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2009/11/24 第173回国会 参議院 参議院会議録情報 第173回国会 環境委員会 第2号
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2009/11/24 第173回国会 参議院

参議院会議録情報 第173回国会 環境委員会 第2号

#1
第173回国会 環境委員会 第2号
平成二十一年十一月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十六日
    辞任         補欠選任
     松野 信夫君     家西  悟君
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     家西  悟君     松野 信夫君
     岡崎トミ子君     舟山 康江君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     轟木 利治君     富岡由紀夫君
     舟山 康江君     岡崎トミ子君
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     富岡由紀夫君     轟木 利治君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     尾立 源幸君
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     牧山ひろえ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山谷えり子君
    理 事
                相原久美子君
            ツルネン マルテイ君
                神取  忍君
                中山 恭子君
    委 員
                池口 修次君
                岡崎トミ子君
                谷  博之君
                轟木 利治君
                広中和歌子君
                牧山ひろえ君
                松野 信夫君
                荒井 広幸君
                川口 順子君
                加藤 修一君
                浜四津敏子君
                市田 忠義君
                川田 龍平君
   国務大臣
       環境大臣     小沢 鋭仁君
   副大臣
       財務副大臣    野田 佳彦君
       文部科学副大臣  中川 正春君
       農林水産副大臣  郡司  彰君
       国土交通副大臣  馬淵 澄夫君
       環境副大臣    田島 一成君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       高橋 千秋君
       国土交通大臣政
       務官       三日月大造君
       国土交通大臣政
       務官       藤本 祐司君
       環境大臣政務官  大谷 信盛君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 堅一君
   政府参考人
       内閣府地域活性
       化推進担当室長
       代理       宗永 健作君
       総務大臣官房審
       議官       望月 達史君
       総務省情報流通
       行政局長     山川 鉄郎君
       外務大臣官房審
       議官       宮川眞喜雄君
       文部科学大臣官
       房審議官     川上 伸昭君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       西阪  昇君
       経済産業省製造
       産業局次長    永塚 誠一君
       経済産業省商務
       情報政策局長   石黒 憲彦君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       齋藤 圭介君
       国土交通大臣官
       房審議官     松脇 達朗君
       観光庁長官    本保 芳明君
       環境大臣官房審
       議官       森谷  賢君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       原  徳壽君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (気候変動に関する国際連合枠組条約第十五回
 締約国会議及び京都議定書第五回締約国会合閣
 僚準備会合に関する件)
 (地球温暖化対策税に関する件)
 (温暖化対策と経済の整合性に関する件)
 (水俣病被害者救済に関する件)
 (温室効果ガス二十五パーセント削減目標の実
 現に関する件)
 (家庭版CDM及び家庭版ESCOの導入に関
 する件)
 (政治主導における政治理念と事業仕分けに関
 する件)
 (政権交代に伴う原子力発電政策の転換に関す
 る件)
    ─────────────
#2
○委員長(山谷えり子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地域活性化推進担当室長代理宗永健作さん外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(山谷えり子君) 環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。
 この際、気候変動に関する国際連合枠組条約第十五回締約国会議及び京都議定書第五回締約国会合閣僚準備会合に関する件について、小沢環境大臣から報告を聴取いたします。小沢環境大臣。
#5
○国務大臣(小沢鋭仁君) おはようございます。
 山谷委員長を始め委員の皆様方には、初めての私ども本格的な論議と、こういうことになるわけでありまして、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。環境政策を推進していくために、私どもとしては真摯な議論、真摯な答弁を心掛けてまいりますので、何とぞよろしくお願いを冒頭申し上げたいと思います。
 それでは、今委員長からお話がありました、さきのプレCOPの報告を申し上げたいと思います。
 十一月十六日から十七日までデンマーク・コペンハーゲンで開催された気候変動枠組条約第十五回締約国会議、COP15及び京都議定書第五回締約国会合閣僚準備会合に出席いたしましたので、御報告いたします。
 地球温暖化対策についての二〇一三年以降の国際枠組みに関しては、本年十二月にコペンハーゲンで開催されるCOP15の合意を目指して交渉が進められています。今回の閣僚準備会合は、この合意を成功させるため、COP15での合意の形式や、温室効果ガスの排出削減、途上国への資金供与など、重要な論点について主要国の閣僚の間での意見交換を行う重要な会合でありました。
 今回の会合について、三つの点から振り返りたいと思います。
 まず第一に、COP15での合意の在り方について議論が活発に行われたという点であります。COP15を期限として交渉が進められてきましたが、新しい法的文書については期限内に合意することは時間的に困難になっていることは事実です。こうした状況を踏まえ、議長国デンマークのヘデゴー気候エネルギー大臣は、COP15において政治的合意を目指し、新しい法的文書を完結させるために今後の交渉を方向付けることを提案いたしました。私からは、この提案を支持し、COP15において政治的合意文書の採択という結論となったとしても、その後のできるだけ早い時期に最終的に法的文書に合意する必要があることを主張いたしました。
 第二に、政治的合意の内容について実のある議論が行われたという点です。私は、鳩山総理が発表した温室効果ガスを九〇年比二五%削減するとの意欲的な目標や、鳩山イニシアティブに基づく途上国支援等について改めて表明し、政治的合意の不可欠な要素である先進国、途上国の排出削減や、途上国への資金供与についての議論を促進することができたと考えています。
 第三に、会合の機会を利用して主要各国の閣僚等と二国間会談を行ったという点です。特に、ヘデゴー気候エネルギー大臣及びデボア条約事務局長とは今後の進め方等について十分な意見交換ができ、日本の考え方をこれに反映できたことは画期的であったと思われます。さらに、米国のスターン国務省気候変動担当特使、中国の解振華国家発展改革委員会副主任、EU議長国のスウェーデンのカールグレン環境大臣と個別に会談を行い、相当に踏み込んだ議論を行うことができました。その中で、米国や中国を含めた国々との間でCOP15を成功させなければならないとの強い意思を確認でき、容易ではありませんが、合意は可能であると感じております。
 今回の会合は、非公式の準備会合という性格上、何らかの結論を得るものではありませんが、COP15を控えたこの時期に、その成功を導くために必要不可欠な閣僚級会合であり、我々が意図した結果を十分出し得たものであったと思っています。
 今回の会合の結果を受け、COP15において政治的合意についての交渉が行われることになります。その中で、我が国が主張する、すべての主要国が参加する公平かつ実効性のある枠組みを構築し、世界全体の温室効果ガスの排出量を削減するという方向性が確保できるよう、環境大臣として十分にリーダーシップを発揮してまいりたいと思いますので、引き続き御支援をお願い申し上げます。
 以上でございます。
#6
○委員長(山谷えり子君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○池口修次君 民主党の池口でございます。環境委員会ということでは新人でございまして、新人の私に四十分の質疑時間をいただきました委員長を始め各委員の皆さんに感謝申し上げたいというふうに思っております。
 今日は、特に環境というか地球温暖化問題について何点か私が重要だと思われる点について、質問といいますか、政務三役の皆さんと議論をしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをしたいというふうに思っております。
 まず、この地球温暖化の、特に税の問題については、十一月十二日の環境大臣の所信表明におきましては、地球温暖化対策税の来年度からの導入を含む税制のグリーン化云々と書いてまして、地球温暖化対策税を来年度から導入をするという意味なりが言われておりますし、政府の税調の中では議論が進んでいるというふうに聞いております。
 その中で、私も断片的に政府税調の議論の中身を見させてもらいますと、この温暖化税の問題というのは、一つはいつ導入をするかということと、もう一つはどういう中身にするのかという、大きくは重要な点が二つ私はあるというふうに思っております。ややもすると、今の税調の議論というのは、いつ導入をするかというところについては総務省なり財務省なり経産省のそれぞれの委員の方も主張はしているようですが、どうも中身についての議論が私は深まっていないというふうに理解をしております。
 私は、両方大事ではあるんですが、導入時期よりも中身の方がより重要で、中身が国民にとってやはりこれは大事な税であるという理解が進めば時期の問題はおのずと私は片付いてくるというふうに思っております。そんな観点で、中身については私自身は余り議論が深まっていないというふうに思っておりますし、大事なポイントが何点かあるというふうに思っておりますので、その大事な点についてそれぞれ主張若しくは質問をさせていただきまして三役の方の御意見を聞きたいというふうに思っております。
 まず第一点ですが、ちょっと通告のときには言わなかったんですが、地球温暖化対策税という税の名前になっております。これは国際的にもいろいろな言い方が実はされておりまして、環境税であったり炭素税であったりという言われ方がされております。その中で、今回地球温暖化対策税という、この後ちょっと中身の議論を深めさせていただきますが、どちらかというと目的を中心にした税制で言われております。私の知る限り、日本においては目的をメーンに置いた税制というのは余りないし、私は実は知りません。自動車でいっても、自動車取得税というのは取得の行為に対しての税ですし、消費税も消費をする行為です。あと、自動車税とか自動車重量税、揮発油税は物の対象に対する税です。
 なぜこの地球温暖化対策税というある意味目的をメーンに置いた税の呼び方をあえてしているのか、この点をまず確認をしたいというふうに思います。
#8
○国務大臣(小沢鋭仁君) 私もこの参議院環境委員会新人でございまして、どうぞよろしく改めてお願い申し上げたいと思います。
 今、池口委員からお話がありました名称でありますが、実はこの名称に関しましてはこの政務三役で最終的に決定をいたしました。まあ政務三役というよりも私がこれでいかせてもらいたいと、こういう話を申し上げて、政務三役で決め、提案をさせていただいたと、こういうことでございますが。今委員からもお話がありましたように、一般的に言えば環境税という呼び方がありますねと。それから、今まではなかったけれども、そこに地球を付けて地球環境税と、こういう呼び方もあり得ますねと。地球温暖化対策税というのは民主党のマニフェストで使っている言葉でありますけれども、そういう言葉もありますねという議論が出されまして、いろいろと議論をいたしました。確かに目的税的なそういう印象に取られ得ると、こういう話はあるのかもしれませんが、ここは国民の皆さんに今我々が抱えている問題の一番重要なところをストレートに出させていただいて、そして受け止めていただきたいと、そういう思いが私自身にはございましたし、そして政務三役、ほかの副大臣、あるいはまた政務官も賛同をしていただいてこの案になったということでございます。
 今後税調の中ではいろんな議論があるのかもしれません。しかし、環境省としては是非この地球温暖化の問題、極めて今重要な問題だということを国民の皆さんに分かっていただきたいと、そういう思いを込めてこの名前を付けさせていただいたということでございます。
#9
○池口修次君 この問題はちょっと後でまた、本当にこれでいいのかどうかというのは、私なりの見解を、ほかの点を確認しながら本当にこれでいいのかというのを申し上げたいというふうに思います。
 では次に、仮に地球温暖化対策税ということを導入をするということですけれども、この導入をする目的、マスコミ等を通じてはいろいろ聞いてはいるわけですけれども、この目的が何なのかというのをお聞きをしたいというふうに思います。
#10
○副大臣(田島一成君) ただいま池口委員の方から導入の目的についてのお尋ねがございました。大臣の方からも先ほど答弁でお話があったとおり、私ども、今回はこの二〇二〇年までに九〇年比温室効果ガスを二五%削減をするという新しい中期目標を鳩山総理の方から表明されました。至っては、あらゆる政策を総動員して達成していかなければならないと考えているところでもございます。
 今回のこの地球温暖化対策税は、環境の観点から税体系を再構築する税制のグリーン化の根幹を成すものでございまして、課税によるCO2の削減に加えて、課税によって確保した税収を地球温暖化対策に使っていくことでCO2削減への二重の効果を期待しているところでもございます。また、環境関連産業の成長を通じた経済活性化を共に期待することができると考えております。また、家庭部門であるとか運輸部門の多くの部分、また各部門にわたる小規模事業者を含めて幅広い分野でCO2排出削減効果を期待することができると考えております。こういったことから、二五%削減のための最重要の政策の一つと位置付けているところでもあります。
 もう既に、この地球温暖化対策税の創設をこれまで環境省の方から要望し具体案も発表させていただいているところでございますが、今後、政府税調において議論を進めていく中でこの実現に向けて取組を進めていきたいと思っているところでございます。
#11
○池口修次君 今の御答弁を聞きますと、端的に言えばこの新しい税を導入する目的は二つであると。これによって、税を掛けることによってCO2の削減効果をねらっていますよと、もう一つはいろいろこれ対策にはお金が必要ですからその費用を捻出をするという、二つの目的を持っているということで確認をさせてもらってよろしいでしょうか。
#12
○副大臣(田島一成君) はい。
#13
○池口修次君 私は、前段のCO2の削減効果についてはまた後ほど議論させてもらいますけれども、疑問を持っております。あと、費用の捻出については、私は、やはりこれからCO2の二五%削減に向けていろいろな施策が要るし、その施策をするためには相当膨大なお金が掛かるというふうには思っております。そういう意味で、どの程度のお金が掛かるかというのは分かっていたらお聞きしたいんですが、私は、現段階ではどのぐらいかというのは多分想定はしていないというふうに思います。
 そうしますと、この後段の費用の捻出といっても、法律を作ると、これ基本法では多分ないと思いますから、税収のイメージがつくれる法律になるというふうに思いますから、そうすると、税収のイメージと使われるものというのがある程度マッチをしなければ、国民の皆さんにはなかなか理解をしてくれといっても私は難しいだろうというふうに思っております。
 そういう意味で、CO2の削減効果は後ほど議論しますからここで答えてもらう必要はないんですが、費用がどのぐらい掛かって、一定の案が出ているというふうに聞いてはおるんですが、その関係を現時点でどう考えているのか、説明いただきたいと思います。
#14
○副大臣(田島一成君) 全体の規模という観点からの御質問かと思いますけれども、私ども、この二五%達成のためには、規制措置、それから補助金、また税制措置、そして国民運動など、あらゆる政策を動員しなければならないということを先ほど申し上げたところでもございます。
 パッケージとして実施していくことが何より重要ではございますけれども、これまでの国立環境研究所の試算によりますと、二五%削減目標のために必要となる追加対策費用は官民合わせて少なくとも年間約七兆円というふうに試算をしておるところでございます。他の研究機関の試算ではより大きく見積りされているものもございますが、私どもはこの国環研の試算を主なベースとさせていただきまして、部門ごとにまた施策ごとに必要となる予算額を試算してきたところでございます。
 政府全体では、従来の温暖化対策予算から追加して必要となる額は少なくとも年間約二兆円から三兆円というふうに考えており、その全体像から今回この温暖化対策税のスケールを考えさせていただいておるところでございます。
#15
○池口修次君 今副大臣の方から年間二、三兆円という話がありましたが、多分今でもそのぐらいの金額は使っているんじゃないですか。環境省が使っているということじゃないんですが、それぞれの役所で使っております。そうすると、この二、三兆円というのは、今の財政の中でも二、三兆円捻出しているわけですから、新たに税をつくるという理屈には私はならないというふうに思いますが、余りこれ時間、議論してもしようがないんで、私はそう思います。
 じゃ、もう一つお聞きをしますが、この税金というのはだれが負担をすべきものかということについてどのように考えているかお聞きをしたいというように思います。
#16
○副大臣(田島一成君) まず、すべての化石燃料を対象とした課税とそれから石炭への上乗せ課税につきましては、輸入者また採取者を納税義務者というふうにさせていただきたいと思っております。そして、ガソリンへの上乗せ課税につきましてですが、ガソリン製造者等を納税義務者とさせていただきたいと考えております。また、化石燃料やこれを用いて発電された電気が供給される過程では、税負担分が価格に転嫁された場合についてはこれらの消費者であります事業者や国民の皆様にも結果として一定の御負担をいただくことになろうかと思います。
#17
○池口修次君 私はやはり、ある意味、地球温暖化ガスというのは必ずしもCO2だけではないんですが、CO2が相当な比重を占めるということですからCO2を発生するものについて課税をするということでは多分国民の皆さんも理解はされるというふうに思います。
 ただ、CO2の発生の数字がある意味地球温暖化に影響するわけですから、そのCO2を発生する行為によってこの差は私はないというふうに思っております。そういう意味で、今の副大臣の答弁というのは、どうもCO2の発生する行為そのものではなくてそれ以外の要素も加わった説明がされておりますし、私自身は若干、今のだれが負担をするのかというところについてはCO2のその発生ということに限った負担ではないというふうに理解をしております。これはなかなか国民の皆さんに、なぜそれだけ、同じCO2を発生に関与というか、ある意味影響を与えているのは事実だけれども、何であそこも同じCO2を発生しているのに自分だけたくさん負担をするのかという疑義は当然のことながらこれから起こってくるというふうに思っております。これも議論をしていくと時間が長くなりますので、私は私の主張でやめさせていただきます。
 次に、さっきの件ともダブるわけですけれども、今の案ですと二兆円というふうに言われております。この二兆円をどのように使うつもりなのか。これも先ほどの件とダブるわけですけれども、やはり納税する側からしますと新しい税負担になるわけですから、新しい税負担をするからには何に使われるのかというところが当然理解が必要だというふうに思っておりますので、これは何に使うのかというのを明確にお聞きしたいと思います。
#18
○副大臣(田島一成君) この使い道につきましては、特定財源とはしないというふうに申し上げてはおりますけれども、やはりこの地球温暖化対策の歳出、それから減税等に優先的に充当していきたいと考えております。例えば、チャレンジ25プロジェクトを始めといたしまして、革新的な技術開発であるとか既存先進技術の普及、そしてまた太陽光発電やバイオマスなど新しいエネルギー対策などを強力に推進をしていきたいというふうに考えております。こうしたことを通じまして、低炭素型の経済へ移行が進み、新たな需要や雇用の拡大につながるということも今回この使い道で期待をしていきたいというふうに考えておるところでもございます。
#19
○池口修次君 今、特定財源とはしないと、ある意味減税に優先的に使いたいということですけれども、私はなぜ特定財源とはしないのか、よく分からないんです。名前からいっても地球温暖化対策税ということで、目的がこれ明確になっているわけです。目的が明確になっておってなぜその特定のところに使わないのかと。下手すると、これは一般財源ですから、これは財務省の一般会計に入って、あとは会計、予算のある意味査定の範疇ですから、本当にこれ地球温暖化対策に使われるのかどうかというのは分からないというふうに思います。
 その意味で、私は、この地球温暖化対策税を特定財源にして文句言う人は多分私はいないと思います。何でこの特定財源にしないのかということと、あと後段のある意味その減税に使いたいということについては、一つは、私はこの使い道というのは、新しいエネルギーを開発というか、つくるための投資というのは多分相当必要だろうというふうに思いますし、エコカーとか、最近はエコ住宅とか言われておりますけれども、それも多分補助をしなければ相当な値段になりますから、それを補助することによって環境に優しい生活環境をつくるという意味では私は非常に大事なものでありますので、そこにお金を回すということであれば国民の皆さんの理解はされるというふうに思いますが、今の答弁ですと、なぜその特定財源にしなかったかというのも、理由も分かりません。ちょっと今言われたのは、何か財源不足とかいう言葉がありました。そうすると、財源不足だから地球温暖化対策税を導入をして、言葉は悪いですけれども、財務省にくれてやるんだということになりますので、これはとても納税者、新しく納税する人から見ると理解はできないというふうに私は思っておりますが、この点、いかがですか。
#20
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今委員の御指摘は、一つの私は考え方だと思っています。
 先ほど来、副大臣から答弁も申し上げておりますように、大体使途として各省庁分合わせると二兆から三兆、年間使われているわけでありますから、そういった意味ではそれを賄っていくものという意味で特定財源にしていくという考え方は国民の皆さんたちに対する説明の仕方として極めて分かりやすいと、こういう御指摘だと、こういうふうに思います。
 私は極めて重要な一つの考え方だと思っておりまして十分理解をするわけでありますが、同時に、やはり今日、いわゆる特定財源、目的税化という話はでき得る限りそれはなくして、そしていわゆる財政としてフレキシビリティーを持っていきたいという話もまた今日的な流れだというふうにも思っているところでありまして、そういった意味では環境省としてもそういう思いの中で今回は特定財源としてのものを出さなかったと、こういうことでございます。ただ、環境省としては、私どもとしてはそれを地球温暖化対策に十分使いたいと、そういう思いがあることは事実でございます。
 それから、もう一点申し上げておきますと、先ほど委員の方から、全化石燃料に対する一律の課税という話だけではどうもないではないかと、こういう税の取り方そのものがですね、ありました。これは田島副大臣からも申し上げましたように、確かにそういった点もあるわけでありますけれども、これは副大臣からも説明申し上げましたように、やはりそこは基本は全化石燃料に対する課税、これがベースである。しかし、そうはいったって、例えばそれによってこれまでと圧倒的にいわゆる税収負担が上がる、そういう産業もあり得る、そういったところはやはりある程度は判断もしていかざるを得ないでしょう。あるいはまた、諸外国との比較において、特にガソリンというようなところは、ガソリン価格で比較をすればある意味では諸外国も相当程度の課税をしているわけでありまして、そういった意味では諸外国との比較の問題と、こういうこともあり得ると、そういうことでございまして、是非御理解を賜りたいのは、全化石燃料に一律に一定程度の割合で負担をしていく、これが基本的な考え方でありますけれども、今申し上げたようなほかの考え方もあるということでございます。
 そういったことを総合的に勘案すれば、これは必ずしもいわゆる特定財源、目的税としての話では少し器量が狭いのかなと、こういうことで今回はそういう判断をさせていただきました。
#21
○池口修次君 私は非常に器量が狭いんでこれはしつこく言いますけれども、財政のフレキシビリティーを持ちたいから地球温暖化税を新たにつくるんだと。これは新たな負担ですから、新たな負担を求められる人から見ると、まあ電気料金とかいうところは結構ですが、それ以外にも極端に、今の環境省が示している案ですと極端に負担を求められる人がおります。その極端に負担を求められる人から見ると、おれたちの納めた税金、何に使うんだと。いや、財政のフレキシビリティーだから器量を広げてという、後ほど言いますけれども、この税金を納めている人はそんなに器量が大きく考えられる人ではありません。だから、私は、財政のフレキシビリティーを持ちたいんだから今の環境省の考えている地球温暖化税をということについては納得できません。
 それと、ちょっと時間がなくなりましたので大事な点をやりたいんですが、もう一つの効果でCO2の削減効果があるというふうに言いました。衆議院の環境委員会で大臣はこの暫定税率を下げると、燃料のですね、燃料の暫定税率を下げるとCO2の発生は増えるというふうに断言をされました。これはどういう根拠に基づいて断言をしたのか、これを説明いただきたいと思います。
#22
○国務大臣(小沢鋭仁君) この暫定税率を廃止した場合の影響というのは国環研の方で既にそれを試算をしてございまして、その試算に基づいて、例えば暫定税率を廃止した場合、二〇二〇年には一千二百万トンのCO2の排出量が増加すると、こういうデータが出ているものですから、それを申し上げたところでございます。
#23
○池口修次君 今お話があったのは国環研の天野さんという人が出した資料だと思いますが、これはデータでも何でもありません。そういう考え方です。データと言うんならば、じゃ、データを是非示していただきたい。
 一応、私の事務所の方で、まあデータと言えるかどうか分かりませんが、資料の二を作りました。資料の三も同じデータです。これは年平均のガソリン価格とガソリンの販売量を、資料の二は年平均で折れ線グラフで書きました。資料の三の方が分かりやすいんですが、これはガソリン店頭価格と販売量の推移を、年の推移を示したものです。
 今の論でいいますと、店頭価格が上がれば販売量が減るはずです。ですから、左上から右下に推移をするはずですが、そういう推移のところは、確かに一九九一年から九八年はそうですが、それ以前は逆に店頭価格が上がってもガソリン販売量は増えておりますし、二〇〇〇年以降はほとんどガソリン価格が百円から百六十円になっても年間販売量は変わっておりません。
 私はこれ以外のデータがあったら教えてほしいというふうに思いますし、天野さんのやっているのは、あれは価格弾性値という、どこでその弾性値が出てきたか分かりませんが、それを使ったある意味の意見です。データではありません。ちゃんとデータを基に是非議論をさせていただきたいというふうに思っておりますが、何か御意見はありますか。
#24
○国務大臣(小沢鋭仁君) 試算に関しましては、これに限らずいろんな考え方があるんだと、こういうふうに承知をしております。
