くにさくロゴ
2009/05/07 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 消費者問題に関する特別委員会 第5号
姉妹サイト
 
2009/05/07 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 消費者問題に関する特別委員会 第5号

#1
第171回国会 消費者問題に関する特別委員会 第5号
平成二十一年五月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月一日
    辞任         補欠選任   
     藤原 良信君     行田 邦子君
 五月七日
    辞任         補欠選任   
     山本 香苗君     山本 博司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         草川 昭三君
    理 事
                藤本 祐司君
                松井 孝治君
                柳澤 光美君
                岩城 光英君
                小池 正勝君
    委 員
                大河原雅子君
                金子 恵美君
                行田 邦子君
                自見庄三郎君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                徳永 久志君
                姫井由美子君
                森 ゆうこ君
                石井みどり君
                礒崎 陽輔君
                佐藤 信秋君
                塚田 一郎君
                森 まさこ君
                山田 俊男君
                山本 博司君
                大門実紀史君
                近藤 正道君
                松下 新平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 秀行君
   参考人
       全国消費者団体
       連絡会事務局長  阿南  久君
       主婦連合会事務
       局長       佐野真理子君
       日本弁護士連合
       会消費者行政一
       元化推進本部事
       務局長      石戸谷 豊君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○消費者庁設置法案(第百七十回国会内閣提出、
 第百七十一回国会衆議院送付)
○消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に
 関する法律案(第百七十回国会内閣提出、第百
 七十一回国会衆議院送付)
○消費者安全法案(第百七十回国会内閣提出、第
 百七十一回国会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(草川昭三君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一日、藤原良信君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君が選任されました。
 また、本日、山本香苗君が委員を辞任され、その補欠として山本博司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(草川昭三君) 消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、消費者安全法案、以上三案を一括して議題とし、参考人の方々から御意見を伺います。
 本日は、全国消費者団体連絡会事務局長阿南久君、主婦連合会事務局長佐野真理子君及び日本弁護士連合会消費者行政一元化推進本部事務局長石戸谷豊君に参考人として御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところを本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 まず、阿南参考人、佐野参考人、石戸谷参考人の順序でお一人二十分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 御発言をいただく際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。
 また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、阿南参考人からお願いをいたします。阿南参考人。
#4
○参考人(阿南久君) おはようございます。
 この度は参考人としてお呼びいただき、誠にありがとうございます。
 私は資料のレジュメを用意いたしました。私の資料の十ページにも付けておりますけれども、私どもは四月十七日に衆議院で消費者庁関連法案の修正案が全会一致で可決されたということを大変喜んでおります。私どもの長年の願いがもうすぐかなえられる、そんな待ち遠しい気持ちでおります。この参議院におかれましても、こうした私どもの気持ちを酌んでいただき、実りある議論を行った上で、是非とも全会一致で可決していただきますよう、心からお願い申し上げる次第でございます。
 さて、私ども全国消団連ですが、お手元に紹介のパンフレットをお配りしておりますけれども、その裏表紙にありますとおり、二十二の消費者団体の中央組織と二十一の地方の消費者連絡組織が参加をします日本最大の消費者組織のネットワークでございます。全国各地でそれぞれが、消費者被害の問題ですとか食の安全、子育て、環境保全など、生活に根差した様々なテーマで活動を進めております。共通のミッションは、やはり消費者の権利と暮らしを守り、向上させるということであります。
 ですので、一昨年になりますでしょうか、消費者行政一元化の検討が始まりましたときには、これはもう私たちの願いがかなうかもしれない千載一遇のチャンスであると受け止めました。そこで早速、政府や国生審の議論に合わせまして、消団連の内部に消費者行政のあり方検討会議というものを設置をいたしまして、会員の皆さんや弁護士さんたちに御参加いただいて検討を始めました。会議は今日まで二十三回を数えておりますが、検討に基づいて何度か意見表明を行ってきておりまして、今日の資料にも、一月三十日に公表いたしました消費者行政の一元化についての意見を掲載しております。今回、衆議院で可決されました修正案には、この意見書で述べております意見が大きく反映されたものになっておりまして、大変うれしく思っております。
 また、私どもは九年前から、都道府県におけます消費者行政調査という取組を続けてきておりまして、会員団体の皆様に御参加いただいております。会員団体の皆様に御参加いただきながら、プロジェクトチームをつくり、すべての都道府県の消費者組織と自治体職員の皆様に御協力をいただきながら、調査し、結果を報告書にまとめ、それに基づいた交流会やシンポジウムなどを開催したり、意見表明したりしてまいりました。昨年度の調査報告の概要版を今日の資料にも付けておりますので、御参考にしていただきたいと思います。
 こうした活動に取り組みながら、私どもはこの消費者行政一元化、そして消費者庁創設の歴史的な出来事を一人でも多くの消費者に伝え、理解して支持する世論をつくっていくことが何よりも重要だというふうにして考えました。消費者主役の新行政組織実現全国会議、ユニカねっとに参加をし、共に運動を進めてまいりました。と同時に、全国各地の生協ですとか消費者センターの主催の講座で、今年の三月までで既に十三か所を数えますけれども、約千名の主に消費者活動のリーダーの皆様方を対象に講演活動を行ってまいりました。
 東京と地方では消費者庁創設にかかわる情報がなかなか格差があるなというふうにして痛感いたしておりますけれども、しかし各地方では、地元の消費者行政がいかに未整備であるか、衰退しているかということについてはとても高い問題意識があることを感じました。多くの人々が悪質商法の手口に引っかかっても、ほとんどが、自分が悪いからだ、相談するのは恥ずかしいと泣き寝入り状態にあるということであります。また、相談する場所があることも相談の仕方も知らないという、非常に悲惨な状況にあることを痛感しました。こんな状況をほっておくわけにはいかないというふうにして思っております。
 次に、ここで改めて、消費者を主役に据えた社会というものとそのために働く消費者庁の役割、そして私ども消費者団体に課せられた役割の基本的な考え方について確認をしておきたいというふうにして思います。
 消費者が主役になる社会というのは、やはり消費者が被害に遭ったときに救済されるということだけではない。安全である、そして自由に選べる、知らされる、それから教育を受ける、意見を言い、反映されるという、そうした消費者の権利を消費者が行使をする、使っていくということが保障される社会ということだと思います。泣き寝入りする人を出さない社会でありますし、消費者が権利を使ってより良い社会づくりに積極的にかかわっていくことを保障する社会であるというふうにして思います。
 ここには消費者市民社会というふうにして記述いたしましたけれども、やはり消費者が市民として社会的価値のある行動を取れるようになっていくということだと思いますので、消費者庁は消費者を守ると同時に、そうした消費者市民育成のセントラルステーションとしての機能を発揮することが重要になるというふうにして思います。そしてさらに、消費者団体にも一層の役割発揮が求められていると考えております。地域と暮らしに根差した地道な活動を積極的に進めて、人のつながり、触れ合い、助け合いの輪を広げていくと同時に、しっかりと市場や行政を監視し、批判や否定も重要ですけれども、やはり正しい指摘と提案をしていくという態度と能力を備えていくことが重要だというふうにして考えております。
 全国消団連といたしましては、こうした全国的なネットワークの力と、会員であります中央団体の皆様方には様々の分野の審議会などに、政府の審議会などに参画をされて非常に高い専門性を持たれている方々も大勢いらっしゃいますので、それぞれの課題に応じた検討の場を設けるなどして積極的に提案の活動をしていきたいと思っておりますし、そうすることによって消費者庁を後押しする力を付けていきたいと思っております。
 さて、私どもは今国会で消費者庁の創設が実現しますことを心から願っておりますが、この参議院でより十分な論議を行って深めていただきたいことがありますので、以下申し上げたいと思います。
 一つ目に、修正案でまとめられました消費者委員会の監視機能ということについてです。
 消費者委員会は、当初の政府案では消費者政策委員会という名前で消費者庁の下に置かれるという位置付けでございましたが、修正協議によって消費者庁と同格の位置付けになりました。機能と権限も拡充をされております。それから、資料のこの二ページの問題意識のところに記述いたしましたけれども、消費者委員会の担う事務は、ここに挙げましたとおり大変に幅広いものになっております。
 これまでの議論から作成しました組織図をこの四ページに書き込んでみました。このように、ちょっと手書きで申し訳ないのですけれども、消費者委員会の下に五つ程度の部会を設けて機能を果たしていこうというわけでありますが、このためには、消費者委員会の委員の人選もさることながら、やはり事務局体制を整えるということがポイントになってくると思いますが、現在のところ、この辺はまだあいまいな状態だと思います。当初、消費者庁の定員は二百四名とされており、消費者政策委員会の事務局は二名程度置くという想定だったようにも思われますが、そのままで考えていくのでは全くやはり不足だと思っております。やはり突っ込んだ議論をしていただく必要があります。
 二つ目です。地方自治体におきます相談体制の強化策に対します支援についてです。
 先ほどもお話ししましたが、消費者庁の創設と併せて、地方におけます消費者行政の強化、拡充は最重要課題であります。衆議院の修正協議によって地方消費者行政活性化基金の使い道が人件費などにも拡充されるというふうになっておりまして、これは非常に歓迎しております。
 ただし、その要件は集中育成・強化期間において増大する業務に係るというふうになっておりまして、新たに雇う相談員さんの人件費や現在の相談員さんの残業代などに限定的に使うものというふうにして解釈されるおそれがあると思っております。そこはそうではなく、現在の相談員さんたちの待遇改善を含めて、自治体が自由に使い方を決められるようにする必要があるというふうにして思います。
 また、改訂する交付要領の内容ですとか、それから今後のスケジュールについてもなるべく早く自治体の方に明らかにしていただくようにお願いしたいと思っておりまして、そのような議論をお願いしたいと思います。
 三つ目は、違法収益剥奪についてです。修正案の附則では不当な収益の剥奪と言っておりますが、その仕組みづくりに向けた検討についてです。
 消費者庁ができて事業者指導を行いましても、過去に起こった個々の消費者の被害回復はできません。まじめな事業者であれば自主的に被害者に返金するということも行うとは思いますけれども、悪質な確信犯的事業者に対してはそのようなことは期待できません。彼らは、業務停止命令を受けても、また別の法人を立ち上げて同じことをやります。また、地方行政が拡充されてあっせんが積極的に行われるようになっても、悪質事業者はそもそもそうしたあっせん手続には応じませんので、被害回復のためには訴訟しかないということになります。
 しかし、そもそも消費者被害の多くは数十万円程度のものが多くて、これは訴訟費用のことなどを考えますと、個々の消費者が訴訟を提起して被害回復を図るということは非常に難しい場合が多いと思います。ですので、こうした場合には、消費者団体と行政機関の両方が集団的被害を個人に代わって回復をするという制度が是非必要だと思います。修正案の附則の第六項には示されておりますけれども、そうした検討を着実に進めていっていただきたいと思います。
