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2009/11/25 第173回国会 参議院 参議院会議録情報 第173回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
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2009/11/25 第173回国会 参議院

参議院会議録情報 第173回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

#1
第173回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
平成二十一年十一月二十五日(水曜日)
   午前十一時十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         市川 一朗君
    理 事
                岩本  司君
                谷岡 郁子君
                島尻安伊子君
                伊達 忠一君
    委 員
                金子 恵美君
                喜納 昌吉君
                今野  東君
                佐藤 公治君
                自見庄三郎君
                田中 直紀君
                横峯 良郎君
                秋元  司君
                中川 雅治君
                中川 義雄君
                義家 弘介君
                木庭健太郎君
                西田 実仁君
                紙  智子君
   国務大臣
       外務大臣     岡田 克也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  前原 誠司君
   副大臣
       内閣府副大臣   大島  敦君
       外務副大臣    福山 哲郎君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        泉  健太君
       内閣府大臣政務
       官        津村 啓介君
       経済産業大臣政
       務官       高橋 千秋君
       国土交通大臣政
       務官       長安  豊君
       防衛大臣政務官  楠田 大蔵君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        藤崎  昇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖縄県の北部振興事業に関する件)
 (普天間飛行場移設問題に関する件)
 (北方領土返還交渉に関する件)
 (思いやり予算の見直しに関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(市川一朗君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 この際、福山外務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福山外務副大臣。
#3
○副大臣(福山哲郎君) 外務副大臣を拝命いたしました福山哲郎でございます。
 本委員会においては、我が国の外交にとって極めて重要な沖縄及び北方四島に関連する問題を扱うこととなります。
 岡田外務大臣を補佐し、外務副大臣としての職責を全うするべく全身全霊で取り組んでまいります。
 市川委員長を始め本委員会の委員の皆様の御指導と御協力をいただきますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
#4
○委員長(市川一朗君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○喜納昌吉君 よろしくお願いします。
 県が申請しているカボタージュの緩和策について質問したいと思っております。
 沖縄県は、十一月十二日、那覇自由貿易地域と特別自由貿易地域を対象にカボタージュの緩和を求める構造改革特区を内閣府に申請しました。カボタージュが緩和されると、沖縄―本土間の船舶輸送に運賃の安い外国船が参入することで物流コスト低減が期待できます。物流費の高さは県産品移出の障害と指摘されており、実現すれば長年の課題が解消されます。全日空の国際貨物基地事業との相乗効果で製造業の誘致にも弾みが付く上、県内物価の低減効果もあり、県経済へのメリットが大きいと期待されています。
 前原大臣、沖縄県のカボタージュの緩和申請に対してどのように対応されるか、御見解をお聞かせくださればと思っております。
#6
○大臣政務官(津村啓介君) 内閣府大臣政務官の津村でございます。
 構造改革特区につきましては私どもの方の所管でございますので、私の方からお答えさせていただければというふうに思います。よろしいでしょうか。
#7
○喜納昌吉君 はい。
#8
○大臣政務官(津村啓介君) 構造改革特区制度は、地域を限定した規制の特例措置を新たに設けるべき事項について地方公共団体や民間の方々から広く提案を募っているものでございます。
 年間二回募集を行っておりまして、梅雨の時期に行っている募集をあじさい提案、この時期に行っている提案をもみじ提案というふうに俗称しておりますが、第十六次になります。今回が第十六回ということでございます。
 今回の募集期間につきましては、十月の十三日から十一月の十二日までの一か月間提案を受け付けたところですが、今お話のありました岡山県さん、ああ、済みません、沖縄県さんのカボタージュ規制については、申し訳ありません、最終日の十一月の十二日に提案を受け付けさせていただきました。
 これから関係省庁、具体的には国土交通省さんが中心になると思いますが、約二か月間の折衝を行いまして、来年二月を目途に構造改革特区推進本部におきまして対応方針を決定したいと考えております。ちなみに、昨年は二月の二十七日に結果を公表させていただいております。
 少し、せっかくの御質問ですので、カボタージュに関しての過去の経緯について御紹介をいたしますと、第一次の平成十四年八月から第八次の平成十七年十一月までカボタージュに関連する規制緩和の提案を合計約二十件ほど、東京都、横浜市、福岡市等から受け付けさせていただいております。規制所管官庁の国土交通省さんとしては、これはあくまでも当時の御回答で、今回は分かりませんけれども、国民生活物資の安定輸送の確保、国家安全保障等の観点から自国内輸送は自国籍船に限ることが欧米を始めとする国際慣行になっていること等を理由といたしまして、当時は対応不可という回答をしているということでございます。
 なお、これまでに沖縄県さんからの御提案を受けたということはありません。今回が新規でございます。今後の検討となりますので、今回についてはこれから議論を進めるということでございます。
#9
○喜納昌吉君 次に、那覇空港における着陸料等の公租公課の軽減策について質問したいと思っております。
 沖縄県は、那覇空港における国際線の旅客及び貨物の着陸料と航行施設利用料を国内線並みの六分の一にし、国内貨物線の航空燃料税を国内旅客線並みの二分の一にする公租公課の軽減を国交省に要請しました。
 那覇空港は、旅客便において羽田に次ぐ国内各空港とのネットワークを有し、今年十月から全日空が、上海、台北、香港など東アジア諸都市を結ぶ国際航空・物流のハブ空港として運航を開始しました。那覇空港の国際競争力の強化は、単に沖縄県の振興にとどまるものではなく、我が国の空港の中で東アジア諸国に最も近接した空港として、アジアの成長と活力を取り込むことができる玄関口となっております。日本全体の発展に貢献するものでありますので、是非、長安政務官ですか、那覇空港に係る公租公課の軽減について今後どのように対応するのか、見解をお聞かせください。
#10
○大臣政務官(長安豊君) 喜納委員にお答え申し上げます。
 現在、那覇空港では、国内線の着陸料、航行援助料が六分の一に軽減されております。また、航空機燃料税については、現在、旅客については二分の一に軽減されておりますけれども、貨物については本則どおりというのが実情でございます。
