政策を中心に研究していますけれども、オランダなんかは、あんな小さな国ですね、一千五百万人しか人口がいないですし、国土も九州ぐらいしかないと。そんな国ですけれども、多国間外交では非常に目立つんですね。今の条約事務局長もオランダの方ですし、人的貢献という意味でも、それからIPCCの中でも重要な方がおります。プレゼンテーションの仕方が非常にうまい、そこのところは日本も考えていいのではないかなと思います。内容が良ければそれでいいというだけでは、やっぱり国際的な発言力という意味ではちょっと足りないのではないかなという感じがしております。
 ちょっとまだまだ言いたいことはいろいろございますけれども、また改めていろいろと御議論させていただければと思います。ありがとうございます。
#35
○会長(石井一君) 川口先生、これでよろしいですか。
#36
○川口順子君 結構です。
#37
○会長(石井一君) 松田岩夫君。
#38
○松田岩夫君 松田でございます。
 今、川口先生のおっしゃったこととちょっと最初は重なるところがありますが、まず第一に、ちょっと自分の考えといいますか、基本的に我々が置かれている今の世界の状況についての認識について少し共有したいと思うんです。
 一つは、ますますグローバルな社会だと、世界は本当に一つだと。ちょうど地球温暖化ということで地球の話をしているわけです。地球の気候をどうするか、日本のかつての公害問題とはまるで違うことを我々は議論しているわけですね。そういうグローバルな問題をまさにグローバルに解決していくことがあらゆる面から今必要になっていると。何も地球温暖化に限らない。経済活動一つ取りましても、今、日本の企業といっても何が日本の企業なのかということすらだんだん分からなくなるほど、例えば売上げに占める日本の企業の日本でのシェアというものはどんどん低下し、立派にいっているところほど、あるいは従業員の比率も、あるいは重役の比率も外国人の方がはるかに多いという日本企業もどんどん増えています。そういう意味で、日本の基準、日本のことというんですが、経済的には、あるいはさらに人間の移動もだんだんそうなるのかなと僕なんかは思っていますが、そういう大きな話をこれから十年、二十年、三十年、二〇五〇年とかいうオーダーで考えていくわけであります。
 まず第一に共有したいことは、恐らく世界はますますそういう意味でのグローバル化といいますか、あらゆる面で進んでいくのではないかと、また進むことが恐らく人類の幸せを一層増すだろうということを共有したいということが第一点です。
 第二点目は、今のこととのつながりもありますが、例えばBRICsという国をとらえますと、どこでもいいんですけれども、従来、先進国と発展途上国というと何か截然と、こっちはすばらしいことばかりがあってとか、こっちは豊かなことばかりがあってとか、こっちは進んだことばかりがあって、一方、こちらは何となくそうでないというような認識でございましたけれども、世の中はそんなふうに進んでいくわけではなくて、例えば中国であれどこであれ、日本よりはるかに優れたものをたくさん持っているわけであります。特に、科学技術などという面で見ますと、日本より進んだ分野が、今や中国であれインドであれ、かなり持つに至っていると。そういうのが、今の国というものを考えるときの一つの考え方というものも共有していきたい。まして、これから三十年先の、四十年先の話であります。
 さて、それはちょっと前置き長過ぎまして済みませんでしたが、ということは、みんなで共有していくとてもいい課題なんです、これは。ということは、一体何を基準にしていく。例えば鳩山大臣、すばらしい、二五%と。そこで、例えば、これは影山さんの資料にたまたま出ている、まさにそのことをおっしゃっていたわけですが、「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が国の国際社会への約束の「前提」となります。」と。これ正確な訳だと思いますが、そのとおりなんですね。日本だけ言ってみても始まらないので、まさにこの二五%と言っているのも、すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が我が国の国際社会への約束の前提となりますと。全く同感そのものであり、各国の本当に合意をどうこれから築き上げていくかということが我々の課題ですが。
 さてそこで、どうやってこの合意を一体つくり上げていくのかというときの一つの私は大きな前提として、一体何が万人にとって認められることであるかとすれば、少なくとも一つの基準は公平ということだろうと思うんですね。だれかだけがえらく負担してだれかだけがそうでもないよなどという余地があればとてもまとまったことにはならないと思うんですが、一体公平って何だと、ここで言う、いう点について、これほどまた意見が分かれているということについて私は非常に、そこをまず徹底的にこれに凝ってもらえないかと、お互いに。私自身も凝っているわけですけれども、一体何が公平なんだと。もちろん、意見が分かれていいんですよ。しかし、そもそも何が公平だということについてもっと徹底した議論がないと、お互いやっていこうじゃないか、これがいいじゃないかというときに、いや、それは不公平だと言われて、いや、ちょっと待てよと、じゃ何だと、君の言う公平というのはと。これは恐らく入口の段階でとても大事なことではないかと思うんです。
