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2009/06/08 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 厚生労働委員会、財政金融委員会連合審査会 第1号
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2009/06/08 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 厚生労働委員会、財政金融委員会連合審査会 第1号

#1
第171回国会 厚生労働委員会、財政金融委員会連合審査会 第1号
平成二十一年六月八日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
   厚生労働委員会
    委員長         辻  泰弘君
    理 事
                中村 哲治君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                梅村  聡君
                川合 孝典君
                小林 正夫君
                下田 敦子君
                谷  博之君
                森田  高君
                石井 準一君
                石井みどり君
                岸  宏一君
                島尻安伊子君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                古川 俊治君
                渡辺 孝男君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   財政金融委員会
    委員長         円 より子君
    理 事
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
    委 員
                池口 修次君
                川上 義博君
                主濱  了君
                富岡由紀夫君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                水戸 将史君
                峰崎 直樹君
                山下八洲夫君
                尾辻 秀久君
                末松 信介君
                鶴保 庸介君
                林  芳正君
                藤井 孝男君
                森 まさこ君
                加藤 修一君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     与謝野 馨君
       厚生労働大臣   舛添 要一君
   副大臣
       財務副大臣    石田 真敏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       財務省主計局次
       長        真砂  靖君
       財務省主税局長  加藤 治彦君
       厚生労働省年金
       局長       渡邉 芳樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
   〔厚生労働委員長辻泰弘君委員長席に着く〕
#2
○委員長(辻泰弘君) これより厚生労働委員会、財政金融委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明は、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会・国民新・日本の峰崎でございます。
 厚生労働委員会と財政金融委員会の合同審査ということで、何か厚生労働委員会で年金の質問をさせていただくのは初めてかなと思っておりますので、今日は舛添大臣、そして、いつも議論させていただいています財務大臣も是非よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 それでは最初に早速、基礎年金、これ、国庫負担というものを三分の一から二分の一に引き上げると、今回、これが一番の主眼になっているわけでありますが、これは何のために投入をされるのかというそもそもの原点を教えていただきたいと思います。
#4
○国務大臣(舛添要一君) 基礎年金の部分は、もう委員御承知のとおり、報酬比例ではありませんので、すべての国民に一定の年金を保障すると。そういう中で、社会保険料方式を取っていますが、今五〇対五〇、税と保険料でやると。そういう中で国民の保険料負担を余りに大きくしない、そういうために三分の一を二分の一という形で税金の投入比率を高めると。それによって、基本的には社会保険料、これは私は権利として社会保険料をきちんと払うんだというのはいいと思うんです。ただ、これが二〇%、三〇%と大きくなるのではなかなか、こういう経済状態もこれあり、大変だと思いますから、そういう意味で一定程度の保険料水準、これ以上高くならないよということをやるとともに、というか、もう主としてその点において税金の方で補てんすると、これが一番の本義だと思っております。
#5
○峰崎直樹君 そうすると、社会保険料として上限がある程度あって、もうそれ以上超すとなかなか大変だと。ですから、今から五年前ですか、二〇〇四年の改正で一八・三%、厚生年金、そして、一万六千九百円まで上げますよと。ここは自動的に上げていくんですよね。そういう意味でいうと、あのとき、亡くなられた山本孝史さんなんかと一緒に、これは、今までの五年に一回ずつ財政再計算をやってその上で何が必要なのかという、そういう論議がなかなか十分行かないんじゃないかということで非常に疑問に思っていたところなんでありますが。
 そこで、一八・三%あるいは一万六千九百円というのはもうこれ以上上げられない上限なんだというふうに思っていらっしゃるのは、国際的に見てそうだということなんですか、それとも負担能力という点からそういうふうに考えておられるんですか、どちらなんですか。
#6
○国務大臣(舛添要一君) それは逆に言うと、峰崎さん、給付水準とのかかわりもあると思います。ですから、負担の方を上げていくのか、逆に言うと、ないしはその負担の方を軽減させるのか、ならばその支給額の方を下げていくのかというある意味で選択肢になりますが、支給額の方も所得代替率を五〇%とモデル世帯について置いているわけですから、そこの兼ね合いだと思うんですね。
 だから、日本の場合、例えば、今現状ではすべて年金だけでやっていくということで完璧なのか、いや、やっぱりそこまではなかなか大変だろうと、だから自助努力もこれあり、そして共助、公助という形ですから、私は、直接的なお答えにならないかもしれませんが、これはやっぱり支給額との関数でもあるんで、それはおのずと国民が議論する中で、いや、やはり支給額をもっと高い水準に上げたいよと、したがって負担も保険料の負担という形でもっといいよと。
 それから逆に、今度、もう一つの考え方は保険料ではなくて、今半分が税金、二分の一ですけど、これを六〇、七〇と上げていくのかと。こういう選択肢もあり得ると思いますけど、それは、例えば五年に一遍、財政検証をやるようなときに議論をして、国民のコンセンサスを得て変えていく、そういうことだろうと思っております。
#7
○峰崎直樹君 それでは、そろそろポイントのところ、所得代替率の話もモデル計算だとか、そのモデルが本当に現代社会にマッチしているのかと、いろんな議論がありましたけど、そうすると、所得代替率を夫婦、一人の方が、要するに専業主婦で、四十年間勤めて、それで五〇・一%になるというようないろんな議論がされました。それが、いわゆる少子化だとかあるいは経済の上昇率だとか、そういう展望が狂っちゃって五〇・一%がどうも実現できないということになったら、このときにはどうされるんですか。
#8
○国務大臣(舛添要一君) 一つはマクロ経済スライド、この調整をやっていくというメカニズムが十六年の改正で入りました。それからもう一つは積立金を活用するということで、これ、積立金ばかりに頼るといずれ枯渇することになります。そして、まさにこの二分の一というのはそうなんで、このような、今三つぐらいのことを言いました。もう一つ言うと、それは保険料を一定以上にしないということなんで、この組合せでやるわけですから、当面のお答えとしてはマクロ経済スライド、それから積立金の活用ということになろうと思います。
#9
○峰崎直樹君 いや、それで、私が言いたいのは、マクロ経済スライドの問題は後でまたちょっと議論したいと思いますが、例えば少子化が非常にどんどん進んでいくと。最近、何か三年間、少子化が少し回復してきたというんですが、でもまだ恐らくその回復の率というのはそれほどないと思いますけどね。予想していたよりまだ低いと思います。そうすると、こういう少子化あるいは経済の安定的な、例えば賃金上昇率だとかいろんな要素がありましたですね、これからの見通しの。それが実現できなかった場合に、実は五〇%を切りましたと、まあ言ってしまえば、この一番モデル以外のところは大体全部下がるんですけれども。
 私が言いたいのは、その五〇・一%、ここは下げないとおっしゃったときに、結果的に下がるようになったときには、つまり国民にもう一回負担を求めるんじゃなくて、これは約束事なんだから、その分改めて財政投入というものをその時点で考える必要があるのではないかということを考えているんですが、そういう考え方について、これは財務大臣にもお聞きしておかなきゃいけないんですが、そういう発想はありませんか。
 つまり、少子化を止めなきゃいけないと。きちんとした止め方をしていない、あるいは財政支出がそれに伴っていないために少子化がなかなか止まらない、それだけの要因かどうかは別にしても。そういう目標を与えたものが、政策変数としてそれが設定されていながら、実は政府の様々な政策の結果責任としてどうもそれがうまくいかなかったと。いかなかった場合には、政府の側が、これは分かりましたと、保険料を上げたりあるいは支給開始年齢を上げたりするんじゃなくて、その分については財政的に今三分の一から二分の一にしていますけれども、じゃ、それを少し上乗せして五割に達するまで、所得代替率を上げるまで私たちは頑張りますよと、こういう約束を私はするべきじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。両大臣にお答え願います。
#10
○国務大臣(舛添要一君) 平成十六年の改正の柱が先ほど申し上げた四本ありまして、保険料率を一八・三、これ以上上げないと、例えば。それからもう一つは、やっぱりマクロ経済スライドの活用、そして積立金の活用、そして最後が二分の一に国庫負担をすると。
 したがって、例えばある年になって、とてもじゃないけどこういう目標でどれを、要するに所得代替率五〇というのはどうしても守ろうと、これがもう一番大事な目標であるよといったときに、それは平成何年度かの改正というときに、例えば今おっしゃるように財政負担の二分の一を、これ五〇%を五五にするとか六〇にするとか、それはまさに国会できちんと議論をする、そのための材料としての財政検証をやっているわけですから、それは、その可能性というのを私は排除しないと思います。
 ただし、問題は、介護保険にしても医療保険にしても保険料と税金の比率が五対五になっている、そういう中で年金だけを、まあある意味では上げること、そうすると、これはやっぱり全体の社会保障制度の構築の中で公助に当たる部分の比率をどうするかというのはかなりの議論は必要だと思います。ただ、委員がおっしゃったことは、私は可能性としてあり得るというお答えをしておきたいと思います。
#11
○国務大臣(与謝野馨君) 年金制度においては、五年に一度行われる財政検証においておおむね百年程度にわたる年金財政の見通しを作成し、仮に五年以内に所得代替率が五〇%を下回ることが見込まれる場合には、給付及び負担の在り方について見直しを行い、マクロ経済スライド調整の終了等の措置を講ずることとされております。
 したがいまして、実際にそのような事態が生ずると見込まれた時点において、社会経済情勢を踏まえ、国民的な議論を経て定めるべきであり、御提言の内容を含めまして、現時点ではなかなか判断できない問題ではないかと思っております。
#12
○峰崎直樹君 ということは、四年前のその約束した百年安心とか、いわゆる所得代替率は五〇%は必ず確保しますと言ったことが、事実上、今のお話を聞いていると、いやいや財源の問題もあって、いろんなところにやるから六割も七割も負担するわけにいかないんだとかといろいろおっしゃっているんですけど、私は、厚生労働大臣、これは、その五〇・一%というのは国民に対する約束ですと。それが実現できないときの、もし政策的な要因が原因で、例えば子育て手当が足りない、少子化対策が不十分だ、そういったところに、実は財務省にハッパ掛ける材料になるんですよ、これが。
 そういう意味で、ある意味では、厚生労働省と財務省というのは、これ今一緒に議論していますけれども、本当に必要なものであれば、やっぱりそれは財政的に負担をしてもらわなきゃ困ると。そのことを担保して、この五〇%の所得代替率というのはもう国民の約束なんだと、だからその約束を実現できそうにないときには財政負担というものはこれは当然伴いますと、私はそういうふうに言うべきだろうと思うんですね、これ、前回の選挙のときの約束事からすればですよ。
 そういう意味で、私は今の答弁については大変残念ながら不満ですし、また、与謝野財務大臣、是非そういう、この基礎年金、国民年金というのはまさにこれベーシックな所得なんでしょう。そういう意味で、私はここのところを、それは所得代替率五割をきちんと約束しますと、もちろんそのためにはいろんな条件があるということは分かっているわけですけれども、それができないときには財政的にもそのことをちゃんと担保しますと、こういう方針をやっぱり私は打ち出してもらいたかったなというふうに思うんです。
 そこで、ちょっとお尋ねします。細かい技術的なことですが、舛添大臣、今所得代替率の計算というのはどういう計算になっているんでしょうかね。すなわち、現役はこれネットですか、グロスですか。それとも、年金の所得についてはネットなんですか、グロスなんですか。これ、ネットとネットで五〇%という数字ではなかったですよね。もし事務方でよければ。
#13
○政府参考人(渡邉芳樹君) 分子の年金額につきましてはグロスで、分母の方については手取りの所得ということで、これは平成六年の改正でそのような基礎的なネットによる管理ということになっております。
#14
○峰崎直樹君 今申し上げたように、その分母と分子が違うんですよね。だから、私も昔から、やっぱり本当に国民の生活、年金生活者の安定をするのには、もちろん財源の問題というのは別途あるんですよ、財源の問題はありながらも、ネット、ネットで比較しないと、これは何だか、下はネットだけど上はグロスですよといったら、これ、グロスから最近引かれるものも随分あるんじゃないんですか。雇用保険料だ、それから税金も最近ではかなり下がっておりますから、そういう意味でやっぱりネット、ネットで私は比較すべきだというふうに思っております。これは注文でございます。
 そこで、マクロ経済スライドについて聞きます。マクロ経済スライドというのはこれまで発動されているんでしょうか。
#15
○国務大臣(舛添要一君) いや、まだ発動されているものありません。
#16
○峰崎直樹君 これから、私どもが聞いている限りでは、二〇二三年まで毎年〇・九%ずつ、物価上昇があったり賃上げがあったりしてもその分は差し引きますよと、こういうことだったんですが、今の見通しでいけば、これ、マクロ経済スライドは何年先まで延びるんですか。
#17
○委員長(辻泰弘君) 局長でよろしいですか。峰崎先生、通告ないですけど、よろしいですね。
#18
○峰崎直樹君 あっ、通告してなかったか。はい、いいです。
#19
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今回の場合は、報酬比例部分が二〇一九年まで、基礎年金部分が二〇三八年までのマクロ調整を経て財政均衡は果たされるというふうな計算でございました。
#20
○峰崎直樹君 そうすると、私どもがかねて聞いてきたときには二〇二三年度までだったというふうに聞いているんですが、延びたんですか。
#21
○政府参考人(渡邉芳樹君) 五年前の財政再計算の背景にあります経済、あるいは出生率、寿命、こういうものと、その後の経済動向、それから新たな将来人口推計、こういうものを基に計算をいたしましたところ、五年前の制度のマクロ経済スライドのその持続期間というのが十七年ほどと、こう言われておりましたのが、今回は一階部分を勘定いたしますと二十六年ぐらい必要であると。
 元々それが何年必要なのかということは法律で定められているわけではございませんで、計算により、その五〇%の給付水準を守りながら財政均衡する地点というものを明らかにして政令で定めていくと、こういうふうに法律でなっていると、こういうものでございます。
#22
○峰崎直樹君 これ考えてみたら、ちょっと本当に、質問通告していなかったので、また年金局長、答えられるだけ答えていただきたいんですが、このマクロ経済スライドの前に、二〇〇〇年から二〇〇二年にかけて、要するに一・七%本来は下げなきゃいけない年金水準を、デフレですから下げていませんよね。そうすると、まずはこれからは基礎年金で、上げなきゃいけないと思っても、この一・七%をマイナスして、それから先またマクロ経済スライドでずうっと二十何年間掛けて下げると、こういう理解でよろしいんですか。
#23
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今御指摘のとおり、かつて物価が下がりましたときに特例法でそのマイナス物価スライドを凍結いたしました。その分、今、二、三年分合わせて一・七%ぐらい本来の給付水準より高い給付水準を出しておりましたが、昨年は一・三%程度の物価上昇がありましたのでその差が縮まっております。
 ただ、法律上は、その一・七%をこなした後、初めてマクロ経済スライドが実際にスタートすると、こういうことになっております。
#24
○峰崎直樹君 そうすると、一・七のうち一・四ぐらいはもう終わったと、残りは〇・三だと、こういう理解でいいですか。
#25
○政府参考人(渡邉芳樹君) そのような計算ではございますが、今の状況は、今年は一月以降、物価が少し下がっておりますので、その残りの〇・三というものがどういうことになるかということでございますが、今回の財政検証におきましては二〇一二年度、平成二十四年度に開始をするということでございます。
