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2009/04/28 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会、環境委員会連合審査会 第1号
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2009/04/28 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会、環境委員会連合審査会 第1号

#1
第171回国会 経済産業委員会、環境委員会連合審査会 第1号
平成二十一年四月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
   経済産業委員会
    委員長         櫻井  充君
    理 事
                藤原 正司君
                増子 輝彦君
                山根 隆治君
                荻原 健司君
               北川イッセイ君
    委 員
                木俣 佳丈君
                鈴木 陽悦君
                津田弥太郎君
                直嶋 正行君
                中谷 智司君
                前田 武志君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                森 まさこ君
                谷合 正明君
                松 あきら君
                松下 新平君
                渡辺 秀央君
                田中 直紀君
   環境委員会
    委員長         有村 治子君
    理 事
                岡崎トミ子君
            ツルネン マルテイ君
                神取  忍君
                松山 政司君
    委 員
                相原久美子君
                大石 正光君
                大久保潔重君
                佐藤 公治君
                轟木 利治君
                水岡 俊一君
                川口 順子君
                若林 正俊君
                加藤 修一君
                浜四津敏子君
                市田 忠義君
                荒井 広幸君
                川田 龍平君
   国務大臣
       経済産業大臣   二階 俊博君
       環境大臣     斉藤 鉄夫君
   副大臣
       経済産業副大臣  吉川 貴盛君
       環境副大臣    吉野 正芳君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       谷合 正明君
       経済産業大臣政
       務官       松村 祥史君
       環境大臣政務官  古川 禎久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
       常任委員会専門
       員        加藤 堅一君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局審議官     岳野万里夫君
       外務大臣官房審
       議官       宮川眞喜雄君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中尾 昭弘君
       厚生労働大臣官
       房審議官     岸田 修一君
       経済産業大臣官
       房審議官     森川 正之君
       経済産業大臣官
       房審議官     西本 淳哉君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   藤田 昌宏君
       経済産業省製造
       産業局長     細野 哲弘君
       経済産業省製造
       産業局次長    後藤 芳一君
       国土交通大臣官
       房審議官     内田  要君
       環境大臣官房審
       議官       伊藤 哲夫君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    谷津龍太郎君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       原  徳壽君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
   〔経済産業委員長櫻井充君委員長席に着く〕
#2
○委員長(櫻井充君) これより経済産業委員会、環境委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。よろしくお願いいたします。
 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○岡崎トミ子君 おはようございます。民主党の岡崎トミ子でございます。
 化審法、今紹介されましたように、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の改正案の審議でございます。
 PCB汚染の健康被害に対応するということをきっかけとしまして、一九七三年にできた法律でございます。新たに製造、輸入される化学物質につきまして、事前に人への有害性などについて審査をする、同時に、環境を経由して人の健康を損なうおそれがある化学物質の製造、輸入、使用を規制する法律になっております。
 私たちの生活は化学物質に囲まれていると言っても過言ではありません。世界で工業的に生産されている化学物質はおよそ十万種と言われておりますし、日本でも化審法で公示されております物質の数で二万種を優に超えているという状況であります。私たちは基本的に例外なくその利便性を享受しているわけですが、化学物質による健康被害あるいは生活環境への影響はこれまでにも起こってきましたし、今、これまでに十分に認識されてこなかった多様で深刻な影響の懸念も指摘されているという状況でございます。
 これまでに、被害としては、PCB汚染、そして公害等の様々な問題、比較的新しいものといたしましては、シックハウスあるいはアレルギー、環境ホルモン、化学物質過敏症、脳の発達への影響などが心配されております。
 今の法体系では、私たちの社会が化学物質とできるだけ上手に付き合う、どうしても使えないものに関しては使わないための最も基本的な役割を果たしているのがこの化審法でございます。日本の化学物質政策がどうあるべきなのかということを考えながら、今日の審議を改正案、行っていきたいというふうに思っております。
 今回の法改正でありますけれども、二〇〇二年のヨハネスブルク・サミットで合意されました化学物質管理に関する中期目標、いわゆるWSSD二〇二〇年目標が背景にあると聞いておりますが、この二〇二〇年目標の中身は、予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学的根拠に基づくリスク評価・管理手順を用いて、化学物質が人の健康と環境への著しい影響を最小化する方法で生産、利用することを二〇二〇年までに達成するというものであります。そして、この目標を達成するための道筋として、二〇〇六年に国際化学物質管理戦略、SAICMが採択されております。
 まず初めに、この二〇二〇年目標とSAICMが目指しているものは何か、そして日本政府としてはこれにどのようにコミットしているのか、今回の法改正との関連に関してまずお伺いしたいと思います。
#4
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 環境大臣の斉藤でございます。どうかよろしくお願いいたします。
 今、岡崎委員から、まずこのヨハネスブルグ・サミットで合意したものが目指すもの、またSAICMが目指すもの、そして今回の法改正とはどういう関係があるのかという御質問をいただきました。
 ヨハネスブルグ・サミットで二〇二〇年までに化学物質が人間に与える影響を最小化しようという目標が立ちまして、それを具体的に実践するためにSAICM、国際化学物質管理戦略が採択をされたものでございます。したがって、この二つの目標は、二〇二〇年までに化学物質の人間への影響を最小化するということが目的でございます。
 今回の法改正との関連でございますが、まず、先ほどの二〇二〇年目標に対して、我が国は閣議決定で第三次環境基本計画を作りました。この環境基本計画の中で、人の健康及び生態系に与える影響について科学的知見に基づき評価を行い、適切な管理を促進するというふうに決めたわけでございますが、今回の法改正は、その範疇におきまして、二〇二〇年目標の達成に向け既存化学物質対策を中心として環境リスク評価、管理体系のより一層の充実を図るものでございます。
 これまで化審法は、主に新しく出てきた化学物質に対して適用するということでございました。そういう意味で、既存のものについて、一応対象には入っておりましたけれどもなかなか評価が進まなかったということで、そういう既存のものについても優先順位を付けてきちんと評価をしていこうというところが今回の法改正の一つ大きな目的でございまして、それが今回の法改正の目的でございます。
#5
○岡崎トミ子君 今回の改正案をめぐりましては、化学物質の有毒性に着目するハザードに基づく規制からリスク評価に基づく管理への転換、こういう言われ方をしているんですね。二〇二〇年目標はハザードを軽視するものではないということを確認したいと思います。
 特にSAICMでは、残留性蓄積性有害物質、発がん性・変異原性物質、生殖・内分泌・免疫・神経系に悪影響を及ぼす物質というふうにして、これを優先的に検討され得る物質群としているわけなんですね。これらが二〇二〇年までに不当だったり制御できないリスクをもたらす物質の製造、使用の中止、排出を最小化すべきだということであります。さらに、予防的取組方法を適切に適用すべきだということを盛り込んでいるわけですが、そこで、この二〇二〇年目標のポイントとして重要なのは、予防的な取組方法、これを採用すること、ハザードを軽視しないこと、生産と利用の両面で人の健康と環境への影響を最小化することと考えますけれども、政府も認識は共有されておりますでしょうか。
#6
○国務大臣(斉藤鉄夫君) はい、共有をしております。
 リスクというのは、ハザード掛ける環境排出量というものでございます。新規物質については、これまでどおりハザードということで、例えばPCBのようなものは環境排出量はもうゼロでなくてはいけないわけですけれども、ですから、リスクにしますと、ハザードは高いんだけど、掛ける環境排出量はゼロになりますからハザードはゼロということになってしまいますが、だったらもういいということになってくるんですけど、そうじゃなくて、やっぱりハザードの高いものについてはこれはきちんと禁止するということ。
 ただし、先ほど申し上げました、二万もある既存物質をこれから調査していくときに、やはりハザードではなくリスクで、環境排出量も考慮したリスクで優先順位を付けてこれを検討していくということでございまして、そういう意味では、リスク、ハザード、そして先ほど委員の御指摘のありました予防的措置の重要性ということを考慮して、今後検討してまいります。
#7
○岡崎トミ子君 SAICMの中では、人の健康と環境を守るための考え方については、今おっしゃったリスク削減ですね、そして知識と情報、ガバナンスなどの面からかなり具体的に整理をしていると思います。
 政府も、このSAICMの中身を踏まえたものとして今回の法改正を出したというふうに思って、これが前提であるということを確認したというふうに思っているわけなんですけれども、本当にそういう中身になっているか確認は必要だというふうに思っております。
 そこで、二〇二〇年目標で、生産と利用の両面で人の健康と環境への影響を最小化することを目標としておりますけれども、今回の改正に当たりまして、作業場における労働者、直接的に暴露をするということがあるわけですね。それから、家庭にいらっしゃる方、一般の生活の中で家庭用品等を通じまして消費者への直接的な暴露、こういうものについては何らかの形でカバーしようとしたんでしょうか。あるいは、この改正とは別の形でカバーしようとしているのか、その点についてお聞きしておきたいと思います。
#8
○政府参考人(岸田修一君) 今回の化審法の見直しによりまして、原則としまして、市場に流通するすべての化学物質を対象としまして、製造量あるいは用途、そういった暴露に関する情報、それから有害性の情報を集めることを考えているわけでありますけれども、これらの情報は、一義的には化審法に基づく化学物質のリスク評価に活用されるものでありますけれども、その一方では、得られた知見が労働者あるいは消費者への直接的な暴露に対する安全対策にも活用されるよう、関係大臣に通知する規定も新設されております。
 したがいまして、関係法令で適切に規制ができるよう、関係部局、関係省庁との連携を一層強めていきたいと、こういうふうに考えております。
#9
○岡崎トミ子君 今お話を伺いますと、やっぱり目指すべき目標に比べて部分的な対応であるという印象を深くしたわけなんですけれども、包括的な取組をどう進めるかということについては最後に議論をしたいと思います。
 ここで、EUなどの取組で採用されておりますノーデータ・ノーマーケットの原則について聞いておきたいと思いますが、この原則はどのようなものなんでしょうか。危険であることが明らかであれば規制するのは当たり前、現状で絶対に安全だと言えないような物質につきましてはどういう対応をすべきかを考えたいと思いますが、この二〇二〇年目標を持ち出すまでもなく、危険な物質があったとして、データが十分でないからといって野放しにして市場にこれが出回らせてしまうということは防がなくてはならないというふうに思います。
 そして、衆議院の審議で経済産業省が、従来のノーインフォメーション・ノーレギュレーションではなくて、どちらかというとノーデータ・ノーマーケットという方にかなり近い対応をするというふうに説明しておりますけれども、従来の対応とどういうふうに変わるのか、御説明をお願いします。
#10
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 今委員御質問のノーデータ・ノーマーケットというものは、欧州で導入をされておりますREACH、これの考え方の背景になっている概念でございまして、基本的には有害性情報等の登録がないものは、それをもって流通等認めないと、こういう考え方であると理解をしております。
 御案内のように、現行法におきまして二種、三種という監視物質を指定する制度を持っておりますけれども、これは一定の有害性が認められたものに限って指定をするという立て付けになっておりますが、今回の改正案では、有害性が分からないもの、不明な化学物質についても、一定の環境中への排出量がある場合には詳細なリスク評価の対象にするという意味で優先評価化学物質に指定をするということにしてございます。
 したがいまして、衆議院でも申し上げましたけれども、今次改正におきましては、いわゆる有害性情報がない場合には、言わばないことについては疑って掛かるという考え方に基づきまして、必要に応じて追加的な情報収集や規制を行うということにしてございまして、したがいまして、ノーデータ・ノーレギュレーションという要素からは、むしろノーデータ・ノーマーケットにかなり近い運用になっているものと承知をしております。
#11
○岡崎トミ子君 では、具体的なことを順次法案の内容を尋ねていく中で確認していきたいと思いますが、まずは優先評価物質について伺います。
