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2009/11/17 第173回国会 参議院 参議院会議録情報 第173回国会 文教科学委員会 第2号
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2009/11/17 第173回国会 参議院

参議院会議録情報 第173回国会 文教科学委員会 第2号

#1
第173回国会 文教科学委員会 第2号
平成二十一年十一月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         水落 敏栄君
    理 事
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                橋本 聖子君
                義家 弘介君
    委 員
                大島九州男君
                加藤 敏幸君
                神本美恵子君
                亀井 郁夫君
                鈴木  寛君
                谷岡 郁子君
                藤谷 光信君
                横峯 良郎君
               北川イッセイ君
                中曽根弘文君
                吉村剛太郎君
                浮島とも子君
                山下 栄一君
   国務大臣
       文部科学大臣   川端 達夫君
   副大臣
       文部科学副大臣  中川 正春君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       高井 美穂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡井 敏雄君
   政府参考人
       文部科学省生涯
       学習政策局長   板東久美子君
       文部科学省初等
       中等教育局長   金森 越哉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (今後の教育改革の方針に関する件)
 (スポーツ基本法制定の必要性に関する件)
 (中央教育委員会設置構想の趣旨に関する件)
 (徳育の重要性と心のノート活用に関する件)
 (高校における職業教育の現状と展望に関する
 件)
 (教員免許更新制の見直しに関する件)
 (高校の実質無償化に関する件)
 (教育観、学力観の構築に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省生涯学習政策局長板東久美子君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定します。
    ─────────────
#4
○委員長(水落敏栄君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○義家弘介君 自由民主党を代表して質問を行わせていただきます義家弘介です。
 まず最初に、大臣、大臣御就任おめでとうございます。
 今、教育はある意味で分岐点に差しかかっている、そんなふうに感じております。私自身、安倍内閣時の教育再生会議、そのとき室長を務めまして、様々な教育の問題が同時期にうみとして一気に噴出してきたと、それに対して、ならば国として仕組みづくりとしてどうしていくべきなのか、そんなことを必死になってこれまで考えてまいりました。例えば、全国に広がったあのいじめ自殺の問題、しかし、同時に明らかになった今度は未履修の問題、さらには、教育基本法改正に関して、国会を取り囲み生徒たちを教室に取り残す教師たちのデモ、こういった問題を一つ一つ受け止めながら、一体この国の教育の未来はどっちの方向に行くのかという形で大きな不安を抱いておりました。
 実は私自身、教員出身でございます。全国から中退生、不登校生が集まってきて、やり直しを掛けるという高校で、そこは私の母校でもありますけれども、勤務してまいりました。その折に、すごく強く感じていたことがあります。彼らは非常に真っ当な感覚を持った、可能性を秘めた一人一人の子供たちでした。しかし、なぜそんな彼らが十代半ばで親元を離れ、やり直しを掛け、遠く故郷を離れた地に来なければならないのか、この日本の公教育というのは一体どうなってしまっているのか、彼らと向き合いながら日々そんなことを感じました。
 そして、実はその前には、今度は私は塾で講師をしておりましたが、なぜこれほどまでに塾に依存する、一体公教育では何を教えているんだろうか、そんな疑問も持ってまいりました。
 そして、さらに今、大学で教員を志す生徒たちを日々教えながら、彼らはどうして教員を志しているのか、教育にどんな不安を持っているのか、そんな全般的なことを感じながら、さらに、親としても公教育あるいは日本の教育に様々な不安やあるいは期待や思いを抱えながら接している日々であります。
 その上で、具体的に一つ一つ、今日は野党として質問させていただきます。
 まず最初に、現在まで進めてきた教育改革の流れを踏襲するのか否かという問題であります。
 これまでの政権では、改正教育基本法の理念、これを実現するために、教育三法の改正あるいは教育振興基本計画の策定、また、教員免許制度の導入や学習指導要領改訂、さらに、道徳教育の充実や悉皆の全国学力・学習状況調査を進めてまいりました。
 まず、大臣にお聞きします。前提として、これらの教育再生の流れ、改正教育基本法をスタートとした教育再生の流れを踏襲するのか否か、お答えください。
#6
○国務大臣(川端達夫君) いよいよ審議が始まりました。私も大臣として、この参議院の委員会が初めてになります。これからよろしくお願いしたいと思いますし、またお祝いを言っていただいてありがとうございます。
 かねがね義家先生におかれては、まさに教育の実践を踏まえた政治活動、まさに熱い情熱を持って取り組んでこられたということに改めて敬意を表したいと思いますし、今御指摘をされました、様々な教育現場で子供たちがもがき、悩み、苦しんでいる状況の中で、教育が、特に公教育がどうあるべきかという御指摘は、私も基本的には同じ思いをたくさん持っておることでございます。そういう意味で、今日を通じて、あるいはこれからも実のある議論をさせていただければというふうに思っております。
 それで、まずお尋ねの部分でありますが、五十年以上にわたって教育基本法が実施をされてきた中で、まさに教育の基本でありますので、その部分が、時代も変わり社会背景も変わり、そして経済、文化、科学技術も随分変化をした、当然人の生き方も変わったという中で、改めて我が国の未来を切り開く教育がどうあるべきかということで教育基本法の改正が大きな議論となり、現行の教育基本法に改正をされたことは、先生方も中心となって御活躍されたことと承知をしております。
 私といたしましては、こういう時代の変化の中の現状を踏まえて、現行教育基本法が掲げる現状認識と、それから理念、あるべき姿は、基本的に言えば、私たちも日本国教育基本法というのを提案をいたしましたけれども、この現状認識やあるべき姿、それぞれの責務に関してのことでいえば、基本的に、我々の方が少し幅広く各論まで踏み込んだのかなという気はいたしておりますが、基本認識としては、現行教育基本法を私たちもしっかりと踏襲をして諸施策を実行してまいりたいというふうに考えております。
 ただ、その中で、いわゆる教育三法を含めて各施策が実行されてきております。そういう中で、私たちとして、我々のいわゆる日本国教育基本法で示しました部分の各論に至る部分でいろいろな部分は、現状の施策を踏まえながら将来に向けてどうあるべきかという議論はしてまいりたいというふうに思っています。
 以上です。
#7
○義家弘介君 ありがとうございます。
 新政権は早々に教員免許更新制や全国学力・学習状況調査について廃止を含む抜本的な見直しを表明しておりますが、これらは現在の教育基本法の理念を前提とする現行制度とか教育行政、整合性を害し混乱を招くものであると私自身は強い危機感を持っております。
 鳩山総理は、十一月五日の衆議院の予算委員会において、この改正教育基本法にのっとり教育行政を行うのかという質問に対して、学校教育そのものの在り方に関し、改正教育基本法というものは当然それでできていますからそれを尊重することも当然でありますと述べた上で、見直すべきものは見直したい、あるいは民主党が当時対案として示した日本国教育基本法に、その中に入っている様々な思いというものを国民の皆さんに理解を求めていくような方向も、これは一気にとは申しませんが、四年間で議論を進めていくことが肝要だというふうに述べておりますが、はっきりしませんね。
 改正教育基本法は尊重するが、見直すべきものは見直すと。一体、じゃ見直すべきものは見直すの内容について、是非大臣、お答えください。
#8
○国務大臣(川端達夫君) 総理がそういう答弁をされたことに対するお問いであります。
 現段階で、私たちは直ちに教育基本法を改正するということを想定はいたしておりません。これははっきりと申し上げたいと思います。その中で、多少総理の部分の言葉が足りなかったのかなという気はいたしましてそういう御懸念をいただいたんだと思いますが、教育基本法の改正自体を思っているわけではありません。
 ただ、教育基本法にのっとりながら、私たちは教育費の負担の軽減を図っていきたいと、これは、当然ながらそういう思いの中で教育はあるべきだということでありますので、その部分で高校の無償化を中心としたもの、あるいは支援策を考えていきたい。
 それから、教員の資質の向上と量の確保ということも基本的な価値観としては同じでございます。それを踏まえた中で、教育水準を維持向上させる教員の質と量の確保ということの施策は当然ながら取ってまいりたい。そして、その教員の資質の向上を図るいろんな施策ということも、これからいろんな幅広い意見を聞きながら施策としては取り組んでまいりたいということ等々であります。
 そういう意味では、一部、日本国教育基本法という我々の案に書きました具体的な案の思いを込めながらでありますが、基本的には現行教育基本法をしっかりとベースに置いて、そしてその中でその理念、精神を生かす教育行政をする中で、個別の施策に関しては現状の制度を踏まえながら検証を進め、より良いものにする検討を加えてまいりたいということでございます。
#9
○義家弘介君 検討を加えていきたいということですけど、例えば日本国教育基本法の中には、これはしっかりと読み解くと、国の役割を一定の教育水準の維持や財源確保に限定して、そのほかの権限は地方自治体に、最終的には現場の学校や教職員に移行させる、そんなふうな流れにつながっていく方針の内容がまとめられたものである、これは改正教育基本法とはある意味で同じようで違うという部分があると思いますが、この教育の地方分権について大臣はどのように考えていらっしゃるか、お答え願います。
#10
○国務大臣(川端達夫君) 教育が、より良い教育をしていくということの思いはみんな一緒だと思います。そういう中で、教育が教育委員会だけでやるものでもありませんし、学校の先生だけでやるものでもない。そういう意味では、幅広く保護者、もっと幅広く言えば地域の人たち、そして教育委員長を任命する議会あるいは行政の首長、およそ社会が子供を育てるという意味では、幅広い人たちがいろいろな意見を交わす中でより良い公教育をつくっていくということを求めていくべきだと私は思います。
 これは現行の教育基本法の下でも、いわゆるコミュニティ・スクールやいろんな地域の協議会みたいなものをやっておられることと思いは同じだというふうに思います。そういうことを進めていく中で、私たちの思いとして、より地域に密着した形で学校教育をやるという仕組みが考えられないかという提案をいたしているところでございます。
 しかし、現行からの大きな改正という意味では、拙速は当然してはいけないことでありまして、幅広く議論をする中で私たちのアイデアという意味での提起をさせていただいたと御理解をいただきたいと思います。
#11
○義家弘介君 もう一度確認したいんですけれども、民主党が第百六十六回国会に提出いたしました日本国教育基本法案には、教育行政の責任を首長に移管する、それから教育監査委員会の創設など、現行の教育制度の重大な変更がこれは規定されているものであります。
 まず、もう一度スタートラインの質問、再度質問いたしますが、教育施策のスタートを改正教育基本法にするのか、それとも日本国教育基本法をスタートにする前提で今後の教育施策について考えていくのか、このスタンス、もう一度お願いします。
#12
○国務大臣(川端達夫君) 私たちが過去に日本国教育基本法を提案をし、そしてその中で御指摘のようなことを書いた法律を出したことは事実でございます。しかし、現在、国会の御審議の結果、現行教育基本法がこの国の教育を律しているという現状であります。そういう意味では、私たちは、現行教育基本法をしっかり基礎に踏まえて教育行政をやっていくということが大前提でございます。
 ただ、ここに書いたいろんな施策は、こういう制度が考えられるといういろんな議論の中で出てきたものでありますので、この四年間、私たちに与えられた衆議院の任期が鳩山内閣の一定の期限とするならば、ここでこういうこともテーマにしながら幅広く議論をしてまいりたいという位置付けでございます。
#13
○義家弘介君 とすると、現在、施策として進められようとしている道徳教育、これの削減、あるいは学力テスト、これの抽出等に関して、やはり現行の教育基本法の理念と逆行しているように私自身は理解しておりますが、その辺については大臣、いかがでしょうか。
#14
○国務大臣(川端達夫君) 逆行しているということではないと思います。
 私たちは、子供たちの教育がより良くできるようにということの中で、今位置付けられた学力テストが悉皆で三年間やられた、これによって随分いろんな知見が得られました。相対的な関係も、あるいは知識の部分と生活様式のことを含めていろんな知見、相対的な関係も得られたのを踏まえてより効果的な制度にするという検討を加えたいということでありますので、逆行するというふうには思っておりません。
 それから、道徳教育も、これは教育基本法においても道徳をしっかりやるようにということで、改訂学習指導要領においてもそのことが指摘をされ、現在やっておられます。現在やっている心のノートを中心にした施策を踏まえながら、もっと進んだ形、充実した形の道徳教育をやるのにどうしたらいいかということを我々は今考えているということであって、道徳教育が要らないとか減らそうとかいうことであれば逆行という御指摘は当たるかもしれませんが、私たちは道徳教育はよりしっかりと充実させていきたい、そして深めていきたいと、こういうふうに考えた施策であることは是非とも御理解をいただきたいと思います。
#15
○義家弘介君 個別の道徳教育や免許更新制及び学力テストのことについては後ほど別項目として具体的に質問させていただきます。
 続きまして、予算の見直しの問題であります。
 大臣は、先般行われたあいさつの中で、人と知恵を生み育てる教育や科学技術は国政の中心に据えられるものですとおっしゃっておりました。全く私自身同感ですけれども、例えばその中の一つ、現在行われている行政刷新会議の事業仕分の中で、スーパーコンピューターの開発について、これ、私、テレビの報道でしか見ていないんですけれども、世界一を目指す理由は何か、二位では駄目かというような発言があって、私、唖然と実はいたしました。
 というのは、七年前、日本のスパコンが一時世界一を取ったとき、アメリカのメディアでもすごく評価され、まさにスパコンの性能というのは、スーパーコンピューターの性能というのは開発国の科学技術力そのものだと私自身は思っています。これは、無駄とかあるいは不要不急とか、そういう範疇に入らない日本にとって非常に大事なものだと考えますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(川端達夫君) スパコンの話の前に、今事業仕分という手法で予算の仕分がやられているのは御案内のとおりであります。
 これは、私たちは役所という立場で、所管という形で予算を概算要求をいたしました。これが最終予算に決まるまでの過程が今までは全く分からなかった、世の中的にはクローズドであったということで、いわゆる内示がされ、復活折衝というものが行われ、大臣折衝でこれが戻ったみたいな形で終わりということでありました。
 私たちは、国民の税金をお預かりした以上、どこに使うかということを国民の皆さんにもその決まっていく過程をよく見ていただきたいということで今こういう過程を踏んでいるということでありますが、その中で、事業仕分自体はいわゆる納税者の立場、あるいは極端に言えば素人の立場と言ったら失礼かもしれませんが、という客観的な素直な立場、あるいは地方のいろんな行政にかかわった人や学識経験者の立場ということから見てこの事業はどう思うかという御議論が一時間一テーマでやられているというやり方のものであります。
 そういうことでまとめられたものが、そういう人たちがそういうやり方をしたらこういう意見であるという位置付けとして出てくるのであって、これで決まったらそれが予算編成そのままであるというんだったら我々予算編成する必要ありませんから、そういう部分で、そういう事業仕分という手法をやったらこういう答えが出たというのを踏まえて、政治家、最終的には内閣が責任を持って予算編成をし、そしてその事業仕分に同じものあるいは違うものに関してまた国民への説明責任を負うという形で、予算がみんなに編成過程が見えていくということが一番大事だと思っております。
 これが大前提でありますので、個々のスパコンの意見がどうだということに直接コメントする、この事業仕分が云々言われたことにはコメントする立場には今のところありませんが、私としては、義家先生言われたように、スパコンはまさに世界の科学力のシンボルである。同時に、おっしゃるように、日本が世界一のスパコンを造ったときはいわゆるジャパン・ショックという、これによってアメリカの衝撃たるや大変なものであったということも承知をいたしておりますし、今どのレベルを日本が目指しているのかはトップシークレット、極端に言えばトップシークレットであり、アメリカもその標準を変えつつあるという大変な世界の競争の中にあるということと、それから、このものを自前で持つことの科学技術に対する貢献の大きさというのは大変なものであることは私は認識をしております。
 そういう中で、ただ、国民的に見たらスパコンと言われても何なのかなというふうな意識がたくさんお持ちだろうし、巨額のお金を使うんだったらそこがしっかり分かってもらうということがやっぱり今まで少し欠けていたのではないかというふうなことも感想としては持っておりますので、重要性は十分認識して私としては取り組んでまいりたいと思っております。
 以上です。
#17
○義家弘介君 安心いたしました。よろしくお願いします。
 大臣あいさつの中で、予算の見直しに当たっては、施設整備、いわゆるハードに関する予算は極力見直し、そして知的財産形成や人材育成の確保といったいわゆるソフトとヒューマンに関する予算は、必要性を十分に確認した上で事業を行うということを原則にし、不要不急の事業を停止することにいたしましたということをあいさつの中で述べられていますが、まず、今日お手元に届けた資料の一です。鳥取のバイオフロンティア計画、事業について、これは予算の見直しの中で切られてしまったものなんですけれども、自民党の政調で全国から政調会長が集まってきた中で、今政権交代で非常に問題が起きている、大変になっているということの意見を集約したときに出てきた文教関係の一つであります。
 これを受けて、自民党文教科学部会では、十一月十二日、鳥取県及び鳥取大学から、事業見直しの通知を一方的に受けたという事業についてのお話をお伺いしました。要約するとこういうことであります。鳥取県には現在大きな産業がないため、地域資源でもある染色体工業をコアとする様々なバイオ産業の創出に産学官連携で取り組んでいまして、その拠点として鳥取大学にとっとりバイオフロンティアの設置を基本計画に沿って平成二十三年四月のオープンを進めてきました。計画では、工事費、建物が十六億、それから分析機器などで九億、これを文科省の地域産学官共同研究拠点整備事業を充てる予定で進められてきましたが、新政権が一律に新たな箱物中止という方針を打ち出したために、建物については補助が得られないという見込みになってしまい、当初の予定が随分遅れるという事態が出ています。
 私自身も聞き取りの中で、おお、これはすごいことなんだなと改めて認識をしたわけですけれども、この鳥取大学の染色体工学というのは遺伝子、私、科学が専門ではないんですけれども、どんな遺伝子でも運べるということで、例えば筋ジストロフィーなんかだと、遺伝子が大き過ぎて従来の技術では運ぶことができないと。それを運ぶことのできる染色体は現在では世界でも鳥取県の技術のみであると。遺伝子を運ぶ道具、乗り物を作る技術として世界最先端、これをコアにすることによって様々な産業につながっていくという計画が行われてきたわけですけれども。
 聞き取りの中では、海外に二か所ほど競争相手もあって、現在の技術では鳥取の方が優れていますけれども、このまま計画が遅れてしまうと確実に抜かれてしまうであろうと。一例として、ヒト科の代謝を持つマウスに対しては百億単位の効果を見込んでいると。これも外国にライバルがあるから日本の製薬会社もそちらの方にも乗っているというお話でしたけれども、鳥取の事業ができなくなれば水の泡になってしまうという、まさに世界最先端の技術、これが頓挫してしまう今危機的な状況にあるという報告を受けました。
 文部科学省にどういう経緯で立ち消えになったのかという説明を受けたら、最終的には、判断のための資料は提出しましたが、最終的には政務三役が決定し、意思決定の場には文部科学省は入っていないということでしたけれども、大臣はどのような専門的知見でこの見直しの判断をしたのか、是非お答えください。
#18
○国務大臣(川端達夫君) 鳥取の例の前に、全体のお話として、産学官で、地域でいろんな工夫をし、協力をし、地域の経済の発展だけではなくて日本の科学技術も含めたことの努力をしておられることは大変有り難いことであり、我々としてもいろんな形で今まで応援をしてまいりました。
 そういう中で、実はメニューがいろいろありまして、例えば科学技術振興機構は全国に十六か所のイノベーションプラザ及びサテライトを設置を既にしております。また、中小企業基盤整備機構、これは経産省でありますが、全国三十二か所、十七都道府県にインキュベーション施設を有するということで、様々な産学官の仕組みが今までもう既に拠点を整備してこられました。
 一方で、イノベーションプラザ及びサテライトについては、平成十九年十二月に取りまとめられた独立行政法人整理合理化計画において、外部有識者による評価等を踏まえて、成果が低調でかつ改善の見通しが立たないものは廃止する等の見直しを行うという、今まであるやつですね、いろいろやられたけれども低調なものは一回整理統合、廃止をしたらどうかという報告も出ております。
 こういうことを踏まえながら、地域に応援するときにいろんなメニューがあるということの中で、施設もいろいろやってきて、実は余り有効に活用されていないものがあって指摘も受けているというのを踏まえながら、限られた予算でありますので、こういう既存設備も有効に活用していただく中で最大限応援をしたい。設備に関してはしっかり応援はするけれども、建物に関しては何とかいろんな、どこかを探すという最大の努力をしていただきたいということで、今回そういう方針の下にこの精査をいたしました。
 そして、鳥取大学の染色体工学技術というのは、おっしゃるとおりでありまして、世界の最先端で、マウスが人の遺伝子を運ぶという画期的な技術であることは事実でありまして、これは既に文部科学省も平成十六年から二十年にかけての二十一世紀COEプログラム、それから文部科学省は十八年から二十年は都市エリア産学官連携促進事業、それからJSTは戦略的創造研究推進事業、CRESTということで、合計で平成十六年から、今途中の事業もありますが、六億七千八百万円今までも応援をしてまいりました。そういう意味では非常に有望で大事な技術であるという認識をしていることは事実でございます。
 そういう中で、一方、先般の二十一年度の補正予算以前にこの計画で、例えば本予算、二十一年度要求あるいは二十二年度要求等々を含めて、このテーマに関してこういう応援をしてほしいというふうな計画や、これ全国的に、計画や案はありませんでした。そういう意味では、補正で緊急経済対策にもつながるという趣旨だと思いますが、ある意味で突然、大きな枠で応援しようということで一気に加速させるという意味はあったかもしれませんが、今までの流れからいうと、国のこういう施設補助費を想定しない計画で進んできた経過もありましたので、トータルとして大変お金があり余っているわけではないので、補正をほかの形に使うということも含めて、建物に関しては何とか最大限御無理をお願いするけれども既存の施設等の有効活用等々知恵を出していただきたい、その他の事業にはしっかり応援をしたい、そして、四十七都道府県いろんなテーマで出ておりますが、内容を精査して、本当に要るものとのめり張りも付けて応援することを決めさせていただきたいということで現在再応募をしたところでございます。
#19
○義家弘介君 これ、時間との闘いなんですね。時間が遅れればなかなか最先端技術というのは勝ち残っていけない。その意味で、その時間をどう国として応援していくのかということもまた一つ重要なことだと思います。
 例えば、まさに鳥取県、これは地域全体にかかわる、これからの鳥取県の地域全体にかかわる問題、そのための拠点づくりで、スピード感を持って進めていきたい。もちろん鳥取県の内部でも様々な議論がこの見直しによって行われていますけれども、こういうものこそ国が支援し国が守っていくという姿勢を持たなければ国際競争の中で日本は勝ち残っていけないと思いますけれども、大臣、もう一度これ、このとっとりバイオフロンティア計画についての考え方、具体的にお聞かせください。
#20
○国務大臣(川端達夫君) このテーマの重要性、一刻を争うということも我々は十分に承知はいたしております。評価もいたしております。
 そういう中で、元々の提案では、鳥取大学の敷地内に、一つ、マウス飼育のためのクリーンルーム、二、細胞実験、遺伝子実験を行うための実験室、三、研究を行うためのオープンラボ、貸し研究室等の機能を備えた施設、約二千五百平米を整備する予定でございました。それが、私たちが何とか建物は工夫できないかということをお願いを申し上げ、十二日に鳥取県の方に聞き取りをさせていただいた現状を御報告いたしますと、補正で私たちがそういう見直しをするということを受けて、以下のような対応を検討していただいております。
 一つは、マウス飼育のためのクリーンルームについては、鳥取大学の既存施設内にスペースを確保し、JST予算を活用し設備を整備する。それから、マウス用ケージの小型化、高密度化によりスペースを捻出すると。相当御苦労をいただいて工夫をしていただきます。それから、オープンラボ、いわゆる共通実験室及びオープンラボについては、大学敷地内に県費により新たな施設、約一千二百平米程度、約四億円程度と想定、を整備し、研究施設設備についてはJST予算、いわゆる今度の予算を活用するという方向性で県庁、大学との間ですり合わせていて、今後は二月の県議会に新たな施設の設計費を計上して、設計のめどが立った段階で工事費を県議会に諮ることを検討していただいているというふうに伺っております。
 そういう意味では、随分御無理をお願いをいたしました。初めに付けますと言ったわけですから、その分では御無理はお掛けしたと思います。ただ、そういう御事情を理解して、鳥取県側、鳥取大学としても既存の施設設備の有効活用という私たちのお願いを真っ正面から取り組んでいただいて頑張っていただいていることの現状にあると承知をしております。
 以上です。
#21
○義家弘介君 先ほどのスーパーコンピューターの話も、それからこのとっとりバイオフロンティアの話もそうですけれども、資源のない我が国において、こういう国際競争力のある世界トップレベルのものを国策としてどのように未来に向けて守り、そして、それがひいては子供たちに大いなる夢を与えていくし、日本全体の発展にもつながっていくものであります。単純にハードからソフトへとかそういう枠組みの中で仕分するのではなく、日本の未来のビジョンを見越した上でしっかりと予算の方も検討していただきたいと心よりお願いを申し上げます。
 その上で、教育の根幹にかかわる、民主党政権の教育政策の根幹にかかわる問題について質問させていただきます。それは教育の政治的中立についてです。
 この資料二の方に様々な発言の方載せてありますけれども、個々の発言の中で、例えば今年の一月ですね、民主党の参議院議員の会長であられる、日教組の政治団体、日本民主教育政治連盟の会長でもある輿石東議員が新年会の会場でこういうことをおっしゃっています。教育の政治的中立と言われてもそんなものはあり得ない、政治から教育を変えていく、私も日教組とともに戦う、永遠に日教組の組合員であるという自負を持っていると確信的におっしゃいました。さらに、この発言だけではなくて、静岡の県教組の方たちに対しても、政治を抜きに教育はあり得ません、教育を語るとき政治を語らなければならない。さらには、日教組が反対している教員免許更新制について、五月、教員免許更新制度などとふざけたことを言うな、政府は先生の身分まで口を出す必要がないといったことを述べています。
 日教組はこれまでは、改正前の教育基本法の中で、政治的中立について、政治的中立、外部からの中立性が侵されるということで様々な、例えば指導主事を入れないだとか、治外法権的な教育現場をつくってきたわけですが、一方、政権を獲得したら、教育に政治的中立はないと、政治的に介入するという、明言しているに等しい。これ非常に重大な発言であると私は本当に危機感を持っております。
 さらに、鳩山総理大臣は、選挙のときに御支援をくださっている皆様の温かいお気持ちに感謝を申し上げたい、日教組とともにこの国を担う覚悟だと。あるいは小沢環境大臣は、もし民主党に政権を取らせていただければお金はしっかりと政府が負担して教育現場には余計な口を利かないと。さらに、日教組の中央執行委員長は、日教組は十年来、民主党の教育関係部会に所属されている議員の方とは定期的に懇談し、そういう意見交換を積み重ねた上で日教組の方針がつくられ、民主党の方針に反映されている、実際に政権を取ってそれが具体化されていけばいいというような発言もなされていますが、日教組は一任意団体。その一任意団体が、国民全体、子供たち全体、日本中の子供たちにかかわる教育政策に大いなる影響力を持っている。そして、参院議員会長やあるいは総理などの発言のように、選挙のときに御支援くださっているという言葉が次から次へと飛び交ってくる。
 これは政治的中立を脅かす非常に重要な問題であると私自身考えていますが、例えば、大臣、選挙のときに、あるいは、いろいろ協力していただいている、このいろいろの内容を是非、大臣、教えてください。
#22
○国務大臣(川端達夫君) ちょっと、私が申し上げたのではないのでいろいろというのは具体的にこういうことだろうという想像もちょっとできない状況であります。
 それぞれの各議員の御発言に対しては、その場で聞いている、あるいは問いただしたわけではありませんので、真意が測りかねますのでコメントすることは差し控えたいと思いますが、教育においての政治的中立は、当然ながら教育基本法や義務教育諸学校における教育の政治的中立を確保する臨時措置法あるいは教育公務員特例法、公職選挙法等でそれぞれ規定をされております。この法律は当然ながら厳正に守られなければいけないという認識で文部行政はやってまいりたいと思います。
 それと同時に、教育の政治的中立というのは、特定の政党を支持し又はこれに反対するなど、政治的に特定の思想に偏した教育が行われないことというのが基本だというふうに思います。そういう意味では、子供たちに教育現場においてそういうことがあってはならないことは当然のことだというふうに思っております。そういう趣旨から教育の政治的中立性が確保されるように法律の規定がされており、我々はこれは厳格に守ってまいりたいと思っております。
 以上です。
#23
○義家弘介君 それが教育現場で守られていないという、一部非常に偏向教育が行われている、不正常な教育が日教組を中心として行われているという認識はお持ちでしょうか。
#24
○国務大臣(川端達夫君) 日教組を中心という言葉が適切かどうかというのは私は事実関係として承知をいたしておりませんが、いろんなところで現に政治的中立に反したということの事例があれば、指導をし、処分をし、過去にもそういう体制で法に基づいて対処をしてきたところでございます。
#25
○義家弘介君 指導をし、処分をし、対処をしてきた。だれが指導をし、処分をしてきたんでしょうか。
#26
○国務大臣(川端達夫君) 例えば、平成十六年に山梨県で校長・教頭会を経由して政治団体に資金カンパが行われていたということが問題になりました。教育公務員が集めた資金カンパを取りまとめて政治団体に届けるような行為は、人事院規則に定める政治行為に該当し違法となるものだということでございます。
 そういう意味で、文部科学省としては山梨県の教育委員会教育長を呼ぶなどの指導を行い、山梨県教育委員会においては、文部科学省の指導に基づき、既に行われていた関係職員に対する文書訓告等を見直して、改めて懲戒処分等を実施したということがございました。
#27
○義家弘介君 これは、実はうやむやにごまかすことのできない重大なことであります。その先ほど言った山梨の問題、その山梨の日教組の問題があった、それが輿石東会長の御地元であります。民主党会長の御地元であります。
 その輿石東氏、日政連、日教組の組織代表でありますけれども、教育に政治的中立などないと断言したわけですけれども、これに対していかがお考えになっていますか。
#28
○国務大臣(川端達夫君) 先ほど申し上げましたように、個別の議員の発言に対して、真意が測りかねるためにコメントは差し控えたいと思います。
#29
○義家弘介君 そういうふうに逃げないでいただきたい。この問題に対して、教育に政治的中立はないと参議院会長が言っている、これに対して大臣はどのように認識しておりますか。