 今委員が資料三でお示しをいただきました話も、ある意味では価格効果を超えて、いわゆる経済状況の中でガソリンの使用量も増えていると、こういう話であろうと思いますし、そういった意味では、すべてのことをいわゆる網羅してといいますか、すべての結論を明確に反映できる、そういった試算というのはなかなかできないわけでございます。
 先般も、中環審の委員のメンバーでありまして、佐和隆光先生という京都大学の先生がいらっしゃいます。計量経済学の大変著名な先生でありまして、私も尊敬している先生でありますが、その先生から、そういった試算といったようなものがもし正確に分かるのであれば例えば為替レートの問題なんか何も心配することはなくなる、あるいはまたいろんな税の効果もすべてがはっきりする、しかし、それは科学的なアプローチとしてそういうものはあり得るけれども、それですべてが分かるわけではないと、こういう話でございまして、私どもはそういった意味でこの国環研のデータを出させていただいたと、こういうことでございますので、いろんな意見があり得るということは私も十分承知をしているところでございます。
 それから、先ほど、器量が狭いという言葉で委員からおしかりを受けましたが、それは委員を申し上げたことでないのは明らかでありまして、若干、もし失礼がありましたら訂正をさせていただきたいと思います。
#25
○池口修次君 そうしますと、CO2と燃料消費量の関係は、大臣は、いろいろな意見があると、いろいろ意見があると言っていますが、先週の衆議院の環境委員会ではCO2は増えますというふうに断定をしておりますし、先ほどの副大臣も、今回の税制はCO2の削減効果をねらって重い税を掛けるんだというふうに言いましたが、まだ明確になっていない。いろいろな意見がある中で、これだけ断定していいんですか。
#26
○国務大臣(小沢鋭仁君) 諸外国一般を考えてみましても、通説であるとは思っております。
#27
○池口修次君 本当に通説であれば、じゃ何でこの資料二と資料三というのは、日本は特殊な事情があるんですか。
#28
○国務大臣(小沢鋭仁君) ですから、それは先ほども申し上げましたように、価格効果だけではないいろんな話があり得ると、こういうことだと思っております。
#29
○池口修次君 私が推定するに、日本はどちらかというと地方の保有率というのが高くなっております。資料一で見てもらいますと分かるように、上位の二十者というのはほとんど村です。下位の二十者というのはほとんど都会です。普通はそうなんですね。価格が上がれば、いやこれ、生活苦しくなるので自動車使うのをやめるというのがこれは一般的です。一般的ですけれども、なぜそうはならないのかということでいえば、地方には自動車以外の足がないんです。足がないということは、価格が安かろうが高かろうが自動車を使うしかないんですね。私はそういう事情が、私はとてもそれが特殊事情だとは思いませんが、一般的な普通に考えられるものだというふうに思いますが、日本みたいに、自動車以外に交通手段がなくなってしまったというふうにあえて言いますが、昔は、国鉄時代は相当ありました。だけれども、今はほとんどなくなっています。私の田舎もほとんどJRになって電車はなくなりました。自動車がなければ生活できません。そうすると、ここはガソリンの価格に関係なく使用をせざるを得ません。そういうことになりますと、今環境省が考えているような税体系、税制度ですと、地方の人の負担は減りません。
 たしか民主党は、この暫定税率を廃止しますよと言っている根拠は、一つは暫定といいながら三十年も三十五年もやってきたということの反省と、もう一つは地方の負担を軽減をするんだと、今大変な状況になっている地方の負担を軽減をするために一つの治具としてこの道路特定財源の暫定税率をなくすんだということを主張をしていたというふうに思います。仮に今環境省が考えている制度ですと、地方の負担は減りません。本当にこれでいいのかどうか、ちょっと大臣の意見をお聞きしたいと思います。
#30
○国務大臣(小沢鋭仁君) 主にガソリンのお話をされていると、こういうふうに思いますが、先ほど来申し上げておりますように、私どもは、いわゆる全化石燃料にある意味では掛けていく、そういう中にあって、例えば電気料金とかそういったことにもある意味では価格転嫁という話が将来生じていく、それがまたそういった意味ではCO2排出を削減していく効果があり得ると、こういうふうに全体として申し上げているわけであります。
 ガソリンに関しては、先ほども申し上げましたように、諸外国との比較という形で今般環境省として出させていただいたものは、EUのガソリン価格、これの最低基準を充当させていただきました。暫定税率があったときよりも約五円程度安くなっているわけでありますけれども、それが地方にどういう効果があるかという話は、池口委員がおっしゃった議論を民主党の中でもかなりしてきた議論であります。そういった意味では、それは十分私も理解した上で、しかし、このガソリン価格を圧倒的に安くしていくという話は、今の世界的な傾向の中で日本だけがそれをしていくというのはなかなか取り得ない政策だと、こういうふうに判断をいたしております。
#31
○池口修次君 これから決めようとしておるのは日本の税制です。そうすると、ヨーロッパと違うと言いましたが、じゃ消費税もヨーロッパ並みにしていくんですか。
 これは、税制というのはそれぞれの国の事情によって決めていきます。特に、今のガソリン価格についてEU指令があるというふうに思いますが、これはなぜかというのをちゃんと研究してもらいたいと思います。私は、一つの要素として、ヨーロッパというのは地続き、陸続きです。ですから、車で行って、どこへ行ってもガソリンを給油することができます。そうすると、極端にガソリン価格が変動した場合には、特に国境の人はほかに行って、ある意味パスポートもビザも要りませんからね、自由に往来できます、EUは。そうすると、極端に価格変動があった場合にはそこに、本来居住しているところに税金が落ちないという仕組みもあって、ある程度の幅で燃料の価格をEUが指令として出しているというのは思いますが、その理由の一つにそれはあるんだろうというふうに思っております。
 それともう一つ、間違ったというふうに私は思っているんですが、よく財務省は自動車ユーザーは担税力があるんだということを根拠にして、自動車の暫定税率のなぜ維持するんだというときには担税力の話を持ち出しておりました。環境省としてはこの自動車ユーザーは担税力があるということにくみするのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
#32
○副大臣(田島一成君) 現行の自動車保有に関する税については自動車保有に担税力を見出して課税をしているものでございまして、それについては私どもも承知をしているところでもあります。
 自動車ユーザーの享受している利便性でありますとか、自動車がもたらしている様々な社会的コストに着目して課税をされているというふうに認識をしているところでもございます。
 先ほど資料一を引用いただいて、地方の方がこの保有率が高いことで負担がアンバランスではないかという御指摘をいただきましたけれども、私の地元もやはり先生御指摘のようなこの地方の方に部類するものであり、自動車なくしては生活できないような状況にあるのも事実であります。ただ、この都市と地方の格差、それから配分の問題というのは、これ単に自動車保有税だけではなくて税制全体で、さらには交付税等の地方財政措置なども含めた税制全体で対処すべきではないかというふうに考えているところであります。
 やはり、今回提案をさせていただいているこの温暖化対策税というのは、CO2削減というものを観点に置かせていただいて、すべての化石燃料に幅広く御負担をいただくということを想定しております。自動車燃料については、国際的なその税負担であるとかバランス、また運輸部門へのCO2削減効果を十分に働かせていきたいというその必要性から、より高率の負担をお願いしていきたいというふうに考えているところでございます。
#33
○池口修次君 最後にしますが、私は、自動車ユーザーが社会的コストを負担すべきというのは大賛成です。それは環境の問題、CO2の発生もそうですし、事故もそうです。それと、あと騒音だとかいろいろな社会的コストを発生しているというのは事実ですから、その負担をするというのはこれは賛成です。
 ただ、自動車ユーザーが担税力があるという発想は、ちょっと最後に、資料四でお渡ししましたけれども、これは昭和二十九年から昭和四十九年、平成二十一年、乗用車の保有台数というのは、昭和二十九年は乗用車だけでいうとコンマ一六%でした。平成二十一年は四六%です。ですから、昭和四十九年まではある意味お金持ちが買っていました。今は乗用車だけでも四五%ですから、これは担税力があるから買っているわけじゃありません。
 ですから私は、担税力があるからということの制度設計は間違っているというふうに思いますし、今質問させてもらいましたように、この環境、温暖化対策税についてはいろいろな観点での議論が必要だと、それも国民的な議論が必要だというふうに思っておりますので、是非しっかりとした議論をした上で導入をするかしないのか決定をしていただきたいというふうに思っておりますので。
 これで質問を終わります。どうもありがとうございました。
#34
○轟木利治君 民主党の轟木利治でございます。小沢大臣を始め政務三役の皆さん、よろしくお願いいたします。
 私も地球温暖化の問題についてお聞きをしたいと思います。私は、地球温暖化対策、マイナス二五%に向けて、温暖化対策と経済の整合性、とりわけ既存の製造業の今後の在り方についてお聞きしたいと思います。
 大臣は所信で、我が国の世界最高水準の低炭素型産業、緑の産業は、国の内外で短期的にも長期的にも需要が見込まれる持続的な成長分野と言えます、そして、このような政策を通じて、経済発展を牽引し、雇用を創出しますと述べられております。この内容につきましては全く異論はなく、賛成でございます。ただ、少し分かりづらいのは、経済発展の中に緑の産業、太陽光ですとかCCSだとか、そういった位置付けはメッセージとして伝わるんですが、既存の産業、特に製造業についてはどうあるべきか、メッセージが伝わらないような気がします。
 大臣として、CO2削減、マイナス二五%に向けた温暖化対策を進める上で既存の製造業はどうあるべきか、御見解をお聞きしたいと思います。
#35
○国務大臣(小沢鋭仁君) まず私は、今回の温暖化対策という話は日本の経済にとってチャンスであるというふうに私自身は思っておりますし、製造業の皆さんを含めてそういう思いでとらえていただきたいと、こういうふうに申し上げているところでございます。
 今委員からお話がありました製造業という点に関して言っても、例えば、最新の環境技術という話が既にあるわけでありまして、次世代コークス炉による粗鋼生産の低炭素化技術だとか、あるいはまた、高性能工業炉や高性能ボイラーといったような生産過程でのエネルギー効率を高める技術というのが日本には既にございますし、さらにまた新たなる技術革新も生まれてくるものと、こう思っております。
 ややもすると、私が一番恐れておりますのは、二五%カットといったときに、国民の皆さん方が我慢を強いられる、それから産業として縮んでいく、そういう印象を持たれた方も中にはいらっしゃるようでありまして、確かにそれは、例えば具体例でいいますと、電力を二五%使わないようにしていけば二五%そこの部分においてはカットになるわけでありますけれども、それはある意味では縮んでいくと。こういう意味で、二五%カットというのは、どうもそういうことを目的に、目的というか手段として使うんじゃないかと、こういうふうに国民の皆さん方は思っている節がある。
 しかし、それはそうではなくて、私は国民の暮らしというのは、この目的を達成していく上で、例えば、先ほどもお話が出ておりましたけれども、今回私どもが推進したいと、こう言っておりますエコ住宅、これは二重窓によるもの、あるいは壁の断熱材によるものによって暖かな快適な住宅が生まれてくる、そして電気代も安くなる、そういう住環境も快適で安心できるものになっていく。そして、製造業もこの過程を通じて更に技術を伸ばして、世界に向けて日本の製造業は更なる経済競争力を持つことができるものと、こう思っておるわけでありまして、是非、そういった観点で国民が一丸となってこの二五%カットに向かって頑張っていただきたい、私はその先頭に立ちたいと言っているわけであります。
 そうした目標を、鳩山総理は所信表明の中でも、二五%カットですからチャレンジ25という名前で申し上げたわけでありまして、決してこの二五%カットは国民生活を苦しめるものではない、産業界を苦しめるものではないと私は確信をしておるところでございます。
#36
○轟木利治君 ありがとうございました。今の大臣のお話をお聞きしますと、既存の製造業も技術を伸ばしていくんだと、そこがチャンスなんだということだろうと思います。
 確かに、これまで日本の製造業を中心とした経済が世界の四%しか排出していないというのはこの事実たるものであろうと思ってございます。
 ただ、私は、日本の製造業の構図は、米国、EUとは少し違うのではないかと思っております。それは、日本の製造業の中には現在も重厚長大と言われてきた産業、鉄鋼、造船、非鉄産業が製造業の一つの核として位置付けられており、世界的にもトップレベルであるということであり、そのライバルは、EU、米国ではなく、中国を中心としたアジアであることでございます。アジアと戦うには、人件費には大きな差がある以上、商品開発力、それから技術、品質、サービスで常に一歩も二歩も先へ行かなければ勝てません。これらを懸命にやってきたのがこの産業であり、そのことによって現在の位置を維持していると思っております。どうぞ、こういったことを御認識いただければと思ってございます。
 次に、タスクフォース会合におけるモデル分析、とりわけマクロフレームの設定と感度分析について経済発展の観点から意見を申し上げ、大臣の所感をお聞きしたいと思います。
 テーマは、粗鋼生産量についてこれまでのタスクフォースにおける議論を紹介し、それに対する私の見解を申し上げたいと思います。
 議論の経過として、日本の粗鋼生産量を推定する上で、日本国内の状況だけを判断材料として推定しているように思います。これは、経済実態をよく理解していただいていないのではないかと思います。
 具体的な例を申し上げますと、粗鋼生産量を推定するに当たり、最終的には一億二千万トンのプラスマイナス一〇%で感度分析されておりますが、そこに至る議論経過といたしましては、粗鋼生産をCO2削減の数字と同じ二五%削減すればいいというような意見とか、産業界側が日本だけ規制を強めれば海外に生産がシフトしていくと言っているが、今年の粗鋼生産量は九千万トンレベルであって、それでも海外へ出ていってないではないかといった発言もありました。この考え方は数字だけ追っておるものであり、実態を理解されていないと思います。
 一億二千万トンのマイナス二五%で九千万トンでございます。この九千万トンの生産がどのようなものか、それは今年の状況を見れば分かるわけではございまして、九千万トンのレベルでは企業は大赤字であり、法人税も納められない状況でございます。この状況が来年も続くようであれば産業として成り立たなくなって、雇用も守れなくなるでしょう。現に、合理化提案も出始めております。したがって、粗鋼生産は国内の需要だけで推定できるものではなく、世界の需要によって左右されることを是非御理解いただきたいと思います。
 そこで、粗鋼生産の推定の難しさについて、歴史を振り返って私の経験から申し上げさせていただきますと、鉄鋼産業は一九八五年のプラザ合意をきっかけに大合理化を進めてまいりました。当時は、これから日本では鉄を一億トン造ることはないだろう、九千万トンレベルになるだろうと。よって、九千万トンレベルでも利益を生むような体質にしなければならない、そのために大幅な人員削減が避けられないという判断でございまして、人員だけで当時と現在を比較すると二分の一に減少したんではないかと思います。これだけでは鉄鋼産業は衰退していったかもしれません。それに対して、企業としても省力投資、省エネ投資を行い、優秀な人材と設備で技術を進歩させてきたわけであります。
 ただ、粗鋼生産の実績は推定と違っており、一九九八年に九千万トン強ありましたが、その他の年度はほとんど一億トン強でありました。そして、十年後の二〇〇七年には一億二千万トンまで伸びたわけでございます。いかに推定することが難しいか、御理解いただけると思います。
 また、今後の予測でありますが、現在、世界の粗鋼生産は十三億トンであります。そのうち、中国が約四割の五億トンを生産しております。中国について申し上げれば、一九九七年までは日本と同じ一億トンレベルでありましたが、二〇〇三年に二億トンになり、以降、毎年一億トンレベルで増加し、二〇〇七年には約五億トンを超え、今年は六億トンに近づく勢いであります。そして、今後の世界の粗鋼需要見通しについては、世界鉄鋼協会は二〇一五年には十八億トンになると推定しております。つまり、今後の見通しに当たっては、世界の需要は増えていくとの判断ができるのではないでしょうか。
 そのような見通しに立った場合、中国はどうするかがCO2削減も含めてポイントになると思います。先日、民主党と中国共産党との会談がありまして、私も参加いたしました。その会談で、私から中国側に対し、中国の鉄鋼生産は今後十年先をどう見ているのかと質問いたしました。中国側の回答は、まず一つは、世界経済は伸びていく、そのときの中国のシェアはキープしていく、二つ目が、中国の内需は拡大させていく、三つ目が、鉄鋼企業の合理化は進めていくとの回答でございました。このことは、中国として、世界需要が伸びていく限り増産していく、少なくともCO2削減のために減産する考えはないということであると思います。
 したがって、日本の粗鋼生産をCO2削減のために減産させる政策を取ったならば、日本鉄鋼産業の衰退化により雇用不安、またCO2削減に関しても、日本国内は削減されるかも分かりませんが、世界の鉄鋼需要が伸びれば、日本の減産分と合わせて、日本より原単位の悪いCO2を多く出す海外で生産されることになります。ちなみに、粗鋼トン当たりのエネルギー原単位でいいますと、日本をベースとしてEUで約二割増、米国、中国で約三割増となっております。よって、世界の鉄鋼需要が伸びていく中では、生産を海外へシフトさせるより効率のいい日本で生産した方が世界のCO2削減効果はあると思います。
 大臣、これまで申し上げたとおり、経済は伸びていく前提で判断していただきたいと思います。日本の国内だけの需要ではなく、グローバルに世界全体を見通し、粗鋼生産を推定していただきたいと思ってございます。たしか今日、タスクフォースの議論経過の報告を大臣の方に受けるというふうに聞いておりますが、私も十九日、十六日、タスクフォースを傍聴してまいりました。そういったことも含めて今日申し上げたかった次第でございます。どうか、大臣の所感又は御感想があればお聞きしたいと思います。
#37
○国務大臣(小沢鋭仁君) ありがとうございました。大変丁寧に御説明をいただいて、私も一つ一つごもっともだと思いながら聞かせていただきました。
 まず第一点は、いわゆるいろんなモデルの推定の在り方に関しては委員がおっしゃるようにいろんな考え方がある。そういう中で、日本経済が縮んでいくようなある意味では方向性というのを出すべきではないと。特にいわゆる製鉄業に関して御説明ありましたが、私も全く同感でございます。モデル分析はあくまでもモデル分析として報告は受けますし、そこに対して、客観的、科学的、専門的にやっていただいている皆さん方に、我々が中身に入っていろいろ議論をするつもりはないわけでありますけれども、しかし、それはそれとして受け止めながら、大事な話は政策だという話だと思っています。
 そこの政策判断においては、委員がおっしゃるように、例えば日本の粗鋼生産が落ちていく、あるいはまたエネルギー効率の悪い、まあ国を名指しでは申し上げませんけれども、そういったところが増えていけば世界全体でCO2が増えるではないかという話はもっともでありまして、そういった意味では、日本でのある意味では粗鋼生産もそれに負けないように政策的にしっかりバックアップをしていかなければいけないと、こう思っているところでございます。
 例えば地球温暖化対策税にしても、製鉄用の石炭コークスは免税ということも当然考えているわけでありまして、日本の製鉄業がこれからも日本の中で十分やっていって、更にCO2削減にも寄与していただけるように精いっぱい考えてまいりたいと思っております。
#38
○轟木利治君 ありがとうございました。大臣も同じ考えだということで大変有り難く思っております。
 ただ、一言だけ余分なことですけれども申し上げさせていただきますと、モデル分析はあくまでも分析だということは私自身も十分理解はしますが、ただ数字だけが独り歩きする過程がございますので、そういったところも含めて公表なり、またそういったものは御配慮いただければと思ってございます。言われるように、やはり技術でこの問題を回復していくんだと、解決していくんだと、このことがやっぱり最大の目標だと思っておりますので、私も一生懸命努力してまいりたいと思ってございます。
 若干時間が余りましたので、ちょっともう一つだけお聞きしたいと思っております。同じCO2の問題でもテーマは変わりますが、国内排出量取引制度についてちょっとお聞きしたいと思います。
 民主党も、以前もキャップ・アンド・トレード方式でこれからはやっていくんだという方向性を出されております。ちょっと気になるのが、民主党政権に替わりまして、今の政府として、前内閣が提示した取引制度の内容で本格的に実施されようとされているのかどうか。前回の試行的取引制度ということでスタートしておりますが、そのときに、私はやはりマネーゲームを誘発する可能性の高い削減義務を持たない取引参加者、これは排除すべきではないかと、削減義務を持たない取引参加者は排除すべきではないかという意見を持っております。大臣のお考えがあればお聞きしたいと思います。
#39
○国務大臣(小沢鋭仁君) 最終的な、今の削減義務を持たない取引は排除すべきだという点に関して、現時点で制度設計の上で決めていることはございません。ただ、委員の御指摘のマネーゲームにならないようにと、こういう話は極めて重要な論点だと、こう思っておりまして、十分そこは参考にさせていただきながら対応していきたいと思っております。
 この際ですから若干状況を御報告を申し上げますと、御案内のとおり、民主党はマニフェストでキャップ・アンド・トレード型の排出量取引を導入するという話を提示いたして、そして選挙を戦いました。でありますので、私も基本的なスタンスはそのスタンスで今やらせていただいているわけでありますが、政府全体としましては、温暖化対策閣僚委員会と、こういう鳩山総理が座長となる委員会をつくりまして、その下に今度は菅副総理が座長となる副大臣級の対策チームをつくらせていただいて、その中で今、排出量取引制度の話も議論をスタートさせたところでございます。
 今はそういう状況でございますが、委員の御懸念をしっかりと受け止めて、しっかりした制度にしていきたいと思っております。
 一つだけ、もう一つだけ付け加えさせていただきますと、これは衆議院の環境委員会でも申し上げたんですが、排出量取引に関してはいろんな意見があり得ます。そういう中で、例えば極めて環境問題に詳しい有力なある方から、しかし日本はこの排出量取引だけはやるべきではないと、こういう意見も実はいただいたりしていることもございます。私も思いをいろいろと巡らせているんですが、しかしこれも、世界各国が動いているこの制度全体を考えていったときに、それでは日本が排出量取引を導入しないという話で進めたときにそれで済むんだろうかと、こういう話も実は考えなければいけないわけでございまして、そういった意味では、ある意味では日本だけがこれをやらないという話になれば、逆に例えば、そういったところを導入しているところは関税対策、関税でいわゆるその対抗策を取ってくるとかいろんなことがあり得るんだろうと、こう思っておりまして、そういったプラスマイナスを本当に全般的に考えてやっていかなければいけないと、こう思いながらやらせていただいているところだということも御報告をさせていただきます。
#40
○轟木利治君 ありがとうございました。是非よろしくお願いします。
 一点だけ、もう一つ発言させていただきますと、前政権でもちょっと矛盾したことをやっておりまして、京都議定書の一・六%分の一億トンを買うということ、これの約七千万トンぐらいはウクライナ、チェコから直接やっているんですね、市場を通さずに。それはどういうことかというと、市場を通すと価格が乱高下するからと。こういった矛盾もありますので、そういったことも是非よろしくお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#41
○松野信夫君 民主党の松野信夫です。
 私の方からは、二十分質問時間いただきましたので、水俣病問題について御質問させていただきます。
 もう水俣病問題は昭和三十一年五月が公式確認とされておりまして五十年以上にわたる大変長い問題でありますが、是非この鳩山政権においてしっかりとした、きちんとした解決をしていかなければいけない、こう思っております。それに向けて大臣、副大臣の皆さんが一生懸命取り組んでおられるということについては私も承知をしておりまして、是非頑張って一緒にこの問題の解決を図っていきたい、こう考えております。
 御参考までに、新聞の社説を二紙お手元に配付させていただいておりますが、一枚目の方は九月二十八日の朝日新聞、「新政権は被害実態に迫れ」、そしてもう一つは地元熊本日日新聞の十一月三日付けでありまして、「新政権として明確な姿勢を」と、こういうような表題でありまして、例えば最初の朝日新聞の方を見ますと、三段目の終わり方には、「鳩山政権は、水俣病の実相を究明しないまま問題を終わらせようとしてきた従来の姿勢と決別する必要がある。」、こういうような指摘もありまして、是非、前政権とは違うという形できちんとした被害者救済、これに立ち向かっていただきたい、このように考えておりまして、まず大臣に御決意のほどをお聞きをしたいと思います。
#42
○国務大臣(小沢鋭仁君) 松野委員が長年この問題、本当に真剣に取り組んでこられましたこと、まずもって敬意を表したいと思います。まさに松野委員が御指摘のとおり、この水俣病というのは我が国公害問題、環境問題の原点でありまして、この解決は本当に重要だと、こういう認識でおるわけであります。
 私としましても、とにかく鳩山政権ができて、そしてこの政務三役が決まらせていただく中で、とにかく三人で力を合わせてこの問題解決を図ろうと、そういうことをお互いに誓い合ったところでございます。特に、田島副大臣がこの問題を担当していただいて、松野委員始め今までの関係者の皆さんともいろんな連携を取りながら今進めさせていただいているところでございまして、これからも御助言を賜りながら頑張らせていただきたいと思っておるところでございます。
 この内閣において最終決着を必ず図ると、そんな思いで努力をしてまいります。
#43
○松野信夫君 今大臣のお話にありましたように、田島副大臣が担当ということで一生懸命頑張っておられる。私も、前政権と違ってきたなというふうに感じております。
 二点。まず第一点は、副大臣就任直後に熊本水俣の方にもお見えいただいて、被害者団体の皆さんと直接向き合っていただいた、また新潟にも訪問していただいて、被害者団体と向き合っていただいた。これはやはり前政権下ではなかったことでありまして、この点は直接被害者の皆さんと向き合おうということで率直に評価できると。
 それからもう一点は、特に訴訟をしておられる被害者団体とは和解に向けた協議を開始されたという点でございます。一九九五年の政治解決当時、私は弁護団の一員でありまして、水俣病訴訟も担当しておりましたし、いろいろな政治解決に向けた取組もしておりましたが、その当時はなかなか政府が和解のテーブルに乗ってこないと、裁判所から何度も何度も和解勧告等々がなされていても国は拒否をすると、こういう姿勢をずっと続けてこられました。今般、田島副大臣中心となって訴訟をやられておられる被害者団体の皆さんと向き合って和解協議に向けた取組を始められたと、この点も私は評価していいだろうと思います。
 ただ、問題はこれから、まさにこれからであります。被害の実態をしっかりとらえて、その被害に見合った救済の中身にしていかなければならないということでございます。
 取りあえず、さきの通常国会で水俣病特措法が成立しております。正直言っていろいろな問題点が私はあると思いますが、ただ、法律が成立をしている以上、これに基づいてきちんとした救済手続を進めなければいけないと思いますが、今の時点でこの救済措置の方針がどの程度進んでいて、また今後どのようなスケジュールで進められようとしているのか、現時点で分かっている限り御説明いただきたいと思います。
#44
○副大臣(田島一成君) 松野委員には、これまでこの水俣病解決に御尽力いただいていたことに、私の方からも改めて敬意を表したいと思っております。また、先ほども御紹介いただきました、十月三十一日、水俣訪問の折には松野委員にも御同席をいただきその様子を御覧いただいた、お越しいただいたことに感謝を申し上げたいと思いますし、また、先ほど質問いただいた轟木委員には、十一月十四日、新潟を訪問した折にもお越しいただいたことに併せて感謝を申し上げたいと思っております。
 今政権、スタートをして、まだこの解決の緒に就いたばかりでございます。委員御指摘のとおり、これからが正念場、これからが本領発揮、そのような覚悟と決意で臨んでいくことを、まず冒頭、表明させていただきたいと思っております。
 十月三十一日の水俣訪問、そして十一月十四日の新潟訪問、この両地で、訴訟を行っている団体との裁判所での和解協議が成立する条件等についての事前協議や、また特措法に基づく救済措置による救済を求めていただいている団体との個別協議をこれまで進めてまいったところでございます。具体的な点についてはそれぞれの団体の状況がございますのでこの場で御紹介申し上げることはかないませんが、今後ともできる限り様々な機会をとらえまして関係者の意見を伺ってまいりたいと考えているところでございます。
