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2009/05/12 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 消費者問題に関する特別委員会公聴会 第1号
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2009/05/12 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 消費者問題に関する特別委員会公聴会 第1号

#1
第171回国会 消費者問題に関する特別委員会公聴会 第1号
平成二十一年五月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任   
     一川 保夫君     藤原 良信君
     森 まさこ君     義家 弘介君
 五月十二日
    辞任         補欠選任   
     佐藤 信秋君     丸山 和也君
     義家 弘介君     西田 昌司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         草川 昭三君
    理 事
                藤本 祐司君
                松井 孝治君
                柳澤 光美君
                岩城 光英君
                小池 正勝君
    委 員
                大河原雅子君
                金子 恵美君
                自見庄三郎君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                徳永 久志君
                姫井由美子君
                藤原 良信君
                森 ゆうこ君
                石井みどり君
                礒崎 陽輔君
                佐藤 信秋君
                塚田 一郎君
                西田 昌司君
                丸山 和也君
                山田 俊男君
                義家 弘介君
                山本 香苗君
                大門実紀史君
                近藤 正道君
                松下 新平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 秀行君
   公述人
       長崎市消費者セ
       ンター消費生活
       相談員      佐藤加奈江君
       新宿区長     中山 弘子君
       適格消費者団体
       特定非営利活動
       法人京都消費者
       契約ネットワー
       ク理事・事務局
       長        長野 浩三君
       盛岡市消費生活
       センター主査   吉田 直美君
       社団法人日本消
       費生活アドバイ
       ザー・コンサル
       タント協会最高
       顧問       三村 光代君
       グリーンコープ
       生協ふくおか生
       活再生相談室室
       長        行岡みち子君
       兵庫県但馬県民
       局但馬生活科学
       センター消費生
       活相談員     義本みどり君
       千葉県消費者団
       体連絡協議会会
       長
       我孫子市消費者
       の会会長     和田三千代君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○消費者庁設置法案(第百七十回国会内閣提出、
 第百七十一回国会衆議院送付)
○消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に
 関する法律案(第百七十回国会内閣提出、第百
 七十一回国会衆議院送付)
○消費者安全法案(第百七十回国会内閣提出、第
 百七十一回国会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(草川昭三君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会公聴会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十一日、一川保夫君及び森まさこ君が委員を辞任され、その補欠として藤原良信君及び義家弘介君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(草川昭三君) 本日は、消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、消費者安全法案、以上三案につきまして、八名の公述人の方々から御意見を伺います。
 午前は、長崎市消費者センター消費生活相談員佐藤加奈江君、新宿区長中山弘子君、適格消費者団体特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワーク理事・事務局長長野浩三君及び盛岡市消費生活センター主査吉田直美君に公述人として御出席をいただいております。
 この際、公述人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様には、御多忙中のところを御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、会議の進め方について申し上げます。
 まず、公述人の方々からお一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず佐藤公述人にお願いをいたします。佐藤公述人。
#4
○公述人(佐藤加奈江君) おはようございます。
 長崎から参りました消費生活相談員の佐藤加奈江と申します。
 私は、相談員の仕事、待遇と、消費者教育の二点について意見を述べたいと考えておりましたが、先週、西村参考人、藤原参考人が消費者教育について御意見を述べられましたので、本日は相談員の仕事、待遇に絞って申し述べたいと思います。
 国会で消費生活相談員の処遇を何とかしなければならないと連日活発に議論していただき、心より感謝申し上げます。その結果、法案の附則に、施行後三年以内に地方消費者行政の支援の在り方について法改正を含む全般的な検討を行うという項目が入り、衆議院の附帯決議で、地方公共団体における相談員の処遇改善の取組を促進することと決議されました。地方消費者行政活性化基金を相談員の人件費にも使うことができるようになりました。参議院で更に御検討を深めていただきますよう、お願い申し上げます。
 私は、平成七年夏、国民生活センターの消費生活相談員養成講座を受講し、消費生活専門相談員試験に合格しました。長崎では相談員の募集がなかったので、いったん民間企業で働いた後、平成十二年から長崎市の消費者センターで相談員として働いており、今年が十年目になります。現在の身分は市役所の特別職非常勤職員です。
 昨年来、消費者庁構想とともに消費者行政にスポットが当たり、私たちが専門職として評価され、一年更新という不安定で報酬も低いワーキングプアと呼ばれる状態から抜け出せるのではないかと非常に期待をしておりました。総務大臣が、地方交付税の消費者行政費において相談員の年収を百五十万円から三百万円に倍増するとおっしゃいました。それを聞いて、私の手取り年収二百万円が二倍になるのではないかと小躍りして喜んでおりました。
 というのも、国の長崎財務事務所が募集した多重債務相談の相談員は、日当が一万四千六百二十円、期末・勤勉手当を含めて年収四百三十万円、これに通勤手当や時間外手当が付くという条件で、多重債務のみの相談業務で四百三十万円以上なら、消費生活相談員は多岐にわたる相談を受けあっせんまで行っているので、もっといただけてもいいのではないかと常々思っていたからです。しかし、残念ながら現実は非常に厳しいものでした。期待が大きかった分、壁の厚さに本当にがっくりきています。
 第一に、地方交付税です。財政に明るい職員の話では、地方交付税の消費者行政費が増えたとしても、交付税の総額はむしろ減少傾向にあり、地方自治体の財政状況は非常に厳しく、地方交付税が相談員の待遇改善に使われるという可能性は非常に低いということでした。
 第二に、この度、地方消費者行政活性化基金、以下基金と申し上げますが、人件費に使えるようになったとしても、長崎市では待遇改善は困難だと分かりました。数年前から、管理職、正職員の方々が相談員の待遇を改善しようと市役所内部で頑張ってくださった結果、長崎市の相談員には、条例で定める特別職非常勤職員の上限金額いっぱいの二十一万五千円、税込み年収二百五十八万円が支払われています。もう上限に達しているので、これ以上、上がることは望めません。財政難のため正職員の給料もカットしているので、非常勤職員の報酬は、今後下がることはあっても上がることはあり得ません。
 基金を残業代に使えるという話も、私たちには無縁だと分かりました。センターは土日祝日も業務を行っており、月曜日が休館です。週に五日出勤なので、年間二百四十二日が勤務日です。一日の勤務時間は七時間、所定の勤務時間は年間約千七百時間で、既に附帯決議にある実質的常勤化になっております。実質的常勤化職員は長崎市だけではありません。内閣府の調査では、週五日勤務の相談員は二三%もいます。加えて、残業がとてもたくさんあります。タイムカードを付けていますので、これを基に計算をしました。月平均の残業は五十時間を超えております。年間の残業時間は六百八十三時間ありました。所定内と合わせると年間約二千四百時間、つまり正職員の年間二千時間よりも長く働いているのです。
 しかし、私たちの年収は手取り二百万円です。地方自治法の壁があるからです。地方自治法では、常勤職員には様々な手当が付きますが、非常勤職員には報酬のみです。長崎市は、地方自治法に基づき手当と名の付くものは一切支払われない制度になっていて、残業代を払ってもらえなくても法令上何の問題もありません。基金をいただいても、残業代を出す制度がないので何も変わりません。だからといって、勤務時間内に仕事を終えてさっさと帰ることはまず不可能です。
 残業が増える一つの理由は、現在の厳しい雇用状況の中で、センターに相談に行くために休暇を取ることができる消費者はそう多くはなく、消費者の都合に合わせて相談を受けているからです。相談に行きたいけれど平日は忙しくてセンターに行く時間が取れない、土日も仕事ですという人に対して、私の勤務は五時四十五分までです、相談時間を考えて遅くとも四時までに来てくださいとか、仕事が休みの日曜日に来所したいという消費者に対して、私の今週の勤務シフトは日曜休みなので平日にしてくださいと言うことが、私にはどうしてもできません。
 センターが事業者と交渉することをあっせんと言いますが、あっせんのためには消費者にいろんな資料を持参していただく必要があります。あっせんに入るのが遅くなると、その後の事業者との交渉がしにくくなり、あるいは契約の取消し期限が過ぎてしまうおそれがあります。とにかく早く来ていただかなければなりません。結局、相談してきた消費者に、仕事が終わってからでもいいですよ、センターのシャッターは透明なので、シャッターの向こうからドンドンたたいてくださいねと約束をすることになります。
 自分の休みの日に予定が入っていなければ、消費者の都合に合わせて休日に出て応対をします。センターに来てもらい、契約書などを確認し、勧誘された様子など詳しく聞き取りをし、交渉の方針を立てます。事業者に出す手紙の下書きを書いてもらい、再度聞き取りをしながら下書きを修正していきます。手紙が完成するまでに何時間も掛かります。私の公休日の朝十時に来て、夜の八時まで掛かった方もいます。全国の相談員についてもほぼ同じ状態だと思います。
 具体的な相談処理については説明する時間がございませんので、別紙資料を御覧いただき、御質問いただければと存じます。
 二つ目の残業が増える理由は、私たちが国の消費者行政の仕事もしているからです。
 相談業務を行政が行う最大の意義は、相談処理の過程で得た情報を被害の拡大防止のために国民全体にフィードバックすることと、国民生活センターの消費生活専門相談員の養成講座で繰り返したたき込まれました。そのメーンとなるものがPIO―NETです。
 PIO―NETは、相談の情報を分析するための国民生活センターの情報システムですが、字数制限やキーワードと合致した内容にしなければならない等の細かなルールがあり、正確に入力されていないと情報として役に立ちません。そのため、かなりの推敲を要します。電話で数分の話で終わる簡単な相談でも、入力の際には十五分以上の時間が掛かり、数か月から一年以上のあっせん交渉をした経緯をまとめるには一時間近く掛かります。相談受付時間内にこれらの入力作業をする時間は取れません。私が受けた相談のやり取りの記録をきちんと書いてPIO―NETの入力まで終わらせようとすると、大抵九時ごろまで掛かります。
 相談業務は地方自治で地域住民の被害が救済され、その地域での被害拡大防止がなされればよいというのであれば、相談情報を自治体独自の手法で住民向けに発信すればよく、膨大な時間を割いてPIO―NETに入力を行い、国民生活センターに集約する必要などありません。PIO―NETに入力した情報が法改正や悪質業者の行政処分などに活用されている、フィードバック機能がきちんと機能しなければならない、そう思うからこそ、現場の相談員は相当な時間と労力を掛けてPIO―NETへの入力業務を行っているのです。
 架空請求に関する相談が急増した平成十四年ごろ、PIO―NET入力の準備のために毎日夜十一時まで残業しました。今はそんなに遅くまで頑張ることができません。内容が複雑で時間の掛かる精神的ストレスや労力が大きい相談が増え、とても疲れてしまうからです。早く帰るとPIO―NETへの入力ができず、受付から伝送までの時間が長期化してしまいます。相談を受けて、この業者は特定商取引法に違反しているから経済産業省に通報したいと思っても、その文書の作成にはかなりの時間を要します。文書を作れないままタイミングを逃してしまったというケースが幾つもあります。
 今後、消費者庁のポイントである情報一元化、そのためのPIO―NET入力がますます重要とは分かっています。しかし、現場はぼろぼろです。消費者に対する相談の質を上げようとすれば時間が掛かります。時間が掛かれば受付件数が減ります。受付件数が減れば相談員を減らす検討が始まってしまいます。私たちは、首を切られないためにキャパシティーを超えた仕事を無理してこなさなければなりません。この状態が平成十二年、相談員になってからずっと続いています。
 私は母子家庭で中学生の息子がおりますが、実家に両親と同居して家事は母任せ、息子と一緒に晩御飯を食べることはほとんどありません。私の先輩相談員は二人目のお子さんの妊娠を機に仕事を辞めました。期間が一年の相談員には産前産後の休暇はあるが育児休業制度はない、これでは働いていけないと言っていました。余りの給料の安さに、生活ができないと辞めていった人はほかに何人もいます。
 これまで頑張ってきたのにまだ頑張らないといけないのか、これがいつまで続くのか、三年後に全般的な検討が行われて処遇改善がなされるのだろうかと十年目に入ったばかりの私が思うのですから、十五年、二十年、三十年と頑張ってこられた全国の先輩相談員の気持ちはいかばかりだろうと思うとやりきれません。
 附帯決議にある実質的常勤化がなされても待遇改善にはなりません。センターの所長に常勤職員、つまり正職員になることはできないのかと尋ねてみました。すると、自治体の首長のやる気だけではどうにもならない、消費者安全法では市のセンターの設置義務はない、国が相談業務を義務化し相談員の人数の配置基準を定めて必要な財源措置をしてくださること、相談員の資格制度が消費生活専門相談員、消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタントと三つに分かれていて、しかも公的資格に過ぎず中途半端、統一して看護師のように国家資格にすること、だれでも相談業務に就くことが可能な状態で正規化するのは難しいという答えが返ってきました。
 私は、相談員はすばらしい職業だと思います。処遇が安定して職業として確立すれば、おのずと優秀な人材が集まり、質が上がると思っています。相談員の質が上がることで、消費者、国民の被害の未然防止やあっせんによる被害救済、適切な消費者教育が図られ、国民の生活の安定が保たれることになるのです。
 今後は、地方自治体の相談員は今まで以上の重責を担うことになると思います。消費者行政は自治事務だと言われておりますが、地方自治体も国の制度に縛られており、自治体のやる気だけでは相談員の待遇改善はできません。地方自治法を変える、相談員の人数の配置基準を作る、国の財源措置を制度化する、相談員の資格を統一して国家資格にする、これらはすべて国にしかできないことです。
 参議院、今後の消費者委員会での御審議において、地方自治体ではどうすることもできない国の制度の改革について御検討いただきますようお願い申し上げます。
 国民生活センターの地方支援や基金についてもお話ししたいことがありますが、時間がありませんので、質疑の時間でお話しできればと存じます。
 消費者庁設置法案の御審議を日本の西の果てからやきもきしながら見ておりました。本日、発言の機会をいただきましたことを心より感謝申し上げます。
 ありがとうございました。
#5
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 次に、中山公述人にお願いをいたします。中山公述人。
#6
○公述人(中山弘子君) 新宿区長の中山弘子です。
 ただいま審議が行われております消費者行政を一元化する消費者庁設置関連三法案について、基礎自治体の長として、また消費者行政推進会議の委員であった立場から意見を申し述べたいと思います。
 今回の消費者庁設置関連三法案は、従来の縦割りで、かつ産業育成の派生的な消費者保護から、消費者、生活者の視点に立つ総合的な消費者行政に転換を図るものであり、大きな意義を持つものと考えています。
 生産者重視だった日本の行政システムの中に、消費者の視点に立つ初の行政機関消費者庁が創設されることは、消費者に安全、安心を提供するにとどまらず、悪質事業者の市場からの排除、ルールの透明性を高めるなどして安全、安心な市場、良質な市場の実現に寄与し、消費者、事業者双方にとって利益をもたらすものと言えます。
 また、消費者行政推進会議取りまとめで述べているように、政府がこれまでの施策や行政の在り方を消費者基本法の理念である消費者の利益の擁護及び増進、消費者の権利の尊重及びその自立の支援の観点から積極的に見直すという意味で、行政のパラダイム転換と言え、真の意味での行政の改革のための拠点となる、明治以来の日本の政府機能の見直しの第一歩を踏み出すものでもあると受け止めています。
 昨年の二月に消費者行政推進会議が設置され、私も委員の一人として、消費者の視点に立った消費者行政への転換、地方消費者行政の充実など、現在審議中の法案の前提となった消費者行政推進会議取りまとめに微力ながら力を尽くした立場から、消費者行政を一元化する消費者庁設置関連三法案の成立を心から願っています。
 現在審議中の法案は、消費者委員会の組織形態、被害者救済制度の検討、地方消費者行政への支援など、与野党合意の上でより消費者目線に立ち、持続的に消費者行政の充実を図るための修正を行ったものと評価をしています。
 特に、不当収益の剥奪などの消費者救済制度については、附則で施行後三年を目途に制度を検討することとされていますが、早急な被害救済のための法的措置の制度検討を是非お願いしたいと思います。
 さて、地方消費者行政の活性化については、与野党の修正協議においても大いに議論があったと伺っています。地方自治体における消費者行政は、消費者の声や消費生活に係る問題をじかに受け止めることができる、消費者に最も身近な窓口を持つ最前線です。その意味からも、地方消費者行政を充実し活性化を図ることは、消費者行政の抜本的な改革の成否を握るかぎであると言っても過言ではありません。
 消費者行政推進会議取りまとめでも、この組織、消費者庁を指しますが、が機動的に活動できる賢い組織として消費者行政において司令塔的役割を果たすためには、何よりも地方自治体との緊密な協力が必要であり、消費生活センターの強化充実を前提にした緊密な全国ネットワークが早急に構築されなければならない、行政のパラダイム転換のためには、中央、地方を貫く、消費者の声が届く連携協力のネットワークの創出が不可欠であると指摘しています。
 今回の法案の中でも地方消費者行政の重要性が認識され、活性化に向けた地方への支援なども盛り込まれていますが、基礎自治体の長の立場から、新宿区における現状なども含め、所見を申し述べます。
 消費者行政推進会議においても、地方消費者行政が弱体化している現状が指摘され、活性化の必要性が議論されました。基礎自治体である市区町村では、消費者基本法に基づき、消費生活センターを中心として、消費生活相談、消費者教育、消費者団体の支援など、生活者や地域に密着した施策を行っています。
 また、保健所を設置している市区では、食品の安全確保について、各法に基づく様々な対応を展開しています。特に相談事業では、実際に事業者とのあっせん交渉を通じて多くのトラブルを解決しています。身近な消費者行政は自治事務であり、各自治体が法の趣旨に沿って地域特性に応じた施策が展開できる自由度を持っています。
 行政の総合化という視点では、生活者の抱える問題を総合的に解決するために関係部署が横断的に対応するなど、縦割りを超えた柔軟な対応が可能であり、新宿区では、その時々の課題に応じて、住民と最も身近な行政機関としての強みを生かし、地域の様々な資源と連携しながら特色ある取組を行ってきました。
 高齢者の消費者被害が増加してきたことに対して、声を上げることが困難な高齢者のそばにいるホームヘルパー等介護保険事業者、民生委員、高齢者見守りボランティアなどの協力を得て高齢者被害を早期に発見し、消費生活センターに通報して、早期に被害の回復を図る悪質商法被害防止ネットワークを立ち上げて成果を上げてきました。
 また、多重債務が社会問題化した際には、消費生活センターが中心となり、東京三弁護士会、福祉事務所、税務部門などと連携し、多重債務の問題を抱えている方の掘り起こしから相談、債務整理までの一貫した特別相談事業を実施しました。しかし一方で、自治事務であるがゆえに消費者行政の執行体制や施策の取組について各々の自治体ごとに温度差やばらつきがあり、総体として地方消費者行政の弱体化が大きな課題となっています。
 これは、地方の財政状況が悪化する中で、その自治体の政策上の優先順位によっては十分な予算が措置されず、弱体化しているといったことも一つの要因として挙げられます。また、消費者行政に対する首長の問題意識の差が影響している点も否めません。ちなみに新宿区では、最近の十年の中で消費生活相談員を二名増員し、予算も増額して、先ほど述べたように、その時々の課題に応じた取組を行ってまいりました。
 このように、本来、基礎自治体は消費者の意向や直面する問題を敏感に把握し、その解決に向けて柔軟かつ総合的に対応できる可能性を持ち、実際にその役割を果たすことができる能力も備えていると考えています。
 消費者行政一元化の改革の目指すものは、国の組織や仕組みの変革にとどまらず、地方の消費者行政の在り方が問われているのであり、更なる地方分権の推進と相まって、地方自らが消費者行政の充実を図る環境を整えていくことが重要です。
 そこで、消費者庁設置を契機に、地方消費者行政の活性化を着実に進めるために次の二点が肝要であると考えています。
 一つは、弱体化している地方消費者行政の現実を見据え、基礎自治体の消費生活センターの充実強化を図り、国民に最も身近な相談窓口として役割を果たせるよう国として柔軟かつ大胆に支援することです。あわせて、大胆な地方への権限や税財源の移譲を検討していただきたいということです。
 今回、消費者庁が機能するための地方消費者行政の強化を図るため基金の造成が行われ、かなり柔軟な活用が可能と聞いていますが、弱体化しているそれぞれの自治体の実情に合わせた活用をより一層図れるようにすることが不可欠と考えます。あわせて、先ほども申し述べたとおり、消費者庁と地方自治体が緊密な協力を行うとともに、消費者行政が自治事務として定められた範囲の任務、権限、財源の三つを持つことにより、自治体の創意工夫によって柔軟に現場で問題の解決を図っていくことが重要であると考えています。
 今回の法案で、消費生活センターが法的な位置付けを得たことを評価するとともに、更に国から都道府県へ、また必要に応じては都道府県から市区町村へ権限と財源を移譲し、消費者に最も身近な窓口で柔軟かつ着実に解決を図る体制を整備することが、消費者庁を消費者行政の真の司令塔として機能させるために大切であると考えます。
 二つ目は、消費者庁が消費者行政の司令塔として地方消費者行政の充実に積極的に都道府県知事や市区町村長に向けて熱いメッセージを発信することも必要であると思います。
 地方自治体は、首長の下、地方公共団体としての責務を果たすべく行政運営を行っています。一元化した消費者行政の司令塔機能としての消費者庁と地方の現場からの消費者の声が届く連携協力のネットワークの創出のかぎを握っているのは、各自治体の首長です。したがって、各首長が消費者行政の活性化の必要性を認識し行動することが活性化の原動力となります。
 また、こうした地方消費者行政活性化のためには、消費者、国民による強力な後押しが欠かせないことは言うまでもありません。全国知事会や全国市長会などに総理大臣や担当大臣が出席して、この大きな改革の趣旨、地方消費者行政の活性化の必要性などを訴えていただくことも効果的であると思います。様々な方法で消費者、国民へのPRを行うとともに、地方に向けてメッセージを発し、地方が自ら考え行動する環境づくりを進める必要があると考えています。
 最後になりますが、この度の法案審議が円滑に進み、一日も早く新たな消費者行政の枠組みが始動することを切に願いまして、私の公述を終わります。
#7
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 次に、長野公述人にお願いをいたします。長野公述人。
#8
○公述人(長野浩三君) おはようございます。
 適格消費者団体NPO法人京都消費者契約ネットワーク理事・事務局長の長野でございます。
 私自体は、平成七年から弁護士登録をして弁護士を本業としております。弁護士としての活動としては、消費者事件に主にかかわってきました。古くはココ山岡事件、それから敷金が返還されないという敷金問題についての契約条項の不当条項事件、それから破綻しましたNOVAの解約金の事件、あの事件の最高裁判決も訴訟代理人をしております。さらには、日常的には悪質リフォーム事件であるとか水道業者の修理事件であるとか、そういった悪質な消費者契約についての消費者の側に立った弁護活動をしております。
 今日は、適格消費者団体の理事・事務局長として、この適格消費者団体の活動を通してお願いしたいことについて意見を公述したいと思います。
 まず、適格消費者団体とは、平成十九年六月の施行の改正消費者契約法の規定によって、内閣総理大臣の認定を受けて事業者等の不当行為を差し止める権限を有する消費者団体でございます。現在、全国で七団体が認定されております。今日御配付させていただいております内閣府の作成したパンフレットの一番後ろのところに、そのうちの六団体が載っております。これに加えて、現在、埼玉消費者被害の救済を図る会が認定されておりまして、全部で七団体になっております。現在、適格消費者団体が差止めをなし得る差止め対象行為は、消費者契約法、景品表示法の該当行為であります。特定商取引法についても、法改正はされておりますけれども、現在未施行でございます。
 次に、当団体の概要について御説明したいと思います。
 当団体は、京都の消費者、消費者団体、この消費者団体には、NPO法人コンシューマーズ京都(京都消団連)、それから欠陥住宅京都ネット、京都府生協連等がございますけれども、この消費者団体、それから消費生活相談員、学者、司法書士、弁護士ら約百名で組織している団体でございます。消費者問題、特に消費者契約に関して高い専門知識と解決能力を持つ者らのネットワーク組織と言えると思います。消費者団体訴訟制度ができる前の二〇〇二年から、事業者に対する不当行為中止の申入れ活動を先駆的に行っておりました。二〇〇七年十二月に、四番目の適格消費者団体として内閣総理大臣の認定を受けております。
 当団体の差止め請求事例について次に御説明したいと思います。
 当団体が差止め請求をしている事例として、まずマンション賃貸借契約における定額補修分担金条項の使用差止め請求事件がございます。この事件は、マンション賃貸業者が使用する定額補修分担金条項の使用差止めを求めるものであります。
 この定額補修分担金条項とは、リフォーム費用として従前の敷金相当額程度、月額家賃の大体二倍から四倍程度、この金額を賃借人から賃貸人に支払って、賃借人に返金しないというものでございます。賃借人の軽過失損耗があってもこの分担金以外に負担する必要はないのですけれども、重過失・故意損耗があれば別途賃借人が負担することになっている条項であります。
 この条項は不当な原状回復条項で、敷金を取りっきりにするといういわゆる敷金問題の実態を維持するために考案されたものと考えられる不当条項であります。京都地裁それから大阪高裁では、この分担金条項は無効との判決があります。この条項について、〇八年三月、京都地裁に差止め請求訴訟を提起し、現在係属中でございます。
 二番目に、マンション賃貸借契約における敷引き条項使用差止め請求事件がございます。これも、マンション賃貸業者が使用するいわゆる敷引き条項の使用差止めを求める事件でございます。
 敷引き特約の例としては、敷金を三十万円設定しまして敷引きを二十五万円、二十五万円もう返さないという形に設定します。ですから、返されるのはたった五万円というふうな高額の敷引き条項が設定されているような事例があります。