 また、悪質な表示偽装などの場合には、身体上の安全性の被害ということではないにしましても、経済的被害を受けます消費者は膨大な数に及びます。こうした場合は、被害者としての特定が非常に困難な場合が多いというふうにして思われますので、現在の罰金の制度などに加えまして、やはり課徴金というふうなことも考えて、総合的に検討していっていただくことを要望したいと思います。
 最後の四つ目ですが、消費者団体に対します支援と連携の強化ということについてです。
 二〇〇四年に制定されました消費者基本法の第八条には、消費者団体の役割が法定をされております。また、昨年十二月発行の国民生活白書においても、消費者団体の役割の重要性が述べられて、スウェーデンの消費者団体支援策であります団体・活動支援というものを始め、ヨーロッパ各国の消費者団体支援策について紹介をされております。我が国においても、やはり消費者団体の公益的な活動について、財政面も含めた何らかの支援が必要だと思います。
 衆議院の附帯決議の中の二十二項めには、消費者被害の情報収集啓発を行う消費者団体への支援ということが述べられておりますが、現在、多くの消費者団体は、この消費者被害の情報収集啓発にとどまらない、まさに消費生活の安定と向上のための活発な活動を展開しております。ですから、枠にはめない支援策を考えていただくと同時に、やはり若い人たちでも暮らしにかかわるテーマで気軽にそうした活動をつくっていける、活動グループをつくっていけるというふうなことを促進するような制度の検討も進めていくべきであるというふうにして考えます。
 そして、これはあくまでも例えばの話ですけれども、消費者委員会の委員がやはり専門分野で活動する消費者団体から意見を聴いたり情報を得たりといったことができる仕組みを整備することも運営上非常に有効な方法ではないかというふうにして考えております。
 以上、四点にわたって深めていただくことをお願いいたしましたけれども、あと二つだけ、これは消費者庁創設後に御議論いただきたいテーマとなるかもしれないと思いますが、重要な論点として御検討いただきたいこととして申し述べたいと思います。
 一つは、食品安全行政の強化策についてです。
 新型インフルエンザに対しましては、政府と地方自治体による必死の対応が続けられておりますけれども、やはり発熱患者の診療拒否が行われましたり、豚肉に対します風評被害なども懸念をされております。やはり、ここは関係府省庁がもっと一体となって地方自治体や医療機関に指示を出したり、国民や畜産農家に適切な説明をしていくことが重要だというふうにして思っております。
 この私の資料の八ページになりますけれども、消費者庁の総合調整機能の発揮、そして食品安全委員会の体制強化、そしてリスクコミュニケーションの充実について意見を述べておりますので、参考にしていただきたいと思います。
 二つ目は、各省庁におきます消費者視点の強化ということについてです。
 これも、資料の七ページに私どもの意見を述べております。事故米の問題では農水省の消費者視点の欠落が露呈いたしました。農水省には消費者視点で働く消費・安全局というものがありますけれども、今回の問題は、農水省内部においても部局間の縦割りが進んでいるということを表していることだと思いました。やはり消費者庁におきます総合調整機能を有効に機能させていくためには、各省庁に消費者目線を持って部局横断的にチェックをして働いていけるという体制を整備する必要があるというふうに思います。
 以上、いろいろと意見を申し上げましたが、是非豊かな議論の参考にしていただければと思っております。
 御清聴いただき、ありがとうございました。
#5
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 次に、佐野参考人にお願いをいたします。佐野参考人。
#6
○参考人(佐野真理子君) おはようございます。主婦連合会の佐野と申します。
 今日は、参考人として意見を述べる機会を設けていただきまして、本当にありがとうございます。
 主婦連合会は、昭和二十三年に設立した全国組織の消費者団体です。設立以来の活動目標は、消費者の権利の実現、そして台所の声を政治にというスローガンを持って今日まで参りました。名前は主婦連合会と申しますが、男女共同参画の時代でありまして、規約を変えました。現在では男性の会員も、数はまだまだ少ないですが、おります。
 これまでの主な取組の中で御紹介いたしますと、うそつき缶詰追放、ジュース訴訟、やみカルテル灯油裁判、はみ出し自販機撲滅、最近では消安法とかリコール社告JIS化などがあります。詳細は、お手元にありますピンクの「歩み」に五十年間の歴史が書いてありますので、後で御覧ください。
 そして、消費者のための行政組織の設置については半世紀ほど前から提案しております。この「歩み」の六十九ページの年表を御覧いただきますと、一九六二年に初代会長奥むめおが参議院で生活省の設置を要求しております。また、同じ「歩み」の三十一ページを御覧になっていただきますと、一九六三年に描いた主婦の夢として、右の下の方に消費者庁というイラストがあります。
 今回の消費者庁設置要求運動の取組に関しては、ユニカねっとに参加し、多くの団体と協力しながら活動をしてまいりました。
 消費者庁の設置は緊急課題として、大きくは次の四つの点が挙げられると思います。まず最初に、縦割り行政の弊害が消費者問題の解決を困難にしています。そして二番目に、消費者被害が年々深刻化の度合いを強めています。三番目に、旧来の被害が繰り返されると同時に、新しい被害が続々と発生しています。そして四番目、高齢化社会の進展や不況の深刻化も背景に、消費者の不安が全国に蔓延しています。
 昨年十二月に内閣府国民生活局がまとめた国民生活白書によりますと、悪質商法が手にした不当な金額は三兆四千億円にも上ると推定しています。このような莫大な被害の発生は、行政施策の欠如を示していると思われます。事態は深刻です。消費者庁の発足は、その解決の一歩となるというように私たちは確信しております。
 そして、消費者庁の設置は消費者の共通の願いでもあります。主婦連合会を始め消費者団体は、先ほど申しましたように、約半世紀前から消費者のための行政組織を要求してまいりました。主婦連としては、昨年二月七日に意見書を発表しております。これは、このメモの十一ページから参考資料として掲載しておりますので、後で御覧ください。
 ここに書かれている多くの企業不祥事と、それを防止できない行政対応の遅れ、そのような現実に対して消費者庁の早期創設が必要と訴えております。そして、身近な安全、表示、取引の分野で、消費者行政の一元的実施の必要性、消費者の意見の施策への反映、被害の救済、権利確立を求める消費者の支援などを新消費者行政機関に必要な機能として要求しています。今回審議されている法案の多くの内容にこのような意見も反映されていることをとても評価できると思っております。一層実りある審議をお願い申し上げます。
 今や消費者目線の行政機関の実現は時代の要請となっており、消費者の間では、消費者行政を総合的、一元的に担う消費者庁の設置は数少ない今の明るい展望の一つとして受け止められています。この期待に十分こたえ得る消費者庁及び消費者委員会が実現することを望んでおります。
 消費者庁の設置に当たって求められていることは、まず消費者目線を実行する制度の整備、そして消費者庁の運営に消費者の意見が反映される仕組みの検討が必要だと思っています。消費者庁及び消費者委員会にどうしたら消費者意見が反映されるのか、透明性の確保が大きな論点だと思われます。
 次に、違法収益吐き出し制度や被害救済制度の早期導入の検討が必要です。多くの企業不祥事を防止し、悪質事業者、悪質商法を根絶させ、消費者の権利を確保することは健全な市場の形成に貢献いたします。そのためには、不正を犯す企業の違法収益を吐き出させる、そして被害に遭った消費者を何としても救済する、この二つが求められます。消費者庁の発足とともに、この二つの制度の創設を検討されることを期待いたします。
 次に、消費者重大事故の範囲についてですが、消費者安全法案では、重大事故等には財産被害が含まれておりません。消費者重大事故等の範囲に消費者の財産被害も含めることの検討を期待いたします。
 今申し上げました関連で、情報の一元化についてこれから意見を述べたいと思います。
 期待される一元化には、大きくは三つあると思っております。行政機関の一元化、相談体制の一元化、そして情報の一元化です。いずれも有機的に結び付いたものであり、地方消費者行政とも連携が必要な点で、別個に考えることはできません。しかし、このうち情報の一元化については消費者庁及び消費者委員会や各地の消費者行政の対応とも密接不可分であるということから、この一元化をどのように推進させるかという問題は消費者庁と消費者委員会体制の試金石にもなると考えております。
 この点について意見を述べたいと思います。
 まず、事故情報関連の収集・提供体制の課題です。重大事故が発生した場合や発生のおそれがある場合、消費者安全法では、消費者庁にその情報が収集され対応措置がとられる仕組みとなっております。また、消費者安全法の修正案では、国及び地方公共団体の責務として新たに消費者事故等に関する情報の開示が追加されました。これは評価できる措置と思っております。それを踏まえ、今後の課題として挙げたいのは次の点です。
 重大事故等以外の軽微な事故、PL法、製造物責任法に基づく裁判の中で欠陥が認定された製品事故、重大事故に至らない不具合、瑕疵などについて、その対応が事業者の自主的にゆだねられています。PL法に基づく判決で欠陥認定された製品についても、商品名とか型式を公表している公的機関は現在ありません。そもそも、PL法に基づく裁判の件数さえ正確には把握されておりません。重大事故に至らない不具合案件については、リコール措置をとるかどうか、事業者の判断任せです。その結果、問い合わせた消費者にはきちんと部品交換などの対応はするものの、多くの消費者にはその不具合の事実さえ知らされない例も多々あります。
 この観点から、重大事故等以外に関する情報やリコール社告などの情報収集、分析、提供、公開の仕組みについても検討されることを期待いたします。
 消費者事故等に関する情報公開は地方公共団体の責務としても規定されております。事故関連情報の一元化は、収集、分析、提供、公開が密接連携してスムーズに実施されたときに効果を発揮すると思っております。消費者庁と各地の地方消費者行政の連帯強化による事故関連情報の一元的集約、消費者への情報提供、公開システムの分かりやすい仕組みも必要だと思います。
 事故に関しては、消費者庁と原因究明機関、テスト機関との強い連携が求められます。特に、現在活動しているNITEとかFAMICなどとの連携強化が重要だと思っています。また、消費生活センターを始め保健所、警察、消防署、病院等の情報一元化の検討が進められておりますが、事故情報は国民の共有財産との観点から、幅広い関連機関との連携、実効性ある情報収集の方法についての検討が必要だと考えております。
 さらに、独立した調査機関も必要です。消費者庁の発足は、エレベーター、ガス瞬間湯沸器、コンニャク入りゼリーなどのような事故の根絶も目的の一つです。いずれの事故も、同時の事故が発生していることをどこかで、だれかが知っていました。その中には行政機関もメーカーも含まれています。この事実だけでも情報の一元的集約、分析、提供、公開は重要です。その効果を最もよく発揮するためには、事故関連情報に関する独立した調査機関が是非とも必要です。そのための検討を期待します。
 また、様々な事故が世の中にはあります。特に乳幼児、高齢者、障害者などバルネラブル、いわゆる弱い立場の人々への配慮が必要だと思います。乳幼児の死亡原因の一位は常に不慮の事故ですし、注意力が日々衰えていく高齢者の事故も毎年増加しています。消費者庁及び消費者委員会がこのような人々に特別な配慮を持ち、事故を防止するための情報提供の在り方を含む適切な対応を制度として導入する、そのための検討を期待いたします。
 次に、事故関連情報以外の情報一元化について意見を述べます。
 表示、取引、安全の各分野でも、今申し上げた事故関連情報と共通した課題が指摘されます。中央と地方の連携、ネットワークを緊密に取るということです。例えば、悪質事業者がA県で行政処分を受けたものの、すぐ別のB県で社名を変えて悪質行為に及ぶという例はたくさんあります。各自治体では処分例が個別に公表されていますが、個別公表であるだけに消費者に伝わる機会の保証は万全ではありません。表示、取引、安全の分野に関する情報については一元的提供・公表体制の仕組みも検討課題だと思います。
 また、消費者庁には相談体制の一元的対応が期待されています。いつでも、どこでも、だれもが相談できる体制の整備は緊急課題です。と同時に、消費者はいつでも、どこでも、自ら求める情報を消費者庁から入手できることを期待しています。消費者庁及び消費者委員会設置法案では、消費者庁の任務として、第三条で、消費者の権利の尊重及びその自立の支援が追加修正されました。これは消費者基本法第二条に記載された消費者の権利の尊重規定であり、非常に評価される修正案だと思っております。特に情報一元化との関連では、必要な情報が提供される権利について実効性ある制度として確立されることが求められます。
 国民の共有財産を原則とし、消費者の権利を尊重した実効性あるルール作りの検討を期待いたします。
 また、情報提供に当たっては情報の受皿の体制づくりが重要だと思っています。現在、製品の安全性情報が届けられるべき消費者に適切に届いているのか、疑問を持つ消費者が多いのが実態です。研究者の中には、消費者は消化不良を起こしていると指摘する人もいます。発信、提供されるべき情報が適切に消費者に届くには、地方消費者行政や業界団体、学校、そして高齢者施設などいろいろなところとの連携が必要になります。そのような情報の受皿の体制づくりの検討も希望いたします。
 最後に、消費者庁創設に関する希望を二点述べたいと思います。
 まず、消費者庁の司令塔の機能と消費者委員会への期待です。
 新しい消費者行政体制が本当に消費者のために運用されるには、消費者庁の司令塔的機能と消費者委員会の役割の発揮、地方消費者行政の充実、推進、関連消費者機関との連携、それら相互のネットワーク体制の構築が大きなかぎを握っています。特に、消費者行政全般を監視する役割を担う独立した消費者委員会は重要で、持つべき機能に合わせた十分な運営体制を整備することが求められます。消費者目線を反映させる機能となるよう、現実的な運用体制の構築が必要です。
 二点目は、消費者の意見反映の仕組みと広報体制への期待です。
 消費者庁は、消費者の意見を真摯に聞き、それを施策に反映させることで消費者からの信頼を得ることができます。消費者からの意見反映といってもその方法は様々です。消費者からの申立て制度の導入、定期的なコミュニケーションの場の設置など、試行されるべき施策案の宝庫でもあります。消費者庁の信頼を左右する核心的なテーマであるだけに十分な検討を期待しております。