 そういう意味で、もし時間が許せば、一体何が公平なんだと、どういう考え方でいくと、まさにここで言うすべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が可能となると。この僕は大前提は、一つはまず公平だということを言い切れると、向こうも納得するということでなければ進まないと思うんですが、今日お三方からそれぞれの何となく公平感というか、しかしこれだというのはやっぱりお持ちでないなということもまた、私自身も実はないんです、まだ。しかし、その辺についてのあらかたの、先ほどの川口さんおっしゃったことというのは、ある種のコンセンサスづくりの一つの大きな枠組みではないかなと思うんですが、もし時間が許せば、それぞれについて少しだけでも、何が公平なのかということを考えるときの視点なり、いや、私はもうこれだと、これでいけというものがあったら、それをずばっと教えていただけたらと思うんです。
 お三人の方にもしよろしければお聞きしたいんです。
#39
○会長(石井一君) なかなか難しい御質問ですね。
#40
○松田岩夫君 時間がないですか。
#41
○会長(石井一君) いやいや、時間がないことはありませんが。
 それじゃ、ひとつ参考人、よろしくお願いします。簡潔に、私は答えがあるようでないんだと思うんだけど。
 影山参考人、どうぞ。
#42
○参考人(影山嘉宏君) ありがとうございます。大変難しい御質問だと思います。
 先ほど私申し上げましたのは、産業界、ビジネスをやる者としては、このCO2対策のコストを合わせてくれと。削減費用という面で、CO2を削減するコストは日本でもアメリカでもヨーロッパでも同じにして、それ以外のところで勝負させる。技術、それから製品のコストを削減するとか、そういうところもあろうと。CO2対策のコストは一緒にした上で勝負をさせてくれ、そうであれば産業界としては受けて立たなきゃいけない、日本として十分それを受けて立つ力を持っているんじゃないかというふうに思います。
 ですから、一つの考え方として、そういう限界削減コスト、CO2対策コストをそろえた上で、それでこの目標値というのを考えていくという、それが一つのビジネスとしての、大きな我々としての要望といいますか、そういうものが前提にあれば我々は何とかやっていけるんではないかと、日本として、日本の雇用とかいろいろなことを考えながらやっていけるんではないかという、そんなふうに思います。
 以上です。
#43
○参考人(蟹江憲史君) 私は、公平性の考え方というのは大きく責任と能力と実効性と三つあるということを先ほど申し上げましたけれども、その中で、温暖化対策としてはやっぱり責任というのが一番重要な指標ではないかなと個人的には考えております。というのも、この問題、温暖化の問題であって、日本での議論を聞いていると、どうもこれ経済の問題じゃないかなというふうに考えられてくるような節があります。もちろんお金は大事ですけれども、お金で買えない価値もあるというところもまた事実だと思います。
 国際的な議論を見てみると、国連の場に話が持っていかれると、やっぱり理念の話になるわけですね。国連は百九十か国ぐらいの国が集まってきますから、そうすると、その中で途上国は途上国の理念を言う、先進国は先進国の理念を言う、だから話がなかなか収束していかないわけですけれども、理念の話になっていくと、お金だけだというのでは話が通じないと思います、途上国は責任で言ってくると。この問題の本質を考えたときには、やっぱり先進国がたくさんガスを排出して、これまでですね、その結果あるのが今の温暖化だということになりますので、今の時点ではやっぱりその観点をしっかり考えなければ、その責任の取り方というか、議論は収束しないのではないかと思います。
 ただ同時に、これから先を考えていくと、途上国も同じぐらいの責任を負う、あるいはそれ以上の責任を負う可能性があると。ただ、それは今の時点ではまだ分かっていないわけですね。だから、それをいかに盛り込んでいくかというのが非常に大きな課題なんだと思います。
 ただ、この公平性の議論、恐らくここに座っている三人だけでも違う意見が出てくると思いますけれども、公平性を何かというのを一つに決めるのは無理だというふうに思います。ということなので、国際交渉ということを考えると、限界削減費用の話もありますけれども、責任で言ってくるところもありますし、別のところは例えば能力ですね、例えば……
#44
○松田岩夫君 先生は何だと。
#45
○参考人(蟹江憲史君) 私は責任だと思います。
#46
○松田岩夫君 責任というのは。
#47