 一トン以上の製造、輸入がある化学物質につきまして、事業者に製造量、輸入量等の届出を義務付ける、こういった情報と既に分かっている毒性についての知見などを踏まえて優先評価化学物質を指定するということだと思います。この優先という言葉をどういう意味で使っているのかよく分からないわけなんですね。優先的に評価する優先評価化学物質以外の物質もいずれ評価するということになるんでしょうか。
#12
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 優先評価化学物質に指定されなかった物質について一般物質と言っておりますけれども、これについて一定数量以上製造、輸入した事業者に対して、これについては毎年度その数量等の届出を義務付けているわけでございます。
 そういう意味で、例えばその化学物質の製造・輸入数量の大幅な増加、あるいは用途が変わって環境への放出割合が高くなるとか、そういうような事態が生じた場合は、先ほどのリスク評価において、それぞれハザードの部分あるいは環境暴露の部分、それぞれの変更があるわけですので、その場合には優先評価化学物質に指定する場合もあり得るわけでございます。
 このように、安全性の観点から、優先評価化学物質への該当性の評価を継続することによりましてリスクの高い物質を見逃さないということを考えております。
#13
○岡崎トミ子君 基本的には、優先評価化学物質を適切に評価すれば、二万種もあるわけですから、この二万種の既存の化学物質を含めましてすべての化学物質について懸念を払拭したことになるように制度設計をしたと考えているということなんだと思いますが、それにしましては、優先評価化学物質として指定する物質の数を千種というふうに、千種程度に想定しているというふうに聞いているんですね。この千種というのは、ほかの国の例に比べましても少ないと思います。
 EUのREACHでは、予防的な予備登録物質が十五万物質、それから登録物質が数万物質になるというふうに言われています。それから、アメリカでは、二〇一二年までに国内で約十一トン以上製造されている六千七百五十物質以上の既存化学物質について評価するというふうに聞いておりますが、日本の場合はなぜ千種なんでしょうか。
 どういう基準で優先評価化学物質を決めるかによってこの数字は変わってくるというふうに思います。そもそも、まずはその基準を決めるというところから始めるべきなのに、先に千種ありきというふうに数字が出ていることからして私はおかしいというふうに思うんです。
 二〇二〇年目標を形式的に達成するために、二〇二〇年までに評価できるのは大体千種ぐらいだろうなということの決め方ではないと思いますけれども、そのことを確認しておきたいと思います。
#14
○政府参考人(後藤芳一君) お答えを申し上げます。
 今度の改正法案の中におきまして新しく設けます優先評価化学物質につきまして、これの数をおおむね千ぐらいであろうと想定しておりますことは事実でございます。ただし、これはあくまでも、法案が通していただきまして、その制度を始めまして、それで数量を見ていくということでございますので、あくまでこれから手順を組み立てていくための目安ということでございます。
 それを前提にでございますけれども、優先評価化学物質につきましては、先ほど来御答弁ございますように、化学物質の持ちます固有の有害性と、それから当該化学物質の環境への排出量を勘案いたしまして、これでリスクという概念でございますけれども、これが小さいと判断できないものを優先評価化学物質として指定するということを考えてございます。
 例えばでございますけれども、従来の第二種監視化学物質というものがございますけれども、これ相当の有害性を有します物質でございましても、環境への排出量が例えば年間百トン以下ということになりますと、これはリスクということを計算しますんですけれども、環境を経由した人へのリスクというのは十分に小さいといいますか、ないと判断できるということは、これは平成十五年のときの化学物質審議会でも認められてございます。
 また、これ例えばの話でございますけれども、このように、有害性とそれから環境への排出量というところからリスクが小さい、又は認められないという物質を、これは年間、これも想定でございますけれども、毎年使われて届け出られる化学物質、届け出られるというのは今委員の御指摘のように一トンで足切りということを考えてございますけれども、そうしますと大体年間約七千物質ということになろうかと思います。そういうところからリスクを見まして、それを差し引いてまいりますと、約一千物質が残るんではないかと、こういう想定をしてございます。
#15
○岡崎トミ子君 この優先評価化学物質の決め方について、衆議院でもいろいろな答弁がございました。例を挙げますと、まず、製造・輸入数量あるいは既知の有害性情報等を勘案して、発がん性が疑われる物質や、有毒性の有無が不明な物質で環境への排出量が多いと考えられるもの等を優先評価化学物質に指定する。また、有害性が明らかでない物質であっても、リスクが十分に低いと判断できないものは優先評価化学物質に指定する。さらに、有害性について、有害性情報があるもの、それが疑われるもの、こういうものは、量がゼロでない限りにおいては優先評価化学物質に指定をする。
 この三つを挙げましたけれども、どういう物質を優先評価化学物質にするのか、どういう基準、手続で決めるということを想定しているのかを具体的にお願いしたいというふうに思います。
#16
○政府参考人(後藤芳一君) お答えを申し上げます。
 優先評価化学物質をどのような基準で指定をしてまいるかというお尋ねでございます。
 今ほど来も御議論ございますように、この優先評価化学物質は、固有の化学物質が持ちます有害性とそれから環境への排出量を両方勘案して行われるものでございます。
 例えば、今委員も御指摘のように、いろいろな有害性とそれから排出量との組合せが出てまいります。例えば、人に対しまして一定程度の有害性が認められる物質ですとか、それから有害性が不明な物質につきましては、環境への排出量が多い場合にはこの優先評価化学物質に指定されるということでございます。また、有害性が一定程度に達していない物質でございましても、環境への排出量が極めて多いというような場合にはこの優先評価化学物質に指定されるような制度を考えてございます。
 また、今出ております環境への排出量ということでございますが、今後、制度で事業者から届け出られます製造・輸入量、それと用途ということも今度新たに届出を受けますけれども、これらによりまして環境への排出量というのを算出するということでございます。この指定につきましては、こうした考えの下で、さらに専門家で構成されました審議会の御意見を踏まえまして実施してまいるということでございます。
#17
○岡崎トミ子君 有害性をポイントとして踏まえているというふうに思いますが、有害性をどういう基準で判断するのかですね。生殖毒性、そして生態毒性、免疫毒性、神経毒性、これは基準に入れるでしょうか入れないんでしょうか。
#18
○政府参考人(原徳壽君) お答えを申し上げます。
 ただいまも答弁がございましたけれども、優先評価化学物質の選定におけるハザードに関する基準を含む評価方法については、法案の成立後具体的にどうするのか、専門家の御意見を踏まえつつ検討していくことが必要であると考えておりまして、例えば、現在、生態毒性については第三種監視化学物質の指定に関する基準などが定められておりますし、これらも参考にしながら今後検討していく予定でございます。
#19
○岡崎トミ子君 今のでいいますと、生態毒性のみですね。そうすると、免疫毒性、神経毒性、こういう基準は入れていないということでしょうか。確認します。
#20
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、その有害性の程度をどう考えるかということで、例えば発がん性があるものについては重く見るとか、そういうことを考慮しておりまして、先ほど免疫毒性とか神経毒性とか、それを具体的にどう加味していくかは、今後その専門家の御意見を踏まえて検討していきたいというふうに考えております。
#21
○岡崎トミ子君 是非検討していただきたいと思います。
 そこで、厚生労働大臣、経済産業大臣そして環境大臣、この三大臣は、届けられた新規の化学物質が難分解性の性状を持っていてかつ継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがあるという疑いがあるわけですが、このような判定をしたときには、優先評価化学物質の指定をすべきか審議会の意見を聴くということになっております。ここで難分解性についてわざわざ触れているわけなんですけれども、これはなぜなんでしょうか。難分解性は優先評価化学物質への指定の基準の一つなのか、お尋ねしたいと思います。難分解性のものは漏れなく対象とするという趣旨が、難分解性のものだけを対象とするそういう趣旨なのか、これはどちらなのかを伺いたいと思います。同様に、継続的に摂取された場合に人の健康を損なうおそれがある疑いがあるという、この条件についても触れておりますけれども、この点についても御説明をお願いいたします。
#22
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 お尋ねの難分解性についてでございますけれども、難分解性の性状を有さない、いわゆる良分解という性格のある化学物質でありましても、環境中で分解される量、言わば自然の許容量というものを上回った場合には、その汚水が排出されれば当然環境中に残留する量が増えるということでございまして、人や動植物に対する影響というのはその可能性は否定できないものでございます。改正化審法におきましては、難分解性であることはこの規制の要件としておりません。したがいまして、優先化学物質の指定の要件とはこれを想定をしておりません。
 それから、お尋ねでございました、継続的に摂取される場合に人の健康を損なうおそれがあるものである疑いがあると、この規定は、現行法の第二条の第五項に規定しておりますいわゆる第二種監視化学物質の要件でございます。先ほども申し上げましたけれども、第二種監視化学物質の指定には一定の有害性が認められることが前提になっております。一方で、今度の改正法におきましては、リスク評価をした上で、その製造等によって排出量が勘案した上でリスクが低いと判断できないものについてもこの対象にするということになっております。したがいまして、有害性が不明なものについても、一定の有害性があると仮定を置いて優先評価化学物質に指定するということにしておりますものですから、当然のことでありますけれども、一定の有害性が認められることを前提にした御指摘の要件は、改正法においては優先化学物質の要件とはなりません。
#23
○岡崎トミ子君 どういう対象物質を決めるのかというときに、スクリーニングの材料ということになるんでしょうけれども、事業者に製造量、この届出を義務化している、これが法律になっていますけれども、この製造量と同じように、リスクを評価する場合に必要な情報であります毒性データ、これについては届出を義務化していないんですね。これはなぜなんでしょうか。
 それから、優先評価化学物質を決める段階で大臣は毒性データを提出することを求めることができるんでしょうか、お伺いします。
#24
○政府参考人(後藤芳一君) お答えを申し上げます。
 優先評価化学物質を指定する際に毒性データの届出を義務付けないか、それから、あと毒性データの届出を後で求めることができるかというその二つのお尋ねでございます。
 今回の改正は、環境サミットの合意に基づきまして、よりカバーする化学物質の範囲を広げまして安全性の評価を充実させることということを目的にしております。したがいまして、いわゆる既存化学物質につきましても、すべて製造・輸入量の届出義務を課すということをしてございます。
 確かに、リスクの評価のためには有害性とそれから排出量、マクロの量というのが両方必要ということでございますけれども、これは事業者の立場なども見ますと、いかに安全性の評価というのが大事ということではございますが、一律に届出を義務付けるということはこの負担の問題もございまして、これがかなり増加するということがございます。既に今回、幅広く全部の届出をしていただくということの負担は増えているわけでございます。有害性の情報を新たに取得するためには多額の試験費用が必要な場合もありまして、したがいまして、届出の画一的な義務付けというのは、規制の内容ですとか範囲を総合的に勘案して、今回は適当ではないと判断してございます。
 そこで、今回の改正案では、製造・輸入数量の、それから用途の届出によりまして環境排出量を推計いたしまして、これと国が既に持っております有害性情報によりましてリスク評価を行う、それによりまして優先的に詳細なリスク評価を行う化学物質を絞り込んでリスク評価をしてまいるということが最初の点でございます。
 もう一つ、毒性データの提出を求められないかという点でございます。
 これも大変大切な点でございまして、これは、実際に優先評価化学物質の指定をしました後で、有害性情報が欠如している場合には、先ほど局長からも御答弁をしておりますように、一定の有害性があるという具合に前広に見てリスク評価をしてまいりますが、ただ、環境への排出量が多いものなどにつきましては、その物質を指定いたしまして国が有害性情報の収集を行ってまいる、あるいは事業者に対しまして有害性情報を求めるということはちゃんとできるようになってございます。そうしていくつもりでございます。
#25
○岡崎トミ子君 その求めた際にそれを出さないという場合にはどうなりますか。求めることができるというふうになっていますので、もしそれ出ない場合にはどういうふうになっていきますか。
#26
○政府参考人(後藤芳一君) 有害性の情報を事業者に提出を求めましてそれがちゃんと出てまいるかということで、そこがすぐに出てまいらない場合は、これによりましてリスク評価をしてまいりますので大変大事な情報でございますので、私どもの方もちゃんとその要請をして促してまいるということでございます。それでもなお提出がないという場合には、最終的にはその提出を求めるという指示をしてまいるということでございます。
#27
○岡崎トミ子君 その指示の後はどうなりますか、指示の後。
#28
○政府参考人(後藤芳一君) 今、指示をいたしまして、指示でも出てこないということは、最終的にはそれに従わないという場合には罰則が掛かるということでございます。
#29
○岡崎トミ子君 一気にそこまで言ってほしかったなと思いますけれども、済みません。
 優先評価化学物質を指定した後、情報収集と安全性の評価を行って、必要なものを特定化学物質に指定して管理するということになっているわけですが、この優先評価化学物質について評価するに当たりまして、三大臣は事業者に対して、まず、この十条一項にあります、当該優先評価化学物質の性状に関する試験の試験成績を記載した資料の提出を求めることができるというふうにされております。求めることができるというのはまたこれはどういう意味か、こういう規定ぶりで資料が確実に手に入るものなんでしょうか。
#30
○委員長(櫻井充君) 速やかな答弁をお願いいたします。どなたになりますか。細野局長。
#31
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 優先評価化学物質に指定をされた後は、極力事業者の方からその保有するデータの提出を求めるということでございますが、それによって出てくる場合、出てこない場合がございます。出てこない場合であって、それを放置することによって人の健康あるいは環境の動植物への悪影響が懸念されるという場合におきましては、法律上は調査の指示ということが行えるようになっております。したがいまして、その調査の指示が出ましたら、先ほど次長からお答えを申し上げましたように、これはその指示に基づいて一定の調査をした上で、その試験データを提出をしていただくということでございます。
 先ほど罰則の適用のところまで申し上げましたけれども、これはちょっと飛んでいるかもしれません。最悪の場合、一切その指示にも従わない場合の非常にレアなケースでございますけれども、そういったプロセスを経ていろんな有用なデータについて、情報について収集を図ると、こういうことでございます。
#32
○岡崎トミ子君 十条の二項では、事業者に対して有害性の調査を行い、その結果を報告すべきことを指示することができるという、こういう規定になっておりますが、この指示ができるのは条件が付いております。健康被害等が生ずるおそれがあると見込まれるため、その有害性に係る判定をする必要があると認めるに至ったときということなんですけれども、この条件がきつい制約になってはいけないというふうに思いますが、この規定の趣旨と、どういう運用が期待されているのか、説明を求めたいと思います。