 それから、マクロ経済スライド、ちょっと技術的なんですけれども、賃金が上がらないときにマクロ経済スライドを掛けるというルールはないだろうということで、そのような仕組み、細かく規定されておりまして、この間の賃金の上がらなさ具合という部分も考慮いたしますと、残っております幅というのは、先ほど一・七%引く一・三%というお話がございましたが、その賃金分を含めますと、一・七%引く〇・九%ということで〇・八%分なお残っていると、こういうのが実情でございます。
#26
○峰崎直樹君 何だか聞いていると、何とかこの仕組み、マクロ経済スライドというのを入れたんだけれども、これから日本経済、デフレ経済へまた陥るんじゃないかと、供給過剰といいますか、デフレギャップというのが相当進んでいると。
 そうすると、賃金は上がっていかない、むしろ下がる、名目では。そして、デフレは進むということになると、この何年か前に作った、二〇〇四年に多くの方々が、いや、このマクロ経済スライドというのはいいシステムですよねと、こうおっしゃったんだけれども、これ、機能するんでしょうかね。
 舛添大臣、どう思われます。ちょっと感想をお聞かせください。
#27
○国務大臣(舛添要一君) ただ、これはリーマン・ブラザーズ以来の金融危機でこういう状況になっていますけど、これが、十年、二十年とずっとデフレ経済が続くかなということから考えると、これは、いろいろな専門家の予測もありますけれども、そう長期に私はデフレが続くとは思えなくて、やっぱり名目成長率でいくと、二とか三は最低は行くんではないかなと。それはもちろん、イノベーションがあったり、いろんな、経済情勢好転する、発展途上国の更なる成長が行われるというようなことで、もっと上がる可能性もあります。ただ、それは何が起こるか分かりません、ああいうリーマン・ブラザーズのようなことがまた起こるというようなこともあり得ますので。そういう意味で、むしろデフレ基調をノーマルな状態とするとまでは言い切れないんじゃないかなと思っています。
#28
○峰崎直樹君 私は何か引き続き、アメリカもそうですし、日本もまた再びデフレ基調に戻ってしまったのかなというふうに思って、今までのこの経済見通しありましたよね、賃金上昇率幾ら、物価上昇率幾ら、それから予想利回りが四・一でしたか、ちょっと信じられないような数字が並んでいるんですね。もう一度、これは基本から直された方がいいなというふうに思っております。
 そこで、財務大臣、これ、三分の一から二分の一に上げる財源は例の埋蔵金なんですよね。大臣にとってみると埋蔵金という言葉は余り好きではないかもしれませんが。これ、埋蔵金を支出することについて、これで安定財源をしなきゃいけないといって、今回は法律改正でこういうふうにしているんですけれども、この点についてどう思われますか。
#29
○国務大臣(与謝野馨君) 国民年金法の附則には、三分の一を二分の一にするに当たっては安定財源を確保することが前提になっております。
 しかしながら、その安定財源を確保するということは、二兆五千億ほどのお金が必要になって、消費税に換算すれば一%程度のもの、これを国民にお願いできる政治的、経済的、社会的環境が整っていないということで、今後二年間についてはお金を、たまっていたものを使わせていただくということで、三年後には税制の抜本改革をやって、このための安定財源をきちんとつくらなければならないと、そのように考えております。
#30
○峰崎直樹君 前からそんなことをずっと言い続けてきているんですけれども。
 ところで、安定財源というのはどういう財源を安定財源と考えておられますか。
#31
○国務大臣(与謝野馨君) 税法の附則を今回国会で御承認いただきましたので、その税法の附則の中には、消費税を目的税として、医療、年金、介護、少子化対策に使うということが書いてありますから、安定財源といえば消費税になるということは中期プログラムから読み取れることだと思っております。
#32
○峰崎直樹君 そこで、大臣、今日一番聞きたいことが今出てきたんですけれども、目的税という言葉を使われましたよね。これ、中期プログラムをどう読んでもその目的税という言葉は出ていないんですよ。どうして、目的税と今答弁ではおっしゃったのに、この中では目的税という言葉が入ってこないんでしょうか。
#33
○国務大臣(与謝野馨君) 財政の基礎的な教科書は、税を目的税にすると財政が硬直をするということが書いてあります。しかしながら、そこには目的税という言葉は使っておりませんけれども、その使い道については明快に医療、年金、介護プラス少子化対策に使うということも書いてありますし、そのことをはっきりさせるために区分経理をするということも書いてありますから、それを目的税と呼ぶか、目的税化するかということは別にして、目的税的に使うということは明快に書かれていると私は承知をしております。
#34
○峰崎直樹君 いや、もう一回確認いたします。
 どうしていわゆる社会保障目的税というふうに文言としてこれは出てこないんですか。ごまかされるんですよ、これ。ごまかされるというか、二〇〇〇年だったでしょうか、自由党の皆さん方が自民党と連立を組むときに、消費税は福祉目的に使うということを約束をして連立に入られましたね。私、はたで見ていて、どんなものが書かれるのかなと思ったら、予算総則に書いてあるんですよ。予算総則に書いてあって、消費税の税収はこれこれですと、税として支出されている年金、医療、介護の費用はこれだけですと。だから、まだ達していないから消費税は全部こっちに使われているんですと。こういうことで、あ、これがあの連立の合意の中身だったのかと見て唖然としたんですけれども、また同じことになりませんか。今、区分経理とかなんとかとおっしゃっているけれども、どんな区分経理作るんですか。僕、見せていただきたいんですが。
#35
○国務大臣(与謝野馨君) まず、この次の機会に消費税を含む税制の抜本改革をやりますときには、仮に消費税を国民にお願いするときにきちんと説明しなければならないことは幾つかあります。
 それは、新たにお願いをする消費税の増税分はすべて国民に還元しますと、官の肥大化にも使いませんと。官の肥大化という言葉は中期プログラムの中にも使ってございますが。そこでいただいたものが全部還元されているということを基に国民に御説明することが消費税を新たにお願いできる多分唯一の道だろうという、もちろん政治的な配慮があったわけでございます。
 区分経理の仕方というのはいろいろな方法ありますが、今議論しておりますのは、国会もそのような区分経理を監視していただく必要もありますし、また独立したオンブズマン的な監視役もその区分経理には必要だという議論も実はあるわけでございます。
#36
○峰崎直樹君 まだ非常に抽象的でよく分からないんですけれども、区分経理を例えば年金、医療、介護そして子育てと、こう四つしか使わないというのはこれまでの主張ですよね。これ、後でまたそれ以外はどうするのかって聞きますけれども。
 そうすると、年金は分かりやすいんですよ、基礎年金に三分の一から二分の一ということで、これは割と入ってくるのは分かりやすい。医療なんかどうされるんですか。例えばこれ、協会けんぽあり、それから国民健保あり、そして組合健保ありと、そういうところに税がどういうふうに流れていくのか。しかも、それは国税もあるけれども地方自治体から税の負担しているものもあるねと。そういったものに、いわゆる一つ一つに、これは医療にかかわる消費税の税率ですよ、これは年金にかかわる税率ですよ、そして介護にかかわる税率ですよ、子育てにかかわる消費税の税率ですよと、こういうふうにこう分けていくんですか。
#37
○国務大臣(与謝野馨君) そういうことではなくて、入ってまいりました税は先生が挙げられたいずれかのものに充当するということでございます。それはどういう比率で配分するかは別にしまして、今はオーバーフローをする心配が全くないわけですから、年金、医療、介護か少子化対策に使うと。
 ただ、ここで技術的に難しいのは地方消費税の問題が出てきます。地方は当然自分たちの分を地方に回してくださいと、それから、入ってきた新たな消費税財源の中から地方交付税を通じて回してください、これを社会保障制度の維持のために使うという、これをどういうふうにあかしを立てるのかというのは、まだ技術的に議論が煮詰まっていないところでございます。
#38
○峰崎直樹君 要するに、もうそのことだけに使いますよということはおっしゃっているんですが、こういうことの懸念が出てくるんですよね。
 トータルとして考えたときに、今社会保障給付にかかわる国の負担というのはたしか十兆円ぐらいは赤字国債に依拠していますよね。そうすると、これからその社会保障給付に、税が例えば二%上げた、五兆円入ってきた、そのときに、この赤字国債分は五兆円をそこから外して、今の現行水準のまま五兆円だけ実は移しちゃったと。要するに財政再建ですわね。ここで言っている意味分かりますか。そういうことに結果的になっちゃって、消費税は上げたけれども、それは上げたものがその十兆円の赤字国債の上に、またもちろん負担されているものの上に乗っかっていけばいいですよ、乗っかっていけば。そうではなくて、その下の赤字国債の部分のところもずっと残したままその上にずんずんずんずん積み上げていくんでしょうかね。
 この辺り、どういうふうに設計されるのかによっては、何だ、言葉では書いてあるけれども、実際は、要するに、過去の赤字国債、そういった放漫な財政を補てんするために使うことになっちゃうんじゃないかと、こういうふうに疑っている方はたくさんいらっしゃいますよ。その点どういうふうにお考えになっていますか。
#39
○国務大臣(与謝野馨君) 元々赤字国債を出して社会保障制度の持続可能性を図っているということ自体が不健全なことであって、恐らく、先生今五兆円と言われましたが、仮に五兆円そういうものに充てられたといったら、赤字国債の発行額は五兆円減るということになります。
#40
○峰崎直樹君 そうしたら、これ、中期プログラムに書いてあることと違うじゃないですか。当面は、このいわゆる安定財源である消費税を上げたら、これはすべて年金、医療、介護、子育てに該当させますよと、一切それ以外のものに使えませんと書いてあるわけだから。ところが、いざ実際に投入されてみたら、過去の赤字国債分十兆円残っているから、この十兆円分はとにかく先に解消してもらわなきゃ困るよと、こういうふうに言われたら、それは、消費税を上げて安定財源をやったら、要するに過去の赤字国債分、すなわち過去の放漫財政のツケを五%で払うと同じことになっちゃうんじゃないですか。そういうふうに聞こえますよ、今のは。
#41
○国務大臣(与謝野馨君) 過去のものを整理するためにではなくて、当該年度に必要な赤字国債の発行額は当然減るということでございます。
#42
○峰崎直樹君 いやいやいや、だから、そこなんですよ、それではいいですか、今年は補正予算を組みましたからプライマリー赤字が二十何兆増えておりますが、要するに、この毎年の赤字分を、これは赤字国債というのは建設国債でない部分ですから、当然社会保障にも充当されている。その社会保障に充当されている分は、まず先にこの部分から消費税を引き上げて安定財源が入れば社会保障の支出が増えるんじゃなくて、この赤字国債分が減っていくだけだと、こういう理解だと、これ、中期指針に書いてあることと違うじゃないですか、これは。違いませんか。何度聞いてもこれ間違いなんだよな。
#43
○国務大臣(与謝野馨君) 先ほど申し上げましたように、赤字国債を出して医療、年金、介護をやっていること自体が不自然な、不健全なことでございまして、そういう状況から社会保障制度を持続可能なものにするためにはやはり安定的な財源を求めると。安定的な財源を求めるときには、なかなか国民の御納得も得られませんので、目的税的にきちんと区分経理をして使うということでして、過去の借金を清算しようと、そのために目的税という名前を借りるという話とは私は全く違う話だと思っております。
#44
○峰崎直樹君 確かに、今の社会保障で十兆円も赤字国債に補てんしているというのは、これは私も問題だと思うんですよ。しかし、問題であるんだったら冒頭にそれを書いて、これから上げる消費税については、要するに赤字国債分のところに補てんしているものをまず解消しますと、その上で充実していくものを上げていきますというふうに書かないと、何だかこれを読むと、いやいや、要するに今支出している分は変えないと、当分変えないと。そして、上がった分だけは社会保障支出に回しますよと、こういうふうに書いてあるようにしか見えないんじゃないんですか。
 これはちょっと書き直さないことには、全然これ、中期指針がもうがらがら狂ってしまいますよ。
#45
○国務大臣(与謝野馨君) どこかの文章でツケを将来世代に回さないということが書いてあります。それは要するに、今までの話は別にして、これからやる、出ていくお金を将来世代にツケ回しをしないと、すなわち社会保障制度を維持するための過大な赤字国債の発行は避けようと、将来に向かっての話をしているわけでございます。
#46
○峰崎直樹君 私、この間、予算委員会でこのことを追及して、ああ大丈夫かなと思って今日改めてもう一遍追及しているようなものなんですが、ここに書いてあります、中期指針の中の安心と責任のバランスの取れた財源確保と書いてあります。おっしゃっている中身は、消費税を主要な財源として安定的に賄うことにより、現世代の安心確保、これ社会保障給付ですわ。そして、将来世代への責任のバランスを取りながらと書いてある。
 そうすると、どちらを優先するんですかということを、私、この間の予算委員会で聞いたんですよ。いや、それは現役世代の安心確保を優先するんです。つまり、将来世代への責任というのは、これは過去の累積債務、そういったものでどうしても返さなきゃいかぬと、早く返さないと次の世代に全部ツケを残してしまうと。これ、両方同じように書いてあるものですから、これを読んだ人たちはみんな、これどっち、どうするんだろうな、優先順位どうするんだろうなと、まさか同時にやるというふうに言うわけでもないだろうなと、ここをみんな疑問に思っているんですよ。
 それで、二回目、改めて私が聞くんです。消費税の引上げは一銭たりとも過去の累積赤字には使わないと、こう言っているわけですから、それはいわゆる現在十兆円の赤字国債として社会保障財源に充てられているものも含めてこれは当面使いませんと、こういうふうに私は答弁されるのが筋じゃないかと思うんですが、違いますか。
#47
○国務大臣(与謝野馨君) 簡単に言えば、将来の借金を返すために税制抜本改革をやるんではなくて、将来に向かって年金、医療、介護の制度の持続可能性を図ると。そのためには、借金をしながらその制度の持続可能性を図るということではなくて、やはりきちんとした安定財源を求めて、また将来の世代にツケを残さないような形でこれからの社会保障制度を何とか維持していこうと、そういうことが書いてあるわけでございます。
#48
○峰崎直樹君 これは、何でこんなに言っているかというと、私、前回予算委員会でもお話ししたように、一九九四年の税制改革で消費税を三%から五%に上げました。あのときに朝日新聞の世論調査を見たら、消費税を上げるときに財政再建のために使うんだったら反対だ、年金や社会保障の充実に使うんだったら賛成だと書いてあったんです。
 一九九七年に橋本内閣のときに、九四年に決めて減税先行ですわ。そして、二%上げるのは九七年の四月一日から上げたんですよね。そのことを出して、なぜあのときに国民の皆さんから反発を食らったのかと。やっぱりこの消費税というのは、絶えず少子高齢化のためにとか福祉のためにとかということをずっと言われ続けながら、それが充実していなかったじゃないかと、これが実は非常に反発の中にあるわけですよ。
 今度も、いや、今度こそ間違いないんだろうな、こう書いてあるけれどもというのは、一つだけ不安なところが、消費税を主要な財源として扱うときに、現役世代の安心確保、ここにまず重点を置きますと、ここだけ書いてあればいいんですけれども、将来世代への責任のバランスを取りながらと、こう書いてあるから、ああ、これは消費税上げたものも今赤字国債として使われているところも、直ちにそれが適用されるとなると、国民の目から見たら、消費税ってそんなに簡単に上げられる税じゃないですよね、二%上げるのも大変なことですわ、その上がったものは、実は赤字国債部分だけ減らして、そしてレベル、水準そのものは変わらないということであったら、これは国民はだまされたというふうにまたなりませんか。
 しつこいようですけれども、もう一遍お答えください。
#49
○国務大臣(与謝野馨君) 我々もちょっと率直に実は考えておりまして、これから、一つは、本当に消費税をお願いする段階で国民にどう説明したら御理解をいただけるかと、これが最も心配なところでございます。これは与党の心配でもありますし、各党が仮に将来消費税を取り組もうというときに国民にいかなる説明をすれば、国民が、それでは致し方がないなと御納得いただけるかと、こういう議論を随分しました。
 これは、やっぱり自分に全部返ってくる、自分たちに何らかの形で返ってくるということをきちんと担保しないと、こういう税制改革はできないんだろうと。それはやっぱり社会保障に使うことではないかと。それから、社会保障制度は維持をしなければならないけれども、今の財政構造では赤字国債を増発しながら社会保障を維持していくということになって、結局は将来の世代がこの借金を背負うことになると。これはやっぱり現代を生きる我々としては責任を果たしたことにならないと、そういう議論でございました。
 元々、特定の税目を目的税化するということについては、主税局的には物すごく反対だったわけでございます。しかし、この三年ぐらい前から、これだけ社会保障費が大きくなってきた場合、やっぱり税をお願いして社会保障制度、年金、医療、介護を確かなものにするということは財政の硬直化という議論よりもはるかに勝る議論であって、主税局も今は、目的税化してこの四つの分野にだけ使う税制として将来の国民の御負担をお願いするということで納得をしております。
 ただ、よく言われる話は、税上げて過去の借金片付けるのに使うんだろうと。そういう気持ちは実は全くなくて、やっぱり今の社会保障制度を維持するためにはこういう目的税的に使える税を全部充てると、財政再建の方は既定経費の節減、歳出改革、また経済成長あるいは他の税目の改革、こういうことによって財政再建を図っていこうと、こう二つに実は分けて中期プログラムは作成をさせていただいたわけでございます。
#50
○峰崎直樹君 私はどうしてもこれ、そう、大臣が今おっしゃられている、先に赤字国債部分を解消するんですと、社会保障の掛かっている赤字国債分が十兆円ありますと、消費税を上げてもそこをまず解消するんですというふうには読めないんですよ、これ、中期指針を読んでも。
 舛添大臣はどういう理解をされていました、今のやり取りを聞かれて。
#51
○国務大臣(舛添要一君) 例えば、具体的な例を、どれを挙げてもいいんですけれども、今十兆円という数字が出ましたですね。簡単に言うと、これ、税率どれだけ上げるかという上げ幅にもよりけりですけれども、十兆円分そのまま上げた、それを今、赤字国債で賄っている部分も消費税で賄うということになれば、消費税自体の使い道は、今委員がおっしゃったように、国債の代わりに使ったという言い方も財政再建用だということもできますが、項目的に言うと、これは医療の財源として使ったという言い方もできます。