#30
○国務大臣(川端達夫君) 真意が測りかねるためコメントはできません。
#31
○義家弘介君 真意を確認するおつもりはありますか。
#32
○国務大臣(川端達夫君) 特段何かの問題が起こっているというふうには承知いたしておりませんので、そのつもりはございません。
#33
○義家弘介君 特段何かの問題が起こっていると思わないとおっしゃるならば、是非学校現場をしっかりと回り、学校現場の実際をしっかりとその目で、耳でチェックしていただきたいわけですけれども。
 例えばこの日本教職員組合、実は教育の範疇からもかなりはみ出たような様々なこと、例えば日教組の政策の問題の中では、日の丸・君が代の反対や道徳教育の反対、自虐史観歴史教育など国民の自覚をあえて否定するような内容、さらには靖国神社参拝反対、ジェンダーフリー、性別の否定、選択的夫婦別姓、定住外国人の地方参政権、あるいは人権侵害救済法の制定、米軍基地の整理縮小、撤去、これまさに教職員団体とは到底思えぬあらゆることに左翼的な政策を政府や自治体に制度化する上、教育するように要求しているわけですけれども、そういう中で、本当に政治的中立はあり得ないという発言が出てきていることに対して個別の発言はできないという答弁では、我々、私を含め国民もまた納得できないし、多くの人間が不安になると思いますが、もう一度、大臣、お願いします。
#34
○国務大臣(川端達夫君) いろいろな政策を列挙されましたけれども、労働組合法に認められた労働組合がいろんな政策を主張することは、これは法で認められた権利でありますので、そのことに対して、私の立場でそれがいいとか悪いとかいうコメントをする立場には全くございません。
 それと同時に、教育の政治的中立というのは、教育現場において、先ほど申し上げましたように、特定の政党や思想に偏ったことを教えることをしてはいけないというのが基本的な理念としての政治的中立の確保でございますので、そのことが学校現場で起こらないようには、厳正に、厳格にチェックをし、先ほど申し上げた指導と関係者による処分をやっているところでございますし、引き続きそうやってまいりたいと思います。
#35
○義家弘介君 先ほどいろいろと言われましたけれども、教育現場に特定の政党の、あるいはそういう影響を受けた授業をしないだけではありませんよね。教員の政治活動自体は、例えば選挙も含めて禁止されているわけですけど、その辺についての認識、川端大臣お願いします。
#36
○国務大臣(川端達夫君) これは、先般もお答えをいたしましたが、公務員については、法令に基づき、勤務時間中の組合活動が禁じられていると同時に、政治的行為は制限をされております。いろんな法律で、いわゆる選挙活動も含めて制限がされております。
 そういう意味で、法令にのっとり、各教育委員会と協力して、違法な活動に対しては毅然と対処をしてまいりたいと思います。
#37
○義家弘介君 日本教職員組合の組合員はどんな人ですか。
#38
○国務大臣(川端達夫君) 自らの意思で日教組に加盟をし、組合員として認められている人だと思います。
#39
○義家弘介君 ほとんどが教育公務員なわけです。教育公務員が、つまり先生が組合員なわけですよね。
 その中で、教育公務員特例法は第十八条でこういうことを定めています。公立学校の教育公務員の政治行為の制限については、当分の間、地方公務員法第三十六条の規定にかかわらず、国家公務員の例によると。前項の規定は政治行為の制限に違反した者の処罰につき国家公務員法の趣旨を含むものではないというただし書もありますが、つまり、政治制限は国家公務員の例による、これが教育公務員、先生たちの現在の置かれている状況で、一般の地方公務員とは違うわけですよね。国家公務員なら罰則規定があるわけです。
 例えば、それについて、文部科学省も毎回選挙の前に各教育委員会に通達を出しています。教育公務員については、教育の政治的中立の原則に基づき、特定の政党の支持又は反対のために政治活動をすることは禁止され、さらに選挙運動等の政治行為の制限等についても公職選挙法及び教育公務員特例法に特別の定めがなされているというところであります。教育公務員が、選挙に当たっては、個人としての立場で行うか職員団体等の活動として行うかに問われずこれに対して拘束されているわけですけれども。
 ということは、先生方に支援していただいているということは、この教育公務員特例法十八条及びこの文部科学省の通達、これと逸脱していると認識ですか。それとも、いやいや、そうではないという認識でしょうか。お聞かせください。
#40
○国務大臣(川端達夫君) 厳密に、いろんな人が、政治家がどう発言しているかのような厳密性を問う部分は議論にあるという御指摘だとは思いますが、労働組合という組織が特定の政党及び政治家を選挙で推薦をする、支援をするということは労働組合として認められている行為だというふうに思います。
 ただ、おっしゃるように、国家公務員法と同様に政治活動の制限をされているということは事実でございますし、私としては、それは厳格に適正にするようにという通達を出し、現実にそういうことのないようにしております。
 そして、罰則がないというのは、これは刑事罰でありますので、我々としては、もしそういうケースがあれば、罰則がないからやってもいいという意味ではなくて、これはしっかり守らなければいけないし、同時に、いろんな各教育委員会においての対処をするように求めているところであります。
 ただ、なお、人事院規則の中で、政治的目的の定義というものと政治的行為の定義という、目的というものがこういうもので行為というものがこういうものだと厳格に多岐にわたって規定をされておりますので、私たちは、この政治活動が政治的目的の定義に該当するのか、そして目的の定義に合い、それから行為の定義にも合うのかということを厳格に判断をして今までも対処してきたところであります。
#41
○義家弘介君 しかし、その定義に対して反する事例が次々に出ているから問題になってくるわけですが、国家公務員の例によるわけですから、例えばの話ですけど、文部科学省の職員が特定の政党又は候補者などを支持し、反対するためのデモ行進を行ったら、大臣どうしますか。
#42
○国務大臣(川端達夫君) その行為自体を厳密に検証をして、国家公務員法に違法という、該当するのであれば、厳正に対処、処分をしたいと思います。
#43
○義家弘介君 国家公務員である文部科学省の中で、特定の候補者を支持する、あるいは政党を支持するビラが配られたら、大臣どうしますか。
#44
○国務大臣(川端達夫君) 教育公務員が特定の候補者を、先ほど目的と行為と申し上げましたが、教育公務員が特定の候補者を支持する目的を持って選挙において投票するように又はしないように勧誘運動することは、禁止される政治的行為に該当するということになります。
 したがいまして、今申し上げられた例示が目的と行為に該当するかどうかを検証して、法に触れるかどうか、これに該当するのかどうかを判断したいと思います。
#45
○義家弘介君 大臣は、文部科学省がいつも出しているこの教育公務員の例示の資料については完璧には頭には入っていないのかもしれません。
 今、デモ行進云々については、そこから抜粋して、これが国家公務員、文部科学省の職員だったらどうなりますかという質問をしたわけですけれども、デモ行進だとか、新聞、雑誌、ビラ等の配布だとか、あるいは先ほど大臣が言った電話を掛けることとか、教員の地位を利用して働きかけることとか、そういうことのもろもろを規定しているわけですが、国家公務員と同様、国家公務員の例によるという意味では、例えば文部科学省の職員がやって駄目なことが学校の先生がやっていいという話にはならないわけですよね。
 今現実に、例えばこの資料の中、ちょっと飛びますけれども、例えば資料の十三、これも組合から出されている号外なわけですけれども、この号外なんか、裏見ると、これ特定の候補者の顔がばあっと出ているわけですね。「私たちの一票が、政治や暮らしを変えることを確信し、子どもたち、私たちの未来のために行動しよう」ということで、組合が推薦している一覧を出して、そして、私たちの教育改革の願いがこうやって民主党政権に、民主党の政策につながっているということが出されている。
 こういう職場討議資料、実は学校で配られているんですね。学校でビラが配られて、これだけじゃないですよ。もっとたくさん膨大にありますけれども、余りにたくさん持ってきても皆さん資料に辟易するでしょうから、別の機会に改めてやりますけれども、こういうビラ等が学校内で出回る、教育現場で出回ることについては、大臣はどのように考えますか。
#46
○国務大臣(川端達夫君) この資料のビラは、発行者が神奈川県教職員組合という労働組合団体でございます。そういう意味では、労働組合団体が組合員に対していろんなビラを配ること自体は特段の問題がある行為ではないというふうに思います。
 文部科学省が、選挙に対しての、教職員等の選挙運動の禁止等について、違反行為の具体例として、「新聞、雑誌、ビラ等」ということで書いてある部分は、これは教育現場にいる教員がということでありますので、個人が、教職にある者がこういう活動をすること自体は禁止をされる事例に該当すると思いますが、お手元にお示しいただいた部分は、労働組合の活動ということにおいては、このビラ自体が何らかの違法に問われるというものではないと私は認識しております。
#47
○義家弘介君 組合の一人一人が自由な意思決定により適法な選挙活動を行っているという印象を与えるものですが、現実には日教組の機関決定に基づいて構成員は団体の手足となって選挙活動を行っている、その構成員とは学校の教師です。
 実は、私自身も多くの教え子が今教員として教育現場で活動、活躍しておりますが、こういう問題について多々報告がなされているところであります。まず、しっかりと教育の中立というものを前提にした上で教育政策をしていかないと、本当にこの国の教育が大変なことになると私は重大な危機感を持っております。
 例えば日教組、選挙活動について今言いましたけれども、資料の中で幾つも添付してありますが、その中の動きの一つとして、資料の、これは以前の参院の文教科学委員会にも出したわけですけれども、「学習指導要領に対峙するために」、あるいは、「改悪学習指導要領をのりこえるために」、具体的には自主編成の教材を作りましょうと、道徳教育が降りかかってきたら我々は自主編成で人権の授業だけを行いましょう等の発言、あるいは竹島問題なんかは韓国の主張の方が正しいというようなこと。
 あるいは、資料の十ですね、教頭は私たちの仲間から、教頭推薦に積極的に取り組み、二〇〇九年一月十九日までに提出をと。教頭任用者のほとんどは組合推薦ですと。あるいは、例えば北海道で三人に一人の教師が参加してのストライキが起こりましたが、そのストライキに参加した、違法行為に参加した人がそのまま管理職になって、何十人ものそのストライキに参加した教師が教頭先生になっているというような非常に不正常な実例もあるわけですね。
 さらには、西宮なんかでも組合のストライキの画策が行われ、結局は行われなかったんですが、非常に巧妙ですよ。児童への連絡はストライキという文言は使わないと、ストの留保の際は十二月二日まで書記局に連絡があり、先生たちは組合で給料や待遇などを求める交渉があり、その交渉で先生たちが納得できなければ、先生たちはあしたの朝、二時間の集会に参加します、その場合、皆さんのことは校長が指示しますからそれを聞いてください、納得できる内容であれば通常どおり授業を行います。
 さらに、これ恐ろしいことも書いてあるんですね。無断で不参加の場合、救援対象とはならないとか、身体的理由により集会参加が困難な場合は集会参加者と合流してから、一回みんなと合流してから学校に戻らなきゃいけないとか、年休取得者は本来の取得予定の時間から二時間減じた時間を記入し、管理職にスト二時間参加、その後年休の旨を伝えるなど、これに参加しなかったらあんたは救援対象にならないよという形で組織立って行おうとしている、これが現実ですよね。
 だから、個々の教員云々の問題ではない、こういう実態については、大臣、どのようにお考えになりますか。
#48
○国務大臣(川端達夫君) 今の御案内の部分は、ストが行われなかったというふうに承知をいたしておりますし、そのことに関してコメントすることはないというふうに思いますが、過去にもストライキが行われたことは残念ながらあります。そういう事例に対しては所管の教育委員会が厳正に処分をいたしておるところでありまして、そういうことはないように我々としては指導を今までからしてきたつもりでございます。
#49
○義家弘介君 行われなかったから良かったんじゃなくて、平然と行われるような計画が立つこと自体が不正常だということなんですよね。子供は一体どうすればいいんですか、これ。子供が授業を受けに学校に来ているのに、先生方の交渉で授業は行いません、これ子供を一体どう取り残すことになってしまうのか、これ自体がもう既に大きな大きな問題であります。
 こういう現状の中で、教育に政治的中立はないと言っている。さらには、民主党はでっかい支持母体として日教組と、政治資金等の問題も今様々調査中で、後の機会にしっかりと行いたいと思いますけれども、そういう癒着構造のある中での私は教育政策が国で進められていくということは非常に危険だという認識、しっかりと示しておきたいと思っております。
 続いて、高校の無償化について質問をさせていただきます。
 この高校無償化及びその対象の範囲について教えてください。
#50
○国務大臣(川端達夫君) 高等学校に現実に進学率が約九八%にも達しております。そういう中では、事実上、国民的な教育機関に位置付けられている実態になっております。
 そういう意味では、社会が教育、子育てをしっかり支えるという観点から、教育自体、高校の教育費について社会全体で負担をする、そして公教育として、ある意味授業費を負担をしていただいたということで、育った高校生はまた社会人として社会にいろんな活動を通じて還元をしていただくということの趣旨で高校の授業料を無償化するという政策をこの度取らせていただきたいということで、現在、中身について制度設計を行っているところであります。
 また一方で、同時に、経済不況が非常に深刻になりましたので、経済的な事情によって高校の在学を途中で断念するという、あるいは進学をあきらめるという事例もあります。そういうことに対処する状況も併せて制度設計の中で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 そういう意味で、現在、支給対象としてのお問いでありました。支給対象として考えておりますのは、高等学校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部、高等専門学校の一から三学年、専修学校、各種学校のうち高等学校の課程に類する課程を置くもの、これを基本としております。なお、専修学校、各種学校のうち高等学校段階に相当するものとしては、まずは学校教育法上の中学校における教育の基礎の上に教育を行うものとされている専修学校高等課程が基本となるというふうに考えております。
 ただ、制度上、学校教育法上専修学校の対象にならない学校の中に外国人学校があります。そういう意味で、各種学校の認可を受けていて制度上専修学校の対象になれない外国人学校の中で一定の基準、例えば修業年限あるいは授業時間数等を中心に一定の基準を満たすものについても念頭に置いて、政府予算案の確定までに引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。
 以上です。
#51
○義家弘介君 今おっしゃりましたように、進学率が九八%に達していると、そしてその中で無償化を進めていくということですが、多額の税金を投入して無償化する以上は、公教育として高校という場所がどのような目的を持ち、どのような内容を行うか、これを国民に明らかにした上で進めていくべきだと思いますが、その辺についてのお考えを是非お聞かせください。
#52
○国務大臣(川端達夫君) 高等学校の教育が社会の中で、先ほど申し上げたように九八%の進学率ということで、人材育成の教育というものの大きな一翼を担っているという現状の中で、社会が教育を支えるということにおいて授業料の応援をしようという趣旨は先ほど申し上げたとおりでありますが、その中においては、私たちの制度設計としては、先ほど申し上げた基準ということでのそういう高等学校及び高等学校に準じる教育を受ける世帯に関して支援をするという、これは公立、私学を問わずということでありますので、いずれにしても、社会人として育っていく人たちを社会が応援するという趣旨でありますので、その理念でやることを御理解いただきたいと思います。
#53
○義家弘介君 高校の教員をしてきて高校の実態を知る者だけに心配が一つあり、それは無償化が無責任化につながってはいかないかという問題であります。無償化だから何となく高校に行く。しかし、高校というのは義務教育ではありませんから、やめることも当然できるわけですね。多くの子供たちがやめていってしまう現状もある。
 中学校の高校進学に関しては、ちょっと私自身目を疑うようなところが一部あるんです、実は。例えば、私が高校の教員をしていたとき、まず試験の前に中学校からの書類をしっかり目を通します。非常に立派なことが書いてあるんですよ。非常に立派なことが書いてある。そして、当然面接をしますよね。私は、中学校からもらった情報しかないですから、君、三年生の夏は体育委員として本当に頑張ったんだねと言ったら、先生、僕不登校でしたけどと。書類と全く違う現実があるわけですね。
 一部では、十五の春を泣かせるなという形でとにかくみんな高校に行かせようと、中学校の進路指導。そして、十五の春に泣かないで進学した後泣いていると。私が知り得る限り、高校を中退して後悔しない人間というのはほとんどいない、私も含めてです、私も含めて自分の力のなさや自分の失敗というものをすごく感じる。でも、そのやめてしまった履歴というのは永遠に付いて回るわけですね。だから、私なんかも、今かなり自己抑制をしながらまじめに生きているつもりですけれども、いまだにヤンキー先生なわけです。こういうふうに、同じ世代の何倍も何倍も努力しないとその声が通らない。だからこそ、高校に行くならしっかりとした責任、しっかりとした覚悟、そういったことも前提としてないと、この無償化だけを単に財源論だけで進めていってしまうと逆に悲しむ子供たちが出てくるわけですね。
 だから、中学から高校への連結の指導、これを一体どういうふうにしていくのか、そして高校という存在自体をどういうふうに充実させていくのか、この辺の条件整備をしっかりした上で進めるなら進めていっていただきたい。そうじゃないと、多くのまた道に迷う若者たちが出てしまうという思いがあるので、是非その辺しっかりと考慮した上で、拙速に進めていくのではなく、その条件整備をまず最初にしっかりしていただきたい、これは心よりのお願いいたします。
 続きまして、全国学力・学習調査の抽出に変更されたことについてお伺いしたいと思います。
 先ほど大臣も、それ自体は非常に意義のあるものであったというお話をされましたが、実は来年度こそ意義があるんです。というのは、初年度に小学校六年生でこの全国学力・学習状況調査を受けた子が来年中三になるんですよね。つまり、中学校、あれから三年間の日本の、日本のというか、彼らが学んでいる場所の学習状況調査のどうだったかということの検証ができるわけです。それを四割に削減、これは今の子供たちの三年にわたるどういう学習を受けてきたのかということをしっかりと検証できるという意味では非常に有意だと思いますけれども、どうしてそれを抽出に変えられたのか、是非教えてください。
#54
○国務大臣(川端達夫君) 全国学力・学習状況調査を三年間やったということで、何十年もやらなかったものがやったということでありますが、非常にいろんな知見が三年間で蓄積されたことは間違いない事実だというふうに思います。
 そういう意味で、引き続きこういうものをしていく中で、悉皆でやる情報量を抽出に変えたときに、情報量は当然、今大体四割を想定していますから減るんですけれども、このことによってどういう情報を得てどういう教育行政に反映するのかという目的がいろいろあります。その部分で、先生が言われたように、個々の例えば生徒が小学六年と中学三年でということでいえば、その子が対象になるかならないかである意味では分からないということはあると思います。ただ、全国的な学力水準、それから都道府県レベルの大きなグループ分けしたときの位置付けというのは、間違いなく統計的な数字含めて四割でも十分に把握はできるというふうに専門家からの判断として出てまいりました。そして、三年間の蓄積の中で、それぞれの市町村、あるいは学校単位含めて県の位置付けの中での相対的な関係、あるいは得手不得手等々の問題は、それぞれにベースデータ三年のことをバックグラウンドとしますとほぼ把握でき、この還元的教育という、こういうことが苦手だからということでやったらこういうことが向上してきたこと等々、学校現場の努力も含めていろんな蓄積が集まってきていると私たちは判断をしております。
 したがいまして、トータル的に今までの状況の把握といろんな水準の向上には、四割のデータを出せば、それを十分に過去の蓄積と一緒に活用すれば今までどおりの効果が得られるという判断に立ちました。
 なお、それでも自分たちはどうしても全部調査をしたいということの御希望があれば、同じ日に同じ問題をそのまま提供するということは予算処置をしてやりたい。ただ、採点等々に関しては、誠に申し訳ないけれども、その分は学校でおやりをいただきたいということ。
 また、あわせて、いろいろ調べますと、それぞれの都道府県や市町村、あるいは学校単位で、これをベースにしながらいろんな角度での学力の調査等々も今独自におやりになっているところもたくさんあります。それで、そういう中からの御提起として、国語と算数・数学以外にもやった方がいいのではないかという御指摘もあります。そういう部分で、そのことも含めて調査も今回概算要求としては求めてまいりたいと思っております。
 以上です。
#55
○義家弘介君 今までの蓄積、十分であると。いや、しかし、六年生のとき受けた子が三年生で受けてしっかりと定点観測ができたという前提ならあれですけれども、来年やれば、じゃ学習状況はその三年間の間どうだったのかということを冷静に検証しながら、じゃどこが足りなかったのかということも測れると思うわけです。
 その中で、例えば抽出四〇%、これどのように四〇%選ぶとお考えですか。
#56
○国務大臣(川端達夫君) 学校及び学級単位でランダム抽出で四〇%になるようにという方針で、今制度を設計中でございます。
#57
○義家弘介君 抽出の対象となった者に比べて希望者は有料で、更に事務処理の負担も……
#58
○国務大臣(川端達夫君) 無料です。
#59
○義家弘介君 希望者も無料ですか。無料で、そして各学校でやってもらうと、採点をしてもらうというような方式なわけですけれども。
 やはり私自身の思いとしては、せっかく三年前にこの悉皆の調査が始まって、しっかりとまず、もちろん試験内容の精査、一年目の問題を私自身見て、これは駄目だと私自身が何か激高した。というのは、超基礎学力みたいな形であえて学力差が付かないような試験問題だったわけですけれども、その試験問題の精度もかなり上がってきていまして、今やったらどういう状況なのかしっかりと把握できるような状況にまで来たのかなと思っている思いもあるので、是非とも私の希望としてはこの悉皆調査を来年度も行っていただきたい、これは強く強く要望しておきます。
 続きまして、次の質問に移らせていただきます。
 教員養成について、今、新政権、大臣の考えていることについてお答えください。
#60
○国務大臣(川端達夫君) 時代がどんどん変化をしてまいりました。そういう中で、学校、教育現場に立たれる先生に求められる能力というのも随分とある意味では高くなってきているというふうに思います。
 現実に、例えばどんなことを、免許を取るまでの大学において学ばれた科目からいえば随分いろんな知識、教えるべき知識が増えているという現状もあります。それと同時に、子供も時代の中で随分といろいろな問題を、先ほど、一番初めに先生がいじめや自殺のお話されましたけれども、そういうことを、私、予算委員会でも先生にも御答弁申し上げましたけれども、いろいろメッセージを出しているときにそれを受け止める能力というのはトータルの人間性が問われるということもあります。そして、親も、例えば私たちが中学校、小学校の時代から比べたら、高学歴化というのはもう比べものにならない。親の環境も変わりました。
 そういう意味で、先生に対して求められる資質はどんどんと高くなってきているということであり、いろんな手だてを講じて資質の高い先生をしっかりとして養成することが今一番求められている課題の大きなものの一つだと認識をしております。
#61
○義家弘介君 この教員養成について、今報道等で出されていることの二点だと思うんです。一つは教員免許更新制について、そしてもう一つが教員養成課程を六年にするというこの二本。さらには、もちろんその間の研修の重要性もお考えでしょうけれども、まずこの教員免許更新制を抜本的に見直す、これは、この抜本的な中身についてちょっとお答え願えるでしょうか。
#62
○国務大臣(川端達夫君) 今申し上げましたように、先生に対していろんな能力がより高く求められているという中で、今の教員養成の課程を例えば見ますと、学校の、現場での指導力もいろいろ問題になっているんですが、現場に立つこと自体、教育実習というのは二週間とか三週間であります。それで果たしてそういう現場の力が付くのかという御指摘があります。
 そういうことを踏まえて、六年という、大学院プラス二年ということも視野に入れながら、より質の高い先生をというときにどういうことを身に付けてもらうのがより望ましいのか。現場の指導力という、実践力というものもあれば、知識というものもあれば、トータルの人間性としての感性もあるということを今中身として、それは受けることとしてどの現場がいいのかという、例えば大学がいいのか、学校現場がいいのかということも含めての中身の議論と現場の議論と、それから、それぞれに負担の掛かる話であります。学ぶということを二年増やすことはいろいろ負担が掛かる話です。それをどう支えるのか。受皿の学校の機関もございます。
 そういうことを含めて、質を上げるというときの研修の在り方の中に、今ある十年例えば研修というのもあります。それから、教育更新の研修もあります。すべての目的が質の高い先生をつくろうという目的でありますから、全体的に先生の質を上げるという施策の中で包含をして、免許更新講習というものの実態と是非トータルとしてやっていくときにどう包含できるのかできないのかということも議論をしていきたいという緒に就いたところでございます。
#63
○義家弘介君 今議論のまだ途上であるというお話をいただきましたが、まず、例えば現在指導力不足教員として認定されている八割が四十代以上なんですね。
 つまり、私、教員になったとき、先輩の教員にこれだけはしっかりと生涯持ち続けろと言われた言葉があります。それは、教師は毎年新人に戻るんだと。我々の仕事は目の前の生徒一人一人を覚えて、自分という人間を一人一人に覚えてもらうことからしか始まらない、だから教員歴何年じゃなくて常に新人に戻りながら、時代のフィルター、時代と対話しながら自らも生涯を懸けて成長していかなければならない。それは先輩教師の思いとして今でもしっかりと受け継ぎながら、だから私は今も新人教師だと思いながら日々様々な子供たちと向き合っていますが。
 なかなか教員は忙しい、多忙感の中で、学び直そうと思ってもその時間も実はないと。そういう中で、あるいは実は指導力不足教員、これだれが見ても、学級崩壊がどんどん起こっちゃったり、これは困ったぞという教員がいる一方で、グレーゾーンの先生というのは認定されずにたらい回しされている現状が実はあるのが事実なわけですね。だから、そういった中で、しっかりと研修を積み、ならぬものはならぬと、しっかりとこれはやってくださいよということを目的として免許更新制がようやく始まったばかりですけれども、始まったばかりの中でまた見直しと。
 一方で、教員養成六年制、これは私は大反対、もう大反対です。まず第一に、その六年、大学院課程もお金を掛けて行っても教員採用試験に受かる保証はどこにもないわけですよね。つまり、教員志願者は行って本当に大丈夫なのかという思いになってしまうことでしょう。あるいは、例えば私が住む横浜市とかあるいは東京都なんかは、教員が大量退職の時代の中でもうむしろ足りない状態なわけですね。じゃ、その状況一体どうなるか。さらには、大学で、今私学でも、教職大学院持っていないところでも教員課程って開かれて教員免許取れるわけですけれども、そういう子たちは一体じゃどこに行って学ぶのか。
 もっと言えば、実習の重要性さっき大臣言いましたけれども、これは、例えば実習を一年間にする、言葉としてはいいですよ。しかし、私、社会科の教員で毎年実習生五人ぐらい持つんですよ。この五人の実習生一年いると思ったらぞっとしますよ、私。仕事になりません。というのは、大学に提出する書類、教育実習の書類だけで結構なボリュームがあるんですよ。それを一年間毎日一人一人の教案をチェックして、そして大体一人の、全員の教案チェックするのにやっぱり零時過ぎるんですよ。でも、彼らに代わりに授業をしてもらうわけで、その授業がテスト範囲にもなっちゃうわけですね。そういった中で物すごい負担があるわけです。それで、一年間教育実習をして、じゃよろしくねと言われると、非常に現場としては混乱するというか、より大きな負担感というか、自分の仕事は手に付かなくなると思います。
 そういう役割分担ですね。例えばアシスタントティーチャーに入れる、先生のサポートをするという考え方も一ついいかもしれませんが、じゃ責任はだれが取るのかという問題、これもかかわってくるわけですね。ATとして入るとしたら、じゃ大学が問題が起こったときには責任を取るのか、指導教官が取るのか、学校が取るのかということもまちまちなわけです。
 だから、この研修の部分については是非現場の実態を踏まえた慎重な御議論を拙速ではなくお願いしたいなと思うことと、教員免許更新制、ようやく始まったんですよ。私も内容を取り寄せて、いろんな先生にも聞きました。これは意見分かれますよ。変な研修だったと言う人もいれば、なかなか勉強になったって、なかなかなるほどねって、勉強になった、こんな講習会って初めは思っていたけど、行ってみたら実はすごく役に立ったよなんというような声もまた私の元に寄せられているわけです。
 だから、抜本的見直し、これは廃止を前提としたものとして考えていらっしゃるのか、そうではないのかについてだけ確認させてください。
#64
○国務大臣(川端達夫君) 教員免許制度自体を抜本的に六年制というか、六年間というものを視野に入れて検討をしたいということを我々は申し上げております。その中で、これは先生言われたように、その中でいろんな課題があることも事実です。大変悩ましいこともあります。例えば、せっかく六年行くのに、一方で四年出たら給料もらう人になるのに、あと二年授業料払うという負担をして本当に先生になれるのか、なったらちゃんとした処遇が、見合いがあるのかというふうなこともしっかりないとできないとか、いろんな指摘があることは事実です。
 そういうことも含めて考えていきたい中に、基本は質の高い先生をつくりたい。この中で、今言われたように、免許更新制度の中でもそういう役割で良かったと言っておられる先生もおられます。一方で、期待していたものよりはちょっと低かったなと言う人もおられます。
 ただ、趣旨は、この前もちょっと議論に衆議院の予算委員会でなったんですが、趣旨は、質の高い先生、いわゆる十年たって、毎年新人だと言われましたけれども、十年たってまた新人になろうという、リニューアルという言葉が当時出ましたけど、ということであって、不適格な先生を排除するという目的ではないということははっきりしているわけですから、資質を向上させるためであることは事実なんです。そうであれば、その更新という形を入れるかどうかは別にして、資質を向上させるツールの一つであるならば、資質の向上を含めた全体の議論の中でこの取扱いは検証しながら考えていきたい。
 ですから、廃止を大前提にして議論をするものでもなく、存続を大前提にするものでもなく、目的は、先生の資質を上げるためのいろんな機会がどう確保されるかということで考えていきたいと思っております。
#65
○義家弘介君 ありがとうございます。まずこれは本当に現場に即した慎重な議論をお願いしたいと思います。
 時間も迫ってまいりましたが、次に道徳教育推進に関する方針についてお聞かせ願いたいと思います。
 例えば、心のノートがプリントアウト方式に変わると。様々な動きがこの道徳教育に対して起こっているわけで、私の認識は、危機感を持っています。というのは、年間三十五時間道徳の授業をすると今決まっているわけですけれども、現実には行われていない。行っていたとしても、人権の授業だったり様々な授業に振り分けられてしまっていて、じゃ道徳の授業って一体何ぞやというところに対して明確なラインがない。だから、私は道徳の教科化って言うわけですけれども。
 もちろん、いろんな意見が分かれて、いろんな議論が行われていいと思いますけれども、彼らに対して、例えば今携帯電話がこれだけ普及して、大人を一切介することなく自由に社会情報にアクセスできるようになってしまった中で、子供たちの心、ならぬものはならぬと、大事にすべきものは大事にすべきだという、特に初等教育においての道徳教育というのは私は非常に重要だと思っているんですね。
 今、ちょっと困ったことが実は起きているんです。というのは、この一年間、学校現場でインフルエンザがずっと、新型インフルエンザがはやって学級閉鎖とかがずっと行われているのは皆さん御存じのとおりだと思いますが、結果として、例えば学級閉鎖が一週間とか続く、それが二回あると、これは授業時間なくなっちゃうんですね。で、今の対応の仕方というのは、決められた授業時間を確保するためにどうするかというと、長期休みを削るか、あるいは七時間目をつくるかというような状態で対応しているわけですけれども、例えば小学校六年生や中学三年生、これはなかなか、冬休みをこれ以上削れるのか、あるいは一体、春休みがもうないですからね、一体どうするのかという中で、総合的学習の時間や道徳の時間が結構そういう形で振り分けられていっているという現状もあります。