#33
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 先ほど来、類似のお答えをしたかもしれません。重複があったかもしれませんけれども、元々、この優先評価化学物質になりましたときに、これにかかわる有害性情報をできるだけたくさん出していただくと、これはもう極めて根本的に重要なことでございまして、先ほどの御説明のように、まず事業者に慫慂をし、そしてそれがなかなか難しいと、協力を求めて行うことが難しい場合におきましては、次の調査指示を行うということにしてございます。三大臣から、御指摘のように事業者にその提出を求めるということにしてございます。
 したがいまして、そういうことになっておりますけれども、それは、そこに至るに当たっては、今委員御指摘のような一定の心配がある、懸念があるということの場合に限られるわけでございますけれども、これにつきましては、具体的に有害性の中身、それから暴露量、いわゆる環境中での残留量について、いろいろな知見も含めまして推計をいたしまして、それが放置をされた、放置といいますかその調査をなされない場合においては、一定の影響が懸念されるという場合においてのみ次の強い拘束力を持つ調査指示をさせていただくということでございます。
 もちろん、この有害性とそれから暴露量である残留量の判断につきましては、優先化学物質の環境内における濃度というものが、既知の類似物質にかかわる有害性情報から推定される長期毒性の傾向でありますとかあるいは強さに照らして、人又は動植物に対して悪影響を与える水準に達するおそれがあるというふうに判断をした場合においてこういった有害性調査指示をするということにしてございまして、したがいまして、その判断につきましては今申し上げた範囲内で、ケース・バイ・ケースでございますけれども、繰り返しになりますけれども、有害性あるいは暴露量についての知見の進展とともに、臨機応変にそこは対応するようにしてまいりたいと思っております。
#34
○岡崎トミ子君 経産大臣と環境大臣、お二人の大臣に確認しておきたいと思います。
 重ねて聞くような形になりますけれども、事業者が第一項の求めに応じなかった場合、大臣の手元にはその物質の性状に関する試験の結果ですね、資料がないということになるわけなんです。この資料がない場合でも、大臣は第二項の指示を出すことができるかどうかですね。あるいは、ちゃんとそういう場合に的確に指示を出すおつもりか。お一人お一人伺いたいと思います。
#35
○国務大臣(二階俊博君) お尋ねの件でありますが、事業者が有害性情報の提出に応じない場合であっても、人や動植物への被害のおそれが見込まれる場合には、事業者に強制的に長期毒性の有無に関する調査の結果提出を指示することができることになっており、指示に違反した場合は罰則が科せられることは当然のことだと思っております。
#36
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今経産大臣がお答えになったと同様でございまして、きちっとそこは対応をしてまいります。
#37
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 届けられた数量等あるいは毒性についてのデータは何らかの形で公開されるのか、お伺いしたいと思います。知的財産権、それから企業秘密、こういう問題が度々出てまいりますけれども、例えば一定期間が過ぎた後の情報というものを公開するということも考えられると思いますけれども、この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#38
○副大臣(吉川貴盛君) この度の改正化審法の下におきましては、化学物質の有害性に関する様々な情報が国に集まることになります。こうした情報の概要も化審法の施行に携わる三省、いわゆる厚生労働省、経済産業省及び環境省になりますけれども、連携して構築しているデータベースにおきまして順次公表をしていく予定でございます。特に、公費で分析した物質につきましては、その試験報告書の内容も含めて広く国民に公表してまいりたいと考えております。
 あわせまして、データベースを十分に利用していただけるように、広報活動も積極的に行いたいと考えております。
 こうした取組を通じまして、だれもが容易に化学物質の有毒性情報を入手できるようにしてまいりたいと思いますし、またさらに、優先評価化学物質の製造・輸入量につきましても原則として公表してまいりたいと思います。
#39
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
 事業者からの情報提供ということでいいますと、優先評価化学物質、監視化学物質、第二種特定化学物質の製造又は輸入をする事業者は、これらの物質について組成、性状等について知見を持っているときには、その旨及び当該知見の内容を三大臣に報告するよう努めなければならないというふうになっておりますけれども、なぜ努力規定なのでしょうか。
#40
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、改正法の四十一条第三項におきまして、事業者が優先評価化学物質あるいは監視化学物質又は第二種特定化学物質の有害性情報を保有している場合においては、国に対して報告を行う努力義務が課されております。したがいまして、これによって事業者は、すべての優先評価化学物質等について過去に自らが一度でも情報を得ていないかどうかをちゃんと関係資料の中からチェックをいたしまして、それが存在する場合には国に報告を行わなければいけないと、こういうことになるわけでございます。
 他方、こういった報告につきましては、仮に努力義務ではなくて義務というふうにいたしました場合には、仮に一部でも、これまで営業をずっとしておりますから累次のいろんなデータがあると思いますが、一部でも有害性情報の報告について漏れがあったときには、これは義務違反ということになりますので直ちに罰則が適用されるということになります。
 各事業所におきましては、事業の遂行に伴って大変膨大な関係書類が存在していることを考えますと、このような義務付けをすることは事業者にとっての法的安定性という観点からは過大になるのではないかというような整理をさせていただきました。したがいまして、あえて義務ということではなくて努力義務ということにさせていただいております。
#41
○岡崎トミ子君 義務化した場合に、事業者の方は故意でなくても守られないという場合があると、そういう場合まで罰則まで掛けるということはできないという、そういう考え方がこれまで流れてきているなというふうに思いますけれども、本来、この法案の趣旨からいいましたら、自分が知見を持っていることを知っている事業者は、当然、報告することを期待されているというふうに思いますけれども、こういう理解でよろしいのでしょうか。
#42
○政府参考人(細野哲弘君) 重ねてお答えを申し上げます。
 今御答弁を申し上げましたように、法律上の整理としては、罰則の適用ということが予定をされていることとのバランスを考えて今のような整理をさせていただきましたが、これは届出においてもあるいは優先化学物質になった後においても、有害性の情報というものはできるだけ出していただくにこしたことはないわけでございまして、優先化学物質になった後におきましてもできるだけ出していただくということについては、我々も法の趣旨をよく御説明を申し上げて慫慂してまいりたいと思っております。
#43
○岡崎トミ子君 いずれにしましても、事前に幾ら計算しましても、環境中の残留量とか人間や動植物に対する暴露量というのは完全に正確に予測したり推定したりすることはできないというふうに思います。
 実際に製造、使用の場面、より広く環境中ですとか人体ですとか動植物の体内に残留する量を測定することなど、このモニタリングということが非常に重要だと思いますけれども、こういう結果に基づいて不断にリスク評価をやり直していくこと、適切に管理すること、こういうことが必要ではないかと思いますけれども、この辺の確認をしておきたいと思います。
#44
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、岡崎委員御指摘のとおり、化学物質の適正な管理のためには、環境中にどれだけあるのか、また人体やいろいろな動植物等の中にどれだけ入っているのかということをよく把握した上でハザードを掛ける、環境中の排出量ですので、それでリスクを評価するということ、不断の努力が必要だと、このように思います。
 環境省では、昭和四十九年より化学物質環境実態調査を行いまして、水、大気、それから動物中の化学物質の残留状況のモニタリングを行っております。それから、人の体内ですが、これはなかなか環境省だけではできないわけですが、少なくともダイオキシン等につきましてはモニタリングを行ってきたところでございます。
 今後、こういう最新の輸入量それから用途に関する情報のほか、環境中にどれだけ滞留しているのかということもよくモニタリングしながら最終的な評価を行っていきたいと思っております。
#45
○岡崎トミ子君 現在行われているモニタリングですけれども、対象としている物質数もサンプル数も限りがあるわけですね。多分、今この機会に是非やってほしいと思いますけれども、今の予算ではできないだろうというふうに思いますので、より充実した調査を行っていくためには十分な予算を獲得していただきたいというふうに思います。
 モニタリングの結果を一般的に有効活用を図るだけではなくて、意識して化審法上の運用、そして今回前面に出てきましたリスク評価の手法、きちんと機能しているかをチェックするために活用すべきだと考えますが、是非、このモニタリングの生かし方について、更に踏み込んで御発言があればお願いしたいと思います。
#46
○政府参考人(原徳壽君) このモニタリングに指定する、何をモニタリングするかというその選定に際しましては、関係省庁等とも意見を聞きまして決めてきております。今後、更にそれを充実させるべく努力してまいりたいと思います。
#47
○岡崎トミ子君 何か細かくなかったなという、具体的ではなかったなと思いますけれども、是非モニタリングの生かし方について、今後とも具体的に十分な検討をお願いしたいと思います。
 たくさんありますので次に行きたいと思いますが、特定化学物質についてお伺いしたいと思います。
 現行法の十四条二号では、第一種特定化学物質については、主として一般消費者の生活の用に供される製品の製造又は加工に関する用途に使用してはならないというふうにされているんですね。第一種特定化学物質につきましては、基準適合及び表示の義務ということだけではなくて、廃止に向けた目標年限を明確にしたり、あるいは事業者が期限内に回収、適正処理をすること、こういうことを義務付けるというふうになっていないので、是非、その回収、適正処理をすることなどを義務付けるというような、より実効的な施策を導入すべきだと考えておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#48
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、現在、第一種特定化学物質に指定をされておりますのは十六ございます。これらにつきましては、原則として製造、輸入あるいは使用は禁止ということになっております。唯一、廃棄物として今この社会に存在いたしますPCBにつきましては、廃棄物処理法の特別管理産業廃棄物に指定をされておりまして、その下で厳格な処理が義務化されております。
 恐らくお尋ねの件は、今回、五月になろうかと思いますが、いわゆるストックホルム条約に基づいて九品目が規制品目に追加されると見込まれておりまして、その中にPFOSと称するものが含まれると。これは実は大変有用なものでございまして、代替性はないわけでございますけれども、もしこれを第一種特定化学物質に指定をし、原則禁止という範疇に入れましたときには、半導体の製造あるいは泡消火剤等々の有用な用途が閉じられるということに我が国がなりかねませんものですから、今度の条約の範囲内で認められた用途につきましてこれを使用するということをできるように、そういうふうに改正をしようと思っております。
 それで、そういうことで今回改正をさせていただきますけれども、このPFOSもやはり第一種特定化学物質の一つとして指定をされる以上は、当然のことながら、こういうものについては、引き続きその代替物質の開発を促し、できるだけそれを早く市場から撤退をしていただくということにすることは当然でございます。
 他方、御指摘のように、早々に、代替の可能性がない状況においても早めに期限を切ってその回収とか廃止を迫っていくというのは、まさに先ほど申し上げました例外規定を設けて今回法改正をするという趣旨に照らしますと、非常に間尺に合わないことであろうと思います。したがいまして、できるだけ代替物の開発とか転換を促してはまいりますけれども、あらかじめ期限を切ってその廃止を迫るということについては現実的でないと考えております。
 ただし、PFOSにおきましても、その使用はそういう格好で認めますけれども、当然のことながら、回収とか適正処理ということにつきましては、当然のことでございますけれども、半導体製造に当たっての閉鎖系での使用ということでございますので、その限りにおいて、また泡消火剤に使う場合においても、使った後にちゃんと回収をするというようなことを含めて、その適正な使用とかあるいは処理がなされるようにするのは当然でございまして、そのためのルール作りをしていきたいと思っております。
#49
○岡崎トミ子君 前向きな御答弁だったというふうに思います。期限内にしっかりやるということでお願いをしたいと思います。
 次は、第二種特定化学物質について伺いますけれども、これは難分解性物質に限定しないものと理解しておりますけれども、それでよいか、そして、良分解性物質も対象とすることを明らかにすべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#50
○政府参考人(原徳壽君) 現行の化審法におきましては、難分解性という物質の性質によって環境残留の可能性を判断することが適当との考えに基づいて、難分解性物質に限定してきたわけでございます。
 今回、化学物質管理の世界目標の達成のためにすべての化学物質を安全性評価の対象とすることが必要というふうになっておりますので、良分解性の化学物質であっても、先ほどから答弁ございましたが、環境への放出量によっては環境中に残留する、それによって人の健康やあるいは動植物への影響の可能性がありますから、今回この改正法においては良分解性物質も第二種特定化学物質の要件に含めることとしております。
 したがいまして、法改正後、第二種特定化学物質は難分解性物質に限定されるものではございません。
#51
○岡崎トミ子君 ここでナノ物質について聞いておきたいと思いますが、欧州議会の環境委員会がつい先ごろ、ナノ物質を使った製品に関する法律についてノーデータ・ノーマーケット原則を適用するために二年以内に見直すことを欧州委員会に求めまして、先月にはナノ物質を使う化粧品への規制を導入する法改正に合意したということが報道されております。イギリスでも安全衛生庁がカーボンナノチューブについてリスク管理のための指針を発表したということでございます。このカーボンナノチューブといいますのはアスベストと同じだというふうに言われておりまして、アスベスト同様の健康被害を引き起こす可能性があると指摘をされている物質でございます。
 日本におきましても直ちに対応していくべきではないかと思います。アスベストの教訓をここで生かしていくべきではないかというふうに思いますが、特に化粧品ですね、これは日常的に非常に浸透がいいということで、私も目に付いてしまうんですけれども、この日常生活の中でも使用されているということにつきましては、予防的な取組方法によって、遺伝子組換え作物と同様に、製品に表示を義務付けるべきだというふうに思いますが、いかがですか。
#52
○政府参考人(岸田修一君) このナノマテリアルにつきましては、その粒径などが小さいことに起因する特性や形状によりまして人の健康に対する影響が従来の化学物質とは異なる可能性がある、こういう指摘がございます。しかしながら、その有害性につきましては専門家の中でも様々な意見があり、日米欧が参加するOECDではまさに今検討をしているところであります。