 また、消費者目線を重視した初めての新しい行政機関であるだけに、消費者庁には広報体制も従来の官庁とは異なる明確な改善点があることを期待します。メディア対応やインターネットだけではなく、メディア、インターネットにアクセスできない消費者を対象とするもう一つの別のチャンネルを持ち、適切な広報を実施できるような、そのような体制整備に関する検討も必要だと思っています。
 最後になりますが、消費者問題に関する特別委員会が衆参両議院に設置されたことは高く評価しております。幅広いテーマについて今後も継続的に検討される委員会であることを願っております。
 以上です。ありがとうございました。
#7
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 次に、石戸谷参考人にお願いをいたします。石戸谷参考人。
#8
○参考人(石戸谷豊君) おはようございます。
 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 日弁連の消費者庁の提言は一九八九年の松江の人権擁護大会で行われておりますので、今年で二十年ということになります。このときの提言は、消費者庁の設置と消費者の権利実現のための法整備とセットで提言しているというところに特徴があると思います。
 その中で、まあ製造物責任法とか団体訴権とか何もない時代のことでありましたので、クラスアクションであるとか父権訴訟制度の点についても言及した様々な法整備の提言を行っております。そこは、そのとき提言したというだけではなくて、それを更に具体化するための提言、意見書というのを次々と出して、全力で被害救済と防止に当たってきたということであります。
 数えてみましたら、主な意見書、提言、松江の人権大会を起点としますと百九十本程度になっております。一九八五年に消費者問題対策委員会が日弁連にできておりますので、そこから数えますと二百十本余りになっております。
 そういう意味からしますと、こういう意見書を受けまして、新規の立法だとか様々な法改正が行われてきたということがありますので、この二十年間に個別分野の法整備についてはかなり実現してきたという点も、一部というか、部分的ではありますけれども実現してきたこともまた事実であると思います。
 しかし、消費者庁の方につきましては政治の大きい力が必要だということでありまして、これが本格化してきたのが二〇〇七年の末ごろかなというふうに思っております。
 日弁連におきましても、二〇〇八年の三月に消費者行政一元化推進本部を設置いたしました。この本部というのは、会長を本部長としまして、全副会長、それから全国にあります五十二の単位弁護士会の全会長を含む百五十名体制の組織でありまして、要するに日弁連が全国の弁護士会とともに総力を挙げるときにこの本部体制を取るということになっております。消費者庁と地方消費者行政の充実というのは一体として展開しなければいけないということでありますので、全単位会の取組も不可欠であるという関係になると思います。
 そういうことで活動してきまして、本部設置以来、シンポジウムは日弁連、全国の弁護士会で総計三十五回、同じく意見書、会長声明は五十八本、単位会の動きに呼応しまして、地方議会からの地方消費者行政の抜本的拡充等を求める意見書などは全国二百十二自治体で採択されるなどということで、全力を挙げて取り組んでまいりました。
 政府提出法案に対する意見は、資料に付けていただいております二〇〇八年の十一月十九日付けの消費者庁設置法案に対する意見書と消費者安全法案についての意見書ということになります。この意見につきましては、審議の際、また全党の修正協議の際に十分に活用していただけたというふうに思っております。
 政府案につきましては、全会派による歴史的な修正合意がなされました。これは大変画期的な内容でありまして、日弁連の意見の趣旨にも合致しております。具体的にどの意見の部分がどうこうという点については差し控えますが、基本的な部分、理念というか骨格の部分の点について触れさせていただきますと、日弁連のこの八枚物のリーフレットを御覧いただきたいと思いますが、五ページのところです。
 これは二〇〇八年の六月に出したものなんでありますけれども、「消費者庁のしくみ」ということで、「消費者庁を消費者による消費者のための行政にするために」ということで、真ん中辺に「消費者代表で構成される消費者委員会の設置」というのをうたっておりまして、その内容としまして、星印として、一つ、「消費者庁が消費者のために機能し続けるよう、消費者自身がチェックする仕組みが必要です。」、一つ、「消費者代表で構成される消費者委員会が、消費者庁の企画・立案部門、執行部門に対して積極的な提言や勧告をすることができるようにすべきです。」、一つ、「消費者委員会が形骸化せず実行力を持つために、独自の事務局と調査権限が必要です。」というふうに打ち出しております。
 これはもう、名前といい内容といい、ほとんど超党派で成立した中身そのものではないかというふうに思っております。
 日弁連の方は二十年掛けて山頂を目指して歩んできまして、途中、若干この歩いている道が少し違うのかなという感じもありましたけれども、山頂に登り詰めると、超党派の皆さんと山頂で出会って、おうと歓声を上げたような気分であります。是非この修正合意の内容で消費者庁と消費者委員会を実現していただくようにお願いしたいと思います。
 検討事項というのも、課題もあるわけでありますけれども、それらにつきましては附則で年限を切って書き込まれておりまして、それらの課題に消費者庁と消費者委員会が本格的に取り組める体制を是非一日も早くつくっていただきたいと願っております。
 ということで、まずは立ち上げて、その中でということなんですけれども、一点だけ、立ち上げまでに詰めていただきたい点がありますので、それを申し上げたいと思います。
 この消費者庁構想で消費者委員会というのが大変重要な機能を果たすということで、修正協議におきましてもそこが協議のキーポイントとなったということで、消費者委員会が誕生するということなんですけれども、この消費者委員会というのは消費者委員と事務局から成っております。組織が動くためには事務局に人が要るというのが事務局的リアリズムでございまして、今日呼ばれた三人というのは各団体のそれぞれ事務局長でありまして、それゆえに、その事務局体制の充実をというのがいずれの団体からも出ているわけであります。
 消費者委員の方につきましては、これまでの法律、附則、附帯決議の中で、委員が十人以内、すべて民間から登用される、非常勤であるが、初代の三人については常勤的に勤めることが可能になるように人選し、財政的な措置も行うと。施行後二年以内の常勤化を図ることを検討するものとされておりまして、大変具体的になっております。
 これに対しまして、一連の審議を通じまして、事務局の点についてはまだ明確になっていないというふうに見ております。委員についての人数あるいは権限などは非常に詰めていただいたわけですけれども、例えば証券取引等監視委員会が三名の委員であるけれどもばりばりと仕事をしていると。八条委員会でありながら大変な成果を上げている。しかし、そこの三名の委員の裏には三百七十四名という事務局体制と職員がおるわけでありまして、公正取引委員会が五名の委員で構成されている、しかしながら、その委員を支える七百七十九名の人員がいるということであって委員会が機能するわけであります。
 この消費者委員会が具体的にそれではどういうことをやるのかということをまず確認しておくことが大事だなということで、まず設置法、整備法、安全法に定めている事務をちょっとまとめてみたものがございます。
 別紙一が設置法に定められた消費者委員会の事務でありまして、これは大きく見ると三つありまして、第一が設置法六条二項一号と二号の事務でありまして、重要事項について自ら調査審議して建議する、あるいはその諮問に応じて調査審議するという内容が重要事項でありまして、その重要事項が消費者の利益の擁護増進に関する基本的な政策に関する重要事項以下七つ列挙されております。第二が、六条二項三号の事務でありまして、これは消費者安全法二十条の規定で、内閣総理大臣に対して必要な勧告をする等の事務でございます。第三としまして、六条二項四号の事務がありまして、これは消費者基本法以下十三本の法律に定められた事務を処理するということになっておりまして、その個別具体的な法律に定められた事務を整理しているのが別紙二の整備法所定の事務ということになります。
 この十三本の法律を見ますと、消費者委員会の関与の仕方は様々でありまして、消費者委員会に意見を聴くとするもの、それから消費者委員会に諮問しなければならないとするもの、消費者委員会が調査審議するとするもの、消費者委員会が意見を述べることができるとするもの、消費者委員会の議決を経なければならないとするものなど、関与の態様は様々でありますけれども、その内容は多岐にわたっております。
 それとは別に、消費者安全法に定められた事務というのがありまして、これが別紙三になっております。大別すると六項目に分けられると思います。
 第一が六条四項の基本方針の策定関係でありまして、第二が七条の都道府県知事による基本方針の変更提案に関するものです。第三が十三条二項で、消費者事故等に関する取りまとめ結果の消費者委員会への報告というのがありまして、第四が十七条四項のすき間事案に対する事業者に対する勧告、命令にかかわるもの、第五として十八条の同じくすき間事案に対する譲渡等の禁止、制限に関連するもの、そして、第六として二十条で、内閣総理大臣に対して消費者被害の発生、拡大の防止のために必要な勧告をすることができるとするのが第一項でありまして、その勧告に基づいて講じた措置について報告を求めることができるとするのが第二項であります。
 ということで、三法で定められた事務そのものが大変広範囲であるわけなんですけれども、これにとどまっているわけではありません。設置法には五本、安全法には二本の重要な附則が付いております。これらの附則は書きぶりとしてはいずれも、政府はこれこれの事項を検討、あるいは検討して必要な措置を講ずるものとするという規定ぶりになっているわけでありますので、それ自体は直接消費者委員会の事務として書かれているわけではないんですけれども、附帯決議の二十三項を見ますと、消費者庁関連法案の附則各項に規定された見直しに関する検討に際しては、消費者委員会の意見を十分に尊重し、所要の措置を講ずるものとすることとしております。つまり、これらの附則はいずれもこの消費者委員会が検討するということが大前提とされております。
 そこで、念のために附則に掲げられた検討事項というのを整理してまとめてみたのが別紙四であります。大変重要な重い課題がそれぞれ附則の方に掲げられております。これらについても消費者委員会が検討するということになっております。
 さらに、附帯決議二十三項目のうち、消費者委員会に関連するものを別紙五としてまとめてみました。附帯決議の二項から八項まで、十四項、十九項、二十一項、二十三項というふうに消費者委員会関連の附帯決議が掲げられております。
 例えば十九項を見てみますと、今後三年程度の集中育成・強化期間後の国による支援の在り方、地方の支援の在り方ですね、消費生活センターの設置、相談員の配置、処遇等の望ましい姿について、その工程表も含め消費者委員会で検討を行うことというふうにされておりまして、これらについても消費者委員会が検討をしなければいけないというわけであります。
 事務局の問題については附帯決議の八項で措置がされておりまして、消費者委員会の独立性を担保するため、事務局については財政上の措置を含めた機能強化を図るとともに、その職員については専任とするように努めること、また、事務局職員の任命に当たっては、多様な専門分野にわたる民間からの登用を行うとともに、同委員会の補佐に万全を図ることとされております。
 この附帯決議は消費者委員会発足時において実現されている必要があるというふうに思います。というのは、先ほど見ていただきましたとおり、附則において発足当初に特に重要な任務が課せられているからでありまして、しかも、三年以内とされているものにあっても、本委員会の審議において指摘されてきましたとおり、三年に限らずできるだけ早くやるべきだと、一日も早くということが挙げられているわけでありますので、これは委員会を発足させながら充実をというわけにはいかない内容であるというふうに思います。
 そういうわけでありますので、超党派の合意内容を具体化して十分な事務局体制で委員会が発足できますようにお願いをしたいと思います。審議をずっと改めて見てみましたらば、委員会については大変審議が深まってきて修正合意に至っておりますけれども、事務局については、三月十八日の衆議院の特別委員会におきまして人数についての質問がなされておりましたが、その段階においては、具体的にこういう形にしようというところまで詰まっておりませんので、実際の人数についてもまだ大きな幅がある、そういう段階でございますという答弁がありました。その後、修正合意で消費者委員会の機能というか役割が大きく変わったと思います。
 当委員会においては四月二十三日に、現段階で具体的にイメージというものが私は全く示されていないというふうに思っておりますという指摘がありまして、本当に重要な機能、役割というものを果たすために、それを支える事務局についてもしっかりした体制をつくることが重要だというふうに思っておりますという指摘がありまして、質問がなされました。全く同感であります。是非この点を詰めていただければというふうに思っております。
 以上、その点について今日申し上げたい最大の点であります。
 残りの時間につきまして、消費者問題に関する特別委員会の点について触れさせていただきたいと思います。
 今国会で衆参両院で消費者問題に関する特別委員会が設置されまして、このことの意味というのは大変大きいというふうに思っております。消費者問題は日々発生しておりまして、しかも多数の省庁に関連していることが多いわけであります。そういうふうに多数の省庁に関連する事項を迅速に速く処理するということは法整備の段階でも言えることでありまして、その理由でもって一九六八年の消費者保護基本法が議員立法で成立しているということであります。そして、二〇〇四年の消費者基本法も議員立法で行われております。
 今回のこの法律の名称も含めての大修正というものも、まさに超党派での議員立法の実質を持ったものだというふうに考えております。特に、既存の縦割り行政の下における行政上の取締り法規が多いわけでありますけれども、それらの法律というのは監督官庁が業界を監督するための発想で作られておりますので、所管を消費者庁に移すというだけでは縦割りのものが横断的になるという関係にありませんので、例えば取引関係の法律においても表示、広告といったように横断的な法整備が必要になってくると。今後整備していく課題は多いというふうに思っております。
