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2009/06/18 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 国土交通委員会 第18号
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2009/06/18 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 国土交通委員会 第18号

#1
第171回国会 国土交通委員会 第18号
平成二十一年六月十八日(木曜日)
   午後三時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十七日
    辞任         補欠選任   
     長谷川大紋君     秋元  司君
     鰐淵 洋子君     谷合 正明君
 六月十八日
    辞任         補欠選任   
     谷合 正明君     鰐淵 洋子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田村耕太郎君
    理 事
                長浜 博行君
                室井 邦彦君
                伊達 忠一君
                山本 順三君
                鰐淵 洋子君
    委 員
                植松恵美子君
                川崎  稔君
                北澤 俊美君
                輿石  東君
                田中 康夫君
                田名部匡省君
                羽田雄一郎君
                平山 幸司君
                広田  一君
                米長 晴信君
                秋元  司君
                岡田 直樹君
                加納 時男君
                佐藤 信秋君
                吉田 博美君
                脇  雅史君
                西田 実仁君
                渕上 貞雄君
                大江 康弘君
   衆議院議員
       修正案提出者   後藤  斎君
       修正案提出者   三日月大造君
   国務大臣
       国土交通大臣   金子 一義君
   副大臣
       国土交通副大臣  加納 時男君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岡田 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        畠山  肇君
   政府参考人
       内閣府規制改革
       推進室長     私市 光生君
       総務大臣官房審
       議官       望月 達史君
       厚生労働大臣官
       房審議官     渡延  忠君
       国土交通省自動
       車交通局長    本田  勝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業
 の適正化及び活性化に関する特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(田村耕太郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、長谷川大紋君が委員を辞任され、その補欠として秋元司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田村耕太郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に鰐淵洋子君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(田村耕太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に内閣府規制改革推進室長私市光生君、総務大臣官房審議官望月達史君、厚生労働大臣官房審議官渡延忠君及び国土交通省自動車交通局長本田勝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(田村耕太郎君) 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○秋元司君 自由民主党の秋元司でございます。
 国土交通委員会での質問は初めてでございますので、よろしくお願いしたいと思います。また、この質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。
 今日はこの法案、タクシー特措法、我々非常に東京にいる者としても、このタクシーの今現在の交通における混雑の問題、そしてまたタクシーの数が増えたというのが一般に声が聞こえてくるわけでございまして、それに伴っていわゆる労働条件も非常に悪化したと、いろんな声が聞こえてきたわけであります。早いところやっぱり政治的な解決をしてこの問題を早期にメスを入れていかなくちゃいけない、そういった思いの中で、今回この法案が参議院でも審議されることになったことを大変関係各位の努力に感謝を申し上げたいと思います。
 まず冒頭、今現在のタクシーの供給過剰、この問題について触れさせていただきたいと思うんですが、余り私は比較というものは好きじゃないんですけれども、あえて今日は諸外国の比較という形でお伺いしたいと思うんですけれども、大体東京と似たような都市というのは、一般的に比較されるのはニューヨークと比較されるわけでありますが、現在、ニューヨークとそして我が東京のタクシーの台数、ちょっとお教えいただけますか。
#9
○政府参考人(本田勝君) 私どもの調査で、先生御指摘のニューヨークのタクシーでございます。いわゆる流し営業を行うイエローキャブと称されるものにつきましては現在約一万三千両、これがニューヨークで走っていると聞いておりますが、このほかに流し営業を行わない、日本でいいますとハイヤーに該当するものも幾つかあろうかと思います。流し専門は一万三千両。これに対しまして東京、武蔵野、三鷹も含めた、特別区、武蔵野、三鷹でございますが、昨年の三月末現在で五万一千六百十両と、こういうことになっております。
#10
○秋元司君 大体、東京とニューヨークというと同じような規模と、人口も大体というほど、まあ若干ニューヨークの方が人口は多いんですかね。そういった中でタクシー、公共交通も含めて、東京も当然地下鉄も、また鉄道もバスもあり、同じようにニューヨークも整備されている中で、タクシーが大体これ、五倍とは言わないまでもそれに近い形の台数が現在東京にあるというのは、やはり数が多いんじゃないのかなという気が私もしております。
 こういったことを踏まえて、ここ数年タクシーの台数がやたらまた増えたという我々の認識でありますけれども、あえて今日は、副大臣にも今日は同席いただきました。このタクシーが急激に供給過剰になったと言われる原因。当然、供給過剰という場合には乗るお客さんの需要が減ってきたという、これは紛れもない、景気が厳しくなってきたから、タクシーを利用するというよりは安い公共交通に頼るというこの流れは理解できるわけでありますが、一体全体この供給過剰の原因はまずどこにあったのかという御認識をお持ちですか、副大臣。
#11
○副大臣(加納時男君) 供給過剰の原因は何かというお尋ねでございます。秋元委員が御指摘なさったように、これは、長期的な需要の減少の中で供給の増加が顕著であった、その結果供給過剰になったということが、一言で言うとそういうことだと思っております。
 タクシー事業におきましては、その長期的な需要の減少に加えまして、車両価格が相対的には低いんですね、経営としては、増車が比較的容易であるというのがあります。多くの場合、また運転者の賃金がここでもいろいろ議論になりました歩合制となっておりまして、増車に伴うリスクをある程度運転者に転嫁することが可能だという業界の特徴もございます。こういうこともありまして、個々のタクシー事業者にとりましては経営リスクを負うことなく増車をするということが客観的に言うと可能なわけでありまして、需要の減少局面において、むしろ増車による市場シェアを拡大をすることによって減収を補おうという判断に傾きがちなことも否定できない事実であります。
 このために、まとめますと、タクシー事業者は一般的に増車意欲が旺盛であり、特に需要が低迷している局面においては供給過剰が発生しやすい、このように認識をしております。
#12
○秋元司君 当然、経営者の側の増車をしたいという意欲的なことは理解できるわけでありますけれども、これまでこのタクシーは、これまでというか平成十四年の改正以前は、タクシーの供給というのはいわゆる規制の中で安易にできなかったという状況があったわけであります。言ってみれば需給調整規制があったわけでありますから。
 私の理解だと、やはりこの十四年以降、規制緩和ということの中でタクシーはその標的にあった、その結果、先ほど副大臣から御答弁ありましたように増車をできやすくなったということが一つの背景にあると思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
#13
○副大臣(加納時男君) おっしゃるとおりでございまして、需給調整規制を廃止した、言わば規制改革をやったわけでありますが、規制改革はどんな場合でもそうで、私は自分の信念としても持っていますが、規制改革はオールマイティーであるとは思っておりません。すべて市場の手にゆだねればそれで予定調和が図られるというのは事実正しくない。
 あらゆる規制改革には必ずすばらしい面、例えば創意工夫を発揮するとか市場の競争原理を刺激して新しいサービスが生まれる、タクシーに即して言えば多様化、運賃の多様化だとかサービスの多様化、いろんな創意工夫が発揮できるけれども、一方、やはり規制改革には影の面もあると。その影の面が、何というんでしょうか、今申し上げましたようなやみくもな増車ということがあって、それが特定地域では大変に問題を起こしているということもありますので、規制改革の需給調整規制と今お話がございましたけれども、これはただ復活すればいいとかそういう話じゃなくて、やっぱり規制改革は、自由化は大事だ、しかし、そのとがめというものも十分に認識して、そのひずみを是正していくことが大事だろうと。
 余りにもそれが行き過ぎたところがあるならば、地域を限ったり期間を限定してでも、ともかく是正をしていかなければいけない。そうしなければ本当に消費者のためにもならないし、そこで働いている運転手さんの労働条件、これは劣悪化しているのが現実にありますので、そういうところはしっかりと見ていかなければならないというのが政治の立場だと思っております。
#14
○秋元司君 今副大臣から御答弁いただきましたように、私も本当同感でありまして、特に規制緩和というのは、言葉はきれいなんですけれども、どちらかというと、規制というとやっぱり私はこれは弱者を守るという、そういった側面もあったかと思うんです。特に規制緩和イコール市場原理にゆだねるというこの考え方は、ここ数年我が党でも大分推進してきたようでありますけれども、やっぱりここで見直すべきものは見直していかなくちゃいけない、そういった私は転機に入ったんじゃないかなと思っております。
 特にパイが決まっている市場におきましては、ただやたら、何といいますか、競争原理をあおればいいということじゃなくて、例えばこのタクシーについてもそうでありましょうし、一般的には普通の公共交通があるわけでありますし、自家用もあるし、タクシーを使うというのは、やっぱりある程度緊急性があるだとか、ある程度限られた裕福層に私はタクシーを使う人の多くはゆだねる層があると思いますし、同時に、ちょっとこれは蛇足かもしれませんが、お酒というのもそうでありました。飲む範囲というのは限られている、飲まれる範囲は限られているんですけれども、そこを自由競争しちゃうと、ただ単にパイの食い合いということで、結果的に、商いをする、商売をする人たちにとっては全然違う形の競争原理が働いてしまうということも昨今でありまして、当然、よりサービスを提供し合うという面においては私はプラスな面があると思いますけれども、それによっていわゆるマイナス的な要素も多く働いてきているというのが今日でありますから、今副大臣に触れていただきまして、いわゆるこの需給調整規制の復活、単純なる復活はないと思うけれどもということがありましたけれども、でも見直しをする、それが今回のこの特措法の改正ということになっていると思いますので、非常に私はこの点を評価させていただきたいなと、そのように思っているところであります。
 あわせて、今後が大事なんですね。今回、せっかく多くの皆さんの力でこの法案を改正していったとしても、これをしっかり執行され運用されていかないことにはどうしようもならないわけでありますから、そういった面において、今いろんな声が飛んでおります。といいますのも、今回、この法律の中身に書いてあります特定地域を決める、そして特定地域の中にはいわゆる地元の地方自治体の長であるだとか又は事業者だとか、そういったもろもろの皆さんが入っていただいて協議会をつくってもらう。この協議会でいろいろと特定事業計画的なものを作ってもらって、それを国交大臣が認定をしてしっかり運営をしてもらうという制度になっておりますけれども、ここがみそでありまして、本当に我々は、民間事業者、先ほど副大臣のお答えにもありましたけれども、民間事業者から見れば、やはり商売ですから稼ぎたいという気持ちがあるわけですから、どちらかというと増車がしやすいという業界の今の体質の現状において、減らす、いわゆる減車をするというのは非常に経営的な判断が左右される部分であって、そうなりますと、同じ、同業種である、業界と一くくりにくくれない私は分野があると思います。ですからこそ、すべてを業界に任せて、そして自主運営に任せるというのは非常に私は難しい側面があると思うんですね。
 だから、私はあえて東京のことを言わせていただくと、東京の場合はタクシーセンターが非常に運転者の登録制度という、そういったことも東京と大阪の場合は機能して、タクシーセンターというのは非常に機能的に果たして、ここは言ってみれば行政でありますから、そのタクシーセンターを真ん中に、中心的にすることによってこの協議会をすれば、単純に今の現在の業界だけに任せるというよりは、行政が入った形である程度需給バランスを取っていくという、そういった、ある意味行政が入る力関係が発生して、結果的にまとまって全体のバランスが取れるという私は方式になると思うんですが、その点、政務官どのようにお考えですか。
#15
○大臣政務官(岡田直樹君) 秋元先生が御指摘いただいたように、この法律が実効性を発揮するためには特定地域における協議会がうまく機能しなければなりませんし、そのためには多くのタクシー事業者がその運営に参加して協調の実を上げるということが必要なわけであります。その事業者が皆自主的に参加をし協力するということが理想ではありますけれども、そこにはやはり旗振り役といいますか音頭取りといいますか、そういった存在がいなければうまく動かない場合も多いだろうと思うんであります。
 先生が御指摘になった財団法人東京タクシーセンターあるいは大阪タクシーセンターというものは、かつて神風タクシーなんていうのが問題になった時代にその適正化のためつくられた団体と伺っております。ドライバーの登録事務やあるいは接客サービスの向上、違法行為の防止を図るための指導、研修、こういった仕事を行ってきた、タクシーの現場で言わば本音の世界で民間のドライバーや事業者と接してきた、そういう団体でもございますので、これらのタクシーセンターが多くの事業者の参加と協力を促していく役割を果たしてもらえるのではないか、私はそういうふうに、先生の御指摘も受けてそういう思いを強くしたところであります。
 その一方で、やはり本法案の運用に当たっては、地方運輸局という存在が、これは協議会の呼びかけ、立ち上げ、円滑な運営まで公的な主体として最も重要な役割を果たすべきものと、このように考えているわけであります。
#16
○秋元司君 今、本当に大事なことを政務官触れていただきました。
 我々の本当の心配というのは、本当にこれは正しく運用されるんだろうかという不安でしたけれども、やっぱりせっかく行政があるんですから、これは行政が入っていかないと民間の皆さんも、まあ言ってみれば業界というのは商売敵の事業者の集まりという側面もあるわけでありますから、そこはやっぱり中立な行政が入っていく、それは東京においてはこのセンターがしっかり機能を果たす、積極的に活用する、そういったことまで言及していただきましたので、多分東京の皆さんは安心しているんでしょうけれども、地方においては運輸局が積極的に介入するという、そういったお話もございましたので、しっかりそれを、今日答弁いただいたことを踏まえて国交省も活動していただきたいなと、そのようにお願い申し上げます。
 一点だけ、これは関連で御確認しておきたいんですけれども、そうはいっても、あくまで行政が入っていながらもやっぱり自分たちはその事業計画には従えないという、必ずそういった事業者は出てくる可能性があると思うんですけれども、そういった事業者に対する取扱いをどう考えるかという問題と、もう一つは、この事業計画にすんなりとやってもらうためにやっぱり何かしらかの私はインセンティブというのを付けていく必要性があるんじゃないかなと思っています。一般的に聞こえてくる話で、米の減反政策みたいに一台減らせればそれに対して助成金を付ける、そういった声もあるようでありますけれども、これはなかなか私は現実的に難しい可能性もあるなという気もしますが、何でもいいでしょう、何かインセンティブなことを役所として今後考える余地を持っていらっしゃるのか。
 政府参考人でも結構ですし、政務官でも結構ですから、よろしくお願いします。
#17
○大臣政務官(岡田直樹君) ただいまの前段のお話でありますけれども、この法律案は、複数の事業者が協調して減車を行う場合に、事前に国交相と公正取引委員会が協調減車に係る計画について調整を行い、減車が円滑に進められる仕組みを用意したところであります。この仕組みを最大限活用しながら、地域の状況に応じて減車が適切に実施されるように努めてまいりたいと思います。その際、地方公共団体や地域住民のコンセンサスも得ながら、しかし地方運輸局長から当該地域のタクシーの適正台数をお示しをするということも検討をしたいと考えております。
 それから、今のインセンティブのお話も、これ、先生御指摘に加えて交通政策審議会答申においても、減車を行う事業者に対して一定のインセンティブを付与することにより、その促進を図るべきであると、こういうふうに指摘されております。例えば減車をする事業者には監査の免除ということを検討すると、こういうことも今後検討の課題であろうと思っております。
 米減反政策との類推でございますけれども、米の場合、かつて食料増産を国が促して、一転して減反政策へと大きく国策のかじを切り替えたと、こういった歴史もございまして、タクシーの場合といささか趣を異にするようにも思うわけでありますけれども、いずれにせよ、インセンティブを付けよという先生の御指摘は十分重く受け止めてまいりたいと思っております。
#18
○秋元司君 いずれにしましても、この供給過剰によって引き起こしている様々な諸問題、これを我々政治としても解決をしていかなくちゃいけない、そういった思いでありますから、是非この改正後も積極的な運営を国交省挙げてよろしくお願いしたいと思っております。
