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2009/11/19 第173回国会 参議院 参議院会議録情報 第173回国会 農林水産委員会 第3号
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2009/11/19 第173回国会 参議院

参議院会議録情報 第173回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第173回国会 農林水産委員会 第3号
平成二十一年十一月十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     舟山 康江君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                一川 保夫君
                岩本  司君
                佐藤 昭郎君
                山田 俊男君
    委 員
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                亀井亜紀子君
                郡司  彰君
                主濱  了君
                藤原 良信君
                舟山 康江君
                松浦 大悟君
                岩永 浩美君
                中川 義雄君
                野村 哲郎君
                松下 新平君
                風間  昶君
                草川 昭三君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   赤松 広隆君
   副大臣
       農林水産副大臣  郡司  彰君
       環境副大臣    田島 一成君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       舟山 康江君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○農林水産に関する調査
 (戸別所得補償制度の導入に関する件)
 (WTO農業交渉及びEPA交渉に関する件)
 (米国産牛肉輸入問題に関する件)
 (食肉の価格安定対策に関する件)
 (農道整備事業に関する件)
 (農山漁村の六次産業化推進に関する件)
 (諫早湾干拓事業の中長期開門調査に関する件
 )
    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠として舟山康江君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小川敏夫君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○岩永浩美君 おはようございます。自由民主党の岩永浩美です。
 今日、初めて環境副大臣にお見えいただいていますから、諫干の問題から先に入らせていただきたいと思いますが、初めに、赤松農林大臣の今回の大臣の就任を心からお祝いを申し上げたいと思います。
 今まで私自身も農林水産委員会、同僚の議員と一緒に審議をしてまいりました。今政府におられる郡司副大臣、それから政務官も、大変お互いに意気を通じながら農林水産行政について質疑をしてまいりましたが、私自身、与党に身を置きながらも、この農林水産行政についてはそんなに対決するような思いはありませんでした。
 その中で、諫干の問題については少々、私自身も与党にいるときから野党的な発言が非常に多くて、民主党さんからは大変高い評価を受けながら質疑をしてまいりましたが、政権も替わりました。そんな中で、選挙の公約に諫干の問題も取り上げられたりしていた経緯があることは、大臣も御案内のとおりです。
 そんな中で、十月の二十二日に、佐賀県の古川知事と、それから原口総務大臣と赤松農林水産大臣がお会いになっています。その前日、佐賀県から、県選出の国会議員並びに県議会の委員長以上の皆さん方には是非、赤松農林大臣にお目にかかるので、是非その席に出席するようにという文書をいただき、県東京事務所からも出席要請のあいさつに来られました。それがなぜか、当日になって、大臣が三人でしか会わないという話だと、こういう話を私は聞きました。
 それはなぜそういうふうになったのか、まずそこをお聞きをしたいと思います。
#5
○国務大臣(赤松広隆君) おはようございます。岩永先生には農林水産副大臣として、大変これまでも農林水産行政前進のために頑張ってこられた、またこうした行政にも大変精通をしておられる方でございますので、今後ともよろしくまた御指導いただきますように、冒頭、お願いをしておきたいと思います。
 さて、先生のまた御地元でもありますこの諫早問題については、大変地域の直接的なあれであります、長崎県ばかりではなくて、佐賀、熊本、福岡、有明海に面する四県の皆さん方が、非常に熱心に今日までお取り組みをいただいてまいりました。
 そして、私自身も、いろんな方がいろんな発言をされておりますけれども、まず基本的な考え方といいますか姿勢として、是非御理解をいただいておきたいと思うんですが、私ども民主党も、マニフェストではなくて、政策集インデックスの中で、このちょうど選挙の前でございますけれども、皆さんにお示しをしておりましたのは、「諫早湾干拓事業については、干拓事業と有明海の環境変化との因果関係について科学的知見を得た上で、地域の意見によって有明海の再生に向けた取り組みを推進します。潮受堤防開門によって入植農業者の営農に塩害等の影響が生じないよう万全の対策を講じ、入植農業者の理解を得ます。」というのが、民主党としての党の公式な見解でございます。
 しかし、今先生もおっしゃいましたように、農水行政全般もそうかもしれませんけれども、とりわけこの諫早問題については、自民党とか民主党とかいうよりも、むしろ非常に地域的な、長崎県とか佐賀県とか、そういう非常に地域性の方が前に出た実は問題でございまして、これはもう、別に自民党だってばらばらじゃないかみたいなことを私は言おうとしているんじゃなくて、我が党に振り返っても、長崎県出身の議員の皆さん方と、佐賀県あるいは福岡県、熊本県の出身の議員の皆さん方と、これはもう先生御承知のとおりですけれども、明確に考え方も違います。そしてまた、同じ県の中でも、同じ党に属しながら若干考え方の違うという先生方も実はお見えでございまして、私は、この問題についていつまでも放置しておいていいということではありませんので、一番実は早い解決方法は何なのかということをずっと大臣就任以来考えてまいりました。
 それにはやはり、何といっても、まずそれぞれの党の中で、そしてまたそれぞれの、もっと必要なのは地域の中できちっと考え方をまとめて、そして少なくとも、少なくとも、それぞれの県がまず地元で話合いをしてもらうということが私は必要なんじゃないかと。
 驚いたんですけれども、この諫早問題について当事者である長崎県と佐賀県は、知事ばかりじゃなくて事務レベルも話したことがないと、一度も話したことがないと。しかし、そんなことで、農水省がどんな方針決めてもそれぞれ地元の了解を得ながらやっていくわけですから、現地が、それぞれの県が、担当者が、知事が一度も顔を合わせてこの問題について話したことないなんということで本当に問題の解決ができるのかというのが私の基本的なまず考え方でございまして、そして、私は最初から開けるとか開けないとか結論を先に持って進めるのではなくて、むしろそういう、早くスムーズに納得の上で問題を解決できるためには、まずその関係の人たちがきちっと話し合える場をつくっていくことがまず第一なんじゃないだろうかというふうに思いまして、実はなるべく公平に皆さんの意見を聞きたいということでやっておりまして、結論を申し上げますと、先生御指摘のように、なぜ県会議員や地域のあれと会わなかったんだと、知事と国会議員だけじゃおかしいじゃないかというお話もありましたけれども、その実は直前に長崎県知事ともお会いしていまして、そのときも長崎県知事さんの方は育樹祭のお礼に行きたいということでお見えになって、そしてお礼は、確かにお礼の言葉はありましたけれども、ほとんどは諫早湾の話で終わっちゃったと。そうすると、長崎だけの話を聞いて佐賀の話を聞かないというのもこれおかしいことなので、元々知事が会いたいと言われておりましたので、今御指摘のこの十月二十一日の日に佐賀県知事とお会いをしたということでございます。
#6
○岩永浩美君 赤松農林大臣は大臣就任になってそれは間もないことであったかもしれないけれども、諫干の問題については、長年我々が与党に身を置くときにいろいろな議論をしてきたので、長崎県と全然話ができてないというふうなことではありません。私どもは率直に、今これは新大臣に、やっぱり県として、県選出の国会議員として、特に政権が替わった結果を受けての大臣だったので、やっぱり今までの経過も踏まえ、それについては是非お目にかかって話をしておくことが望ましいと思って、そのことを私どもは期待していたんですね。それがその日になってやっぱり変わっていくという、即座に、もう突然変わったというようなこと、それは非常に民主的ではないのではないのかなと。開かれたやっぱり政党は、民主党さんはいつもそうやって国民目線でということをいつもおっしゃっていたわけなんだから、そういう一つの要請にはやっぱり応じて、やっぱり広く話を聞くということは大事なことだということをまず私は申し上げておきたいと思います。
 それで、大臣の答弁が非常に長いので質問時間が少なくなる。そこで、私は具体的に一つ一つちょっと聞いておかなければいけないことがあります。
 国が地裁の判決を受けて、開門調査をするための控訴を私どもが副大臣のときにしたんですね、開門について。そのときに、開門しろという結果が出たときに開門についてのアセスはやっぱりしろということを私どもは申入れをしました。その過程の中で、具体的に開門をするためには、やっぱり入植をしている、干拓地において入植している農家の皆さん方に対する農業用水の確保がどうしてもやっぱり必要だったので、その農業用水も並行してやれということを私どもは主張してきていたんですよ。まだそれがなされていないということ、これについては具体的に早くやっぱり農業用水の確保に向けて、具体的なそういう工程表みたいなものができ上がっているのかどうか、そのことを簡潔にお願いしますね、簡潔に。
#7
○国務大臣(赤松広隆君) 一つだけ、誤解があるといけませんので言っておきますが、県会議員の人と会うと約束しておいて後でキャンセルしたなんという事実はありません。初めから、知事が会いたいというので、それでは長崎も先日会いましたので佐賀の知事さんも来ていただいて結構ですという約束でお会いしたということで、地域の人だとか県会議員だとかなんとかというのは、それは地域ではそのように勝手に決められたかもしれませんが、私のところには最初からそういう人たちが会いたいということでお約束したことは一切ありませんので、誤解のないようにお願いをいたします。
 それから、今、例の裁判問題に絡んでお話がございました。先生自身が副大臣として、当時、若林大臣だったと思いますが、若林大臣の判断も含め、そしてこれは内閣全体の問題でございますので、佐賀判決については納得できないということで控訴を国として当時の前政権のときにしておるわけであります。それはもうとんでもないということで、皆さん方がお考えになって控訴をされたということでございます。
 そういう意味でいえば、まだこの問題について裁判所としての最終的な答えが出たわけではないということも先生御承知だと思います。その意味で、それを前提にして、地裁判決を前提にして、今から水を確保しておけばいいんだと、そこからじゃ間に合わないんだということは、これは該当でありますそれぞれの、佐賀県の方はそれでいいかもしれませんけれども、長崎県その他はじゃそれで納得するかというとそれはそうにもならないものですから、それはだから、あくまでも私が申し上げているように、それぞれの関係県が少なくとも話合いの中でこの地裁判決に従って流れていくことが大体方向なので、じゃ水の確保をあらかじめやっておきましょうかと合意に基づいてやられるなら結構ですけれども、そうなっていないということで、それだけを先に進めるというのは今の段階ではいかがなものかというふうに判断をいたしております。
#8
○岩永浩美君 これ、国営干拓事業、国の直轄でやったんですね。これは国の直轄でやったやつが今いろいろ問題が、意見が分かれているから、佐賀、長崎両県だけが意見の集約をしてその問題の解決を図った後、国が結論を出すということは、甚だやっぱり責任を回避していることだと思うんですね。あくまでも国がやったんですよ。
 私は、島原半島のやっぱり防災対策としてやってきたその事業そのものには、当時、私は県議会に籍を置いていたので、今の事業よりも三倍ぐらいの大きさで干拓地を造る予定を縮小して今の状態の中で潮受け堤防を造ったんですね。そういう経過を踏まえて、私どもはその干拓そのものについてすべてを否定しているわけではないんです。結果としてできたところなんです。しかし、そこで出てきたその一つの問題点が、佐賀、長崎両県だけで解決を図れということは、国がやっぱり責任を持ってこういう方向でやるからという、その指示を今までしてやってきたのにかかわらず、事ここへ来て、意見が分かれているから両県で話をしろということは、非常に間尺に合わない、逃げだと言っても私は言い過ぎではないと思っているんです。だから、それは明確にやっぱりどういうことでやっていくということを御指示をすべきだと思う。
 それから、有明海というのは佐賀、長崎両県だけじゃないんですね。熊本、福岡にも深いかかわりがあるんですよ、深いかかわりが。その福岡、佐賀、四県の皆さん方も、やっぱりこの問題の原因、有明海が非常に疲弊してしまっている原因は早く究明してほしいというのがやっぱり四県の漁民の皆さん方の意見なんですね。そういうことを踏まえて的確な指示を是非やっぱりなさることが大事なのではないのかなと私は思いますよ。
 それを、全然そういうことは両県が話合いを一回もしていないからとか今言われるけれども、今までだって行政同士の話合いはしていますよ。そして、第三者委員会とかいろいろな形の中でやっぱり協議をしながら今まで進めてきたんですよ。この一か月の間は話合いをしていなかったかもしれないけれども、今まではずっとそういう話合いは続けてやってきています。それが全然やっていないような大臣の答弁は、それは私どもはそのまま受けるわけにはいきませんよ。
#9