 そういうふうな多数の省庁に関連する場合に、じゃ、どの委員会で審議するのが適当かなどの問題もまたあると思います。しかしながら、国会で消費者問題を幅広く審議する特別委員会が発足して活動しているわけでありますので、消費者問題に関する特別委員会で一元的に審議を進めるのが適切かつ効率的であるというふうに考えております。
 最後に、消費者委員会の方で意見を出して提案した法律というのは、消費者庁の方から政府提出法案として出されることが多いとは思いますけれども、議員立法として審議をしていただいて成立するということも多いと思います。現実問題として、これまで消費者問題関連の法律で議員立法で成立しているということは多いわけであります。そういうふうな意味からしましても、消費者問題特別委員会は、消費者庁や消費者委員会がちゃんと機能するように監視していただくということだけではなくて、消費者関係の法整備のためにも常に動いて活動を継続している委員会であってほしいということを強く切望いたしまして、意見陳述とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#9
○委員長(草川昭三君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#10
○姫井由美子君 おはようございます。民主党の姫井由美子です。
 参考人の皆様におかれましては、連休明けの朝から出席いただき、貴重な意見をありがとうございました。
 今朝も朝八時半から参議院会館の前にてユニカねっとの皆様が街頭活動をされておりまして、いよいよ大詰めというビラをいただきました。まさに歴史的な修正合意を尊重し、それが参議院においてその審議を深める意義を感じております。実現だけでなく、目的に合致した運営がちゃんとなされるよう、このためにはこの参考人の皆様の御意見が大変重要かと思っております。
 さて、まず阿南参考人にお伺いしたいと思います。
 消費者庁の発足を契機として、地方の消費者相談を充実させることが必要であると言われております。私も、今回、人件費の基金からの活用についても質問させていただきました。相談員の待遇改善は、これは増大する業務だけでなく、あるいは新しく人員補給だけでなく、元々の本来業務の処遇改善が不可欠だというふうに思われます。この本来業務に対しても基金を使えるようにしてほしいという声が上がっておりますが、この点に関していかがでしょうか。
 また、被害者救済のためには、被害に気付くという相談員のスキルアップが何よりも必要ですが、これは研修のほかにあらゆるものが考えられると思いますが、何が必要でしょうか、お伺いしたいと思います。
#11
○参考人(阿南久君) ありがとうございます。
 本当に、相談員の本来業務に対して人件費を使うべきであるというふうなことは、おっしゃるとおりだと思います。先ほども申し上げましたけれども、集中育成・強化期間中の増大する業務という要件は、やはり使い方を限定して受け取られかねないという心配がありますので、各自治体で自由に決められるということをはっきりと示すべきであるというふうにして思います。まずは、現在の低い水準の報酬ではなく業務内容に見合った報酬にして、やはり職業として選択した人たちが経済的に自立できるというふうな状況をつくらなければ、今後も相談員になろうとする人は増えないというふうにして思いますので、その辺の充実は必要だと思っております。
 それと、スキルアップについてですが、やはり何よりも出かけやすい身近な場所で研修会が持たれるという必要があると思いますし、やはりベテランの人たちに付いて実地訓練ができるという体制が必要だと思います。ベテランの人たちはあるところでは雇い止めなどというふうなことも行われていますが、そういったことをやめて、やはりベテランの人たちの蓄積した能力をそうした場で生かして引き継いでいくということが重要なのではないかというふうにして思います。
 それと、研修のほかにスキルアップの方法として考えられますのは、各地の消費者団体が進めております学習会ですとか講習会といった活動への参加、協力ということではないでしょうか。より広い視野で考えることができますし、本当に生活に根差したところの問題意識に触れるというふうなことができると思いますので、それがより良い解決策につながることができるのではないかなというふうにして考えております。
#12
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 全国消団連の皆様には、私が県会議員のころも地方の消費者行政でもよく意見交換をさせていただいておりました。特にこの基金の使い方に関しましては、地方行政に対しても目を光らせていただければというふうに思います。消費者団体の役割というところでもお話しされたかと思いますので、是非お願いしたいと思います。
 続いて、佐野参考人の方にお伺いしたいと思います。
 佐野参考人が今のお話の中で最も重要とされた、消費者行政の一元化を果たすためには何よりも情報の一元化が必要というふうに言われておりました。実は、私も先日質問をいたしまして、この消費者庁をめぐる情報集約、公表の流れという図表をお願いしました。それに際して出てきた図におきましては、消費者庁の図と地方公共団体との一元化という中の流れも明確ではありませんでした。先ほど言われました警察、消防、保健所、あるいは病院の一部公立等は地方行政の中に入っております。あるいは病院は民間の病院もございますけれども、こういった情報の明確な一元化の流れ、これはどのようなルートが必要だと思われますか。
 また、消費者の事故情報が第一次的に集まる組織と消費者庁との間のルートなくして、本当に情報が一元的に集約されていると言えるでしょうか。改めてお伺いしたいと思いますし、また、この図表で見ますと、対等と言われる消費者委員会、ここの情報のルートが全くありません。しっかりと消費者庁を監視するためには直接の情報の収集あるいは独自のルートが必要かと思われますが、こういった点、必要だと思われますかどうか、お伺いしたいと思います。
#13
○参考人(佐野真理子君) 消費者事故の情報、第一次的に集まる組織から消費者庁に直接集まるのは理想的だと思います。間に何か入るよりかは消費者はその方が信頼できますし、落ちこぼれがないと思いますが、現実的に考えて果たして可能か、事務的に非常に煩雑になりますので、その辺はもしできたらきちんと検討していただきたいと思います。
 それから、消費者委員会への情報のルートとしては、やはり何をもっても消費者の意見を反映するということでありますので、消費者からの意見の申立てとかコミュニケーションをするとか、何かそういう場を持って、独自に調査もできるわけですので、その辺はきちんとした関係をつくっていかなければならないと思っております。
#14
○姫井由美子君 それでは、続きまして消費者委員会の事務局体制について三人の参考人にお伺いしたいと思います。
 特に、石戸谷参考人におかれましては、この消費者委員会の事務局体制の強化、体制の充実について、発足時には十分担えるだけの体制が必要という御意見をいただきました。私ももっともだというふうに思っております。衆参を通じまして消費者委員会の体制につきましてはさんざん議論が行われましたけれども、事務局体制、こちらの方が少し弱かったかなというふうに私も思っております。
 まず、職員の員数ですけれども、先ほど証券取引委員会、公取と、数百人単位の大きな八条委員会を指摘されました。今回の消費者委員会も実は八条委員会ではあります。ただ、うわさには事務局はたった十数人という声も聞こえてきますけれども、これで広範な事務が補佐できるのか私も甚だ疑問です。石戸谷参考人におかれましては、何人ぐらいの体制が必要だと思われますでしょうか。
 また、この委員会が発足当時から機能するためには、消費者委員会は消費者の代表としての委員会だということを日弁連もパンフレット等でもう当初から訴えられておりましたけれども、じゃ事務局体制はといいますと、やはり最初、監視対象の役所からも人を異動させて専門的な力を発揮する事務局を構成するのが合理的、効果的かと思いますけれども、どういった人が事務局を担うのが良いとお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
 そして、阿南参考人につきましては、先ほど丁寧にこういった組織図に消費者委員会の事務局体制にどれだけの部門が必要かまでも示していただきました。対等であるためのこの事務局体制も含めた消費者委員会の理想の体制というものをお伺いしたいと思います。
 そして、佐野参考人も、やはり最終的にはこの消費者委員会と消費者庁とのしっかりとした両輪、これが必要だと言われましたけれども、そのための消費者委員会、事務局も含めた体制、どういったことを期待するかをお伺いしたいと思います。
#15
○参考人(石戸谷豊君) まず人数の方なんですけれども、消費者委員会が担うべき事務というのは、先ほどまとめて述べたようなことなんですが、要するに全分野のその法律を見なきゃならないということで、そういう観点から見ますと、少なくとも消費者庁が所管する二十九本、米トレーサビリティー法が加わると三十本になるんでしょうか、その部分についてチェック機能を果たせるというのは消費者委員会しかないので、法律の数から見ると、その三十本について消費者委員会が監視するということになり、それと同時に、審議で度々取り上げられました消費生活に大変関連が深い、したがってその移管検討対象となった四十三本の法律は常に目を光らせていかなきゃならないという関係になろうかと思いますので、四十三本プラス三十本だと七十三本ぐらいは常に目を光らせていかなければならないという話になるわけなんですね。
 そうしますと、一人で何本ぐらいの法律を持てるかという話になるわけでありまして、消費者基本法の基本計画だとか、一本といいながらほとんど全省庁にわたるようなものもありますので、十数人という規模ではとてもじゃないけど無理であると。最低でもその倍、三十人程度は要るだろうというのが事務局の立場からの実感でありまして、願わくば、当初三年間というものは、附則に挙げられておりますような、大変、法整備の見直しに関する事項というのがあるわけですので、当初三年については、これは活性化基金の強化期間ではないですけれども、当初三年についてはプラスアルファを是非お願いしたいというのが実感です。
 それと、どういう人がという部分でありますけれども、そこについては、消費者庁の方の人がどういう構成でということがまず問題になるわけなんですが、そこは審議の過程でもどの省庁から何人ということが出てきておりまして、二百二人の定員のうち百九十六名程度は他省庁から、これは専門的知見を活用するという面と行政の肥大化を招かないと、両面からそうなっているわけでありまして、そういう意味からしますと、司令塔の役割を果たすべき消費者庁が専門的知見というのは、そういう意味では備わっているはずであると。しかしながら、審議でありましたとおり、指令する方の人が指令される方から来るということで大丈夫かというようなことが挙げられておりまして、いや、そこはもう骨をうずめるつもりでやるので大丈夫ですと、こういうふうなあれなんですが。
 そこに、消費者委員会が、またその原省庁から人が来るということになりますと、そこはやはり消費者委員会としての役割を果たす、消費者の声を届けるといいますか、現場感覚を持った人が入ってきて消費者目線でチェック機能を果たすということが大事なんではないかと思いますので、そこは専門的知見を持った役所の方からということではなくて、是非、民間の方にも専門的知見を持った人たちというのはたくさんおりますので、そういうことでやっていただきたいと思いますし、このことは、附帯決議の八項の方でも、「事務局職員の任命に当たっては、多様な専門分野にわたる民間からの登用を行うとともに、同委員会の補佐に万全を図ること。」というふうにうたわれておりまして、この超党派合意というのは私どもにとっては宝物のようなものでありますので、是非この趣旨で、民間の方から多様な専門分野にわたる登用をお願いしたいと思っています。
#16
○姫井由美子君 お二人は、ちょっと短く一言ずつお願いいたします。
#17
○参考人(阿南久君) 私も、消費者庁自体が、職員は是非全員が消費者マインドを持った、力を持った職員になっていただきたいなというふうにして思っていますが、この消費者委員会の方は、やはり民間からの登用ということを中心にした方がいいなというふうにして思っています。そこが、数の方はちょっと予想も付かないんですけれども、充実させていただきたいなというふうにして思っております。
#18
○参考人(佐野真理子君) 両輪のために働くという、消費者庁と消費者委員会、まさにそのとおりで、消費者委員会は、消費者庁にきちんと働いてもらうという、その監視がまず第一の仕事ではないかなと思っております。
 その機能に合わせた人数、私も人数は一体何人なのかというのは分かりませんが、それに十分対応でき得る人数を望んでおります。
#19
○姫井由美子君 ありがとうございました。
 今日、皆様、参考人の御意見を聞きまして、衆参、とりわけ参議院の消費者問題に関する特別委員会の果たす役割が大きいことを感じました。
 どうもありがとうございました。
#20
○森まさこ君 ありがとうございます。自由民主党の森まさこでございます。
 参考人の先生方、本日は貴重な御意見ありがとうございます。
 今朝も朝から参議院会館の前で、街宣活動で三人の参考人の方もマイクを握っておられました。政府からは増原副大臣も応援に駆け付けていらっしゃいました。
 私も消費者問題をやりまして十五年になりますけれども、今日の参考人の三人の方は消費者団体それぞれを代表するだけではなく、この消費者問題の現場で日夜、本当に昼夜を問わず努力されている姿には敬意を表したいと思います。
 また、消費者団体には様々なものがございまして、衆議院の方に参考人においでになった方、それから本日の方、それ以外にも例えば司法書士会の方、行政書士会の方、それから全消連には入っておりますけれども、消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の方などいろんな方が汗をかいておられますので、そういった消費者団体の皆様を代表して本日はお答えをいただきたいなというふうに思います。
