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2009/06/16 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 環境委員会 第10号
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2009/06/16 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 環境委員会 第10号

#1
第171回国会 環境委員会 第10号
平成二十一年六月十六日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     今野  東君     大石 正光君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     加藤 修一君     荒木 清寛君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     轟木 利治君     津田弥太郎君
     荒木 清寛君     加藤 修一君
 六月九日
    辞任         補欠選任
     津田弥太郎君     轟木 利治君
 六月十日
    辞任         補欠選任
     相原久美子君     谷  博之君
     轟木 利治君     喜納 昌吉君
     神取  忍君     丸川 珠代君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     喜納 昌吉君     轟木 利治君
     谷  博之君     相原久美子君
     丸川 珠代君     神取  忍君
     加藤 修一君     山口那津男君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     加藤 修一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         有村 治子君
    理 事
                岡崎トミ子君
            ツルネン マルテイ君
                神取  忍君
                松山 政司君
    委 員
                相原久美子君
                大石 正光君
                大久保潔重君
                佐藤 公治君
                轟木 利治君
                福山 哲郎君
                水岡 俊一君
                川口 順子君
                矢野 哲朗君
                若林 正俊君
                加藤 修一君
                浜四津敏子君
                市田 忠義君
                荒井 広幸君
                川田 龍平君
   国務大臣
       環境大臣     斉藤 鉄夫君
   副大臣
       外務副大臣    伊藤信太郎君
       環境副大臣    吉野 正芳君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       谷口 和史君
       環境大臣政務官  古川 禎久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 堅一君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       鎌形 浩史君
       内閣府大臣官房
       審議官      梅溪 健児君
       総務大臣官房審
       議官       佐藤 文俊君
       外務大臣官房参
       事官       高岡 正人君
       外務大臣官房参
       事官       山本 栄二君
       財務大臣官房審
       議官       道盛大志郎君
       財務省主計局次
       長        木下 康司君
       文化庁文化財部
       長        高杉 重夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中尾 昭弘君
       厚生労働大臣官
       房審議官     岸田 修一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     榮畑  潤君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       石井 淳子君
       農林水産大臣官
       房審議官     梅田  勝君
       林野庁次長    島田 泰助君
       経済産業大臣官
       房審議官     西本 淳哉君
       経済産業大臣官
       房審議官     吉崎 正弘君
       経済産業大臣官
       房審議官     上田 隆之君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       羽藤 秀雄君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      西山 英彦君
       国土交通大臣官
       房審議官     廣瀬  輝君
       国土交通省河川
       局次長      田中 裕司君
       環境大臣官房審
       議官       伊藤 哲夫君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    谷津龍太郎君
       環境省総合環境
       政策局長     小林  光君
       環境省地球環境
       局長       寺田 達志君
       環境省水・大気
       環境局長     白石 順一君
       環境省自然環境
       局長       黒田大三郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (第十一回日中韓三カ国環境大臣会合に関する
 件)
 (温室効果ガス削減中期目標に関する件)
 (風力発電導入による健康影響に関する件)
 (農薬の空中散布による健康被害に関する件)
 (化学物質過敏症に関する件)
 (エコポイント制度の効果等に関する件)
 (環境国債の導入に関する件)
 (東京外かく環状道路の換気施設に関する件)
 (オオサンショウウオの保護に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(有村治子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月二十六日、今野東さんが委員を辞任され、その補欠として大石正光さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(有村治子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(有村治子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に神取忍さんを指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(有村治子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官鎌形浩史さん外二十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(有村治子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(有村治子君) 環境及び公害問題に関する調査を議題といたします。
 この際、第十一回日中韓三カ国環境大臣会合に関する件について、斉藤環境大臣から報告を聴取いたします。斉藤環境大臣。
#8
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 六月十四日に中国・北京で開催された第十一回日中韓三カ国環境大臣会合に出席しましたので、その結果について御報告申し上げます。
 三カ国環境大臣会合は一九九九年にスタートしてから十年を経過し、今回の会合は、これまでの十年を振り返り、これからの新たな協力の時代の幕開けとなる節目の会合でした。
 会合の成果を四つの点から振り返りたいと思います。
 第一に、金融危機の中の環境政策について、中国、韓国の環境大臣と率直な意見交換を行いました。私からは、本年四月に取りまとめた緑の経済と社会の変革について紹介いたしました。韓国の李萬儀環境部長官からは韓国の低炭素緑色成長、グリーングロース政策、中国の周生賢環境保護部長からは経済危機下における中国の環境政策について、それぞれ報告がありました。
 我々三人は、この百年に一度というべき世界的な不況と、早急に対応すべき地球規模の環境問題という二つの大きな問題を抱える状況にあって、必要とされる環境対策を大胆に実行することにより、直面する環境問題に対処するとともに、環境産業を振興していくことの重要性について認識を共有しました。
 第二に、三カ国の協力を一層発展させていくため、これまで十年の活動を総括した上で、時代の流れに対応した新たな協力の優先分野などについて合意に達することができました。具体的には、環境教育、気候変動、黄砂、汚染管理、3R・循環型社会など十項目を今後五年間の協力の優先分野とし、環境協力に関する三カ国行動計画を今後共同で取りまとめることとしております。
 第三に、私から周部長、李長官に、六月十日に麻生総理が発表しました我が国の温室効果ガス削減目標について御説明し、理解を求めました。この我が国の目標は、CDMなどを含まず、国内での努力を積み上げた言わば真水の目標であること、この中期目標は、低炭素革命で世界をリードすべく、一歩前に出て、倍の努力を払う覚悟で決定されたものであること、そして二〇五〇年の長期目標に道筋を付ける第一歩のものであることを強調しました。その上で、年末の気候変動枠組条約第十五回締約国会議、COP15において、公平かつ実効性のある二〇一三年以降の次期国際枠組みについて合意できるよう、三カ国で緊密に協議し、協力していくことを呼びかけ、両国からは引き続き協力するとの決意を表明いただきました。
 また、私からは、日中韓三カ国間の低炭素社会づくりに向けた青年間の連携、協働を促すことを目的に、三カ国の学生が集う青年環境活動サミットを今年の秋に日本で開催することを提案し、中国、韓国から賛同をいただきました。
 以上の成果については、共同コミュニケとして取りまとめ発表いたしました。また、年内に中国で開催予定の第二回日中韓首脳会議に対して、環境協力に関する三大臣による提案として提出することを考えております。我々の提案が首脳会議で議論され、三カ国の環境協力に関する首脳からの強力なメッセージが発出されることを期待します。
 また、三カ国大臣会合に先立ち、六月十三日には中国の周部長、韓国の李長官とそれぞれバイ会談を行いました。
 中国の周部長とのバイ会談では、環境省と中国環境保護部の協力を強化すべく、日中環境閣僚級政策対話を行う等の環境協力の一層の深化に関する覚書、川崎市及び瀋陽市の環境にやさしい都市の構築に係る協力に関する覚書及び環境に関する普及啓発・教育及び技術の分野における協力の一層の深化に関する覚書の三本の覚書に合意し、翌十四日に署名式を行いました。これら三本の覚書は、日中環境協力が新たな段階に入り、一層具体的に取り組む姿勢を明らかにしております。
 また、窒素酸化物の大気総量削減に係る共同研究ワークショップ等、日中両国の統合的かつ集中的な環境汚染対策協力の実施について合意しました。この合意を踏まえ、六月二十二日から約二週間にわたり、日中環境汚染対策協力ゴールデンウイークと銘打って、各種ワークショップ等を開催することとしました。これを契機として、温室効果ガス削減と環境汚染対策を同時に実施するコベネフィット・アプローチ、大気汚染対策及び水質汚濁対策等に関して中国との間でより一層の環境協力を進めてまいりたいと思います。
 韓国の李長官とのバイ会談では、私からは中期目標への御理解をお願いするとともに、次期枠組みへの韓国の積極的な参加を要請しました。李長官からは、日本の動向を参考にしつつ、韓国の中期目標や次期枠組みへの参加について検討を進めていきたいとの回答をいただきました。また、私から海洋ごみへの取組の一層の強化を要請し、引き続き協力を進めることを確認いたしました。
 また、六月十四日の三カ国大臣会合終了後には、中国で気候変動問題を担当する国家発展改革委員会の解振華副主任とバイ会談を行い、気候変動問題、特に我が国の中期目標について意見交換を行いました。私からは、今回発表した中期目標は、世界最高水準のエネルギー効率を達成している我が国にとって野心的なものであること、国内での削減分のみのいわゆる真水の目標であること、この中期目標は二〇五〇年に六〇から八〇%削減するという長期目標への道筋を付けるものであることを説明し、中国の理解を求めました。
 解副主任からは、日本にはより高い目標を求めたいが、その一方で中国の省エネ及び気候変動対策への決意は変わらない、また、日本との技術協力に強い期待を持っているとの御発言がありました。
 今回はごく短時間の意見交換でありましたが、解副主任とは、今後頻繁にお会いして対話と協力関係を深めようということで一致いたしました。年末のCOP15での合意に向けて、中国の次期国際枠組みへの積極的な参加を促すべく、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 以上の会合の結果を受け、今後とも環境・気候変動分野での三カ国の協力を促進させてまいりたいと思います。また、今回の一連の会談を通じて、中国及び韓国の関係閣僚との信頼関係を深めたことも大きな収穫であったと考えます。
 環境大臣として、国際的な議論に積極的に貢献すべく一層努力してまいりますので、引き続き御支援をお願い申し上げます。
 以上です。
#9
○委員長(有村治子君) 以上で報告の聴取は終了いたしました。斉藤大臣、ありがとうございます。
 これより早速質疑を行いたいと存じます。
 質疑のおありになる方は順次御発言願います。
#10
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。久しぶりに環境委員会で質問をさせていただきます。どうかよろしくお願い申し上げます。
 まず冒頭、斉藤大臣におかれましては、日中韓の会議、御苦労さまでございました。また、中国の解振華副主任との会談も私は非常に有効だったと思いますし、私も解副主任とはお目に掛かったことがありますが、会談もさせていただきましたが、非常にタフネゴシエーターという印象でございまして、大変専門的ですし、世界情勢のことについても造詣が深いと。また、中国の温暖化対策、省エネの技術化等についても陣頭指揮を執られている方でいらっしゃいますし、斉藤大臣がCOP15の前に解副主任と会談を持たれたことは非常に有り難いと思いますし、御苦労さまでございます。
 また、伊藤副大臣におかれましては、他の委員会でございますがお越しをいただきましてありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
 早速質問に移らせていただきたいと思います。
 六月の十日、麻生総理が、待ちに待ったというか、やっと出てきたかというか、中期目標を発表されました。私は大変不服だったんですが、残念だったんですが、二〇二〇年に二〇〇五年度比一五%と。簡単に言うと、一九九〇年比で八%の削減にとどまる中期目標ということになりました。二〇〇五年比一四%削減ということが調整されていて一五に変わりましたから、一%だけが総理のリーダーシップかというふうに皮肉的にもとらえられますが、本当にこれでいいのかという思いでいっぱいでございます。
 私は、この中期目標の発表で、国際交渉はここからスタートすると思いますから、このポジションのまま日本が国際社会に対応していただけるとは思えないんですけれども、少なくとも三つの意味で日本はチャンスを失う可能性があるのではないかと思っています。チャンスを失ったとはさすがに私も申し上げませんが、失う可能性があるのではないかと。
