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2009/11/27 第173回国会 参議院 参議院会議録情報 第173回国会 総務委員会 第6号
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2009/11/27 第173回国会 参議院

参議院会議録情報 第173回国会 総務委員会 第6号

#1
第173回国会 総務委員会 第6号
平成二十一年十一月二十七日(金曜日)
   午前十時十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     那谷屋正義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰介君
    理 事
                加賀谷 健君
                武内 則男君
                林 久美子君
    委 員
                高嶋 良充君
                土田 博和君
                外山  斎君
                友近 聡朗君
                那谷屋正義君
                内藤 正光君
                長谷川憲正君
                吉川 沙織君
                魚住裕一郎君
                澤  雄二君
                山下 芳生君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     原口 一博君
       国務大臣     亀井 静香君
   副大臣
       総務副大臣    渡辺  周君
       総務副大臣    内藤 正光君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        泉  健太君
       総務大臣政務官  小川 淳也君
       総務大臣政務官  階   猛君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    江利川 毅君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消
 防、情報通信及び郵政事業等に関する調査
 (一般職の職員の給与等についての報告及び給
 与等の改定についての勧告等に関する件)
○一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員の育児休業等に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 この際、申し上げます。
 自由民主党・改革クラブ所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができません。再度出席を要請いたしますので、しばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(佐藤泰介君) 速記を起こしてください。
 自由民主党・改革クラブ所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんので、やむを得ず議事を進めます。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、牧山ひろえ君が委員を辞任され、その補欠として那谷屋正義君が選任されました。
    ─────────────
#4
○委員長(佐藤泰介君) 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のうち、一般職の職員の給与等についての報告及び給与等の改定についての勧告等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 最初に一言申し上げますが、十九日の当委員会において委員長が突然休息を宣言されました。このことについて一言申し上げさせていただきます。
 朝の理事会では、確かに民主党側から衆議院の財金に亀井大臣が出席することになったので休息を挟んでほしいという申入れがございました。これに対して、自民党と公明党は、今回の当委員会の、本日の委員会の日程は二日前の理事会で決定したことだと、急遽、衆議院の財金の方で亀井大臣が欲しいから言われて、当委員会がそれを認めるわけにはいきませんというお返事をさせていただきました。すると、民主党さん側は、分かりましたと言って了解をされました。つまり、朝の理事会では、亀井大臣は退席をされずに休息を挟まず委員会が続行されることになっておりました。それを突然、委員長が、言ってみれば委員長判断、独断で休息を宣言をされました。言ってみれば、これは朝の理事会で決定していたことを委員長が独断でこれを変更された。言ってみれば、これは質問権を封じられたということにもなるわけでございます。
 さらに、念のために確認をしておきますが、大臣所信に対する質疑で、質問通告があったなし、有無にかかわらず、所信を述べられた大臣がその質疑に出席されることは憲政の常道であろうと思います。
 理事会決定を独断で覆された、これは前代未聞でもあろうと思います。こうした事態を招いた委員長に対して猛省を促すとともに、強く抗議をさせていただきたいと思っております。
 亀井大臣に日本郵政の人事についてお伺いをいたします。
 これまで予算委員会を始めいろんな委員会でこの問題は取り上げてこられました。斎藤社長、坂、足立副社長の人事、その経緯について、なぜ選ばれたかということについてはこの前の委員会でも度々お聞きをしております。政府側の説明は、了承はしていませんが、理解をしているということでございます。
 亀井大臣に伺いますが、今回の日本郵政の人事でありますが、国民の目から見たら、国民の目ですよ、国民の目から見たら、やはり今までと同じように天下り、わたりが行われたというふうに思われるのは仕方がないと思いますが、亀井大臣はどう思われますか。
#6
○国務大臣(亀井静香君) せっかくの委員のそうした御指摘でもあり、御質問でもございますけれども、私はかねてから申し上げておりますように、公務員を務めた者がその後の人生においてもう二度と公の活動をしてはならないとか、あるいは民間において重要な立場に就いての仕事をすべきではないということにはならないと思います。
 問題は、天下り、わたりは、役所がそうしたOBなりそうした者をあっせんをしたり、就けることによって手土産を持たせるということをやっておったというそうした長い経緯があり、私はそういうことがあってはならないと思います。そういう意味でのいわゆるあっせん、あるいはわたりというのはやるべきでないと思いますけれども、しかし、有為な人材が新たな第二の人生を始めるということについてそれはいかぬということをやるべきではない、国家的な私は損失でもあろうと思います、社会的な損失でもあろうと思います。
 この度の場合は、御案内のように、別にあっせんしたわけでもございません。また、そういう形でわたったわけでもございません。私が、政府を代表として、郵政事業を新しい思い切った展開をさせていく、従来の方針とある面では百八十度あの巨大な集団を面かじを切らせていくという、そういうトップリーダーというのはだれでも務まるわけではございませんので、私なりに選び抜いて、選び抜いた上で、私は、十四年前は大蔵省の次官をしておられた方でありますけれども、やはりこの方をおいてはないという私の判断でこれはお願いをしたわけでございまして、そうすることによって別に、政府が日本郵政に対して特別の手土産を持っていくとかいろんな便宜を見ていくとか、そういうことではございませんので、私は、いわゆるわたりだとかあっせんという、やってはならないそういう範疇のものには全然該当しないことであると思います。
 なお、今まで、議員のあれじゃございませんけど、いろんなところで民主党のマニフェストを持ち出されるのでありますが、私は別に逃れるわけじゃございません、これは三党連立政権でございまして、三党合意で、民主党の天下り、わたりについてのマニフェストを三党合意で認めて政権をつくったわけでもございません。これはもう全く余計なことかもしれませんけれども、御理解を賜りたいと思います。
 以上でございます。
#7
○澤雄二君 予算委員会でも亀井大臣は、私は民主党ではないからということをこの問題についてはおっしゃっていましたので、それで今日、亀井大臣にお聞きしたのでございますが。
 手土産は言語道断でございます。常に手土産を持っていくわけではないと思うんです。ただ、あっせんかあっせんじゃないかというのは、口を利いたということですね、お願いしたということですね、斎藤さんに、やってもらえないかと。世間ではこれをあっせん、口利きだと言っているわけでございます。
 それで、お伺いいたしますが、民主党は選挙前に、官僚の天下り、わたりは政治主導で根絶をすると言われていました。政治主導です。だけど、政権を取られましたら、官僚によるあっせんは認めない、だけど政務三役が選任という形であっせんすることはこれは認めるんだというふうに言われました。つまり、政治主導で根絶をすると言われていたのに、国民の目から見たら逆に政治主導でわたり、天下りをあっせんしている、これが分かりやすい事実関係でございます。つまり、政治家が人事権を持ったんです、今回民主党がやられたことで。
 人事権はその企業にとって一番大きな権限でございますから、政治家が人事権を持ってそこの役員人事をやった、天下り、わたりを認めたということは、今までの官僚がやっていたあっせんよりも私ははるかに政治的にはまずいことをおやりになったんだろうと思う。つまり、人事権を持つということは、その天下り、わたりの企業に対してその政治家が絶大な権限を今後持ってくるということ、影響力を持ってくるということでございます。ですから、民主党の言われている政治家が選任という形であっせんをすることはいいんだということについては、これは状況は以前よりも悪くなった、言ってみれば私は国民を裏切られたというふうに思っております。
 このことについて亀井大臣はどういう感想をお持ちでございましょうか。
#8
○国務大臣(亀井静香君) 私は、委員のお話をお伺いしておりまして、民主党のマニフェスト、それと照らしても、この度のようなことについては当たらないのはもちろん、政務三役がその人材を、これを必要だという観点から、そうした省のいわゆる省益のそういう、いかがわしいとまでは言いませんけれども、いわゆる省益ですね、結局、そういう観点からやっていく人事ではなくて、まさに政府として重要な仕事をやはりやっていただく、ゆだねる人材として適当だという判断でやる場合は次元が違う私は話だと。私は国民の方々もそのように理解をすると思います、私は。世論調査なんかでいうといろんなのが出るかもしれませんけれども、その辺りは私は十分御理解をいただける。次元の違う話をすべてを金太郎あめのようにすべて駄目だということは、民主党のマニフェストの精神からいってもそうじゃないんじゃないかなと、このように私は理解をいたしております。
#9
○澤雄二君 亀井大臣が民主党とは違うんだとかねてから言われていることはよく理解しておりまして、多分今も同じような趣旨で苦しい答弁をされたんだというふうに思いますが。
 この後、郵便事業株式会社、それから郵便局株式会社の新しい人事が発表になりました。この郵便事業株式会社では鍋倉眞一さんが社長になられ、勝野成治さんが常務執行役員になられております。お二人とも郵政省御出身でございます。それから、郵便局株式会社、ここには副社長で斎尾親徳さん、それから監査役で伊藤聖さんが役員として任命をされています。この方たちも郵政省出身でございます。つまり、官僚出身の方であります。
 この人たちの人事は最終的にだれが決めたかというと、日本郵政の斎藤社長の権限でこれを決められたのであります。つまり、日本郵政の斎藤さんが、我々はわたりだと申し上げているわけですが、その渡られた財務官僚の元トップの方が次の新しい人事にまた官僚を選ばれたと。この人の権限で決められたことであります、最終的には。つまり、そういう新たな問題も今起きてきておりますので、それを御指摘して、民主党さんには重大な反省、国民に対する説明をしていただきたい。
 原口大臣、聞いていません。済みません、後でお聞きします。亀井大臣。
#10
○国務大臣(亀井静香君) 私は、前提として斎藤社長がわたりとかあっせんに該当する、そういういわゆる世間の目から見ましても、やってはならないことをやった結果生まれた、そうした社長ではないという前提でございますけれども、その社長が郵政事業を今後展開していく上において、全然、膨大な二十四万人近い職員が業務をやっておるわけでございまして、門外漢と言ったらおかしいですが、そういう方々だけでトップリーダーを決めていくということは、私が社長であっても、私はそういうことはやっぱり経営に責任を持つ立場としてはできないと思います。郵政の事業について専門的知識、経験等を持っておる人がやはりおりませんと、私は、斎藤社長一人がそうした傘下の会社を指揮をして業務を遂行させるという自信はないだろうと思うんです。
 私は、委員も郵政事業の社長になられた場合、実際、事業展開をするとき、民間の会社の社長さんだとかそういう素人の方ばっかりを就けて、二十三万のあの北海道から沖縄までの巨大な事業を動かされるという人事をおやりになられるのかなという、これは妙なことを申し上げますが、というような気持ちでございます。
#11
○澤雄二君 どうもありがとうございます。
 どうしてもやっぱり官僚の力が必要なんだという御認識を示されたんだと思います。ですから、私は民主党さんも、もし考え方を改められたんだったら、そのことをきちっと国民に分かりやすく説明をしていただければいいと思います。
 亀井大臣への質問はこれにて終了いたします。
#12
○国務大臣(原口一博君) 澤委員におかれましては、日ごろから総務行政、とりわけ放送行政に大変な御造詣深くていらして、御協力をくださっていること、まず冒頭、お礼を申し上げたいと思います。
 民主党のマニフェストと今回の郵政の人事のお話がございました。二点申し上げたいと思います。
 今、役所の出身の方のお話をされましたが、亀井大臣、様々な御配慮をされて、経済界や国民全体で応援をする、その仕組みができ上がっていることは是非澤委員、御理解をください。奥田会長や多くの経済界を代表する方々も、この国民共有の財産である日本郵政を守り立てていこうと、こう考えておられるということをまず第一点お話をしたいと思います。
 第二点は、民主党のマニフェスト、あっせん、天下り、総理の御指示で即いわゆる内閣によるあっせんも、これも禁止ということになりました。
 その上で、もう一つ、私たち民主党、これは新進党の時代からも、澤委員よく御存じのとおり、ポリティカルアポインティーということを言ってきています。今回、株主の権限を行使をして、そして政治が最適の人材をやったわけで、一回政府に入れば、その入った人たちは一回民間に行けばもう二度と帰ってこれないということを、私たちは、そういうことは駄目だと、むしろ回転ドアのようにきっちりとした政治任用で行うべきだということを公務員制度改革の中でも議論をして、皆様に問うてきているわけでございまして、今回、委員会設置会社である日本郵政が、まさにその法的手続に沿って株主の意見を聞いてお決めになったことであるということを是非御理解をいただきたいと。天下りを禁止していく姿勢に私たちはいささかの揺るぎもないということを御理解をくだされば幸いでございます。
#13
○委員長(佐藤泰介君) ちょっとお待ちください。
 亀井国務大臣、御退席いただいて結構でございます。
#14
○澤雄二君 原口大臣にお伺いします。
 最初は原口大臣にエールを送ろうと思って原稿を用意してまいりました。原口大臣とは何度か一緒にテレビ出演をさせていただきまして、非常にはっきりと物をおっしゃる、何を言っているか分からないということはなかった、私はそう感じています。ただ、見解の相違はありましたけれども。でも、今の御答弁はよく分かりません。つまり、天下りを、政治主導による天下りを言い訳されただけだというふうに私は思っています。根絶をするんだと、政治家主導で根絶をするんだと言われていることとおやりになったことは違うと。これは、国民の目から見てどういう言い訳をされようと事実としては残っているんだと思っています。
 それで、原口大臣のされている、分かりやすくはっきりと物を言うということは今の政治状況の中ではすごく大事なことだというふうに思っています。今の官僚の天下りもそうです。政治家主導ならいいんだという物言いは国民にとって非常に分かりにくい。
 それから、鳩山総理の個人献金でございますが、最近ちょっと状況が変わってきました。公設秘書を在宅起訴にするというような報道が流れてきたり、今まで明らかになっていない事実が次から次へと出てきましたから、少し状況は変わったと思いますが、だけど、参議院の予算委員会が開かれている時点ぐらいまではそういう状況にはなっていなかった。だけど、総理は、捜査中だから捜査の行方を待ってと、説明されることはありませんでした。捜査中と係争中とは違うんだというふうに思います。ただ、今回事情が変わったというのは、在宅起訴をするかもしれないという報道が流れてきましたので少し事情は変わってきますが、捜査中の段階だけだったら、御自分で調査した結果を国民に分かりやすく説明するということはあってしかるべきかなと。これも非常に分かりにくいことだというふうに思っております。
 そういう意味で、原口大臣がこれまで答弁されてきたこと、テレビで発言されてきたことについては非常に明快でさわやかでもあるというふうに私は思っておりましたが、そのさわやかではっきり分かりやすい答弁を今日もまたお願いをしたいというように思っています。
 最初に、事業仕分に関連して、地デジ対策についてお伺いをいたします。順番変わりました。
