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2009/04/15 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 少子高齢化・共生社会に関する調査会 第5号
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2009/04/15 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 少子高齢化・共生社会に関する調査会 第5号

#1
第171回国会 少子高齢化・共生社会に関する調査会 第5号
平成二十一年四月十五日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月八日
    辞任         補欠選任
     姫井由美子君     松浦 大悟君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     千葉 景子君     牧山ひろえ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         田名部匡省君
    理 事
                相原久美子君
                下田 敦子君
                羽田雄一郎君
                岡田  広君
                南野知惠子君
                鰐淵 洋子君
    委 員
                梅村  聡君
                岡崎トミ子君
                神本美恵子君
                那谷屋正義君
                牧山ひろえ君
                松浦 大悟君
                柳田  稔君
                石井みどり君
                礒崎 陽輔君
                塚田 一郎君
                古川 俊治君
                義家 弘介君
                浮島とも子君
                紙  智子君
                福島みずほ君
                松下 新平君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        藤川 哲史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○少子高齢化・共生社会に関する調査
 (「コミュニティの再生」のうち地域コミュニ
 ティの再生)
    ─────────────
#2
○会長(田名部匡省君) ただいまから少子高齢化・共生社会に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、姫井由美子君及び千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として松浦大悟君及び牧山ひろえ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(田名部匡省君) 少子高齢化・共生社会に関する調査を議題といたします。
 本日は、「コミュニティの再生」のうち、「地域コミュニティの再生」について委員各位の御意見を伺いたいと存じます。
 議事の進め方でございますが、まず各会派からそれぞれ十分程度で御意見をお述べいただいた後、お手元に配付いたしました論点を中心に委員相互間で自由に意見交換を行っていただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、御意見のある方は順次御発言願います。
#4
○相原久美子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の相原久美子でございます。
 地域コミュニティーの再生、今年の一月より少子高齢化・共生社会調査会で議論をされてまいりました。様々なコミュニティー活動をされている参考人の方たちより御意見をいただきましたり、それからまた、この調査会で滋賀県におきまして実態調査もしたところでございます。
 会派で合議を得たものではないのですが、それらの観点より意見を申し上げたいと思います。
 過去、日本において、町内会それから自治会、商店会、父兄会等々、様々な形で行政のすき間を埋めると、住民により近い場から地域を見守り、助け合い、防火、防犯の役割を担うという形で地域コミュニティーが存在していたのではないかと思います。
 ただしかし、残念ながら、時代の変遷とともに、家族形態の変化、それから地方間による年齢構成の変化、町の中心である商店街の崩壊等々とともに既存の地域コミュニティーというのは成り立たなくなってきたのではないかと思います。
 今回の議論、そして参考人の意見、視察等々で見えてきましたことは、地域コミュニティーというのは、少子高齢化社会の中での助け合い、活動を通した生きがい、そして地域防犯、防災への対応等々、様々な力を持っているという観点から、改めてその必要性が求められている、そのように思います。
 また、今回感じましたことは、新たなコミュニティーの形成が様々な地域で取り組まれているということも認識をさせられました。しかし、その取組というのはまだまだ全体化していないことと、それと視察等々で非常に感じたことですが、継続をさせていくための課題があるということも認識いたしました。
 住民参加の住民自治を広げるために政治というのが法的に地域コミュニティーを再生させることは困難ではあるものの、政治が行政、NPO、NGOの活動のすき間を埋めるこれらの活動をサポートする体制づくり、それの一助になるのではないかと思います。地域コミュニティーの再生を図り、安心、安全の地域を創造するか、本委員会の結論を導き出すには、いただきました様々の課題で少し議論ができるのではないかと思います。
 ちなみに私、先日、消防庁とのヒアリングの中で、今消防団の方のなり手が非常にいないというようなお話を伺いまして、これもまた一つの地域コミュニティーのある意味での崩壊に近いものかなと。ただ、少しの救いがあるとすれば、女性がこの消防団に随分と入り出したというようなお話も伺いまして、その意味でもまた新たな形でのサポート等々を考えていかなければならないのかなというふうに思いました。
 参考人の皆さんからいただきました都市と地方の課題の違い、そして地域条件の違い、継続させるための課題、行政のバックアップの在り方、そしてまた時代のニーズに対応するという様々な課題を、皆さんからまた今日意見をいただきながら、是非とも良い結論が生み出せるように進めていきたいなというふうに思っております。
 余り大きな形では申せませんでしたけれども、今回の中で議論をいただきましたこの結論が、是非地域コミュニティーを再生するためのサポートになれる形で、この調査会が何らかの形で発信していけるようにまた皆様から御意見をいただければと思います。
 以上で発言を終わります。
#5
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
 少子高齢化の急速な進展の中で、地方自治体の共同体としての機能の維持に困難が生じるとされるいわゆる限界自治体が進むという、そういう環境の中で、この地域コミュニティーの活力維持に係る問題というのは、今後、都市部も含め全国的に深刻化することが予想されると思われます。そういう中で、この地域コミュニティー再生については、地域別に見ても地方と都市部では事情が異なりますし、また福祉、医療、コミュニティービジネス、地域内共助といった項目別に見ても様々な問題があります。
 以下、それらの課題及び対応について意見を述べさせていただきます。
 まず、地域の現状及び取組についてであります。
 第一に、地域コミュニティーの再生に当たっては、気候風土、伝統文化、産業を含む生活様式等、地域の多様性に着目することが重要であり、それぞれの地域の課題に対応した地域振興策が策定されるべきであると思います。
 ごみ処理、今お話がありました消防等、広域で対応すべき施策と地域独自の施策の組合せを考える必要があります。地域独自の取組が必要な場面では、全国画一的な施策にとらわれず、地域の実情に即し、住民のニーズに合った施策を展開すべきであります。好事例としましては、長野県栄村の田直し、道直し、げたばきヘルパーに見られるような住民と行政の協働関係を深化させることも重要であると思います。
 第二に、高齢者が生涯現役で働くことができる環境整備というのが重要だと思います。
 高齢者が働く場を持つことで社会への貢献、生きがいの享受が可能となり、孤独感からの解放、健康面での改善が期待でき、あるいはまた高齢化に伴う医療、介護に係る地域負担増の抑制にも寄与すると思っております。高齢者の就業機会確保は、地方のみならず、団塊世代が多く住む都市部における課題であるとも言えると思います。
 第三に、都市と地方の連携を視野に入れた施策の展開であります。
 高齢化、過疎化に伴う農山漁村における担い手不足問題に対処するため、都市との連携、交流、外部人材の導入を積極的に図ることも大事だと思っております。存続の危機にある中山間の集落の再生に取り組んでいる全国水源の里連絡協議会の活動に見られるように、中山間地域の活性化に都市の協力を求めることや、都市住民に農村の暮らしや農作業体験等を提供することで子供が豊かに育つ手助けをすること等、都市と農村の交流の活発化、連携の強化が期待されるところであります。
