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2009/04/28 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 国土交通委員会 第13号
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2009/04/28 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 国土交通委員会 第13号

#1
第171回国会 国土交通委員会 第13号
平成二十一年四月二十八日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任   
     松浦 大悟君     平山 幸司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村耕太郎君
    理 事
                長浜 博行君
                室井 邦彦君
                伊達 忠一君
                山本 順三君
                鰐淵 洋子君
    委 員
                植松恵美子君
                川崎  稔君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                田中 康夫君
                田名部匡省君
                羽田雄一郎君
                平山 幸司君
                広田  一君
                米長 晴信君
                岡田 直樹君
                加納 時男君
                佐藤 信秋君
                長谷川大紋君
                吉田 博美君
                脇  雅史君
                西田 実仁君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   金子 一義君
   副大臣
       国土交通副大臣  金子 恭之君
       国土交通副大臣  加納 時男君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岡田 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        畠山  肇君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     坂本 森男君
       国土交通大臣官
       房長       増田 優一君
       国土交通省総合
       政策局長     大口 清一君
       国土交通省住宅
       局長       和泉 洋人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(田村耕太郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十四日、松浦大悟君が委員を辞任され、その補欠として平山幸司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田村耕太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働大臣官房審議官坂本森男君、国土交通大臣官房長増田優一君、国土交通省総合政策局長大口清一君及び国土交通省住宅局長和泉洋人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田村耕太郎君) 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○輿石東君 おはようございます。
 与えられた時間の中で質問をさせていただきたいと思いますけれども、最初に今回の高齢者居住安定法の改正案、これについて、まず最初に、国土交通省と厚生労働省の連携というのが大きな柱になっているんだろうと思っています。そのことについて最初に触れさせていただきたいと思っています。
 もう四年前になるでしょうかね、私、公営住宅法の問題について、平成十七年の六月の委員会だったと思います、二十六年に成立をした公営住宅法の制定の経過、そのことについて、前の山本住宅局長だったと記憶していますけれども、議論をさせてもらいました。そのときに和泉局長はどこにいたか知らないけれども、こういう経過があって両省の縄張争いをしたと。こういう歴史というふうに私は認識をしていますけれども、このことについて、まずどのような国交省として認識をしておられるのか、お聞きをしたいと思います。
#7
○政府参考人(和泉洋人君) ただいまの御指摘でございますが、おっしゃるように、平成十七年六月九日のこの委員会におきまして、当時、地域の需要に対応した公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法と、こういった審議をしてございました。その際、輿石委員からそういった問題を指摘されまして、率直に言って、それまでほとんど我々はそういったことについて意を用いていなかったものでございますので、慌てて前の晩にいろいろ古文書を調べまして答弁したことを記憶してございます。
 そのときの山本住宅局長の答弁でございますが、私の記憶では、事実関係を御報告した上で、かいつまんで申し上げますと、自分は住宅政策のプロだと思っておったが、この問題についてはほとんど知らなかった、ある意味では反省する、そういった事実を教えていただいて誠に感謝に堪えない、こういった答弁をさせていただいたと思っております。ちなみに私、当時住宅局の担当審議官で、この場におらずテレビでずっとそれを聞いておりました。
 ちなみに、その経緯でございますが、もう輿石委員御案内のとおり、元々建設省の前身たる戦災復興院、ここが復興住宅という住宅対策を、予算補助をやっておりました。一方、当時の厚生省が引揚者向けの住宅をまたやっておったと。こういう中で、終戦直後の四百二十万戸の絶対的な住宅不足に対応して、言うなれば雨露しのぐ場所あるいは冬を越す場所、こういったものを造るために努力したわけでございますが、各々、昭和二十五年ぐらいになると、こういったものをもう恒久的な制度でやっていこうと、こういった機運が盛り上がりました。しかしながら、今委員御指摘のとおり、当時も縦割りでございまして、閣法では準備できず、当時の建設委員会と厚生委員会共に議員立法の準備をし、結果として建設委員会が厚生委員会との調整を十分せずに衆議院で成立し、その後、厚生委員会等の指摘を受けて一部修正し、最終的に衆議院に回付されて、当時、昭和二十六年の公営住宅法が成立したと記憶してございます。
 当時はそういったやり取り聞かせていただきまして、ああ、そういった歴史的な事実があるんだということしか印象に残っていなかったわけでございますが、今改めて、そういったことがあった昭和二十六年以降五十八年たって再び、平成十三年にできた高齢者居住安定法、当時は国土交通省の専管でございましたが、そういったものをまあある意味では先祖返りみたいに厚生労働省との共管にすると、そういったことをお願いしてございまして、そういうことを考えると、単にそういった歴史的な事実があるということじゃなくて、当時のやり取り並びに今回の法改正で私どもがお願いしている事実を考えますと、相当重い事実があり、そういったことについての思いを深くして、仮にこういった法案が認められれば厚労省との協力においては真剣に対応しなくちゃならないと、こう考えております。
#8
○輿石東君 和泉局長の早口でよく分からなかった。したがって、もう少し私の方から逐次お願いしますから、的確に答えていただきたいと思います。
 今お話があったように昭和二十五年ごろから二十六年にかけて、戦後、焼け野原になって四百二十万戸ぐらい住宅が必要だ、雨風を防がなければならない、その必要性に迫られて公営住宅というものを造る、一方では厚生省が、ただ風や雨を防げばいいという発想ではなくて、住みやすい快適な生活ができるようにという思いの中で厚生住宅法という、この二つが並んで出てきた。
 今、和泉局長が触れなかった話の中で、私があえて縄張争いをしたという言い方をしましたけれども、この縄張争いの経過について認識しておられますか。
#9
○政府参考人(和泉洋人君) 経過的には、当時の建設委員会で公営住宅法が議論され、厚生委員会で厚生住宅法が議論をされました。結果として、建設委員会の方が先に可決をし、衆議院の本会議でも通り、その後、参議院に回付されたわけでございますが、参議院で厚生委員会等の指摘を受けて、具体的には、公営住宅のうち特に低所得者の方々に対する当時の公営住宅でございます第二種公営住宅につきましては、いわゆる補助金の交付決定とか、あるいはそれの用途処分等について当時の建設省は厚生省と協議して事を運ぶ、こういった修正が一部入りました。もう一点は、更に加えて、当時厚生省が担当しておりました引揚者住宅につきましては当時できました公営住宅法の対象にはしないと、こういった交通整理をした上で公営住宅法が成立し、厚生住宅法は成立しなかったと、こう考えております。
 その上で、その後の経緯でございますが、そういった流れを受けまして、例えば昭和四十一年にできました住宅建設計画法では、公営住宅の事業量を決定するときには厚生省と協議をする。あるいは、その後、平成八年に一種、二種の区分が廃止されましたが、現時点ではすべての公営住宅につきましてその補助金の決定、あるいは用途廃止等については厚生省と協議をする、現在では厚生労働省でございます。加えて、平成十八年にできました住生活基本法、その中で住生活基本計画を定め、さらには公営住宅の事業量を決定しますが、その場合につきましても国土交通省は厚生省と協議をして仕事を進める。こういった経過がその後あったものと承知してございます。
#10
○輿石東君 今お話がありましたように、第二種公営住宅制度というのが生まれた経過は、衆議院ではどうにもならない状況の中で、良識の府と言われた参議院でそういう法案を歩み寄って入れて出てきたという経過。今もまさにねじれ国会、第一党の民主党が諸悪の根源というようなお話もあるわけだけれども、私どもはそういう伝統を受け継いで、より良いものにしていくという姿勢は今も続いているというふうに思っています。
 で、あなたが今触れなかったその縄張争いをする主役を演じたのが元総理の田中角栄さん、このころから建設族のドンという言われ方をしてきた。これが昭和二十六年ですから。先日の二十二日に道路財源の一般財源化という五十年の歴史に終止符を打った、その法案が出てきたのはその三年後の昭和二十九年、一九五四年。翌年、一九五五年になると、昭和三十年、五五年体制という言葉も生まれてくるという、そういう歴史がこの中にはある。要するに、厚生委員会と当時建設委員会との縄張争いというか権力争いの中で、田中角栄元総理の力で議員立法で押し込んできたと、こういう背景がある。道路の一般財源化へ向けての五十年の歴史もその辺からスタートしているということを共通的な理解ができるであろう。それに官僚を後ろ盾にしてそういう法律の背景も出てきたということを最初に認識しておきたい。
 そして、私に言わせれば今更、この第二種公営住宅制度が出たときに建設委員会と厚生委員会で、共管、一緒にやっていこうよと、お互いに連携していこうよという確認をしたわけです。これがもう五十八年もそういう歴史をたどってきて、また殊更今になって連携をうたう、うたわざるを得ないというのがこの法案の最大の急所だろうと、こういうふうに思って最初に連携についてお聞きをいたしました。
 次に、この住宅困窮者、四百二十万戸という、それを救おうということで公営住宅法が成立をしてきたわけですけれども、この実績と、五十年の、五十八年になりますね、この評価というものを、既に両省で共管していかなければいけない、連携していかなければいけないという御発想はそこに出てきたのに、このまず連携の取組の評価を国土交通省はどう認識しているか、お答えいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(和泉洋人君) 率直に言って、スタートはそういった形でスタートしたわけでございますが、その後、いわゆる福祉行政と住宅行政の連携が完璧にうまくいったかということを問われれば、まさに今回こういった法案をお願いしているわけでございますので、まだまだ改善すべき点があると、こういう認識がまず一点目でございます。
 その上で、当時の話題になりました公営住宅の供給実績でございますが、昭和二十六年以降、厚生省とも協議しながら、現時点では全国で二百十八万戸のストックがございます。加えてその余の、今回の法案に盛り込まれました高齢者向け優良賃貸住宅とか、あるいは現時点での都市再生機構の賃貸住宅、こういった公的賃貸住宅は全体で三百四十万戸でございまして、いわゆる賃貸住宅全体の二割を占めてございます。その限りにおいて、この二割が十分かどうかは別としまして、戦後営々と先人の努力によりましてそういったストックを有するに至ったと、これが一点目でございます。
