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2009/03/17 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第2号
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2009/03/17 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第2号

#1
第171回国会 経済産業委員会 第2号
平成二十一年三月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         櫻井  充君
    理 事
                藤原 正司君
                増子 輝彦君
                山根 隆治君
                荻原 健司君
               北川イッセイ君
    委 員
                木俣 佳丈君
                鈴木 陽悦君
                津田弥太郎君
                中谷 智司君
                前田 武志君
                塚田 一郎君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                谷合 正明君
                松 あきら君
                松下 新平君
                渡辺 秀央君
                田中 直紀君
   国務大臣
       経済産業大臣   二階 俊博君
   副大臣
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       経済産業副大臣  吉川 貴盛君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       谷合 正明君
       経済産業大臣政
       務官       松村 祥史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局参事官     居戸 利明君
       厚生労働大臣官
       房審議官     渡延  忠君
       厚生労働大臣官
       房審議官     二川 一男君
       社会保険庁運営
       部長       石井 博史君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      桑山 信也君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        寺坂 信昭君
       経済産業大臣官
       房審議官     森川 正之君
       経済産業大臣官
       房審議官     廣田 恭一君
       経済産業省経済
       産業政策局長   松永 和夫君
       経済産業省通商
       政策局長     岡田 秀一君
       資源エネルギー
       庁長官      石田  徹君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     薦田 康久君
       中小企業庁長官  長谷川榮一君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    谷津龍太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (経済産業行政の基本施策に関する件)
 (公正取引委員会の業務に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局参事官居戸利明君、厚生労働大臣官房審議官渡延忠君、厚生労働大臣官房審議官二川一男君、社会保険庁運営部長石井博史君、経済産業大臣官房地域経済産業審議官桑山信也君、経済産業大臣官房商務流通審議官寺坂信昭君、経済産業大臣官房審議官森川正之君、経済産業大臣官房審議官廣田恭一君、経済産業省経済産業政策局長松永和夫君、経済産業省通商政策局長岡田秀一君、資源エネルギー庁長官石田徹君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長薦田康久君、中小企業庁長官長谷川榮一君及び環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長谷津龍太郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(櫻井充君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○増子輝彦君 おはようございます。民主党の増子輝彦でございます。
 百七十一回国会における経済産業委員会、大臣の所信をお聴きいたしまして、今日が実質的な最初の審議でございます。当委員会、解散含みのこの国会の中でたくさんの法案が出ておりまして、私ども、現下の日本の経済状況や様々な金融の問題等を考えると、速やかに私どもはこの委員会を通しながら国民生活や産業経済界のためにしっかりやっていかなければいけないなと。いつも各委員、それぞれ与野党の壁を乗り越えて経済産業委員会はしっかりと、中小企業はもとより、日本の経済のため、国民のため、様々な分野で協力し合っていこうということで私どもはやっているわけでございます。そういう意味で、是非今国会も、場合によっては限られた期間になりますけれども、一生懸命審議をしながらやっていきたいと、そんな思いでこの委員会をスタートさせていただきます。よろしいですね、はい。
 そういう中で、やっぱり私どもの所管の二階大臣におかれましても、いろいろな今報道の中で大変御自身の御心配やら様々な問題もあるかと思います。かつて二階先生と一緒に自民党に在籍をしながら、政治改革を実現しようということで、行動を共にした時期も大分長い時間がございました。時期はずれましたけれども、二階大臣も自民党を離党して二大政党をつくりたいという思いの中で一生懸命小沢民主党代表や羽田元総理大臣等と皆さんで頑張ってこられました。私もその後、新党・みらいをつくって自民党を離党して、政権交代可能な二大政党をつくろうという共通の思いで新進党をつくって今日まで歯を食いしばって頑張ってまいりました。
 そういう中で、二階大臣におかれましても、今回、いわゆる西松建設の違法献金事件等を含めながら、この古くて新しい政治とお金の問題について様々な思いがおありなのかと私も推察をするわけでございます。
 実は、三月十二日の朝日新聞に有名な日本の政治をウオッチングしながら様々な著書を書いておられます政治学者のアメリカ・コロンビア大学教授のジェラルド・カーティス教授が「私の視点」というコラムで今回のこの事件を違った観点から実は書かれておるわけでございます。「違法献金事件 検察には説明責任がある」というような大きな実は題目で書かれているわけであります。
 ちょっと読まさせていただきますが、この事件は普通の政治スキャンダルとは質的には違うと。数か月以内に総選挙が行われ、政権交代が取りざたされている。その微妙な時期に、政治資金規正法違反という形式犯で、次期首相になる可能性がある人物の公設秘書をいきなり逮捕するとは、極めて異例である。だからこそ、検察の説明責任が問われるのだと。検察当局は沈黙を守るが、マスコミは関係者によるとなどの形式で様々な情報を流している。公共事業をめぐるあっせん利得の疑いがあるとか、事件はさらに二階経済産業相に飛び火するとかいう報道があたかも事実のように語られ、当局のリークなどによる巧妙な情報操作への疑念も生じさせていると。私は、小沢氏の肩を持ったり、特定の政党の側に立ったりするものではないと。検察が政治的に動いているとか、検察のやっていることが怪しいとか言うつもりもない。しかし、総選挙を前にして、動き出した検察が沈黙し、公の場で説明しないということは、国民の間の政治不信ばかりか、国家権力に対する不信感を深めることになりかねない。この危機の重大性こそを検察は認識すべきであると。
 また、最後の方に、国家権力を行使する機関の姿が国民に見えることだと。国家権力があくまでも公平公正に使われていると国民が信じられることが民主主義の絶対条件である。今、日本では政治家もマスコミも、さらに国民一般も、この問題に余りにも鈍感になっていないかと。今回の事件は一人の野党リーダーの問題だけではない。党利党略ばかり考えず、法治国家としてのプロセスの正当性を守る意味においても、麻生首相を始め与野党の政治家たちは、検察の責任者が公の場に出て国民に説明責任を果たすことを求めるべきだと私は思うというようなことが実は書かれているわけでございます。
 これも一つの私は当然の見方だと思っております。そういう中から、今もこの記事の中にも書いてございますとおり、二階大臣についても様々な報道がなされているわけであります。私も、二階大臣の政治姿勢や、また様々な今日までの政治家としての辛酸をなめながらも御苦労をされて努力をされて今の政治的な立場をお築きになったということについては、十分理解もできるし、またある意味では敬愛の念を抱いていると言っても私は言い過ぎではない思いを持っておりますが、今回のこの一連の様々な西松建設違法献金事件について、今どのようなお考えをお持ちになっているのか、その見解を伺えればと思います。
#6
○国務大臣(二階俊博君) 増子先生から、大変貴重なこの審議の時間を割いて、私のことについて非常にいろんなことを思い巡らせながら御質問をちょうだいしたということは、私にとっては印象深いことになるであろうと思っております。
 この度の、二つの政治団体から私の所属する政策グループが東京、名古屋、大阪等で開催させていただいた何回かのパーティーに御協力をいただいたことなどに関する報道がありました。政策グループなどの政治活動につきまして、私がたまたま代表者である以上、代表者としての政治責任を負う立場にあることは当然のことでありますが、代表者であるとはいえ、私もこの少数の秘書グループを抱え、家内工業のような状況で政治活動をやっておるわけでありますから、この政治活動の一つ一つの入金や支出を毎日毎日これを報告を受けたり、私自身がそのことを調査をしたりすることはほとんど不可能に近いと、これは正直なところであります。
 御出席の先生方の中にも、御自身ですべておやりになっている方もいらっしゃれば、なかなか忙しくて他人に任せるといいますか、担当者にお任せっきりだと言われる方だって当然おられるわけでありますが、私は、そういう面で今後においてはここは十分目を光らせていかなきゃいけない問題だなということを思っておりますが、政治団体の担当者との間にもう少しこういう問題に対して時間、政治活動の日程を割いてでもこういうことに対してはしっかりした調査、検討を加えておく必要があるということは今思っております。
 私が代表者を務める政策グループなどの政治資金について既に予算委員会や定例の記者会見などで御質問をいただいておりますが、これらに対しては、それぞれ政治団体から報告を受けた内容を誠実にお答えし、説明をしてきたところであります。
 今、増子先生から私の政治姿勢についてのお尋ねがありましたが、政治で最も大切なことは、今も昔も同じように国民の皆さんの政治に対する信頼であるというふうに考えております。また、世界的な経済金融危機に端を発する今日のこの状況の中で国民の政治に対する信頼にこたえていくためにも、本委員会では先般、大臣所信でも申し上げさせていただきましたとおり、一日も早く円満な国民生活が回復できるように努力してまいる所存であるということを申し上げましたが、その考えには変わりはありません。
#7
○増子輝彦君 大臣、これも報道でございますが、先般、二階大臣のグループの例会で八百三十万円のパーティー券代については全額返還することを決めたというふうに報道されておりますが、これが事実かどうか、そして、もう既に返還をされたのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
#8
○国務大臣(二階俊博君) これは小なりといえども我々も一つの政治集団でございますから、私が何かどんぶり勘定で何かをやっておるというのではなくて、すべてその衝に当たる人たちが対応しているわけでありますが、先般、私が出席することのできなかった会において、その当時の出席者全員で協議の結果、こういう献金についてはいろいろ議論を呼んでおるわけでありますから、こうしたことに関してはやはり返還をしようということで全員が一致したと、こういうことでありましたから、後に私は報告を受けたからそれで結構ですということを申し上げました。
 ただ、それをどういう手続で返還するかということは法律の専門家に依頼をして、供託するなり、どういう形が一番いいかでありますが、返還の手続に入っていることは事実であります。
#9
○増子輝彦君 結局、政治とお金の関係というものは、これは本当に先ほど申し上げたとおり古くて新しい問題だと思います。と同時に、政治にお金が掛かる、まさに政治にはコストが掛かるものですね。ましてや、自民党の中での、小なりといえども大変な政策集団、昔は派閥と言いましたけれども、政策集団をお持ちになっている二階大臣からすれば、やっぱり政治資金というものを何らかの形で集めなければ政策集団も保持できないと。かつて私も安倍先生の下で、清和会の政策集団におりましたときに、その姿を見ていると、本当に派閥の領袖は大変だなと、こんなにまで苦労されて派閥の仲間を面倒見なきゃいけないのかなというような思いを強く持ちました。
 そういう中で、政治改革に没頭して、政治とお金の関係をきれいにしなければいけないと、そういう思いの中で、選挙制度を変えようと、政党交付金を出すことによって企業献金を少しでも少なくしていこうと、あるいは連座制を強化して選挙違反等をなくしていこうという思いの中で、十分ではありませんが、今日の、この今の体制ができているわけであります。
 企業献金、これは本当に悩ましいんだと思うんですね。実は、私もかつて二百社ほどの企業献金をちょうだいいたしておりまして、これが、企業献金を廃止をするんだということが、特に政治資金管理団体では五年後に廃止をしようと決めたときから、私は皆さんに実は個人献金に替えてほしいというお願いをしましたところ、やっぱり日本にはまだまだ個人献金という文化や風土はなじまないということで、そのとき、わずかでありますが、しかし大変貴重なんでしょう、二百社のうち三十人だけが個人献金に切り替えてくれました。あとは駄目だと、個人献金にはできないんだと言って断られました。私は、それでもやせ我慢をして企業献金をもらわないでずっと頑張ってまいりましたけれども、一昨年からまた少しだけわがままの言える方々から企業献金をちょうだいをいたしておりますが、基本的に、企業献金というのは私自身は廃止をした方がいいんじゃないかと、廃止すべきだという考えを持っております。そのために、国民の皆さんの貴重な税金、一人当たり二百五十円、約三百億を超える政党交付金を各政党に実は配分をしているわけであります。
 政治とお金の関係、大臣、この問題は本当にこれから私たちが国民の皆さんから、先ほど大臣がおっしゃった、信頼がなければ政治は成り立たないという観点からすれば、この政治とお金の関係をどういう形で変えていくのか、つくり上げていくのか、企業献金をどういう形にしていくのか、大臣のお考えをお聞かせ願えれば有り難いと思います。
#10
○国務大臣(二階俊博君) その前に、私は新しい波という政治グループ、頭に自由民主党政策グループ新しい波と、このように付けておるわけでありますが、これは自由民主党と合流した際に、我々のグループがどこかのグループと一緒になることによって自民党内のバランスに多少御迷惑を掛けてもいけないという思いから、我々は我々で集まって、みんなでその改革の精神を生かして勉強をしていこうと、こういうことでありまして、私は、何もこの集団を率いて何かを、特別のことをしようということを考えておるわけではありませんので、本来、私はこの会の先頭に立つこと自体は好ましいことではないというふうに思っておりました。
 しかし、だれも立候補をする人がいなくて、私に少しの間でも、スタートの間でもやってくれないかと、こういうことでありましたので、派閥は嫌ですよと、我々は少なくとも、役に立てたか立てなかったかは別として、派閥解消ということをお互いにみんなで叫び合ってきたわけです。いつの間にか、名称、歴史の変遷はあったとはいえ、派閥はちゃんと存在しているわけですね。マスコミの皆さんも我々のグループのことを二階派なんて勝手に報道しているんですが、私は二階派という認識は全くありません。
 今、安倍先生のお話に言及されましたが、私は、自分で苦労して何か特別のことでもってメンバーを何か養わなきゃいけないとかなんとかというような、そんな意識は持っていません。できるだけみんなで協力し合って、できるだけ近代的な方向を進んでいけるようにということを、少なくとも我々は今日まで努力をしてまいりました。
 八百何十万円というと巨額の資金のように宣伝されておりますが、これ何年間にわたって何回かの会合を大阪、名古屋、東京で十六人、グループがみんなで一生懸命御理解をいただく方々にお願いをして、そしてそれぞれの政治活動を今日までやってきた。外国に出かけて研修したこともある。緑のことを大切にという呼びかけにこたえて、それは大変いいことだということは申し上げたんですが、いいことだと言っているだけでもしようがないですから、マングローブの木をジャカルタ周辺に植えるんだということに対して、我々は乏しい自らの資金を出し合って、そこに、マングローブの森に我々は新しい波としていささかの足跡を残してきたこともあります。そうしたことを今日まで誠実にやってまいりました。
 八百何十万円を多いか少ないか、私はこの場で論評するつもりもありませんが、何回も何回にもわたって開かれた会のトータルがそういうことであるわけであります。それは是非、増子先生にも御理解をいただきたいと思います。
 いずれにしても、今日こういうことを言われておることは、私としても大変残念に思いますが、また機会があれば、私から進んで増子先生にまた御報告の機会を得たいと思いますが、今日は何せこれ貴重な予算審議の冒頭でございますので、どうか本論に戻していただくことを私から特に期待をいたします。
#11
○増子輝彦君 二階大臣の今の思いというのは、私も十分以前から承知しているつもりでございます。どうぞ政治とお金の問題、やっぱり大臣は今自民党の中の大実力者であり、なおかつ麻生政権を支える最重要閣僚の一人でございます。漏れ聞くところによると、麻生首相は二階大臣を最も頼りにしているというようにお聞きもいたしておりますので、この問題、毅然とした形の中で是非対処していただきたいと。
 最後に、申し訳ありませんが、もう一問だけこの件についてお聞きして、次の質問に入りたいと思います。
 今大臣絡みのパーティー券の問題やあるいは裏金献金などのことがあたかもあるかのような報道のリークがされております。私は、そういうことは多分ないんだろうと信じたいと思っておりますけれども、我が党の小沢代表絡みのことも全く同じようなことで、私は、政治家は自らの出処進退は自らが決断、判断をすべきだというふうに思っております。
 そういう意味で、二階大臣についても、これらの今報道されているような事実が万が一にもあったとするならば、そのときはどのように対処するのか、一言簡単にお答えをいただいて、次の質問に入りたいと思います。
#12
○国務大臣(二階俊博君) 政治献金等につきましては、政治資金規正法に基づいて適切に報告をしておるわけでありまして、政治資金規正法に基づいた報告が私のすべてであります。
 したがって、今仮定の御質問をいただきましたが、これは増子議員と幾ら深い友情があっても、私はこれをああそうですかと聞いておくわけにはまいりません。それは、直ちに、議員でありますから何でも発言するのは自由ですが、取り消してくださいとまでは言いません。だけど、良識を持ってこの場で議論できることを特に望んでおきたいと思います。
#13
○増子輝彦君 私は、大臣の立場をよく理解しながら、大臣の今日までのまた政治家としての評価も高くいたしております。私は良識を持って大臣に質問させていただいているつもりでございますし、また、大臣が今後、日本のこの政治の世界の中で更に活躍されるためにも、私はこういう疑惑はきれいにしておくことが何よりも肝要だろうと、そういう思いの中で、私は、ましてや我々の主管のこれは大臣でございますから、少しも疑いのないような形の中で、大臣には是非今後、我々とのやり取りもしていただきたいし、経済産業行政の中でその持てる実力を存分に発揮していただきたいと、そんな思いでございますので、そこのことについては、私なりの未熟であっても政治家としての判断、立場の中で質問させていただいていることを逆に大臣にも御理解をいただきたいと思います。答弁は結構です。
 じゃ、次の質問に入らさせていただきたいと思います。
 大臣、本当に百年に一度の日本は今危機だと、経済金融危機等も含めながら大変な厳しい状況だと、ましてや三月の決算期を迎えて特に今厳しい状況に入ってきていると、ましてや昨年の十月―十二月のGDPの速報値を見ても本当に大変だろうと、ましてや今後の日本の経済を見ても大変厳しい状況だなということで、各シンクタンク、いわゆる経済学者共に、これからの日本経済のやっぱり成長率を見ても本当に大変厳しい状況がこれ今打ち出されているんですね。多分GDP、一月―三月も二けた減であろうというふうに実は予測をされているわけであります。
 外需依存から内需拡大へこの日本経済を転換しなきゃいけないというようなことが盛んに言われておりますが、私自身は、やはり日本は、前にも申し上げたことがあるかと思いますが、エネルギーや資源のない国家として、日本人の優れた英知と勤勉さとそして技術力によってすばらしい製品を作って、海外に輸出をしながら今日の経済繁栄を築いてきたことは間違いありません。その象徴的なものが実は自動車産業であり電機産業であり、様々なそういったものがあるわけであります。
 これがいきなり外需は駄目だと、内需だといってもそんな簡単に転換できるはずもありませんし、しからば内需拡大といって具体的に速やかに何かできるんだろうといっても、そんな簡単ではないんだと思うんですね。一連の予算委員会や様々な委員会を通しながらも、この問題、本当に私は簡単に切って捨てるような、外需依存なんということではないと思うんです。
 そういう意味で、現在の日本の経済の状況、現状を大臣は改めてどのように認識をされているのか、そのお考えをお尋ねいたします。
#14
○国務大臣(二階俊博君) 現下の経済情勢、これはもう申すまでもないことでありますが、世界的な金融危機とそれによる世界経済の混迷の中で、我が国の景気は急速に悪化が続いておるわけであります。当初は、金融機関等は比較的他国に比べて健全であるというようなことで、いっときはそれが日本の経済の現状かなというふうに思わせたところもあるんじゃないかと思いますが、私は、今、増子議員から御説明のあったとおり、大変な経済情勢にあるということに対する憂いは全く同じであります。
