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2009/06/24 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 国際・地球温暖化問題に関する調査会 第8号
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2009/06/24 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 国際・地球温暖化問題に関する調査会 第8号

#1
第171回国会 国際・地球温暖化問題に関する調査会 第8号
平成二十一年六月二十四日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十四日
    辞任         補欠選任
     木俣 佳丈君     大島九州男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         石井  一君
    理 事
                島田智哉子君
                主濱  了君
                富岡由紀夫君
                小池 正勝君
                加藤 修一君
    委 員
                大島九州男君
                木俣 佳丈君
                郡司  彰君
                長浜 博行君
                福山 哲郎君
                増子 輝彦君
                峰崎 直樹君
                神取  忍君
                佐藤 正久君
                島尻安伊子君
                西田 昌司君
                丸山 和也君
                山内 徳信君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        藤崎  昇君
   参考人
       特定非営利活動
       法人ハンガー・
       フリー・ワール
       ド開発事業部ベ
       ナン・ブルキナ
       ファソ担当    冨田 沓子君
       特定非営利活動
       法人アフリカ地
       域開発市民の会
       代表理事     永岡 宏昌君
       財団法人ジョイ
       セフ広報アドボ
       カシーグループ
       プログラムオフ
       ィサー      船橋  周君
       合同会社アース
       ティー代表    佐渡友雄基君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国際問題及び地球温暖化問題に関する調査
 (「日本の国際社会における役割とリーダーシ
 ップの発揮」のうち、アフリカをいかに助ける
 か(アフリカ援助の現状と課題)について)
    ─────────────
#2
○会長(石井一君) ただいまから国際・地球温暖化問題に関する調査会を開会いたします。
 国際問題及び地球温暖化問題に関する調査を議題といたします。
 本日は、「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」のうち、アフリカをいかに助けるかに関し、アフリカ援助の現状と課題について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 本日は、特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールド開発事業部ベナン・ブルキナファソ担当冨田沓子参考人、特定非営利活動法人アフリカ地域開発市民の会代表理事永岡宏昌参考人、財団法人ジョイセフ広報アドボカシーグループプログラムオフィサー船橋周参考人及び合同会社アースティー代表佐渡友雄基参考人の御出席をいただいております。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 御多忙のところお出かけいただきまして、本当にありがとうございました。調査会を代表し、厚く御礼を申し上げます。
 各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、冨田参考人、永岡参考人、船橋参考人、そして佐渡友参考人の順でお一人十五分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構であります。
 それでは、冨田参考人から御意見をお述べいただきます。冨田参考人。
#3
○参考人(冨田沓子君) ただいま御紹介にあずかりましたハンガー・フリー・ワールドの冨田と申します。本日は貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
 昨年、第四回アフリカ開発会議、TICADが行われまして、日本のアフリカに対する援助を倍増するということが約束されました。その実現をしていく中で、本当に援助というものがアフリカの人々のためになるものになっていくことを私たちも願っておりますし、そのステップとしてこのような会を開いていただき、まずは現場の声をというイニシアチブを取っていただいたことをとても感謝しております。今日はよろしくお願いいたします。
 私自身、アフリカとかかわり出したのは、二〇〇四年に西アフリカのトーゴという国で人身売買の防止をする活動をしているNGOに単身で行ったのが始まりでして、二〇〇五年からは、現在勤めておりますハンガー・フリー・ワールドという国際協力のNGOで西アフリカのベナンとブルキナファソという二か国の事業の担当をしています。
 今日、お手元にレジュメを配らせていただきましたが、私たちの行っている活動の中で、ブルキナファソで行っている栄養改善の事業の現状とその経験ということをお話しさせていただきたいと思っています。
 まず、簡単に私どもの団体の説明をしたいんですが、ハンガー・フリー・ワールドは、日本を本部といたしまして、アジアではバングラデシュ、東アフリカのウガンダ、西アフリカのベナンとブルキナファソを含む五か国で飢餓のない世界をつくろうという活動をしているNGOです。
 飢餓という問題に取り組んでいますと、よく食料援助をやっているんではないかというふうに思われがちなんですが、そうではなく、飢餓に苦しんでいる人々に物を与えるのではなくて、常に十分な栄養を得て健康に暮らせるために自立の支援というのを行っております。
 ちょっと今日は時間が短いので、そこまでに団体の説明はさせていただきますが、お手元に緑のリーフレットが届いておりますので、そちらを御参考ください。
 アフリカの援助の現状と課題という中で、特に子供の栄養改善の分野でのお話をさせていただきたいと思いますが、皆さんの御記憶にも新しいと思います。昨年、二〇〇八年に原油価格や食料価格の高騰を受けて様々なものの価格が高騰しました。そのものというのは、例えば国際市場の中とか日本の国内の中では大分価格が下がってきていますが、実はアフリカでは食料価格が高騰したその一番高いところの値段で上げ止まりをしています。ですので、こういった食料危機、食料価格の高騰というのはアフリカではまだ現実の生活の一部です。
 そんな中、つい先日なんですが、二〇〇九年内に飢餓人口が十億人を超えるであろうという予測が発表されました。これというのは、実は二〇〇八年代までは八億人、どんなに人口が増えても八億人ぐらいの飢餓人口だったのが、二〇〇八年、九年を経てついに十億人を超えるという危機的な状況になっています。
 これは、一つには、先進国の問題に依存する形で起こった食料価格の高騰や金融危機といったものが大きく影響をしております。もう一つ、お手元に届けさせていただいていますこの「飢餓を考えるヒント」というのが、こういった複雑な食料問題を取り囲む課題というのをセミナーのシリーズで行っておりまして、それを冊子にまとめたものです。こちらも是非御参照ください。
 このように飢餓の現状が悪化していくと、まず一番最初に影響を受けるのは子供たちです。例えば価格が高騰した時期、その一時期だけ食べ物にアクセスができなかったり、不作の年にアクセスができなかったりということが一時的なことのように見えますが、その時期に成長期にいた子供たちというのは、その傷、その影響というのを一生背負って生きていかなければなりません。ですので、子供たちがいつでも医療にアクセスでき、いつでも栄養を取ることができるということが子供たちの成長、そして社会の発展の大前提となると私たちは考えています。
 その前提を踏まえた形で、まずはブルキナファソという国の事業を御説明させていただきますので、ブルキナファソの国の説明を簡単にさせていただきたいと思います。(資料映写)
 ブルキナファソは、西アフリカの内陸国でして、人口は約千五百二十万人、国土は日本の七割程度になります。周りをガーナ、トーゴ、ベナンといった国に囲まれています。主要な輸出産品というのは、綿花が主な外貨の収入源になっていまして、最近ではシアバターなどの輸出も増えてきていますが、一方で石油製品や食料などは実は輸入に頼っているという現実があります。サヘル地域にかかわってくる地域でありますので、農業生産というのも厳しい局面がありまして、現金収入も限られるということで、世界の中でも最も貧しい国の一つとされています。ブルキナファソでは、五人に一人の子供が五歳になる前に命を落としてしまっています。
 こんなブルキナファソでハンガー・フリー・ワールドは活動を二〇〇六年から行っています。必ずハンガー・フリー・ワールドが活動を始める前に住民の参加の下に調査を行います。私たちが今活動を行っている地域というのは、ブルキナファソの首都に当たりますワガドゥグーという町から二十五キロぐらい行った大してさほど遠くない農村地域で活動をしているんですけれども、そこの住民の人たちと、まず最初に参加の下に調査を行います。その調査を行った結果、二つの大きな問題点というのが浮き彫りになってきました。
 一つは、子供たちを取り巻く栄養環境がすごく悪いということです。食事の質も低いですし、回数というのも大体一日に一回か二回食べれてようやくという状況がありました。また、お母さんたちが、子供たちの例えば子育て、出産、衛生管理、栄養管理といった知識が、識字率がとても低い国ですので、そういった知識が欠如していて、きちんと子供たちの栄養管理ができていないという状況が分かりました。
 また、特にこれはアフリカの女性全般的に言えることなんですけれども、アフリカで生産されている食料生産のうちの八〇%が女性がかかわっていると言われています。食事に至るまでの農業ですとか、家事、調理ですね、あとは水くみといった重労働ほとんどが女性が担っているということで、その重労働が大きくお母さんたちの負担になり、子供たちへなかなか時間を費やしたり、収入を得ることができないという状況があります。その中でハンガー・フリー・ワールドは、子供の栄養改善とお母さんたちの収入創出の機会の拡充という、この二つの柱を立ててブルキナファソで活動しています。
 少し村の様子を皆さんに見ていただきたいんですけれども、この下の大きな写真というのは、実はこれが雨季、雨の降る。ブルキナファソですと大体三か月から四か月ぐらいの期間なんですけれども、雨季の時期です。一方、上の小さな写真というのは乾季の時期。全く同じ場所で撮った写真です。このように、農業ができる期間もすごく限られていて、それが逆に農業ができない期間というのが長いので、自給自足の生活をするためには、その農業がきちんとできてそこから食料を得られるということが必要になってきます。
 これは一般的な家庭の様子になります。もちろん、火をたくためにもまきを取ってこなければいけませんが、最近はすごく木も減ってきていて、一時間、二時間歩いたところからまきを取ってこなければいけないというふうな話も聞きます。
 子供たち、食事をするときは、ほとんどがお母さんたち、お父さんたちのお皿から一緒に食べるか、兄弟一緒にこのように食べます。多い収穫のすぐ後の時期で一日二食、少ないときでは一食しか食べられないというのが現状です。このような成長期にあるお子さんを持っていらっしゃる方も多いと思うのであれですが、成長期にある子供たちというのは、一日一回ではなくて五回も六回にも分けて御飯を食べなければいけないということで、一回どんなにおなかがいっぱいになっても十分な栄養が行き渡るわけではありません。
 このような状況の中で、私たちは、妊産婦と乳幼児を対象にした栄養改善事業というのを行っています。
 この事業は、実は国営の保健センターとの共同事業で行っています。なぜそのような体制を取っているかといいますと、元々この事業というのは、国営の保健センターが国の費用で運営していた事業です。ただし、それが資金難になってしまって打ち切られてしまったという状況の中で、二〇〇六年にハンガー・フリー・ワールドの支援でこの事業が再開しました。ですので、私たちの戦略としては、そこに既にある建物、そこに既にある知識というものを再活用しようということで支援を始めました。地方自治体に当たりますクブリの郡庁とそして保健省と協力協定を結んで事業を進めています。
 実はこのような栄養改善事業というのは、ブルキナファソ全土の保健センターに以前はあったんですが、現在機能しているのが三つしかないと言われています。そのうちの二つはユニセフなどの国際支援が入っているところ、残る一つがハンガー・フリー・ワールドが継続的に事業を支援しているところというふうになります。このセンター、約二万三千人の対象者がいまして、そのうちゼロ歳から五歳未満児が約四千五百人います。
 先ほどから子供の栄養改善という話をしていますが、なぜそれが重要かというと、ここに出ているグラフというのは五歳未満の子供たちが死亡する原因です。肺炎、下痢、マラリア、はしかなどといった予防できる病気若しくは栄養状態が良くて子供たちが健康であれば命を落とさなくてもいい病気というのが死亡の大きな原因になっています。一番大きなところを占めている新生児期というのは生まれて二十八日間以内に亡くなってしまう子供を示していて、ここにはお母さんたちの健康というのが大きくかかわっています。
 女性の実は栄養改善もやっているんですが、今日はジョイセフというお母さんたちの支援を専門としている方がいらっしゃいますので、そこの部分に関しては今日は割愛させていただきます。
 私たちの行っている事業の概要というのは、このような流れでやっています。
 まず最初に、村に私たち自身が出向いて初期の診察をします。これは、体重や身長測定をすることによって子供たちの発育状況というのを把握します。その中で栄養不良と診断された子供たちを週に一度保健センターで行っている定期診察にレファレンスをします。その中で子供たちの体重測定や身長測定による健康管理と必要な治療というのを行っています。
 そのほかに特に力を入れているのがお母さんたちの啓発活動になります。これは、お母さんたちにきちんと母乳の大切さですとか離乳食の作り方や衛生管理といったことを教えていって、この知識を持つことによって、本当に小さな行動の変化でも子供たちの命を救うのに役に立つことがあるということが私たちの活動の中でも立証されています。
 もう一つが、栄養かゆの作り方ということを指導しています。これは、現地で、地元ですべてのほとんどの人たちが家で蓄えている食べ物をうまく組み合わせることによって子供たちの栄養改善につながるおかゆの作り方というのをお母さんたちに指導しています。
 これが出張診療の様子になりますが、多いときでは百五十名ぐらいのお母さんたちが集まることがあります。
 これは私たちが使っているカルテになるんですけれども、左側の白いものがお母さんたちが持ち歩く母子手帳のようなもの、右側の黄色いものが私たちが管理をしているカルテになります。こうすることで、ちゃんとお母さんたちの手元にこの母子手帳のようなものを置くことで子供たちの健康を管理しているという意識を高めてもらっています。
 これは、栄養かゆの材料が右の上になりますが、ミレットという、日本でいうと雑穀類になってしまうんですけれども、とてもビタミン価なども高くて乾燥地域でも育つ作物ですので、このようなものはほとんどの自給自足の家庭で作っているということで、このようなものを使っておかゆの指導をしています。
 入院措置もとっていまして、瀕死状態にある子供たち、緊急処置が必要になる子供たちに関しては入院の措置をしています。その入院の施設の支援もそうですが、こういった対応をするための先生方に対する研修というのも私たちが支援をしたものです。
 小さな写真に出ているのは、それでも対応し切れない、農村部の保健センターでは対応し切れない子供たちに関しては都市部のところに搬送をしています。
 これは私が出会った一人の子なんですけれども、低体重で生まれて、千八百グラムで生まれたんですが体重が千五百グラムまで落ちてしまった子供ですとか、この子は生後十四か月、一歳と二か月ですが、体重がたった五千五百グラムしかなかったという子供がいます。