○参考人(蟹江憲史君) 気候変動への寄与ですね、どれだけ気候変動に寄与しているかという話だと思います。だから、日本はこれだけ排出しているから、簡単に言えば、日本は排出量が一人当たりこのぐらいだから日本人はこのぐらい責任がある。
#48
○松田岩夫君 それは今ですか、将来は。
#49
○参考人(蟹江憲史君) 過去、これまでの歴史的な排出ということです。
#50
○松田岩夫君 将来は。
#51
○参考人(蟹江憲史君) 将来は今の時点では分かっていないので、今の時点で将来の話をするのは、今の時点の話としては難しいと思います。
#52
○松田岩夫君 そうすると、合意できますか。
#53
○参考人(蟹江憲史君) そうですね、ですので、今話をしていたように、多分、一つの基準で考えようとするとなかなか合意はできないんだと思います。
#54
○参考人(浅岡美恵君) とても難しいものでありますが、一つの指標で測れないというのはもうある意味で、人間社会のことでありますし、これだけ多様な国が、発展形態も文化も歴史も地勢も違うわけですから、やむを得ない。
 私は弁護士ですが、遺産分割を例えばいたしますとするときに、相続分は一応法律としてありますけど、相続分どおり分けることが必ずしも皆が公平と思わないというのはよくあることであります。
 そういうのも一つの似たところかと思いますが、途上国からは、やはり一人当たり排出量で同じにしていただくのが本来じゃないかと、もっともといえばもっともな話があります。一人当たり排出量でいいますと、私は二十一ページにグラフを付けておきましたけれども、日本は決して低いところではありません。アメリカに次いで多い国でありますし、また増えている国でもあります。
 もう一つの問題点は、これは経済界の方にやはりお考えいただかなきゃいけないのは、競争は今の競争だけではないということです。二〇五〇年八〇%という大きな削減に向けて世界が動いていくその流れの中で、日本が競争に勝っていくための国としての戦略、企業としての戦略という中で、今どのような選択をするかというところも非常に重要な論点なのではないかというふうに思います。
 そういう中で、何とかしなければいけないことは間違いなく、合意もしていかなければいけないことも間違いありませんので、日本の側により幅広い視点と柔軟性というものはやはり必要であり、かつ日本がやはり政策的にしっかり削減していくと、技術の一つ、技術だけで削減するのではなくて、技術を生かした政策をもって削減するということを考えたときの目標としてお考えいただきたいと思います。
#55
○会長(石井一君) まあこの議論はこの程度で。
 ツルネンマルテイ君。
#56
○ツルネンマルテイ君 影山参考人に質問させていただきます。
 私の質問の方はそう難しくないと思います。答えも割合に簡単にできるんじゃないかなと思います。つまり、電気自動車の可能性というか能力について、これからどういう見通しがあるかということ。
 これを聞きたかったことは、今まで大体各自動車メーカーが充電なしで走っている距離というのは、まあいろいろあるでしょうけど、百五十キロとかそんな程度じゃないかなと思います。しかし、ちょうど一週間ほど前には、マスコミではかなり驚きのニュースがありました。NHKでも、各新聞でも、読売でも、つまり東京から大阪までの五百五十五キロを一つの電気自動車が充電なしで走ったということ。これは車のメーカーというよりも日本EVクラブというところが開発したか造った自動車じゃないかなと思います。
 これで、このようなものは、これから近い将来、つまりその距離がどんどん延びるという、五百キロまでも延びるという可能性があるんでしょうか。これだけです。
#57
○参考人(影山嘉宏君) 電気自動車はこれまで余り実用化が図られてこなかった、まあかなり先の話だろうというふうに思われていたのが、ここへ来て普及ということを考え始めたというのは、バッテリーの性能が格段に上がったということにほかならないというふうに思います。
 今の先生のおっしゃられた航続距離の問題、これも以前はエアコンも付けられないというような、そういうような時代もございましたので、そういうところから比べると格段に最近は性能が良くなったわけでございますけれども、エアコンなり、そういうような自動車としての機能を果たした上でどのくらい航続距離があるのかという問題かと思いますので、多分この五百五十五キロというのはそういったものをかなり省いたところでの航続距離だと思いますので、今のところ百キロ弱というのが今の実力なんだろうというふうに思います。
 そういう航続距離の問題と、それからやはり問題はコストでございまして、今の電気自動車は四百五十万円強しますので、補助金が付いても三百万ぐらいは払わなきゃいけないという、これではなかなか普及が進みませんので、そのコストがどのくらい下がるかというところかと思いますけれども、これについてはバッテリー、今のリチウムイオン電池のバッテリーのコストが格段に下がると、数分の一以下になるという、そういうことも言われておりますので、今後の技術開発によって、今のコストとそれから航続距離を含めた性能というところでは相当期待が持てるんじゃないかなというふうに思います。