 ですから、今日のこの状態は決して楽観することはできない。その状況の中で、私どもは、昨年御協力をいただきましたが、総額七十五兆円による三次の経済対策を取りまとめたわけでありますが、その対策の中心は中小企業であり生活者であり地方に重点を置いたものでありました。しかし、それでもなお日本経済が前向きに進んでいくという気配は容易につかむことはできないという、そうした中で私たちは、当面の雇用対策や資金繰りの対策、これをとにかく迅速にやって、アメリカ発生のこのような、台風のような、怒濤のようなこういう経済の悪化の状況に対して、中小企業を始め大企業も含めて、一つでも日本の企業を守らなくてはならないということでいろいろな対応をしてまいりました。
 そこで我々は、前々から皆様にお示ししております新経済成長戦略の改訂版を基礎としながら、今後における日本経済の将来、これに対しての明るい未来を描く、その成長シナリオを今急いで策定中であります。そして、昨晩から始まりました、経済対策について日本の各界の有識者をお招きして、総理以下出席して御意見をちょうだいしているところでありますが、そうしたところでのいろんな新しいアイデアや建設的な御意見等を参考にしながら、我々はとにかく今の現状を打開していくことができるように十分な対策を講じてまいりたい。
 そこで、いつも言われるとおり、スピード感はどうだと、これで十分かと、こういうことを常々増子議員等キャビネットの皆さんからも、ネクストキャビネットの皆さんからも御意見がおありであるということはお聞きしておりますが、我々は、これから与野党を通じて御理解、御協力を賜りながら、この難局を乗り越える努力をしていかなくてはならないと思っております。
 大体の金融あるいは世界経済の現状等の認識は、増子議員とほとんど変わりはないものと思っております。
#15
○増子輝彦君 大臣、今お話しになりました新経済成長戦略改訂版ということでありますけれども、この柱は、一番の柱はどこに置かれているんでしょうか。日本の産業構造そのものの抜本的な構造転換をするのか、あるいはまた違った視点の中で、もちろん日本の活力の源は中小企業でありますし、日本のこの産業構造を支えるのも中小企業であります。中小企業、本当に私も自分自ら中小企業経営者としての立場もありますし、中小企業に対する思いは同じだと思います。一番のこの改訂版の柱は何にされるおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(二階俊博君) 当初、小泉内閣のころに新経済成長戦略なるものを作らせていただきました。それから経済の情勢というのは刻々変化を遂げてまいりました。そして、福田内閣に至ったころでありますが、現状と我々がこの成長戦略を考えたころと、少し軌道修正といいますか、考えを改めるべきところもあるのではないかというふうな内外の御意見等もちょうだいしながら、新経済成長戦略の改訂版、二〇〇八年でございましたんで二〇〇八改訂版というものを作らせていただいた次第でございます。
 そこで、もとより日本経済の持てる力というものは、今議員も御指摘になりましたように、中小企業、物つくり、そうした面における日本の秘めた底力というものがあるわけであります。ですから、我々は、この日本の底力を思い切り発揮していただくようなことを誘導する、またそれを後押しする、支援をするということが大事だと。同時にまた、農業等におきましても、今までは農業というと、中小企業もそうでありますが、何か補助金を差し上げなきゃいけないんじゃないかというふうな発想、程度でこのことを考えておったとすれば、我々はもう一度一から農業問題、中小企業の問題が日本の成長戦略のやはり代表選手だというふうな位置付けをして、これらの対策について思い切って積極的な措置を講じていかなくてはならない。
 それは、一方でいえば、農業もそうでありますし、中小企業もそうでありますが、地方に重点を置いた産業であります。今までの政策の中で、私は、地方における重点の、ウエートの掛け方というところにやや問題があったんではないかということは認識として持っております。もっと農業に、もっと中小企業に、地元に基盤を持つ産業、この産業の育成ということに努力をすべきではあったんではないか。競争原理はなるほど重要であります。国際社会での競争も極めて重要なことでありますが、そこにやや置き去りにされておったような産業があるのかないのか、これをもう一度再点検してみる必要がある。それらのことも十分念頭に入れて対応していかなくてはならない。
 いずれにしましても、この成長戦略を通じて国民の皆さんに希望を持っていただく、そして勇気を与えることができるようにということで、あらゆる方策について総点検をしてまいりました。私は、最初、小泉内閣でこの成長戦略を作ったときによくお互いに、今までも白書のようなものはたくさんその都度拝見したし、手に取ることができた、しかしそうしたものではなくて、我々は、ここに約束したことは一行たりともおろそかにすることなく、このことを実行できるように努力をしようということを関係者で誓い合いました。
 しかし、現状はそのこととはやや乖離が出てきたという状況の中で、我々は改めて、今までの何が良かったのか、何が悪かったのか、何が足らざるところがあったのか、何を変革、何を変えていかなくてはならぬかというようなことを検討しながらこれから対応しようということで今取り組んでおりますが、このいわゆる新経済成長戦略改訂版、いわゆる二〇〇八改訂版を基礎として、これから新たに成長戦略といいますか成長のプロセスをつくっていきたい。それは時間に余裕がありません。ですから、緊急にそのことを立ち上げるべく、今努力をしている最中でございます。
#17
○増子輝彦君 大変多くのことに触れていただきまして、ありがとうございました。
 その中でということで、私は、一体大臣はどういう柱をつくられていくのかなということを実はお尋ねしたかったわけであります。
 私は、やっぱり産業構造の転換というものを図ることによって、もう一度日本が活力ある社会をつくって日本の経済を立て直すことなんだろうと。イノベーションもその一つでありましょうし、低炭素社会に入っていくこともそのとおりでありましょう。従来のような公共事業だけをやれば日本の景気が良くなるというようなことでもないわけでありますから、これらについては今後委員会の中でまた私を含めてそれぞれの委員の皆さんと活発に細かくやっていければと思っておりますので、この件については終わりたいと思います。
 そこで、時間が実は余りなくなってまいりましたので、どうしてもお聞きしたいことがたくさんありますので。
 まず、中小企業対策でございますけれども、先ほど来もいろいろ話が出ておりました。私どもも、実は民主党として中小企業対策、いろいろと打ち出させていただいております。特に、昨年来のリーマン・ブラザーズの破綻以降の日本経済における様々な問題の中で、中小企業の金融問題、厳しい状況がありまして、合計、セーフティーネットと緊急融資と合わせて三十兆円、これは私どもの考え方と全く基本的には同じ方向で、良かったなと思っているんです。
 ただ、私自身は、本来であれば、もう少しここには多くの事業者が融資のお願いに来るのかなと思っていたら、意外と、私のあくまでも感覚ですが、意外と少ないなと。月末にはたくさんお見えになります、しかし、ふだんは余り来ないということで、三十兆円合計用意したけれども、まだ半分近く行っているかいないかという状況であります。三月の年度末を控えて、これからまた来るのかもしれませんが。
 これ、事実なことは、大臣一つだけ頭の片隅に入れていただきたいんですが、保証協会に行く前にやっぱり金融機関がかなり厳しい査定をして、そこには到達できないという事例が随分あるんです。金融庁もあるいは中小企業庁も一生懸命その件についてはやっていただいているんですが、実態は、もう本当に、実は金融機関のところで全部はじかれてしまうんだと。ある企業は、うちは黒字だから駄目だと言われたとかいうようなところも現実に幾つか出ておりますし、様々な問題があると思います。
 まず、そういう中で、実は私どもは、中小企業の倒産防止と活性化ということで議員立法を出したいと思っているんです。今回、産活法、これ大変重要な法案の一つということで私どもも認識いたしております。政府の出しているこの産業活力再生特別措置法、いわゆる産活法ですね、これも大変重要だと思います。あるいは、内閣府で昨年来出している地域力再生機構、これも重要なんだと思うんですが、これについては、第三セクターが私どもはあるので基本的には認められないという状況で、なかなかこの審議は進みません。
 しかし、いずれにしても、この産活にしても地域力再生機構にしても、それぞれの分野の再生や支援ということには、十分可能性として私は大きな貢献をするんだろうと思っているんですが、中小企業ということになりますと意外と少ないんですね、現実的には。中小企業の中に私どもは是非こういう再生機構をつくりたいということで、中小企業再生支援機構法案というものを議員立法で近いうち出していきたいと思っておりますので、これを是非頭の片隅に入れていただいて、今後、別な機会にしっかりとこの議論をしていきたいと思っております。
 また、昨年、経済産業省、中小企業庁で出しておられました売掛債権に対する担保ということもあったんですが、これも意外と実は伸びていないというような報告も受けているわけですが、在庫担保の証券の発行というような形も、私どもも積極的に更に進めていくべきだろうというふうに思っておりますし、さらに、一番中小企業が今求めているのは借入れ等の条件変更なんですね。これが非常に今、中小企業、小規模零細企業にとっては一番望ましいということがたくさん出ておりますので、これらの条件変更についてもこれから積極的に大臣とも、あるいは関係各位とも相談をしながら是非進めていきたいなと思っております。
 さらに、私どもは、社会保障支払の延期、実は、この企業の負担というのは本当に大変なんですね。半分強実は負担をしなければいけないということで、これらの延期の問題についても私は進めていく必要があるだろうと。
 そして、中小企業信用保証の自治体における強化ということもこれまた必要なことであろうと、こういった点を幾つか活用しながら、さらに、実際行われているものについても更に強力に進めていくべきだろうということを今打ち出させていただいております。
 それからもう一つ、大臣、これ是非お考えになっていただきたいと思うんです。
 これは直接経産省の担当ではないのかもしれませんけれども、いわゆる失業する方々、非正規社員、正規社員を含めて、雇用というのは大変厳しい状況にあることはもうみんながよく承知しております。ここに対する様々な手当てをしようということで、先般も衆議院の方で実は審議に入りましたけれども、しかし、もっと私はかわいそうで悲惨だなと思うのは、今年の春大学を卒業する、あるいは高校を卒業する、もう既にほとんどの学校で卒業式が行われましたけれども、せっかく大学を出た、高校を出たけれども就職できないという子供がたくさんいるんです、大臣、これ。私のところにもたくさんの履歴書が来ておりまして、本当に大変なんです。だから、こういう新卒者を雇用するという機会を何らかの形でもっともっと政治が積極的にやっていく必要があるんだろうということで、私たちは新規卒業雇用時におけるまさに企業の社会保障、保険料の免除というものを一年あるいは二年やることによって、特に中小企業はこういう状況だからこそいい人材が確保できるということも可能でありますので、是非これらの点も積極的に進めていきたいなというふうに思っております。
 ただ、残念ながら、私ども今政権の立場にありませんので、様々な具体的ないい政策をつくり出したとしても与党の皆さんの政府の協力もなければこれはできませんので、我々としては是非今度の総選挙で勝利を収めてこの様々なものを実現をしていきたいと。
 しかし、先ほど冒頭に申し上げたとおり、少なくとも経済産業に関しては与野党の垣根を乗り越えてみんなでやっていこうということでございますので、これらについても今後よく皆さんと相談をしながら、協議をしながら進めていきたいということで考えておりますので、私どもの考え方を述べさせていただいて、これは答弁は結構でございます。
 実は、ここを少し御答弁いただきたいと思います。原子力政策、エネルギー政策についてでございますが、柏崎刈羽原子力発電所再開について、これは田中先生、後で詳しくされますので、時間がないので田中先生にお願いを申し上げたいと思います。
 そこで、実は高レベル放射性廃棄物最終処分場についてお尋ねを申し上げたいと思います。これは、世界でまだ一か所も実はないんですね。我が国でもこの処分場をどういうふうにして造っていくかということは大変重要な課題だと思っております。実はこれについて、先般、私どもの福島県楢葉町でこの最終処分場についての誘致の方向だということが報道で出されました。
 町にとっては様々な財政支援やあるいは経済波及効果や雇用の問題等もあるんだということは当然でありますが、それ以上に安全性の問題についてなかなか我が国ではこれについての設置というのができません。ましてや世界的にもまだ一か所もないということを考えると、かなり状況としては厳しい状況なんだろうなということで、私どもも心配もしながら安全性の確保ということ、安心できるような体制もつくるということでやっていかなければいけないと思っておりますが、これについて、今回このような報道をされ、なおかつ楢葉の町長さんが記者会見をして具体的なことについてはないというお話をされ、福島県知事も現時点ではこれを誘致する気はないというふうな話を記者会見でもされておりますが、この件について、現実に楢葉町と何らかの形で最終処分場設置については話合いがあったのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
#18
○委員長(櫻井充君) どちらですか。
#19
○増子輝彦君 いや、大臣が答えられれば大臣で。
#20
○国務大臣(二階俊博君) 高レベル放射能の廃棄物の処分については、今先生がおっしゃったとおりでありまして、大変国として重要な問題でございますが、今後こういう問題に取り組んでいく上においては慎重の上にも慎重でなくてはならないというふうに思っております。
 今お尋ねの件につきましては、国民の全般の皆様に対し、また特にお地元の関係の住民の皆様に対し深い御理解をいただくということが大事でありますから、一般論としてこの原子力及び高レベル放射性廃棄物等の理解をちょうだいすべくあらゆる努力をしておることは事実でありますが、楢葉町との間で具体的な問題についてまだお話合いをしたことはありませんし、私自身も楢葉の町長さんや、この件で福島の知事にもお目にかかったことはありません。したがいまして、今御指摘のようなことを十分踏まえて、地域の皆さんの取組等については十分お地元の状況、実情をよく理解した上で行動していく、あるいはまた御相談に乗っていくということが大事であって、今私どもが何か特に深く立ち至っておるということではありません。
#21
○増子輝彦君 福島県は御案内のとおり原発立県の地であります。十基ございます。大変東京の方にも電力をお送りしながら、この安全性をしっかりと確保しながら、また地域住民に安心感を与えるような形の中で原子力政策を進めていかなければいけないと思っております。
 いずれにしても、最終処分場の問題、本当に重要で、なおかつ微妙なものでもありますので、是非、もしそういう話がありましたら、慎重に、地域住民の皆さんのお気持ちも踏まえながら、なおかつ、やはり最終処分場を造らなければいけないというこの大事な要素も含めながら、真剣に、なおかついろんな形の中で地域住民の皆さんやあるいは関係町や県当局のお考えも踏まえながらこの問題について対処していただきたいということを申し上げさせていただいて、時間が参りましたので私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#22
○鈴木陽悦君 ありがとうございます。
 通常国会がスタートしてから二か月以上がたちましたけれども、先日の二階大臣の所信を受けての今日は一般質問ということでございます。私の方からは、経産省が担うべきエネルギー関連についていろいろと御質問をさせていただきたいと思います。
 私もこの委員会では大分古株になりまして、当初からいろいろと二階大臣にはお話をさせていただいて、地域の活性化その他もろもろその都度質問をさせていただいておりますが、この委員会でも新エネについてはその都度質問をさせていただきました。
 そんな中で、どうもいま一つ国の力が入っていないなということを常に感じてきたわけでございます。コスト高であるとか、効率性、不安定さ、その他もろもろがいろいろと説明をされてまいりました。しかし、地球環境問題が世界中で深刻になりまして、石油の値上がりによる経済ショック、金融危機による成長ショック、新エネルギーの導入というのが一気に加速して大きな話題になってきた、このように感じております。
 これまでの日本の新エネ部門というのはほぼ横ばいで推移をしてきております。太陽電池は導入も生産量も世界一だったんですけれども、数年前にはドイツに抜かれました。年間導入量はスペインにも抜かれました。風力も世界でかつては十一位だったんですが、十三位にまでランキングが下がっております。必要性を幾ら訴えても前向きではなかったけれども、気が付くと世界がグリーンニューディール、これを掲げて、太陽光発電とか風力とか自然エネルギーにシフトをし始めて、日本の立ち遅れがちょっと目立っているんではないか、そんな思いを抱くわけでございます。ちょっと前置きが長くなって申し訳ございません。
 新エネルギーの普及拡大という点で過去を振り返りますと、安倍内閣がおととしの五月にクールアース50を発表して、温室効果ガス排出量を二〇五〇年までに半減という長期目標をようやく世界に示し、これを受けて二〇〇八年の三月には、クールアース・エネルギー革新技術計画で革新的太陽光発電など二十一の技術ロードマップが作成されました。
 その後の福田内閣は、洞爺湖サミットを前にして、二〇五〇年までの削減目標、長期目標を掲げて、現状から六〇%から八〇%の削減、これを発表した。そして、太陽光発電の普及について触れて、二〇二〇年までに現状の十倍、そして二〇三〇年までには四十倍、こうした目標を掲げております。
 ところが、その後、麻生内閣になりまして、新エネについて目標値が余りはっきり示されません。ちょっとトーンダウンした、世界的な景気の後退でトーンダウンしてしまいましたが、オバマ政権が誕生して、オバマさんがグリーンニューディール、これを政策を掲げて、慌てて新しいシフトが打ち出されたようにも見えるわけでございます。
 経産省がようやく太陽光発電の電力を電気料金の二倍程度で買い上げる制度の導入を発表いたしました。それでもまだ麻生内閣としては発信が少ないんではないかなと感じるのは私だけかなと思うんですが、皆さんも同様の思いを抱いているかと思います。
 細かい点については後ほど伺いますが、まず二階大臣に、この新エネの推進を含めたエネルギー政策全体の展望、この辺から伺ってまいりたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
#23
○国務大臣(二階俊博君) ただいま先生御自身からもお話しのとおり、当委員会でもう最も古いといいますか経験豊富な議員としていろんな意味で御提言をいただいておりますことに感謝をいたしております。
 そこで、このエネルギー問題でありますが、今私どもは太陽光発電や風力発電、バイオマス発電などを含めたいわゆる再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取組を行っているところであります。今、内閣が替わって取組が弱いのではないかということを言われておりますが、私はもうしばらく待っていただければ鈴木先生からなるほどとお認めいただけるようなことになるだろうと思っております。
 と申しますのは、今日まで我が国が取り組んできた対策に加えて、太陽光発電等においては思い切った対策をということで今先生がお述べになりましたような対応を図ろうといたしておりますが、何よりも今心強く思いますのは、国会におきましても各党の皆さんから、太陽光発電、もっとしっかりやれと、そしてドイツにやがてもう一度追い付き追い越せということの激励をちょうだいしておりますが、我々はそういう気概を込めて、今、小中高等学校等の屋根に太陽光発電を設置する、あるいは道路等ののり面を利用して太陽光発電、すぐ用地費とか建築費にできるだけ予算を掛けないで効果を上げる方法はないかということを今検討いたしておりますが、いろんな方面から御提言をいただいております。これも心強い限りでございます。
 一応私どもは、キャッチフレーズとしては、すべての屋根に太陽光発電と、こういうふうにしておりますが、事実なかなかそこへ持っていくためには耐震の検査も必要でありますし、いろんなことをやらなくてはならないわけですが、いわゆる新エネルギーの量的拡大を図るRPS制度を着実にまず運用する、そして太陽光発電についてはRPS制度を補充する新たな買取り制度の導入に向けて今具体的な制度を検討しているところであります。
 先般私は、当委員会でも既に申し上げたと思いますが、アメリカのチュー・エネルギー長官と電話会談をさせていただいて、これからエネルギー問題については日米協調で、特に技術的な面において日米のお互いの持てる力を共有し合うように努力をしようと。それは、エネルギー長官と経済産業大臣が協力の約束をするだけではなくて、近く行われる、当時からいうと近く行われる首脳会談ということになるわけですが、私は麻生総理にこのチュー長官との話合いの内容を必ず伝えると、同時に、チュー長官の方もオバマ新大統領にこれを伝えていただいて、両首脳会談でこのことの約束を取り付けられるように努力をしてもらいたいと申し上げましたら、そのとおりオバマ大統領からエネルギー問題についてのアメリカと日本との協力についての御提言がありました。
 例えば、チュー長官自身がかつてこういう研究所の理事長を数年にわたってやっておられたという、しかもノーベル賞受賞者でもあるわけでありますが、こうした新しいリーダーの御意見等も十分体して、研究の成果について協力し合うと。もう現に、私は今からちょうど三年ぐらい前になろうかと思いますが、アメリカのニューメキシコ州のロスアラモス研究所、これは一万四千人の研究員がおって、うち四千人が博士というふうな膨大な研究所でございますが、日本と水素燃料の問題について研究し合おうということで調印を行い、今研究の成果がだんだんと表に出てきつつあります。我々はそういうことも活用して、日本の今日までの持てる力を総動員して日米の協力、またアジア諸国との協力、そうしたことによってこのエネルギー問題についても後れを取らないようにして、再生エネルギーの導入推進に強力に取り組んでまいりたいと思っております。
#24
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。楽しみにしておるということで、是非楽しみにさせていただきたいと思います。
 言うまでもなく将来世代に対して豊かで安心、安全な生活が営める地球環境を受け継ぐ必要があるわけでございまして、持続可能な社会の条件に近づける努力が求められると思います。