 私は、しっかりと道徳教育を行うこと、よく、おまえ、道徳心のない少年時代を送ってきたのに何言っているんだと言われるわけですけれども、あのころ伝えられたあらゆることが、自分が失敗したときに、ああ、あのとき先生がああやって必死に言っていたことはこういう意味だったんだなと、あのときじいさんが怒ったのはこういう意味だったんだなと。つまり、道徳というのは、ぱっと伝えたからぱっと太鼓みたいにやるというんじゃなくて、長年のいろんな経験の中で、なるほど、そういう大事なことってあるんだなということをはぐくんでいくもの、だからこそ、私は、思想信条とかではなくて、しっかりとどういうことを大切にするかということを教えていくべきだと、その責任が公教育にはあろうと思っているわけですけれども。
 例えば心のノート、これはある意味では一個の基準だったんです、一個の基準。それは道徳教育ボイコット運動。まあ、あれですよね、対立の図式の中の一つに挙げられて、すごい教育現場ぐちゃぐちゃになった歴史の中で、文科省が一つの基準としてそれをつくってきたという歴史的長い経過の中で、やっとすべて、この問題についてみんなで考えることは大事にしましょう、もちろん様々な副読本もありますけれども、その基準はみんな一緒にやっていきましょうねという中で成立したものであったわけですね。それをプリントアウト方式にする。
 じゃ、一方で、道徳教育としてどのような充実を行っていく方針であるのかということを是非お聞きしたいと思います。
#66
○国務大臣(川端達夫君) 言わずもがなでありますが、道徳教育が大変大事なものであり、しっかりとやらなければならないという認識は私も一緒でございます。
 そういう中で、心のノートが教材としてかなりのところで、比率で使われていることも事実であります。そういう中で、今実は道徳教育をより深めるためにということで、道徳教育実践研究事業、道徳教育用教材活用支援事業、心のノート活用推進事業、こういう三つそれぞれでやるときの補助金、助成金が出ているという仕組みを私たちはできるだけ大ぐくりにして選択肢を広げてより良い活動にしたい。
 これは、心のノートを実際に小学校で九九%、中学校で九五%教材として使っているんですが、民間刊行の副読本も小学校で八四%、中学校で七四%、映像コンテンツ等々でも七割とかいろんなことでそれぞれに工夫してやっておられます。そういう意味では、心のノートが欲しいと言われる方には、市販のものを手に入れるときのお金はバックアップする、ウエブで載せてそれをプリントアウトするという費用を支えるということの中で、例えばいろんな感激したこと何とかというページがありますけれども、プリントアウトすれば何枚でも刷れます、ノートだと一ページしかありませんが。そういうふうなことや、地域版のことを織り込んだような教材にするとか、いろんな幅広の活用ができるには、この電子ツールを使った方がより活用できるということもあるというふうに思ってこういう形にしたので、より道徳教育を進化させるという施策であると是非ともに御理解をいただきたい。
 そして、これは都道府県に対して道徳教育推進に関する計画の提出を求めて、こういうことをやりますということで実際の支援を決めるということで、国としては都道府県の教育委員会に対してしっかりとチェックをしながらやっていきたいと。道徳教育をやらなくなるとかいうことのないようにしたいと思っております。
#67
○義家弘介君 是非、この道徳教育をめぐる戦後教育現場の歴史認識もしっかりと持った上で、道徳教育をどう大臣がおっしゃるように充実させていくのか。これはすごく大切なことですから、政局とかではなくて、もう党派を超えてしっかりと議論を積み重ねた上で進めていくべきテーマだと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 法制審議会、法務省の法制審議会でも成人年齢十八歳引下げ相当なんというものが出ていますけれども、十八歳というのは高校三年生ですよね。高校三年生か大学一年生や社会人一年生、専門学校、短大一年生、まあ多くが十八歳は高校三年生なわけですけれども、つまりそういう時代になればこそ公教育、先ほどの高校無償化も含めて、権利にはすべて責任が付いて回る。その責任あるいは道徳、こういうことを充実させていく責務が我々立法に携わる者はあろうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 いずれにしても、最後にもう一度確認しますが、日教組と二人三脚の教育行政だけは、私自身も断固として突っ込んでまいりますので、子供たちのためにしっかりとした中立を担保した上で、彼らのためになる政策を是非議論の上で積み重ねてまいりたいと思います。
 私からの質問は以上で終わります。
#68
○橋本聖子君 自由民主党の橋本聖子でございます。
 川端大臣、改めて御就任おめでとうございます。約二か月がたちましたけれども、先日、所信表明、あいさつの中で大臣が、国家百年と言われる教育行政というものの意気込みというものが大変感じられて、是非とも頑張ってやっていただきたいと思いますし、私たちも教育というものに関しては、やはり党派を超えてしっかりと議論をしていき、そして未来の子供たちのために築いていかなければいけないことだというふうに改めて今感じているところであります。
 そして、今日は特に、今シーズンといいますか、来年ですね、二月にバンクーバーのオリンピックが開催をされます。私自身、日本スケート連盟の会長に九月に復帰をいたしまして、まあ一部では野党になったからオリンピックの団長になれたんだろうというようなことの声もありますけれども、ただやはりスポーツというもの、そしてまたその最高点であるオリンピックというものというのは、私どもは一つの教育だというふうにもとらえておりまして、そういった意味におきましては、特にスポーツ部門を受け持っていただく、現場の声をよく知る鈴木寛副大臣に御就任をいただいたということも私たちスポーツ界にとっては大変うれしいことでありますので、是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 まず最初に、私たちスポーツ関連をする人にとりましては、やはりこのスポーツというもので何とかたくましい子供をつくりたいんだというものが大きな目標の一つにあります。当然、オリンピックや世界大会で走る、戦うというような人間でありますから、頂点である金メダルですとかそういった新記録を目指すのは当たり前でありますけれども、それはやはり一つの結果論であって、一番大切なことは、それに向かっていく姿勢、そして向かっていく過程であるというふうに思います。その過程において人間力というものがつくられていくんではないかということで、指導者としてのいろいろな教育というものも今オリンピック委員会というのは全力を挙げているわけでありますけれども。
 私自身のことで恐縮ですが、昨年の九月三十日から今年の九月中旬までの約一年間を外務副大臣という立場で世界から日本を改めて見詰め直す機会というものをいただいたというふうに思っております。その中で、たまたま私自身が担当するエリア、アジア大洋州、そして中東、アフリカ、この三エリアだったこともありまして、ODAが担当であり、開発途上国によくODAの案件で行かせていただきました。
 そのときに、ODAの案件で建てた開発途上国への学校によく出向かせていただいて、その場での子供たちの教育現場というものを見させていただいたわけですけれども、そのときに私は改めて、開発途上国から、その教育の現場から日本の教育現場といいますか、日本の子供たちの取り巻く環境というものを改めて見詰めさせていただきましたときに感じたのは、日本というのはやはり恵まれているなと。今はやはりいろいろ経済危機ですとかそういった問題があるのはもちろんでありますけれども、一つ取りましても、やはり日本にないものはないんではないかなというぐらい子供たちの環境というのは大変裕福といいますか、育ちやすい環境になっているんだというふうに思います。そのときに開発途上国で思った一つは、やはりこの国にあって日本にないものは何かということが真剣に考えられたというふうに思います。そのときに私は、押しなべての話でありますけれども、日本の子供たちの、低学年のやはり教育現場で目の輝きというものがないんではないかな、開発途上国にはその目の輝きというものが物すごい私は強く感じられた。
 そのときに、日本のこれは誇るものでありますけれども、科学技術の進歩というものは大変すばらしいものでありますけれども、その使い方が間違って、安心、安全という子供たちを取り巻く環境は当然これはつくり上げていかなければいけないものでありますけれども、でも、余りにも便利過ぎる世の中にしてしまうことによって、子供たちのやはり創造力ですとか人間力の弱体といいますか、そういったものをつくり上げてしまうことに大変危機感を感じました。
 だからこそ、とても抽象的とか概念的だというふうに言われるんですけれども、スポーツを一つ例に取って考えさせていただくときに、私たちは、体を鍛えるあらゆるスポーツ振興をするときに、得るものと失うものというのは同じだというふうに考えているんです。得るものがやはりあればあるほど失うものがある。こういった筋肉をつくりたいといったときに、必ず失う機能があるんです。そこで伸びていく人と伸びていかない選手が明確に分かれる。
 そのときに、伸びていく場合はどうしてかといいますと、伸びていくときに失うものが何なのかということを明確に分かるからこそそれを補う能力が生まれてそして得るものが多くなっていく、それが競技力と人間力をつくり上げていくというふうに考えたときに、今この日本国として教育を考えたときに、私は失うものをしっかりと今こそ日本政府がやはり理解をし、そしてそこに目を向けていくべきではないかというふうに思います。
 その一つとして、私どもは、やはり何としてもスポーツというものを一つの教育に入れていただくために、スポーツ基本法を何としても改正をさせていただきたいという思いであります。
 残念ながら先般の国会では廃案になってしまったわけでありますけれども、この十月二十一日に行われた文部科学省の政策会議では来年からスポーツ基本法の議論を始めたいということで議論がされたというふうにお聞きをしておりますけれども、これは来年、通常国会にこのスポーツ基本法案を提出するということの理解でよろしいでしょうか。
#69
○国務大臣(川端達夫君) まず、スケートで大活躍をされていた橋本聖子さんとこういう場で議論できるのは夢のようでありまして、大変光栄に思います。ありがとうございます。また、バンクーバーの団長ということで、大役、しっかりと御活躍いただきたいと思います。
 スポーツは本当に大事なものだと私かねがね思っています。先ほどの議論で道徳の問題がありましたけれども、まさに道徳の四つの要素とも言われますが、自分に対する気持ち、自分を見詰める、そして他人を見詰める、自然や命を見詰める、そして社会を見詰める、その観点が全部入っているのがスポーツだろうというふうに思います。そういう意味で、スポーツをしっかり振興することは、子供だけではなくて大人も含めての人格形成に大変大きな役割を担っているものであると私も認識をいたしております。
 そういう中で、スポーツ基本法の議論が昨今行われています。私もスポーツ振興議員連盟の副会長でありますので、議論をしてまいりました。最終的には全党物になれずに自公で出されて廃案になってしまったんですが、この重要性は認識をしておりますと同時に、この議連の議論もやっぱり随分奥深く、幅広くなってきます。スポーツと言ったらスポーツと体育は違うとか、そもそもみたいなことも、まあいろんな議論がある中でありますので、重要性を認識する中で、民主党としても議論を党としてということを超えて内閣として取り組もうということを先般確認をいたしました。
 そういう意味では、非常に幅広い、国民一人一人にかかわる、全生涯にかかわる課題を、基本法ですからしっかり議論したいということでいうと、通常国会の期間というのはもうすぐ始まることでありますので、そこに出せるかどうかということでいうと、現実、正直申し上げたら、来年議論するということは相当、来年出すのは厳しいのかなというふうに認識をしておりますが、可能な限りの議論を深めていくことをやっていきたいし、議連の皆さんのいろんな御意見もまたいろんな形で承りたいとも思っております。
 以上です。
#70
○橋本聖子君 私は、もう来年はオリンピックを控えておりまして、スポーツ団体といたしましては何としてもその成果というものを追い風にして、是非大臣には来年このスポーツ基本法というものをしっかりとした形の中で議論する場を設けていただいて、この成立に向けて来年中には何としてもやっていただきたいと思いますし、もしそういうことが不可能であれば、私どもは議員立法で何とか形を作っていきたいという意気込みもありますので、是非その点御理解いただき、御協力をしていただきたいというふうに思っております。
 やはり、先ほど大臣からも御答弁の中にありましたけれども、スポーツは大変奥が深い、幅広いというお話がありました。そこで、私たちはこの基本法というものを成立させていただいて、是非ともスポーツ庁を設置をしていただきたいというふうな考え方を持っております。
 例えば、オリンピックであれば文科省でありますけれども、パラリンピック、これは今一体となっているんですが、パラリンピックは御存じのとおり厚生労働省であり、例えばラジオ体操はどうですかとお聞きいたしますと、総務省だそうですね。そして、運動公園は国交省。これはいろいろとばらばらでありまして、スポーツをやる人間にとって、この垣根を取っ払って、一つになってやはり大きなものにしていきたいんだというふうに思っております。
 やはりスポーツ先進国を見るに当たりまして、もうスポーツというのは、当然商業ですとかそういうものももちろんではあるんですけれども、医療やまた予防医学、そしてやはり食育、教育、こういうものが一体となって初めてのスポーツ行政が行われております。それを考えたときに、当然これは日本ももうそろそろスポーツ庁というものをしっかりと立ち上げるべきではないかと思いますが、その考え方についてお聞きしたいと思います。
#71
○副大臣(鈴木寛君) 私も超党派の議員連盟で超党派の議員の各党の皆様方とスポーツ基本法の議論に加わっておりました。その中で、今、橋本委員からお話がございました、縦割りでスポーツ政策をやっていくことの問題点ということはかなり超党派での共通のコンセンサスになりつつあったのかなと、こういう認識もいたしております。逆に、次期通常国会での提出が難しいというところもそことある意味で裏腹の関係にもあろうかと思っておりまして、これは一つの大きな行政組織の変更、あるいは新設、再編と、こういう話にもなりますので、そうした議論をきちっと形にするためにも来年しっかりした議論をしていきたいと、こういう思いでございます。
 御案内のように、昭和三十年代にできたスポーツ振興法を四十年以上ぶりに改正をするという、あるいは今回は振興法ではなくて基本法にするという議論もいたしましたけれども、大事なタイミングでございますから、しっかりした議論は今の点も含めてしていきたいというふうに思っているところでございます。
#72
○橋本聖子君 是非お願いをしたいというふうに思います。いろいろと時間が掛かる、いろいろ精査しなければいけないということは十分理解をしておりますけれども、東京オリンピック前のこの振興法でありますので、社会の流れといいますか、スポーツの求められる重要性の中ではもうしっかりとやるべきときが来たのではないかというふうに思っております。
 今年、スポーツ立国の実現を目指したスポーツの振興ということの中で文科省の概算要求を見させていただいても、新規に競技者・指導者等のスポーツキャリアの形成支援事業ですとか、もう一つ新規にジュニアエリートの支援プログラムといった、またドーピングを含めてですけれども、そういうやはりスポーツ立国にふさわしいものをつくり上げるんだというものが、この概算要求、実際にこの要求がどのようになるかというような心配な部分もありますけれども、やはりこういったことを一つ一つ取りましても、もうスポーツは医学、栄養学、あらゆる観点から一つのものとして考えていかなければいけない時代であります。
 副大臣おっしゃっていただいた、いろいろなやはり分野があって難しい問題があるというふうなお話ですけれども、私たちが、スポーツ界がこの今の内閣に期待をするところはまさにそこでありまして、省庁の壁を取っ払うのは得意分野ではないかというふうに感じているところであります。改めてその是非考えを聞かせていただきたいと思います。
#73
○副大臣(鈴木寛君) まさしく我々鳩山政権の得意とするところは、省庁の垣根を越えて政治主導で国民の皆さんの真のニーズにこたえて新しい行政体系、政策体系をつくっていくことだというふうに思っております。
 その観点で申し上げますと、これは超党派の議論の中で、振興法から基本法に変えるという議論の中で、スポーツ権、まさにスポーツをする、見る、支えると、こうした権利が国民の皆さんに存在をするんだと、そうしたこともスポーツ基本法の中で位置付けていこうと。私が記憶しますに、スポーツ庁の話とスポーツ権の話というのがこれは非常に重要な今回の課題だというふうに思っております。これも従来の官主導の発想からは出てこない、こうした提案でもございます。
 こうしたことも併せまして、超党派での議論、そして国民の皆さんを巻き込んだ議論を深めることでより良いスポーツ基本法を作ってまいりますことに全力を挙げていきたいというふうに思っております。
#74
○橋本聖子君 やはりスポーツ権、どこまでがそういう範囲かということを考えたときに、これはいろいろな視点から見る方たちがおりますので、その部分においては、短期間でまとめ上げるということは非常に難しい問題点というのは私どもも承知をしておりますけれども、やはりスポーツ庁という頂点をつくることによっての大きな枠組みの中で人間力の向上というものも図られる分野であると思いますので、是非これは早急に議論を進めさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 そして、やはりこのスポーツというものに関して考えてみますときに、私たちオリンピック選手団を構成をさせていただくわけですけれども、このオリンピック選手団を構成していく中で、「日本代表選手団は、礼儀を尊び規律を遵守し、活力ある日本を代表するにふさわしい選手・役員をもって編成する。」ということを基本方針として挙げさせていただいて、必ず、成績がいいものであるのは当たり前なんですけれども、やはりそこにはしっかりとした人間性、人間力というものが備わっていなければ日本選手団として選ぶことができないということをこの文章の中に入れさせていただいております。それだけ私たちは、やはり克己心というものをしっかりと育てることができる団体でありたいというふうに思っております。
 克己復礼という言葉がありますけれども、己にかちて礼に返るという言葉でありますが、まさに私たちは、競技力と同時にこの克己心というものをしっかりと備えることができる人間力をつくっていきたい、教育の場に真剣に考えていきたいというふうに思っているんですが、やはりこうした社会的役割を明確に与えた上でのトップアスリートを育成していく考えというのが必要であるというふうに思いますが、その点について、副大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#75
○副大臣(鈴木寛君) おっしゃるように、橋本委員はトップアスリート、私は下手の横好きでいろいろなスポーツをやってまいりましたけれども、それぞれにやはりスポーツというのは、自分の可能性への挑戦でありチームの可能性への挑戦であり、そしてトップアスリートということになればまさに人間の可能性への挑戦と、そういう意味で非常にすばらしい意義を持っているというふうに私は思っております。そういう中で、まさに今おっしゃった、克己心なくして、可能性への挑戦と、あらゆるものを全力を振り絞ってそこに挑戦をするという先ほどおっしゃりました姿勢、あるいはそのプロセスというのは物すごく貴重でございます。
 その先頭に立っているという思いで、そして、だからこそ日本の社会の納税者の皆さんがそうしたトップアスリートが集中してその可能性に挑戦をされることを応援をしているわけでございまして、そういう観点からも概算要求もさせていただいているわけでございまして、そういうことは是非、今度選手の団長ということ、あっ、選手の団長じゃなくて全部の団長でございますが、橋本団長からも、そしていろいろな我々も機会をとらまえて、御期待も申し上げながら応援もさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
#76
○橋本聖子君 そういう考え方の下に私たちは全力を尽くしていきたいというふうに思っておりますが。
 そこで、やはり代表選手に対して与えられる誇り高きといいますか、象徴として国旗・国歌というものがあります。やはり日本の日の丸を胸に付けたユニホームを着るということは、これはやはり、日本国というものの代表であるという意識をしっかりと持たせなければいけないというところに視点を置いていきたいというふうに思っておりますが。
 昨今、これはスポーツ界もしっかりと今それぞれの競技団体に指導をしていることなんですが、代表者となってそしていろいろな場に出る、あるいは表彰台に立つことができる、そういったときに、国旗・国歌を掲げられたときに、余りいい態度を示すことができなかったりですとか、そういった態度を見られることに指摘を受けることが最近ありますが、そういうことはしっかりと直していかなければいけないというふうに思いますけれども。国旗・国歌に対する認識がとても低いというのは、これはほかの国に比べてみますと例を見ない問題でもあるというふうに思っております。これはやはり学校教育においても、この国旗・国歌というものに対しての敬意を払うという教育をまずいま一度しっかりとやるべきではないかなというふうに思っております。
 こういったことに対して、偏狭なナショナリズムへの、行き過ぎる危険があるんではないかというふうなことがいろいろと心配をされている部分があるんですけれども、でも、私どもは自国に誇りを持つからこそ他国へのやはり尊厳を守るべきという考え方であります。
 こういったことをやはり教育の場でもしっかりとやっていかなければいけないと思いますが、その点についてどうでしょうか。
#77
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘はその現状であることは、私も極めて憂うべき事態も多いというふうに思っております。いろんな国際親善マッチ等々でも、開会の際の国歌・国旗の儀式に対して、日本の選手と相手のチームの選手が明らかに態度が違うということはよく見られることであり、国民の懸念することでもあります。
 私たちは、学習指導要領の中でも、国旗・国歌への尊敬と、それから他国への敬意も含めてしっかりと教えるということを指導要領でうたっておりまして、その実践に対して、各学校でのそういう教育が子供たちに自然と身に付くように徹底をしてまいりたいというふうに思いますし、そういう教育課程が経られないという長い間の部分で余り教えられてこなかったことがそういうことに出て、日本人が世界から見てちょっと恥ずかしいんではないかという事態がいろいろあることは現実だというふうに思いますので、その問題意識を持って対応してまいりたいと思います。
#78
○橋本聖子君 ありがとうございます。是非、やはりこの国旗・国歌というものを教育の場でも考え直していただければというふうに思います。
 今回、十月二日にオリンピック東京誘致を行ったコペンハーゲンに副大臣にも行っていただきました。そして、お忙しい中、鳩山総理にも行っていただきました。残念ながら、結果としてはリオデジャネイロに選ばれたわけでありますけれども。ただ、カーボンマイナスオリンピックという考えの下に我が国の世界最先端の環境技術が駆使された二〇一六年の東京オリンピックのこのいわゆるコンセプトというんでしょうか、これは、選ばれはしなかったわけですけれども、世界からは大変な評価をいただいたというふうに思います。日本にしかできないやはり技術というものが入っていたというのは、世界が認めたこの日本の科学技術、そしてそれをスポーツの場で生かしていこうという一体感が表れていたというふうに思いますが。そのことについて、やはり石原都知事も、是非もう一度、二〇二〇年にということで手を挙げていただいたり、あるいは長崎や広島も関心を持っていただいて、やっぱり今までとはちょっと異例の形ではありますけれども意欲を見せていただいたということは、私たちスポーツ界にとっては大変進歩があったというふうに思っております。
 大臣の所信の中にも、国際競技、オリンピック等に招致、あるいは誘致といいましょうか、そういったものに対してしっかりと、開催に向けても協力をしていくということがしっかりと書かれておりましたけれども、この点について、今後どのようなお考えでありますでしょうか。
#79
○国務大臣(川端達夫君) 所信でも述べさせていただきましたけれども、やはりオリンピックあるいは大きな世界大会というのは、国民にとって、選手だけではなくて国民にとっても非常に各方面に、子供たちも大人も含めて大きな効果をもたらすことであることはもう言うまでもありません。
 そういう意味では、最近でいいますとラグビーが決まりました。そして、現在、サッカーのワールドカップの招致を協会としては今検討されているところでありますし、オリンピックに関しても先般の広島、長崎、それから東京等々が今、名のりを上げようかという段階にあると承知をいたしておりますし、それはそれぞれのJOCの段階あるいはサッカー協会の段階のいろんな手順もあるというふうに思いますが、私たちも、そういう手順が進んでくる中での政府の役割としては、そういう運びになれば積極的にそれが実現するように支援ができることは精いっぱい支援するという立場で臨んでまいりたいというふうに思っております。
#80
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 大臣の所信の中にありました、スポーツは国民に夢や感動をもたらすというところでありますけれども、私たちは、夢と希望、感動、そういうものを、自己を磨くことによってそれを見ていただいて、子供たちにどのように伝えることができるかということを今オリンピックを通じて真剣にやらせていただいているところでありますけれども、そういったやはり夢と希望、感動ということというのはなかなか伝えるのは難しい。でも、実際にやってきた人間だからこそ子供たちの現場で伝えられる力を持っているんではないかな。
 そういったやはり力というものは、一つのやはり国が、ナショナルトレーニングセンターも造っていただきました、そして、あらゆる政策の中でオリンピックに対して、あるいはスポーツ行政に対して税金を使っていただいているわけであります。そのことを含めて、私たちはそれをどうやって恩返しをするべきか、社会貢献というものに換えていくべきかということ、自己を磨くことによって得た財産というものを恩返ししていきたいというのは、これは当たり前の考えだというふうに思っております。
 でも、今国としては、その大きな、選手が国の力によって、あるいは自己の努力もあったというふうには思いますけれども、あらゆる力をお借りしながら、援助をいただきながら一つの財産を自分の中で持ち得ることができた。その財産を実際に国はしっかりと活用することができていないんではないかなと。人材の循環型というのは大変必要なことだというふうに思います。
 そのことができた人間が今ボランティアの中で一生懸命に努力をして、子供たちに夢と希望を与えてくれる現場があったんですね。それが今回、事業仕分によりまして、私自身、是非これはお聞きしたいものの一つは、子どもゆめ基金が廃止になってしまいました。当然この中身というのはしっかりと精査しなきゃいけないものがあったというふうには分かります。役員の報酬ですとか天下り、そういったものを当然、切るべきところはばっさりとやっていただかなければいけないというふうには思っているんですけれども、その補助をいただいて夢と希望というものを、感動を実際に現場で与えることができた、社会貢献をしようと、せっかく日本の国で育てていただいた我がスポーツアスリートのセカンドキャリアなわけなんですね。そのセカンドキャリアの場を失ってしまったというふうに私たちは残念に思っております。もう一度やっぱり現場をよく見て、この事業がどれだけ多くの子供たちに感動を与えたかというところを見ていただきたいんだというふうに思います。
 昨日のことなんですけれども、これは文部科学省ではなく厚生労働省の所管でありますけれども、優良児童劇の巡回事業、これは多くの仕分人の方たちに、半分ですか、半数が反対だったということで、文化庁に重複する事業があるということで批判があって、これは縮減をすべきじゃないかというような意見が大半だったのに対して、作業グループの取りまとめ役の菊田先生が子供に希望を与える事業は大切にしたいということで、これをそのまま存続といいますか、要望どおり受け入れるということになったということなんですが。同じだと思うんですね、劇もすばらしいと思いますけれども、スポーツを直接教えることができるということ。
 私たちスポーツ界にとっては何かすごく残念なのは、文科省は夢と希望を与えることがスポーツはできないんではないかというふうに考えられているような気がするんですけれども、ここはいかがでしょうか。
#81
○副大臣(鈴木寛君) まず、おっしゃいますように、トップアスリートのセカンドキャリアは数多くあるスポーツ政策の中でも一番重要な課題じゃないかなと。特に私たち一生懸命この部分は更に加速してやりたいと思っています。
 そのことは、もちろんトップアスリートが現役のときに感動を与えていただくということと同時に、まさに地域やあるいは次の世代に対して、まさにその頂点を極めたアスリートの皆さんがその感動や挑戦することの意義ということを伝えていただくということもあります。
 それから、実はこれは競技力の向上にとっても非常に重要だと思っておりまして、トップアスリートがセカンドキャリアも含めて非常に充実した人生を送られるということは、若いスポーツ界に入ろうかどうしようかというふうに迷っている非常に有為な人材を、スポーツを生涯の仕事としていただくということで、そういう意味でも競技力の向上にもつながる。まさにこれ循環をしているというか、補い合っているというふうに考えております。
 そこで、今お話がありました子どもゆめ基金の事業でございますけれども、子どもゆめ基金の助成事業は、御案内のように、今年間六十万人ぐらいの子供たちがいろいろな、本当にいろんな事業がございます、その事業の中に今おっしゃったトップアスリートのセカンドキャリアのボランティアの一環として子供たちにそういう感動を伝えていただくという事業も含まれております。一万七千件ぐらいございまして、こうしたことを一つ一つやはりきちっとチェックをしていきながら、必要なものは今日の御議論も含めて点検をし、そして予算編成に生かしていきたいと思っております。
 ただ、冒頭、廃止をされてしまわれたというお話がございましたが、ワーキンググループの事業仕分の結論がああであったということでございまして、このことも、議事録を読んでみますとやはり傾聴すべき御意見もございます。今のこの子どもゆめ基金の事業が全くこのままで、その事業の運営とかあるいは採択とか、見直すべきが全くないのかといえば、それはやはり毎年毎年きちっと改善をし、進化をさせていかなければいけないというふうには思っておりますけれども、最も国権の最高機関でありますこの国会での文教科学委員会の今日の御審議ということも極めて重要な御指摘だというふうに思って受け止めさせていただきたいと思います。
#82
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 鈴木副大臣のやはり現場を知る力というのは有り難いなというふうに改めて感じるわけでありますけれども、そう考えていきますと、やはりこれは川端大臣の意思によってまた復活をしていただけるということでよろしいでしょうか。
#83
○国務大臣(川端達夫君) 冒頭、義家委員のときにこの事業仕分の位置付けというのはお話しさせていただきまして、事業仕分の人たちの目から見たらこういう見方があるということは予算編成のときの一つの大きな参考の材料であることは間違いありませんが、今委員御指摘のように、これによって多くの夢ある若者に対して夢を与えてきたことも事実でございます。そして、お金の流れ方や事業によって無駄ではないかという指摘も一部あることも、これもまた事実だと思うんですね。そういうことはしっかり精査をしなければいけない。
 もう一つの論点は、ゆめ基金というのは基金の制度なんですね。百億円の基金を置いて、果実というのが、実は今の御時世ですから一億ちょっとの果実があって、これでは全然回らないので別途二十億ぐらいの予算を入れているわけです。そうすると、これは基金制度でやっているという事業なんだろうかという見方は間違いなくあると思います。これ基金事業ではないじゃないかというんだったら、そういうことにもっと力を入れるというやり方もあるという見方の切り口も議論としてあるのかなというふうに私自身は思っております。
 だから、そういう面では、無駄遣いのこともあれば、こういう仕組みとして基金というものがいいのかどうかという議論も含めていろんな議論を、提起をいただいたというのは承知をいたしておりますが、この中身において、ソフト的なものにおいては私は非常に意義があるというふうに理解をしておりますので、これからの予算編成の中でそういう議論を重ねて最終予算編成をしていきたいというふうに思っております。
#84
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 やはり、現場で頑張っている、そして人づくりに真剣に取り組んでいる、そしてまたこの事業を真剣にとらえて力を尽くしてきた人間にはなかなか、どこが無駄であり、どこにどのようにされていたかということは分からない部分があります。実際にやはり無駄である部分はたくさんあったというふうに思いますので、その部分は当然しっかりと精査をいただいて、そしていま一度やはり現場に目を向けていただきたいと思います。
 夢と希望、感動というのはなかなかすぐに現れる効果ではありませんので、少しずつの予算、これは大きい方がいいわけですけれども、しっかりとした本予算の中にこのセカンドキャリア、そして子供たちに夢と希望を与えることのできる、そういった人づくりというもの、そして地域づくりにつながること、この人材の循環型というものにしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 スポーツのシーズンも冬でありますけれども始まっております。夢と感動を与えるものにオリンピックもしていきたいなというふうに思います。このことについては、やはり所管である川端大臣の大きな御理解とそして御支援が私たちにとって大変必要でありますので、是非現場に足を運んでいただいて、見ていただければ幸いに思います。