 ちょっと正確な、何キロとかいつごろまでという数字をちょっと私持ち合わせておりませんので、正確には申し上げられませんが、性能的にはここ五年ぐらいで格段にそのバッテリーの性能がアップするということが見込まれているというふうに聞いておりますので、今先生のおっしゃられたような、そういう面での不便さ、航続距離とかそういう面での不便さというのはかなり改善されるんじゃないかというふうに思います。
#58
○会長(石井一君) 神取忍君。
#59
○神取忍君 今日は、三人の参考人の方々、ありがとうございます。
 蟹江参考人と影山参考人にお尋ねしたいんですけれども、要は、このCO2を削減していくと低炭素社会という形に行く形になると思うんですけれども、そうなったときに、今お話があったように、産業構造がいろいろ変わってくると思います。産業構造が変わっていくと、今度は社会構造がいろいろ変わる形になると思うんですけれども、そのときの対策か何かあったら教えていただきたいと思います。
#60
○参考人(蟹江憲史君) まさにおっしゃるとおりで、低炭素社会に行くということは、産業構造、社会構造が変わるということだと思います。
 この問題、どうやって対策を取っていくかというのは、日本が将来どんな国になっていくか、そういうものを考えるということに直接的につながっていると思います。いろんな研究所からシナリオが出ていますし、例えば中期目標の議論なんかに関してもシナリオが出ていますけれども、あのシナリオというのは一つのケースでしかないわけですね。あれで示しているのは、今のままの例えば産業構造で将来に行った場合こういう結果になりますよということは示しているけれども、それを見て、じゃ我々どういう産業構造にするか、どういう社会にしたらいいのか。ああ、このまま行くとこうなる、こういう政策をすればこうなるんだったら、じゃ今のうちからこういう政策を打とうとか、そういう考えるきっかけなんだと思います。そういうものが出てくるということは、やっぱり今の政策の打ち方によって将来の日本の在り方、日本の生き方が変わってくるということなんだと思います。
 ですので、例えば非常に極論ですけれども、鉄は日本で造らないというのも一つの選択肢としてあり得ると思います、そういうことを主張しているわけではなくて。だから、そういう方向性の在り方、CO2というものを一つのきっかけとして、そういう将来の日本の在り方というのを今議論する時期に来ているのではないかなというふうに思っています。ちょっとお答えになっているか分からないですけれども。
 そういう、要するに将来の日本がどうやって生きていくか、そういうものを考える課題というのがCO2対策という課題なんだと思います。
#61
○参考人(影山嘉宏君) 蟹江先生と全く同じでございます。将来、CO2を削減していく中でどういう社会構造になっていくかということではなく、どういうところで日本は生きていくのか、どういう町を、どういう国をつくっていくのかという、そういうことではないかというふうに思います。
 今、鉄の話もございましたけれども、鉄の生産というのを外に出せば、場合によってはCO2が増える場合がかなり多いと思いますので、それでいいのかというのも含めて、日本の果たすべき役割と、それから国際的な、先ほど松田先生おっしゃったようにグローバル化が進んでおりますので、日本単独でやっていくというのはこれは無理でございますから、外の世界とどう戦っていくのかと、日本がどう食っていくのかという、そういうところを考えて、一体どういう社会構造で日本はやっていくのかというのを決めて、それでCO2、もちろんその中にはCO2の削減というのも加味した上で、どういう国づくりをしていくかということかなと思いますので、ちょっと私がどうこうということは今思っていませんので、申し訳ありませんが、それを早く国として決めていくべきだというふうに思います。
#62
○会長(石井一君) 大久保潔重君。
#63
○大久保潔重君 まず、浅岡参考人にですけれども、排出量取引制度について、国内排出量取引制度、これはたしか国内の事業者間の取引だったと思うんですけれども、例えばこれは国内の地方自治体間の排出量取引制度というのができないものかどうかということでちょっとお尋ねしたいと思います。
 それから、蟹江参考人、今後、低炭素社会を軸にした新しい世界の秩序をつくっていく上でやはり我が国がリーダーシップを取っていくためには、先生の論文にはそのプロセスマネジメントが重要だということが書いてあります。このプロセスマネジメントの概念というか、いまいちまだぴんとこないんですが、分かりやすく御教示願えたらというふうに思っております。
 それから、最後に影山参考人には、これは資料の二十五ページ、「電源構成の国際比較」、これは電気事業連合会の資料だと思うんですが、非常に我が国の見通しを見たときに愕然としたんですね。それはどういうことかといいますと、いわゆる水力、地熱、太陽、風力などの再生可能エネルギーが二〇一八年にたったの一割ということで、私は個人的に、将来的には再生可能エネルギーはやっぱり全エネルギーの供給源の三割ぐらいにならなければ余り意味がないんじゃないかと思うんですが、その辺の何かネックになっている部分、それから、世界的に原子力の利用についての流れといいますか、その辺を御教授願えたらと思います。