 ちょっと苦言も若干入りますので、これまでのいろんな意味を含めまして申し上げたいと思います。そのために、枯渇する化石燃料の使用を極力減らして、そして大量生産、大量消費の従来型の拡大路線を改める努力が求められているわけで、そうした観点では新エネルギーというのは条件を整えれば強力に利用拡大、これを図るべきだと考えます。
 さきにも触れたこの度の固定価格買取り制度、この法案では非化石電源の原子力、太陽光、二〇年度までに五〇%以上としておりますが、ともすれば新エネルギーというのは原子力に左右されるとの見方もあったりして、なかなかはっきりしたもの出てきません。例えば、フランスの場合は二〇二〇年までには原子力を八〇%、そして太陽光二〇%、こうした国としての大きな方針を既に打ち出しております。エネルギーの政策の中での位置付けをはっきりと打ち出して具体的な目標値、はっきり出していくべきではないかと考えるわけでございますが、あえて言うと、現在のこの危機的な状況を打破するため、一歩踏み込んだ、やや高い目標値を掲げて突き向かうという強いメッセージを発信する必要があると思うんですが、この辺の考えというのはいかがでしょうか。長官から聞かせてください。
#25
○政府参考人(石田徹君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘なさいました新エネルギー、私どもはこれを再生可能エネルギーという言い方をさせていただいておりますけれども、これにつきましては太陽光だけではなく風力、バイオマス、その他、全力を挙げて導入促進を図るべきだというふうに考えております。
 そうしたことで、資源エネルギー庁としましては、長期エネルギー需給見通しの中で、最大導入ケースというのを想定をいたしております。これは一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合につきまして、二〇〇五年実績は約五・九%でございますが、これが二〇二〇年、約八・二%、二〇三〇年、約一一・一%という数値を掲げております。この中で、例えば二〇二〇年に太陽光発電については現状の一〇倍、風力発電については現状の五倍というような導入を見通してございまして、この実現の達成に導入支援措置あるいは規制的措置などを組み合わせて最大限に今努力をしているところでございます。
#26
○鈴木陽悦君 金融危機、世界同時不況、それから底が見えない株安、新エネどころではないというのがこの新エネの取り巻く環境にあるかもしれませんけれども、これをチャンスとしたのがアメリカであって、先行していたヨーロッパではなかったかなと思うわけであります。
 先日、ドイツのエネルギー事情に詳しいジャーナリストの方、またエネルギー研究者、様々な皆さんからいろんなお話を聞く機会がございました。一様に、日本には戦略がないという、ちょっと厳しい評価でございました。経産省、環境省、それから国交省、様々省庁の壁が存在するのも事実でございまして、これが統計の方の遅れにも出ているんじゃないかという助言もありました。
 ちょっとした例では、日本で公表される白書のたぐいというのは、一年前、古いデータでございますが、ドイツのその新エネに対するデータはもう二月に発表された、今月、三月ですが、二月にもう出ているよと、常にその新しいデータを次々と公表しているんだと。先端を進むべきものはやはり新しいデータを次々と出していくのがまさに再生可能であって、新エネの実態ではないかというふうな助言をいただきまして、そのとおりだなと思いました。
 そこで、太陽光、風力、バイオマス発電。経産省としてはどのような産業の柱にしていくのか、雇用の創出を含めて、それこそ新しいデータに基づいて伺いたい。それと、省エネとか効率などは、日本はエネルギーに関する技術は大変優れているはずなんですが、制度設計が遅れているんでは宝の持ち腐れになってしまいます。太陽光に限らず、風力、地熱、小型水力、まあ中型もありますが、自然エネルギーに関しても、その発電電力の優遇買取りの制度化を急がなければいけないと思いますし、非食料系のバイオ燃料に関しても、技術は高いんですが、制度設計がいま一つという感じがするんです。様々な種類がある自然エネルギーを含む再生可能エネルギー、新エネの中で、経産省はどのエネルギーに重点的にシフトしていくのか、その辺の考えも併せて聞かせてください。
#27
○大臣政務官(谷合正明君) 今、鈴木委員の方から、環境、新エネ、省エネ分野について、雇用創出の観点からの御質問をいただきました。まさにそうした視点も大事であると考えております。
 その再生可能エネルギーにつきましては、風力、また太陽光、バイオマスと、今例示していただきましたが、それぞれ特徴がございまして、また地域性、またその地域に資源があるのかどうかによりまして様々な形態がございますので、考えておりますのは、まず前提としては、それぞれの特徴がありますので、その特徴を生かしながら推進していくという必要があると考えております。
 その再生可能エネルギーの中で、太陽光発電につきましては、まず我が国が国際競争力を有しているということが一点、また、関連産業のすそ野が広いということ、太陽光発電の導入促進が地域経済の活性化、また雇用の創出につながっていくというふうに考えております。このため、従来の支援措置、規制的措置に加えまして、経済産業省では今幅広い有識者にお集まりいただきまして、ソーラー・システム産業戦略研究会を設置しておりまして、まさにこの戦略的な分野について、太陽光発電関連産業の産業戦略を策定しているところでございます。
 バイオマスにつきましても、農林水産業と連携したこれは地産地消型のエネルギーということで有望であるというふうに考えております。補助金などの導入支援措置、RPS制度といった規制的措置を組み合わせて導入拡大を図り、地域経済の活性化をしっかり図っていくと、雇用拡大につなげてまいりたいと考えております。
 どのエネルギーにシフトしていくかということでもありますが、それぞれのエネルギーごとの特徴を生かしながらエネルギー政策と産業政策の両面から取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
#28
○鈴木陽悦君 なかなかどこにシフトするというのは申し上げにくい部分はあると思うんですが、これからのいろんな発展を見ながらというところもあると思うんですが、なぜこれを申し上げたかというと、ドイツの例をちょっとまた恐縮ですが。
 ドイツは北部が風力、それから旧東ドイツの部分が太陽光の企業が集中して企業化されている。収益も雇用もかなりの数字を出していまして、年間雇用数三〇%の増加、何ともうらやましい新エネの状況なんでございますが、このドイツの例を見ますと、産業化への国の特化とそれからゾーニング、この結果とも受け取れるわけですよね。
 日本の場合には、島国事情も今お話がありましたようにありまして、風力、太陽、バイオマス、様々点在しているわけですね。そこで、分散型、最近スマートグリッドという言葉が随分出てくるようになりました。日本ではマイクログリッド、これは実証試験が行われましたけれども。スマートとかマイクログリッドには、意外に結合しやすいのかなとも見られるわけでありまして、日本の地域特性に合わせたエネルギーマップ、これはシミュレーションしていらっしゃるのかどうか。それから、今挙げたスマートグリッド、それからマイクログリッド型が最近よく言われるようになってきましたけれども、こうした分散型を目指していくのか。日本でも、今言ったように、八戸とか愛知で実証試験を行ってきたこのマイクログリッド事業、こうした事業の評価を踏まえた現状と将来計画についてどんなような絵を描いているのか、聞かせてください。
#29
○政府参考人(石田徹君) 今先生御指摘のとおり、太陽光、風力、バイオマスといった再生可能エネルギーでございますが、その賦存状況が地域によってかなり異なっているというような側面がございます。このために、NEDOでありますとか新エネルギー財団が各エネルギー源別に地域別のエネルギー賦存量を調査をして公表いたしております。
 例えば太陽光発電につきましては、同じ性能の太陽電池を設置した場合の各都道府県ごとの年間発電量の違い、これは主として各都道府県の日射量の違いを反映したものになりますが、こういった実測データを公表し、全国各地で太陽光発電を導入する際の事前検討において活用されているという状況でございます。また、風力発電につきましても、地域別の年平均風速を示したいわゆる風況マップをこれはNEDOが作成、公表いたしておりまして、これも事業者が風力発電導入を検討する際の一つの参考になっているわけでございます。また、バイオマスにつきましても、木質系、畜産系、食品系などのエネルギー種別ごとに地域ごとの賦存量と利用可能量を推計して公表するといったような形で、地域ごとの再生可能エネルギーの賦存量をNEDOがこれも公表いたしております。
 それから、後半の御質問にございましたスマートグリッド、マイクログリッドの関係でございますけれども、まさに御指摘のように、電力を安定的に供給するためには、発電所の建設はもちろんですけれども、全体として効率的かつ安定的な送電網、ネットワークが必要になるわけでございます。
 スマートグリッドと今いろいろ言われますけれども、定義は必ずしも明確でないところもございますけれども、IT技術を活用して、さらには太陽光などの分散型電源を安定的に受け入れられるような先進的な送配電ネットワークを指すというふうに私どもも理解をいたしております。日本は決してこの分野遅れているわけではございませんで、むしろ先進的な電力系統の構築に取り組んできた結果として、海外、欧米と比較をしてもむしろ送配電網の自動化率が高いとか供給信頼度が高いといったようなデータは出てございます。
 ただ、今後、出力が不安定な新エネルギーの導入拡大が進んでいく、大量導入が進むというようなことを踏まえまして、電力系統への影響が極力抑制されるような更なる系統安定化対策が必要だというのは、これは御指摘のとおりでございます。そうした観点から、現在、例えば太陽光発電につきましては大規模な実証試験を行いまして、太陽光発電を効率的に活用するための蓄電池の開発であるとか、あるいはそれを実際に使ってみてどういう制御ができるのかといったような実証研究を行ってきております。
 今後とも、系統安定、系統全体を適切に制御するための先進的なシステムの構築でございますとか、蓄電池の制御技術の開発等に取り組んでいく必要があろうというふうに考えております。
#30
○鈴木陽悦君 太陽光の方に話を戻します。
 後で法案審議が細かくありますので今日はちょっと大ざっぱな話をしておきますが、固定価格の買取り制度では、電気事業者に太陽光発電の余剰電力を適正な対価で買い取るように義務付けている、その分のコストを国民負担にする方向と伺っておりますが、これはこれまでの政策とは言ってみれば百八十度反対の方向と言えるもので、国民負担のコンセンサスというのは進んでいるのかどうか。いわゆる所得差とか地域差が存在すると考えますが、そうした理解は十分に得られての導入なのか。この辺のお考えを聞かせてください。
#31
○政府参考人(石田徹君) 先般発表させていただきました新たな太陽光発電の買取り制度でございますが、基本的には国民全員参加型ということで、電力需要家に薄く広くこのコスト増の負担についてお願いをすることを想定をいたしております。
 ただ、いろいろ例を引かれますドイツのように、ドイツの場合かなり高額な負担を電力の需要家にお願いをする結果になっているわけでございますが、そうした事態は避けたいということで、一つは、三年から五年でコストが下がると考えられています太陽光発電にまずは対象を限定をするということに加えまして、この電気の買取りの対象を自家消費を超える余剰電力にするということ、それから発電事業目的で設置されるものについては対象としないこと、さらに、その買取り期間についても十年程度を目安とすることなどの工夫を講じることによりまして、標準的な一般家庭におけるその負担水準を月額数十円か、まあ高くても百円程度に抑えたいということで考えております。
 制度の詳細につきましては、今後、国会における関連の法案の審議でありますとか、あるいはその後、審議会等でこの制度設計、詳細を議論していく必要があろうと思っておりますので、そういったその審議のプロセス等も踏まえながら検討していきたいというふうに考えておりますし、そういったプロセスの中で電力需要家の皆様の御理解を得るように最大限の努力を国としてもしてまいりたいというふうに考えています。
#32
○鈴木陽悦君 私は金額だけの問題ではないと考えて、できる家庭とそうでない家庭、それから適している地域、それからそうでない地域、いろんな意識差が生まれてくると思います。そんな大げさなことでないと言われればそれまでなんですが、省エネとかリサイクルなどの意識改革をして、もっと分かりやすく簡単に納得できるような説明をしていかなきゃいけない、これは注文でございますが、こうした努力が是非必要だと思いますので、その辺も是非お考えいただきたい。
 それから、補助金の復活などで家庭における太陽光発電システムというのは注目されると思いますが、固定価格買取り制度の導入が普及の後押しにつながる可能性もある。ただ、安定的な電力の供給という点ではどうなのか。
 そこで、NEDOが実証試験を行いました群馬県太田市の集中連系システムについてちょっと伺ってまいりたいと思います。
 二〇〇二年から二〇〇七年まで、太田市が、NEDOが行ったこの集中連系型太陽光発電システム、パルタウン城西の杜、およそ五百五十戸、正確にはたしか五百五十七戸だったと思うんですが、屋根に太陽光パネルを設置してデータを収集してきました。集中連系システムの名前のとおり、まさに集中監視もできるし、バックアップ等、様々なメリットがあります。
 世界で初めてのこの実証試験ということでございまして、世界各国の皆さんの視察もあった、国内からもかなりの視察の皆さんが訪れたということでございます。私も去年、個人的にちょっと視察させていただきまして、実際につぶさに見せていただきました。各家庭の屋根にしっかりと、ずうっとこう太陽光パネルが乗っている、びっくりいたしました。太田市も市庁舎自身を、やはり太陽光の市にしようということで、市庁舎の壁面は全部薄膜型、薄い膜の太陽光パネルで覆っておりました。そうした意味で、意気込みは感じられるんですが。ところが、先端技術を駆使しているこのパルタウン城西の杜、この集中連系システム、なかなか余りPRされないのはちょっと寂しい思いがいたしました。
 この試験結果というのは一体、実証試験というのはどうだったのか。実際に暮らしている皆さんの使い勝手の反応、今後の生かし方等について、NEDOの方では様々な実験をやっているというパンフレットもございますが、取りあえずこの太田市を見て、どんな結果が出たのか、それをお知らせください。
#33
○政府参考人(石田徹君) ただいま先生の御質問にございましたこの太田市の実証試験の例でございますが、太陽光発電というのはどうしても天候によって発電量が変動するということで、これが大量に導入されますと電力系統の電圧でありますとか周波数に影響を与えるということがございます。
 この太田市の実験といいますか、実証研究は、電力系統への影響とその対策を研究するということで、平成十四年度からまさに御指摘にございました約五百五十世帯に太陽光発電システムを設置をいたしまして、集中連系型太陽光発電システムの実証研究というものを、総額約百億程度掛けて行ったものでございます。
 この研究では、出力が不安定な太陽光発電システムを集中的に設置した場合の電力系統の制御技術を、蓄電池を基本的に各家庭に置く形でこれを研究いたしまして、電力系統を安定的に制御する方法がおおむね確認できたということでございます。
 ただ、まだいずれも今後の課題といたしまして、例えば蓄電池が非常にまだ高いとか、この技術開発が引き続き大きな課題になっておりますし、さらに、これが広域的にこの太陽光発電の導入が進んだ場合の系統全体への影響というようなところは今後のまだ課題として残っているわけでございます。
 この評価といたしましては、少なくとも実証試験に参加をした住民の方々からは、例えば、蓄電池、家庭に置くわけですけれども、これがまだ大き過ぎるとかいうような御意見も一部にはございましたけれども、電気の安定供給という点では特段の問題がなかったということで、むしろおおむね好評だったというふうに聞いております。
#34
○鈴木陽悦君 そこで、先ほど、世界各国からの視察があった、それから国内からも視察があったと伺ったんですが、実は、北国の方からも随分視察に来ている。
 太田市がなぜ選ばれたかというと、どこのデータを取ったか分かりませんが、日本で一番日照時間が長いということからこの太田市が選ばれたというふうに伺いました。いろいろと稚内とか宮城県の仙台とか北国からも視察に来ているということは、これもいろんな統計があるんですが、わずか北国とは日照時間五%ぐらいしか違わないんだよ、ですから、このシステムというのは北国の方でも、いわゆる雪が降る地方でも取り入れが可能だということも伺いましたので、そうすると、雪国というのはホワイトというイメージがありますが、逆に言うとこれグリーンのイメージもできるんじゃないかな。北国についてのこのシステムの導入というのは可能なのかどうか、その辺をちょっと聞かせてください。
#35
○政府参考人(石田徹君) 今先生のお話の中にもございましたけれども、この雪国、同じ性能の太陽光発電システムを設置した場合の各都道府県ごとの年間発電量の違いというのを比較をいたしますと、全国平均を一といたしました場合に、例えば北海道で〇・九七、青森県で〇・九三というようなことで、それほど、まさに今御指摘のあったような、非常に大きな差があるというわけでは必ずしもございません。ただ、もちろん、同じ都道府県内でも地域によって積雪量とか日照時間等は異なりますので、一概には比較しにくい面もございます。ただ、雪国の場合は、太陽光発電システムを設置する際に積雪の荷重を勘案して架台を補強するというような必要もあるということで、設置コストがその分増えるというような面もございます。
 先般導入いたしました導入の促進補助金でございますが、これについても、こうした雪国の地域の事情を勘案いたしまして、補助要件であるシステム価格の上限の際に積雪対策工事費を除外して計算するような例外的な措置を認めるなどして地域間格差が生じないように配慮はさせていただいております。
 こういった取組を通じて、雪国においても太陽光発電の導入が進むように環境の整備を図ってまいりたいというふうに考えております。
#36
○鈴木陽悦君 太陽光から今度は最後に風力についてもちょっと触れておきたいと思います。
 風力も大切な自然のエネルギーでございます。目標値も掲げられておりますけれども、課題も少なくはない。とりわけほかの国々と違う自然条件、日本は風の乱れ、台風、雷、様々ございます。このため、故障とか倒壊事故のニュースも時々流れるわけでございますが、日本の気象条件に配慮した発電機の開発が必要ではないかとも考えられます。
 実は、この委員会でも、五年前にいきなり初めての質問のときに出させていただいたんですが、実は秋田でもマグナス風車という、従来の三本のプロペラじゃなくて五本の円筒を備えた、スパイラルを巻いた新しい風車を発電効率が一般的なプロペラ型風車の二・五倍以上に高めることに成功しております。風力発電のコスト競争力は太陽光発電と同等以上に高まったということで、おととしの四月には市販タイプ一号機を発売、クリーンな新エネルギーとして国内外から今注目を集めております。
 そのほかにも様々な形で日本型の風力発電、日本に合ったような開発が様々進められていると聞いておりますので、今後の利用拡大の課題とともに見通しというのはどうなのか、その辺をちょっと聞かせてください。
#37
○政府参考人(石田徹君) 風力発電でございますけれども、確かに大型の風力発電機につきましては、世界シェアが欧米メーカーが圧倒的に強いということで、むしろ最近、日本企業もそういった分野にも参加をして海外での受注拡大等に努めているというのが現状でございます。
 他方、今お話にございました小型の風力発電機につきましては、大型の風力発電機よりも弱い風でも回るということでありますとか、中小企業でも製造、施工が可能であるということの理由から、その実用化を期待する声も強いわけでございます。ただ、それは一般的にはまだその性能、発電効率でありますとか、あるいはコスト等にまだ大きな課題があるというふうに認識をいたしております。
 今後とも、性能評価の手法等を確立をしながら、必要に応じてその促進についても検討してまいりたいというふうに考えております。
#38
○鈴木陽悦君 時間が参りました。
 個々の法案については今後の委員会の方で議論を深めたいと思います。
 冒頭大臣おっしゃっていただきましたこのエネルギー戦略こそ、成長産業として様々な形で育て上げる経産省の役割というのは非常に大きいものと思っております。欧米とは条件が違って、一様には参考にはできませんけれども、内需の拡大、地域の活性化、まさに地域循環型のエネルギー、様々な要素を含んでいると思っております。大げさにいいますと、今の難関を乗り切るチャンスにつながる可能性もあるというふうに考えております。
 ただ、強いリーダーシップを経産省には大いに発揮していただきたいんですが、一言文句を言えば、担当がころころ変わりますので、これはいつも言っていることなんですけれども、トータルの目線が欠けてしまいますので、この辺のトータルの目線というのはどの部署にも言えることでございますが、このスタンスを是非守っていただきながらチャンスにつなげていきたい、そんな思いでございます。
 最後にちょっと、一言で結構ですが、大臣の御決意といいますか、新しい産業に育て上げていくようなお気持ちがありましたら、お聞かせいただければと思うんですが。
#39
○国務大臣(二階俊博君) ただいま鈴木先生から、多くの御経験に基づいていろんな角度から御議論をいただきました。
 今、太陽光並びに特に風力等についても熱心な御意見をちょうだいしたわけでありますが、我々も今先生がおっしゃったように、このピンチをチャンスに変えていく、その大きなテーマの一つに、私はこの太陽光発電の導入あるいは電気自動車の問題等を、世界でトップレベルに今もあるわけでありますから、これをしっかりと後押しをして成長の芽をここから見出していきたいというふうに思っております。
 今先生の御指摘は我が意を得たりと、こういう感じでございまして、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
#40
○鈴木陽悦君 終わります。
#41
○中谷智司君 皆さん、こんにちは。民主党の中谷智司です。鈴木委員に続いて御質問をさせていただきます。
 先ほど増子理事も取り上げておられましたけれども、大変厳しい日本経済のことについて御質問をさせていただきたいと思います。
 とりわけ、年明け以降に企業や政府が経済動向を示す数値を発表していますが、次々と厳しい数値が出てきています。日本のGDPの成長率は、内閣府が三月十二日に発表した二次速報値では、年率換算マイナス一二・一%でした。第一次石油ショック後の一九七四年以来三十五年ぶりの大きな落ち込みとなっています。今は少しずつ持ち直しつつありますけれども、株価も一時期は七千円台前半まで落ち込みました。
 GDPの成長率など、日本経済に対する認識や今後の見通しについて、二階大臣の御認識をお聞かせください。
#42
