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2009/03/17 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 環境委員会 第2号
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2009/03/17 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 環境委員会 第2号

#1
第171回国会 環境委員会 第2号
平成二十一年三月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     大久保潔重君     藤原 良信君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     藤原 良信君     大久保潔重君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         有村 治子君
    理 事
                岡崎トミ子君
            ツルネン マルテイ君
                神取  忍君
                松山 政司君
    委 員
                相原久美子君
                大石 正光君
                大久保潔重君
                佐藤 公治君
                轟木 利治君
                福山 哲郎君
                水岡 俊一君
                川口 順子君
                矢野 哲朗君
                若林 正俊君
                加藤 修一君
                浜四津敏子君
                市田 忠義君
                荒井 広幸君
                川田 龍平君
   国務大臣
       環境大臣     斉藤 鉄夫君
   副大臣
       環境副大臣    吉野 正芳君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        岡本 芳郎君
       外務大臣政務官  御法川信英君
       環境大臣政務官  古川 禎久君
   政府特別補佐人
       公害等調整委員
       会委員長     大内 捷司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 堅一君
   政府参考人
       内閣府沖縄振興
       局参事官     鈴木  勝君
       公害等調整委員
       会事務局長    香川 弘明君
       外務大臣官房審
       議官       小田 克起君
       外務大臣官房審
       議官       宮川眞喜雄君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局次長      中原  徹君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中尾 昭弘君
       農林水産省総合
       食料局次長    平尾 豊徳君
       林野庁林政部長  小山 信温君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      桑山 信也君
       経済産業大臣官
       房審議官     西本 淳哉君
       国土交通大臣官
       房審議官     内田  要君
       国土交通省土地
       ・水資源局水資
       源部長      上総 周平君
       国土交通省河川
       局砂防部長    中野 泰雄君
       気象庁地球環境
       ・海洋部長    小佐野愼悟君
       環境大臣官房審
       議官       鈴木 正規君
       環境大臣官房審
       議官       伊藤 哲夫君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    谷津龍太郎君
       環境省総合環境
       政策局長     小林  光君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       原  徳壽君
       環境省地球環境
       局長       寺田 達志君
       環境省水・大気
       環境局長     白石 順一君
       環境省自然環境
       局長       黒田大三郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (環境行政の基本施策に関する件)
 (公害等調整委員会の業務等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(有村治子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府沖縄振興局参事官鈴木勝さん外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(有村治子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(有村治子君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○岡崎トミ子君 おはようございます。
 今国会初めての質疑、そして斉藤大臣が就任されましてからは私は初めての質疑でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本当に重要な課題が山積をしておりますが、その幾つかについて、駆け足ぎみになってしまいますけれども、四十六分間有意義に質問をしてまいりたいと思っております。
 この国会では環境省が提出される法案は二本ということでございますので、私たち、一般質疑をどんどん入れて、大臣にも御協力をいただいて、一歩でも二歩でも、この委員会の責任大変大きいと思いますので、そうした形でやっていきたいと思いますので、決定されましたら大臣の御協力もよろしくお願い申し上げます。
 先週の金曜日に茨城県の神栖市に出かけてまいりました。これは平成十五年、環境省の方でもしっかりとしたパンフをお作りになっていらっしゃいますけれども、旧日本軍の毒ガス兵器用に使われました有機砒素化合物、この汚染の問題で大変苦しんでおられる被害者の方が百五十四人もいらっしゃるということでございます。どのような状況になっているのか、私たちは直接住民の方に最近の状況についてお聞きしなければならないということで、民主党の神栖毒ガス被害対策チームで伺ったところでございました。大変な被害でございますので、焦燥感を持って生活をしておられる、殊に、被害者の方々がどうもほうっておかれた感があるということが印象に残りました。
 この問題につきましては、やはり国の責任についていろいろあるというふうに思っておりますが、日本軍の毒ガス兵器製造のために使われたということになりますと、やはり国の責任は免れないだろうというふうに思っているところでございます。今、その責任については公害等調整委員会の方で責任裁定が行われているということには承知をしているわけでございますけれども、いずれにしても、原因あるいは責任論が完全にその結果が出なくても、やるべきことがたくさんあるだろうというふうに思っております。
 そこで、環境省としても担当者が度々現地に赴いているということと、当日も私どもと一緒に行っていただきました。そういうことも含めて、環境省としての思い、こんなふうにやっていきたいということがございましたら、まずそこをお聞きしたいと思います。
#6
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先日、現地を御視察いただいたそうで、本当にありがとうございます。
 私、地元広島なんですが、この毒ガスを作っていたのは瀬戸内海の大久野島という島で、その周辺に大きなまた被害を受けられた方もたくさんいらっしゃり、国立忠海病院でその治療に当たっているんですけれども、私もその治療を受けられている方々から直接お話を伺う機会がございますけれども、その被害の大きさについては認識をしているところでございます。
 平成十五年六月六日の閣議決定がございました。政府と地方公共団体が協力して対策を総合的に進めていこうということでございます。環境省では、健康被害への対応として、発症のメカニズム、治療法を含めた症候や病態の解明を図るため、ジフェニルアルシン酸に暴露したと認められる方々に対して健康診査の実施や医療費及び療養に要する費用を支給し、治療を促す取組を地元の茨城県や神栖市と協力して進めているところでございます。これらの取組を通じて、被害を受けられた方々の状況についても把握に努めておりまして、私も逐次事務方より報告を受けているところでございます。
 環境省といたしましては、地方自治体に対して、被害住民のニーズを踏まえた対応がなされるよう助言を行うとともに、必要に応じて関係省庁とも連携するなど、適切に対応してまいりたいと思っております。
#7
○岡崎トミ子君 ジフェニルアルシン酸が引き起こした健康被害であるということが大変明らかになっているということでございますが、今、国が行っております緊急措置事業であります。初め三年、そしてまたこれが二年延ばされて、今回、昨年、平成二十年の七月に更に三年間延ばしたということなんですけれども、これ、細切れに延ばされているという状況について、被害者の皆さんが、これいつ、それが三年後には打ち切られるのかどうなのか、大変心配して将来に対する不安を抱きながら生活しているということが今回の調査でも口々におっしゃっていたことでございました。
 やはりこれは恒久被害、その救済のための制度でなければならないと私自身は思っているんですが、大臣、安心して安定した支援が必要であると思われませんか。
#8
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 症状が持続しているのにその支援を打ち切るというようなことはあり得ないと思っております。
 広島県でも、この忠海病院を中心にこの毒ガス被害の方々の救済が行われているわけでございますが、そういう救済と連携しながら安心して治療に当たっていただけるように対処していきたいと思っております。
#9
○岡崎トミ子君 それであるならば、三年、二年、三年ということで、またしばらくしてから三年後にまた延ばしましょうということではなく、恒久的にやっていくんだという大臣の一言が必要だというふうに思います。決定的にそういうふうに言っていただくことが、今回は住民のあるいは被害者の皆さんの不安を取り去ることにつながりますので、そういうことはお答えいただけないでしょうか。
#10
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、恒久的にということをここで私が申し上げるということはできませんけれども、少なくとも、その他の毒ガス被害者の方々と同等に、安心して治療に取り組んでいただける施策をきちんと打ってまいりたいと思います。
#11
○岡崎トミ子君 今後とも、恒久的な支援が行われるまで私たちは申し上げていかなければならないと思っておりますが、被害住民の皆さんたちが様々な不安、現実の生活の困難を抱えて生きているその身体的なあるいは精神的な、あるいは経済的な生活、そういう面も含めて大変な被害なんだなというふうに思っております。
 小学校一年生の子供にも直接お話を伺えるということで参りましたけれども、まずは普通学校に行きたいというところで、あなたは養護学校に行かなければいけないということでありますけれども、実は学校教育法施行令でもって保護者の意見をしっかりと聴くという意味では、発達障害支援法におきましても特別指導員というものを置いて、そして、そういう人たちの地方交付税での計上もできるというふうになっておりますので、直接環境省でなくても、被害者の声を聴けばそういうアドバイスができる。先ほど斉藤大臣が、助言をしっかりしていくんだと、自治体と連携をしながらそういう関係をしっかりとつくっていきたいと、やっていくことのお約束をしてくださいましたけれども、情報提供や知恵出しなど日常的に、関係省庁と連絡するだけでない、地方に対しての助言というものは大変大事だというふうに思っておりまして、その子供の問題についても是非やっていただきたいなというふうに思いますし。
 お父さんは、ちょうど結婚適齢期の二十代のお嬢さんが二人いたけれども、結局はそれを、結婚も断念せざるを得ない状況になっていますよと。それから、せっかくお店を開いて仕事をして、飲食業を行っていたけれども、そのことによってお店を閉めなければならなくなったし、この病気を契機として離婚もしなければならない状況になったと。水田を一生懸命やっていた人は、汚染米ということで二年間休耕田になって、やってはいけないということになって、今行っているのは、地下水の上の方を水田に引いて、ビニールを敷いてビニール水田という形でやっているので、どうしても水が足りなくなってくる状況があって、おいしいお米がなかなか作れないというような訴えなどもございました。
 様々な問題を抱えているということについて、もう一回しっかり斉藤大臣の方から、そうした関係省庁との連携を環境省は行うということ、自治体に対しての助言、情報提供もしっかり行うということのお約束をここでもしていただきたいというふうに思います。
#12
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、岡崎委員おっしゃったこと、そのとおりだと思います。
 毒ガス被害のひどさというのは私もよく実感をしておりますので、特に小さいお子さんの被害は、まさに涙なしでは聞けないそういう被害であるということもよく分かっております。そういう意味で、環境省といたしましても、各省庁と連携し、また地方自治体と連携してしっかりと対応していきたいと思っております。
#13
○岡崎トミ子君 斉藤大臣の御決意を聞かせていただきましたが、民主党としても、これからもこの問題については引き続き取り組んでまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 次に、地球温暖化問題ですが、同じく先週の金曜日にEUトロイカの一行と意見交換をする機会を与えていただきました。日本には十分に野心的な中期目標を設定することが求められました。未曾有の経済金融危機の中で温暖化対策に取り組んでいくということが経済のあるいは雇用の、環境の面から大変重要であるということの認識も一致したというふうに思っております。大臣もたしかこのEUトロイカの御一行の皆さんと会われて、この中期目標の問題については私たちのような意見交換をされたのではないかというふうに想像いたします。
 その中期目標の設定でありますけれども、年末のコペンハーゲンに向けてすべての国々を巻き込む、そういう目的を達成するために日本がリーダーシップを発揮するという上でも大変重要な問題だと思っておりますが、麻生総理が遅くとも六月までにこの中期目標を示すということを言われたと思います。今月二十九日から京都議定書の京都議定書特別作業部会が行われて、先進各国が中期目標の検討状況を報告することになっている、そういう中での政府の地球温暖化問題に関する懇談会に事務局案として排出増の選択肢を含む目標案が出てきたというのは非常に不可解だと思った人が非常に多い、そして私自身もそのように思いました。
 まず、それをお聞きしたいと思いますけれども、その前に、六月に中期目標を出すという方針は変わっていないでしょうか。
#14
○国務大臣(斉藤鉄夫君) はい、変わっておりません。
#15
○岡崎トミ子君 その上で、排出増というこのシナリオですね、選択肢があるということは私はあり得ないと思いますけれども、この六つの選択肢の出された意味についてまずお聞きしたいと思います。
 続いて、二〇五〇年までに六〇%ないし八〇%削減という低炭素社会づくりということについて、行動計画の閣議決定や、それからバリ、ポズナニでのこれはIPCC報告書を引用してのものでありますけれども、二五%から四〇%必要だという認識について、合意を捨てるものじゃないということを改めて聞いておかなければなりませんけれども、これ温暖化を防ぐためにはこうした数字をしっかり押さえておくということが大前提だということで、排出増の選択肢は一体何かというふうに思いますけれども、この二つについてお聞きしたいと思います。
#16
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 中期目標検討委員会、官邸の中にあります福井前日銀総裁を座長とするこの検討委員会で六つの選択肢が示されて、今後その六つについてシミュレーションを行っていくというふうに聞いております。
 その中にいわゆる長期需給見通し、余り何も努力をしない選択肢というものも入っている。これはまあ当然プラスになる、目標がプラスに、二酸化炭素排出量増というものでございますが、なぜこんなものが入ったかという御質問かと思いますけれども、これは、当然そういう選択はあり得ないんだろうと思っておりますが、エネ庁が出した長期エネルギー需給見通しのこの線に沿って行えばこういうものになるという一つの参考資料、レファレンスというふうに認識をしております。
 そして、六つの選択肢の中には、IPCCの報告書、二五ないし四〇%の削減が必要であるというシナリオに沿った選択肢も六つのうち三つ入っているわけでございまして、そういうことも考慮されるかと思いますが、最終的には政府が責任を持って決断をするということでございますので、このプラスのものについては私はレファレンス、一つの参考ということかと思います。
 それから、二番目の御質問でございますが、COP14、ポーランドのポズナンでの会議では、IPCCの先進国は二五ないし四〇%の削減が必要であるということを改めて認識するということが確認をされました。先ほど岡崎委員おっしゃいましたように、主要排出国、特に中国、インド、アメリカという主要排出国が参加をする枠組みになるために、また科学の要請にこたえるために、私はこのIPCCの報告書を尊重して決めなければならないと私自身は認識をしております。
#17
○岡崎トミ子君 それでは、経済産業省にもお伺いしたいと思いますけれども、これは、温暖化を抑えるためには必要十分な目標を持たなきゃいけないというふうに思います。そのためには、大気中の温室効果ガスの濃度というものを安定させるということが大事なわけですけれども、その必要十分な中期目標を設定すべきということでよろしいかどうかがまず一つですね。そうであれば、当然二〇%かあるいは二五%というこの数字になると思いますけれども、いかがでしょうか。
#18
○政府参考人(西本淳哉君) 先月十二日に開催されました温暖化問題に関する懇談会でございますけれども、これまでの中期目標検討委員会による検討を踏まえまして、最先端の技術、これを最大導入するケースなども含めまして、本格的に分析を行っていくべき複数の選択肢が示されたところでございます。これらの選択肢につきましては、現在、中期目標検討委員会におきまして、国際的な公平性の確保、それから国民生活や経済への影響等の観点から更に精緻な分析が科学的に進められていると承知いたしております。
 このため、検討されている個々の選択肢、これが、我が国の中期目標の水準につきまして現時点で評価を下すことは適切ではないと認識しておりますけれども、今後、国際交渉の推移を見極めつつ、遅くとも本年六月までに中期目標を公表して、すべての主要国が参加する国際枠組みづくりにつなげていくべきと考えております。
 以上でございます。
#19
○岡崎トミ子君 麻生総理も斉藤環境大臣も日本のリーダーシップをこの面で取っていきたいというときに、目先のことでできるかできないかというところでまだ立ち止まっているというふうに思うわけなんですけれども、この星がこれからも本当に人間が住める、そういう地球を残していくためにはまずどういうことが必要なのであるかというそこを見据えて、そしてその達成目標は何が何でも達成していくんだと、そしてその次に、公平にしていくためにはどうするかというのが順序だというふうに私は思うわけなので、是非その知恵を絞っていくというのが私は順序ではないかというふうに思っておりますが、この中期目標の設定に当たって、なぜNGOの関与を求めていないのかということなんですね。
 もちろん、この中期目標検討委員会をつくったときに、設置の趣旨を見ますと、検討に当たって、産業界、有識者、NGOからのヒアリング、国民へのアンケートなど幅広く意見も聴取するということなんですが、この優先順位というのがあるんでしょうか。麻生総理で官邸に持っていってしまってから、NGOの皆さんたちが非常に遠いところでこれを行っているという印象を持っております。もう少し、今の段階から諸外国のようにNGOの皆さんたちの意見がしっかりと入っていくんだと。ある程度決まってからNGOの皆さんお聴きしますよ、国民の皆さんにお聴きしますよという、そういうことではなくて、是非ここの検討委員会で聴こうという態度であれば、そういう姿勢をお持ちであるならば、是非とも早い段階でNGOの意見も聴いていただきたい。彼ら彼女たちは専門家である、それに大変近いものを持っていると、そして世界の皆さんたちとも共通の認識を持ってやっているというふうに思いますけれども、その点についていかがでしょうか。優先順位ではなくて、しっかりと最初から入れてお話を聴くという、そういう姿勢はないでしょうか。
#20
○政府参考人(寺田達志君) まず、この中期目標検討委員会の親の委員会でございますところの地球温暖化問題に関する懇談会につきましては、環境問題に関する市民活動を主催されている方や環境情報公開に向けた活動を行っている方に委員として御参加をいただいているところでございます。
 また、中期目標検討委員会は、検討結果を内外に積極的に発信できるよう、モデル分析を中心として科学的、理論的に検討を進めることとされているところでございます。こうした観点から、この検討委員会につきましては、実際にモデル分析を行います環境、エネルギー、経済に関する国内の研究機関の長、あるいはそれに準ずる方々に御参加をいただいているというところでございます。