 今後、できる限り早期にこの救済措置の方針を策定させていただきたい。そのために、関係省、また関係自治体、また原因企業とも話をしながら迅速に作業を進めていきたいと思っておりますので、御理解と御協力をお願いしたいと思っております。
#45
○松野信夫君 この水俣病の特措法では、チッソという原因企業を分社化する、こういうレールが引かれているわけであります。この点は非常に大きな問題ではあると思いますが、私はやっぱり、この原因企業の分社化ということよりもやっぱりしっかりとした被害者救済をまず優先的にお考えいただくと、こういうふうに考えておりますが、副大臣の方はこの分社化の問題と被害者救済との関係を、これはどのようにお考えでしょうか。
#46
○副大臣(田島一成君) 被害者救済を何よりも優先してやるべきだという委員の御指摘について、決して異論を唱えることはございません。五十三年間という長きにわたって水俣病の患者の皆さん、被害者の皆さんが御苦労されてきた、その長い歴史にこの政権でピリオドを打ちたいという大臣のそのお気持ちにもしっかりとこたえるために私どもも汗を流していきたいという考えは御理解をいただいているものと思っております。
 この特措法におけるいわゆる分社化についてでございますけれども、救済措置において一時金を負担する関係事業者が債務超過である場合については、事業譲渡等によって一時金の支給や認定患者への将来にわたる補償等を確保するために行われるものというふうに認識をしております。被害者の救済を優先するためにその中でのこの分社化があるというふうに私どもは認識しておりますので、御理解を賜りたいと思っております。
#47
○松野信夫君 具体的な被害者救済問題では幾つもの論点がありますが、一点だけ、時間の都合上、指摘をしておきたいと思います。
 皆さんのお手元に、三枚目の資料でありますが、「水俣病各種対策の対象地域について」ということで図と一覧表をお配りしておりますが、これはまさに水俣病の対策というものが継ぎはぎだらけでなされてきた一つの証拠でもありまして、要するに、汚染地域というものがそれぞれの施策によってばらばらになされてきたということでございます。
 一覧表にもありますように、総合対策医療事業というものに基づいて一定の医療の給付あるいは療養手当の支給等がなされる、あるいは申請者医療事業というもので医療費の給付がなされる。その根本としては公健法の地域指定があるということでございますが、一覧表でもお分かりのとおり、それぞれ地域地域にはずれがあります。この右側の方の地図を見ていただいてもお分かりですが、真っ黒く塗っているところは総合対策医療事業と申請者医療事業、通称治研手帳と呼んでおりますが、両方ともやっている地域、薄く塗られているところは片方だけということで、率直に言うと、汚染地域をどうとらえるかということについてもばらつきがございます。
 私は、やっぱりこういう継ぎはぎだらけで、汚染地域自体もこんなにずれが出ているというのは非常に残念な思いがありますが、しかし、これはずっと自公政権の下ではこういうやり方でやってきた。是非鳩山政権ではこれを見直しをしていただいて、私はやっぱりきちっとした解決をするのであれば、被害の実態を見据えて、被害者がちゃんといるということであれば汚染地域というようなとらえ方を是非行っていただいて、救済の範囲、汚染地域についても広げていく形で考えていったらどうかと思いますが、この点についての御所見を伺いたいと思います。
#48
○副大臣(田島一成君) ありがとうございます。
 御指摘をいただいている点につきましては、私どもももう初めてこの水俣病の実態を勉強させていただく上で、いかに複雑に、また長い歴史の中でその時々の対応がまちまちであったかというような問題点について私自身も大変混乱をした経験もございました。委員御指摘のとおり、こうした対象とされている地域等々、汚染地域であるとか、また居住要件とずれがあるということについても、過日水俣で、またそれ以降の個別具体的な協議をさせていただく中ででも、それぞれの患者団体の方から申入れ、また要望等を聞かせていただいているところでもございます。
 今後、この対象地域につきましては、関係自治体の協力もいただきながら、まだまだ具体的な、個別の小さなメッシュについては私どもも十分に掌握し切れない部分もまだまだあります。それだけに、地元自治体の協力もちょうだいをしまして、被害者団体の関係者の皆さんからの声も丁寧に聞かせていただきながら今後検討させていただきたいと思っておりますので、御理解をお願い申し上げます。
#49
○松野信夫君 是非被害の実態を直視していただきたいなと。今副大臣のお話ですと、関係自治体とも協議しながらということで、それはそれで大変結構なことではありますが、地元にはお医者さんたちもおられます、長いこと水俣病問題に取り組んでこられた医師団の方々もおられますので、是非そういう民間医師団とも場合によっては共同作業するというような手法をお考えになってもいいのではないかと。
 今年の九月に御存じのようにこの不知火海沿岸の住民健康調査が行われまして、千人以上の方々が手を挙げて検診をされたと、こういう実態もあります。ただ、その実態調査については、どうも環境省の一部からは、あれは余り信用できないというふうに、何となく切り捨てるような言動もございますが、信用できるできないというようなことでやり取りするのではなくて、そうであれば国が乗り出していって、本当にそういう患者さんがいるかいないのか、汚染地域を広げる必要があるかないか、国が自ら出かけていって調査をされる、あるいは民間医師団と一緒になって共同でやられたらどうかと。
 私はやっぱり、患者さんをきちんと把握するという意味では、対立の構造ではなくて共同のスタンスで被害者の地域汚染設定にも当たっていただきたいなと。せっかく特措法の三十七条で調査をするということがうたわれておりますので、これは場合によっては民間の医師団と共同作業するというぐらいのお気持ちで取り組んでいただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#50
○副大臣(田島一成君) 地域住民の健康調査につきましては、今、松野委員御指摘いただいたとおり、この特措法の第三十七条におきまして、政府は地域に居住していた者の健康に係る調査研究等を行うこととされておるところでございます。私どもも、その重要性については認識を踏まえた上で、まずはこの三十七条の第三項に規定をされている調査研究の実施のための効果的な疫学調査等の手法の開発というものを図ってまいりたいと思っております。
 御指摘いただきました手法等々については、今後、省内でしっかりと議論を重ねて対応していきたいと思っております。
#51
○松野信夫君 時間が参りましたので、終わります。
#52
○神取忍君 自由民主党・改革クラブ、神取忍です。
 まずは、小沢大臣、就任おめでとうございます。
 それでは、温室効果ガス二五%削減についてお聞きします。
 鳩山総理は、九月の国連総会の一環として開かれました気候変動首脳会議において、温室効果ガス削減目標について、世界の中で相対的に高い技術開発力と資金力を持つ我が国が率先して目標を掲げ、実現していくことが国際社会で求められていると指摘し、中期目標として、一九九〇年比で二〇二〇年までに二五%削減することを目指すと表明されました。この目標は国際公約として受け止められています。国際舞台における総理の約束は日本国のメンツにおいても守らなければならない重いものだと考えます。
 ただ、総理の演説の中で、我が国だけが高い目標を掲げても気候変動を止めることはできない、すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が我が国の約束の前提となると述べています。温室効果ガス削減についてEUは、ほかの先進国が同じ取組をすれば三〇%の削減を用意すると表明していました。しかし、ほかの先進国は取組がないため取り下げている経緯があります。
 そして、さきに行われましたAPECの首脳会議においても、首脳宣言の中に盛り込まれる方向であった温室効果ガスの排出量削減の数値目標は、二〇五〇年、五〇%削減するという数値目標の案が削除されるという報道もありました。実際、APECは、温室効果ガス排出量削減の数値目標は一%も約束していません。
 我が国の二五%削減目標が世界の中でこういった状態、突出した形になっていますが、小沢大臣はこの点はどのようにお考えでしょうか。
#53
○国務大臣(小沢鋭仁君) 激励を賜りましたこと、まずもって御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 今の委員からの質問は、本当にある意味では政策決定といいますか、日本のリーダーシップの在り方を考えていく上でかなり重要な本質的な御指摘をいただいているものと思っているわけであります。二五%目標という話が本当に日本だけ突出して高過ぎるではないか、あるいはそれで本当にうまくいくのかと、こういう御指摘、御批判もいただいているところでございます。
 ただ、鳩山総理が所信表明、あるいはまた衆参の本会議での質疑の中でも、あるいはまた予算委員会の質疑の中でも申し上げましたように、まさにこの地球を守っていく、そういうことを考えたときに、科学が要請するある意味ではぎりぎりの数字と、こういうことで、日本が自ら率先してその目標を表明することによって世界の各国のリードを果たしたかったと、こういうふうに説明したのは委員も御承知のとおりだと思います。
 それに加えて申し上げますと、私ども選挙の際に、民主党はそれまで地球温暖化対策本部というのをつくって相当数議論を重ね、そして中期目標、二〇二〇年までにこの二五%カットという話をマニフェストに掲げ選挙を戦わせていただいたと、こういう経緯もございました。
 そういう中で総理が国連での表明をさせていただいたわけでありますが、私は、ここは先ほども申し上げましたように、決してある意味では日本が縮んでいくあるいはまた国民生活が厳しくなっていく、そういう話の目標ではないと。本当にこの地球を守りながら、国民生活も本当に安心で快適なそういった生活環境をつくっていく、さらにはまた、日本経済もこの目標にチャレンジしていく中で更に強くなって国際競争力を持っていく、そのための目標なんだというふうに思っておりますし、委員各位にもそうお受け止めをしていただければ有り難いと思っています。
 国際社会の中での評価は、これはもう委員も各種報道で御覧のとおりだと思います。日本が国際問題でこれだけいわゆる先進的な役割を果たしたことはかつてなかったのではないかと、こういうふうに言われておりまして、さらには、その後、例えば先般のプレCOPでも、ブラジルが二〇二〇年までに対策を取らなかった場合と比較して三六・一から三八・九%削減すると、こういう宣言をいたしましたし、韓国も取らなかった場合に比べて三〇%の削減と、こういう目標数値を次々と発表をしてきているところでございます。
 そういった中で、日本はそういう意味で先導的な役割を果たし得たものと、こう思っておりまして、国民一丸となって努力をしていく中で、更なる快適で安心な生活環境、そして強い日本経済をつくってまいりたいと思っているところでございます。
#54
○神取忍君 鳩山総理は、すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が我が国の約束の前提となると述べています。小沢大臣は、その前提は今現在成立しているという御認識でしょうか。
#55
○国務大臣(小沢鋭仁君) 済みません、前提の御質問でよろしいですね。
#56
○神取忍君 はい。
#57
○国務大臣(小沢鋭仁君) 日本だけがこれはある意味では、衆議院のこれ環境委員会の言葉だったと思いますが、丸裸の約束をしたのかと、こういう話でありまして、言葉遣いが適切かどうかはお許しをいただきたいんですが、そうではないと、こういう話の中でこの前提をしっかり置かせていただきました。決して我が国は、そういった意味では、何といいますか、お人よしでそういった数字を申し上げたわけではございません。
 委員が御指摘のとおり、すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が我が国の約束の前提になっておるわけであります。そういった意味では、少なくとも主要排出国、特に、これは大変な排出国でありますから国名を挙げてもいいと思いますが、今世界の中で二一%排出していると言われている中国、それから二〇%排出していると言われている米国、この二か国を含む主要排出国が入らないということであれば、少なくともその国際公約のいわゆる前提は失われる、そう思っております。
#58
○神取忍君 それと、済みません、そもそも鳩山総理の意欲的な目標という言葉がちょっと分かりづらいんですけれども、意欲的な目標とはこの二五%以上を示すんでしょうか、それとも二五%以下でも意欲的な目標なんでしょうか。
#59
○国務大臣(小沢鋭仁君) これはアンビシャスという英語の訳をそのまま使っておりまして、この環境問題に関してはもうある意味では一般的に形容詞として使われる言葉だと思っております。ただ、私も一番最初に聞いたときは、意欲的なと、こういう話は何か違和感があるなと、こう思って日本語としては聞いたのも事実でございますが、あくまでもアンビシャスという訳を使っております。
 で、二五%以上ということはございません。
#60
○神取忍君 ということは、二五%以上ではないと、二五%以下はどうなんですか。
#61
○国務大臣(小沢鋭仁君) 以下ですか。それもございません。二五%と、こういうことでございます。
#62
○神取忍君 じゃ、きっちり二五%ということで。分かりました。
 そうですね、やはり国際舞台でこうして二五%という約束をした以上は、ほかの国々に対しても意欲的な目標の合意ということを努力しなければならないと思います。そうしなければ国際社会でも納得していただけない。
 そういった中、意欲的な目標の合意を得るために、特に十二月にデンマークで開かれるCOP15、それに環境省としてどういった努力をされているか、お聞かせください。
#63
○国務大臣(小沢鋭仁君) 環境省といたしましても、あるいは環境省だけではなくて政府全体としましても、一丸となって今努力をしているところでございます。
 具体的には、交渉でございますので細かいところはなかなか報告はできないわけでありますが、大きな戦略としては、まず先進国に対しては、我が国が二五%カットと、こういう話を表明することによって米国もあるいはまた各国もそれに倣っていただきたいと、こういう意味で二五%カットの目標はある意味では先進国の皆さんたちをリードしていくためのもの。
 それから同時に、国連の演説の中では鳩山イニシアティブというものを発表させていただきました。これは途上国支援と、こういうことでございまして、途上国の皆さん方は京都議定書の中では御案内のように排出義務はないんでありますが、今、今日において大変排出量も増えてきております。そういった途上国の皆さん方を、ある意味では新たなるその合意の中に入っていただくために我が国としてもできる限りの支援をしながら、同時にそういった各国の皆さんたちも、義務はなくてもそれぞれの国別例えば削減目標というようなものもしっかりと持ってもらいたいと思っておりますし、それのためのある意味では一つのきっかけにしたいと。
 こういう思いで、二五%カットとそれから鳩山イニシアティブ、それを大きな戦略の柱にさせていただきました。
#64
○神取忍君 今の鳩山イニシアティブ、温暖化対策に取り組む開発途上国に資金を援助、支援するということですけれども、この開発途上国に対する資金面の支援についてですけれども、この財源はどこから出るんでしょうか。
#65
○国務大臣(小沢鋭仁君) 少なくともこの鳩山イニシアティブ、今は大きく二つに分けて考えておりまして、一つは、今の京都議定書の第一約束期間二〇一二年までの期間、それから後、二〇一三年から二〇二〇年までの期間と、大きく二つ分けて考えております。
 二〇一二年までは、これは、これまでの政権の中でクールアース・パートナーシップあるいはまたCIFへの拠出、そういったところがまだ残額が残っているところがございまして、それを活用させていただきながら、同時にプラスアルファを鳩山イニシアティブとして何とか捻出したいというふうに思っております。その財源という話は、今いろんな仕分作業を含めて苦労しながらその財源を見出しているところでありますが、いろいろ知恵を絞ってつくってまいりたいと、こう思っているところでございます。
 二〇一三年以降は、いろんなやっぱり考え方があるんだろうと思います。これに関しては、例えば国際連帯税というような話も世界各国の中ではあるわけでございまして、そういった話も議論をしたり、あるいはまた、これは民間の資金も活用していかなければいけませんから、そういったものをどういう形で受け入れていくかという話も含めて、今その閣僚委員会の下の副大臣級のチームで議論を始めているところでございます。
 なかなか財政は厳しい状況ではありますけれども、そういう中で努力をしてまいりたいということでございます。
#66
○神取忍君 この鳩山イニシアティブにおいて、先進国と途上国という二つの単位で説明されています。
 大臣の理解として、中国は、鳩山イニシアティブの想定の中で先進国、途上国、どちらに入るんでしょうか。
#67
○国務大臣(小沢鋭仁君) 途上国でございます。
#68
○神取忍君 じゃ、それはずっと支援をしていくということですか。
#69
○国務大臣(小沢鋭仁君) その対象に十分なり得ると思っております。
#70
○神取忍君 確かに、この温室効果ガスを削減するため中国もそれなりに責任の分担をしてもらわなければならないと思いますけれども、今、ODAでも大きな議論になっております。やっぱり税金、国民の税金が、特に必要ないんじゃないかなというところでも使われているような、そういった感触があります。そういった中で、そういった形で使われないように強く希望したいと思います。
 そういった中で、この温室効果ガスが、国際的な取組でもあります。そういった中で、そういった国際的な取組ですけれども、今、国内では行政刷新会議が開かれてがんがんと日本の政策が削られています。そういった中で、鳩山イニシアティブは日本の経済的な利益を結果的に生み出すような仕組みをつくらなければいけないと思います。
 そういった中で、日本が技術移転によって、そんな技術移転を普及して何とか日本の知的財産で利益を生み出す仕組みが必要だと思いますけれども、この鳩山イニシアティブの四項目めの中で低炭素技術の移転を促進する方策について知的所有権の保護と両立する枠組みをつくることを提唱していますが、これに対する具体的な取組を教えていただきたいと思います。
#71
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員が御指摘いただきましたとおり、国連での鳩山総理の発言はそういったことを十分念頭に置いて出させていただいております。現時点では閣僚委員会の下のチームでいろんな議論をしているわけでありますが、少なくても、そういったまさに、一つは新しい資金のメカニズム、これは、ただ単に相手国から言われたから出していくんだと、こういう話だけではない、いわゆるどういった機関にいつ日本がそれを出していくのか、それによって日本の得るメリットというのもしっかりとある程度確保していかなければいけない、そんな思いを持ちながらやらせていただいているところでございます。
 特に、各国とは、例えばインドあるいはまた中国とは様々な技術移転の話があるわけでありまして、先ほども申し上げましたように、まさに官民で共同してそういった技術移転の支援を行っていくということも今後十分予想されることと思っております。
 ただそのときに、委員が御指摘の知的財産権の保護という話はこれは本当に重要な話だと思っておりまして、ある意味では、日本がこれまで自らの技術革新あるいはまた創意工夫の中でつくってまいりました知的財産権も保護されなければ安心してそういった技術協力もできないということでありますので、そういうメカニズムをどういう形でつくっていくのか、そういったことも必要だということを強く鳩山総理はメッセージとして出させていただきまして、今それを検討しているところでございます。
#72
○神取忍君 是非、この日本の知的財産は本当に守っていただきたいと思います。
 次に、温室効果ガス二五%削減について、国民の負担について生活者起点でお聞きします。
 本日、この資料を配らせていただきました。十一月十七日の日経新聞の記事ですが、これは私も読んでいるので皆さんももう御存じだと思います。「見えぬ国民負担の全体像」とあります。まさにそのとおりで、二五%削減のために一体幾ら負担しなきゃいけないんだということです。この温暖化対策もすごく重要なんですけれども、家計が厳しい、家庭に、やっぱりお金に余裕がない、そういった声が国民の本音だと思います。
 そういった中で、試算が年間十三万から七十六万円ということであるんですけれども、正直しんどい金額です。この試算に幅が出てくるのは環境税の税率に違いがあるということですが、しかし、この環境税の、地球温暖化対策税について、先日、直嶋経済産業大臣、企業などへの影響が多過ぎ、時期尚早だとして否定されました。一部報道でも、総理も環境税導入に慎重な立場とされています。総務省からは地方環境税の創設も提案されました。これは国民から税金を取る話です。増税するぞというときにこれだけぶれていることはどういうことなんでしょうか。はっきり言ってこれは国民をなめているとしか言いようがないですよね。だって、あしたの仕事がない、あしたのお金がない、そういう人たちに失礼だと思います。こんなときに本当ぶれないでいただきたい。
 再度、この環境税に対する大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(小沢鋭仁君) 問題を二つに分けて申し上げたいと思います。
 一つは環境税の影響、こういうことと、それから、今委員が御指摘というか提供いただきました資料、日経新聞の資料は、これは環境税だけの話ではなくて、いわゆる二五%をカットしていく上でどれだけ国民負担が出るのでしょうかと、こういう話でございます。
 それで、もちろん環境税の話も前提条件の中に入っている試算もあるかと思いますが、最終的な報告は実は今日夕方受けることになっておりまして、それはその中間段階でこうした数字が出たということでございますので、詳細に関してはちょっと控えさせていただきたいと思います。
 ただ問題は、問題は、これはもう何度も申し上げてきましたから委員も御承知だと思いますが、前政権のときにこれと全く同じ試算を、これと全く同じというか同じ種類の試算をさせていただいて、国民負担が三十六万円増えるんだと、こういう、二五%カットの場合はですね。その二五%カットというのは当時民主党がマニフェストで言っていたわけですから、三十六万円増えるんだと、こういう言い方でありましたが、それは二つの点で大きな誤りがありました。
 一つは、二十二万円、これは将来、二〇二〇年まで所得が増えていく、そういう前提条件の中で、増えていく中で減る分、それが二十二万円なんですよということでありまして、受け取るいわゆる所得そのものは増えていくんですね。あくまでも増える分が二十二万円減りますと、こういう話があたかも二十二万円掛かるというふうにどうも表現をされたところがある。加えて、十四万でしたっけ、十四万の光熱費、これを全く別な種類の数字を合わせて三十六万円掛かるんですと、こういうことでございまして、それはそういった意味では、一つは、可処分所得が減ります、将来の可処分所得が減りますということがはっきりしていなかった、さらに、違う数字を組み合わせたと、この二つの意味でさきの政権は誤っていたと。余り私、悪口を言うのは趣味じゃないんですけれども、ここはちゃんと言っておかなきゃいけないので申し上げておくと、そういう二つの誤りがありました。
 この数字も、年十三万から七十六万というのはあくまでも将来推計される可処分所得からこれだけ減りますということでありまして、たしか、七十六万五千円減りますという話も現時点の数字からすれば恐らく所得が増えているという話になっていると思っています。
 それから、環境税の負担の問題は、家計の所得は一か月九十四円程度増えることになります。これは環境省の試算でございます。
#74
○神取忍君 では、この環境税による年間の年収は幾ら見込んでいるんでしょうか。
#75
○国務大臣(小沢鋭仁君) ちょっと事前に通告いただいていなかったので、ちょっと調べてすぐにこの質問の中でお答えさせていただきたいと思います。
#76
○神取忍君 じゃ、後ほど。お待ちしています。
 今のお話で、自動車、ガソリンの暫定税率の廃止と環境税の創設はただ単に税の看板を掛け替えにすぎないと今思ったんですけれども、これは大臣の所感はいかがでしょうか。
#77
○国務大臣(小沢鋭仁君) あくまでも二つの議論は別々な議論で民主党の中ではされてまいりました。片やいわゆる暫定税率というのは、暫定という名前で三十数年間もあるのはおかしいじゃないかと、こういう議論で、例えばそれを議論していた部門もいわゆる道路関係のそういった部門で行っておりました。この地球温暖化対策税の話は、これは先ほど申し上げましたように対策本部の話で行っておりました。ですから、そういった意味では経緯は全く別で、別々な議論として行ってまいりました。しかし、そういった中で、最終的に例えば国民負担というようなことを考えたときに導入の時期が一緒の方がいいだろうと、あるいはまたそれは分けるべきだ、そういった議論が様々なされてきたのも事実でございます。
 そういう経緯の中でやっておりましたものですから、掛け替えという話は全く私は当たらないと、こういうふうに思っております。問題はその時期の問題でございまして、それは今税調の中で議論をしているところでございます。
#78
○神取忍君 今の中で、この創設について、九月の段階では大臣は四年以内の導入という考えを示していました。今のお話、説明の中ではまた時期を考えるということで、今委員会でも審議もせず、いきなりまたこれで四月にやろうという考えがあるのでしょうか、四月導入とかということを目指しているんでしょうか。
#79
○国務大臣(小沢鋭仁君) 私は就任のときに環境税について聞かれましたときに、マニフェストで掲げておる話でございますので四年以内に考えたいと、そういうことになると思いますと、そういう意味で申し上げました。その後、政務三役あるいはまた環境省の皆さんたちと議論をしていく中で十分来年の四月から実施をすることができると、こういう判断の下でお願いを申し上げたところでございます。
#80
○神取忍君 ということは、四月に導入するということですか。
#81
○国務大臣(小沢鋭仁君) 環境省としてはそのようにお願いを申し上げております。
#82
○神取忍君 審議もなくそのまままた続ける形ですか。
#83
○国務大臣(小沢鋭仁君) 税調の議論の中でさせていただいて、この国会でまた議論をしていただくことになると思います。次の通常国会にしっかりと出させていただいて、予算として議論をさせていただくことになると思います。
#84
○神取忍君 それはしっかりとやっぱり審議して、時間を掛けていただきたいと思います。いきなりの導入は決して行わないでいただきたいと思います。
 続きまして、昨年の環境委員会でも質問させていただきました。省エネの見地から、自動二輪、いわゆるバイクの利用促進についてお尋ねします。
 前回の質疑において、環境省として、二酸化炭素排出量の少ない自動車の普及に取り組んでいること、運輸部門は二酸化炭素、全体の排出量の約二割を占めており、自動二輪も含めた対策を検討するという答弁をいただいていますけれども、私の感覚では、どうしても自動車がエコカー等などの買換えに促進している、そういった感覚があって、バイクはまだまだその対応が進んでいないように思えています。前回からの検討結果について教えていただきたいと思います。
#85
○国務大臣(小沢鋭仁君) 前回の質問という話が、私自身は直接聞いていないものですから、その後環境省の方で調べさせていただいたと、こういう結果で申し上げさせていただきますと、エコ通勤の実験に環境省としては支援をしておりまして、原付バイク利用の多いそういった企業に対しまして今それを支援をしていると、こういう状態でございます。そういったモデル事業を見まして考えていきたいと、こう思っているところでございます。
#86
○神取忍君 これ、企業に対してのエコ通勤なんですか。
#87
○国務大臣(小沢鋭仁君) これはそうであります。
#88
○神取忍君 一般に対してのそういう取組はないんでしょうか。
#89
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今のところはこれはあくまでもモデル事業としてやっておりまして、その結果で有効だと、こういう話であれば大いに考えていきたいと、こう思っております。
#90
○神取忍君 せっかくですので、しっかりとその辺も取り組んでいただきたいと思います。
 前回も申しましたように、温暖化対策は、究極のところはCO2を出さない、CO2を抑えた社会をつくること、そういうことだと思います。ただ、これ本当に先ほど大臣がおっしゃったように、そういった社会が不便であり、窮屈で、そんな社会でなかなか参加する方がいらっしゃらない。そういった中で、気軽で便利でそして排出量を抑えて、そういった自転車、バイクは私は適していると思いまして、その観点からバイクの駐車場問題について質問させていただきたいと思います。
 国交省によると、平成二十年三月時点で、自動車の駐車場、これは、収容台数、全国で四百三・五万台、バイクの駐車場は三・九万台にすぎません。バイクの保有台数は、平成十九年には全国で約四百八十万台となっています。前回、国交省からも御答弁いただいたように、平成十八年六月からの新駐車場対策法施行後は、バイクの取締り件数は、平成十七年の十一万件から平成十九年には五十二万件と、五倍となってしまいました。駐車違反は確かに厳しく取り締まらなければなりません。前回の答弁でも、中でも、四輪自動車に比べて保有台数当たりの駐車場の数は圧倒的に少ないという状況を認識しているといただいています。