 次に、都市におけるコミュニティーの問題点についてであります。
 第一としましては、低廉な賃貸住宅の確保等、高齢者の住への配慮が必要だと思います。
 高齢者の生活の自立において住宅の占める割合は大きく、特に賃貸住宅に居住する高齢者にとって家賃が大きな負担となっています。今後は、賃貸住宅に居住する高齢単身者が増加することから、公共賃貸住宅等の一層の供給促進、家賃助成の拡充等の施策も求められてくると思います。また、従来、家族が担ってきた介護機能の低下への懸念から介護の社会化が求められますが、その際、地域包括支援センターの機能強化も必要であると思います。
 第二に、在宅医療を促進するための環境整備です。
 高齢者率が高い広島県の尾道市において、患者、家族、主治医、看護師、ケアマネジャーが密接に連携をし、入院、リハビリ、在宅での療養、看護が切れ目なく行われていますが、在宅医療の推進のため、開業医と急性期病院との連携を図って、多職種が協働して医療、介護を包括的に提供する体制整備を行うべきであると思います。特に、多職種連携による医療システムに対する診療報酬については、その実現に向けての政策誘導も検討されるべきであると思います。
 第三に、コミュニティーの再生を担うリーダーの育成であります。
 高齢化対策、地域振興を担うNPO等において、地域を担うリーダーとしての人材の確保が重要な課題であります。人材を育成するためには、地域外の人材の参加を求めるとともに、有為な人材に適切な報酬が支払われることが望ましく、国、地方公共団体は、人材の育成をより積極的に支援する仕組みを構築する必要があります。
 それと同時に、コミュニティー再生に取り組む主体への組織面、資金面での配慮も必要であると、そう思っています。今後、地方公共団体の財政悪化が予測されるわけでありますけれども、民間資金を地域振興に効果的に呼び込むための枠組みづくりも求められていくと思います。
 最後に、地域コミュニティーの活性化と経済的自立についてであります。
 その第一として、地産地消運動の拡大であります。
 将来の食の安全をも視野に入れた農業の採算性の確保施策が望まれ、その一つが地産地消であり、大きな可能性を持つ地産地消を推進する取組に対しては、国による顕彰等を通じ広く国民に認識されるようにするとともに、フードマイレージ減税、地産地消減税等、税制面での優遇措置により支援していくことも望まれるところであります。
 第二に、農村女性の経済的自立です。
 滋賀県の調査でも再認識をさせていただきましたが、女性の社会参画の拡大に加えて、農家所得の増加にとりましても大変有効であると思います。このような試みは我が国の各地で生まれておりますけれども、周囲の無理解や初期資本の不足によってなかなか十分な効果を上げていない例もあり、また、成功している事例においても、メンバーの高齢化あるいは競合相手の参入等により事業の維持が難しくなっている事例も勉強させていただきました。これらの事業の円滑な運営に資するため、各種融資、事業化に対する人的、物的支援が求められております。
 第三に、農業経営の経営規模拡大に当たっての中山間地域への配慮であります。
 現在、農業経営の安定を目的として品目横断的経営安定対策等、一定面積以上の認定農業者、集落営農を対象とした施策が行われていますが、集落の農地面積が少ない中で地域の食文化を担ってきた中山間地域等の役割を踏まえ、農地面積の特例要件の柔軟な適用等を講じるべきであると思います。
 第四に、地域ブランドの育成です。
 現在でも新たに人口が流入してくる地方が存在しているわけですけれども、その共通の特徴としては、地域の生活文化に支えられた当該地域でしか生産できないハイセンスかつ少量生産、高単価の地域ブランドを持っていることだと思います。そのような産品を開発し、生産と流通を軌道に乗せるための機関、人材の育成が急務であると思います。
 以上が、地域コミュニティーの再生に向けての課題及びその対応の方向付けであります。
 今後、それらの課題の幾つかでも解決をされ、対応策が実現されることで地域コミュニティーが活性化し、人々の生活に生きがいと潤いが一層増進されることを期待しまして、意見表明といたします。
 以上です。
#6
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
 本調査会におきまして、コミュニティーの再生につきまして参考人の皆様より貴重な御意見等を伺い、また滋賀県へ委員派遣を行いました。大変有意義な調査を行うことができましたことに、この場をお借りいたしまして、田名部会長を始め関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。大変にありがとうございました。
 人口減少社会が到来した我が国にとって、一人一人の果たすべき役割が大きくなっており、個人の能力や意欲を十分に引き出し、それぞれの立場で生き生きと活躍できる社会を実現することが重要であると思います。そして、一人一人が生きていく上で基盤となるのが地域コミュニティーであり、世代を超えて生活の質が維持向上され、また、どこでもだれでも自分らしく暮らせる環境づくり、人と社会のつながりを大切にする共生社会の実現が求められていると思います。
 今国会、本調査会におきまして、今後の地域づくり、国づくりにかかわる重要なテーマであるコミュニティーの再生について、少子高齢化、人口減少という避けることのできない課題を抱える中で、地域コミュニティーの再生、活性化を図るためには何が課題なのか、何が重要なのかなど、参考人の皆さんから多岐にわたり御意見を伺い、大変有意義な調査を行うことができました。
 本日は、参考人の皆さんの御意見や滋賀県での視察を通しまして、三点にわたり意見をまとめて申し上げたいと思います。
 まず一点目でございますが、地域コミュニティーの再生、活性化には女性と高齢者の役割、働き方が重要になってくるということです。
 滋賀県で視察をいたしました万葉の郷ぬかづかは、女性を中心に地元の食材を使った米粉パンやお菓子などを製造し、これらの商品とともに地元で取れた伝承野菜も販売をしておりました。そのほか、地域の皆さんと米作り自然体験交流等を展開されており、この地域への訪問者が増えているということでございました。
 また、前回の調査会におきまして、陽気な母さんの店友の会副会長の石垣参考人からも取組をお伺いいたしましたが、地域の女性農業者たちが出資をして農産物直売所を立ち上げ、年々販売額を伸ばしており、利用者の七割が地元の方で大変に喜ばれている、そのほか学校給食にも食材を提供しているという御報告がございました。
 また、福祉亭理事長の元山さんは、地域において急速に高齢化が進む中で、高齢者の居場所づくりを主な業務としてボランティアで運営を展開されており、そのボランティアも高齢者が多いということでございました。
 それぞれのその地域地域で抱えていらっしゃる課題は様々でございましたが、女性と高齢者を中心に、地域住民がその地域の特色を生かしながらすばらしい活動を展開されていらっしゃいました。
 また、藻谷参考人からも、高齢者の方が生きがいを追求していただき、それでお金を使っていただくことによって若い人の雇用が生まれるというのが一番いい形態であると思う、また、高齢社会が進み現役世代が減少する中で女性の就労促進が極めて重要である、そういった趣旨の御意見がございましたが、コミュニティーの再生に取り組むに当たり、地域によって具体的な取組は違ってまいりますが、女性と高齢者の社会参加、就労促進が一つの重要なポイントであり、その促進のための支援、環境整備を推進しなければならないと思いました。
 女性の就労を促進させるためには、藻谷参考人の御意見にもございました、また以前からの課題でもございますが、女性が働くこと、社会参加をすることがすばらしいことでありメリットがあるということ、その認識を家庭、地域、職場におきましてしっかりと持っていただくということが重要であると思います。引き続き、国、地方自治体、地域そして企業におきまして、意識を喚起するための具体的取組が必要であると思いました。
 そのほか、特に都市部の課題といたしまして、雇用情勢が厳しい中ではありますが、女性と高齢者が多様な働き方を選択することができる雇用環境の整備を更に推進させる必要があると思います。
 二点目でございますが、市民活動、地域活動の展開によって地域力を向上させることができるということでございます。
 先ほども御紹介したような女性、高齢者を中心とした地産地消の取組やボランティア活動、そのほか地域での災害や防犯活動の展開、子供たちへの社会教育の推進、文化、スポーツの振興など、活発な市民活動、地域活動の展開は住民の交流の拡大、社会参加の推進、住民同士の人間関係の円滑化、地域の安全ネットワークの強化など、地域力を高めるだけでなく地域の活性化にもつながります。
 そこで、地方自治体において、市民の地域活動に対する支援を重点施策と位置付け、市民活動担当の窓口の設置をすることや、そのほか地域活動の情報提供、リーダーの育成などを推進し、国による各種財政支援を拡充させることも必要であると思います。
 また、これは主に都市部の課題になるかと思いますが、若い世代が市民活動や地域活動に参加できる環境整備を推進するためにも、企業にも御協力をいただき、仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスを図ることも重要です。