 あと、利用者の選択の拡大という分野で少し触れさせていただきたいと思っていますけれども、それぞれタクシーもいろんな事業者があって、お客さんに対するサービスを極めて強調している事業者もあれば、場合によってはもうお客さんをただ運べばいいんだというような感じに見られるような振る舞いをするドライバーもいるというのが現状であります。
 いろんな声は読んでおりますけれども、そんな中で優良ドライバー制度というものをつくっていらっしゃって、AだとかAAだとか、そういった努力もしていただいているのは理解するわけでありますが、しかし残念ながら、タクシーを選択するお客さんとしては、実はなかなか現実問題、流しのタクシーを選択するのは難しいし、駅前でずらっと、何ですか、乗り場でお客さんも並ぶし、そしてまたタクシーも着いた順から並んでいるわけですから、このタクシーに乗りたい、あのタクシーに乗りたいということは難しいと思うんですけれども。
 そんな中で私は、せっかくですから乗り場の工夫において、最近、近距離と長距離の乗り場の分け方というのをやっているステーションもありますけれども、せっかくやるんだったら、優良ドライバーと優良ドライバーじゃないそういった区分けをするようになれば、そういった乗り場もまた設けて、これ余裕があればですけどね、そしてその結果、優良ドライバーでサービスがたっぷりで乗れれば、多少運賃が高くてもそれをお客さんが望めば乗れるというような、そういったことも今後、事業者の努力にもよりますけれども、多少公も応援して乗り場でも最初から判断できるというような方法もいかがなのかなと思いますけれども、その点どのように考えていますか。
#19
○政府参考人(本田勝君) 御指摘のとおり、タクシーの場合には、利用者がこれを望むタクシーを選択するといった環境の整備が重要だと思いますし、そのためには現実には乗り場といったものをきっちり整備していくことが重要でありまして、そのことは交通政策審議会でも、近距離乗り場と遠距離乗り場の分離でありますとかランク制度を活用した優良乗り場の設置と、こういったことが指摘されております。
 現に東京におきましては昨年三月から東京タクシーセンターの試みとして、新橋駅の東口で優良運転者に限って使用できる優良タクシー乗り場というものを設置しております。その効果、そういったものを見ながら、これについて全国展開あるいは今回の特定地域においての活用、そういったものを考えてまいりたいと思います。
#20
○秋元司君 終わります。
#21
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。一昨日に続きましてまた質問させていただきます。
 まず一番初めに、今日は副大臣にお聞きしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 今回の特措法が成立をしたときにいろいろな問題点や課題ということは前回私も指摘させていただいたわけでありますけれども、そうした問題点あるいは課題ということも大事なんですが、この特措法がうまく機能していったときにどういう社会というかどういうイメージになるのかということもしっかりと踏まえておく必要があるんじゃないかというふうに私は思っております。すなわち、地域において協調減車が進んでいった場合に、事業者あるいは乗務員さん、そして利用者と、それぞれのお立場がありますけれども、特に利用者にとって今回の特措法がうまく機能した場合にどういうメリットがあるのかということをきちんと知っていただくという必要があるというふうに思っております。
 業界にかかわっていらっしゃらないごく普通の生活をしている利用者の方々にとってみますと、タクシーの問題がこれだけ大きく出ているというこの今回の国会の審議、もうすべてを知っている方というのはもちろん少ないというふうに思います。しかし、町に出てまいりますと、以前に比べてタクシーが駅に随分いっぱいあるなとか、あるいは報道、テレビ等でタクシーの中で寝泊まりをしている運転手さんがいるんだなとか、そういうことはもちろん聞いたり見たりしているとは思いますけれども、なかなかこのタクシー問題ということについて理解を深める機会はそうは多くないと思います。
 したがって、今回の特措法が成立したときにこういういいことがあるんだと、利用者にとっては。また、成功すれば、地域において協調減車がうまく進めば、こういうふうにして利用者の人にはより多くのメリットが得られると。こういうイメージもどんどん広報していかなきゃいけないんだなというふうに思っておりますので、まず副大臣にお聞きしたいと思います。
 今回の特措法が成立をして、うまく成功した場合に利用者にどういう具体的なメリットがあり得るのか、お聞かせいただきたいと思います。
#22
○副大臣(加納時男君) 今回の法律が成立し、協調減車が成功した場合の需要者のメリット、そしてそのイメージという御質問でございます。
 現在、タクシーをめぐる問題というのは、例えば経営収支の赤字化、それから運転する方の労働条件の劣悪化、賃金格差あるいは長時間労働ということがあります。それから過度な運賃競争、それからまた事故の増大、環境の悪化、いろんな問題が生じておりますが、これらの根本にあるものは何か。一言で言うと、それは実は特定地域等における供給の過剰にあると思います。ですから、今まさに西田委員が御指摘なさった協調減車というのはその有力な解決策になる。
 協調減車が成功したときのイメージという御質問ですけれども、地域の需給バランスが改善されるだろうと。そのことがどういうことを生み出すのかと。タクシー事業の経営の健全化が図られる、運転者の方にとっては労働条件の改善が見込まれる、それから、御質問にありましたユーザーの方、乗客の方々にとっては、サービス、安全の両面での向上、レベルのアップ、改善が図られるというメリットがあるものだと考えております。
#23
○西田実仁君 ありがとうございます。
 今御指摘いただいたように、減車が協調で進みますと運送効率が上がる、そうすると単位当たりの輸送の原価が下がる、したがって適正原価プラス適正利潤が下がるということだと思うんですね。
 端的にお聞きしたいんですけれども、そうなりますとこれは運賃が下がる、つまり成功するとこれは運賃が下がっていくんだということは言えるんでしょうか。
#24
○政府参考人(本田勝君) まず、昨今、平成十八年以来、全国各地で運賃改定の申請がされてきております。具体的には十九年から実施をしてきておりますが、今回のこの一連の運賃改定の趣旨でございますけれども、これはタクシー運転者の労働条件の悪化をこれ以上進めてはいけないと、これを改善しようということで運賃改定、つまり値上げが行われてきておるわけであります。
 このこととの関連で申し上げますと、供給過剰地域で減車を促進し適切な需給バランスを確保するということになれば、期待される効果として、まず第一に、タクシー一台当たりの営業収入が今よりは良くなる、少なくとも悪化しない、できれば良くなる。そういたしますと、まさに歩合制賃金という仕組みの中で運転手さんの労働条件も改善されると考えますので、今までやってきておりますような運転手さんの労働条件の改善のために運賃値上げを行う、この必要性はなくなってくる、それを一つ期待したいと思います。それが値下げに通ずるかというのは今一概に申し上げられませんけれども、今起きておりますような運賃値上げの圧力、これはその部分については減るであろうと。
 第二に、やはり輸送効率が向上いたしますので、車両コストあるいは空車走行に伴う燃料費のコストは削減されると思いますから、こういう意味からも運賃改定、値上げを行う必要性は乏しくなってくるものと考えます。
#25
○西田実仁君 そうすると、この法律が成立すると、一部の報道で格安タクシーと言われるものがこの秋以降値上げされるんだと、そういう可能性が出てきたという報道が一部ありますけれども、これは事実とは違いますね。
#26
○政府参考人(本田勝君) 報道で議論されております点は、もう一つの問題としての過度な運賃競争。過度な運賃競争によって、やっぱり供給過剰と同様に、そこで働いておられる運転者の方々の労働条件が悪化していくという問題がございます。
 この点については、衆議院での法案の修正も含めて、やはりもう少し厳格な審査をすることによって過度な運賃競争については抑制すべきであるというお考えが示されております。そういう中におきますと、過度な運賃競争の結果としての低廉な運賃については、我々としては今まで以上に厳格な審査は要ると思っております。
#27
○西田実仁君 先ほど、利用者に加えて乗務員さんあるいは事業所のそれぞれのメリットの話も副大臣からいただきました。具体的に何年そうなったら掛かるのかということはあるかもしれませんが、一つのやはり期待される効果、また成功のイメージといたしまして、例えばタクシーの乗務員さんの平均賃金が今まで全産業平均よりこんなに低いという数字はもう何度もお聞きしましたけど、大体全産業の平均ぐらいになるとか、あるいは実車率もこのぐらいというような、一番いい形の、まあ五割とか、分かりませんけれども、そういう何かイメージというかはお持ちなんでしょうか。
#28
○政府参考人(本田勝君) 現時点では、今先生が御質問になりましたような形での定量的なイメージというのは持ち合わせておりません。ただ、今よりは悪化することを防止し、今よりは改善をしたいということでございます。
#29
○西田実仁君 是非今より、今は一番良くない状態になっているから改正をするわけでしょうから、もっと良くなるということもまたウオッチをしていきたいというふうに思います。
 そこで、大事なのは、成功する条件としては、やっぱり何といっても市場に任せたんではうまく需給がバランスしないねということで今回特措法というのができるわけでございます。かといって、以前のような需給調整に戻すわけでもないと。つまり、需要に合わせて供給量を上下させていくという、ちょうどいいところになるようにどうしていくのかという大変難しい実は、本来市場に全部任せてうまく調和できればそれはいいのかもしれません、そうじゃないからこういう特措法ができているわけですね。そうすると、まず需要がどのぐらいあるのかということとか、あるいはその需要に今供給が合っているのかというようなことを、どこまでやるかという問題はあると思いますけれども、そのまま単にほっといて、何か月に一遍、協議会をもっとやるということではなくて、かなり正確にそうした需要なり供給ということを、供給の方はある程度分かるかもしれませんけれども、押さえておく必要があるというふうに思うんです。
 以前、審議会の答申でも、タクシー事業を巡る諸問題への対策ということで、今後講ずべき対策としてIT等を駆使してシステムを導入すべきだというような提案もなされていました。これちょっと最後に聞こうと思っていたことですけれども、関連ですからついでに聞いてしまいますけれども。
 こうした例えばGPSを使って需要供給の調整をうまくやっていくとか、あるいは、待ち時間が短縮したということを規制緩和のメリットとしてよく言われましたけれども、実は調べてみたら、これインターネットのウエブ調査か何かで二千人ぐらいにやったことを根拠に言っているわけですね。もうちょっと正確なメリットを把握するやり方、例えば定点にウエブカメラか何かを置いて待ち時間がどのぐらい本当にあるのかとか、そういう、すべてのところというわけにはもちろん財政的にも難しいとは思いますけれども、市場に代わって今度は需給をきちんとバランスさせるということを人為的にある意味で調整をしていくというやっと形になるわけですから、そうしたインフラの整備ももっと今まで以上に進めていかなければいけないんじゃないかと、こう思いますけれども、いかがでございましょうか。
#30
○政府参考人(本田勝君) 御指摘になりました二点はいずれも、タクシーのサービスを向上する、特に消費者からタクシーを選択していけるような環境を今よりは整備していくという視点にとって重要だと考えております。
 まず第一に、IT等最新の技術を駆使したシステムの導入という点につきましては、今までもGPSを活用して個々のタクシーの位置を把握し効率的な配車ができる、利用者の方から見れば非常に効率的に配車がされてくるというメリットがありますが、これに対しては国としても一定の支援を行ってまいりました。まだまだこの分野は技術革新が非常に顕著なところでございますので、答申にもございますとおり、国は自らこうした取組を積極的に推進するとともに、事業者団体等が行う取組に対して積極的に支援を行うべきであると、こう指摘されておりますので、今後、答申に従って支援の在り方について検討してまいりたいと考えております。
 二点目の、私ども確かに、御指摘のとおり、利用者サービスといったときにその質について何をもって観測していくのか、できれば定量的なものというのは確かに望ましいと思っております。まさに御指摘のとおり私どものアンケート調査という形でしかやりようがなかった分野でありますが、やはりタクシー事業の現状あるいは需要、さらにはサービスの質に対しての要請、これを正確に把握するためには可能な限り客観的な指標で把握することが重要だと思っております。
 ちょうど、昨年の審議会の答申を受けて、利用者によるタクシーの選択制の向上に関する検討委員会を近々設置をして、その検討を進めることとしておりますが、本日の御指摘も踏まえ、この委員会では利用者サービスの質についての指標も大きな検討課題とさせていただきたいと思います。
#31
○西田実仁君 ありがとうございます。
 残った時間、あと五分ですけれども、累進歩合制について確認をさせていただきたいと思います。
 いわゆるこの刺激的賃金、累進歩合制度、これは何が問題であるというふうに認識をしているんでしょうか。また、指導の状況はどのようになっているんでしょうか。
#32
○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。
 タクシー運転者の賃金につきましては、先ほどお話がありましたとおり、いわゆる歩合給が取られているケースが多いわけでございます。その中の幾つかのものを累進歩合制度とまとめて呼んでおります。
 具体的には、水揚げ高等に応じて歩合給が定められている場合に、その歩合給の額が非連続的に増加するもの、これをいわゆる累進歩合給と呼んでおります。このほか、水揚げ高等の最も高い方、あるいはごく一部の労働者しか達成し得ない高い水揚げ高等を達成した方のみに支給するいわゆるトップ賞というもの、又は水揚げ高等を数段階に区分し、その区分の額に達するごとに一定額の加算を行ういわゆる奨励加給、こういったものを総称して累進歩合制度と呼んでおります。
 賃金制度につきましては、本来労使により自主的に決定されるべきものでございますが、ただいま先生刺激的というお言葉をお使いになりましたですが、このようないわゆる累進歩合制度につきましては、労働者の長時間労働やスピード違反を極端に誘発するおそれがあることから望ましくないものとして、平成元年の労働基準局長の通達でこれを廃止するよう指導を行っておるところでございます。
 二点目、指導の実績についてのお尋ねがございました。
 平成十七年から十九年の三年の数字で申し上げます。タクシー運転者の労働時間等の改善を重点として監督を実施した件数で申し上げますと、十七年には九百十一件、このうち累進歩合ありとして指導の対象となったものが八十七件、十八年には同様に九百三十二件のうち百十八件、平成十九年には同様に七百十二件のうち八十件であったところでございます。
 以上でございます。
#33
○西田実仁君 そうやって指導されて、いったん改善計画書を出して、また指導されるというケースはあるんでしょうか。
#34
○政府参考人(渡延忠君) こうした賃金制度の改善につきましては、元々賃金制度が労使の自主的な話合いで取り組んでいくべきもの、また、近時においては賃金制度の改定に伴ってコンピューターシステムの改正を併せて必要とするというようなことがありまして、是正に時間が掛かるケースはございます。
 これらのものについては指導を行いまして、その進捗を確認するよう努めておるところでございます。
#35
○西田実仁君 要するに、指導して改善をしたんだけれども、何年かたったらまた指導されるというケースがどのぐらいあるかとお聞きしたんですけれども、それは余り把握されていないようですので。
 いずれにしても、これは労使間で決めるという、しかも通達で指導ということですから、おのずと限界もあるんだろうというふうにも察するわけであります。しかし、局長通達で廃止すべきものとしているわけですね、この累進歩合制という制度自体は。ですから、何度も何度もというのが、どれだけその指導を受け続けてもまた指導を受けるみたいな会社があるのかよく分かりませんけれども、そういう廃止すべきものとして指導の対象になっているそういう賃金制度をなかなか改善しないということは、そこに勤めようと思う乗務員さんにとってみれば、そういう会社なのかどうなのかというようなことを知るすべも実はないわけですね。公開もしていないでしょうから、その指導されたということについて。
 しかし、これで本当にいいんだろうかというふうに乗務員さんの立場から、乗務員さんがそれを望んでいるケースもあるかもしれませんから、そこはちょっとなかなか難しい労使で決め事だとは思いますけれども、しかし、局長通達で廃止すべきものとして指導も何度も受けているような会社であるということを知って入社するのと、知らなくて入社して後からびっくりするのとでは違うと思います。
 そこをちょっと、その辺、本田局長の方、こうした累進歩合制度ということ、刺激的賃金、やめるべきだと言われていても、何度も仮にやっているような会社かどうかということを乗務員さんにも何か知ってもらえるような手だてというんですかね、そういうことが必要じゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#36
○政府参考人(本田勝君) タクシー運転者の賃金体系、多くの場合、御指摘のとおり歩合制あるいは非常に複雑なものが絡んでくる関係で、その内容がタクシー運転者自身にとっても分かりにくい、あるいは実は利用者からも非常に分かりにくいといった議論がございました。その結果、昨年の交通政策審議会の答申を受けまして、タクシー運転者の方の賃金等の問題につきましてはこの三月からタクシー事業における賃金システム等に関する懇談会で議論を開始しておりますが、その答申においては事業者等による情報開示の在り方についても指摘がされております。具体的には、事業者による労務管理の在り方、あるいは営業収入に対するタクシー運転者の賃金率、それから賃金制度の実態などの事業者等による情報開示の在り方についても検討されるべきであるという宿題をいただいております。
 したがって、御指摘のようにタクシー事業者自らが自社の労働条件を公表すべきかどうか、あるいは公表するとしてどんな手法でどこまで行うべきかについては、この懇談会の中で検討を進めてまいりたいと、かように考えております。
#37
○西田実仁君 終わります。
#38
○長浜博行君 広田さん、米長さんの特段の御配慮により、前回に引き続き質問に立たせていただくわけでございます。
 今の与党の方の質疑を聞いていても、あるいは前回の質疑を聞いていても、まあ大体問題点は同じかなという気がします。だからこそ、衆議院の段階で各法案責任者によるところの調整がなされてより良いものという形で参議院に送られてきたんだと思いますが、タクシー事業のその構造的要因というものがよく質疑の中で出てくるわけでございます。利用者の選択可能性の低さという問題と、これは利用者側に立った、消費者側に立った問題ですね、それから今、西田さんがされた歩合制主体の賃金体系という、これは経営者とそれから労働者といいますかドライバーの皆様に関係する部分でございます。