 二点目でございますが、さらに近年になりまして、特に福祉部局との連携を強化をするという観点から、例えば、いわゆる公営住宅の中でお年寄りの見守りをするライフサポート・アドバイザー、こう言っておりますが、こういったものが常駐するシルバーハウジングプロジェクト、こういったものでございますとか、特に最近力を入れておるのが、公的賃貸住宅団地を建て替えるのに際しまして、これは高齢者に限りませんが、福祉関連施設と必ず合築していく、これによって福祉関連施設の立地の改善をしていく、こういったプロジェクト、さらには公営住宅をグループホーム等として活用していく。こういう様々な連携をスタートしてございますが、率直に言って、こういったものがいつスタートしたかということを振り返りますと、いわゆるシルバーハウジングプロジェクトは昭和六十二年度でございますし、いわゆる団地における福祉施設の合築は平成十四年、グループホームとしての活用は平成四年でございますから、言うなれば、昭和二十六年にそういった問題をはらみながら公的な賃貸住宅政策をスタートして、更に深く連携をスタートしたのはこの十数年のことでございます。裏返して言えば、その間は高度成長期におきまして、高齢者の数もそんな多くない、あるいは施設系で何とか対応できる、加えて言うと、地縁、血縁関係もまだあったという中で、そういった必要性についてまだ私ども行政当局が十分深く認識するに至っていなかったということだと思います。
 そういう状況を踏まえまして、今日の状況をかんがみまして、今回こういった新しい形での更に深めた連携についての枠組みをお願いさせていただいていると、こんな状況でございます。
#12
○輿石東君 今局長の話を聞いていると、少子高齢化が進んだ現在だからそういう状況になったけれども、今までは高度成長期でそういう必要はなかった、そういう認識ですか。
#13
○政府参考人(和泉洋人君) 率直に言って、十分我々がそういった問題について認識するだけの注意深さが欠けておったと。当然、高度成長期も含めまして高齢化が進んでおったわけでございますが、今日と比較するとそのスピードとか、あるいは地縁関係や血縁関係に頼れないとか、そういった意味において今日と昔とは差があったと、その限りにおいて私ども十分なそういった問題に対する認識が足りなかったと。
 そういう中で、この十数年の間に、今御紹介しましたような、単に公営住宅を供給するだけじゃない福祉施策との連携について努力をしてまいりましたが、それはわずかこの十数年の出来事なのでありまして、その限りにおいては、今後そういった連携について更に深めていく必要がある、こういう認識の下に今回の法改正をお願いさせていただいていると、こういった経緯でございます。ある意味では過去の反省も含めての答弁でございます。
#14
○輿石東君 じゃそこで、今ここまで私と和泉局長でやり合いましたので大臣にお聞きをしたいと思いますけれども、今のお話ですと、従来の高齢者住宅の施策は、どちらかというと、ここ十数年という言い方をして経過を話してくれましたけれども、バリアフリー化がここの中心のような感じもしないでもない。だからもう一つ、今回のこの法案は、高齢者が安心して住める住まいという視点になってきているわけですから、そこは介護とか福祉サービスをどう提供していくかという視点がなければ、ただ住宅を造ればいいということにはならないと。
 そこで、今回の本改正案の基本理念と連携の実効性というものを大臣はどのように認識されているか、ここでお伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(金子一義君) 輿石委員から昭和二十六年の経緯も実は今日初めてお伺いさせていただきまして、勉強になりました。参議院において第二種公営住宅等々について先導していただいてこういう法律を作っていただいたという経緯もお伺いいたしました。
 その後、いろいろな経緯がありまして、厚生省との共管というのも、先ほど局長が答弁させていただきましたようにそれなりに進んでまいりましたけれども、今まさにこの法案を出させていただく趣旨は、委員が御指摘まさにされました、高齢者の居住の安定確保を図る、それを推進する上でバリアフリーが相当にウエートが掛かっていたんではないかと。それだけではなくて、介護サービスあるいは生活の支援サービス、こういったものもきちっと提供されるという住宅、そのための枠組みというものをつくっていく必要があるんではないかと。これが、今回まさしく出させていただきました趣旨であります。
 そういう意味で、今回、国土交通大臣が今まで単独で作成をしてきましたが、厚労省と共管で基本方針を作成すると。そして、高齢者の居住安定確保計画、この計画を都道府県の住宅部局と福祉部局、これ都道府県も住宅と福祉という局が分かれておりまして、これもやはり一体となって進めてもらおうということを進めると。さらには、高齢者居宅の生活支援施設と一体となった高齢者向けの優良賃貸住宅、これを法律上明確に位置付けてその供給の促進を図っていこうと。これが趣旨でありまして、そういう意味で、今回の基本理念と目的は何だということ、まさに輿石委員御指摘いただいたとおりであります。
#16
○輿石東君 今大臣の方から、都道府県、地方においても住宅と福祉という両分野がある、そういう行政の分担があると、こういうお話もありました。現実はそのとおりだと思います。
 私が申し上げたいのは、今回のこの改正案は、一番のネックは両省の連携、もう一つはケア付き高齢者の住宅の促進と、この二つに絞られていくわけでしょう、結論的には。だとすれば、そのケア付き高齢者向けの住宅を促進していくというその基本理念は、今更憲法を引っ張り出すまでもないわけですけれども、憲法二十五条に、すべて国民は健康で文化的な生活を営む権利を有すると一項でうたって、二項では国の義務を、そのために社会保障や福祉、それから衛生、安全の増進に努めると、こういうふうに国の義務として、任務としてそういうものをうたっている。すべての人々が文化的で健康でそういう生活が営めるという、そういう理念がこの法案の基本的理念でなければいけないと、こう思うわけですけれども、その点についてはどうお考えですか。
#17
○政府参考人(和泉洋人君) 全く御指摘のとおりでございます。
 そもそも平成十三年にこの法律を作っていただいたときに、国土交通省だけでスタートいたしました。振り返って考えれば、今委員御指摘のとおり、高齢者の方々が住んでいる場所というのは、住宅が確かにメーンではございますけれども、特別養護老人ホーム等の厚生労働省の所管に帰する施設がございます。加えて言うと、今委員が御指摘の理念を踏まえれば、高齢者が本当に安心して生活できるという観点から、単に空間を供給するだけではなくて、まさに介護保険の精神でございますが、どのような住宅、施設を選ぼうと、その身体状況等に応じたちゃんとした介護・福祉サービス等が受けられる、こういったことがセットで初めて高齢者の安定的な居住の確保ができると、こう考えております。
 したがって、今まさに委員御指摘のとおり、今回の法律の大きなポイントは、一つは、そういった空間についてもサービスについても国土交通省と厚生労働省が協力して一体として考える、施策を進める、これが一点でございます。もう一点は、そういったことの象徴としまして、特に厳しい状況に置かれると想定される高齢者の方々の中で借家に住む方々、こういった方々に対しまして、いわゆるケア付きの賃貸住宅を供給を促進していくというふうなことを法律上明文で位置付けさせていただいたと、こういった趣旨だと考えております。
#18
○輿石東君 今局長言われたように、だからこそこの住宅行政というのを五十八年前、昭和二十六年に、意地悪な言い方をすれば、この住宅行政を厚生省の所管にしていたら福祉や医療との連携なんて今更言わなくたってきちっとできるはず。そこに縄張争いをしたという歴史の日本の少し間違った方向もあったのではないか。そういう反省もしなければいけないし、法律を形だけ改正して見かけだけの共管や連携をうたってみても、本当にお年寄りが安心な住みかとして居住できるような政策になり得るのかどうか疑問を持たざるを得ないと、こう思っていますけれども。
 それはそれとして、基本理念というものをきちっと踏まえたとすれば、この法案で今後どんな実効性が上がっていくのか、その見通しはどのように考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
#19
○政府参考人(和泉洋人君) まず一番期待していますのは、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたが、中央レベルでも国土交通省と厚生労働省が真に協力関係に立つということが一点でございます。その上で、先ほども御答弁申し上げましたが、高齢者の方がいらっしゃる場所、これは住宅であり、あるいは特別養護老人ホーム等の老人ホームもございます。そういったもの全体について都道府県の住宅部局と福祉部局が共に計画して、ばらばらでなく一覧的に、入っていただく場所について計画を作る、これが一点目でございます。
 二点目に、その上で、そういった各々の場所に入った場合に、どのようなケースであったとしてもきちんとしたいわゆる介護保険に基づく様々なサービス、加えて、今後業者と協力して広げていきたいと考えておりますのは、介護保険の対象にならないような日常の見守りサービス等の生活支援サービス、そういったものも住宅部局と福祉部局が協力してこれを進めていく、これが二点目でございます。
 さらに三点目としまして、繰り返しになって恐縮でございますが、特に他の先進国と比較して不足しているいわゆるケア付きの賃貸住宅、こういったものを今回生活支援施設一体型の高齢者向け優良賃貸住宅として法律で位置付け、加えて予算あるいは税制面でも支援措置を講じていただいておりますので、そういった措置を講じながら、全体としてバランスの取れた高齢者の居住の場の確保と、並びにそれに対する様々なサービスの提供というようなことについて現場現場で実現を図ってまいりたいと、こう考えております。
#20
○輿石東君 今先進国の例にも学びながらというお話がありました。先進国の例にも学ぶ、どこのどういう中身を学ぶわけですか。
#21
○政府参考人(和泉洋人君) 高齢化が進んでいます他の先進国、例えばスウェーデンとかデンマークとか英国、米国等と比較しますると、いわゆる日本でいうところの施設系、例えば特別養護老人ホームとか老人保健施設、こういったものの施設の全人口に占める、高齢者の人口に占める量というのはほぼ、余り遜色がないわけでございますが、そういう施設ではなくてケア付きの住宅という概念に立って現在の数字をはじきますと、日本の場合が他の国に比べて見劣りがすると、こういったことでございます。
 言うなれば、今後住宅政策の分野でも他の国に学ぶのであれば、こういったケア付きの賃貸住宅の量を増やし、施設整備と一体となって高齢者の方々の、特に身体状況が厳しくなった場合の高齢者の方々が安心して住む場所を増やしていく、こういった努力をしなくちゃならないと、こう考えている次第でございます。
#22
○輿石東君 今ケア付き住宅との関係に話が入ってまいりましたので、それでは、ケア付き住宅の関係と、厚生労働省が今現実に行われている施設のサービスというふうなことについて現状どうなっているのか。厚生省来ていますか、ちょっとお聞かせください。
#23
○政府参考人(坂本森男君) 高齢者のサービスにつきましてでございますけれども、要介護の高齢者のための施設としましては、主に中重度の要介護高齢者を対象といたします生活施設である特別養護老人ホーム、それから要介護高齢者が在宅復帰を目指しますリハビリテーション施設である老人保健施設、それから重医療・要介護高齢者の長期療養施設でございます介護療養型の医療施設、それから有料老人ホームなどの高齢者が居住する施設であって介護サービスも提供するものなどが存在しております。また、地域密着型のサービスとしましては、認知症高齢者のための共同生活住宅でありますグループホーム、それから、通いを中心として訪問、泊まりを組み合わせて高齢者の居宅での生活を支えます小規模多機能型の居宅介護などが存在いたします。それぞれの位置付けや機能に応じて高齢者を支える役割を果たしております。
 このような施設の整備に当たっては、各地方自治体におきまして、住民のニーズや地域の実情を踏まえまして介護保険事業計画などを策定いたしまして、居宅サービスともバランスを取りつつ整備を行っていただいているところでございます。
#24
○輿石東君 いろんな既に施設、方法でと、いろんな種類のことを言われましたけれども、介護給付サービスを抑制する、そういう動きも一方であるわけですね。その辺の実態について、例えばもっと具体的に言うと特養老人ホーム等の、入りたい人も制限をしていく、そういう動きもあるやに聞いていますけれども、その辺の実態はどうなっていますか。
#25
○政府参考人(坂本森男君) 高齢者が自分で自力で生活できるということが一番尊厳のある人生ということのためにも必要だと考えておりますけれども、ただ、高齢者が要介護状態になりましても可能な限り住み慣れた地域において継続して日常生活を営むことができるということも地域によって非常に大切な視点でございます。そのために、地域の密着型のサービスだとかそういったもの、あと住宅との連携、居宅サービスとの連携ということを踏まえて対応しているところでございます。
 介護保険が平成十二年に発足しまして、三兆数千億で始まりましたが、今では九年たちまして倍増したサービス量として充実しているところでございまして、その地域実態の介護サービスの必要性を踏まえまして、各都道府県、市町村においてサービスを提供していただいているということでございます。
#26
○輿石東君 内閣府の調査だと思いますけれども、我が国では今言われたように、身体機能が低下していく、歩行にも不自由になる、こういう状態を迎えた後の生活について、二割近い人が老人ホームや病院に入りたいと、まあ自宅でもって療養するのが一番いいんだけれども、そういう思いがある。ところが厚生労働省では、療養病床の再編というような美しい言葉で実態は病院からお年寄りを追い出してしまう、そういう現実もある。そうした一方で、要介護二から五のお年寄りを、特別老人ホームをそういう利用する方たちの割合を、平成十六年度には四一%から、平成二十六年、十年後には三七%に下げるという計画も立てているやに聞いている。