 そして、仮に十兆円ではなくて、例えば十二兆とか十五兆の上げ幅になれば、まず十兆で国債分を賄って、そして、その二兆円分が更に上増しの社会保障の財源として使ったと、そういうことの理解になり得るんだろうと思います。
 それから、そういうことによって社会保障制度の機能強化が行われればセーフティーネット機能を通じて社会の活力が増大する、働く意欲も出てくる、そこから当然何らかの形でGDPの上げ幅になってきますから、その面からも財政再建にも資するだろうというふうに思いますので、どういう項目に仕分をするかなんですけれども、私が持っているイメージは、実を言うとそういうイメージであって、じゃ、解消された十兆円分の赤字国債がそのまま、ですから財政再建化に行くのか、それとも、それは例えばほかの分野の支出を賄うために行くのか、そこのところはまさに予算編成過程で相当踏み込んだ議論ができるんではないかと思っております。
#52
○峰崎直樹君 今聞いていて、多分、厚生労働委員会でも議論になっていると思うんですけれども、今の、年金はさておいて、医療はどんな状態になっているんですか、介護はどんな状態になっているんですか、子育てについてはどうなっているんだ。これは社会保障国民会議が去年十一月に答申を出しましたよね。そのとき必要とされる財源も出しました。教育についてはOECDの中でもう最低のところに来ているんですよね、これ、消費税で賄うということを言っていませんけれども。
 要するに、もう社会保障と言われているものが破綻状態になっているんでしょう、二千二百億円毎年削減されて、小泉改革の中で。それで、今我々が求めているというのは、社会保障の機能をアップしましょうというのが去年の社会保障国民会議の答申なんでしょう。ということは、今までの小泉・竹中路線とは、僕、断絶したと思っているんですよ、明らかに。
 そうした場合に、そうは言ったって、過去いろいろやってきたけれども、赤字国債を出さざるを得ないところまで社会保障支出の中には自らの財源では足りないものが入っていますと、そこからまず私たちは解消しますよと、こういうふうに書いてあるのなら、正直に、私はそれでいい。
 だけど、今必要とされているのは、社会保障にとって必要なのは、医療も年金も介護も大変じゃないですか、じゃ、それはどうしますかと言ったら、これは社会保障、これから必要とされるのは消費税であげますよ、ほかのものに使いませんよと言ったら、みんな赤字国債支出分については後回しだなと思うんですよ。そう思いませんか。つまり、もっと言えば、財政再建成って国民生活かれるということになるんですよ。そういうふうになりませんか。どうぞ。
#53
○国務大臣(与謝野馨君) 今月末に中期プログラムも改定をいたしますので、先生の御指摘のあったような点はきちんと、はっきりと書くことといたします。
#54
○峰崎直樹君 分かりました。じゃ、是非これはきちっと書いていただきたいんです。
 私の個人的な見解は、もちろん民主党が政権を取ったときに財源のつくり方その他はもういろいろと指摘されているところなんですが、私は国民の皆さん方に、まずはいわゆる社会保障給付をきちんとしましょう、とりわけ現物サービスの分野はしっかりやらなきゃいけないと。これをまずやって、国民に安心できる実態をつくった上で、ああ、政府は信頼できるなと。その段階になって初めて財政再建の問題、特に赤字国債で今まで負担していて、これは申し訳ないよね、まずこれが先だよねと、こういう議論が次に出てくるんだろうと私は順番的には思っていたんですよ。だけど、今のお話を聞いていると、これは正直に是非諮問会議で議論して方針を出してください。
 これは多分、今度の国政選挙において、まずは、消費税を三年後に上げると言っているけれども、それは赤字国債が先ですよという議論が展開されていくんだと思うんですよね。私も赤字国債を出し続けることに対しては反対なんですけれども、そこは、どういう順番で行くかということについては大変私は重要な点だと思うんですが、舛添大臣、それでいいんですか、今の案で。
#55
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど来、峰崎委員と与謝野大臣の議論のフォロー、フォローというか、その上でどうかということをお尋ねになりましたのでお答えをいたしましたけれども、私は、長期的な国家目標としては財政再建というのもこれは当然ないといけない。しかし、社会保障の機能が劣化していること、これは緊急に回復しないといけません。したがって、二兎を追っていいんだと思います。
 ただし、どういう順番とかプライオリティーとか、例えばほかの項目について無駄があるならば、そういう判断をするならば、そこは財政再建を先にすればいい。ただ、やっぱり社会保障機能については私は急速に機能強化を図るべきだというふうに思いますから、その優先順位の決定の仕方、それは今与謝野大臣がおっしゃったように、骨太の中できちんと我々政府全体として書きますし、これは政党レベルの話になると、もういずれ総選挙がありますから、どういう形で来るべき社会の姿を描くのかということで、私は、やっぱりセーフティーネット機能の強化、そしてその財源を担保するための経済成長力の強化、この二つが大きな柱になるだろうと思っております。
#56
○峰崎直樹君 舛添大臣の基本的なところの考え方は同じなんですが、これだけたまりにたまった財政赤字の問題も、私たちも大変これは危険視していることは間違いないんです。その意味では、これは順番を間違えると、恐らく国民の皆さん方にとってみたら何のための消費税の引上げなのかと、こういうふうになると思うんですね。
 さて、先ほど、文言をきちんと入れるということでございますので、その文言を私たちも是非注目をしておきたいというふうに思いますが、先ほど、舛添大臣、消費税を、消費税じゃないですね、基礎年金を二分の一、五〇%、恐らく国費が五〇%以上入っているものは保険の中にはないんだろうと思うんですが、先ほど、六〇%にすることや七〇%にすることはあり得ると、こうおっしゃいましたけれども、それは現実にあり得ると思っていらっしゃいますか。
#57
○国務大臣(舛添要一君) 私は、学者の時代にいろいろ年金制度、諸外国のものも研究して、ある一時期に書いた論文は、基礎年金について言うと、これは全額税で見よう、そしてそこから先の報酬比例についてはこれはまた考えるけれども、年金の最低保障機能を高めるという意味ではこの部分、今六万六千円ぐらいですけれども、その水準を例えば仮に十万とか、そこまで行かなくても八万とかに上げるとすると、そこ全体は、基礎年金部分は全額税というのはどうかなと、そういう方式で論文を書いたこともあります。
 ただ、要するに考え方として、五〇を六〇、七〇という形に上げていくということになると、これも可能性はあると思います。一〇〇まで行っちゃえばまさに全額税方式になるんだけど、ただ、要するに自助というコンセプトが、概念がなくなっていくだろうというのはあるんです。ですから、それは五〇を六〇ぐらいまでに上げることはあるかもしれぬ、もっと言うと七〇ぐらいまで上げることはあり得るかもしれないけれども、八〇以上になるとほとんど全額税的になるんで、これは余り仮定の議論で数字の議論をしても意味はありませんが、そこは自助、保険料方式、掛金方式のいいところはやっぱり残したいなというのはあります。
 だから、そこは国民にとってみればどっち側の負担がいいのか。例えば消費税という形でそっちに大きなウエートを置いた方がいいのか、やっぱり保険料でそこそこ払った方がいいのかと。これは哲学を含めていろいろ考え得ると思いますけれども、私は、今申し上げたように、考え方としてはあり得るけれども、やっぱり自助という概念を残すなら五〇かなというような気もしているんですね。そこはもっと議論をしたいと思います。
#58
○峰崎直樹君 最近、全額税方式を取られるといいますか、考え方を持っておられる方が、これもいろんなバリエーションがありますから簡単には言えないんですけれども。そうすると、舛添大臣は全額税方式というのは、これは自助努力を失ってしまうという、そういう考え方に立っておられるということですか。
#59
○国務大臣(舛添要一君) 私は、日本の社会保障制度の三本柱、自助、共助、公助、これは間違っていないというふうに思っております。
 介護保険を入れるときに、私もこれ消費税で全部やったらどうか、税方式でやったらどうかなということもあったんですけど、そうすると、特養なんかで言わば行政措置として行われている、あるいは生活保護もそうなんですけど、そこと何が違うんだろうかと。そうすると、生活保護との違いということも考えると、やっぱり自助の部分がなくなっちゃうんじゃないかなと思うので、私は介護保険のときに、やっぱりこれは保険料がいいというのは、権利として、私は月四千円でも五千円でもこう払っているんだ、堂々と権利として。
 ところが、そんな後ろめたい気持ちを持つ必要はないですよ、生活保護にしても行政措置にしても。だけど、どうしても、いや、何か人様の税金で私はやってもらっているという、そういう気持ちを持たれる方がおられるんじゃないかなと。そこをおもんぱかって、いや、あなたはもう毎月四千円も払っているんですから堂々と権利ありますよという、こういう権利性と自助性ということで、私は保険料方式の優れた面はあるというふうに思っております。
#60
○峰崎直樹君 この問題は、その全額税方式の議論というのは恐らくまた選挙のときの争点なんかになってくると思いますので、大いにまた議論をしていきたいと思っておりますが。
 先ほどのマクロ経済スライドで、この基礎年金の水準というのはマクロ経済スライドが確定した先では一五%下がるというふうに聞いているんですが、六万六千円が、実質ですよ、今の値段に直して五万円台の半ばになるというのはこれは間違いありませんね。
#61
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。
 先ほどちょっと答弁の中で、急でございましたので、昨年の年平均物価上昇率をつい一・三%と申し上げたんじゃないかと思いますが、これは一・四の誤りでございます。
 それから、賃金が低かった分ということは、正確には、過去に物価より賃金が低かった分〇・五%と一・七と一・四の間で〇・八という関係でございます。大変失礼いたしました。
 それから、今お尋ねでございますが、十六年改正の際のマクロ経済スライドは、二〇二三年までの十七年間で一階、二階通じて約一五%の給付調整、ただし名目額下限制度でございますので、実際にもらう年金額の生額はこれはじわじわと上がっていくと、こういうものでございます。
 今回も同様でございます。年数が違いますが、五〇・一%になるときの基礎年金というのはお二人で十九万一千円、今の価格に戻しますと十四万円でございますので、七万円年金ということになろうかと思います。
#62
○峰崎直樹君 それは二〇三八年になって、これ、マクロ経済スライドは二〇三八年まで伸びると言っていましたけれども、それも大体一五%下がるのはそこだと、こういうことですか。
#63
○政府参考人(渡邉芳樹君) 失礼いたしました。先ほど先生一五%という数字をおっしゃったのに、それに対するお答えをしていませんでした。
 今回の計算は、二〇三八年まで通じていきますと一九%の給付の調整ということになります。
#64
○峰崎直樹君 舛添大臣、このいわゆる基礎年金、国民年金の水準というのは、いわゆる生活保護の、先ほどちょっとおっしゃいましたけれども、それよりも低いところ、まあすべてとは言いませんよ、夫婦の場合ですから、十三万二千円フル年金でもらう人もおられますから。ですから、そのいわゆる基礎年金と言われているものが今約一九%下がると、二割下がっちゃうと。一五%どころか、また更に下がると。本当にこれで、じゃ基礎年金の体を成すのかなと。
 と同時に、先ほどいわゆる生活保護の問題をおっしゃったんですけれども、これ、生活保護の在り方についての改革とこの基礎年金の改革というのは、私はやはりしっかりと連動していくべきじゃないかなと思っているんですが。特に高齢者の、六十五歳以上を過ぎた人のいわゆる生活保護の比率が高いですよね。その方々は本当に軽いミーンズテストにして、ほぼこの国民年金を自動的に、基礎年金をフルで満額受けられるような方向に変えていくべきじゃないかと、こういう意見があるんですが、こういった点を含めてどういうふうに考えますか。
#65
○国務大臣(舛添要一君) セーフティーネットをどういう手段で張り巡らすか。生活保護も一つの手です。年金もそうです。私は、今の年金はそういう意味でセーフティーネット機能が完璧ではない、十分ではない、とりわけ、今おっしゃったように最低限度、最低保障額はこれは引き上げる必要があるというふうに思っています。したがって、政府の中でも、低年金、無年金対策、最低保障をどう引き上げるかということが大きな課題になっています。六万六千円、夫婦だと十三万二千円ありますけれども、単身家庭の六万六千円というのは非常に生活、特に大都会では難しいというような問題もありますから、これは早急に是正する方向で我々も既に検討に入っております。
 民主党の皆さん方も、最低保障年金をどういう形で担保するのかと、これはいろんな案をお出しになっているので、ここは生活保護との比較においても是非早急にセーフティーネット機能の向上ということをやらぬといかぬと思っております。
#66
○峰崎直樹君 財務大臣に、先ほど、これから書く文言の中に先ほどの主張が盛り込まれるということなんですが、改めて、消費税については、これは目的税にするという、目的税というのは目的税化じゃないですよ、社会保障目的税にすると、これは書かれますか、書かれませんか。
#67
○国務大臣(与謝野馨君) 具体的には一、二年後に行われる税制抜本改革の議論の中できちんと決めなければなりませんが、目的税化、目的税という選択があれば、それは素直に目的税と書いて何の差し支えもないと思っております。
#68
○峰崎直樹君 そこで、お伺いします。
 世界で付加価値税、日本で言えば消費税ですけれども、これを目的税にしている国はありますか、先進国で。
#69
○国務大臣(与謝野馨君) 付加価値税の一部を社会保障目的に支出することが義務付けられている国は、例えばフランス、ドイツがあります。
#70
○峰崎直樹君 これは一部ですよね。
#71
○国務大臣(与謝野馨君) 一部でございまして、フランスにおいては、社会保障法典や予算法によりまして、たばこ、医薬品、アルコール飲料にかかわる付加価値税収を家族手当、老齢年金等の財源に充当することが規定されております。
 ドイツにおいては、財政調整法、すなわち税収の配分方法を決定する法律によりまして、付加価値税収の一定割合、すなわち二〇〇九年は約九・二八%を公的年金の助成及び失業保険の財源に充当することが規定されております。
#72
○峰崎直樹君 そこで、ちょっと逆説的に聞きますけれども、我々が基幹税と、基本的に非常に重要な税収が非常に上がってくる税として通常は所得税、それから法人税、それから消費税と、国税でいえばこの三つが非常に大きいですよね。法人税についてはちょっと外して、なぜ所得税というのがこの安定財源の中の税収として入ってこないんでしょうか。
#73
○国務大臣(与謝野馨君) 国はいろいろな仕事をしておりますので、所得税は他の一般歳出に使うということを前提に考えたというよりは、むしろ消費税をお願いする場合にはどういう理屈立てが必要かと、どういう説明ぶりが必要かということで消費税を中心に書いたわけでございまして、所得税を使うべきだとか使ってはいけないとかという議論は、中期プログラムを作成する過程で実はそういう議論はしておりません。
#74
○峰崎直樹君 ちょっと、これは年金の方に絡めてお話をするんですが、これ、全部これからは消費税は二分の一入ると、これは全部基礎年金部分ですよといったときに、過去もう既に既裁定年金もらっていらっしゃる方は、自分はもう年金保険料払ったぞと、そしてそこにもってきてなぜ消費税として、これはもう明確に、明瞭に上がるでしょう、一%とか二%は消費税を上げておると。これ、おれは二重払いになるじゃないかと。これ、どう思われますか。
#75
○国務大臣(与謝野馨君) これは年金の全額税方式のときにも実は出てくる議論でございまして、年金を全部税収で支えるという議論には、実はその問題、過去まじめに払ってきた方の問題と法人の負担している分、こういうような問題がありまして、やはり全額税方式に移行するには数十年掛かると言われているように、やっぱり公平性の観点から、どこまで税を国民年金に入れることが社会的な公正性を維持する上で可能なのかという議論は、もう少しきちんとやらなきゃいけない議論だと私は思っております。
#76
○峰崎直樹君 ちょっとテクニカルになりますけれども、舛添大臣、いや、消費税上げても、全額税方式で上げてもいいんだ、消費税が上がった分は物価が上がるじゃないかと、物価が上がればそれがスライドしていくじゃないか。まあ、もちろんマクロ経済スライドなんというのに引っかかってくるやつがありますけれども。そうすると、それは実はその一年遅れか何かで補てんされるんだからそれはそんなに問題にすることないと、こういう意見があるんですが、そういう点についてはどうですか。
#77
○国務大臣(舛添要一君) 既に受給している方々はこれまで四十年以上にわたって年金の掛金を払ってきた、そこで今の意見があっても、これはやはり、今例えば六十五歳の方は、あと二十年生きるとすると、ずうっと更に二十年消費税払い続ける、何たることかということになるとともに、もっと言うと、無年金者がいます。無年金者とか低年金者は掛金払っていないからもらえないんです、二十五年払っていないからもらえない。ところが、何にももらっていない、もらってもスズメの涙しかもらっていないのに、何で今私の消費税から払わないといけないのという議論は必ず出てくると思いますから、物価スライドどころの話ではありません。
#78
○峰崎直樹君 いや、実はそれも指摘しようと思ったんです。つまり、いわゆる目的税化というのは、目的税にしたらそういう問題、もろにもう実はこれ説明責任として出てくると思うんですよ。だから、そういう点も含めて是非中期指針に書いていただきたいんですが。
 さらにちょっと、いっぱいあります。
 なぜこの安定財源という中に消費税を入れられたのかというときに、やっぱり税収が安定しているからだとよく言われるんです。本当にこれ、税収が安定しているんだろうかなと私はかねがねこの消費税を思っているんですが。
 その前に、お手元に日本の社会保障の、ジニ係数で見て所得再配分機能が一体どうなってきたのかということについて、これ厚生労働省の資料でございますが、ずんずんずんずんジニ係数が悪くなっちゃったんですよね。その中で社会保障による改善度は、これは比較的上がってきている。高齢化によるものじゃないか、年金、医療、介護じゃないかと言われているんですが。税による改善度は二・九から〇・八というふうに、もうほとんど税というのはこの所得再配分機能がなくなったんじゃないかと言われているんですよ、ですよね。
 これは、なぜこういうふうになっていったんだろうかということを考えたときに、一九八九年に消費税が入るわけですね、所得税が減税されます、直間比率が改正されてきます。そうすると、所得税の方は累進課税ですから当然のことながら所得再配分機能が強い、それをいわゆる比例税率の消費税に入ってきますから、これ落ち込んでいくというのはよく分かるし、最高税率が下がってきたわけですね。