 そして、団塊の世代の方が定年を迎えられておりますが、まだまだお元気でいらっしゃいますので、培われたビジネススキルを生かしてコミュニティービジネスや事業型NPOの起業など、地域経済への貢献も期待できると思います。
 地域再生、活性化には、高齢者とともに団塊の世代の方の活躍が必要不可欠であり、団塊の世代の多様なライフスタイルに合わせた働き方が選択できるメニューの開発、職業紹介の制度の充実など、キャリアを生かしながら地域社会で活躍できる環境づくりの推進が必要であると思いました。
 最後に、地域社会の課題といたしまして、高齢化が進む中で、特に高齢者の方が安心して生活できる地域づくり、環境づくりが重要であると思います。
 川上参考人からも、家族の中で介護できない社会的介護を必要とする高齢者が増加している、従来、介護は家族機能として担われてきたが、社会化を考慮する必要がある、高齢者のみ世帯の自立が必要であるが、身辺自立のみならず生活全面における自立が必要であり、そのような状況の変化に地域社会がどのようにかかわれるかが問われている、そのような御意見がございました。
 近年、高齢者を取り巻く家族の形態が変化し、高齢単身者が増えている中で、川上参考人がおっしゃっている生活面の自立を図るために何が必要であるのか。
 私は、まず生活の基盤である住宅の確保であり、特に高齢者の住宅問題について引き続き取り組む必要があると思います。単身高齢者が増えているということは、それは経済的にも厳しく、不安を抱えている方が増えているということでもあります。そこで、安心して住み続けることができるよう、更なる住宅セーフティーネットの充実が必要です。
 また、今後ますますニーズが高まる介護サービスについては、高齢者が住み慣れた地域から切り離されることがないよう、地域密着型サービスの整備や、地域住民や関係機関が参加し、高齢者の状況に応じた住まいと介護サービスが一体となった高齢者住宅の整備充実が重要です。コミュニティー再生の課題として、高齢者が住み慣れた地域で安心して住み続けることができる環境づくり、地域づくりに更に取り組む必要があると思いました。
 本日は、主に女性、高齢者という観点から意見を述べさせていただきましたが、今後もすべての方が生き生きと活躍でき、安心して生活できるよう、コミュニティーの再生について調査、取組を推進してまいりたいと思います。
 以上でございます。
#7
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 地域コミュニティーの再生をテーマに滋賀県の調査や参考人からの意見を聴取してきましたが、長野県の小川の庄の取組や栄村の取組、宮城県の鳴子の米プロジェクト、由布院観光協会などを始め、それぞれの地域にある資源を生かし地域を元気にする取組を行うなど、厳しい条件に立ち向かって地域の暮らしを守るために自治体や住民自身がネットワークをつくって様々に努力をされてきた実践を聞いて、とても感銘を受け、学ばされました。
 同時に感じたことは、なぜ地域コミュニティーの再生が課題となる状況が生み出されたのかということです。
 地域で共同する力、その機能を維持するには、前提としてそこで生活する人々の暮らしが維持できる条件が整っていることが不可欠です。参考人から、危機感を持ってほしいという声が出されましたが、生活権や生存権が保障されない地域が拡大していることが、地域コミュニティーの維持が困難になる背景にあります。私たちはそこに目を向けるべきだと思います。
 限界集落の問題は言うまでもなく、病院がない、医者がいない、百キロ以上走らないと産科がなく子供も産めない、公共交通機関がなくなり買物も困難になるなど、ここ数年間で住み続けられなくなった地域が多く発生をしています。都市やその近郊でも、高齢化し限界集落化した団地での孤独死や、仕事をなくし収入の道を断たれたまま、だれにもみとられずに亡くなるケースもあります。特に地方の疲弊は深刻です。地域での生活を維持する基礎的な条件が後退、崩壊することで、地域での生活が立ち行かなくなり、地域そのものの維持が困難になっています。そのような窮状というのは、地域経済の崩壊、そして地方財政の崩壊、地域社会の崩壊ということが重なり合って生み出されています。
 農林漁業など地域の産業の衰退に伴う若年人口の流出と高齢化は、世帯数の減少をもたらし、集落機能の低下によって地域の共同生活を続けることができなくなっています。働く場があることが住民の定住や生活継続の基盤になるわけで、これは地方財政力にもかかわる問題だと思います。
 住民生活を支えて自治体財政の柱の一つになってきた地方交付税が大幅に削減され、公立病院の統廃合など住民サービスの切捨てにつながっている事態もあります。民間の病院や介護事業者が少ない農村部では、住民の暮らしを支える公共サービスの役割が大きいわけですが、財政危機による公共サービスの縮小が直接的に住民の生存権や生活権を脅かしています。
 地域づくり、地域再生のためには、参考人の皆さんがそれぞれ陳述されたような地域住民自身の取組、NPOや企業などと住民共同の力が必要であることは言うまでもありません。地域の実情に合った形で個人やNPOが育っていく必要があります。しかし、それは国の責任や自治体の責任をあいまいにして、財政が大変だからその肩代わりとしてあるものではないと思います。地域の共同や非営利協同を生み出す地域自体の力が低下しているのが現実であって、国や自治体は、住民任せにするのではなく、将来にわたってその地域に人が住み続けられるための政策やサービス提供、地域住民の生活が再生産されていくような仕組みの創設が必要だと考えます。
 まず一つは、地方財政の保障による地方自治体の役割という点で、住民の福祉の増進を図るという地方自治体の本来の使命と役割を発揮できるための財源の保障が必要です。
 地方交付税については、一方的な削減や制度改悪ではなく、制度本来の財源の保障、調整機能の充実によって住民の福祉や教育、暮らしを保障する総額を確保すること。それぞれ違う地域の実情に合った住民共同を支える行政の支援策が必要になります。地域の諸問題を調査分析をして、その政策的支援の可能性や方策を住民とともに探ることや、政策、計画策定に住民の参加を求め、連携し、ネットワークを構築していくことも必要だと考えます。
 地域経済の再生という点で、特に農業のことについて申し上げますと、鳴子の米プロジェクトに取り組んだ結城氏も指摘をしていましたけれども、今、食料生産を支えているのは農村の高齢者だと。
 この現実を受け止め、農業再生のためには、現に今農業を担って頑張っている農業経営を安定させるようにするとともに、若い働き手を育てることが待ったなしの課題になっています。何より急がれているのは、やはり農業経営が成り立つ再生産可能な価格政策、所得政策であり、小さな家族経営を含めて多様な形態の農業を支える国の政策が求められていること、新規の担い手を増やし育てるための財政措置を伴う対策が急がれていると思います。
 三つ目に、社会保障、地域医療の再生の問題ですが、医療の確保は地域生活の基礎的な条件ですが、それが大きく後退しています。
 地域医療のネットワークシステムづくりの重要性が示されましたが、医療資源自体が極端に乏しい地域が多数生み出されていることに緊急に対応しなければなりません。医師、看護師不足による病院や病棟の閉鎖は地方で特に深刻ですが、公立病院の改革ガイドラインは地域医療の後退を一層加速させる可能性が強くあります。公立病院の困難は、医師不足に加え、診療報酬の引下げ、公立病院に対する交付税の引下げなどが原因となっています。効率や採算面からではとらえられない、住民の人権や健康を守る観点から評価すべき公立施設の機能や役割を評価すべきだと。
 片山氏からは、社会保障費、医療費の抑制について、こんな愚策はないと厳しい批判が出されましたが、地域再生には抜本的な医療政策の転換が必要です。
 孤立、孤独の問題、この点では、多摩ニュータウンのように、住民の主体的な活動として孤立・孤独予防活動がされているところは少なくありませんが、地域で孤立し、健康問題や貧困などの問題を抱えた住民を把握し、積極的にアプローチする公的なシステムが地域社会に備わっていません。
 福祉亭の元山氏も、セーフティーネットづくりには福祉亭の力だけでは小さいので、専門家や公的な組織との連携の必要性を言われました。保健や社会福祉の専門職や行政職が孤立、孤独に陥っている住民を発見し、事態が悪化する前に積極的に対応するシステムの構築、住民の福祉活動と連携することが必要です。
 住民の見守り活動だけではなく、社会保障の制度からの貧困や低所得者の排除の構造を解決すること、保健、福祉の専門職の地域活動を政策的に保障することが重要だと考えます。
 その他、雇用、所得の保障、住まいの問題、移動の手段、交通機関の問題など、地域で暮らしを支える課題はたくさんあるわけですけれども、地方自治体や個人、NPOなど、地域での自主的、先進的な取組となる土台を支えるというのが国の果たすべき役割だと考えます。
 終わります。
#8
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 各地域で地域の再生のために、人々の生活のために、思想や哲学やアイデアを持ち、力を合わせ努力をしている人々の具体的な取組をこの調査会で聞くことができました。非常に感激し、たくさんの希望をもらい、たくさんのヒントをもらったというふうに思っております。
 全国を回れば、地域は非常に疲弊をし、病院がない、学校が統廃合、そして公共輸送手段がなくなるといった、地域を移動しなければならないという、そういう声、たくさん見てきました。ただ、そういう状況を乗り越えて地域コミュニティーを再生しようと、都市部それから地域の部門でやっている人々のことを政治が応援すべきだというふうに思っております。