 こういう現実を踏まえて、老人ホームを待ちに待っているという待機者も三十八万五千人いるというこういう現状をどのように認識されているか、さらにはその解決策としてどんなことを考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
#27
○政府参考人(坂本森男君) まず、高齢者の人口が非常に増えております。今現在、二千七百万人から二千八百万人ほどの六十五歳以上の人口が増えてきておりまして、今後、二〇二五年には三千六百万人ほどになっていくという状況にもございます。
 急激に高齢化が進みまして、特にその高齢化の中でも高齢単身世帯の方々それから高齢の夫婦の世帯の方々といった形で世帯の構成も変わっておりまして、その世帯の構成によって実は居宅サービスを組み合わせて対応するということがなかなか困難になってきたという状況は最近では出てきておるところでございまして、そういった状況で、大都市部を始めとしまして高齢者の施設の整備が実は余り十分ではないという状況もかなり見受けられたところでございます。
 そして、現時点では、経済危機対策としまして、介護の拠点整備ということで今回の補正対策も含めまして施設の整備を、その地域に応じて整備をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#28
○輿石東君 世帯構成というか、だからこそ独りで、高齢者、独り住まいのお年寄りという、孤独死というような悲しいことも起きてくるわけであります。そうした点を踏まえて今度のケア付き住宅も供給していくということでしょうけれども、先ほどあなたは地域や国民のニーズにこたえてやっておりますと、こういう話ですけれども、それでニーズにこたえていると言えますか。もう一度お答えください。
#29
○政府参考人(坂本森男君) どの程度の施設サービスを提供するか。先ほど申しましたとおり、平成十二年では三兆数千億の介護サービス利用量として始まりましたが、現時点では七兆数千億円のサービスになってきております。要介護の認定者につきましても三百万人ほどから現在では四百数十万人まで大きくなっておりまして、その方々が何らかの形で、居宅サービスでありますとか施設のサービスでありますとか、適用されているところでございます。
 先ほど申しましたとおり、高齢単身世帯が増えているというところでございますけれども、なかなか高齢の世帯とそれから息子さんや娘さんの世帯が今ではかなり住宅として一緒に住めないという状況にもある大都市につきましては、結果的にかなり施設サービスのニーズが大きく高まってきているということは事実でございまして、それに対しまして、大都市部における実情なども踏まえまして、今回厚生労働省としましても施設整備について緊急対策という形で対応していきたいと考えておるところでございます。
#30
○輿石東君 今厚生省の方からもお聞きをし、国土交通省にもお伺いしたわけですけれども、共管とか連携とか、こう言ってみたところで、話を聞いていると、ケア付き住宅の促進もどちらが所管になったらいいか悪いかというレベルでなくて、こういう議論を進めていくと、これは厚生省の分野じゃない、住宅の分野だから国土交通省でやってくれ、いや、この介護、医療の分野になれば厚生労働省の分野だろうと、責任をお互いに押し付け合うという危険も非常に出てきていると、こんな感もしないでもないわけですけれども、それぞれ、住宅局長に坂本審議官、その点についてどう考えているか。そうは考えていませんと言うでしょうけれども。
#31
○政府参考人(和泉洋人君) まさに今回、その基本方針を両大臣に定めていただきまして、都道府県レベルで住宅部局と福祉部局が一つの計画を作るわけですから、その計画策定の過程で今輿石委員が御指摘のような押し付けっこはあるんだと思います。あるんだと思いますが、最終的には都道府県において居住安定確保計画を作らなくちゃいけない。その過程において、住宅といわゆる老人ホームと合わせまして、域内にいらっしゃる高齢者の方々に対するニーズに対してこういった形で提供するんだという数字を積み上げなければならない。加えて言うと、各々の場所にいらっしゃる高齢者の方々の身体状況等を踏まえて、介護保険サービスあるいは生活支援サービスをこう提供するんだというようなことをきちんと計画に書き込まなくちゃならない。この計画がまさにどのような形で、本当に真剣に協力していいものを作っていくという精神で都道府県レベルでも私どものレベルでもやれるかどうかが一つの試金石だと思っています。
 ただし、繰り返しになりますが、こういった計画を作らなくちゃならないということが、ある意味では無責任な押し付け合いについて大きな歯止めになるんじゃないか、あるいは本当の意味での協力の大きなきっかけになるんじゃないかと、こう考えておりますので、この法案が成立させていただければ、まさに口で言うだけじゃなくて、本当の意味で、厚労省、あるいは地方レベルでも両部局が協力してしっかりと対応してまいりたいと考えております。
#32
○政府参考人(坂本森男君) 六十五歳から七十四歳の十年ぐらいの間におられます高齢者の方は、要介護の認定は大体一割ぐらいでございます。七十五歳を超えますと三割ぐらいになります。その地域地域によって高齢者の状況は多々変わってきております。
 それから、どうしても高齢者の方々も自分が健康なときには自立して生活をしたいという、そういう気持ちが強うございます。そして、医療サービスを受けて自立して生活をしたいと言っている状況がありますけれども、全体といたしまして、これは国交省の方の所管でございますけれども、全体の住宅は日本全体の世帯数の一割程度多い状況でありますので、住宅全体としてのマクロでは対応しているけれども、実際にはそこに介護サービスがどの程度必要かということはその地域によっても相当変わってきている。
 といいますのは、先ほど言いましたように、高齢者の方々は、健康でずっと生活をし、医療サービスを受けながら生活をしますが、たまにつまずいたりしますとその時点で実は寝たきりになってしまうという、実は元気高齢者と要介護高齢者というのは非常に連続的な状況にあるわけでございまして、そういったリスクがかなり高い地域が非常に多くなってきている。こういったリスクに対して、地方公共団体も自分のところの状況を踏まえまして、よく実態を踏まえた計画を作っていく必要があると考えております。
 そういった面で、住宅部局と福祉部局がきっちりと連携を取っていくことというのは地域において非常に大切なことだと思っておりまして、国交省と一緒になって考えていきたいと考えております。
#33
○輿石東君 今、要介護、健常者もちょっとしたきっかけでそういう介護を要する状況になると、そんなことは当たり前のことで。
 一つの悲しい例として、タレントの清水由貴子さんですかね、お父さんの墓前で七十九歳の、命を自ら、お母さんの介護にもう疲れ果てて尊い命を絶ってしまったという、こういうニュースも聞くわけであります。そして、ほかの人に迷惑を掛けたくない、自分で何とかしたいというこういう思い、しかしもう限界だという、そういう他人に迷惑を掛けたくないという生き方をする人ほどそういう悲しいものに巻き込まれてしまう。こういう現実もあることをよく考えて、そこで一つだけ厚生省、せっかく国土交通という違う場所へ来てくれたんでこのまま帰っていただいたりされたら寂しいでしょうからお聞きをしたいと思いますが。
 先ほどからも言われた社会福祉の分野でも、特養老人ホームとか老人施設ですか、有料老人ホーム、軽費老人ホームと、こういうようなものがある。また一方で、高齢者の居住安定法について言えば、高優賃とか高専賃とか略して、高齢者優良賃貸住宅とかと四つぐらいありますね。合わせると、そういう厚生省の管轄四つ、国土交通省の管轄四つといっぱいあるんだけれども、聞いているうちに分からなくなる、それぞれの目的と内容が混乱をしてくる、聞いただけで分からないという、そういうこの行政の在り方。そして、今回ケア付き住宅というものを新たに入れてきた。
 聞いても仕方ないけれども、社会福祉の分野でそれぞれの内容と目的を簡単に述べていただけますか。
#34
○政府参考人(坂本森男君) 社会福祉といいますか、その福祉の分野といたしますと、介護保険の適用を受けるという施設というものがございます。一方、住宅という形で、原則としましては借地借家法によって権利が保護される分野というのがございます。厚生労働省は、そういった住宅で住まわれている方々に対して介護保険の適用は居宅サービスという形を使いまして介護を適用していきたいというふうに考えておるところでございます。そういったことは十分連携を取ってやっていきたいと考えておるところでございます。
#35
○輿石東君 じゃ、国土交通省の方に、和泉局長に、もう時間もないので最後に聞いておきたいんだけれども。
 高齢者の優良賃貸住宅、これにかかわって第八期の住宅建設五か年計画というのがありますね。これの供給目標が十一万戸という設定をしたと思うけれども、現状どのくらいで、どうしてそんな状況になっているのかと、この辺はどういうふうにとらえているのか。
#36
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、第八期におきまして十一万戸という目標を掲げましたが、現時点で高齢者向け優良賃貸住宅、これはこの法律の中において補助等を通じて質の高いいわゆるバリアフリーの賃貸住宅を供給する事業実績でございますが、三万戸程度でございます。原因は、一つは、率直に言って、地方財政等が厳しい中で主として民間に対して助成をしながらこういったものを供給する事業でございますので、なかなか厳しかったということでございます。
 私ども、国の予算を増やすということと同時に、その補助裏につきまして、いわゆる交付税につきまして、既に市町村が行う高齢者向け優良賃貸住宅の補助裏につきましては特別交付税の措置がございますので、現在、総務省の方と都道府県を補助する場合の高齢者向け優良賃貸住宅の補助裏につきましても特別交付税の対象にするように交渉しているところでございます。そういった財政措置の強化を通じまして、まさに今回の法律が通れば、計画等も定めながら、その計画を基に計画的に高齢者向け優良賃貸住宅の供給の増加に努力してまいりたいと、こう考えております。
#37
○輿石東君 私はここまでいろんなことをお聞きしましたけれども、結局言いたいのは、縦割り行政の弊害を取り除いてもらわないと困るなと、この一点で質問を終始してきました。
 今地方交付税の話があって、鳩山総務大臣も絡んでこなきゃ解決しないという話でしょう。そんなことを考えて、最後に大臣に、舛添厚生大臣と共管、一緒にやる、連携していく、その上に、今、和泉局長の話だと鳩山さんも入れなきゃならぬ、こういう状況の中でケア付き住宅というものが本当にお年寄りの安心な生活の場の確保になり得ると信じているかどうか、そこだけお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#38
○国務大臣(金子一義君) 輿石委員から大事な御指摘をいただきました。舛添大臣だけでなく総務大臣ともこの問題、話をさせていただきまして、そして、共管になるかどうかという話ではなくて、むしろきちんと高齢者の居住安定確保計画、これが作られて、そして、先ほど来御議論いただいております介護サービス、生活支援サービスが提供される住まいがきちんと確保をされるか、計画作ってもらうと、それを見ていきますものですから、そういう過程で総務省、地方自治体も協力いただけるように、必ずしていけるようにしてまいりたいと思っております。
#39
○輿石東君 どうもありがとうございました。
#40
○羽田雄一郎君 民主党の羽田雄一郎でございます。
 ただいまは輿石委員が住宅政策の歴史をひもといて御質問をされました。それに引き続き質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 私は保育士の資格を持った珍しい議員でございまして、学生時代から赤十字奉仕団に入って献血の呼びかけとか、あしなが基金の呼びかけなどもしてまいりましたけれども、主な活動としては、老人ホームへの訪問、また養護施設への訪問というものをしてまいりました。福祉や子供たちの育ち、このことに関心を持って学生時代から活動をしてまいりました。そういう中で、政治家というのはオールマイティー、何でも興味を持って取り組んでいかなければならないわけであり、本当に大変なところに来たなという思いを持っております。ただ、我々は、国民の生活の安定と安心、これを守る点では、何事にも当たっていくことだというふうに思っております。
 私は、政治家になってもライフワークとして、子育ちや老後の安心、安全、そして未来を担う子供たちにどんな日本を、そして世界を、地球をというものを残していけばいいのかということを基本にして活動してまいりました。そして、参議院には田名部委員が会長として率いる少子高齢・共生調査会というものがございますけれども、その筆頭理事としても参画をさせていただきながら、共に生きる、共生と言ったときに、この高齢者の居住の安定確保、これは、必要は感じますけれども、なかなかぴんとこないわけであります。もっと総合的な住宅ビジョン、これをしっかりと持って対応していく、考えていくことが大切だというふうに思いますけれども、まずは大臣のお考えをお聞かせください。
#41
○国務大臣(金子一義君) 国の住宅政策、これは、平成十八年に住生活基本法に基づきまして閣議決定されました住生活の基本計画、これに基づいて今進めているところであります。