 無効とする判決は、地方裁判所で多数ございます。この件についても、〇八年八月に、京都地裁へ差止め請求訴訟を提起し、同年十月、第一回口頭弁論期日において被告事業者がこの条項を使わないということについて認諾をしております。認諾は、こちらの請求をそのまま認めるという訴訟行為でございます。
 三番目としては、冠婚葬祭互助会の解約条項使用差止め請求事件がございます。
 いわゆる冠婚葬祭互助会、冠婚葬祭のための積立金契約でございますけれども、冠婚葬祭互助会の解約時の解約金が非常に高額に設定されているこの解約金条項使用差止め請求を求めた事件でございます。五十万円の積立てを行って、一回二千五百円、全二百回というふうな契約では、九回目までは返金は全くゼロでございます。五十万円全額積み立てても、その時点で解約をした場合の返金額はわずか四十二万七千八百五十円、非常に高額の解約金を取られるという事件です。この事件については、国民生活センターへ情報提供要請を行ったところ、多数の被害があることが判明して、〇八年、京都地裁へ差止め請求を提起し、現在この事件も係属中でございます。
 以下では、現在検討中の事件を御紹介したいと思います。
 四番目には、携帯電話の高額パケット料問題でございます。
 携帯電話でいわゆる一パケット〇・二一円というパケット料の契約がございます。これを、携帯電話をパソコンにつないでインターネット通信を行ったところ、非常に高額のパケット料の請求を受けたという消費者トラブルが多発しています。総務省の資料によれば、数千万円の請求もあったというふうに聞いております。
 一パケット〇・二一円と言われても、例えばこの通信を、このホームページの表示を行えば何パケットかということが明らかではなく、料金が全く明らかではございません。そもそも、携帯電話で何十万円もの請求を受けること自体、全く消費者は予定しておりません。このような額の請求になること自体が言わば欠陥商品ではないか。このような観点から、消費者契約法の規定で無効ではないかという検討を行っております。
 さらに、結婚式場の解約金条項問題にも取り組んでおります。結婚式場を解約した場合の解約金条項のトラブルが非常に多数発生しています。
 挙式の一年以上前に解約しても十万円程度の解約料を取られる場合がございます。また、三か月前程度の解約では基本料金の七〇%、百万円で契約していたら七十万円を、挙式を施行していないのに取られるというようなトラブルがございます。
 事業者団体の標準約款も含め、解約料金の根拠について検討し、明らかな解約料が設定されていると考えられることから、差止め請求を行う予定をしております。
 ほかにも多数の消費者トラブルがございますけれども、これらの差止め請求事件を通じて是非とも検討していただきたいことについてお話をしたいと思います。
 まず、私たちが現在与えられているこの差止め請求権ですけれども、この差止め請求権は、事業者の違法行為の予防には一定有効ではあります。ただし、完全ではございません。差止め請求だけでは極めて不十分な点がございます。ここでお話ししたいのは、差止め請求に加えて、適格消費者団体に金銭請求についての消費者団体訴訟制度を創設していただきたいということでございます。
 敷引き特約の差止め請求を行った、先ほど申し上げた業者とは別の事業者に対して行った敷引き特約の差止め請求では、当該事業者は、敷引き特約の使用をやめたというふうに主張しつつ、個別の消費者については敷引き金の返還をするとは明言しませんでした。私たちが個別の消費者に返金しなさいというふうに申し入れても、そのことについては明確な回答をしないという態度を取っております。
 この事業者については、私たちの団体に、実際に敷引き金が返還されていないという苦情が来ております。全国的な展開を見せているサブリース業者でして、恐らく一件二十万から三十万円の敷引き金で、数百件、数千件の被害事例があるというふうに考えられますので、非常に巨額の被害がそのまま放置されている状況にありますし、事業者には不当な利益が残存している状態があります。
 このような事例では、差止め請求だけでは回復されない消費者被害額が極めて大きく、また事業者の不当な利得が残ったままの状態になっております。消費者被害の回復、事業者の不当な行為の抑止、これは不当な利益の剥奪をすることが必要だと思いますけれども、これらのためには、金銭請求についての消費者団体訴訟制度が必要不可欠でございます。
 この金銭請求についての消費者団体訴訟制度の具体的な内容については、個別消費者からの個別の委任なくして被害者の請求権を適格消費者団体が行使する制度や、事業者の不当利得を剥奪するといった制度が考えられます。今回の法案の附則でもこの点について規定されており、この点について早急に、早期の実現をしていただきたいと思います。現在、私も委員として参加する内閣府の集団的消費者被害回復制度等に関する研究会でも、この制度については議論がされております。
 また、附則の方で規定されておりますけれども、悪質業者については財産をどこかに隠匿してしまうことが非常に多数発生しておりますので、財産の隠匿、散逸の防止に関する措置も併せて検討されることが必要不可欠だと思います。
 もう一点、お願いしたいことの柱として申し上げたいことは、適格消費者団体の財政についてであります。
 先ほどから申し上げております差止め請求権の行使では、全くこれはペイしません。やればやるほど赤字事業であるという性質を持っております。全く差止め請求権の行使によっては適格消費者団体にプラスの収入というのは発生しません。マイナスの経費だけが発生するということになります。
 こういった中で、実際の活動は専門家のボランティアで支えられているのが現状であります。私どもの団体の財政規模のことを言うと恥ずかしいほどでありますけれども、予算規模については年間百万円程度の予算規模しか有しておりません。その中で差止め請求訴訟を三件抱え、その他不当な条項、不当勧誘行為の検討事例を数事例抱えて活動を行うということは非常に負担となっております。この点については、何らかの手当てが必要であることは明らかであると思います。
 今回の附則の五項において、適格消費者団体の必要な資金の確保その他の必要な財政の支援の在り方について見直しを規定していただいている点は非常に感謝しておりますし、この点についての具体策を是非お願いしたいと思います。
 具体的には、一番の逼迫しておる財政支援について幾つか申し上げたいと思います。
 具体的には、差止め請求に要する活動の費用、それから訴訟費用等の援助、それから差止め請求を行う段階での様々な法技術上の研究費用の援助を是非お願いしたいと思っております。これについては、この法案の審議でも議論されております地方消費者行政活性化交付金の活用も含めて是非具体化していただきたいと思っております。
 さらには、税制についてもお願いしたいと思います。税制についてお願いしたいのは、所得控除ではなくて適格消費者団体に寄附した場合の寄附金の税額控除の制度を是非お願いしたいと思います。これによって適格消費者団体に資金が、寄附が集まりやすくなります。適格消費者団体の公共性を考えれば、是非この税額控除の寄附制度をお願いしたいと思っております。
 さらには、先ほど申し上げた金銭請求制度ができた場合の手数料、これも適格消費者団体の財政基盤の一助になることが考えられますので、金銭請求についての消費者団体訴訟制度を創設する際には、適格消費者団体への手数料の制度も整備していただきたいというふうに思っております。
 是非この二点については、適格消費者団体の立場から、附則に規定されております事項について具体化をお願いしたいと思っています。
 さらに、消費者庁、消費者委員会については、実効的な法執行ができる体制を是非お願いしたいと思います。弁護士の立場からいうと、任期付公務員で現在内閣府国民生活局に何人か行っておりますけれども、弁護士としての法的専門能力を生かした法執行ができることから、任期付公務員に消費者庁についても何人か採用していただきたいというふうに思っております。
 さらに、地方消費者行政についてでありますけれども、これについては私以外の公述人の方が詳しく述べておりますので詳しくは述べませんけれども、私どもの団体にも消費生活相談員の方が多数おられます。地方消費者行政を担っているのはこれらの相談員の方であることは明らかであります。相談員の正職員化、相談員の人口比に応じた配置など、相談員の処遇についての適切な措置を私の方からもよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
#9
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 次に、吉田公述人にお願いをいたします。吉田公述人。
#10
○公述人(吉田直美君) 盛岡市消費生活センターに勤務しております吉田直美と申します。
 本日は、発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。また、私たちの現場が充実化するようにと多くの皆さんに御尽力をいただいていることに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 私はもとより盛岡市を代表して意見を述べる立場にはございませんので、本日は実務者として、いかにすれば地方消費者行政が真に充実するかにつきまして、僣越ながら私見を述べさせていただきたいと思います。
 まず最初に、地方における機能と役割を共通認識化する必要性について述べます。
 地方がどのような機能と役割を持つべきかについては、消費者行政推進基本計画によって明確化されたと理解しておりますが、それが一体どのレベルなのかについては議論する人によって差があるように感じます。まずは、この理想形を共通認識化しないと議論にそごが生じることになるというふうに感じております。私が現場にいて考えるこの理想形とは、地方自治体が消費生活センターを設置するなどして住民に寄り添い、問題を主体的に解決する、又は解決に向かうコーディネートを行う。相談のたらい回しは原則禁止、相談に来た住民を温かく迎え、問題の解決が見えてくるまで親身になってワンストップでサービスを提供するといったことだろうと考えます。すなわち、住民に頼りにされ、住民にとって正義の味方となる高度な対応が行われる駆け込み寺のような機関を全国各地につくり上げていくことになると理解しております。
 この計画を見たとき、これは大変すばらしい、百点満点の理想形だと心を躍らせました。しかしながら同時に、現実とのギャップに、これはかなり大胆な施策を打たないといけないのではないかと、今後の取組の困難さを憂慮しました。
 地方の現状を見ますと、私のいる盛岡市消費生活センターはそこそこ頑張っているつもりではありますが、それでも六十点くらいではないかと思います。ほとんど何もない市町村も相当あるのが実態ではないかというふうに思います。
 本日は、このような地方の現状を踏まえ、どのようにすれば地方が百点満点を目指せるのか、三つの論点を示しながら私なりの提言をさせていただければと思います。
 まず第一に、相談員は非正規雇用のままでよいのかという論点です。
 消費生活相談員の劣悪な処遇等の問題点は、先ほど佐藤さんからも御説明があったとおりです。消費生活相談員が非正規雇用、多くの場合、非常勤職員であることにそれらは起因し発生しています。また、非正規雇用であるがゆえの実務上の問題もあり、結果として消費者行政の弱体化をもたらしています。したがって、これらの問題を解決するためには、消費者行政に携わる者の身分、権限及び処遇の一元化、すなわち職員の正規雇用化が必要です。また、現状のように、事務を執る正職員、相談をする非正職員といったような身分的分断を解消することも必要です。
 なぜこれが必要なのかについては、私の資料三ページの別紙一と六ページの参考資料一を御参照いただければと思います。
 なお、現在の人材を有効に活用するためには、正規雇用を希望しない者は引き続き非正規雇用のままで活躍できる配慮も同時に必要です。また、職員の正規雇用化を実行するためには、地方自治体における職員定数の縛りを解除することも必須となります。加えて、職員をプロ化、専門職化する必要があると考えますが、そのためには組織上、人事上の工夫が必要となります。具体的には、後述するように、地方消費者行政の実施主体を普通地方公共団体から特別地方公共団体に転換することで、これらの工夫がしやすくなると考えます。
 繰り返しますが、原則全員正職員化、まずこれが第一に必要です。非正規雇用のまま相談員の頭数が増えて処遇がちょっと上がる程度では、根本的な解決にはなりません。住民に信頼され、力強い体制構築もできません。この措置がないままでは、心ある相談員の業務はますます増大し、今以上に疲弊の度合いが深まるのではと危惧しています。
 目の前の困っている人をほっておけないという相談員の熱意、非正規雇用の方々の献身によって地方消費者行政が辛うじて支えられているという構造的問題を直視し、今何としてもこれを大きく変革しなければならないと考えます。
 第二に、地方消費者行政は純然たる自治事務なのかという論点です。
 例えば、盛岡市においては、PIO―NETへの相談情報の入力を膨大なマニュアルに従って相当の時間を掛けて行っていますが、入力する手間暇と比べて私たちが得られるメリットは少ないと判断しています。このことから、PIO―NETへの入力が自治事務であるとすれば、そこから脱退することは地方の自由であり、それを真剣に検討しなければならないと考えています。このような動きが全国的な広がりを見せれば、情報の一元化の根幹部分に大きな影響が出るのではと考えます。
 地方消費者行政は、住民に近い地方自治体がきめ細やかに対応する部分と国が責任を持って国民生活の安心、安全を保障すべき部分とが混在していると考えられます。したがいまして、地方消費者行政は純然たる自治事務であると言い切れないのではと考えます。
 地方消費者行政を自治事務であるからと地方の勝手に任せるのではなく、地方消費者行政は消費者庁を支える重要な地域拠点であるととらえ、その役割にかんがみ、一義的には国がしっかりと責任を持ち、地方と連帯して運営すべきであると考えます。このことは、消費者行政推進基本計画において、新組織が満たすべき六つの原則の中で、新組織はすべての消費者が迷わず何でも相談できるよう一元的窓口を持つということが明記されていることからも、そのように理解できると考えます。
 具体的には、@地方における消費者行政は国からの法定受託事務と位置付け、地方自治体が主体的に行うか、A基本的に自治事務としながらも、消防、警察をモデルとした国による地方への手厚い財源支援、人員の確実な確保を担保するための法制化措置のいずれかを採用することを提言します。どちらにおいても、国による地方の人員、組織及び予算の裏付けを明確化します。これにより、地方においては業務が義務化され、勝手にPIO―NETを脱退するといったようなことはできなくなるものと考えます。
 第三に、あまねく市町村に強力な相談体制が取れるかという論点です。
 一見、各市町村に相談窓口があるのが理想と考えられますが、各市町村がそれぞれに行うと、自治体の能力、財力に影響され、優劣が生じ、相談過疎地区も出かねません。また、同一都道府県内に運営体がたくさんあると縦割りとすき間が生じ、住民がそこに落ち込みます。情報一元化もなかなかうまくいかないのではと思います。市町村の実情を直視すれば、これは現実的ではなく、特に小規模市町村が連なる道府県においては、そのような体制整備は非効率的であると考えます。また、住民に余り寄り添わず、たらい回しを中心に行う脆弱な消費生活センターが数量的に増えても、前述した地方の機能と役割を考えれば不十分です。
 そこで、地方における消費者行政を最小限の予算と人員で合理的、効率的かつ均質的に行うために、次のことを提言します。
 @各都道府県に都道府県と全市町村が構成員となる消費者行政を行うための広域連合を設置することを法令等により義務化し、都道府県内を一体的に運営すること。A都道府県内各地には生活圏ごとに広域消費生活センターを設置すること。B都道府県ごとに優劣が出ないように、消防力の整備指針に倣い、国が地方消費者行政力の整備指針を定め、人口割りによる職員定数、必要な予算額、権限の明示等を行い、全国どこでもきちんとした体制が構築できるようにすること。以上の三つです。
 この提言が実現されると、少なくとも同一都道府県内で住民をたらい回しにすることがなくなります。また、相談の現場では、知事の処分権限を背景とした強いあっせん処理が可能となります。広域連合が独自に職員採用を行い、職員を育成し、各センターを異動させることにより、地方消費者行政に携わる者のプロ集団化が同時に図られます。
 このように、この提言は多くの利点をもたらすものと考えます。詳しくは、私の資料四ページの別紙二、十二から十五ページの資料を御参照いただければと思います。
 この提言に従って消費生活センターが広域化されれば、地理的に住民が身近な場所で相談しづらくなることが懸念されますが、各市町村には引き続き消費者行政を行う担当を残し、広域地方消費生活センターにアクセスしづらい高齢者の取次ぎを行ったり、広域消費生活センターで対応した後、生活再建などのため市町村の行政サービスの利用が必要な住民を引き継ぐ体制をつくることにより、このデメリットも解消されるものと考えます。
 さて、これらの提言は一見地方分権に反するようにも見えますが、全国どこに住んでいてもきちんと対応してもらえる強い体制をつくるには、地方の現状からいって、これくらいのやり方でなければ実現困難であろうと考えます。行政が何か新しいことをしようとするときには、人事と財政担当者が首を縦に振らなければ話が何も進みません。そのためには、このような大胆な仕掛けが必要です。財政が逼迫化する中、首長のやる気だけでは地方消費者行政はなかなか充実しません。
 次に、これらの施策を具現化するとともに、そこに魂を吹き込む作業が必要となります。消費者行政は人が命です。組織だけが立派にでき上がっても、そこで働く者が疲弊していたり、知識や技能が乏しかったり、住民に寄り添う姿勢が低かったりしたのではいい仕事はできません。このため、まずは消費者行政を一生の仕事としてできるように職員の処遇をしっかりすること、知識、技能を高めるための研修を充実させること、消費者行政に携わる者に必要な精神をしっかりと持たせることが肝要です。
 今後、この地方体制をどのように充実化していくのか議論が深まるものと期待していますが、その作業を行う際には是非地方の声をしっかりと聴いていただければと思います。現状把握、現状認識を正確に行うことが良い施策形成に結び付くことに疑いはありません。
 次に、消費者行政におけるそのほかの課題について述べたいと思います。
 まずは、消費者教育と啓発です。これは、消費者の丈夫な体づくりと予防接種に例えることができるかと思いますが、消費者市民社会の実現のためにはこの充実が不可欠であろうと考えます。これに必要なノウハウの蓄積、活用及び人材の育成が急務です。
 次に、市民の持つ活力、英知を消費者行政とどうやってリンクさせていくかについてですが、これは行政全般の在り方にもかかわることですが、消費者行政においては市民と行政とが協働する形をつくりやすいのではないかと期待しているところです。
 三つ目に、消費者行政に携わる者に対する研修教育の充実ですが、これは、一義的には国民生活センターの研修制度を充実させることかと考えますが、国センの研修機能を国税庁の税務大学校に倣い消費者行政大学校の設立に発展させるなど大きく引き上げることも検討されるべきと考えます。
 さて、最後になりますが、住民にとって消費者行政一元化に期待することは何でしょうか。それは、いざというときに親身になって助けてくれる正義の味方が身近にいること、その安心感ではないかと思います。暮らしの安心、安全の拠点を全国各地につくること、住民に身近な地方現場の土台をしっかり構築していくことが消費者行政一元化を十分機能させることにつながるものと考えます。
 最後に、これまで述べたことを地方消費者行政充実化への道として別紙三に整理し、私見を締めたいと思います。ありがとうございます。
#11
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 以上で公述人各位の御意見の陳述は終わりました。
 それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願い申し上げます。
#12
○藤原良信君 民主会派の藤原良信でございます。
 本日は御苦労さまでございます。そしてまた、提言を含めまして貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 この度の消費者庁設置は国における消費者行政の司令塔をつくるという点で意義を有するものでありますけれども、消費者行政を今後充実させていくためには地方の現場、すなわち消費生活センターが円滑かつ十二分に機能を果たすことが最も重要であると思っております。
 これを踏まえまして、順次何点か御質問をさせていただきたいと思います。十五分という限られた時間でございますので私も簡潔に質問したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、佐藤公述人にお願いいたしたいと思います。
 今、佐藤公述人からは、相談員の仕事、待遇に絞られまして特にお話しされまして、この中身については大変十二分なお話をお聞きしましたので、ダブらないようにお尋ねしたいと思いますけれども。
 今のお立場の中で見解をお示しをいただきたいと思うんですが、消費者安全法案では、消費生活センターについて都道府県には必ず設置をするとしておりまして、市町村においては設置は努力義務とされております。住民の立場からしますと、市町村という身近なところに相談窓口があるという状況が望ましいわけでありますが、現実にはそれぞれの市町村の財政事情などから、消費生活センターの設置が難しい場合も想定をされます。
 それぞれの市町村の事情を踏まえつつ、消費生活センターを設置をしていくためにはどういう取組が必要であると、お立場上でお考えになられますか。まず、この点をお尋ねをしたいと思います。
#13
○公述人(佐藤加奈江君) 市町村の規模につきましては非常にばらつきがございます、数万人規模のところから数十万人規模のところまで。すべての市町村に設置義務を課すといっても、相談員の人員的な補充の問題とか、そういうものがございまして難しいのではないかと。
 小さい窓口に一人で相談を受ける相談員を配置しても、なかなかやはり、別紙でお配りしておりますけれども、非常に相談を受ける範囲が広うございまして、一人で何もかもこなしていくというのは非常に困難です。私のところは五人相談員がおりますが、やはり五人で相談しながらやるということができますけれども、一人窓口ではそれができませんので、ある程度やはり広域で、人数を相談員、複数配置しての、地方の行政ということではその方が私はよろしいかと考えております。
#14
○藤原良信君 ありがとうございます。
 それから、ただいま公述人がお話しなされた中で、国民生活センターの地方支援や基金についてお考えがあるというお示しをされましたので、この点にもちょっと触れていただきたいと思います。
#15
○公述人(佐藤加奈江君) 国民生活センターの方で私どもは研修をいつも受けさせていただいております。今回、消費者行政活性化基金によりまして、研修費、現場の相談員にとって、既に既存の相談員で待遇改善が図られたのは何かというと、唯一私がこれぐらいかなと思ったのは、今まで長崎からですと二年に一度しか国民生活センター相模原での研修に行けませんでした。一人十五万円ということで予算が出るそうですので、年に一回は行けるね、よかったねと、それぐらいなんですが。今度、この度、六月に先輩のほかの相談員が六月の講座を受ける予定ですが、今度は殺到し過ぎて、受講者が多過ぎて一室、一つのお部屋に入らない、あふれた人は隣で受講してくださいという、ビデオか何か見てですね、という話が出ております。
 何のために、せっかく予算を付けていただいてそれで行くんだろうかということがございますので、やはり回数ですね、実質的に減っておりますので、その回数を増やしてほしい。ただ、国民生活センター、予算、独立行政法人の縛りで予算減で実際は現場の手が足りないと聞いておりますので、活性化基金の方から、逆に現場でもなかなか使い勝手が悪いところもあるので、国民生活センターの機能充実の方にかなりの部分を使っていただくのもよろしいのではないかと考えております。
#16
○藤原良信君 ありがとうございます。
 吉田公述人に、今のことと非常につながりがあるのでちょっとお尋ねいたしますけれども、お話の中で、いわゆる待遇のことですね、十二分な能力を持つ体制を整えるためにはきちっとした正規、非正規雇用のままでいいのかという、そういう疑問を呈されました。
 これらを踏まえた上で改めてお尋ねをしたいんですけれども、第一線で相談業務に当たっておられる消費生活相談員の方々につきましては業務の高度化や専門化にふさわしい待遇の改善が必要であることが、衆議院でも、それから参議院のこれまでの委員会審議で重ねていろいろと指摘をされてまいりました。政府は、今後三年間、都道府県に造成する基金により地方の消費者行政活性化のための支援を行う、それから、平成二十一年度の地方交付税措置について、消費者行政に係る基準財政需要額を倍増させることといたしましたが、三年後の国の支援の見通しは明らかではないわけであります。地方交付税措置についても一般財源であるため、相談員の方々の待遇のいわゆる処遇改善に直接結び付くようになるかどうかは不透明であるというふうな、そういう心配点もあるわけであります。
 この点に関しまして、これまでの国会論議の中で、地方の消費者行政に係る事務を自治事務ではなくて法定受託事務として国からの財政的支援の道筋を付けるべきという提案もあったわけでありますけれども、衆議院におきまして、消費者庁設置法案の修正で追加された附則で検討条項ということで盛り込まれ、今後の検討課題の一つとされておりますが、吉田公述人といたしまして、現場の消費生活相談員の置かれている今の改めて状況下、それから国による地方消費者行政への支援の在り方について御見解をお尋ねをしたいと思います。
#17
○公述人(吉田直美君) まず、現在の相談員の状況なんですけれども、おおよそほとんどの自治体では非正規雇用の方々がその任務に当たっておりまして、非正規雇用ですから任用期間というのが必ずあります。最大一年ぐらいだと思うんですね。その壁は非正規雇用である限り乗り越えることができません。
 それから、基金などを使って報酬が上がるのかという点ですが、これは先ほど佐藤さんが御指摘のとおり、金はあっても自治体の制度上、仕組み上、上げづらいというか、ほとんど難しいのではないか。現実的にも、盛岡市においても事務系非常勤の最高額を既に支給していますので、うちの相談員、うちの非常勤職員だけが飛び抜けて処遇を良くするわけには、役所全体から考えればそうはいかないと、幾ら金があってもそれは実現ができないということになろうかと思いますから、そもそも非正規雇用であることに問題があるのだろうと私は考えています。
 ですので、正規雇用化しないことにはこれらの問題点は解決しない。まあ一時しのぎにはもしかしたらなるかもしれませんけど、それは長い目で見れば決していい施策とは言えないのではないかというふうに考えております。
#18
○藤原良信君 中山公述人にお尋ねいたしますけど、今の関連になっていきますけれども、いわゆる自治事務でありますがゆえに、この消費者安全法案では、消費生活センターは都道府県には必ず設置するけれども、市町村においては設置については努力義務だということは今申し上げましたけれども、そうなっていきますと、それぞれの市町村における相談窓口の整備についてそれぞればらばらの懸念をされるわけでありまして、これは課題だと思うんですけれども、この点について行政の長としてどういうふうに思われておりますか。
#19
○公述人(中山弘子君) 消費生活センターが都道府県には必置、今回市町村については努力義務となったのは、今の現状、現実からそういうふうになっていると思います。ですから、これは法の作りの問題であって、市町村について必置という考え方も十分取れるはずです。
 現実から見ますと、例えば今までの佐藤公述人それから吉田公述人からもお話ございましたように、市町村の規模はばらばらですし、そこでどれもが必ず自分のところで設置するというのが効率的でないということはそのとおりです。ですから、私は、市町村で十分できる規模のところはやり、そしてまた規模が小さくてできないところは、例えば吉田公述人の御提案にありましたような、ちょっと考え方が違うんですけれども、都道府県ごとにということではなくて、小さいところがまとまって広域連合、若しくは、現在東京都はどのようなやり方をやっているかといいますと、東京都の消費生活総合センターが、例えば多摩地区でありますとかそういったところを支援するというような形で直接的に受けています。
 ですから、私は、現実的に、基本的な原則は、区市町村が消費者相談等々の最前線としてのやはり役割を果たすという原則の下に、現実的なそういった広域的な対応、若しくは都道府県が補完的な役割を持つ、それから国ももちろん、先ほど国の話についてありましたけれども、国は国としてのそういった、消費者庁は司令塔として地方と協力連携した緊密なネットワークを築くというところでは国が負担すべきところも大いにあると考えております。
#20
○藤原良信君 そこでなんですが、改めて御見解をお尋ねしたいんですが、政府は、今後三年程度、都道府県に造成する基金によりまして地方の消費者行政活性化のための支援を行うということを決めております。この基金に基づき、新宿区といたしましてどのように消費者行政の充実に取り組んでいかれようとしておりますか、その方針をお尋ねをしたいと思います。
#21
○公述人(中山弘子君) 新宿区におきましては、例えば先ほどの消費生活相談員の処遇がどういうふうになっているかと申しますと、現在、消費生活相談員六名おります。そして、週四日それぞれが勤務をしていただく。ですから、開庁日の月曜日から金曜日まで五名体制を九時から七時まで取れるということで、二十七万五千二百円の月十七日間の勤務で報酬を支払っています。
 これからの対応としましては、私は、先ほど正規職員化ということも課題だというお話がありましたが、そういったところも長い目で見たときに行っていく必要があると思っております。それと、今回、やはりこの消費者行政というのは現場で解決できる力、それも地域の資源を使って解決していくということが非常に重要でして、消費生活センターだけではなくて、今、新宿区においては保健所と福祉事務所と消費生活センターは同じ場所に、フロアを同じ場所に整備をして連携を取れる、それから地域の方々とも連携を取れるというような状況を取って向上を図っていきたいと考えています。
#22