 このナノマテリアルの安全性につきましては、昨年二月に厚生労働省で設置しました有識者による検討会の報告書、これがこの三月末に出ておりまして、現段階でこのナノマテリアルが人の健康に影響を及ぼすという報告もなく、人の健康への影響を予測するために必要十分なデータが得られた状況には至っていないという報告がございます。
 一方、今議員が御指摘ございましたように、欧州議会におきましてはこの三月に、ナノマテリアルを使用した場合に化粧品にその旨を表示するという、義務付ける欧州規則が採択されたと。ただし、発効後四十二か月以内にということでございますので、経過期間としては三年半ぐらいの期間がございます。
 厚生労働省としましては、化粧品に用いられるナノマテリアルの生体への影響に関する情報を収集し、欧州のみならず米国等の国際的な動きも注意しつつ適切に対処してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#53
○岡崎トミ子君 これはもう細かい検討が必要だと思いますし、諸外国からの情報交換も含めて、是非ともこの問題、積極的に取り組んでいただけるようにお願いをしておきたいと思います。
 一部繰り返しになりますけれども、この優先評価化学物質、特定化学物質の選定基準、選定プロセス、これを法文上明確にしておく必要があるのではないかというふうに思いますが、この第二種特定化学物質の選定に当たって予防的取組方法を採用されるべきだというふうに考えますが、この点についてお答えをお願いします。
#54
○副大臣(吉川貴盛君) 予防的取組方法が採用されるべきではないかという御指摘でございますが、お答えをさせていただきますが、この改正後の化審法におきましては、優先評価化学物質の指定に当たりまして有害性情報がない場合には一定の有害性があるものと仮定を置くことといたしておりまして、その意味では予防的取組の考え方に基づいた対応だと考えております。また、優先評価化学物質にかかわる詳細なリスク評価段階におきましても、有害性情報等がない場合には、必要に応じて事業者の協力を得ながらその情報を収集してまいります。さらに、必要に応じまして、事業者に対しましては、長期毒性の調査を指示できることとなります。
 このような予防的な取組に基づくアプローチで始まるプロセスを経ましてリスクの存在が認められた物質につきましては、速やかに第二種特定化学物質への指定を行うことによりまして、化学物質による被害の防止に万全を期してまいりたいと考えております。
#55
○岡崎トミ子君 次に、ステークホルダーの参加についてお伺いしたいと思いますが、このSAICMのハイレベル宣言十八項に、我々は、特に化学物質管理への女性の均等参加に努めるなど、社会のすべての部門にわたる透明性、公衆参加及び説明責任によって、効果的かつ効率的な化学物質管理のガバナンスに向けて取り組むというふうに明記されております。
 また、SAICMの包括的方針戦略のガバナンスの項目には、化学物質の安全性に関連する規制と意思決定の過程に、市民社会のすべての部門、特に女性たち、労働者、原住民コミュニティーの人々による意味ある積極的な参加を推進し、支援すること、このように明記されております。
 この優先評価化学物質や特定化学物質を決める基準作りと実際の策定作業の際、私たちも、環境部門の中では環境委員会でよくステークホルダーの参加、市民参加ということを言って、斉藤大臣にも前向きな御答弁をいただいているわけなんですけれども、実際の策定作業のときに多様なステークホルダーの参加を求めていくということは大変大事だと思いますけれども、この点についてお答えを、二階大臣でしょうか、お願いしたいと思います。
#56
○副大臣(吉川貴盛君) 私からお答えをさせていただきたいと思います。
 法文上明確化にしておくことが必要だということだと思いますけれども、優先評価化学物質の指定基準及びリスク評価方法の作成に当たりましては、リスク評価等の専門家の意見を取り入れますとともに、パブリックコメントを実施した上で公表を行う予定にいたしております。
 これにより市民団体を始め幅広い関係者の意見を反映できると考えておりまして、また具体的な優先評価化学物質の指定とリスク評価、第二種特定化学物質の指定はこのようなプロセスを経て策定された指定基準に照らし、そしてこうした評価方法の下でなされまするけれども、毒性評価やリスク評価等の専門家から成る審議会で意見をまとめるに当たりましては、多様な関係者にどのように関与していただくかにつきましても今後検討してまいりたいと考えております。
#57
○岡崎トミ子君 この多様な関係者、審議会をつくられるということでしょうか。その中で、その多様な関係者に入ってもらうということであれば、審議会の構成メンバーについてお伺いしておきたいと思います。
#58
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 最終的には専門家の評価が大変重要かと思いまして、先ほど副大臣から御答弁申し上げましたように、最終的なプロセスを経て評価がなされてきたものにつきましては今でも審議会の先生方の意見を聴くということになっております。
 その際、御指摘のように、できるだけ多くの立場の方の意見を反映するすべとして、新しく、今申し上げました既にある審議会とは別にそういうフォーラムをつくるのか、あるいはその審議会の中で言わば公聴会のような形で意見を賜るのか、これはどういう形がいいかにつきましてはいろんな方法があろうかと思います。
 ただ、重要なことは、こういった人の健康とか環境に対する影響の度合いについての評価基準を作ったり指定をするということでございますので、いろんな方々の意見を反映することについての重要性は、大変重要かと思っております。したがいまして、どういう形で御参加をちょうだいすることが最も適当かについていろんな方策を考えていきたいと思っております。
#59
○岡崎トミ子君 まだ決定されていないということでありますけれども、先ほども市民、労働者ということの私意見も申し上げましたので、そういう人たちの参加が可能になるといいなというふうに思っております。
 それでは、動物実験についてお伺いしたいと思いますが、今回の改正案が通りますと膨大な数の安全性試験が必要になるわけですが、これまでの安全性試験のやり方ではたくさんの動物実験が行われます。
 この安全性試験に関しまして時間とコストが掛かるわけですけれども、動物実験によっての時間とコストの問題に関してどのように考えていくかですね。EUとアメリカでは動物の犠牲を減らすことを求める世論もありまして、動物実験に使う動物を減らすために、代替法ですね、技術の開発、評価に資金を投入するということをしております。
 今回の化審法の改正に当たって、その基礎にもなっております三つの審議会によります化審法見直し合同委員会報告書でも、動物試験の代替法について、今後とも更に取り組んでいくことが重要であると考えられるというふうになっております。
 そこで、動物実験の数を削減する方法の一つは、異なる機関での重複実験を避けること。REACHでは、重複を避けて、そして特に脊椎動物を使う試験を減らすために、登録や更新の作成及び提出に係る規定は、登録者から要求がある場合には情報の共有を要請すべきである、こういうような文言がありますが、日本でも、情報共有を求める、そして可能な限り重複実験を避けていく、こういう方針はありますでしょうか。また、公開されます海外のデータを積極的に採用していくおつもりはあるでしょうか。
#60
○政府参考人(原徳壽君) 動物実験については、御指摘のとおり、動物愛護の観点からできる限り代替法の活用やあるいは使用動物の削減等に配慮することが重要であると考えております。
 今回の化審法の運用においても、海外のデータを含む既存の知見の活用、また安全性情報を事業者に求める場合の重複した試験の回避などによりまして動物実験をできる限り少なくするよう配慮してまいりたいと思っております。
 さらに、OECDにおける取組、これによりまして海外のデータの活用を可能とする試験方法や実施機関の基準の共通化、これらについても非常に重要であると考えております。
 またさらに、OECDにおいては、培養細胞を使った試験あるいは化学物質の構造から有害性を予測するQSAR、キューサーなど、動物実験を行わないでその毒性等について検討するという、こういうような手法も開発されているところでございまして、我が国としましても、試験法共通化のためのOECDの作業グループへの参加、あるいは我が国で開発しましたQSARの提供、それらの代替法の有効性検証プロジェクトへの参加、これらによりましてOECDの活動にも積極的に参加しながら考えていきたいと思っております。
#61
○岡崎トミ子君 動物実験につきましては幾つかもっと質問を用意していたわけなんですけれども、動物愛護につきましては山根先生が大変熱心なので次の委員会で質問をしていただくということで、私は次の総合法制について伺いたいと思います。
 化学物質法制の施策につきまして、縦割りの弊害が大きいということを言われ続けているわけですね。こういう指摘に対してどういう配慮をされているのか。それから、化審法見直し報告書には、化審法以外の化学物質関連法制全体をカバーして相互連携を目指した総合化学物質管理法制についての意見もあったようです。これからの検討課題として認識すべきではないかというふうに思いますが、この点についてどのようにとらえておりますでしょうか。
#62
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 化学物質については、医薬品ですとか農薬、また食品添加物等、それぞれいろいろな目的で使われております。したがいまして、それぞれの目的、用途に応じた法体系で対応しているというのが現状でございます。
 こういう状況について縦割りの弊害があるのではないかと今御指摘ございましたけれども、そういう御指摘もよく承知をしておりますし、またその弊害を取り除くために基本法を作ったらどうかということも承知をしているところでございます。
 環境省としては各種の化学物質対策について、今回の法改正に盛り込まれましたように、化学物質の性状に関する知見を各関係省庁、特に経産省、そして厚労省、そして環境省、よく情報を共有するということが重要だと思っております。一つにまとめるということについてはまだ時期尚早ではないのかなと。やはりそれぞれの性状、例えば農薬とそれから医薬品ということでは用途も違いますし、それぞれの用途に応じた今法体系の下でやっていくのが合理的ではないかと思っておりますけれども、しかしながら、先ほど申し上げましたように、国際化学物質管理戦略、SAICMに基づきまして現在関係省庁連絡会議において国内実施計画を立てているところでございます。縦割りの弊害が出ないようによく省庁連携して、また実際の会議体もつくっておりますし、そういう形で臨んでいるというのが現状でございます。
#63
○岡崎トミ子君 多分そのようにお答えになるのではないかなというふうに思いましたけれども。
 やはりこの化審法を改正する、あるいはEUでREACHというような取組もある。私どもではREACHから担当者の方を招いて、わざわざヨーロッパから来てくださったわけなんですけれども、そこで具体的にお話なども伺いますと、今その努力を始めるべきときではないかというふうに思います。
 たくさんある法制をやはり一つ横ぐしを刺していって一つにまとめていく。今経済産業省も環境省も厚生労働省も大変連携が良くて、しかもそこで情報を共有していくということが大変大事だと。それもうまくいっているというふうにも私は聞いておりますけれども、そうであればなおさらのこと、一つにくくっていくということが今求められているというふうに思っておりますので、私たちはこれから前向きにそういったものについて取り組んでいきたいということを申し上げておきたいと思いますので、是非またお力を貸していただきたいと思います。
 冒頭に確認いたしましたとおり、今回の改正案の内容を含めまして、化審法の対象は環境を経由した人の健康等の被害の防止に限定されております。しかし、化学物質による健康被害は、消費者が消費者製品に含有されております化学物質に直接触れたり、あるいは吸い込んだりすることでも起こっているわけなんですね。REACHの場合には、消費者製品や労働安全衛生で環境経由以外の規制を行うように規定をしております。
 もう一度聞きますけれども、こういうような環境経由以外の被害を防止するということに関しまして、新たに化審法に加えるということについては全く考えていないんでしょうか。検討しなかったんでしょうか。検討されたんでしょうか。他の法律を改正する考えはあるかということも含めてお聞きしておきたいと思います。
#64
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 化学物質の人への暴露経路につきましては、御指摘のように、環境のみならず、例えば食品や医薬品の摂取に伴う消費者への暴露、あるいは作業現場における労働者への暴露、その様々な場面がございます。この暴露の状況に応じて、その特性に応じて異なる管理手法がそれぞれ必要であると考えられることから、労働安全衛生法でありますとか食品衛生法あるいは薬事法等の様々な法制度の下で対応してきたものでございます。
 化審法につきましては、あくまでも化学物質の製造等に関する規制でございますので、そういう面で今回の検討においても環境経由以外の暴露については、御指摘の観点からの検討は行っておりません。
#65
○岡崎トミ子君 再度私たちの、たくさんの法律があって、なかなか縦割りの弊害はあり、この際に是非前向きな取組をというふうに言うときに、別々の法律で対応していくという御返事でもありましたけれども、やはり一つの制度の下で基本理念を確認をする、そして関係者の責務と役割を明らかにする、同時に、化学物質によるリスクの低減や削減ということに関する施策を長期的に、総合的に、あるいは計画的に推進すべきであるというふうに考えておりますので、そのことについて大臣は、二階大臣は、もし環境省や厚生労働省や、他の省庁もそうです、農水省もかかわってくると思いますし、そういうところと一緒になってやろうというときに、是非そういうリーダーシップをお取りになるということをお考えになりませんか。そういう時期が来たらそうしていきたいというような前向きなお考えはございますでしょうか。
#66
○国務大臣(二階俊博君) このような化学物質という国民生活に極めて重要な影響をもたらすであろうというこの物質に対しての法体系でありますが、できるだけ各省連携し、そして簡素に国民に分かりやすくやっていくということは理想だと思います。そういうことに近づいていけるように、各審議会等の連携と、必要なものから順次できるだけ幅広く横の連携を取っていくということに心掛けていきたいと思っています。
#67
○岡崎トミ子君 必要なデータ等を一元化してやっていくということが非常に効率的なのではないかというふうに思っておりますので、そういう点において物事を収集したり管理をするという、その方が私は合理的ではないかというふうに思いますので、再度そのことについて触れておきたいというふうに思います。
 それから、今後の化学物質政策の在り方を考える際に必要なのは、子供たちや胎児、あるいは特に化学物質に関して敏感な人たちのことをもっと基本的な問題だと考えることだというふうに思います。このSAICMのハイレベル宣言二十四項に、我々は、子供たちや胎児を、彼らの将来の生命を損なう化学物質の暴露から守ることを決意する、このように明記されております。感受性の高い胎児、乳幼児及び高齢者等への影響を配慮して、各省庁の所管に分かれております各法の安全基準そのものを網羅的に見直すべきではないかと思います。また、その見直しを二〇二〇年までに行うべきではないでしょうか。そのためには早急に実施計画を立案すべきだと考えますが、この点についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#68
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 御指摘のように、化学物質管理に当たっては、特に感受性が高いと言われている胎児、乳幼児に対して配慮が必要だと、このように思っております。政府の環境の目標として環境基準が定められておりますが、この設定においては、乳幼児や胎児など感受性の高い者の存在をも考慮した不確実係数の使用を行っているところでございます。また、これら基準については、二〇二〇年を待つことなく、いろいろな調査研究を通じて新たな知見を取り入れて、この不確実係数を見直していきたいと思っております。