 さて、私は十九年に国会議員になったときに消費者庁をつくりますというのをマニフェストの大きな柱に掲げて選挙をいたしましたが、そのとき、選挙スタッフから、消費者庁の設立、何か余り国民の皆様関心ないんじゃないかと言われました。それほどやはり国民の皆様には消費者問題や消費者庁という言葉がなじみの薄いものだったわけでございますが、今この部屋の中の皆様や国会では、消費者問題、消費者庁ということをもう実現しようという流れにはなっております。ただ、これは今だけの話ではなくて、参考人の方々御存じのとおり、これはもう何十年も前から深刻な被害が出ている問題で、国際的にも先進国の中で最も日本が遅れた取組をしている国ということは確認をしたいなと思うところです。
 そして、本日は、まず佐野参考人の方に消費者委員会の位置付け、在り方というものについてお伺いをしたいなと思います。
 私はこの超党派で合意をした案というものを本当に評価をして実現したいなというふうに思っておりますが、そこまでに至るまでの経緯をちょっと確認をさせていただきますと、自民党では、私が当選した後、消費者問題調査会を立ち上げていただきまして、計三十回議論をいたしました。すべてフルオープンにいたしましたので、一般の方、消費者団体の方、マスコミの方を含めて、国会議員も含めて毎回三百人以上の方が出席をなさって熱心な議論をし、ヒアリングの対象になった方は約百人にも上ります。
 もちろん今日の参考人の三人の方もヒアリングに来ていただいて意見を述べていただいて、そして、時折、国会議員の議論にも参加をしていただいて、そうやって作り上げた自民党の案であったわけですが、先ほどの石戸谷参考人の資料の中の日弁連のパンフレットの中の五ページに載っております消費者委員会、この二番に消費者委員会というのが載っておるわけですが、三番にはスーパーコンプレイント制度というのが載っております。私も日弁連消費者委員会から留学をさせていただいたときにこのイギリスの制度を目にいたしまして、自民党の取りまとめ案にも入れました。この二番の消費者委員会を八条委員会で入れ、三番のスーパーコンプレイント制度を政府の外にある国民からの御意見番として、二つのものが自民党の案にはあったんです。これが最終的に超党派の案によって一つの消費者委員会になった。つまり、消費者庁の中にはないけれども、内閣府の下にある、そういう消費者委員会があったんです。
 自民党でなぜこの二つのものを入れたかというと、これは国際的にもそういったものが非常に多くあるということも一つありますが、一つは消費者庁の下にある消費者委員会というものは、八条委員会というものは、金融庁の証券取引委員会をモデルにしたんですが、非常に機動性がある。
 消費者問題というのは御存じのように、日々新しい被害が起こります。法律に書き込まれたその穴を縫って行うのが消費者事件でありますから、その新しいものを日々監視をしていく。でき上がったものを、発生した被害を後追いで対症療法していては間に合わないので、機動的にやっていく。つまり、今違法かどうか分からない状態でウオッチをしていくという、それを金融庁の中の証券取引委員会が大変効果的に行っております。
 そこから行われる勧告と建議は一〇〇%実現をされておりますが、そういった機能は、消費者庁また金融庁のその下にあるということで、事務局も時折共用をしたり、それから非常に専門的な、例えばコンピューターの最新の技術の中を見れる、業者の中に入ってコンピューターを開けたときに何があるか分からないんでは困りますので、そういったことができる。
 それから、あした行かなければならないんだ、検査に入っているときに、今日見ていったら、あっ、コンピューターの中を見なきゃ、あした来てくれというときに、証券取引委員会の専門的なものをそちらの方に移すというのは同じ省庁の中だから大臣の権限、局長の権限でぱっとできるという、そういった機動性、専門性がありますが、そういったものをこの超党派で決められた位置付けの消費者委員会でどのように実現をしていくのか。
 私は、主婦連の皆様は当然この消費者委員会のメンバーに入るべきと思っておりますので、佐野参考人がその消費者委員会のメンバーになったおつもりで、どのようにそういったものを実現をしていくか。
 それから、もう一つのこの三番のスーパーコンプレイントの機能ですね、外から監視をする。今一つ目に言ったものは事業者、違法業者を監視するものですが、監視にも二つありまして、三番の方は消費者庁を監視する、初めの方は違法業者を監視する。この二つがごっちゃになってしまっては私は効果が出ないと思うんですが、この消費者庁をチェックするというのを内閣府の下にある消費者委員会の中でどのように行っていくか。佐野参考人の方からお答えをいただきたいと思います。
#21
○参考人(佐野真理子君) 委員になるかならないか分からないうちに委員になった気分で申し上げますと、やはりせっかく超党派で独立性を保つ委員会として独自の調査もできると、いろいろな権限を与えてくださった消費者委員会ですので、それを思い切り活用したいと思います。
 それには、やはりそれなりのメンバーは必要ですし、それからここでは、日弁連のパンフレットではスーパーコンプレイン制度と書かれておりますが、私は消費者の申立て制度は是非消費者委員会の中に必要だと思っておりまして、委員はたった十人でありますが、その周りにいる消費者、一体何を考えているのかというそれの意見の交換の場も必要でありますし、やっぱりそういうところから事件の予防ができるんではないかなと思います。それは大きな一つの役割として必要だと思っております。
 もう一つは、消費者庁をきちんと監視すること、これもまた大きな仕事。この二つの仕事を是非、超党派でお考えになってくださった消費者委員会の仕事としてきっちりとやっていかなければならないと思っております。
 是非、実行できるような形での事務局体制、そして委員体制、民間をどのように登用するかということも検討していただきたいと思います。
#22
○森まさこ君 ありがとうございます。是非、主婦連からも優秀な方々をたくさん送り込んでいただきたいと思います。
 次に、石戸谷参考人にお尋ねをしたいんですけれども、消費者庁の企画立案機能の在り方についてお伺いをします。
 先ほどの資料の中に、たくさん消費者委員会の方にも仕事が与えられているという御指摘をいただきましたが、また消費者庁の方もそれに加えて二十九本の専管、共管の持っている法律があるわけでございます。
 よく消費者庁の司令塔機能というふうに言われますが、司令塔機能は、とにかく消費者問題はすべての省庁に関係をするから、それを全部持ってくると霞が関を全部持ってくるようなことになってしまう、それはできないので、横ぐしを通して司令塔として行うんだという、これを言われますが、私はそれだけではないと思っています。
 司令塔としてするほかに、大変重要なものを自分で持っています。消費者基本法、消費者保護法はもとより、多重債務のような消費者問題専門の事項も消費者庁が自分の法律として法律を改正をしていったり、新しい法律を作ったり、企画をしていったりとしなければならないと思うんです。
 私は十二歳のとき消費者被害に遭いました。消費者被害者です。そのときに、その被害を裁判を使って訴える法律がなかったんです。また、法律があっても、今度は弁護士になって、消費者弁護士になっても使えない法律が多いんです。そういう法律を消費者庁は作ってほしいし、改正してほしいし、そういった機能について石戸谷参考人の方は消費者庁にどのような期待をなされていますでしょうか、お願いいたします。
#23
○参考人(石戸谷豊君) 消費者庁の機能は、司令塔の機能のほかに、企画立案と自分で所管する法律の法執行というふうなものがあると思いますし、そのほかに、そのために情報の一元化とかすき間対応とかいろいろあるわけですけれども、今のところ、この審議をずっと聞いていますと、司令塔機能をどうやってうまく使うかというところにかなり焦点が当たっていて、非常にこれは大きなテーマとして光が当たっているというふうに思います、そこが期待されているんだなというふうな。またそのとおりだと思います。
 しかし、企画立案の方も私は大変期待しております。司令塔の方の機能は、それぞれの省庁が所管している法律をうまく執行してということで、それぞれ自分の省庁が持っている使い勝手のいい法律をそのまま使ってという形になるんですけれども、なかなか従来の縦割りの法律をそのままではすき間が埋まらないとか横断的でないという部分があるので、企画立案機能というのが当初から打ち出されていたと思います。
 そのために、現実問題として、表示の部分は、例えば表示に関する景品表示法以下六本の法律を消費者庁が所管することになったんですが、これは表示の横断化を見据えてそういう移管・共管問題で決着したと思いますし、広告もそうだと思います。
 そのほかに統一消費者信用法の制定なども、貸金業法、割販法などの、そこの間を統一的に組み立て直すということもあると思いますし、最も急がれるというのは違法収益の吐き出し問題であると。これについては、必要性については認識は共通になったと思いますので、あと具体的にどういう制度設計するかという各論の問題だと思いますので、日弁連の方も昨年六月に中間要綱試案というような、違法収益問題で出しておりますけれども、中間という二文字が取れるものを、早急に具体案を提示したいと思っています。
#24
○森まさこ君 ありがとうございました。
 時間が残り少なくなってまいりましたので、阿南参考人に最後にお伺いをしたいと思うんです。
 私も、昨日、参考人の方々が来るので今まで出ていない論点でお聞きしたいと思って書き出したら、五十個ぐらいありました。時間がなくて全部聞けないですので三個に絞りましたが、そういう意味で、この消費者特別委員会、今だけの委員会ではなくて、これからもいろいろな論点を議論していただきたいというふうに思っているんです。
 石戸谷参考人からもそのようなお話が出ましたけれども、消費者庁ができた後の国会の後に消費者問題を考える消費者特別委員会を設置すべきということについての御意見をお聞かせください。
#25
○参考人(阿南久君) 本当に衆議院の特別委員会でああいうふうにして修正合意に達したということは、あれはもう特別委員会があったからこそ。もう私たちもとても心配していたんですね。政府案とそれと民主党案が出されてどうなることかと思っていましたけれども、やっぱり特別委員会であんなに審議をして、そして修正合意にまでこぎ着けたと。これは本当に私はもうそのときすばらしいなと思いました。
 ですから、今後、特別委員会も私は是非継続していただきたいと思っていますが、本当に新しい法律を作ったりそれから制度を考えたりというふうなこともこれからますますテーマになってまいりますし、やっぱりこういう場があって、消費者問題についてやっぱり国会の場でいろいろと議論する、消費者のことを考えるという場があるということは本当に大切なことだとして思っていますので、是非是非継続して頑張っていただきたいなとして思っております。
#26
○森まさこ君 ありがとうございました。終わります。
#27
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 今日は貴重な三人の皆様のお話を聞かせていただきまして、本当に朝からありがとうございます。もう長年、この消費者庁の取組に関して一貫して尽力をされてきた様々なお話を聞かさせていただきまして、大変感銘を受けたわけでございます。
 何点か質問をさせていただきながら御確認をしていきたいと思います。
 まず、阿南参考人とまた佐野参考人、お二人にお聞きをしたいと思います。
 阿南参考人のお話の中で、海外の消費者行政の事例の中で、ヨーロッパの支援策ということでの消費者団体等の強化ということでのお話がございました。こういう消費者行政における参考になる海外のそういう具体的な事例ということで、どういったものがあるのか。先ほど、阿南参考人のお話の中ではヨーロッパの支援策ということでお話がございました。もう少しそういう具体的な形での内容に関して教えていただければと思います。
#28
○参考人(阿南久君) ありがとうございます。
 海外での支援策ということで、先ほどはスウェーデンの団体活動支援ということを御紹介しました。これは昨年十二月に公表されました国民生活白書の中でも明らかになっておりますけれども、やはりスウェーデンの方では消費者団体の強化というものを消費者政策の柱の一つに掲げて支援に乗り出しているということでありまして、その支援の仕方には団体と活動費とプロジェクトという三つの名目があるというふうにして聞いておりまして、そのプロジェクトの、団体支援の条件としては、消費者団体がスウェーデンの消費者の利益擁護を主な活動目的としているとか、それから二年間の活動実績があるとか、それから全国規模の活動を行っているというふうなことが団体の条件として挙げられていますし、それから条件として、消費者支援のために活動していて、非常に政治的に中立であるとか非営利活動を行っているという団体を対象にしているとか、かなりの、きちんとその基準を決めて支援を行っているというふうなことが述べられておりまして、詳しくは国民生活白書を御覧いただければというふうにして思いますけれども、そのような形で支援をしていくということですので、私はやっぱり、今は日本の仕組みではそのような支援策は、適格消費者団体に対しても余り財政的な支援はないんですけれども、普通の消費者団体に対してはなおのことそういう支援策はありませんので、是非是非そうした制度をきちんとつくっていただいて、私たちの活動がもっと活発にできるようにしていただければなとして考えております。
#29
○参考人(佐野真理子君) 海外の事情につきましては、CIと言いまして、コンシューマーインターナショナルという消費者団体、世界の消費者団体が集まった一つの機構があります。それには日本からも幾つかの団体が参加しておりますが、四年に一度ぐらい総会がありまして、私も何度か参加したことがあります。その中で見ていてもやっぱり各国それぞれの特徴がありまして、一概にここがいいからこれを取っていこうというのはやっぱりちょっと無理があるのかなと。
 日本の場合は、消費者団体というのは本当に草の根から、例えば主婦連の場合でも、マッチが、燃えないマッチ、それを何とか燃えるマッチに取り替えてほしいということで、その当時、昭和二十三年、主婦たちが集まってできました。そのように草の根から立ち上がっている消費者団体が主になっていますので、海外の消費者団体と比べるというのも非常に難しい。
 ですから、やっぱり日本は日本なりの支援の仕方というのがあると思いますので、その辺は今の消費者団体の実態を交えながら、是非検討していただきたいと思います。
#30
○山本博司君 ありがとうございます。大変重要な視点だと思います。
 阿南参考人にお聞きしたいと思いますけれども、やはり消費者行政、大変これは人が大事でございます。専門家の人材育成という点では大変大事でございまして、そういう人材育成をどうしていったらいいかという、この点に関しまして御見解をお聞きしたいと思います。