 一方、この公租公課というものは、空港整備勘定の財源として、我が国の国際競争力強化を図るため羽田空港の再拡張などへの重点的な投資に充てられているところであります。現時点では、財源が不足しておりまして、一般財源からも繰入れを行っておりますし、またさらには財投からの借入れまで行っている状況で、苦しい状況であります。
 また、航空機燃料税に関しましては、十三分の二に相当する部分が地方自治体に航空機燃料譲与税として交付されております。地方自治体への影響もこれはしっかりと見ていかなければならないと考えております。
 また、空港整備勘定につきましては、現在国土交通省内におきまして歳出と歳入の在り方というものを全般にわたりまして見直しを検討しているところでありますので、今後とも、内閣府、財務省とも十分調整してまいりたいと考えております。
#11
○喜納昌吉君 分かりました。
 それからまた、那覇空港滑走路増設についてちょっとお尋ねしたいんですけど。
 前原大臣は十月四日に沖縄を訪れ、那覇空港整備事業の視察をされました。那覇空港の滑走路増設については、昨年から具体的な検討に入り、現在の滑走路より沖合二百十メートル案と沖合九百三十メートル案と沖合千三百十メートル案の三案が挙げられました。現在は現滑走路から最も遠い沖合千三百十メートル案が有力で、前原大臣も視察の際、千三百十メートル案というのがいろんな観点はあるかもしれませんが妥当ではないかという判断に今は至っていますと述べています。
 前原大臣が千三百十メートル案が妥当と判断された理由をお答えをいただきたいんですけど、これ、大臣に直接聞いた方がいいんでしょうか、それとも政務官でいいでしょうか。大臣に。
#12
○国務大臣(前原誠司君) 私は今日は内閣府の特命担当大臣として出席をしておりますので、今の件については国土交通省にかかわることですので、長安政務官から答弁をさせます。
#13
○大臣政務官(長安豊君) 国土交通省としてお答え申し上げます。
 まず、滑走路のこの増設計画の構想段階では、二百十メートル、八百五十メートル、千三百十メートルという三通りの検討がなされたわけであります。このうち一番近くの二百十メートルの方に関しましては、制限表面が瀬長島に掛かるということで、もしここに建設する場合は瀬長島自体を改変、要は削り取らないといけないという問題がございましたので、社会的な影響を考慮しまして不適当と判断いたしました。
 一方で、残りの八百五十メートルと千三百十メートルの案につきましては、環境への影響、概算事業費、概算工期等を比較した上で、PI、パブリックインボルブメントにおいて関係者の意見を募集いたしました。このPIの結果、概算事業費が安く工期の短い千三百十メートル案についての肯定的な意見がおよそ七割、六八%、九千百八十五人の方々が肯定的な意見を述べられたということで、関係自治体の意見等も踏まえまして千三百十メートルの案が妥当と判断したわけでございます。
#14
○喜納昌吉君 まあ分かりました。
 ただ、一つ、その第三案より第二案の方が四百メーターも短いし、それから第一案はちょっと角度をゆがめれば瀬長島を外れることができるし、もうやっぱり今回、今の政権は無駄を省くというのがテーマにありますから、もう一度私は検証する必要があるんではないかと思っております。また次回に持っていこうと思っております。
 一括交付金についても質問をしたいと思っております。
 民主党政策集インデックス二〇〇九年の沖縄政策の項目には、地域主権のパイロットケースとして、各種制度を積極的に取り入れることを検討するとともに、ひも付き補助金の廃止・一括交付金化についても、まず沖縄県をモデルとして取り組むことを検討しますと明記されています。
 私が十一月一日に原口総務大臣と面会し、全国に先駆けてモデルケースとして沖縄への一括交付金を実施してほしいと要請したところ、原口大臣は検討すると答えました。全国に先駆けての沖縄への一括交付金実施について前原大臣の見解をお聞かせください。
#15
○国務大臣(前原誠司君) 現政権におきましては、地方主権化を進めていくということで、その一つの過渡期の在り方として一括交付金というものを考えているところでございまして、その制度設計は、今喜納委員が御指摘をされましたように、総務大臣の下で議論されているところでございます。したがいまして、どういったところを優先的にやっていくのかということについては、総務大臣が基本的には制度設計をされていくものだというふうに思っております。
 沖縄を担当する私の立場といたしましては、沖縄の所得というものが、平均所得が四十七都道府県で一番低いと、そしてまた沖縄県の失業率は逆に全国一高いということを勘案をした上で、今沖振法に基づいて補助率のかさ上げをやっているわけでありますけれども、そういったことも含めて一括交付金としてどう反映をさせていくのかということを、また皆さん方の御意見もいただきながら、沖縄県の御意見もいただきながら総務大臣と連携をして取り組んでいきたいと、このように考えております。
#16
○喜納昌吉君 沖縄総合事務局の廃止についてちょっとお伺いしたいんですけど、原口大臣は沖縄総合事務局に関しても廃止すると明言しました。廃止するに当たって職員の再雇用の問題などが出てきますが、沖縄総合事務局の廃止について前原大臣の所感を聞かせてください。
#17
○国務大臣(前原誠司君) 現政権の考え方として、先ほどの地域主権化とともに行っていかなくてはいけないのは地方出先機関の見直しということでございまして、当然ながらこの沖縄総合事務局というものもその見直しの中に入ってくるわけでございます。
 今御指摘をいただきました職員の処遇の問題あるいはこの事務局が果たしてきた役割というものを勘案したときに、どうやってスケジュールを持ってやっていくのかということは極めて重要な問題でございますし、県からもこの件についてはかなり強い要望を受けておりますので、総務大臣と連携をしながら、また県の御要望も受けながらしっかりと現実的な対応をしていきたいと、このように考えております。
#18
○喜納昌吉君 まあひとつ、前原大臣は沖縄担当大臣でありますし、特に今回の沖縄の辺野古の基地と普天間基地の問題に関しては、外務大臣それから防衛大臣、あるいは総理大臣、非常に意見が混沌として、沖縄県民に対しては非常に動揺を与えている部分があるんですけど、一番安全保障に関して非常に洞察の深い見識を持っておられる前原大臣としてはどのようなお考えでしょうか、ひとつ。
#19
○国務大臣(前原誠司君) 米軍、なかんずく海兵隊の運用にかかわる問題でもありますし、そういったものを所管をしているのは防衛省であります。また、アメリカとの交渉ということについては外務省が窓口となって行われるということと認識をしております。
 したがいまして、外務省、防衛省が中心となって、アメリカ、また運用にかかわる米軍との話合いをしっかりしていただいて、そして政府としてまとまった考え方を御提示できるときに、沖縄担当大臣として沖縄との調整役というものをしっかりやらせていただきたいと、このように考えております。
#20
○喜納昌吉君 ワーキンググループができているんですけれども、私たちも「うるの会」として昨日総理官邸を訪ねて、ひとつ検証委員会に対してなるべくならば参加させてくれという、なぜならば、SACOを立ち上げたときから沖縄県民というのは常に蚊帳の外に置かれ、勝手に、何というんですか、沖縄の基地問題あるいは運命というものが決定されてきたという不満があるんですね。
 今回のそのワーキンググループの在り方に関しては大臣はどう思っておられますか。
#21
○国務大臣(前原誠司君) この沖縄の米軍基地の問題というのは、今喜納委員がおっしゃったように、これは日米間だけの問題ではないと思っております。やはり日本政府とそれからアメリカ政府と沖縄県、この三者がしっかりと連携を取り合う中で最もいい案をまとめていくということが大事だと思っておりますし、このワーキンググループにつきましても、当然ながら沖縄県の意向、意見というものが反映をされなければいけないと認識をしております。その橋渡しの役を私はやらせていただかなくてはいけないと思っておりますので、また沖縄県あるいは沖縄選出の与野党の議員の皆さん方の御意見をいただきながら、しっかりとその役目を果たしていきたいと考えております。
#22
○喜納昌吉君 どうもありがとうございました。
 ちょっと思いやり予算の削減について一つお聞きしたいんですけれども、思いやり予算で賄われている基地従業員の労務費が現在行われている事業仕分の対象に含まれており、基地従業員から不安の声が上がっています。思いやり予算の削減と雇用問題は分けて考えるべきだと思います。