 先日の事業仕分で地デジの普及対策の予算を半減にするという評価が出されました。今後、これ予算編成の過程でどういうふうになっていくかまだよく分かりません。そんなもの全額認めないんだという大臣もいらっしゃいますし、いや、これから閣僚折衝で決まるんだという方もいるのでどうなるか分かりませんが、この半分に削減された予算は経済的弱者に対する支援が含まれていました。それから、デジタルサポートセンター、これ、地デジを普及するためにすごく大事な今仕事をさせていただいております。この運営費用を切られた。それから、テレビ局にとって、それは放送できるかできないかというようなデジタルの中継局をつくる予算もこの中に含まれておりました。これが半分にされた。
 最近でこそ私のところに電話掛かってきませんが、この三年間ぐらいの間、ずっとよく電話が掛かってきました。それは、高齢者で年金生活をしている方たちの電話であります。澤さん、本当に二〇一一年七月に今のテレビ見れなくなるんですかという御質問でした。申し訳ありません、予定ではそうなっています。じゃ、新しいテレビ買わなきゃいけないんですね。そうなりますと申し上げたら、そう思ったから年金生活だけど毎月千円ずつ貯金を始めました、でも三年間で三万六千円しかたまらないんです、買えないんです、見れなくなるんですねという電話がずっと続いていました。この半年ぐらいはなくなりました、その電話。
 ですから、公明党は、こういう経済的弱者に対する支援が地デジの普及のためにはどうしても必要だという主張をしてきて、生活保護世帯それからNHKの受信料免除の世帯については無料でチューナーとアンテナをお配りするということを決めさせていただきました。
 この予算がその中に、削られた中に入っています。そのときに事業仕分の方が言われたことは、テレビを見るのは勝手でしょうと、自分の好みなんだからそれは自分で買えばいいんだ、国が支援する必要はないんじゃないかといって、予算は半分に切られました。これは、総理が友愛と言われるのは、人に対して優しくする、弱者に対して優しくする、人の命の尊厳を守るということなのに、それをばっさり切られた、そういう理由でですよ、自分で買えばいいんだという理由で切られました。
 地上デジタルは二〇一一年の七月に停波することになっていますが、大臣に一言申し上げておきますが、この普及目標は、今総務省は両方出していますが、六千万と言われている世帯一〇〇%達成が目標じゃありません。今日は時間がないので詳しいこと言いませんが、一億三千万台と言われているいわゆる家庭用向けのテレビ、これ全部がデジタルに変わらないと停波できないんです。停波してしまうとテレビ局は全部倒産をしていきます、詳しいことは言いませんが。そう考えると、残りの時間全部を使っても一億三千万台本当にできるのかという大きな心配事があります。その心配事があるときに更にこの普及予算を半分に切られると、もうこれは絶望的になってしまう可能性もあります。
 原口大臣としては、二〇一一年七月に必ず普及させるという御決意を持っていらっしゃると思いますので、必ずこの予算を取り返すんだという決意を御答弁いただければと思います。
#15
○国務大臣(原口一博君) 澤委員にお答えいたします。
 全く同じ認識でございます。澤委員がお話しのように、これは国策でデジタル化を進めてきたわけです。何も国民の皆様が自分たちがデジタルにしようと、もちろん国会で決めていることですから、政府が決めていることですから、そういう意味では国民にも責任はないわけではありません。
 しかし、御案内のように、テレビは何も娯楽をただ配信するだけではなくて、ライフラインになっています。そのライフラインであるものを、見ない人は見なければいいだろうということで勝手に切り取るということはあってはならないと思いますし、私は、澤委員、行政刷新会議の委員でもございます。その委員会でもお話をしたのは、事業仕分というのはあくまで事業の有効性や効率性について一定の意見を言う場であって、お白州でもなければ、そこで政治判断の決断をする場でもないと。決断をするのはやはりこの国会でいらっしゃいますし、私たち政府の中でいうと各閣僚であって、そこのところを間違ってもらっては困るということで確認をしています。
 仕分作業というのは、これは民がやります、これは官がやりますという、まさに公明党さんが大変力を入れてやってこられたことでもありますけれども、ある意味、幾つかの留意点を持っておかないとまずいものがあります。それは、今、澤委員がお話しになったように、これは国民の皆さんと協働でやっているものです、あるいはNPOの皆さんと協働でやっているものです。協働でやっているものをAかBか仕分をしてしまうと、一足す一が五になっているものを逆にゼロにしてしまう危険性もある。
 そういったことについても行政刷新会議で私の方から委員として正式に提案をしたところでございまして、今後、予算編成に向けて、委員の御指摘をしっかりと踏まえて、これは停波できなければ何が起きるかというのは分かっているわけですから、そのことについてしっかりと頑張っていく所存でございます。本当にいい御指摘をありがとうございました。
#16
○澤雄二君 よろしくお願いをいたします。
 それと、先ほども申し上げましたが、生活保護世帯だけではなくて、経済的弱者の方たちが本当にデジタルテレビを買えるのかという問題もありますので、そこも含めて更にお願いをしたいというふうに思っております。
 次にお伺いしたいのは、NTT労組の政治団体アピール21からの五百万円の献金問題でございます。これは、記載ミスがあったということで、大臣はその非を認められてすぐに修正をされました。
 今日は、そのことについてお伺いするのではありません。ただ、それと関連して、一つ心配されていることがあるので、そのことについて質問させていただきたいと思いますけれども。
 最初にお伺いしたいのは、五百万の記載漏れがあったのは去年の収支報告書でございました。今年、NTT又はNTT労組の政治団体からの献金はありましたか。
#17
○国務大臣(原口一博君) ありがとうございます。
 まさに私たちはコンピューターでこれを管理しているんですけれども、委員がお話しのように、コンピューター上の記録あるいは通帳は全く正しく書かれていました。それを記載したときに間違っていると。もうあってはならないことで、この場を借りておわびをしたいと思います。
 また、企業・団体献金、長い間ずっとお断りをしてきました。しかし、世帯が大きくなって、そして幾つかお申出のあるものについては受けるということで三、四年前から受けてきました。そのうちの一つがアピール21でございまして、今年、これは野党時代でございますが、私の後援会へ三百万の寄附をいただいております。
#18
○澤雄二君 内藤副大臣もNTT御出身でございますが、今年、NTT若しくはNTT労組の政治団体からの献金はありましたか。
#19
○副大臣(内藤正光君) 御指摘のように、政治資金規正法にのっとって設立された政治団体から献金があったかということでございますが、政治資金規正法にのっとって献金はございました。
#20
○澤雄二君 お幾らですか。
#21
○副大臣(内藤正光君) 本年、二百万でございます。
#22
○澤雄二君 私はこれは、大臣、副大臣をやられている間はこの献金はお返しになった方がいいと思います。その理由をこれから少し質問させていただきたいと思いますが。
 NTT関係からのこの献金の問題をお聞きしたのは、実はNTTには御存じのように二〇一〇年問題というのがございます。この二〇一〇年問題というのは、NTTが電電公社時代から築いてきた財産を基盤にして、固定電話、携帯電話、光通信、そういう分野で非常に独占的に優位な立場を持っている、これを組織の改編だとかそれから回線の開放だとかをして競争性を確保しようということが考えられているのが二〇一〇年問題でございます。この改編問題では、事業会社を完全に資本分離することとか、それからNTT持ち株会社の廃止なども議論をされています、その中に。それから、NTT所有の回線設備の更なる開放も議論に入っています。もちろんNTTはこれに対して反対の立場でございます。このNTTの二〇一〇年問題というのは、日本の未来の情報通信の構造を決める上で非常に重要な課題であるというふうに思っております。
 そこで、さっき申し上げた懸念、心配でありますけれども、大臣へのNTT関係からの献金、これはこの問題で大臣の考え方に影響を与えるんではないか、そういう心配が実はされています。瓜田にくつを入れず、李下に冠を正さずという有名な言葉がありますが、この二〇一〇年問題、これから検討しなきゃいけない枢要な立場にある、むしろその判断を決められるお二人が今年も献金を受けられた。これは私はお返しになった方がよろしいんではないかと思いますが、どうでしょうか。
#23
○国務大臣(原口一博君) 特定の労組からの献金によって私たちの政策が曲がることは断じてございません。
 しかし、今委員がお話しになりますように、私が大臣になってからこれ受けた献金ではございませんが、検討をしていきたいと、このように考えています。
#24
○澤雄二君 内藤副大臣、どうですか。
#25
○副大臣(内藤正光君) もう澤委員とは長年この委員会で共に議論をしてきた仲間だと思っております。
 澤委員もお認めいただけるかと思いますが、私はこの十二年間にわたって国会で議論してまいりましたが、私は断じてNTT寄りの議論をしたとか意見を述べたとかいう思いはありません。やはり広く情報通信産業の発展のためにどうあるべきか、このことを一点に絞って澤委員とともに、皆様方とともに議論をしてきたという自負もございます。どうかそのことをお認めいただきたい。
 ですから、これはあくまで労働組合のつくった政治団体でございます。労働組合というのは何も情報通信だけが関心の的ではございません。広く働く人たちの環境の改善、社会保障も含めた、そういった改善のために頑張ってくれという思いを一人一人のその献金者から託されたものだと思っております。どうかそのことも御理解をいただきたいと思います。
#26
○澤雄二君 先ほど申し上げましたけど、このNTTの二〇一〇年問題というのは、まさに日本の未来の情報通信の構造を決めます非常に大事な問題でございます。NTTの持っている基盤というのは、電電公社時代からずっと築いてきたものですから、言ってみればこれは国民の財産であります。NTTのものじゃない。
 二〇一〇年問題を考えるときに大事なことは、まず、国民の利便性を向上させるということが一つ。二つ目は、料金の廉価を図る、料金を安くするということが一つ。それから、公平な競争性を保つためにできるだけ回線設備を開放することを考える。この三つが大事な視点なんだろうというふうに思います。
 NTTを基幹企業として守らなきゃいけないという議論もあることは承知をしています。様々な産業で寡占化が進んでいるのも承知をしております。しかし、この寡占化を政治主導でやるというのはどうでしょうか。小泉総理は全く逆の方向を政治主導でおやりになったわけでございますが、この寡占化を政治主導でもしやるということに進んでいけば、小泉さんとは方向性は真逆でありますが、結果としては同じような過ちを政治がすることになるかもしれないという心配もしています。
 公明党は、かねてから国民の利益のために光通信の回線設備をオープン化してくれということを申し入れております。例えば、光通信の完全なオープンアクセスが実現できれば、一つ景気対策がございます。国が回線に資本投下することができるようになるからです。もう一つは、ユニバーサルサービスが実現をいたします。三つ目には、デジタルデバイドが解消されていきます。
 大臣は、この二〇一〇年問題について、まあ二〇一〇年と言われるかどうか分かりませんが、タスクフォースをつくられました。それで、一年間掛けてじっくり議論をして方向性を決めていきたいと言われておりますが、どうか原口大臣らしく思慮深く、賢明にこの問題の解決の方向性を考えていただければというふうに思います。
#27
○国務大臣(原口一博君) 澤委員にお答えいたします。
 私は、澤委員御案内のとおり、民主党の独占禁止法PTの座長もさせていただいて、この国会に独占禁止法の改正案というものを、これはもう三年前ですが、出させていただいております。まさに市場条件をいかに競争、公平、オープンにしていくかということを中心とした独禁法の改正案でございまして、寡占を強めるなんという話は全くございません。
 そして、今お話しのように、IP化、ブロードバンド化、モバイル化など市場環境が大きく変化しています。その変化に対応して、ほとんど多くの先進国がこのICTを中心に成長戦略にしているわけです。日本は、澤委員や多くの皆様の御努力で世界最高のブロードバンド環境を持っています。しかし、その世界最強のブロードバンド環境は国民に対してどれだけの恩恵を与えているんだろうか。あるいは、そのブロードバンド環境でアプリケーションは、じゃ世界の何番目かと、ちょうど真ん中ぐらいなんですよ。このまま一%成長が続けば、三十年後には日本はGDPで世界の、世界のですよ、八位にも入らないという状況です。
 世界に対する我が国の技術の優位性を使ってどのように世界と競争をし、その競争の中で果実を、世界の国民の皆さんに対してもしっかりとコミュニケーションや情報の果実を享受していただくかということも大変大きなことでございまして、そのことを議論するためにタスクフォースを立ち上げているところでございまして、今、澤委員の御指摘のとおり、競争性をきっちり確保する形の政策をやっていきたいと思いますので、是非また様々な御指導をいただきたいというふうに思います。
#28
○副大臣(内藤正光君) 私も一つお答えをさせていただきたいのは、澤委員と本当に共通しているのは、やはり競争環境、独占を排して競争を通じて国民に提供するサービスの質の向上並びに料金の低廉化を進めなきゃいけない、その点では完全に一致していると思います。
 その後は政策論争だと思いますが、実は、後から調べていただきたいんですが、東日本と西日本の料金の水準を比べていただきたいんです。西日本は押しなべて、NTTが提供している料金以下のサービスで多くの事業者が提供しております。他方、東日本は、実はいろいろな事業者があるにしてもすべてNTTの料金とくっついているんです。それはなぜかといいますと、西日本は全体的に電力系の会社が設備ベースでの競争を挑んでいるからなんです。設備ベースでの競争を挑むことでサービスの質も上がるし、また料金の低廉化も起こるんです。ところが、東日本はそういう競争が起こっていないんです。
 ですから、私はこういった実例を踏まえて言うならば、必ずしもNTTが設備を持って、それを開放を進めれば料金の低廉化が進むとかサービスの向上が進むとは思っておりません。やはり私は適度な設備ベースでの競争が必要だと思います。今までは、どちらかというと回線開放ばかりに力を入れ過ぎた余り、設備ベースの競争がどちらかというと抑制されてきたというふうに思っております。ですから、これからの政策としては、この両者のバランスを考えた取組が必要だと思うということを申し上げ、これからの議論をさせていただければと思います。
#29
○澤雄二君 大臣、副大臣とも非常に微妙な御答弁をされて、どちらとも取れない。内藤副大臣の方はもう少しはっきりとおっしゃったと思いますが。
 つまり、設備のオープン化をもっと進めるべきだ。ただし、設備についてもNTTはやっぱり膨大な、莫大な基盤設備を既に持っているわけですね。つまり、その開放を進めることが競争性を確保することになる。それを先ほど申しました完全にオープンアクセスを実現すれば、つまり、それはまた新たな国民の共有の財産になっていきますから、そのことについては国が支援することも可能になってくる可能性も出てまいります。
 ですから、NTTを寡占化させることによって日本の通信産業の発展を図るのか、そうではなくて、それを開放させて競争性を確保した上で日本の通信の未来をつくっていくのかという、これは非常に微妙な考え方で、この一年間多分いろんな議論がされていくと思いますが、そうした中で、つまりNTT寄りかNTT寄りじゃないかという分かりやすい話をするとそういうことでございますが、そのときにやっぱり労組の政治団体といえども政治献金を受けられたというのは、私はちょっと遺憾に思っておりまして、まだ収支報告書を出すまでには時間ございますので、今年は返されたらどうかなというふうに思っております。
 時間がなくなりましたので次の質問に入らせていただきますが、いわゆる情報通信法でございます。通信と放送の総合的な法体系についてお伺いをいたします。
 この総合的法体系というのは、一番最初は二〇〇六年のいわゆる松原懇談会、竹中総務大臣がつくられた松原懇談会で出てきたものでございますけれども、最初この総合的な法体系というのはどういうふうに言われていたかというと、融合法制、通信と放送の融合法制と言われていたんです、松原懇では。松原懇がやった中で、一回だけこの融合法制というのはごく短い時間議論された。その後の記者会見で、松原さんが記者団からこの融合法制って一体何ですかと質問されたときに、松原さんは、放送法と通信法と著作権法を一つの箱の中に入れてガラガラポンして出てきたのが融合法制だと言われたので、この融合法制という言葉は、前の政権の与党合意案の中にも当初融合法制と出ていました。でも、こんな訳の分からないコンセプトから出てきた融合法制という言葉がそのまま使われたら、それこそどんな政策をつくられるか分からないというので、通信と放送の総合的な法体系という言葉に私が直させていただきました。
 それで、この通信と放送の総合的な法体系でございますけれども、これ、元々出てきたのは通信と放送が融合する、将来的に、という議論からこの懇談会が議論が始まりました。竹中大臣とも最初の議論をしたのもこの点でありますけれども、通信と放送が融合するのか。融合というのは溶けて一つになるということです。通信は通信の秘密があります。放送は、特に地上波の放送は公共的役割があって不特定多数全員に同時に情報を送ることができます。この二つの機能が溶けて一つになることは僕はないと思っていますけれども、原口大臣、どうでしょうか。