#31
○参考人(阿南久君) 人材育成という点でいいますと、私ども今全国で消費者活動を組織しておりますけれども、そこでもなかなか活動に参加される方たちが最近は少なくなってきております。
 ですから、やはり地域のいろんな今活動されている団体にそういうふうな支援策を取りながら、そういう参加できる、だれもが、消費者問題に関心を持っている方たちは多いと思いますので、そういう人たちが若い人も含めて参加できるような場をいろいろ設定していくということを消費者団体が推進するということがまず大事かというふうにして思っています。
 ですから、地域でそうした消費者活動のリーダーがどんどん出ていくというふうなことが必要だと思いますし、それから、その点でいいますと、今実際には相談員になろうと、消費者活動の中ですね、私もう絶対相談員になろうというふうな方たちも出てきているんですね。ですから、やっぱりそういう人たちが本当に、消費者センターで働こうとか相談員になって頑張ろうとかというふうな方たちを増やしていくというふうなことを広げていくことが重要かとして思っていますので、本当に消費者の中でそういう消費者問題に関心を持った人たちをつなげていくというんですか、育てていくということが何よりも重要なことかとして思います。
#32
○山本博司君 ありがとうございます。
 続きまして、佐野参考人にお聞きしたいと思います。
 参考人の話の中で、消費者行政、消費者目線が重要であるということの中で広報活動、そういったことのお話がございました。そういう中で、広報活動を具体的にどういう形で拡充をしていったらいいかという点と、やはり教育という点でも大変、この委員会でも何回も議論がされている部分でございますけれども、そういう小学校の小学生に対するそういう消費者教育、これをどう推進をしていったらいいかということに関してどのようにお考えになっているのか、この点を少しお聞かせいただきたいと思います。
#33
○参考人(佐野真理子君) 小学校の消費者教育、非常に重要でありまして、私どももできるだけ小学校に行っていろいろな環境教育などをしたいと思っていますが、なかなか小学校に入るというのは非常に難しく、いろいろな事件がある中で更に難しくなっておりますので、やっぱり小学校に、もちろん小学校の先生が消費者教育をするということもありますが、私たちのような消費者団体又は相談員の方々がその現場に行って教育をするという形も取れるのではないかなというふうに思っております。
 消費者目線というのは、やはり何事も透明性を確保すること、それから情報をできるだけ開示すること、それが主な消費者目線を取り入れることだと思っておりますので、やっぱりその辺も考えながら子供たちに教育をしていくという一端を私たちが担えればまたうれしいことだと思っております。
#34
○山本博司君 ありがとうございます。
 石戸谷参考人にお聞きしたいと思います。
 消費者庁、消費者のための行政のためにということでの視点でございますけれども、その消費者基本法の消費者政策会議の見直しが必要であると、こういう御指摘がございますけれども、具体的にどのような形での御指摘をされているのか、御見解をお聞きしたいと思います。
#35
○参考人(石戸谷豊君) 消費者基本法の元は一九六八年の消費者保護基本法でありまして、そのころは一元的に消費者行政担当する部門がないので省庁が縦割りでやるということを大前提としておりまして、それを持ち寄るというのが消費者保護会議というものだったんですけれども、これが全然機能しないではないかということが二〇〇四年の消費者基本法のときに問題になりまして、そのときに消費者行政の一元化というテーマも一応あったんですけれども、それは今回に実現したということで、二〇〇四年のときはそこはちょっと踏み込めなかったと。
 しかし、余りにも消費者保護会議が機能しないので何らか手当てをしないといけないということで、消費者保護会議を消費者政策会議というふうに改めて、消費者基本計画というのを立てて、各省庁が何をやるかというのを企画審議して、実施して、検証して、評価して、監視するというふうな仕組みにしたのが消費者政策会議なんですね。あくまでも、ですので縦割りが大前提なんですよ。
 ところが、今回、この消費者行政一元化で消費者庁と消費者委員会ができたわけですので、当然、消費者行政を一元的に展開する上でもそこを起点にしてやるべきではないかということがありまして、日弁連のパンフレットでも消費者基本法の消費者政策会議の見直しというのをうたっているわけなんですね。
 消費者基本法は第三章に行政機関というのを設けておりますけれども、その中に、消費者センターは二十五条で入れたんですけれども、当然ながらほかの行政機関については何もありませんで、消費者基本法でありながら消費者庁だとか消費者委員会について全く何の言及もないというのもちょっと不自然でありますし、その辺を含めて、やはり消費者庁と消費者政策委員会を縦割りの中にぽんと一つつくって、あとはそのままというのではなくて、横断的なものをつくったことによっていろんな部分が化学変化を起こしながら全体として消費者のための行政に大転換していくというふうな考え方でこのようなパンフレットの作りになっております。
#36
○山本博司君 ありがとうございました。
 三人にお聞きをしたいと思います。
 今回、消費者庁、新しく設置をしていくということで、やはりそこに集う公務員一人一人の意識改革、これが大変重要になってくると思います。そういう意味では、三人の皆様はこの公務員の意識改革という点をどのように期待をされているのか、また、このような形でやってほしいということも含めて、お聞かせをいただきたいと思います。
#37
○参考人(阿南久君) 本当におっしゃるとおりでございまして、意識改革というのはとても難しいことなんだなとして思います。
 やっぱりこれも消費者が、何というか、国民がというんですかね、消費者が直接、何というか、話すというか議論できるというふうな場がないことが、また現場に基づかない官僚体制を育てていくというふうなことになってしまうんですよね。
 ですから、私は、消団連の会議には時々、問題が起こるたびに、経済産業省ですとか農水省ですとか厚生労働省ですとか来ていただくんですね、どういうことなんだと。やっぱりその中で、いろいろやり取りする中で、消費者が素朴に率直に意見を言い合うという場にどんどん公務員の方たちが出てくるということがやっぱり重要なのかな、その中でやっぱり鍛えられていくのではないかなと思っております。
#38
○参考人(佐野真理子君) 職員の意識改革、非常に難しいテーマではありますが、やはり阿南さんと同じように、常に会話をしていくということが非常に大切だと思っています。
 現在でもいろいろな省庁の職員の方と意見交換などをいたしますが、初めて消費者団体の人と意見交換をすると非常にずれているんですよね。それが何回かやっていくうちにやっぱり消費者が何を考えているかという理解をしてくる。それによってやっぱり意識はどんどん変わってきます。
 ですから、やっぱりそういう機会をできるだけ増やす。多分、消費者委員会も一つの大きな役割であって、そこも消費者庁の職員と話をしていくということもあるのではないかなと思います。
#39
○参考人(石戸谷豊君) 大変重要な点だと思います。
 それで、意識というものは、それ自体として急に変わるということは通常なかなかあり得ないので、当然ながら制度でありますとか理論的枠組みの変革と同時に、あるいは伴って変わっていくものだというふうに思っております。
 今回、消費者庁と消費者委員会が制度としてできまして、衆参両院を通じて審議をずっと可能な限り傍聴させていただきましたけれども、全党、行政を消費者のため、生活者のために大転換するんだということを出していただいて大変感動しておる次第です。そういう意味では、制度の変革を伴いながら意識も転換していくんだなというのを実感しておりまして、理論的な枠組みといいますかバックグラウンドの整備の方についてもできるだけ、実務的な面含めまして、日弁連の方としてもバックアップしていきたいと思っております。
#40
○山本博司君 大変貴重なお話、ありがとうございました。
 以上で終わります。
#41
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 今日の参考人の方々はまさに消費者庁をつくる運動の先頭に立ってこられた方でございまして、ここまでこぎ着けた皆様の粘り強い運動にまず心から敬意を表したいというふうに思います。
 ただ、皆さんの率直なお気持ちは、今日も朝、宣伝やられていましたけど、衆議院で画期的な全会一致の修正が行われたと、参議院ではもうできるだけ早く確実に通してほしいというのが率直なお気持ちだというふうに思います。私も、もう長々議論する必要はないと。ただ、参議院はどちらかというと衆議院よりもレベルの高い議論をしてきたところでございますので、抜けているところをしっかりはめ込んで確実に通していけばいいかなと思っているところでございます。
 ただ、今日お伺いすると相当いろんな御要望とか意見が出ておりますけれども、これ全部取り込むとまだ二、三か月審議しなきゃいけないことになっちゃいますよね。そういう点でいきますと、少しもう時間的に考えますと、消費者庁が発足してから走りながら考えればいいことと、あるいは次の見直し、できるだけ早くというのもありますが、法改正を含めて次の見直しでやることと、それとまさにこの参議院のあと何回かの審議の中でしっかりとはめ込むべきこととあると思うんですね。
 そういう点で、どうしてもこの参議院の審議の中ではっきりと、政省令できちっと入れるとか附帯決議に入れるとか、あるいは質疑で明らかにするとか、どうしても一つだけ、これだけはということをそれぞれ参考人の三人の方々、これだけはという、一つずつお話をいただければと思います。
#42
○参考人(阿南久君) 一つだけでしょうか。
 そうしましたら、地方自治体におけます相談体制の強化で今の補正予算で人件費の支援策というのが決められていますけれども、そこの辺は明確にできるだけ早くしていただきたいとして思います。
#43
○参考人(佐野真理子君) 私は、先ほどの意見でも述べましたように情報の一元化をどうするか。事故情報の場合でも、今検討されている真っ最中ではありますが、どうやったら事故を未然に防止できるかということを頭に入れながら、どうやって情報を収集できるか、するか、そしてその情報をどういう形で消費者に届けるかという、そこのところをきちんとしていただきたいと思います。
#44
○参考人(石戸谷豊君) どうしてもという点についてということであれば、先ほど申しましたようなことで事務局体制を是非ということに尽きるわけでありますけれども、これは一つということでありますと先ほど述べたので一つには入らないということで、もう一つだけ。
 地方消費者行政の充実のところで、ここは審議を通じてずっと動いてきている部分だと思います。百十億が上乗せになってきたということ、大変充実してきたと思っておりますけれども、要綱を新しくするという点については是非、要綱自体は二十一年度補正が通ってから公表するというふうにおっしゃっているので、細かいところはいいんですけれども、基本的な骨組みの部分については是非この委員会の方に出していただければ、明らかにしていただければと思います。
 というのは、地方自治体、それぞれ事業計画を立てなきゃいけない、限られた時間の中でいろいろやっているわけでありまして、元の基金について事業計画を詰めて六月議会ないし九月議会に補正予算案を議会に通してもらうという形のタイミングなんですが、それを見直すというわけですので、ちょっとここが早いタイミングで明らかにならないとそれぞれの自治体の方の準備が追い付かないということがありますので、是非この点については、骨格については明らかにしていただければと思います。
#45
○大門実紀史君 ありがとうございました。既に一通り議論がありましたけれども、その辺が中心になっているようでございます。
 私、秋なり年内に消費者庁が発足して最初に国民からその真価が問われるといいますか、最初に問われるとしたら、組織論云々よりも具体的に事故が起きたときの対応ではないかなと。組織論とか一元化といったって普通の国民はよく分からないですよね。具体的に事故が起きたときに、消費者庁ができて何をやったのか、各省庁もどう動いたのかと、こういうことが問われるんじゃないかと思います。
 そういう試練を乗り越えながらだんだん消費者庁が形になっていくのかも分かりませんが、人の命にかかわることだけは消費者庁が発足したらもう絶対に未然に防がなきゃいけないということが重要だと思います。
 そういう点で一番心配なのは、この間も質問でも取り上げているんですけれども、事故調査と犯罪捜査との関係とか各省庁の事故報告制度の不十分さとか情報の共有化とか、佐野さんおっしゃったとおりなんですけれども、むしろ、消費者庁は発足したら一定頑張ると思うんですけれども、各省庁が本当に変わるのかというところが非常に心配なわけでございます。
 その点で、阿南参考人の資料を読ませてもらって重要だなと思ったのが、七ページにありますけれども、各省庁における消費者視点の強化ということで、要するに各省庁の中のそういう消費者政策のセクション、ここをもっと強化しなきゃいけない、あるいは、ないところにはつくらなきゃいけないというようなことをおよそおっしゃっているんだと思いますけれども、この辺のところをもう少し詳しく、なぜそこが重要なのか、お話しいただければと思います。
#46
○参考人(阿南久君) 先ほど事故米の問題で農水省のことを申し上げましたけれども、やっぱり、農水省の中には消費・安全局という消費者問題をちゃんときちんと考えるところがあったにもかかわらず、農水省内部の縦割りが、部局間の縦割りが続いていて、あれがきちんと全体として語られなかったということでありますよね。
 ですから、やっぱり本当に各省庁に横断的に考える、消費者目線で考えられるところというのか、あらゆる省庁の施策が本当に消費者のことを考えているか、安全に配慮がされているかというふうなことをチェックするという、そういう仕組みが絶対に必要だというふうにして思っています。それが消費者政策の専任セクションというふうに述べているものでありまして、現在は経済産業省の消費経済部、そして農水省の消費・安全局だけですね、明確にございますのは。
 ですから、消費者問題はもう多様ですよね、厚生労働省、あるいは国土交通省、まあ経済産業省はありますけれども。本当に各省庁に全部またがった問題が常に起こってきますので、本当に早急にそういう省庁の施策をチェックできるような消費者政策専任セクションというものを設ける必要があるなというふうにして思っています。