 そこで、現在労務契約によって米軍に雇用されている基地従業員を日本政府が雇用主となり公務員として地位も保障すれば基地従業員の不安も取り除けると思いますが、これについて大臣の所感をお聞かせください。
#23
○国務大臣(前原誠司君) 思いやり予算も含めまして、今様々な役所の事業についての事業仕分が行われているところでございます。ただこれは、事業仕分を行った後に行政刷新会議というところに持ち込まれて、そして最終的にこの事業仕分の中身について更に精査をされ、そして所管省庁との折衝の中で最終的に決断をするということでございますので、まだ確定をした段階ではないと思っております。
 この思いやり予算につきましても、外務省としてあるいは政府としてどのように日米関係を考えながら考えていくのかということは、事業仕分の御意向あるいは行政刷新会議の意見を踏まえた上で、最終的には、しかしこれは政府として判断をしていくことでございますので、今委員がおっしゃった基地で働いている方々の処遇の問題もしっかり踏まえながら総合的に判断をしてまいりたいというふうに考えております。
#24
○喜納昌吉君 よろしくお願いします。
 沖縄が、沖振法によってずっと予算も投下されてきたんですけれども、全国一の何と失業率が高くて、所得は一番低いという、この結果というのは、基本的には僕は沖縄の行政のシステムのゆがみがあると見ているんですね。そのゆがみの中にその総合事務局があるし、もう一つは、やっぱり国公労という身分が、同じ国公労であるんですけれども、非常に行政的には、県庁ですか、沖縄県、県庁と全く変わった組織がそこにあるという、だからどこに主体性があるか分からないという。いろいろな、何というんですか、一括交付金をもらうにしろ一括計上にしろ、主体性がないというところにいろいろ問題があるんですね。
 それからもう一つは、何といいますか、基地問題を考えたときには、全駐労の方々ですね、結局はアメリカの雇用になっていますから、もし我々が基地反対したときには、彼らは反対できないようになっているんですね。だから非常に、この二つの人質が取られているという、片一方は国に、片一方はアメリカにという感じで、沖縄の思いが、主体性が常に確立できないという。
 私は思うに、沖縄の主体性がしっかり確立されてこの本土の中入ってきたときに、私はそういう力がこの日本のアイデンティティーとして生まれてくるだろうと思っているんですね。私はそのときに本当の意味で、北方四島の問題、朝鮮半島の分裂国家の統合、あるいは人工国家の台湾の在り方も、非常に僕は今後、何というんですか、東アジア共同体という構想を見ながらも、APECというものを見ながらも、もう今年、来年ですか、EUの大統領も生まれてきますし、世界戦略の中でも非常に沖縄のあるべき姿が見えてくれば日本全体の姿が見えてくるんではないかと思っております。
 今日は質問なしで終わらせてもらいます。どうもありがとうございました。
#25
○島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。
 政権交代の後の一番初めのこの沖縄北方の委員会での質問ということで、まず普天間の問題、避けて通れないということで、ここから質問させていただきたく存じておりましたが、まだ外務大臣が見えておられませんので、ちょっと質問の内容、順番を変えてやらせていただきたいと思います。
 冒頭、今回この委員会のちょっと時間が変わったということで社民党の山内徳信先生が物理的に質問に立たれなくなったということ、党派を超えて沖縄県選出の国会議員として、これはもうちょっとあるまじきこと、またあってはならないことではないかなというふうに思っている次第でございます。
 それでは、早速質問に移りたいと思っております。
 今もありましたけれども、まず、それでは北部振興策についてお聞きをしたいというふうに思います。
 北部振興策につきましては、今年八月の時点では金額を盛り込まないで年末の予算編成に向けて協議するというふうにお聞きをしておりました。今回の新たな概算要求の出し直しにおきまして、沖縄振興計画が終了する平成二十三年度までの暫定措置として、これまで百億だったものを七十億に減額をするということでございます。
 まず、この減額分の算定根拠を示していただきたいと思います。
#26
○副大臣(大島敦君) 御質問いただきましてありがとうございます。
 北部振興事業は、沖縄県の北部の活性化を図るために平成の十二年から十年間特別の予算措置を講じて実施しておりますので、来年度が最後の一年になるかと存じております。従来の北部振興事業を見直して、基地の受入れとは切り離して、県土のバランスの取れた発展を図る観点から、今回新たに北部振興事業として七十億円を要求をさせていただいております。
 これは従来、先ほど述べましたとおり、来年度いっぱいまでがおおむね十年間ということで決まっております。そして、現行の沖縄振興計画が来年、再来年と続くものですから、これは総合的に判断をさせていただいて、政府として、政務三役、様々議論をさせていただいて今回七十億円として要求をさせていただいておりますので、総合的に勘案した結果と考えていただければなと考えております。
 以上です。
#27
○島尻安伊子君 積算根拠を示していただきたいというふうにお願いしているんです。
#28
○副大臣(大島敦君) 今回の予算については、百億円これまでずっと付いていたものが今年度いっぱいで終わるということは存じ上げていると思います。今回については、その七十億円というのは、総合的に政府としていろいろと勘案をさせていただいて、それで今回の予算は組み立てられておりますので、総合的に検討させていただいた結果ということになります。
#29
○島尻安伊子君 それでは、同じく補助率についてお聞きします。
 これまで十分の九だった補助率が十分の八に下げられておりますが、これはどのような根拠に基づくことなんでしょうか。
#30
○副大臣(大島敦君) 北部振興の事業は、これまでは補助率については十分の九としておりました。十分の九は、北部振興事業が今年度いっぱいということもあり、そして沖縄振興に係る事業の補助率が、これは沖縄の、これは特別調整費ですと十分の八になりますし、ほかのものですと、ソフト事業で三分の二でございますので、このバランスを考えまして十分の九から十分の八と、全体のバランスを見ながら決めさせていただいております。
#31
○島尻安伊子君 ですから、横並びといいますか、バランスを考える必要がどこにあるのかということをお聞きしたいんですけれども。
#32
○副大臣(大島敦君) ありがとうございます。
 これは北部、先ほど述べたとおり来年が、今年がもう北部の振興事業としては十年の区切りでございまして、この十年の区切りという観点と、来年、再来年までが今回の沖縄の振興の、要は振興計画の区切りでございますので、この二年間をどうするかということについて深く議論をさせていただいて、ほかの地域とのバランスも勘案をさせていただいて十分の八ということで要求をさせていただいております。
 ただ、これは要求ベースでございますので、これから財務当局との予算の、要は折衝に入っていきますから、これは要求をできるだけ守って頑張っていきたいなと考えております。
#33
○島尻安伊子君 いや、これから折衝に臨まれるということであれば十分の九で臨むという姿勢で是非やっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#34
○副大臣(大島敦君) 北部の今回のその振興事業について、これは、済みません、二十一年度までの措置でございまして、それちょっと整理させてください。しっかりと予算要望については実現すべく、前原大臣もいらっしゃっておりますので、頑張っていきたいなと考えております。
#35
○国務大臣(前原誠司君) 今回の予算編成については、かなり自民党政権時の概算要求からは減額をしての概算要求をさせていただいておりますけれども、当初予算、平成二十一年度の予算と比べますと、我々は、例えば、私は国土交通大臣も兼務をしておりますけれども、国土交通省の予算については平成二十一年度の当初予算よりは一四%減額をして予算要求をしておりますけれども、沖縄につきましては、これは沖縄県やあるいは北部の首長さんとも話をしながら、全体としてはほぼ前年と同額、ほかのところは抑制をしておりますけれども、沖縄の予算についてはほぼ同額の予算要求をさせていただいております。