#64
○参考人(蟹江憲史君) プロセスのマネジメントということですけれども、先ほど川口さんの方から御質問のあった意思決定システムをどうするかという話と非常に密接に関係しているんじゃないかなと思います。
 国内でもそうですし、国連の場での国際的なプロセスも同じように言えると思いますけれども、国内の方から話しますと、合意形成の仕組みというのが先ほど話したような状態になっていると。それをいかに変えていくか、問題ごとに、領域ごとに国民の声を酌みながら意思を反映していくかというところが今後重要になってくると思います。というのは、今までよく我々の世界だとガバメントからガバナンスに変わってきているという言い方をしますけれども、ガバメントで物事を決めるときは多数決で決めることが最終的には意思決定の手段であるということですけれども、ガバナンスというものはプロセス自体が大事だという考え方をよくするんですね。いろんな考え方、いろんな問題がある中で持続的に問題解決をしていくためにはプロセスが必要だというので、そういうプロセスというのを考えていく必要があるということで、これは今のは国内の話ですけれども、国際的にも逆の意味で同じことが言えると思います。
 国際的には、国連の場では、コンセンサスで物事を決めていくということがなされているので文章がいろいろ複雑になっていきますし、玉虫色の合意があって、それがうまく、でも世界の現状を反映しているということだと思うんですけれども、逆にそうすると実効性が少なくなってしまう、えいやで政策を打つということがなかなかできないでいる。だから、逆に国際的には、コンセンサスだけではなく、ある程度多数決あるいは加重多数決のような意思決定制度を入れるようなプロセスのマネジメントも必要じゃないかと、そういう意味でプロセスマネジメントと申し上げております。
#65
○参考人(影山嘉宏君) 電源構成の御質問をいただきまして、二〇一八年に水力を含めた再生可能エネルギーで一〇%という数字でございますけれども、日本は非常に自然エネルギーというのを導入しにくい国でございまして、太陽光、まず太陽光でございますが、太陽光自身は我々導入を進めていくべきというふうに思いますけれども、ちょっと今正確な数字を持ち合わせませんが、日本の一戸建てのすべて、あるいは半分ぐらいにすべて太陽光を付けて、それで発電したとしても、今の電気の使用量の一〇%も行かない、七、八%ぐらいしか行かないのではないかなと思います。ちょっと半分の戸数に太陽光を建てるというのは不可能に近いと思いますので、それの一割ぐらいであればもう数%ということしか幾ら太陽光をやっても賄えないということになります。
 それから、風力がヨーロッパに行ってみますとかなりたくさん建っておりまして、この風力というのをもっと建てることができればかなりのボリュームになるというふうに思いますが、ヨーロッパでも地上で建てるというのがなかなか難しくなってきているようでして、洋上風力というのがドイツでもデンマークでも主流になってきていると。
 ただ、海外に比べて日本は沖合が非常に深い地形になっていまして、沖合で建てるというのが非常に難しいと。今研究をやっておりまして、どうやったら洋上に風力というのをうまく建てられるのかというのをやっておりますが、それがうまくいけばかなりのところの電気量というのは見込めると思いますが、現状では沖合もかなりつらい。地上付近は、例えば北海道ですとかあるいは下北半島を御覧いただきますと、相当数風力建っております。ちょっと見ますと、かなり建っているなという状況にあると思いますので、地上部分で風力を建てるというのは、それほどこれよりもたくさんというのは難しいかなというように思いますので、日本の地形の中で、風力、太陽光というのはそれほどのパーセントというのを期待できないのかなと、洋上風力というのに期待するところかなというふうに思っております。
 原子力の状況ですけれども、原子力はチェルノブイリ以降、ヨーロッパでかなり原子力をやめていこうという動きがありまして、ドイツもフェーズアウトというのを決定したわけでございますけれども、その後、温暖化対策、それから資源エネルギーのナショナリズムというようなものもありまして、もう一遍その原子力を見直そうという動きがかなりの国に起こっているというふうに思います。ドイツも、政権が替わったこともありまして、フェーズアウトするというのはいったん見直しをしようということになっておりますし、アメリカでも建設再開の動きがございますので、かなり世界的に原子力を見直していこうという動きがあるというのは事実だというふうに思います。
 安全性という話、それから廃棄物処理をどうするかという問題がまだ残っておりますので、そこのところをしっかりと解決するというのが各国に共通の課題だと思いますけれども、一時の原子力を忌避していこうという動きとはちょっと変わった動きが見られるということだと思います。