 参考人の方たちもそうなんですが、むしろ政治に依存せず、自分たちでどうコミュニティーを再生するかということを非常に熱心にやっていらっしゃいました。改めて、私たちが側面射撃あるいは底支えをどうやっていくのかということが政治の場面に問われていると思います。
 何点か申し上げたいと思います。
 まず、やはり地方全体の財源、地方をどう底支えをしていくかです。
 三位一体改革で地方へ出すお金が六兆円急激に減りました。そのことは、全国の自治体がやはり疲弊していることの理由だと思います。地方への税源移譲、国と地方との関係を、所得税など基幹税からの税源移譲をすること、これをまず提案をいたします。それから二番目に、地方消費税の充実です。現行は四対一ですが、地方における消費税の充実が地方にとって安定的な財源となることは間違いありません。四対一を一対一にする、消費税と地方消費税の割合を変えていくことが必要だと考えます。
 二番目に、何といっても農業の支援です。
 地方はやはり第一次産業が大きいですし、農業の支援をやるべきだと思います。米粉米や飼料米を応援し、減反政策を見直して、お米の稲作、田んぼの底力を応援することが必要だと考えます。また、皆さんから、後継ぎがいない、あるいは子供にはとても継がすことができないという声も聞きます。鳴子の米で復活をしたところは、そういうことを地域のコミュニティーではね返していると言えるわけですが、暮らせる農業を実現するための政治の施策が必要です。所得補償や農業の支援を政治は行っていくべきだと改めて思いました。
 次に三番目に、女性や若者の支援です。
 女性が農業の部門でも数多く従事をしていることをこの調査会で改めて思いました。女性の声を農政に反映していく。例えば、今クオータ制など言われておりますが、総合農協の役員のうち女性比率を拡大することや、それから農業委員会、あるいは土地の取得に関して、まだまだ女性が土地の取得を、実質的には農地を取得することが困難であるという話も聞きます。ですから、女性への応援を農業の部門でももっとやっていく必要があると考えます。
 第一次産業、それから若者支援ということでは、教育や介護といった場面の労働条件の底上げが必要だということです。都会でも地方でも、介護や教育の重要性は皆さんから指摘がありました。若者が仕事に従事し、やり続けるためには、間違いなくそこでの労働条件の底上げが必要です。福祉事業とワーカーズコレクティブ、福祉、環境、教育の向上、経済波及、雇用創出効果ということのために、労働条件やそこで働く人々を応援する仕組みを改めてやっていくべきだと思います。
 四点目に、教育や子供支援についてです。
 農業をやっていらっしゃる参考人の方たちなどから、秋田県の参考人などから、地産地消、給食の話もありました。地産地消を応援するためには、まず給食現場や地元で取れた野菜を食べてもらうということは、子供たちへの教育からも大変重要だと考えています。そのためにも、例えばそのことを応援するプログラムを何とか私たちで考えることができないか。給食では給食センターに移行することが多いですが、それではなく自校式の給食の仕組みをもっと取り戻し、そこを応援していくことが必要だと考えています。
 そして、五点目は医療の問題です。
 社会保障費のカット、それから自治体病院改革ガイドラインのことが地域医療をかなり疲弊させていることは、実感としても現実としても理解ができます。自治体病院を守るために、医療の現場でも頑張るべきだと考えます。
 最後の六点目に、住民自治と市民参加についての提言を申し上げたいと思います。
 私たちに発言をしてくださった方たちは、自主的なコミュニティーの再生のために場を自らつくっていらっしゃる方が多かったように思います。ただ、普通の一般の人たちも応援するために、公民館や女性センターの応援が必要だと考えています。これは自治体の問題ではありますけれども、まだ全国には女性センターのない県もありますし、また、女性センターがむしろなくなっていくという状況もあります。ですから、みんなが集う場、人々の取組への応援としての場の提供を国としても考えていきたいと思います。
 それから、住民自治という観点では、審議会や様々な委員会の場にもっと住民参加の数を増やす、公募や女性枠といったものをもっと増やせるよう、男女共同参画基本計画やその他の面でももっと応援をしていきたいと考えています。
 そして、NPOに対する税制の見直しなどです。NPOやボランティアがもっと活動できるように、税制の面での応援をやっていくべきだと考えています。
 最後に、私たちが現場で学んだのは、政治がどうあろうとも現場で頑張る人たちの豊かな取組でした。政治がそこを底支えするようなことを多面的に、総合的にやっていくべきだということをこの調査会でも提言をできればというふうに考えております。
 以上です。
#9
○松下新平君 改革クラブの松下新平です。
 私は、本調査会に今通常国会から参加させていただき、二年目のテーマである地域コミュニティーの再生を中心に様々な角度から勉強させていただきました。三度にわたる参考人の皆さんからの意見聴取、滋賀県での視察、また委員の皆さんからの活発な議論を拝聴してまいりました。
 田名部会長を始め、各委員の皆様、関係各位に対して感謝申し上げます。
 さて、私ども改革クラブも、地域コミュニティー再生の重要性については認識を同じくするものであります。私どもは、その地域コミュニティーの再生のキーワードとして、もう一つの切り口である結いの心の再生を提案いたします。結いの心とは、地域住民が助け合う自治の心です。この地域住民が助け合う自治の心には、大きく三つの要素が重要だと考えます。
 一つ目は、自分の町をよく知るということです。自分の町を愛することが大事であり、同時にいろんな角度で理知的に知ることであります。二つ目に、これから何が求められようとしているのかを考えることが大事です。三つ目に、提案を恐れずにやることが大事です。
 ここで、今の地方自治の在り方の問題点を大きく三つ指摘いたしますと、まず行政が面倒を見過ぎる点であります。次に、地域住民の参加の場がないことです。広報伝達や統計調査への協力あるいは選挙への世話役のようなことはしても、地域住民自らが思索し行動して行政が行われるという民主主義本来の姿が失われているように思われます。三つ目に、地域の単位が大き過ぎることが挙げられます。これは意外に忘れがちのようですが、地域住民に自主的に行政に参加してもらうためには、自治会組織のブロックを見直す必要があると考えます。
 さらに、住民の覚悟としては、もう一つ肝心なことがあります。それは、地域住民が行政に積極的に参加していくには、奉仕だとかボランティアといった口当たりのいい言葉で誘導するのではなく、一定の覚悟をしてもらうことも大切だということです。自分たちの地域を良くしていくには、時間や労力など一定の犠牲は必要なんだという強い覚悟を地域住民の皆さんが持つようにしないとうまくいかないのです。
 「七人の侍」という映画がありました。あの映画に出てくる農民のような覚悟が一度は必要なのです。そうでないと、いつまでたっても他人事のようになって自治の心は育ちません。
 それでは、失われた自治の心を取り戻すためにはどうしたらよいのでしょうか。私は、区長制を廃止して、自治公民館を中心とした行政の推進を考え、実行すべきだと考えております。それまで区長の行っていた文書の配達等は役場の職員で行い、町づくりへの町民の全員参加を実現し、自治の心を取り戻すのが目的です。地域の単位を極力狭い範囲にとどめることに配慮し、例えば都市部などではビルの一室を借用して会合を運営できる程度の規模がいいと思います。
 要は、住民一人一人が当事者としての意識を持ってもらわなくてはならないのです。今どきの人たちは、今日の情報化とかスピード化とか言われる社会の影響で地域を余りにも広くとらえ過ぎているように思います。地域とは一定区域内で成り立っている生活共同体のことであり、理想からいえば、村、小さな集落で、日ごろ人と人とが朝夕のあいさつを交わし、結いの心でつながれている範囲だと考えます。
 これは、都会的に言えば近隣愛とでも言うのでしょうか。それがはぐくまれ、人と人とのつながりを築くことができる範囲を単位にすることであれば、大都市においても可能なのではないでしょうか。申し上げましたように、議論をすることと提案を恐れないことが大事であると考えます。
 町の個性を生かすことも重要です。よその町と比較して異なるものを町づくりの核にしようということです。同時に、ただ異なるだけではなく、近未来に広く共感が得られるようなものでないと駄目です。そういうものが地元にどれだけあるか、みんなでいろいろ探すことから始めます。
 町づくりの基本は、申し上げるまでもなく子供の手本になる生活づくりだと考えます。いつまでも補助金に頼っているわけにはいきません。地方自治はこれから更に非常に難しい時期を迎えると思います。今後は、戦後の経済成長路線の延長ではうまくいきませんし、行政への過剰な寄りかかりも改める必要があります。
 これからの村づくり、町づくりというのは、平たく言いますと、子供の手本になるような生活づくりを目指せばよいのではないでしょうか。お父さん、お母さんが子供たちの手本になるような生活を営むことです。それがどんな生活なのかは、それぞれの地域で考えていただきたいのです。
 自治公民館運動で教育の荒廃は救えると考えます。教育の原点は家庭です。自治公民館運動を通じて互いの家庭同士が結いの心でつながり、地域社会と密接な関係を取り合うことができれば、教育の荒廃は救うことができると思うのです。そして、教育の荒廃を救うことが今の日本を救うことであり、長い歴史の中で脈々と築いてきた豊かな国の豊かな生活を真に享受できる世の中へとつないでいくことができるのではないでしょうか。