 その中で、北部振興策については百億から七十億になりましたし、また補助率も十分の九から十分の八にしておりますけれども、これは自治体ともお話をする中で御納得をいただく形でのトータルとしてのまとめをさせていただいたということでございまして、今委員が御指摘ありましたように、これは概算要求でございますので今から財務省との折衝も含めて相当厳しい折衝というものが予想されるわけでありますけれども、沖縄の置かれている特殊的な、今までの歴史的な経緯そして特殊事情、こういうものを勘案をして、是非ともこの概算要求というものがしっかりと確保できるように努力をしていきたいと、また御支援をお願いをしたいと、このように考えております。
#36
○島尻安伊子君 是非そのように頑張っていただきたいと思うんですけれども、結局無駄を省くというのは、現政権下でやっていらっしゃること、これはもう当然のことなんだろうというように思うんですが、もう省く省くということで私は国力が下がりはしないかという大変に危惧しているものでありまして、その中において沖縄というのが、今くしくも大臣おっしゃったような特殊事情、歴史的な背景、これを考えたときに、県としての経済をどう上げていくのかというのはやはり第一に考えなければいけないというふうに思っているところでございまして、これから折衝に臨まれるということですので、どうかこれまでの額から下がることのないように頑張っていただきたいというふうに思う次第でございます。
 それでは、質問を移りまして、当初一番目に伺おうと思っていた質問に移らさせていただきたいと思います。岡田大臣いらっしゃいましたので。
 普天間に絡んでというか、先日、大臣の発言がございました。いわゆる大臣所信ですね、委員会の一番最初にお聞きしたものでございますけれども、その中に、アジア太平洋地域の安全保障環境は不安定、不確実な状況にあり、在沖米軍を含む在日米軍の抑止力は我が国の安全保障にとって不可欠ですという御発言がございました。これはもう字面になっておりますので。
 まず、この真意を伺いたいというふうに思います。
#37
○国務大臣(岡田克也君) まず、衆議院の外務委員会の日程が遅れましたので私のこの委員会への出席が遅れましたことをおわび申し上げたいと思います。
 さて、今の御質問の件ですが、基本的には、在日米軍というのは、我が国の平和と安全を確保するためにその抑止力というのは非常に重要であるというふうに私は思っておりますが、この考え方は従来の自民党あるいは自民党・公明党政権下における考え方と基本的に変わっていないというふうに考えております。
#38
○島尻安伊子君 実は、その大臣の所信をお聞きしているときに、この抑止力という言葉を使われたところに、えっと注目をさせていただいたんですけれども、それで、この抑止力という表現を使った大臣がいらっしゃるのかということで、過去五年なんですが沖北委員会での大臣所信を調べさせていただきましたが、抑止力という表現をなさった大臣はおられませんでした。つまり、この表現がなかったということなんですけれども。
 沖縄にある米軍基地の抑止力を我が国の安全保障上不可欠だということは、沖縄に米軍基地を置いておくことが不可欠だというふうにおっしゃっているということの認識でよろしいでしょうか。
#39
○国務大臣(岡田克也君) まず、今までの表現でありますが、例えば平成二十一年三月十三日の沖北特において、これは参議院ですけれども、中曽根外務大臣所信あいさつの中で、在日米軍の兵力態勢の再編は、抑止力を維持しつつ沖縄の負担の軽減を実現するものでありますと。抑止力という言葉は、何といいますか、今まで使っていなかった言葉ではございません。基本的に使ってきた言葉だというふうに私は理解をしております。
 そして、質問にお答えするとしますと、これは在沖米軍を含む在日米軍の抑止力はというふうに私は答えておりまして、このことから論理必然的に沖縄米軍が必要であるということは必ずしも導き出されるものではありません。私が申し上げたことは、在沖米軍を含む在日米軍の抑止力はということであります。
#40
○島尻安伊子君 在沖米軍ということイコール沖縄に基地を構えている米軍ということではないんでしょうか。
#41
○国務大臣(岡田克也君) もちろんそうです。ですから、在沖米軍を含む在日米軍について、その抑止力を我が国としては必要としているということを申し上げたわけで、そのことが論理必然的に委員御質問の在沖米軍が必要不可欠だと、まあ私は必要不可欠だとは思っておりますが、論理的にそう必ずしもなるわけではないということを申し上げたわけです。
#42
○島尻安伊子君 論理的にとおっしゃるわけでございますけれども。
 申し上げたいのは、ということは、大臣も沖縄にある米軍基地が、最初に戻りますけれども、アジア太平洋地域の安全保障上不可欠だという御認識を持っていらっしゃるわけですね。
#43
○国務大臣(岡田克也君) どの程度の基地が必要かということは議論のあるところだと思いますが、私は、基本的に必要であると、必要不可欠であるというふうに考えております。
#44
○島尻安伊子君 それでは、同じく前原大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、この安全保障上の抑止力ということは、抑止ということは大変重要なポイントだというふうに思うんですが、同じくこのアジア太平洋地域における安全保障の観点からしてこの在沖米軍の抑止ということをどうお考えになっていますでしょうか。
#45
○国務大臣(前原誠司君) 基本的には外務省あるいは防衛省の担当がお答えになるべきかとは存じますが、御質問でございますのでお答えをさせていただきたいと思います。
 そもそも抑止力というのはどういうものなのかということで、私の考え方を言えば、ある程度の兵力を持っていることによって第三国が日本の侵略あるいは主権を脅かすということが言葉どおり抑止されるということが抑止力であり、日本の主権というものを守る上での大事な要因だと私は思っております。いろんなアジアの国々に行きましても、アメリカのこの地域のプレゼンスというものが極めて大事だという話を伺います。やはりそういった実力組織があることによって様々な意味での抑止力が働き、地域の安定というものが確保されているんだというふうに思っております。
 その意味におきまして、沖縄県には米軍基地の施設・区域の約七五%が存在をしているということで、多大な御貢献を沖縄には私はその抑止力維持のためにしていただいていると、このように認識をしております。
#46
○島尻安伊子君 そうしますと、沖縄担当大臣として、今回の普天間の移設先を県外にするのか国外にするのかあるいは県内なのか、外務大臣は嘉手納統合案ということで県内なんというふうにおっしゃっているわけでございますけれども、沖縄担当大臣として一連の今回のこの普天間の移設問題に関してどのような見解をお持ちですか。
#47
○国務大臣(前原誠司君) 前政権からも含めて、この米軍の抑止力の維持とそして沖縄の負担軽減というもの、これは両方大事なことだという話がありました。
   〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕
 私も、十三年前になりますか、さきがけ、御主人と同じさきがけにおりまして、御主人にもいろいろ御協力いただきながら、私はさきがけの担当としてSACOをまとめる際に、沖縄から最も要望が強かったのはやはり普天間飛行場の危険除去というものが大きなポイントでございまして、私なりにそれは努力をしてきたつもりでありますが、残念ながらそれがまだ実現ができていないということでございまして、普天間飛行場の危険除去というものを一刻も早く行わなければいけないという思いではこれは政府一致をしております。
 その上で、先ほど喜納議員にもお答えをしましたけれども、運用にかかわるところについては防衛省が国防総省と議論をし、また対米交渉という意味においては岡田外務大臣を中心に外務省が国務省との議論をしておられるという中で、今一生懸命に取組をされていることと思います。そして、ある程度アメリカと日本との政府間での合意というものがまとまりつつあれば、沖縄担当大臣として、沖縄の理解を得るということが極めて重要でございますので、橋渡し役として、その日米間で外務大臣や防衛大臣が交渉されたことを沖縄担当大臣としてしっかりと沖縄との橋渡し役として努力をさせていただきたいと、そういう立場だと私は認識をしております。
#48
○島尻安伊子君 今回のこの基地の移設問題に関して、やっぱり皆様方には、改めてではございますけれども、この沖縄の立場といいますか、これはやはりもう分かっていただきたいのは、今抑止という話、これを今回、今回というか今日、ちょっと時間がないのであれなんですけれども、この切り口で質問をさせていただいたつもりなんですけれども、この観点ということを抜きにして基地問題というのは解決できないのかなと私は実は考えております。
