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2009/10/30 第173回国会 参議院 参議院会議録情報 第173回国会 本会議 第3号
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2009/10/30 第173回国会 参議院

参議院会議録情報 第173回国会 本会議 第3号

#1
第173回国会 本会議 第3号
平成二十一年十月三十日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三号
  平成二十一年十月三十日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、裁判
  官訴追委員及び同予備員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員等各種委員の選挙
     ─────・─────
#3
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
 昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。山口那津男君。
   〔山口那津男君登壇、拍手〕
#4
○山口那津男君 私は、公明党を代表して、さきの鳩山首相の所信表明演説に対して質問いたします。
 まずは、鳩山新総理のリーダーシップに心から期待をするものであります。どうか日本の進路を誤りなきよう、賢明なかじ取りをお願いいたします。
 さて、私は、去る九月八日、公明党の代表に選任されました。福祉の党、教育の党、平和の党という公明党の旗を高く掲げながら、どこまでも現場第一主義で、庶民の側から、地域から政策を立案、発信し、生活を守り抜く政治、清潔な政治の実現に向けて全力を傾けてまいる所存であります。
 代表に就任して以来今日まで、まず私自身が率先して現場を歩き、国民との対話に積極的に取り組んでおります。また、我が党の三千人を超える議員は、日々、地域の課題、住民の生活課題の解決に全力で汗を流しています。庶民の声、現場の声を受け止めてきた公明党として、鳩山内閣に対しては、言うべきことは言い、正すべきは正すとの姿勢で臨む考えですので、よろしくお願いいたします。
 公明党は、国民一人一人の生命、生活、生存の確保こそ政治の使命であるとする人間主義、中道主義の理念に基づき、一人を大切に、福祉、教育、平和、環境を重視した日本の国づくりを目指します。第一に、安心社会を実現するための年金、医療、介護、子育て支援を柱とする新たな日本型福祉社会の構築、第二に、国づくりの基本は人づくりであると見据えた教育の振興、第三は、平和と環境で世界を牽引する日本の構築です。そして、これらを担保する社会の在り方として、地域主権の確立と自助、共助、公助が調和し、バランスよく効果を発揮する社会を目指すなど、明確な将来ビジョンを掲げ、国会論戦に臨んでまいります。
 さて、鳩山内閣発足後、閣僚による幾つかの注目を浴びる取組や発言がなされました。八ツ場ダムの建設中止、円高容認発言、子育て応援特別手当の執行停止などなど、そのたびに国民の間に混乱が生じ、不安を募らせています。
 そこで、政策変更に関し具体的に指摘します。
 前原国土交通大臣が大臣就任直後に発表した八ツ場ダムの建設中止です。長年にわたり住民と国との間で積み重ねられてきた合意形成のプロセスをすべて無視した一方的なやり方は、全く民主的な手続に反します。私自身、九月二十二日に現地を訪問し、住民、関係者の方々と意見交換した際、政府の突然の政策変更に対する強い憤りの声を多数お聞きしました。
 民主党のマニフェストに基づいて政策変更するのであれば、まず連立政権としてそれを受け入れるのかどうか、政府として従来の政策を変更するのかどうか、理由を示して当事者や国民に理解を求めるべきです。その手続を全く取らず、いきなり変更の結論を強要するやり方は民主主義の精神にもとるものであり、改めるべきであります。
 前原大臣は今になってようやく治水、利水についての再検証を行うと発表しました。なぜ方向転換をしたのですか。政策決定プロセスに間違いがあったとお認めになるのでしょうか。であるならば、中止を白紙に戻して、予断を排し、住民、流域関係者と協議し、明確な代替案とそのコストを国民に示した上で結論を出すべきであります。政府の政策変更手続の在り方について、総理の明確な答弁を求めます。
 さて、民主党が検討している国会改革についてお伺いします。
 報道によると、政府参考人制度の廃止など、官僚の答弁の禁止が伝えられています。もとより政治家同士の議論の活発化は必要ですが、官僚答弁の禁止は、国民主権の下、国権の最高機関である国会の審議制約につながります。まして法律で制限するのはあるべき姿ではなく、国会の幅広い論議が保障される必要があります。
 また、民主党議員による議員立法の原則禁止も、立法府のメンバーである国会議員の法案提出権を奪うことであり、ゆゆしき問題であると考えます。民主党の皆様もよく御存じのとおり、これまで議員立法は、行政上のいきさつから政府が行動できない場合などに、与野党を超えて妥当な解決を図る道として、特に薬害肝炎や水俣病、アスベスト対策など弱者救済に力を発揮してきました。この役割は今後も重要です。
 これら国会の役割に関して、総理と福島国務大臣の見解をお伺いいたします。
 今後、議員立法によって救済を急ぐべき課題として肝炎対策や原爆症対策があります。
 肝炎対策について公明党は、自民党とともに肝炎対策基本法案を提出し、成立に向けて民主党案との調整を図ってきましたが、残念なことにさきの衆院解散により廃案となりました。こうした命にかかわる問題は党派を超えて最優先で取り組むべきではないでしょうか。
 また、原爆症対策についても公明党は、被爆者の立場に立った幅広い認定拡大を進めるとともに、全面解決に向けた訴訟の早期終結に取り組んできました。本年八月、前総理と関係団体との間で、集団訴訟の終結に関する確認書が結ばれましたが、そこに明記された議員立法による被害者救済のための基金の創設は、まだ実現しておりません。
 鳩山総理は、所信表明演説の中で、命を守り、国民生活を第一とした政治を掲げながら、こうした肝炎対策や原爆症対策について全く具体的な言及がありません。肝炎患者の救済制度と原爆被害者救済のための基金創設に係る立法措置について、政策決定は政府に一元化というのであれば、政府の責任で行うべきであります。政府としてできないというのであれば、議員立法による早期解決を目指すべきと考えますが、鳩山総理の明確な答弁を求めます。
 次に、鳩山総理の景気・経済認識についてお伺いしたい。
 我が国経済は大事な局面を迎えております。なお世界経済が不透明ではあるものの、ようやく明るさが見え始めてきた中で、鳩山政権リスクが出てきました。
 第一には、予見可能性の不透明化リスクであります。
 政権交代によって鳩山内閣が初めに着手したのは、補正予算の執行停止でありました。その総額は約三兆円。社会を構成する国民や企業、地方政府などは、国が決定した法律、制度、予算に基づき、いわゆる予見可能性を持って行動します。前内閣で決定した経済対策についても、それが継続する前提で行動しているのであり、地方議会が既に補正予算を組んでいるのもその一つであります。
 しかし、政権交代によって前内閣で決定した政策、すなわち補正予算、そのうち三兆円の執行停止という形で変更されてしまいました。政策を変更するのであれば、例えば、なぜ子育て応援特別手当をやめるのか、温暖化対策が必要と言われながら政府が率先して太陽光パネルの設置を実施しないのかなど、一つ一つその理由を国民に示し、代替する新たな予見可能性を速やかに示さなければ、国民にとっての新たなリスクとなってしまいます。その政策決定過程も、情報公開、説明責任には程遠い、初めに三兆円ありきという、言わば政治主導という名の強権政治の危険すら感じるのは私だけではないと思います。
 第二は、国債増発のリスクです。
 そもそも、補正予算の執行停止で財源を三兆円捻出したといっても、それは前政権において経済対策のために発行した建設公債あるいは特例公債が原資となっています。本来なら公債の発行抑制に回すべきであって、来年度予算に回して財源にすべき性格のものではありません。
 さらに、総理は、国債増発もやむを得ないと微妙に発言を変えています。例えば、五・三兆円をつぎ込んで行おうとされている子ども手当は、未来の宝を社会全体で支える趣旨と認識しておりますが、財源が手当てできず、結果として国債増発で賄えば、何のことはない、子供たちが将来背負う借金の先食いでしかありません。
 この一か月半の補正予算執行停止や予算編成をめぐる民主党の対応については、経済軽視と言われても仕方がない。特に、地方経済に冷たい政権であり、今後の経済財政運営に強い危惧を抱いていることを声を大にして申し述べておきたいと思います。
 以上の点に対し、総理の認識を賜りたいと思います。
 行政の無駄削減の取組は、まさに行政を監視する国会の使命であり、公明党は、今後も国民の立場で行政の無駄追放に向けて全力で取り組む所存です。特に、公明党が政党として初めて提案し法制化された事業仕分については、行政の無駄排除をするために極めて有効なツールであり、政府に期待にたがわぬ結果を求めます。
 公務員改革について、二点御質問いたします。
 第一に、公務員による不正経理の防止であります。
 会計検査院の平成十九年度の決算検査報告では、国土交通省、農林水産省の補助金による事業で、架空発注で支払った代金を業者の口座にプールして裏金をつくる預けなど、調査した十二道府県すべてで公務員による不正な経理が発覚しました。こうした預けを含め、国に返還が求められた国庫補助金の総額は約五億六千万円になります。国民の税金が不正に使用されることが許されるべきでないことは当然であります。
 公明党は、こうした裏金づくりなど国及び地方公務員による不正な会計処理を根絶するために罰則を設ける不正経理防止法案をさきの通常国会に提出したところですが、会計検査院の機能を強化することも含め、再提出したいと考えます。新法を措置することについて、総理のお考えを伺います。
 第二に、公務員制度改革についてであります。
 民主党はマニフェストにおいて、国家公務員の総人件費を二割削減し、新規政策の財源に充てるとしております。そのための手段として、地方移管、手当、退職金などの水準、定員を見直すとしていますが、具体的にどう進めるのか、全く明らかになっていません。
 公務員の総人件費の抑制を目指すことは重要ですが、併せて公務員の方々が意欲を持って職務を遂行できる公務員制度改革も必要です。鳩山内閣は一体どのように公務員の人件費の削減に取り組まれるのか、総理の明確な答弁を求めます。
 次に、社会保障政策について伺います。
 鳩山総理は、国民生活を守る年金や医療、介護などの重要課題について、所信の中で必死に取り組むと述べていますが、その全体像や具体策は全く見えていません。社会保障の給付と負担をどうするのか。急激な人口構造の変化に対応する資源配分の在り方についても明確に示すべきではありませんか。
 具体的に伺います。
 まず、介護施設の充実についてです。昨今は老老介護やシングル介護が社会問題となっています。私も先日、介護現場を視察し、介護を受ける本人も家族も共に生活にゆとりが持てるようなサービスの必要性を痛感したところであります。住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、施設や在宅介護を自由に選択できるサービスを拡充させなければなりません。団塊の世代が高齢期を迎える二〇一五年には、世界がいまだ経験したことのない超高齢社会に突入します。二〇二五年には三人に一人が六十五歳以上という時代を迎え、介護のニーズは更に高まります。
 公明党は介護総点検運動を全国でスタートさせますが、今こそ政府は、二〇二五年を展望したより具体的な介護ビジョンを策定し、一層の財源確保を図って介護施策を大きく前進させるべきであります。
 そこで総理の見解を伺います。
 施設・在宅サービスの整備充実、介護人材の慢性的な不足にどう対処されるのか。若い職員が定年まで働き続けられる賃金体系の確立を早急に図るべきであります。
 一方、施設、在宅介護に限らず、二十四時間三百六十五日を通じてニーズに応じた介護サービスが受けられる地域包括ケアシステムの構築に真剣に取り組んでいただきたい。総理の明確な答弁を求めます。
 公明党は、障害者への差別撤廃や社会参加を目的とした障害者権利条約の早期批准に全力で取り組んでまいりました。具体的には、障害者基本法を障害者権利条約の理念に沿った内容に改め、本年六月に我が党独自の法案を策定しました。条約の批准は障害者の方にとって大きな希望であり、障害者基本法の改正は待ったなしです。総理の前向きな答弁を求めます。
 次に、年金制度について伺います。
 民主党は、年金制度の一元化を二〇〇三年のマニフェストで発表しましたが、一向に詳細設計を明らかにせず、今回のマニフェストでも制度設計の議論は二〇一二年度から、新制度の導入は二〇一四年度以降に先送りしました。要は、十年間全く進展がありません。来年度からの二年間は記録問題に集中的に取り組むとの方針ですが、制度設計についても民主党案の詳細を明らかにした上で早急に議論を開始すべきです。与野党の枠を超えて、年金制度の議論を行う正式な協議の場を国会に設け、結論を出すべきと考えます。鳩山総理の認識をお伺いします。
 また、制度設計の議論と切り離してでも急ぐべきは、無年金、低年金の対策です。今後、保険料を納めても受給資格に満たない方が百十八万人にも上るとの推計もあり、対策は最優先の課題です。公明党は、低所得者を対象に満額で六万六千円の基礎年金を八万三千円程度に引き上げる基礎年金加算制度の創設や、年金受給資格の二十五年から十年への短縮、保険料追納期間の二年から五年への延長など、具体的に提案しています。鳩山内閣に速やかな実行を求めます。総理の見解を伺います。
 国民生活で経済の影響を最も大きく敏感に受けるのは雇用であります。雇用情勢は景気動向に遅れて悪化する傾向があり、景気対策とともに雇用対策をすき間なくスピード感を持って講じる必要があります。
 公明党としても、昨年秋の雇用悪化以降、二度にわたる補正予算、二十一年度予算、二十一年度補正予算で三兆円を超える雇用対策を講じ、失業予防と雇用創出を両輪に取り組んでまいりました。特に注目すべきことは、十年前の不況期と異なり、労働者の三人に一人が非正規雇用であり、その点への最大限の配慮が重要です。
 具体的には、雇い止め労働者に対する給付面での配慮や雇用保険の非正規労働者への適用範囲の拡大など、セーフティーネットの強化が急務です。公明党は、第二のセーフティーネットとして、雇用保険の対象や失業給付の対象とならない労働者に対する生活保障、訓練・生活支援給付を創設させましたが、その恒久化が必要と考えます。民主党の提案でも、同様の趣旨で名前を変えただけの制度を主張されていますが、給付額や対象者が制限されることのないよう、切れ目ないセーフティーネットを講じるべきです。
 一方、来春卒業予定の大学生等の就職内定状況は大変に厳しいものがあります。ところが、ある民間調査によると、全体としては求人数は求職者数を上回っており、応募が多過ぎて企業説明会の予約すらできないなどという実態は、学生が一部の大企業に集中している結果とも言われております。
 企業と学生のミスマッチを解消し、幅広い就職活動が行えるよう、よりきめ細かな情報提供やスピーディーな就職支援策が求められます。第二の就職氷河期を断じて起こさないとの決意に立ち、新卒者の就職活動を大学だけに任せるのではなく、国としても支援の体制を構築する必要があります。総理のお考えを伺います。
 総合的な貧困対策の推進について伺います。
 OECDが報告した二〇〇三年のデータによれば、日本の貧困率は加盟三十か国中、四番目に高く、先進諸国の中でも際立っています。一方、我が国においては、政府による正式な貧困基準がないことや貧困に関する定期的な実態調査が行われていないこともあり、本格的な対策は進んでおりません。
 先日、厚生労働省が日本の相対的貧困率を初めて公表したことは評価いたしますが、問題は今後どうその実態を改善させるかであります。公明党は、貧困率の定期的な調査を行い、それに基づいて貧困率の低減の目標を定め、総合的な貧困対策を推進すべきと提案しています。社会情勢の変化や国民一人一人の生活実感を反映した貧困率の低減目標を設定し、社会保障制度や税制を含めた総合的な施策を推進することにより、貧困の固定化、再生産を防ぐべきと考えます。鳩山総理の御見解を伺います。
 教育の質を高めるためには、何よりも教員の資質向上が求められます。教員は子供にとって最大の教育環境であるからです。したがって、教員養成は国づくりの基本である人づくりの最重要課題であります。この教員養成について、鳩山内閣では、本年四月からスタートした教員免許更新制度の抜本的見直しと養成課程を大学院修士課程修了の六年間に延長する構想が検討されているようです。
 そもそも教員免許更新制度は、変化する教育現場で必要な資質、能力を教員が保持できるよう定期的に最新の教育技術を身に付けることが導入の目的でありました。検討されている養成課程の延長は、あくまで新卒教員の資質向上であります。現行制度が目指す現職教員の資質向上を鳩山内閣はどのように行っていくのか、総理の見解を伺います。
 次に、地球温暖化対策です。
 総理は、国連気候変動首脳会合において、科学が要請する水準に基づき温室効果ガスを二〇二〇年までに一九九〇年比二五%削減すると表明しました。公明党は、マニフェストにおいて二五%を掲げており、総理の野心的な目標の表明を率直に評価いたします。この二五%削減の目標について、総理は、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意が前提と述べられましたが、そうした合意が実現しない場合、科学が要請すると言われた二五%削減の目標はどうするお考えですか。私は、前提云々という以前に、日本がリーダーシップを取って何としても国際合意を実現することが人類のために必要であると考えます。改めて総理の御見解をお伺いします。
 国際合意の実現という観点からは、途上国支援についての鳩山イニシアティブを具体化することが急務です。十二月のCOP15に向けて来月も国連会議が開かれますが、そこにおいて途上国支援に必要な資金額の認識、日本の拠出規模、国際航空税など予測可能で継続的な資金源等々について具体的な提案を打ち出し、交渉の促進に貢献すべきです。総理の力強い答弁を求めます。
 一方、国内対策の強化のためには、まず、基本法の制定が必要であります。七月のラクイラ・サミットでG8各国は、気温上昇二度以内、先進国は二〇五〇年までに八〇%以上削減で合意しましたが、基本法はこれらを踏まえたものでなければなりません。総理は、二度目標を法律に明記されるお考えはないか、そして、民主党が掲げる早期に一九九〇年比六〇%超削減との長期目標を見直し、二〇五〇年八〇%以上削減とされるお考えはないか、お伺いします。
 また、排出削減には、キャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度や炭素税、さらに再生可能エネルギーの固定価格買取り制度などが有力な手段となります。これらについて、いつまでに、どのように制度設計を進め、導入されるおつもりか、さらにエネルギー政策に関して、特に原子力発電にどう取り組まれるか、方針をお伺いします。
 民主党は、ガソリン税等の暫定税率廃止や高速道路無料化を公約しています。しかし、これらは二五%削減の中期目標に逆行しかねないものであり、地球温暖化対策との整合性なしに実施すべきではないと考えますが、総理の明確な答弁を求めます。
 今年度補正予算に盛り込まれたエコポイント、エコカー補助金は、景気浮揚に大きな効果を上げるとともに、環境に配慮した消費行動を普及しております。エコポイントの対象品目の拡大、手続の簡略化などを検討しつつ、来年度もこれらを継続することが求められますが、総理の御見解を承りたいと思います。
 次に、鳩山総理の基本的な外交姿勢についてお尋ねします。
 日米首脳会談で総理が日本外交の基軸として重視していくと表明された日米同盟について、民主党のマニフェストや連立政権政策合意では緊密で対等な日米同盟を目指すとしていますが、その具体像が一向に見えてきません。
 所信表明において総理は、対等の意味を、日米両国の同盟関係が世界の平和と安全に果たせる役割や具体的な行動指針を日本の側からも積極的に提言し協力していけるような関係と述べられましたが、我が国が在日米軍の抑止力に依存している日米同盟の現実の中で、マニフェストで主張する日米地位協定の改定の提起、米軍再編や在日米軍基地の在り方の見直しを具体的にどう提案するのか、総理の見解を改めて求めます。
 悪夢のような九・一一米国同時多発テロに対し、翌日採択された国連安保理決議一三六八号は、九・一一攻撃を国際の平和と安全に対する脅威と認め、国際社会に対し、テロを防止し抑止するための努力を要請しました。以来八年、国際社会はテロとの闘いを継続し、我が国は自衛隊による補給支援活動によって各国が行うテロとの闘いを支えてきました。
 一方、前政権を担った公明党は、補給支援とともに、アフガニスタンへの人道復興支援を車の両輪として力を注ぎ、日本政府は既に十七・九億ドルもの支援を実施し、大きな成果を上げてきました。
 鳩山政権は、この両輪の一つである自衛隊をインド洋から撤退させようとしています。そして、その代替案が支援額を積み増すだけの、金は出すが汗はかかないと酷評されるようなものならば、国際的な責務を果たすとは言えません。
 民主党は、補給支援活動について、事前承認や憲法違反、情報の未開示などを挙げて時々に理由を変えて反対してきましたが、今回はどのような理由から中止するのか、その代替案とともに総理の明快な答弁を求めます。
 今年四月、オバマ・アメリカ大統領のプラハでの核兵器のない世界を目指すとの演説を起点に、先月二十四日の国連安保理首脳会合での核兵器のない世界を目指す決議第一八八七号の全会一致の採択など、核廃絶へ向けて変化の潮流が高まっています。
 総理は国連総会の演説で、核保有の潜在的能力を持ちながら非核三原則を掲げている日本こそが核軍縮の促進役になれると主張されました。全く同感であります。唯一の被爆国として核兵器のない世界を実現させる権利と道義的責任を持つ我が国が今こそ行動を起こすときです。来月にはオバマ・アメリカ大統領が来日されます。日米両国が核兵器のない世界を目指す新たなパートナーシップを築き上げていただきたい。
 そのような意味から、総理、我が国の核廃絶への決意を内外に示すため、核兵器を使用した戦争を経験している日米両国首脳が語り合う機会において、今後も我が国は非核三原則を堅持するとともに永遠に核兵器を保有しないとの方針を宣言してはどうか。世界に対する大きなメッセージとなると考えます。
 さらに、オバマ政権が強い決意を示し、さきの国連安保理決議に盛り込まれたNPTの強化、CTBTの批准やカットオフ条約の早期交渉開始、これらに向けて、来年のNPT運用検討会議で新たな核兵器開発を行わないことを約束するモラトリアム宣言の実現を目指し、核保有国へ働きかける平和外交を展開してはどうか。併せて総理の御所見をお尋ねします。
 最後にお伺いします。
 我が党は一貫して永住外国人への地方選挙権の付与を主張してまいりました。鳩山総理も、九日の日韓首脳会談後の記者会見で、前向きに結論を出していきたいと内閣総理大臣として初めて積極的な方向性を示されました。今後どのように取り組まれるのか、総理のお考えを伺います。
 以上、内外の政治課題及び我が党の政策提案を中心に言及してまいりましたが、公明党は庶民のための政治を目指して全力を挙げていくことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#5
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 山口代表の御質問にお答えをいたします。
 山口代表の公明党の基本政策を伺いながら、この連立政権の政策とかなり近い部分があるなと、そのように実感をいたしたところでございます。
 まず、マニフェストの政策の変更に関する御質問をいただきました。
 私どもは、国民は新政権に対して何を望んでいるかと。言うまでもありません。例えば、民主党はマニフェストでこれを国民の契約として戦ったわけでございます。したがいまして、政権交代が行われて、当然のことながら、改革が断行されるときには従前の政策と異なる政策が取られることは十分考えられるわけでありまして、抜本的な改廃を行うことも当然だと考えております。ある意味でそれが民意だとも考えるわけでございます。
 ただ同時に、それを強権的に強行するような手法を採用するつもりもありません。だからこそ、八ツ場ダムの建設中止の問題に関しまして、前原大臣を現場に赴かさせていただいて、そして、住民の声もしっかりと伺いたい、そのように考えたところでございます。これからも常に地域の皆様方と対話を続けながら、まずは国民の皆さんの声を大切にして国民の皆さんとの契約を果たしていく、まさに八ツ場ダムの建設中止もそのプロセスの中にあると考えております。
 その八ツ場ダムに係る政策決定プロセスと代替案についての御質問でありますが、地元の方々が大変苦しんでおられる状況をやはり打開しなければならない、その思いで先般、前原国土交通大臣が予断を持たずに全国のダムと同様に改めて検証を行うことを提案をいたしたわけであります。その八ツ場ダムの代替案につきましては、検証を行う過程において検討して、まさに、これは前から申し上げておりますように、コンクリートから人へという基本的な方針に沿って、できるだけ代替案があるとしてもダムによらない治水がどうあるべきか、こういう方向で政策転換を求めていく、そのような所存でございます。
 国会改革についてのお尋ねがありました。