 そして、今御指摘のように、これを各省庁一貫した共有のものにすべきではないかということでございますが、先ほど申し上げましたSAICM関係省庁連絡会議が設置されておりますけれども、このSAICM関係省庁連絡会議におきまして国内実施計画の策定に向けた検討を進めているところでございます。
#69
○岡崎トミ子君 安全を徹底しようとするときに、コストやあるいは競争力、こういったものへ悪影響があるというふうによく言われるんですね。しかし、安全は何にも増して重要であるということ、さらに、産業面、この面での安全こそ最大の付加価値ではないかというふうに思います。
 安全を確保するという姿勢が競争力にもつながるという認識を共有したいと思いますが、二階大臣にその点に関して、そしてこの法律全体に関しまして御見解と、今後に向けた御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
#70
○国務大臣(二階俊博君) 冒頭、岡崎先生からも御指摘がありましたように、化学物質は極めて国民生活に影響が大きいわけでありますから、我々はこの点に特に留意をして、化学物質には有害性を持つものもあり、その取扱いや管理の方法については、先ほどから御指摘のあったように、人の健康や動植物への被害をもたらす可能性ということに心を砕いてまいりたいと思います。改正化審法が成立しました上には、このような被害を未然に防止する、そのための環境サミットの合意を踏まえて、化学物質の安全性評価を二〇二〇年までに着実に実施をしてまいりたいと考えております。
 また、改正化審法の運用の中で得られた有害性の情報等については、他の法令での活用を促すべく、積極的に関係省庁に提供してまいりたいと思います。これによって、政府全体の化学物質管理を大きく前進させることになるだろうと確信をいたしております。
 また、今回の改正法も、ナノ物質の安全性評価手法の開発等、今後更に取り組むべき課題が山積をしておりますが、化学物質による人の健康や動植物への影響を防止するために、特に斉藤大臣、また厚生労働大臣等ともよく連携をして、必要な対策に万全を期してまいりたいと思っております。御協力をお願い申し上げます。
#71
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
#72
○森まさこ君 ありがとうございます。自民党の森まさこでございます。
 化学物質審査法でございますけれども、昭和四十八年にカネミ油症事件を契機に制定されました。カネミ油症事件と申しますのは、福岡県北九州市にあるカネミ倉庫株式会社で作られた食用油に熱媒体として使用されていたPCB、ポリ塩化ビフェニルが混入し、この油を通して摂取した方々に顔面への色素沈着など肌の異常、頭痛、肝機能障害などを引き起こした事件であります。また、妊娠中に油を摂取した方からは、皮膚に色素が沈着した状態の黒い赤ちゃんが生まれました。大変痛ましい事件であります。
 実は、このPCBは、当時は夢の物質としてもてはやされておりました。それは、PCBがこれまでの物質にはない性質を持っていたためです。例えば、空気中に放置しても酸化されにくい、温度変化によって余り変質をしない、また電気を通さないので絶縁材として利用ができる、それから通常の油と異なって火災の原因にならないので安全性が高い。有用性と安全性を兼ね備え、まさに夢の物質でありました。
 ところが、PCBは、分解されにくい、そして蓄積を体内にされる毒性を有する化学物質でもありました。そのため、先ほどのような事件を引き起こしました。夢の物質は、実は悪魔の物質でもあったわけであります。化学物質の産業上での利用可能性ばかりに着目されて、人の健康に悪影響を及ぼすという側面が見落とされていました。
 なお、最近になって、PCBのほかにダイオキシンもこの事件の原因だったことが指摘をされております。
 いずれにせよ、カネミ油症事件がきっかけでこの化審法が制定をされました。我が国ではこれまで製造、輸入されたことのない新しい化学物質、すなわち新規化学物質を製造、輸入する場合には厳しい事前審査を行うこととされたわけです。
 さて、これまで第一種の特定化学物質にされたものが一つもなかったということでございますが、近々、ストックホルム条約に、現在我が国において泡消火剤や半導体に使用されている化学物質が禁止対象物質として追加をされるという予定であります。現行法のままでは、それらのエッセンシャルユース、すなわち、用途や製品を限定して厳格な要件を定めて製造、使用が許容される仕組みであるエッセンシャルユースが認められず使用ができなくなってしまうことから、改正案では例外が認められるということになっております。
 その例外を認める必要性は分かりますけれども、国民の安全ということを考えますと、やはり第一種特定化学物質に該当するものは市場に出回らないように今後していくということが望まれると思いますけれども、今後のそういった方向に向けての取組について伺いたいと思います。経済産業省、よろしくお願いします。
#73
○政府参考人(後藤芳一君) お答えを申し上げます。
 今委員の御指摘のように、化審法は、カネミ油症の事件ですとかこういう経験を踏まえまして、化学物質の安全性をちゃんと確保してまいろうということで運用してまいっております。今御指摘の、新しい用途につきまして、制限の下にそれを許していくというところを厳格にやっていくべきだという御指摘でございます。
 今回の改正の下で、第一種特定化学物質の特定の用途での使用を認めようと考えております。これまでは許可制で許可をしない、事実上禁止でございましたんですけれども、これはストックホルム条約で、締約国が代替物質を開発するまでの間、これは国際的にも共通に例外的に用途を限定して認めるということでございます。
 また、この第一種特定化学物質の使用につきましては、今申しましたように代替が困難な場合のみについて認められるということでございますので、これがどこかでその代替物質が開発されました場合には、もはやそれはその用途での使用を原則として禁止するということになりますので、使用が認められる期間におきましても実際にそれが川下で活用される事業者の方からは代替化を求めるという声が高まると考えております。引き続き例外的に用途を認めるという場合におきましても、これは今後、新しく法が改正されてそれを認めます場合にも製造・輸入量を厳密に把握いたしまして、関係者に対しましてはより安全な物質への代替を速やかに進めるように強く促してまいりたいと考えております。
#74
○森まさこ君 私も長く消費者保護をやってまいりましたので、先ほどのカネミ油症事件をきっかけにして消費者運動を長くしてきた先輩方の教えを踏まえますと、やはり事件が起こってからでは遅いということでございます。一方、産業の発展というものも大切ということも重々承知しておりますので、そういった観点を踏まえながら、今お答えになりました代替物質の開発、それから国民への情報の提供ということを御努力いただきますようにお願いをいたします。
 次に、既存化学物質の点検でございますけれども、これは、今までの取組は残念ながらスピードが遅かったと言わざるを得ないと思います。私も、妹が科学者でございますので、このような審査、検査、調査は容易ではないということを承知はしておりますが、やはり国民の生命、健康の安全ということを考えますと二〇二〇年までの具体的なスケジュールを立ててきちんと進めていただきたいと思いますので、その点はよろしくお願いを申し上げます。
 この点につきまして今般の改正法では、既存化学物質を含むすべての化学物質について、一定数量、これは一トンというふうに伺っておりますが、それ以上を製造、輸入した事業者に対して、その数量の届出を義務付ける、そしてその届出をされたものについて優先度を付けて絞り込んでいって、業者の方に有毒性の調査をしたデータを提供をしていただく、その結果を踏まえて製造・使用規制等の対象とするということでございますが、この選定方法についてお伺いします。
 まず最初に、この量についての報告があると。このデータというのはどこに集まるんでしょうか。現在は七千ぐらい集まるのではないかというふうに伺っておりますが、それを公表していくと、それすべてを公表していくということでございましょうか。その点についてお願いいたします。データがどこに集まるか、そしてそれを公表するのかということです。
#75
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今度の改正法におきましては、既存物質も含めまして一定数量以上のものについてはすべて対象にして、届出をしていただくということでございます。したがいまして、その届出の中身は、製造量、輸入量、あるいは重要な情報として用途が入るわけでございますけれども、こういった情報については一元的に政府の方に届け出ていただくということでございますので、経済産業省を含めて関係省に集まることになっております。
#76
○森まさこ君 今のお答えですと、業者の方が経済産業省に届けるということですか。そして、その届けたデータは経済産業省以外の省庁も共有するということでしょうか。
#77
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 届出につきましては経済産業省がメーンになって取りあえず受付をいたしますけれども、改めて申し上げますまでもなく、この法律は三省で共管をして、共に運用させていただいております。したがいまして、受付窓口としての経済産業省だけではなくて、当然関係省にはお伝えをするということになります。それから、三省以外でも、先ほどほかの委員の方の御質問がございましたけれども、他法令に関係するようなものについては、それぞれの所管の、三省以外のところにも関係情報をお伝えすると、こういう立て付けでございます。
#78
○森まさこ君 そして、その集まった情報を国民に対して公表すると、そういうことでよろしいでしょうか。確認ですけれども、お願いいたします。
#79
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 届出を受けました、大体七千物質ぐらいあると思っておりますけれども、こういったものにつきましては今申し上げた格好で情報が収集をされます。したがいまして、その後、絞り込みをして優先化学物質等々に指定をしていくわけでございますけれども、その過程におきまして、先ほどほかの委員の方にも御質問にあったかと思いますけれども、関係の情報につきましては、輸入数量あるいは製造量、それからあと、これはどなたがその有害性等々の情報を取ることにコストを払ったかということについても若干関係がございますけれども、できるだけ情報を公開していくということにしてございます。
#80
○森まさこ君 質問をしたことに簡潔に答えていただきたいと思うんですけれども、七千ぐらいと思っているその情報が集まったら、それは国民に公表されるんでしょうか。
#81
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 七千物質ほどになろうかと思います届出物質につきましては、その届出を受けた状態でどんどん公表をするということには必ずしもなっておりませんが、この法律におきましては、そういった量とそれから用途、それから既に政府が持っておりますいろいろな有害性情報等を加味した上、リスク評価をした上で有害性情報、優先評価化学物質に絞り込んでいくと。さらにまた、必要があればいろんな調査を行いますけれども、そういう段階的な絞り込みを行った上での規制をするという立て付けでございます。
 したがいまして、国民にとって非常に有用だと思われます優先化学評価物質の絞り込みになったものにつきましては、先ほど申し上げましたようなことで、最大限公表をしていくということでございます。
#82
○森まさこ君 分かりました。
 絞り込んだ後、公表されるということで理解をいたしました。
 それでは、その絞り込みの作業はだれがどのような方法で行うんでしょうか。お願いいたします。
   〔委員長退席、経済産業委員会理事増子輝彦君着席〕
#83
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 優先化学評価物質の指定基準あるいはリスク評価の方法等につきましては、その専門家の意見を取り入れるとともに、パブリックコメント等を実施した上で公表をし、運用をしていきたいと思っております。その過程で、先ほどほかの委員からも御指摘がございましたように、いろんな市民団体を始め幅広い関係者の意見を取り入れた格好で反映をしていきたいと思っております。
 こうしたプロセスで作りました指定基準あるいは評価方法の下で、順次、優先評価化学物質の指定とリスク評価、あるいは第二種の特定化学物質の指定ということが行われていくわけでございますけれども、最終的には、これは極めて専門性の高い分野でございますので、有識者から成る審議会に審査をしていただくということになりますけれども、この分野は大変国民の健康、人の健康あるいは生活環境における動植物への影響という観点で非常に重要でございまして、単に専門家と言われる方だけの判断ではなくて、いろんな立場の御意見をちょうだいをするのが適当であろうという御意見も賜っております。これについては全くそのとおりだと思っております。
 したがいまして、こういった審査をするに当たりまして、多様な関係者に何らかの格好で関与をしていただくということを考えております。
#84
○森まさこ君 私が質問すると思って先に答えていただいて、ありがとうございます。
 私も消費者の保護をやってきましたので、多様な関係者を選定作業に入れていただきたいと思っている一人でございます。特に、消費者が被害を被る場合が多いと考えられますので消費者の代表者を入れていただきたいと思っておるわけでございますけれども、今お答えいただいたことをもう一度確認をさせてください。
 まず最初に、ある程度選定を絞り込みをしてから審議会にかける、有識者で構成される審議会にかける。その最初のある程度の絞り込みをするときは、経済産業省だけではなく、三省共同でするんでしょうか。お願いいたします。
#85
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 基本的に御指摘のとおりでございます。三省庁が知見を持ち寄り、また届け出られた輸入数量と製造数量とを勘案いたしまして、まず絞り込みを行う。先ほど私が申し上げましたのは、その後いろんなリスク評価をするという基準とか方法がありますので、そういったものについて一定の知見を集約した後に活用していくと、こういうことを申し上げたわけでございます。
#86
○森まさこ君 それでは、最初にある程度の絞り込みをするその基準ですけれども、どのような選定基準をするのか。それについてはやはり透明化を図っていただきたいと思いますが、基準の策定について、策定された基準についても透明化を図っていただけるんでしょうか。お願いします。
#87
○政府参考人(細野哲弘君) 御指摘のような配慮をさせていただきたいと思っております。
 指定の基準あるいはリスク評価の方法、こういったものにつきましては、専門家の意見を取り上げるとともに、パブリックコメント等々も踏まえていろんな知見の集大成という格好で作り上げ、これを運用してまいりたいと思っております。
#88
○森まさこ君 そして、ある程度の絞り込みをした後に、有識者の審議会、これは三省合同の審議会で、先ほどのような多様なステークホルダーを入れた場所で絞り込みをしていただくということで、そして決まったものについては公表をするというお答えをいただいておりますが、この公表の方法ですけれども、難しい名前の化学物質が公表されただけでは、末端の消費者にとっては意味のある情報にはならないんです。その公表の方法については、消費者が、あっ、こんなような商品、こんなような製品に使用されているんだなということが理解できるような形にしていただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。
 次に、こういった有毒性の情報を業者の方が出してきていただくようになるわけでございますが、今経済的に大変厳しい状況になっております。届出をまずする、量の届出をする、それもペーパーでする、その作業も大変でしょうし、その上で、有毒性調査をしてくださいというような指示がされましたら、これは一つ一つの科学的な調査にコストも掛かるわけでございます。特に、中小零細企業にとっては負担が大きいというふうに思われますが、これは二階大臣の方に是非お答えいただきたいんですが、中小企業の負担を軽減するための措置を考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。お願いします。