 本当に、三、四か月の事業を通したおかゆなどの指導によってこのように元気になるという事例も見られています。
 時間があと一分ぐらいだと思いますが、お手元の中に、最後に「提案」というふうに書かせていただいているところを簡単に御説明して終わらせていただきたいと思います。
 まず一つには、慢性的な飢餓、栄養不足という対策が緊急課題であるということが認識される必要があると思っています。食料危機などが起こった際には一気に支援が集まったりとかするんですけれども、十億人の飢餓人口がいるということそれ自体が危機的な状況であるということを再認識する必要があると思います。日本が掲げる人間の安全保障というその枠組みの中でも、まずは個人とコミュニティーが持続的に食料を得ることができるという、その食料の安全保障というのがまず重要になってくるのかと思います。
 二点目に、栄養の分野というのは、これは日本国内でも言えるんですけれども、医療分野としてなかなか認められない部分があります。でも、栄養がきちんと取れて健康的な生活ができるというのはもう保健の基礎的な部分になりますので、栄養というのをきちんと保健分野の中で位置付ける必要があると思います。その上で、様々な分野と横断的に支援を行うというのが重要かと思います。それは、例えば学校給食であったり就学前教育の中での健康管理ということになると思います。
 最後、一点だけ時間がないので付け加えると、私たちのこの行っている事業というのは、先ほど言ったとおり、国営の保健センターとの協力事業になっています。このように、実は政府が行っていてすごく良い事業というのがあるんですが、資金がないため打ち切られてしまうというような現状があります。そこにNGOが入って支援をまた始めること、その良さをまた見せることでグッドプラクティス、良い事例をつくっていくということもできます。そういった、既にあるものをうまく使った支援というのを今後していく必要があるのではないかと思っています。
 少し時間が過ぎてしまいましたが、以上にさせていただきます。
#4
○会長(石井一君) ありがとうございました。
 永岡参考人。
#5
○参考人(永岡宏昌君) こんにちは。CanDo、アフリカ地域開発市民の会の永岡です。よろしくお願いします。
 私、ここ二十年ほどNGOとしてアフリカの開発協力にかかわっております。その中でも、今の団体、設立して十年ですが、ケニアの方で事業を実施しておりまして、一年間の半年はケニアで事業責任者としてプロジェクト運営をしております。(資料映写)
 私どもの団体の原則としまして、豊かさは現地の人たちが決めて自分たちで追求していく、地域にある資源を活用しながらやっていこうと。そういったプロセスに我々がかかわっていく、一緒に協力していくことによって彼らが生きていく上でのいろんな力を付けていってもらうこと。今から教室建設のお話をしますが、教室ができるということとともに、その過程でどんな力を付けていけたのかということが将来の役に立つというふうに見ております。それから、もう一つのポイントとして、教育、環境、保健を包括的に対象にするという考え方を取っています。
 社会的能力向上というのは我々が言っておることなんですが、一つは知識に基づくということで、私ども日本で生活していますと、例えばインフルエンザがはやると行政機能だとか研究機関だとかいろんなところが手当てをして情報を流して注意を促したりしますけれども、逆に、アフリカに暮らす人たちは、そういったものが全くない状況の中で生き延びていくためには、そういったことが起こったときに自分の能力として子供たちを守っていくということが非常に大切です。
 そういった意味で、基礎的な知識だとか問題を分析していく能力だとか、社会として例えばその問題に対応するために合意をしていく能力だとか実際に計画を実施に移していく能力、こういったことを社会の中で円滑に、闘って勝ち取るというよりは円滑に行っていくということが重要だと考えています。
 ちょっと教育について簡単に説明したいんですが、学校にかかわる部分をフォーマル教育といいますが、私どもが見ているのはもう少し広く、ノンフォーマル教育という、成人、大人の人たちが知識を持つことも重要というふうに考えています。プラス、それに保健と環境が別々にあるのではなくて、彼らの必要とするものはそういったものが組み合わされたニーズ。ですから、教育と保健と環境がばらばらに来るというのは、例えば援助をする側の都合といいますか、専門家であったりだとか省庁であったりだとかの都合ではありますが、必要なのは、いろんなことを包括的に必要としているということを考えております。
 そういった中で私どもはこういうふうにマッピングしておりますが、事業を、学校の中の健康に関する教育だったりだとか、学校の外での健康に関する教育であったりだとか、環境に関するもの、それも学校の中と外、そういったものを組み合わせるという形を取っております。
 場所は、東アフリカ、ケニア共和国の東部州ムインギ県という半乾燥地で事業を十年間行っております。この地域は、降水量が少なくて天水農業だけでは自活できない場所で、農業と牧畜を組み合わせたような形で皆さん生活をしていまして、貧困地域で、一夫多妻だとか伝統呪術だとかいうものが色濃く残っている場所です。
 ちょっと写真で説明しますと、首都のナイロビから二百キロくらい離れたところに県庁所在地がありまして、そこからまた数十キロ奥に入っていきます。
 ちょっと生活の様子ということで、水くみの様子ですが、こういったかれ川の砂を掘って水を取ったりだとか、ため池の水、こういったのが生活用水になっております、基礎的な。
 これは家畜。
 こういったところで、村でも週に一度市場が開かれる。市場の様子。これ、右下は同じ場所で市場のない日の様子です。
 で、小学校。
 ケニアの教育制度なんですが、八四四制、英語を重視する、いろいろありますが、住民参加を元々前提にしています。それで、過去には小学校建設は住民の責任というふうな形になっていました。
 二〇〇三年から無償教育が援助のおかげで入ってきたんですが、それにつれて生徒数が増加する。それはまた教室不足にもつながりますし、新しい地域、例えば子供が学校に通えない新しい場所にまず幼稚園ができて、地域の人たちが土地を確保して小学校の建物を造って教員が派遣されるということが現在行われております。そこに我々が協力するわけですが、こういった教室に住民参加型で資材を集めて建てていくということです。
 ちょっと写真を見ながら説明していきたいんですが、役割分担としまして、保護者と私たちの役割、こういうふうに分けています。
 まず、保護者総会ということで、資材を集めますかということを保護者と合意をします。左側上の写真、前列に座っている人たちは保護者の代表者、運営委員会の役員の人たちなんですが、間々あることなんですが、ここでも起こったんですが、役員の人たちとまず合意をして、こういった作業をしますということで役員の人たちに保護者の皆さんに合意を取ってくださいということだったんですが、実際に保護者総会を開くと、実は説明していなかったということがありまして、私どもでもう一度説明をして、一緒に教室を造りますかと言って、いろいろ議論があって、最終的にみんな手を挙げて、じゃ一緒にやりましょうというところが下の図。
 こういうふうにれんが作りから始まります。こういった石を集めてきて、これ、右下は、手で砕いて砂利を作っています。これで資材がそろいますと、やっと事業開始の合意ということでもう一度保護者総会を開きます。私どもの方からセメント等の資材を供与するんですが、帳簿の付け方を説明したりだとか、帳簿を付けてもらうというところで、右下は、職人さんが校長先生に私たちの建設マニュアルを示しながら、今日のセメントの量は幾つですよというのを説明しながら帳簿を付けてもらうということをやっています。
 これが資材出納帳の例です。学校、校長先生と保護者の代表者と職人さんが毎日資材の出入りを確認するというような作業をします。
 今から作業が始まります。これ、セメント作りと基礎底部を造っています。
 これは途中作業で、リングビームという作業をしているんですが、保護者総出でずっと作業をしていて、右下の真ん中にいるのが私どもの専門家で、技術指導、そういう今後の作業工程についての説明をします。
 これは床を仕上げているところ。
 これが教室内部の様子です。
 これが私どもの完成した教室です。
 この教室、普通ですと、援助なんかでよくセメントを塗ってペンキを塗ったりするんですが、私どもはあえてしません。どうしてかというと、セメントもペンキも高いので、できるだけ資材を少なくして安く上げることによって、住民が自分たちでもできるんだと。これに恐らくセメントを塗ってペンキを塗ると、援助したらもらえるもの、でも自分たちで造れるものとは思わないんだと思います。さらに、こういうふうにむき出しの構造にしておくと、造りたい人がこの教室を見て中を見たら構造が分かるというものです。
 さらに、この形のように基礎を二つ造って、一つだけ教室を造って、ここまでの援助、協力をするというパターンもしています。そうすると、そこで習った自分たちで身に付けた技術で、もう一つ自分たちのお金で教室を造るということをしています。
 下で起こっていることは、実際にそういった形でできているものです、手前が。こういった形で、事業を通して住民の人たちが力を付けつつ教室を増やしていくというような活動をしております。
 ちょっと話は変わるんですが、総合的ということですので、エイズについてもちょっと簡単に触れたいと思います。
 今、ケニアの感染率は七%くらい、十数人に一人が感染しています。政府の方で対策が取られていまして、国民に対する教育、それから子供に対する教育というのが一生懸命行われています。
 それで、私たちは、そういった中で現場の状況を見つつ、どういった協力ができるのかということを見ているんですが、まず、最近、身近な人がどんどんエイズで亡くなっていて日常化しています。それでパニック状態というようなところがあるんですが、その中でも、エイズと不道徳な性交渉を強く関連付けて見ていまして、これは不道徳の病気だとか、そういった目で見てしまいます。そうすることによって、例えばほかの感染経路、つめ切りだとか、とげ抜きみたいなものであったりだとか、患者さんの介護だとか出産介助での感染だとか、いろんなものを見落とす危険があります。
 現在置かれている状況は、エイズについて情報が少ないのではなくて、情報があって、いろんなことをいろんな人が言っていて、住民はだれを信用していいのか分からないという状況があります。
 という中で、現場の体験として、どういうふうにエイズ問題を見ていいのかというところで、理科的な知識、実際の感染経路だとかいうことと、社会問題としてのエイズ、地域の中で社会問題としての理解を進めていくことによって、患者さんを排除するのではなくて、共生していける社会をつくっていく意識をつくっていくお手伝いをするということが重要だと思っています。
 いろいろその中で保健トレーニングをしているんですが、これは女性に対する基礎保健研修の様子です。
 これは男性に対しても、最初ずっと女性のトレーニングをしていたんですが、やはり性の問題とかいろんなことで男性に対する研修もしてほしいという男性の声もたくさん上がって始めました。
 特に、上の写真、お年寄りの方がかなりいらっしゃっているんですが、村の有力なお年寄りの方がいらっしゃっているんですが、最初はそういった方が一生懸命本当に聞いてくれるのかなと。アフリカのお年寄りですと、何となくイメージとして、昔話のようなものでごまかしてしまうのかなと思っていたら、ちゃんと知識を学んでくれる方がいらっしゃったりだとか、あと、宗教者の方も教会の方も参加してくれるようになってきています。
 これは小学校の中での保護者を対象にしたエイズ学習会ということで、上の場合、小学校の校長先生が率先してコンドームの使い方を一緒に住民の人たちと勉強しているという図です。
 これはエイズの教員研修という形で、小学校の教員に対して、カリキュラム自体はエイズ教育を積極的に進めるカリキュラムになっているんですが、それをうまく教えるにはいろいろ、先ほどの不道徳な性交渉がつい頭をついて教えにくいということがあるということでトレーニングを重ねております、教員研修を。これはその一場面。
 それで、先生が教室の中でエイズに関する授業を行ってもらうという公開授業というのも実施しています。それから、子供がエイズについて発表をする、こういった発表する場というものも設けています。
 で、発表を言わば聞きに来た保護者です。
 ここで重要なのは、保護者はエイズについて知識がないわけではなくて、いろんなことを聞いているんですが、じゃどれが本当に正しいのかと迷っているところで、子供たちが発表をするその内容を聞いて、ああそうなんだというふうに保護者が理解をしてもらえるという面で大切ですし、もう一つは、これ同じ会場なんですが、その後、子供たちを帰して、帰ってもらって、保護者と教員に子供をエイズから守るためにはどうしたらいいんだろうという話合いをしてもらっているところです。
 こういった形が私ども重要だと思っていまして、学校地域社会と呼んでおりますが、小学校に対する取組と地域の人たちが力を付けていくこと、知識を付けていくことで、例えばエイズの問題というのをお互いによく知って、一緒に教員と地域の人が子供をエイズから守るためにということが話し合える場をつくっていく。
 それから、重要なことは、こういった機会を通して保護者の人たちが学校の運営に参加をして、例えばエイズ教育のようなもの、教員が嫌がっているようなものをちゃんと実行されているのか保護者の方が確認をしていく。例えば、子供から話を聞いて、ケニアの場合、二月くらいに毎年エイズ教育が理科であるんですが、二月から三月にかけて、この時期に子供たちにエイズの話、どんなの聞いているのかなというのを家庭で聞けば、授業が行われているかどうかというのは分かるわけで、そういったことで積極的に保護者が参加して学校教育にかかわっていくということができるんだと思っております。
 発表は以上です。
 どうもありがとうございました。
#6
○会長(石井一君) 船橋参考人。
#7
○参考人(船橋周君) ジョイセフのアフリカ事業を担当しております船橋周と申します。今日は、このような機会をいただきまして、どうもありがとうございます。
 私は、アフリカの母子保健の現状とジョイセフの取組ということでお話しさせていただきます。(資料映写)
 私たちジョイセフは、人口とリプロダクティブヘルス・ライツ分野の国際協力を推進する日本のNGOです。一九六八年に設立されまして、昨年四十周年を迎えました。開発途上国での女性や妊産婦の健康向上のため活動しております。国連人口基金、UNFPAや国際家族計画連盟、IPPFといったところと共同で事業を実施しております。また、国際協力機構、JICAの委託事業も行っております。
 リプロダクティブヘルス・ライツという言葉はすごくとても言いにくいんですけれども、定義としては、子供を産むか産まないか、また産むとしたらいつ産むのか、何人産むのかというようなことを決める自由を持つことというふうに定義されています。また、昨年のTICADの開会スピーチでは、福田前首相がこのリプロダクティブヘルスの重要性を強調しておりました。
 海外の実施状況としましては、現在十三か国でプロジェクトを実施しております。アフリカにおいては、ザンビア、タンザニア、ガーナの三か国です。一九八〇年代から実施しておりますので、二十年以上実施しております。私たちジョイセフのスタッフが駐在しているわけではないのですが、現地のNGOであるIPPFの三か国、ザンビア、タンザニア、ガーナというところと共同でプロジェクトを実施しております。住民を主体としたリプロダクティブヘルスの推進活動を通して、自立した地域社会づくり支援ということを実施しております。
 次から写真を御紹介しながら、ザンビアの農村女性が置かれている、特に母子保健の現状ということでお見せしたいと思います。
 皆さん御存じの十円玉というのがありますけれども、十円玉に使われている銅や、またコバルトなどの鉱山資源が豊富に取れる国がザンビアです。このように、写真の子供、子供が赤ちゃんをおんぶしている様子というのがとても普通に見られる光景です。子供が多い家庭では、このように兄弟同士で世話を見るのが当たり前。そして、特に女の子は、お母さんの家事を手伝うということがあるため、学校を小学校などで途中でやめてしまうという子が多く見られます。
 こちらにあります十五歳以上の非識字率というのを見ますと、男性で二四%に対して女性は四〇%ということになっております。男性優位の社会では、いつ、どこで、だれと、何人の子供を産むかということを決定することはおろか、意見を言うことすら女性には許されない社会があるのです。その結果、十代で妊娠してしまったり、たくさんの子供を産んだり、出産間隔が極めて短かったりするため、女性が妊娠や出産によって亡くなる危険性というのが一層高まります。