○国務大臣(二階俊博君) 今先生が御指摘になられたとおり、世界的な金融危機と世界的な経済の減速の中で、我が国の景気は急速な悪化が続いておることは事実であります。具体的には、企業部門では輸出、生産の減少や資金繰りの悪化、家計部門では雇用・所得環境の悪化に伴う消費の減少であります。先行きにつきましても、当面は厳しい状況が続くと考えざるを得ません。また、世界景気の下振れ懸念、株式市場の変動の影響など、我が国の景気を更に下押しするリスクが存在することに我々は留意せざるを得ない、こういう状況にあります。
 経済産業省としては、まず、当面の雇用対策、さらに年度末に向けた資金繰りの対策、このことに取りあえずは万全を期すことが重要であります。
 来年度予算等の早期成立、執行を図るとともに、新経済成長戦略の改訂版、いわゆるこの中で低炭素革命あるいは健康長寿あるいは底力発揮等のそうした面で、我々はこのピンチをチャンスに変える、日本の元気を取り戻すということに全力を尽くしてまいりたいと考えております。
#43
○中谷智司君 今、日本経済に関しては、とりわけリーマン・ブラザーズの倒産以降のことばかりが大きく取り上げられていますけれども、実は、二〇〇七年の六月に建築基準法が改正になりまして、住宅着工が大きく落ち込みました。昨年の時点では四十年ぶりの急激な落ち込み、そういうふうなことが新聞報道にもされていまして、私自身も、この住宅というのは日本経済にとって波及効果が非常に大きいもので非常に重要だと思っておりまして、この経済産業委員会やあるいは予算委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、この住宅着工の落ち込みがあったこと。そして、それに加えて原油高騰を始めとする資源高があって、そして最後には、やはり昨年からのリーマン・ショック以降の金融経済の大混乱によって、今、世界を始めこの日本がこういうふうな厳しい状況になっていると私は認識をしているんですけれども、二階大臣、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#44
○国務大臣(二階俊博君) 昨日から始まりました、経済の専門家の皆さんの御意見を官邸でも承っておるわけでありますが、その中でも、今議員御指摘のような住宅に対しての今後の対応、住宅対策こそ日本経済を立て直す一つの大きな柱になるのではないかというふうな御意見もございました。我々も同じような思いを持っております。
 ですから、取りあえず、どちらかというと比較的少ない資金で対応できる中に、私は、省エネやバリアフリー住宅、このリフォームなどを提唱したことがございますが、これに対して、減税の導入などを今実現すべく御審議をいただいておるところでありますが。この住宅に関し、今おっしゃったように、今までの日本の基準における住宅と、更にもっと長い期間住宅が活用できるような、住宅に対する考え方を少し改めて、もっと長もちのする住宅を造る、それがやがて資産として大きく生きてきて、これが生活の安定にもつながると。そういうこともありますので、我々は、住宅問題は真剣な対応をしていきたいと思っております。
#45
○中谷智司君 ありがとうございます。
 この一月から三月期もマイナス成長が確実視されています。今後、更なる雇用の悪化、先ほど二階大臣も触れられていましたけれども、あるいは消費の減退が想定をされます。現状もそうですが、今後の見通しも大変厳しい、そういうふうな認識をしていただきたい、そういうふうに思っています。
 麻生総理が今まで何度か発言をされていますけれども、政府は、欧米各国に比べて相対的に健全という認識を示してこられました。しかし、欧米各国のGDP成長率はアメリカでマイナス三・八%、フランスでマイナス四・六%、イギリス、マイナス五・九%、一番厳しい結果の出たドイツでもマイナス八・二%でした。こうした中で日本は、先ほど申し上げましたけれどもマイナス一二・一%ですから、欧米よりもはるかに大きな打撃を受けています。
 二階大臣、このように政府の認識と実態に大きくずれがあった理由についてお聞かせください。
#46
○国務大臣(二階俊博君) 我々の最初のこのショックを受けた当時は、まず日本では金融機関が非常に健全で、他の国の金融機関に比べて健全であると、そういう状況であったわけでありますが、今議員御指摘のように、他の先進諸国のGDPの状況等を見てみますと、日本は大変厳しい状況に置かれていることを承知をいたしております。
 これは主として、我が国のGDPに占める外需の割合が非常に大きい、一方、世界経済の減速に伴い輸出が思うように伸びない、むしろ大きく減少し、外需の寄与度がマイナスになったことにもよると思われます。内需面を見ましても、企業の設備投資が減少したほか、雇用・所得環境の悪化に伴い家計消費が減少したこともマイナス成長に寄与しており、経済産業省としては引き続き経済の動向を、まさに細心の注意を払って対応してまいりたいと思っております。
#47
○中谷智司君 原因については、二階大臣が今挙げられたことがまさにその原因になると思うんですけれども、そのような厳しいという認識があるにもかかわらず、政府の実質GDPの二〇〇八年度の実績見込みはマイナス〇・八%、二〇〇九年度の見通しは〇%というふうに発表されていますが、私はこの点に関しては余りにも認識が甘過ぎるんじゃないかと思っておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
#48
○国務大臣(二階俊博君) ただいま御指摘のようなことを受けて、我々は新たな経済対策を今検討中であります。そして、やがてこの予算の成立の後に今後のいかにあるべきかということを真剣に対応してまいりたいと思っておりますので、いましばらく状況を見守っていただきたいと思います。
#49
○中谷智司君 経済に対する認識の甘さはそのまま経済政策の甘さにつながって、最終的にはやはり企業の経営者やあるいはそこで働く方々、そして一般生活者が苦しむという、こういうふうなことにつながっていくと思いますので、是非ともこの今の厳しい状況を認識をされて、それを経済政策に反映をしてください。是非ともよろしくお願いします。
 中小企業やあるいは大企業で今非常に深刻な状況が続いておりまして、そして倒産する会社も増えてきていますけれども、この件については、二階大臣、どういうふうに御認識されているでしょうか。
#50
○副大臣(高市早苗君) 確かに、御指摘のとおり、景気の冷え込みに伴いまして、大企業、中小企業、小規模企業共に倒産件数は増加いたしております。倒産の原因、やはり最も多いのは売上げの減少なんですけれども、運転資金の不足が原因の倒産も増えておりますので、企業をめぐる環境というのは非常に厳しいということは認識いたしております。
#51
○中谷智司君 私も、こういうふうな状況ですので、できる限り現場の経営者の方とお会いをしたいと思って積極的に、私は地元が徳島ですので、回らせていただいて経営者のお話を伺わせていただいております。
 そうした中でやはり出てくるのが、仕事がなくて困っているということです。実際に調査結果を見ても、本業の売上げが上がっていないというふうな調査結果も出ていまして、今回のこの日本経済に関してはかなり本業がやられているということで厳しい状況だと思いますので、そういうことも考慮をして今後の経済政策につなげていただきたい、そういうふうに思います。
 そうした中で、先ほど二階大臣が住宅のことをお話をされていましたけれども、こうした深刻な状況を一刻も早く抜け出すために早急な経済対策が必要だと思います。政府は具体的にどんな政策を打ち出して、そしてその政策がいつごろから効果が出てくるか、その件についてお伺いいたします。
#52
○国務大臣(二階俊博君) 今我々は二十一年度の予算を御審議いただいている最中でございますから、今から将来の対策等についての、どういうことをやろうとしているのかということを申し上げる段階ではありませんが、我々はいざというときに備えていかなる対策が必要であるかということは常に省内においても検討をいたしております。
 そうした中で、今議員御指摘のように、早急に対応すべきだという御意見、住宅対策に対しても見えるような形で対応するということが私は大事なことだということを思っておりますので、十分趣旨を踏まえてこれからの経済対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
#53
○中谷智司君 今この世界経済の大混乱の中で、世界各国がいろいろな経済対策を打ち出しておられます。例えばアメリカでは、本年の二月に景気対策法が成立するなど大規模な財政出動を伴う景気回復に向けた取組が始まっていますし、中国も、昨年十一月に内需拡大策を公表し、二年間で四兆元、約五十二・四兆円の景気拡大策に乗り出しています。海外の需要が回復し、輸出が持ち直すようになれば、もちろん日本経済も回復することが見込まれますけれども、海外に頼るだけではなくて、ここは是非とも私たち日本が世界経済を引っ張るぐらいの気持ちで、二階大臣を始め経済産業省の方々には大胆でそして効果がある政策を打ち出していただきたい、そういうふうに思います。
 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、今私は地元の徳島をできる限り積極的に回らせていただいております。二階大臣の御地元の和歌山も同じだと思いますけれども、地方を支えているのは中小企業です。この中小企業のことについてお伺いをしたいと思います。
 私もこの間ずっと地元を回らせていただいてお話をさせていただいているんですけれども、余りにも状況が深刻で、話もできなくなるぐらい、どう答えていいか分からない、そういうふうな深刻な状況を本当にたくさんそういうふうな場面に出くわして、改めてこの中小企業対策に早急に全力で取り組んでいかなければならない、そういうふうに思っています。
 先ほど増子理事も触れられましたけれども、緊急保証制度として保証枠や対象業種を拡大した結果として中小企業の資金繰りについては円滑化、適正化、つまり不適正な貸し渋り、貸しはがしを解消できていますでしょうか。お答えください。
#54
○副大臣(高市早苗君) 私どもも昨年来、大臣、それから二人の副大臣、二人の政務官、手分けをしてこの中小企業金融の拡充に伴いまして全国各地を回りました。実際に使い勝手が余りよくないとか、審査日数が掛かり過ぎるとか、それからまた対象業種に入っていないとか、対象業種に実は入っているんだけれども窓口でそういう対応をしてもらえなかったとかいろんなお声をいただきまして、ずっと運用改善や対象業種の追加など、その都度持ち帰ったお声を反映させてまいりました。
 実際に今は中小企業に関しましては非常に資金繰りが厳しいという状況で、借入れ難易度DIというのがあるんですが、これは七期連続で悪化している状況ですので、物すごく資金繰りが厳しいという状況でございます。
 私どもも、そういった実情を踏まえまして、これまで御審議いただきました第一次補正、第二次補正、こういったものでの対応で、資金需要が高まる年度末に向けて、何とか三十兆円規模に拡大をするということで、緊急保証とセーフティーネット貸付けの運用改善も含めて取り組んでまいりました。
 それから、売上げが減少していて、それで資金繰りが苦しくなっているんですけれども、そういうことを踏まえて、通常よりは長めの返済期間を設定する、また借換えや一本化にも対応するといったことで月々の返済負担の軽減にも配慮をしています。
 去る二月二十四日に全国の保証協会などの代表者にお集まりいただきまして、その際、時間外勤務ですとか土日出勤も含めて、この三月末、年度末の資金繰り支えてくださいということで、大臣の方からもお願いをいたしました。それから、保証とか貸付けに至らない場合でも、資金計画ですとか経営改善のためのアドバイスを行うというようなことで、できるだけ借り手の立場に立った対応を取ることを改めて確認いたしました。
 それなりに順調に御利用もいただいていると認識をいたしております。
#55
○中谷智司君 ありがとうございます。
 この緊急保証制度は保証枠やあるいは対象業種を拡大をしていて、その件数にしても金額にしても共に利用が急増していて、中小企業の経営者にとっては大変心強い存在になっております。
 多くの中小企業にとってこのことが一定の下支えにはなっているんですけれども、しかし先ほど高市副大臣がお話をされたように、倒産の増加はまだまだ収束をする気配が見られません。私がお話を伺っても、まだまだ資金不足な企業もありますし、保証付融資で得た資金を保証なしの借入れの返済に充てている、そんな企業もあります。先ほどもおっしゃられたように、年度末を控えており、企業の資金繰りがスムーズに進むように、不正な貸し渋り、貸しはがしのチェックをお願いしたいと思います。
 倒産企業がこのように増えていく中で、もちろんでき得る限り倒産にならないような、そういうふうな支援というのは必要なんですけれども、万一企業が倒産に追い込まれてしまったときには、最低限の財産を手元に残すなど再挑戦を支援する必要があります。政府系金融機関について、個人保証を撤廃するなどの再挑戦を支援する施策を検討しているかどうか、お伺いをいたします。
#56
○大臣政務官(松村祥史君) 中谷先生の御質問にお答えをしたいと思います。
 まず、中小・小規模企業においては、経営者本人との企業の一体性が非常に強うございまして、経営者の企業の経理と会計、これがなかなか区分されていない場合に限りは、やはり本人保証という部分については最低限必要かと存じております。
 ただ、他方で、おっしゃるとおり、やはり大変厳しい実情の中でございますから、円滑な資金融資を得られるがためにリスクを回避するという部分は当然重要なことだと考えております。また、このことが再チャレンジができないような要因になってはならないと、このように考えております。
 このため、日本政策金融公庫では、一定の純資産額の維持やまた定期的な経営状況の報告をしていただく約束事によりまして、保証の免除、また猶予する制度を設けております。また、たとえ過去に廃業経験があったとしても、再挑戦への意欲を持つ方々の芽を摘むことがないように再チャレンジ融資保証制度を設けております。
 さらには、小規模事業者の方々のために、昨年、小規模事業者経営改善資金融資、いわゆるマル経につきましては、融資枠の拡大、従来五百五十万までの融資であったものを一千万、また業種の拡大、これは無担保無保証でやらせていただいているところでもございます。
 引き続き、先生御指摘のような本人保証がリスクとならないような制度設計に更に努めてまいりたいと思っております。
#57
○中谷智司君 ありがとうございます。
 事業を失敗した経営者の再挑戦支援は非常に大切です。身ぐるみはがれて借金を背負って再挑戦をすることは実際には大変困難なことです。実際、こういうふうな状況に陥って、そして改めて経営者として立ち直ってきたそういう方は、ある統計によると一〇%ほどしかいない、そういうふうな結果も出ておりますので、是非とも、倒産が増加傾向にあるというこの状況を踏まえて、このような再挑戦の仕組みにも積極的に取り組んでください。よろしくお願いいたします。
 質問は独占禁止法の一部を改正する法律案の審議のときに回したいと思いますけれども、今大変厳しい状況にある企業が増えている中で、親事業者に買いたたきやあるいは不正な、不当なサービスを要求されて苦しんでいる下請事業者があります。今のこの現法律の中でこういったことに対しても、是非とも経済産業省としてきちんとした対応をしていただきたい、そういうふうに思っています。
 先ほどから中小企業のお話をさせていただいておりますけれども、私が中小企業の経営者の方々とお話をさせていただいていますと、例えば資金繰りで困っている、人材のことで困っている、あるいはほかの会社がどういうふうなことをして成功されているか、そういうふうなことを聞きたい、いろいろなお話を伺います。もちろんそれらに対しては個別それぞれに政策を打ち出していかなければならないんですけれども、そういったそれぞれの情報をきちんと手に入れられるような、そういうふうな仕組みづくりも私は大変重要だと思っています。
 こういった経営者の方々がいろいろな今申し上げたようなことで日々頭を悩ませている。そして、経営者の方々は相談したくてもどこに行っていいか分からない、あるいはどなたに相談していいか分からない、こういうふうなことでも大変困られて頭を悩ませておられます。
 経営相談を受けて経営上の問題解決をサポートする窓口を昨年五月に商工会議所やあるいは商工会を始めとする各地に置いていますが、この拠点がきちんと機能をしているかどうか、お聞かせください。
#58
○大臣政務官(松村祥史君) お答え申し上げます。
 地域力連携拠点につきましては、先生御存じのとおり、昨年五月末に全国三百十六か所で一斉に開始をいたしました。これは、先生御指摘のとおり、経営者の方々が、どういったものが売れるんだ、どういった研究をすればいいんだ、またどういった経営改善をと、こういうやる気のある方々をどんどんそのやる気の芽を伸ばしていこうという連携拠点でございます。
 どういったことをやっておりますかといいますと、経営支援のノウハウをたくさん持っていらっしゃる方々、応援コーディネーターと称する方々を全国で八百三十名配置をいたしまして、経営者の皆様方の御相談にきめ細かく対応をさせていただいているところでございます。
 その実績としましても、本年一月までに支援件数は約十三万件に達しておりますし、IT活用、農商工連携、事業承継等の多岐にわたる経営者の御相談に乗らせていただいているところでございます。また、このうち、経営者の皆様方の経営課題の解決に適切な専門家を延べ約一万七千人派遣をいたしまして、国や自治体の施策を一万件以上活用することで、その成長の手助けをさせていただいているところでもございます。
 実際にその方々にアンケートを取らせていただきましたらば、地域力連携拠点を利用して約三分の二の事業者の方々が経営が上向くと感じたと、高い評価を得ておるところでもございます。また、併せまして、御相談いただいた経営者の方々が、まず経営の課題の把握ができたと、こういったことも七割の方々がしっかりと理解していただいてお答えをいただいておりますし、経営課題の解決に向けました手だて、こういったものもしっかりとアドバイスをいただいたと、六割近い方々がしっかりとこの成果を実感していただいておるところでもございます。
 今後とも、地域に存在する人、ノウハウ、情報などの力をしっかりと結集をいたしまして、中小企業を支援するとともに、現場の生の声をよく聞かせていただいて、その支援策の充実に今後も努めてまいりたいと思っております。
#59
○中谷智司君 大変すばらしい取組だと思いますので、是非とも、ますます拠点の機能を充実させていただきたいと思います。本当にこういう厳しいときだからこそ、こういう拠点が頼りになると思います。
 そして、もっと申し上げさせていただきますと、やはり政治や行政の場にこういった現場の方々の声を持ってくることが大変重要だと思います。できれば、この拠点で手に入れた現場の生の情報を政治や行政の場にフィードバックできればいいと思っていますけれども、その件についてはいかがでしょうか。
#60
○大臣政務官(松村祥史君) そもそもこの地域力連携拠点、商工会や商工会議所の方々に、中小・小規模事業者の方々に経営改善普及事業を元にいろいろな施策を講じていただいておりましたけれども、なかなか、地域が疲弊する中にあって内需の拡大をやっていくという観点からは地域経済を支えていただく中小・小規模事業者の方々の今後の成長というのはとても重要なことだと私も思っております。
 そのために、これだけグローバル化した情報やノウハウがたくさんあるわけでございますので、そういう知恵者を集めて御指導をいただくというのは経営者にとっても大変有り難いことですし、昨年が事業元年でございます。これから二年、三年と続けていく中で、もっともっとたくさんの経営者を育てていただきまして、その支援に充実を図ってまいりたいと、このように思っております。
#61
○中谷智司君 ありがとうございます。
 今まで中小企業のことについて伺ってまいりましたけれども、輸出型の製造業を始め、今は大企業も大変大きな打撃を受けています。資金不足に直面している大企業も出てきていると言われています。
 この年度末に向けて、中小企業だけではなくて大企業への資金繰り対策も必要だと思いますけれども、二階大臣、この件についてお聞かせください。
#62
○委員長(櫻井充君) 二階大臣。時間がありませんので、できれば大臣、お願いしたいんですが。
#63
○国務大臣(二階俊博君) 私は先ほど来、中谷議員の御質問を伺っておりまして、大変地元をよく把握されて、そうした実態から大変適切な御意見をちょうだいしたということに対して、今後大いに参考にさせていただきたいと思います。
 そこで、今御指摘の大企業の問題について特にこの場で御発言をいただいたということは、大変私は意味の大きいことだというふうに思っております。我々は、まずは中小企業が、数は多いし、それぞれの企業のお力からいたしますと、これを先に応援をしなきゃいけないという気持ちが走るわけですが、やっぱり大企業というものは、もう私から申し上げるまでもなく、これは取引先の中小企業にもいろんな影響を及ぼすわけでありますから、もうこの状態においては、私は、大企業だからとか中堅企業だからとか小規模企業だからとかというふうなそういう分け方ではなくて、まさに日本の産業が元気を取り戻すためにどうすればいいかということからいたしますと、今議員御指摘の大企業に対する何らかの思い切った手だてが必要ではないかということをお尋ねくださっておると思っております。
 今我々が取り組んでおりますことについての御説明は簡単でありますが、それよりも何よりももっと思い切ったことが必要だということを、私はここしばらくそのことをずっと考えております。
 ですから、できるだけ早い機会に関係者と御相談した上で大企業に対する融資の積極的な対応について考えてみたいと思っておりますが、今日、議員からそういう御指摘をいただいたことをまさに背中を押されたような感じをいたしております。しっかり取り組むことを約束します。
#64
○中谷智司君 ありがとうございました。
 二階大臣を始め経済産業省の皆様方、そしてここにいらっしゃる委員の皆様方、そして国民の皆様方と一丸となって一刻も早く日本経済を復活させたい、そう思います。
 ありがとうございました。
#65
○荻原健司君 自由民主党の荻原健司でございます。
 二階大臣の所信に対する質疑をさせていただくわけですが、今日は自民党としては私一人で担当させていただくことになります。今日は午前と午後ということで半分半分ですけれども、午前も午後もできるということで大変うれしく思っておりますが、今日は、大臣始め副大臣、また政務官の皆さん、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 さて、三月に入りましていよいよ当委員会もスタートを切りました。今国会では経済産業省からは十本の法律案、また公取から一つ、前回国会から継続物が二本ということもありまして、大変審議をしなければ、いかなければいけない法案の数も大変多いわけでございますけれども、限られた国会日程、また委員会日程ではありますけれども、すべての法案が国民生活に深くかかわるものでございますし、また特に現下の経済状況を考えますと、それら一つ一つを丁寧に審議をしなければなりませんけれども、同時に、一刻も早く法案を通していくということも求められているのだというふうに思っております。
 その意味におきましても、先ほど増子理事もおっしゃいましたが、与野党関係なく、すべては国民のためなんだという思い、またその基本の認識を共有をいたしまして私ども大臣を支えてまいりたいというふうに思っております。どうぞ大臣の御奮闘に御期待を申し上げたいと思います。
 さて、既に御質問も出ているわけですが、改めて、まずは現下の経済状況に対する認識とまた今後の見通しにつきましてお伺いをしてまいりたいと思っております。
 先月末に厚生労働省は、昨年の十月から今年の三月末までに職を失ったか失うことが見込まれる非正規雇用者が全国でおよそ十五万八千人に上るということを発表をいたしました。その七割が派遣労働者でありまして、その数はおよそ十万七千人ということであります。いずれにいたしましても、非正規労働者の大量失職というものが現下の日本の経済状況を如実に表しているということであるというふうに思っております。労働者問題につきましては、これは厚生労働省の担当ということになろうかとは思いますが、こういった問題を雇用の創出という側面からはやはり経済産業省の出番であるというふうに思っておりますので、是非とも大臣のリーダーシップの下で省を挙げて御尽力をいただければと思います。
 このように、労働者の大量失職で明らかなように日本経済は大変悪い状況でありまして、これはもう既に言うまでもありません。
 ところで、私は、不況とか不景気といいますと、かつてバブル経済が破綻をした、崩壊直後の日本の姿を思い起こすわけでありますが、このときにはあちらこちらでリストラ、リストラというような声が聞かれました。あのときには日本の実体経済の回復までにはおおむね十年が掛かったというようなことで、よく失われた十年などと言われることがあります。ただ、私は当時まだ大学生でした、若かったものですが、そんなこともありまして、実体経済というのが当時はまだまだどれほどのものかというのは直接的には肌で感じてきたというわけではありませんけれども、感覚的にはやはりバブル経済の真っ最中のころやその後、破綻をした後の状況については感じてこられたかなというふうに思っております。
 それは、私、群馬県の草津町といいまして、温泉地で大変有名なところだと皆さんから町に出掛けていただいているわけなんですが、この草津温泉というのはやはり温泉地でありまして、言い換えるとまたリゾート地ということであります。
 当時、バブルの真っ盛りのころは、特に大型の高層リゾートマンションというのが非常に多数できました。私、当時大学生でしたけれども、度々ふるさとに帰るたびに、あちらに一本こちらに一本というような形でどんどんどんどんマンションが建設されておりました。また、別荘地ということで、やはり都会の方々が多く別荘を所有をされておられました。しかし、バブル経済が崩壊いたしまして、やはりマンションを手放す方や別荘を手放す方が本当に大勢いらっしゃいました。あるいは、まさに今建設途中のマンションのコンクリートの巨大な塊ですね、いわゆる基礎部分だけ残って、もちろん今なお存在していますけれども、そういう姿がありまして、本当に寂しい町の姿、経済が悪くなるとこんなに町というのは寂しくなるものだなということをつくづく実感したわけでございます。このように、私の町のような似通ったような町というのは多分全国各地いろんなところにあると思いますし、また同じような状況に置かれているんだろうというふうに思っております。
 ここでちょっと前置きが長くなりましたけれども、大臣には現下の日本の経済状況について、バブル経済崩壊後の景気後退と比較などをしていただきながら、今回の不況、どう違うのか、また今後の経済の見通しについて御質問をしたいと思っております。
#66
○国務大臣(二階俊博君) 九一年の三月から九三年の十月までのいわゆるバブル崩壊後の景気後退局面ではどういう状況であったかということであります。ちょうど時期を思い起こしていただければ、民主党の渡部恒三先生、そして自民党の森喜朗先生、この御両者が当時通産大臣をなさっておられたようなころでございます。
 そこで、設備投資が大きく減少するというような中で一体我が国の経済はどうなるかということでありましたが、おかげさまで、いわゆる世界経済の状況を背景にして輸出というものはそれほど減少しませんでした。そういう状況に加えて、公共投資等が増加したために、実質GDPはほぼ横ばいで推移したと、それが当時の状況であろうと思います。
 今般のいわゆる景気後退はバブル後の景気後退の状況とは性格が異なるものだというふうに考えております。セカンドハウスということに対して一時ブームのような状況であったことからすると、今議員御指摘のような状況が全国各地、いわゆる地方においてはそうしたことが現れておるのではないかと懸念をいたしますが、やはりこれからはこうした状況を乗り越えて我が国経済をどう引っ張っていくかというのが経済産業省の重要な仕事だと思っておりますので、我々は、いつも申しておりますように、いわゆる新経済成長戦略を基本として、そして明るい将来を展望するということに持っていきたい。
 そこで、特に私どもは今ここで新たなことでどうしたことを考えておるかということをよく言われますが、我々は、まず、低炭素革命というこの時代の要請、そしてエネルギーが我が国は自らの国の力でなかなか豊富なエネルギー資源に恵まれているわけではありませんから、これをしかし逆手に取ってここはしっかりした取組をしていこう。
 そして、高齢化社会ということがよく言われますが、私は高齢化社会というふうなことを消極的にとらえるんではなくて、健康長寿、このことをこれからの経済の発展にもつなげていく。例えば、生活支援ロボットも一つの方法でありますし、長寿の御家庭ではロボットをお手伝いのために活用していただくということももう実用すぐそばまできております。介護の面におきましても、それぞれお年寄りといえども重いわけでありますから、看護婦さんがこうした方々を移動させるというのにも大変な御苦労が要るわけですが、今こういうことを十分に対応できるようなロボットも開発されて、ほとんど実用に向けて間近という感じになっておりまして、金額の問題もありますし、そしてそのことに慣れるということも大事でありますから、今すぐというのは簡単なものではありませんが、そうしたことも健康長寿社会において我が国が他国に先んじて対応できることだと思いますし。
 底力発揮という意味では、例えば植物工場などもありますし、また日本が世界に誇るいわゆる映画産業などコンテンツ産業やファッション産業とか、今まで余り高い評価を得るということにはやや難しかった産業が今脚光を浴びるようになってまいりました。だれもがそうだなということを言ってくれるようになってまいりました。今このコンテンツ産業などは二十兆円産業を目指しております。
 こうしたことなどを総合して、明るい未来をつくるという意味で全力を挙げてまいりたいと、このように考えておる次第であります。
#67
○荻原健司君 ありがとうございました。
 今の不景気とバブル経済崩壊後はやはり構造的にも違うと。前回は輸出は何とか堅調で、公共事業もなかなかあって、ただ、今回は特に世界的に同時不況に陥っているという御認識だというふうに思います。
 大臣の所信の一番最後に、ピンチをチャンスにという言葉がありました。私は、ある意味、今世界が同じスタートラインといいましょうか、同じようなところに着いているわけですから、今のお話も踏まえまして、是非とも世界で一番早くこの不景気から脱却できるようなお取り組みを期待申し上げたいと思っております。
 さて、このような厳しい経済状況、そして企業にとっては厳しい経営環境の中で、いよいよ日本全体が年度末を迎えようとしております。この御質問ももう既にありましたけれども、繰り返しですが御質問させていただきますが、やはりこの時期に特にやらなければならないこと、これは中小・小規模事業者に対しての資金繰りであるというふうに思っております。
 昨年臨時国会で、当委員会におきまして参考人質疑が行われました。そのときに参考人として御出席をいただいた方の一人に、秋田県のNPO法人蜘蛛の糸の理事長さん、佐藤久男さんという方に御出席をいただいたわけなんですが、この蜘蛛の糸の活動の目的というのは、中小企業者と家族の自殺防止と再起の手伝いということで、大変御尽力をいただいておるようでございます。特に自殺防止活動ですね、こういったことに積極的に取り組んでおられる方でありますが、実は御自身もかつては自殺動機に駆られたことがあるということもありまして、そういった自らの経験を基に相談に来られる方にアドバイスをされておられると、そういう活動をしております。
 そのとき、いろいろとこの委員会でお話をいただいたわけですが、自殺の動機についてのお話のところでは、会社の経営が危機に陥ったからというのが最もその理由として多いということでございますが、ではなぜその会社の経営に陥ったかというところに、まず一点はやはり売上げの不振というのがありますが、二番目には実は銀行融資の停止ということなんですね。
 ですから、構造的には、売上げが減少する、商売がなかなか立ち行かない、業績が不振になって銀行もなかなかお金を貸してくれない。そのことでだんだんだんだん経営に対する意欲というものが喪失をされてしまって、場合によっては精神状況が悪く、うつの状況になってしまって死の選択というような構造だというようなお話をされておりました。そういう意味で、いよいよ年度末を迎える日本経済ではありますが、特にこういった自殺防止活動に積極的に取り組んでおられる方にとっては非常に危機感を持っている時期だというお話を伺っております。
 十九年度は自殺者数が三万三千人ということでした。これが増えるのではないかということが大変懸念をされているわけなんですが、三万三千人といいますと、今度の日曜日に、二十二日ですか、東京マラソンというのがありますが、あの出場者は三万五千人なんですね。ですから、あの出場者と同じほどの数の方々の命がこの日本からなくなっている、しかも一年間でというのは、これはもう本当に異常な状況であると言わざるを得ないと私は思っております。
 そういう意味で、自殺を、死による選択で何とか清算しようと、こういう悲しい事実を一つでも減らせるように、やはりこの中小・小規模事業者に対する資金繰り、資金供給、これは極めて重要なところではないかなというふうに思います。是非とも二階大臣には、単に企業の存続ということではなくて、やはり人の命を救うと、救える命は救うんだというようなお気持ちも持っていただいて、是非とも年度末の資金繰り対策、取り組んでいただきたいと思っておりますが、御答弁をお願いしたいと思います。
#68
○国務大臣(二階俊博君) ただいま御指摘の自殺問題、これは人生において最も他に比べるもののない悲劇だと思います。政府においても、自殺対策というのは、野田聖子大臣を中心にして自殺対策の閣僚会議も存在するくらいで、今いろいろの対応を図っておるところであります。
 私は、この我が国の急速な経済の悪化の状況から、まずは中小企業の金融対策ということに取り組むときに、口には出しませんでしたが、心の中では、この金融問題で自殺者を出すようなことのないようにしなくてはならない、そういうことをしかし振りかぶって一般に申し上げることはいかがかという気持ちがあって、それよりも何よりも頑張ることだと言って、今ここに並んでおられる両副大臣や両政務官にも随分御無理な日程をお願いして各地に飛んでいただいて、いろいろな皆さんと話し合ってまいりました。
 我々が話し合ってまいりましても、この人数ではおのずから限度があることは十分承知しております。しかし、我々が現場へ行くことによって、現場の局長だって事がどれだけ重要であるかということを御理解いただけるし、そのことによって商工会議所の幹部や商工会の幹部がみんなお集まりをいただいて一緒になって議論をする、心配をするというふうなことを続けてまいりました。
 その心の中には、一にも二にも今のような自殺者が出るようなことのないようにだけはしなきゃいけない。ですから、去年の年末でございますが、自民党、公明党の両幹事長から私どもの役所に対して、年末は土曜も日曜も返上して、できれば三十日も店を開けてもらいたいと、こういう要請が書面で来ました。私はそのとき、分かりましたと、初めからやるつもりだったと、ですから、やらせていただきましょうと。しかし、与党の方もしっかりしてくださいよという思いが私にありました。それは、もし今融資をしていることで財源が足りなくなったときにどう対応するかということのために、我々も三十日までやります、ですから三十日の六時、私は自民党本部を訪ねますから、自民、公明幹部おそろいで私の報告を聞いてくださいということをやらせていただいて、今、今後のことに対しても、時に応じて一緒に頑張ろうということに相なっておるわけでありまして、今議員が御指摘になったような自殺者を出すようなことのないように全力を挙げてやっていきたいと思いますので、与党も野党も、議員各位の一層のお力添え、御指導をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。
#69
○荻原健司君 ありがとうございました。大変、決意といいましょうか、また本当に心、胸に秘めるものがあるという認識をいたしまして、本当にうれしく思っております。
 本当に年間三万数千人というような状況、これは全く異常な状況だと思います。お金で解決というわけではありませんけれども、是非ともそういう資金供給、資金繰りで救える命があるならばやはり我々としては取り組んでいかなきゃいけないと、本当に大臣の御決意を伺いまして大変うれしく思っております。
 さて、午前中というか前半の最後の質問にしたいと思っておりますが、なかなかこの景気というのが、非常に未曾有の不景気で、これはすぐに景気が回復していくというのはなかなか先の見通しというのがまだまだ見にくいような状況であるというふうに思っております。特に、やはり日本というのは外需に頼ってきたところが大きいですから、やはり今後は外需頼みから何とか内需を拡大していくことによってこの不景気脱却を図っていかなければならないというふうに思っております。
 ここで、是非とも、もう既にそれぞれの委員の先生方からの御質問にも、内需拡大、どのような決意で取り組まれるのかというお話がありますが、ここで簡単にもう少しまたお伺いできれば、またビジョンやプラン、こういったことも含めて、内需拡大にどういうふうに取り組まれるのか、御答弁いただければと思います。お願いいたします。
#70
○副大臣(吉川貴盛君) 荻原議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思いますけれども、現在、世界的な不況によりまして、経済社会の先行きにつきましては大変不透明感が増しておるところでございます。このようなときにこそ未来を先取りをした戦略分野に積極的な投資を行い、二十一世紀にふさわしい新たな産業を創出をするべきだと考えております。
 このために現在、関係各方面の知恵を結集をいたしまして、一つには、地域住民の健康情報を活用した健康サービス等、優しく効率的な医療・介護サービスを実現をいたします。先ほど大臣もお答えをさせていただきましたけれども、健康長寿。さらに二つ目でありまするけれども、おいしく安全な食べ物を効率的に提供できる植物工場。農商工連携の一環でありまして、荻原議員がつい先ごろまで大臣政務官として御活躍をいただいた折にもこの農商工連携に大変御関心をいただいて取組をしていただきましたことに敬意を表するわけでありますが、そういったことの普及促進等。さらには、日本が持つこの技術力等を最大限に生かす底力発揮等を柱といたしまして、新たな市場と雇用を創出する成長シナリオの策定を今しているところでございます。
 このシナリオに基づきまして政策パッケージを実行することで内需拡大と御指摘をいただきましたような雇用創出を実現をしながら、この不況を脱出するとともに中長期的な日本経済の成長が実現できますように全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
 かつて、キング・オブ・スキー、コンバインドの名選手でありました荻原議員の更なる御提言をお願いを申し上げたいと思います。
#71
○荻原健司君 ありがとうございました。
 今、穴があったら入りたいような気持ちになってしまいましたが、是非とも今、吉川副大臣おっしゃったようなビジョンとプランを持って取り組んでいただければというふうに思っております。
 ちょっと最後一点なんですが、個人的にはこの不景気脱却、何かいい刺激というかスパイスがないかなと思っているわけで、私はこれが一番じゃないかなと思っておりますのは、実は東京都が二〇一六年にオリンピックを招致しようということなんですが、これが何か景気回復への一つのきっかけにつながるだろうと、つながるはずだと私はそういうふうに思っておりまして、今日は実はバッジを着けました。ちょっと先ほど着けたばっかりなんですが、着けました。
 実は、二〇一六年だからまだ先の話かというとそうではなくて、もう十月には決定するわけです。特に来月四月には、国際オリンピック委員会、IOCの調査団の方々がもう日本を視察をして回るわけですね。それで採点を付けるわけですから、本当にこの四月から十月にかけてが非常に正念場、特に景気回復に持っていくためにも正念場であるというふうに思っておりますので、ちょっとこれはスポーツとかオリンピックの話だと思いますけれども、是非、二階大臣始め経済産業省の皆様にも後押しをいただければというふうに思っております。
 以上で質問を終わります。ありがとうございます。
 失礼いたしました。以上で午前の質疑を終わらせていただきます。
#72
○委員長(櫻井充君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ─────・─────
   午後二時三十分開会
#73
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#74
○荻原健司君 午前に引き続きまして、よろしくお願いいたします。
 午前の質疑の最後に、やはり私、個人的には景気回復へのきっかけのためにもオリンピックの招致実現、そんなお話をさせていただいたところ、午後の衆議院の本会議では二〇一六年夏季五輪の東京招致を目指す決議が賛成多数で採択をされたというふうにお伺いをしております。大変うれしく思っております。
 さて、早速質問に入らせていただくわけですが、午前中の最後には内需拡大のためのビジョンやプランについてお伺いをしたわけでございます。
 さて、これから景気回復を皆さんと一丸となって取り組む上でやはり欠かせないのが政府また中小・小規模事業者との連携であろうというふうに思っております。その中で、特にかぎを握っているのがやはり地域の商工団体だろうなというふうに思うわけなんですが、今日は特に商工会の活性化について御質問をしたいというふうに思っておりますが、是非とも全国商工会連合団体青年部御出身の松村大臣政務官に御答弁をいただければ有り難いなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 さて、私は松村大臣政務官と同じように比例区選出の人間でありますので、やはり私も仕事柄全国各地へ出向くわけでございますが、そこで地域の商店や例えば飲食店の経営者、特に若い経営者の皆さんとお会いをいたしますと、やはりこの不景気の話になるわけでございまして、なかなか正直このままではやっていけないと、食ってはいけないというような声が多く聞かれます。また、そのような中、一方では、町村の商工会の会員の減少の歯止めが掛からないというようなことも現状としてはあります。もちろん商工会は会員増強を働きかけてはいるわけでありますけれども、なかなか実績が上がらずに会員の減少に歯止めが掛からない、これが現状であろうというふうに思います。
 これは単にこの金融危機による不景気拡大ということだけではなくて、例えば大型量販店やコンビニエンスストアなどの、その地域の需要というものがほとんど持っていかれてしまっているというような状況、また消費者の消費動向などの変化もありまして、商工会の会員は大変厳しい生存競争にさらされているんだろうと思います。
 そういった会員の減少や、さらには市町村合併などもありまして、運営経費の多くを補助金で賄っている商工会と商工会議所の一元化に向けた動きも見られるようになってきたわけであります。場合によっては、これからどんどんと商工会と商工会議所が一元化をして商工会がなくなってしまう、そんな懸念もあるわけなんですが、では果たしてその地域から商工会がなくなってしまっていいのかということを考えますと、私は決してそんなことはないと、やはりその存在意義は大いにあるというふうに思っております。やはりできるだけ近いところに存在することによって的確に地域のニーズに対応していく。また、私は、それ以上に重要なことは、全国各町村において商工会構成員が地域発展のための重要な部分を担っているというふうに思っているからであります。
 ですから、これらの方々が日々欠けてくるというのは地域の衰退あるいは消滅を意味してしまうのではないかなと大変心配をしておるところでございますが、そういう側面からも、やはり商工会の存在というのは大切なものだろうと思います。
 これまで政府や各県におきましては、地域の商工会に対し様々な支援、改善策を提言をしているようではありますが、なかなか成果が上がっていないのが現状であるというふうに思っております。そして、そこへ来て、この未曾有の経済状況であります。何としても現下の状況に対応するためにも、経済産業省には、全国の商工会の改革、また組織の在り方などについててこ入れをお願いしたいというふうに思います。中でも特に、地域の若い人たち、また商工会青年部の方々が地域に明るい希望を持てる、勇気を持てる、そういうような積極的な指導や支援をお願いしたいなというふうに思っておりますが、松村大臣政務官に御答弁をよろしくお願いいたします。
#75
○大臣政務官(松村祥史君) お答えしたいと思います。
 まず、御指名をいただきましてありがとうございます。自身の出身母体でございますので立場柄なかなか答弁しにくい部分でございますが、一般論も含めましてお話をさせていただければと思います。
 まず、商工会、商工会議所の一元化というお話がございましたけれども、これは商工会、商工会議所という組織の問題だけでなく、例えば商工会議所は経営体を、やはり会員の方々が多うございます、しっかりとした経営体を持っていらっしゃる、いわゆる総務部がある会社であったり総務課がある会社、こういったところの団体と、それから、いわゆる小規模事業者の集まりの商工会。また、この小規模事業者の方々は地域に根付いていらっしゃいまして、地域コミュニティーの場でもございます。また、その担い手でもございます。
 そういう意味では、違う組織の一元化というのはいささか簡単な議論で済まされるものではないなというふうに私自身は思っておりますし、商工会、商工会議所の在り方論というよりも、やっぱり中小企業政策の中で、四百二十万の中小企業のうちの三百七十万社が小規模事業者でございます。こういった三百七十万の小規模事業者がやっぱりどんどん成長していくような団体であるべきだと思いますし、その窓口としての役割を十二分に果たしていくべきだと考えております。