 善良な利用者にとって、バイクの駐車場はまだまだ少ないと思います。駐車場確保に当たってはいろいろな補助制度を用意しているとのことですが、自動二輪車専用駐車場整備助成の結果について教えていただきたいと思います。
#91
○大臣政務官(藤本祐司君) 神取委員にお答えいたします。
 昨年の恐らく同じ十一月だったかと思いますが、神取委員がこの環境委員会で御質問なさったということは承知しておりまして、この自動二輪の専用駐車場の整備助成、これは街路事業であるとかあるいはまちづくり交付金とか、あるいは都市交通システム整備事業あるいは交通安全施設整備事業等々で補助制度を設定して支援をしてきているところでございます。
 今、神取委員からもお話がございましたとおり、平成十八年に駐車場法を改正をいたしまして、自動車の定義、この中に自動二輪車を含めた体系的な整備を行っているところでございます。
 ただ、今御指摘いただきましたとおりなんですが、実際には平成十九年の三月、全国で二百五十か所あったものが一年後には三百五十か所になりました。その後、また東京都においても平成十九年三月が三千七百台、二十年三月が四千五百台、その半年後の十月には五千五百台と増加はしてきているところだというふうに認識をしております。
 ただ、今御指摘がありましたとおり、車に関して、普通の自動車と比較しますと七分の一ですね、駐車場台数が。七分の一ということで、これをますます増やしていかなければいけないということで、地公体あるいは駐車場関係団体に対しましては文書で、既存の駐車場のいわゆる升を分割するとか、それを進めてくださいというお願いをしているところではございますが、正直申し上げると、新規の駐車場に関しては少し整備の状況が遅れているということでございますので、これを更に進めて、地公体あるいは駐車場関係者に文書でお願いをしているという段階でございます。
#92
○神取忍君 昨年、前回のときも同じお答えをいただいたんですけれども、駐車場升を設けるということ、それをお答えいただきました。しかしまた、まだ文書でしか送っていないということということはどういうことなのかなと。
 取りあえず、今年度の国の具体的な対策とかモデルケースはあるんでしょうか。
#93
○大臣政務官(藤本祐司君) これも神取委員御承知だと思いますが、平成十八年におきまして道路法の施行令を改正をいたしまして、道路上に設置される自動二輪車駐車場の施設を占用物件と、いわゆる道路管理者以外でも占用することができるということで追加をしております。
 具体的なモデル事業としては、広島においてなんですが、平成二十年四月に、広島において、路上空間を活用をして自動二輪車駐車場を二百八十台分確保しております。ただ、これは二百八十台分は自転車駐車場と自動二輪の駐車場を一体的にやっておりまして、そのときに合わせまして、少し自動二輪を増やしたり、あるいは自転車の分を減らしたりとか、そういうフレキシブルな対応をするような形で、今、広島市なんかにおいてはそのモデル的な事例を行っているところではございます。
 ただ、やはりこれはまだまだ進捗状況が遅れているということもございますので、神取委員のおっしゃるとおり、自動二輪あるいは自転車を含めて、そちらのモーダルシフトを進めていくと同時に、やはりこの駐車場の整備、その環境の整備ということに取り組んでいきたいというふうに思っております。
#94
○神取忍君 そうですね、広島だけでなく本当に全国の自治体に働きかけていただいて、それで早々にこの駐車場の問題を環境の観点から取り組んでいただきたいと思います。それを強くお願いして質問を終わらせていただきます。
#95
○委員長(山谷えり子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#96
○委員長(山谷えり子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#97
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員長。
#98
○委員長(山谷えり子君) 小沢環境大臣。
#99
○国務大臣(小沢鋭仁君) 済みません、荒井委員。
 午前中のちょっと残された宿題を御報告をさせていただきたいと思います。神取委員の御質問でございました。
 まず、税の方でありますけれども、一世帯当たり約九十四円と申し上げました数字の根拠は、家計で使用されている灯油、ガソリン等の化石燃料の使用量に、それの税率を掛けたものを世帯数で割らせていただいた数字でございます。
 それから、あとタスクフォースの方でございますが、まだこれ最終報告を先ほど申し上げたように受けておりませんので、本日受けることになっておりますが、私どもの関係先ということで国立環境研究所の試算においては、これだけは聞かせてもらいまして、二〇〇七年の家計年収を四百八十三万円と見込み、ケースによって異なりますが、例えば二〇二〇年までに五百九十一万円まで増えるものであって、それが十六万円、二五%カットの影響によって減少すると、こういう数字でございます。
 大変遅くなりまして、失礼しました。
#100
○荒井広幸君 自民党・改革クラブの荒井です。
 大臣始め皆様、おめでとうございます。
 それでは、早速ですが、今日の午前中も非常に重要なお話がありましたから、少し順番を変えて財源論からとも思ったんですが、副大臣、政務官制になっていいのは、わざわざ委員会ではありませんがお越しをいただいて、それで省庁の言ってみれば際の問題あるいは弊害をなくすと、こういったことに非常に効果があると思いますので、当初の順番どおり話を進めさせていただきたいと思います。特に、野田副大臣には財源論、非常にございますし、また、馬淵副大臣にもまたどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 まず、エコポイントです。
 今日、岡崎先生いらっしゃいませんでしたが、エコポイントの中にテレビがなかったもんですから、原口、当時の影の大臣、それから岡崎、当時環境の影の大臣、総務大臣それから環境の影の両大臣にも御相談をしまして、やっぱりエコポイントの中にテレビを入れる必要もあるなといったことで御相談をして、麻生内閣でこれができ上がったというような経緯もありますので、そうした経緯を御紹介をさせていただきたいと思うんですが、その中でエコポイント。
 今度、これは総務省、それから経産省、そして環境大臣になりますか、環境省の方から、エコポイントは継続されるんでしょうか、改めてお尋ねします。
#101
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員も御案内のとおり、今そういった協議をしているところでございます。
 私ども環境省としましては、このエコポイントというのは環境政策とそれからいわゆる景気対策と二つの意味がありますねと。そのうち景気問題に関しては、政府全体では推移を見守りながら判断すると、こういう答弁になっておるわけでありますが、環境政策としてはこれは必要不可欠と、こう判断をいたしまして、私どもはやりたいと明快に申し上げているところでございます。
#102
○政府参考人(山川鉄郎君) エコポイントにつきましては、二〇一一年七月の完全デジタル化に向けましても、地上デジタル放送の普及に一定の成果を上げております。
 来年度につきましては、大臣も御答弁のとおり、現在検討中の経済対策に盛り込むことも含めまして政府全体の中で検討されるものと思っております。
#103
○政府参考人(石黒憲彦君) エコポイントにつきましては、国内需要を支える、雇用を下支えするという景気対策という観点、また環境対策という観点から極めて効果があるというふうに思っております。このため、経済産業省といたしましても、来年以降継続し、景気の下支え効果が期待できるよう、来年の十二月のボーナス商戦までカバーできる九か月間の延長というのを提案をさせていただいております。
 今後、経済対策の中で議論をさせていただいて御決定をいただけるものと理解をいたしております。
#104
○荒井広幸君 大臣、そうしますと政府としてはまだ決定はしていないと、こういうことですが、努力していくんでしょうが、見通しはいかがですか。
#105
○国務大臣(小沢鋭仁君) かなりの確率でできるものと私は思っております。
#106
○荒井広幸君 野田副大臣もお越しいただいているわけですが、このエコポイントというのは、ポイント制に還元しますから、お金を、お買い得感を出すわけなんですね。しかし、実際には景気対策でもあり、それは雇用にもつながることでありますが、環境目的というのもこれは大きな要因なんです。としますと、CO2を削減するという御努力を消費という形でお願いするわけですね、買い換えるということで。ですから、そこに対してCO2を削減したという考え方が一つできるということです。
 それに対して、国内版CDMというような考え方、つまり排出量を国や企業が買えるという仕組みを後ほど改めて御提案しますが、これは私、二年ほど提案をしております。こういう発想にならないと。実は十一年なんです、大体白物家電というのは。大体十一年で買い換えます。ちょうど消費税アップしてから十年ですから、買い換えどきになっているんですよ。
 それで、景気対策上も何が問題かというと、この機会に前倒しして買っちゃったというだけなんです。ということになれば、これ続かないんです。ああ、私は景気対策のためだけじゃなくて地球温暖化に貢献するので、お父さん、買換えするんですよと、こういうことでないと景気対策上も良くなりませんよ。雇用も生まれないんです。
 そこで、総務省が専らなんですが、テレビの場合は今いかがですか、分かりますか。当時五〇パー、五一パーでした、エコポイントの前。現在どれぐらいになっています、テレビの地デジに買い換えている、つまり環境にいい買換えがどこまで進んで何%になりました、地デジという形で。
#107
○政府参考人(山川鉄郎君) 私どもの調査では、今年度の三月末の時点ではこの地上デジタルの普及率、六〇・七%でございましたが、最新の調査では、この九月の末の調査でございます、六九・五%まで進捗しております。
#108
○荒井広幸君 効果は加速的には出ているんですが、不十分なんです。というのは、六九ですから三割のお宅は停波をいたしますと、一一年の七月停波になりますと見れなくなるわけですね。ですから、地球温暖化のために、ブラウン管はばくばく出すんです、電気を食いますから、CO2を。それをいわゆる薄型のデジタルテレビに買い換えますと、四つ星、五つ星になると、があっと四割から減ってくるんです。そこをねらうわけですよ。地デジ対策も併せてこれはねらっていると、こういうことです。
 そうなりますと、今やっているエコポイントの問題点、これは私は受け入れていただきましたから提案としてだけ付け加えておったんですが、大型のものに買い換えれば買い換えるほど、値引き率というかポイントが高くなるんです。これでは、ブラウン管から地デジの省エネ型に替えるんではなくて、今まで小さなスタートのときの地デジを見ていた人がでっかい形に替えるか、二台目、三台目に買い換えているということで八%なんです、私が見るのは。
 ですから、明快にここは総務省さんも、ブラウン管のテレビを地デジに置き換えたときにポイントアップするということを、こういう発想の仕組みに変えていかなければ、地デジも達成しないし、売上げも上がらないし、雇用にもならないんです。そして、CO2減らないんです。
 これはどなたが御答弁いただけますか。
#109
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員のおっしゃることは全く同感でございまして、まさに環境省は特にそういう立場かもしれませんけれども、これは政府一丸となってチャレンジ25で頑張っていくと、こういう話でございますので、その観点で、今環境省の中でも、あるいはまた恐らく他の省庁も今、そういったことを工夫をしながら、いろんなやり方があるんではないかということを今検討しているところでございます。基本的には、今おっしゃったように、CO2の排出が削減できるものに替えていくというのがこれ当然のことだと、こう思っております。
#110
○荒井広幸君 この制度を見習って中国がつくったんです。農村部を含めての家電の補助金というのを入れているんですが、これはやはり世界にいわゆる発信できるシステムなんですよ。経産省と環境省がやったマテリアルフローコスト会計と同じです。哲学をやっぱり鳩山二五%アクションプログラムとチャレンジですか、イニシアティブにはここを入れていかないと。ですから、COP15はこういうことを語るべきですよ。
 そういう中で、こうしたことをやっていきますと、いわゆる景気対策、世界の経済対策にもなるんですが、重要なのは、家庭のCO2の排出分を国が買い取るという発想がないといけないんです。そのポイントはどこから金を出しました。結局国から出しているんですよ。税金なんですよ。それは地球温暖化対策のために国が排出量を買ってさしあげたという形がポイントになっている。もっと言えば、実はCO2を買い取るという仕組みにしなくちゃいけない。これを私は家庭版CDMクレジットと呼んでいるんです。
 今、国内版CDMクレジットは企業と企業なんです。企業が家庭からも買えるし、国が家庭からも買える、こういう発想に立っていくということが世界のいわゆる温暖化の交渉が暗礁に乗り上げている解決策の一つになります。この提案についてどのように大臣、御認識されますか。あるいは副大臣ですか。
#111
○国務大臣(小沢鋭仁君) 排出権を国が買い取ってどういうふうに活用するかという意味は、委員の話は二五%カットが日本全体の目的なんだからそれに貢献すると、そういう意味で、国としてもメリットがあるじゃないかと、こういう理屈でしょうか。そういう理屈であれば、確かにCDMの個人と国の関係というのは成り立つのかなとは、こう思っておりますが。ただ、CDMの個人版、国版、個人と国版とこういうような話になると、じゃその排出量はどうやって測定するのかとか、細かく言っていけばそういう話にもなるわけでありまして、それが果たして個人と国版のCDMのものですと、こう本当にすべて言い表されるかどうか、そこはちょっと私、不勉強で分かりませんが、考え方は私はそれで本当にいいんだろうと、こういうふうに思っております。
#112
○荒井広幸君 例えば八年にこれは温対法の改正しているんです。で、まだやっていないんですが、やっているところがありました。どこでしょう。電力会社は御家庭の排出量を書きなさいということを温対法改正でこれやったはずなんですね。やっているところは大阪の中央電力株式会社だけやっています。請求書を出すときにCO2はこれだけ減っています。ただ、私が見る限り一社なんで、もしなかったら訂正いたしますが、このように家庭の排出量というのは少なくとも電力会社で把握できるんです。
 ですから、これだけ排出努力をしたあなたに対して排出量を買いましょうということが一つ加わりますと、家庭の電気料金が下がった部分で前倒しをしてローンを組んで物を買っていく、低炭素のエコ家電や車や様々なポンプを買うというものに向けられる。後ほど言いますけれども、家庭版ESCO事業に向いていくんです。ですから、そういう哲学で構築されている仕組みでないと、先ほど池口先生から非常に意味のあるいろんな御提言をいただきましたが、どこかが割を食うので反対するということになってくるんです。三方うまくまとまるという方法はいろいろとあります。
 それからもう一つは、これ家電メーカーでもいい、家電の小売店でもいいんです。家電リサイクル法をやっているわけでしょう。ちゃんとリサイクルのための費用を預かるわけですから。そのときだって、間違いなくやっているとか、間違いなく削減されたものを買ったということを言えるんですよ。そういうものを今やっているんですから。大臣のお話は、実はこの間の前の政権と同じ発言しているんです。これは恐らく環境、総務、経済産業省、似たような発想をしているんだと思いますから、ここをよく勉強してみてください。
 そういう形で進めていかないと、実際は全員参加にならない。四一%伸びているわけですね、対前年比。家庭の排出量を下げていくということなんです。それがエコ、環境の学校になるわけですね、家庭が。それが職場や世界や様々なところでその発想を展開するんですから、私は是非、新内閣はこうした哲学を持っていただきたい。それがまた景気対策に進むところだと思うんです。
 じゃ、次に参りたいと思いますけれども、太陽光の場合で次は見てみたいと思うんです。
 このフィードインタリフ、私もドイツで見てまいりましたけれども、これについては投機の対象にせず、先ほど先生方からもお話があった、懸念が示されました。そのとおりです。同時に、これ、全量を買上げするんですか。現在のところは余剰ということでやっておりますが、全量買取りということでやられます、どうですか。じゃ、事務方の方から。
#113
○政府参考人(齋藤圭介君) 今御指摘ありましたように、太陽光の買取り制度についてでございます。
 現在の制度は、本年十一月一日より新たな買取り制度を開始いたしました。これは余剰電力に限っての、家庭からの余剰電力についての買取りでございます。今さらに、再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチームと、こういったものを立ち上げたところでございまして、今後、全量買取り制度に関する検討を進めてまいりたいと思っております。
 検討に当たりましては、来年の三月をめどに様々なオプションという形での、買取り、その対象を示していきたいというふうに現在考えてございます。
#114
○荒井広幸君 これはエコデバイドという言葉で表させていただいています。いわゆる環境格差です。ドイツに参りましたら、通訳の方も、荒井さん、どういう意味ですかって何遍も私、通訳の方に聞かれたんです。太陽パネルを付けて、それを全額ドイツは売っております。仕掛け的には段階的に一番高いところからだんだん下がっていくんですが、そういうやり方で売っていると。
 いや、そうしたらば、お金がある人は太陽パネルを付けて、お金がない人、太陽パネル付けられなかった人は電気料金高いの買う、電気料金高くなるんでしょう、これ、おかしいと思いませんかって私が言うと、どうしてですかと言う。温暖化対策でどんどん太陽パネルが普及するんですからいいでしょう、意味が分からないと言うんです、通訳する前に。私、これ、いかがなものかと思うんです。
 ですから、非常に簡単に言えば、新たな弱者をつくらないということです。そして、先ほど言ったように、私も地球温暖化に協力しています、のみならず環境対策に協力しています、一生懸命分別、ごみを私やっていますよ、でもお父さんの仕事も大変だし、子供も今まだ学校でお金が掛かるから、これは太陽光といっても、よく分かるけれどもなかなかお金がないわと。でも、一生懸命、分別を協力したりしているわけです、節電もしているわけです、小まめにスイッチ切って。
 ところが、そういう人たちに二百万からのお金がなければ、補助金が多少出たところで、その志、地球温暖化を何とかしたい、環境問題に貢献したいという気持ちまでうせてしまう、なえてしまうようなことになりかねないんです。
 ですから、私はここについて非常に懸念を持っているんですが、この懸念についてはどのようにお考えになりますか。
#115
○国務大臣(小沢鋭仁君) まず、今までの政権と発想が同じだと言われたことはやや異論がございまして、申し上げたいと思いますが、今CO2二五%カット、まずその数字そのものの目標が違うことは第一番目でございます。
 それから二番目には、焦点の当てているところ、ここもかなり違ってきているものと思っておりまして、私どもは、いわゆる産業部門、もちろんそこも努力をしてもらうわけでありますが、午前中の審議の中でも申し上げましたように、日々の暮らしの中で、あるいは地域の中で、そういったところがまさにこれから一緒になって努力をしていただく、そしてそれが、先ほど申し上げましたように、生活が快適になり安全になり安心になる、そういうことによってCO2カットが達成されていく、そういう社会を目指しているわけでありまして、そういった意味では力点の置き方はかなり違ってきていると、こう思っております。
 あと、今の御質問のESCOのところに、ESCOの話と、こう受け止めてよろしいんでしょうか。荒井議員の話は大変工夫がある話なんですけれども、私も通訳と同じでございましてなかなか理解し難いところがございますので、もう少し通訳をしていただければと思います。
#116
○荒井広幸君 そこに行くまでの前のことなんです。
 じゃ具体的には、大臣、そうしたら、価格転嫁は数十円から百円と言われるわけですよ、試算にもよりますがね。そうすると、月にそれぐらい負担が掛かってくるんですね。太陽光パネル付けられた人は非常にいいですよ、十五年から二十年で元取れますから。そうじゃない、やっぱり所得が厳しい方はそういう恩恵にもあずかれないんです。先ほど言ったようにフィードインタリフですからね、全量買上げですからね。
 で、そういう中でいうと、先ほど言ったように、自分たちは生活者の視点なんだと言うのであれば、例えば社会福祉の施設とかそれから所得がある一定の方からはまたそうした価格転嫁はしないというようなことを最初に、いわゆるそういう制御装置を組み込んでいくということがこの地球温暖化の考え方の哲学には一番前提として必要なんです。最初から、いわゆる金が金を生むようなレバレッジ方式のこのリーマンの失敗を繰り返さないためには制御装置を働かせる。そして同時に、転ばぬ先のつえで、そうした弱者に対してはもう手当てをしていくということが必要なんです。
 ですから、生活弱者、公共機関、こういった学校なども含めて価格転嫁をしない、そういうような発想はないんですか、どうでしょう。
#117
○国務大臣(小沢鋭仁君) 具体的な制度に関しては田島副大臣から答弁してもらいますが、今の荒井委員の質問の趣旨が初めて分かりましたので申し上げたいと思いますが、かつて荒井委員と一緒に郵政問題をやっていたときに、この問題は庶民の金融、庶民の保険なんだと、こう言われて、そういう社会的弱者をつくらないと、こういう話であの問題をとらえていたことを思い出しました。このまさにCO2の問題も同じ発想なんだなと、こう思って、今ようやっと理解ができましたので、一言だけそのことを申し上げ、私も全く同感でございます。
 具体的には田島副大臣から答弁をしたいと思います。
#118
○副大臣(田島一成君) 新たな弱者をつくらない、その視点については私どももやはり同じ、生活者第一と訴えてきた以上、その姿勢は貫いていきたいというふうに思っております。
 ただ、太陽光パネル設置できる家庭ばかりではない。これは、必ずしも所得だけではなく、例えば集合住宅等々へお住まいでいらっしゃる方々なども同じように、この太陽光パネルを導入したいけれどもという現実的な壁にぶつかられるケースも多々あろうかと思います。所得だけではなく、また地域的な環境、また住環境等々にも相当影響があるという点からいたしますと、例えば、今もう全国的にも各地で例えばスタートをしております市民共同発電といったような、いわゆる公共施設等々にこの太陽光パネルを設置して、その設置に掛かる費用を市民が可能な範囲での出資をするという、こういう仕組みももう各地で随分登場してきております。
 私ども環境省といたしましては、こうしたいわゆる市民共同発電等々に対する出資に対して、できる限り促進するための税制であるとか、また様々なインセンティブを与えていく、そういう手だてを今後考えていかなければならないと今検討をしているところでもございます。
 おっしゃっていただくように、だれもがこうした温暖化対策に前向きに取り組めるような、この太陽光パネルの設置等々も含めた全体としての在り方をこれからも検討を加速化していきたいというふうに考えているところでございます。
#119
○荒井広幸君 ちょっとお互いに飛んでいるところがあるんですが、例えば共同住宅の場合は確かにそうですよ。それから地域の取組というのももちろん重要ですね。しかし、一戸の家庭として今例示をしているんであって、そうしたデバイドを生まない制御装置、そういったもののいわゆるソフトパワーとしてのモデルを立てるというのがこれからの日本の最大の力だと思うんですよ。そういう実例がいっぱいあるわけですから、技術的にも。
 その点でいうと、一例として言っているんですが、例えばこれ、役所にお尋ねします。東京都世田谷区で太陽光パネルを標準的に二・五キロワットぐらいのを建てる場合と、福島県の白河市で建てる場合、どれぐらい補助金に差がありますか。これ、試算していただいています。
#120
○政府参考人(齋藤圭介君) お答え申し上げます。
 東京都世田谷区において太陽光発電のパネルを設置する場合、まず最初に国からの助成金が出ます。これは、一キロワット当たり七万円という助成金が出ます。東京都世田谷区の場合ですと、これに加えまして最大で、条件にもよるようですけれども、東京都から一キロワット当たり十万円、それから世田谷区より七万円というような助成金が出るものと承知しております。
 また一方、今御指摘ございました福島県白河市でございますけれども、こちらでは、白河市において活用できる補助制度、これ国以外にはないために国の補助金のみとなります。
 したがいまして、差引き最大で十七万円の補助金の差額ということかと承知しております。
#121
○荒井広幸君 そうしますと、大臣、それから野田副大臣、結局、大体二・五ぐらいが平均なんです、その二・五倍してもらう格差なんです。今の、一キロですから。二・五から三キロ掛かるんです。ということになりますと、住んでいる地域でもこれだけのデバイドができるんです。これ、総務省にも来ていただいていますけれど、こういうものをどういうふうに見るのかというのは、もう既に省庁の縦割りなんていう話ではなくて、全く世界にも通じる一つのスキームをどうつくるかということなんです。
 だから、これさえでき上がれば、この国会で、小沢さん流に言うなら今のような議論でいいんですよ。ですから、皆さんは一つのスキームとかモデルをつくろうということを言っているわけでしょう。具体的には役所の皆さんの知見をもらって、具体的に、先ほどのように集合住宅のケースもあればこういう場合もあるということをやっていけばいいんであって。だから、私は政府委員が出席しない委員会というのは非常に無味乾燥になると思っているんです。役所の方々にもそれを聞いていただきながら、横の連携取ってもらうということなんです。
 戦争の前をすごく、私は知りませんけど、読んだり聞いたりするので、国会改革と小沢さんがおっしゃって、大変私は戦慄しています。極めて、情報操作されたりする場合もある。だから、是非こういった点もお考えをいただきながら。そうすると、私が言っているエコデバイドというのはすごく分かっていただくと思うんです。それじゃ、やっぱり東京の世田谷に住みましょうとなりますよ。
 幾ら前原大臣がハブ空港造ろうとかなんとかと言ったって、何のために全国でいろいろなものを造ったか、そこに生活している人にも同じようなチャンスをつくろうということでやったわけですよ。その上で、最も効率化して世界と戦うところのハブを造るべきだと。それを、前原さんの話では、馬淵大臣、私、忘れているような気しますよ。だから、そういうようなことも含めてもう一回私は立ち止まって考える必要があると。ちょうどいいのがCOP15なんですよ。日本の哲学を言えるんだから、これを言っていただきたい。
 こういったことを考えますと非常に課題は大きいんであって、それは前政権もこれについては取り組んできたんです。ですから、我々も、応援できるところは私は応援したいと思って、具体的な中でお話をしているんです。ですから、弱者に対して格差が出るということは、埋めていくということはそれはよろしいですよね、もうこれは。だから、その埋め方をやっぱりきっちり具体的につくっていくということなんです。
 それに、私が先ほど言ったのは、家庭の排出量を買っていくという発想があるでしょうと。そのお金はどうするかは後ほどお話ししますが。そこなんですよ、お金あればいいんだから、極端に言ったらですよ、この場合は。ただ、志がない人は困りますよ。どんどん自分で小屋にも何にも造って、どんどんやって売ってもうけようというんじゃ、これは困るんですよ。だから、そういうことを考えていくということが非常に重要なんだろうと思います。
 そうなりますと、お宅ではやっぱり幾らぐらいCO2出しているんですよという、電力会社がきちんとこうしたことを協力していただくと、こういったことを改めて、大臣、どう思いました、私のこの。中央電力ですね、これ、書いているんです、これ、ちゃんとCO2量を。
#122
○国務大臣(小沢鋭仁君) もう全く同感だと思っておりますし、我々も、いわゆるCO2の見える化運動といいますか、政策といいますか、それを推進しておるところでございまして、まさにそういったところ、官民協力をして、そういった話はこれからも推し進めていきたいと、こう思っております。
#123
○荒井広幸君 そうしますと、経産省の皆さん、結局、電力会社が反対していても、そこは商機なんですよ。お宅でどれぐらいの電気、どれぐらい使っている、それを新しい型にしたらといって、型番で書いてあるじゃないですか、消費電力等、これだけ差額が出るというのを見えるようにしてあるじゃないですか、見える化が。そうしたらば、それを、電力会社がちゃんと検針しているんですから、訪問相談員になって、そして、この型番のエアコンはあれですから、こうやって買い直したらどうですかと相談できるわけです。
 ところが、そんな金を荒井さん、ありませんよと言われますから、次が二つ目なんです。家庭の排出量を買ってやるということで、手助けになるわけでしょう。平均が去年二千三百円ぐらいです。ECXの社長にも会って、私も日本に招聘して来ていただきました。それで、環境省さん、通産省さん、外務省さんにも来ていただいたかと思いますが、勉強会にも来ていただきました。今二千三百円ぐらいです、大体、去年で、平均。これに参加することについてどうだという話が小沢さんの、大臣からもございまして、やっぱり私は日本も参加するべきだと思います、これは。