#30
○国務大臣(原口一博君) 澤委員にお答えいたします。
 大変大切な問題意識を持っていらっしゃると思います。そういう意味では、松原懇や竹中大臣がお使いになった融合という言葉は、よほど気を付けて使わなきゃいけないし、全く違う原理ですね。今お話しのように、通信においては一番大事にしなきゃいけないのは通信の秘密です。そして、放送においては表現の自由の確保、報道の自由の確保であり、今お話しの公平性、公正性です。この二つの原理を全く考えることなく単にフュージョンさせるということは、何を意味するかというと、全く違う二つの原理がそのどちらも大切にされなくなるということを意味するんだと、私はそういう危惧を持って、今までも野党時代に何回も同じような質問をさせていただきました。
 そういう意味では、放送業者と通信業者が自らのサービスをお互いに乗り入れるということはあるかも分かりません。しかし、そのことを指して融合とは言いません。私たちは、新しい法制を、まさに表現の自由や放送の自由、報道の自由のとりでをつくりたいということで、今回、新たな放送・通信の委員会というものをつくろうとしているわけです。その基盤となるのも、今委員がお話しになった原理原則を大切にするということでございますので、更に御意見を進めていただいて、共通の基盤を、認識の基盤、かなり荒っぽいことを今まで議論されてきたんだということを申し添えておきたいというふうに思います。
#31
○澤雄二君 竹中大臣も、それからその後の菅大臣も、通信と放送は融合しないということを言われていました。言われていましたが、総務省が作る文書は融合・連携という言葉が使われるんですね。必ず融合は付いているんです。
 ですから、大臣、副大臣にお願いしたいのは、融合するということは僕はあり得ないと思っています。連携なんです。テレビはいろんな端末で見れるようになりました。それは回線とかいろいろあるからです。ですけれども、それは見れる端末が増えたということで、インターネットでもテレビ見れます、携帯でもテレビ見れます、端末が増えたということで、通信と融合したことではありません。大臣はよく分かっていらっしゃるでしょう。
 ですから、今後お願いしたいのは、総務省の書類の中で融合・連携というのはやめていただいて、連携という言葉だけにしていただけないかというお願いをしておきます。今にわかに御答弁できないでしょうから、時間がなくなったので次の質問に移りますが。
 この総合的な法体系については、八月に最終答申が出されて、今総務省では粛々と法案作りが進められていると思うんですけれども、この法案作り、これからどうされるかということもお聞きしたいんですが、今後のこともありますので、一つだけちょっと大事な点を指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 この答申の中の重大なポイントで、地上波放送の免許手続を二つに分割するということが書かれています。いわゆるハード、ソフトの分離でございます。現在、放送局の免許というのは、放送設備に対してだけ免許が与えられます。つまりこれはハードだけです。でも、答申によりますと、テレビ局の設備と放送業務を別々に分離をして、設備は免許、それから放送業務というのは認定制にするという、つまりハード、ソフト分離が明確に答申の中で書かれているわけであります。
 私はかねてから、地上波の放送においてはハード、ソフト分離はあり得ないということを申し上げてきました。理由は二つあります。編成権が失われる可能性がありますので、ハード、ソフト分離をすると、日本のテレビ文化がなくなりますよと。極端なことを言うと、日本のテレビからニュース番組がなくなる可能性もありますよと。これ、今日、時間がないから詳しく申し上げません、次の機会に譲りたいと思いますが。もう一つは、地上波の放送局が持っているネットワークが崩壊していく可能性がありますよということを申し上げて、反対をしてまいりました。
 それで、大臣に伺いますが、日本のこのテレビ文化を守るために、現在の地上波放送の持つ基幹放送としての概念の維持、それから放送規律を確保することが極めてこれからの地上波放送にとって大事なことだと思いますが、この答申にあるハード、ソフト分離について、大臣は今どのような認識をお持ちでしょうか。
#32
○国務大臣(原口一博君) ハード、ソフトの分離、これは強制するものではないというのはもう委員御案内のとおりですし、やはりそこの議論も私も見てみましたけれども、委員がお話しのように、かなりアバウトというか、ちょっと言葉を選ばなければ、粗いです。ですから、しっかりとした、ハード、ソフト、手続を振り分けるに当たって、今委員がお話しのような放送番組編集、これが肝なわけです。その自由を損なったりその機能を損なったりすることがあってはならないと、このように考えているところでございます。
 よく、どこからどこまでがハードでどこからどこまでがソフトなんだという議論にもなっていくと思いますが、その辺は総務省としても、これまでの政権のいろんな答申はありますけれども、そのいいところは引き継ぎながらも、少し懸念されるところは慎重に議論を進めてまいりたいと、こう考えております。
#33
○澤雄二君 今大臣の言われたハード、ソフト分離という場合にどこで区切るのかということは、答申については書かれてはおりません。でも、これがすごく大事な問題でございます。
 それで、その前に大臣に伺いますが、ハード、ソフト、地上波の放送においてですよ、ハード、ソフト分離することにおいて得られるメリット、利益はあるでしょうか。
#34
○国務大臣(原口一博君) 今にわかにその利益が何かと言えと言われても、正直浮かびません。確かに、先ほどの情報通信のところでも御議論がありましたけれども、ファンダメンタルなところ、つまりハードの部分をつくる人たちは、世界的に見ても減っていますね。上位レイヤーの方に優位性が移っている。だから、国民共通のコミュニケーションの基盤をだれのお金でだれがつくるかというのは、一方で議論があるところです。しかし、事、地上波放送について、ハード、ソフトを分離をした場合どんなメリットがあるかというのは、私はその答申を書いた人たちに聞いてみないといけないと、こう考えています。
#35
○澤雄二君 書いた本人に聞いたわけではありませんけれども、総務省にお伺いしたら、テレビ局の選択肢を増やすんだということでございます。選択肢を増やすってどういうことですか、具体的に。例えば、ローカル局だとか、経営困難に陥ったときに、技術部門だけを一緒にして別会社をつくって何局かでというようなことが考えられる、そのときにはハード、ソフト分離の方がやりやすいんだという御説明を受けたことがありますが、これも実は実際のテレビ局がやっている事実関係と違います。
 まず第一に、今言われた、これはもう時間なくなりましたからあれですが、そのときのハード、ソフトをどこで分離するかということがすごく大事な問題であります。ここで問題提起だけしておきますが、後から総務省から聞いていただければいい、総務省だけじゃなくて我々の話も聞いていただきたいと思いますが、マスター管理をどっちに持たせるのかということ。番組の編成権をどちらに持たせるのかということ。
 マスター管理って、今日は時間ないから詳しく申し上げませんが、マスター管理をもしハード側に持たせるんだったら、これは全部技術的分野ですから、通常考えるとそうです。だけど、マスター管理をハード側に持たせると、いわゆる緊急放送のときに、我々業界の言葉でカットインとかこじ開けとかと言っています、通常の番組を途中で切る、途中でこじ開けて緊急放送を入れる。これはまさにマスター管理でありまして、これはソフト側が持っていないとできないことなんです。この大事なマスター管理とそれから編成権というものが、ソフト側が持っているんだったら、ハード、ソフト分離する必然性は何もなくなってきます。
 それで、総務省が説明された、技術系だけの別会社をつくることができるじゃないですかと。これはハード、ソフト一致でもできます。どんなテレビの技術屋に聞いていただいても結構でありますが、それはハード、ソフト分離しなくてもできます。実際にアメリカでセントラルキャスティングという方式が行われていますが、これは一つの建屋で幾つかの放送局の技術を一緒にしているわけでございますが、これ、ハード、ソフト一致で、放送は免許を与えられて続けられています。日本でも、中国放送と、以前伊予放送と言いましたけど、今はあいテレビと言っています、これが実は同じようなことをやっています。両テレビ局にそれぞれ免許が与えられています。
 つまり、総務省が説明されるハード、ソフト、こういうメリットがありますよということは、別にハード、ソフト分離しなくても今のままでもできる。分離をすると非常に危険なことがこれから待っていますよと。それは先ほど申し上げた、今度の機会に譲りますが、どうして日本のテレビからテレビニュースが消える可能性があるんだ、どうしてネットワークがなくなる可能性があるんだと。
 今日はもう時間がありませんからそこまで説明をしている時間はありませんが、次の機会に譲りたいと思いますが、少し大臣や副大臣にもこの問題よく検討をしていただいて、判断をしていただきたいというふうに思います。
 最後に御答弁をお願いします。
#36
○国務大臣(原口一博君) 今の澤委員の問題意識は、いわゆるマスター管理、これは番組素材の伝送で生放送などをスタジオで、主調整室というんですか、マスターで多重化したり信号を処理したり電波送出をしたりする、こういう機能というのはやはりまさにソフトそのもので、これをハード面に渡してしまえば、それこそ先ほど私が答弁したように、番組の様々な編成権やあるいは様々な報道の自由ということまで侵されるといえばオーバーかも分かりませんけれども、そういう危惧さえあるということで、特段の関心を持ってここは議論をしていかなきゃいけない。
 私たちは、放送局に様々な選択肢が増えるというのは、それはいいことだと思っています。しかし、その選択肢の名の下に様々な懸念やあるいは様々な障害が起きてはならないと、このように考えておりますので、更に研究をさせていただきたいと思っています。
#37
○澤雄二君 選択肢は広がらないんです。ハード、ソフトを分離して広がる選択肢のメリットは具体的にはないんです。
 それで、もし今言ったようなそういう技術系の会社だけをつくることを考えたら、今テレビ局にとって技術系の設備、それの管理に掛かる費用って莫大な費用が掛かっています。これは、いわゆるソフトで稼いだ部分、娯楽番組や何かで稼いだ部分をそこに投入をしているから経営が成り立っている。つまり、ハード、ソフト一致だから経営が成り立っています。これを分離して別会社にすると、技術系の会社は技術系の会社で、新たに自分のところが利益をそこに重ねなきゃいけないから、今までよりもコストが増えるんです。今赤字の部門をソフト、いわゆるソフト、ハードを分けて考えると、娯楽番組その他で稼いだ金をその赤字部門の技術に投入しているから成立をしている。この赤字部門を切り離すとそこだけで独立採算しなきゃいけないので、更に利益を上げることを考えていかないと、これは全部コスト増につながってまいります。
 ですから、よく議論されないで僕はこの審議会答申を出されたというふうに思っていますが、これからいろんな機会でこのお話させていただきたいと思っていますが、ハード、ソフトを分離するメリットは何もないということを今日は申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#38
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 江利川人事院新総裁に質問をさせていただきます。
 まず、人事院ができた歴史的経過についてであります。
 一九四八年、マッカーサー書簡、それを受けた政令で公務員の団体交渉権が制限をされ、争議権が禁止をされました。その代償措置として国家公務員法において臨時人事委員会が設置され、後に今日の人事院となりました。こうして、憲法に保障されている労働基本権が著しく制限された代償措置として人事院がつくられた。その役割は極めて重いと思いますが、総裁の認識を伺いたいと思います。
#39
○政府特別補佐人(江利川毅君) ただいま先生が御指摘になられましたように、人事院は、公務員は国民全体の奉仕者であるという憲法十五条に由来する公務員人事管理の中立公正性を確保する、そういう責務を担う人事委員会として二十二年に創設されまして、その後、御指摘のありました国家公務員の労働基本権が制約されたことに伴い、昭和二十三年、その代償機能を担う人事院として改組されたものでございます。
 公務の民主的かつ能率的な運営を保障することを目的とした公務員法に基づき、人事院は重要な責任を担っているものと認識しております。
#40
○山下芳生君 その人事院の機能を果たすために必要欠くことのできない要件について、当時の臨時人事委員長浅井清氏が一九四八年十一月十一日の参議院本会議で次のように説明をしております。不偏不党、いかなる勢力の制肘をも受けることなく、厳正公平な人事行政を行いますとともに、国家公務員の福祉と利益との保護機関としての機能を果たしまするためには、この委員会は、そのために必要とし、かつ十分なる権限が与えられまするとともに、あたう限りの独立性が確保されることを必要欠くことのない要件といたします。つまり、不偏不党かつ独立性の確保が人事院の機能を果たすために必要欠くことのできない要件であるということだと思いますが、その点についての総裁の認識を伺いたいと思います。
#41
○政府特別補佐人(江利川毅君) 今御指摘のありました点は、今日においても変わらないというふうに認識しております。
#42
○山下芳生君 ところが、二〇〇二年に小泉内閣が打ち出した総人件費抑制策の下で、人事院は二〇〇二年に人勧史上初めてマイナス給与勧告を行い、その後二〇〇三年、二〇〇五年と給与引下げ勧告を行いました。これは政府の意向に沿った勧告だったと思います。
 そして今年、人事院は従来の人勧制度のルールを踏みにじって四月に臨時調査を行い、六月の夏季一時金を凍結する勧告を行いました。その背景に、当時の与党プロジェクトチームが国家公務員の給与を引き下げる議員立法を準備しており、その与党プロジェクトチームの会合に人事院給与局長が出席していたなど、不偏不党、独立性確保に反すると思われる事態がありました。五月二十八日の当参議院総務委員会でも大きな問題となったところであります。
 江利川総裁は、十一月十日、衆議院議院運営委員会において人事官候補者として所信をお述べになり、その後、委員と懇談をされております。その中で、我が党の佐々木憲昭委員から今述べた点を問われて、総裁は、「私は、この間の人事院勧告の具体的なプロセスは存じ上げておりません。」と述べておられます。この時点では無理もないことだと思いますが、人事院総裁に任命された今、私は知らないというのは通用しないと思います。人事院勧告制度の在り方の根本が問われる問題でありますので、是非、江利川総裁におかれましては、一連の経過をよく勉強されて、反省すべき点は反省をして今後の教訓として生かしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#43
○政府特別補佐人(江利川毅君) 公務員の労働基本権が制約されていることに伴いまして、その代償措置として情勢適応の原則に基づき民間準拠の給与に関する人事院勧告を行っているところでございます。これは、民間の給与が経済的な不況の中で切り下がるということがあれば公務員の給与もそれを反映して引き下がっていくことがあるわけでございまして、この引き下がる云々というのは、まさに法律に基づいて、正しく人事院の機能を果たしていけば下がることもあれば上がることもあると、そういうものではないかというふうに思っております。
 それから、御指摘の給与局長が自民党の会合に出席をしたという関係でございますが、私どもは内閣に対しても、あるいは国会に対しても勧告をするそういう機能を持っているわけでございまして、そういう機能の関係で、人事院として何をどう考えたか経緯を説明する、求められればその説明に行くことはどこの党に対してもあることでございます。そういう意味で、それはそういう、どこの党にでもあることの、出席につきましては一環であるという認識でございます。
 それから、今回の夏のボーナスの一時凍結の関係でございますが、これにつきましては、私も着任後経緯を調べてみました。三人の人事官会議で三月辺りからいろんな情勢を調べまして、一応実態を把握できる範囲で把握していこうという判断の下に調査を始め、その結果こういう結論に至ったというふうに記録を調べまして認識をしておりまして、そういう意味では不偏不党という精神にもとるものではないというふうに認識しております。
#44
○山下芳生君 総裁になって一連の経過を振り返ったということですが、その上で今の御答弁だったと思うんですが、その認識でいいのかと、もっと私は深刻に受け止める必要があると思います。
 この問題は今日出席されております民主党の高嶋良充委員も五月二十八日の当委員会で厳しく追及されております。「私は、人事院は労働基本権の代償措置としての機能と役割を持って今まで公正中立にやってこられたというふうに思っていまして信頼をしていましたけれども、今回の件でその信頼は崩れ去ったと申し上げておきたい」とまで高嶋委員は発言をされております。そういうふうに受け止めた人が少なくなかったわけですね。江利川氏を人事院総裁に任命した鳩山政権の最大与党の今筆頭幹事長をされている方もそう指摘をされていたわけですので、これは大変重く受け止めて、人事院の不偏不党、独立性の確保に努めていただきたいと思いますが、改めて見解を伺いたいと思います。
#45
○政府特別補佐人(江利川毅君) 人事院の不偏不党、独立性の御指摘につきましては全くそのとおりだと思います。そういう御指摘を踏まえまして、今後の情勢に対しましても人事院の法律に基づいてその責任を果たしてまいりたいというふうに思っております。
#46
○山下芳生君 終わります。
#47