 本当に身近なタクシーは存在であるにもかかわらず実は情報公開がなされていない状況の中においてと、あえてここまで言っていいのかどうか分かりませんが、一般の利用者にとってはタクシー業界の内情とか、あるいはタクシーの料金がどうしてこうなのかとか、今なぜ国会でこの問題を議論しているかということを含めて、非常に関心の高い人以外はよく分からないという部分があるのではないかなというふうに思っております。
 何か大手の社長さんですか、二世さんか三世さんか分かりませんが、書かれた本も読みました。社長さんがハンドル握ってずっとその記録を、売上げが今日は幾らだった、どうだった、まあ今日は業界関係者の方も来られているようでありますが、ああ、こういうふうになっているのかなというのを私自身も初めてその本を読んで勤務形態も含めて分かったわけでございますが。
 この質疑の中でも盛んに話題になっているところのこのタクシー事業の構造的要因が解決をされないからこそ、前回の質疑のときにやりましたような臨時措置法、特別措置法、今回も特別措置法という形で、本法の道路運送法の議論というよりはタクシー業界特有の問題を特別法によってどう対処していこうか、こういうことになっているわけでありますが、この状況の中で解決をしないと新たなる改正案あるいはまた特別措置法という形が出てくるのか。それは全くだれも望まないところでありますが、今この二回の質疑の中において何回も指摘されている構造的要因の問題についてこの法案によって解消がなされていくのか、こういったことをまず最初に伺いたいと思います。
#39
○政府参考人(本田勝君) 今先生が御指摘になりましたタクシー事業をめぐる構造的要因として、利用者の選択可能性の低さ、それから歩合制主体の賃金体系というところがございます。
 この問題について、とりわけこの法案における特定地域においてはできる限りそういった問題を解消するといったような努力が必要だと考えますが、特定地域以外の地域も含める形で、まず、利用者の選択可能性の低さ、つまり利用者がなるべく自分の好むタクシーを選択できる、そういった環境を整備するために私ども答申に従って今年度からそのための調査、そういったものに入らせていただきたいと考えております。
 それから、歩合制賃金の在り方の問題につきましては、先ほども触れさせていただきましたが、既に設置をいたしました賃金システムの改善に関する懇談会、こういった場でより改善が図れるのではないか、そのための検討を進めてまいりたいと、かように考えております。
#40
○長浜博行君 歩合制賃金については、法的には出来高払制賃金として位置付けられていて、事業所の外での労働が中心であるというタクシーの特殊性にかんがみて、これは一律に禁止という考え方は取るべきではないというふうには、これは普通思います。
 しかし、先ほど厚労省の答弁にもありましたような累進歩合制度ですね、長時間労働やスピード違反等をさせる結果にこれはなっているということにもなりますし、これは通達により廃止という形で出されているにもかかわらずこの問題がずっと続いている要素は、監査、この問題に行き着くと思うんですね。その監査体制が十分になされていないと。後ほど出しますが、いわゆる過去の臨時法あるいは特別措置法の中の附帯決議を見てもこの監査制度の充実がうたわれているにもかかわらず、多分答弁としては、いや、監査要員を増やしましたと。
 先ほどの自民党の議員の方の質疑でしたっけ、出先の地方運輸局の方の働きぶりがどうなっているのか含めて、この監査という問題についてお役所はどう認識されているんでしょうか。
#41
○政府参考人(本田勝君) 監査につきましては、やはり問題のある、賃金システムのみならず様々な問題のある事業者に対して的確に対処する上では必須の行政手法だと思っております。その意味では、マンパワーとしての監査要員の体制の強化とともに、厚生労働省さんとの連携を含めた、監査そのものをより効果的、効率的に実施していくということにも心掛けていく必要があると考えております。
#42
○長浜博行君 厚労省どうですか。本当に連携を図ってやる、これも附帯に出てきていたはずですが、厚労省と国交省の連携によるところの監査、この問題、厚労省どうですか。
#43
○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。
 タクシー運転者につきましては、従来から私ども労働基準行政とそれから地方運輸機関との間で合同による監督、監査を実施してきたところでございます。これに加えまして、例えば、私ども労働基準行政サイドで把握いたしました改善基準告示違反を始めとする違反事案につきましては通報をする、また陸運行政サイドからも当方に通報をいただくということで、双方で情報を共有いたしまして、適正な労働条件の確保、業としての適正の確保に共に努めてきておるところでございます。
 今回の、既に衆議院から附帯決議をいただいておるところでございますが、引き続き両省連携の下にこの問題に取り組んでまいりたいと考えております。
#44
○長浜博行君 それから、前回の多分佐藤さんの質疑だったと思いますが、リース制の問題が出ました。
 いわゆる車両を買って自己の資産として会社運営をするということではなくて、会社をリースによって、リース料金を経費として落としていくというこういうシステムと、いわゆる企業内個人タクシーといういわゆるリース制の問題がちょっと混乱をしているような状況があったやに思っておりますので、この企業内個人タクシーというようなシステムがある種の私は悲劇的な要因になっているのではないかというふうに思いますが、この問題についてはどうお感じになっておられますか。
#45
○政府参考人(本田勝君) 賃金制度といった意味でのリース制について申し上げますと、リース制と言われる形態は、タクシーの運送収入のうち、その一定額を控除した金額を運転者の収入とする、そういった賃金体系を指すものと考えております。
 こういった形態についてはタクシー運転者の賃金の一類型として現に存在していると承知しておりますが、その実態は様々で、一概にそれが違法なものであるとは言い切れないと考えておりますが、私ども道路運送法という立場からこの形態について懸念いたしておりますのは、運行管理あるいは整備管理、そういったこと、あるいは運転者、車両に対する会社の本来行うべき管理監督が適切に行われない、例えば運転者任せになっているといった傾向があるとの指摘がございます。そういった点については監査等を通じて厳正に対処する必要があると考えております。
 したがって、そのある意味で延長として、道路運送法で禁じられております違法な名義貸し行為、これに該当するようなケースもあるという判断から、昨年六月に道路運送法による名義貸し行為の判断基準を一つ示させていただきまして、その疑いのあるケースについてはこの判断基準に基づいて適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
#46
○長浜博行君 言葉だけではなくて、本当にさっき申し上げた監査の問題をやらないと、優越的地位の濫用じゃありませんが、今流に言えばパワーハラスメントというんでしょうか、やっぱり雇う人と雇われる人、特に最初の議論にもありましたように雇用の調整弁としての、タクシーの二種免許を持っておられる方々にとっては、いつ首を切られるか分からないという状況の中には言われた条件をのまなきゃならないということがありますので、適法はともかく、違法とかあるいはグレーゾーンというものに関しての監査は適切にやっていただきたいというふうに思うわけでございます。
 次に、大臣でも副大臣でも、前回の質疑のときには本法に伴うところの附則、附則の重要性を私は強調したと思いますが、本日は附帯決議についてということで、附帯決議とは何でございましょうか。
#47
○国務大臣(金子一義君) 法案を審議していただいた際に、その立法の施行に当たりまして政府が講ずべき施策、措置等について立法府としての意思を表明されたものでありますと思います。したがいまして、政府としては、法律のその具体的な運用に当たりまして尊重されるべきものということで理解をしておりますし、そういう運用を図っていきたいと思っております。
#48
○長浜博行君 附帯決議とは、委員会が本法案、特別法で、法律案に附帯して行う決議のことであり、審査の過程で明らかになった当該案件に関する諸問題についての委員会の見解又は政府に対する要望等をその内容とするということでありますから、大体、この質疑の最中に与野党の理事が、本来ならば最後の改革クラブの大江さんの議論まで聞いて、一回閉じてその議論を整理しながら附帯決議を本来ならば上げていかないと、最後まで分かりませんから、どういう議論が出るか。
 しかし、現実の中においてはいろいろ中で調整をしながらやっているということでありますが、むしろこれは法的拘束力がなくて政治的な意味を持つにとどまるという解釈をよくする人がいますが、政治的意味を持っているということが大変重要であって、しかも前回の道路の一般財源化のことの採決においては全会一致ではなかったわけでありますけれども、附帯決議の採決においては全会一致という状況にもなったわけでありますから、この全党によるところの附帯決議の重みというのを内閣の方々は十分に考えていただかなければならないわけでございます。
 この本法案に先立つところの特別措置法もあるわけでありますし、道路運送法本体での十二年の質疑、十四年から行われた、このときの附帯決議も相変わらず踏襲をしながら、ひょっとしたらこの特別措置法の中においても附帯決議を付けざるを得ないという状況、つまり何ら改善をされていないという状況もあるのかもしれません。
 そこで、衆議院の修正案提出者の方にお伺いをしますが、衆議院の段階では十六項目にわたる附帯決議がなされているわけでございますが、血と汗と涙の結晶だと思いますが、この十六項目にわたる、全会一致法案であるにもかかわらずこれだけ付けざるを得ないという状況について御説明をいただければと思います。
#49
○衆議院議員(後藤斎君) 御指名ありがとうございます。
 前回のこの質疑でも、附則の部分でできるだけ、私たちが野党四党提案で考えてきました道路運送法の本体について特措法にできるだけその趣旨を入れ込みながらということで衆議院では全会一致で修正案がまとまったところでございますが、今、長浜議員から御指摘があった、附帯決議で十六項目というのは確かに多いかなと、原案を作った一人としても思うわけでありますけれども、やはりこれは、今日の議論、そして火曜日のこの委員会の議論もそうだと思いますが、やはり運賃問題、規制緩和の行き過ぎた部分の是正、さらには利用者利便の促進、そして、先ほどもお話をしていたように、厚労省とも連携をしながら監査体制を強化していくと。
 もろもろのやはりことを院の意思として、この法律を執行する際にできるだけ委員会の議論を反映した形で対応してもらいたいということで、トータルの項目としては十六項目になりますが、そのうち特に、今も御議論がありましたように、運賃問題をどうするかということが一つ。労働者の皆さんの視点、事業者の皆さんの視点、また利用者の方の視点という三つが共存をし、これからより良くなるであろうということも含めて、この十六項目のうち七項目は、衆議院の段階では、運賃問題にかかわるこれからこの法案が成立をした後のガイドラインの策定と相まって、さらには監査・検査体制の強化という部分も相まって、できるだけタクシー事業全体が利用者から評価をされ、そして事業者の皆さんやそこで働く皆さん方もより良い状況になっていくという意思を込めて、十六項目という少し長い膨大なものになりましたが、院の全会一致の意思として決定させていただいたということでございます。
#50
○長浜博行君 おっしゃられるとおり、やはり項目を見ていきますと下限割れ運賃のことに言及をされている部分が非常に多いわけでございます。
 先ほど質疑の中においても、運転手さんの質の高い方は高い料金を取って、そちらでも乗れればいいのではないかなと。法案の質疑の中においても、適正利潤を超えないところで運賃体系をつくっていくというような表現の道路運送法の規定の問題がありましたが、適正利潤を超えるものを運賃にオンをするということにメーンが置かれているのではなくて、多くの中心点にあるのは、その適正利潤を割り込んだ状況の中で運賃設定をせざるを得ない、この現実の世界の厳しい局面の中に置かれている状況の中でこの法案の質疑が行われていることを改めて再認識をしなければいけないんだというふうに思います。
 公共交通としての鉄道。ある地域で鉄道が一本しか敷かれていなければ一区間において百円の料金が一万円と付けたって、極端な話、競合していないわけですから。しかしそれは、そういうことは幾ら何でもやらない、なぜか、公共交通だからと、こういうことになるわけでありますので、一見タクシー業界というのは競争が激しいようにありながら、その本質は一義的に、まあこのごろ法案質疑では一義的にどこだというのがはやっているようでありますが、一義的に公共交通だというところがこの法案のみそでありますので、苦労されて附帯決議を付けられた方に、最後に、公共交通としてのタクシーの在り方、まあこれ以上特措法が増えないことを祈るわけでありますけれども、どのようにお考えになっておられるか、お答えをいただければと思います。
#51
○衆議院議員(三日月大造君) ありがとうございます。
 今、長浜先生言われたように、タクシーは地域にとって欠かせない公共交通なんです。申し上げるまでもなく、ドア・ツー・ドアで少人数の個別輸送が可能です。機動性に富んでいますし、自由度も非常にある公共交通機関です。今、一年間にタクシーで二十億人輸送していただいています。二十億人です。ちなみに、JRが八十七億人、鉄道が、これJRを含んで二百二十億人です。したがって、非常に多くの方がタクシーを利用されている。そして、そこで働く方々が三十六万人です。そして、タクシーの車両台数が二十七万台。こういう極めて地域にとっても欠かせない公共交通機関であるということを私たちはまず法的に明確に位置付けるべきであると。
 さらには、例えば、都道府県でも市町村でもタクシーのことについて考える部署というのがないんですね、役場の中に。やはりタクシーという公共交通機関についてきちんと行政の中で考えていただく。さらには、国で決めるのではなくて地方の発意でタクシー行政についての意見具申ができる状態をつくり出そうじゃないか、いわゆるタクシー行政の地方分権化。
 これまた三つ目。言うまでもなく、サービスの向上だとか付加価値を付ける、活性化していくために業界、労使、関係者の皆様方に知恵を出していただく、努力をしていただく、こういう対策が不断に講じられていくこと。
 さらには、今のタクシー市場、残念ながら悪貨が良貨を駆逐するという、こういう状況に陥っています。先ほどの委員の先生の質疑の中でもありました。こういう状態を改善していくことが必要であると。
 さらには、今、長浜先生がおっしゃいましたが、安全を確保するために必要な運賃をきちんとルールで定め、違法な運賃については認めていかないという、こういうルールを定めていくことが必要であろうというふうに考えています。
 簡単に申し上げれば、乗りたい場で乗りたいときに安全に利用できるタクシー、さらには、働く人にとっても誇りとやりがいを持っていただいて、タクシー事業で生活の糧が得られるんだという、こういう業界をつくっていきたいということを考えて衆法を提出させていただきました。
#52
○長浜博行君 お疲れさまでした。
 終わります。
#53
○広田一君 民主党・新緑風会・国民新・日本の広田一でございます。よろしくお願いします。
 今回は、与野党の御努力によりまして七項目の修正が実現をいたしました。本日は、敬愛すべき後藤先生、また三日月先生も御出席の下、法案修正者の皆様方には心から敬意を表するところでございます。
 そこで、まず今回の法案修正の一つである第一条の目的についてお伺いをしたいと思います。
 今回の目的に新たに、地域における交通の健全な発達に寄与することが追加をされました。地域交通というのは、言うまでもなく、お客様、つまり利用者がいなければ成り立つものではございません。利用者の利益、すなわち適正な運賃、安全性、また接客などを含めた顧客満足度、こういったものをこれまで以上に高めていかないと、特に地方においては人口減、少子高齢化、景気の低迷ということがございますので地域交通の発展はないだろうというふうに思いますし、ひいてはタクシー会社や運転手の利益にもならない、このように考えているわけでございますが、以上のようなことを踏まえつつ、今回のこの地域における交通の健全な発達について法案修正者としてどのような思いを込めているのかお伺いするとともに、あわせて、国土交通省に対しましては、今回の修正をどのように受け止めまして地域交通の健全な発達にどう具体的に取り組まれるおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。
#54
○衆議院議員(三日月大造君) ありがとうございます。
 私の方も大変敬愛する広田先生から、また地方行政にお詳しい広田先生の方から今重要な視点について御質問をいただいたと思います。
 第一条の最後に、適正化及び活性化を推進し、もって地域における交通の健全な発展に寄与するということを目的に追加をいたしました。
 先ほど申し上げましたように、タクシーは地域にとって欠かせない公共交通であります。さらには、今後温暖化と高齢化が進む日本において、個別輸送が可能、ドア・ツー・ドアが可能、行きたいところに自由に行けるというこのタクシーを地方行政の中できちんと考えて、そして守り発展させていただけるような枠組みをつくることが必要であろうと。さらには、タクシーだけでは駄目だと思うんです。バスや鉄道、いろんな他の交通機関とも連携しながら地域の公共交通の体系を考えていただいてつくっていただくことが必要だろうと。特にこのことの思いを法律の中で条文として言葉として明記しておくことが私たちは必要だと考えて修正をさせていただきました。
#55
○国務大臣(金子一義君) 国土交通省、閣法の提案者としても、もとより、タクシー及びバス、鉄道、これはもう地域を構成する、地域のネットワークとしての公共交通機関でありますので、この法案が修正されましてタクシーが地域公共交通としての機能を十分発揮できるように運用してまいりたいと思っております。
#56
○広田一君 三日月さんの方から御答弁がございましたように、やはりこれから地方の視点が大変重要であるということと、これはタクシーのみならず、バス等も含めた地域の公共交通の在り方も含めて思いを込めたというふうな御趣旨のお話がございました。
 地域の公共交通、またバスの役割についてはこの後質疑をしたいというふうに思うわけでございますけれども、こういった地方の分権の視点ということで、今回、第三条関係の特定地域の指定についても衆議院の方で法案修正がなされました。すなわち、都道府県知事及び市町村長は国土交通大臣に対して特定地域を指定するよう要請することができるものとするという規定が追加されたわけでございますけれども、これにつきましては、地域の実情が分かっている地方自治体からこのような要請ができるということは、まさしく地方分権の大きな流れとして高く評価できると思います。
 ただ、一方では、実態としては、先ほど三日月先生もおっしゃったように、県などはタクシー行政についてはこれまでは運輸局にほぼすべてお任せだったわけでございまして、その意味では、今回協議会ができてその中に入るだろうと思いますけれども、県などとしては行政の対応であるとか人材であるとかノウハウの蓄積というのはこれからの大きな課題になるだろうというふうに思います。
 そして、この地域指定につきましては、タクシー事業を巡る諸問題への対策についてを読みますと、地域指定については、全国統一的な基準で公平に行うべきであって、国が一定の客観的な指標に基づき行うことが適当であるというふうにしておりますし、実際、答弁の中でも国土交通省もその趣旨の御答弁をされているわけでございます。