 今日はありがとうございました。
#85
○委員長(水落敏栄君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#86
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○山下栄一君 公明党の山下でございます。
 今日、午前中の質疑を聞かさせていただいておりまして、自民党さんの方の義家委員それから橋本理事、両理事の御質問でしたけど、私は大臣、副大臣の御答弁を聞きながら、非常に見識の高い御答弁が多かったなというふうに感じました。
 川端大臣始め両副大臣におかれましては、教育というのは私は与野党を超えて、政治の分野の役割は限られているとは思いますけど、余り政治が出しゃばって引っ張ってくると危ないという面、後からも触れますけれども、そういう意識を持っておるんですけど、与野党を超えた課題だなと。
 今子供が育ちにくい、人も育ちにくいと、子供は特に育ちにくいだけでなく育てにくいというふうな社会になっている面があるなという、教育力が全般的に、まあ育てる力といいますか、それが非常に衰弱してきているなということを感じておりまして、立法府でできることは、与野党を超えて、大変な文明社会共通の課題ではないかと、文明社会が進めば進むほど命が、人が、子供が育ちにくいような社会をつくってしまう面もあるのではないかと、このように感じておりまして、現場が元気出るように、現場というのは家の中とか地域とか、学校だけじゃないという意味ですけど、人と人とが接する、特に子供と接するところが元気が出るように知恵を出し合いながらやっていく必要があるなというふうに思っております。そういう観点から今日も質問させていただきたいと。
 まず、今就職ですね、社会に人材を送っていくというか、学力を付けることももちろん重要なんですけれども、社会への人材供給ということが、特に学校教育の役割が真に果たせていないなと。こんなことは通常国会でも塩谷大臣とやり取りいたしましたけど。
 その学校体系の最高峰が大学院やと思うんですね。幼稚園から始まって大学院、大学院の特に博士課程。博士課程に入学して、そこまでどれだけお金が費やされているかと、私の費用、公的費用。そして、一番この最高峰の大学院の博士課程の方々が社会へ出るときにどんな状況になっているのかということが物すごく気になっております。高学歴ワーキングプアという言葉もありますけれども。
 まず、私は、この学校基本調査の実態が合っていないということをメモで届けて、到着していると思うんですけれども、例えば二十一年度、一万六千人の方が大学修了者数としてカウントされているんですけど、基本調査によりますと。そのうち就職が一万人、六四・一%と。それ以外の方はどこに行っているんだろうなということもありますけど、まず確認したいことは、正規職員として、正規社員というか職員というか、アルバイトとかそんなんやなくて。これ、就職者一万人というけど、一万六千人中一万人が就職しているというけれども、元々やっぱり正規職員として仕事したいなというふうに思うと思うんです、若い人はね。この一万人というのは正規職員じゃないんじゃないかと。こういうデータはあるでしょうか。
#88
○国務大臣(川端達夫君) 日ごろから山下先生、教育の実践者としても見識を持って御活躍いただいていること、敬意を表したいと思います。
 今おっしゃいましたように、博士課程を卒業した人がどういうコースを歩んでおられるのかということで、学校基本調査では、いろんな毎年の卒業後の状況について、大学を回答者として調査をさせていただいているんですが、御案内のとおり、二十一年の分では、卒業者数が一万六千四百五十人、進学者が百六十四名ということで、就職者一万五百四十三人。これは、給料、賃金、報酬その他経常的な収入を得ることを目的とする仕事に就いた者、一年以上の雇用契約がある派遣雇用や契約社員及び自営業者を含むということでありますので、今お問いの部分に正確な数字が正直言ってありません。多分、後ほどお問いになるのかもしれませんが、この調査項目は、その部分で申し上げますと、何か就職でも進学でもないことが明らかな者という、何か非常に複雑な表現なんですが、で二〇・五%とか、死亡・不詳の者が九・一%というと、何か行方不明人がいるみたいな項目に実はなっているんです。
 そういう意味では、本当に正確な実態を把握して、ドクター終わった人たちを、せっかく先生おっしゃるようにかなりの期間、そしてかなりの金額を掛けて高等教育の最高を受けた人が本当に有効に社会で頑張ってもらう実態にするために現状どうなるのかという調査は、私も先生の御指摘で改めて見させていただいて、これはちょっと余り意味がない嫌いが多過ぎるということで、しっかりとこれは検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#89
○山下栄一君 問題を共有していただきまして、ありがとうございます。
 今日は厚労大臣来ていただいておりませんけれども、大臣というか、厚労省の方は。これは、私もちょっと調べて驚いたんですけど、いわゆる終身雇用が前提の日本社会だったからかなとも思うんですけど、正規社員の例えば求人がどれだけあるのかということは厚生労働省は把握してないんですよ。そういうデータの取り方になってないと、現場のハローワークも。もう私はびっくりしました。
 若い人は、高卒にしろ、新卒内定取消しもありますけど、高校三年生で進学、そして大学、進学ね。一体、元々、求人で正規、正規ですよ、常勤、常用雇用じゃなくて、期限がない形で、一年契約ですよというのではなくて、期限がない形でいわゆる正規社員として求人がどれだけありますかと聞いたんですよ。そんなのデータないんです。今ないんです、この現在も。それは、だから、もう何か惰性でやってきているんかなと思うていましてね。だから、そういうデータに基づいて雇用対策といっても、余り意味がないなと。正規社員が今どれだけ各産業にしろ職業別にしろ求人があるのかさえ掌握されてないと。
 もっと言えば、職業分類そのものもちょっと訳の分からぬ、私にとって訳の分からぬ職業分類になっているんですよ。これはもうびっくりしますけど、例えば、大学院もそうですけど、第三次産業が多い今世の中ですけど、例えば事務従事者、大分類ですよ、職業の大分類が事務従事者、販売従事者、その次にサービス職業従事者と書いてあるんですよ。事務従事者とか販売はサービスと違うのかと。何ちゅう分類だと、これは。それは、やっぱり統計法で総務省所管なんですね、これ。
 これは、だから、もう何というか、雇用対策の基本の一番重要な部分の実態がどうなっているかというデータそのものが実情を全然反映していないなと。
 だから、正規社員がどれだけおるかいうことすら分かりませんと。月曜から金曜、一年間働いています、九時―五時で。それは常用雇用というんだけど、正規社員でも何でもないんですよ、一年であなた終わりですよ言われたら。そんなこと求めて就職しますかと、大学卒業生は、高校卒業生はということなので、これは非常に大きな、緊急雇用対策本部もできているようですので、もう魂の部分でデータそのものが反映されていなかったら、的確な、もう非常に厳しい実態あるのではないかと。
 そんなことで、学校基本調査やってきたということは、そういう意味で私は与野党を超えてという立場で言っているんですけどね、おまえ与党のとき何してたのと、こうなるから。だから、そういう問題意識は、これ極めて大事だと。だから、そういう意味では総務省、厚労省と合わせてこれやっていただかないと。
 特に、学校教育の成果というのは、進学もあるかもしらぬけれども、どこどこ大学行くとかあるけれども、やっぱり社会にどれだけ有為な人材を送り込みますかということを、教員も大学の先生も意識がないと、これはもう学校教育の目的は、何をもって成果とするかということにもかかわる、ええ大学に行きましたいうだけでよろしいんかという話ですわ。
 ということで、社会への人材供給の観点が余りにも弱過ぎるということは、前も私はこれ通常国会でも言うたんですけれども、これが最初の、私はまあ今日は共有できましたので、非常に大臣に期待しております。
 それから、さっき、今日の朝も学力テストの話ございましたけれども、あれやっているのは義務教育ですよね。義務教育で、もちろん学年、教科、特定してやっているわけですけど、悉皆調査だと。その義務教育九年間の成果ですね。義務教育九年学んで、子供たちは義務教育の内容をどれだけ理解して卒業しているかという検証ですね。これも以前にも取り上げた話ですけど、これがあいまいなまま高校がたくさん行っているという話、私はちょっと、ちょっと高校の話する前に十四歳、五歳の子供たちがどんな心理状態で学校を卒業していくかということに想像力を働かさないと、誤った私は教育政策になるんじゃないかなと。
 ただ、九年間勉強して、七五三という言葉がありますよね、七五三。それ、余り根拠のないあれですけれども、中学卒業したら半分分かっておるという、それはデータがちゃんとしたデータじゃないんです、これ。ただ、私は学力テスト、悉皆調査するんだったらその検証をやっぱりやってもらいたいなと。そういうことも前、提案したんですけれどもね。義務教育の内容を生徒はどれだけ理解して卒業していくのかという検証、これは私はもう本当に大事だなと。
 義務教育はもう憲法に書いてある全国民の共通教育で、全国民、場合によっては外国籍の方も含めて、その成果を検証すらできていなかったら、的確な教育政策打てますかと。この観点の問題意識も是非共有したいなと思いまして、この検証の必要性は私はもう極めてあると。これ、いかがでしょう。
#90
○副大臣(鈴木寛君) 検証をやるべきだという委員の御指摘は全くそのとおりだというふうに思っております。特に、高校無償化に合わせて、その直前にあります中学校段階での義務教育、中学校の段階までの義務教育を点検するということはおっしゃるとおりだと思います。
 これは、御案内のように、知識はおおむね七〇%ぐらいは正答率ということが出ております。これは一つの、一つの検証結果だと思いますが、これも御存じだと思いますけれども、活用においては弱いところがあるということであれば、まさに情報編集力教育ということを私も言ってまいりましたけれども、そういう分野の時間なり、あるいはそういう手法なり、あるいは教材なりといったことはきちっと開発をし、また普及をしていくという、そういう不断の見直しをやはりやっていかなければいけないということは当然だと思います。
 それから、これも学力調査をやりまして分かりましたことでございますが、従来からこの文教科学委員会でも御議論になっておりました、少人数学級というのはやっぱり意味があるなと。かなり有名になりました、秋田県がテストで、もちろんこれは一部の学力でありますけれども、好成績が出ましたと。ちょっと調べてみますと、やはり秋田県の場合は二十五人以下がやっぱり四四・九%なんですね。全国平均が二六・五%でございます。あるいは、三十人以下で見ますと、秋田県は七一%が三十人以下になっておりまして、全国が五四・七%と。この知識及びその活用両方取りましても、そうしたやっぱり現場でのきめ細かい教育というものがそうした学力の獲得ということにつながっているのではないかなと、こういうふうに思っております。
 あわせまして、学力とは何かということもきちっともう一回議論をしていかなければいけないと思いますが、まさに生きる力という議論もありました。それから、学力を文字どおり学ぶ力と。これは、学ぶ対象はいろんな学ぶ対象があると思いますけれども、そういう意味でもその知識及びそれをきちっと活用する、この両輪での把握というものをもっと丁寧に行いながら、早く、もうその診断をやっているよりも対策を講じろという山下委員の御指摘、そのとおりだと思いますので、そうした意味で、教員の質、そして数の充実ということに取り組んでいきたいというふうに思っております。
#91
○山下栄一君 私は、対策の前に実態をよく掌握しておかないと的確な対策にならぬのではないかという意味で、やっぱり検証が不十分、今まで、だったのではないかと。もちろん、国立教育政策研究所とか取組はあると思うんですけれども、それをやっぱり直視して、義務教育の、どれだけ分かって世の中に出ていくというか高校に行っているかというか、それはもう基礎教育です、国民すべての、国民の基礎教育ですから、それが半分しかもし分かっていないとしたら、これはもうその上にまた上から高校学習をかぶせられたら、これは消化不良を起こしてますます劣等感、劣等感の拡大生産をやっているみたいなことになってしまうのではないかと。
 したがって、この九年間の教育がいかに大事かと。新聞でも大体そこに合わせて書いているといいますけれども、やっぱり九年間の教育内容をちゃんと理解するということがいかに大事かということ、それがどれだけ実態として分かっていますかねという検証は対策の前に本当に大事だなということを感じておりまして、大臣、副大臣におかれましては、こういう観点から、私はこの辺がちょっと不十分だったのではないかと、場合によったら、県によっては、また市町村によってはそういうことをちゃんとやっているところもあるかも分かりませんけれども、国の責任でということでおっしゃるんでしたら、義務教育が、そういうことの検証が、実態把握が大事だなということを申し上げておきたいと思います。
 三番目にですけれども、高校、大学、退学処分がございます。退学処分は、あれ、行政処分だと思うんですね。有無を言わさず、場合によっては、中には勉強したいと思っていて退学処分。もちろん授業料を払えないから退学処分という場合もあるわけですけれども、その退学処分というのは行政処分だと。これは、現在は文句を言っていくところがないと。それは行政不服審査法の適用除外になっているからなんですね。これは昭和三十年代でしたか、できた法律だと思いますけれども、これ、今もこのまま適用除外のままでいいのかと。
 別に行政不服審査法をそのまま適用せいとは言いませんけれども、何らかの形で言い分を聞いてあげるところがないと、それはちょっとひど過ぎるん違いますかと。受刑者と同じ扱いですかということなんです、受刑者。特別権力関係といって説明するわけだからね、そんなひどい。これがヒューマン、子供の人権、どういうことですかねということだと思うんです。正義の言い分があるかも分かりませんよ、退学処分食らった人にもね。だから、これは裁判で訴えるしかないと思う。それはちょっとおかしいですねと。それを学校の校長に言っても、ちょっとそれは通りにくいと思うんですね。教育委員会もセットで責任あるから、これはちょっと距離を置いたところでやっぱり第三者が話、ちょっと申立てとかそういうことを聞いてあげるというか、そういう仕組みがないと、今のままでずっと来ているんですけれども、今日まで。高校、大学の政治信条が違うからといって処分食らった例も学生運動激しいころあったかも分かりませんけど、それは検証しておりませんけれども。
 そういう意味で、退学処分、これは行政処分についての、何らかの形で管理者、要するに教育委員会とか学校とちょっと距離を置いたところでやっぱり聞いてあげて、何らかの意見とか勧告とか、そういうこともちょっと検討すべき時代に来ているんじゃないのかなと。すぐやれとかいうことじゃなくて、そういうことがないとちょっとこれは小さい話じゃないなというふうに思っておりまして、御見解をお伺いしたいと思います。
#92
○国務大臣(川端達夫君) 山下先生、かねてからこの問題に強い関心というよりも、生徒の、学生の立場でいろいろ思い、目を、目線を向けて取り組んできていただいていることはかねがね承知をいたしております。
 もうその部分では釈迦に説法なことでもありますが、現在、まさに行政不服審査法の適用除外という形で、基本的には学校長が教育的な観点から判断して処分ができるということでありますので、形としていえば、申し開きもいろいろなことも全くできない、判断の是非が問えない、不服審査もできないという現状にあることは事実でありますし、制度的には教育上の観点の総責任者である学校長あるいは大学長がその教育的見地で責任を持って行うべしという趣旨であります。
 しかし、学校教育法の施行規則第二十六条第一項では、当該生徒等の心身の発達に応じる等教育上必要な配慮をしなければならないということが、一応制度というよりも配慮規定が入っていて、強権的にやみくもにやるということは全くあってはいけないという制度になっております。
 したがって、各学校においては、退学処分が生徒等の身分に係る重大な措置であることにかんがみ、当該生徒等又は保護者から事情や意見を聴取するなど、生徒等の個々の状況を総合的に十分留意する。特に大学にあっては、退学勧告の基準を成績評価基準策定の際に明示するなどして特に慎重な配慮の下に実施しているというふうに、これは大学、学校のそれぞれのあれであります、教育委員会でありますので、というふうに我々としては承知をしております。
 そういう意味では、当該生徒あるいは保護者からの意見聴取の機会を事実上はほとんど設けているのではないかというふうには思っておりますので、不服申立ての制度ではないけれども、補完する機能は一定果たしているんだろうというふうに思います。
 これが現状でありますが、先生おっしゃるような側面から見れば十分にその機能が制度的にあるわけではありません。そういう現状を踏まえて、引き続きまたいろいろと検討してまいりたいと思います。
#93
○山下栄一君 まあ大変やはり微妙な問題もあるとは思いますけど、やっぱり恣意的に処分、身分にかかわることですからね、これは、有無を言わさずやめさせるわけですから、これはちょっとやっぱり何か手を打つべきではないかということ、実態も踏まえて、思っております。ありがとうございます。
 その次に、国際教育ですね。国際理解教育という言い方もしていた時期もあるようですけど、これは今、二十一年度予算でも国際教育推進プラン事業約六百万ですか、前年度の半額になってしまっているんですけど、国際教育、国際理解教育、私は極めて重要になってきているなというふうに思っております。
 それで、この国際教育推進プラン事業には三つの国際教育の育成する態度、能力、この国際教育の目標といいますか、これ文科省の資料でございます。まず、異文化や異文化を持つ人々を受容、共生する能力を国際教育というのは目指しているんだと。二番目が、自らの歴史の伝統、文化に立脚した自分をつくっていくんだということ。三番目に、自らの考えや意見を発信し、具体的に行動する態度、能力を養うと、こういうふうに書いてございました。文科省の資料でございます。
 その最初に書いてある異文化や異文化を持つ人々を受容、共生する能力、それを日本の子供たちにも育てるんだという、私は大事な視点だと、これはもう条約の理念にもかなうと。総務省もそういう観点から報告書も出しておるわけですけど。これはいろんなお考えがある分野かも分かりませんが、少なくとも世界の方々から名誉ある地位を占めたいと思う日本国をつくるためには、そういう異文化や異文化を持つ人々を受容し共生する能力を学校教育で目指すことは極めて大事だなと思うんですけど、これについての、まあ新体制でございますので、国際教育の目的、目標についての御見解をお伺いしたい。
#94
○副大臣(鈴木寛君) 民主党は二〇〇六年に提出をいたしました日本国教育基本法案でも、その前文で他国や他文化を理解しということを盛り込みまして、今おっしゃった国際教育というのは非常に重要だということを申し上げております。あるいは、マニフェストでも、国際社会の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな人材を輩出するためのコミュニケーション教育拠点を充実するということを盛り込みまして、こうしたことを受けまして、今回の概算要求でも、身近な外国人等との交流による国際教育実践事業というものを新規で要求をさせていただいているところでございます。
#95
○山下栄一君 ありがとうございます。
 日系の方々を非常に入りやすい環境もつくっていっておりまして、今、外国人地方集住都市がもう二十六を超えておって、そこの首長さんとか地域の方々にとっては非常に重要な課題になっているけれども、なかなかこれが共生にまでいかない部分もあると。大阪なんかも在日の方がたくさんいらっしゃるわけですけど、まだまだやっぱり偏見みたいなものは残っていると。
 そういう面もございまして、やっぱり名誉ある日本国をつくっていくためにも、私はこの観点極めて重要だという意味では、今、鈴木副大臣おっしゃった、そういう形で今、現政権が取り組もうとされていることについては評価したいというふうに思います。
 その次ですが、民主党のマニフェストではなくて政策集の中に、これは大事な言葉が入っておりまして、非常に共感するところが多いので確認させていただきたいと思います。
 これは、中央教育委員会の設置という言葉でございます。中央教育委員会構想を民主党さんは持っておられたんだなと。我が党もこれは前から言っておりまして、すぐにというよりも、そういう構想は大事な観点ではないかと思っております。
 先ほど、教育基本法の話がございましたが、教育基本法改正、自公政権のときやりました。今、民主党の場合はそのときに一緒に、日本国が入ったやつですね。これ、私は、政権交代の時期なのでこれ確認したいんですけどね、政権によってこの教育の根幹が変わってしまうということは、これはちょっとまずいですねと。
 先ほど、義家理事の質問の中にも政治的中立性という言葉がございましたが、基本法も法律ですので、だから、多数の勢力の教育理念によってこの教育の根幹が決まってしまうと。党派性がどうしても出てくる面もあると。もちろん、いろんな見識があるから変なふうなことにはならぬとは思いますけどね。思いますが、やっぱり時の政権によって根幹が、これ、教育基本法の話はそういうことだと思うんです、教育の憲法と前のとき言われていましたからね。だから政治的中立性ということは学校の先生だけじゃないよと、それが中央教育委員会構想に表れているのかなと私は理解したんですけど。
 この中央教育委員会構想というのは、これは読んでもちょっと分かりにくい面がございまして、中央やから、地方教育委員会じゃなくて中央の教育委員会ということ、そういうことも意識された構想かなと。ちょっと中身を教えていただきたい。
#96
○副大臣(鈴木寛君) 民主党が結党以来、折々で研究をし、またいろいろな政策立案を行ってまいりましたことを盛り込んでおりますのが政策インデックスでございます。御指摘のとおり、政策インデックス二〇〇九の中には中央教育委員会構想というもの、これは従来から研究は重ねてきておりました。
 まず、御指摘のあった教育と政治的中立の問題でございますが、これはもう御指摘のとおり、教育において政治的な中立を確保するということは重要なことだと、こういうふうに思っております。
 中央教育委員会の中身でございますけれども、例えば学習指導要領の全国基準なんかを設定をする、あるいは教育の機会均等と。これはまさにナショナルミニマム、シビルミニマムとして非常に重要なことでありますから、こうしたことを責任を持つと。あるいは教育に対する財政支出の基準を決めていく、あるいは教職員の確保、あるいは法整備、あるいは教育行政の枠組みと。こうしたことを、まさにいわゆる国家公務員の採用、あるいはそこでの、何というんですか、役人としてのキャリアを経てきた人たちによってのみ担われるのではなくて、様々な教育現場あるいは教育の専門家、そうした日本の教育コミュニティーを担ってこられた様々な方々の英知を結集できるような場としてこうした委員会というものを構想してはどうかと、こういう問題意識で研究をしてきたということでございます。
#97
○山下栄一君 政権から距離を置くというのは検察庁もそうやと思うんですね、ちょっと話がそれますけど。政治的中立というかな、時の権力に迎合するような行政をしたらえらいことですから。警察もそうやと思う。だから国家公安委員会というのがあると。これは独立行政委員会ですよね、第三条委員会というか、国家行政組織法の。そういう観点だと、私は中央教育委員会というのはね。
 だから、政権からちょっと距離を置いて教育行政のナショナルセンターとしてはやるんだという構想なんでしょうか。だって、そうでないとおかしいんと違う。いかがでしょう。
#98
○副大臣(鈴木寛君) 時の政権から距離を置くというものの何をもってそれを距離を置くと言うのかということはあろうかと思いますけれども、もちろん政権交代において、特に今のような六十年ぶりの世の中、時代が変わるという節目においてはいろんな議論はあろうかと思います。しかしながら、教育というものはやはりある程度のビジョンとプランを持って確実に充実をさせていかなければいけないと、こういう分野の政策だというふうに思っております。
 例えば、昨年も衆議院の文教科学委員会では、教育予算の公財政支出を対GDP比で先進国並みに引き上げていくということが、これ超党派といいますか、全会一致で決議をされました。恐らくこういうたぐいのことだと思いますが、そういうことを不断にきちっと決めていく、そして、教育振興計画の着実な実行ということもきちっとその超党派の視点で見守っていくというような役割を、先ほど申し上げましたような多様な人材によって構成される委員会によって担保していくと、こういう考え方だというふうに思っております。
 ほかにも、例えば国家公安委員会とかあるいは会計検査院とか人事院と、いろいろなこの種の仕組みがありますので、そうしたことも参考にしながら検討していくべき課題の一つだというふうに位置付けております。
#99
○山下栄一君 ちょっとこれ、もう一回戻りますけれども、後からちょっと確認させていただきたいと思いますが、ちょっとずれた論点ですけれども、教育公務員の政治的中立ということを私は言っているんじゃないんですけれども、それも非常に重要なことなんですけれども、私は、教育行政というのは一般行政、ほかの行政です、と同じであっていいのかという、そういう論点が、それがいわゆる教育委員会、自治体にしか今、国はなくて、自治体にはそういう教育委員会というのがあって、教育委員会は教育委員会でまた別のお考えがあるようですけれども、民主党さんは。それは独立行政委員会なんですよ、これ。だから、首長からすると距離を置くと。私学は首長だけれども、それも所轄という言い方をしている、監督官庁じゃないと。私学でもそうですからね、私学だからかも分からないけれども。公立についても首長の選挙で選ばれた首長によってころころ変わると、教育行政が。それは困りますねということで教育委員会という形を、アメリカからかも分かりませんけれども、それをやっていったと。
 ただ、その教育行政というのは一般行政と同じであっていいのかということについての御見解を確認したい。
#100
○副大臣(鈴木寛君) おっしゃる趣旨はよく分かります。そういう観点もあって、今まで研究を続けてきているわけです。
 例えば、学習指導要領がこの二、三年前におおむねフィックスをされて、そして今それに基づいて新しい教科書などが作られつつあるわけでございます。こうした過程というのは、学習指導要領がまず決まって、そしてそれの指導本ができて、そしてそれに基づく教科書ができてということになりますと、着手してから、あるいはその議論をしてから学校現場にその教科書が出回り、そしてそれを教えられる教員を養成しということになると四、五年掛かって、さらにそれが定着をして一部改良をと、こういうことになってくるとそれ以上掛かるという話であります。これが、この途中のプロセスで政権が替わって、今まで英語教育を、もちろん導入のときもいろいろな議論がございました、ございましたが、それをもう一回一から蒸し返すという話になりますと、これはやはりそれでもっていろいろ準備をしておられた現場の関係者に大きな混乱を生ずるということはあると思います。
 そうした一つ一つ分野に応じて、今のは継続性というものを重視すべき一つの例示ということで挙げさせていただきましたけれども、今申し上げた学習指導要領などは、これは政権が四年ごとにころころ替わるということはこれは余り適切、もちろん不断の見直しといいますか、進化させていくという、洗練させていくということはこれは必要だと思いますけれども、学習指導要領を根っこから百八十度変えるということが四年ごとに頻繁に起こるということは、これは余り望ましいことではないというふうに思っておりますので、そういうふうに一つ一つ、教育といってもいろいろその内容の話、あるいは教員の人事、養成の話、あるいは学校の設備と、いろいろございますので、それを一つ一つブレークダウンして、あるべき姿と、それをどこでだれによって決めていくのかというガバナンスをこれからじっくり研究をしていきたいというふうに思っております。
#101
○山下栄一君 今教科書の例をおっしゃったわけですから、特に教育内容にかかわる部分については継続性が大事だと、政権によって教育内容が変わる、特定のところからえらい力入れられておるというふうなことはやっぱりちょっとまずいですねというお考えだと思うんですね。
 ただ、例えば教科書行政、これはやっぱり普通の行政とちょっと違う部分がありますねということを今おっしゃったんではないかなと思うんですけれども、教育行政は他の一般行政と同じ体制でいいかということをちょっと質問させていただいたんです。このことについては同じじゃまずいですねという理解でいいんですかね。
#102
○副大臣(鈴木寛君) 同じものもあれば、違えるべきものもあるということじゃないでしょうか。
#103
○山下栄一君 幕末に福沢諭吉先生が、いわゆる勤王、佐幕というか、幕府側と戦争している鉄砲の、こういう戦争の状態が聞こえてくる中で、慶応義塾で、こんなことまた説明することもありませんけれども、そのときに、そういう今の世の中の動きに翻弄されないで、人を育てているということが今やっているんだと。だから、そういうことを、騒々しいけれども、世の中はと。だけれども、この教育という、時代を超えて、時代がどうあれ人を育てるということは大事なんだということをおっしゃったという話、私は強く印象に残っておりまして、これは教科書にもそんなことが記述された例が、ときがあると思うんですけれども。そういう政治が大きく変わるときですね、幕末も、今も何となくそんな感じがするのでね、政権交代したと。
 だから、そういう意味で、教育、人を育てるということについてはやっぱりちょっと、ほかの行政と同じ、まあ教科書とか学習指導要領とか、学習指導要領大綱化ということも出てまいりますけれども、法的拘束力あった方がいいのか、法律で縛るものなのかというふうなことも含めて、だから、ちょっと違う性質のものがありますねという、そういう論点を私は問題提起させていただいておるわけでございます。
 したがって、元に戻って申し訳ないけれども、中央教育委員会という構想は、先ほど何点かおっしゃったことはまさに今文科省がやっておられることで、それを中央教育委員会が基本的にやるという構想だろうと思うんですね。それは、だから、物すごく分かりやすく言ったら内閣の一員から距離を置くということですわ。もっと分かりやすく言ったら、大臣じゃないよと、トップはねということ。中央教育委員会、国家公安委員長、あれは政治家なってんじゃないの、なんですけれども、独立行政委員会はそういうことやと思うんですよ。独立行政だと、一般行政から距離を置くという、命を育てる、人を育てるということは党派性とか何か恣意的にやるものじゃないねということから、そういうことが中央教育委員会構想なのかなと。そうだったら、共有する部分が我が党あるんですよ。
 それで、そういうことから来ているのではないかということをもう一遍改めて確認させていただきたいと思いますが。
#104
○副大臣(鈴木寛君) 今委員のおっしゃった問題意識において共有する点は多々あると思います。
 ただ、これは私どもも今勉強中のテーマをこのインデックスには載せさせていただいております。マニフェストは、この四年間で実施すべきテーマを相当議論をいたしまして、そして党内のコンセンサスも取りまして盛り込んでいるのがマニフェストです。インデックスはそういう検討中、研究中の分も含めて掲げさせていただいているということでございますが、この構想を更に研究していく中で。
 ただ、いずれにしても、今のままの教育行政のガバナンスでいいのかという問題意識は持っておりまして、これを少なくともこの政権の中で議論はきちっとしていきたいなというふうに思っておりますので、今委員御指摘の点も非常に貴重な御意見として受け止めさせていただきたいと思います。
 ただ、一方で、これは中央省庁の組織再編に絡む話でもございますので、これは文部科学省だけで突出してできるテーマではございません。しかるべきタイミングで内閣全体として国家あるいは中央省庁の行政組織体制の見直しをしていくと、こういう議論でございます。
 その中で、例えば放送・通信に関する独立委員会というのも民主党のマニフェストの中には別途掲げております。ですから、そのように、いわゆる従来の権力行政型のトップダウン型のものと、それからまさに政治的中立あるいは公正を目指さなければいけない行政分野というのは、もちろん、放送行政と教育行政、これまた違いますけれども、ある種放送も政治的中立あるいは公正性というものを確保されなければいけないという形で委員会制度というものが提起されているわけでございまして、そういう何というか類型のものの一つとして勉強、検討はきちっと重ねていきたいというふうに思いますので、またいろいろな御意見交換させていただければと思います。
#105
○山下栄一君 教育の政治的中立性という言葉は、先ほど義家理事がおっしゃったように、子供と直接接する先生方が、まあ偏向教育という言葉がありますけど、特定のイデオロギーにのっとって教えられたら子供はたまったものじゃないねということだと思うんですね。それは、だけど、トータルに言うと、そういう教育行政の在り方にまで、時の政権ということになってくるわけですけど、その意向に沿うような人をつくるんだということじゃ、ちょっとそれは、教育は未来を伴う、命を育てる行為だから、そういう配慮、慎重な体制も含めた議論も大事かなということで問題提起させていただきましたので、お考えは分かりました。