 こちらの女性ですが、九人の子供を持つ女性です。年齢は三十四歳なんですが、十四歳で結婚していまして、最初の子供を十四歳で出産しています。このように、農村地域では必要な情報とか避妊具などの保健に関するサービスが限られていて、また教育を受けていない女性も多くて、子供を産む数がとても多いです。一人の女性が生涯産む子供の平均数は、日本で一・二七に対しましてザンビアでは五・一三という結果が出ております。
 また、先ほどからお話がありましたとおり、女性の重労働の負担ということが挙げられます。このように、この写真の女性は八か月の妊婦さんなんですが、御飯を作るためのまきを運んだりですとか、村に水道があるわけではないので、歩いて一、二時間かけて水くみに井戸まで行くというのが日常茶飯事に行われている現状です。
 これもまた村でよく見られる風景なんですけれども、アフリカの村にある一本道で、村のクリニックまで歩いて一時間、二時間、病院までは四時間とか五時間とか歩かないといけないわけです。
 このお母さんは赤ちゃんを背負って歩いていくわけなんですけれども、その村にあるクリニックまで行っても医者はいません。助産師か看護師が一人駐在しているというような状況があります。
 こういう、病院が不足していること、病院までのアクセスの問題などから、多くの女性が自宅分娩、自宅で出産をして、専門技能者の立会いなしでの出産というのが現実です。専門技能者の立会いの下での出産、日本は一〇〇%に対しましてザンビアでは四三%という状況です。
 このように、妊婦さんの重労働や病院へのアクセスの問題、医師や助産師などの医療従事者の不足、医薬品の不足など、いろいろな要因が妊産婦死亡に関係しています。妊娠、出産で女性が亡くなる妊産婦死亡率は、出生十万に対して、日本では六、ザンビアでは八百三十という結果です。現在、世界では一分間に一人の割合で妊娠、出産が原因で女性が命を落としています。
 これらの状況というのを、背景をまとめますと、多くの女性が妊娠、出産で命を落としているのは、次の三つの遅れということが原因と考えられています。
 一つ目には、治療を受けることを判断するまでの遅れ。これには、病気に関する認識不足ですとか、女性の地位が低いこと、経済状況が悪いこと、教育レベルが低いなどの社会・経済・文化的背景があります。
 二つ目には、緊急産科ケアが受けられる病院までの距離の問題です。車もない、道路の状態が悪いなどの医療施設の利便性が挙げられます。
 三つ目の遅れとしましては、病院にたどり着いても医療従事者が不足している、医薬品が不足しているということが関連しまして、適切かつ十分な治療を受けられないということで手遅れになるということなど、医療サービスの質の問題が挙げられています。
 このような背景の下、ジョイセフは、では私たちは何を行っているかということですが、こちらの写真の男性は村にいる保健ボランティアさんという方です。私たち、村の住民の中から人を選びまして、家族計画やHIV、エイズについてのトレーニングを行っております。ジョイセフは現地に駐在のスタッフがいるわけではないので、現地のNGOとともにプロジェクトを実施しています。現地のNGOが自立していくことを目指して、村の住民を保健ボランティアとして育成し、現地の人たちが中心になって活動が根付くように自立した地域社会づくりということで支援しております。
 また、この保健ボランティアさんというのは家々を回って巡回家庭訪問というのを行っています。元々は家族計画を普及するためということで活動していたんですが、このように、必要な情報ですとか、あとは避妊具の配布ですとか、家族計画やHIVに関するカウンセリング、相談ということもまた行っております。
 村にはやっぱり電気がないので、テレビやインターネット、インターネットもましてあるわけではないので、とても情報が限られています。そんなような中で、このように、人から人への口伝えで命にかかわる重要な情報というのが村の奥深くにいる人々にまで伝わっていっています。
 このように、その保健ボランティアさんは村の住民と保健サービスというのをつなぐ重要な懸け橋として役割を担っています。
 こちらなんですが、先ほど永岡さんの話にもありましたが、アフリカのHIV、エイズの状況というのが一九八〇年後半からもう大きくなってきまして、私たち、元々、家族計画、母子保健を中心に行っていたんですが、その村の保健ボランティアさんから、村でも、周りで、家族で、友達がもうエイズで亡くなっている、そんなような状況の中で自分たちも何かHIV、エイズに関して取り組みたいという声が上がりまして、日本でもおなじみの紙芝居というものを制作しました。この紙芝居はタンザニアのエイズの実話を基に村の住民とともにジョイセフが作ったものなんですが、電気がないような農村地域でも保健ボランティアさん一人で上演でき、読み書きのできない人たちに対しても絵を通して、現地語による語りで感情的に訴えることが可能ということで、特に差別や偏見をテーマに扱っております。
 後で、ストーリーに関しては御紹介したいんですが、紙芝居はこちらになっていまして、三十三枚の絵から成るものです。(資料提示)こちらの絵はすべて村の人たちがかかれたものです。村のその住民が制作の段階からこのすべてのプロセスにかかわっていて、かかわった人数は延べ人数で約四千人になります。
 成果としては、この紙芝居を上演してHIV検査に来る人たちが増えたですとか、あとは親戚の遺児を引き取ることを、エイズ遺児ですね、遺児を引き取ることを拒んでいた女性が紙芝居を見た後には引き取ったというような報告も受けています。
 先ほどの話にもありましたとおり、エイズの情報というのはたくさんあふれているんですが、どれが適切な情報か正しい知識なのかということが村の人たちには伝わっていない場合がよくあります。コンドームでエイズを防げるということは分かっていても、実際にその行動に移すことができないというような人たちも多くいます。私たちは、この紙芝居を作ることによって、感情的に訴えるもの、行動に移せるようにするということで有効活用されています。住民の保健ボランティアへのモチベーションやオーナーシップというのを高めて、既存のリプロダクティブヘルスの活動にHIV対策を統合させた形で活用しています。
 このように、ジョイセフは予防教育活動というのを中心に行っていますが、医療やケアといったところは地方政府と連携しながら活動を進めておりまして、特に母子感染予防を強化して妊産婦の女性の対策に力を入れて取り組んでおります。
 こちらのグラフなんですが、これは、これまで妊産婦や女性への支援と言ってきましたが、なぜジョイセフが女性にフォーカスするのかということを示したものです。こちらのグラフを見ていただきますと、両親が生きている場合と父親が亡くなった場合のその子供の死亡率というのはさほど差がないんですが、母親が亡くなった場合には特に女の子の死亡率というのが劇的に上がっています。
 これは、女性は男性に比べて収入の多くを子供の教育や食料や医療に費やす傾向が強いという調査結果が出ています。また、男の子の場合は家族で何とか助けるようにするけれど、女の子の場合には医療や教育でも後回しにされることがあります。男の子が優先されて、女の子であることで文化的な差別を受けているという状況です。よって、お母さんを助けるということは子供の命を救うということ、母親、女性が社会で活躍できるようにするには子供の命や健康を守るということにつながるのです。
 最後に、「提案」として書かせていただきましたが、アフリカでこのような支援をしているNGOとして日本のODAに対して幾つかお願いがあります。
 ミレニアム開発目標、MDGというのがありますが、五にあります妊産婦の健康改善に関してですが、子供に対しての対応というのはこれまで対応されてきたんですけれども、お母さんというのは忘れられてきたということがありまして、MDG五の進捗が最も遅れていることが昨年の洞爺湖サミットでも指摘されております。
 そこで、是非妊産婦の健康改善のために支援をしていただきたいと思います。家族計画を実行できるようにするだけで妊産婦死亡の三分の一を減らし、出生時の新生児死亡を五分の一減らすことができます。また、助産師などの立会いの下での出産をし、必要な緊急産科ケアが受けられれば妊産婦死亡を四分の三減らすことができます。そのため、私たちのようなジョイセフ、IPPF、UNFPAなどの専門機関が既に存在しています。私たちは、現地の声を大切にしながら、本当に必要としている草の根の人々に医療や技術やサービスなどの支援を届けることができます。
 それから、私のアフリカでのプロジェクトの経験から、このような支援があったらいいなと思ったことを申し上げます。
 例えば、ハード面に関しては主にインフラ整備です。日本の道路などインフラ整備はとてもアフリカでも評判が高いです。ただ、道路も病院も都市部にはあるんですが、農村地域に入ったときに道路がまだがたがたした道路で十分ではないこと、また病院に関しても、大病院はあるんですけれども、農村地域にあるクリニックとの間ぐらいにまた施設があると、どこにいてもお母さんが安心して子供を産める場所を確保することができるかと思います。
 また、ソフト面に関しては、医療従事者又は地域の人々、保健ボランティアなどの人づくりの面、そして家族計画のためのサービスの充実ということが挙げられます。ただし、これには継続性や持続性といったことを前提とした支援が必要かと思います。妊産婦の死亡率を下げるということは、二年とか三年の短期で変えられることはすごく難しいため、中期、長期的な取組が必要だと思います。少なくとも五年、成果を出すには十年のスパンが必要かと思います。是非、継続性、持続性を考慮して、GOとNGOのパートナーシップの下、本当に必要としている人たちへの支援が届くようによろしくお願いいたします。
 最後に、私も現在、今八か月の妊婦なんですが、安心して子供が産める場所が確保できること、また、緊急のときにどういった対応ができるのかということは日本にいてもとても不安に感じますので、女性がどこにいても安心して子供が産めるようにするために是非よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
#8
○会長(石井一君) 次に、佐渡友参考人。
#9
○参考人(佐渡友雄基君) 皆さん、こんにちは。アースティーの佐渡友と申します。この度は、こんな貴重な時間をいただいて本当にありがとうございます。
 最初に呼ばれたときに、僕は果たして何を話せばいいんだろうとちょっと戸惑った経緯がありまして、幸いにして、ちょっと会が遅れたりしたおかげで実は僕はゆっくり考えることができて大変有り難かったんですけど。
 前に話された三人の方、皆さん本当に大事なことをやっていらっしゃるなと思います。アフリカに自分が初めて行ったのは二年前で、そのときは、アフリカがすごく大変な思いをしているということは知っていたんだけど、それ以上に自分が何ができるのかというのが分からなかったんですね。実際、僕はマラウイに行って、それで、自分で目で見ながら何をやっていけばいいのかというのを今考えながらちょうど会社を運営して走っているところです。
 アフリカで何ができるのか。やらないといけないことっていっぱいあるんですよ。本当に多過ぎて何から手を付けていいのか分からないぐらいだと思います。僕はお茶の商売人なので、お茶からやるというように自分で決めて今やっているんですけど、ここの場で僕が何を話さなければいけないかというのを考えて、多分僕が見てきたマラウイの現状を伝えること、あと、日本として何ができるのか、自分は日本人として何がアフリカでできるのかということを常に問い続けながら仕事を今している段階です。
 実は僕は中国茶の仕事をやっていたので、アフリカに行くなんて思いもしなくて、偶然の出会いが重なってこんな仕事をさせていただくことになっています。お茶の仕事をやっていると、一期一会という言葉を多分皆さん聞かれていると思うんですけれども、この一期一会のつながりの中で僕はアフリカに行けるようになったと本当に感謝しています。僕は、マラウイとともに、アフリカとともにどんな仕事をして、どうやってこれから生きていけるのかということを仕事を通じてやっていきたいと思っています。
 ちょっとマラウイの写真を御紹介します。(資料映写)
 広いです。この茶畑の写真を僕は見て心を奪われてしまいました。最初にマラウイの写真を見て、この写真を見ただけでマラウイに行きたいと心から思ったんです。中国茶の仕事をやったり、静岡の出身なので静岡も見ているんですけど、全く見たことのない写真で、この写真一枚から実は僕は物すごい情報をもらいました。異常なほどに広い茶畑、なのに機械を全く使っていないであろうこの茶畑の形、広がっている草原みたいな茶畑で、もう後ろも左右も奥もきっと同じような光景が広がっている。じゃ、こんなところで何を作っているのかといったら、紅茶なんですよね。
 僕たちも実はいつの間にか飲んでいて、リプトンの紅茶だったりとか、ああいう中にケニアの紅茶が入ったり、マラウイの紅茶が入ったりしているんですけど、僕らが知らない現実の中で実はこういうところがアフリカにあったということを写真で知って、仕事で本当にこれで商売になるのかどうか、僕は飯を食っていけるのかどうか分からない、でも取りあえず行きたい、行ってから考えようと、そうやってマラウイに僕は行くことになりました。
 僕の会社の紹介ですが、ティー・フォー・ワールド・ハピネス、お茶で世界を幸せにしたいという、そういう思いがあります。もっと近いところでいうなら、家族同士でおいしくお茶を飲むだけで全然いいんですけど、家族が広がって、友達が広がって、仲間が増えて、そういう中から一つ一つ仕事になっていけばいいんじゃないかなと思っています。
 マラウイはこんなところです。とっても小さい国です。日本よりもずっと小さいんですが、九州と北海道を合わせたぐらいの面積しかないです。ただし、お茶の生産量は実はアフリカの大陸の中で第二位の生産をしております。年間、大体四万トンぐらいの生産ですね。日本のお茶がおおよそ十万トンぐらいですので、国土の面積から考えると日本よりも実はマラウイの方がお茶の生産量の効率は高いということになります。ということは、こんな内陸の国でなぜそんな大量に作れているのかということがやっぱりお茶のビジネスの中で非常に大事なポイントになっています。
 これが茶畑の様子ですね。これは茶摘みをしています。はさみでかたかたかたとお茶を摘み取ったのがちょうど白いケースに入って、背負っているかごにばさっと入れるという、そういう写真ですね。
 マラウイになぜ僕が行くことになったのかというと、実は二年前なんですけど、フーデックスという幕張で行われている食品の展示会があります。外国の方なんかもいらっしゃるし、日本の食品の展示もやる。そういうところで偶然、ジェトロのバックアップでマラウイからお茶の人が来ていました。その方に偶然知り合って話をしていたところ、すごく面白いお茶、緑茶とかウーロン茶とかを試作していたんですね。マラウイはメーンはすべて紅茶なんですけども、そのお茶じゃない緑茶とかいろんなお茶を試作していて、面白いことをやっていますね、実は僕、お茶の研究をしていて中国茶が専門なんですけど、プーアール茶ってね、調べてみたら分かったんだけど、あなたのところでも作れるんですよ、実はという話をして、その話をしたらジェトロの方が横で聞いていてくれて、あなたのその話は面白い、是非今度ジェトロのプロジェクトがあるからこれでやってみないかと声を掛けてくれて、やりますというような話になって僕はマラウイに行くことになりました。それで、この会社を二年前につくりまして、今ちょうどいろいろマラウイのプーアール茶の販売に力を入れている段階です。
 事業を通して目指したもの、いろいろあるんですけど、プーアール茶を作るというのが一番のポイントで、この中で、どうでしょう、皆さん、飲まれている方いらっしゃるかどうか分からないんですが、プーアール茶というのはマーケットで健康茶として有名で、ダイエットにいいよとか、あと血圧が下がっていいよとか、そんなようなお茶としてよく飲まれているお茶なんですが、生産はほぼ一〇〇%中国です。
 中国の生産のものがバッシングされていた時期がよくあったと思うんですけれども、ホウレンソウから始まり、肉まんであったりギョーザであったりとか、ああいった影響をもろに自分が働いていた中国茶の会社でも受けまして、肌で恐怖を感じていた部分が正直あります。中国のものが安全だったとしても、いろんな社会の流れの中で影響を大きく受ける。売上げも物すごく影響を受けてしまうし、もちろん、現地の方に作ってもらったとしても、自分の手ではどうしようもないことでそのお茶が売れなくなったりするという現実があったので、そういうところで恐怖を覚えていて、中国産が悪いかどうかじゃなくて、でも中国じゃないところでも作れるお茶なんだから中国以外のところで作りたいと思っていた。それをアフリカでやりましたというようなことですね。
 実はこれ、日本の黒こうじを使って発酵させているので、日本の技術もバックアップとして入っているということはマラウイプーアール茶の特徴になると思います。
 これがパートナーですね。この写真の右から三人目の方、アレクサンダーという方なんですが、僕はこの方と二年前に出会ってマラウイに行けるようになった。この方と僕が出会わなかったら、多分僕はマラウイに行くことはなかったでしょうね。第一、アフリカに行くことすらなかったかもしれないです、僕は元々中国茶の人間なので。