○委員長(佐藤泰介君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#48
○委員長(佐藤泰介君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、国家公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#49
○那谷屋正義君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の那谷屋正義でございます。
 与党の委員としては初めての質問ということの中で、自戒を込めて、もちろん法案の成立というものに全力を傾けながら、しかし様々な発展的な課題というものも当然同時にあるわけで、そうした課題を共通の認識を持つ、そんなふうな形の中で質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞ御指導よろしくお願いしたいというふうに思っております。
 それでは、今議題となりました一般職給与法等の改正案に関する質問でありますけれども、今年の人勧の報告もやはりマイナスということになったわけでありますけれども、この人勧の報告というものが、公務員の給与のみならず、その周りに対する影響というのも非常に大きなものがございます。そうすると、今この経済不況下の中で、例えば、民主党あるいはもうほとんど多くの方が同じように思っていらっしゃると思いますけれども、経済効果の六割を占めると言われている内需を拡大するということが非常に大事だと言われているわけでありますが、このようにして公務員の給与が下がる、それを見ながら今度は中小企業の賃金もまた下がる、それによってまた次年度の公務員の給与が下がるという、そういう負のスパイラルというかそういったものが、なかなかそこから抜け切れないような状況というのが今生まれてくるのではないかと。
   〔委員長退席、理事林久美子君着席〕
 そうすると、内需を拡大しなければならないという思いとは残念ながら逆方向に動いてしまっているというのが現状ではないかと、このように思うわけでありまして、そういう意味では、内需を拡大していくということについて、これは大きな話になりますけれども、総務大臣として具体的にどのようなお考えをお持ちか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#50
○国務大臣(原口一博君) 那谷屋委員におかれましては、児童教育に大変熱心に情熱を注がれて、そしてまた、さきの国会では公共サービス基本法の成立にも大変な御尽力をいただきました。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
 那谷屋委員と全く同じ認識を持っています。労働者を官であるとか民であるとか分断をしてしまって、そしてそれを低い方に比べることによって逆に負のスパイラルに陥っては絶対ならないというふうに思っています。働く人たちの権利を保障し、労働を中心とした福祉型社会を実現する、これが私たちの使命だというふうに思っています。
 その上で、今お尋ねの内需の拡大策でございますが、私たちはマニフェストで、大規模公共事業、中央集権型のいわゆる外需頼みの日本の構造を思い切って地域経済に、そして福祉経済に、そしてコンクリートから人へということを申し上げているところでございます。子ども手当やあるいは高校無償化、これは単なる手当ではなくて、控除から手当へと、今まで男性中心の働き方、いわゆる重工業時代に一般的であった働き方を、それを根本から変えていこうと。様々なチャレンジドやあるいは女性やあるいは小さい子供たちが安心を感じ、そして家計の可処分所得を増やして消費を拡大する、これがとても大事なことだというふうに思っています。
 その上で、先ほども澤委員にもお答えをしましたが、今のような経済構造を続けていたら日本のGDPは増えません。結果、内向きの、何を削らなきゃいけない、かにを削らなきゃいけないという、貧乏神に取りつかれたようなそういう議論になってしまうわけです。
 それを脱却するためには、まずは一人一人が自らの生活に対して、年金だって一年間に九兆八千億も運用でなくされていたらそこに安心を獲得することはできません。様々な今までの悪弊を変え、そして地域主権改革を行い、あわせて、来年度予算には緑の分権改革ということを申し上げています。それは何かというと、一人一人が自らが食する食料に、これは社民党さんもおっしゃっていますが、固定価格の買取り制度というものを全般に広げることによって、自らが分散型のエネルギーを、そして地域を支える富を創富していくと、こういう考え方でございまして、いずれにせよ、すべてのシステムには、那谷屋委員が情熱を傾けてこられたような教育のシステムをビルトインしていきたいと思っております。
 あわせて、ICTを使った教育の創造。教育は、もう釈迦に説法ですが、奪い合えません。マル・カケ・三角を強制された教育は、答えと違ったものを出すと非寛容です。しかし、解決型の教育、一人一人が自らの地域を、あるいは自らの生活を解決型に変えていく、そういう教育は、情報というものは富を奪い合えません。協働と共有ということを中心に政策そのものを変えていきたいと。
 医療や子育て、教育といった重点を置いた、そういう施策を強力に来年度予算の中でも実行をしていきたいと、そう考えておりますので、御指導よろしくお願いいたします。
#51
○那谷屋正義君 私の専門といたします教育分野を例に取って、大変御丁寧に答弁をいただきましてありがとうございました。
   〔理事林久美子君退席、委員長着席〕
 要するに、国民が安心して暮らせるという、そのことがまず大前提にあって、そして、それは賃金もそうですけれども、様々な分野からそのことを支えていく。これをもう一度国がやっていかなければならないと、このように私としても理解をさせていただいたところでございます。
 経済効果を上げる中で、社会保障にかかわって、そこに力を入れることによって相当大きな経済効果も生まれるというデータも出ているわけでありまして、そういう意味では、是非そういったところに力を入れて一緒に頑張っていきたいと、このように思うところであります。
 一方で、これは衆議院の総務委員会の中でも出された質問というふうに認識しておりますけれども、公務員の給与が、いわゆる民間準拠と言われながらも、ところが、この間、地方では大変財政難というものを理由に独自のカットが行われてきていると。これはいろいろそれぞれの都道府県の中で確定する話なんですが、ところが、官民較差を調査する場合には、この独自カット以前の数値と、そして民間給与を比較するという、こういう実態に合っていない比較方法が行われているところが多々あるというふうに認識しております。
 これは、本来の人事院勧告、その官民較差の対照方法というものを考えたときには、これは随分違う話になってきている、実態と懸け離れたものになってきているというふうに私は言わざるを得ないわけでありまして、各都道府県人事委員会の所管というのは総務省というふうに認識をしておりますけれども、今後、より正確に官民較差を調査するための何らかの人事委員会への考え方を総務大臣から示していただくことが必要ではないかと、このように思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。
#52
○国務大臣(原口一博君) 那谷屋委員にお答えいたします。
 人事委員会としては、あるべき水準の勧告をすべきものであることから、給与カット前の水準を民間と給与水準、比較することが極めて重要であると考えております。
 今御指摘のように、民間給与水準が給与カット前のであれば、その水準とただ比較するだけであれば引下げ勧告になるわけです。でも、現実には、給与カット後の職員給与水準と民間給与を比べた場合は、今度は逆に民間給与の方が高くなっているから、勧告とすれば引上げ勧告になるという、そういうことを今御指摘をされたと思います。
 まさにおっしゃるとおり、現実、実態に合わせた官民比較をすべきだと。総務省としても、もちろんそれは各地方公共団体の職員の給与については地域の実情を勘案した上で地域の皆さんがお決めいただくことですけれども、その官民比較はしっかり公正に正確にやるべきだということを助言をしていきたいと、このように考えております。
#53
○那谷屋正義君 ありがとうございます。
 私もそのように思うわけであります。そうした比較をした上でやはりマイナスになるという部分については、公務員の給与の今の制度の中では、これはもうそれぞれが仕方ないことだという認識はまず持つわけでありますから、そういう意味では、その比較をきちっと本来あるべき姿にしていくということ、これは今大臣がおっしゃっていただきましたけれども、大変重要だというふうに思います。
 また、各県あるいは各市町村によって、かなりこの給与の確定、公務員の確定の仕方がかなりまちまちになってきているというのも事実であります。人勧に基づく、そのまま人勧をやると、完全実施をする場合もありますし、そうではなくて独自にそういったカット、カットというふうな形になっている。
 つまり、このことの主な原因というのは、この間ずっと広げられてしまったこの較差というもの、このことがやっぱり大きな影響を及ぼしているんだろうというふうにも思いますし、そういう意味では、人勧制度というものが限界に来ているんではないかという、そういうふうなことを言われる方もいらっしゃるわけですけれども、それについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
#54
○国務大臣(原口一博君) 那谷屋委員と同じ認識を持っています。この間、三位一体改革を中心として、多くの、地方切捨てと言うと強過ぎるかも分かりませんけれども、それが行われてきました。独自のカットが続くのであれば、もう本当にいっそのこと廃止しようという議論が出てきてもしようがないというふうに思います。
 労働基本権の議論の問題、私たち、国家公務員制度改革基本法に基づいて労使関係の制度検討委員会について議論が行われていると承知をしていますけれども、民主党はマニフェストの中で、公務員制度の抜本改革の実施ということで、公務員の労働基本権を回復するんだということをしっかりとうたっています。そのことはやはり、公共サービスの質を確保する、これだけ広がった公共サービス格差、これは絶対に見逃せないことでございますので、大事な視点であるというふうに思っておりまして、あのマニフェストに従って、あるいは様々なこの国会での御議論をいただいて前向きに検討をしていきたいと、こう考えております。
#55
○那谷屋正義君 ありがとうございました。
 次に、人事院総裁にお尋ねをしたいと思っております。
 先ほど山下委員の方からも御指摘がございましたが、この六月期の期末・勤勉手当において、民間の春季賃金改定期における夏季一時金の決定状況から、過去二十年以上にわたって見られないほどの大幅な前年比マイナスとなる傾向にあるとして、特別調査を行って〇・二月分を凍結する臨時勧告を行ったということであります。結果的にこのことは、この十二月期にまとめて〇・三五月マイナスになるということから考えると、ある意味そこはよかったというふうに言っている人もいますけれども、しかし、本来の人事院勧告の制度の在り方ということから考えたときに、やっぱりそれは問題であろうというふうなところが私は強く感じるところでありまして、本来、公務員の場合には今年の六月期と十二月期の支給割合、そして民間は前年の八月から今年の七月まで、この実績を比較しているものでありますから、そういう意味ではこの十二月期の公務員の支給月数の部分には今回は影響は出てこない。
 しかしながら、報道等を見ると、かなりこの冬の民間のボーナスも大変厳しいというような話も出てきているわけでありますけれども、そのことによってまた今年の春の臨時勧告のような措置を講ずるということはよもやないというふうに思うわけでありますけれども、来年夏の人事院勧告で公務と民間の特別給の年間支給月数を、来年夏の人勧でそれをやるというふうに、そういう決意がおありかどうかをお尋ねしたいと思います。
#56
○政府特別補佐人(江利川毅君) 確かに御指摘のように、昭和四十九年ごろでしょうか、いわゆる狂乱物価と言われたころの賃金の変動に合わせて特別な勧告をしたことがございますが、それに次ぐような大きな変動が去年から今年にかけてありましたので、それにも対応したということでございます。
 ただ、おっしゃいますように、ボーナスの反映については基本ルールがあるわけでございまして、この基本原則は大事にしたいというふうに思います。また、この冬の数字がどう出るか分かりませんけれども、冬がどう出たからどうということでは必ずしもないと私も思っております。
 ただ、この夏の関係の経緯を調べますと、いろんな変動を三人の人事官、いろいろ議論しながらやったようでございます。この先どういう変化があるか分からない状態でございますので、今の段階でどういう変化があるか分からないもの含めて何もありませんと申し上げるのもなかなか厳しいと。基本的なルールは大事にしたいというふうに思っております。
#57
○那谷屋正義君 正直に答えられたのかなというふうには思いますが、しかし、この期に人事院総裁がそうした答弁をされるのはやはりちょっと問題だなというふうに思いますので、是非そこのところは、原則をしっかり守っていきたいという、その辺りの答弁にとどめていただきたいと思うんですけれども、もう一度お願いします。
#58
○政府特別補佐人(江利川毅君) 人事院の役割が国民から信頼される、あるいは全公務員から信頼される、使用する政府側からも信頼される、そのためには、法律に基づいてきちんとその任務を果たす、それから決められたルールにのっとって基本原則を大事にすると、これはかなめだと思っております。
#59
○那谷屋正義君 そこで止めていただきたいと思います。
 それから、もう一つお聞きをしたいんですが、いわゆる二〇一三年以降の年金の支給の仕方が本当に大きく変わってくるわけでありますが、一方で定年制というものがあるわけで、六十歳から六十五歳までの間に何の収入もなく生きていかなければならないというような状況がこのままでは生まれてしまうということの中で、民間では一定その部分について再任用、再雇用というふうな形でなってきているところもありますけれども、公務員としてもやっぱりそこのところはきちっと道筋を立てていかなければいけないというふうに思っています。そうしないと、やはり安心して定年を迎えられないあるいは退職できないというそういう状況になるわけでありますから、その辺について人事院としてはどのようなスケジュールでどのようなお考えをお持ちかお聞かせいただきたいと思います。
#60
○政府特別補佐人(江利川毅君) 本年の勧告の中でもその問題については触れているところでございます。
 おっしゃられましたように、このままの定年制が続いて、年金の支給までの乖離ができて所得がない事態が起こるというのは大変まずいわけでございますので、年金支給開始年齢の引上げに伴いまして退職年齢を考えていく、見直していくということは大事なことだと思います。
 これをやっていくためには法改正が必要になるわけでございますが、二十五年から引き上がっていきますので、その法改正は二十三年にはやらなければならないのではないかというふうに思っております。そのためには、人事院としましては、どういうことを具体的な立法の中に盛り込むべきか、そういうことにつきまして様々な角度から詰めて、来年中には意見の申出ができるように検討してまいりたいというふうに思っております。
#61
○那谷屋正義君 六十歳から六十五歳まで無収入で、本当に生活に困るというような状況が起こらないように、いわゆる公務員の労働基本権、この代償措置という意味合いからも是非確立していただきたいと、こう思うところでございます。
 給与法についてもっともっとたくさんいろんな形、いろんな分野で御質問したかったんですが、それ以外にも質問をしたいという部分もありまして、欲張っておりますので、ちょっと給与法についてここぐらいまでにしますけれども。
 先ほど、大臣の方から公共サービス基本法の話について触れていただきました。この公共サービス基本法というものをより具現化していくために、自治体において、より国民に近いところでの公共サービス、これがやはり充実しなければいけない。
 例えば、現業の職員というのがあるわけですけれども、これが、実はもう相当昔から現業職員というものに対する考え方がいわゆる単純労務というふうな形での認識しか、法改正しかなっていないわけですけれども。そこのところを、今日的にはもうそれだけではなくて、やはり今地域の様々なコミュニケーションあるいは福祉、そういったものにもしっかりと寄与している、頑張っていらっしゃるというそのことが実際にあるわけでありますので。
 そういう意味では、この公共サービス基本法が成立したということにとどまらずに、今後それをより具体化して国民が安心して暮らしていける、そういうふうなことが大事だというふうに思うんですけれども、ちょっと感想、これについてはまた後日、後日というか、今度は通常国会になると思いますけれども、しっかりといろいろと大臣の見解、認識をお聞きしたいと思いますが、今の段階でちょっと御感想いただけたらと思います。
#62
○国務大臣(原口一博君) 那谷屋委員のおっしゃるとおりだと思います。現業職員の皆様の公共サービスにおける役割というのは、単に行政コストを、あるべき効率化をするということではないと思っています。むしろ、様々なきずなの創生、あるいは地域の再生、そういった意味でも大きな役割を果たしてくださっている。
 そこで、那谷屋委員にも、ここにいらっしゃる総務委員会の皆様にも大変お力をいただいた公共サービス基本法ですが、あそこは三つの柱で成り立っています。武内議員にも大変お世話になりました。ありがとうございました。