 そういうことで、いろいろお話ししたいんですが、二つ目は何かというと、ESCOなんですよ、ESCO。ESCOは、簡単に言えば電気料金、水道料金やらそういうものを新しいものにすればコストダウンができると。だから、その新しいものを、コストダウンができたもので前倒ししてローンなどを組ませてもらって、そして買って、コストダウンしたようなもので払っていって返すという考え方ですね。これを、太陽光でもエコポイントのやり方でも加えたらもっと進むんですよ。すべての分野で行くんです、エコキュートだって何だって、自動車だって、いっぱいやり方ありますよ。その財源は何かというのが、後ほどまた申し上げますから。
 ですから、私はこれを家庭版ESCO事業と言っているんです。この家庭版ESCO事業というものを取り入れることによって、世界のCO2削減のための、いわゆるお題目の何%削減じゃなくて、具体的な内実ある方法論になっていく、アプローチになっていくということです。ですから、これが日本がリードできる唯一のところだと。だから、その特許料をもらってCO2に換算してもらっていったらいいぐらいなんですよ。それぐらいの笑い話もできるわけなんです。
 じゃ、ここでお尋ねをしたいというふうに思っておるんですけれども、そのような形での利息、場合によっては利息も面倒見てやる。通産省で今実験やっていますね、通産省の建物を改修して一・七%削減になって、これESCO事業でやっているんです。こういうものを家庭で、荒井さんのところのあの冷蔵庫、十年前のにしますと約五割は削減されます、五千円安くなります。安くなった分で、十年で五万円になりますね、二十年で十万になりましょうか、それでローンを組んでくださいと。それで、今地球環境が一番病んでいるんだから、今買い換えてもらったら更にエコポイントも来ますよ、それはCO2買上げの分のお駄賃ですよと。
 こういうやり方を考えていくということが、私は、組み合わせていくということが、実際にはお金のない人にもチャンスを与えるということになるんです。元手は今ありません、しかし、ESCO事業であるならば、家庭では電気、電力使っているんですから、水も使っている、その分をコスト下げられる機械に置き換える、テレビや冷蔵庫に置き換える、それによって家計費が安くなった分で毎月返済していく、十年、十五年分を。そういうことをやっていくべきだと考えているんですけれど、これについては、考え方はどのようにお考えになりますか。
#124
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今、荒井委員のお話を聞きながら、いわゆる初期投資を何とか肩代わりしようと、で、その初期投資の分を恐らく浮いた電気代等で回収していこう、払っていこうと、こういうことかなと思いながら聞かせていただいておりまして、その結果、家電製品、白物商品ですか、を買い換えればCO2の削減になるわけですから、そういった意味ではそれも効果があると、こういう御指摘だったと思います。
 大変面白い提案だと思っておりまして、政府としても、御案内のように、これまでの政府もそうでありましょうが、初期投資を相当小さくしたローン制度、そういったものへの助成だとか、そういったこともいろいろやってきておりますが、この制度そのものをどういう組立てでどこが運営していくのか、あるいはまた、政府としてはそういう話を指導して各電力会社にやってもらうのか等々、またもう少し検討もしてみたいと思いますし、もし詳細なアイデアがお持ちでしたら是非聞かせていただきたいと思っております。
#125
○荒井広幸君 また、その場がまさに国会ですから、国会のこの委員会等を通じて御提案をさせていただきます。
 例えば奈良県は、太陽光パネルで見ます。これ、家電とごっちゃになっているように思いますけれども、別にごっちゃじゃないんです、私の場合は。買換えと新規設置なんですよね。
 これはどういうことかというと、奈良県は、大臣、皆さん、何が私が言うのが問題かというのは、ここなんです。奈良県は二十一年に二百軒分で太陽光パネルの補助金を出しました。これもう満杯で、キャンセル待ち二十八軒だそうです。いや、これはいいなと思うでしょ。いいことなんです。しかし、二百軒分ですよ。持続可能にというよりも、横に広がる限度があるんです。
 持続可能な社会をつくるというためには金融を入れなければできません。金融によってだれでもが、自分が、お金は、元手は、頭金はないけれども、自分の電気料を下げていくためには、新しいもの、今買い換えると。家電の場合だと大体半分ぐらいに下がりますから、十一年前のものでしたら。それを下げるための投資費用を下さいということに国が一つの仕組みをつくるわけですよ。先ほど言った制御装置を入れながら仕組みをつくる。それは、じゃ、あなた返すんですかといったら、返すんです。どうやって返すんですかと。電気料金が下がった分で毎月返済していくんです。こういう発想、当たり前でしょう。そして、CO2が削減したものは国が別途買取りしてあげればいいんですよ。更にポイント付くわけでしょう。それがポイントカードなんですよ、実際は。エコポイントなんですよ、それが。そういうものを交ぜていくと、横にすべて広がって地球全部に行っちゃうんですよ。
 CDMで大規模風力発電みたいなことを言っていますけど、アフリカで欲しいのは小さな風力発電、太陽パネルでいいんです。小さな十五キロぐらいのでいいんですよ、十五万キロぐらいの小さなので。そういうところを、先ほど鳩山イニシアティブの資金援助、ODAを使う、まあ使っていい悪い、議論ありましたけれども、いろいろなやり方が出てくるんですよ。世界共通負担金、そういうものを日本がだから提案できるんです。
 今のをやると、五万人が、あれは何年でしたでしょうか、〇六年に熱波で死んだと言われましたが、そして日本でも六百人だか、去年、おととし亡くなったと。クーラー使えたら助かったかもしれないんですよ。所得の低いクーラーなどがないような方々が、お年寄りが亡くなっているという報告です。こういうところにやっぱり手を入れていくということが本当の日本の世界貢献だし、日本自身がそれで最先端の物を作り、ラインが動き、地方の工場が動いて、それでこそ、手取り千円は別として近づくんじゃないんですか。
 こういうことをやるべきだと、こう思っておるんですが、もう一度大臣、大きな枠でいいと思うんです、それを役所は組み立てますよ。やりませんか、こういうことを。
#126
○国務大臣(小沢鋭仁君) 大いに激励をいただいたと、こう思っておるんですが、まあ聞いていらっしゃる皆さんも、何となく、ああ、そうかと思いながら、まだ全部をつかめていないのかなと、そんなお顔に見えますし、私自身もまだ全部全貌が分かっていない部分も正直言ってあります。
 ただ、まあ繰り返しになって恐縮ですが、先ほど荒井委員がおっしゃったように、その最初の初期投資のところをカバーして、そしてそれを日々の電力の減少等々で支払をしていくと、そういう話は十分やれると思っておりますし、もう既に各メーカー等もそういったものを取り入れて行い始めているというふうにも承知をしておりまして、これは政府としてもそういったものを大いにシステムとして推進していくという話はこれは必要なことかなと思っております。
 ただ、まあ全部まだすとんと落ちていないものですから、やりましょうとこう言われたときに、もうやりましょうとすぐ答えられないのでありますが、検討を一生懸命させていただきます。
#127
○荒井広幸君 歴代二大臣も一生懸命検討すると言って今日に来ておるんですよ。
 これ皆さんのお手元に資料を配付させていただきました。先ほど財源のお話がございましたけれども、その財源のお話です。じゃ、そういうお金をどうやって持ってくるんでしょうかということですね。
 そうすると、一番左側御覧いただきますと、まず無駄、これありますね、無駄。これを今一生懸命政府がやっていること、私はこれはこれでいいと思います。
 それから、組替え。ちょっと組替えというのは見えませんね。組替えというよりも自民党がやったのを無駄として切って別なところに付け替えるという付け替えみたいな話でございまして、組替えはまだ見えない、まあもうしばらく待ちます。
 その次に、重点配分というやり方があるんだろうと思うんですね。重点配分は格差であるとか教育とかセーフティーネットとか雇用とか景気という方に行くんだと思うんですが、景気というところがなるほど民主党は弱いと私も思っていますが、景気のところに行けば自然増収に行くわけですよ。だれも自然増収の話を語らないんですね、最近。自然増収するためには成長戦略なんですね、それを大臣がおっしゃっていたのがそれでしょう。
 私が申し上げるのは、国環研の研究の報告にもこの間出たじゃないですか、環境税を取ってそれを一人一人に何らかの形で戻す。その何らかでもただまくということでは意味がない。地球環境対策のための様々な器具、自動車を含めて、それに助成をしてやった方が効きますよ、国民負担率は少なくなりますよという報告があるじゃないですか。だから、それをやればいいんですよ、経産省の皆さんも、総務省も、野田大臣、国交副大臣も、副大臣も。
 そうすると、自然増収をやって、次に何をやるかというと、私は、税制改正で増税や新税の前に、環境税の前に、消費税の前に、新型国債があるのではないですか、こう言っているわけです。
 じゃ、新型国債というのは何かというと、これは全部環境委員会で二年越しに使っているものを使わせていただいているんです。全く私が成長がないのか、政府が成長がないのか、二年間同じものを使っているんですよ。「あなたが決める(助け合い)」と書いてあるんです。鳩山友愛をもう二年前に言っているんですね。
 これはどういうことに使うかというと、私は福祉に対して志がありますよ、ハートは志です。じゃ、利息は安いけれども、普通の建設国債、赤字国債、安いけれども、リターンは少なくても福祉のために使っていただければ本当にうれしいよと、情けは人のためならず、私もいずれお世話になるんだから。そうやってお金をやったら、ぽんと福祉に使う、そうしたら国は金利払い少なくて済むじゃないですか。大蔵省にもう二年間言っても全く同じ返答。野田副大臣、目的国債というのも一つなんだと私は思うんですね。
 それから先ほど副大臣からもお話があった地域の取組、中田市長が前やっていた風力、これはもう三日間で完売でした。ハマ債、これは国と同じダブルAぐらいでしたけれども、それで、〇・幾らか安くても三日間で完売なんです。もうからなくたっていいんです、こういうふうに国のために使っていただければと。こういう気持ちの人がいれば、私はそういう方々、五千億、一兆円になってくるんじゃないかと思うんですが、野田副大臣いかがでしょう、目的国債。特にこの場合は環境といたしておきましょう、環境に対する目的国債を発行する、先ほどのようなお金、財源に必要なものはここで調達する、いかがでしょう。
#128
○副大臣(野田佳彦君) 委員の問題意識のバックグラウンドは、どうせ国債発行するんだったら、赤字国債みたいなことを垂れ流ししないで、意味のある国債を、しかも国民の志を根っことした国債の発行が望ましいと、そのためにも政府も大胆に発想をしろということだろうと思います。問題意識のバックグラウンドはよく理解できます。
 ただ、具体的に、目的国債、例えば環境国債といったときに、御案内のとおり、国債というのは今一般会計及び特別会計ごとに発行して、新しい種類の国債を発行するときに、じゃそのためのロットをどれぐらいにするかということ、これ大事になってきますよね。そのロットが小さいと調達コストが高くなってしまうとか、あるいは、これはもう何回もいろんな方が答弁されているかもしれませんが、財政の硬直性を生むか生まないかとか、いろんな問題を精査をした上で本当に有効な、地球環境温暖化対策というのは鳩山政権にとっては大きな命題ですから、その中で限られた財源を使って何をやるか、費用対効果をしっかり考えた上で対応していきたいというふうに思います。
#129
○荒井広幸君 気持ちは分かるんですが、これも二年間同じことなんです。
 それじゃ、ちょっと形変えますと、小宮山東大の前総長が自立国債というのを言っているんです。この自立国債というものをちょっと解説、役所の方でしていただけますか。──じゃ、副大臣。
#130
○副大臣(野田佳彦君) 麻生政権下の三月の二十一日に経済危機対応のための有識者会議というところで当時の東大総長だった小宮山先生から御提起があったのがこの低炭素社会のための自立国債ということで、家庭における太陽光発電であるとかハイブリッド車等の導入拡大を目指すために国債を発行をするということが内容であります。
 そこから生まれる、省エネ効果から生まれるこの余剰、例えば売電収入などを各家庭から回収して国債の償還に充てていくという仕組みと、また償還後は発電設備等を各家庭に譲渡する仕組みであると、こういうシステムで、具体的な数字としては、年間二兆円ずつこれ発行していくとその省エネ効果によって十年間で試算だとCO2の二%を削減できるという試算をされているというふうに承知をしています。
#131
○荒井広幸君 これ、実は家庭版CDMと家庭版ESCO事業を交ぜて私が言った目的国債化したやり方なんです。自立というのは、金がそれによって回って戻ってくるという意味です。普通、国債の場合は、どちらかというとそれで利益を上げて戻ってくるという解釈は財投以外余り考えたことはないわけですが、財投債ですね、財投機関債、そういう発想を入れているということです。もうそういう時代に来たんじゃないですか。一律に税率を上げるというような時代から、自分が参加する、自分の志に対して政治家が訳分からないところに再分配するんだったら、私は、その目的のために使われてその幅はこれぐらいだ、そこに対して投資する、それに対してリターンはその中でぐるぐる回ってきたもので返してもらって、多少安くてもいいわと、こういう時代でしょう、もう既に。
 それを、小沢大臣、言えるかどうかでCOPはコップの中の争いから本当に発展的な、日本がイニシアチブ取れるようになるんですよ。同じ議論していたら駄目だ、COPで。コップの中の話ですよ、争い。
#132
○国務大臣(小沢鋭仁君) COPの話はちょっとまた話し出すと長いので……
#133
○荒井広幸君 済みません、時間がないので。お願いします。
#134
○国務大臣(小沢鋭仁君) はい、ですからそれは削除いたしますが、今委員がおっしゃる本当に仕組みというのは、私は大変興味を持って実は前々から見ておりました。
 この環境問題は、不思議な分野といいますか、国民の皆さんたちが自ら進んで負担をしてもいいよと言ってくれる分野だなと、こう私は実は感じておりまして、いわゆるカーボンオフセットなんかのいろんな事業もそうでありますけれども、若い人たちも、例えば自分のお子さんが生まれて育っていくときの日本が本当にもし安全でなくなったら大変だと、この前も結婚式で若いカップルからそういう話があったんですけれども、そのためには喜んで負担しますよと、こういう話がありまして、まさにそういった意味では、今おっしゃられた自立国債、そういったものは成り立ち得る話かなと私は実は興味を持って思っております。
 もちろん、これは所管が違いますし、またいろんな発行量の、ある意味では、何といいますか、金利の全般のほかのところに波及する話なんかもあるような気がしますから、そこは、私自身はそこに関してはコメントは避けさせていただきますが、まあ環境省がもし発行できるなら環境省が発行してもいいくらいの興味は持って考えているところであります。
 今の話は、だからするという意味ではありませんので、念のため申し上げておきます。
#135
○荒井広幸君 これは、検討は、野田副大臣もいらっしゃいますから、検討を是非してください。隘路を救いますから。増税ということだけじゃなくてやり方あるということです。いかがですか。
#136
○副大臣(野田佳彦君) 例えば、自立国債じゃなくても、例えば環境としていえば既存の国債を発行して財源を調達してハイブリッドだとかあるいは太陽光発電に補助金を出すということは可能ですよね。だから、デメリット、メリット、それを実現することでどうあるかということをよく検討をさせていただきたいというふうに思います。
#137
○荒井広幸君 実は、これをやっているのはユヌス博士、バングラデシュ、グラミン銀行なんですね。グラミンシャクティという会社をつくりまして、本当に、貧困の方々にとっては別に、例えば車で言ったら、あんな立派な車要らないんですね。移動手段であれば、ブレーキとハンドルがあれば取りあえず間に合うと。そこにあとパネルがあれば、それでまずは第一段階行くわけですよ。だから、そういう例えばものを早くそういう手段に提供するという方がいいわけで、そういうお金の捻出の仕方で世界的にもお金が回るし、日本の物づくりが生きてくると。
 ですから、内需だけでは勝てないですよ。内需振興って藤井大臣も言うけど、内需だけでは勝てないです、ボリュームゾーンのインドと中国を含めてこれ取らなければ。だから私は、それはバランスのいいやり方をしないといけない。内需も外需も。
 そういうときに、グラミン銀行というのは、私が借りるとすると五人が保証人になるんです。でも連帯責任はございませんから私だけ返すんですね。返す必要ないんです。やっぱりみんなが頑張れとか、みんなの顔があるからってちゃんと返してるんです。一ドル、二ドルの貧困の層に一ドル、二ドルのお金を貸しているわけです。
 そういうことを実はやる可能性があるというのは、私の福島県でいうと、会津若松市というところは今も無尽をやってるんです。大体十二人ぐらい。千円ぐらいで毎月ラーメンを食って、酒を飲んで、あと五千円を掛金にして、十二人ですから六万円になります。この六万円、今回だれが借りますかと。はい、私の子供結婚するので物入りですから。はい、じゃ、荒井さん。また一か月後会います。彼は権利がありません、よっぽどのことじゃなければ。十二人が回れば全部それで完結するんです。無尽講です。グラミン銀行ってそういう発想です。これが日本の銀行のはしりですよ、そもそもが。
 同じ発想をどこが持ったか。郵政です。郵政は実はイギリスをモデルにしました。しかし、根底には全員が入っていただくことを目的にしましたので、郵貯、簡保というのは国民の六割から九割が入っていました。分母が非常に大きいので、経済のいわゆる大数の法則、そしてまた三位一体でやった範囲の経済、こういったことが成り立って、世界にもまれに見る弱い人が入れる保険、送金手数料をほとんど取らない決済手段や、そしてATMの窓口、それが全国のどの場所にでもある、いつでもどこでもだれにでも。つまり、憲法の国民の最低生活を保障するためのミニマムアクセスというものをユニバーサルサービスという形で展開しているんです。
 ですから、これからの郵政の制度設計というのは、少し変わりましたね、あの民営化したときから変わった。民業を圧迫する必要はない。民間がやっているならやらせていいんです。まさに今、格差と貧困率も数字を出してきた時代に、そして世界にも環境などでこうした提案、協力をしていかなくちゃならないときに、日本の国民のお金が国内だけではなくて世界に対して、少額ではあるけれども大勢の方々を助けていくというお金の回りにする、助け合いの心を表す、そういう郵政の制度設計にしなくちゃならないと思います。今のまま行ったらば民業同士のぶつかり合いですよ、何でもやっていいという郵便局にしたんですから。それを今度は、国営といいますか、株を持っているということになったら、こんなとてつもないところに今の民間はつぶされていきます。違います。当初の郵政が持っていた思想なんです。一人一人に対してもうけないが貢献していく、それを世界や環境に貢献していくというお金の流れに使っていくということが、野田副大臣、すごく大切なところですから、制度設計を私は注目して見ています。
 そういうことで、どうぞ、私が申し上げましたような意味で我々考えております。自由民主党、私は除名をされておるんですが、自由民主党を応援しております。それはどういう意味かといいますと、まず国家、国民を守っていくということ、そして文化、伝統をこれも守っていく、大切にしていく。この二つ目が鳩山総理と似ている、民主党と似ていて非なるところなんですね。自律した助け合い、支え合いを応援していく。だれでもそのままで努力をしないのに、子育て支援がいい例ですけれども、お金がある人にも差し上げるというんじゃなくて、本当にない人により手厚くすればいいんであって、そういう我々は自律ある助け合いというのを言っています。どうお考えになりますでしょうか。
 二つ目は何かと。共生する経済成長戦略、共生する経済成長というのをやっていかなきゃいけない。地球環境、そのとおりです。同時に、弱い人をつくってはなりません。世界の南北格差もつくってはならないんです。
 そこで、馬淵副大臣、最後にお尋ねいたしますけれども、高速道路の無料化、これはCO2増加するという話と増加しないという話がありますが、どちらで、どうなんですか。
#138
○副大臣(馬淵澄夫君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。荒井委員の大変たぐいまれなるアイデアとまた御見識をお聞きしまして感心しておりまして、私には質問がないかと思っておりました。ありがとうございます。
 無料化におけるCO2の削減量ということでございます。排出量について、これは増加するのかあるいは削減されるのかということでございますが、現時点におきまして、国土交通省では、国土技術政策総合研究所、通称国総研が一定の条件の下で試算を行っております。これは、無料化をして、そして一般道路から高速道路へ無料化されれば当然ながら交通量が転換されてまいります。しかし、転換される以外にも誘発される交通量もある。様々な公共交通機関が転換等も考えられますが、こうした確実性のない状況での試算というのは道路局の持つデータからは十分に行えないということから、今次におきまして国土交通省が把握しているそのデータによりますと、年間で、首都高、阪神高速を除いて、無料化されれば、CO2の削減量というのは三百十万トンに達するという試算が出ております。
#139
○荒井広幸君 増えるの。
#140
○副大臣(馬淵澄夫君) 削減量でございますので、減ります。
#141
○荒井広幸君 午前中の皆さんの御協議でも、大臣からも、様々なモデル推計というのがあってそれぞれ課題があるということですが、三菱総研がこの間出した数字によれば、いわゆるそれによってモーダルシフトといいますか、逆モーダルというのかな、別な機関に切り替えていくようなことも含めて、そこにまた今度は、先ほどのお話ではもうバスがなくなっていると、こういうようなこと、いろんな問題点が二次、三次に派生するんです。
 ですから、高速道路の無料化というのは、単に無料であるかどうかだけではなくて、CO2は言われてきていますが、それによって車、自家用車の方に向いてしまったらば、今問題が起きているように、公共交通がダメージを受けてもう立ち直れなくなったときに、じゃそこの足はどうするんだと、こういう問題もたくさん出てきます。そういう全般的に、やっぱりこれもすべて関連性で見なきゃいけないと思うんですね。役所の領域、縦割りではもう超えているわけです。
 そういう意味でいいますと、三菱総研で私は着目しているのは、京都議定書の真水は〇・六ですね、削減する真水は、森林とか排出権取引以外でいったら。〇・六%は増えると言っているんですよ。これ、逆行だなと言われる根拠はここにもあると思うんです。ですから、どうぞモデル計算をしっかりしてください。その上で今日、出てくるんでしょうから、数字が、あるいは方向が、違うんでしょうか。ちょっと時間がありませんから、言いっ放しで今日は許してください。次回、これをします。
 そこで、私は一つだけ提案します。ETC割引ではなくて、エコカー割引という発想がなぜならないのか、これを国交副大臣、お尋ねします。
#142
○副大臣(馬淵澄夫君) 一点だけ申し上げたいと思います。
 三菱総研からのこの研究報告については、いわゆる一般道路から高速道路への交通量の転換というものはこれは考慮されておりませんので、その意味においても客観的な分析というものは今次におきまして今も検討中でございます。
 その上で今、ETCではなくエコカー割引という御提案もございました。これに関しましても、社会的な影響を考慮しつつ段階的実施のための社会実験を行うとしておりますので、今現在検討をさせていただいております。
#143
○荒井広幸君 非常にいいことですから。エコカー割引なんです。だから、ETCじゃなくてもおサイフケータイでも乗れるんですから。こういう囲い込みに仕分事業が行っていないというのは、私はこれちょっと残念だなというふうに思いますよ。ちょっとたわけないような仕事にしていただきたいと、仕分じゃなくて。
 それで、是非、ETC割引だけじゃなくておサイフケータイでも乗れると、これも二年間私言っていて全然駄目です、国交省。そういう発想にならないというのがやっぱり縦割りだと思うんですよ。環境大臣もそれから財務副大臣も、それひとつお願いしたいと思います。
 それで、最後に注文だけしておきます。時間になりました。
 エアコンです。エアコンをJIS規格で燃費を測ります、要するに消費電力を。ところが、北向きとか南向きの部屋で、夏冬で全然条件違うんです。最大限一番いい数字取っているんです。こういうことではやっぱり問題がありますから、どうぞ世界のスタンダードを作ってください。こういう条件でこういう環境の下でこういったことの中で電力消費量やCO2の排出量を確認できる、こういう計測のモデルというものもまた日本が世界に貢献できる分野だということを御提案して、終わりたいと思います。
#144
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 小沢大臣、COP15、大変御苦労さまでした。
 政権交代になりまして、行政府や立法府の行動、そのやり方が大きく変化してきているんではないかと、そういう感じを持っております。そういう中で、今後、環境行政の在り方にも大きな影響、プラスマイナスあると思いますが、いかに適正に課題解決に向けて環境行政を進めるか、これはますます重要になっていると思います。
 そこで、環境大臣の所信に関する質疑あるいは環境行政一般に関する質疑に入る前にいわゆる政治主導に対する姿勢、理念について、あえて確認を含めてお伺いをしたいと、そう思っております。
 とりわけ、いろいろな点があるんですけれども、環境委員会における官僚答弁、これはどういうふうに考えたらいいかということなんですけれども、政治家同士で論戦を行い、官僚答弁はなくしたいと、そういうふうに聞いているわけでありますけれども、先ほど話がありましたように、官僚が答弁する機会がなくなれば、これはある意味である種の無味乾燥的なところも決してないわけではないと、そういう話もございました。
 小沢大臣としては、こういう在り方についてどのようにお考えをしているか、お聞かせいただきたいと思います。
#145
○国務大臣(小沢鋭仁君) まず、COP15、プレCOPに関しまして御慰労を賜りましてありがとうございました。
 今の御質問の点でありますが、実は私は、国会の活性化法案と、こう呼ばれている国会改革のあの法案を作るときに担当でやらせていただいた人間の一人でございまして、そういう意味では、今回の国会改革、あるいはまた今委員がおっしゃられた国会での論戦の在り方等々、いろんな思いを持っております。
 結論から申し上げると、この国会の委員会の在り方というのは、私は、政治家同士が論戦を闘わすところだと、こう思っておりまして、そういった意味では、役所の方とは一線を画してここでいろんな議論をできればそれが理想的だなと、こう思っております。
 ただ同時に、それに加えて必要なことは、そういう話になると、当然細かいところはなかなかその場ですべてをカバーできないわけでありますから、いわゆる政治的な政策や考え方についての論戦の場と、それから各法案の、まあ逐条審議までは言いませんけれども、そういった法案の審議の場とは分けるべきだという話が実はセットに元々なっておりまして、そういったところでは役所の方にも大いに参加をいただくことが必要だと、こう思っております。
 いずれにしても、マスコミ報道等で私が懸念をしておりますのは、国会主導というのは、責任は政治家が持つと、これはもう間違いなくそうあらなければなりませんが、役人を排除するという思いは全くございませんし、環境省はそういう意味でいいますと共に力を合わせてやらせていただいております。
#146
○加藤修一君 法案審議のときには役所が入ってくる可能性が非常に大きいということで、それで、法案でなくても、例えばこれは内閣法制局長官の関係になってまいりますけれども、ここは憲法の解釈というのをしっかりとやっているところですね、従来からずっと。解釈改憲があっては、私はその変更があってはいけないというふうに考えておりまして、これは官僚が、法案でない、こういう問題でありますから、憲法上の問題でありますから、こういう場合について、政権が変わるたびに憲法の解釈が変わるということがあっては私はいけないんではないかと、そう思います。
 それと、憲法論議についてはなかなか始まっていないわけでありますけれども、国民投票法が成立して以降ですね。それで、我々党としては加憲という立場で、例えば憲法ができ上がったころには環境権、環境ということについては大きな問題になっていなかった。しかし、今は環境ということが極めて大きな問題になっていて、やはり憲法の中にも明確に環境権を入れなければいけないというふうに我々は考えている。
 それは、議論は当然必要です。いろんな議論が必要だと思いますけれども、ただ、こういう件に関しましても、例えば内閣法制局長官が、いや、現憲法で環境権というのは見えないけれども入っているとか、あるいはないから簡単に入れるべきだとか、いろんな議論がそこであるわけで、だから、そこの法の解釈というのは、やはりこれは政治家がむやみに変えるようなことがあるようなそういう在り方を可能性として残すのはどうかなと私は思っておりますけれども、この辺についてはどのようにお考えですか。
#147
○国務大臣(小沢鋭仁君) 最後の質問のところがよく分からなかったんですが、そういった解釈で法制局長官が答えることによって解釈改憲みたいな話が起こり得ると、こういうことでしょうか。もう一回、済みません、確認させてください。
#148
○加藤修一君 ちょっと正確でなかったと思いますけれども、要は、官僚が答弁はしないと、そういうことですから、政治家が答弁する話になってくると思うんです。その場合に、憲法についても政治家が答弁するという話になってきますから、その場合は、憲法解釈について、解釈改憲ということも十分あり得るんではないかと、そういうことが生じませんかと言っているんです。そういう心配を私はしています。
#149
○国務大臣(小沢鋭仁君) まず一点申し上げておきたいのは、先ほど申し上げたような話も含めて今まだすべての制度が整っていませんので、私が申し上げた、例えば、私ども環境省は自分たちのことですから自分たちでやれるので少なくても答弁はすべて政務三役でやろうと、こういう話でありますが、この環境委員会の場合は、それはもう委員長を始め理事会でお決めいただくことですから、先ほど来そういった役所の皆さんたちの答弁もあって、それはそのとおりでよかったとこういうふうに思っておりますので、現状はまだあくまでもそういう段階だということをまず前提で申し上げた上で、政治家だけの答弁と、こういう話になると、その政治家の話によって憲法解釈等の話も変わってくるのではないかと、こういうことでありますが、それは私は、案件によってそれぞれの立場で答えられない案件にもなるわけでありまして、そこのところは、憲法というような本当に根幹に触れる問題について私が例えばもし委員から聞かれたとしても今安易になかなか答えることはできないかもしれませんし、少なくても三党合意で合意をしている話であればともかく、それを超えるところなどというのはなかなか今、内閣の一員として答えられない話もあるでしょうし、そういったところはそもそも議論に、その俎上に上がらないというふうに思うのであります。
#150
○加藤修一君 内閣法制局長官は憲法の解釈をしている極めて重要な立場にありますから、内閣法制局長官が発言してはいけませんというふうに決めること自体が、極めて憲法に対する解釈の可能性が大きく、それは解釈改憲という意味ですよ、そういうことがあり得るなと、可能性が出てくるなということを私は心配しているという話なんです。
 ですから、こういうところについてはもう慎重に議論をすべきだと思うんですね。議会の制度協議会ですか、そういうのもございますし、様々な議会の機能がありますから、えいやというふうに、巨大与党があるわけですから、私は非常にそこのところは心配しているところなんですね。
 それと、なぜそういう心配が生じてきたかというと、最近の国会の対応の仕方というのは極めて残念な対応であるなと、そんなふうに思っております。参議院の総務委員会でも、議員が質問をしようとしたときに、委員長が突然うちの委員の質問を止めて、それで亀井大臣の退室を許したという経緯があります。あるいは衆議院の方でも、総務委員会だったでしょうか、参考人の陳述が終わって直ちに質問の段階だったでしょうかね、それも極めて合意が全くない中で採決に行ってしまったということで、こういうことは余りなかったわけですよね。要するに、全政党が合意して、質問をして参考人をやって、それから質疑をやって、それで採決しましょうと、そういうふうに決めていたわけですから。
 こういうやり方を考えていくと、先ほど政治主導云々という話で、官僚答弁がないようにしていこうという考え方それ自体もいろいろな意味で懸念する材料が出てくるということで、これは是非慎重にやっていかなきゃいけないし、深い議論が必要でないかなというふうに思います。
 それから、事業仕分の関係なんですけれども、行政改革推進法、これ、公明党が事業仕分を明確にその中に入れるべきだということで、最終的には政策の棚卸しということで前政権は挑戦をしてきたわけでありますけれども、今回の事業仕分、まあ国民の皆さんの評価は非常に高いようでありますけれども、やはりこれについてももっと体系的、総合的な形でアプローチすべきではないかなと、そんなふうに思っておりまして、政府の事業が全体で三千ぐらいあると、どのように四百四十七に絞って、そして環境省の分は二十三事業というふうに聞いているんですよ。
 この二十三事業に至るまでの経緯あるいは背景ですよね、それは大臣はどういうふうに見解をお持ちですか。
#151
○国務大臣(小沢鋭仁君) 事業仕分に関しましては、私は閣議あるいはまた環境省の中での発言は、とにかく政権が替わりました、一回国の事業というものを国民の目線で議論をしてもらう、これは必要なことだ、大いにやってもらおうと。いわゆる国民目線というものをどういう人たちの人選で担保できるかどうかというのはなかなか難しいわけでありますが、しかし、そういう挑戦をする、そのことは必要なことだと、こう私は思っていて、そして役所の皆さんたちにも、そういうことなのででき得る限り協力をして議論をしてきてくださいと、こう申し上げ、今、田島副大臣が担当で環境省としてはやらせていただいているところでございます。
 ただし、これは国民目線の話でありますので、国民の皆さんたちはこういうふうに考えるんだなということを参考にしながら、しかし、それで最終決定ではありませんので、政治的責任を持つ我々、最終的には閣議という形になるんでありましょうが、そこが政治的な意思決定を行うという意味ではそこが最終決定なんだと、こういうふうに考えております。
 二十三事業に関しましては、これは行政刷新会議の方で選んでいただいたと承知をしておりまして、私どもなかなか、済みません、その経緯に関しては存じ上げません。
#152
○加藤修一君 本来ならば、環境省としては対象事業がゼロであることが望ましいわけですよね。二十三、その中に私が非常に関心を持っている事業もあるわけなんですけれども、二十三あるということについては、大臣としてはどういう心境ですか。
#153
○国務大臣(小沢鋭仁君) 先ほど申し上げたように、一回国民の皆さんたちからの目線で判断してもらうと、こういう話で私はとらえておりますので、そういったことで議論をしていただくというのは悪くはないというか、別にそれでどうと、こういうことではないと、こう思っております。
 私は私なりに、その判断を基にもう一回政策的、政治的な判断をさせていただきたいと、こう思っておりますので、そういう意味では、別にこれはプラスもマイナスも、全くニュートラルな思いであります。
#154
○加藤修一君 約三千から四百四十七に絞って二十三になってということなんですけれども、報道なんかには財務省主導だという、財務省が全部そういうやつをおぜん立てしたという話があるわけなんですけれども、そういうことを考えると、政治主導ということが若干私も分かりにくくなってくるんですよね。これはどういうふうに大臣としてはとらえているかなということなんですよ。
#155
○国務大臣(小沢鋭仁君) 財務省主導であるかどうかという話は、マスコミ、世論的には確かにそんな論調があるのは承知をしておりますけれども、この事業仕分そのものの提案というのは民主党がかねてからやっておりました話でもございますし、まさに政権が替わって政治主導で行ったというのが私の理解であります。
 その時点において、それは予算のことでありますから財務省の皆さんたちのいろんな資料等は使うことがあったのかもしれませんですけれども、少なくてもここは政治主導で、政権が交代した、政治主導で、一回国民目線で全部洗ってみると、こういう思いでやらせていただいたというのが私の理解でございます。
#156
○加藤修一君 私は分かりづらいから質問しているんですね。それと確認なんですよ。報道ではそういうふうに言われているところもあるわけですので、そこはやはりどういうふうにこれは大臣の方から皆さんに説明すればいいかと。あるいは、国民の皆さんもそういうふうに一部考えている方がいるかもしれない。ですから、そういうことに対してもっと説明責任をするということが大事ではなかろうか。ということで、そういう、ある意味ではチャンスを私がつくっているようなことなんですよ。私も自分で確認をしたいわけですから。
 それで、優先順位が判然としないとかいろんな点があるんですけれども、ちょっとこの資料を紹介したいんですけれども、これはカナダのケースで、地方政府などへの移転支出を除くということで中央政府の様々なプログラムの徹底した見直しを通じてやっていると、政府の役割を再定義するということで。これは構想日本の資料の中に出てくる参考例なんですね。
 それで、レビューをすると。様々な事業の見直しをする、事業仕分をすると。それで、基準というのがなかなか明確に示されていないように、閣僚の皆さんからもそういう話はちらほら出ているように報道ではなされております。私も報道でしか接することができませんので。そのレビューの基準として、公共性の基準、その業績が公共の利益に資するかどうか。二番目として、政府の役割の基準、政府がその活動、プログラムを行う正当性と必要性があるかどうか。それから三番目が、中央政府の基準として、その活動、事業は中央政府の役割として適切であるか、地方政府に任せることはできないのか。あるいは四番目として、民営の基準、その活動、プログラムをすべてあるいは部分的に民間に移し得るかどうか、これが言わば四番目です。五番目としていよいよ効率性の基準とか、費用負担の基準が六番目に出てくると。
 こういう事業仕分、プログラムレビューというふうに書いてありますけれども、その辺の基準が、私は今回の事業仕分ではもう少しこの辺のところを明確にすべきでなかったかなと思っているんですね。私は、これは今年だけに限らず来年も、必要なら次の年もやるべきだと、そんなふうに思っているんですね。ですから、もっとベターなやり方をやっていくべきだと、こういうふうに考えておりまして、ですから、環境大臣も当然これは国務大臣として一翼を担っているわけですから、そういった面についてもしっかりと言うべきところは言っていただきたいと思っていますが、どうですか。
#157
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今委員がおっしゃられたようなカナダの基準ですか、それに類するものは当然刷新会議の方から我々の方に提示があって、それに基づいて説明せよと、こういう話でございました。今手元にそれはありませんが、今委員がおっしゃられたようなものがあったと承知をしているところでございます。
 やり方に関しましては、今後もし継続してやっていくにしてもいろんな工夫があっていいんだろうと、こういうふうに思っております。最終判断基準は何かと、こういうふうに聞かれたときに責任者の枝野議員が言っていたのは、その仕分をする人たちの半数以上の人間を説得できるかどうか。逆に言うと、その委員の人たちが納得できるかどうか、それが判断の一つの基準だと思うと、こういうことをおっしゃっていたのを聞いておりまして、国民目線というのは確かにそういうことだなと、こう思っているわけであります。
 繰り返し言いますが、しかし、国民の皆さんたちがすべて詳細なことを理解しているわけではありませんし、プロはプロの仕事があると、こう思っておりまして、それが最終決定ではありませんので、あとは我々、まさに政策の現場にいる人間、プロがもう一回判断をするということが私はあっていいと思っておりますし、その二つの作業、これが相まっていい結果が生み出されると思っています。
 いずれにしても、鳩山政権、政権交代をして、私は、思い切ってこれをやったことは大変良かったというふうに思っているところでございます。
#158
○加藤修一君 それから、まだ分からないところがありますから最後に一点だけ聞きますけれども、これ、事業仕分で事業の説明をしている人は官僚なんですけれども、政務三役は現場に行っているんですか。現場に行って、本来は政治主導という、だから、政治主導の意味合いが極めて分かりづらくなってくるのがこういうところなんですよ。本来ならば、政務三役が環境の二十三の事業の関係についてはこうこうこうだというふうに言って、それは仕分けして減額とかというのはとんでもないというふうに主張をすべきだと私は思うんですよね。それはしないで官僚の皆さんが答弁しているから、場合によってはおかしな具合になっている可能性もあると。
#159
○副大臣(田島一成君) 御指摘いただいている点でございますけれども、各省から政務三役、ほとんど副大臣か政務官が出席をするということになっておりまして、今日、環境省以外の省からも副大臣や政務官、お越しいただいておりますが、それぞれのワーキンググループでの仕分に当たって出席をいただいていると承知をしております。
 実際に、明日、二十五日水曜日は朝九時半から夕方の六時四十分までびっしりと、今御指摘をいただいている二十三の項目が事業仕分の対象として、私も会場に一日張り付かせていただくわけでございまして、そもそも環境省としてなぜこの事業が必要なのかという点については、御指摘いただくとおり、政治主導としての私、副大臣という立場でその事業の必要性、また今後の展開等々について仕分人の皆様に御披露もさせていただく発言の機会もありますので、その点については御心配の点は当たらないというふうに思っております。
#160
○加藤修一君 この辺にしておきたいと思います。
 次に、次世代スーパーコンピューターの関係なんですけれども、地球シミュレータが今動いている段階で、これは非常に私は評価しているわけなんですけれども、これは地球温暖化の将来の予測等を含めて極めて重宝なコンピューターだと思っております。スーパーコンピューターについても、これは中長期的に考えていかなければいけない極めて重要な科学分野のツールなわけで、二〇五〇年には、地球シミュレータの結果によれば、伊勢湾台風並みのスーパー台風が発生する可能性が十分考えられると。
 ですから、そういうことに対して今からどうするかということも当然ありますし、あるいはそれを緩和政策でそういうふうにならないように最大限努力するというのが当然の話だと思いますけれども、一方でやはり適応政策も考えなければいけない。そういった観点から考えると、地球シミュレータというのは非常に評価できることじゃないかと。
 またさらに、次世代のスーパーコンピューターについても、そういった面も含めて、人体の様々な機能をシミュレートして薬学関係も含めて使えるようにしていくわけでありますから、そういったことは非常に私は大事だと思っております。
 そういった観点から、環境大臣としては地球シミュレータについてどのような認識ですか。
#161
○国務大臣(小沢鋭仁君) これ私の領域のところではありませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。個人的には私はいろんな思いがございます。
#162
○加藤修一君 地球シミュレータですよ。
#163
○国務大臣(小沢鋭仁君) はい。公の場面でなければ幾らでも先生と話をしたいと、こういう思いはありますけれども、ただ、地球シミュレータに関してはどうかということに関しては、大変重要な機能を持っていると、こう承知をしております。
#164
○加藤修一君 それじゃ、文部科学省にお尋ねしますけれども、今回の仕分の対象になって最終的になかなかこれが動くことができないぐらいに仕分されてしまったというふうに報道がされていますけれども、これはどういうふうに判断していますか。
#165
○副大臣(中川正春君) 先ほど仕分の位置付けについての議論が出ておりましたが、それぞれ御指摘のとおりで、国民目線で、これまで官僚同士でそれこそ内輪の話で予算が決められてきたものが、ああいう形でオープンになって国民が見える、その議論の切り口というのも、これまでとは違った新しい国民目線で切り口をつくって予算の議論をしていく。そんな中から、それこそ無駄遣い、あるいは本当に税金が生きていない、そういうものを掘り出していきながら新しい財源として求めていくという、この手法というのは私は基本的には非常にいい手法であるというふうに思っていますし、三千二百これ各予算項目があるんですけれども、今出ているやつはサンプル的な話で、そのサンプルから共通項を見付けて、いや、ここでは取り上げていないけれどもほかの項目の中にも同じようなパターンがあるかもしれないというような、そういう使い方をしながらこの事業仕分に対応していきたいと思うんです。それが一つなんですが。
 もう一方で、戦略的な話といいますか、党としてもあるいは内閣としても、このスーパーコンピューターのようにこれからの科学技術の基本になっていくようなこの大規模プロジェクトについて、また違った議論はしていかなければいけないんだろうというふうに思うんです。そこのところを、今回出た事業仕分の意見といいますか、物の見方というのを参考にしながら、先ほど大臣がおっしゃられたように、最終的には内閣としての方針、内閣としての一つの体系の中でこの予算をしっかり組んでいきたいということ、これが私たちの基本姿勢になっていくだろうというふうに思っています。
 その上で、さっき御指摘ありましたように、このスーパーコンピューター、これまでのレベルとは違った形で、言わば二百五十倍のいわゆる演算速度を前提にしたものを作っていくということでありますから、さっき御指摘のありましたように、シミュレータにしましても精度の高い、そして、台風の話が出ましたが、私もこれを説明しようかなと思ったらもう先生の方からお話が出ましたけれども、こういう新たな私たちの環境対応ができていくような、そういうものが可能になるんだということ、これも分かっておりますし、それが内閣としての、あるいは国家としての戦略とどう位置付けていくかということ、これをしっかり考えてこれから先のこのスパコンの予算対応をしていきたいというふうに思っています。
#166
○加藤修一君 要するに中長期的な戦略ですね、国益にかかわるような点を含めて、世界の中で熾烈な競争をして勝ち抜いていかなければいけない、そういう案件についてはやはり、今話がありましたように、私もそう思っていますが、要するに戦略的な部分については前もって、仕分の対象にするというんじゃない、仕分の前段階ですよね、そういうところで戦略的な対応の事業であるということでしっかりととらえておく必要が私はあるんではないか。そういうことが今回なかったので、言葉は悪いですけれども、何もかも一緒くたにしてやってしまったというところがあるんではないかなと。
 だから、次年度、鳩山総理は報道によれば、やりますと、当初は何かやらないような雰囲気の話をしておりましたけれども、やりますというふうに報道にはなっておりますので、是非来年もしっかりやっていただきたいことを強く求めておきたいと思います。
 それで、次に、内閣官房と文部科学省にお願いでございます。
 これは地域活性化・公共投資臨時交付金の関係でありますけれども、一時凍結といいますか、要するにそういう話が飛び交って、これは凍結というのは平成二十一年度の第一次補正の関係でありますけれども、あちこちからどうなっているのかという話が来ているわけなんですよ。私は、自然エネルギー、再生可能エネルギーの関係については強く関心を持ってやってまいりましたが、一つは、学校の耐震化の関係についてはいつごろになると動き出すのかと。
 デフレの認定がなりまして、いよいよ厳しい経済の状況の方に入っていく段階でありますけれども、何とか景気回復をしなければいけないということで、そういった補正の予算措置も前政権でさせていただいたわけでありますけれども、私は、学校の耐震化の関係、学校のITCですが、そういった関係、特に聞きたいのは小中学校の太陽光発電ですよね。CO2がなるべく出ないような電源をつくらなければいけないということで、これは国の負担が九五%、いわゆる国庫補助が五〇%に臨時交付金が四五%、いろんなところから早くこれを進めてくれという話が来ているんですよ。
 大臣は山梨県ですよね。山梨県も相当これ頑張っているんです、こういう分野においては、学校の太陽光発電の関係については。なかなかゴーサインが政府から出ないので、もうふだんだと恐らく二か月ぐらいは先に終わっている話なんですよ。政権が替わったからいろいろなことがあって、それは遅れているといえば遅れているわけなんですけれども、これはやはり早くしなければいけない、どうなっているのかということなんですね。
 ここについて、文部科学省と、これは内閣官房ですね、よろしくお願いします。
#167
○副大臣(中川正春君) 耐震化については、これはもう事業が始まっております。それから、太陽光発電についてなんですが、これ第一次募集と第二次募集分がありまして、第一次募集が六月二十六日に申請締切りをしまして、事業内定が七月二十二日、交付決定が八月三日に行われておりまして、これも動いています。それから、第二次募集というのを九月の七日にしまして、十一月二十日に事業内定をしましたので、既に自治体には内定額、これを知らせてあります。
 太陽光発電の導入状況なんですが、小中学校で千二百二校、幼稚園で四十六校、特別支援学校で二十七校、高等学校で二百三十八校、エコスクールのパイロットモデル事業というのも一つありまして、これまで九百五十一校を内定したうちに六百二十三校が太陽光発電を導入と、こういうことになっておりまして、私たちも、これ引き続き来年度に向かっても積極的に進めていきたいと思いますし、学校に付けるということだけじゃなくて、学校を中心にしまして見える化をしていくというか、どれだけ省エネができたか、どれだけエコということに効果があるかということを見える形にして、そして地域へ向けて、それを巻き込んでエコ化をしていくというような、そういう拠点にしていきたいという事業も含めた形で来年度に向けて準備をしているということであります。
#168
○加藤修一君 これ、各地方自治体に対する通達はもう終わっているんですか。この間聞いたときは、まだこれからだという話だったですよ。
#169
○副大臣(中川正春君) 終わっています。
#170
○加藤修一君 じゃ、先日の話はどういうことなのかなというふうになってしまうんですけれども、終わっていますか、地方自治体に全部行っています。調整してお金がこれだけ行くという話に当然なっているわけですね。
#171
○政府参考人(宗永健作君) お答えいたします。
 地域活性化・公共投資臨時交付金についてでございますが、これは、追加的公共投資の地方負担額の約九割を交付するものでございますので、各省からの補助金等につきまして、各自治体への配分が確定して地方負担額が決まった後に配分が決まる仕組みとなっております。
 御指摘の太陽光パネルにつきましては、先週、補助金の内示が完了したということでございますので、できるだけ早く配分額が提示できるよう早急に対応を検討したいと考えております。
#172
○加藤修一君 だから、そこの早く提示できるようにと言ったやつがどのぐらいで終わるんですかという、この質問なんですよ、そもそもが。
#173
○政府参考人(宗永健作君) 繰り返しになりますけれども、地域活性化・公共投資臨時交付金の支給は、まず国の補助金の額が定まりまして、対応する地方負担額が定まりまして、自治体ごとに一定の額が定まった後に交付するということになりますので、まだ現段階ではすべての補助金の内示がなされていないと。
 ただ、我々もただ単に最後まで待っているということではございませんで、ある程度まとまり次第配分額は提示すると。既に現在までのところ、臨時交付金一・四兆のうち約六千億について提示しているところでございますが、補助金の確定配分もほぼ終了しつつありますので、できるだけ早急に照会いたしまして提示したいと、かように考えております。
#174
○加藤修一君 それは今月中に終わりますか。
#175
○政府参考人(宗永健作君) 作業はもう早々に今週中にも始めたいと思っておりますが、何分にも、各事業の確定、さらには自治体ごとの地方負担額の集計ということがございますので、最終的にその配分額が決定するのは多少時間が掛かろうかと思います。
#176
○加藤修一君 これは、地方自治体の相当強い、早く決めてほしいというのが地方自治体の強い要望であり、かつまた、地場の産業にもかかわってくる話なんですよ。先ほど同僚の委員が、地域活性化の点も含めて、経済の振興策も含めてそういう話をしていたように思いますけれども、まずは、やはりこういう経済の状況が極めて厳しいですので、なるべく早い機会にやってほしい。これが十二月、一月といっても困るんですよ。今月中に私は何とかできるという雰囲気を感じていた。是非お願いしますよ。
#177
○副大臣(中川正春君) 意向を踏まえまして進めていきたいというふうに思います。
#178
○加藤修一君 是非よろしくお願いいたします。
 それでは次に、生物多様性の条約の関係で、COP10、これが名古屋で開催される予定ですけれども、それで、これに関しまして、「生態系と生物多様性の経済学」、TEEB、これが極めて著名な研究だと私は思っておりまして、二〇〇七年に生物多様性版のスターン・レビューと、そういうふうに呼ばれていると。二〇五〇年までに国内総生産、GDP、世界のですね、GDPの七%に達する損失の可能性があり得るという話でありますけれども。これは世界的な広がりの中で見た話でありますけれども、この経済的な評価というのは最終的に国民経済会計につなげるという、そういう話も伺っていたりするんですけれども、非常に難しいといえば難しい。
 ただ、日本国内版ということについても是非私は検討すべきではないかと。生物多様性の価値としては、いわゆる直接的経済価値、いわゆる生物資源としての価値、木材供給なんかはそういうことになりますけれども、あるいは生態系サービス機能としてもあると、あるいは文化的価値とか倫理的価値等々含めて大きく四種類ぐらいに分けられるわけですけれども、COP10に向かっての議論の中で、生物多様性のオフセットとか、PESですか、PES、いわゆる生態系からのサービスの関係でありますけれども、そういったことについての計測の議論、あるいはグリーン開発メカニズム、クリーンじゃなくてグリーン、GDMですか、そういったことについても議論がなされている段階でありますけれども、要はやはり、生物多様性ということについての経済評価をどうやってやるかというのは極めて難しい話で、しかしながら、国際的にもこういった点についての議論は相当され始めてきていると。
 そういった中で、スターン報告がありましたが、これの国内版ということについても環境省に懸命にやっていただきましたけれども、まだまだこれについては精査は済んでいないような私の理解であります。これについてはもっとしっかりと更に力を入れてやってほしいということを要望しておきますけれども、もう一方、今の生物多様性のスターン版ですね、TEEBについても国内版という形で是非策定を進めていくということが非常に私は、明年のCOP10を含めて、やっておくべき極めて重要なものではないかと考えておりますので、是非積極的な答弁をお願いしたいと思います。
#179
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員がまさに地球環境問題について大変な学識があられる話は前々から私もよく存じておるわけでありまして、そういった観点から大変貴重な御意見をいただいたものと思います。
 私は委員ほどでは、委員ほどではというか足下にも及ばないのでありますが、政策科学というものをやってきた人間でありまして、そういった意味では、まさにそういう政策分野に科学的な知見を取り入れていく、そういう科学的な知見を大事にしていくということに関しての意識に関しては委員にも負けないぐらいの気持ちを持っているものだというふうに私自身は思っているところでございます。
 そうした意味においても、TEEBの話も委員から環境省もかねてから指導もいただいているところと承知しておりますし、既に地球戦略企画室の方で着手も始めたようでありますが、このCOP10に向かいまして本格的にもっと取り組んでいくことを、私からも督促をし、努力をし、私も実践をしてまいりたいと思っております。
#180
○加藤修一君 それで、質問の意図は、TEEBについて国内版をどう策定するかという、そういう質問なんですけれども。それを是非やっていただきたいなと、そういう質問です。
#181
○国務大臣(小沢鋭仁君) まず、しっかり検討させていただきたいというふうに思います。委員の御意向を体しまして、できるだけその方向で頑張りたいと、こう思っております。
#182
○加藤修一君 二五%削減の関係で、環境省の説明の文書の中に、実は、非市場的便益って書いてあるんですね。市場の便益じゃなくて、非市場的便益。これは何ですかって聞いたら、生物多様性にかかわってくる便益であるという話だったんですよ。これは非常に難しいと思うけれども、ここに書いている以上は何らかのことをやるんですねという、そういう意味合いで私もとらえているものですから。ですから、そういうことも含めて、ちょっと重ねての質問でありますけれども、強くそういう策定を行うことについては是非やっていただきたいことを求めておきます。
 それで、次に、環境大臣、林野庁、国土交通省にお聞きしたいわけでありますけれども、今の話に関連して、森林の多面的機能、こういうことについても相当前から議論になっていて、日本の第一次産業、農林水産の多面的機能を考えると、百兆円に及ぶと、毎年。そういう計測の例があるんですけれども、これ森林のことを考えますと、どのぐらいの経済効果が見積もることできるんでしょう。
#183
○副大臣(郡司彰君) 加藤委員のお尋ねは、今一般的に言われておりますのは、平成十三年、日本学術会議において取りまとめた評価を指しているのかなというふうに思っておりまして、そこによりますれば、二酸化炭素の吸収が例えば一兆二千四百億でありますとか、あるいは表面の浸食防止が二十八兆二千六百億円等、あるいは表面の崩壊防止、これが八兆四千四百億円、洪水緩和が五兆五千七百億円、そして水資源の貯留でございますけれども八兆七千四百億円、そして水質の浄化では十二兆八千百億円でございまして、合計をいたしますと約七十兆円というふうに森林の機能としては評価を受けているものというふうに理解をしております。