 一つは、まさにグリーンニューディールを含めた温暖化対策と経済成長の両立の観点です。これはもう、政府もあるところではグリーンニューディールだと言いながら、あるところでは国民負担だと言って、どっちなのかよく分からないようなことをよく言われるわけですが、二十世紀は化石燃料で人類は発展をしてきました。経済成長もしてきました。そして、それを二十一世紀はまさに非化石燃料にチェンジをすることによって新たなマーケットやライフスタイルをつくると。そのための競争とモデルづくりがこれからの五十年間スタートしているんだと。これはもう斉藤大臣も同じ認識だと思います。
 ところが、日本はいろんな意味でこの京都議定書を含むポスト京都の議論、中期目標の議論に対して後ろ向きと取られかねない発言をたくさんしていると。そのことは、実は経済界の中ではいろんな御意見ありますが、明確に国が目標を示してくれて規制をこうするんだと言ってくれないと、経営目標も立たない、経営方針も立たない、そういった声も実態としてはあることも含めて、このポジションでは私は日本の将来的な経済成長の芽、それから技術革新の芽、それから世界のマーケットで日本の冠たる省エネ技術とかエコカーとかが普及をするためのチャンスを失うのではないかと。EU、アメリカは、もう確実にそのことに向けて競争を始めています。
 アメリカのオバマ政権がなぜ十年間のグリーンニューディールを政府の財政投資の規模まで言ってやっているかというと、それは、各企業に対して、こういう方向で政府は後押しをするから、それに沿って経営努力をしなさい、それに沿ってマーケットで技術革新でリードできるようにしなさいという意思表示です。
 日本のように、京都議定書の約束もままならない、そして二〇〇五年という突然ルールの違う基準を持ってきて、そして九〇年度比では八%程度のもので、一体、本当に経済に対してどのようなインパクトを与えるつもりなのか。私はそのチャンスを失いつつあると思っています。
 二〇〇五年に太陽光発電の補助金を打ち切って、そしてあっという間に、わずか三年でドイツや中国に日本の冠たる省エネ、太陽光の技術がシェアを奪われた事実はもう目の前にあったわけですから、その轍をまた踏もうというのかというのが私の今の率直な感想です。
 経済的手法について、極端な話を言うとクレジットの扱いについては、麻生政権は表明をされませんでした。簡単に言うと真水で一五だと、これは評価をされてもしかるべきことだと思いますが、しかしながら、実は世界は、途上国への投資も含めてクレジットをどう扱うかということによって炭素マーケットがどのぐらい広がるか、その炭素マーケットにどの国がどうコミットメントするかについての議論が始まっています。そのことについて何も言及をしないことについても、私はある意味で言うと非常に無責任ではないかと。
 排出量取引は、アメリカでは、御案内のように、ワクスマン・マーキー法でもうきっちりと議論をされ出しています。下院は通過をいたしました。上院で秋までにどうなるかが世界中の焦点です。カナダ、オーストラリアでも準備を始めました。EUは御案内のとおりでございます。
 その中で、日本はいつまでぐずぐずしているんだと、そこで乗り遅れたときにどう対応していくんだというのが私の率直な思いで、これが一つ目のチャンスを失いつつあるのではないかということです。
 二つ目は、まさに政府の言われている、総理も言われました基本原則の全員参加です。
 私たちも、中国、インドを始め途上国、それからアメリカ、当然ポスト京都には枠組みに参加をいただかなければいけないと思っていますし、それこそ実効性が上がらないという認識で共通でございます。
 しかし、中国、インドを含めて途上国は、先進国に共通だが差異ある責任というものを求めていて、これはほぼ、まあある種の共通のみんなの理解です。そのときに、日本が一九九〇年度比八%削減という状況で、どうやって中国、インドに入ってこいというんでしょうか。どうやってそこで彼らは新しい枠組みに入って義務を、まあ義務ではないとしても目標かもしれませんが、それにコミットしようとするんでしょうか。
 アメリカは、御案内のように、土壌を含めて農地の吸収作用ということを新しいルールに入れようとしている。アメリカの今の水準で言えば、ひょっとすると国際交渉の中でもう少し前向きに排出の目標が出てくるかもしれない。そのときに、日本のポジションであっという間に取り残されたときに、国際社会にどう顔向けをするんでしょうか。
 総理はリーダーシップということを言われます。私は全くこの議論は逆だというふうに思っていまして、この状況で日本が標榜する全員参加が本当に実現できるのか、このスタートラインでどうやって日本は交渉でイニシアチブを取ろうとしているのか、私には全く見えない。日本のこの問題に対する交渉のリーダーシップを取る可能性、そういうチャンスも私は失いつつあると思います。
 三つ目は、麻生総理の会見の中で全く議論がなかったのは、温暖化対策を取らなかったときの損害や経済的損失に対する議論です。
 ツバルの議論は何かおまけのように出てまいりましたけれども、実際に温暖化対策を取らなかったときの生態系の破壊、それから作物の変動、いろんなもの、そういったものに対しての言及なくして、ただ単に、国民に負担を押し付けるんだ、押し付けるんだという議論は、全くもって私は誤解を与えるものだというふうに思っておりまして、そういう温暖化が進むことに対する被害を最小限にとどめて、そして、その中でいかに経済的なものをプラスにしていくかということが我々政治にとって課せられた私は責任だと思っておりまして、そういった、今のように温暖化が進んだことによる損害等を、目をつぶることによって、実はその損害、被害を最小限に食い止めるチャンスも私は失いつつあるというふうに思っています。
 環境大臣は、この中期目標の発表に至る段階において大変政府内で御努力をいただいたことを私は本当に感謝をしていますし、生意気ながら評価をさせていただいています。環境大臣が当初言われた九〇年度比一五%は可能だと、対外的には一五から二五%という幅のある数字を掲げるべきとの考えは、私はまさに全く同じ思いでございまして、例えば一五%を掲げたとしても、二五までの幅のところで国際交渉上いろんな弾力性を持って交渉できる。もっと言えば、そのところにクレジットに対する新たな考え方も導入できる。まさに、大臣のこれまでの主張は、私は非常に合理的かつ非常に国際的に信頼を持っていただけるコメント、御発言だと思っておりました。
 斉藤大臣も内心じくじたる思いかもしれませんが、この総理の中期目標について大臣はどう受け止めておられるのか。私は殊更ここで閣内不一致だなんと言って騒ぐ気は全くありませんが、残念ながら、大臣が今回、麻生総理の中期目標を了解をされた、その理由も併せてお答えをいただけませんでしょうか。
#11
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 政府で結論を出す前に各大臣がそれぞれ自分の信ずるところを述べるということ、ここで各大臣の意見が違う、これはある意味で当然のことだと思います。そういう意味で、私も私の信ずるところを述べてまいりました。そして、それをまとめて、総理が各方面の意見を聞き、我々大臣だけの意見ではございません、いろいろな各種団体の意見も聞き、総合的に総理が判断をされたことでございますので、私も閣僚としてそれを重く受け止めて、今後これが世界に理解をしていただけるように努力をするという今決意でございます。
 福山委員がおっしゃった三点、非常に重要な点だと思います。このそれぞれについてこれからまた御議論があろうと思いますので、一つ一つ今ここで反論をいたしませんけれども、私の意見を申し述べませんが、一点だけ、今回の議論を通じて、いわゆる排出量取引悪玉論といいましょうか、それはマネーゲームであって、排出量取引そのものが悪いんだという議論がいかに社会に、そして議員の間に根強くなっているかということを痛感をいたしました。
 私は、排出量取引というのは、最も安いコストで二酸化炭素を減らしていく手段として非常に有用なものだと思っておりますし、これからまた国際貢献の中で大変重要な、国内での真水の削減と同等、またそれ以上に大事なもの、そういう認識で議論をしていかなければ世界から取り残されるということを痛感しまして、まず国内のそういう意識を変えていくということを最大限努力していかなきゃいけないんじゃないかなということを私自身、今回の議論を通じて感じたところでございます。
 そういう意味で、今やっております試行、排出権取引の国内試行、これが成功するように全力を挙げていきたいと思います。
#12
○福山哲郎君 大臣のお立場では本当にそういうお答えになるんだと思います。
 ただ、信じるところは重要だと思います。まさにここが日本のブレークスルーの私はきっかけになると思っておりまして、現実に十二日までボンでCOP15に向けた準備会合が開かれていました。デ・ブア国連気候変動枠組条約事務局長は、日本の麻生総理が発表した中期目標についてコメントを求められたと、マスコミに。そのときに、アイ・ジャスト・ドント・ノウ・ホワット・ツー・セイと。簡単に言うと、何を言っていいかよく分からないと述べられたと。条約事務局の事務局長でいらっしゃいますから政治的な発言はできないというふうに思いますけれども、何を言っていいかよく分からないというのは、私はそのときの空気からしても、出席者から聞きましたが、余りその中期目標を歓迎するような声ではないような気がします。
 また、今日委員会でお配りはできませんでしたが、これがボンで配られたNGOが出しているジョージW・麻生というアイコラのチラシ、ビラが出ました。確かに、NGOが出しているビラがすべての国際社会の中での空気を表しているとは私も思いません。しかし、いきなりこういう状態でこの中期目標が受け止められていること自身が私自身は残念だというふうに思います。
 先進国や途上国、出席をされている方からどのような評価が、反応があったのか、外務副大臣、もしよろしければ、国際会議の状況等について御披瀝をいただけませんでしょうか。
#13
○副大臣(伊藤信太郎君) 六月十日の総理のスピーチを受けて、ドイツのボンで行われていた国連交渉の場において我が国の代表団より発言し、温室効果ガスの削減に関する我が国の中期目標の発表について紹介したわけでございます。この発表、我が国の中期目標発表に対する各国の反応でございますけれども、これは好意的なものから批判的なもの、あるいは更なる説明を求めるものなど様々でございます。
 外務省としては、今回の発表を受けて、国際的に日本の考えをしっかり説明していってこれから交渉に臨んでいくということでございます。
#14
○福山哲郎君 さっぱり分からないお答えですが、いろんな意見があるのはしようがないと思いますが、大臣はこういった、NGOからのこういうようなものが出たり、条約事務局長のコメントも含めて、率直に失望の声が上がっているというのは、多分大臣は国際会議の空気をよくお分かりだと思いますが、どんなふうにお感じいただいていますか。
#15
○国務大臣(斉藤鉄夫君) NGOの方々から厳しい意見が表明されたということを報告を受けましたし、また報道でも見たところでございます。世界の気候変動に対して大変危機感を持っていらっしゃる方々のその危機感の表明と、このように受け止めさせていただいております。
 今後、今回の中期目標はこれからの国際交渉のスタート地点、第一歩ということでございますので、その点も含めて、日本の真意を御理解いただけるように私としても努力をしていきたいと思います。
#16
○福山哲郎君 もう一点、先ほど私が申し上げた点ですが、大臣、主要排出国の全員参加でございますが、私は日本のこのポジションだとなかなか中国、インド、まず途上国を説得しにくいと。それは先進国の責任として、これでは多分IPCCの報告とも異なっているわけです。
 よく議論があるのは、中国やインド、アメリカと日本を同じに並べて、日本は頑張っているんだという議論がありますが、日本は少なくとも京都議定書の批准国です。アメリカはいいか悪いかは別に批准をしませんでした。それは国際的な責任は全く違います。それから、中国、インドは当時、京都議定書ができたときは途上国の扱いで、中国ももちろんこんなに経済成長しているわけではないので義務がありませんでした。それを急に、批准をしている責任のあるこの国が全部そういった、若干そのときの環境によって立場が違う国を横並びに並べて、日本はそれでも頑張っているんだというのはなかなかそこは説得力がないと思っているんですが、このポジションで、斉藤大臣自身は、解副主任に会われたこともそうなんですけれども、国際交渉上、全員参加をどう担保され、どう交渉を進めていくつもりなのか、お答えをいただけますでしょうか。
#17
○国務大臣(斉藤鉄夫君) アメリカにつきましては京都議定書に入っておりませんが、先進国の一員として、また世界の二二%の二酸化炭素を出す国として、私は、今オバマ政権に入って一緒に我々と肩を並べて削減努力していかなくてはいけないと思っておりますし、またアメリカにもそのような自覚があると思います。そのアメリカが、オバマさんが二〇〇五年比で一四%減と、ヨーロッパは一三%減、そのほかの努力によってはプラス一〇%してもいいと、このように言っておりますけれども、また豪州、カナダなどいわゆる先進国、アンブレラグループの中期目標と比較しましても、また、今回真水だけだということを考え合わせると、決して日本が大きく劣っているということにはならないと思います。
 いずれにしましても、今後、このクレジットをどう考えるか。そして、解副主任とも話をして、中国は途上国への先進国の技術移転を大変大きな期待をしているということもございます。そういうこととある意味ではパッケージで考えて日本のリーダーシップを発揮していく、主要排出国、途上国の参加を促していくということが今後肝要かと思っています。
#18
○福山哲郎君 斉藤大臣は分かっておられて言っておられるんでしょうが、EUの二〇〇五年一三%マイナスは一九九〇年度比でちゃんと減らした後のマイナスですから、日本のように増やし続けて、そして高いところのレベルの二〇〇五年を基準にしているのとはちょっと違いますので、一九九〇年度比では、EUは御案内のように三〇%まで削減すると言っています。ここは多分全然違っていて、そういう本質的な議論をやっぱりちゃんと伝えるべきだと思います。その結果でいいのかと。だって、それは国際社会に行けば全部分かっているわけです、それぞれの国は。その下で、本当にこれで全員参加が担保できるのかどうか、私は非常に危ういと思っているんですが。
 ボンで国際会議が開かれ、そして麻生総理が中期目標を発表している直後、さなかですが、十三日に、十二日か、十二日に、アメリカのトッド・スターン気候変動問題担当特使が中国に飛んで、中国と二国間で、バイでこの温暖化の交渉をしています。
 私はやはり中国とアメリカというのはポイントだと思っておりまして、二か国で全世界の約四〇%を排出をしていると。この両国が新たな枠組みに入らなければ、実は新たな枠組みの意味がないということも私は重々承知していますが、少なくとも、中国とアメリカがバイでいろんな交渉をし出しているところで、日本がどういう立場で、どういう形でこのアメリカ、中国の動向をウオッチし、その状況をにらみながら自分のポジションをつくっていくのか、非常に重要だと思います。
 EUは御案内のように恐らくアメリカとは連携をそれなりにしていると私は推察をしますし、そのときに、日本がこのポジションで孤立をしないか、若しくは完全に国際交渉から取り残されないかということに非常に危惧をしているところでございます。
 この米中の温暖化交渉について、アメリカから何らかの報告なり情報を外務省としては受けているのか、環境省としても受けているのか、外務副大臣、それから大臣、お答えをいただけますでしょうか。
#19
○副大臣(伊藤信太郎君) 委員御指摘のように、スターン米国気候変動特使は六月の七日から十日に中国を訪問し、気候変動問題について中国側と意見交換を行ったと承知しております。
 そして、この気候変動問題に関して、我が国は通常から、米国との間で平素より緊密に意見交換や協議を行ってきているところでございます。そして、今回のスターン米国気候変動特使の訪中に関しても、その概要等について米国より連絡を受けております。しかしながら、その詳細については、相手方といいますか、外交上のやり取りでもあり、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#20
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 一昨日、解振華副主任とお会いしたときも、トッド・スターンと長時間にわたりぎりぎりの議論をしたと、このような発言がありました。中身については話してくれませんでしたけれども、そういう意味で、米中は緊密にやっているということがよく分かります。日米そして日中、ここも本当にしっかり緊密に連携取らなきゃいけないなということを痛感して帰った次第です。