 関連して、中教審ですね、中教審もこれ体制変わって、政権交代して、中央教育審議会という在り方は、今文科省の組織令で、政令で設置されておるんですけど、私はこれは法律事項にすべきほど重要な役割だと。諮問に基づいてやるということもあるけれども、だけどやはり権力、権力というか政治とか、特に教育内容、教育課程審議会もそうかも分かりませんけど、中身についてはやはり時代を超えた中身を子供たちに教えていくということから、有識者、選び方はいろいろあると思いますけど、そういう中央教育審議会の役割というのは非常に重要だと。そこの御意見を大事にしながら、お役所も政治家もそれを尊重しながらやるということでないとちょっと恣意的な教育になってしまう。
 そういう意味で、中央教育審議会、私は政令事項というよりも法律事項にすべきではないかと思っておりますけど、中央教育審議会の位置付けですね。メンバーは今、中教審もどんなになっているか分かったものではないけれども、動いているのかなと思いますし、どういうお考えで今政務三役は中央教育審議会をお考えなのかなと。中央教育審議会の位置付けですね、ちょっと確認させていただけたらと。
#106
○国務大臣(川端達夫君) 中教審が、おっしゃるように、文部科学大臣の諮問に応じて、教育の振興、生涯学習の推進、スポーツの振興等に関する重要事項を調査、審議する審議会として設置をさせていただいております。幅広い有識者、本当に幅広い有識者の中で、等関係者の中で審議を通じて、総合的、体系的な議論と同時に各般にわたる分科会で審議をしていただいて、教育制度とかの在り方を検討し、御答申していただいておりまして、重要な役割を今日まで果たしてきていただいたというふうに基本的には認識をいたしております。
 ただ一方で、やはり慎重に丁寧にやるということは時間が非常に掛かるということになります。やはり緊急に判断をしていただきたいというときに、場合によっては何か突貫工事みたいに非常に短期間に集中して御審議いただいたという例もあるようですが、基本的にはなかなか、それはかなり方針を示して、こういう答えというのと合わすような嫌いもなきにしもあらずのところもかなり無理があって、基本的にはやっぱり慎重にじっくり議論していただくということで、いわゆる教育課程なんかの在り方とかいうのは本当にそういう議論を積み重ねてやっていただいておりますが、そういう時間がちょっと掛かり過ぎる課題に関しては一方でいろんな懇談会とか等々を利用する場合も今までもあったというふうに思います。
 それと、やはりこれも裏表でありますが、先ほどから政治的中立というのは、ある種の国家百年の計、教育の体系的なものと、中身の継続性が非常に大事であると同時に、継続ということでいうと、時代が変わってきたらハンドル切りにくいのかということにもまたつながるという部分で、いろいろそういう指摘もあることも現実に事実でございます。
 そして、分科会でいっぱいやるということであると、大局的にちゃんと見られるのかということの指摘もあるということで、役割を大きく果たしていただいていることは事実でありますが、いろんな課題も現実に抱えているということでありますので、そういうことを含めての、これからもっともっといい機能をしていくのにはどうしたらいいかという検討はこれからも引き続きやってまいりたいし、それと同時に、教育のいろんな制度的なものの最終的な責任は、やはり行政の立場というのと同時に、政治家が責めを負うということの責任の所在を明確にしなければならない時代であろうというふうに思いますので、こういう審議会や委員会等の各種委員会を設置する中で、一番機能を果たす中で取り組んでいくと同時に、最終的な政策の判断は政治家が責任を持ってやるということも明確にしてまいりたいというふうに思っておりますので、中教審に関しては、よりいい役割を果たしていただくということの視点を見ながら、これからもいろいろと議論をしてまいりたいと思います。
#107
○山下栄一君 時間も参りましたので。
 今、たしか中教審の方々、任期途中やと思うんですね。それを今すぐ替えるとか、そういうことじゃないということでよろしいんでしょうか。
#108
○国務大臣(川端達夫君) 今いろいろ仕事もしていただいておりますのは、それは、今やっていただいているのは継続してでございます。
#109
○山下栄一君 ありがとうございました。
#110
○亀井郁夫君 国民新党の亀井ですが、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して質問を大臣にしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に、大臣就任おめでとうございます。また、副大臣もおめでとうございます。力を合わせて頑張ってほしいと思いますので、よろしくお願いします。
 今日は最初に徳育の問題についてお話聞きたいと思いますが、今日も午前中、自民党の方からいろいろと話が出ましたように、この問題は党派を超えて非常に大事な問題だと私は思いますので、その意味でお尋ねしたいんですが。
 御存じのように、道徳の時間は一時間だけ設けるようにということで決められておりますけれども、だけど、広島では、平成十年の是正指導以前には長期にわたって道徳の時間は時間割なくて、人権の時間でした。そういう状況で、特に例えば国旗については、白い部分は日本の侵略戦争で殺した人の骨の白だと、そうして赤は流した血の赤だと、国旗は忌み嫌う旗だということを小学校の一年生のときからずっと教えてこられたのが広島の人たちだったわけで、本当に困った状況だったんですが、平成十年の文部省の是正指導によってこれは直されてまいりましたけれども、この道徳の時間がちゃんと活用されているというふうに大臣は思われますか。また、こういう今言ったような広島のような状況、人権だというふうな扱い方が残っているんじゃないかと思うんですけれども、これについてはどうでしょうか。
#111
○国務大臣(川端達夫君) 徳育の大事さというのはもう先生御指摘のとおりでありますし、とりわけ、国際的に見ても、日本人は長い歴史と文化の中で非常に自分自身をしっかり見詰める中で、他人への思いやり、それから自然との共生、社会への貢献というものを非常に高い水準を持った人であるというのが長い間の日本人の私はつくってきたものだと思うんです。そういう部分では引き続き、今教育としてそういういいところを、世界に誇れる部分を伸ばしていかなければならないという意味でも、徳育の教育は大変重要だと私は思っております。
 そういう中で、先生御指摘がありましたように、広島において人権教育という名の下に事実上何もされなかったというのが、平成十年の文部科学省の、当時は文部省ですけど、文部省の現地調査を四月に行い、五月に是正指導を行った以降は、広島において教育の適正化の取組で、道徳の時間の授業時間数及びすべての内容項目の指導について適正に行われているというふうに承知をしております。そして、以前あったような問題は今生じていないと、文部省としては何か問題があるというふうには承知をしておりません。
 そして、全国的にどうかということのお問いだと思いますが、全国的にこのような問題が、我々がこれは是正をしなければならないというふうな状況にあるという事例は把握をしておりません。
#112
○亀井郁夫君 今、全国的にはそういう問題を把握していないと言われていますけれども、よくH2Oといって、広島と北海道と大分がH、H、Oでしょう、H2Oで、これが日本で最大の悪い教育が行われているというふうに言われているんですけれども。広島の方はおかげで随分良くなりましたけれども、北海道には是正指導しろということを言ったりしたんですけれども、是正指導はしていないけれども、いろいろと耳にするとまだまだ問題だと聞くんだけれども、大臣の耳はおかしいんじゃないですか。ちょっと。
#113
○国務大臣(川端達夫君) そういう主張をしておられる勢力がいることは承知をしております、その云々ということを。
 ただ、授業の中身として、道徳の時間の一時間の確保と、その中身においてそういうことが行われていてこれは大変問題であるということには至っていないと承知をしております。
#114
○亀井郁夫君 そういう形でちゃんとやるようにしっかり指導してくださいよ。よろしくお願いしたいと思います。
 それから、以前は副読本がいろいろと先生方の手で人権という考え方で作られておって、いいものがなかったということでできたのが心のノートと。これが百点満点とは思わないけれども、この心のノートについて、いろいろ学校によってはほとんど使われていないと。家に持って帰っちゃいかぬと言ったり、全然教えていないという学校があるやに聞きますけれども、本当にこの活用がされているんでしょうかね。
 これ、先生の一存で決まるものですから、だからこの活用状況についてどのような状況なのか、金森局長にお尋ねしたいと思います。
#115
○政府参考人(金森越哉君) 心のノートでございますけれども、平成二十年度の調査によりますと、小学校で九九・三%、中学校では九五%の、九五・八%の学校で心のノートが使用されていると承知をいたしておりますが、どの程度心のノートを活用しているかというその実態につきましては、学校ごとに様々であろうと考えているところでございます。
#116
○亀井郁夫君 今の話だと、中学校で九五、小学校で九八かね、という随分高い数字が出ておりますけれども、これについてはまだまだ使われてないところがあるわけですから問題だと思うんですけれども、そういう意味では、十分に活用されてないという点については、大臣はどうお考えですか。
#117
○国務大臣(川端達夫君) 先ほどの数字で、小学校で九九%、中学校で九五%というのが生徒の手までは渡っているということでありますが、先生、十分活用されていないという御指摘でありますが、局長から申し上げましたように、どういうふうに使っているかということの詳細まではつぶさに把握しているわけではございませんが、十分活用されていないという認識ではありません。
 ただ、これと併せて民間の副読本を使っているというところも、小学校で八四%、中学校で七四%とか、併せていろいろな工夫をしておられるというのが実態だと思います。
 そういうのと、小学校のときは非常に面白いというか、役に立つという、関心が高いんですが、道徳の時間をという、これは心のノートだけではないんですけれども、道徳の時間自体が楽しいかというか、ためになるというのを子供に聞くと、子供の、低学年で八八%が楽しいあるいはためになる、中学生は七六%、高校生は六〇%というふうに、年がいくとちょっと関心と楽しみが減ってくるという意味でも、こういう教材が何か欲しいということで提供したし、各教室には渡っているけれども、もう一工夫、二工夫、いろいろ考えて充実をする時期に来ているのではないかというのが私たちの認識です。
#118
○亀井郁夫君 考えてみても、道徳の時間には教科書がありませんからね。だから、先生も何を基準に教えたらいいかという点では非常に困っているのが実態ではないかと思うんですね。
 そういう意味で、それぞれ適当な副読本を用意したりいろいろなことをして努力しておられるんだろうと思うんだけれども、そういう意味ではどういうものが実際に使われているように文部省は把握しているんですか。
#119
○政府参考人(金森越哉君) 道徳の時間の教材といたしましては、心のノートのほかに、例えば民間の教材会社で開発、刊行した読み物資料でございますとか、テレビ放送やDVDなどの映像コンテンツ、また都道府県や市町村教育委員会で開発、刊行した読み物資料、また新聞記事など、多様な教材が使用されているところでございます。
#120
○亀井郁夫君 聞くところによると、今度は心のノートをやめてインターネットに載っけるというような話になりますけれども、お尋ねしたいのは、インターネットに載っけても、それこそインターネットを活用できるような学校の設備がどうなっているのかということで、今の学校の中で何割ぐらいが使えるんですか。
#121
○政府参考人(板東久美子君) お尋ねの、学校でインターネットを活用できる状況でございますけれども、今、小中学校におきましてはほぼ一〇〇%、学校単位につきましてはインターネットが利用できる環境が整備されております。
 また、教室単位に見てまいりますと、昨年の三月のデータしかございませんけれども、小学校、中学校とも四割ちょっと超えるという状況でございますが、補正で更にインターネットの活用環境というのが格段に整備をされてきているという状況でございます。
 ただ、心のノートにつきましては、教室でそのままウエブから引っ張ってきて見るというよりも、記録媒体に落として使ったり、あるいはプリントアウトをしたりということでございますので、それぞれの学校がインターネットに接続されているということで、利用については支障がないものと考えております。
#122
○亀井郁夫君 今のお話だと、学校単位では一〇〇パーだけれども、教室単位では四〇%ぐらいしかないという状況ですからね。だから、簡単には普及しないと。引けばいいんだって言うけれども、各学校に一台ぐらいしかないんじゃ困っちゃうからね。だから、そういう意味ではインターネットに入れたから大丈夫だということではなしに、むしろ今の心のノートの生徒の発展段階、今、小学校の低学年と高学年と二種類しかないわけよね、だから、これじゃ困るわけで、だから子供の発展段階に応じてそれぞれ内容を変えていくとか、また使われなかった点や評判が悪かった点を考え直すとかいう形で改善の道もあるだろうと思うけれども、そういう形で心のノートを拡充していくというお考えは、大臣、ありませんか。
#123
○国務大臣(川端達夫君) 先ほど申し上げましたように、趣旨としては、道徳教育の中身をいかに充実して子供たちにしっかり教えることができるかというのが趣旨でございました。
 そういう中で、現在心のノートを配付するという事業以外に、道徳教育実践研究事業ということと道徳教育用教材活用支援事業というのと心のノート推進という三つの事業をやっております。私たちは、この同じ道徳教育を充実強化するという施策であるならば、Aコース、Bコース、Cコースという三つのことをどうするかというので、それぞれにお願いするということじゃなくて、トータルとして予算を一元化をして、その中で選べるようにしようというのが大きな基本的な考え方です。
 その中で、心のノートは、先生のイメージは、教室で何か画面を見ながらというのでインターネットで見るというふうなイメージをお持ちだったのかもしれませんが、そうではなくて、各教室、これは一〇〇%小中学校に、インターネットに接続はできます。したがいまして、そこにこういう心のノートのデータが全部載ってありますので、例えばこの全ページを印刷しようと思ったら全部印刷はできます。
 そして、御案内だと思いますが、心のノートの例えば初めの方に、自分が感激したこととかスポーツをやってうれしかったこととか、ノートですから書くような欄があります。これを例えば一年に一回ではなくて一か月に一回にしようと思ったら、そこだけ毎月アウトプットすればみんなに書かすことができる、あるいはここには違う地域のお話を入れようとしたらそれも入れることができるという、いわゆるこういう、インターネットというより電子情報の有効性を活用していろんな、それをもっと利活用した幅広な教材にすることもできると。
 そして、いや、もうそれなかなか難しいし、今までどおりでいいというんだったら今までどおりで全部アウトプットすればみんなに渡すことができるということで、そういう印刷をするときの費用であるとか、いや、もうそれは印刷なんか大変だから、これ市販されますから、市販したものを買うというんだったらそれを買うと、今提供されていますけど。言うたら、その買う費用や印刷費用やあるいはいろんな加工したり、地元にこういう人のお話を聞こうではないかといって来てもらう講師を派遣するとか、総合的なメニューにいろいろ助成できるような形にしてやりたいと。
 その中の一つが、心のノートは現物で全部に配るんではなくて、電子情報化して、それをいろんな形で利活用できる仕組みに変えたいというのが趣旨でありますので、できるだけメニューを増やしていろいろ工夫して、そして、いや、うちはこういうことをやったよという実践例もまたネット上に載ることによってほかの先生が参考にできるとか、そういう形はまさにこのIC化された時代の利点でもあろうということも含めてやりたいと思っております。
#124
○亀井郁夫君 大臣のお気持ちはよく分かりましたけれども、そういう格好でどんどんやるということはいいことですけれども、実際金が掛かるわけですね。何か今度、聞くところによると、三億円、インターネット、心のノートをやめることによって削減するというふうな話になっているんですけれども、そうじゃなくて、三億円を残してそのまま、減すんじゃなくて、いや、いろいろ言われるけど、やる金がないじゃないですか。
 だから、そういうことでもっとうまく使うようにしてほしいと思っていろいろとお願いしているわけで、大臣、その辺はよろしいですか。
#125
○国務大臣(川端達夫君) 個別にいろんな事業をしてそれぞれにメニューが三コースあって、申請をして助成金をもらうということを一本化するということの中で効率化を図ったら三億円ぐらい節約できるのではないかと考えて、中身は維持向上させながらという工夫をした予算だと御理解をいただきたいと思います。
#126
○亀井郁夫君 大臣もいろいろと合理化しながら、金も使わないようにしながらうまいことやっていきたいということのお考えのようですけれども、ひとつ頑張っていただきたいと思いますね。
 次の問題をひとつお願いしたいのは、学校の統廃合の問題なんですけれどもね。
 少子高齢化で、特に子供がいなくなっているものですから、小学校の統合から始まって、田舎でも随分小学校がなくなっていると。さらに、高等学校も、県立ですけれども、これについてもいろいろと統廃合がなされておりますけれども、何か文部省では統廃合について基準か何か出して指導しているんですか。
#127
○政府参考人(金森越哉君) 公立の高等学校について申し上げますと、統廃合についての基準は特段設けてございませんが、公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律第四条におきまして、「都道府県は、高等学校の教育の普及及び機会均等を図るため、その区域内の公立の高等学校の配置及び規模の適正化に努めなければならない。」と規定されてございます。
 文部科学省といたしましては、高等学校の具体的な配置の在り方につきましては、設置者であるそれぞれの地方公共団体がこの法律の趣旨を踏まえ、生徒や保護者のニーズ、進学動向、生徒の通学の便、学校の規模などの地域の実情を十分考慮しつつ適切に判断すべきものであると考えているところでございます。
#128
○亀井郁夫君 今言われたことは法律に書いてあるということだけれども、現実には、小中学校については町が所管だから地元の人の意見を十分聞いていろいろやっているんだけれども、ここでまた申し上げたいのは、県立高校については県の教育委員会が決めているものだから地方の人の意見を十分に聞かないケースが多いんですね。特に、広島の場合はそういう格好になっておるものですから、文部省はどう指導しているのかということを心配して聞いたわけでありまして、そういう意味では、地方分権ではなし、地方主権であると言うけれども、だから県の教育委員会が何でもやっていいことじゃなくて文科省がちゃんとやるべきだと僕は思うんだけれども、大臣、どう思われますか。
#129
○国務大臣(川端達夫君) 高校に関しては、おっしゃるとおり、小中学校が市町村と異なり県がやるということでかなり広域でやられることは事実でありますし、基本的に文科省の立場でいうと、県の判断でいろいろおやりになるという分権がされていることは御案内のとおりであります。
 そこで、今局長申し上げましたように、その中で公立高校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の中では、「都道府県は、高等学校の教育の普及及び機会均等を図るため、その区域内の公立の高等学校の配置及び規模の適正化に努めなければならない。この場合において、都道府県は、その区域内の私立の高等学校並びに公立及び私立の中等教育学校の配置状況を充分に考慮しなければならない。」ということで、いわゆる適正配置の努力義務が課せられております。
 ということは、単に人数が少なくなってきたから統合ということだけではありませんよという、機会均等をしっかり確保しなさいという法律があって、それを受けて、現実には都道府県が最終的な判断する仕組みでありますが、再編整備、いろんなことで再編整備を検討されている状況にあることも事実であります、少子化時代の中で。そういう中で、協議会等を設けて幅広く意見を聞くという仕組みもほとんどのところで取られているところでありますので、我々としては、個別にいろいろなことにああしろこうしろということの仕組みにはなっておりませんが、個別のいろんな事情の中で適切に都道府県がこういうことをやるようにということは引き続き見てまいりたいと思っております。
#130
○亀井郁夫君 今言われたように、法律に書いてあることは分かりましたけれども、だけど、それだけじゃなしに文科省として通達や何かをやっぱり出してやってほしいです。特に、広島の場合は、今、一学年三クラスの場合、高等学校ですけれども、高等学校の場合、三クラス以下はみんな統合するという方向でやっているわけでありますけれども、もっと、地方主権だと言うけれども、その辺は十分考えてほしいと私は思うわけです。
 特に、広島の私の住んでいる東城町というのは、周辺が山に囲まれておって、そこに東城高校があるんだけれども、山を越していけば庄原の格致高校があるけれども、通えないんですよね、バスも駄目、電車も駄目、自転車も駄目という状況ですから。そこで中学校卒業する子は百名近くいて、出ていっても、自分は東城高校に行きたいというのが七十人ぐらいおるんです。それなのに去年から一クラスになっちゃったから四十人でしょう、そうすると三十人は行くところがない、よそに行かなきゃ高校浪人になっちゃうということで、中学校の先生も非常に頭を悩ませているわけですけれども、そういう意味では、そういう問題をよく考えながら県の教育委員会もちゃんとやれというふうに是正を、是正というか指導をしてほしいと思うんですけれども、いかがですか。
#131
○国務大臣(川端達夫君) 基本的には、先生御案内のとおり都道府県の教育委員会がやるということで、是正しろとか、そういう指導はちょっとなじまないという位置付けであることは御理解いただきたいんですが、現に広島県のそういう事情があるということも我々としては県の教育委員会に問い合わせをして事態は承知をしております。そして、広島県で県立高等学校再編整備基本計画というのを二十一年から二十五年ということで再編整備を進められているという状況にあることも伺いました。その中で、一学年一学級規模の学校について云々とかいうのがあります。ただ、その中で、御指摘の東城高校はこのルールで言うともう@に該当して再編するみたいになるんですが、私どもが事情を聞かせていただいた状況では、広島県教育委員会によれば、現時点で統廃合の対象として検討しているわけではないという御回答をいただきました。
 ただ、もう一点の先生の御指摘の、七十人ぐらい中学生がいるのに、事実上、受皿としてはもうどこかへ下宿か何かするしか通えないという問題は、もう一つまた別のまた位置付けの問題も併せてありますので、またいろいろと実情はまた私どもとしても聞きながら意見交換はしてまいりたいというふうに思っております。
#132
○亀井郁夫君 いろいろと大臣の方から聞いてもらっているということで、いろいろと広島県の教育委員会も考え直してくれるかもしれませんが、昨年から二クラスあったのを一クラスにしたからこういう問題が起こっているんです。そして、今一クラスになっているからね。特に田舎でみんな貧しくなってきている。所得格差が教育格差になるわけですから、そういう意味では、貧しい中で子供を高等学校へやるために隣の学校に下宿させなきゃいかぬという状況が出てくると、皆困るんですよね。そういうことで、大変大事ですからよろしくお願いしたいと思います。
 最後にもう一点だけ大臣にお願いしたいと思いますのは、地元に帰っていろいろ多くの方々からお聞きするのは、さっき申しましたように、十年前までは広島はH2Oの一つですから大変苦しんだわけです。校長先生が当時三十人ぐらい自殺された方がおられるわけです、順番に、圧力で。日教組の組合の圧力と教育委員会の圧力の間で、国旗を立てる、立てぬがきっかけだったけれども、非常に困ったと。国旗の問題であれば、なぜ日の丸が国旗だと説明してみろと。君が代がなぜ国歌だと説明してみろと言われて、説明し切れないものだから、そういうことでみんな亡くなった人がたくさんいるんですよ。そういうのがようやく直って、やっと今落ち着いた教育ができるということで喜んでいるんですけれどもね。
 広島の場合は同和問題も絡んで、日教組だけじゃないですけれども、バックには同和がおるものだから同和プラス日教組でやっておったと。それをようやく十年前に直して良くなった状況でほっとしているんで、今度政権が自民党から民主党に替わったと。民主党に替わることはいいけれども、これはよろしいけれども、だけど教育はどうなるんだと。日教組も右もあれば左もあると。広島の日教組は非常に悪い日教組だったんです。だから、この辺はそうじゃないよと言ってくださる議員の方もおられる。確かにそうだろうと僕は思いますよ。思うけれども、これからこの問題について大臣にしっかりやってもらわないといけないんで、くどいようですが超党派の問題ですんで、そういう声が私に来るものですからあえて大臣に申し上げますけれども、もう一度この教育問題についての中立性というか、超党派で頑張っていくんだということを一言言ってください。広島の人間は安心しますから。
#133
○国務大臣(川端達夫君) 一貫して私就任以来申し上げているのは、まさに教育は百年の計であり、しっかりした人材を育てる大変重い責任を負っていると思っております。
 そういう中で、学力と同時に公共心等のそういう徳育の問題それから体力の問題含めて総合的な人格形成を図らなければならない。そして、そのためには、学校関係者あるいは行政だけではなくて、保護者だけでもなくて、地域の人も含めた幅広い人たちのいろんな共同によって教育はされていくべきものだろうと。
 そして、その中で、よく日教組をどうするんだというふうにしょっちゅう聞かれましたので、そのときもお答えをしたんですが、私たちはそういう幅広い意見を聞く中で教育行政を誤りなきように進めてまいりたい、そしてそのことにおいて、教育現場にかかわる大きな労働組合を組織されている人たちであるという日教組の人たちの御意見も真摯に伺いたい、しかしそれ以外の教育関係者、学識経験者もたくさんおられるわけですからそういう人の意見もしっかり聞いてまいりたい、そういう中で政治として最終的な判断をしてまいりたいというふうに言っておりますし、日教組に言われたらそのとおりするということであるはずもありませんし、そういう中で各般の意見をしっかり聞いていい教育をやっていきたいと思っておりますし、先ほどいろんな御指摘のありました、過去にもいろんなケースがあったことも私も承知をいたしておりますが、法に照らして、方針に照らして誤りなき教育が引き続き推進されるよう全力で頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。
#134
○亀井郁夫君 どうもありがとうございました。
 とにかく頑張ってほしいと思います。日教組の場合も、再度言いますけれども、組織率が広島の場合は三〇%を切っているわけですから、そういう団体だけのことでやられちゃ困るというのが広島の人たちの声ですから、そういうことでお伝えしておきますので、よろしくお願いしたいと思います。
#135
○加藤敏幸君 民主党・新緑風会・国民新・日本の加藤でございます。
 今日は大臣所信につきましていろいろと御質問を申し上げたいというふうに思います。と思いましたら、大臣、衆議院の方に出張されましたけれども、まあ新しい内閣の皆さん方は政務三役というそういうお立場で、恐らくチーム川端と、こういうようなことで仕事をされているんだと、こんなふうに思いますので、予定どおり質問をさせていただきたいということで思いますので、副大臣の御両名の方、よろしくお願いをしたいと思います。
 まず初めに、これも先ほど来委員の方々から御指摘がございましたけれども、高校生、高等学校の生徒の皆さん方の進路問題ということについて、一番大きな課題は厳しい経済情勢の中で就職が非常に困難になっていると、こういうことではないかというふうに思います。来年の春に向けた新卒採用においても内定率は大幅にダウンしていると、このように聞いております。この中身は厚生労働省が所管すると、こんなことだと思うんですけれども、省の壁を越えて、各それぞれお立場を踏まえながらも内閣全体の視点からも検討していただきたいと、こう思いますので、現時点での来春卒業予定者の高校生の内定率、それからまたその問題点だとか特徴などありましたら御披露いただきたいと思います。
#136
○副大臣(鈴木寛君) お答えを申し上げます。
 九月末の新規の高等学校卒業予定者の求人数は十五万六千人でございまして、就職の内定率が三七・六%。これは前年同期比で申し上げますと、求人数でもって四六・七%の減少、それから内定率で申し上げますと一三・四ポイントの減少という大変厳しい状況にあるというふうに認識をしております。
 十月二十三日に政府で緊急雇用対策が本部の下でまとめられましたけれども、新卒者支援チームというものを省庁横断でつくりました。この主査には文部科学省の高井大臣政務官に御就任をいただいて、今精力的に検討をいただいているところでございます。
 そこで、まず経済団体、業界団体に、十一月下旬辺りにこの求人拡大のお願いを是非したいというふうに思っております。と同時に、いわゆる有効求人倍率とかをもう少しブレークダウンして見てみますと、中小企業は引き続き人が欲しいと、しかしそのニーズに対して学生の側がこのミスマッチが起こっているということがございますので、ここの中継ぎといいますか、ジョブサポーターというものを緊急に配備しながら、そしてそういう内定情報、求人求職情報をもう少し前倒しで公表をしていただくとか、双方のことをこの間に入って引き出すことで何とかこのマッチングにつなげていきたいと、こういうことを考えているところでございます。
#137
○加藤敏幸君 大変厳しい情勢であるということと、当面の対応策について触れていただいたというふうに思います。
 高校の都道府県別の内定率では沖縄県が最低で八%と、こんなふうに聞いておりまして、正直言って、人生の社会に対する船出、このタイミングで就職先がないということがどういう意味を持つのかということについて、自分の昔の状況と引き比べて非常に心が痛むといいましょうか、私は大変な事態ではないかと、このように思っておるわけであります。
 当然、今後もいろいろ対策、対処をしていただきたいということでありますけれども、これに関連して少し質問を展開したいと思いますけれども、過日の大臣所信におきまして大臣は、「昨今、学生生徒の就職環境は非常に厳しい状況にあります。まず、高校や大学を通じて、社会人、職業人として必要な能力の育成を図るとともに、確かな職業観をはぐくむことが重要です。」と、このように述べられております。
 このことに関しまして、お配りいたしました資料一を御覧になっていただきたいんですけれども、これは文部科学省のホームページから引用いたしました普通科それから職業学科別に大学への進学率と就職率と、こういうふうなところで二つ表しています。特徴的なのは職業科、赤い印ですけれども、大学進学率においても職業科におられる生徒さんが進学率が右肩上がりで伸びている、普通科と同傾向でやっぱり伸びていると。それから、下の就職率におきましても、これは昭和四十年代、非常に高い就職率だったのが時代とともにこのように落ちてきたというところですけれども、普通科におられる生徒さんも約九%の皆さんがそこから就職をされていて、この傾向も大体、元々の比率は違うけれども傾向は同じだと、こういうふうなことであります。
 そこで、幾つかいろいろな問題を感じるわけでありますけれども、就職希望者と進学希望者が混在しているという専門高校と言われる、まあ昔でいえば工業科、商業科を中心としたそういうふうな部分によって、言わば混在という状況が進路別に、これは普通科でもあり得るし、それから職業科でもあり得るというこの状況の中で、私はやはり教育ニーズに沿った教育の内容と、それが予定しているものとは違う進路が現実に選択されているという、ここのクロスされたような状況の中から、やっぱり実践的職業教育というものなり、あるいは就職されるときに十分な、社会だとか産業界だとかそういうところに知識が十分なのかという、普通科の人が就職されるときにそういう予備的な知識をどのように習得されるのかというようなことで、やはり今非常に中等教育におけるいわゆる高等学校の教育の在り方についても非常に大きな分かれ道にあるような気がするわけであります。
 現在、中央教育審議会の中でキャリア教育・職業教育特別部会がキャリア教育、職業教育の今後の在り方についていろいろ御検討をされていると、このようにお聞きをしておりますけれども、現時点において職業教育の現状なり今後の展望についてどのようにお考え、あるいは指針をお持ちなのかについてお聞きをしたい。
#138
○副大臣(鈴木寛君) 大変貴重な問題提起をいただいたと思っております。
 御指摘のように、今、中教審でキャリア教育・職業教育特別部会をやって検討していただいております。もちろんこの検討は十分やっていただきたいと思っておりますが、私どもが就任をいたしましてからも、事務方に対してこの点についてもう一度、もちろん中教審の議論は議論として大いに参考にもしながら、一からって別に今までのものをなくするというわけじゃないですけれども、重要な課題なので本格的に議論を練ってくれと、こういう指示を出したところでございます。
 特に、職業科と普通科となっているんだけれども、それぞれにおいて混同しているという現状の御指摘が一番踏まえていかなければいけない現状だと思いますけれども、まず、進学をする者であれ就職をする者であれ、いずれにしても社会には出るわけですから、きちっとキャリア教育ということはやっていかなければいけないと。一番問題なのは進学も就職もしないという、そういう学生もかなり出ております。いずれにしても、自分の将来の人生をちゃんと自分でデザインをする、それに向けて必要な学びをやっていくという、ここのところをまずはきちっとしていかなければいけないと。