 今後、同検討委員会にて複数の選択肢を提示するわけでございますけれども、先ほど先生から御指摘ありましたように、昨年十月二十日付け地球温暖化問題に関する懇談会でまとめられました「中期目標検討委員会の設置について」というペーパーでございますけれども、ここに、NGOからのヒアリングや国民へのアンケートなど広く関係者の意見も聴くことにすると明記されておりますので、当然今後、具体的な手順についてはまだ定まっておりませんけれども、NGOの意見というのは努めて聴いてまいるということになろうかと存じます。
#21
○岡崎トミ子君 今までにそのメンバーに入っていなかったということとヒアリングも行われていないというのが実情であります。こうした問題に市民参加の、そういうことが必要とされているのは世界の常識だというふうに思いますので、どうしても現状から出発して何ができるかという議論で、私は、こういう問題について是非NGOの皆さんたちが積極的に参加できるように、市民参加が必要だという発想でこれからもお取り組みをいただきたいということで、それはNGOからのインプットが欠かせないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、泡瀬干潟についてお伺いいたします。
 日本の生物多様性に関する意識あるいは取組というものが疑われかねない破壊が今沖縄の泡瀬干潟で行われているというふうに思っております。
 この泡瀬干潟の問題でありますけれども、環境省の場合は日本の重要な湿地としてリストアップしております。そして、この泡瀬干潟は大変重要だということが分かりながら、なかなか現状にアクセスできない状況になっているなということを、この間、視察に行きながら、あるいは環境省の皆さんにもお話を伺いながらそのことを感じてまいりましたので、まず、泡瀬干潟の価値をどのように見出しているのか、大臣にお伺いしたいと思います。評価をお聞かせください。
#22
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 泡瀬干潟は沖縄本島の中では最大規模の干潟でございまして、渡り鳥であるシギやチドリ類の重要な飛来地でございます。それとともに、トカゲハゼや海藻のクビレミドロなど絶滅のおそれのある種の生育地としても重要な場所であると認識をしております。
#23
○岡崎トミ子君 民主党は昨年の七月に沖縄ビジョンを発表しておりまして、そのビジョンの中でこの泡瀬干潟の問題については一期中断、二期中止ということを明らかにしているわけでございます。そして、国が今埋立てが始まったというところで、日本の国民の皆さんたちがテレビを通じて見ていて大変心を痛めているという状況なんですが、この埋立地への土砂注入という、この投入を続けている、これはどういう了見か、内閣府にお聞きしておきたいと思います。
#24
○大臣政務官(岡本芳郎君) 泡瀬地区の埋立事業につきましては、沖縄市における国際交流拠点の形成を目指す東部海浜開発事業の一環を成すもので、沖縄振興計画や沖縄市総合計画にも位置付けられたものであります。この事業につきましては、地元の沖縄県及び沖縄市の要請に基づき、国としても県、市に協力する形で取り組んできたところであります。
 以上でございます。
#25
○岡崎トミ子君 裁判所が経済的に合理性がないということを言いまして、沖縄県と沖縄市に対して公金差止めを行いました。裁判で公金差止めというのはこれはもうよほどのことだというふうに私は思いますが、この理由を見ますとなるほどということばかりなんですね。特に、厳しい経済金融情勢がありまして地元自治体も財政で大変苦しい状況であると、そして経済的合理性がないということを裁判が言ったわけなんですけれども、こうした結果をどのように受け止めておられるんでしょうか。
#26
○大臣政務官(岡本芳郎君) 沖縄県及び沖縄市は泡瀬地区埋立事業に係る地裁判決に不服としておりまして控訴をしておるところでございます。
 今回の地裁判決で指摘を受けている土地利用計画につきましては、既に沖縄市も見直し作業を進めており、国としてはその進捗状況を踏まえつつ工事を進めるべきと考えております。
#27
○岡崎トミ子君 私は、今内閣府の方がやっているお話を伺いましたときに、台風が来るので護岸をしっかりしてその被害が及ばないようにということで、まずは申し訳ないんですけれども、台風に逃げているというか、そちらの被害の方をまず理由として言っていることが大変気になったんですね。もちろん、それは安全のためにと言ったら、なかなかやめにくいというような状況が出てきてしまうわけなんですけれども、それでもやはりこの場合には安全ということを言うのであれば、本当に後はこれを環境の面からも、経済的な合理性の面からもきちんと見て、そして判決を大切にしていくという、そういう態度はおありになりますでしょうか。今裁判中でありますので、その裁判が決定したらばそういうふうにするということでもよろしいんですけれども、いかがでしょうか。
#28
○大臣政務官(岡本芳郎君) 先生おっしゃるとおり、裁判で結論が出ればそういうことになろうかと思いますが、今は不服で控訴をしている最中でございますので、計画に基づき工事は進めていきたいと思っております。
#29
○岡崎トミ子君 ただし、沖縄市の方は、この工事、見直し検討中というふうになっているわけですよね。でありますので、実質的に土地利用計画の見直しということでいろいろ議論があるわけですから、せめてその議論をしている中で一時中断をして、そして全体計画の見直しを行うということがあってもいいんじゃないでしょうか。
#30
○大臣政務官(岡本芳郎君) 沖縄市は土地利用計画の変更について今鋭意検討中でございますので、それでどういう結果になるかは、またそれの問題と思います。
 そして、今実際に行っている具体的な工事は、先生御指摘されましたとおり、台風襲来等に備えた護岸の補強など安全上必要な工事を中心に進めておるところでございますので、やむを得ないんではないかと思っております。
#31
○岡崎トミ子君 安全上行っているというのを今理由にして土砂をどんどん入れている、毎日欠かさず入れているというような状況をやっぱり沖縄市はどういうふうに言っているかといいますと、一期推進、二期困難、こういうふうに言っているわけです。少なくとも二期工事については、当初計画どおりという状況にならないというふうに私は思いますけれども、どうですか、それは。
#32
○大臣政務官(岡本芳郎君) 土地利用計画の見直し中でございますが、これにつきましては、二期工事も含めて現在取り組んでおります計画見直しの検討結果を踏まえて考えていくべきものであると考えております。
#33
○岡崎トミ子君 一にも二にも地方分権、県と市が決定していくことが大切だという態度は、当然私たちは本当に分権であるということと県と市がどういうふうにしていくのかということは大切だということを前提にしながら、でも今のこの状況について、やはり立ち止まること、いったん中断をしてもいい。今、台風の問題でそのことがなされていることについても後で提案をしたいと思いますけれども、やはり県や市の意向次第では二期工事の中止もあり得る、見直すということもあり得るという、そういうふうに理解をしてよろしいでしょうか。
 この間、斉藤大臣は決断するときは決断するというふうに、沖北の委員会の方でそういう答弁もされておりますけれども、いかがですか。
#34
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 佐藤大臣ですね。
#35
○岡崎トミ子君 あっ、佐藤大臣です。ごめんなさい。
#36
○大臣政務官(岡本芳郎君) 私どもは、あくまでも地元の沖縄県なり沖縄市がどう考えるかが最重要なことだと思っておりますので、その方向に、決まったらその方向で進んでいきたいと思っております。
#37
○岡崎トミ子君 最低限、一期が終わったところで市の見直しを受けて、そして国と県と市と三者で考えていくということが言えるんじゃないかというふうに思います。
 一応のその、私たちは言葉の上では、もしそういうような状況がこの先に見られるということが言葉として得られれば、それは今までのこととは全然違ってくると思いますが、今の御答弁だと県と市の言うとおりにやっていきます、その段階から一歩も前に進んでいないような御答弁だったように思いますけれども、もう少し今の状況を踏まえて、国としてやはりそういう県と国と市とできちんとやっていきますよというような御答弁はいただけないでしょうか。
#38
○大臣政務官(岡本芳郎君) 私どもとして、国から先にそういうことを言うのはいかがかと思っております。あくまでも地元がどう考えるかが最重要であるというふうに認識しておるところでございます。
#39
○岡崎トミ子君 私は、沖縄市でやっている二期工事の見直しもあり得るというふうなことですと、それは一期の方も余り意味がなくなってくるので、結果的にもしこれを中止、中断ということになるとすれば、一期工事をこのまま強行してはいけないというふうに考えております。
 中断の必要があると私自身は思いますが、この事態に環境省は何か言うことができないんでしょうか。かつて意見を出されたということでございますので、その後、海草の問題でどうなっているのか、あるいはクビレミドロはどうなっているのか、この点についてもお聞かせいただきたいと思います。
#40
○政府参考人(小林光君) この泡瀬干潟の埋立ての問題につきましては、これまでのアセスメント、あるいは公有水面埋立法の手続の中で、様々な環境保全上の措置というものが定められてきてございます。この措置、そしてその後、今御指摘のありました新しく分かったこと等々もございますけれども、こうしたことに伴う環境保全上の措置というのをきちっとやっていただくというのが基本だというふうに考えてございます。
 そして、御質問の点でございますけれども、今般のその土砂投入等の工事に関しまして、例えば工事区域内におきますサンゴの移植というようなことにつきましても、地元のNGOの方々から御要望も出されております。そうしたことを受けまして、斉藤環境大臣の方からもこのサンゴの移植について更にできることがないか、沖縄担当大臣に対しましても対応をお願いするといったようなところの取組を行わさせていただいております。また現在、この移植の方法あるいは移植先につきまして、こうしたことを受けまして検討が進んでいるというふうにも承知をしてございます。サンゴが良好に生育できる形で移植が実施されるように、私どもとしても注視をし、また期待をしているところでございます。
#41
○岡崎トミ子君 今の御答弁の中で、私が二〇〇六年に環境委員会での質問をいたしましたときに、海草の移植の技術は確立していないということでございました。今でも移植のその技術は確立していないということを確認することと、サンゴについての移植について、これについてはどのような状況なのか、この技術確立、この点について確認をしておきたいと思います。
#42
○政府参考人(黒田大三郎君) 海草あるいはサンゴの移植につきましては、いろいろな地域で、また幾つもの手法で取組が進んでおりまして、実績が積み重ねられてきていると。しかしながら、移植後の生育状況につきまして長期的な観察、こういうものを行った事例というのはまだ多いとは言えない状況でございます。
 したがいまして、このため、移植後の継続的なモニタリングを通じて移植方法や移植先の環境条件と定着の状況の関係を分析することによりまして移植技術の向上、確立をさせていくことが今後も重要と考えております。
#43
○岡崎トミ子君 そうですね、すぐに回答が出ないというものですけれども、環境省に伺ったときに、例えば海草一つにしても、工事が始まる前五〇%ありましたよと。始まったらばそれが三〇%ですよと。下がっているんですね。そして、去年やって二〇%、今年になったら二五%になると、上がりましたというふうに言ってしまうんですけれども、始める前の五〇%から比べましたら、数字の明快な答えはこれは広がっていない、そういうことを、私たちは資料を見てそのように思っていて、ちょっと数字のマジック上の物の言い方にごまかされてはいけないなというふうに思うこともあります。
 裁判でアセスという問題について不十分であるというふうに言われたわけですけれども、環境大臣はこれは十分だと思いますか。
#44
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回のアセスが十分かどうかということについて、私今ここで評価をするだけの知識と勉強をしておりませんので、ちょっとその問題については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#45
○岡崎トミ子君 裁判の結果、御覧になっていますよね。それで不十分だというふうに裁判が言ったことについて、環境省はそれは不十分だと思っているんですよ。ですから、それ大臣に伝えられていないとすると大変問題だと思います。大臣がいろんなことを下していって、内閣府に対して物がきっちり言えるということがなきゃいけないと思いますけれども、今なかなかそういう関係にはないんだということを私は聞かせていただいた上で、地方のアセスが不十分であるときに、やはりこのアセス法がもう直さなきゃならない、見直さなきゃならないと、そういう状況にあるんじゃないかと思いますが、その状況についてはちょっとお伝えいただきたいと思います。
#46
○政府参考人(小林光君) 済みません、事実関係について答弁させていただきます。
 大臣に対する伝え方が悪かったのかもしれませんけれども、先ほどの論点でいいますと、判決は、不十分な点も散見されるけれども違法というまでのことはないという御指摘だったというふうに承知をしてございます。そして、アセスメントのクオリティーを上げていく、質を良くするということで、今御指摘の点は、本件事業、自治体の許認可に係るものだということで、環境大臣の方からの直接の御意見を申し上げる事業に当たっていないと。これはほかにも廃棄物処理施設等ございますけれども、そういったカテゴリーになっているので私どもが意見を言わないことによってきちっとしたクオリティーが担保されていないのではないかと、こういう御意見なのかなというふうに思っております。
 地方分権という建前もございまして、私ども上級省の方からああだこうだということは言うことはしておりませんけれども、今、岡崎委員の御指摘は、第三者意見、専門家の意見としてきっと、環境省もそういうことの質を上げるための意見を言ったらどうか、そういうところの制度の見直しをしたらいいんじゃないかと、こういう御意見かというふうに承らせていただきました。
 これにつきましては、アセスメント法の改正の手続という中でいつも見直しをしてございます。現在その検討ということをしておりますが、そうしたものの論点の一つとして今みたいなことも挙げられているところでございます。引き続き検討をさせていただきたいというふうに事務的には考えてございます。
#47
○岡崎トミ子君 大臣もこのままでは心残りだと思いますので、やっぱり国がきちんと物が言えるアセスメント制度にしていくという、そういう方向性についての御決意はいかがですか。きちんと物が言えていく、不備な場合にはそうして言える、そういう法律に検討をきちんとしていくという。検討というよりは目指すというふうに私は是非御回答いただきたいと思いますけれども、その点いかがですか。
#48
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回も私この泡瀬干潟のことを勉強させてもらって、国の直轄事業だから環境省は物が言えないという仕組み、これ非常に複雑でして、公有水面埋立法とか環境影響評価法とか、その法律の関係でそうなっているんですけれども、常識的に考えてもちょっとおかしいなと実感したのは確かでございます。
 そういうことで、平成二十一年には環境影響評価法の施行から十年という節目を迎えます。この十年間の環境問題をめぐる状況の変化等を踏まえて、昨年六月に有識者による研究会を設置し、こういう仕組みでいいのかどうか論点整理を進めているところでございまして、今、岡崎委員から御指摘のあった素朴な疑問に対してもしっかり答えられるような、環境省としても、国の直轄事業だから物が言えないというような変な制度にならないように、しっかりとこちらからも意見を言っていきたいと思っております。
#49
○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。
 今ちょっとメモが入りまして、先ほど私が温暖化に対して中期目標を決めるときの順序として、ちょっと誤解を受けるようなことがありますということで、まずは何が必要かを決める、次にそれを公平に何が何でも達成する方法を考えるというのが本意であるというふうに訂正しておきなさいということでございましたので、失礼いたしました、そのように訂正をしておきたいと思います。
 次に、生物多様性について伺いたいと思いますけれども、昨年、議員立法で生物多様性基本法について私たち民主党が主導した、そしてNGOの皆さん等の協力をしていただきながらこれを成立させたというふうに思っております。というのは、来年、生物多様性の第十回の締約国会議が開かれるわけですけれども、この中で生物多様性に関する二〇一〇年目標を見直して、そしてポスト二〇一〇年目標を設定するという、大変、極めて重要なことを議論する場というふうに思っております。
 時間がちょっとなくなってきましたので、具体的な課題としてお伺いしたいと思いますけれども、四国のツキノワグマについて保全のために保護区を広げるという案がありまして、以前にもこのことについて質問をさせていただきました。合意形成が難しいというふうに聞いているんですが、地域住民の安全、安心、そして農林業の被害防止対策が必要だというふうに思っております。
 そういう意味で、住民だけにコストを負わせるような形で保護は理解は得られないというふうに思っております。持続的ではない、こういうところをモデルケースとして予算を投入する、あるいは人材、人手を確保して、そして地域住民の安全、安心、農林業の被害防止策、保護の両立ということをしっかりやって、ここに保護区をつくりましょう、拡大しましょうと言ったのがなかなか進まないものですから、まずは人も金もここに掛けてみてはどうかというふうに環境省にお願いをしたいと思います。そういうことが被害防止につながっていきますし、また、人材を育てて、そういう人たちが保護のためにいろいろと働くということが、将来グリーンニューディールの中での雇用の創出にも大きく言えばかかわってくるというふうに考えておりまして、是非、人もお金も、そして雇用創出にもつながっていくということも含めて、是非、環境省の御見解をお伺いしたいと思います。
#50
○副大臣(吉野正芳君) 四国におけますツキノワグマの生息数が非常に少数であるということは環境省のレッドリストにも載せてあります。承知をしております。このため、鳥獣保護法の規定に基づき四国四県全域をツキノワグマの狩猟禁止区域に指定をしております。そして、その主なる生息地については鳥獣保護区に指定しているなど、保護に取り組んでいるところでございます。
 また、関係団体の協力を得まして、ツキノワグマの行動区域、電波を発信して今どこにいるかという、どこまで動いていくかという、そういう行動区域を把握をしている調査を進めております。その知見を今収集に努めているところでございます。今後とも、人とクマとが共存できる区域を目指し、必要とされる対応について検討をしてまいりたいと思っています。
 また、保護区の拡大でございます。これは、平成二十一年度、今年の十一月に剣山山系鳥獣保護区、これが指定期間が満了となります。それによって鳥獣保護区の更新について保護区を拡大することを検討をしております、先ほどの行動範囲の調査を踏まえて。
 ただ、一方、最近シカが大変増えまして、森林や自然植生への被害が顕在化をしておりまして、保護区を拡大すればこのシカの被害が増えるんではないのかという、そういう懸念の声も上がっているところでございまして、環境省としては、鳥獣の生息状況を勘案して保護区の取扱いについて適切に対処してまいるつもりでございます。
#51
○岡崎トミ子君 またよろしくお願いいたします。
 本当に駆け足になってしまいましたが、子供と化学物質についてお伺いしたいと思います。
 総理が発言して環境大臣が決意を表明されました子供と化学物質、どう進めるのか。子供を基準とした環境基準づくりを視野に入れるべきだというふうに考えておりますが、大臣が、子供の環境と健康のイニシアティブで、私の二番目のイニシアティブはそれなんだということでもございますので、そうした観点については、大臣、いかがでしょうか。
#52
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 子供は小さな大人ではないと言われておりまして、特にいろいろな物質に対して感受性が強いと言われております。それらの知見というのはまだまだということでございまして、今後、大きな数万人規模の疫学調査を進めていきたいと思います。環境と子供の健康についての大きな知見を得て新たな仕組みをつくるような試みを環境省として進めていきたいと思っております。
#53
○岡崎トミ子君 是非、子供の環境と健康、化学物質過敏症は、今発表されているだけで七十万人ということですが、子供がどのぐらいいるのかということについてはまだまだ調査されていないところから発表されておりませんが、必ず化学物質の影響を受けて子供たちが大変厳しい状況になるというふうに思いますので、是非、子供を基準とした環境基準づくりということを視野に入れて、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 最後にもう一つ、ちょっとオーバーぎみなんですが、ツルネンマルテイ先生の御了解を得て質問したいと思いますが。化学物質過敏症が心因性であることを示唆していると受け取られかねないマニュアルがまとめられまして、患者を中心に心配が広がっております。この化学物質過敏症の患者の多くは、周囲の無理解、例えば、妻は夫から無理解でごろごろしているというふうに言われたり、子供もそんなふうに言われたり、子供たちももう少し大人になってからでもなかなか理解されないという中にあったわけなんです。
 そこで、その化学物質過敏症が心因性であるということについてどうも通達があったということですので、これは政府の公式見解ではないということをしっかり確認をするということと、自治体担当者に対して徹底することを求めたいと思います。
#54
○政府参考人(中尾昭弘君) お答えいたします。
 御指摘の点は、シックハウス症候群に関する相談と対策マニュアルというものでございまして、厚生労働科学研究費補助金により平成十八年度と十九年度に行いましたシックハウス症候群の実態解明及び具体的対応方策に関する研究に基づく成果物でございます。
 御指摘の記述につきましては、研究班が過去の文献の整理をしたものでございまして、化学物質過敏症が心因性の疾患であることを示したものではないと承知しておりますが、いずれにいたしましても、御指摘の記述につきましては、執筆をした研究班の知見でありまして、厚生労働省の公式見解ではないということでございます。