#89
○国務大臣(二階俊博君) 中小企業の皆さんに対する、事業者の方々に対する負担を必要最小限に抑えるようにというのは、今日までの審議の過程においてもいろいろと御主張をいただいております。私どももそのことは極めて重要なことと考えております。
 具体的には、この事業者に求める届出事項をできるだけ絞り込み、すべての物質について長期毒性、発がん性などの有害性情報を一律に求めることはしないで、必要な情報を段階的に求めることとしております。
 また、国が安全性を評価する際にも、既に国が持っております有害性情報等を最大限に活用することとしております。その上で、なお新たな有害性情報が必要となる場合であっても、中小企業が製造、輸入の大部分を占める化学物質については、事業者に代わって国が自ら安全性試験等を実施することにいたしておりまして、できるだけ中小企業関係者の負担を少なくしようということに配慮をしているところであります。
 平成二十一年度の新規予算及びこの度の補正予算においても、有害性情報の収集のための所要の予算を計上しております。当初予算では御承知の三億八千万円でありました。二十一年度の補正予算で更に七億七千万を追加しておるところであります。
 改正法の施行に際して、中小企業者の負担の軽減については、ただいま委員が御指摘のとおり、できるだけ配慮をしていきたいと、このように考えている次第であります。
#90
○森まさこ君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 二階大臣におかれましては、パロマガス事故が起きたときにもいち早く再度の調査をしていただく、それからNOVAの事件がなかなか解決されないできた後に二階大臣が経済産業大臣になられてからその解決にかじ取りを切ったということで、消費者の問題に非常に理解がある。今度消費者庁ができる、その所轄法律についても、特定商取引法を消費者庁の方に移管を同意をしてくださったということで、消費者の問題と経済産業の発展の問題を両輪で考えていくということに大変御理解があるというふうに考えておりますので、先ほどの一元化、包括的な問題についても先ほどの質問で御答弁がございましたが、是非リーダーシップを発揮していただきますように期待をしておるところでございます。
 それでは次に、有害化学物質というのは今般のような法律で国内的に処理をしているだけでは足りず、やはり国際的な協力というものが大切であるというふうに考えております。
 こうした有害化学物質に関する国際的な協力について我が国はどのような取組をしているのでしょうか。環境副大臣の方に御質問いたします。
#91
○副大臣(吉野正芳君) 森議員にお答えを申し上げます。
 化学物質管理については、OECDで安全性試験方法、これを国際的に統一しようという取組がなされております。また、既存化学物質の安全性点検、これは各国で分担して実施しよう、日本はこれとこれとこれを分析する、ほかの国はこれとこれとこれを分析するというそういう分担の作業をしております。我が国も積極的にそういう意味で国際協力をしているところでございます。
 また、途上国等々のグローバルな取組でございますけど、条約に基づく残留性有機汚染物質、POPsと言います。これは、PCBみたいな、汚染の範囲が地球的に広がってしまう、こういう物質なんです。例えばPCBとかDDTは北極圏のイヌイットの方々にも見られるという形で、かなり距離が長く、そういう物質の規制をまずしていこう。そして、二〇二〇年目標、SAICMですね、ここで途上国等々のどういう形でSAICMを実施しているかという、そういう調査等々も実施をしているところです。
   〔委員長代理増子輝彦君退席、委員長着席〕
 また、日本、中国、韓国、この三か国で環境大臣会議を開いております。ここにおいても、化学物質について日中韓化学物質政策ダイアローグということを毎年開催をして、化学物質の管理について協議をしているところです。
 こういう形で国際協力を積極的に進めているところでございます。
#92
○森まさこ君 国際的な取組について分かりました。
 次に、先ほども話題に出ました多様なステークホルダーを化審法の中の選定基準に参加をさせていくこと、環境省もどう考えているのかなということをお聞きしたいと思います。
 政府におかれましては、消費者庁の設立に向けて全力を挙げているところだと承知しておりますが、消費者を含めた多様なステークホルダーを選定基準等に参加をさせていくことについてどう思っていらっしゃるのか。そしてもう一つは、今日配付資料もお配りいたしましたが、たくさんの法律で縦割りになってすき間がある、こういった化審法の体系を包括的な基本法で一元化していくという方向についてどうお考えであるのか、環境副大臣の方のお考えをお聞かせください。
#93
○副大臣(吉野正芳君) 消費者の観点で化審法でどう関与させていくことができるかというお尋ねでございます。
 森先生、いわゆる今生産者、供給側で法律とか行政組織が成り立っています。そこを消費者の視点で法制とか行政の仕組みを変えていこうという、そういう森先生の活動に対して私は心から敬意を表し、大きなバックアップをしていきたいと思っております。
 そういう観点から、化審法改正のときに合同委員会をつくりました。その中に、消費者団体、NPOとか等に属している有識者、この方もメンバーに入れております。そしてまた、シンポジウムを開催し、またパブリックコメントも出していただいてこの化審法を、そういう意見をこの化審法の中に意見が反映されている、こう私は認識をしているところです。
 また、施行に際しても、先ほど経産省から答弁ありました優先評価化学物質の指定に係る基準作り、ここに有識者またパブリックコメントを入れて、消費者の考え方をこの基準作りに反映させていきたい、こう考えております。
 次は、その基本ルール作りです。
 先ほど斉藤大臣また二階大臣から答弁がありましたように、今の段階では、理想に向かってすぐ基本ルールを作る、統一基本法を作るということはなかなか困難でございますけど、二階大臣の答弁のとおり、理想に向かって努力をしていく、これは答弁できると思いますので、努力をしてまいります。
#94
○森まさこ君 ありがとうございます。
 吉野副大臣におかれましては、グリーン購入法のコピー用紙に間伐材を利用するとか、カーボンオフセットのクレジットに森林管理を、クレジットを入れるとかいう、吉野副大臣イニシアティブというふうに呼ばれておりますけれども、是非その積極的な取組をこちらの化審法の消費者参加の方にも発揮していただきますように、お願いをいたします。
 最後になりますが、参議院では可決されました……
#95
○委員長(櫻井充君) 森さん、済みません。大臣の御予定がこの次ございますので。
 時間が来ましたので、申し訳ございませんが、これで質疑を終了させていただきたいと思います。
#96
○森まさこ君 分かりました。では、終了いたします。
 ありがとうございました。
#97
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 化審法の審議でございますが、私は化学物質の関係と子供の環境保健には関心を持って取り組んでまいりましたが、九七年には八か国の環境関係大臣会合、マイアミ宣言がなされまして、いわゆる発達過程にある子供は特に環境中の化学物質に関する感受性が強い、そういうことで環境基準を定めるべきであると、そういう宣言がされているわけでありまして、あるいはさらに、化学物質の環境リスクについては二〇〇一年のいわゆるストックホルム条約、あるいは二〇〇二年の世界サミットにおけます中長期目標に関する合意、あるいは二〇〇六年には国際化学物質管理戦略、SAICMの採択等ありまして、そういった意味では化学物質に関する管理が世界の大きな関心事になっているというふうに私は理解しております。
 我が国におきましては、化学物質の直接的、間接的関与が疑われる健康障害が増えているように思いますが、例えば厚生省が平成十五年、保健福祉動向調査をやったわけでありますけれども、シックハウス症候群の関係とか化学物質過敏症の増加、がん、アレルギーの増加等を含めて、国民の三五%を超える方が目鼻、のど、皮膚のアレルギー症状がありと、あるいは五歳から九歳、十歳から十四歳児は四二%を超えるという、そういう調査がございます。
 あるいは、文部省が二〇〇二年にやりました調査でありますけれども、これは学習障害、行動障害、ADHDでありますけれども、あるいは高機能自閉症児の増加、これに関与しているのではなかろうかという、そういう可能性が考えられる、そういう児童生徒が六・三%ある。恐らく、六十万人を超える数字ということになってくるわけでありますけれども。
 それから、人口動態調査を見てまいりますと、これは死産率でありますけれども、一九〇〇年のときには、女の子を一〇〇にして考えてまいりますと、男の子は一一〇、一九七〇年には男の子が一三〇、この辺から急速に増加していると。二〇〇二年には死産が男の子が二二〇ということで、女の子に比べて二・二倍を超えるという、そういうデータが出てきているということは非常に懸念しなければいけないことだと思います。
 今日皆さんのお手元に資料を配付させていただいておりますけれども、その図を見て分かりますように、免疫系疾患の増加、代謝・内分泌系異常の増加、生殖異常の増加、神経系異常の増加等含めて、いわゆる子供たちの病気、不健康が増加してきていると。原因がまだまだ確定されたわけではございませんが、そのうちの一つは化学物質の可能性が十分考えられるかもしれないということでございます。
 そこで、厚生労働省、経済産業省に質問でございますが、一つは鉛の問題ですね。これは平成十八年六月の十三日、環境委員会で取り上げたわけでありますけれども、鉛を含有する金属製アクセサリー、こういったものを子供たちが飲み込んだり、様々な形で事故があったりしたりするわけでありますけれども。これは当時の答弁を見てまいりますと、我が国の子供への健康被害の発生を防止するため、これ平成十八年の六月一日でありますけれども、経済産業省との共催により鉛含有金属製アクセサリー等の安全対策に関する検討会を立ち上げて、本日、第一回検討会を開催したと、こういうふうになっているわけでありますけれども、それ以降の報告は特段ないわけでありますけれども、その辺の状況はどういうふうになっているでしょうか。
#98
○政府参考人(岸田修一君) 金属製のアクセサリー類につきまして、米国において乳児、幼児の誤飲食による死亡事故が発生したというところから、平成十八年六月、経済産業省と連携しまして、今御指摘のございましたように、鉛含有金属製アクセサリー類等の安全対策に関する検討会を設置しまして、翌年の平成十九年二月に報告書を取りまとめたところでございます。
 この報告書におきましては、パンフレットあるいは製品ラベルなどによりまして消費者への注意喚起、また自主的な認証基準の設定、それから鉛使用量の低減の推進、それから情報収集の充実などの対策が掲げられたところでございます。
 この報告書を受けまして、厚生労働省では、経済産業省と連携しまして、関係事業者に対し報告書の趣旨に沿って安全対策を図るよう改めて指導しますとともに、パンフレットの作成、配布、これは自治体等に配布するものでございますけれども、を通じ消費者及び医療関係者への注意喚起を図ってきたところでございます。
 なお、食品衛生法に基づく乳幼児用玩具については、平成二十年三月に、乳幼児が飲み込むおそれのある大きさの金属製玩具アクセサリーに係る鉛の溶出規格を設定したところでございます。
#99
○加藤修一君 鉛の関係についてはこれは塗料の関係も当然ございますので、これについてどう考えるかというのも一つの子供の健康を守るという意味では非常に大事であると。
 東京都では、いわゆる化学物質の子どもガイドラインということで鉛ガイドラインを作っている、これは塗料編でございますけれども。これは東京都が進めている話でありますけれども、これは何回も私は環境委員会で取り上げておりますが、こういうガイドライン、やはり私は必要ではないかなと。これは東京都に限らず全国、全体にやっていくことが非常に望ましいと、このように考えているわけでありますけれども、経済大臣、どうでしょうか。
#100
○国務大臣(二階俊博君) 前に、平成十八年の参議院の予算委員会で加藤先生から同じような趣旨で御質問をちょうだいしたことを思い起こしておりますが、いわゆる経済産業省及び当時厚生労働省において、鉛を含有する金属製アクセサリー等の製造、販売実態等について我々も調査をいたしますと申し上げておりましたが、その後調査が進んでまいりました。
 そのことにおいて東京都は、今先生が御指摘のように大変進んでおるようでありますが、この鉛のガイドラインは、塗料を中心に子供の鉛への被害を防止するという観点から作成されておるというふうに理解しておりますが、とりわけ鉛フリー塗料の使用の奨励等は主要な方策と考えているところであります。
 経済産業省としても、日本塗料工業会による家庭用塗料の鉛フリー化のための技術開発を促すとともに、鉛フリー塗料の規格化の支援等に取り組んでまいりたいと考えております。
#101
○加藤修一君 我が国におけます子供の鉛への暴露量を食品、大気、水質、土壌などの含有量等から計算しますと、世界食糧機構とか世界保健機構が設定した暫定週間耐容摂取量を超えるおそれがあるということでありますので、今大臣がおっしゃったように検討していくという話でございますけれども、是非真っ正面からこういった面について一層取り組んでまいっていただきたいと思います。
 それから次に、平成十八年の三月十四日に取り上げておりますけれども、これは有機燐に関する話でございます。
 平成十五年度から平成十七年度まで三か年の計画の研究でございますけれども、厚生労働科学研究費補助金、その中では、微量の化学物質によるシックハウス症候群の病態解明、診断・治療対策に関する研究の分担の中身といたしまして有機燐化合物について報告されているものがございます。
 これは、有機燐化合物の慢性毒性の関係につきましては、情動あるいは精神活動などといった高度な脳機能に深く関与する物質群の調整をつかさどる酵素、その酵素それ自体が慢性的な活性の低下ということになりますので、これが結局、慢性的な様々な障害を引き起こすということでございますが、こういったことに関しましては引き続き注視をしていく必要があるという厚生労働省の極めて真っ正面からの答弁でございました。
 今後、この有機燐系の家電製品からの揮発に関する調査等について、これは経産大臣の、当時、二階大臣の御答弁でございますが、厚生労働省と今後連携して取り組んでまいると。あるいは厚生労働省も、大臣の答弁でありましたが、有機燐化合物による室内環境汚染の実態についても、一般的には子供は化学物質に対する感受性が高いことから、子供の安全、健康にも配慮したいという点も含めてこれらの一環として研究を進めてまいりたいと。このような答弁を実はいただいているわけでございますが、経済産業大臣、そして厚生労働省、よろしくお願いしたいと思います。
#102
○大臣政務官(谷合正明君) 揮発性調査の進捗状況ということでございますので、私の方からお答えさせていただきたいというふうに思います。
 平成十八年三月の予算委員会の折に、家電製品からの有機燐剤の揮発性について調査を行う旨を答弁させていただきました。しかし、当時は揮発性の高い物質の揮発量の測定方法というのはあったわけでありますが、有機燐剤のような通常の室温等ではなかなか揮発しないような揮発性の低い物質の揮発量を正確に測定する技術がまだ確立しておりませんでした。したがいまして、今まで何に取り組んできたのかと申し上げますと、試験方法の調査、確立を行ってきておりまして、昨年にこの試験方法のJIS化が終了したところであります。
 今後は、この方法を用いまして有機燐剤等の揮発性有機化合物の放散状況等について調査を進めてまいります。
#103
○政府参考人(中尾昭弘君) お答えいたします。
 平成十八年の参議院予算委員会で御指摘のあった有機燐化合物による室内空気質汚染につきましては、平成十八年度及び十九年度に厚生労働科学研究費補助金により、シックハウス症候群の実態解明及び具体的対応方策に関する研究におきまして有機燐化合物を含めた室内空気質汚染の実態調査を行ったところでございます。