 この住生活基本計画で、福祉施策との連携など横断的な視野を持ちつつ四つほど項目を定めております、視点を持っております。良質な住宅ストックの形成、将来世代へのその住宅の継承と。これは、百年住宅あるいは長期優良住宅といったようなのもここに含めて進めてきておりますし、もう一つは居住環境、やはり住宅を良くしていこうと、良好な居住環境の形成と。それからもう一つは、中古住宅でありますが、多様な居住ニーズが適切に反映される住宅市場の環境整備。やはりそういう意味で多様な住宅が、まだ中古市場必ずしも十分じゃありません、これを育てていくと。このための施策はいろいろ今進められておりますけれども、まだまだ十分ではありません。もう一つが、住宅の確保に特に配慮を要する者、要する人たちへの居住の安定の確保といった四つの目標を定めて総合的に施策を展開をしております。
 特に、先生の、委員のお立場でいろいろ活動を先頭に立って今やっていただいているお話をいただきましたけれども、高齢者だけでなくて、低額の所得者、子育て世代、それから障害者、今取り組んでいただいているようでありますけれども、障害者も安全、安心で快適な住生活を営むことができるような公営住宅の供給、あるいは公営住宅と福祉施策の一体的整備、これが今回お願いしているやつでありますが、それから総合的な住宅のセーフティーネットの充実と、そういう観点から全体の国の住宅政策として取り組んでいるところであります。
#42
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。
 そういう中で、金子大臣は提案理由の中でもバリアフリー化の立ち遅れを述べられましたけれども、バリアフリー化というのは、高齢者だけではなくて、妊産婦、障害者、また子供たちも含めて、すべての人間にとって便利で快適な住まいであるというふうに考えます。最初からバリアフリーの住宅を造るようにすることが必要なのではないかなというふうに考えますけれども、大臣の考えをお聞かせください。
#43
○国務大臣(金子一義君) 御指摘いただきましたように、既存住宅のバリアフリー化だけではありませんで、新たに供給される住宅、これもあらかじめ高齢者に配慮した構造あるいは設備を備えたものとなるように誘導していくということは大変重要な課題であると認識しております。
 地域住宅交付金を使いまして、バリアフリーを標準仕様とするような公営住宅ですとか、あるいは高齢者向け優良賃貸住宅の供給に対しましては助成をしております。そのほかに高齢者向けの優良住宅についても税制の優遇措置を施しまして実施しているところであります。
 一方、持家でございますけれども、これにつきましても、住宅金融支援機構におきます優良住宅の取得支援制度、ここでバリアフリー等性能に優れた住宅に対しまして住宅ローン金利、これは金利面でありますけれども、金利を引き下げ、優遇するということをやっておりまして、全体としてバリアフリー化された住宅の供給が促進されるよう必要な措置を更に講じてまいりたいと思っております。
#44
○羽田雄一郎君 先ほど言いましたように、このバリアフリーというのは、高齢者だけでなくて、妊産婦、障害を持った方々、また乳児、幼児、子供たちを始めすべての人間にとって便利で快適な住まいということでありますし、長寿命住宅という観点からいっても住宅の基準にこのバリアフリーというのを入れていくことが大切なのではないかなというふうに思っているところでございますので、今後も御検討いただければというふうに思います。
 我が国の六十五歳以上の高齢者、平成十七年には二千五百七十六万人となっていましたけれども、今回、高齢化の一層の進展を踏まえ本改正案の提出に至ったとのことですが、政府は今後の高齢化の見通しについてどのように想定しているのか、また、介護を必要とする高齢者、認知症の高齢者は今後どの程度増加するものと想定しているのか伺います。
#45
○政府参考人(坂本森男君) 今後の高齢化の状況でございますが、六十五歳以上の人口は二〇〇七年現在で約二千七百万人でございますけれども、二〇二五年には約三千六百万人に増加すると。そしてまた、介護を必要といたします要介護認定者につきましては、同じく二〇〇七年で四百四十万人ぐらいから二〇二五年には七百八十万人。それから認知症でございますが、認知症は二〇〇五年で約百六十九万人でございました。同じく二〇二五年では約三百二十万人ほどになるのではないかと試算しているところでございます。
#46
○羽田雄一郎君 国立の社会保障・人口問題研究所、日本の将来推計人口によれば、六十五歳以上の高齢者の人口は、二〇四〇年、平成五十二年には約三千八百五十万人に達し、我が国の全人口の四〇%近くになるとされております。このような推計結果を踏まえると、すべての国民に快適さを与えるためにも、高齢者を標準とした社会構造への転換に向け施策を講じていく必要があると考えます。
 本改正において、高齢化の進展に対するため高齢者の住宅施策と福祉施策との連携という方針が打ち出されていますけれども、さらに幅広く、住宅、介護、福祉、医療、交通、町づくりといった諸施策においても高齢者を標準とした取組を加速するべきだと考えますけれども、来るべき超高齢社会における施策の方向性、基本理念についてお聞かせください。
#47
○政府参考人(大口清一君) 先生御指摘のように、団塊の世代と言われるような子供がたくさん生まれて、平均寿命が延びて人口が一億三千万近くになってきたという風景から、まさにこれから七千万人台の国になっていく風景をよくよく私どももイマージュしながら政策を進めていく必要があろうかと思っております。
 このため国土交通省では、平成十七年の七月でございますけれども、ユニバーサルデザイン政策大綱というものを出しまして、これは平たく言いますと、どこでも、だれでも、自由に、使いやすくというようなコンセプトの下に、様々な関係者の連携、協働、言うなれば合力でございますけれども、それからまた施策の総合化、これも言うなれば全体がネットワークとしてつながっていく、切れ目なくつながっていくというような考え方に基づきまして、住宅建築物、さらには公共交通機関、それから道路などの整備改善を、これは心のバリアフリーというものも含めまして進めていこうということを決め、それにのっとって進めているところでございます。
 具体的には、交通あるいは町づくりの分野では、平成十八年に施行されました、これはバリアフリー新法に基づきまして、交通、町づくりを一体的、総合的に整備していこうというような施策を今進めております。また、住宅分野におきましても、先ほどから御議論ございますような、厚労省との連携の下に様々な住宅の供給が進められて、さらに引き続き進めていくというふうな形になろうかと思っております。
 国交省として、今後ともこのような考え方に基づきまして、よくよく将来のこの社会の状況をイマージュしながら社会参加できる環境整備を積極的に進めていきたいと、かように考えております。
#48
○羽田雄一郎君 先ほども言われているように、介護を必要とする高齢者の増加に対応するため、今後、老人ホーム等の介護を受けることができる施設に対するニーズが一層高まるんではないかなというふうに思うわけですけれども、しかしながら、介護保険制度に関しては施設利用は重度の要介護者に重点化するとの方向性が示されているとともに、地方公共団体においては福祉施設の新規供給が抑制されている状況にあり、また、平成二十年六月十八日の社会保障国民会議第二分科会中間取りまとめ等において、介護等のサービスが提供されるケア付き住宅の供給促進、在宅介護サービスの充実を図るとの方向性が示されていると。
 本改正案は、住宅施策と福祉施策の連携の下、介護、生活支援サービスを利用しながら暮らし続けることができる環境を整備するため、賃貸住宅と施設を高齢者の住まいとして位置付け、計画的に供給を行うとしております。しかしながら、介護保険制度の見直しの方向性を踏まえると、本改正案の目的は、高齢者の居住の安定確保のために賃貸住宅及び老人ホームの供給促進を図るというよりも、介護保険給付の抑制のため施設の代わりに賃貸住宅を供給することにあるのではないかという疑問が残ってしまうなというふうに思うわけであります。
 介護を必要とする高齢者の増加に対応するためには、ケア付き賃貸住宅の供給だけでなく、必要量の施設の整備を確実に行っていく必要があると思いますけれども、厚生労働省の見解、方針についてお伺いをさせていただきます。
#49
○政府参考人(坂本森男君) 高齢者の施策につきましては、居宅サービスや地域密着型のサービスによりまして、要介護高齢者が可能な限り住み慣れた地域において継続して生活できるよう支えなければならないということでございます。
 ただ、特に施設への入所が必要な方を受け入れるためには、やっぱり必要な整備も行っていくことが重要でございまして、各地方自治体におきまして、住民のニーズや地域の実情を踏まえまして介護保険事業計画等を策定していただいて、計画的に進めていただきたいと考えております。
#50
○羽田雄一郎君 やはり地域によってニーズというものが違うと思いますので、きめ細やかなニーズというものをしっかりと受け止めた形で進めていただきたいなというふうに思います。
 本改正では、高齢者が安心して暮らし続けることができる住まいを確保するため、都道府県が高齢者向け賃貸住宅及び老人ホームの供給目標等を記載した計画を策定できるとするとともに、高齢者居住生活支援施設と高齢者向け優良賃貸住宅の一部を認知症高齢者グループホームとして賃貸可能とする等の措置を講じようとしておりますけれども、今後、介護が必要な高齢者、認知症の高齢者が大幅に増加すると考えると、高齢者向け賃貸住宅や老人ホーム等の施設の供給戸数を確保するだけでは不十分であり、持家等から介護等のサービスが提供される高齢者向け賃貸住宅へ、さらに重度の要介護状態になった場合には適切な福祉施設等へと高齢者がニーズに応じて住まいを円滑に移ることができるようなシステムの確立というものも必要になってくるのかなというふうに思っておりますけれども、政府の所見、取組状況をお伺いをさせていただきたいと思います。
#51
○政府参考人(和泉洋人君) まさに御指摘のとおり、一つは、現実の問題として、高齢者の方々が例えば郊外で大きな戸建て住宅に住んで、ある意味じゃ持て余している、一方で子育て世帯が小さい家に住んでいる、こういったミスマッチが現実にある。加えて言うと、今委員御指摘のとおり、そういった大きな持家に住んでいる高齢者の方々が、できれば自分の身体状況に合わせまして、場合によっては都心の便利な場所、さらにはそういった施設に移りたいと、こういったニーズがあるわけでございますから、そういったニーズのミスマッチを解消していくという施策は極めて重要でございます。
 そこで、国土交通省としましては、平成十八年度から住み替え支援のモデル事業というのをスタートしました。言うなれば、一対一で住宅を貸し借りした場合には空き家リスクがございますが、それに対しまして、一般社団法人移住・住みかえ支援機構というものをつくりまして、そこが借りたい方々のニーズと貸したい高齢者の方々のニーズをプールをつくりましてお互いにマッチングする、それを通じまして、仮に空き家になっても家賃は継続して支払われると、こういった仕組みでございます。そういった事業を三年間モデル的にやりました。その中で、住み替えを実践した場合のそういった方々の特性の把握でございますとか、住み替えを実際にやる場合の物件の審査、診断とか様々なノウハウがたまってまいりました。
 しかしながら、残念ながら、そういったものの周知徹底、あるいはこういった住み替えのメリットについて十分な情報の周知が不十分でございまして、現時点では実際に住み替えが実現したのは九十九件でございます。一方、そういったことに関心を示しまして、自分の物件を情報会員として登録したものは一千八百四十六件、こういった状況でございます。
 そこで、そういったモデル事業の蓄積を生かしまして、平成二十一年度以降におきましては、そういったノウハウを一般に開放する。さらには、こういった事業をするために国が国費をもって空き家の異常リスクをヘッジしてございますが、そういったものを民間に開放して、民間のビジネスモデルとしてもこういったものに取り組んでいただこうと、こんな構えで今後やってまいりたいと考えております。
 加えて言うと、地方公共団体でも、今度はUIJターンという観点から物件情報等を地方公共団体等のホームページに載せていると、こういった動きもございます。現時点で百三十一事業主体で百八十七件ほどそういったサイトもございます。
 こういった動きを進めていく中で委員御指摘のようなニーズに柔軟にこたえていきたいと、こう考えております。
#52
○羽田雄一郎君 こういうニーズというのは増えてくるのかなと思いますし、また、情報というものをしっかりと提供するということが大切だと思います。
 ただ、やはりそこには本人の希望というものが一番大切であり、高齢になってから住まいの移動というのは我々が思うよりはるかに心労が強いということも考慮していかなければならないなというふうに思っております。例でいうと、マンション群があって、五階とか六階に住んでいて、エレベーターがないとか不便だということで低層に住み替えても、なかなか自分の家が理解できなくて迷子になっているというような例もお聞きします。そういう意味では、本当に高齢になってから住まいを替わるということの心労というものも十分考慮した上で考えていかなければならないなというふうに思います。
 今回の法案に基づく高齢者向け賃貸住宅として、高齢者向け優良賃貸住宅、高優賃、高齢者円滑入居賃貸住宅、高円賃、そして高齢者専用賃貸住宅ということで高専賃、この三種類の賃貸住宅があり、そのほか高齢者向け賃貸住宅として、バリアフリー化に対応した公営住宅やUR都市機構賃貸住宅、地方住宅供給公社住宅の供給が行われているということでございます。