 もう一つの会社です。マカンディという会社なんですが、ここの一番左の写真のインド人なんですけど、カムランという、僕は彼とすごく仲が良くて、なかなか最初のうちは英語できなかったんですけど、だんだんできるようになってきてメールでやり取りをしていて、かなりお互い熱いメールを今やり取りしていて、すごくいい友人でもありビジネスパートナーでもある方ですね。
 今後のアフリカのビジネスのために何ができるのかということを僕はやっぱりお伝えしたい。そして、何が本当にアフリカのためになるのかということですね。
 一番目の輸送コストとか、こういった問題点はあるんですけど、これはもうなかなか手が付けられない。僕は、二つ目のビジネスマナーと商道徳についての教育というものについて改めて日本人として考えていくべきじゃないかと思っております。
 日本には、明治の時代から慶応大学であったり早稲田であったり、ああいった有名な大学が、私学でありながらビジネスそれから法律も含めて国づくりということを考えていく教育施設がありました。アフリカには残念ながらほとんどございません。
 マラウイに行っていて正直感じること。僕はマラウイの人と商売やりたいんですけど、マラウイ人が経営している会社とはビジネスを正直なところ余りしたいと思えない。なぜかというと、彼らが元々商道徳であったりビジネスマナーというものをほとんど持っていない場合がほとんどなので。会話をすると分かるんですよ、レストランで食事したりとかいろんな会話の中で、ああ、全然ビジネス的なそういう発想の教育を受けてない人たちだって。使う単語で分かります。商道徳という言葉じゃなくて、ほかの言い方で全然分かるんですよ。例えば、みんなでもうけようねと言うだけでよかったりとか、お互いちゃんとフェアーで正直にいこうねとか、そういう言葉でもいいんですけど、そういうことすら会話が出てこないときがほとんどなんですよ。
 ということは、多分、逆に言うと何かが起きてもおかしくない。自分がだまされることもそうなんだけど、その場合って自分の商品を買ってくださったお客様をだますことにもなってしまうので、それだけは絶対できない。だから、リスク管理として僕はなかなか付き合い切れない状態になってしまうんですね、ビジネスとして。それは非常に残念。できれば、やはりマラウイの方にもっともっとビジネスに参加していただきたい、でも参加できない、そういう現状が今あります。
 マラウイでは、お茶であったりたばこであったり砂糖であったり、こういうものはすべてエステートと言われるようなプランテーション農業型のビジネスのスタイルを取っています。そうすると、何が起きるかというと、白人であったり、イギリス資本、スコットランド、まあほかにもありますけど、欧米諸国の資本が基本的にその経営を統治しますので、ビジネスのそのトップクラスの人たちはみんないわゆる白人なわけです、はっきり言ってしまえば。さっきの写真もそうでしたけど、白人がトップにいます。
 エステートのそういったところですと、マラウイの現地の人は労働者であって決して経営者にはなれないんですよ。トップには行けないし、トップにならないまでもトップ下のナンバーワン、ナンバーツーになれればいいんですけど、それすらほとんどない状態が起きる。そういうところですと、要するに仕事をしていてもマラウイの人たちはそこにチャンスであったり希望をほとんど感じなくなるはずなんですよね、もし僕がそうだったらそうなると思うし。だから、もっとチャンスを与えられないと多分彼らもやる気を出さない。
 でも、ビジネスをやっていこうと思ったら、チャンスも必要だし、その前にマナーがないと通用しないわけですよ、この世界では、社会に出てしまったら。だから、企業の中で教育を行わなければいけないし、日本はそうやって今まで経済的に伸びてきたんだけど、アフリカではそれが、現地の人には教育が施されないという現実がビジネスの世界でも起きているということをまずお伝えしないといけない。
 お金を与えるということは簡単にできることなんだけど、それは中学生や小学校の子供にお金をあげて、これで好きなもの買いなさいというのと全く同じで、余りまともな教育にはならないと思うんですよね。じゃなくて、お金を与えるんじゃなくてチャンスを与える。ビジネスのそのマナーであったりとか、チャンスを手に入れるための勉強をできる場所を与えることの方が多分ずっとずっと大事。時間は掛かるかもしれないけど、きっとそれができれば一つ一つ変わっていく。
 マラウイから日本に呼んじゃ駄目なんですよ、多分。そうすると、日本のこの温かくておいしいものが食べれて、きれいな生活ができてという、ここに慣れてしまって、やっぱりここがいいって思うと思うんです。自分だってそうだし、やっぱりいい生活したい。じゃなくて、マラウイ現地でその学びを得て本当に会社をつくれるような若い人が生まれたらきっとマラウイは変わると思う。これはマラウイだけじゃなくてアフリカ全土がそうだと思います。
 日本は欧米諸国に統治をされずに経済的に伸びてきた歴史があります。その中には、教育システムであったりとか、ビジネスの企業の成長するために持っているノウハウがたくさんあるはずです。このたくさんあるノウハウをアフリカにどうやって伝えるのかということを是非日本として考えていかなければいけないと。僕はマラウイからやりたいと思っています、やりたいことあるので。
 ちょっと今日はもうお時間がないので、お伝えすることができないんですけれども、最後に一言だけ。
 人事を尽くして天命を待つ、こういう言葉がありますよね。アフリカではいっぱいやらないといけないことがあるんですよ。全然人事尽くされていないんですよ。一つ一つ人事尽くしていくしかないと思うんですよね。それを僕は自分で、まずはお茶の仕事からマラウイでやろう、そう思っています。ビジネスこそが日本とアフリカの懸け橋だと思っています。
 御清聴ありがとうございました。
#10
○会長(石井一君) どうもありがとうございました。
 それでは、これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行いますので、質疑を希望される方は、挙手の上、指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。
 なお、質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の発言は三分程度となるよう、また、その都度答弁者を明示していただきますよう御協力をお願い申し上げます。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
 どなたからでも結構ですが、いかがですか。
 主濱理事。
#11
○主濱了君 四人の参考人の皆様、本当にありがとうございました。
 私から、四人の皆様に共通してまずお伺いしたいことがあるんです。
 今、食料危機ということが言われております。先ほど冨田参考人の方から、食料について、これは大分力を入れなければいけないと、この辺についてお話があったように思うわけですが、それぞれ今日の国を見ますと、ブルキナファソ、ベナン、それから、ケニア、タンザニア、マラウイ、ザンビアと、こういう国々紹介いただいたんですが、それぞれの国の食料事情はどうなのかと。
 学校がテーマになったところもありましたけれども、あるいは今言ったお茶がテーマになったところもありましたけれども、そもそもやはり食料事情がどうなのか、そこを、まずベースをお伺いをしたいなというふうに思います。
#12
○参考人(冨田沓子君) 御質問ありがとうございます。
 ブルキナファソなんですけれども、先ほどお話ししたように、内陸国に当たり、西アフリカのほとんどサヘル地域、乾燥地域に近くなってくる地域になりますので、特に北部の方というのはなかなか農業が難しい状況にあります。最近では、気候変動の影響を受けまして、雨季が、農作業ができる時期というのがどんどん短くなっていっていますし、不定期になってきています。今まででしたら、この時期に種を植えて、この時期に収穫をしたというのが、雨の時期が予測ができなくなってきたり、雨の降る時期が短くなってきているということで、自国の中で賄える食料の生産というのもだんだん減ってきてはいます。
 一方、主食の部分で輸入に頼る割合というのが特に都市部において多くなってきています。西アフリカ、ブルキナファソの中で主食にされているのは先ほどお話ししたようなミレットという雑穀類なんですけれども、実は、収穫をして、脱穀をして、粉のものをもう一回煮て、調理にすごく手間が掛かるんですね。一方、都市化が進んでいく中では、都市部の中ではやはり手間の掛からないもの、お米の消費というのがすごく増えています。ブルキナファソの政府が取った政策もあるんですが、そのお米の輸入というのがすごく増えていっています。
 なので、本来であれば、自国の中で主食となる穀物類の生産を伸ばさなきゃいけない中、安価で手に入る、例えばタイとか、アジアから輸入されてくる米にすごく頼っているようになってしまっています。そうなってしまうと、価格の変動が起こったときに、自国で賄えずに価格の変動に翻弄されて、主食である穀物類に手が届かなくなってしまうというような状況が起こっています。
 今、日本政府の中の農業支援の中でも盛んに食料増産ということが言われていますが、ただ増やすだけではアフリカの本当の食料安全保障にはつながらない部分があると思います。格差がある社会があるというのが現状ですので、作っただけでは駄目で、より格差の少ない社会をつくっていくことをしないと、幾ら食べ物を増やしても貧しい人たちには届かないというのが現状だと思います。
#13
○参考人(永岡宏昌君) ケニアの場合、メーズ、白トウモロコシが主食になっております。
 それで、ケニアは、イギリスの植民地化の際に、国土の二〇%から三〇%くらいの肥沃な土地はすべて白人のプランテーションということで取られちゃったんですね。それで、その後、独立後、その土地を国民に返していくということをゆっくりするというのが独立後の政策としてありまして、そういった土地の半分くらいは、元々牧畜民の土地が農耕地化されて、牧畜民じゃない人が今土地を所有しているという状況の中で、御存じのような二〇〇七年選挙後の紛争の一つの大きな原因になっておりまして、その紛争によって農民の方々が避難民になって農業生産ががくっと落ちたというのが去年の出来事です。
 石油価格の問題とその二つが合わさりまして非常に深刻な事態になっています。特に深刻なのは、貧しい人たち、ほとんど食うや食わずの人たちが、元々がもうほとんどの現金収入を食料の購入に充てたものが、食料価格が二倍になってしまうと本当に食べられなくなってしまうということで非常に大きな影響を受けて、昨日の新聞にも出ておりますが、深刻な事態がまだまだ進行していて、その格差の問題と食料というのは、冨田さんもおっしゃっていましたが、大変重要なポイントだと思っております。
#14
○参考人(船橋周君) 既に二人の方がお話ししてくださっているんですけれども、ザンビアにおいても、やっぱり近年、気候変動の影響で雨量が少ないということが挙げられます。
 国民の食べている主食というのがメーズ、トウモロコシなんですね。やっぱり雨が十分に降らないと十分にそのトウモロコシが育たないということがありまして、農村地域の人たちはほとんどが農業をやって生計を営んでいるので非常に大きな影響を受けているということは伺っています。また、近年のガソリンの高騰で食料もかなり高騰しているということで、これは町に住む人たちにも大きな影響を与えているということで聞いております。
 以上です。
#15
○参考人(佐渡友雄基君) 私の方のマラウイも、お二人最初にお話のあったケニアとかザンビアと同じで、メーズという白いトウモロコシの粉を主食にしている国です。
 マラウイの場合は、大体半年ぐらいの雨季の期間があって、そのときにトウモロコシ、メーズを植えるというのを、一般の人たちがみんな各々作っているようです。だから、雨季になってメーズのそういうのを育てる時期になると出社時間が遅れたりとかいろいろあるぐらいで、いや、だって家でメーズ作らなきゃいけないのにそんな仕事なんか行けるかよみたいな、そんな感じになっているらしいんですね。
 聞いていて思ったのが、まず一つ目に、保管状況というのが余りに悪過ぎる。日本ですと、国の方でお米とか管理しますよね。基本ですよね、これ。これがない。あとは、保存も非常にまちまちの方法で家々で保存するので、おなかがすいたら食べちゃうのは、それはみんなそうなんですけれども、要するに最後までもたないことが多いみたいですね。
 半年間の雨季のときはいいんですけれども、作っているときはまだいいけれども、乾季になっておなかがすいてくると食べちゃう。周りにおなかのすいている人がいたら、やっぱり分けちゃうじゃないですか。そうやって分けて、なくなっちゃってから考えるみたいな、そんなようなことがあるみたいなので、僕はもっと国が管理すべきではないかなというのを個人的には結構感じているところですね。
 あと、先ほど船橋さんからあったガソリンの高騰、マラウイでも続いていまして、上げ止まっているというんですか、値段が落ちません、おかしいなとは思うんですけれども。前、僕が行ったときでも、日本よりちょっと安いぐらいで、一リッター九十幾らぐらいしていましたね。今、マラウイの方は、ちょっと今はまだ分かんないですけれども、恐らくまだ高いままでしょう。内陸国でガソリンが高い状態で運搬ができないと穀物の輸送もできにくくなりますから、余計そういった部分で国の管理というのは非常に難しくなっているんじゃないかなと思います。
 以上です。
#16
○会長(石井一君) それでは、小池理事。
#17
○小池正勝君 四人の参考人の先生方、御苦労さまでございます。ありがとうございます。
 お伺いしたいのは、四人の参考人の皆様方は、まさに現場で、現地でやっておられる、生の声を、あるいは自分自身、体でこのアフリカ支援ということをよくお分かりになっていると、そういうお立場からお伺いしたいのでありますが。
 去年、先ほど冨田参考人もおっしゃっておられたように、TICADWが横浜でありました。これはまさにアフリカ支援ということでやったわけですね。一方で、洞爺湖サミットも去年ありました。この中でも、アフリカの支援というのがサミットの中で大きな話題になった。いずれも日本政府はアフリカ支援を増やしていきましょうということにしておって、これから増やしていって、現にこの予算でもアフリカは増えているわけですけれども。
 金額的に増えていくということはこれからも公約になっていますから増えていくんだろうと思いますが、どんな中身の支援が必要なんだろうか、どんなことを現場におられてやっていくべきだとお考えになっているか。金額のお話ではなくて、こんなものが要るんだ、これを日本政府、きっちり考えてほしいというお話を伺えれば有り難いと思っています。四人の参考人の皆さん、お願いいたします。
#18
○参考人(佐渡友雄基君) 私は、先ほどお話ししていたような、是非、ビジネスを学ぶためのスクールであって、専門学校とかでもいいと思うんですけれども、現地につくるということをするといいんじゃないかなと。
 そこでは教員が必要です。マラウイの現地にビジネスのことを学んだマラウイ現地人がほとんどいないということも現状としてある。じゃ、どうするか。やはり日本からとか欧米からとか、ビジネスのことを知っている人たちが教員に行かなければいけないと思うんですけれども、その教員が行くことも支援のうちに入れないと多分学校運営はできないと思うので、もしそういう資金が動くのであれば、僕は是非、もう早稲田とか慶応とかの二年間スクールとかでいいと思うんですけれども、そういうノウハウを入れたものを日本のテクニックで、日本がどうやったらここまで戦後復興したのかということを含めて、是非マラウイに、またアフリカ全土に教育施設を展開していくといいんじゃないかなと思います。
#19
○参考人(船橋周君) 先ほどもプレゼンテーションの中で申し上げたんですけれども、私たち、妊産婦を支援しているということで、様々な要因が絡み合っているので、病院をただ造ればいいというわけではなくて、私が経験していた中では、ハード面とやっぱりソフト面両面からの支援が必要だというふうに感じております。
 ただ、私たちが実際に道路を造るというわけではないんですけれども、特にハードの面ではインフラ整備ということで、アフリカに出張で行きますと、やっぱり都市部などはすごく道がきれいに整備されておりまして、ODAのマークが付いているんですね。現地の方々からは、これは日本が支援してくださったものでとても感謝していますと、多くの方からそういった声が聞こえるんですけれども、やっぱり農村地域で私たちはプロジェクトを行っていまして、そういったところで活動していますと、一本幹線道路から外れると、もう道ががたがたで車のタイヤもやっぱり影響が出てくるような状況なんです。そういったところでは、やっぱりもうちょっとそこの大都市と農村地域の間の道の整備ということもとても重要になってくるかと思います。
 また、病院。大きな病院というのは都市部にはあるんですけれども、農村地域に行くと、もう本当に小さなクリニックが一つ。そこには十分な医薬品とかがなかったりですとか、医者が駐在していなかったりですとか、非常にサービスが限られているので、もう少し、大病院と村の診療所の間ぐらいに病院があって何か緊急のときにはそこでケアが受けられるような設備があるといいなというふうに感じております。