 それは、一つは、公共サービスにおける国民の権利を明定するというところでございました。そして、そのために中央政府、地方政府、あるいは様々な企業体は何をやるかということが二番目でした。そして三番目は、公益の担い手をしっかりと権利を保障していく。働く人たちが、やはりその権利の保障がなければ公共サービスの質も確保できないだろうということが大きな柱でございました。権利の保障という文言までは、当時私たちは野党でございまして、入れ込めませんでした。
 さらに、公共サービス基本法をブラッシュアップするとともに、地域におかれては、これはそれぞれの地域の御判断でございますが、これを受けた公共サービス基本条例あるいはプログラム法というものがこの後に来るべきだというふうに考えておりました。
 いずれにせよ、現業職員の方々は四十代に入ると逆に給料が下がっていくと。こんなことでは生きがいのある働き方はできないと思います。官民の較差を言い募るのではなくて、労働者の連帯、これを私たちはしっかりと確保していく、そういう政治を行っていきたいと決意を申し上げて、お答えに代えたいと思います。
 ありがとうございます。
#63
○那谷屋正義君 今のような大臣の御答弁をやはり現業の方々が聞けば、本当にこれからの働く意欲、これを高めていく、そういったものにつながっていくのではないかというふうに思いますので、是非それを形にしていきたいと、このように改めてお約束というかお誓いしていきたいというふうに思います。
 最後は、これ、御質問にはしないで、あえてお答えは聞きませんけれども、先ほど、負のスパイラルから抜け出るためのいろいろな方法ということで、大臣からお答えをいただきました。その中の一つに、例えば、今度マニフェストでうたっている子ども手当ですとかあるいは高校の無償化、こういったものもその一つに当然なってくるというお話だったと思いますけれども。この高校の無償化というものは確かに本当に大事なところなんですが、この間ずうっと上がってこなかった文科行政の一つの理由の中に、やはり公立と私立の、このところに不平等さが生まれるんじゃないかというような、そんな部分も実はあったんですね。
 そういう意味では、公立の授業料はもう実質無償化になるわけでありますけれども、今の文科省のプランでは、私立高校の部分については、収入に応じてですけれども、それが二倍まで支給をされるということで、そこをしっかりと国の財政から、国からそれを保障しようということになっています。
 しかし、この間、授業料の減免とかそういったものについては地方の予算の中からこれが賄われてきたという経緯もありまして、そこの部分について、授業料に値する部分がもう国で保障されるから、それを今度は、今まで減免していた分の、これは地方交付税だったんですけれども、これをもうなくしてもいいというふうな考え方に立っちゃうとこれは問題だろうというふうに思っています。
 ですから、やはりそこに何らかの地方が、もちろん地方の意思で決定する部分でありますけれども、これをやはりそこにのせることができるような地方交付税というものを是非お考えいただきたいと、このように思っておりまして、大臣はかねてから、所信でもお話しされておりましたけれども、地方交付税法定率の引上げということをずっと言われておりました。私も、あるいはこの委員会もずっと、これは前政権の大臣もやはりその部分は上げていく必要があるというふうなことを言われておりましたので、その部分については共有化できるんだろうというふうに思っています。
 そういう意味で、一方で地方交付税法定率をしっかりと引き上げていく、これをみんなでしっかりとやっていきながら、そうした高校の無償化、授業料の無償化というもののいわゆる私立と公立の平等性というものを確保する。そのことによって初めて実質無償化という、その意義を是非お考えをもう一度いただきながら、来年度予算に向けて御検討いただくことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#64
○又市征治君 社民党の又市です。
 今回の給与法案は、基本給及び一時金の引下げ等を行おうというものでありますが、人事院勧告が労働基本権の代償措置であるという以上、民間の比較対象規模が引き下げられてきたというこの間の経過に問題はありますけれども、そのことはこの際さておいて、人事院が民間給与の調査に基づいて勧告している以上、それを最大限尊重するという立場から、やむを得ないものとして法案には賛成をいたします。
 ただ、我が党が度々主張してまいりましたように、民間の賃金動向というのは、好況、不況にかかわらず、長期的に下落あるいは横ばいがずっと続いている。他方では、企業の役員報酬は伸び続けるし、内部留保は巨額に上っている。こういう格好で格差が非常に拡大をしているというのは大変な問題だというふうに認識しています。ましてや非正規労働者あるいは失業者、年金生活者、社会的な扶助をお受けになっている方々には、この人事院勧告に象徴される賃金相場を通じての社会的な再分配機能というのは全く働かない。こんな格好になって格差がどんどん広がってきたという、こういう状況にあります。
 こういう状況を踏まえながら、私たち社民党は連立政権の一員として、派遣労働法の抜本改正などを通じながら、この非正規労働者の権利と処遇の改善を始め、民間と公務員あるいは正規と非正規を問わずにすべての勤労者が正当な、かつ尊厳を持って働けるような賃金や労働条件が得られるように支援をしていく、また政府もそのような労働政策を取るように促していくというか努力をしていく、こうしていきたいと、こう思っています。
 こうしたことを前提にして、各府省や自治体に多数存在する非常勤職員の処遇問題について、今日は人事院と大臣にお伺いをしてまいりたいと、このように思っています。
 まず初めに人事院にお伺いしますが、人事院は昨年の勧告時の報告において、事務補助職員等の非常勤職員の給与の適正支給を確保するため、各府省の長が給与の決定に当たり考慮すべき事項を示す指針を作成をするというふうに表明をして、現に昨年の八月、指針を発出をされたということであります。その結果、全府省で非常勤者の給与規程が整備をされ、ほとんどの府省で基本となる給与が指針の水準に達するなど改善が図られた旨、今年の報告には記載をされております。
 まず、国の非常勤職員のどこが改善されたのか、簡潔に御説明を願いたい。
#65
○政府特別補佐人(江利川毅君) 先生御指摘のような指針を出しまして、今年の六月から七月にかけまして、各府省における実施状況、サンプル調査でありますが、本府省と地方機関合わせまして二百七十二機関調査をいたしました。そのうち、基本となる給与につきましては約九割の機関におきまして指針どおりに決定しておりますし、また約九割の機関で通勤手当に相当する給与を支給しているということでございます。
 指針を達成した機関の中には、指針発出後に給与の引上げをしたとか、あるいは通勤手当に相当する給与の支給を開始した機関も一割強ございまして、そういう意味では指針がそれなりに役に立っているのではないかというふうに思っております。
 また、給与だけではございませんが、非常勤職員の処遇改善に関しましては、本年十月から忌引休暇、病気休暇の対象範囲を拡大する、あるいは来年四月から一般定期健康診断の対象範囲を拡大する、こういうようなことも努めているところでございます。
#66
○又市征治君 私は何度もそういう問題の改善を求めてきたわけですが、少し遅いなという感を否めません。更に努力をいただきたいと思います。
 そこで、総務大臣にお伺いしますが、一方、地方では、保育所であるとか図書館など正規職員が削減をされて、全体が削減されているんですが、その部分をこの臨時・非常勤職員を充てている状況が広がってきて、職務内容も正規職員と全く同じなのに給与格差が大きく、いわゆる官製ワーキングプア化しているという状態が進んできています。
 原口大臣は、こうした今あったような国の改善を受けて、地方の臨時・非常勤職員の処遇改善についてどのように助言などをなさっていこうとお考えなのか、まず基本のところをお伺いしておきたいと思います。
#67
○国務大臣(原口一博君) 又市委員にお答えいたします。
 まさに働く人たちの尊厳のために大変なお力添えをくださっていることをまずもって冒頭お礼を申し上げたいと思います。
 おっしゃるように、いわゆる官製ワーキングプア、こういうものはあってはならないと認識をしております。今、地方公共団体では、委員御指摘のように、臨時・非常勤職員、物すごい勢いで増えていますね。平成十七年四月一日と平成二十年四月一日を比べると、増加率はもう九・二%です。約五十万人の方々がそういう働き方をされている。その一方、労働基準法などの適用、遵守に対する問題、あるいは長期にわたる反復任用の後に十分な説明がなく任用を打ち切られるケースがある、こういった問題を私は大変深刻に考えております。
 したがって、このような処遇を受けるということは働く者の権利の侵害でありますし、公共サービスそのものの劣化につながってまいります。格差が広がれば、今回の私たち衆議院選挙でも感じたんですが、敵は前の政府だったというふうには感じられませんでした。むしろ逆に、格差をもとに、もう国会なんか要らない、民主政治なんか要らないというようなそういう風潮さえ広がっています。現にあのナチス・ドイツは、彼らは格差をもとに広がっていくわけです。
 そういう意味からも、地方公共団体に対して臨時・非常勤職員の皆さんの任用や処遇の適切な在り方について積極的に情報提供を行い、また助言を行っていきたいし、それぞれやはりアドボケートする、その人たちの声を代弁していく機能、これを更に強めていかなければならないと考えておりますので、御指導をよろしくお願いいたします。
#68
○又市征治君 ありがとうございました。全く同じ共通認識に立っていただいていることをうれしく思います。
 もう一つ大臣にお伺いしますが、大臣御承知のとおり、まさに今もお話がありましたが、事務事業量と関係なく頭から公務員定数というものを、国は五・七%、地方は六・三%削減を押し付けてきた結果が、この逃げ道として、これは各府省でも地方自治体でもそうですけれども、低賃金、劣悪な労働条件の臨時・非常勤職員、つまり官製ワーキングプアを増加をさせた、こういう格好でありまして、自治体では雇用保険も厚生年金も掛けてもらえない。そして、大変問題なのは、守秘義務も課されない臨時・非常勤職員が三割にも上るという自治体さえ出てきている。
 公務サービスそのものが、我々は一方で基本法を作りましたと、こういうことなんですが、一方でこういう事態が起こってきているということだからこそあの意味があったと思いますけれども、前政権のなせる業ですけれども、政府全体で自らが雇主としての雇用政策を転換していかなきゃならない課題だろう、こう思うんです。
 私は、昨年十二月にもこの委員会で、公務における非正規労働者の状態について質問と提案をいたしました。当時、鳩山大臣だったわけですが、鳩山さんは、非常勤の人をいっぱい雇おうというんで約五十万という数、これは正常な姿ではない、これは今後の最大の課題になると思います、半年に一遍ちょっと休ませられて契約が切れて、退職金ももらえない、ボーナスももらえるケースはほとんどないと聞いています云々と答え、また自治体について、人事院が各省に求めたと同様、総務省がガイドラインを自治体に示せと私が求めたのに対して、鳩山大臣は、要請ということは自治体にできますので方法を考えていきますと、こういう答弁でありました。
 そこで、原口大臣に、就任されて間もないのに恐縮でありますけれども、一つは、こうした非正規、有期雇用の濫用、あるいはこの非正規身分による賃金格差は本当に人事院勧告の報告どおりに各省において改善をされていくかどうか、ここらのところを、大臣が使命持っておられるんだろうと思いますが、その点、どのようにお考えになっているか、あるいはどうされていくか。二つ目には、五十万ないし六十万と言われるこの自治体の臨時・非常勤職員の縮減と待遇改善についてどのように対処なさっていこうとお考えか、その方向性をお伺いしておきたい。
#69
○国務大臣(原口一博君) 大変大事な御指摘だと認識をしています。
 地方公共団体の臨時・非常勤職員の処遇については、その職員の内容と責任に応じて各地方公共団体が一義的にお決めになるということはもう言うまでもないことですけれども、しかしその上で、公共サービスに従事する臨時・非常勤職員の適正な処遇は極めて重要な問題でございます。
 その中で、私たちはやはり、又市先生、労働教育そのものが大事だと思っています。政府自体は、これは雇用を守るというのはもう政府の一番最優先の課題であるはずです。しかし、これまで、前の政権の批判をすることは控えたいと思いますが、労働者自体を分断している、連帯を分断して、民はこんなに厳しいのに官はというようなことで労働者全体を分断してきたんじゃないか。あるいは、多くの先進国が今一番力を入れているのは、委員、労働教育です。労働者が自らの権利について学ばず、自らの権利の侵害も分からなければ、どんなにそれが劣悪なものであっても、それを逆に跳ね返す力になりません。
 私は、政府全体としてこの臨時・非常勤職員の任用に関して、本来守られるべきことをきっちり明確にし、任用における工夫についても各地方自治体に情報を提供していきたい。その一方で、やはり労働教育を小さなころからしっかりと、自らが働く喜び、自ら働く権利とは何か、連帯が何を意味するのかということについても学ぶことが緊要であるというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
#70
○又市征治君 もう少し具体の例を挙げて、また御認識をいただきながら取り組んでいただきたいと思いますが。
 この自治体の現場には、非常勤ばかりではなくて、より劣悪な条件で派遣社員あるいは個人請負などの非正規労働者も働くという事態が起こってきている。それが市場化テストなんという悪名高いあんなことがやられたことによってそんなことが起こっているんですが、こうした結果、住民に一体全体どういうサービス低下が起こってきているか、一つの例を申し上げておきたいと思うんですが。
 私の出身の富山県の県立病院でも、病院の給食調理というのは、これはもう御案内のとおり、栄養管理を通じた入院患者の健康回復である、その意味で治療行為の一環であり、患者の毎日の状態に合わせて病棟現場との連携が非常に大事な部門なんですね。ずっとこれは県では直営でやってきたわけですが、コスト引下げをねらって委託に切り替えた。それでも、委託といっても特別食、つまり減塩とかカロリー制限とか刻み食とか流動食などというのはやっぱり特別な配慮が必要だとして、これは直営で残してきたんですが、来年の四月から全面委託に切り替える、こういう格好で方針を立てている。みんな財政が足りないからと、こういう理屈になってきているわけですが。
 こうなると、自治体職員が委託業者の派遣社員を指導するという形で混在することになり、一つの職場でありながら、労働条件の不平等や命令系統の錯綜であるとか人間関係の悪化、そして労働者相互にとって大きなストレスを与えると同時に労使紛争まで起こってきている。これが患者や住民にとってプラスなわけは全くない。こんなばかげたことが起こってくる。
 そういう意味で、こうした実態が、保育所であるとかあるいは学校現場や事務窓口、文化・スポーツ施設など、自治体の様々な現場でこんな事態が起こってきている、これが前政権が進めてきた行政改革、定数削減の実態なわけです。批判は余りしたくないとおっしゃいましたが、これはやっぱり批判の観点に立たなきゃ新しいものができてこない、私はそんなふうに思います。
 そこで、大臣、住民サービスの必要に合わせて、こうした必要な職員数というものもやっぱり一方で均等待遇で確保していくということもこの政権で唱える地域主権実現の大事なベースではないのか、こういうふうに私は思いを致すわけですが、この点についてどのような御認識と取組をなさるのか、お伺いしたいと思います。
#71
○国務大臣(原口一博君) 地方に向かうお金を減らし、その上定数というキャップを掛ければ何が起きるか。そして一方で労働環境の悪化、景気の悪化と、このトリプルパンチですから、今お話しのようなことが起きるのはもう必定だというふうに思います。
 そういう意味で、私たちは、非正規職員の濫用、正規職員との賃金格差をこれ以上見逃すわけにはいかない、こういう認識に立っておりまして、様々な、今回、各府省に、人事院の勧告時の報告において、取組の状況についてはフォローアップを要請をしているところでございますけれども、この給与法の審議の際の、前も附帯決議を付けていただいております。その附帯決議においても、非常勤職員の任用、処遇等に関する調査をしっかり実施する、フォローをしていくと。そして、私たちはそのような劣悪な環境をこれ以上放置しない、改善するんだという強い意思を示すことが必要であるというふうに思います。
 私、ロナルド・ドーア先生ともお話をしたんですが、労働と資本の資源配分そのものが偏っているんだと思います。世界に向かうお金をばんばんばんばん出して地域から富を奪う仕組み、その仕組みそのものを今度の地域主権改革で変えていきたい。地域のきずなや地域の公共サービスを担うそのお金に、より高い価値を見出していく。そうすると、必定、地域は再生します。働く人たちから権利が回復してくる、このように考えておりますので。プログラムそのものをこれ作ります。是非、その中でもお知恵をいただければというふうに思っております。
#72
○又市征治君 今申し上げてきたような認識はほぼ一致しているわけですが、自治体に対しても必要な助言も是非しっかりやっていただきたい、このことをお願いをしておきたいと思います。
 最後に、人事院、もう一度、一問お聞きをいたしますが、人事院は非常勤職員の問題について、昨年の報告で、業務運営の方法、組織・定員管理、予算、人事管理方針などと密接不可分な関係にあると述べ、また本年の報告でも、日々雇用の非常勤職員の問題を解決するためには、業務運営の方法、組織・定員管理、予算、人事管理方針などの関連する課題も含めて検討する必要がある、こういうふうに述べているわけですが、ここで言っていることの意味がよく分からない。もし定員削減をこのまま進めるのであれば、非常勤職員の賃金、労働条件がこれ以上悪化しないように、正規職員に近づけるように政府は努力せよと、こう言っているのか、あるいは機械的な定員削減はもう限界であるから定数の再算定をして必要な人員を定数化すべきだと、こう言っているのか。ここらのところをもう少し説明してください。