 与謝野大臣、かねがね社会民主主義というのはまさにこの所得再配分機能を強めることだ、自由民主党というのはそういう所得再配分機能を強めることに努力をしてきた政党だと、こうおっしゃられているので、この数字を見たときに、そうすると、これから安定財源として消費税を使って、所得税を使わないというのはなぜなんだろうかなと。その辺り、ちょっと合理的に説明していただけませんか。
#79
○国務大臣(与謝野馨君) 所得税が明らかに所得再配分機能を失いつつある、あるいはその機能が少なくなってきたというのは、やっぱり税法の改正が一つ大きな影響があります。それは、最高税率を下げました。それから、所得税の税率構造が変わったと、こういうこともあります。
 社会保障財源にふさわしいのは、すべての国民が何らかの負担をしていると、やっぱりその上に社会保障制度が成り立っているという、国民と税と制度がつながっているということが私は大変大事なことだと思っております。所得税は課税最低限を相当上げてきましたし、今所得はあるけれども課税最低限に達していない方は恐らく千七、八百万人おられるんじゃないかと思いますが、税を通じての国、社会と自分のつながりがなくなっちゃっていると、そういう問題も実はあるわけでございます。もちろん所得税を社会保障に使っていけない理屈はどこにもないと思いますけれども、消費税の方がよりふさわしいということだろうと思っております。
#80
○峰崎直樹君 今のお話聞いていて、消費税の方がふさわしいというのは、全国民が何らかの形でつながっておいた方がいいとおっしゃったんです。でも、税の負担というのは、これは憲法第二十五条の朝日訴訟というのがあります。要するに課税最低限というのは、もう最低生活費には課税しませんよというのがあった。ところが、消費税はそういったことは全くお構いなしに税が課税されるわけですよね。それだけにこれは逆進性があるということで非常に問題じゃないかと指摘されてきたわけです。
 だから、そうすると、この消費税を、私も消費税に頼らなきゃいけない分野はあると思うけれども、しかし、まず最初に消費税じゃなくて、所得再配分機能のある所得税なるものをもう一度見直してみたらどうかと、そこのところの視点が全然出てきていないと私は思うんですよ。百四条、今年の所得税法改正の附則百四条の中には、その所得再配分機能を高めるための努力を進めようと、こうなっているんです。
 そこで、お手元の資料二枚目を見ていただきたいんですが、所得税の平均実効税率ということの負担表を見ていただきたいと思います。一番下が平均実効税率負担ということで、これ二〇〇四年度ですが、石先生のやり方でこれは関口さんという立教大学の先生が作られた資料だと思いますが、見てください、二千五百万円を超えると実効税率が下がっちゃうんです。上の方に、本来ならば分離課税じゃなくて総合課税にすればこれだけ取れていますよ、除外項目による課税漏れがこれだけありますよということで、理念的な平均実効税率は二千五百万円超でいくと二〇%を超えるんだけれども、実際は一四%で二千万から二千五百万円のところよりもむしろ低くなっちゃう。次のページも、今度は社会保険料を入れて計算してございます。
 何でこんなふうになるのか。金融所得が分離課税になっているからなんですよ。しかも、最近の配当やあるいはキャピタルゲイン課税は一〇%なんです。
 今、これだけ経済情勢厳しい。私、諸外国の、オバマさんのアメリカのやり方もイギリスのやり方もドイツのやり方もずっと見ているときに、こういう厳しいときには高額所得者の人に少し負担してもらおうじゃないかという本当に素直な発想が出てくるんですよね。こういうふうになっていった背景には、小泉・竹中路線で、いや、お金持ちの所得を上げればやがてはそれはトリクルダウンで下の方まで全部良くなっていくんだという例の有名な話があるんですが、全然それは実現しなかった。私は、こういうときにやはりもう一回原点に返っていったらどうでしょうか。そうすると、やらなきゃいけない課題というのは当然こういうものが出てくるんじゃないでしょうか。総合課税化、総合課税で金融所得も一体にしたらどうですか。
 私は、実は年金所得もあるんですね。国会議員が今、私の場合は厚生年金や国民年金に入っていますから、当然のことながら年金が当たります。そうすると、今、この給与所得としての国会議員歳費に年金が入ってくるんです。これ返せばいいというやり方はもちろんあるんですが、これは課税がほとんど掛からないでしょう、今、分離課税ですから。これを総合課税にすれば一体どうなるかというと、最高税率が三〇%ぐらいまで行っていますから、百五十万例えば収入があったとしたら、四十五万円は税で持っていかれるわけ。こういう形でやれば、実は非常に高額の所得と高額の年金所得がある方の課税というのは合理的になるんじゃないかなと。
 そういう意味で、総合課税という考え方は、私は恐らく、シャウプさんが来て今年で六十年目ですわ、一九四九年です。依然として、私は日本の所得税の体系はシャウプ税制以来の総合課税が原則だというふうに聞いていますが。
 そういう意味で、二元的所得税に行く前に、こういう厳しいときには高額所得者のいわゆるキャピタルゲインとかあるいは配当所得とか、こういうところも含めて負担をしてもらうというやり方に変わるということは少し考えてみられる必要があるんじゃないでしょうかね、どうでしょうか。
#81
○国務大臣(与謝野馨君) 所得税制の最高税率は、少なくとも我が党の中の議論を聞いておりますと、国、地方を合わせて五〇%というのは最高税率としては低過ぎるという議論が非常に強い。したがって、次の税制抜本改革のときには、明らかに税法の中にも書いてあります、直接的には書いてありませんけれども、最高税率を上げようと、こういう議論は出てまいりますし、私個人としては五〇%の最高税率は低過ぎると。これは税収の話だけではなくて、格差感とか不公平感とかやっぱり世の中に生じてしまうのではないかと、そういうふうに思っております。
 それから、総合課税についてはそうあるべきだと私は思いますが、実際にその年ごとの株価水準等を考えるとなかなか踏み切れていないというのが現状でございます。
#82
○峰崎直樹君 いや、株価が低くなったからこの総合課税をやめるというんじゃなくて、あれ、株価損したときには累損で落とせますからね、総合課税になった場合は。つまり、キャピタルロスを所得から引けるんですから、決してこれは高くなったときだけ取ろうというのではなくて、これ、いわゆるそういうある意味では相互的な作用を持っているので、それはちょっと私はいかがなものかなと思っていますが。
 確かに二元的所得税という考え方も分からぬわけじゃないですね、金融所得の逃げが早いということは分かるんですが、それは、しかし、スウェーデンなんかを見ていると相当高いですよ、三〇%ですよ、その金融所得の税率というのは。今、日本一〇%でしょう。かつては、株式公開したときには特例で五%になったこともありますよ、株式公開のキャピタルゲインが。なものだから、物すごいキャピタルゲインを持ったお金持ちが現れてきて、ヒルズ族とかいろんなのが出てきたわけですよね。
 そういう意味で、もう一度、今おっしゃられたんですけれども、では、最高税率どのぐらい考えていらっしゃるんですか。
#83
○国務大臣(与謝野馨君) これは二つありまして、最高税率をどの水準から掛けるかという所得区分の問題と税率の問題と両方あると思いますが、少なくとも党内の議論を聞いておりますと、税率だけを上げた方がいいと。所得区分の最高税率がどこから掛かるかという議論は実は余りされておりません。
#84
○峰崎直樹君 これは釈迦に説法ですけどね、過去ずっと税率下げてきたときに、通常はそのレーガン第二期税制と同じで、課税ベースを広げて、そしてその税率を下げていくと。ところが、課税ベースは狭まって税率だけ下げてきたんですよ。だから、本当に日本の税制改正のやり方というのは、私は非常に問題あったと思うんですね。
 そういう意味でいうと、今のお話も、御覧になったこの表で、最高税率を上げてどうなります。分離課税だったら、この極端に落ちるところは変わりませんよ、これ。ここを直さなきゃ駄目じゃないですかということを言っているわけですよ。そうしたら税率を下げることじゃないでしょう。
 それともう一つ、私、課税ベースを上げるときに、租税支出、タックスエクスペンディチャーという言葉があります。租税支出というのがある。要するに、我々の税の中に所得課税のときに所得控除というのがありますよね。あれ、諸外国は全部タックスエクスペンディチャー、租税支出ということで、予算書に必ずそれを書いてあるそうです、この支出によってどれだけの税が減っていくということが。
 主税局に、たしか調査を、これ質問の中に入れておりますが、今、日本にある所得控除を全部なくしたらどれだけの増税になりますか。
#85
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のすべての所得控除をなくすと、これはまあ大変所得控除は多岐にわたっておりまして、しかもこれ一つ一つを廃止することにつきましては、私ども既に大まかな試算をして国会にも提出させていただいております。
 例えば、基礎控除ですと、大体基礎控除の廃止によって一・八兆円、配偶者控除ですと七千億円、扶養控除ですと一兆六千億円。それから、給与所得控除、これは大きゅうございまして、これを全部なくしますと七・二兆円程度と。それ以外にも公的年金等控除云々と、もう多岐にわたっております。実はこれを同時に廃止いたしますと、相乗効果と申しますか、非常に大きな所得の増加で適用累進税率が一挙に変更になります。
 したがって、これを直ちに出すというのは非常に難しいんで、今申し上げました、それぞれのオーダーで大体兆円単位で増収になる、それを足していくとそれが更に倍加するという、増加するという感覚でちょっと御承知いただきたいと思います。
#86
○峰崎直樹君 だから幾らなんですかと聞いているんです。
#87
○政府参考人(加藤治彦君) 大変恐縮ですが、例えば基礎控除で一・八兆円と申し上げました。
#88
○峰崎直樹君 全部出すと。
#89
○政府参考人(加藤治彦君) 全部出しますともう十兆円を超えて、しかも具体的にどのぐらいになるかということについての計算が非常に難しい。
 つまりそれは、最低は足せば分かりますが、それが、じゃ、根拠ある減収額かと申し上げると、そこはちょっと私ども国会で申し上げると失礼かと思って申し上げましたが、例えばもう、じゃ、率直に申し上げまして、基礎、配偶者、扶養の三つを足しますと四・一兆円です。四・一兆円と、それから別に給与所得控除は七・二兆円ございますから、まあ重立った普通の方が適用になるのを三つプラス給与所得控除で、給与所得者に限定しても単純に足しただけで十一・三兆円になります。ただ、これは非常に限定的なケースですので、それ以外年金とかいろいろございますので、もっと増えるということでございます。
#90
○峰崎直樹君 解説はいいですから、数字言って。
 私、何が言いたいかというと、民主党は所得控除から税額控除へ、そして税額控除は手当へと。還付付きの税額控除というのを入れようということで、今一生懸命我々も納税番号とかいろいろ準備しています。ちょっと政府は遅いんじゃないかなと思っていますが。
 そのとき、例えば今いろいろおっしゃっていましたけれども、基礎控除三十八万円ですよね。そうすると、最低税率は今五%になっていますが、これは非常に少ないから一〇%と仮定したら三・八万円。つまり、この所得控除で最低税率の人は三・八万円減税になるわけですね。じゃ、三・八万円を全員に手当として配って、いいですか、一〇%。一〇%の人が、恐らく納税者のうちの今八割ぐらいはそうじゃないかな。もうブラケットが非常に伸び切っていますから。そうすると、このことによって実は課税ベースがうんと広がるんですよ。
 私が何でそういうことを言っているかというと、今所得控除という仕組みを入れていることによって、さっきサラリーマンの勤労所得控除もあるけれども、いわゆる高額所得者になればなるほど、その税率が、限界税率高いですから、それをいかにして、税率を上げないでも私たちはやれるんではないかと思って見ているんですよ、つまり課税ベースを広げるということですよ。
 例えば、年金保険料、社会保険の保険料は全部今所得控除になっていますよね。入口で、これ所得控除で税金が掛からない、さあ給付の段階になったときには、公的年金控除だ老年者控除いろいろ合わせて、これほとんど掛からない。要するに、税金が掛からないのをずっと貯金してもらっているようなものなんだ。そうすると、これはもう入口の段階でこの所得控除をやめたらどうだろうと。そうすると、これ、いわゆる税方式に転換したら保険料は、その分実は所得控除が減ってくるということで増収効果にはなるんですよ、それはそれで。
 しかし、今考えなきゃいけないのは、課税ベースを広げる方法は幾らでもあるんじゃないですかと。そして、給付付き税額控除というものの給付を付けなくても、前段階で税額控除という方式を取り入れることによって実は増収が図れる方法もあるんじゃないですか、総合課税化をすることによってもあるじゃないですか。こういう一つ一つの手続を取ることによって所得税が安定財源になっていく方法というのはあるんじゃないですかと、この点について、与謝野大臣にどのように考えられるか、舛添大臣も御意見をお聞かせください。
#91
○国務大臣(与謝野馨君) 扶養控除をまずあれしますと、やはり扶養者が多いときにはその方の所得から経費性の高いものを引いてあげようという考え方なので、それを一律にやっていいかどうかという問題があります。それから、一般の勤労所得者の中から勤労所得控除をもう認めないという話になりますと、例えばサラリーマンがサラリーマンを続けていく上で最低限必要な経費性の高いものがあるわけです。会社に着ていかなきゃいけない背広とか、そういう自分が稼ぐについて必要な経費は、一体課税されたものから出すのか、その分はいわゆる経費として落としていいのかと、そういう問題もありますし。
 あるいは、物すごいお金持ちの話ではなくて、一般の方々に所得控除を行うということは、やっぱり労働の再生産とか、人間として生きていく最低限のものは決して税は奪わないと、そういう思想が入っての控除ではないかと私は思っておりますので、大金持ちに税金いっぱい掛けることは何の苦痛もありませんけど、実際働いている方とか子育てをしている方とか、あるいは老いた両親を面倒見ている方とか、そういう方は一体どうするのかと、そういう問題も考えざるを得ないんではないかというふうにも私は思っております。
#92
○国務大臣(舛添要一君) 控除額を全部合計したのが最低課税基準になるのはもう当たり前のことなんですけど、ただ、部分的に、例えば児童手当のように与えている方、手当を供与する方がありますね。だから、私はどちらかというと、今後の方向性としては控除方式よりも逆の方式の方が時代に合っているんではないかなという感触は持っております。
 ただ問題は、当たり前のことですけれども、所得か消費か資産かどれに課税するかといったときに、同時に所得捕捉の捕捉率をどうして高めるかの工夫、そうするとやっぱり納税者番号というような話にもなってくると思いますので、そういうところも含めてやらないとやはり問題があるのと、それから課税に関する特別措置、これこそまさに政治でありまして、あの当時は、要するに証券業界、これをもっと活発にしないと金融面でおいて日本は遅れているということで、分離課税で、しかも特別な減税措置をやりました。恐らく時代時代によって特別措置は変わっていく。
 最大の問題は、何十年も前にやったような特別措置がそのまま既得権益化しているということであるんで、そういう意味での税制の議論は党派を超えてきちんとやるべきだと思っております。
#93
○峰崎直樹君 舛添大臣のお話を聞いていて、我々も同じような気持ちを持っておりますので、是非改革を進めなきゃいかぬと思うのですが。
 今、所得捕捉とおっしゃいましたよね。ちょっとこれもまた話があっちこっち行って恐縮ですけれども、消費税になったときにこの所得捕捉と同じ問題が起きませんか。すなわち、自営業の方々が、私いつも税で思うんですけれども、クロヨンとかいろんなことを言いますよね、一番難しいのは経費をどう認定するかという問題なんです。これは自分の家の自家消費ですと、これは私が仕入れて商売するためのものです、この区別が、所得捕捉で、所得税の世界でもなかなか事業所得というのは難しいと思うんですね。同じことが消費税でも起きるんじゃないんですか。つ
 まり、クロヨンと同じことが消費税で、これは自家消費だ、いや、これは自家消費じゃなくて仕入れて販売するためのものだと。これも、区別も含めて、消費税というのは我々が考えているほど、五%だからまだ余り気が付かないけれども、いわゆる税を納めない、すなわち、これを預かっているだけですから、企業は、その中間段階で。このいわゆる納めていない、本当は納めなきゃいけないのに納められない税、それから今言った益税の問題、それから事業の仕入れにかかわっているものなのか自家消費なのか、ここの区別がはっきり付かない。これが五%なり一〇%なり一五%になってくると、果たしてこの税が所得税に比べて公平な税というふうに言えるんだろうかという、そういう深刻な問題をはらんでいるんじゃないかと私は思うんですが。
 この点、インボイスを入れる問題、そして、納税者番号の問題をちょっとおっしゃっていましたけれども、消費税の場合にはインボイスの問題を入れておかないと、これ今複数税率を考えておられるようなこともちょっと先ほどおっしゃっていましたけれども、大臣、そこら辺で、本当に消費税というのが我々が思うほど水平的公平に優れた、なかなかこれはいい税だと、こういうふうに思われますか。
#94
○国務大臣(与謝野馨君) 先ほど先生がまず消費税の逆進性ということを言われましたけれども、これは社会保障給付と組み合わせると逆進性はほとんどなくなるところまで行けるんではないか。ただ、どのような給付をするかという問題があります。
 それから、先生が提起された給付付税額控除、これは一つの重要な考え方であって、これは言わば負の所得税ということで、これは政府も考えていい私は課題であると思っております。
 ただ、消費税は一体どういう性質の税かということですが、これ名前が消費税になっておりますけれども、実はこれは、その本質というのは取引高税がその本質でございまして、売上高税と言ってもいい。実は、今は内税方式になっていますからよりはっきりしておりますが、元々、出だしは売上税ということで、取引に掛かっている税金というふうに我々は認識をしております。
 ただ、消費税を導入したときに、小規模企業が納税事務が大変だということで三千万までは非課税業者というのをつくって、今は一千万になっていますけど、そういうので益税というような御批判もいただいておりますけれども、全体としては消費税というのはなかなか課税逃れができない公平な税制であると思っております。
 もちろん、先生が御指摘をされるような幾つかの足りないところはあると思いますが、全体として見れば、捕捉しやすい、また課税逃れができない税制であると思っております。
#95
○峰崎直樹君 それは、インボイスというものをちゃんと入れてやれば合うんですけれども、これは、世界ではインボイスが入ってないでこういう多段階にわたる付加価値税といいますか、消費税を入れているところというのはほとんどないんじゃないかと思いますよ。