 高齢者向け賃貸住宅を含む公営住宅等の公共賃貸住宅に関する情報については公共賃貸住宅インフォメーションというウエブサイトで検索ができる、また、法案に基づく三種類の賃貸住宅に関しては財団法人高齢者住宅財団のホームページで登録情報等を閲覧することができるということでありますけれども、本改正は、高齢者向け賃貸住宅と老人ホームとを高齢者の住まいとして一体的にとらえ、都道府県が高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の目標等を記載した高齢者居住安定確保計画を策定することができることになっておりますけれども、このような趣旨を踏まえると、高齢者向け賃貸住宅だけではなくて老人ホームについても一元的に情報提供するシステムの整備が必要ではないかと思います。
 また、情報提供と併せて、介護等のサービスを受け取ることができる住まいを求める高齢者に対しアドバイスを行う、あるいはどのような住まいが適しているのか高齢者の相談に対する仲介者というものを育成していく必要があると考えられますが、いかがでしょうか、お答えください。
#53
○政府参考人(和泉洋人君) まさにおっしゃるとおりでございまして、今回、高齢者向けの住宅と老人ホームを一元的に計画した挙げ句に、各々探そうと思ったらまた別のところに行かなくちゃならないというんじゃ全く意味がないわけでございます。
 先駆的な事例としましては、一例挙げますと、神戸市では、神戸すまいの安心支援センターというものを設けまして一元的な情報提供をしてございます。そういったもののホームページをのぞきますと、一番頭に「高齢者向けすまいを探す」というタイトルが出てまいりまして、すぐその下に「高齢者向け住宅・施設の選び方」と。言うなれば、今委員御指摘のとおり、この例では住宅と老人ホームとを一体でアクセスできると、こういった仕組みになっております。こういった先駆的な仕組みがまず一つあると。
 もう一点は、福祉の領域におきましても、各市町村に一か所設けると言われています地域包括支援センター、こういった場所で介護等の悩みも含めまして包括的相談に応じるような体制が逐次整備されてきております。これが二番目でございます。
 三点目に、今委員御指摘の人材育成につきましては、高齢者居住安定法に基づきまして指定されております高齢者居住安定支援センター、こういった場所でいわゆるこういった様々な住まいについてのコーディネーターの養成をやっておりまして、そういった実績もございます。
 こういった実績を踏まえまして、まさに今回のポイントはいわゆる一元的な情報提供にもあるわけでございますので、今後、高齢者居住安定確保計画を作るに当たって、私ども基本方針を作りますが、その中で高齢者の住まいに係る総合的な情報提供体制の整備及び情報提供体制の整備に不可欠な人材の育成というものをしっかりと書き込んでいただきたい、で、具体的に実践してもらいたいと、こういったことを位置付けようと思っています。
 加えて、そういったソフトの事業に対しましても、いわゆる地域住宅交付金の提案事業等を通じまして私どもとしましてもしっかりと公共団体を応援してまいりたいと、こう考えております。
#54
○羽田雄一郎君 今日、介護を必要とする高齢者というものが増加を続ける中にあって、介護サービス等が提供される高齢者向け賃貸住宅に対する需要が増加すると考えられます。そこで、高齢者が所得に応じた適切な家賃負担により介護等のサービスを受けることができる賃貸住宅等に入居できるよう、高齢者の住まいのセーフティーネットの強化を図る必要があると考えます。
 例えば、高優賃以外の高齢者向け賃貸住宅についても高優賃で行われているような家賃の減額に対する助成を行うなど、所得が多くない高齢者であっても介護等のサービスを受けることができる賃貸住宅に入居できるよう支援することが必要かなと考えるわけですけれども、そういう考えはないか、お伺いします。
#55
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御指摘のとおり、高齢者向け、なかんずく所得が低い方々に対する賃貸住宅としましては、元々、冒頭議論がございました公営住宅がございます。今後の見通しでは、そういった公営住宅につきましては高齢化率は上がってくるだろうと。そういう中で、元々公営住宅につきましてはいわゆる所得に応じた応能応益家賃でございますので、その限りにおいては措置されておると。その際に、ライフサポート・アドバイザーと組み合わせるとか、あるいはこういった公営住宅の団地内に福祉施設を併設する、こういったことを通じて既存の約二百二十万戸のストックを有効活用しながら進めてまいりたいと。これが一点目でございます。
 加えて、高齢者向け優良賃貸住宅、これはまさに民活型の賃貸住宅として平成十三年にスタートしたものでございまして、先ほど輿石委員の質問に対しましてまだ不十分であるということを御報告しましたが、この中でも収入分位で四〇%以下の方々につきましては公共団体を通じて家賃補助をすることができます。ちなみに四〇%といいますと高齢単身で粗収入三百九十二万円ということでございますが、そういった方に対して家賃補助をすることができまして、こういった仕組みを使いながら、財源は地域住宅交付金になるわけでございますが、いわゆる所得の低い高齢者の方々も安心して居住できるような賃貸住宅の確保に努めてまいりたいと、こう考えております。
#56
○羽田雄一郎君 是非よろしくお願いします。
 高齢者の急増に伴い、バリアフリー化というのはもう本当に当たり前ということだと思いますし、また新築についてはバリアフリーというものを基準にしてもらいたいなというふうに思っているわけですが、介護とか生活支援サービスが提供される高齢者向け賃貸住宅に対する需要が高まっていくんじゃないかなというふうに思われますが、本法案に基づく三種類の賃貸住宅や公営住宅等の公共賃貸住宅など、これまでの高齢者向け賃貸住宅の供給状況はどうなっているのか。また、これらの賃貸住宅における介護や生活支援サービスの提供状況はどうなっているか、お伺いします。
#57
○政府参考人(和泉洋人君) いわゆる介護等の生活支援サービスの提供の仕組みは、いわゆる住宅と一体となって供給するケア付きな住宅、並びに、住宅そのものには付いてございませんが例えば外付けの介護支援サービス等を受ける場合、さらに中間としまして、公的な賃貸住宅団地の中にそういった福祉関連施設を併設して団地内の施設からいろいろなサービスを受ける場合、いろいろございます。
 ちなみに、今回の法律に基づくいわゆる高齢者円滑入居賃貸住宅の実績でございますが、登録数が今十二万五千五百九十二戸、そのうち高齢者のみにお貸しする高齢者専用賃貸住宅、これ一万八千七百九十四戸、高齢者向け優良賃貸住宅が三万百五十九戸でございます。この中で、そういったサービスを一体的に供給することを意図した高齢者向け専用賃貸住宅についてその状況を見ますると、食事の提供については約六割で、入浴、排せつ等の介護については約五割で、緊急時対応等安否確認については八割がそういったサービスがセットになって供給されていると、こういうふうに承知してございます。
#58
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。
 続いて、高円賃のうち、より詳細な情報を登録する高専賃については、介護等のサービスの提供を行っていても、一定の基準に適合する場合には有料老人ホームとしての届出は不要とされております。有料老人ホームは、老人福祉法上、都道府県知事による立入検査や入居者に対し不当な行為をした場合等における改善命令など規制が設けられておりますけれども、一定の基準に適合した高専賃は、本改正案に基づく報告徴収、登録基準に適合させるための指示対象となるだけであって、そこでまず、一定の基準に適合する高専賃について、有料老人ホームとしての届出を不要とする理由について説明を厚生労働省の方からお聞きします。
#59
○政府参考人(坂本森男君) 高専賃につきましては、高齢者が安心して住み続けられる住宅といたしまして、まず借地借家法により借家人の継続入居に関しての保護が図られているということ、それからバリアフリーなどの内容等の情報の開示がなされていること、それから都道府県知事に住宅の管理に関して助言又は指導ができることとされているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、こうした高専賃のうち、食事や介護の提供をするものにつきましては基本的には有料老人ホームとして都道府県知事への届出や一時金の保全措置の義務付け等を課すこととしておりますが、この御指摘の適合高専賃につきましては、一般の高専賃の要件に加えまして、前払家賃を取るものにあっては保全措置が講ぜられていると、それから原則として各戸の面積が二十五平米以上確保されているといった、こういった条件を満たすものであることから、有料老人ホームと同等以上の居住環境や入居者の保護が確保されているということを考えまして、有料老人ホームの届出の適用を除外したところでございます。
#60
○羽田雄一郎君 また、一定の基準に適合する高専賃で有料老人ホームと同様の運営実態のものについてどのように運営の適正化を図っていくのか、国土交通省の取組についてお伺いします。
#61
○政府参考人(和泉洋人君) 今厚生労働省から趣旨御説明があったと思いますが、今回の改正案の中で、高齢者向け円滑入居賃貸住宅、これは高専賃を含みますが、こういったものに対しましていわゆる報告徴収の規定あるいは改善の措置についての指示をする規定、こういったものが追加されることになっております。
 そういった意味でいえば、従来以上にそういった規定を、もし法律が通ればそういった規定を使いながら高専賃の適正な在り方について公共団体と協力して目を光らせてまいりたいと、こう考えております。
#62
○羽田雄一郎君 それでは、次に移りたいと思いますが、介護保険に関しては、要介護認定者の増加に伴い介護給付が増大していることから、制度の持続可能性の確保が課題となっており、制度の見直しも進められているところであります。
 平成十七年度の介護保険制度改革においては、介護サービス等を提供する高専賃のうち、面積、設備の基準を満たし、前払家賃の保全措置を講じている住宅について、介護保険法上の特定施設入居者生活介護の指定対象とされました。この見直しの以前は介護付き有料老人ホームとケアハウスのみとされておりましたけれども、高専賃も対象とした理由について御説明ください。
#63
○政府参考人(坂本森男君) 先ほど申しましたが、夫婦や単身の高齢者の世帯が増加しておると、介護が必要となる場合に備えまして早めに住み替えていただくことが必要となる、それから要介護状態になった場合でも地域において住み続けることができることが望ましい、こういうことでございまして、自宅や施設以外の高齢者の居住の場に関しまして多様な選択肢を用意することが重要であると考えているところでございます。
 このため、十八年の介護保険制度の改正におきまして、一定の基準に適合した都道府県知事への届出を行いました高齢者専用賃貸住宅につきましては特定施設入居者生活介護として指定対象としたところでございます。
#64
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。
 それでは、次に移りますが、介護保険事業計画の基本指針では、各市町村に対し、要介護二以上の認定者数に対する介護保険三施設及び介護専用居住系サービスの利用者割合を平成二十六年度三七%以下とし、施設利用者全体に対する要介護四及び要介護五の認定者割合を七〇%以上とすることを目標とすることを求めております。このように、特別養護老人ホーム等の介護保険三施設の利用は重度の要介護認定者に重点化される中、介護を必要とする高齢者の住まいとして高専賃の供給拡大が期待されております。
 しかし、特定施設入居者生活介護の指定を受けた高専賃というのは、二十年七月、二十件六百八十八戸と極めて少なく、背景には、特定施設に関し都道府県が定めた目標整備量を上回る場合、新規指定を行わなくていい総量規制との関係も指摘されているところでございます。
 介護が必要になったとき介護を受けながら安心して住み続けられる住まいの普及のためには、賃貸住宅である高専賃の多くが介護保険の対象となるよう特定施設入居者生活介護の指定促進が必要と考えますけれども、対応状況についてお伺いをいたします。
#65
○政府参考人(坂本森男君) 現時点の指定の件数は、委員御指摘のとおり、二十施設で戸数が六百八十八戸ということでございます。各地方自治体におきまして、住民のニーズや地域の実情を踏まえまして介護保険事業計画を策定し、これに基づいて行われているところでございまして、高専賃を含めました特定施設の指定につきましても地方自治体の判断ということで同様でございます。
 また、高専賃につきましては、制度が発足してまだ間もないこともございまして先ほどのとおりの実績が少ない状況ではございますが、そうした住宅を含めました特定施設入居者生活介護の指定につきましては、今後とも地域のニーズ、そして地域の実情に応じて適切な指定がなされていくものと考えております。
 今後とも、高齢者のニーズにこたえるよう、多様な住まいが普及するよう引き続き地方自治体に要請してまいりたいと考えております。
#66
○羽田雄一郎君 高専賃の登録件数というのは年々増加しているようですけれども、平成十九年度末には一万八千七百九十四戸が登録され、運営事業者としては、従来から老人ホーム等を運営している福祉関係事業者のほか、住宅メーカー、医療法人なども新規参入する事例があると聞いておりますけれども、高専賃がどのような事業者により供給されているか、お伺いをさせていただきます。
#67
○政府参考人(和泉洋人君) 平成二十年三月末で七百八十三件でございますが、そのうち会社組織によるものが五百十五件、六五・八%、個人によるものが百四十八件、一八・九%となっております。このほか、社会福祉法人によるものが二十八件、住宅供給公社によるものが十五件、特定非営利活動法人によるものが二十件となっております。