 そこで、法案修正者にお聞きをしたいと思いますけれども、今回、地方自治体からの指定要請の規定を置く意義というものを再度お答え願いたいのと、それと併せて、全国的な統一的な基準に合致しない地方自治体からの指定要請が出てくるということも予想がされるわけでございますけれども、その場合、地域指定にどの程度考慮、反映されるべきというふうにお考えなのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#57
○衆議院議員(後藤斎君) 御質問ありがとうございます。
 今お話がありましたように、三条の四項、五項を、知事並びに市町村長から特定地域の要請をすることができるということを、修正をさせていただきました。この点につきましては、先ほど三日月議員からもお話がありましたように、地方分権の視点、地方の主体性ということで当然これを入れたわけですが、今お尋ねがありましたように、閣法の方でも特定地域の指定を四つの状況に照らして判断をするということになっています。
 一つが供給過剰の状況、二が事業用自動車一台当たりの収入の状況、三、法令の違反その他の不適正な運営の状況、四に事業用自動車の運行による事故の発生状況。いろいろこれが、これからこの法案が成立した後に国交省の中で更に具体的な指標を作っていくと思いますが、この法律の案の中にも明記を、今のような四つのものを基本的に考えながら判断していくということになっておりますが、例えばこれが、四つが、どれが一番ウエートが高くて指定をするのか。例えば、総トータルで百点満点を二十五点ずつこの四つのものに振り分けるのかどうかということもまだ、国交省の中でもこの法案が成立をしてから多分具体的にお決めになっていくというふうに思います。
 そういう意味では、全国の標準的な判断というものはこの四つの指標になるというふうに思いますが、例えばある県、A県A市というものがそれぞれ四項、五項によって要請をされるときに、例えばウエートの付け方が多分違ってくる地域もあるのかなと。例えば、広田先生の御地元の高知県から要請が上がってきたときに、これは一律二十五点ずつだったけれども、例えば一の供給過剰が非常に激しい県だったということになると、その評点だけだとなかなか全国一律の合意にはならないかもしれませんが、その実情を踏まえながら、多分国交省は県知事さんとよく御相談をしてやるということになっていくというふうに私たちは期待しているところでございます。
 いずれにしましても、全国統一的な指標を原則にするものの、地方の発議ということで、四項、五項に基づいて、できるだけ柔軟性を持って地域の実態に合った法運用が図られるように期待しているところでございます。
#58
○広田一君 先ほど後藤先生の方からこのような御答弁があったわけでございますけれども、国土交通省の立場としてはやはり全国的な統一基準に合致をするということが大原則である、このことは後藤先生もおっしゃっているわけでございますけれども、しかし一方で、今回こういう画期的な規定が置かれ、地方自治体からの要請といったものが明記されたわけでございますけれども、こういった、皆さんから見て全国的な統一的な基準には合わないような地方自治体からの要請が出た場合に特定地域に指定する場合はあり得るのか。あり得る場合は、先ほど申し上げたように、後藤先生が言ったように、ウエートの置き方等を考慮したり、また地方の自主性、実態というものを総合的に判断して指定するところもあり得るのかどうか。この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#59
○政府参考人(本田勝君) 今回の衆議院での修正につきましては、まさに地域の実情に精通された都道府県知事あるいは市町村長が、地域の交通行政、町づくり行政、環境行政、労働行政、そういったことをもろもろ総合的に推進するお立場から要請をしていただけるものと期待しております。また、本法案全体に対する影響についても、やはりこういった形でこの問題について地方公共団体の方に高い関心が持たれるということ自体は、協議会の運営その他、大変いい効果があると思っております。
 そこで、特定地域の指定ということでございますが、特定地域として指定させていただきますと、これは新規参入についての抑制あるいは増車の認可制、そしてその認可に関しての基準を強化すると。さらには、その地域のタクシー運転者の労働条件の悪化、あるいは違法、不適切な事業運営を排除するための様々な、例えば監査の強化でありますとか、それに伴って発見された違法あるいは違反事案に対しての処分の強化といったものが法的効果として付随してまいります。
 したがって、これを考えますと、やはり原則的な立場を申し上げますと、全国統一的な基準で一定の客観的な指標に基づいて地域を指定するというのが本筋だと思います。それを原則として私どもこれから具体的な基準作りをしてまいりますが、そういった要請をされるという大変熱意のある地域に対してどうこたえていくかについては、今後ちょっと検討させていただければと存じます。
#60
○広田一君 地域からの要請については今後の検討事項ということでございますけれども、一点確認したいのは、方向性としては、先ほど後藤先生の方からお話があったように、様々なウエートの置き方等々を踏まえて、こういった地方自治体からの要請については、ある自治体については、前向きに指定について検討していって、それがフォローできるような基準の在り方を検討していくと、そういった前向きの方向での検討なのか、それとも、やはり原則は原則なんでそういうわけにはいかないけれども、一応立法府がこういった規定を置いた以上は配慮をするというふうなことなのか。その点についてちょっと、方向性についてお伺いをしたいと思います。
#61
○政府参考人(本田勝君) 正直なところ、直ちに前向きにとまでは申し上げにくいんですけれども、結局のところ、基準に合致した場合に指定を地域の都道府県知事あるいは市町村長さんが要請された地域と、要請されていないけれども基準には合致している地域、様々な地域が出てこようかと思います。その地域同士の不公平が生じないように、そのことが私どもにとっての一番大きな課題だというふうに思っております。
#62
○広田一君 非常に立場とこの閣法の規定の仕方からそのような御答弁になるのは一定理解できるわけでございますけれども、是非、自分たちはこれからこういったタクシー行政も含めて地方分権を更に進めて、最も地域に精通した地方がこの問題についても積極的にかかわっていくということのまず初めの一歩の大変重要な指定要請の規定になると思いますので、このことを踏まえた御検討をお願いしたいというふうに思います。
 次に、九条の地域計画関係についてお伺いをしたいと思うんですけれども、今回、この地域計画の中で、事業用自動車の総台数の過半数でなければならないと、こういった規定があるわけですが、その理由についてお伺いをするとともに、この法案作成時におきまして、この地域計画に実効性を持たせるためには最低基準が過半数ということだと、総台数の過半数だということだと思いますけれども、それが地域全体の取組になるというふうに考えればやはり過半数では不十分じゃないか、こういった議論がなかったのかどうか、お教え願いたいと思います。
#63
○政府参考人(本田勝君) その点は、私ども提案をさせていただく前の政府部内での検討に当たっては、やはり非常に悩ましい問題でございました。
 本法案においては地域計画というのは大変重要な役割を果たすものと考えておりまして、その地域の関係者が集まっていただいて、タクシーの適正化、活性化を推進するためのまさに具体的な計画を作成していただけるわけですが、これを単に計画倒れにしないために、まさに実施されなければ意味がないわけであります。したがって、より多くの事業者がこの地域計画作成に参加し、かつ合意をしているというのが重要だということから、まず過半数という形で要件をさせていただいたわけです。
 確かに我々の立法準備の過程でも議論がありました。実効性の確保という観点から、もっと多くの事業者の合意を求めるべきだという議論はありましたが、他方で、やはり現在、全国各地でタクシー事業が直面している状況を考えますと、早急な対策の実施が必要であるというのも一面ございます。そういう意味で、地域計画の作成に際して余り多くの事業者の方の合意を求める余り地域計画がなかなか作成できないといった事態を避けなければならないということから、全国各地域のタクシー協会、タクシー事業者の団体に加入しているその地域の事業者の実態、そういったことを考えますと、過半数とさせていただきましたら大体各都道府県のいわゆる協会に参加される方は参加されるんであろうと。そういうことから過半数ということにさせていただいた次第でございます。
#64
○広田一君 確かに過半数でもその協会に加入されている方が入ってくれるだろうからきちっと担保されるというふうなお考えだろうと思いますけれども、ただやっぱり、御答弁の中にございましたように、なぜ私はこのような質問をしたかというと、まさしく同じような問題意識でございまして、本当に協議会をつくっても実際機能するのかどうかというふうなことでございます。協議会の例えば構成メンバーにならない業者は地域計画に定められた事業を実施する義務はないわけでございまして、これちょっと後で聞くんですけれども、減車について考えますと、減車によるメリットは協議会に参加しなくても得られることになるわけでございます。
 例えば、今回特定地域に指定されたところに二百台のタクシーがあるとします。そのうち、協議会にはA社、B社、C社が参加して、今日の何か臓器法案みたいな感じですけれども、過半数を超える計百四十台が参加して、けど、残り六十台を所有するD社は協議会に入っていないと、こういうふうな状況の中で、協議会でこの百四十台のうち三十台減車した場合には、結局この特定地域には百七十台になるわけでございます。そうすると、これまでの御答弁にあったように、減車をすることによって乗車率が上がって水揚げが増えると、そのことは結果としては参加をしないD社にも相当なメリットが及ぼされるわけでございます。
 ということはだれにでも分かるお話でございまして、そんなことが分かっていて協議会において本当に大胆な減車が合意されるのかどうかということは大変懸念されるわけでございますけれども、こういった事柄に対して御所見をお伺いしたいと思います。
#65
○政府参考人(本田勝君) その点は全く御指摘のとおりだと思います。
 順番に申し上げますと、まず、地域計画がこの法律に基づいて成立するという意味では過半数というものを要件とさせていただいておりますが、やはり本当に実効性を高めていく上では過半数で十分かと言われれば、必ずしもそうではないと思います。地域の状況が違いますので一概に言えませんが、私どもとしては、できる限り多くの方がこの協議会に参加し、地域計画というものでコンセンサスを形成していただく、そのためにあらゆる努力をしていく必要があり、なおかつ、先生おっしゃいましたとおり、減車というものを現実に進めていく上では、そういった環境が整わないとなかなか協調減車はできないと認識しております。
#66
○広田一君 そういった中で、この協議会に参加をしてもらって減車を進めていくというふうなことを考えたときに、やはりこれまでるる御議論があったようにインセンティブをいかに付与していくのかということが求められてくるんだろうと思います。もちろん、国が事業者に強制的に減車しなさいというのは、これは営業上の権利の侵害に当たるわけでございますから大変難しい問題があるわけでございますが。
 ただ、御答弁の中でインセンティブの事例として監査の免除の議論もございましたし、タクシー乗り場の整備とか、また環境に配慮した車の購入支援とか、こういったものが挙げられているわけでございますけれども、やはりまさしく当事者のタクシー事業者の皆様方からどのようなインセンティブが望ましいというふうに意見が上がっているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#67
○政府参考人(本田勝君) 減車のインセンティブについては、事業者の方々ほかいろいろ御意見をいただいておりますが、例えば、減車した場合、その車両を買い取ってほしいといったような御意見をちょうだいしているところでございます。
#68
○広田一君 買い取ってほしいというふうなことが、私も地元の高知で聞いたときにはその意見が圧倒的な多数の意見でございました。この点については先ほど御議論があって、岡田政務官の方から、これはタクシー版の減反政策じゃないかというふうなことについてはそれは趣を異にするというふうな御答弁があったわけでございますけれども、このタクシー版の減反政策まで国土交通省として踏み込む決意はあるんでしょうか。
#69
○政府参考人(本田勝君) 現時点では、やはり、いわゆる国の税金を使用してその減車をされる方に一定の金銭的な補助、支援を行うということについては、昨年の審議会などの議論でも、なかなか国民的な理解は得られないだろうというふうに考えております。
#70
○国務大臣(金子一義君) 担当大臣としては全く考えておりません。政策問題として今の減反政策は取りません。
#71
○広田一君 そういったお考えがあるということは一定理解するわけでございますけれども、この点において、やはり現場の事業者の皆さんと政府の考え方ではこれは百八十度違うことになるわけでございまして、これは一つの今後の大きな論点になるのではないかなと、このように思っているところでございますが。
 一点御指摘をしておくのは、せっかくこういった協議会をつくって協調減車していこうというところの中で、やはり多くの関係の会社等に参加してもらうためのインセンティブとして一体何が有効なのか、ここについては大前提は理解はできましたけれども、更に協議会が始まったときに忌憚のない意見等を踏まえながら是非とも御検討を願えればなというふうに思います。
 こういったことを踏まえて、一つ御提案でございますけれども、今、私の地元の高知の方々から聞いておりますと、今もう大変不況の時代でございまして、稼働していないタクシー等がございますので減車が進む素地は十分あるということでございます。しかし一方、減車しますと原則これからは増車できないということを踏まえますと、タクシー業者にとっては大幅な減車にちゅうちょや不安を持つということも当然予想されるわけでございます。
 そこで、御提案なんですけれども、例えば協議会の取組の中で減車の実証実験というものを行ってはどうかということでございます。
 例えば今年の十一月ぐらいに一か月間この特定地域に指定されたところの二〇%を実験的に減車をすると。そのことによって各会社はどれほど減収するのか、ただ一方で、一台当たりの水揚げがどれぐらい増えていくのか。そして、地方で問題になっております駐車禁止の苦情の事柄についてどういった反応があるのか、ただ一方で、これまでは流しタクシーが気軽につかまえられていたのが、なかなかそれが難しくなったというふうなデメリットも出てくるかもしれません。しかし、そういったことをもろもろ含めて、いきなり何割削減でこれはもう後戻りできませんよというふうな事柄で推し進めていく前に、やはり実証実験といったものをすることによって、私たちは、協議会の参加の皆さんは減車に対する心構えというか、というところもできてくるんじゃないか。
 そして、その場合に、今既存の制度として地域公共活性化・再生総合事業といったような事業があるわけでございますけれども、こういったものの活用も含めて是非とも御検討をしていただきたいんですけれども、御所見をお伺いします。
#72
○国務大臣(金子一義君) いい御指摘だと思います。今度東京都がやるんですか、減車の実験を。どこかの地域が実証実験をやられると、地域でありますけれども、というのを報道でちょっと聞きましたけれども。
 今の御指摘の、それぞれの地域が、先ほど地方自治体の要請というのがありましたけれども、それぞれの地域の協議会が集まられて、この地域では今おっしゃられたような社会実験としてやってみようというときに、先ほどお話ありました地域公共交通・再生事業だったですかね、事業の名前は。こういうもので何ができるのか、ちょっと今すぐに具体案ありませんけれども、支援していくということは一つのいいテーマだと思います。
#73
○広田一君 是非、こういった協議会で協調減車というものがスムーズにいくような指標の一つとしてこの実証実験の導入について前向きに御検討をしてもらえればなというふうに思います。
 何か、ちょっと三日月議員の方からお願いします。
#74
○衆議院議員(三日月大造君) ありがとうございます。非常に重要な御指摘だと思うんです。
 今、大臣からも答弁ありましたけれども、衆議院段階において、供給輸送力の減少というものの中に、減車だけじゃなくて休車、車を休ませることについても措置として盛り込もうということを野党案として提出をされ、最終的には法定でそのことを書けなかったんですけれども、委員会の審議の中で自動車交通局長の方からも、本法案の十一条三項の国土交通省令で規定する方向で検討してまいりたいということについても答弁されておりますので、その措置がされるように我々も確認をしてまいりたいというふうに思っています。
#75
○広田一君 是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは次に、第十六条の資金などの確保について法案修正者にお伺いをしたいと思います。
 今回、法案修正で、必要な資金の確保に加えて、国による資金の融通、そのあっせんその他の援助に努めるという規定が追加をされました。この同様の規定はいわゆるPFI法とかにも散見されるわけでございますけれども、これらの文言を追加した理由は何か。
 国がどこまで特定業種、特定企業の資金繰りに関与すべきかは、これは議論のあるところではないかなというふうに思うわけですが、その点についての御見解と併せて、何か具体的にどのようなやり方で金融支援を行うことを想定しているのか、この点についてもお伺いをしたいと思います。
#76
○衆議院議員(三日月大造君) 結論から申し上げれば、どのような支援が行えるのかということについては、これから検討して中身を詰めていってもらいたいというふうに思っています。
 ただ、この立法段階から、また交政審の議論の中から、この特定地域における協議会で議論され合意形成され作られた地域計画の実効性をどう確保していくのかというのがもう極めて重要な課題だったんです。これが一番のみそだったんです。正直者が損をするということがあっちゃならぬということで、どのようなインセンティブがあるのか、メリットが付けられるのかということについて、衆議院の段階でも随分議論をいたしました。
 例えば、先ほど広田委員の方から御指摘がありました地域公共交通活性化の枠組みの中で、議論の中でその支援措置を検討していくということもあるでしょうし、先ほどもおっしゃった監査の免除、乗り場の確保、環境車両の導入の支援、それだけではなくて、例えば福祉車両の導入の支援といったこともあるでしょうし、運転資金のようなものを政投銀含めて融資を行っていくということ、さらには、昨年末以来いろいろと問題になりました、タクシー運転者が襲われるという、そのことに対して防犯のガードを作るというようなことにも設備投資が必要なわけで、そういったところにも何らかの支援措置ができないかということについて、これから事業者の皆さんの意見を聞きながら十分検討してもらいたいと。
 ただ、公取があります、そして財務省があります。いろんなところの抵抗があるとは思いますけれども、ここは大臣始めいろんな政府の方の御努力も我々議会としても促してまいりたいというふうに思っています。
#77
○広田一君 今の法案修正者の御答弁を踏まえまして、現時点で結構ですので、国土交通省としてどのような金融支援が可能なのか、具体的な事例があればお示しを願いたいというふうに思います。
#78
○政府参考人(本田勝君) まず、元々の資金の確保という点につきましては、これは地域計画でどんな具体的な内容が盛り込まれるかによって違いますが、既存の支援制度として申し上げますと、タクシーについては、低公害車両の導入の補助あるいはデジタル式GPS―AVMシステムの導入といった補助、さらには、先ほど来触れられております地域公共交通活性化・再生総合事業といった補助制度がございます。そういったもので使えるものは使っていきたいというふうに思いますし、衆議院での修正で、これに融通又はそのあっせんその他の援助といった項目が追加されております。