#21
○福山哲郎君 今私は大臣に、解副主任との会談でそのことに言及ありましたかと聞こうと思ったらお答えいただいたので、ありがとうございます。
 本当に実は、もう皆さん御案内のように、十二月のCOP15までもうわずかしか時間ありません。EUはメンツに懸けても何とかまとめたいと思っているでしょうし、そのためには中国を始め発展途上国の参加は不可欠ですから。
 ですから、その中で本当に日本がどういうポジションになるのかなというのを私は本当に今不安になっていまして、先ほども申し上げましたが、クレジットの話について先ほど大臣からの答弁はいただきましたけれども、じゃ、そこで日本のポジションははっきりしているのかと、クレジットについてこういうスタンスなんだと。現実の問題としては、排出量取引はまだ試行的な話ばかりではっきり決まっていない、炭素税も政府内ではまだ全く具体的な議論もないということで、それは大臣、政府部内で排出量取引の評価が低いというのは先ほど重々感じられたというのはお伺いをしましたが、ただ、少なくともこの半年の間にある程度クレジットに対するポジションは決めないと、交渉にならないですよね。
 逆に相手から日本にとって不利なルールを交渉で押し付けられる可能性がいっぱい出てくるわけで、そのことについては戦略的に対応できる用意があるかないかと聞いても大臣にはなかなか今の政府の空気からいうときついと思いますが、どんなふうに今お考えですか。
#22
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 京都議定書では、いわゆるシンクやクレジットが五・四%分入っております。そして今、次期枠組みでの議論をしておりますと、途上国への技術支援とともに資金援助、これをどのように行っていくのか、そこ、資金援助と技術支援が途上国参加の一つの大きなキーになっている。そういうことを考えますと、それ相応の柔軟性措置やシンクを考えないとこれから国際交渉になっていかないだろうと、このように思っております。
 そういう意味で、柔軟性措置への国内の理解を深めること、そして、今それを怠っていると、世界のルールが先にできてしまって、非常に不利な条件で日本がそこに参加せざるを得なくなること等を環境省としてはしっかりと訴えていくことが国益にかなうことになると思っています。
#23
○福山哲郎君 そこは是非お願いしたいと思います。
 経産省にお伺いしたいんですが、今回も国民の負担というのが非常に大きく強調されました。本当にそうなのか私は疑問に思っておりまして、あの内閣府の作った中期検討委員会の六つのパターンですが、温暖化対策を何もしないと一・三%経済成長し続けるんですよね。それが一番経済成長するというモデルなんですね、何もしないと経済成長一番すると。温暖化対策をすると、その何もしないよりかは雇用も落ちる、経済成長率も落ちるという、そのことで雇用に影響があるというのがあの中期検討委員会のモデルでして、私はモデルの作り方自身に大変問題があると思いますが。
 今回も、そのこともあり、また会見でも、日本のエネルギー効率は既に世界一で、中国の八倍だという数字が麻生総理から出されました。このことも僕はこの委員会で何回も言っているんですが、それは一体いつの数字だと。二〇〇〇年の為替水準をそのままにして、中国の経済成長だとか為替の強さを全く無視した話をしているんじゃないのかと言っても、全く数字が新たなのが出てこなかったんですが。
 例えば、二〇〇六年のGDP当たりのCO2排出量を基準為替レートで換算した場合と購買力平価で比較した場合どういう状況になるのか、経産省、お答えいただけますか。
#24
○政府参考人(西本淳哉君) お答え申し上げます。
 国際エネルギー機関それから世界銀行の統計に基づきまして試算をいたしますと、二〇〇五年の購買力平価を用いて二〇〇六年のGDP当たりの二酸化炭素排出量を比べますと、一ドル当たりで、日本は〇・三〇キログラムCO2に対しまして中国は〇・九二キログラムCO2ということになります。これは購買力平価で比較した数字でございます。それから、為替レートで比較した数字でございますけれども、日本が〇・二七に対しまして中国が二・五二ということになってございます。
#25
○福山哲郎君 これ、片方は十倍近く、片方は三倍ぐらいになるわけです。
 これ、二〇〇五年の為替でやられた理由がよく分からないんですけど、要は、中国の為替はどんどん強くなっていますし、購買力平価で見て基本的な換算をするのが、これもある意味でいうと普通の議論になっているんですが、日本はいつまでたってもこの話を変更しないで十倍だ十倍だと議論をしています。各セクター別のエネルギーの、CO2の排出のエネルギー効率も、早く出してくれと言っているのになかなか出してくれません。
 私は、何度も申し上げますが、この環境委員会も経済産業委員会も共通の指標でみんな議論をしましょうと。都合のいい数字ばかりではなくて議論しないと、先ほどの負担の話も含めて国民に誤解を与えると思っておりまして、我々民主党としては、法案を国会に、参議院に提出しておりますので、是非審議をしていただきたいというふうに思いますし、温暖化の交渉はこれから半年間ずうっと続きますので、環境大臣には是非御健闘をいただきたいというふうに心からお願いを申し上げまして、時間になりましたので、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#26
○岡崎トミ子君 続きまして、民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。
 私も、繰り返しになりますけれども、総理の中期目標の会見を見ました。二〇〇五年比でいうと一五%、京都議定書の一九九〇年比でいうと八%というこの数値目標を野心的だと胸を張られたというのが大変印象的だったわけなんですけれども、総理は、総理の下ではというふうに言ったらいいのかもしれませんけれども、本来であれば意欲的な数値目標を示して、そして世界と一緒になってこの目標を推進していくという、そういう政治のリーダーシップというのを見ることができませんでしたし、また低炭素社会づくりのために大きくかじを切っていくということや、そのことによって、今、福山さんも触れられておりましたけれども、グリーンニューディールで言っている産業の構造の転換、雇用の創出、そういうものが大きくできるいいチャンスであったのに、そのチャンスを逃したなという残念な思いをしております。
 ところで、この再生可能エネルギーの問題について次に質問していきたいんですけれども、政府が決めました固定価格買取り制度なんですが、対象は非常に限定的であります。余剰電力だけ、太陽光発電だけということなんですが、環境省では再生可能エネルギーにつきまして、その導入の促進、特に風力発電の導入促進についてどのように考えているのか、お答えいただきたいと思います。
#27
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 風力発電でございますが、京都議定書目標達成計画におきましては、二〇一〇年度までに三百万キロワット導入することを掲げておりますが、二〇〇八年度時点で百八十六万キロワットの導入にとどまっております。六割ちょっとというところでございます。
 この京都議定書の目標達成をしなくてはなりませんし、また、中長期的に温室効果ガスの大幅な削減を達成し低炭素社会へ転換していくためには、風力発電を始めとする再生可能エネルギーを大胆に導入することが必要だ、風力発電についても大胆に導入することが必要だと、このように考えております。
#28
○岡崎トミ子君 民主党は余剰買取りということではなくて全量買取りの義務化を決めているわけなんですけれども、一方、やみくもに増やせばいいというだけではないというふうに思っておりまして、きめ細かで丁寧な配慮が必要だというふうに思うんですが、特に大型の風力発電の場合には、物が大きいだけに環境への影響が非常に大きいというふうになっていることを踏まえなくてはいけないというふうに思います。自然環境への配慮ですとか景観への配慮ですとか、特に私たちが注意をしなければいけないのは人の健康についての配慮だというふうに思っております。
 先日、市民団体主催のシンポジウムに出ましたときに、ドイツの環境省の方もいらっしゃいまして、その方もこの風力発電についての環境影響評価ということについて触れておいででございました。
 この風力発電の環境影響、健康影響について現在どのような検討状況にあるのか、そして現在、環境影響評価の在り方について検討が行われているというふうに思っておりますけれども、その中で風力発電施設の環境影響についてはどういう議論がなされているのか、お聞きしたいというふうに思います。
#29
○政府参考人(小林光君) まず環境影響評価法でございますけれども、これは施行から十年の節目を迎えております。そういうことで、有識者の研究会というのを設けまして、この制度の課題ということに関して論点の整理を進めているという段階にございます。
 その中で、御指摘のとおり、この風力発電につきましても御議論が行われてございます。私ども承知しておりますのは、今委員の方から御指摘ありましたけれども、景観の問題、あるいは鳥ですね、鳥類の衝突の事故の問題、あるいは低周波の問題等々、いろんな問題が起きてございます。こういった論争を踏まえまして、この研究会で検討を行っております。
 具体的なお話といたしましては、いろんな意見出ておりますけれども、例えば立地条件、あるいはそういうものに見合った立地になるわけでございますので立地される場所が特定の地域に限られているということで、現在、七団体ほど地方団体が条例を設けて、アセス条例の対象としてこの風力発電の問題を扱ってございますけれども、引き続きこうした地方条例によって対応するのがいいのではないかという意見も一つございます。また、逆でございますけれども、NEDOのマニュアルあるいはこの条例の運用実態でもなお問題があるということであれば、何か制度的な工夫というのが必要ではないだろうかというような御意見もございます。また、ずばりアセスメント法のその改正の中でこういうものを考えたらどうだろうかといったような御意見もいただいているところでございます。
 まだ引き続きこのアセスメント制度見直しに向けまして検討を続けたいと思っておりますが、現状こういったことで、既にレポートの案といったようなものが公表されてございます。
#30
○岡崎トミ子君 人の健康の影響について大変深刻であるというこういう状況について、市民団体の方で様々な調査、聞き取りをしておりまして、そこから資料などもいただいているんですが、経済産業省では、この風力発電による健康の影響に関して、こういう訴えに関して現在どのような対応を取っていらっしゃるのか、今後に向けてどのようにしていきたいとお考えなのか、伺っておきたいと思います。
#31
○政府参考人(羽藤秀雄君) お答えを申し上げます。
 我が国において、委員御指摘のとおり、一部の風力発電施設の近隣住民から健康影響が訴えられていると、こういう事例があることは承知をいたしております。
 一般に、健康影響と風力発電施設の稼働との間の科学的な因果関係については必ずしもこれは明らかとはなっていないというふうにも認識をしておりますけれども、経済産業省におきましては、風力発電施設の設置を補助する事業を実施をしておりますので、風力発電施設の稼働の後に騒音などの問題が発生した場合には、個別事案ごとに事業者から状況を聴取するなど、その実情の把握に努めて、また適切な対応を促しておるところでございます。
 なお、環境省におかれて現在、風力発電施設から発生する低周波音に関する調査などが行われており、知見の充実に努められていると、そのように承知をしておりますので、こうした調査の結果なども踏まえまして、今後とも風力発電施設の稼働に伴う騒音などの影響について注視してまいります。
#32
○岡崎トミ子君 今のお話ですと、事業者の方にきっちりと話を聞いてもらうようにしている。私はこれまでいろんなところでその状況を聞きますと、事業者の方は住民の方と対応した場合に、いろんなことを訴えられても、最初に住民に説明をするときに、そのような状況になるかもしれないという質問を受けていなかったので説明しなかったなんて言っているんですよね。本当に住民の皆さんたちが不信感を持っているという状況なんです。
 聞くだけではなく、その調査に関しては環境省が行っているので、環境省の方からその答えが出てきたらその答えに従って何とかしていこう、こういうふうに聞こえたんですけれども、経済産業省自身としては、現在、調査研究の必要を感じないんでしょうか、関心を持っているんでしょうか。
#33
○政府参考人(羽藤秀雄君) お答えを申し上げます。
 この風力発電施設から発生いたします騒音あるいは低周波音に関する苦情が発生をしておる事例、このことについては、私どもも個別事例に即しまして実情の把握に努めておるところでございます。
 ただ、一般的に、これは健康影響と風力発電施設の稼働との間の科学的な因果関係については必ずしも明らかになっていないというふうに認識をしております。
 なお、風力発電施設の設置に当たりまして、周辺住民からの合意を得てこれを取り進めていくということは、これは同時に重要であるというふうにも考えております。
 こういう観点から、個別事案ごとに事業者から状況を聴取するなど、補助金の実施に当たりましては適切に対応をするように事業者に引き続き促してまいりたいと考えております。
#34
○岡崎トミ子君 因果関係がはっきりしないと何もやらないということは、いつ分かるのか明らかになっておりません。これからも追及していかなきゃいけないと思っておりますが、このような健康被害の訴えについて環境省の場合にはどのように把握しているんでしょうか。
#35
○政府参考人(白石順一君) 今委員から御指摘もありましたように、近年、風力発電施設が居住地区の近所で建設されるということがありますので、地元の住民の方々から低周波音に関する訴えがあるということは承知しております。一般に、今申し上げておりますのは、健康影響と風力発電施設の稼働との関係については必ずしも明らかになっていないということではございますけれども、こういう苦情が発生しているということ自体は新聞報道あるいはいろいろな陳情というふうな形で承知をしております。静岡県等五つの地域につきましては、関係地方公共団体から情報収集をお願いしたところ、大体四十人ぐらいの方が今のところ苦情を訴えているというのを、それぞれの自治体、合計でございますけれども、把握をしているということを承知しております。
#36
○岡崎トミ子君 私は七十人ぐらいいるというふうに聞いているんですけれども、まだまだ行われている場所も少ないというところですけれども、これからどんどん増やすという意味も含めてやっていかなきゃならないのは、その原因や対応についての調査研究ですね、これがどんなふうになっているのかをまずお聞きしたいと思いますけれども。
 他の国でこの低周波音についての調査を行っているというふうに聞いておりますので、外国での例はどんなふうになっているんでしょうか。それから、これまでのところどのようなことが分かっているのでしょうか。それから、風力発電について、立地規制というような健康被害を防ぐための措置をとっている国はあるんでしょうか。低周波音について健康被害防止の観点から環境アセスメントの調査目標、項目について義務付けている国というのはないでしょうか。
#37
○政府参考人(白石順一君) 環境省におきましては、移動発生源等の低周波音に関する検討会というのを設けていただきまして、それによって、今年の三月でございますけれども、諸外国における風力発電施設から発生する騒音、低周波音に係る基準等の状況を調査したものを取りあえずの暫定版という形で公表をさせていただいております。
 その内容に沿って御説明いたしますと、この調査におきましては、風力発電による電力ベースの累積導入量が多い主要国を対象にして、国あるいは州レベルでの法制度、公的機関が公表している報告書、こういったもので国内で入手可能なものを集めてみたという調査をしております。
 具体的には、騒音、低周波音に関する基準あるいはセットバック等の施設の設置要件等々があるのかということでございます。今のところ、この暫定的な報告に基づきますと、風力発電施設から発生する低周波音に特化した基準あるいはガイドライン等というものは把握はできませんでした。ただ、その一方で、ドイツ、フランス等におきましては風力発電施設の騒音に関する基準等が設定をされているということが分かりました。まだまだ主な国ということで、多くの国で州レベルということもあるようでございます。
 まだまだ速報的な形で取りまとめたものでございますので、もう少し掘り下げた情報の収集あるいは調査というものを引き続き行いたいと考えております。
#38
○岡崎トミ子君 何であれ、風力発電を立地する際に、周辺住民の皆さんに情報を公開して、そして住民の合意を立地の場合には必要とするということを大事にやっていただきたいと思いますが、大丈夫だろうという認識ではなくて、問題はないかという認識に立って是非進めていただきたい。
 健康影響ということについては調査研究を更に続けていただくということをお願いしたいと思いますが、この健康影響について、医学的な調査だけでなくて、被害が訴えられているというケースについて疫学的な調査も必要ではないかと思いますけれども、今後の取組の認識をお聞きしたいと思います。
#39
○政府参考人(白石順一君) いろいろな調査の手法というものがございます。まずは諸外国の状況ということでございますけれども、その上で、必要に応じてそれにまた追加する国内のいろいろな調査、聞き取り等も行わなければならないというふうに考えております。
#40
○岡崎トミ子君 先ほど、立地条件ということについては小林さん触れられておりましたけれども、その大きさですとか羽の形、立地規制、住宅との距離、そして数、何らかの技術で解決をすることができないかその方法ということと被害の関係について是非疫学的に調べていくべきだというふうに思いますし、合意形成の仕方も含めてルールをつくっていかないといけないんじゃないんでしょうか。これから風力をもっともっと進めていくという意味でも、適切に利用していくことが大切だというふうに思います。
 さて、次に、農薬の空中散布について伺いたいと思いますが、昨年、出雲市で、空中散布について子供たちを中心に、千二百人もの子供たちの被害、健康被害を訴えるという事件がありました。市では安全が保障されない限り空中散布はできないとして今年度中は空中散布を行っておりませんし、隣の松江市も中止をしたということであります。
 そこで確認をいたしますが、今年は空中散布について予算と対象面積はどのぐらいになっていますでしょうか。昨年と比べてどのぐらい減っておりますでしょうか。
#41
○政府参考人(島田泰助君) 林野庁におきましては、森林病害虫防除事業の中で、松くい虫被害対策といたしまして都道府県や市町村が行う防除事業に対して支援を行っているところでございまして、このうち松くい虫防除に係る空中散布につきましては今年度予算額として五千三百万円、対象面積二千ヘクタールを予定しているところでございます。この数字につきましては、昨年度との比較ではおおむね昨年度と同程度の規模でございます。
#42
○岡崎トミ子君 減ってないということですね、減っていない。
 そういう状況でありまして、今年度、国有林三千ヘクタール、民有林一万八千ヘクタールを対象に有人ヘリによる空中散布が実施されるというふうに聞いているわけなんですけれども、国有林について昨日資料の提供をお願いしましたら、突然では出てこないということですので、是非後ほど提出をしていただきたいと思います。
 そこで、昨年の事件を踏まえまして、今年度の空中散布につきまして国としてどのような対応を行ったのかでありますけれども、減らす努力というのはそれぞれの都道府県、自治体で一生懸命行っております。大変深刻にとらえながら頑張っているというふうに理解をしているんですけれども、そのスピードと実効性を求める立場からは真剣味が疑われるという、そういう部分もございました。
 そこで、今回、千人以上もの健康被害を訴える事件があったことをきっかけにしまして、これを加速していく努力は必要じゃないかというふうに思うんですが、同じ空中散布をやるだけでも、今年度は絶対に健康被害を出さないという、そういう気持ちでこの注意喚起をしていただきたいというふうに何回も会合も開きながら訴えてまいりましたけれども、文書ではどのようなことをなさってきましたでしょうか。
#43
○政府参考人(島田泰助君) これまで空中散布の実施に当たりましては、森林病害虫等防除法に基づきます農林水産大臣が定めた防除実施基準に従って、安全かつ適切に実施されるように、病院、学校、貴重な野生動物の生息地の周辺においては実施しないことですとか、環境の保全や農業、漁業への被害防止のための必要な措置を講ずることなどにつきまして、担当者会議の開催ですとか指導文書の発出を通じまして、地方自治体に対する指導、助言というようなことにも努めてきたところでございます。
 平成二十一年度、今年の部分につきましては、出雲市の事案も踏まえまして、本年四月に開催いたしました担当者会議の席上におきまして、都道府県を通じて市町村、関係機関等に対しまして防除実施基準等に基づき空中散布等を一層適切に実施するよう周知徹底を図ったところでございますし、また薬剤の散布に当たりまして、使用薬剤、散布方法等について地域住民に対する周知徹底を図るよう、本年四月九日付けで都道府県の担当課長あてに文書を発出したところでございます。
#44
○岡崎トミ子君 環境省にもお伺いしたいと思いますけれども、農薬の空中散布についての取組はどのようになっておりますでしょうか。そして、気中濃度評価値、この見直しについてはどういう方針を持っているでしょうか。
#45
○政府参考人(伊藤哲夫君) 環境省におきましては、御指摘のとおり、航空防除において散布される農薬を大気経由で人が吸入するといった場合にどういう影響を及ぼすのかといったことが非常に大きな問題になりました。これは御指摘のとおり、平成九年に、農薬の吸入毒性に関する情報収集等の結果を基に、使用実態の多い十の農薬を対象といたしまして空中散布される農薬のリスク管理の目安となる気中濃度評価値というのを設定したというところでございます。
 それから、平成十九年度からは住宅地に近接する公園や街路樹などで使用実態の多い農薬を用いまして吸入毒性試験を実施し、農薬を吸入した場合の健康に及ぼすリスクの評価ということを行っております。
 御指摘の、まさにこの平成九年に設定しました気中濃度評価値でございますけれども、これも設定して既に十年以上経過したということで、農薬の散布形態や使われている農薬が非常に多様化しているというふうな状況がございます。また、今申し上げましたとおり十九年度から農薬の吸入毒性試験というのを行っておりまして、新たな知見も得ているところでございます。こういったことを踏まえまして、今後精力的に関係資料の収集、更には知見の充実を図りまして、見直しについても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#46
○岡崎トミ子君 きちんと予算を掛けて、しっかり検討していただきたいと思います。
 次に、市民団体が都道府県を対象に行いましたアンケートによりますと、健康被害が発生した場合の対応はそれぞれ都道府県によって大きく違っております。実際の対応方針は都道府県の判断を尊重しているということなんですが、これは人の健康、場合によっては命にもかかわる、そういう対応の違いについて、せめて国はしっかりと把握しておくことが大事じゃないでしょうか。そして、その内容を都道府県に伝えるということが当然あってもいいのではないかと考えますけれども、現在の把握状況、そして都道府県の周知への状況はどうなっているでしょうか。
 それからもう一つ、都道府県によって対応が違うといいましても、市民団体のアンケートからいろんなことが分かります。例えば、住民から健康被害の訴えがあった場合には空中散布との因果関係はだれが判断するのかという質問に対しまして、原因究明は実施主体が行うという回答が多かったということなんですね。実施主体が因果関係を判断するということ、これは市民団体も疑問を投げかけております。本当にこのことをしっかりやれるということであればいいわけなんですけれども、この対応の在り方についてどういうふうにお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。
#47
○政府参考人(島田泰助君) 松くい虫被害対策に係る空中散布に当たりましては、先ほど申し上げましたように、都道府県の担当者会議等を開催しまして、空中散布の実施に当たっての法令遵守等を徹底するように指導をしているところでございます。
 また、こうした担当者会議におきまして、健康被害等の問題が生じた場合には直ちに都道府県から林野庁に対して情報提供をするようにというような協力要請を行っているところでございます。例えば、昨年のこの出雲市の事案につきましても、こうしたことを通じまして島根県より林野庁の方へは報告いただいているところでございます。
 また、健康被害の訴えがあった場合の対応についてでございますけれども、通常、地元市町村に設置され、地方自治体や森林所有者などで構成されます協議会が事業の実施主体として対応している場合が多いものというふうにして認識しているところでございますけれども、都道府県におきましても適切に助言、指導を行うなど、実施主体による適切な事業実施の確保に努めるよう、担当者会議の場等を通じまして依頼をしているところでございます。
#48
○岡崎トミ子君 それが行った結果、因果関係は分からないというところで止まったままになっているんですよね。それが多いということを是非認識していただきたいと思いますけれども。
 この健康被害の訴えは重症よりも軽症の方が多いんですね。軽症だからほっといていいということでなければきちんとした対応が必要だというふうに思いますし、空中散布による健康被害の実態把握のためにも診断が軽症であってもきちんとなされるということが大事だと思うんです。
 それで、この林野庁が医療機関に配付しております、そして農水省が監修して農薬工業会が発行している農薬空中散布の症状と治療法には、この軽症の診断と治療法については十分出ていないんですけれども、この点についていかがですか。
#49
○政府参考人(梅田勝君) 農薬の中毒の診断及び治療には、医療機関におきましてそれぞれの農薬に関する毒性、症状、治療法を理解されていることが必須でございます。
 農薬中毒の症状と治療法には、実際に診断を行う医療機関の参考となるよう、農薬工業会が医療関係者等多数の専門家から助言を得て、中毒の症状と治療法の代表例を取りまとめたものでございます。具体的には、一般的な農薬中毒について、軽症の場合も含め救急治療のポイントや農薬の種類ごとの治療法を記載しておるものでございます。
#50
○岡崎トミ子君 非常に軽い症状だということのほかに、頭痛、のどの痛み、倦怠感、違和感、目まい、胸部圧迫感、不安感及び軽度の運動失調、非特異的症状、下痢、腹痛、こういうことが訴えられましたときに、散布された農薬が原因なのか、風邪が原因なのか、これ分かるんでしょうか。
#51
○政府参考人(梅田勝君) 農薬中毒の症状、この農薬中毒の症状と治療法にも記載されておりますような症状、意識障害、呼吸抑制、不整脈、目の症状、せき、咳嗽等ございますが、これについては農薬中毒だけの場合の症状というものではなく、一般的なものの症状もございます。
 ですので、この救急治療の手順とポイントでも一番最初に求められておりますのがその患者さんまた関係者に対しての問診、何をどのような場面でどのように使っているのか、その状況を聞くところからこの症状と治療法には記載されておるところでございます。そのように、問診を含めて総合的な判断をその現場での医療機関の医師を始めとする方々に対応を求めるところでございます。
 以上でございます。
#52
○岡崎トミ子君 そろそろ時間になってしまいました。専門家という方が非常に少ないというのが現状ではないかというふうに思っておりますので、そうした関係で、農薬が散布されることが事前に知らされるわけですけれども、お医者さんの関係にもすべて農薬が散布されるその後に必ず出てくるかもしれないということも周知徹底して、注意を喚起していただきたいというふうに思いますけれども。
 今まで健康被害を訴えても、実施主体の方が因果関係が分からないというところでずっと認めてこなかった、十分な対応も取られてこなかったというのがこの二十年間の在り方でございますので、今後とも、因果関係を求めるための対策、そして調査ということをしっかりとやっていただきたいというふうに思いますし、深刻な被害が出てからでは大変だということを申し上げて、この二十年目にしましてまだまだ空散が中止されていないということが、私たちとしてまだ努力が足りない、力が足りないなというふうな思いをしておりますけれども、是非、健康被害のためにも、できるだけ都道府県に対するしっかりとした情報提供をしながら、そして別な方法もあるということをしっかりとお知らせして、取組を進めていっていただきたいというふうに思っております。
 ありがとうございました。
#53
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 斉藤大臣、第十一回の日中韓三か国環境大臣会合は誠に御苦労さまでございました。それに関連しまして、確認という視点から質疑をさせていただきたいと思います。
 先ほど報告がございまして、六ページから七ページにかけてでありますけれども、我が国にとって野心的な中期目標であるという、いわゆる真水の目標であるということ、それから二〇五〇年に六〇%から八〇%削減するという、そういう道筋を付けると、そういう話でございました。もちろん、これは柔軟措置というかメカニズムということについても考えているという話でありまして、当然これはCDMの関係、それについてはいわゆる森林の関係でREDDというのがございますけれども、これもそういった対応、対象になるかというふうに考えられますし、あるいは吸収源ということでは国内の森林あるいは農用地、こういった点が二〇一三年以降どういうふうになるかということについてもかかわってくる話かとは思っておりますが、これ、中国とそれから韓国にいわゆる真水発言とこの辺の関係を話ししたときに、どういう反応だったんでしょうか。その辺のコメント等が向こうからあれば、是非御紹介願いたいと思います。
#54
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 真水で発表したということに対して、そのことに対してのコメントは両国からもございませんでした。
 ただ、一五%という数字に対して中国の解振華副主任からは、先ほども御報告申し上げましたけれども、日本にはより高い目標を求めたいと、こういう発言がございました。その一方で、中国の省エネ及び気候変動対策への決意は変わらない、また、日本との技術協力に強く期待するという旨の発言があったところでございます。
 それから、韓国の李萬儀長官からは、日本の動向を参考にしつつ、韓国の中期目標や次期枠組みへの参加について検討を進めていきたいという発言がありまして、一五%という数字そのものへの具体的な評価というのはありませんでした。
 解副主任とは、今後、フランクにいつでも話し合おうということを確認して帰ってきたところでございます。
#55
○加藤修一君 あえて確認しますけれども、柔軟的ないわゆるメカニズムの関係については、向こうからは触れた発言はなかったということになりますか。
#56
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 李萬儀長官、韓国からはありませんでしたけれども、中国の解副主任からは日本の技術協力に期待するという発言がございました。これは当然、この柔軟性措置ということも考慮に入れた発言だと認識しております。
#57
○加藤修一君 ありがとうございます。これからが正念場といえば正念場でございますので、是非全力を挙げて頑張っていただきたいと思います。
 それでは次に、化学物質過敏症の関係でございます。
 最近の報道でございますが、これ、電子カルテシステムあるいはレセプトで使われている病名リストに化学物質過敏症が新たに登録されることが分かったという報道でありまして、十月一日付けで厚生労働省と経済産業省の外郭団体、財団法人医療情報システム開発センターが改訂を予定している、国が公式にCSの存在を認めるのは初めてという、そういう報道になっているわけでありますけれども。このことを含めて、保険適用がある意味ではやりやすくなるように私は印象を受けておりますが、全体的な、この辺について厚生労働省、説明をお願いいたします。
#58
○政府参考人(榮畑潤君) 現行の健康保険制度におきましては疾病などに対する診療行為を対象としておりまして、現在でも化学物質過敏症に対する必要な診療行為は健康保険の対象となっておるところでございます。ただ、その際には診療報酬請求書に疾病名を記載することとされておりますが、化学物質過敏症については独立の傷病名コードが付けられていないために、審査支払機関が請求を審査する過程におきましてその詳細について診療に当たった診療機関などに問い合わせをするというケースもあったやに聞いております。
 このために、診療現場とか患者団体からの御要望もあり、専門家による検討が進められた結果、十月一日から化学物質過敏症について独立した傷病名コードが付けられることとなったと承知しておりまして、これによって従来に比べ健康保険の診療報酬の請求につきましてしやすくなるということがあり得るというふうに考えております。
 以上でございます。
#59
○加藤修一君 これは、対象者は現在どのぐらいいるというふうに調査は進んでいるんでしょうか。
#60
○政府参考人(榮畑潤君) 化学物質過敏症の患者数そのものについてのきちんとした調査がなく、私どもとしても患者数そのものを承知しておるところでございませんが、平成十二年に当時の国立公衆衛生院、これ、現在では国立保健医療科学院となっておりますが、これが行った調査によりますと、全国の二十歳以上の男女二千八百五十一人中で化学物質に対する感受性の高い人が二十一人で約〇・七四%であったという調査結果があるというふうに承知しておるところでございます。
#61
○加藤修一君 報道によると七十万人という数字が出ていますけれども、これはどういうふうに理解したらいいですか。
#62
○政府参考人(榮畑潤君) 確かに新聞報道では七十万人というふうに書かれておるところでございますが、先ほど申しました平成十二年の国立公衆衛生院で行った調査そのものには先ほどお答えしました〇・七四%という数字しかございませんでして、七十万人という記述はなく、これ、私どももどこから出てきたのかというのは実は承知しておらないというのが率直なところでございます。
 以上でございます。
#63
○加藤修一君 これ、標準病名マスターということでそこに記載、登録されるということでありますから、今まで化学物質過敏症の関係については病名というふうに言われてはいないというふうに認識しておりまして、これは諸外国ではどういう状況になっているかということについても、その辺の考え方があればちょっと示していただきたいです。
#64
○政府参考人(榮畑潤君) 率直に申しまして、化学物質過敏症を傷病名コードに加えるということが先般専門家の間で決定したところでございまして、そのまた国際的な波及とか国際的にどうなっているかというのは現段階でちょっとお答えすることはなかなか困難でございますが、いずれにしても、これによって健康保険上の診療報酬の請求がしやすくなるものというふうに思っておるところでございます。
#65
○加藤修一君 その辺については調査していただきたいと思いますので、要求しておきます。
 それで、これコード化したということですね、医療保険上の作業においてやりやすくするようにコード化したと、病名をコード化したということでありますから。この化学物質過敏症は、これこれこういう範囲の症状があるものについてはそのコードを使って医療保険の適用に直ちに行けるという判断がなされるということになっているわけでありますけれども、これ、労災の適用とかそういった面を考えた場合に、より一層適用に向けて考えやすくなるというふうに考えていいんでしょうか、どうでしょうか、その辺は。
#66
○政府参考人(石井淳子君) お答え申し上げます。
 いわゆる化学物質過敏症については、その病態や発症基準について未解明な部分が多いわけでございまして、傷病名コードが付与されるにしましても、化学物質過敏症というこの病気の定義がなされたものではないというふうに理解をしておりまして、現段階では確立された疾病の概念になっておりませんことから、労災保険の保険給付の対象とはいたしておりません。
 しかしながら、現時点におきましても、労災保険の保険給付に係る請求書の中で傷病の部位及び傷病名という欄がございます。そこに化学物質過敏症と記載されて請求がなされた場合でありましても、これ調査をした上で、その疾病が労基法施行規則別表第一の二第四号、これ業務上の疾病のその範囲を示しているものでございますが、そこに基づく告示などに示されているものに該当し、かつその業務に起因することが明らかとなれば保険給付の対象となっておりますし、また現にいたしているところでございます。
 今後とも、そうした観点に立って労災保険給付の迅速適正な処理に努めてまいりたいというふうに考えております。
#67
○加藤修一君 コード化するということについては、化学物質過敏症のある一定のエリアが決まったということをとらえることができるのではないかなと、そのように考えておりますけれども。
 化学物質過敏症の関連で、いわゆるシックハウス症候群というのがございますけれども、これは各個人がどの程度自分の敏感度にあるかということについてはなかなかこれは判断がしにくいところで、そういう発症してから大変だという話になって、なかなかそれが完治できないという状況が極めて多いということが考えられるわけでありますけれども。
 最近様々な研究が進んで、いわゆるそういった敏感度の判定を簡易自己テストという形で提供されていると、そういう中身もインターネット等で表現されているようでありますし、これ、厚労省の研究班がそういう形で最終的な結果を示したということでありますけれども、これに対して厚労省はどういう見解をお持ちでしょうか。
#68
○政府参考人(中尾昭弘君) お答えいたします。
 シックハウス症候群につきましては、その要因として化学物質やカビなど様々なものが指摘をされているところでございまして、また、その疾病概念や診断基準についても現時点でも関連の研究が進められている、そういう段階でございますので、これらが明確に確立されている状況ではないという認識でございます。したがいまして、現時点においてシックハウス症候群の敏感度を問答形式のみで的確に判定をするということは困難であると考えております。
 御指摘のインターネット上の簡易テストにつきましても、取組そのものにつきましてはもちろん決して否定されるものではないと考えておるところでございますけれども、このようなシックハウス症候群の現状を考えますと、その有効性を判断することにつきましては難しいところがあるものと認識をしております。
#69
○加藤修一君 いや、確かに難しいわけでありますけれども、そういう判定ができるようなことについては更に深く研究を進めていただきたいということですけれども、どうですか。
#70
○政府参考人(中尾昭弘君) 御指摘のインターネット上のテストにつきましては、このサイト自体に、シックハウス症候群の診断そのものをするものではなくて、必ず診断については専門医に相談してくださいということが書いてございますので、今現在の状況では、これでその判定をするということにつきましてはやはり限界があるというふうに考えておりますけれども、いわゆる啓発というようなことあるいは関心を持っていただくというようなことからいたしますと、このような形でシックハウス症候群についてそれぞれの方が自分の状況について関心を持っていただくと、このような取組につきましては、そういった意味での意義があるものというふうに考えております。
#71
○加藤修一君 なかなか難しいんですけれども、リスクコミュニケーションということも踏まえて、そういったことが広範に使用できるような形になることが望ましいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、ちょっと飛ばしますけれども、エコポイント制度、緑の経済と社会変革ということで、エコポイント制度、これ総額三千億円で進めていく話になっておりますけれども、やはりこれは効果がどういう形で現れるかと。やはり経済刺激策の一環でもございますし、そういった観点から経済波及効果あるいは雇用創出効果、そういった面についてどのように計測評価をなされているのか、この辺について、環境大臣、お願いいたします。
#72
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回、エコポイントの対象となっております家電製品は非常にすそ野の広い、幅の広い産業分野にわたっております。そういう意味で、経済効果、雇用創出効果が幅広く生ずることが期待されるわけですが、経産省、総務省、環境省の三省で分析を行いました。具体的には、家電産業それから電子部品、半導体に加え、原材料や流通等も合わせた関連産業全体で約四兆円の生産誘発効果、それから生産誘発に伴う雇用創出効果として約十二万人を見込んでおります。
 こうした経済効果や雇用創出効果は意義深いものであると考えておりまして、実際にこのような効果が得られるよう、今後とも三省で力を合わせて努力していきたいと思っております。
#73
○加藤修一君 これ、巷間言われている、一部で言われている話ですけれども、どっちかというとCO2削減につながるのかどうか非常に疑問だというところもあるんですけれども、このCO2削減の関係については環境省の方で試算はしていますか、例えば十年間でどのぐらい削減できるか等々を含めて。
#74
○政府参考人(小林光君) 環境省の方で削減量の試算というのをしてございます。具体的に削減量の試算をいたしておりますのは、買い換えられるものに限って、そして使用段階のCO2の削減というものに限定した試算でございます。エアコンについて言いますと約百三十万トン、これは年間でございます、冷蔵庫についても同じく百三十万トン、テレビについては百万トン強というようなことでございまして、およそ、百万トン単位であらあら申し上げますと合計四百万トンぐらいというような削減になるのではないかというふうに推計をしてございます。
#75
○加藤修一君 これ、エアコンとか冷蔵庫とかテレビ、それぞれにCO2の削減効果があったと、あるいはそれぞれにまた経済効果があったという意味では、ちょっと聞きたいという内容は、要するにそれぞれどれだけ売上げがあったかということにつながってくる話なんですね。その想定の仕方によっては出てくるアウトプットも相当違ってくる可能性があるということなんですけれども、その辺の妥当性というか、その辺の関係についてはどのようなお考えで計算をしたということなんでしょうか。
#76
○政府参考人(小林光君) お尋ねの点はCO2の削減効果ということでよろしいのかと思いますけれども、前提に置きましたものは、十四年前の平均的な電力の消費量というものを前提に置きまして、それが最新型ではどのぐらい削減されているかという削減率、そしてさらに今回の政策によりまして実際にリサイクルされてくる台数、そういうものを置きまして、さらに電力の排出係数を掛けてそれぞれ計算をしたということでございます。
 世間でもいろいろ御批判ありますのは、例えば同じサイズで買い換えればもちろん大きな削減率になるわけでございますけれども、大きなものに買い換えてしまった場合にはそれが目減りするのではないかというような御批判があること、承知してございます。私ども調べますと、相当大きな、よほど大きなものに換えていくというようなことがあってもそれなりの削減率があるというふうには考えてございますけれども、計算上はそういったかなり粗っぽい、同じサイズのものにリサイクルをされるケース、そして使用段階のみというようなことで割り切った計算をさせていただいております。
#77
○加藤修一君 今回の補正予算の関係については、経済の底割れを防ぐ、あるいは雇用の下支え、それから未来投資ということで、現在種をまいておいて将来に刈り取ると、そういう簡単に言うと三つの点が大きな側面じゃないかなと思うんですけれども、先ほど雇用対策効果の関係で十二万人、これは恐らく十二万人年ですよね、一年間に十二万人が雇用効果として発生すると。
 これは雇用の下支えにつながっているということはあると思うんですけれども、十二万人即それがそのまま発生するのか、これはどういうふうに理解したらいいですか。
#78
○政府参考人(小林光君) 全体として、まずエコポイント制度の導入等によりまして家電製品の生産が増加する、その売上高の増加を約一兆四千億円と見込んでございますけれども、その一兆四千億円の売上増に伴います産業連関分析をした誘発の、例えばそれに関連して経済が大きくなる効果、それから、それだけの生産をするためにこの部門で必要な投入する人間の数というのを産業連関分析によりまして求めたということでございます。
 そういうことで、先ほど大臣からも答弁申し上げましたように、この家電製品、大変すそ野の広い産業でございます。部品を作る方とかいろんな方、あるいはそれを輸送される方、そういったような方々がいろいろかかわってくるわけでございまして、そういうのを押しなべて全部合計したものというふうに理解をしてございます。
#79
○加藤修一君 それでは次に、先ほど来からクレジットの話が出ているわけでありますけれども、低炭素社会をつくるという意味では国内のクレジット制度、これは非常に大事だと私は思っておりまして、当初は大企業から中小企業に技術移転をするときにその見返りとして一定のクレジットを回収するという話でありました。また、最近はオフセットによる森林吸収源のクレジットの関係とか、あるいはこれはこれからという話でありますけれども、国内材を使ったときにおけるクレジットの発生の関係、あるいはバイオマスクレジットということ、あるいは例えば電気自動車を購入したときにガソリンから当然燃料転換ということが起こるわけでありますので、そういった場合、夜間の電力を使うことによってそこにクレジットが発生する可能性も十分考えられる。
 そういった意味では、国内クレジット制度の広範なクレジットの在り方を考えていくことも一つかなと、こんなふうに思っておりますけれども、その辺についてどうでしょうか。
#80
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 バイオマスの活用などの対策による温室効果ガスの削減・吸収量を市場流通するクレジットとして認証するということは、これらの対策に経済的なインセンティブを付与し促進させるということで、非常に効果があるものというふうに認識しております。
 環境省の取組でございますけれども、昨年十一月に国内のプロジェクトにより実現された温室効果ガス排出削減・吸収量をカーボンオフセットに用いるクレジットとして認証するオフセット・クレジット、J―VERと言っておりますけれども、オフセット・クレジット制度を創設しております。既に木質バイオマスの活用による排出削減量のクレジット化を実現しております。
 今後とも、このJ―VER制度を始めとする仕組みにつきまして、関係省庁とも連携しつつ、対象案件の発掘を進めますとともに、対象分野の拡大についても検討を進めていきたいと考えております。
#81
○加藤修一君 是非お願いいたしたいと思います。
 それから、バイオマスの関係で、いわゆる燃料転換によってバイオマスを使うことによってクレジットが発生すると。それはそうなんですけれども、最初からバイオマスを使うことについてもそれはクレジットが生じると、そういうふうに大胆に考えることも私は必要じゃないかなと思っていますので、そういった面についての検討もよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次にIRENAの関係、国際再生可能エネルギー機関の関係でありますけれども、これ、現在、先進各国の加盟状況はどういうふうになっているか、あるいは、我が国としてはどういうことを今考えてこれについて進めているのか、この辺についてよろしくお願いいたします。
#82
○政府参考人(高岡正人君) お答え申し上げます。
 国際再生可能エネルギー機関、IRENAに対する主要先進国の対応についてでございますが、まずG8を見ますと、署名している国、つまりその設立文書に署名しております国というのはフランス、ドイツ、イタリアの三か国でございます。これに対しまして、我が国のほかイギリス、アメリカ、カナダ、ロシアは署名しておりません。それから、ほかの先進国といたしましてオーストラリアがございますが、オーストラリアの場合はまだ署名はしておりませんが、既にIRENAへの参加を表明している、そういったところでございます。
 我が国の対応でございますが、我が国といたしましてもこれまでIRENAをめぐる動きを注視しておりまして、今年一月にボンで開催されました設立会合に出席しましたのに続きまして、四月にもウィーンで開催されたワークショップにも出席するなどの対応を取ってきているところでございます。また、IRENAを主導してきたドイツや、それから我が国と同じく設立文書に未署名であるアメリカ、イギリスなどといった国とも種々意見交換をしているところでございます。また、国内的にも、関係業界からのヒアリングなども行っております。
 このようにして、IRENAに対して我が国が加盟することの是非について引き続き検討しているところでございます。
#83
○加藤修一君 これは、IEAとの役割分担とかそういうことについても議論に相当なっているというふうに聞いております。あるいは、IRENAが発展途上国に対してどういう技術移転ができるかどうか、それから、国際的な標準化ですか、そういったことについても議論になるというふうに伺っておりますけれども、その辺の状況については何かデータありますか。
#84
○政府参考人(高岡正人君) ただいま委員から御指摘がございました標準化の問題とか、あるいはそのメンバーシップの全体的な構成とか、そうした点も含めましてIRENAの活動をよく見極めるということが我々として重要に思っております。またさらに御指摘がありました類似の国際機関との関係がどうなるのかということもポイントの一つと考えております。
 さらに、財政負担の公平性でございますけれども、設立文書の規定に従って国連分担率に基づいて義務的拠出が求められることになっております。そうした財政負担の公平性が確保されるかといった点も含めまして、我々としてはそれを分析し、先ほど申し上げましたように、IRENAに対して加盟することの是非を引き続き検討していると、そういう状況でございます。
#85
○加藤修一君 低炭素社会に向けてどういう仕組みをつくっていくかということは非常に大事だと思っておりますけれども、いわゆる再生可能エネルギーの役割も非常に大きいと。そういうことで、これはそういう国際再生可能エネルギー機関の中で国際的なルール作り、これが先行して作られてしまった場合、それは日本にとって良い標準化ということであればいいんですけれども、日本がこれだけ再生可能エネルギー、とりわけ太陽光発電の関係について先進的に取り組んできていて、それに、まあ言葉が適切じゃないかもしれませんが、ネガティブな標準化がされるとこれは大変日本の国際競争力をそぐという形になってしまいますけれども、こういった面についての国際的ルール作りにかかわるそういう組織であるというふうにも聞いておりますけれども、この辺のことについて環境大臣としてはどのような見解をお持ちでしょうか。
#86
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほど外務省から答弁がありましたように、いろいろな要素を総合的に検討しなくてはいけないことだと思いますけれども、これからの世界の低炭素化、そして低炭素標準をつくっていく、このような方向性を考えれば、環境省としては、このIRENAに対して参加に向けて、積極的に参加の方向で検討していきたいと、このように思っております。
#87
○加藤修一君 よろしくお願いいたします。
 それと同時に、国内のこの低炭素社会に向けての、それにかかわるようなルールづくりというのはこれは非常に必要であると。それは省エネの関係、環境技術の関係についてもそうでありますし、これは当然知的財産権にかかわってくる問題でありますので、やはり低炭素社会というそういうフレーズで横ぐしを刺すような形で、私は、知的財産権の関係の本部がたしか内閣官房でしょうか、そこに置かれているわけでありますけれども、そういうことについても環境大臣の方から呼び掛けをする、そういうことをやっていくようにプッシュをすると、そういうことが非常に大事な時期になっているんではないかなと思いますけれども、この辺についてはどういう見解をお持ちですか。
#88
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 環境省としては、先ほど申し上げたような基本的姿勢で内閣官房等についても働きかけていきたいと思っております。
#89
○加藤修一君 ありがとうございます。終わります。
   〔委員長退席、理事松山政司君着席〕
#90
○市田忠義君 日本共産党の市田です。
 麻生首相は、先週、日本の温室効果ガスの削減の中期目標を〇五年比で一五%という発表をいたしました。今日は、その中期目標と再生可能エネルギーの問題についてお聞きしたいと思います。
 まず、大臣に確認しておきたいんですが、日本経団連の三村副会長、新日鉄の社長ですけれども、京都議定書は外交上の失敗だと、そう政府を批判しました。また、日本鉄鋼連盟の進藤環境・エネルギー政策委員長も、京都議定書は不平等条約だと、そう批判をいたしました。
 こういう経済産業界の発言についての大臣の認識について聞きたいんですが、大臣は当然国際公約を守るという立場に立っておられるわけですからこういう発言は容認できないというふうに思うんですが、容認するのか、これはできないという立場なのか、端的にお答えください。
#91
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 京都議定書につきましては、政府はこれを日本国として入り、そしてその目標達成のために今全力を挙げているところ、まさに政府の目標でございます。そういう意味で、この京都議定書の存在を否定する、そういう発言については我々は容認できないと思っております。
#92
○市田忠義君 昨年五月、経済産業省の諮問機関である総合資源エネルギー調査会需給部会が取りまとめた長期エネルギー需給見通し、これによりますと、二〇二〇年の最大導入ケースの場合、〇五年比の総排出量は何%で太陽光発電は何倍、風力発電は何倍になっているか、経産省。
#93
○政府参考人(西本淳哉君) 昨年五月に策定いたしました長期エネルギー需給見通しによりますと、その最大導入ケースを改定しました選択肢Bにおきまして、二〇二〇年時点の数値はそれぞれ二〇〇五年度比で総排出量で一四%の削減、太陽光発電の導入量は約十倍、風力発電の導入量は約五倍ということになっております。
#94
○市田忠義君 じゃ、政府の中期目標検討会の分析による長期需給見通しでの最大導入の場合、〇五年比で何%、それから太陽光発電は何倍か、それから新車販売に占める次世代車の割合、それから新築住宅に占める断熱住宅の割合はどうなっているか、環境省。
#95
○政府参考人(寺田達志君) 国立環境研究所の分析になりますけれども、これによれば、選択肢B、これは〇五年比マイナス一四%、二〇〇五年と比べて約一・八億トン、CO2の削減でございまして、その実現のために太陽光発電は十倍程度、新車販売台数に占める次世代自動車の割合は約二分の一、新築住宅に占める断熱住宅の割合は約八割が必要であるとされているところでございます。
#96
○市田忠義君 麻生首相の表明では、実現可能な目標として〇五年比一五%削減、太陽光発電二十倍、次世代車五〇%、二分の一、断熱住宅八〇%というふうにされています。
 長期需給見通しでの最大導入の場合と違っているのは、太陽光発電を二十倍にしたことによる一%の上積みということになります。ですから、麻生首相の言う〇五年比一五%削減というのは、長期エネルギー需給見通しの最大導入ケースがベースにあることは疑いないと思うんですが、大臣、間違いありませんか。
#97
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 基本的にこの今回の@からEの六つの場合、ケースのその分析結果、Bがベースになっていると思います。
#98
○市田忠義君 今お認めになりましたが、やっぱり麻生首相が発表した中期目標のベースになっているのは、産業界が中心になって取りまとめた長期需給見通しなのはもう明らかだというふうに思うんです。
 そこで、この長期エネルギー需給見通しの最大導入ケースというのは、実用段階にある最先端の技術でぎりぎりの政策を講じ最大限普及させることにより劇的な改善を実現すると、これが最大導入ケースであるというふうに言われているわけですが、そこで経産省にお聞きします。この総合資源エネルギー調査会の会長はだれですか。
#99
○政府参考人(上田隆之君) 昨年、長期エネルギーの需給見通しを策定した際の総合資源エネルギー調査会の会長は、新日本製鉄株式会社の三村明夫会長でございました。
#100
○市田忠義君 じゃ、需給部会には経済産業界からの委員はだれが入っていますか。
#101
○政府参考人(上田隆之君) 需給部会の委員、需給部会全部の委員のうち産業界出身の委員につきましては、当時の肩書で申し上げますと、石黒俊雄日本LPガス協会会長・アストモスエネルギー株式会社代表取締役会長、伊藤直彦日本貨物鉄道株式会社代表取締役会長、勝俣恒久電気事業連合会会長・東京電力株式会社取締役社長、佐々木元日本電気株式会社代表取締役会長、柴田昌治社団法人日本経済団体連合会資源・エネルギー対策委員長・日本ガイシ株式会社代表取締役会長、張富士夫社団法人日本自動車工業会会長・トヨタ自動車株式会社代表取締役会長、野村明雄社団法人日本ガス協会会長・大阪ガス株式会社取締役会長、馬田一社団法人日本鉄鋼連盟会長・JFEスチール株式会社代表取締役社長、増田幸央三菱商事株式会社常任顧問、森章森トラスト株式会社代表取締役社長、渡文明石油連盟会長・新日本石油株式会社代表取締役会長、以上でございます。
#102
○市田忠義君 先ほどお話があったように、総合資源エネルギー調査会の会長は、京都議定書はこれは外交上の失敗だと、そう言ってはばからない三村新日鉄社長であります。また、今ずっと紹介がありましたように、需給部会には経済界、産業界の代表が大量に名を連ねていると。京都議定書を外交上の失敗だと、大臣はそういう立場にはくみしないと、当然のことですが、そうおっしゃった。こういう政府を批判した産業界が中心になってまとめた長期エネルギー需給見通し、麻生首相もそれを基に中期目標削減を表明したと。経済産業界がぎりぎり許容する範囲内の中期目標になってしまったということは私は明らかだと思うんです。
 総合エネルギー調査会は、これはエネルギー関連業界の代表がいっぱい集まっていて、外部からどう言われているかと。これは家族会議だというふうに言われているのは、新聞報道でも大臣御存じだと思いますが。
 そこでお聞きしますが、次は、麻生首相は日本がエネルギー効率で世界一だと記者会見でもおっしゃっています。日本経団連も三月と五月に新聞に全面広告を出して、〇六年のGDP、二〇〇〇年基準為替レート、当たりの二酸化炭素排出量を基に、日本は世界トップレベルの低炭素社会だということを述べています。
 大臣も日本は世界で最も省エネ国だというふうにお考えなのか、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
#103
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 日本が世界トップレベルの省エネ技術を持ち、実際の産業また生活構造も最も省エネ、エネルギー効率の高い社会を実現しているのは事実だと思います。また、国際交渉の場に行って各国の代表者と話をしても、各国も日本に対してそのような認識を持っているということも感じているところでございます。
#104
○市田忠義君 確かに為替レートのGDP比で見ればそういうことは言えるというのは私も分かっています。
 ただ、そのGDP比を購買力平価で比較した場合、さきの議論にもありましたけれども、日本がより省エネとはならない、産業部門のエネルギー効率でも日本はEUだけではなくて米国にも劣るというふうに指摘されています。例えば、日本は〇・三四キロ、EUは〇・三三キロであります。
 ですから、麻生首相が言うエネルギー効率世界一論というのは、産業界が言うGDP当たりのCO2排出量を基にした世界トップレベル論と私は基本的に同じ主張、立場だと思うんですが、大臣はその点どうお考えでしょう。
#105
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今の市田委員の御主張についても、そういう御主張があるということを承知しておりますし、購買力平価で比較すべきだという論が世界にあることも確かでございます。
 ただ、今エネルギーのまさに基本になっております原油価格等がベースになるわけですが、これは購買力平価ではなくてまさに為替レートが一つのベースになっているということを考えれば、為替レートを基本にしたエネルギー効率比較ということも根拠があるものと、このように認識しております。
#106
○市田忠義君 結局、こういう産業界の乾いたタオル論、これ以上もう絞りようがないというのは、自分はやらないが他国は努力せよと、自らの低い削減目標を合理化するために持ち出された考え方だと思うんですね。麻生首相はそういうような議論にはくみしないというふうにおっしゃっていたんですが、結局産業界と同じ効率世界一論に立っておられるというのはもう明々白々だということを指摘しておきたいと思うんですが。
 次は、国民への負担の問題について少し聞きたいと思います。
 麻生首相は、国民に相応の負担をお願いせざるを得ないというふうに会見でも言われました。この基になっているのは、中期目標検討委員会で示された長期需給見通し最大導入の場合のモデル分析で、可処分所得の減は四万円、光熱費負担は大体三万円がベースになっているというふうに思うんですが、そこでお聞きしたいのは、国立環境研究所も可処分所得や光熱費などの試算をやっています。長期需給見通しと同じような負担増という分析結果になっているのかどうか、御説明ください。
#107
○政府参考人(寺田達志君) ただいま委員御言及のものは日本経済研究センターの分析だと思いますけれども、これでは、選択肢Bにおきまして、可処分所得は四万円減、光熱費は約三万円増加でございます。一方、国立環境研究所の分析でございますが、これは同じく選択肢Bにつきまして、可処分所得は約六万円の減、光熱費は約二万円の増ということになっております。
#108
○市田忠義君 国環研の資料を見ますと、たとえ二五%削減目標となったとしても可処分所得は増加する、光熱費も全体に比較して大きな負担とはならないという調査結果が出ています。昨日、資料をお渡ししておきましたが、麻生首相は国民負担を殊更強調することで高い削減目標を否定的に描いているということを指摘しておきたいと思うんです。
 また、麻生首相は、中期目標で太陽光発電二十倍、風力発電を三倍にすると、そう言っています。しかし、余剰電力を固定価格で買取りするのは太陽光発電だけであります。ドイツでは、風力や太陽光などの発電量の全量を二十年間買い取ることで再生可能エネルギーを大幅に引き上げておるわけですけれども。
   〔理事松山政司君退席、委員長着席〕
 電機メーカーやハウスメーカーなど産業界が強く要求する太陽光発電は買取り制度を設けて二十倍化する、電機メーカーが接続を渋る風力発電は買取り制度も設けないと、こういうことですか、大臣。この風力発電についてこういう扱いをするということは、結局、電力メーカーが接続を渋っている、だから太陽光発電とは同じように取り扱わないと、そういう考えなんでしょうか。
#109
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今回、太陽光発電にこのフィードインタリフを導入したのは、まず、その導入によって大幅な導入量の増大が見込まれ、かつ、そのことがコストの低減につながり、それがまた次の導入拡大につながっていくということが明確に予想されたからでございます。
 風力につきましては、今後検討すべき課題だと私は思っております。
#110
○市田忠義君 検討するということは、あれですか、風力発電についても買取り制度を設けるという方向で検討するというふうに受け取っていいですね。
#111
○国務大臣(斉藤鉄夫君) これにつきましては、今後、いろいろ各方面の議論をお聞きし、総合的に検討しなくてはいけないと思っています。
#112
○市田忠義君 太陽光発電と風力発電を区別するのはどういう理由ですか。
#113
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほど申し上げましたように、フィードインタリフの導入が市場の拡大とコストの低減に結び付き、いわゆるグリーンニューディール的な効果が非常に大きいということ、そういう同じような効果が明確になれば私は風力発電についても検討すべきだと思っています。
#114
○市田忠義君 ちょっと今の答弁だけではあれですが、前向きに検討するということをおっしゃったので、そういう方向で、是非風力発電についても買取り制度を設けるという方向で検討していただきたいというふうに思います。
 よく風力発電が不安定だと、だからという議論があるんですけれども、例えばアメリカのエネルギー省のカースナー次官補なんかは風力はむしろ最も急変しにくい資源の一つだということを言っておるわけで、これは住宅用の太陽光発電だけでは到底二〇%の最高水準には引き上げられないということを指摘しておきたいと思います。
 時間なくなりましたので、最後、一言。
 麻生首相、長期需給見通しに基づいて高額な光熱費負担を示しておられます。しかし、この太陽光発電による上乗せ料金というのは、設置できない高層住宅に住む人あるいは経済的に余裕のない人も負担しなければならないということになるわけで、こういう電機メーカーやハウスメーカーの太陽光発電パネルやシステムに掛かるコストを電気代に上乗せして消費者に負担を押し付ける、こういうやり方は私やめるべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。
#115
○国務大臣(斉藤鉄夫君) そのような批判があるということも承知しております。今後の制度設計の中で検討をしてまいります。
#116
○市田忠義君 検討ばっかりで、きちんとこうやるというメッセージをやっぱり環境大臣としては発信してほしいと思うんですけれども。私はやっぱり消費者への一方的な負担転嫁は許されないと。太陽光発電、次世代車、断熱住宅など国民への過大負担を求めながら、経済産業界がぎりぎりの線で許容できる、まあ言わば、先ほどどういうメンバーでどういう検討がされたかということを私言いましたけれども、結局は産業界言いなりの中期目標を表明していると。これでは国際的に通用しないし、現に中国など途上国からも厳しい批判を受けていると。
 やはり私は、産業界と大幅な削減の協定を結ぶ、国内排出量取引制度を本格的に実施する、まずは再生可能エネルギーを二〇%に拡大すること等々でIPCCが求める三〇%の高い中期目標に抜本的に見直して日本が先進国の歴史的な責任を果たしていくということを強く求めて、時間になりましたので終わります。
#117
○荒井広幸君 改革クラブの荒井でございます。
 コペンハーゲンに二度ほど参りましたら、ついこの間参りましたときには、案内の方が、世界で思っていたよりも、あら、小さいなと思うような作り物というのがあると言うんです。何でしょうかというなぞ掛けでございました。一つはコペンハーゲンの人魚姫です。二つ目が小便小僧なんだそうです。それとマーライオンということでございます。
 私、今度の中期目標の話を聞きまして、思っていたより小さいなというので、私の目標値からは小さいなというので残念でありましたけれども。産業界等々含めて、この状況下の中で心配をしておりました。その中で、大臣の思いもあると思いますが、ここまで来たのはまあまあかなと、こういうふうに思うんです。
 問題は、積み残しの排出量取引のところでもありますし、私は目標を超えちゃえばいいと思うんです。みんなでやったらあっという間に超えちゃった。そのあっという間に超えちゃったというような、いわゆる新しいエネルギー、それから省エネルギー、それらをも統括した概念で創エネルギーというのを私言ってみました。創造の創です。創エネルギー制度をつくる。すべてのものをかき集めますし、関連させるし、川上から川下まで含めて全部トータルに日本がそういう制度を打ち立てる。これが世界各国に応用してもらえる。そうしたら、あら、目標より行っちゃったと、大きくなっちゃったと。ここにこそ重点を置くべきだと思うんです。
 そこで、同じような考え方として、日本が独自にやってきた定額給付金とエコポイントというのは実は絡んでいると思います。定額給付金をいただいた方がエコポイント、これはエコポイントというのは名は体を表さないわけです。実際はエコ家電への買換えという意味でなけりゃならない。その一つのインセンティブがエコポイントなので、エコポイントと言っていれば、値ごろ感がなければもう買わなくなります。参加しているんだと、CO2排出量を下げるために、そのために家電の買換えをしているんだと。
 だから、正式にネーミングをしてもらいたいと思っているんですが、定額給付金やいわゆるその家電のエコ買換え、世間で言い始めたエコポイントというものの関連性の政策評価というのを経済産業省も環境省も是非していただきたいと注文を申し上げます。
 そこで、定額給付金ですけれども、給付開始状況はどうなっておりまして、商品券を扱っているのがどれぐらいの自治体、これは自治体です、それから消費拡大も自治体、寄附、これも自治体、それから問題になりましたDV、これのところをどのように対応しているか、自治体の数でお示しいただきたいと思いますし、改めて、経済波及効果はどの程度になるか、総務省、次いで内閣府にお尋ねします。
#118
○政府参考人(佐藤文俊君) 定額給付金は三月五日に最初の二団体で給付が開始されました。その後、四月末までに九割を超える団体で開始されまして、五月の二十八日ですべての団体において給付が開始されております。
 定額給付金に関しましては、これに関連して各地域で様々な取組が行われております。五月現在、全国で千七百九十九の市区町村がありますが、このうち、プレミアム付商品券を発行するところが千四十五、消費拡大セールを実施するのが三百六十四、寄附を募って他の施策に活用しようとするものが百六十六、さらに、DV被害者に対する独自の給付を実施するあるいは検討中であるところが四百五十八ということになっております。
#119
○政府参考人(梅溪健児君) 定額給付金の経済効果のお尋ねがございました。
 経済効果につきましては、現在のように経済や雇用情勢が大変厳しいときには家計の購買力の浮揚につながり、消費の増加につながると考えております。現在、定額給付金、家計に配付中でございますが、事前に内閣府の方で考えておりますのは、過去の地域振興券の例を参考に定額給付金のおおむね四割程度が追加的な消費に回ると想定し、名目消費について約八千億円程度押し上げると見込んでおります。実質GDPに換算いたしますと、実質消費を九千億程度押し上げ、成長率を〇・二%程度押し上げると事前の段階では見込んでおるところでございます。
#120
○荒井広幸君 では、そういう観点でいうと、先ほどのもうお答えがありましたから、このエコポイントについてのCO2の削減効果四百万トン、経済効果四兆円、雇用十二万人と、こういうことなんですね。
 その中でも、計算している、していないというふうなことがありましたが、経済産業省にお尋ねします。引き取ります、交換したもの。廃棄物処理、再生ビジネスなどはこの中に含まれていますか、経済産業省にお尋ねします。
 そして、環境省には、産業廃棄物あるいは再生ビジネスなどの雇用・経済効果はどれぐらいと目算していますか。
#121
○政府参考人(吉崎正弘君) お答えいたします。
 エコポイントの生産誘発効果につきましては、家電の売上増に伴う国内生産額の増加のみを対象といたしておりまして、以前から保有していた家電のリサイクルというものについては含みません。以前から保有しておりました家電のリサイクル分につきましては、リサイクルされた後の原材料等を使用した製品についての生産誘発効果ということでカウントすることになります。
#122
○政府参考人(谷津龍太郎君) 環境省から廃棄物リサイクルにつきまして御答弁申し上げます。
 この事業の実施によります廃家電の処理に伴う定量的な雇用・経済効果については、残念ながら今把握してございません。この家電のリサイクル施設でございますが、全国四十八か所ございまして、それなりに全国的な雇用誘発、経済効果が見込まれるのではないかと思っております。
 例えば、テレビについて申し上げますと、現在、年間約五百二十万台のリサイクルを行っておるわけでございますけれども、本事業の実施によりまして年間千五百万台程度新たに発生する、トータルで発生するというふうに見込まれておりまして、したがいまして、現在からすると約三倍程度のリサイクル需要が発生するというふうに見ております。
#123
○荒井広幸君 今例えば、再生するときに八割ぐらいはまだ、二割ぐらいは稼働する余地があるということですし、八時間を十六時間にしてやれば処理できるということですが。
 問題は、そういったことをお尋ねしたのは、経済波及効果、雇用効果も十分にまだ算出されていないところがあるという点と同時に、これは、エコポイント制度が環境対策として最後の決め手は、廃棄家電の処理が完全になされることですね、その四十八か所。どのような対策を取っていらっしゃいますか、政務官にお尋ねします。政務官。
#124
○大臣政務官(古川禎久君) 先生おっしゃるように、この廃家電の適正処理が全うされることによって環境対策としての趣旨が全うされるということだと考えております。この点、現在のテレビのリサイクル処理につきましては、その能力においてまだ余裕があって今後の増加に対しても対応できるという旨の報告が家電メーカーよりいただいております。
 環境省としましては、五月十五日にエコポイントをスタートをいたしましたけれども、この際にも改めて、製造業者に対しましてきちんと対応いただくように要請をしたところでございます。
 今後、きちんと対応できているかどうか、注目をしながら見守っていきたいというふうに思っております。
#125
○荒井広幸君 やみでブラウン管テレビが流れてきたり、効率の悪いCO2を出す冷蔵庫、洗濯機がもしかしたら海外に行くなんということになりますと何にもなりません。
 ですから、そういうところの、バーゼル条約違反ですからあり得ないとは思いますけれども、そういう現状もあると聞きます。そういったところも是非、環境省としての取組をお願いしたいと思います。
 それから、大臣がおっしゃった、予算委員会でしょうかね、よみがえる家電、これいい言葉です。非常にそういう気持ちで是非、再利用、リサイクル、お願いしたいと思います。
 さて、さらにでございます。では、エコポイント、これ、いつごろどんなものに使えるか決まるんでしょうか。そのときに、前にも提案をしておりましたけれども、自動車よりは実はみんなが乗るバスそして鉄道、高速道路料金を下げるのもいいですが、エコカーならもっと下げるということが必要なんだと思うんですね。同じように、このエコポイントでみんなで旅行して、余りマイカーに頼らない、みんなで乗り合わせて行く鉄道やバス、旅行ばかりじゃなくて日常、こういったものに還元できるんでしょうか、副大臣にお尋ねします。
#126
○副大臣(吉野正芳君) 交換商品は、六月一日から十一日まで、商品を交換するというそういう公募を締め切ったところでありまして、まず三つの分野に分けます。一つは商品券、プリペイドカード、この分野。もう一つは地域の産品、福島県でいえば小名浜のサンマだとか山の山菜だとかという、こういう地域産品の提供事業者。もう一つは省エネ、環境配慮に優れた製品を提供する事業者。この三分野の募集を行ったところです。
 そして、先生御指摘のとおり、鉄道などの公共交通機関で利用できる交換商品、これは第一の商品券とかプリペイドカードの分野の一つとして募集を行ったところでありまして、実際に幾つかの応募があったと聞いております。
 また、時期です。時期は、今週中にもエコポイント事務局が外部の識者、いわゆる第三者委員会でそれを審査して、条件に合っているかどうかということを審査して交換商品のリストを決定し、公表したいと考えております。
#127
○荒井広幸君 それができるものというふうなニュアンスで受け取りました。是非、実施可能にしてください。
 環境国債についてお尋ねをしたいと思います。
 国内の銀行では初めてだそうですが、三井住友銀行では、個人向けの国債販売に温室効果ガス排出枠制度を組み込んだものを販売しております、既に。私もいろいろとお聞きしましたけれども、売行きは好調なんです。
 もう財源問題は避けて通れないわけです。消費税もあれば炭素税も、いろんなものもある。無駄をなくして対応するというのもいろんなものもある。しかし、最終的に私は、前にも申し上げましたが、小宮山前東大総長も自立国債という提案をしているわけですね。予算委員会でも大臣と意見のやり取りをしましたけれども、もう既に時代の流れは変わっているんじゃないでしょうか。
 今日は財務省にもお越しいただきました。こういう不況の中では特にです、特に、政府の必要な環境対策のための予算という財源という意味合いと同時に、一般の企業に対して減税だけでは無理だと。やっぱり安い融資をしようということになっているわけです。それが、間もなく始まるいわゆる、政策投資銀行しか手を挙げなかったようですが、企業に対しての利子補給、今一%やっていますが、三%利子補給してやろうというのが間もなく始まるわけでしょう。
 そういうやっぱりお金の元、財源というのはすごく重要なんですよ。もう大きな流れ変わっていると思うんです。環境国債、目的国債でありますが、こういう調達をして安上がりに、利息は低くします、財政負担少ないです、しかし環境に協力する人がみんなが買う、全員参加する。財務省、いかがでございましょうか。五回目ぐらい聞きます。
#128
○政府参考人(木下康司君) お答えをさせていただきます。
 御指摘の環境目的国債につきましては、やはり調達した資金の使途を特定した国債が増発されることとなれば財政の硬直化を招くおそれがあるという問題、それから、目的ごとに債券を発行した場合、流動性が確保できるか、投資家にどの程度受け入れられるか、システム経費などのコストがかさみかねないという問題、また、仮に当該国債が売れたとしても、その分一般の国債の販売額が減少し、全体としての国の調達額がそれほど増えない可能性があるなどといった様々な問題があると、恐縮ですが、考えておるところでございます。
#129
○荒井広幸君 恐縮でなくても結構なんです。
 そういう悪いところだけ取っても、その一つ一つ取ったって状況変わっていますよ。例えば、三井でやっているように売れてくるわけですね。同時に、長期金利が非常に上がってくるというおそれを危惧しているわけですよ、現在、借金していますからね。大体、ロールオーバー掛けても百四十兆から五十兆、二十年ぐらいは百兆は悠々やっていかなくちゃいけないわけです。そのとき、やっぱり借換えすることだって考えなきゃならないというようなことでいろいろなことを言っているんですが、もう環境を組み込まないで国債発行も政府の施策もないんです、すべて。ここがすごく重要なところだと思うんです。
 そこで、大臣には改めてこういった視点で財務省と経済産業省と環境省が一体になって勉強会をつくっていただきたいんです、財源という意味で。要すれば、新たな私は国債ということを言っているんですが、そういう研究会、大臣、おつくりいただけませんか。とにかく議論を起こしてみてください。いかがでしょう。
#130
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 環境国債、それから小宮山先生がおっしゃる自立国債等を含めて新たな環境立国に向けての財源づくりに対しての荒井委員の御意見、何回もこの委員会やまた予算委員会でお聞きしたところでございまして、一つの有力な考え方だと思います。
 今後、どういう形で財源を生み出していくかということについて、今後また幅広く検討をさせていただきたいと。先ほど検討ばっかりだなと言われましたけれども、この問題についても検討させていただきたいと、このように思います。
#131
○荒井広幸君 古川政務官の地元の宮崎に行ってまいりました。
 松本清張さん、作家が生誕百年です。あの短編に「西郷札」というのがあるんです。あの賊軍となって、明治十年二月から戦いが始まりましたけれども、四月ごろから西郷札を発行しまして、それで物を買ったり軍費調達したんですね。小説の中では、無理やりそのお金で食い物を買ったみたいなことがあったというようなことを言いましたけれども、地元に行きますと、そうばかりじゃないですね。私たちもやっぱり協力するんだと、世直しに、西郷さんを信じているんだと、そういう形で協力した方もいっぱいいるんです。つまり、国が税金を取るとか、あるいは何々するからさあ負担を押し付けると、先ほど市田先生からもありましたけれども、そういうやり方じゃなくて、私たちも協力しなくちゃいけないなと思わせるところに持っていくということが重要なんじゃないでしょうか。それを西郷札という形でちょっと勉強してまいった次第なんです。
 そういう意味で言うと、志がある人がみんなが参加する。それは貧富の差でもなく、地域の差でもなく、みんながそれぞれ応分に応じて参加していく、地球温暖化を守っていくというそういう、創造する、創エネの様々な分野のいろいろなもの、そういう仕組み、考え方に基づく仕組み、これをやっぱり日本はつくってそれを提案することが本当のCOPの方向性だし、中期目標の評価に至るのではないかというふうに思います。
 そこで、先ほど市田先生からのお話にも大臣からありましたから改めて聞く必要はございませんけれども、今度のフィードインタリフの中で四つポイントがあるわけですね。太陽光のみである、十年で元が取れるようにするんだと、それから余剰電力に限るんだと、そして国民には大きな負担を掛けないようにはするんだと、こう言っておりますけれども、幾つかの問題点を先ほど来から御提案、質問を福山先生からもございました。
 ですから、どうぞもう少し、負担という意味でもっと違う形、エンドユーザーに押し付けるということではなく、太陽光のみだけでもなく、新たな考えを是非つくっていただきたい。創エネの思想、それに基づく仕掛け、こういったところに入っていただきたいということをお願いしまして、今日質問できなかった皆様におわびして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#132
○川田龍平君 よろしくお願いします。東京二十三区のごみ処理問題についてまず質問させていただきます。
 東京二十三区の平成二十年度のごみ量は約三百五・八万トンであり、前年度よりも約十六・五万トン、五・一%減少しています。これは、平成二十年度から本格的に始まった廃プラスチックのサーマルリサイクルによって、可燃ごみが増えた一方で不燃ごみが大きく減少したことが要因としてあります。一方、平成十八年に策定された東京二十三区の清掃一部事務組合の一般廃棄物処理計画を見ると、平成二十年度のごみ量は三百三十六万トンと予測をされています。
 実際の値と予測の数値というのが差が約三十万トンとなっていますけれども、可燃ごみは予測では二十六万トン増加していたんですけれども、実際には約十六万トンの増加にとどまっていて、予想値と実測値の実績の差というのは基本計画の開始年度である平成十八年度から実は生じておりまして、十八年度は十五万トンの差、それから十九年度は二十六万トンの差と、これが年々差が増加している傾向にあります。