 大人は、今の子供は何も知らない、何もできないと言います。また、社会参加がない、奉仕の心が希薄であると言います。でも、これは子供たちの責任ではありません。親がやってみせないから、地域社会がやってみせないから子供はできないだけではないでしょうか。
 家庭教育とは、あいさつから始まり、日常的な立ち居振る舞い、言葉遣いなどを厳しくしつける場であるにもかかわらず、欲しがるものは何でも与えてしまう甘えと依存の場になってしまっています。しかも、子供は模倣して成長しますが、親自身が依存と甘えの生活をしていては、子供の自立は到底望むべくもありません。家庭教育、社会教育は、学校教育と異なり、口で言って聞かせる教育ではなく、黙ってやってみせる教育なのです。
 行政には、子供を立派に育て、教育する直接的な力はありません。行政の教育の力といったら、学校を造ったり教科書の無料化くらいなものです。学校の教育は教育のほんの一部でしかありません。子供たちを立派に育てるのは、自治公民館で地域住民がみんなで話し合って子供の手本となるような生活づくり、地域づくりをすることだと考えます。
 子供の手本になるような毎日の生活が町づくりだというのは、すべてがつながっているからです。そして、人間は一人で考えてもなかなか行動に移せないものであります。その辺のところを補いながら、励まし合いながら進めていくには、みんなが集まって話し合い、協力し合う自治公民館運動が一番適していると考えます。
 行政の役割について取り上げます。
 今の行政は、ニーズにこたえるばかりに専念し過ぎていると思います。要求はだんだんエスカレートしていき、つまらないことで行政はやたら忙しくなって、肝心なことができなくなってしまうのです。時代的方向や地域の個性を見極めながら、将来への設計図を作り、十年、二十年、三十年先に求められるであろうものを核として町づくりをやっていくことが一番重要なのではないでしょうか。
 行政の役割は、住民ニーズにこたえることよりも、むしろトレンド、方向性、近未来像を示すことが大切で、住民すべてが安全で豊かな生活のできる場を住民自らがつくり出すよう、自治の心を支援していくことではないでしょうか。そして、やろうとしていることが本当に住民に必要なものであるかどうか、住民が参画し、議論し、考えなくては自治の心は育ちません。今の行政は余りにも親切過ぎて、この自治の心を失わせてしまったように思います。住民もまた自治の心をなくしたことに気付いていないようで、役所に言えば何でもやってくれるものだと思っているところがあります。
 このまま主役の地域住民が自覚を持たないでいたら、日本という国はますますおかしくなっていきます。個人の生活も大事ですが、人は一人では生きられない、地域のみんなで力を合わせる、そのためには嫌なことでも積極的に行う覚悟を持つことが求められます。
 私は、これからの時代は、新時代ではなく心の時代にしなければならないと思います。経済的な発展や進歩、工業社会の肥大化は、マンモスがマンモスゆえに滅びていったように、実は人間を退化させている方向へ向かわせている。私たちは生活活動のベクトルを変えていく時期に来ています。
 二十一世紀のキーワードは情報、福祉、環境だと言われております。今後の地域づくり、人づくりにも、この三つの視点からの構築が欠かせないでしょう。また、経済成長だけでなく、心や人とのぬくもりや思いやりを大切にするような価値観を今より大事にするようになれば、我々はもっと幸せになれるのではないでしょうか。
 最後に、結いの心とは、心と心が通じ合うこと、人と人との交流を楽しむこと、自然を愛し文化を愛する心を共有している思いであります。助け合いの心が再びこの日本に醸成することを祈り、意見発表を終わります。
#10
○会長(田名部匡省君) 以上で各会派からの意見の聴取は終了いたします。
 これより、おおむね午後三時まで、お手元の論点を中心に委員相互間の意見交換を行います。
 本日御発言いただいた御意見は論点を整理して中間報告書に取りまとめますので、できるだけ多くの御発言をいただきたいと存じます。
 なお、多くの方が御発言できますよう、御意見は簡潔にお述べいただきたいと存じます。
 それでは、御意見のある方は挙手願います。
 下田委員。
#11
○下田敦子君 それでは、座ったまま御無礼申し上げます。
 まずもって、本調査会の少子高齢化ということからまず考え始めてみたいと思いますが、これは少子高齢化が取れてしまいまして、現在、少子高齢社会になってしまいました。高齢化のパーセンテージは消えてしまうほどの大変さであります。
 実は、この現象に対する日本と根本的な違いがある欧米との比較なんでありますが、まずフランス、それからノルウェー、スウェーデン、このことに対してある程度の成功を見ている、特にフランスは大変な成功を見ているということの内容は何なんだろうかということをいろいろ調査をさせていただきました。
 中には、また逆に、イタリアの出生率の低さ、これはもう大変深刻なようでございまして、この意味も調べてみますと、第二次世界大戦の中にファシストの考え方があって、国による人口政策とか家族政策が現在もなおかつタブー視されているものがあるということでございますので、余り積極的に国が少子化対策を取れないということもあるし、これらに対するアレルギー反応もあるやに聞いております。
 大変恐縮ですが、私の生まれました青森県は、若年労働者並びに人口が際立って減っている年は年間約四万人でございます。ですから、ただならない人口減少があるわけなんですけれども、そういう中で、かつて国はエンゼルプラン、それから平成十二年度には新エンゼルプランを出しました。
 若者の自立、働き方の見直し等々あるわけでございますけれども、この中で、社会全体あるいは企業、団体、そういうことでもって少子化に対する行動計画を策定していくことが必要だろうと思います。必ずしも国、地方公共団体等々に頼ることだけでなくて、そういう意味で当調査会において進められたことは大変的確であったなと思っております。
 児童手当の支給対象年齢の拡大とかあるいは育児休業の取得者の増加あるいは企業における仕事と子育ての両立支援、これらに対しても非常に進んできたとは思いますけれども、際立って、先ほど申し上げた欧米諸国の内容とはまた少しく追い付いていないものもかなりあるように思います。ですから、少子化の流れというものをしっかりと変えていくということが私は大事だろうと思います。
 フランスにおきましては、まず国際的に見ても手厚いと言われているのが家族政策。いわゆる人口減少の子供政策ということではなくて、家族政策を展開しているということです。
 報酬の五・四%に相当する企業からの拠出金、それからあとは、相当規模の財源が確保されていることではありますけれども、第二子以降、二十歳未満までの児童を対象にした家族手当制度の給付、あるいは集団託児所や認定保育ママの充実した保育サービスなどなどいっぱいあります。時間の関係上省きますけれども、在宅でいわゆるベビーシッターに対する手当もあると。週三十五時間の労働制など、女性にとっては大変有意義な制度だろうと思います。
 それから、スウェーデンのケースでありますが、七〇%に及ぶ高い国民負担率に支えられまして、児童の健全育成、男女雇用機会均等の観点から、子供が一歳六か月になるまで全日休暇あるいは八歳までの部分休暇が取得できるように両親共有の休暇制度があるということであります。必ずしも女性だけではない。最高四百八十日まで受給可能な親保険による両親給付というものがあるということも、私どもにはちょっとまだ理解できないような大変きめの細かい制度があるということであります。
 たくさんいろんな情報を国でもキャッチしているということが分かりましたのは、去る十九年の二月の十五日、厚生労働委員会におきまして、副大臣の武見敬三さんが答弁していた内容が以上申し上げた内容でありますけれども、なぜ日本がこういう情報をたくさん得ていながら、それを取り入れられないのかということを非常に不思議に思いまして調査してみますと、専門家に言わせますと、我が国の少子化対策は一貫性がない、継続性がない。これが二点指摘されまして、しかもこれは海外からも指摘されているという点であります。
 ですから、こういうことを考えたときに、私はとても重要なことをこの調査会では意見の具申として続けていかなければならないのではないかと感じております。
 これは特に言われることですが、高齢者関係給付費が全体の七〇・四%ですが、児童・家族関係給付費が当時で三・八%です。非常に格差があるということ。お金だけがすべての政策ではないと思いますけれども、これを比較してみますと、やはりイギリスで九・九、フランスで九・八、スウェーデンで九・八。
 それからあとは、我が国との開きで非常にあるという意味はワーク・ライフ・バランスの点でもありますし、それから、何としても挙げなきゃならないのは税制です。予算の持ち方の次に税制が非常に格差があるということであります。
 今、ちょっと申し上げようと思いましたが、時間がありませんということでしたので、まとめは後でまたいずれの機会に譲らせていただきます。
 フランスでは、このように人口は力なりということを唱えておりますけれども、やはりその辺の認識がまだまだ日本には少ないのではないかなという気がして心配でございます。
 相続税も、これもやはり変えていかなければならない。
 何としてもきめ細かいことだなと思ったのは、大家族カードというのがフランスにはあるそうでありまして、国鉄の七五%の割引、動物園、美術館、プール、それから公共施設はすべて無料、それからデパート、ホテル、レンタカー会社の割引もあって、これらに対しての国のお金の使い方があるということであります。