#47
○大門実紀史君 私も、消費者庁ができて消費者委員会が本当に頑張ったとしても、各省庁の中にそういうものがないと結局機能していかないまだ心配があるので、阿南参考人のこの提案は非常に重要だなと思ったところでございます。
 佐野参考人にも、この事故情報に関していい提案をされておりますのでお聞きしたいと思いますけれども、資料七ページに、先ほども少し御説明ございましたけど、事故情報に関する独立した調査機関が必要だと。これはもちろんいろんな形、考えられると思うんですけれども、主婦連としてはといいますか、佐野参考人としては、もう少し具体的にどういう形のものをお考えなのか、この独立した調査機関というのは、教えてもらえればと思います。
#48
○参考人(佐野真理子君) 独立した調査機関というのは、今問題になっているエレベーターで非常に苦労なさっております。消費者庁に独立した調査機関を設けまして、やっぱりいろんな事件、事故が起きたときにすぐ調査に入れる体制を取っておく。それで、多分、事故によって専門家は変わってきますので、そのたびに委員を選任して機動よくうまく動かしていくという、そういう形で消費者の事故を調査していく、そしてそれを契機に未然防止につなげていくという形になればいいと思っております。
#49
○大門実紀史君 石戸谷参考人に伺います。
 私が危惧するのは、消費者庁がとにかく早く確実にできてほしいわけですけれども、できた後、特に事故対応のときは一番問われると、そしてもう事故の対応は、横ぐしとかなんとか言っていないで、もう本当に横断的にというか一斉に対応をする必要があるという中で、質問でも取り上げた、先ほどもちょっとありましたけれども、今あります消費者政策会議、これは閣僚といっても実際には事務次官クラスが集まって、各省庁の、うまく機能すればよかったかも分かりませんが、私は逆にいろいろ足を引っ張ってきたなというふうに、いろいろ資料を全部調べて思ったりするわけです。
 今度の消費者庁できた場合でも、消費者委員会との関係も、消費者委員会の上にある、意見を聴くような存在ですし、基本計画はそこがまず作るとなっております。私はこれは要らないと。もしそういう消費者問題で何かあるなら閣議がありますし、閣議の前には事務次官の会議もやるわけですから、それで十分であって、基本計画を作るとか、基本に各省庁の次官クラスが寄せ集まって関与すべきじゃないというふうに思っているところですけれども、先ほどもうちょっとよく分からなかったんですが、日弁連として消費者政策会議、私はもうすぱっとない方が、なくした方がいいというふうに思いますけれども、もうちょっとすぱっと、いかがお考えですか。
#50
○参考人(石戸谷豊君) 日弁連の方としてどうすると結論を出しているわけじゃないので、これは個人的な意見になりますけれども、見直しの方向としては、消費者庁と消費者委員会が横断的に消費者問題全般を企画立案を担うわけですので、やはりそれがやりやすい形の方がいいんではないかというふうに思います。
 元々、この消費者政策会議は、検証、評価、監視をするというわけなんですけれども、それを全部消費者政策会議自体が企画立案、検証、評価、監視をするということで、ちょっと無理があると思うんですね、つくり方を、自分で企画立案して自分で評価、検証、監視という。だから、ちょっとそこの部分についても、もう監視役というのが、消費者庁があり消費者委員会ができているわけなので、方向性としてはそれを解消していくという方向でよいのではないかと、個人的にはそう思っております。
#51
○大門実紀史君 それでは、その消費者委員会の方についてお聞きしますけど、具体的な委員とか事務局の話がありましたけれども、具体的には、この法案が通った後発足までどうするかというと、内閣府の国民生活局が人選に入るわけですね。官僚の皆さんが、事務方の皆さんが人選に入って、決めるのは総理大臣とかありますけれども、人選に具体的に入るわけですね。私、民間登用といっても、必ずバランスを取って業界の方々も入ってくるんじゃないかと。私は別に入っちゃいけないと思いません。入っていい役割を果たしてもらう場合もあるので、それは否定しませんけど、どうしても官僚の皆さんの発想で人選をしてしまうというのはあると思うんですね。
 そういう点で、国会同意人事にすべきではないかというふうに最初から意見を持っておるんですけれども、この消費者委員会のメンバーですね、国会同意人事にすることについて、石戸谷さん、佐野さん、阿南さん、それぞれ一言ずつ意見をいただければと思います。
#52
○参考人(石戸谷豊君) 国会同意人事にするかどうかという点は消費者委員会の構成そのものに懸かってくると思うんです。非常に少人数にしてかつ専従でやるという構成にして組めば、非常に重要な役割を果たすということで、そういう方向もあろうかと思うんですけれども、今回は十人以内で構成されて常勤と非常勤をミックスしていくということになるので、ちょっとその点でどうかなと思います。
#53
○参考人(佐野真理子君) 私も同じような意見ですが、国会同意人事でもいいのかなとは思ってはいますけれども、十人の中の非常勤の場合にそこまで必要なのかというところが残っております。
#54
○参考人(阿南久君) 私は、やはり独立性を担保するということが重要だと思いますので、やはり国会同意人事とする必要があると言う人もいます。
#55
○大門実紀史君 ありがとうございました。終わります。
#56
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 今日は、消費者問題の経験、本当に豊かな三人の参考人の皆さんから貴重な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございました。皆さんとともに充実した審議をやって、できるだけ早くこの消費者庁関連三法案が成立することを願う立場から何点か質問をさせていただきたいと、こういうふうに思っています。
 最初に石戸谷参考人にお尋ねをしたいというふうに思いますが、私、前回、地方消費者行政の強力な後ろ盾という意味で、独立行政法人の国民生活センターをこれでいいのかという立場で質問をさせていただきました。石戸谷参考人の経歴を見ますと、国民生活センターのある部署にかかわっていた、こういう経験がおありだということが分かりましたのでお聞きするんですが、今回、政府も、国民生活センターに様々な仕事を与え、そして予算も従前の二・五倍に増やしたり、あるいはADRの業務も担ってもらったり、本当に期待するところ大だというふうに思うんだけれども、しかし、国民生活センターの人の体制が、つまり人数が全く基本的に増えていないと、そういう中で、いいんだろうかというふうな思いがございます。
 聞きますと、まあとにかく研修体制が物すごく強化されて人手不足で大変だという話も聞きますし、そもそも国民生活センターは、元の消費者保護基本法の枠組み、つまり縦割りで消費者行政をやっていたときにできたものであります。今回、こういう消費者庁構想ができると、もう一から組織の在り方を見直さなければ私ならないと、そういう時期に来ているんではないかというふうに思っておりますが、この消費者行政を推進するという立場で、国民生活センターをどういうふうにしたらいいのか、所見がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
#57
○参考人(石戸谷豊君) 国民生活センターについては、消費者問題の中で大変重要な機能を持っているということで、日弁連の方でも度々いろんな意見書で在り方を言及してきておりますし、単独の意見書も出しておりまして、シンポジウムなども開催してやってきました。
 やって機能の重要性を訴えてきているんですけれども、しかしながら、現状においては、審議の中でも、行革推進法だとか整理合理化計画の流れの中に独法の一つとして乗っているということは事実でありまして、そのために現実問題としては人が足りなくなっているということがあります。具体的には、新規養成講座の方に人を取られて、既存の相談員の人たち向けの研修が逆に減っていると。これは大変深刻な問題だと思っています。
 国民生活センターの在り方の見直しについては、設置法の附則の第三項で在り方についても検討するとなっているので、三年以内という期間も決まっていますし、それで結構だと思うんですけれども、ただし、三年の期間の間に活性化基金を使った強化策というのが行われてしまうわけですので、少なくとも、逆にその研修が減っているというふうな事態については緊急的な対応をお願いしたいというふうに思います。
 これは非常に重要なところでありまして、私も相模原の研修所で行う金融関係の法律の改正なんかの講義を受け持っているんですけれども、法律がどんどんどんどん改正されていきますので、新しい知識を入れないと的確な相談ができないんですね。特商法も割販法も今度改正されて施行されるということになってきますので。ですので、そこは相談業務にとって必要不可欠の部分であるので、そこは緊急の手当てをお願いしたいというふうに思います。
 一応、日弁連でもたくさん意見を出してきましたけれども、どうも、やっぱり最近としては、独法のままではいろんな縛りが掛かっていて難しいのではないか、組織自体も見直すべきだということに傾いておりますので、その方向でこの三年間の間に見直しを是非お願いしたいと思います。
#58
○近藤正道君 次に、佐野参考人にお尋ねをいたします。
 今日のお話の中では直接触れられなかったんですが、事前に私どもに配付されました資料を見ますと、佐野参考人、食品安全委員会は消費者庁の所管とすべきだという意見を公表されておりまして、消費者行政一般というよりも、この食品安全行政について、今回の言わば一連の消費者関連行政の改革について、少しこの点では御不満をまだお持ちなのかなというふうに思っておりますので、余り時間はございませんけれども、端的に、食品安全行政のことに絞ってちょっと問題点を御披露いただけますか。
#59
○参考人(佐野真理子君) 食品安全委員会については、おっしゃるとおり、消費者庁の中に入れてほしいという意見を申し上げてきました。というのも、食品安全委員会ができたときは、消費者は非常に期待しておりました。ところが、それなりのことをやってこられなかったという思いがありまして、今現在でも照射食品だとかいろいろなことを私ども調査したりして意見を申し上げているんですが、消費者安全委員会で取り上げられない方がいいというような意見が出るほどでありまして、実際には、委員会の事務局が厚生省、農水省の方々であるということで、やはりきちんとした判断ができていないのではないか。というのも、資料が結局は厚生省、農水省の資料であったりということで、独立性が担保されているといいながら、消費者にとって独立性が本当に担保されているんだろうかという疑問がありますし、そこには消費者の意見が一向に反映されないということもあります。
 それで、リスクコミュニケーションということを何回もやっておられるんですが、私たちにとっては食品安全委員会が決定したことを何か押し付けられているような、コミュニケーションというのは、やっぱり意見交換をしながら物を決めていくというふうに私たちは思っているのですが、何か、これを理解しなさい、こうですよと言われているようなところもありますので、やはり、消費者の意見が反映されないような委員会であるのならやっぱり消費者庁の中に入れて、消費者の目線で食品安全行政を行った方がいいというふうに考えております。
#60
○近藤正道君 ありがとうございました。
 阿南参考人にお尋ねをいたします。
 先ほど、冒頭に何点かお話をされました。それぞれごもっともな御指摘だというふうに思っておりますが、他のお二人と違って阿南参考人のお話の中で違法収益の剥奪のお話がございました。悪徳業者をあっせんに誘い込むということは極めて難しくて結局訴訟しかないという中で、そのやり得を許さないという意味では罰金に加えて課徴金の制度をやっぱりちゃんと導入すべきではないかと、こういうお話もございました。
 これは、これから二、三年、消費者委員会の中で議論されるわけでございますけれども、この課徴金の効用、これは是非やっぱり入れなければならないということについて少し敷衍してお話をいただければと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#61
○参考人(阿南久君) ありがとうございます。
 私は、訴訟、裁判をしてというふうなことも非常に重要で、今回民主党さんから提案されました消費者団体訴訟の中に損害賠償訴訟も入れようというふうなことも大変評価をしておりますし、ただその内容については、やはり十分に検討しないといけないというふうなことですので、それはもう十分な検討にお任せしたいというふうにして思っています。
 その課徴金のことですが、実は今の独占禁止法が、今回可決されましたけれども、昨年の国会に提出されたときには独占禁止法とともに景品表示法が一緒に提案をされていました。その改正の内容は、不当表示についても課徴金を課そうと。あれはたしか一億円以上の対象の商品で三%でしたかの課徴金を賦課して、そうした事業者がそういうふうな不当表示をしていくというふうなことを厳しくすることによって抑止力を持たせようというふうな提案がなされたんですけれども、景品表示法は、御存じのとおり、今度消費者庁が所管をすることになったということで、いったんその課徴金の制度については取下げになりましたが、やっぱりそれは、本当に、抑止力を持たせるというんですか、今でも非常に偽装表示ですとかそういうものが、詐欺まがいの悪質な表示偽装が続いておりますので、やっぱりそこについては、本当にそのもうけたお金を取り戻すというふうな、そういうふうな課徴金制度というのはやっぱり有効だと思うんですね。非常に抑止につながるというふうにして思っていますので、そういう仕組みも損害賠償制度とともに考えていく必要があるのではないかなと思って先ほど申し上げました。
#62
○近藤正道君 最後に三人の参考人の方にお尋ねしたいと思います。
 多分、年内、秋にも消費者庁はスタートすることになるんだろうというふうに思っています。そういう意味で、消費者政策委員会が消費者委員会に、まあ言わば名前を変えただけではなくて、中身も権限も大幅に強化をされて消費者庁と消費者委員会がまさに車の両輪としてある、私は本当に皆さんの主張がこの修正案の中に盛り込まれて本当に私はよかったというふうに思っています。
 ただ、今日皆さんからそれぞれお話あったけれども、消費者庁、消費者委員会は決まったけれども、実際これを動かしていくのはやっぱりそれは事務局ですよ。皆さん事務局長で、事務局の大切さというのはだれよりもよく分かっておられる。ここを早ければ秋までにちゃんとやっぱり体制を整えなければならない。これは基本的に民間で担うということなんですね。