 この三十万トンというごみ量の一〇%近い数字なんですが、この予測値と実績の数字の開きについて環境省としてはどのようにお考えでしょうか。
#133
○政府参考人(谷津龍太郎君) お答えさせていただきます。
 御指摘のとおり、計画におきます平成二十年度の見込み量と実績の間には一割程度の差があることは承知してございます。
 この一般廃棄物処理計画でございますけれども、一般廃棄物の排出量あるいはその処理量の見込みを踏まえて策定することとされておるわけでございますけれども、従来より、おおむね五年ごとに諸条件の推移も見ながら見直すと、また、条件に大きな変動があればその変動を受けて必要に応じて見直すということとされているわけでございます。
 東京の二十三区の清掃一部事務組合でございますけれども、先生御指摘のとおり、近年のごみ排出量の減少傾向、また、効率的な事業運営を図るために五年を待たずに現在見直しの作業をしておるというふうに伺っておりまして、来年度の早い時期に新たな基本計画を示すという予定と聞いております。
 そういうことで、臨機応変に状況に応じて基本計画を見直すというのが原則だというふうに考えております。
#134
○川田龍平君 ありがとうございます。
 これは誤差の範囲内ということではなく、こうした状況の中で、やっぱり基本計画で、平成三十二年度までに八つの清掃工場を建て替えたりプラントを更新したりということがこの予測値に基づいて計画立てられているわけですが、一部の施設については循環型社会形成推進交付金の対象となっています。
 この交付要綱では、地域計画の事後評価の報告を受けて環境大臣が市町村に対し必要な助言をすることができるとありますが、これは計画が終わった段階でなくても意見を言えるという立場にあると考えてよろしいでしょうか。
#135
○政府参考人(谷津龍太郎君) お尋ねの循環型社会形成推進地域計画でございますけれども、この計画につきましては地方分権の議論の中でも取り上げられて所要の方向性が出されております。その中で、地方分権の大きな流れの中で、国の関与について極力減らすべしという御指摘も環境省として受けておるところでございます。
 しかしながら、私どもとしては、こうした指摘も踏まえつつ、市町村の自主性と創意工夫を生かしながら、国と地方が構想の段階から一緒に連携、協働してこういったものを策定していくのが大事だというふうに考えております。
#136
○川田龍平君 これ、大臣にもお聞きしたいと思うんですが、そもそも一つの自治体あるいは一つの清掃一部事務組合の問題だけではなく、環境省として、このサーマルリサイクルありきではなくて、発生抑制や3Rの促進、やっぱりこれを是非、この先進自治体の施策などをしっかりと補完して連携する環境省の姿勢を明確にやっぱり是非打ち出していただきたいと思いますが、いかがですか。
#137
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 循環型社会推進基本法に決められました基本的な考え方、精神に基づいて進めていきたいと思っております。
#138
○川田龍平君 これは是非、東京都、区の問題だけではないというところで、やっぱりこの実態にかなった取組を検討をしていただきたいというふうに思います。特に実態が見える化されてきているわけですから、改めて現状を踏まえた議論に是非していただきたいというふうに思っています。
 次にじゃ行かせていただきますが、外環道の問題について。
 今、換気所の数が少ないということが実は言われていまして、東京外郭環状道路対応方針というのが平成二十一年の四月に国交省と東京都から出されております、及びその素案に対する意見への国、都の見解によると、この外環道では経済性、施工性などの換気所の数が少ない縦流換気式を選定したとなっています。
 平成十九年に一部が開通した首都高速中央環状新宿線、あの山手通りのところですけれども、延長距離十一キロに対して横流式の換気所を九か所設置していることとしています。に対して、外環道では十六キロと一・五倍ですけれども、において五か所の設置となっています。この首都高新宿線においては、開通部分の平均交通量は一日約三・一万台であるのに対して、外環道は交通量を、平成四十二年度の交通量の予測を約八・九万台と、十万台と見込んでいます。この換気所の数は距離の長さからも交通量から考えても妥当なのかどうかということについてお尋ねを国土交通省にしたいと思います。
#139
○政府参考人(廣瀬輝君) お答えいたします。
 東京外環の換気施設につきましては、交通量はもとより、トンネルの延長、それからジャンクションとかインターチェンジの数、構造などを考慮いたしまして換気計算を行った上で設置数等を決定しております。また、それを基に環境への影響も予測いたしまして、平成十九年の環境影響評価では大気につきましては環境基準を満足する結果となっております。
 中央環状新宿線との違いでございますけれども、今まさに先生御指摘のように、道路構造の条件による換気方式の相違によるものでございます。具体的には、外環につきましては自動車走行により発生する空気の流れ、これを活用いたしまして換気を行う縦流換気方式を採用しております。これに対しまして中央環状新宿線におきましては、どうしても分合流部が非常に多うございます。
 具体的には、先ほど先生がおっしゃられました十一キロの間に分合流が七か所あります。東京外環は十六キロの間に三か所しかございません。こうしたことから、この分合流部が多いということで自動車走行による空気の流れを活用するというこの方式が十分に機能しないといったことから、トンネル下部に設けましたダクトを用いて送風、そして換気を行うという横流換気方式を採用しております。この横流換気方式は縦流換気方式と比較いたしまして換気所の間隔を短くする必要があり、換気塔数が多くなっているものでございます。
#140
○川田龍平君 この東京外郭環状道路の対応方針などによると、外環道ではSPMを含むばいじんを極力除去できる除じん装置を換気所に設置して、窒素酸化物については既に一部で稼働している低濃度脱硝装置を検討するにとどまっていると。そして、この中央環状新宿線では首都高と国交省が共同して開発したSPM除去装置に加えて低濃度脱硝装置がすべての換気所に導入されることとなっているんですけれども、これについてアセス評価に対する環境大臣の意見が平成十九年の一月十九日に出されています。そこでは、換気所における窒素酸化物及び粒子状物質の最新の削減技術の適用について検討し、それらの状況を踏まえ、必要に応じ適切な措置を講じることとされていますが、どのような適切な措置を講じるべきだと考えているのかどうか、これは国交省の方から答えをお願いします。
#141
○政府参考人(廣瀬輝君) 東京外郭環状道路の環境影響評価書、平成十九年の三月に公表させていただいております。
 今先生御指摘のように、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質、SPMに関しましては、除じん装置、これは設置いたしますけれども、脱硝装置につきましては、これを設置しない条件でも環境基準を満足する、こうした結果が得られているところでございます。こうしたことから、現時点では脱硝装置を設置する計画とはなっておりません。ただし、委員御指摘のように、環境影響評価書、この環境影響評価書に対する環境大臣意見、これは真摯に受け止め、我々といたしましても尊重してまいる所存でございます。
 具体的には、事業実施段階におきまして、供用前の計画路線周辺の大気質の状況を短期的な濃度も含めて十分把握いたします。その上で、周辺の建物や地形の状況も考慮した上で、必要に応じて換気塔における窒素酸化物及び浮遊粒子状物質の最新の削減技術の適用につきまして検討し、適切な措置を講ずる予定でございます。
#142
○川田龍平君 この雑誌によりますと、週刊「エネルギーと環境」という雑誌によりますと、一基、換気所の、そういった脱硝装置を付けた換気所を設けると一基当たり九・三億円掛かるということで、費用が掛かる脱硝装置導入はなるべく避けたいというふうに国交省の方では考えるということなんですけれども、そういうことなんでしょうか。
 それで、やっぱりNOxを取り除いたとしてもNOを取り除かないのでは、外気に触れた場合にNOがそのまま外気でNOx化していってしまうと。何か本当に、このNOx、NO2を取り除くだけではなくてNOを取り除かなければいけないという意見もあるんですが、それについていかがですか。
#143
○政府参考人(廣瀬輝君) お答えいたします。
 脱硝装置の設置につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、環境影響予測で現時点ではその必要はなかろうということで計画しておりませんけれども、供用前の状況でしっかりと判断していきたいと。その際には、もちろん経済効果というものもございますけれども、必要なものはしっかりと設置してまいりたいというふうに思っております。
 また、予測に当たりまして、NOとNO2の関係でございますが、あくまで自動車から排出されるNOxというような形で予測いたしまして、いわゆる現地調査が大気測定局のデータを基にNOxとNO2の関係、これを予測しまして評価しているところでございまして、NOがどのようにNO2になっていくのか、こういったことも含めて考慮されていると、このように考えております。
#144
○川田龍平君 是非、このジャンクションを設置されるところの住民の人たちは、換気口がないことによってそのジャンクションのところから出ていくということになりますので、やっぱりそうした環境影響は非常に懸念を持っているということに対してやっぱりしっかりとした対策を取っていただきたいというふうに思っています。
 次に、ちょっとオオサンショウウオについて質問させていただきます。(資料提示)
 実はこういうパネルで、オオサンショウウオのこれが写真ですけれども、このオオサンショウウオが実は千匹近く生息していると言われている川上ダムというのが、三重県に建設を予定されているところの、こういう非常に護岸もコンクリートで埋め立てられていなくてまだ自然のままの川が残っている状態で、ここに、こういった状況のところにオオサンショウウオが多数生息しているということなんですけれども、このオオサンショウウオが、これは国の天然記念物、また特別天然記念物というものに指定されていますが、この特別天然記念物というのはどのような意味を持ちますでしょうか。
#145
○政府参考人(高杉重夫君) 文化財保護法におきまして、我が国にとって学術的価値の高い動物等を天然記念物として指定しております。その中でも特に重要なものについて特別天然記念物に指定することができるということになっておりまして、このオオサンショウウオにつきましては、日本固有の動物でございまして、全長が一メートル以上に成長をする、現存する世界で最大級の両生類であるということから、学術上貴重で特に価値が高いということで、文化財保護法に基づきまして昭和二十七年に特別記念物に指定をしているものでございます。
#146
○川田龍平君 ありがとうございます。
 そして、これは国の宝として私は保護すべきと考えますが、環境庁が絶滅危惧種U類に指定して、また三重県伊賀市でもレッドデータブックで指定をしています。このオオサンショウウオの生息を脅かしている主な要因としては何がありますでしょうか、環境省、お願いします。
#147
○政府参考人(黒田大三郎君) オオサンショウウオでございますが、かつては食用として捕獲をされていたということもございます。また、ダムあるいは堰の建設それから護岸などの河川工事、さらには土砂崩れなどの災害などによって生息環境が影響を受けてきたと、このように承知しています。
#148
○川田龍平君 ありがとうございます。
 実は、先ほどのダムの建設によってこういった生息環境が破壊されたことによってやっぱり生きにくくなっているというオオサンショウウオの多数生息している川上ダムの問題で、実は奈良県と兵庫県の西宮市がこのダムの利水を予定していたんですけれども、今は撤退をしていて、実はこの川上ダムによる利水を今求めているのは三重県の伊賀市だけであります。
 それなら、水が余っている大阪府であるとか大阪市が同じ三重県の青蓮寺ダムというところに持っている利水権を譲ってもらえれば実は事足りるわけですけれども、これは国土交通省の方で流域委員会も言っています。この流域委員会は、昨年二月に宮本博司前流域委員長が伊賀市と大阪市に出向いてこの提案をしていますが、実は、元の国土交通省の官僚の方が出向いてやってきたことが今の現職の官僚ではできないというところには実は所管の壁がこの省庁の中にあるからだと思うんですが、その壁を越えることができるのがやっぱり政務官のお仕事だと思うんですが、国土交通政務官、実はこの水利権の転用について、伊賀市と大阪市、大阪府が協議を行うように是非英断を振るっていただけないかと考えますが、いかがですか。
#149
○大臣政務官(谷口和史君) 今御指摘のありました件でありますけれども、まず一般論として、ダム等のこの水源施設というのは、それぞれの利水者が費用負担をして確保したということで、そういう利水者の財産でありますので、水源の保有については、将来の需要量とかそれから利水の安全度を見極めて、まずは利水者が決めるべき、検討すべきだというふうに考えております。
 そういう中で、御指摘のありました淀川水系の青蓮寺ダムに関してでありますけれども、今お話ありましたように、大阪市は引き続き保有をしたいということでありますので、前段で申し上げましたように、まずは利水者が検討すべきでありますので、ここは今のところは水利権の譲渡の協議の場を考える、設けるということは今考えておりません。
 ただ、国交省としては、この利水者の水の需要等について適切な機会をとらまえて、適宜見直しを検討して、そして精査をして、そして適切に水利権の許可を行うなど、適切にしっかりと河川行政を行ってまいりたいというふうに思っております。
#150
○政府参考人(田中裕司君) 今、川上ダムにつきましてオオサンショウウオのお話がございましたので、若干の御説明をさせていただきたいと思います。
 今、川上ダムが建設されます木津川の上流域におきまして私どもがダムの関連で調査を行った結果、川上ダムの建設予定地を含みます三重県、奈良県にわたる広範な地域にオオサンショウウオが生息をしてございます。このオオサンショウウオの保全対策につきましては、川上ダムオオサンショウウオ調査・保全検討委員会、川上ダム自然環境保全委員会の指導、助言を得て検討してございまして、現在のところ、次の項目を実施することとしてございます。
 一つは、湛水の予定区域上流でオオサンショウウオの遡上が困難な場所、河川工作物などにつきまして移動する道を設置をいたしまして、河川の上下流への移動の連続性を確保するとともに、人工の巣穴などを設置をいたしましてオオサンショウウオの生息環境を整備をする。それから、湛水予定区域内に生息する個体を上流へ移転をするというふうな保全対策を実施をすることによりまして、オオサンショウウオの繁殖活動は維持されるというふうに考えてございます。
 これらの措置につきましては、今までも河川事業の中でやってきてございまして、既に定着、繁殖をしている状況を確認をさせていただいております。
#151
○川田龍平君 ありがとうございます。
 この特別天然記念物であるオオサンショウウオは、実は先ほどちょっとお答えいただけなかったんですが、外来種が国内に入ってきたことにより、日本固有の種であるオオサンショウウオというのと中国のオオサンショウウオとが交ざって交雑種になってしまって固有種が守れない状況というのも、実は京都ですとか、もう一か所起きているんですね。本当にこういった自然のやっぱり固有種というのを守っていくというのは、実は保護をしたとしても、そこで増えた繁殖をしたものを自然界に流すと、自然界に放置すると、またそれが自然界の個体種に対する、やっぱりそれよりも、自然界よりも強い種ができてしまって自然界の固有種が駆逐されてしまうという状況があるわけです。
 そういった中で、やっぱり自然界のこういった固有種を守っていくということが今本当に大事なことだと思っていますので、川上ダムについては、やっぱり是非、必要なのか必要でないのか、そういったことも含めましてしっかりと検討していただきたい。是非それを政務官にやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。質問を終わります。
#152
○委員長(有村治子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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