 この点につきましては、今月九日に開催されました生活衛生関係技術担当者研修会におきまして、本冊子は厚生労働科学研究における成果物であり、厚生労働省としての見解ではないとの旨を担当者の方から保健所の職員に対しまして周知をしたところでございます。
#55
○岡崎トミ子君 環境省も厚生労働省も、化学物質過敏症の問題についてはまだ着手がされていないというふうに認識していいほど遅れております。化学物質の問題につきましては、今縦割りでいろいろ行われておりますので、私どもは一元化を目指して法案を作っていきたいとも考えておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#56
○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイです。私の方から、水の問題に絞って質問させていただきます。
 まず前半では、世界規模の水の危機についていろんな質問をさせていただきます。後半では、日本の水問題の幾つかのことについて質問させていただきます。
 この地球規模の水の危機を考えると、環境から見れば、あるいは私たちの健康から見れば、これは世界で、世界最大の危機でもあると言えると思います。もちろん私たちは気候変動とか地球温暖化の問題とか、あるいはエイズの問題とか、有害な化学物質の問題とか、あるいは恐らくこれから起こり得るだろう新型インフルエンザの問題とか、こういう危機がたくさんあるんですけれども、もし現時点では被害の大きさから考えると、その中でも今最も大きな問題になっているのはこの水の危機であります。そして、そのことについては私たちは考えなければならない。あるいはその中では、私たち日本は世界規模では少しでも国際貢献としてそれに何ができるか、何をやるべきかということも考えなければならないと思います。
 もちろん御存じのように、この水の問題は、その解決は人間の安全保障に対しても本当に大切なところであります。もう御存じのように、いろんなところで水に関するテロとか紛争も起きています。だから、私たちはこれを考えなければならないということです。
 そして、今日は、この国際的な水の問題について質問するのはタイミングとしても適切じゃないかなと思います。御存じのように、昨日からは第五回世界水フォーラムがトルコのイスタンブールで始まりました。そして、そこで恐らく今日だったと思いますけれども、皇太子殿下も講演をなさったと報道されています。これは六年前には京都で行われて、三年に一回行われている水フォーラムですが、そのとき私もそれに参加させていただきました。だから、いかに世界規模では水の問題は大きいかということは、そういうことも、今度はマスコミでも一週間このフォーラムは報道されていると思いますけれども、表れになると思います。
 今日は、この質問を審議するときは、非常にある意味で面白いことを発見しましたというか、改めて気が付きました。環境省の方でも水の問題に対して非常に立派なガイドブックが書いてあります。しかし、この中に国際的な水の問題についてたった一ページしかありません。あるいはほかの問題も、今度は質問準備するときは、環境省ではなくてほかの省庁がかかわっている、プロジェクトとか予算の面でも。だから、そういう意味でも、私は今日は多くの各省庁からの政府参考人をこの質問の答弁者として呼んでいます。かといって、私は是非これを環境大臣にも伝えたいというかお願いしたいということは、幾らほかの省庁も水問題に取り組んでいても、やはりこれはそのまとめ役としてリーダーシップを発揮するのは、やはりこれは環境省の役割であると思います。
 今日は私はいろんな質問しますけれども、その中で個別の質問に対しては環境大臣には質問しませんけれども、最初にこの国際的な水の危機に対して幾つかの質問が終わった段階では、それを受けて環境大臣の所見、あるいはコメント、あるいは今度は終わりの方では、日本の水問題についても同じようにそれを受けてからの感想というかコメント、所見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 一番最初の質問では、世界の水問題では水の汚染について、これからは五つぐらいの質問をさせていただきます。
 最初には、数値で表すためには、一番目の質問の中では、世界で安全な飲料水へのアクセスのない人が人口の中ではどのくらいいるかという数値、あるいは同じようにこの一番目のところで、その汚染された水を飲んでそれで病気になって死ぬ人は毎年世界にどのくらいいるか、まず、こういう数値をちょっと発表していただきたい。
#57
○政府参考人(小田克起君) お答えいたします。
 世界保健機関、WHOと国連児童基金、ユニセフによりますと、上水道や井戸などの安全な水を利用できない人口は、二〇〇六年で世界に約十億人いるとされています。それから、水と衛生の問題によりまして年間約百五十万人の幼い子供の命が奪われているというふうにされております。
#58
○ツルネンマルテイ君 まず最初の数値というのは、十億あるいは十一億の人が適切なきれいな水を飲めないということは、本当にこれは大きな、全体の人口の中の一七%くらいになります。
 そして、それで病気になって、汚染された水を飲んで死亡する人たちは、いろんな数値があります。私もここで幾つかの、OECDとかWWFとかの数値もありますけれども、最も大きな数値というのは、OECDでは報告されているのは、年間およそ五百万人の人が汚染された飲料水が原因で死亡して、ほかのところでは、これはたしか二百二十万人とか、とにかく何百万人の人がやはり汚染された水で命を失うということ、これは私たちは、日本ではなかなか余りそこまで報道されていないんですね。
 だから、このことに対して私たちは何ができるか。既に、これからの質問でも明らかになるんですけれども、日本もJICAを通じて、ODAの予算でもやっていますけれども、これは本当に足りるかどうかというのを私はひとつ指摘したいなと思います。
 そこで、JICAが今は、こういう問題に取り組むときは、特に水の問題に対してJICAの最近の支援はどのくらいになっているかということ。これはもちろん、御存じのように円借款とか無償資金協力の形でやっていますけれども、両方に分けて、例えば去年、最近のデータで数値ではどのくらいのお金を日本のお金でJICAが支援しているかということをお願いします。
#59
○政府参考人(小田克起君) まず、最近の数字、二〇〇七年度の数字でございますが、我が国全体で水と衛生分野に係る援助実績でございますが、総額で約二千八百三十五億円でございます。このうち、有償資金協力、円借款が約二千五百四十三億円、それから無償資金協力が約二百四十六億円です。それから、国際協力機構、JICAが実施します技術協力というものがございますが、これは約十五億円となっております。これ以外に国際機関への拠出が約三十三億円、こういう内訳でございます。
#60
○ツルネンマルテイ君 もちろん、こういう数値では、ある程度状況が分かっている人たちにはぴんときますけれども、私たちは、一般の人が多分知りたいところは、ODAの全体の予算の中でこの水の問題あるいは衛生問題に対する割合がどのくらいになっているか。ほかの箱物とか道路とか橋とかも造っている、これも大事ですけれども、この中で水の問題にどのくらいの割合で、あるいはそれは最近増えているかどうかということ、増える傾向があるか。
 もちろん私も、御存じのように、皆さんも知っているように、ODA全体の予算が今は残念ながら減っていますけれども、それでもこの水の問題は、この中で今ももう数値でも表されるように非常に大切な問題でありますから、この割合について次にお願いします。
#61
○政府参考人(小田克起君) 水・衛生分野におきますODAの供与実績でございますが、過去三年間申し上げますと、二〇〇五年で約二千三十一億円、それから二〇〇六年が約三千六百十億円、二〇〇七年は先ほど申し上げました約二千八百三十五億円でございます。
 ODA総額に占める割合でございますが、この三年間で見ますと、大体二割から三割ぐらいで推移をしております。
#62
○ツルネンマルテイ君 そうすると、そんなにまだ多くないということですが、この規模と重要さを考えるともっと増やしてもいいんじゃないかなと私は考えています。
 ここでは外務大臣政務官にお聞きしたいんですけれども、意見としては、このODAの予算では水に対する割合がこれでいいんですか、あるいはこれからもっと増やすべきじゃないかということ、そのことについては、お願いします。
#63
○大臣政務官(御法川信英君) ツルネン委員にお答えを申し上げます。
 我が国のODA大綱においては、貧困削減というものを重要課題の一つとして掲げておりまして、その中で水と衛生について、教育、保健医療・福祉、農業等々と並んで重要視をする分野としております。
 水と衛生の分野においては、国際社会では最大規模の支援を日本はやっておるところでございます。御参考でございますけれども、開発援助委員会という先進国を中心にした会議がございますが、その先進国の中で日本の拠出は四割近く占めておりまして、そういう意味では、日本というのはこの水、衛生の分野では国際的には非常に突出して頑張っているということだと思います。
 引き続きこういう姿勢で頑張っていきたいというふうに思っております。
#64
○ツルネンマルテイ君 引き続きこういう方向で、つまり、できればもっと増やすということも、予算の範囲内でしょうけれども、あるんでしょうか。そういうふうに私も強く希望したいと思います。
 そこで次には、日本はこの水の分野ではあらゆる面では高い技術を持っています。あるいは日本の知見について、これを私たちはこの水問題、国際的な規模の水問題にはやはり日本は貢献できる分野でもありますから、これは恐らく水のビジネスの面でも、私もいろんな資料をちょっと読んでいますから、日本はかなり積極的に取り組んでいますけれども、そのビジネスも含めて、あるいは政府の方ではこれをどのようにこの日本の高い技術を水の分野で問題解決のために生かしているか、もしそれを分かった範囲内では、経済産業省の方からお願いします。
#65
○政府参考人(西本淳哉君) お答えいたします。
 人口増加、それから経済成長等を背景に、世界の水資源問題は大変深刻化いたしております。また、世界における水関連市場の拡大も見込まれているところでございます。我が国企業がその優れた水処理技術を生かして拡大する水関連市場へ参入することは、これは経済産業省としても非常に重要であるというふうに認識いたしております。
 経済産業省といたしましては、我が国民間企業の水ビジネスの海外展開を促進すべく、平成二十一年度予算案におきまして、水循環システムの実証及び排水処理等に関する技術開発事業を実施することといたしております。
 経済産業省といたしましては、関係省庁と連携をしつつ、我が国の優れた水処理技術が更に広く活用され、世界の水資源問題の解決に貢献できるものとなるよう取り組んでまいりたいと思います。
#66
○ツルネンマルテイ君 もちろんこれはまだ方針だけで、具体的なことはこういう短い答弁ではもちろん分かりませんけれども、私たちは民主党の中でも水対策のプロジェクトチームを今もう去年の秋から行っています。私もそれに参加しています。その中でも、私たちは、いろんな日本の企業が世界でこういうことにかかわっているということは私たちもある程度知っていますけれども、やはりこれは、政府はそれを後押しするというのは非常に大切なところであります。かといって、ビジネスとしても日本はかなりそれを積極的に知っているのは、私の方からもこれを評価したいと思います。
 次に、ここでは同じように世界規模の水の危機について、今度は水不足の現状について、これもかなり数値がひどいものということは世界銀行あるいはWHOの報告でも分かります。これについては、どのくらい深刻になっているかということを、これも数値で結構ですからお願いします。国土交通省ですかね。
#67
○政府参考人(上総周平君) お答えいたします。
 世界規模の水不足の現状や予測については幾つかの国際機関の報告がございますが、その一つに、国連開発計画、UNDPと呼ばれておりますが、が二〇〇六年に発表した人間開発報告書というものがございます。これによりますと、農業、工業、エネルギー及び環境に要する水資源量の指標としまして、年間一人当たりの利用可能な水量が千立方メートルを下回る場合に水不足、千七百立方メートルを下回る場合を水ストレス下にある状況としておりまして、現在、約三億人が水不足、約七億人が水ストレス下で生活をしていると報告をされております。また、この報告書によりますと、将来の人口の増加や生活様式の変化などから、サハラ以南のアフリカ地域などで二〇二五年までに約七億人が水不足、約三十億人が水ストレス下に置かれる可能性があるとされております。
 それからもう一つでございますが、二〇〇七年に発表されました気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第四次の報告書によりますと、人口増加等に加え、地球温暖化を含めた予測が報告されておりまして、これによりますと、将来予測のシナリオによって数値は異なりますが、氷河の広がりや雪解け期の積雪水量の減少などによって水ストレスにさらされる人口が今世紀中に急増するものと予測されております。
#68
○ツルネンマルテイ君 私にも少し似ているような資料が特に予測についてはありますけれども、今のは、予測については、特に二〇二五年まではどのくらい、世界の人口の、ここでは、世界銀行の報告では、大体半数が深刻な水不足には直面するということ、半数ですね、まあ似ているようですね。しかし、さらにここで、国連の報告書では、二〇五〇年までには最悪の場合は六十か国で七十億人の人が水不足に、七十億人ですね、直面する、あるいは最低でも四十八か国では二十億人。
 だから、さっきの水の汚染に加えて水不足というのは、もうあらゆる問題でかかわっています、大変な危機になっているということですね。これはもちろん、今もちょっと触れられましたけれども、食料の問題でも農業の問題でも、これは深刻な問題になっているということ。じゃ、こういう問題について私たち日本に何かできることがあるかということも考えなければならないんですね。
 幸いには、一つ割合に明るいニュース、いろんな取組が今水ビジネスでは、この分野でも水不足を解決するためにはあるんですけれども、私たちの水プロジェクトチームでも、勉強する結果、一つ、私も初めてこんなに広く行われているということは知らなかったんですよ。これは膜ろ過技術ということ、日本の技術ですね。特にこれでは、もちろん汚染された水をその膜技術によって浄化することもできますけれども、もう一つの分野は海水淡水化、つまり水が足りなくなったときは海水からは飲み水も作れるということ。御存じのように、日本でもこれは、福岡では一番大きい設備が入っておりますし、沖縄でももうかなり以前からありますし、私たちは、いろんな日本の企業が取り組んでいることで激しい競争もこの中では行われているということはありますね。しかし、私たち聞いた範囲でも、これもどんどん省エネとかいろんな関係では、海水の淡水化は非常に安いコスト、どんどんコストが安くなるんですね。だから、将来的にはこれはかなり水不足の一つの、を救う技術にもなるんじゃないかなと思います。
 このことについては、今は経済産業省の方でどのくらい把握しているか、あるいはそれに後押しすることは、これは私たちも知っているのは、主にこれはビジネスはやっていますけれども、やはりこれも政府の後押しも必要ですから、この膜技術についての、特に海水淡水化についての今の状況、現状をちょっと説明していただきたい。
#69
○政府参考人(桑山信也君) お答え申し上げます。
 今議員御指摘のとおりでございまして、これからの水の関連の技術の中で特に海水も淡水化することができる膜技術、大変重要な技術だと思っております。経済産業省では従来からこの技術の開発、官民挙げて取り組んできておりまして、現在では特に水不足が深刻な中東地域を始め世界各地、今御指摘のような日本の中でも離島等で使っていただいておりますけれども、数多く使用されているという実績があるわけでございます。ある民間機関の調査によりますと、そのシェアは、世界全体の中で日本のシェアが七割ぐらいを占めているというような調査もございます。
 ただ、この膜技術の問題は、やはりまだかなりエネルギーを使いまして、コストがどうしても高いという問題がございます。そこで、経済産業省といたしましては、今年度、平成二十年度から主要エネルギーの五〇%低減というものを目指した技術開発に着手をしておりまして、来年度も続けようと思っておりますけれども、今後ともこのような省エネルギー性の一層の向上といったような膜技術の開発に努めまして、世界の水のマーケットあるいは水不足問題への貢献に努めてまいりたいと思っております。
#70
○ツルネンマルテイ君 今の答弁でも分かるように、これはかなり、今はまだ発展中ですね。だから、その技術はこれからどんどんまだ進むと思いますから、あるいはその技術にもいろんな方法があるらしいですね。本当にうれしいことには、日本のビジネスはかなり積極的にそれに取り組んでいますから、だからそれにはこれからも日本の政府の後押しも必要ですから、これは本当にこれからの明るい一つの新しい技術であるんじゃないかなと思います。
 そこで次には、さっき触れましたように、この環境省が作っていたガイドブックの中では、一ページだけは国際的な、環境省が取り組んでいるというところは書いてありました。それはこのアジア水環境パートナーシップという、最近、何年か前にできたシステムというか機関であります。
 これはアジアに対するものですから、これの状況については環境副大臣の方からちょっとお願いします。
#71
○副大臣(吉野正芳君) ツルネン委員御指摘のとおり、安全な水にアクセスできない方が約十一億人おります。そのうち約六億人、これがアジア地域なんです。我が国としては、このアジア地域十か国プラス日本も入れて十一か国、ここで御指摘のアジア水環境パートナーシップ事業を行っております。これはソフト事業でありまして、水環境情報のデータベースの構築、また行政官等の人材育成、ここに力を入れているところでございます。
 もう一方、ハード事業としまして、中国においてハード事業をやっています。日中水環境パートナーシップ事業といいまして、これは中国のモデル事業で重慶市と江蘇省で行っておりまして、分散型排水処理モデル、日本でいうと農業集落排水のような、低コストで水をきれいにできる、そういう事業を行っております。これの能力はBODで二〇から四〇ppm、いわゆる日本の基準と同じくらいきれいにできる装置、この事業を今行っているところでございます。
#72
○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。
 この名前にもアジアの水環境パートナーシップで表すように、これで日本はアジアの国々と一緒に協力しながら、環境省がここではリーダーシップを発揮してこれに取り組むということは大いにこれからも期待したいと思います。
 以上は世界の水の危機についての質問を行いましたが、さっき言いましたように、ここでは環境大臣の所見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
#73
○国務大臣(斉藤鉄夫君) ツルネン委員の質疑を聞いておりまして、水問題がいかに今後大きな問題になるかということを痛感した次第でございます。二十世紀はエネルギー、石油をめぐっての国際紛争の時代、そして多分、今世紀は水をめぐっての国際的ないろいろ摩擦が増えるのではないかとも言われております。安全保障上も大変重要な問題というふうに認識をいたしました。
 日本は、先ほどお話がありましたように、高い技術、また公害克服、水の汚濁の処理技術の開発等、しっかりとした歴史と知識の蓄積がございます。こういうものを生かして世界に貢献をしていかなくてはならない、水問題の解決に向けて日本がリーダーシップを取っていかなくてはならないということを痛感した次第でございます。
#74
○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。
 最初にも私はお願いしたように、これからもいわゆるいろんな危機の中では、経済危機の中でも環境の役割はますます大きくなりますから、環境省はますますここでまとめ役を発揮して、リーダーシップを発揮して取り組んでいただきたいと思います。
 では、ここからは、後半の方は、もう十五分しかありませんけれども、日本の水の問題について幾つかの角度から質問させていただきます。
 まず一つは、皆様も毎日のように飲んでいるというミネラルウオーターについてです。
 日本では本当に、まずお聞きしたいことは、これは農水省の方から数値が出てくると思うんですけれども、日本でどのくらいのミネラルウオーターが、例えば一年あるいは毎日飲まれているか、消費されているか。もしその中で分かっていたら、御存じのように、輸入されている、フランスからとかも水が運ばれてそれも日本人は飲んでいるということです。私は個人的には、日本にもおいしい水がありますからこれを輸入しなくてもいいんじゃないかと私は考えていますけれども、これまでたくさん私たちは輸入されたミネラルウオーターも飲みますけれども、日本でも国産のミネラルウオーターもありますけれども、まずこの数値を、どのくらいこれは日本で飲まれているか、分かっている範囲でちょっとお願いしたいんです。
#75
○政府参考人(平尾豊徳君) お答え申し上げます。
 我が国のミネラルウオーターの消費量でございます。これ消費量自体の統計は実はございませんけれども、民間団体が関連の会社に調査をした統計がございます、生産量でございます。これ、平成二十年の生産量が国産でございますと二百二万キロリットルでございます。一方、輸入でございますけれども、これはフランス等から輸入されておりまして、平成二十年、これが五十万キロリットルでございます。
#76
○ツルネンマルテイ君 いずれにしても、かなりの数でかなりの量で私たちは毎日のように飲んでいるということはあります。
 そこで、当然、私たちはなぜこういう状況になったかということは考えなければならない。なぜ水道水を多くの日本人は飲まないのかということですね。もちろんこれは推定かもしれませんけれども。これを厚生労働省の方ではどういうふうに考えているんでしょうか、なぜ水道水を飲まない人が多いかということ。
#77
○政府参考人(中尾昭弘君) お答えいたします。
 日本の水道水は安全で質の高いものでございますけれども、水道水の飲用に関しまして、内閣府の水に関する世論調査、あるいは東京都水道局の行ったアンケートを見ますと、水道水をそのまま飲用していると回答した人の割合というのはいずれも三ないし四割程度にとどまっているのが現状でございます。
 現在、水道水の安全性、品質は高いものとなっておりますが、消費者側の受け止め方といたしましては、東京都のアンケートに基づきますと、水道水を飲み水として不満だと思う理由といたしまして、水道水がおいしくないことが第一に挙げられております。続きまして、安全性への不安というものが挙げられておりまして、これら二つのものが水道水を飲まないことの主な要因となっているものと考えております。
#78
○ツルネンマルテイ君 もちろん、こういうふうに消費者の方から、少なくとも今までのイメージは、例えばこの東京では蛇口からそのまま、生のままで飲む人は割合に少ないということ、私もそのまま飲んでいません。しかし、それについて後でちょっと触れますけれども。
 ここで私は、この水道水をもしこれは本当に安全が、政府の方ではこれはもう安全であるということを自信があるのなら、これを政策として、対策として、もっと飲めるようにするにはどうしたらいいかということで、私は、たまたま先週の十二日には朝日新聞には非常におもしろい記事がありました。タイトルは「水道水ボトル続々商品化」という記事があります。皆さんも知っていると思いますけれども、これによると、地方自治体の中で五十以上の自治体が水道水から、それをボトリングして、ミネラルウオーターと同じようにそれを販売しているということですね。これは、例えばそのトップは、皆様も知っていると思いますけれども、私は神奈川県ですから、「はまっ子どうし」という水があるんですね。
 これは、「はまっ子どうし」のホームページを見ると、何と今まで五百万本は売れているんですね。五百tのは普通のミネラルウオーターと大体同じ値段で、百二十円の値段で売られていますね。この「はまっ子どうし」、「どうし」というのは道志川というのがあるんですね、山梨県から神奈川県に入っている川ですけれども。それの水源はもちろん水道水の、横浜の水道水にも同じ水源が使われているんですね。そこをこういうふうにボトルに入れて、それでこれをおいしい水と売っているということですね。この記事では、一年間で百九十三万本は売られているということ。これ、ほかのところも、「東京水」も同じように、普通の自動販売機では売られていないですけれども、できているということですね。
 だから、ここで素朴な疑問というのは、これも同じ水源から作られているものですから、だから蛇口からそのまま飲んでいてもどこが違うかなということ。あるいは、こんなにこれはおいしいというのがあるのなら、このミネラルウオーターとの違いはどこにあるかということ。これもちょっと私ははっきり、水源は同じとしていても、かなりそれを新しい技術で、私は余り分かりませんけれども、塩素消毒の後、それを抜いてということもあり得るでしょうけれども。
 このような水道水のボトルというのは、今はこんなに増えているということをどう考えているか、あるいはほかにも、この対策として水道水をもっと飲みましょうということはあるんでしょうか。お願いします。
#79
○政府参考人(中尾昭弘君) 現在の水道水につきましては、その品質大変良くなっておりまして、この水道をより飲んでいただきたいということを我々としても考えております。しかしながら、消費者の方々におかれましては、そのおいしさなり安全の面で不満の声もあるというような状況は先ほど申したとおりでございます。
 それで現在、安全でおいしい水を安定的に供給するため、各水道事業者におきましては、必要な施設の整備と維持管理、水質管理の徹底、さらに水質検査結果の公開など総合的な取組を進めておりまして、水道の水質基準の達成率というものはここ数年間九九・九%以上達成をしておるという状況にございます。
 しかしながら、かつて、二十年ぐらい前でございますけれども、水道の水がカビ臭いというような苦情がございまして、水道水をそのまま飲まないというような声が高まりました。このため、各地の水道事業者におきましては、オゾン処理や活性炭などの高度浄水処理の技術導入を進めておりまして、この結果、水道水は安全性のみならずおいしさの面でも向上しているわけでございます。
 水が臭いなどの苦情を訴えた方々というのは、平成二年には年間延べ人数で二千万人以上ございましたけれども、平成十九年度の数字ではこれが百七十万人程度、十分の一以下に下がっております。
 委員御指摘のように、おいしい水道水の供給に取り組む自治体におきましては、ペットボトルに詰めた水道水を配布、販売するなど、水道水のおいしさを広く知ってもらうためのPRに取り組んでいるというようなことが各地で行われておるところでございます。
 それからさらに、高層建築物の場合におきましては、貯水槽、これの管理を適切にいたしませんと水質が悪化するという場合がございます。そこで、厚生労働省におきましては、貯水槽の設置者において適切な維持管理がなされるよう対策を行うとともに、この貯水槽を介さずに水道水を直接蛇口に送る直結給水方式というのがございまして、これの普及も推進しているところでございます。
 なお、これら個々の取組に加えまして、新たに厚生労働省といたしましては、WHOの提唱する水安全計画を国内に普及定着させまして、水源から給水栓に至るすべての段階における危害管理を徹底させることにより、より一層の水道水の安全確保を図ってまいりたいと考えております。
#80
○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。
 この記事にもよりますと、この目的は、何で水道水をボトルに入れるかということ、やはりこれは水道水も安全であるということの一つの対策というふうには書いてありますけれども、そうなればいいと思います。
 もう時間が迫っていますけれども、一つの質問は、今度は、かといって、私も含めて私たちは蛇口からそのままやはり東京の水も飲まない。それで、私たちは、例えばいろんなメーカーが今は蛇口あるいはその元にはこの浄化装置というのを入れています。私たちも三十万円ぐらい掛けてそれを入れましたから。そのままでは、それを使うところは非常にミネラルウオーターと同じくらいおいしいものになるんですね。これを値段から考えれば、毎日ミネラルウオーターを飲むと私と家内でも二年間ぐらいでこれは戻ってくるんだから、投資ですから、決して高くないんですけれども、しかし、こういうのはかなり、いつかの農林水産大臣のときにもこれは問題になったということも記憶にありますけれども。
 これを政府の関係者では、こういう三十万円も四十万円も払ってそれで安全な水を飲みたい、ミネラルウオーターじゃなくて。こういう動きをどういうふうに考えてますか。もう時間がないですから簡潔にこれに対して、お願いします。
#81
○政府参考人(中尾昭弘君) 浄水器でございますけれども、近年年間四百万台程度出荷されておりまして、アンケートによりますと浄水器を通して水を飲んでいるという方の割合は三割ないし四割台ということで、少なくない状況にあると思っております。
 このことにつきましては、やはり先ほどから申し上げておりますように水道水のおいしさへの不満や安全性への不安ということもあると思っておりますので、今後は各地の水道事業者とも連携をいたしまして、一層の水道水質の向上やPRなどに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#82
○ツルネンマルテイ君 私の時間が三十三分までですから、まだちょっと聞きますから。
 ここで、同じように今度はこの日本の水問題に、今取り上げている問題については環境大臣の所見を簡潔にお願いします。
#83
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今日は、この質疑を通して水の大切さというのを本当に勉強させていただきました。ありがとうございました。
 私も、東京と地元の広島、両方とも浄水器を付けて水道水を飲んでおります。また、この水も水道水だというふうに聞いておりまして、毎日水道水を飲んでいるわけでございますけれども、まさに水は我々の命の源でございます。環境省としても、全力を挙げてこの日本の水、そして水道水、これは厚生労働省と一緒に協力をしなくてはいけないと思いますけれども、水道水が飲めるように、外国から輸入しなくても飲めるように努力をしていきたいと思っております。また、そのためにも、水の源である、きれいな水の源である森林政策についてもしっかり取り組まなくてはいけない、このように決意しているところでございます。
#84
○ツルネンマルテイ君 水問題と関係なくもう一つの、最後に、ちょうど十五番目の質問を用意しましたから、これにも簡潔には答弁が間に合うと思いますから、これは水の問題、直接ではないんですね。
 これは農薬による環境汚染の防止対策について、非常に面白いというか、私から見ればおかしな基準があります。その基準によりますと、農薬の土壌残留にかかわる基準の中ではこういう言葉が書いています。人畜に被害が生じないように、人間と家畜ですね、となっています。
 この中で、この基準だけですけれども、なぜこの中では土壌の生物が含まれていないかということ。だから、人間と家畜だけは安全ならそれでいいんですけれども、もちろんこれは土壌の生物にとっても危ないということがありますから、なぜこれは土壌生物が含まれていないか、これを最後にお願いします。
#85
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のとおり、農薬取締法に基づきますところの土壌残留に係る基準、これにつきましては、農薬を使用した作物を収穫した後に、そこに残った土壌に次の作物を植えた場合に、その作物に農薬が移行して、その作物を食べることによって、人の健康の被害を防止すると、こういった観点からこの基準を定めております。
 この基準の中で土壌生物への影響というのは御指摘のとおり考慮しておらないわけでございますが、その理由としましては、土壌生物への影響そのものが人の健康に直接影響しないとか、あるいは周辺の公共用水域等への影響もなかなか考えにくいと、こういったことから現段階では考慮をしておりません。また、土壌中には極めて多種多様な生物が生息しておりまして、農薬の影響をどういうふうに評価するということは大変難しい問題があるということでございます。
 しかしながら、先生御指摘のように、土壌中の微生物というのは、特に最近、生物多様性の確保といった観点からも非常に重要な課題になってきているというふうに我々考えてきております。そのため、農薬と土壌微生物を含めた生物多様性との関係について、来年度からも新たな予算も確保して十分調査研究を強めてまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#86
○ツルネンマルテイ君 お願いします。
 以上です。
#87
○松山政司君 自由民主党の松山政司でございます。
 今日は、与党のトップバッターとして、大臣の所信に対して質問をさせていただきたいと思います。
 百年に一度と言われる未曾有の経済危機が世界経済を直撃いたしております。欧米諸国に比べてサブプライムローンによる金融面での傷は比較的浅いとも言われていた我が国でありますけれども、二〇〇八年十月―十二月期のGDP成長率は前期比マイナス三・二%、また年率ではマイナス一二・一%になるといったかつてない景気の急降下に直面をいたしております。
 こうした世界的な経済危機の中で、環境に対する大胆な先行投資を景気対策の中核に据えるいわゆるグリーンニューディールの取組が世界各国で始まっています。
 一月に就任したオバマ米国大統領も、景気回復の切り札の一つといたしまして大胆な環境・エネルギー政策を掲げて、今後十年でクリーンエネルギーに千五百億ドルを投資して五百万人の新規雇用を図っていくと。そして、再生可能エネルギー由来の電力の割合、これを二〇二五年までに二五%にする。そして、二〇一五年までには百万台のプラグインハイブリッド自動車を導入をするといった大胆で具体的な目標を公表いたしました。
 もちろん、我が国も決して米国に後れを取っているわけではありません。米国の環境・エネルギー分野での取組の多くは、既に我が国が先行して進めてきた分野であります。二度のオイルショックなどを乗り越えて培ってきた我が国の省エネ・環境技術は世界トップの水準にあると思います。
 オバマ大統領も、一月十六日のオハイオ州の演説で、日本とドイツ、スペインはアメリカの先を進んでおると、米国はこれらの国を見習うべきであるというふうに発言をいたしております。だからといって、我が国はこれまでの取組の手を緩めてよいということではありませんで、むしろ、米国よりも更に大胆に思い切った取組を進めて、世界最先端の省エネ・環境立国の地位を不動のものとすべく、モデルとなるような新しい経済社会の在り方を提示をして世界に貢献していくべきだと思います。
 深刻な不況の真っただ中であるからこそ、あえて短期的にはコストアップ要因になる場合も少なくない環境への取組を官民が一体となって積極的に推し進めて雇用を創出していくことが、世界で最初に我が国が不況を脱する大きなてこになるものとも考えます。
 そこで、斉藤大臣にお伺いをしたいと存じます。
 先般大臣は、いわゆる日本版グリーンニューディール構想を実行に移すために、緑の経済と社会の変革を取りまとめることを提案をされました。我が党におきましても、現在様々な議論を深めているところですが、当委員会の委員でもあります川口先生が座長になられまして、再生可能エネルギー供給拡大PTにて議論をかなり詰めているところですが、例えば、すべての小中学校において太陽光発電のパネルを設置をするでありますとか、省エネ家電の買換えを促進する、環境に優しい融資を拡大していく、こういった大胆な環境政策のパッケージを提示をして、新たな需要と雇用の創出にもつながるいわゆる低炭素社会の実現に全力を挙げるべきだと考えます。
 そこで、今後具体的にどのように取り組んでいかれるか、大臣にお伺いしたいと存じます。
#88
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 認識は私も松山委員と全く同感でございまして、アメリカもオバマ大統領がグリーンジョブという形で、先ほどお話がありましたような形で提案されております。韓国に行きますと、李明博大統領が、ここはグリーングロースという言葉を使っておりますが、環境政策で韓国の景気を回復させていくんだと。中国に行きますと、至るところに緑色新政という標語が張ってあります。緑色の新しい政治、環境問題を克服し、そしてその環境分野で中国の経済成長を図っていく、このような方向を出しておりますし、ヨーロッパの各国を始めそういう方向です。
 そういう中で、日本も決してこれまで何も提案してこなかったわけではないんですけれども、各国が、そのトップがリーダーシップを持って進めている、日本も負けてはいけないということで総理から御指示をいただきまして、緑の経済と社会の変革構想を今まとめているところでございます。今、いろいろな有識者の方からお話を伺い、また、インターネットで国民の皆様から御意見を伺ったところ、八百件以上の提案がございました。今それを取りまとめているところでございます。
 気候変動問題だけではなく、低炭素社会をつくるという問題だけではなく、自然共生また循環型社会と、こういう社会をつくっていくために、新たな需要を生み出し、雇用を生み出し景気を回復していくのにどんなものがあるだろうかという観点で今鋭意取りまとめているところでございまして、三月いっぱいをめどにこれを打ち出したいと、このように考えております。また御指導をいただきたいと、このように思っているところでございます。
#89
○松山政司君 ありがとうございました。是非、大胆に政策を推し進めていただきたいと存じます。
 次に、吉野副大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 本年は、京都議定書に続く次期枠組みの合意を目指すCOP15が開催される重要な年であります。地球温暖化対策の国際交渉はいよいよこれからが正念場を迎えるところで、まさに日本の環境力、外交力が問われていると思います。
 特に、世界最大の排出国であります米国が、オバマ政権の誕生で、交渉に積極的に加わる姿勢を示しております。それだけに国際交渉の進展が期待をされるふうに予想しますけれども、この主要排出国が参加する次期枠組みの構築に向けて、今後我が国として次期枠組み交渉の妥結に向けてどのようなリーダーシップを発揮していくのか、吉野副大臣に御見解をお伺いしたいと思います。
#90
○副大臣(吉野正芳君) 松山委員おっしゃるとおりでございまして、まさに今年の十二月からCOP15コペンハーゲン会議が開かれます。
 まず、そこで一番大事なのは、アメリカ、中国、インドなどの主要排出国をどう参加をさせていくかということだと思います。昨年、洞爺湖サミットにおいて、二〇五〇年、温暖化ガスを半減しようという約束をすることができました。これも、この長期目標を全世界で共有できるような、そういうことを我が国は言っていかねばならない、そう思います。
 もう一方、途上国の参加、これも不可欠でございます。日本の持っている技術等々、途上国の参加のしやすい、そういう経験を生かして途上国の参加を促していく、これも日本のリーダーシップの在り方に懸かっていると思います。
 さらに、アメリカのオバマ政権での閣僚級、またEUの閣僚級との会談でも、斉藤大臣、会談をいたしまして、合意を確認をしているところでございます。
 我が国は先進国の一員として率先して次期枠組みづくりに貢献して、COP15でのリーダーシップを発揮していく決意でございますので、御理解をいただきたいと思います。
#91
○松山政司君 ありがとうございました。
 次に、アジアにおける環境協力、大臣の所信にもございましたコベネフィットアプローチという観点から、古川大臣政務官にお伺いをさせていただきたいと存じます。
 経済発展の著しいアジア地域では、環境汚染や温室効果ガスの排出増加などが深刻化をしています。特に、越境汚染などの被害も懸念をされているところでございます。
 実は私は、平成十六年に、中国の貴州省にある貴陽市にODA事業の視察をしてまいりました。この貴陽市の市街地は盆地になっておりまして、中心部に製鉄工場、また、すぐ周辺には石炭火力発電所などがあります。かつては青空を見る日がないというような日々が続いておりまして、酸性雨の町というような不名誉なレッテルも張られていた地域であります。それが、我が国のODA事業の成果で工場からのばい煙がなくなりまして、青空の日々を取り戻して、私が行ったときには既に公園や花市場や、すばらしい環境になっていたわけでございます。
 昨年、アフリカへも矢野団長の下で随分回ってまいりましたが、我が国の大変大きな貢献を目の当たりにして、様々な技術的な革新もしてきたところであります。
 特に、公害を克服してきた経験を有する我が国でありますので、途上国におけるこのような環境汚染に対して、より以上に人的あるいは技術的に支援が可能であるというふうに考えます。特に、環境汚染の最大の原因は、やはり旧式の設備だというふうに思います。我が国の環境省エネ技術を用いれば、途上国の暮らしを大変今困らせている、先ほど水のお話もございました、環境汚染対策と、そして温室効果ガスの削減を同時に実現ができるはずであります。
 こうした支援は、中国、インドといった排出量が急増している地域をこのポスト京都議定書の枠組みに取り込むためにも非常に有効だというふうに考えます。環境省として今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと存じます。
#92
○大臣政務官(古川禎久君) アジア地域に対しまして我が国が積極的に環境協力を行うべきであるという先生の御意見は、誠にそのとおりだというふうに思っております。昨年六月、環境省ではクリーンアジア・イニシアティブというものを取りまとめまして、来年度より様々なプロジェクトをアジア地域で実施するということにしております。
 我が国は戦後の経済成長の中で、いわゆる公害問題、環境汚染という大変な課題をしょい込む時期がございました。その後、現在では地球規模での低炭素という新たな命題にも直面しておるわけですけれども、特にアジア等の途上国におきましては、環境汚染とそれから低炭素化という命題、この二つの課題が同時に今そういう問題を迎えておるわけでございまして、そういう意味からおきましても、先生御指摘ありましたように、コベネフィットアプローチ、要するに環境汚染対策と温暖化対策を同時に推進すると、このような手法をもって環境協力をするということが極めて大事だというふうに考えております。
 貴州省の例を引いていただきましたけれども、平成十九年十二月には中国、インドネシアと我が国の大臣の間でこのコベネフィットアプローチにかかわる取決めをいたしまして、現在具体的な協力を進めておるところでございます。
 中国におきましては、四川省の工業都市でありますパンジホア市をモデル都市として選定いたしまして、大気汚染の改善と温室効果ガス削減を同時に実現するモデルプロジェクトの実施に向けた調査、これを中国環境保護部とともに実施をいたしております。
 また、コベネフィットを実現するCDMプロジェクトを支援するために、コベネフィットCDMモデル事業としまして、マレーシアの廃棄物処理場の環境改善と温室効果ガスの排出削減を同時に実現するプロジェクト、そして、タイにおきまして、エタノール工場からの排水浄化とメタン排出抑制を同時に行うプロジェクトの実施に着手をしたところでございます。
 このように、今後ともコベネフィットアプローチという観点を非常に重視しながらこれらの地域への協力を強く進めてまいりたいと思います。そういうことを通じまして、ポスト京都、新たな枠組みに中国やインドをしっかり参加をしていただくように、我が国としてもしっかり取り組んでまいりたいと、このように思っております。
#93
○松山政司君 ありがとうございました。
 次に、我が国は温室効果ガス観測のための衛星「いぶき」を今年の一月に打ち上げに成功いたしました。この内容については、大変画期的なことであるんですけれども、余りPRもできていないというふうに私も理解をいたしておりますし、戦略的にもより活用すべきだというふうに思っております。
 それで、斉藤大臣は大変宇宙工学に造詣が深いというふうにお伺いをいたしておりますので、あえて大臣にお答えいただきたいと思いますけれども、この「いぶき」ですが、主要な温室効果ガスである二酸化炭素とメタンの濃度を地球のほぼ全域にわたって専門的に観測する世界初の衛星ということです。観測地点も現在の二百八十か所から五万六千か所に飛躍的に増加する、そしてIPCCの報告書等で明らかになっているこの温室効果ガスの濃度の上昇を世界規模で観測をすることができるということであります。
 気候変動問題に対する我が国が国際的にリーダーシップを発揮する非常にいい事例だと思います。この「いぶき」を利用して世界の温室効果ガスの観測にこれからどのように貢献をされていくのか、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
#94
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 「いぶき」が打ち上がりまして、今観測のための準備作業を宇宙、地球をぐるぐる回りながら行っているところでございます。
 これはIPCC、世界の科学者の集まりが二酸化炭素濃度が上昇していると、このようにこれまで二百八十点の観測結果から結論付けているところでございますけれども、これを五万六千点に増やすということで、画期的でございます。
 私も先日、麻生総理についてダボス会議に行きまして、その会議におきましてこの「いぶき」の紹介を世界の方々にさせていただいたところでございますけれども、おおっという声が上がりました。実はアメリカもこれと同じ性能の衛星を打ち上げて、日本とアメリカで共同してこのデータを世界に提供しようということだったんですが、大変残念なことにアメリカの打ち上げは失敗をしてしまいました。したがって、今後数年間にわたって緻密なデータを提供し続けるのはこの日本の「いぶき」だけということでございまして、日本の国際貢献また責任の重大さを感じているところでございます。
 この「いぶき」の観測成果については国立環境研究所より国際的に無償提供するということ、それからデータを利用した研究を今国際公募しておりまして、採択された研究者にはデータを一般より早く利用できるように提供したいと、このような形で国際発信をしていくこととしております。
 また、この観測結果から、これまでは地球全体のことを平均してしか言えなかったんですが、例えばシベリアのここからはメタンがたくさん出ているよとか、アマゾン川の流域の熱帯雨林の減少がその地域の二酸化炭素の量にどう影響しているかという具体的な科学的なデータも提供できるようになるということで、私は、より緻密な温暖化対策を取ることにつながるのではないか、また対策を打ち立てていくのにつながるのではないかと、このように期待をしているところでございます。
 JAXAまた文部科学省とよく連携を取りながら、このデータの有効活用に向けて頑張っていきたいと思っております。
#95
○松山政司君 ありがとうございました。
 次に、循環型社会の推進に向けて大臣の所信に御所見がございました。その一環として、過去に法整備をされました容器包装のリサイクルについてお伺いをさせていただきます。
 容器包装プラスチックは家庭から排出されるごみの重量の約二割、容積では約六割を占めております。その減量化を図るとともに、プラスチックを再びプラスチック製品として利用するといった資源の有効利用を進めることが重要であります。こうした再商品化を担うリサイクル事業は、循環型社会の構築に資する役割を果たしているのはもちろんでございますが、この深刻な不況下においても地域の雇用の確保に大きな貢献をしているというふうに思います。
 しかしながら、リサイクルを考慮した製品設計が進んでいないこと等によってリサイクル製品の品質、売価が上昇していないことや、毎年ルールが変わる不安定な制度によりまして、この産業における中小企業の経営状況はかなり厳しさを増していると聞いています。
 地域経済の発展の観点からも、こうしたリサイクル事業が健全な経営基盤を維持をして推進されていくことができる環境を整備すべきだと考えます。政府としてどのような対策を講じていくのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#96
○政府参考人(谷津龍太郎君) お答え申し上げます。
 容器包装リサイクル法に基づきますプラスチック製の容器包装のリサイクルでございますけれども、具体的に容器包装をどういう形で再商品化、リサイクルするかという点でございますが、廃プラスチックからプラスチックの原材料を再生する材料リサイクル、また廃プラスチックを高炉還元剤などに用いるケミカルリサイクル、大きく二つの手法が使われているわけでございます。
 この中で、先生御指摘の中小の業者さんということになりますと、材料リサイクルを手掛けている業者の方々が全国各地で今この容器包装のリサイクルに取り組んでおられるということでございます。
 このリサイクル手法に基づきまして、今、容器包装リサイクル協会が各市町村から集められました容器包装のリサイクルを扱っておるわけでございますけれども、この協会が入札によってリサイクルを行う業者を決定しているというのが今のやり方でございます。
 この入札制度の在り方でございますが、平成十九年六月に私どもの中央環境審議会、それと経産省の産業構造審議会、これの合同会合において一定の取りまとめが行われまして、その結果に基づきまして、様々な再商品化手法が今使われているわけでございますけれども、そのバランスの取れた組合せの確保が必要だという結論をいただいております。その際、プラスチック製品の原材料を代替するような品質の高いリサイクル製品が得られるように、塩素でございますとか水分などの品質基準を満たす高品質なリサイクルが行われる場合には材料リサイクル手法を優先的に扱おうと、こんな原則で今取り組んでおるところでございます。
 プラスチック製容器包装のリサイクルにつきましては、先生の御指摘を踏まえ、私どもとしてはリサイクル事業者が健全な経営基盤を確保できますようになお一層の取組が必要と考えているところでございます。その際、安定的なリサイクル体制を確保していくことが重要ということは論をまたないわけでございます。このため、多様な再商品化手法のバランスの取れた組合せが今後どういう形なら引き続き確保していけるのかという点につきまして、経産省とも連携を図りながら審議会などの場において新たな方策について更に検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
#97
○松山政司君 ありがとうございます。
 是非、本件を取り上げましたが、本件のみならず、近年やはりこの環境というテーマ、政府の方針でもあり全世界の大きな課題でありますが、このテーマに多くの方々が新規分野のビジネスとしてチャレンジをされております、また懸命に努力をしていますが。しかし、この新規分野のビジネスとしては成功に向けてなかなか厳しい現実があるのも事実であります。
 日本版グリーンニューディール構想を実行に移すために大臣が提案されました緑の経済と社会の変革、この方針も、大手企業の取組は重要なことでありますけれども、我が国の雇用の七割を担っているのが中小企業あるいは小規模事業者でありますので、やはり彼らが明日への夢と希望を持って経営に携われるような、そのことを十分意識をしていただき配慮ある政策を推進していただくことが景気対策の成果と日本の元気につながっていくと思いますので、是非ともそのような御配慮を今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 時間を残しますが、最後の質問にさせていただきたいと思います。
 我が国に大量に流れ着いている漂流・漂着物についてお伺いをしたいと思います。
 今年の一月五日ごろでありますが、島根県の益田市の海岸に二十リットル程度の廃ポリタンク約八十個が漂着していることが発見されました。それ以降、一か月の間に沖縄から北海道までに一万個を超える廃ポリタンクが流れ着きました。私の地元の福岡にも七百個を超えるポリタンクが流れ着いたと聞いております。ポリタンクに限らず、我が国の沿岸部には国内外から多数の漂流・漂着物が流れ着いて、地方自治体がその処理に大変苦労をしているというふうに聞いております。
 さきに成立をしました平成二十年度の二次補正予算においては、約三億円の予算を計上して十三県二十五海岸において漂流・漂着ごみの処理を実施することになりました。このことは大変高く評価したいと思います。
 自民党におきましても、現在、漂流・漂着ごみ対策について検討を具体的に開始したところでございますけれども、今後政府としてどのような対応をしていくのか。大変地方自治体の財政状況厳しい中であります。こうした漂流・漂着物の処理は国が責任を持って行っていくべきではないかと考えますが、政府の御見解をお伺いしたいと思います。
#98
○政府参考人(寺田達志君) 御指摘のとおり、近年、漂流・漂着ごみによる環境、景観の悪化、船舶の安全航行や漁業への被害等の深刻化が指摘されております。特に、御質問にもございました廃ポリタンクを始めとした外国由来のごみが大量に集積している海岸等では地方公共団体が漂着ごみの処理に大変苦慮しているというふうに認識をしております。
 このため、環境省では平成十九年度より、七県十一海岸のモデル地域におきまして、漂流・漂着ゴミ国内削減方策モデル調査を実施いたしまして、漂流・漂着ごみの実態の把握、効果的な回収・処理方法の確立、地域の関係者などによります対策の在り方の検討などを進めてまいりました。また、海岸保全区域以外に漂着したごみを市町村が処理する場合、その費用に対し支援も行ってまいりました。
 これらの取組につきましてでございますけれども、平成二十一年度においても引き続きこのような取組を進めていくため、必要な経費を予算案に計上しているところでございます。
 また、お褒めにあずかりましたけれども、平成二十年度第二次補正予算による漂流・漂着ゴミ対策重点海岸クリーンアップ事業を実施いたしまして、十三県二十五か所の外国由来のごみが大量に集積している海岸等において、国が緊急的にクリーンアップを行うこととしております。
 また一方で、外国由来の漂流・漂着ごみの発生の抑制の観点でございます。これにつきまして、環境省は、外務省と連携をいたしまして関係国と様々な協力を進めております。
 多国間の枠組みといたしましては、日中韓三か国環境大臣会合、あるいは日本、中国、韓国及びロシアから構成されております北西太平洋地域海行動計画、NOWPAPと称しております。こうした枠組みを活用いたしまして、関係国との協力強化を進めております。
 また、二国間の協力といたしましては、廃ポリタンクの大量漂着事案等につきまして、関係国に対して原因究明及び対策実施の要請を行ってきております。先月には韓国釜山におきまして地方公共団体や専門家等も交えまして実務協議を開催し、日韓両国が問題の解決に向けて一層積極的に協力していくことを確認しております。
 今後も引き続き、国の責務として関係国との協力の強化に努めてまいりたいと考えております。また、今後さらに、国、地方公共団体、地域住民等が連携をしながら、漂流・漂着ごみ対策を着実に進めてまいりたいと考えております。
#99
○松山政司君 ありがとうございました。
 終わります。
#100
○委員長(有村治子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#101
○委員長(有村治子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。
 質疑のおありになる方は順次御発言を願います。
#102
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございますが、大臣所信に対する質疑をさせていただきたいと思います。
 まず第一点目は、地球環境税の関係でございますが、いわゆるミレニアム宣言ということで、MDGsという、いわゆるミレニアム宣言という中で、途上国のいわゆる貧困の問題等を解決しなければいけない、しかし、なかなか資金のめどが付かないと、目標達成が極めて厳しい状況になってきているということで、そういった意味では革新的な資金メカニズムに基づく新たな資金の手だてをしっかりと考えていかなければいけないと、そういうことが一つございます。また一方で、国際連帯税についても極めて関心が高くて、この議員連盟もつくられて、かつまたリーディンググループに日本が参加するという方向になってきているところでございます。
 それで、三月末を目指して、昨年の六月でありますけれども、公明党はこの関係について申入れを行いまして、地球環境税ということについてもしっかりと議論をし、検討をして的確な対応を取るようにという、そういう申入れを行いました。その後に福田ビジョンが発表されておりますが、その中でもこの地球環境税についても触れているところが当然ございます。
 三月末目指してという話でございますが、せんだってもこの内容について報道がされていたところでございます。内容について、概要でよろしいと思いますけれども、それと、この関係についての課題ですね、こういうことについてまず説明をいただきたいと思います。
#103
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 地球環境税につきましては、昨年七月に閣議決定いたしました低炭素社会づくり行動計画におきまして、先進国が中心となり、革新技術の開発や途上国の支援を共同して実施するための財源につきまして、国際社会が連携した地球環境税の在り方について、これまでの国際機関等での議論や様々な課題を含め研究し、二〇〇八年度末を目途に一定の研究の成果を公表するとされたところでございます。これを受けまして、環境省では外部有識者による研究会を設置いたしまして、昨年九月から研究を行ってまいりました。
 現在、報告書の詳細な内容について最終的な調整を行っているところでありますけれども、今般の研究の内容といたしましては、様々な数多い提案、研究などから、例えば炭素税型とか排出量取引制度からの調達型とか、幾つかの類型に財源調達の手法を分けまして、それぞれの類型ごとに留意すべき点等につきまして多角的な評価、検討を行ったところであります。
 近日中に、本年度末を目途に発表ということでございますので、御報告ができようかと思っております。
#104
○加藤修一君 様々な議論がされたと思いますけれども、例えば、フランスでも航空チケットに一定の課税をして、それを発展途上国に使っていると、あるいはイギリスも医療関係に使っているという話でございますけれども、こういうことに対しての認識、評価ということはどういうふうに結論付けたんでしょうか。
#105
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のありましたフランスの航空機のチケットに一定の額上乗せをするというものについては、輸送課税・負担金付加型というような類型に入るとして整理されております。ただ、この例えば航空機あるいは海運におけるバンカーオイルに課税をするというのは、言ってみますれば、これは国際航空あるいは国際海運が京都議定書上の義務のらち外に置かれているということに着目いたしまして、それに課税をすると、こういうものでございますので、一般的な技術開発や途上国支援全般にこれを適用するにはちょっと整合性に欠ける面があるのではないかというような御議論も行われたところと承知しております。
#106
○加藤修一君 それで、これを国内及び国際間で導入とかそういう方向性が検討されてしかるべきなんですけれども、今後この成果を基にして、検討して成果を出すということは、それはそれで非常に大事なことで敬意を表したいと思っておりますけれども、問題はやはりこれに基づいてどういう展開を国内的にも国際的にも考えようとしているのか。環境省だけでなくして、やはり関係省庁とどういう形で連携してやっていくかということも含めて、今後の展開について具体的に教えていただきたいと思います。
#107
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 年末にはCOP15で次期枠組みの合意をしなくてはなりません。この議論の中で一番大きな議論になるのが途上国への支援、その資金をどうするかということだと思います。今回のこの研究成果、地球環境税などの研究は、まさにその資金をどう生み出すかということでございまして、今回の研究成果を基礎的な材料にして今後検討を進めていきたいと思います。
 それと、今、加藤委員からお話がございました国内の税制ということにつきましては、これは、こういう資金をどう生み出していくかということとは趣旨が違って、二酸化炭素排出抑制と、炭素にお金を、価格を付けることによって抑制を図っていこうということをねらったものでございまして、ある意味で、国内の税制のグリーン化と、それから世界的な途上国援助のお金をどう生み出していくかという問題と、ちょっと立て分けて考えていかなくてはいけないのではないかと思っております。
#108
○加藤修一君 その国際的な展開の件でありますけれども、これはどういう取っかかりというか、そこをどういうふうに見られているかというのは極めて私は重要だなと思っておりますけれども、この辺について、具体的にこういう方向性を考えているとか、あるいは今後さらにこのアウトプットを下敷きにしてこういうことが考えられる等々含めて、その辺のところはどうでしょうか。
#109
○政府参考人(寺田達志君) 実際、既に次期枠組み交渉の中では幾つか途上国援助のための資金調達の案というのも示されております。例えば先般公表されましたEUのコミュニケーションでは、例えば先進国に割り当てられた排出量取引の一定枠から、それを多分オークションのような格好で配分をして、その収益というものを充てるというような、これも極めて野心的な案だと思いますけれども、そんな提案もされております。ただ、実際の問題として、まだ十分なそういった様々な資金調達についての議論が深まっているとは申せない、そういう状況にあると思っております。
 したがいまして、これからまた様々な提案が出てこようかと存じますけれども、そういった提案を日本政府として検討する際に、この研究会の報告というのも一つの検討の重要な材料になるんだろうと、その中で日本政府としてこの問題にどうやって対処していくのかということを議論していくということになろうかと思います。
 ちなみに、この研究会につきましては、環境省のみならず財務省、国土交通省、外務省にも御参加をいただいたところでございます。
#110
○加藤修一君 このテーマは非常にいわゆるホットイシューだと私は思います。日本がどれだけ国際社会の中でこういった面についてもイニシアティブを取るかということは極めて強く求められているところだと思いますので、是非真っ正面から取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それでは次に、子供環境保健ということで、環境省は懸命にこの問題について取り組んできたところにつきましては高く評価しているところでございます。
 現在は、多種多様な化学物質が利用されているわけでありまして、その化学物質が地球規模大に拡散していると。また、従来問題にならないごく微量でも作用するとか、あるいは生殖毒性や神経毒性の問題、あるいは体内に入ってからの蓄積性の問題、生物濃縮の問題等、それから影響が現世代だけじゃなくてやはり二世代、三世代と先に伝わっていく、そういうある意味で因果関係を明確にすることは極めて難しいと、そういうことが言われているわけでありますけれども、とりわけ胎児の関係につきましても、これは以前からもお話し申し上げているわけでありますけれども、へその緒から検出されるダイオキシンやPCBということで、胎児それ自体も羊水の中で有害な化学物質に暴露されていると。
 それから、発達障害児の関係についてもこういう有害な化学物質の影響はあるんではなかろうかというふうに言われておりますし、文部科学省の二〇〇二年か三年だったでしょうかの調査によりますと、発達障害児がいわゆる小学校、中学校合わせて六・三%いらっしゃるということなわけでありまして、お母さん方は大変な心配をこういう面についてはされていると思います。
 特に、胎児の場合は大人と違いましてかなり感受性が高いと。受精後第八週ぐらいまでには臓器とか器官がつくられると、劇的な成長をされるわけですけれども、この時期の胎児、正確には胚子って言われているようでありますけれども、感受性が非常に高く傷つきやすい、窓が開かれているような状態であると。ウインドー状態、ウインドー期というふうに言っているそうでありますけれども、こういう段階で暴露してしまいますと取り返しの付かない重篤な影響を与えることもあり得ると。
 胎児性の水俣病の関係とかサリドマイド薬害等々含めて、かなり胎児に対して影響を与えてきたというふうにも当然言われているわけでありますけれども、こういう関係についてやはり環境リスクをどういうふうに判断してお子さんを、胎児を、そしてさらに乳児等を含めてどうやって守っていくかということで、極めて喫緊の課題にますますなってきていると私は理解しております。
 そういったことから、東京都も数年前から子供の環境ガイドラインの推進ということで、試みとしてやっているわけでありますけれども、この東京都の試み、こういうことに対してどういうふうに環境省は認識しているか、評価しているかと。さらに、東京都がやっている段階でありますから、できるだけこれは東京都に限らず全国に展開すべきことであるだろうと。やはりリスクコミュニケーションを含めて極めて大事な段階でありますので、是非ともこういった面については環境省は真っ正面から取り組んで、いち早くガイドラインに近いもの、あるいはそういったものに類するものについてしっかりと取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、東京都のこのリスクモデルについての見解と、今後環境省としてはこういう関係についてどのように取り組んでいくか、お願いいたします。
#111
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 東京都が化学物質による子供への悪影響を防ぐ観点から、四つの物質、一つが鉛塗料、それから二番目が室内空気、三番目が殺虫剤散布、四番目が食事中の化学物質、こういうものに関して独自のガイドラインを作成されていることは承知をしております。地方自治体による先進的な事例でございまして、地域住民とのリスクコミュニケーションを図る上でも効果的な取組と評価をしております。
 環境省におきましても、子供の脆弱性に着目した環境施策の展開が非常にこれから重要になってくると考えておりまして、そのために必要となる科学的基盤を固めるため、子供の健康に環境中の化学物質が与える影響に関して、これから数万人規模の疫学調査、大規模な疫学調査を実施する計画でございます。その準備を今年度から始めた、予備調査を開始しているところでございます。
 今後、科学的知見の集積に応じて、ガイドラインの策定など、適宜適切な措置を講じてまいりたいと思っております。
 こうした取組は、近年少子化が進む中で、安心、安全な子育て環境の実現のためにもますます重要になってくると考えておりまして、この子供の環境と化学物質の関係について、最重要課題として環境省としても全力で取り組んでいく決意でございます。
#112
○加藤修一君 今大臣の御答弁の中にありましたいわゆる小児等の調査の関係ですね、数万人、私は六万人というふうに伺っているわけでありますけれども、これが約十五年程度にわたって追跡調査をされるということで、その中で様々な因果関係が明確に出されるように、そういうことが最終的な目標であり、かつまたそれに基づいて、お子さんをどう守るかと、具体的な施策展開を行うというふうになっているわけで、そういった意味では私は非常に環境省は積極的に取り組んでいるなと思って高く評価しているところでございます。
 こういう子供の周りの関係含めて、先ほど神経毒性の関係とかあるいは免疫性の関係等々含めて、かなり科学的にも面倒だ、面倒と言うと語弊がありますけれども、複雑なところも当然あるわけでありまして、そういったことについて、やはり一般の市民にも十分理解できるような、そういう機会を多くつくり上げていくということも極めて重要であると思います。
 そういった意味では、サイエンスショップ、こういう試みもオランダで始まって、最近は日本でも展開されるようになってきているわけでありますけれども、このサイエンスショップに対する認識と、今後環境省としてこれについてどう取り組まれようと考えているか、この辺について御見解をお願いいたします。
#113
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 科学技術分野における大学の地域社会への貢献の一環として、地域住民と科学者の間で双方向で情報を交換することや、あるいは市民が研究者と相談、協力して研究調査を行う、このようなサイエンスショップと言われる取組が幾つかの大学で行われていることについては承知をしております。
 私ども環境省としましては、化学物質による環境リスクについて、市民と科学者、あるいは行政や産業界等、これらの間で理解を深めて情報を共有するリスクコミュニケーションが大変重要と考えているところでございます。
 これまでも専門家と市民との連携の具体的な取組としては、市民と専門家、さらには行政や産業界等の代表から成る化学物質と環境円卓会議の開催をしていることや、あるいは市民の身近な化学物質に関する疑問に答える化学物質アドバイザーを勉強会等に派遣することなど、行ってきているところでございます。
 また、研究調査における市民の意向の反映という観点からも、先ほどの子供の健康と環境に関する疫学調査の設計に際しましても、市民の方々から仮説を公募して、それを調査に生かしたいと考えているところでございます。
 今後ともこうした取組を推進、拡充することによりまして、化学物質や環境リスクに関する市民の方々の関心を踏まえまして、化学物質による環境リスクの低減を一層強力に進めていきたいと考えております。
#114
○加藤修一君 よろしくお願いしたいと思います。
 時間がございませんのでちょっと手短に話ししたいと思いますが、次は、ケミレスタウンプロジェクトに対しての認識と今後の展開ということになりますけれども、ケミレスタウンというのは千葉大学にございまして、リーダーとしては森千里先生でございますけれども、私も行っていろいろと教えをいただいたところでございますが、やはり子供環境保健に関して、環境改善型の予防医学、これは非常に大事であると。特に先生は、みんなに知ってもらいたい、関心を持ってもらいたい、それから行動に移してもらいたいと、このようなことで、そういうことを含めて次世代環境健康学プロジェクトを立ち上げた。市民講座やシンポジウム、専門家向けのワークショップ等、勉強会を活発に行っているわけでありますけれども、非常に私はユニークな試みだと思います。
 シックハウス症候群、依然としてこれはまだまだあるわけでありまして、目がちかちかするとかのどが痛いとか熱が出る。確かにこれは、シックハウス症候群の対策は二〇〇三年の改正建築基準法が施行されまして進んだというふうには言われておりますけれども、そういうことがあだになって逆になかなか対策が進んでいないというのが現実だというふうに森先生はおっしゃっているわけでございます。
 原因物質として疑われている百十六の化学物質について現在ケミレスタウンの内外で精密測定を実施しておりまして、その成果を積極的に発信していきたいと、こういうふうに、かなりお子さんの関係については熱心に取り組んでいる先生でございますけれども、こういうケミレスタウンプロジェクトについて、やはり環境省も今まで以上に関心を持っていただき、場合によっては支援をする等々含めて懸命にやっていただきたいと、このように考えておりますけれども、この辺についての御見解をよろしくお願いいたします。
#115
○国務大臣(斉藤鉄夫君) このケミレスタウンプロジェクト、千葉大学におきまして化学物質を低減した戸建てまた集合住宅、そこにシックハウス症候群の方々が居住されて症状の改善状況を見てみる、評価するというプロジェクトで、大変興味深いプロジェクトと思っております。
 環境省としてもこのプロジェクトを支援すべきではないかという御質問でございますが、室内環境を主たる対象としておりますので、環境省として直接支援するということは非常に難しいと考えておりますけれども、実証実験として大変興味深い事例であると認識しております。
 この調査によって得られる知見については、化学物質による環境リスクにかかわる科学的知見として集積して、リスク評価の更なる推進に活用することによって、環境リスクの低減を一層強力に進めていきたいと、このように思っております。
#116
○加藤修一君 よろしくお願いしたいと思います。
 それから、一九九七年にマイアミ・サミット、これがありまして、環境大臣会合というサミットでございましたが、ここで、子供の環境基準というのをやはりしっかりと作り上げていこうというふうにそこで宣言をされているというふうに聞いております。
 もう既に十年を軽く経過しているわけでありますけれども、そういった意味では、それは子供の環境保健の関係でありますけれども、要は、十年過ぎた段階でそれと同じように、やはり私は、子供環境保健の関係の世界の大臣が集まってサミットを開くことも非常に大事だと思っております。日本でやるのもいいし、それからアジア諸国においてやるということも当然考えられるわけでありますけれども、こういうことについて積極的に私は取り上げて懸命に頑張っていただきたいと、このように考えているわけですけれども、どうでしょうか。
#117
○国務大臣(斉藤鉄夫君) ここ二十年、三十年の間で、我が国のみならず世界的に、先天的な異常を持って生まれてくる子供、それから、ぜんそくなどのアレルギー症状を訴える子供、肥満や糖尿など成人病になる子供、精神、神経の面で問題を持つ子供が非常に増えているということは世界的な課題として今認識をされております。将来を担う子供の健康が脅かされているということは世界全体の深刻な問題でありまして、政治レベルでのコミットが必要だという加藤委員の御主張はそのとおりだと思います。
 そういう面で、この四月にイタリアでG8の環境大臣会合がございます。G8とはいえ、主要国、インド、中国、韓国などの国も参加をいたします、十数国、主要国が参加いたします。私はこの場におきまして、気候変動だけではなく、この子供の健康と環境の問題について今後この環境大臣会合で主要なテーマにしていこうということを主張する予定でございまして、先日行われた準備会合でもこのように主張し、大体認められたところでございます。
 こういう場を通して、この子供の環境と健康の問題について世界的なイシューに取り上げていく努力をしてまいりたいと思います。
#118
○加藤修一君 よろしくお願いしたいと思います。
 同じ国際会議でも、これはアスベストの問題でありますけれども、アスベスト関係の法律ができまして、その附帯決議でも、国際会議において様々な対応を考えていくべきだという趣旨の附帯決議があるわけでありますけれども、今までいろいろとお願いを私もさせていただきました。国際会議でどういうふうに、とりわけアジアの諸国におけるアスベストですけれども、まだまだ全面的な禁止になっているわけではなくして、かなり頻繁に使われているという現実がありますので、将来のことが大変懸念されるところでございますが。
 日中韓の国際会議とかASEANプラス3とか東アジア・サミット等々含めて、環境省としてはこういった面についてどういう取上げ方、アジェンダに取り上げたとか、様々な議論がされたと思いますけれども、念のためにお聞きしておきたいと思います。
#119
○政府参考人(白石順一君) 環境省におけるアスベスト問題の国際的取組の状況についてのお尋ねでございます。
 まず、根っこにありますのは、昨年六月に提唱いたしましたクリーンアジア・イニシアティブでございます。これに沿いまして進めるというふうな気持ちでやっておりますが、まず、それを受けまして、昨年の十月にベトナムで開催されました第一回東アジア首脳会議の環境大臣会合、これは残念ながら地球環境審議官の出席でございましたが、我が国のアスベストによる健康被害等の経験や対策の概要を取りまとめました報告書をこの場で配付させていただきまして、それから、我が国の知見、対策技術の共有を図ることによりまして各国を支援していきたいという旨の意見表明をいたしました。
 また、昨年十二月に開催されました中国それから韓国、両国との環境大臣のバイ会談におきましては、斉藤大臣の方から、両国の環境大臣それぞれに今後のアスベスト対策への参考として今申し上げました報告書を手交するとともに、意見交換をした次第でございます。
 直近では、今年の一月に東京におきまして、中国、インドネシア、マレーシア、ベトナムの四か国の実務担当者を招きましてワークショップを開催をいたしました。外務省からも参加をいただいております。残念ながら、直前になりまして韓国が国内でアスベスト問題が大変大きな問題になったということで急遽キャンセルがありまして、以上四か国でございましたけれども、各国から実情のプレゼンテーションがあり、我が国の取組の紹介を行い、意識啓発、意見交換に努めた次第でございます。
 今、加藤委員御説明のように、国によりましてはまだ一部アスベストにつきましては使用が認められているという実態がかなりこのアジアの国にもあるわけでございまして、我が国のいろいろな負の部分も含めました知見、経験の共有を図るところからまず始めなければならないというふうに考えている次第でございます。
#120
○加藤修一君 大臣の所信表明の十一ページでありますけれども、そこに今答弁の中にありましたクリーンアジア・イニシアティブ等の話が展開されておりますが、様々な紹介をした後で、また、アジア地域を中心に技術、規制体系、人材をパッケージにして普及展開すると。これは、当然アスベスト問題についてもやっていく話でありますけれども、技術は当然技術ですが、規制体系、これは法律に類することだと私は理解しておりますけれども、人材を含めて、これをパッケージにして普及展開するというお考えでありますけれども、これは非常に良いお考えだと私は思います。実際はどこまでこのアスベストの関係についてもこの辺のところが進んでいるかどうか、その辺はどうでしょうか。
#121
○国務大臣(斉藤鉄夫君) この人材、技術、法制度等を活用して支援していくということが、各国の状況がそれぞれ違いますので、大変有効だと思っております。各国の状況を踏まえつつ、支援してまいります。
 クリーンアジア・イニシアティブの一環として、アジア諸国におけるアスベスト問題の実態を把握しつつ、我が国の経験や技術を生かした対策の支援を来年度までの三年計画で進めておりまして、来年度はこれまでの成果を踏まえてアジアのいずれかの国でワークショップを行うなど、更に取組を進めていきたいと思っております。
#122
○加藤修一君 確かに国によって状況は違うわけでありますけれども、規制体系というのはこれは極めて重たいテーマだと私は思います。しかし、是非積極的に進めていただきたいことをお願いをいたします。
 それで、外務省にお願いでありますけれども、今後様々な国際会議がアジア、日本を含めてやられるわけでありますけれども、そういった国際会議においてこのアスベストの関係についてはアジェンダとして是非考えていただきたいと思っておりますけれども、この辺についてよろしくお願いいたします。
#123
○政府参考人(宮川眞喜雄君) お答えいたします。
 外務省といたしましても、特にアジア各国におけるアスベスト対策の重要性を深く認識しております。今、環境省の方からも御説明がありましたが、第一回の東アジア・サミットのメンバーによる環境大臣会合など、既に幾つかの国際会議の場で我が国はアスベスト問題を取り上げてきております。
 外務省といたしましても、今後とも同様な機会を見付けて、環境省を始めとする関係各省と協力いたしまして、アスベスト対策の重要性についてアジア各国の認識が深まるように努力していきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。
#124
○加藤修一君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、四十分までが質問時間でございますので全部できないということになりますので、ただ、副大臣には以前も質問を用意しておいてできなかった経緯がございますので、スキップをして副大臣の方に参りたいと思います。
 国内の森林管理の現状と森林認証制度、これはこれからの森林保全、それにかかわる環境保全も含めてで考えてまいりますと、これは持続可能な開発ということが極めて重要な視点になってくると思っております。そういった意味では、森林における環境保全のためのいわゆる森林認証制度、これはやはり懸命に普及させていくべきだと、このように考えておりますけれども、吉野副環境大臣としてはどうお考えでしょうか。
#125
○副大臣(吉野正芳君) IPCC四次報告からも、森林減少による温暖化ガスの効果が二割あるという、こういう大きな発表もされております。そういう中で、森林が吸収をしていくという森林の役割は大きなものがあります。その中で、いわゆる森林認証制度、SGECとかFSCとか等々の国際機関でやっている森林認証制度がございます。我が国も合法木材制度というのをつくりまして、グリーン購入法に合法、森林認証を受けた森林を含んだ大きな意味の合法木材を使えというグリーン購入法も改正をさせていただいたところであります。そういう意味での森林認証という制度を広く進めていきたいと思っております。
#126
○加藤修一君 森林認証の件はそれはそうなんですけれども、合法木材証明ということについては、一つは森林認証された木材、それから二つ目は業者独自の伐採から販売までのトレーサビリティーでの証明、三つ目が業界団体の認定を受けた事業者が証明すると。
 こういう自分たちが物を作っているんだけれども自分たちが証明しているという、ある意味では私は第三者チェックが必要であると思っているところがあるんですけれども、そういうチェックをしっかりと私はすべきだと思いますけれども、これは林野庁、御答弁ください。
#127
○政府参考人(小山信温君) お答えいたします。
 グリーン購入法におけます合法木材の証明につきましては林野庁のガイドラインが定められておりまして、森林認証制度を活用した証明方法のほか、御指摘にありました森林・林業・木材産業関係団体の認定を得て事業者が行う証明方法が例示されているところでございます。
 この関係団体による証明につきましては、それぞれの団体が審査に用いる行動規範や認定基準を設けるわけでありますけれども、これらの規範や基準につきましては、学識経験者や環境NGOなどが入りました、第三者の方が入りました検討委員会の事前審査を受けているところでございます。
 また、関係団体によります証明の信頼性を検証するために、学識経験者や環境NGOの第三者を含みます違法伐採総合対策推進協議会が、これ毎年認定事業者に対しまして分別管理の状況等、適正な証明が行われているか否かにつきまして検証を個別に実施しているところでございます。
 このように、関係団体によります証明につきましても、第三者の関与の下で信頼性の検証をしつつ運営しているところでございます。
#128
○加藤修一君 最後になりますけれども、吉野副大臣にお願いしたいわけですけれども、国内クレジット制度というのがありますけれども、よく最近は木材会社でも乾燥材を作る場合に重油から切り替えてペレットを使う、バークを燃やしているということで、そういった意味では、カーボンニュートラルというそういう木質バイオマスを燃料として使っているという意味ではそこにCO2の削減効果が出てくるわけでありまして、そういうクレジットが生じるということに当然なってくるわけですね。
 それと同時に、今度、地域材を積極的に使う、木材を使うということは、それが家屋に定着するわけでありますから、CO2が、あるいはカーボンが固定されたというふうに考えていいわけですよね。四十年か、場合によっては二百年住宅というのもありますから。
 そういった意味では、どの程度そこに木材が使われているかに当然よるわけでありますけれども、カーボンストック減税、これは吉野さんも懸命にやってきたケースだと私は思っております。私も非常に関心を持って進めてきているわけでありますけれども、まだまだこれは認められていないということでありますけれども、このカーボンストック減税の関係についてはどのようにお考えですか。
#129
○副大臣(吉野正芳君) おっしゃるとおり、木造住宅一軒当たり六トンの炭素を固定するという、平均値でありますけれども、計算がされております。
 昨年の税制改正において、環境省と林野庁と共管でカーボンストック減税という形で申請をしました。実は、京都議定書の考え方は、木材を切ると、切った時点で排出するという、いわゆるもう時間をゼロにしちゃうという、こういう考え方なんです。でも、現実は、木造で四十年、法隆寺は一千四百年も固定しているわけでありますので、京都議定書で排出という、これは京都議定書いいんですけれども、現実の姿はストックをしている。いわゆる木材を使うことで、利用することでそれが山に還元できるという、そういう考え方、山が立派になれば森林吸収源として炭素を固定してくれると、こういう考え方の下で税制改正に上げさせていただきました。
 京都議定書から見ると全くバツなんですけれども、バツという判断は下されなくて、白三角、長期的検討課題という形で検討してくれるということで決着を見ましたので、今年はうまくいきませんでしたけれども、長期的に検討できるという、そういうことでこれからも一生懸命バックアップをしていきたいと思っております。
#130
○加藤修一君 飽くなき挑戦をよろしくお願いしまして、私の質問を終わります。
#131
○市田忠義君 日本共産党の市田です。
 今日は、今大きな問題になっています水俣病問題について質問をいたします。
 私は去年の四月八日にこの問題を質問しました。当時、環境大臣は鴨下さんでしたが、そのときに加害企業である分社化問題についてこういう答弁がありました。救済策を実現し補償を完遂するのが先決だと、加害企業としてのチッソの責任の所在を明確にしておくべきだと、こういうたぐいの答弁をいただきました。この分社化問題は後日改めて質問することにして、今日は水俣病のすべての被害者救済という問題に絞ってお聞きしたいと思います。
 斉藤大臣と水俣病問題について質問をするのは今日が初めてですので、質問に入る前提として、〇四年の最高裁判決、水俣病問題で加害企業チッソと被害の拡大防止を怠った国と熊本県の加害責任を断罪したわけですけれども、歴代環境大臣はこの判決を重く受け止めると、こう答弁してこられました。斉藤大臣も恐らく同じだと思いますが、改めて基本的認識を伺っておきます。
#132
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 私はこの関西訴訟の最高裁判決を厳粛に受け止めております。そして、水俣病を発生させた企業への対応に長期間を要し、その被害の拡大を防止できなかったことについて、国は真摯に反省しなければならないと考えております。
#133
○市田忠義君 では、水俣病の現状について確認しておきたいと思います。
 一つは〇四年の最高裁判決以降の公健法認定申請者の人数、二つ目に新たな損害賠償請求訴訟の原告の人数、三つ目に新保健手帳の交付件数、四つ目に申請者医療事業受給者の人数が現時点でどうなっているか。これは事務方で結構です。
#134
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 まず一つ目、水俣病問題に関連して公健法に基づく認定申請を行っている方は、平成二十一年二月二十八日時点におきまして六千三百十六人。
 それから、二点目でございますが、現在、水俣病問題に関連して環境省に訴状が届いている損害賠償請求訴訟は三件ございまして、その原告総数は、平成二十一年三月三日時点ですが、千六百七十六人。
 三点目、新保健手帳の交付者数でございますが、平成二十一年二月二十八日時点で延べ二万八百四十八人。
 それから、公健法上の認定申請を行った者のうち医療費の支給を受けている方、これは申請者医療受給者の数ですが、これも平成二十一年三月一日時点で五千八百四十五人となっております。
#135
○市田忠義君 昨年の質問から一年たっていないわけですが、公健法認定申請数は三百五十人増えて過去最高の六千三百十六人。新保健手帳交付、これも増え続けて交付件数二万を大きく超えていると。救済、解決を求める患者、被害者のうねりというのは過去に例を見ない広がりを示しているというのはこの数字からも明らかだと思うんです。
 お配りいたしました資料を御覧いただきたいんですけれども、熊本と鹿児島両県の認定申請者、新保健手帳交付者、認定者、それに九五年政治解決時の救済者などの合計は約四万人であります。公健法に基づく指定地域の人口の合計はおよそ十三万人ですから、何とそのうちの三一%が何らかの水俣病の被害者と。熊本県が調査を求めている不知火海沿岸住民四十七万人との対比で見ましても八・五%と。
 大臣に認識をお聞きしたいんですけれども、今、去年質問して以降の変化、それから人口の中で占める比率、こういう被害者の比率と広がりについて、大臣はどのように認識されているでしょうか。──いや、大臣の認識聞いているんですよ。原さんに大臣の認識聞いていません。
#136
○政府参考人(原徳壽君) まず、この事実関係について御説明したいと思いますが、配られました市田委員からの資料でございますが、補償と救済につきましては約四万人ということになっております。ただ、この補償や救済を受けられる方々につきましては、居住地が必ずしもこの地域に限定されているわけではございません。
 また、この水俣病の発生地域の住民約十三万人という数字でございますけれども、いわゆる公健法の指定地域というところ以外でも多発しておりました御所浦町とかそういうところもございまして、そういうところのいわゆる多発をしていた地域の合計数でいきますと、約十八万人程度がいるということになっております。
#137
○市田忠義君 要するに、少ないから大したことないということですね。
#138
○政府参考人(原徳壽君) 私は事実の数字を申し上げただけでございます。
#139
○市田忠義君 今の事実の数字でいいですよ。それに対する認識はどうですか、大臣。増えていると、大変だというふうに認識なのか、大したことないという認識なのか、いかがですか。
#140
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 大したことないというふうな認識は全く持っておりません。
 最高裁の判決を受けて、真に救済されるべき方はもうあとう限り、できる限り救済しなくてはいけない、そういう認識の下で対応していきたいと思っております。
#141
○市田忠義君 居住地が現在別のところへ引っ越している人だとか、そういうことが含まれているというのは私も知っていますよ。しかし、こういう数字の重みをそういう軽さで受け止めているのが問題だと。わざわざ数字の若干の訂正をして、大したことないかのように言うあなたの姿勢が問題だということを一言言っておきたいと。
 私は、改めて現地にちょっと調査にこの間行ってまいりました。それで、様々な声を聞いてきたんですが、例えばこういうことをおっしゃっている方がおられました。親が水俣病ということになれば、子供が結婚できなくなる、嫁に行った先から帰されるといううわさや、地域で魚が売れなくなるという心配もあったと。しかし、年々、しびれやカラス曲がり、耳鳴りがひどくなり、仕事も十分にできなくなり、先々が心配になったと。子供も独立したので申請したと。こういう思いで手を挙げた方がいらっしゃいます。
 昨日、私は水俣病不知火患者会の人たちから要請を受けました。その方たちの中からも、かわいい孫も抱けなくなったと。手がしびれて感覚がないわけですから、抱き締めることもできないと。孫を抱いたら自分の手からすっぽり落ちてしまうんだと。元の体に戻してほしいと。是非あしたの質問ではその思いをぶつけてくれと、そう言われました。
 私は、法ができたからといってだれもが申請できるわけじゃない、住民の健康調査をやる中で黙っていた人が初めて手を挙げるということが可能になると。同時に、今でも、先ほど子供が結婚できなくなるんじゃないかと。そういう偏見、差別などで手を挙げることができない人が多数存在しているということを直視する必要があると思うんです。だからこそ、不知火海沿岸地域に居住歴のある人に対する健康調査など、本格的な実態調査が私、必要だと思うんです。
 それで、大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、二〇〇七年三月、熊本県が健康調査の必要性がある報告書を提案をして、国にも改めてその必要性を要請していると。私は、真摯に受け止めて調査を実施すべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょう。
#142
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 御指摘の報告書は、熊本県が不知火海沿岸地域の住民の皆様に対する健康調査の具体的な方法などについて取りまとめたものでございます。
 しかしながら、この提案内容による調査の実施については幾つかの重大な課題が挙げられます。
 まず、調査対象者を不知火海沿岸等においてメチル水銀への暴露があったとされる年齢層のすべての住民としておりますが、該当者は数十万人と推定されまして、その個々人について居住歴等を追って調査対象であることを確認することの困難さや、救済を求めていない方々への個人情報への配慮といった問題点がございます。
 また、報告書では調査体制の確保について触れられておりますけれども、医師や看護師等が不足する中で、数十万人規模を対象とした調査に必要な数の医師、看護師等を確保することは困難であると考えております。
 いずれにせよ、環境省では一昨年既に、不知火海沿岸を中心として新たに救済を求める方々約一万人を対象にその症状等の調査を実施いたしまして一定の知見を得たところでございまして、今後は、この知見を水俣病被害者に対する新たな救済策等に生かしていくことが重要だと、このように考えております。
#143
○市田忠義君 以前の答弁とちっとも進んでいないと思うんですけれども。
 私は、やっぱり実態をつかんでこそふさわしい対策が講じることができるわけで、前回質問したときでさえ鴨下大臣はこうおっしゃっているんですよ。様々な制約要因があるけれども、有効な調査の在り方はどういうことがあるか検討したいと、そういうことをおっしゃいました。更にさかのぼって小池大臣のときに、私は、熊本県と協議したかと、こういう質問をしたら、今後とも熊本県の提案を真剣に検討して、総合的にどうあるべきかについては検討させていただくということをおっしゃっているわけですよ。
 やっぱり、地元の熊本県が四十七万人全体と最初おっしゃっていた。それは無理であっても、最近出ているのはモデル調査後の検討ということで、その四十七万人全部とは言っていないですよね。それすら拒否して、もうこれ以後調査はしないんだというふうな姿勢では、私は、被害者すべての救済と幾ら言葉で言っても、それは空文句に終わってしまうと。私は、あくまで最高裁の判決を真摯に受け止めると大臣おっしゃるんだったら、熊本県のやっぱり要望、要請に真正面から向き合って、もうこれ以上調査しないんだというふうな立場は取らないでいただきたいということを強く求めておきたいと思います。
 時間の関係で次に移りますが、今度の法案では最終的な解決をうたっておるんですが、今度の与党の法案でどれだけの被害者が救われるのか。例えば、現在認定申請者が六千三百十六人です。新保健手帳所持者は二万八百四十八人と。そのうちどれぐらいが救済されるというお考えでしょうか。
#144
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 現在の与党の水俣病問題に関するプロジェクトチームの案に基づきますと、一定の期日までに公健法の認定申請をしている者及び保健手帳の交付を受けている者のうち、救済を求める者の申出に応じて公的検診によって四肢末梢優位の感覚障害を有するか否かを判定し、救済措置の対象とすることになっております。
 このため、救済措置の対象者数は、どれだけの方が救済を求めてこられるのか、また公的検診によってどれだけの方が四肢末梢優位の感覚障害を有すると判定されるのかによるため、実際にどれだけの被害者が救済されるかについては確たることは申し上げられませんけれども、与党における救済策の議論を踏まえれば相当な数の方々が対象になるのではないかと思っております。
#145
○市田忠義君 じゃ、聞きますが、与党プロジェクトチームの水俣病に係る新たな救済策についての中間取りまとめ、サンプル調査の結果、現在四肢末梢優位の感覚障害があると判定された者は認定申請者の何%か、保健手帳保持者の何%か。これは質問通告していませんでしたが、当然環境省は御存じだと思いますから、そのパーセントを答えてください。言えなかったら私が言いますけど。
#146
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 認定申請者のうち約四七%、それから保健手帳所持者のうち約四〇%となっております。
#147
○市田忠義君 それを最初から大臣も言えばいいんですよ。わずか四七・一%あるいは四〇%と。更に他の疾患や加齢による可能性も考慮すると、これよりも低くなると。
 今手を挙げている人の全員を救済するんだと言いながら、与党プロジェクトチームの中間取りまとめのサンプル調査の結果でも六割ぐらいは切り捨てられると。これだけ大量の被害者を切り捨てておいて、すべての被害者の救済と、そんなことが言えるのかと。被害者の前で、大臣、その言葉言えますか。与党のプロジェクトチームのサンプル調査でもわずか四割と。
 何が全員救済ですか。いかがですか。
#148
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 与党プロジェクトの案は、三つの基本的な考え方、つまり救われるべき方が救われる、そして現在認定を受けていらっしゃる患者の方の補償の期間を限らない補償、そして企業がその地域でずっと地域に貢献する、寄与する企業として存在すること、この三つの考え方が今回の与党プロジェクト案の基本的な考え方と思っておりまして、先ほど申し上げましたように、救われるべき方々をあとう限り救う案だと思っております。
#149
○市田忠義君 関係団体に環境省は説明に行かれたと思うんですけれども、与党案に賛成の団体からもいろんな意見が出ていたと思いますが、代表的な意見はどんなことでした。
#150
○政府参考人(原徳壽君) 昨日と、一昨日から現地の方へ参りまして、関係の団体の方々とお話をしてまいりました。その中で、今回の法案について幾つかの御意見がございました。一番大きな、多くの団体から懸念を示されたのは地域指定の解除についてどうするのかというところについて関心が非常に高かったというふうに記憶しております。
#151
○市田忠義君 本当にひどいんですよ。今度の法案を見ますと、認定の申請、訴訟の提起者を救済の対象者としないと。すなわち公健法に基づいて認定申請している人は取り下げると。そういう人でないと、あるいはこれは憲法で保障されている裁判する権利も認めないと。被害者の人権を否定する、私は、救済というのは本当に救済の名に値するのかと。
 もう時間がありませんから、最後に大臣にお聞きしますが、救済を受けるべき方々をあとう限り、可能な限り救済すると先ほど大臣おっしゃった。しかし、三年以内をめどに救済措置の対象者の確定を終了すると、さらにその後公健法に基づく地域指定を解除すると。これは、一番関係団体から意見が多かったのはこの指定解除だということをおっしゃいました。
 実際、調査もしないで、水俣病の全貌も把握しないで救済措置の対象者を確定できるはずがないと思う。しかも、三年という期限を決めて、それが過ぎたら水俣病の患者、被害者ではあっても一切門前払いだと、公健法の地域指定が解除されたら水俣病の認定申請はできなくなると。被害者救済どころか、私は今度の法案は、加害企業であるチッソ、これは分社化の問題でまた後の機会に質問しますけれども、加害企業チッソ、国、県の財政負担をいかに少なくするかと、そのために三年で期限を切って地域指定を解除すると。これは徹頭徹尾、加害者擁護、患者、被害者切捨ての法案だと言われても仕方がないと思うんですよ。
 大臣、三月三日の閣議後の会見、覚えていらっしゃるでしょうか。こうおっしゃっているんです。地域指定の解除については、救済されるべき人がすべて救済された後に考えるべきことだと、会見でおっしゃっています。記録で私、読みました。
 三年間で救済されるべき人がすべて解決されると、救済されるというふうに大臣はお考えなんでしょうか。
#152
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 救済されるべき方が救済されることが最終解決ということを申し上げたところでございます。救済措置の対象者は、与党PT案に基づけば、公健法の認定申請をしている方及び保健手帳の交付を受けている者のうち救済を求める者の申出に応じ、公的検診を経て判定することとなります。平成七年の政治解決の際には、約一万人の公的検診及び判定を実施するのに約一年を要しております。現在、先ほどお話がありましたように公健法の認定申請をしている者及び保健手帳の交付を受けている者が仮にすべて救済を求めた場合、対象者の確定には、約三万人ということでしたけれども、約三万人近くの方々に対する公的検診及び判定を終了させる必要があるものと承知しております。
 早期に被害者を救済することが重要であるとの観点から法案に期限が明記されているものと考えておりまして、関係県や医師会等の協力も得て、この三万人の方の検診及び判定、そういう意味での三年でございますが、最大限の努力を行いたい。救われるべき方が救われるということが最終解決というふうに認識しております。
#153
○市田忠義君 もう時間が来ましたから終わりますが、救われるべき人が救われないような法案になっているから私声を荒げて言っているんです。言葉だけそういうことを幾らおっしゃっても、例えば地域指定の解除、これはもうやらないということはここで言えないわけですから、調査もしない、救済どころか被害者切捨て、国の責任放棄と、三年後には一切幕引きと、これは公害の原点と言われる水俣病についてこういう法案の成立を許すということになれば、私は公害の歴史にあしき前例をつくることになると。また法案が審議になったときに改めて再度質問しますが、撤回すべきだということを主張して、終わります。
#154
○荒井広幸君 改革クラブの荒井でございます。
 今日は通告をいたしました二番と七番と十番と十三番、この辺りで中心に大臣、皆さんにお話をさせていただき、また御意見をいただきたいと思っておるわけです。
 斉藤大臣の緑の経済と社会の変革、これは非常にいい私は言葉だなというふうに思います。アメリカ型の資本主義経済、このモデルが崩壊して、それぞれが自分の生活、価値観、こういったものを含めて大きく変えようと、変えていかなければならないのではないかと、そこまでまだ意識が行ってないにしても、今まではおかしかったぞと、こういうところに行っているわけですから、いわゆる環境という価値を我々一人一人に入れることによって随分自分の生き方も社会も変革されるだろうと。これはある意味で小泉行革と同じぐらい、小泉構造改革と同じぐらいの私は意義、重さがあっていいと思っているんです。そういう意味では、大臣がおっしゃっている緑の経済と社会の変革というのは、非常に大きな私は期待を寄せます。
 小泉改革のときには格差を、残念ながら、いい面もありましたが助長しました。アメリカ型でやっていけば経済は伸びる。伸びることによって格差というものに対して、あるいはセーフティーネットというものに対して、まあ何とかなるんじゃないか的な話があったわけですね。これは十八年に決定しました行革推進法が明確にそれを書いているんです。もう経済、民間に任せる。経済によって世の中は良くなるんだと、こういうことが書いてあるわけです。これは失敗だったということははっきりしたわけですから、環境という分野、環境という価値観を入れることによって私たちの生活と社会は変えていく、こういったことが重要ではないかと思います。
 そこで、大臣に冒頭お尋ねいたしますが、六月までに発表するとされる地球温暖化対策ですが、我が国の中期目標について、我が国の経済活性化にも当然つながるものではありますけれども、すべての主要国、経済国、排出国を含めて参加する実効ある枠組みとしなければなりませんし、同時に、あわせて、野心的な目標とうまく合わせるということ、なかなか難しいと思うんですが、どのようにお考えになっているわけでしょうか。
#155
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 中期目標は野心的なものでなくてはならないとかねがね申し上げてまいりました。理由は三つございまして、一つは、IPCC、科学の要請にこたえるものでなくてはならない。それから二番目が、中国、インド、アメリカなどの主要国が参加する枠組みでなければならない。そのためにいわゆる先進国は野心的なものである必要がある。そして三番目ですけれども、実行可能なものであると同時に、それは野心的なものでなければ技術開発、経済の活性化のインセンティブになり得ない。この三つから野心的なものでなくてはならないというふうに結論付けているところでございます。
 荒井委員御存じのように、今検討委員会で、中期目標検討委員会で議論いただいて選択肢を国民に分かりやすい形で提示していただき、政治が決断をすると、六月までに決断をするというところでございまして、頑張っていきたいと思っております。
#156
○荒井広幸君 我が国の足下もしっかり当然しなければならないし、世界がまた我が国を、ああ、あのようなやり方があるんだなと、ああいうことはいいなと、考え方もやり方もいろいろと、我が国発、発信する、世界に応用していただける、そういうものであってほしいと思いますし、副大臣にお尋ねしますが、そういう意味では、例えばごみの分別なんかいっても、世界でもやっぱりきっちりやっていますね、日本は。そういうことを含めて、コミュニティー、地域、ここが温暖化対策を進めるということは大変意義のあることだと思うんです、地域ぐるみで。昨年改正しました温対法、この中では、地方公共団体の実行計画を策定すると、このようになっているわけですけれども、地域でのこうした取組に対して環境省はどのようにアドバイスをしたり支援したりして一緒にやっていこうと、こういう姿勢を示されているんでしょうか。
#157
○副大臣(吉野正芳君) CO2を削減する中で、地域ぐるみで取り組むこと、これは本当に大事な施策だと思います。委員おっしゃるように、昨年の地球温暖化対策推進法、改正をされて、地方公共団体実行計画を策定することが義務付けをされました。
 それで、環境省としては、地方公共団体向け実行計画策定マニュアル、これを環境省として作り、計画作りのアドバイス、ノウハウを支援してまいりたいと思っています。例えば、公共交通の利便性向上や再生可能エネルギーの導入等、計画に位置付けられた事業への補助金などを通して地域の取組を全面的にバックアップをしていきたい、このように思っております。
#158
○荒井広幸君 どうぞ副大臣も頑張っていただきたいと思っております。
 今みたいなことでいうと、いかがなんでしょうか、マニュアルを作っていただいておりますが、例えば今度の定額給付金、私は大変大賛成でして、生活支援や物を買って景気対策という意味もありますけど、温かいお金に変えられる。政治家は寄附というのはできませんが、家庭でいただいたらその家庭から寄附はできるわけですが、寄附というものをしていく、助け合っていく、そういう温かいお金に還元することもできるんですね。そういう意味では、環境で地球温暖化対策を含めて対策はしなければなりませんが、コミュニティー、地域、総意によってみんなが助け合いながら進めていくという、そういう芽を出すというところ配慮いただいていると思うんですが、もっと配慮をしていただきたいと思うんですね。
 というのは、定額給付金、あれだけ議論がありましたけれども、結局、各地方自治団体のみならず個人、そして地域の例えば商店街、プレミアムもそうですが、いろいろなことを、実情に合った方式を考えていますよ。こういうところを私は尊重していく、柔軟にそれを受け入れて広げていく、世界にも。そういう柔軟さを求めたいと思います。
 さて、ちょっと里山、さっき八番のところで里山抜けましたけれども、そういう意味では里山を守る、こういう保全活動に、大臣の所信でもありましたが、力を入れていくということで大変私も有意義と思っていますが、環境省としての里山、これをどのように保全していくのか、簡単に御説明ください。
#159
○政府参考人(黒田大三郎君) 里地里山は我が国の国土のおよそ四割ぐらいを占めています。この里地里山は、農林業などの長年にわたる人間の働きかけを通じて特有の自然環境が形成されて、絶滅危惧種を始めとする多くの野生生物が生息する、生物多様性の保全上、非常に重要な地域でございます。
 しかしながら、近年、過疎化、高齢化などの影響を受けて、管理放棄などが進んでおりまして里地里山の質の低下が見られます。その保全、再生が急務となっております。人の手が適度に加わることにより形成される里地里山の生物多様性を保全するためには、人と自然の関係を新しい形で再構築していくことが必要だろうと、こう考えております。
 このため、環境省では、里地里山の保全、再生に向けた様々な取組の中から、全国の優良事例となり得る特徴的な取組について調査、分析を行っています。そして、この結果を基に生物多様性の視点に立った自然資源の管理、利活用方策を検討するとともに、多様な主体が保全、再生の取組に参加をするよう、そういう促進をするための仕組みについても検討しておるところでございます。
 今後とも、農林水産省を始め関係省庁と連携を図りながら、こういう取組を通じて里地里山の保全、再生に力を注いでまいりたいと考えています。
#160
○荒井広幸君 そうしますと、副大臣に先ほど明快なお話をいただきましたが、地球温暖化対策だけのための実行計画ということになりがちなんですが、地域コミュニティーあるいは家庭として考えた場合には、里地里山も含めた広範囲な生物多様性を含めた考え方というものを取り入れる必要があると思うんです。
 我々の先人で南方熊楠という方がおりまして、この方は紀州でございますが、大正から明治にかけて廃仏毀釈含めて神社合祀というのをやってきたんですね。神社合祀をやるときに、鎮守の森がなくなって、よく神社に行きますと、参道に小さなお洞があります、あれは集められたんです。そういうことをやるということは、つまり里山が消えていくことなんだと。それはともあれ、当然にずっと地域で生きてきたいわゆるコミュニティーの核としてのそうした神社を失う、そのことによってコミュニティーが崩壊してくると、こういうことを非常に強烈に訴えて、柳田国男さんなんかも非常に賛同されましたが。
 当時ですから大変な政府に対する、神社合祀と言いますが、神社合祀に対する反対をやって、最後はこれ認められました。しかし、随分全国的にそういったことでコミュニティーが崩壊するような結果になった、里地里山がなくなっていく、そういう原因をつくったとも言われるんです。しかし、彼の努力によって残ったものが今の世界遺産の熊野古道です。陛下もこの人物に会いたいと言って会われたわけですが。
 そういうことを考えると、ばらばらな施策ではなくて、実は共通するものがある。コミュニティー、助け合い、そういったものの観点を呼び覚ますこと、またそれが環境の力でもあるのかなと、視点であるのかなと、こういうことも思います。
 さて、そういう意味で助け合って生きていくという我々の、これは人類、世界共通だと思いますが、その意味で格差というものをつくる環境政策であってはならない。その環境政策が社会改革にまで及ぶものだとするならば、今、麻生内閣でやらんとする緑の、私が言っている言葉では景気と雇用対策なんですが、とにかくやればいいんだということで、逆に環境格差、エコデバイドをつくってはならないと思うんです。
 その事例としてちょっとFIT活動について御説明をいただきたいと思うんですが、これは寺田局長の方に簡潔にお願いしたいんですが、今度のFITの方は簡単でございますよね。ドイツは、自分で使おうが使っていなくても、太陽光パネルを使ったら電力会社に全部高値で売れますよ、高値買取りしてくれますよと。電力会社は、ソーラーパネルを持っていようが持っていまいが、まあ持っていない人を想定すれば、持っていない人に価格転嫁をしていく、こういうことですね。
 そうすると、お金がある人はソーラーパネル使って、そしていずれ自分はただで賄い、その分を価格転嫁された普通の人たちが、その人たちの方が志あるかもしれません、お金がないというだけです。その人たちに価格転嫁される。これなかなか理解できないと、このように思うわけなんですが、日本型と言われるところは、今度は自分が使った余りを売れると、これは高く評価するんです、大臣。自分が使ったものの残りを、これは改良型ですから私は非常にいいと思うんですよ。
 ところが、価格転嫁する、これ、いかがなんでしょうか。価格転嫁しない方式を検討すべきだと思うんですが、寺田局長、いかがですか。
#161
○政府参考人(寺田達志君) まず、今般、二階経済産業大臣のイニシアチブで導入することになりました日本型の固定価格買取り制度、フィードインタリフでございますけれども、これは現在まだはっきりとした形にはなっておりませんで、現在国会の方に提出されました、エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律案、これに基づきまして今後制度の設計が進められるものというふうに存じ上げております。
 したがいまして、環境省といたしましては、そういった法律に基づく制度の設計がなされた段階で、同法律案では経済産業大臣と環境大臣との連携規定というものもございますので、制度の具体化に当たっては、CO2の大幅削減などにつなげるために、住宅だけではなく学校やオフィスなども対象とした上で多くの方に安心して設置をいただくような制度になるよう、環境省としても積極的に協力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 なお、ただいまお尋ねのございました価格転嫁の問題でございますけれども、基本的には太陽光発電の導入拡大を進めるに当たっては、国民全体の課題である地球温暖化問題に対しまして全員参加で取り組むというような姿勢が大事なのではないかというふうに考えておりますし、そういったことについて国民の皆さんの理解が得られるよう努力をしてまいりたいと考えております。
 また、日常生活に最低限必要な電力消費分に対する負担の在り方というものについては、一定の配慮をすることも考えられるのではないかと考えておるところでございます。
#162
○荒井広幸君 大体、難しいものは答弁が長くなるという傾向がありますね。委員の先生方に御賛同いただければ、是非、いわゆる環境弱者と言われないような、最後に価格転嫁しないようなそういう方法を先生方とともに考えて、私も提案させていただきたいというふうに思っております。
 さて、そこで、私は予算委員会でも申し上げましたけれども、これは公明党さんも言っていらっしゃることで大変意義深いんですが、例えば耐震構造をやるときに、もう大変重いソーラーパネルを上げると。ところが、耐震構造だけで終わっちゃっていれば、ソーラーパネルを上げるときにまた強度を造り直ししなくちゃいけない。これは二重の無駄なんですよね。同時に、そんな、とにかく景気対策だから無駄やっていいというわけではないわけです。
 ですから、耐震構造をやるところももう終わったところも、特に耐震構造をやるところは太陽光パネルを一緒に付けるということがポイントです。なぜそれが必要かといえば、これは皆様御案内のとおり、そこが避難所になるからです。少なくとも昼間のライフラインとしての電気というものを確保できるということになる。そこが、同時にCO2を一番排出している、面積としてはいろいろな使い方があるわけですから、CO2は、地球温暖化対策になる。それから、教育になると。地域の人も子供たちも、ああ、こういうふうになるんだと、こういう勉強にもなるし、物づくりにもなります。結果、一番、住宅部門、製造業部門、二つとも非常にすそ野の広いところですから景気、雇用に直結すると、こういうことで、私も大変賛同をしているわけなんです。
 そういう観点で、これは今度の第四段の予算を組むという場合になりましたら、是非一緒に、役場庁舎、小学校、中学校、こうした公設のところを一緒にやってしまう、無駄をなくしていく、そして効果を上げる、この費用対効果を上げていく、こういう観点での取組を大臣にお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#163
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 耐震工事と太陽光発電パネルの設置工事を一体として行うというのは、非常にコスト低減という意味でもすばらしいことではないか、大きな効果を生むことではないかと、このようにも思っております。
 是非そういう方向でこの二つが同時に進行すればと思っておりますが、片一方で耐震工事は緊急を要するというふうなこともございまして、そのとき予算が足らないということで、その太陽光パネルの方だけちょっと置いてきぼりを食ってしまうというふうなことも現実にはありそうでございますが、そこら辺はトータルなコストとして安上がりなのはどちらかという観点から、我々としても熱心に、強力に進めていきたいと思っております。
#164
○荒井広幸君 まさに大臣が言われたところなんで、どうぞ閣内で、一緒にやっていった方がこれは安全性上もいいわけです。そして同時に、それによって需要が喚起できますから、これはテレビを、デジタルテレビを地デジ対策で学校に入れると公明党さんが言っておられる、自民党も言っておられる、それと同じなんです。があっと量産することによって価格が下がりますから、所得の厳しい方々も乗りやすくなってくる。これがやっぱりエコデバイド対策、環境弱者対策にもなるということですから、是非実需をつくっていただきたい、そして実効の実を上げていただきたい、お願いして、質問といたします。
#165
○川田龍平君 昨年十一月に大臣に水俣病について質問させていただいてから四か月がたちます。この度、与党PT案に対して環境省がどのような評価をしているのかをまずお聞きしたいと思います。
#166
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 与党PTでの長期間にわたる議論を経て、先週十三日に国会に法案を提出していただきました。この水俣病問題の解決に当たっては、先ほども市田委員の質問に答えさせていただきましたけれども、基本的に三つの考え方が大事だと思っております。一つは、現在救済を求めておられる方々への救済が早期に実現し、今度こそ最終解決となること、それから二番目に、認定患者の方への補償が確保されること、そして三番目に、原因企業であるチッソがこれらの要請にこたえつつ地域に寄与する企業として存在し得ること、これが重要と考えております。
 与党から国会に提出された法案はこうした趣旨を最大限実現するものと考えておりまして、被害者の早急な救済を実現するという観点から、本法案の一刻も早い成立を我々環境省としても切望しております。
#167
○川田龍平君 時間がないので早速進めさせていただきますが、この法案で最終解決するとはとても思えません。この法案について、まず一番に明確な問題点は分社化だと思います。しかし、それよりももっと問題だと思っているのは、国の責任があいまいにされていることです。二〇〇四年の最高裁判決によって国の責任は明確になっているにもかかわらず、なぜいまだに国は責任を認めようとしないのでしょうか。責任を認めるということは、救済ではなく、補償ではないのですか。
#168
○政府参考人(原徳壽君) お答え申し上げます。
 平成七年のときの政治解決時もそうでございましたけれども、そのときには、必ずしもメチル水銀によるものかどうか分からないと、ところがそれでも否定もできないという、そういう中で、地域の社会の安寧のためにもということで救済策が作られたと考えております。今回も原則的にはその考えにのっとっているということでございます。
#169
○川田龍平君 水俣病被害者という言葉、初めて使われておりますが、加害者はだれですか。
#170
○政府参考人(原徳壽君) 水俣病被害者という一つの単語というふうに考えておりまして、加害者という厳密的な意味でのものを想定されているものではないというふうに思っております。
#171
○川田龍平君 私は、この加害者に、国もやはり加害者として認識しっかりしていただきたいと思っています。
 それでは、次に移りますが、カナダの先住民地区における日本の学者による水銀汚染調査によれば、メチル水銀に長期的かつ比較的少量暴露した人が、その後、加齢や、年齢が加わることや合併症を契機として水俣病の症状を発現する例があるとされています。
 今年、私は初めて水俣へ行って現地を見てきましたが、水俣で患者の方たちからもお話をお聞きしました。重度ではないメチル水銀に暴露した方で、加齢などを契機として水俣病の症状を発現した患者の方にお会いしました。環境省においては、この軽度の水銀暴露の被害についてどのように実態を把握していますか。
#172
○政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。
 カナダで御指摘の調査がなされたことについては報道されているというふうに承知しております。ただ、私どもの承知している範囲の中で、この調査結果につきましては、検診の対象者の選定をどうしたのか、あるいは検診や診断の実際の実施方法がどうであったか、あるいは患者さん以外の対照の場所をつくって設定がされていないというなど、ちょっと詳細については必ずしも私ども承知ができなかったわけでありまして、科学的に評価ができるのかどうかということについては現段階ではお答えできません。
 水俣病につきましては、メチル水銀に汚染された魚介類を大量に摂取することによって起こる中毒性の神経性疾患というふうに考えておりまして、微量のメチル水銀を持続的に摂取することによって成人に神経症状が発生や進行するという例については承知をしておりません。
#173
○川田龍平君 実際、詳細に把握していないということであれば、やはり現実を踏まえて、今からでも水俣病発生地域において健康調査を実施すべきと考えますが、いかがですか。
#174
○政府参考人(原徳壽君) 健康調査につきましては、先ほどの市田委員からの御質問に大臣の方からもお答え申し上げましたけれども、様々な制約がございます。熊本県の方でも、その調査分析をどのようにしていくのかという検討会が実施されまして、その中で報告書が取りまとめられております。
 その中でも、実際問題として、数十万人になる調査対象者を実際に検診をしていくのに人材確保が非常に困難が見込まれるということでありますとか、あるいは公式確認から長期間経過していることを考えれば、疫学的手法を用いても、調査対象者についてメチル水銀による健康被害の影響を明らかにすることに実施上の困難さを伴うことが考えられるというふうにこの検討委員会でも出されております。
 さらには、実際問題として、その数十万人の方の特定でありますとか、あるいは必ずしもその救済対象者でない方々の個人情報の保護、こういうような観点から、現実的にはなかなか困難だと思っております。
 また、それに代わりまして私どもとしては一昨年に調査をしたことは委員も御承知のとおりだと思います。
#175
○川田龍平君 一九九一年の中央公害対策審議会環境保健部会水俣病問題専門委員会の議論において、委員や事務局である環境庁からも、遅発性水俣病、遅くになって発する水俣病についての存在を否定はしておりません。審議会の答申においても、「今後の水俣病対策のあり方について」の中で、水俣病発生地域住民に係る環境保健上の留意点として、水俣病認定者以外の地域住民が、水俣病に関して助言や指導を受ける機会や、自らの健康状態を正確に把握する機会は必ずしも十分とは言えなかった。水俣病を発症するに至らない程度のメチル水銀を摂取した住民の健康状態の長期的な推移などを把握する必要性が指摘されています。また、その他の課題として、水俣病の病状変化などを長期間調査する研究や、メチル水銀の暴露を受けた者の長期的な健康状態の経過を観察する研究が必要であるとあります。こういうふうに審議会の答申もあるわけです。
 三年ですべて打ち切るこの与党案や政府の考え方では、こうした患者の方を救済どころか切り捨てることになるのではないかと思いますが、いかがですか。
#176
○政府参考人(原徳壽君) まず、三年間で打ち切るという御指摘でございますけれども、現在、衆議院の方に提出されております法案によりますと、いわゆる救済措置の部分につきましては、三年間の間にその対象者を確定しなさいということが書いてあります。そのほかいろいろと、地域での紛争についての解決でありますとか、あるいは六千人を超えております公害健康被害補償法によります認定申請者、これらの審査の促進ということを早急に行うと、そういうことが書かれておりまして、これらの事柄がおおむね解決をする、そういった暁に、先ほどの議論のありました地域指定の解除をするんだということでありまして、必ずしもすべてのものが三年以内に打ち切られるということではないということは御承知おきをお願いしたいと思います。
#177
○川田龍平君 この与党案を後押ししてきた、先ほども話にありました団体である芦北の会というところからもこの地域指定解除の削除を要求されたと報道されていますが、認定申請者の数や県の認定審査会の状況などからもとても非現実的な内容と考えるんですが、また、与党PT案の法案にある早期にというのが三年ということとあとう限り救済するというところは矛盾しているように考えるんですが、いかがでしょうか。
#178
○政府参考人(原徳壽君) 先ほども述べましたけれども、提出された法案において年限が規定されているのは救済措置について確定をしなさいという部分でありまして、例えば裁判が起こされておりますが、裁判について早急に解決をしろということにはなっておりますが、これは当事者それぞれございますので、それが三年以内にできるかどうかというのは分かりません。ただ、救済を求めておられる方々、それぞれの形で救済を求めておられるわけですから、その年齢等も考えれば早急に決着を図る必要があると。
 そういう意味で、何年ということは申しませんけれども、できるだけの努力をすべきだというふうにされていると承知しております。
#179
○川田龍平君 公健法による救済制度というのは、長期にわたる司法救済というのを回避して国が迅速な救済を図るためのもので、こうした一方で、いまだに司法による解決を目指している方々がいるということは、やっぱりこの公健法による救済が完全ではないこと、また認定基準が水俣病の判断基準として正しくないことを意味していると考えます。
 指定解除という話の前にまず認定基準を見直すべきだと考えますが、いかがですか。
#180
○政府参考人(原徳壽君) 今委員の御指摘のものにつきましては、いわゆる五十二年判断条件という形で示されたものだと思います。実際問題、この判断基準、判断条件に基づきまして公健法の審査は行われております。
 これにつきまして、平成十六年十月の関西訴訟の最高裁判決、あるいはその前の大阪高裁判決におきましても、この公健法の認定基準そのものが誤っているとされたわけではございませんで、その見直しを要請されているとは考えておりません。
 そういう意味におきまして、公健法の運用上、この判断基準を見直すことは現段階では考えておりません。
#181
○川田龍平君 裁判所は誤っているとは言っていませんが、この裁判所の判決には、やはり認定基準とは明らかに違う基準でもって判決を書かれて勝訴されている方がいらっしゃるのですから、そこはやっぱり見直していただくということを是非お願いしたいと思います。
 そして、事務次官の、この二月の十三日、一月前に、記者会見の中で、認定審査継続の必要について、議論の前提としてどういう方々が残されて救うべきということになるのかお聞かせいただきたいと発言しておりました。
 こうした発言は、司法救済の道を選択している方々や、今後発症するおそれのある小児性、胎児性水俣病の方々のみならず、やっぱり関西訴訟の最高裁判決で確定した国の責任をも無視した発言としか考えられません。こうした発言について大臣の見解をお願いします。
#182
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今御指摘の先月十六日の次官発言でございますが、この次官発言の趣旨は、救済を求めている方々の救済、それから認定審査の促進、それから訴訟を提起されている方々との和解等による紛争の解決が図られ、救済を必要とする方々をあとう限り救済し、水俣病問題の最終解決が図られることとなれば、その結果として地域指定の解除が行われるとの趣旨を述べたものであると、このように認識しております。
#183
○川田龍平君 さかのぼりますが、一九七三年の環境白書には、「水俣病の研究者のなかには、水俣病の新たな発生は昭和三十五年を最後として終ったとする従来の通説を否定し、最近においても症状が出た、あるいは悪化した例があるとする者もあるが、その理由としては、以前から軽い症状が持続していたものが加令現象により症状が顕在化した。かつて、体内にとり入れた有機水銀が、現在になって影響を及ぼして発症させた(遅発性水俣病)。さらに、現在もなお新しい慢性の水俣病患者が発生している。」と、当時も言っています。「今後とも広汎な不知火海沿岸一帯地域の住民の検診、水俣病研究をいっそう推進すること等により、その実態が明確にされるとともに、必要に応じた対策を講ずることが緊要である。」ということを述べています。なお、国は昭和四十六年度より、熊本県、鹿児島県に対して助成をして地域住民の健康状態を把握するための健康調査を実施しています。既に、そのときのことですが、第一次検診で対象者が、十一万六千六十四人の人を対象にしてこの検診を行っています。
 この当時、七一年から七三年にかけてできていたことが今なぜできないのでしょうか。やはり、是非この健康調査をやっていただきたいと思います。
 住民の方たちは、差別や中傷の中にあって自分から名のり出ることはなかなか難しいのです。いまだに家族の反対があったり、周りの人の目やお金目当てと言われるのが嫌で病状が悪化しても我慢していたり、又は病状について、いつからか気が付かないで過ごしており、今も自分が病気だということに気が付かない人たちもいるんです。僕は、自分自身も薬害エイズの被害者として、この差別的な状況の中で名のり出れない人たちの考えというのがよく分かります。
 視察の中では、水俣病が、現実、実態から離れて無機質、数字だけの話になりつつあるという声を水俣で聞きました。大臣自身は水俣病を実感としてどう受け止められていらっしゃるんでしょうか。
#184
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 水俣病は、まさに我が国の歴史の中で典型的な公害病として、あってはならないものであった。それに対して、十六年の最高裁判決で指摘されたように、国の責任、国の長期間放置した、そういう行為に対しての深い反省というものを認め、我々も強く感じているところでございます。
#185
○川田龍平君 委員長、是非、この水俣に五月一日にも行かれるかと思うんですが、じっくりと患者の方たちのお話を聞いていただきたいと思います。一団体五分とかいうことではなく、しっかり聞いていただきたいと思っています。
 それから、委員長に提案ですけれども、委員会での是非現地視察というのをしていただきたいということも提案としてさせていただきます。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 公害等調整委員会についてお聞きします。
 二十一年度予算において、これまで原則、東京の事務局でのみ行われていた公害等調整委員会を現地開催するなど利便性を高めるとしており、原因の特定や因果関係の立証が困難な事件についても国の予算で調査をするというのは、裁判のように原告側が立証しなければならない、例えば土壌汚染や漁業被害、低周波音による被害など、被害者にとってとても利用しやすい制度になっていると思います。
 このような制度はもっと利用されるべきだと思いますが、水俣病の認定問題など、もっと迅速に処理できると考えますが、いかがですか。
#186
○政府特別補佐人(大内捷司君) 公害等調整委員会では、社会情勢の変化等を踏まえまして、国民に身近で効率的な公害紛争処理制度づくりに向かって取組を行ってきているところであります。
 公調委では、従来、当事者双方から意見を聴取する審理期日を原則として東京のみで開催しておりましたが、この場合ですと、東京から離れたところに住んでいる当事者にとっては旅費などが大きな負担になっておりました。公調委には、こうした当事者からしばしば現地で期日を開いてほしいとの要望が寄せられておりました。そこで、平成二十一年度におきましては、国民の利便性を高めるために積極的に現地に出向いて審理期日を開催していきたいというふうに考えているところであります。
 また、最近では原因の特定や因果関係の立証が困難な事件が極めて多くなっております。土壌汚染、漁業被害、低周波音による被害などの調査については、多額の費用を要する場合もございます。公調委では、このような事件について迅速かつ的確に対処するために職権で事件調査を充実させることが必要であると考えております。平成二十一年度におきましては、調査費用を増額させまして適時適切な事件調査を充実させることにより、更に迅速かつ的確な事件処理を進めてまいりたいというふうに考えております。
 国民のニーズに柔軟に対応して公害をめぐる紛争の円滑かつ適正な解決が図れるよう、今後とも努力してまいりたい所存であります。
#187
○川田龍平君 ありがとうございました。是非迅速に処理していただけるように、よろしくお願いします。
 そして、最後になりますが、八丈島の一般廃棄物最終処分場建設計画について質問いたします。
 この処分場の埋立容量は四万九千五百立方メートルと、都条例では環境アセスの対象となる基準である五万立方メートル以上をわずかに一%下回る大きさで、十分な調査が行われず、処分場候補地の標高が水源よりも高い位置にあるため、住民の半数近くの方が環境に影響を与えるのではないかと大変心配しております。離島における貴重な飲み水、生活用水として、また水を使う黄八丈などの染物、くさやなど、島の産業にも大変な影響を与えることになります。住民の方々もごみを減らすなど真剣に取り組んでいて、まず反対ではなく、代替地など計画の見直しを訴えております。
 私は是非大臣にこの住民の方々と直接会っていただきたいのですが、お会いしていただけませんでしょうか。
#188
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 一般廃棄物処理施設につきましては、廃棄物処理法に基づき、東京都が設置の許認可や届出の受理にかかわる事務を行うこととなっております。まず第一義的な責任は東京都にございます、それはもう川田委員御存じかと思いますけれども。このため、本件につきましては一部事務組合やまず東京都と対話をしていただくことが適切であると考えております。
#189
○委員長(有村治子君) 本日の調査は以上にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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