○藤原良信君 ありがとうございます。
 長野公述人にお尋ねいたします。
 時間が限られてございまして、大変恐縮でございます。はしょってお尋ねいたしますけれども、消費者団体訴訟制度は平成十三年四月にスタートいたしましたが、この訴訟を行うことが認められた適格消費者団体は、全国に先ほどお話しのとおり七団体にすぎません。諸外国と比較をいたしましても大変心もとない状況なんであります。本来であれば全国満遍なく適格消費者団体が存在することが望ましいと考えますが、適格消費者団体の認定数がなかなか増加しない理由について、長野公述人のお立場としてどのようにお考えになられますか。
#23
○公述人(長野浩三君) 適格消費者団体は現在七つでございまして、特に北海道とか九州とか四国とかの地方にはございません。これがやっぱり一番、適格消費者団体の申請がなかなか伸び悩んでいるのは、先ほど申し上げたとおり、これは現在の制度ですと完全なマイナス、赤字事業でございまして、非常にやることについて負担感が大きいという点が一番大きな理由だと思います。
#24
○藤原良信君 じゃ、最後になりますけれども、一分を多分切っていると思いますので、訴訟について若干、先ほど差止め請求を含めましてお話しなされましたけれども、このことについて最後お尋ねをしたいと思いますけれども。
 これは、民主党は衆議院におきまして、消費者団体訴訟について、差止め請求だけではなく、消費者の損害賠償請求でも可能とするいわゆる消費者団体訴訟法案を提出いたしましたけれども、修正協議において結論がなかなか得られなかったわけでありますけれども、公述人は消費者団体訴訟の対象を損害賠償請求に拡大することについて、先ほど来お話ございましたけれども、改めてこのことについてお考えをお示しをいただきたいと思います。
#25
○公述人(長野浩三君) 先ほど申し上げたとおり、民主党さんが提案しておられた制度も含めて、金銭請求についての損害賠償制度を含む消費者団体訴訟制度は是非必要でございます。その具体的な制度設計について、個々の消費者の被害についての請求権を行使する制度にするのか、不当な利得を剥奪するような制度にするのか、こういった制度設計については更に詰めるところが必要かと思いますけれども、損害賠償等団体訴訟制度については、何度も申し上げますとおり是非是非必要ですので、よろしくお願いしたいと思います。
#26
○藤原良信君 ありがとうございました。
#27
○石井みどり君 おはようございます。自由民主党の石井みどりと申します。
 今日は、四名の公述人の方々、大変お忙しい中、本当に現場で活躍をされて、献身的に消費者行政、その最前線で努力をされておられる皆様に敬意を持って、今日はもう少し詳しいところをお聞かせいただければと思っております。
 私は、医療者として足掛け三十二年働いてまいりました。一昨年の参議院選挙で政治の場に身を置いたわけですが、そのときも思っておりましたのが、現場の声が政治を変えるというふうに訴えておりました。まさに今日の皆様のお話は本当に現場の声だと思います。今から法案が成立する中でやはり現場の皆様の声を生かす、そして法ができたからといってすぐ社会が変わると思えない、やはり歩きながら考えるといいますか、引き続き現場の声を吸い上げながら、本当に国民の方々が安心して豊かな消費生活を享受していただくために皆様の声を生かしながら、これから立法府、行政府が力を合わせていくべきだというふうに思っております。
 まず、地方の消費生活相談というところで、佐藤公述人それから吉田公述人のお話には共通するところが多かったように思っております。先ほどの藤原委員の方からも少し御指摘がありましたので重複するかというふうに思いますので、私は、やはりいかに本当に現場の相談員の方々が過酷な生活を送っておられるか、その中で専門意識といいますか、それに裏打ちされた高い使命感によってやっと成立している業務なのだなという、もういつもお聞かせいただくと胸を打たれておりますが、その中で、例えば身近な地方自治体、基礎自治体のこの相談業務はまさに自治事務であるということでいろんな制約が出ております。その中で佐藤公述人の方が、そうであれば、まさに情報の一元化というのは本当にこれは命綱であるわけですが、PIO―NETの入力のところで大変な時間と労力を費やしているということで、これの御指摘があったかと思います。
 しかしながら、やはりまさに情報を収集するというところで情報の一元化ということもまず大前提でございますので、そこに関していろいろ佐藤公述人、吉田公述人の方からもすばらしいアドバイスがあったかというふうに思いますが、そこのところでもう少し、この事務作業の効率化とか、全国同じような悩みを持っておられるんではないかと思うんですが、私どもも非常に限られた時間の中で記録を取っていくということは物すごく重要なことで、しかも公正に全国的にきちんとした標準的な分かる記録にするということは非常に大事なことですが、介護保険の現場でも言われることは非常に事務作業が多くてそこに労力を取られると言われていますが、その辺りでもう少しこれは何か改善できるんではないか、そして、そのことはやはり自治体で、やはりこれは地方の最前線でやらなければ国に上がっていかないわけですから、その辺をもう少し何か現場から御提言とかないでしょうか、お聞かせいただければと思います。
#28
○公述人(佐藤加奈江君) PIO―NETシステムにつきましては、先ほど、こんな自治事務とおっしゃるならしなくていいんじゃないかというような発言もさせていただきましたが、実際もう本当に必要なものだと思っております、情報を集約してやはりフィードバックしていかなければならないということにつきまして。
 ただ、一つ、今日ちょっと持ってくるのを忘れたんですが、非常にマニュアル、煩雑でございまして、そのやはりマニュアルの簡素化とか、このぐらい、マニュアル一冊二センチ以上厚さがございます。大体一冊頭に入れなければいけない。こういうものなんですよというところは別紙の資料で、事例の一で聞き取りと連動させたものをお付けしていますが、そういう中で字数制限がございまして、この字数に収めなければならないというのが非常に大変なので、逆に、もっとたくさん私は入力できるようになったら逆に楽になると思っています。推敲して減らすというのが大変なんです。
 逆にほかの、例えばよそのセンターで、じゃ何が起こったのか見ていただくというときでも、例えばあっせんして無条件解約になりましたと、これしか書いていなければ、何をどうあっせんしたのというのが全然分かりません、データを出しても。
 ですから、こういう交渉をして、業者はこんなふうにやり取りをして、こんなふうに文句を言ったとか、ここが、契約書にはこういう不備がこの業者ありましたよとか、やっぱり事細かく入れていくためにはもっと字数をたくさん、字数がかなり入れば今度文字列とかで検索掛かっていくのではないかなと思いますので、今後システム変更の予定があると聞いておりますけれども、その辺りはやはり一番は字数を私は増やしてくださることとか、そういう。
 ただ、あともう一つ問題なのは、リアルタイムで入れるようにということでなっておりまして、すごく負担になっているんですけれども、決裁の問題がございます。個人情報とかいろいろ入力するに当たって、PIO―NETには入っていかないんですけれども、こちらの地方のセンターの端末には個人情報、住所、氏名全部入っておりますので、それを伝送が、まあ言葉は悪いですけれども、垂れ流しというかリアルタイムでどんどんどんどん流れていくのが、その前にやはり上司のチェックというか、いったん、電子決裁にはなっておりませんのでプリントアウトしてチェックというその作業もちょっと掛かっておりますので、何かまたその辺りで工夫が今後必要になってくるのではないかと考えております。
#29
○石井みどり君 ありがとうございました。まさに現場ならではの御意見かと思います。
 それでは、もう一点、佐藤公述人の方に、質疑の中で少し述べたいとおっしゃっておられた消費者教育のことをちょっとお聞かせいただきます。
 先週、参考人の方々に消費者教育の在り方、本当に現場から、また大学で講座を持っておられる方々から幅広くお聞かせをいただきました。
 そして、皆さんもまさに出前講座みたいな形で様々なところでそういう講師をされておられますが、私はやはりまず家庭でそういう、よく家庭教育それから社会教育、学校教育と言いますが、これは消費者教育に関しても同じことが言えるのではないかというふうに思っておりまして、まさにそういう意味で、先ほど少し趣旨は違いますが、吉田公述人の方の中にも地域との連携ということがあったかと思いますが、まさに地域社会との連携というところでの、教育というと言葉が硬くなりますが、どう賢い消費者として幼少期から自分で消費者として判断をし、いろんな情報を自分の中で取捨選択をして、きちんとそこを判断をしていくというところだろうと思いますが、その辺りのところを、地域の中でどうあるかというようなところをちょっと現場としてどうお考えか、お聞かせいただければと思います。
#30
○公述人(佐藤加奈江君) 消費者教育という言葉よく使われますけれども、目的は何かといいますと、生きる力を身に付けることではないかというふうに考えております。これは文部省の学習指導要領の総合学習辺りでも生きる力を身に付けましょうということになって、それに見合ったカリキュラム考えられているようですが、先ほどまず家庭でというお話がございました。
 確かに、家庭にそういう消費者、子供を育てる、感覚を養うことができたらいいんですけれども、家庭でできるのがベストなんですが、私も含めて消費者教育というものをおよそ受けた世代ではございません。教科書にもそういったものはありませんでした。そうなりますと、親がそれができないものですから、親世代の者が何をという、お金をちゃんとためてとか無駄遣いしちゃいけないよとか、ある程度できる家庭とできない家庭の差が非常に激しゅうございます。
 それができるところはいいんですけれども、できないところはどうなるのといいますと、多重債務の御家庭とか、親御さんがお金の管理が難しいとなってお子さんもそうなってしまったとか、そういう連鎖につながっていくことになりますので、やはりそういうことがないようにするためには、もうこれは一番いいのは学校の現場でやっていただく。それも、もっと小さい一年生から。
 私は、息子が小学校一年生になったとき、お金の管理を覚えてもらおうと五百円のお小遣いを月にあげるということで渡したんですが、一日で全部使い切りました。友達とコンビニへ行って、ぱあっとお菓子買って、おごって、一日で使いました。何で一か月、次が来ないと教えてくれなかったのかと泣かれたんですけれども、これは子供だから一か月収入がなくても生きていけます、困りません。ただ、大人で、今日もう使っちゃった、次の給料日まで金がないといったときに、これはもう借りざるを得ないとか、もう借りるところもなければ、極端な言い方をすると犯罪に走らざるを得ないとか、そういうことになってまいります。
 ですので、そういったところは、そういう感覚というのはやっぱり小さいうちからですね。やはり、高校の卒業の出前講座なんかに伺わせていただくんですけれども、一度で身に付くものではないので、やはり小さいうちからこつこつと、年に一度でも構いませんのでプログラム組んでいただけたらというふうに考えております。
#31
○石井みどり君 ありがとうございました。
 十五分なのでもうちょっと、予想外に時間がなくなってしまったので、すべての公述人の方に御質問できないので残念なんですが、お二方に少し御見解を伺いたいと思います。
 中山区長、いろいろなところでお会いして、今日お会いできて良かったと思っています。それから、吉田公述人、おっしゃっていることは、私は決してお二方のおっしゃっていることは矛盾しているわけではないという気がするのは、地方の消費者行政は自治事務なのかというところで、中山公述人は、それぞれの役割分担を明確化して、それがスムーズにいくことが結局は消費者行政が充実し発展することだというふうに思っておられるんだと思うんですね。吉田公述人の方は、国がやること、それから身近な基礎自治体がやること、そしてそれに対しては非常に格差が出てきたり数の問題とかあるから、一つの御提案は広域化ということだったかと思いますが、そのことに関して、私は決して矛盾しているんではない、通底しているものは一緒だと思っているんですが、時間がないので簡単にちょっと御見解をお聞かせいただければと思います。
#32
○公述人(中山弘子君) 私もそう思います。吉田公述人は、現場で大変苦労されている中でのことであるかと思います。実は今までの、地方行政が画一化をするよりも、私は、今は多様化をして、そしてかつ、でも基本的にだれでもが全国で同じような対応を受けるということを目指すべきであるということで議論をしていけば非常にいい議論になり、いい知恵が出るなと考えております。
#33
○公述人(吉田直美君) 理想を言えば、地方自治体に人と金が十分にあれば、地方自治体がちゃんとやればいいわけです。ところが、現実とそれをすり合わせをすると現実そうじゃないので、このままだとうまくいかないということで、じゃ次どういう手を考えたらいいのかというのが先ほど私がお話ししたとおりということです。
#34
○石井みどり君 ありがとうございました。
 これから設置されるであろう消費者庁が、一元化した消費者行政の司令塔としていかに地方の消費者行政ときっちりタッグを組んでやっていくか。総理大臣の権限もありますので、今までできなかったことが私はやっぱり可能になる、実際に設置されて動いていく中で課題が見えていく、それをまたお聞かせいただきながら一つ一つ乗り越えていくことが大事なんではないかと思っておりますので、これからも現場で頑張られると同時にいろいろと御指導賜ればと思っております。
 ありがとうございました。
#35
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 本日は、公述人の四人の先生方、本当にありがとうございます。十五分ですから、なるべく前の先生方と、委員の先生方とかぶらないように御質問してまいりたいと思います。
 最初に、佐藤公述人に対しまして、同じカナエという名前でということ、珍しいなと思いながら見させていただいておりましたけれども、資料の中でも、また今日の御質問の中でも、フィードバック機能が非常に重要だという話をいただきました。それにつきまして質問しようと、またそのフィードバック機能をきちんとさせるためにも地方の相談員の方々の現場を改善しなくちゃいけないということが何より大事なんだということは今日の御質問に対する御答弁の中でいろいろといただきましたので、また、本当に現場で我々も知らないようなことを今日いろいろと教えていただきましたけれども、具体的な改善につきましてまた御意見をいただいてまいりたいと思いますので、ちょっと今日は質問をほかの先生方にさせていただきたいと思っております。
 それで、中山新宿区長にお伺いしたいと思うわけなんですが、情報が集まってくるという中で消費者庁が機能するかどうか、いかに情報が集まるかということは非常に重要なことでございます。それに対しまして、先ほどのお話の中にもありましたけれども、自治体によって対応がかなり温度差がある、大丈夫だろうかというこの点につきましても懸念をされているわけでありますが、中山区長とされましてはどういった形で今後取り組んでいこうとお考えになっていらっしゃるのか。
 また、今回、消費者行政推進会議の委員としても頑張ってこられて意見等々を述べてこられたわけでありますけれども、その中におきまして地方分権との整合性ということも要望書の中で書いておられたわけですが、その中におきまして、先ほどのお話の中にも出ておりましたけれども、国が財政負担を行うことは決して分権に逆行することではないんだと、ただし、負担に当たっては地方自治体の自主性を阻害しない方法を講ずる必要があるということをおっしゃっておられたわけですけれども、このただし書以降のところを具体的にお教えいただきたいと思います。
#36
○公述人(中山弘子君) 一点目の情報集約ですけれども、消費者庁の今回の大きな意義というのは、これまで各省庁ごとにその所掌の範囲内で縦割り的に情報が集約されて、すき間に落ちていたというものを一元化するということがこれは大変大きいわけです。
 と申しますのは、消費者行政の現場でも、例えば特定商取引法の悪質商法等については経済産業省、どこについてはこれは公取というようなことで、地方は一元化しているにもかかわらず消費生活相談員はいろんな各省庁と連絡を取るという、これが一元化できるということは大変な強みです。その強みを生かすためには、情報集約、それからそれを分析して、かつ迅速な被害の拡大の防止をし、再発防止につなげていく、そういったことが重要なんですね。
 その場合、地方の今の状況でPIO―NETというのはこれまで本当に、実を言うと、まあ悪口になってしまいますけれども、機能していなかったくらい遅く、というところがあったと思います。今回、それが全部全自治体に配られるというような中で、私は、PIO―NETが十分機能するような国としての十分な支援をしていくということと、それから、小さな区市町村、市町村で難しいというところについては都道府県がそれの補完的な機能を行う、全体としては現状の消費者行政をある意味でいえば反映するわけですけれども、そうした中での情報集約がなされて、それをより充実していくためにはどうしたらいいかということをより具体的に考えていく、現実的に考えていくことが必要であると思っています。
 それから二番目の、分権との整合性で阻害しないようにということを私が消費者行政推進会議の場で言いましたのは、実は現実から見ると大変ばらつきがあって、消費者行政が弱い、行われていない市町村があると。そうした中で、基幹的な消費者行政の窓口は都道府県であるというような何となく現実に沿ったような議論が私から見るとなされている傾向が一部あったときに、私としては、そうではないと、消費者行政は現場の中で、先ほども申し上げましたような地域のいろんな資源を使って現場で解決されることこそ必要なので、消費者行政の最前線は区市町村である、そうした意味で申し上げたことでございまして、国が今の状況を十分引き上げるための支援を行うということは阻害することにはならないと思っています。
 ただ、原則は均一に行うということは、今までの行政の中では平均化されるか、若しくは一番低いレベルに合わせられるというようなところがありまして、やっぱり良い取組をしたところが多くに広まっていくような、そういった現場で分権化された消費者行政が強くなるということもこの消費者行政の一元化の機能として、消費者庁が地方の消費者行政を支援する司令塔になってほしいと考えております。
#37
○山本香苗君 そこで、まさしくもう本当に消費者の側から見て身近に御相談ができるところをしっかり充実していくことが必要なんだということで、佐藤公述人も頑張っていただいているわけでありますけれども。
 吉田公述人におかれましては消費生活センターの主査として一生懸命頑張っておられて、そういう中での御提言がございました。私も、一番最初におっしゃられたように、これが消費者庁ができると非常に、いろいろと法律を見ますと、こんなことができたらすばらしいなというところと実際、現実のところのギャップというのが物すごく大きいわけでありまして、そこをしっかりと本気でやるんだという姿勢が行政にも必要になってくるわけであります。
 そういう中で、まさしくこの現実のギャップを埋めていくため、地方の行政、中山区長は行政のトップとして今のような形でいろいろやっていただいているわけですけれども、盛岡におきまして、そういう形で行政が今、国としての大きな行政の消費者目線に改善していくという流れを受けてどういった対応を取ろうという形になっているのか。地方から見たときの、消費者庁をつくる、創設することの流れを受けてどういう形でやっていこうかということについてお考えをお述べいただきたいと思います。
#38
○公述人(吉田直美君) 僣越ながらですが、もう盛岡はある程度できているところなんですね。でも、先ほどお話ししたようにまだ六十点なんです、私からすると。それを百点に引き上げるというのはすごい大変な話で、今の人員体制、予算では到底実現ができないというふうに考えていますから、それをどうやって引き上げていくのか。それが盛岡市の独自でできるのかと考えれば、答えは恐らくノーということになるだろうと。よって、何らかの国の支援が必要だというふうに考えています。
 そういう前提でもって、盛岡市は頑張っていこうと思っていますけれども、盛岡市だけができても全然意味がなくて、岩手県内はもとより、全国各地で同じような体制が取れなきゃいけないだろうというふうに考えたときに、やはり先ほど提言したようなやり方を取らないと、盛岡だけできてもほかができていないんだと全然意味がないことだろうと。
 恐らく盛岡は人と金があればできると思います、そういうノウハウはありますので。できると思うんですが、まずそれを全国でどうやっていくかというところが一番の課題、問題ではないかと考えております。
#39
○山本香苗君 まさしくナショナルミニマムとは何なのかという議論をしっかりしていく中で消費者行政を一番どういう形にするのがいいのかということが問われているんだと思っておりまして、しっかり参議院におきましても議論してまいりたいと思いますが、長野公述人にもお伺いを二点ほどさせていただきたいと思っております。
 今日のお話の中にはちょっと、質問しようと思ったことは先ほどほかの先生方も御質問をされていましたので、ちょっと別の角度でお話をしたいと思うんですが、四月に出された要望書の中に、消費者安全法案十二条、十三条に定める消費者事故等の情報に関する通知や情報開示の要件を緩和して、早期に消費者事故情報を幅広く収集してこれを情報開示できるようにすることということを適格消費者団体として出されていたと思うんですが、この点についてもう少し具体的にお教え願えますでしょうか。
#40
○公述人(長野浩三君) 消費者被害について、現在、収集して報告することになっているのは非常に重大事故で、非常に要件が限定されたことになっております。
 ただ、実際に対処すべき消費者被害についてはもう少しそれよりもやはり広い形になっておりますので、やはり対処すべき事態についてそこを的確に広げて素早く対処していく。そうじゃないと、せっかく消費者庁をつくっても消費者被害に対応できないというふうになってしまいますので、その点、的確に対処していただきたいという趣旨でございます。
#41
○山本香苗君 ということは、今回の衆議院での修正協議の中で、そこの重大事故のところを、重大事故のみならず、おそれのことも報告する形になっておりますけれども、そこを幅広くできればいいという御趣旨でございますか。
#42
○公述人(長野浩三君) はい、そのとおりです。
#43
○山本香苗君 ありがとうございました。
 二点目は、まさにこの適格消費者団体が大変苦しい中頑張っていただいていることは、様々、ちょっとインターネットとか活動状況をいろいろと見させていただきまして勉強させていただきましたが、また衆議院の議論の中でも、これに対する支援ということにつきまして、先ほどの話の中では財政的なところもというところもあったわけでございますが、機動的に活動していくために情報の端緒を把握するということも極めて重要なことだと思うんです。今までいろんな形で被害に遭われた方々からお伺いされたり、また一一〇番活動なんかもされていたそうなんですけれども、今回、消費者庁がこういう情報の一元化を図るに当たって、期待するところをお教え願いたいと思います。
#44
○公述人(長野浩三君) おっしゃるとおりで、情報をいかにつかむかというところが差止め請求権の行使については非常に重要でございます。現在は、国民生活センターそれから地方公共団体からのいわゆるPIO―NET情報だけについては法律上情報提供を受けることができることになっております。
 ただ、実はPIO―NET情報というのは、先ほども出ていたように二百字の限定された情報になっておりますので、実は適格消費者団体が差止め請求を行っていくについてはもっと具体的な情報が必要になってくる。それについては、やはり消費者庁に集まってくる情報がせっかく一元化されてあるわけですから、もっと生の具体的な情報についても情報提供できるような形にしていただければと思っております。
 京都府の消費生活安全条例では、京都府についてはPIO―NET情報以外の情報も実は情報提供できるような条例を作っていただいておりまして、私ども要望しまして、そういった形でそれを法律のレベルにも上げていただければというふうに思っております。
#45
○山本香苗君 どうもありがとうございました。
 ちょっと時間ができたので、佐藤公述人に最後にお伺いさせていただきたいと思います。
 本当に相談員の現場の皆様方の御苦労、的確に時間内でお話しいただいたと思うんですが、その中で、相談員の方々がやっていらっしゃる、それに対してセンターで職員の方と一緒にやっていらっしゃるその職員の方々の連携も非常に重要だと思うんですね。相談員の方々の御労苦がきちっと行政に反映するためには、そこの連携をうまくするということが一つの課題かなと思っておりますが、佐藤公述人からそこの辺りの御見解をお伺いさせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#46
○公述人(佐藤加奈江君) 消費者相談担当の職員さんとの連携は欠かせません。その連携につきましては、ただ、やはり異動が正規職員の方はございますので、やっと仕事を覚えたかな、法律を覚えたかなというころにもう異動になってしまいます。
 例えば、事業者が訪問してくる、話合いをするというときに、細かい、法律多岐にわたっておりますので、その辺りがなかなか、相談員、言っていただくのになかなかその辺りがというところで。ただ、やっぱり相談員が仕事をしやすいようにということでの連携という点では、いろいろと上の方の調整を図ってくださったりとかなるんですが、一番やはり大切なのは、もっと職員さんの方も研修が必要であるということですね。
 それと、やっぱりある程度の研修と、それに基づいて相談員ともっと連携を取れるようなシステムというか、相談員の、先ほどから吉田公述人もおっしゃったように、非常勤であるがゆえに私どもには権限がない、マスコミ対応もできない、受けた人間が一番分かっているけれどもお話ができないというようなところがとても歯がゆいところがありますので、そういうところは改善されていったらなというふうには思っております。
#47
○山本香苗君 本当に今日は貴重な御意見をいただきました。また審議の中で生かしていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#48
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 本来なら、私たちが各地方に伺ってお話を聞かなければいけないところをわざわざ国会に来ていただきまして、本当にお忙しい中ありがとうございます。
 四人の公述人のおっしゃったことはもう全くそのとおりのことばかりだというふうに思いますので、国会で、参議院でできるだけ形にしていくということが求められているというふうに思います。
 幾つかちょっと具体的なことだけお聞きしたいと思いますけれども、最初に長野公述人がおっしゃった、要望されていることなんですけど、適格消費者団体の財政、まあいろんな活動されておりますけれども、私は特に差止め訴訟は大変重要な問題、重要なことをやっていただいておると思っていますが、その辺で、私は、今回の地方活性化のメニューのオリジナル事業の中で、その差止めとか、あるいは適格消費者団体が行われる調査もそうだと思うんですが、何らかの都道府県なりの、リンクをさせれば、位置付けさせれば十分あのオリジナルメニューの中で支援は受けられるというふうに思ってはいるんですけれども、これは具体的に内閣府と交渉されて駄目だとか言われたんでしょうか。
#49
○公述人(長野浩三君) 私自身が具体的に交渉したこと自体はございませんが、私どもとしては、確かにオリジナル事業として適格消費者団体が行う、例えば調査研究活動であるとか、直接に、その差止め請求の費用は別にして、調査研究活動等に用いることはできないかという要望を行ったことがございます。ただ、これについては、昨年度の補正予算の百五十億円の関係では、結論としてはできないというふうに聞いております。
#50
○大門実紀史君 地方行政、割と大ざっぱなところがありまして、地方行政に何らか結び付けば、貸付けに結び付けば、しょせん役人の考えることなんで、そこさえ結び付けてくれれば出しますというようなこともありますので、もし出せないということでしたら私に相談してもらえればと思いますので。多分大丈夫だと私は思います。
 相談員の処遇の問題も出ましたけど、私も、要するに何が問題かといいますと、いろんな問題が複合的にあるわけなんですけど、もう実態としてあの官製ワーキングプアと言われるひどい状態があると。どうするかということなんですけど、今回、そうはいっても衆議院での附帯決議もありましたし、今度の補正の中の実施要領という部分があるんですけれども、これをまた変えると。その中でできるだけ人件費に使えるようにということを今工夫、考えている最中でございますので、どんどんそれは今押し込めるものは押し込んでもらうということは、まず取りあえず重要だと思うんです。
 その上で、佐藤公述人からありましたけれども、そうはいったって地方自治体は分かってない、駄目だと。私は、そう簡単におっしゃらないで、この機会に、地方自治体自身もこのままでいいのかと考えてもらう必要があると思いますので、地方議会でも取り上げてもらったり、いろんなことをやる必要があると思うんです。その辺は私は、長崎ももう少し、長崎市も、さっきのもう上限が決められているからとかいろいろありますけれども、まだ努力のしようがあるのではないかと思いますけれども、もう駄目なんですか、長崎は。
#51
○公述人(佐藤加奈江君) やはり、長崎は非常に財政が厳しゅうございまして、直接私どもが財政課とか人事課の方とか、そういった方たちと直接話をすることはできません。こういうことなんですから何とかお願いしますとお話を、例えば機会は全くないものですから、実際どういうお話が、私どもの直属の管理職、上司は話をしてくれていますけれども、実際、じゃ、どんなやり取りが起こっているのかとか、そういうことに関しましては私どもにはもう全く分からない部分でございます。
 ただ、言われていることは、もう本当に厳しいと。法律が変わらない限りなかなか厳しいだろうというふうな話を聞いております。
#52
○大門実紀史君 いろんな面はあると思いますし、とにかくもう幾らやっても駄目だと思わないで、自治体は自治体で努力はしてもらいたいと思うんですね。
