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2009/06/16 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 国土交通委員会 第17号
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2009/06/16 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 国土交通委員会 第17号

#1
第171回国会 国土交通委員会 第17号
平成二十一年六月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任   
     金子 恵美君     輿石  東君
     島尻安伊子君     佐藤 信秋君
 六月二日
    辞任         補欠選任   
     佐藤 信秋君     坂本由紀子君
 六月三日
    辞任         補欠選任   
     米長 晴信君     石井  一君
     坂本由紀子君     佐藤 信秋君
 六月四日
    辞任         補欠選任   
     石井  一君     米長 晴信君
     平山 幸司君     水戸 将史君
 六月五日
    辞任         補欠選任   
     水戸 将史君     平山 幸司君
 六月八日
    辞任         補欠選任   
     長谷川大紋君     坂本由紀子君
 六月九日
    辞任         補欠選任   
     佐藤 信秋君     佐藤 正久君
     坂本由紀子君     長谷川大紋君
 六月十日
    辞任         補欠選任   
     米長 晴信君     石井  一君
     佐藤 正久君     佐藤 信秋君
     鰐淵 洋子君     山下 栄一君
 六月十一日
    辞任         補欠選任   
     石井  一君     米長 晴信君
     山下 栄一君     鰐淵 洋子君
 六月十五日
    辞任         補欠選任   
     平山 幸司君     横峯 良郎君
 六月十六日
    辞任         補欠選任   
     横峯 良郎君     平山 幸司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村耕太郎君
    理 事
                長浜 博行君
                室井 邦彦君
                伊達 忠一君
                山本 順三君
                鰐淵 洋子君
    委 員
                植松恵美子君
                川崎  稔君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                田中 康夫君
                田名部匡省君
                羽田雄一郎君
                平山 幸司君
                広田  一君
                米長 晴信君
                岡田 直樹君
                加納 時男君
                佐藤 信秋君
                長谷川大紋君
                吉田 博美君
                脇  雅史君
                西田 実仁君
                渕上 貞雄君
                大江 康弘君
   衆議院議員
       修正案提出者   福井  照君
       修正案提出者   後藤  斎君
   国務大臣
       国土交通大臣   金子 一義君
   副大臣
       国土交通副大臣  加納 時男君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岡田 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        畠山  肇君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     渡延  忠君
       国土交通大臣官
       房長       増田 優一君
       国土交通省道路
       局長       金井 道夫君
       国土交通省鉄道
       局長       北村 隆志君
       国土交通省自動
       車交通局長    本田  勝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業
 の適正化及び活性化に関する特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(田村耕太郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、金子恵美君、島尻安伊子君及び平山幸司君が委員を辞任され、補欠として輿石東君、佐藤信秋君及び横峯良郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田村耕太郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に鰐淵洋子君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田村耕太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に厚生労働大臣官房審議官渡延忠君、国土交通大臣官房長増田優一君、国土交通省道路局長金井道夫君、国土交通省鉄道局長北村隆志君及び国土交通省自動車交通局長本田勝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(田村耕太郎君) 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。金子大臣。
#8
○国務大臣(金子一義君) ただいま議題となりました特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 タクシーは、鉄道、バス等とともに我が国の地域公共交通を形成している重要な公共交通機関であるとともに、高齢化社会の進展等の地域社会の変化に対応する役割や、各地の観光交流を支える基盤としての役割なども大いに期待される公共交通機関であります。
 しかしながら、タクシー事業をめぐっては、長期的に需要が減少傾向にある中、タクシー車両数が増加していることなどにより、地域によっては、収益基盤の悪化や運転者の労働条件の悪化等の問題が生じ、タクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮することが困難な状況となっております。
 このような状況を踏まえ、問題の発生している地域において、タクシー事業者を始めとする地域の関係者の自主的な取組を中心としてタクシー事業の適正化及び活性化を推進し、タクシーの地域公共交通としての機能を十分に発揮できるようにするため、この度この法律案を提案することとした次第であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、国土交通大臣は、供給過剰等の状況に照らして、タクシーが地域公共交通としての機能を十分に発揮できるようにするため、地域の関係者の自主的な取組を中心としてタクシー事業の適正化及び活性化を推進することが特に必要であると認める地域を特定地域として指定することができることとするとともに、特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化に関する基本方針を定めることとしております。
 第二に、特定地域において、地方運輸局長、関係地方公共団体の長、タクシー事業者及びその団体、タクシー運転者の団体、地域住民等により組織される協議会が、基本方針に基づき、特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化を推進するための地域計画を作成することができることとし、地域計画に即してタクシー事業者が実施する取組に係る計画について、国土交通大臣による認定制度を設けることとしております。
 第三に、特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化を推進するため、道路運送法の特例、タクシー事業者、国その他の関係者の責務等について定めることとしております。
 以上がこの法律案を提案をする理由であります。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議よろしくお願い申し上げます。
 以上です。
#9
○委員長(田村耕太郎君) 次に、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員後藤斎君から説明を聴取いたします。後藤斎君。
#10
○衆議院議員(後藤斎君) 衆議院の民主党の後藤斎と申します。
 ただいま議題となりました特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本修正は、タクシー事業の適正化、活性化を推進する上でなお必要な事項について定めるもので、その内容は次のとおりであります。
 第一に、本法律案の目的に、地域における交通の健全な発達に寄与することを追加するものとしております。
 第二に、都道府県知事及び市町村長は、国土交通大臣に対し、特定地域の指定を行うよう要請することができるものとしております。
 第三に、地域計画は、都市計画等との調和が保たれたものでなければならないこと等としております。
 第四に、国は、地域計画に定められた事業の推進を図るために必要な資金の確保に加え、資金の融通又はそのあっせんその他の援助に努めるものとしております。
 第五に、政府は、タクシー事業の許可、運賃及び料金、タクシーの増車等に係る事業計画の変更、事故の報告等タクシー事業に係る道路運送法に基づく制度の在り方について早急に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。
 第六に、政府は、タクシー運転者の登録等に関する制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。
 第七に、タクシー事業の運賃及び料金の認可基準に関する道路運送法第九条の三第二項第一号の規定の適用については、当分の間、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものとすることとしております。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#11
○委員長(田村耕太郎君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○長浜博行君 おはようございます。いわゆるタクシー法案の質疑に入らせていただきます。
 今日は、羽田さんと川崎さんの御配慮により私の質問時間を与えていただきまして、どうもありがとうございます。内輪の話で失礼をいたしました。
 そしてまた、民主党のというよりは、衆議院で与野党共同して法案を修正をして参議院に御送付をいただいたということで、院は独立をしておりますが、各党は政調、政策調査会部門を持っておりますので、その部門の結論に基づいて衆議院の場で各党理事あるいは政策担当者中心に何か月もの努力を重ねて成果を見ていただいたことに敬意を表するわけでございます。
 そういったことも含めまして今日は私は大まかな部分を御質疑をさせていただいた後で、細かい部分は各委員から修正点についても御質疑をさせていただければというふうに思う次第でございます。
 修正案提出者におきましては、私はまず政府側と質疑をしますので、それを聞かれた後で御意見をいただければというふうに思っている次第でございます。
 まず最初に、このタクシーの問題というのは極めて身近にあるという状況の中において、通告もしておりませんが、大臣はお立場上余りタクシーに乗られることはこのごろないのかなというふうにも思いますが、御地元もおありになりますから、タクシーの状況をどうお感じになっておられるのか、そこから入りましょうか。よろしくお願いします。
#13
○国務大臣(金子一義君) 閣僚になりましてからタクシーに乗る機会はなくなりましたが、平常は頻繁にもとより利用させていただいております。
 私は、全般として、平成十四年の規制緩和以降、利便者である我々にとってみると非常に待ち時間がないといったようなメリット、あるいは昨今でありますけれども、非常にクレジットカードあるいはICチップを使ったような利便性といったようなもの、マイカータクシー、一部かもしれませんけれども、登録しておくと、来てもらって、酔っぱらっちゃって帰るときも、ああ、この人はどこに届けるというようなサービスといったようなものも出てきているということで、それなりに消費者の利便性というのは一方で効果としてはあったんだろうと思います。
 ただ、この法案を出させていただいている趣旨として、やはり一方で需要が伸びていかない中で供給が増加、著しく増加する、つまり需要増を伴わない車両の増加というものが出てきている。結果として、運転手さんが非常に賃金が歩合制というか構造的なものもあって下がっていくというところの問題点、これはやはり改正をしようということで、この法案を出させていただいている。
 そういう意味で、印象はというお話を、御質問をいただきましたけれども、利用者にとっていい面と、しかし一方、業界が抱えている、特に運転手さんの賃金の低下という言わば労働条件の悪化ということに対しての今起こっている現象、これに対してやはりきちんと対応していく。
 それが、私は全国を経験しているわけではありませんけれども、地域によって随分行われている状況というのも違う印象を受けておりまして、そういう供給過剰地域における対応というのを今回出させていただいているということであります。
#14
○長浜博行君 大臣の趣旨説明の中においても、公共交通としての位置付け、公共交通というのが、ちょっと数えていませんでしたが、かなりの数今の趣旨説明の中にも入っていたと思います。
 平成十四年二月施行の道路運送法及びタクシー業務適正化臨時措置法の一部を改正する法律についても今述べられたところでありますが、これは平成十二年五月に可決、公布されたものでございます。
 それに先立つところ、後の委員の質問の中においてもこのタクシー問題に関する歴史的変遷が述べられる場面があるかもしれませんけれども、いわゆる平成五年から規制緩和の運動が広がって、個人的にはこのタクシーの問題というのはちょっと郵政の問題とも似ているようなところはあると思うんですが、基本的に規制緩和は善であるという状況の中で議論がスタートをして、この間に様々な委員会、あるいは今大臣がおっしゃられたような問題意識に到達する段階でといったらいいんでしょうか、特に昨年においては様々な角度から諮問が諮られて答申がなされたりという、こういうことがありました。
 例えば、昨年の七月三日に交通政策審議会陸上交通分科会自動車交通部会タクシー事業を巡る諸問題に関する検討ワーキンググループ、タクシーWGというんでしょうか、がタクシー問題についての現時点の考え方をまとめられ、その同じ七月三十一日には、これとの関係がどういう関係か分かりませんが、これまた政府の規制改革会議がタクシー事業を巡る諸問題に関する見解というのを発表をしているわけでございます。それに先立つ、昨年だから一昨年ですね、平成十九年には、東京地区、二十三区、武蔵野、三鷹だと思いますが、の運賃改定に際し、内閣府の方の今度は物価安定政策会議においてタクシー事業をめぐる諸問題について様々な指摘がなされたわけでございます。
 私がこの国土交通委員会に置いていただいた後も大分国土交通大臣が何人もお替わりになりましたので、今の大臣が諮問をされたわけではありませんけれども、国土交通大臣から今度は交通政策審議会に運賃改定を契機として提起されたタクシー事業をめぐる諸問題ということで諮問がなされて、そして、交通政策審議会タクシーワーキンググループ、これによるところの、昨年の七月、今申し上げたように規制改革会議とかいろいろありましたが、十二月に、タクシー事業をめぐる諸問題への対策について、交通政策審議会答申と言われるものが発表されて、そして今日のこの法改正の議論につながっているんだというふうに、直近を整理するとそんな感じになるのではないかなというふうに思っております。
 それで、今申し上げましたとおり、この昨年の十二月の交通政策審議会答申、これが本法案に及ぼしている影響というか、それをダイレクトに受けているのか、この答申のいわゆる重みとこの法案の関連について御説明をいただければと思います。
#15
○政府参考人(本田勝君) 交通政策審議会の答申について御説明を申し上げたいと思います。
 タクシーについては、ただいままさに先生がおっしゃいましたとおり様々な問題が発生いたしましたところから、一昨年の十二月に国土交通大臣から、タクシー事業をめぐる諸問題について御検討いただきたいということで、交通政策審議会に対して総合的な御検討をお願いを申し上げました。
 一年を経て、交通政策審議会におきましては、まずタクシーを我が国の地域公共交通を形成する重要な公共交通機関として位置付けた上で、現に発生している様々な問題、その問題を明らかにするとともにその問題の原因について検討を進め、その諸問題を解消するための今後講ずべき対策を提言として取りまとめられたものでございます。
 その対策としては大きく四つございます。一つは、利用者のニーズに合致したサービスの提供をどう図っていくか、それから、悪質事業者等への対策をどう講じていくか、また、過度な運賃競争への対策など運賃制度の適切な運用をどう図っていくか、そして、供給過剰進行地域における対策と、こういった四つの柱の対策が提言されております。
 そして、本法案は、このうち特に供給過剰進行地域における対策について新たな法的措置が必要となることから提案させていただいたところでございます。
#16
○長浜博行君 委員名簿を拝見をしておりますと、一橋の山内先生が委員長で、大変お忙しい先生だと思います。いろんな部会に関係されておられると思いますが。臨時委員、専門委員ということが委員と別に設けられておりますが、この分け方は何か特別な意味がありますか。
#17
○政府参考人(本田勝君) まず、交通政策審議会そのものは、文字どおり交通政策全般について御議論をいただくための審議会でありますので、そこに属しておられる先生方がおられますが、今回タクシーについて特にテーマを絞って議論をいただく関係から臨時に委員になっていただいた、まさにこれが臨時委員でございます。さらに、いわゆる業界、あるいは運転者の方の労働組合の方からも御参画をいただきたいということで、そういう専門的なお立場から御参画いただくために専門委員という立場でも御参画いただいた委員がございます。
 以上、委員の種類でございます。
#18
○長浜博行君 臨時委員の中に社団法人全国消費生活相談員協会理事長が入っておられますが、いわゆるこの方が入っていることによって、消費者の利便、あるいはタクシー利用者の利益をどう確保するか、こういう意見がこの審議会の中で反映をされていると理解してよろしいんですか。
#19
○政府参考人(本田勝君) そのとおりでございます。
#20
○長浜博行君 社団法人共同通信社客員論説委員の方も入られておりますが、いわゆる第三の権力という言い方をされる方もいますけれども、メディアという世論に極めて大きな影響を与える、そういったところからも入っているということで、世論の動向を敏感に察知をするという、こういう意味合いが含んでおるんでしょうか。
#21
○政府参考人(本田勝君) 今お触れになりました委員に関しましては、ちょっと私説明が不十分だったかもしれませんが、今回の審議会での審議のきっかけは、先ほど先生が御紹介いただきましたとおり、とりわけ東京での運賃改定をめぐって内閣府におきます物価安定政策会議、ここで大きな議論がございました。その流れの中で、やはりタクシーについて、運賃値上げだけではなくて、やっぱり根本問題について議論すべきだということになってこの審議会での議論が始まったわけでございます。
 そうしたいきさつにかんがみまして、内閣府の物価安定政策会議の委員の方々からも御参画をいただくということで、今お示しになりました共同通信の田中委員ほか、具体的に申しますと、委員長を務めていただきました山内先生、それから小塩先生、それから佐々木委員、それから下谷内委員、それから田中委員は、いずれも物価安定政策会議の委員をしておられるというお立場からも御参画いただいたところでございます。
#22
○長浜博行君 分かりました。
 それと、本特措法の質疑には直接関係ないかもしれませんが、同じようにタクシーに絡む特別措置法で、タクシー業務適正化特別措置法ですね、これ平成十二年の質疑で十四年成立という改正法のところでもありますけれども、本法案もそうでありますが、特別措置法によるところのタクシー問題に対する対応を図るという、こういう意図はどこにございますんでしょうか。
#23
○政府参考人(本田勝君) まず、今回提案させていただいております特別措置法、これを特別措置法という形態で提案させていただいておりますのは、簡潔に申しますと、昨今のタクシー事業をめぐる諸問題に対応するため、供給過剰の進行により問題が発生している地域、これをこの法案では特定地域と呼んでおりますが、その特定地域に限って対策を講じるための法律でありますので、基本法であります道路運送法に対しての特例的あるいは特別の事態に対処する措置、これを規定する法律ということで特別措置法として提案させていただいた次第でございます。
#24
○長浜博行君 十二年質疑の中においての題目変更ですね、臨時措置法が特別措置法に改正された理由は何でしょうか。
#25
○政府参考人(本田勝君) 今御指摘のタクシー業務適正化特別措置法は、かつてタクシー業務適正化臨時措置法という形で昭和四十五年に制定されたものでございます。
 この制定の背景といたしましては、当時タクシーが供給不足で乗車拒否の問題が大変顕著であったということから、その乗車拒否に対して、運転者の資質の向上と、それから街頭における業務の適正化を図っていく必要があると。当時の判断としては、そういった事態が収束するまでの間ということでタクシー業務適正化臨時措置法という法律でございまして、その目的規定においても、当分の間こういった対策措置を講ずるという位置付けがされておったところでございます。
 これに対して、平成十二年にこの法律を改正いたしましたが、やはりいわゆる流し営業が非常に頻繁に行われる大都市部では、運転者の労務管理がなかなか事業者によって行われにくい、そういった事業者の手の届かないところでサービスが提供されて、乗車拒否、ほかの問題がやはり恒常的に発生しているということから、この法律そのものを臨時措置法ではない恒久法として新たに改正をさせていただいた。これが法律の題名をタクシー業務適正化臨時措置法から特別措置法に変更した当時の理由でございます。
#26
○長浜博行君 まさにその御説明のとおり、このタクシー業務適正化臨時措置法のころは、昭和四十年代の経済成長に伴って、いわゆるタクシーが拾えない、タクシーに乗れない、あるいは乗車拒否、神風タクシーというんですか、タクシーサービスの質の低下が社会問題となってこの法案が出たので、まるっきりもう百八十度と言っていいぐらい社会情勢が変化をしているわけですね。
 御承知のとおり、特別措置法を作ったり、あるいは臨時措置法を作ったり、暫定措置法を作ったり、もっと言えば緊急措置法を作ったり、措置法の手法としてはいろいろあるとは思いますけれども、基本的に法律を作ったときの、臨時にしろ暫定にしろ、それを特別法という形にするよりは、原点に戻って、タクシー問題の本質は何を、これは後で問題提示をしますが、何を変えなければならないのか。逆に言えば、毎回付け焼き刃的にその時々の臨時的な法案修正によって事態を解消しようと。そうはいっても、暫定税率の議論にあるように、暫定のまま三十年、四十年という状況もありますので、一概にこの言葉のとらえ方をどうこう言うつもりはないんですけれども、今申し上げたように、このタクシーに関する問題の取扱いに関して、私どもは、本法というか基本法というか、道路運送法の改正がこの状況の中においては一番必要なのではないかという問題意識の中でこの問題を展開してきたものですから、今お尋ねをしたところでございます。
 しかし、一般的な法律の解釈として、一般法と特別法においては基本的に特別法の規定が優先をされるということが言われますので、善意で解釈をすれば、今回の衆議院での議論の中における経過を拝聴しておりますと、いわゆる政府提案の特別措置法の中での修正の在り方の中において実質的な効力を担保できるという見方もされるわけでありますが、道路運送法に手を入れなかったその理由というのは何でしょうか。
#27
○政府参考人(本田勝君) 今回、交通政策審議会の答申におきましては、供給過剰の問題は必ずしも全国で発生しておるのではなくて、やはりそれが進行し、労働条件の悪化が進行している地域が限定されると、したがってそういった特定の地域に対して対策を講ずることが必要だということから、道路運送法自体を改正して全国の対策とするのではなくて、本法案におきますように特定地域を指定して、その特定地域に対して所要の対策を講ずると、こういうことにさせていただいた結果、道路運送法については私どもとしては改正案を御用意しなかった次第でございます。
#28
○長浜博行君 多分、微妙な考え方のずれがあると思うんですが、私は、基本的にタクシーの根本的な一般乗用旅客の問題を道路運送法で定めて、そのほかの問題は、国が定めるというよりは、今回も協議会をつくって、それが国交大臣に答申をしてと、こういうスキームがありますけれども、地方分権の流れの中においては、各地域地域にその権限を移していくという方向にも注意をしなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 本会議の中で、この間の六月十二日ですか、ここにいる植松議員のすばらしい質問にお答えをする中で、鳩山総務大臣余り元気なかったなと今思えば、今思えばですよ、あれ午前中の本会議ですから、午後にああいう状態、状態というか事態になりましたので、多分、いつもの本会議のあの方の身のこなし方とちょっと違ったところがあったやに思うんですが。総務大臣としての多分最後の国会答弁になったと思うんですけれども、速記録がありますが、地域住民のニーズに応じてきめ細かく対応できるという特性がタクシーはありますので、地域の交通を維持する上では、大変重要な観点、地方分権という観点からいえば、地域の事情をよく知っていた方がいい行政ができるものは、これは地方に任せるということが重要でということで、余り中央のコントロールの中の特措法的な意味合いよりは、地方分権で権限を移していく。これまた善意に解釈すれば、今回は協議会をつくって、地域の事情を反映をして国交大臣が決めるという形ですから、その中間的な位置に来ているのかなという印象は受けましたが、地方分権の中での一つの行政といいますか、さっきも申し上げました公共交通という公共が入る状況からすれば、地方分権の中においてもタクシー問題というのは考えていくべき点が多いなというふうに感じたわけでございます。
 修正案提出者、お待たせをいたしました。今のような議論を受けて、衆議院の方では何しろ五月の十二日でしたかね、私も御一緒しましたが、社民党さん、共産党さん、国民新党さん、皆さん、国対委員長が出て事務総長に法案を提出をした。この野党四党の考え方をおまとめになるのも大変な御苦労があったと思いますけれども、その後の与党との協議に入る前の段階での閣法修正に至る経緯について、何か御意見があればお聞かせください。
#29
○衆議院議員(後藤斎君) 御指名ありがとうございます。
 今、長浜議員からるるタクシー業界の現下の情勢、さらには、さかのぼって平成十四年からの道路運送法の規制緩和以降の諸問題についてお話がるるございました。
 私たちは、民主党という党としても、昨年のちょうど今ぐらいですから一年以上にわたって、多分交通政策審議会ほどではありませんが、熱心に議論を積み重ねてきて、この一月に民主党としてのタクシー改革ビジョンというものを取りまとめさせていただきました。
 ある意味では、ビジョンこれからどうあるべきだという現状の評価とこれからの在り方というベースで、私たちは、最終的には修正案という形で与野党合意という形になりましたが、当初は、御案内のとおり、道路運送法を改正をすることが必要だと。先ほど長浜議員の御指摘もありますように、やはり抜本的な基本法に戻った形での修正が必要だという論点と、さらには、そうはいっても政府提出の特措法もなかなか捨てたものじゃないよと、地域を特定という部分も含めてですね。
 ただ、ここもいろんな手を加えていかなければ本質的な改正にならないという視点で、道路運送法の改正につきましては、許可基準の見直し、運賃、料金の基準の見直し、事故報告の対象等、六項目について修正を与党の皆さん方にお願いをし、さらには、タクシー適正化・活性化法案、閣法につきましては、先ほどこれも長浜議員からも御指摘がありましたように、特に地方分権、地方主権という在り方では、やはりこれからのタクシー事業は、今の需要が非常に低迷しているものは、多分運賃や、私自身の個人的な見解も含めれば、需給調整だけではなく、やはり行政や地域がまとまった形でタクシー事業をこれからどうしていくのかという視点が必要だというふうに考えております。
 さらには、その部分でいえば、これは与野党合意になりましたが、特措法の指定地域の要請制度というものを都道府県知事や市町村長から、自らの発意で国土交通大臣に特定地域の要請ができるという仕組みになりました。
 トータルとしたら何点をいただけるか分かりませんが、少なくとも野党四党の皆さん、そして与党の自民党、公明党の皆さんも含めて、今回の修正案をまとめたことは大変私自身も個人的には意義深いことだと思いますし、ただ一つ付言して申し上げれば、最後まで、お隣に自民党の修正を一か月以上やった福井議員も来られておりますが、道路運送法の本体、需給調整が特定地域でできるにしても、やはり運賃の基本の考え方を見直さなきゃいけないと、ここで最後まで福井議員となかなか実は折り合いが付きませんでした。付いたのがちょうど一週間前の日曜日だったというふうに記憶をしておりますが。
 いずれにしても、その中で、これはある意味ではなかなか法体系としたらベストかどうかというのは御議論があるかもしれませんが、以前、平成十年に、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律及び海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の一部を改正する法律というところで、いわゆる原始附則に本則の読替規定を追加するということが、十数年前、私たちの先輩たちがこの規定を作りました。
 これを何とか、法制局の皆さん方にもお知恵をお借りしながら、それでは本体の方、道路運送法がすべて対応ができない部分がありましたけれども、少なくとも根幹である運賃についての基準をこの読替規定を踏まえながら改正をしようということで福井議員と原則的な合意をし、その後、野党四党、そして与党の皆さん方と合意をして今日に至って、今日趣旨説明をしたという次第でございます。
#30
○長浜博行君 御説明にありましたように、野党案をまとめられた後藤理事と、それからお隣にいらっしゃいます自民党の福井理事、精力的な協議の段階でまとめられたことに本当に敬意を表したいと思います。
 ここのところ十四回再可決があるようですね、参議院で否決をして衆議院で再可決をする。百七十一、この国会でも既に五本されているようでありますが、そういう手法によらず、行政の問題を政治がしっかりと議論をして結論を出していったという意味においては大変意義のあったことで、こうやって落ち着いて参議院で質疑ができますことも大変重要な要素ではなかったかなというふうに思っているわけでございます。
 参議院の法制局の、何というんでしょうね、ホームページを時々見るわけでありますが、これは消費税見直しの議論のときですから、「立法と調査」、一九九六年十一月というところで、「見落とせない附則」という法制執務コラム集というのを拝見をしました。「附則には、経過措置など当事者にとって重大な影響を及ぼす事項が規定されていたり、暫定措置など本則だけを見ていたのでは分からないような事項が規定されていたりします。複雑な規定も多く、また、付随的事項ということで見過ごしてしまいそうですが、いずれも、本則の円滑な運用のためには不可欠な規定であり、見落としてはならない法律の重要な構成部分と言えましょう。」と、こういうコラムを見付けたわけでございます。
 そういう意味においては、この法案の様々な部分において、この参議院においても十分質疑をさせていただければと思っております。
 どうもありがとうございました。
    ─────────────
#31
○委員長(田村耕太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、横峯良郎君が委員を辞任され、その補欠として平山幸司君が選任されました。
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#32
○羽田雄一郎君 今日はよろしくお願いいたします。民主党の羽田雄一郎でございます。長浜筆頭理事に引き続き質問をさせていただきますが、衆議院からわざわざ来ていただきましたけれども、質問がなくて申し訳ございません。
 現在のタクシー状況を見るときに、そして私も利用者の一人として運転手さんといろいろなお話をする中でも、大変厳しい労働条件の中で働かれているなということを日々感じさせていただいているところでございます。また、規制緩和というものが進み過ぎたことによってタクシーの台数が増加したり、また需要と供給のバランスが崩れてきているのかなというふうに思います。都市には空車が目立つようになって、客の取り合いによって道路上の安心や安全というものが脅かされ、大変大きな事故にもつながってきているのかなと。最近、事故があって、見ると、タクシーが絡んでいる事故というのが目に付くようになったなというふうに思っているところです。
 私も家族もよくタクシーを利用いたします。宿舎の近くの新宿通り、ここは四車線でありますけれども、お客さんが手を挙げると、一番右の車線から歩道に近い左の車線まで横切っていくというようなあり得ないようなタクシーが何度か私は見ておりまして、そういう意味では、そんなにしょっちゅう新宿通りにいるわけではないのにもかかわらずたまに見るという意味では、大変そういう乱暴な運転などもまた客の取り合いが大変な状況になっているなというふうに感じているところでございます。私が見たときなどは、ちょうど私も運転していましたけれども、目の前を横切っていきまして、ウインカーも一切出さずに進んでいったということでございます。
 また、だれもが分かるような場所ですね、ホテルとか、こういうような場所というのも知らずに、乗車してからカーナビを見てセットしてカーナビの指示によって進んでいくと。カーナビというのは一番近い道を行くわけじゃなくて結構大回り、大きな道路を通っていくということでは大回りをして料金が上がっていくという経験も実はしておりまして、そういう意味では、これはいつからカーナビというのがすべてのタクシーに付くようになったのかなという、タクシーの一つの不思議でもあるなというふうに思っているところでございます。
 先ほど言いましたように、乱暴な運転をする運転手さんが増えたりして、子供が六歳と四歳でありますけれども、子供たちが怖がって母親がもうすぐ止めてくださいと言って、乗ったんですがすぐに降りる、降りざるを得ないような乱暴な運転手さんも増えておりまして、一回あったならいいんですけれども、何回かそういう経験を私の家族はしておりますので、そういう意味ではそういう運転手さんが増えてきてしまっているのかなと。いつからこんな状態になってしまったのか。地域の公共交通として今回特に位置付けていくということであれば、何よりも利用者の安心、安全、これをしっかり担保していく必要があるというふうに考えているところでございます。
 そういうことを申し上げながら質問に入らせていただきたいわけでありますけれども、我が国は少子高齢社会となり、地方においては過疎化が進むと同時に長期的な需要の減少に伴って、鉄道、バス、タクシーを始めとする公共交通機関が衰退し、その機能は低下の一途をたどっていると。今後、高齢のため運転免許を返上、また単身、独り暮らしなどでマイカーにも乗れず、さらに介護を受けなければならないお年寄りが増大していく中で、こうしたお年寄りを始めとし障害者や乳幼児など日常生活で移動の制限を大きく受ける方々の移動の権利、いわゆる交通権を認めるべきであると民主党では以前から主張してまいりました。
 ヨーロッパでは、だれもがひとしく移動する権利というものを有するというこの交通権という考え方、既にこれは確立されているわけですけれども、我が国においてもそうした権利を認め、国民に交通権を保障するための施策を充実していくことが今後の我が国の交通体系の在り方を考えていく上で重要になってくると思われます。
 そこで、金子国土交通大臣に、我が国の移動制約者の状況と、我が国において交通権を確立していくことの重要性について御認識を伺います。
#33
○国務大臣(金子一義君) 今、移動制約者、これは総務省と厚生労働省のデータによりますと、身体障害者の方が三百四十八万、六十五歳以上高齢者二千七百四十六万、要介護・要支援四百五十万と、これが増加する傾向にあると思います。
 一方で、交通権という、私も、こういう状況で高齢化が進んでまいる社会でありますから、あるいは子育ての世代に対するのも含めて、移動の権利というのは大変大事な概念であると思ってはおります。
 ただ、具体的に法定化するということになった場合の国の関与権限を強化、交通権ですから、今度、国の権限の強化、それから負担をだれに義務付けるのか、義務付けの問題、これ、まだまだ議論をしていく必要があると思っております。基本的には、現在公的主体によりまして、基本的な交通インフラというものは国が整備、国というのは公的主体、で整備をしていくという考え方、そして、地域の利用者ニーズを踏まえて民間企業が創意工夫を発揮していくというふうな枠組みでそういうサービスが提供されていくというのが望ましいんだろうなと思っております。
 ただ、今国土交通省、地域公共交通活性化再生法ですとか、あるいはバリアフリー、高齢者、障害者等の移動の円滑化等、これ法律ありますので、こういう法律に基づいて最大限、こういう、権利は別としまして、移動困難者に対応するという施策は講じてまいっておりますし、さらに必要に応じてもっと進めていけるようにしていきたいと思っております。
#34
○羽田雄一郎君 今言われたように、移動制約者、障害を持つ人、介護が必要とする人を足していくと八百万人ぐらいになるのかなというふうに思っておりますけれども、ここには育児をされている方は入っていないわけでありまして、そういう意味ではもっともっと移動を制約される方というのは多いのかなというふうに思っておりますので、そういう意味では、この方たちが移動する権利というか、こういうものを拡大していく必要、また検討していく必要というのはあるのかなというふうに思うところです。
 この度の法案では、法律の目的において、タクシーの地域の公共交通機関として位置付けるということとなっておりますけれども、地域公共交通はまさに交通権の確立を実効ならしめるための土台であると思います。まずは、地域公共交通におけるタクシーの役割について伺いたいと思います。
 また、そのためにも地域公共交通の活性化が喫緊の課題となってくるわけでありますが、平成十九年より施行されております地域公共交通の活性化及び再生に関する法律を活用し、鉄道、コミュニティーバス、乗り合いタクシー、まあこれはバスですけれども、旅客船等の多様な事業に創意工夫を持って取り組む市町村が組織する協議会に対する支援制度として、地域公共交通活性化・再生総合事業がありますが、いわゆるバスの部類に入る乗り合いタクシーを除く純粋なタクシーに対して、同事業で支援している事例は全国でどれぐらいあるのか、お答えください。
#35
○政府参考人(本田勝君) 二点、御質問がございました。
 まず第一は、地域公共交通としてのタクシーの役割ということでございます。タクシーにつきましては、今回の交通政策審議会答申でも明記されておりますとおり、鉄道やバス等とともに我が国の地域公共交通を形成する重要な公共交通機関であると認識しております。
 特に、タクシーの特性について申しますと、地域社会に密着したドア・ツー・ドアの少人数個別輸送ができるということ、そして、面的に移動できるために機動性あるいは移動の自由度が高い、さらには、深夜など時間を選ばず、いつでも、まただれもが利用できるといった特性がございます。
 その意味では、お一人お一人の利用者の方のニーズにきめ細かくかつ柔軟に対応することができるという意味で、地域住民の方々の生活利便の向上、あるいは、それを通じた地域社会の活力の維持にも資する公共交通機関であると考えておりますし、今後我が国の地域社会における高齢化、あるいは今後進めていくべき観光立国といった施策の中においても重要な役割を期待したいと考えております。
 次に、御指摘をいただきました地域公共交通活性化・再生総合事業として、それでは一般のタクシーが取り上げられているかと申しますと、実は全国で今のところまだ一件しか実例はございません。具体的には、長野県千曲市の地域公共交通活性化・再生総合事業計画において位置付けられましたものでありまして、具体的には、千曲市における観光振興といった視点から、タクシーの運転者の方の観光案内等の能力を育成充実し、かつ周遊・滞在型観光のモデルコースの作成、広報をするという取組に対して支援を行わせていただいているところでございます。
#36
○羽田雄一郎君 今言われたように、地域公共交通機関と位置付ける、また、一人一人のニーズに合わせた形での運用ができるという意味では更に重要さを増してくるというお話もございました。
 そういう中で、タクシーに対する地域公共交通活性化・再生総合事業による支援の事例は、我が地元でございます長野県の千曲市、地域公共交通連携計画におけるタクシー事業者による観光振興の支援の一件のみと伺いましたが、タクシー利用を地域公共交通の中に位置付けていくといってもこれは余りにも少ないのではないかなと、こういうふうに思われます。
 先日も、植松議員が質問した中でも、うどんですかね、うどんタクシーと、これも観光振興だと思いますので、こういうのも入ってくるのかなと思うんですが、それが出てきていないという意味では、まだまだタクシーが地域公共交通の一つなんだという認識が全国に広がっていない、また、なかなかそういうものが発信されないということにつながっているのかなというふうに思っております。
 地域公共交通連携計画は市町村が組織する協議会から提案されるものですが、ほかの公共交通機関と同等の連携事業が展開されるよう、地域公共交通としてのタクシーの事業を認知させていかなければ、地域公共交通としての役割を位置付けしても法律だけが独り歩きしてしまうようなことはないかと危惧をしているところです。
 タクシーがより地域公共交通連携計画に取り入れやすくするためには、国土交通省としてどのようにしていくべきと考えているか、お答えください。
#37
○政府参考人(本田勝君) お答え申し上げます。
 まさに御指摘のとおり、今までのところは、タクシーはせっかくの地域公共交通活性化・再生総合事業という枠組みの中では活用されておりません。枠組みを活用し切れていないと考えております。
 ただ、本法案におきましても、タクシーを地域公共交通として重要な役割を担っていること、このことが明確化されたことにかんがみますと、やはりせっかくの地域公共交通活性化・再生総合事業の枠組みをもっともっと活用していけるようにすることが望ましいと私どもも考えております。
 先生がお話しになりましたとおり、この事業の対象とするためには、地元におきます法定協議会で作成していただく総合事業計画の中で位置付けられる必要があるわけですが、その総合事業計画を作成する協議会は、市町村を中心に公共交通事業者あるいは住民の方々を始め地域の非常に幅広い関係者がお集まりになるわけで、まさにそういった地域の皆さんの中でタクシーがやはり地域公共交通として重要な役割なんだという認識の下で議論がされていく、そういった環境をつくっていくことが大事だというふうに思っております。
 今回私ども提案させていただいております法案においては、特定地域におけるタクシー事業の適正化、活性化を推進するという見地から、やはりこれも地域の皆さんにも御参画いただいてその必要性を訴えていくわけでありまして、そういった取組をきっかけとして、特定地域の指定を受ける地域であるかどうかを問わずに、やはりタクシーが地域公共交通活性化法の法定協議会においてもきちんと議題として取り上げられるように我々としても促してまいりたいと、かように考えております。
#38
○羽田雄一郎君 是非お願いしたいものだなというふうに思っています。
 地域公共交通活性化・再生総合事業によるタクシー事業者への支援は、今回の法案での特定地域における事業者の減車インセンティブとして活用していくという話も衆議院の議論の中で出ているようであります。タクシーに関してこの地域公共交通活性化・再生総合事業が十分に機能していない現状を踏まえた場合、今後、減車インセンティブとしてこれを活用していくに当たっての実効性の確保についてお伺いをさせていただきます。
#39
○政府参考人(本田勝君) 本法案の関連でお答え申し上げますと、供給過剰が進行している地域におきましては、単に新たな車両の増加を抑制するのみならず、既に供給過剰状態にある車両をいかに少なく、つまり減車を促進していくかということだと思います。
 そのことの関係で、減車を促進していただく枠組みとして、事業者の方が複数、いわゆる特定事業計画ということで、その地域のタクシーを良くしていくための取組をしていただく、それと併せて減車といったような措置を講じていただく、これを私ども国土交通省として認定をさせていただき、協調減車に伴う公正取引委員会との間の調整をさせていただくと、こういうスキームを提案させていただいておるわけですが、その際のその地域のタクシーを良くしていくための事業者の皆さんの取組、これは既存の制度である地域公共交通活性化・再生総合事業と全く同じ趣旨だと思いますので、先ほど申し上げましたような地域公共交通活性化・再生総合事業を策定していく協議会においても、この取組が地域にとって重要だ、あるいはタクシーはやっぱり公共交通機関として重要だと認識を持っていただくことによって活性化・再生総合事業としていただくように我々としても取り組んでまいりたいと思います。
#40
○羽田雄一郎君 是非お願いをしたいと思います。
 さて、地域公共交通としてのタクシーの役割ですけれども、近年、特に福祉分野における役割が高まりつつあるということです。さて、福祉タクシーについては、平成十八年十二月の移動等円滑化の促進に関する基本方針において、平成二十二年度末までに約一万八千台の福祉輸送タクシーを導入するとしております。平成十九年度末には福祉タクシーは一万二千二百七十二台となっておりますけれども、今後の見通しと実現可能性について伺います。
#41
○政府参考人(本田勝君) やはり要介護者の方あるいは身体障害者の方、単独では公共交通機関を利用することが困難な移動制約者の方にドア・ツー・ドアの移動を提供するという意味で、福祉タクシーの普及促進は大きな課題だと思っております。
 その意味で、我々は、こういった福祉輸送に限定されたタクシー事業について、道路運送法に基づく許認可の弾力的な運用あるいは日本政策金融公庫による融資制度、こういったものを活用してまいりましたし、こういった問題に先進的な取組をされる地域を福祉輸送普及促進モデル地域として認定をし、共同配車センターあるいは福祉車両の導入といったことについての支援を行ってまいりました。
 ただ、現実は残念ながら、先生御指摘のとおり、私どもは平成二十二年までに一万八千台という目標を掲げておりますが、現時点では一万二千台ということで、まずその目標の達成というのは大変厳しい状況ではありますけれども、やはり福祉タクシーの普及促進の重要性にかんがみ、それに対しての支援は今後も粘り強く続けさせていただきたいと考えております。
#42
○羽田雄一郎君 ところで、現在審査中の特定地域タクシー特措法ですが、本法案においては、タクシーの供給過剰地域を特定地域に指定して減車等の供給輸送力の減少を図ることが主眼となっておりますが、福祉タクシーの台数の増減については本法案においてどのような扱いになっていくのかお聞かせいただきたいと思います。特に、タクシーが供給過剰な地域を特定地域と指定した場合の運用方針について、衆議院における局長の御答弁では、原則として新規参入、増車は認めないということでしたけれども、特定地域における福祉タクシーの増車についての認可の運用方針はどのようなものとするのか。また、本法案の成立によって移動等円滑化の促進に関する基本方針における福祉タクシーの普及台数にも影響が出てくるのかどうか伺いたいと思います。
#43
○政府参考人(本田勝君) 本法案におきます特定地域は、タクシーの供給過剰が進行し、それに伴ってそこで働いておられます運転者の方々の労働条件が悪化していく、したがってこれ以上の供給の増加を抑制する、こういう見地から、今後の運用に当たっては、新規参入あるいは増車というものについて、原則、厳しく抑制させていただくということを申し上げたと思います。
 ただ、福祉タクシーという問題について限定してまいりますと、まさに平成二十二年までに本来一万八千台の導入を目指しておるところ、まだ一万二千にしか達していないということからいいますと、全国的に申し上げますと、やはり全体に供給輸送力が不足している分野だというふうに考えます。
 福祉タクシーはあくまでも福祉輸送に限定されたタクシーでございますので、一般論として申しますと、福祉タクシーが増えたからといってほかの供給過剰となっている一般のタクシーに影響を及ぼし、かつ、それによって一般タクシーの運転者の方々の労働条件の更なる悪化を招くことはないんではないかと考えます。そういう状況であれば、福祉タクシーについて、それを今供給を抑制する理由はないというふうに考えております。
#44
○羽田雄一郎君 そういう中で、特定地域において作成される地域計画において福祉タクシーの普及目標については掲載されていくべきと考えますが、地域協議会の参加者として国土交通省からそのように提案していくべきというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#45
○政府参考人(本田勝君) 特定地域それぞれに様々な事情があろうかと思いますので一概には申しにくいのですが、やっぱりそれぞれの地域の状況そしてその協議会の判断において、地域計画の中で福祉タクシーの普及について触れることは当然だというふうに考えております。
 具体的に申しますと、地域計画の内容については、交通政策審議会答申にありますとおり、まず第一に、その地域社会におけるタクシーの位置付けの明確化を図ることにしております。具体的に申しますと、その地域の町づくり、都市政策、そういったその都市の将来ビジョン、これと一体となったタクシーの機能の向上について御議論いただくわけですが、そういった観点からは、福祉政策に関連して福祉タクシーをどうしていくのかという点は当然議論になってこようかと思います。
 さらに、その地域におけるタクシーの諸問題への総合的な対応として、例えばタクシーサービスの活性化についても定めていただくことになりますけれども、その中には福祉タクシーのことも当然含めることができると考えております。
#46
○羽田雄一郎君 私は保育士でありまして、子育てタクシーというものに注目をしているわけでありますけれども、タクシーの福祉分野における役割を高めるものとして最近特に注目されているのが、ベビーシートとかチャイルドシートなどを積んだ育児支援用の子育てタクシーだというふうに思っております。
 現在、子育てタクシーの普及状況はどのようになっているのでしょうか。また、子育てタクシーは移動等円滑化の促進に関する基本方針において定められている福祉タクシーにカウントされているのでしょうか、伺います。
#47
○政府参考人(本田勝君) 御説明申し上げます。
 私どもが把握しております子育てタクシーの状況、これは必ずしも全部を網羅しているかどうか少々自信がございません。具体的には、任意団体であります全国子育てタクシー協会に加盟しておられる事業者の方は、全国で十八都道府県で五十五事業者にとどまっているというのがまず現在の状況でございます。
 次に、この子育てタクシーというものが今お触れになりました移動円滑化のための基本方針の中で言う福祉タクシーに該当するかという点でありますけれども、これは、まず移動円滑化のための基本方針は、高齢者あるいは障害者の方といった日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける方、つまり移動制約者という位置付けがされております。福祉タクシーというのは、まさにこういった移動制約者の方々の輸送を目的とする、この見地から移動等円滑化の促進に関する基本方針の対象とされておるわけでありますが、いわゆる子育てタクシーは、保護者自らが送迎できないような状況で、児童の方々を保護者に代わって送迎するというサービスでありまして、今のところ移動制約者の輸送というものではないものですから、今先生が御指摘になりました福祉タクシーの中には概念的には入っておりません。
#48
○羽田雄一郎君 今言われたように、子育ての中で送り迎えができない方の代わりに送り迎えをされるというようなことでは、子供だけで乗る場合もあるわけでありますよね。そういうことを考えたときに、ベビーシートやチャイルドシートを積んだようなタクシーへの乗客層が限定されるため、子育てタクシーの普及状況はそれほど多くないというふうに思いますけれども。
 マイカーを保有していない家庭が、乳児や幼児を抱えての移動というものは大変なことであります。特に、通勤時間帯などは大都市も地方都市もそれなりに混雑をいたしますので、ベビーカーを使っての公共交通機関の移動というものは周囲の乗客に迷惑を与えがちになってしまい、困難を極めます。また、最近は子供が犯罪に巻き込まれることが多く、安心して外へ一人で出してやることも難しくなっているということ。そういう意味でも、こうした乳幼児を抱えた方々や子供そのものの移動の権利を保障するとともに、子育て世代が暮らしやすい環境を構築し、少子化対策の推進のために、子育てタクシーについても、お年寄りや障害者等のための福祉タクシー同様に今後の普及拡大が必要と考えますが、いかがでしょうか。
   〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕
 また、道交法施行令で義務化されていないとはいえ、交通の安全等を考えた場合、タクシー事業者が率先してチャイルドシートを購入する場合に、子育て支援策の一環として支援体制を整える必要があるというふうに思いますが、いかがでしょうか。運転手さんがいて、子供が後ろで大人もいないで乗る場合もあると思うんですよね。そういう意味ではそういうものが必要というふうに考えますが、いかがでしょうか。
#49
○政府参考人(本田勝君) 子育てタクシー、やはり学校への登下校あるいは塾の送迎といった子育て世代にとって大変有意義な輸送サービスですし、これからそのニーズというのは潜在的には非常に拡大してくるというふうに考えております。
 今御指摘の、例えばチャイルドシートに対しての国庫補助といったことについては、今、正直、制度もございませんし、直ちに検討申し上げますとも言いにくいんですけれど、やはりまずは子育てタクシーというサービスが広く地域社会で認知されるように、我々としても利用者あるいは一般の方々へ周知を行っていきたいと考えております。特に、事業者団体を通じて、やっぱり地域における公共交通機関としてのタクシー事業者の一つの在り方として積極的な取組を促すといったことについては、これを進めてまいりたいと考えております。
#50
○羽田雄一郎君 次に入らせていただきたいと思いますけれども。
 私がちょうど国土交通委員長でありました平成十八年に、自家用有償旅客自動車運送の導入を図るための道路運送法の一部改正というものがございました。自家用有償旅客自動車運送とは、市町村やNPO等が自家用車を使って有償で旅客を運送するもので、申すまでもありませんけれども、鉄道、バス、タクシーなどの地域の公共交通機関が成り立ちにくいようなところに普及しつつあると聞いております。特に、福祉有償運送は、八百万人に及ぶとされる移動制約者の需要に福祉タクシーだけで対応し切れない部分を補うものとして創設されたわけですが、福祉有償運送、市町村有償運送、過疎地域の有償運送について、それぞれ普及状況はどのようになっているか、伺います。
#51
○政府参考人(本田勝君) 先生御指摘のとおり、本来ですと、自動車を使用して有償で、つまり対価をいただいて他人を運送するといういわゆる営業でありますけれども、これは輸送の安全あるいは旅客の利便、こういったものをきっちり確保する見地から、原則として道路運送法に基づきますバス、タクシー事業の許可が必要だと考えておりますが、現実にはこうした事業用のバス、タクシーだけでは十分な輸送サービスが提供されない、しかしやはりちゃんとした交通は確保しなければならないという現実のはざまの中で、そういった公共交通を維持する見地から、市町村バスあるいはNPO法人等によるボランティアの有償運送を認めるということで、平成十八年に自家用有償旅客運送について登録制度を導入するとともに、一定の安全対策、その他の対策を講じていただくという制度が整ったところでございます。
   〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕
 内容は、先生お話しになりましたとおり三つございまして、市町村が運営するもの、これも中が二つございますが、いわゆる交通が空白地帯、さらには市町村が運送する福祉、つまり身体障害者の方々を中心とした福祉輸送、そういった市町村運営の運送形態が一つございます。それから、福祉有償運送と言っておりますが、こちらの方はNPO法人等が身体障害者の方々をある意味での会員として一定の対価をいただきながら輸送する。それから、三つ目の形態が過疎地有償運送と言っておりますが、これもNPO法人等が過疎地域で同様に運送すると、三つございます。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、それぞれについての普及状況を申し上げたいと思いますが、現時点で、平成二十一年三月末の数字をまず申し上げますと、市町村運営有償運送が全国で五百六十八団体、車両数で申しますと二千五百三十五両ございます。次に、過疎地有償運送が五十七団体、四百三十八両ございます。そして、福祉有償運送が二千三百二十七団体、一万四千三十五両となっております。
 これをこの制度が実施されました平成十八年十月のときと比べますと、市町村運営有償運送は、団体数としては市町村の合併等の影響もあって二百七十八、団体数は減っておりますけれども、車両数については百五両の増加を見ております。同様に、同様にというか、過疎地有償運送については、団体数も十七団体増えて、車両数も八十三両増えております。最後に、福祉有償運送は、百九十一団体増え、千三百六十四両増えておるということで、いずれも増加傾向にございます。
#52
○羽田雄一郎君 今言うように、福祉有償運送、これは大変増えているということであります。自家用有償旅客自動車運送が導入される際に最も大きな問題となったのがタクシーとの競合関係であります。
 今回の法案がタクシーの規制緩和の見直しと位置付けられ、その供給過剰対策として提出されていることからも分かるとおり、地方のタクシー業界は需要が減った上に規制緩和を実施されて、完全に疲弊していると言わざるを得ません。自家用有償旅客自動車運送を導入する道路運送法等の一部を改正する法律案を審査する際も、地方のタクシー業界は大変なことになるというふうに幾つも陳情を受けてまいりました。
 実際に、低料金で乗れる市町村のコミュニティーバスや、NPOらが自家用車を使い、タクシーの半額程度で高齢者や障害者を送迎する自家用有償旅客自動車運送事業が増加し、さらに、不況で繁華街に活気がなく、タクシーは年々減少する利用者を奪い合うこととなり、運転手の収入が減少し、下手をすれば最低賃金割れなどという事態になってしまうと指摘をされております。
 自家用有償旅客自動車運送事業とタクシー事業の競合関係について、その現状について御説明いただくとともに、基本的認識について金子国土交通大臣にお考えをいただきたいというふうに思います。
#53
○国務大臣(金子一義君) 実数は今局長からお話しさせていただきました。道路運送法、平成十八年の改正によりまして自家用有償旅客運送、これについては例外的な許可制から登録制に改めたところであります。こういう自家用有償旅客運送、タクシーなどの公共交通機関によって十分な運送サービスが提供されない場合に、補完するという意味で設けられたものでありまして、当該地域における市町村あるいは一般旅客自動車運送事業者、住民又は旅客等の関係者で組織する運営協議会あるいは地域公共交通会議において、その必要性等について協議し、合意するということになっており、そういう運営で、ここで合意するということで運営されてきているわけでありますが、ただ、今御指摘のとおり、タクシーが供給過剰になる中で、一方で必要な協議あるいは合意というものが十分に行われていないのではないかという御指摘もあります。こういう指摘を受けて、この法案で施行されます特別地域について必要な合意が得られるような助言、指導というものを適切に行えるようにしていきたいと思っております。
 ただ、その場合でもやっぱり、先ほど来御指摘いただきましたような移動制約者へのサービスといったようなもの、あるいは地域によりましては、やはり都市部と違いましてこういうタクシー、十分なサービスが得られないというようなもう抱えている地域がありますので、あくまでも消費者利便を損なわないような中でこれが適切に実施されて、そうはいっても、運転手さんの労働条件の悪化というものを引き起こしてしまうような状況は避けるというのが今度の目的でありますから、両方の目的をよく照らしながら適切に指導、助言というものを行っていきたいと思っております。
#54
○羽田雄一郎君 是非、空白地域、公共交通がなく移動の空白地域というものは、これは大切に考えていかなければならない。そういう補完するNPOの皆さんには敬意を表するわけでありますけれども、特に女性のドライバーの皆さんに言われたのが、なかなか私たちは夜間の仕事できないという中で、昼間の短い時間の中でタクシーの運転手をしているという中で、この部分をちょうど二分の一ぐらいの料金でNPO法人等にやられてしまうというか担われてしまうと、私たちはもう仕事ができないというようなお話が特に女性のドライバーの皆さんから私は聞かせていただいて、ああ、そうだなというふうに感じたものですから、是非御配慮をいただきたいなというふうに思っているところでございます。
 特に、価格競争面については自家用有償旅客自動車運送の対価は、自動車交通局の通達で、先ほど私が言ったようにタクシーの二分の一を目安とするとされており、福祉タクシーが価格面において競争することはほとんど不可能であります。元々ボランティアとして活動していたものを、白タク行為としないために自家用有償旅客自動車運送の制度が創設されたわけでありますけれども、無償や実費の範囲で料金の支払がなされるならばともかく、タクシーの半額程度というあいまいな運賃を導入しているために、ある程度参入メリットが存在し、事業化が可能であることから競争が激化していると言われております。
 そもそも、自家用有償旅客自動車運送の対価をタクシーの二分の一を目安とした根拠をお示しください。また、自家用有償旅客自動車運送事業の対価を安めに設定するというよりも、要介護の高齢者や障害者に対してタクシーの利用料金を補助しつつ福祉タクシーの普及拡大を図っていく方が本質的ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#55
○政府参考人(本田勝君) 御指摘の自家用有償旅客運送の対価の基準につきましては、道路運送法の七十九条の八という規定で、実費の範囲内であることその他の国土交通省令で定める基準に従ってとございまして、これを受けて同法施行規則五十一条の十五で、幾つかの基準がございますが、重立ったところでは、実費の範囲内であると認められること、あるいは営利を目的としているとは認められない妥当な範囲内と、こういう基準がございます。これを受けて我々、運用としてタクシーの上限運賃のおおむね二分の一ということを一つの目安として掲げさせていただいております。これが妥当かどうかは引き続き検証しながら対応してまいりたいと思っております。
 それから、今御指摘の福祉タクシーの利用者に対する助成といった点については、福祉タクシーについては、多くの自治体で福祉タクシー券を交付するといったような形で助成措置が講じられておると認識しておりますし、こうした地域の住民の方々の利用に対する助成については、基本としては地方公共団体の福祉政策の一環として実施されるべき性質のものではないかと思います。
 ただ、国としては福祉タクシーの普及の環境を整備するという見地から、先ほども触れさせていただきましたが、福祉輸送普及促進モデル事業その他の支援措置、これを講じさせていただいておる、そういった状況でございます。
#56
○羽田雄一郎君 あと幾つか質問を考えていたわけですけれども、自家用有償旅客自動車運送事業についてはこのぐらいにさせていただいて、次に行かせていただきたいと思います。
 特に、地方においては鉄道、バス、タクシー等の民間企業による経営は既に成り立たないものとなっております。こうした中で、更に経営の弱体な自家用有償旅客自動車運送事業に頼るしかないというのは、それだけで危機的な状態だと思います。やはり、先ほども申しましたように、きちんと安全性を有する事業者に運んでもらう、そしてそのような移動手段の確保というものは、交通権を保障していくに当たっても非常に大きな要素となると私は考えております。したがって、優良な事業者によって地域公共交通を維持させていく必要があると思われます。
 そこで、様々に地域で話し合っていく必要があると思いますが、この話合いですけれども、地域公共交通を話し合う機関として、今回の法案によるタクシーの地域計画を作成するための協議会のほかに、地域公共交通活性化法の協議会もございますし、自家用有償旅客自動車運送においても、福祉・過疎有償運送のための運営協議会、市町村運営有償運送は地域公共交通会議と二種類の協議機関が存在していると。もう幾つもの協議会が存在することになります。
 それぞれに目的自体は異なるというふうに思いますけれども、事実上はどれも地域公共交通について話合いをするわけであり、こうした協議機関が十分に連携できるかどうか、また連携させていくためには国土交通省として具体的にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#57
○政府参考人(本田勝君) 御指摘のとおり、幾つかの会議体、協議体があるのは事実でございます。
 簡単に御紹介いたしますと、コミュニティーバスあるいは乗り合いタクシーを導入するに当たっての、こういった特例的な交通機関をその地域に導入するというために関係者の調整を行うということで、市町村あるいは都道府県が主宰する形でこれは地域公共交通会議というのがございます。
 それから、先ほど自家用有償運送でもお触れになりましたけれども、これまたそれを導入するに当たって他方でタクシーの事業者の方々との合意を形成するという意味で運営協議会というのがございます。これは両方とも市町村あるいは都道府県が主宰しておられます。
 それから、バス、タクシーに限らず、鉄道、旅客船を含めたその地域のあらゆる交通モードについて計画を作成するという意味で地域公共交通活性化法の協議会というのもございます。
 そこに今回、我々の法案に基づきます、タクシーの供給過剰対策をきっかけとしてその地域のタクシーを良くしていく、そのための協議会というものができております。
 これはそれぞれの法制度に基づいて目的が違うものですから、確かに別々にはなっております。特に、今回の法案はタクシーだけという限定版ですので、やはりこれはつくらざるを得ないと思いますが、ただ、確かに地域の関係の方々から見ると、同じ地域公共交通にこれだけ幾つもの会議体があるというのはやはり大変不自然な状態だとは思います。したがって、それぞれの協議体がやはり効果的な連携を図る必要があると思います。かなりの部分は参加しておられる方々もダブっておられるケースがあります。
 したがって、私ども、運用としては、各協議会の構成員が重複される場合あるいはその中の一部である場合については、一度の協議の場でそれぞれの、複数の協議会の結論が得られるように運営するとかいった形で、運営上の工夫は是非検討させていただきたいと思います。
#58
○羽田雄一郎君 是非、運営上のものは考えていただきたいなというふうに思います。ほとんど多分ダブっているんだなというふうに思いますので、是非そういうことを検討していただいて、効率的に地域の公共交通というものを皆さんで考えていただけるような形にしていただければ有り難いなというふうに思います。
 最後になりますけれども、近年、地域公共交通におけるタクシーの役割というものがますます重要となる中で、今回の特定地域タクシー特措法の制定により、タクシーが地域公共交通として位置付けられるわけであります。
 地域公共交通は、衰退しつつある中においても安全面等で必要な水準を維持しなければなりません。そうした意味において、地域公共交通であるバスや鉄道について地方公共団体に対して財政支援措置が行われるなど、タクシーに対するよりも支援が充実しております。同じような目線に立って、タクシーもまた地域公共交通として法律で位置付けられる以上、同様の条件での事業者補助が可能であるならばそうした施策を検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、特に福祉タクシーについては、福祉政策推進や交通権の確保の観点から特に手厚くしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、福祉タクシー及び子育てタクシーの普及促進について大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#59
○国務大臣(金子一義君) 御指摘の点は大事なところだと思っております。
 特に福祉タクシー、先ほど来議論がございましたが、十八年度から福祉輸送普及促進モデル事業によりまして、共同配車センターの設立あるいは福祉車両の導入等への補助など行うという支援策を講じております。
 さらに、今法案で、地域計画の中でいろいろな事業計画をお作りになってこられるんだと思います。そういう中で、これが特定事業計画としてでき上がってくるものであるならば、これは福祉タクシー及び子育てタクシーにつきましても支援するという資金的な支援というものは法律の中に入れさせていただいておりますので、適正なものであれば支援していきたいと思っております。
#60
○羽田雄一郎君 ありがとうございました。
#61
○川崎稔君 ありがとうございます。
 民主党・新緑風会・国民新・日本の川崎です。
 本日は七十分の持ち時間をいただいておりますので、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案、この質問に入ります前に、最近の国土交通省をめぐる報道に関して二点ほど伺いたいというふうに思っております。
 まず一点目でございますが、凍結されております十八の直轄国道についてということでお伺いしたいと思います。
 ちょうど大臣、先週でございますか、十二日の記者会見で、四月から凍結されておられます直轄国道、これは今週の十八日から事業再開の手続を始めるということを明らかにされておられますけれども、この点に関してちょっと大臣の考えをお聞かせください。
#62
○国務大臣(金子一義君) 各整備局ごとに十八日から暫時、その地域その地域、整備局ごとに事業評価委員会を開くということが、準備ができたようであります。ここの、事業評価監視委員会と言っておりますけれども、ここで保留になりました道路、事業について幅広い観点から御意見をいただくと。そして、各事業の取扱いについての方向性をこの委員会で議論をしていただく。その後、必要に応じまして首長さん、あるいは首長さんの中には知事さんも入りますけれども、知事さん、地方自治体の皆さんの意見もいただいて、そして最終的には国土交通省、私が決めさせていただきたい。
 当然、その上で財務省とは実施計画というんですか、これに持っていく必要もあるんだと思っておりまして、準備のできた、対応がそれぞれ、詳細はまだ私、聞かされておりませんけれども、対応、準備のできた整備局から監視委員会を開いていくというふうに聞いております。
#63
○川崎稔君 ありがとうございます。
 その事業評価監視委員会ですか、こちらの方の開催の準備ができているということで手続が始められるということなんですが、実際にこの委員会で議論をされる前提として、例えば具体的にどの事業をどういうふうにして解除するといった、例えば事務方の方で内容の原案といったものはもう既にできているんでしょうか。
#64
○政府参考人(金井道夫君) お答えいたします。
 事務方といたしましては、十八事業それぞれについて整備局の方で、例えばコスト縮減ならコスト縮減、これは例えばインターの構造の見直し、よくやることでございます、そういったこと、それから新技術の導入、そういったものでどれほどコスト縮減ができてBバイCがどれほど変わるか、そういったことに加えまして、地域から新しい便益の御提案もいただいております。例えば、命の道を評価しろとか、いろいろなこともいただいております。そんなことも含めまして、いろいろなケースについてBバイCを算出させていただいて、そういったものをいわゆる並べた中身を作るというのが整備局で現在やっている作業でございまして、いわゆるそういったいろいろな考え方でBバイCがどう変わっていくのかというところまでを今整備局の方で準備をさせていただいている、そのような状況でございます。
#65
○川崎稔君 ありがとうございます。
 そういうことでいえば、いわゆる選択肢をお示しになっているということですね。これはそうすると、ちょっと立ち入った聞き方なんですが、複数示されて、そのどれを選ぶかということになるわけですか。
#66
○政府参考人(金井道夫君) 先生御指摘のとおり、例えばコスト縮減をしたらどうなるか、新しい便益のいろいろ評価を入れたらどうなるか、そういう選択肢をいろいろ用意をさせていただいて事業評価監視委員会の先生方に御議論いただくと、そういうことだと考えております。
#67
○川崎稔君 ありがとうございます。
 この問題ですね、私、実は、三月末に凍結ということを決定されたときに、率直な印象として非常に唐突感、ちょっと受けたんですね。通常であれば費用対効果が低いものについては凍結するよというふうな方針、基本方針というものがあって、それを表明された後で選定作業に入って、それで実際に凍結というふうな対応を考えますというプロセスになるのかなというふうなイメージがあるんですが、ちょっと済みません、個人的には、三月末にいきなりこうぽんと出てきたなというふうな印象があったんですが、この点についてはどう認識されておられますか。
#68
○政府参考人(金井道夫君) 若干スケジュールを御説明する必要があるかなと思っておりますが、ちょうど一年前の国会でいろいろ御指摘をいただきまして、去年の十一月までに新しい交通需要、要するに人口がいろいろ減っていく、そんな中で交通需要がどのくらい減るのか、それから事業評価手法の見直し、これはいろいろ単価の見直しをさせていただきました。それを昨年の十一月までに終わらさせていただいたところでございます。
 その後、新しい交通需要に基づくOD表と言っておりますが、どの地域からどの地域へ行く車がどのくらいあるか、そんなもののいわゆるマトリックスを作らせていただいたのが一月でございます。それに基づきまして路線別の交通量を配分作業をさせていただきまして、それに基づいて新しい交通需要と新しい評価に基づくBバイCの試算値、いわゆる点検結果を三月に公表させていただきました。
 先ほども大臣からありましたとおり、その結果、もしBバイCが一より低くていろいろコストの見直し、例えば事業の諸元の見直しをする必要がある場合もありますので、一より低い事業十八か所につきまして、取りあえず事業に手戻りが生じることがないように二十一年度の予算執行を見合わさせていただいたというのがこれまでの経緯でございます。
 先ほど申し上げましたとおり、その後整備局で作業をいたしまして、いろいろ考え方の選択肢の数字がいろいろ出てまいりましたので、そのようなものを今後お示しをして事業評価監視委員会で先生方に御議論いただく、このような段取りかなと考えております。
#69
○川崎稔君 確かに、新しい需要予測に基づいて費用対効果を算出をし直すという議論が以前ずっと国会で行われてきたわけですが、それで今年度手戻りを防ぐために止めるといったことは、少なくとも国土交通省さんの方の判断としてされたわけですよね。
#70
○政府参考人(金井道夫君) 手戻りが生じて支出関係にいろいろ御批判をいただくことがないように、それは私どもの方で判断をさせていただいて、予算執行を当面の間見合わさせていただいたということでございます。
#71
○川崎稔君 今のお話ですと、省独自の判断として執行を見合わせたということなんですが、なぜこういったことをお聞きするかというと、わずか三か月でもう対応の、再開できるという見通し、選択肢が示されてきたということなんですが、実際に、例えばいろんな選択肢を考える、設計変更等も含めて考えた場合、通常ですと三か月で簡単に選択肢って出てくるものなのかなという率直な印象があったものですから、実際に三か月で対応策が出てくるということであれば、こういった対応というのはもう通常の事業執行の中でふだんから弾力的に常に行われているべきものではないかなというふうに思ったわけなんですね。要するに、日常の業務執行でいつでもあるべきものじゃないかと。ところが今回、取り立てて四月の最初に事業を止めますと、そして三か月たって、この時期に再開の見通しがちょっと出てきましたというのは、ちょっと、あらかじめそういうふうなスケジューリングの下で行われているんではないかと思ってしまうような印象を持つんですが、その点いかがでしょうか。
#72
○政府参考人(金井道夫君) まず、選択肢につきましては幅広い選択肢を用意させていただければなと思っておりまして、当然事業を継続しないということも含めていろいろな、それからコスト縮減をやる場合、それから新しい便益を加味する場合、それから例えば残事業BバイCを評価する場合というような、いろいろな幅広い選択肢をまず用意をさせていただいて専門家に御議論いただくものかなというふうに考えております。
 それから、スケジュールにつきましては、大変地域の方々には御迷惑をお掛けを申し上げましたが、当然、通常であれば再評価と同時にやる。いろいろな対策も含めた再評価のいろいろな選択肢を一番最初の段階で、三月の末の段階で提示できればよかったわけでありますけれども、さっき申し上げましたとおり、三月の段階では交通量、それから新しい事業評価の手法を反映させた試算値を作るということで手いっぱいでございまして、そのいろいろな選択肢を作るところまで手が回らなかったということで、今回、新たに選択肢を作って、また専門家の意見を聴く機会を設けさせていただいたと、このような経緯でございます。
#73
○川崎稔君 ありがとうございます。
 少なくとも、その対応として、そういったことをふだんから行われるということであれば大変結構なことだと思うんですが、例えば、今回一回限りこういったことをされたということになると、何で、なぜということになるわけなんですが、こういった取組というのは常にこれからも行っていく、こういう方針でやっていくんだという理解でよろしいでしょうか。
#74
○政府参考人(金井道夫君) 今回、作業がいろいろ間に合わなかったこともあって、このようなかなり異例なスケジュールでやらせていただいたということも事実でございます。
 今後は、事業評価監視委員会の先生方に常日ごろいろいろ提案をいただいております、こういったところを見直すべきであると。そういったものをできるだけ幅広に受け止めさせていただいて、できるだけ事前にいろいろ再評価の手段も講じる必要があると思っておりますが、いずれにせよ、事業評価監視委員会の先生方の御意見を賜りながら、継続的に事業の見直しをしていく必要があると、このように考えております。
#75
○川崎稔君 今の御答弁だと、継続的にこういったことは行うんだということで理解をさせていただきます。
 ちなみに、この事業評価監視委員会での検討というのは大体どれぐらい時間が掛かると見ておられるんですか、今回。
#76
○政府参考人(金井道夫君) いろいろ事業評価委員会で、御意見の中身次第であると考えておりまして、例えば、コスト縮減で事業を継続すべきというような方向性を認めていただく場合もあると思いますし、いろいろ中身について御議論いただく場合もあると思いますし、さっき大臣も申し上げましたとおり、知事さん方の御意見を承る必要もあると思っておりますので、一回で終わらないケースもあるし、いろいろなケースがあるかなというふうに考えております。
#77
○川崎稔君 そうすると、例えば、今回の委員会で、再開まで至らないような事業といったものも当然出てくるということを前提にお考えだと理解してよろしいでしょうか。
#78
○政府参考人(金井道夫君) ここで結論を当然持っているわけではございませんけれども、さっき申し上げましたとおり、いろいろな御議論があって一回で終わらない、何回か御議論をいただくというようなケースも当然あり得るべきかなというふうに考えております。
#79
○川崎稔君 ありがとうございました。
 十八直轄事業の国道の凍結の問題についてはこの辺りにとどめたいと思いますが、いずれにいたしましても、その費用対効果、以前からかなりいろいろ議論があるわけですが、多角的、総合的な見地から御検討をいただくということも理解はいたしますが、一方で、費用対効果もきちんと見ていただくと、そういうことでよろしくお願いしたいと思います。
 二点目に移りたいと思いますが、ちょっと資料の配付をよろしくお願いいたします。
   〔資料配付〕
#80
○川崎稔君 二点目につきましては、新聞の記事、今お配りをしております。国土交通省の方で六月の二日、今月の二日に省内で初級マネジメント研修というものが行われております。資料の方は、これ、上の方が六月の八日夕刊の東京新聞です。下の方は六月九日の産経新聞の記事であります。ちょっと、東京新聞の記事を少し読み上げさせていただきます。
 「国土交通省が若手職員のコミュニケーション能力を高めようと、吉本興業の芸人を講師に招き「漫才研修」をしたところ、省内外から「税金の無駄遣い」「意味があるのか」と批判が相次いだ。」とあります。さらに、続けますと、その同じ段の最後の辺りからですが、「国交省によると、今月二日、入省四年目の職員約百人を対象にした「初級マネジメント研修」に吉本の構成作家四人と漫才コンビ三組に来てもらった。最初は「お手本」としてプロの模範を鑑賞。その後、二人一組となって、用意された台本の空白を埋める形でボケとツッコミ役をこなす体験をした。講師料は数十万円だった。 研修の模様がテレビ番組で放映されると、批判の電話が国交省に相次いでかかったという。」と記事にはございます。
 この研修につきましては、国土交通省の人事担当者の方にもお聞きしましたけれども、賛否両論といいますか、いろんな声があったようでございます。私自身も、例えば人材育成とか能力開発という点からしますと、研修というのは大変重要なものだろうというふうに認識しておりますし、人事担当者の方もそういう面で大変御苦労されているんだろうなというふうに思っております。また、今の世の中、笑いということが大変重要だということも、これはもう十分理解できるところでありまして、昨今の漫才ブーム、見ても分かるように、ある意味では我が国の文化といったものかとも思いますが。
 そういった今回の研修、吉本興業という会社でも、こうしたお笑いというのが少しでも企業研修に役立てればということで、積極的に企業に出張研修を行っているということをお聞きしております。そういった取組が各界で積極的に行われているということ自体は大変有意義なことだろうなというふうに思っているわけですが、そういった中で、今回こういった批判というのも報道として流れているわけでございます。
 こういった状況の中で、大臣はどういうふうな御感想をお持ちなのか、お聞かせいただければと思っております。
#81
○国務大臣(金子一義君) 川崎委員自身、それなりの評価をされているような今御発言にちょっと聞こえましたけれども、私自身は、役人が自分たちの役所の世界だけに閉じこもってもらっていちゃ困るので、まさにしゃばの風というのを知ってもらいたい。そういう意味で、今回いろんな方を呼んできてコミュニケーション能力を向上させる、あるいは異業種、全く違うところから講師を呼んできて話を聞くといういろいろな研修というのは、これは必要だと思っております。
 そういう意味で、今回この研修の成果というのがどういうふうに出るのかは、これだけですぐ出てくるとは思いませんけれども、研修の一環としてこれが行われた、賛否両論があるというのは報道でお伺いいたしましたけれども、決して悪いことではないと思っております。
#82
○川崎稔君 こういった形での異業種の交流、決して悪いことではないんじゃないかという大臣の御感想だったわけですが、ちょっとここで官房長に事実関係だけ確認をさせてください。
 今回の研修、内容、目的などについてちょっと具体的に御説明をいただければと思っております。どのような成果が期待できるのかという観点も含めてお教えいただければと思います。
#83