 そういう意味で、そういった問題があるということと同時に、先ほど、今おっしゃられた、このいわゆる逆進性対策という問題で複数税率を本当に考えておられるのかどうか、この点ちょっと明確にお答えください。
#96
○国務大臣(与謝野馨君) EU諸国は、EUの指令によって付加価値税、すなわち消費税は一五%以上でなければならないということが決まっております。これは、消費税なんかも一〇%を超してきたところからは、やっぱりそういう複数税率を考えるのか、あるいは税として還付するのか、いろんな方式があると思うんですけれども、そういう意味では、低い所得の方々に対する日常生活品に関する税制というのは当然考えなきゃいけないと私は思っております。
#97
○峰崎直樹君 一番最後のページ、資料に食料品に対する軽減税率の適用状況という数字をお見せしました。表面的には、例えばオランダなんというのは、二九%の付加価値税率ですけれども、食料品は六%と、こうなっている。デンマークは二五の二五ですから、これは堂々とやっているのかな、非常にすごいんですけれども。
 加藤局長、要するに、これを平均的にするとどのぐらいの税率になるのか。ちょっとOECDの先進国、英、独、仏、スウェーデン辺り、ちょっと平均的な、要するに実効税率というのかな、表面税率は高いけれども実効的にはどのぐらいなのかという、それがちょっと分かるところだけ教えてくれる。
#98
○政府参考人(加藤治彦君) 先生のお答えに必ずしもきちっと沿った、実効税率という概念自体が明確でないところもございますので、ちょっと一つだけそれに近いものとして申し上げますと、国民所得に占める付加価値税収の割合というのがございますが、これはイギリスが八・六、フランスが九・八、ドイツが八・四、スウェーデン一二・二、デンマーク一四・五、一方、日本はこれに相当する数字が三・四と、こういう形でございます。
#99
○峰崎直樹君 見かけほどの差がないんですよね。ああ、向こう二五だ、こっちが五だと、五倍あるのかといったら、そうじゃなくて三・四と八・何ぼですからね、そんなにない。つまり、相当程度これは実際的に、これは加重平均すればどのぐらいになるか分かりませんが、二五じゃなくて大体一二、三かそこら辺まで下がってくるんだろうと思うんですね。
 そういう意味で、消費税の税率というものが上がって複数税率にした場合に、これは、私は余りジニ係数下げるところに働かないと見ているんです。それよりも、今、先ほどおっしゃったように、いわゆる所得の中で最低これだけは掛けちゃいけないというところを還付する、それを民主党は、我々は考え方を打ち出しているんです。それは是非またこれからの議論の中でやりたいと思いますが、もう時間も、百四分、たくさんいただいたような気がするんですが、あっという間になくなってまいりましたけれども。
 そこで、今財政再建という問題がちょっと絡んでくるんですけれども、実は安心実現会議というのがございまして、これが四回にわたって議論されて、私も議事録もちょこちょこ見ているんです。また財務大臣からも資料をいただいたりしながら見ていて、非常に特徴的な議論しているなと思ったのは、これまでの社会保障に対する支出というのは高齢者の比率が高かった。大体、今日もちょっとどこか資料に載っていましたが、七〇%、そして子育ての世代が四%、七〇対四だと書いてあった。これはひどいじゃないかと。教育や子育てや、そういう今現役で頑張っている人たちに対する支出をしっかりやらなきゃいけないねということが、あの会議の中で私出てきていると思うんですよね。
 これらの点も含めて、今度の経済財政諮問会議で、この間出されました中期目標の中では、社会保障の中には年金、医療、介護、子育てまであった。これから、こういう教育だとか様々な出てきている問題、母子家庭の問題どうするかとか、こういった問題をどういうふうに位置付けて、包摂されようとしているのか。
#100
○国務大臣(与謝野馨君) 一応、中期プログラムでは年金、医療、介護、子育てに限定して目的的に消費税を使わせていただきたいという話が書いてありますが、社会保障国民会議の中でも機能強化ということがうたわれておりますし、安心社会実現会議でも、やはり特に若い世代の方に対する教育費その他の社会保障給付、こういうものを増やさないと社会的にバランスを欠くということが書いてあります。
 ただし、これはやはり財源がなければできない話でございますけれども、理念としてそういうものが強く出てきているというのは、私は画期的な考え方であろうと思っております。
#101
○峰崎直樹君 いや、理念は画期的だと思うんです。そこにようやく目を向けられたんだなと。問題はそれに対する財政的な手当て、これからどういうふうに伸ばしていこうとされるのか。先ほどの四つの領域以外のものが入ってくるわけですね。そうすると、ここまでは消費税で何とかすると言っているけれども、それ以外のものが出てきたら、それは財源的には何で面倒を見るんですか。
#102
○国務大臣(与謝野馨君) その場合はきちんと皆様方に、そういう政策を御評価くださるのであればやっぱり安定財源もお願いをする、これは別の問題としてお願いをすると、そういうことでございます。
#103
○峰崎直樹君 別の問題として安定財源をお願いする、安定財源は消費税ですと。所得税を我々はもっと重視したらどうだということなんですが。
 さて、ちょっと教育のところで、教育予算というよりも、なるほどこの考え方はどうかなと思っているところがあるんですが、これは舛添大臣、厚生年金やあるいは国民年金の基金たまっていますよね。百三十兆ですか、今。百五十兆とも百七十兆、ちょっと数字忘れましたけれども。このお金の中から、一番、私、人材投資するのは、高等学校、大学、大学院、あるいは社会人もそうかもしれない、こういう人たちに奨学金、しかもかなり潤沢な奨学金を与えて、そして人的投資することによって将来の経済発展を支えてくれる人的資本、ここにきちんと財源を投入する、要するに貸し付けると。そのために、一般財源からじゃなくて、まさに今どこに使っているか分からないような基金があるじゃないですか、ああいうのを使うというのはどうなんでしょうね。そういう提案を私ちょっと聞いたことがあるんですが、これはなかなかいい提案じゃないかと思うんですが、どうお考えでしょうか。
#104
○国務大臣(舛添要一君) 年金の積立金をもし使うんならば、年金以外に使っちゃいけませんということで社会保険庁の壮大な無駄をたたかれて、事務的経費も使っちゃ駄目だということも長妻さんなんかに衆議院の方ではしょっちゅう言われてきましたから、そういう観点からするとなかなか難しいなというような気もしますけれども、そこは要するに国民が合意をして、どういう形の使い方をやるかということでこの国会できちんと議論ができればそれでいいと思っております。
#105
○峰崎直樹君 これをそんなに深刻に提起してあれじゃないけれども、そういうアイデアとか、いろんなものが使われる道があるのかなと思って今提起したわけであります。
 本来であればこれ社会保険庁とそれから国税庁の、いわゆる歳入庁の問題を入れて、パートタイマーなんかのいわゆる徴収の問題なんかも少し議論したかったんですが、時間がだんだんなくなってまいりました。
 そういう意味で、私、先ほど舛添大臣お話しなさっていた、経済を発展させていくという、そのときに、経済を発展するときに、社会保障について、これはもうよく与謝野大臣とお話ししているんですが、現物給付と、つまり、いわゆるサービスですね、年金や様々な給付、現金給付。私は、やはりきちんとしたサービスは、現物給付が安定して、医療や介護や子育てや教育、これがしっかりだれでもが使えるようにしていかないとならない。しかも、それはだれでも使えるようにすることが実は我々の安心につながって、無駄な一千五百兆も貯蓄もしなくて済むんじゃないんだろうかと思っているんですが、そういった意味で、是非そういったところをこれからも力を入れていただきたいなと。
 我々もこれから政権交代を目指して様々な議論をしていきますけれども、今日は多少時間をいただいて様々な問題提起させていただきましたけれども、是非社会保障を充実させていくということについては変わりはありませんので、お互いにまた頑張っていきたいなと思います。
 ありがとうございました。
#106
○衛藤晟一君 自民党の衛藤晟一でございます。
 こういう形で連合審査が持たれるということになりました。本日は、とにかく財政金融委員会、そして厚生労働委員会の連合審査でございますので、私の方は元々厚生労働委員会に所属いたしております。主に基礎年金の国庫負担割合二分一引上げ法案に対する財源の問題や税制改革、そして消費税の問題、社会保障改革の問題について質問させていただきたいと思います。
 今までの議論を聞いていましても、本当に社会保障は大変だなということを思っております。ちょうど私も平成六、七、八年という具合に自民党の社会部会長をさせていただきましたときに、そのときに、とにかく少子高齢社会対応の国づくりを本気でやらなきゃいけないということで駆けずり回った覚えがあります。
 そのときに、たしか国の予算は七十五兆円、一般歳出が四十五兆円と。その中での社会保障国庫負担が十三・四兆、約三〇%という時代でありました。そのときに、まあ野党さんの方は、自民党も一度野党になりました、そのときの与党の考え方は消費税を七%に上げてということでありましたけれども、自民党としてはまず五%に上げながらどうかやらなきゃいけないということで、この消費税の問題も議論したところでございます。そして、毎年毎年、本気で少子高齢化社会を乗り切って、そして少子高齢社会を何とかクリアしていくためには相当な支出が要ると。そのときに実は議論した支出増は、毎年九千億円近くのプラスが要るんではないのかということの議論をしまして、そのとき最終的に決着したのが、毎年七千億は何とか平均してアップをしながらこの少子高齢社会に向けて頑張らなければいけないということを話した覚えがあります。
 そういう中で、現実にその後、自民党政権では毎年平均して七千億アップの社会保障を実現してきました、社会保障国庫負担をですね。ですから、平成二十年までの国の予算としては、まあ全体の会計としては八十三兆とか五兆とかなりましたけれども、一般歳出は四十七兆円。十二、三年間でプラス二兆しかありませんと、一般歳出はですね。そういう中で、社会保障国庫負担は二十二兆ぐらいになりました。国で、その中で占める割合は四六%、言わば、ほとんど一般歳出は二兆ぐらいしか変わらないけれども、社会保障国庫負担は十三・ちょっとから二十二兆と言われていて三〇%から四六%。そして、平成二十一年度予算では一般歳出も増えましたし、この年金の国庫負担の二分の一負担ということで二十四・八兆という、全体としましても約五割に近いものになると言われてきましたことから、私はそんな意味では、この十二、三年間歩んできた国の動きというのは本当に大変だったなと。これは、少子高齢社会を乗り切るためには本当にやっぱりみんなで力を合わせて何とか乗り切らなければ、そんなに簡単なものじゃないなということを改めて感じている次第でございます。それだけに、大きくポイントを絞って簡潔に質問をさせていただきたいなという具合に思っています。
 そういう中で、この年金制度は平成十六年に大変重要な改正が行われました。その背景には、あのころ、もし改正を行わなければ厚生年金と国民年金合計で毎年五兆円の赤字が発生するというものが計算上出てきました。そういう中で、平成二十九年度には国民年金の積立金が、そして平成三十三年度には厚生年金の積立金が枯渇することが見込まれるということで、その制度の維持そのものが不可能になるということが予想されたということを、私は当時のことを思い出すわけでありまして、そういう状況の中で平成十六年改正が行われました。
 年金制度は、長期的な給付と負担の均衡を実現し、将来にわたって持続可能なものとなったわけでありますけど、その大変重要な平成十六年改正の内容とはどういうものであったのか。そして、その意義と背景につきまして、改めて厚生労働大臣に確認をさせていただきたいと思っております。
#107
○国務大臣(舛添要一君) 今委員おっしゃったように、少子高齢化が進むと下手すると、何にも見直しを行わないと厚生年金で二五・九%、今一万四千六百六十円、この国民年金で二万九千五百円になってしまうと。これじゃとても、現役世代にとって、もうこんな重い負担は嫌だよということになると思います。
 それから、今おっしゃったように、約五兆円の積立金の取崩しを毎年やっているといずれ枯渇すると。ですから、十六年改正において、一八・三%含め、保険料をある一定の上限で止めますよと。それから、所得代替率でいくと、これはもう現役世代の五〇%を維持しますと。
 それとともに、要するに、いかにしてその給付を抑えるかというか、それにマクロ経済スライドを入れましたということと、引き続き、積立金百五十兆あるわけですから、これを活用しましょうと。
 それとともに、国庫負担を、まさに今議論していますけれども二分の一に上げるということで、やはり今、人生八十五年時代、そうすると、おぎゃあと生まれて亡くなるまで百年近いスパンがあるわけですから、そういう長期のスパンを見据えて制度設計をやらないといけないということで十六年の改正があったわけであります。
#108
○衛藤晟一君 そういう意味も込めましても、私は、本法案によります基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げというのは、年金制度を将来にわたって持続可能なものとし、そして国民の年金制度に対する信頼を確保するためにもどうしても実現をしなければいけないという具合に考えています。
 基礎年金の国庫負担割合二分の一引上げの意義を改めて財務大臣に確認をさせていただきたいと思います。
#109
○国務大臣(与謝野馨君) これは、先ほど舛添大臣からお話がありましたように、将来の給付あるいは将来の保険料を考えますと、やはり国が国民年金に入れるべきお金を増やした方がいいという議論が平成十六年の国民年金法の改正のときにあって、その附則に、安定財源を確保しつつ二分の一にするということが決まっていたわけでございます。
 今回は安定財源は求められませんでしたけれども、二分の一の約束はきちんと果たすべきだと、そういう議論で今回の改正をお願いしているわけでございます。
#110
○衛藤晟一君 平成十六年改正の附則には、平成二十一年度までに国庫負担割合を二分の一に引き上げることなどが定められています。我々与党も、二分の一を必ず実現しなければならないという決意の下に、平成十六年度以降、二分の一に向けて段階的に国庫負担割合を引き上げてきました。
 ただ、野党からは、定率減税の縮減、廃止分の一部しか国庫負担割合の引上げに投入されていないとの批判がありましたけれども、この辺りの経緯も含めまして、平成十六年度以降、具体的にどのように国庫負担割合を段階的に引き上げてきたのか、財務大臣にお尋ねいたします。
#111
○国務大臣(与謝野馨君) 基礎年金国庫負担割合の引上げに関し、平成十五年十二月十七日の平成十六年度与党税制改正大綱においては、一つ、年金課税の適正化により確保される財源は、平成十六年度以降の基礎年金拠出金に対する国庫負担の割合の引上げに充てる、第二、定率減税の縮減、廃止による増収分については、これにより、平成十七年度以降の基礎年金拠出金に対する国庫負担割合の段階的な引上げに必要な安定した財源を確保することとされております。
 これらを踏まえまして、平成十七年度から平成十九年度まで各年度の予算編成過程において、与党における御議論も経て、定率減税の縮減、廃止による増収分、すなわち約一・八兆円のうち、毎年度の基礎年金国庫負担割合の段階的引上げに充当、すなわち約三千億円がこれに充当されるものと決定されるなど、適切に対応をしていると考えております。
#112
○衛藤晟一君 そうですね、今お話ありましたように、十六年度からは年金課税の見直しを、そして十七年からは定率減税の縮減、廃止等によりまして合計約五千億のそういう引上げというものをやってきたわけでありますけれども、そういう中で、本法案における、基礎年金のやっぱり二分の一への引上げということにつきましては大変重要な課題でもございます。これまでも、定率減税の廃止、縮減による財源を活用しながら、今申し上げましたように、少しずつ国庫負担割合を引き上げるなど、私どもにとりましては、必ず二分の一への引上げをやるんだということで、その方向を明確にしてきたという具合に思いますが、大変時間も掛かりました。今日、法案をやっと提出し、二分の一への見通しが付いたということは、やっぱり国民に対する約束を果たすという点でも非常に意味のあることだという具合に評価いたしております。
 しかしながら、今回の国庫負担割合の二分の一への引上げは、財政投融資特別会計からの特例的な繰入金を活用した平成二十一年度及び平成二十二年度の二年間限定の措置となっているわけであります。安定財源がない中での今回の予算編成過程において、財務大臣も大変御苦労されたという具合に思いますけれども、財政投融資特別会計からの臨時特例的な繰入金を活用することによりまして、平成二十一年度、二十二年度の基礎年金の国庫負担割合を二分の一とすることとした理由を改めてお尋ねいたします。
#113
○国務大臣(与謝野馨君) 国民年金法によれば、二分の一に引き上げる際には、安定財源を求めつつ引き上げるということが書いてあって、本来ですと、税制改正によって安定財源を求めなければならないと。しかし、その安定財源を求めることが現在の経済社会的背景から可能かどうかということも判断せざるを得なかった。
 しかしながら、二分の一に引き上げるという法律の中に書いてある約束をきちんと守るということは、政治としては、また政府としては大事なことであって、まずは二十一年度、二十二年度は財政投融資特別会計の中からお金をちょうだいしてこれに充てているわけでございますが、これが、論ずるまでもなく、永久な、恒久的な制度ではあり得ないわけでして、いずれ安定財源を求むるについては国会の御同意をいただかなければならない時期が来ると思っております。
#114
○衛藤晟一君 特別会計の積立金を取り崩し続けるということには当然のこととして限界があります。また、基礎年金の国庫負担割合二分の一への恒久化のためには、平成二十三年度に税制の抜本改革を行い所要の安定財源が確保されなければならないというふうに考えますが、税制の抜本改革に向けた取組についてお尋ねをさせていただきたいという具合に思います。
 先ほど、峰崎委員の議論もたくさんありましたけれども、本当に議論というのはむしろ大変だなということを思っています。あちら立てればこちら立たずというようなことを繰り返しながらずっとやっていたのではこれは大変でございますので、いろんな意見は聞きながら、最終的にやっぱりみんなで、この年金問題あるいは税の問題というのは与野党問わずどうしても合意をしていかなければいけない問題だという具合に私は思っておりまして、その合意に向けて、税制の抜本改革に向けた取組について財務大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。
#115
○国務大臣(与謝野馨君) これは、政府の閣議決定文書で中期プログラムというのがございます。この中でもそのことがうたわれておりますし、また今般、国会で御承認をいただいた税法の附則にもその方向性はきちんと書いてございます。