 その上でなんですけど、私はやっぱりそれはそれで当面やりながら、少しでも待遇をよくすることをやりながら、抜本的に地方消費者相談員の待遇といいますか、地位といいますか、つくっていかなきゃ抜本的にはやっぱり解決しないというふうに思うんですね。
 そういう点では、吉田公述人が言われた、正規雇用を基本にするとか、あるいは佐藤公述人が言われた資格の問題ですね、資格を統一していって、一定国家資格みたいなものにするとかですね。私のイメージでいくと、やっぱり資格制度を、今三つに分かれていますけど統一していって、全国どこでも共通の一つのやっぱりステータスのある資格にするということと、それはあくまで常勤の専門家といいますか、どう言いますかね、常勤の専門職としてまず位置付けて、地方自治体が地方公務員として正規職員の、まあ今はもうばらばらですよね、一般職の非常勤とか特別職の非常勤とか、あるいは相談員で丸ごと一緒にしちゃって。だから消費者相談員だけ上げるわけにいかないんだと、ほかの相談員もかかわっちゃうんだと、ぐちゃぐちゃになっていますよね。
 それをやっぱりその資格に基づいて常勤専門職化して、また雇用の形としてやっぱり地方の公務員としてきちっと正規職員として雇用すると。もちろん中には非常勤で働きたいという方もいらっしゃいますから、基本は正規職員にしていくというふうな、この資格と連動した形の常勤専門職化というような方向が、将来といいますか、できるだけ早くつくらなきゃいけないんじゃないかなと思いますけれども、その点で佐藤公述人と吉田公述人のこれからの具体的なイメージですね、お聞かせいただければと思います。
#53
○公述人(佐藤加奈江君) 今おっしゃっていただいたとおり、やはり国家資格になり、常勤の専門職として働きたいというふうに考えております。どこに行っても通用するプロですね、そういう仕事をしたいです。
#54
○公述人(吉田直美君) 先生おっしゃるとおり、資格でもってその能力、技能を担保していくというやり方は一つ合理的なやり方としてあると思います。
 私が考えているもう一つのやり方は、強い体制をつくっていくにはプロ集団化をしなきゃいけないということです。すなわち、職員だと三年、五年でぼんぼん異動してしまいますし、相談員は一年で首切られる可能性があるわけですが、だからそういう方々がプロ集団化し得ないということです。
 どうすればプロ集団化するのか。例えば、先ほどちょっと例を出しましたけれども、税務職員のように、素質のある者を採用して、税務大学校に一年なり六か月なりずっと入れて勉強をさせて立派な税務職員を育てていくと、こんなふうなやり方を、正規雇用を前提としてですよ、やっていったら非常にプロ集団化ができて、どこへ行っても同じようにできる、まさに看護師さんがどこへ行っても丁寧にきちんとやってもらえるみたいな、ああいうナイチンゲール精神のようなものをつくり上げていくということが必要だろうと考えています。
#55
○大門実紀史君 是非、中山区長のお考えも聞きたいと思います。
#56
○公述人(中山弘子君) 私も、今の行政はある意味で、世の中が専門化する中で、より非常に消費生活、総合的にかつ専門化して行わなければならないというところに対応できる職員として、今のような大きな方向としてそれは必要であると思います。
 それと併せて、委員からもお話ありましたように、非常勤で働きたいという方もいる、そこを現実的にそれぞれの団体の中で対応できるようにしていくことも重要であると思っています。
 ですから、新宿区では、まずはチームリーダーとなるような方を常勤化を目指したいなと思っていますけれども。
#57
○大門実紀史君 ありがとうございました。
 吉田公述人にお伺いしたいと思いますけれども、今回の基金、国会の議論で随分いろいろ柔軟にやるというふうなことになってはきておりますけれども、まだまだ使い勝手の悪いところいっぱいあると思います。私は、そもそも盛岡のような先進的なところにとっては、何だと、この基金はと思われるところたくさんあるんじゃないかと思うんですね。今まで何もやっていないところのレベルを引き上げるためならばお金出すと。一定の先進的なレベルやっているところは、新たなことをやらない限りお金出さないみたいな、変な仕組みですよね、これ。これを何年か続けていくと、また矛盾が起きますよね、お金の使い方等。
 こういうものもはらんでいるわけですけれども、具体的にまだまだ使い勝手が悪いというようなところと、もうこの参議院の審議といいますか今回の補正の審議とか、この辺の中でもう解決してもらいたいというようなことがありましたら、どうぞおっしゃってください。
#58
○公述人(吉田直美君) まさに御指摘のとおりかと思います。
 私たちはもうある程度お金を掛けてきていますので、新たにその基金を使って何かしようとするともうほとんど使い道がないという状況です。まあ唯一使えそうなのが相談員の旅費をいただくということなんですが、先ほど佐藤さんがおっしゃったように、旅費、お金はあっても行く研修がない。国民生活センターの研修が衰退していますので、行く場所がなければお金も使いようがないから、じゃ基金はもう使わないようにしようかというふうな感じで受け止めているんですね。
 要は、プラスアルファになった部分にしか使えないという制限を取っ払っていただくと。今まで私たちが負担していたものにも使えるというふうにして、三年間で体力を付けて、その次どうしていくのかというのを三年以内のその議論の中に任せていくというふうなやり方を是非していただければと思います。
#59
○大門実紀史君 中山公述人も、新宿も割と先進的に頑張っておられる方ですけれども、今回の基金、できれば具体的な話がいいと思うんですけれども、こういうところが使いづらいとか、こうしてほしいとかいうところはございますか。
#60
○公述人(中山弘子君) 今まだ東京都とも一体となりながら少し具体的に検討しているところで、個別のことはありませんけれども、皆さんのところで話が出ていることで、より現実的なところで大胆な支援をできるように、現場から提案をして使い切っていくというか使っていくということが私は重要であると思っています。
 例えば専門相談員、国センの方の研修がないというのであれば国センの研修を増やさせればいいわけですし、東京都の場合には東京都が専門のいわゆる相談員研修もかなりの量で持っています。ですから、やっぱりどうやってほしいかということを具体的に、あきらめないでそれぞれのところに、こういうことが必要なのだということで言っていくことと、それから、今まで非常勤は一律の上限に来ているからという話ですけれども、それは制度的に上限があるから上げられないということでは私はないと思っています。必要を認めれば上げる体制がある。そうすると、じゃお金の問題なんだということになるかと思いますけれども、やはりお金は効率的にその自治体の施策の中で使われることも必要ですから、どう現実を変えるかということをそれぞれで、私も努力したいと思っています。
#61
○大門実紀史君 今の、もう一つぐらい聞く時間ありますので吉田公述人にお聞きしたかったんですけれども、先ほど税務大学校みたいなというのがありましたけれども、そうなると、やっぱり法定受託事務といいますか、更に言えば、もう少し国が責任を持った研修体制から何から、自治事務というよりも法定受託事務のような形で消費者行政は進めていくべきだというような、教育というのは非常に重要なので、そういうことまで踏み込んだお考え方かと思いますが、その辺いかがですか。
#62
○公述人(吉田直美君) 必ずしも法定受託事務一〇〇%にこだわっているつもりはないんですね。お金を国から地方に流す正攻法としては、そういう考え方も一つあるだろうということです。
 研修に関しては、国と地方が一体となって消費者行政やっていこうという考えからいきますと、やはりそこは国が責任を持ってやっていただくというのが一番いいと思います。国民生活センターの研修機能では現状にもう対応できないくらい、もっと勉強しないといけないだろうというふうに考えていますので、そういう大学校をつくってみっちりやると。職員はそこに入ったらもう一家をつくっていく、同じかまの飯を食ったという意識非常に大事だと思いますので、そういうふうな雰囲気を醸成していくことができたら非常に強い体制につながっていくのではないかというふうに考えています。
#63
○大門実紀史君 本日はどうもありがとうございました。
 終わります。
#64
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 今日の公聴会は大変意義のある、大変すばらしい話をたくさん聞かせてもらったというふうに思っています。今までの参考人質疑もございましたけれども、本当に現場の第一線で頑張っておられる、より現場に近い皆さんの話だったなというふうに思っております。
 ただ、最初に佐藤公述人と吉田公述人にお尋ねしたいと思うんですけれども、実は衆議院でいろいろ各党努力をしていただいて、そして附則も強化されましたし、附帯決議がたくさん盛られたんですね。そして、私はずっと地方の消費者行政の充実に割と的を絞っていろいろ質問をしておりました立場からいいますと、まだまだ大変不十分なんだけれども、附帯決議の中でいろいろいいものが盛り込まれたなというふうに思っているんですよ。
 例えば、今のその地方の第一線で頑張っておられます相談員の皆さんに対する国の財政支援なんかは、やっぱり基金についても積み増しをして、そしてかなり人件費にも最終的に使えるようになったし、交付税の措置についてもかなり強化されたと。これはかなり良くなるなと、私も佐藤公述人と同じようにかなり喜んでいたんだけれども、先ほどの佐藤公述人の話では、それは長崎の実態から見ると、こういう附帯決議、十七条にいろいろ書かれていることは、使えないよと。その上限の問題だとか、あるいは自治法の定員の問題だとか、あるいは残業代の支払の問題だとか、こんなの使えないと。
 そうすると、一体、こういう実態を我々は知らないで作ったのかなという思いもありまして、先ほど中山公述人は、いや、そういうのがあってもやっぱり頑張ってそれを越えていけばいいんだと、こういう話もございましたけれども、改めて、この十七条で、あるいはその他の条項で、一生懸命各党が努力をして盛り込んだんだけれども、しかし現場ではこれがなかなかそんなこと言ったって使えないという現実があると。皆さんとして、改めてこういうその附帯決議をこれからどうやって生かしていったらいいのか。今ほど来お話がありましたけれども、佐藤公述人と吉田公述人に改めて考えをお聞かせいただきたいと、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#65
○公述人(佐藤加奈江君) 附則と附帯決議に入れていただいたということで、現場の状況につきましては、長崎に限ったことではない、恐らくこれは全国どこの自治体も頭を抱えている、基金があっても使えない、そういう話。あと交付金が倍増されても、多分相談員の処遇改善には使えない。私が知る限りでは、もうどこの自治体、そういったところでもそういった状況でございます。
 人件費に使えるよと基金が、話が変わりましたけれども、これは新たに雇用する人ですね、相談員の対象者であったりとか、週に今まで三日勤務だった人を週五日勤務に変えましょうと。そうすると、二日出勤日が増えますので、この分、増えた分の人件費のお給料というような考え方ですので、今までぼろぼろになりながらやってきた相談員に対しては何もないというふうに、私はそのようなことなのかなと、いろいろ聞いたり調べたりした段階では考えております。
#66
○公述人(吉田直美君) 今回衆院で附帯決議が付いたというのは非常に有り難いことで、これは、もうこれで何とかまたやっていけるというふうに新しい希望を持ったところです。
 実は、ちょっと前に戻りまして、基金ができ上がるという話を一番最初に聞いたときも私同じように思ったんですね。ああ、これでようやくうちの消費者行政も活性化していけるだろうと。ところが、それを具現化していく過程の中で、どこでどうなるのかちょっとよく分からないんですけど、実際出てきたものを見れば、現場とはちょっとずれたようなものができ上がっていくということですので、今回のその附帯決議を具現化する際には是非現場の声を聴き入れていただきたいというふうに思います。
 一つ例をお話ししますと、政府の多重債務問題改善プログラムを策定した際に、非常にそのプログラムに携わった金融庁の職員の方々がしょっちゅう私のところに連絡くださったんですね、これはどうですか、あれはどうですかと。あっ、そこがおかしいならこういうふうに直していきますと、現場の声を聴いていただくという姿勢で非常にいいプログラムができ上がっていったと。同じように、地方をどうするかというのを具現化する際には、是非地方、現場の声を聴いていただければきっといいものができ上がっていく、地方に歓迎されるものができ上がっていくだろうというふうに考えております。
#67
○近藤正道君 ありがとうございました。
 これは、これから交付要綱、交付金の交付要綱を作る際に今ほどのお二人の話は是非参考にさせていただいていきたい、いい交付要綱をやっぱり作っていかなきゃならぬと思うんですね。幸いここの特別委員会ではこの後、参考人と政府と修正合意者と、三人がそれぞれ答弁席に並んで私どもの質問に答えるという大変いい制度がこれから準備されているようでありますので、その辺のところを是非詰めていきたいというふうに思っています。
 そこで、中山公述人に、先ほどいろいろ使い勝手があってもそれを越えていくんだというお話がございました。行政のトップという立場で今ほどの議論について御意見いただきたいということと、私は実はこの間の、以前の委員会のときに、新たな制度を入れるときにはやっぱりトップセミナーというのが非常に重要だと。どんなことをやったって結局トップの意識が変わらなかったらこれどうしようもない。似たようなことは、今から十数年前にこの国に男女共同参画社会をつくろうというそういうときに、トップセミナーをやって首長さんを集めてそこでこの意義をやっぱり訴えると、こういうことは物すごく重要だということの議論がございました。
 私は、是非この消費者庁関連法案が成立した暁にはそういうトップセミナーのようなものをたくさんやっぱりやるべきだというふうに思っているんです。中山公述人はそういう趣旨の発言を先ほどちょっとされたというふうに思いますので、更に敷衍してお話をいただければ大変有り難いと思うんですが。
#68
○公述人(中山弘子君) 私は今までのお話を聞いていまして、やはり現場の具体的な声を反映できる交付要綱でありますとか、そういうものにしていただくことが生きた制度になると思います。これは消費者庁が消費者行政を一元化して初の消費者目線に立った行政機関をつくるということでの本当にパラダイム転換でもありますし、私はそういうことができるようでないと成功しないと思っています。
 それと、トップセミナーというのはこれは非常に重要でして、ここに現場の佐藤公述人や吉田公述人のお話がありましたけれども、それが本当にそこのトップまでに、思いを含めて、それからなぜ必要なのかというところまで含めて上がっているかというと、意外とトップはその現実を見たときには判断することは違うのではないかと。地方現場は、今そういうふうに非常に私は動いてきていると思います。
 ですから、そういった意味でのこの消費者庁の意味合いと、それから現場の声、それをトップに届ける、それもなるべく前向きに。こういう部分が悪い、百点満点をねらおうとしたら、どうしても人は、これは財政でとか、それから防衛本能が働きますから、一歩一歩現実的な部分で踏み出していく。グッドジョブと言われるような良い事例を出していけば、おっ、こんなことがやれているんだったら自分のところでもできる。これは、例えば時間外手当が出ない、いや、出しているところはあるんです。東京都の中でも七団体、時間外手当を出しているとか。ですから、いろいろそういったいい事例を出しながらトップに啓発をしていくということは非常に大きなことになると思います。
#69
○近藤正道君 私は、相談員の皆さんの専門職、専門職の言わば正職員化がやっぱり必要だということをずっと言ってきました。
 国と地方の関係について言うと、自治事務か法定受託事務の関係がある議論がありますが、強いて言うと、法定受託的自治事務かなと、こんなふうに思っているわけでございますが、今日の皆さんのお話を聞いて更に意を強くしまして、これから議論を深めていきたいと、こういうふうに思っています。
 最後に、長野公述人に質問をさせていただきたいと思います。
 適格消費者団体ということで今、京都で頑張っておられることに本当に敬意を表したいというふうに思っています。私はこの制度ができたときの内閣委員会のメンバーでございまして、皆さんが今御奮闘されているということにある意味感慨を持って聞かせていただきましたけれども、当時も申し上げましたけれども、こういうものは、首都圏だけではなくて、とりわけ言わば地方の方で高齢者がもう悪徳業者にやられているわけですよね。ですから、やっぱり地方にこそこういうものは必要なんだと。是非、各地の弁護士会だとかそういうところと連携をして、首都圏とかあるいは大都市ではなくて、地方でやっぱりこういうものをつくっていかなければならないんだし、そういう財政的な支援も是非国は考えなければならないというふうに主張した記憶がございます。
 たしか附帯決議にも、そういう国の支援というものも必要なんだという、そういう附帯決議が付いたというふうに思うんですが、今ほど聞いておりますと、本当に惨たんたる状況で、まさか適格消費者団体が年間予算百万ぐらいで、まさにボランティアとしてやっているという実態を見まして、改めて私どもの責任を痛感しているところなんです。これは、是非ここをやっぱり支える体制を、財政的な支援体制、これは税制の改正の問題も含めてこれから強化をしていかなければならないだろうというふうに思うんですが、この間、そういう附帯決議にも盛られたものがなぜ実現してこなかったのか。現場で歯ぎしりしておられたんだろうというふうに思いますけれども、我々に対する文句も含めて少し本音のところを聞かせていただきたい。
 そういうものがきちっとやっぱり整備された上で、私は父権訴訟も含む違法収益の剥奪の問題だとかあるいは救済制度がやっぱりきっかりつくられていかないとならないというふうに思っておりますので、その土台のところを是非話を聞かせていただきたいと思います。
#70
○公述人(長野浩三君) 適格消費者団体の地方の方ですけれども、実は北海道それから九州等で、各地の弁護士とか消費者団体が連携して新たな適格消費者団体をつくろうという動きは広がりつつあります。ただ、先ほど申し上げたとおり、国等からの財政的な支援は全くない状況の中で、まさにボランティアとして自主的にそういった適格消費者団体を新たにつくっていこうという動きはありますが、それがなかなか広がってこなかった理由は、やはりこれが非常に大変な作業で、差止め請求権を行使することは非常に大変な作業で、専門家、消費生活相談員の方、それから司法書士、弁護士、学者といった法律の専門家も含めてこういった専門家が必ず関与しなきゃいけない。その専門家に日当を払ってやるとなったら、これはとても百万円なんかという財政規模ではできないわけでございまして、まともにやろうと思ったときにはお金が非常に掛かる事業です。
 なぜ進んでこなかったかというと、やはりそこのお金の問題だから進んでこなかったんじゃないかなというふうに思っております。いろいろ、情報の提供、それから法整備のこと、損害賠償制度の法整備も含めて徐々に進みつつはあります。それは政府内でも検討をしていただいてはおりますが、このお金の問題はなかなか進んでこなかった、ほとんど全くこの間進んでこなかったということだと思います。これは国の恐らくシステムの問題だと思いますけれども、財政のことというのは非常に大変なんだなというのは、本当に私ども、この間活動をやっておりまして進んでこなかった状況を見て思っております。本当に先生方にこの点を改めてお願いしたいというふうに思っております。
#71
○近藤正道君 時間です。やめますけれども、私どもも、その点について余り意識はしていなかったという点は大変反省をしながら、これからしっかり議論をしていくということをお約束を申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#72
○委員長(草川昭三君) 以上をもちまして午前の公述人に対する質疑は終了いたしました。
 公述人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げるわけでございます。どうも本当にありがとうございました。(拍手)
 午後一時三十分に再開することとし、休憩をいたします。
   午後零時十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#73
○委員長(草川昭三君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会公聴会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤信秋君及び義家弘介君が委員を辞任され、その補欠として丸山和也君及び西田昌司君が選任されました。
    ─────────────
#74
○委員長(草川昭三君) 休憩前に引き続き、消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、消費者安全法案、以上三案につきまして、公述人の方々から御意見を伺います。
 午後は、社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会最高顧問三村光代君、グリーンコープ生協ふくおか生活再生相談室室長行岡みち子君、兵庫県但馬県民局但馬生活科学センター消費生活相談員義本みどり君及び千葉県消費者団体連絡協議会会長・我孫子市消費者の会会長和田三千代君に公述人として御出席をいただいております。
 この際、公述人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様には、御多忙中のところを御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。
 皆様から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、会議の進め方について申し上げます。
 まず、公述人の方々からお一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず三村公述人にお願いをいたします。三村公述人。
#75
○公述人(三村光代君) ただいま御紹介いただきました長い名前の、社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の三村光代と申します。どうぞよろしくお願いいたします。この消費者庁審議の公聴会に公述人としてお呼びくださいましたことを、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。
 私は、埼玉県のある市の相談員を現在やっております。それから、私の所属しておりますアドバイザー・コンサルタント協会が消費者相談をやっておりますので、私も消費者相談員の立場で、あるいは消費者運動も展開をさせて長い間やってまいりましたので、その立場で意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
 私が簡単なレジュメを作ってまいりましたので、この順序に従ってお話をさせていただきたいというふうに思います。それで、貴重な時間ですので、書いてまいりましたものを読ませていただく方が間違いがないかと思いますので、部分的にその場で思い付いたことも言うかも分かりませんが、一応書いてきたものを読ませていただくことにいたします。
 私の所属する消費者団体、消費者問題の専門家集団ですが、団体は名前のごとく消費生活アドバイザーと消費生活コンサルタントで組織されております。現在は、この名前が余り長いので、新聞等に出しましても私たちの名前だけがはじかれてしまうようなこともありますので、略称でNACSと呼んでいただいております。私が持ってまいりましたこの「NACSのご案内」というパンフレットの表紙の下の方にNACSの名前が書いてありますが、その下にありますように、NACSというのはニッポン・アソシエーション・オブ・コンシューマー・スペシャリストの頭文字を取ってNACSと呼んでおります。この名前のごとく、明らかに私たちは消費者問題の専門家集団でして、消費者団体でもありますけれども、ちょっと普通の消費者団体とは違った行動を取っております。現在は、全国に約四千人の会員が地域で消費者問題と取り組んでおります。
 このパンフレットを開いていただきますとNACSがどんなことをしているかが記載されていますので見ていただきますと分かりますが、大きいところで、NACSは去年から法務省から認可をいただきまして、コンシューマーADRの認定団体として活動を展開しております。それから、認定個人情報保護団体の資格もいただいております。
 会の役割としては消費者支援にあるのですが、企業と消費者の懸け橋の任務も担っております。そういう状態の中で企業の消費者志向を上げていくことが消費者トラブルを少なくしていくことだというふうに認識しておりますので、企業の消費者志向を上げるための支援として消費者志向マネジメントシステムというのを作成しまして、それで企業の消費者志向認定を行っております、評価ですね、行っております。
 次に、二番目の項目ですが、私は、昭和四十七年、もう十年一昔どころではないんですが、昭和四十七年に財団法人の日本消費者協会が行っております消費生活コンサルタントの養成講座を出ました。この養成講座は昭和三十七年から行われており、四十八期か九期になると思いますが、現在も貴重な人材を送り出しております。私は十一期ですが、このころ、私が養成を受けたころは、偶然かもしれませんが、経済企画庁の委託で行われているときに修了させていただきました。そのとき、修了式に国民生活局長さんが祝辞を述べてくださったんですが、その中で、皆さんは国の費用で養成されたのですから、この得た知識をそれぞれの地域で還元してくださいというお言葉をいただきました。結局、そのお言葉を私はすぐにでも、大変な知識を入れさせていただいたので、これを何とか地域に還元したいと思いまして、私が住んでおります埼玉県の川越のくらしの会の知恵袋として活動を開始しました。その翌年から埼玉県の県立の消費生活センターの相談員になりました。ですから、私がこの道に飛び込んでから三十七年になります。
 それでは、国民生活センターがPIO―NETで情報を集めておりますが、各地の消費生活センターと国民生活センターをつないでいる生活情報のネットですが、その中でどのくらい相談があるのかということを、もう皆さん御存じですから私が言うことでもないのですが、添付してまいりました資料を見てください。
 一番最初の、今レジュメの柱の部分を除いて見ていただきますと、一九八四年に国民生活センターがPIO―NETをスタートさせたときの相談件数は、ここに出ておりますように四万八千五百五十件でした。それが二〇〇七年には、見ていただくと分かりますが、二〇〇七年には百万件を超えているという状態です。もう二十年も昔のお話、二十四年も前の話ですから、それは徐々に増えてきただろう、消費生活センターも増えたんだから当たり前だろうというふうにお思いになると思いますが、この間に、二〇〇四年のところで大幅に百五十万件を超えるようなすごい数字が出ているんですが、この百九十万件というピークが一つあります。これが不当請求と架空請求と言われている案件がここで物すごく相談が増えたということなんですね。私が出ています消費生活センターでも、この同じ種類のはがきを持った相談者が列を成すというような状況になりました、当時は。これも、昨日も一件入ってきました。入ってきたその消費者の方は、奥さんの名前で手紙が来たんですが、消費者の御主人はもう震えている状況でした。奥さんは自分には思い当たることはないと言っているんだけれども、このままでいくとおたくの財産も差し押さえるというようなことが書いてあるので、消費者はもうどうしてもこれ、自分は絶対大丈夫と思っていたけれども、だれかから一言、これは架空だ、架空の請求だよと言っていただかないと夜も眠れないという状態ではがきを持って飛び込んできたというような状態でした。そんな相談が、どうしてこういうことが起こるのかと思うほどの相談が、二〇〇四年に百九十万件というようなすごい相談が入っていたというのをこの表を見ていただくと分かると思います。
 私が相談員になった昭和四十年代というのは、御存じのとおり、昭和四十三年に消費者保護基本法ができたその後でした。ですけれども、消費者は裸の王様と言われておりました。消費者保護基本法の中に消費者の権利がなかったのですから、それは、消費者はもう保護されるだけのものだったんだなということがよく分かると思います。
 ところが、消費者基本法に変わって、保護法が基本法に変わって、行政は支援をするという立場に立ったんですね。そのためのひずみがまた出てきているんですが、消費者は一挙に自立できるほど成長したのかというのは、相談の現場におりますと、今申し上げたように、たった一枚のはがきが来たら眠れないぐらいに消費者は不安になるというような状況の中で本当に自立しているのかということを私は叫びたいというふうに思います。
 私が相談員になった昭和四十年代の半ばごろ言われておりましたのは、一人の相談員が五日間張り付いたとして、一年間相談をやっていたら一体何件処理ができるか。その当時四百件と言われておりました。それが今百九十万件もあって、センターも五百、六百とあるとは言いながらも、一人四百件の相談を処理できるほどに相談員は張り付いていないんですね。現実のそういう状況の中で相談件数だけが大幅に増えたということは、消費者被害が広がりかねないということをこの国民生活センターのPIO―NETの数字は示しているというふうに思います。
 それから次に、四番目ですが、消費者相談現場の役割評価に見合った施策評価をしていただきたいという意見を述べたいと思います。
 消費者行政設置の中で消費生活センターが地方消費者行政の充実と相まってクローズアップされ、現場を担当する消費生活相談員が注目され、そのボランティア精神を全面的に負う相談の現場が再検証され、消費生活相談員の身分の保障、一定レベルの給与確保、資質確保等についても議論が進められている状況に至ったことは大いに歓迎できることです。
 私のこの長い相談員人生の中では、予算が減るとまずコピーの紙を減らせという命令が来ます。それと同じように、相談の時間が減らされていく。今まで五時までやっていたものを四時にするとか、そういう経験も何度もあります。そういう状態のところから考えると、今この審議を国がしてくださっているということは、こんなにびっくりするほどの画期的なことはないと私は思います。
 現状は、特に市町村レベルでは専門家の先生というふうに呼ばれております。私も何か特別扱いをされているようですけれども、交通費も社会保障も付いておりません。そのために、相談、苦情の中で、例えば家庭のおふろ場を見に行くとか台所で事故が起こった設備等を見に行くなんということは到底できない状況です。で、どうしているかといえば、職員の方に代わって見てきていただくんですね。相談員が見なければ本当の意味で見たことにはならない、重要なところを見逃すことだってあり得るんですけれども、見に行くことができない。仕方がないのでこっそり帰りに遠回りをして、その家の状況を見てくるというようなことが積み重ねで相談は進められているんだということを御理解いただきたいと思います。
 その上にさらに、やっと慣れた五年、三年というような形で雇い止めをされてしまうと、やっと独り立ちができた相談員たちが辞めざるを得ないというような状況をつくっていることも、大変なお金の損失でもあるというふうに思います。
 例えばこれ、余談ですけれども、相談をやっていると相手の業者から、あんた、いいかげんなこと言うんじゃないよというような勢いで、月夜の晩ばかりだと思うなとか、首洗って待っていろとか、こう言われたことのある相談員はたくさんいると思います。
 そういう状況の中でこの相談を処理していくとすれば、やっぱりこれはもう特別な使命を持たないとできない仕事、よくぞ三十七年も続けてきたと私自身も思います。でも、やせていないところを見るとそれほど苦労していないのかと言われそうですけれども、現実は、うちへなるべく持ち越さないように、その場で一つずつ決着して、カードを書いたら忘れることにしないとやってられない。とてもこれは、ほかの方はどうか分かりませんが、夢に出てきたりするというようなこともあります。私が処理したことで消費者救済になったかどうかという不安はやっぱりいつでも伴ってくるというような状況で、三十七年もやってまいりました。
 中には、小さい消費者センターなんかになりますと、職員の人たちが兼務していますから、私たちの代わりをなすことはないんですね。そうすると、例えば、私も先月、経済産業省の審議会に出なければならなくなりまして、四時までの相談なんですが、三時半で帰していただけないかということを職員に言いましたら、その三時半から四時までの間に相談者が来たらだれが受けるんだという話になりまして、それはもう広報している以上は先生には四時までいていただかないと困るという話がありました。結局、五時からの審議会でしたけれども、私がおりますところから一時間半以上掛かりますのでもう駄目だなというふうに思っていたんですが、四時になったらすぐ飛び出したいと思っていたら、三時半に相談者が本当に入ってきまして、結局、審議会の方を失礼するということになってしまった。そういう状況ですから、風邪を引いてちょっと熱を出しているぐらいなことでは休むことができないというのが実際の現状です。
 それからもう一つ、私が今やっているところもそうなんですが、一日、一人しか相談員がいないんですね。一件しか入ってこなければ十分に処理する時間はあります。でも、一日に七件、八件、ひどいと十件以上入ってきたりすると、もうカードを書いている時間もないというような状況でして、私が出ていますところは十時から四時までなんですが、下手すると、職員の方たちの部屋に行ってみると、お掃除のためにいすがテーブルの上に乗っているというような状況で、相談員だけが一人でしこしことカード書いているというような現状ですから、もう六時過ぎるなんてことは当たり前の状況になっております。そういう状況の中で、もし消費生活センターが二人体制にできれば十分に消費者救済に力を注ぐことができるんではないか。
 受けてしまった相談がいつまでも処理できないと、どうしているかと。これは本当はいけないことで、職員の人たちには言えない話なんですが、結局、自分のうちの電話で相談を処理しないとやってられないというような状況も出てきております。もちろん、自分の電話を業者さんに知られたくないので、電話を出さないようにして苦情処理をしないと、消費者救済がどんどん遅れてしまうということになりかねないというのが消費者センターの今、現状です。
 それで、広域にもし、小さいセンターが、私がおりますところを中心にお話ししておりますけれども、周りのセンターはみんな一人、それも一週間、五日間開いておりませんので、お互いに助け合いながら、開いていないときは隣に行ってもらうというようなこともやっていますけれども、もし広域消費生活センターにすることができれば、二人以上の相談員がいて十分に消費者問題の拠点にもなり得るし、それから消費生活センターとしての役割、消費者救済等どんどん広がっていくのではないかということもありますので、いい機会ですので、そういうことも、広域センターというのも一つありなんだということも考えていただけたら有り難いというふうに思います。
 次に六番目ですが、二十四時間、三百六十五日という相談を開設するという話を聞きました。ですけれども、これはとても有り難い話ではあるんですが、人が寝ているような夜中に電話を掛ける人がどのくらいいるかということも考えていただかないと、私どもがウイークエンドと称して土日に相談を開いたときに、始めのうちは電話がいっぱい入ってきました。あるところで、子供のいたずら、それから全く相談を成さないような相談の電話が入ってくるというような形での、もう相談と言えない相談が入る、余計な状態で電話をふさがれてしまうというようなこともありました。そういう状況のことも考えると、私は二十四時間よりも土日にやってくださる方が有り難いというふうに思います。ごめんなさい、私の持ち時間がもうぎりぎりになりました。
 そういう中で、私ども、ウイークエンドテレホンをやっておりまして、土日にやっているだけです。特に、東京の本部では十二時から五時まで相談を受けているんですが、その状態で、二番目の資料を見てください。私が持ってまいりました資料のうちのウイークエンドテレホンの相談件数ですが、これは後で見ていただくことにしまして、平成七年から私どもがADRの実験を始めましたので、本部だけの相談件数になっておりますが、平成十九年の相談件数はちなみに四千三百件以上ありました。そのくらい土日だけで、それもたった四時間五時間ぐらいの相談を受けるので、土日ですから年間に百何日ですね、百二日とかそのくらいの相談で、一日平均三十件以上の相談を受けているという状態で、これはこちらに書いてありますので見てください。
 私どもは、これで終わらないでADRに移るんですが、その相談処理をやった方がいいという案件を普通の日にこれ全部ボランティアでやっております。普通の日に相談日を開いて、そこで相談処理をやるんですが、そこに掛け始めると、業者さんがADRに掛けられるのが嫌だから、今までごねていた業者さんが歩み寄ってくるんですね。和解案を出してくるとか、そういう形で、この表の下の方を見ていただくと、本当にADRに掛けた案件が少ないんですが、和解で消費者が納得なさって解決するという形の、これもADRの一つ実績ではないかというふうに思います。処理できなかったという相談が処理できるようになったということはADRのおかげだったというふうに思っております。
 それから、私どもが、重要な話ですのでもうちょっとだけお話しさせてください、相談の中で得てきた情報を相談の場で終わらせるのではなくて、消費者運動に展開していくということがすごく大事だというふうに思っております。
 一つの例を申し上げますと、製造物責任法を制定していただくために消費者運動を弁護士会だとかあるいは全国消団連の皆さんと一緒に展開してまいりました。そのときに欠陥商品一一〇番を何回か行いましたが、その担当は私どもの会が担いまして、苦情処理は全面的にNACSのウイークエンドテレホンで行わせていただきました。その結果、製造物責任法の制定に私たちの運動が成功の形を取ったのですが、このままでいいのか、制定したら何年後かに見直すということになっているのにまだ全然見直しが進んでいないんですが、それをやっていただくためにも監視が必要だというふうに思いましたので、PLオンブズ会議を消団連の中につくりまして、私どもの会も一緒に監視を進めてまいりました。
 その一環として、毎年七月一日、PL法の施行になった日にちですけれども、それを中心にした日にちに社会に向けてPL法問題を提言するという形のことをやってまいりまして、それで今年も情報の一元化に向けて七月一日に渋谷の主婦会館の中でシンポジウムを催す予定になっております。先生方ももしお時間がありましたら、是非、のぞいてみていただけると有り難いというふうに思います。
 それから、このPL法を、制定後の監視しているオンブズ会議はここで事故情報の一元化に対する意見表明も出させていただいております。是非、消費者の声として受け止めていただけたら大変有り難いというふうに思います。
 大事なことがどんどん抜けてしまって、私が書いてきた枚数はそんなにないので読んでいられないんですが、消費者相談の現場で相談員が、内に埋もれてしまうことなく、そこで得た情報を地域に還元していく、国民に還元していくという役目も十分に担っていると思ってNACSは活動しておりますので、是非こういう立場にいる人間、相談員たちの支援をこれからも重ね重ねたくさんしていただきたいというふうに思いますのと、併せてこういう団体が実績を積んできているということも十分に認識していただいて、是非私どもの支援、私どものような団体としては全国消費生活相談員協会さんの相談員の団体もありますので、是非お力をお貸しくださいますようにお願いします。
 御清聴ありがとうございました。以上でございます。
#76
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 次に、行岡公述人にお願いをいたします。
#77
○公述人(行岡みち子君) こんにちは。グリーンコープ生協ふくおかの生活再生相談室長を務めております行岡と申します。どうぞよろしくお願いします。
 今日は時間が十五分しかないということなので資料を作り込んできておりますので、一応ちょっとそれの紹介からしたいと思います。
 まず、パンフレットのこの関係は、いつかお時間があるときに見ていただいたらいいかなと思っています。主にやっている事業の内容が、金銭教育事業、消費生活支援事業、それから生活再生相談事業、生活再生貸付事業という四つの柱で多重債務問題に取り組んでおります。
 もう一つ資料の方は、このクリップで留めてあるものが三分冊ございます。今日は、一番上に載っています「グリーンコープ生活再生相談室の現場からの報告」というこの資料に基づいて御報告をしたいと思います。
 その下にあるのは、私ども福岡県の業務委託を受けて事業をしておりますので、麻生知事に報告をした最新のデータなり情報が入っておりますので、これ三分冊を後ほど見ていただけたらと思います。
 それからもう一つは、グリーンコープ共同体という形で、福岡だけじゃなくて熊本でも大分でもそれから山口県でも、それから今度は長崎県でも取り組むということで、多重債務問題に取り組むためにやっていますので、他県の様子もこちらの共同体の言わば総会用の議案書の方に載せておりますので、これも後ほど見ていただけたらと思います。
 御報告の方は、先ほど申しましたように、「グリーンコープ生活再生相談室の現場からの報告」という、これに基づいてしたいと思います。
 まず、なぜ生協で多重債務問題なのかと、これもういろんなところで聞かれることなんですが、私たち、消費者の組織でもありまして、多重債務問題に取り組んでいるというのは結局、組合員のところの一%弱の人たちがこういう事態に至っているということなんかがあって、そういう意味で深刻な事態であるという理解で取り組んでいるというのがあります。
 二ページ目のところからちょっと入っていきたいんですが、そういう認識に基づいて多重債務問題を金融とか法律という視点だけではなくて、消費者、生活者の視点からのアプローチが重要というふうに理解をして、平成十八年の八月二十一日から取り組んでおります。昨年、平成二十年の四月からは、福岡県との協働事業ということで、福岡県内四か所に相談室を開設をして取り組んでいます。
 四番目で、平成二十年度生活再生相談の実績なんですが、初回の電話件数が、これも前年の二・六倍に跳ね上がりまして三千四百三十一件。そのうち、一時間から一時間半の面談をするんですが、初回の面談が、これも前年の二・三倍で、千七百四十四件というふうになっています。
 五番目です。多重債務相談の方たちの実情ということで、是非ここら辺は先生たちにも御理解いただきたいんですが、まず、相談にお見えになって面談を受けている人たちの借金を抱えた原因なんですが、生活費、教育費、税金、医療等というのがこれ軒並み四割以上というふうな様子になっていまして、それから、あと借金返済とか連帯保証人というふうなところが次に出てきて、言わば一般に言われる遊興費、ギャンブルなんかが理由という方は一〇%以下です。
 それからその次、ページはぐっていただいて三ページなんですが、私たちは言わば協同組合組織、生協なんですけれども、組合員と員外の比率というところで、昨年福岡県との協働事業が始まって、もう組合員の相談じゃなくて県民の相談、組合員は一二・六%というふうになっています。ところが、今年の四月にはこれが組合員が二八・八%に跳ね上がっておりまして、組合員の世帯にも今の不況の様子というのが問題として広がりつつあるというふうな様子になっています。
 それから、三ページの(4)で面談を受けた人、多重債務を抱えている人の年齢なんですが、三十代、四十代、五十代というところから四十代、五十代、六十代以上というふうに年齢が高くなってきています。だから、そういう世帯で深刻になってきているというふうに御理解をいただきたいと思います。
 それから、(5)で面談を受けた人の職業なんですが、もう主婦のところは減少していまして、無職の人が今年に入ってからは増えているということで、職がないということが出てきています。それから、あと年金を受けている方たちの御相談が増加しているというところも見ていただけたらと思います。
 次に四ページです。
 本人を含む家族数というところなんですが、これもちょっと本当にびっくりするところなんですが、昨年のところと今年の四月のところで言わば三人以上の御家庭、だから四人以上の世帯の方が半分以上を占めているというのが今多重債務で相談に来られている方たちの様子であるというところです。
 それから次、五ページです。
 面談を受けた人が一番相談したい内容は何かということです。皆さん借金をお持ちなんですが、家計の問題で相談をしたいという方たちが多いということで、貸付けの利用と家計の問題というところがそれ以前の借金整理・返済額の軽減ということよりもむしろそちらの方に、何とか返しながらでもやりたいということでシフトしてきているというところがあります。
 それから、同じ五ページの九番目で家賃、電気・ガス・水道代、税金の滞納状況があるかということなんですが、こういう言わば公共料金の滞納があるという方が四割以上を占めておりまして、そういう意味では借金を整理しても問題は解決しない、それだけでは駄目であるというようなところで、そういう意味でセーフティーネット貸付けが非常に重要な課題になってきているというのがあります。
 それから、六ページの十二番目のところを見ていただきたいんですけれども、過去の債務整理との関係がどうなっているかということですが、過去に債務整理をしたことのある方が昨年三二%、今年度の四月は二五・三%というところで、法的な債務整理だけでは解決しない。四分の一はもう一遍、今年の四月でいえば戻ってくると。もう一段のセーフティーネット貸付けとか、それから相談機能の強化ということが非常に大事なんだということが出てきているんだと思います。
 七ページのところですが、そういうふうな多重債務者ということが全国に二百五十万から三百万人いらっしゃる。それから、うちの組合員でいえば一%弱の方たちがそうであるということですから、ほとんど三百万人というのを世帯に直すと大体一%弱ぐらいですから、そういう形で国民が困窮しているということについて御理解をお願いしたいと思います。
 七ページの六番目、平成二十年度の生活再生貸付け。私どもは組合員の出資金を貸し付けております。そこのところでの貸付けをしている方たちの年収なんですけれども、まず御本人の年収が平成十九年度までは平均年収が二百三十三万でした。これが昨年度、平成二十年度は二百三十一万。それからもう一つは、私たちは本人の収入だけじゃなくて家族の収入として全体を家計収入として見るんですけれども、平成十九年度までは四百二十八万円あったものが、昨年度のところは三百九十一万円。三十万ほど年収で落ちているというのが実態であるというところです。
 それから、(2)のところで、これはちょっと時間がなかったので総会の議案書を、私ども書いたものを抜粋させていただいたんですけれども、まず福岡県グリーンコープふくおかの平成二十年度の貸付けの実績です。2)です。昨年、百二十八件で九千三百八十万円の貸付けを発行しております。で、平成十八年の八月に相談室を開設以降、累計二百四十七件、二億一千五万円の貸付実績をしております。このうち二十四件は既に返済が完了しています。
 だから、多重債務者にお金を貸すのは問題であるというふうに言われたりもするんですが、皆さん本当に一生懸命返済なさっている。生活に必要なお金というのがどうしてもあるんだというふうに御理解をお願いしたいと思います。
 それで、3)なんですが、じゃ、どういう目的で貸付けをしているのが伸びているのかということなんですけれども、債務整理をした後、事故情報に載って、言わば債務整理をした方たちというのはどこからもお金が借りれません。貸してくれるのはやみ金だけです。こういう状態の人たちのところで、そういう状態になっている方たちへの貸付けが六割近くになっている、私どもの貸付けの内容が五八%です。この上三行が言わば多重債務対応の貸付けの内容であるというふうに読んでいただいたらいいんですが、ここの五八%、一八%、一四%というところも含めて、やっぱり債務整理だけでは解決しないということを実証しているんではないかというふうに判断をしております。
 次、八ページのところです。
 じゃ、その貸し付けたお金が具体的にはどのように使われているかということなんですけれども、平成二十年度を見ていただいたら、生活資金・家賃・水道光熱費、医療費、学費、それから住宅の移転費用と、高いところに住んでいて、安いところに移転したくてもお金がなくて移転できないというような方たちもありまして、こういう生活上の必要でお貸付けをしている、その目的が五七%ぐらいを含んでいるというところで、貸付金の具体的な使途というところで言わば生活資金関連に集中しているということから、まさに生活の基本的な困窮状況が見えるということだと思っております。経済危機が国民の生活レベルまで波及をしているということなんではないかというふうに考えております。
 八ページの下の方ですが、平成二十一年に入ってからの私たちの相談室での状況です。もう本当にびっくりすることなんですが、平成二十一年の一月に入ってからは、仕事がなくなってホームレス状態に陥っている人とか、借金返済のための窃盗で刑期を終えて出所してきた人が受入先がないと、更生施設が満床なんだそうです。それで、そういう人たちの相談、それから生活保護世帯からの相談というので、生活再生相談室の枠を超えた対応が必要になってきているという様子になっています。
 九ページをお願いします。
 そういう相談も含めてワンストップでの対応に全力を挙げておりますけれども、貸付けについてはなるだけ公的な機関を、社会福祉協議会とか、それから福祉事務所とか、そういうところを相談者に紹介しているんですが、結局またうちに戻ってくるみたいな様子があって、たらい回しになりかねないという様子があって非常に苦慮をしております。そういう意味では、セーフティーネット貸付けという形で多重債務対策プログラムなどがあって、社会福祉協議会とか労金とかもろもろ挙がっておりますので、そういうところとの役割の明確化が必要ではないかというふうに考えているというところです。
 最後になりますが、九ページの七番目のところで、参議院で是非御検討いただきたいことということで、四点でお願いを申し上げたいと思います。
 一つは、多重債務対策プログラムのところで、かなり前から進んでいると思うんですけれども、そのうちのセーフティーネット貸付けというところでは、現場からいえばほとんど前に進んでいないというふうに思っています。やっぱり国としての予算をきちんと組み込んでいただかないと、地方行政では難しいというふうに考えています。
 福岡県の場合は、麻生知事の強力なリーダーシップで三千万を予算措置していただいて、相談室四か所を運営して、二億何千万のお金を貸し付けしてという形でやっているんですけれども、昨年スタートしたグリーンコープのくまもと、おおいた、やまぐちの相談事業のところはそういう支援がございませんので、今年度、トータルで二千六百万の赤字、来年度、三千二百万の赤字予算を組んで、民間が自分たちの身銭を切ってやっているというのが様子ですので、是非、そこら辺、よろしく御検討をお願いしたいと思います。
 それから二番目に、先ほどから申しておりますように、経済状況が悪化している中で家計に影響しているということは、本当にもろもろ庶民の生活の中では、もう収入の道が途絶えるとか減少するとか、そういうことも含めて広がっております。そういう意味で、国民が経済危機を乗り越えることができるような家計管理、それとあと、もちろん、多重債務で御相談にお見えになる方は、幾ら自分がどんなふうにお金を使っているか分からないということもあったりするので、家計指導なんかをちゃんとやっているというのと、お貸付けをする場合は、向こう五年間の家計がどうなるというキャッシュフロー表というものなんですが、そういうものを作って家族で相談できるような形で提案をしていろいろ前に進めているんですが、そういう意味での家計管理への提言とかそれからセーフティーネット貸付けとか家計再生のためのカウンセリングなどの施策の実施が必要ではないかというふうに思っております。
 それから三番目ですが、改正貸金業法の完全施行というのは今年の十二月とも言われていましたが、どうも来年の六月になりそうだというふうに言われておりまして、そういう完全施行を目前にしていて、早急にセーフティーネット貸付けの資金を準備して対応すべきではないかと思います。
 具体的には、家計再生のためのカウンセリング体制の確立や運営資金への助成若しくは福岡のような業務委託ですね。それから、セーフティーネット貸付けの原資、それから貸倒れの損失に対しての保証金積立てなど、これはもう政府の責任として準備をしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 こちらの消費者庁のところでいえば、地方消費者行政活性化交付金というものがあるというふうにお聞きしていますので、そこのところでの拡充なり、そういう形で御検討いただけないかというふうに希望をしております。
 それから四番目に、今回、多重債務対策プログラムに関する問題から見えてきているのは、関係省庁の動きが緩慢じゃないかなと感じております。ともすれば民間や地方自治体にしわ寄せをする施策が打ち出されがちなので、そういう意味では、今後、消費者庁が司令塔として関係各省庁に対して勧告等働きかけていただいて、私たち国民の生活を守ってくださるようになれば本当にいいなというふうに希望しております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
#78
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 次に、義本公述人にお願いをいたします。義本公述人。
#79
○公述人(義本みどり君) 皆さん、こんにちは。私は、兵庫県但馬県民局但馬生活科学センター消費生活相談員の義本みどりと申します。
 私の名前ですが、義は正義の義、本は本物の本です。消費生活相談員になるために生まれてきたような名前です。
 兵庫県といいますと皆さん神戸を思い浮かべると思うんですが、私の資料ですね、この資料の一ページめくっていただけますでしょうか。地図を付けてまいりました。私は、コウノトリ悠然と舞う豊岡市の方から来ました。豊岡というと、城崎温泉、それから山陰海岸、世界ジオパーク加盟を目指せとか、いろいろ頑張っているところでもあります。すごく自然が豊かで人が優しい、それから気候が大変厳しいところということで、気質が大変我慢強いんですね。私の出身は、九州の大分県の耶馬溪町という小さな町です。但馬に来て感じたこと、但馬に来て十五年になりますが、但馬の人って感情表現、表になかなか感情を出さないなと、我慢強いんだなということを感じました。
 私は、消費生活相談員になって今年で八年目になります。豊岡と但馬というと、大阪の辺りでも、六甲山の向こうねと言われるんですが、六甲山の向こうの向こうの向こうの間違いですというふうにいつもお話ししております。神戸まで出ようと思ったら、特急電車で二時間半掛かります。大阪、京都でも一緒です。県庁まで遠いです。但馬の声を県庁に届けようと思ったら、なかなか大きな声で叫んでも聞こえることができません。勉強に行こうと思っても、大阪、京都、神戸に行かなければいけません。一時間の研修を受けるために、朝はよから起きて行かなければいけません。お金も往復一万円掛かります。
 それから、午前中に長崎市の相談員さんからも残業がというようなことがありましたが、それは、私だけではなくて、どこの消費者センターでも同じような状況です。
 最初に言い忘れましたが、私は但馬生活科学センターの相談員ではありますが、今日は全国の闘う相談員の代表として来ておりますので、私がしゃべることによって兵庫県に傷が付かないかどうかというのは大変気に掛かっているところでございます。この点だけは、皆さんどうか御配慮くださいますようによろしくお願いいたします。
 こちらに来るに当たって娘にも言ってきました。お母さん、言いたいこと言ってくるよと、でもひょっとしたら仕事なくなるかもしれないと、私の仕事がなくなるということは、あんたの小遣いなくなるんやでと言うてきました。昨夜、小学校六年生の娘から電話があって、言いたいこと言っていいよと、お小遣いなくてもええ、我慢するでと、お母さんの仕事は人を救っている仕事やと、しっかりしゃべってこいと娘に言われました。娘の力強い言葉で今日は覚悟を決めてこの場所に参りました。
 但馬っていいますと、三市二町、人口十九万、広さといえば兵庫県の四分の一、東京都に匹敵します。すごく広いんですね。この広いところを、昨年度三月までは県の私どもの消費者センターの相談員二名と豊岡市の相談員一名、計三名で相談業務に行政の職員の強力なバックアップを受けながらやっておりました。それが国の動きがあって、それは消費者行政、力入れなあかんということで、いろいろ御理解いただきまして、豊岡市に一名と、養父市という小さな市に新設で一名できました。人件費に使わない交付金、要らない交付金が付いとるのにこれだけ人が増えたということは、どれだけ但馬が消費者行政について関心を持っていただけるかということが分かっていただけるかと思います。
 私どものセンターなんですけれども、豊岡市の小高い山の上にありまして、へんぴなところにあるんです。JRの豊岡駅からタクシーで十分間ぐらい、タクシー代千円ぐらい掛かります。山の下まで公共のバスは来ているんですけれども、歩いてくるとなるとかなり時間が掛かります。こんなへんぴなセンターなんですけれども、すごく人が来るんです。今まで最高一日に来たのが二十五人。予約の相談者というのは、ちゃんと、相談員二人しかいませんから考えて入れてます。それが、山の上からだれか指令を出しているんじゃないかというぐらい、一人終わった終わりかけに来るんですね。重なったら、仕方ないけどお断りしますということを申し上げようと思っていたんですが、重ならないように上手に来るんです。どこかで必ずだれかが指令を出しているとしか思えません。
 私の資料に相談件数を載せたんですけれども、昨年度千七百六十五件、そのうち多重債務が四百九十件、来所者数が四百七十九件、延べ来所者数が九百二十四人なんです。ということは、一人の相談者に何回も何回も足を運んでいただいているということが分かっていただけると思います。
 電話で相談を受けるのがまず第一なんですけれども、電話だけでは声しか分かりません。聞き出せる情報は本当にわずかです。会って初めて、その人の顔色を見ていろんなことが分かります。
 相談業務で一番大切なことは何かと申しますと、センサー機能です。電話で聞いて、先ほども架空請求の話が出ましたけれども、こんなはがきが来たんですと電話で言って、ああ、いつもの架空請求かと、ほっといたらええんやでと、一言言ってそれで電話を切って大きな失敗になるということもあります。どこから来たんですか、どんなはがきが来たんですかと、内容を確認します。すると、たまに本物のクレジット会社からの請求書だったりするんですよ。それをほっといたらいいですよと言ったら、えらいことですよね。ほっといたら給料差押えされてしまいます。そういうところまでつながってしまいます。それだけ相談業務というのは、最初に相談を受けた人のセンサー機能というのが大切です。
 私は相談員になって八年目ですが、五年でやっと一人前で、一通りの相談がやっと分かったというのが正直なところです。何を話しているか分からなくなったんですけれども、私なりにいろんなことを考えてみました。
 地方の消費者行政の予算が削られた、この理由は何なんだろうと。難しいことは分かりません。私に分かることは、消費者問題って何なんだと。一番最初のチラシを見てください。「消費者センターは生活のお医者さん」とうちのセンターでは言っているんです。消費者被害というのは、病気って考えたら分かりやすいんではないでしょうか。
 例えば、風邪を引いたという方がいますよね。ああ、注意せんかったん違うんかと、手洗い、うがいしとったかとか、マスクちゃんとしとったかとか夜更かししたんじゃないかとか、いろんなこと言われますよね。確かに自己責任という部分はあるかもしれませんけど、自己責任で病気になったら病院に行かんでええのかといったら、そんなことないですよね。病院に行きます。病院に行くのと同じように消費者センターに来ていただけたらいいなと思っております。
 消費者被害に遭った人たちというのは、本当に自分を責めております。事が重大で深刻であればあるほど自分を責めております。うちのセンターの特徴なんですが、多重債務、気合を入れて根性入れて頑張っております。何でかというと、命にかかわる重要な問題だからです。この八年間、様々な相談を受けましたが、忘れてはいけない相談ということを一つお話しさせてください。
 二年前に、一本の電話が男性から掛かってきました。私の妻が多重債務で自殺をしましたと、淡々とした口調でした、一週間前ですと。私も今体を壊して仕事をなくしておりますと、どうしたらいいですか、妻の借金はと。答えは簡単です、相続放棄をすればいいと。これだけの一言を答えればいいだけに、私の手は震えました。周囲の職員が、義本、どうしたんだと心配するぐらいな状況でした。何でかというと、私は怖かったんです。
 そのちょうど一か月ぐらい前に女性から相談を受けておりまして、多重債務なんです、借金あるんです、夫婦仲もうまくいっていないんです、相談に行きたいんですという電話でした。じゃ、日程合わせて来てくださいねという話をしていたんですが、パート勤務しておりました。多重債務の相談者にパートを休んで来いとは言えません。じゃ、次の休みのときに来てねということで、その日は連絡先だけ聞いて終わっておりました。私はその彼女が死んだんじゃないかと。年と、それから住所地が一緒だったんです。手が震えました。私が放置していたことによって彼女を殺してしまったんではないかと思いました。
 私は、以前は医療従事者でした。医療の現場というのはたくさん人が亡くなります。今の相談員の仕事に就いてから、しょせん金の話やと、人の命までかかわらないだろうと私はたかをくくっていたところがありました。そのとき、私はもう本当、頭を殴られたような思いでした。後で確認したんですが、彼女ではなかったと思ってほっとしたんです。今度はそのほっとした自分が許せなかったんです。今電話をくれているこの人は、夫婦仲は悪かったかもしれんけど奥さん亡くなっていると、ほっとしたとは何事やと、おまえはそのセンターに座っとって相談待っとるだけでええんかいというふうにすごく自分を責めました。それからです。積極的に広報しましょう、多重債務は命にかかわる重要な問題ですとあちこちで訴えることを始めました。
 うちのセンターは多重債務頑張っているということでかなり取り上げていただいているんですが、多重債務だけ頑張っているわけではありません。多重債務を頑張っているということはほかの相談も頑張っているということなんです。ただ、命にかかわる問題なんです。たくさん相談があって、どれから処理をすればいいのかというときに、救急の現場でカードを付けますよね、赤いカードとか青いカードとか、あれと同じ感覚なんですね。命にかかわる問題が最優先。ちょっと調べてお答えするような問い合わせの電話は、ごめんよって、忙しいからちょっと待っとってくれるかなと、忘れとったら悪いんで、一週間しても返事がなかったら、悪いけど、義本さん、どうなったんやと催促してくれと相談者に言っています。事情を話せば、こういう方法で県民から苦情が出たことはありません、待たしていても。ごめんよ、義本さん、忙しいときにこんなこと聞いてと、かえって恐縮されてしまうようなことが多いです。
 活性化基金が来たときに、どんだけ私たちは楽になるんだろう、もっと力いっぱい相談が受けれるんだろうと思って期待しておりました。何で期待したかといいますと、昨年、十月ぐらいだったかな、野田大臣が神戸にタウンミーティングで見えたときに、私も二時間半掛かって行きました、手を挙げて発言をしました。相談の現場の相談員は根性込めて命を込めて相談を聞いていると、こんな重要な相談を非正規雇用のワーキングプアに任せとって国は県は市長は恥ずかしくないんかいと私は発言をしました。そのときの大臣の回答が、よく分かっていますと、現場のしんどさは、私もあちこちのセンターを見て回っていますと、直球は難しいけれども、変化球で相談員さんたちを助けたいと思いますというふうにお答えになりました。そういうふうに答えてもらってすごくうれしかったです。
 それから、待っていたところが、夏ぐらいになって内閣府からのあのパンフレットが出ました。いつでも、どこでも、だれでも相談ができる相談窓口と、立派な分厚い紙が、消費者庁ができたらそういうふうになるという紙がセンターに届きました。こんなことができるんかいと、こんなに金使うんだったら私に金よこせとセンターの中でどなったのを覚えております。
 済みません、あちこち行って申し訳ないんですが、私の資料に相談者からの手紙というのを付けてまいりました。全国の相談員たちは、相談者のありがとうという言葉で頑張っているんです。ぎりぎりのところで頑張っています。
 これは四十九歳の女性の多重債務の相談者からのお手紙です。読んでください。中に、死にたかったという言葉もあります。今回国会に来るんでこの手紙を出させてもらってもええかと言ったら、私ので役に立つんだったら何でも使ってくださいということで、この手紙をこの場に持ってきました。死ななくて良かったねと本当に思いました。
 実は、連休明けになんですが、お昼休みに一本の電話が私の相棒の相談員に掛かってきました、女性からの相談で。五十三歳の弟が自殺をしましたと。私の相棒相談員は目に涙をためてもう一生懸命聞いているんです。相談を受けた自分の相談者が自殺をしてしまったんです。その相談者は仕事を何年間もしていなくて、サラ金の方も取立てをあきらめていました。だから、借金だけが理由ではなくて、様々な事情があって、お父様が亡くなったというのも大きな理由だったようなんですけれども、相談者に死なれるというのは大変つらいことです。目に涙をいっぱいためながらですが、次の電話が掛かってきたら、その相談引きずっているんですけれども、次の相談の対応をしなければいけません。そんな厳しい現実で私たちは仕事をしております。
 活性化基金、一つだけいいことがあったのを今思い出しました。今まで消費者行政に全く興味のなかった県が、市が、町が消費者相談員を置こうというような動きが出てまいりました。ただ、相談員を置けばいいんかいとまた思うんですね。医療の現場と似ているとは思うんです、消費者被害というのは。完治する病気もあれば、ずっと付き合っていかなきゃいけない病気もある。ちょっとした手のけがだったらすぐに治るかもしれないけれども、どうしても治らない病気もあると。本当に似ていると思うんです。ただ、大きく違うところは、消費生活相談員というのは一人で行政の外におってできる仕事ではないんです。行政の組織の中におって何ぼの相談員なんです。公務員なんです、私たちは。公務員が住民のために働くのは当たり前のことなんです。当たり前のことをしているんですけれども、相談者からは、お金取り戻してあげたりすると、公務員がこんなことをしてくれるとは思わんかったというような、何かうれしいのか悲しいのか何とも分からないようなお礼の言葉が私に向けられることがあります。
 私の但馬における消費者行政の理想なんですけれども、午前中、盛岡の吉田さんが言ったような、県と市町で広域行政ができないかと思っているんです。市だけ、町だけではなかなか難しいです。特商法の指導、処分の権限は小さな市町にはありません。たとえ権限があったとしても、一人の職員がたくさんの業務を抱えている中でなかなかそこまでのことはできません。
 それから、食の問題を取り扱うに当たっては県の力がないとどうしてもできません。県と市町で一か所に相談の拠点をつくる、相談員を二万人に一人ぐらい、十人ぐらい集めて強力な専門家チームをつくると。そうなると、県と市町の行政機関を使い倒して、警察を使って、一般の団体を使っていろんな問題が解決できるんじゃないかと思います。センターまで来れないところには、人数がいれば訪問をすることもできます。こんな厳しい現実で仕事をしているんですから、夢ぐらい持っていいじゃないかと、夢を語りながら仕事をしたい、前を向いて仕事をしたいといつも私は思っております。
 それともう一つ、非正規雇用の問題です。
 私は八年目に入りました。兵庫県では雇い止めが十年です。私には時間がないんです。それと、私の資料を御覧ください。人事発令通知書というのを付けてまいりました。金額を見てください。年々少なくなっているんです。昇給はないのに、公務員の給料が減るとき、私たちも減るときだけは減るんです。
 一ページめくってください。一つ、ぐちゃぐちゃに汚い人事発令通知書があるかと思うんですけれども、これをもらったとき、多重債務の相談ですごく大変で苦しい思いなんかしていたときに下がったんです。辞令を突き返そうかとさえ私は思いました。ただ、そのときできなかったのは、今処理中の相談者の顔が思い浮かんだんです。それから、相談員を孤独にさせちゃいけないといつも言っているうちのセンター所長の顔が思い浮かびました。それから、現場のあんたたちの気持ちはよう分かっとる、わしにできる支援は惜しまぬと言ってくれた県の幹部職員の顔、いろんな人たちの顔が思い浮かんで、突き返すことができませんでした。ただ、もらった後ぐちゃぐちゃっとしてしまったんで、幾ら伸ばしてアイロンを掛けてもこのような汚い状況になりました。
 隣の辞令を見てください。十九万百二十五円。五万からアップしました。これは、国からの交付税が増えました。処遇改善をしなさいという文書も届きました。これが野田大臣の言っていた変化球なんだなと。ただ、変化球だけではここまで上がることはできませんでした。いろんな方が、県の中、市町の中、外部の方、義本さんたちの給料を上げてやってえやと、うちのセンターに来て話す相談者もいました。いろんな方たちが、但馬から兵庫県から頑張ってくださって国からの金が下りてきて、これだけの給料アップにつながることができました。
 ただし、変化球だけではここまでです。ほかに嘱託の職員もたくさんいます。もっと雇い止めの短い職種もあります。そことのバランスを取ると、これ以上上げてもらうことはできません。そこで必要なのが正規雇用です。ほかに何も要りません。もう直球をください、金をください、正規雇用にしてください。
 最後のページを見てください。消費生活相談員の正規雇用を求める要望書です。これは、滋賀県野洲、私の師匠である生水相談員のところに野田大臣が来たときに手渡したものの一部です。今、現場ではいろんな考え方はあるんですけれども、正規雇用にしてほしいです。私の周りの相談員はみんなそう思っております。全員が正規雇用になるのはなかなか難しいのかもしれませんけど、行政の中でも保健師さんや看護師さんやいろんな資格を持った特別の専門職はいます。その中で、正規雇用じゃないのは消費生活相談員だけです。私はあと任期が二年しかありません。
 娘に聞かれました。お母さん、こんなに頑張っとるのにあと二年したら仕事辞めなあかんのかと。お母さんの仕事って大事な仕事じゃないんかと娘に聞かれましたが、答える言葉がありませんでした。そんな状況です。娘に誇れるような仕事にしたいです。私は、もし自分の子供が将来消費生活相談員になりたいんだと言ったら、なってすごいうれしいんですけれども、今ではなれと母親としては言えません。是非、消費生活相談員を一本立ちできる職業にしてください。そうすることによって救える住民がたくさんいます。
 あと、消費者行政、消費者側被害が何でこんなになったかというと、国が消費者教育をせずに規制緩和をしてしまったから、国の責任だと思っております。ですから、是非、国の金で地方の消費者行政を活性化していただきたいと思います。使える金を私にください、よろしくお願いいたします。
#80
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 次に、和田公述人にお願いをいたします。和田公述人。
#81
○公述人(和田三千代君) こんにちは。御指名いただきました千葉県消費者団体連絡協議会、我孫子市消費者の会の和田と申します。千葉県の消費者行政充実ネットちばの代表幹事の一人でもあります。
 お元気な義本さんの後にこんな年寄りが出てまいりました。このような席は、私のかなり長い人生でも初めての経験です。失礼のないようにとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 消費者庁の設立が皆様方の御理解によって目前に迫ってきたことを私は心から感謝しております。これまでの公述人の方は、どちらかというと大きな組織の方や行政の方でした。私は、地方の小さな消費者団体に属しております。小さな消費者団体がどんな活動をしているのか、その現状を御理解いただきながら、私が消費者庁の設立をどうして渇望してきたか、私のささやかな運動の中からお話をしたいと思います。
 まず、今日、皆様方に差し上げておりますのは、たった一枚の私の「公述人レジメ」と書いておりますものです。
 まず、我孫子市消費者の会がどんな活動に取り組んできていたか、それをちょっと御覧いただきたいと思います。
 無添加ハムの開発。
 ごみ問題、リサイクルの推進。これは、市に提言し、協力して、我孫子では現在四三%のリサイクル率になっています。
 手賀沼という日本一の汚れだった沼の浄化のために消費者ができることとして石けん利用の推進、これも今進めております。
 公園の除草剤使用禁止。これは、公園の草を会員のウサギが食べて死んだ経験から起こした運動で、我孫子市では市長名で今後一切公園には除草剤をまきませんという文書をいただいております。
 減反政策の下で起きた米不足の臭素米事件。これは御記憶のある方もあるかと思いますが、保管のための薬剤禁止と低温冷蔵の義務付けが行われました。
 浄水場でのオゾン活性炭処理法の導入。
 農薬問題を提起し、利根川の河川敷ゴルフ場建設に反対。これは、飲み水との関係を私たちは強く言いました。
 次に、除草剤CNPの禁止と書いてあります。分析の結果、これはダイオキシンが出たということです。これについては後で少し詳しくお話をしたいと思います。
 生態系を大切にした農業の推進。
 高齢者に優しい街づくり。これは、研究の結果として、会としてではありませんが、今認知症のためのグループホームをつくりました。
 会員の「戦争の記憶」発行。これは、私は消費者運動の基本は命の継承であって、平和でなければとの思いから作りました。今、市の平和事業につながって、推進会議に参加しています。
 このほかに、優良誤認は許せないとして、原産地表示運動もしてまいりました。
 このように、我孫子市消費者の会の活動は、一地方の運動を超えて県や国を動かしたものもあります。こんなことを言うと少し自慢話めいてお聞きになるかと思いますが、この中の除草剤CNP、これを製造中止にした経験を少しお話しいたします。
 我孫子市消費者の会が、私が会長になったときに、もう少し勉強したいと東京の遺伝毒性を考える集いというところに参加して、勉強の結果、友人たちと一緒に運動をしたものの中の一つです。
 一九九三年、新潟県の胆道がん患者多発の原因は除草剤CNPが河川を通じ水道水に混入していることだという新潟大学の山本正治教授の疫学調査の発表を知りました。CNPとは水田にまく除草剤、クロルニトロフェンのことです。私たちはそれを見て、農林水産省、そのころの厚生省、同じくそのころの環境庁、製造元の三井東圧、現三井化学ですが、そこへ何度も足を運びました。
 データの開示を求める私たちに対し、農林水産省は、CNPのデータは製造元の三井東圧のものであるとして、徹底的に開示を拒否されました。環境庁の水道担当部門の職員は、山本教授の疫学調査を、あんなコンニャク玉、幾ら投げたってへでもないとおっしゃいました。三井東圧は、消費者がデータを見て何が分かるとおっしゃいました。
 私たちは、前からCNPに疑念を持っていらっしゃった学者の方たちにも教えていただきながら、独自に公害等調整委員会というところに提訴しました。ここでやっと四つの官庁の部門が話合いを持たれることになり、一九九四年三月に厚生省がADI、これは一日摂取許容量のことですが、それを設置しないことを発表されました。事実上の製造中止が決められたのです。
 この話には後日談があります。私たちは製造中止は使用禁止と思い込んでいましたが、農薬販売業者から、来年から売れなくなると高値で売りまくったという話を聞きました。そして、日本に残っていたCNPをほぼ使い終わったと思われる一九九九年七月、やっと農水省は世界的な分析学者であるスウェーデンのラッペ博士に分析を依頼し、CNPにダイオキシンが含まれていたと発表されました。実際、それもごく微量だがと。でも、実際に使われたCNPからはもっと大量のダイオキシンが検出されていました。ADI取消しから五年がたっていました。そして、このCNPを開発した人も、許可をしたお役人の方も、だれ一人責任を取られたとは聞いておりません。国民は、ダイオキシン入りの水道水を長年飲まされ続けたのです。
 国民の多くは農薬も添加物も国の機関が検査し、安全と認められているものと信じています。しかし、最近、DNA判定の進歩により、犯人とされた人が二十年近くたって人が違ったと分かったとおり、科学はその時点で判断したものでしかないと私はCNPの運動から学びました。
 要するに、国民の安全を守るには、各省庁の上に立って、国民の側に立って考えられる組織が必要だと痛感したのが私のCNPの運動でした。そして、このような多様な消費者団体の運動があることを是非御理解いただきたいと思っています。
 次に、千葉県の条例制定にかかわった経験からです。
 消費者基本法が二〇〇四年に制定されて、千葉県としてもそれまでの消費者保護条例を改正することになりました。時の堂本知事のお考えもあり、条例改正検討委員会が設置され、公募も含めて十五名の委員が集まり、十九回の論議をしました。その中で、私はさきに申しました運動の経験から、県の条例は消費者の命の安全を守る幅広いものにしてほしい、食品の安全も環境も福祉も含めての文言を入れてほしいと申しました。
 その条例の中では、まだこういう世の中になっていなかったものですからその文言は入りませんでしたけれども、今年三月に千葉県消費生活基本計画が策定されました。それは、やはり九回の基本計画策定検討委員会とワーキンググループ別の検討、五十回のタウンミーティングやミニタウンミーティングを開いて、県民の意見を吸い上げたものとなりました。中身は、私が思っていた消費者庁の思想の先取りの形と私は評価しております。県の中だけで三十五の課が消費生活にかかわると言われています。この基本計画を推進していく推進本部のようなものもつくることになっています。
 この条例がここまで来ましたのは、県下のいろいろな団体が団結した消費者行政充実ちばネットの働きかけが大きな力になっています。タウンミーティングの主催や意見書提出など、行政への積極的な働きかけをしてまいりました。
 方向性と予算の問題で最後にお話をいたします。
 今回の消費者庁の論議の中でも、消費者被害救済に重点が置かれているようにも見えます。もちろん、もちろんそれは大変重要なことだと私も思っております。消費者が被害に遭わないよう、また、救済してもらえる相談業務の充実は緊急の課題です。千葉県の中でもまだ相談業務体制ができていないところもあります。相談員の方々の待遇改善、それから、この委員会の中でも何人もがおっしゃいました、本当に日夜問わず一生懸命相談業務をやっていらっしゃるということもきっちりと予算をしっかり付けていただき、悪質業者がいなくなるまで続けなければならないと思っています。
 一方、今、私たち消費者団体の生存そのものが危ぶまれる事態になっています。私を含めて、活動してきた人たちの高齢化が最大の問題です。若い方たちの食や環境に対する安全、安心を求める気持ちはとても強いのですが、時間と労力を掛けて活動できる人が減少しています。まして費用の負担までしてとなると、限られた人になってしまうでしょう。
 私たち千葉県消費者団体連絡協議会は、昨年まで千葉県内十の消費者団体の集まりでしたが、今年、市からの補助金をゼロにされて存続が危ぶまれる団体が出ています。地元で行政と協力しながら啓発活動もしてきた団体が存続できない状態は何とかしてほしいと思います。もちろん、どこも財政状況が厳しいのは分かっていますが、何回も申しましたように、命を守る消費者庁の予算は、その使い方を含めて真剣に考えていただけるよう心から望んでいます。附帯決議にあります、「消費者被害の情報収集啓発を行う消費者団体に対し、関係する情報を提供するとともに、活動のための施設や資金の確保等の環境整備を図ること。」という附帯決議がありましたが、その中身をもっともっと幅広くとらえていただいて、こういう地方の消費者団体への支援もお願いしたいと思います。
 まだ言い足りないことがありますが、そのことはまた御質問に答えてお話をしたいと思います。
 私たちのような小さな消費者団体に発言の機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
#82
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 以上で公述人各位の御意見の陳述は終わりました。
 それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#83
○徳永久志君 民主党の徳永久志でございます。
 本日は、四人の公述人の方々、大変御多用の中お越しをいただき、貴重な御意見を賜りましたこと、厚く御礼を申し上げたいと存じます。本当にありがとうございます。
 時間が限られておりますので、十分にお聞きできるかどうか分かりませんけれども、端的にお尋ねをしてまいりたいと思います。
 まず、そもそも論なんですけれども、私、今回のこの消費者問題特別委員会に配属をされることが決まってからすぐに、私、地元が滋賀県でございまして、県の消費生活センターとかあるいは地元の市の消費生活相談員の方々に実際にお会いをして、いろいろな問題点等々をお聞きをしてまいりました。
 そのときの私の率直な印象というのは、この委員会でも度々いろんな先生方がおっしゃっていますけれども、本当に、言葉は語弊があるかもしれませんけれども、劣悪な環境の中、相談員の方々の崇高なボランティア精神に支えられているのがこの消費者行政なんだな、特に地方はそうなんだなと。それに、そういう崇高なボランティア精神の上に行政があぐらをかいているというのが今、現状なんだろうなということを痛感をいたしました。実際に自治体の消費者行政の予算の合計額というのは、ピーク時の平成七年の約二百億円からもう徐々に減らされておりまして、十九年には百八億円、特に都道府県では三分の一の規模にまで減ってきているわけであります。
 私も実は八年間、県会議員をやっておりまして、この予算を減らしてきた一つの責任の一翼もあるわけなんですね。そのときの状況を思い浮かべてみますと、例えば財政が悪化をしてきましたと。いろいろと予算を削らなくてはいけません。ここで教育とか福祉とか環境とか、そういう部門を切り込もうとすれば我々議会人は声を大にしてけしからぬとやるんですが、この消費者行政関連の部分というのはそういう話にはなかなかならなかったなということを思います。
 それはなぜなのかなということをつらつらといろいろと考えておったんですけれども、一つ、義本さんがおっしゃいました、ちらっと申された自己責任論ですね、この部分がやっぱりあるのかなと思いました。多くの相談員の方とお話をしている中で、数に表れてくる以外のもっともっと被害の方がいっぱいおられるんだと。例えば、悪徳商法に引っかかった人、あるいは高額な、催眠商法というんですかね、ああいうのをつかまされた人はこれに引っかかった自分が悪いんだと。自分が悪いんだから、役所に行って相談するなんてそんなおこがましいんだと。だから、自分が悪いんだからといってなかなか相談に行かれない。本来なら、相談に行かれたら救える人が多々いるにもかかわらず、相談に行かれない。そうすると相談の件数が減る。減ると、あんまりニーズがないじゃないかといって首長部局が予算を削ると、こういう悪循環に来ていたんだろうなということを思っています。
 そういった面でいきますと、こうした悪循環をまず断ち切るということをみんなでしていかないといけないなということを思うわけなんですが、もちろんその一つの大きな、こういう悪循環を断ち切る一つの力となるのは、この消費者行政の一元化の消費者庁の設置ということはもちろんあるんですけれども、それぞれ現場におられて、こういった悪循環を断ち切る手だてはこういうのがあるよというのがあれば教えていただきたいんですが、まず義本さんの方からお願いします。
#84
○公述人(義本みどり君) 予算が削られて、何で削られたかをさっき言い忘れたんですが、文句が言えないからだと思うんです。私は救われなかったと、救われなかった。道ができない、学校の予算が削られた、子供たちが困っておるじゃないかと市役所に文句が言いやすいんですけれども、私は自分でこんな商品を買ってしまって困っているんですと、救われなかったと言うと、文句を言おうとすると、もう自分の恥ずかしいことを、自己責任だと思っていることをその場で言わなければいけないと、ここの意識の転換をしなければいけないんだと思うんです。
 それで、うちは、「しまった、困った、その時は 消費者センターは生活のお医者さん」という言葉を合い言葉に、相談するのは恥ずかしくないと。いろんなところで消費者啓発をしますと、引っかからないためにはどうしたらいいか今から義本さんに話をしてもらいますと言われると私は嫌なんですよね。どんな人でも引っかかってしまうんです。自分が一番大切なものを思い浮かべてください。それをなくしたときに冷静でいれるかといったらいれないですよね。人はだれでもそういうときがあるはずです。そういうときに忍び寄ってきたら、ついつい甘い言葉に乗ってしまうかもしれません。それから、相談するのは恥ずかしくないという意識を改革することが私は大切なことだと思っております。
#85
○徳永久志君 そういった中で、まあまあ、そういう意識を改革をしていくということがこれから積極的に取り組んでいかなければならない大きな課題の一つなんですが、こうした自治体との予算との関係でいきますと、幾つかの自治体がこの相談業務を外部委託している例があるんですね。これ、三村さんのところの団体はかつて、今もやっておられるんですかね、世田谷区の相談業務を委託を受けておられるということなんですけれども、これについて委託を受けられて、世田谷区から業務委託を受けておられるという形態だろうと思うんですけれども、そういった業務委託に対しての考え方、あるいは実際にお受けになられて、こういうメリットがあるよ、あるいはこういうデメリットも出てきたよというのがあれば、ちょっとお話をいただきたいんですが。
#86
○公述人(三村光代君) 三村でございます。
 世田谷区の予算の中で相談員を派遣していくという形になるんですが、自主的なものではなくて、やはり自分たちの私どもが考えているような相談ができない、完全に委託していただけているとよかったんですが、完全ではない、ちょっと中途半端なところがありまして、実際にはデメリットをたくさん含んでいるような状況です。
 ですから、今のお話よりちょっとずれますが、川崎市がやっておりますみたいに完全にNPOに委託するという形を取ると、自分たちで運営、管理ができるという点では結構メリットが出ているんだというふうに思います。
#87
○徳永久志君 今の外部委託という言葉を出しましたら義本さんが首を振られましたので、もしコメントがございましたら、簡単にお願いします。
#88
○公述人(義本みどり君) 外部委託は絶対反対です。これは行政がするべき仕事なんです。そうすると、行政に、例えばこれは税務課に相談しなきゃいけないんじゃないか、福祉に相談しなければいけないんじゃないか、保健所に言わなきゃいけないときに、連携がうまくできるんだろうかと。安く外部に委託することによって、安いところに委託するような、行政の組織の中に理解がないと、してしまうんじゃないかというようなことを心配しております。
 実際に全国の闘う相談員の中には、外部委託の中のより劣悪な環境の中で働いている相談員もいることを知っていただきたいので、私は絶対反対です。
#89
○徳永久志君 済みません。公述人の間で意見が異なるようで、済みませんでした。ここ、浮き彫りにしてはいけません。申し訳ないです。
 ところで、相談員の方々とお話をしていると、中には、あっせんに入るときにあなたはどういう権限とかどういう法的立場でこういうおせっかいを焼くんだと言い返されて、時々困るんだということをおっしゃる相談員も結構おられました。そういった意味では、三村さんのレジュメの中で資格の一本化がちょっとお話をしていただけなかったんですが、やはり消費生活アドバイザー、そして消費生活コンサルタント、消費生活専門相談員、この三つの資格それぞれ違う団体がそれぞれ認定をしているという状況を一本にまとめて、国家資格として認定をして、それでもってそういうあっせんに当たると、そういう相手側からの威嚇に対しても十分に対応できるかとは推察をするんですけれども、その辺りちょっと御見解を賜りたいと存じます。
#90
○公述人(三村光代君) 三村です。
 先生おっしゃるとおり、私が言おうと思っていたことを全部先生がおっしゃってくださったという感じなんですが、私どもは三つの資格の人間が同じところで働いていまして、それは、それぞれの団体も一生懸命になって相談員の養成もやってきているんですけれども、実際に相談の現場でのまず行政に権限がない、相談員にも権限がない、それでも弁護士さんが張り付いていると弁護士という資格の権限で物が言えるというところが、相談員たちは、実際に相談の相手さんから何の権限をもってそういうことを言うんだという形で、こちらが首絞めていけばいくほどそういう発言が返ってくるというような現状なんですね。
 そういう中で、私は、せっかく消費者庁ができるんだから、この三つの資格を一本にして、それぞれの団体が養成するのは構いませんけれども、一本にして国がお墨付きをきちっと与えてくださる、それが一人一人の相談員の権限につながっていくんじゃないかというふうに思いますので、是非、消費者庁バックの資格をつくっていただきたいというふうに思います。
#91
○徳永久志君 その資格のことですけれども、義本さんもおっしゃいました、その相談員の数を増やせばいいというものではないよということもあるんですけれども、やはり一定数、充足度合いというのはちゃんと保たなければいけないという中でいくと、こういう三つの資格を持っておられる方々の現状、どうなのかなと。
 ちょっと私の地元の滋賀県で調べてみますと、例えば消費生活専門相談員は、滋賀県で五十三人の方が資格を持っておられて、そのうちその資格を生かして働きたいよと言われる方が三十二人おられて、その三十二人の方を調べてみると、既に相談員として働いておられる方が三十一人おられて、だから一人しか余っていないという状況だと、これを充実させましょうといっても、その対象となる方々をどうしたらいいんだというようなところがあると思うんですけれども、この辺り、まず義本さんの方からお願いをしたいと思います。
#92
○公述人(義本みどり君) うちのセンターは職員が三名と相談員が二名なんですが、昨年、消費生活専門相談員の資格を職員が取りました。全員が持っているという、全国にもまれなセンターなんです。
 私は、資格の一本化、この資格の私は二つを持っています、消費生活専門相談員とアドバイザーの資格を持っているんですけれども、一本化ということについては私はよく分かりません、実際のところ。それよりも、やる気のある人を見付けて、午前中に吉田さんが言っていたような税務大学校のようなところに閉じ込めて勉強をさせて、まず精神を、心ですね、一緒に頑張るんだと、消費生活救うんだというような気持ちを入れた人に資格を取らせて、それで十分じゃないのかと思っております。
#93
○徳永久志君 資格がすべてではないということはよく分かりました。
 次に、ちょっと話題を変えまして、行岡さんの方にお聞きをしたいわけなんですが、多重債務者の方々の生活再生に取り組んでおられるということであります。
 やはり、私も地元を回っておりまして、別に遊びほうけているわけじゃないんだけれども、毎日毎日一生懸命頑張っているんだけれども困窮してしまってそういった多重債務者に陥ってしまったというような方も結構おられる。
 私は、一つ問題だなと思うのは、多重債務に問題を抱えた方が例えば三村さんや義本さんのところに行かれて、相談に応じていただいて、何とかそれ解決できましたよと言ってはみたものの、多重債務を解決したんだけれども、やはり生活に困ってまた同じような行為を繰り返してしまうという例もあるやに聞いています。
 そういった面でいきますと、そういった相談、三村さんや義本さんのような相談窓口と行岡さんのような団体との連携というのがやっぱりこれは不可欠だなというふうに思うんですけれども、その辺りをどのような形でとらえておられるのか、お聞きしたいと思います。
#94
○公述人(行岡みち子君) 連携という意味では、まず、多重債務に陥った方たちの生活のところでは、家賃が滞納していたりとか、それから校納金が滞納していたりとか、税金が納められてなかったりとか、これは、借金自身は債務整理で何とかなりますが、税金はまけてもらえませんから必ず後から追っかけてくるというふうになっています。
 先々というところでは、これから払う分については払えるんだけれども過去のものについて払えてないとかいう問題があって強制立ち退きの問題が来たりとかいうふうになっていますので、そういうときにセーフティーネット貸付けという形でお金を準備して、家計をどのような形で再建していくかということを家族で相談できるような、そういう場を私たちは設定してやっているというのがあります。
 そういうふうにお金をお貸しするときに、本当にこの方が生活が再生できるかどうか、家族の協力はどうなっているか、それから子供さんの金銭感覚はどうかとか、そういうことについてきちんとお話合いをしてやっていくわけですが、そういうときに、その前段の多重債務とかもろもろの相談がどういう形でなされたかというのが、やっぱりとても、そこにその御家庭が持っている問題というのが浮き彫りになっている点がありますので、そういう意味では連携してやっていくということが非常に重要だというふうに考えています。
 福岡県の場合は、今のところ多重債務の相談窓口としてはうちの方がもうボリュームが大きくなって、県の相談件数よりも私どものところで受けている件数の方が大きいみたいな感じになっているんですけれども、やっぱり相談員、現場のところで、これ以上は自分のところ、お金が必要とかいうのが見えた途端にやっぱり連携して私どもの方に相談を回してくるとか、そのときにどういう結果になったとかいうのを相互に情報を交換しながら進めているというのが現状です。
#95
○徳永久志君 あと、もう時間になりましたので、和田さんには消費者運動あるいは団体の抱えている問題点等についてお聞きしたいなと思っておりましたが、時間になりましたので、以上をもちまして終わりたいと思います。
 本日は、誠にありがとうございました。
#96
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。
 本日は、消費者問題の本当に現場で、直接課題を抱えておられる国民、消費者の皆さんと肌で付き合うといいますか、相談を受けるといいますか、大変な御苦労をされておられる四人の皆さんのお話をお聞きすることができまして、本当にこの消費者問題というのは奥が深いんだ、幅が広いんだということを改めて認識させていただいた次第であります。それと同時に、果たして消費者庁をつくって、そして皆さんの御苦労にこたえることができるかどうかというのは、これまた心配するところでもあります。
 そこで、最初に行岡さんにお尋ねしたいと思います。
 グリーンコープ連合が崇高な理念を持って、そして多様な活動をやっておられる、地域再生運動に全力で取り組むんだということをおっしゃって活動をされているわけですが、とうとう多重債務の組合員に対します生活再生事業に取り組むということまでをおやりになったのかということでびっくりしているところでありますが、小さなコミュニティーないしは生活協同組合も小さな範囲で、協同の取組の中で、それこそ頼母子講のようにお互いが助け合うということと違いまして、お話聞いてみますと、相当の県域の単位で、さらにまたほかの県にもそれぞれおつくりになって取り組まれるということになっているわけです。こうなりますとセーフティーネット対策というふうにやりましても、かなりリスクの掛かるお仕事をおやりになることになるわけです。
 行岡さんからは、参議院で検討していただきたいという四つの項目をもう本当に的確にまとめていただいたというふうに思いますけれども、その中にありますのは、例えば金融庁が貸金業法の具体的な実施の中でセーフティーネット貸付けをやりますよと言った途端に、行政が入りますとますます事業実施に当たっての規制の強化につながりかねないみたいような心配もするわけでありますが、改めて行岡さんの消費者庁設立に伴います多重債務問題に対する思いといいますか、要望があればお聞きしたいと存じます。
#97
○公述人(行岡みち子君) 多重債務問題といった場合は、やっぱり金融庁の多重債務対策プログラムで既に検討しているから、消費者庁のところでは余り関係ないんじゃないかというような御理解なんかも一般的にあるのかなというふうに思っておるところなんですが、私は、例えば私たちがやっているセーフティーネット貸付けというのは、金融とか、それから言わばそういう金融の世界じゃなくて、むしろ消費者の生活をどのように立て直していくのかと、そういうところで問題を立てていますので、そういう意味では、家計、今現状のその御家庭の家計がどうなっているかと。これ、通帳まで見せてもらって、収入の内容も全部、本当に給与明細表なんかも見せていただいて収入と支出と、それから将来の家族のライフイベントがどうなっているというところでライフプランを立てて、今後のそこの御家庭の家計収支がどうなるというのを五年間ぐらい見通して相談に乗っていくみたいにしているわけです。
 そういうことについては、やっぱり消費者教育とか金銭教育が、金融の世界とか貸金業法の法律の世界だけじゃなくて、消費者の目線から取り組まれていくということがないと、なかなかに皆さんが相談に来る上でも来づらいというか、そんな点があるというふうに思っています。
 私どもは、ふくおかのところはいったん、福岡県の応援で順調に滑り出して、何とか事業的にもちゃんといけるかなというふうになっていますけれども、くまもと、おおいた、やまぐち、今度立ち上げるながさきというところではなかなかそんなふうにならなくて、そういう意味では何らかの、先ほどちょっと申しましたように、消費者行政活性化交付金というのはいろんなところに項目があって、皆さんのところも御期待があるとは思うんですが、そこのところを拡充するとか、使い道をもうちょっと広げていただくとか、それからあと消費者庁自身が、今なかなかにセーフティーネット貸付けは、社会福祉協議会とかそれから福祉事務所とか労金とか信金、信組で取り組みなさいというふうになっているけれども、ほかのところ全然動いていませんので、そういう意味ではそういうことについても、そういう大きな政策なんかが出たときにきちんと消費者の目線から進行しているかどうかというふうなことも含めて点検いただく、監督いただくみたいなことができれば、もっと消費者の立場、国民の立場から進んでいくんじゃないかなというふうに、現場のところとしてはそのように思っています。
 今現在は、私たちはもう本当に自分たちの事業のお金をつぎ込んで支え抜いているというのが現状ですので、そこら辺も含めて考えていただけたらと思っております。
#98
○山田俊男君 是非、大変協同組合としても理念ある取組をやっておられるグリーンコープであるわけでありますから、その理念をベースにしながら、今おっしゃいましたことと、しかし制度的にどんな支援の仕組みがあるかということを十分念頭に置きながら我々としてもこたえていきたい、こんなふうに思うところであります。
 さて、続きまして和田さんにお尋ねしたいわけでありまして、会の連絡先も和田さんの御自宅の多分連絡先なんでしょうかね、そういうことですから、まさに集まっておられる皆さんのボランティア、問題意識、それで加わっておられる組織なんだと思うんです。しかし、そうした地域の活動の中で、皆さんの話合い、それから、そのことが会員のみならず周囲の皆さんに対して行動する勇気を与えるという、この一番大事な運動をずっとやっておられるんだなということを思うわけであります。
 そこでお聞きしたいんですけれど、皆さんの活動と、自治体や、それから消費者庁ができて国民生活センターの活性化が進んでいくということになる中で、どういう連携になっていくんでしょうか。そしてまた、私は、当然活動には経費も掛かるわけでありますから、ボランティアの任意の組織であったといえ、自治体からの支援が的確になされてしかるべきだというふうに考えるわけですが、御要望がおありだというふうに思います。どうぞお聞かせ願いたいと思います。
#99
○公述人(和田三千代君) 私たち、本当に今、山田先生がおっしゃってくださったように、全くのボランティア組織です。でも、いろいろなことを話し合いながら、こうやって本当に、先ほどから何回も言っておりますように、消費者問題というのは命の問題だということで何とか今までやってきたんですね。
 そこで、先ほど言いましたように、高齢化の問題もありますし、若い人たちがこれから入ってこられるようにするためには、やはりそれなりの自治体の援助、その自治体の援助はなかなか難しいでしょうから、消費者庁ができるのをきっかけに大きなもっと、消費者の命の問題を消費者庁というのは全部を扱うんだよと、先ほどもちょっと言いましたけれども、県の中だけでも三十五の課が消費者問題にかかわる課だというふうに言われておりますぐらい、だから、消費者庁ができたら各省庁の中で問題が起きたときには全部を集めて相談し、本当にいい組織、いい解決の方法は何だろうということをやっていただきたい、それが一番の消費者庁に対する願いでございます。
 例えば、実際に、小さなことかもしれませんけれども、資金の援助を欲しいというふうに先ほども申しましたけれども、その時点で起こっている問題というのは、私たちはすぐにそれで運動を起こすというよりも、やはりしっかりと勉強して、それなりの識者の方たちにおいでいただいて勉強して、その結果運動を起こそうと、いつもそういうふうに考えておりますけれども、そういうときの講演会を開く。私たちが開きたいと思ったときにその講師の謝礼、そういう問題も、消費者庁の大きな予算の中から地域に振り分けていただく、せめて県の組織ぐらいに振り分けていただくような、それができるともっともっと活動しやすくなるかなというふうに思います。
 それからもう一つ、ごめんなさい、ついでにといいますか、訴訟を起こしたいと私たちが思ったときに、今は苦情処理の問題で訴訟の適格団体というのが、今日午前中にもお話がありましたけれども、そういう形のことまでは何とか決まった。だけれども、もっと気軽に訴訟ができるように、やはりそこも資金の援助をお願いしたいというふうに思っております。
 千葉県でも初めて今回、苦情処理部会というのが開かれます。三十年前から消費者行政審議会の中に苦情処理部会というのがあったんですけれども、それが開かれてこなかった。で、やっと開かれることになりまして、できるだけ私たちはその相談の業務の中からこれは訴訟しなければいけないというふうな判断があったときには訴訟に持っていきたい。それには、今決められている適格団体だけではなくて、各県に一つずつぐらいのそういう組織が欲しいなということを痛切に感じております。
#100
○山田俊男君 率直におっしゃっていただいたというふうに思います。是非これらの件につきましても、機会あるたびにしっかり我々も頑張りたい、こんなふうに思います。
 義本さんにお尋ねいたしますけれども、体調が悪ければ病院に行くと、それと同じような環境を、困った人が生活相談できる状況をつくるんだと、これが一番大事だというふうにおっしゃったんで非常によく分かった次第であります。
 ところで、義本さんはこの資料の中で、国に立派な消費者庁ができても、地方の消費者行政の立て直しをしなければ何の役にも立ちませんなんておっしゃって、なかなかインパクトがあるお話でありまして、心してこれも仕事をしなきゃいかぬというふうに思うわけでありますが、何か是非、必要なこと、こんなことだけしっかりやってくれと、くしゃくしゃの人事発令書ですか、あれはもうよくインパクトがありましたので頭に入れておきますが、特別にありましたらおっしゃっていただきたいと思います。
#101
○公述人(義本みどり君) 消費者庁がうまくいくかどうかというのは、組織の壁を破ることだと思っているんです。地方においても組織の壁を破ることだと思っているんです。行政の中というのは、事務、何たら、何かこう決まっておりまして、もうあなたの仕事はこれ、あなたの仕事はこれって決められているんです。確かに自分に与えられた仕事をきちっとするのは大事なことなんですけれども、その壁をちょっと破ってみて、隣の担当者は何をしておるんだろうかと、私とダブるところはないんだろうかと、じゃあ次はうちの組織と隣の組織とダブるところはないんだろうかと、組織の壁をいかに破ることかが大事だと思っております。
 今、多分うまくいっているところはマンパワーで組織の壁を破っていると思うんですが、これを、もう限界なんです。何とか国の力で組織の壁をぶち破るような指令を出していただきたいと思っています。よろしくお願いします。
#102
○山田俊男君 組織の壁を破るというのはなかなか難しいわけで、それで消費者庁もつくって何とか縦横うまく形をつくろうという試みでもありますので、是非頑張りますから期待していただきたい、こんなふうに思います。
 さて、最後に三村さんにお尋ねします。
 NACSは伝統ある大変な消費者運動の機関であります。どうぞ引き続き、消費者庁ができても大事な役割を果たしていただくことになるんだろうと、こんなふうに思うわけでありますが、今後どんな消費者庁、さらには国民生活センター等との間で役割分担がなされるんでしょうか。時間がなくなりましたが、恐縮ですが、簡潔にお願いします。
#103
○公述人(三村光代君) 三村です。
 私どもの団体は、組織が一方を向いている人間だけではなくて、私から見ればテーブルの向こう側にいるんじゃないかと思うような、企業の中で働いている人もいるんですね。
 でも、今その人たちと情報を交わしてみると、やっぱりその人たちも一歩外へ出れば消費者なんだということを痛切に仲間として感じているような状況ですので、これだけ情報を持っているような組織が新しい消費者庁の中で活動できると大いに役に立つんではないかと思っていますので、今人材をきちっとそろえて、消費者庁ができたときには私どもの会員を使ってくださるように働きかけていきたい。それともう一つ、消費者委員会を私どもがしっかりと監視していきたいというふうに思っております。
#104
○山田俊男君 ありがとうございました。
#105
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 四名の公述人の皆様方、大変ありがとうございます。女性の方がずらっと四名並ばれた公述人というのもなかなか珍しいなと思って、先ほど来お話を伺う中で、本当にパワフルな女性の皆様方から貴重な御意見をいただきました。
 時間が限られておりますので早速質問に入ってまいりたいと思いますが、まず最初に三村公述人に、先ほども資格の話をちょっと伺われて御答弁されておりましたけれども、その点につきまして、今三つあると、そういう中でどういう形にしていくのかというので、野田大臣は関係団体だとかまた地方公共団体等から意見を聞きつつ検討していくべきものだと考えておりますという形で委員会でも御答弁をされているわけなんですが、先ほどは統一してというようなお話もありましたけれども、NACS自体、二つを一つにする段階、なかなか大変だったという御経験もお持ちだと思うんですが、この辺り、横横、何かこう、現状、何かそういうお話をされていらっしゃるのかどうか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#106
○公述人(三村光代君) 私の会は、本当におっしゃるとおり、一緒になりました二十一年前には、消費生活アドバイザーの多くは企業の中で活動している人だったんですね。そういう状況でしたけれども、今はもう両方、トリプルで三つの相談を持っている人が増えてきている、二つ持っている人は当たり前のようになってきていますので、もう壁はないというふうに思っているんです。
 ただ、もしできれば、それぞれが切磋琢磨して自分のところで養成したり、あるいは試験で合格した人たちを育ててくだされば、それはそれでいいと思います。
 その中で、やっぱり一歩上を行く人が、試験の合格者、もう一つ上の資格としての権限がいただけるような形で動いていただく方向が、せっかく消費者庁ができるんですから、今までののろのろと歩いてきたことじゃなくて、ここで急いできちっとその人たちに力を与えてくださるようなことをやっていただけたら本当に有り難い。私ももうそろそろ引退の口ですので、それを思い残さないように何とかしていきたいというふうに思っています。
#107
○山本香苗君 本当にセンターもまだまだ六百弱という中で、能力もこれからアップしていかなくちゃいけない、また人数もしっかりできる方々を増やしていかなくちゃいけないという中で、またNACSの皆様方にも御意見をいただきながら、新たな資格というところをしっかりと議論をしてまいりたいと思っております。
 行岡室長の方にもお伺いさせていただきたいと思うんですが、先ほどのお話にもありました、既存のこういったセーフティーネット貸付けをされている、社福でやっていたり、いろいろ公的なものの中にもあるわけでありますけれども、そういう中で新たな選択肢として、福岡等々、全国的にも本当に特筆すべき取組だと思っているわけなんですけれども。
 既存との役割の明確化という話がありましたが、ちょっと先ほどの話は、ほかは全然動いてないねんという話でありましたけれども、そこの明確化というところで、そこがはっきりすれば何で生協がそれをやるのかということもはっきりしてくるのだと思うんですけれども、その辺りもう少しお話しいただけますでしょうか。
#108
○公述人(行岡みち子君) 現状のところは、例えば生活福祉資金とかいうのがあって、入学金の修学資金とか、それから一時的な生活の資金とか、社会福祉協議会でお借りをできるというふうになっているんですが、現状自身は、連帯保証人が要るとか、例えば福岡でいえば、五十五歳以下の県民、税金をちゃんと納めている連帯保証人が必要だとかですね、そういうふうに制度の運用上でいろいろ縛りがありまして、結局、その制度の運用上のところで各県全部ルールが違うんですね。そういうふうなところで現実には借りれないというふうな方たちが出てきていて、結局、私どものところはそういうところで借りれない人がもう一遍戻ってきて貸付けをしているというふうな様子になっています。
 かなり今厚生労働省の方も力を入れて生活福祉資金の改善みたいな形でされているんですけれども、それはまだ出てきていないのでどんなふうになるのか分からないということと、それからもう一つは、運用する上で各県でのルールが違うんですよ。例えば六十五歳以下の連帯保証人を付けないといけないというふうになっているかと思えば、あるところでは五十五歳以下というふうになっているとかですね。そういう人が連帯保証人で付けれるぐらいであれば、多重債務状態に陥る前に何とかなっているんですね。
 そういうふうなことも含めて、それとか、もう一つ、例えば母子家庭なんかについて、もう離婚をして高いお家で住めないからお引っ越しをしたいと。母子家庭については言わば移転するための費用みたいな貸付けがあるんですけれども、領収書を持ってきなさいと言われるわけですね。領収書を持ってこれるぐらいだったら貸してくれと言いに行かないわけですよ。
 そういうふうなところで、現実に運用する段になってなかなかに動いていないというのがあって、私たちのところには、そういう意味では、家族みんなで働いておばあちゃんの年金も入れて年収三百万ちょこっとの人たちがたくさん御相談にお見えになっているというふうな様子になっているんだというふうに理解をしています。
 それともう一つは、例えば学校の入学金とか目的別という形ではやっぱり家計が成り立たない。ある一定の時期だけどうしても生活するための資金が足りなくて、でもそれは就職一か月後、二か月後でちゃんと子供が学校を卒業してこれから先は何とかなるのでそこまでのつなぎを何とかしたいとかいうようなことについては該当するものがありませんので、そういう意味では私たちのところに来ているみたいな、そんな様子がございます。
#109
○山本香苗君 お伺いしていますと、本当に現状のあるもののうまく適用できていないところをうまくきちっと対応してくださっているという、そういうことが必要なんだということがある意味行政にきちっと伝わっているから、福岡でもそういう形で行政との協働ができているんだと思います。ちょっと私も地元でよくその辺り見てみたいと思っております。
 義本参考人の方にお伺いしたいと思いますけれども、本当に消費者の立場に立って本当に思いのたけを一番最初の段階で言い切っていただいたと思っているわけなんですけれども、本当に今回、私もこの消費者庁の法案を作る前の段階からいろんなことを議論する中で、現場のお声を聴きながらとかいろいろさせていただく中で、立派な法案ができても、結局、それが国民の皆様方にきちっとメリットを感じていただけるというか、本当に変わったんだというふうにするためには、先ほどおっしゃっていただいたように組織の壁を大きくぶち割っていかなくちゃいけないと。現状を見て、法令とかにがんじがらめになっているというか、この現状をどう解決していくのかというところで本当に頑張っていただいているんだと思っております。
 そういう中で、先ほどもちょっとお話出ていましたけれども、県と市が連携をしてと。とにかく豊岡市はめちゃくちゃでかい市でいらっしゃいますけれども、合併後はまた大きくなってですね、本当に非常に細長い中で大変だと思うんです。そういう中でも、県に北の方から一生懸命声を上げていただいていることはしっかり知事にもお伝えしたいと思いますが、ここで、やっぱり国で消費者庁をつくるとやっぱりミニ消費者庁みたいなものが地方にあったらいいなという思いを持っているんですが、その辺りと、もう一つは、組織の壁を破るということ、国が上からうわっと言っても、なかなか最近できないというか、聞かないケースが多いわけです。私、一番思ったのが、市民の皆さん方、国民の皆さん方がこれ必要だという下からの突き上げというのがやっぱりないと、いろんな形で、議会で予算が付いたり、そういうことというものも難しいのかなと。だからこそ消費者教育だってあり、消費者啓発というものが単発的ではなくてしっかり体系立ってできることが必要なんだなということを痛感しているんですが、この二点につきましてお伺いさせていただきます。
#110
○公述人(義本みどり君) まず、ミニ消費者庁なんですけれども、これは私、八年間ずっと温めてきた案で、午前中、盛岡市の吉田さんが言ったときに、あっ一緒やと、同じこと考えているんだなと思うとすごくうれしくなりました。
 何でこれを考えたかといいますと、田舎だと身近な市町には相談に行きたないんです。役場に行ったら知っとる者がおるんです。知っとる者の前で借金の話はしたないんです。税務課に税金の相談は行っても、借金があるんですということは本当に言えないんです。そういう地域性、但馬の人は我慢強いからまだ我慢しちゃうんですね。
 そういう地域性をする中で、うちのセンターに相談が集中しているところがありました。市に置けばいいんだと、市町がやるんだというふうに、確かにそれは確かなんですけれども、そうじゃない地域性もあるんだということを理解していただきたいのと、相談業務というのは生きた人間に起こることなんです。病気と一緒だと思うんです。ここまでが国、ここまでが県、ここまでが市町と分けるのって難しいんですよね。一人の相談者がこてこてになってやってくるんです。ですから、一か所に県と市町が集まった方が、みんなで知恵を出し合って、相談員一人の知恵では考え付きません。違う冷静な目線からこういう面からも見た方がいいんじゃないのという知恵を出せば、三人寄れば文殊の知恵と言いますので、やっぱりそちらの方がいいと思っております。
 それと、人数が多ければ相談者の訪問ができると思っているんです。高齢者の方に、うち、めちゃめちゃ遠いんです、車で二時間半乗ってきてとは言えません。JRそれからタクシー、お金が掛かりますよね。それも言いにくいので、そういう場合は福祉の人と一緒に自宅訪問をすると。そういうミニ消費者庁を私は但馬につくりたいと思っております。
 もう一つの質問なんですけれども、組織の壁を破るというのは一番私も苦労していることです。悪質業者と闘うよりも何が大変かといったら、組織の中で闘うのが一番大変です。私は名刺に闘う消費生活相談員と入れているんですけれども、これは何と闘うんですか、悪徳業者と闘ってすごいですねと言われるんですけれども、悪徳業者と闘うより組織の中と闘うのが大変だなと。
 まず、二年ごとに替わってくる職員さんに消費者問題ってこういうものなんですよという刷り込み作戦をします。でも、どうしても替わってしまうんです。替わってしまったらまた一から刷り込み作戦をしなければいけないんです。
 今、うち、すごく強力なメンバーなんです。所長が相談員を孤立させるなというようなことを言ってくださるんです。こんな所長は全国探してもそんなにいないと思います。ですが、三月になったら替わってしまうんです。そうなって、全然理解のない者が来たら、相談受ける、また大変だと。そこまでせぬでいいんじゃないかと、相談を受けるなと、深入りするなというようなストップが掛かってしまうんじゃないかと思っております。だから、私の方こそ組織の壁をぶち壊すための方法を是非とも教えていただきたいと思っております。
#111
○山本香苗君 いや、本当に闘っていらっしゃる姿が目に浮かぶような感じがするわけですけれども、本当に孤軍奮闘ではなくて、それがみんなで闘っていけるような体制に是非させていただきたいと思います。
 そして、最後に和田公述人の方にお伺いしたいと思います。
 本当に千葉県の方で消費者ネット等で本当に頑張っていただいている旨伺っております。先ほどお話の中にも出てまいりましたけれども、消費者庁が創設されたときに消費者庁に、消費者庁を通じて消費者行政全体に消費者目線が行き届くようにしなくちゃいけないわけなんですけれども、そのためには、消費者庁に対していわゆる消費者の意見がしっかり反映されるような制度設計にしなくちゃいけないわけです。
 消費者委員会という形で、今回、そこがしっかりと消費者の思いを体して頑張るということなんですけれども、消費者団体との連携の仕方という部分はもうちょっと深めなくちゃいけないなと思っているわけなんですけれども、今後の消費者団体の在り方も含めて、その辺りの御意見を伺いたいと思います。
#112
○公述人(和田三千代君) 消費者庁の設立をきっかけに、やはり国が消費者団体の育成ということをもう一回取り組んでいただきたいというか、三十何年前かに消費者保護基本法ができたときには地方に消費者団体の育成という、そういう育成をするという条文が入っていたと思うんですけれども、それが基本計画になったときには消費者の自立が強く求められて、消費者の権利ももちろん認められたんですけれども、自立、自立ということで、何かもう地方の行政は何もしなくてもいいという感じになってしまったような気がするんですね。そこをもう一度取り戻していただきたいというふうにも思います。
 それからもう一つ、やはり消費者問題として、私たちも県や市にいろいろ協力をしながらやっておりますけれども、ひとつ消費者教育、これをやっぱりしっかりと消費者庁が文科省と一緒になってやっていただきたいなというふうに思いますんですが。検討委員会のときにこういう発言をなさった方があるんです、高校の入学試験に消費者問題の質問を出せば中学生がちゃんと消費者問題を勉強することになるんではないかと。やはり、そのくらいの発想を持って、消費者庁は広く国民の目線の上で活動していただきたいというふうにお願いをしたいと思います。
#113
○山本香苗君 本当に四名の皆様方、大変ありがとうございました。しっかりまた質疑に生かしていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#114
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 本日は、本当に遠くから御出席いただきまして、ありがとうございます。私も国会に来て八年ちょっとになりますけれども、女性ばかりの公聴会というのは今日が初めてでございます。本当に圧巻という感じがいたします。どなたも御自分の持ち時間を守らないでおしゃべりになるというのも初めて見ましたけれども、すごいパワーだなと。消費者運動というのは女性の皆さんのパワーで支えられておりますので、これからも頑張っていただきたいと思いますけれども。
 まず、和田公述人、お伺いいたしますけれども、とにかくCNP含めて物すごい運動に取り組んでこられたことに敬意を表したいと思います。私、聞こうと思ったこと、先ほどもうありましたんですけれども、いろんな県内のといいますか、地域の消費者団体に対する支援の問題でございますが、例えば、先ほど講師料を負担してくれたらとかいう話ございましたね。あれ、やりようですよ。自治体と共催で、名前だけ貸せと。共催でやったりするとさっと出たりするんですよね。いろいろやり方ありますんで、そこは工夫しながらですけれども。
 私ちょっと気になったのは、千葉の中で市からの補助金がゼロにされて存続そのものが危ぶまれているという団体ですね。これは、これこそすぐ手を打たなきゃいけないことだと思うんですけれども、この辺の事情といいますか、どうしてこういうふうになっちゃっているのかと、この消費者行政が重要だというときにですね、ちょっと教えてもらいたいと思います。
#115