 県民の中にももちろん、このアジアそして、まあ我が国はもちろんなんですけれども、このアジア太平洋地域の安全保障という中でこの抑止ということ、これがもう大変に大事だというふうに思っている県民もかなりいるわけでございまして、それに対しての貢献をするという、そのために我々はこれまで血を吐くような努力といいますか、沖縄県としてはやってきたわけでございまして、この立場といいますかこの思いといいますか、これはやはり忘れないでいただきたい。これはもう外務大臣にもお願いしたいことでございますけれども。
 こういった、一足す一は二とか一から一を引いたらゼロなんだとか、最近一足す一で〇・五になるだとかそういう不思議な計算式を出してこられる方がおられますけれども、そういう軽々しいまた問題ではなくて、是非その辺のことは政府の閣僚の皆様、もうもちろん総理も含めてなんですけれども、お願いをしたい。その上で是非、そういうベースに立った上で閣僚それから日本国政府としては是非もう一致してほしい、一致した意見を発してほしい。それから、できればというか、もう是非この年内にこの問題に対してのある一定の決着をしていただきたいというふうに切に願うものでございます。
 この件に関して、是非また前原大臣及び岡田大臣から御答弁をいただきたいと思います。
   〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕
#49
○国務大臣(前原誠司君) 繰り返しになって恐縮でございますが、私の立場としては、岡田外務大臣、北澤防衛大臣がアメリカとの交渉を一生懸命にやっていただいておりますので、政府としてまとまる段階において沖縄担当大臣として沖縄との橋渡し役をしっかりとさせていただきたいと考えております。
#50
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘の沖縄の皆さんの御負担あるいは沖縄に対する思い、そのことについて、我々がそれを重視するからこそ鳩山総理始め我々は今アメリカ側とぎりぎりの交渉をしているわけであります。
 しかし同時に、議員もおっしゃるように、いつまでも時間を掛ける問題ではございません。そういう意味で、最終的には総理が自分が決めるとおっしゃっております。なるべく早く、迅速にというのが日米間の合意でありますので、その線に沿ってしっかりと議論を進めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
#51
○島尻安伊子君 もう時間もあと一分ということでございますので、最後に、去る十一月十五日のAPECの際の日ロ首脳会談についてのお尋ねをして、その御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいというふうに思います。
 去る十一月十五日のAPECの際に鳩山総理とメドベージェフ大統領の首脳会談が行われました。鳩山総理は北方領土問題についてロシア側の独創的な対応というものを期待していらしたようでありますけれども、実際にはロシア側からの具体的な言及はなくて、いわゆる肩透かし状態だったという報道もございました。
 日本側の期待とは裏腹のロシア側の姿勢は、こういった姿勢はなぜなのか、どう御認識していらっしゃるのか御説明いただくとともに、今後、報道によりますと、岡田大臣がロシア訪問の御予定がある等々の報道がありますけれども、こういったものも含めてどういった態度で取り組まれるのか伺いたいと思います。
#52
○国務大臣(岡田克也君) まず、独創的アプローチというのは、本来、メドベージェフ大統領から使われた言葉であります。何度も繰り返して大統領はこの言葉を例えばニューヨークにおける日ロ首脳会談でも使われました。
 それに対して、APECの首脳会談の際に鳩山総理から、冷戦的な思考にとらわれないロシア側の独創的な対応を期待していると、言わばメドベージェフ大統領が使った言葉をそのまま返す形で独創的なアプローチを期待していると鳩山総理が言われたわけであります。これに対してメドベージェフ大統領からは、国内の世論が厳しいということを言われた上で、鳩山政権の間に領土問題を是非前進させたいと、冷戦的な思考で議論しても意味はないと、こういうふうに述べられました。我々はこの領土問題解決に向けての積極的な意思が示されたものだというふうに受け取っております。
 今後さらに首脳間でも緊密に協議を行おうと、こういうことになりましたし、そして外相レベルでもこの北方四島の帰属の問題についてしっかり議論をするということになりましたので、私も努力をしてまいりたいと、是非、鳩山政権の間に大きな前進が見られるように努力していきたいというふうに考えております。
#53
○島尻安伊子君 終わります。
#54
○木庭健太郎君 今、北方領土問題、岡田大臣から答弁があったばかりでございますので、まずちょっと北方領土問題についての基本姿勢の問題をお尋ねしておきたいと思います。
 今もお話があったとおり、十一月十五日、日ロ首脳会談が行われたと。鳩山総理が、報道によりますと、二島返還では国民の理解が得られず、それを超えた対応が必要だというようなことをおっしゃったというような報道がなされております。
 ここでちょっと基本的姿勢を確認したいと申し上げたのは、北方領土問題の我が国の基本中の基本というか、私もそう思っておりますが、あくまで四島返還というのを基本に平和条約の締結という問題を考えていくというのがこの交渉の一番の基本中の基本だと思うんですが、あえて、基本中の基本なのでその四島の問題はそこまで報道はされてなかったんだろうと思いますが、改めてこの北方領土問題に対する我が国の基本というか、鳩山政権での基本、どういった形でこの交渉に臨むのかということを御確認をしておきたいこととともに、ちょっと先ほども御指摘あったんですけれども、その席でたしか日ロの外相会談を定期的に行うという合意はなされているとお聞きしているんですが、具体的に年内なり年明けなりにそういうことを、第一回目やれるような予定まででき上がっているのかどうかも併せて御答弁いただければと思います。
#55
○国務大臣(岡田克也君) 四島を一括してその帰属を明らかにするというのは基本であるということであります。
 外相会談に関しては、ニューヨークでもそういう議論が出ましたし、今回、シンガポールでも出ました。私としても次期通常国会までの時期を見て是非ロシアにという思いはありますが、先ほど来議論されております日米の懸案事項もございますので、そういったこととの兼ね合い、国会の情勢、そういったことを見ながら時期を決定していきたいというふうに考えているところです。
#56
○木庭健太郎君 是非、どうしても日米の問題が今本当に大きなテーマになっているんで陰に隠れてしまいがちになるんですよね。ただ、やはり我々は、その沖縄の問題ももちろん物すごく大事な問題です、日米の問題。それとともに、この北方領土問題というのは、この前も署名いただいて、我々、その返還の、旧島民の方々にいただいたんですけれども、本当にこの問題だけは片時も忘れてはならないという思いを更に強くいたしましたんで、大変お忙しいとは思いますが、できるだけ早い中で外相会談を、まず決めたことを一回やるということが私は大事だと思いますので、是非それを実現方していただきたいという御要望をいたしております。
 普天間の問題、まず岡田大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、それは何かというと、先ほど民主党の委員の方からもありましたが、やはりこの一連の、北澤大臣、岡田大臣、そして総理、いろんな発言があった。それはそれでそれぞれの立場でのお述べになったことでしょうが、やっぱり沖縄県民にとってみれば、それぞれやっぱり大臣ですから発言には重みがあるわけです。その方たちがいろんな発言をされることによって混乱を生じていることだけは私は間違いないと思うし、日米関係にどれだけの影響を与えているかという問題も、これはかなり影響が私はあっているだろうと思わざるを得ないところがあるんですが。
 私はやっぱり、こういう外交交渉にかかわる問題、そして基地という本当に微妙ないろんなものを含んだ問題のときは、ある一定の方向性なり、そういったものが出されるまでは、まあいろんな交渉をなさるのはそれは当たり前のことでございます。ただ、その途中経過の中で、私はこう考えているんだ、私はこうなんだと言うことが、言うこと自体がどうなのかという疑念を私は抱いております。
 今の現状、つまり、沖縄の県民の皆さんに私は混乱を与えていると思っていますが、今のこの普天間の問題を始めとする日米の関係の問題に対する今の御認識を岡田大臣はどう思っていらっしゃるか、お聞きしておきたいと思います。
#57
○国務大臣(岡田克也君) 普天間の問題は、これは早急に解決しなければならない問題、つまり移転を実現しなければならない問題であります。もう随分今までも時間がたってしまいました。
 そういう前提の下で、既に前政権の折に一連の日米合意があるわけであります。普天間基地の辺野古への移転、そして海兵隊の八千人のグアムへの移転、その結果として空いた基地の返還と、これが論理的に、法律的に一つになっているわけではありませんが、事実上は一つの固まりとしてあると。そのことについて政権が替わってどう考えるかという問題であります。
 今、日米間で合意をして行っておりますのは、現在の普天間の移転のプランについて、それが今の案になった経緯を検証するということを日米間で合意をして行っているところであります。その検証については、迅速に、なるべく速やかに、できるだけ早くですね、できるだけ早く、迅速に結論を出すと。これも合意でありますので、なるべく早くその合意に至るべくしっかり議論したいというふうに思います。
 いろいろ伝えられますが、総理やあるいは防衛大臣とはよく連絡を取り合っておりまして、認識にそう大きな差があるというふうには思いません。ただ、あえて言わせていただくと、総理の沖縄に対する思いが非常に、我々ももちろん沖縄に対する思いというのは当然強く持っているわけですが、総理はとりわけ深いので、若干そこがメディアに対してニュアンスが違うように受け取られてきたのかなという、そういうふうには思います。しかし、基本的な考え方については、常に意見交換をしておりますので、大きな違いはないというふうに考えております。
#58
○木庭健太郎君 ただ、報道そのものを見ていく場合に、やはりそれぞれの御発言がいろんな形で出てくる。例えば、なるべく早急にというお話をされた。私はそのとおりだと思うんです。現段階で今一番何が大事かというと、いろんな調査をなさって、現政権の中でどうするかということを作業を進めていらっしゃる。ただ、その作業の進め方を最終的にどこに落ち着かせるのかという問題そのものを取ってみても、沖縄に対して、沖縄の県民感情を本当に大事にされようとする総理は、どちらかというと少し違う方向のこともおっしゃる。
 その辺について、これを修復するためにはまず何が大切かというと、私は、これは岡田大臣に私は大賛成なんですけれども、是非年内には、予算という問題も絡んでくるわけですから、少なくとも年内には一つの結論を、少なくとも方向性、これは出すということは是非やっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#59
○国務大臣(岡田克也君) ここも気を付けて答弁しなければならないわけですが、私は従来、最終的に決めるのは総理だと、総理自らおっしゃっていると。したがって、何といいますか、なるべく早くとか迅速にという言葉の前提の下で最終的には総理がお決めになると。私としては予算もあるので年内が望ましいと思う、しかし最終的には総理が決めると、ここまで一つの固まりとして言っているわけですが、それでもメディアには総理と外務大臣が違うというふうに書かれますので、基本的に総理が最終的に決めるというふうに申し上げておきたいと思います。
#60
○木庭健太郎君 そこで、前原大臣の方から、自分がかかわるのは、ある一定程度の方向性が出ればその方向性に対して沖縄との調整というのは私の役目であると。もちろんそのとおりになると思います。でも、沖縄北方大臣の存在というのは、この一連の方向付けをする中でも私は一つの大きな役割を果たしていただかなければならないんじゃないかなという気がしているんです。
 つまり、この問題を検討するときは、もちろん外交問題ですから岡田大臣、安全保障の問題ですと北澤さん、そして調整役の官房長官ももちろん入る。それとともに、沖縄北方大臣の仕事は何かというと、その沖縄の行政含め、どういう考え方で今この問題になっているのか、さらに、住民の皆さん、いろんな運動もあったわけです。そういったことも掌握して、そのことをきちんと、最終、方向付けをするときに、一つの形をつくる前に進言するのは前原大臣の役目じゃないかなと。方向付けが決まるまでは自分は待っときゃいいんだじゃなくて、現地調査もなさったんですから、是非そこは加わっていただいて、沖縄北方大臣も入っている、外務大臣そして防衛大臣も入った中で総理が一つの方向性を出したというふうにしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#61
○国務大臣(前原誠司君) その点については木庭委員のおっしゃるとおりだと思います。
 今まで四閣僚で公式、非公式に何度も話をしておりまして、私は沖縄に伺ったときに仲井眞知事さん始め様々な自治体の首長さんあるいは議長さん始め意見聴取をしておりますし、また、沖縄担当大臣として、知事やあるいは首長さん、議会の方々が東京に来られたときにはできるだけお会いをして御意見を承るようにしております。そういったことを日ごろから、四閣僚の間での意見交換の中では沖縄の意見というのは伝えておりますので、そういう意味では、固まってからそれから動くということではなくて、日々の調整にも努力はさせていただいていると。ただ、最終的に合意案がまとまったときには、そこはよりコミットメントして力を果たしていかなくてはいけないと。そういう意味で申し上げているところでございまして、委員のおっしゃるとおりだと認識をしております。
#62
○木庭健太郎君 珍しくこの問題では前原大臣の影がちょっと薄いものですから、別にほかの方々と違う意見を言えとか言っているわけではなくて、是非本当に頑張っていただきたいという気持ちが本当にあるんです、この問題では。是非、四大臣というか、まとまった形でいろんなことの検討をしていただいて、沖縄県民にとって本当にいい形の一つのきちんとしたことを言っていただきたいと思っておりましたので申し上げた次第でございます。
 先ほどもちょっと議論になっておりましたが、いわゆる在日米軍駐留経費の問題、思いやり予算の問題で防衛政務官に来ていただいておりますので、幾つかちょっとお尋ねをしたいんです。
 つまり、この駐留経費の問題、事業仕分を間もなくおやりになるそうですが、私はやっぱりその働いていらっしゃる方のいろんな問題を触られると、雇用の問題はもちろん、沖縄の景気の問題にも物すごく大きな影響がある問題だとこの点は思っているので、この点少し、幾つかお聞きしたいんですけれども、この事業仕分の中でその思いやり予算の中でも対象にするのは、事業仕分で基地従業員の基本給に当たる何か労務費のみを対象にしているというようなことをお聞きしているんですが、その経過についてまずお聞かせいただきたいと思います。
#63
○大臣政務官(楠田大蔵君) 木庭委員にお答えをさせていただきます。
 経過ということについては、我が省側が決めたわけではありませんのでなかなかお答えしにくい部分ではありますけれども、我々としましては、少なくともこの給与負担も含む在日米軍駐留経費負担というものが、やはり安全保障にとって不可欠な日米関係、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用に重要な役割を果たしていると、その重要な部分だと考えておりますので、この点はしっかりと仕分作業の中でも我々の説明をしてまいりたいと考えております。
#64
○木庭健太郎君 つまり、基地従業員というのは一応日本国政府が雇主とはなっているんですけれども、結局必要な労働力を在日米軍に提供するという雇用形態ですから、身分が国家公務員と混同されがちですけれども、そうでなくて民間の労働者であって、しかも給与水準が政府が決定しているので国家公務員とほぼ同じと。
 ただ、多分その給与がどうだということでこの労務費、基地従業員の基本給に当たりますこの労務費が事業仕分の対象になっているんだろうと思いますが、基地従業員のこの数という問題は、これは特別協定の期限が切れる二〇一一年三月末までは変更できません、できません。そのため、もしどうするかという問題になれば、この労務費を削減した上で給与水準を何か引き下げることを念頭に置いているようにしか、事業仕分に挙がったということは、もうそれしか思えない。そうしたら、来年度予算からいきなりこの労務費削減されれば、現地で働く基地従業員の方々にとってみればこれはもう相当な不安であって、何が一体なされるのかと物すごい不安で見守っていると思いますよ。
 本当にこの基地従業員というのが沖縄においては数がかなりいらっしゃいます。そういう意味では県内経済に与える影響も大きいし、是非、生活の影響というのが出ないようにどう最小限にとどまるような施策をするかということは必要だと思っております。