○政府参考人(増田優一君) 御指摘のありました初級マネジメント研修でございますが、この対象は入省四年目のT種の職員ということでございまして、入省四年目で大体それぞれの部署で一番最初の役付き、係長に昇任するという時期の職員でございまして、そういった職員に対しまして、コンプライアンスの問題でありますとかあるいは組織マネジメントの問題、さらには、当然、部下もできる、あるいは対外的に一定の役割を発信していただくということで、コミュニケーション能力を育てるというような見地から研修を行うというものでございます。
#84
○川崎稔君 費用は数十万円というふうな報道がなされているんですが、具体的な金額、それと、これは一般会計、特別会計、どちらからの支出でしょうか。
#85
○政府参考人(増田優一君) この費用は、大体、T種職員、これは事務官、技官を合わせまして約百名を対象にした研修でございまして、研修に要した費用は、これは二泊三日の研修全体の費用ということで約百万円、一人当たりに直しますと約一万円掛かったということでございます。
 それから、この研修費用の出どころでございますが、これはすべて一般会計の予算から支出をさせていただいたというものでございます。
#86
○川崎稔君 ありがとうございます。
 全体で約百万円、この二時間の研修メニューのためには幾らかというのは分かりますか。
#87
○政府参考人(増田優一君) この二時間、これは研修カリキュラムの中のいわゆる課題研究として二時間取ったものでございますが、これにつきましては吉本興業に先ほどお話がありましたようなお願いをいたしまして、この分につきましては吉本興業に八十万円の費用ということで契約をさせていただきました。
#88
○川崎稔君 全体で百万円とお聞きして、これは二泊三日全体の研修として約百万円、そのうちこの二時間のために八十万円、全体の八割をこの二時間が占めているという理解でよろしいんでしょうか。
#89
○政府参考人(増田優一君) 今お話をさせていただいたとおり、全体約百万円掛かっておりますが、そのうちの八十万円がこの吉本興業の二時間に使わせていただいたということでございます。
#90
○川崎稔君 済みません、私、実は研修の講師料というのは通常どれぐらいなのかなということで、そういった仕事をされている方に聞いたりもしたんですけれども、一日で数十万円というのが一般的ではないかというふうにちょっとお聞きしたんですね。一日で数十万円。
 今のお話ですと、二時間で八十万円というお話でございますので、もう相当、何というか、世間相場からすればちょっと割高かなと言わざるを得ないわけなんですが、この点、感覚としてはいかがですか。
#91
○政府参考人(増田優一君) 私ども、通常、座学といいますか、大学の先生ですとか有識者に講義をしていただく際には、これ大変この研修の意義を理解していただいて安くやっていただいて、本当に一こま二万、三万の講師料で喜んで来ていただいて、御協力いただいているんですが、ただ、吉本興業さん、これ一つの事業として民間でも盛んに今されているものでございまして、大体の、これまでも民間が契約したものがございますので、そういった相場観、あわせまして、役所がこれを値切るというわけにもいきませんので、大体相場観としてそういった契約をさせていただいたということで御理解いただきたいと思います。
#92
○川崎稔君 ちなみに、ちょっとこの問題長くなって恐縮なんですが、新聞記事で、テレビで報道で流れたというところがあるんですね。実際に、これは確認なんですが、国土交通省の方であらかじめこういう研修をやるということでマスコミの取材を受けたというか、PRを事前にされたという理解でよろしいんですか。
#93
○政府参考人(増田優一君) 実は、特段漫才の部分だけを取り立ててPRするということではなくて、元々私ども、通常の業務風景、若い職員がそれなりに意識を持って仕事をしているという、そういったなかなかふだん伝わりにくい国家公務員の仕事のありのままの姿を取材していただけないかという中で、特定の職員にターゲットを当てて、その職員が通常の業務実態あるいは研修でこんな研修したというシリーズで取材をしていただいたという中で、その部分だけがかなり報道されたということで御理解いただきたいと思います。決してそこだけを広報したいということではなくて、今申し上げましたように、ふだんの国家公務員の勤務実態をお伝えしたかったという趣旨でございます。
#94
○川崎稔君 ありがとうございます。
 先ほど、高名な例えば大学の先生とかいろんな方に講義していただくケースもあるということなんですが、私もちょっと聞いたのは、講義という場合といわゆる研修と、当然何というか支払う例えば料金というのも全然違うと。例えば講義ですと、やっぱり有名な先生にお支払いする場合に相当相場というのはいろいろ幅があるということをお聞きしたんですね。それに対して通常の研修というのは、それはおのずと研修専門のいろんなコンサルティング会社もありますし、ある程度の相場観というのはあるんではないかなというふうに理解をしておるんですが。
 今回この問題を取り上げさせていただいたのは、積極的にマスコミの皆様にそういうふうな研修の風景を取材をしていただいたわけですね。それに対して、その後で今度は新聞等にいろんな批判記事とか出たという流れの中で、やはり、何というか、国土交通省の例えば皆様の感覚というか、積極的にPRしたら何で批判を受けるんだというふうな違和感というのをもしかしたらお持ちなんじゃないかと思うんですが、これは逆に言うと、吉本興業のこの研修というのは民間でなさっていらっしゃる。今回も有名商社なんかの実施例を御覧になって参考にされたとお聞きしているんですが、民間企業でもこうした研修やっているからというお話ですが、民間企業でも例えば業績がいいときと悪いときと当然その対応というのは異なってくると思うんですね。業績がいいときであればともかく、業績が厳しくなってきたときに同じような、例えばこういった研修をどんどんされるのかどうかというふうな感覚というのが是非必要ではないかなということで、そういう大変財政状況が厳しい中での節約意識も頭の片隅に是非置いていただきたいなということで、ちょっとあえて取り上げさせていただきました。
 大変申し訳ございません。特措法の方にまいりたいと思います。ありがとうございました。タクシーの特措法に関して、本論に入りたいと思います。済みません、前置きが長くなってしまいまして。
 タクシー事業の現状ということについて、これまでも衆議院等の審議の中でさんざん出てきたと思うんですが、例えば供給過剰という問題がございます。労働条件の悪化という問題がございます。あるいは事故の増加という問題がございます。いろいろと地域によってもかなりばらつきもあると思いますが、こういったタクシー事業の置かれている現状について、大臣の方に改めて確認をさせていただきたいと思います。
#95
○国務大臣(金子一義君) 土光臨調以来、規制緩和、ずっと議論がされてまいりました。そういう中で、平成十二年に規制緩和、この一番の大きな点は、従来、ある意味需給調整ということで、増車する場合にすべて、旧運輸省でありますけれども、大臣の許可という厳しい規制を全部掛けていたわけでありますけれども、やはりもっと民間の自主性を尊重すべきではないのかということで規制緩和、届出制という方向に大きくかじを切ったところであります。
 その効果というのはそれなりに、長浜委員が先ほど御指摘ありましたけれども、なかなかタクシーつかまえたくてもつかまえられないというような状況だったんでありますけれども、サービスが、待ち時間が少なくなる、あるいはいろいろなタクシー会社の工夫も利用者に提供するといったようないい面も出てきたのも事実だと思います。
 ただ一方で、需要の方がどうだったのかということになりますと、国全体として需要が落ちてくる、そういう中で、その需要減に対応して今度は事業者の方が、じゃ増車で対応しようということも行われてきた。そういう言わば供給の著しく過剰な地域というものが出てきていると。その結果として運転手さんの労働条件が悪化する、これはやはり運賃の歩合制という構造的な部分もありますけれども、悪化するという現象も出てきた。あるいは、御指摘いただきましたような事故も増加するという現象も出てきたと。いいことばかりではなくて、やはり社会構造的な問題も出てきていると。そういう認識の下に、従来の完全に需給調整をしていた時代にそのまま戻るのではなくて、こういう規制緩和によるいい面というのも生かしながら、一方で供給過剰地域について、やはりその結果起こっている様々な問題に対応していきたいと、これが本法案を出させていただく現状認識であります。
#96
○川崎稔君 ありがとうございます。
 おっしゃるように、本当に待ち時間が少なくなったといったプラス面、一方で、供給過剰の結果としての労働条件悪化あるいは事故の増加といったマイナス面ありますが、やはりある面でそういったマイナス面が強く出てきたというのは市場の失敗だったんではないかなと。要するに、市場の需給調整に任せてきたのがうまくいかなかったということでいえば市場の失敗に当たるわけなんですが、タクシー市場といいますか、この業界における自由競争というか市場原理主義みたいな形での対応というのはやはりうまくいかないという認識でいらっしゃるということでよろしいでしょうか。
#97
○政府参考人(本田勝君) 市場の失敗という経済学のお言葉が出ましたが、ちょっと経過を申し上げますと、平成十八年七月に、当時の交通政策審議会タクシーサービスの将来ビジョン小委員会の中で市場の失敗ということに触れております。
 改めて申しますまでもなく、市場の失敗という定義につきましては、情報の非対称性、取引の片方だけが情報を持っていて他方が持っていない、こういったことに起因して、自由な私的活動に任せたのでは望ましい資源配分が実現しないことという定義の下にタクシーについて幾つかの点を言っておりますが、情報の非対称性、それから利用者による選択可能性の低さ、サービスの提供が一度のみの取引であることが多い、あるいは運転者の賃金体系は歩合給が主流となっているといったタクシーの特性を背景に、経済学でいうところのいわゆる市場の失敗がやはりタクシーにおいては生じ、その結果として問題のある事業者がなかなか市場から退出せずに温存されてしまうという状況が生じているという分析がまずなされております。
 さらに、今回の対策の基となりました昨年末の交通政策審議会の答申におきましても、タクシーをめぐる様々な問題の原因として、構造的な問題として、利用者の選択可能性が低い、さらには歩合制主体の賃金体系といった要因が挙げられております。これを市場の失敗と呼ぶかどうかはともかくとして、今先生御指摘のように、タクシー事業においては完全に市場にゆだねていたのでは改善を図ることが難しい、そういった構造的な要因が存在すると、これは私どもも認識しております。
#98
○川崎稔君 ありがとうございます。
 おっしゃるように、本当にタクシー市場というのは市場としては特殊、構造的な要因、問題というのがありまして、やはりおっしゃったようにサービスが一回切り、逆に言うと、サービス自体が標準化されないわけですね。その都度その都度、提供されるサービスというのは形が違うということ、あるいはユーザーにとってみれば、お客さんにとってみれば、乗って降りるまで自分が支払う料金が幾らか分からない、あらかじめ料金を選択するということができないわけですね。
 さらには、情報の不完全性といいますか知り得る情報というのが限られてしまう、そういった問題もございますし、あと、供給サイドから見れば、待ち時間というのが増えるわけですけれども、お客さんからすれば待ち時間が減るわけですね。待ち時間が減るということは、これは外部経済、外部不経済に反対の外部経済ということでありますし、参入が非常に容易だと、初期投資コストが低いということ、あるいは運転手の皆さんも通常の技術であればできるということで、非常に参入が容易だという市場特性があるということで、非常に今おっしゃったような構造的な要因によってなかなか市場というのがうまくやっぱり働かない市場なんだということだと思います。
 そういう意味では、先ほど大臣がおっしゃったように、ある程度これまでの流れを踏まえつつもちゃんと修正を図っていかなければいけないというのが大きな流れだと思いますが。そこで、今回の法案の中で特定地域という問題について指定するという項目があるわけなんですが、従来の特別監視地域あるいは特定特別監視地域、特特ですね、こういったものによる対応と今回の特措法との関係といいますか、これについてはどうなるんでしょうか。
#99
○政府参考人(本田勝君) 今お触れになりました現在私どもが行っております特別監視地域制度、さらには特定特別監視地域制度について、少し御説明をさせていただきたいと存じます。
 今回の問題の発端となっておりますとおり、地域によっては需要が減っているにもかかわらず供給が増えてしまう、そのことによってそこで働くドライバーの方々の労働条件が年々悪化する、そういったことに対応するために、現在の道路運送法を当然前提にして、行政運用としてできる限り供給を抑制し、かつタクシーを良くしていく、そういった試みを行政運用としてやらせていただいておりますのが特別監視地域、さらには特定特別監視地域といった制度でございます。
 しかし、これはあくまでも行政運用でございますので、例えば新規参入に関しましては、従来は十両の車両で参入ができた、ところが、供給過剰が著しいために、例えば四十両の新規参入しか認めないと私どもが申し上げたところで、その四十両以上の新規参入に対してそれを拒否する理由は道路運送法には今ございません。また、増車という既存事業者の方が車を増やされることにつきましても、私ども増車に当たって、事前に例えば監査をさせていただく。やはり事業運営上問題があれば、今回の増車は控えてくださいというような言わば勧告を行いますけれども、現在の道路運送法は、法律的には届出さえすれば増車ができるということですので強制力がないといった制度的な問題がございます。
 したがって、これらの問題についてはやはり現在の道路運送法では対応できないということで、新たな立法措置として今回の法案をお願いし、その中での特定地域につきましては法律に基づいて新規参入や増車について抑制できる、そういった法的根拠を置いていただきたいと、これが二つの制度の関係でございます。
#100
○川崎稔君 それぞれの仕組みというか制度については理解しているんですが、私が伺いたかったのは、今回この法律によって特別地域という指定が行われるようになったら、その従来の特別監視地域あるいは特定特別監視地域については扱いを変えていくのか、それとも従来どおり行政運用という形で今おっしゃったようにこれは引き続きやるんだということなのか、その整理についてはいかがでしょうか。
#101
○政府参考人(本田勝君) まず、供給過剰が進行して相当の問題が発生している地域、これはやはり今回の法案に基づく特定地域としてきっちり位置付けさせていただいて、法的な措置を講ずる必要があると思いますが、交通政策審議会答申でも指摘されておりますとおり、こういった地域指定については、特に供給過剰に陥りやすい特性を有している都市部の地域等を優先することも検討する必要があると、こういう指摘を受けております。そういたしますと、今回この法案の特定地域の指定から外れたところがすべて大丈夫かというと、必ずしも実態としてはそうではない懸念も実は残されます。
 したがって、この点については、実は衆議院の附帯決議におきましても、特定地域に至らない地域であっても、本法案に基づく特定地域に準じた措置として従来の特定特別監視地域みたいな制度を使ってはどうかといったような御指摘もございますので、法案が施行されて法的な特定地域が指定された場合でも、その周りでやはり未然に様々な問題の対策を打つ必要がある地域については、行政運用を継続するといった選択肢もあろうかと思っております。
#102
○川崎稔君 ありがとうございます。
 実際に、今おっしゃったような行政運用というのはある種補完的に、この法案を補完する意味で活用されるというのは私も同感でありまして、衆議院での附帯決議にもありましたけれども、そういった対応で、是非、その供給過剰対策といいますか、力を入れていただきたいというふうに思います。
 この場合、その特定地域ですね、実際、今の現段階において、指定というのは一定期間指定するということになっているわけですが、その一定期間というのはおおよそどれぐらいをめどとしてお持ちなのか、お聞かせください。
#103
○政府参考人(本田勝君) 指定期間につきましては、交通政策審議会の答申で、いたずらに長期化することは好ましくないと、他方で目的の達成のために必要と考えられる期間は確保する必要があるということで、私ども、大体の目安としてはおよそ三年程度はやはり必要ではないか、余り理屈になりませんが、一年では短過ぎるし五年というのは少し長いなという感じを持っております。
#104
○川崎稔君 そういう意味では、今おっしゃったようなお話でいえば、その三年というのが一つの物差しとしてあって、それより長いケースはケース・バイ・ケースであると、大体そんなイメージでよろしいんでしょうか。
#105
○政府参考人(本田勝君) そのとおりです。
#106
○川崎稔君 それと、今回、修正案では地方自治体からの指定を要請を受けるということも想定されているんですが、具体的にこういった要請を受けた場合の手続というか、手順については何かイメージはお持ちですか。
#107
○政府参考人(本田勝君) 今直ちに、今回修正をしていただきました、その特定地域の指定についての都道府県知事あるいは市町村長の方の要請の具体的な手続ということを今決めた、あるいは検討し終わったというわけではありませんが、やはり修正をしていただいた趣旨は、その地域の実情に精通した知事さんあるいは村長さんが地域の交通行政、町づくり、あるいは環境、あるいは労働行政、そういったものを総合的に推進するお立場から要請されるわけでありますし、衆議院での修正もそれを期待してのことだと思いますので、こういった御趣旨が反映できるような、少なくともそういう御趣旨を没却することのないような手続にしたいと考えております。
#108
○川崎稔君 その点は是非よろしくお願いしたいというふうに思っております。
 続きまして、事業再構築、減車についてお伺いをしたいんですが、先ほど羽田委員の方から減車についての実効性確保の質問ございましたので、私の方からは、実際に今回の措置によってどの程度の減車が可能だというふうに見込んでおられるのか、何らかのイメージというのはお持ちなのかなということをちょっとお伺いしたいと思います。
 ちなみに、最近の事例としてちょっと私が報道で拝見したのは、全国のタクシー事業者で構成されるタクシー問題懇談会、こちらの方で試験的に都内で一日だけ二〇%減車ということをなさるという、これ十月か十一月辺りにそういうことを試行的に行われるという報道があったわけですが、定量的なものはともかくとして、どういった減車についてイメージをお持ちなのか、国交省の見方というか、お聞かせいただければと思います。
#109
○政府参考人(本田勝君) いわゆる供給過剰問題をある意味で解消して、具体的にドライバーの方の労働条件をこれ以上悪化させない、できれば改善をするということになってまいりますと、そのときの経済情勢あるいはその地域によって随分数値としては変わってくると思いますが、私ども、できましたら協議会の場で、地方運輸局長を通じ、その地域はこのぐらいの台数が本来ならば利用者にとっても、あるいは事業を営む人にとっても、あるいは運転者にとっても適当だといったような数字は示させていただきたいと思います。その意味で、望ましい何といいますか、車両規模みたいなものは明らかにしたいと思いますが、最終的にそれに従ってどの程度の減車が実際事業者の方々から出てくるかというのはちょっと想像することは難しいです。
 ただ、参考になるかどうかあれですが、先ほど御説明しました昨年七月十一日から実施しております特定特別監視地域の行政運用の措置によって、昨年七月以降、今年の三月までの期間、九か月弱の期間でありますが、これで全国でどのぐらい車が減ったかといいますと、まず単純に減った車は三千六百十九両です。その間に、新しい特定特別監視地域の基準でもお認めできる新規参入、増車は合わせて六百十一両にとどまっておりますので、差引き、この制度の導入後は三千八両の車が減ったと。ただ、正確に申しますと、七月十一日をまたぐ形で、新しい制度を入れる前から申請なさっていたような方は突然の新制度の導入で拒否するわけにはまいりませんので、そういった経過措置で増やされた方が千七百二十両ございます。したがって、その意味ではそれまで差し引きますと、本当の意味で減ったという意味では千二百八十八両、こういった数字が一つ参考になろうかとは思います。
#110
○川崎稔君 ありがとうございます。
 本当にそういう意味で実効性のある自主的、協調的な減車が行われるということを期待したいわけなんですが、その場合、やっぱりどうしても、ある種、言葉は悪いんですが、アウトサイダーといいますか、なかなかその枠内で足並みをそろえない事業者の方、あるいは協議会そのものに参加されないような事業者というのも出てこられると思うんですけれども、こういった場合の対応といいますか、実効性どう確保していくか、私もその法案を初めて見たときにやっぱりまずそれを思ったんですね。この点についてはいかがでしょうか。
#111
○政府参考人(本田勝君) 御指摘のとおり、そこは非常に制度として位置付けるのはなかなか難しいものがございます。と申しますのは、やっぱり協議会に参加されるかどうか、あるいは御自身が使っておられる車両をもう使わないことにする、減車をされるかというのをほかの人間、例えば国が強制的に命ずるといった制度というのはやはり難しいと思います。したがって、法律的にはやはりそういった問題はそれぞれの事業者の方の経営判断と言わざるを得ないと思います。
 さて、そうした中で、地域にとっては供給過剰を解消していくというのがやっぱり必要なケースがあると思います。そのためには、まず第一に、この地域計画の実効性を高めるという意味で、この協議会にできるだけ多くの事業者の方々が参画していただくよう、これは私ども、その地域の実情に応じて運輸局を通じ積極的に働きかけていきたいというふうに思います。そして、やはり事業者の方々にも団体を通ずるなどしてその地域のタクシーの状況が決して適正ではないんだと、やっぱり利用者の方のためにも改善すべきなんだという点について、団体を通じて個々の事業者の方々にも理解を求めていく必要があるというふうに思いますし、せっかく協議会に地方公共団体あるいは住民の方々も出てこられるものですから、地方公共団体、住民の方々にも減車というのは必要だという理解をしていただくことによって、減車についてある意味で冷淡だった方々にも地域社会のためには減車することが必要なんだという、そういう側面からの働きかけも必要になってこようかと思います。
#112
○川崎稔君 本当に今の局長の答弁を伺っていても大変難しい対応の中で実効性を確保しなきゃいけないということで、この点はもう是非よろしくお願いしたいというふうに思っております。
 次、実は運賃のことをお伺いしようと思っておったんですが、ちょっと時間がございませんので、次の項目として違法、不適切な事業運営とその監査、指導体制についてお伺いしたいと思います。
 供給過剰という状況の中で、事業運営そのものも違法、不適切なものが増えているということだろうと思うんですが、その実態といいますか、この点についてはいかがでしょうか。
#113
○政府参考人(本田勝君) 交通政策審議会でもこの点は非常に議論がございまして、お答え申し上げますと、地域によって状況、程度は異なりますが、一般的に幾つかあると思います。まず第一は、過度な長時間労働あるいは最低賃金法違反、そして社会保険や労働保険への未加入、それから不適切な運行管理、あるいは場合によっては名義貸しによる経営といったような違法、不適切な事業運営が相当見られると認識しております。
#114
○川崎稔君 本当に、例えば名義貸しあるいは社会保険とか労働保険への未加入、最賃違反、こういった点について是非是正を図っていただきたいというふうに考えるわけなんですが、そのためには、国交省としてもある程度のきちんとした監査、指導体制というのを、今でもおありだとは思うんですが、今の指導体制の実情と、それに対して、それで足りているのかどうか、あるいは内容的に十分なのかどうか、評価と課題みたいな点でいえばいかがでしょうか。
#115
○政府参考人(本田勝君) タクシーを含みます自動車運送事業者に対する監査担当要員、具体的に言いますと、私どもの現場の運輸局あるいは運輸支局で担当しておりますのは、実はタクシーのみならずトラックあるいはバスの問題もあります。
 そうした自動車運送事業者に対する監査担当要員、まず実情を申しますと、平成十四年当時、合計で百八名ということでありますが、おかげさまで、その後厳しい定員事情の中でも増員を図っていただきまして、今年度末で二百五十八名体制になっておるところでございます。
 その結果、例えば平成十九年度は全国で一万七百六十七件の監査を実施させていただいて、うち二千四十六件についてはやはり先ほど申しました違法な問題が発見されたものですから、しかるべく行政処分を行うと、こういったことでございます。
 さらには、累次、監査内容についても強化を図っておりますが、やはり悪質事業者の排除を強力に進めるためには、更なる監査体制の強化と、ただ、定員事情は大変厳しゅうございますので、限られた監査要員の中でいかに効率的あるいはめり張りを利かせながら対応していくか、こういったことも課題であると考えております。
#116
○川崎稔君 もう本当に、こういった監査、指導というのはきちんとやっていただきたいと思います。
 私の方でお伺いしたところですと、監査、指導というのは、例えば臨店監査というのがあるというふうにお聞きしていますし、あるいは通常の呼出し監査といったものがあるそうなんですが、その臨店監査というのが平均で一法人タクシー当たり十六・七年に一回というふうにお聞きをしました。
 通常、監査全体としては四・二年に一回ぐらいだということなんですが、さすがに臨店監査が十六・七年に一回ということになりますと、例えば三十年お勤めになっている方がいるとしたら、勤務中一回ぐらいしか臨店監査を受けたことがないというふうなことになると思うんですが、この辺りはもう少し改善の余地があるのではないかなという気もいたしますが、この点はいかがでしょうか。
#117
○政府参考人(本田勝君) その意味では、まだまだ非常に弱いところだと思います。
 ただ、もちろん監査要員を増強していただくのが一番でありますけれども、やはり様々な情報が入ってくる中でめり張りを付ける、つまり、問題のありそうな事業者の方には申し訳ありませんが重点的に対象にさせていただく、さほど問題を起こしておられない方々には逆の対応をするといった形で、限られた要員の中で最大限効果を発揮したいと思いますし、そういう中で是非とも、特に労働関係法令の違反は多いものですから、労働関係部局とも連携を取りながら監査の効果を高めていきたいと思っております。
 特に、この点については、衆議院の附帯決議でも、違法、不適切な事業運営の排除を始め、悪質事業者の排除を強力に進めるため、監査体制の大幅な増強を図ることが決議されておりまして、私どもとしてもこの決議に即して対応してまいりたいと、かように考えております。
#118
○川崎稔君 ありがとうございます。
 ちなみに、何といいますか、先ほど、監査、指導要員ですかね、職員の方、二十一年度末で二百五十八名というふうに伺いました。たしか二十年度末が二百三十名ぐらいだと思いますので、今年度二十八名増員というふうに理解していいかと思うんですが、今回のこの法案が成立した場合、法案成立によってこの指導要員が更に増えるということを想定されているのかどうか、この点はいかがでしょうか。
#119
○政府参考人(本田勝君) 私どもとしては、現在の二百五十八名体制ではまだまだ足りないと思っております。ただ、一方で、国土交通省全体の定員事情もあります。そこで許される範囲でできる限り増強を図っていただくべく、関係部局にお願い、調整してまいりたいと思います。
#120
○川崎稔君 それと、先ほどおっしゃった例えばほかの省庁との連携ということなんですが、実際に警察庁との連携あるいは厚生労働省との連携、いろいろあると思うんですが、現状、省庁との連携という点において、十分連携を取っておられるとは思うんですが、今現状をどういった点が課題だと認識されておられますでしょうか。
#121
○政府参考人(本田勝君) 課題と申しますか、この点については、とりわけ厚生労働省に大変御協力を賜っておりまして、逐次改善が図られていると思います。具体的には、国土交通省と厚生労働省、いろいろな機会に同じ事業者さんに監査に入るわけであります。その際に見付かった事案について相互に通報するというような制度、これは随分前からやらせていただいておりますが、平成十八年度からは、場合によっては、これはというような、これはというと変ですが、事業者の方には、私ども運輸局と労働基準監督官と合同で監査に入る、こういったことも今厚生労働省の方でも引き受けていただいております。
 こうした体制は整いつつありますので、その運用の中でいかに監査の効果を高めていくか、これからより一層の連携の強化を図っていく必要があると思っております。
#122
○川崎稔君 是非、そういった合同監査ですか、合同でやっていくという効果を上げていただくようによろしくお願いいたします。
 ちょっと時間がなくなってきたので、もっといろいろお伺いしたかったんですが、ちょっと大臣に、総論的なまとめになるんですけれども、今回の法案、衆議院で可決いたしましたときに、新聞等の報道で、例えば規制強化と、時代の流れに若干逆行するのではないかというふうな論調の記事もあったわけなんですが、こういった中でこの法案の意義といいますか、改めてちょっとお伺いしたいと思いますが。
#123
○国務大臣(金子一義君) 先ほど申し上げましたように、規制緩和によって生じたプラスの面というのは引き続き働いていくようにしながら、しかし一方で、現実問題起こってきた運転手さんの労働環境の悪化、事故の増加といったようなマイナス面については、これはある意味、供給過剰に陥っているという地域を限定して、かつ一定期間指定して、そして改善されるかどうかを見ると。そういう地域においては、今までなかったんだけど、減車を思い切って自主的にやれるようにするという意味で、規制強化というよりも、むしろ非常に自主性をある意味重んじながら、一方で規制緩和のメリットを残していけるような法案として提出させていただいたと思っております。
#124
○川崎稔君 ありがとうございます。
 まさに本当に、何というか、地域限定、期間限定、さらに自主性を重んじるということで、非常に与党、野党問わず党派を超えて知恵を出し合ってということで、これはもう本当に私どもも頑張ってまいりたいというふうに思っているんですが。
 最後に、何といいますか、今年度予算との関係でちょっと思いましたのが、タクシー関係の予算の環境関連ですね、非常にタクシーに関して予算が付いているわけなんですが、例えば低公害車等普及促進事業ということで、二十一年度、十二億二千万、予算が計上されております。さらに、新エネルギー産業技術総合開発機構、こちらのエネルギー使用合理化事業者支援事業ということで様々な予算が計上されているんですが、政府全体としてエコカー、環境対応車への取組というのは相当今回力を入れておられるわけですね。タクシーに関しては、もっとこういった分野、力を入れていかれてもいいんじゃないかなというふうにも思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#125
○政府参考人(本田勝君) タクシーはやはりそれぞれの地域の公共交通機関として町を日常的に走っている車両でありまして、やはり町を代表する自動車であることと、それから、それにお乗りいただくことによって環境対応車の意味を理解していただくという意味からも、やはりタクシーの分野で環境対応車が普及していくという点は非常に重要だと思っております。
 今先生が御指摘になりました私どもの予算であります低公害車普及促進等対策費補助でも、昨年度の一次補正でLPG低燃費タクシー、実はこの制度でタクシーを導入し始めたのはそれがきっかけでございますが、それから二十一年度当初予算では電気自動車、それから、これは逆の現象で恐縮ですが、二十一年度の補正予算ではハイブリッドのタクシー、これらについても補助対象とすることによってタクシーの分野での環境対応車の拡大、これを図ってまいりたいと思いますし、そのほかにも、今年四月一日から実施されておりますエコカーの減税制度、こういったものを活用しながらタクシー分野での環境対応車の普及に我々も努力してまいりたいと思います。
#126
○川崎稔君 ありがとうございます。
 もう本当にタクシーというのは地域公共交通機関として大変重要な役割を担っているわけですが、最近、例えば高齢者の方に対してのタクシーの位置付けというか役割というか、大変重くなっているなというのを感じます。私もいろいろと調べておったんですけれども、例えば最近高齢者の方で運転免許を自主返納されるような地域ではそういうふうに自主的に返納されたドライバーの方にタクシーの方では割引をするというふうな取組も行われているようなんですが、そういう意味で、高齢化の進展に伴いますこういったタクシーへのニーズということについても、重要性いかに考えておられるか、確認させてください。
#127
○政府参考人(本田勝君) この点については交通政策審議会でも指摘がされております。タクシーは、やっぱり一人一人のお客様に対して丁寧なサービスが提供できるということで、まさに高齢化社会の進展等に対して対応できる公共交通機関であると考えております。まあ割引をされるかどうかというのは企業の御判断だと考えておりますけれども。例えば、今回の法案におきましても、特定地域の中でタクシー事業者の方の取組として当然その地域の高齢化にどう対応していくかといったものも大きな課題だと思いますし、その枠組みの中で我々も支援をさせていただきたいと思います。
#128
○川崎稔君 ありがとうございました。
 いずれにいたしましても、今回の法案を通じて、タクシーにおける供給過剰の緩和、労働条件改善、こういったことについて是非効果が上がりますように、よろしくお願いしたいと思います。
 本当にたくさん実は質問を用意しておったんですが、ちょっと時間がございません。あらかじめ通告をさせていただいていた皆様には大変申し訳ないんですが、時間が参りましたので、この辺りで質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#129
○委員長(田村耕太郎君) 午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#130
○委員長(田村耕太郎君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言お願いします。
#131
○伊達忠一君 自由民主党の伊達忠一でございます。
 本日は、かねてから私も大変気にしておったんですが、皆さん関心の高い、大変長いタイトルなんですが、省略すればタクシーの特措法、この法律がいよいよ参議院で審議が始まったわけでございまして、午前中は民主党の方も審議をされ、また自由民主党におきましてももう質問をしたいという方が大変多うございまして、委員外からもこの次は質問することになるだろうと思うんですが、そのぐらい関心が高い。ということは、非常に生活に密着している公共交通であり、また大変いろんな問題を抱えているから皆さんが私は関心を持っているんだろうと、こう思っております。
 そんなことから、私もその特定特別監視地域に指定されている地域に住んでいる一人として関心を持っていたわけでございますが、これは衆議院の方でも大変な時間を掛けて、与野党間でいろいろと協議をされて成立をされたという法律でもございますし、できるだけ私も重複を避けてこれからお聞きをしてまいりたいと、こう思っております。
 かつて厚労省が分割という話がありましたが、私も国土交通省の政務官を務めさせていただいていたときに、大変大きな省庁だなと、マンモス省庁としてこれ本当に機能を発揮するんだろうかと正直言って疑問に思ったこともございました。そのぐらい私は、大臣においても皆さんにおいても大変な役職柄の省庁だろうと、こう思っておりますし、その中でかつては旧運輸省というのがあったわけでございますが、ここは一番許認可権を持っている私は省庁だと、こう思っております。公共交通機関のいわゆるタクシーを始めといたしまして、飛行機であるとかJRであるとかバスであるとかフェリーであるとか、多くの許認可を持っているわけでございますが。
 そんなことから、これは二十年ぐらい前からでございますか、第二次臨時行革の推進会議の中で、当時の大槻文平さんが会長だと思ったんですが、そこでいろいろと議論をされたのを私も覚えているわけでございますが、そんなことから、また時代もちょうど一緒に、官から民という時代にもまた走った時代でございまして、JRであるとか電電であるとかそれから専売であるとか、こういうところが民営化されてきたというような時代でもございました。そんなことから、親方日の丸であるとか官主導であるとかといった日本の経済に及ぼす、そういういろいろと弊害的な批判も叫ばれた私は時期であったろうと、こう思っているわけでございますが、今回の議論になっているタクシーもいわゆる例外ではございませんでした。
 そんな中から、これは内閣府の公共料金の窓というホームページにも出ておりますが、既存タクシーの事業者による経営の効率化が進まず、利用者の様々なニーズに対応した新しいサービスが提供されにくいということを指摘をされているわけでございます。そんなことから、行政改革の動きと相まってタクシー事業の規制緩和が推進されて、二〇〇二年にいわゆる需給調整規制というんですか、この撤廃に至ったというのがこれまでの私は経過だと、こう思っております。
 私は、タクシー事業の規制緩和の趣旨というのは、当初、まさに事業者間の健全な競争、そしてまた多様なサービスの提供、事業者の創意工夫によって待ち時間の短縮であるとか、また多様な運賃のサービスの導入などによって一定の私は効果をもたらすと、そういうことでなければならないと、こういうふうに思っているところでございますし、事業者も運転する乗務員もお客さんも更に良くなる環境が生まれなければならないと、私は、これが規制緩和という私は当時、趣旨だったんだろうと、こう思っております。
 しかし、良い面もたくさん私はあると思いますが、改善をしなきゃならない、見直さなきゃならない面が大変私は多くあるというふうに思っております。
 よく私は言うんですが、規制緩和というのは何でもすればいいんだというものではないというふうに思うんでございますが、当初、私は北海道なんですけど、北海道の今の前の会長さんに言ったことがあるんですが、将来的にこの規制緩和に乗らない方がいいんじゃないかいと私は言ったことがあるんです。そうしたら、いやいやいや今乗っておかなければということで乗ったのが実態なんですが。
 やっぱりこういうある程度の決め事というのは、私は社会で必要だろうと、こう思っている一人なんです。例えば、ちょっと話が違いますけど、今医師不足が大変社会的な問題になっております。これはどういうことかというと、もう御存じのように、いわゆる研修制度を変えたということで、医局の昔の封建的な制度に対するいろんな不満があったということからこれを改正されて、自由に今研修ができるようになったことが、要するに今度は医局から地方に医師を派遣してもらえなくなった。これが大きな要素で、自分たちが勝手にどこでも行けるようになったことがこの医師不足というようなことに実はなっているわけでございます。その医局の機能というものがやっぱりもう失われてしまったというのが、今急にこういう話題になってきたことなんだろうと私は思っております。
 ですから、いわゆるアメリカ式に何でも競争させて、強いものが生き残って、そして弱いものが淘汰されるというのは私はどちらかというと余り好まないタイプの一人なんですが。
 その当時というのは、いわゆる七、八年前というのは経済が上向きではなくて、いわゆる落ち込んできているときに増車と、こういうことでございますから、これは供給過剰になるのは当たり前のことだと、私はこう思っているんです。そして、タクシー業界が持つ構造的な部分に相まって、運賃のいわゆる自由化になって、運賃の値下がり、それによって結局、売上げが減収、それによって乗務員さんの収入が減になってくる。だから、その分を挽回しようとしてより多く無理して走るということ、これが過重労働みたくなって、そして、ひいては事故につながっていく可能性、危険性は私は多分にあったと、こう実は思っております。
 ちょうど私が政務官やっておるときですが、十七年に兵庫県でJRの福知山線の事故が実は起きました、多くの方が亡くなったんですが。そのときも、結果としては、結局、利潤を追求する余りにも安全性を怠ったということが原因だということを言われておりますんで、その辺はやっぱり私は、一番大事なことは乗るお客さんが安心して乗車できるということが私は必要だろうと、こう思うんです。そういうことをやっぱり繰り返してしまうと、悪循環になって、結局、会社も経営が苦しくなっていくというようなことだろうと、私はこう思うんですが。そういう意味で、今日のこの委員会の審議というのは大変大きな意味を持つと私は思っているんです。
 そういう面から申し上げまして、この法案の規制の見直しの意義と今日までの規制の総括について大臣からまずお聞きをしたいと、こう思っております。
#132
○国務大臣(金子一義君) 伊達委員もう既にある意味で総括をおっしゃっていただいたような気がいたしますが、大槻文平第二次臨調だったと思いますけれども、その前、もっと言えば、土光臨調から規制緩和という動きが出てまいりました。平成十二年に法案として決定いたしました。一番の大きなところは、従来、許認可制だったのを、タクシーの事業参加、これを届出制にするというところが一番の大きなポイントだったと思いますけれども、これがある意味効果をもたらした部分、これは利用者あるいは生活者に対して、ある意味それなりの効果があったねと。
 ただ一方で、様々な問題点ももたらしてきていると。需要が伸びずに、一方で、その需要が伸びない中で供給をどんどん増やしていこうという事業の在り方、その結果として運賃歩合制ということによる運転手さんの労働環境の悪化、賃金の低下といったような、あるいは事故の増加といった様々な問題点がもたらされていると。
 これについて、平成十七年から既にタクシーサービスの将来ビジョンというのが設定されまして、そこで起こってきている現象というのをいろいろ整理をしていただきまして、十八年、あるいは今回ベースになりました交通政策審議会の答申は、これ二十年十二月に出ましたものは、一年間掛けて幅広い皆様方から市場で今何が、タクシー事業界で何が起こっているかということを御指摘をいただき、あるべき姿というのを御提案をいただいたところであります。
 そういう意味で、特に供給過剰が著しく起こっているところに対して是正を図るという手段をこの法案で出させていただいたというのが今回のポイントでありますが、私は意義として、今委員が御指摘されかけていたんですけど、規制緩和ということでずっと進んでまいりましたけれども、それがもたらす部分というのは、消費者、生活者の利便ということのみならず、事業者あるいはそこで働く人の環境という問題もやはり併せて考えていく必要があるよねと。ということは当たり前のことかもしれませんけれども、規制緩和の段階ではそこが結果として好ましくない現象が起こってしまった。これに対して、やはりそういう部分での現象というのを正していこう、あるいは修正をしていこうということが、規制緩和をこうやって見直していくという法案につきましては多分初めて、これだけの大きな法案というのは初めてだと思っております。
 それだけに世間あるいは国民の関心も物すごく高いテーマでありますけれども、これが国交委員会に提案されまして、与野党がぎりぎりの状況でありながら、今日御出席していただいている委員の皆様方もそれぞれ党の立場で御議論をいただいて、一つの方向として今回修正案が、衆議院ではありますけれども行われたというところ、これも非常に意義のある法案ではなかったんだろうかと。まだまだこれから委員会、ここで御議論をこれからいただくわけでありますけれども、これまでの経緯を振り返ればそういう思いを持っているところであります。
#133
○伊達忠一君 ありがとうございます。
 そういうことから、先ほど大臣もおっしゃいましたが、やはりちょっと環境、働く者また経営する立場のハイヤー会社の、そういう両面をやっぱり環境判断をしながらというようなことがあったんです。私もまさしく、やっぱり行政ですから、これはただ野放しということではなかったんでしょうけど、今回こういうことである程度のこの法案を出されたわけでございますが、やっぱり途中途中で僕はチェックを、命にかかわる問題だけに僕はチェックをすべきだったんだろうと、こう思っております。
 欲言えば、この法案ももう少し早めに、三年なり何なり前に出してもらえればなという感じ、正直言って私はするんです。というのは、やっぱり役所ですから分かっていると思うんです。規制を緩和したら、もうどんどんどんどん各社が増車を今度はされている。しかし、今日はちょっと私も資料を配らなかったんですが、もらった資料によりますと、とにかく、ハイヤー協会に聞きますと、大体潤沢に、労働基準法からいって一か月十二日コースぐらいで勤務をされる、そして休みを取る、一車二人制ということになると二・五倍ぐらいの運転手の数が要るんだということを言っておられましたが、この表を見ますと、とにかく、十四年、二十一万六千台です。運転手が三十六万人ですよ。それが、二十二万、二十二万八千だとか七千台とかどんどんどんどん増えてはくるんです。それに対して乗務員が増えていないんです。だけど、増えていないからといって、増車をした会社というのは私は車を遊ばせておくということは余りないと思うんですよ。
 よく聞くことに、いや、非番のときに、明け番のときに出て、アルバイトというんですか、タクシーの運転手、それで働くんですというようなことを言っている運転手さんもかなりいるんです。そうすると、要するに、もう売上げが上がらないから何時に帰ってこいと言ったって、やっぱり達成をしていこうということで朝の四時、五時まで走る人もざらにいるということになって、そうしてまた明け番のときに出ていくということになったら、もう半分寝ないで走っているような感じすらするわけですね。
 ですから、そういうことを、役所では車の台数だとか運転手さんの数だとかというそのことを押さえているわけですから、こんな状況でいいんだろうかといったときに、やっぱりここでひとつ一考することが私は必要だったんじゃないかなと、こう思うんですが、その比率、車に対する、台数に対しての比率、運転手さんの、それをちょっと教えていただきたいと思います。
#134
○政府参考人(本田勝君) 全国の車両数とそれから運転者数、法人タクシーについてお答えさせていただきたいと思いますが、いわゆる規制緩和直前の平成十三年度、法人タクシーは、車両数が二十一万二千九百十六台、これに対し運転者数は三十六万一千八百五十三人でありますので、当時は車両一台当たりの運転者数が一・七人という状態でございました。
 その後、車両数、運転者数とも増加傾向ではありますが、平成十九年度を見てみますと、車両数が二十二万八千七百六十台に対し、運転者数は三十七万二百四人ということでありまして、同じく車両一台当たりの運転者数は一・六二人。一・七人が一・六二人に確かに減少しているところでございます。
#135
○伊達忠一君 そうすると、協会が言っているような形の定数には達していないわけですよね。やっぱりここで私は一回考えてあげるべきだったんじゃないかなというような気がするんですが、なかなか満たされるということは、あれだけもう乗務員募集だとか、何か各会社の前ですとか新聞なんかもかなり多いですよ、タクシーのやっぱり運転手さんの募集というのは。それでも満たされないという、そういうこともやっぱり加味して私はあげる必要があるんだなという感じはしていたんですがね。
 それから、供給の過剰については、私は、規制をされて、協会がもうこれでは大変だということで正直言って自主的に規制をしてきているんですね。確かに赤坂なんかももう二列ぐらいの駐車というか、二列になって駐車待ちしていますよ。あのぐらいやっぱりもう大変だというようなことになっているわけでございまして、それはやっぱりこれじゃ駄目だということで自主的に規制をしている。札幌の例を挙げれば百数十台、自主的に規制をしてきたと、こう言うんですが。
 しかし、この間隙を縫ってまた逆に申請をするところがあるというようなことから、先般、この審議をされている法律を前に駆け込みを防止しようということで行政の通達を出されておりますよね、特別規制地域だとか特定特別監視地域だとかという。これについて、やっぱりそういう人たちが自主的に身を切る思いでやったことがやっぱり水の泡にならないように、私はこの効果が上がってなきゃならぬと、こう思うんですが、その行政通達を出したその効力だとか実効性についてはいかがですか、これは。
#136
○政府参考人(本田勝君) 昨年七月十一日に実施をいたしました特定特別監視地域制度の拡充でありますが、まず全国、合計値で申しますと、昨年七月から今年の三月までの間で三千六百十九両の減車という実績がございます。その後、新しい基準の下で新規参入、増車の車両数は全国で六百十一両ということでありますので、都合三千八両が新しい制度の下で減少したという効果がございます。
 念のため正確に申しますと、その七月十一日をまたぐ形で、それ以前に準備をされていた方に関しては新規参入、増車を止めるわけにはまいりませんので、そういった経過措置で新規参入、増車を認めざるを得なかった車両が一千七百二十両ございましたから、現時点では差引き実質千二百八十八両が減少したということでございます。
 ただ、これはあくまでも全国トータルでございまして、先生が言われましたとおり、現在の特定特別監視地域制度は現在の道路運送法を基に行政運用としてぎりぎりやらせていただいているものであります。したがって、新規参入についても一定の要件、これを満たしてこられるんであればこれは許可をせざるを得ない。それから、増車についてもこれはなるべく安易な増車を差し控えていただくように私どもも勧告とかそういったことはいたしますけれども、最後それを強制する力はございません。したがって、限界があると考えております。
#137
○伊達忠一君 行政ですから余り一遍にきついようなことはなかなかこれは難しいんでしょうけれども、これは結局通達で、守っても守らなくてもいいんですよね。早い話がね。これは後でいいんですが。そういうものだと私はこう思うんです。ですから、その効果というのは正直言って余り見られないから今回の法案に踏み切ったと、こういうことだと思うんですが。
 一方で、緊急調整地域というのを定めて、これは仙台ですか、仙台に出されております。これは新規参入も増車も禁止だということなんですが、これは一つの一定の基準に該当してないんだと、ほかの地区は、ここは該当したから出したんだと、こういうことなんですが、私はこういうことを今やっぱりもうせっぱ詰まってこの法案をやらなきゃならないというようなことは、このときでさえ私は分かっていたと思うんです。そんなもの半年や八か月で急にこんなことになるわけはないんでね。確かに、例のサブプライムローンの問題から経済急に冷え切ったことは確かですけれども、私はそれであればこのような通達も緊急調整地域をある程度もう少し増やして指定ができなかったものかなと、こう思うんですが、いかがですか。
#138
○政府参考人(本田勝君) 制度論としては確かにそういうお考えもあると思いますが、緊急調整地域は道路運送法上の法律の規定として考えますと、ありとあらゆる方の新規参入あるいは一両たりとも増車は禁じられるということで大変厳しい法的効果を伴うことから、これに対応して指定の要件が大変厳しくせざるを得ない。したがって、平成十九年度のデータにおいてもその基準に該当するのは仙台市しかなかったというのが実情でございます。
#139
○伊達忠一君 確かに一つの基準があるのでそれに該当するかしないかということの判断でこうやられたと、こう思うんですが、それはそれでもって一つの基準があったわけですから仕方がないなと、私はこう思っております。
 そこで次に、実は協議会についてお聞きをしたいんですが、本法案に定めているこの協議会には、地方運輸局ですとか関係地方公共団体の長、それからタクシーの事業者、それからタクシー運転者の組織する団体ということがあるんですが、そのほかに及び地域住民ということが定められているんですが、この地域の住民の方たちも参加できるということなんですが、具体的にはこれは個人になるのか団体になるのかというような、どういう方を想定して言っておられるのか。また、この全国一律の構成なのか、それともそういう人たちというのは地域地域に合った人たちを選任するのか、その辺をお聞かせをいただきたいと、こう思います。
#140
○政府参考人(本田勝君) こういった形で交通の問題で地域住民の方に御参画いただく例は多々ございまして、例えば地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく協議会でも地域住民を代表する形で参加されておられます。私どものこの法案の協議会におきましてもこうしたことを参考にしたいと存じますが、より公正あるいは適切に選定させていただくという見地から、やはり当該地域の地方公共団体とも御相談し、場合によってはその推薦をいただくといったような形で選定してまいりたいと考えております。
#141
○伊達忠一君 分かりました。
 それで、各地のこの協議会というのはどの程度の時間を掛けてこれは検討して地域計画を策定するのか、それを教えてほしいと、こう思いますし、各地域のタクシーの事業者は協議会が作る地域計画に沿って特定事業計画というものを策定するわけです。これを大臣が認定をするということなんですが、どのぐらいの期間を掛けて作成されるのか教えてほしいと思います。これはもう私は、現状のこのような中で余り時間を掛けないで早急にやるべきだと、今でもすぐやってほしいというような地域にしてみれば気持ちだろうと、こう思うんですが、いかがですか。
#142
○政府参考人(本田勝君) 十分な議論がされることは必要だと考えておりますが、御指摘のとおり、これは実施されることに意味がございますので、できる限り速やかに地域計画、特定事業計画とも作成され、実施されることが望ましいと思っております。
 その意味で、その期間について特段のめどはありませんが、参考として御紹介させていただきますと、先ほど申し上げました現在行政運用で行っております特定特別監視地域の制度におきましても、単に車の台数を抑えるだけではなくて、地域の方々と相談をさせていただいて、その地域のタクシーの改善計画、タクシー事業構造改善計画の作成をお願いしております。ちなみに、昨年七月にこの制度を導入しましたが、全国百九の営業区域のうち、三か月以内で六十二地域で計画が策定されてきております。また、四か月たった段階で百一地域、ほとんどの地域での計画が作成されておりますので、この辺りが一つの目安かなと思っております。
#143
○伊達忠一君 なるほどね、分かりました。
 それで、その協議会でこの地域計画を作るわけです。これはタクシーを地域で育てようということで作るんだろうと、こう思いますが、これは作っただけではなくて、これがもう絵にかいたもちにならないためにも、私は、一定の権威だとか機能を持つことが必要だろうと、こう思うんです。やっぱり実効性をきちっと確保する、そのことが正直者がばかを見ないような形に私はしなきゃならないと、こう思うんですが、中には、仮に、おれはこんなもの守らないよというような事業者も出てくるかもしれません、せっかく作っても。そのときに対する制裁とかペナルティーとか、そういうものはあるんですか。
#144
○政府参考人(本田勝君) 先に、地域計画に参加されない方に対しましても、本法案第十条二項で、地域計画に定められた事業の協力を要請するという規定をあえて入れさせていただいておりますが、やはり協力をされない場合のペナルティーというのは法的にはちょっと規定することが難しかったところでございます。
#145
○伊達忠一君 協力を要請するということですからさっきのやっぱり通達と同じようなもので、別に、最悪の場合、守ってもらえなければそれで仕方がないわというような、これ、そういうものでしょう。もう少しやっぱりきちっとしたものに私はしていけないものかなというふうに思うんですが、やっぱりせっかく作ったんですから、良くなるように作った、タクシーが良くなるように作ったんですから、これはみんなで守ってもらうということが私はやっぱり必要だろうと、こう思うんです。
 もう是非そんなような方向にお願いをしたいと、こう思いますし、次に運賃についてちょっとお聞きしたいんですが、よく言われることに、同一地域同一料金ということを言われます。そんなことから、交通政策審議会の答申、それに基づいて運賃に関するガイドラインが検討されているというふうにお聞きするわけでございます。タクシー運賃制度研究会というんですか、これは。四月一日に一回行われて六月四日にもう一回行われて二回やっておられるということなんですが、これはどのような状況になっているのか、その進捗状況と、それから、さらにまたガイドラインはどのようなことが定められているのか、いつからこの内容が実施されるのか、その辺をお聞きしたいとこう思うんですが。大臣にもちょっと。
#146
○政府参考人(本田勝君) まず、ガイドラインの検討あるいはその内容でございますが、二点ございます。
 現在のタクシーの運賃に関しましては、いわゆる上限運賃を指定させていただき、ある一定のそれを下回る額の運賃までは私どもが審査をせずに認可をさせていただいておると。そこの審査をしないといういわゆる幅については今一〇%としておりますが、これが今後も妥当かどうか。
 それから、更にそれを下回る運賃、これは下限割れ運賃と称しておりますが、これは個別に審査をしておりますけれども、審査基準が今、例えば収支率一〇〇%といった基準なんですが、それだけの基準で足りるのか。不当な競争を防止したり、あるいは今般衆議院で運賃の基準に関しては修正による改正がされておりますので、新しい基準の下でそういった個別審査の基準はどうあるべきか。
 この二点について検討を進めてまいりたいと思っております。
#147
○国務大臣(金子一義君) ガイドラインについてはもう一、二か月で、今検討委員会で項目を整理してもらっていますけれども、この夏までには結論を出してもらいたいと思っております。そして、この法案、成立をさせていただければ、法案の成立する時期にはもうガイドラインも併せて実施するようにしていければと思っております。
#148
○伊達忠一君 これも大臣、できるだけ早くひとつお願いをしたいとこう思っております。
 次に、運転手の登録制度についてお聞きしたいんですが、先般衆議院において附則で運転者登録制度等について検討をすることというふうに実はなっておりますが、私の地元札幌でもこのことについて先般指定をいただきました。
 これは、かつて札幌はやはりより安心、安全なタクシー行政を行っていこうということで自主的に実はやっておったんでございますが、先般、十三地域に拡大をされてその指定を受けたということなんです。これが大変効果があったから政府も十三、広く広げて指定をしたんだろうとこう思うんですが、大変質の向上につながっていっていると、それで実に利用者の評判がいいというふうに実はお聞きをしております。
 かつて、先ほど羽田先生だったですかな、から、乱暴な運転手がいて女性だとか子供さんがもうおっかなくてすぐ降りるというようなこともあったというふうに聞いておりますが、私もかつてそういう経験をした、運転手さんに出会ったことがあって、まあ表現が悪いんですが、よく雲助だなんて言われた時代というのは私はあったと思うんですが、それから見れば、こういう制度は、やっぱりきちっと十日間講習をやって、五日間は協会でやって五日間は会社に帰って、もちろん給料も払っているんですが、車も実際に使ってやるということでやって大変な成果を上げているということなんです。私もその苦情の表ももらいました。これはもうすばらしいことだなと私、こう思うんです。というのは、成果を上げているところが七一%ぐらい苦情が少なくなったと。それが三六%ということで、大変それだけやっぱり何というんですか、登録制度のこの講習というのが意味のあることだろうと私はこう思うんですが。
 これを実は指定を、今まで札幌は厚生省の補助金を道庁からもらって、百五十万ぐらいだったですかね、やっていたと言うんですが、指定を受けたものですから今度は法律に従ってやってくださいということでこの補助を切られたと、こういうことなんですね。ところが、じゃ指定をしたら補助をしているのかといったら、ただ指定をしただけで補助はしていない。逆に、それだけ好評な質の向上をされているその講習、登録制度が、逆に金が打ち切られちゃってということなんです。それでよく聞いたら、大変なんですと、ましてやアウトサイドの会社からも、これはすごくいいんで運転手さんのためになるって、入れてくださいって言ってきていると、協会にも入っていないんだけど。だけど、札幌の協会は、そこが心の広いところで、安全につながることなんだから、もうそういう方でもどうぞいいですよということで受け入れてやっていると、こういうことなんですが。
 これはやっぱりこのカリキュラムを見ましても、法令であるとか安全が第一だということをどうやってやるかとか、接待、いわゆるマナーというのもきちっとやりなさい、こうですよということを教育するんですね。それから、地理の問題だとかやるんですが、せっかくこれだけの成果を上げている登録制度、やっぱり続けていってほしいし広げていってほしいと思うんですが、これに対するただ指定だけして地方の補助金を切られるんだったら、少しは、やっぱり成果がこれだけ上がっているんですから補助をしてやるというようなことは考えられないですか、是非ひとつ私はお願いしたいと思うんですが。
#149
○政府参考人(本田勝君) タクシーの場合に、問題となっております運転者の方の労働条件の改善を図ると同時に、やはり資質を向上していく、それによって消費者にも利便という形で還元していくという、その二つはどうしても重要だと思いますし、その中で御指摘の登録制度というのは非常に機能していくものだと思います。ただ、昨年、全国の主な政令指定都市に拡大するに際して、残念ながら、そうしたことに関しての金銭的な経済的な支援制度というのは、申し訳ありませんが、今用意をしておりません。
 先生が今御指摘になりました、それ以前に協会が受けておられた助成制度の取扱いについては、ちょっと至急勉強させていただいた上でまた御相談にお伺いしたいと思っております。
 いずれにしましても、今回の改正附則で登録制度の在り方については検討するということになっておりますので、今日の御指摘も踏まえて検討させていただきたいと思います。
#150
○伊達忠一君 今までやって成果を上げているところにしてみれば、正直言って有り難迷惑で、指定をされたおかげで補助金は削られるわ、法律に逆に厳しくなるわということで、質の向上にはいいんでしょうけど、そういうことも、相互関係もちゃんとやっぱり判断をして、ただ指定すれば国だから権限が持ってやればいいという、私はそんなもんじゃないと思うんですよ。やっぱりせっかくやっていて成果がそれだけ上がっている、今日見たでしょう、苦情のこの件数の減ってきていること、これだけのやっぱり苦情が減ってきていることは続けてやってほしいし、むしろどんどん少しぐらいの金は出してやって、私はやっぱり援助してやるべきだと、こう思うんです。
 それでは、まあ時間がなくなっちゃったんですが、最後に一つだけ、これはちょっと大臣にも一つお願いをしたいことなんですが。
 土曜、日曜、高速料金が乗り放題千円ということになりました。私がたまたま、まあ長浜先生おられますが、千葉に、木更津に行って実は羽田までタクシーで行ったんですけど、そしたら、結局、普通どおりアクアラインの料金取られちゃうわけですね。それで、どうしてですかと聞いたら、いやいや、私の会社はETC付けていないんですと、こう言うんですよ。お客さん、何かバッジ見たら国会議員さんですかと言うから、そうです、良かったでしょう、千円にしてもらってと言ったら、いや、みんなレジャーへ行く人は喜んでいるんだけど、うちはねということで、これ先生のところで調べさせてもらったんですが、千葉県は四七・七%なんですね、ETCが付いているの。
 それで、いろいろ話したら、いやいや、お客さん、私は四月から第二の人生でこれをやっているんですと、こう言うんですね。だけど、お客さんはまだいい方ですよと、こう言うんですよ。何いいんですかって、千円なのに、土曜日、何で何千円も払ってと、こう言ったら、いやいや、実はこの前ね、子供さんが引き付けを起こして、そして県外の総合病院に行くものですから、救急車じゃなくてタクシーをあれしたんですと。そして、待っていてもらって、診てもらって、運転手さんが言うんですが、少し顔色がちょっと変わった、青くなったような感じだったと。でも、帰り元気になって乗ってきたんですと言ったら、うちへ来たら、あら、千円でないのと言ったら、いやいや、私のところはETC付いていないからと、こういう話になったと、こう言うんですね。
 それで、これ大臣にもちょっとお願いをしたいんですが、レジャーへ行く方、千円で、私はこれは効果があって非常にいいと思うんです。ですけれども、やっぱりそうやって、一番いいのはETCを全部、全国、タクシーだとか何かに付けてもらうということはこれはやっぱりやってもらうことが一番いいのかもしれませんが、しかし命にかかわって、子供さんがかかわることによって、ふだんだったらそれは百歩譲ってあるかもしれません。皆さんがレジャーのときに千円で乗っているのに、子供さんの命でもってすぐ行ったときに、普通の料金、ETC付いていないから取られるというのは、私はこれは、例えば救急病院のその金を、診察料を払うわけですよ。ですから、その証明書があれば千円にしてくれるとかなんとかということを、これはタクシー会社だって今そんなに長距離に乗ってくれる人いないから、高速で走ってくれる人いないからそんなに付けていないということもあるんでしょうけれども、やっぱり何かこれは僕は考えてあげてほしいなということなんですが、いかがですかな。
#151
○国務大臣(金子一義君) 本当に難しい難問をいただきましたけれども、急病人、本当に命にかかわる急病人、これは救急車を使っていただけますし、障害者の方も五割引きという制度を設けております。
 なかなか、どういうふうにしたらいいのかなというのは、今私も具体的な解を持っておるわけじゃありませんけれども、しかし今先生お話しいただいた件、どういうふうに考えていくのか、ちょっと少し対応を検討させていただきたいと思います。
#152
○伊達忠一君 時間ですから終わらさせていただきますけれども、今回の改正、せっかくここに踏み切ったんですから、これはもう運転手さんも、そして会社も、そして乗るお客さんも安全でその成果が上がるようにお願いして、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#153
○佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。
 今、伊達委員から総括のようなお話あった。それはそのとおりだと思います。経営者の皆様にも運転者の皆様にも、何よりも利用者の皆様に安全で適正なタクシーサービスといいますか公共交通サービス、これを提供していくというのが一番大事なことだろうと、そんなふうに思いながらこれまでの質問を伺っていたところであります。
 私の方は、最初に、需給ギャップの拡大要因といいますか、長い時間掛けて需給ギャップが拡大してきた、これはもちろん規制緩和の影響もあるでしょうし、その他経済的な背景というのもいろいろあるんだろうと思います。その辺をどんなふうにとらえられているか、最初にお伺いしたいと思います。
#154
○政府参考人(本田勝君) タクシー事業につきましては、規制緩和後、サービスの多様化、待ち時間の短縮など、一定の効果も現れている一方で、地域によっては需要が長期的に低迷する中で車両数が増加するといった問題があります。
 その意味では、需給の問題でございますので、供給過剰が生じる要因としては、まず第一にタクシーに対する需要が減少あるいは低迷していると、これはもう間違いない事実だと思います。それから、そうした需要の減少あるいは低迷に対して供給がどうなるかということでありますが、タクシー事業の場合には一般に車両価格が相対的に低く、増車あるいは新規参入がしやすい。それから、多くの場合、運転者の方の賃金が歩合制となっておりますので、増車に伴うリスクを相当程度運転者に転嫁することが可能であるということから、個々のタクシー事業者の経営判断として、需要の減少局面においてむしろ増車によって市場シェアを拡大するというような判断に傾きがちだと考えております。
 こういった要素が絡まって需給ギャップが拡大してきたものだと考えております。
#155
○佐藤信秋君 非常にいろんな要因が絡んでいるということも確かなんだと思います。
 お手元に、これは国交委員会の調査室でおまとめいただいた、国交省の方でまとめた資料を載っけていると、こういうことだと思いますが、資料一にタクシー事業の主な規制緩和の推移というのを出させていただきました。私、気に掛かるのは、こういう中で全体として需給調整を外してきた、それで需給ギャップが拡大してきた、そういうことではあるんでしょうけれども、例えばこれ御覧いただくと、平成五年に既存事業者の一定の幅以内の増減車を認めると。東京の場合には上下五%幅だけれども、ほとんどの事業者が五%上限まで増車を実施したと。これは多分、さっきの経営判断という面からいけば、経営者としては稼働する車が多ければ多いほど歩合制という下ではある程度の経営が、採算性が向上すると、こういうような判断をしがちというか、普通そうするのかなと思うんですけれども。
 ただ、こういう中で、平成八年の二月にリースによる車両の保有を自由化したと、こういうのがあるんですね、十四年の二月の需給調整撤廃の前に。こういうのも一つ大きな要因として効いてきているのかなというのが実はちょっと気になっていまして、そういう意味でそのリース制度というものが、にわかに聞いてもちょっと私もよく分からないところがある、どういう制度なのかと。それが供給サイドにどんなふうな影響を及ぼした可能性があるのかと、その辺を教えていただきたい。
#156
○政府参考人(本田勝君) タクシーにおけるリースという形態による車両使用、保有の自由化でありますが、経過だけまず申しますと、昭和六十一年以前は法人タクシーにおけるリース車両の保有を禁じて、所有していることを義務付けておりました。昭和六十一年にその緩和を行いまして、ただ新規参入の段階ではそれを認めずに、事業開始後三年、さらに保有車両数の五〇%といった条件を付けさせていただき、二年後の六十三年には保有車両数の条件緩和、つまり一〇〇%リースでもいいということにさせていただき、かつ最終的に今御指摘の平成八年に、当時の規制緩和推進計画、平成七年に策定した閣議決定でございますが、これに基づいてリースによる車両保有を完全に自由化をさせていただいた、こういうのがまず制度としてございます。
 それから、現実のリース車両の実態でございますが、最近十年ぐらいの経過を御報告いたしますと、例えば平成十年度、一般タクシー車両、法人の中で二十一万一千六百七十六両のうち、当時は約一〇%の二万九百四十五両がリース車両でございましたが、直近のデータであります平成十九年度におきましては、二十二万二千五百二十二両のうち二〇%近く、四万三千二百二十四両が実はリース車両となっています。
 こういった状況を見ますと、車両保有の自由化が供給過剰とどう結び付くかというのは、厳密な分析はちょっとしておりませんけれども、やっぱりリース車両の保有割合が高くなっているということは、自己所有に比べるとリース車両の方が経営者側としては負担が少ない。したがって、車両数の増加を行いやすい、あるいは車両の増加をする際の手法として活用されているという点がうかがえると思います。
#157
○佐藤信秋君 この場合、リースというのが、多分これは推測なんだけれども二つのケースがあって、一つは運転者自らが車両を持って、そして車両の管理も基本的にはその運転される方がやると、持ち帰り車両というような問題も一つはあるんだと思うんですね。
 もう一つは、事業者自体が初期投資という問題からいけば、リースの方がイニシャルコストが低いと。そういう意味でも開始後三年と、こういうふうに規定はしていたんでしょうけれども、やりやすいといいますか、投資をせずに、実質的には車両を増やして、歩合制で、運転する車両が多ければ多いほど経営者としてはいいかな、採算が良くなるかな、こういうようなインセンティブといいますかがあるのかなと、こう思うんですが、分析そのものは余りされたのがないですかね、どうでしょう。
#158
○政府参考人(本田勝君) そこの関係を完全には分析はし切っておりません。今私の方から御説明しましたリースは車両の保有形態としてのリースでありますので、リース会社からまさに思いどおり借りるという形態、これが普及しているということでございます。
#159
○佐藤信秋君 この辺はこれからいろんな検討をせにゃいかぬという課題がたくさんあるんでしょうから、そのうちの一つとして、参入を、きちっとした経営体が参加してといいますか、今参加している会社が自らの責任でしっかりと運行していくというような面からいって、リースという形態でいいのかどうかというようなこともこれからの課題として十分検討していただければなと、そう思うところであります。
 そこで、今回は特定の地域において計画を作って特定事業を行うと。いつも私思うんですけどね、とかく計画作ってくださいと、投げてとは言いませんが、そして、あたかもそれで実態が進むというかのような場合が多いんで、やっぱり一番大前提で動いていかなきゃいけないのは現場ですよね。実際に、仕組みそのものは頭の中でいろんな組み立てができても、現場がどれだけ動けるかと、こういう問題があるんだろうと思います。
 そういう意味では、その計画、地域計画なるものが、先ほど三か月から五、六か月ぐらいでできると、こういうお話だったでしょうかね。いろいろ議論するのは大変結構だとは思うんですけど、余り難しい計画の目標を立ててくださいと、こう言っても現場はなかなか動けないと。そうかといって、余り微に入り細にわたって、じゃどうぞこんな形でといってモデルを示すのもなんなんだと思うんですよね。そういう意味で、簡潔に作りやすい計画と、こういうのを、こんな例がありますよというようなことを示す必要はあるんだろうと思うんですね、計画自体をですね。
 先ほど、ガイドラインのお話がありました。ガイドラインのお話は、更にそれを特定事業なり運賃なりといろいろ検討していただいていると、こういうふうに理解しましたが、その地域計画なるものを、こういうぐらいな感じでどうでしょうというようなパターンを幾つか示したりしながら、できるだけ早く、作りやすいように、そんな手助けも必要なんじゃないかなと思いますが、その辺はいかがなっているでしょう。
#160
○政府参考人(本田勝君) 御指摘のとおり、地域計画でどういう中身を定めるかというのは、これは明らかにする必要があると思います。その中身を実施するためにも必要だと思います。
 手続的には、国土交通大臣の方で定めさせていただきます基本方針ということに載りますが、それに先立って、昨年の交通政策審議会の答申の中で、こういった地域計画の一つのモデルとして、具体的に幾つかの事項を定めるのを一つの例として示しております。それは、その地域でのタクシーサービスの活性化にどう取り組むか、それから事業経営を活性化、効率化するためにどう取り組むか、それから、これは大きな課題ですが、その地域の運転者の労働条件の悪化をどう防止していくか、それから違法、不適切な事業運営の排除をどうするか、あるいは先ほど来出ておりますタクシー事業の構造的な要因を少しでも緩和するような対策はないのか、さらには交通問題、そして減車の促進といった供給抑制の問題、あるいは過度な運賃競争への対策ということで、定めていただくべき一つの例は示させていただいておりますので、よりもう少し具体化する形でこれからお示しできるようにしたいと思います。
#161
○佐藤信秋君 そこなんですね。抽象的といいますか、基本方針あるいは目標として活性化を図りましょうと、タクシー事業の、あるいは経営の効率化を図りましょう、労働条件を良くしていきましょうというその具体の中身としてそれじゃ何ができるんでしょうねというようなことについて、言ってみれば、うまくいった事例みたいなのを集めるというようなことも大事だとは思うんですよね。
 この前の本会議の質問でしたかね、うどんタクシーってね、いろんな需要を掘り起こすというか、あるいはお客様のサービスを良くしてお使いいただけるような機会を、あるいは気持ちを増やしていくというようなことなんでしょうけれども、それが今のこういう方向ですよと、効率化ですよ、活性化ですよというのは、いつも私言うんですけれども、お経の文句にとどまっちゃいかぬので、そうだとすると、実際問題としてどんなふうな事例がありますよというようなことをできるだけ集めていただいて、そしてみんなで頑張ってくださいね、こんなことが必要なんだと思うんですね。
 そういう意味で、需要の増大に成功した例とか、あるいは供給抑制きちっとできましたね、あるいはこうやって減車しましたよ、こんなふうな事例を今の段階で多少あればお答えいただきたい。
 さっきのリースの問題、私、ちょっと気になっているのは、そういう意味で、減車といっても二割のリースがあるとすれば、減車といってもその分は、片っ方買うのを控えて、保有を控えてかな、それでリースを広げると、これはまあ乱暴かもしれないけど。いずれにしても、工夫の余地を余り多くしておくよりは、透明にして、こういうことをやったらうまくいきましたよ、そんな事例をできるだけお示しいただくというようなことが必要なんだろうと思います。何か事例があれば。
#162
○政府参考人(本田勝君) 今個別に事例ということを御紹介するにはあれですが、いずれにしましても、メニューといった意味ではもうかなりのメニューが実はございます。したがって、例えば需要拡大については、まさに先生がおっしゃったこういう成功例があります、あるいはこういう新しい試みもありますといったことは是非紹介させていただいて、そういったメニューの中から地域に合うものを選んでいただくというのが恐らく現実的なのかなというふうに思います。そういった努力はさせていただきたいと思います。
#163
○佐藤信秋君 そういう意味で、経営者の皆さん、それから運転者の皆さん、努力して一生懸命とにかく活用してくださいということで、お急ぎだとは思うんですよね、これね。
 お手元資料二で供給過剰地域の例というのがまとめられているんで、議論のためにお出ししたんですが、私も国が新潟なものですから、新潟交通圏って気になって見ると、平成十年度から十八年度で七一、需要の方がですね。これは実は大変な状態で、供給の方はそこまで減っていませんから、実在車両数というのは九七%ですから、随分と需給のギャップが大きくはなっていると。供給だって少し減らして頑張ってはいる。
 最近、大手の二社が残念ながら倒れてしまいました。これは多分、この数字の傾向からいけばほかもそういう事態がどんどん出てきかねないんで、この法律を速やかに実効性のあるものにしていくというのが大事なことだと思うんですね、絵にかいたもちだけじゃなくて。
 そういう意味で、これは多少残念ながらのところなんですが、特定地域として指定して、そして地域計画を作り特定事業を頑張りましょうというほかに、元々の要因として、こういう地域指定して事業をやり始めたらこんなふうな優遇措置といいますか支援措置があるんですよという部分というのを今後の課題として、今後の課題として是非検討していただきたいなと。
 産業活力再生特別措置法でいえば、法制度上は会社法及び民法の特例であるとか、あるいは金融の支援、あるいは税制、特別償却なんかの特例、そういうのを用意して、だから一緒になって、経営者の皆様も地域の皆さんも運転者の皆さんもみんなで頑張って、こういうところまでいって計画作って特定事業をやったらこんな支援もというところが、でき得るならば、これからの検討課題なんでしょうけれども、できるならば是非そんな検討もしてほしいなと。
 衆議院の修正の方で金融の方はあっせん等もやろうと、こういうことで前に押していただいた。そこの部分で実は多分止まっていて、なるほど、やるんだというところを具体的にしていかないと、どんどん会社が倒れてもまたこれは、会社が倒れるということは雇用の機会も失われるということですから、地域の疲弊に拍車を掛けると、こういう状況が出かねない。そういう意味で、いろんな支援の仕組みというのを今後検討していただきたいなと。この法律は法律として、税制の問題もありますからというようなことをお願い申し上げたいんですが、いかがでしょう。
#164
○政府参考人(本田勝君) 今お示しの産業活力再生特別措置法で施設の共同廃棄といったような共同事業再編、これに対しての支援措置が非常に豊富にあるというのは承知しておりますが、その法律に基づく場合には、二条の事業者の合併でありますとか事業の譲渡、譲受といった組織の再編成を実は要件にしております。
 今般、これに倣いながら制度をちょっと設計させていただく際に、そこまで合併とか事業譲渡を前提にしないと減車を認めないというのは余りにも窮屈なものですから、そういったようなことは講じておりません。
 ただ、減車と一緒に、特定事業と法律で言っておりますが、その地域のタクシーを良くするような取組を一緒にやっていただきたいと。良くするような前向きの取組であれば地域公共交通再生活性化事業の補助制度といったような既存の制度も活用できるものですから、こういった支援は講じていきたいと思っております。
#165
○佐藤信秋君 そういう意味で、先ほどの伊達先生のお話じゃないですけれども、登録したら講習の補助制度がなくなったみたいなことにならないようにはしていかにゃいかぬと。それから、法律制度、法律としてはこうですと、しかし具体にはこんな支援措置というものを、いろんな支援措置を用意していきますと。これからの課題だと思いますけれども、是非お願いしたいと思います。
 そういう意味で、大臣、並々ならぬ御決意でこの法律をきちんとやっていこうと、こう思っておられることだと思いますが、私自身も、昔、社会実験という言葉をよく使っていたんですね。やってみて直していく。まずは全国いきなり、オセロゲームじゃなくて、白と黒と分けてもうまくいくか、いかないかというところがありますから、きちっとある地域を区切って、状況を区切ってやってみて、それでまた進んでいく、こういうことが大事なことだろうとは思います。そういう意味では、この法律を契機にとにかく、あっ、なるほどうまくいくようになったぞということをできるだけ早く出していく必要があるんだろうと思うんですよね。
 大臣の御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#166
○国務大臣(金子一義君) 委員御指摘のとおり、この法案を成立させていただけましたらば、供給過剰地域への対策として、できるだけ速やかに、実効性のあるものとしてこれを実施してまいりたいと思っております。
#167
○佐藤信秋君 終わります。
#168
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 まず初めに、このタクシーの新たな特措法ということの前段ということにもなるかもしれませんが、あるいはそれも含めてということになるかもしれませんが、地域における公共交通政策全般ということでお聞きをさせていただきたいと思います。
 今回の特措法でも国が指定する特定地域において、地方運輸局長、地方公共団体の長、タクシー事業者、タクシー運転士、地域住民等の地域の関係者が協議会を組織をする、そして特定地域において地域計画を立てると、こういう仕組みになっているわけでございます。
 特定地域協議会ということでございましょうけれども、今日お手元にもお配りさせていただいております資料にもございますように、この協議会と言われるもの、あるいは協議する場というのが、地域においては今回新たにつくられる特定地域協議会のみならず、地域公共交通会議とか運営協議会とか、あるいはもっと言えば、地域公共交通再活性化事業における会議というのもございまして、お手元の資料だけ見てもこの三つの会議体、ちょうど真ん中からちょっと下に二重線がございますけれども、これよりも上が必須のメンバー、構成員というふうにまとめられております。ほとんど重なっているということなんですよ。いろんなことが地域で自治体中心に協議をするという機能が要請されております。
 ここにある三つのまず会議体、それぞれの役割また機能につきまして、簡単で結構ですが、御説明いただきたいと思います。
#169
○政府参考人(本田勝君) かいつまんで御説明申し上げます。
 まず、本法案の協議会は、タクシーについて、供給過剰で問題が生じている特定地域において供給過剰に伴う問題を解決するための協議を行うと、これが目的でかつ趣旨でございます。それから、地域公共交通会議、これはいわゆるコミュニティーバスあるいは乗り合いタクシーといった形で、地域のニーズに応じた乗り合い輸送サービス、この普及促進をするために地域の公共交通の在り方を議論していただくということで、地方自治体の主催で設置をさせていただいております。それから、運営協議会、これは自家用の有償の旅客運送という形態で、過疎地有償運送あるいは福祉有償運送について、他方でタクシー事業者の方との関係についてどう整理するかといったような議論をしていただくために、これも地方自治体の主催によって設置されているもので、それぞれの設置の目的が異なり、また、本法案の協議会はタクシー事業だけを対象とするようなものでありますが、御指摘のとおり、地域の交通、移動手段の在り方を協議するという点では一致しておると思います。
#170
○西田実仁君 この黄色で網を掛けたところは同じ人たちなんですよね、同じ属性というかですね。
 私は、今回、特定地域協議会が新たにタクシーとして設けられる、地域公共交通会議はコミュニティーバスとか乗り合いタクシーであると、運営協議会は有償運送であると、福祉有償運送ですね、ということで、例えばこの運営協議会、私の地元埼玉でも幾つかのところで行われています。とりわけこの移動制約者の社会参加の促進ということで、福祉有償運送ということが既にスタートしておりますけれども、現実は、地域における生活交通全般を考えようとしたときには、決して福祉有償運送だけではなくて、その後どうディマンドバスにつなげていくのかとか、あるいはタクシーをどう利用いただくのかとか、こういう生活圏全般の交通体系をどうするのかということを考えなきゃいけないわけなんですよね。
 ですから、運営協議会でも新たに始めようという人が出てこなければなかなか開催されないという問題もありますけれども、この運営協議会だけに限ってみても、移動制約者の方の足をどう確保するのかというのは、この協議会だけではなかなか実はうまく体系化して議論がなされないというふうに現実がなっていると思うんですね。つまり、私が言いたいのは、利用者、生活者ということの視点から地域の公共交通政策全般をやはりきちんと統合的に見直しをしていく、再編成をしていくということをしない限り、これからの高齢社会の中では足りないのではないかと、こんな問題意識を持っております。
 大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、こうした地域にはいろんな多様な利用者の方々がいらっしゃいます。そして、その時々に応じていろんな交通手段をお使いになる。そうした交通手段、選べる交通手段を、どうその環境を整備するのかということが地域における公共交通政策では大事だと思っています。それには、供給側というよりも利用者の側の視点からもう一度この地域の生活交通全体を見直しをしていく。これだけ重なっていますから、それぞれ今すぐにということにはなかなかならないと思いますけれども、将来的な課題として、こうしたことを利用者の視点また地域というところに主体を置いて、交通政策協議会というような、全体を見渡していくような、また、そういう意味ではスイッチがきちっと利いていくようないろんな交通手段、そういう協議の場に再編あるいは統合していくというようなことが必要ではないかと思っております。大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
#171
○国務大臣(金子一義君) いい御指摘だと思います。
 本法案についての協議会、地域協議会、運営協議会それぞれ異なった役割はありますが、地域のそれぞれの協議会というのがほぼ人的に地域のメンバーでオーバーラップしてきていると。それから、このタクシー問題だけじゃなくて、ほかの公共交通機関あるいは都市計画といったようなものとも連絡を取りながら全体として体系をつくっていくという意味で、今委員御指摘のような、それぞれの委員会というものをまた整理統合するといいますか、これ、今のまま存在していくと生活者あるいは利用者の方々から非常に分かりにくいという面もあるかもしれません。そういう意味で、運用でこれをどういうふうにしていくのか、あるいはもう一遍全体として総くくりとしてどう位置付けるのか、いい御指摘いただいております。これはどうするのか、これは検討させていただきたいと思います。
#172
○西田実仁君 ありがとうございます。
 問題はしかしもっと進んでいくと思うんですけれども、結局、運輸行政全般にわたる話になるんですね。運輸行政全般、正直、国直轄でずっと来たわけなんですよ。ですから、協議会がこうやって必要に応じて、必要に迫られて地域につくられてきていますけれども、これまでが運輸行政全体は国が直轄して全部やってきたわけですので、正直、市町村に例えば限ってみても、交通政策全般を練る部署というのはほとんどない、お任せという状態になっております。また、市町村でそういう意味で交通政策を立案するプロフェッショナルというのもなかなか育たないと。現実はそうなっていますね。
 ですから、運営協議会なんかでも、本当にいろんな試行錯誤をしながら少しずつつくり上げているという実態、この努力は大変なものだと思いますけれども。
 今回も、特定地域協議会にはそういう運輸行政のプロの方のみならず地域住民という方も入ってくるわけですから、私はここで今回特にお願いしたいのは、先ほど佐藤先生からもお話ありましたけれども、この新たにつくられる特定地域協議会、また今回の特措法の意味とかあるいはその趣旨とか、これを分かりやすく、地域住民の方も含めて分かりやすく説明する何らかの、何というか、参考書というか、そういうものがないと大変混乱するんですよ。
 実際に、例えばこの福祉有償運送の運営協議会の現場でも頻発しているんですけれども、道路運送法の改正がどういう内容なのかというのがよく周知徹底されていないんです。ですから、自治体も初めてですから、道路運送法の趣旨とは違って、より規制が物すごく厳しくなってしまったり逆であったりという混乱が生じている。こういうことがまたこの特定地域協議会で起きないように、特に運輸行政のプロの方じゃなくてもきちっと協議に参加できるような分かりやすい説明、分かりやすい周知徹底の何らかの手段を考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#173
○政府参考人(本田勝君) まず、福祉有償運送の運営協議会につきましては、元々本来タクシー等公共交通機関が担うべき分野で、しかしその十分なサービスが提供されていないという中で、それを補完するものとしてNPOの方々を始めとする福祉有償運送を導入するということについて、関係者間の合意を形成するという目的で協議会があるわけでありますが、実態としては福祉有償運送を担うNPOの方々の御意見とそれからタクシー事業者の御意見が随分隔たりがあったりして、なかなか円滑に進まないというのは事実だと思いますので、これはこれでより円滑に意思疎通あるいは議論ができるように我々も対応していきたいと思います。
 今回の法案による協議会につきましても、やはりタクシーという問題について、例えばそこで働いておられるタクシーのドライバーの労働条件がどうだということから始めて、何が起きているかという問題、それからこの法案で何をしようとしているのかという点、やはり地域の方々に御理解いただかないと実効のある地域計画ができないと考えておりますので、今御指摘のような参考書、あるいは様々な周知は図ってまいりたいと思っております。
#174
○西田実仁君 それでは、より特措法の今回の話に焦点を絞りたいと思いますが、今回の特措法でその特定地域協議会において協調減車をする仕組みということができたわけなんですね。しかし、これまでの議論にもございましたとおり、これで果たして本当に効果が上がるんだろうかと。多くの方にお聞きすると、不安を抱えている方がやはり、事業者の方、また働いている方々というのが多いですね。
 一言で言うと、やっぱり許認可権を全部持っているのは国なわけなんですよ、許認可権です。その許認可権を一手に握る国が減車命令を強制的に出すというリスクは、リスクという表現が正しいのか、そういうことはしないわけですね、協調減車ですから。で、許認可権を一切持っていない、先ほど協議会の話でしましたけれども、地域協議会にこの協調減車の合意取付けというものをゆだねている。そこの地域で協調して、協議して、減車することで決めましょうと、こういう話になっている。ですから、本当にその協調減車というものができるんだろうか、こういう不安に駆られる、あるいはそういう疑念を持っている方がまだ多いと。やってみなきゃ分からないわけですけれども。
 こういうことに対してペナルティーがあるのかと、アウトサイダーに対して。先ほど、ペナルティーはないけれども、協力の要請をすると。局長も衆議院の御答弁でも、理解していただけるような仕組みづくりと、こういう表現をされておられます。万が一この協調減車がうまくいかなかった場合、その責任の主体はだれになるのかと。
#175
○国務大臣(金子一義君) 西田委員、ちょっと今、強制減車しないのかよというお話あったんですが、民間の企業の財産ですから、国が強制減車ということはこれはやらないと。したがって、民間にお任せ、自主的にやっていただくことを期待するということでありますので、アイザー・オアということではない、はなから最初の選択肢は考えておりません。国が強制減車するということは考えておりません。
 そういう中で事業者にどういう減車というものをやっていただくかという、そこのインセンティブがこれ大事になってくるとまさに思うんでありますけど、それについて、例えば減車を応じていただいた場合に監査の項目を少なくするとか期間を空けるといったような様々なインセンティブを働けるようなことは考えていきたいと思っております。
 これについて、ちょっと局長から何か具体的なことがあれば説明してください。
#176
○政府参考人(本田勝君) やはり減車ということになりますと、法制度の問題としては、事業者の皆さんの経営判断ということになると思いますけれども、私ども、法律上の責任とまでは言えませんけれども、本法案を出させていただいておる以上は、各地域での運輸局、精いっぱい様々な手法を活用しながら、まず協議の場にできる限り多くの方に参加していただくとともに、地方公共団体あるいは住民の方々にも参加していただくことによって、減車がやっぱり地域社会にとって必要なんだというような位置付けをすることによってより円滑にそれぞれの事業者の人が減車を決断する、そういった環境を整えていく必要があると考えますし、かつ、個々の減車という行為に対して、一つは、先ほども申しましたが、減車だけではなく、その町のタクシーを良くする前向きの取組をやっていただきますので、そういった前向きの取組に対しては様々な支援をさせていただきますし、かつ、現在行政運用でやっております特定特別監視地域制度の中で、一定以上の減車をされた方には原則監査を免除するといったような手法まで導入させていただいております。そういったあらゆる手法をちょっと考えさせていただければと思います。
#177
○西田実仁君 思わず大臣がお答えいただきましたので、強制減車はしないという前提、それはなぜかというと、営業権の侵害であると、こういう進め方だというふうに思います。
 しかし、実際に、一応これは議論ですけれども、特定地域では増車に枠をはめているわけですよね、特定地域では増車させないわけですよね。それは営業権の侵害じゃないんですか。
#178
○政府参考人(本田勝君) これから新たに事業に参入する、あるいは今ある車両の規模を拡大するという、今ないものに対してこれは今回は御遠慮いただくというケースと、今もう既に一定の事業規模で営業されているそれを減らせという話は、やっぱり法律的には根本的に違うように思います。
#179
○西田実仁君 情報の非対称性ということが言われますけれども、利用者はタクシーを選ぶ場合にはなかなか、来たものに対してこう手を挙げるということですから、また、どの運賃なのかと、そんなの分からないわけですので、情報の非対称性というのもあるんだと思うんですね。ですから、公道上で著しい情報の非対称性を持つ利用者にサービスを提供するタクシー業界に対しては、世界中どこでもそんなにもうすべて自由ですよということはあり得ないわけでありまして、それは当然世界共通のことだろうというふうに思います。
 台数そのものを強制減車ということはしないということですけれども、例えば、じゃ台数のシェアですね、台数そのものという絶対数ではなくて、そのシェアを、つまり定率減車というような形で促していくということは法律上問題になるんですか。
#180
○政府参考人(本田勝君) 例えば、その地域のタクシー需要から見てどの程度の車両数であれば適当なのかといったような、そういった数値を運輸行政を預かる運輸局の立場からお示しすると、したがって望ましい全体像はこのぐらいですよというようなお示しはできると思います。ちょっと個別に何割ずつ減車というところまで参りますといかがかという感じはいたしますが、一つ目標となるような数値を協議会の場で出させていただくといったようなことは考えさせていただきたいと思います。
#181
○西田実仁君 先ほど、大臣から監査の話もありました。協調減車ということを促していくための監査、これを一つの、まあ道具ではないと思いますけれども、その一つの手段としても活用していくというお話だったというふうに思います。
 この委員会でも既にいろんな議論あったと思いますが、監査体制の充実ということについて何か組織を見直すお考えなのか、あるいは、今までもやってこられましたけれども、監査要員を増やしていくということについてどんなお考えをお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
#182
○政府参考人(本田勝君) 監査体制の強化は、逐次、大変厳しい定員事情ではありますけれども、拡大をさせていただいております。
 平成十四年七月時点で全国の地方運輸局の監査専門の担当官は百八名でございましたが、今年度末の定員としては二百五十八名で、これはまたチャンスがあれば更に拡大を図ってまいりたいと思いますけれども、全体の定員事情はやはり厳しゅうございますので、定員を増やすと同時に、やはり限られた定員をいかに効果的に活用するか。
 その意味では、めり張りのある監査を実施する、あるいは厚生労働省を始め関係省庁と連携することによって監査の効果を上げていくといったようなことが必要だと思いますし、もう一つは、やはり現在のような違法、不適切な事業運営の横行といったものに対処する上では、監査の結果出てまいりました問題に対する行政処分基準の強化、とりわけ労働関係法令違反に対する処分の強化といったことも考えていく必要があると思っております。
#183
○西田実仁君 その監査ですけれども、公務員の皆さんによる監査というのはいろんな人数の制限とか当然あると思うんですね。しかし、これはきちんと監査体制を充実しなければ実効性が保てないと、こういうことにもなろうと思います。
 例えば業界団体とかによる内部監査、これをより充実させてはどうかというアイデアもあるように聞いております。現実はなかなか難しい面もあろうかと思いますが、こうした内部監査ということも併せて監査体制の充実ということにも考えていかなければ十分なものにならないんではないかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
#184
○政府参考人(本田勝君) 業界の中で個々の事業者の方の事業所にまで立ち入るということが果たしてできるかどうか疑問ではありますが、ただ、先生の御指摘のとおり、すべてが行政でやるというその前に、これはやはりタクシー事業がもたらす利用者あるいは地域社会の不便をなくしていく、問題を解消していくということでありますから、当事者である事業者団体自体が自助努力で主体的にこういった活動を行うというのは、業界の自浄作用、あるいは地域の中でタクシー業界が信頼を得る上でやはり重要だと思います。
 そういう意味では、現在、例えば東京、大阪においてはタクシーセンターという国とは離れた法人、むしろ業界の方々の団体がございますけれども、このタクシーセンターが何をやっているかといいますと、タクシー業務適正化特別措置法に基づく適正化事業ということで、運転者自身の研修、あるいは街頭に出て問題のある営業車に対しては指導をする、あるいは消費者の方から来る苦情、これを処理し、それを反映して事業者の方に改善指導するといった取組をされております。こういった取組は、何も東京、大阪に限らず、ほかの地域でもやっていただくことが望ましいと思っております。
 私ども、実は事業用自動車、バス、トラック、タクシーの安全対策に関しての総合対策をこの春まとめましたが、その中で、こうした事業者団体が行われる取組と我々の監査、これタイアップしてやっていく必要があるだろうと、ばらばらでやるのではなくて。したがって、例えばタクシーセンターからの街頭指導の情報、これを基に運輸局が動くとか、そういったことは考えていきたいと思っております。
#185
○西田実仁君 ありがとうございます。
 それで、ちょっとまた大きな話に戻って大臣にお聞きしたいと思いますが、今回の特別措置法を作らなければならなかった背景というのはもう既にいろんな御指摘がありました。先ほど大臣もおっしゃっておられましたが、このタクシーの問題というのは、規制ということについて規制緩和ということを進めてきたわけですけれども、全般的には、それを、ある意味でうまくいかなかったところを直していこうと、そういう非常に大きなテーマであるという御趣旨の話があったと思います。それを一言で言えば、例外なき規制緩和ということは決して正しいわけではないということを言われようとされているのかなというふうに思います。
 タクシーの場合はまさにこの台数制限を外して規制緩和して、本来であれば、それぞれがいわゆる部分最適というか、自分にとって最大の利益があるだろうと思ってやったことが全体としても最適になればこれは一番いいわけですけど、いわゆる囚人のジレンマというようなゲーム理論もあるように、部分最適ではあるんですけれども全体にとってはもうかえってみんながマイナスになってしまうと、こういうことが実際に起きてきた。つまり、市場が失敗した、それで思っていたような政策効果も出なかったと、こういうマーケットなわけですよね。ですから、行政が介入をして、協調減車という形ではありますけれども、そういう場をつくっていくという今回の特別措置法につながっていると、私はそういうふうに理解しております。
 そこで、大臣にお聞きしたいわけでありますけれども、こうしたタクシーのことを一つ例に挙げても、ほかにも多分そういう市場が失敗してしまうケースもあるんだろうと、また現にあるだろうというふうに思います。このいわゆる例外なき規制緩和ということについて、大臣の御所見というか、お考えをお聞きしておきたいと思います。
#186
○国務大臣(金子一義君) 私は規制緩和担当大臣をかつてやっていたことがありました。規制緩和というものが一方でもたらしていく経済効果あるいは社会効果というのは、いい部分は山ほどあるし、多分まだまだこれからも、時代が変わる、あるいは国民の行動が変わることによって、あるいは選好が変わることによって規制を緩和していく部分というのはまだまだいろいろあるんだと思います。
 ただ一方で、例外なき規制緩和というのは、もう西田委員、認識全く同じでありまして、市場がうまく機能しなかった、あるいはマイナスの現象が起こってきた、国民にとってあるいは事業者にとってあるいは働く人たちにとって、特に今回のタクシーの場合そうでありますけれども、国民全体のために必要があるものについては、今御指摘のように、修正を我々国会の責任において行っていくということはまさに必要なことであると思いますし、この分野が非常に大きな、今国会で取り上げられたということは第一号と私は思っているんですけれども、非常にそれだけに国民も多分注視している、マスコミも注視していることだと思いますけれども、行われたことだと思います。そういう意味では、認識は西田委員と同じであります。
#187
○西田実仁君 そういう意味では、衆議院におきまして修正もなされて、与野党で様々な努力が重ねられて、こうした今形になっているということもまた大きな意義があるというふうにも思っております。
 最後のテーマですけれども、運輸審査についてのガイドラインについてお聞きしたいと思います。
 これは、研究会がこれからこの一、二か月で結論を出すと先ほど話もございました。幾つか確認をしたいと思います。この運輸審査についてのガイドラインは二つあると先ほど局長おっしゃいました。一つは自動認可運賃の幅の問題であると、そしてもう一つは下限割れ運賃の審査の在り方、この二つだというふうに思います。
 この自動認可運賃の幅につきましては、先ほども御答弁ありましたけれども、上限運賃から一〇%下回る間のものについてはこれまで自動認可だったわけですよね。その一〇%をもうちょっと幅を狭めましょうと、こういう話ではないかと、そういう答弁されておられます。
 私は、この縮小を仮にしても、自動認可ではなくて、その幅の縮小が、もちろんそれはいいことですけれども、その幅の中でもコンプライアンス等をきちんと見るという必要があるんではないか。あるいは、その何%の中であれば自動認可という、その何%というそういう線を区切ること自体も何かどういう意味があるのかという、議論を聞いていると思うわけですけれども、これについてどんなお考えになりますでしょうか、局長。
#188
○政府参考人(本田勝君) 今先生からの御指摘は、まず第一、自動認可運賃の幅というのもなくしてしまって、上限、それを少しでも下回る運賃はすべて個別に審査するというような体制はどうかというお話かと思いますが、この点については、やっぱりタクシー事業の場合には、一地域で非常に多くの事業者がおられますので、上限運賃以外のすべての運賃、個別に審査するといった場合には、まず実際の行政実務としてそういったものが大量に出てきたときに効率的に処理するという上で問題が生じはしないかという懸念が正直一つございます。
 それからもう一点、理論的なことから申し上げましても、上限運賃を若干下回っても、今回衆議院で修正されましたとおり、それが適正な原価に適正な利潤を加えたもの、あるいは不当な競争を引き起こすおそれがないものと判断される場合には、やはり個別に審査する必要はないのではないかと思います。
   〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕
 そういう意味で、ある一定の幅については、従来どおり自動認可という余地は残させていただきたいと思いますが、繰り返しになりますけれども、現在そこを当然のように一割としていることについては、元々それで本当に不当競争防止という点で全く問題がないと言えるのかどうか。さらに、今回衆議院での修正で新しい運賃基準としては、適正な原価に適正な利潤を加えたものであるという基準が加わりましたので、そういう見地からいっても、当然に一〇%であれば問題ないのかという点は、改めて検証し直す必要があると考えております。
#189
○西田実仁君 今後についての今お話もいただいたんですが、現在あるいわゆる低運賃については何らかの対策をこれから打っていくことになるんでしょうか。
#190
○政府参考人(本田勝君) まず、下限割れ運賃についての審査については、今回のガイドラインで基準をもう少し明確化したいと考えております。現在の基準というのは、収支率一〇〇%ということにすぎないわけでありますが、これにとどまらず、やはり不当な競争を防止する見地からはこの基準だけで足りるか、例えば労働条件の悪化の防止あるいはより消費者に密接な運行の安全の確保という見地から、この下限割れ運賃の審査についての審査基準を明確化する必要があると思っております。
 それから、現在既にある下限割れ運賃の採用されておる事業者の方の問題につきましては、衆議院の附帯決議におきまして、下限割れ運賃を採用する事業者には、人件費、一般管理費、走行距離等、必要な指標につき定期的に報告を求め、その事業運営につき適切なチェックを行うという決議をいただいておりますので、この決議に基づく対応も的確にやってまいりたいと思います。
#191
○西田実仁君 終わります。
#192
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 我が党は、この法案提出に当たって、九年前の法案審議で交通運輸の規制緩和については一貫して社民党としては反対をしてきました。なぜなら、やはり規制緩和によって犠牲となるのは労働者であり、タクシーの利用者であるというふうに考えたからであります。結果、今のこれまでに指摘されたとおりでございまして、その実態が今現れてきているのではないかというふうに思います。
   〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕
 実施から七年という歳月が流れてしまいましたが、今ここで規制緩和によって生じた弊害を取り除くことがこれからのタクシー産業の発展にとって、さらには運輸の使命であるというふうに思っております。安全、安心の確保によってより確実な一歩となることを期待をしております。しかし、だからといって今回の特措法は決して満足できるものではないと申し添えておきたいと思います。
 そこで、お伺いいたしますが、提案理由の中にもありましたけれども、特措法案を提出するに至った理由と背景についてお教え願いたいと思います。
#193
○国務大臣(金子一義君) 理由と背景でありますけれども、規制緩和、平成十四年に実施されました。民間事業、非常に需要が、これが適用されましたときは我が国全体から見るとむしろ需要が低下している渦中でありました。そのときの議論を振り返って私も勉強させていただきますと、むしろそういう時期だからこそ規制緩和によって需要を拡大しようという部分の、民間の創意工夫によってむしろ需要をつくっていくんだということへの期待というのが平成十四年、これは十二年の議論でありますけれども、背景に、背景といいますか、これが規制緩和された理由としてそこにあったんだと思います。
 ただ一方、その結果として、利用者にとって待ち時間が少なくなるといったようなプラス面、あるいはサービスの向上といったようなものも散見されますので、そういう意味では、プラスの面があった反面、一方で、需要が伴わずに供給側が増加するということの現象が地域によってはかなり出てまいりました。供給が増加する、需要が減少する、タクシーの場合、運転手さんの歩合制という言わば構造的な部分がありますので、結果として運転手さんの労働条件、待遇が悪化するということ、これを委員御指摘のとおり何とかしていきたいと。
 利用者あるいは事業者、同時に、働く人たちの労働環境というものをやっぱり良くしていきたいという与野党の思いが今回の法案の提出に、あるいは修正にこぎ着けられた考え方だと思っております。
#194
○渕上貞雄君 衆議院の修正案提出者、本日は御苦労さまでございました。
 さて、今回の特措法案ですが、衆議院において修正が行われました。そして本院に送られてきましたが、修正に至るまでの経緯と修正点についてお教えを願いたいと思います。
#195
○衆議院議員(福井照君) 今回、今大臣からもおっしゃられましたように、我々に与えられた命題は、両極に規制と緩和がございまして、どこまで戻すかという、緩和が行き過ぎたというのはもう万人が認めるところ、しかし、七年前、八年前に戻すかというと、それもちょっと難しいということで、どこまで行くかというのが命題でございました。
 閣法は、ありていに言いまして、三分の一ぐらい戻すという形になりますけれども、社民党さんも民主党さんも国民新党さんも共産党さんも野党一致で、衆議院では野党ですけど、閣法に対抗する形で道路運送法までさかのぼって修正案を出していただきまして、それで、国会対策上の常識を打ち破って、閣法と同時に野党の方からも趣旨説明をしていただいたということで、自来、もう本当に真摯に協議を重ねさせていただきまして、まさに今回の修正は歴史的というよりはむしろこの修正自体が歴史だと思います。
 といいますのは、道路運送法はあまねく陸上交通のことすべて決めている法律、そしてタクシーの適正化・活性化法案はその特別な法律ということで、今回の修正案はタクシーの法律で、道路運送法までさかのぼって、適用とはいえ、当分の間とはいえ、運賃の考え方について基本的なプリンシプルを変更するものでございますから、およそ内閣法制局とか国土交通省からいうともう考えられないわけでございまして、すべてのりを越えて一致をさせていただきまして、だから全会派一致で参議院の方に送らせていただいたということでございます。
 今回、附則の方で道路運送法も検討するんだとか、あるいは運賃の考え方について、後ほど御質問があるかもしれませんけれども、超えないものとするものをデリートしまして、適正な価格でいくんだということについて定めさせていただいたわけでございますので、その辺のところを是非ごしんしゃくいただいて御検討いただければというふうに思います。
#196
○渕上貞雄君 御苦労さんでございました。
 そこで、修正され、加えられた項目の附則の五の二において、当分の間という文言がございますが、当分の間とはどれくらいの期間又は時間を指すのでしょうか。道路特定財源暫定税率の場合はもう議論があったとおりでございまして、三十年間も続けられたという経緯がございます。今回附則に記された当分の間が意味する期間、時間について、修正に当たりどれくらいの時間を想定されているのかお伺いをいたします。
 今回の道路運送法の附則の改正によって、同法の九条の三は上限価格を否定することになると理解してよろしいかどうかお伺いいたします。
#197
○衆議院議員(福井照君) 一般論はちょっと省略させていただきまして、今回の場合、今先生おっしゃいましたように、附則第三項に規定してございます検討条項、タクシーの運賃及び料金制度の在り方について早急に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする、検討を加えてその結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとされておりますので、当分の間というのはこの検討の結果、とられることとなる措置が施行されるまでの間、つまり、この法律を決めていただいてからこの措置がとられるまでの間というのが当分の間という意味というふうに解釈をさせていただいております。
#198
○副大臣(加納時男君) 今提案者から御説明があったことと政府の見解とは一致しております。
 附則の、今御質問のありました当分の間というのは附則の第五項でございます。そこの前にあるのが第三項でありまして、第三項のところを今まさに福井先生が読まれたわけでございますけれども、政府は、一般乗用旅客自動車運送事業等の許可、その次、運賃及び料金とはっきり書いてありまして、それからあと文字がいろいろありますが、等々につきまして、早急に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。この項の次の次に出てくるのが当分の間でありますので、したがって、今御説明があったとおりの見解を私どもも持っております。一致していると思います。
#199
○渕上貞雄君 修正提案者に再度お伺いしますが、九条の三項の方についてもお答えいただいたんでしょうか。もし答弁漏れであればお願いしたいんでありますが。
 国土交通省にお伺いしますけれども、今修正提案者が答弁ございましたそのとおりと国土交通省は考えているというふうに理解してよろしゅうございますか。
#200
○衆議院議員(福井照君) 大変失礼しました。
 先生おっしゃいましたこの道路運送法九条の三の上限価格制について、まさに基本的なこの考え方、基本的なプリンシプルについて変更しようということでございます。ただし、その適用について、ただし、当分の間ということでございます。これはその特定地域の中だけだと特定地域外とのやり取りがある場合混乱するということで、全国あまねくということにさせていただいたのと、それから、その現場現場ではタクシーの乗り場でお待ちの客、タクシーの待ち行列があって、市場が存在するとはいいながら、そのお客さんにとってみると、五百十円と五百五十円と選べるわけじゃないという現実も存在するということから、今回のこの規定になったわけですけれども、いずれにしても、道路運送法に立ち返ってまさにその検討条項がございますから、まさに道路運送法そのものが条文として、適用とか当分の間とかではなくて、まさに条文として改正されない限り、先生がおっしゃるこの上限価格制が否定されるとか、あるいは次の考え方になるとかいうことにはならないと思いますけれども、今回は特定地域の社会実験を踏まえて、この附則で全国あまねく超えないものとするというのは削除させていただいたということでございます。
#201
○政府参考人(本田勝君) 基本的には福井先生からお話のあったとおりでございますが、私どもの理解として、今回の改正により、「適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないもの」が「加えたもの」になりますので、個々の事業者の関係で見ますと、適正な原価に適正な利潤を加えたものということになろうかと思います。ただし、これはあくまで個々の申請者の原価あるいは利潤ということになりますので、その地域全体として見ますと、申請者によって運賃が異なることは当然考えられると思っております。
#202
○渕上貞雄君 そこはまた議論のあるところだと思います。
 修正提案者、これで質問ございませんので、もしよろしければ御退場願って結構でございます。
 附則の五によって、道路運送法の九条の三の第二項の第一号は、能率的な経営の下における適正な原価、適正な利潤を加えたものとなりますが、改めてその内容、考え方についてお聞きをしたいと思いますが、初めに、能率的な経営とはどのようなものをいうのでございましょうか。また、能率的であるとの判断はどのようにされるのでしょうか。
#203
○政府参考人(本田勝君) タクシーの運賃の認可処理に当たっては、非常にたくさんの事業者の方をいっときに行政手続を行うものですから、ここで言います能率的な経営といいますのは、そこの地域の言わば原価を算定する上で標準的な経営をされているということで今私ども運用しておりまして、具体的には、その地域の中で小規模あるいは零細事業者の方、あるいは事故といったような問題を多発している事業者の方、あるいは従業員一人当たりの営業収入が非常に低いといったような方々を除いて、残る方々の、標準的な経営をやっておられる、そういった方々を対象に計算させていただいております。
#204
○渕上貞雄君 そこで、適正な原価とはどのようなものを適正とし、原価とするのか。中でも、適正な人件費についてはどのようにお考えなのか。それからまた、同じく、適正な利潤をどのようなものをもって適正とし、原価とするのでしょうか。
#205
○政府参考人(本田勝君) 実務を簡単に御説明いたしますと、現在の認可基準におきます適正な原価につきましては、人件費、燃料油脂費、車両修繕費、車両償却費あるいはその他運送費といった費目ごとに一定の算定式を用意させていただいております。また、適正な利潤につきましては、基本的な考え方としては、自己資本に資本利子率として〇・一、つまり一〇%、これを乗じた額、それが法人税等税引き前の額となるような形で考えております。
 人件費につきましては、これは考え方が非常に難しゅうございます。一応、原則としては、そこの事業者あるいは地域の基準賃金、基準外賃金あるいは賞与といった実績を見て人件費を算定するというのがルールなんですけれども、実は歩合制の賃金が浸透した結果、この仕組みだけでまいりますと賃金が悪化していくということを追認しかねない算定基準であるという正直言いますと矛盾をはらんでおります。したがって、ここ二年ぐらいやっております運賃改定に当たりましては、実態を追認するのではなくて歩合率を変えないような、つまり物価の変動率と同じだけ賃金が上がるべきだという考えを入れさせていただいて、人件費として算定させていただきました。
 いずれにしましても、今後作成させていただきますガイドラインの中で、適正な原価、さらには適正な人件費というものを整理して検討してまいりたいと思っております。
#206
○渕上貞雄君 今回、道路運送法九条の三が変更になりますが、国交省はそれに基づきまして下限割れ運賃や割引による低運賃に対する審査を抜本的に改め、厳格に対処すべきだと思いますが、どのような考え方をお持ちでしょうか。運転者に聞きますと、割引や値下げをした分は今お話ありましたような歩合給によって賃金にしわ寄せされるという声が圧倒的でありまして、国交省はこのことをどのように認識されておられましょうか。
 また、これらは運賃を長期間据え置いた結果として低額運賃になっている場合も同じように運転者の労働条件に悪影響を来しているところでありますし、低額の運賃申請と同様、厳格な対処が必要と思いますが、その点どのようにお考えでしょうか。
#207
○政府参考人(本田勝君) まず第一に、衆議院の修正によりまして、新しい基準として適正な原価に適正な利潤を加えたものということで、私どもが審査をする場合に非常に大きな効果としては、まず、健全経営の確保についての法的な根拠が明確化されるというのが大きな効果があろうかと思います。
 さらに、今先生からもお話のありましたとおり、個別運賃の審査について新しい基準に基づいて審査の厳格化を図る必要があると思っております。現在の運賃制度でございます、私どもが示す上限と下限、一〇%の範囲内は自動的に認可、つまり審査を省略しておりますが、新しい基準の下でこれでよいのかどうか。
 それから、さらにそれを下回る下限運賃の審査に当たっても、今やっておりますような収支率一〇〇%という基準だけで足りるのかどうか。ここはより厳格化する方向で検討する、そういったことになろうかと思います。
 この点は、衆議院でちょうだいしました附帯決議におきましても、道路運送法九条の三第二項第一号の読替え特例措置が講じられた趣旨と経過を勘案し、ガイドラインにおいては、タクシーの安全を確保するための適切な運賃水準が確保されるよう、自動認可運賃の幅を縮小するとともに、下限割れ運賃の審査を厳格化する措置を講ずることという決議をちょうだいしております。
 また、既に下限割れ運賃を採用しておられる事業者についても、人件費その他必要な指標について定期的に報告を求め、その事業運営につき適切なチェックを行うことという決議をちょうだいしておりますので、これを的確に履行していく必要があると考えております。
#208
○渕上貞雄君 運賃原価の算定に当たって安全についても算定の基礎に繰り入れるべきだと考えますが、大変難しい問題ではあろうかと考えますが、安全についてもやはり算定の基礎に入れるべきだというふうに思っているので、その見解はいかがでございましょうか。
#209
○政府参考人(本田勝君) 安全ということになりますと何よりも運転者の方の人件費という問題が非常に大きな問題でありまして、この点につきましては労働条件がいたずらに悪化しないような配慮が要ると思っております。
 また、車両修繕費あるいは運転者の方の健康管理といった面につきましても所定の経費が繰り入れられるべきだと考えております。
#210
○渕上貞雄君 附則の五の二を加えることによって今後どのようなことが予想されるのでありましょうか。また、この間、運賃をめぐる諸問題が整理をされ、解決されるのでしょうか。お伺いいたします。
#211
○政府参考人(本田勝君) 道路運送法の新しい改正附則第二項のことだと思いますが、新しい基準によりますと、適正な原価に適正な利潤を加えたものということで運用してまいりますので、現在の運用であります自動認可の幅あるいは下限割れ運賃の審査について、より厳格な審査をする必要があると考えております。具体的な中身につきましては、今回の修正の趣旨を体してガイドライン作りの中で反映していきたいと考えております。
#212
○渕上貞雄君 運賃についてもう少しお伺いをいたしますが、現在のタクシー運賃は、総括原価方式を用いて上限運賃の基、上限運賃から一〇%減の範囲であるなら自動認可をされる仕組みになっていると思います。運賃額の決定に当たっては、標準的な経営を行っている事業者の経費を基にするようですが、この標準的な経営を行う事業者とはどのような事業者を指しているのでしょうか。また、何をもって標準とされるのか、併せてお伺いをいたします。
 上限運賃の算定の方法においても、標準的な経営状況にあると考えられる事業者の原価を基礎として平均原価を算出するようですが、この場合の標準事業者の運賃額を決定するときの標準業者とは違うのでしょうか、どうでしょうか。
#213
○政府参考人(本田勝君) 運賃改定に際しての実務のことでございますが、私どもが公示させていただきます上限運賃の算出手続でございますが、まず第一、標準的な経営を行っている事業者ということで、先ほど申しました小規模なあるいは零細な事業者の方とか事故を多発している事業者、あるいは従業員一人当たりの営業収入が低水準の事業者の方を除かせていただいた、まさに文字どおり、その地域における標準的な事業者の方を標準能率事業者として指定させていただいて、その方々の収支状況を計算させていただきます。
 その上で、実際、原価計算をする際には、標準能率事業者の方々から車両規模、つまり事業規模と考えていただいて構いませんが、事業規模別に偏ることのないように一定の会社数を原価計算対象事業者として選定させていただきまして、そこの事業者の方の経費あるいは収入、そういったものを運賃改定に反映するといったような手法を今取らせていただいております。これがいわゆる総括原価方式というものでございます。
#214
○渕上貞雄君 時間でございますので質問を終わりますが、厚労省の方にも、お呼びしておりましたし、ちょっとまだ残っておりますので、この次にしますので、今日は失礼をいたしました。
 終わります。
#215
○大江康弘君 どうも御苦労さまでございます。
 渕上先生の方が随分分かっておありなので、私のお時間をと申し上げたんですが、御遠慮いただいたのでやらせていただきたいと思いますが。
 社会と公的規制の在り方というのはよく言われます人間の成長と一緒で、だんだん大きくなっていって服も変えていくように、やはり社会の変わっていく中で規制も変えていかなければいけないということをよく言われるんですけれども、本田局長、この難しい時期にこの大事な法案を本当によくまとめられて、衆議院では、今来られていましたが、与野党でこうして修正案をできたということで、私は、かねてより局長はいつも現場主義で、何かあれば現場へ行かれて、やっぱりそういうことの一つ一つの積み重ねというのは大変大きいと思います。
 後ほど局長にいろいろお聞かせをさせていただきたいと思いますが、まず岡田政務官、先日の都市再生法のときは失礼しました、質問がなかったもので、予定をさせていただいておったんですが、その代わりといってはなんですが、今日はちょっと二点ほど、しかも当初いただいておった時間よりもかなり減らされまして、ぜいたくは言えぬのですけれども、その範囲の中で。
 私は石川県というのは大好きで、今御縁があるのは、能登空港に台湾からチャーター便が飛んできて、その飛んできたチャーター便が白浜空港に行って、そして能登、石川県と白浜、和歌山県の観光地を見て白浜空港から台湾に戻るという、こういう今チャーター便が出ておりまして、随分御縁もありまして、私は国体当時から県議当時に寄せていただいて、非常にすばらしいところだなと。まさに北陸の雄都、石川、そして大都市金沢、そういうことを感じてきたんですが。
 政務官も、加納副大臣もそうですが、大臣をお支えになられて全国をいろんな立場でお回りになられて、若干この今回の法案に関して、まず第一点、政務官にお聞きをしたいのは、いろんな問題が地域地域にあります。しかも、その地域にとって、一〇〇%観光地なのか、あるいは商業地を兼ね備えた地域なのか、あるいは商業地が中心なのかと、やっぱりそういういろんな背景には組合せがあると思うんですが、金沢はやっぱりそういう意味では商業地と観光地とが非常にかみ合わさった、大きな私は都市であると思いますけれども、やっぱりそこには私は参考にすべき、いろいろ今回の法案に対してそういうものがあるように思うんですけれども、まず第一点、政務官から、その金沢のタクシーの現状も含めて、ちょっと所感をお聞かせをいただけたらと思います。
#216
○大臣政務官(岡田直樹君) 先ほど大江委員から現場主義というお話がございまして、その地方の現場の一つの具体例として私の町金沢あるいは石川県をお取り上げいただき、またいろいろ御心配もいただいて、大変有り難いと思う次第でございます。
 委員の先生方も一度お越しをいただきたいし、御案内をしたいと思うわけでありますけれども、金沢に香林坊あるいは片町という繁華街、歓楽街がございます。ここに夜な夜な、深夜まで客待ちタクシーが大変な長蛇の列を作るわけでありまして、金沢、人口五十万に満たない町でありますが、この客待ちタクシーの列というのは百万都市顔負けではないかなと思うわけであります。そして違法駐車も多くて、これを摘発するんですけれどもすぐ元に戻ってしまって、イタチごっこでなかなからちが明かないというような問題もございます。
 なぜこうなのか、少しデータを見てまいりますと、需給バランスでございますが、規制緩和の後に金沢交通圏のタクシー需要は約四%減少いたしました。ところが、逆に供給の方は台数が二七%増えてしまったわけであります。この結果、例えば同じ日本海側で供給過剰と言われております新潟の方が金沢よりも人口は多いのにタクシーは金沢の方が多くなってしまったと、こういう状況でございます。そして、運賃についても、金沢交通圏では昨年四月に運賃改定をいたしましたが、改定をしない事業者が少なからずおりまして、結果として実質的に下限割れ運賃に相当する法人業者が一五%を占める、大変運賃競争も激しくなっているわけであります。
 こうした状況を反映しまして、平成二十年、昨年の石川県のタクシー運転者の年間給与は約二百三十四万円。これが、石川県の全産業男子労働者平均は約四百八十三万円でありますから、タクシードライバーは全産業の平均の半分も稼げていない、大変つらい状況にありまして、これは北陸信越運輸局管内の各県の中で、例えば新潟、長野、富山、福井と比べても最も低い水準になっております。
 こうした状況から、金沢交通圏については昨年七月に特定特別監視地域に指定をいたしまして、運用上は一定の供給抑制策を講じているところでございますけれども、どうかこの法律が早期に成立いたしました暁にはより有効な対策を打ってまいりたい、このように考えまた期待もいたしておるところでございます。
#217
○大江康弘君 政務官、ありがとうございます。
 もう一点、今まさに日本の縮図のようなお話を聞かせていただいたんですけれども、私もそうですが、観光地を抱えて、やはり観光地におけるタクシーの在り方というのもこれはまた通常とは違ってきておると思うんですが、そこの部分で少し、若干政務官の御意見があれば聞かせていただきたいと思います。
#218
○大臣政務官(岡田直樹君) 先ほど先生から、台湾のお客が石川県にもあるいは和歌山の白浜の温泉にもやってくる。台湾の方々本当に温泉が大好きで、こうした観光客、海外からの観光客も含めてこれを対象としたタクシーの充実、このことが地域振興あるいはタクシーの需要喚起にとって大変大切なことと考えております。
 少しお国自慢をお許しいただいて、金沢という町は加賀百万石の城下町でございまして、歴史都市にも認定をされました。兼六園でありますとか、今復元中でありますが金沢城、また武家屋敷、それから大変情緒のある茶屋町など見どころが多くございまして、新しいところでは21世紀美術館なんというのもあります。割合小さな、小さなと言ったら語弊があります、小ぢんまりとした町にコンパクトにこうした名所がそろっている町でありまして、観光客の足としてはバスであるとか自転車であるとか、あるいは歩いて回るということもございましょうけれども、観光タクシーというのもかなり有効な手段であるなということを思っております。
 既に当然、観光タクシーも相当数ございますけれども、今年に入りましてタクシー業界、行政機関、観光団体などが力を合わせて金沢観光ガイドタクシー運営協議会というものを立ち上げました。金沢の文化、歴史などの知識を持ったタクシードライバーを金沢観光ガイドタクシーという形で認定する制度の創設に向けて今協議を進めております。
 また、金沢経済同友会が金沢検定と申しまして、町の歴史や文化の知識、理解度を問うような検定試験を行っていて、これが大変多くの市民が受験をしておるんですけれども、タクシードライバーの方々も非常に意欲的にこの検定を受けて、その検定のバッジを胸に付けてタクシーを運転する、あるいはお客様を案内すると、こうした光景が見られるということは非常にいいことだなと思っているわけであります。
 金沢の観光タクシーを私、全国のモデルにしていきたいと思っているわけでありますけれども、何も金沢に限ったことではなくて、先日からお話に出ております香川のうどんタクシー、また福岡にはラーメンタクシーというのがあるということで、また京都では着物を着た方を割引する着物タクシー、こういういろんな全国各地のユニークなアイデアというものを大事にして育てていく各地の御努力というものを我々は御支援を申し上げていきたい、こんなふうに思っているところでございます。
#219
○大江康弘君 政務官、ありがとうございます。
 私は、なぜ政務官にこういうことを聞きたかったかといいますと、昔、大変金沢というのは先進県だと思ったのは、実は私の白浜の温泉にはもう置屋というのがないんです。もう芸子さんがなくなってしまったんですね。当時、金沢は商工会議所が中心で、若い芸子さんに年間たしか、記憶に間違いがなければ百万円を超える助成費を出して伝統文化を教えて、そして芸子さんを守って置屋を守ってサービスを提供していこうという非常に斬新的なことをされた。今聞けば、観光タクシーの方もそういう工夫をされているということであります。大変いい参考の御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 そういうことで、本来はやっぱり、局長、市場に任せるということはこういうことだったと思うんですよね。ただ、やはり、私は元々小泉改革に対して反対の立場で参りましたから、官から民へなどということが本当にいいのかと。あの偽装耐震が起きたときに、やはり官がしっかりと守っておれば私は少しは防げたのではないか。何もかも丸投げで、そういうことを、官から民へというあの言葉に酔ってしまって、我々もそういう反省もしなきゃいかぬと思うんですけれども。
 ただ、先ほど言いましたように、やはり社会と公的規制の在り方というのは体の関係、服の関係で、やはり今そういう思いで変えなければいけないということになったんでしょうけれども、本当に市場原理というのが働いたんだろうか。よく言われますが、規制緩和というのは、一番メリットのある分野というのはやっぱり装置産業であるということ、そして技術革新が絶えず行われるというようなところと言われますけれども、そういうようなやっぱりタクシー業界というのはなかなか規制緩和、まあ私は規制緩和という言葉は余り好きじゃないですね、むしろ日本の今までのこの七年、八年というのは規制撤廃と言った方が正しかったんではないかなというふうに思うんですけれども。
 そういう中で、少し地元の話をさせていただきますが、本来は、タクシーのサービスの必要条件というのはよく言われます。ここに書きました安全性、安心度、そして迅速性、快適性、そして最後の五番目は適正な運賃水準だと、これが必要条件だと言われるんですが、私はやっぱり絶対条件というのは一番上の安心、安全度ということでありますが。
 ちょっとこれ、質問の順番を変えて、実は和歌山というのはいまだに不良タクシーがあるんですね。不良運転手があるんです。それを、その人の個人の資質に転嫁をして、だから悪いのだと言うのか、あるいは事業者の指導が悪いのかと言うのか、そこは私はいろいろあると思うんですけれども。
 まず、第一点聞きたいのは、実は地方に行けば、私の地元なんかの和歌山市なんかはタクシー乗り場で差別化がされていないわけですね。要するに、近距離に乗りたいと思ったってそれがない。あるいはまた、後で言いますが、整理の人も置いていない。これはやっぱり協会がしっかりしていないんでしょうね。
 かつて、我々県会当時に、もういいかげんこういうタクシー規制とかいろんな運輸行政の身近なものはもう地方に、それこそ地方に分権してもらおうと。一番目の届きやすいやっぱり我々が目を凝らしてやるべきだということを言った時期がありました。ですから、そういうことを考えたときに、確かに不良運転手、不良事業者、だけど、現実にそのタクシーの利用者がこれだけ減って、一時間、二時間待ってワンメーターあるいはツーメーターのところまで行けと言って怒るなということも、これもやはり感情的にも無理のないところであって、本来はそういう差別化の乗り場を造るべきであって、大きなところはそういうものはあるんですが。
 私は、公共運輸というのであれば、やっぱりいたずらにそういう差別化のない地域にそれぞれの受皿を任すのではなくて、やっぱり公共運輸というのであればそういうことを提供させる行政は私は義務がある、責任がある、しかしそれがなされていないというところにそういうやっぱり問題が人間の感情として起こってくるということは、これは僕はある意味やっぱり行政の責任だと思うんです、さっき言った運転手の資質だとか事業者の怠慢、指導不足ということではなくて。
 ここら辺りは、局長、行政がやっぱりしっかりと差別化をさせてやって、お互いがやっぱり近距離で走っても、何時間待ったって近距離で走ってもやっぱり気持ちよく走らせてやる、運転をさせてやる、これはやっぱりある意味インセンティブが必要ですよね。それがなかったら、私はやはり、こんなに歩合制の職業の中で、和歌山なんかは流しておったってなかなかお客なんか乗らない地域ですからね。
 だから、独り和歌山に限らず、やっぱりそういう地域は私はあると思うんですが、そこらは難しいんですか、行政がそういう差別化をさせてしっかりと利用者に自分の気持ちのいいタクシーの選び方をさせてやるということは。どうですか。
#220
○政府参考人(本田勝君) 先生の今の御指摘については、二つお答えさせていただきたいと思います。
 まず第一は、やはりタクシーというのは、それにお乗りになる利用者、このニーズに合致したサービスをどうやって提供していくかということであると思います。やはり利用者がなかなかタクシーを選択できないというのが実情でございますが、様々な技術とかあるいは機会をとらえながら、少しでも利用者自身がタクシーを選べる、今のお話ですと、近距離へ行きたいということであれば近距離の乗り場を整備するといったような形で、消費者が望むもの、それを、タクシーを選択できるというような環境整備、これは必要だと思いますし、そのために、今年度、実は調査費を計上させていただいて、そのための勉強をしたいと思っております。それが一点です。
 それからもう一点は、やはりそうした場合においても、申し訳ございませんが、やっぱり消費者から見ると問題のある運転手さんは残る。その点については、これはやっぱり厳正な対処をする必要が行政としてはあると。
 その両面、対応策が要るんだろうというふうに考えております。
#221
○大江康弘君 今回のこの法律というのは、ある意味、これ業界側からも私は要請があったと思うんですね、もうこんなに需要と供給のバランスが崩れて大変だと。ですから、これが背中を押した部分があった。
 私は、もう何度も言うように、日本人というのは大義名分がなかったら動かない国ですから、不思議とそういう民族ですから。私は、今のこの質問をさせていただいた中身で、実は和歌山なんかは不良タクシーだ、あるいは苦情があるなんていったときに、私も勉強不足ですが、例えばそういうことをしっかり受け止めてくれる協会があるのかどうかも分からないし、おまえ、地元で何言っておるんだと言われるかも分かりませんが、少なくてもやっぱりこういうことはフリーダイヤルで対応するとか、やはりそういう整理、今回のこういうことの改正をきっかけに、必ずやっぱり整理人というんですかね、とかいった一人や二人タクシーに乗せて整理してくれるおっちゃんがおりますが、やっぱりこういうことをしっかり義務付けるだとか、こういうことがやっぱり私は法律を変える、大きなことを変えていくときにはやっぱりそういうことも義務付けるということも私はこれは大事だと思うんです、もうすべてまた任すとかあんたら頑張れよというんでなくてね。やっぱり何かしっかりと規制、それこそ規制をしていく、こういうことはできないんですかね。
#222
○政府参考人(本田勝君) 今回の法律で義務付けという形にはなってはおりませんが、それぞれの地域で悪質な事業者あるいは運転者への対策強化、具体的に言うと違法、不適切な事業運営を排除するというのは、その地域の中でやっぱりタクシーという乗り物が安心していつも位置付けられているという上では極めて重要であると思いますし、そういう見地から言うと、やっぱりその地域の事業者団体の役割は大きいと思います。
 そういう意味では、今回は特定地域を指定させていただきますが、その中で、その地域を良くするための取組を地域計画、更には事業者自身が取り組む問題としては特定事業計画というもので定める仕組みになっております。したがって、それぞれの地域の事情によって少しは違いますけれども、先生がおっしゃったような意味で悪質な事業者あるいは悪質な運転者を排除していくような取組は積極的に地域計画に定め、かつ特定事業計画としても出していただくように促していきたいと思います。
#223
○大江康弘君 なかなか、今回、僕はイメージとしてこのスキームがちょっとはっきり分からないんですが、その特定地域、そんなにあちこちにはなっていかぬと思うんですよね。だけど、特定地域に指定するとかしないとかと今私が質問申し上げた話は、これはもう絶えず恒常的な話であって、だから私はそういうことの中で、やっぱり何かこういう法案が変わったとき、また新しいものができたときに、やはりそこしか私は言う場所がないと、言う時期がないと思うから私は今こういうことを申し上げたんで。
 最低やはり協会で整理人を絶えず常駐させるだとか、あるいはフリーダイヤルで、今日びですから、もうフリーダイヤルで苦情を聞く。おまえ電話代自分で払って苦情言ってこいなんというのはこれはまさに不親切な話で。だから、こういうことをやっぱりしっかりと私は義務付けて、タクシー協会側にも事業者側にもやっぱり私は言うべきであると思うんですよ。そのぐらいの注文というのは、今まで乗客、利用客が大変怖い思いをした、不快な思いをした、嫌な思いをしたということの中で、単に車の数が多かったからこうなったなんというのはこれは言い訳で、私はやっぱりそれはちょっと行政のこれは怠慢じゃないかと。言葉が過ぎましたけれども、そういうふうに思わざるを得ない部分が日ごろ身近なところで私は起こっているということをちょっと御理解だけしていただきたいと思います。
 もう今日は五十八分ということで、あと一分ですので、次の機会にEVのことをちょっと聞かせていただきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 今日はこれで終わります。
#224
○委員長(田村耕太郎君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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