#66
○参考人(浅岡美恵君) 最初に、再生可能エネルギーのところだけちょっと付け加えさせていただきたいと思いますが、ドイツもフェーズアウトをやめたのではなくて、稼働年数をちょっと延ばしましょうということをやっていると。
 原子力の動きは、時間が掛かるので今回省きますが、日本の再生可能エネルギーの電事連の計画ですと、これ、十年間では一%しか増えない。二〇〇七年、九%から一〇%ですから、やっぱりこういう目標では本当に実行もできないと思います。
 それで、そういう再生可能エネルギーを個々事業者の中でも、電力事業者でも入れていただくということも含めてなんですが、排出量取引制度につきましては、私の資料の十五ページの上下で少し資料を付けてあります。ここの考え方は、EUで行われていますEUETSとアメリカで導入されようとしております取引制度のかなりの部分等の共通項を抽出しております。それぞれの、EUでもアメリカでも、大規模な排出源に排出上限枠をまず設定すると、これが第一弾としてあります。そういうある意味規制的な部分ですが、その上で、それを超過達成したところが排出量取引ができるということでありますので、基本的には大規模の排出、発電所であるとか工場であるとか、アメリカの場合は、さらに自動車の排出分が多いですから、そうした油のもっと元の段階で炭素税的に掛けられるようにしてやるというところがあります。
 しかし、アメリカの中には、自治体に排出枠というものを設けております。これはどうしてかといいますと、自治体が排出しているとか、そこのキャップがあるとかいう意味ではなくて、基本的にアメリカは、今すぐではないんですけれども、順次拡大してこの排出枠は全部オークションで、競売で買っていただくと、その対象事業者に買っていただくと、こういうことになっている。その買っていただいたオークション代金をいろんなところに配分をするわけです。
 配分をする先が、一つは、先ほど申しましたように貧しい消費者対策として使いましょうと、これは大きくあるわけですが、もう一つ、自治体が、交通対策とかその自治体として対策が取れるようにするという部分がお金が要るわけですね。オークションにしてそれを配分するというのは、ある意味では税を配分するのと似たようなところがあるんですけれども、そうであれば自治体に排出枠を渡すということで、州ごとに排出枠を一部設けまして、その自治体はそれを売却して、その対策費用でお金を払うと。一年前の法律案などではもうかなり具体的に、先進的対策を取る州にはより多く配分をするというようなところまで、二〇五〇年にわたるまで掛けています。
 そういう意味で、お金をいかに回していくかということと、そのお金を使ってその地域で必要な対策を、やっぱり自治体によって違いますから、取れるようにしていくというような仕組みでは入れています。
 それ以外に自治体に排出枠を設けて売買するというふうにするのはなかなか難しいのではないかと思います。森林吸収源対策に特に使う自治体があり、あるいは交通対策に使う自治体があり、そういうことも、何といいましょうか、現実に地域で減らしていくための活用法としては考えられるところなのではないか。日本でも私は取り得る発想なのではないかと思ったりしています、取引制度を導入するにつきましてはですね。
#67
○会長(石井一君) それでは最後に、加藤修一理事。
#68
○加藤修一君 三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。
 リンクとイノベーションという話があったり、資金メカニズム、制度をいかにつくるかということが非常に大事であると。資金のメカニズムでは、たしかブラウン首相が地球温暖化の関係については一千億ドル必要であると。私は、これは小さい数字だなと思って聞いておりましたけれども。
 また、あとエネルギーと技術革新をどういう形で進めていくかというのは極めて重要だなと私も思っております。私は、CCSの話がありますよね、これ導入に当たって、私は何か唐突に出てきた印象が強くて、最終的に国連海洋法の改正というか、そういうことも含めてかなり足早にやったという印象が強い。まだまだこれは多くの課題を抱えていると私は思っておりますが。
 それで、日本は資金の話というのは意外としやすいふうに印象が伝わってくるんですけれども、国際社会に何を貢献できるかということを考えると、枠組みを提供するとか、政策、制度を提供するとか、規制を提案するとかというそういう、資金ということだけではなくして、そういうものをいかに提案するかということが非常に私は日本にとっては大事だなと思うんですね。それがまだ薄いなという思いがしております。
 総理が二五%を言ったというのは非常に大事なことだと思っておりますし、これからは、技術を考えていく上では、やはり再生可能であるというところにポイントを絞るということも必要じゃないかな。それは、もちろん再生エネルギーというのも考えられますけれども。