 なお、会社組織による五百十五件がいわゆるハウスメーカー系なのか従来の介護福祉関係の業者か私どもつかんでございませんので、今後把握してまいりたいと、こう考えております。
#68
○羽田雄一郎君 住宅メーカーとかによる高専賃というのは、バリアフリー化とか共用施設等のハード面の充実というものはしっかりと図られると思いますけれども、介護等のサービス、ソフト面がなかなかノウハウがないのかなというふうに思っておりまして、そういう意味ではそこをしっかりとつなぐことが必要だというふうに考えております。
 るる質問をしてまいりましたけれども、我々民主党では、国土交通部門会議、また住宅政策の小委員会において、民主党の住宅ビジョン、生活安心住宅プログラムを長浜ネクスト大臣が次の内閣閣議に中間報告をしたところでございます。人間の生活に欠かすことのできない住宅政策は、福祉政策、経済政策、国土政策、環境政策、文化政策等多分野に通じており、民主党では、住生活において個人の多様な生活や人生をより豊かにし、地域社会を、そして日本経済を持続的に発展させるため、新しい住宅政策を提案していきたいと考えております。
 このように人間の生活にとって大切な住宅政策について最後に国土交通大臣の決意をお聞きして、私の質問を終わらせていただきます。
#69
○国務大臣(金子一義君) 最後の住宅政策への取組の姿勢というのをいただきました。福祉、環境関連との連携、あるいは自然、文化等の地域の実情を踏まえたきめ細かな対応に留意しながら、安心、安全、良質な住宅、市場環境、住宅市場の環境も整備していくということの大事さ、それから市場において自力では適切な住宅を確保することが難しいという方々への言わば住宅セーフティーネットの構築といったような観点から、住宅は大変大事な問題と認識してこれからも進めてまいりたいと思っております。
 特に、一方で、先ほど御指摘もありましたけれども、住宅関係分野、非常にすそ野の広い内需の柱でありますことからも大事な問題として計画的に取り進めてまいりたいと思っております。
#70
○羽田雄一郎君 ありがとうございました。
#71
○植松恵美子君 民主党の植松恵美子でございます。
 大臣が今日は会議があるということなので、先に、大臣がせっかくいらっしゃる場でまず、私は言うまでもなく香川県の出身でございますので、まず香川県の河川事業の直轄事業負担金、今一番問題となっている発端になった河川事務所の移転等が香川から起こったわけでございますけれども、そのことについて率直に御意見をいただければと思いますが、これまで様々な香川県からこの直轄負担金についての照会あるいは問い合わせ等があったかと思いますが、そういったものを国交省として把握して、またその情報とかの開示はどのように進んでいるかをお伺いをさせていただきたいと思います。
#72
○政府参考人(増田優一君) お答えを申し上げます。
 香川県からは、三月十七日、この問題が明らかになった以降、四国地方整備局に対しまして直轄事業負担金について問い合わせを受けております。具体的な内容としては、当然、紙でもいただいているわけでございますが、直轄事業の事業ごとの費目の金額でありますとか内容、それから今回発端となりました香川河川国道事務所の庁舎の建て替えの問題、それから宿舎の問題、営繕宿舎費の問題、それから人件費等事務費の内訳等の問い合わせを受けております。
 四国地方整備局におきましてはこれまで、三月十九日から実は昨日まで計六回にわたりまして香川県に対しまして説明をさせていただいております。特に国道事務所の建て替え等については、この建て替えの理由でありますとか事業の内容でありますとか、あるいは事業費でありますとか、あるいは工事工程等について詳細な説明をさせていただいておるところです。
 それから、昨日ですが、これ四月二十七日に四国の整備局長が出向きまして、知事さん本人に庁舎の建て替え問題を含めまして平成二十一年度の香川県におきます直轄事業の内容等について詳細な説明をさせていただきました。その際にも知事さんからは直轄事業負担金の内訳について、より詳細な情報開示を求められておりますので、これにつきましても現在準備をさせていただいて近々御説明に上がりたいというふうに考えております。
#73
○植松恵美子君 今いろいろと詳細な説明をさせていただいているということ、お答えいただいておりますけれども、本来でしたらこういった支払が行われる前に説明を行うべきものであったことが後になっているということをいま一度お感じになっていただきまして、そして、香川県からの情報提供に対してはすべてにおいて速やかに行ってくださっていると思っていればよろしいでしょうか。
#74
○政府参考人(増田優一君) これまでは、昨年までは私どもも若干そういった事務費の内容等についてそんなに御関心がないというふうに思っていたところもあるんですが、今回こういう形でかなり事務費も含めて詳細な内訳の開示を求められておりますので、誠心誠意対応してまいりたいと考えております。
#75
○植松恵美子君 数億円単位のもので御関心がないわけはないわけでございまして、本当に民間の感覚からいうとこれは大金でございますので関心はもちろん国民、県民ありますので、是非とも前もっての情報開示をお願いしたいと思いますし、今後も進めていただきたいと思います。
 それでは、大臣に伺いたいと思いますが、四月八日に全国知事会からいろいろな要請があったかと思います。私が大きく三つ把握しているものといたしましては、直轄事業負担金の内訳を示す情報開示の徹底、二つ目は維持管理費に関する負担金の急速な廃止、三つ目は直轄事業そのものの縮小と将来の廃止であります。
 特に一番、情報開示の徹底につきましては大臣が早々に実施するとおっしゃっていただいておると聞いておりますけれども、この開示は、今進めている状況であると思いますけれども、具体的な日を切っていただきたいと思いますが、何月何日にはできる方向であるということを大臣から教えていただきたいと存じます。
#76
○政府参考人(増田優一君) ちょっと事務的に段取りのお話をさせていただきます。
 後ほど大臣から決意等のお話をさせていただきますが、事務的に、現在、知事会と調整をさせていただいております。それから、今年度分、二十一年度の予定額通知を近々しなければなりませんので、これにつきましてはできるだけ早く、その明細も付けて二十一年度分の予定額通知はさせていただこうと思っています。
 それから、知事会からございました四月八日の分は、これは二十年度、つまり過年度分ですね、二十年度について工事費それから事務費の内訳等も含めて詳細な情報開示を求められておりまして、これにつきましては知事会からは五月末までに出してほしい、これは六月等の議会用ということでございますので、遅くとも五月末までに出してほしいというふうに言われておりますので、現在、知事会とその方向で準備を進めさせていただいております。
#77
○国務大臣(金子一義君) 香川県河川事務所が発端になりましたけれども、こういう問題が出まして私も全部点検しろということを指示しましたらば、ほかの河川道路事務所も同じように管理費用について、職員の給与についても全部その他という項目で請求をしているということで、これがもう今まで通例であったと、細目、明細を付けないというのでずうっと来ちゃっているということでありました。これだけ地方自治体の財政が厳しい、そして地方自治体が行政改革、職員の削減、経費の削減をやっている最中でありますから、その他ということで明細が分からないというような請求というのは、これはもう許される話ではないと思います。そういう意味で、今官房長がお話しさせていただきましたけれども、必要なものはきちっと開示をさせていただくと。
 これは河川事務所だけではなくて、ほかの道路を、国道を造ったときの直轄事業負担金の在り方でありますが、これもやはり国が勝手に国道を造って地方に請求書を回すという話で、そんな話で済む話ではないものですから、どういう事業を毎年やるのかと、それぞれの自治体、財政事情がこういう厳しいときにどこまで御負担いただけるのかということを事業実施前に事前にきちんと協議してもらうと。したがって、そのときにぼったくりにならないようなきちんと対応はこれは求めて、我々として地方自治体との間できちんと整理していく必要が、詰めていく必要があると思っております。
 また、先ほどの維持管理費等々の問題もありました。これも、維持管理費、地方自治体は四五%負担、一方で補助国道については全く国の負担がない、アンバランスではないかという議論。ただ、これは少し踏み込みますけれども、一方で地方交付税というのは面積、人口、道路の延長というので地方交付税の配分基準で配分されておりますものですから、それなりに道路の管理費というのが地方交付税の配分基準にも、ある意味、枠組みの上ではできている部分はあります。これを全体としてどういうふうに直していくのか、あるいは地方と国の在り方を見直していくのかということについて、大きな議論としてこれは取り組んでまいりたいと思っております。
 一番最後に御指摘されました国と地方の在り方、直轄事業部分というのを極力減らして地方にやっていただく。ただ、その場合に、同じように財源の問題がありますから、国と地方の財源の配分をどういうふうにしていくのかということも併せてこれは議論していくテーマであると思っておりまして、これから今御指摘をいただきましたような諸点について精力的に取り組んでまいりたいと思っております。
#78
○植松恵美子君 大臣、御丁寧な御答弁ありがとうございます。
 ただ、何月何日までに知事会の要請にお答えするかという御答弁いただいておりませんが、五月三十一日まででよろしいでしょうか、お答えください。
#79
○国務大臣(金子一義君) 今の予算、具体的に麻生知事会の会長と事務的に五月末までにということで進めさせていただいておるようであります。
#80
○植松恵美子君 私、四十一年間の人生の中で一番高い買物をした覚えがあるのが家を建てたときでございます。そのときに、見積書及び請求書を建築会社からいただいたときに、こんな億もしません、数千万の家ですけれども、電話帳ぐらいの、本当にタイル一枚の大きさとか壁はどういう仕様にするとか非常に詳しいものを書いていただいて、電話帳ぐらいの見積書をいただいたことがございます。
 やはり私は、数億円もするような請求書を国から地方に出す場合には、本当によく分かる明細書が必要であるかと思っております。しかしながら、その要請があって、一月もないとこれがそろわないということ自体が、これまでの感覚として国民感覚から非常に懸け離れていたのではないかと思っております。
 二十年度、これまでの支払が済んだものに関して今それだけの時間と力を込めて準備を進めているということでございますが、二十一年度からは明細書を添付してきちっと請求書を出すということでございますので、そういった明細を積み上げていくのを前提にきちっと二十一年度からは実施しているということでよろしいんでしょうか。
#81
○政府参考人(増田優一君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、二十一年度分の直轄負担金の予定額につきましては、近々予定額通知書を出す予定で準備をさせていただいていますが、当然、二十一年度の予定額通知書には、今先生からお話がありましたような、できるだけ詳細な明細も付けてお出ししたいということで今準備をさせていただいております。
#82
○植松恵美子君 じゃ、そのようによろしくお願いいたします。
 それでは、本来の高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案についての御質問に移らせていただきます。
 日本においての高齢化社会が進んでいって、これからも高齢者が大幅に増加が見込まれていること、また、それに伴って介護が必要な高齢者も増加するであろうということは予測されておりますけれども、高齢者の方々が将来安心、安全にお暮らしになっていただくために高齢者の居住の安定確保が大切であるということは私も同感であります。
 今後、的確な高齢者の居住環境を整えていく上で大切なことは、まず現時点での高齢者の居住状況をきちんと把握できているかどうか、それから将来の見通しと目標設定がうまくできているかどうかであると思いますけれども、これまで国交省の高齢者向け賃貸住宅施策については、平成六年度に策定されました高齢者向け公共賃貸住宅整備計画において二十一世紀初頭に向けた整備目標が約三十五万戸とされておりましたが、現在においては目標を大きく達成して、ストック数は五十万戸、つまり目標三十五万戸を大きく上回っている状況でございますが、今後も、この目標を達成しているとは思うんですけれども、増やすべきであろうと思っていますが、今後の見通しについて教えてください。
#83
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員から御紹介いただきましたように、平成六年の計画、これは旧建設省が作った計画でございますが、三十五万戸を目標に、結果として二十年三月末時点で五十万戸が整備されております。これは主として公営住宅等を中心に従来の公共住宅を活用して高齢者向けに供給していくと、こういった分野でございます。
 一方、いわゆる高齢者向け優良賃貸住宅、高齢者の居住安定確保法に基づく高齢者向け優良賃貸住宅については、先ほども御答弁申し上げましたとおり、十一万戸という計画を立てながら現時点では三万戸という状況がございますので、こういった既存の公共住宅の活用、そしてまた、今後、高齢者向け優良賃貸住宅について、現時点では遅れているわけでございますが、国費を確保し、さらには地方負担についての特別交付税等の措置を充実し、加えて二十一年度予算におきまして、高齢者の生活支援施設を併設する場合につきまして、その支援施設部分については国だけで費用の三分の二を補助する、こういった事業も、国費四十億円でございますが準備をいただいておりますので、こういった措置を十全に活用して必要な住宅の確保に努めてまいりたいと、こう考えております。