 その段階で、その上で、これが社会に出る直前の教育になるのか直前の二つ前になるのかということの差はありますけれども、そこで、職業教育という観点でいきましたならば、かなり実践的な、自分たちが一年後二年後三年後に働く現場というものを意識できるように、とりわけそういったところで現に働いておられる方々との人的な交流、そうしたところでの職場におけるかなりインターンシップ的なこと、あるいはそうした方々にどんどん学校現場に働くことの重要さ、すばらしさ、難しさ、しかしそれを乗り越えたときの感激、感動、社会への貢献、地域への貢献と、こういうことをかなりきめ細かくやっていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
#139
○加藤敏幸君 今副大臣が少し触れられました。例えば、初等教育あるいは中学校における本件に関する教育の中身についても、実は、別に労働基準法だとかそういうようなことを細かく言うことではないんですけれども、社会全体がどういう仕組みでできていて、自分たちが社会、実業の世界に出たときにどこが守られて、そういうようなことも含めて私は身に付けておかないと、いわゆる派遣村とかいう状況の中で自分たちの固有の権利について知らないという人たちもたくさんおったということを含めて、いろいろな視点からの私は教育も要るというふうに思っております。
 さて、少し急ぎますけれども、今お手元の資料の裏側となっていますかね、資料二の方を見ていただきたいんですけれども、これはOECD調査に見る日本の高校生の科学意識ということで、資料は二〇〇六年実施のOECD国際学力テスト、到達度ですけれども、ここから作っております。設問を見ていただき、日本とOECD平均というところの比較をしておりますけれども、例えば、科学に関連した職業で働きたい、日本二三%、OECD平均三七%、大人になったら科学のプロジェクトに携わりたい、日本一七%、OECD二七%、三十歳のとき、科学、サイエンスということですけれども、科学に関連した職業に就いていると思う、日本八%、OECD平均二五%。以下、科学を勉強するとか仕事との関係を含めてこれを一覧をしていただきますと、高校生の科学あるいは技術に対する意識というものが、OECD平均に比べて相当意味のある低さを持っているんではないかと、このように受け止めております。
 私どもも物づくりということについて大変長らくいろいろ議論をしてきたわけでありますけれども、近年、特に理工離れと、こんなふうに言われておりますし、理科離れというふうなことを含めて、国民全体の中でこういう分野に対して興味を失っているという、そういう時代にあるのではないかということで、大変危機意識を持っているわけであります。
 そういうような意味で、何をすればいいのかということについては、これはいろいろな方法があって特効薬はなかなかないんだということではありますし、理工学部というのは、よく聞くんですけれども、少なくとも微分積分、微分方程式が解けて、フーリエ級数が分かって、実験ができて、物理のT、Uができてとか、一番手間暇掛かって、実験が多くて遊ぶ時間がなくて、就職したら事務系の人よりも給料が安いと、こういう愚痴も聞きつつ、なかなか人も集まりにくいという状況にあるわけですけれども、そういうような意味で、私は、単に理科の時間を増やすとかそういうことだけではやっぱり難しい面もあろうかと思いますけれども、今このいわゆる理科離れ、理工離れといわれている状況に対してどういうふうなお考えをお持ちかなということを。
#140
○副大臣(鈴木寛君) 単に授業時間を増やすだけでは難しいというのはおっしゃるとおりだと思いますが、しかし授業時間を十分確保して指導内容を充実させていくということは大事だと思っています。しかし、一番大事なことは、お示しをいただいた数字は、これ高校生の科学意識、十五歳の意識調査でございましたが、十五歳に至るまでの小学校、中学校でのやはり教員の、あるいはその体制が重要ではないかなというふうに思っております。
 例えば、今どういうことを考えているかと申しますと、理数教科を充実をするということを方針として打ち出しましたので、その理数の少人数指導のための教職員定数を改善をするという要求をしております。これ二千五十人程度。それから、退職教員とか、あるいはこういう物づくりあるいは技術の経験豊かな社会人の皆様方に非常勤講師になっていただく、これは一万五千五百人と。やはり、理数を自らが面白いと思ってその道に進まれて、そしてその感動やその楽しさ、面白さというものをやはり子供たちに伝授をしていただく、伝えていただくと、こういうことが大事ではないかといった点を中心に充実をさせていきたいというふうに思っているところでございます。
#141
○加藤敏幸君 理科が嫌いな先生の下で理科が好きな子供が育つということも考えにくいのかなと、こうは思いますけれども、総合的な、私は教育の場面だけじゃなくて、あるいはテレビのドラマ一つにしても、職業観が多様であり、いろんな仕事がそれぞれ価値があるということが子供たちの目の前にやっぱり表れなければ、なかなか子供たちが興味を持っていくということは少ないんではないかというふうに思います。
 そこで、この科学技術、技術立国、科学立国、ここに人材育成ということを文部科学省として非常にいろんな視点からとらえておられるというふうに思います。
 そこで、いろいろな、企業の皆さんだとか、いろいろな方々から意見を聞いて、日本の将来を支えるような技術開発や研究に従事する優秀な人材を育成していくにはどうあるべきかといったときに、今一言で一番何が言いたいんですかと、こうお聞きいたしますと、初等中等高等教育がばらばらに取り組んでは駄目でありますと、相互の連携とともに、先端技術の開発を担う優秀な人材教育ということについては非常に戦略的、総合的に取り組む必要があると。
 そこで、中国を始め発展段階にある国では、国家戦略として頭脳循環、ブレーンサーキュレーションの促進ということに非常に今注目されているというふうに聞いております。海外に流出した優秀な人材を本国に呼び戻し、国内の科学技術の発展に寄与させようとした戦略でありますけれども、さらにこれを発展、展開をし、優秀な人材が海外の研究所や企業に行ったり、また帰ってきたり、帰ってきて国内でいろいろな企業、研究所に参画をし、さらにもう一度外に飛び出していくという、こういう循環型のやっぱり人材育成ということが必要でありますし、またそれに堪えるためには、単に語学力だとか基礎的な数学だとか物理だとかそういう理学系のものだけではなくて、人間にとってのマナーであるとか、文化に対する理解だとか、まさに国際社会に学生としても研究者としても通用するような、そういうふうな総合的な視点に立った教育をやっぱり行う必要があるのではないかというのがいただいた御意見であったわけであります。
 今のような話も参考にしていただきまして、言わばポスドクの問題というのも今大きく私ども抱えているわけですけれども、まあ今日すべて結論が出るとか、そういうことではないんですけれども、現時点において本件についてのお考えがあれば、人材育成という意味でお話をいただきたいと思います。
#142
○副大臣(鈴木寛君) 今御指摘いただきましたように、切れ目なくやっていくということが非常に重要だというふうに考えております。
 小学校段階では、例えば未来の科学者養成講座ということを平成二十年からやっております。それから、先ほども申し上げましたけれども、理科の支援等に当たる教員を増やしていくということ、それから理科系の教員を養成する拠点というのをつくっていくというようなことを小中学校段階ではやらせていただいております。そして、高校段階では、スーパーサイエンスハイスクール事業というものを平成十四年からやっておりまして、これは一定の成果を上げているというふうに思っておりますし、それから、国際科学技術コンテスト支援ということで、いろいろな国際オリンピックなどの応援をJSTを通じてやっております。これは非常に効果が上がっておりまして、今年度等々は国際オリンピックの受賞が続出をしているという状況になっております。そして、今度は、大学段階では、理数学生を応援プロジェクトというのを考えておりまして、そして今度博士課程に参りますと、特別研究員事業というのをやりまして、そうした学生に生活費相当の研究奨励金を支給して、四千六百人ぐらいが今対象になっていますけれども、研究に専念できるようにと。
 こういう、小学生から博士課程までのシームレスに、段階ごとにこのピラミッドをつくっていって、そしてその先は中川文部副大臣にお渡しをすると。こういう体系を今回の概算要求で、今まで局がばらばらにやっていたものをちゃんときちっと体系的にしようということで概算要求もさせていただいたところでございます。これはまだまだどんどん進化させていきたいというふうに思っております。
#143
○加藤敏幸君 副大臣の方で中川副大臣にお振りになりましたんで、中川副大臣にお尋ねいたしますけれども、科学技術関係の予算についてですね、少しお伺いしたいと思います。
 これは午前中、義家委員の方からスパコンを事例に取り上げられて少し御意見があったんです。そのときに大臣の方からは、個別事例についてではなくて一般的に、例えば仕分チームの結論については仕分チームの結論として参考にはするけれども、内閣の一員である文部科学大臣としてはそれも参考にしながらやっぱり予算については考えていくと、こういうふうなことだったというふうに思います。
 それはそれで、そういうことであると理解はいたします。ただ、この先端技術あるいは先端科学に関するいろいろな助成金であるとか予算があるわけですけれども、この考え方の基本ですけれども、今日的な効率性だとか、これは一体どういうふうな今業績があるんだとか成果が出ているのかという非常にナローな、あるいは短期間の評価軸で本件を評価をしていくということだとそう簡単には成果は出ない。
 私もそういう民間の企業におりましたから、米国が、例えば米軍がどうしても欲しい日本の技術はこれだと、そういうふうに指摘されたものはどんなふうに開発されてきたのかと。やはり、二十年近くずっと継続をして、雨の日も風の日もいろいろある中で継続してやってきたことが大体二十年ぐらいたったときに日の目を見るというようなケースも多々ある。それまで幾度やめようかと思ったけれども、関係者の強い熱意の中で継続されてきたことがようやくというケースもあるわけなんです。場合によると、全然、結局最後もうアウトだったということもこれはあるわけですから、なかなかこの判断は難しいというふうに思います。また、テーマによっては各種批判を受けていて、非常にビッグネームに集中し過ぎるとか非常にはやりのテーマに予算が付くとか、いっときITに予算が付いたといったような傾向もあって、ここはなかなか、専門家の皆さん方の意見もいろいろとあるということなんです。
 ただ、私はやっぱり、種まき、そして雑草を取って、育てて、収穫にまで至るという非常に長いプロセスの中で、まさに母が子に接するがごとく、やはり口を開けたいろいろなプロジェクトを早い段階でえり分けるということではなくて、育ててみてという、やっぱりそういうふうな姿勢も大事ではないかということで、教育は全般的にそういうふうな要素が強いんですけれども、こういう科学技術関係予算についての考え方といいましょうか、そういうものがありましたら大臣の方からお願いします。
#144
○副大臣(中川正春君) やっと答弁の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私も仕分に参加をさせていただいたというか、状況を、行って具体的に議論の中身というのを聞いておったんですが、二面性といいますか、二つのことが感じられました。
 一つは、やっぱり我々が組み立ててきた世界というのは、そこに科学者がいて、研究機関があって、その中でこの科学技術に思い入れを持って、いわゆる世界の最先端を走っていくんだというその情熱の中で組み立ててきた事業ということ、これが一つあるわけですが、それがどこまで一般的な国民の皆さんにその世界が理解をされているかということ、その理解をしてもらうための努力というのがこれは一つ改めて考えていかなきゃいけないのかなという思いですね。
 そこのところと、恐らく私たちが政治的に科学技術戦略としてめり張りを付けて、ここのところに集中的に国家戦略として集中投資をしていくんだという部分、それとは軌を一にしながらやっぱり国民に説明をしていく必要があるんだろうというふうに思います。そこの部分については、今回の仕分を参考にしながら、財政当局とはしっかりと押さえて議論をしていきたいところだというふうに思うんです。それが一つと。
 それから、もう一方で、やっぱり国民的目線というのも必要なんだということもあると思います。一方的に情熱だけで走っていると、とんでもないところで無駄遣いがある、あるいは重複した資金の使い方がある。あるいはまた、本来は結果を問わなきゃいけないところ、特に、基礎科学ではなくてイノベーションから民間に応用していく部分については、これは例えば投資資金でそこは持っていってもいいんじゃないかと、必ずしも税一本でいかなくてもいいんじゃないかというふうなところ、そんなものが、ふっと第三者から見ると、なぜここに税金使うんだというふうなところに指摘をされるんじゃないかなというようなこと、こんなことをこもごも併せながらしっかりとした議論をしていきたいというふうに思っております。
 その上で、二点なんですが、今現場ではそういう意味ではちょっと動揺が走っておるようでありまして、私のところにもたくさん問い合わせが来ます。事業仕分そのものが結論ではないんだとさっきから何回もお話が出ていましたけれども、私たちはこれを参考にしてこれから本格的な財政議論に入っていくんだということを現場の研究者の皆さんにもしっかりメッセージとして届けさせていただきたいと思いますし、そこからやっぱり意見も今度は逆に我々は吸収していくということだと思っています。
 それからもう一つは、後にまた基礎科学の話も出るようですが、その基礎科学については、これは税でやっていきますよ、特に科研費について、それぞれが、個人個人の研究者が自分の世界を持って、そこから何が出てくるか分からないけれども、目利きがいて一遍自由にやってみろよと、こういう環境をつくっていく、それはやっぱり税だと思うんですよね。この基礎科学あるいは科研費の部分について非常に厳しい状況になってきているし、ほかの国と比べると、ここの部分についての予算が伸びていない。特に、新たに中国や韓国はすごい勢いでこの辺の予算を伸ばしてきていますけれども、そういう意味での私たちは危機感は持たなきゃいけないんだろうというふうに思います。
 更に言えば、この部分が、実はイノベーションとか、さっきの民間レベルとの、いわゆる投資を引き付けながらやっていってもいい部分へ向いて、薄められて延ばしていってしまっているということ、ここのめり張りがもう一つ利いていないのかなということで、新たに民間資金も逆にどう活用していくかということについてはちょっとプロジェクトも立ち上げて、そこから投資という意味での、この分野への投資という意味での新しいメカニズムというのをつくっていきたいというふうに思っています。
 以上、そんな思いでやらせていただいています。
#145
○加藤敏幸君 ありがとうございました。
 時間になりましたので、終わります。
#146
○水岡俊一君 民主党・新緑風会・国民新・日本の水岡でございます。
 先週、前回の委員会で川端文部科学大臣の所信をお伺いをして、これまでの自公政権とは違う、コンクリートから人へという思いが強く伝わってきたところであります。改めて、大臣を始め中川副大臣、鈴木副大臣、後藤政務官、高井政務官、文部科学省のかじ取りを担われる皆さん方の御就任を心からお祝いをしながら、是非ともコンクリートから人へというその思いが実現するように、国民の皆さんに感じてもらえるように皆さんの大きな力を発揮をしていただきたい、こういうお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 大臣がしばらくいらっしゃらないので、多少用意をした質問の順番が入れ替わりますが、御容赦をいただきたい、こんなふうに思っております。
 まず、今、加藤委員の方から理工系の人材のお話がございました。なかなか理科好きの子供が増えないじゃないか、そんなことも実態等あるのではないかと、こういうお話でありましたが、加藤委員は私が理科の教員だということを御存じの上でおっしゃっていただいたのかなと、こんなふうに思いながら叱咤激励かと、こういうふうに感じております。
 冗談はさておきましても、やはり理科好きの子供たちを育てたいという思いは、私のような理科の教員だった人間だけじゃなくて、多くの皆さんがそんなふうにお感じになっていただいていると思いますが、先ほど鈴木副大臣からは、実験の授業だとかそういう手助けをもう少し進めていけるようなそういう人材の要求もしているんだというお話もありました。もう少し詳しく、どうしたら理科好きの子供たちが増えるんだろうかと、そういう観点で副大臣のお考えが聞けたら有り難いと思っております。お願いします。
#147
○副大臣(鈴木寛君) これは、小中段階、小学校、中学校段階で理科好きの子供を育てていくということと、それから今度は中学校、高校、大学と上がるに従って、まさに理科あるいは物づくりという現場でそれを生涯の仕事にしていくという部分と、これは両方うまく段階段階に応じてベストミックスしていかなければいけないわけでありますが。
 前段のところで申し上げますと、若干繰り返しになりますけれども、やはりどんな教科でもそうでありますが、とりわけ理数についてはやっぱり少人数指導というのが極めて重要だというふうに思います。新しい学習指導要領でこの理数についての指導要領上の充実、授業時間も含めて、あるいは指導すべき内容の充実も含めてやっておりますので、やはりこのための教職員定数を改善するということは一番重要な課題だと思っておりまして、二千五十人の要求をさせていただいております。
 それから、今も委員から御指摘がございましたように、やはり特に小学校段階、中学校段階では、この実験というのは非常に理科の面白さというものを体感させるという意味で非常に重要でございます。しかし、もう御自身よく御案内のように、準備と片付けが大変でございまして、これにはやはりそれをサポートをしていただけるそうした人員というのは非常に重要だというふうに思っておりまして、特に小学校では教科担任ではございませんので、将来的には理科についてはそういうふうなことも考えていかなければいけないとも思いますが、そこまでのつなぎの間、そうしたチームでいい理科の授業をどうつくっていくかということを考えていきたいと思っております。
 そしてまた、そういうノウハウあるいは人材を研究をしたり普及をするために理数系の教員養成拠点構築授業、コアサイエンスティーチャーと言っておりますけれども、そういう学校で中核的な、要するに自分のクラスだけではなくて、学校全体の理数の学びというものを充実をする、それをリードしていただく、そういう教員を養成をしていくということで、平成二十一年度は五つの機関で、二十二年度要求ではこれ十五機関でこういう重点的な授業をやっていきたいと思います。ここで理数をきちっと教えられるそうしたカリキュラムなどもつくっていきたい。
 今、教員免許更新制の話がございますけれども、我々は基本的には専門免許状への発展、進化ということを言っておりますが、当然その中でも教科指導の中で理科とか数学ということはなるわけでありまして、この理数系教員養成拠点構築授業というのは、将来的にはそうしたことを力点を入れてやっていく教職専門大学院でのカリキュラムという形で発展をしていくんだというふうに御理解をいただければと思います。
 それから、そうしたノウハウ、リードする人材、そしてチームティーチングですから理科支援員というサポートする側の配置事業も考えておりまして、研究技術者あるいは大学院生、一部大学生も含みますが、あるいは退職教員などの外部人材を理科支援員あるいは特別講師として小学校に配置をして理科の授業における実験だとかあるいは観察だとかこうしたことを応援をしていく。これが、二十年の実績で申し上げますと、理科支援員の配置実績が五千三百二十九人、これは小学校五年生と六年生を対象にしておりますけれども、こうしたことも充実をさせていきたいと思っております。
 それから、今度は若干中学校、高校段階に参りますけれども、サイエンス・パートナーシップ・プロジェクトというのをやって充実を考えておりまして、研究者による特別講義、あるいはサイエンスキャンプ、あるいは科学部というのがありますね、生物部とか物理部とか、そういう活動の支援などを大学や研究機関と中高が連携をしてやっていくというような取組を支援をしていきたいと思っております。二十一年度で申し上げますと、特別講義が千三十七件、サイエンスキャンプが七十九件やっております。
 それからまた、こういう学校における機器とか器具とかがかなり老朽化もしております。ここを一挙に充実をしていかなければいけませんので、補正予算でこれについては二百億円を計上して百四十億円は執行の見込みということになっておりますし、あわせまして、理科の教材開発などを、デジタル教材などを開発をいたしましてこれを学校現場で使えるようにと、これも使える教員が四万六千人と、こういうことになっておりまして、あとは、先ほど申し上げましたように、スーパーサイエンスハイスクールとか国際科学オリンピックであるとかあるいは科学者養成、こういったことを更に充実をさせていきたいというふうに思っております。
#148
○水岡俊一君 ありがとうございました。様々なアプローチを文科省こぞって御支援をいただきたい、こんなふうに思っておるところであります。
 やはり理科実験というのは楽しいということを、もう別に子供でなくても大人もよくお感じになって、テレビなどでよく皆さんおなじみのでんじろう先生が実験をする報道なんかがあると本当に大人も見入ってしまうという、我々のそういう性質といいますか、そういう部分があると思うので、是非興味を引けるような授業が展開できる、そういう環境を学校でつくっていっていただいたらなと、こんなふうに感じております。
 今副大臣からおっしゃっていただいたように、十分間の休みの中で準備も後片付けもしなきゃいけない、そんな現状が今学校にあります。ずっと前の委員会でも私申し上げたことがありますが、小規模校で私は技術の教員をしておりまして、技術の教員をしてつなぎを着ていて作業、作業が片付いた後、ものの数分で着替えて白衣、そして理科室へ行って理科の実験をすると。そういうことの中で、ややもすると実験の回数が減ってきたり、子供たちに大変迷惑を掛けたなと、子供たちの興味をもっと引き出すことができたのになという悔しい思いがございます。是非、人材的にも、また教材、教具あるいは時間的にも子供たちの理科好きが増えますようにお力をいただきたいと、こんなふうに思っております。
 さて、中川副大臣から先ほど科研費の問題等、お話があったところであります。基礎研究の問題について一点お尋ねをしたいというふうに思います。
 我が国の科学技術の発展の基礎となる基礎研究費の推移というのを日米で比較をしてみると、二〇〇〇年の日本では七千四百七十七億円なのに対して、米国では三兆三百七億円。二〇〇四年にしてみれば、日本は八千五億円に対し、米国は三兆六千百五十三億円。共に四倍以上の開きがあるんですね。その中でも見てみますと、日本の伸び率はこの四年間で約七%なんですね。米国の伸び率を見ますと、これが何と一九%を超えている。物すごい勢いで伸びているんだと。
 これは副大臣、先ほども各国のそういった予算が伸びているというお話があったところでありますが、こういった数字を我々も目にしますと、これで日本はいいのかというふうに非常に不安感を覚えるところでありますが、これからの基礎研究に向けての文部科学省の考え方、是非副大臣に述べていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#149
○副大臣(中川正春君) 私も同じような危機感を持っておりまして、伸び率だけではなくて全体の研究費に占める基礎研究の割合、これも具体的には一三・八%ということで、例えばフランスの二三・八だとかあるいはドイツの二〇・七だとか、アメリカは一七・五ですけれども、こういうところと比べても非常に見劣りのする額になってきているということ、これはやっぱりしっかりとらえていかなきゃいけないというふうに思っております。
 それじゃどうしたらいいかと、こういうことなんですが、一つは、補助金というか財源を求めてそこから増やしていくということ、これはひとつしっかり考えていかなきゃいけないところだというふうに思うんです。
 同時に、これまでの実績から見ますと、これだけの金額であるにもかかわらず、論文の世界各国での採用回数であるとかあるいは論文の提出であるとかというのは、そういう分野でいきますと金額の割には非常に皆頑張っているんだということ、これを評価をしていきたいと思うんですね。
 それだけに目利きなんだと思うんです。ここというところにしっかり資金を下ろしていくということ、この目利きの工夫だというふうに思っています。従来その部分がそれなりに機能してきたということはこの数字を見ていると私は評価していいんだろうと思うんで、ただ、そこで満足していないで新たに改革をし、そして専門的な分野の皆さん総動員をして、この目利きをしっかりしたものにしていくということ。
 それから、さっき鈴木副大臣も触れられましたけれども、長期的に物を見ていく、育てるということを、個人のプロジェクトから育ててチームにして、チームから機関にして最終的に仕上げていくというような、そういう道筋もいろんなプログラムを作っていくときに考えていく、こういう効率的なものと国家戦略とを合わせて是非工夫をしていきたいというふうに思っていますので、また具体的に御提言を是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
#150
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 副大臣おっしゃるように、お金の問題だけじゃないということもそのとおりだというふうに思います。
 私自身も、これはまた鈴木副大臣の分野ではあろうと思いますが、大学教育、大学院教育の中で科学技術分野の研究者が論文をいかにして発表をし、そしてそれを認めていく、そういったものに研究者がモチベーションを高く持つことができて、どんどんと皆さんの挑戦が続くというような、そういう環境をいかにしてつくっていくかということもこれは大事なことだろうというふうに思うんですね。そういった研究を国が支援するということも必要かもしれませんし、是非皆さんのお力をいただきたい、こんなふうに思っているところであります。
 さて、話は少し変わりますが、理科に限らず学ぶ楽しさということについて少しお聞きをしてまいりたいと、こんなふうに思っております。
 先ほど加藤委員がお引きになりましたOECDのいろいろな調査の中で国際学力調査、PISA二〇〇六というのが最近行われて結果が発表されているところでありますが、この中で、子供の学ぶ楽しさや意欲、これが残念ながら日本は世界で最も低いんだというような結果が出ているというふうに私は聞きました。
 そして、学びについて少し調査項目を見てみますと、読解力は、二〇〇〇年が八位だった、二〇〇三年は十四位だった、二〇〇六年になると十五位になった。それから、数学的リテラシーは、二〇〇〇年が一位、トップだった、二〇〇三年は六位、二〇〇六年は十位に落ちた。それから、科学的リテラシーは、二〇〇〇年が二位だった、二〇〇三年も二位、残念ながら二〇〇六年は六位となってきた。いずれも順位が激しく下がってきているという状況がこれまでのPISAの調査によって分かってきたと、こういうことだと思うんですね。
 これは一つの考え方として、数値で表される特定の学力に焦点が当てられ過ぎたんではないか、点数や順位を競わせることに力を注いできたことの一つの表れかもしれない、こういう考え方があるんだろうというふうに思っています。子供たちが本来持っている学びを楽しく感じる、その学びの楽しさを子供たちが感じて次の学びにつないでいく、そういう意欲を起こすような、そういう教育が必要なんではないかと、こんなふうに思うところです。
 そこで、川端大臣は所信の中でこんなふうに述べられました。子供の好奇心をかき立てるような工夫や、様々な体験を通じ子供がコミュニケーション力を高める教育が必要だと、こんなふうに述べられたんですね。
 そこで、鈴木副大臣にお聞きをしたいと思うんですが、こういった結果を見ながら、文部科学省として、これからの教育の質、あるいはどんな活動を展開していくべきかという観点に立って、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#151
○副大臣(鈴木寛君) 御指摘のように、今御紹介いただきましたPISAのスコアが下がっていくということ、これも大変きちっと見ていかなければいけない、対策を講じていかなければいけない分野だと思いますが、この根っこに何があるかといえば、このPISAの調査などでも出ておりますけれども、日本の子供たちの学ぶ意欲というものが最も低いと。やはり身に付く学びというのは、自ら進んで内発的に学ばないと真の学び、あるいはこれは学力も含めて、力になっていかないということが恐らく学びとか発達の本質だというふうに思っております。
 もちろん、それに対するいろいろなチャンスあるいは環境、きっかけ、これをつくっていくということは当然頑張ってやっていかなければいけないというふうに思っております。
 そういった中で、例えばこの観察や実験というものをやはりもう少しちゃんとやっていくと。そして、それをただやりっ放しではなくて、レポートを作るとか、あるいはそれを他の仲間に対してきちっと説明をしていくといったことを含んだ体験的学習ということは重要でありますし、それから、この活用というのが特に問題であるということが、PISAのみならず学力調査でも明らかになりました。学んだことがどう実社会あるいは現実社会に対して生かせるのかということをやはり体験をさせる、あるいはそのことを理解させるという学習も極めて重要だというふうに思います。
 それから、これは兵庫県などでは先進的にやっておられると思いますけれども、勤労観とか職業観を育てるためのキャリア教育。これもやはりその現場との交流によって、自分たちの将来というものを考えていくきっかけにしていただくと。
 この人生を、あるいはこのキャリアを担うためには、こういった学びの積み重ねが必要なんだということをやっぱり納得をしてもらう機会をつくっていくということが重要だと思いますし、それから、やはり学びというのは共同体でといいますか、コミュニティーで培われるものだと思います。そこには縦、横、斜めの関係があって、そしていろいろな励まし合い、助け合い、刺激のし合いというものがありながら、それをこの社会全体で応援をし、はぐくんでいくと。こうしたことをイメージしながら、それぞれの施策をもう一度再点検をして、そうした方向でベクトルをそろえていくということをやっていきたいというふうに思っております。
#152
○水岡俊一君 じっくり考える力とか、しっかりと読み取る力とか、それから積み重ねをしていくことによって付いてくる学力、そういった問題というのはテストの対策学習だけでは付いていかないんだろうと、こんなふうに私も経験の中で感じてきたところであります。そういったところを文部科学省も細かく見ていった中で、今回の全国学力・学習状況調査を大きくかじを切っていくというお話が出てきたんだろうというふうに今思っています。
 そこで、改めて、これが必要なのか必要でないのかという論議はずっと続いてきたわけでありますけれども、私はある意味で、客観的にこの問題が必要であるのかないのかという論議をするときには、これまで三年間ですか、やってきましたから、この三年間やってきた中でこんないい効果があったよとか、あるいはやってみたけれどもこれはどうにもならなかったねとか、こういうような評価がもう既になけりゃおかしいと思うんですね。そういった評価があるからこそ今年は抽出に変えたということなんだろうとは思いますが、そういった辺り、多くの国民の皆さんがそのことの評価をどういうふうにとらえているのかということを知りたいと思っているんですね。
 そこのところについて副大臣、鈴木副大臣、何かお考えがあればお聞かせをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#153
○副大臣(鈴木寛君) 全国学力調査については、導入時そして導入されてからも、そして現在なおも本当に様々な御意見があります。このことは私は非常にいいことだというふうに議論を受け止めさせていただいております。
 私、やや個人的な見解も入りますけれども、この全国学力調査をやらなければ、秋田県があそこまですばらしい教育政策及び現場の方々が実践を行っておられるということがここまでは明らかにならなかったんだというふうに思いますので、そのことをもっても私は全国学力調査をやった意義というのはあったのではないかなというふうにまず思っております。
 そして、その上で、じゃ、なぜ秋田県が成功を、成功というか、もちろん重要な尺度の一つでありますけれども、あの分野においていい結果を出したのかというものを分析してみますと、今まで仮説としてなかなか検証が難しかったことがある程度裏付けられたのかなと。その一つがやはり教員一人当たりの生徒数、そこに秋田県は県単独事業でもって重点的に取り組まれた。したがって、午前中も申し上げましたように、明らかに、例えば二十五人以下の学級で申し上げますと、七〇%が秋田県はもう二十五人以下になっているわけであります。全国平均に比べて圧倒的に、全国平均は五割ぐらいでございますから、圧倒的にこれは有意に差があるわけでございます。全国平均はそうですね、秋田は七一%。そうすると、やはり秋田県が先行して取り組んでこられた一学級当たりの児童数への取組というのはやっぱり有効であったということが証明されました。
 こうした実績を受けて、例えばお隣の福島県では、佐藤雄平知事が県単独でも教員の充実をさせようと、こういうことをやっておられるという、いい効果がどんどん広がってきているというふうに思います。
 それから、秋田県はやはり教員の質が高い。それは倍率が二十倍を超えるということにも反映されていますが、秋田県の場合は選考過程が、母数として適当な、余り大人数採らなくていいわけでありまして、非常にきめ細かくかつ大変高倍率の中で模擬授業だとか面接だとか、そういうペーパーテスト以外の選考をきちっとやってこられて、それを、その選抜をくぐり抜けられたという意味で、真に教育力の高い教員が採用されているという、まさに教員の質と数の充実というものがやはりこういう形で直結するんだなということと、加えまして、やはり地域が学校の学びというものを地域ぐるみで応援していくと。聞くところによりますと、学校開放日には四分の一の県民の皆さんが学校を応援に行くと、こういうことでございます。