#73
○政府特別補佐人(江利川毅君) 本年の人事院勧告の際にも公務員人事管理に関する報告を出しまして、その中で非常勤職員制度の適正化を求めているところでございます。
 これにつきましては、非常勤職員の臨時的な業務に一定期間雇用されるという性格に応じた適切な任期や再任のルールを設定する必要があると、そういう問題意識を出しております。給与については前回指針を出しましたので、次は任用の問題について出しているわけでございます。
 これを考えるに当たりましては、全体の予算の問題であるとか組織の問題とかありますので、それも含めて検討するということでありまして、定員管理と直接絡めて言っていることではございません。また、この問題につきましては、現在、政府部内関係部局と相談をしているところでありまして、本年度内を目途に結論を得るべく検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
#74
○又市征治君 人事院も昔、私が若いころに、一九六六年、病院の二・八体制というものを、すばらしい勧告を出したことがあるんですよ。
 そういうことのように、こういう現実の今実態が、こういう事態が起こっているときに、とりわけ公的サービス部門においてこれだけ非正規労働者が増えてきている、こういうことをもっととらまえて、さっき申し上げたように、遅れていると申し上げたけれども、しっかりとそうした人員の問題あるいは処遇の問題も含めて取り組んでいただくように、このことは要請をして終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#75
○委員長(佐藤泰介君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#76
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、国家公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#77
○委員長(佐藤泰介君) 速記を起こしてください。
 自由民主党・改革クラブ所属委員に対し出席を要請いたしましたが、出席を得ることができませんので、やむを得ず議事を進めます。
#78
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 野党第一会派の自民党さんがおいでにならないという状況の中での質問になるわけでございますが、委員長におかれては、是非引き続きといいますか、更に公平公正な委員会運営をお願いをしたいと思いますし、また、与党の理事の皆様には呼び込み、単に電話だけじゃなくて会いに行ってしっかりお願いするというぐらいの汗をかくことが大事ではないのかなと、私はそう思っておりまして、更なる努力をお願いをしたいと思っております。
 それでは、今回の法案について若干質問をさせていただきます。
 今回、超過勤務手当の支給割合の引上げということが入っているわけでございますけれども、二十一年国家公務員給与等実態調査見ますと、大体年間本府省で三百五十七時間、月に直すと三十時間弱だという、そんな状況になっているわけでございますが、これはちょっと若干少ない実態というふうに言うべきではないのかなと思いますが、この点、大臣、どういうふうにお考えですか。
#79
○国務大臣(原口一博君) 魚住委員におかれましては、かつては同じ政党として大変御指導いただきました。また、東京選挙区で断トツでトップ取られて、その翌年が私の当選でございまして、大変よちよち歩きのときから御指導いただきましてありがとうございます。また、総務副大臣としても御活躍でございまして、いろいろとお聞きすることの方が私の方が多いと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
 今、サンプル調査の結果について受け止め方いかんという御質問がございました。
 超過勤務の状況を把握することは極めて重要であるというふうに考えております。各府省においてしっかり勤務時間を把握するよう、総務省としても人事管理運営方針等を通じ徹底してまいりたいと、このように考えております。
 その上で、各府省において各局一課、各月の第一週の在庁時間のサンプル調査を実施して、それを人事院がその結果を取りまとめておられるところでございますが、一人一週間当たりの平均在庁時間は約十三時間で、更に精度の高いサンプル調査も併せて検討をしてまいりたいと、こう考えております。
#80
○魚住裕一郎君 そこで、人事院にお聞きしたいと思いますけれども、この超過時間というのは、超過勤務手当を支払った超過勤務時間というふうに理解していいんでしょうか。つまり、実際、残業時間と乖離があるのかどうか、その点の御認識をお願いをいたします。
#81
○政府特別補佐人(江利川毅君) この時間は勤務手当を支払っている時間でございます。また、政府全体としましては在庁時間そのものもまた問題にしておりまして、これについても各省庁におきまして削減目標を設定して削減してもらうような努力をお願いしているところでございます。
#82
○魚住裕一郎君 今回、超過勤務について、六十時間超えた場合一五〇%に引き上げると、あるいはいわゆる代休制度ということが導入されるわけでございますけれども、これは超過勤務を抑制するという趣旨があろうかと思いますけれども、また、そういう趣旨とともに、職員に休息の機会を与えるためというふうにされておりますが、しかし現実には忙しい人ほど休めないというのが実際の姿だと思うんですね。
 この超勤代休制度、本当に実効性が担保できるのか、どういうような担保策をお考えになっているのか、大臣にお聞きしたいと思います。
#83
○国務大臣(原口一博君) 委員がおっしゃるように、仕事ができる人のところに仕事が集中するんですよね。ただ、この超勤代休時間制度というのは、長時間の超過勤務をした職員が、超過勤務手当の割増しではなくて、実質的に休める時間を確保できる制度でございまして、職員の健康管理や仕事と生活の調和を図る観点から有意義な制度であると、このように考えております。
 確かに、私先ほど申し上げたように、繁忙な職員は代休を取れない可能性はあるものの、予算編成等の業務に季節的な忙しい、あるいは時間に余裕がある、そういう職場においては活用し得る制度であると考えておりまして、総務省としても、本制度が十分活用されるように十分なまず周知を図る、このことが必要であると。
 そして、やはり委員、一般の最先端の企業とかの福利厚生からすると極めてまだ私たちは課題を残していると思います。民間の様々な企業の知恵も取り入れて、人間らしい働き方ができる、そういう制度につくり上げていきたいと、このように考えております。
#84
○魚住裕一郎君 この超過勤務代休制度自体、ある意味では超過勤務を支給される非管理職のための制度であるわけでございますが、本府省での管理職の職員もかなり過酷な状況にあるんではないのかなと、こういう人たちにも休息の機会を与えるということが大事かと思いますが、方策はお考えでしょうか。
#85
○国務大臣(原口一博君) おっしゃるとおりでございまして、管理職であろうがそうでなかろうが、しっかりとした人間らしい働き方、特に私が今問題だなと思っているのはリズムです。眠るリズムが違ってみたりすると心身に影響を与えます。そういう意味から、やはり人間を基本とした働き方、そういったものをこの政権においてきっちり築き上げていきたい、こう考えております。
#86
○魚住裕一郎君 すばらしい御構想ですね。
 ところで、昨年、給与法改正の際に附帯決議がありまして、当院の附帯決議では、「また、職員が超過勤務命令を受けずに相当時間にわたって在庁している勤務の実態について早急に調査し、その結果に基づき必要な措置を講ずること。」ということを附帯決議に入れてございます。衆議院と違ってあえてこの「超過勤務命令を受けずに」という言葉をかぶせて、いわゆるサービス残業、あるいは不払の残業への問題意識を特に表明したところでございまして、この問題について、総務省あるいは人事院で実態調査を行っているのか、また具体策をどのように取っておいでになるのか、大臣、また総裁にお聞きしたいと思います。
#87
○政府特別補佐人(江利川毅君) 昨年の附帯決議に関しましては、現在、本府省の各局一課、各月の第一週における在庁状況等をサンプル的に把握をしているところでございます。
 現在は、政府全体として、それを踏まえて計画的に在庁時間削減に取り組むために、各省ごとに削減目標を設定して、業務処理体制の見直しや幹部職員の意識改革など具体的な取組を進めているところでございます。
#88
○国務大臣(原口一博君) 人事院の調査を踏まえて適切に対処してまいりたいと、このように考えております。
#89
○魚住裕一郎君 昨年の国家公務員制度改革基本法、これは政府が提出し、当時野党だった民主党も社民党も賛同を得て修正になったところでございますが、修正、成立したわけでございますが、その十条で、「各部局において業務の簡素化のための計画を策定するとともに、職員の超過勤務の状況を管理者の人事評価に反映させるための措置を講ずること。」というふうにされているわけでございますが、これは具体的にどのような措置を講じられておいでになるでしょうか。
#90
○国務大臣(原口一博君) まさに委員が御指摘のとおり、超過勤務のまず実態把握、そして総務省としても、人事管理運営方針を通じて、人事評価の活用により、部下の超過勤務の管理のためのマニュアル改正、そして業務、業務そのものもやはり見直さなきゃいけない、こう考えておりまして、そして、総務省だけではなくて、各府省への通知、超勤代休時間制度の十分な周知徹底、これを行うこととしておるところでございます。
#91
○魚住裕一郎君 小川大臣政務官、部下のために上司は早く帰れと、遅くまで残っている局長、課長は一切評価しないという御発言をされているわけでございますが、まさに現場からの悲鳴みたいのが聞こえるわけでございまして、今大臣がこういう措置をとりましたとおっしゃっていても、それは有効に働いていないよというふうにも実は聞こえるわけでございまして、大臣政務官として、この御発言の真意、また具体的に、今お立場がお立場ですから、単に発言すればいいという話じゃなくて、具体的にどういう措置を政務官としておとりになっているのか、お聞きしたいと思います。
#92
○大臣政務官(小川淳也君) 政務官の小川でございます。
 まず、私の就任時に職員の皆様にごあいさつをさせていただいた点を委員にお取り上げをいただいているわけでございますが、このような形で目に留めていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
 これ、実は私自身の実体験からきたメッセージでございまして、十年近く実際に、当時自治省でしたけれども、勤務をさせていただきました。今ほど来、実際の超過勤務の時間調べとかそれから在庁時間の調査、話題になっておりますけれども、現実にそこで勤務した経験のある人間からしますと、かなり懸け離れた数字だというのが正直な実感でございます。毎日、午前二時三時は当たり前。休日もほとんどありませんでした。単純計算すると、恐らく月二百時間から三百時間。しかし、当時いただいていた超過勤務手当は二万円か三万円かだったような気がいたします。その残業時間を振り返ったときに、果たしてそれが本当に必要な残業時間だったかどうかについては、自戒の念を込めて自問自答していたというところがございます。
 やはり組織ですから、上役にある者が残っておりますと、それを下請をする立場からするとなかなか帰りにくい。その孫請、ひ孫、また更にその下ということになりますと、大変大きな組織であるだけに、非常にその重圧は下へ下へと行くことになります。
 そこで、責任ある立場にある人には、もちろん一生懸命働いていただくのは大前提になりますが、自らの在庁時間についてはできるだけ限定をして、できるだけ下の負担が過重的に重くなることを避けていただきたい。それは私自身が率先垂範したいと思いますし、局長さん、課長さん始め責任ある立場にある者についてはそういう心掛けを持っていただきたいという趣旨で申し上げたものでございます。
 具体的には、とにかく私が遅くまで残らなければならないときもありますが、残らなくていい部下にはできるだけ早く帰るように声掛けをしたりですとか、あるいは無駄に思える作業についてはできるだけ軽くするように指示をしたりですとか、日々、試行錯誤の中ですけれども、努力をしておるところでございます。
#93
○魚住裕一郎君 具体的に掛け声だけというのはなかなか難しいかもしれませんが、大臣政務官の御答弁で、私は、自ら早く帰るようにしていますと言うのかなと思っておったところでございますけれども。
 それで、やはり職員の勤務時間の管理、正確に行うためにタイムカードを導入すべきだという意見があります。これは、民主党の長妻さんが前におっしゃっていたのかな、今厚生労働大臣やっておいでになりますけれども、やはりこれは貴重な御意見だと思っておりますが、サービス残業把握などに容易になると思いますけれども、大臣や総裁の御見解はいかがでございましょうか。
#94
○国務大臣(原口一博君) 勤務時間の適正な把握というのは極めて重要であるというふうに思います。その中で、どういう手段がいいのか、タイムカードという形が、例えば庁舎外で業務を行ってから登庁する場合とかも、あるいは外出先から直接帰宅する場合もございまして、しかしいずれにせよ、こういう技術的な問題ありますにせよ、委員の問題意識は適切な勤務時間把握ということだと思いますので、省内で検討をしてまいりたいと、このように考えております。
#95
○政府特別補佐人(江利川毅君) 大臣がおっしゃられましたように、勤務時間の把握は大変重要なことだと思います。
 これは、各省庁においてきちんと把握するということでありますが、全体の制度を管理しています総務省において御検討いただくということでございますので、その検討成果を待ちたいというふうに思います。
#96
○魚住裕一郎君 在庁時間の管理という形になりますし、今、小川政務官のお話によると、いるからといって別に仕事をしているわけではないということが言われたわけでございまして、直結はしないと思いますけれども、でも、把握という意味では一歩前進になるのではないのかなと、是非、十分に検討に値するのではないのかと思っておりまして、前向きに検討されていただきたいと思っております。
 次に、育児休業の関係でございますけれども、男性の場合、育児休業取得がなかなか少ないようでございますが、今回の改正のねらいも男性の育児参加を促すというところに主眼があると考えますが、今男性の育児休業取得、まだまだレアケースのようでございますが、この状況について、大臣、また総裁はどのように評価しておいででしょうか。
#97
○国務大臣(原口一博君) お答えいたします。
 男性職員の育児休業の取得率、これは極めて低いというふうに認識をしています。平成二十年度に新たに育児休業を取得した一般職の国家公務員は三千三百六十五人であり、そのうちの男性はわずか百十四人でございます。取得率換算でいえば男性は一・四%です。
 私は、育児というものは、ただただ女性を中心とするものではないというふうに考えています。私自身も育児をずっとやらせていただいて、家事も分担をさせていただいていますが、ここに男性職員も育児休業を取得しようというパンフレット、これはやはり経験をする、育児というのは喜びであり、生きる家族や様々な構成員の中のきずなの醸成ですね、そのことをもっとしっかり認識をする、意識の改革そのものが必要だと、私はそう考えております。
#98
○政府特別補佐人(江利川毅君) 大臣のおっしゃるとおりだと思います。付け加えることはございません。
#99
○魚住裕一郎君 アンケート、去年ですかね、これをやったのは。何で育児休業を取らないのか。国家公務員の男性職員の半分以上が、業務が多忙で他人の迷惑になるという理由で取らなかったというのが多いようでございまして、五二・六%ですか。また、収入が少なくなるというのも四七%あるようでございますが、こういうふうに、確かに休まれたら周りがもう大変なことになるなというのも想像できるんですが、でもこういうことが前提にあると、制度改正しても実態全然追い付かないし、改正しても意義は乏しいのではないのかなと。それは一歩前進かもしれないけど、そんな気がするんですね。
 だから、政府が目標とするのは、一〇%取得達成という形を目標にしているようでございますけれども、具体的にどうこの実効性確保のために取り組んでいくのか、お考えを示していただきたいと思います。どこかの国では閣僚が育児休業を取ったようなことが、スウェーデンですかね、何かあったようでございますけれども、そういうことも、まず率先していろんな形でこの実効性確保をやっていただきたいと思います。
#100
○国務大臣(原口一博君) 大変重要な御指摘だと思います。
 例えば、職場に迷惑を掛けるから休めないという先ほどのアンケートの結果ですけれども、現に女性は三千二百五十一人が育児休業を取っておられるわけで、女性の育児休業の比率は九七・三%でございます。つまり、ここにまさにジェンダーフリーを阻害しているものが隠れているというふうに思います。
 そういう意味で、私は意識を変えるということ以外に方法はないと申し上げますものも、やはり経験をしたことがない、いかに育児が喜びであり、育児が様々な可能性を開くか。
 アジア一の天才と言われたリムさんという教授がいらっしゃいます。シンガポール大学の私たちの先生ですけれども、リム教授は天才のつくり方を三つおっしゃっています。一つは、父親であろうが母親であろうが、小さなころから常に、それは親がいなくて、その方々を排除するんじゃないですよ、そうじゃなくて、育児ができる環境にある保護者はしっかりと子供に向き合うということが大変大事だということをおっしゃっております。それに女性も男性もないということを社会全体で広く広めていくことが大事だと思いますので、是非、情報発信力のある委員のお力を借りて、様々なところで私たちも訴えてまいりたいし、今日ここに育児パパの経験談というのを持ってまいりましたけれども、喜びに満ちています。男は外で働けばいいんだというそういう考え方そのものを変えていこうではないでしょうか。よろしくお願いいたします。