#84
○植松恵美子君 それ、一方で、高齢者向けの優良賃貸住宅、つまり高優賃は、整備目標戸数が十一万戸と、先ほど輿石先生の方からもありましたが、十一万戸とされていたものが二十年度までの実績が約三万戸にとどまっております。本来の目標からいけば、二十七年度では三十三万戸に達成していなければならないということになりますが、引き続きこの目標に向かって進めるつもりでしょうか、お答えください。
#85
○政府参考人(和泉洋人君) 率直に言って、この八期五計の数字に対しては進捗率二二・七%ですから、全体の戸数自体もそういった計画どおりに建っておりませんので、若干割り引いて考える必要もあろうかと思いますが、非常に達成率が悪うございます。
 したがって、今回の改正法が通させていただければ、都道府県において高齢者居住安定確保計画を作る中で必要な高齢者向け優良賃貸住宅等の確保についてもきちんと位置付けをいただき、そういったことをちゃんと実現するために私どもも、平成二十一年度、国費千九百四十億円、地域住宅交付金という資金を確保していただいておりますし、加えて、そういったものを公共団体が国の補助を受けながらやる場合の補助裏についても、地方交付税、具体的には特別交付税の充実を今総務省にお願いしてございます。
 更に加えて、今後この法律に基づきまして高齢者生活支援施設を併設する高齢者向け優良賃貸住宅を造ってまいりますが、特に、今回の法律が通れば、初めのうちはやっぱりモデル的に成果を出す必要があろうと考えておりまして、その意味で生活支援施設部分については、地方の負担を求めることなく、三分の二を国費で支援する事業を国費四十億円で二十一年度予算で計上してございます。
 こういった施策を講じながら、高齢者向け優良賃貸住宅を含めて都道府県の計画に位置付けられた計画をちゃんと実現できるように努力してまいりたいと、こう考えております。
#86
○植松恵美子君 現時点において高齢者の住宅は数的には不足していると見られていますか。また同じく、将来の高齢者の予備軍であります団塊の世代の方々も住宅を、数的に見て過不足はどのように国交省は把握しておりますでしょうか。
#87
○政府参考人(和泉洋人君) まず一番目の御質問につきましては、不足していると我々は認識しておりまして、そういった意味で、今回の法律を御可決賜れば、都道府県レベルできっちりと必要量を把握して、これは住宅も老人ホームも含めて、それに基づきまして国と地方で協力して進めてまいりたいと。これが一点目でございます。
 次に、今委員御指摘の団塊の世代でございますが、団塊の世代といいますのは一九四七年から四九年に生まれた方々でございまして、この方々が六十五歳以上の高齢者になるのは二〇一二年から二〇一四年でございます。
 現在の高齢者の状況につきましては、二〇〇八年の数字でございますけれども、六十五歳以上の高齢者数は全人口の二二%の二千八百二十一万人でございますが、この団塊の世代がすべて高齢者となります二〇一四年にはこの数字が三千二百九十三万人と四百七十二万人増加するものと見込んでおります。
 加えて、そういう中で特に居住の安定という観点から問題となろう要介護、要支援の高齢者の方々、あるいは要介護状態となるおそれが高い虚弱の高齢者の方々につきましては、二〇〇八年の六百一万人から二〇一四年の七百四十八万人へと百四十七万人も増加するわけでございまして、こういった状況を踏まえながら、先ほどの御指摘に戻るわけでございますが、高齢者向け優良賃貸住宅を含む高齢者のための住宅あるいは老人ホーム等の確保を都道府県の作る計画の中でしっかりと位置付けて、それをしっかりカバーしてまいりたいと、こう考えてございます。
#88
○植松恵美子君 今現時点において住むところがないという団塊の世代の方や、今住む場所が奪われているという高齢者の方が、じゃ、存在するという把握状況でございましょうか。
#89
○政府参考人(和泉洋人君) 住宅という意味では足りております。直近の住宅・土地統計調査は平成十五年でございますが、それによりますとストックが五千四百万戸あって世帯数が四千七百万でございますから数的には十分足りているわけでございますが、委員の御質問の高齢者にふさわしい住宅あるいは老人ホーム等という観点にかんがみればまだまだ足りないと、こういう認識でございます。
#90
○植松恵美子君 つまり、住む家を追われているような状況ではないけれども、高齢者になって体が不自由になったり介護が必要になったときのサービスを提供できるような、いわゆる、にふさわしい住宅がこれから必要であるというお考えでいらっしゃいますでしょうか。
 続きまして、住宅のバリアフリー化に関する目標について伺います。
 平成二十七年度には、資料一を今出しておりますけれども、資料一にありますように、六十五歳以上の高齢者の居住する住宅の七五%をバリアフリー化し、そのうち高度のバリアフリー化を二五%とする目標値であると国交省は掲げていらっしゃいますけれども、実際に、高齢期の住み替え意向の表、次の二枚目でございますが、実際にお年寄りは、六十五歳から七十四歳の高齢者の方は、リフォームをしてでも住み続けたいと思っている方が八・一%、七十五歳以上では五・九%と更に少ない状況で、つまり、七五%ものバリアフリー化を国交省は進めようと思っていますけれども、実際の高齢者の方々は特に深く考えていないとかそういうことを望んでいないような、数値上だけを見ますと非常に数字の乖離があると思いますが、この乖離の理由は一体何だと受け止めていらっしゃいますか。
#91
○政府参考人(和泉洋人君) 委員御指摘のとおり、住生活基本計画では、平成二十七年までに、六十五歳以上の高齢者の方が住む住宅の中で二か所以上の手すりの設置あるいは屋内の段差の解消、こういった一定のバリアフリー化をした住宅の割合を平成十五年の二九%から七五%に引き上げたいと、こう考えております。
 御指摘のとおり、委員の配付いただいた資料に見られますとおり、特に考えていないという人が一番多くて、そういったバリアフリーリフォーム等についての意向は低いわけでございまして、単身の高齢者世帯で一〇%以下、家計を主に支える者が六十五歳以上の夫婦のみの世帯で一四・六%でございます。
 ただ一方で、平成十五年の住宅・土地統計調査によりますと、平成十一年から調査前の平成十五年九月までの四年九か月の間に実際に行った数でいいますと、高齢者の居住する持家世帯では二百十一万世帯で実際に工事を行ったと、実際にバリアフリーのリフォームをしたということが出ておりまして、その数値は一五%でございます。また、高齢者が世帯主である世帯のうちで建て替えを行った世帯、これは十八万世帯で一・九%。したがって、御指摘のとおり、意識と実際に起こったこととの間に若干のギャップがあるということでございます。
 私どもは、そういった七五%という高い目標を実現するために、もちろん今の意識と実際の行動とのギャップを踏まえて、そのギャップを埋めるために、持家のバリアフリー化に対する支援としまして、住宅のバリアフリー改修税制、こういったものを今年、つくっていただきました。そういったものとか、あるいは元々あるローン型のバリアフリー改修税制、さらには住宅金融支援機構がフラット35で融資を行うときにバリアフリー等の質の高い住宅については金利を引き下げる、こういったものを拡充するとか、さらには、住宅金融支援機構の中では、高齢者の方がバリアフリーリフォームをするときに、御生存中は金利だけ返す、亡くなった場合にその物件で返すと、こういった一種のリバースモーゲージ的な改修の融資等も準備してございますので、こういったものを活用しながら持家のバリアフリー化を進めるとともに、賃貸住宅につきましては、先ほども御議論を賜りましたように、新規の公共賃貸住宅については基本的にはバリアフリーと、その上で既存のものにつきましても地域住宅交付金等を活用してバリアフリー改修を進めていくというようなことで何とか七五%を実現してまいりたいと、こう考えております。
#92
○植松恵美子君 バリアフリー七五%に非常にとらわれているような感がございますけれども、そもそも、もし国民が望んでいないようなプログラムを幾ら用意しても、それは進まないことであるかと思います。
 もちろんこれ、様々な理由があって、国民と、国交省の用意しているプログラム、七五%という数値目標との乖離があると思います。例えば、お金があればバリアフリー化したいけれども、資金的に苦しいので今はもう我慢している、あるいは今元気だから体を損ねるまでは我慢しようとかいろんな理由があってそれが進んでいないのか、あるいは元々その気が、そのニーズがないのかはよく分かりませんけれども、それをもう一歩踏み込んだ意識調査などというものは進めたことはございますか。
#93
○政府参考人(和泉洋人君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、十五年の住宅需要実態調査では七割超の世帯が特に考えていないと。特に考えていない方に直接、どうして特に考えていないんですかという調査をここではやっていないんです。
 ただし、関連する調査を少し分析しますると、まず年齢階層別に見ると、高齢期を控えた五十歳代の住み替え・改善意向は他の年代より高いということとか、年収別に見ると、当然のことですが、まさに今委員御指摘のように年収が高い方がそういった意向は強い、持家、借家で比較すると持家の方々の方が住み替え・改善意向が強いと、こんな結果が分かってございます。
 さらに、この十五年の調査の後段としまして、平成二十年十二月に、従来の住宅需要実態調査に替わりまして新しい調査をしております。残念ながらその中でも、率直に言って何も考えていないという方に対してどうですかと聞いていないんですが、今と同じような分析をするとともに、せっかくの御指摘でございますので、やり方はちょっと考えますけれども、何も考えていない方にどういう理由で考えていないのかということについて深掘りして少しサンプル的にも調査をしてみたいと思っております。
#94
○植松恵美子君 本当にニーズがないところでバリアフリーを進めようとしてもなかなか難しいと思います。本当に北極に行って氷を売るようなものでございますので、まず本当にニーズがあるかどうか、先にもう一度再調査して、ひょっとしたら七五%というのを見直した方がいいかなということがございますので、もう一度お願いしたいと思います。
 それでは、平成十八年度の住生活基本法により、量の確保、つまり雨風がしのげればいいといった住宅政策の量の確保から質の向上を図る政策へと転換したとなってありますけれども、高齢者の住環境としての質はどのような住環境がいわゆる望ましいと国交省として思われているか。そして、大臣も、今後高齢者の住環境、どういう質を確保することが大事であるかということをお答えになってくださったら、今日はこれで、大臣は今日はもう、お急ぎですので結構でございますので、どうぞ率直にお答えいただきたいと思います。
#95
○国務大臣(金子一義君) 御指摘の部分につきましては、三つほど目標を持ってやる必要があると思っています。
 一つは、今御指摘いただきましたバリアフリー、これは今局長がもう一遍意識調査をやると踏み込んで答弁をしておりましたけれども、このバリアフリー。それから見守り支援などのハード、ソフト両面の部分。それからもう一つは高齢者等に配慮しました賃貸住宅の供給、これも質が十分じゃないよねという先ほど答弁もありました。それともう一つは公的賃貸住宅と福祉施設の一体的な整備。これは今回この法案でお願いを申し上げて、より促進をさせていただきたいと思っているところでありますが、この三点が主に、この三点の目標を一応正面に置きまして進めさせていただきたいと思っております。
 ちょっと住宅局長から詳細について報告をさせていただきます。
#96
○政府参考人(和泉洋人君) 今の大臣の方針に従いまして、具体的な計画としましては、先にもう委員から御指摘賜っちゃったのでなかなか言いにくいんですが、まず、一定のバリアフリー化につきましては、これは六十五歳以上の高齢者の方が居住する住宅でございますが、平成十五年の二九%を七五%にと。さらに、高度のバリアフリー化と申しますのは、二か所以上の手すりの設置、屋内の段差の解消及び車いすで通行可能と、この三点セットがそろったバリアフリーでございますが、十五年の六・七%を二五%に引き上げると。こういった目標をアウトカムの目標として考えております。更に加えまして、共同住宅につきましても、道路から各住戸の玄関まで車いすあるいはベビーカー等で通行可能な住宅ストックの割合を、平成十五年調査では一〇%でございましたが、これを何とか二十七年までには二五%に引き上げたい、こういうことを考えてございます。
 こういったことのために、先ほども御答弁申し上げましたような様々な施策を駆使してその引上げに努めてまいりたいと、こう考えております。
#97
○植松恵美子君 質の基準とも言えるのが、今回、高齢者の入居者を拒否をしないという高円賃としての、法案の十三条、登録基準で、国交省の省令として定めようとしている基準の内容にも関係してくると思いますけれども、この登録基準で想定されていることをお示しください。
#98
○政府参考人(和泉洋人君) 現在のバリアフリーの状況は今のとおりでございますが、そもそも平成十三年にこの制度ができた背景を若干御紹介させていただきますと、市場で高齢者の入居お断りというのが結構ございまして、まずはそういった入居をさせていただく、そういった住宅の登録を増やしましょうと、こういうふうなことで高齢者円滑入居賃貸住宅制度ができました。その時点では、そういった趣旨からいわゆる物的な条件は付けなかったわけでございます。しかしながら、その後、この高齢者向け円滑入居賃貸住宅も十二万を超えるに当たりまして、最低居住水準を満たさないような住宅、こういったものがあっては困る、したがって今後はそういった一定の基準を満たす住宅についてのみ高齢者向け円滑入居賃貸住宅として登録しようと、こう考えたわけでございます。