 私どもは、別にコミュニティ・スクールの指定を取る取らない、そのことは結果論であっていいわけでありまして、地域の方々がやっぱりその地域の学校を大切にするんだと、地域の子供は地域で育てるんだと。こういうやっぱりコミュニティーで学びをつくり上げていくということは大事だというふうに思っておりましたが、そのことも確認できたと。
 このことによって、秋田の良い実践が、もちろんすべて秋田をあれするわけではありませんけれども、そういう実践が今着々と他の都道府県にも広がっていくというポジティブな面を評価をさせていただきたいというふうに思っております。
 そして一方で、いろいろな御意見がある中で、その意見も聞かせていただきました。そういう中で私どもは、そういういい意味の都道府県間の取組が切磋琢磨されるということを引き続きやっていただきたいなというふうに思っておりまして、それぞれの知事さんとか教育長さんがそれぞれの地域の実情を踏まえて、しかし教育のことを一生懸命やっていくと。そのいろいろな手法、方法を切磋琢磨していくということは引き続き残していきたいというふうに思っておりますので、かつまた、教育というのはつまるところやっぱり人材でありますから、その人事権を握っている県教委の努力、あるいはそれを支える県知事の努力というものがやっぱり一番コアになりますので、そうした努力したそのことがある程度きちっと傾向値として分かっていく、そういう検証サイクルが回っていくということは、確保できる四〇%の抽出ということで今回要求をさせていただいているということでございます。
 あわせて、今までは教科だけでもこの国語と算数・数学と、こういうことでありましたが、もう少しこの調査自体を奥行きの深いものにしていくために、来年度は、併せてこの在り方も含めて研究、勉強をしたいというふうな予算も要求をさせていただいているところでございます。
#154
○水岡俊一君 ありがとうございました。文科省がそのような評価をされているということがよく分かりました。
 そこで、先ほど他の委員からも御質問がありましたが、抽出量が今四〇%を考えているというお話がありましたし、また希望をする自治体、地域があれば、そのことについてできるだけおこたえをいたしましょうと、こういう考え方もあるというお話を聞きました。
 こんな中で、かねてよりやはり懸念をしてきたことがあるんですね。それは、要するにこのテストが序列化につながらないかということを申し上げてきたわけですね。自民・公明政権の折にも、その問題について文科省に当委員会でお尋ねをしてきましたが、自公政権時の文科省も、結果公表について、学校ごとの結果公表については、それは望ましいことではない、適切なことではないという見解があって、それをさせないようにするんだ、させないことを要領に書きながらやっていくんだという見解が明確に示されていました。しかし、我々が懸念していたとおり、やはり情報公開条例、そういったものによって市民、県民からの要望があって、裁判所の判断によりそれが公開されるという県も出てきた、こういう状況があるわけですよね。
 今、ここに立って、民主党政権における文科省が、この全国学力・学習状況調査を今後そういった情報開示という流れの中でどういうふうに考えていくのか、その点について鈴木副大臣からお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#155
○副大臣(鈴木寛君) 序列化や過度の競争につながらないという議論がこの文教科学委員会でもされたというふうに私も承知しております。この考え方は踏襲をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#156
○水岡俊一君 やはり学校現場におりますと、テストを重ねるたびに、できない子あるいは平均点を下げる子という子供たちが出てきますけれども、そういった子たちが固定化するような状態はもう何としても防ぎたいというふうに思うわけですね。そんな中で、情報開示の問題でどんどん学校ごとの情報が流れていくことによって、これは今までにはなかったことですが、学校選択制の問題、それから学校の統合問題、そういったことにつながるようなおそれも出てきているわけですね。そういったところを私たちは厳しくチェックをしていかなきゃいけないなと、そんなふうな思いを持っているところであります。
 そういった意味で、引き続き現場の状況をよく調査をしていただきながら実施をしていただきたいなと、こんなふうに考えているところであります。
 大臣がお戻りになりましたので、大臣にお尋ねをしてまいりたいと思いますが、ちょっと順番が分からなくなって、どこからお話を申し上げたら一番いいかな。
 まず、最初にお聞きをしたいと思っていたことがありました。
 大臣は、所信をお述べをいただいたときに、いかなる環境にある子供たちに対しても、生まれてから社会に出るまで切れ間なく学びや育ちを支援していくことが必要だと、こういうふうにおっしゃっていただきました。
 イギリスでは二〇〇七年に子供・学校・家庭省というのが新設をされて、子供と若者に関する政策を推進し、各省にまたがる若者と家庭政策を調整していくと、そういう政治を行っていくんだということが行われたというふうに聞いております。
 午前の質問の中にも橋本理事から、スポーツ政策において省庁の縦割りではなくて省庁を超えた連携の中でスポーツ政策をやっていくべきだというお話がありましたが、子供の教育あるいは若者を育てていくという、そういう観点において文部科学省は、例えば厚生労働省との連携を深めていく、あるいは垣根を取っ払っていくというような、そういった姿勢が私はどうしても必要だというふうに思っておりますが、大臣としてはどういうふうにお考えいただいているでしょうか。
#157
○国務大臣(川端達夫君) その前に、衆議院の本会議がありまして質問が私にありましたので、中座をいたしましたことを御了解いただきたいと思います。
 今御質問がありました。私たちは、これも先ほども議論がありましたけれども、私たちの政権の大きな役割、国民の期待の一つに、縦割り行政を、排除という言葉は良くないと思いますが、縦割り行政を乗り越えて、いろんな面で目的を共有するものは可能な限り一緒にやっていこうという方向を当然ながら目指していくべきだし、それが今までの長い経過を政権交代ということで乗り越える期待があるんだというふうに思っております。
 そういう意味で、まさに所信でも申し上げましたけれども、教育を受けたいという人に対して、これは民主党のかねがねの教育の理念の一つとして、教育を受ける権利がひとしくあるということを実現していくという意味で、これは文部科学省だけで担えるものでないということに関しては、これは、これ別に今までの自公政権においてもそういう観点からいろんな取組をしてきていただいております。例を挙げますと、長年、まだまだの課題もありますが、認定こども園で、要するに幼保連携をどうしていくのかという厚生労働省、あるいは放課後子どもプランとかジョブ・カードの問題とか新卒者の就労支援とか、いろんな意味で各般の省庁と連携をしてまいります。
 引き続き、より我々の使命、期待を受けてそれが進むように真っ正面から取り組んでまいりたいと思っております。
#158
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 大臣おっしゃるとおり、これまでから幼保一元化という問題について厚生労働省と文科省との共同した取組も行われてきた中で、やはり担当者が本当に一生懸命になってもなかなか難しい問題が横たわっていたということは事実だというふうに思っております。そういった中で、今の大臣の御決意の中で、とにかく子供の教育の権利を守るために省庁を乗り越えてのお取り組みを是非いただきたいと、こんなふうに思っております。
 続きまして、大臣、また所信の中で「学校や関係機関、地域社会が連携して、悩みを抱える子供たちが安心して相談できるような体制の整備を進めていきたい」とおっしゃっていただきました。
 振り返ってみますと、二〇〇六年の十一月に教育基本法に関する特別委員会が開かれて、その際に私、当時の安倍総理に対して相談ダイヤルのことについて質問したことがございました。公的な機関が開いている相談ダイヤルは午前九時から夕方の五時ごろまでで全く子供の悩みに対応できていないんじゃないかと。こんな話の中で安倍総理が、それはできるだけ早く対応したいというお返事をいただいて、その年の補正予算でその相談ダイヤルが設置をされたと、こういう流れがございました。
 その後、その相談ダイヤルの実態といいますか、運用実態であるとか、そういったことも踏まえながら今、さきの所信表明で大臣がお述べになったそういう体制の整備を進めていきたいというお考えについて、もう少しおっしゃっていただければ有り難いなと思います。
#159
○国務大臣(川端達夫君) 所信でも申し上げました、所信の中で一番思いを込めて申し上げたところだと私は思っております。
 先ほど来の今日の午前中からの議論もありましたけれども、いじめ、不登校、あるいは場合によっては、あした生きていく道を選ばないという子供がいっぱいいる、そして多くは一人で悩みを抱え込んでいると。これは、だれにも言わないという状況で後で事態が非常に深刻化したときに、どうして言ってくれなかったのと多くの大人たちは言います。恐らくいろんなメッセージは有言無言の中で発していたものが受け止められなかったという周りの状況もあると思います。
 同時に、どうして言ってくれなかったのという状況の中では、その生徒たちと先生、あるいは親、周辺がいわゆる話せる関係に子供から見たらなかったという状況でもあろうということで、問題は非常に複雑で深刻であることは事実でありまして、そのときに一つの切り口としていわゆる電話で相談をできる、これまた匿名であるということでしゃべりやすいみたいなことも間違いなくあるということで、あらゆるチャンネルを通じてそういうことをもう一度しっかりやっていきましょうということを私は申し上げましたが、まさに先生おっしゃったように、これは相談ダイヤル二十四時間ということを御提起をいただいて、二十四時間いじめ相談ダイヤル〇五七〇―〇―七八三一〇という電話でありまして、平成十九年二月から二十一年三月までで総利用数が九万五千二百三十二件、夜間、休日が六万三千五百二十五件ということで、まさにやっぱり御指摘していただいたことが一番良かったということだと思います。そして、現在は月当たりで大体千五百件程度で推移をしておりまして、非常にこれが有効であるということは間違いありません。
 それと同時に、よく私現場でも言ったんですが、いろんな屋外広告というか、いろんなものありますよね、ここへ電話してくださいみたいな、お商売の世界で。そういう意味で子供たちに、あっ、ここへ電話したらいいんだということをもっともっと触れるところに知らせるということも含めて、この電話は非常に大きなツールだと思っております。それと同時に、やはり友達も地域もみんなが、相談を受けたら一生懸命やる人がほとんどだと私は基本的には思うんですが、コミュニケーションがうまくいかずに聞いてもらえなかったと思う子供もいっぱいいるし、という中でこの相談ダイヤルは大変大事なものだし、あらゆるツールでそういう子供の声がつながるようにということを頑張ってまいりたいと思っております。
#160
○水岡俊一君 大臣、是非お願いをしたいと思います。特に今おっしゃっていただいた、子供たちにここに電話をすればいいんだよということを知らせるツールというのが非常に大事だというふうに思っています。
 私も、かつて兵庫県で教職員の仲間と一緒に相談ダイヤルを運営をしておったときに、子供たちにそのダイヤル番号をどうやって知らせたらいいのかとみんなで悩んだんですね。結局のところ、ポスターを作ったりとかいろいろする中で、一度やってみようということでみんながお金を出し合って、県下のすべての小学生、中学生に、これぐらいの手札ぐらいの大きさのカードを作って、そこに番号を書いて配ったことがあったんですね。大変多くの電話を受けた記憶がございます。あらゆるツール、あらゆる方法でそういった子供たちに悩みの相談窓口を知らせる手だて、是非お願いをしたいと、こんなふうに思っております。
 時間がなくなってきましたので、続いて参ります。
 引き続いて大臣にお願いしたいんですが、GDP比に占める教育費の割合についてでございます。
 もうこれは民主党のマニフェストの中で十分言い尽くされてきたことでありますが、OECD諸国の中で日本は下から二番目だと。つまりGDP比にしますと日本は全教育費が三・四%しかない、OECDの平均であれば五%あるじゃないか、せめてOECD平均まで持っていこうじゃないかというのが民主党のマニフェストだったように思います。学級規模、教職員数など、教育条件もそういう意味では国際水準に達していないんではないかと。かつて日本は教育立国、教育についてはもう世界一だというふうな考え方、認識がありましたが、現在それはそうではないんだということを私たちはしっかりと認識しなきゃいけないと、こんなふうに思っております。
 一方、今、不要不急の事業を見直すんだということで事業仕分が大変注目をされている、もう今朝から何度もそういうお話が出てまいりました。この事業仕分は聖域を設けないと、こういうことでありますから、そういった意味で言えば、義務教育費国庫負担金というのもその対象の一つかもしれませんが、国の基礎をつくる教育、その分野における義務教育費国庫負担制度というのは大変重要な役割を果たしているというふうに私たちは考えておりますが、今後の堅持についての大臣のそのお考えを聞かせていただきたいと思います。
#161
○国務大臣(川端達夫君) 地方の教育格差が財政力によって生じてはいけないという、まさに教育の質と機会の均等なあるべき姿を確保するために義務教育の国庫負担金制度があるということは、もう申すまでもありません。そういう意味では、制度の理念というものは堅持されなければいけないというふうに私も思っております。
   〔委員長退席、理事橋本聖子君着席〕
 二分の一から三分の一にするときも随分大きな議論がありました。そういう中で、やはり地方の分権、自主性という議論と一定水準の確保というものとが議論の対象になることは事実でありますが、国としては、一定水準を地方の格差を乗り越えて維持するという観点でこの制度は堅持されるべきものと我々は考えて、これからも取り組んでまいりたいと思っております。
#162
○水岡俊一君 ありがとうございます。力強く感じたところであります。是非お願いをいたします。
 それでは、話は変わりますが、教員の免許更新制について鈴木副大臣にお願いをしたいというふうに思います。ちょっともう具体的な話をさせていただきたいと思います。
 文科省から教員免許更新制等の今後の在り方についてというのが示されているわけでありますが、それによりますと、今年度の受講対象者の更新期限というのは二〇一一年三月末ということになりますね、二年間の猶予ということになりますから。それまでにこの制度が変わるということであれば更新という問題はなくなりますし、また講習を受ける、どうしても受ける必要があるのかないのかということが論議の対象になるというふうに思っています。
 そういった意味で、また来年は来年の講習対象者が出てくるわけでありますが、今その申込みも期限がもう来ているようなんですね。来年の申込みをもうしなきゃいけない。そんなところで、一体どうなるんでしょうという不安を現場の教員がたくさん持っているので、その辺りについてどういうふうに考えていったらいいのか。これ、大臣かあるいは鈴木副大臣にお答えをいただきたいと思います。
#163
○副大臣(鈴木寛君) まず、教員免許制度の抜本改正は考えております。来年まさにその議論をしていく。しかしながら、その議論を受けて法律改正案が国会に提出をされて、そして可決をするまでの間は、当然のことながら現行の法制度の下でやっていただくと、こういうことになります。したがいまして、来年度予算に、平成二十二年度の予算要求におきましても、この現行の制度に必要な予算は要求をさせていただいているということでございます。
   〔理事橋本聖子君退席、委員長着席〕
 やや先走りますが、ですから、次の次の通常国会にはきちっとした成案をお示しをするということになろうかと思いますので、それまでの間はそのようなことで御理解をいただきたいと思いますし、十月の二十一日に今のことをもう少し丁寧に書き下しました文書をホームページに掲載をさせていただいているところでございますので、これを更に周知をしていきたいというふうに思っております。
#164
○水岡俊一君 今年度の対象者また来年度の対象者が非常にその辺りを気にするところだろうというふうに思っております。制度のはざまといいますか、段階を経る必要があるので、言い方は適切かどうか分かりませんが、割を食う人がいるのかもしれません。しかし、そのどの期限まででどの対象者がどういう方法があるのかということについて丁寧に示していただきたいと、こんなふうに思っております。
 そして、それにも増して、その講習が適切な、本当に教員の資質向上のためになる講習が私は是非とも必要だと、こういうふうに感じております。ですから、インセンティブといいましょうか、教職員がこぞってこの講習を受けたいねと、いろんな仕事はあるけれども、ひとつ優先順位を変えてすばらしいこの講習を受けて自分たちの資質を上げていきたいと望めるような、そういう講習をしていくと、講座を設けていくということが必要なんだろうというふうに思っております。
 そういった意味で、全国の大学あるいは教員養成系の大学も含めて御努力をいただいているというふうには思いますが、その面で、これまでの当委員会でも、離島、へき地の皆さんが自腹を切って大変多くのお金そして時間を費やして講習を受けなきゃいけないというような実態はまだ変わらない部分があるんだろうというふうに思っております。そういった部分への手当ての予算要求もされているように私も理解をするところでありますが、引き続きそれについては御配慮を願いたいなと、こんなふうに思っているところであります。
 最後に、大臣にお尋ねをしたいんでありますが、民主党はこれまで三十人以下学級法案というのを出したこともありました。先ほど鈴木副大臣から、秋田県での教育の成功の要因の一つに少人数学級、三十人以下、二十九人というふうにおっしゃったでしょうか、そういった数字も御披露いただく中で、三十人以下学級、つまりは、少人数、教職員が一人一人の子供たちに多く接することができるような、そういう教職員定数が必要だということは多くの人がお感じになっていることだし、民主党としてもそれを訴えてきた。文科省としてもそのことのお考えは変わりないんだろうと思いますが、今後の教職員定数の見通し、これについて大臣がどういうふうにお感じになっているのか、最後にお伺いをしたいというふうに思っております。
 言うまでもなく、学校現場は、これまで第七次定数改善計画まで実施をされて、順次定数改善をやってきたという努力がずっと積み重ねられたんだと思うんですね。そういった中で、第八次定数改善計画が宙に浮いたままで非常に厳しい財政状況の中で苦しんできたという文科省の姿もあるというふうに思うんですが、大臣としての今後の見通しなりお考えがお聞かせいただければ有り難いと思いますが、いかがでしょうか。
#165
○国務大臣(川端達夫君) 先ほど秋田県の例が議論されたようでありますけれども、いわゆる少人数にきめ細かい教育をするということの効果は、もう言うまでもない成果が出ていることは事実であります。そして、同時に、いわゆる教育指導要領の見直し等々含めて、理数が弱くなっているんではないかとかいうことの中で、きめ細かく、授業時間を増やすということと同時に、教育課程はそんなに増えていない、要するに丁寧に中身よく教えて理解を進めようみたいな取組も一生懸命やられているという意味でも、教員の数の確保と資質の向上はもう非常に大事な大事な要素であると私も認識しております。そして、これはまさに教育にかかわる関係者こぞって御要望をいただいている課題でもあります。
 そういう意味で、今回は概算要求としては、五千五百人の教員定数の改善、それから一万九千五百人の退職教員の活用という経費を概算要求としてはいいまして、実質増という意味では実に何年ぶりだろうというふうな要求であります。
 そして、私たちの内閣になっていわゆる骨太方針は終わりになりましたけれども、基本的には現行の法律の枠内で取り組むということを前提にしながらも、是非ともに教員の増員に関しては最大限取り組んでまいりたい。そして、質の高い中身のあるいい教育ができるようにということで取り組みたいと思いますし、これはマニフェストだけではなくて、私が大臣に就任したときの総理の文科大臣への指示書にも教員の資質の向上と量の確保を図るようにということが第一項目めに書いてあることであります。
 しっかりとやってまいりたいと思います。
#166
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 大臣始め政務三役の皆さん、そして文部科学省のすべての職員の方々に期待を申し上げたいと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#167
○大島九州男君 民主党、大島九州男でございます。
 今日は、御質問の機会をいただきました関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
 まず、川端大臣、本当に御就任おめでとうございます。そして、中川、そして鈴木両副大臣にも、本当にこれから大変だと思いますけれども、よろしくお願いを申し上げます。
 それではまず最初に、民主党のマニフェストに、公立高校の無償化というのをマニフェストに書いてあった。これで私は全国回っていますと、私立に通う保護者の皆さんから私立はないのかというふうによく質問をされたんですが、今は国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校における教育に係る負担の軽減のための高等学校就学支援金の支給に関する法律案というような感じで議論をされているというふうにお聞き及びをしておりますが、この名称は、長いですけれども非常に分かりやすいと。そして、こういった部分の、義務教育ではない高等教育にこの制度を導入しようとするその意義を大臣にまずはお伺いをし、そして、この就学支援金の算定の基準、そういう根拠については鈴木副大臣にお答えをいただきたいと思います。
#168
○国務大臣(川端達夫君) 大島委員、御激励ありがとうございます。一生懸命頑張ってまいりたいと思います。
 高等学校へ子供さんが義務教育を終えて進学する進学率はもう九八%を超えているということで、実質的に子供たちを教えるいわゆる教育として、大きな社会的責任を負っているというのは高校教育であることは間違いのない事実であります。そういう意味で、私たちは、教育を受けたいという子供たちがひとしく教育を受けられる権利を確保するという理念に基づいて、同時に教育の必要な部分は社会が支えるということで高校の無償化をマニフェストで約束をし、総理指示も含めて、今回、今御指摘のように、高等学校等の実質無償化を検討し、制度設計に入っているところであります。
 これは、社会が高校教育を支えると同時に、社会が支えて育った子供たちは社会に育てられたという意味での社会性を意識し、社会に貢献するという人材を育てる。お金を出したのは親ではないという、社会性というのも意識してほしいという願いも込めております。また同時に、特にとりわけ最近の経済状況を含めて、高等学校へ行くときの親の経済的負担は非常に大きい。そして、それは、残念ながら授業料が払えないからと中退をする子供たちや高校生や、あるいは高校進学というのをあきらめたという子供がいっぱいできてきているという現状を何とかしたいという、そういう側面もあります。同時に、国際的にいえば、国際人権A規約にも中等教育における無償化の漸進的導入というのが規定されているという、国際的水準でもあるという観点であります。
 そういう意味で、公立高校だけではなくて、義務教育、中学校を終えられてから学ぶ一定の人たちに対して支援をする制度を現在設計中であるというのが現状でございます。
#169
○副大臣(鈴木寛君) 高等学校就学支援金の支給額についてのお尋ねでございますけれども、まず、国公立の高校生の世帯に対しましては授業料相当額、つまりは年額十一万八千八百円以内を助成するということの概算要求をいたしております。これは、現在の地方交付税の標準単価が十一万八千八百円ということになっていることを参考にさせていただいております。それから、私立高校に在学する生徒がいる世帯に対しましては同等額を助成いたしまして、加えて低所得世帯、つまり五百万円の年収、年収でございますが、以下の世帯に対しましては倍額、年額二十三万七千六百円以内を助成をすると。このことによって、従来から指摘をされております公私間格差を、この低所得世帯に関しては、若干ではございますけれども、十一万八千八百円は改善をしていけるというふうな要求をさせていただいているところでございます。
 加えまして、今のは国の支援金の概要でございますが、さらに都道府県による、特に三百五十万円以下世帯に対する私立高校等に在学する生徒に対する支援を充実をしていただきたいということで、交付税措置を二百四十九億円、国庫補助を十一億円、高校生修学支援基金を六十八億円、合計で三百二十八億円を用いて、都道府県のそれぞれの実情に応じて私立学校に通う学生あるいはそれを支える世帯の応援をしていただきたいというふうに考えて要求をしているところでございます。
#170
○大島九州男君 ありがとうございます。
 今、鈴木副大臣からお話をいただきましたのを図表にしてあるのが今日私がお配りをさせていただいた資料でございまして、与党になりますとこういった有り難い連係ができて、大変有り難いなというふうに思いましたが。
 今まさしくおっしゃった、この資料を見ていただいて、オレンジと山吹色の部分は国がしっかりさせていただくと。そして、黄色の部分について三百二十八億、合計、国庫補助、地方交付税の措置、高校生修学支援の基金を含めて、できるだけ私立に通うお子さんの低所得の家庭の皆さんに支援をしていくというこの姿勢は大変すばらしいことでありますし、特に地方の状態の中で、厳しい状況の中でこの交付税その他がほかに流れていかないでしっかり教育に回していただけるように非常に強く願うものでありますけれども。
 私立に通う生徒の負担というのは、ちょうど十八年度で平均が六十九万二千二十七円、二十年度で平均七十万六千六百九円というふうに、年平均で四・四%ぐらいはずっと上昇していっております。そういった意味で、物価上昇やいろんな部分について、しっかりそれに合わせて増額もしていかなくてはならないと思うんですが、現実のこの法施行後の支給、この就学支援金の支給方法についてどのような形をお考えになっているのかを、鈴木副大臣、よろしくお願いいたします。
#171
○副大臣(鈴木寛君) これは、就学支援金を受給する権利を世帯又は生徒に設定をいたします。しかし、その実質的な行使に当たっては、私立の場合は学校法人がその受給権を代理行使をし、そして国から法定受託事務でこの事務を請け負った、委任をされた、受託をした都道府県からこの就学支援金を学校法人が代理受領をするというようなスキームを考えているところでございます。
#172
○大島九州男君 我々もこの高校無償化を議論したときに、いろんな方法があると。そして、何でもただというのはよくないだろうと。だから、親御さんが払った領収書を持って、半期に一度役所へ行って申請してその還付を受けるというような議論もあったわけですね。
 選挙終わりまして、大臣、その他、いろんな事務費の経費削減のために今おっしゃったような方向が議論されているということをお聞き及びをしていたわけですけれども、私も事務費の軽減その他の部分でそういう方法は理解をするところでありますが、先ほど大臣がおっしゃいました社会性、子供に対して、社会が子供をしっかりと育ててくれているんだという認識を子供にも持ってもらうためにも、私考えたのは、そういう、保護者が当然申請をして、そういった支援金の受給を代行していただくというところに、是非、生徒が誓約書というかそういうものをしっかりと自分の意思で書いて、この就学支援金というのは、まずは社会に感謝だとか、そして自分を産んでくれた親に感謝、そしてそういう先生にも感謝だという、そういった一つの意識を持って、そういう就学支援金というものをいただくおかげさまで自分は高校に行けるんだという意識を付けるためにも、そういった仕組みが必要ではないかというふうに思うんですが、その件について御意見を。
#173
○副大臣(鈴木寛君) そういう思いは重要だというふうに思っております。
 仕組み以前に、やはり学校現場におきまして、学校長の皆さんや、あるいは担任、あるいは教員の皆さんが高校生に対して、これは日本社会の納税者が君たちの学び、育ちを、成長を応援し、期待しているんだということは、これは折に触れて指導をしていただき、指導というか、そういう情報をきちっと伝えていただきたいということはまず一点思っております。
 それから、当然まだ未成年でありますから授業料等々の負担は家庭ということになりますけれども、そうした家庭に対して、この制度の概要というんでしょうか、といったものを説明する書類等々を交付するということになりますが、その書類の中では今申し上げた趣旨をきちっと明記することによって、その制度を目的も含めて御理解をいただいた上でその受給権を行使をしていただくということにはきちっとしていきたいというふうに思っております。
#174
○大島九州男君 是非、そういう子供の教育という意味でも、子供に意識を持たせる、そういった部分の仕組みを取り入れさせていただくことを是非要望させていただきます。
 そして、また次の質問ですが、私立中学に通う子供たちについては政府はどういう見解でございましょうか、御意見を。
#175
○副大臣(鈴木寛君) 現在も私立中学、これは非常に重要な、建学の精神に基づいて多種多様な特色ある教育を我々日本社会に提供していただいているという観点から、私立中学も大変重要な存在だというふうに考えております。我々の日本国教育基本法でもそのような位置付けをさせていただいております。
 そして、今、現行で申し上げますと、この私立中学に通う低所得層の生徒に対しましては経済的支援を実施をさせていただいているところでございまして、こうしたことは引き続き重要な施策だというふうに考えております。
 ただ、無償化ということになりますと、これは建学の精神を尊重をするという観点との兼ね合いということになりますので、私立中学についてはむしろ、子ども手当が私立中学校の世帯に対しても交付されるわけでございますので、そちらを活用していただいて私立中学生の学びと成長を支援をしていくと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#176
○大島九州男君 ありがとうございます。
 まさしく義務教育の段階でございますので、そういう建学の精神にのっとって私学を選ばれたお子さんは、その子ども手当等を活用していただくということは大変有り難いことだと思っております。
 子ども手当の概念なんですけれども、私自身は、全国を回っていましてもいろいろ言われたのは、親に支給すると親が遊びに使っちゃうじゃないかということがあったんですが、まずはこの子ども手当、経済対策や内需拡大の観点という部分も政府ではあるんじゃないかというふうな思いもありましたが、よく保護者から言われたのは、学校給食を払うことができる所得がありながら払わない人もいるじゃないかと、そういうところに支給するのかという話をよく聞きまして、学校給食を無料にした方がいいぞという意見もいただいたんですが、私自身は学校給食を払うことができるのに払わない人にはこういった子ども手当は支給しないとか、そういう基準作りも、これは、ちょっとここは違いますけれども、ここの文教科学じゃないですけれども、ほかのところで是非大臣の方からも言っていただいて、まさしくそういうところには払わないと。いや、これは本当ですよね。──ありがとうございます。
 ちょっと最後の質問になりますが、私学助成の今後の考え方について大臣にお伺いしたいんですが、こういう高校無償化が定着をしていきますと私学助成が変化するんじゃないかと心配されている方もいらっしゃるんですが、そこの見解をお答えいただきたいと思います。
#177
○国務大臣(川端達夫君) 授業料に対する先ほど来の議論の就学支援金は、まさに高校に行く生徒のいる世帯に対して応援をしようということで、現実に公立高校と私立高校で授業料に相当の差があるのでいろんな手当てで工夫をしようということです。
 一方、私学助成は、やはり私学それぞれの建学の精神で学校をやっておられるということでいえば、基本的には独立していろいろおやりになるということでありますが、現実には大きな部分で、高校教育もそうですし大学もそうですが、各学校の分野で大きな役割を担っていただいていることはもう現実事実でありますので、その部分では一定水準の教育をしっかりやっていただくという中で、地域によって非常に格差が出てはいけないということで、これは基本的には都道府県から私学に助成をすると、高校の分はですね。ということで、その都道府県に対して我々が一定の支援をするということにおいて一定の水準が維持されるようにということをやってまいりまして、これは引き続きやってまいる。これはそういう政策でやっているわけですから、これが就学支援をやったから変化するということではありませんので、性格が違うものとしてとらえていただきたいと思っております。
#178
○大島九州男君 それは車の両輪ととらえて教育にしっかりと手当てをしていただくと、そういう御理解をさせていただきます。
 それでは、教科書バリアフリー法について質問をさせていただきますが、残り時間が少ないので鈴木副大臣にお聞かせをいただきたいと思うんですが、思いがいろいろたくさんおありになるのであれだと思うんですが。
 この法案ができて、全国六十八校設置されている視覚障害特別支援学校、いわゆる盲学校の子供たちは、教科書バリアフリー法ができれば本当に、ああ、これで勉強しやすくなるんだというふうに思っていたようなんですけれど、しかし、それが実際はそのようになっていないという現状をいただいております。