 この研究事業におきましては、有機燐化合物の使用実態及び濃度を調査し、その成果を踏まえて、室内空気中に存在する主な有機燐化合物、その発生源及び濃度低減対策等を盛り込んだシックハウス症候群に関する相談と対応マニュアルを作りまして、本年一月、都道府県等の保健所あてに周知をしたところでございます。
#104
○加藤修一君 今後ともしっかり対応のほど、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、G8環境大臣会合の関係に移りたいと思いますが、まずその前に外務省にお願いでありますけれども、昨年二〇〇八年のG8サミットの関係で、実は二〇〇七年に私は保健・医療分野の国際協力行動指針、この関係で、是非、子供の環境保健に関して、その策定に当たってしっかりと対応するようにというふうに質問しておりまして、外務省は策定してまいると、あるいはさらに、G8サミットでこの問題を取り上げることが可能かどうか検討させていただくという話になりましたけれども、この結論についても是非お答えいただきたいと思います。
#105
○政府参考人(宮川眞喜雄君) お答え申し上げます。
 昨年の北海道洞爺湖サミットの際に、我が国の主導によりまして、ミレニアム開発目標の達成に向けて、保健システムの強化、それから母子保健、感染症対策に包括的に取り組むということの重要性について、国際保健に関する洞爺湖行動指針が策定されました。
 御指摘のありました子供の健康問題につきましては、いまだに年間一千万人近くの五歳未満児が死亡しているとの現実を踏まえて、この行動指針においても、小児の健康対策のための包括的取組を引き続き支援することが提言されておりますし、またサミットの首脳宣言におきましても、母子、新生児及び小児の保健に対して、より焦点を当てることの必要性が確認されております。
 行動指針におきましては、先生御指摘の環境汚染と子供の健康という文言こそ使われてはおりませんが、この行動指針には、新生児を含む小児の健康対策や死亡率削減のための包括的な取組を提言しております。
#106
○加藤修一君 今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次に環境大臣にお願いしたいわけでありますけれども、この度、G8環境大臣会合に出席するに当たりまして、環境大臣の方から、子供の健康と環境ということで更にテーマを一つ増やしたということでありますので、これはもう日本にとりましては非常にすばらしい成果の一つでないかなと、このように考えておりますけれども、実際その会合で、このテーマに関してどのように環境大臣は行動され成果を得られたか、その辺について教えていただきたいと思います。
#107
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先週、皆様のお許しをいただきまして環境大臣会合、イタリアに行ってまいりました。二十一か国・地域の環境大臣が集まりまして、非常に有意義な会合でした。
 当初テーマとして挙げられておりましたのが、低炭素技術、気候変動、そして生物多様性というこの三項目でございましたけれども、前もって事務方の準備会合におきまして、是非この上に子供の健康と環境について付け加えてほしいということを日本側から提案し、今回四つのテーマということでこの子供の健康と環境が加わりました。
 子供の健康と環境のセッションでは、私とアメリカのEPAの長官であるリサ・ジャクソン、この二人が基調講演を行ったわけでございますが、日本については、来年から予定しております六万人の十二年間にわたる胎児から十二歳までの長期のコホート調査の計画について発表しました。リサ・ジャクソンは、今アメリカで同様の研究が行われておりますので、その中間報告の報告がありまして、大変大きな関心を呼んだと思っております。
 成果としては、これはバイの会談で、日本とアメリカが両国でやっているこの調査を合体して、より標本数の大きな精度の高い知見を得ていこうということで合意しましたし、今後世界各国もこういう調査に是非一緒にやらせてほしいという声が多くございました。それが一つの成果ではないかと思っております。
#108
○加藤修一君 このテーマは非常に言うまでもなく大事なテーマでございますけれども、これ、環境大臣にも再度お願いしたいわけでありますけれども、さらにまた外務省にも是非お願いしたいんですけれども、今はG8環境大臣の会合におけるテーマの設定ということで、別にG8サミット、これイタリアで七月に開催される、そのG8サミットにこの子供の健康と環境の関係についてのテーマ、これしっかりと日本としても取り上げる必要があるのではないかと。環境大臣のイニシアティブは非常に私は大きく評価したいと思っておりますけれども、環境大臣、それから外務省としても、是非このG8イタリア・サミットについてこのテーマをしっかりと定めると、そういうことについてはどうでしょうか。
#109
○国務大臣(斉藤鉄夫君) サミット本番のテーマに加わるかどうか、これは議長国であるイタリアが決めることでございますので、ここでそうしてほしい、そうなるとは言えませんけれども、少なくとも今回、イタリアの環境大臣であるプレスティジャコモ環境大臣、女性の環境大臣でございましたが、このサミットに報告をするということは確約をいたしました。また、是非この一項目をサミットの主要テーマに入れてほしいということも要請したところでございます。あとは、このプレスティジャコモ大臣のベルルスコーニ首相への働きかけに期待をしているところでございます。
#110
○政府参考人(宮川眞喜雄君) 今環境大臣からも御説明がありましたとおりでございますが、G8のプロセスは他のG8諸国との協議を経て進めていくものでありますので、最終的にどのような論点が議長声明で取り上げられることになるかは予断ができないところがありますが、子供を取り巻く環境を含む環境保全の確保に向けて、外務省としては関係省庁と緊密に連絡をしながら政府一丸となって取り組んでまいる所存でございます。
#111
○加藤修一君 是非その辺については、より積極的に進めて、テーマとして取り上げられるようにやっていただきたいと思います。
 時間が厳しい段階に入ってまいりました。最後の質問になると思いますけれども、経済産業大臣にお願いしたいわけでありますけれども、公明党といたしましては、子供環境保健の関係について、四月の十七日に内閣官房長官に申入れをしてございます。十一項目ございました。紹介すると時間がなくなりますので。その中には経済産業省に直接関係するものもあると思いますので、その関係を含めて、是非経済産業大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
#112
○委員長(櫻井充君) 二階大臣、簡潔にお願いいたします。
#113
○国務大臣(二階俊博君) 先般、四月十七日、公明党が河村官房長官に提出されました子供環境保護に関する要望書について、今委員御指摘のとおり十一項目、非常に広範な分野にわたって極めて重要な御指摘がなされております。
 今後、経済産業省としても、当然関係省庁と連携を取りながら、これらの御提案に対して真摯に取り組んでまいりたいと思います。
#114
○加藤修一君 ありがとうございます。
 終わります。
#115
○市田忠義君 私は以前にも石原産業のフェロシルト問題を取り上げたことがありますが、その同じ石原産業で今月の四月十六日、再び驚くべき事実が明らかになりました。石原産業の四日市工場の農薬工場の地下水から環境基準の約十万倍、土壌から一万倍の1・2ジクロロエタンが検出されました。この1・2ジクロロエタンは皮膚や目に触れると炎症を引き起こしますし、継続的に摂取しますと肝機能障害あるいは発がん性があると言われています。そのほかにも、十種類の環境基準を超える有害物質が検出されました。
 環境省にお聞きしますが、先日質問した豊洲工場跡地での基準値四万三千倍のベンゼンでも驚きましたが、今回の汚染は約十万倍という原液を垂れ流したものであります。こういう十万倍の1・2ジクロロエタンの汚染原因は何か。分かっている範囲で端的に。
#116
○政府参考人(伊藤哲夫君) 四日市市を通じて確認いたしているところでございますけれども、石原産業は、土壌及び地下水の汚染のいずれについても、主として過去の生産活動に伴う溶剤などの漏えいが原因と考えているけれども、現在詳細は調査中であると、こういうふうな説明を受けているということでございます。
#117
○市田忠義君 経産省にお伺いしますが、この石原産業の農薬工場で製造している代表的な農薬と直近のPRTRの届出で排出されている主な化学物質、それぞれ三つぐらい端的に挙げてください。
#118
○政府参考人(後藤芳一君) お答えを申し上げます。
 石原産業の四日市工場で製造されております農薬は、三つでございますが、例えばニコスルフロン、フラザスルフロン、クロルフルアズロンなどがございます。これは除草剤ですとか殺虫剤といったたぐいでございます。
 また、同工場から届出のございましたPRTRの対象の物質でございますと、例えばジクロロメタン、1・2ジクロロエタン、トルエンなどが、これは長い期間にわたっての主な物質ということで三つございます。
#119
○市田忠義君 この農薬製造工場では、発がん性のある2・4D、MCPを製造して、発がん物質のアセトアルデヒド、クロロホルム、ジクロロメタンなどが大量に大気や水域に排出されていると。特に、ジクロロメタンは四十三万一千四百キログラムも大気、水域に排出しています。これは、発がん性のある化学物質を原料として発がん性のある農薬を製造し、発がん性化学物質を大量に排出している実態はもう極めて明らかであります。
 環境大臣にお聞きしたいんですが、今回検出されたジクロロメタンと1・2ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、これはどれも発がん性が疑われる化学物質です。しかし、化審法ではテトラクロロエチレンは第二種特定化学物質と規制が厳しくなっている。にもかかわらず、ジクロロメタンと1・2ジクロロエタンは単に第二種監視化学物質になっています。
 そこで、規制化学物質の評価、検討を行う際、今回起きたような環境基準の五千五百倍のジクロロメタンや十万倍の1・2ジクロロエタンなどの汚染実態を踏まえて規制を厳しくするように見直すべきだと思いますが、環境大臣の認識を伺いたいと思います。
#120
○国務大臣(斉藤鉄夫君) まず認識ですが、今回のこのような汚染は、もう本当に常識を超えた汚染、許されるべきものではないという認識を持っております。
 現在、石原産業において汚染原因の究明が進められているというふうに承知しておりますが、環境省としても、四日市市と連携して、どのような原因で汚染が発生したのか、また高濃度の汚染が発生したのか、またその対策としてどのようなことが行われるのかについて注視し、その情報の収集、把握に努めてまいりたいと思っております。その結果を踏まえて、今後の地下水及び土壌汚染対策に役立てていきたいと考えております。
 先般成立させていただいた土壌汚染対策法の一部を改正する法律の参議院環境委員会における附帯決議において未然防止の重要性がうたわれております。このことも踏まえまして、環境省としては、土壌汚染対策について参考となる事例の収集やマニュアルの策定を行い、その普及啓発に努めてまいりたいと思っております。
#121
○市田忠義君 今挙げた単に第二種監視化学物質になっている物質も、国際的に、例えばアメリカの国家毒性プログラムだとか国際がん研究機関でも、どれも発がん性の疑いがあるということははっきりしているわけですから、今度の法改正でいわゆる第二種監視化学物質や第三種監視化学物質、これを廃止して優先評価化学物質を新設するわけですから、その際にこういうひどい化学物質を排出していることに対しては、もっと前向きに積極的に規制するという立場で、環境省としては頑張っていただきたいというふうに思います。
 環境省にもう一つお聞きしますが、石原産業が公表した、私、調査報告書を見て大変驚きました。汚染原因は溶剤、廃液の漏液や有機物残渣の不法投棄、工場から発生した鉱滓を工場内に野積みにしていた、それから、廃棄する溶媒が入っていたドラムから要するに廃溶媒が漏れ出していたと。極めてずさんな管理運営が以前から横行していました。この工場敷地全域の土壌から基準値を超える弗素、砒素なども検出をされています。これが、この汚染が四日市工場全体に及んでいるということも明らかになりました。
 そこで、事務方で結構ですが、環境省にお聞きしますが、こういう石原産業の土壌や地下水の汚染を引き起こしたずさんな管理に対して、行政処分を行ったことがありますか。
#122
○政府参考人(伊藤哲夫君) 今回の水質汚濁及び土壌汚染につきまして、水質汚濁防止法あるいは土壌汚染対策法上の何らかの行政処分を四日市市が行ったということは聞いておりません。
#123
○市田忠義君 重大だと思うんですね。行政がきちんと指導しない、全くやってないと。
 最後に、時間がありませんから二階大臣にお聞きしたいんですが、私はこの工場で働いている、もう三十年以上働いている労働者に直接話を聞きました。昔は使っている化学物質が有害だとは全く知らなかったし、会社も教えてくれなかった、安全対策などほとんどしていないと。もう製品を作る上で出てくる残渣などは、敷地内に穴を掘るなどしてそのまま処理していた。例えば、除草剤の2・4DとかMCPというのは製造現場の労働者に肉腫と悪性リンパ腫が多発するというデータもあります。
 私は、企業ですからもうけるのは当たり前だと思うんです。しかし、そこで働いている労働者や周辺の住民の命や安全をないがしろにするようなやり方は、これはやっぱり企業の在り方、社会的責任から言っても私は重大だと思うんですけれども、そういう企業がきちんとルールを守る、そのために経済産業省としてきちんと厳しく指導するという点での御決意を伺って、質問を終わります。
#124
○国務大臣(二階俊博君) ただいま市田先生から、前にも石原産業の問題をお取り上げになった、またいろいろ御調査をいただいておるようでございますが、私どもも、石原産業より産業廃棄物の不法投棄などが繰り返されたということを報告を受けて、平成十九年九月には企業の社会的責任として社内の徹底調査を文書で要請をいたしました。石原産業はこの要請に基づき、社内全従業員に対するコンプライアンスの総点検を実施し、平成二十年の四月に、不法投棄問題に関する原因の究明と再発防止について同社から報告を受けたところであります。
 その後、最近の事例で申し上げますと、石原産業による自主調査の結果、この四日市工場において土壌及び地下水から環境基準を大幅に超過する有害物質が検出され、結果を本年四月に同社から連絡を受けているところであります。
 本件は、さきに経済産業省から要請した以前の事案が事後的に発覚したものでありましょうが、経済産業省としては、内容の重大性にかんがみて、引き続き、石原産業の社会的責任の果たし方についてこれでいいのか厳しくこれを監視し、必要に応じて指導、助言を行ってまいりたいと思っております。
#125
○市田忠義君 終わります。
#126
○荒井広幸君 改革クラブの荒井でございます。
 先生方の意見と非常に一致している意見、そしてまた両大臣のお考えも非常に私、共感するところがありますが、確認的なことも含めて、提言とそれから質問をさせていただきたいと思います。
 例えば、今両大臣の下で進んでいます環境家電への買換え、あるいはエコカーへの買換えということは大変話題になり、それを求められる人も多いと、こういうことが報道されているわけですが、同じように、そうした例えば環境家電、先ほど来もお話がありましたが、そこから今度は有害物質ということがまた可能性としてあるわけですね。安全性、当たり前でございますが、こういったものをきちんと国民の側が、見える化していただいて、チェックして買うかどうかを決めていく。もちろん、安全性の場合はそんなもの、危ないものがあっては困るわけですが、そういうふうに消費者の方も確かめて買う時代に確実になっているわけです。安全性と環境、これがその代表ではないでしょうか。
 大臣の方からは、そのために今回の法律を含めて企業も、例えばこういう話があるんですね。部品メーカーは加工を頼まれるわけですね、大メーカーから製品を頼まれる。パソコンでもいい、車でもいい。そうすると、そういうものを部品にするメーカーは素材メーカーから買うわけですから、川上と言っているんでしょうか、もう一回再チェックし直さなきゃいけない。そして、その結果、エコ家電と称したものが実は有害なものを暴露する可能性があるというようなことがあってはならないわけですから、そこに対しての中小企業に対する支援は、大臣からは負担を軽減する方向を考えているということで二、三の例がありましたが、私はもっと積極的に支援するべきだと思うんです。