 最後に一つ申し上げて終わらせていただきます。
 これは介護保険財政から見た経済効果ということでありますが、御案内のとおり二〇〇〇年に介護保険がスタートいたしました。そのときに、新ゴールドプランベースというものを介護サービスサイドから分析をしたものがございます。これは京都大学が中心になり、また自治総研の池田さんが作成されたものを参考にしてまとめたものです。
 例えば、一中学校学区に在宅サービス、特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型病床群、これは昔の、前の言葉で言わせていただいておりますが、これらのものがすべてあった場合、例えば、一つの老人施設において百ベッドが備えられていると、その百ベッドにそれぞれ出入りする医療器具屋さん、それから薬屋さん、食料品あるいはクリーニング屋さん等々、すべて出入りする業者さん、それから、何よりもそこで働く介護職員始め医療職の方々、百人おられると百人の職員が必要でございます。
 ですから、そういう方々がすべて所得を得て、その地域に定着、定住していくわけですので、家を建てたり、子育てをしたり、買物をして経済波及、消費拡大をしていくわけですが、そのことを公共事業と比較した場合、一次波及、二次波及、三次波及において全く大差がないということです。ですから、医療、福祉の経済は、やはり公共事業の経済と波及においては全く大差がない。
 ただし、公共事業においては、これは建てて造っている間は確かに雇用の促進を見ますけれども、できてしまうとその公共事業はそれで終わって、経済波及効果はストップということでございます。
 ですから、こういうことを考えたときに、いま一つ私どもがもうじっくりと考えていかなきゃならないことは、やはり医療、福祉のソーシャルビジネスというものを、これは金もうけをしてはなりませんが、そういう哲学が必要ですけれども、地域のために、地方のためにこういうことは開発をしていく必要が大いにあるのではないかと思っております。
 以上です。
#12
○会長(田名部匡省君) 神本美恵子君。
#13
○神本美恵子君 この調査会に今年度から入らせていただきましたが、参考人の意見やそれから視察を通じて、本当に参考になるお話を聞かせていただいたり見せていただいたんですが、地方も都市部もいずれも高齢化していることに対する様々な知恵と力で取組が行われているんですが、一方で私感じましたのは、高齢化しているということはみんなの年齢が上がっていると同時に、少子化もあるでしょうけれども、若者がそこに住み着けない、住み着かないという若者の流出に対する有効な取組がなかなかこれまでの調査では見えてこなかったなということを感じております。
 そういう意味では、若者、子育て期の人たちが、特に農山漁村や中山間地と言われる自然環境豊かな、子供が育つには本当に良好な環境であることにだれも異論がないと思うんですが、そこに残念ながら子育て期の人たちがなかなか住むことができないというような、一方で、都市部においては待機児童や学童保育が不足していて、コンクリートの中で子供が孤立した子育てを受けながらといいますか、育っているという、子供の育ちという観点から見ますと、非常にやはり多くの大きな課題を抱えたままになっているのではないかということを感じさせられました。
 そこで、これまで聞いた話の中でそれでも幾つもヒントがあるなということを思いましたのは、例えば先般聞きました由布院の取組では、観光地として就業機会を確保しているので人口が減少していない。ということは、就業機会があるということは、若い子育て期の人たちもそこにとどまって生活ができているということではないかと、働く場の確保ができているということだと思います。一つはそれです。
 二点目にヒントになるのは、子供がそこで育つのは何も自然環境だけではなくて、第一次産業や第二次産業、第三次産業、様々な産業の中で、特に生産現場を間近に見ながら育つことができるということで、この前の陽気な母さんの取組では、学校給食に食材を提供して、作った人が目に見える食教育を子供たちがじかに受けることができる。また、医療、介護、福祉等に地域の人が協力して連携して取り組んでいることを子供たちが見ることができる、知ることができるという、子供への教育にも非常にいい影響を与えているのではないかという点。
 三点目に、鳴子の米のお話を聞かせていただきましたが、やはりそこで生活できる最低賃金というものが必要だと所得補償のことを強調されておりましたけれども、こういったことも若者がそこで住むことができる条件として必要ではないかということ。
 それから四点目。先ほど代表のコメントにもありましたけれども、男女共同参画ということを地域再生の視点に入れているところはやっぱり非常に元気になっているということを感じました。
 特に、滋賀県の香清の取組とか幾つかありましたが、初めて自分名義の口座を持った感動とか、それから名刺を持ってなかなかそれを出せなかったという、これも女性自身が、戦後の歴史の中で男女平等といいながらなかなか社会的存在として活動できなかったという農村女性の特徴を非常によく表して、その中で自ら自立、自活の道をつくってきたというお話を聞かせていただきましたし、男女共同参画ということも非常に重要な地域再生の視点ではないかと思います。
 それから、小川の庄のお話も聞かせていただきましたが、ここは世代間で協力、協働、共に協力して働くという協働ですが、二十代から八十代の人が定年もなしに一緒に働いているという事例もありました。
 これは、調査室からいただいたこの冊子の中にあったんですが、愛知県の長久手町のゴジカラ村というんですか、意味がよく分かりませんでしたけれども、混ざって暮らすということを一つ大きなキーワードとして、雑木林理論と言うらしいんですけれども、障害のある人や外国籍の人や、それからよそから流入してきた新住民、元から住んでいる旧住民も一緒に混ざって暮らすということを大きな重要な視点として取り組んでいるというようなこともありましたし、最初に言いましたように、若者がそこで子育てができるような地域再生ということが必要ではないかと思います。
 最後に、じゃ、そのために政治が何をなすべきかということの議論も重要だと思います。しかし一方で、政策や制度がコミュニティーを壊すことになっていないかという見直しの視点も必要ではないかと思います。
 一例として、私は、教育の面から見まして、例えば都市部で行われております学校選択というようなことも、保護者や本人に行きたい学校を選択させるという、選択の自由が広がるという点が強調されていますけれども、そのために、昔からある小学校区、中学校区という校区の中で地域がつくられてきたというそういういい点が、選択制であちこち違う学校に行ってしまいますので、同窓会もなかなか成立しなくなるというようなこともあります。
 例えば、障害を持っているお子さんは地域の学校に行けないで遠くの特別支援学校まで通わなければいけない、それで混ざって暮らすことができなくなるというような点や、あるいは、外国籍の子供さんが日本語が十分に話せないために外国人学校に行かなければ教育が受けられないというような、本当に今の日本の政策、制度を見直して、混ざって暮らすことが可能な地域づくりをする必要があるのではないかということを感じました。
 以上です。
#14
○会長(田名部匡省君) 梅村聡君。
#15
○梅村聡君 梅村聡でございます。
 私も今回初めてこの調査会に参加をさせていただきまして、そして参考人の方のお話を聴取をさせていただきました。
 私はもう一点だけ。
 二月二十五日の片山参考人から、地域のコミュニティーの再生には医療、介護の問題抜きでは考えられないというお話を聞かせていただきまして、本当に大きな、自分自身参考になりました。
 これは尾道市医師会方式ということで、一つは、医療と介護をまず有機的に結んでいく。それによって、急性期、回復期、生活期、これをすべてリンクして見ていくと。さらには、それが、今までのように病院、施設だけではなくて家庭にまで、訪問看護、訪問医療、そして、さらにはみとりということで在宅緩和ケアと。ここまでを包括して一体化でしっかり取り組んでいくということに関しては、これは私、これから日本の高齢化社会を迎えるに当たって一つのモデルとして参考にしていかなければならないなという思いを強くいたしました。
 しかし一方で、私は大阪から選出をされているんですけれども、じゃ今度は都市という面を見たときに、これをモデルとして当てはめていけるのかなと考えると、これは非常に難しい問題がございます。特に、やはり核家族という問題がある。それから今、本当に若い世代も共働きで家計を支えるということが前提になっていますので、地域で医療、介護を支えていくということについては、これはやはり幾らシステムをつくっても家族の方の協力がなければ、あるいは、これをやるという自発的な意思を持っていただかないと、なかなかこれを適用していくというのは私は難しいのかなという感想を持ちました。
 そういう家族のかかわりと、そしてもう一つは、これから高齢化社会を迎えていくに当たって国民が一つ意識として持っていかなければならない概念があると思います。
 それは何かというと、人が年齢を重ね、老いていき、そして病になる、あるいは最期は死を迎えるというこの一連の観念が今非常に日本では希薄になってきているという現状があると思います。
 それで、これは実際に聞いた話なんですけれども、今、御自宅でみとるという場合に、家族の方が、もうお亡くなりになるかなというときに救急車を呼ばれるというんですね、あるいは亡くなってから救急車を呼ばれると。なぜかというと、これは家で亡くなられたら困るとか、あるいは怖いとか、死というものを見たことがないとか、そういうことで救急車で御遺体を運んでいるという現状があるわけなんですね。