   〔会長退席、理事主濱了君着席〕
 また、ソフトの面に関しては、やっぱり現地の人たちを育てるというところで、医療従事者が不足しているという現実がありますので、そういった人たちの人材育成、又はその地域の住民の人たちを保健ボランティアとして育てているという活動を行っておりますが、そういった人たちが継続して活動できるように支援していくこと。そして、家族計画のためのサービスの充実、HIV、エイズに関しては、エイズの発症を遅らせるような薬がありますが、そういったものを継続的にサービスできるようにしていくということで挙げられます。
 やっぱり継続的にというところがキーになるかと思うんですけれども、その国のサステナビリティーということを考えましてその地域の人たちが自立して行っていけるようにというふうに、一番そこが重要だと思っております。
 ありがとうございます。
#20
○参考人(永岡宏昌君) 配られている資料の方にもあると思いますが、アフリカの経済成長、ケニアで見ていましても確かに伸びています。ここ数年伸びていまして、ケニアでも豊かになっています。
 それで、だれが豊かになっているのかは、現場にいましてよく思うんですが、中流階層以上の人たち、エリートの人たちだとか教育を受けた人たちはいろんな機会が増えてお金を持っていますし、株式市場に投資をしたりだとかして経済は膨らんでいます。でも、貧しい人は全然豊かになっていないんですね。ですから、経済開発とか経済成長か社会開発かというポイントでいいますと、経済成長をまず持ってきて、その利益がトリクルダウンで貧しい人まで落ちていくというような発想は通じないんだろうと思っています。貧しい人に焦点を当てた協力をしないと豊かになれない。
 そういった意味では、教育であっても、高等教育ではなくて初等教育、小学校であったりだとか、私の紹介したものになりますが、大人に対する保健教育だったりだとか、いろんな保健、社会開発と言われる教育の部分、それから健康の部分、水の部分と、日本の政策で出されています人間の安全保障に一番近い現地の人たちに焦点を当てた協力でなければ、格差が広がって不満がどんどん広がるばかりで矛盾が大きくなる。
 去年、本当に思いました。もちろん各国の代表の方がいらっしゃっていますが、結局そういった方々は国のエリートの人たちであって、どうしてもエリートの視点から見て、その人が本当に貧しい人たちを代弁できているのかというと、そうじゃないんじゃないかなという気持ちをいつも持っております。
#21
○参考人(冨田沓子君) 私の一点目の点というのは今、永岡さんが言われたこととかぶる部分がありますが、TICADでうたわれたものの中に経済成長というのがまずアフリカの支援の軸であるということがありましたが、そうではないと思います。
 今、永岡さんが言われたとおり、格差のない社会をつくるということ、基本的な、基礎的な社会サービスをきちんと整えるということ、それはMDGs、ミレニアム開発目標の達成ということにつながっていきますが、そこなくしては経済成長してもその効果というのは貧しい人々には届かないと思います。それがアフリカの現状だと思います。なので、まずは格差のない社会をつくり、MDGsの達成を軸にするというところがあると思います。ここは日本政府のうたっている人間の安全保障というところとすごく連動する部分だと思います。人やコミュニティーのエンパワーメントがまず重要であると、まさにそのとおりだと思っています。
 二点目に、TICADの挙げたことの中にパートナーシップという言葉がありました。これはTICADが一回から、行われているときからずっと言われていることですけれども、そのパートナーシップの中に真にNGO、市民社会というのを位置付ける必要があると思います。
 TICADが終わってから約一年ぐらいたちまして、今、百のミッションというのが九月までに行われるというふうに聞いています。これからアフリカの支援につなげていくミッションだと思うんですけれども、そこに全くアフリカの現場を知っているNGOというのは絡んでいません。それは、日本のNGOでもそうですし、現地にたくさんの優秀なNGO、アフリカの現地のNGOの方々がいらっしゃいますが、その方々との対話というのがそんなに行われないままこのミッションは行われています。じゃ、そこからどんな援助が生まれてくるのかということはまだ不安を覚えるところです。ですので、パートナーシップといったときに、私たちがTICADという会議に参加する、場に参加するだけではなく、実施の部分できちんと絡んでいくということが必要になってくるのかと思います。
 先ほどちょっと時間がなくなって最後に発言できなかった部分ともかぶるんですが、私たちNGOが現地で事業をするときというのは、もちろん中央政府との関係もあるんですが、地方自治体と一緒にやっていくということが多くあります。今アフリカの多くの国々の中で地方分権化が進んでいって、ボトムアップで地方の自治体の方から開発計画を上げていってそこにきちんとお金を付けていこうというふうな流れが少しずつ、すごくベビーステップで遅いんですが、できてきています。そういったときに、現場で絡んでいるNGOがきちんと事業に参加することによって、その開発計画を充実させ、本当にそこに必要な援助を持ってくるということの役割が担えますし、そこで援助の効果というものが生まれると思います。
 最後ですが、食料の部分で一言だけ付け加えると、農業支援というのがTICADの中でもうたわれていますが、農業の、先ほども言いましたが、増産だけではなく、食料にかかわることというのはたくさんのことがあります。それは、加工もそうですし、流通もそうですし、マーケティングもそうです。ただ増やすだけではなく、既にあるもの、そして地元の人たちが本当に必要としている、地元の人たちの農業の力を生かせるようなものというのを支援していただきたいと思います。
#22
○理事(主濱了君) それでは、西田委員、お願いします。
#23
○西田昌司君 自民党の西田でございます。
 今日は、四人の参考人の皆さん方、本当に貴重なお話をありがとうございました。
 それで、皆さん方にお伺いするんですけれども、まず、CanDoの概要の中で非常に大事だなと思いましたのが、「方針・原則」のところで、「「豊かさ」は現地の人々が定義すべき」と、そういうふうに書いておられるんです。恐らくそれぞれ四人の方々も同じように思われていると思うんですけれども、ただ、その豊かさといいましょうか、まず現地の人々がどういうものを望んでおられるかということなんですけれども。
 一つは、貧困、飢餓状態から脱出するというのは当然一番大事な話なんですが、じゃ、その飢餓をどうやって脱出するかとかいうのが、先ほど皆さん方のお話を伺ってもそうなんですけれども、要するに、一部の富裕層がおられたり、ある特別な職業に就かれたりとかいう方はあるんだけれども、それぞれの地域で、社会の基本的な仕組みといいましょうか、単位といいましょうか、それが植民地時代にずっとそうだったからなのかどうかということもあるんですけれども、要するに、我々日本人が当たり前だと思っているところの共通のコンセンサスが社会全体でアフリカというのはなかなか持てないんだなというのを私も一度アフリカに調査で行ったときに感じているんですけれども、そんな中で、豊かさはそれぞれの国で定義すべきだというんだけれども、結局どういう仕組みでそれができるのかなと。
 つまり、我々が外部から援助するにしましても、一番本当に感じるのは、アフリカの方々がどう思っているかというと、結局、一部の方はビジネスで大変裕福な生活されている方もおられるでしょうし、じゃ、その方々がどんどん社会をつくって国を良くしていくと思っておられるのかというと、そうでもないと。自分たちさえ良ければいいという、何かそういう絶望的な繰り返しを感じてしまうんですよね、私も。
 それを現場でずっと四人の方々は見ておられるわけで、そこで、あえて、ここに書いてあるこの豊かさは現地の方々が定義すべきだということなんですけれども、どのようにじゃそれぞれの参考人の方々はそのことをお考えになっているのか、ちょっと難しい質問になってしまいましたけれども、是非お伺いをさせていただきたいと思います。
#24
○参考人(冨田沓子君) とても貴重な質問をありがとうございます。
 私が実は担当している国が二つあって、今日お話させていただいたブルキナファソと、あとベナンという国があるんですけれども、ちょっとブルキナファソから離れてベナンのお話をさせていただくと、実はハンガー・フリー・ワールドの活動の中に青少年育成というのがありまして、大学生や高校生を中心とした若者が飢餓を終わらせる活動をするというのをやっています。日本にも支部がありまして、ベナン、ブルキナファソにも支部があるんですが、そのベナンの学生のグループというのは、実は都市部の大学生が中心なんですね。そこで育った子たちというのは、実は農村部の状況というのを本当に知らないんです。
 初めてその子たちを連れて私たちが事業をやっている活動地に行ったときに、多分日本の大学生がするのと同じリアクションで、帰りの車の中で泣き出してしまう子がいたんですね。というぐらい、先ほどおっしゃられた共通のコンセンサスをつくっていくというところで、きちんと農村で本当に一体何が起こっているのかということが政策を決められている都市部の人たちには伝わっていないというのは、それは事実だと思います。それをしていく、それをじゃどう変えていくかという中で、やはりすごく対話というのが必要になってくると思います。
 私たちが事業を行うときにすごく意識をしているのは、ベースにあるのは事業の対象者となる住民の人たちとの対話です。しかし、そこをきちんと地方政府を巻き込んだ形で、事業を実施する最初は、住民の人たちのニーズ、その人たちの至言を聞き取って、それを事業化するときにきちんと地方の政府の人たちに、私たち、こういうことをやっていこうと思っています、住民の人たちはこういうふうに言っていましたということを伝えたりとか、私たちが中央政府の人たちと話すときにもそういう対話をしています。
 だから、必ずしも農村に住んでいる住民の人たちしか持っていないコミュニケーションのパイプというのを私たちが入ることによってつなげるというのも一つのNGOの役割かと思っています。
#25
○参考人(永岡宏昌君) 自助努力という言葉が日本では普通なんですけれど、アフリカにないのかというと、あると思うんですね。やっぱり彼らもそうしています。
 例えば、教室建設、御紹介したんですが、干ばつになると干ばつで食べるものがなくて、みんなおなかすかせると進むんですね、教室建設が逆に。どうしてかというと、ある小学校の保護者の代表のおじいさんの方が、カンバ人なんですけど、彼ら、カンバでは食料不足、飢餓が来ると畑を耕すだろう、そこで畑を耕すのをやめると食えなくなっちゃうから頑張って耕すだろうと、教育も同じなんだ、苦しいときこそ教室を造りましょうということで本当に造っちゃうんですね。そういった気持ちもありますし、やれることはあります。ところが、場合によってはそういった気持ちを援助が殺してきているという現実もあります。
 例えば、別の例なんですが、土壌保全という作業があります。それは斜面から表土が流れないように等高線上に溝を掘っていく作業なんですね。これは植民地時代から続けられているんですが、それが最近、援助によって食料と抱き合わせで行われるようになっています。援助機関が食料を出すことによってみんなが集まってきてそこを掘るということになって、人々の頭の中が土、土地を守ることから食料をもらう日雇い作業に気持ちが切り替わってしまっちゃったんですね。ですから、食料がなくなったら土壌保全をやらないという現象も起こっています。
 こういったことは援助の現場レベルでの僕は弊害だと思っていまして、場合によっては援助が自立する心をつぶしている場合もある。もちろん、ですから本当に自立につながる援助をどうやっていくのかというのは、細かく見ながら適正に行っていくことが非常に重要だと思っております。
#26
○参考人(船橋周君) 私たちは妊産婦というところに焦点を当てて活動をしているんですけれども、やっぱり本当にそのサービスとか情報を必要としているという人たちが当たり前に受けられるようになること、それは本当に人権の保障ということと安全保障ということと重なると思うんですけれども、そういう人たちにちゃんとサービスが行くように、やっぱりその現地の人たちの声だったりニーズだったりというのを、向こうの人たちが社会の中で生きていくということでは言えないことというのを私たちが、NGOが代弁できるということもやっぱりありますので、そういった、すぐに変えることは難しいんですが、社会的、文化的な背景というのを考慮しながら、やっぱり人の意識だとか行動というのを変えていくという地道な作業が必要だというふうに感じております。
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#27
○理事(主濱了君) この際、委員の異動について御報告を申し上げます。
 本日、木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。
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#28
○参考人(佐渡友雄基君) 豊かさ、現地でどんなものが彼らにとって豊かなものだと認知されるかということだと思うんですけれども、非常に難しい質問で、かつ貴重な質問だと思うんですよね。
 彼らが何を求めているか。まず一つ目、携帯電話です。それから、あと家電製品。あとは自動車。
 中古でもいいからトヨタのあの車が欲しい。でも、一台、中古で日本だったらもう廃車になっているような十万キロを超えた車が向こうで、現地で五十万も六十万も七十万もしていて、ぼろぼろで、また、あと十万キロぐらい走れるんだけど、エンジンが壊れちゃったらエンジンだけ替えちゃって、外見はトヨタなんだけど中のエンジンは三菱みたいな、そんなこともあったりとか、それが彼らの今の現実で。
 豊かさって、多分人によって全然答えが違うもの、心の豊かさなのか物質的な豊かさなのか。だけど、多分一つだけ共通しているのは、それを手にすると幸せになれるという価値観を持っているということだと思うんですよね。
 日本はとても僕は豊かさの共有が図れている社会だと感じます。先ほど格差社会という言葉がありましたけど、僕は去年の四月にアンゴラに行きました、また全然別の仕事だったんですが。物すごい格差社会でしたね。本当にトップの方はとんでもないお金を持っていて、ごろごろお金を動かして、一日で何億円も何十億円も動かしている。その下で普通の人たちは本当に貧しい暮らし、食事もまともに取れないような、そんなようなところでした。殺人的な渋滞が起きていて、国の道路の建設とかもまともに進んでないみたいな。でも、トップの人は物すごい豊かなわけですよね、豊かって金額的なものですけれども。
 でも、国の豊かさというのは多分資金的なものとかお金だけではないと思うんですけど、ただ、一つだけ言えるのは、多分豊かさをみんなでシェアしようというその思いだと思うんですよ。その思いをつくっていくことができれば、その国はみんなで豊かになれる、幸せになれるんじゃないかなって気がします。
 衣食住がやっぱり大事で、衣食足りて礼節を知るじゃないですけど、そういうところというのはもちろんあるんですけれども、現地の格差社会の中で起きる黒人の人たち、現地の人たちがトップになっていくと白人化していくという現実があるということをまず理解してないといけないと思いますね。お金を持つと、みんな結局、マラウイ現地でも、マラウイの人なんだけど、お金持ちになったり政治家になったら、マラウイの人を雇用して、ガードマンにして、門番にして、ハウスキーパーにしてとか、庭師入れてとかとなっちゃって、結局、父親を見て父親のようになるしかないわけで、社会の中での父親が白人なわけですよね。だから、彼らにとっての豊かになる、社会のトップ、上の方に行くというのはそれしかないわけですよ。
 日本とかだと、多分社会の中でトップになったからといって、それしなくても豊かに生活できるわけですよね。家族がいて奥さんがいてくれて子供がいて、それでいいと思えるんだけど、そうは彼らは思えないし、そうできないだけの治安の悪いところとかいろんな現実的な問題があって、とても時間は掛かるんですけど、豊かさをシェアするということについてもお互いに学んでいくというか取り入れていくということをアフリカでもやらないといけないし、むしろ向こうから学ぶことも僕らは、日本人は多いのかもしれないというふうに感じるときもあります。
 以上です。
#29
○理事(主濱了君) それでは、富岡理事、お願いします。
#30
○富岡由紀夫君 今日は、参考人の皆さん、お忙しいところ大変ありがとうございます。
 皆さん、それぞれの国で、地域で活動されているわけですけれども、ちょっとお伺いしたいのは、その活動している国において皆さんの活動がどのように認知されているのかというか、受入れ体制はちゃんと活動のよく趣旨を理解して受け入れてくれている国なのかどうか、地域なのかどうか、その点をちょっとお伺いしたいというふうに思っております。
 その国の、あと、できたら政治形態、民主主義国家なのか、それともそうじゃないのか。若しくは、同じ民主主義でもインドのようにカースト制度があって身分制の非常にいろいろなそういった制約がある国なのかどうか、そういったことも含めて、分かれば教えていただきたいなというふうに思っております。
 それと、あと、我々はせっかくこういう皆さんからいろいろな御意見をちょうだいしているわけですので、今後の日本のODA活動、そういったものにも国際貢献にもやっぱり反映しないといけないと思っていますので、日本のODA、例えば外務省、JBIC、JICA、そういったところに対して何か要望というか期待すべきものがあればそれぞれの立場でお話しいただければというふうに思っております。
 よろしくお願いします。
#31
○参考人(佐渡友雄基君) 活動の認知については、私のやっているアースティーという会社は日本でも全然小さな会社なのでそこまで大きな影響力はないんですが、マラウイ大使館さんと話をさせていただいていろんな事業の展開の報告をしたりとか、あとは、マラウイの現地の紅茶協会というのがあるんですが、そこの紅茶協会の方に、行ったときに訪問していろいろ話をしている中で、やはり紅茶の業界と全然違うビジネスのスタイルを僕は取ろうとして動いているので、それはやはり新鮮なようですね。その情報の中から、僕は五年後、十年後までにこういうのをやってみたいなというアイデアはあるんですけれども、それを小出しにしながら、全部一気にどおんと言っちゃっても全然イメージがわかないと思うので、それを一つ一つ小出しにしながら彼らとコミュニケーションを取って、ああ、この人組めるな、この人駄目だなとかというのを判断しながら今動いているような段階ですね。
 政治体制に関しては、マラウイの場合は農業国です。先ほどお話ししたように、たばこ、砂糖、綿花、それからお茶というのが彼らの収入源になるわけですが、すべてがプランテーション農業によって経営されているという現実があります。そのために、現地の方にお金が入る前にプランテーション農業のシステムの中にお金が入るので、そこからどうやって政治の、国の運営をやっていくかというのは非常に難しい問題なんじゃないかなと僕は現地にいて感じます。
 恐らく、大統領ですとか政権を管理して国の運営をしている人たちは、そのプランテーション農業の経営をしているイギリス資本だったりスコットランド資本だったり、彼らの、欧米の資本の人たちと交渉をしながら特別なシステムにして税金として回収したりとか、かなり特殊なシステムだと思うので、詳しくはないんですが、この辺りのことは、マラウイの国について、農業がメーンの国は多分アフリカどこでもそうでしょうね、プランテーション農業と国というのが対立というか、国の中に存在している。下手するとプランテーション農業の経営をやっている十社とかの方が国家予算よりもよっぽど大きな資産を持っている可能性ありますから、それが現実としてあるということは多分考えておかないといけないことかなと。
 ODAの予算についての僕がぱっと今思い付くのはマイクロファイナンスというのだと思うんですけれども、現地の人がどうやったら、小規模の資本でも投下して自分たち家族単位で生産できるものを増やしてあげるかということを考えるといいんじゃないかなと。
 プランテーション農業の限界というのは、その取り組んでいる労働の人たちが経営者になれないというところにあると思います。経営者はあくまでも経営者、大資本は大資本であって、その小規模な農家の方とか下で働いている人がトップになることはまずあり得ません。そうでは多分国の力は付いていかない。なので、せめて小規模な農家、お茶でもいいですし、何でもいいと思います。砂糖はちょっと難しいと思うんですけれども、流通の形態の中でプランテーション農業じゃなくても成立するビジネスがあるので、そのビジネスに対しての投資、支援ですね、お金を貸し付けてあげて、それで稼ぎを出したらそのお金を返してもらうという、それだけでいいと思うんですけれども、そういった小規模でできるものをイメージとして今御質問をいただいて感じているので、是非そういったことも考えてみるといいんじゃないかなと思います。
 以上です。
#32
○参考人(船橋周君) 私たちジョイセフは、現地にオフィスがあるわけではなくて、現地のNGOであるIPPFザンビアというところと共同で事業を実施しておりまして、そこのNGOを通して、まずは中央レベルの保健省に当たるんですけれども、保健省の母子保健担当なりリプロダクティブヘルス担当なり、そういった人たちに、まず私たちがこういう活動をして支援を行っているということで話を持っていきます。プロジェクト地区というのが地方になるんですけれども、中央政府の下に地方政府というのがありまして、郡保健局ですね、その間に州というのがあるんですけれども、州レベル、その下に郡がありまして、そこの郡の保健局長とじっくり話をしまして、こういうプロジェクトを行いますということで実施段階から話に入ってもらいます。
 もっとその下のレベルになりますと、その郡の中に幾つかのコミュニティーというのがあるんですけれども、そのプロジェクトの対象となるコミュニティーの人たちでキーとなる重要な人たちというのがいるんですが、コミュニティーのリーダーですとか宗教的な指導者ですとか、あとは学校の先生ですとか伝統的なトラディショナルチーフというような人たちがまた別の管区で分かれているんですけれども、そういった人たちのやっぱり許可というのをなしに活動というのはできませんので、そういったキーとなるような人たちとローカルステアリングコミッティーというコミュニティー運営委員会というのを開催して、まずはその人たちに私たちの活動の意義ということを理解していただきます。その人たちのその理解の下に現地でのボランティアの人たちというのを選定しますので、まずはそこの人たちに理解して認知してもらうということがプロジェクトを開始するときの一番大きな柱となっております。
 以上です。
#33
○参考人(永岡宏昌君) 国の認知の一つとしまして、ケニアの場合、NGO登録という登録制度がありまして、その登録をしております。それで、毎年ちゃんと会計報告、外部監査を受けたものを報告するという、システム的にはそういうふうな形になって認知をされるという形になっております。大枠でのコントロールというくらいで、余りそれ以上の関与はしておりません。
   〔理事主濱了君退席、会長着席〕
 私どもの場合、事業を始めてから、たまたまなんですが、そこの選出国会議員の方と非常にいい関係がつくれました。デビッド・ムシラという国会議員で、前政権の国会副議長をなさっていた方なんですけれど、村の開発について非常に理解のある方で、最初に我々がプロジェクトを提案した際に、待ってくれ、そんなやり方はしないでくれ、まず住民にもっと働いてもらってくれと国会議員の方から言われたことがあります。それ以来非常に仲よくさせていただいていまして、彼のスタンスは、分かった、CanDoのやることについてはすべて信任するから一切口は出さないと、ただし、必要なときはいつでもサポートするということで、例えば困った場合にはお願いをする。十年間一切介入ということは全くされたことはないんですけれど、困ったときには、特に国レベルで困ったときには助けてくれるというような関係をつくって行っております。
 それから、地域、県レベルでは行政側との関係が重要になりますが、県知事なり県教育局長、保健局長以下、行政とは非常にうまく関係はつくれています。そういった国会議員との関係ということも影響しているんだと思うんですけれど、我々のスタンスというのを守ってもらえると。
 特に、私ども十年間、公務員に対して報酬を支払ったことはありません。いろいろ要求されますが、報酬を支払ったことも、まいないといいますか、アンダーグラウンドでお金を渡したことも一切ありません。それでいろいろ嫌がらせも受けるんですが、最終的には落ち着くと。それで、そのスタンスを、こいつらは言っても聞かないから、言っても無駄だからこれで仕方ないよというくらいのところで緊張関係を持ちながら一緒に仕事をさせていただいています。
#34
○参考人(冨田沓子君) 国内での活動の認知度に関してなんですが、先ほど永岡さんが言われたのと同じで、ブルキナファソの中でもNGOの登録制度というのがあります。ですので、国際NGOとしての現地で登録をして、そこでの報告義務を果たしています。
 ちょっと違った視点から見ますと、ハンガー・フリー・ワールドは、日本のNGOで活動する中でちょっと珍しいのが、現地に事務所を置いているんですが、現地に日本人の駐在員を置いていません。住民の自立を目指すのと一緒で、私たちがつくったその事務所も、現地の人たちの運営によって自立をしていってほしいという気持ちの下、代表も現地の方にお願いをしています。そういったことをすることによって、現地のローカルなNGO同士のネットワークというところにかなり深く関与することができています。
 それは、日本の国内でも、NGO同士が連携をして、それこそODAですとか国際協力分野に関する提言というのを行っていますけれども、私たちが活動している国でも、そういったアドボカシーをしているような、政策提言をしているようなNGOですとか情報共有をしているNGOのネットワークというのがあるんですね。そういったところに現地の人が代表であることによってうまく入り込んでいけている、現地のNGO化できているという部分があります。
 一方で、日本人であるということ、日本のNGOであるということはすごくプラスに見られることがあります。やっぱり、日本の持っている技術能力の高さですとか、そういったものはアフリカの方たちも皆さん御存じですし、最近やはり中国からの支援が増えているので、もう私とかが現地に行っても中国人か何人かと聞かれることが多いんですが、日本人だというふうに言うと、日本の技術力、日本のすばらしいところはたくさん私たちも吸収したいと思っているというような声を聞くことができます。
 ODAに関してなんですけれども、先ほど量ではなく質の話をしてくれと言われたので、先ほど言ったとおり、TICADの実現の中で、経済成長ではなく、きちんとした人間の安全保障を軸とし、MDGsの達成を軸としたODAの指針が必要だと思っていますし、パートナーシップの部分では市民社会との連携が必要だと思います。また、援助の効果という部分でも、だれのための援助なのか、そしてそれがきちんと持続的に行われていく必要があると思います。
 これは先ほど言ったことと重なりますが、先ほど量の話はよいのでと言われたので、量の話だけ一つだけ付け加えてみますと、〇・七%の目標というのがあると思います。まだ日本はこれの実現にほど遠い部分があります。TICADの資料を読んでいると、TICADT、U、Vで約束されたことは日本政府は守ってきましたと言われています。それは確かにそうだと思うんですけれども、何を約束してきたのか、私たちのしなきゃ、果たさなければいけない責任に対してどんな約束をして何を果たしてきたのかというのをもう一度考え直して、きちんと世界水準に合った〇・七%目標というものの達成の道筋を付けていく必要はあるかと思っています。
#35
○会長(石井一君) それでは、加藤理事。
#36
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 今日は四人の参考人、大変有益な話、ありがとうございます。
 アフリカには余り行ったことがなくて、二回ということなので、IPU、世界の国会議員が集まって議論するという列国議会同盟で、数年前にケニア・ナイロビで開催されましたので行ってきましたが、前の年はフィリピンのマニラで同じような会合をやりまして、そのとき日本は、地球環境問題についてしっかりとした決議をするべきだと。それが採用になりまして、ケニアで決議が成立したわけでありますけれども。
 地球温暖化が貧困に対して大きな影響を与えているということは言うまでもないんですけれども、そのときにワンガリ・マータイさんも会場に参りまして、後々、意見交換させていただいたわけですけれども、グリーンベルトムーブメントの関係で数千万本の植樹をやった。あるいは、単に木を植えるというよりは、ということも含めて換金作物ですよね、果樹がなる木を植えて女性が地域の活性化に果たしている貢献ということについても非常に印象を深くいたしましたし、さらに、一村一品運動をワンガリ・マータイさんが唱道しておりまして、今までなかなかそういうことに関心がなかった人たちを糾合して一つの村に一つの品物が産出できるように、そして最終的にはこのケニアから日本に輸出できるようなものを作り上げたいんだと、非常にそういう意気込みを話しておりました。
 熱いものを感じたわけでありますけれども、プーアール茶の関係とか、先ほどCanDoの永岡さんからは、地域の資源を最大限に活用すると。これは一村一品運動につながるかもしれませんし、佐渡友さんはビジネスの在り方をしっかりと学ぶ、そういう機会が現地にあれば非常にいいという話もありました。これは、一村一品運動は最終的にはビジネス展開にどうつなげていくかという話になってくるわけでありますので、こういう一村一品ということについてどういうふうに考えられているか。アジアにおいてもアフリカにおいても相当これは広がっているように私は認識しておりますが、こういう運動の形態についてどうとらえているかというのがお二人、佐渡友さんと永岡さんに対する質問であります。
 そのケニアでJICAの皆さんとも意見交換をした折に、控えめな表現で言っておりましたが、欧米のJICAのような、そういう開発組織の人たちはどっちかというと上からの目線で言っているようなところがあると。それはJICAの人がそういうふうに受けたわけじゃなくて、現地の人がそういうふうに言っている。日本のJICAの支援活動については、上から目線じゃなくて、一緒に物事を推進していこう、一緒に物事をつくっていこうと、そういう同等のレベルでの目線が非常に強いと。非常に日本の皆さんには期待しているというふうに現地の人が言っていると、そういうことの紹介があったわけなんですけれども。
 船橋参考人はJICAの関係のお仕事も受けているという話、先ほどされておりましたけれども、そういうJICAの現地における活動の在り方についてどういう評価をされているか、この辺お願いしたいと思います。
 それから、つい先日でありますけれども、国際再生可能エネルギー機関、再生可能エネルギーの国際的な組織がつくられるという状況になってきているわけなんですけれども、再生可能エネルギーをいかに、これは世界各地ばかりじゃなくて、アフリカについても貧困からいかに脱するか。
 アフリカは、コンゴ盆地の上空は雲があるかもしれませんが、アフリカ全体としてはほぼ雲がなくて太陽光発電に適しているというふうに言われているわけで、北アフリカ辺りで発電したものをEUに送電する、あるいは売電するという話もあったり、あるいはさらに、先ほどまきの話が冨田さんから出たように思うんですね。まきを探すのに一時間も二時間もあちこち行かなければいけない。
 やはり、エネルギーアクセスに対することも極めて大事だなと思っておりまして、そういった意味では、太陽光パネルをどういうふうに使うかということも含めて、そういうエネルギーを基にして照明の関係あるいは炊事ですよね。バイオマス燃料、牛のふんとかいろんなものを使うわけで、煙が子供とかお母さんに影響を与えて、年間、子供、お母さんが死ぬ数が百六十万人というふうに、呼吸器系の疾患につながって、それで死ぬという話なんですけれども、そういうことを避けるためにも、エネルギーアクセスをどうするかということは非常に大事であると。
 マイクロファイナンスの話、先ほど出ましたけれども、そういうことを通して、小さい太陽光パネルであるかもしれないけれども、炊事に使うとか、そういう、まきを調達することがないように、なるべく少なくなるように、そういうエネルギーに対することも非常に大事かなと、そんなふうに思いましたんで、ここの点は船橋参考人にも母子保健の観点から是非伺いたいなと思います。
 それから、最後でありますけれども、ちょっと確かなこととして聞いたわけじゃないんですけれども、途中で入ってきましたから。アンダーグラウンドの話が、何か言葉があったように思うんですけれども、政府のガバナンスの問題ですよね。汚職が非常に多いとか、何か国の資産、資源というのがある意味では私的に使われているようなことが非常に多いと。
 二〇〇二年のときに南ア連邦で、WSSDだったですかね、その会合が行われたときにイギリスからは、採取産業、採取産業というのは鉱山や何かですね、油田とかいろいろな地下資源ですね、それを採取する産業、それが非常に不透明であると、お金のやり取りが。政府が収入として出てくるところの部分が非常に不鮮明なので、それが貧困撲滅に、なかなか解決の方に向けて使われていないと。そういう話があって、採取産業透明化イニシアチブというのが、たしかブレア首相が提案したと思うんですね、そういうイニシアチブがあったりするわけなんですけれども。
 何を言いたいかというと、結局、皆さんの話を伺っていて、皆さんは足下で相当活動されている、しかし一方で、当該国の政府がそういうガバナンスを明確にしないというか、いいかげんにやっているということが多いように私は、申し訳ないんですけれども、思っております。皆さんがアフリカの諸国におりまして、当該国の政府のそういうガバナンスの悪さ、それについてはどんなふうに感想としてお持ちなのかなと。これは四人にお伺いしたいと思います。
 以上です。お願いいたします。
#37
○会長(石井一君) それじゃ、非常に広範にわたる質問でありますが、明快に簡潔にお答えいただきたいと思います。
#38
○参考人(永岡宏昌君) 包括的な論点の提起、どうもありがとうございます。
 まず一つ、温暖化、気候変動なんですが、確かに私どもの現場でも雨の降り方が不順に非常になってきていて、どんどん大変な状況になっております。そういった中でどうやって生き延びていくのか。雨が降らないだけじゃなくて、タイミングがずれることによって農耕ができないとかいうこと、それから、そういった農耕ができないことによって食べるものが減って健康に影響を及ぼす、雨が降らないからもっと焼き畑をして環境がどんどん悪くなる、そういった中でどうやって生き延びていくのかというのが私どもの現場については大きな課題だというふうに見ております。それにどんな協力ができるのかということを一生懸命考えています。
 一方、一村一品というお話があります。一村一品、要するに、その地域で何かを生産をする、それを外に持ち出すということでございます。ですから、そこでは、そこの資源を使って、その資源が何らかの形で外に出ていくという側面がありますので、どこでも一村一品で何かが外に物ということに関して出ていけるのかというのは、ちょっと非常に整合性が付かないのではないかと。場所によっては、外に持ち出せる資源がない、環境がない、その中で生きるために使うための資源という論点があると思います。特に、何か物を農業で生産をして、売って現金を得るのか、子供たちに食事を与えて健康を保つのか、HIV感染者の家族に健康にいい、できるだけ長生きできるように食事を出していくのか、現金を得るのかという厳しい二者選択がいつでもあるのだと思います。そういった意味では、どこでも一村一品とは私は少なくとも思いません。
 それから、汚職の問題、アンダーグラウンド、私の方から言葉として出たと思うんですが、実はケニアの、御存じのように、国政レベルでは汚職の話というのは絶え間なくありまして、いろんなことが新聞等で報道されております。逆に、地方レベルで、私どもは一切出さないというスタンスを取っておりますので、それに対しては認めてくれていて、私どもが汚職に関与した、関与させられたということは一切ありません。そういった意味では、いろいろケニアで言われますが、現場レベルでは、ちゃんとお付き合いをすれば、こちらから汚職を持ち込めばどうもありがとうって取ると思うんですが、こちらからきちんと、援助する側、協力する側がきちんとしたスタンスで入っていけば、地方レベルにおいてはそういったことを抜きにした関係というのはつくれるというふうに思っております。国政レベルにつきましては、私にはちょっと分かりません。
#39
○参考人(佐渡友雄基君) 私の方は、一村一品、換金作物についての話と、あと政府の汚職についてのお話というのをちょっとお返事しようかなと思います。
 換金作物については、様々な農作物が実際に販売することが可能です。ただし、これはもう皆さんも御存じだと思うんですが、一村一品に関しては多分成功している事例の方が少ないと思います、アフリカにおいては。大分はうまくいっていると思うんですが、アフリカではうまくいっていないものが正直多いと聞いています。私も客観的に見て、ああ、これはちょっと自分はビジネスでは手出さないなみたいなものがほとんどです。
 なぜかというと、JICAの担当の方もそうなんですが、元々商売をやっていた方々ではないので、赤字を出すそういったリスクですね、資本投下をして、最初はもう赤字なんですよ。当然なんです。やっぱり子供だって、大学生、又は高校でもいいですけど、社会人になるまでに、成長するまでに必ずお金を必要とするように、商品も必ずお金を必要としていて、そのお金を費やしたからこそ商品は育つものだと僕は思うんですね。なので、いきなりそのお金があってそれだけでいいのかというと、そういうものではないですけど、赤字を出す痛さというか、自分でそれをつらいと思って耐え続けて子供を育てるように商品を育てるみたいなことがほとんどの場合起きてないことが多い。
 一村一品のときの弱点は二つありまして、一つはマーケットリサーチを先にやっていなかったこと。例えば、マラウイだとバオバブのジャムというのを作っているんですけど、バオバブジャムが第一現地で売れるのかというのをまずきちっとリサーチすべきだった。かつ、そのジャムが幾らだったら売れるのか。果たして現地の人はパンに付けて食べるのか、それとも何に付けて食べるのか。だって、現地はメーズという白トウモロコシを食べているわけです。あれを食べている人たちがジャムだけ渡されて、メーズに付けてこれ食うのかみたいな、いや、要らないよってなっちゃうわけで、現地の食生活に合ったマーケットの商品ができているかということをまずリサーチすべきだったと僕は一村一品に関しては強く感じています。
 あともう一つは、日本に持ってくるときの弱点。輸送コストが余りに高過ぎて、商品が一個八百円とか千円するんですけど、現地での買取り価格はたったの五十円だったり三十円だったり百円未満だったりするんですね。輸送コストが高過ぎるんです。だから、もうけているのは運送会社の方々ってなっちゃうわけで、こうなったら全く意味がない。だから、輸送をどうするかというのをケアすることを先に考えるべきだったんじゃないかというのが、私も事業を通して、やはりマラウイからの輸送コストは非常に高いので、そこはこれから取り組んでいかなければいけない部分なんですけど、そういうのはありますね。
 それからあと、政府に関しては、私はそこまで大きな産業のところでの何億も動かすようなことはまだやってないので、実際求められたりはしてないですし、分からないんですが、永岡さんがおっしゃっていたように、こちらの心づもり次第かなという気はします。
 ただし、僕、先ほどアンゴラ行っていましたという話しましたが、あとは、実は去年の八月、イラクの北部のクルディスタンの方にも行っています。これもお茶のビジネスなんですけど、現地で油が取れたり、ダイヤモンドがアンゴラは取れますけど、ああいったところの政府は確かに非常に危うい部分は大いにあると思います。彼らと商売をするというのは、そういう意味ではリスキーですね。
 マラウイの場合だと、そういった紛争問題にまで発展するほどの利権の絡むような商品というのは余りなくて、農業作物がメーンなので、そこまで強くは出ないと思うんですけれども、きっとあるんじゃないかなと正直感じています。それは、僕が到達したときに、ある程度の規模のビジネスをやっているときに、政府にどう言われてどういう担当者がいてどういう絡みで求められるかにもよるんですけど、自分の心次第なのかなと、そんなような気はしますね。
 以上です。
#40
○参考人(船橋周君) まず、JICAの現地での取組という点なんですけれども、現地での活動の在り方ということなんですけれども、ジョイセフはアフリカではJICAと一緒に事業は展開していないんですが、私がかかわっているところでは、アジアのミャンマーという国で、女性の安全な妊娠、出産ということをテーマにJICAとプロジェクトを実施しております。主にソフトの面で、やはりそこの助産師さん、保健医療従事者の人づくりという面と、あとは現地の女性をボランティアさん、MCHプロモーターと呼んでいますけれども、日本の母推さん、母子保健推進員という方々がいますが、そのアプローチを取り入れて現地で人づくりということで行っております。
 プロジェクトに関しては四年ちょっとのプロジェクトなんですが、やっぱり妊産婦死亡ということを下げるということは四年では難しいということがありまして、現地での様子というのは改善はされていってはいるんですけれども、やはりもう少し長いスパンでの継続的な支援ということが必要というふうに思っております。
 また、JICAさんはJBICと統合したことによりまして、もっとソフトの面とハードの面ということを両方見つつ、その国をどうやって改善していくかというもう少し大きな青図のところで連携して、横の連携ということを考慮しながら支援できたらいいかなというふうに思っております。
 また、NGOを対等なパートナーとして一緒に事業を実施できるような体制づくりというのも私たちずっと話していることなんですけれども、そういった点も挙げられると思います。
 あと、バイオ燃料の件なんですけれども、ちょっとこれ私の方ではお答えするのが、どうお答えしていいかというのが分からないんですが、やっぱりその煙によって女性と子供の体への影響というのは大きいと思いますので、そういったことがないような形でエネルギー供給というふうなことをできたらと思うんですけれども、やっぱり生きるためのまきを拾いにいかなければいけないという現実がありますので、それは環境のことにも影響していきますが、現地の人たちはやっぱり環境問題ということよりもあした生きるか死ぬかということが大きな問題ですので、そこをどういうふうに変えていけるかといったことは課題だと思っております。
 以上です。
#41
○参考人(冨田沓子君) 御質問ありがとうございます。
 私の方では、ガバナンスの部分と、あと地球温暖化、再生可能エネルギーの部分について二点発言したいと思います。
 まず、ガバナンスの部分なんですけれども、確かに問題を抱えているアフリカの国々、多いと思います。じゃ、それをどういうふうに改善していくのかというと、やっぱりそれはそこの国の市民の人たちがその政府をちゃんとウオッチできる、そういった能力を高めていかなければいけないと思うんですね。
 昨年、TICADが行われた際に、日本のNGOのネットワークというのはアフリカの市民社会と連携してたくさんの活動を行ったんですけれども、その際に、一か月間、TICADの開催前にベナンから招聘されてやってきたNGOの方がいたんですが、彼は実はベナンの国内でまさにそういったガバナンスのウオッチですとか政府の予算案のウオッチというのをやっているんですね。実は、そういったところの現地のNGOでガバナンスを見ているところに欧米の援助機関のお金というのはかなり入っているんです。それは、そのガバナンスを改善するということがもちろん援助の中での効果にもプラスになるという点もありますし、そういった市民の力を上げなければいけないという認識があるからだと思うんですね。
 そういった現地の市民のキャパシティー、NGOのキャパシティーというのを伸ばしていくようなことが必要なんではないかなと思います。
 地球温暖化の部分に関してなんですけれども、まさしくすごく大きな課題だと思っています。
 TICADで約束されたことの一つにクールアースパートナーシップというものがあって、これはアフリカの中での気候変動の適応などにきちんと支援をしていきましょうというものなんですが、その中に、アフリカの中で排出削減と経済成長を両立させるところに私たちは支援をしていきますということが書かれているんですね。しかし、CO2の排出に関してはほとんど先進国から出てきていて、アフリカが気候変動をもたらしているわけではないんです。そこに排出削減の義務を課するというのはどうなのかなという疑問を思うところがあります。
 気候変動のその責任をやっぱり先進国はきちんと負いながら、その影響を受けている国々がきちんと適応できるような支援というのが必要になってくると思います。
 その中で、もちろん太陽光パネルなどというのはすごく生かせる技術だとは思うんですが、コストがまだまだ高くてなかなか普及には追い付かないと思います。すばらしい技術ができていく中で、それをいかにコストを下げて、いかにメンテナンスをうまくできるように普及させるか、そういったところにこれから私たちの能力を使っていかなければいけないのではないかなと思います。
#42
○会長(石井一君) それでは、島尻安伊子さん。
#43
○島尻安伊子君 ありがとうございます。自民党島尻安伊子です。
 参考人の皆様、今日は有意義なお話をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございます。
 今、加藤先生からもあったんですが、マイクロファイナンスというお言葉が出まして、特にこれは佐渡友参考人にお聞きしたいんですけれども、グラミン銀行的な、そういったマイクロファイナンスというのが今後アフリカにおいてもこれがワークするのかどうか、現時点でも構わないんですけれども、それに対するちょっとお話をお聞かせいただきたいというふうに思います。
 私としては、こういったマイクロファイナンスを広めるといいますか、こういうものでもって、先ほど参考人がおっしゃった、現地にビジネススクールをつくったらいいというふうなお話があったんですけれども、一石二鳥的な感覚でこれが広まっていけばいいと思うんですが。
 しかしながら、やはりビジネスを考えるというか、その感覚を現地の人たちがどういうふうに持っているかというのでかなり変わってくるのではないかというふうに思うものですから、例えば、バングラデシュではリキシャといって、日本が昔、人力車を提案をして、そこにうまい具合にマイクロファイナンスと重ね合わせて、もうとにかく少し、リキシャを買うお金で、これで稼いで何とか生活を成り立たせていけばいいというような感じのことで広めていったというふうにもお聞きしております。
 なので、今後アフリカにおいてもこういったものが広まっていく土壌が果たしてあるのかどうかというのをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、船橋参考人には、同じ女性として、やはりこのリプロダクティブヘルス・アンド・ライツというのは私も大変興味があって注目をしているんですけれども、現地においては、やはり女性の困難というのは、根底には、あしき習慣といいますか、昔ながらの習慣というのでしょうか、なかなか超えるのが難しいものがあるのかなというふうに思っております。
 多分、皆様方はそれとの闘いをしつつ、新しい医療だとか、そういうのも入れて病院をどう整えていくかとか、そういった両輪で頑張っていらっしゃるのだろうというふうに思うんですけれども、結局、女性の困難とあしき習慣というのでしょうか、この闘いイコール現地の男性をどう参画させるかということになっていくのかと、まあ単純な発想なんですけれども。
 これまでの活動の中でのお話を是非お聞かせいただければと思うんですけれども、男性をどう参加させるかというところではどういう戦略、ストラテジーをお持ちなのかというのを是非お二人の参考人に、このことに関しては船橋参考人なんですけれども、以上二つの質問をしたいというふうに思います。
#44
○参考人(佐渡友雄基君) 御質問ありがとうございます。
 BOPにつながるような話になるんですけれども、マイクロファイナンス、可能だと思います。不可能だという理由がむしろ見当たらないみたいなぐらいだと思います。
 もちろん商品は考えなければいけないんですけれども、大事なことは、マイクロファイナンスで投下するのは、国際的なマーケットを通るためのものではなくて、現地で消費して現地で豊かになってくれるような商材を持ってくること。先ほどのバングラデシュのリキシャもそうだと思うんですが、現地の方が便利になる、だからみんなで使う、そうやってお金が循環していくということが起きる、それこそがBOPだと思うんですけれども。
 ここで言うものですと、僕が今イメージしているものだと、一つ目、石けん。石けん作りは多分可能です。それからあと、ミシンを貸し出してあげるということも可能だと思います。服を作るとかそういったことですね。
 あと、それから、この間、NHKの「CHANGE MAKER」という番組がありましたが、そこではケニアではちみつをやって成功しているBOPのそういう方がいらっしゃいましたね。それも可能です。
 あとは、マラウイで僕が聞いていて、成功したんだけれども失敗に終わっちゃったのが、フルーツジュースの戦略というのがあって、現地の人がそういうのを飲んで、おいしいから飲むんですけれども、ここで大事なポイント、女性が主体になった場合に、その稼いだのは女性が頑張ってやったのに男性がお金の管理しちゃっているという場合が結構あるみたいなんですよ。そうすると、男性はお金の管理だけして昼間は遊んでいる、女性はすごい頑張って働いているのにお金は全部持っていかれるみたいな、そういったことが起きたみたいで、女性と男性のどちらの仕事なのか。
 男性がやるべき仕事ってあると思うんですよ。リキシャであったりとか、これはもう男性の仕事なんですけれども、どっちがやるのか、役割分担、そしてその利益を生み出したときにその利益がきちっとどう管理されて家族に行き渡るか、村に行き渡るかということをやればいいと思うんですけれども、これは意外と簡単だと僕は思うので、十分いけるかなと。
 自分の専門であるお茶に関してなんですけれども、可能です。でも、これはまだちょっと時間が掛かると思います、幾ら何でも十万、二十万の単位ではできないものなので。自分が考えているものですと、恐らく現地にある程度の体制が整った上で一人当たり五百万から一千万ぐらい出せるんだったら多分そういうのは可能になるだろうという予想をしたビジネスプランを今抱えながら、それの実験を繰り返している段階ですね。ただ、可能だと思いますので、是非アフリカでのマイクロファイナンスの実施ということを一つ一つ考えていかれるといいんじゃないかなと思います。
 以上です。
#45
○参考人(船橋周君) 女性としての困難というところで、男性をどう巻き込むかというところで、コメント、どうもありがとうございます。
 私たちは保健ボランティアというのを育成しているというふうに申し上げたんですけれども、保健ボランティアさんを村から選ぶときには、その村の男性一人と女性一人ずつ選んでいます。それはやっぱりリプロダクティブヘルス、妊娠、出産というと女性だけの問題というふうにとらえがちなんですけれども、男性をそこで巻き込むことによって、男性と男性がやっぱり話せることと男性と女性で話せることと違いますので、必ずそこで男性という人たちも選んで人材育成、トレーニングを行っています。
 そういった人たちに家族計画の重要性ですとか、あと、どういった避妊具があるのかということをちゃんと知識を伝えまして、ザンビアなんかではやっぱりHIV予防ということでコンドームがかなり普及しているんですが、コンドームを使うときには、やっぱり男性が主導で使うものなので女性が幾ら使いたいと思っていても言えないというような社会文化があります。そういったところで、男性が男性にアプローチをして、男性が主導でコンドームを使うということを認識してもらわなければやっぱり普及されないという現実がありますので、そこに関しては現地の活動の中で重点的に行っております。
 また、先ほどお話ししましたプロジェクトの中の村の重要人物を集めたコミュニティー運営委員会というのがあるんですけれども、その人たちはもうほとんどが男性です。その人たちのやっぱり承諾がないと円滑に活動ができないということがありますので、そういった人たちをうまく巻き込んで活動していくということが本当に重要になっていきます。
 先ほどお見せしましたこの紙芝居なんですけれども、これもやっぱり現地の村では保健ボランティアさん、男性も女性もこれを扱って教材として使っています。そういった中で、地域全体で地域の人たちを巻き込みながら、女性だけにアプローチしても効果がないというのはもう分かっていますので、男性の人たちも巻き込みながら、特にディシジョンメーカーと言われるような人たちを巻き込んで、こういった紙芝居を活用して活動しています。
 以上です。
#46
○会長(石井一君) 神取忍さん。
#47
○神取忍君 ありがとうございます。自民党、神取忍です。
 今日は、四人の参考人の皆様、貴重なお話をありがとうございます。
 まず、佐渡友参考人にお聞きしたいんですけれども、これからの日本は先端技術力、やっぱり技術力を世界にアピールしていかなければならないというところで、技術力がやっぱりアフリカにとっても援助では大きな力を発揮すると思います。そういった中で、このプーアール茶を作るに当たってどういった技術力を提供したのか、もしされているんでしたらお聞きしたいと思います。
 それと、船橋参考人に、今のお話の答えとちょっと関連するんですけれども、この人材育成をやられている中で、実際、保健ボランティアとして巡回するまでにどのくらいの期間、教育をされていくのかという、その期間を教えていただきたい。
 あと、冨田参考人と永岡参考人、いろいろな中でアフリカの方々と交流していく中で、日本人との違いはどこなのか、そこで最も交流の中で難しいところはどこなのか、教えていただきたいと思います。
#48
○参考人(佐渡友雄基君) 御質問ありがとうございます。
 日本の技術力、これをプーアール茶でどう利用したかというと、先ほどちらっとお話ししたんですが、国産の黒こうじ菌を使っているというところに今回のマラウイのプーアール茶の特徴があります。発酵学は、実は今日付いてきてくれている後ろにいるパートナーが僕よりずっとずっとプロで詳しくて、それを教えてもらいながら僕はマラウイでプーアール茶を作ってきたという経緯があるんですが、その発酵学って意外と注目されていないようで物すごい技術が日本にはあります。キッコーマンとかああいった有名なところもそうですし、それ以外でも大学の中で食品に関する発酵の研究に関しては恐らく日本は最先端を行っているんじゃないかと。今回、このこうじ菌というのはカビに属するものなんですけれども、それ以外には乳酸菌ですとか、そういったものの研究も進んでおります。
 そうすることで何が起きるのかというと、安全な食品が作れるということです。発酵のポイントは、長持ちする、そして安全ということにつながることなので、世界中で行われている食品の製造ではあるんですが、日本はこの技術が非常に高いので、是非この発酵学の技術を応用した食品というのを世界中、アフリカだけじゃなくてもう全地球内で行うべきじゃないかなと僕は思っています。
 以上です。
#49
○参考人(船橋周君) 人材育成ということで、その保健ボランティアさんへのトレーニングなんですが、コースにもよるんですけれども、大体二週間から一か月。ベーシックな保健の知識ということで、母子保健だけではなくて、家族計画とか、HIV、エイズとか、あとは衛生関連ということで、トイレから出てきたら手を洗うことですとか、あとは、元々寄生虫予防ということもやっていましたので、そういった本当に保健に関する基礎知識を学べるトレーニングということを行っています。最初に一か月ぐらいのトレーニングを行って、後にまた、どんどんまた状況も変わりますので、一年後にリフレッシャーコースということでトレーニングを行っています。
 こういったボランティアさんはお金を一切受け取ってないので、いかに自分たちの活動のモチベーションを続けるかということがとても大事になるんですね。そういった中で、こういった知識のためのトレーニングというのはとても重要な、彼らにとってもモチベーションになる重要な役割を担っています。
 ありがとうございます。
#50
○参考人(永岡宏昌君) 日本人との違いですか。何か人はそんなに違わないような気がするんですね。一つは、子供を思う気持ちもそうだし、いろんな人としての気持ちというのは、子供を社会の中で育てたいと思うし、それから、難しいんですけれども、非常に社交的だし、何か本音と建前みたいなのも彼らの中にはちゃんとあるといいますか、だから非常に日本人とは何か感覚的に合うなと思っています。
 違うものはやっぱり経済格差ですか。一人当たりのGNIで見ると、大体平均で日本とケニアで八十倍くらい違いますが、やっぱりその差というのは思います。それは、本当に出産、いろいろ今日お話出ていますが、もう周りでよく出産で亡くなる話は聞くんですね。亡くならずに済むことで亡くなっていっているというのが現実ですし、私たちは村に入ってできるだけ村人のようなふりをしていますけれども、やっぱりその違いというのは大きいし、私たちは、たまたま現場に入って、入っているときだけ貧しいといいますか、その食事を一緒に、同じようなものを食べて同じようなふりをしているけれども、日本に帰れば豊かな生活があり、病気になったら、難しい病気でも何とかしてくれるという、これが全くない彼らと私たちというのは本当に不公正なくらいの格差があるというのはいつも思っております。
#51
○参考人(冨田沓子君) 御質問ありがとうございます。
 私も何が違うんだろうと今一生懸命考えていたんですけれども、本当に同じ、共通、共感できる部分がすごく多い中で、たけているなと思うことで大きく違うなというのは、自分の地域のこと、自分の国のことをすごくよく知っていると思います。それは、例えば私たちが仕事を共にしている事務局の人間でしたら、ある程度きちんと教育を受けた人間でしたら、本当に国の政治の動き一つ一つをすごく細かく追っていますし、またそういった機会が得られなかった地域の人に関しては、自分の地域の周りにどんな支援があるか、何が活用可能なのかということをすごく把握していると思います。
 その前に島尻先生が御質問なさった例でお話しすると、ハンガー・フリー・ワールドの中で女性の収入創出の支援をしていますというお話をさせていただいたんですが、マイクロファイナンスの事業を実はやっているんですね。それを立ち上げるときに、女性の二十五人ぐらいのグループを五人ずつのグループに分けて、じゃどんなプロジェクトをやっていくのかという話をしたんですけれども、もう山ほどアイデアが出てくるんですね。その中で実現可能なものなどを精査して、こちらのアドバイスも入れて事業を決めていったんですけれども、本当に私たち、私がもうその村に通い始めて四年目、もちろん彼女たちはもう何十年も住んでいるのでその違いは大きいですが、こんなにもアイデアが出てくるんだと。今までそれがなぜ生かされなかったかというと、その機会がなかった、資源がなかったからだと思います。
 なので、その自分たちの知識をきちんと知っているということは彼女たちのすごく大きな強みでありますし、逆に言うと、私がそれを自分の住んでいる地域の中で自分の地域のことをそれほど知っているかというと、恥ずかしくなるぐらい知らないんだなというのは彼女たちと対話をする中でいつも感じることです。
#52
○会長(石井一君) 山内徳信君。
#53
○山内徳信君 今日は、四名の参考人の現地における御奮闘がよく分かりました。心から敬意を表したいと思います。
 それで、質問と提言みたいな形になりますが、佐渡友参考人に申し上げたいのは、あなたの説明を聞いていて、私はいろんなことを教えられました。また、次々と頭に浮かんできたんです。そういう意味で、やはり日本が、日本の若い人々がアフリカのために何ができるか、何をやっていくのか、共に歩んでいくためにどういうことが必要なのかと、こういうふうなことを教えられましたし、そして私からも提言も申し上げたいと思います。
 それで、年も聞かせていただいたんですが、弱冠三十歳、非常にうらやましくなりました。お茶の話ですから、私も静岡県の島田市の島田高校で教鞭を執っていたことがありまして、学校から出ますと、そこには榛原とか金谷とかいっぱいお茶があるんですね。私はずっと静岡の人間になりたいと思ったんですが、なれずに沖縄に戻りました。
 そこで、申し上げたいことは、あなたのこの報告書の後ろの方にこういうのがありますね。慶応大学の話とかあるいは早稲田大学の話もございました。そして、現地の人々は、商いについてのそういう道徳とかあるいは商いの方法についても十分じゃないと。したがいまして、ビジネスを起こして国際的に通用する商いをしていくために、商業を展開していくために、あなたはやはり学ぶ機会、学ぶチャンスをつくるべきだと、そういうふうにおっしゃっていました。そういうことを聞いていて私も思ったんですが、あなたのアースティーというこの会社を是非成功させてほしいし、私も心から願っております。
 そして、あなたの夢は、お茶を通して世界を幸せにしていきたいと。これはもうすごい崇高な夢ですね。希望ですね。ですから、私も私的に、こういう青年こそやはりみんなで応援してあげぬといかぬだろうと、こういう気持ちになっておるわけです。
 是非、あなたの今やっている仕事を成功させた暁には、設立して今三年目ですか、二〇〇七年ですからね、日が浅いから余り無理なことを希望してもいかぬだろうと思います。
 私は、日本が戦争に負けて後、生き残ってきた、学徒出陣で行ったとか業半ばにして戦争に巻き込まれた人々やあるいは青少年たちも含めて、敗戦後、一番夢を与えてくれたのはやはり教育の現場だったと思いますね、教育の現場。
 そういうことを思い出しながら、また時代がいよいよこれから基盤を整備していこうというときには、日本の近現代史を見たときに、札幌の農学校ができて、それでそこにクラーク博士をアメリカから迎えた。彼はそんなに長期はいないんですね。一年近くか一年前後ぐらいですよ。ところが、どれほどその後、日本の北海道と関係ないところの青少年たちにも大きな夢を与えたか。
 是非、佐渡友君は、クラーク博士みたいに、アフリカの青少年たちにボーイズ・ビー・アンビシャスと、こういうふうなことをやる。あるいは、アフリカには野口英世って日本から行ったじゃない。あの人は亡くなったが、あの人の精神はずっと生きておるわけですね。そういうふうにして、ここに今日は四名の参考人おいでいただいておりますが、皆さんの足跡は、あるいはその努力は、向こうの地元の人々はやはりずっとその記憶に残ると思います。
 そういう皆さんの活躍でございますから、佐渡友君、是非ビジネスが成功した暁は、現地の人々に夢と希望を与えるような、あるいは自信を持たせるような、そして自立していけるような──あなたの話を聞いていてプランテーションの話が出てきたときに、依然としてプランテーション農業、これは自立できる農業じゃないわけですね。やはり白人の話がありましたが、そういう形態が続いていてはアフリカ全体の経済問題、貧困問題、自立問題、そういうものの解決に結び付かないわけですから、是非あなたはお茶を通して、世界の幸せあるいはアフリカと日本との懸け橋になるために、あなたのビジネスの力でできる身の丈のいわゆる学校、まあ農業学校でもいいし、お茶の学校でもいいわけですね。そこに夜学として、沖縄も戦後、長い間、高等学校が普及するまでは夜学をつくったんです、各市町村別に。そこに青年たちが集まってきて勉強して、そして夢を抱いていくんですね。
 したがって、是非、アフリカのあなたが行っているところでも、そういう、余り無理はしない、お金は掛けずに学ぶ場所をつくっていくことは、あなたのビジネスを下から支えていく力になりますね。この日本の青年をみんなで支えながら、また逆に学び合っていこうと。そこまであなたが手を回すと、直接やると今度は負担が掛かりますから、それは担当を決めておいてやるとか、そういうふうなことをやっていただくと、すごい日本とアフリカとの関係を築き上げていけるんじゃないかと。こういう私の夢をあなたに伝えて、少しだけあなたの気持ちだけ伺っておきましょうか。
#54
○参考人(佐渡友雄基君) 山内先生、本当に熱いメッセージをありがとうございます。もううなずいたり、頭の中で、お話しいただいただけで物すごいイメージが出てきて、楽しいメッセージをいただきました。
 共に歩むということが大事だと思います。上から何かを与えたりとか、偉そうに支援とかと言えるような立場じゃないんですよ、多分僕たちって。ただ、運よく、運よくなのか運悪くなのか分からないけれども、なぜか知らないけれども日本人に生まれて、ここに生まれてこの時代で、でも、この日本の歴史の中で、多分今って世界に羽ばたいていけるすごいタイミングなんですよ。もうパスポート一個を持っているだけでそれを強く感じますね。
 僕は台湾に留学していたことがあって台湾の友人も多いんですけれども、彼らは外に出るのがすごく大変。いつも中国の大使館の方に申請を出さないとビザが出ないとか、そういったことがある。でも、日本だったらほとんどの者が東京でビザがもらえるし、ビザがなくて入れるところもたくさんあります。だからこそ、僕のような世代の、二十代、三十代の人たちがもっと一緒にアフリカに行けるといいなと僕は思って今も仕事をしています。
 静岡に行かれていたということで、実は、ここでは全然違うんですが、静岡の方とも今も仕事をさせていただいていまして、お茶の開発を進めております。自分が経験したそのお茶のビジネスで、もう別にアフリカだけじゃなくていいと思うんですよ、自分が役に立てるところだったらどこでもいいのでやってみたいという思いがあります。
 クラーク博士のようにあなたがなりなさいというすごいメッセージをいただいて、いや、やれたら楽しいだろうなと思いますね。本当に楽しいと思いますね。自分にできることをやらないといけないので、そんなに今偉そうなことは全然言えないですけれども、将来的には、先ほどちょっとお話ししていたマイクロファイナンスのイメージとかはすべてそこにあると思います。
 今も、イメージしただけで、何人か声を掛けて、この人と一緒に夜学なり農学校をやってみたいなと思う人っているんですよ。それは、きっとJICAの方にいっぱいいると思います。一村一品とかでも、失敗したりとか、いろんなものを見ていらっしゃる方がたくさんいると思うので、それであれば、JICAの方の中で思いの伝わる方と一緒にアフリカでやったら、もうたくさんの教育関係の方たちが行かれていますので、そういう方と一緒にやれたら、きっと日本人としてアフリカの発展を手伝えるというか、一緒に発展していけるチャンスが見付かるんじゃないかなと、そんなことを思って最後とさせていただきます。
 以上です。
#55
○会長(石井一君) ほかに御質疑はございませんか。
 それでは、多少時間が余っておりますが、本日の参考人に対する質疑はこの程度といたします。
 一言ごあいさつ申し上げます。
 冨田参考人、永岡参考人、船橋参考人及び佐渡友参考人におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、大変有意義な調査を行うことができました。
 特に、今日は若い参考人でありましたが、日本の将来も捨てたものではないなと、そういう感じを多くの委員は持ったんじゃないかと思います。人類愛と使命感を持って、今後もその道をしっかりと前進していただきたいと思います。
 調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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