 これは、消費税を含む税制の抜本改革を国民にお願いするというのは、政治的にはなかなか容易なことではないと我々も考えておりますけれども、やはり年金、医療、介護等の持続可能性というものを図っていく、それによって国民に安心感を与えるということがやはり社会全体としての活力をもたらすものである、そのように考えております。
#116
○衛藤晟一君 ただいま御答弁にありますとおり、税制の抜本改革のためにはそれを実施できる環境を整えられるかどうかがかぎになるだろうというように思っています。平成二十年の第一次、二次補正、それから平成二十一年度の当初、そしてまた平成二十一年度の補正という具合に、累次の経済対策によりましてようやく景気回復の兆候が見え始めてきたということは心強いというように思っておりますが、税制抜本改革を実施していくには二年後までに経済を本格的に好転させなければならない。与謝野大臣には今後とも、経済を回復軌道に乗せるべくしっかりと目配りをし、必要な強力な対応を、適切な対応を取ってもらいたいという具合に思っています。
 他方で、仮定の話は余り好ましくないかもしれませんが、仮に景気の回復が十分でない場合、あるいは政治的にいろんな状況の中で、先ほど峰崎委員のお話にもありましたが、消費税の問題、個人的にはやっぱり自分は余り賛成ではないというようなこともお話ございましたけれども、いろんな議論が起こってきてなかなか進むに進めない、退くに退けないというような状況だって起こり得るかもしれないわけでありまして、そのような状況の中で税制の抜本改革によるところの安定財源の確保が遅れるということも考えられるわけでございます。
 本法案では、このような場合にでも臨時の法制上、財政上の措置を行うこととしていますけれども、国庫負担割合二分の一の維持を図ることは国民の安心確保に不可欠でありまして、是非ともこの場において与謝野大臣から財源確保に向けた強い決意をお伺いいたしたいと思います。
#117
○国務大臣(与謝野馨君) この基礎年金だけでなく、少子高齢化社会を迎える日本の社会としては、やはり国民が必要としている医療、年金、介護、また少子化対策、こういうものには安定的な財源が必要であって、やはり経済が回復すれば、最も早い時期としては二〇一一年、ここではきちんとした税制改革が行われ、安定した財源が社会保障分野あるいは少子化対策、こういうものに確保されなければならないというのは一番大事なところであると思っております。
 そのためには、政府もやはり無駄の排除あるいは行政改革等に不断の努力を続ける、これもまた大事なことでして、そのように政府があらゆる努力をしながら、国民にきちんと説明責任を果たした上で税制改正のお願いをするということが大事であると思っております。
#118
○衛藤晟一君 改めまして、大臣のお話を聞きましても、最終的にはやはり財源をどうするかというのは、もう先ほどからお話しのように、消費税に頼るしかないのではないのかということでございます。しかし、消費税を上げるということにつきまして、やっぱりいろんな意見もあるところでございますが、まず、やはり国民的な合意をいただくためにも、もっと無駄、行革の部分を本気でやらないと、与党としても私はやっぱりこれはいけないんじゃないかというように思っております。
 さらに、今そういう決意が示されましたけれども、景気の回復、そして、それだけじゃなくて、本当に最終的には国民の合意をいただかなきゃいけない中身ですから、もっとやっぱりいかにこの少子高齢社会というものが大変な社会なのか、そして、無駄の排除や景気の回復をやりながら、こうやれば安心できるんですよということをもっと明確に発しなければ、もうあそこが悪い、ここが悪いといってずっと足を引っ張っている状況の中で、これ、与党内においてもそんなところがありますが、与野党ともにそんなことをやっていたのでは、これはとても簡単に乗り切れるような状況ではないということを、私はつくづく最近、ちょうど平成六年ぐらいのときからこの年金改革等にもタッチさせていただいた経過も入れて、そして、そのときに改めて少子高齢社会を乗り切るために大変な決意で臨まなければいけないと思ってやってきましたけれども、私どもが覚悟していたよりももっと厳しい状況だということを最近改めて感じていますので、そのための努力を本当にお願いを申し上げたいというふうに考えている次第でございます。
 それについて、大臣、どうですか。
#119
○国務大臣(与謝野馨君) やはり、今のところ長期金利が一・五%の水準でとどまっていますので、財政の危機に対する認識は薄いわけですけれども、やはりGDP比一六〇%を超える国、地方の公債残高があるというのは、これは決して健全な状況ではなくて、やっぱり財政再建に対する熱意がないと、日本の政治に対する、あるいは日本社会全体に対する信任も薄らいでくる。まずは財政を立て直すという方向性又はその手順を私はお示しする必要があると思っております。
#120
○衛藤晟一君 最後にまた第一のところについて、その財政の問題そして社会保障の問題についてお聞かせいただきたいと思いますけれども、またそれは後でお願いいたします。
 社会保障改革について若干質問させていただきたいと思います。
 昨年十二月に発表されました政府の中期プログラムにおきまして、年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策につきまして機能強化及び効率化を図ることが重要とされているように、国民の安全、安心のためには社会保障の機能強化は不可欠であるという具合に思っています。であるならば、私としても、もはや毎年度の社会保障費二千二百億円の削減というのはこのような動きにも反しますし、また限界に来ているという具合に思っているわけであります。
 先日、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会が建議を出しましたけれども、西室泰三会長は記者会見におきまして、金額を決めて抑制しろと主張する時代ではなくなったというようにおっしゃっていますが、社会保障費二千二百億円の削減についてはこれを撤廃すべきであると思いますけれども、財務大臣の見解をお尋ねいたします。
#121
○国務大臣(与謝野馨君) まだ政府の中でシーリングについての方針が決まっておりません。しかし、社会保障費全体が約一兆円増える、その増え方を八千億ぐらいにとどめてくださいというのが二千二百億の話で、実際は、二千二百億削減と申し上げながらも、社会保障費は八千億以上毎年増えてしまっているわけでございます。
 ただ、これは、多くの介護の現場、医療の現場等々から聞こえてくる悲鳴のような声は、これはどうするのかというシーリングに向けての宿題であると思っておりますが、まだその答えは出ておりませんけれども、この件に関しては多くの方の御意見を伺いながら慎重に進めてまいりたいと思っております。
#122
○衛藤晟一君 一番最初に大臣に申し上げましたけれども、これ平成六、七、八年ぐらいに、そのときに、少子高齢社会を乗り切るために社会保障費の上積み、国庫負担の上積みは試算段階で大体八千億、九千億というオーダーだったんですね。それはちょっとできないというので、大体七千億オーダーぐらいに自民党としてもねらいを定めて、その当時、自社さでしたけれども、そしてやっていこうと。そのころから実は単純計算によるところの二千億ダウンぐらいをずっとやってきて、結果としては七千億やっぱりずっと増やしてきたんですよ。ちょうどこの二千二百億を改めて決めたころというのは、実はアップ分は七千を切って五、六千台に落ちているんですけれども、単純に二千二百という数字だけが躍ってきたということでありまして、だから、そんな意味でも、この西室さんの言ったように単純に二千二百という数字だけではちゃんと圧縮できないような時代になってきたということだと思うんですね。
 ですから、この問題は、財政の問題と社会保障機能強化という問題はどうバランスを取っていくかということで大変厳しい課題でありますけれども、もう既にそのアップ率が、去年までですよ、今年の場合の補正か何かではちょっとそんな具合には、全く二千二百なんて幾ら言ったって話にならないようなけたで行っていますけれども、アップしていますけれども、実質的には、平成十九年、二十年というのは五千数百億アップに落ちているんですよ。それにもかかわらず二千二百を単純に続けてきたというところに、非常に機動力を失った財政対応をしてきたというのが実情だったという具合に思います。
 ですから、今私ども財政再建ということと機能強化ということを考えていくと、単純にこの二千二百という金額で決めてやれるような状況ではないということだけは改めて確認をさせていただきたいと。十九、二十年はそんな状態で来ました。実質的にアップ分は五千数百億に両年ともとどまっているんです。七千も行っていないし、もちろん九千も行っていないんですね。そういう状況でございますので、そこのところを是非御認識いただいて今後取り組んでいただきたいという具合に思っている次第でございます。
 民主党さんの年金に対する案もつい先日報道もされていましたけれども、決まったとは書いてないんで、恐らく、推定記事かどうか分かりませんけれども、今まで言っていたことも総合しますと、国民年金を含めた年金制度一元化するんだと。そして、全国民共通の所得比例年金として低所得者には最低保障年金を支給するんだと。そしてそれを、基礎部分に当たるところは全額税方式でやるんだというような形を一応聞いているところでありますけれども、しかし現実的には、この考え方というのは聞いても実態的によく分からない。一つの恐らく理論とか考え方なんでしょうけれども、すべての年金制度を一元化するといっても、私ども出しております法案であります共済年金と厚生年金の一元化にもまだ応じてくれないというような状況です。
 そしてまた、よく言われております、トーゴーサンピン、クロヨンとか言われておりますけれども、正確な所得捕捉というのもどうするか、それからそういう中で保険料の算定をどうするか、これは大変な問題だと思うんですけれども、それから徴収をどうするのか、それからまた、これまで国民年金の対象であった自営業者の方々については事業主負担分というのはどうするのかとか、それを入れてこれらの人々には二倍の負担を求めるのかというようなことが現実的には起こってくるわけですね。それから、国民年金の方には、御承知のとおり事業主負担というのはありませんので、これらの方々も所得比例だけでやるといってもこれをどうするのかとか、様々な問題というのがあるように思います。
 だから、一つの原理的な理念としてというのは分からぬではありませんけれども、そのような原理的な理念というのは恐らく何百も何千もあるんだと思うんですね。しかし、政策とかいうのはやっぱり、それを現実的な数字というものを、現実というものを入れて本当にどうしたらいいのかということを考えなければいけないという具合に思うわけでありますけれども、そんな意味では、さらには、歳入庁構想というのもありますけれども、歳入庁にすれば解決するかのように聞こえますけれども、現実問題としては、所得税を納めていない方も、先ほどのお話にもございましたように、所得税が掛からない方も非常にたくさん現実にあるわけですね。だから、そういうものを一体どうしたらできるんだろうかというのは私どもとしてもなかなか見えないところ、疑問点でもございます。
 また、何よりも、基礎年金と所得比例年金を合わせた制度全体として負担と給付の水準をどうするのか、また見えないわけであります。一定の所得以上の方の最低保障年金を一部カットするということも言っておられますけれども、具体的にどれぐらいの方々がカットされるのか、とにかく制度設計をもっと明らかにしてもらいたいと思うのでありますけれども、今分かるだけの中でしましてもよく分からないという状況でございます。
 また、今も申し上げましたように、一定の所得以上の人の最低保障年金についてはカットすると、税収でいえば投入税額は十三兆ぐらいだという話でございますので、基礎年金部分を全部入れると今二十三兆ぐらいになりますから、少なくとも四割以上カットしなければいけないということになりますね。そうすると、恐らく中所得者以上から全部カットするというようなことも起こってくるかもしれません、詳しいことは分かりませんけれども。
 今そういう具合に、発表されている段階で想定されるだけでもそういうようなことが言えるわけでありまして、そうしますと、このカットされる中高所得者ぐらいの方々は現行制度よりも恐らく所得代替率が下がってくるんではないのかということが予想されるわけでありまして、もし下がらなければ相当の財源が必要となってくるだろうという具合に思います。
 そのように、どのような形で賄うのか、消費税の引上げを明確に行うと言うのか、それも先ほどの議論を聞いていましてもはっきり分かりませんで、行わないのか。しかし、そういう中でも考えなければいけないというような話も出ていますので、もし行うとすれば、いつごろから、そして上げ幅はどの程度にするのかとか、それらの問題がたくさん起こってくるという具合に思っています。
 民主党は現行の年金制度につきまして確かにいろいろな問題点を指摘される、そのとおりだと思います。御自身のただ改革案については、具体的な制度設計や財源の調達方法などをあいまいにしたままでは、なかなかこれではやっぱり無責任ではないのかなという感じを覚えますし、そしてまた国民に誤解を与えるという具合に思っている次第でございます。
 そんな意味を込めても、民主党案の大まかな問題点や民主党の視点について、私もいろいろ申し上げましたけれども、大臣もそれについての感想を是非お聞かせいただきたいなと、このように思います。
#123
○国務大臣(舛添要一君) 民主党案についての問題点の指摘は、今、衛藤先生、ほとんど全部おっしゃったので、繰り返しになるかもしれません。
 ただ、むしろ、ちょっと別の角度から切りますと、先ほどの峰崎先生の観点とかかわるんですけれども、今の現行の例えば年金制度で、厚生年金については被用者、これは所得に比例する形になっていますが、国民年金は一万四千六百六十円で、そうなっていません。それはいろいろな経緯があるんですけれども、そうすると、そこの一つの大きな問題は所得が捕捉できるか、クロヨン、トーゴーサンと言われている問題にもかかわってくるんですね。
 それで、むしろ、これも民主党案で最低保障はやっているんですけど、そこから先は一元化して所得比例年金にするならば、逆に金持ち優遇になりませんかという、つまり、所得再配分機能が今の現行制度は利いています。ですから、モデル世帯で五〇%の所得代替率というけど、金持ちになれば、所得高くなればなるほどそんなにもらえませんから、百万の人が五十万とかもらえるはずないので。ですから、そこは相当な所得再配分機能が今の年金制度は利いていると思うので、例えばその問題について、民主党案のそれこそモデル世帯的なものをつくったときに、最低保障はこれは非常にいいと思うんですよ。今の六万六千円よりもっと上に行かせるんだろうと思います。
 ただ、そこから先どこでカットをするのかがないと、これは民主党さんでありながらはるかに金持ち優遇の制度になる危険性があるというのを一つ申し上げておきたいのと、それから、もうこれも前から議論していますけど、事業主が半分払っている分をどうするかの問題があります。それから、所得比例に全部やったときに、今でもそうなんですけど、未納者というものの対策をどうするのかとか、まあいろいろあると思います。
 そして、今私が幾つか申し上げましたけれども、今の現行制度でも、これはもうずっと国会での議論を通じて様々な問題点があります。ですから、例えば在職老齢年金の在り方をどうするのかと。これ、むしろ総合課税化して、働きたい人は働いて、年金も全部やってしまったら、ひょっとしたらそれの方がはるかにみんな働くようになる、税収も上がる、活力も増す、病気になる人も少なくなるということで、一兆円規模ですけれども、ひょっとしたらそっちの方がいいかもしれないと、こういう議論をやるべき時期に来ておりますので、来るべき総選挙の結果がどうであれ、これはみんなで議論したいなと思っています。
#124
○衛藤晟一君 今回、基礎年金の国庫負担割合が二分の一に引き上げられることになると思いますけど、そういう中で平成十六年度改正が完成しまして、一応、年金財政が将来にわたって持続可能なものとなるという、年金の一番その根幹にかかわっていた、これが毎年五兆円も赤字になって、それから取り崩しながらやらなければいけないということになってくると、もうやっていけなくなりますよという危機は回避できると思うんですね。しかし、その中で、もう一つやっぱり今ずっとこの数年議論されてきた問題がありまして、それはやはり年金制度における大きな問題だと思っています。
 その後にまた、できれば国民年金と厚生年金の一元化の問題というのは私も考えなきゃいけないけど、今申し上げたように、非常に大きな問題があって、その前にもっと解決する問題があるというように思っています。それはやはり、現在、国民年金保険料の未納によりますところの無年金や低年金者の存在でございまして、その課題というものがずっと指摘されてきているわけであります。現に、政府の社会保障国民会議におきましても、無年金・低年金対策として基礎年金の最低保障機能の強化を検討すべきであるというふうにされてきています。やっと財政が見通しがこれで付くわけでありますので、早速次なる課題というのはやっぱりこの問題だと思います。年金財政が将来にわたって安定することになったということは大きな安心材料でありまして、この次の課題であります国民の年金に対する信頼を真に確保するためには、無年金、低年金の問題について対策をどうしても講じていかなければいけないというように思っております。
 無年金、低年金対策を含めて今後の年金制度改革にどのように取り組んでいくのか、厚生労働大臣にお尋ねをいたします。
#125
○国務大臣(舛添要一君) まさにこれの問題、それは与野党を含めて今問題を提起しているわけですけれども、ただ、要するに、変えたら変えたで問題が出てくるんですね。
 例えば、受給資格期間を二十五年、これ長過ぎるじゃないかと。よその国に比べて長いんです。ただ、こつこつこつこつ掛けてきた人たちのことを考えるとどうだというのはあります。それから、時効が二年なんですね。これをやめて五年でも六年でも、例えば五年というのも一つの手だと思いますけど、そうすると、インセンティブとして、ああ、五年後に払えばいいじゃないかと、じゃ、今一杯飲みに行くお金に使っちゃうとなったらどうするかと、その問題もあると思います。
 それで、ただ、先ほど六万六千円という、これ満額でそうですから、そうじゃなくて、非常に低年金だったときにどうするか。そのときに、基礎年金の額が満額あるか否かに問わず加算を行う、加給金を行うという単身低所得高齢者等加算金というのをやるという、こういうことの議論が年金制度の審議会でも行われておりますので、私はやっぱり、セーフティーネット機能の強化の中の最優先課題の一つとして、この年金の最低保障機能の強化、これは早急に実現をしたいと思っております。
#126
○衛藤晟一君 最後、財務大臣にお尋ねをしたいと思います。
 年金以外にも、医療、介護の分野における機能強化というのは喫緊の課題であると。そしてまた、少子化対策も取り組んでいかなきゃいけないと。しかし、これに向けた財源確保は大変な問題でございます。一方で、国民の真の安心の確保は、この財政面の持続可能性についても確保されなければおぼつかないということになるわけでございまして、この社会保障の機能強化と同時に財政再建にも取り組んでいかなきゃいけません。