 民間といいますと、私はやっぱり今日そこにおられるお三方が、まさにその事務局長をやっておられる皆さんのような人から出ていただきたいという思いは私なんかは非常に強い。しかし、それぞれ皆さんはみんな自前の重要な仕事を担っておられる。いざ、さあなっていただきたいといったときに、本当に能力があって、そして意欲があって、消費者問題について、そういう人たちが出てくるんだろうか。出てこなければ、結局またお役人か、あるいはお役人が少し形を変えたような人がまたみんななっていくのではないか、そんな不安があるんですけれども、どうなんですか。
 ここで民間でそういうところにちゃんと出ていって、日本の消費者行政を本当に一からつくっていく、そういうその気概のある人たちというのはこれから声掛けられたときに出るんだろうか、手を挙げて、よしなってやろうと。皆さん、どう思われますか。いざそうなったらしり込みをするんではないかというちょっと不安があるんだけれども、どうなんでしょうか。それぞれお一人ずつ、見通しと決意も含めてお聞かせをいただきたいと、こういうふうに思います。
#63
○参考人(阿南久君) そうですね、やっぱりそれは、消費者委員会を充実させて本当に強いものにしていくためには、やっぱりここは民間から出さなければいけないというふうにしては思います。ですから、声が掛けられたら断るわけにはいかないなというふうにして思っておりますし、そうすることが私たち消費者団体の役割でもあるしというふうにして思っております。
#64
○参考人(佐野真理子君) 大変な問題だと思っております。実際に民間でやるには非常に苦労が多いことだとも思っております。
 それで、是非現場の感覚を持った人たちに集まっていただきたいと。事務局であれ委員であれ、なった方には、是非現場との、断絶しないで、常に連絡を取り合いしながら事務局を担ったり委員になっていただきたいと思います。
 やはり声を掛けられたら、主婦連の中からでも何人か出せればいいなというふうには思っておりますが、そのときにまた内部でじっくり考えて、できるだけ合った人材を出していきたいというふうに考えております。
#65
○参考人(石戸谷豊君) その点につきましては全く御心配要りません。日弁連の方は、構想だけ言っているわけではありませんで、それをどうやって実際担ってやっていくかという点について当然考えております。日弁連は人材豊富でありますので、各分野からエキスパートを出したいと思っています。人を出していくというのも事務局長の役目でありますので、御心配なく。
#66
○近藤正道君 ありがとうございました。
 皆さんの前向きな御答弁を聞かせていただいて大変安心をいたしました。できるだけ早くこの制度をスタートさせて、いいものとしてやっぱりやっていきたいと。そういう意味では皆さんの役割は極めて大きいわけでございますので、今日は、発言するだけじゃなくて、是非この後のフォローもお願いをしたいと要望を申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#67
○松下新平君 改革クラブの松下新平です。本日最後の質疑者となります。もうしばらくお付き合いをよろしくお願いいたします。
 皆さんにおかれましては、国民生活の最も身近な、あるときには命にかかわる問題を本当に献身的に取り組まれていることに敬意を表したいと思います。また、それぞれ、それぞれの団体の事務局長ということで、実務のかなめとして日ごろからお取組をいただいておりますが、本日はその実務の中からもう切実な問題点も数々提言をしていただきまして、大変参考になりました。ありがとうございます。
 私からは、皆さんそれぞれに時間の限りお聞きしたいと思っておりますけれども、今日議題といいますか問題提起をしていただきました消費者委員会、この事務局体制について再度皆さんの御意見をお伺いしたいというふうに思っております。
 衆議院の議論を経て、いよいよもう参議院で最後の詰めの段階であるわけですけれども、この事務局体制は、お話がありましたとおり、これをうやむやにして出発していくわけにはいきませんし、魂を入れるのは我々この特別委員会の与野党を問わず共有する意識でもあったと思いますので、私たちもこれからまた政府とのいろいろ審議の場がありますので、できたらこの参議院の特別委員会において決着をしていきたいというふうに思っておりますが、再度、この消費者委員会、そして事務局体制に対する皆さんのそれぞれの御意見をお伺いしたいと思っております。
#68
○参考人(阿南久君) 本当におっしゃるとおり、事務局体制をどう整備するのかということが消費者委員会の存亡にかかわっているというんですか、働き方にかかわっていることですので、是非是非そこのところははっきりしていただきたいというふうにして思っております。
 できるだけ民間から心ある人たちに来ていただいて、そしてある程度の一定の規模、ばかにされない規模というんですか、で消費者委員会を強力に推進していくと。消費者委員会には五つの部会が想定されておりますけれども、そこの事務なども担いながら、各所から情報を集めて、そこの機能、監視機能をうんと強化していく、それで支えていくというふうなことをやっていただきたいなというふうにして思っております。
#69
○参考人(佐野真理子君) 消費者委員会は消費者庁を監視するということで、消費者庁が持っている情報より更に上を行かないと監視というのはなかなかできないと。ということは、それなりのやっぱり事務局体制が必要だと思っています。事務局体制、一体何人かというのはやっぱりなかなか難しいことで、これからきちんとこれだけの機能に対応できる人たちをどのくらい必要なのかということを精査していかなければならないと思っています。
 消費者委員会が成功しないと、消費者庁もどうなるのか、やっぱり危ぶまれますし、消費者からの信頼が失われてしまいます。ですから、消費者委員会をいかに機能させるか。先ほどの、私たちも委員になれみたいな、事務局になれと、決意表明をしろとおっしゃいましたが、そのくらいの気持ちで、やはり成功させる、それによって消費者が安心な生活を望めるということにつながりますので、その点をじっくり考えながらいきたいと思っています。
#70
○参考人(石戸谷豊君) この点につきましては、超党派の合意の中でも重視されていることだと思います。附帯決議の八項で事務局についてもきちっと手当てというかされています。その具体化の問題だと思います。
 それで、一つ一つの中身が大変広範囲であるということを是非お考えいただければと思うんです。例えば、地方消費者行政への関係につきましては、設置法の附則の四項で、三年以内に、消費生活センターの法制上の位置並びに適正な配置、人数の確保、消費生活相談員の処遇の改善その他の地方公共団体の消費者政策の実施に対し国が行う支援の在り方について所要の法改正を含む全般的な検討を加え、必要な措置を講ずるとありまして、この一項目だけでも大変に広範囲なんですね。国の事務であるか自治事務であるかという点も含めて様々な議論が行われてきましたし、それと財政との関係についても大変白熱した議論がありました。
 それで、各地にどういう配置をすべきかという問題も、一口で言うと画一的になりがちでありますけれども、これも地方において実情が様々でありまして、一律にはいかないところもあるので、これを具体的に工程表を含めてとなるとかなり大変な作業だと思います。
 例えば、私のところは神奈川ですけれども、神奈川の中には政令市が二つありまして、九百万の人口のうち五百万が政令市でありますので、県よりも政令市の方が多いわけですね。なおかつ、政令市でないところでも相模原のように政令市に匹敵するというか手を挙げているところがありまして、そういうところはほかの県と同等の人口を抱えているということが実態としてはあります。
 ですので、都道府県がこうとか一律ではいかないんですね、地方、地方の。その全体を気配りして適正な配置であるとか云々を考えるというのは、この一項目自体でも極めて大変な作業でありまして、そこのところを、何というんですかね、十分御考慮いただいて体制の整備をお願いしたいと思います。
#71
○松下新平君 ありがとうございました。
 この消費者委員会の事務局の体制の重要性については委員の皆さんも共有できたと思います。直ちに取りかからないと間に合わないということもあったんじゃないかと思いますけれども、またこの委員会でも議論を深めてまいりたいと思います。
 次に、消費者教育問題について一点御意見をいただきたいと思っております。
 先ほど山本委員からは小学生の教育の重要性について御指摘がなされ、それぞれ御意見をいただいたんですけれども、私は高齢者の皆さんに対する消費者教育についてお伺いしたいと思います。
 先ほど意見発表の中で、不当な契約金の被害額、三兆円を超える、皆さん、国民生活白書から紹介をしていただきましたけれども、未遂を入れるとこの何十倍にも膨れ上がりますし、この被害者の多くはやっぱり高齢者の皆さんであるという実態をしまして、この高齢者の皆さんの消費者教育というのが重要になってくると思いますけれども、また、皆さんそれぞれお取り組みの中で、これまで御苦労もあったと思いますけれども、その高齢者の教育の重要性についてお伺いしたいと思っております。
#72
○参考人(阿南久君) ありがとうございます。
 本当にそのとおりで、高齢者被害は当然、相談件数が百十万件と言われておりますけれども、そのうちの約一割が高齢者の相談ということでありまして、大変深刻な問題であります。行政の方も自治会を通じて回覧板で訴えたり、あるいは有線放送で情報提供したりというふうなことを必死の取組をしておりますけれども、なかなかこれが悪質な事業者は擦り抜けていってしまうわけですね。ですから、私はやっぱり必死になってこれは取り組まなきゃいけないなと思っておりますが、私たち消費者団体の活動の中ではそういったことも一つの大きなテーマにしております。
 地域で、様々な場で、例えば高齢者の触れ合いの会を、サロンをやったときにはそうした情報を出すとか、それと、いろんなグループは機関誌で、こんな今被害が広がっているのだけれども、こんな経験ありませんかとかといったような、そういうふうにして気付きを引き出していくような、そうした情報活動ですとかお茶会ですとかというふうなことを重視して取り組んでいるわけですね。
 ですから、そこをやっぱりやっていかないと、消費者自身が、気付いた消費者自身が口コミで高齢者とつながって、気を付けようよと言っていくことが私は一番力になると思うんですね。ですから、私たち消費者団体の役割としても、そうした地域での被害をできるだけ少なくするというふうな取組をこれからも強めていきたいというふうにして思っております。
#73
○参考人(佐野真理子君) 高齢者に対する消費者教育というか、まあ消費者啓発になるんですけれども、これは非常に重要で、まさに網の目のような形でどんどんやっていかなければならないと思っています。
 それで、各自治体が、それぞれのやはり地域によっては特徴があると思いますので、その辺りをきちんと今度できます消費生活センターの大きな役割、消費者行政の一つの役割であると思っています。消費者団体はもちろんのこと、相談員の方々、それから高齢者の施設で働いている方々にもきちんと学んでいただいて、それを高齢者に伝えていくという形がいいのかなと。あとは、回覧板の活用。本当に近所の方々と一緒にやっていかないと、やはり高齢者はどこでも孤立しつつあるということがよく言われています。一人で住んでいる高齢者の方々にもやはりこういう情報を伝えていく、その伝え方、それも新しい消費者庁の大きな役割で、一番最初に申しましたように、広報の在り方に着くと思うのですね。これも広報、いわゆる啓発、それと同じように、やっぱり一人一人に届くような形で活動、私たちはもちろんのこと、消費者庁、消費者委員会、一緒になってやらなければならないことだと思っています。
#74
○参考人(石戸谷豊君) 高齢者の場合には、元々、消費者教育というのが受けていない方々でありまして、ですので、何十年にもわたってこつこつ働いてきた退職金を悪徳商法に引っかかって一瞬のうちに失ってしまうという胸の痛い被害が大変多いわけであります。ですので、そういった意味からしますと、消費者教育、高齢者に特化した対策というのも考えなきゃいかぬということになると思います。
 しかし、他方、いろいろ実務をやっていますと、これ以上ないというキャリアの方々も、高齢、年とともにやはり判断力その他が衰えてきて、それでやはり何か深刻な被害に遭われてしまうということがありまして、そこはちょっと消費者教育ということの限界みたいなものというのも現実問題としてあるわけですので、そうしますと、やはり消費者教育ということだけではなくて、他の部門、介護であるとか福祉であるとか、その辺とセットになって総合的な対応を取らないと、この教育という面だけからではちょっと対応できない事態というのも大変多いと思っています。
#75
○松下新平君 ありがとうございました。
 先ほど、つながりであるとか助け合いの精神のお話もされましたけれども、まさに今、御指摘のとおり、総合的に高齢者を守り、そして一緒に生活していくというのが重要だと思っております。ありがとうございました。
 もう時間が参りましたので、最後、意見を述べて終わりたいと思います。
 情報公開の在り方についてなんですけれども、先ほど公務員の意識改革という点で指摘されました。同様の意見なんですけれども、私も農林水産とか経済産業委員会でいろいろ議論する中で、どうしても企業とか役所側の隠ぺい体質、それによって被害が拡大していったという経緯、これをしっかりメスを入れるのが消費者庁の役割だと考えておりますけれども、やっぱりこのバランスですよね、これがすごい難しいなと思うんですけれども、この情報社会の中でこの風評被害というのは、もちろんゼロにするのが望ましいんですけれども、なかなかゼロには難しいと。そういう意味では、徹底した情報公開、そして消費者教育によって理解を深めて、みんなが冷静に判断するということが重要だと思っております。
 そういった意味で皆さんのそれぞれの団体の活動に期待することが大でありますので、今後とも、御努力、御尽力をよろしくお願いしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#76
○委員長(草川昭三君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。どうも本当にありがとうございました。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後零時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト