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2009/05/12 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 国土交通委員会 第14号
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2009/05/12 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 国土交通委員会 第14号

#1
第171回国会 国土交通委員会 第14号
平成二十一年五月十二日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任   
     長谷川大紋君     森 まさこ君
 五月十二日
    辞任         補欠選任   
     田中 康夫君     森田  高君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村耕太郎君
    理 事
                長浜 博行君
                室井 邦彦君
                伊達 忠一君
                山本 順三君
                鰐淵 洋子君
    委 員
                植松恵美子君
                川崎  稔君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                田中 康夫君
                田名部匡省君
                羽田雄一郎君
                平山 幸司君
                広田  一君
                森田  高君
                米長 晴信君
                岡田 直樹君
                加納 時男君
                佐藤 信秋君
                森 まさこ君
                吉田 博美君
                脇  雅史君
                西田 実仁君
                渕上 貞雄君
                大江 康弘君
   国務大臣
       国土交通大臣   金子 一義君
   副大臣
       国土交通副大臣  金子 恭之君
       国土交通副大臣  加納 時男君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岡田 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        畠山  肇君
   政府参考人
       内閣府国民生活
       局長       田中 孝文君
       厚生労働大臣官
       房審議官     坂本 森男君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    木倉 敬之君
       国土交通大臣官
       房建設流通政策
       審議官      小澤 敬市君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  加藤 利男君
       国土交通省住宅
       局長       和泉 洋人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(田村耕太郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、長谷川大紋君が委員を辞任され、その補欠として森まさこ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田村耕太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府国民生活局長田中孝文君、厚生労働大臣官房審議官坂本森男君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長木倉敬之君、国土交通大臣官房建設流通政策審議官小澤敬市君、国土交通省都市・地域整備局長加藤利男君及び国土交通省住宅局長和泉洋人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田村耕太郎君) 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。これまでの御質問をお伺いしながら少し確かめておきたいなと、こういうところがあるものですから質問に立たせていただきました。
 輿石先生の御質問にありましたように、昭和二十六年にこの住宅関係の厚生省と国交省の、当時の建設省の、まあデマケといいますかね、参議院の修正によって基本的な考え方ができ上がってきた。そこで今回、厚生労働省と国交省とがお互いに協力し合って高齢者の居住安定を図ろうということにいたしましたと、法律も改正しますと、こういうことでありますが、お手元にお配りした高齢者の住まい、これは社会資本整備審議会で整理されたものだということで出させていただきました。この法律改正を契機に高齢者の居住安定というものが介護の問題も含めてしっかりと進んでいくということが何より大事だと思うんですね。そういう意味では、実は幾つかの面から見ていく必要があるんだろうと思っています。
 最初に、お配りしたのはもちろん社会資本整備審議会の資料ですが、現在の高齢者居住、いろんな仕組みが、手段がありますという中で、いかにも分かりづらい。これはやむを得ないというか、そこのところを分かりやすくしていこうというのがまた住宅行政とそれから介護・福祉行政一緒になった意味の一つだとも思っています。したがいまして、こうした分かりづらい体系というものを行く行く整理して、利用者にとって分かりやすいという形にしていかないかぬだろうと。
 実はこの中にも、公共賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅と、こうありますけれども、高齢者向けは、この法改正の議論にあるように、高円賃、高専賃、高優賃、で、高専賃の中でも認定の適合の高専賃、四種類ぐらいこの中にあるんだと。そういう中で、利用者がどういうふうな選択していけばいいのか、あるいは計画を立てるサイドはどんなふうな計画を立てて、そして供給する人たちが、それじゃ何をインセンティブにして供給を実際にやっていくのか、そういう点がクリアにしていかないと実際は絵にかいたもちになるだろうというのが実は私が心配しているところではあるんですね。
 そういう意味で、最初に計画を立てる側、こういう面からいくと、都道府県の住宅行政部局と厚生労働部局が一緒になって計画立てましょうと、ここまではいいんだけれども、実際にだれも立てたことのない計画を本当に立てようとすると、実はこれは結構難しいよね、私自身はそう思っています。
 特に、この介護・生活支援サービスの付いた高齢者の住まい、これを見ても、介護保険三施設約八十三万人と、こうありますが、この中の例えば老人保健施設というのは、住宅というふうに、住まいというふうに考え得るのかと。現状でいえば、多分リハビリが進んで元気になったらというか、そういう前提で、三か月とか半年たったら出てくださいと、こうなるわけですね。だから、住まいと言えるかどうか。それぞれに、この整理された中でも、使い方という面からいけば、実は、ついの住みかといいますかあるいは途中段階の住みかといいますか、それぞれ使い方によって住み替えていくというふうなことも考えていかなきゃいけない、こういう問題なんですね。
 そうだとすると、計画を作るときに、どこまで詳しくそれぞれの部局が相談して作ってくださいと言うのか。これはまだ、多分マニュアルをこれから作るということだと思いますが、余り難しく作ってくださいと言ったらこれはできませんね、これ、難しく作れと言ったらできません。
 そういう意味で、どういうことを計画で期待しようとしているか、おおむねの考え方。余り難しいことは、いきなり作れと言いませんよというのが一番大事なことだと私自身は思っていますが、その辺について副大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#7
○副大臣(金子恭之君) 佐藤先生のおっしゃること、もっともでございます。
 今回の高齢者居住安定確保計画につきましては、住宅政策と福祉政策とが連携をして高齢者の住まいに係る施策を総合的かつ計画的に展開するための計画でありまして、具体的には、高齢者向け優良賃貸住宅などの賃貸住宅とか特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの老人ホームに関する供給の目標ですね、また、これらの供給の促進に関する事項を始めとしまして、この目標達成のための必要な事項などが定められることとなっております。
 この計画の策定に先立ちまして、先ほど先生からお話がありましたように、国土交通大臣及び厚生労働大臣が共同して定める基本方針におきまして、都道府県が本計画に、高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給目標量を設定する際の考え方、住宅施策と福祉施策が連携して定めることなど、本計画の策定に係る基本的な事項などを示すことを予定しております。
 先生が先ほどおっしゃいました、御指摘がございましたように、計画を都道府県が策定しやすいようにやっていかなければいけないというのが第一でございます。この計画の策定が円滑に行われるように、先ほどお話がありましたマニュアルの作成、都道府県に対する説明会の開催などを通じまして、国として効果的な計画策定に向けまして都道府県と共同いたしまして強力に支援してまいる所存でございます。
 よろしくお願い申し上げます。
#8
○佐藤信秋君 まあ言うはやすくで、だれも作ったことのない計画を、しかも極めて住み替えを含めていろんな態様がある。一方で、高齢者向けの高優賃と、こういう議論でいえば、ちゃんと住んでいいよと、しかし老人ホームの方は、特別養護老人ホームなんかも含めて、住んだ上で介護を受けて、そして多分入院するまで、お亡くなりになるまでという形が多いだろうと。そういう中でどんなふうに仕分していくかというのは実はそう簡単な話ではなくて、そうかといって難し過ぎたらできませんよと。
 したがって、だれも作ったことのない計画ですから、人に作れと言う前に、両省でこんなことかなと具体的に作ってみる、本当にできるかということから始めていただきたい。ややもすると計画を作れと言ってそれで現場に投げてしまう、これでは実態が進みませんよと、連携と言いながら形だけになりますよということをひとつお願いしておきたいと思います。
 そこでなんですね、計画は作ると、しかし作っても作らなくても、本来、公共団体がどうしても作らなきゃいけないという義務ではないということですよね。そうだとすると、こういう計画を作れ、作ってください。そこで、作ったらどういうメリットが計画者側あるいは供給者側に出るのかというような点についてお答えをいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(和泉洋人君) まずは、確かにおっしゃるように義務ではないんですが、こういった時代、こういう計画自体を作ることが都道府県の首長さんの姿勢を示すものだと思っております。
 二点目に、インセンティブでございますが、三点ほど考えてございまして、一点は、この計画策定自体、今委員おっしゃったように初めてでございますし、いろんな調査もしなくちゃならないと、お金が掛かります。したがって、これを地域住宅交付金の基幹事業として位置付けまして支援をしていきたい、これが一点目でございます。
 二点目でございますが、こういった計画を作ることによって、平成二十一年度に設けられました高齢者居住安定化緊急促進事業、こういった事業がございますが、この事業が使えるようになる。具体的には、公共団体の負担なしに公的賃貸住宅団地などにおいて高齢者生活支援施設についての補助を国から直接受けられるようになる。加えて、地方住宅供給公社が本来業務として様々な関連施策について事業を行えるようになる、これが二点目でございます。
 三点目でございますが、こういった施策を展開する場合に、なるべく地域の自主性を反映したい、そういったことを考えてございまして、この計画を策定することによって、その計画の中に位置付ければ、例えば高齢者向け円滑入居賃貸住宅の登録基準を弾力化するとか、あるいは高齢者向けの優良賃貸住宅の認定基準、これについても弾力化するとか、あるいは終身建物賃貸借契約の認可基準についても地域の特性を反映できる、こういった裁量性が与えられる、こういった三点で、極力こういった計画が作っていただけるようにお願いしていきたいと、こう考えております。
#10
○佐藤信秋君 供給主体というのはいろんなところが考えられると。地方の住宅公社あるいはUR、都市再生機構ですか、それから社会福祉法人、あるいは純粋の民間の事業者も活用し得ると、こういう問題だろうと思っています。そういうことですね。
 そうだとすると、今度の法改正を踏まえてこうした高齢者の住まいを、じゃ、今の計画作ります、助成措置はこうですよ、具体的に助成措置としてどんなことが今回できるようになるのか。あるいは予算措置もあるんでしょうね。そこの辺を分かりやすく教えていただけますかね。
#11
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘の支援措置でございます。
 まず一点目でございますが、かねてからございます地域住宅交付金、これが住宅行政の基幹的な補助事業でございますので、これを使って、地方公共団体あるいは民間問わず、こういった高齢者向けの優良賃貸住宅の整備に対する助成や、あるいは入居者の家賃低廉化のための助成について国も支援していきたいと思っています。
 加えて、こういった法改正を契機として更に積極的に住宅政策と福祉政策の連携を進めるという観点から、二つの予算措置を新しく設けようとしてございます。
 一点は、生活支援サービス付きの住宅の供給を促進するために、高齢者生活支援施設と一体となった高齢者向け優良賃貸住宅、これを整備する場合に、その生活支援施設部分については公共団体の負担なしに国だけで支援する、こういった緊急事業を四十億円の予算枠で設けてございます。
 更に加えて、今回の施策のポイントは、ハードだけじゃなくてソフトが大事でございますが、いわゆる生活支援サービス、こういったものを各地で様々な形でモデル的に展開していただく。例えば中山間地域でどういった形でお年寄りの生活を支えていくか、こういったことをモデル的にやっていただく様々な事業主体、これは民間を含めて、そういった方々に対しまして助成を行う高齢者居住安定モデル事業、これも八十億円の枠で二十一年度に準備してございます。
 加えて、既存のストックを活用していきたいということも考えてございまして、これについては、今委員が計画について難しいことを言っても難しいという話がございましたが、既存の施設を改修して使っていく場合についてバリアフリーに関する基準を緩和するというようなこともやってございます。
 加えて、最後でございますが、税制におきましても、高齢者向け優良賃貸住宅について割増し償却という税制がございましたが、これを拡充するあるいは延長する、こういった様々な支援措置を現時点で準備をさせていただいております。
#12
○佐藤信秋君 念押しですが、その緊急促進事業といいますか、生活支援施設、これは計画を作らなければ国費で丸々三分の二という部分ができないのか。作らなくても、初年度だから、作ってくださいと、一年もうたちますわね。だから、作らなくても初年度はいい、二年度はいいと、そこはある程度計画作りが進んでくるまではいいということなのか。ちょっと確認です。
#13
○政府参考人(和泉洋人君) 大変細かいことで恐縮でございますが、この緊急促進事業、二つございまして、一点は、高齢者向け優良賃貸住宅とセットで生活支援施設を造る場合。このケースについては、民間が中心でございますので、取りあえず二十一年度は居住安定確保計画ができておらなくてもこれは支援します。もう一方のパターンが、公的な賃貸住宅団地の建て替えなどに際しまして、その中にそういった生活支援施設を整備する。これは公共が責任を持って行えることでございますので、これについては高齢者居住安定確保計画で位置付けをしたものに限って支援をする。こういった振り分けをしてございます。
#14
○佐藤信秋君 そこもできるだけ、緩めろとは言いませんけれども、したがって、計画作りがごくごく簡潔、簡易にできるようにと、こういうところにまた掛かってくるわけですから、進み方を見ながら現実運用をしっかりとやっていただきたいなと思うところであります。
 一方で、厚生労働省の方も特別養護老人ホームなどの施設整備というものについて支援をしてきている。そこのところは、じゃ、福祉法人でも何でも、何かしようかなと、あるいは民間の企業が何か、せっかくこういう法律ができた、高齢者向けにいろいろ考えようというと、さっきの高優賃的なものと、それから特別養護老人ホームといったような介護施設といいますか、そちらの方の助成というのはどうなっているんだろうという点について厚生労働省からお伺いしたいと思います。
#15
○政府参考人(坂本森男君) 高齢者の施設の整備についての厚生労働省の助成といたしましては、まず、大規模とか広域型の特別養護老人ホームなどにつきましては、都道府県がこれは一般財源により、平成十八年度に一般財源化されましたものですから、一般財源により助成を行うこととなっております。一方、小規模の特別養護老人ホームや認知症の高齢者グループホームなどの地域密着型のサービスにつきましては、市町村に対する地域介護・福祉空間等整備交付金というのがございまして、これによって助成を行っているところでございます。
 さらに、現在国会に提出いたしております補正予算案におきまして、今後三年間に特別養護老人ホームなどの緊急整備を促進するために、施設整備の交付金の拡充や特別養護老人ホームの開設準備経費に対します助成などを盛り込んでいるところでございます。
 国土交通省におきまして今度の法改正に伴いましてはいろいろと助成を創設したり拡充したりするものと承知しておりますが、今後、厚生労働省と連携をいたしまして、社会福祉法人を含みます事業者に対して、高齢者に対し住まいと介護のサービスの提供、そしてその生活を支える事業としてどのような形態のものがあるのか、またそれぞれどのような助成を利用可能とするのかについて周知を図ってまいりたいと考えております。
#16
○佐藤信秋君 まさしく今のお答えにあることを早くきちっと、計画を立てる人に対しては、こういうふうな考えでこの程度の計画からまず始めてみましょうよと。次に、供給する人たちは、これはたくさんの主体があるわけですね。そこに対しては、両省の助成措置を含めて、こういう手掛かりがあるんですよ、こういう助成措置、税制措置があるんですよ、したがってこの事業に取り込もうとしたらこういうカテゴリーかああいうカテゴリーかということが利用者に分かるように早く案内板を用意する必要がありますよと、資金の手当て等も含めてですね。これはそういう意味では政策金融も多少の部分があると理解していますし、そういうことを広報しながら、計画に供給が追い付くということをきちっとやっていかないと絵にかいたもちになるということを心配してはいるわけです。よろしくお願いします。
 そこでなんですね、高優賃の場合には、一定の要件を満たす場合は有料老人ホームとしての届出が不要と、今までそうなっていましたね。これは今回どうなるのか、その趣旨は一体何なんだろうということを、これは住宅局長の方に伺えばいいのかな、ちょっと明確にしてください。
#17
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御指摘のとおり、一定の基準に適合する高専賃については有料老人ホームの届出を不要としてございますが、その理由でございますが、これは、まず一点目は、借地借家法によって居住者の継続入居がきちんと保護されている、これが一点目でございます。加えて、高専賃、これはバリアフリーの内容等の情報が開示されておる。更に加えて、都道府県知事が住宅の管理に関しまして助言又は指導ができると。こういった趣旨から有料老人ホームに準ずるコントロールができるんじゃないかということで外したわけでございますが、さらに今回の改正で、高専賃を含みます高齢者円滑入居賃貸住宅について規模、構造あるいは賃貸の条件等についての基準を設けまして、一定の計画期間は設けますが、その基準に従ったもののみを対象にすると。その上でさらに、単なる指導、助言じゃなくて、報告の徴収並びにその結果に基づく改善指示、こういった規定も設けますので、そういった意味で従来以上にこの適合高専賃と言われるものがきちんと管理できるようになるんじゃないかと、こう考えております。
 いずれにしましても、よく福祉サイドとも連携を取りながらそういったものが十全に機能を発揮するように努力してまいりたいと、こう考えております。
#18
○佐藤信秋君 時間がなくなってきましたので、答えをちょっと簡潔にお願いしたいんですが。
 厚生労働省の方に伺います。
 介護施設、福祉施設、この前の輿石先生の御質問の中にもありましたけれども、総量規制といいますか、できるだけ縮小していこうと、そんな考えを持っておられるのじゃないかというふうに、世の中の皆さんはそう思っているんですね。実際そうかもしれません。そういう意味で今の、私が、有料老人ホームに高専賃の一部が該当しない、高優賃の一部が該当しないということは、逆に言うとそれが特定施設として認定なかなかされづらいと、総量規制しようというんですから、という問題はあるかなと。分かりますね。
 だから、両省、そこのところは、できるだけ増やすというのも大事な問題だと思っていますので、その辺の、特定施設として円滑に指定できるかどうかというような点について、厚生労働省、どんなお考えですかね。
#19
○政府参考人(坂本森男君) 十八年度の介護保険制度の改正におきまして、一定の基準に適合いたしまして知事に届出を行った高専賃については特定施設の指定対象にしたところでございます。
 今後、住宅と福祉の連携が一層緊密になるということに伴いまして高齢者の住まいのニーズにこたえる多様な住まいが普及するよう、引き続き地方公共団体に要請してまいりたいと考えております。
#20
○佐藤信秋君 実は高齢者、健常な高齢者とそれからまあ介護を必要とする高齢者、住まい方が大分違うんだと思うんですね。特に市町村長にいろいろお話を伺うと、地域としてしっかりとみんなで見守ったり介護も含めてやっていくという姿勢がどうしても必要なんで、入れ物作ればいいということではないし、介護保険に全部お願いしますということでもないと。
 したがって、両省が一緒になって行政進めていくというのは大事な問題だとは思いますが、そういう運用を現場のニーズに合わせてしっかりと対応可能なように、これを起点として変えていくというのが私自身は一番大事なことだと思っているんです。これで終わりじゃなくてこれが始まりということだと思っています。そういうことも含めて大臣の方に、この高齢者の居住安定、決意をお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(金子一義君) 佐藤委員、最後御指摘されましたように、これがまさにスタートでありまして、高齢化が進む中でこの高齢者の居住、居宅サービスの部分は相当遅れているという部分であると言っても過言ではない、あるいは高齢化のスピードに付いていけていないという部分がますますこれから顕著に出てくる可能性もありますので、御指摘いただいたようなスタート地点としてこれを推進する、あるいは支援してまいりたいと思っております。
#22
○佐藤信秋君 以上で終わります。
#23
○森まさこ君 ありがとうございます。自由民主党の森まさこでございます。本日は当委員会で質問する機会をいただいて、どうもありがとうございます。
 本改正は、特に高齢者の単身世帯、それから要介護高齢者の増加という実態にかんがみて、即したものであるというふうに評価をしております。
 私も、地元の高齢者優良賃貸住宅、高優賃を時折視察をしておりますが、この制度を利用して入居者の方も非常に快適な生活をし、従業者の方も法律の趣旨を理解して一生懸命に取り組んでおられて、地域全体にとって効果を上げているというふうに認識をしております。
 そこで、私からはこの高優賃について基本的な質問をさせていただきたいと思うんです。それは、管理期間と家賃低廉化事業期間の関係です。
 と申しますのは、現行法で管理期間を定めて、高優賃の認定を申請をしますと、建設、改良、買取りの際に助成を受けることができる、他方、自治体がこの高優賃の家賃を低廉化する事業、その期間も定めるということで、二つの期間がございます。この両者の関係が若干分かりにくくて現場に混乱が生じておりますので、分かりやすく説明の方をお願いいたします。
#24
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御指摘のとおり、いわゆる高齢者向け優良賃貸住宅を認定する際の管理期間がまずございまして、これは整備費の補助までするものですから短期間で転用されちゃかなわないと、そういった趣旨から、最低十年間、場合によっては都道府県が二十年を頭にして最低限を決めることができると、これが一点目でございます。したがって、この趣旨は、せっかく補助をするんですから、ある最低期間以上は使ってほしいと、これが一点目でございます。
 二点目は、いわゆる家賃を低廉化するための補助制度がございまして、これについては、補助要綱上は管理開始から四十年の範囲内で、あとは、これ間接補助でございますので、公共団体が決める期間について国はお付き合いをすると、こういう仕組みになっております。
 したがって、認定するときの管理期間という最低限の概念と、家賃補助をする期間、これは最長四十年を国がお付き合いするという期間の二つがございます。
#25
○森まさこ君 そうしますと、その二つの期間は全く別個のものということになりますか。それとも、その管理期間の範囲内で家賃低廉化事業期間を定めるという関係にあるんでしょうか。
#26
○政府参考人(和泉洋人君) 認定する際の管理期間は最低限の期間ですから、事業主体の方がその期間を超えて経営されることは全く問題がございません。
 その上で、家賃補助の方につきましては、公共団体が何年間継続するかということを決めますけれども、国としては最長四十年間、管理開始から公共団体が家賃低廉化の補助をするんであれば国としても支援をすると、こういう関係になります。
#27
○森まさこ君 今の御説明を聞きますと両期間には関係がないように理解をするんですが、私の地元の方からお聞きをしておりますと、国が法律で、省令ですか、最短十年、十年以上と定めている。それを受けて、県又は県から権限を下ろされた市が管理期間の最低期間を定めて、さらに設置者の方が、供給をする方が自分で管理期間をその範囲内で決めて申請をするという仕組みのように伺いましたけれども、実際には、市に、窓口に行って申請をするときには、これはもう十年なんですよと、十年以上ではなくて十年ですよ、十年と書いてくださいと言われて、もう十年と書かざるを得ない、十年と管理期間を書いた。そうしますと、その後、家賃の低廉化はその管理期間が十年ですからこれも十年ですというふうに言われて、もうやむなくその十年、十年という形で受けている。
 この制度を利用して、国の制度を利用して高齢化社会に対応して供給をしようとしている方は、やはり建設をしてその建設コストを回収していかなくてはなりませんので、十年ではとてもこれは回収できませんと言われています。十年たって家賃低廉化が急に切られてしまったら、これは家賃が二倍ぐらいになってしまって、入居する方ももうこの不景気の中ではいらっしゃらないでしょう。そうしますと、せっかくコストを掛けて造ったものも利用できなくなってしまうんですね。
 先ほど二十年までという管理期間とか、四十年まで低廉化事業ができるというふうに国の方では定めていても、自治体の方では実際そうなっていない。もちろん自治体の、自治事務として家賃低廉化事業を行うのですから、それはいろいろな自治体の事情で決めていいんですが、設置者が自由に申請できるはずの管理期間を初めから最低限の十年というふうにされているというのは、私はこれは制度としていかがなものかと思いますので、ここは実態をよくお調べをいただいて、今の趣旨に、国の趣旨に沿った御指導の方をよろしくお願いをしたいと思います。
 今回の改正では、やはり国交大臣と厚労大臣が共同で高齢者の居住安定確保について基本方針を定めて、そして高齢者居住安定確保計画、これを策定できるということになっておりますので、是非この高優賃の供給促進のために自治体が家賃低廉化事業を長く続けられるような基本方針も定めていただきたいというふうに要望をいたします。
 次の質問ですけれども、こういった高優賃の入居者の高齢者の多くは、病気や健康の不安、経済的な不安、家族関係の不安などを抱えておりまして、継続的な教育を受けたスタッフであれば相談に乗ることができますけれども、やはり経験豊富な専門のLSA、生活援助員、生活相談員という方が定期的に派遣されるならば何より心強いだろうと思われます。法律ではそれが望ましいとうたっておりますが、なかなか地方では取組が遅れております。
 そこで、国交省と厚労省にお尋ねをいたします。
 この高優賃にLSAを派遣する場合の国からの補助の制度はございますか。
#28
○政府参考人(和泉洋人君) まず、二つございまして、一点は、こういった事業を行う地域住宅交付金、この事業の中で、いわゆるハードを整備する基幹事業以外に提案事業というのがございまして、公共団体のそういった今委員御指摘のLSAを派遣するような事業を支援したいということになればこの提案事業の中で国の方も支援できると、こういう仕組みになっております。現に仙台市等におきましては、LSAの派遣につきましてこの提案事業枠を使って国の支援も受けながらやっておると、こういった事例がございます。
 もう一点は、そういった、ライフサポート・アドバイザーと、こう言っていますが、生活援助員の方が常駐する施設、こういったものも大事でございまして、これにつきましては、先ほど佐藤委員に御答弁申し上げましたが、平成二十一年度の予算でこれは国の負担のみで民間に対し助成できる、そういった四十億円の枠も設けました。
 この後、厚生労働省からも答弁があると思いますが、両省協力してこういった体制が整えられるように努力してまいりたいと、こう考えております。
#29
○政府参考人(坂本森男君) ただいまの生活援助員に対します助成でございますが、この生活援助員の派遣につきましては介護保険の地域支援事業の対象となっているところでございます。厚生労働省といたしましては、高齢者向け優良賃貸住宅の供給を所管いたします国土交通省と連携を取って取組を進めてまいりたいと考えております。
#30
○森まさこ君 ありがとうございます。
 生活支援というものも取り込まれましたので、各自治体がより積極的に取り組めるようにしていっていただきたいと思いますが、なかなかLSAの派遣まで至らない場合に消費生活相談員を派遣することができるのかという点、これを内閣府に質問をしたいと思います。
 現在、参議院で消費者庁設置法案等が審議されておりますが、高齢者は悪徳商法の標的にされやすかったり食品事故による健康被害に弱いという意味で、消費者の中でも弱者です。しかし、他方、高齢者は足腰が弱ったり情報が不足したりしていまして、消費生活センターの方に、また自治体の相談窓口の方に赴くということがなかなか困難な場合が多いのです。ですから、LSAというのは全般ですけれども、そのうち消費者相談の部分だけでも相談員が来てくれるということになりましたら何より心強いというふうに考えます。
 そこで、地方公共団体がこのような取組を行う場合に、新設されました消費者行政活性化基金、こちらの方、二十年度の二次補正予算で新設された基金でございますけれども、これを、従来、今自治体が使っております消費生活相談員を派遣をするときにその基金から助成、支援をすることができますでしょうか。
#31
○政府参考人(田中孝文君) 御指摘の点については地方消費者行政活性化基金の活用が可能であるというふうに考えます。
 同基金につきましては、主として地方自治体の消費生活センター等の相談窓口の拡充、そこで相談に当たられる消費生活相談員の増員やレベルアップということを主とした目的として作りましたけれども、地方自治体のニーズに合うようにということで、八つのメニューのうち、消費者行政活性化オリジナル事業という地方自治体が独自に取り組む事業についてこれができることとしております。
 そのうちの一つとして、消費者教育の啓発の強化に係る事業ということで、通常、公民館のようなところで出前講座ということで行われておりますけれども、同様なことで高齢者のところに出かけていって行う、そうした場合の費用でありますとか、今先生御指摘になりましたように、こちらから、高齢者の方が消費生活センターへ行けないから逆に消費生活センターの相談員の方が赴いて相談にということであれば、それは、実はこの中で六に「その他消費生活相談窓口の機能強化を図るために提案された地域独自の事業」という項目を設けてございますので、今先生の御趣旨であればまさにこれに合致するところだと思いますので、そうしたことで、現に働いておられる生活相談員の方が出向く際に掛かる費用というのについて事業化していただければできるのではないかと考えてございます。
#32
○森まさこ君 ありがとうございます。
 最後に大臣にお伺いしますけれども、今内閣府の方からも説明がありましたように、二十年度の二次補正で百五十億円の消費者のための基金が出ております。これをもって高齢者の住宅の方に相談に伺うということもできるということで内閣府からお答えをいただきましたので、是非、国交省の方も政府一体となって、高齢者の居住安定、生活支援のためにお取り組みをいただきたいと思いますので、御決意をお聞かせ願いたいと思います。
#33
○国務大臣(金子一義君) 消費者庁、今参議院で御議論をいただいております。補正で今内閣府の答弁のような額も盛り込ませていただいておりますので、やっぱり積極的にそれが、高齢者にも相談に出かけてもらって、使ってもらえるようにしていきたい。
 これ、厚労相と国交相が初めてこういう共同で高齢者の居住安定確保のための基本方針を定めまして、しかも今度は都道府県が住宅局と福祉部局、これがもう一体となるという初めての法案でありますので、そういう意味で、こういうものを通じて、今委員御指摘のような部分まで高齢者に対応できるように積極的にしてまいりたいと思っております。
#34
○森まさこ君 よろしくお願いをいたします。
 次に、エレベーターの事故対策について質問をしたいと思います。
 大臣、また続けて恐縮ですけれども、大臣の方に伺いたいと思います。
 自由民主党の消費者問題調査会では、エレベーター事故調査の機関を設置していただきたいと、その必要性について何度も取り上げて、国交省の方にもお願いをしてまいりましたので、今回、昇降機等事故対策委員会を設置していただきましたこと、高く評価をしております。
 そこで、改めましてこの事故対策委員会の設置の趣旨を大臣の方から伺いたいと思います。よろしくお願いします。
#35
○国務大臣(金子一義君) 港区のシティハイツ竹芝におきまして大変痛ましいエレベーター事故が発生しました。そのことを踏まえまして、社会資本整備審議会の災害対策部会の下に臨時の組織としてエレベーターワーキングチームを設けまして、安全装置に係る基準の強化に取り組んでまいりました。
 ただ、一方で、先ほど委員御指摘ありました自由民主党の消費者問題調査会、委員も事務局長をおやりになっていると伺っておりますけれども、この調査会、あるいは御遺族の方々からも国交省に対しまして、なぜ実機調査、つまりすぐにエレベーターを押さえて調査をしないんだということにいろいろ御指摘も御批判もいただきました。
 そういう意味で、これから事故発生直後から、今までは警察との分担というような問題もありましたけれども、警察とも連携しながら、事故発生直後からエレベーターの事故再発防止の観点からの事故発生原因究明に係る調査、それから事故の再発防止対策、こういう両面の調査検討をすぐに、迅速に、それから的確に行えるようにしていきたいということでこの二月の六日から専門家によります常設の機関を設置をさせていただいたものであります。今後、この委員会を通じて迅速的確に対応できるようにしていきたいと思っております。
#36
○森まさこ君 ありがとうございます。是非よろしくお願いをしたいと思います。
 そして、国交省の方に詳しいことをお伺いをしたいんですけれども、この事故対策委員会、設置されてからの実施状況はどのようになっておるか、そしてこの設置の契機となったシンドラー社製エレベーター事故、この過去の事故についても調査をしていくというふうに設置の当初言っておりましたけれども、その調査についてはどのように進めていくのかということについて御答弁をお願いします。
#37
○政府参考人(和泉洋人君) この常設機関の設置の経緯は今大臣から答弁をさせていただいたとおりでございます。その後二月二十六日に第一回委員会を開催しまして、その後合計三回既に開いております。加えて、本委員会、この事故調査委員会の下に各々の事故に対応しまして少人数の専門家から成るワーキングチームを設けて更に深掘りした検討を行う、こういったこともしてございます。
 この委員会ができたのは二月六日以降でございますが、今委員御指摘の過去の、例えば今事例を御紹介されました港区シティハイツ竹芝におけるエレベーター事故でございますとか、あるいは東京ビッグサイトにおけるエスカレーター事故、あるいは京都市のマンションにおけるエレベーター事故など過去のものにつきましても、いわゆる事故の原因究明、再発防止の観点からの原因究明や、特に竹芝の件につきましては一応再発防止対策を講じておりますので、そういったものがちゃんと有効に機能するのかどうかという検証、こういったことについて現在鋭意検討させていただいていると、こういった状況でございます。
#38
○森まさこ君 行政が事故の原因を調査をするということには大変難しい側面もあるということは重々承知をしております。民事責任の追及、刑事責任の追及ということが同時に行われる中でのことであると思いますが、特にエレベーターはだれでも乗るものでございます。こういったものが、やはり同じような事故が起きないようにという防止のため、これは行政の大きな責務であるというふうに思います。そのためにはやはり事故原因調査が欠かせないわけでございます。
 今、その防止装置がうまく働いているかということをちゃんと検証しているとおっしゃいましたが、そもそもの事故の原因が何であったかということが一番防止のために大切なことでございます。技術的には民事、刑事の責任追及に影響を及ぼさないように運用していくことは可能であると私考えておりますし、逆にそれができないのであれば、刑事、民事の責任が全部最後に結果が出てからでなければ行政が調査をできないのであれば、もうこれは行政のやる意味がありません、遅くなってしまいますので。
 ですので、是非この過去の事故であるシティハイツのエレベーター事故、これについてもきちっと原因の調査を行っていただく、そのまた公表の仕方やそういったことについては行政的な配慮をすればよろしいのであって、事故の原因調査にすぐに着手をしていただきたいと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
#39
○政府参考人(和泉洋人君) 先ほどちょっと舌足らずでございましたが、原因調査、特に去年の十二月三日に実機を見させていただいておりますので、それを踏まえて、現在、都合三回開いておるという話を御説明しましたが、その中で原因究明についても専門家から成るチームで検討してございます。
#40
○森まさこ君 よろしくお願いをいたします。
 それでは、最後になりましたが、アーバンエステートの事件について御質問をしたいと思います。
 これはテレビCMでもおなじみの木造住宅建築販売会社でございますけれども、三月末に突然自己破産をいたしました。富士ハウスの事件が起きて、皆様御承知だと思いますけれども、富士ハウスも同じように、住宅を建築をして、まだ着工もないとか、着工してすぐなんですけれども、前払金を多く施主に払わせておきながら突然自己破産をしてしまったということが起きました。
 住宅というものは本当に一生に一度あるかという大きな買物でございますので、これについて、途中で自己破産をして住宅が建たない、だけど住宅ローンは残るということは大変な大きな被害でございます。富士ハウスのときにも何回か国会で取り上げられたと思いますが、同じようなことがまた起きてしまいました。
 工事現場は全国で五百に上る、代金未払の業者は約六百に上るということで、工事は中断中でございます。工事の間、前の家を引き払ってアパートに仮住まいをしている方は、その家賃もまたどんどん掛かっていく、そして住宅ローンもスタートしてしまうのですが、やはりお子さんを抱えた家族の方などはもうその支払ができない、どうしようと。もうアパートも出て建築中の家に寝袋で寝ているという方もいらっしゃるということでございます。
 これについては、富士ハウスのときも指摘をされましたが、やはり段階的に工事の、建築に応じて支払っていくシステムを取った方がいいんじゃないかということで、業界団体が自主基準を定めました。ところが、今回それが守られていなかったわけでございます。そしてさらに、その段階での支払を超えて前払を求める場合には完成保証をさせる、第三者保証をさせるというシステムもしたらどうかということで、一部利用されている場合もありまして、今回も実はそういった契約がされておりました。完成保証契約書というものを、紙を出して、それで信用してしまったんですが、その契約書を見ますと実は大幅な免責条項が付いていまして、前払をしたときは免責されるようなことになっている。前払のときに完成保証するのに前払のときに免責されるんじゃこの前払保証書は何の意味もない、詐欺の道具のようなものです。
 最後に非常にもう経営が大変になってから、割引をするから早く払ってくださいと言って施主から大金を集めたと。これ富士ハウスと同じような問題。最後の段階ではやはり詐欺罪の成立の可能性も濃いんではないかと私も思っております。
 こういうような被害が生じないように、業界団体の方でのお取組も促していただきたいですし、一歩進んで、やはりガイドライン等で行政が工事の段階に応じた支払を決めていく、それから保証制度も、そういった何でもありの保証制度ではなくて、きちっとした保証制度をしていくような指導を行政の方からしていただきたいというふうに思います。
 その点について、国土交通省の方から御答弁お願いいたします。
#41
○政府参考人(和泉洋人君) まさに富士ハウスについてこういった大きな問題起こりました。
 施主の方への支援という観点からは、国土交通省としまして、まずは相談体制、これをしっかりやらなくちゃならないというようなことで、富士ハウスのときもそうでございましたが、財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターにおきまして弁護士会等とも連携して相談窓口をつくる、あるいは各弁護士会による消費者説明会等の実施要請、その他の支援、こういったことをやっております。
 加えて、今先生からも引用されましたが、富士ハウスの件を踏まえまして、住宅関係団体にいわゆる消費者保護の観点からの対応策を検討するように指導しまして、工事の出来高に照らして合理的な支払とする契約の締結とか、あるいは求められた場合には完成保証制度を利用するというようなことにつきまして、住宅関係団体として自主的なガイドラインを策定され、それホームページに載っております。
 今後、私どもとしまして、建設業者あるいは施主、消費者の方々に対する情報提供、その双方を含めて頑張っていきたいと思っております。
#42
○森まさこ君 ありがとうございました。
#43
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。よろしくお願いいたします。
 今回の法改正は、高齢化の進展、要介護認定者の増加等が背景にあるわけでございますが、もう少し詳しく状況を見てまいりますと、今後、高齢者単独世帯、高齢者夫婦世帯、これが増加をするということになっております。国立社会保障・人口問題研究所の調べでは、二〇三〇年の六十五歳以上の高齢者の世帯ですけれども、そのうちの単独世帯は三七・七%、また夫婦のみの世帯は二九・九%ということで、高齢者世帯の七割近くが単独世帯又は夫婦のみの世帯ということで、そういった高齢者の置かれている環境も変わってくるということになっております。
 これまでは高齢者の方は子供や子供夫婦と一緒に同居するというケースが多かったと思いますが、そういった場合は経済的にもまた介護の面でも支えてもらえる、家族に支えてもらえるという、そういったこともあったかと思います。しかし、今後、こういった単独世帯、高齢者の夫婦世帯が増えていくということは、経済的にもまた介護の面でも負担も大きくなりますし、また不安を抱えていく、こういった高齢者の方も増えるということになるかと思っております。
 そういった意味でも、高齢者の皆さんの不安をぬぐい去るといった意味でも、高齢者の皆さんの住居を確保していくということは大変に重要な課題でもあると思っておりますので、今回の法改正を受けまして、国交省、また厚労省におかれましては、是非、高齢者の生き生きとした生活、また住宅を確保していくということは大変に重要であるという今回の法案の理念をしっかりと共有をしていただいて、重要課題ということでしっかりと取り組んでいただきたいということをまず冒頭に申し上げたいと思っております。
 それでは、具体的に質問に入らせていただきたいと思いますが、今回の法案の中に、高齢者生活支援施設と一体となった高齢者向け優良賃貸住宅の供給の促進ということで盛り込まれております。そこでまず、高優賃の現状と課題について伺ってまいりたいと思います。
 平成十三年から十一万戸の目標の下、高齢者優良賃貸住宅、この供給に取り組んでいただいておりますけれども、これまでの事業主体別の実績、現状をまずお伺いをしたいと思います。
#44
○政府参考人(和泉洋人君) 高齢者向け優良賃貸住宅の供給実績でございますが、平成二十年三月末時点で全体で三万百五十九戸でございまして、内訳でございます。都市再生機構によるものが一万九千七百十五戸、地方住宅供給公社が千七百二十三戸、地方公共団体自らが二十七戸、その他民間、これは民間法人、社会福祉法人等ございますが、合計八千六百九十四戸でございます。
#45
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 制度創設以来、平成十年度からと思いますけれども、約十年近くたっておりますが、特に民間による実績ということで約一万戸程度かと思いますけれども、なぜこういった高優賃の供給が進まないのかということで、大きく目標を掲げて取り組んでいただいておりますがなかなか進んでいかないという実態がございますが、課題は様々あるかと思います。その中の一つといたしまして、民間事業主体に対する補助制度を地方自治体が有していないというのが一つの原因ではないかと思っております。
 そこで、地方公共団体におきまして高優賃の住宅制度の補助制度が整備されているかどうかということで、現状をまずお伺いをしたいと思います。
#46
○政府参考人(和泉洋人君) 高齢者向け優良賃貸住宅の整備に対する補助が受けられる市町村数は二百八十八でございまして、現時点で全国の市区町村数の約一六%でございます。
#47
○鰐淵洋子君 特に今後、都市部を中心に高齢化が進むということもあるかと思います。それで、ちょっと具体的にもう少し伺っていきたいと思いますけれども、特に東京と埼玉について伺いたいと思います。
 なぜかと申しますと、先ほど申し上げたとおり、二〇〇五年の人口に対しまして二〇一五年、高齢者の人口がどれだけ増えるかというそういったデータがございまして、第一位が埼玉県で五五%増加をすると。東京は六位で三六%増加をするということで、特に都市部を中心に高齢者の方が増加をしていくことになると思いますので、そういった中でこういった地方自治体の役割が大きくなってくると思いますが、改めて東京と埼玉の制度の状況をお伺いしたいと思います。
#48
○政府参考人(和泉洋人君) 東京都ではわずか四市区町村、具体的には千代田区、品川区、豊島区、葛飾区だけです。埼玉県はゼロでございます。
#49
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先ほども申し上げましたけれども、やはり地方公共団体における高優賃の供給を促進するための体制というのは十分とは言い難いんではないかと思っておりまして、先ほども申し上げたとおり、今後、大都市圏を中心に高齢者も大変に急増するということもございますので、高齢者の皆さんが安心して暮らし続けることができる環境づくりということで、地方公共団体におきましても補助制度を設けるなど積極的な対応が求められるかと思っております。
 しかし、財政的にも厳しいという、そういった課題もございますので、今後、地方自治体に対しましてこの取組が更に促進するように国としてどのような対応をしていくのか、この点につきまして御見解をお願いいたします。
#50
○副大臣(金子恭之君) 先生御案内のとおり、高齢者向け優良賃貸住宅につきましては、従来から、地方公共団体が民間事業者等に対し整備費の助成とか入居者の家賃低廉化のための助成を行う場合に、国としては地域住宅交付金により支援を行っているところでございます。
 今御指摘のとおり、高齢者向け優良賃貸住宅の整備を広く展開していくためには地方公共団体の積極的な取組が必要でございますけれども、地方財政が厳しさを増す中、取組が十分でない地域もあるのが現状だと認識をしております。このため、高齢者居住安定確保計画の策定を通じまして高齢者の居住問題の重要性を認識していただくこと、それから地方の財政負担分につきまして特別交付税措置を要望し地方負担の軽減を図ることなどによりまして、高齢者向け優良賃貸住宅の積極的な整備に取り組むよう地方公共団体に働きかけてまいりたいと思います。
 さらに、平成二十一年度予算におきましては、高齢者生活支援施設を併設する高齢者向け優良賃貸住宅を整備する場合に、その施設整備に要する費用に対し地方公共団体の負担を前提とせず国が直接支援を行う高齢者居住安定化緊急促進事業を創設いたしまして、地方公共団体の負担を軽減することによりまして積極的な取組を促すこととしたところでございます。
 そのほか、高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制の継続、拡充など民間事業者への支援措置の充実を講じたところでございます。
 これらの措置を通じまして、高齢者向け優良賃貸住宅の整備を促進してまいりたいと思っております。
#51
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先ほど佐藤委員の方からも御指摘ございましたが、こういった新しい制度等をしっかりと地方公共団体の皆様にも周知していただいて、地方と国としっかりと力を合わせて更なる供給に促進できるように取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 先ほど実績伺っていく中でURの果たしている役割も大変大きいものがあると思いましたけれども、今後も高優賃の供給ということはもちろんでございますが、高齢者の方ができる限り住み慣れた地域で自立をして、また安心をして暮らしていけるという、生活をしていけるということで、URの団地内にもデイサービスセンターの福祉施設、また高齢者の方が自由に集えるような交流の場、こういったものをしっかりと整備していくことも重要になってくるかと思います。
 ですので、ストック活用団地、こういったものの活用を含めまして、この団地を地域の福祉拠点、また交流拠点に再整備をしていく、こういったことも更に促進をしていくことが重要だと思っておりますが、これに対する御見解をお伺いをしたいと思います。
#52
○政府参考人(和泉洋人君) 都市機構、URでございますが、平成十九年十二月にUR賃貸住宅ストック再生・再編方針というのを定めましたが、その中で、まさにおっしゃるように、このURの団地を地域の福祉拠点としてストック再生や住まいのセーフティーネットの強化を図ると、こういうことになっております。従来もそういった趣旨でやってきておりまして、ちなみに高齢者向け生活支援施設は既に百六十八のURの団地で二百三十六施設有してございます。
 こういったことを今後とも積極的にやっていきたいと、こう思っておりまして、そのために従来から、団地の中にそういった施設を誘致する際に、施設を貸すのであればその施設の賃料、用地を貸すのであれば用地の賃料を引き下げるための仕組み、こういったものを設けてございますし、また、そこに住んでいる方が例えば再編の際に安心して住み続けられるように継続家賃に関する家賃についての軽減措置でございますとか、特にこういった再編計画を作りましたので、建て替え等に伴い移転する低所得の高齢者の方に対して特段の家賃の低減化を図るというようなことで、これは二十年度から予算を組みまして、二十、二十一年度、両年度で七百億円の出資金を準備してございますが、こういった措置も通じまして、真にURの団地が地域の福祉拠点、かつかねてから住んでいらっしゃる方にとってはセーフティーネットとなるように努力してまいりたいと、こう考えております。
#53
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、都市部における高優賃の供給を加速させるということで、前回も御指摘あった部分でありますけれども、既存住宅、空き家を活用していくことが大変に有効的なことではないかと思っております。
 平成十五年の住宅・土地統計調査によりますと、我が国には約六百六十万戸の空き家があるということでございます。この中には中古のマンションも含まれていると思いますけれども、今後こういった中古のマンション、また、これから少子化になるということで学校が統廃合されるということも考えられるかと思いますが、そういった中で学校の活用も考えられるかと思いますけれども、こういった中古マンションや学校、こういったものを改良することによって高優賃としての供給を促進させるという、これも大変に重要な取組ではないかと思いますけれども、これに対するお取組、御見解をお伺いしたいと思います。
#54
○政府参考人(和泉洋人君) おっしゃるとおり、住宅ストックあるいは今委員御紹介になりました閉校された学校等、既存の施設を有効活用してこういった高齢者向け優良賃貸住宅を供給すると、これは大事でございまして、現在でも、その地域住宅交付金で既存の施設を改良して高齢者向け優良賃貸住宅とすると、これについても当然補助対象になってございます。これが一点。
 あともう一点は、そういったことをするときに余り理想的な基準を設けてハードルを高くしちゃうとなかなか難しいものですから、二十一年度から、既存住宅等を改修してコンバージョンしてそういったものにする場合については、そういった基準についても若干柔軟化して、例えばどうしても段差の解消が無理であれば手すりの設置で代替できると、こういった柔軟な基準に変えまして、今後ともそういった既存の住宅や施設等をコンバージョンして高齢者向け優良賃貸住宅の供給ができるように進めてまいりたいと、こう考えております。
#55
○鰐淵洋子君 今局長の答弁の中にも改良の基準を緩和していくということもございました。このことも是非周知をしていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、これもいただいた声を基にちょっと質問させていただきたいと思いますが、市街化調整区域における高優賃の建設ということで、この市街化調整区域内の空き地に高優賃を建てようとされたんですが、開発許可を受けることができませんでしたという、そういった声を伺いました。
 今後、高齢化の進展に伴いまして、この市街化調整区域における高優賃の建設、これも一つ課題になってくるのではないかと思っておりますが、都市計画における開発許可制度で今後どのように対応していくのか、お伺いをしたいと思います。
#56
○政府参考人(加藤利男君) お答えを申し上げます。
 市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域とされております。ただ、そうした性格付けがなされている一方で、既存のコミュニティーの維持ですとか社会経済情勢の変化への対応といった事情を勘案いたしまして、区域内において許可し得る開発行為を都市計画法の第三十四条各号に基準として定めておりまして、その基準に該当するものについては許可し得るということとされているところでございます。
 御指摘のございました高齢者向け優良賃貸住宅等につきましては、今申し上げた基準に照らしてみますと、例えば地区計画で定められた内容に合致する場合であれば立地は可能なわけでございますけれども、一般的には住宅の一種でございますので原則として立地は認められないと考えております。
 ただ、そうした中にありましても、市街化調整区域内におきまして、都道府県知事が開発審査会の議を経まして、周辺の市街化を促進するおそれがないこと、かつ市街化区域内において行うことが困難と認められるものとして、現在、有料老人ホームが開発許可制度の運用指針の中でも許可して差し支えないものということで例示として挙げられております。したがいまして、通常許可して差し支えないものとして挙げられている有料老人ホームの例と同様に、社会福祉部局の関与の下で介護サービスの提供ですとか施設の運営の優良性が担保できるような高齢者向け優良賃貸住宅等につきまして、この条項に該当するものとして例示できるものがあるのではないかと考えているところでございます。
 今後、開発許可制度の運用指針の改正に向けまして、厚生労働省ともよく調整を進めてまいりたいというふうに考えております。
#57
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。是非よろしくお願いしたいと思います。
 次に、これも先ほどから申し上げていることと重なる点でございますが、高齢者の居住の安定を確保するためには地方公共団体の皆さんの役割も大変に重要になってくるということで、今回の法改正を受けまして、地方公共団体におきましても住宅部局また福祉部局の連携を積極的に取っていただきまして高齢者の方の居住安定に取り組んでいただきたいと思っておりますが、それと併せまして、公的な機関の取組だけでは限界もございますので、しっかりと民間の皆さんのこういった積極的な取組も大変に重要になってくるかと思っております。
 そういった意味で、住宅を供給する民間の土地建物所有者、また福祉サービスを提供する方、そのほかには医療関係者、様々関係者がいらっしゃるかと思いますが、今回の法改正、また新たな制度、事業を含めましてしっかりと周知徹底をしていただき、また理念も含めて周知徹底をしていただきまして、高齢者の居住安定確保に向けまして地方公共団体、国、また民間の方と力を合わせて進んでいけるような対応ということで是非よろしくお願いしたいと思いますが、その点につきまして取組をお伺いしたいと思います。
#58
○政府参考人(和泉洋人君) おっしゃるとおり、まず法律制度で補助、税制、融資、いろんな制度がございます。なかんずく、今年、二十一年度予算におきましては、先ほど来出ていますような緊急促進事業とかモデル事業、こういったものが出てまいりましたので、こういったことをきちんと、公共団体のみならず関係する介護サービス事業者さんあるいは住宅業者さん、あるいは社会福祉法人、医療関係者などなど幅広い層にきちんと御理解いただいて、私ども一生懸命周知徹底して、そういう幅広い参画の下に総力を挙げてやっていくということが大事だと思います。
 具体的には、従来からも国交省のホームページ等で詳細な情報を主に住宅部局を通じて流してございましたが、今後は、厚労省が主催する都道府県、政令指定都市等の高齢者福祉担当課長を対象としました全国会議、こういったものがございますし、あるいは各公共団体で社会福祉法人や医療法人等に対する説明会等もございますので、そういった場に厚労省と協力しまして私どもの担当者も参加させていただいて、きっちりそういった福祉サイドについても情報を流していく。
 更に加えて、高齢者居住安定センターというのがございますので、これは財団法人でございますけれども、そこが主として民間の方々に対する様々なセミナーや担当者研修会、こういったことも行いまして、いずれにしましても、関係するすべての主体にきちんと情報が伝わるように、しかもそれがなるべく速やかに正確に伝わるように、厚労省とも協力してしっかりと対応してまいりたいと考えております。
#59
○鰐淵洋子君 よろしくお願いしたいと思います。
 あわせまして、施設や住居によって個々の高齢者の生活もまた変わってきますので、是非厚労省、国交省、それぞれ現場の方も見ていただきたいと思います。その上でのまたより良い住宅の確保ということで取り組んでいただきたいと思いますので、併せてお願いしたいと思います。
 次に厚労省の方にお伺いをしたいと思いますが、先ほども少し話題になっておりました総量規制の件でございます。
 先週、今回こういう質問もさせていただくということで、品川区の施設をちょっと視察をしてまいりました。ケアホーム西大井こうほうえんというところなんですけれども、ここは小学校を改造して高齢者の住まいとして、六十歳以上の要介護高齢者を対象にできるだけ家庭に近い介護を目指すというところでございまして、高優賃四十二戸ございまして、全室特定施設入居者生活介護ということでございました。ですので、高齢者の方が自分のお住まいで生活をしながら二十四時間三百六十五日生活支援、介護支援を受けられるという、そういったところでございまして、ここは高齢者向けの高優賃だけではなくて、保育園とか、あと触れ合い広場、地域の高齢者の方も集えるような、そういったものも一緒に併設をされておりました。
 場所も、学校の跡地ということでもありましたので本当に住宅街の中にありますし、本当に地域の中にあるという、そういったものでございますし、また、先ほども申し上げたように保育園の園児やまた地域の高齢者との交流の場もあるということで、自分の住まいでありながら、生活、また介護に対して不安もなく生活ができるという、本当に理想的な状況ではないかなと私自身も思いました。また、利用料金も、高優賃ということですので所得に応じて品川区の家賃補助とか法人の家賃減額もありましたので、中低所得者の方が入居できるような料金でございます。
 今後、高齢者の住まい、あるべき姿ということで、様々個人個人によって違ってくるかとは思いますけれども、やはり高齢者の方が生き生きと生活できるという、そういったことがまず大事になってくるかと思いますし、また、国としては施設から在宅へというこういった流れをつくってきている中で、やはり将来的には居住系サービス施設、先ほど佐藤委員が配付されておりました資料の中にもありますけれども、今御紹介をしたような品川区の例とか、あとここにあります居住系サービスですね、こういった施設におきましては、参酌標準三七%、ここから将来的には外した方がいいのではないかと、私はそのように考えておりますが、この件につきまして厚労省の御見解をお伺いをしたいと思います。
#60
○政府参考人(坂本森男君) 高齢者の福祉施設につきましては、都道府県及び市町村におきまして、高齢者が可能な限り居宅において継続して日常生活を営むことができるよう地域において必要なサービスが提供される体制を整備するということが必要でございまして、このような観点から、国が示しております参酌標準を参照にしつつ住民のニーズや地域の実情を踏まえて介護保険事業計画を策定しまして、これに基づいて行われているところでございます。
 御指摘の特定施設などの居住系サービスでございますけれども、高齢者に生活支援や介護のサービスが適切に提供される住まいの一類型といたしまして、各自治体においてそれぞれの地域の実情を踏まえ適切、計画的に指定されているものと考えておりますけれども、将来的には、特定施設を含みます施設サービスの体系の在り方を検討する中でその特定施設の参酌標準におけます位置付けにつきましては併せて検討を行うことが必要だと考えております。
#61
○鰐淵洋子君 先ほどの施設、品川の視察をさせていただきましたが、その中で、百三歳のおばあちゃんがいらっしゃったんですが、その方は元々老健施設に入っていらっしゃったんですが、今回この施設に移動されたということで、最初はもうほとんど寝たきりで何もできなかったそうなんですが、こちらに移られて、基本的にはもう自分のことは自分でするという環境でもありますし、そういった中で起き上がって歩けるようになって自分のことは自分でできるようになったという、そういったお話も伺いまして、やはり高齢者の方が生活する場という住居、住まいというのは本当にその方の生き方というか生活が本当に変わるぐらい大事なものなんだなということも私も実感いたしまして。
 そういった意味で、先ほども申し上げたんですが、これから施設から在宅という流れの中で高齢者の方もやはりどういった生活をしていこうか、住まいを選んでいこうかという、やっぱり選んでいける、選択できる、そういった幅もいろいろ考えて広げていかなければいけないと思いますので、そういった意味で是非、二十四年度にいろいろ介護報酬とか、あと診療報酬ですね、あと介護保険制度自体の見直しもあると伺っていますので、やっぱりそこに向けてこの三七%というところでもう一度この在り方を検討していただきたいということを再度申し上げておきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 次に大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、今申し上げたとおり、高齢者の方を始め国民の皆様の安心、安全を確保するという上で、住宅の確保というのはやはりいろんな意味で生活の基盤になってくるかと思います。そういった意味で、冒頭にも申し上げましたが、高齢者の皆さんは特に経済的な面でも介護の面でもいろんな負担だったり不安を抱えていらっしゃるわけでございますので、そういった中で、全国どの地域においても高齢者の皆さんが安心して住み続けられる、生活ができる環境づくりということで国交省の役割は大変に重要になってくるかと思います。そういった意味で、大臣の決意をお伺いをしたいと思います。
#62
○国務大臣(金子一義君) 今、品川の例を取り上げられまして、確かに施設から在宅という動きの中で、そうはいっても、在宅で介護を受けられればいいんですけれども、なかなか身体的にもいろいろな事情でそればかり言っていられないということで、今の品川の例なんかも多分そういうことでケア付きの施設という、施設といいますか、居宅サービスの付いたものができ上がってきているんだと思います。
 こういう施設含めて、関係者の参加によりまして今申し上げたような施設が更にそれぞれの地域で、今度は都道府県も巻き込んでいますので、都道府県の住宅と福祉局も巻き込んでいますので、そこできちっと数における計画も作ってもらって実施してもらえる、それに対して国も支援をしてまいりたいと思っております。
#63
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 最後に、今回の法案に関連いたしまして障害者対策について伺いたいと思います。
 今回は高齢者の住居に対する対策でございますけれども、今回この法改正におきまして住宅部局と福祉部局が一層連携を図って取り組んでいくということになっておりますが、今後、障害者の方につきましても高齢者と同様に、ソフト、ハードが一体となって居住の安定の確保を図っていくことが重要かと思っております。このため、障害者に対する住宅施策につきましても住宅部局と福祉部局がしっかり更に連携を図っていただきたいと思いますし、当事者の立場に立ったきめ細やかな対応をお願いしたいと思っております。
 改めて、今回は高齢者の法案ではございますが、今後、この障害者の方に対しても国交省また厚労省はしっかりと連携を取って対応していただきたいと思いますが、今後の障害者に対する住宅施策につきまして、今後の取組をそれぞれ厚労省と国交省にお伺いをしたいと思います。
#64
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 厚生労働省におきましても、障害者の関係、障害者自立支援法を始めとします支援施策の中で、障害の有無にかかわらず安心して地域で暮らすことのできる社会の実現ということを目指しておるところでございます。そのためには、やはり障害者の地域における居住の安定ということが大変大事なことであろうというふうに考えております。
 今、この障害者自立支援法につきましては、施行三年目の見直しということで見直しの法案を御審議を今お願いしておるところでございますが、この見直しに当たりまして社会保障審議会の障害者の部会の方の報告書からも、障害者の地域生活の支援のための住まいの場の確保ということが強く指摘を受けております。その中では、国交省とも連携を取って公営住宅や民間賃貸住宅への入居促進、あるいは公営住宅の活用などによりますグループホーム、ケアホームの整備の促進などを指摘をいただいておるところでございます。
 現在でも国交省あるいは地方自治体の中の住宅部局とも連携を取りまして、公営住宅への優先入居、あるいは入居可能な民間の賃貸住宅の情報を提供いただきますあんしん賃貸支援事業、あるいは公営住宅をグループホーム等として活用させていただくような事業ということを進めさせていただいておるところでございますが、更にこういうようなものも進めさせていただきたいと。
 また、今提案をさせていただいております障害者自立支援法の中におきましても、例えば独り暮らしをなさっておる障害者、こういう方々に対しまして、夜間なども含めまして緊急時に連絡するなどのサポート体制を組んでいく、そういうことを住宅施策とともにやっていくという施策を、これまでは補助金という形で市町村の判断がございましたが、法律に基づきます自立支援給付として行っていくことを盛り込んでおります。さらには、グループホーム等に入居されました方々に対しまして、その際の居住の費用等の一部を助成するようなものも自立支援給付としてやっていくということも盛り込ませていただいているところでございます。
 このようなハード、ソフトの組合せということを更に進めていく、これを国交省とも十分連携を取って進めてまいりたいというふうに考えております。
#65
○政府参考人(和泉洋人君) 今厚労省の方から住宅政策も含めて具体的にすべて答えていただきましたので、従来いろいろ連携してまいりましたが、今回特に、高齢者の問題ではございますが、地方の福祉部局、住宅部局が一緒になります。そういったチャンスをとらまえて、障害者の対策についても従来以上に緊密な連携を取って、本省においても連携しながらやってまいりたいと、こう考えております。
#66
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先ほどもございました、今回の法案をスタートとして、本当に画期的なことだと思います、厚労省と国交省との連携の下進んでいくということで画期的なことだと思いますので、しっかりと連携を取っていただき、また力を合わせて頑張っていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#67
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。
 高齢者住宅施策の達成状況についてお伺いをいたします。
 この間、高齢者向け公共賃貸住宅の整備が各種法律において取組がなされていると思いますが、取組の成果と問題点はどのようになっているのか、それからまた所期の目的は達成されているのか、お伺いいたします。
#68
○政府参考人(和泉洋人君) 高齢者の住宅政策につきましては、平成十三年に今回改正をお願いしています高齢者居住安定法を制定いたしまして、高齢者円滑入居賃貸住宅あるいは高齢者向けの優良な賃貸住宅、さらには高齢者自らによる持家のバリアフリー化、こういった施策を推進してまいりましたし、加えて言うと、住生活基本法に基づく住生活基本計画におきましても、高齢者などの居住の安定確保を図れるよう、公的賃貸住宅のみならず民間賃貸住宅も含めたセーフティーネットの充実、こういった実現をいただきました。更に加えて、平成十九年には、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、通称住宅セーフティーネット法というものを作っていただきまして、そういった体系の下でるるやってまいりました。
 具体の施策につきましては一々細かくは御報告申し上げませんが、この委員会の質疑でも出てまいりましたようなシルバーハウジングプロジェクトあるいはあんしん賃貸支援事業などなど一定の成果を収めてまいったと思っております。
 しかしながら、急速に高齢化が進み、なかんずく単身高齢者、夫婦のみ高齢者、そしてまた要支援、要介護の方々が増える実情に対応しまして、今回の法改正が認められれば更にしっかりと取り組んでまいりたいと、こう考えております。
#69
○渕上貞雄君 高齢者向け優良賃貸住宅や高齢者円滑入居賃貸住宅において最低居住面積水準を満たしていないものや不当な賃貸条件を付している住宅が登録されているようでございますが、その実態はどうなっているでしょうか。
#70
○政府参考人(和泉洋人君) まず、高齢者向け円滑入居賃貸住宅、これは平成十三年に制度をつくったときに、民間の借家市場で高齢者お断りという事実がある中で、率直に言ってそういった入居差別をしない賃貸住宅をたくさん確保したいと、こういったことがございましたものですから、当時は具体的な登録基準を設けませんでした。その結果、今委員御指摘のように非常に規模が小さいとか古いとかあるいは設備がないと、こういったこともありましたので、今回、一定の成果が上がったことを前提に、高齢者向け円滑入居賃貸住宅につきましても登録基準を設けまして、その中で今委員御指摘の賃貸条件等についても不当な基準になってはならないと、こういった基準を考えてございます。
 その上で、そういったものについて報告徴収あるいは指示、こういった制度も設けまして、一定の成果が上がってまいりましたが、今言ったような意味での居住環境や管理の問題について更にきちっとした監督をしてまいりたいと、こう考えてございます。
#71
○渕上貞雄君 高優賃や高円賃、高専賃住宅における入居率はどのようになっているでしょうか。また、入居基準、家賃はどのようになっているのでしょうか。住みたくても住めないというような実態はあるのかないのか、お伺いをいたします。
#72
○政府参考人(和泉洋人君) 高齢者向け円滑入居賃貸住宅については高齢者のみの対応の住宅じゃございませんので把握してございませんが、いわゆる高優賃、高齢者向け優良賃貸住宅について言うと、三万百五十九戸中、今入居率が九七・五%で、空き家二・五%ですから、いわゆる民間借家全体の空き家が二割を超えるのと比較すると極めて入居率が高いというのが一点でございます。
 もう一点は、こういった方々に対する家賃の実態でございますけれども、高優賃、いろいろ分布ございますけど、一番多い分布帯は六万円以上七万円未満、これが二六・八%で一番多うございます。あと、高円賃、高齢者向け円滑入居賃貸住宅、これは特段の基準を設けてないで登録してもらったという話をしましたが、これは家賃四万円以上五万円未満のものが二〇%で一番多いと、こういう状況でございます。
#73
○渕上貞雄君 入居者率等については今お話がありましたけれども、入居者が増えない原因はどこにあると考えていますか。
#74
○政府参考人(和泉洋人君) まず第一に、いわゆる助成措置のある高齢者向け優良賃貸住宅は今言ったような状況にございますので、入居者が増えないというよりは、私どもの問題意識は数が足りないんではないかと。こういったものがちゃんと一定の公共団体からの助成が入り、先ほど質問がございましたけれども、きちんと家賃減額補助等が入ればそれなりにニーズは十分あるんじゃないかと、こう考えておりまして、今回の法案改正が通れば、こういった計画を作る中で地方公共団体にもそういった補助制度をしっかり整備していただいて、なるべくそういったニーズにこたえられる高齢者向け優良賃貸住宅を増やしてまいりたいと、こう考えてございます。
#75
○渕上貞雄君 今回の高齢者居住の安定確保に関する法律を改正することによって、具体的にはどのような点が改善されるんでありましょうか。また、提出法案は本年の一月の社会資本整備審議会の答申が十分生かされているのでしょうか。例えば公共賃貸住宅の活用についてはどのように反映されているのか、お伺いいたします。
#76
○政府参考人(和泉洋人君) まず、今委員御指摘の社会資本整備審議会の答申の内容でございますが、かいつまんで御紹介しますると四点ございまして、一点は住宅施策と福祉施策の一体的かつ計画的な推進、二点目が今も御答弁申し上げました高齢者向けの優良な賃貸住宅の供給の拡大、さらに高齢者の居住安定確保のための公共賃貸住宅の活用、最後に四点目でございますが、高齢者円滑入居賃貸住宅の登録制度の見直しと、こういった御指摘を賜っております。
 そこで、今回の法改正におきましては、まずは、従来国土交通大臣が単独で行っておりました基本方針、これを厚労大臣と共同でやりまして、住宅のみならず老人ホームも視野に入れ、加えて、ハードのみならず高齢者居宅生活支援というような形でソフトも視野に入れてやっていくということが一点目でございます。
 更に加えて、都道府県におきまして、既存の公共賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅に限定しないで、公営住宅等の既存の公共賃貸住宅やURの賃貸住宅も含めまして高齢者居住安定確保計画を作っていただくと、これが二点目でございます。
 さらに三点目でございますが、そうした高齢者向け優良賃貸住宅の供給の促進という観点から、高齢者居宅生活支援施設と一体となった仕組み、こういったものも法律で位置付けまして、加えて、先ほど来御紹介しておりますが、二十一年度予算におきまして特段の補助制度も準備しました。
 最後に、社会資本整備審議会の指摘にございます高齢者円滑入居賃貸住宅の登録につきましても、登録基準を設ける、さらに報告徴収規定と指示規定を設けると、こういった形で社会資本整備審議会の答申に即して今回の法改正で制度の拡充を図っておると、こういった状況でございます。
#77
○渕上貞雄君 高齢者の居住の安定確保のためには住宅施策と福祉政策との連携が重要であることは言うまでもありませんが、これまでの両者の連携はどのように行われていたのでしょうか。また、連携による具体的な効果、課題はどのようなものかお知らせ願いたい。
#78
○政府参考人(和泉洋人君) 今回の法改正に先立ちまして住生活基本計画が十八年九月にまとまりました。その中で大事な、住宅施策における横断的な視点としまして福祉との連携、こういったものが位置付けられております。そういった計画等に基づきまして、従来から、高齢者、障害者等に対する公平かつ的確な公営住宅の供給、あるいは先ほど来議論になっておりますようなライフサポート・アドバイザーが付加されましたいわゆるシルバーハウジングプロジェクト、これは二十年度末時点で八百三十七団地、二万二千五百六十一戸でございます。さらには、公的な賃貸住宅団地と福祉施設の一体的な整備、これも十九年度末現在で千百七十二団地二千三百六十一の施設の併設、さらには公営住宅のグループホームの活用などなど種々やってまいりました。
 しかしながら、今考えると、こういった施策がかなり個別的な対応に終始しておって、総合的、包括的な観点が欠けておったんじゃないかと。そういったことを踏まえまして、今回の高齢者居住安定法の改正を契機としまして、基本方針を両大臣で制定し、都道府県において福祉部局、住宅部局が緊密な連携の下に全体としての計画を策定する、こういった施策体系を提案させていただいていると、こういったことでございます。
#79
○渕上貞雄君 高齢者の居住の安定確保の観点から、高齢者の八割以上が居住する持家におけるバリアフリー化の促進、それから保健医療サービスや福祉サービスとの連携も重要と考えられますが、これらの点につきまして今後どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
#80
○政府参考人(和泉洋人君) まさに委員がおっしゃるように、高齢者の方々の八割以上はいわゆる持家に住んでございます。従来議論になっておりましたケア付き賃貸住宅も大事でございますが、持家のバリアフリー化も大変大事でございます。
 従来から、住宅金融支援機構の証券化支援、フラット35におきましてバリアフリー性能等の優れた住宅については金利の優遇を行う、こういったこともやってまいりました。また、住宅ローン減税制度においてバリアフリー改修をした場合については特段の所得税の控除制度を設ける、さらには地域住宅交付金の提案事業を使いまして、公共団体が民間の住宅のバリア改修を支援する場合に国も支援を行うと、こういったことをしてまいりました。また、介護保険制度におきましても手すりの設置等の改修は給付の対象になっております。
 こういったことをしてまいりましたが、特に今後、二十一年度は、いわゆるローンを借りないで自前のお金で改修した場合の住宅改修に関する投資減税、さらには、住宅金融支援機構だけじゃなくて、民間の金融機関が高齢者の方にバリアフリーの改修のお金をお貸しして、御存命中は金利だけお返ししていただいて亡くなられた場合にあとまとめて返すといった、いわゆるリバースモーゲージ的な改修事業について民間でもやれるように住宅金融支援機構が融資保険の対象にする、こういった施策も講じておりまして、今後こういった様々な施策を通じて持家のバリアフリー化を進めてまいりたいと、こう考えております。
#81
○渕上貞雄君 二〇〇六年度から高齢者の住み替え支援として、高齢者の所有する持家、広い住宅を必要とする子育て世代に対して賃貸する制度が試行されておりますけれども、その活用実績はどのようなものでしょうか。今後の対策についていかがでしょうか。
#82
○政府参考人(和泉洋人君) 今御指摘の住み替え制度、これ十八年度から二十年度にかけましてモデル的に移住・住みかえ支援機構という中間法人を活用してやってまいりました。これの背景は、今委員御指摘のように、非常に大きな住宅を高齢者の方々が持て余している、一方で子育て世代が狭い住宅に住んでいる、このミスマッチを解消するために住み替え支援をすることは意味があるんではないか、こういったことをやってまいりました。
 モデル的な事業でございましたが、この十八年十月から二十一年四月の間で実際の成約になったのが九十九件でございます。ただし、問い合わせが五千件弱、登録が二千件弱でございます。これがなかなか進まなかった理由でございますが、言うなればこういった制度の周知徹底やメリットを十分理解してもらっておらなかったと、こういう点があるかと思います。
 今後、これは進めていく意義が高いと思っておりますので、二十一年度、今年度におきましては、モデル事業を通じて得られました建物診断とか補修、補強に関するマニュアル等を一般の事業者の方々にも提供する、あるいは、このモデル事業では想定を超える空き家が出た場合にそれをカバーする基金を国が設けておりましたが、その国の基金を民間にも開放した場合にどういった条件ならいいのか、さらには地域の実情を把握している公共団体との連携、こういった観点から更なる検討を深めましてこれを広げてまいりたいと、こう考えてございます。
#83
○渕上貞雄君 今の答弁の中で実績九十九件というお話がございました。実績が上がらない原因についてはどのように考えられておるのか、原因の解決のためには今後どのようにされようとしておるのか、お伺いいたします。
#84
○政府参考人(和泉洋人君) 先ほども若干答弁してしまいましたが、一つは、モデル事業としてスタートして、モデル的な仕事ということで一つの機関だけで行っておりましたので、まだまだ周知徹底が不十分であるということが一点目でございます。二点目は、こういった制度を活用する際のメリット、これは貸す側、借りる側両方でございますが、それについて十分な御理解賜ってこなかったと。
 しかしながら、先ほども言いましたように、このモデル事業を通じまして様々なノウハウが蓄積されましたので、できればこういったものを今ある移住・住みかえ支援機構という一団体だけではなくて様々な民間事業者にも活用してもらうということを考えて、ある意味ではこういった住み替え、要するにミスマッチの解消が進むようにしていったらもっと広がっていくんじゃないかと、こう考えております。
#85
○渕上貞雄君 私はここで公営公共住宅の政策についてお伺いをしているところですが、高齢者住宅の安定確保ということだけでなくて、既存の公営住宅における深刻な問題について提起をして、その解決方をお願いをしたいと思うのでありますが、二〇〇七年十二月に公営住宅法施行令の一部改正が行われ、入居収入基準が大幅に引き下げられました。これらにより働き盛りの世帯が退去を余儀なくされ、団地から子供の声が聞こえないようになりましたし、高齢化が急激に進行、団地コミュニティーの崩壊という深刻な状態も生まれております。一説によれば、限界集落ならぬ限界団地という言葉さえ生まれております。
 私はここで、コミュニティーが崩壊するような住宅施策は真の住宅施策とは言えないと思います。子供の声が聞こえる公営公共住宅施策を進めるべきだと考えますが、その点いかがでございましょうか。
#86
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御指摘のいわゆる公営住宅の収入基準の改定でございますが、この背景は、平成八年に一回決めました。そのときは確かに旧基準が収入分位二五%だったわけでございますが、その後の環境変化で旧基準のままにしておくと収入分位が三六%までカバーしちゃう、その結果、本来入れる方々が入れない、こういった問題が生じまして、公共団体ともよく相談しまして現状に合わせまして収入基準を見直しました。
 しかしながら、当然、委員御指摘のように、そういった見直しの中で様々影響を受けますので、一つは、施行後五年間は収入超過者や高額所得者としての適用を猶予するとか、あるいは既存入居者の全体の一四%ぐらいが家賃の一部上昇がございますので、そういったことについては五年間でゆっくりすり付けていく、こういったこととか、あるいは特に厳しい場合については地域住宅交付金の提案事業を使って国が考えておる経過措置以上の支援をしてもらいたいと、こういったことをしてまいりました。それによって、片方で本来入れる方に対する公平性の確保と現在入っている方々の激変緩和を同時にやっていきたいと、こう考えたわけでございます。
 今御指摘の子供世帯でございますが、確かにそういった公営住宅団地等において子供世帯と高齢者等が一体となっていわゆるミックスコミュニティーがつくれることは大事でございまして、そういった観点から、小学校の就学前児童を含む世帯については、これは公共団体の判断で収入基準を、原則二五%でございますが、四〇%まで引き上げられるとか、あるいは優先入居の手続を取る、そういったことを通じまして、なるべく様々な方々が集まってにぎわいのある公営住宅団地、そのコミュニティーが形成されるように努めてまいりたいと、こう考えております。
#87
○渕上貞雄君 また、建物のリフォーム、建て替えについても早急にやはり検討すべきであると考えます。
 一九六五年以降十年の間に大幅に供給された公営住宅の設備は、人間が住む環境としては決して良いものとは言えない実態にございます。例えば、ふろにシャワーが付けられない住宅、ベランダでしか洗濯ができない住宅、高層十四階建ての県営住宅のエレベーターが七階と十二階にしか止まらない住宅、さらには五階建て住宅でもエレベーターが設置されていない住宅、これらの住宅については早急に対応すべきだと考えますが、その見解についてお願いをいたします。
#88
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘のとおり、古い住宅には今委員が御紹介になったようなものがあるかと思います。したがって、こういったものについて、建て替えあるいはリフォーム、これをなるべく計画的に振り分けて、建て替えるべきものについては建て替えをし、リフォームすべきものについてはリフォームをする、こういったことを進めていく必要があると思いますし、従来も各公共団体がそれなりの努力をしていただいて、私どもも、地域住宅交付金、例えば二十一年度では千九百四十億円ございますが、こういった予算を使って支援してまいりました。
 特に今年度は、公営住宅ストックの今言ったような計画的な更新、これをやっていただくために、公営住宅など長寿命化計画、こういったものを作っていただきたい、この計画策定費についても国として支援してまいりたいと、これが一点目でございます。さらに、そういった際の用務等についての設計費や工事費、これは従来、改修についてはそういった設計費について支援してまいりませんでしたが、そういったものについても地域住宅交付金の基幹事業に追加する、こういったことをしてまいりました。
 ちなみに、二十一年度の一次補正予算、今御審議賜っておりますが、それにつきましては、公営住宅のバリアフリー化などのストック開発に関する経費、これを追加で八十億円要望してございまして、こういったことを通じて、なるべく計画的に建て替え、改修等進めてまいりたいと、こう考えております。
#89
○渕上貞雄君 建て替えによって高齢者しか入れないような一DKのような居住空間であっては、限界団地となることは一目瞭然だと思います。また、居住者からは三十五平米以下では介護するにも困難な状況であるという声も上がっております。建て替えするに当たっては十分な居住空間を確保することが必要だと思いますが、その点いかがでしょうか。
#90
○政府参考人(和泉洋人君) 戦後、絶対的住宅不足の中でかなり小さなものをたくさん造ってきた事実もあるかと思います。そういったものを建て替えする際には、従前の居住者の方々のニーズと、さらに建て替えした場合の周辺の居住者の方々のニーズ、そういったことを勘案して、ふさわしい居住水準のものを造っていく必要があるかと思っています。
 また、その際、敷地が狭い等で十分な面積が確保されない場合については例えば高度利用を図るとか、そういったことを通じて、少なくとも建て替えとか改修する以上は、今後長く使えるようなもの、そういったものを供給するように公共団体を指導し、また支援してまいりたいと考えております。
#91
○渕上貞雄君 以前、ヨーロッパの方からでしたですか、働きバチの何とか住宅というふうに言われたことがありました。我が国の憲法二十五条では「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とあります。健康で文化的な住生活を国民に保障することは国の責務ではないかと思っております。そして、やはり法の精神からしても住まいは基本的人権として考えるべきだろうと思っていますし、その精神に基づいてすべての住宅政策というものが推し進めなければならないと考えるんでありますが、その点、大臣いかがでございましょうか。
#92
○国務大臣(金子一義君) 健康で文化的な生活を義務付けている憲法二十五条のことを御指摘になられたんだと思いますが、住生活基本法でも今委員御指摘のこの点を踏まえまして構成されております。非常に大事な指摘になっておりまして、「住宅が国民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤であることにかんがみ、」というところから住生活基本法が成り立っておりまして、委員御指摘のものがこの基本法に生かされているのかなと。同時に十四条では、公営住宅、それから災害を受けた方々の住宅復旧、それから高齢者、そして同時に、先ほど来御指摘されました子供たちの世帯への住宅ということを定めておりまして、大事な点であります。
 今回の法律、これは、先ほど申し上げましたのは基本法でありますからこういう精神でありますけれども、今回の法案もそういう枠組みを受けまして一つ新たにつくりました施策でありまして、高齢者居住の安定確保という観点から、力点を置いて今回のこの法律を御提案させていただいております。その取組の一つとして、住宅セーフティーネットの充実に努めてまいりたいと思っております。
#93
○渕上貞雄君 さらに、やはりこれから先もどうかひとつ公営公共住宅の充実に向けて次代にふさわしい住宅政策を遂行されることをお願いをして、質問を終わります。
#94
○大江康弘君 改革クラブの大江でございます。
 最後になりまして、聞きたいことを全部委員の皆さんが聞いていただいたので特段聞くこともなくなってしまった感があるんですが。
 大臣、和歌山ではこんな方言がありまして、子供しかるな来た道じゃ、年寄り怒るな行く道じゃという方言がありまして、むやみやたらに、子供が失敗しても余り怒ったらいかぬよ、昔はおまえも小さいときにそうだったじゃないかと、お年寄りがいろいろ意に沿わない、やっぱり自分の思いにならないことがあったって大事にしろよという、私はやっぱり先人のそういう教えだと思うんですけれども。
 今回のこの法案を見せていただいて余りよく、ちょっと私もまだ分からないんです。今も分からないまま質問をしているんです。ただ、いい方向に行くんだなということだけは理解はできるんですが。
 ある、これも和歌山の高名なお寺の御住職が言った言葉で印象的なのは、ふるさとという概念はいろいろある、しかし、一般にふるさとというのは、お互いが生まれたところ、育ったところあるいは子供の時分に遊んだ場所というところがふるさとというそういうお互いが定義、概念だろうが、もう一つ、お年寄りからすれば、やはり自分が一生を終わりたい、自分が一生をやっぱり終えたいと思う場所がふるさとだということを言われたんですね。
 ついの住みかという言葉がよく言われます。委員会の質問でもありました。非常についの住みかというこの言葉の響きには情緒がある部分もあるし、何か寂しげな気持ちにさせるようなそんな言葉でもあるなと。この言葉は我々に何を投げかけておるんだろうなということを実は考えさせられる今回の法案であるのかなというふうに思いながら、いずれにしてもこの委員会、前回、今回聞いておりましたら、何か厚生労働委員会でやっているのかなという、時には錯覚をするようなそんな思いもして聞いておったんですけれども、それぞれの委員の皆さん方の質問を。
 ちょっと先に厚労省にお聞きをいたしたいんですが、今日は坂本審議官に来ていただいて、和歌山にも来ていただいていて地方課長をしていただいたということで随分お世話になって、それを聞けば余り厳しい質問はできないなと思いながら、少し、二点ほど今日は御質問をさせていただきたいと思いますが。
 私はやはり、この法案というのは大事だし、いずれにしても、住宅政策と福祉政策とを一緒にやるんだという、佐藤先生のお話ではありませんが、昭和二十六年からこの法律という話もありました。我々が生まれる前からやっぱりこの法律ができておって、その中で厚労省と今度は垣根を越えて、まさに縦割りと言われた省庁の弊害を乗り越えて今我々の喫緊の課題である高齢化社会にどう対応していくのかということのやっぱり大きな第一歩で私はあるというふうに評価をさせていただきたいと思います。
 ただ、なぜこう分かりにくいかということを前段に申し上げたのは、実は、この間、委員長の御配慮で島根、鳥取へ行かせていただいたときに、こうしたことの今回の恐らくイメージをされる先鞭となった施設も見せていただきました。非常に立派でした。もちろん法人格でこれは民間がやっておって、いい施設を見せていただいたと思いますけれども、私、単純に考えて、この介護保険制度が導入をされてから、特養だとか老健だとかあるいはそれに通じる施設だとかというものが少し後退をしたのではないか。
 それは、いわゆる自分のところの家であるいは在宅でできるだけおれるようにしようという、私はその趣旨というのは非常にいいことだと思うんですけれども。例えば、私が年老いたときに自分はやはり、介護が必要になったときにどうかということを自分に置き換えて考えたときに、やっぱり一番理想なのは、自分の自宅でずっと見てもらいたいというのが理想ですよね。次にどうしても頭に来るのは、やっぱり子供に迷惑を掛けたくないということが頭に来るんです、私は。
 それで、そこにもってきて、大臣、後でこれを聞こうと思ったんですが、やっぱり日本の社会というのは、これは嫁しゅうとめの問題というのはいろいろあるんですね。これやっぱりあるんです。それはお互いに仲良くというのは理想なんですが、例えば、御主人が働きに出て、そして御主人のお母さんなりお父さんなりがもう寝たきりになったけれども施設に入れない、だれが見るんだといったらやっぱり嫁さんが見る、それはまあ当然なんですね、当然なんです。だからそこのところで、一日二十四時間一年三百六十五日、これはやっぱり大変な精神的な負担にもなってくる。しかし、それはお互い親子だからこれは当然であるというふうに周りも思う、自分たちも思う、だから一生懸命見る。だけど、現実にやっぱりそういうような実態的な生活、そういうことを考えてあげたときに、僕はやっぱりもちはもち屋で、特養だとか老健というのは大変僕は非常に意義のある施設であると思うし、やっぱりそこに預けるということは親不孝でも私は何でもないと思う。やっぱり専門家の人に見てもらう、そういう環境のところで預けて、やっぱり安心して自分も生活をしながらという。
   〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕
 だから、やっぱりそういうことを考えたとき、本来はこういう法案の中で頭に描いておられるようなそういうものをつくり上げていくということも大事なんでしょうけれども、私はやっぱりそれよりも、特養だとか老健だとかという施設をもっと拡充して、本当にそういう安心して預けられる施設の方が私はやっぱり必要であるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そこの辺りは厚労省としては、この介護保険制度を入れられていろいろ工夫もされているんですが、そこのところはちょっとどんなふうな意見持たれていますか。
#95
○政府参考人(坂本森男君) 高齢者の居住の状況といいますのは、その地域におけます持家とか借家、あるいは一戸建てや集合住宅の状況など地域によって異なっておりまして、このような地域の多様性に応じた対応が必要だということが第一点と、それから施設のサービス、介護のサービスとしますと施設と在宅のサービスがあるわけでございますけれども、それを都市化の程度などその供給力がどの程度確保されるか、これは民間の事業者も含めての話なものですから、それとのかかわり合いが出てくることでございます。特に地域によりましては施設の入所の必要な方を受け入れるための必要な整備を行っていることがやっぱり必要だと思いまして、各地方自治体において住民のニーズや地域の実情を踏まえまして計画を策定して、計画的に進めていただきたいと考えているところでございます。
 ただ、現時点ではかなり介護の拠点というものが不足しているという状況も踏まえまして、各地域で必要となる介護施設あるいは地域の介護拠点を緊急整備するため助成等の拡充を三年間行うことといたしておりまして、こうした施策を通じましてそれぞれの地域にとって必要となる特別養護老人ホームなどの施設等の整備が推進されるように支援してまいりたいと考えているところでございます。
#96
○大江康弘君 ありがとうございます。
 平たく言えば、今回の法案というのは、ハードの面が国交省、ソフトの面が厚労省というようなそんな受け取り方を私するんですけれども、それはそれでそういうような方向なのか。そういう中で、それじゃこの今回の法案に対して厚労省として、今審議官おっしゃっていただきましたけれども、そういう特養だ老健だということを併せ持った中で今後やっぱりこの法案というものを厚労省としてはどうしていくのか。もちろん、国交省とのすり合わせだ、お互いのいろいろ連携というのは大事なんですけれども、そこら辺りはどうなるんですか。
#97
○政府参考人(坂本森男君) 介護が必要とされる方は、やはりそこの住んでいる基盤である住宅がどうしても必要でございます。その住宅と、それから住まいということと福祉のサービスをどう組み合わせていくのかということが今後重要になってまいりまして、福祉といたしますと、その住宅系とサービスがセットになったフルの介護のサービスから、住宅をうまく組み合わせて在宅のサービスを組んで提供していくというサービス、こういったものも十分必要なことでございまして、住宅部局と福祉部局が自治体レベルで連携をいたしまして、高齢者の居住の安定確保ということのための総合的かつ計画的な施策展開を行う仕組みが今後どうしても必要になってくるというふうに認識いたしておるわけでございます。
 今後、住宅と介護サービスの基盤を一体的に整備するということの有用性について周知を進めていきたい。これは国土交通省とも連携を取りながら自治体における住宅部局と連携を取るということで、地域において高齢者が安心して暮らし続けることができるような取組を進められるよう働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
#98
○大江康弘君 どうも審議官ありがとうございました。ひとつ、これいい意味のモデルになるような省庁間の連携というのをこれから進めていっていただきたいと思います。
 もう質問ありませんから、委員長、もしあれだったら、もうどうぞ、結構でございますので。大サービスです。どうぞ。
#99
○理事(伊達忠一君) どうぞ退席されて結構です。
#100
○大江康弘君 どうもありがとうございました。
 そこで、和泉局長、随分御苦労いただいた法案であると思います。ただ、私は、先ほど視察の話をさせていただきまして、やっぱりこれは民間がやっていたんですよね。だから、民間がやれるぐらいの、その力のある民間があるところ、法人格もそうですが、医療法人、社会法人。だけれども、やっぱり私は、何でもそうですが、隗より始めよで、それぞれこれは計画を上げさせて、そしてという、今回はそれぞれの自治体に計画を上げさせてから進めていくということですが、私はやっぱり何よりもそれぞれの県の例えば住宅供給公社なりが、それに準ずる、やっぱり自治体が率先して、こういうことをモデルケースとしてやっていない地域はやらせていく必要があるんじゃないかと。
 とりわけ、先ほど言いましたように、余り民間に力のない、幾らインセンティブを、先ほど局長も言われていましたけれども三つぐらいですか、しかしそうはいってもなかなか、やはりこの制度を理解してもらえるまでの間ということもあったりなかなか、進めていこうという意欲のということも考えたときに、私はやはりそれぞれの自治体がまずということを思うんですが、そこらはどうですかね。
#101
○政府参考人(和泉洋人君) そもそも、今委員御指摘のように、平成十三年度にこの法律を作っていただいたときに、大都市等でそういったことをやる民間がたくさんいるところは民間を中心にやっていこうではないかということを考えました。ただ、一方で、今委員御指摘のようにそういった民間が存しない地域もある、そういったケースが想定されましたものですから、当初の平成十三年の高齢者居住安定法のときも公共団体や地方住宅供給公社が自ら高齢者向け優良賃貸住宅を造るというその仕組みも盛り込んでおりました。しかしながら、結果として、先ほど他の委員で御答弁しましたように公共団体自らというのは余りなかったと。これが一点目でございます。
 加えて言うと、今回の法改正におきましても、高齢者居住安定確保計画を作っていただいて、そこに地方住宅供給公社を位置付ければ、今回新しく法律上明確化した高齢者居宅生活支援施設と一体となった高齢者向け優良賃貸住宅を地方住宅供給公社が造れるとか、あるいは民間の住宅のバリアフリー化に対する支援を地方住宅供給公社が本来業務としてやれると、こういった規定も入れておりますので、これは是非そういった民間の力が十分でない場所についてはそういった公的なセクターについても汗をかいてもらいたいと、こう思っております。
 そういった意味でも、高齢者居住安定確保計画を都道府県が、住宅部局、福祉部局が連携して作る中で、そういった現状の把握と問題意識の醸成に努めていただければと思っております。
   〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕
#102
○大江康弘君 ありがとうございます。
 続いて、今もちょっと渕上先生の方からありましたし、前も羽田先生あるいは植松先生ですか、ありましたが、住み替えの支援モデルの件ですが、私は見方を変えて、今九十九件という数ですが、僕は、日本人、お互いの民族性というか国民性というか、大臣、これやっぱり、ヨーロッパではバケーションの間、自分の家を他人に貸すんですよね。そういうことを平気で彼らはする。だけど、我々はなかなかやっぱりそういう民族性じゃないですよね。家というのは、もうまさに一生ものだとか、あるいはもう他人に貸すなんということはとても考えられない。だから、そういう中で、これまあ物の見方ですが、九十九件というのは、足掛け三年ですが、少ないと取るのか多いと取るか。私は、日本人の意識、お互いの民族性でこれ九十九件もできたということはすごいなと、僕はそう思うんです。それじゃ自分の家をそういうことで住み替えするかといったら、僕はちょっと、はっきり言ってようしないですね。だから典型的な日本人なのかも分かりませんが。
 ですから、そういう、僕はこの住み替え支援モデル事業というのは、一つのアイデアとして、選択肢としてはいいことだし、これからやっぱり多様化していく高齢化社会の中での求められる在り方としては僕は一つのこれはツールだと思うんですけれども、余りこれをやはり重きに置いてしまったら少し焦点がぼけていくんではないかという気もするんですが、しかもこれ、僕は地域間の恐らくバランスもあると思うんです。そこらはどうですか、局長、ちょっと教えてください。
#103
○政府参考人(和泉洋人君) まず、御質問の九十九件がどこで成立したのかという数字だけ御紹介しますると、まず、そもそもこの事業、首都圏からスタートしましたんで、首都圏が七十八件でございます。うち一都三県が七十三件でございまして、その後、十九年度以降全国に対象を広げましたが、近畿圏六件、東北、中部、九州各四件、北海道二件、北陸一件でございます。
 もう一点の御質問の、こういったものだけということではなくて、やっぱり中古の売買でこういった住み替え、持家が借家に替わる、こういったいろんな意味で既存ストックの流動性を引き上げて、なるべく少ないコストでなるべく自分にふさわしい住宅に移ることができるような環境整備をすることが目的でありまして、住み替えを強制するようなことが目的ではないので、その点は私どもも、そういったいわゆるストックの持ち借あるいは住み替えも含めたニュートラルな流動性を上げていくようなインフラを造ってなるべく適切な選択をしていただく、その環境整備の一環だと思っております。
#104
○大江康弘君 そういう一つの受け止めでやっていただけたらと思います。
 それで、次にバリアフリーの話なんですが、比率を聞けば八割、二割という、賃貸の方が二割という。私は、先ほど何で隗より始めよということを申し上げたかといいますと、お年寄りで独り暮らしで賃貸住宅に住まれておられるということになれば、やっぱりいろいろ収入というものが限定をされてくる。そういう中で、やっぱり将来の不安というものはある。しかも体が自由にならないということになってきたときに、やっぱりまずずっとそこに住み続けることができるのか、あるいはそういうところに替わってもやっぱり家賃とかいろんなこともあって、だから僕はそういうことを自治体が率先してやはり一つのモデルを今回をスタートとしてつくってほしいなという実は思いもありました。しかし、一方でその八割の持家ということを考えたときに、持家の中でやっぱりどういうふうに対応しているのか。
 僕は、大臣、一月から少しこのバリアフリーで何かちょっとおかしいんじゃないかと思ったことは、実は、お年寄りで独り住まいされている、その方がもう八十過ぎて、例えばおふろを改修したいんですね。それで、おふろを改修したいんだけれども、独り暮らしだから当然自動的にお湯の止まるようなそういうおふろにすればこれ便利なんです。ところが、そういうのは対象にならぬわけですね。それはなぜかといったら、ぜいたくだということなんです。
 だから、私はやはりそうではなくて、独りだからお湯を入れているのも忘れてお湯があふれ出すことがあるんです。本来は子供もおって家族もおれば、我々も小さいときそうですが、おまえ、ちょっとおふろ、お湯が入ったか見てこいと言われて見に行って、いっぱいだったら止めて帰ってきた、まだだったらという、そういうお互いが役割分担できたけれども、独りの人はそういうことができない。しかし、そういうことのおふろを求めようとしたら、それはぜいたく品だといって対象にならない。
 国もそうですが、町単、県単いろいろあるんですけれども、やはりそういうようなことで、私は少しこのバリアフリーというのは目線を変えないと、我々が、ぜいたくだ、それはちょっとということが、むしろ独り暮らしの、あるいは体が不自由な方が望まれているそういう僕は設備ではないかなと思うんですが、それはなかなかやっぱり理解されないと。
 やっぱりこういうことが、本当にこれからバリアフリー、単に手すりを付けるだとか段差をなくすということではなくて、本当に毎日の生活を、実際の生活を見たときに、本当に我々がそれはぜいたくだで切り捨てることができるのかということを実は思うんですけれども、こういうことの視点というのは、僕はこれから高齢者の皆さんのためにやっぱり我々の視点をこれ変えなきゃいかぬというふうに思うんですが、そこらは局長どうですか。
#105
○政府参考人(和泉洋人君) 多分、今委員御指摘の点は、介護保険の給付の対象としては限度額を超えちゃうという話だと思うんですが、一方で、高齢者の方が、年金生活でございますから、そういったものを造りたいときに、借金はしてもいいんだけど毎月そんなにたくさん返せないというのがいらっしゃるわけですね、当然のことながら。そこで、先ほども御紹介しましたけど、住宅金融支援機構で、例えばバリアフリー改修するときに、そういったおふろも含めて、御存命中は金利だけ返していただければ結構です、もし亡くなったときに建物を処分して返してもらってもいいし相続人の方が返してもいいと、こういった制度を設けております。
 例えば一例を挙げますと、一千万円借りた場合に十年間で返すということを考えると、通例の返済ですと毎月九万六千円になりますけれども、今言った仕組みを使うと毎月は二万五千円で済みます。こういった制度を今現在やっておりまして、現実問題、二百件近い実績が出ております。
 加えて、こういった制度を住宅金融支援機構だけがやるんではなくて民間にもやってもらいたいというようなことを考えまして、二十一年度予算におきましては、民間がそういった広い意味でのリバースモーゲージ的な融資を行う場合に融資保険を住宅金融支援機構がやると。当然、そういった制度ですからリスクが伴いますので、国も二十一年度当初で五十億円、補正で三十億円お願いしていまして、そういったことを通じて、いわゆる公費で全部面倒を見るということになると限界がありますので、そういう自助努力が可能なような仕組みを整備する中で、今委員御指摘のような高度なおふろに関する改修などについても実現できる環境をつくってまいりたいと、こう考えております。
#106
○大江康弘君 お願いします。
 これ、実は業者も悪いんですね。実は和歌山県なんかも百万円まであったんです。ところが、その業者がもうけに走って直さなくてもいいところまで見積り出して。だから私はやっぱり、それはこの財政の厳しいときですから本当に必要最小限度、最小限度なのか最大限度なのかそれはいろいろありますけれども、だからやっぱりそこらは本当に問題のある部分だと思います。けしからぬ、これ業者、このときとばかりにという。だけれども、やっぱり本当に必要なというところはどう見極めていくのか、それにどう我々は対応してあげるのかということも、これは実態生活の中で非常に求められていることだと思うので、またひとつよろしくお願いしたいと思います。
 最後に大臣、この法案を提出されるに当たっていろんな思いもあったかと思いますが、今後の大臣の思いをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#107
○国務大臣(金子一義君) 委員のお住まいになっている和歌山県は多分私と一緒で、二世代、三世代同居が多分当たり前の社会、都会とは大分違うんだろうという前提で、何となく雰囲気をちょっと感じさせていただいたんでありますけれども。
 やっぱり施設系になりますと、どうしてもある一定の期間、出なきゃいけないと、リハビリが終わったら出なきゃいけないということで、本来一番、ふるさとと冒頭に言われた、自分の荷物に囲まれて住んでいるところというのが、もちろんそこで住み続けられるのが一番いいんだと思いますけれども、なかなかいろいろな理由でそればかり言っていられないと。家族の事情というよりも、本人の身体の事由にもよるんだと思います。そういう中で、やはり常時こういうサービスを受けられるといったような、高齢者居宅サービスを受けられる施設というものがやはりまだまだ我が国は不足しておりますし、そういうところで今度は期間関係なく住み続けられるわけでありますから、そういうことができる施設というのを造っていきたいというのが今回。
 委員は、厚労委員会かよというお話ありましたけど、ぎりぎりのところ、この施設とあるいは居宅という部分とが本当に改めて今回の法案では境目のところでありますので、この部分というのは、先ほど来意見出ておりますとおり、これがむしろスタートだという位置付けになってくるんじゃないかと思っておりまして、より良い、まだまだ実験的な部分が、これから計画を作ってもらって都道府県に考えてもらうというところでありますから、具体的にどういうふうにやっていけば一番本当の高齢化の社会のニーズにマッチしていくのかというのはこれからだと思いますけれども、方向としてはこういう方向を進めていきたいと思っております。
#108
○大江康弘君 ありがとうございます。
#109
○委員長(田村耕太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#110
○委員長(田村耕太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田中康夫君が委員を辞任され、その補欠として森田高君が選任されました。
    ─────────────
#111
○委員長(田村耕太郎君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(田村耕太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、室井邦彦君から発言を求められておりますので、これを許します。室井邦彦君。
#113
○室井邦彦君 私は、ただいま可決されました高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党、社会民主党・護憲連合及び改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、基本方針を厚生労働大臣と共同して策定することとした本法の趣旨にかんがみ、高齢者の住宅施策と福祉・介護施策等との効果的な連携を一層推進すること。また、地域における福祉・介護行政を直接担う市町村の意見が都道府県の高齢者居住安定確保計画に適切に反映されるよう、基本方針等において明確化を図るとともに、本法における市町村の位置付け・役割について今後検討を進め、所要の措置を講ずること。
 二、高齢者円滑入居賃貸住宅、高齢者専用賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅について、高齢者にとって分かりやすく、使いやすい制度への改善を図るとともに、高齢者の住まい・福祉・介護全般に係る情報提供システムや相談窓口の一層の整備に努めること。また、高齢者向け賃貸住宅や高齢者居宅生活支援施設の適切な運営が確保されるよう、行政による指導監督に万全を期すること。
 三、年金生活世帯を始め、障がい者、要介護者、生活保護受給者など住宅の確保に特に配慮を要する高齢者については、福祉施策との連携等により、高齢者向け賃貸住宅や老人ホームなど、高齢者の状況に応じた住まいのセーフティネットが確実に提供されるよう努めること。
 四、高齢者向け賃貸住宅の供給促進とともに、高齢者が必要とする福祉・介護施設の適切な供給の確保に十分留意すること。
 五、賃貸住宅の供給の促進に当たっては、高齢者及び子育て世帯が適切な家賃負担で住み続けることができるよう、既存住宅のバリアフリー・耐震改修等によるストック活用に重点を置くとともに、家賃補助制度の充実について検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#114
○委員長(田村耕太郎君) ただいま室井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#115
○委員長(田村耕太郎君) 全会一致と認めます。よって、室井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、金子国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。金子大臣。
#116
○国務大臣(金子一義君) 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただきました。また、ただいまは全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げる次第であります。
 今後、審議中に委員各位から出されました御高見、また、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存であります。
 ここに、委員長始め理事の皆様方、委員各位の皆様方の御指導、御協力に深く感謝の意を表する次第であります。
 大変ありがとうございました。
#117
○委員長(田村耕太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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