 また、とりわけ若い経営者の方々がしっかりと元気の出るような政策を打っていくべきだというような御質問をいただきましたけれども、これにつきましては、商工会の青年部という方々が今五万三千人ほどいらっしゃいます。全国千九百か所に分散をしておると聞いておりますし、四十歳以下の若い経営者の方々でございます。こういう方々は、単なる家業にかかわらず、地域の担い手でもございます。
 私は活動しておりましたときに、商工会の青年部というのは地域の防人だと、こんなお話をさせていただいておりました。と申しますのが、単なる利益を出すことだけではなくて、地域の中での地域の担い手としての役割、防犯でありますとか地域の活性化のためのお祭りでありますとか、こういったものの担い手であったと。特に昨今は、この五万三千人の方々が一つになって、こども見守り隊と称して地域の中での防犯の防人的な役割も実施していただいているようでございます。
 また、大事な家業の問題でございますけれども、やはり地域は、人口も減り、少子高齢化が進みまして、担い手も減っております。十年前にはこの倍の青年部の方がいらっしゃったと聞いておりますし、現在五万三千人、地域の担い手が減っているという実情に変わりはございません。そのことを考えますと、まず政策的に税と金融対策、特に事業承継税でありますとかいろんなことで支援をさせていただいておりますが、何より家業が衰退をしておる中で、地域の担い手も務められないというような実情があることも先生御指摘のとおりでございまして、そのことをかんがみまして、いろんな政策の、細かな政策を打たせていただいているところでございます。
 特に、ある実例を少し取り上げさせていただきますが、これは越谷の、埼玉県越谷市商工会青年部の皆さんの活動でございますが、毎年、こしがや産業フェスタというのが開催されまして、その中でその青年部の方々が五千人の方々用に鴨ネギ鍋を提供していらっしゃるそうなんですね。当初はボランティア的な提供でございましたけれども、じゃこれを商品化しようじゃないかというような動きを起こされて、商品化され、ブランド化され、そのことで会社を起こされまして、現在中小企業庁で行っております全国展開支援事業でその販路の拡大をなさっておるというふうにも聞いております。また昨今は、越谷市の中で二十四店舗にこの鴨ネギを提供していただくような提携をされまして、農業者と組みまして農商工連携のモデル事業にもなっておるところでございます。
 若い力でいろんな工夫をなさいまして、これまでの事業体にとらわれることなく、いろんな工夫をなさっておられます。私どももこういった、作る研究、またそれの販路を拡大する支援、またでき上がりましたものの世界進出でありますとか、こういったことを細かく支援をさせていただいているところでございます。
 もう一例取り上げさせていただきますと、海外進出においてはジャパン・ブランドという支援をさせていただいておりますが、一月にパリでエキシビションをやらせていただきました。二十五の団体の方が、事業者の方が出ていただいたわけですが、百人のパリのバイヤーの方に二日間で来ていただいて、おおよそ三百五十件ほどの商談が行われまして、成立に向けて細かい作業に入っていると聞いております。日本の商品がパリの中で活躍する日も間近ではないかと、このように思っておりますけれども。
 こういう細かな政策そしてストーリー性のある政策をもちまして若い方々が将来に希望が持てるような、地域経済の担い手の方々の育成と、それからいろんな政策を展開させていただいておるところでございます。
 荻原先生におかれても、スポーツを通じて経済の振興に努めていらっしゃると聞いております。特に、昨今は企業が弱りまして、なかなかスポーツへお金を提供することもできないというような実情も聞いております。そういう意味では、地域の担い手を含めまして産業政策がいかに大事かということを御認識されての御質問かと、このように思っております。
 今後、しっかりと頑張ってまいりますので、先生におかれても御指導賜りますようによろしくお願いをいたしまして、答弁に代えさせていただきます。
#76
○荻原健司君 ありがとうございました。
 やはり、もう御出身だけあって、本当に隅から隅まで商工会の課題、問題について御答弁をいただきました。大臣政務官としての立場と、また一人の政治家としての立場との御答弁をいただいて、大変心強く思っております。是非とも今御答弁いただいたような内容を更に強力に推進をしていただければというふうに思っております。
 さて、続きまして、少し内容が変わるわけですが、大臣は先日の所信表明演説におきまして、米国のオバマ新政権とは、環境・エネルギー技術分野を中心にあらゆる分野で協力し、課題の解決を目指してまいりますということをおっしゃいました。また、チュー・エネルギー長官と電話会談を行い、原子力、低炭素技術、省エネルギー・新エネルギー分野で協力していくということに合意をいたしましたというお話をいただいたわけでございますが、まずは今後の日米間の取組に御期待を申し上げたいと思います。
 さてそこで、私はこのことにやはり大きな期待を抱いているわけでございますが、特に環境・エネルギー技術分野での協力は是非とも御尽力をいただきたいというふうに思っております。それは、もう皆様御承知のとおり、日本の環境・エネルギー技術は得意分野でありますし、昨今の世界的な環境保全、また環境対策に対する意識の高まりを考えればなおさらでありまして、日本経済の今後の立て直しに大きく貢献してくれる分野であるというふうに確信をしているからであります。
 また、オバマ大統領が打ち出しました環境分野に集中投資をいたしますグリーンニューディール政策、これは日本にとっても大変大きなチャンス、大きなチャンス到来というふうに思っております。是非とも日米の協力によりまして世界をリードする環境・エネルギー技術分野の構築、育成に積極的に取り組んでいただきたいと思っておりますが、是非とも改めての御決意をお願いしたいと思っております。
#77
○大臣政務官(谷合正明君) 今エネルギー・環境技術分野での日米協力についてのお尋ねがございました。これは、エネルギー安全保障と気候変動問題を一体的に解決するという意味では大変重要なものと認識しております。
 今委員から御紹介していただいた、また午前中大臣の方からも御答弁ありましたが、先月二十日、二階大臣とチュー・エネルギー長官との間で電話会談がございまして、今後、革新的技術開発、原子力、省エネ・新エネ、次世代自動車などのエネルギー・環境技術分野における協力を推進していくということで一致をいたしました。
 具体的には、日米間で共同研究をやっていこうじゃないかということで、既に産総研等とロスアラモス国立研究所との間で共同研究が行われておりますが、これに加えまして、二階大臣の方から、ローレンス・バークレー研究所、これはチュー長官が研究所長をされていたところでございますが、また、サンディア研究所との共同研究も行っていきたいというふうに表明をしていただきました。
 このような電話会談を踏まえまして、先般の日米首脳会談におきまして、麻生総理から日米協力の重要性について提起いたしました。オバマ大統領からは、日本のエネルギー効率を高く評価し、協力を具体化していくということで一致をいたしました。
 この日米協力に関連することでありますが、昨日、韓国の国会の気候変動対策特別委員会の委員長の方が来られまして、私、対応いたしました。
 先方から、東アジアの技術協力、環境協力について意見を求められましたが、こうしたアメリカ、韓国、日本も含めました技術協力を行っていく場でありますアジア太平洋パートナーシップというものが今ありまして、それが着実に成果を収めております。これはアメリカが入っているということが大事な要素だと思いますが、こうした協力も生かしていきながら、今般合意いたしました新たな協力関係を速やかに具体化して、両国で委員御指摘のとおり環境技術をしっかりと世界をリードしていきたいというふうに考えております。
#78
○荻原健司君 ありがとうございました。
 谷合大臣政務官におかれては、昨日、韓国の国会議員の方々と地球温暖化対策とか環境問題について御議論をされたというふうに伺っております。是非とも今後の日米間の協力にも御尽力をいただければと思っております。
 さて、続きまして、我が国が誇る世界最高水準の環境・エネルギー技術を更に日本の経済産業力、成長力につなげていくためにはどのようにすべきかというところで、やはり政策的に戦略をしっかりと組み立てて取り組んでいくべきであろうというふうに思っております。単に良い製品を作ることによって世界に認めてもらおう、リードしていこうということだけでは今後のグローバル経済の中では不十分だろうというふうに思っております。もちろん良い製品、安全な製品を作るというのは基本的には大事ではありますけれども、それだけではやはり世界戦略を目指す上で足りないのではないかというふうに思います。
 そこで、では何をすべきかということで、私は、環境・エネルギー技術分野での国際標準というものを獲得していくことが重要であろうというふうに考えております。そのことによって日本の産業を有利に発展をさせていくというところまで見据えた取組が必要だろうと考えております。
 ただ、今日は標準についての細かい技術的な話であるとかそういうものは質問をいたしませんけれども、是非、ここは私、大変興味のある分野ですので、細かい点は後日に譲ることといたしまして、今日は標準化活動、あるいは標準が今後の日本の世界経済への戦略に重要で欠かせないものであるということを強調して、以下の質問に入りたいというふうに思っております。
 もちろん委員の皆様はすべて標準というものはどういうものかというのは御存じいただけていると思いますが、まずここでひとつ、事務方で結構でございますけれども、お伺いをしたいのは、国際標準を獲得するということが日本経済にとって私はやはり欠かせないというふうに思っておりますが、まずこの標準をめぐる世界の熾烈な争い、その結果日本が例えば有利になった、いや、しかし失敗して不利になった、何かこういった具体的で分かりやすい事例があれば御紹介いただければと思います。
#79
○政府参考人(廣田恭一君) お答え申し上げます。
 国際標準化によって我が国産業が有利になった事例として、DVD及び抗菌、これ細菌に対する抵抗という抗菌でございますが、この二つを紹介させていただきます。
 まず、DVDでございますけれども、我が国企業が国際標準原案を作成し、その後、ISO、国際標準化機構で我が国の原案に基づいて国際規格が制定されました。この国際標準化によってDVDプレーヤーなどが国際的に普及し、我が国産業界は、高機能なブランド機器の販売収入だけでなく、例えば、世界中のDVDメディア製造メーカーが日本企業の色素を使わなければ販売、製品化できないというように、DVDの国際規格に刷り込まれた基幹部品や部材において九〇%以上のシェアを獲得した上、パテント収入も加え、高収益を実現したという事例がございます。
 それから、二つ目の抗菌でございますが、我が国企業は、我が国の抗菌に関する優れた技術を使い、その抗菌の状況を評価するための試験方法をISOに提案し、我が国の原案に基づいて国際規格が制定されたところでございます。
 抗菌加工は、衛生陶器、食器等、極めて幅広い製品に用いられている技術であり、国際市場も急拡大しております。国際規格制定後、不適切な抗菌加工製品の流通の抑止や抗菌加工の効果に信頼が得られ、これまで日本市場で抗菌加工が用いられていた分野以外にも、航空機のサニタリー分野、エレベーター分野といった新たな分野で抗菌加工が用いられるようになりました。国際標準化によって我が国企業による市場獲得が一層拡大することが期待されているところでございます。
 このような比較的うまくいった例がある反面、必ずしもうまくいっていないという事例もございます。これは、Suica、イオカード等の非接触ICカードの例でございます。
 我が国企業が国際的に優位な技術を有しながら、国内市場の重視の立場から、国際標準化の場から撤退したという経緯がございました。その後、ある国内企業が日本方式で調達しようとした際、海外企業からWTO、世界貿易機関の政府調達協定違反の異議申入れがございました。この結果、その調達しようとした企業は非接触カードシステムの導入を遅らさざるを得ないという事例がございました。
 今後、国際標準化は極めて重要なツールでございますので、経産省といたしましては我が国が有利となった事例が一つでも多くできるように努力していきたいと思っております。
#80
○荻原健司君 ありがとうございました。
 標準を獲得することによっていかに日本の産業に有利に立てるかと、あるいは経済に有利になるかというお話を具体的に分かりやすくお話をいただきまして、ありがとうございました。
 私はどうしてここまで標準というものに大変興味があって今日も質問させていただいたかというのは、ある意味、私自身の経験というか苦い思い出のようなものがあります。それはどういうことかというと、実は私がかつてスキーの選手をやっていたころの話にさかのぼるわけなんですが、ちょっと個人的なお話で恐縮なんですが、要は、競技のルールが随分変更したり改正がされて不利な立場に立たされたというような思い出があるものですから、この標準を知ったときに、これはかつてのある意味スポーツルールと同じだなと、やはりこういう分野で日本はもっと頑張らないといけないななんという思いで、特になおさら興味を持っているわけであります。
 さらに、ちょっと具体的に申し上げますと、私、ノルディック複合というスキーの選手をやっていたわけなんですが、かつて日本の選手が特にスキージャンプで強かったものですから、スキージャンプのポイント比重を下げられると、そういうルール改正が度々重なりました。また、今から十一年前、長野オリンピックがありまして、日本のスキージャンプ陣は大活躍をしていただきましたけれども、あれを境に、身長の低い日本人に不利なスキー板の長さにするルール改正というのが行われました、もちろん、中には御存じの方もいらっしゃると思いますが。なかなかその後、我々日本の選手は勝てないような状況になってしまったわけですが、要は、これ言い換えれば、勝てない状況をつくられてしまった、又は勝てない状況というのはつくることができるということなんだというふうに思うんですね。
 ですから、私は、特にこの標準というのはやはりルールですから、ルール作りに自ら参加をしていく、積極的に取り組むということが私は本当に特にこれからの日本の産業を考えていったとき、またこのグローバル経済の中では、本当に重要な部分を占めていくのだろうというふうに思っております。
 さて、そのような私の経験からも、是非とも特に今注目をされております環境・エネルギー技術分野、ここのところに大きな期待を持っているわけなんですが、まずそこでちょっとざっくりとした御質問ですが、今この標準をめぐる世界の動きと日本の取組状況はどのようなことになっているか、お答え願えればと思います。
#81
○政府参考人(廣田恭一君) 標準をめぐる動きは日々熾烈さを、活発さを増しております。特に、二〇〇一年に中国がWTO・TBT協定に加盟して以来そのシェアを伸ばしておりまして、我が国にとっても大変な関心を持たざるを得ない状況でございます。
 我が国は、平成十八年十一月に欧米諸国に比肩し得る国際標準化の推進を目指して国際標準化戦略目標というものを設定し、その達成に向けて鋭意努力しているところでございます。
 その最大の眼目は、ISOとそれからIEC、国際電気標準会議でございますけれども、これの専門委員会、テクニカルコミッティー、それから分科委員会、サブコミッティー、具体的に標準を審議する委員会でございますけれども、ここの幹事国の獲得数というのが一つの目安になっております。我が国は、二〇〇六年当時六十個であったわけでございますけれども、二〇〇八年末には七十四となり、世界第五位というふうになっておりますけれども、ドイツとアメリカが百五十、イギリスが百二十、フランスが百であることにかんがみますと、欧米諸国に追い付くためにはなお一層の努力が必要であるというふうに考えている状況でございます。
 そのほかの状況でございますが、新しいところでは、昨年秋、日本はISO技術管理委員会の常任国に、米、英、独、仏に次いで五番目の常任国になりました。また、IECの副会長のポストに日本人が就任するといったような、それなりにではありますが、着実な成果を上げているというふうに考えております。
#82
○荻原健司君 ありがとうございました。
 ISOやIECの幹事国業務引受数も着実に日本は伸ばしていると。また、技術管理評議会、これTMBというんでしょうか、この常任国にもなれたと。そういう意味では、国際標準の舞台では日本は非常に健闘しているというお話を伺ったわけであります。
 さて、ところで、私は、やはりこの標準について更に深く掘り下げて勉強していきたいなというふうに思っていたところ、ある本に当たったわけなんですが、この本を読んでいるわけなんですが、これ、「国際標準が日本を包囲する」というようなかなりセンセーショナルなタイトルの本でありまして、サブタイトルは「なぜ自らルールを作らないのか」という、先ほど、今私がスポーツの例を引用させていただきましたけれども、そういうようなことをまさにおっしゃっていただいている本でございます。これはだれの本かなと思いましたら、現在の貿易経済協力局長の藤田局長が当時お書きになった。これ、九八年に書かれている本で、今から十年ほど前に執筆をされた本でございます。
 ですから、この当時の本の内容から比べれば、今御答弁をいただいた幹事国引受数、大幅に増加しているなと。また、常任国にこの本が書かれたときにはなっておりませんでしたので、今のお話を伺えば、本当に日本のこれまでの取組というものに敬意を表したいと思っておりますし、是非これからも御活躍をいただければというふうに思っております。
 さて、そこで一つ私心配をしておりますのは、やはりここに来てのこの不景気、不況です。
 伺ったところによりますと、この標準というのは、非常にやはり細かい技術をいろんな意味扱うセクションですから、なかなか企業や会社にとっても日の目を見ないというか、ちょっと陰に隠れていてなかなか日が当たらないようなセクションだと、これに取り組んでいる方々はそういうような立場にあるというお話を伺いました。中には、大企業のトップでありながらも、この国際標準、まあ標準ですね、規格、こういうものの重要性を、いま一つ認識が足りないのではないかというような企業経営者もいらっしゃるというふうに思いました。
 ですから、私がここで心配しているのは、例えばこのISOとかIECの国際会議に出向く、行ったら一週間とか、場合によっては年にそれが何回もというようなときに、おまえはどんな国際会議へ行っているんだと、飛行機で行ってどれだけ経費を使っているんだと、ちょっとよく分からないからそこは削っちゃおう、切ろうとか、そういうようなことで、せっかくここまで来たその標準化、日本の標準化活動がちょっと下向きになってしまう、衰退してしまうというのは私はやはりもったいないな、これから世界戦略を目指す上ではやはりそれは避けていかなければならないというふうに思っております。
 是非とも、そういう意味でも、この国際標準を獲得していくということは大変重要なんだということを、是非やはりこれから我が国産業の成長力強化のためにも政府からしっかり発信をしていただきたい、その理解活動に取り組んでいただきたいと思っておりますが、いかがお考えでしょうか。
#83
○委員長(櫻井充君) 事務方で結構ですか。よろしいですか。
#84
○荻原健司君 はい。
#85
○政府参考人(廣田恭一君) まさに御指摘のとおり、現下の不況は大変厳しいものでございますけれども、また言い方を変えれば、経済危機であると同時にチャンスであるというふうにも考えております。こういうときこそ、企業における標準化活動の経費をコストではなく将来への投資としていただけるよう、企業経営者の理解を得られるように努めていきたいというふうに思っております。
 それから、委員御指摘のように、経営者の方はもちろんのことでございますが、標準化に関する人材の育成であるとか、あるいは会社の中で標準とは関係ない部署、例えば総務とか経理とか人事とか販売とか、そういったところにいる方にもこの標準というものがいかに会社にとって重要であるかということについて、事ごとにお話しいたしまして理解を得るように努めております。
 それから、社会人の予備軍でございます学生さんについても、大学院生から小学生に至るまで、出前授業というような形式で、先生にも大変お世話になりましたが、出前授業というような形式で御理解を得るように努めております。
 それから、経済産業省といたしましても、重要性の高い国際会議への出席に当たっては所要の海外旅費に対する支援を行い、民間の意欲ある標準化活動が現下の厳しい経済状況においても停滞しないように留意していきたいというふうに考えております。
#86
○荻原健司君 ありがとうございました。
 最近は、いろいろお話を伺いますと、国際標準を取ってそこに特許を潜り込ませると。ですから、必ずその特許を使わなければいけないということで、ライセンス料というんでしょうか、そういうようなところで戦略を図っていくという手法もあるそうでございますので、是非とも強力に推進していただきたいと思いますが、最後に、大臣にこの国際標準化獲得、標準化活動に対する取組に対して決意をいただければと思います。
#87
○国務大臣(二階俊博君) ただいまも事務当局からお話ありましたとおり、荻原議員がかつて経済産業省に御活躍のころに、標準化教室の出前授業等で大変活発な活動をしていただいたというのは今でも語りぐさであります。今後とも、いろんな角度で御支援をいただきたいと思っております。
 委員が御指摘になりましたように、経済が一層国際的にグローバル化する中で、いかに優れた製品であろうとも、世界標準に合致していなければ市場を獲得することは困難な時代を迎えていることは御承知のとおりであります。このような中で我が国が国際標準化をリードをしていくことは、我が国の競争優位を確保する上で極めて重要な点だと思っております。
 経済産業省としても、引き続き、エネルギー・環境技術分野における日米標準化協力の強化など、積極的に、さらに戦略的に取組を展開してまいりますので、一層の御協力をお願いしたいと存じます。
#88
○荻原健司君 以上、終わります。ありがとうございました。
#89
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 午前中から種々質疑が繰り返されております。今世界中が経済危機で苦しんでいるわけでございまして、日本も残念ながらその一つの国であります。日本はもう少し痛みが少ないであろうと、こう言われておりましたが、しかし、外需中心とは申しませんけれども、やはり外需、輸出が主な産業、比率を占めているということで、残念ながら日本も大きな痛みを伴っているわけでございます。
 そうした中で、輸出といいますと、我が国最大の輸出先でありますアメリカ合衆国におきまして保護主義の動きが高まっているということに関して大変懸念がされているわけでございます。先ほど標準という荻原先生もお話ありましたけれども、また一方、この保護主義というのが出てまいりました。
 二月の十三日にアメリカの上院議院におきまして総額七千八百七十億ドル、約七十二兆円、過去最大規模の景気対策法案、可決したわけでございますけれども、このとき上院で一票足りなかったと。当時、上院議員がお一人、お母様の葬儀で地元へ帰られていて、その方を政府専用機を呼んで迎えに行って、連れ戻して五時間後にこれが成立したという、このいわく付きの大事な、このアメリカにとりまして、景気対策法案、事ほどさように景気対策というのは瞬間的に、瞬時に一刻も早くやらなければいけないわけでございます。
 この景気対策の中身は詳しくはもう申し上げませんけれど、減税も、そして何と給付金まで入っているわけであります。しかし、残念ながら、この法案の中には、米国製品の購入を義務付けるバイ・アメリカン条項がWTOルールを遵守することを条件に残ってしまいました。世界各国がアメリカの保護主義台頭に懸念を示しております。このダボス会議でも各国閣僚から非難の声が相次いだと新聞は報じているところであります。
 WTOでは、政府調達に際して、外国製品・サービスを自国製と差別してはならないとしているんですね。ところが、バイ・アメリカン条項は、御存じのように、公共事業の鋼材から工業製品、テロ対策などに従事する国土安全保障省の制服十万着分まで入っているんですね。対象品目に挙げられております。外国製品に比べて二五%まで高い範囲内であれば米国製品の購入を義務付けるという大変な内容であります。
 日本は、実は百五十三か国WTOの加盟国の中で、政府調達協定に加盟している四十か国のうちに日本も入っておりますので、まだそれほど直撃、打撃を受ける品目は少ないというふうには言われているんです。言われておりますけど、しかし、公共事業などにアメリカ製品の使用を優先させる内容ですから、我が国にとってもかなり私は影響が大きいと思います。
 アメリカだけでなく、その保護主義というのは残念ながら世界の各国でこの動きが出ているわけでありまして、ロシアでは中古車の関税引上げ、インドネシアでは電気製品などの輸入制限、EUでは、何とあのテレビ付き多機能携帯電話の関税見直し、これ日本直撃ですね、日本の製品いいわけであります。
 先月の二十五日に、二階大臣はラミーWTO事務局長と会談をされて、経産省がまとめた世界各国の保護主義的な動きを調査した報告書を説明されたと、こう伺っております。その思い、ねらいはどういうところにあったのでしょうか。また、事務局長からどういうお話があったのか、WTOへの関与を含めて、日本としてこの問題にどのように対処をされるお考えなのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(二階俊博君) ただいま松議員御指摘のように、保護主義の蔓延、保護主義の台頭、これは現下のこのような世界同時不況に陥っているときに、少なくとも世界のリーダー国であるアメリカがこうした問題に対して別の意味で旗を振るということは許し難いことであって、私は信じられないということを閣僚会議で申し上げました。ただし、そのときはまだ大統領が就任されて間もないときでもありますし、また私どものカウンターパートも定まっていないときでありますから、アメリカを名指しで、閣僚が出席しない席で申し上げるのはいかがかと思いましたが、だれが聞いておったって、アメリカを言っている、指しておることは十分分かるような状況でありました。
 そこで、後に、私は農林水産大臣とともにラミー事務局長とお目に掛かった際に、今、松議員が御指摘のように、日本はいろんな意味で交渉、あるいはまた情報の収集等について日本政府は進んでおると。したがって、是非、この国際社会における貿易違反といいますか、WTOの精神に反するような行動をする国の行為をちゃんと見張って、そしてWTOに報告してもらいたいと、これがラミー事務局長の要請でありました。
 私は、分かりましたと、引き受けましたということで、我々だけで、我々だけというのは、日本だけでいろいろやるんじゃなくて、ラミー事務局長からの御依頼の下にやるわけですから堂々たるものであって、私どもは早速世界各国と連携を取って調査結果をまとめ、それをまた英語に直して、先般来日されたラミー事務局長に私はそれを手渡しました。日本がこのような御協力をいただけることは大変有り難い、私どものWTOの手足だけではなかなかそこまではいかないと、今後とも日本の協力をお願いしたいということでありますから、私どもは、WTOの精神を生かして世界貿易を拡大していかなきゃいけないときでありますから、いかなる協力も惜しまないということを申し上げたわけであります。
 ラミー事務局長が一人でできるわけではありませんが、我々は、ラミー事務局長とも十分連携を取って今後の対応についてやっていきたいというふうに思っております。
 そこで、今後とも私たちは、まずWTOに対する協力でありますが、日本は更に積極的な協力が求められております。農業問題を抱えております我が国は、そうはいっても簡単なものではありません。ですから、私は、農業関係者、特に石破農林水産大臣とも十分連携を取って、農業者の皆さんにも安心感をお与えすることができるようなそういう政策を我々はきちんと政府部内でまとめていくと、そういう努力が必要ではないかと思っておりますが、いずれにしましても、WTO、大変難しい状況でありますが、このWTOの状況、WTOのこのルール、それが破綻を来したときの我が国の受ける損害といいますか、貿易上の不利益は計り知れないものがあるわけでありますから、それをよく胸に秘めてWTOに対して積極参加、協力をしてまいりたいと思っております。
#91
○松あきら君 ありがとうございました。
 やはり日本はすべてにおいて、私は、いい人、人がいいところがあるというふうに思います。ですから、WTOのルールを破綻しないようにまさに各国にお願いをするということで日本は指導力を発揮していただきたいと是非お願いをしたいと思います。
 二階大臣が手掛けていらっしゃいました東アジア経済包括連携構想の東アジアEPAと東アジア版OECD構想である東アジア・ASEAN経済研究センター、ERIA。まさに今こうした未曾有の経済危機が訪れて、前経産大臣のときから、私は不肖副大臣を務めさせていただいておりましたけれども、そのときに二階大臣は、これからの経済、もちろん我が国だけでない、特にアジアの国が大事であると、そして日本としてアジアの国を引っ張っていく牽引役にならなければいけない、その思いでこのERIAをつくられたというふうに思います。
 そして、まさに今こういう状況、アメリカ発の金融危機なんということが起こるということはそのときは全く想定がもちろんなかったわけでありますけれども、今こういう状況になりまして、いかにこれが大事なことか。今から、じゃこういうものをつくりましょうといったって、もう何年か後になるわけです。けれども、あのときに本当に頑張られて、そして、しかも予算も一生懸命付けられて、そしてアメリカまで説得、アメリカは入りたいとか何とか駄々をこねたと聞いていますけれども、これはやはりアジアの問題であるということで、中国も韓国にもすべてに話を付けられてこれをつくって実現をさせたということは、私はもうすごいことだというふうに思っております。
 今まさにアジア経済というものは、世界同時不況にある、欧米の経済落ち込みにより実体経済の悪化、資金の流出、試練に直面をしております。ですから、日本だけでなくアジア各国は、外需やあるいは直接投資が冷え込めば直ちに雇用が悪化して、それぞれの国内個人消費、急速に悪化をしているんですね、残念ながら。こういう悪循環に陥っているわけでございます。ですから、欧米の金融機関は特にアジアにおける対外資産を縮小するということはもう明らかであるわけで、アジアが金融システムの不安定性に対して、国、地域単位で対応することは困難である、こんな指摘もされているわけでございます。
 昨年のG20の金融サミットでも、第一回会合で、資金拠出を表明したのは日本だけでありました。本当に日本はいい人だなと思いまして、世界は喜んでいると思いますけれども、日本だけでした、残念ながら。そして、今お話ししたような保護主義の空気が漂い始めて、それぞれが自国の再建だけに集中して国際協調というものを忘れてしまえば、それぞれの国が大変なだけじゃないんです。水と空気と同じで、やっぱり経済というのは世界の流れがあるわけで、アメリカだけが良くなればいいんじゃない、アメリカが良くなれば全体が良くなる。要するにどこかEUだけが良くなればいいんじゃない、みんなが良くならなきゃこれ混沌としてしまって、それぞれの国も疲弊をしてしまうわけであります。
 そういった意味で、日本は世界各国に対して国際協調性の必要性を訴えて、アジア経済、まさにエマージングマーケット、このERIAなどはまさに私は成長のセンターである、世界のエマージングマーケットとしての使命を担っていると思いますが、このアジア経済の回復をリードする立場にある日本と思っております。
 経産省、あるいは大臣のアジア政策の今後の取組、御決意をお伺いしたいと思います。
#92
○国務大臣(二階俊博君) 今お話を伺いながら、松先生は副大臣をお務めいただいておりましたころ、東アジア版のOECDということで提案をさせていただいたことを覚えております。ちょうど今から二年半ぐらい前であったかと思います、小泉内閣の当時でございました。そこで、当時は、中国、韓国共に日本との間はやや冷たい空気が流れておる、そういう時期でありました。また、アメリカからも、今、松先生がお述べになりましたように、こういう国際的なこのERIAをつくるというならアメリカが参加しないのはおかしいと、こういう論理を持っておるわけですが、私はちょっと待ってくださいと、これはアジアの将来をアジアの民族が物事を決定するためにつくったものであって、アメリカが参加されてなくとも日米が常に協調してやっていく間柄であるわけでありますからそれでもいいじゃないですかということで、とうとう御理解をいただいたわけでありますが、ちょうど今お述べになりましたように、去年の六月の三日にインドネシアのジャカルタでこれをスタートさせましたら、九月に国際的な大問題が発生して、これを受けてアジアがどう対処しようかというときに、今このERIAが随分活発に活動を始めていただいております。
 そこで、いろんな分野で対応していくわけでありますが、各国の青年の皆さんにもアジアの将来を学習していただくということなどを我が国が提案し今実行しようとしているんですが、その際、このASEANの各閣僚は何とおっしゃったかというと、将来の青年を教育してくれるのもいいですけど、実行する私たちを教育してくださいよというふうなお話がございまして、ごく最近でございますが、二日ぐらい前から関係の閣僚や局長の皆さんが日本にお越しになって、今、日本のいろんな場所を見学しながら、またERIAはどういう方向へ向かって進めていきたいというふうに我が国が思っておるかということなども御説明をさせていただく、そういうチャンスを今持っておるところでありますが、この困難な時代に、私は、たまたまそれが昨年の六月にできたということ、これは偶然のことでありますが、大変良かったと思っております。
 そこで、今後のことでありますが、例えば高校生のロボットコンクールなども十六か国でやろうじゃないかという提案があります。私はそうしたことをどんどん、それぞれの国の御提案を受けてやれることはどんどんやろうと。日本は百億円の基金を提供しておりますから、これを中心にしてアジアの皆さんと一緒にやっていく。日本はまたアジアのためにいかに貢献するかと、この支援が必要だと思いますが、そういう意味で今後このERIAを活発に展開していくためには、与野党の議員の皆さんの一層の御協力と、またお気付きの点があれば御指導を賜りたいと、このように思っております。
#93
○松あきら君 ありがとうございました。
 午前中に鈴木先生が、長いことこの委員会に所属していらしていろんな御質問をなされたというお話もなさいましたけれども、私はもっと長い間おりまして、いろんな質問を繰り返しておりまして、しかも、党派が小さいために後の方の質問でございますから、皆様方が質問をされないようなことを質問する、あるいは重なっていたらやめる、違う角度からすると、かなり苦心惨たんをいたしておるのも事実であります。今日は所信ですので何でも聞けますけど、法案質疑なんかになるともうこれ以上ないというぐらい皆さんいろいろ聞いちゃって、どうしようかなと。苦労を、私以下の方は皆さんそうだと思いますけれども。
 中小企業も、私はこれは我が党としては一言もちろん申し上げなきゃいけない。いろいろ思っておりましたら、もう様々中小企業に関しましては出ました。細かくは私ももう、長官、申し訳ありませんけど、質問はもう、私の意見だけ述べようかなと思います、時間の関係で。
 百年に一度の金融危機であります。ですから、百年に一度の私は対策を取らなきゃいけない。ですから、財政出動もあり減税もあり。私は、本当にびっくりするぐらいのことをやって、皆さん方が、皆さん御地元へ回られたら、本当に中小企業の方々が苦しんでいらっしゃるのはもう実感していらっしゃいます。ここの委員の方は皆さんそれは分かっていらっしゃるんです。ですから、与党とか野党とかはあるけれど、もうそれを乗り越えて、今はそれぞれの細かいところまで、まさにあの自殺者などが出ないために、融資もさることながら、あるいは返済もさることながら、もういろいろな手だてを打っていくと。これに対して、私はしっかりと手を打たなきゃいけないし、本当に野党の皆様にも御協力をお願いしたい。
 そして、減税に対しましても、例えば中小企業支援策の減税、〇九年度の税制改正におきましても、年間所得が八百万円以下を対象に法人税の軽減税率、二年間にわたり二二から一八、もうちょっと下げたかったんですけど、まあ分かっております。また、赤字に転落した場合は前年度に納めた法人税の一部を戻してもらう繰戻し還付、これはすべての中小企業が対象。それから、事業の後継者に限り相続する株式に係る相続税について八割納税猶予、こうした、これは中小企業関係だけちょっと取り上げたんですけれども、まだ様々な税制の対策も取っております。
 もちろん、まだ足りない、もっと数も増やせ、いろんな思いはおありでしょう。けれども、一生懸命やった。これが一日も早く通らないと、まさに私は中小企業の方たちにとっても生活する皆様にとっても大変なことであると思いますので、これは是非心からよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 もう最後になりました。済みません、いろいろあれしてたんですけど、一つだけ私どうしても言いたいことがあるんです。それは、以前にこの委員会で私が質問しましたスプレー缶のことであります。
 当時、それは十八年ですね、私は国民消費者センターに参りまして、何人かの先生御一緒に行きました。スプレー缶の穴を空けるか空けないかということで、当時宿舎では穴を空けて出してくださいというペーパーが回ってきたんです。けれども、これ空けたら危ないよと思っておりました。実験で見たら、大変なんです。穴を空けたらもう八メートルぐらい飛ぶんですよ、火噴いて。もうそれで絶対に穴を空けないでくださいと、これ空けたら危険ですからという、これ超党派で、もちろん委員の、委員会で参りましたので、みんな聞いておりまして、やっぱりこれは個人で穴を空けたら大変。もちろん使い切ることが大前提なんだけれども、これは大変ですよという御質問をしましたら、中身排出機構を装着した製品が出ますから、それは去年の四月から、こういうのはおととしの話ですけれどもね、だから大丈夫ですと、こういうことだったんで。この排出機構というのは、私もよく分からないから、それが付けば、じゃそういう事故は起こらないのね。だけど、危ないですよ、お願いしますよ、これ、だって市民が大変な状況になるんですからということでお願いをしましたら、何とまだこれ二十年十二月十九日の、一年以上たってまだ穴空ける空けない、自治体、ルール二分化なんですよ、これ、日本全国で。
 ちなみに、もう時間ないですからあれですけれども、東京二十三区では前は穴空け必要だったんです。なぜならば、回収して、その清掃の車の中で燃えちゃったり、爆発して燃えちゃったりいろんなことがあるから、それで空けてくれ。じゃ、区民が、例えば東京ですね、事故に遭ったらどうする、どっちが大事なの。そうしたら、何と、作業員の安全も守りたい、自治体も消費者の安全を重視する立場、これもある、そして区民の安全を守るために、その区民の安全が第一ということで、東京二十三区はこれ穴空けちゃいけないということに決めたんですよ。ちなみに、私の川崎市は残念ながら穴空けが必要という方なんです。
 やはりこういう大事なことを私は自治体にきちんと役所として、使い切っていただきたいけれども、でも、それでもちゃんと使い切っているかどうか分からないんですよ、また特に年齢いった方なんかは。ですから、穴を空けたら危ないですからということをちゃんと指導しなきゃいけないと思うんです。短く答弁お願いします。
#94
○政府参考人(谷津龍太郎君) お答え申し上げます。
 エアロゾル缶の中に残留している充てん物を安全に排出するための中身排出機構ということでございます。現在、経済産業省の御協力もいただきまして、平成十九年度実績で七〇・七%に装着、平成二十年度見込みでは九六・一%のエアロゾル缶にこの中身排出機構が装着しているということで、この装置の普及は確実に高まっているというのが現状でございます。
 環境省としては、こういった安全な取扱いの観点から、経産省また自治体と連携いたしまして、各地域の住民の方々に対しましてこの中身排出機構の使用方法に関する普及啓発、今一生懸命やっておるところでございます。
#95
○松あきら君 ありがとうございます。
 あのね、そういうことを言っているんじゃないの。七割で付いていると言いますけれども、私が見た限りではエレガード、静電気の防止のエレガードには付いているけれどもほかのものには見たことないですよ。あれが付いていたってどうやって使うのかな、あれが付いていてもちゃんと押して本当に空になっているかどうか分からない。つまり、空けるか空けないかのここが大事。これを自治体に指導してくれということを私は言っているんです。
 ですから、よろしくお願いします。
 終わります。(発言する者あり)答弁。じゃ、はい。やってくれるかどうか。
#96
○委員長(櫻井充君) 時間が過ぎておりますので、手短にお願いします。
#97
○政府参考人(谷津龍太郎君) エアロゾル缶を排出する際に穴空けをしない方向で技術指導を行ってまいりたいと思います。
#98
○松あきら君 お願いね。
#99
○松下新平君 どうもお疲れさまです。改革クラブの松下新平です。
 二階経済産業大臣の所信に対しまして質疑をさせていただきます。本日は所信に対する質疑ですので、大きな柱について大枠の質疑をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 まず、年度末の資金需要が高まる中小企業、雇用も含めてですけれども、支援策についてお伺いいたします。本日の質疑で各会派から既にありましたけれども、喫緊の課題でもありますので、最初に取り上げさせていただきたいと思います。
 世界経済は今年、マイナス成長に陥ります。その中で日本経済は三月危機に直面しています。一月から三月期の国内総生産、GDPは、一二%急落した昨年十月から十二月期以上に悪化する見通しです。期末にかけて株式市場の動揺が収まらなければ、信用収縮が深刻化しかねない状況にあります。このままでは需給ギャップはGDPの一〇%、五十兆円に達し、失業率は七%に上昇するという試算があります。先日の予算委員会の集中審議でも、私のこの質問に対し麻生総理から前向きな御答弁をいただきました。
 さて、所管の二階大臣におかれましては、これまで強固なリーダーシップを取られ、年末もぎりぎりまで丁寧に対応していただくなど、分かりやすい言葉で力強い政策を打ち出され、実践いただいておられますことに敬意を表します。しかし、実体経済におきましては今もなお出血が止まっていない状況にあることは各会派の御指摘のとおりであります。
 そこでまず、これまでの緊急保証制度の実績と雇用の維持などの効果、この効果はどうだったのか、お伺いいたします。
#100
○大臣政務官(松村祥史君) 松下先生御指摘のとおり、また当委員会で午前中からずっと議論されていますように、前例のない速さで大変厳しい状況が続いておると思っております。
 また、大臣の強力なリーダーシップの下に、まずは昨年の年末に向けまして緊急保証、随分と実施をさせていただきました。また、第二の山として、年度末に向けましての対策を練らしていただいているところでございます。特に、これまで保証と融資を合わせまして約四十六万件、九兆一千億円の実績を上げて、全力で取り組んでおるところでございます。
 また、再三御指摘の年度末に向けまして、緊急保証制度におきましては業種の拡大を七百六十五業種まで拡大をさせていただいておりますとともに、先般も二階大臣から、保証協会の方々お集まりをいただきまして、親切で丁寧で借り手の身になった対策、対応をしていただきたいと。また、利下げについての金融機関に対する要求も行っていただいたところでございます。
 また、借り手の皆さんがなかなか厳しい状況が続いておりますので、午前中に議論がございました担保設定の問題におきましても、棚卸資産、いわゆる流動資産を担保にする制度や、また売掛債権、こういったものにも踏み込みまして実施をさせていただいているところでございます。
 加えて、セーフティーネット貸付けにおきましては、借換えによりまして、一本化などによりまして、いろんな工夫によってのつなぎ資金の融資を円滑に進めておるところでございます。
 また、雇用対策につきましては、採用意欲があり、かつ人材育成に優れた企業を雇用創出企業千四百社として選定をさせていただきまして、促進に努めておるところでもございます。
 さらに、厳しいこういう状況の中でも、中小・小規模事業者の皆様方がいろいろと雇用を創出したいというマッチングの場所をつくるために、若手人材を橋渡しをする事業を実施しております。この事業では、大学ごと、地域ごとの合同就職説明会を全国各地で開催しまして、年間一万五千人の就職を目標に取り組んでおるところでございます。
 また、中小・小規模企業にとって重要な経営の宝でございます人材育成につきましても、即戦力に育成するために各分野ごとに技術や技能を磨く実践型の研修を実施して、年間一万人の雇用をつなげることを目標として全力で取り組んでおるところでございます。
#101
○松下新平君 年度末の対応をしっかりよろしくお願いいたします。
 次に、先日発表されました追加経済支援についてお伺いいたします。
 ただいま参議院で来年度予算審議中でありますけれども、必要とあらば畳みかけるような支援を私は歓迎いたします。しかも、オールジャパンで大胆に複数年度と踏み込まれております。追加と表現しますと後追い的なイメージですけれども、私は総合的な経済政策ととらえております。環境対策、雇用対策、公共事業の前倒し、税制改革を盛り込んだ切り札として世界中をあっと言わせるような政策を期待いたしますが、いかがでしょうか。
#102
○国務大臣(二階俊博君) ただいま松下議員が御指摘のように、追加というふうなものではなくて、新たな角度で現状を打破していくためにどうあるべきか。そして、今議員からも御指摘がありましたように、単年度主義で我が国の予算はずっと来ておりますが、ここへ来て、やっぱり単年度ということだけでは解決しないんではないか、二年にわたるもの、三年に及ぶものあっていいのではないか、そういうことも念頭に入れて勉強をするようにという総理からの御指示があったわけでありますから、それに基づいて、今与党やあるいは各それぞれの省庁で内々の勉強を続けているところでございます。