 これ、私なんかも、私の祖父なんかが亡くなったときというのは家で亡くなった。触ったら、昨日まで笑っていたおじいちゃんが冷たくなっていた。これ、どういうことなんだと。今まで生活していた人が亡くなるというのはどういうことなのかと。しかし、そういう中で、人が老いていくとはどういうことか、病になるとはどういうことか、亡くなっていくというのはどういうことか、その観念を成長の中で次の世代が学んでいくと。じゃ、次は死をどうやって受け入れていくかという、そういうものがこれまで涵養されてきた。
 しかし、残念ながら、それがなくなっていくと。亡くなるということを忌み嫌う、病であることを忌み嫌うということが先行していくと、幾らこういうシステムをつくってもコミュニティーが入っていっても、そのシステムがうまく機能するということは私は非常に難しいなと思います。
 ですから、コミュニティーの再構築、家族というものの再構築に加えて、やはりこれまで次の世代に教え、引き継いできたこういった観念を、これから我々が、これは政治の力もあるかもしれませんけれども、コミュニティーの中でそれをどうやってつくり上げていくのが必要なのか、できるのかということを、私はこの片山参考人のお話を聞きながら少し考えた次第でございます。
 すべてが政治の力とは申しませんが、松下議員もおっしゃった、心の問題という一つのテーマでこれから考えていかなければならないかなと思いました。
 以上でございます。
#16
○会長(田名部匡省君) 岡崎トミ子君。
#17
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。岡崎トミ子でございます。
 私は宮城県選出の議員なんですけれども、宮城県から民俗学の結城登美雄さんに参考人でおいでいただきました。
 結城登美雄さんは地元学という言葉を生み出した人なんですけれども、この間は鳴子の米プロジェクトについて、その一例ということで話をされましたが、それまでの数年間どんなことをされてきたかといいますと、十五年間にわたって六百人近くの人たちに会ってきたという人なんですが、それはほとんどおばあちゃん、おばあちゃん、おばあちゃんなんですね。
 つまり、地元の中で食べ物を生み出してくれる人は、おじいちゃんももちろんやっているんですけれども、ほぼおばあちゃんが野菜を生かしたり、米はこんなふうにして食べるとおいしいといって食べ物を生み出してきた人なので、おばあちゃんの話を聞くのがいいというのが結城さんの考え方だったので、東北各地はほとんどおばあちゃんに会う歴史だったんですよと、そんなことをおっしゃっていた。
 実は、そのすべての人たちが、おらほの町には何にもないと、何にもないところから一体どう生み出すのかというときに、実は何にもないところに宝があるんですよということを結城さんは言ってきたわけなんです。
 そこで、どういうふうにその地元の宝をつくり出していくかといえば、自分のうちでふだん食べているお総菜ですね、これを二、三品全部持ってきましょう、集まりましょうというので食の博覧会というのをつくるわけなんですけれども、それらの一つ一つがやっぱりその地域で取れたものをお総菜として生かしてきた、漬物も生かしてきた。
 そういうものですからもう大変おいしくて、町に住んでいる私たちはその食の博覧会に参加していくわけなんですが、結城さんは各地でこの食の博覧会というのを催しまして、私もいろんなところに行ってそれを食べてきたという歴史があって、その先にこの鳴子のプロジェクトの話がございました。
 彼はこの間も、今問われるべきは食べ物を生み出す力だと、自給率ではなく自給力というふうに私は呼んでいるんだということでしたけれども。一億二千七百七十万人の人たちの食べるというものについて、漁民は二十一万人だと、農民は三百十二万人、合わせて三百三十万人、二・六%だけれども、あと十年たったら、ここを大切にしていかなかったら約一・二%になってしまいますよというのが彼の予測だったわけですね。
 これを大切にして、地域の中で頑張っている姿を子供たちにも伝えていくという意味で、実は私もこの鳴子プロジェクトのお米を食べているわけなんですが、平成十八年には一俵一万三千円だったものを、五年間一万八千円に保証したわけですね。そして、今は二万四千円にしているわけです。そのうちの五千円は、次の世代の若者たちが農業をやっていく、そういうものに使うためにということでプールをして、NPOができ上がって、それが動く方向になっているわけなんですけれども。
 私は、今回、いろんな方々のお話を伺いまして、地域にこそ宝があるということ、そしてそれを最大限生かすということのためには、地域のリーダーであり地域の人々が頑張っていくという、そのことを改めて学ばせていただきました。
 国がああでもないこうでもないというふうに指導をしたり、補助金のメニューを用意するということではなく、また、都市のモデルというものを全国に当てはめてその発展を論じるというやり方からはもう卒業しなくてはいけないんじゃないかなというふうに思います。
 じゃ、政府のやる仕事は何かというふうに、ないのかと言われてみればそうではなくて、地域の宝や、今まで地域の人たちが大事だというふうに思ってきたそういうものについて、実は今までの中央と地方の在り方の関係からなかなか脱却できないということがあるだろうと思いますので、そういう発想の転換をしていくため、あるいはノウハウを得ることが必要になってきますので、そういう意味では成功事例から学べるということ。
 私たちもこの参考人質疑によっていろんな各地の問題について学ばせていただきましたけれども、そうした成功例をみんなが学べる機会をつくったり、そういう方向を促す施策を導入していくことが大事だというふうに思いました。
 それから、最大の支援は国が邪魔をしないことと言った方もいらしたと思いますけれども、現にある施策が万が一その邪魔をするようなことがあればそれを改めていく必要もあるだろうと思いますし、これは官僚の方々の話ばかりではなくて、私たちこの立法府におきましても、地域に宝がある、地域のリーダーが存分に発揮できる、そういうふうなことを常に制度設計をするときに、地域にとってこれが本当に大事か、邪魔にならないかということをおそれを持ってきちんと見ていく必要があるだろうと思いますし、また地域の人たちにいろいろな施策をチェックしていただく、そういう機会もつくっていかなければいけないというふうに感じました。
 以上です。
#18
○会長(田名部匡省君) 福島みずほ君。
#19
○福島みずほ君 二度目で申し訳ありません。地域のネットワークということについて一言だけ申し上げます。
 先ほど同僚の委員の方から、尾道の件での医療と介護のネットワークについての話がありました。
 全国回っていても私もそのことを痛感していて、少なくとも地域で何とかしようというそういう試みが成功しているのは、住民と医療関係者と自治体と首長や人々が、例えばシンポジウムをやったりネットワークを強化したり、医者や病院を孤立させない、その支えるネットワークがあるところではやはり医療従事者も何とかやっていけるというふうに思っています。
 ですから、必要なことは、そういう地域のネットワークをどう政治が応援できるか成功例に関して学ぶことと、政治は、特に政府は、そういう取組の中からの悩みに対してもっと学ぶべきだと思っています。特に、例えば医師の派遣などにどこも困っているので、例えば医師の派遣をもう少しきちっとやる、あるいは、第三者機関が医師のプロデュースをすることなどの新しい取組も大変必要だというふうに思っています。
 地域の中での自発的な取組を私たちが謙虚に見て、その中から地域のネットワークを応援するプログラム、例えば今回、救急車の対応が少しまた変わると、法案が出るというふうにも聞いておりますが、そういうことも応援していくことが必要だというふうに思っています。
#20
○会長(田名部匡省君) 南野知惠子君。
#21
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 各党からのすばらしい御意見もございました。そして、各委員からも多くの多くの意見をいただけたことを大変うれしく思っておりますし、また、我々が学んだ参考人の方々から多くの課題もいただいているのかなと思っております。
 私は一つだけ取り上げたいのは、過疎地における高齢者の生きがい、そこで雇用の創出を促進というおやきの話をされた方がおられました。そういう過疎地においても御高齢の方々が本当にチームを組んで、びっくりしたんですけど、英語も学びながら、そして海外に国際的な交流をする、そういうエネルギーを持っているということを大変私は感銘したわけでございます。
 そういう観点から、都会においても地域においてもそのネットワークを大切にしながら、私はこれから先の高齢社会の中で孤独死があってはならないというふうに思っておりますので、そういうコミュニティー又はそういう方向からの医療、福祉、介護、その他看護の問題もございますけれども、どのように構築していくのか。コミュニティーの大切なポイントだろうと思っております。
 これだけちょっと御報告したいと思っておりました。
 以上です。
#22
○会長(田名部匡省君) 紙智子君。
#23
○紙智子君 ちょっと二回目になりますけれども。
 私も、先ほどの結城さんの発言やそれから小川の庄のおやきの話もお聞きして、本当に何というんでしょうか、感激をして、すばらしい取組をやられている、そういう努力に対して本当に敬意を表したいというふうに思ったし、やっぱり学んでいけるところは学んでいかなきゃいけないんだけれども、じゃ、ここで行われたすばらしい努力がほかの地域でも、どこでも広がっていけるのかということを考えたわけですよね。