○国務大臣(赤松広隆君) これは両方の知事が私と直接面談をして、いや、全然会ってくれないんですと。しかし、ちゃんとした文書で一回出して、会いたいとこの問題についてやったらどうですかということで、これ控えもありますけれども、初めて私と会った後、佐賀県知事が長崎県の金子知事に対してそういう文書を出して、まず事務レベルでもいいからこの問題について話し合いましょうというようなことをして、これには九州の農政局長も間に入って、そして、そういう今やっと取っかかりができたというところだと私は承知をしております。
 それから、先ほどの問題ですけれども、要は農業用水の確保問題についてですけれども、現在、開門調査による影響を受けると予測される新開拓地及び背後地において、揚水ポンプの設置状況や水位実態など、農業用水の利用実態の把握、そこはやってもいいだろうということで、そういうことに、把握実態については今行わせておりますし、それから地下水や地下等既存水源の利用可能量をどれぐらいなんだろうかということを今把握をさせているところでございます。
 先生がおっしゃるような農業用水の確保対策については、これらの把握を行った上で、代替水源についての水質だとか水量だとか、構造物をもし造るとしたらどの位置に造ったらいいんだろうかというような具体的な検討に入っていくと、そういう手順を踏まなければいけないんじゃないかと、このように考えております。
#10
○岩永浩美君 それはいつごろから始めて、いつごろまでにやるんですか。
#11
○国務大臣(赤松広隆君) これは、既に環境アセスメントの準備を今進めておるところでございますから、これについては準備書において公表していきたいと、このように思っております。
#12
○岩永浩美君 環境アセスをやっていることは承知しているんですよ。だから、いつごろから始めて、それはいつごろまでに公表できるような形ができるんですかということを申し上げているんです。
#13
○国務大臣(赤松広隆君) 今進めておる段階でございますので、それぞれの立場で、一体環境アセス、明確に今年中とか来年いつまでと言えれば一番すっきりしていいんでしょうけれども、それは今指示をしてやらせている段階でございますので、でき得れば、でき得れば来年春ぐらいをめどにその準備書を公表できればなというふうに思っております。
#14
○岩永浩美君 じゃ、来年の三月までにはできるということでいいですね。
#15
○国務大臣(赤松広隆君) だから、そういう三月とか、私の言ったのは春ごろにはそういうのができればいいけどなということで、それはその言葉のとおり受け取ってもらわないと、春というのは三月までに必ず出すんだなみたいなことで言い換えられてもちょっと困っちゃうものですから。
#16
○岩永浩美君 これ、春というのは大体季節は常識的には三月から四月までなんだからね、だから、そういうことを含めてちゃんとやっていただきたい。
 それと、大臣。
#17
○国務大臣(赤松広隆君) はい。
#18
○岩永浩美君 いや、私から今から聞くんです。
 それで、まず有明海の特措法があることは御存じですね。その有明海の特措法は、本法は生きているんだけれども、まだその一つの延長について民主党さんが反対をして延長できていないんですよ。その一つの理由は、評価委員会のメンバーを国会同意人事にしろというのが民主党さんの意見だったんです。しかし、そんなことは国会同意人事をする必要はないだろうと。国会同意人事をしなくったって、それはもう特措法というのは地域四県の皆さん方のやっぱり民生に寄与することなんだから、そんなことしなくって、本法に理解をしているならそのまま継続すればいいじゃないかということを言ったんだけれども、評価委員の人選を国会同意人事でなきゃ駄目だということを言われて、できていないんです。
 今、民主党さんは政権取られたんですよね。民主党さんが政権取られて、そういう一つの人事に対する提案権が今そちらにあるんですよ。具体的にそういう問題も含めてやっていくということをすれば地域の皆さん方の納得もいただけるけど、何かインデックスに言っていたことを、すぐにでもやっぱり政権交代したら諫干の問題は自分たちの手でやるというようなことをやっぱり皆さん方言っておいて、今ここに来たらこういう様々な意見があるから、これはもうちょっと時間を掛けてというようなことでは、これはちょっとやっぱり納得しないんですね。
 だから、有明海の特措法の問題一つに取ってみてもですよ、その評価委員の問題を決める提案すらまだせずにいて、有明海の問題は今こういう状態だから、話合いができていないからとかというようなことで、お茶を濁すとは言わないけど、事を済ませようというやり方は非常にこそくではないかと思うんですが、いかがですか。
#19
○国務大臣(赤松広隆君) 先ほどの環境アセスのことについて、委員会での議事録等にもきちっと残りますので改めてちょっと申し上げたいと思いますけれども、農業用水の確保対策については、二十二年度春から着手をして、二十二年中を目途に準備書において公表したいということを正式に申し上げておきたいと思います。
 それから、今、有明特措法の問題、とりわけその評価委員会の問題について御指摘がございました。
 これはもう委員御存じのとおりに、平成十四年にこの特措法が自民党、公明党の賛成の下、民主党は反対をしたというふうに承知をしておりますけれども、多数決によってこれが成立をしたと。そして、五年以内の見直しというような中で、当時決まっていたその評価委員ですね、この評価委員について、これが決まらなかったということで、民主党がその委員人選の国会承認を強く主張したため継続審議となって、本年七月の衆議院解散に伴い同法が廃案になったというふうに承知をいたしております。
 先生が言われるように、この法案は必要だと、あるいは評価委員もきちっと新しい人を決めてやってほしいという御意見は御意見で分かりますので、しかし、それについてはそういう今までの経過もございます。そして、与野党の合意ができなかったということによって廃案になったという経過もございますから、基本的にはこの有明特措法の見直し及び評価委員会の取扱いについては、与野党によって調整をまずしていただくということが必要なんではないか、このように思っております。
#20
○岩永浩美君 その反対の理由は、評価委員の人選を、国会同意人事だけだったんですよ。ほか何も、本法の内容については何も反対じゃなかったんですよ。それは地域の皆さん方、地域四県の湾岸住民の皆さん方は、これは非常にやっぱりいい法律だから、それを引き継いでやっぱり地域の安定に寄与してほしいという強い要請があったんです。そのとき民主党さんは、評価委員の人選だけでそのことを否定されたんですよ。それを与野党が合意してというのは、内容については全部合意していたんですよ。その人選の問題だけで民主党さんが反対をされたんですよ。あなた方に提案権が出てきたら、法律そのものについてみんな賛成していたんだから、速やかにそれをやるというのが今の大臣のあるべき姿ではないんですか。
#21
○国務大臣(赤松広隆君) 法案やあるいはこうした提出等については、与党、野党を問わずすべての議員の皆さん方に権利もおありになるわけでございますから、もちろん閣法でやるということもございますが、少なくともまず、出してもやはり国会の中で、両院の中できちっとそれが各会派によってお認めがいただけると、御賛成をいただけると、そういう努力も事前にはしなければならないというふうに思っております。
 その意味で、私が先ほど申し上げましたように、いろんな経過もあるわけでありますから、まず与党、野党、それぞれの党派、会派で是非、これが議員必要だと強く御主張されるわけでありますから、是非それは具体的に話をまずこうした与野党間で進めていただくということがよろしいんではないかというふうに思います。
#22
○岩永浩美君 いや、だから、今、政権が交代して皆さん方のところに選択権があるんですよ。だから、そういうことについては、大臣もやっぱり有明海の、それの再生についての責任者の一人なんだから、やっぱりそういうことを与党の中で十分な議論をしてやっていくということは御答弁いただかないと、ただ人事のそこだけが問題だったのに、それも過去の経緯もありましてなんてことばかり言っていたんじゃ事は進みませんよ。これが一つ。
 それから、今回の環境影響調査をしていく過程の中で、事業主体は農林水産省だけれども、農林水産省が評価をしたりすることは非常に手前みそになってしまうからといって、環境省の皆さん方にも了解をしていただき、そしてまた協力をしていただくことが多くの国民の皆さん方に公平性、それから諫干に対する正しい評価をしていただくことにつながるから、環境省のやっぱり了解と理解を得ることが望ましいというのが我々の主張でもあったんですね。
 しかし、ここのところ環境省が余り何かこの諫干の問題については腰が引けているような感じがするんだけれども、そこら辺についてはどうなのか、お尋ねをしたいんですね。
 まず大臣から、この有明海の特措法にかかわる評価の評価委員をあなた方が任命を、やっぱり民主党の中で議論をされて改めてちゃんと出してくださいよ。
#23
○国務大臣(赤松広隆君) 与党と相談をさせていただきます。
#24
○副大臣(田島一成君) 岩永委員からのお尋ね、腰が引けているのではないかという御質問をいただきましたけれども、私ども、今回、この排水門の開門調査のための環境アセスメントにつきましては、農水省が環境アセス法に準拠して定めた指針に基づいて実施をしていただいているものと認識をしております。
 現在のところ、環境影響の調査そして予測、評価の手法を定める方法書を策定いたしまして、長崎、佐賀、そして福岡、熊本、この四県の知事に意見を求めている段階でございます。私ども環境省といたしましても、事務レベルではございますけれども、実務上の技術的な助言をさせていただいております。
 今後、指針では、環境大臣が農水大臣に対して環境影響の評価結果を示す評価書について環境保全の見地から意見を述べることというふうにされておりますので、私ども環境省といたしましては、引き続き事務的に協力してまいりますとともに、評価書が作成をされた際には、指針に従って必要な意見を述べていきたいというふうに考えております。
 決して腰が引けているということはございませんので、御理解をいただきたいと思います。
#25
○岩永浩美君 腰が引けている、言葉が強過ぎるのかもしれないけれども、環境省の役割は非常にやっぱり諫干の中においては大変重要な役割を担っていくので、事業主体は農林水産省であるけれども、環境省さんが入っていただくことによって公平性が保てて、やっぱり利害が相反する、そういう住民の人たちがおられるので、公平にそういう立場に立ってやっていただくことが一番うまくスムーズに進めていくことができると思うんで、是非そのことはお願いをしておきたいと思います。
 それから、ちょっとさっき、元に戻りますが、先ほど、その公表、二十二年、来年の春だと言っていたやつがそれは二十二年度中にと、こういうふうにして少し元に戻ったけれども、二十二年の春にはやっていただくように再度確認をしておきたいと思います。
#26
○国務大臣(赤松広隆君) 先ほど申し上げましたように、二十二年春から着手ができるといいなと私はという言い方をしたんですけれども、二十二年春に着手をして、二十二年度中を目途に準備書において公表の予定ということでございます。
#27
○岩永浩美君 繰り返し私は申し上げますが、今日ほかにもちょっと準備をいろいろしていたんですが、諫干で時間が掛かってしまったんですけれども。
 まずは、民主党さんが政権交代して、やっぱり民主党さんが主導的役割を担っていかれるんですね。今まで民主党さんは、そういうことについて我々が与党のときには随分、諫干の問題について遅々として進まないじゃないかと副大臣席でも責められましたよ。
 しかし、政権が替わっても、今なお私どものときよりももっと何かスローペースになったような感じで、解決に向けた糸口みたいなものが見えてこないと本当にじだんだするような思いなんですね。民主党さんはあれだけ声高に言っておられたのにもかかわらず、先に対する一つのやっぱり解決策というのが地方にゆだねるような形で、国が責任を持ってやるからこうすれということを指示を出すならまだいざ知らず、地方の話を聞いてその結論を持ってこられたら国が最終的に指示を出しますよというような感じに受け止められてしようがないんですね。
 だから、そういうことがないように、速やかに諫干の問題は、ただ単に佐賀、長崎の両県、利害関係者だけの問題ではなくて、熊本、福岡、有明海のその地域の皆さん方が再生をしていくという意味において英断を、私は、赤松大臣が直接あの地域の利害と関係ないだけに、今までずっと主張してこられた皆さん方の主張が速やかに解決していく政治的な決断を是非お願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#28
○国務大臣(赤松広隆君) 言われましたとおり、私どもは冒頭申し上げましたけれども、科学的知見を得た上でというのがインデックスに明記をしてある党の基本的な考え方でございますし、委員御指摘がございましたけれども、少なくとも、実際にこの諫早湾問題について、国がいろんな事業を進めるあるいは開ける開けないというようなことについても地元の了解や合意なくして一方的にやるということはできないわけですから、その意味で私どもは何よりもまず地元の理解と合意が必要だということを基本に考えているということを是非御理解をいただきたいと思います。
#29
○岩永浩美君 持ち時間を勘違いしていました。あと十分あるそうですから、もう少し続けさせていただきたいと思います。
 それでは、今日の読売新聞の一面で戸別所得補償の見直しの件が新聞に出ていましたが、そういう議論が具体的になされているのか、まずお聞きしたいと思います。
#30
○国務大臣(赤松広隆君) 今、菅副総理の下で、マニフェストで民主党が国民に約束した直ちにやるもの、すなわち来年度から実施をしていくもの、御存じのとおり、子ども手当あるいは暫定税率の廃止、高校無償化、そして戸別所得補償のモデル事業と、総額で七・一兆円と言われているものでございますけれども、これらについても、本当に七・一兆円必要なのかどうなのか。一回、聖域ということではなくて、もう一度、その事業のことはきちっとやりますけれども、それだけの本当に予算が必要なのかどうか、もう一度菅副総理の下できちっと精査をしてみようということで、今特にこの主要なマニフェストでお約束をした民主党の基本的な政策についてそれぞれヒアリングが行われているという段階でございます。
 昨日、私どもの省を代表して山田副大臣に、各副大臣が呼ばれておりますので代表して出てもらいまして、私どもが今提案をしているあるいは概算要求で要求をしておるこの予算額、どれだけの事業をやって、なぜこれだけ必要なのかということについてきちっと説明をしてきたということでございますので、必ずやこの見直し作業の中でも私どもの提案どおりやっていただけるものと私は信じております。
#31
○岩永浩美君 いや、そうじゃなくて、当初の予定よりも随分やっぱり小さくなってくるという話が新聞に出ていますね。
 そこで、私自身は、戸別所得補償というのは非常に名前だけが独り歩きしていて非常に矛盾点がやっぱり多いと思うんですね。特に、やっぱり全国一律でというその一つの算定の仕方というのは大変難しい面が出てくるのではないのかなと。特に平場、あるいは中山間地域、私自身は中山間地域に位置するところで生をうけたので、やっぱりほかの地域に比べて生産コスト非常に高いんですね。販売価格と生産価格の差を埋めるということになってくると、中山間地域のコストというのは平場よりもはるかにやっぱり高くて、これはもう全部の農家の人たちに所得補償をするというような認識を皆さん方がお持ちになっている、そういう感じにはならないんじゃないのかなと。
 私は、きめの細かいことじゃなきゃいけない。農業をやっている人たちの中で、特に米農家の人たちばかりじゃないんですよ。西南暖地、少なくとも九州では、やっぱりお茶もやっている人もいれば畜産と米をやっている人もいる。果樹でも、ミカンとかキウイフルーツ別々にやっている人がいる、専業でミカンだけやっている人じゃないんですね。水産の在り方も、遠巻きとか一本釣りもある、あるいは養殖もあるし、様々なんですね。
 だから、そういうものを個々にやっぱり細分化して、その中で一定の、一つのやっぱりデータが出た中で一律にやっていくというなら所得補償の恩恵を受ける人がくまなく出てきて非常にその効果はあると思うけれども、不安の方が今非常にやっぱり多いんですよ。
 特に、今までやっぱり担い手に土地を集約をし、そこの中でやろうとやっていった人たちが、こういう一つの戸別所得補償でやっていくと、兼業農家の人たちで集落に入っていた人たちが土日に集落に入らずに、やっぱり土地の貸しはがしというのが現実的に起きてきていますよ、不安がって。
 そういう問題を一つ一つ考えると、やっぱり声高に所得補償、所得補償と言ってきた、その所得補償のすべてを私は否定するものではないんです、すべてを。もう少しやっぱりデータを整理してからやるべきではなかったのかなと。やっぱり農村の集落に混乱が起きているという現実を本当に存じておられるのかなと。そういう集落の実態というのがどれだけ大臣にやっぱり伝わってきているのか。
 皆さん方のところは平場の名古屋地域の中で、平野部が多い名古屋で、もう大きい圃場ばかりのところかもしらぬけれども、大体圃場整備して一反歩か二反歩、広くて二反歩なんですよ。ほかのところよりはるかにコストが掛かる。すごくやっぱり地域に混乱を生じているという事実についてどうなのか。
#32
○国務大臣(赤松広隆君) まず、事実関係だけ先に申し上げますが、山田副大臣から私が報告を受けておりますのは、額が多過ぎるとかなんとかとか、減らせみたいな意見は全くそちら側から、菅副総理側からはなかったと、事業の説明をしてほしいというようなことでお話をしたということを聞いております。ですから、必ずしもこの新聞の書き方は正しくないというふうに思います。
 それから、今、戸別所得補償制度全体の問題についていろいろおっしゃっていただきました。いろいろ御心配があったり、まだやっと説明に入ったところですし、予算が確定していないものですから、例えば本来定額分のところですね、その金額もなかなか明示することできないということで、そのために、この場合はどうなんだろう、幾らぐらいもらえるんだろうかみたいな若干の御心配はあると思いますが、これもできるだけ予算の確定を見ながら、実際に具体的に地域に今入って既にそれぞれの農政局長等が大まかな御説明はもうしていますので、その中で今御心配の点は払拭されるのではないかと思っております。
 現に、全中、全農の皆さん方からも、一部ここはこう変えた方がいいな、もうちょっと額を上げてもらった方がいいなということはあったにしても大変御評価をいただいておりますし、自民党政調会長からも、これはいいじゃないかというようなことを記者会見でわざわざ御指摘をいただいたり、あるいは今まで減反政策に反対をしてきた、今の農政に反対だと横を向いていた方たちも、むしろこんなすばらしい制度だったら是非全員入ってやりたいということで、そういう声が続々と私の元に今聞かされているというのが実態ですので、是非その点は、説明はもちろんします、丁寧にやります、是非それを聞いていただければ私はその辺の御心配はないんじゃないかと。
 それから、多分ほかの方のまた質問で出ると思うのであらかじめ言っておきますが、(発言する者あり)いやいや、その営農のいわゆる集落に入っている人たちが、そんないい制度だったら我々はやっぱり自分でやってみるわというようなことで、どんどん逃れているんじゃないかと今御指摘があったものですから申し上げるんですが、ここにちょっとそういう試算もしてみました。しかし、どう考えても、今土地を貸して幾らもらっている平均的なもう単価が出ていますから、そういうことから考えると、そこでわずかの土地を戻して自分でまた労力掛けて機械も入れてやるよりも、今まで貸したままにしておいた方がこれはより利益が上がるなということで、余り貸しはがしのようなことがもう全国でどんどん起きていくということは想定しにくいというふうに思っております。
#33
○岩永浩美君 時間が来ましたから終わりますが、細かい点については後日の委員会でまた再度質問をさせていただきたいと思いますが、少なくとも米政策、水田の利活用の中で、大豆とか麦とかというふうなものを拡大することによって自給率を高めようという議論を今までしてきた、その一つの単価の見直しが非常にやっぱり偏ったりして不公平が出てきたり今していますよ。だから、そういう問題については後日の委員会で再度質問させていただくことで、野村先生の質問に移らせていただきます。
#34
○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。
 赤松大臣、そしてまた私ども参議院の方から郡司副大臣、舟山政務官、本当に御就任おめでとうございます。遅くなりましたけれども、改めてお祝いを申し上げます。この二か月間、大変な激務だということを新聞等々で拝見いたしておりますが、皆さん方の御精励に心からの敬意をまずもって申し上げる次第でございます。
 通告で六項目ほど出しておりましたけれども、六十分ということでありましたけれども四十分に削減されまして、ちょっと緊急性というか、日程的に差し迫っているものを先にやらせていただきたいと思います。
 まず、WTO、EPAの問題でございます。
 私、選挙前に皆さん方のインデックスを見て、本当にびっくりしました。これはまだ新聞が報道する前にインデックスを見させていただいたときに、外交のところに米国とのFTAを締結すると、大変びっくりした次第でありまして、多分農林水産委員会の先生方も農業のところは見ておられると思うんですけれども、分野的に、外交のところを見ておられなかったから、しまったと、こんなはずじゃなかったと、だから後で修正しようと、大変なこれは私どもやあるいはまた農業団体の皆さんも大変お怒りになったわけでありますが、そういう意味で修正されてきていることは、これはそれでいいんですけれども、ただ、やっぱりそういった危うさというか、私どもは基本的な民主党の外交あるいはその貿易に対する姿勢というのが根底にあるんだということを実は思っております。
 そこで、大臣にお伺いしますが、FTAはアメリカだけなんですか。ニュージーランドもあればEUもあればカナダもあるんですが、何で米国というふうに書き切ったんですか、そのところをお伺いします。
#35
○国務大臣(赤松広隆君) 私自身がFTAをつくった当事者じゃございませんので明確にはお伝えすることができませんけれども、ここの、これはマニフェストの政策各論のところで、多分先生が御指摘の文は五十一、五十二というようなところでお指しになっているんだろうと思いますが、たまたま区分が外交に入れたものですから、緊密で対等な日米関係を築くというのが主項目なんですね。ですから、当然、そこの項ではFTAについて、アメリカとのFTAについて触れられているということでございます。そのほかにも、御存じのとおり、今各国とのFTA、どんどん具体的に進められるところは進めておりますので、アメリカだけという考えではございません。
#36
○野村哲郎君 ですから、私は非常に危うさを感じると言いましたのはそういう意味なんです。多分農林水産委員のこのメンバーの方が見ていたら、何でアメリカだけなんだと、アメリカ等、米国等とか、何かそこにやっぱり付記されていればそういう誤解も招かないし、あるいは私の誤解かもしれませんが、そういうことは絶対になかったはずだろうと、こういうふうに思います。
 それはそれでさておいて、いよいよ十二月から閣僚会議が、WTOが開かれます。そしてまた、十一月の十七日から二十五日までは日豪のEPAが開催をされます、交渉が。
 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、この日豪のEPA問題につきましては十八年の十二月七日そして十二月十二日、衆議院、参議院のこの農林水産委員会で決議されたことを御存じでしょうか。
#37
○国務大臣(赤松広隆君) 衆参で行われた国会決議ですね、各委員会で、存じております。
#38
○野村哲郎君 何を申したいかというと、この決議の中では大変重要な内容を実は含んでいるわけであります。
 赤松大臣、余りそうされなくても結構です。決意のほどをお伺いするだけでございますから、内容のほどはもういいです。
 ただ、この中の決議の中で、やはり重要品目であります米なり麦そして牛肉、乳製品、砂糖、この重要品目が除外又は再協議の対象になるように全力を挙げて交渉することというのが、大変重要な項目が入っておりますし、さらに交渉に当たっては、交渉期限を定めず、粘り強く交渉すること、万一我が国の重要品目の柔軟性について十分な配慮が得られないときは、政府は交渉の継続について中断も含め厳しい判断をもって臨むと、こういうふうに実は決議をいたしているわけでありますが、この決議について、今後、先ほど言いましたWTOなりEPA交渉があるわけでありますが、大臣はどう認識され、そしてどういうふうな決意を持っておられるか、そのことをお伺いしたいと思います。
#39
○国務大臣(赤松広隆君) 今御指摘の日豪の協議につきましては既に十回、回を重ねてやっております。しかし、大変オーストラリアの側からは豚肉を始め非常に我が国にとってセンシティブなそういうものの開放を求めておりますので、非常に交渉は難航しているということでございます。
 ただそこで、私どもは、これは全会一致で決められた決議でございますので、そういう意味でも今先生が御指摘をいただいたような重要品目問題を始め、守るべきものはしっかり守っていくという立場でやってまいりますし、それによって日本の農業が大きな打撃を受けるというようなことについても、これは私ども民主党のマニフェストでもそういうものはしないということについても明確にお書きをしておりますので、そういう立場で私ども交渉に臨んでいきたいというふうに思っております。
#40
○野村哲郎君 大臣がおっしゃるのは、国会答弁でも守るべきは守るということをよくおっしゃっています。余りにも抽象的であります。ですから、この国会決議を遵守すると、私は農水大臣として遵守するということをはっきり言ってくださいよ。
#41
○国務大臣(赤松広隆君) 遵守いたします。
#42
○野村哲郎君 今の大臣の決意を聞きまして、大変私もほっとしているところでございます。
 それでは、次の項目に移らせていただきますが、サトウキビ、でん粉原料用カンショ、この価格がもうすぐ今月いっぱいで決まるという話も聞いております。これは、この品目別の経営安定対策の中で三年間の経過措置が設けられておりまして、また価格も三年間固定ということでございまして、いよいよ来年から価格の改定がなされる、来年からの価格改定に向けて今月中には出るのではないかというふうに思っているところでございます。
 それで、郡司副大臣にお伺いしたいんですけれども、私どもの種子島に行っていただきまして本当にありがとうございました。また、山田副大臣も沖縄に行かれたということを伺っておりますけれども。
 そこで、非常に地元の皆さんも価格がどうなるのだろうか、あるいはいろんな対象要件がどうなるのだろうかという大変心配をいたしております。記者会見で、郡司副大臣の記者会見を見ますと、非常に農家の皆さん方もある程度安堵したようなふうには受け止めておりますけれども、改めましてこのことについて、現地を御覧になっていただいた、そしてそれを御覧いただいた上での政策決定あるいは価格決定をどうされるおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。
#43
○副大臣(郡司彰君) 御質問をいただきました。
 先日、種子島の方にお伺いをさせていただきました。そして、これはもう野村委員がよく御存じのところの地域、そして内容もよく御存じのことだと思いますけれども、私も初めて伺わさせていただいて、サトウキビが北限の地である、それからまた、種子島方式と言われるような、沖縄などと比べますとという言い方をすると大変恐縮なんでありますけれども、大変に圃場もきれいにされていて、農村の景観的にも非常に美しいような形の耕作をなされている、放棄地も少ない、頂上に至るまで耕すような形を取っている。大変に島でお暮らしの方々の甘味作物に対する熱意というものも感じさせていただきました。
 そして、今年はその三年間のものが変わる年だということについての生産者の不安な気持ちというものも伺ってきたところでございます。基幹作物として島にとってはなくてはならないというようなことを十分勘案をした上で、今月の末あるいはまた来月の上旬の辺りまでにはしっかりとした対応を取るように今省内で検討をしておりまして、皆様方の不安を解消できるような内容をできるだけ取っていきたい、そのように大臣とも相談をしているところでございます。
#44
○野村哲郎君 大変、現地で御覧いただいて、また記者会見でお話しなさったような内容で、ほっとしております。
 ただ、価格の問題につきましては、確かに統計では生産費が少し下がっておるというふうに認識をいたしておりますが、ただ、これは収量が上がった、この収量の上がったのは、もちろん天候のこともありますけれども、農家の皆さんのやっぱり努力なんです。これはもう御覧いただいて、圃場を御覧いただいて、本当に草一本生えなくなりました。ですから、それだけ管理を丁寧にしながら収量の増加に努めてきた、この三年間の農家の努力を、是非ともそこを加味していただきたい、そのことをお願い申し上げたいと思います。
 そこで、三つ目のまた問題に入らせていただきますが、実は養豚の問題であります。
 先月の十三日からですか、調整保管が始まりました。私は、もう日本一の産地として、宮崎県の今日は松下先生もいらっしゃいますけれども、南九州は養豚の産地であります。もう農家の皆さんの悲鳴が上がっております。調整保管をしていただいてからも、ずっと私は毎日毎日の相場を見ておるんですけれども、四百円を超えたのがわずか二日か三日間でありまして、ほとんど三百九十円台の後半に張り付いている。この養豚農家の今の生産費は、役所の統計でいきますと四百八十六円なんです、四百八十六円。ですから、これは、すべての全生産費が入っていますけれど、四百円というのはとてもじゃございませんけれども養豚農家の皆さん方の経営は成り立っていかない。そのために宮崎県でも一番大きい養豚農家がつぶれました。そして、私のところでももう三軒ほどつぶれました。私は、このままいくと十二月を越せない、年を越せない、そういう思いでございます。
 ですから、何か対策を、アクションを役所として起こしてもらえないのか、調整保管だけなのかと、そういう気持ちでおるところでありますが、ただ、もう一つのセーフティーネットということになりますと地域肉豚基金があるわけですが、お伺いします。地域肉豚基金が、もうこれだけ安値が続いたものですから、基金をどんどん発動して、そして完全にパンクした県が幾つありますか。それと、十二月ごろまでにパンクする県が幾つございますか。
#45
○国務大臣(赤松広隆君) パンクするところ幾つあるなんということを予測をこういう場で申し上げるというのは大変その県に対しても失礼ですし、ちょっとそれはあれですけれども、今、地域基金の支払可能月ということで、九月までに茨城、岐阜、高知、それから十月までに山梨、三重、福岡と、この六県が正直言って大変厳しい状況にあるということは御報告してもいいというふうに思っております。
 先生の趣旨としては、要は、養豚農家が今大変苦労していると、政府として、確かに施策としてやってくれたけれども、調整保管もやってくれたけれども、なおそれでも期待するような額に上がっていないじゃないかという御趣旨だと思います。
 確かに、しかし全く、じゃ役に立たなかったかというと、私どもの調査では、十月中旬には三百六十円、キロ当たりですね、だったものが三百六十円台から、これは十一月十八日の数字ですけれども、四百三円というところまで持ち直してきているということですし、それからまた、これから年末に向けて通常ですと需要も多少、例年の形でいいますと、需要も大きくなって価格も多少上がっていくということが旧来の例からは予測もされますので、そういうことを注意深く見守っていきたいと思っております。
 あと、調整保管のほかに、今生産者の皆さん方にもお願いをしまして生産抑制の取組をしていただいていますし、それから母豚の早期の更新等も支援する事業も実施をしておりますし、それから十月下旬からは農林漁業セーフティーネット資金の貸付審査の迅速化についても図られるようにやっておるところでございます。
 これらのことを矢継ぎ早にやってまいりましたけれども、委員御指摘のような形で、十二月越せるのかと。私どもは何とか少しでも価格が上がってほしいなという期待を込めながら注目をしているというのが現況でございます。
#46
○野村哲郎君 今の大臣のメッセージで価格が上がればいいんです。上がってほしいなって、そんな悠長なことを大臣言っている暇はないんですよ。豚は毎日毎日大きくなっているんですよ。そんなことで、上がってほしいななんて、そんな担当する大臣がおっしゃるのは私はどうもけげんな気持ちがするわけであります。
 何でそんなことを言うかというと、牛も大変なんです。枝肉相場はずっと下がりっ放しです。特に、高級部位ほど下がっています。そして、豚も安い。ブロイラーまで安いんです。ですから、これは、私はこれは景気の問題だというふうにも思いますけれども、原因は。ただ、ここで支えておかなければ、いいですか、私は、大臣、ここを言いたいんです。
 畜産農家というのは長年掛かって淘汰されてきたんですよ。例えば、豚で六〇年は八十七万戸いたんです。今七万戸しか全国いないんですよ。十分の一に減っちゃったんです。米が百八十万、あるいは豚でいけば七万戸ぐらいしかもういなくなっちゃったんですよ。あるいは、酪農の人も二万四千戸しかいないんですよ。この方々が日本の牛乳や肉を守ってもらっているんです。この人たちがいなくなったら、日本から牛乳とあるいはまた肉は消えますよ。ですから、ぎりぎり今日まで苦難を乗り越えて残っている人たちなんです。ここに支えないと、国が支えてやらないと、本当に私は先ほど言いましたように、自給率の問題もありますけれども、私は日本から牛乳やあるいは肉が消えてなくなる日が来る、そういうことを非常に危惧いたしております。
 ですから、役所には、畜産の皆さん方、大変すばらしい方がいっぱいおります。何か知恵を出せと大臣が指示していただければ、政務三役が指示していただければ、立派な知恵を出しますよ。是非そのところを言って指示していただきますように、決意のほどをお願い申し上げます。
#47
○国務大臣(赤松広隆君) 野村先生の熱い本当に、養豚、こうした生産者の皆さん方に対する思いは重々今お伺いをいたしました。
 そういうことを受けまして、今手だてはいろいろ講じてきたわけでございますけれども、本当に委員御指摘のような、これから四百何円台が更に上がっていくのか、あるいは残念ながら下がってしまうのか、やっぱりそういうことを見ながら、さらにこれは大変な状況だということであればそれは何らかの手だてを打たざるを得ないということは当然出てくると思いますので、別にただ黙って見ているという意味ではなくて、注意をしながら、真剣にそこを見ながら、必要なときは果敢に手だてを打っていけるようなそんなことも事務方にも指示をしながら、私ども政務三役も特にこの豚価についてはちゃんと注目をして期待にこたえられるように頑張っていきたいと、このように思っております。
#48
○野村哲郎君 今、大臣が期待にこたえられるように頑張りますという大変前向きな御答弁をいただきましたので、この当面に対する問題は以上で終わりまして、私は戸別所得補償制度について幾つか御質問を申し上げたいと思います。
 私どもは皆さん方のいろんな資料というものが入手できませんので、二十二年度の概算要求、そしてまた第二回目の推進本部の内容、そのぐらいしか把握しておりません。まだほかには新聞もありますけれども、勘違いしている面もあるかもしれませんので、その点は御了承いただきたいと思います。
 そこで、先日の、おととい衆議院の農林水産委員会で私どもの同僚の赤澤委員の質問に対して、赤澤委員が岩盤が厚くなればなるほど価格を下落させ負のスパイラルが加速されると、こういう指摘をしておりますが、私はそのとおりだというふうに思います。そういう方向になっていくのではないかというふうに思います。しかし、赤松大臣の答弁は、今回のモデル事業は生産数量目標に即した生産を行う農家に対する強力なメリットになる、したがって需給の引締め効果は十分にあり、米の値段が下がるということはあり得ないと、こういうふうに答弁をされております。
 そこで、米の値段が下がらないのに何で補償費が三千四百億、これだけの、一俵当たり二千九百円ちょっとだと思いますが、計上されているのか、まずそのところからお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(赤松広隆君) 正確にはまだ予算もお認めをいただいてないものですから、先生の御質問にお答えするには本来であれば定額部分が幾らになる、あるいは変動部分が幾らになるというようなことできちっと御説明すれば本当はもっと分かりやすいんだろうなと思いますが、さきの衆議院の農水委員会で私が申し上げたのは、少なくとも米のこの戸別所得補償については、生産者の皆さん方がこの制度に参加をしていただければ少なくとも約束されたものは価格が幾らであろうがきちっとそれは補償をされてくるわけです。補償されてくるわけです。その意味で、先ほどの岩永先生のときも申し上げましたけれども、今まで、いや、おれは作りたいだけ作るんだと、その方が売れてトータルでいえば利益になるんだと言っていた人まで含めて生産調整にすべてといいますか生産数量目標に従ってちゃんとやりますと、その空いたところの水田を利活用して、そしてそれでは米粉を作りますとか、あるいは飼料米を作りますとかいうことを言われている方たちが今大変多いわけですね。
 そういう意味でも、この制度が非常に農家の皆さんにとって魅力のある制度ということで、今私のところにはそういう意見も多いものですから、結果的には非常にこれはメリットがあるということで、そこにみんな参加していただければきちっとした全体の生産数量目標が決まり、各県ごとに割り振り、またそれぞれが各農家ごとのそれぞれの数値を決めていくということになれば、今までと違って予想を超えてこれだけの米がだあっと市場に流通してしまうというようなことについては、絶対ないとは言いませんけれども、かなり需給の引締めが行われると。あり余る米が市中に行って価格がだあんと大暴落すると、下がれば下がるほど一番損するのは、そういう制度に乗っからなかった人たちはただ売って利益を上げるだけですから、その人たちは販売価格が下がればもろにそれをかぶりますけれども、この戸別所得補償制度に入っている人たちはそういう被害を受けないわけですから、そういう意味からもいえば、需給はかなり引き締まると。そして本来、私ども、もう一つの大きな目的であった自給率の向上、これはきちっと図られていくと。
 それからもう一つは、今回の額もきちっと近いうちに明らかにしますけれども、国策になって価格が下がった場合にも十分それは備えられる水準ということでもってこの基準ができております。ですから、その意味で額が多過ぎると思われるかもしれませんけれども、そういう価格が下がってあれした場合にも当然その差額分をより多く補てんをしていくわけですから、予算としてはたくさん要るということになりますけれども、そういうことも加味をしてこの三千三百七十一億円が概算要求として私どもから出されているということを御理解いただきたいと思います。
#50
○野村哲郎君 今大臣は、生産調整に協力する人たちが、メリットを還元するんだと、こういう趣旨で答弁されたと思いますね。ですから、これは私ども与党時代に、補正で三千円の言わば協力金という形でやりました。これが形を変えて、一万円なのかあるいは一万五千円なのか私は分かりませんが、そういう協力金に変わってきたということで理解してよろしいんじゃないかと思いますが。
 ただ、やっぱりもろ刃のこの問題というのは危うさがあるんです。なぜかというと、やっぱり岩盤が厚くなればなるほど、相対取引ですから、例えば米センターにみんなが出すんならいいんですけれども、相対ですから必ずこれは米価の下落圧力は掛かる。このことは、私どもは一番、流通の段階でも実は心配していることなんです。ですから、そういう問題があると、もうやってみなけりゃ分からぬぞとおっしゃるかもしれませんけれども、必ずそういったような相対取引の中では業者の皆さん方がやっぱり価格を下げて取ってしまう、そういうおそれがありますので、十分そこのところは問題認識としてとらまえておいていただきたいと思います。
 そこで、私は、皆さん方が積算されている、積算というか、全国統一的に生産費とそれから販売価格、この差額を補てんしますと、こういう話ですけれども、まずは岩永委員も話が出ましたように、生産費ですら、これは全生産費で見たときは高いところと低いところでは十万円、一反歩当たり違うんですね、生産費が。役所の方で、〇・五ヘクタールからあるいは十五ヘクタール以上、この統計を八段階取っていますよ。一番高いところと一番低いところでは十万円の格差があるんです。ですから、そこを平均化していくということについて、これはやっぱりそれぞれの産地の皆さん、先ほどありました中山間地を抱えているところ、あるいは大規模なところ、この不公平感が私は、全国一律平均というのは出てくるということが一つあります。
 それから、販売額にしてもそうなんです。今まで皆さん方が、それぞれの産地がおらが米ということで大変な努力をしていただいて、ブランドを確立していただいた。この差が大臣、一万円あるんですよ、販売価格、六十キロで。差が一万円あるんです。そして、四十八銘柄のうちの三十六か七は平均よりも低いんですよ。ですから、銘柄によって相当の差が出てくる。ですから、生産費もこれだけの格差が出てくる。そうすると、販売も格差が出てくる。
 そうしますと、どういうことを言いたいかといいますと、全国一律というのはどうなのかということであります。私はこれだと、今までは私どもの自民党政権のときに、長年、生産調整、減反をしていただきました。そして、協力者、非協力者の不公平感、不平等感があるじゃないかということも皆さん方も御指摘をいただきました。今回、新たな不公平感が出てくるんです、これでいきますと。
 ですから、これをもう少し小まめに、地帯別なり銘柄別なり何らかの仕組みをつくっていかないと、乱暴ですよ。余りにも乱暴、全国一律なんというのは。だれが考えたか知りませんけれども、こういったことをやられると、それはいいところの皆さん方はいいですよ。だけど、生産費の非常に高いところ、あるいは収量の上がらないところ、収量でも高いところと低いところでは二俵違うんですよ。一万四千円すると、二万八千円の販売価格が違うわけですよ。だから、そういったところを是非お考えいただきたい。どうですか。
#51
○国務大臣(赤松広隆君) この制度の多分基本にかかわる一番のポイントだと私は思っております。
 私ども、いろんな考え方をしました。例えば委員御指摘のような、地域ごとに、地域ごとに生産費や販売価格が違うと。じゃ、そういうことを加味して全部ばらばらにやってみた場合どうなのか、あるいは私どもが今回提案した全国一律のときはどうなのか、いろいろ考えてみました。
 仮に地域別の生産費や販売価格を使った場合には、ある意味でいえば、生産性の悪いところは、元々努力、仮にしなくても生産費が高くなっていると。あるいは販売価格が元々低くなっているなんということをもうその要素の中に入れていったら、結局、販売価格が低くなっている地域の方が努力した地域よりも国からの交付金はより多く受け取るということになります。
 確かに全国の状況を見れば、北海道とそれから非常に小さな面積のところでやっている地域との生産性その他違いがあることはこれはもう十分承知をしておりますし、それも認めます。しかし、これを全国一律にすることによって、そしてかなり厳しく米価等の販売価格を見ることによって、少なくとも、小規模であっても大規模であっても最低限のこうした農家としての営農が続けていけると、そこだけはきちっとまず保障しましょうと。
 その上で、その上で実際には生産性が上がる、あるいは土地の集約をする、あるいは集約農業でいわゆる協業化もどんどん進んでいく。そういうことによって、自らの努力でどんどんと生産コストが下がっていけば利益はどおんと出るわけですから。それはしかし、頑張った人は頑張った人に全部それは跳ね返ってくると。頑張った分だけ、みんなで力を合わせた分だけ、みんなで協業化を進めた分だけそれはプラスになるという、そういうやっぱりインセンティブもないと、それはもう前政権でもいろんな土地の集約化や協業化を進めてきたわけですけれども、それがないために私は結果的にはうまくいかなかったということも踏まえて、そういうことを是非今回取り入れたい。
 しかし、致命的に、致命的に例えば中山間地のような、農家として努力をしても、あるいはいろんな工夫をしてもどうしても採算が合わないというところ、あるいは収益が上がらないところ、そういうところもあるのも事実でございます。
 ですから、これは前政権のときからもありますけれども、中山間地域の農家に対する直接支払、これは引き続いて現政権でも行っていくと、そして、こうした小規模農家、中山間地のような不利な条件の下で農業に頑張っていただいている皆さん、それは、単にお米を作るということのほかに、本当に地域の水や緑や環境を守っていただいている、あるいは自給力の向上に大きくそういう人たちが貢献してきていただいている、そういうことをまた別の意味で評価をして、こうした中山間地直接支払、こういうものについてもむしろきちっと継続をし、充実をさせていくべきだという立場で私どもは考えております。
#52
○野村哲郎君 努力する者が報われるというのは、これは当然の話であります。ですから、これは私どもも大臣の御意見と、御答弁と一緒になるんですが、ただ、中山間地にしてもそうでありますが、地帯によって収量というのは全然違うんです。全然違うんです。
 先ほど言いましたように、秋田だとかあるいは高知とか比べたら、うちの鹿児島もそうですけど、二俵は違うんですよ。努力じゃないんですよ、これは。だから、そういうものも加味していかないと、努力努力っておっしゃいましたけど、これはやっぱり天候あるいはその土壌、いろんなものが私は影響していると思うんですが、品種の問題もありましょう。だから、そういうものもやっぱり加味していかないと、この差は埋められないと思いますよ、全国一律じゃ。
 しかし、もう時間がなくなりました。大臣のその御答弁は、衆議院でも同じようなことをおっしゃっておりましたので十分趣旨はよく分かっているつもりです。
 そこで、もう一つ、私は、今回問題なのは、水田利活用自給力向上事業であります。これは、本当に私は大変な現場を混乱に陥らせているというふうに思います。
 なぜかといいますと、一律に単価をお決めになった。一律に単価をお決めになった。私の鹿児島でいきますと、麦も大豆も作れないんですよ。大臣は、飼料用米を作ればいい、米粉を作ればいい、小麦を作ればいい、自給率が上がるぞと、こういうお話ですが、野菜しか作れないあるいはたばこしか作れない、そういう地帯なんです。そして、長年の間に水田協議会が中心になって地域の野菜のブランドを作ってきた、これが完全に崩壊する。あるいは、ゆうべも町村会に御出席の町長さん方と話をしていましたら、もうこれでブロックローテーションが完全に破壊だと、こうおっしゃっているんです。今まで長年培ってきた地域の努力、創意工夫、こういうものが完全に無視されている。たった一万円ですよ。
 例えば、私のところで申し上げますと、カボチャ、これに六万七千円実は出しているんです。出して、ようやくカボチャ団地が団地化できてブランドもできたんです。そうすると、今回のはその他でたった一万円でしょう。そのほか全部農家に直接支払うから、協議会に行く今までのような使い勝手のいいものは、その他の作物の一万円しかないじゃないですか。
 何でこういったようなことを打ち出されたんですか。これは大臣じゃなくても副大臣あるいは政務官でも結構ですけれども、実務的な話でありますので。
#53
○国務大臣(赤松広隆君) おおよそのめどとして一万円という、その他作物についてはということを明示をしております。
 そこの説明のところをちょっと見ていただけると分かるんですが、そこでは、麦、大豆等の戦略作物以外のその他作物について、地域の実情に応じて柔軟に助成対象作物、単価を設定できる仕組みを我々今要求をしているところだというふうに書いてあるんです。ということは、地域によって、今先生おっしゃったような、鹿児島ではこういうものしかできないんだ、あるいは高知県ではこういうものしかできないんだと、これについては地域特産の作物として、こういう具体的な単価の付け方をしたいというようなことについてもその辺は柔軟にできるように、私ども今、これは予算が伴うものですからそれは認めていただかなければという前提はありますけれども、そういうことも併せて考えさせていただいていると。
 それからもう一つは、大枠でちょっと理解してもらいたいんですが、あくまでも二十二年度はモデル事業ですから、ですからモデル事業の中で、これはその他作物に限りませんけれども、いろんなところに結果として私どもの予想を超えるような成果が出たりあるいは予想どおりじゃなかったり、そのためのモデル事業ですから、当然二十三年度からの本格実施の中ではそういうことを踏まえて、そういうことを踏まえて、より期待のできる、より私どもが目指すような、そういうものに変えていくことは決してやぶさかではありません。そのためのモデル事業として、例えばほかの水産なんかについては調査事業もやりますけれども、現に米あるいは水田利活用の戦略作物、その他のもの等々についてもそういう考え方をしているということで御理解をいただきたいと思います。
#54
○野村哲郎君 時間がありませんので、大臣、手短な御答弁を是非お願い申し上げたいと思いますが。
 今おっしゃいましたように一万円、それはどういう、単価を決めてもいいよと言うけれども、今まではすべてが水田協議会の方に来たから、例えばカボチャに六万七千円出してもよかったんですよ。今回はほかのものは単価が決まって農家に直接行きますけれども、その一万円部分しか行かないじゃないですか。だから、幾ら使い勝手がいいといったって元々国の方から出される金額自体が一万円ですから、だから、もういいです、もう時間がありませんのでね。
 それと、最後に申し上げたいのは、まだいっぱいありましたけれども時間がありません。実は大臣よく聞いてくださいよ、私は、皆さん方がこういう制度をつくられて、来年度からモデル事業をやる、モデル事業、モデル事業とおっしゃいましたけれども、このモデル事業の目的と効果は何を求めておられるんですかということです。何を求めてモデル事業、そして大臣は答弁の中でも、これをやってみていろんな不具合なところが出てきて、それを検証して二十三年度から本格稼働させるんだと、こうおっしゃいましたけれども、だったらば、検証するためには、何を目的なのか、どういう効果をねらっているか、政策効果があるのかということを、なければこれは、私は二十三年度からの本格稼働というのはできないというふうに思います。
 そこで、もう御答弁は要りません。時間がありません。答弁は要りません。私はもう言うことだけを言っておきます。
 それで、今朝の新聞を見ましても、高速道路の無料化も、名神もあるいは四国架橋のところも、もうこれは外さざるを得ないのかなという前原大臣の御英断ですよ。そして、いや御英断、そうですよ、みんなが不安に思っていたわけですから。そして、今回のこの制度も、農水省から出されたこの制度も今現場は大変不安に思っているんです。私どものところは二月末から三月にはもう早場米を植えちゃうんですよ。まだ制度の中身が出てこないじゃないですか。不安の中で種もみを加工して、みんなもう植え付けちゃうんですよ。だから、集中審議か何かをしていただかないと。
 四十分に削られたものですからもう言う時間がないんですが、要は、何を言いたいかというと、いい制度にするためには、現場の声を聞いて、そして与野党の議員も本当にこの議論をして、より良いものにしたいから私は申し上げているんです。それには時間がないじゃないですか。何でこんなに功を焦られるんですか。ほかの大臣は、国交大臣にしてもそうです、ほかの大臣は今回このマニフェストで掲げた目玉商品を、じゃもうマニフェストどおりにはいかないよなということで削っておられるんですけど、何でこの戸別所得補償はばっと走ろうとしておられるのか、最後にそれを聞いて質問を終わります。
 ありがとうございました。
#55
○国務大臣(赤松広隆君) 全く焦っているわけでも何でもありません。私どもはマニフェストに従って、ちゃんとモデル事業を二十二年度からやるって書いてあるんですから、ですからそれに従ってやっていくと。しかも、米の戸別所得補償については三千数百億ですから、これは決して過大、大き過ぎる額でもありませんし、一方で、私どもは、この農水省の中で四千七百億円、補正だけでも削ってきているわけですね。
 ですから、そういうのを削りながら、無駄なところを削って本当に必要な農業のために、農業の再生のために最低これだけはモデル事業でも必要だというものをきちっと計上しているということで、それは冒頭申し上げましたけれども、実際にそういう農業に従事しておられる組織である全農や全中や、あるいは皆さんの党の政調会長でさえ大きく評価しているじゃないですか。意見は意見としてきちっと言ってもらってもいいけれども、しかし、そういうやっぱり評価もきちっと皆さん方が見ながら、そしてこういう論議をしてもらいたいと、このように思います。
#56
○松下新平君 私は自由民主党・改革クラブの松下新平です。二年ぶりにこの農林水産委員会に戻ってまいりました。十六年初当選のときに民主党会派で三年間お世話になったんですけれども、今回、自民党会派の方で委員の方に入らせていただきました。立場は違うんですけれども、野党という立場は一緒でございますので、是々非々で取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、十月二十六日に鳩山総理が所信表明演説をなさいました。皆さん思い出していただきたいんですけれども、一時間近く演説をされたわけですけれども、農林水産業に関する、触れられたことが本当に少ないんですね。皆様の記憶に薄いと思いますので紹介させていただきますと、たった一行なんです。「戸別所得補償制度の創設を含めて農林漁業を立て直し、活力ある農山漁村を再生する」と。もちろん、この文字の、発言の時間で決めるわけではありませんけれども、だからこそ、赤松大臣には農林大臣としてメッセージ、発言を強めていただきたいと思うわけであります。
 政権交代をして政治主導に、民主党の政治主導に対する期待もある反面、財源あるいは外交に対しての不安も寄せられておりますので、そういった意味で、赤松大臣、農政の現状を踏まえたときに、メッセージを、力強いメッセージを期待したいと思います。
 そこで、まず第一問目ですけれども、先ほどお話がありましたけれども、ほかの大臣、いろいろマスコミに出られてアピールされておりますけれども、是非、農林大臣もこの日本の農政を語っていただきたいんですけれども、端的に、赤松大臣が農水大臣になって目玉として何をやられるか、それをまずお述べいただきたいと思います。
#57
○国務大臣(赤松広隆君) これはもう私個人もそうですし、また与党としての私どもの農林水産行政における一番の目玉は、やはり戸別所得補償制度でございます。これによってしか私は農山漁村の再生はあり得ない。
 現状についてもう委員多分当然のこととして御承知だと思いますけれども、例えば農業所得も十五年間で半分に減っちゃう。農村へ行けばお年寄りばかり、後継者がいない。そして、耕作放棄地と言われるようなところが三十九万ヘクタールもあるというような中で、これは農地に限りませんけれども、山林、林業もそうですけれども、そういうものの再生なくしては、私は、日本の農業ばかりではなくて、本当に地域の再生はあり得ないというように固く信じております。
#58
○松下新平君 続きまして、米国とのFTA交渉、この考え方についてなんですけれども、先ほど野村委員の質問に対して大臣が、マニフェストには直接かかわっていないというような趣旨の発言をされましたけれども、民主党はこのマニフェストを契約として国民に約束されたわけですし、その民主党が政権取られて、その担当大臣をなさっているわけですから、そういう言い方は適切でないし、すべきではないと思います。
 そこで、改めてお伺いしますけれども、農林水産大臣として、先ほど国会決議の遵守の話もありましたけれども、この日本の農政を守っていくんだということを改めてお述べいただきたいと思います。
#59
○国務大臣(赤松広隆君) 先ほどの発言ですけれども、私は質問に対して、FTAがアメリカとだけしか書いていないのはおかしいじゃないかというお話があったので、それはたまたま外交の項目で、日米関係の中での項目で、日米関係の中でFTAをということで、それだけ書いてあったんじゃないですかと。
 現に、私どもは既にペルーとも、あるいはオーストラリアとも、これはいつ合意に達するか分かりませんけれども、しかし、それぞれの国々ともう既にFTA交渉を進めておりますし、もうFTAが成立したところもございますし、引き続いて世界の自由な貿易の実現のためにそういう努力はしていこうと。
 ただし、そのときの基本的な姿勢、前提になるのは、衆参の委員会での決議もございます。守るべきものはしっかり守っていく、日本の農業が後退するようなことにならないように譲れないものは譲れませんよという姿勢でやっていく、それに尽きると思っております。
#60
○松下新平君 省益ではなくて、利害が対立する問題ですから、正々堂々と農水大臣として発言していただきたいと思います。
 次に、行政刷新会議、いわゆる事業仕分についてであります。私は、このやり方はフェアではないと指摘したいと思っております。情報公開、オープンな場でされているということをいいことに、裁判所で何か被告人を裁くみたいなやり方はフェアではありませんので、そこを指摘したいと思います。
 そこで、農林水産関係は三十五の事業が仕分の対象となっていると思いますけれども、そこで、皆さんもびっくりされたと思うんですけれども、農道整備事業の廃止が決定されました。もちろん見直すべきものは見直して当然ですけれども、赤松大臣は所信の中でもお述べになっているように、農地集積を進めると。そのためには当然農道の整備、基盤整備は欠かすことができません。
 同様の質問を衆議院でも、同じ宮崎県の江藤拓議員からも指摘されて、それに対して大臣は、これは最終決定じゃございませんと、次の第二ラウンド、最終的には大臣交渉ということで、多分三段階で、最終的に十二月の半ば過ぎぐらいに決まるのではないかと、自信と確信を持って出した来年度に向けての概算要求でございますと言われておりますけれども、再度、どういうふうに取り組まれるか、お伺いしたいと思います。
#61
○国務大臣(赤松広隆君) 今委員おっしゃったとおりで、特に副大臣や政務官の皆さん方は、約一週間、毎日六時間ぐらい掛けて省庁のそれぞれの立場の皆さん方と大いに議論をしながら、大いにちょうちょうはっしの議論をしながら出した結論でございまして、その意味でいえば、無駄なものはもうしっかり削っていくよ、しかし必要なものに特化して集中してちゃんとやっていこうということで、自信を持って出した概算要求でございます。
 それについて、わずか一時間で、専門分野の方もおられますし、全くこの分野に関係ない方もおられます。その方たちが、別にアマチュアの人でもいいんです、ちゃんと話を聞いていただいて、その上で御判断をいただけるというならいいんですけれども、残念ながらそうでない場合もありまして、最後は評決で、はい賛成何人、丸何人、三角何人、バツ何人、はいこれはもうというようなことで出されたことに対するいろんな御批判が正直言ってあるというのも事実ですし、一方、こういう手法が、非常に開かれた形として、国民の皆さんの中に、わあ、こんなに予算のあれって面白いのか、こんな中身だったのかということで、一方で評価が高いのも事実だと思います。
 ですから、私は、こういうオープンな形で予算審議をする、大いに議論していくということはもっとやっていいと思いますし、ただ私は、これは仙谷大臣にも申し上げましたけれども、やっぱり最後は国会議員と国会議員、政治家と政治家同士が大いに議論して、彼らが出したこれは自信のある作だと言ったら、いや、そう言っているけれどもここはこんなおかしいじゃないかみたいなことを政治家同士ががんがん議論してそれを国民の皆さんに見ていただく、そして判定は国民の皆さんにしていただくというようなことの方がもっと本当はいいんじゃないのかなというふうに思っています。
 横にそれましたが、農道の問題については、もう私どもは、そういう昔あったようなスーパー高速道路か見間違うようなスーパー農道を計上しているわけではなくて、本当になかなかトラクターも入らない、コンバインも入らないと、そういうところをきちっと整備をして、そしていわゆる路網というようなそういう作業道みたいのをきちっとやっていかないと農業における機械化も進んでいかないわけですから、そういうのを要求していたんですけれども、これもカットと、全部廃止と。
 じゃ、今やっている途中のやつは一体どうするんだと言っているんですけれども、全部廃止ですから、果たしてこれはそのままで私はもちろん済むと思っていませんので、今日、親会議がやられるというふうに聞いていますが、それを受けて第二ラウンドが始まりますし、最終的には政治家対政治家の話である大臣交渉も始まりますから、必要なものは必要なものとして取り返していきたいと思っています。
#62
○松下新平君 是非、政治のリーダーシップで、農水大臣として御奮闘をお願いしたいと思います。
 残りわずかになりましたけれども、民主党政権になられて農政に関していろんな不安も寄せられておりました。農業、林業、水産業、それぞれ地元からいただいておりますけれども、時間の限り質問したいと思います。
 まず、農業に関しましては、米の戸別所得補償制度であります。いろいろ質問がございましたけれども、モデル事業を開始されるわけですけれども、この対策を、確定を急いでほしいと。早場米などは南の方では来年の準備がもう始まっております。現場生産者は営農計画が立てられない状況にもございますので、これを、タイムスケジュール、しっかり示していただきたいと。
 もう一点は、他の品目、宮崎の場合は、生産調整に協力してきたという自負があります。そういった皆さんから、厳しいのは私たちも同じだと、その営農計画を立てる上において我々の品目はどうなるんだという切実な声も届いておりますので、その二点お伺いしたいと思います。
#63
○国務大臣(赤松広隆君) 米の戸別所得補償制度についての全体の大枠の話は、やっと数日前から各地方農政局を通じて該当の皆さん方に御説明をしているところでございます。
 しかし、まだ肝心の額のところがお伝えしていないものですから、それについては、特に定額部分の単価等については、二十年産の米生産費の結果、そして二十一年度の米価の動向を踏まえて検討を進めておりますけれども、政府全体としての調整が付き次第、ということは、予算がお認めをいただけ次第、その額を明示をして、できるだけ詳細に丁寧に、地域の皆さん、地方の皆さんに御説明を申し上げたい。早く急げと、みんな待っているぞという御趣旨はよく分かりましたので、できるだけ急いでそのようにしたいと思っております。
#64
○松下新平君 他の品目。
#65
○委員長(小川敏夫君) 続けてどうぞ。
#66
○国務大臣(赤松広隆君) 他の品目につきましては、既にそれぞれの種目ごと、品目ごとの制度がございます。だから、それをこのモデル事業のときはそのまま引き続いて継続をしてやってまいりますけれども、正直言って、是非この戸別所得補償制度にこれも入れてくれ、あれも入れてくれというように評判が本当にいいものですから、例えばお茶も果実も野菜も全部入れてくれと来ているんです。だけど、この制度そのものは、元々生産費と販売費が逆転をしているもの、構造的にそういう仕組みになっているもの、そこに対する仕組みづくりですから、ですから、野菜や果樹は何もしないという意味じゃなくて、それはそれで他の制度でもって応援をしていくと。ただ、構造的にもう必ず生産費の方が上になり、販売価格の方が下になっているというものについて、それをきちっと支えていけるように対象としてまいりたいというふうに思っております。
 ただ、一応、マニフェスト等では畜産、水産というようなことも書いてありまして、ただ、これは本格実施のときにはそれも加えていきたいと思っていますが、まだ詳細については、これはまだデータが足りない部分多いものですから、これはこのモデル期間の一年間を通じましてデータ等も集め、そしてまたモデル事業の実績も見ながら、最終的には二十三年度の本格実施に向けて、何を、いつごろ、どういう形でというのを、できるだけこれも早い時期に示していきたい。
 ただ、モデル事業をやってもいないのにそれを出すわけにいきませんので、一定程度モデル事業が進んだ段階で、調査も踏まえて、あるいはデータを見ながら、そんなことを皆さんにまたお諮りをしていきたいと、このように思っております。
#67
○松下新平君 この点についてはまた委員会で議論を深めてまいりたいと思います。
 もう最後になりますけれども、林業についてお伺いします。
 丸太価格、ちょうど三十年前は一立米当たり三万五千五百円、これをピークに年々下落し続けております。昨年は九千三百円、今年は更に厳しくて八千二百円と予測がされております。再造林できる木材価格は一万五千円と試算されております。今現在、半分という価格の厳しさであります。
 そこで、戸別所得補償制度、林業も入れてくれという要望もあるんですけれども、林業の現状認識と併せてお伺いしたいと思います。
#68
○副大臣(郡司彰君) 林業の関係でございますけれども、お話しをいただきましたように、材としての産出量はたくさんあるのであります。それをうまく使えないというような中で林業の現状が大変厳しいものになっております。今言われましたようなところから、人を育てるとかあるいは路網を整備するとか、いろんな形の中の施業を行う中で何とかこの再生を図るようにやっていきたい。
 特に林業の関係者からは、所得補償の関係も林業のところにもというような話が出ているかというふうに思っておりますが、委員御存じのように、現在もこの林業の部分については一部でございますけれども直接支払というものも行われてきているというのが実態でございますし、植えてから何十年というその作業の中でおおよそ七割ぐらいのものをこれまでも負担をしているというような現状がございます。
 私どもの考え方としまして、マニフェストにうたっておりますように、戸別所得補償というような言葉ではございませんけれども、直接支払というものを生かす形で林業者のこれからの成り立ちがいくようにということの設計をこれからやっていくというふうに考えておるところでございます。
#69
○松下新平君 本会議の代表質問でも述べましたけれども、昭和二年に、歴史家の徳富蘇峰は、国家が興隆すれば理想をもって生活とし、国家が衰退すれば生活をもって理想とすると。現在のばらまき政策に警鐘を鳴らしているというふうに思っております。農業政策においてもこの委員会でまた議論を深めてまいりたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#70
○風間昶君 公明党の風間です。
 まず、大臣は所信で、昨年発生した事故米穀について、一連の問題は消費者の食に対する信頼性を著しく損ないましたというふうにおっしゃいました。そこで、それ以上どうするともこうするとも言っていないんですけれども、信頼を失ったということは認識されているんだと思うんですけれども。じゃ、信頼回復されたという認識なのか、信頼回復がされていないとするならば、どういう総括をしてこれからはどう取り組むのか。
 御存じのように、前政権下では、省改革を来年の春までに行うというふうに決めているはずですし、それとの整合性はどうなのか。続けていく所存があるのかどうかということを認識、認識というか認知しているのかどうか、お伺いしたいと思います。
#71
○国務大臣(赤松広隆君) 前政権の下で、それぞれ法案の改正等もございました。その施行がちょうど来年の四月とか十月とか、たしかそんな時期だったと思いますけれども、そういう、実際にそれが施行されていくという意味において、私どもとしては、それはもう政権を引き継ぐ中で、私自身も申し上げたように、こうした信頼を大きく損なってきたということですから、更にそれが法の改正の趣旨を踏まえて実が上がるように、それをきちっと実行をしていくということが必要だと思っております。
 そして更に加えて、新政権として、単に前政権が決めたことをそのままやっていきますよということよりももう一歩踏み込んで、そういうことが何かできないのかと。例えば、米トレサその他の問題についても、そこが一番問題だったわけですから、そういうところにきちっとした人員の配置もし、そして本当に安心と安全の食の提供というものを国民の前に分かりやすい形で示していけないかどうか、そういうことも含めて、今検討をさせているところでございます。
#72
○風間昶君 ということは、まだ信頼回復はできていないという御認識をお持ちだというふうに受け止めさせていただきます。
 それから、ちょっと話が全く違いますが、ローマのFAOの本部で世界サミット、行われております世界食糧会議。ここで宣言が出されております。
 大臣は所信で、世界の食料生産の促進や農業投資の増大を図るというふうにおっしゃっていますけれども、この今回の食糧会議での宣言と合わせてみると、これからの日本のODAなどの農業投資について、どう具体的に取り計らっていくのか、取り組んでいくのか、触りを教えていただきたいというふうに思います。
#73
○国務大臣(赤松広隆君) FAOのこの世界食料安全保障サミットにつきましては、本来、時間が許せば私自身が是非出たいと思っておったんですけれども、残念ながら国会開会中ということで行くことができませんでしたので、私ども農水省の顧問、そして、あと現地からはイタリアの大使に出ていただくということで、いたしました。
 そして、今先生御指摘のように、宣言においては、今十億人を超えた、この飢餓と貧困に苦しむ人たちを救うための手だてということで、世界の農業生産を拡大をするために、途上国への農業投資やODAを増加するということも確認をされたところでございます。
 その意味で、これはもう外務省等との協議、合意が必要でございますけれども、このODAの拡大等に向けて努力をしていく、そのようなふうに考えておりますし、また、これはもう前政権時代ですけれども、本年四月から、食料安全保障のための海外投資促進に関する会議というのも設置をしていただいていますので、その中で、今申し上げたようなODAの問題、海外農業投資のための行動計画等について議論をしっかりしていただいて、このFAOの決議の趣旨に沿う形で我が国も力を尽くしていきたいと、このように思っております。
#74
○風間昶君 今の大臣のお話、じゃ農業投資に対して省としての具体的な取組ということはまだ詰まっていないという判断ですか。それが一つ。
 もう一つは、まさに今、大臣自らが御出席したかったということで御発言でありました。前回、たしか石破大臣は行かれたというふうに思います。顧問という方はどういう立場の人かは私分かりませんけれども、今大臣がおっしゃった、また地元の大使さんなんでしょうか、行かれたんでしょうか。むしろ私は、大臣が行けないんなら、政務三役のどなたかがぴしっと行くべきだというふうに思います。日本国としての言わば政治家が出席しないということは問題があるというふうに私は思いますが、その二点について、釈明になるのかどうか分かりませんけれども、伺いたいと思います。
#75
○国務大臣(赤松広隆君) 今、具体的な形でいいますと、政府代表代理ということで、村上国際顧問、かつて私どもの農水省で国際交渉をずっと務めてきたOBでございますけれども、彼がこの間の経過よく分かっていますので代わりに行ってもらったということで、本当は野党の皆さん方のお許しがいただければ、是非、副大臣、政務官であっても行かしていただければ有り難かったなというふうに今思っております。
 それから、あとは何でしたっけ、(発言する者あり)それから先生からあとお話がありましたが、海外投資の中身、これにつきましては、所管がODAにつきましては外務省になるもんですから、岡田外務大臣とこれはもう来年度以降の話になりますので一回相談をして、いかなる形で農業部門でこうしたODAの拡大ができるのか相談をしてみたいと、このように思っております。
#76
○風間昶君 お言葉返しますが、具体的に相談はありませんでした、政務三役の方の出席に関して。私はこの委員会の理事ではございませんからそうなのかもしれませんけれども、むしろきちっと、(発言する者あり)私、いや、国対って今言いましたけど、国対にも来ていません、はっきり言って。だから、そこはきちっと事実関係を明らかにしてから言ってください。
#77
○国務大臣(赤松広隆君) 官邸の方の判断でとにかく今国会に、委員会審議等、そこに集中をしろという判断だったというふうに聞いております。
#78
○風間昶君 それでは、今後、ですからそういう意味ではきちっと大事な会合は、日本としてもやっぱり主張していただかなきゃならない、これは私どもとしても非常に大事だと思っていますから、あらかじめちょっと連絡をいただければ有り難いなというふうに、官邸任せということだとまた大臣の立場はどうなのかと、こうなるわけです。
#79
○国務大臣(赤松広隆君) 大変有り難いお言葉をいただきましたので、もう特に農水大臣というのは国際会議が非常に多いんですね。ですから、そういう意味で遠慮なく、じゃ出させていただきますので、是非御理解をよろしくお願いをいたします。
#80
○風間昶君 次に、大臣がこの十月の十七日に名古屋の卸売市場を御視察した際に、大手スーパーによる農産物の産地直送販売に対して懸念を示したという報道がございまして、そのときのあれですけれども、まず、どんな発言をされたのか、報道でしかありませんので、大臣から直接伺いたいと思います。そしてまた、視察に関してはどのような印象を持たれたのかをまず伺いたいと思います。
#81
○国務大臣(赤松広隆君) まず第一は、どういう発言をされたのかということですが、これは鮮魚の仲卸の組合の皆さんから要望ということで私に対して、農水省が応援をして、応援してというのは金を出してという意味ですが、応援をして、これはイオンさんでございますけれども、オープンになっていることですから別に名前言ってもいいと思いますが、イオングループが島根県の漁協と契約をして直販をしていると。こういうことがどんどんと農水省が応援をするなんということになったら、もう本来法律で決められている中央卸売市場の機能を否定することにならないかと、こういうことをどんどんこれからもやらせていくのかという御質問が実はありました。
 そのときに私の方は、産直そのものを否定するものではないが、しかし、特定なそういうスーパーに対してそれがどんどん市場なんか通さなくていいんだと、もうこれからはそういうスーパー業者が直接漁協や生産者とつながってやっていけばいいんだということにはならないと思いますと。卸売市場法というのがあって、ちゃんと中央卸売市場は価格形成をするために、豊漁だったら安くなる、しけで捕れなければ魚は値段上がる、それが市民生活を守ると、あるいは安定的な供給を促すということにもなっているわけだから、それが正しい姿だと思いますということを申し上げました。
 その後、イオンの岡田社長も是非僕に会いたいというので、どうぞどうぞと、お越しになってくださいと。非常にすばらしい人柄の方で、自分のところも別に中央卸売市場を否定しているわけじゃありません、六五%は全部市場を通じて買っているんですと、あと三五%は外国から輸入したり、あるいは一部産直をやったり、そういう仕組みをやっているので、これからも市場を支えていきますというお話があったものですから、そういう考え方だったら私と変わりませんねということを申し上げたということでございます。
 あと、ただ、主に私が言ったのは、イオン云々とかそういうことのために言ったんでなくて、質問が出て要望が出たからそうお答えしたということで、主に行きましたのは、これは全国の今市場を整備をしようということで、公明党のあのばばさんという市会議員も非常に熱心にやっておられるんですが、ばば委員からも私に要請もございまして、今大体、口に入るようなこんなマグロが四十度やそういうところでさばかれてやっているのはおかしいと、みんなこれはやっぱりコールドチェーンシステムを全中央市場でやっぱりきちっとやるべきだということで御意見もいただいていますし、もちろん我が党もそういう考え方でございます。
 そんな意味で、別に名古屋だけやるという意味じゃなくて、全国の中央卸売市場は、少なくとも口に入る、そういう魚や何かを、野菜を扱うところはこうしたコールドチェーン化をどんどん進めようと、そのための今補助事業もやっていきましょうということで、例えば今まで三分の一だったのを十分の四の補助率を上げようとか、あるいは民間が、そこに入っている企業が自分のところの金でやりたいといえば二分の一を補助しますよとか、そういうのを今来年度に向けて要求しているわけですけれども、そういうことを実態を調査するというので行ったのが主目的でございました。
#82
○風間昶君 印象はどうだったんですか。
#83
○国務大臣(赤松広隆君) 私の地元だから言うわけじゃありませんが、市場機能が極めてきちっと保たれているのが名古屋の中央卸売市場だなと。というのは、僕が言っている意味は、市場が通る、扱いの中で市場がちゃんと競りにかけられ、あるいは市場を経過して消費者のところに行っているという意味で、全く市場を通らないで、市場外流通の方が多いというところも残念ながら全国にはあるわけですけれども、私はやっぱり食の安全とか安定的な供給とか、価格がリーズナブルになるという意味で、すべてとは言いません、さっき言ったように例外的に直販があったり外国から直接輸入があったり、それもあってもいいんですけれども、少なくとも六五%ぐらいは、イオンさんじゃありませんけれども、そういうところを通じてきちっとそれぞれの家庭の食卓に、消費者の下に行き渡るということが正しい姿ではないのかなということを思いました。
#84
○風間昶君 大臣が所信で、農業農村の六次産業化ということをおっしゃって、これは大きな目玉になっていると思いますけれども、この間私は子供に一足す二足す三だから六だといって言ったんだけれども、そういう考えでいいんですか。どう思われますか。
#85
○国務大臣(赤松広隆君) 六次という言葉を発案したのは僕じゃないものですから分かりませんが、後で聞いた話では、一次産業、二次産業、三次産業、それを合わせれば六になると、言わば言葉の遊びじゃありませんけれども、そういう意味ではなくて、まさに生産と加工、流通、そして販売が一緒になった形で付加価値を高め、そして生産地で販売の機能も果たしていくということをやるのが六次産業というふうに私は理解をしております。
 そのための施策、それをやれば新たな雇用も地域で生まれるだろう、あるいは付加価値の高いより利益の高いものが生まれていくだろうと、創意工夫の中で消費者が本当に求めるものが生産の立場からそういうものに向けて志向していくだろうということで、これは地域活性化の一つの大きな柱だと思っております。
#86
○風間昶君 そうすると、先ほどの名古屋の市場視察での御発言、市場を経由しないことについて多少消費者にとっていいことなのかという疑問を呈したような御発言というのは、今の六次産業化の政策の方向性とやや違うんでないかというふうに私は思いますが、そういうふうに受け止められないですか。
#87
○国務大臣(赤松広隆君) 六次産業化の中での産直というのは、主に道の駅だとかそういうところに都市部の人たちを呼び込んでそこで販売までしちゃうということですから、そこで言っている産直というのは、例えば地方で作ったものを東京にみんな運ぶんだという意味での産直とはちょっと違うんです。
 それからもう一つは、イオンのような大きなそういう企業体が独占的にある漁業協同組合と組んでそれを全部一括して持ってきちゃうというやり方では、今これを六次産業と言っているのはそういうんじゃなくて、もっと個々の小さな農家が単に米だけ作ればいい、ピーマンだけ作ればいいだけではなくて、それを道の駅で、新鮮ですよ、どうぞ観光に来た皆さん、これも買っていってください、家のお土産にこの何とか豚はうまいですよ、どうぞこれも買っていってくださいみたいな、そういう意味だと私は理解をしています。
#88
○風間昶君 農商工連携と似たような私は感じだと思います。それは今までも取り組んできたわけでありますね、省としても。
 農業の側からの六次産業化ではなくて、二次産業、三次産業、つまり大手の業界による農業の囲い込みであるならば、これは許される話じゃないと思うんです。ですから、恐らく先ほど社長さんがある意味では大臣に真意を分かってもらうためにおいでになったんだというふうに理解しますけれども。まずそこのところは、ですから、二次産業、三次産業による農業の囲い込みということをきちっと許さないと、きちっとというかちゃんとしていく、許さないというこのことを貫いていただきたいと思うんですけれども、そこはどうですか。
#89
○国務大臣(赤松広隆君) すべて企業を排除するというつもりはありません。現に、例えばキユーピーさんあたりが米の福島県でやっている事業ですが、米の直まきをやって、そしてそれを単に米取るだけじゃなくて、そこで今度は加工場造って、分かりやすく言うとかま飯みたいな、もうそこで全部洗米から加工から炊くところまでやって、かままで付けて、そしてそこから全国のスーパーその他販売店に送っているということがありますから、それはやはり技術やノウハウ等でいうと企業のそういう力を借りなければいけないところもありますから頭から否定はしませんが、ただ我々が進めようとしているのは、別にそれは大企業のためにそういうものを利益を上げさせるためにやろうというのが趣旨ではなくて、大企業や食品産業のそういうところに応援は是非もらいたいと思いますけれども、主はやっぱりそこに住む人たち、そこで本当に第一次産業に従事をする人たちが第一次産業にとどまらず、二次産業、三次産業、加工、販売、付加価値を高める、そういうところまでやれるように是非応援をしていきたい。そのことが、例えば何か物を売ろうとすれば人が要るわけですから雇用の創造にもつながっていきますし、また新たな地域の活性化ということにもつながっていくと思っていますので、そういう応援をしていきたいと思っております。
 以上です。
#90
○風間昶君 次に、郡司副大臣に伺います。
 米の戸別補償制度について少し教えていただきたいと思うんですけれども、二十三年度から本格実施ということで先ほど大臣もおっしゃっていまして、じゃ本格実施に向けた制度設計は二十二年のモデル事業が終わらないとできないのか、できるのか、並行してやるのか、どっちにしてもモデル事業はやるということで今進められていると思うんですけれども、モデル事業を進めていく中にこの本格実施の兆しが見えるというふうにとらえたらいいのかどうなのか、その辺がよく分からないということが一つと。
 もう一つは、モデル事業というからには、ある意味では先ほど大臣がデータの取りまとめが必要だというふうにおっしゃいました。ですから、その中間的な取りまとめが絶対必要なんで、それを二十三年度から本格実施するとなると、二十二年度中にやらなきゃならない。つまり、二十三年の三月末までにはやらなきゃならないわけですけれども、どういうタイムテーブル、スケジュールを考えているのか教えてくれますか。
#91
○副大臣(郡司彰君) 風間委員も御案内のとおりだと思いますけれども、作物もいろいろな時期の植付けというものもございます。私どもの方で今考えておりますモデル事業は、米を中心にした、そして水田を使った利活用という形で考えているわけでありまして、その場合には、当然、先ほど早場米のところで二月とかあるいは三月というところもありましたけれども、全国一般的には四、五月のころにはきちんと間に合うような形のスケジュールで今その水田、そして水田利活用というものについて始まったというのが時期的な問題としてはございます。
 それから、秋にまく作物というものも当然あるわけでございまして、そこのところについては、その事業が始まる中で水田あるいは水田利活用以外の作物についても来年度の秋等のところにおいてまた新しい取組ができるような準備もしていかなければいけないと。通年ですべての作物についておおよそ考え方が行き渡るような形を取るということも考えていかなければいけないだろうというふうには思っているところであります。
 それから、米そのもの、そして水田利活用の関係のいろいろなデータということもございます。先ほど言いましたように、私どもの方ではおおよそ米とそれ以外の作物についてはベクトルが違うといいますか、米は需給の関係について生産調整というようなものを今まで行ってきた。私どもは、生産数量目標というような形でもってそれが無理がないような形でそれ以外の作物にシフトができないものだろうか。こういうところに伴って、これまで生産調整に参加をしていた、あるいはこれまで日本の農政とかかわりのないような形でやっていたそういう人たちが、これからの制度によってどのような結果をもたらすかということも非常に重要な数値としてこれからつかんでいかなければいけない。
 それから、もちろん、私どもの考え方の中には、米以外のものについては数量でありますとか、あるいはもちろん品質でありますとか、あるいは環境でありますとかというような物に対する付加価値をどう付けるかというようなところのものの調査というものもやっていかなければいけないだろうというふうに思っておりますし、それと重ねるような形といいますか、重ねるという表現はちょっとおかしいんでありますけれども、どうしても条件が不利な中山間地、そこに対するものが、現行の直接支払制度というものがたまたま今年の年度で変わりますけれども、来年以降どのような形にするかというようなことも併せて考えていかなければいけない。
 それから、より多くの問題を先ほど来から出されておりますけれども、先ほど来からの委員の中で御質問があったものは、利活用のところの麦や大豆の収入をそれぞれで考えると不利なことが出てくるのではないか。しかし一方で、転作率を考えれば、全国的には四割とかというふうな形であれば、本来のこの水田の方の岩盤対策をやることによって、地域全体も農家個々も計算上は不利益にならないような設計というものを私どもとしては考えていかなければいけないし、今考えているところでもありますので、そのようなもろもろのことについて調査をする。スケジュール的には、来年から始まり、そして来年の春のときまでにそういう形のものを一定程度きちんと把握をするというようなつもりでおるところでございます。
#92
○風間昶君 副大臣、済みません、ちょっと私、整理がまだ十分今の御答弁でできないものですから伺いますが。
 総括、いわゆるその中間まとめができないようなスケジュールになったら、もうこれはモデル事業じゃなくて先行実施になっちゃうと私は思うんですけれども、そういうことがないようにこの戸別補償制度に対しての意見募集を先月からして、先週ですか、締切りで、今集約中だと思いますけれども、どんな状態になっているのか教えてくれますか。
#93
○副大臣(郡司彰君) まだつぶさに件数、内容等を把握している段階ではありません。これからそのような検討をきちんと行うというような形のスケジュールを立てているという段階でございますけれども、多くの団体からは、例えば生産費の考え方が八割ではどうだ、十割ではどうだ、それから限られた産業ではなくて全産業にした場合にはどうかというようなところを含めていろいろな御意見をいただいておりますし、先ほど来から出されているような麦、大豆等のその利活用の部分に対してのやはりこれまでと違う取組に対する考え方、危機感というか不安というような声も寄せられていると、そのように感じているところであります。
#94
○風間昶君 今の八割、十割というのはまさにこの一昨日の委員会でも、全中からの政策提言の中で質問があって、それでまた政策をお持ちになった全中に対しては、その後の大臣の記者会見でも、非常に前向きに考えていただいているということはいいことだということで一定評価みたいな形の発言がありました。
 でも、是非やるかやらないかはこれから検討中だということなんでしょうけれども、実際にそれを政策に生かしていくつもりがあるのかどうかということは今の時点では言えますか、大臣、どうですか。
#95
○国務大臣(赤松広隆君) 八割、十割の問題ですよね。これは難しいと思います。
 やはり私どもはモデル事業は試算どおり八割でやらせていただきたい。もちろん、その結果が、本格実施に向けてはそのモデル事業の結果を見るわけですけれども、基本的には私どもは、やっぱり八割にしないと、税金を使ってやる制度ですから、その意味でいえば、国民に納得をしていただいてやっていこうと思えばそういう八割が妥当なのではないかと思っております。
#96
○風間昶君 あと細かな問題で、また郡司副大臣、済みません。
 米以外の部分については、麦や大豆について、基本的には二十三年度からの本格実施の際にどういうふうにしていかれるのか、これを今の段階でどう考えていらっしゃるのか伺いたいのと、もう一つは、もしやるとなれば、その部分でのモデル事業を私は地域限定でもやるべきだというふうに私は思っています。それについての、実際にやって検証してから動かしていく、動かしていかないというのを決めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#97
○副大臣(郡司彰君) 麦、大豆ということについてのお尋ねでございますけれども、厳密に言いますれば、水田利活用の場合の、言わば今までの転作として行ってきた麦、大豆ということだけではなくてというようなお尋ねだろうというふうに思っております。
 具体的な設計はこれから行うということで、今ここで述べるような段階ではまだないというふうに私ども思っておりますけれども、少なくとも米のモデル事業の実施中は現行の水田・畑作経営所得安定対策、これは継続をするということだけは今はっきりしているところでございますし、そのような中で、これまでの生産調整で行ってきたものと、それから実際のこれから戸別所得を行った場合の自給率向上という形でどれだけの作物にどれだけの生産者の方々が取り組んでいただけるか、その辺のところも勘案しながらの考え方になるだろうというふうに思っております。
#98
○風間昶君 終わります。
#99
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日、十五分の質問なので、是非、核心部分を短く返答をお願いしたいと思います。
 今月十七日から十回目の交渉が行われています日豪のFTAについてお聞きします。
 大臣は、基本的には自由貿易を目指すと、ただ、日本の国益ということがあるから守るべきは守るというふうに述べられているんですけれども、そもそも二〇〇六年当時にこの交渉に入るべきではないという強い反対の運動が起こっていたのは、これ豪州産の農産物の関税が撤廃された場合の影響について極めて大きな打撃を受けるということが明らかだったわけですよね。農水省の試算で、当時、日本の小麦の生産が九九%減少、砂糖生産は一〇〇%減少、乳製品は四四%だと、牛肉生産は五六%だということで、影響額にして七千九百億円に上るということが明らかにされていたわけです。
 私の地元北海道でも、そうなると二万一千戸離農ということにならざるを得ないんじゃないかと。今五万大体九千戸ぐらいですから、もう半分ぐらい減ってしまうと。関連製造業の影響も含めると地域経済への影響というのは一兆三千億円にも及ぶということで、明らかにして、北海道を挙げてこれは反対の決議、意見書を上げたという経過があるんですね。
 この日豪のFTAの影響に対しての評価ということで、大臣の認識を伺いたいと思います。
#100
○国務大臣(赤松広隆君) 日豪のEPAについての今御指摘がございました。
 平成十八年十二月一日、農林水産省が正式に出している文書でございますけれども、ここでは、今御指摘のように、国内農産物への影響ということで七千九百億円マイナスになるというようなことも試算をしているわけでございます。
 そういう意味で、全くフルオープン、すべての品目にとやれば大変大きな影響が出るのはもう当然のことでございますので、先ほども少し申し上げましたけれども、十回の交渉を続けてまいりましたけれども、オーストラリア側もなかなか強硬でございますし、私どもも譲れないものは譲れないということで、そういう状況が今続いているということでございます。
 こうした事務レベルでの十回、交渉は交渉でやっていますけれども、先日、クリーンという貿易大臣が日本に参りまして、是非農水大臣に会いたいということだったものですから、十月二十六日の日にお会いをさせていただきました。その折、私からも、我が国産品のセンシティビティーについてはこういう考えですよと、とてもこういうものについては今開放するというわけにいきませんというような中で言うべきことはきちっと説明をしておいたということでございます。
#101
○紙智子君 オーストラリアは、どこの国に対しても例外を認めないという立場で今までも来ていると思うんですね。
 メキシコとのEPA協定が結ばれて結局どういうふうになったかというと、自動車産業は三・二倍に小型のメキシコへの自動車が増えたということがあったんだけど、逆に日本はメキシコからの農産物の輸入が増えて、冷凍オレンジジュースですとか冷凍牛肉ですとか、それから生鮮の、チルドの牛肉とか、前年比で二倍増えてきたわけですよね。それがやっぱり日本の経済にも影響を与えているということがあるわけで、結局構図としては、農業を犠牲にする形で自動車産業が利益が上がったという形になっているわけです。
 ですから、日豪のFTAの農水省の試算から見ても、もしこれ受け入れたら大変な事態で、譲らないところは譲らないと言ったわけですから、それであればやっぱりこの交渉というのは中止すべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょう。
#102
○国務大臣(赤松広隆君) 冒頭、先生もお認めになりましたけれども、私どもの立場は、世界に対していずれの国とも自由な貿易を促進をしていくというのがまず基本姿勢でございます。しかし、特に日本の国益ということを考えたときに、事農業にかかわる、畜産等も含めてですね、こういうものについては、これは非常に我が国にとってセンシティブな問題であり、ここを犠牲にしてまでも自由貿易の促進ということにはこれはなかなかならないと。大変勝手な言い方ですけれども、これはこれとして特例を認めていただきながら、その他の私どもが輸出するものにはでき得ればそれはゼロ%にしてもらいたいというようなことを、これも交渉していくということでございます。
 ですから、それぞれいろんな国々との交渉はありますけれども、これを、例えばこの程度認めてもほとんど国内産業に影響ないという場合はそれはそれを認めながら、反対に自動車、電機あるいは医薬品もあるかもしれませんけれども、そういうものについてどんどんと私どもが取るべきものは取っていくということだって当然あるわけですから、オーストラリアというのは非常に、いい意味でですよ、いい意味でフェアな国でございまして、みんな公平に同じ態度でやりましょうというところですから、それはそれで交渉は交渉として、私はほかの意味での、やっぱり国と国との付き合いもありますし、信頼関係もあります。ですから、できるだけ粘り強く交渉は続けていった方がいいのではないかと思っています。
#103
○紙智子君 ちょっと時間がなかなか足りないので、短くお願いします。
 日米のFTAについてなんですけれども、日豪のFTA以上、FTAを上回る影響が予想されているわけですけど、この日米のFTAを締結した場合の影響については大臣はどのように認識をされていますでしょう。
#104
○国務大臣(赤松広隆君) 取りあえずまだその段階に達していないというのが私の認識でございます。豪州と違って十回もやっているということじゃありませんから。
#105
○紙智子君 影響について、日米経済協議会の委託研究で、日米EPA効果と課題ということで分析されているのがあって、関税率が比較的大きく保護された産業において、日本との関係でやると、FTAに伴う生産縮小が観察されると。日本においては、米で八二・一四%、穀物で四八・三%、肉類で一五・四四%と推定をしていると。だから、米の生産なんかはもう破滅するに近い状況に追い込まれちゃうということでもあるんですけれども、そのことが地域経済にも打撃を与えることになると。
 かつて農水省が、完全自由化した場合に食料自給率は四〇%から一二%まで下がるというのを出したことがあるわけですけれども、これも最悪のシナリオなわけですけれども、米国から見ると、農産物を外しての交渉というのは全くこれはもうあり得ないというか意味のないことになってしまうわけですよ。しかし、やっぱり農業を入れるということについてはしっかりアメリカとしては持っていて、二〇〇七年の日本経団連の講演の中で在日米国大使館のハンス・クレム経済担当公使は、FTAあるいはEPAに向けた交渉を政治的に実現可能なものにするためには農業を含まないわけにはいかないというふうに述べていることからも、この意図というのははっきりあるわけで、これで私は日本の農業を守ろうと思ったら、これは交渉に入るべきではないというふうに思うんです。その選択肢が一番賢明だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#106
○国務大臣(赤松広隆君) 言われる趣旨は分かるんですね。もう既にアメリカなんかは自動車その他について事実上関税ゼロですから、私どもはもう得るべきものは何もないと。反対に、米あるいはその他乳産品を含めて取られる方ばかりですから、そういう意味でいえば先生の言われる趣旨は理解はできますが。
 ただ、私どもはやっぱり基本論としてすべての国々と自由な貿易が実現できるように、マルチ的にはWTOで、そしてバイでは、個々にはそれぞれ二国間交渉をと、EPAで、FTAでと言ってきているわけですから、自らその門を閉ざすようなことはやるべきではないと。向こうが交渉をしたいと、話合いしたいと言えば、やっぱり常に門戸は開けていくと。ただし、主張すべきことはちゃんと主張する。譲らない方がいいものについては譲らないということさえしっかりしていれば問題はないのではないかと思っております。
#107
○紙智子君 ちょっと言いたいことはありますけれども、次にちょっと移りたいと思います。
 米国産輸入牛肉の違反に対する対応についてなんですけれども、十月にまたしてもこの米国産牛肉が、危険部位の脊柱が見付かったと。二〇〇六年の七月に輸入再開して以来、違反事例というのは全部で十三件なんですね。うち、禁じられている危険部位の混入は三例で、カーギル・ドッジシティーが三例、タイソン社レキシントン工場が二例と繰り返されているわけです。そのたびごとに、間違いを正したから大丈夫だと言って入ってきたわけですよね。
 「ノンコンプライアンス・レコード」、これなんですけれども、御覧になっているかなと思いますけれども、これ見ると、これらの会社というのは、実は以前からずっと繰り返してきているわけですよね。もう本当にいわく付きと言ってもいいぐらいの会社でありまして、何でそうなっているのかということは根本的な原因があるからだと。
 赤松大臣は、先日米国に行かれて、農務長官との話の中で遺憾だと言って詳細な調査を要求したわけですけれども、これに対してどんな回答が返ってきているのか。それに対する大臣の認識ということで、短くお願いします。
#108
○国務大臣(赤松広隆君) 御指摘のとおり、一泊三日でちょうどその行っている最中にその問題が突然出たものですから、もちろん詳細はまだつかんでおりませんでしたけれども、ビルザック農務長官に対して私から遺憾の意を表明いたしました。そして、詳細な調査について要請をしました。
 その後、帰ってきましたら、今度はルース駐日大使が是非あいさつに来たいということでお見えになったときにも、この問題について私の方から同様のことを要請をいたしました。
 十一月八日に調査報告書がアメリカ農務省から提出をされまして、もう中身見ていますか、もし、そこには、一として、混載の原因は研修を受けていない従業員が日本向けでない製品を誤って日本向けのラベルが張られた箱に箱詰めして、しかもチェック担当従業員がこれを見落としたことによるものであると。それから、改善措置として……
#109
○紙智子君 いいです。
#110
○国務大臣(赤松広隆君) いいですか。そういうことの、あれがありました。
 しかし、委員御指摘の二回目とかなんとかとかいろんなことあるものですから、今回厚生労働省と一緒に特別査察を今実施をしておる最中でございます。また、その査察の結果を受けまして、どういうふうにするかまた判断をしていきたいと、このように思っています。
#111
○紙智子君 なぜ繰り返されるのかという、ここの問題というのは、私たち構造的な問題点があるというふうに思っているわけです。つまり、この中読んでいくとすごく分かってくるんですけれども、まず食肉処理の驚異的な処理のスピードというのがあるんですね。大量に一日に何千頭というふうに処理していくと。それで、その処理を支えているのは多くの移民の労働者で、中には言葉も通じない人もいるし、しょっちゅう入れ替わっているということがあるので、どの部位を切ってどうするかとか、これはどこの国向けだとかそういったことを徹底するということもなかなか大変になっていると。
 それから、検査体制、食肉官の検査も危うい立場で、基準を満たしていなくても輸出の証明書にサインすることも少なくないという報告がされているわけです。そのほかに、飼料工場における交差汚染の問題も防止策が徹底されていないということなど含めた、そういう一部の工場だけでない全体にかかわる問題があって、ここを改めずに部分的に直しただけでは解決にならないと。
 だから、二〇〇七年の六月二十一日だったと思いますけれども、まだ民主党さんも野党のときに四野党でそろって集会を開いて、共同の集会のアピールを出してそのことも指摘しているわけです。
 ちょっと一部だけ読みますと、このような米国牛肉処理施設のずさんなBSE対策は、米国処理施設におけるBSE違反記録で明らかにされているが、輸入再々後の違反事例の多発はそのことが是正されてないことを示しているということで言っているわけで、やっぱりこういうことが非常に直されないといけないわけですけど、今回大臣が米国の農務長官との話、違反があった場合全面禁止等となっていて、全部直ちにストップされるわけじゃないと述べられたんですけど、これは、そのことが本当だとすると、結局問題点を容認することになるじゃないかと。
 我が党は、これだけ繰り返されているわけだから、一回やっぱりストップして、全部ストップして、そして真剣にそういう構造上の問題を改めさせるということを、少なくとも日本と同様の検査を求めていくということをすべきじゃないかと思いますけれども。
 それと、ちょっと時間になるので、あと最後に触れてほしいんですけれども、国内の検査体制の問題で要するにどうなっているかということなんですよ。民主党のマニフェストで、BSE対策として二〇〇八年に打ち切られた全頭検査の国庫補助を復活しますってあるんですけど、これをそのとおり実行されるのかどうかということを最後に確認をしたいと思うので、併せてお願いいたします。
#112
○国務大臣(赤松広隆君) 今御指摘の点につきましては、例の混載事案ができたときに当該出荷施設からの輸入手続を停止したという事実はございます。それに加えて、あと、今査察へ行っていますから、特別査察を、それを受けた結果を、査察の中身を精査をいたしまして、本当にシステム全体にわたる問題であるのか、あるいは、委員は違うと言われますけれども、単に単純なミスということで起きたことなのか、それを判断をしてその後の処置をどうするのかを決めさせていただきたいというふうに思っております。
 それから、あと国内の、今事実上国は全頭検査というよりも、それを各都道府県が事実上全頭検査をやっているわけですけれども、それの扱いについては実は、これは国内のそういう食の安全の問題ということになりますと厚生労働省の所管でございますので、私の方でそれを続けるとか続けないとかいうのはちょっと立場上まずいのではないかと思います、権限がありませんから。
#113
○委員長(小川敏夫君) 紙君、なお時間が過ぎていますので、簡潔にお願いします。
#114
○紙智子君 はい。
 単純なミスではないんです。繰り返されて現実の問題としてあるわけだから、そこはしっかりと、査察に今行っているから結果見てと言うんですけど、言うとおりになってきちゃ駄目なわけで、そこはやっぱり繰り返されている事実を基にしてきっちりとやってほしいことと、それから、公約として言われていることについては、農水大臣だから管轄じゃないと言われるんですけど、やっぱり厚生労働省に対してしっかりと実行する立場で物を言っていただきたいなということを最後に申し上げて、質問を終わります。
#115
○委員長(小川敏夫君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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