 経済産業省としては、あらゆる調査、検討に省を挙げて御協力を申し上げていきたいというふうに思っておりますが、そこはエネルギーの問題だとか環境の問題だとか、私どもがかねてから委員の皆様に御協力をちょうだいしてきたことなどでまだ思い切ってやらなきゃいけない、ここが足りないのではないかというような問題、あるいは太陽光発電にしましても、ただうたい文句だけが良くても実際に実行されなきゃ意味がないわけですから、そういう面について大胆に踏み込んで実行できるようなことを考えていきたいと思っております。
#103
○松下新平君 大臣からは、その政策を掲げるだけでなくて、それがいかに現場において浸透しているかというところまで踏み込んでいただきました。大切なことだと思います。
 次に、資源外交についてお伺いいたします。
 昨年の原油高騰あるいは原材料価格等の異常な乱高下を見るにつけ、資源・エネルギーの安定供給が我が国の喫緊の課題であることは皆さん共通の認識であります。私もこの委員会で毎回のように取り上げてまいりました。所信に当たって、改めて資源外交についての決意をお伺いいたします。
#104
○副大臣(吉川貴盛君) 私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。
 御指摘をいただきましたように、資源外交は我が国にとりまして極めて大切な分野でもございます。さらには、資源小国でもございますので、石油や天然ガス、レアメタルの資源・エネルギーの安定供給の確保が重要な課題となっているところでございまして、現在、一時期に比べまして資源価格が下落をしておりますので、更に我が国にとって海外における権益取得の追い風となっていると認識をいたしております。
 私ども経済産業省といたしましては、ボツワナなど南部アフリカ四か国への官民合同ミッションの派遣並びにベトナムとの石炭・鉱物資源政策対話の実施など様々な今日まで取組を行っているところでございまして、既に南アフリカにおきましては、我が国初のアフリカにおけるレアメタル共同探査、これはJOGMECがプラチナの共同探査、資源探査をもう開始をいたしました。また、モザンビークにおきましても、我が国の民間企業が炭鉱の探査を実施いたしまして、開発を目指して今活動を実施を行っているところでもございます。さらに、ベトナムにおきましても、我が国の消費量の五分の一を満たす生産規模のレアアースでありますけれども、鉱山の開発プロジェクトを日本企業と共同で実施することを合意をいたしております。
 今後とも、積極的に資源外交を進めるとともに、このJOGMECによりますリスクマネーの供給や貿易保険など様々な支援策を講じてまいりたいと考えております。
 長くなって申し訳ありませんが、例えば、本年四月には、アジアの主要消費国と中東、アジアの産油国、産ガス国を我が国に招きまして、アジア・エネルギー産消国閣僚会合を主催をすることといたしておりまして、こうした機会をまた活用いたしまして、今後とも、資源・エネルギーの安定供給確保のための取組を二階大臣の下、積極的に取り組んでまいりたいと存じております。
#105
○松下新平君 ロシアのプーチン大統領、元の大統領ですけれども、五月に来日が予定されております。
 私は、前回のこの委員会でモンゴルの埋蔵資源の重要性について質問いたしました。日本とモンゴルの資源外交について前向きな御答弁をいただきましたが、このかぎを握っているのはロシアだとされております。ロシアでは、アジア地域への天然ガスに中心的な役割を果たす国内初の液化天然ガスプラントが極東のサハリン島で稼働し、また、中国と二十年にわたる石油供給契約に合意しました。ロシア政府の長年の目標であるエネルギー需要の増加が著しいアジア地域への影響力増大に向けて大きく一歩を踏み出しました。
 ただ、ロシアが輸出拡大を推進するには、石油・ガス開発の先端技術と資金力を持つ日本と中国との連携が欠かせません。特に輸出増加にはこうした協力が欠かせないと見られています。生産を増大させ、インフラを整備することでロシアが資源外交を通じてアジアへの影響力を高めようとしております。それらも踏まえてしっかり資源外交をお願いしたいと思います。
 続きまして、原子力エネルギーについてお伺いいたします。
 今月六日の参議院予算委員会総括質疑におきまして、我が党の大江康弘議員より原子力エネルギーについて二階大臣に質問いたしまして答弁をいただいておりますが、改めてお伺いしたいと思っております。
 環境問題が大きく取り上げられる機会が増えている今日、原子力発電の問題はまさに環境問題との関係で論じられなくてはならないはずであります。日本の原発の利用拡大はストップしている状況ですが、原発の利用なしに温暖化ガスの削減は可能でしょうか。太陽光、風力、バイオ燃料など、代替エネルギーの可能性が模索されています。そうしたクリーンエネルギーの技術開発に努力を加速することは重要でしょうが、遠い将来は別として、近い将来にそうした代替エネルギーで電力需要が十分に賄えるとは思えません。
 原子力に関する新聞報道を見る限り、原子力のリスク部分のみを強調した報道が多く、原子力発電の持つ温暖化ガス削減効果については十分に論議されていないのが現状であります。原子力発電の事故、不始末、地震対策の不備などはもちろん問題ですが、これに対して、地球温暖化問題の中に原子力発電をどう位置付けるかということに注目していかなければなりません。原子力発電のリスクについて声高に論じることは簡単ですが、原発のリスクのみが強調されて正しい判断ができるのでしょうか。
 米国は石油価格の高騰や地球温暖化対策などから、石油依存からの脱却を図って原子力発電を推進すべきと考えていますが、いかがでありましょうか。
#106
○大臣政務官(谷合正明君) 今、原子力発電についての御質問がございました。
 その前に資源外交について、今日は、委員の皆様のお許し、また御配慮、御指導をいただきましてOPECのセミナーに出席、出発してまいりますので、しっかりと取り組んでまいります。
 原子力発電でありますけれども、委員の御指摘のとおり、これは発電過程で二酸化炭素を排出しないものでございまして、エネルギー安定供給と地球温暖化対策、この二つの面から切り札と言えるものであります。まず、その安全確保を大前提として、立地の地域を始め、幅広い国民理解を得ながら原子力発電の推進に責任を持って取り組んでまいりたいと思います。
 さらに、具体的に現在五十三基が運転中、十三基の新設が予定されておりますけれども、新増設の実現や既設炉の活用、核燃料サイクルの確立等を図りまして、原子力発電を着実に進められるよう、更に取組を強化してまいりたいと思います。
#107
○松下新平君 それでは、議員外交をよろしくお願いいたします。
 所信の演説の中では、直接この原子力エネルギーについて触れられてはおりませんでしたけれども、認識を確認させていただきました。
 続きまして、米国オバマ大統領との関係についてお伺いいたします。
 二階大臣は、今日の質疑でもありましたけれども、オバマ政権と環境・エネルギー技術を中心にあらゆる分野で協力すると言っておられます。米国は今回の金融危機に七十二兆円の景気刺激策を打ち出しました。日本と米国、ウイン・ウインの関係構築が重要であります。
 今後、どのような日米関係を構築されようとしているのか、改めてお伺いいたします。
#108
○国務大臣(二階俊博君) 議員も御指摘のとおり、日米関係というのは極めて重要な二国間であります。世界第一位、第二位の経済大国として今日まで頑張ってきたわけでありますから、今後も協調して経済対策を実施することは当然でありますが、同時に、科学技術の面あるいはエネルギーの面、それぞれの国民の皆さんが幸せになるように、そうした面での両国の協力が極めて重要だと思っております。
 以前に私は、ロスアラモスの国立研究所との経済産業省と提携をしておるということを申し上げたことがあると思いますが、今この研究所で年間予算二千二百億、職員の数で一万四千人、サンディア国立研究所、これでも八千五百人、予算規模二千四百億、そして、これはチュー長官がかつて所長を務められた研究所でございますが、ローレンス・バークレーという研究所、これは職員の数が四千人で、そしてこの年間の予算は六百億円、このような研究所が並んでおりますが、我々は、そうした研究所と我が国の持っております研究所との間にお互いに協力関係を結んでいく、そのことによって、一足す一は二ではなくて、もっともっと広い分野でお互いに協力できるんではないかということであります。
 オバマ大統領もこのことに大変熱意を傾けてくれておりまして、この国会の終了の時点で、私はそれぞれの研究所に専門家を派遣して具体的な取決めを進めたいというふうに思っておりますが、そうしたことを通じて、例えば先ほど松議員からもお話のあった、保護主義に走らせない、自由貿易が大事だというようなことを日米がお互いに努力し合うということにもつながるわけでありますから、エネルギー問題、WTOの問題、一つ一つが独立して問題がそこに存在しているわけではなくて、総合的に協力し合っていくということが大事かと思いますが、我々、今後ともアメリカとの関係、十分念頭に入れて協調関係を続けていきたいと思っております。
 この間、アメリカ商工会議所の会頭がお見えになって、観光交流にもしっかりやっていこうということでありましたから、もし、アメリカと日本との戦争勃発のああいう以前に、我々の国の多くの人がアメリカという国を理解して、アメリカに旅行した人が我々の仲間に、先輩に随分多くおられたとしたら、あんな戦争は果たして起こしただろうかと。アメリカもまた、日本をよく知っておっていただければ、もっともっと上手な外交といいますか、解決策だって幾らもあったはずだということを言いましたら、全くそのとおりだと。観光問題は観光客の行ったり来たりするその利益の問題だけではなくて、もっと広い意味で日米友好のためにやろうというふうなお話がありましたが、そんな面でも我々は協力し合っていきたいと思っております。
#109
○松下新平君 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、最後に地域の活力のことをお伺いしようと思ったんですが、所信で、我が国経済に活力を取り戻すためには、地域の力が不可欠であると。私も、地方の一つ一つが元気にならなければ日本の再生はないと地方選出の議員としても強く思って活動しておりますので、御答弁は結構であります、共通認識とさせていただきます。
 個別の法案に関しましては、今後、慎重審議をしてまいりますけれども、現下の経済状況を考えますと、改革クラブといたしましてはスピード感を持って答えを出す政治を心掛けてまいりたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#110
○田中直紀君 無所属の田中直紀でございます。
 私からは柏崎刈羽原子力発電所の運転再開問題に関してお伺いをいたしたいと思います。
 先日の大臣の所信表明の中では、我が国のエネルギーの供給につきましては、太陽光あるいは風力の拡大、そしてまた既存の石油、石炭、天然ガス、こういうものについては省エネを図って効率化を図ってやっていくと、こういうことで、大変私も大賛成でございます。
 その中で、原子力発電につきましては、四ページのところでありますが、「原子力発電は、安全の確保を大前提に推進してまいります。」という表現で触れられておるわけでありますけれども、今、柏崎刈羽発電所はいよいよ七号機が、一年八か月、地震の後皆さん方が大変御努力をされまして、いよいよ運転再開をしようと、こういうことの段階に入っておりますし、保安院の院長さんもお出かけでありますけれども、問題はないんではないかと、こういうことで地元でいろいろ御説明をしていただいておるところでございます。
 ただ、この一号機から七号機まである発電所は今回の我が国の中でも初めて大地震を見舞われた発電所でありますから、この再開というのは試金石になるんではないかと。今、五十五基でしょうか、原子力発電所を抱えているわけでありますが、やはりこの再開というものが本当に、ここで言います安全だけではなくて、やはり安心、この文章の中には、安全と安心の確保を前提に推進していただくと、こういうことで述べていただくことが今の地元の状況からいうと納得できるんじゃないかなと、こんな思いでありますし、また大臣には後で御発言いただきたいと思いますが。
 資源エネルギー庁の長官にちょっとお伺いいたします。
 地震がありましたときに四つの発電所は稼働いたしまして緊急停止をいたしました。それで、三つの発電所は定期検診をしていたわけでありまして、七号機は稼働して、そしてまた御存じのとおり、大気に放射能が放出したんではないかと、こんなことも報道されたところでありまして、そしてまた一号機から七号機を見ますと、七号機は一番新しい発電所でありますが、旧沸騰炉の発電所も五基あるわけでございまして、改良で新しい発電所もあるわけですね。
 そういうことを考えた場合に、将来、この一号機から七号機まで全部、東京電力さんは本当に御努力をして今の環境の中で再稼働をしていくということを考えられておるのか、あるいは、新しいものから順番に稼働していってもなかなかこの耐震性は非常にハードルが高くなりまして、どこかでやはりこれはなかなか再稼働するのは難しくなってきているんではないかというような判断というものがあるのかどうか。まず、その辺の大前提というものがあって、そしてこの運行をしていってもらうと。こういうことが安心につながってくるんではないかと。できるものからやっていこうと、こういうことではなかなか地域の皆さん方も判断がしかねるわけでありますから、まさか廃炉するというようなこともないかもしれませんけれども、なかなか大変な状況じゃないかと思いますので、その辺、東京電力からどういうふうに資源エネルギー庁長官、聞いておられますか、まず伺いたいと思います。
#111
○政府参考人(石田徹君) 東京電力のお考えを私が代わって申し述べるというのは難しいところがございます。
 基本的に今の柏崎刈羽原発、これ東京電力にとっても全体の約二割を占める大発電所でございますし、関東圏の電力供給にとってもまさに欠くことのできない電源であるというふうに、これ客観的にそういうふうに考えてございます。
 東京電力としては、今の先生のお話にもございましたが、それぞれ一号機から七号機まである中で、七号機が比較的損傷が少なかったということで、まずその七号機の再開に向けて全力を掲げているというふうに承知をいたしておりますが、私どもも、安全再開を大前提に、その円滑な再開に向けて側面的にはいろいろ支援をしてまいりたいというふうに考えております。
#112
○田中直紀君 もう少し細かく言いますと、一号機は大変、地震の、ガルというんでしょうか、単位でいいますと、想定の二百七十三ガルをはるかに上回る六百八十ガルを記録していると、こういう揺れ方ですね。ただ、左右で揺れたのと上下で揺れたという違いがいろいろあるようでありますが。そしてまた、二号機ではタービンの油が八百リッター漏れるというようなことがございました。三号機は、大変報道されましたけど、変圧器が火災を起こしておると。そしてまた、六号機は放射能は海に流出しましたけれども、大したことはないということでありますが、流出した事実があります。そして、七号機は放射能が大気に出たんではないか、これも非常に、まあ害はなかったんではないかということなんですが。
 分けますと、大変、左右上下とありますが、設計段階よりも大幅にこの地震の大きさを受けたというところもあるわけですね。そういうものはどうするか。そしてまた、放射能と関係した六号機、七号機というものはどう考えて対処していくかと。ちょっと性格が違うと思うんですね。早く修理ができましたから順番にやっていきますというようなだけでは、安全から安心まで地域の皆さん方が理解をするということはなかなか難しい状況なわけでありますから、そういうことで、ちょっともう少し細かく対処方針というのをお聞かせをいただければと思います。
#113
○政府参考人(薦田康久君) お答えいたします。
 今先生からお話がございましたように、確かに一号機というのは、当時、設計基準地震動二百七十三ガルに対して六百八十ガルと、非常に大きな数値を受けております。
 ただし、一号機から七号機まで、先生よく御存じのように、いずれも動いている分については、止める、冷やす、閉じ込めるというのが機能したということでございまして、また、その後、技術者によります、地震直後でございますが、一号機から七号機まですべて目視の緊急点検がなされております。この段階で、まず安全上重要な機器に異常は確認をされていないということでございまして、どの号機も基本的にそれほど、まず目に見えるという段階では大きな損害を受けていないということがございます。
 また、いずれの号機につきましても、少しその進捗に差はございますけれども、一号機から七号機まで、例えば目視点検であるとか、あるいは作動試験であるとか、こういうものが大分進んできておりまして、例えば一号機につきましては現時点におきまして作動試験も大体八割ぐらいは終わっている、あるいは三号機につきましても七割ぐらいは終わっている、こういうような状況で、特に安全上大きな損傷は認められていないということでございます。
 したがいまして、どの号機がどうということではございませんで、まず、どの号機もあの地震によって大きな、あるいは損傷を受けたかどうかというものを一つ一つ丁寧に見ていくということがまず一番大事だろうというふうに思っております。
 それから、先ほど放射能の話がございましたが、こういうものにつきましては、これは我々、不適合事象と言っておりますけれども、こういうものにつきましては原因を追求し、そして修理も終わっていると、こういうことでございまして、こういうものを全部点検を終えて安全が確認されればその次の段階に行く、このように考えているところでございます。
#114
○田中直紀君 専門的に安全と言われるわけでありますから、安全だったと私は思います。しかし、地域の方々は不安だということでありますから、そこをどう不安を解消して、安心してもらえるかと、こういうことだと思うんですが、技術的には、これが可能であればと思うんですが、地元が大変要望をしております、起動後に緊急停止を実施してもらいたいと。
 これは、これだけの大きな地震がありました。皆さん方に伺いますと、地震のときに何が起こったのかという、その周辺の皆さん方の話を聞きますと、まさか原子力発電所が爆発したんじゃないだろうかと、こういう恐怖の方が大きかったと。地震であったということで、何とか避難をして、そして今日を迎えているわけでありますから、技術的にも安全だということは、専門家の皆さん方の分野でありますが、安全だとは思いますが、じゃ今後、本当に技術的に安心していただけるような施策も講じてもらいたいと思いますので、是非、また地震が来るかもしれません、そういうときに緊急停止ができるんだということでも実験をしていただいた方が、私は今後のことは非常に皆さん方が納得するんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#115
○政府参考人(薦田康久君) 御説明申し上げます。
 この緊急停止の案件につきましては、確かに地元説明会でも一部出ているのは事実でございます。しかしながら、技術的に申し上げますと、これまで既に、燃料を入れて、そして一本一本この制御棒が緊急的に入るかどうかというチェックをすべてもう七号機については終えているところでございまして、必ずしもそれを実際の作動状況で入れなくても、ここは技術的に一本一本入ることを確認しておりますので、その必要はないということで御説明をし、地元でも大分御理解をいただいているのではないかと思っておるところでございます。
#116
○田中直紀君 いや、なかなか理解が進んでいないので、そう断定をしないで、よく技術の方々と相談をしながら対処をしていただいて、できるだけ早く再稼働が進むように御努力をいただきたいと思います。
 そして、東京電力に大変要請をいたしたいんでありますが、地震後、八件目の原子炉の建屋で火災があったんですね。資源エネルギー庁長官にもちょっと東京電力にお願いしておいてと思いますが、そういう再稼働をしようという中にあって、なかなかこの管理が行き届いていないということが地域の皆さん方の心配の種でございます。
 我々も地域の皆さん方と一緒に過ごすことが多いんでありますけれども、何かありますと、東京電力は本社が東京でありますから、社長さんがわざわざ来るわけにはいかないというようなこともあるんでしょうが、皆さん方、所長さん以下頑張っているわけでありますが、東京電力さんは民間でありますから、これだけの一号から七号機の二割も保有しているということでありますから、できたら分社化でもしていただいて、それで社長さんがやはり地元に住んでいただくというだけでも私は、まあみんな、やあ地元の企業なんだなと、やれ役員の皆さん方も地域に一緒に住んでいただいているんだなといえば、これはやはり一つは、お互いに安全を確認しながらこの地域を盛り上げていこうと、こういうことなんで、ひとつ資源エネルギー庁長官の方から東電に要請を私がしているということでお伝えをいただきたいと思います。
 最後に、大臣にお伺いいたします。
 安全であるということが一つであろうかと思いますし、地域の皆さん方が安心をしていかなきゃいけないんで、付け加えてこの中にお願いをしたいと思いますし、何といっても地域の発展、共存共栄であろうかと思いますので、原子力発電所を抱える地域にも、技術の集積もあると思いますから、後押しを、地域振興のために後押しをしていただくということをお願いを申し上げたいと思いますが、よろしくお願いします。
#117
○国務大臣(二階俊博君) 今、田中先生から御指摘がありましたように、やはり原子力の安全、そして地域の皆さんに安心の気持ちを抱いてもらえる、そういう努力を我々は休むことなくずっと続けていかなくてはならない課題だというふうに思っております。そして、地元の、ここには田中先生も渡辺先生もたまたまおいででございますが、この原子力の問題を抱えておられる地域の国会議員の皆様、同時に知事及び市町村長、また議会の皆様、大変な重荷を背負って毎日御活動いただいておるということに対し我々は深く敬意を表しながら、先生方の御意見等を十分体して安全の問題、安心の問題、二重三重に対応していかなきゃいけないと思っております。
 なお、ただいま田中議員から東京電力に対しての御注文といいますかお話もありました。私からも必ずお伝えをしておきたいと思いますが、これは関係者がみんなこぞって真剣な取組をしていただいている最中ですから、火災のような初歩的な失敗は繰り返すことのないようにしていただきたいという思いは、私も田中議員も同じ思いであります。
 ですから、それらの面については十分な対応をしてまいりますし、一日保安院というような制度で保安院が出向いていっていろいろ御意見を賜るというようなこともやっておりますが、同時に、原子力とともに共存共栄のこの地域の皆様に対し、地域の皆さんが何を求めておられるか、それに対して国は何がおこたえすることができるか、あるいは電力会社は何をおこたえすることができるかということを真剣に考えながら、地域の皆さんの御理解、御協力が得られるように積極的な努力をしてまいりたいと思っております。
#118
○田中直紀君 終わります。
#119
○委員長(櫻井充君) 両件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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