 したがって、スタート時点で考えると、そういった基準を設けますけれども、まだまだ率直に言って一般の市場にバリアフリーの賃貸住宅があるという状況じゃございませんので、今回設けようと考えている基準でございますけれども、それほど高度なものでは率直に言ってなくて、一つは、各戸の床面積が一定規模以上、具体的には原則として二十五平米以上。構造又は設備が高齢者の入居に支障を及ぼすおそれがない、具体的にはちゃんとした設備機器があると。三番目は、賃貸住宅の賃貸の条件が一定の基準に従い適正に定められていること。具体的には、そういったものに様々な支援サービスが付く場合についてはその中身をきちんと開示すると、事前に。費用も開示すると。そういったことを求めて、そういったもののみを登録していこうと、こういったことを考えてございます。
#99
○植松恵美子君 高円賃というといわゆる国交省のお墨付きの住宅ですよということを示すことになると思うんですけれども、先ほど大臣がおっしゃられた質のレベルといわゆる今の標準の質のレベルが少しというか相当懸け離れているような状況でございますけれども、やはり将来的には高円賃の住宅基準としての品質を担保できるような基準を作っていかなければならないと思うんですけれども、そのような方向でよろしいでしょうか。
#100
○政府参考人(和泉洋人君) 私ども、もとよりそれが望ましいと思っておりまして、そもそもは平成十三年、繰り返しになって恐縮でございますが、いわゆる民間借家市場の借家の中でバリアフリーの住宅が本当に少ないと、更に加えて言うと、高齢者に対して入居お断りがあると、そこからスタートしているということでございます。同時並行でバリアフリー化に対する努力も続けてまいりますので、まさに将来の方向としては委員御指摘のような方向が望ましいと私どもも考えております。
#101
○植松恵美子君 今高齢者の居住状況、八割が実は持家、もう家を建てていらっしゃって、二割が賃貸住宅に入居しているような状況であると伺っております。非常に持家率が高いのが特徴ですけれども、現状においては高齢者の持家率が非常に高いにもかかわらず、都道府県が定めることができる第三条の二にある高齢者居住安定確保計画の中での供給目標の設定が賃貸住宅及び老人ホームのみを対象としているのはどうしてでしょうか。
#102
○政府参考人(和泉洋人君) 計画の中で明示的に高齢者向けの賃貸住宅と老人ホームを位置付けているのは、全体を考えたときに一番厳しい環境に置かれるのが、やはり高齢者の中で単身、夫婦のみでかつ要介護、要支援等で、加えて言うと持家を持てないで借家に入っている方々、こういったことが想定されるものですから、明示的には賃貸住宅及び老人ホームの供給目標等を考えてございます。
 しかしながら、計画の中には、最後の条文の中にその余のことをすべて書き込める条文が付いておりまして、当然、持家についても、一つはバリアフリーの促進、もう一点は持家であってもいわゆる体の状況に応じてきちんと介護サービス等のサービスが受けられると、そういったことも必要でございますので、今後、高齢者居住安定確保計画を作る際の私どもの基本方針の中には持家についての実績も明確に書き込んでまいりたいと、こう考えております。
#103
○植松恵美子君 圧倒的に数が多いのは持家の高齢者の方々です。ただ、確かに住宅としてのセーフティーネットをきちっとしいてさしあげなければならない賃貸の方の方がひょっとしたら危険な確率が高いかもしれません。しかしながら、数が多い持家の方々のことも明確に位置付けをしていただきたいと思っております。
 それでは、高齢者等の住み替え支援について伺います。
 先ほども質問の中にございましたけれども、若い子育て世代と高齢者世代との住宅ストックのミスマッチを解消する事業として、高齢者等の住み替え支援を行っています。JTIという事業だったと思いますけれども、この事業は平成十八年十月からの事業で、三年間でモデル事業の実績が先ほど九十九件とお答えになったかと思います。九十九件といいますと、普通、三年で九十九件って、この事業のこの成果は評価できるというふうな位置付けですか、それとも今後何かを見直し、手直しをして続けるおつもりでいらっしゃいますか、お答えください。
#104
○政府参考人(和泉洋人君) まず評価でございますが、三年間とは申しましても、初めの段階ではシステムの開発等でございまして、実際の募集等を始めたのは二年目以降だったと思います。ただ、そうはいっても、九十九件という数字が多いかというよりは、少ないということは間違いないと思います。ただ、こういった自分の持家資産を有効活用する事業に対しての御関心は深うございまして、問い合わせ件数は四千八百件近くで、登録をされた方は千八百四十六件、その中で具体の成約に至ったのが九十九件でございます。
 ただ、実際の数字はそうでございますが、その後、この過程の中で、住み替えを実際実践した方の特性の把握でございますとか、実際に今住んでいる住宅をお貸しするわけですから、その場合に、点検をして必要がある場合は改修すると、そういったもののマニュアルでございますとか、高齢者の方々に自分の持家資産をそういった形で転貸するとどういったことが起こるのかということについての御説明、こういった様々のノウハウは蓄積されてまいりました。
 そこで、今後は、現在は委員御指摘のJTIだけでやっておりますけれども、そういった仕事自体は民間でもできるはずでございますので、調達した様々なノウハウを民間にも広く開示して、加えて言うと、空き家発生リスクについて国は五億円の国費をもって異常時リスクをヘッジしてございますが、そういったヘッジの対象も場合によっては民間に開放して、なるべく広い方々が参画して、こういった、委員の配っていただきましたようなこのミスマッチを解消するようなインフラを広げていきたいと、こう思っております。
 そういったことにつきましては、様々な形で私ども支援するための予算がございますので、広く民間にも働きかけ、この成果が更に広がるように努力してまいりたいと、こう考えております。
   〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕
#105
○植松恵美子君 私も当初、このJTIの成果、三年間で九十九件、これ単純に割りますと一年間で三十三件成立させていたのでは、事業として、また特に民間では成り立たない事業ではないかということで、昨日、この代表理事の大垣尚司さんとお話をさせていただきました。非常に代表理事はもう無給で頑張っていらっしゃる方で、今も研究者でいらっしゃいますので、研究に基づいていろいろやられている方でした。
 その中で、潜在的な空き家は全国に四百万戸ある、まあそのうちの九十九件が成立したわけでございますけれども、ちょっとけたが違う。ですから、その一%、四万戸を成立させるだけでも非常にこの住み替えというのは大きな事業になるし、今後、中古住宅の流動性のいわゆる大きな渦をつくっていく発端になる可能性があるんだけれども、なかなかうまくいかないと。その中には、広報がきちっと確立、もう少し宣伝ができていれば、本当に一戸建てに住みたいという若い世代というのは今たくさんいらっしゃるし、もし今使われていない空き家がお金になるんだったらという高齢者の方々もいらっしゃるということでございました。
 しかしながら、民間に今ゆだねるとおっしゃいましたけれども、借家にする場合、実印を預かったりとかいろんな、謄本とか、何かそういった大切なものを預かるようなこともありまして、非常にお年寄りとか認知症が進んでいる方にそういった危険が伴う事業でもあるから、やはりきちっとした資格を持った人がやらないと、だれにでも開放するのは非常に危険なんですよと大垣さんはおっしゃっておりましたけれども、本気で取り組んでいくのでしたら、こういった予算を付けるのでなくて、そういった枠組みとかシステムというのも国交省としてはお考えになっていくべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
#106
○政府参考人(和泉洋人君) まさに今委員御紹介いただきました大垣先生がいろいろ考え付いて、進めていただいております。先生の御意向は、今委員が若干御紹介しましたように、まだすぐ民間に丸投げするのは早かろうと、まさに、今回の三年間の経験で得た様々なノウハウを民間に開放するにして、民間はそのノウハウどおりにちゃんとやってくれるかどうかをどう担保するのかというようなことも含めて検討していく必要があるんじゃないかという御意見でございまして、私どももその部分については同意見でございます。
 ただ、一つの団体がやるんではなくて、そういったことが担保されるんであれば、なるべく幅広い団体が参加して、広い形で進めていくこともいいのかなというふうなことが一点と、もう一点は、先ほども若干御紹介しましたが、公共団体ベースでも、こういった全戸を対象にする仕組み以外に、地方の公共団体なりNPOが、いわゆるIターン、Jターン、Uターン等を想定しながら独自の試みもやっております。そういったことも含めて、広い意味でのミスマッチの解消の施策として我々も努力しなくちゃならないと、こう考えております。
#107
○植松恵美子君 非常にすそ野の広い、そして先行きも、うまくいけば非常に大きな市場になるようなこの住み替えでございますので、是非、本気でやるんでしたらお金を、少し予算を付けるだけでなくて本気でいろんなことに力を注いでやっていただきたい事業の一つであると思っておりますので、よろしくお願いいたします。
   〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕
 先ほどのは借家、いわゆる一戸建ての家の借家によるミスマッチの解消ですけれども、もう一つ、私は、住まなくなった一戸建ての家をリフォームして中古物件として流通させるという、いわゆるそういった中古物件の流通について伺いたいんですけれども、今まで中古物件を、自分の持家を個人がリフォームして、そしてだれか子育て世代に転売するというのでは、なかなかこれは流通がしません。しかしながら、この中古の家をちゃんとノウハウを持ったハウスメーカーなどが買い取って、そしてニーズに合ったようなリフォームをして、そして会社のいわゆる信用を付けて転売いたしますと非常に流通するといったところがございます。これは一つのビジネスモデルとしても成り立つものではございますけれども。
 ただこれ、税制上に、これ買って転売すれば不動産取得税と登録免許税と、あるいは消費税などが二重に掛かってくるといったような状況で、今大きな壁になってこういったことがうまく回っていないような状況でございますけれども、国交省として財務省にこういった税制の要望などをなさるような見通しは付いていますか。また、そういった要望をいろんなところから受けていると思いますが、そういった現状を教えていただけますでしょうか。
#108
○副大臣(金子恭之君) 御配慮いただきましてありがとうございました。
 国民の住生活の向上のみならず、これまでの住宅を造っては壊す社会から、いいものを造ってきちんと手入れをしていく、長く大切に使うストック型社会への転換を図る上からも、既存の住宅についてその質的向上を図りながら、流通、活用を促進することが極めて重要と認識しております。
 このため、既存住宅についても過去最大の住宅ローン減税によりその取得を支援するとともに、金融面におきましても、住宅金融支援機構のフラット35における優良な既存住宅に係る優遇措置の充実を図っているところでございます。さらに、住宅性能表示制度の普及充実とか、あるいは住宅履歴情報の整備とその普及等に取り組んでいるところでございます。
 また、現在、社会資本整備審議会住宅宅地分科会既存住宅・リフォーム部会におきまして、既存住宅の流通の促進及びリフォーム市場の整備のための方策等について審議、検討いただいているところでございます。
 今後とも、既存住宅の質的向上とその流通、活用の推進に向けた施策の充実に向けて検討を進めてまいりたいと思います。
 詳細について住宅局長から答弁させます。
#109
○政府参考人(和泉洋人君) 今副大臣が答弁したとおりでございますが、一点だけ追加いたしますと、委員御指摘の、リフォーム事業者等が取得、転売する場合の不動産取得税の軽減措置でございまして、これにつきましてはその関係の団体から要望をいただいております。かつてはそういった軽減措置があった時期がございまして、平成十二年に廃止されたわけであります。
 既存住宅の流通の必要性、今副大臣から御答弁があったとおりでございまして、私ども、その社会資本整備審議会の中で議論する中で、そういった税制面についての復活の可能性についてもいろいろ議論し、業界からの要請とかそれの効果を検証して結論を出していきたいと思っております。
 今すぐ税制改正要望をするとは答えられないものですから、そういったことを前向きにいろいろと検討してまいりたいと、こう考えております。
#110
○植松恵美子君 諸外国におきましては、どうしてもちょっと日本よりは諸外国が、そういった中古物件に掛かるいろんな税がない国があります。やはりなかなか中古の住宅が日本で動かないというのはそういった税の壁というのが大きなところがあるんじゃないかと思いますので、今後もこういったことを含めて、高齢者住宅、新しいものをどんどんどんどん建てるだけじゃなくて、今あるものを、だんだん人口は減っていきますので空き家が増える一方です。これをうまく活用するためにも、国交省さんも財務省さんといろいろ相談して、そういったことも考えていただけたらと思います。
 以上でございます。
#111
○委員長(田村耕太郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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