 それともう一つ、民間の、民生ですか、一般家庭のエネルギー消費をいかに削減するかということが大事なんで、つい先日見たレポートでは、一般家庭に段階的に高効率の家電を導入すると。二〇一〇年代には七〇%台ぐらいの削減ができる。二〇二〇年近辺でその投資の回収ができると。これは、売電の制度を使ってという話なんですけれども、二〇三〇年、二〇四〇年代には逆に利益となって返ってくると。そんなことがありましたんで、これは非常に、コストを考えて最終的なメリットも考えるという意味では非常に大事なアプローチの一つではないかなと思っています。
 それともう一つは、CCSにつながる話でありますけれども、光合成のメカニズム、光合成のメカニズム使って微細な藻類、微細藻類ですよね、微細藻類をどうやって工場的に、工場的というのは、ファクトリー、工場でいかに生産するかと。それによって物すごい技術革新が起こってくる、社会に対する影響も非常に大きいと。
 時間がないから割愛しますけれども、こういうホットバイオ産業というのをいかに拡大させるかというのは非常に私は大事だと思います。これは諸外国、物すごい熾烈な技術開発のための争いをしているということで、日本はどっちかというとちょっと遅れているような感じがするんですね。これは当然CO2が必要ですから。それと、CCSというのは当然地下の方に埋設するという話で、死蔵させるという話ですよね。
 もう一つ、日本が抱えておる大きな技術の一つは、CO2を原料にすると、原料にして、それからナフサを造るとかメタノール製造ですよね。プラスチックは大本原料はメタノールですから、大量の天然ガスを使って世界で年間四百万トン造られている。工場で余ったCO2を使ってメタノールを製造すると。そういうことで、製造時に発生したCO2を原材料として使って、それでメタノールを造るという、そういう話ですよね。
 CCSは確かに死蔵ですから、将来的にどういうふうに使うかというのがあって、これは、今のメタノール化するという技術はもう完成していて、コストパフォーマンスの問題は当然あるでしょう、ほかにも様々な課題があると思いますけれども、CCSが課題があって、あれだけ国際社会の方で議論されていて、日本にこういう技術がありながらなかなか国際社会で議論されないという、そういうところの不足というのは私は率直に認めなければいけないので、やはり国際社会にこういった技術をCCSと同じような形でどうプレゼンスするかというのは私は大事だと、そんなふうに考えております。
 ですから、資金の問題についてどう対応するかということと、あと国際社会に対して貢献するというその観点から、こういうものをいかに繰り出していくかという、そういうところに力を入れていくべきでないかなという、そういう思いもしておりますけれども。
 最後に質問でございますけれども、こういうことに対してはどんなふうに皆さん、荒唐無稽と思うのか、あるいはCCSはまだまだ未熟な技術の中でやっているわけですから、課題がいろいろあったとしても、こういうCO2を原料にしてやるという技術もやはり私は、いかに知的財産権あるいは国際的な標準化を含めて、日本が大きく力を張り出していくようなことで考えるべきではないかなと、そんなふうに思っておりますけれども、感想でよろしいですので、よろしくお願いいたします。
#69
○会長(石井一君) それでは、大変多岐で専門的な意見の開陳がありましたが、時間を見まして、お一人三分以内程度でコメントをお願いしたいと思います。
 まず、浅岡参考人。
#70
○参考人(浅岡美恵君) 私たちは、CCSでは問題解決にはならないし、とりわけ日本では埋蔵すべき場所が、地震国でもありましてとりわけ難しいと。ただ、ヨーロッパ、アメリカでは割と簡単な地域も一部あるといえばあるのかもしれません、動いているようですが、であります。ただ、先生がおっしゃられるように、CO2を原料にする技術を開発いただくと、それはいいことだと思いますし、既にCO2冷媒などもかなり動いてきているのではないかとも思います。
 もう一点、先ほどの最初の件でありますけれども、家庭での削減につきまして、むしろコスト的に見合うんだよということをうまく説明していくということは私たちもよくやっているところであります。影山参考人の三ページのところの家庭が増えている、業務が増えているというグラフは、これは間接排出によるものでありまして、電気の消費の多い家庭などは排出係数が悪化していることの影響が強いので、こんなにも増えているわけではないんですね、実際の消費量は。それでも、九〇年はまだまだ家庭も貧しかったときでありますが、増えている。これをやはり二〇五〇年八〇%、二〇二〇年には二五%減らすんですよということを家庭も目標を持って、そのために、家庭の中の家電製品の購入時期をそれぞれ皆さん、冷蔵庫は何年でしたと、これから何年に買換え時期が来ますねと、このエアコンはこうですねというので十年タームぐらいで買換え計画を立てていただいて、そのときに大きく削減できるような機種選択をすると。