 タクシーの場合に、それほど大きな装置産業ではございませんので、どういったときに大きな資金需要が発生するか、正直各地の状況が定かではありません。今、例えばこういった金融関係の制度としては、リフト付タクシーといったバリアフリー車両に対しての日本政策金融公庫の融資制度といったものはございます。こういったものは当然これからも十分活用させていただきたいと思っております。
#79
○広田一君 協議会の議論の中で様々な知恵、アイデアがどんどんどんどん出てくるというふうに思いまして、それらに伴って資金需要というのは当然あるわけでございます。今回、融通、あっせんというふうなことがあるわけでございますので、政策金融含めてあらゆる点において、国、地方公共団体入るわけでございますので、そしてまた地元の企業等も入るわけでございますので、積極的な、この法案修正を踏まえて取り組んでいただければな、このように思っております。
 それでは次に行きたいと思いますが、冒頭、三日月先生の方からも地域の公共交通の在り方ということで、今回、地域計画の内容として、地域社会におけるタクシーの位置付けの明確化ということで、鉄道、バスなどと連携した総合交通ネットワークの向上というものがあり、私も大変重要な視点だと思っております。こういった計画に位置付ける場合、具体的にタクシーとバスなどの他の公共交通機関とどのような連携をされることを想定されているのか、お伺いします。
#80
○政府参考人(本田勝君) これはまさにそれぞれの地域で旅客交通としてどういうニーズがあるかということそのものだと思いますが、一般的に例を申し上げますと、例えば駅前広場あるいはバスターミナルにおけるタクシー乗り場の整備、それによる鉄道、バスとの乗換えの円滑化、あるいは都市部などでは鉄道の最終電車時の輸送、バスがないような場合の深夜輸送対策、あるいは観光振興をしようとする町にあっては鉄道、バス、タクシーがやっぱり一体となって観光振興策に協力していく、例えばバリアフリー対策についても同じようなことが言えると思います。そういった形で様々な鉄道やバスとの連携が考えられると思います。
#81
○広田一君 そういった鉄道とかバスの連携というふうなお話がございましたので、一点ちょっと、せっかくバス事業についてのお話が出ましたので、関連してお伺いをしたいと思います。
 やっぱりタクシー事業をやっているところとバス事業をやっているところは結構グループ経営しているところが多うございまして、タクシーについてのお話を聞くと、やっぱりバスについても今後どうあるべきかというふうな御提案等もいただくわけでございますけれども、そのときにやっぱり特に出てくるのがバスの運行対策費の補助金についてでございます。
 現行の補助基準というものを見ますと、一日当たりの輸送量が十五人から百五十人というふうになっているわけでございます。この基準がちょっといつできたのか分かりませんけれども、我が高知県のように過疎化、高齢化、人口減が進んだ地域ではなかなか十五人の確保すら難しい現状がございます。都会の人から見ますと、一日三便走らせて十五人も乗車しないんだったらもうこの路線廃止した方がいいんじゃないかという意見が出るかもしれません。無論、乗り合いタクシーとか代替の対策についても考えていかなければいけないんですけれども、しかし地域にとっては必要不可欠な路線なので、国の補助が削られれば市町村の単独事業として補助して運営していると。
 高知の場合、その負担額というのが、平成十五年に五億九千五百六十六万円だったのが、平成二十年には六億七千四十六万円、一二%増加をしているわけでございます。この間、三位一体の改革等で地方財政が大変厳しい中での負担増になるわけでございますけれども、逆に言えば、それだけ厳しい財政状況でも守っていかなければいけない路線だと言えるのではないかと思います。
 以上のようなことを踏まえたときに、やはり一日当たりの輸送量十五人以上というところの補助基準の緩和、これ要綱を見直せばできるというふうにお聞きしておりますけれども、この点についての御所見をお伺いをしたいと思います。
#82
○政府参考人(本田勝君) 現在のバス運行対策費補助の基本的な考え方でございますが、これはやはり地域の住民の方々の生活の足として必要不可欠な公共交通に対しては、まず第一にはその地域の公共団体が必要な支援を行っていただきたいと。ただし、広域的、幹線的な路線については、単に地方にゆだねる、地方だけにその負担を任せるということではなく国としても支援を行うと、これが基本の考え方でございまして、この考え方に即して今先生御指摘の一日輸送量十五人以上という、まさに朝昼晩の三回を考えますと、乗用車では運べない五人以上の方々が朝昼晩需要がある、そういった路線についてはバス路線として国も御支援申し上げようという形での制度になっておるわけでございます。
 この考え方は、やはり地方公共交通を国と地方でどういう分担で支援していくかという根幹にかかわる課題だというふうに考えております。
#83
○広田一君 平成十四年の見直しで国と地方との役割分担が一応この点では明確になったというふうなことでございまして、市町村が行うことについては交付税措置をされている、算定に入っているということで十分対応できるんだというふうなことかもしれませんけれども、しかし現実問題としては、一般論として交付税が下がっていく中で、幾ら交付税措置をされているというふうにいいましても、現場の方ではなかなかそういうふうな整理にはなりにくいんじゃないかなというふうなことは思います。
 確かに、国と地方との役割分担というものが確立し、それについてきちっとした財源措置がなされているということであれば私もそういうふうな考え方が成り立つんじゃないかなというふうに思いますけれども、現実はそうなっていないということを私もるるお聞きするわけでございますけれども、総務省はそういった実情について把握されているんでしょうか。
#84
○政府参考人(望月達史君) 地域におけますバス交通でございますが、委員御指摘のように、住民の生活の足として必要不可欠な公共交通機関でございますバス路線の維持確保は大変重要な課題であると認識しております。
 総務省におきましては、地方が国庫補助と協調いたしまして行う路線バスへの補助、あるいは地方が単独で行います国庫補助対象外の路線バスへの補助や、いわゆるコミュニティーバス、行政が行いますバスですが、この運行等に対しまして地方財政措置を講じております。
 今後とも、交付税総額の確保と併せまして、地域に必要なバス路線の維持確保に向けまして、地方の御意見もよくお聞きしながら国土交通省とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。
#85
○広田一君 地方公共団体の意見を踏まえれば、多分これは、なかなか交付税措置されていません、足りていませんという意見が出てくるんだろうと思います。もちろん、地方交付税の確保というのは大変今難しい状況だと思いますので、その点はよく分かるんですけれども。ですから、やはり国土交通省と是非連携して、この補助基準の十五人ということを緩和することによって相当程度私は地域、本来継続できる路線というものが出てくるんじゃないかな。これがないばっかりに大変厳しい状況に追い込まれているということを、やはり現場の実情を一つ一つ積み上げていくと、これは要綱で規定されているということでございますので、国土交通省の政策判断で私はいろいろ改善できる点があると思いますので。
 この点について最後に金子大臣に、この地方のバス路線の維持のために国土交通省の果たすべき役割とこの条件緩和についての御所見をお伺いしたいと思います。
#86
○国務大臣(金子一義君) 地方の足として公共交通、今のバス、バスの話と思いましたけれども、バスのみでなく離島航路みたいな話も併せて、我々地方の生活、公共交通という意味で必ず地域が確保できるような方向を取ってまいりたいと思っております。今局長から基準等々についていろいろ話ありましたけれども、それも含めて総合的に取り組んでまいりたいと思っております。
#87
○広田一君 以上で終わります。
#88
○米長晴信君 民主党の米長晴信です。我が会派のラストバッターとなりますので、よろしくお願いいたします。
 冒頭の質問は、実は先ほどの長浜筆頭と同じ質問なんですけれども、その答えを、先ほど三日月先生の方からお答えいただきましたけれども、今度は役所の言葉でお願いしたいんですけれども。公共交通機関としてのタクシーの役割あるいは位置付けを国土交通省ではどのように考えているのか、三日月議員と同じように熱く語っていただきたいと思います。
#89
○政府参考人(本田勝君) タクシーは、鉄道やバスなどとともに、我が国の地域公共交通を形成する重要な公共交通機関であると国土交通省としても考えております。
 この点につきましては、昨年の交通政策審議会答申でも明記されておりますとおり、特にタクシーの特性について申し上げますと、地域社会に密着したドア・ツー・ドアの少人数個別輸送ができる、さらに、面的に移動できるため機動性や移動の自由度が高い、そして、深夜など時間を選ばず、いつでも、まただれもが利用できるといった優れた特性を持っております。この特性を生かして、一人一人の利用者の方のニーズにきめ細かく、しかも柔軟に対応することができるという意味で、地域住民の方の生活利便の向上、さらには地域社会の活力の維持にも資する公共交通機関であると考えておりますし、今後の高齢化社会の進展やあるいは観光立国を推進するといった政策の中でも地域の中で重要な役割が期待されているものと考えております。
#90
○米長晴信君 ありがとうございます。
 中身は三日月議員と似たような形で、国の重要な交通機関と位置付けておられるということを改めて確認した上でなんですけれども、そのタクシーが、平成十四年、既得権益、がちがちの既得権益を外して新規参入の余地を与えようと、台数が増えたら優良な企業が残って悪質な業者が減るという市場原理が働くんだろうということで今日に至るわけですけれども、それにひずみが生じたということで、今回、歴史的な修正案、間もなく採決をされようとしているわけですけれども、ただ、これやはり、採決して可決して成立して、はい、それでいいですよというわけでなくて、きっちりとこの間、じゃ、どういう考え方が間違っていたのかというようなことはきっちりと検証を最後にしておきたいというふうに思います。
 先ほど申し上げたように、既得権益をなくしていく、新規参入の余地を与えるということで、台数、いろいろな規制緩和の中で需給調整の部分に集中して今お話をしようと思いますけれども、規制緩和、これ行き過ぎるとやっぱり極端な結果を生んでしまうと。
 これ、ちょっと外国の例で日本に全然当てはまらないんですけど、例えば、私、六年前に、サラリーマン時代、モスクワに行く機会がありまして、案内人が道端で手を挙げると、本当にキツネにつままれたような不思議な光景なんですけど、何度もあったんですけど、手を挙げると通っている次の車が止まるんですよ。民間のドライバーですよね。その人と直接交渉して、行き先が一緒だったり値段が折り合ったらそれに乗って、タクシーの代わりに乗っていくと。究極の規制緩和、無法地帯と言っていい状況ですけれども、我が国はさすがにそこまで行っていないと。規制緩和とはいえある一定のルールの上で行われてはいたものの、そのルールが必ずしもきつくなかったために今日のような台数の過剰を生んでしまったのではないかというふうに思っております。
 お手元の資料に、そういった一連のタクシーの過剰を含めた問題を議論するということで昨年の九月二十九日に行われた規制改革会議の公開討論会の議事録なんですけれども、これ時系列に並べてありますので、順番は若干いろいろ説明の中で前後しますけれども。
 まず、二つ目、全国乗用自動車連合会の会長の発言ですけれども。そういった自然淘汰して物すごいいいタクシー業界になるというような、現実はこのようなバラ色の夢が実現するどころではなく、公共交通機関としての責務より自分さえ良ければよしとする多くの事業者の出現により、車両数の増加、運賃のダンピング等による競争激化により疲弊の一途をたどっている現状認識が正しく行われる必要があると思います。
 次のやつは、十二年前、行政改革委員会におかれてタクシーの需給調整規制を廃止ということを打ち出されたときに、私たちは、タクシーにおいては一般的な市場原理が働かない、歩合給という背景があって、そこでは一方的に台数が増えるということで反対をいたしました、それに対して中条先生は需給は市場を通じて均衡が生まれるというふうに言われたと記憶をしています、しかし現実には需要が減っているのに台数だけが増え続けているわけであります、この間の推移を見ると、やはり台数規制の撤廃はうまくいっていないのではないかと言わざるを得ないのでありますと。このような業界側の思いを、あるいは実態をこのように意見として述べたわけですけれども。
 この当初の予想と実態が懸け離れているという現場の声、これについては、内閣府から私市室長来ておられますけれども、いかがお考えですか。
#91
○政府参考人(私市光生君) 実態について申し上げますと、委員御指摘のとおり、規制緩和後、台数が伸びているという実態がございます。
#92
○米長晴信君 結構あっさりした答弁でしたけれども。ちょっと続けますね。
 この台数が増えたことについてメリットもあったと、いろいろ議論の中で。例えば、タクシーをつかまえるのにずっと列があったのが、今どこにでもタクシーがいてすぐつかまるというようなことも含めて、いい面もゼロではないと。一方で、でも深刻な社会問題のたぐいも起きて、問題もあったということだと思いますけれども、本田局長、その辺についてお話お願いします。
#93
○政府参考人(本田勝君) タクシーの車両台数が増えるということに伴う問題でございますが、車両台数が増えるということだけではなく、その前提となる需要がどうかということも大事な要素だと思います。結局、タクシーの台数は増えないにしてもその間需要が減少してしまう、逆に言えば需要が減少しているのにタクシーの台数が減らないという、そういう問題かもしれません。それから、需要がさほど増えていないのに、それ以上に車が増えてしまう。
 いろいろなケースがあると思いますが、要するに供給過剰、需要に対して明らかに供給が過剰になってしまう、このことについての問題は、交通政策審議会の答申にありますように、やはり、まず第一、そこで営まれるタクシー事業の収益基盤が悪化し、それから、まさに歩合制賃金というものを通じてそれによって運転者の労働条件が悪化し、あるいは違法、不適切な事業運営が横行し、それに伴ってやはり安全が害されたりサービスが低下するといった問題が生じるものだと考えております。
#94
○米長晴信君 最後の部分で、安全に問題が生じるということですけれども、これ、今日、資料としてお示ししてないんですけれども、国土交通省さんの作った資料で需給状況と事故件数のグラフがありまして、これは私が見る限り、台数あるいは空車で走っている量が多ければ多いほど事故の発生件数が増えているというようなふうに読み取れるんですけれども、この相関関係はいかがですか。
#95
○政府参考人(本田勝君) この点もまさに需給の関係であります。したがって、台数と需要とのバランスの問題でありますが、それを一番示しますものが日車実車キロということで、一台その日にどれだけお客さんを運んだかというキロ数、それはちなみに運転者の賃金に直結する問題であると思います。その日車実車キロが悪化する、そういたしますと、事故件数、ここでは走行百万キロ当たりの事故発生件数という形で、事故が増える。そういう意味で、日車実車キロといった指標による需給関係の悪化と事故件数の悪化と申しますか増大というのは、統計上、明白な相関関係があると私どもは考えております。
#96
○米長晴信君 供給過剰と労働条件及び事故の件数は相関関係があるという、国土交通省ではそう思っていらっしゃるんですけれども、公開討論の資料の下二つ。台数が増えたから事故が増えた、あるいは台数が増えたから労働者の方の状況が悪くなったというこの因果関係はどう考えても立証不可能であると私たちは考えているわけであります、台数の増加と賃金や事故は相関がないことがデータで分かっているのに、台数を規制されても事故を減らし賃金を上げる効果がないことに変わりはないと。
 今の本田局長の御答弁とは真逆の意見を述べられておられますけれども、これについてどのようにお考えですか。
#97
○政府参考人(私市光生君) お答えいたします。
 国土交通省の資料によりますと、確かに、これは統計の見方にもよるかと思いますけれども、平成八年から十二年にかけて、輸送人員は大きく減少をする一方、その間の事故率や年間賃金の数値も悪化しております。しかし、需給調整規制の廃止を内容とする法改正のなされた平成十四年以降を見ますと、賃金の減少と事故率の上昇傾向は緩やかか横ばい傾向にあることから、賃金の減少や事故率の上昇は平成十四年の法改正とは必ずしもリンクしていないのではないかとの認識に基づいて発言があったものと理解しております。
#98
○米長晴信君 需給調整については、この法改正のあった十四年以前も緩やかに行われていたということは、たしか佐藤委員の前回の質問にも出てきて明らかになっているわけですけれども、この表の見方が違うというのは、それは規制改革会議の方の表の見方の方がおかしいんじゃないですか。いかがですか。
#99
○政府参考人(私市光生君) そこについては、規制改革会議の理解としてそのように判断したものと理解しております。
#100
○米長晴信君 平成十四年以前から需給調整が行われているのに、平成十四年を境にという、その平成十四年だけを取って議論するのはなぜですか。
#101
○政府参考人(私市光生君) 平成十四年の法改正が重要な事柄だというふうに理解しているからでございます。
#102
○米長晴信君 ここで会議の当事者、本当は委員の方々とこういう議論をしなきゃいけないんですけれども、ここでは平行線になるんであえて指摘だけ申し上げますけれども、これは法改正か否かじゃなくて、需給調整の数を、パーセンテージ等、そこを初めからたどっていっての比較が妥当な話で、そういう意味では私も、この表いろんな見方があるとしても、私は国土交通省のこの表の見方が妥当なんじゃないかなというふうに思っております。この需給調整については、この議論はそもそもちょっとねじ曲げられているんじゃないかなという印象を持ったということであります。
 さて、とはいえ、ちょっとこれ、揚げ足を取るような意味合いじゃないんです、後ほど明らかにしますけれども。この同じ公開討論会の中で、規制緩和の一つである需給調整について、これがうまくいかなくて過剰供給になってしまったという部分は先ほど局長の方もお認めになったわけですけれども、ただし、この資料の中でちょっとお示しをしていないんですけれども、この公開討論会の中で本田局長本人が、読み上げますけれども、国土交通省として、平成十四年の規制緩和によって今回の問題が生じたと、規制緩和によってこの問題が生じたというふうには考えておりませんというようなことを中条主査に対してお答えになっているんですけれども、これについて。
#103
○政府参考人(本田勝君) その点について、ヒアリングでこう言わせていただいたと思っております。タクシー事業をめぐる諸問題は規制緩和だけが原因で生じたものではないということを申し上げたのは事実だと思っております。
 この趣旨を御説明いたしますと、現在のタクシー事業をめぐる諸問題の背景に存在する根本的な問題は供給過剰という現象である、これについては我々はまさにそう考えております。問題は供給過剰が発生する原因でありますけれども、これは確かに平成十四年以前にも緩和策は講じておりますけれども、一番大きな要因はやはり需要が減少してきたというのが最大の原因であると思っております。あるいは、先ほども申しましたが、その際に車は増えはしませんでしたが、減りはしませんでしたと、どんどんお客が減っておるのに車が減っていない、それによる需給ギャップ、これは規制緩和をしていない状態でも発生してしまったという、これを一つ指摘させていただきたかったということでございます。
 それから、確かに、その規制緩和後、今度は逆にお客さんが増えていないのに車だけが増えてしまった、これも確かに要因の一つであると思いますけれども、供給過剰というものが必ずしも規制緩和だけで発生したのではないということを当時申し上げたのは事実でございます。
#104
○米長晴信君 ありがとうございます。
 続きまして、資料一の二枚目の二つ目の段落でありますけれども、これやはり規制改革会議側は、初めの方飛ばして、一般的に労働者の賃金が下がっていることについて問題があるというなら、これはタクシー事業だけの問題ではないと、これは飲食店等についても同じというふうなことを言っているんですけれども、先ほど冒頭の質問でも、公共交通機関としての重大な役割を担うこのタクシーというものがこの議論で一緒くたにほかの業種と並べて論じるということの妥当性について、まず本田局長、御所見をお願いします。
#105
○政府参考人(本田勝君) たしかこのヒアリングのときに私は申し上げたと思いますが、ほかの産業のことについて私どもはとかくのことを申し上げる立場にはありませんけれども、やはり公共交通機関を支えるタクシーの運転者の方々の今の実情を考えると、やはり労働条件についていえば改善の必要があると、こういうことを申し上げたと思います。
#106
○米長晴信君 ほかの業種とも一緒という議論の中で、さらに今示したところの次、二枚目の三つ、短いやつがありますけれども、規制改革会議側は、供給過剰、要するにその設備が過剰になっときにどうするというのは、役所の責任ではなくて経営者の責任だと、供給過剰になっているかどうかはマーケットが決めることだと、そういう悪い事業者が淘汰されていくような環境にしていけばいいと。本当にまさにもう市場原理主義そのものの議論がここで展開されたわけですけれども。ほかの業種と比べて、同じような部分もあるけれども、当然今回のケース違うわけですよ。本来は需要が減れば供給増やすわけにはいかないですよ、普通は供給が減る。しかし、タクシーの場合は、地域によっても違いますけれども、例えば大きな都市部の場合は、需要が減ったら、むしろライバル会社よりも一台でも多く台数を確保することで少なくなってきたパイを取り合う、お客さんを取り合う、需要が減ればなおさら他社と競合しなきゃいけないという実情があるわけですよ。これは他業種と同じとくくっているのは、これはいかがお考えなんですか。
#107
○政府参考人(私市光生君) ここについては、全般的に一般論として御発言をいただいたというふうに理解をしております。
 多分、この設備が過剰になったというときも、草刈議長の発言部分は、企業活動一般の問題として、企業が実際に過剰供給に直面した場合には、企業経営者は行政に対して供給抑制を期待するのではなく、自らの責任、判断で事に当たるべきとのお考えについて発言があったものと理解をしております。
 それからあと、中条委員の発言部分についても、基本的には供給過剰になっているか否かはマーケットが決めることであるが、場合によっては行政の介入が必要であるとの認識に基づく発言であるというふうに認識しております。
#108
○米長晴信君 いいかげんな答弁をしないでください。これ、規制改革会議の重点事項推進委員会の運輸分野の公開討論で本田局長とのやり取りの中で出てきている話ですよ。一般論でも何でもないんですよ。今の発言、取り消した方がいいんじゃないですか。
#109
○政府参考人(私市光生君) 済みません、正確でなかったら申し訳ないんですが、やはり草刈議長の発言の部分は、企業活動一般の問題として、企業経営者の考えとしてその自らの責任、判断で事に当たるべきとのお考えではなかったかと、あったものと理解しております。
#110
○米長晴信君 とにかく、この公開討論の中で、データ、かなり偏った見方で論じる。この重要な公共交通機関であるタクシーのことを論じているのに、ほかの業種と一緒くたにして市場原理だけの会話を展開するというのは、本当にそれこそが今日我々がこの修正案を作んなきゃいけなくなった私は元凶だというふうに考えているわけです。
 更に続けます。そうした議論の末に、今度は、今の公開討論会が九月です、十二月にこの規制改革会議が第三次答申というものを出されました。これはなぜか前半部分と後半部分と分かれていまして、その前半部分の問題意識という部分の抜粋が資料二でございます。
 これも一つ一つちょっと見ていきますと、まず最初のやつ、WG、これワーキンググループの答申は、ちょっと飛ばしまして、規制緩和の流れに逆行する内容を含んでおり、重大な懸念を持っていると。この増車に対して対策を取ることが規制緩和の流れに逆行して、重大な懸念を持っているというふうに論じられておられますけれども、これはどういうことですか。
#111
○政府参考人(私市光生君) これにつきましては、次のような事情によるものと理解しております。
 一つは、タクシー事業につきましては、平成十四年の需給調整規制の廃止以前よりも、同一地域同一運賃によらない個別の申請が認められるようになったり、あるいは一定の幅の増減車が認められる需給調整の弾力化、事業区域の拡大などの措置が段階的に行われてまいりました。他方、こうした状況の中で、昨年七月に国土交通省のタクシー事業を巡る諸問題に関する検討ワーキンググループにおいて、タクシー問題についての現時点での考え方が公表され、その中で、供給過剰の状態にある地域においては、一層の供給の増加により更なる労働条件の悪化など問題の深刻化を防止するため、供給の増加、すなわち新規参入や増車を必要な限度でかつ有効に抑制する必要があるとの見解が示されたことに対して、規制改革側として、これは規制の強化につながるものではないかとの考えに基づいて記述があったものと理解しております。
#112
○米長晴信君 そもそもこの修正案自体も、全国すべて一律問題があったと言っているわけではなくて、都市部等、あるいは田舎もそうですけれども、増車によってあるいは供給過剰によって問題が生じたからということで我々は議論していて、それは、場所によってというような議論は、今大きな流れで言っているものと全くかみ合っていないわけです。
 更に続けますと、その二つ目、タクシー車両が増加したことに伴いタクシー運転者の待遇が悪化し、過労運転による安全性、サービスの質の低下を招いているとの指摘があるが、統計データを見る限り、その見解には疑問がある。公開討論会で賛否両論があったわけですけれども、この第三次答申では規制改革側の一方的な結論が論じられております。
 四つ目、今回のワーキンググループ答申はタクシー事業者の総意を反映したものとは言い難い。公開討論会の中でも、業界側あるいは労働者側は非常に問題があったという悲痛の声を上げているわけです。それのどこが総意を反映したものとは言い難いというような結論になっていくのか。
 また、五番目ですね、一番最後の段落ですけれども、ちょっと途中飛ばしまして、タクシー事業における雇用機会の縮小をもたらす規制強化は、あるべき姿から逆行しており、問題があると言わざるを得ない、さらに、最低車両数規制の強化を始めとする参入・増車規制は導入すべきでないと。
 まさにこの我々が出している修正法案を根本から否定されているわけですけれども、これについてどのように思っておられますか。
#113
○政府参考人(私市光生君) 規制改革会議の答申でございますが、実は内容について二種類ございます。一つは問題意識と書かれた部分、それからもう一つは具体的施策と書かれた部分がございます。
 これについて、答申の裏表紙に書いてございますが、問題意識は、会議におけるこれまでの議論を集約したものであり、広く国民の意見を聞くために問題提起をするものである、一方、具体的施策は、関係省庁とも十分に調整を経た上で、政策提言として、政府に誠実に対応を求める事項であると、こうありまして、これについては、公開討論等会議におけるこれまでの議論を集約した議事録のようなものが問題意識の部分に記載されているというふうに理解をしております。
#114
○米長晴信君 では、この前半の問題意識というところと後半の具体的施策というところとどう違うんですか。
#115
○政府参考人(私市光生君) 具体的施策については、関係省庁と十分に調整を経た上で、政府として最大限に尊重すべきものとされているところでございます。
 しかし、問題意識については、これは規制改革会議の意見だというふうに関係省庁理解しているはずでございます。
#116
○米長晴信君 全く意味が分かりません。これ、規制改革会議というのは政府の諮問機関でしょう、政策を考えるところでしょう。それが前段の意見として、規制緩和、逆行するべきじゃないって、こんなに強く意見を申し立てていて、実際にじゃどういうふうに政策に反映するかという部分の、この後半の具体的施策というところに全く一行も反映していないですよ、私が見たところ一行も。これはおかしいんじゃないですか。
#117
○政府参考人(私市光生君) これはやはり御指摘のとおり、規制改革会議の強い主張であるということから関係省庁の理解が得られなかった部分というふうに理解をしております。
#118
○米長晴信君 今、こちらから聞く前に理解が得られなかったっておっしゃいましたけれども、理解が得られなかったものをこんな明文化して、問題提起といって出すのはいかがなんですか。
 これは、政府及び、今回、我々議員側もそうですけれども、この規制緩和による過剰供給というもの、これは歯止めを掛けなきゃいけないということがほぼコンセンサスなわけです。それに理解得られないというんだったら、こんな問題提起は、これは撤回するべきじゃないんですか、いかがですか。
#119
○政府参考人(私市光生君) これにつきましては、規制改革会議としましては、いろいろな議論があることを承知しておりますけれども、問題提起として世の中に訴えていきたいというところがございます。そういう趣旨で記述をさせていただいているところでございます。
#120
○米長晴信君 訴えていきたいって、政府も国民側もこれ否定したわけですよ。それ、訴えていきたいというのはどういう意味ですか。もう一回お願いします。
#121
○政府参考人(私市光生君) 誤解があったら申し訳ないんですが、政府の方針として決まったことについては規制改革会議も従っております。ただ、自由な議論ということが許される限りは、様々な発言をして、それを取りまとめているということでございます。
#122
○米長晴信君 閣法まで出して、それを本当に御苦労されて修正して、今日間もなく採決される。この間の努力が、この文言が、問題提起とはいえ政府が認めると本当に何か中途半端になると思うんですよ。
 これ、大臣いかがですか。我々がこういう一連の議論の中で、議論を尽くして間もなく修正法案を成立させようとしている一方で、こんなそれに逆行するような意見が盛り込まれたこの答申を、これどう位置付けるんですか。
#123
○国務大臣(金子一義君) 規制改革会議の在り方について、今日は室長がおられるし、私、担当ではありませんが、本来、元々この規制改革会議というのは、規制緩和を進めていこうというときに、行政はなかなか規制緩和というのができないと。インセンティブがありません。行政は、自分たちが作った法案がすべて、あるいは先輩が作った法案をすべて正しいと教え込まれておりますから、役所、行政というのはなかなか規制緩和ができないということでこの規制改革会議という、今度は逆に自由に意見を言っていただこうという、識者としての規制改革会議が意見を言うという立場で、さっき室長が苦しい答弁をされていましたけれども、問題意識という意味では自分たちの意見はこうだということを言うと。
 ただし、具体的にそれじゃこの問題意識をどういうふうに現場に下ろしていくか、あるいは実際に実務の中で、あるいは実際にこういう、ちょっと一般論を申し上げますけれども、タクシーにしてもほかの薬の販売にしても様々今規制改革で議論が行われていますけれども、こういうものを具体的にどういうふうに扱うかとなった場合には、そこはこの問題意識とはまた別の、役所側とあるいは政治側とすり合わせながら現実に下ろしていくということであります。
 したがいまして、この問題についても、問題意識としては非常に、今度の規制改革会議の答申を見ますと、問題意識としては規制緩和の流れに逆行すると。先生がずっと御指摘されたように、本当に現場を分かっているのかな、少し理念に走り過ぎちゃっていないかな、規制緩和はすべて善だというふうにとらわれ過ぎていないかなと思う部分が随分ありました。ただ、後段の、今度は具体的施策ということで出た答申におきましては、規制緩和の効果を評価はしながらも、供給過剰が進行している地域での運転者の労働条件の悪化など現に直面する問題、諸問題の解決のために必要な限度で参入等を厳格化する必要性というものを一方で具体策の中では取りまとめております。
 そういう意味で、今回法案を出させていただきまして、そして、これはもう冒頭から申し上げておりますけれども、規制緩和の結果、その評価する部分は更に引き続き評価するとして、それが、タクシーが持つ構造的な理由によって需要が増えずに供給だけ一方で増える、その結果として運転手さんの給料が労働条件が悪化して下がって、結果として事故が増大、事故率が上がるというようなことをもたらしてしまったものについては正していきたい、正常化していきたいというのが今回の法案でお出しをさせていただいた趣旨でありました。
 結論から申し上げれば、決して、今回法案を出させていただいているのは、著しく供給過剰になったところに対してどういう対応をしていこうかということを与野党で苦労しながら解を見付けてきたものでありまして、決して規制緩和の流れに逆行しているとは思っておりません。
#124
○米長晴信君 本田局長の答弁を苦しいとおっしゃっておりましたけど、金子大臣の答弁も若干苦しかったと思うんですけれども。正確に、正確に……(発言する者あり)いやいや、その苦しいとおっしゃっていた金子大臣の答弁も若干苦しかったというこれ指摘なんですけれども。ちゃんと正確にここを書いていただきたいんですよ、それならば。問題意識として、地域別ではこういった……(発言する者あり)いや、ただ、正確に書いていないことを是としておられたから今申し上げているのであって、この問題意識というのが、そういった条件付でそういった御指摘があるんだったら、それは私もそのとおりだと今うなずきますけれども、そうではない。総論としてこの規制緩和の逆行を許すべきではないというようなことが論じているわけですから、これはやっぱり違うんですよ、中身が実態と。
 冒頭の方、初めの方で本田局長に、規制緩和が間違っていたわけではないというようなことをおっしゃったということをちょっと指摘しましたけれども、三つ目、この問題意識という資料の二の三つ目のやつに、国土交通省からタクシー事業における諸問題については規制緩和は主たる原因ではないと考えているとの見解が示されたがと、こういうふうに中途半端に言い訳のような、言い訳とはちょっと失礼な言い方かもしれないんですけれども、正確に、規制緩和の部分の需給調整についてはやはり見直すべきで、供給過剰は問題だったとか、もうちょっと具体的に、規制緩和といっても広くやりましたから、そういった形で答弁しないとこういったことで引用されて、これ、局長がこの規制緩和を本当に一〇〇%正しいと思っているかのように、こういうふうに規制改革会議に使われたわけですよ。
 この問題意識の方もそうです。もし問題意識がこれ問題ないと言うんだったら、やっぱり正確に、この部分は問題があるというのをもっと具体的に書かなきゃいけないんですが、これは余りにも、規制緩和絶対に進めるべきだ、これは、台数の規制等は一切やっては、これに逆行するという意見をやっぱり証拠として残しておくためだけの部分であって、これは私は本当にこれを第三次答申の中で、前半で文面化するのは本当にいかがなものかというふうに思います。
 そこで、最後の、そのようなことを裏付けるものが、資料一に戻っていただきまして、資料一の公開討論会の最後、最後の締めの部分、公開討論会の締めで、ここでも規制緩和だけがその原因ということではないと引用されてしまっておりまして、その上で、変な法律、更に改悪するような法律を措置するようなことは多分されないだろうなという期待を持ちながら今日の会合を終わらせていただきたいと思いますと。変な法律とまで言われているんですよ。
 我々の今回の修正案というのはこの感覚でいうと変な法律ですか、お答えください。
#125
○政府参考人(私市光生君) ここは言葉が足りなかったんだろうというふうに思っております。
 それで、その日のこの公開討論が終わった後、記者会見がありまして、そのときにこの部分について、中条先生が言われたことを示唆して言ったつもりですというふうに訂正しておりまして、その中で中条主査は何と言ったかといいますと、私たちとしてはともかく平成十四年の前に戻るというようなことは認めるべきではないと考えておりますという、こういう趣旨を申し上げております。
#126
○米長晴信君 もう時間がほぼなくなりましたので、私なりの問題提起はさせていただいたということで。
 最後に、発議者おられますけれども、やはり、労働条件が悪くなる、日収が減るというのは地方、都市部共に問題なんですけれども、この資料三、これ、山梨と東京を比較したものですけれども、共に前年度比、比べまして下がっている。ただ、地方はやっぱり元々の収入が例えば東京に比べてほぼ半分の推移で進んで本当に悲惨な状況になっておりますけれども、今回の法改正で、法改正というか修正案で成立をした暁にこれは改善されるのか、後藤発議者お願いいたします。
#127
○衆議院議員(後藤斎君) 御質問ありがとうございます。
 今、米長議員からお話がありましたように、この表の部分でいえば都市と地方の格差と同じように、御案内のとおり、山梨は四十七都道府県のうち個人タクシーがない三つの県の一つであります。個人タクシーの営業許可の要件というのは流しが可能であるというのが一つの大きな許可要件になっておりまして、米長議員は御案内のとおり、山梨は流しタクシーが存在をしません。駅前でタクシーが止まっているか、電話で呼んでしかるべき場所に来ていただくという形であります。
 確かにこの数か月間もこのように非常に前年対比厳しい状況でありますが、例えば山梨でいえば、この十年間、規制緩和がされてからタクシーの年平均収入というのが、平成十年のときには三百三十八万円だったものが、昨年、平成二十年には二百五十八万円ですから八十万円減少しています。これは全国では、三百六十七万円、平成十年から、平成二十年に三百二十五万円ということでマイナス四十二万円ですから、全国平均の倍、山梨ではタクシーのドライバーの方の収入が減っているということであります。
 いずれにしましても、先ほど米長議員が規制改革会議の論点の誤りというのを御指摘をいただいておりますが、それも含めて、立法府の意思としてやはり行き過ぎた規制緩和の部分を正していかなければいけないということで、運賃の考え方も、先般も御説明をしましたように、道路運送法の原始附則の読替規定ということで、能率的な経営の下に適正原価に適正利潤を加えるというものをベースにこれからガイドラインの運用も含めてきちっとした運賃体系が出ることを期待をしておりますし、あわせて、山梨でも甲府圏域が特定特別監視地域に昨年度指定されております。今回の法律が制定をされれば、特定地域というのは多分特定特別監視地域と同一の部分で指定がされているというふうに私自身は認識をしておりますので、そういう意味では、米長議員の御地元である山梨のドライバーの皆さんや事業者の皆さん方も、多分この法律が制定をされ、きちっとした監視体制、さらにはガイドラインの適正な運用ということも相まって、必ず事業者の皆さん、働くドライバーの皆さんも含めて、希望が持てるタクシー事業に成長、発展していただけるように期待をしているところでございます。
#128
○米長晴信君 終わります。
#129
○渕上貞雄君 社会民主党の渕上でございます。
 交通運輸における規制緩和の弊害は安全運行と直結をしており、この間の事故件数の増加がそれを如実に表現していると思います。さきの委員会においても主張しましたが、社民党は当初から交通運輸の規制緩和については安全運行確保の観点から問題があると反対をしてまいりました。しかし当時は、既存事業者の経営効率化が進まないとか、利用者の様々なニーズに対応した新しいサービスが提供されにくいなどの理由で規制緩和が実行をされました。
 では、規制緩和によってどのような効果が上がったのでございましょうか。規制改革会議のタクシー事業にかかわる諸問題に関する見解を見ますと、新たな雇用の創出、待ち時間の短縮、多様な運賃、サービスの導入など消費者利益の向上に貢献してきたとありますが、しかし、前回の当委員会における同僚議員の質問に対して国交省は、法人タクシーにおける一両当たりの運転者数比較において、二〇〇一年は一・七人、二〇〇七年には一・六二人であると明らかにいたしました。規制緩和が必ずしも雇用創出にはなっていないことが明らかになってまいりました。また、運賃の多様化がどのような効果をもたらしたかは、この間の事例を見れば明らかであります。待ち時間の短縮との効果についても、裏を返せば現在は供給過剰と言えるのではないでしょうか。大臣もさきの委員会で待ち時間の短縮を挙げられましたが、どのような実態をもって述べているのか明確ではありません。
 では、規制緩和によって利用者が増えたのでしょうか。二〇〇二年の法人タクシーの輸送人員は十九億三千八百七十六万人でしたが、二〇〇七年では十八億六千八百六十六万人と減少をしております。規制緩和が利用者の利用拡大にはなっていないことが分かります。
 新しいサービスの提供についても、需給調整規制の緩和や上限運賃制度の導入が新しいサービスにつながっていると思われているのでしょうか。規制緩和以前の道運法においても、福祉タクシーは、市町村運営の有償運送や過疎地有償運送などのサービスは十分対応できるものであったと思います。
 ことわざに百害あって一利なしという言葉がありますが、必ずしもタクシーの規制緩和に当てはめようとは思いませんけれども、多くの弊害が生じている割合にはその効果は疑問視せざるを得ないと思うのでありますが、国交省の見解をまずはお伺いをいたします。
#130
○政府参考人(本田勝君) 規制緩和の成果という面で、サービスの多様化、待ち時間の短縮ということを申し上げておりますけれども、これにつきましては、私ども、平成十七年のアンケート調査、利用者の方々に対してのアンケート調査の結果で紹介をさせていただいております。
 その当時、以前に比べてタクシーがどうなったかという点について、例えば各種割引など料金の多様化という点について、昔と比べて良くなっていると思うというような方が三八・五%ありました。それから、待ち時間について良くなっていると思うという方が二四・六%、あるいは接客態度が良くなっているといった方々が三二・八%。
   〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕
 こういったアンケート調査の結果を基に今御説明しておるわけでありますが、他方で、この間すべてが良かったとは到底言えませんで、地域によっては需要が長期的に低迷する中、車両数が増加するといったことで、タクシー運転者の労働条件の悪化を始め公共交通機関としてのマイナス面が生じていることもこれはまさに事実でございまして、これに対しては、この問題の是正を図るために必要な対策を講ずる必要があると考えております。
#131
○渕上貞雄君 前回の委員会においても、当分の間の期間の問題や上限価格制の問題、適正原価の適正利潤などについてお伺いをいたしました。
 改めて再度確認の意味でお尋ねをいたしますが、当分の間についてはどのように考えられておられるのか、それから、道路運送法の附則改正によって同法の九条の三項は上限価格を否定することについて、また、適正な原価には人件費や安全について繰り入れることについて、整理してお答えをいただきたいと思います。
#132
○副大臣(加納時男君) まず、当分の間について、前回申し上げましたけれども、やや早口だったことは申し訳なかったかと思います。ゆっくり申し上げますが、前回申し上げた趣旨は、これは実は衆議院で修正が行われました中で、本法案の附則第三項に基づき、政府は、タクシーの運賃及び料金制度を含む道路運送法に基づく制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる、これは法律の文章ですけれども、附則の文章ですが、ものとされております。その後に出てくるのが今おっしゃった当分の間でございます。この規定との関係から見ますと、本法案附則第五項で改正された道路運送法附則第二項の当分の間とは、道路運送法について本法案附則第三項に基づく措置が講じられるまでの間と理解されるところでございます。
 この理解は、先日先生から御質問がありまして、修正案提出者と私と両方に御質問がありました。修正案提出者からの答弁のあった見解と私は一致していると思いますということを今日申させていただきます。
 ほかの件につきましては政府委員から答えさせていただきます。
#133
○政府参考人(本田勝君) 引き続きまして、今回の修正によって道路運送法の附則に置かれます九条の三第二項第一号の読替規定の効果として上限価格制が否定されるのかという御質問がございました。
 この点について申しますと、上限価格制という言葉にはいろいろな意味があろうかと思います。例えば、上限価格について認可を受けて、その範囲内であれば自由に運賃を定めるという制度、これは例えば乗り合いバスについて使われておる制度でありますけれども、この点について申しますと、タクシーでは、個々の事業者の方の個別の運賃を固定額として認可させていただいておりますので、いわゆる上限価格制ではございません。これは今回の修正後もそうだと思います。
 それから、タクシーの場合には、大変たくさんの事業者の方の運賃を処理する関係上、地方運輸局長がその地域での上限運賃を公示いたしまして、その上限の範囲内であれば申請を受け付けて認可をしていくという仕組みを取っております。これを上限価格制と呼ばれるケースもございます。
 この点について申し上げますと、修正案で道路運送法が改正された後の認可基準は適正な原価に適正な利潤を加えたものとなりますが、これはあくまでも申請者個々の事業者ごとの運賃についての基準ということでありますので、これを地域全体として見てみますと、申請者によって運賃が異なるということは当然発生し得ると思います。したがって、地方運輸局長が公示する上限の範囲内で個々の事業者が運賃の認可申請を行うという制度、これが否定されることにはならないと、こういったことを先般お答え申し上げました。
   〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕
 次いで、適正の原価に関連して、安全確保に関する経費の繰入れの考え方、とりわけ人件費というものをどう見ていくかということでございますが、これはかいつまんで申しますと、今回の修正のことも念頭に置きますと、やはりその運賃によって適正な、すなわち安全確保を含めた適正な経営が行われていくということが担保される必要があると思っております。特に人件費の算定式につきましては、これも現在のやり方だけでまいりますと、これ歩合制を前提とした査定をしておりますと常に実態値を追認していくということなものですから、今回、一連の運賃改定を行う際にはそこの考え方を少し改めさせていただきまして、やはり物価とかそういったものも念頭に置きながら賃金が上がっていくような、そういった査定を今回の運賃改定ではさせていただいておるわけで、そういったことも参考にしながら新しい適正な原価の審査基準を作ってまいりたいと思っております。
#134
○渕上貞雄君 タクシーの新たなルール作りに対して規制改革会議は再規制という批判を行っております。先ほども議論があったとおり。その論点に、賃金の減少や事故率の上昇傾向は規制緩和とは必ずしもリンクしないと言われています。
 しかし、タクシーの規制緩和が法改正に先駆けて実施された一九九七年から交通事故の件数は急増し始め、現在は高止まりした状態になっております。また、道路交通法の第百八条の三十四に基づく通知内容、件数を見た場合に、事故件数は微増であっても、最高速度違反件数が二〇〇三年では三百三十四件だったものが二〇〇六年には五百三十四件とこの間も増加傾向を示しております。また、その他では主に駐停車違反の行為が多いようですが、二倍に増加をしています。このことは、利用者の減少と増車の中で一回でも多く一人でも多くという乗務員の心理が働いている結果ではないかと思われます。駐停車違反の行為についても、内容を精査しなければならないのですが、取締りの強化によるものもあると考えられますし、やはり乗務員の食事やトイレ時間の違反もあるのではないかと推測をされます。
 私は、これらの数字が物語っていることは、やはり規制緩和による結果であると考えますが、国土交通省はいかにお考えでしょうか。
#135
○政府参考人(本田勝君) タクシー事業者の道路交通法違反の通知件数は確かに増加しております。ただ、これはまさに取締り、とりわけ駐車禁止の取締りが随分変わりました。したがってこの原因について一概に申せませんが、タクシー事業をめぐっては、需要が減る中で車が増える、あるいは車が増えない場合でも車が減らないといったことで供給過剰状態が生ずる、それに伴って運転者の労働条件、とりわけ賃金が悪化をするということから、これがやはり特に事故件数の増加には影響があると考えております。
#136
○渕上貞雄君 規制改革会議の第三次答申において、国交省の見解として、タクシー事業における諸問題については規制緩和は主たる原因ではないと考えていると書かれています。では、国土交通省は、今日発生している諸問題の主たる原因はどのようにお考えなのでしょうか。
 これまでの国交省答弁を聞いておりますと、規制緩和でタクシーが増えたことだけではなく、需要が減ったことも供給過剰の大きな原因であると言えると言われているようですが、国交省は規制緩和として市場に任せれば需要は均衡すると、こう言っていました。これはやはり間違っていたのではないかということになりますが、これはお認めになりますか、どうですか。
#137
○政府参考人(本田勝君) 規制改革会議の場での議論について改めて申し上げたいと思いますが、私ども、タクシーの諸問題、規制緩和は主たる原因ではないというような発言はしておりません。正確に申しますと、規制緩和だけが原因ではないという言い方をさせていただいております。
 この趣旨は、ちょうど平成十二年に道路運送法が改正され、十四年に施行されておりますけれども、実はそれ以前から、もちろん運用としての規制緩和は進めてきたとは思いますけれども、車の台数は増えていない状態で需要は年々減ってしまっておる。その状態においても、つまり規制緩和以前におきましても、一台当たりの収入が減り、かつ、それに伴ってドライバーの方々の労働条件が悪化していたという事態が生じておったわけでございます。もちろん、規制緩和後、今度は需要が増えないのに車が増えてしまうといった事態で、そういった状態が悪化したということも事実でございます。
 申し上げたいのは、こういった要素によって一番根幹は供給過剰という事態が発生した、したがって供給過剰によって今回の多くの問題が発生していると、こういう理解をさせていただいております。
#138
○渕上貞雄君 改善基準の違反についてお伺いをいたしますが、厚労省に、新規参入の事業者の違反件数とその内容はどのようになっているのか、特に改善基準違反に占める新規事業者の割合についてはどのようになっておるか、お知らせ願いたいと思います。
#139
○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。
 労働基準監督機関においては毎年タクシー運転者の労働時間等の改善を重点として監督を行っておるところでございますが、直近の数字、平成十九年の監督指導結果で申し上げますと、監督指導件数は七百十二件でありまして、そのうち改善基準告示の違反件数が三百八十四件、違反率が五三・九%でございました。
 なお、こうした監督結果につきまして、新規参入事業者とそれ以外のものという形で労働基準行政においては件数の分けた把握はしておらないところでございます。
#140
○渕上貞雄君 改善基準違反は、新規参入の事業者のみならず既存の業者においても行われております。このような改善基準違反が後を絶たない原因はどうお考えなのか、違反撲滅のために厚労省、国交省はどのような取組を行われるのでしょうか、お伺いいたします。
#141
○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。
 労働基準監督機関におきましては、タクシー業界につきましては、当然、新規参入があり退出があり、そして集団が動いている中で、毎年、各種情報に基づいて、その中には陸運当局からいただく情報も含めまして、そうした情報に基づき、問題があると認められるタクシー事業場を重点的に選定いたしまして監督指導を実施しておるところでございます。違反が認められましたものについては、労働基準法の違反等と併せて、改善基準違反につきましても是正期日を明示して是正勧告書を切り、引き続き是正まで指導を行っておるところでございます。
 今後の取組としましては、引き続き陸運当局との連携の下、合同による監査、監督、あるいは、先ほどもお答え申し上げましたが、相互通報制度の活用等によりまして、労働条件の確保に引き続き粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
#142
○渕上貞雄君 タクシー労働者の労働時間は全産業平均よりも一・一倍長い二千三百八十八時間と長時間労働にあり、厚生労働省が示しているいわゆる過労死基準を超えている労働実態にあります。しかし、年収は全産業平均よりも二百二十万以上も低いという実態にあります。このような労働の解消が今何よりも求められていると思います。
 厚労省はこのようなタクシー労働者の実態についてどのような認識をお持ちでしょうか、またどのような対応をされようとしているのか。あわせて、国交省もその認識について、対応についてお伺いをしたい。
#143
○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。
 まず、御提起のありましたタクシー運転者の労働条件の実態でございます。数字につきましては先生の御指摘と一致しておるかと思いますが、平成二十年では、年間総実労働時間で見て二千三百八十八時間と全産業労働者と比べて二百四十時間長く、年間賃金については三百二十五万と全産業労働者と比べて百六十一万少ない状況にある、これが現状でございます。
 労働基準監督機関におきましては、先ほどのお答えと重なるところございますが、最低労働条件といいますか、労働基準を所管する立場からこうした基準の遵守に引き続き取り組んでまいります。
 もちろん、そうした労働条件の改善を実現する原資、その前提となる業の適正等につきましては、国土交通省、陸運サイドのお取組が引き続きあるものと考えておりまして、そうした両方の取組によって労働条件の底上げが実現するものと考えておるところでございます。
#144
○政府参考人(本田勝君) 私どもの関係から申しますと、タクシー運転者の方の労働条件、数字を見ますると大変厳しいわけですが、結局のところ、一台当たりの車両の営業収入の水準がどんどん悪化している。このことにどう歯止めを掛けるかということだと思います。ここ数年、このために運賃改定をしてまいりましたが、やはり運賃改定だけでは解決できないという見地から、今回法案でお示ししましたような供給過剰対策、さらには様々な御審議をいただいております過度な運賃競争の抑制、さらには違法、不適切な事業運営の排除といったことを総合的に講じていく必要があると考えております。
#145
○渕上貞雄君 もう時間ですからやめますけれども、先ほど自動車局長、衆法の回答において、上限運賃にかかわるところの問題について若干ちょっと私の理解と答弁との違いがあるような気がするんですよ。それで、時間ですからこれ以上やりませんが、できれば、これ終わりました後、精査させていただいて少し議論させていただきたいと思うんですが、よろしゅうございますか、それは。
 あと、法案のことでございますので、これちょっと大臣の方に質問しておりましたし、ちょっと時間が来たら、おい、ちょっとやっていいよというのが大江先生の御了解で、ちょっと一分ほどよろしゅうございますかね。ありがとうございました。
 そこで大臣、今度の特措法によってタクシーの新たなルールが始まります。交通運輸における規制緩和の弊害は、タクシーのみならず、バスやトラックや鉄道、航空、海運などにも生まれているのではないかというふうに思いますし、またそういう実態にもあります。そこでひとつ、これらの問題を解決していくことがこれから先も何よりも重要なことであると思いますので、交通運輸の安全、安心の確保に向けてなお一層御努力を、御奮闘いただきたいことをお願いを申し上げて、大臣の決意をお聞きして終わりたいと思います。
#146
○国務大臣(金子一義君) 御指摘いただいたように、タクシーのみならず、バス、トラック、それぞれの行政分野でどういうふうな、こういう問題、問題が既にいろいろ伺っておりまして、認識は同じであります。これを検証し、そして評価しながら適正化を図るように努めてまいりたいと思っております。
#147
○渕上貞雄君 終わります。
#148
○大江康弘君 私は今、渕上先生にお時間をあげたら、今事務局が、それじゃ一分私の分から引いたらいいんかと言うから、まあそんな細かいことどうでもええけれども、もうこんな大事な法案の中で一分や二分、それじゃ何でこれ五分がこんなにずれてきているのかという話で、もう少しやっぱり私は、この国土交通委員会というのは本当に幅広くやっているんで、もっとおおらかに私はやってほしいなというふうに思います。私の分引いておいてください、渕上先生の分から。
 先日は、政務官ありがとうございました、いい答弁いただいて。大臣はもう今日は朝から海賊法案で大変なんで、もう休んでおいてください、結構です。
 副大臣、先日、私は質問の終わった後、EVをやりたいと言ったら、もう是非それは私にもちょっと勉強させてくれということだったんで、今日はちょっと副大臣に一、二点お聞きをしたいと思います。
 副大臣の御経歴を見ますと東大出られてから東京電力ということで、電気のことに関してはもうまさに専門家でありますし、同時に、今まで環境のことだとかあるいは省エネに対して随分御勉強なされたと。若干、私、今緊張しておりますのは、実は大臣の御経歴を見ておって、私、実は四月から私も学士入学をさせていただいて、同じ大学に、先輩になるんで、ただ、私の場合はまだ卒業していませんから、頑張って卒業させていただいて、副大臣を先輩と呼べるようにひとつ頑張りたいと思いますけれども。
 実はこの間、関西大学の、国会図書館で取り寄せた論文を見ておりますと、そこで安部誠治先生という方が、規制緩和というのはタクシー産業に何をもたらしたかというこのくだりの中で、いわゆる規制緩和後六年半を経て、これといった新規サービスは生み出されず、新しい需要もほとんど開拓されなかった、むしろ輸送量は減少を続け、需要も縮小を続けている、ただ、規制緩和の成果は全くないというわけではない、これまでの公的規制の下、企業家精神の乏しかった業界に競争意識が持ち込まれ、多少なりとも経営者に経営努力の必要性を認識させ、経営改革に着手する経営者を増加させたことは規制緩和の一つの成果と言っていいという、こういう評価の部分を実は載せているんです。後で負の部分はまた申し上げますが。