 その中で問題だなと思ったのは、教科書バリアフリー法が施行されて文部科学省が定める標準規格が公表されて、教科書出版社に拡大教科書の発行の努力義務が課せられたにもかかわらず、〇九年度から新たに出版される拡大教科書は八十五点にとどまることが明らかになったと。これまで出版されていた六十九点と合わせても百五十四点で、全体の約三六%。図画工作や美術といった教科は全く発行されずに、義務教育の検定教科書を発行している十九社のうち八社は一種類も拡大教科書を発行しないというふうなことになっていると。
 その現状を受けて、弱視の高校生の子供たちのアンケートがあります。
 まず一問、教科書バリアフリー法が成立したときにどう思いましたかという質問に対して、少しでもハンディーがなくなってもっと勉強がスムーズにできるようになるかもしれないと思ってうれしかった、これからやっと勉強をしづらくなくなると思いました、そして正直本当に高校生にまで配付するお金があるのかなと思いましたとか、それに弱視の人でも見やすい教科書で勉強できるため良いことだと思った、もっと早くこの法律が成立しなかったことを残念に思うとか、大変有り難いと思う反面、本来もっと早く成立するべきものだと思ったという、そういうこともあります。
 そして二問目、教科書バリアフリー法が成立したにもかかわらず、来年度、盲学校の高等部の拡大教科書は一種類も発行されない可能性があります、このような状態をどう思いますかという質問に対して、生徒は、どこがバリアフリーなのかと思うと。また、法律ができても教科書が発行されないなら、私たちにとって何も意味がなく、現状は変わらないと思う。それから、法が決まってからどの程度で拡大教科書が発行されるかは知りませんが、なるべく早くなることを望みます。そういうことを決めている人は盲学校のふだんの様子が分かってないから先延ばしにするのかなと思いました。実際は今までこの状態で弱視の人は勉強してきましたが、大変なので少しでも急いでほしい。そして、法律が成立したのに教科書が発行されないのはおかしいと思う、名前だけの法律にしないでいただきたいという、こういう子供たちの意見を受けて、鈴木大臣の感想を。
#179
○副大臣(鈴木寛君) 重く受け止めたいと思います。
 といいますのは、この法律は、委員御存じのように、元々小坂元文部科学大臣から、まさにこの文教科学委員会での与野党を超えた議論を受けて、要請状が教科書会社に発信をされました。それで我々は一度安堵したわけでございます。しかし、にもかかわらず現状が変わらないという残念な状況があって、これも超党派で拡大教科書バリアフリー法案を成立をしていただいたと。私もその輪の中に加えていただいたわけでございます。
 もちろん、法律を細かく読めば、高校についてはもう一年二年待ってということなのだとは思いますけれども、しかし、ここまでの長年の議論がありながらなおそうした努力を準備をしていないお会社というのは、まあこれはやや、何といいますか、きつい言い方になるかもしれませんけれども、私は、教科書会社として、まさに最も日本の子供たちの教育を支える社会的存在としてどういう御見識をお持ちなのかということを従来も思っておりましたけれども、今も同じような思いを持っております。
 ただ一方で、御理解いただきたいのは、教科書会社の中でも、こうした流れを受けて非常に精力的に取り組んでいらっしゃる教科書会社もありますので、そうした教科書会社に対してはこの場を借りて感謝も敬意も申し上げたいと思いますが、教科書会社の中での極めて対応にばらつきがあるということは私は看過できない。もちろん、それに対していろいろな理由をおっしゃっておられますし、我々もいっぱい聞かせていただきましたが、しかし、それはやはりいろいろな工夫で乗り越えられるべきことではないかというふうに思っております。
 このことは、国としてまさにそうした教科書業界全体に対しては四百億を超える予算を毎年拠出をしていると、こういう状況からも、私は、これはCSRの問題ではなくて、こうした教科書という非常に崇高かつ重要な仕事に携わる方々のやっぱり矜持の問題だというふうに思いながら粛々と行政を進めてまいりたいというふうに思っております。
#180
○大島九州男君 もうまさしく、副大臣と我々も一緒に議論をしてきた中で、我々民主党は、義務規定、義務だと、これは子供たちのために絶対にやってほしいことだということで罰則付きでとにかく義務を課そうという法案を作ったわけですけれども、委員長提案という形の中で努力規定になったという経緯がありますので、ここのところは是非もう一度しっかりと再考していただいて、そういった罰則がなくても、先ほどおっしゃった矜持の問題で、教科書会社が独自にしっかりと努力をしていただくということを行政として指導をしっかりしていただきたいというふうに思っておりますので、引き続きそこら辺は厳しく教科書会社に御指導をいただきたいというふうに思います。
 現実的に提供される環境が整っても、盲学校の高等部では拡大教科書や点字教科書が無償であり、晴眼の高校生の費用負担は検定教科書代だけにもかかわらず、視覚障害児が一般の高校に進学した場合は検定教科書の数十倍に及ぶ拡大教科書等の費用を全額自己負担しなければならないという現実がございます。高校における拡大教科書や点字教科書等の費用負担は、原本の検定教科書との差額は国の負担とするというような措置が必要だと、我々は、民主党案ではそういったものがあったんですが、今の法案ではこういうことがないんですけれども、その点について、今後どのようなお考えかというのを聞かせていただきたいと思います。
#181
○副大臣(鈴木寛君) 今の点も含めて研究、検討をしていきたいというふうに思っております。
 今回、高校の実質無償化という中で、低所得者に対しては入学金、教科書費についての奨学事業ということも要求を百二十三億いたしております。そうしたことは淡々とというか着々と進めていく中で、今の点についても拡大教科書、教科書バリアフリー法の趣旨を踏まえて研究、検討はしていきたい、ということに加えて、何よりもそうしたその生徒たちの声を最大限重く受け止めて検討をしていきたいというふうに思います。
#182
○大島九州男君 ありがとうございます。
 本当に我々がその教科書バリアフリー、民主党法案を作ったときのその理念は、子供のために、本当にもし自分の子供だったら、まさにそういう困っている人がいたらどういう法律にすべきかという観点で私たちは作らせていただいたつもりでありましたけれども、いろんな諸般の事情で法律が変化をしたと。だから、これは政権が替わりまして、まさしく今副大臣がおっしゃっていただいた、子供のために、本当にその子供がしっかりと笑顔で勉強ができる環境を整えていくために是非その力を使っていただきたい。これがやはり今回の政権交代の大きな一つの意義でもあるんだというふうに強く感じさせていただいているところであります。
 世界の、国連障害者の権利条約では、障害のある児童が障害を理由にして無償のかつ義務的な初等教育から又は中等教育から排除されないこと、学問的及び社会的な発達を最大にする環境において、完全な包容という目標に合致する効果的で個別化された支援措置がとられることというふうに規定もされております。我々、この日本に住む子供たちが、本当に分け隔てなく笑顔で勉強のできる、そういう環境をしっかり整えていただいて、そして子供たちが社会に感謝をし親に感謝をする、そういった国になる文科行政を心から祈念をいたしまして、そして大臣、皆さんたちにはそういったお力を注いでいただきますことを心からお願いして、終わります。
 どうもありがとうございました。
#183
○谷岡郁子君 大臣、副大臣、そして政務官の皆様、民主党の参議院議員の谷岡郁子でございます。
 本当に、おめでとうございますというよりも日ごろ御苦労さまでございますと、もう本当に就任以来の不眠不休の御活躍、そして御努力に対して深い敬意を表したいと思います。その上で、この五十年余り、まあ言ってみれば戦後の大きな変革の中で、政権交代したからこそ、その大臣の所信に対しましてもやはり根本的、抜本的な改革のチャンスとしての議論を、私自身が教育社会学の徒として今日はやらせていただきたいということを思っております。
 鳩山総理は、すべての人に居場所と出番をとおっしゃいました。しかし、今子供たちが学校ですべての子供たちに居場所と出番があるのか、多くの不登校に陥っている子供たち、こういう子たちは自分たちの居場所も出番も実はないと感じ、そして自分たちは学校へ行けば日々裁かれているということを感じているのではないかと思います。
 そういう子供たちの現状にあって、なぜそうなってしまったか。それは、機械にまるで部品を一つずつ付けていくかのように知識を教え込んでいくという、教育とはすなわち何を教えるかであるという、この六十年来の教育の伝統、まあ言ってみればそれ以上に明治維新以来の西洋に追い付け追い越せということで、言わばまだ不足している知識を輸入してとにかくそれを国民に教えるということをやってきたことの実はなれの果てではないかというふうに私自身は思っております。
 教育というのは、皆様に既に申し上げるべくもありませんが、教えはぐくむと書きます。そして、すべからく、実はすべての人間としての力、今日も人間力という言葉、何度も出てまいりましたが、これは教えられるものではなくて、実は育てるしかないものではないかというふうに感じております。しかしながら、中央教育審議会の総論では生きる力云々ということがたくさん出てまいりますが、各論の現場になりますと必ず、何を教えるのか、何年生で何を教えるのか、そういうことばかりが出てまいります。
 私が教育の中で一番ある方から言われて好きな言葉、それは、できない子はいない、まだできないだけであるという言葉であります。小さいときには小学校で一番前にいる小さい子が、高校一年生ぐらいになると急に背が伸びて背の高い子になるということがございます。その子の伸びる時期というものが、たまたま身長においてはその時期であったということが言えるのではないかと思います。同様に、精神的にも知的にもその子の伸びるときがございます。その伸びるときに合わせて教育、支援ということをやっていくならば必ずどの子も伸びることができるというのが、三十年来教育の現場におりました私の実感でございます。
 そして、そのためには、やはりいかに子供にとって、学ぶ側にとって意味のある、そして面白く、先ほども出ていましたように、興味深い、やる気の出る教育というものを保障していくのかということだと思います。そして、どういう形で生きていく、人間としての力というものを育てていくのかということだと思います。
 その教育、教えると育てるというバランス、これに関して、やはり今まで余りに教えるということがバランスが偏っていて、育てるということを今後もっとやっていかなければならないのではないかという私見を持っておりますが、これに対して、大臣、どのようなお考えをお持ちでございましょうか。
#184
○国務大臣(川端達夫君) 長らく教育の現場で実践をされ、そして今政治家として御活躍いただいている谷岡先生のお言葉は大変奥深かったというふうに思います。まさに教育は教えると育てる。私もそこそこ年いってきましたけれども、やはり知識を教えるということに随分昔に比べたらウエートが掛かり過ぎているのかな、そしてそれが、家庭や地域あるいは社会、環境、周りというものが育てるという力、どんどん弱くなってきたというのは事実だと思います。
 総理が言われた居場所のある社会というときに、どうも世の中が、子供の社会は勉強ができるかできないかという物差しがほとんどを律する世の中にしてしまった嫌いがある。社会を見ると、お金があるなしが居場所を決める物差しにしてしまったということもその現象の一つだということでは、先生御指摘のように、育てるということにおいて、知識ではないいろんな意味での育てる力をどう発揮させるのかということがこれからの教育にとって大変大事な視点であることは私も同感でございます。
#185
○谷岡郁子君 そこで、今日お配りいたしましたのは、本当に何十年かに一遍、私どもの学園で見直しをして来年から男女共学に大学もなるということで、至学館大学、至学館短期大学の教育の理念ということで、建学の精神から新たにバージョンアップしようではないかということで、図と、そしてそれに対する幼稚園、高校、大学それぞれその人間力というものを私たちがどのように感じて組み立てていくかということを考えました図でございます。
 こういう人間力というものを、その基盤となる健康力、心身、社会そして人間関係における健康さ、こういうものを自分で育て、維持管理することができる。また、他者に対してそれを及ぼすことができる。同時に、社会の健全なありようの問題として、ルールを守る、自分と相手と同じルールを適用するフェアプレー精神、こういうものを含めてすべて健康力というところに位置付けました。
 同時に、知的視力、これは物事の本質を理解するということが知識の目的であるということの中で、着眼点としての問題発見能力、あるいは全体の構造を考えて、その中で自分自身が今どこに何をするのかということを包括的に常に考えていくことができるような、そして総合的判断力を養うことができるような、それを論理的な知的精神を持って知的に取り組んでいくことができるようなもの、これを知的視力と呼んで、これを伸ばしたいということを考えました。
 また同時に、社会において人間が力を発揮するためには、社会的な力でありますコミュニケーション能力、それから歴史や文化、そういうものを理解して、そして身に付ける能力、行動力、そういうものが必要でありましょうし、また当事者としての意識、そういうものが必要ではないか、自分の問題としてとらえ考えていくことができる姿勢というものが養われなければならないだろう。そして、不断の自己形成への努力というものを続けられる人間というものが必要であろうということを考えて、これは一体どのような形でカリキュラム若しくは課外活動、その他の中でやっていくことができるのだろうかということを、幼稚園、高校、大学、すべてのレベルで私たちは考えてまいりました。
 こういう形で、その人間的な力というものをどんな形で考えるのだろうかということをそろそろ総体的に日本の社会として考えるべき時期に来ているのではないかと。そしてそれは、それぞれの年代においてどのような形で順番に何を身に付けることができるのだろうか、どの程度身に付けることができるのだろうか、そういう指針というものが必要になってきているのではないかと。そして、そういうことの中において今日本人に求められる日本人の力、日本の社会人に求められる力というものがどういうものであって、それに対してどういうカリキュラムを組み立てていくかというようなことが中央教育審議会などでも議論されなければならないのではないかというふうに私は感じております。
 そういうふうに考えますと、やはり中央教育審議会の在り方、先ほど全国の教育委員会というような話も出たわけですけれども、何らかの形でやはり新しい人間像、認知科学の発達に伴いまして、どういう順序でどういう年代を通じて人は成長しているのかということについても、私たちは五十年前、六十年前とは比較にならない知見を今応用することができるであろうというふうに思っております。こういうことを新教育観、学力観と。
 そして、その測り方という問題についても、やはり今までの国語、算数というような科目別ではないところで人間としての力というものを測っていくすべというようなものも必要になってくるのかなと。それに合わせてやはり学力テストなどのようなものも変わっていきませんと、先ほども出ましたようなPISAにおける例えば応用力、実践力というようなものが日本人は弱いというようなことに対応できないのではないかというふうに私は考えるのですが、そういう点について、また今後いろいろな点で見直していくというようなお考え、大臣にありますでしょうか。
#186
○国務大臣(川端達夫君) この人間力を中心としたものを見させていただいて、なるほどなと、自分のこのそれぞれにどうなんだろうと今思わず見てしまったんですが、まさにここの部分でいうと、いろんな面から人というのは人としていろんなものを求められているし、それを磨いて子供は育てていかなければいけないというのを、改めてよく整理されているなというふうに思いました。
 そして、先ほど来の議論にありますように、こういう中で、この中の一つが知的能力であることは間違いありませんが、それもトータル、社会の規範性や行動力はというトータルの人間力の中の一部として発揮されるものであるというときに、先ほど来議論にあります、いわゆる中教審が、個々の専門の部分に関しては非常に経験もあり学識もあり知見もある先生方を中心にして多くの人が議論されるという部分と、トータルでどうなのかということにおいては、それぞれ役割分担で立派な議論はしていただいていますが、こういう総合的な視野に立つということは場合によってはやや得手でなかったのかなというふうに、こういうふうな分析されますと改めて感じました。
 記憶が定かでありませんが、昔々の教育の議論の中で求められる人間像というのが議論になった時代がありました。そういう意味では、改めて私たちはどういう社会と同時に人になってほしいのかみたいなのを総合的に考えることも大変重要だと、これを見て、御指摘で感じさせていただきましたので、今後の参考にさせていただきたいと思います。
#187
○谷岡郁子君 大変な光栄なことを言っていただきまして、本当にありがとうございます。
 今日一日の議論の中で何度も出ました、例えば徳育、道徳といった問題も私は同様だろうと思います。心のノート等の教材も必要であろうと思います。しかし、それはあくまでも教えることでございます。
 ここに書きましたように、例えばフェアプレーの精神、ルールを守る精神、規範意識、そういうものは実はスポーツなどで鍛えられたりすることもございます。また、相手に対する共感能力、想像力、こういうものはその感受性としても磨かなければなりません。また、相手に作用する力としての社会力であり、また自らがその当事者として引き受ける当事者精神、こういうものすべてがあって初めて実は道徳というものが成り立つのであろうというふうに思います。
 したがいまして、教材をどう教え込むか、何時間やるかということではなくて、学校生活全体の中であらゆる機会を通じてそういう機会を教師が見出すということが大事でしょうし、その都度そういう形で彼らの問題意識というものをやはり涵養していくことが大事であろうというふうに私は思っております。
 そういうアプローチこそ大事だと思っておりますが、その一方で、今日何度も出ております教員の質の問題です。日本の教師は果たして質が悪いのでしょうか、不足しているのでしょうか。私は、そうは思っておりません。日本の教師の今抱えている一番大きな問題は、余りに雑用が多いということだろうと思っております。本来、教師として子供に向き合う時間を確保されていない。会議がある、報告書を書かなきゃいけない、そして給食費を取りに行かなければならない、モンスターペアレンツの相手をしなければならないという状況の中で、本来、先ほど申しましたように、その子の時が来れば子供は様々なことを理解いたします。たった一か月前に理解できなかった分数を、一か月後に、ちょっと残って見てといって教えたら、すっと分かったりすることが多々あります。
 そういうことができるためには、教師に時間的な余裕がなければならない、教師が子供と向き合うその時間がなければならない、教師が必要以上の多くの人数を抱え込むということを避けなければならない、教師が余りにたくさんの科目を持ち過ぎるということを避けなければならない。つまり、やはり労働条件との問題とその兼ね合うところで教育の質というものは出てくるのだろうと。
 また、教師の質ということは、一言で言えば、先ほど来申し上げているような、私たちが育てたい日本人の学力観、教育観、人間像、こういうものに対してどのようなことができる教師が必要かということを分析してみなければ、例えば四年必要なのか六年必要なのかというのは実は分からないだろうし、その方法論についても確かなことは出てこないのであろうというふうに私は思っております。
 今その教師の質の云々ということを問題に、その年限の問題としてするよりは、やはり教師がいかに自らの力を発揮できるような環境を私たちが整備し、そして、とりわけ政府が中心となって体制、環境、そして資源というものを整えていただくということが実はもっと大きなその問題ではなかろうかということを私自身は感じております。と同時に、教員というのは、私は四番バッターとピッチャーばかりを育てても仕方がないものだと思っております。
 実は、戦前、師範学校の時代においてすら師範学校出の教師が四九%を超えたことは一度もありませんでした。開放制の下で育てられた教師たちが五〇%以上を担っていたというのが現実でございました。そして、戦後、ある方向に、言わば全体主義的な形に国が一つの教育指針を作ってしまうよりも、多様な教師をつくる方が民主主義的ではないかということで開放制が導入されたということもまた歴史の事実であったろうと思います。
 その中で教師の養成をいかにするのかということにつきましては、私どものこの国の教師の伝統であり、またその歴史の教訓というようなことを踏まえながら、やはり大きな目で、そして広く、そしてどのような教師がいかにつくられるのかということをしっかり時間を掛けて考える中で考えていくべきではないかというふうに私自身が感じております。
 そして、最後に教師の問題として私が一つ指摘したいことは、同じ学校が校長が替わるだけで全く変わるということがあります。すごく良くなる、あるいはすごく悪くなる。これはどういうことかと思いますと、ほかの教師が替わらなくても、チームとしての、監督が良くなれば成績、優勝してしまうというような形がプロ野球でもよくございますように、学校もそのようになります。その反対もまたございます。
 実は、学校というものは、だれもすべての子供、多様な子供をちゃんと見ることができない中でのチームワーク、チーム力ではないかというふうに思うわけです。教師が相乗効果を持てばそれはすごい力を発揮する。その一方で、お互いの努力が相殺されるような関係になれば悲惨な結果になるという状況じゃないかと思うんですね。個々の教師の力を測ることも大事ですが、やはりそのチーム力というようなものがどういう形で向上できるかということを考えないと、実は学校における教育の質というものは変わらない。そういう意味においての、そのチームの組み方としての教師の在り方というようなことも視野に入れた形の中で今後教員養成をやっていただきたいと。
 そういう議論を踏まえながら実はその教師の質を高めるということについて、是非、法案を出すなりなんなりやっていただきたいというふうに考えておるんですが、この点につきましては大臣のお考えはいかがでございましょうか。
#188
○国務大臣(川端達夫君) 非常に示唆に富むお話でございまして、後でまた議事録でゆっくり読ませていただきたいというぐらい、幅広く、本当になるほどなということの御指摘でございました。
 そういう意味で、現実に先生が本当に事務的ないろんな、子供と接する以外の部分に忙殺をされている現実があることは間違いがありません。しかし一方で、やはり先生自体も今の時代に育ってきている先生ですので、いきなり教壇に立って、担任になって戸惑い、まさにどうしていいか分からないということで学級全体がうまくいかないという事例が出てきていて、もう少しやっぱりいろんな部分で、それこそ人間力も含めて、テクニカルに、知識に、そして人間力を含めた部分でもう少しトレーニングしてから教育現場に立たないとお互いに良くないという現実の指摘があることも間違いがありません。
 そして、あるべき形としては、そういうことでいうと、先生言われたように、本当に私も経験がありますし、校長先生が替わっただけで劇的に学校が変わる、私が応援しているチームは監督がしょっちゅう替わっていつも成績がいろいろ変わるということもありますが、そういうチームの力とか含めて、やっぱり先生が言われたような、そういう大局観に立った教育というものをどうするかというのは我々いつも忘れてはならない視点だというふうに思いますし、どうしてもすぐ目の前にある問題がせっぱ詰まっているから解決しなければならないということの、テクニカルな手法というのがどうしても次から次からやってくるということはありますが、そういう意味で、今度の教員免許制の問題も、基本的にはそういう求められる先生像ということの中で、たちまち身に付けてほしいことも含めてレベルアップをしたいということでどうあるべきかという議論をしておるわけですが、そのときに当然ながら、今、昔の師範学校時代からのいろんな反省の経緯とか、そういうようなのとどう整合性を持たすのかという課題は山盛りあると思います。
 そういう意味では、目的とすることを忘れずに、いつも念頭に置きながら、拙速を避け、幅広い議論の中でいい制度ができるようにというふうなことは心掛けてまいりたいと思いますので、また御指導をいただきたいと思います。
#189
○谷岡郁子君 文科省の中で生涯学習局が筆頭局になってからもう久しいと思います。しかし、日本が生涯学習社会になったかといえば、これはちょっとまだ疑問があるんだと思います。
 実は、生涯学習というものが当たり前にできていれば、教師が研さんを積み続けること、あるいは新しい時代の局面であったり新たな必要な知識ということを付け続けるということは、実は可能になったはずであったろうと思います。しかしながら、何に対してこれができなかった大きな理由であろうかといえば、これは私は、先ほど来出ております縦割り行政の中の厚生労働省と実は文科省の壁だと思います。
 就職の支援、例えば一定の時間休んでいる、休職していることへの支援、またキャリアアップすることへの支援、こういうことに対して資金的な資源というもの、資金を厚生労働省は明らかに持っております。その一方で、厚生労働省にない資源として、文科省には大学、短大、かつては入試地獄の中で満杯であったものが、今は余剰の定員というようなものがあるような形の中で、専門学校等文科省に属する、管轄である分野にはかなりの資源がございます。もちろん、施設的な装置もそうですし、人的にも、また過去からの蓄積、ノウハウといったものがございます。これがうまく融合しないで、厚生労働省の方では実はなけなしの言わば資源を使って、天下りの方々が、言わば本当に丸投げをその利益集団に対してやって質の悪いものを提供し、そして本当に何時間か何十時間かやれば、文科省であれば二年、四年掛けて取るような資格が一方でバイパスする形で取れてしまったりするようなことが行われている。これが社会の言わば総合的な実力、競争力というものを高める上では大きな障害になっているというふうに私は感じておるわけです。
 ですから、今後の問題としまして、今日もこの政権の、新たな政権の大きな課題というものは省庁の壁を越えることであるという御答弁が何度もございました。私はそのような意味において、今こそ生涯学習といったものが本物になるチャンスの時代、厚生労働省の言わば雇用という対策においての資源というものと、そして実は文科省側にある様々な教育として提供する、学習機会として提供することのある資源というものをうまく結び付けて、その連携の中で雇用対策の問題であり日本の競争力の問題というものが前進するように心から願っておりますが、そのことにつきまして川端大臣の抱負をお聞かせいただきたいと思います。
#190
○国務大臣(川端達夫君) 学校を出て社会人としてなるときに、今就職難で大変な状況にあるというときに、おっしゃるように、厚生労働省はいろんな仕組みをやると、そして大学側はハローワークとのジョブサポーターであるとかカウンセラーをたくさん配置するとかいう役割分担みたいなことをやっていますが、一方で現実を見ると、例えば工業高専や、あるいはある種の職業専門学校、あるいはある一部の大学、短大は非常に就職がいいと。そして一方で、そうでない学校もいっぱいあると。
 そして、その部分というのを見てみますと、やはり教育における職業観というものと職業意識、そしてそれに伴う職業へのスキルアップというものが高校あるいは大学教育の中でどう位置付けられているんだろうというのは、私もかねがね、何かもったいないというか、思いをしておりました。そして一方で、そうすると、これだけ高進学率になりますから、大学には行くけれども、何か、何になりたいというと別にみたいな人がたくさんいて、そしてそれは社会があるいは企業が求める職業人としての魅力や資質に合わないから、採用も難しくなると同時に、行っても、俗に言う青い鳥症候群ですが、どうも違うなというふうになって、三年以内に多くの子がまたせっかく就職したのに辞めてしまう。
 そういう意味では私は、仕事という、これは労働という部分でおっしゃるように厚生労働省が所管であると同時に、これは密接に教育の在り方にもう完全にリンクをしているというふうに思いますので、問題意識はそういうことで、先生が現場も含めていろいろお考えになっていることと基本的に認識そんなに違っていないというふうに思いますので、どういうことができるのか、やらねばならないのかも含めて研究してまいりたいというふうに思っております。
#191
○谷岡郁子君 そのことにつきましても、先ほど大臣がおっしゃった、やはりその実習、経験、それから実体験と、そして座学であることのようなものがうまくお互いに相乗作用を持つような向上の中で、例えば良い社会人、職業人であれ、また教師であれが育っていくということ、まさに私もおっしゃるとおりだろうというふうに思うわけです。
 その中で、今回事業仕分で私があらと思いましたことの一つに、例えば国立少年・青年の家が地方の移管、あるいは民間への移管というものがございました。
 例えば、私どもの学生たちも、国立の施設で大変安く使えるということもありまして、教師の養成ということで、自然から学ぶ、あるいは自然を学ぶということができる、その仲介者としての教師像、指導者の在り方というもの、これは座学では教えられないものとして、国立少年の家ですとか青年の家で、児童学科も、またスポーツ科学科の方もずっと教師の養成、指導者の養成をそこでやらせていただきました。そして、一年生、二年生のときに行った子が、今度はゼミになって三年生、四年生で班長、リーダーの役割をしながらやるということで、何回も行かせてもらうことによって教師としての、言わばそして支援者としての目覚めというようなものをつくることができたと、大変すばらしい施設であろうかと思っております。
 雪上に関しましても、かんじきを履かせる、それからクロスカントリーもダウンヒルも両方のスキーが用意してあって、かまくらやイグルーを造るためのスコップでありますとか、あるいはヘルメットにヘッドランプまで付いたものを、小さい子供たちのためにも様々なサイズで用意されていると。こういうことは、私はやはり国だからこそできたことであろうと思いますし、民間や地方への委託ということではできないんだろうなというふうに思っておるわけでございます。
 どうか今後の問題で、これは私は統合されること等について文句を言うつもりは全くございませんが、やはりこれからの教員養成、また社会人養成、特にエコの時代、自然の時代、バイオダイバーシティーの時代というふうに言われている時代の中で、また、現場経験、体験の少ない子供たちがそれを埋め合わせるためでも、良い指導者の下でなければそれができない、そういう指導者を養成するための実施を引き受ける受皿、学校ばかりがその受皿ではありませんので、こういう受皿の確保というのは今後もやっていただきたいということを添えて、先ほどちょっと川端大臣のコメントがありましたので、付け加えさせていただきたいと思います。
 最後の質問になりますが、高等教育の問題でございます。今日も科学技術の問題、中川副大臣の方からもいろいろな御指摘もいただきまして、何とか日本の競争力ということから考えて、国民を養っていく力というものはそこから以外出るはずがないと私どもも思います。
 その一方で、日本は砂時計のような形に財源が配分されているのではないかと常々思ってまいりました。中学校までは言わば国が見るという形で比較的、まあOECDの中で少ないとはいえ比較的割合として潤沢なものがある。また、競争力を付けなきゃいけないということで、科学立国というようなこともありまして、小泉改革以来それなりの投資というものがトップ技術に対しても行われてまいりました。
 しかし、その中間にある高校、大学というものはほとんど親が負担をしてよという形でこれまでやられてきて、先ほど大島さんの発言にもありましたように、高校という段階ではかなりオーケーになってきた。しかし、研究費を積めば積むほど本当に大学の教員がそちらもやらなければならない。そうしますと、学部そして修士への教育というものにしわ寄せが行くというようなことが続いてきて、ここに対する国費というものがさんざん減らされて、まるで砂時計の形のようになってしまっている。
 この隘路を広げませんと、やはり日本が初等教育からそしてトップの科学技術までということをスムーズにやっていくことはできないのではないか、この渋滞を何とか緩和するためにもここはきちんとした道路を造っていただきたいなということで、これに対しましても、やはり高校、大学、そして前期の大学院教育に対するやはり費用配分というものも今後はお考えいただきたいと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
#192
○国務大臣(川端達夫君) 大学の、いわゆる研究機関という機能と教育機関という機能と当然あると思います。そして、間違いなく国立大学法人の運営交付金と私学等の経常費補助金がずっと減らされ続けてきたことは間違いない事実であります。そして、国際的に見ても本当にこれでいいのかという水準になると同時に、現状の部分でいいますと、経常的な要するに運営をするのに限界にもうほぼ来ているのではないかという現状認識は私たちもしております。
 そういう意味では、国立大学、私立大学含めたそれぞれの基盤的な経営経費をしっかり確保できるようにということは、最優先の課題の一つとして我々は来年度の予算として取り組んでまいりたいというふうに思っておりますし、少なくともこれだけの教育立国、科学技術立国と言われながら、人材育成の部分にこれだけOECD比較でも何か見たくないような数字を見るのは許されないことであるという認識で取り組んでまいりたいと思っております。
#193
○谷岡郁子君 本当におこがましいことを申し上げた中で誠実にお答えいただきまして、また、ただいまの大臣の抱負、本当にコンクリートから人へということを、我々も大きな壁はありましょうが一緒に頑張って越えたいと思いますので、どうぞ頑張っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#194
○委員長(水落敏栄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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