 この社会保障の機能強化と財政再建という非常に困難なかじ取り、両面をやっていかなきゃいけないわけでありますけれども、最後に、この点につきまして、財務大臣の決意をお伺いをさせていただきたいと思います。
#127
○国務大臣(与謝野馨君) 中期的に国民の安心強化につながるよう、持続可能で質の高い社会保障制度の構築を図るため、昨年末、中期プログラムを策定したところでございます。これに基づきまして、安定財源の確保と並行して社会保障の機能強化を図るとともに、効率化を進めてまいりたいと考えております。
 一方、現状では、社会保障の安定財源が確保されておらず、公債の発行、すなわち将来世代へのツケ回しに依存をしております。さきに成立した税制改正法附則において、消費税の全税収は、確立、制度化した年金、医療及び介護の社会保障給付と少子化対策の費用に充てることが明記されておりますけれども、これにより社会保障の安定財源が確保されれば、結果として社会保障の費用を賄う公債の発行額の減少にもつながることは事実でございます。
 いずれにしましても、国民の安心を確かなものとするため、持続可能な社会保障制度の構築とその安定財源の確保に向け、着実に取り組んでまいりたいと考えております。
#128
○衛藤晟一君 ありがとうございました。終わります。
#129
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、国民年金法の一部改正案に関連をして、関係大臣にお聞きを申し上げたいと思います。
 この改正案は、平成十六年の年金制度改革において残された課題として、基礎年金の国庫負担を二分の一へと引き上げ、世代を超えた相互扶助という年金の基本的な仕組みを維持するとともに、年金財政の長期的な安定を図るために重要な改正であると思います。
 また、財源につきましては、今回の法案においては、平成二十一年度及び平成二十二年度の二年度について、財政投融資特別会計財政融資資金勘定から一般会計への繰入れに関する特例措置を活用することによって引上げを行うこととしており、現在の厳しい財政状況の中においては、平成十六年改正当初に考えられていた平成二十一年度からの実現が図られることは大いに評価をしたいと思います。
 この財源の確保については、三月二十七日に成立しております財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律、いわゆる財源確保法において規定をされております。この財源確保法での基礎年金の国庫負担の追加について条文上どのように規定をされているのか、まずお示しをいただきたいと思います。
#130
○政府参考人(真砂靖君) 今先生御指摘の法律の第一条でございますが、ちょっと読ませていただきますと、税制の抜本的な改革が実施されるまでの経済状況の好転を図る期間における臨時の措置として、平成二十一年度及び平成二十二年度において、基礎年金の国庫負担の追加に伴いこれらの年度において見込まれる歳出の増加に充てるため必要な財源を確保するため、財政投融資特別会計財政融資資金勘定からの一般会計への繰入れに関する特例措置を定めるものとするということで、基礎年金に関してはこのような規定になっているところでございます。
#131
○山本博司君 ありがとうございます。
 この財源確保法は、平成二十一年度及び平成二十二年度における、一つは経済対策の財源に充てること、二つ目に減税財源に充てること、そして三つ目にこの基礎年金の三分の一から二分の一に引き上げるための財源に充てること、この三つの目的が挙げられております。
 そこで、確認させていただきたいのですけれども、こうした目的のためになぜ財政投融資特別会計の積立金から財源を確保しようと考えたのか、財政投融資特別会計以外の財源は考えられなかったのか、その理由に関しましてお示しをいただきたいと思います。
#132
○政府参考人(真砂靖君) 先生御指摘の、財源といたしまして今回財投特会の金利変動準備金を活用したわけでございますが、その理由といたしましては、一つは、世界的に金融市場が混乱する中で多額の赤字国債を発行することは市場に更なる増発圧力が加わることになり、結果として国債市場に対する影響も懸念されるということで、この国債発行額をできる限り抑制する必要があるというふうに考えたのが一つでございます。
 また、財投特会の方の事情でございますが、金利変動準備金は将来の金利変動に伴う損失に備えて積み立てられているものでございますが、財投特会におきましては、当面は過去の比較的高い金利の貸付金残高から利益が生じるというような事情もございまして、これらの事情を総合的に勘案し、やむを得ないものとして判断したものでございます。
#133
○山本博司君 平成十六年の改正では、基礎年金の国庫負担分は、附則において、税制抜本改革を行って安定した財源を確保する、こういうふうになっておりました。ところが今回、臨時的、特例的な財源確保法を作って財源の確保をすることになったわけでございます。新たな法的根拠を作ってでも、平成十六年の年金改革のときの課題である国庫負担の引上げを当初計画どおりの平成二十一年から何としてもやるんだという政府の強い意思の表れだと思いますけれども、このような特例的な措置を講じたことに対する与謝野財務大臣の見解、認識をお伺いしたいと思います。
#134
○国務大臣(与謝野馨君) 法律に書いてあることは、法律に書いてあるとおり実行しなければならないと思ったからでございます。
#135
○山本博司君 ありがとうございます。明確なお答えでございます。
 さらに、今回の国民年金改正案では、その後、税制改正法の規定に従って行われる税制の抜本的な改革により所要の安定財源を確保した上で、基礎年金国庫負担割合二分の一を恒久化する。なお、それまでの間は上記と同様に臨時の法制上・財政上の措置を講ずるものとする。このようにあるわけでございます。つまり、平成二十三年度以降は消費税を含む税制の抜本的な改革で安定的な財源を確保していく、しかし、抜本改革が遅れた場合には臨時の措置で財源を確保する、こういうことであるわけでございます。
 年金制度の長期的な安定を図るためにはこの二分の一に関しましてしっかりと恒久化をしていかなくてはならないと思いますけれども、政府としてこの平成二十三年度以降の財源確保につきましてどのように考えているのか、舛添大臣にお聞きをしたいと思います。
#136
○国務大臣(舛添要一君) 基本的には消費税を含む税制の抜本的改革で行うと。ただ、そういう状況になっているかどうかは経済的、社会的な状況を見ないといけません。極めて経済の回復が遅れているというようなときに、なかなかそこまで国民の御負担をお願いすることは難しかろうと。そういうときには、今回同様、臨時的な措置を行うと。しかしながら、二分の一の国庫負担を維持する、恒久的に維持すると、この点は変わらないということでございます。
#137
○山本博司君 財源の安定的な確保、大変大事でございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 この財源を確保するということでも、今後の財政運営、税制改革を進めていく上でも、経済の影響、大変大きいと思います。政府・与党は、これまでこの百年に一度とも言われる経済危機に対応するために様々な経済対策を講じてきたわけでございます。また、これからもしっかりとした景気の回復を目指し、努力をしていきたいと思います。
 三月の二十七日に成立をしました所得税法等の一部を改正する法律の附則の規定では、平成二十年度を含む三年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うために、平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずると、こうあるわけでございます。税制の抜本改革を行うには経済状況の好転が前提となるわけでございます。
 そこで、まずその前提として我が国の経済の現状についてどのようにお考えなのか、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
#138
○国務大臣(与謝野馨君) 我が国の経済の現状については、一つ、経済活動が極めて低い水準にある中で雇用情勢が厳しい状況となっている一方、第二には、輸出や生産が下げ止まりつつあることなどから景気は厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが緩やかになっているものと認識をしており、恐らく最悪期は脱したと考えております。
 先行きについては、当面雇用情勢が悪化する中で厳しい状況が続くと見られるものの、一つは対外経済環境における改善の動きや、二つ目は在庫調整圧力の低下、三つ目は経済対策の効果が景気を下支えすることが期待されます。
 一方、雇用情勢の急速な悪化が下押し要因として懸念をされます。また、世界的な金融危機の影響や世界景気の下振れ懸念などのリスクにも留意をする必要があります。
#139
○山本博司君 ありがとうございます。
 さらに、平成二十一年度の第一次補正予算、成立したばかりでございますけれども、関連法案も早期に成立させ、できるだけ早くその効果が現れることを期待をしているわけでございます。
 与謝野大臣は、先日の会見では、日本経済は一―三月期が底打ちの時期であったと、このように発言をされておりますけれども、この補正予算の重要性とこれまでに実施をしてきました経済対策の効果がいつごろ、どのように出てくるとお考えなのか、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#140
○国務大臣(与謝野馨君) 先般取りまとめました経済危機対策は、第一には、景気の底割れを防ぐため、雇用対策や資金繰り対策が組まれております。第二に、未来の成長力強化につなげるため、低炭素革命や健康長寿社会構築に向けた施策が組まれております。第三には、国民の安心と活力を実現するため、地域活性化や社会保障、介護、子育て支援策などを盛り込んでいるところでございます。現下の経済情勢の下、こうした時宜を得た様々な施策を講じることにより、景気の底割れリスクを回避するとともに、内需と輸出によってバランスよく成長する経済を実現していくために、本対策の速やかな実施が極めて重要でございます。
 また、経済危機対策の効果については、二十一年度の実質GDP比成長率を一・九%程度押し上げる効果があると見込んでおり、おおむね二十一年七―九月期から着実にその効果が表れると考えております。なお、二十二年度以降の発現分を含めますと、全体としてこの対策は二・九%程度の押し上げ効果を見込んでおります。
#141
○山本博司君 ありがとうございます。
 この補正予算には、経済成長に資するものと医療とか少子化対策など安心に結び付くのもあります。成長と安心の両輪がうまく機能するよう、対応をお願いを申し上げたいと思います。
 次に、中期プログラムにつきましてお聞きをしたいと思います。
 昨年十二月二十四日に閣議決定されました中期プログラムは、今後の年金、医療、介護、少子化対策などの社会保障制度を持続可能なものとするために非常に大切な方針であると思っております。必要な給付を行うためには財源確保が不可欠でございます。この中期プログラムでは、安心強化の三原則として、原則一、中福祉中負担の社会を目指す、原則二、安心強化と財源確保の同時進行を行う、原則三、安心と責任のバランスの取れた安定財源の確保を図ると記されているわけでございますけれども、この中福祉中負担につきまして、どのようなイメージで、今と比べてどのように変化するとお考えなのか、与謝野大臣の御認識をお伺いをしたいと思います。
#142
○国務大臣(与謝野馨君) 中福祉という概念は、別にそれ自体で定義があるわけではございません。日本の社会保障は、一つは、高福祉と言われる北欧諸国に比べ給付水準は高くない、第二、他方、全国民をカバーする医療制度を持たない米国などとは異なり、国民皆年金、皆保険、介護保険などを実現をしている。ちょうど北欧と米国の中ぐらいにいるというのが中福祉という概念でございます。
 一方、租税と社会保障負担を合わせた国民負担率について見ると、七割程度のスウェーデン、六割程度のフランス、五割程度のドイツ、イギリスに対し、我が国の国民負担率は約四割でありまして、アメリカほど低くないけれども、実際は国債によって足らざる負担を賄い、子や孫の世代にツケは送っているわけでございます。これを加えると国民負担率は五割となります。
 こうした状況を踏まえまして、日本は中福祉中負担であると考えておりますけれども、社会保障の現状を見ますと、医師不足、介護人材不足などほころびも目立ち始めており、必ずしも中福祉の社会保障レベルとは言い難い状況も散見されると考えております。
#143
○山本博司君 ありがとうございます。
 増税による財源の確保というのは国民に負担増を強いることになるわけでございますので、国民の理解と協力を得るためにも明確なビジョン、考え方を示して議論を進めるべきと考えるわけでございます。
 この中期プログラムにつきましては、社会保障の安定財源確保として消費税を主要な財源として確保することが示されております。何度も先ほど議論がございました。税制改正の附則におきましても、消費税の改正の方向について、上げる場合には社会保障制度と少子化対策の目的税化に使うこと、そして、それ以外には一切使わせないということが書かれているわけでございます。このことについて先日の厚生労働委員会におきましても舛添厚労大臣にもお聞きをしたわけでございますけれども、国民の理解を得るためには進めるべき大変重要な点であると思います。
 そこで、この消費税の社会保障目的税化についての与謝野大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#144
○国務大臣(与謝野馨君) まず、社会保障制度に必要な財源、財源というよりは、だれがそれを支えていくのかという問題は、広くすべての国民がこれを支えるということが社会保障制度にとって大変望ましいことであると思っております。しかし、消費税を国民にお願いするときには、新たな消費税の負担はすべて国民にお戻しをすると、還元をするということを明確に申し上げなければならないと思っております。したがいまして、社会保障目的税、すなわち年金、医療、介護プラス少子化対策に全額を使いますと、なおかつ、これについてはきちんと帳面を別にして非常に透明性の高い区分経理をすると、そういうことによって国民に対しての説明責任を果たすというような仕組みが必要であると思っております。
 もう一つの前提は、先ほど先生も言われましたが、経済が回復するということが一つの大事な前提でございまして、その後に国会でこの問題を真剣に御議論をいただきたいと思っております。
#145
○山本博司君 次に、年金の議論でもございました持続可能な制度を構築する前提として少子化対策が重要であるわけでございます。二〇〇八年の人口動態統計によりますと、合計特殊出生率は前年を〇・〇三%上回り一・三七%になったわけでございます。しかしながら、OECDの加盟国は平均してGDPの二%を子育て支援や家族関連に支出しているのに対しまして、我が国は〇・八%にとどまっております。
 最後に、舛添大臣に少子化対策の重要性につきまして決意をお願いしたいと思います。
#146
○国務大臣(舛添要一君) 年金の財政について言うと、経済成長率と出生率、これが利いてきます。そういう意味で、少子化対策、きちんとやらないといけません。そして、そのために、先ほども議論はありましたけれども、やはり高齢者向けと子供向けだとどうしても子供向けは少なくなっている。そういう意味で、片一方では働き方の改革、ワーク・アンド・ライフ・バランスをやりながらもう一つは少子化対策をやるということで、様々なサービスを提供しております。例えば、妊婦健診の公費負担を増やすとか、安心こども基金、一千億円だったのを二千五百億円に増やすなどを行っておりますので、これは未来への投資という意味で年金財政にとっても非常に重要なポイントでありますので、今後とも少子化対策をしっかりやっていきたいと思っております。
#147
○山本博司君 以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。
#148
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。私も、消費税と社会保障、年金財源について伺います。
 先ほど峰崎さんから、この問題ではかなり精緻な議論がございました。私は、最後のところの話なんですけれども、つまり、社会保障のためと、消費税増税はですね、言ってきたけれども、今回のこの大型の経済対策で相当の国債を発行すると。結局やっぱり財政再建に使われるんじゃないかと、もう社会保障のためというのは事実上成り立たないんじゃないかと思っておりましたけれども、先ほどの峰崎議員とのやり取りで、後できちっとしたはっきりした言い方をされるということですけれども。
 簡単に考えて、当たり前の話なんですよね。赤字国債のところを先に手当てしてから社会保障財源に来ると。そうですよね。財源が足りないから赤字国債を発行するわけだから、そういう順番になりますよね。そうすると、大臣おっしゃるとおり、安定財源のためとか結局は社会保障に行くんだと言いながらですけれども、こういうことは起きませんか。消費税増税をすると、しかし、先にその赤字の方を解消しますから、増税はするけれども社会保障給付は増えないと、こういうことは起きませんか。
#149
○国務大臣(与謝野馨君) まず、現行水準の社会保障制度を維持するということが一つ。それから、現行の医療、介護等でほころびが出ているところ、これは当然やらなければならない。それと、社会保障国民会議で言っておられる、国民が期待している医療、介護の分野の機能強化というものに使ってまいるわけでございますから、全体としては社会保障財源に充てることになるわけでございます。
#150
○大門実紀史君 そういう言葉ではなくて、具体的な話ですよ。
 例えば、消費税仮に五%上げたとしますね。今のまず赤字、赤字国債で財源を担っていますから、それを解消していくと。舛添さんさっき言われたように一〇%いきなり上げるとか二〇%上げるならまた話は違いますが、まず起こり得るのは、赤字国債を発行しなくて社会保障財源を何とか担ったと、消費税増税と。しかし、結果的に増税しても現場での社会保障給付が全然良くならないということは十分起こるんじゃないかと思うんですよ。その点だけ聞いているんですけれども。
#151
○国務大臣(与謝野馨君) 仮に消費税を例えば五%上げても、それを全部社会保障制度に使ったとしてもなおかつお金が足りない、一般歳出の中から相当な部分を社会保障の中に入れていかなければならないわけでございます。
 しかし、今まで借金をしていた分、一般歳出の中から入れていた部分がなくなるわけですから、機能強化とかそういうことには政策的な配分が私は可能になると思いますし、既に平成二十一年度の補正予算の中で、例えば介護の領域で給料が低いという問題があって、それに対して財政上の措置をしたわけですから、医療、介護の分野においては機能強化や現場におけるニーズを充足していくという考え方は当然出てくるわけでございます。
#152