#101
○魚住裕一郎君 今大臣、非常に大事なことといいますか、御指摘ありました。文字どおり、役所の皆さんの生き様といいますか、ワーク・ライフ・バランスといいますか、それをどのように図っていくのか。今いみじくもおっしゃったように、男は表で一生懸命働いて、長時間働いて、かみさんは専業主婦で頑張るみたいな、そういう家族形態が前提でいろんな制度ができているんだろうなというふうに思うわけでございますが、特に社会保障の分野とか、そういうことが前提になってつくられて、いろんなちょっと社会実態が少しでも動くとなかなか複雑な問題が出てくるなと思うわけでございますが、厚生労働次官もお務めになった人事院総裁でございますが、その辺どういうふうにお考えになっておいででしょうか。
#102
○政府特別補佐人(江利川毅君) 私は、前に内閣府におりましたときは男女共同参画局があって、ワーク・ライフ・バランスを進めなきゃいかぬと、そういう旗振り役の一人でございましたし、また内閣府、厚生労働省におきまして少子化対策を進めると、そういう意味でもその旗振り役であったわけでございます。
 私自身の一生を振り返りますと、実はコメントをする資格がありませんで、我が家は母子家庭に近いような感じでございまして、そういう意味ではコメントする資格はないんですが、現在の社会の動きの中から申し上げますと、出生率が一・二六とか、少し改善して一・三二、三四、三七と上がってまいりましたが、現在の少子化というのはやっぱり国家の将来にかかわる大問題だと思います。
 これは国を挙げてやっていかなくちゃならない仕事でありまして、その大きなポイントが、若い人たちが働くことと家庭と両立できるということだと思います。それができるためには、どちらかというと女性ではなくて男性側の方を変えなきゃいけないと。父親になる人たちが早く帰って子育てを協力するとか、あるいは企業の方でも、あるいは公務員の職場でもそうですが、早く帰るのは当然だと、そういう場合には当然だと。そして、それがもう少しすると、ひょっとしたら業務評価にだって跳ね返ってもいいぐらいにまでしていかないと、私はこの問題、社会の意識が変わっていかないんではないかと。社会の意識を変え、職場の意識を変え、男の方の意識を変えると、これをやっていって、長い目で見た本当に日本の大きな課題でございますので、それに取り組んでいくと。
 特に公務員は、正直、定員削減の中で私は仕事は大変厳しいと思っております。厳しいと思っておりますが、この問題についても公務の世界はある意味では率先垂範が必要だと思いますので、私も内部にいるときにいろいろ旗振りをやりましたが、これからも各部局とよく連携を取って実践に、制度改正をしたときでありますので、これを契機に定着を図ってもらうように努めたいというふうに思います。
#103
○魚住裕一郎君 こういう、今総裁からもお話ございましたけれども、人口減少の社会の中で日本人の生き様が問われていることだと思いますし、この間何かテレビ見ていたら、セックスレス社会なんというような話があって、それは疲れ果ててしまって、各国比較すると本当に日本は大変な状況だなと。だから、もう就業時間終わったらすぐさっさと帰ると。帰った後、途中で一杯やる人もいるかもしれないけど、まずは帰るという、それが本当に大事だなと、公務員もそんなふうになっていければ有り難いなと思います。
 続いて、公務員の人件費削減という関連でお聞きしたいんですが、民主党のマニフェスト、総人件費二割削減ということでございます。衆議院議員に対する政府の答弁書ではどういうふうにやるんだということについて、地方分権推進に伴う地方移管、国家公務員の手当・退職金等の水準や定員の見直し、公務員制度改革後の労使交渉を通じた給与改定等により、二十五年度に達成するように努力すると。具体的な削減方法及びスケジュールについては今後検討というふうになっているわけでございますが、これは具体的な削減方法及びスケジュールというのはいつごろ国民に示されるんでしょうか。
#104
○国務大臣(原口一博君) 魚住委員にお答えいたします。
 先日、国、地方初めての協議の場、これを開かせていただきました。次の通常国会にそれを法制化する法案を出させていただきたいと思っています。
 そして、地方移管の分野では、私たちは出先機関を原則廃止する。それは単に出先機関をそのまま地方に移管するというのではなくて、それこそ職務の見直しそのものも含めて地域との間で様々な効率性あるいは公共サービスの質を確保していきたいと考えています。
 今度十一月三十日、もうすぐですけれども、ハローワークでワンストップサービスをします。これは去年の年越し派遣村に見られるような事態、今年もまだ厳しさは変わっていません。そこに行けば何とか職やあるいは住居を受けることができるという、その安心の拠点を全国でお願いをしたものでございますけれども。
 このときに魚住委員、地域から出てきた言葉は、いや、もうハローワークそのものも私たちに移管してくださいと、そうすれば、これまでばらばらにやっていたことも自分たちの責任でもっときめ細かく、もっと地域に根差してやれるんだと、こういうことでございまして、これは、それこそ新進党時代に私たちがずっと議論をしてきたことでございまして、国と地方の協議を通じて、まさにそのスケジュールも含めて協働でつくり、そして公共サービスに対する国民の期待にこたえていこうというものでございます。
 それからもう一つ、ちょっと答弁が長くなって恐縮ですが、六十五歳までの定年ということで私たちはそれを目指しています。そうすると、今のような次官を頂点としたピラミッドというのは本当に有効なんだろうかと。もっとなだらかな台形型の人事システムというのは考えられないんだろうか。更に言えば、例えば民間企業では、一万三千人もの旅費の決済を二人の方でなさっているところもあります。そういったもののように、しっかりと中身を精査する。ICTの時代になりました。古い業務を漫然と続けるのではなくて、まさにその業務の中身そのものも変えて、限られた財政、厳しい財政状況でございますが、しっかりと公共サービスの質を確保していきたいと、このように考えております。
#105
○魚住裕一郎君 それで、政府のこの答弁書の中での文言で、地方移管という形に書いてあるわけでございますが、かつて公務員削減で独立行政法人化と言ったときに、ごまかしだという声、民主党から出されたわけでございますが、逆に言えば、地方移管、これ自体も、国家公務員の人件費を削減するというのも、地方移管自体がごまかしではないのかと、同じ論法で言えるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#106
○国務大臣(原口一博君) 業務の中身も変えずに、ただただ見かけの上だけ公務員の数を減らすというんであれば、それはまやかしである、見せかけであると言われてもしようがないと思いますが、是非委員に御理解をいただきたいのは、私たちは国と地方そのものの役割、国の形そのものを変えようと、地域主権改革で、やはり、様々な通達や様々な義務付け、枠付けを中央で決めています。しかし、委員も御案内のとおり、弁護士さんでいらっしゃいますから、ルールは自らが決定した人が自らその決定したルールに従って地域でそれを守る方が、なぜこのルールが決まったか分かっていますから、より効率的でより実効的でございます。
 そういった改革をやろうと考えておりますので、私たちの人件費削減がまやかしに終わることはないということを決意をしております。
#107
○魚住裕一郎君 この答弁書の中で、労使交渉を通じて給与改定という文言があるんですけれども、削減をするための労使交渉という形になるわけですね、これ。労働基本権回復というのはそういうふうに位置付けているんですか。
#108
○国務大臣(原口一博君) 私は労働の基本権、これはとても大事な権利だと考えています。そして、いわゆる使用者側と労働側が納得の上で自らの処遇や自らの給与を決めていく。その場合には、今までよりも更に働き方の効率性や、あるいは先ほど委員がお話しになりました、人間らしい尊厳のある働き方についてもしっかりと議論をされるものだと、当事者同士が話をされるものだと。今その労働基本権が制約されているので人事院が代償措置をとってくださっていますけれども、その存在があるわけですけれども、むしろそれは当事者同士で話をし、そして場合によっては、厳しい環境になれば、納得の上で自らの処遇についても決定をしていくと。この中でおのずと正しい方向に協議がまとまっていくんではないかと、そのように考えているところでございます。
#109
○魚住裕一郎君 この政府の答弁書の中でずっと書かれていることの中で、例えば手当・退職金等の水準の見直しという形に書いてあるわけでございますが、これは人事院の勧告との関係ではどういうふうに判断されるんでしょうか。これは政府の判断でこれらの水準も勧告関係なく見直しますよというふうにも見えるんですが、大臣、また総裁、御答弁お願いします。
#110
○国務大臣(原口一博君) そこは私たち、慎重に書き込んだつもりでございます。
 今は労働基本権の制約の代償措置としての人事院勧告制度がある。ですから、今回も、正直、委員に申し上げて、今回大変異例の人事院勧告ですよね。それを受けて私たちは、しかし、そこに、中立である、あるいは独立性のある人事院の勧告を最大限尊重する私たちは責務を負っていますので、今回の給与法の改定、これはもう正直、先ほど又市委員にもお答えをしましたけれども、私たちが考える労働政策からすると苦渋の選択でもございます。
 しかし、その意味で、この人事院制度を私たちは最大限尊重していく。しかし、国家公務員制度改革の中で、昨日も衆の総務委員会で答弁させていただきましたけれども、この手当は本当にいいんだろうか、あるいはこの制度そのものの改廃も含めて議論をしなくていいんだろうかというものがあることも事実でございます。
 人事院勧告、人事院制度との整合性を取りながら、適宜適切に措置をしてまいりたいと、そのように考えておるところでございます。
#111
○政府特別補佐人(江利川毅君) 人事院は現在の法律に基づいて活動するわけでございますので、現在の仕組みは労働基本権制約の代償機関として国家公務員法の定める情勢適応の原則に基づいて活動するということになっております。その任務を適切に果たしていきたいと思っております。
#112
○魚住裕一郎君 次に、いわゆるやみ専従についてお聞きをしたいと思います。
 昨年、総務省において一斉点検を実施したわけでございますけれども、今年になって例の農林水産省の勤務実態が出てまいりまして、厳しく批判され、昨年の一斉点検は不十分だったんではないのかという厳しい指摘がございました。総務省においてはまた改めて一斉点検を行って、前政権でございますけれども、これ八月だったと思いますね、選挙をやっている最中といいますか、選挙前の慌ただしい時期でございますが、状況を公表をされました。
 これはもうこの調査は終了したんですか、今も続行しているんですか。終了しているとした場合、十分に調査を終えたという認識なのか、お聞きいたします。
#113
○国務大臣(原口一博君) 委員御指摘のとおり、いわゆるやみ専従の問題については、全府省を対象とした、これ前政権で一斉調査をされています。そのきっかけは農水省におけるやみ専従、いわゆるやみ専従、無許可専従というんですが、事案の発覚を受けて、全府省に対し無許可専従に関する一斉調査をされたと認識をしています。
 調査は、調査票に署名、押印の上提出させるなど、厳正に実施したという報告を受けています。総務省及び人事院に専用の通報窓口を設置し、職員及び国民から広く情報提供を求め、その結果、今委員が御指摘のように、八月七日、その公表をし、八月二十六日付けで総務事務次官通知、職員団体活動に係る国家公務員の服務規律の確保等についてを発出した次第でございます。
 今回の調査で判明した違法行為者数、農水省五百十七名、厚生労働省八名、国土交通省九百四十四名ということで、徹底した調査であったという認識をしております。
#114
○魚住裕一郎君 今御答弁の中にもお話ございましたけれども、職員だけじゃなくて、広く国民からの情報提供を呼びかけているわけでございますが、この情報提供状況はいかがですか。
#115
○国務大臣(原口一博君) 七十一件の通報が来たということを聞いております。
#116
○魚住裕一郎君 それで、一応の状況検査結果ということでございますけれども、いわゆる違法に受け取っていた給与の総額は幾らに達しているのか、またそれはもう返納をさせたんでしょうか。
#117
○国務大臣(原口一博君) 返納させています。各府省において、無許可専従等の行為者及び管理監督者に対して、事実を明らかにした上で処分を行い、給与を返還させるなど、厳正に対処したものと承知しております。
 給与返還額でございますが、農水省が約三十四・四億円、これからは昨年の調査分でございますが、厚労省約一千五百五十万円、社保、社会保険庁ですね、これも昨年の調査分でございますが、約七・九億円、国交省については給与返還額の確定作業を実施中という報告を受けております。
#118
○魚住裕一郎君 このやみ専従問題というのは、本当に公務員、一生懸命やっている公務員もおれば、ただ、その一点だけで物すごく国民の信頼を失うことになるわけでございまして、本当にあってはならないというふうに思いまして、厳しく対処すべきだなというふうに思います。
 今年の通常国会に公明党、自民党で、このやみ専従撲滅のために、職員団体活動への短期従事許可を認める国家公務員法の規定を削除するという、簡単な法律でございますが、いわゆるやみ専従撲滅法案というのを提出をさせていただきました。大臣が本当にこの問題真剣に取り組むというのであれば、やはり今度政府提出法案としてこの内容を実現をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#119
○国務大臣(原口一博君) やみ専従、無許可専従という事案はあってはならないことでございます。各府省における厳正な服務規律の確保と厳正な労使関係の構築に向けて適切に対処する必要があると存じ上げておりまして、まずは政府においては、あってはならないことを前提にそれをなくすという法案を閣法で出すということが何を意味するのか。
 その前にやらなきゃいけないのは、先ほど委員がお話しのように、厳正に対処して二度とこんなようなことを起こさないと、国民の税金を使って、そして説明の付かないようなことをやるということはどんな理由であろうが許されないということを明言しておきたいというふうに思います。
#120
○魚住裕一郎君 もうほとんど時間がなくなりましたけれども、公務員制度改革、また労働基本権のちょっとだけ入口の質問をさせていただきますけれども。
 総務大臣、先般、消防職員の団結権付与について検討を指示ということが報道されました。これは、もちろん消防行政も所管しているわけでございますが、また公務員改革を担当するという立場でもあるわけでございますが、この大臣の御真意はどういうことなんでしょうか。
#121
○国務大臣(原口一博君) 魚住委員にお答えいたします。
 私、総務大臣に就任させていただいて、消防の現場をずっと見てまいりました。国内だけではなくて国外も、インドネシアの震災に駆け付けた国際消防援助隊、世界からも高い評価を受けています。その働く人たちの権利を保障し、そして、まさにその人たちがしっかりと、先ほど委員がお話しのような尊厳のある働き方、あるいは安心して働けるためには、ILOからも勧告を受けている様々な問題もございまして、しっかりとそこの権利を回復していく必要があるんではないか。
 つまり、命を守る、国民の命を、あるいは救急の状態をしっかりと、時には火災、時には救命、そういったところで頑張る人たちの働く条件を、あるいは働く権利の保障を確保する、そのことが何よりも、ひいては国民の命、生命、財産を守るためにも大変大事であるというその考え方で、私が総務大臣に就任をしまして、この消防職員の皆さんの権利の保障、そして労働三権の、特に団結権、そこの回復について検討を加えるように指示をしたところでございます。
#122
○魚住裕一郎君 時間来ましたので、これで終わりにいたしますけれども、労働基本権問題については、なかなか本当に奥深い問題があろうかと思います。今後また議論させていただきたいと思います。
 終わります。
#123
○山下芳生君 まず給与の問題について質問をしたいと思います。
 八月十一日の人事院勧告に基づいた今回の国家公務員給与法改正案は、国家公務員一人平均十五万四千円も年収を削減するというもので、過去最大規模の減収を公務員に押し付けるものであります。国家公務員の生活、とりわけ三十代、四十代の子育て世代に大きな打撃を与えるものとなります。また、地方公務員を始め公務関係労働者五百八十万人に影響を与えます。
 御存じのとおり、小泉内閣の総人件費抑制政策の下で二〇〇二年に人勧史上初めてマイナス勧告が行われ、その後、相次いで給与のマイナス勧告が行われております。
 そこで、国家公務員の年間給与がピークであった一九九八年からその後の十年間、さらに今回の〇九年の給与法改正案を含めて、一般職公務員、係長、四十歳、配偶者、子供二人で、年間給与がどれだけ削減されてきたか、報告をいただけますでしょうか。
#124
○副大臣(渡辺周君) お答えいたします。
 ただいまの四十歳、係長、配偶者あり、子供二人のモデル給与でいきますと、平成十年から平成二十一年勧告後で百十一万円、パーセンテージにしますとマイナス一七・五%。本府省の係長でございますが、先ほどのは地方機関の係長でございます。ただいまのは本府省係長で、平成十年七百九万九千円から平成二十一年勧告後で六百十八・八万円、その差は九十一・一万円、一二・八%の減でございます。
#125
○山下芳生君 今報告があったとおり、係長、四十歳、配偶者、子供二人で、六百三十三万九千円から五百二十二万九千円に、百十一万円年間収入が削減されたということであります。国民のために一生懸命働いても給与はどんどん減らされていると。四十代というのは子育て世代、大学、高校など教育費も増大するわけで、これでは将来不安が大きくなると言わざるを得ません。
 公務を第一線で全うするためには、安心して生活できる給与を保障しなければならない。四十歳代の子育て世代の年収が十年余りで百十一万円も削減される、これでは私は、公務員としての士気にかかわる問題であり、公共サービスの質の低下にもつながりかねない問題だと思いますけれども、原口大臣、その心配はありませんか。
#126
○国務大臣(原口一博君) 山下委員とは同学年ですから、私も、年を経れば経るほど子育てへの不安、大きくなる、こういう職にいても同じことを感じます。ですから、百十一万円年収が減額するということが何を意味するかというのも、子育て世代としてだれよりも分かっているつもりであります。
 ただ、この場合、前政権での人事院勧告といえども、私たち政府の側は代替措置としての人事院勧告を最大限尊重しなきゃいけない、その立場に立っておって、今回、今、山下委員がおっしゃったことを私は否定する気は全くありません。本来だったら、ろくでもない経営者に限って最初に社員の給料を減らすんですよ。私はそういう政治を変えたいと思って国会へ来ているわけです。しかし、総務大臣の立場からすると、人事院勧告を尊重するという基本姿勢に立って改定をいたしました。この人事院勧告そのものが本当に政治的圧力がなかったのかどうかというのは、この総務委員会でも御議論をされたところでありますし、衆の総務委員会、私はそのとき筆頭理事をしていましたけれども、そこでも指摘があったところです。しかし、現段階においてそれを裏付けるものをまだ私たちは見出しておりません。
 その上で、大変御心配なところでございますが、このようなことを何回も何回も続けなくてよい、そういう社会をつくって国民の負託にこたえていきたいと、このように考えております。
#127
○山下芳生君 国家公務員の給与は、もちろん公務関係の労働者だけではなくて、民間労働者の給与やボーナスにも大きな影響を与えます。官民の給与水準が落ち込めば、個人消費を冷え込ませて景気を更に後退させる負の連鎖に陥る危険があります。
 政府は、先日、デフレ宣言を行いました。経済財政政策を担当する菅内閣府特命担当大臣は、デフレ宣言をした際の今後の対策として、内需を拡大すると述べておられます。今回の国家公務員の給与の大幅引下げはそれと逆行する、内需の拡大とは、そういうことになるんじゃないでしょうか。
#128
○国務大臣(原口一博君) 負のスパイラルが広がっていっては絶対ならないと考えております。
 と申しますのも、デフレというのは、去年と同じ売上げを上げていて、そしてその売上げにもかかわらず利益が上がらないということでございますから、これは大変深刻な状況でございます。そのためにも、何よりも私たちは、生産性を上げ、そして地域から中央へ、中央から更に言うと金融、一部の金融へ流れてしまっているお金の流れそのものを変えていかなければいけない。
 その変える中心は、コンクリートから人へ、あるいは地域経済へ、福祉経済へ、そして、先ほど那谷屋委員にもお答えをしましたが、教育制度そのもの、教育そのものを変えることによって、だれかの成功がだれかの失敗になる、そういう社会じゃないものをつくってまいりたいと思っておりまして、私は、今回の給与法が委員がお話しのような効果を生まないような万全な予算措置を、次の通常国会でも、あるいは今補正予算の話も出ていますが、その中でやっていきたいと、このように考えています。
#129
○山下芳生君 私は、デフレの原因というのははっきりしていると思うんですね。雇用者報酬、つまり賃金が十七年前、一九九二年の水準になっております。懐が寂しいから物を買えない、そうすると値段は下がる、経済はますます冷え込む、こういう悪循環に今なっているんだと思います。
 労働法制の規制緩和によってワーキングプアが大量に生まれて、まともに物が売れない社会になってしまった。今こそ雇用の構造を変えて、規制緩和路線を見直さなければならない。そのことを抜きに、ただ民間準拠だと今公務員の給与を大幅に引き下げるなら、日本経済全体に新たなマイナス要因となると言わなければなりません。民間準拠そのものを否定するものではありませんが、民間の雇用と賃金を破壊したこれまでの政治を転換することこそ求められていると思っております。大臣もうなずいておられますから、その点では一致するんですけれども、今回の法案の対応は少し分かれるということだと思います。
 次に、労働基本権問題について質問したいと思います。
 ILOから繰り返し国際労働基準に従って公務員に対する労働基本権の付与が勧告されておりますけれども、労働三権が保障されてこそ、私は、労働者は人間に値する権利を実現することができて、自分のことは自分で決めることができると思います。
 原口総務大臣は、先日、消防職員の団結権の在り方を検討するよう指示したとされておりますけれども、先ほどの質問でもありましたけれども、これは消防職員に団結権を付与する方向で検討せよという指示だと理解していいですか。
#130
○国務大臣(原口一博君) おっしゃるとおりです。
 消防職員については先ほど申し上げました。今委員の認識と全く同じ認識を持っています。労働三権、これが保障される、まさに労働政策、雇用政策というものが、これまでの長い間の政権では本当に第一義の目標を持っていたんだろうか、中央政府はちゃんとした責務を果たしていたんだろうかと、そういう認識を持っています。ですから、ILOから再三再四指摘をされる。
 このまずは消防職員の団結権そのものについて回復をできるように、そのための論点整理をしなさいということを指示をしたところでございます。
#131
○山下芳生君 その消防職員への団結権の付与について、具体的にどのように検討していくのかを聞きたいと思います。
 十一月二十日の衆議院の本会議で、我が党の塩川議員の質問に対し、原口大臣は、国民の理解の下と答弁をされておりますが、この国民の理解とはどういう意味でしょうか。
#132
○国務大臣(原口一博君) 先ほども答弁いたしました。
 世界の潮流は労働教育なんですよ。労働教育をしっかりと小さなころから国民の皆さんにその知識を共有していただく、自らの働く権利について自ら学んでいただく、そのためにも私は多くの国民の皆さんがこの労働者の基本的な権利ということを共有していただく、このことが必要だと考えておりまして、私が言う国民の理解というものはまさに、幾ら権利があるといっても、その皆さんが自らの権利について学ぶことなく、自らの権利について自覚することがなければ、これは絵にかいたもちになってしまいます。
 ですから、労働教育をしっかり広げて、そして自らの権利の行使に自らが責任を持ち、そして自らがそれを守っていくという、そういう日本にしたいということで申し上げたところでございます。
#133
○山下芳生君 もう一つ、一般的な労働教育に加えて、消防職員の団結権については、国民の一部に、消防職員が労働組合をつくったら火事を消してくれないんじゃないかというような声もあると私は聞いております。
 しかしこれは、私はむしろ労働組合をつくってより民主的な職場をつくることは、例えばチームワークの向上につながり、職場の様々な問題点の改善、指摘につながるなど、消防力の強化になるんだというふうに考えます。そういうことも含めて国民の理解を得るために、私は政治から必要なキャンペーンをどんどん張るべきだと思いますが、いかがですか。
#134
○国務大臣(原口一博君) 消防職員の権利を回復したら火を消さないなんというのは全く消防職員をばかにした話で、山下委員はそのことを肯定されているわけじゃないですけれども、そんな意見は私のところには届いていません。
 むしろ、山下委員がおっしゃるように、しっかりとしたチームワークにも、今救急救命との連携もやっています。実際に訓練見に行きましたけれども、本当に言うはやすし行うは難しの現場ですよ。高い士気がなければこれは維持できません。その意味でも私は大切な改革だというふうに思っております。
#135
○山下芳生君 あわせて、衆議院の本会議で原口大臣は、関係者の意見も聞きながらと述べておられます。この関係者とはどういう方々を考えておられますか。
#136
○国務大臣(原口一博君) まさにこれは主権者です。そして、消防職員あるいは消防をめぐる多くの協力をしていただく方々、地域の方々、そして市町村やあるいは有識者、そういう皆さんの意見をしっかりと踏まえて、やはり理解なくして行動なし、多くの皆さんが消防職員の権利を保障するというのは一体どういうことなのかということをしっかりと理解をしていただく。
 その意味でも、山下委員がおっしゃるように、私たちも積極的に広報やあるいは、啓蒙という言葉は私は使いたくないんですけれども、情報の共有あるいは理想の共有に努めてまいりたいと、このように考えています。
#137
○山下芳生君 私は、関係者の中に是非、当然のことだと思いますけれども、消防の現場の方々も入れるべきだと思うんですね。今どんな問題が起こっているのか、それが労働組合がつくられることによっていろいろ改善されることだってあるんだということを一番分かっているのは消防の現場の方々だと思います。全国消防職員協議会あるいは消防職員ネットワークなど、そういう思いで頑張っておられる方もたくさんいらっしゃいますから、当事者の消防士さんの意見を聞くというのも当然だと思いますが、いかがですか。確認です。
#138
○国務大臣(原口一博君) 全くおっしゃるとおりだと思います。
 実は私の秘書もパートナーが消防職員です。もうよく話を聞きます。中には、大変な救急な状態で、心や体についても多くの困難を抱える事例もあります。ですから、当事者の皆さんがより働きやすい、よりその権利が保障できる、そのことはまずは当事者に聞く、おっしゃるとおりだと思います。
#139
○山下芳生君 次に、自公政権の下で国家公務員制度改革基本法が成立をし、その後、労使関係制度検討委員会において国家公務員への労働基本権問題は検討されてきました。しかし、そこでは労働協約締結権の付与が中心となっておりまして、その付与もまだ不透明なままであります。
 そこで、原口大臣に伺いますけれども、十一月十日、政府は国家公務員制度改革に関する質問主意書に対する答弁で、政府としては、公務員制度改革の中で、公務員の労働基本権を回復し、民間と同様、労使交渉によって給与を決定する仕組みを含め、その具体的な内容について、今後更に検討を進めてまいりたいと答弁をされております。
 公務員制度を担当する原口総務大臣としては、この労働基本権回復の中に、労働協約締結権とともに争議権まで含む労働三権を保障することを検討するというふうに考えているんでしょうか。
#140
○国務大臣(原口一博君) 政府としての見解は答弁書の中に書かせていただき、今お読みになったとおりでございます。
 公共サービスの質を確保するためにも、労働基本権の回復、これは何も団結権だけではない、あるいは協約締結権だけではない、公務員制度改革において、俎上にのせて積極的に前進させていく課題であるというふうに考えています。
 この労働基本権の回復の具体的内容については公務員制度改革担当大臣を中心に検討しておりますが、総務大臣としても自らの考え方をそこに積極的に話をして、そして協力をしてまいる所存でございます。
#141
○山下芳生君 今大臣としては、団結権、協約締結権だけではないということですから、恐らく争議権も含む三権ということが念頭にあるのかなというふうに私は聞きました。
 そこで、もう一度確認ですが、私は労働三権というのは一体のものだと思うんです。労働者は仲間と団結をし、その集団の力で使用者と交渉し、必要があれば争議行動を行うことによって初めて使用者とある程度対等な立場に立てるということだと思います。
 労働三権、その意味では一体のものだと私は考えますが、原口大臣、いかがですか。
#142
○国務大臣(原口一博君) 私は、委員の認識、極めて大事だと考えています。労働三権ということは、それは一体的に扱われるものだというのは一つの見識でございます。
 公務員のこの労働三権については、なお先ほどお話しのような懸念やまだ誤解というものもございまして、一歩一歩前進させていく、争議権についてもきっちりと検討をしていくことが必要であると、このように考えております。
#143
○山下芳生君 一歩一歩、争議権も含めてということでした。
 そこで、もう一歩進んで、公務員の労働基本権の意義について少し議論させていただきたいと思うんですが。
 私は、憲法が勤労者に区別を付けていない、要するに、民間労働者であれ公務員であれ労働基本権を保障すべきだというふうに憲法は位置付けておりますけれども、同時に憲法が公務員を全体の奉仕者と規定しておりますように、その事業と職務が公的性格を持つこと、また賃金原資が税金など公的資金であることから、民間労働者と異なる特質を持っていることに配慮しなければならない、その点で独自のルールも制定する必要があるというふうにも考えております。その上で、公務員労働者に労働基本権が保障されるということにどういう意義があるか。
 私、考えますと、やはり一人一人の公務員が国民全体に奉仕する存在でなければならない。つまり、公務員は国民の権利を尊重する立場で仕事をしなければならない。そのためには、自らの人権が保障され、人権を理解することが不可欠だと思います。愛情たっぷりに育てられた子供は愛情を知るとも言いますけれども、やはり人権をしっかりと保障された公務員でこそ国民の人権に敏感になれるのではないかと思いますが、この点、総務大臣、いかがでしょう。
#144
○国務大臣(原口一博君) かわいがられ、抱き締められた子供は世界中の愛情を感じ取ることを学ぶ、覚えるというのは、スウェーデンのたしか中学校の教科書にあるフレーズだと思います。自らの権利が保障されて、そしてそこに働く人たちの働き方、権利が保障されること、そのことがしっかりとした公共サービスの質にも関係をするし、そして一人一人の温かい社会のつくり方にも関係すると思います。
 山下委員がお話しのように、政治に対する信頼が高い、そういうところは何かというと、小さなころから良質な公共サービスを経験した人です。公に対する信頼というのはまさにそこから生まれてきます。社会を構成する上でも大事な考え方であると考えています。
#145
○山下芳生君 終わります。
#146
○委員長(佐藤泰介君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#148
○山下芳生君 日本共産党を代表して、一般職の職員の給与に関する法律等の一部改正案に対する反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、自公政権の総人件費抑制政策の下で、政治的圧力が掛けられた中で出された人事院勧告をまともな検証もせずにそのまま実施するものだからであります。
 人事院は、二〇〇二年には人勧史上初のマイナス給与勧告を行い、二〇〇三年、二〇〇五年とその後も給与引下げ勧告を行いました。また、給与構造改革によって地域間格差を拡大し、官民給与比較を行う企業規模を見直して民間給与を低く集計してきました。
 公務員の給与は、係長、四十歳、配偶者、子二人の子育て世代で見ると、九八年のピークに比べて、今度の給与法改正案を含めると一七・五%削減され、年間給与は百十一万円も減収になります。これは公務員の士気にかかわる問題です。
 今年四月には、民間企業においてもまだボーナスを二割の従業員しか妥結していない段階で、人事院は政府・与党の政治的圧力に屈し、これまでの人事院勧告のルールを変更し、前倒しで臨時調査を実施して六月のボーナス削減の勧告を行いました。当委員会でも、四月の臨時調査によるボーナス削減の勧告について、人事院が政府・与党の政治的圧力に屈していると大きな問題となりました。にもかかわらず、政権が替わっても自公政権の下で行われた人事院勧告をまともな検証もなくそのまま実施するという法案は筋が通りません。
 この間の人事院勧告は、自公政権の総人件費抑制政策に従ったマイナス給与勧告を繰り返すなど、国家公務員の労働基本権制約の代償措置としての機能を果たしているとは言えないものであります。
 反対の第二の理由は、本法案が国家公務員の給与とボーナス等を大幅に引き下げ、一人当たり年収で十五万四千円という過去最大規模の減収を押し付けるものだからであります。また、持家住居手当廃止も重大です。
 国家公務員給与引下げ、ボーナスの大幅削減は、地方公務員を始め、独立行政法人、国立大学法人、学校、病院等、約五百八十万人の労働者に大きな影響を与えるだけではなく、民間労働者の給与、ボーナスにも影響を与えるものであります。深刻さが増す景気悪化の下で個人消費を一層冷え込ませることになります。これでは景気を更に後退させ、賃下げの連鎖に陥ることになりかねません。
 以上の点を指摘し、討論を終わります。
#149
○委員長(佐藤泰介君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#151
○委員長(佐藤泰介君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び国家公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#152
○委員長(佐藤泰介君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、国家公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#153
○委員長(佐藤泰介君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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