 この点についてどんなふうに認識されているのかということをお聞きしたいとともに、また基地従業員数ということについて、これは二〇一一年までは駄目ですけれども、今後これについて削減とかそんな方向を防衛省として何かお持ちなのかどうか、その見通しについてもお聞かせ願いたいと思います。
#65
○大臣政務官(楠田大蔵君) ありがとうございます。
 この点につきましては、給与水準等につきまして、委員も御存じのとおり、特別協定が結ばれておりまして、二〇一一年度まで、この三年間の枠組みで進められているということであります。この点については、国家公務員の給与水準に準じているということ、また日米間の協議及び労使交渉によって決められているものでありまして、当然、我々の説明としてはこの仕分作業だけで決めるものでは決してないと考えております。
 加えて、この特別協定の中で、対象期間中、二〇一一年までに包括的な見直しを行うということで既に一致をしておりますし、先日、ゲーツ国防長官が参られたときも北澤大臣の方から、この点において有意義な議論をしていこうと、更に透明化を進めて国民の納得のいくようなそうした水準を決めていこうということを決めております。
 また、上限においては、今決まっている二万三千五十五人ですか、これについて増やす減らすということは、今の時点では何ら議論に至っていないということであります。
 以上です。
#66
○木庭健太郎君 報道によれば、この思いやり予算について鳩山総理御自身も、十一月九日の日でしたか、これは報道ですけれども、人件費はどこまで見直せるか簡単な話ではないと思うが、極力日米関係に影響がないよう配慮する必要があるというふうに述べたというようなことをお聞きはしております。この配慮する必要があるというのはどんな意味にとらえればいいのかなとかちょっと思ったりして、これはだれに聞けばいいのかなと思いながら。ただ、沖縄の経済とか振興にかかわる問題でもありますので、雇用とか。前原大臣に聞いておきましょうか。
 さっきも御答弁になっていましたけど、今日、事業仕分だけで決定できる話ではないですから、その後の場面で活躍すべきはここはやっぱり前原大臣だと思いますので、この御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#67
○国務大臣(前原誠司君) 基地で働かれる方々のことについて事業仕分を行われるということ、ここにかかわる経費について事業仕分が行われるということでございますが、先ほど同僚議員にも御答弁をいたしましたが、事業仕分というのはあくまでも事業仕分で、最終的には行政刷新会議でその仕分についての評価を行い、そして各省庁間での調整の中で、本当に削るかどうか、あるいは削る額が妥当かどうかということを決定するということでございます。
 委員の問題意識は私も共有をしておりまして、先ほども島尻委員にお答えをいたしましたように、他省庁の予算がかなり削られて、鳩山大臣の指示では査定大臣というふうに言われておりますけれども、沖縄の予算については、これは概算要求で、我々、大島副大臣、泉政務官と相談して、これはやっぱり削るべきじゃないということで、中身はいろいろ組み替えてはおりますけれども、概算要求では平成二十一年度予算とほぼ同額の予算をお願いをしておりまして、是非これはしっかり守って、沖縄の経済そして雇用、これ四十七都道府県の中でも一番厳しい状況でありますので、そこはしっかり守っていきたいというスタンスで、委員が御指摘いただいたことも含めて臨みたいと考えております。
#68
○木庭健太郎君 終わります。
#69
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 普天間基地の移転問題についてお聞きします。
 岡田大臣は、先週、沖縄に入って、自治体首長さんらからも普天間基地の県内たらい回しはやめてほしいという声を聞かれたと思います。嘉手納町では宮城町長から、とてもじゃないけれども統合案はのめないと、逆に、これまでの負担軽減はどうなっているのかと、騒音規制措置も守られていない現状を訴えられたと思うんです。
 十一月七日に行われた町民集会でこの嘉手納の高校の生徒会長さんが、静かな町で生活したい、これ以上僕たちを苦しめないでと発言をし、翌日、二万一千人集まった県民大会では小学校六年生の男の子が、約束は必ず守ってください、大切な海を、僕たちの未来を壊さないでと発言をしています。
 世論調査を見ますと、県外、国外移設を求める声も依然として強いということが、毎日新聞それから琉球新報、朝日新聞でも明らかになっているわけですが、大臣はこうした声をどのように受け止めておられますか。
#70
○国務大臣(岡田克也君) 私自身、十五日から十六日にかけて沖縄を訪問し、今御指摘のように、知事、そして名護市長、嘉手納町長を始め自治体の関係者の皆さん、そして議長を始め県議会の各会派の代表の方々とも意見交換をさせていただきました、会派すべてではありませんでしたけれども。改めて沖縄の置かれた状況の厳しさということを認識した次第であります。
 ただ、この問題は、一つはやはり普天間の現在の危険な状況、これも現場に行って五年ぶりぐらいに普天間の状況を見ましたが、全く状況は変わっていないと。滑走路の延長線上に小学校がある、多くの民家が取り巻いている、こういう状況を長く放置はできないということが議論のスタートだったはずで、やはり早くこの問題を解決しなければいけないと、改めてそう感じたわけであります。
 そして、その解決の方向として、前政権の時代にできた日米間の合意、つまり、辺野古沿岸部への移設、そしてグアムへの八千人の海兵隊の移動、そしてその結果として必要がなくなった基地の返還、こういうパッケージが今あるわけで、このことをすべて白紙に戻してというわけにはいかないだろうというふうに思っております。例えば、八千人のグアムへの移転、あるいはその結果としての基地の返還などは、やはりこれは沖縄の負担軽減につながる話でありますので、そういったことはしっかりと実現していかなくてはならないと。
 問題は、普天間の移転の問題をどうするかと。ここのところについて現在日米間で、現在の案になったその経緯についての検証を行っているところであり、先般、私とルース大使あるいはクリントン長官との間でワーキンググループを設けて、そして迅速に、できるだけ早く結論を出そうということを合意したところであります。そのワーキンググループの中でしっかりと今議論を行っているところです。
#71
○紙智子君 お言葉では、状況の厳しさはよく分かると、早く危険な状況を何とかしなきゃいけないと思っているということを言われるんですけれども、今日の例えば新聞報道などを見ますと、結局県内のたらい回しというような決着を付けようとしているんじゃないかという危機感を率直に言って持たざるを得ないわけです。
 それで、岡田大臣は二十一日に、県外、国外に移すとなると何年も掛かる、その間、普天間の危険が持続すると、で、海兵隊グアム移転が白紙に戻るかもしれないというふうに述べて、嘉手納への統合案が望ましいという認識を示されたわけですけれども、私はそのことをだれがおっしゃっているのかなと。アメリカのゲーツ国防長官がそういう主張をされたのかどうかなというふうにも思うわけです。
 それから、先日どなたかの質問に、政権を取ったときには計画は九合目まで来ていたんだということをおっしゃられているんですけれども、これは県民にとっては全く理解できない話で、大体くいも打っていないし、工事は全く始まっていないわけで、そういうやっぱり認識というのは違うというふうに現地ではおっしゃっているわけです。
 それで、沖縄県民の普天間基地の危険を直ちになくしてほしいと、直ちになくしてほしいと、そして県内たらい回しをやめてほしいという願いにどうこたえていくのかというのが大臣のなすべきことじゃないのかと。この県民の意思を本当に反映させた真剣な交渉を米国と行うべきじゃないのかというふうに思うんですけれども、いかがでしょう。
#72
○国務大臣(岡田克也君) まず、九合目までという表現を私が申し上げたのは、委員御指摘のように、確かに新しい移設場所での工事は始まっておりません。そういう意味ではまだ始まっていないわけですが、しかし、最初から数えれば十三年に及ぶ様々な議論がなされ、そして日米間で一定の合意に達し、その中には、先ほど申し上げた八千人のグアムへの移転、その結果としての基地の返還ということも含めて合意がなされ、そういう意味で私は九合目までという表現を使わせていただいたところでございます。工事だけに着目して申し上げたわけではありません。