○大門実紀史君 今日は時間短いので、また大臣と財政金融委員会でやりたいと思いますけれども、こちらも具体的な数字を示したいと思いますが、社会保障のために増税しますと、国民は納得してくれと。みんな良くなると思うじゃないですか。将来安心する年金制度になるとか介護も良くなると、そう思うじゃないですか。ところが、実際には、お金が先に財政再建の方に回って、社会保障は全然良くならないという可能性が十分あるということを私は指摘したいと思うし、先ほど峰崎先生からありましたけど、もうちょっとはっきりした率直な言い方をされるということですから、そのときにはもうちょっときちっとしたものを示していただきたいということだけ今日は申し上げて、次の方へ行きたいと思いますが。
 資料をお配りいたしましたけれども、基礎年金を全額消費税で賄ったケースということで、この基礎年金の、最低保障年金と言ってもいいですけれども、この部分を全額消費税という議論は、実は経団連、経済同友会、大企業、財界の方がかねてから主張されておりました。経済財政諮問会議でも民間議員から提案されてきているものでございます。我が党も最低保障年金は全額税方式というふうに考えますけれども、何ですぐ消費税、消費税となるのかと大変不思議に思いますけれども、この消費税で賄うとなると、単に財源論じゃなくて、それだけではない問題点が出てくるという点で、資料をお配りして指摘をしたいと思いますが、要するに、左の方は、現行どうなっているかということでございます。基礎年金、今二十・五兆の財源が必要ですけれども、共済年金、国民年金、厚生年金というところで、国庫負担も含めて、厚生年金は被用者負担、企業負担も含めてその内訳を書いてございます。一番上の雇用主の保険料負担というのは、共済年金の、これはもう今でも一般財源です。
 これが全額消費税となったら右の方になるわけでございまして、今申し上げました雇用主の保険料負担、共済年金の〇・五兆円、これは一般財源のままで移行しますので、差引き二十兆円の財源が消費税で賄うと、こういう話が今あちこちから出ているわけでございます。これは消費税率にすると約八%になりますので、すべてここに消費税をぶち込んだとしても、少なくとも今より三%引き上げないとこの全額消費税方式は成り立たないということでございます。
 私は以前にも、中川大臣、額賀大臣のときでしたか、この問題で質問したことがございますけれども、問題は、もちろん消費税でやることそのもの我が党は反対でございますけど、こういうやり方をすると、企業のこの負担分約四兆円、これは年によって変わりますけど、今のベースだと三・八兆円ですけど、これがゼロになってしまうと。これ、ゼロになるだけじゃなくて、全体で見てもらえば分かるとおり、その分を国民全体が消費税で負担すると、みんながかぶると、企業の負担分をかぶるということになりますですね。これは大問題だと、この方式の、私は思っているんですけれども、与謝野大臣の認識を聞きたいと思います。
#153
○国務大臣(与謝野馨君) 企業がやはり社会保険料を負担するというのは当然のことでして、国民年金の負担分をまさか逃れようとして全額税方式を主張しているとは思いたくありませんけれども、三兆八千億ものお金、これはやはり企業に御負担をいただく必要があると思いますし、加えまして、非正規雇用に対する社会保障に関する負担もやはり企業はきっちりやらなきゃいけないと、私はそう思っております。
#154
○大門実紀史君 この話が最初指摘されたときに、御手洗さんが、非正規雇用対策に、そういうのはおっしゃるとおりだから、すぐにやらなきゃとおっしゃったけど、その後あの大派遣切りをやったわけですね。そんな話は信用できませんよ。ですよね。
 だから、私は、それと、まさかこれを自分たちが逃れたいから主張しているわけではないと思いますけどって、そうじゃないんです、逃れたいから主張しているんです。経団連の要望書を見てください。自分たちの社会保障負担を減らせということで強く要望している中の一つですから、もう明らかなんですよ、彼らの方が正直なんです。ですよね。
 そういうものにこたえるのはもうとんでもない話だというふうに思いますし、もう一枚資料をお配りいたしましたけれども、今こういう企業が負担していた分を国民に押し付けるなんてとんでもないんですけれども、そもそも日本は社会保障に対する企業負担が少ないんです。
 現在、各国の社会保障財源がどうなっているかと、社会保障財源の構成比でございますけれども。まず言いたいのは、よく言われますけれども、ヨーロッパというのは消費税の税率が高いから社会保障が充実しているんだと、だから日本はもっと消費税を上げなきゃいけないんだと、すぐそういう話がまことしやかに言われておりますけれども、それは全くのうそでございます。ヨーロッパは別に付加価値税で社会保障財源を賄っているわけではございません。その他の税とか社会保険料、これを中心に社会保障を賄っているということでございます。
 ですから、こんな状況なのに更にさっきの基礎年金全額消費税論なんてやると企業負担はますます下がると。付加価値税が社会保障に占める割合はひょっとしたらもうヨーロッパを逆転してしまうかもしれないというふうな認識をきちっと持ってこういう議論を私はすべきだというふうに思います。
 ですから、税と社会保険料負担を合わせますと、国際的に見て日本の特に大企業の負担は軽いわけでございます。ですから、すぐ消費税の増税の話ばっかりになるんですけれども、まず大企業に、特にこの社会保険料負担低いわけですから、現在のですね、こういうものの在り方を見直す、ちゃんと応分の負担をしてもらうと、まずそういうところから財源論は考えるべきじゃないかと思いますが、与謝野大臣、いかがですか。
#155
○国務大臣(与謝野馨君) ただ、先生にお考えいただきたいと思うのは、やはり日本の付加価値税率、これはもう五%の水準にあるのは日本と台湾だけであって、EUに加盟する基準というのは付加価値税一五%がほとんど義務化されているわけでございまして、やっぱりそういう意味では、どこかで国民に御負担いただかないとあらゆる制度、あらゆる政策が支えられなくなる。消費税について目的税化するということを申し上げているのは、やっぱり国民にきちんと説明可能なのはこの分野ではないかというふうに我々が考えたからでございます。
#156
○大門実紀史君 いや、もうEUはEUなんですよ。日本は日本なんですよ。そんなの関係ないですよ。せっかくこの資料を示しているのに、この資料を見た上で御答弁をお願いしたいと思いますけれども。
 舛添大臣は、この社会保険料負担ですね、あとほかの税、そして付加価値税のバランスといいますか、日本の議論は今ちょっと違うところにあるんじゃないかと私は思っているんですけれども、もっと正すべきところは正してからだと思うんですが、いかがお考えですか。
#157
○国務大臣(舛添要一君) ヨーロッパ、EUは長い歴史がありまして、スウェーデンなんかは社会民主党は戦前からずっと政権を取っている。そして、例えばドイツなんかは、これはミットベシュティムングという共同決定法で、労働組合を含めてそこに大きな力がありました。そして、ドイツの社会民主党、SPDは一九五六年、バートゴーデスベルク綱領から非常に現実的な政策を出してきておりましたんで、日本がこういうふうになっているというのは、やはりずっと野党でおられた政党がもう少し現実的な政策を取り、政権交代が頻繁に行われていたならばヨーロッパ並みになったような気もいたします。
 しかし、いずれにしましても、企業の社会的責任ということはやっぱり考えないといけないということと、それと、要するにこの話をすると企業の国際競争力の話になります。私は、やっぱりこういう数字を見ていると、日本の企業も更なる努力をして、こういう負担を増やしてもなお国際的な競争力のある、そういう企業に更に成長してもらいたいと思っております。
#158
○大門実紀史君 すぐそういう国際競争力とかいう話があるんですけれども、今ちょっと舛添さん言われたようなところがあるんですけれども、まだ余裕があるんですよね、こうやって見ると日本の企業、負担能力にですね。まずそれを正すべきですよ。それから低所得者まで税金が掛かるような消費税の話をすべきです。我が党はそもそも反対ですけれどもね。
 そういう順番抜きに、しかも、企業の負担を軽くしてあげるような基礎年金の全額消費税化なんていうのは、今あれですよ、国民の半分は社会保障財源と言われても消費税増税反対ですからね、今、世論ですね。そう言われても反対だというところをきちっと押さえて、しかも、こんな企業の負担をみんなでかぶるなんというのは絶対だれも賛成するわけはないというふうに思いますし、是非、総選挙で審判は下されると思いますけれども、堂々とその辺をきちっと打ち出してお互いやりたいということを申し上げて、質問を終わります。
#159
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。私も税制度について論議をしたいと思います。
 平成十六年の年金法改正で、十九年度を目途に税制改正を行い、二十一年度までに国庫負担割合を引き上げることとしていました。これまで安定財源を確保できず、税制の抜本改正を先送りしてきたことについてどうお考えでしょうか。
#160
○国務大臣(与謝野馨君) 福島先生が安定財源について御賛成をいただけるんでしたらそういうことをやったわけですけれども、なかなか御賛成をいただけない、また国民にも共感をいただけない、また経済の状況もそういうことを許してくれないと、そういう状況でございますので、安定財源の方は先の話としたわけでございます。
 もちろん、先生がこういう質問をされる以上、安定財源には御賛成いただけるということを私は思っております。
#161
○福島みずほ君 安定財源として、所得税ということについてなぜおやりにならないんでしょうか。今日も質問が出ておりますが、日本の税制と社会保障制度は主要国の中で最も垂直的所得再分配効果の低い所得移転制度です。だとすれば、今、経済状況も大変悪いですし、消費税を上げるには最悪のときだというふうに思っています。私が国会の中で一貫して質問し、かつ理解ができないのは、例えば累進課税、所得税の最高税率を十年前に戻すということをなぜおやりにならないんでしょうか。
#162
○国務大臣(与謝野馨君) 税法の附則をよく読んでいただくと、また先般、予算委員会で福島先生に御答弁したとおり、所得税の最高税率は上げる方向で検討が私は行われると信じておりますし、自民党の方の様子を聞いてみましても、最高税率を上げようという意見の方の方が圧倒的に多いというふうに見ております。
#163
○福島みずほ君 法人税と所得税の最高税率を十年前に戻すだけで、社民党は四・二兆円、税金を捻出できるという計算をしています。これも予算委員会でよくお互いにやったことですが、GDPが十年間があっと上がったけれども、年収二百万円以下の人もがあっと増えてしまったと。つまり、景気が良くなっても、個人が生活が壊れていっているというところが問題ですから、今、日本がやるべきこと、社会民主主義者の財務大臣がおやりになるべきことは、それは法人税と所得税の最高税率を十年前に戻すことではないかと考えますが、いかがですか。
#164
○国務大臣(与謝野馨君) 日本の賃金が上がらないということにはもう幾つも原因がありますが、その御説明をいたしませんけれども、今官邸で議論をしておりますのは、負の所得税、すなわち給付付きの税額控除というのは当然検討の視野に入ってきております。そういうものを通じてやはり所得再配分というものを考えなければならない時期が来たのではないかと思っております。
#165
○福島みずほ君 そうしますと、所得再配分をより強化するという方向では、それは消費税ではなくて、私が申し上げたような所得税の最高税率あるいは法人税をもっと上げる、あるいは元に戻すということですよね。
 極めて前向きに答弁をしていただいているんですが、ならばお聞きをします。消費税ではなくて、所得税の最高税率、累進課税のところできちっとやる。日本は個人の所得税がそんなに高くはありません。GDPに占める比率は主要国の中で最も安く、五%から六%ぐらい。片や、社会保障負担は一〇%を超えていると。そうだとすれば、大臣、今日思い切って消費税は上げずに社民党と同じように累進課税などでやるとおっしゃってください。
#166
○国務大臣(与謝野馨君) なかなか福島先生の御注文に応じられないのは残念でございますけれども、税法の附則には消費税を含む税制の抜本改革ということが書いてありまして、当然所得税もいろいろ課税ベースを広げたり税率構造を変えたりということをしなければならないと思っております。
 ただ、先生の党の方で計算されましたように、所得税、最高税率あるいは税率構造を変えれば四・三兆円出てくると。そうかもしれませんけれども、それでもお金は足りない、これをどうするかという問題は残るわけでございます。
#167
○福島みずほ君 消費税はもう私が言うまでもなく逆累進性の強いものです。地方に行くと、例えば女性などで国民年金、つまり遺族年金もらってなければ五万円しかもらってない、あれ六万六千円ですから、平均大体五万円ぐらいです。地方都市で、田舎でというか、地域で暮らす人が国民年金五万円なんですね。これで消費税を上げたらどれだけ生活が困窮をするのか。十億円収入がある人も月五万円の国民年金の人も、これは消費税は同じに掛かるわけですから、消費税を上げるには最悪の時だと思いますが、いかがですか。
#168
○国務大臣(与謝野馨君) 先生御指摘のように、今そういうことを論ずることは最悪の時期で、余り論じたくないくらいですし、実際、消費税を引き上げるというようなことは今の経済状況あるいは国民所得の状況からいって不可能であると思っております。
 我々、先の話をしているんですが、やっぱり社民党も集めて参じるという考え方を取っていただかないといけないと私思っていまして、消費税は確かに消費税単独で考えると先生言われるように一見逆進性があるように見えますけれども、これを社会保障給付と合わせて一本で考えますと、むしろ所得が低い方々の方に厚い配分が行われますから、逆進性というのは一遍で解消するということも事実だと私は思っております。
#169
○福島みずほ君 その論理はもう倒錯しているんですよね。つまり、消費税が社会保障費に使われたら逆累進性が消えるなんていうのは、それは出来の悪いマジックで、そんなことはないんですよ。つまり、さっきも言っているとおり社会保障は社会保障じゃないですか。現に、消費税を上げれば所得の少ない人に極めて、可処分所得が少ないわけですから、負担になるわけです。
 それから、消費税をよく、今日の議論でも目的税とする、きちっと仕分をするという議論が出ております。一見もっともなんですが、私はそこは間違っていると思っています。というのは、これだけ無駄遣いをしなければ消費税を上げる必要はなかったわけです。つまり、お金には色が付いてませんから、これだけ無駄遣いやったから社会保障のために財源が足りない、よって目的税化するといっても、そもそも政治が間違っていたわけですから、目的税化するといっても、お金に色は付いてませんから、たまたまその分を社会保障費に充てるというだけであって、もっと違うやり方があっただろうと思います。
 それで、これは厚生労働大臣とも財務大臣とももうかなり言ってきたんですが、二千二百億円社会保障費カット、もうこれはおやめになりますね。
#170
○国務大臣(与謝野馨君) いろんな方からそういうことを言われておりまして、私にとっては一番頭の痛い問題です。骨太二〇〇六で書いた数字をそのままで守ることがいいのか、あるいは介護の現場、医療の現場から聞こえてくる悲鳴をちゃんと理解して物事をやるのが正しいか、これはこれから考えて決めなきゃいけない方針であると思っております。
#171
○福島みずほ君 国会で明言してくださいよ、今日。みんなの悲鳴に耳を貸すべきかとおっしゃったら、それは耳を貸すべきじゃないですか。
#172
○国務大臣(与謝野馨君) 先生のお言葉は特に私に響いております。
#173
○福島みずほ君 私は頭が悪いので、響いたのはとてもうれしいんですが、いかがですか、言ってください。
#174
○国務大臣(与謝野馨君) 響いたというのは、ちゃんと正確に記憶に残ったということでございます。
#175
○福島みずほ君 多分、みんなすべての国会議員の耳にはきちんと届いたと思うんですが、大臣、生活保護の母子加算の削減についての復活法案を四野党で参議院に提出をしました。たかだかと言ったら悪いが、百八十億、二百億の話なんですね。これ何でこんなことが起きたかといえば、二千二百億円カットから来ているわけです。私の言葉が大臣の胸に真っすぐ届いたんであれば、どうか二千二百億円カットをやめるとおっしゃってください。
#176
○国務大臣(与謝野馨君) 母子加算を廃止したというのは、ここに二組の女性がおられて、大体同じ年齢ぐらいの子供を持っている、一人は働きに出ている、一人はおうちにおられるという場合のやっぱり働きに出ておられる方の平均的に稼得する所得が十一万五千円ぐらいなわけです。それで、家におられて生活保護を受けておられる、これは十三万五千円ぐらいで、これは不公平だという声が出てきた。そのために廃止したわけですけれども、廃止した部分は就労支援を始めいろいろな予算で手当てをしておりますので、二百億廃止しましたけれども、二百億円以上の予算を母子家庭にちゃんと使うような仕組みになっております。
#177
○福島みずほ君 なっていません。月十一万もらう人と月十三万、いずれも低いじゃないですか。子供を抱えて食べていけるのかと。本当にこれ不公平だという声上がったんですか。
#178
○国務大臣(与謝野馨君) それは、同じような健康条件だということが前提、全く同じような環境の方でそういう格差が生ずるということはやっぱり直さなきゃいけないという意見が出てきたんでああいうことをやったんで、人様は何かひどい無慈悲なことをやったようにおっしゃいますけれども、決してそんなことはない、社会的な公正、公平性を貫くためにやったことでございます。ただし、それに代わるいろいろな施策もやっているということを是非きちんと御理解をいただければと思っております。
#179
○福島みずほ君 就労支援がうまくいっていませんし、日本の母子家庭は八五%働いているわけですね。しかも、そんな本当貧困比べをして、あっちよりは低くしなくちゃというのは政策として間違っています。
 さっき、二千二百億円、心に響いたというのを禅問答としてどう理解していいのか、もうカットをやめるというふうに理解してもよろしいですね。
 それともう一点、先ほど累進課税の方を考えるということで、消費税は今考えていないとおっしゃったんですが、いつごろ消費税の値上げを考えていらっしゃいますか。
#180
○国務大臣(与謝野馨君) これは税法の附則に書いてありますように、どんなに早くても二〇一一年、どんなに早くても。これは景気回復が前提になっておりまして、そんな簡単にできるものではない、すごい努力をしなければできないと思っておりますけれども、四年も五年も議論をしなくてもいいというほどのんきにやっていては駄目だと思っております。
#181
○福島みずほ君 時間が来たので、終わります。
#182
○委員長(辻泰弘君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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