#184
○加藤修一君 大変な額だと思いますね。それだけ大きな多面的な機能の効用があるということでありますけれども、これは生物多様性についてはどうでしょう、計測しているんですか。
#185
○副大臣(郡司彰君) 多面的機能という中には、今と違ったような表現で、例えば国土の保全でありますとか、大きく温暖化防止でありますとか、生態系に対するというような見方もございます。それらを学術会議の方では今のような形で表したということでございまして、特に多面的な機能ということに限ってその中での評価をしているというふうには伺っておりません。
#186
○加藤修一君 確かに御答弁のとおりだと思うんですね。生物多様性の関係についてはなかなか難しいということで、そこについては割愛したということなんでしょうか。
 そういうことから、やはり先ほど申し上げましたように、また重ねてのお願いということで、TEEBの国内版についてはしっかりと策定すべきであると。やはり、ここは、これからの日本にとってビジネス展開の件も当然あるわけで、環境という保全ということだけじゃないと思うんですね、もう十分御存じだと思いますけれども。ビジネスと絡めてどうするかというところについては、やっぱりEUベースになってはいけないので、国益ということもしっかりと考えてそういう生物多様性についても対応をしていかなければいけないなと、そんなふうに考えております。
 そこで、森林の関係について、これは保水力は全国で大体どのぐらいになるんですか。
#187
○副大臣(郡司彰君) これも加藤委員御存じのことであろうというふうに思っております。
 私ども民主党が緑のダム構想というものを二〇〇〇年の十一月に発表をしたわけでございますけれども、そこに挙げておりますのは、先ほどの日本学術会議のものを別な形で表した表現になっておりますけれども、我が国にあるおよそ二千六百のダムの総貯水量、二百二億トンでありますけれども、これに対して我が国の森林二千五百万ヘクタールの総貯水量は一千八百九十四億トンであるというような形で表しているというふうに思っております。
#188
○加藤修一君 これは、森林の保水能力が、皆さんのレポートを読むと九倍に相当するということなんですけれども、これどういうふうに意味を理解すればいいかということをずっと悩んでいるんですけれども。これで、私は、森林の保水能力というのは非常に大事なんで、森林をいかに整備するかというのは当然大事である、ですから、切捨て間伐というのはとんでもない、間伐はしっかり正攻法でやるべきだと思っていますし。ただ、森林が持っている保水能力もそれは当然ある、しかし、本当にこれだけで治水ができるかどうかということ、非常にこれは大事だと思うんですね。どういうふうにお考えですか。
#189
○副大臣(郡司彰君) これもまた御案内のとおり、御存じのとおりだというふうに思っておりまして、先ほど言っております森林の持つ機能の中には水源涵養機能というものがあるというふうに思っております。
 それは、土壌のすき間に言わば雨水をためる、そして一定の量を流出をさせるというような機能だろうというふうに思っておりまして、それが全体の森林の面積から割り出せば先ほどのような一千八百九十四億トンというような数字にはなるわけでございます。
 一方で、ダムの需要の面積というものとの相関関係等もございますけれども、しかし、それらを通じて申し上げれば、その能力というものを超える雨量についてすべて有効かということになれば、それは必ずしもそうではないということも、先ほどの平成十三年の学術会議の評価のところにも書いてあるというふうに理解をしております。しかしながら、その特別な雨量のことを除けば、森林の保水機能というのは、一定の限界はあるものの、洪水等の被害から地域住民を守るためには重要な有効な手段であるというふうにも理解をしております。
#190
○加藤修一君 有効な手段の一つだというふうに部分的には言えると思いますけれども、ただ、これは新聞に報道されていたわけですけれども、前原国土交通大臣が緑のダム構想、森の保水力を使う、これは私も、森の保水力を使うというのはこれは当然の話なんで、ただ、緑のダムだけで治水対策ができるかというと、先ほど学術会議の内容を紹介していただいたように、それだけでは無理であるということなんで、この記事の中にもこれは書いてありますけれども、豪雨の際、山には洪水を防ぐほどの保水能力はないなどと、こういう緑のダム構想についての疑問視があるという事実はやはり私は深く認識をしなければいけないと、そう思います。
 それから、先ほど地球シミュレータの話をしたときに、これは予測の話でありますので精査しなければいけないと思いますけれども、二〇五〇年近辺になると関東の領域でひでりが生じやすくなってきている予測なんですよね。だから、治水と同時に利水をどうするかということも十分やはり考えていかなければいけないということだと私は思います。
 森林が利水ができるかというと、決してそうではないわけですから、やはりそれに相当する利水の機能を持つ河川構築物を造らざるを得ないというところも私は考えなければいけないと。治水だけじゃないと、利水も当然考えていかなければいけないというふうに私は思っていますけれども、国土交通省、どうぞ。
#191
○大臣政務官(三日月大造君) 森林の持つ、若しくはそれも含めた治水、利水というものについての御指摘だったと思うんですが、一般的に山や森林には治水、保水能力を有しているものだと私たちは考えています。この能力に期待をし、この能力を高めるために、森林整備、林業再生を含めて、農林水産省、林野庁とも施策を充実させていくようにというのが前原大臣のお考えであり、方針です。
 科学的には、委員も御指摘のように、平成十三年十一月に発表されました日本学術会議の答申を基に私たちは、治水の面では森林に洪水緩和機能というものとそして土砂流出防止機能というこの二つの機能があるというふうに考えております。この洪水緩和機能というものについては、中小の洪水に対しては、この保水能力を生かしてピーク流量発生までの時間を遅らせることができるという面で効果を発揮できるものの、大洪水においては、川を流れる水も川に流れ込む水も飽和状態になるために顕著な効果は期待できないというふうにされております。ただ、土砂流出防止機能という面においては、これは、森林や樹木が根を生やし、その土砂をつかみ込むという意味において効果があるというふうに私たちは考えております。
 なお、利水の面からも森林や河川工作物というものをとらえるべきではないかということについては、私たちも全く認識を一にしておりまして、緑のダムというものを最大限生かしていこうという方針は持ちつつも、利水、治水の両面から様々な流域、治水、利水の在り方を考えていこうという方針で今検討作業を進めさせていただいております。
#192
○加藤修一君 それじゃ、林野庁にお聞きしますけれども。
 森林整備の補正の凍結の関係でありますけれども、菅副総理は非常に大事な話をしたと思うんですね。それはどういうことかというと、森林整備について、まさに路網を造れるかが日本の林業を再生する一つの大きな要素だと思っているというふうに、これは十一月九日の参議院の予算委員会でありますけれども、我が党の木庭委員に対して答えた内容であります。
 ただ、路網の整備や間伐を進めるための補正予算のいわゆる森林整備費二百四十六億円、これは凍結してしまったんですよ。私は、これは非常に重大な話で、是非、このものを元に戻せということはなかなか難しいと思いますけれども、どこかで対応できるような予算措置はすべきだと思っていますけれども、どうですか。
#193
○副大臣(郡司彰君) 御指摘をいただきましたように、森林整備事業、森林内の作業道、言わば路網を含めてでございますけれども、整備をしつつ間伐を進める事業として、森林吸収源目標の達成を図る上で重要な業務だというふうに私どもも理解をしております。
 今お尋ねのございました補正の関係でございますけれども、予算額七百九十億円というような二十一年度補正予算がございました。そのうち、間伐実施に向けた準備状況から見て年度内の執行が困難と見込まれる箇所の執行分については停止をしたということでございまして、先ほど御指摘があった二百四十六億円、うち間伐分が五十六億円含まれておりますけれども、二十一年分の計画をした分については執行を行う予定でございます。
 今後のことのお尋ねでございますけれども、私どもも菅副総理がおっしゃったような観点と同じような認識をいたしております。間違いなく次年度以降も路網の整備、作業道の整備、行いながら間伐等を適切に行っていくというふうに考えております。
#194
○加藤修一君 是非よろしく対応のほどお願いいたします。
 それでは、時間がございませんので、環境大臣と経済産業省にお願いしたいんですけれども、エコポイント制度、懸命に我々前政権においてもやってまいりました。これはもう延長をすべきである、更に対象のあれも増やすべきである、あるいは、これについても総括も含めて、当然やられるでしょうけれども、そういうことを含めて。さらに、経済産業省はエコ減税と補助金の関係、エコカーの補助金ですね。
 それぞれ、時間がございませんので手短にお願いいたします。
#195
○国務大臣(小沢鋭仁君) 午前中の質疑の中でも申し上げましたように、環境省としては、環境政策それから景気対策、両面あるわけでありますが、環境政策として極めて重要な政策だと、こう思っております。
 委員のおっしゃられる少し対象も拡大してという話も含めて、拡大をする、そして継続をする、ただし、やや使い勝手が悪いと、こういう点がありましたので、そこは大いに改善をする、この三つの方針を立てて臨んでまいりたいと思っております。
#196
○大臣政務官(高橋千秋君) エコカー減税と補助でございますけれども、これは景気対策と環境対策、両面でつくられたわけでありますけれども、効果という面で見ますと、九月、十月の新車の売上げを見ますと、前年比を上回っております。その意味で、景気対策という面では効果が当然あったというふうに思います。それからもう一つ、環境対策の面でいえば環境対応車、これに対応できる車につきましては、四月は四割ぐらいだったんですが、十月には七割ぐらいになっておりまして、こういう面でも効果があったというふうに考えております。
 その面で、私たちとすれば、税につきましては三年間の時限的減免措置として講じられているわけでございますけれども、これについても、今税調が行われておりますが、この中で論議をしていきたいというふうに思っておりますし、エコカー補助につきましては、経済産業省として六か月の延長を提案をさせていただいておりまして、これは追加の経済対策全体の中でこれから論議をさせていただきたいというふうに思っております。
#197
○加藤修一君 ありがとうございます。
 終わります。
#198
○市田忠義君 日本共産党の市田です。
 鳩山内閣が九〇年比で二五%CO2削減という中期目標を発表されました。我が党はこれらを歓迎するという立場であります。問題はそれをいかにして実現するかと、今日はその問題に絞ってお聞きします。
 さきの参議院本会議の代表質問で、私は二五%削減問題について鳩山総理にただしました。総理は、二五%の削減目標の達成のためにはあらゆる政策を総動員しなければならないと、そう答弁をされました。
 そこで、まず前政権、自公政権が公表した九〇年比八%削減の根拠になった試算、試みの計算についてですが、地球温暖化問題に関する閣僚委員会副大臣級検討チームが先月二十三日、既存のモデル分析の評価を専門家チームに依頼をされました。そのタスクフォースの中間取りまとめによりますと、依頼項目に対する対応という中で、分析の前提となるマクロフレームの設定は分析結果に大きな影響を与えることから、その設定根拠を明示し、妥当性をしっかりと検証することが重要であると、そう述べていますが、これについての大臣の認識を端的に。
#199
○国務大臣(小沢鋭仁君) モデル分析というのは、先ほど来議論もありますように、いろんな前提を置いて各方程式を組み立ててシミュレーションを行うと、こういうことでありますので、そういった意味では、その前提、どういう前提を置くか、条件を付けるか、これが大変重要な話だと思っております。
 ただ、我々もでき得る限り新しい政策、先ほど委員もおっしゃられました、鳩山総理が言うあらゆる手段を講じてという話をそのモデルの中に取り入れてやりたいと、こういう思いはあるわけでありますけれども、なかなか率直に申し上げて、現時点で温暖化対策税をどういう数値で入れるかとか、あるいはまた、あらゆる政策の中には排出量取引制度の創設と、こういう話も考えておるわけでありますが、そういったものをどういうふうに組み込むかというような話がなかなかできません。現状の中でそこを、いわゆる専門家の皆さん方にどこまでそういったことを組み込めるのかを議論をしていただいて、そして各研究機関に実際にコンピューターを回してもらっていると、そういう状況でございます。
 細かいところは私自身もすべて把握をできないわけでありますが、今日、座長の方から正式な報告を、これも中間報告の形になると思いますけれども、受けると、こういうことになっておりますので、そうなりましたら近いところで政府としてもその結果をしっかりと国民の皆さんに発表させていただきたいと、こう思っております。
#200
○市田忠義君 じゃ、依頼事項の既存のモデル分析の評価を行う観点として、マクロフレームの設定が不適切ではないかと、そう指摘されている前提条件の鉄鋼生産量、原発の発電量、輸送量、これは環境省で結構ですから、数字をお答えください。
#201
○大臣政務官(大谷信盛君) マクロフレームの数字、お伝え申し上げます。
 粗鋼生産量が一億二千万トン、原子力発電による発電電力量が四千三百四十五億キロワット時、そして旅客運送量が五千百九十億キロメートル、それから五千百六十億人キロメートル、自動車以外でございます。
 以上です。
#202
○市田忠義君 要するに、鉄の生産量は今より若干増える、二番目に原発は九基新設をする、それから三つ目に、自動車の輸送量は人口が減少する可能性が高いにもかかわらず減らない、逆に貨物は増えると、政府側からこういう三つの前提が付けられたと。このマクロフレームの設定について国立環境研究所の検討意見を読みますと、必ずしも適切ではない見通しがあった、そう述べて、マクロフレームの見直しを主張しています。前政権の検討過程では業界団体が示したデータをそのまま三条件として算定したわけですが、仮に鉄鋼生産二千万トン減らせばCO2は二%削減することができます。
 ですから、新政権で意欲的な二五%削減という方向を打ち出されたわけですから、それをやるためには前政権の試算を検証するともおっしゃっているわけで、この大前提を抜本的に見直すということから始める必要があると思いますが、大臣はそういうお考えはおありでしょうか。あるかないかで結構です。
#203
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今回の報告は中間的な話になると思いますので、それを受けながら、座長あるいは委員の皆さん方もいろんな思いを持っているようでありますので、必要であれば検討も加えていきたいと思っておりますが、現時点ではまだ決定をいたしておりません。
#204
○市田忠義君 必要であれば見直すということでいいわけですね。
 前の政権は、二五%削減すれば国民負担が三十六万増えると、率直に言って大騒ぎをしました。これについては午前中の議論で小沢大臣からも説明がありましたが、いわゆる二重計上までやって、可処分所得が二十二万減ると、光熱費が十四万増えて合計三十六万と。
 しかし、実はこの可処分所得が減るという二十二万の中には光熱費の増が含まれていた二重計上だというのは、これは、勝手にこの試算を使われた日本経済研究センターも我々の意図するところではないということを述べているわけですけれども、財界、産業界は二五%削減目標に対して国際競争力が損なわれるということなど様々な批判をやっていますが、私は、総排出量の八割、家庭が使う電力を電力会社の排出とすれば九割を占める産業部門の削減対策、ここに思い切って切り込まなかったら到底二五%削減は私、到達できないと思うんです。
 そこで、お聞きしたいんですけれども、前政権の産業部門の対策ケース、これはどこの主張、だれの主張に基づいて設定されたのか。これは大臣ではなくても結構です、分かる方、お答えください。
#205
○大臣政務官(大谷信盛君) 旧政権のことでございますが、電力の排出ケースについては独自に想定させていただいたと、鉄鋼部門の対策については業界団体による見通しを採用しての計算であったということで聞き及んでおります。
#206
○市田忠義君 要するに、業界のヒアリングで出されたと。国環研に私ども視察に行って意見交換した際にも、こう明言されていました。産業部門の対策ケースは産業界の主張をのんで設定されたものと説明されました。産業界は日本がエネルギー効率はトップレベルで最大限の対策技術になっていると主張しているけれども、本当にこれ以上の対策の余地はないんだろうかと。
 皆さんのお手元に資料をお配りしましたが、配付資料一の「各国のGDPおよび電力あたりのCO2排出量」を見ていただきたいんですけれども、これによりますと、GDP当たりの排出量は、購買力平価でEU二十七か国〇・三二、イギリス〇・二九と比較しても、日本は〇・三四、九〇年比の変化率、これ一けた台にとどまっています。また、二〇〇七年の日本の発電量当たりのCO2排出量が四百五十グラムですから、OECD加盟三十か国中で二十位であります。
 これまで産業界はエネルギー効率はトップレベルだと、乾いたタオルこれ以上絞ることはできないという主張をしてきましたけれども、この資料を見ていただいても、いかに日本の産業界がこの間削減努力を怠ってきたかというのは数字が明白に示していると。産業界には大幅な削減対策ができる余地は十分あるというふうに私たちは考えていますが、大臣の認識はどうでしょうか。要するに、産業界にまだまだ削減する余力はあるというふうに見ておられるのかどうか。
#207
○国務大臣(小沢鋭仁君) もちろんいろんなデータがあるわけでありまして、これも貴重なデータだと、こう思っておりますが、今の発電方式等々で考えていくと、私は日本のまさにエネルギー効率は極めて高いと、こう思っておるわけでありますが、ただ再生可能エネルギーとか、そういった話まで含めて考えれば、いろんなまだまだ改善の余地はあると、こうは思っておるところでございます。
#208
○市田忠義君 国際競争力が大変厳しい、大変だと主張している鉄鋼業界でも排ガス、あるいは排熱、廃スラグですね、まだまだエネルギー効率を上げて世界をリードできる余地があることはもう明らかであります。やはり私は、産業界言いなりのマクロフレームや産業部門の対策ケースでの温暖化対策では二五%削減を確実なものにはできないと。まだまだ十分な削減余地がある産業界に対する思い切った誘導策、規制策ができるかどうかが重要なポイントになっておると。
 決して私は産業界を敵視しているわけではなくて、まともな経済の発展のためにも産業界に、排出量の最も多い八割を占めるところにやはりきちんとした規制策を取らなかったら、大臣も以前、規制はかえって技術革新を生むと、あの自動車の排ガス規制のときに、日本がかえってそのことによってその産業が成長したということもどこかでおっしゃっていましたが、これは非常に大事だと思うんです。
 そこで、次に移りますけれども、総排出量の八割を占める産業部門への対策について、イギリスには気候変動協定という制度があります。この協定を締結している日本企業にはどういう企業があるか。自動車業界と半導体業界だけで結構ですから、大臣以外で結構ですから、お答えください。
#209
○大臣政務官(大谷信盛君) 社名のみをお答え申し上げます。
 自動車部門では、二〇〇九年十月一日現在においては英国ホンダ、英国日産自動車製造会社、英国トヨタでございます。半導体部門ですが、これは二〇〇九年九月一日現在では信越半導体ヨーロッパのみとなっております。
#210
○市田忠義君 日本の大企業もイギリスへ進出したらちゃんと政府とそういう削減協定を結んでいるわけですね。
 それから、ドイツを見てみましたら、二〇一〇年までに二一%削減するという自主目標による自主規制方式をこれまで取っていたと。しかし、なかなかうまくいかないというので環境団体、環境保護団体などからの様々な意見があって、二〇〇〇年に政府と十九の産業界との間で協定を結んだと。協定を結んで約束どおり削減した場合には環境税まけてやると、そういうインセンティブを働かせることまでやっています。
 それで、経産省にお聞きしたいんですけれども、経済産業省に地球温暖化対応のための経済的手法研究会という研究会があります。この研究会には、経済産業界からはどういう委員が参加しておられるでしょうか。
#211
○大臣政務官(高橋千秋君) お答えいたします。
 当研究会は昨年の三月に立ち上がっておるものでございますけれども、十二名で構成されておりまして、産業界からは、関澤秀哲社団法人日本鉄鋼連盟環境・エネルギー政策委員会委員長、それから椋田哲史社団法人日本経済団体連合会常務理事、森本宣久電気事業連合会副会長の計三人に参加していただいております。
#212
○市田忠義君 この研究会は昨年七月、ポスト京都における我が国の産業分野を中心とした対策についての中間報告を発表をしていますが、その中で公的な枠組みへの移行について提言していますが、どんな提言をしているか簡潔に述べてください。
#213
○大臣政務官(高橋千秋君) 多分報告書はお目通しをいただいているのかと思いますが、その中を読み上げさせていただきたいと思います。
 昨年七月に公表された同研究会の中間報告によりますと、ポスト京都においては、原単位改善はもちろん、総量管理を含め、現在の産業分野等の対策の大きな柱である自主行動計画制度のより公的な枠組み、これは協定等の法的措置等への移行の可能性についても検討をしていくことが必要であるとされております。
#214
○市田忠義君 今言われましたように、日本経団連などは盛んに二五%削減などやれば国際競争力は損なわれるということでこれに抵抗しているわけですけれども、ヨーロッパでは日本企業も参加をしているし、今読み上げられたように国内の研究会でも、産業界の代表が参加しているそういう研究会でも、公的削減協定の法的措置を提言しているわけですが。
 私、大臣にお聞きしたいのは、鳩山首相が二五%削減のためにはあらゆる政策を動員しなければならないと、このあらゆる政策の中には、他の様々な施策とともに、当然この削減協定、公的削減協定も入りますね。
#215
○国務大臣(小沢鋭仁君) それぞれの協定がどういったものか、すべてが同じではないと、こう思っておりますが、少なくとも経済界と国とコミュニケーションをしっかり取ってやっていかなければならないと、こういうふうには思っておりまして、さきの私と経済界、それは経団連、日商あるいはまた同友会等々の皆さんたちでありますが、そういう議論は行っているところでございます。
 具体的にどういう協定までと、こういう話は今のところはございませんが、とにかくそこは経済界の皆さんにも協力をいただかなければやってまいれないと、こう思っております。
#216
○市田忠義君 このあらゆる政策の中に削減協定、政府と産業界との削減協定も入るのか入らないのか、そこまで言えなかったら、少なくともあらゆる政策の中の一つとして検討対象とはすると、そこまでは大臣、言えますよね。
#217
○国務大臣(小沢鋭仁君) 義務的な話まで含めてどういったことができるかということは一概に言えませんけれども、とにかく各経済界の皆さんたちとよくコミュニケーションを取って協議はしてまいりたいと、こう思っております。
#218
○市田忠義君 検討対象になるとまではおっしゃいませんでしたけれども、慎重でしたけれども、やっぱり日本経団連の自主行動計画任せにしてきたことがこれまで削減目標がなかなか達成できずに逆に増えたということをもたらしてきたわけですから、私は是非とも、公的削減協定を中核に位置付けて、もちろんそれだけではありません、それを補完するものとしての国内排出取引制度だとか固定価格買取り制度の導入、環境税などを実施すべきだと思いますが、やはりここでも総排出量の八割を占める産業界に対して二五%削減を確実にする担保措置に踏み込めるかどうかと、ここが重要なポイントだということを強調しておきたいと思います。
 次に、COP15に向けた一三年以降の国際的な枠組みづくりについてであります。
 鳩山首相は所信表明演説で、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意を前提として、二五%削減の目標を掲げると、こうおっしゃいました。日本経団連のポスト京都議定書における我が国の中期目標に関する意見書、これ今年の五月十二日ですが、これを見ますとこういう文言があります。ポスト京都議定書の国際的枠組みについては、すべての主要排出国が参加する公平で実効ある国際的枠組みが不可欠、こうあります。これ、どこが違うんでしょうか。鳩山首相が本会議で言われたことと日本経団連のこの文言とはどこが違うのか。一緒なのか。
#219
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今一回だけ読んでいただきましたので、ちょっと分かりづらかったんですが、ほとんど変わらないかなと、こうは思って聞いておりましたが、ちょっと済みません、全部は掌握できませんでした。
#220
○市田忠義君 時間がないので繰り返すことはやめますが、要するに公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意、要するにこの前提条件を付けて二五%削減ということを鳩山首相はおっしゃった。これは日本経団連の言っていることと違うのかどうかということを聞きたかったんです。経団連も同じような文言を言っているので。
 かつ、麻生前総理が、麻生政権の削減目標、中期目標を提起したときの記者会見でこうおっしゃっているんです。温室効果ガス削減の中期目標について、主要排出国が参加しなければならない、国際的な公平さが大変重要、実効性のある国際的枠組みをと表明したと。
 私は、鳩山さんがおっしゃったことと日本経団連がおっしゃったこととこの麻生前首相がおっしゃった中身がほとんど変わらないんじゃないかという感じがするんです。もっと端的に言いますと、他の国が積極的な目標を掲げない場合、二五%を下げるということもあるのかと。そんなことはあってはならないと。他の国がどうあろうと、日本が積極的にリーダーシップを発揮して二五%削減目標を掲げたことに国連総会でも拍手が起こったわけで、そういうときに、他国がそうでない場合は下げることもあり得るよというのでは、単なるアドバルーンであって、何だと、鳩山政権はそんなものかと、逆に、今支持率高いのに落ちていくことになるじゃないかと、そういうことが聞きたかったんですが、その点についてはどうでしょう。
#221
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員のとにかく温暖化防止のために頑張れと、こういうある意味ではお気持ちがベースにあっての御質問だと、こう思っておりますので、大変有り難い激励だと、こういうふうに思っております。
 結論から申し上げますと、現時点で、例えば他の主要排出国、特に米国とか中国とかですね、そういった国が入らない場合にどうするかということは、政府としては今決めておりません。現時点では決めておりません。表明もしておりません。
 しかし、国連で拍手が起きたときの鳩山演説には、そうはいっても先ほど言ったような前提をしっかりと申し上げた上で拍手は起きていたわけでありまして、そういった意味では、その前提は前提として世界にしっかりと発信をしてあると、こういう前提であります。
 問題は、国際交渉でございますので、そういった意味で、委員がおっしゃるように、世界をリードして入るように努力すべきだという話はまさにそのとおりでございまして、そうしたいと、こう思って今努力をしている過程の中で、例えば日本がもしそうでなければやらないんだという話が効果的であれば幾らでも使っていきたいとも思いますが、しかし同時に、やっぱり、何だそうかと、こういう話も片方ではあるのかもしれませんし、そういった意味では、今、鳩山内閣としてはその結論は出していないと、こういうふうに申し上げているところでございます。
#222
○市田忠義君 ちょっと歯切れが悪かったようですが。効果があるかないか、私は引き下げれば効果がないと、せっかく積極的な目標を提起されたのに、ということを申し上げておきたいと思います。
 お配りしている資料二を御覧いただきたいんですけれども、EU行政府・欧州委員会の環境担当のデマイス委員が十月中旬にこれ公表したものですが、この試算によりますと、日米欧などが表明している温室効果ガスの二〇二〇年までの中期削減目標を合わせた先進国全体の削減幅は九〇年比で最大一六・五%にとどまると。最善のシナリオで国際合意が成立しない場合、先進国全体の削減幅は九%に低下するという試算をしています。これではとても途上国が納得できて先進国の歴史的な責任を果たす削減目標とは言えないと思うんですが、大臣、この数字御覧になっていかがでしょう。
#223
○国務大臣(小沢鋭仁君) 確かにまだまだ十分ではない数字だと、こういうふうには思っておりまして、今我々も各国に対してしっかりとした削減目標を作っていただくようにと、例えば二国間の協議の場等でも申し上げているところでございまして、でき得る限りこの数字が高くなるように努力をしてまいりたいと思います。
#224
○市田忠義君 ASEANの十か国首脳が十月二十三日の声明で、先進国が排出を続けてきた歴史的責任や先進国の経済力などに言及をして、大きな削減目標を持つように求めています。
 そこで、環境省にお聞きしたいんですが、さきの日米首脳会談での気候変動交渉に関する日米共同メッセージでは、二〇五〇年までに自らの排出量を八〇%削減することを目指すと、そうしていますが、二〇二〇年までの中期目標は合意されませんでした。オバマ大統領が十一月十四日東京で行った外交演説では、中期削減目標についてはどのように述べられたでしょうか。