 これはほとんどの場合一致していると思うんですが、経済の外部性であったものを内部性にしていくということですね、これは当然。金融の役割というのが非常に抜けているんです、世界的にも。金融機関がそういうものに対する投資は、企業の社会的責任の一環を担っているんだと。企業も金融もそういう発想に立ってやっていくということが必要だと思っております。ですから、どうぞ負担軽減という意味だけではなくて、必要な費用には金融を含めて補助金、税の軽減、こういったものを考えていただきたいと御要望を申し上げておきます。
 さて、次でございますが、そうした要望を申し上げる中で、企業の安全性、環境に対する責任というものも同じですが、安全性に対しては、企業が本来アカウンタビリティー、説明責任を有しているわけであります。これは企業の社会的責任でもある。また、そういう企業でなければ、先ほどの選択を、見える化の中で選択されて買うという国民の皆さんの動機付けにもならないわけですから、そうなっていかなけりゃならないし、なりつつあるわけです。これが今回の経済対策の環境型への買換えとか、環境に対する様々な国の政策の取組がいろんな形でその芽を我々に、そういうふうになりつつあるということを教えてくれているわけです。
 そこで、これも委員の先生方からお話があって、私も誠に同感でございました。例えば、私は最終的には欧州におけるREACH規制というものが一つのモデルだろうと思うんですね。やっぱり業者、本来もそういう、事業者は本来そういうものをやっていくべきだと思っているんです。そうしましたら両大臣から、次の段階にあるんだと、今この段階にあるが、次に行くんだということでの趣旨を聞きましたから、全く私もその意味において了とするものなんです。
 そういう意味では、やはり本来的には支援をしながら、経済界にも支援をしながら、中小企業に配慮しながら支援をして、事業者がリスク評価の責任を持って、そして行政が管理監督するという、安全、安心のための二重のそうしたネットというのを張るということが極めて私は大切だと考えているわけでして、その意味で日本はリーチの手前ですね、欧州はリーチを掛けたということです、安全性に対して。こちらはリーチの前ですからツモるという言葉かどうか分かりません。最終的にはそこを通り越して私たちは上がりと、こういうところに進むように進んでいただきたいことを、これもまた各委員からの御指摘がありましたので、その方向だと私も理解しておりますので、要望をさせていただきたいと考えているわけです。
 次に、先ほど加藤議員そして大臣からもありましたが、子供の健康と環境提言、新聞を読みまして私もはっといたしました。大気や土壌に含まれる化学物質などが子供の心身に与える影響について日米がそういう発言をされて、大臣の説明がございました、そして一緒にやっていこうじゃないかと、そして世界にも広めよう、それを今度はイタリアのサミットにもと、こういうような方向のお話も聞きました。
 子供たちという立場は私たちやっぱりどこかに忘れています。例えば四大公害病の一つであります水俣病でございますけれども、母親から胎盤を介して胎児の脳が障害を受けて生まれながらにして発症する胎児性水俣病というものは、本当に気の毒ですが、成人の場合と比べ重症例が多いとされてきているわけです。また、母体には臨床症状を呈するほどではないなという程度のメチル水銀でも、胎児はこれは中枢神経に強い障害を受けて水俣病を発症することがあると、こういうことが分かっているわけです。
 ですから、今回のこの法律において、化審法において、この胎児や乳幼児を含めた、子供は弱い、そういう脆弱性などに配慮したリスク評価をする必要があると思うんです。この評価観点はあるんでしょうか、環境大臣にお尋ねします。
#127
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回、先ほど申し上げましたように、子供の健康と環境について新たなイニシアチブを世界で取っていこうということに合意をいたしました。具体的に今後これをどう世界で進めていくかは今後の協議によりますけれども、先ほど荒井委員おっしゃったリスク評価ということも十分考慮に入れながらその具体的な方法を詰めていきたいと思っております。
#128
○荒井広幸君 SAICMの乳幼児会議などというようなものも省庁連携でいろいろとやっていらっしゃると思いますし、そういう評価を確立していただきたい、それが世界に対する貢献であろうと、このようにも思っております。
 最後の質問、提言ということになりますけれども、例えば最近、アスベストの例を取らしていただきますと、このアスベスト、これを扱う労働者の健康という観点から、例えば労働安全衛生法で規制されています。森議員の資料をお借りすれば一番分かりやすいわけですが、そういうような規制をされ、環境経由での暴露に対する必要性から大気汚染防止法の対象になって、そして建材に使用しないように建築基準法で規制をし、廃棄物となったところで廃棄物処理法の規制を受けると。これ、見える化というか我々が感じるという意味では、すごく分かりづらいんですね、初めて自分に来て分かるわけですから。ところが、法律はそのところそのところでは、何とかしよう何とかしようということをやっていた。ところが、関連してくるわけです。
 そういう意味において、我々の方の防備といいますか免疫といいますか、弱いんですね。リテラシーと言ってもいいかもしれません。そういうものを、やっぱりばらばらな役所と縦割り、そして様々な法律が個別に要るために国民の目からは全体像がつかみにくくていろいろな被害が起きている、十分なリスク管理ができなかったともいえる要因だろうと私は考えているわけです。
 そこで、こうした化学物質の製造から、商品として流通し、リサイクルあるいは廃棄されるまでのライフサイクルを通じて一体としてコントロールする、それには、二階大臣、私は環境省がふさわしいと思っているんです。各省ありますが、二階大臣がおっしゃいました、私もこれは賛同いたします。こういう二階大臣はお言葉を使いましたですね。審議会を統合したりしながら、省庁の縦割りを、審議会で具体的な、専門家的な話をやるわけですから、それを、審議会を統合しながらやると先ほどの岡崎議員の答弁で答えていらっしゃる。私はそのとおりで、そういう方向に向かっていると思って評価いたすんですが、しかし、そういう全体から俯瞰する、鳥瞰するような意味では、環境省が一義的には基本を担うべきだと、このように私は考えているんですが、環境大臣、どのようにこの点お考えになりますか。
#129
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 御指摘のように、各省がばらばらに行うのではなく、一貫した法体系と理念の下、取り扱われるべきだ、管理されるべきだ、それは御指摘のとおりだと思います。他方、化学物質は、一般工業用の化学品のほか、農薬、医薬品、それから食品添加物など様々な用途で利用されておりまして、それらによる人や動植物への影響は、人が口から摂取するものから環境経由のものまで極めて多様でございます。したがいまして、化学物質のリスクの管理は、環境汚染の防止のほか、労働者や消費者の健康の保護や安全確保など様々な観点から実施する必要がございまして、一つの省が単独ですべての施策を実施することは必ずしも適当ではないのではないかとも考えられます。
 そういうことで、今関係省庁連絡会議、SAICMの関係省庁連絡会議等を開きまして、各省がそれぞれの得意とするところで頑張りながら、しかし、考え方、理念については共通させ一貫させてやっていこうという今の体制というのも一つの存在理由があるのかなとも思っております。
#130
○荒井広幸君 私も一方でそのように思います。それぞれの専門があります。そして、親和性といいますかね、非常にそういうところは考えておるんです。しかし、底流に流れるというものを一つ、全体的なバランスを見なくちゃいけないんじゃないかと。バランスを取ってもう一歩先に、国民や自然、動植物、人間、その安全性を守っていくという観点の考え方が必要だと。
 そうしますと、委員の先生方から出て、私も賛同するんですが、そうしますとやっぱり包括法的なものが、法律だけ作ればいいのかというふうな話にもなりますが、いわゆる哲学法ですね、理念、考え方、そして省庁がそれぞれにあるものについて様々に、例えば、乗り越えられないものは私はないと思うけれども、対立する場合にはこういう観点に立って解決する方向に持っていくんだ、その理念を一番上に置けばいいわけですから、その理念に近づくということです。そういう意味で、化学物質管理包括法といったものも、これも議員立法等を含めて考えていく必要があるんではないかと申し上げまして、私の質疑を終わります。
#131
○川田龍平君 無所属の川田龍平です。二階大臣を始め、皆様よろしくお願いいたします。
 私は時間がないですので、早速質問に入らせていただきます。
 経済産業大臣にまずお尋ねいたします。
 今、荒井委員からも御指摘がありました、この化学物質関連法制の相互連携を目指した総合的な化学物質法制について、今後どのように検討していくのかについてお尋ねしたいと思います。
#132
○国務大臣(二階俊博君) ただいまの御質問でありますが、今回の改正において、従来対象としていなかった物質も含めて、すべての化学物質を対象として、その有害性等の情報を収集し、流通過程を通じた管理を充実するなど、規制の充実を図っておるところであります。また、省庁間の連携を強化するために、化審法に基づいて得られた化学物質に関する情報等を、他の法律の執行に資すると考えられるものについては、その法律を所管する省庁に情報提供するという規定を新たに設けることにいたしております。
 御指摘のような化審法以外の規制も含めた総合的な化学物質管理法制については、化学物質にかかわる様々な規制がある中で、個々の法目的を、規制の実態も異なっており、その論点も必ずしもまだ整理が付いておりません。したがって、今後、関係省庁が化学物質の適正な利用及び化学物質によるリスクの低減に関する施策を推進するに当たって、連携をより深く保ちながら総合的な法制度等の在り方について検討していきたいと思っております。
 先ほど荒井議員からも御指摘がありました。我々は、そういうことも総合して、また今までの衆参の委員会におきましてもこの点について様々な御指摘をいただいておりますので、よく真剣に勉強してまいりたいと思っております。
#133
○川田龍平君 ありがとうございます。
 続いて、このPFOSの現在の取扱いと今後の取扱いについて、また高蓄積性についての日本と欧米の違いについて教えていただきたいと思います。経産省、お願いします。
#134
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 PFOSにつきましては、近々に予定をされておりますストックホルム条約の規制対象の追加の中で、新しく含まれてくることが見込まれております。我が国におきましては、第一種特定化学物質に指定するということでこの条約を担保している関係で、この化審法における第一種特定化学物質に指定をするということを予定しております。
 従来、この第一種特定化学物質というのは、原則、製造、輸入については禁止ということでございましたので、その範囲ですと、せっかくのこのPFOSの有用な用途が発揮できなくなるということでありますので、条約の範囲内で認められた用途に限り限定的に認めていくと、こういうことで使っていきたいと思っております。
 お尋ねの彼我の判断基準の相違についてでございますけれども、PFOSについては、化審法の運用で用いております蓄積性についての試験方法では、第一種特定化学物質の基準に実は達しておりません。したがって、今は第一種特定化学物質ではございません。
 他方、このストックホルム条約におけるPFOSの審査におきましては、実は我が化審法における第一種特定化学物質の基準とは違う試験方法で評価が行われました。具体的には、我が国の場合は魚類についての試験をするわけでございますが、魚類については同じような結果が実は出たわけでございますが、それ以外の試験法、例えばシロクマとか、そういったところについての影響についても評価をするという観点で、食物連鎖を通じて個別の濃縮性が認められるということで、他の条約の体制下においてはこれを規制の対象にするということになったように承知をしております。
 その際におきましては、彼我の判断基準については必ずしも同一と考えられませんけれども、従来からこの条約の担保については経緯がございましたので、引き続き第一種特定化学物質として処理をしていきたいと思っております。
#135
○川田龍平君 短くお願いします。
 エッセンシャルユースについては、この代替物のないものについてあくまで例外として使用を認めるものですが、政府はこの代替物の開発を促進するための措置などを求められると思いますが、どのように取組を進めるのか、また、厳格な管理の下で使用できるようにするとあるが、この厳格な管理とは具体的にはどのようにするということでしょうか。お願いします。経産省、お願いします。短くお願いします。
#136
○委員長(櫻井充君) 細野局長、端的にお願いします。
#137
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 厳格な管理ということでございますけれども、基本的には届出その他についてはその慫慂をしておりますけれども、手続が誤ったりあるいは怠慢があるということにつきましては、指導した上で必要に応じ立入検査あるいは報告徴収も含め対応をしていきたいと思っております。
#138
○川田龍平君 ありがとうございます。
 石原産業の話が先ほど市田議員からもありましたけれども、この石原産業は度々、アイアンクレーなどの放射性物質の廃棄にも、自主管理基準ということで大量に廃棄をして、企業任せということではやっぱり実質的な厳格な管理とは言えないということを考えております。ほかの法律によるということでも、やっぱり十分に厳格な管理ということでこの法改正では言えないということになりますので、エッセンシャルユースなどとして認めるのは、早く代替のことをやっぱりしっかりと対応を取っていただきたいということを是非お願いしたいと思っています。
 それでは次に、時間もないですので飛ばしますが、おそれがないとは言えない化学物質の取扱いについて、これはどういうふうに考えていくか、経済産業省の方にお願いします。
#139
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 改正後の化審法におきましては、すべての化学物質について、製造あるいは輸入数量等あるいは用途の定期的な情報収集に努めまして、暴露量等の推計を行うとともに、有害性につきましては得られている知見等を踏まえてリスク評価をしていくということになります。
 この場合、情報がないものにつきましては、先ほど来何度も申し上げておりますけれども、有害性のないものは疑って掛かるということでございまして、有害性があるものとして仮定を置き、また用途の情報がないものについては、これは閉鎖系ではなくて全部オープンに開放されるという条件の下で仮定を置いて審査をしてまいります。
#140
○川田龍平君 ありがとうございます。
 時間ですので終わりますが、最後に一言だけ。
 やはり消費者の視点というものを是非お酌みいただいて、消費者の視点でもってこういった新しい法整備、それから今後の消費者がやはり分かりやすいようにということや、それから国内行動計画のようなものを、SAICMの中でしっかりとこのNGOなどが入って、パブコメという形だけではなくてちゃんと行動委員会のようなものの中にしっかりと入れるような形で、今度、省庁間の会合なども非公式ではなく公開してやっていただけるように、是非よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#141
○委員長(櫻井充君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
 委員各位の御協力によりまして、時間内に終了いたしました。本当にありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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