 嘉手納への統合の話ですけれども、私は、先ほど申し上げたように、なぜ今の案になったのかということを検証する中で、かつて日米双方から一時は提案された嘉手納への統合というものがなぜ駄目になったのか、どこが問題なのかということをその検証作業の中に加えたいということを申し上げたわけであります。嘉手納で決めるべきだということを私は申し上げたわけではありませんし、それは私が決められる問題ではありません。内閣として決定をしていかなければいけない問題。
 しかし、かつて提案されたということはそれなりに理由があるはずで、私なりに外務大臣として、なぜ駄目だったのか、選択肢というふうになり得ないのかということをきちんと自ら検証するということは私の責任だというふうに考えているところでございます。
 以上です。
#73
○紙智子君 朝日新聞の十七日付けの世論調査を見ますと、普天間基地の移転について、前政権時代に米政府と交わした名護市への移転の合意は守った方がよいか、それとも見直して再交渉した方がよいかという問いに、見直して再交渉した方がよいというのが五四%です。毎日新聞の二十一、二十二日、一番直近の世論調査でも、県外か国外への移設を目指して米国と交渉すべきというのが五〇%というふうになっていて、鳩山首相の県外、国外移設への期待を高めているということを示していると。単純に現行計画を受け入れるような結論を出した場合には支持層の期待を裏切る形にもなりかねないということも書いているわけです。
 それで、大臣は米国に対して、この普天間基地を海外に移設させる選択肢というのは、これは提起されているんでしょうか。
#74
○国務大臣(岡田克也君) 様々な議論を米国側とはしております。ただし、議論の前提は、現在の案になったその経緯を検証するという前提で行っております。したがって、今委員が御質問になったようなそういう議論には至っておりません。
 そして、マスコミはいろんなアンケートをされています。委員が今おっしゃったことは私承知しております。ただ、もし、普天間の移転の問題、米国と再交渉すると、その際に、今まで合意した中身、つまりグアムへの八千人の移転とか、あるいはその結果として空いた基地の返還と、こういうことも全部含めての議論になる、それでも交渉すべきかというふうに聞かれたときにどういう答えが返ってくるのかというのは、また少し違う問題ではないかというふうに思っております。
#75
○紙智子君 いろいろな議論をしているけれども、海外というのはそもそも話をされていないということなわけですよね。それで、やっぱり県民、国民の多くは一刻も早く危険を取り除いてほしいと願っていると。結局そうすると、アメリカが受け入れそうもないことは初めから提起もしない、結局アメリカの顔色を見て態度を決めるということになりはしないかと。
 これまでやっぱり基地のたらい回しが普天間の基地を増強させてきたということがあると思うんです。普天間を早期に閉鎖するという理由で嘉手納に移転をするということだって、当然これはもう現場から見れば許されない話だと。今の政権が替わったということで本当に大きな角度から、新しい角度からの対話を国民は期待している、絶好のチャンスだと思っているわけで、そういう県民や国民の期待にこたえて、普天間基地については直ちに閉鎖すべきだと思いますし、基地のたらい回しはするべきではないというふうに私申し上げておきたいと思います。答弁はこれは要りません。
 それで、続いて日ロの領土交渉についてなんですけれども、先日の首脳会談で鳩山首相が、北方四島の帰属の問題を最終的に解決できるような五六年宣言の二島返還を超えた独創的な対応を期待すると述べたことに対して、二島では納得しないと意思表示したものの四島をとも言わなかったというふうに論評されているわけです。先週、元島民の皆さんを始め署名を携えて国会に要請されに来たんですけれども、やっぱり非常に新たな進展を期待をしているということを私自身も受けながら感じました。
 それで、新政権として、これまでの対ロ外交でどういうやり取りがされてきたのか、未公開のやり取りも含めて全容を明らかにして検証する必要があるんじゃないかというふうに思うわけです。我が国がどんな論拠で返還を求め、どんな返答がされたのかと。歴史的な経過を含めて評価を行って、その上で国際社会を納得させられる道理ある論拠を確立して交渉を行うべきじゃないかと思うんですけれども、これについて、大臣、いかがでしょうか。
#76
○国務大臣(岡田克也君) 先ほどの委員の御発言に関し一言だけ申し上げますと、やはり日米同盟ということを、これは必要なことだという前提で考えるのか、それに否定的な立場で考えるのかというところで基本的に違う問題だというふうに私は思っております。
 さて、北方四島の問題ですが、APECの際の首脳会談において鳩山総理は、四島の返還を求めるとの日本側の基本的立場についてまず言及をしたわけでございます。その上で、メドベージェフ大統領が度々使われる独創的アプローチ、独創的アプローチと言われるのであれば、まさしく独創的アプローチでやってもらいたいという趣旨のことを鳩山総理が言われたということであります。
 なお、御意見にありました今までの経緯を明らかにしてということでありますが、こういった交渉を、厳しい交渉をやる際に、今までの我が方の、もちろん、相手方は、これは相手のある話ですから勝手にこちらが明らかにできるわけでは必ずしもありません。そういうふうになれば、たちまち交渉はその時点で止まってしまうと思います。じゃ、日本がどういうことを今まで言ってきたのかと、過去にさかのぼってそういうことを言うというのは、私は厳しい交渉をやっている中で取るべきことではないというふうに思っております。
#77
○紙智子君 日米同盟の評価でもって違うという話をされたけど、そういうことではないと思うんですよ。やっぱり今多くの県民、国民がどこのところを一番強く思っているかというそういう声に立って考えたときに、そしてこれまで民主党さん自身が選挙の中で公約もされてきた経過もある中で、やっぱりどうこたえていくのかということであって、決して、日米同盟をどうする、評価するかということの違いということに問題はすり替えないでいただきたいというふうに思います。
 それから、日ロの交渉の問題については、国民全体の中では、具体的に今までどういうふうに日本が主張してきたのか、あるいはどういうやり取りがあったのかということは、やっぱりよく知られていない部分というのもあるわけですから、そこは是非検証していただきたいというふうに思いますし、やっぱり世界各国が見ても道理ある中身で交渉するという論立てを持ってやっていくことが必要だというふうに思っています。ちょっと、あえてこれまで我々の主張ということで今まで繰り返してきたのでここでは言いませんけれども、そういう道理ある中身でということを申し上げておきたいと思います。
 それで、最後にですけれども、前原担当大臣に伺いますが、先日の所信的あいさつの中で述べられていましたけれども、大臣になられてすぐ北方四島を納沙布岬と洋上から御覧になった、視察されたと、そして元島民や関係者の話を聞かれたということで、領土問題が未解決であるがために安定的に漁業ができないという問題や、それこそ経済そのものが大変疲弊しているという問題なども御覧になったと思うんですけれども、やっぱり長い間主権をめぐる問題でそういう領土返還運動の拠点として頑張って支えてこられた、そういう地域を御覧になっての御認識と今後の対策ということでの御所見を伺って、質問にしたいと思います。
#78
○国務大臣(前原誠司君) 委員おっしゃったように、六十年余り北方領土が返還をされていないと、帰属が決まっていない、日本の固有の領土が返還をされていないという事実の中で、元島民の方々あるいはそれを受け入れてきた地域の方々の思いというのは非常に私は重く受け止めなくてはいけないと思います。だからこそ前の国会におきまして、私は衆議院の特別委員長でございましたけれども、特別措置法の改正を行って、そして支援も含めての様々な施策の拡充を図らせていただくということでございますし、今回も泉政務官とともに現地に伺いまして地元の自治体の方々から様々な要望を受けました。また、旧島民の方からも様々な要望を受けました。
 外交交渉は、外務大臣あるいは総理、しっかりやっていただくとして、我々は旧島民の要望として当該自治体の御要望というものをしっかりと政策に反映をさせていくということを、ちょっと時間がありませんので具体的には申し上げませんが、しっかりと取り組んでいくということを改めてこの委員会でもお約束をさせていただきたいと思っております。
#79
○委員長(市川一朗君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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