 たしか十年前に衆議院議院運営委員長提案の国会審議活性化法というものが公明党の皆さんも賛成の中で成立をいたしました。その趣旨は、国民の負託を受けた国会議員同士が真剣な議論を行って国会審議の活性化を図る、そういう趣旨だと理解をしております。国会のことは基本的に国会において各党各会派で御議論をいただきたいと存じますが、議員立法の禁止などという情報が伝えられておりますが、これは、一般行政に関する法律案に関しては、与党の皆さんの様々な議論、御意見を踏まえながら、最終的に政府が責任を持って提案をするという当然の方針を確認したということでございまして、御理解を願いたい。
 肝炎の患者の救済及び原爆被爆者救済のための立法措置についての御質問でありますが、肝炎対策に係る法制定については、従前から肝炎患者の皆様方からの大変強い御要望もいただき、法制定を求める署名活動も盛んに多く集めておられることも十分に理解をしております。したがいまして、肝炎患者の皆様方の思いが早期にかなえられますように、そのようにいたすことが大事だと考えておりまして、適切に対応してまいります。
 また、原爆症認定集団訴訟につきましても、本年八月に旧政権の下で確認書が署名をされ、その中で議員立法による基金の創設が位置付けられているという経緯に関しては十分に理解をしています。したがいまして、新政権といたしましては、被爆者の早期救済のため、今後の議員立法の具体化の動きなども踏まえながら、最終的に被爆実態を反映した新しい原爆症認定制度の創設をしっかりと検討し、実現してまいりたいと思っております。
 景気・経済認識についての質問でございます。
 景気はやや持ち直しているという判断もありますが、自律性は極めて乏しい。したがって、失業率、若干また今日下がったというデータはありますが、まだ高水準にあることも実態でありまして、厳しい水準でございます。今回の補正予算の見直しにおいては、コンクリートから人へという新しい理念の下でいわゆるアニメの殿堂のような無駄な箱物行政、こういったものに関しては執行を停止をしたわけでありますが、しかしながら、補正予算の削減が地域経済に影響を与えてはならない、できるだけ与えないように、国民生活に影響を与えないようにという配慮をしております。例えば、二年、三年後に使うための基金を今凍結をしても現在の景気に影響があるはずもないじゃありませんか。
 この国債発行の件でありますが、そもそも多額の国債を発行して補正予算を組んだのは旧政権であるということを御認識を願いたい。私どもは、その中で予算編成に当たって財政規律を守り、国債マーケットの信認を確保していくという観点から更なる歳出削減が必要だと、精いっぱい歳出の削減に取り組みながら国債発行額を極力抑制をしたいと考えているところでございます。
 公務員の不正経理防止と会計検査院の機能強化についての御質問でございます。
 公務員の不正経理の防止の徹底を図るとともに、会計検査院の機能を向上していくことは、新内閣においても重要な課題であると理解をしております。政府としても、したがいまして税金の無駄遣いを一掃するためにも予算執行の適正化に向けて積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 総人件費を二割を削減する公務員制度改革の必要性についての御質問をいただきました。
 確かに民主党のマニフェストにおきまして、総人件費を四年間の間で、すなわち平成二十五年度に二割を削減するという目標を掲げて、何としてもこの目標達成のために努力をしてまいりたいと思います。
 具体的に考えておりますのは、例えばこれは各種の手当あるいは退職金などの水準や定員の新たな見直しを行っていく、これは言うまでもありませんが、地方分権の推進に伴う地方の移管、こういったものによっても削減を図ることができますし、さらに、これは公務員制度の改革が必要ではありますが、その後に労使交渉を通じて給与の改定というものを行うことができようかと考えております。
 国家公務員の人件費の削減に関しては、いわゆる公務員の否定とかあるいは官僚たたきを意味するものではありません。むしろ、公務員制度の改革に当たっては、公務員の皆さん方にも意識を変革をして、共に改革に取り組んで、国家を支える中枢としての誇りを取り戻していただきたい、こういうことも公務員制度改革の思いでございまして、是非御理解を願いたいと存じます。
 社会保障の給付と負担についての御質問でありますが、新政権は何よりも人の命を大切にしていきたい、そして国民の暮らしを何としても守りたい、この思いの下でそれぞれの政策を実施をしてまいります。
 急速な少子高齢化が進んでおります。そんな中で、年金、医療、介護など社会保障制度を国民の皆さん方から見て信頼をしていただける持続可能なものにするために、国民の皆様方との御議論も一生懸命尽くしていきながら、さらに連立政権の合意、さらにはマニフェストで示しました政策を着実に実行に移してまいりたいと思います。
 一つ一つのことに関しては後で触れさせていただきますが、その際に、国や地方公共団体ではなく、市民の皆さんあるいは企業、そして労働組合、NPO、こういった方々が信頼のネットワークを編み直して、そのことによって人と人とが支え合う新しい公共を実現をしていきたい、このようにも考えているところでございます。
 介護施策の充実についてでありますが、私どもは、やはり介護が必ずしも今まで手当てが十分でなかったと、旧政権における介護の施策が極めて不十分であったと認識をしております。したがいまして、介護を必要とする高齢者の方々がこれからどんどん増加が見込まれるという状況の中で、介護職員の処遇改善の交付金、これを活用した介護職員の処遇改善をまず図ってまいります。さらには、施設サービスや在宅サービスの拠点整備を推進をしてまいります。
 こういったことによって介護人材をしっかりと確保してまいらなければなりませんし、また介護を行う拠点の整備も拡充をしてまいらなければならないと思います。
 介護や医療など様々な生活を支援するサービスを連携させることによって、高齢者を支える地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいることもお約束をいたします。
 障害者権利条約の早期批准と障害者基本法の改正についてのお尋ねがございました。
 障害を与えられた方々もあるいは尊厳を持って当然生き生きと暮らしていただける社会を実現をする、これが、所信でも申し上げましたように、私が求めております友愛政治の原点だと御理解を願いたい。この目標を達成するためにも、今後とも、障害者権利条約の締結に向けた議論、当然その中に障害者基本法、この改正も含まれるわけでありますが、こういった議論を十分に進めてまいりたいと思っております。
 年金制度改革案の早期提示と与野党協議の設置についてのお尋ねがございました。
 年金制度に関しましては、公平、透明で新しい時代に合った制度をつくらなければならない、今後四年間で新たな年金制度の創設に励んでまいります。
 すなわち、旧政権においては年金制度は百年安心とかおっしゃったようでありますが、私どもは百年安心の年金制度とは思っておりません。やはり本質的に制度改革が必要だと、そのように考えておりまして、例えば、すべての国民の皆さんが七万円以上支給されるようにしていく。そのためには、最低保障年金というものを創設をして、その財源には消費税を充てるということも私どもは党としてのお約束として申し上げているところでございます。
 野党の皆様方とは、当然、まずは国会の審議などを交わして、このような年金の制度改革、大いに議論してまいろうではありませんか。
 無年金・低年金者の対策についての御質問でございますが、無年金あるいは低年金対策を含む現行制度の改革について、新制度の具体的な制度設計と並行をして検討を進めてまいります。そして、必要なものから逐次進めて実現をしてまいることもお約束をしておきます。
 雇用対策についての御質問でございますが、雇用のセーフティーネットを強化をして国民の安心感を高める、これも大変重要なことだと認識をしております。
 非正規労働者のセーフティーネットを強化をするために、これは平成二十一年度でありますが、雇用保険法を改正をいたしました。そのとき、その内容に沿って給付日数の拡充あるいは適用の範囲の拡大を行っているところでもございます。それに加えて、雇用保険を受給できない失業者の方々のセーフティーネットを強化をするために、職業訓練中の皆様方の生活保障を行う求職者支援制度を二十三年度に創設をすることを検討しております。
 さらに、新卒者の対策といたしましては、今般決定をいたしました緊急雇用対策に基づいて、求職と求人のミスマッチというお話がありました。そのとおりだと思います。就職支援を担当する高卒、大卒の就職ジョブサポーターというものをつくり、この緊急増員を行って就職支援体制の強化に励んでまいります。御理解を願いたいと存じます。
 貧困対策についての御質問がございました。
 先般、我が国がこの貧困問題を直視をしなければならないということで、今までは必ずしも貧困率というものを表に出してはおらなかったんでありますが、厚生労働省において初めて貧困率を公表いたしました。結果として、OECD諸国の中では、やはり日本、貧困率が高いなというグループに属しておることは御案内のとおりであります。
 この貧困率を下げなければならないことは当然の役割だと思っておりまして、貧困率の低減目標を設定するということも、そういう考え方も一理あるとは考えておりますが、まず、新政権において、雇用対策や家計を直接応援する政策の推進など、弱い立場の人々の視点を極力尊重をして国民の暮らしと命を守る政策を推進していくことによって、結果として貧困率の削減に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 教員の資質向上についての御質問でございました。
 人づくりは国づくりだと、そのようにおっしゃる山口代表の御主張、誠にその思いを共通するところでございます。将来の日本を支える人材の育成のために、教員の資質、さらには数を充実をさせること、そういうことによって質の高い教育をまず実現していかなければなりません。このために、教員の養成、さらには採用、研修の各段階を通じて抜本的な改革をやはり行いたいと思っているところでございます。
 今後、教員免許更新制の見直しと併せて、先ほどお尋ねがありましたように、現職教員の資質向上のための専門免許状制度の導入などを図って、教員免許制度の抜本的な見直しに取り組んでまいることもお約束をいたします。
 国際合意が実現しない場合の中期目標の扱いと、国際合意を実現する必要性についてのお尋ねがございました。
 地球の将来を真剣に考えて国際交渉に弾みを付ける、まさにモメンタムを与えるために九〇年比二五%減という思い切った数値を各国にある意味で率先をして提示いたしたところでありますが、このことに対して御評価をいただいたことに感謝を申し上げます。
 すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築と意欲的な目標の合意というものが前提であるということを申し上げております。この前提というものが必ず実現をする、前提が実現しないという場合は、局面は考えておりません。皆さん方の御協力をいただいて、是非、この前提が何としても世界の中で果たされていけるように是非とも御協力を願いたいと思っておりまして、私ども政府としても引き続き全力を傾注をしてまいります。
 COP15に向けた国連会議で鳩山イニシアティブの具体的な提案を行うことについての御質問をいただきました。
 途上国の支援のためのいわゆる鳩山イニシアティブについては、閣僚委員会を設置をしておりまして、その中にプロジェクトチームがございます。このプロジェクトチームの中で具体的な資金額の、あるいは日本の拠出規模などをしっかりと議論をしてまいっているところでございまして、この鳩山イニシアティブはまさに先進国と途上国との間の架け橋との意味での役割を果たしていきたいと考えておりまして、当然国際情勢を見ていかなければなりません。国際交渉の進展状況を注視をしながら、具体的内容を打ち出してまいります。しっかりと協力をしてやろうではありませんか。
 地球温暖化対策の基本法に、気温上昇を二度以内に抑制するという目標、あるいは二〇五〇年までに八〇%以上削減するという長期目標を明記することについての御質問をいただきました。
 本年の七月に開催をされましたG8のラクイラ・サミットの首脳宣言の中で、世界全体の平均気温の上昇に関する科学的な見解についての認識、世界の全体、さらにはその一部として先進国全体で二〇五〇年までの削減目標に関する合意があったことは十分に認識をしております。
 したがって、基本法に盛り込む具体的な内容はこれからしっかりと検討して、速やかに制定をしてまいりたいと思っておりますが、八〇%以上の削減という目標はなかなかしっかり考えていくべき目標だという認識を私も共有しているところでございます。
 国内排出量取引制度、炭素税、固定価格取引制度についての質問でございます。
 すなわち、この目標を達成するためにはあらゆる政策を総動員しなければならない、この決意は先般申し上げたところでございます。キャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度、再生可能エネルギーの固定価格買取り制度など、個々の具体的な政策の内容やそれらの実施スケジュール、こういったものについては、今後、国際交渉における議論をしっかりと踏まえなければなりません。その踏まえた中で、地球温暖化問題に関する閣僚委員会などにおいて議論をして決めてまいる所存でございまして、対策税に関しましては政府税調を設置をいたしました。その中でも真摯、真剣に結論を求めてまいりたい、できる限り迅速に結論を見出してまいることもお約束をいたします。
 原発に関しての御質問をいただきました。
 原子力発電は、エネルギーの安定供給のみならず低炭素型の社会を実現するという目的に沿ったものであって、私は大変重要であると理解をしております。したがいまして、安全の確保というものを大前提としながら、国民の皆様方の御理解と信頼をいただきながら、着実に推進をしてまいりたいと考えております。
 揮発油税の暫定税率あるいは高速道路の無料化と地球温暖化対策との関係についてのお尋ねがございました。
 この問題も我が内閣において大変重要な問題だと認識をしております。しかしながら、やはり暫定税率、名前が暫定であるという、数十年も続いたという、こういった暫定税率に関しては、まず基本に基づいて、国民との間の約束の中で、ガソリン税などの暫定税率はまず廃止をすることは当然だと考えております。
 そして、その上で、地球温暖化の対策と税制との整合性に関して、先ほど申し上げましたように、私から税調に対して、環境などその影響を考慮した課税の考え方を踏まえて、エネルギー課税について、温暖化ガスの削減目標達成に資する観点から、環境負荷に応じた課税に必要な事項の検討をしてほしいと、そのように諮問をしたところでございまして、したがいまして、先ほどから迅速にと申し上げておりますが、政府税調におきまして今真摯かつ迅速に検討を行っているところでございまして、結論をできるだけ早く出すように努めてまいります。
 また、高速道路に関しましては、これは有効活用する、このことによって地域と地域の皆さん方の経済の活性化に資するものでもあることも事実でございまして、段階的に原則無料化するという方針を貫いてまいりたいと思います。その中で、様々、渋滞の発生と地域の経済効果、他の交通機関の影響、こういったものも勘案しながら、総合的に国民の皆様方の御理解をいただいて進めてまいりたいと思います。
 エコポイントの対象品目の拡大、手続の簡略化についての御質問がございました。
 こういったエコポイント、エコカーの補助、これは景気対策並びに環境対策の両面で効果は期待されておりますし、現実に効果があると理解をしております。国内の需要を一定程度これによって支えているという効果もあることも認めております。したがいまして、今後の対応について、地球温暖化対策全体の議論の中で、経済の情勢なども見極めていきながら判断をいたしたいと思っております。
 日米地位協定、米軍再編、在日米軍基地の在り方についての御質問がございました。
 日米同盟、くどいようですが、これは私ども日本外交の基軸でございます。そして、来年は日米安保改定五十年という節目の年でもございます。したがいまして、こういう年でありますだけに、日米地位協定の在り方、米軍再編、さらには在日米軍基地の在り方、こういった御指摘の点について、日米同盟の在り方全般について、中長期的な視野に立って日米同盟を重層的に深化をさせていきたいと考えております。
 インド洋における補給支援活動の中止理由とその代替案に関してでございますが、このアフガニスタン支援も大変国際社会全体が負っている大きなテーマだと理解をしております。
 補給支援活動につきましては、ただ単にこの是非を単体で求めていくということではなくて、これも申し上げたかと思いますが、アフガニスタンの平和と安定、経済の未来のためにも、今、日本が何をなすべきか、国際的な協力の中で何をなすべきかという観点からしっかりと調査をして、最も望まれている支援を積極的に行ってまいると、この発想でこれから支援策をできる限り至急検討して結論を出してまいることをお約束をいたします。
 非核三原則の堅持と永遠に核兵器を保有しない、この方針の宣言についての御質問でありますが、日米首脳会談の議題は調整中でございまして、オバマ大統領との会談前にその内容を予断を持ってお伝えすることは遠慮をさせていただきたいと思います。もう既にオバマ大統領が議長を務められた九月の安保理の首脳会合の中で、私からも非核三原則を堅持するということを申し上げ、また核廃絶に向けて先頭に立つという覚悟もその中で申し上げてきたところでございます。この永遠に核兵器を保有しないと、前向きな御提言について、これを理解をしていく中で私どもとしてもしっかりと対処してまいります。
 新たな核兵器開発を行わないとの宣言を核保有国に働きかけることについての質問でございますが、核兵器のない平和で安全な世界を何としても実現させていくためには、すべての、すべての核保有国が核軍縮に取り組んで核廃絶に向けて貢献をしていく、これが最重要であるということも申し上げておきます。
 我が国として何をなすべきかということであれば、新たな核兵器の生産、開発を中止させる具体的な措置として、いわゆるカットオフ条約の早期交渉、この開始をし、妥結をしていくことを重視をしていきたい、そのために関係国にこのことを働きかけてまいりたいと思っております。核兵器国と非核兵器国との間の架け橋の役割として、二〇一〇年に行われますNPTの運用検討会議の成功に向けて、日本としても積極的な外交を進めてまいります。
 最後に、永住外国人への地方参政権付与についての御質問でございます。
 この問題に関して私は積極的な思いを持っていることは、これは以前も申し上げたとおりで事実でございます。ただ、現在、我が国の制度の根幹にかかわる重要な問題であるということもあり、さらに、国民の皆様方の中に様々な御意見を持っておられる方もおられることも現状でございます。したがいまして、この問題は、まずは各党各会派においてしっかりと議論をして詰めていただきたいと申し上げたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(福島みずほ君) 山口代表にお答えをいたします。
 政府参考人並びに議員立法についての御質問がございました。
 国会の運営を政治主導、国民主導へと変えていくことが鳩山内閣の基本方針です。国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関です。国会がその権能を十分に果たせるようにすることは極めて重要です。政府参考人制度について、国会を言論の府として活性化するためにも、政治家同士の議論を大いに行うべきことは当然です。ただし、行政府の職員を入れずに議員同士の自由な討議による実質的な審査を実施することは、運用面でそれは十分可能です。また、議員立法は議員の大事な権利であると考えております。
 国会改革の具体的なメニューに関しては、立法府の在り方に関することであり、政党間における議論に任せたいというふうに考えております。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(江田五月君) 小池正勝君。
   〔小池正勝君登壇、拍手〕
#8
○小池正勝君 私は、自由民主党・改革クラブを代表いたしまして、鳩山総理の所信表明演説に対して、地方の立場から御質問をさせていただきます。
 総理は、国民の命と生活を守る政治、地域主権の実現、無駄遣いの徹底的な排除を訴えられました。どうかその初心を忘れず、今後とも日本国と国民のために全力を尽くしていただきたいと存じます。問題は、その政治理念をいかに具体的に政策として実行していくかにあります。
 まず初めに、補正予算執行停止についてお尋ねをいたします。
 民主党は、先般の総選挙において、地域主権の確立と国と地方の協議の場の設置を訴えられました。このことから、国が決定したことをまさか一方的に地方に押し付けるようなことはないと地方の皆様は考えておられたのではないでしょうか。
 しかしながら、今般の補正予算執行停止について地方と協議した形跡は全く見られません。補正予算が五月末に成立したことを受け、地方議会は六月定例議会及び九月の定例議会で地方負担分について補正予算を組み、事業を執行する準備を進めていたことは御承知のとおりであります。そこに降ってわいたように執行停止がなされ、地方自治体に大きな混乱が生じ、地方住民も困惑をいたしております。
 こうした混乱について総理はどのように受け止められておられるのか、また、なぜ執行停止するに当たって地方と相談をされなかったのか、その理由をお聞かせ願いたいと存じます。先日の所信表明演説でも、総理は、地域のことは地域に住む住民が決めるとおっしゃったことと矛盾しませんか。お尋ねをいたします。
 例えば、子育て応援特別手当について具体的にお伺いいたします。
 この手当を政府は一方的に執行停止いたしました。これは、早期の支給を心待ちにしていた子育て世帯の期待を踏みにじるものであります。しかも、全国の市町村では議会の議決を経て事業費が既に予算化され、給付申請手続についても既に広報がなされているところなんです。しかもです、ドメスティック・バイオレンス被害者にあっては十月一日から申請の受付が既に始まるなど、事業は既に進行しているのであります。にもかかわらずです、一方的に執行停止したことは、住民や自治体の現場に大きな混乱を与えております。また、国と地方の信頼関係を損なうものであります。このような一方的な執行停止が許されるはずはありません。おっしゃっておられる国と地方の協議の場はあったんでしょうか。これが地域主権の実現と言えるんでしょうか。まさに正反対ではありませんか。御見解を伺います。
 また、鳩山内閣は、子育てを応援するため、来年度から子ども手当を支給するとしています。来年の子ども手当は必要で、今年の子育て応援特別手当はなぜ不要不急なんでしょうか、無駄なんでしょうか。明快な御答弁をお願いいたします。
 申し上げるまでもなく、平成二十一年度補正予算は、昨年秋に起こった経済危機に対する直近の対策と中長期的な発展を図るための対策を主な柱に編成されたものであります。この中から三兆円を執行停止するに当たり、総理は、十月七日、記者団に対し、無駄遣いが補正予算の中に多く存在しているのではないかとの認識の下、まずは補正予算の中の無駄遣いはなくそうということで、各省庁が全力を挙げて見直しを行ったと述べられました。ところが、個別の事業を見ると、なぜ執行停止されたのか理由が判然としない事業がたくさんあります。
 例えば、補正予算が執行停止された事業の中に森林整備事業がありますが、森林は、二酸化炭素を吸収し、地球温暖化の防止に大きな役割を果たすばかりではなく、大雨の際に洪水やがけ崩れを防ぐ役割を果たし、樹木は建築材料を始め多くの有用な資源として利用されております。また、菅副総理は、林業を雇用の場として期待している旨の発言を度々なされておられます。
 森林整備事業は、間伐や路網整備を進め、間伐材の有効利用を図ることなどを中身とする事業であります。この事業のどこが無駄であるいは不要不急なんでしょうか。所信表明で二五%の二酸化炭素削減を目指し、緑の産業を成長の柱として育て上げるとおっしゃったことと矛盾しませんか。お尋ねいたします。
 次に、消費者担当大臣に伺います。
 地方消費者行政支援事業予算も執行停止対象事業となっておりますが、この事業は、地方の消費生活センターの設置、拡充、相談員のレベルアップなど地方の取組を支援する事業であり、消費者庁を設置するに当たって、社民党も民主党も消費生活センターの充実強化を主張されていたと記憶をいたしております。
 特に、福島大臣は、社民党党首として、消費者庁設置法案審議に当たり、本年二月、センターの充実強化を始め地方消費者行政を抜本的に強化するよう、当時法案担当大臣だった野田消費者行政担当大臣に対し直接申入れをなされたのではないですか。その御本人が、この事業の予算をなぜ無駄、不要不急と判断されたんでしょうか。お尋ねをいたします。
 次に、厚生労働大臣に、地域医療再生臨時特例交付金について質問をいたします。
 この交付金についても、政府は七百五十億円を執行停止いたしました。徳島県を始め全国各地で、車で何時間も走らないとお産ができないという産婦人科医不足の問題、子供が病気にかかっても小児科がなくて車で何時間も走らなければ小児科に診てもらえないなどなど、地域医療の崩壊が問題となっております。
 この交付金によって、地域医療再生計画を策定し、地域医療に関する諸問題を抜本的に解決しようと全国各地で取り組んでいたやさきでありました。このような一方的な執行停止は、地域医療の再生に遅れが生じることはもとより、地域医療の崩壊が加速することにもなりかねません。医療の問題は命の問題です。これが命を守る政治と言えるんでしょうか。御見解を伺います。なぜ無駄あるいは不要不急と判断したんでしょうか、お尋ねいたします。
 総理にお尋ねをいたします。
 いったん国会で議決され、地方も執行の準備を進めていた事業が、無駄あるいは不要不急な事業として突然執行停止されれば、地方が混乱することは明らかなことであります。多くの都道府県から執行停止の解除を求める意見書が政府に対し提出されていると聞いておりますが、当然のことと存じます。地方から意見書が出ている以上、また、国と地方の協議の場の設置を公約されている以上、当然再検討されると存じます。
 昨日、藤井財務大臣は、執行停止した事業について、来年度予算の中で復活させることもあり得ると答弁されました。総理も同じ考え方をされておられますか、伺います。
 今年度はまだ半年残っております。今後、政府において再検討され、無駄あるいは不要不急でないと判断が変わった場合、執行停止を解除するお考えはあるのか、併せてお伺いします。
 次に、来年度予算の編成方針及び今後の施政方針についてお伺いいたします。
 まず、財務大臣さんにお尋ねをいたします。財務大臣は、再編された政府税調の会長に就任されたと伺っております。民主党のマニフェストを拝見いたしますと、自動車関係諸税の暫定税率を廃止するとされておりまして、財務大臣も廃止に意欲的な発言をされていると承知をいたしております。廃止によって国税で一兆七千億円、都道府県税、市町村税で八千億円の減収が見込まれております。地方の減収分については、適切な補てん措置を講ずるというだけで、具体策は示されておりません。また、肝心の地方交付税の増額について、総務省の来年度予算概算要求では、金額が明示されない事項要求として提出がなされております。
 財務大臣は、事項要求されたものについては、断固査定する、ほとんど実現できないだろうと述べられたとの報道があります。ただでさえ厳しい地方財政が、暫定税率廃止によって減収となれば、多くの自治体が財政破綻に追い込まれることも考えられます。これでは、地方主権を確立し、第一歩として地方の自主財源を大幅に増やしますという総選挙の公約に逆行することになりませんか。また、本日の報道では、暫定税率廃止一部先送りとの報道もありますが、どのような方針で今後臨まれるのか、お答えを願います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 総理は、九月に開かれた国連気候変動首脳会合で、日本の温室効果ガスを二〇二〇年までに、一九九〇年比で二五%削減するとの目標を発表されました。温室効果ガスの排出を削減するためには、エネルギー源を化石燃料から非化石燃料に転換していくことと使用エネルギーを減らしていくことの両面の対策が必要です。
 まず、エネルギー源の転換対策、特に原子力発電政策についてお伺いいたします。
 現在、非化石燃料である原子力による発電は、総発電量の三分の一を占め、今後ますます重要性を増しております。民主党のマニフェストを拝見しますと、原子力利用について着実に取り組むと記されており、この方針に基づき、小沢環境大臣は鹿児島県川内市に建設が予定されている原発三号機について、温室効果ガス排出抑制のために三号機を最大限活用することを求める意見書を経産大臣あてに提出されたと承知をいたしております。
 一方、連立を組まれておられる社民党は、マニフェストに脱原発を目指すとうたっており、福島党首は川内原発については問題がある旨発言されたと伺っております。
 福島大臣にお伺いいたしますが、政府・与党になったことにより、原子力政策についての方針を転換されるお考えはありますか、お答えください。
 また、総理は、原子力発電について今後どのような方針で進めていかれるのか、またプルサーマル計画を含め、核燃料サイクルを今後どのように進めていかれるか、お考えを伺います。
 温室効果ガス削減のための省エネルギー政策について伺います。
 部門別の二酸化炭素排出量の推移を見ますと、産業部門では減少しているのに反し、家庭部門は増加が続いております。燃料別の内訳では、電気からが四二%、ガソリンからが二七%と、この二つで全体の七割を占めております。すなわち、家電製品と自家用車からの排出が七割を占めているわけであります。そこで、麻生内閣では地球温暖化対策と景気浮揚対策の二つの効果を図るため、省エネ家電の購入を促すエコポイント制度と低燃費車への買換えを支援するエコカー補助及びエコカー減税を実施することといたしました。
 環境大臣は来年四月以降も実施すべきとのお考えのようで、来年度予算の概算要求に盛り込まれましたが、経産大臣は概算要求に盛り込まなかったと伺っております。政府として今後どのような方針で臨まれるのか、総理の御所見を伺います。
 次に、今日、地方経済は大変厳しい状況にあります。公共事業について、来年度予算を一四%削減する概算要求がなされ、地方の建設業は今後更に厳しい状況に追い込まれることになります。また、中小企業については、町の小さな会社や工場を支えるため、中小企業の法人税を一一%に引き下げますと公約をされました。
 ところが、峰崎財務副大臣は十月二十二日の記者会見で、鳩山首相の諮問に入っていないと述べられ、来年度税制改正には盛り込まない見通しを述べられております。なぜ公約を諮問しなかったんでしょうか、御答弁をお願いいたします。
 また、民主党は総選挙の公約で、中小企業予算を三倍に増やしますとしておりますが、来年度予算の概算要求ではわずか六・四%の増加にとどまっております。今後、三倍増に向けどのように対処していかれるのか、お伺いします。
 いずれにいたしましても、こうした政策を実行していけば、地方の経済を底上げするどころか、冷やすことになりませんか。地方経済の現状と今後の地方活性化策について総理はどのように考えておられるのか、御所見を伺います。
 地域経済を支えるいま一つの主要産業である農業の問題について総理に伺います。
 民主党は、前回の参議院選挙、つまり平成十九年の選挙で農業の戸別所得補償制度をマニフェストに掲げられ、我が自民党は農村部で惨敗をいたしました。民主党の、すべての農家の所得を直接補償するというスローガン、この言葉に皆振り回されてしまい、どの農家も一律に所得が補償される、バラ色の生活が実現されるかのような錯覚に陥ってしまったんであります。
 ところが、この度政府が示された戸別所得補償制度に関するモデル対策を見て、今までの宣伝は何だったのか、全く拍子抜けをしてしまいました。
 まず、助成対象でありますが、すべての農家が対象ではなく、あくまで米が中心であり、水田農家が対象でありました。農業生産額約九兆六千億円のうち米は一兆八千億円に満たず、二割弱にすぎません。また、食料自給率を高める目的もあるのであれば、余剰が生じ減反を実施している米作だけを対象にするのは納得がまいりません。野菜、果樹、酪農等はどうなさるおつもりなんでしょうか。こうした生産物については、当面、自民党政権時代と同じ政策を続けられるんでしょうか、お尋ねします。
 仮に、他品目にも助成を広げた場合、戸別所得補償に係る予算の総額はどの程度になるとお考えでしょうか。試算があればお示しください。
 この制度の前提としてお伺いしますが、民主党は農産物を始めとする市場開放を主張していらしたと認識をしております。豪州や米国とのFTAを始めとする農産物の市場開放が進められた場合、農産物の価格が暴落はしないんでしょうか。その場合、助成は際限ない金額になるんではないんでしょうか。
 さらに、この仕組みでは、全国一律の単価を交付するため、一生懸命努力をして努力をしてコストを圧縮し高く売れる商品を生産した農家も、そうでない農家も政府が同様に面倒を見るという極めて不公平な制度のように思われます。これでは日本農業は産業として強くならず、いつまでも多額の税金をつぎ込まざるを得ません。
 日本農業の根本的な問題である高コスト体質を変えない限り、日本の食料安全保障に未来はないと考えます。いかがでしょうか。総理の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#9
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 小池議員にお答えをいたします。
 平成二十一年度第一次補正予算の執行見直しによる地方自治体への影響についての御質問がありました。
 今回の補正予算の見直しに当たりましては、いわゆるコンクリートから人へという理念の下で、例えばアニメの殿堂といった無駄な箱物行政、こういったものに対して執行の停止をいたしたところでございます。
 他方、地方公共団体向けの基金に関しては、一時留保の対象から除外をするとともに、地域経済や国民の皆様方のお暮らしに与える影響なども勘案をしながら執行の是非を検討するよう指示をしたところでありますし、そのような配慮の中で行われているものでございます。
 平成二十一年度第一次補正予算の執行見直しに際しての地方との協議についての御質問でありますが、補正予算の執行の見直しに当たりましては、現場をよく見ながら、政策的必要性というものも精査をして、地域経済や国民生活に与える影響というものもしっかりと勘案をして執行の是非を判断をしてほしい、このことを指示をしており、地方との関係に関しても、各大臣が適切に対応しているものと理解をいたしております。
 子育て応援特別手当の執行停止についての御質問でございますが、子育て応援特別手当につきましては、より充実をした新しい子ども手当の創設の方がはるかに効果がある、そのように考えておりまして、その子育て支援を逆に強力に推進をするために、まず、子育て応援特別手当に関しては、その執行を停止をいたしたところでございます。
 国の制度でございますが、子ども手当の創設に当たっては、その事務を担っていただく地方公共団体の意見もしっかりと伺いながら進めてまいります。
 私どもが申し上げております地域主権というのは、地域のことを地域の住民の皆様方が発案をして、計画を立てて、それを財源まで皆さん方で、地域の皆さんで見出してそれを実現できる、そういう社会に変えていきたいということでございます。この子ども手当に関しては、私どもは国の制度だという理解で進めていきたいと思っております。
 子ども手当と子育て応援特別手当についての御質問でございますが、子育て応援特別手当については、これは皆様方の制度ですから、御案内のとおり、三歳から五歳までの方々に対して一度だけ三万六千円を支給をするというものであって、我々から見れば極めて中途半端な制度だと、政策だと、そのように思っております。
 したがいまして、この制度を廃止をして、来年度からより充実をした子ども手当を創設することの方がはるかに適当だと考えております。
 ただ、そのほかにも、言うまでもありませんが、保育所の増設やあるいは地域の子育て支援事業など、子育て支援策の充実を図り、安心をして子供を育てられる社会を構築をしてまいります。
 森林整備事業の補正予算についての御質問でありますが、森林整備事業は御案内の森林内の作業道を整備をしつつ間伐を進めていく事業として、森林吸収目標の達成を図る上で大変重要な事業だと認識をしております。
 したがいまして、森林整備事業の補正予算に関しては、間伐の実施に向けた準備状況から見て、今年度内の執行が困難と見込まれる箇所のみ執行を停止をしたところでございまして、今後においても、森林の整備やあるいは木材の利用を通じて、私どもとしても緑の産業を大いに育ててまいりたいと考えております。
 執行停止をした事業の今後の扱いについての御質問でございます。
 今回の補正予算の執行の見直しは、各大臣が必要性、緊急性、そういった緊要性の観点から厳しく優先順位というものを見直したものでございます。二十一年度に執行する緊急性があるかどうかと、こういった観点から執行を見直したものでございまして、類似の事業が二十二年度に要求として提出されることも、これも十分にあり得ると御理解を願いたい。二十二年度の概算要求に盛り込まれているものについては、今後の予算編成過程においてその必要性を検討してまいります。
 執行停止等を解除する可能性についての質問でございますが、補正予算に係る事業について、各大臣に執行の是非について点検をしていただいて、十月の十六日に政府として決定をいたしました。見直し対象となった事業については、執行停止や交付辞退等に必要な手続を着実に進めているところでございます。見直した結果生まれた財源については、国民の皆様方のお暮らしが大事だという意味で、景気回復に役立つ方面での使い道へと振り向けてまいります。
 原子力発電についての御質問でございます。
 低炭素型の社会の実現に向けての原子力政策というものは私どもにとって不可欠な政策だと、そのように考えております。とりわけ、今回の思い切った中期目標というものを実現をさせていくためには、新エネ、省エネの徹底に加えて、原発の着実な実施というものがこれは求められているところでございます。したがいまして、まずは安全というものを確保しなければなりません。この安全確保を大前提に、国民の皆様方の御理解と原子力発電に対する信頼を得ながら着実に実現をしてまいります。
 我が国が唯一の被爆国であるということ、さらに原子力に対する国民の皆様方の中にもやや懸念を持っておられる感情など様々な思いがあることも十分認識をしております。したがいまして、安全性の確認、確保、このことをくどいようですが申し上げて、安全性を更に高めていくという前提の下で、原子力発電の結果発生する使用済燃料の効率的な利用あるいは放射性廃棄物処分の推進のためにプルサーマル計画を含む核燃料サイクル政策も推進をしてまいりたいと考えております。
 エコポイント、エコカーに対する補助、減税の継続についての御質問がございました。
 エコポイント、エコカーの補助は、先ほども申し上げたと思いますが、景気対策の面、さらに環境対策の両面においてそれなりに意味があったと、そのように効果を期待をされる政策だと理解をしております。したがいまして、今後の対応について、地球環境問題、特に温暖化対策全体の議論の中で経済情勢がこれからどのようになるか、好転していくか、更に厳しい状況になるか、こういうところを判断しながら見極めて最終的な判断をしてまいりたいと思っております。
 中小企業の軽減税率についての御質問がございました。
 確かに、諮問の中で必ずしもこの中小企業の法人税一一%に引き下げるということ自体は明記をされていなかったかもしれませんが、三党連立政権の合意書を含んで、マニフェストにおいて実施することとしている税制改正項目についてその詳細を検討することと記載をされておりまして、まさにマニフェストの中に記載をされている中身、詳細を検討しろということでありますから、中小企業の軽減税率についても諮問に含まれていると、私どもはそのように考えておりまして、したがいまして政府税調の中で今後検討が行われることになります。
 中小企業予算の概算要求についての質問でございます。
 中小企業は、言うまでもありません、我が国の産業、雇用、暮らしを支え、大変国民の暮らしを守るためにも中小企業が頑張ってこられた、歯を食いしばって頑張ってこられた中小企業の対策は非常に重要だと、そのような認識を我々もしているところでございまして、公約で予算を三倍に増やすということも申し上げたことも事実でございます。
 平成二十二年度の予算編成に当たっては、マニフェストに従いながら新規政策を実現をしていくために、既存予算についてゼロベースで臨んで厳しく優先順位を見直す、こういう方針で取り組んでいるところでありまして、中小企業対策に関してもその予算について精査を行った上で、必要な額が今回は要求されたというように理解をしております。
 ただ、御案内のとおり、これではまだ私どもとしても十分だという理解をしておりません。したがいまして、今後、中小企業対策について更に全力を挙げて政府一丸となって取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 なお、先ほどの中小企業の法人税の一一%に引き下げる、このことも当然のことながら三倍に増やすという中に含まれていくというふうに御理解をいただきたいと存じます。
 補正予算の執行見直しによる地域経済への影響と地域経済の現状、活性化についての質問でございますが、今回の補正予算の見直しに際しては、地方自治体向けの基金は一時留保の対象から外すということなど、地域経済に対して我々とすれば影響を十分に配慮をしたつもりでございます。
 地域経済は一部持ち直しているなどという声も聞かれますが、現実は大変厳しい現状にあると、そのようにやはり認識をすべきであります。したがいまして、その意味においても、特に農村地域において戸別所得補償制度などの創設を早く行って活力ある農山漁村を再生をする、そして、先ほど申し上げた地域主権、地域のことは地域に住む住民の皆様方がお決めいただけるような、そんな改革を断行してまいりたい、そのことによって活力ある地域社会をつくり上げてまいりたいと思います。
 米以外の戸別所得補償制度についての御質問がございました。
 私どもは、まず米を中心としているということも事実でありますが、そうではありません、それだけではありません。私どもが考えているのは、その地域地域における基幹的な作物を対象にするつもりでございまして、その意味では、野菜、果樹、酪農、その地域における基幹的な農作物、酪農、畜産なども当然のことながら戸別所得補償の中に組み込んでいく予定でございます。そのようなことを行う思いの下で、来年度は調査、モデル事業を行って制度設計を検討して、二十三年度以降に本格的な実施を検討してまいりたいと考えております。
 農業の戸別所得補償に関する予算規模は、民主党のマニフェストにおいては最終的に一兆円程度だというのはそのとおりでございます。
 戸別所得補償制度と市場開放との関係についてのお尋ねでございますが、WTOあるいはFTA、こういった国際交渉について、日本としても貿易・投資をやはり自由化をしていく、この方向の下で推進をする、これは当然のことながら国際的な協力関係の中で日本が歩んでいくために必要であると理解をしています。ただ、その際に、食の安全あるいは安定供給、さらには食料自給率の向上、国内農業あるいは農村地域の振興などというものを損なうことがないようにしっかりと配慮をしてまいりたい。
 ここで、先ほどお尋ねでありましたけれども、私どもは戸別所得補償制度はFTAの締結を前提とは考えておりません。そのこともお含みおき願えればと思います。
 戸別所得補償制度と農業の高コスト体質の改善に向けてのお尋ねでございますが、モデル対策では交付単価を一律に設定をしているために、農家が規模拡大によるコスト削減や高品質化による付加価値の向上などの努力をすればするほど所得が向上するという仕組みになっております。農家の経営の努力あるいは販売努力が促される仕組みでございます。そのことによって我が国の農業の体質の強化を図ることができます。
 EUやアメリカにおいても、直接支払によって農家の皆様方の所得を補償し、自給率の向上あるいは食料安全保障の確保を実現をしているところでございまして、私どもはやはり、農家の皆さん方にとって戸別所得補償制度を通じて自給率の向上、食料安保というものを実現していくと同時に、農業、農村地域を積極的に立て直してまいります。
 残余の質問に関しては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(福島みずほ君) 地方消費者行政活性化交付金の一部執行停止についてお尋ねがありました。
 地方消費者行政活性化交付金については、平成二十年度二次補正予算により百五十億円が基金として交付済みであり、本年度補正予算において基金を積み増すための予算として百十億円が計上されておりますが、そのうちの一部、三十億円を執行停止することといたしました。
 これは、基金の積み増し分の百十億円について、都道府県、市町村に対し、様々な機会を通じて基金を積極的に活用し、地方消費者行政の充実強化に対する取組を促すよう働きかけを行うとともに、効果的な活用が可能となるよう運用面での改善を図ってきました。都道府県の消費者行政担当部局から聴取した要望額によれば、今後執行される見込みがない金額が三十億円以上に上ることが明らかになったため、百十億円のうち三十億円については執行を停止することとしたものであります。
 消費者庁では、現在、地方消費者行政推進のため、地方消費者行政強化プランを策定中であり、幅広く地方関係者、消費者関連団体の意見を伺いつつ取りまとめる予定です。また、地域で生じている消費者政策上の課題をきちんと把握し、各地方自治体に対してよりきめ細かい支援を行うことができる体制を整備してまいります。
 地方協力課の増員要求や地方消費者行政とのネットワークの構築などきちっと要求をし、またプランを作っておるところであります。このような取組を通じ、地方消費者行政の強化にしっかり取り組んでまいります。
 原子力政策についてのお尋ねがございました。
 社民党が党の政策として脱原子力の社会を目指していく方針に変更はありません。原子力発電所に賛成の人も反対の人も、自然エネルギーの促進や原子力発電所の耐震設計の基準の強化や原子力発電所の安全をきちっと保っていく、そのことには皆さん賛成していただけると考えております。
 そして、鳩山内閣の一員としての責任をしっかり果たしてまいります。(拍手)
   〔国務大臣長妻昭君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(長妻昭君) 小池議員にお答え申し上げます。
 地域医療再生臨時特例交付金の執行停止についてお尋ねがございました。
 地域医療を立て直すことは、私どもも同じ考えで取組をしてまいりますが、限られた財源でもございます。その財源を有効に活用し、最も効果的と考えられる方策の組合せにより今後の道筋を描くことが重要と考えます。
 本交付金については、対象地域がいまだ決定していないことから、医療機関の建て替え等のハード面の整備を中心とした一件百億円の計画についてだけ執行停止をいたします。しかし、それ以外の交付金については、これまでの全体の箇所数、九十四地域は維持をいたします。喫緊の課題である医師確保対策等に取り組むこととしたところでございます。本交付金をすべてを執行を停止するわけではございません。三千百億円の本交付金の一部を停止をいたしますが、二千三百五十億円は交付をいたします。
 今後は、医師の診療科偏在、地域偏在対策、救急、産科、小児科、外科等の医療提供体制の再建などに取り組むことにより、私どもとしても地域医療の再建を目指してまいります。
 今後とも御指導賜りますようお願いを申し上げます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣藤井裕久君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(藤井裕久君) 小池委員の御質問は二つだったと思いますがね、初めは暫定税率の話ですな。
 暫定税率は、まず由来が問題なんですよ。暫定税率は、昭和四十九年に福田大蔵大臣のときにできたんですよ。いいですか。そして、福田イズムというのはですよ、よく御承知のように、道路ばかり造るという御意向じゃないんですよ。それをですよ、三十五年間道路にひん曲げたグループがいるんです。これがおかしいんです。福田さんは、福田さんはそうじゃなかったんです。福田さんはそうじゃなかった。
 じゃ、福田さんは何で、福田さんは何でこれをやったか。それは、ガソリンの値段が上がったんです。ガソリンの値段が上がったのに対して、もう少しガソリンを抑えようとされたんですよ。ガソリンを抑えようとされたんですよ。そういうのが福田大蔵大臣の意向だったんです。それをひん曲げた人がいるんです。それが許せない。そういうことだけは申し上げておきますから、だからです、だから暫定税率をやめるのは当たり前なんです。当たり前なんです。
 つまり、暫定税率をやめなかったら納税者に対する違反行為なんですよ。納税者は、第一、福田大蔵大臣は、これを二年と言われたんです。二年と言われたんですよ。二年と言われたのを三十五年続けた、その責任の方が大きい。まず申し上げておきたいと思います。
 それで、それで次ですね、交付税、交付税の話ですね。
 交付税はね、交付税率の引上げかどうかという問題がありますね。私は、私どもの党は、地方の分権というか、地方が第一という考えですから、財政を地方になるだけ持っていくというのは賛成なんですよ、賛成なんです。そこで、今、小池さんの質問の中でははっきり出てなかったけど、交付税率なのか、とにかく交付金を上げるのかという話がちょっとはっきりしてませんが、はっきりしてませんが、もし交付税率ならばですよ、交付税率ならば、地方財政法の六条の三っていうのがありますわな。あれによって、あれによって基本的に、全然、地方の財政がめちゃくちゃだったら直すというのがありますね。そのときですよ、そのとき、私は、自治省育ちというか、地方財政の神様である石原信雄さんのところで大議論したんですよ、昭和五十一年のとき。だけど、だけど、だけど動かさなかったの。だけど動かさなかったの。どうしてかというと、なぜ動かさなかったというと、国も大変だ、地方も大変だ、だから動かすような話ではないということで石原さんと合意したんですよ。さらに、そういう税率じゃなくて、ほかの問題でやるというなら、私は、党内で、みんなで、予算が決まる段階で地方がより潤うように頑張ってまいります。
 どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
#13
○副議長(山東昭子君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
#14
○副議長(山東昭子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の演説に対する質疑を続けます。円より子さん。
   〔円より子君登壇、拍手〕
#15
○円より子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の円より子です。二十六日の鳩山由紀夫総理の所信表明演説に対し、会派を代表して質問いたします。
 私は今、本会議場のこの席に立ち、民主党が政権交代を実現し、与党議員となったことに深い感慨を覚えています。同時に、私たちが果たさなければならない役割を考えると、非常に重い責任を感じてもいます。
 私が本院に議席を得たのは一九九三年七月のことでした。その直後に、当時私が所属していた日本新党の細川護熙代表を首班とした非自民の連立政権が誕生し、自民党一党支配の終えんと政権交代の可能性を示すことができたのです。
 しかし、非自民政権は短命に終わり、その後の自民党が中心となった政権は、国民の政治不信を強めただけでした。以来、雌伏十五年を経たのです。鳩山総理にとっても、同じく長い長い政権交代までの道のりだったと思います。
 私は、三十歳を過ぎたころから、物書きをなりわいとしながら、離婚に悩む人たちや母子家庭を支援するボランティア活動を続けてまいりました。そして、三万人近い人々の話を聞き、社会の安定した経済的基盤、安定した雇用と住まいがどれほど個々の家族にとって重要かを痛感いたしました。また、離婚して再就職した女性たちの中には、どんなに働いても正社員でないため低収入で、ふろのないアパートにしか住めず、子供たちを高校に進学させられない人もたくさんいました。
 私は、女性が出産後も働き続けられる社会、年齢制限で再就職を阻まれない社会、子供たちの世代に貧困を連鎖させない社会をつくりたいと強く思ったものでした。そして、私は、経済成長ばかりを追求し、人々に家族や地域での生活を犠牲にさせてきた政治の在り方にずっと疑問を持ち続けてきました。
 私が日本新党の結党に参加し、政治の世界に入ったのは、人々が幸福を感じられる社会を実現したいと思ったからでした。しかし、この十五年、所得格差ばかりか教育格差、そして健康格差も広がって、母子家庭の貧困率は五九%にも達しています。
 自公政権が撤廃した生活保護世帯の母子加算は、鳩山政権でようやく復活することになりました。しかし、実は母子家庭の母の八割は働いているのです。働いているにもかかわらず、生活保護以下の収入しか得られていない人がその八〇%に達しています。第一子の出産後、退職をする女性は今でも七割に上り、無年金や低年金の貧困にあえぐ高齢女性も増え続けています。男女を問わず、非正規社員、ワーキングプアの増加は言わずもがなです。
 しかし今、この国には鳩山政権が誕生したのです。政権交代によって政治が鮮やかに変化することをこの一か月半国民の皆様は目の当たりにしておられます。官僚に依存した政治を断ち切るため、百二十三年間続いてきた事務次官会議は廃止され、政策の決定は内閣に一元されました。税金の無駄遣いを徹底的に洗い出し、補正予算を三兆円近く削減しました。官僚に頼らず、大臣、副大臣、政務官の政務三役を軸にして来年度の予算編成作業も始まりました。かつての自民党政治では見られなかったシーンが続いております。幸い、鳩山内閣への支持率も発足以来七〇%台の高さを維持しておりますが、これは、何よりも政治が変わることへの国民の期待の表れではないでしょうか。
 こうした国民の熱い支持にこたえるべく、鳩山総理は初めての所信を力強く表明されました。持論である友愛の政治哲学をベースにされ、命と生活を守る政治を力説されたことに私は感動しております。
 そこで、まず総理にお尋ねいたします。
 さきの衆院選で私たち民主党が大勝した原因についてどのように考えておられますか。その上で、政権を担う重責を果たしていく上で何を政治信条として国民の皆様に訴えていくおつもりでしょうか、率直な御見解をお示しください。
 鳩山総理は、所信表明演説で、だれもが居場所と出番を見付けられることのできる社会、弱い立場の人たちの視点が尊重される政治こそが友愛政治の原点だとも訴えられました。私は、これこそ多くの人々が求めている社会であり、政治だと思います。しかし、私が政治家としてやりたかった、母子家庭に代表される、まじめに働く人々の幸せで安定した生活を実現するためにも、総理のおっしゃる友愛政治を実現するためにも、実は乗り越えなければならない数多くの障害がございます。
 その第一は、バブルの崩壊後、失われた二十年を経て、今また米国の金融危機に端を発する未曾有の世界同時不況に巻き込まれ、そこから脱することができずに苦しむ我が国の経済です。中小企業の倒産が相次ぎ、安定した雇用が破壊されて、地域経済、国民生活を直撃しています。
 バブル崩壊後、日本政府は一貫して、不況による民間需要の落ち込みは財政出動で補うというマクロ経済政策の処方せんを忠実に実行してきました。その結果、景気が下支えされた一面もありますが、他方、バブル期にはGDPの四割でしかなかった国の長期債務が、今や八百十六兆円、GDPの実に一・七倍になっております。既得権益のしがらみに縛られた非効率な財政出動によって、国の借金ばかりが積み上がり、経済の活力は失われたままで、税収も減る一方というのがこれまでの自民党の経済政策でした。また、日本銀行による金融政策も、日本経済をデフレから完全に脱却させるには至っておりません。
 私たちは、現在の世界同時不況を何としても乗り切らねばなりません。しかし、過去の自民党政権の残した負の遺産は余りにも大きな足かせであると言わざるを得ません。こうした現状を踏まえ、総理は我が国のマクロ経済政策についてどのようにお考えでしょうか。藤井財務大臣にも併せて伺います。
 私は、鳩山総理も述べておられるように、今回の世界的な経済危機を乗り越え景気を回復させるためには、内需拡大は当然ですが、やはり今後成長するアジアを中心とした外需もうまく取り込むことが重要だと考えています。その意味で、鳩山総理が進めようとされている東アジア共同体構想が今後の我が国の経済的繁栄にも大きく寄与するものと私は強く期待するものであります。
 東アジア共同体の核となるであろう中国は、今後も一人当たりの生産性が向上していくと予測されています。また、環境分野への投資などを積極的に進め、この分野での競争力を強化していくものと見られます。韓国についても、政府がグリーン成長イニシアティブを打ち出し、今年に入って三四半期連続のプラス成長という力強さを見せています。両国との経済連携協定の締結を視野に入れ、エネルギーや技術面での連携を実現すべきではないでしょうか。
 また、金融面についても、依然として巨額の貯蓄を有する我が国がその貯蓄を今後成長するアジアに投資して、個人の金融資産を有効に活用することが必要です。また、世界の資金の流れをアジアそして日本にダイナミックに取り組む枠組みをつくり、そのハブ機能を東京が担うべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、人や物の移動を一層円滑化するためにも、過去のしがらみや既得権を振り払って航空政策を自由化しなければ、アジア太平洋の成長を取り込むことはできないと考えます。ハブ空港や港湾の整備についても大胆な決断が必要です。
 東アジア共同体構想においては、これらの視点から、具体的にどのようにしてアジアの活力を我が国経済社会の活力につなげていこうというお考えなのか、総理並びに藤井財務大臣に、また国土交通政策の観点から前原国土交通大臣に伺います。
 貧困についても伺います。
 先ごろ長妻厚生労働大臣が初めて発表なさった相対的貧困率の数字に衝撃を受けた方も多いでしょう。これは、全国民の中で生活に苦しむ人の割合を相対的に示したものです。それによると、二〇〇七年の貧困率は一五・七%でした。先ほど話したように、母子家庭の貧困率は五九%です。
 厚労省はこれまで相対的貧困率を公表していなかったのですが、我が国の貧困率が先進国では最悪のレベルであることが政権交代によってようやく公にされました。
 貧困増大の背景には、非正規労働者の増加などによる格差の拡大があるのは否定できません。自民党政権による累次にわたる場当たり的な景気対策が古い産業構造を温存し、競争力を失った産業の雇用が海外に流出する一方で、新たな産業を創出できず、我が国経済の活力を取り戻すことができずにいるのが現状です。
 抜本的な雇用対策など充実したセーフティーネットの整備を欠いたまま市場万能主義、効率至上主義を推し進めたことは、安定した雇用を破壊し、貧困の世代間連鎖を引き起こしました。その結果、多くの国民が、私たちの友人や家族が、子供たちが、最低限の生活水準も維持できず貧困に苦しんでいるのです。そして、これまでの自民党を中心とした政治は、そうした苦しい状況にある国民を置き去りにしてきたのです。
 国民が安心して暮らせる人間のための経済を唱えておられる鳩山総理は、日本の貧困率をどう見ておられるのか、伺います。
 自民党から民主党への政権交代、特に選挙による政権交代は、実に一九四七年以来、六十二年ぶりの歴史的な出来事でした。世界を見渡して言えるのは、今、私たちは大きな時代の転換点にいるということです。もはやこれまでの経済や社会のシステムを維持し続けることは不可能になりつつあります。では、どのようにこの状態を打開していけばいいのでしょうか。
 鳩山総理は、今回の政権交代を無血の平成維新と表現し、国の形の変革への試みは今なら間に合うと説いておられます。同じ考えを持つ私は、ヒューマン・ニューディール政策をこれまで提唱してまいりました。これは、個々の人たちのライフスタイルを重視し、人間中心に経済や社会の在り方を考える政策です。
 具体的には、既存の就業形態を大幅に変えて在宅就業システムを社会に導入することで、省エネで環境に優しい人間中心型のライフスタイルをつくります。次いで、官による非効率な公共サービスのみに依存せず、民間のNPOにも公益を担ってもらうために、NPOに対し大胆な寄附金控除を行います。さらに、地域コミュニティーやインターネット上のバーチャルコミュニティーなど、共同体の活性化を支援するのです。
 公共投資についても、都市部の集合住宅に老人介護施設や保育園を併設して、職住近接と世代を超えた共生が可能な住環境を実現したり、自転車専用道や低床の路面電車など、どのような世代の人たちでも安全で快適に移動できる交通機関、そして環境に配慮した都市空間をつくるためなら、私は公共投資にも予算を振り向けることが必要ではないかと思います。
 実は私は既にこの六年間、NPOを通じて、母子家庭の母親千人近くが参加するITを使った在宅就労支援を行っております。こうした時間と場所にとらわれない働き方は、母子家庭のみならず、より人間的なライフスタイルを求めるすべての人たちが利用することができるのです。そして、在宅就業システムを社会に導入することで、省エネで環境に優しい人間中心型のライフスタイルが実現します。
 こうした考え方は、総理の示された国の形の変革への試みにも共通すると思います。日本は今、高度経済成長時代が終えんし、額に汗して働けば豊かになると信じられた「三丁目の夕日」の時代の神話と自信を失っているとも言われます。しかし、人間中心型にライフスタイルを変えることで、日本はもう一度活力と自信を取り戻すことができるのではないでしょうか。
 総理は、緊急雇用対策本部を設置し、雇用対策を進めておられますが、このヒューマン・ニューディール政策による在宅就業システムも雇用の確保に資することになると思います。在宅就業支援並びにNPOへの税制面での支援について、総理のお考えをお聞かせください。
 雇用対策については、緊急雇用対策本部の本部長を代行される菅副総理にも今後の方針をお伺いいたします。
 活力と自信の喪失は将来への不安を生み、少子化につながっています。我が国の人口は、二〇五〇年には現在の約七割の九千万人程度になるという予測もあります。人口が減って繁栄した国はありません。古代ギリシャのアリストファネスに、戦いに明け暮れている男たちに対して女たちが反乱を起こす「女の平和」という作品がございますが、今の少子化は、これまでの政治が女性や生活者の視点を無視したことに対する女たちの反乱だと多くの女性たちは思っております。
 老若男女のバランスが取れた活力ある社会を維持するためにも、子供を望む人が将来への不安を持たずに子供を安心して産み育てできる社会をつくるためにも、鳩山政権は、子ども手当、そして高校の授業料無償化等、子供を社会で育てるという画期的な政策を掲げておられますが、それにプラスして、生活者の視点に立ったヒューマン・ニューディール政策を役立ててほしいと考えますが、いかがでしょうか。少子化問題に対する総理の御見解を伺います。
 次に、女性を取り巻く日本の状況について伺います。
 衆議院ではさきの総選挙で五十四名の女性議員が当選し、その割合がようやく一割を超えました。しかし、国連開発計画が発表している女性の政治参画や経済界での活躍を国際比較した指数では、日本は百九か国中五十七位、同様に世界経済フォーラムが男女間の格差をランク付けした指数では、日本は百三十四か国中七十五位で、多くの開発途上国に負けております。
 世界経済フォーラムがこうした指数を算出しているのは、女性の能力を活用することが経済活動において不可欠であるという問題意識があるからです。女性が女性であり、母親であるということだけで政治や経済活動に参加できないという状況は改善する必要があります。政治や経済活動における女性の能力活用について、総理の御見解を伺います。
 鳩山内閣は、架け橋として国際社会から信頼される国になることを外交の基本方針として打ち出されました。また、日本を取り巻く海を争いの海から友好と連帯の実りの海へ転換することを強調していらっしゃいます。
 私も、戦争を引き起こした過ちを二度と繰り返さないことを肝に銘じ、国際社会の安定と発展に寄与することに全力を挙げなければならないと考えています。
 そのために、一国平和主義ではなく、主体的に日本の文化価値をアジア、そして国際社会に発信していくよう訴えることが架け橋外交に通じるのだと思います。鳩山総理、改めて鳩山外交の目指すものを国民に分かりやすく説明してください。あわせて、岡田外務大臣にも外交観を伺います。
 私が本院に議席を得てから、早いもので、十六年余が過ぎました。政党こそ日本新党、新進党、民主党と変わりましたが、今日の鳩山政権樹立を見届けることができましたことは、誠に幸せでございます。細川政権の経験にも学び、鳩山政権が国民の期待にこたえるために、長期政権を目指していただきたいと考えています。なぜなら、国民の目線に立ち、国民のための政治をやれるのは、私たち民主党しかないと信じているからでございます。私もその一員として、これからも努力してまいります。
 最後に、鳩山総理及び菅副総理にそれぞれ今後の抱負の一端をお聞きして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#16
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 円議員からの御質問にお答えをいたします。
 円議員から、御自身の経験に基づきました様々な御提言を賜りました。新しい政権の中で生かし切ってまいりたい、そのようにまず申し上げておきます。
 民主党の勝因並びに政治信条に関して問うという話でございました。
 これは、自民党に責任があるわけではありません。長期政権というものが必ず腐敗する、これは世界的な事実のようでございます。長期的に政権を預かっているうちに、いつしか自分たちがポスト争いに興じたり、さらに政策というものを官僚に丸投げをしてしまう、このようになるのはどうも古今東西常なるようでございます。その状況の中で、結果として日本の政治も、国民の皆さんの声が十分に通らない、そんな政治になってしまった。例えば消えた年金あるいは消された年金、こんな信じられないような現実が起きました。後期高齢者医療制度の問題もその一つでございます。このように国民不在の政治がつくり上げられたことに対して国民の怒りが長期政権に対して向けられたものだと、そのように感じております。
 したがいまして、これはただ単に民主党が勝っておごるなどという話ではないと。所信でも申し上げましたように、これは国民の皆さんが今の日本の政治を変えなさいと、一緒に自分たちも参加して変えようではないかと、その表れだと思っておりまして、そのことを肝に銘じて新政権として臨んでまいりたいと思います。
 政治信条に関して、これはしばしばやゆされてもおりますが、友愛政治、友愛精神に基づいた新しい社会をつくり上げたい、そのように考えております。私は、友愛というものを自立と共生の政治だと、そのように申し上げたいと思っておりますが、これは自由と平等の架け橋だと申し上げてもよろしいかと思います。自由が行き過ぎれば、御案内のとおり、自由競争が行き過ぎると御案内のとおりの弱肉強食の世の中になったと。マネーゲームが行き過ぎてしまう、結果として強い者が勝ち残る、弱い者が大変厳しい環境に置かれる、こんな日本になってしまったと。一方で、しかし逆に平等が行き過ぎてもいけないと。平等というものは、それは非効率な社会というものをつくり上げてしまう。したがって、この二つの正しい理念というものをつなぎ合わせていくのが精神的な価値を高める友愛の社会だと、私はそのように考えているところでございます。
 この友愛の精神に基づいて、新しい今までの資本主義とは違う温かな資本主義、こういったものを皆さんと一緒に是非つくり上げていこうじゃありませんか。そのことをお願いを申し上げます。
 世界同時不況に対するマクロ経済政策についての御質問もいただきました。
 当面は、御案内のように、経済状況、若干失業率は良くなったと、そうはいっても非常に厳しい状況にあることは間違いありません。この経済動向を注意深く見守っていかなければなりません。そして、雇用情勢が一層悪化するんじゃないか、あるいは消費が腰折れするのではないか、地域経済はどうなんだと、中小企業の資金繰りの厳しさなどはどうだと、こういったものの課題に対応して、日本経済をでき得る限り自律的な民需による回復軌道に乗せたいと、それが私たちの基本でございます。
 そして、それとともに、アジアを中心とした国際的な政策協調というものにも留意をしつつ持続的な成長というものを何としてもつくり出していく、これが大事でございます。
 中長期的に申し上げれば、国民の皆様方が安心してお暮らしになれる人間のための経済への転換を図っていく。それとともに、日本は世界最高の様々な科学技術力を持っておるわけでございまして、こういった例えば低炭素型社会といったものをつくり上げていく、情報通信技術というものを活用する、規制を様々見直していく、こういうことを通じて新たな需要のサイクルを創出することが肝要だと考えております。
 財政面において一言申し上げれば、国民の暮らしを守るための財政のあるべき姿というものを明確に示した上で、長く大きな視野に立った財政再建の道筋を必ず構築をしてまいることをお約束をいたします。
 東アジアの共同体構想において、アジアの活力を我が国の経済社会の活力につなげる考えについてどうだというお話がございました。
 東アジアの共同体構想、これは言うまでもないのでありますが、構想段階でありまして、長期的なビジョンでございます。貿易や投資、あるいは金融、エネルギー、さらには環境、そして命と文化、こういった可能な分野から開放的でかつ透明性の高い地域協力の在り方を求めていく、そして地域全体の安定、繁栄というものをつくり上げていきたい、そう思っておりまして、一言で言えば、お互いにウイン・ウインの関係をどのようにしてつくり上げていくかということでございます。
 日本にとって誠に近い隣国であります韓国や中国、こういった国々と真の意味での信頼関係を構築することが極めて今肝要だと思います。
 金融経済危機を克服する観点からも、アジア各国との間で人、物、金、情報、こういった流れを拡大をしていく、そして、アジア全体の活力というものを求めながら、それを日本自体の活力につなげていく、この工夫が必要だと思っておりまして、このためにWTOあるいはEPAの交渉を積極的に推進をしていくことは言うまでもありませんが、羽田空港の二十四時間国際拠点の空港化、あるいは成田空港の容量拡大、さらにはオープンスカイの推進によって国際航空ネットワークというものを充実をさせること、さらには港湾の国際競争力の強化、さらには金融全体の金融資本、この市場の強化などに取り組んでまいりたいと考えております。東アジア共同体を構想していく中でこのようなことを実現させてまいりたいと考えております。
 また、日本の貧困率に対する見解いかにという御質問がございました。
 これは先ほどもお答え申し上げましたけれども、先般、厚生労働省において初めて貧困率というものを公表をいたしました。余りうれしくない数字というものが出てまいったわけでありまして、OECDの中で高い、貧困率が高いというのは決してうれしい話ではありませんが、高いグループの中に属しているのは事実でございます。
 この貧困率をいかにして低くさせるか。数字というものよりも国民の皆様方の暮らしというものをどのようにしてしっかりとつくり上げていくか。お困りの方々に対して、例えば住居政策などを充実をさせていただくことなどによって、仕事がない方にも十分にお暮らしがいただけるような、そんな日本にしてまいりたい。
 かつて私も、北アイルランドに参ったときにその失業率が三三%と聞いてびっくりいたしましたが、皆さん立派な住宅に住んでおられました。まず、住宅政策から進めるんだという話でございました。行き過ぎというものも様々問題はあろうかとも思いますが、ある意味で、しかし最低限の暮らしというものをつくり出していくために、保障するための住宅政策というものはもっと拡充していかなければならないと考えております。
 私どもは、そのような意味で、国民の命と生活を守るために、雇用対策あるいは家計を直接支援するような政策の推進など、貧困問題にも積極的に取り組んでまいることをお約束を申し上げます。
 住宅就労支援とNPOへの税制面での支援についての御質問がございました。
 私たちは、まさに先ほどからお話がございましたように、人と人とを支え合う社会をつくり上げてまいりたい、そして、お互いに役に立っているね、お互いにお互いを幸せに導いていけるような、そんな社会にしていくための新しい公共という概念の下で頑張っていきたいと思います。
 もう既に、在宅就業については様々、仕事と生活の調和の実現を目指した働き方の一つとして、政府としてその普及を推進しているところでございますが、実際に在宅就労支援のことで一生懸命御努力されて携わってこられた長年の円議員の様々なお考えを是非参考にさせていただきたいと思っております。
 NPOに関して申し上げれば、新しい公共の当然ある意味での中心的な担い手だと、そのように考えております。したがいまして、NPOの公益性とのバランスを当然考える必要はあろうかと思いますが、認定NPOの寄附税制、これはまだ貧弱なものだという認識は私も感じておりまして、これをもっと積極的に拡充していく、こういう税制面での支援を私どもとして実現してまいりたいと思います。
 子供を産み育てやすい社会についての質問でございましたが、円議員のおっしゃるヒューマン・ニューディールの考え方は、私どもが目指している国民の命と暮らしを大切にする、まさにそういう政治のど真ん中のお考えだと、そのように思っておりまして、是非ヒューマン・ニューディールの様々な政策を役立たせていただきたいと考えております。
 こういった観点から、国民の皆さん方が子供を産み育てることを様々な理由であきらめてしまうようなことがないような社会にしていくために、私どもは子ども手当の創設を考えてまいりたいと思っております。少子化という問題が、私は、日本にこれから、もう既に生まれている大変、いや、一番大きな問題だと、解決をさせていかなければならないテーマだと思っておりまして、その一つがやはり家計の支援という意味で財政的な支援の子ども手当でありますが、それだけにとどまらない様々な手当ても施してまいらなければならない、そのように感じているところでございます。
 女性の能力活用についての御質問でございましたが、あらゆる面におきまして男女共同参画社会というものの実現に向けて頑張ってまいらなければなりません。それがある意味で私の進めたい友愛政治だと、そのようにも感じておるわけでございます。
 この目標の早期達成のために、ワーク・ライフ・バランスという問題、あるいは女性の能力開発に対する様々な支援、そして、しばしばありますトップの意識改革というものも大変大事だと思っておりますが、是非、今お話がございましたように、今回の選挙で衆議院は五十四名女性議員がおられます。参議院も四十二名おられます。合わせて九十六名、百名になんなんとする女性国会議員がおられるわけでございまして、これからの日本を支えていくのは是非女性議員だと、そのように御認識をいただいて、是非、皆様方の御活躍を大いに期待を申し上げたいと思いますし、女性の視点から立った様々な施策をつくり出していきたい、そのように感じているところでございます。
 外交の基本方針についてのお尋ねがございましたが、私は、先ほども申し上げましたが、友愛の精神というものに基づいて、外交においても、例えば東西、東洋と西洋の架け橋にならなきゃならぬ、あるいは先進国と発展途上国の間の架け橋にならなければいけない、核の保有国と核を持っていない非核保有国との間の架け橋の役割も果たさなければならない、様々な架け橋としての役割を今こそ日本が果たすべきときだと思います。
 なぜならば、御案内のとおり、今一国で解決できるテーマというものがなかなかなくなりました。国際的な社会が直面している大きなテーマというものが非常に多くなったわけでございまして、そういう意味において、国際社会の中で日本がある意味で精神的な価値の重視というふうなことも含めて大きなリーダーシップを取っていくことが必要なのではないかと、より積極的な役割を果たすべきときではないかと思います。
 具体的に申し上げれば、核の拡散問題、あるいは地球温暖化の問題、あるいはアフリカを始めとする貧困の問題、数え上げたら切りがありません。こういった問題に対して、日米同盟というものをやはり当然日本としては重視していく中で、東アジアの共同体を構想していくことも大きな意味がある、そのように認識しているところでございます。
 最後に、国民のための政治を行おうとする私に対する、抱負を述べよということでございますので、若干抱負を述べさせていただきますが、まず、円議員が最初に加わっておられた日本新党の細川内閣がなぜ短命に終わったのかということでございます。
 私もその中で官房副長官をやっておりましたのでよく分かるのでありますが、結局、細川内閣は脱官僚依存という政治をつくり出すことができなかったのでございます。しばしば細川総理自ら私に対していろいろと御指導いただいたわけでありますが、官僚主導の政治というものを大きく変えることができませんでした。それが私は十五年間大変大きな後悔になっていたわけでございます。
 すなわち、細川内閣でできた唯一の政治改革という大きな仕事は、官僚によらないでできる仕事であったからできたということでございます。その意味で、脱官僚依存政治というものをつくり出していくために十五年掛かってきたわけでありますから、何としても新内閣としてはこの思いだけはしっかりとこのまま維持をしていかなければならないという意味では、官僚の皆さんが悪いのではないんです、有能な彼らの能力を使い切る政治のリーダーシップが必要だということを申し上げたいのでございます。
 それには、ある意味での政治理念が必要だということで、先ほど友愛精神というものも申し上げたわけでありますが、経済においては弱肉強食の社会からもっと温かい資本主義というものをつくり出していく、地域においては地域主権の世の中をつくり出していく、さらには外交においては東アジア共同体というものを構想する、そういった意味で、理念を中心とした新しい日本の政治というものをつくり出してまいりたいと思いますので、是非御協力を願えればと思います。
 残余の質問については、関係大臣からいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣藤井裕久君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(藤井裕久君) 初めに、マクロ経済政策について御意見がございました。
 今からちょうど八十年前、つまり一九三〇年ですよね、これが第一回目の世界同時不況ですが、そのときの反省に立つというのが今一番大事なことだと思います。なぜならば、あのとき、結局あのころの大国、米英仏などが全部利己主義に立ち至ったわけですね。高関税を張りましたよね。それからまた、為替ダンピングをやりましたよね。その結果が第二次大戦になったわけです。
 そういうことからいうと、一番大事なことは何かといえば、世界が協調してこれを乗り越えていかなければならないということだと思うんです。それがマクロ経済の最大の問題だと思います。したがいまして、G20というのができたことは大変いいことだと思うんです。これを何とかして成功させなければいけないというのが第一です。
 第二は、経済政策というのは資源配分の問題ですから、資源配分を、先ほど円さん言われましたように、やはり国民生活を中心の、あるいはもっとはっきり言ってしまえば、福祉経済であるとか地域経済であるとか、そういう方向に持っていくということであって、どちらかというと、私は輸出が全部悪いとは言いません。言いませんが、この五年間の輸出は、GDPのうちの六割が輸出で稼いでいるんですね。その結果どうなったか。まず、その一・八倍が外需ですね。一・一倍が内需ですね。そうしたら格差社会が出るのは当たり前なんですよね。だから、この経済政策が間違いだったの。その経済政策は完全に間違ったの。
 ですから、この経済政策を転換するには、今申し上げましたように、福祉経済であるとか地域経済であるとか、内需というものを中心にしていかなきゃいけないということです。
 G7なりG20に行ったときに、私はアメリカの財務長官のガイトナーと本当に親しく話をしたんです。ガイトナーは非常に日本の内需中心の経済政策を多としているんです。なぜかというと、アメリカは貯蓄経済に戻りたいということを言ったわけですね。ところが、現実はそうはなかなかならないけれども、そのアメリカが内需、外需、何というんですか、貯蓄中心の経済にしようとしたのに対して日本はよくぞ協力してくれていると、要するに内需中心になり、輸出を避けてきてくれると、本当に有り難いということを言うんです。
 何もアメリカが言っているからやっているんじゃないんですよ。アメリカが言っているからやっているんじゃなくて、世界経済戦略の中で民主党がやろうとしている今の日本の経済戦略というのは、誠に世界にマッチする正しい経済政策であるということを言っているんですよね。是非これで推進する、それがマクロ経済政策だと思います。
 それから第二番目。第二番目の問題は、東アジアの問題なんですね。
 東アジアの問題は、アジア経済危機のときに宮澤構想というのがあったんですよね。宮澤構想で資金的に大いに協力しようというのがあった。ところが、当時はルービンというアメリカの財務長官が反対しちゃったのね。あの中には確かに、AMFですよね、アジア通貨基金、これが非常に対外的に排他的だったんですね。そういう排他的なものはやめようじゃないかということで、チェンマイ・イニシアティブから始まったわけね。
 チェンマイ・イニシアティブによって、やはり今それを、アジアが仲よくなる根源ができたわけで、これがよりマルチ化していくということが大変大事であって、私の国際金融の立場からいうと、このマルチ化ということから始めていかなきゃいけない、このように考えておりまして、どうぞよろしくお願いします。(拍手)
   〔国務大臣前原誠司君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(前原誠司君) 円議員にお答えいたします。
 東アジア共同体構想において具体的にどのようにアジアの活力を我が国経済社会の活力につなげていくのかという御質問でございました。
 今までの自民党政治というのは、公共事業をずっと多額に投資をしてきました。特に、社会資本整備中期計画というのが十五本ございまして、港湾にしても空港にしてもとにかく造り続けると、こういう政策をずっとやってまいりまして、空港は現在九十八、またコンテナを扱っている港は六十五あります。しかし、問題は、国際競争力に勝てる空港や港湾がないと、拠点をつくってこなかったということが今までの自民党の政治の大きな間違いであったというふうに思っております。
 我々は、例えば今、仁川に移っているハブの機能というものを、成田の機能はしっかりと維持しながらも、拡張しながらも、羽田の二十四時間国際拠点空港化をやっていくということをしっかりやる中で、日本の拠点をしっかりとつくっていくということを鳩山内閣ではやっていきたいというふうに思っておりますし、また、港湾についても、これは、港湾の予算は減らさざるを得ません。スーパー中枢港湾でさえ、パナマ運河が広がった場合に、それを通れる船が着岸する港は今、日本に一つもありません。
 そういうことから考えると、やはり選択と集中というものをしっかりやっていく中で、日本の港湾においてもハブ機能を高めていって、空港、そして港湾、オープンスカイ、すべてにおいて鳩山政権で日本の競争力を高めていくために努力をしてまいります。(拍手)
   〔国務大臣菅直人君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(菅直人君) 円議員からの御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 第一点は、雇用政策、在宅就業支援についての御質問でありました。
 先週の二十三日、緊急雇用対策を鳩山本部長の下でまとめましたが、特に注意をしたことは、新たな雇用をいかにして創造していくか、介護の分野あるいは農林業の分野、さらにはNPOなどのいろんな活動と連携をしての雇用創造、さらには新卒者が卒業した途端に失業しないようにといった問題、それに合わせて貧困の問題にもしっかり取り組んでいこうということで、例えばワンストップサービスをハローワークなどで可能にするようにという観点を入れました。
 また同時に、往々にして政策を出せばそれで終わりということになりがちなんですが、現場からの視点をしっかりフィードバックさせていただくために、湯浅誠さんに内閣府の参与になっていただきまして、そういう視点からのフィードバックをお願いをすることにいたしました。
 また、在宅就業支援については、円さん本人、いろいろと御努力をされてきていると思いますが、これは前の内閣の仕事でありますけれども、一人親家庭の在宅就業支援事業、安心こども基金というものが都道府県に出ております。これも円さんがいろいろと間接的に、直接的に努力されたと聞いておりますが、こういういい政策はちゃんと引き継いで、それを使ってより有効な形で、先ほどお話のありました母子家庭の母親の在宅就業にもしっかりと力を入れていきたいと思っております。
 もう一点は、国家戦略担当大臣としての今後の抱負という、私に何か答弁のチャンスを与えていただきましてありがとうございます。
 なるべく簡単に申し上げると、私は、今日の状況は明治維新、そして昭和二十年の戦後に引き続く三度目の大きな政治の変革のときと、このようにとらえております。
 その中でまず第一点にやらなければいけないのが、今、総理からもお話ありました官僚主導政治を根本から改める。これは既に政務三役の活躍など進行中だと思っております。
 第二点は、財政構造。これも前原大臣のお話にもありましたように、コンクリートから人へのそうした財政構造の根本的な転換が今進んでいると思っております。
 それに加えて、国家戦略、現在は室ですが、室としては、予算について、例えば編成過程、さらには執行過程での透明化、それに雇用政策、環境政策等についてもいろいろと仕事を仰せ付かっております。
 私は、最終的には、この一世紀余りに及ぶ日本の国の形、つまりは官僚中心の中央集権国家であったわけでありますが、これを根本から変えていく、国の形を変えていくのが私は今やらなければいけないこの時代の目的だと。国家戦略担当という大きな仕事を与えていただきまして、そういった方向で頑張ってまいりたいと、このように思っております。
 今後とも御指導よろしくお願いします。(拍手)
   〔国務大臣岡田克也君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(岡田克也君) 私に対しまして、外交の基本方針についてのお尋ねをいただきました。
 鳩山内閣における外務大臣として、鳩山総理が先ほど答弁をされた基本的な考え方に基づいて積極的にしっかりと外交を推進していきたいと思います。
 一言だけ私の思いを付け加えさせていただければ、私は、外交というのは国民の理解と信頼がなければ弱い外交になってしまう、そう思っております。国民の理解と信頼が得られるような、そういった外交をしっかりと実現していきたいと思います。(拍手)
    ─────────────
#21
○副議長(山東昭子君) 島尻安伊子さん。
   〔島尻安伊子君登壇、拍手〕
#22
○島尻安伊子君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、鳩山内閣総理大臣の所信表明に対し、外交、防衛に関する質問をいたします。
 鳩山総理、総理の御答弁は余りにも抽象的で困惑をいたしております。これからお尋ねする普天間基地代替移設問題については、沖縄の百三十万人県民が注視しているということを御認識の上、明確な御答弁を簡潔にどうかお願いをいたします。
 この普天間基地移設問題で、政府、関係閣僚の日替わり発言による極めてあやふや、かつ無責任な姿勢は、与野党を超越し、沖縄県民を愚弄、翻弄するものであり、このことに対し怒りを禁じ得ません。鳩山総理始め関係閣僚の見解を統一し、明確にしていただくとともに、困惑している県民に対して心からの謝罪を求めます。
 沖縄県は、御承知のとおり、空手発祥の地であります。空手に先手なしとの空手道精神からもお分かりいただけるように、沖縄県民は本来争いを好まない県民性であります。ところが、軍事基地を受け入れざるを得ない局面において、常に賛成、反対で二分され、家族でさえも意見の対立でぎくしゃくするようなことが間々ありました。このような苦渋の選択を常に強いられながら、また、筆舌に表し難い目に遭ってもここまで譲歩してきたのは、ほかならない、愛する日本国の、そしてアジアの国々の安全保障を担う立場にあるのだという沖縄県民の誇りと自負心からであり、決して基地の負担軽減だけを求めるのではなく、抑止力の維持についても真正面から向き合ってきたのであります。
 しかし、一方で、県民はもう賛成、反対の言わば基地の呪縛から解き放たれ、未来への自由な一歩を踏み出していくことを望んでいることも事実であります。ゆえに、橋本・クリントン会談以降、政治を預かる先輩方が、その政治生命を懸けてまでも、この困難極まる移設問題について薄紙をはがすように前進させてきたのであります。
 そのような県民感情の機微にかかわる問題だということへの認識が鳩山内閣には余りにもなさ過ぎると憤りを感じるわけでございます。所信表明での、沖縄県民の思いをしっかり受け止めると本気でお考えなら、今回の事態は起こらなかったはずであります。鳩山総理の御見解を伺います。
 民主党は、選挙前、鳩山総理を始めとする代表経験者が沖縄入りし、県内各地で普天間基地の県外、国外移転を声高に訴えられておられました。それが、衆議院選挙の民主党マニフェストでは、県外、国外をあえて書き込まず、米軍再編の見直しとトーンダウンさせ、鳩山内閣発足後は、関係閣僚のばらばら発言、防衛大臣は辺野古案容認を示唆し、外務大臣は昨日の参議院本会議で外務大臣として嘉手納統合案を主張され、挙げ句の果てに、総理、官房長官の、政治主導だから関係閣僚がいろいろな意見を述べてもいいとの御発言には開いた口がふさがりません。
 閣僚の皆様、お願いですから、大臣発言の重みを御認識いただけませんでしょうか。その政治主導のせいで、国民、県民がこれだけ振り回されているのです。これでは、日米の信頼関係はおろか、基地の受入先である沖縄県民との信頼関係も失ってしまいます。結果、普天間飛行場は現状のままという最悪の事態になることを危惧しております。
 改めて、民主党が選挙前に県民に対して訴えていた県外、国外案の根拠と実効性をここで示していただいた上で、なぜ国家の安全保障上極めて重要な防衛政策の一つであるこの問題について関係閣僚の発言に隔たりがあるのか、説明責任を果たしていただきたい。鳩山総理、そして官房長官の御見解を伺います。
 そもそも普天間基地代替移設問題は、二〇〇四年八月に普天間飛行場に隣接する沖縄国際大学キャンパスに米軍ヘリコプターが墜落したことからも、その危険性の除去のためにも一刻も早く解決すべき問題であることは周知のとおりでございます。二〇〇六年五月、日米両政府が再編実施のためのロードマップに合意、その後グアム協定も承認され、二〇一四年の辺野古移設完了に向けて一つ一つ積み上げてきております。さらに、沖縄県知事より環境影響評価の知事意見も提出され、政府におかれましてはその評価書の作成という段階までたどり着いているわけであります。
 鳩山総理、これまでの政権で十三年間何も動かなかったじゃないかとおっしゃいますが、大変失礼な話であります。この間、日米両政府、そして沖縄県関係者が血を吐くような思いをして構築してきたこれまでの努力を御存じないということでしょうか。民主党はグアム協定に反対されてきましたが、これらの工程すべてをゼロにし、新たに移設受入先を見付け、すべて解決できると本気でお考えなのでしょうか、見解を伺います。
 また、この問題は何も沖縄だけの問題ではありません。在日米軍再編という大きなくくりの中で、その根幹である普天間基地移設が頓挫した場合、厚木、岩国、座間などで行われる空母艦載機の移駐、在日米軍陸軍司令部の改編、嘉手納からの訓練移転などにも多大な影響が出るということであります。
 先日のゲーツ米国防長官の来日に際して、米国ワシントン・ポスト紙は、今や最も厄介なのは中国ではなく日本とする米国務省高官の発言を引用する記事を掲載しております。まさに国益を損じる事態であります。
 鳩山総理は日米同盟が日本外交の基本であるとしておりますが、このような有様では在日米軍再編自体の履行が難しくなり、ひいては日米間の信頼を損ない、北朝鮮の拉致被害者問題の解決、核問題、周辺国の軍事力増強といった我が国の安全保障上の問題について、果たして米国の協力が得られるのかという疑問も生じます。現政権の外交防衛政策の甘さ、無責任さを露呈してしまったようですが、どうか鳩山総理には、バーチャルな世界ではなく、厳しい現実の世界をしっかりと見据えていただき、我が国の安全、国民の生命、財産を守る責任を一国の総理大臣としてしっかりと御認識いただき、強固な日米関係の構築に御努力いただきたいと思いますが、見解を伺います。
 嘉手納統合案について、外務大臣の御見解をお伺いします。
 この案件については、これまで日米間で議論し尽くされた結果、実現は難しいという見解が出されております。当事者である嘉手納町長は、その騒音の問題からも、またこれ以上の負担は限界を超えるとして断固受入れには反対を表明しております。それでもこの案を進めようとしているのは現地の混乱を招くだけだと考えますが、外務大臣の見解を伺いますとともに、この嘉手納統合案に対する防衛大臣の見解もお聞かせください。
 そして、福島大臣にお尋ねいたします。
 与党三党合意において米軍再編の見直しをうたっておられます。社民党党首として、皆様方のおっしゃる見直しというのは辺野古案以外なら県内も認めるということでしょうか。日ごろ基地のたらい回しは絶対に認めないと訴えられておられますが、今回の嘉手納統合案に関する外務大臣発言は明らかな合意違反にはならないのでしょうか。いつもの福島大臣らしい歯切れのいい明確な御答弁をお聞かせください。
 鳩山総理は、普天間基地代替移設問題について、来年一月に行われる名護市長選挙、十一月の県知事選挙までに結論を出すとの発言をなさいました。一国を預かる総理としてこれほど無責任なことがあるでしょうか。国家の安全保障にかかわる問題を、大事なのは県民の総意などと称して総理としての自らの判断を避け、逃げ、この重い苦渋の選択をまたまた沖縄県民に押し付けるのですか。余りにもひど過ぎると言わざるを得ません。まさに言語道断であり、友愛の精神が泣いております。
 確かに地元の意見は大事でありましょう。が、しかし、その前に政府はこの問題に対し国家としての明確な方針、ビジョンを示すべきであります。それを抜きにして自己の責任を逃れ、沖縄県民の総意を問うなどというすり替えは、こそくとしか言いようがありません。
 総理、沖縄県民をこれ以上同胞相敵対させるようなことはおやめください。内閣総理大臣として、自らの意思と責任で自国の平和と安全を維持するための決断を下すのが最高責任者たる責務と考えますが、いかがでしょうか。決断として、県外、国外とするならその具体案を示すのはもちろん、辺野古以外の県内をお考えならその場所を明確にしていただきたいと思います。しかし、その先には、あの十三年前、名護市民を二分し争われたように、他地域に飛び火した新たな火種、いえ、炎は混乱の度を増し、マグマが噴き出す可能性があることを御覚悟ください。総理の御見解をお聞かせください。
   〔副議長退席、議長着席〕
 次の質問に移りたいと思います。
 護衛艦「くらま」と韓国コンテナ船の衝突事故についてお聞きをいたします。
 十月二十七日午後七時五十六分、関門海峡で護衛艦「くらま」と韓国のコンテナ船カリナスターとの衝突事故がありました。我が党も直ちに岸信夫前防衛政務官を現地に派遣しておりますが、なぜこのような事故が起こったのか、現在分かっている状況を、防衛大臣、御説明ください。
 昨年、護衛艦「あたご」が痛ましい事故を起こし、二度と繰り返すことのないようにと自衛隊として再発防止を徹底させていたやさきで、大変に残念に思います。現在調査中とのことでありますが、乗組員や関門海峡海上交通センター、航行管制官からの聴き取りなど、十分な捜査がされますようにお願いをいたします。
 また、「あたご」の事故の際、捜査のために長期間にわたり艦船が拘束されたとお聞きをいたしました。捜査に支障のないようにするのはもちろんのことでありますけれども、拘束の期間の乗組員への御配慮を併せてお願いを申し上げておきます。
 次に、インド洋での給油継続問題、アフガニスタン、パキスタン支援問題についてお伺いいたします。
 普天間のみならず、政府の安全保障政策は揺れ続けております。総理を始めとする閣僚間の発言の食い違い、ぶれは、諸外国、特に北朝鮮など周辺諸国にどのような印象を与えているか心配でなりません。
 政府は、インド洋で行われている給油活動は継続されないとのことですが、この支援がなぜ始まったか、是非、与党の皆様にも、野党の皆様にも、国民の皆様にも思い起こしていただきたいと思います。
 二〇〇一年、私たちは信じられない光景を目の当たりにいたしました。世界貿易センターに突き刺さるユナイテッド航空一七五便、崩れ落ちるビル、逃げ惑う人々、二千九百七十三人もの命を一瞬で奪ったテロであり、日本の犠牲者も米英に続いて三番目という事実を深刻に受け止めなければなりません。この残忍なテロ行為が二度と繰り返されることがないよう、国連決議の要請に基づき、日本国憲法の下、当時の政権が最大限の知恵を絞った結果の選択であり、インド洋上に各国艦船が展開することによってテロ組織の人と物の流れを遮断し、ヘロインなどの密売を阻止し、資金源を断つことができる効果的な支援策であります。
 北澤大臣は、就任の記者会見で給油活動について、成果が上がっているとの声は極めて限定的だとの御発言をされたと伺っておりますが、今月八日には、アフガニスタンISAFの任務延長をめぐる国連安保理の新決議案で、不朽の自由作戦参加国へ対し、昨年に引き続き謝意が述べられました。当然、我が国の海上自衛隊の給油活動も対象であります。来日したゲーツ国防長官からも補給支援を高く評価する旨の御発言もあり、また岡田大臣がパキスタンを訪問された際、ギラーニ首相から支援活動への期待が表明されております。北澤大臣は何をもって国際的評価が高くないとの認識をお持ちになっていらっしゃるのか、全くもって理解不能であります。
 加えて言えば、就任会見でインド洋給油を継続しない理由として、これはもっと言えばイラク戦争のそもそもの発端からして疑義があると発言されておられますが、そもそもインド洋への海上自衛隊派遣とイラクへの自衛隊派遣は全く別のオペレーションであり、派遣根拠法も異なります。これを一緒にする御発言は自衛隊員二十七万人のトップに立つ方のお言葉としては全く不適切であると考えますが、北澤大臣の御見解をお聞かせください。
 一方、民主党としても給油の意義を認められている方もおられます。新旧どちらの審議のときにも国会の事前承認の規定が入れば国会で賛成するとのお話をいただいていたと記憶しております。つまり、民主党は給油活動のテロ抑止効果自体は認めていらっしゃるわけであります。
 この度、我が党は議員立法で補給支援継続の法案を提出いたします。是非、積極的に御議論いただきたいと思います。もし新法、旧法の審議のときとはアフガニスタンの状況が変わっているとお考えであれば、関係各国のニーズの低下を具体的に示すとともに、テロ抑止への有効性がどう変化しているかを、鳩山総理、具体的に示していただきたい。
 政府は、総理のおっしゃる大きな文脈の中で、パキスタン、とりわけアフガニスタンに対し、農業支援や職業訓練など新たなアフガニスタン支援策を模索する姿勢を示していらっしゃいます。しかし、残念ながらアフガニスタンの治安は日増しに悪化しております。
 先日、首都カブールで武装勢力の一団が国連職員宿泊用の民家を襲撃、人質を取った上で立てこもり、治安部隊との間で銃撃戦が起こりました。国連の外国人職員六人を含む十二人が死亡したと伝えられております。この事件に対しタリバンが犯行声明を出し、今回の攻撃は大統領選に向けた第一撃であり、今後もテロを繰り返すと予告しております。
 テロは決して許さない、その姿勢を自民党は政権交代しても変えるものではありませんが、このように治安が悪化しているアフガニスタン本土へ本当に文民を派遣することが可能なのか、また、その安全を確保できるのか、疑問を持たざるを得ません。
 北澤大臣は民生支援だけで代替案になるのかと懸念を持っていると発言されておりますが、総理は自衛隊をアフガニスタン本土へ送ることをお考えでしょうか、御見解をお聞かせください。
 給油をやめ、お金だけを払い、新たな民生支援、文民派遣も打ち出せないとなると、アフガンで忍耐強く治安回復のための活動を続けている米国やNATO諸国を見放したというようなメッセージにならないでしょうか。また、このことが日米同盟に悪影響を与え、NATO諸国の信頼を裏切ることにはならないかと心配しますが、総理の御見解を求めます。
 鳩山総理、私は事あるごとに民意を持ち出す皆様方に強い違和感を覚えるのであります。民意を都合よく使い分けされていませんか。ある新聞の論壇に、政治の世界はややもすると自らの方針に合う民意だけをくみ上げがちであります、しかし、民意の見極めというのはなかなか悩ましく、難しいものですとありました。続けて、政治家は民意という姿なきものに振り回されることなく、民意による統制する試みを謙虚に受け止めて、真摯に政治を行ってほしいと締めくくられております。まさにこの精神の先にこそ成熟した民主主義があるのだと思います。
 総理、どうか民意を見誤ることなく、それぞれの政策の一刻も早い御決断をお願いしつつ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#23
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 島尻議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、普天間飛行場の移設に関する三つの御質問をいただいたわけでございますが、まず普天間飛行場の移設・返還については、言うまでもありません、何よりも沖縄県民の御負担をできるだけ軽減をしなければならない、その観点からできるだけ真剣に取り組んでいるつもりでございまして、そのために、この問題について私から岡田外務大臣と北澤防衛大臣に対して、地元の負担をどのように軽減するか、軽減する観点からもどのような選択肢があり得るか、できる限り検証をしてほしい、このように指示をいたしたところでございます。このような県民の皆様方の思いを受け止めているからこそ、それぞれの閣僚の皆さんがそれぞれの思いの中で真剣に検証を今している途中でございます。
 県外、国外という発想を確かに選挙前に申し上げました。それは、私自身、最も最近の沖縄の新聞の調査においても多くの県民がいまだに県外の移設を望んでいるという事実があるからでございまして、そのことなども勘案をしながら、できる限り沖縄の県民の意思に沿った形で最終的な結論を出したい、そのように考えているところでございます。
 その二つ目の移設の問題に関する御質問でありますが、島尻議員は、岡田外務大臣と北澤防衛大臣がそれぞれの考えを対外的に発信していることについて、閣僚の間の意見の隔たりだと、そのように指摘をされていますが、まだ結論が出ている段階ではありません。決定までのプロセスでございます。結論、当然出したときに隔たりができるわけでございません。政治主導の中で闊達に意見交換を行っていきながらそれぞれの考えを申し上げているところでございまして、本件は最終的には私が決定をいたします。結論が出た後は、結論に関係閣僚、それまでは様々な考えがあったとしても、当然一つに従っていただくわけでありまして、政府の意見の中に最終的な隔たりが生じるというわけではないことも御理解ください。
 この問題に関するこれまでの関係者の皆様方の御努力について質問をいただきました。
 普天間飛行場の移設・返還に関して、これまでの日米両政府さらには沖縄県の関係者が大変な御努力をされてこられたことはよく存じ上げておりますし、その努力を多といたしているところでございます。したがいまして、普天間の移設問題に関しましては、グアムの協定を含めて過去の日米合意などの経緯を慎重に検証をしているという段階でありまして、さらに沖縄の県民の皆さんの思いをしっかりと受け止めながら最終的な解決を目指してまいりたいと思います。是非、先生方の御意見もお寄せを願えればと思います。
 日米関係についてのお尋ねがございました。
 日米同盟は日本外交の基軸である、何度も申し上げております。我が国及びアジア太平洋の地域の平和と繁栄の礎としての役割も日米同盟が果たしている、大変そのように理解をしておりまして、なお一層重層的な日米同盟というものを深化をさせていかなければなりません。従来のような米国に従属的な日本外交であれば、確かにそのような言われ方をされなかったかもしれません。
 私は、二国間の課題はもとより、アジア太平洋地域の平和と繁栄、さらにはグローバルな課題への対応についても日本側からしっかりと問題提起をする、提案をする、そして日米で徹底的に協議をする、議論をして、日米関係が共に連携をしながら協力をしていく、そういう緊密で対等な日米関係をつくり上げたい、そのように考えているところでございます。
 普天間の移設に関する決断についてのお尋ねでありますが、沖縄の県民の皆様方の思いを大切に申し上げたい、そのような思いの下で、私は大事なのは沖縄県民の総意だと申し上げておりまして、沖縄県民の苦渋の選択に私が身をゆだねたという思いでは全くございません。先ほども答弁を申し上げましたとおり、安全保障上の観点、さらには日米合意の経緯などをしっかりと踏まえて、沖縄の皆様方の思いを受け止めながら取り組んでまいりますし、決定に際して県民の皆様方に、苦渋の選択を県民の皆さんに押し付けるつもりは毛頭ありません。最後は私が決める話でございます。
 関係国のニーズの低下、テロ抑止への有効性についての御質問でございます。
 アフガニスタンの支援は国際社会全体が負っている今世界で最大のテーマではないかと、そのように感じております。インド洋での補給支援活動については、確かに従事する船舶の数に変化があるというのは実態として事実でございます。ただ、単体でそのニーズや有効性の是非のみを議論をして決めていくというのではなくて、アフガンの支援の中で、日本の役割は何であるかと、日本が得意とする支援の在り方は何か、その文脈の中で対処をしてまいりたいと様々申し上げているところでございまして、いずれにせよ、本当に必要とされている支援の在り方については、先ほども申し上げましたように、例えば農業の支援、あるいは元兵士に対する職業訓練、あるいは警察官に対する支援、こういったことなどを考えながら、積極的な支援を行うよう、今、最終の詰めを行っているところでございます。
 インド洋における補給支援活動について大きな文脈の中でという御質問は、あるいは答弁する必要がないかと思って省略をいたします。
 アフガニスタン本土への自衛隊の派遣についての御質問でございますが、現在、アフガニスタン本土に自衛隊を派遣するということは念頭にありません。
 アフガニスタン支援と文民の安全確保について申し上げれば、テロの温床を除去するために、アフガニスタンの支援というものは、先ほどから申し上げているように、国際社会が対処しなければならない最重要な課題だと、そのように思っておりまして、だからこそ日本にふさわしい貢献の在り方というものをしっかりと考え、検討をし、得意とする分野で、先ほど申し上げましたように、支援を行いたいと考えております。
 その際、悪化をしているアフガニスタンの治安情勢を踏まえて、援助要員の派遣の在り方に関しては、当然十分な安全対策を取ってまいりたいと思っております。
 すべてのアフガニスタンの地域がすべて危険な地域だとは必ずしも思っておらないことも付言させていただきます。
 補給支援活動やアフガニスタン支援と、アメリカやNATO諸国との関係については、インド洋での補給支援活動については単純な延長は行わない、これは先ほど申し上げたとおりでございまして、アフガニスタン支援の大きな文脈の中で考えてまいりたいということでございます。
 残余の質問に関しては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣平野博文君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(平野博文君) 島尻議員にお答えを申し上げます。答弁の機会を与えていただきまして、大変感謝をいたします。
 先ほど、関係閣僚の発言について隔たりがある、こういうことについての理由について説明をしろと、こういうことでございますが、先ほど総理の答弁が極めて詳しく述べておられますので、私は一言申し上げます。
 これはあくまでも検討過程におけるそれぞれの閣僚の発言でございます。そういう意味で私は、結果としての結論に隔たりがあるわけでございません。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣岡田克也君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(岡田克也君) 普天間飛行場の移設についてのお尋ねですけれども、本件については、現在、現行案での合意に至った経緯を検証しているところです。
 先ほど日米間で議論がし尽くされた結果であるという御指摘をいただきましたが、当時の一部の政府関係者以外にその内容を知る人はいないはずであります。
 なぜ今の案になったのか。あるいは、なぜ嘉手納統合案が駄目だったのか。私は、外務大臣としてそのことをしっかり自ら検証をして、納得をした上で、この問題について前に進めていきたいと考えております。
 なお、嘉手納基地への統合の問題について御指摘がありました。
 これは、現在検討している一つの案にすぎませんが、しかし、その際には騒音問題を現在以上に軽減させるということが前提になると、そう私は考えております。
 いずれにせよ、引き続き、安全保障上の観点も踏まえつつ、沖縄県民の皆様の思いをしっかりと受け止めながら、真剣に検証作業を行い、できるだけ早期に結論を得ていく考えです。(拍手)
   〔国務大臣北澤俊美君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(北澤俊美君) 島尻議員にお答えをいたします。
 普天間基地代替施設についての御質問でございますが、在日米軍再編については、安全保障上の観点も踏まえ、過去の日米合意などの経緯を慎重に検証し、沖縄の方々の思いをしっかりと受け止めながら、日米間で真剣に取り組んでまいりたい、これがまず取組の前提でございます。
 次に、普天間飛行場の移設・返還については、鳩山総理大臣から、ただいまもお話のありましたように、岡田外務大臣そして私に様々な選択肢について検討、調査するような指示がございました。
 現在、現行案の合意に至った経緯について、御指摘の案も含めて検証をいたしておるところでございます。これらの検証の結果を踏まえて、先ほど総理からも御決意がありましたように、最終的に総理が決断をするということであります。
 それから、ただいま島尻議員の方から民意についてのお話がございました。民意を軽視する政治は必ず民意から反撃を受けます。私の長い政治経験を踏まえて、一言申し上げておきます。
 次に、護衛艦「くらま」と貨物船との衝突事故についてお答えをいたします。
 護衛艦「くらま」からは、狭い関門海峡の航行に際して、見張り員の増員など総員配置で対応をしたこと、それから衝突直前に艦長が見張り員に対して避難を指示したこと、さらに衝突回避のために機関を後進させ、逆進の操作をしたことなどが報告をされております。
 防衛省は、事故当日に海上自衛隊艦船事故調査委員会を設置したところでありまして、海上保安庁の捜査等に配慮しながら事故原因について早急に究明するように努めておるのが現状でございます。
 最後に、インド洋における補給支援活動の中止理由と私の会見での発言についてお尋ねがございました。
 インド洋での補給支援活動については、単純な延長は行わず、アフガニスタン支援の大きな枠の中で対処していく考えであることは総理からもお答えをいたしておるところであります。
 なお、御指摘の記者会見において、補給支援特措法案の審議の際に、当時、民主党は自衛隊が他国艦艇に補給した燃料がイラクでの作戦に使用されたのではないかと指摘をいたしまして、この議論が盛んに行われましたことを念頭に置いて、イラクでの事態に言及したものであります。補給支援活動とイラクでの活動を混同したという御指摘は当たりません。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(福島みずほ君) 島尻議員にお答えいたします。
 現在、国土の〇・六%にすぎない沖縄県に全国の在日米軍専用施設の七五%が集中しています。この沖縄の状況は重大な問題であり、沖縄の県民の基地負担の軽減が最優先の課題であることは当然です。
 三党連立政権の政策合意では、沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地の在り方についても見直しの方向で臨むとされています。
 特に、普天間基地問題の解決に当たっては、沖縄県民の負担軽減の観点から対応していくべきものと考えます。鳩山総理もそう答弁をされました。私も沖縄県民の負担軽減の観点から全力を尽くしてまいります。(拍手)
#28
○議長(江田五月君) このまましばらくお待ちください。──このまましばらくお待ちください。
 答弁の補足があります。福島国務大臣。
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(福島みずほ君) なお、個別の閣僚の発言については答弁を差し控えたいと思います。(拍手)
#30
○議長(江田五月君) しばらくお待ちください。──しばらくお待ちください。
    ─────────────
#31
○議長(江田五月君) 亀井亜紀子君。
   〔亀井亜紀子君登壇、拍手〕
#32
○亀井亜紀子君 初めてこの壇上に立たせていただきました。国民新党の亀井亜紀子でございます。
 今回、若手にも質問の機会を与えてくださいました先輩・同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
 民主党・新緑風会・国民新・日本を代表し、また連立を組む国民新党の視点から、鳩山総理の所信表明演説及び今後の施政方針について質問させていただきます。
 まず、小泉構造改革に対する評価についてお尋ねいたします。
 総理は、所信表明演説の中で繰り返し変革を強調されました。一方、政権交代以前は改革の時代でした。官から民へ、規制緩和、三位一体改革、医療制度改革、司法制度改革など、多方面で改革が進み、確かに日本社会は変わったと思います。一億総中流社会は格差社会になりました。私は、構造改革路線を否定して二年前に議席を得たのですが、鳩山総理は一連の小泉改革をどのように評価していらっしゃいますか。御所見をお聞かせください。
 次に、郵政民営化の見直しについてお尋ねいたします。
 改革の本丸とされた郵政民営化は小泉構造改革の象徴です。御承知のとおり、国民新党は郵政解散を契機に結党し、民営化の見直しをするために政権交代の実現に協力しました。ようやくこの国会で日本郵政の株式売却を凍結し、来年の通常国会で抜本的な見直しを行う道筋が見えてきました。民から官への逆戻りは許されないという一部メディアの論調も見受けられますが、そもそも民営化の何が問題だったのか、なぜ多くの議員が党議拘束に反してまで民営化に反対したのかを検証すべきだと思います。亀井郵政改革大臣にお伺いいたします。郵政民営化に反対された理由、また今後の見直しの方向性についてお聞かせください。
 政権交代までの二年間、ねじれ国会を経験し、数々の法案がここ参議院で否決されました。小泉元総理は参議院の議決を無視し、法案を可決した衆議院を即座に解散しました。両院協議会も開催されませんでした。議会制民主主義を無視した当時の政治手法について、鳩山総理の御所見を伺います。
 原口総務大臣にもお伺いいたします。小泉政権で郵政民営化の制度設計をした竹中元総務大臣が、早速、現政権への批判を強めています。氏いわく、民営化して利益額も納税額もようやく二倍になり始めたやさきに元に戻すことは将来の国民負担を大きくするとのことですが、事実でしょうか。かんぽの宿の売却問題など、国民の資産をたたき売る行為もありましたが、これまで進められた民営化の中身について、原口大臣の御所見を伺います。
 次に、来年度予算の財源について、国民新党から提言をいたします。
 二〇一〇年度概算要求の総額が九十五兆三百八十一億円に達し、更に各省の事項要求で膨らむことが予想されます。藤井財務大臣は歳出削減を徹底される方向ですが、国民新党は百兆円規模の予算編成をして景気回復を優先すべきと考えています。財源として、例えば一般会計と特別会計の一体運用による打開策があるのではないでしょうか。具体的には、年金、外国為替資金、労働保険、財政投融資などの特別会計積立金を今後三年間、毎年二十兆円ずつ一般会計に繰り入れます。いわゆる特別会計の埋蔵金の活用です。また、利子が付かない国債を発行し、購入者には相続税を免除するという無利子非課税国債の導入も、財務大臣、是非御検討ください。富裕層の金融資産を活用することで新規に発行する国債の利子分を抑えることができます。税金の無駄遣いの削減と両輪で、連立与党が知恵を出し合い、あらゆる方向に財源を求めていく努力が必要だと思います。
 次に、雇用について伺います。
 総務省が発表した八月の完全失業率は五・五%、また、厚生労働省が発表した八月の有効求人倍率も〇・四二倍と過去最低水準が続いています。年越し派遣村を繰り返さないために政府は緊急雇用対策を決定しました。来年三月末までに雇用創出十万人を目指すとしていますが、具体的な内容について総理にお尋ねいたします。
 労働者派遣法の改正については、登録型派遣の原則禁止、製造業派遣の原則禁止など具体的な内容が三党政策合意文書に盛り込まれています。仮に正規雇用が増えず、短期の期間労働者に振り替えられるだけであっても、まず企業が労働者を直接雇用し、社会的責任を負うという方向性は打ち立てるべきだと思います。通常国会での法案提出になるかと思いますが、今後の見通しについて長妻大臣にお尋ねいたします。
 さて、今や三人に一人が非正規労働者ですが、日本航空の経営再建が政策課題である今日、私が思い出すのは一九九四年のアルバイトスチュワーデス導入の是非をめぐる一件です。当時、亀井運輸大臣が猛烈に反対し、日本航空のロゴマークがツルであることから鶴亀戦争とも言われました。思い返せば、あのころから労働市場の規制緩和が始まったのかもしれません。あのとき亀井大臣は、今日のような状況になることを漠然と予測されていたのでしょうか。
 また、大臣は、返済猶予法案についても、モラトリアムと称して世間の注目を浴びました。この法案の必要性と年内に成立させる意義について大臣の御所見を伺います。国民生活センターによると、失業して返済できなくなったなどの住宅ローンの相談が、四月から先週末までで千七百五十五件と前年同期より約四割増えたそうです。この制度が役に立てばと思います。
 経済成長戦略について質問いたします。
 雇用創出には景気回復による経済成長が不可欠です。民主党はコンクリートから人へがスローガンですが、一つの例として、家計を豊かにする子ども手当はどの程度経済を押し上げる効果があるのでしょうか。もし数字をお持ちでしたら、総理、お示しください。
 可処分所得を増やすとともに、私はコンクリートも必要だと思います。例えば、羽田の二十四時間国際拠点空港化は経済成長が期待できます。総理、拠点港湾の整備計画はありますか。島国から開かれた海洋国家へ、アジア全体の活力ある発展とおっしゃったので、一つ要望させてください。日本海側にも日の当たる政策をお願いしたいのです。
 かつて、大陸の文化は日本海側から伝来しました。なぜ今、太平洋が表、日本海が裏かといえば、黒船が浦賀にやってきて以来、アメリカ大陸を向いて貿易をしてきたからだと思います。けれども、現在、経済成長しているのは、中国、インド、ロシアなどユーラシア大陸の国々です。もし、日本海側に拠点港湾があり、そこから高速道路があれば、地方活性化と物流の効率性を両立できると思います。アメリカ方面に向かう船は太平洋側から、大陸に向かう船は日本海側からと国土を振り分けたらいかがでしょうか。数日前、船舶衝突事故があった関門海峡は、一日六百隻以上もの船が通過する幅の狭い難所です。物流の道が偏っていると思います。
 整備新幹線にしても、環境政策としての視点が必要です。欧米や中国では、航空路線の代替として、またグリーンニューディールの一環として、高速鉄道の建設が日本をはるかに上回る規模で進められています。日本も総合的な視点に立った国土計画を策定すべきでしょう。
 また、離島対策には国防の観点から力を入れていただきたいと思います。私は昨年対馬に視察に行きました。国境の島、対馬は防人の島であり、そこに居住することで領土を守っているのだから過疎にしてはいけないと言われました。私の地元、島根県にも隠岐の島、その一部である竹島があります。争いの海ではなく実りの海にする努力が国家として必要だと思います。
 二十一世紀は日本海側の時代かもしれません。島国から開かれた海洋国家への変革という総理の国家像について最後にお伺いし、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#33
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 亀井議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、小泉構造改革に対する評価でございます。
 小泉元総理にすべての責任というものを与えてしまうのもやや酷かもしれませんが、しかしながら、新自由主義を標榜して、結果として、日本を弱肉強食の舞台の中で、結果として地域の絆というものがずたずたに切り裂かれてしまった、この罪は極めて重いと、そのように感じているところでございます。
 したがいまして、私どもは、その罪というものをいかにして皆さん方の総意で解決をしていくかと、つめ跡というものを我々はしっかりと直していくのが新政権の役割だと、そのように感じているところでございまして、皆様方の御協力を願いたいと思います。一言で申し上げれば、行き過ぎた市場主義、それから人間のための経済に大きく方向転換をさせたい、そのような思いでございます。
 それから、郵政選挙に至る政治手法についての御質問がございました。
 参議院の議決を無視して両院協議会も開かなかったと、先ほど……(発言する者あり)ひどかったと、憲法違反だと、そういう話もいただいたわけでありますが、まさに参議院の議決を無視したやり方と、参議院の存在を極めて軽視したやり方、それがあったと思っておりまして、これは日本の議会制民主主義に汚点を残したものだと、そのように申し上げておきます。
 緊急雇用対策の具体的な内容についての質問でございますが、先般取りまとめました緊急雇用対策、それは先ほど菅大臣の方からも御説明がありましたが、職を失い生活に大変苦しんでおられる方々を第一にその支援を考えていきたい。そして、新卒者の方がなかなか、これはミスマッチという話も先ほどありました、そのとおりだと思います、求職とまさに求人との間のミスマッチの中で本当に必要な方に必要な仕事が当たらない、こういった問題があります。その対応もしっかりと行わなければなりません。
 また、新たに雇用というものを創造するということが大事でありまして、一つは介護という分野において、これは今当然、皆さん方の中で、高齢社会の中で多くの介護ヘルパーが必要になってきております。そういった人たちをもっとつくり上げていくための支援というものが必要だと思っておりますし、また農林業に対しても、新しい新産業だという思いの中で雇用の創出を求めていくことが特に地域の活性化のためにも肝要ではないか、こういった細やかで機動的な内容となっていると思っておりまして、この対策の着実な実施に向けてまさに政府が一丸となって取り組んでまいります。
 国民一人一人が安全と安心、生きがいを実感できる、そういう社会を是非実現してまいりたいと思いますので、どうぞ亀井議員にも御指導願えればと思います。
 子ども手当の経済効果についての御質問がございました。
 子ども手当を創設することによって、家計を直接刺激をする、支援することによって、まさに人間のための経済というものに転換するその第一歩になると、そのように確信をいたしているところであります。
 ただ、政府として、今正確な経済への影響を数字でお示しをするという状況ではないことも御理解をいただきたいと思います。対象となる家計の可処分所得の拡大を通じて消費が増加することは当然見込まれてまいりますので、経済効果があることは紛れもない事実でございます。ただ、単に、新政権としては、経済成長という数字のみを追うということだけではなく、温かみのある社会を特にお一人お一人が実感できる、こういう暮らしを保障する社会をつくり上げてまいりたいと思っておることも御理解を願いたいと思います。
 それから、海洋国家ビジョンに対してのお尋ねがございました。
 まさにおっしゃるとおりだと思っておりまして、日本は海洋国家でございます。陸地面積は、領土は少ないんでありますが、しかし、領海も合わせれば世界の第六位という大きな国だという認識を私たちは持つべきだと思います。その意味で、亀井議員が御指摘をされますように、これからアジア、ユーラシアとの間の様々な貿易のみならず、人的、様々な交流を拡大をしていくという意味では日本海が大きな焦点が当たる、その時代になると私は確信をしているところでございます。
 したがいまして、こういった海洋国家日本を復権をさせていくということも検討課題の大きな一つだと思っておりまして、亀井議員が主張される日本海側に拠点港湾の整備というものも含めて考えてまいりたいと思っておるところでございます。
 離島対策につきましては、今、安全保障上の観点もしっかりと見ていかなければいけないよというお話がございました。大変重要な御指摘だと思っておりまして、賛成をいたしております。
 また最後に、これは日本は海洋国家だという思いの下で、私は、産業という意味でも海洋資源開発というもの、これから資源小国の日本がある意味で資源大国日本に変わる大きなチャンスだと、そのようにも思っておりまして、海洋資源という面からも視点を当てていきたいと、そのように考えているところです。
 残余の答弁は、他の閣僚がいたします。(拍手)
   〔国務大臣亀井静香君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(亀井静香君) 亀井亜紀子議員にお答えいたします。
 議員の御質問で昔のことを思い出しました。当時、もう悪い病がこの日本で汚染を始めておったと思います。乙女のスチュワーデスに対するあこがれ、これを使って劣悪な労働条件で利益を上げようとする、そういうことに対して、私はもうそれをやめてくれぬかと申しました。当時マスコミも、もう権力が経営に介入をするということで、今もやられておりますけれども、大変なバッシングを当時受けたわけでありますが、おかげさまで私の考え方を受け入れていただきました。人間が人間を大事にしていく、そうした社会、そうした政治でなければ私はならないと思いますが、鳩山内閣はそうした政治をおやりになるということで国民新党は連立に加わりました。(発言する者あり)頑張りますよ。
 今日、郵政抜本見直しの第一弾の法律を国会に提出をいたしました。
 四年前、北海道から沖縄までの、山の中から海の中の島まで張り巡らされたネットワーク、これをずたずたにしていって、地域社会をからからにする、また三百五十兆のお金をもうアメリカに持っていかれるための道筋を付けていく、そういうことに我々は断固と反対をいたしました。綿貫先生、また亜紀子議員のお父上、また長谷川議員、今は亡き田村議員、我々はこういう政治を絶対に許さない、そういう思いで頑張ってまいりました。その後、多くの議員が我々の下に一緒にやろうと参集をしてくれ、また民主党の皆さんが、また社民党の皆さんが力強く同調をしていただいて、いよいよ今から抜本見直しに取りかかっていくわけであります。
 お気の毒でもあったとは思うんですけれどもね、政治が間違った方向を示して、間違った枠組みをつくり、そうした中で西川社長、お仕事をおやりになられたわけであります。あの人なりに頑張られたと思うわけでありますけれども、先日、政府の方針が変わったということで、自ら身を引かれました。その後を、斎藤次郎元大蔵事務次官であります。能力抜群のこの人物、新しい郵政事業を展開をしていくということは容易なことではありません。
 あの斎藤次郎氏に私は社長をお願いをして、お引き受けをいただき、一昨日、新しい日本郵政会社が出発をいたしました。新社長が全力を挙げて、もうかつての小泉総理ががたがたにしたあの郵政事業を、その前に戻すことではありません。地域社会にとっても、また日本にとっても世界にとってもこの会社が大きな役割を果たしていく、そうした事業として再生をいたします。
 また、今日、いわゆる貸し渋り・貸しはがし法案と言われます法律、これも本日国会に提出をいたしました。もうこうした法律を出さざるを得ない事態になっておること、もう御案内のとおりであります。中小零細企業、商店、サラリーマンの方々が大変困っておられる状況、これを少しでも楽にしてさしあげるのが政治であります。
 ただ、私は総理にもお願いをいたしております。返済を猶予することだけでは解決いたしません。仕事が出なければならぬわけであります。そういう意味では、今、前政権のやった無駄な政策を徹底的に切っていく、こうしたスクラップをやっておるわけでありますが、同時にやはりビルドをやっていかなければなりません。そのことをどうやっていくかということが私は今政権の今後の大きな課題でもあろうと思います。
 そうして、仕事が出ればいいというだけのことではありません。その仕事、ちゃんと中小零細企業がもうかっていく形でその仕事が発注されなければなりません。先日、公正取引委員会の委員長をお招きをしてそのことも強くお願いをいたしました。マージャンで言えば一気通貫でなければ解決をしないんです。
 そういうことを今後鳩山政権は全力を挙げてやっていかれることを私は確信をいたしております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣原口一博君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(原口一博君) 亀井議員より二点お尋ねがございました。
 一点目は、元大臣のお言葉ですが、何をもってそうおっしゃっているのか分かりません。利益額については、平成十八年度の公社時代、経常利益は約一兆三千億円でございました。それに対して平成二十年度、日本郵政グループの経常利益は約八千三百億円で、二倍どころか逆に二分の一を少し上回ったぐらいというのが現状です。元々、公社時代には納税という概念はございませんから、納税が二倍になるというのも、これは何を意味されているのか分からない。恐らく、交付金のことをおっしゃっているのかも分かりません。しかし、交付金と納税を同一に論じることはできません。
 したがって、将来の国民負担を大きくすると言われますが、逆じゃないでしょうか。かんぽの宿の問題、亀井亜紀子議員のお父様、日本の良心とも言われる亀井久興先生とともに私たちは先頭にこの追及をしてきましたけれども、一万円でかんぽの宿を売っ払って、それを六千万円で転売する方がよほど国民の負担は大きくなるんじゃないかと思っています。
 二番目は、現在の郵政民営化に対する私の所見についてでございます。
 一言で言うと、竹中改革は間違いなんです。郵政を民営化すれば税金は安くなる、外交も良くなる、年金も良くなると、たしかそうおっしゃったはずです。しかし、現実には、先ほどのかんぽの宿の一括譲渡の問題でもあるように、前の前の総務大臣が出来レースではないかと。自民党政権での総務大臣でさえそうおっしゃるように、実は私物化が進んだのではないかというふうに考えています。本来であれば、民営化というのは、公益性、ガバナンスを生かすということが大事ではないかと思います。しかし、分社化ありきの民営化によって、多くの国民が不便を感じると同時に、将来の地域における金融サービスの維持に対する懸念など、課題が生じています。
 亀井議員が御存じのとおり、郵貯、郵便局は、そこでは振り込め詐欺というのは本当に少なかったんです。詐欺に遭おうとすると、お父さん、お母さん、あれはあなたの孫じゃないよ、その人たちが言ってくださったんです、郵便局の皆さんが言ってくださったんです。まさに、地域に根差した郵便局ネットワークを守ることが私たちの使命であると、そのように考えております。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣長妻昭君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(長妻昭君) 亀井議員にお答えを申し上げます。
 労働者派遣法の改正についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、この登録型派遣は雇用が不安定である点が、また製造業務派遣は、いわゆる派遣切りの対象となったことや、技能の蓄積が行われず、労災事故も多いことなどの問題がございます。これらはいずれも雇用にかかわる行き過ぎた規制緩和の結果だというふうに考えております。
 このため、労働者派遣法の改正について、十月七日に私が労働政策審議会に調査審議を求める諮問を行い、今議論をお願いしているところでございます。諮問では、労働者派遣法の改正が必要であるとし、三党政策合意に盛り込んだ内容の調査審議を求めたところであります。
 具体的には、登録型派遣の原則禁止、製造業派遣の原則禁止、日雇派遣の禁止の範囲、マージン率の労働者への通知、派遣労働者と派遣先の労働者との均等・均衡待遇、違法派遣が行われた場合の派遣先の直接雇用みなし制度などが論点となってございます。現在、労使で活発な御議論を行っていただいているところでございますが、その結論を踏まえながら、通常国会への法案提出を目指してまいります。
 今後とも、御指導賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
#37
○議長(江田五月君) 一言、お願いいたします。
 大臣は、要を得て、簡潔な答弁をお願いいたします。
    ─────────────
#38
○議長(江田五月君) 松下新平君。
   〔松下新平君登壇、拍手〕
#39
○松下新平君 私は、自由民主党・改革クラブを代表いたしまして、鳩山総理の所信表明演説に御質問と御意見を申し上げたいと思います。
 この代表質問、本日で衆参三日目を迎えました。鳩山総理、総理の答弁をお聞きし、愕然といたしました。総理の答弁は具体的な質問に対してもすり替えが目立ち、答弁に窮すると、あなた方に言われたくない、こうなったのはだれのせいかと、自公政権への責任転嫁、なすりつけの発言が繰り返されています。誠に残念です。総理、これまでの野党の立場ではなくなったんです。政権を担う立場となったのですから、真正面から受けて立つべきです。責任転嫁せず、どういう日本を目指すかについて具体的に堂々と明らかにすべきです。
 さて、さきの総選挙では、民主党は確かに三百八議席を獲得し、政権交代を実現しました。しかし、問題は民意、得票数です。民主党は民意の過半数の支持を得たわけではありません。それを数字で示しましょう。今回の総選挙での得票数は、得票総数約七千万票のうち、小選挙区では四七%の三千三百四十七万票、比例代表では四二%の二千九百八十四万票でした。このように、小選挙区と比例代表のいずれも民意の過半数の支持、得票は得ていないのが実態であります。民主党は謙虚にこの半分以上の国民の声に耳を傾けるべきです。いかがですか。
 私は、総理の主張する国民生活を第一とした政治という考え方にいささか疑念を持ちます。昭和二年、歴史家、あの徳富蘇峰はこう述べております。国家が興隆すれば理想をもって生活とし、国家が衰退すれば生活をもって理想とする。どういう意味でしょう。昭和二年当時も金融恐慌が起こりました。そのときにも生活ばかりに目が向いてしまい、国全体の方向性を見失いかけたのであります。興隆する国家の理想、すなわちあるべき経済社会の姿を示し、それに向けた改革を国民とともに進めるのでなければ生活優先は一時しのぎにしかならず、結局は真の国民生活の充実はあり得ないとの戒めの言葉であります。まさに今、その状況であります。このままでは日本の衰退と国民生活の不安が増すばかりと心配するのです。
 そこで、総理、民主党には経済成長戦略がない、このため日本の将来に対する不安が指摘されておりますが、どのように認識していますか。あわせて、日本の興隆に向けた、すなわち基本戦略の具体的例示をこの場で幾つか示していただきたいと思います。
 次に、テロとの戦い、インド洋での給油活動の継続の必要性について国民の皆様にもお訴えいたします。
 先ほど島尻議員からも御質問がありました。単刀直入に申し上げます。総理、来年の一月期限切れの海上自衛隊によるインド洋での給油活動については、やはりその延長というのが最善だと思うんです。国際社会において我が国のプレゼンスを高め、そして国民の不安を取り除いていくためには、外交の継続性を守り、日本の安全保障を確保することです。それは、世界平和の観点からいかに日本が国際貢献をするかというバランスの問題であり、重要であります。
 岡田外務大臣がアフガニスタンとパキスタンを訪問しました。パキスタンのギラニ首相からも強く給油活動の延長を求められていますね。大臣、そうでしょう。世界各国からの評価も高く、広く継続の要請を受けている給油活動の延長がなぜ選択肢となり得ないのか、全く理解に苦しみます。
 民主党の主張する職業訓練などの民生支援は既に行っております。先日、緒方貞子JICA理事長から、日本がいかに民生支援をしてきたかを直接お聞きしました。これをより充実させることは誠に重要ですけれども、それは必ずしも給油活動の代替にはなりません。
 アフガニスタンの今の治安状況では常に他国の軍隊の護衛を受けなければならないことは、総理、御存じのとおりです。民主党案には無理があります。自民・公明政権がやってきたことは何が何でも反対だという考え方は捨てて、良いことは良いとしたらどうですか。総理、テロとの戦い、インド洋での給油活動の延長について、改めてどう考えますか。
 ここで重大な指摘をしなければなりません。
 さきの二日間、衆参それぞれのインド洋での給油活動の代表質問に対して総理は、先般、岡田外務大臣がアフガニスタンに参りましてカルザイ大統領と懇談したときにも、一言もカルザイ大統領の方から補給支援の話がなかったということを聞いていると答弁しています。これで給油活動撤退が承認されたと言わんばかりの世論操作としか思えません。
 岡田外務大臣は、このアフガニスタン訪問のたった十六日前の九月二十五日の国連総会の折、ニューヨークでアフガニスタンのスパンタ外務大臣と公式に会談し、そのスパンタ外務大臣から正式に、日本によるインド洋での給油活動に感謝され、継続依頼を受けたはずですね。
 総理、なぜこんな重要なことを同時に答弁しなかったんですか。この事実を国民に隠すのですか。都合が悪いんですか。これでは国民の判断を惑わします。これはまるで給油活動継続反対のための誘導答弁です。私は、こうした民主党・鳩山政権のやり方に強い不信を覚えます。国民の皆様、どうお聞きになりますか。
 総理、アフガニスタンほかからの継続要請はありませんか。岡田外務大臣、アフガニスタン外務大臣からの公式会議の内容等それぞれに、事実関係を含め、外交の基本を国民の理解と言われた、先ほどおっしゃったとおり正確に国民に開示してください。さらに、カルザイ大統領から何もなかったとして、撤退了承と勝手な解釈をしないよう、今からすぐにカルザイ大統領、アフガニスタン政府に正式に意向を確認してください。そして、すぐさま国会に報告をするよう総理に求めます。
 最後に、私たちは具体的な提案をいたします。
 公金検査請求・国民訴訟制度の導入です。民主党の主張する政治主導の税金の無駄遣いの根絶方法より更に突っ込んだ実効ある提案です。
 国民の貴重な税金の無駄遣いや不正に対して、そもそも政治主導だけでやれると思ったら大間違いです。これは民主党と与党政治家のおごりであります。それは国民に参加してもらうということを忘れているからであります。私たちの提案は、国民の一人一人が、この予算は何のためか、税金を不正、無駄に使ってはいないかと国民自身が監視の目を光らせることができるようにするものです。総理の手元に既に法案を届けてありますが、検証してもらえたでしょうか。国民の皆様に参加、協力してもらってこそ、無駄遣い根絶が本当にできるのです。この公金検査請求・国民訴訟制度、これを総理に強く求め、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#40
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 松下議員の御質問にお答えをいたします。
 所信で私はあえて申し上げたつもりであります。少数の人の視点というもの、これが政治において尊重されなければならない、そういう政治を目指したいと申し上げました。得票総数、またパーセントが何パーセントだということによって結果を決めたいとは思っておりません。常に少数の皆様方の御意見にもよく耳を傾けながら政治の意思決定をしてまいりたい、そのことを申し上げておきます。
 また、経済成長戦略についての御質問をいただきました。
 言うまでもない話でありますが、経済成長戦略については、経済・雇用危機の克服のために、現在の雇用情勢の悪化やあるいは地域経済、さらには歯を食いしばって頑張っておられる中小企業の皆さん方の資金繰り、大変厳しい、こういう状況の課題に迅速に対応して日本経済を自律的に内需主導型、民需で回復をさせていかなければならない、それが基本的な姿でございます。
 中長期的に、これも申し上げましたけれども、人間のための経済に転換をしていくための施策を一つ一つ行ってまいりたい。その具体的な例として、これも申し上げたところではございますけれども、イノベーション、この日本が独自に持っておる科学技術力、これを大変重視して使い分けていかなければならない。
 その意味で、例えば、例示として世界最高水準の低炭素型産業の創造を行っていくというようなことなど、さらに暮らしの安心を支える医療とか介護、あるいは地域を支える農業、林業、そして観光の分野において内需型の産業を育成をしていく、こういう基本的な姿を通じて新たな産業と雇用を創造していく、これが基本的な姿でありますが、特にアジアの国々との協力関係の中で、アジアを活性化させるためにも日本が役立ちながら、さらにアジアが活性化していくことによって日本自体が成長を遂げていく、こういう協力関係の中での成長を遂げてまいりたい、これが基本的な姿でございます。
 インド洋における補給支援活動の中止理由、その代替案に関する御質問がありましたが、私たちは旧政権がなさっておられる政策だからといって反対をするつもりも毛頭ありません。一つ一つの政策に対して本当に必要かどうかということを勘案しながら結論を出していく、その姿は貫いてまいりたいと思います。
 補給支援活動に関しても、したがいまして、補給支援活動のそのものを単体としてとらえて是非を決めるということよりも、本当の意味でアフガニスタンが望んでいる支援は何か、国際的な協力関係の中で日本が果たすべき貢献は何かということを考えながら、例えば農業支援、特にケシの栽培などで密輸などを行っている方々がおります。そういう人たちにそうではないと、新しい農業で生きていこうではないかと、こういう支援を行うことは極めて重要だと思っておりますし、さらには警察官の支援などを行う、元兵士に対する職業訓練、こういったものを行っていくことの重要性をかんがみながら、果たして補給支援活動が本当にアフガニスタンにとって望まれているものか、そんな判断の中で決してまいりたいということで結論を出してまいる次第でございます。
 また、給油継続要請についてのお尋ねがございましたが、主として給油を受けている国々から継続の要請があったことは私も承知をしておるわけでございまして、そのことを何も隠すつもりもございませんし、メディアなどでも明らかになっているところでございます。
 ただ、申し上げたのは、先般の岡田外務大臣がアフガニスタンを訪問した折には、カルザイ大統領並びにスパンタ外務大臣との会談がなされましたけれども、その先方からは補給支援活動の言及はなかったということを正直に申し上げただけでございます。
 給油継続についてアフガニスタン政府に意向を確認することについての質問がございました。
 今申し上げましたように、岡田外務大臣のアフガニスタン訪問のときに先方からは給油支援の話に言及がなかった、これは正式な会談の結果であります。したがいまして、改めてアフガニスタン側の意向を確認をするまでもない、そのように考えておりますが、いずれにしても、本当に必要とされているアフガニスタンに対する支援は何か、その側面から十分に検討して、日本の得意とする分野で、あるいは方法で積極的な活動をしてまいりたい、このように考えております。
 血税の無駄遣いを国民の直接な監視ができる制度の導入、この御質問がございました。
 新内閣は戦後行政の大掃除というものを掲げております。そのために、税金の無駄遣いを徹底して排除しよう、その方向で今見直しているところでございます。そのために、行政刷新会議を設置をして、政治主導で政府のすべての予算あるいは事務事業を点検して、行政の奥深くまで入り込んだしがらみや既得権、こういったものを一掃しようじゃないか、今まさに国民のために政治主導で頑張っている、その状況でございまして、御提案の制度もその一つの方法だとは考えておりますが、まずは国会で御議論をいただくことが必要ではないか、そのように考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁いたします。(拍手)
   〔国務大臣岡田克也君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(岡田克也君) 私に対しまして、給油活動に関する私とアフガニスタン大統領及び外務大臣のやり取りについてお尋ねをいただきました。
 私は、本年九月に国連総会出席のためにニューヨークを訪れた機会に約三十分間会談を行いましたスパンタ・アフガニスタン外相より、我が国によるインド洋での補給支援活動を継続していただけるのであれば大変感謝するとの発言がありました。
 今月の十一日にアフガニスタンを訪問した際に、カルザイ大統領から我が国の補給支援活動に関して言及はありませんでした。スパンタ外相とも六十分ほど会談を行いましたけれども、日本のアフガニスタン復興支援活動について感謝する旨の発言はありましたが、補給支援活動に対しては、大統領同様言及はありませんでした。
 以上が事実関係であります。(拍手)
    ─────────────
#42
○議長(江田五月君) 市田忠義君。
   〔市田忠義君登壇、拍手〕
#43
○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、鳩山総理に質問をいたします。
 さきの総選挙で国民は、暮らしと平和を壊してきた自民・公明政権を退場させるという歴史的な審判を下しました。日本共産党は、総選挙で示されたこの主権者の意思を実現するために全力を尽くす決意であります。
 自公政権に対する批判の根本にあったものは何だったでしょうか。社会保障制度から、年齢や収入によって、それを最も必要とする人々が排除されてきたこと、働く能力も意欲もあるのに仕事に就けず、就いた人も低賃金で働かされ、物のように使い捨てられる、こんなことが大手を振ってまかり通る社会にされてしまったからであります。農業も中小零細企業も衰退させられ、暮らしも経済も未来への展望を描けなくなってしまいました。外交に目を転ずれば、だれの目にも間違いが明らかになっているイラク戦争を正しかったと言い張り、アメリカの言うことであればどんなことにでも付き従うという自主性を欠いた外交にも審判は下されました。
 総理は、総選挙の勝利者は国民一人一人です、その一人一人の強い意思と熱い期待にこたえると述べられました。しかし、今国民が最も望んでいる重要問題については何ら具体的方策は明らかにされませんでした。
 まず、雇用問題であります。
 年末を控えて事態は深刻です。失業率も有効求人倍率も過去最悪の水準です。既に失業していて、新たな就職先が見付からないまま失業給付が切れてしまった人が次々と生まれています。このままでは昨年末の派遣村を上回るような事態になりかねません。
 しかし、先日政府が発表した緊急雇用対策では、失業給付が切れる人の数を把握するだけで、給付期間の延長の措置を講ずることにはなっていません。雇用保険法二十七条に基づく全国延長給付の発動を決断すべきではありませんか。
 また、若者や不安定な働き方を強いられてきた人々は、連続した勤務に就けなかったために、雇用保険の対象からさえ排除されています。こうした失業者に対して雇用保険の特例を設けるなど、生活支援を緊急に行うことを求めます。
 一部の大手自動車会社などは今増産に転じています。ところが、トヨタなどは、それを安定した雇用につなげるのではなく、かつて使い捨てた期間社員に、あなたの技術が必要です、取りあえず三か月だけなどと勧誘し、またぞろ短期の使い捨てを前提とした採用ばかり増やしています。
 総理、安定した雇用は企業の自主性だけに任せていては守れません。それは、この間の、財界の要求に基づく労働法制の規制緩和が雇用破壊と大量のワーキングプアを生み出したことを見れば明らかであります。今こそ雇用を守る社会的ルールを確立することが不可欠であります。雇用は正社員が当たり前、こういう社会の実現のために労働者派遣法の抜本的改正を行うこと、期間社員など直接雇用についても、期限を限った働かせ方への法的規制を緊急の措置として行うべきではありませんか。
 日本の企業の九割以上、雇用の七割を占める中小零細企業は文字どおり日本経済の主役であります。その中小零細企業が今、危機に瀕しています。借金返済に困っている企業への支援はもちろん必要ですが、それだけにとどまらず、仕事の確保を含めた総合的な緊急対策が求められます。特に、第一、中小零細企業向けの雇用調整助成金の抜本拡充、第二、大銀行による貸し渋りをやめさせ、信用保証制度の拡充、改善で資金繰りを支える、第三、大企業による違法な下請切りをやめさせる、第四、倒産、廃業しないための休業補償、直接支援を行うこと、我が党はこの四つの課題に直ちに取り組むべきだと考えますが、総理の明確な答弁を求めます。
 社会保障の削減から拡充への転換も急務であります。とりわけ、世界にも例のない年齢で医療を差別する後期高齢者医療制度は、総選挙で直ちに廃止するべきだという国民の審判が下りました。総理は廃止に向けて新たな制度の検討を進めると述べられましたが、今求められているのは直ちに廃止することであります。
 本院においては、既に昨年六月、廃止をして老健制度に戻すという法案を民主党も賛成して可決をしています。一日でも長くこの制度が続けば、その分新たにこの制度に組み込まれる人が増えます。保険料も上がり続けます。先送りすることなく、直ちに廃止することを求めます。
 今、薬害肝炎被害者は、B型、C型を問わず、すべての政党が約束した肝炎患者の恒久対策のための支援法制定をぎりぎりの思いで待ち望んでおられます。総理、今こそこの約束を果たし、今朝の答弁のような、早期に、適切にではなくて、今国会で直ちに支援法を実現させるべきではありませんか。総理の決断を求めます。
 総理は、二〇二〇年までに一九九〇年比で温暖化ガスを二五%削減するという目標を掲げられました。問題はこれをどうやって実現するかであります。一番のポイントは、温暖化ガスの最大の排出源である産業界、全体の八割を占めていますが、ここに削減のための実効ある措置をとらせることができるかどうかに懸かっています。
 ところが、鳩山政権の政策にはこの最も重要な点が欠落しています。日本経団連の自主行動計画任せでは削減が進まないことは、京都議定書締結以降、排出量が減るどころか、逆に増えてきたことを見ても明らかであります。EUなどでは、国内排出権取引制度や環境税にとどまらず、国と産業界との間で公的削減協定を締結し、削減措置を講じています。日本経団連などは国際競争力が損なわれるなどと激しく抵抗していますが、日本の大手自動車メーカーなどはEU内で操業するときには公的削減協定に参加しています。EUではできても日本ではできないというのでしょうか。こんな横暴勝手を許さず、削減協定を結ぶべきだと考えますが、総理の所見を伺います。
 最後に、日米関係についてであります。
 住宅密集地の真上を米軍のヘリコプターが飛び回るという世界でも異常な普天間基地の撤去は、一刻の猶予も許されません。同時に、米軍の基地被害に苦しんできた沖縄県民の思いは、辺野古への新基地建設も県内の移設も絶対に許せないというものであります。
 総理の選挙中の党首討論での発言は、県外若しくは国外移設でした。ところが、先日のゲーツ・アメリカ国防長官の来日を境に、この公約は踏みにじられつつあります。岡田外務大臣は、県外への移設は事実上選択肢とは考えられないと述べ、北澤防衛大臣は辺野古への移設を事実上容認されました。総理は、沖縄の方々が背負ってこられた苦しみや悲しみに十分に思いを致し、地元の皆さんの思いをしっかり受け止めると述べられましたが、もし岡田外務大臣や北澤防衛大臣の発言を総理がきっぱり否定されないのなら、政府がしっかり受け止めたのは沖縄県民の思いではなく、アメリカの思いではありませんか。
 元々在日米軍基地は日本の安全保障上の抑止力などではなく、アメリカの世界戦略上の必要性から置かれているものであって、日本防衛のためでは決してありません。ベトナム侵略戦争でもイラク戦争でも、沖縄の基地がその出撃基地として使われたことを見ても明らかであります。
 総理は、最後は私が決めると言われましたが、問題はどういう決断をされるかであります。アメリカ政府に基地撤去、国外移設の要求を受け入れさせるためには、これまでの自公政権の取ってきた対米追随の姿勢を一変させ、本腰を入れた真正面からの交渉が不可欠であります。国民の意思を背景に米軍基地を撤去させた例は、古くはフィリピン、最近のエクアドルなど、幾つも例があります。こうした立場に立つことこそ、対等な日米関係への重要な一歩であることを指摘するとともに、総理のこの問題についての基本的な考え方を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#44
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 市田議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、雇用保険制度についてのお尋ねでございます。
 平成二十一年の改正雇用保険法によって、特に再就職が困難な方々を個別に判断をして給付日数を六十日分延長したのは御案内のとおりでございまして、それで九十日プラス六十日、百五十日ということになったわけでございます。そのことで約二十四万人の受給者に対して延長を行っているという実態でございます。
 雇用保険財源が限られた中でありますので、全国延長給付の発動に対しては極めて慎重な判断をすることが求められていると思っておりますが、今後とも、個別の延長給付の活用などによって雇用のセーフティーネットを整備をして国民の皆さんの安心感を高めていくと、そのように努めたいと思います。
 また、失業者への生活支援についての御質問がございました。
 これまで雇用保険を受給できない失業者の方々に対するいわゆる第二のセーフティーネットとして、生活支援の融資や職業訓練期間中の生活保障、さらに住宅手当の支給などを実施をしているところでございます。
 さらに、今般、今年の年末年始に求職中の貧困・困窮者、苦しい方々に対して安心したお暮らしができるようにするために緊急雇用対策を策定したところでございまして、今後、この対策に基づいて失業者の方々への生活支援や再就職を機動的に行ってまいりたいと考えております。
 安定雇用の確保にかかわる労働法制についてのお尋ねでございましたが、労働者派遣法については派遣労働者の保護を強化する方向での法改正を検討中でございまして、有期雇用の在り方については現在厚生労働省の研究会で検討を行っている途中でございます。その成果を労働政策審議会における審議につなげて、必要となる施策を検討して実施してまいりたいと考えております。
 それから、中小企業への総合的な支援についてのお尋ねがございました。
 言うまでもありません、我が国の産業、雇用、暮らしを支えているのは一生懸命頑張っておられる中小企業であることは論をまちません。
 四つほどの御質問がございましたが、まず一つ目、今月二十三日に取りまとめました緊急雇用対策において雇用調整助成金の支給要件の緩和を決めたところでございます。それに基づいて全力で雇用確保に取り組んでまいりたいと存じます。
 また二つ目でありますが、中小企業の資金繰りの不安を解消するために、本日閣議決定をいたしましたいわゆる貸し渋り・貸しはがし法案でございます。これを一日でも早く成立をしていただいて万全を期してまいりたいと思います。さらには、公的金融機関に対して緊急保証やセーフティーネット貸付けの活用を促進をいたし、条件変更への積極的な対応も徹底してまいりたいと、このように思っております。
 また三つ目でありますが、さらに、違法な下請切りなどを防ぐために独占禁止法あるいは下請法の厳正な執行に取り組んでまいります。さらには、新たな法制度の整備が必要ではないかということで、それに取り組んでまいりたいと思います。
 四つ目は、倒産や廃業を防いで事業を続けていただくためには、一時しのぎの対策ではいけない、新しい仕事をいかに獲得をしていただくかと、そこにつながるような支援が必要だと、そのように考えております。それに基づきまして、技術開発あるいは販路開拓への支援、官公需に関する情報提供の充実などを行っていくということを決めたところでございます。
 後期高齢者医療制度についての御質問をいただきました。
 この高齢者の方々を年齢で差別する大変けしからぬ後期高齢者医療制度は廃止をいたします。廃止後の制度の在り方について、政権発足後に寄せられました各方面からの御意見を踏まえて、老人保健制度に戻すということより、幅広い国民の納得と信頼が得られる新たな制度を創設したいと、そんなふうに考えておりまして、決して先送りをしたいと思っているわけではありません。御高齢の方々の視点に立った真の改革を断行したいと、そのように思っておりまして、厚生労働大臣の下に近く検討会議を設置をして、新たな制度の具体的な在り方の検討を進めてまいりたいと考えております。
 肝炎患者の支援のための法制定についての御質問をいただきました。
 この問題は、御案内のとおりです。肝炎対策に係る法制定について、従前から肝炎患者の皆様方から大変強い御希望をいただいております。法制定を求めた署名も数多く集められております。大変大事な問題だと思っておりまして、肝炎患者の皆様方の思いが早期にかなえられるようにすることが大事だと考えておりますので、皆様方と一緒に適切に対応したい、そのように考えております。
 国と産業界との間での公的削減協定を締結する必要があるのではないかという御下問でございましたが、二五%の削減目標という大変大胆な目標の達成のためには、国内の排出量の取引制度、あるいは再生可能エネルギーの固定価格買取り制度の導入、あるいは地球温暖化税、こういったものの検討を始めとして、あらゆる政策を総動員しなければなかなかこの目標は達成できない、そのように考えております。
 したがいまして、具体的な政策の内容については、今後国際交渉における議論がどのようになっていくか、これをリードしていかなければならないと考えておりますが、地球温暖化問題に関する閣僚委員会等においてしっかりと検討して決めてまいりたいと考えております。
 それから、最後の普天間の飛行場についての御質問でございましたが、これはもう皆様方にも何度も申し上げたところでございますが、在日米軍の再編に関して、安全保障の観点からもこれは大変重要だという認識の下で、過去の日米合意の経緯というものも慎重に検証していく必要があると。
 一番大事なことは、国民の皆さん、特に沖縄の県民の皆様方の思いというものを受け止めて解決をしていきたいと思っておりまして、私の方から普天間の移設に関して、外務大臣と防衛大臣に対して、いろんな選択肢があるのではないか、それを今しっかりと早く調査をして結論を出していこうではないかということで指示をしたところでございまして、最後は私が判断をして決めますので、決してこのことで対米従属だと思っているわけではありません。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#45
○議長(江田五月君) 近藤正道君。
   〔近藤正道君登壇、拍手〕
#46
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。会派を代表して、鳩山政権の基本政策について質問をいたします。
 所信表明の中で総理は、人間のための経済への転換を提唱されました。市場経済の中にあって、弱者への配慮、セーフティーネット、共生思想に貫かれ、競争至上主義の対極と私は理解をいたしました。総選挙で私たちは、競争至上主義、小泉構造改革からの決別を訴えてまいりました。
 改めて、総理の掲げる人間のための経済がどのようなものか、先ほど温かい資本主義という話がございましたけれども、人々の暮らしの点から見てどういうものなのか、分かりやすく説明をいただきたいと思います。
 国民生活は豊かになるのでしょうか。競争至上主義は格差、貧困の拡大をもたらしました。厚労省の調査によれば、〇七年の相対的貧困率は一五・七%、国民の七人に一人が貧困状態です。OECD加盟国中最悪レベルであって、特に十八歳未満の子供の貧困率は深刻であります。
 総理、旧政権の負の遺産、格差、貧困の是正にどのように取り組んでいかれますか。
 福島大臣に伺います。
 総理は、所信において、失業した息子さんを自殺で失ったお母さんの悲しみを紹介されました。九八年以来十年以上、一日百人近く、毎年三万人を超える人たちが自殺に追いやられております。命と生活を守る政治の中心課題として、自殺防止に向けてどのような方策を取っていくお考えでしょうか。
 雇用問題について質問をいたします。
 年末を控え、雇用情勢は一段と厳しさを増しております。社民党は、雇用の維持とセーフティーネットの強化、失業者に対する就職あっせんと職業訓練、住宅と生活支援、雇用創出などについて政府の取組の強化を求めてまいりました。
 今回、政府の緊急雇用対策が示され、ハローワークを拠点としたワンストップサービスを主要都市で特定の日に開設することになりました。シェルターの確保についても取り組むことになりました。いまだ十分とは言えませんが、縦割りの弊害を乗り越え、広報を徹底し、利用者の立場に立って、一つでも多くのハローワークで、たくさんの時間、実効ある、愛のあるワンストップサービスが実施されるように強く要請をいたします。
 派遣村は、雇用対策の誤りがもたらした政治災害であります。年末年始、再び派遣村が必要となるような事態は絶対に招かない、国民の暮らしを全力で支えるという総理の強い決意とメッセージが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 昨夜、東京日比谷野音で、労働者派遣法の抜本改正を求める大集会がありました。会場は、使い捨ては許さない、貧困と差別の温床、派遣法の抜本改正を直ちに行えの声であふれたわけであります。政治の責任が問われております。
 現在、日雇い派遣の禁止、登録型派遣と製造業派遣の原則禁止、違法派遣の直接雇用みなし規定などを盛り込んだ改正案が労政審に諮問されております。三党合意で確認された改正案の内容を堅持し、後退を許さない、この派遣法の抜本改正案を次の通常国会で必ず成立させる、そういう総理の断固とした決意をお聞かせください。
 格差、貧困に歯止めを掛けるために三党合意に盛り込まれた男女、正規、非正規の均等待遇の実現が極めて重要であります。均等待遇の実現に向けた検討のスケジュール、道筋を明らかにしていただきたいと存じます。
 地域医療体制の再建については、この国会に提出が予定されております地域医療機構法案で社会保険病院などの存続が図られることになりますが、自治体病院、国立病院も人材難と経営難で大変な苦境に立たされております。国民の命のとりで、地域の生活基盤としてこれらの病院の存続も不可欠と考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
 また、命を大切にする鳩山内閣においてこそ、患者の皆さんの悲願である肝炎支援策の基本法を早期に制定すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 福島大臣にまたお伺いいたします。
 母子、父子、一人親家庭の貧困、あるいは女性の貧困の解消は緊急の課題であります。また、国連女性差別撤廃委員会は、本年八月、女性差別解消に向けた日本政府の取組の遅れを厳しく指摘、勧告をいたしました。現在、政府は第三次男女共同参画基本計画を策定中とのことでありますが、この計画に、女性の貧困撲滅の問題、あるいは国連の勧告をどう反映させていくのか、お聞かせをいただきたいと存じます。
 総理の温室効果ガス削減九〇年比マイナス二五%は、内外から高く評価されております。国際的な動向を踏まえて目標を設定することはあり得ても、低炭素社会の構築、エネルギー構造の転換は避けることのできない日本固有の重要問題であります。同時に、これからの日本の成長産業のかなめであり、雇用創出のかぎでもあります。温室化対策の基本法を早期に制定をし、CO2削減の具体的な政策手段の早急な整備を求めます。いかがでしょうか。
 二五%削減目標達成のためには、長期エネルギー需給見通しを改定し、エネルギー多消費型の大規模・中央集権型から、省エネ・再生可能エネルギー中心の小規模・地域分散型を中心とするエネルギー構造へと大きく転換していかなければなりません。そのためにも、エネルギー政策基本法に基づくエネルギー基本計画の見直しが不可欠と考えますが、いかがでしょうか。
 エネルギー基本計画の見直しは、旧政権下で選任された委員が占める総合資源エネルギー調査会で行われます。派遣法の改正も、旧政権下の労政審の委員が審議をしております。政官業癒着構造の中で、官僚と業界主導の隠れみのとして、官僚がいわゆる御用学者を一本釣りにして審議会の委員に選任することが横行してまいりました。戦後行政の大掃除のため、政治主導の下で審議会委員の見直し、英国の公職任命コミッショナー制度のような選任過程の透明化が必要ではないでしょうか。
 総理は、日本の環境を守り、未来の子供たちに引き継いでいくことを宣言されました。日本政府は、来年名古屋で開催される生物多様性条約COP10の議長国であります。総理、COP10議長国として、生物多様性の保全に向けてどのように取り組んでいかれるのでしょうか。
 普天間移設問題についてお聞きをいたします。
 国土面積〇・六%の沖縄に在日米軍基地の七五%が置かれている現状は、異常であり、政治的な差別であります。普天間返還の代替として、陸を削り、海を埋めてジュゴンのすむ豊かな自然環境を破壊して新たな基地を造ることは、環境の世紀と言われる今、許されるものではありません。
 現行の辺野古新基地案、嘉手納の統合案など、県内移設では沖縄県民の負担は全く軽減をされません。沖縄県の民意は、国外、県外移設であります。担当大臣レベルで様々な意見が表明をされ、沖縄県民はこの問題の行方について大きな不安を感じております。と同時に、新政権にぎりぎりまで望みを託しているのも、また事実であります。改めて総理のお考えをお聞かせください。
 九・一一事件以降、ブッシュ大統領が世界を巻き込んだ報復戦争によって、かえって世界は不安定化いたしました。アフガニスタンでは、米軍主導による軍備の増強にもかかわらず、情勢の安定には程遠いものがあります。また、隣国パキスタン情勢も悪化をしております。もはや軍事力では問題は解決いたしません。今こそ国際社会全体が対テロ戦争なるものを検証し、再考すべき時期に来ているのではないでしょうか。
 軍隊を送ったことのない日本には、アフガン周辺地域での和平のテーブルづくりこそが期待をされていると考えますけれども、総理のお考えをお聞かせください。
 問題は山積をしておりますが、真の意味の民主主義をこの国に打ち立てるために果敢に挑戦を続ける新政権に、私は希望を感じております。私もこの新政権をしっかりと支え、共に頑張ることを誓って、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
#47
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 近藤議員の御質問にお答えいたします。
 国民の暮らしの豊かさに力点を置いた人間のための経済への転換の内容についてのお尋ねでございました。
 一言で申し上げれば、経済のために人が犠牲になる、こういうような社会構造ではなくて、むしろ人の命、尊さというものをとことん大事にする新しい社会をつくり出していきたいと、その延長線上に経済が見えてくるということであろうと思います。連立政権は、したがいまして、家計に対する支援を通じて国民の可処分所得を増やして消費の拡大につなげることをそういった経済財政運営において最も重視をしてまいりたいと考えております。
 また、年金、医療、介護、こういったものを再建していかなければなりませんし、頑張っておられる中小企業に大いに支援をする、さらには農業、林業、漁業、こういった一次産業にも再生の力を与える、こういったことが大変大事だと。さらには環境を中心とした新産業を育成をする、そのことによって内需主導型の新たな産業構造への転換を政府が後押しをしていきたい、このように考えておりまして、新たな雇用の創出と安定した経済成長を実現する社会を目指してまいります。
 格差、貧困の是正についての御質問がございました。
 先般、我が国の抱える貧困の問題を直視するために貧困率というものを発表したところでございます。数値目標というものを示すことも一つの考え方だとは思っておりますが、まずは新政権として、弱い立場の方々の視点というものを尊重しながら、国民の命と暮らしを守るための雇用対策、そして家計への直接支援の政策、こういったものの推進を図って貧困問題などにも真摯に取り組んでまいりたいと考えております。
 ワンストップサービスの提供についてのお尋ねがございました。
 ワンストップサービスについては、十月二十三日に決定をいたしました緊急雇用対策の中で支援体制の強化を盛り込み、十一月下旬に東京、大阪、そして愛知などにおいてワンストップサービスデーを試行的に実施することにしております。この試行実験を行って、その結果を踏まえながら、定期開催あるいは年末年始の開催をすることを検討していきたいと思っております。
 労働者派遣法の改正についての御質問でございました。
 これは、先般も申し上げましたが、三党連立合意の中にしっかりと盛り込まれておりまして、労働者派遣法の具体的な改正内容については、その三党連立合意を踏まえて通常国会へ法案提出を目指していきたい。現在、厚生労働省の労働政策審議会で検討中でございます。
 均等待遇の実現についての御質問がございました。
 新政権は弱い立場の方々の視点を尊重する、そして国民の命と暮らしを守っていく所存でございまして、この均等待遇に関して申し上げれば、性別を理由とする差別的な取扱いを禁止する男女雇用機会均等法、さらには男女同一賃金の原則を定めた労働基準法、均衡の取れた待遇の確保を求める改正パートタイム労働法、こういったものの着実な施行によって公正な待遇の確保を推進してまいります。
 有期雇用で働いておられる方々につきましては、待遇の均衡も含めて、現在厚生労働省の研究会で検討しているさなかでございます。平成二十二年の夏ごろまでに報告書を取りまとめて、その成果を労働政策審議会における審議につなげて、必要となる施策を実施していくことといたしております。
 自治体病院、国立病院の存続問題でございます。
 自治体病院は、地域医療の確保のために大変重要な役割を地域で果たしてくださっております。国立病院も、国が政策的に実施しなければならない重要な医療を実施するとともに、地域住民に必要な救急医療なども中核的に担っている重要な病院でございます。したがいまして、国公立病院が引き続いてこうした役割を果たせるように必要な支援を実施をして、国民に質の高い医療サービスを提供してまいりたいと思います。
 肝炎患者の支援のための法制定についてのお尋ねでございますが、これも、申し上げましたように、従来から肝炎患者の皆様方からの大変強い御要望、また署名活動もいただいているところでございまして、肝炎患者の皆様方の思いが早期にかなえられますように、議員の皆さんと一緒に協力をして、適切に迅速に対応してまいりたいと思います。
 地球温暖化対策の基本法の制定と炭酸ガス削減の具体的な政策手段の整備についてのお尋ねがございました。
 この問題、基本法に関しては、連立政権樹立に当たっての政策合意において、低炭素社会構築を国家戦略に組み込んで、地球温暖化対策の基本法の速やかな制定を図る、そうされていることでございますので、これを踏まえてしっかりと対応してまいります。炭酸ガスの削減の具体的な政策の内容については、今後、国際交渉をしっかりとリードをしていかなければなりません。その中で、閣僚委員会においてしっかりと検討して決めていきたいと思っております。
 それから、エネルギー基本計画の見直しについてのお尋ねでございます。
 気候変動問題への対応を含めて、エネルギー政策を取り巻く情勢は極めて大きく変動しておりまして、国際交渉の動向もにらんで、エネルギー基本計画は、まさに必要があれば大胆に見直してまいりたいと思っているところでございます。
 それから、審議会の委員の在り方についてのお尋ねがございました。
 これまでの政府、御案内のとおり、審議会の委員について、各省庁の事務局が実質的な人選を行っていたというケースが大半であったと思っております。したがいまして、官僚にとって都合の良い人選が行われ、官僚主導型の政策決定が行われる、これを助長した結果になったと思います。
 したがいまして、新内閣では、官僚主導型による政策決定を政治主導に変えていくということでございますので、大転換をしてまいります。すなわち、今後は、選考過程の透明化を進めてまいるのは言うまでもありませんが、御指摘のありました英国の公職任命コミッショナー制度、こういった制度も参考にしながら、各省庁の政務三役が説明責任を担うという中で、政治主導で人選を実施していきたいと思います。
 なお、人選の問題のみならず、審議会の在り方自体というものもしっかりと見直してまいりたいと、これも私どもの新政権の大きな目的でございまして、御協力をよろしくお願いをいたします。
 COP10の議長国としての生物多様性の保全に向けた取組でございます。
 生物多様性というのは、まさに人間のエゴの中で多くの生物が危機に瀕しているところでございまして、生物の側から立って、人間活動の影響から彼らを守っていくことは極めて重要だと思っておりまして、来年、我が国が議長国を務めます生物多様性条約第十回の締約国会議、COP10と言われておりますが、この成功に向けて新たな世界目標をこれは提案していかなければなりません。鋭意現在検討を進めているところでございまして、まさに人類と自然とが共生する、こういった友愛社会の実現に向けて先頭を切って日本が努力をしてまいらなければならない大変大きな国際会議でございますので、成功に向けて是非皆様方の御尽力、御協力もお願いをいたします。
 それから、普天間の基地移設問題についてのお尋ねでございますが、この問題は、もう先ほどから申し上げておりますとおり、過去の日米合意などの経緯というものもしっかりと検証をしていく、そして、沖縄の県民の皆様方の思いをこれもしっかりと受け止めて、日米間で真剣に取り組んでいかなければならない大変大きな問題だと理解をしておりまして、この移設・返還につきましては、県民の思いというものを極力受けながら、私の方から、外務大臣そして防衛大臣に対して、様々な選択肢を検討するように、そして調査をするよう指示したところでございまして、最終的には私が結論を出すことにいたします。
 日本に期待されるアフガン支援に関しては、アフガニスタンの平和の達成と国の再建を進める主役はアフガニスタンの人々であることは論をまちません。したがいまして、アフガニスタンの国民の皆さんにとって本当に必要な支援の在り方というものを検討して、日本が得意とする分野において協力を申し上げ、支援をしていきたいと考えております。
 反政府勢力との和解やあるいは再統合は、これは重要な課題だと認識はしております。その意味でも、元兵士に対する職業訓練などの社会復帰支援の検討も含めて積極的に行ってまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕
#48
○国務大臣(福島みずほ君) 自殺対策についてお尋ねがありました。
 自殺者は、平成十年以降、十一年連続して三万人を超える高い水準で推移しておりまして、誠に痛ましい事態です。自殺対策担当大臣として、関係省庁、地方公共団体及び民間団体等とも連携しながら、総合的な対策に全力で取り組みます。とりわけ、経済や雇用の厳しい情勢の中で、年末及び年度末に向けての緊急対策として、失業者の方々が集まるハローワークにおいて心の健康相談や生活支援相談等の生きる支援を総合的に実施してまいります。そのようにして、当事者の立場に立って、命を大切にする政治の実現を総合的に全力で実施してまいります。
 次に、第三次男女共同参画基本計画の策定についてお尋ねがありました。
 本年八月、女性差別撤廃委員会の最終見解において多くの課題が指摘をされました。女性の貧困については、OECDが昨年公表した調査によると、母子家庭など我が国の一人親世帯の貧困率が五九%と、OECD三十か国中で最も高い水準、ワーストになっています。また、内閣府調査では、女性の貧困率はほとんどの年齢層で男性よりも高くなっています。
 現在、男女共同参画会議の専門調査会において、生活上の困難を抱える男女について、その実態、背景、課題などについて調査を行っています。今後、女性の就業継続や再就職の支援、セーフティーネットの再構築、暴力被害者への支援など、問題解決のための提言をまとめる予定です。
 第三次男女共同参画基本計画の策定に当たっては、第一に、女性差別撤廃委員会の最終見解の内容を十分に検討し、その結果を反映してまいります。第二に、生活困難を抱える男女についての提言などを踏まえ、女性、男性、子供の貧困など生活上の困難の問題もしっかり対応してまいります。(拍手)
#49
○議長(江田五月君) これにて質疑は終了いたしました。
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#50
○議長(江田五月君) この際、お諮りいたします。
 千葉景子君、簗瀬進君及び岩永浩美君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、松岡徹君、今野東君及び山口那津男君から同予備員を、大塚耕平君及び工藤堅太郎君から裁判官訴追委員を、島田智哉子君、尾立源幸君及び松あきら君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#52
○議長(江田五月君) この際、欠員となりました
 裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員各三名、
 裁判官訴追委員二名、同予備員三名、またあわせて
 検察官適格審査会委員、同予備委員、
 国土審議会委員各二名の選挙
を行います。
 つきましては、これらの各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員及び裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、これを議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員その他の各種委員を議席に配付いたしました氏名表のとおり指名し、職務を行う順序を決定いたします。
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#54
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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