○公述人(和田三千代君) 一つ、最初の御質問の講演会を共催にすればというお話がありましたけれども、昔は私たち、いろいろ提案をすると共催で市の方からお金が出て講師謝礼が払えたんです。ところが、予算がどんどん厳しくなってくる中で、市そのものの消費者行政の予算が全くほとんどなくなってといいますか、幾ら提案しても、緊急の場合、私たちが本当に欲しいというようなものに対しては出なくなりました。それが現実ですね。
 やはり、私たちは年間の予算を取っていただいた中で、年間の予算の中でやれるものならば協力は惜しまないでいろいろと、県と一緒の消費者フォーラムとか、それから消費生活展というようなものでも一緒にやっておりますけれども、やはり緊急の場合に、どうしてもこの講師お願いしたいとかなんとかという場合に、もう市はやはり予算、予算ですから、なかなか出ないのが実情です。
 それから、先ほど言いました一つの消費者団体なんですけれども、消費者団体といいますか、その地域の連絡協議会という形で三つの消費者団体が一緒に活動をしていた団体なんですけれども、何しろ市はお金がないから、もうあなたたちは自立してくださいと。何回交渉しても、市長さんのところまでも伺ったというふうに聞いていますけれども、それでも補助金削られてしまったと。
 補助金に頼るのがいいのかどうなのかというふうには皆さんお思いになるかもしれませんけれども、先ほどから言っておりますように、私たちは全部ほとんどボランティア団体、みんなの身銭を切ってといいますか、そういう活動をしておりますので、市の補助金がなくなると実際本当に小さなところではなかなか存続さえ危ぶまれるという事態になっております。御理解をいただきたいと思います。
#116
○大門実紀史君 よく分かりました。
 今回の、そうすると地方行政活性化のメニューの使える範囲として市から消費者団体への助成といいますか、そこにも広げるというところが非常に重要だということですね。よく分かりました。審議の中で深めていきたいと思います。ありがとうございました。
 午前中、相談員の処遇の問題で幾つか、これからの方向なんですけれども、必ずしもそれだけとは思わないんですが、一つの方法として、相談員の資格というものを今三つぐらいありますが統一していって、全国標準的なものにして常勤の専門家化していくものと、もちろん、別に資格とは関係なく位置付けて地方自治体がやればいいじゃないかと、すぐ解決しろと、これもあると思うんですけれども。
 資格というふうに考えた場合、三村公述人の八番目の提案の中に資格の統一というのがございました。実際問題は私も経過知っていますが、そう簡単に今の資格、統一できるものではないと。しかし、そういう方向ということになったらやっぱりやるしかないと思うんですけれども、ここで書かれている資格の統一というのはどういうことをおっしゃりたかったのか、そして現実的にそれは可能なのかどうか、ちょっとお話しをいただければと思います。
#117
○公述人(三村光代君) 先ほども申し上げましたように、それぞれが自分のところで養成講座を行ったり試験を行っているその輩出した人たちのレベルを上げていくというのは、それぞれがお互いにやることで会員のレベルが上がっていくわけですから、それは今までと同じで構わないと思うんです。
 その上に一つ統一した資格をつくっていただくことで、今は本当に権限が全くないので、警察に頼んでも、警察ですらもうそれは民事不介入だとかいって何にもしてくれないという中で、相談員がどれだけ苦労して苦情処理に当たっているかというのを理解していただければ、やっぱり弁護士さんのような、そこまでいかなくても一つ責任の持てる資格というのをつくっていただくことが重要ですし、消費者庁ができれば消費者庁の手足にもなれる資格になるんではないかというふうに思いますので、難しいと思いますけれど、でも三つの資格は資格で生かしておいていいと思います。私のところも略称の最後のところがコンシューマースペシャリストなんですね。ほかの団体でも何とかスペシャリストというのがちゃんと付いているので、スペシャリストにして持ち上げていただくことがすごくいいんじゃないかなというふうに思っています。
#118
○大門実紀史君 次は多重債務対策について伺います。
 私も国会で多重債務対策をずっとやってきましたので、地方の現場がどうなっているのかというのは知らないわけではございませんが、具体的なところをお聞きしたいというふうに思います。
 行岡公述人と義本公述人にお聞きしたいと思いますが、それぞれの地方自治体レベル、県レベルでも身近な市レベルでも結構なんです、まあ県レベルになるかと思いますが、国の多重債務対策のプログラムございますが、実際には福岡とか兵庫県ではうまく進んでいるのかどうかということですね。
 もう少し申し上げますと、私は若干、このままだと自治体がちょっと中途半端なかかわり方があって、本省でいくと金融庁がやっているということでいくと、財務局がちょっと頑張ったりしたりするところもあったりして、それで警察はただ呼ばれて時々来るだけとか、結局自治体の方も何かちょっと金融庁任せといいますか、どこかから押し付けられた課題みたいになったりしているんじゃないかと思ったりするわけですけれども、そういう点でいくと、先に結論を申し上げますと、多重債務対策というのは、すぐじゃなくていいんですけれども、消費者庁ができたら私は消費者庁側にだんだん移していった方が地方レベルではすっきりするんではないかと思ったりもしているんですけれども、それぞれ地域で、今、地方、都道府県レベルでどうなっているのかというのを行岡公述人と義本公述人に伺いたいと思います。
#119
○公述人(行岡みち子君) 福岡県のところでいえば、今のところ、私たち、丸ごとと言ったらおかしいんですが、例えば予算についてどんなふうに使いなさいというふうな制限が付いているわけじゃなくて、私たちがこのようなことが多重債務問題には必要であるというふうなことで考えていることを検討して全面的にバックアップするというふうな関係になっていまして、そういう意味では、今のところ、何とか順調に福岡県は行っているかなというふうに思うんです。
 ただ、そうは言っても、問題としてあるのは、例えば、先ほどちょっと山田先生からも御質問のあったリスクをどう抱えるのかとかいうようなところと絡むんですけれども、今のところ、連帯保証人を御家族でお願いをしているわけですね。例えば、それで返済が難しくなったような場合は、リスク自身は自分たちがかぶるみたいになっているので、そういうふうなことも含めて、どこがどうするのがいいのかなというのはあると思います。
 お尋ねの消費者庁のところに全部集めた方がいいんじゃないかというふうなところについては、教育とかそれからあと家計管理の問題とか、そういう点はあると思うんですけれども、じゃ、貸付けとか、そこまで含まないとやれないので、それまでというふうにはちょっとどうなるのかなと、考えづらいなと。だから、じゃ、どうすればいいのかというのがよく分からないんですね。ちょっとそこら辺はもう少し慎重に考えた方がいいのかなというふうな感触を持っています。
#120
○公述人(義本みどり君) 県レベルでどのように進んでいるかということなんですけれども、兵庫県は広うございまして、私が全部把握しているわけではございませんので、政令指定都市の神戸市もあれば、中核都市もあります。県としては、対策協議会ができて、連携図ができて、会議をしてという中があるんですけれども、その中での問題点といえば、私は被害者の会が多重債務対策協議会の中の正式メンバーとして入っていないのが問題なのではないかなと思っております。あとは、詳しいことは分かりません。
 私どものところは、昔から消費者センターに何でも持ち込まれておりました。弁護士の数、司法書士さんの数というのが少ないし、田舎ですので弁護士先生のところにはよう行かぬと、司法書士さんって登記をするところじゃないかというところもあって、直接やっぱり行くのは敷居が高いから、多重債務のプログラムが出る前から消費者センターに普通に相談が来ていました。
 ただ、私たちにすぐにその場で解決してあげる能力がなかったので、少しずつですが、いろいろ勉強させていただきまして、今は本人訴訟、自己破産の書類を書いていただいたりとか、特定調停の書類を書いたりとか、自分でできる人には自分でするということをやっております。
 これは、被害者の会にいろんなことを教えていただきました。自分で電話をして被害者の会を訪ねていって、あすひらく会の橋詰さんとか、いちょうの会とか、もうしょっちゅう電話をしております。いろんなところに聞くことによって、ただ先生につなぐという、専門家につなぐということから、自分で解決できることは自分でさせると。再発を防止するというのと、それから生活再建、行岡さんがおっしゃっているように、そちらの方がはるかに大変ですから、その意識を持っていただくためにも自分でやるようにしていただいております。
 最近の事例の中から、やっぱり仕事がない、収入がないという相談がすごく多くて、特に十一月からもうめちゃくちゃ厳しい事例が多くて、これ、どこに持っていっていいんだろうと。もう社協さんの貸付けの枠には入らない、当然、生活保護には引っ掛からないと、どうしたらいいんだろうというのが現場で悩んでいるというところです。
 以上です。
#121
○大門実紀史君 三村公述人も今の質問にいかがお考えか。つまり、多重債務対策というのはこれからは消費者庁の方に移した方がいいんではないかと。それは各省庁がかかわるという意味が一番大きいわけですけれども、いかがお考えか。
#122
○公述人(三村光代君) 三村です。ありがとうございます。
 私も同じように思います。今までのように、多重債務者というのは自分の責任であそこに追い込まれたんだからと言っている問題ではもうないときになっていると思うんですね。なるべきにしてなってしまったという、被害者と言っていいのか分かりませんが、そういう方が多いですので、やっぱり単なるお金の問題だけじゃなくて、今後同じことを繰り返さないための手段までやっていかなきゃいけないので、もうこれは金融庁等がやっている問題ではないというふうに思います。もっと広い目線で見ていかなければいけないんじゃないかというふうに思います。
#123
○大門実紀史君 もう時間がなくなりましたので。
 行岡公述人にお聞きしたかったのは、セーフティーネット貸付けの問題で、特に事故情報登録が除外されていると。これは大問題だと思って、多重債務関係をやっていらっしゃる弁護士さんたちとも今相談しているところでございますので、国会で積極的に取り上げていきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#124
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。
 四名の公述人の皆さん、今日は本当に説得力のある話をしていただきまして、ありがとうございました。十五分の枠でありますので、是非全員に聞いてみたいというふうに思いますが。
 和田公述人の話の中にCNPの農薬の話がございました。私は地元が新潟でありまして、今から十五年ぐらい前ですよね、新潟大学の山本先生の問題提起で始まりまして、新潟県が一番CNP農薬の使用量が多いと。それが全部信濃川に流れて新潟市に、最河口でありますので、そこで大きな問題になって、当時、私も一生懸命これを中止させる運動に参加した記憶がありますが、今日はちょうどその反対側の方で頑張っておられた和田さんとこういう形で、消費者庁をつくろうというそういう公聴の場でお会いするのも何かのまた縁だというふうに今思っております。
 改めて、CNP農薬、いったん事実上使用禁止になりながら、いろいろこれ理屈を付けて五年間、完全禁止まで時がたってしまった。この五年間などはまさに消費者庁のようなものがあれば全く違った展開になっていたのにと思って、改めてこういう問題を通じてこの消費者庁というものがやっぱり必要だなと今改めて実感をしたところでございます。
 それと、今日は多重債務の話が義本さんと行岡さんを中心にございました。私も弁護士でありまして、五年ほど前までは多重債務の問題にかなり足を突っ込んでおりました。皆さんの頑張り、奮闘は本当によく分かります。とりわけ但馬というのは、多分弁護士はみんな瀬戸内海の方にいて、典型的な弁護士過疎の地域ではないかというふうに思っております。司法書士ももちろん少ない。そういう中で皆さんのところで多重債務の問題を引き受けて奮闘されている。本当に敬意を表したいというふうに思っています。
 私の実感からいきますと、皆さんどこまで多重債務やれるのかなと思って義本さんの資料を見ましたら、履歴の開示から、多分過払いの請求から事実上訴訟の手伝いまでみんなされているようで、これはすごいなというふうに思っています。
 私どもの実感だと、業者というのはやっぱり弁護士に対しては低姿勢だけれども、弁護士以外の人に対しては物すごく高飛車ですよ。だから、人を見て全然違った対応をしますね。そういう連中というか人たちと、支払請求を待ってくれ程度の話ならともかく、払った金を返せなどというものを弁護士以外の人が言ったときに業者がどういう反応をするのか、それに対して皆さんがどれだけ言わば理論的に武装して、単に理論的な武装だけじゃなくて、根性と気合を入れて、まあ足ががたがた震えながら多分きっとやり合ったんだろうというふうに思いますけれども、闘う相談員というようなキャッチフレーズだそうでありますけれども、皆さんのような相談員が一体どのぐらいいるのかなと、ちょっと私は驚いているところでございますが。
 多分、弁護士過疎のところで、とにかくこのセンターの存在意義を高めるにはやっぱり、好むと好まざるとにかかわらずそういうことをやっぱりやっていかなければならないということで頑張っておられたんだろうというふうに思いますけれども、その辺の、そこまでやるのかというふうに私はある意味で驚いているんですけれども、これは義本さん辺りの例外的な話なのか、かなり弁護士過疎の地方の消費者センターではそういうことを皆さんやっているのか。先ほど大臣に、これだけの仕事をやらせておいて非正規とは何事だという、こういうたんかを切られたようでありますが、ちょっとその辺のところを聞かせていただけますでしょうかね、どこまで。
#125
○公述人(義本みどり君) 過払い金返還訴訟に関しましては、直接私たちには権限がありませんので……
#126
○近藤正道君 そうじゃない、事実上の。
#127
○公述人(義本みどり君) はい、ごめんなさい。
#128
○近藤正道君 済みません。訴訟は皆さんはされていないと思うんだけれども、実際問題として、皆さんとしては過去に支払った履歴を開示させて、とにかく交渉で、話合いでまず金を返せということもやっておられるのかなと思ってお聞きするんですけれども、そうなったらどんなことになるのかなと。あの人たちが黙ってそんなこと応ずるわけないんだけれども、皆さんどういうふうに苦労されているのか、ちょっとその辺のところを聞かせていただきたいと思って質問したんですが。
#129
○公述人(義本みどり君) ほとんどが訴訟の方に持っていきますが、際どい金額、二万円の金額とか五千円の金額とか、訴訟をするともったいないなというときには本人に電話をさせて返してくださいと言わせます。まれなんですけれども、返してくれる業者もあります。やっぱり言ってみるものだなというのを最近実感しております。これも手探りです。地元の先生たちに聞いて、先生、Aという会社はいけそうですかねとか、Bはいけますかねとか、いろいろ情報収集して、取りあえず本人が言うのは勝手なんやから言ってみんしゃいと、横に付いていてあげるからと言って、センターの電話から横に付いていて本人に電話をさせております。
#130
○近藤正道君 そういう本当に体を張った、消費者の立場に立って体を張ってやっぱり頑張っている姿というのは、皆さんがこうやって公述人という形で、それも手を挙げて遠くからわざわざ来ていただいて、ここでやっぱり訴えるからみんな分かるわけで、本当にそういう意味ではよう頑張っておられるというふうに思っています。
 ただ、もう私もあちこちの顧問弁護士をしているから分かるんだけれども、こういう話というのは身近なところであればあるほど行きたくないんですよ。だから、知らないところへ行って相談をしたいと、多くはそうですよ。あなただけにはこういうことを知られたくないと、だから知らないところへ行く。だから、身近なところに相談場所をつくるということは一つ真理だけれども、同時に、身近なところだから行かれないので、満遍なくあちこちにそういうものがあって、隣の町あるいはその次の町でも、どこでもいいからとにかく一人で悩まないで相談に行けと、そういうそのネットワーク、これをどれだけやっぱり張れるかがポイントだというふうに私は思っております。
 そういう意味では、多分霞が関のお役人はその辺の実態を知らないから、是非これから消費者庁を本当に機能させるには、末端で頑張っている人たちからしっかりとやっぱりアンケートを取ると。どういう実態で、どういうところで苦労しているのかということをやっぱりきちっと吸い上げると。皆さんも是非どんどん声を上げて、実態はこうなっているんだという声をやっぱり是非私は上げていただきたいというふうに思っています。
 行岡公述人なんですけれども、先ほどセーフティーネット貸付けの話がございましたけれども、しかし政府の多重債務問題改善プログラムを見ますと、このセーフティーネット貸付けの話というのは物すごくやっぱり重要視されているわけですよ。ましてや改正の貸金法が完全施行されるころになると、これ大変な問題になるわけですよね。今盛んに業者の人たちが、このままいったら金が回らなくなって結局やみ金がはびこるよ、だからそんな完全施行なんていうのは先送りすべきだという議論をやっぱりいろいろ展開しています。そういう意味ではセーフティーネット貸付けの充実というのは非常に重要なんだけれども、これ実際問題としてほとんど増えてない。皆さんとしてはあれでしょうかね、この増えてないという実態について、これは私、国会議員の私が聞くのは大変恥ずかしい話なんですけれども、いろいろ声を上げてもっとこれ増やさなければならないという運動というか、要望みたいなものはされていますか。
#131
○公述人(行岡みち子君) そういう意味では、セーフティネット貸付実現全国会議というのが弁護士さんとか司法書士さんを中心に組まれておりまして、言ってはいるんですけれども、結局予算が付いてない。だから、例えば私たちは生活協同組合で資金力があってある程度のお金を持っているからスタートできたんですけれども、これ自身はどこもみんなお金が、予算がなければやれない。そういうふうなところでセーフティーネット貸付けを頑張ってやんなさいというふうに地方自治体に言われても、地方自治体の方はなかなか難しいというふうになっているんだというふうに思うんです。
 例えば、いろんな県からも私どものところに調査にお見えになりました。それとか、あと例えば宮崎県なんかでも労働者福祉協議会というのがあるんですが、ここが自分たちの資金をベースにしてやりたいとか、いろんな形でお話があったり私どものところに見学にお見えになるんですが、最終、それを支えていくベースとなる言わば予算措置なりが、そんなに大きなお金は要らないんです、例えば私たち福岡のところで一つの相談室を立ち上げるのに一千万あればやれるというふうに言っているわけですね。だから、そんなに大きなお金は要らないんだけれども、そこら辺のところについて何にもなしにやっぱり頑張れと言われても、リスクだけをかぶってですね、なかなかできないというのが現状かなと。
 一方で、先ほどちょっと言いましたように、社会福祉協議会のところの言わば貸付け資金については何か準備がされているみたいなお話があっているんですけれども、本当言ったら、そのセーフティーネット貸付けという世界でちゃんと生活資金をお貸しして家計指導していくみたいなところの分野についてはほとんど手が回ってない。だから、少なくとも今グリーンコープがいるエリアは何とか頑張ってつくろうというふうに動いているんですけれども、そんな様子であるというところです。
#132
○近藤正道君 三村公述人、ちょっと質問できなくて申し訳ありません。
 最後に、義本さんにもう一回お聞きするんですけれども、今日午前中に長崎から佐藤さんが来られて、公募で来ていただいて、この附帯決議で相談員の人件費についていろいろ配慮してもらったけれども、なかなか今の実態からいきますと、それは必ずしも相談員のところに届かないと。例えば、非常勤職員については条例でやっぱり上限がもう設定されているとか、あるいは残業代等については非常勤の場合は報酬以外は金が支払うことができないシステムになっているとか、あるいは定員法の枠があるとか、いろいろやってくれても届かないと。私は、そういうことを聞けば聞くほど皆さんはそういうことを十分分かった上であの附帯決議を作ったんですかと。本当に、やっぱり地域の実態をよく調べて本当に地域に手が届くような、地方の現場に手が届くようなやっぱり体制を是非考えてもらいたいという、そういう趣旨の話だったと思うんです。私は非常に実情を知らなかった私自身の無知を恥じているんですけれども、まあ義本さんはその話を多分聞いておられたと思うんですけれども、どういうふうに思われますか。佐藤さんは長崎、あなたは兵庫県ですけれども、どうでしょうか。
#133
○公述人(義本みどり君) 今の基金なんですけれども、最初来たときに、こんな金国に返せないのかと思ったのが正直な感想です。全国の自治体がこんな金要らぬと返したら国会で問題にしていただけるんではないだろうかと、実際に私は地元の議員さんに言ったら大笑いされてしまいました。それぐらい役に立たない金だったんです。
 で、全く人件費には使えないと。じゃ何に使うのと。相談の現場って人件費以外の何が要るのと、パソコンがあって机があって電話があったら、あと何が要るんやと、何にこんな金を付けておるのかと、これを無理やり使うことは税金の無駄遣いのほかにならないんじゃないかと。
 活性化基金が下りてきてから、県の職員たちは、それを何とかしなければいけないということですごく残業をして、でも何とか工夫してうまく現場で使えないのかとすごく苦労をしております。この活性化基金というのは、消費者の現場を助けるんじゃなくて、過労死計画になってしまうんじゃないかとさえも私は思っております。
 少し人件費に使えるというような話になってきていますけれども、今いる私たちの人件費には使えない、新しい相談員をつくるための人件費に使えるって、そんなことして何になるんだろうかと。相談員はつくったはいいけれども、就職先ができるんだろうかと思ってしまうんです。それよりも、自由に使うお金として渡してくれて、人が増やせれば、まず現場で電話に出て、その現場で、資格を取るよりも、まず慣れて、その仕事をしながら国民生活センターの研修に入って資格を取ると、これが一番理想的だと思っているんです。
 今いる相談員に唯一使えるお金というのは研修に行く費用だと言われているんですけれども、国センに枠がありません。それから、現場が忙しくてしんどくって研修に行けないんです、お金もらっても。大阪まで行こうと思ったら、ごっつい時間掛かるんです。お金あるから行っていいよと職員さんに言ってもらうんですけれども、ちょっと体しんどいので休むので、ちょっと今回は行けないというような現実です。
 現場で使えるようなお金にしてください。今のままの活性化基金やったら要りません。
#134
○近藤正道君 厳しい御指摘でございますけれども、この後の一般質疑等の中に是非生かして、せっかくのやっぱり金は税金でございますので、本当に現場で頑張っておられる皆さんの役に立つ金でなければならない、そういう金になるように私どもも頑張りたい、こういうふうに思っています。
 ありがとうございました。
#135
○松下新平君 どうもお疲れさまです。改革クラブの松下新平です。
 最後の質疑となります。大変お疲れでしょうけれども、皆さんにお回ししますので、言い残すことがないように、時間もお渡ししますので、お述べいただきたいというふうに思っております。
 今日の公述人の方のお話、現場の第一線でいろんな悩み、お聞かせいただきました。特に義本公述人は全国の相談員を代表してと。大変全国の第一線で頑張っていらっしゃる相談員の方も本当に心強く勇気付けられたと思っておりますし、我々は、まさにこの時代のひずみは本当に困っている弱いところに出るということがございますけれども、多重債務の問題にしても命の問題にしても、それを第一線で対応していただく相談員の皆さんの待遇改善にしっかり取り組むことがこの消費者庁を設置された後の実質的な所期の目的を達成するということを共有させていただきました。
 そこで、大きな一問としまして、私、選挙区が九州の宮崎なんですけれども、宮崎の消費生活センターの職員の方とか相談員の方にもお伺いしてまいりましたけれども、一番言われるのが、今回の委員会ででも出ましたけれども、消費者庁というのが秋、年内には設置される、それが過度に皆さん期待されて、私たちが本当にそれをこたえられるんだろうかという不安と、また、これから何を準備してそれに備えるかということがまだ今からだということを言われたことが残っております。
 この消費者庁、国で今議論をして皆さんからの意見も踏まえながら進めていくわけですけれども、地方で、第一線でそれを担っていただく皆さんが国の議論を聞かれて、これからその設置までに何を一番望まれているかをそれぞれのお立場でお述べいただきたいというふうに思っております。
#136
○公述人(三村光代君) 私は、長い、もうNACSができたころから、消費者庁ではなくて消費者省をつくらなければ消費者は救われないということが余りにも多かった。まして、私が相談員になったころは公害が花盛りのころでしたから、PCBとか有機水銀問題なんかが花盛りのころでしたので、消費者一人一人を、末端の消費者を救っていく。例えば、その日食べようとするサンマを持ってきて、これでPCBが大丈夫かどうか調べてくださいなんというのが来る時代だったんですね、私が相談員になったときに。そういうときに、本当に消費者を救っていくためには消費者の目線で見ていく省庁が要るんじゃないかというふうに思いました。
 ですから、今ここで消費者庁ができることに、まずはつくっていただいて、器をつくっていただいて育てていくのが大事なんではないか。もう消費者安全法等もほぼできているわけですから、今ここでそれをどうこうしてほしいと言う前に、これで通していただいて見直しを掛けていくということと、それから、先ほども申し上げましたけれども、消費者委員会の方をどういう形で構成、中のメンバーを構成していくか。その中で、ただただ意見を言ってくるだけではなくて、生きた形で活動できるような消費者委員会をつくっていただくことが先決だと思いますので、それをお願いしたい。私たちも協力していきたいというふうに思っています。
#137
○公述人(行岡みち子君) そうですね、やっぱり消費者多重債務の問題等について、なかなかに、貸金業法の完全施行を目前にして、十分な体制が整えられているというふうにはもう全く思えませんので、そこに向けて、関係省庁のところを、おしりをたたいて、ちゃんと機能するように監督指導していただきたいなというふうに、そういうふうな形で存在してほしいというふうに思っているというのがあります。
 それと、あと、どういう状況に今多重債務問題をめぐって消費者のところがなっているのかということを含めて、そういう情報も含めてちゃんと集めて、トータルな論議ができるような形で機能していただけたらというふうに思っております。
#138
○公述人(義本みどり君) 消費生活相談員を是非正規雇用になるようにしていただきたい、この一言に尽きます。それから、今すぐに自由に使えるお金を私に下さい。
 以上です。
#139
○公述人(和田三千代君) 私は、やはり消費者庁というのは本当に大きな視点に立って消費生活の安全に対して目配りをしていただく、そして指令を出していただく、そういう省庁にしてほしいというふうに思っております。
 食品安全委員会ができたときに、私たち大分期待を持ったんですが、最初のリスクコミュニケーションというのに参加をいたしまして、ガス抜きだなとしか思えなかったんです。この消費者庁はそんなものであってはならないというふうに私は思っておりまして、もう本当に、現場の人たちがどんなことを考えているのか、国民がどんなことを考えているのか、どこでどういう問題が起こっているのか、そういうものを吸い上げていただいて、各省庁に対して本当に大きな権限を持って指令を出していただいて国民の安全を守っていただく、そういうところにしてほしいと切に願っております。
#140
○松下新平君 ありがとうございました。
 この消費者庁の設置に当たってそれぞれのお立場でお述べいただきまして、国会の中でも、衆議院の議論、そして修正協議を経て参議院で大詰めを迎えているわけですけれども、皆さんのそういった思いを改めてまたしっかり反映していくべきだというふうに考えております。
 私も地方の行政の経験がありますし、また、地域で消防団活動とか、地域の活動をしてまいりました。そこでやっぱり改めて思いますのは、行政の壁、組織の壁という話がありましたけれども、私は二つの側面があるというふうに思っております。
 もちろん、消費者庁の設置は、いわゆる縦割りの弊害であるとか隠ぺい体質、そういったもろもろの反省からこれを一元化してしっかり取り組むんだと、責任の所在を明らかにするというメッセージであろうと思いますけれども、一方で行政にもやはり限界があるというふうにも思っております。その限界をどうやって埋めるかというと、やはり思いやりの温かい社会じゃないかなというふうに思っております。
 お金中心、物中心、アメリカ型のこの考え方が破綻した、そして皆さんの下にそういった相談が寄せられているということを思いますと、これはまさに政治の責任であり、我々のなすべきことでありますから、単に問題があったから対応するという姿勢ではなくて、それを突き詰めると我々にあるいは政治に責任があるということを改めて本日の公述人の皆さんからの御意見で考えを新たにした次第であります。
 時間は残っておりますけれども、皆さんの熱い思いは十分伝わりましたので、今後の審議に反映してまいりたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#141
○委員長(草川昭三君) 以上をもちまして公述人に対する質疑は終了いたしました。
 公述人の方々に一言御礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。どうも本当にありがとうございました。(拍手)
 これをもって公聴会を散会いたします。
   午後四時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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