 そうすると、本当に様々な地域の中でやっぱりコミュニティーそのものが壊れてしまっていて、なかなか大変なところに対して同じようにひとしくやるというのはなかなか大変な事態だというふうに思って、そこをやっぱりどう支えて国がやるのかということを考えなきゃいけないんじゃないかなということを思ったわけですよ。
 全国的にも有名になった夕張ですよね、あそこは財政破綻ということで。それで、時々行くわけですけど、雪がたくさん積もって、市民の唯一の体育館の屋根が落ちちゃって、結局お金がないために直せないわけですよね。それで、野外のプール、子供たちのプールがあったんだけど、それをしようがないから市民プールにということにして、お金掛けないで、それでもなくすわけにいかないということでやらざるを得ないという状況ですとか。
 でも、その後、夕張の市民の皆さん大変な努力していて、例えば、これも全国的に放送されたけれども、手づくりの成人式ですかね、これは非常に感動的な成人式もやったりしていました。
 それから、今、日の出町だったかな、どこかでやっているんだけれども、病気のお年寄り、病気を持っている人が、いざというときに、こういう筒の中にどういう薬を飲んでいるかとか処方せんとかを入れて冷蔵庫に入れておくわけですよ。それで、もしものことがあったときに、突然のことでみんな動転してしまって対応が困るんだけれども、それを入れておくと、それを見ると、日ごろどういう医者にかかっていて、どういう薬を飲んでいて、どういう対応かということがぱっと分かるから、まずどこに連絡するかというのが書いてあるので、そういった取組が広がっていて、夕張でもそれを学んで、命のバトンという形で、やっぱり筒を作って、各家に置いているわけです、今。それをやっぱり徹底するための努力とか。
 それから、もう一人二人どんどん抜けていくものですから住宅が歯抜けの状態なんだけれども、一つの住宅に一人しか住んでいないとか、昔はたくさん住んでいたんだけれども一人しかいないとか、そうすると、少し離れたところの住宅に一人住んでいる人と、お互いにもしか何かあったときのために、お互いの家のかぎを交換して、それで何かあって連絡取れないときにはそのかぎで開けられるような、そういうことなんかも含めて、何というんですか、コミュニティーというか、もうぎりぎりのところだと思うんだけれども、そんな形でいろんな取組を工夫してやっているんですよね。
 そういうやっぱり本当に涙ぐましい努力をやって、そういう中で支え合って生きようということで頑張ってはいるんだけれども、しかしながら人口はじりじりと減り続けるし、やっぱり地域の産業という、産業があると働く場があり、若い人たちも入ってこられるわけだけれども、そういう政策含めてしっかりと支えていくということがないと、本当に再生していくというのは難しいということを思うんですよね。
 そういった意味で、私の意見発表の中でも、やっぱり国自身がやるべきことということではきちっとやる必要があるんだなというふうに思っているところです。
 以上です。
#24
○会長(田名部匡省君) 岡田広君。
#25
○岡田広君 いろいろ勉強させていただきまして、私のちょっと考えていることだけ簡潔に申し上げたいと思います。
 地域コミュニティーの再生ということでいろんな御意見をいただきまして、大変勉強になりました。
 政治に依存し過ぎないとか、あるいは行政が面倒を見過ぎないと。私は、基本は住民にあるんだろうと思います。結いの心の再生とかというお話もありましたが、場の提供ということで女性センターのお話もありました。名称は、公民館とか女性センターとか、あるいは田園都市センターとか農村婦人の家とかコミュニティーセンター、市町村センターとかいろいろですけれども、私はそれぞれの地域で集まる場所がやっぱりまず必要なんだろう、こういう環境整備をすることがとても重要だと、そういうふうに考えています。
 結城参考人の意見は村単位、少なくとも小学校単位というお話がありましたけれども、私は一小学校区一公民館という考え方をずっと持ってきていました。文部科学省は一中学校に一公民館ということで、これは全部全国に公民館が設置をされましたから、今現在のところ補助金出ていません。建て替えの時期が来ています。
 そういう中で、市町村のそれぞれの単独のお金でこの建て替えを進めていくわけですけれども、施設を中心に集まって話をする、福祉の支援組織を作ったり災害の組織あるいは防犯の組織を作ったりして、地域のことは地域で解決をするというのが私は住民自治の在り方、できないことを行政の長とか議会議員にお願いをする、これが本来の住民自治の在り方だろうと、そういうふうに思っています。
 集まる場所についても、義務で集まるんではなくして、集まりたくなるような施設を造るということがこれからとても大事だと思います。この公民館一つ取りましても、建て替えでいろんな住民の意見聞いていますと、ゲートボール場の併設とか、あるいは陶器の窯を作ってくれとか、もちろん調理場もあります。
 そういう中で、文化祭で発表したり、あるいはみんなで調理をして食べたりという、そういう集まることが楽しくなるような施設整備というのがこれから大事だと思いますし、このセンターの在り方につきましても、学校、小学校と隣接をするということがとても高齢者と子供たちの触れ合いの場、あるいは学童保育で空き教室を利用している点もありますけれども、子供は、小学校の隣にそういう施設があれば、その公民館なら公民館に集まって、帰りに寄って本を見たりしてそこに親が迎えに行くとかということで、非常にそういうことが大事なんだろうと思いますし、この場の提供という、こういうことがとてもこれから大事だと、そういうことだけちょっと申し上げたいと思います。
 以上です。
#26
○会長(田名部匡省君) 那谷屋君。
#27
○那谷屋正義君 ありがとうございます。
 私も、この調査会で本当に多くのことを学ばせていただいたなというふうに思っておりますし、地域コミュニティーの重要性というものについても、これからこの課題は、先ほど松下議員が言われたように、二十一世紀が情報、福祉、環境というその三つの言葉がテーマとなるとすれば、まさにここでの調査をされて議論をされることが今後の二十一世紀の日本を背負う非常に重要な役割を担っているんだなというふうにも自分の中で思ったところであります。
 一つ、先日、高齢者の方々と話し合う場がちょっとありまして、今地方の方の成功例、そしてこれを全国化するにはどうしたらいいかという紙議員からの御指摘もありましたけれども、実はその都市部においてのちょっと問題点ということで新たに一つ提起したいと思うんですが。
 実は、いわゆる現役を卒業してから、まあ別に卒業しなくてもいいんですが、主に現役を卒業しながら、さあ地域コミュニティーというふうなものを考えたときに、今の都会に住んでいる人の多くはどうもそのコミュニティーに参加したがらない傾向がある。
 つまり、いわゆるバーンアウト現象といいますか、現役時代に余りにも燃え過ぎたといいますか、もう人とのいろんな煩わしさ等々にかかわり過ぎて、コミュニティーのそういうふうなところにかかわりたくないというような傾向が往々にして見られるということが非常に残念だと。とりわけそれが教員に多いなんという話がありまして、本当にそのことは非常に深刻な問題だなというふうに思っています。
 そういう意味では、じゃ、どうするのかということですけれども、よく言われるワーク・ライフ・バランスというふうなことが今言われていますけれども、それが現実として、今の現役の人たちにもそのことがしっかりと定着できるような施策というものは何なのかということを考えていくということが一つ大事なのではないかというふうに思っています。
 それから、地域のことは地域でというか、自分たちのことは自分たちでというその思いをするときに、私は先週の鈴木参考人のお話も大変参考になりまして、こういうものというのは面白い一つの考え方だなというのは、もう当然、自分の地域は知っているものだとばかり思っていたけれども、よく回ってみると意外なものを発見するということがあると。
 つまり、いわゆるローカルデザインというふうなお話をされましたけれども、この地域の特色って何なのかな、あるいは今まで自分が回っていて、ふと気が付いたことって何なのかなということを、絵の得意、うまいはあるにしても、ちょっとそういったものをデザインしてみる、そして何かそこに意外なものを発見できることがあるのかもしれないというような、そんなことを私自身思いました。
 そういったことが先ほどの一部の地域のものを全国的に波及させるためにはどうしたらいいかという問題の一つなんですけれども、そういったことが広く行われるようになれば、いろいろな情報をそういったお互いに交換し合える、そんなふうな場が必要になってくるのかなというふうに思いました。
 これからも一生懸命勉強させていただきたいと思います。ありがとうございました。
#28
○会長(田名部匡省君) その他、ございますか。──他に御発言もないようですので、本日の意見交換はこの程度で終了いたします。
 委員各位からは貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。本日の御意見も含め、これまでの調査の論点を整理し、各理事とも相談の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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