 実は、これはもうまさに私は我が意を得たりと思ったのは、実は私の先輩が四国の愛媛でタクシー会社をやっておりまして、二年、三年前からEVの導入をずっと言い続けてきたタクシー業界の一人でありました。実は、それをしっかり受け止めてくれたのが、本田局長のまさに現場主義で受け止めていただいて一歩進んだというふうに実は思うんですが。
 これからのやはり、私は、市場が少なくなるとかなんとかという暗い話ばかりですけれども、決してそうではないというふうに思うんですが、こういう一連の流れの中で、副大臣、このEVというものとの絡みの中でちょっと御意見があったらお聞かせをいただきたいと思います。
#149
○副大臣(加納時男君) 今とても大切なお話を伺ったところでございます。
 恐らく、松山の件とおっしゃるのは、私の理解しているところでは富士タクシーさんじゃないかと思います。これは松山市のとてもユニークな会社さんでいらっしゃいまして、創意工夫を発揮してやっていこうと、まさにお話しのとおりで、三菱のアイミーブをタクシー事業に導入したいということで、今年の秋から来年春にかけて入れると。ただし、電気自動車ですから、これ非常に強みもあるけれどもまだ課題もあります。非常に強みとしては環境にいい、CO2は全く運転中は出さない、音も出さないと。その代わり非常に初期投資が高いと。燃料費は逆に安い。
 いろんなことがありましてプラスとマイナスがあるんですが、やっぱり充電というのが大きなポイントになっていますので、家庭用の充電でやったらとても時間が掛かって大変だと普通言われていました。一時間で十キロメートルぐらいしか充電できない、十キロメートル分ぐらいしか。最近は技術開発がうまくいきまして、三相交流というんですけれども、これ二百ボルトでやりますと三十分間で百三十キロ分充電できるんですね。百三十キロ分というと結構な距離でございますので、これでしたら、例えば今の富士タクシーさんの場合ですと、流しでやるんじゃなくて、病院の送迎など近距離のお客さんを想定しているとおっしゃるので、これ非常に私は発想としてもすばらしいなと思っております。そういうお話を今なさったんだろうと思っているところでございます。
 電気自動車についての私どもの基礎認識といいますか、現状をどう考えているかということを三点申し上げますと、一つは、今、日本でも大きな課題になっております気候変動対策、特に低炭素化社会をつくっていくという点、それからもう一つ、大気汚染を減らして住みやすい地域環境をつくろう。つまり、ローカルな環境対策とグローバルな環境対策と両方満たすもの、そのための輸送手段として期待されているのが電気自動車だと。その電気自動車をタクシーにまで使っていこうということはとても有効なことだとまず認識しております。
 ただし、二つ目として、それでは今すぐに、もう来月からいよいよマーケットに出てきますけれども、タクシーにどんどん入るのかというふうにはまだなっていない。これからの課題ですけれども、大変新しい芽だというのが二点目。
 三点目。それではこれらを政策面ではどういうふうに考えるのかということですけれども、三点の助成策を考えています。一つは補助金であります。これは本体価格の四分の一又は在来ベース車との価格の差の二分の一を上限として補助金を入れる補助。それから税制。これは自動車取得税を一〇〇%免除しよう、それから重量税を免除しよう。それから、自治体によるんですけれども、自動車税そのものを一〇〇%免除というところ、これは神奈川だったかな、九〇%というのは東京かと思いましたけれども、そういうふうにもう財政、税制措置でやっていこう。さらには、モデル事業を援助しようというのも国土交通省でも進めております。
 それが現状でございまして、非常に課題は多いんですけれども夢の大きい事業でございますので、先生のおっしゃるとおり、是非ともこれに力を入れていきたいと思っているところでございます。
#150
○大江康弘君 副大臣、本当にありがとうございます。
 実は、昨日の日経を見ておりますと、三菱が出したEV、これは当初四百五十九万九千円、これが三百万円台にコストが下げられて販売されるということで、やっぱりこれは、こうして企業努力もしてきた。今までEVだとかHVだとかというのは、私はやっぱり、日本の自動車メーカーはこういうことを手掛けていますよということで一つの自分のところの社のイメージを上げる、まあ言えばそれで株価が上がる、そういう私は段階だったと思うんです。ところが、世界的なこういう一つの環境問題が出てきた中でやっぱり背中を押した部分があって、本格的にやっぱりこれに取り組むようになったというふうに自分は理解できるんですけれども。
 実は、私は決してタクシー業界もこれからマイナスばかりではないというふうに思いましたのは、やっぱり高齢化がなってくる、そして今言った環境問題、そしてガソリンもまたこれはもう十一週続けてまた上がり続けてきたというようなことの中で、少なくとも私は、この電気自動車というものに対して、あるいはハイブリッドというものに対しての見方がまた変わってくると思うんですが、こういうことを考えますと、やっぱり高齢化で団塊の方がこれからまた五年、十年、とてもこれハンドルを持てないなということになれば、やっぱり勢い頼るのは便利なタクシーというようなことに私はつながっていくと。決して、少しスパンが長く見らなきゃいけない、中期的に見らなきゃいけない部分があると思うんですが、こういうやっぱり人口構造を見ておりますと、私は決して夢を捨てるような、落胆するようなことばかりではないというふうに思うんですが。
 私やっぱり、この業界が率先をしてEVをどんどん導入をしていくという、これは確かに、先ほどからいろんなインセンティブの話もありました、確かにこれはコストも高い車ですから。だけど、そういうふうに必ず、造れば受皿があるんだということが分かれば、私はメーカー側もやっぱりもっとコストを下げていけるような努力もするだろうし、当然下がってくるだろうというふうに私は思うんですけれども、こういうことの中でこの業界にEVを入れていくということに関して、副大臣、何か御意見があれば聞かせていただきたいと思います。
#151
○副大臣(加納時男君) 今御発言なされたことが全部ヒントになってくると思うんです。大変なやっぱり難しい課題はあるけれども、夢の多い仕事なんですね、タクシー業界で電気自動車というのは。
 どこに問題があるのかというと、初期投資というのとそれから充電と、二つ問題がありました。いずれも技術開発によってかなり問題解決しつつありますけれども。
 初期投資ということについては、これはもう間違いなく、普及をしていく、その普及率によって値段が、ほかの機器と同じでございます、いろんな電気機器でも電子機器でも、新しいのが出たとき最初は非常にコストは高いけど、それがある程度初期段階で政策的に支援をして普及率を上げてやると、そうするとコストが下がる、コストが下がると需要が付くというので加速度的に増えてきたのが今までだと思います。この電気自動車も何とかそのレールに乗せたいなと思っていますので、そこでさっき申し上げた三つの方法でいろいろ支援措置を政府としても講じているところでございます。
 これは他の省庁でもいろいろやっておられますので、例えば経済産業省ではEV・pHVタウン構想、ちょっと分かりにくいんですけれども、要するに電気自動車だとかプラグインハイブリッド、これのモデル地区をつくろうということで、そこではタクシーもちゃんと入っておりまして、タクシーもそこで使っていこうじゃないかと。pHVの、プラグインハイブリッドのタクシーだとかハイブリッドのタクシーとか、こういったことも普及の中に入れていこう、これをまた助成していこうと。それが例えば普及するために駐車場には優遇措置を与えて、これは外国でもやっているやつ、外国でも、ロンドンとかなんかでもやっているやつなんですけれども、電気自動車には駐車料金はただにするよとか、充電スタンドはフリーに使わせるとか、ただ、充電は料金だけ取るんですけど。
 こんなようなことをやっていって何とか普及に弾みを付けようということで政府と企業と知恵を絞ってやっていこうと、こんなところでございます。
#152
○大江康弘君 非常に温かい答弁、ありがとうございました。
 副大臣は今月二十一日に何か御自身がやっておられるクラシックコンサートの指揮をされるというようなことでありまして、どうかひとつこのEV導入に対しても上手に指揮をしていただいて、ひとつ早期に進めていただけるようにまたお願いをしたいと思います。ありがとうございました。
 本田局長、ちょっと自動車のリースに、タクシーのリースもそうですが、このリースに関して、ちょっと整備会社のことでお聞きをしたいと思いますが。
 実は私、御縁がありまして山梨の方に行かせていただいたりということで、山梨の方の整備会社の皆さんから実は陳情を受けた話は、いわゆるこのタクシーを含むリースが多くなってきて、いわゆる車体のメンテナンスについて自動車整備工場に行く場合に、いわゆるリース会社がもう何もかもいろんなことを決めて、そしてまさに値段のところまで決めてと。これは時間があれば公取も呼んで聞きたいんですが、もう今日はそんな時間がありませんので。
 実は、これ山梨県の場合なんですけれども、各振興組合に加盟のところにアンケートを取っておって、いわゆるレバレート、工賃についておたくだったらどれだけですか、希望しますかと、六千五百円。ところがこれは、メーカー、そのリース会社が言ってきているのは四千円なんですね。そして、検査整備使用料については、これは整備会社は六千円、ところがリース会社はゼロ円。そして、車検の代行料については五千円といったところを、これもリース会社はゼロ円。
 ですから、これ大臣も聞いておいてほしいんですが、私はやっぱり、こういう整備、専門家の、プロの整備会社がやはりしっかりと安全を担保して整備しようとしておるのに、いわゆるリース会社がこういう形でもう部品まで調達をして、部用品を調達をして、そして整備会社に持っていってこれでやれなんていうケースが今出てきて、とても安定したコストで整備ができない。これは結果何を生むかといえば、本当にこれ車が、しっかりと直るところは直って安全走行ができる車になっておるのかということですね。
 ですから、これ、私は規制緩和の一つの最たるこれは負の今遺産になって出てきておるというふうに思うんですけれども、ここら辺りを本田局長、どういうふうに把握をされておられるか、ちょっと聞かせてください。
#153
○政府参考人(本田勝君) 実態は十分把握をしておりません。ただ、自動車の点検整備は、申すまでもなく安全あるいは環境のために確実に実施されることは、これはもう必要不可欠なことでございます。
 今御質問にありましたリース会社と整備事業者の契約料金、これは個々の契約で定められますので、その料金について行政が直ちに是非を申し上げる立場にありませんが、ただ、実態を調べさせていただいた上で、例えば契約料金が安い結果、点検整備が不十分だったとか、あるいは下請法が適用されるような契約で、下請法で言いますような買いたたきといったような不適正な取引に該当するような場合にはやはり問題であると思います。
 いずれにしましても、今後、関係業界から状況を聞いて実態の把握をさせていただきたいと思います。
#154
○大江康弘君 あと三分。
 とにかく局長、一度ちょっと実情を調べていただきたいと思います。
 私はやっぱりこういう、少なくても、車が良くなって、車検の幅、期間が伸びたら、いろんな意味でやっぱり整備会社というのは、整備工場というのは、大変それでなくても市場が狭くなってきているところに、こういう形でやっぱりリース会社が車を直すところまでちょっかいを出してくるというようなことになれば、私はやっぱり何のための規制緩和なのか、あるいは何のためのこういうプロの整備工場なのかというようなことになってくるので、一度よく検査を、実情を知っていただきたいと思います。
 大臣、もう聞かないと思っていたんですが、ちょっと、二分ありますので。
 いわゆるこの規制緩和の負の遺産を最も被ったのはというあの安部先生のくだりの中で、やっぱりタクシーの運転手だと。非常に下がった年収、これは二〇〇六年度で安部先生は書いていますが、三百二十九万円、これは全産業労働者の当時の五百五十万円の約半分程度にすぎないと。労働時間は、先ほども渕上先生も少し言われていましたが、年間で約二百時間も多いという。私はこういう中で、本当に本来の規制改革というのは質の向上が求められたはずであるにもかかわらず、何か価格の競争というふうなものに間違って転化をされた中でやっぱりいろんなところにしわ寄せが来ておる。
 そういう中で、先ほどいろいろと局長、公開討論でおしかりを受けるような話もされていましたが、私はやっぱり一番前段に、一昨日も申し上げましたように、これは、規制改革というのはやはり人間の成長と一緒でどんどんどんどん変わっていく、変われば変えればいい。だから私はやっぱりここで変えればいいということだからこういう法律が出てきたんだと思うんです。ですから、そういう今までのところの過程を振り返ってみて、大臣、この法案というものに対して、今後、どういうふうにやはりこれを生かしてやっていくのか、いきたいのかという思いがあれば、簡単に答えていただきたいと思います。いや、大臣なんです。そう、大臣なんです。ああ、ごめんなさい、私さっきないって言ったんですけれども、まあ最後ですから。それじゃ副大臣。
#155
○副大臣(加納時男君) 今日は、何か私の先輩なんだか後輩なんだかよく分かりませんけれども、とにかく非常に向学心のある大江先生からまた大変重要な問題意識、指摘されました。
 冒頭にも申し上げたんですが、規制改革について今日随分議論がありました。実は規制改革、私はどっちかというと改革論者の方なんですけれども、規制改革至上主義とか、お金だけあればいいと、お金さえもうかればいいというやり方については一行政官としても政治家としても非常に疑問を持っております。やはり世の中の、何というか公益といいますか公共的な利益というものも重要な価値があると。ですから、そことの折り合いを付けていくということですね。規制改革ということと、つまり創意工夫を発揮させていくということと同時に、そこから出てきた様々なひずみを是正してやっていくと。今回のまさに修正合意した内容というのは、そういう意味では私は歴史的な意味があるのではないかと思っているわけでございます。
 そういう意味では、今まさに先生がおっしゃった方向で、これからも規制改革のいいところですね、創意工夫を発揮するとか、さっきおっしゃった非常に新しいビジネスを考え出していくと。そういうところは刺激しながら、しかしまた一方で、労働者の過重な負担が出てきたり、何かそういうことが、あるいは賃金のゆがみがある、こういうものは勇気を持って是正していく。改めることにはばかることなかれということであると同時に、やはり人間お互いに、まあ友愛精神というとちょっと何かどこかの政党になっちゃいますけれども、とにかく仲間、みんな働く仲間でございます、一緒に仕事をつくっている仲間だという意識でもってやっていけたらいいなと思っております。
#156
○大江康弘君 ありがとうございました。
#157
○委員長(田村耕太郎君) 他に発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#158
○委員長(田村耕太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、室井邦彦君から発言を求められておりますので、これを許します。室井邦彦君。
#159
○室井邦彦君 私は、ただいま可決されました特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党、社会民主党・護憲連合及び改革クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、利用者のニーズに合致したサービスの提供が何よりも重要であることを関係者は認識し、一層のサービスの改善と需要の拡大が図られるよう、タクシー事業の適正化及び活性化に努め、利用者の選択性を高めるための方策、最新のIT技術を活用したサービス提供、利用者利便の向上に資する情報提供、乗り場の整備等を、関係者の緊密な連携により推進すること。
 二、全国各地域におけるタクシーの供給過剰とそれに伴う違法不適切な事業運営、労働条件の悪化等の実情を踏まえ、その対策を迅速かつ効果的に行う観点から、特定地域の指定を適切に行うこと。
   また、特定地域では、新規参入や増車が需要増を喚起すると明らかに見込める場合を除き、原則としてこれを認めないこととするとともに、特定地域に指定されなかった地域についても、特定特別監視地域への指定を検討する等供給過剰発生の未然防止に努めること。
 三、協議会が策定する地域計画には、過度な運賃競争の回避や労働条件改善・向上のための対策について記載されるよう基本方針に明記すること。
   また、協議会においては、地方運輸局は、かつて需給調整を実施していた際の手法等により、地域における適正車両数を算定し示すこと。
 四、タクシーが地域における公共交通機関として十分な機能を果たし得るよう、タクシー事業者及びその団体、関係地方公共団体等の関係者の要望を十分踏まえた支援制度の活用・創設に努めること。
   また、特定地域において協議会に参加しない事業者、減車等に協力しない事業者に対しては、その経営状況を十分に確認するなど、タクシー事業の適正化、活性化を推進する観点から必要な措置を講じること。
 五、タクシー事業の健全な競争を図るため、同一地域同一運賃の実現が必要との意見を踏まえつつ、適切な運賃制度及びその運用を検討し、必要な措置を講じること。
 六、今後策定される運賃のガイドラインにおいては、各地域の実情を踏まえ、タクシーの安全を確保するための適切な運賃水準が確保されるよう、自動認可運賃の幅の縮小、適切な運賃水準の趣旨を逸脱した下限割れ運賃等の防止に必要な措置を講じること。
 七、労働条件の悪化防止、違法不適切な事業運営の排除、タクシー運賃の不当競争の防止、特定事業計画認定時の協調減車に関する迅速な調整等のため、関係省庁連携の下、監査指導体制の充実強化、労働関係法令違反に対する処分の強化等、必要な措置を講じること。
 八、国土交通省及び厚生労働省は、タクシー事業における賃金システム等に関する懇談会などの議論に積極的に関与し、歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系に再構築すべく努力すること。また、労使双方に対し、本法の趣旨を踏まえた真摯な対応を行うよう促すこと。
 九、運転者登録制度について、講習の充実等制度の適切かつ円滑な実施を図るとともに、これに必要な支援措置を講じること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ各委員の皆様方の御賛同をお願いいたします。
#160
○委員長(田村耕太郎君) ただいま室井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#161
○委員長(田村耕太郎君) 全会一致と認めます。よって、室井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、金子大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。金子大臣。
#162
○国務大臣(金子一義君) 特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に深く感謝を申し上げます。
 ありがとうございました。
#163
○委員長(田村耕太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#164
○委員長(田村耕太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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