#225
○大臣政務官(大谷信盛君) 日本語で訳文を読まさせていただきます。
 多岐にわたりましたけれども、そこの部分だけつまみ出すと、私の国と同じく主要な排出国になってきた国々は明確な削減目標を定めなければなりませんという言及でございました。
#226
○市田忠義君 そのとおりですが、小沢大臣は、十一月たしか十日の記者会見だったと思いますが、米国についてはそれなりの数字が提示されるという話が重要だ、要は米国も数字を挙げた議論に入ってもらわないと途上国の皆さんは納得ができないということですと、こう明言されています。
 さきのバルセロナの特別作業部会の会見でデブア事務局長は、アメリカ政府が数値目標を出さない限りCOP15での交渉打開はおぼつかないと、そう述べておられます。今一三年以降の国際的枠組みで合意するためには、共通だが差異ある責任の原則に立って、途上国に削減義務を課すことを前提とするんじゃなくて、先進国自らが科学的な要請にこたえた目標を掲げるということが私、大事だと思うんです。
 ですから、新政権は、二五%削減目標の旗を降ろすことなく、アメリカ政府に対して科学的な要請に基づいた数値目標の表明を求めるなど、先進国日本としての責任と役割を果たすべきときではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか、改めて。
#227
○国務大臣(小沢鋭仁君) 環境大臣としては、私は常にとにかく二五%削減の旗は降ろさないと、こう言っているんです。しかし、政府としてそれは決めている話ではありませんと、こう申し上げておりまして、そういった意味では、今委員がおっしゃられた地球環境を守るために最大限努力をしてまいりたいと、この思いは申し上げておきたいと思います。
 それで、あと米国に関してでありますけれども、オバマ大統領がこういう発言もしていただいておりますし、かなり対応が違ってきているなというふうに実感をしております。これは冒頭のプレCOPの報告をしたときにも申し上げたとおりであります。
 問題は議会でありまして、議会の方ではまだ最終的な結論に至っていないと、こういう状況の中で、かつての京都のときのように、ゴア副大統領が来て、最終的にはいろんな提案をされて話は決めたと。しかし、戻ったら議会が反対をして、結局その議定書の中から米国が出ていってしまったという話の反省も持ちながら私どもは対応していかなければいけないと、こう思っているところでありまして、大事なことは、米国、中国、そういった主要排出国がしっかりとそのグループの中に入ってもらうこと。中国と米国は立場は違いますけれども、そういう主要排出国が入る形での取決めにならなければならないと、こう思って努力をしております。
#228
○市田忠義君 時間が来たから終わりますが、やっぱり法的な拘束力がある国際的合意ができるかどうかというのは、先進国、特にアメリカが科学的な要請に基づく明確な数値目標を表明するかどうかというのがやっぱり最大のポイントになっていますし、これまでの日本の政権がやってきたような、率直に言って産業界言いなり、アメリカ協調に終始したそういう姿勢を新政権はやっぱり根本的に転換をして、先ほどCOP3の話がありましたけれども、私は京都出身でもあるので、あのときにはまだ京都の共産党の責任者をしておりましたが、たしかあの会議は土壇場で各国首脳が一致して法的拘束力のある京都議定書を、最後までもめましたけれども、採択しました。
 やっぱり各国首脳がCOP15でも最後まで最大限の努力を払って、特に小沢大臣が最後まであきらめないで一三年以降の国際的枠組みが合意できるように奮闘されることを期待して、時間になりましたので終わります。
#229
○川田龍平君 まずは大臣、時間がたってしまいましたが、大臣、三役の皆さん、おめでとうございます。国会での議論を重視していただいて、是非これから責任ある環境行政を行っていただきたいと思います。
 順番を少しちょっと変えてしまったんですが、先に上関祝島エリアの環境保全についてまずお伺いしたいと思います。
 現在、中国電力が山口県熊毛郡の上関町田ノ浦に、上関原発の建設予定地に工事を進めております。この中国電力が行ったカンムリウミスズメ継続調査結果では、本種の生態に未解明な部分が多いことや重要性や希少性にかんがみて引き続き情報の収集を図ることが望ましいという専門家の見解が示されています。中国電力は、この調査結果を踏まえて工事を進めていますが、山を爆破しながら進める工事を継続しながらこのカンムリウミスズメの生態を調査することが可能なのでしょうか。まず副大臣にお伺いします。
#230
○副大臣(田島一成君) 実際に、調査の在り方につきましてはいろいろな知見であるとか、また技術的な問題があろうかというふうに思っております。
 私どもは、元々今回のこの上関原発についての環境影響評価につきましては、もう既にアセス法に基づいた環境影響評価が終了しておりますので、現在アセス法に基づいた対応というのは困難な状況にございますけれども、ただもう既に電気事業を指導する立場にあります経産省、またアセス法に基づいて事後調査等を行う監督も行っている山口県に対しまして、十分に環境配慮が確保されるように適切な対応をしてくれということを環境省の方からも申し上げているところでもございます。
#231
○川田龍平君 改めて問いたいと思うんですが、中国電力の調査について、工事に伴う爆音やその騒音の中でも環境省は調査ができるとお考えでしょうか。
#232
○副大臣(田島一成君) この事業につきましては、事業者の方がそれこそ工事中、また供用後の環境監視を行っている段階でございます。今御指摘をいただきました工事の爆音であるとか、またいわゆるその工事の進捗に伴う様々な影響等々、懸念される部分については御指摘いただいていることも問題視しなければならない課題だというふうに思っております。今後、この現場の状況をよく承知している山口県の環境部局であるとか、また実際に中国電力自体が事業者として環境監視を行っている現状等々をしっかりと見守っていくことが私どもの使命だというふうに思っておりますので、今後、取組を進めていきたいと思います。
#233
○川田龍平君 国の天然記念物に指定され、絶滅危惧U類の海鳥であるカンムリウミスズメ、またスナメリやナメクジウオなど希少な生物に恵まれた環境の保全について改めて環境省が調査するべきと考えますが、いかがでしょうか。
#234
○副大臣(田島一成君) この事業自体は、それこそ上関原発の関係で先ほど申し上げたとおり、環境影響評価自体は終了しているところでありますけれども、今御指摘いただいておりますカンムリウミスズメなどのいわゆる絶滅危惧種等々の生息状況等については、地元の山口県の方からも話をしっかりと聞かせていただきながら、その動向を見た上で判断をしていくことが適切ではないかというふうに思っております。
 今後、この環境影響評価法の在り方等につきましては、私どもも、こうしたいろいろな問題等がございますので、中環審の専門委員会を設置させていただいて、現在、この十年後のちょうど見直しの検討に入らせていただいているところでございます。今後、環境の状況についての調査の在り方についても併せて検討をさせていただきたいと思っております。
#235
○川田龍平君 今月十七日に地域主権戦略会議が内閣府に設置されました。地域のことは地域に住む住民が決めることができるという方針を打ち出していますが、この上関の町長も中国電力の進め方を問題視する旨の発言もされています。十分に住民の意思を反映するべき話合いを持つべきであり、工事を強行するべきではないと考えますが、大臣の見解をお願いいたします。
#236
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今副大臣が御答弁をしたように、状況をしっかりと把握をして、その上でまた判断をしてまいりたいと、こう思っておりますが、中国電力に対しましては、我々が生息状況調査について様々な環境省が助言をしていくこともできると、こういうこともあるわけでございますので、そんな対応をしてまいりたいと思っております。
   〔委員長退席、理事神取忍君着席〕
#237
○川田龍平君 工事の強行というのは問題ないというお考えでしょうか。副大臣でもどちらでも構いません。
#238
○副大臣(田島一成君) この点につきましては、環境省という立場からはなかなか答えにくい点でございます。
 改めて、中国電力、そしてまた経産省、また山口県等々ともその状況の実態を把握するように努めさせていただきたいと思います。
#239
○川田龍平君 工事を強行すれば、やはり生物の多様性というのは守れなくなってしまいます。やはりこれは是非、田島副大臣にも、大臣にも、これは議員のときから関心がおありだと思います。質問の中でも真摯な取組を是非環境省に求めますということを田島議員時代におっしゃっておられましたので、是非それを環境省の中で行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
   〔理事神取忍君退席、委員長着席〕
#240
○副大臣(田島一成君) 御指摘のとおりでございます。
 私自身も、今様々な政策課題を抱えさせていただき、なかなか現地を訪れる等々の時間が割けないことも大変切歯扼腕しているところでございますが、御指摘いただいたとおり、この現法体系の下での環境省として取り組める限界というものもつぶさに今壁にぶち当たっているところでもございますので、私どもは、この環境影響評価法の在り方、それから問題点等々をしっかりと検証させていただきながら、この十年後の見直しという節目に、今後、環境省としてこうした自然環境の保護、また生物多様性の保全といった観点がしっかりとチェックできるような、そういった法律を作っていくことを一方でやらせていただきながら、情報収集に現段階では前向きに取り組んでいきたいというふうに思っておるところです。
#241
○川田龍平君 是非現地へ行っていただくなど、本当に大変なところだと思いますが、是非真摯な取組を続けていただきたいと思います。
 さて、大臣は、九州電力の川内原発の増設計画について、原発推進を明記した初の大臣のアセス意見書を出され、記者会見では原発の安全性を同時に確保しなければならないとも述べておられます。長期的な視点から原発活用の是非に踏み込むのであれば、放射能汚染や放射性廃棄物などの問題も踏まえた発言だと考えますが、放射能汚染などの問題に対する大臣の見解をお伺いいたします。
#242
○国務大臣(小沢鋭仁君) 川内原発に関しては、私もいろいろ考えた末に一つの結論をああいった形で出させていただきました。
 今委員がおっしゃっていただいたように、いわゆる安全性の確保は大前提と、こういう話でありますけれども、片や地球温暖化という問題を考えますと、やはり原子力発電の技術もこれは不可欠と、こう判断をさせていただいたところでございます。先ほどの議論の中にもありましたように、まだまだいわゆる電力事業、努力をする余地があるということの中の一つとしても、原子力というものもあるわけでございまして、そういった判断になったと、こういうことでございます。
 安全性の確保の具体的な中身に関しては、これは私どもの立場を離れて経済産業省の所管でございますので、私もそこはそんな個々細かく、一つ一つの具体のところまで申し上げる能力がないわけでありますが、そこは内閣としてしっかりと、全体として責任を持てるように努力をしてまいりたいと思っております。
#243
○川田龍平君 それでは、プルサーマル計画についてはどう考えておりますでしょうか、大臣の意見をお聞かせください。
#244
○国務大臣(小沢鋭仁君) これも環境省外の問題でございますので差し控えさせていただきたいと、こういうふうに思っておりますが、少なくとも安全性の確保は大前提だと、こういうことに変わりはございません。
#245
○川田龍平君 前政権と変わらずということになると、せっかく政権交代して、やはり是非、原子力計画ですとかこのプルサーマル計画についても、実はこれは原子力発電所における放射能というのは閉じ込めるという考え方でありましたけれども、これがこのプルサーマル計画における六ケ所の再処理工場などにおきましては、トリチウムとかクリプトンといった放射性廃棄物を出し続ける施設になってきてしまいます。
 これはさきのニュースでも、福島の第二原発の一号機や柏崎刈羽原発の一号機で、配管の間違った接続によって放射性物質が二十七年間も漏れ続けていたというニュースも出ています。本当に今まででしたらこういった放射性廃棄物の排出の問題というのは経済産業省のそういった所管であったり安全委員会の所管ということになってしまうんですが、しかし、やはり環境省が環境基本法というものをしっかりと持って当たっていただいて、原子力基本法との関係について、やはり原子力基本法よりも後にできた環境基本法というものでもってしっかりと放射性物質についてのこういった取締りといったものについて是非環境省がこれから、これからの環境省として是非示していただきたいと思いますが、環境省として是非そういった決意をいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#246
○国務大臣(小沢鋭仁君) 環境基本法そのものは、当然放射性物質による環境汚染についても適用されるものだと、こういうふうに思っておりますが、個々の事例、個々の法令については、私どもの残念ながら所管を越えるものということで、発言は控えさせていただきたいと思っております。
#247
○川田龍平君 是非、放射性廃棄物の問題なども、さきの国会でも何度か質問をさせていただきましたが、やはり省庁の縦割りによってそこがうまく、廃棄物が処理されていない問題というのが今も継続しています。是非、そういったことについても長期的な視点でやはり考えていただける政権として頑張っていただきたいと思います。
 それから、次に水俣病の問題に移らせていただきます。国として、この水俣病の問題、国に問題を解決するやはり責任があると私は考えています。
 鳩山総理の所信演説では、人の命を大切にし、国民の生活を守る政治ということも言われています。環境行政においても同じだと思いますが、とりわけ水俣病にかかわる問題について、これは前大臣にもお聞きしたんですが、救済と補償についての違いです。
 そもそも、救済という言葉は、国の責任はないけれども道義的な責任から救うというのが救済ということであり、本来は救済ではなく水俣病に関しても補償という言葉を使うべきだと考えますが、国としての姿勢、国の責任をしっかりと認識すべきだと考えますが、大臣の見解をいただきます。副大臣でも結構です。
#248
○副大臣(田島一成君) 関西訴訟最高裁判決も併せてお答えをさせていただきたいと思っておりますけれども、平成十六年のこの関西訴訟最高裁判決におきましては、国及び熊本県が長期間にわたって適切な対応をすることができずに水俣病の被害の拡大を防ぐことができなかった、そのことについて責任が認められたところでもございます。
 今年の七月八日に成立をいたしました水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法は、このような国の責任を指摘した上で、最高裁判決を機に新たな水俣病をめぐって多くの方々が救済を求めるというこの事態の解決を図ろうとしているものというふうに承知をしております。
 省といたしましても、こうした事実を厳粛に受け止めて、被害者団体であるとか関係者との協議を行って、特措法に基づいて、できる限り早期に水俣病被害者を救済し、水俣病問題の解決を図ってまいりたいと考えているところでもございます。
#249
○川田龍平君 救済法もできましたけれども、実際のところ、この水俣病の被害者救済としては、公健法に基づく認定、補償給付という仕組みがあります。この制度の趣旨は、公害健康被害は因果関係の立証が困難で、裁判では判決までに長期間を要することから、汚染者負担などを前提とした民事責任を踏まえつつ、行政が間に立って公害健康被害者を迅速かつ公正に保護することが目的としてありました。
 ところが、水俣病認定に係る実態を見ると、五十二年判断条件という厳しい基準によって多くの被害者が認定申請を棄却され、また申請から結論が出るまで長期間を要するなど、本来の趣旨にそぐわない運用がなされてきました。この結果、救済を求める被害者たちは、逆に長期間の裁判に訴える道を選択せざるを得なくなっていました。
 国はこの五十二年の判断条件というものを固執する余りに、結果として公健法に基づく救済制度を機能不全に陥らせたということに対する責任が国にあるのではないでしょうか。それについてはいかがでしょうか。
#250
○副大臣(田島一成君) この関西訴訟の最高裁判決、そしてその基となりました大阪高裁の判決では、この五十二年判断条件につきまして、補償法における認定要件を設定したものと理解すべきであろうというふうにしております。公健法の認定基準としてのこの五十二年判断条件は、水俣病の認定、補償給付の基準として見直す必要はないものと考えております。
 ただ、特措法では、公健法に基づく判断条件を満たさないものの救済を必要とする方々を水俣病被害者として受け止め、その救済を図ることとするとされておりますので、その実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。
#251
○川田龍平君 しかし、この補償協定というのは、成立時期や補償金額からして、極めて軽微で不全型の水俣病の認定は想定しておらず、そのためこの五十二年の判断条件は、補償協定の高額な補償金を受給するに適する水俣病患者を選別するための基準となってしまっています。その後、水俣病の病像が極めて広範囲なものであることが明らかになっているにもかかわらず、比較的軽い症状を有する人が認定申請を棄却されて混乱が生じてきたという歴史があります。
 そうすることで、この公健法の認定制度を五十二年判断条件から解き放って、もう一度本来の趣旨に沿った迅速かつ公正な制度としてこの制度をしていくべきだと考えますが、それについてはいかがですか。
#252
○副大臣(田島一成君) 御指摘のとおり、この五十二年の判断条件というものは、それこそ患者群のうち補償金額を受領するに適する症状のボーダーラインを定めたものだというふうに考えるべきだと考えます。
 今もう一度この五十二年判断条件を見直すというよりも、今回のこの特措法に基づいた形での被害者を救済していくという考え方で受け止めて、それに全力で当たっていくことの方が現段階、今課せられた我々としての急ぐべき使命ではないかというふうに考えているところでございます。
#253
○川田龍平君 それでは次に、この関西訴訟で勝訴後に公健法に基づく認定を受けた患者に対して、チッソが補償協定に基づく一時金の支払を拒否しています。このチッソは一判決に基づく損害賠償で解決済みとしており、環境省も同様の立場とされていますが、これに対する副大臣の認識とその根拠を伺いたいと思います。
#254
○副大臣(田島一成君) 一般論といたしましては、この裁判の損害賠償認容額は、この損害を全損てん補しているものと考えております。環境省といたしましては、最高裁による判決でもあり、まずはこれを尊重していくものと考えております。現在、お一人の方がチッソを相手に裁判を起こされ、係争中となっているところでもございまして、この推移を見守っていきたいと考えております。
#255
○川田龍平君 この損害賠償を求める裁判とこの補償協定に基づく補償は別個の紛争と見るべきで、この片方が決着したからといってすべて解決したというこのチッソの主張というのは通らないという専門家の意見もありますが、この点について、また、制度の趣旨どおりに迅速かつ公正に公健法に基づく認定が行われていれば裁判に訴える必要もなかったわけで、このような事態も生じなかったということです。
 こういうことの、この制度の運用のまずさから生じた事態が、今の不利益を受けている被害者に対して、実はこのチッソに働きかけを行うということは、国としてのやっぱり何らかの対応が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#256
○副大臣(田島一成君) 御指摘のようなお考え、また、問題提起をされていらっしゃるお話も聞き及んでいるところでもございます。ただ、現在のこの裁判の状態は、お一人の方と、そして相手がチッソという、民民の関係でもございまして、環境省という立場から申し上げますと、この介入のようにも取られかねない部分でもありますので、現在はこの係争中であるその成り行きを見守らせていただきたいというのが私どもの考えでございます。
#257
○川田龍平君 是非、国としてでき得ることをやっぱりやっていただきたいと考えます。
 九月二十日及び二十一日の二日間、この被害者団体や医師らが不知火海沿岸で住民健康調査を実施して、千五十一人が受診をされました。データ集計を承諾した九百七十四人のうち、四肢末梢優位の感覚障害が七百七十一人、全身性感覚障害が二百四十七人に見られ、これらも含めた水俣病の症状が確認されたのは九百四人、これは全体の九三%に当たります。受診した方の実は約九割は認定やこの救済措置の申請をしたことがない方たちだったとされており、こうした、現在救済を求める人以外に相当数の潜在的被害者が生まれている可能性があることを示しています。
 住民健康調査には環境省から特殊疾病対策室長が立ち会ったと聞いていますが、調査の結果についてどのように評価、認識しておりますでしょうか。
#258
○副大臣(田島一成君) 今御指摘いただきましたこの不知火海沿岸の住民検診につきましては、この検診の実行委員会の方から要請をいただいて、九月の二十日、二十一日と現地に赴きまして、この検診の在り方について見て学んでくるという趣旨で当省の環境保健部から特殊疾病対策室長が派遣されたという状況にございます。室長からも報告を受けておりますけれども、個々の医師が行っているこの検診時間の取り方であるとか、また検診医師に対する指導の在り方、また住民への広報の在り方など参考になったという話を報告として聞かせていただいているところでもございます。
 この調査結果の報告、また評価につきましては、今後データの集積とか解析が引き続き行われるというふうに仄聞をしており、より詳細なものというものを今後取りまとめて、関連する医学会等に発表なさるというような情報も聞き及んでいるところでございます。こうした学会等での評価というものを見守って、それをまた受け止めさせていただければというふうに思っております。
#259
○川田龍平君 今回のこの調査結果というのはまだ学会には報告していないということですが、調査の必要性を改めて私は示したものだと思います。
 私は、こうした健康調査を本来、国が中心となって行うべきだと考えておりますが、この住民の健康調査についてやはり国として行うべきだと考えますが、いかがですか。
#260
○副大臣(田島一成君) 午前中の松野委員の質問にもお答えをさせていただいたところでございますけれども、特措法の第三十七条に、政府は地域に居住していた者の健康に係る調査研究等を行うことというふうにされております。この地域住民の健康調査については、まず多くの皆さんが救済を求めていただいているというこの状況をかんがみて、救済すべき方々を早期に救済していきたいという観点から、まずはこの救済措置の方針を早急に定めまして救済の実現を図ることが重要だというふうにまず考えております。
 その上で、この第三十七条三項に規定されております、調査研究の実施のためのまずは効果的な疫学調査等の手法の開発を図っていきたい、そのような段取りで進めていきたいと思っております。
#261
○川田龍平君 今この図をここに資料として示しますが、(資料提示)これは今の水俣の状況で、特に医療のそういう保健手帳の配付地域と、それから公健法の地域指定、それからその医療のそういった地域と、全然できた地域がばらばらでという話が先ほど松野議員からもされました。本当にこれを見ますと、この龍ケ岳町、龍ケ岳の方では結局四人の人が出ているんですが、そういう四人の人が出た地域が黄色くなっているところで、これは字単位でこういった制度がつくられたところです。そして、市町村単位で、水俣、津奈木、そして芦北、旧出水市というところで、こういったところではこの公健法の地域指定という形でできていますが、沿岸地域が青で、そしてまたこの山間部については黄色でということで、水俣市であっても二つに分かれています。そうした地域によって分かれているわけですが、またこの上の大矢野町についても、これは認定の患者が出ているところですけれども、全くそういった制度としての仕組みが整っていません。本当にこういったまま、この次の救済策をつくっていくというときに、本当にこういった全体のやっぱりすべての人が、ここの地域の人たちにどういった人たちがいるのかということの調査が前提とならなければ、実は本当にこの問題というのは解決していかないというふうに考えています。
 特にこの健康調査を受けた人たちの中から、実は今までにこの認定も救済措置も申請をしたことがないという人たちの中には、これまで区域外だから申請しなかったとか、差別があってなかなか言い出せなかったと、初めて受診した人たちの多くが語ったそういった言葉が、この線引きがいかに被害者を潜在化させるか、そしてまた、いまだに名のり出れない人たちが相当数いるということを示していると思います。これについて、環境副大臣、いかがでしょうか。
#262
○副大臣(田島一成君) 御指摘いただいているとおり、私どもも、今回この被害者救済に当たって現地へお邪魔をし、その生の声を聞かせていただき、初めて気付いたことも幾つかございました。今までの指定されている地域、また年次によっては入っているところ、入っていないところ、同じ自治体の中であっても、また中には同じ家族であっても認定を受けている方と受けていない方というような、非常に理解し難いそういう結論が出てきたことも聞かせていただき、私自身、この問題の奥の深さと長い歴史の経緯を大変嘆かわしくも思ってきたところでもあります。
 ただ、こうしたこれまでの経緯について私自身がまだ十分に調べ上げられていないという問題は事実としてございますけれども、今回の救済法ではやはりどのような、この地域指定云々を別にしてでも多くの方々をやはり救済していく、実際にこの水俣病の被害者の皆さんを救っていくというものが今回のこの特措法に基づいた私どもに課せられた大きな使命だというふうに考えております。
 そのような視点に立ちまして、今日わざわざこうして地図まで御用意をいただきましたが、こうした様々な指定されていない地域の方々の中の確からしさというものもしっかりと検証させていただき、救済すべき方々をしっかりと救っていく、その前提に立って今後当たっていきたいと考えております。
#263
○川田龍平君 是非この地図上のこういった線引きと、それからこの六九年、この時期についての線引きも、これは先ほど質問の中でも、衆議院の質問の中でも発言、答弁されていますが、是非六九年以降の被害についても検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
#264
○副大臣(田島一成君) 六九年という一つの区切りは、それこそ特措法を、特措法案の議論の過程の中ででも民主党の法案の中から除外をしてきたところでございますが、現に今回ヒアリングをさせていただいた団体の中からででも、この六九年以降の患者さんがいらっしゃるという、そういう申入れといいますか要望もあったところでもございます。
 私どもも、六九年度以降はないという前提に立ち、中環審でしたかな、の答申もありましたので、そういったことを前提にして今日まで考えておったところでございますけれども、もう一度今後、あっ、ごめんなさい、中央公害対策審議会ですね、の答申を受けての今回、六九年以降は除外をするという形で進めてきておりましたけれども、もう一度そこのところは、本当にいいのかどうかという点は、衆議院の方でも御答弁させていただきましたけれども、検討をしなければならないかもしれないと思っております。
#265
○川田龍平君 最後になりますが、これはもうずっと前の小池大臣の時代に大臣の私的懇談会として設置された水俣問題懇談会が提言というものをまとめたときに、このフォローアップを行うように大臣に求め、大臣も了解されたこのフォローアップの年が今年です。是非、問題解決に向けてフォローアップを行うための懇談会の設置をすべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#266
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今おっしゃられた懇談会の提言では、いのちの安全調査委員会の設置、新たな救済・補償の恒久的な枠組みづくり、環境・福祉先進モデル地域の構築等、多岐にわたる提案がなされたものと承知をしております。
 これらの提案に対しまして、既に平成十八年度からの水俣病発生地域の医療、福祉やもやい直しの取組、平成二十年の水俣市の環境モデル都市への指定、本年九月の安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現を目指す消費者庁の発足等によってその多くが達成されつつあるところと承知をしておりますが、私自身もう一度見直してみたいと思っております。
#267
○川田龍平君 ありがとうございます。じゃ、フォローアップをしていただけるということで是非よろしくお願いします。
 もう一度お願いします。
#268
○国務大臣(小沢鋭仁君) 環境省としては、私としてはもう一回それをフォローアップさせていただいて、そして各取組の充実に努力をしてまいりたいということにさせていただきたいと思います。
#269
○川田龍平君 ありがとうございました。
 終わります。
#270
○委員長(山谷えり子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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