 そうすることによって、例えば一割、二割、報道によればといいましょうか、広報によれば一割、二割、三割電力削減になるという広告でありますので、それに見合っていけば十分、少し高いものを買われてもコスト回収できますよと、そういうことはよくよくお伝えしながら、上手な買換えが動くようにというふうに広げているところでございます。
#71
○参考人(蟹江憲史君) ありがとうございます。
 資金に関しては、今おっしゃられたように、枠組みであるとか制度を提供するとかというところは、やはりお金を出すだけじゃなくてやっていくべきだと思います。特に、例えばアダプテーションなんかの場合は、適応の問題なんかの場合は、個別プロジェクトによってその資金の在り方なんていうのも変わってくると思います。それから、ODAをどう活用していくかというような話にもつながってくると思います。
 そういう意味では、日本のこれまでの経験を十分生かせるような分野だと思いますので、そういったところでかなりテクニカルな話も入ってきますけれども、制度をつくっていく、そのためのお金なんだという立場を鮮明に出してもいいのではないかなと思います。
 それから、日本の技術に関しては、余り私も、今おっしゃられたような技術について十分存じ上げないところもありますけれども、そういった、ただ日本にある技術を売り出していくということは非常に大事だと思います。
 やっぱりヨーロッパの国々、アメリカもそうですけれども、というのは、先ほどのCCSの例にあるように、自国で育ってきたものを世界に売り出すために制度をつくっていくというところが非常にしたたかだと思います。日本はその辺が割とお人よしな側面があるかと思います。
 ですので、その辺はしたたかに、日本でこういう技術の根がある、それをうまく売り出していけば低炭素社会できるじゃないか、だからそれを広めようよという形で論理もできると思いますし、そうした形で産業をバックアップするような制度づくりというのもあり得ると思います。
 そういう意味では、先ほどAPP、アジア太平洋パートナーシップの話もちらっとありましたけれども、そういった官民のパートナーシップですね、というのは今後目標を達成するような手段として非常に活用し得るのではないかなと思います。アジア太平洋パートナーシップの話というのは、京都議定書の代替に使うんじゃないかというので一時期恐れられていたようなものもありますけれども、私は割とポジティブに考えていまして、ああいったパートナーシップというのをグローバル化する社会でもありますし、企業の力も大きいですし、政府と民間とうまくパートナーシップを組んでいくのが、こういう技術を普及させていくような手段なんかにも十分活用可能なのではないかなというふうに考えております。
#72
○参考人(影山嘉宏君) CCSでございますけれども、私は、CCSはどちらかというと理にかなった方法かなと。我々が今CO2の排出、それから大気中のCO2を増やしておりますのは、地中に埋まっている化石燃料を地上に持ってきてそこで燃やしているからCO2が増えているわけでございまして、それをまた地中に戻すということについては、それはある意味では意味のある方法かなというふうに思っておりますけれども、問題は、先生もおっしゃられましたように、コストですとかあるいはエネルギーロスが非常に大きいということでございますので、今のままの技術ではちょっと使いようがないという状況にございます。
 ですから、なるべくこれを技術開発によって解決するようこれからも取り組んでまいりますので、死蔵というような言葉ではなく、土に返すということでちょっと見守っていただければなというふうに思います。
 それで、それ以外の微細藻類等を使った燃料化あるいはメタノール化、こういったものについては、夢もある取組でございますので我々もかなり前から取り組んでおりますけれども、ちょっともうギブアップかなというぐらい、かなりやった中で、なかなか吸収効率ですとかあるいはコストの面でとっても実用化には遠いような状況でございまして、かなりいろんな温泉地から微細菌を取ってきまして、それでCO2の吸収というのをやらせてみましたけれども、中には有望なものもございましたけれども、それでもちょっと、数値は確かじゃございませんが、琵琶湖が何個も要るような、そのぐらいの面積が必要だというような、そんな試算もしたようなこともございますので、ちょっと今のところかなりつらいような状況かなと。ただ、非常に、燃料化できるという、我々としては楽しみな技術開発でございますので、今後も引き続きやっていきたいというふうに思っております。
#73
○会長(石井一君) それでは、時間が参りましたので、今日はこの程度にいたします。
 一言ごあいさつ申し上げます。
 浅岡、蟹江、影山、三人の参考人におかれましては、長時間にわたり大変貴重な御意見をお述べいただき、大変有意義な調査を行うことができました。調査会を代表し、各参考人のますますの御活躍、祈念いたしまして、本日の御礼とさせていただきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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