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2009/04/09 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第6号
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2009/04/09 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第6号

#1
第171回国会 経済産業委員会 第6号
平成二十一年四月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     中谷 智司君     小川 勝也君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     中谷 智司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         櫻井  充君
    理 事
                藤原 正司君
                増子 輝彦君
                山根 隆治君
                荻原 健司君
               北川イッセイ君
    委 員
                木俣 佳丈君
                鈴木 陽悦君
                津田弥太郎君
                直嶋 正行君
                中谷 智司君
                前田 武志君
                塚田 一郎君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                谷合 正明君
                松 あきら君
                松下 新平君
                渡辺 秀央君
                田中 直紀君
   国務大臣
       経済産業大臣   二階 俊博君
   副大臣
       経済産業副大臣  吉川 貴盛君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       谷合 正明君
       経済産業大臣政
       務官       松村 祥史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       経済産業大臣官
       房審議官     森川 正之君
       経済産業省経済
       産業政策局長   松永 和夫君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   藤田 昌宏君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     上田 英志君
       中小企業庁経営
       支援部長     数井  寛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○不正競争防止法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
○外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 不正競争防止法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業大臣官房審議官森川正之君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(櫻井充君) 不正競争防止法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、二階経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。二階経済産業大臣。
#5
○国務大臣(二階俊博君) 委員各位も御承知のとおり、前回の委員会におきまして、私から、法務省そして経済産業省の間でしっかりした意見の調整をした上で櫻井委員長に御報告をさせていただくということを発言いたしておりましたが、そのことにつきまして、お許しをいただきましたので、私の方から簡潔に報告をさせていただきます。
 今回の不正競争防止法の改正により営業秘密の侵害行為に対しては相応の抑止効果が働くものと考えておりますが、営業秘密の侵害行為があったとしても、その公判審理の過程で営業秘密の内容が公開されるのを恐れて被害者が告訴をちゅうちょするとの委員会における御指摘については、私どもも非常に重く受け止めています。
 経済産業省は、昨年九月より、産業構造審議会におきまして、法務省刑事局のオブザーバー参加の下、こうした告訴をちゅうちょする要因を払拭するための具体的な方法等について、裁判公開原則との関係などに配慮しつつ、検討を行ってまいりました。
 しかしながら、具体的な成案を得るに当たっては、刑事裁判を専門とされる方々や営業秘密を侵害された被害者の方々の意見をもう少し幅広く伺いながら検討を継続することとされたところであります。
 こうした問題の解決は、裁判の公開の原則、被告人の防御権の行使、円滑な訴訟手続への支障のおそれ等にも十分な配慮をしなければならないものですが、当省といたしましては、決して解決不能な問題ではないとの認識に立っております。
 したがって、営業秘密侵害罪に係る刑事訴訟手続において営業秘密の内容を保護するための具体的な在り方について、法務省と共同して、可及的速やかに具体的な成案を得ることを目指してまいります。
 以上です。
#6
○委員長(櫻井充君) ありがとうございました。
 では、質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○北川イッセイ君 自由民主党の北川イッセイでございます。
 今日は、今提案されております不正競争防止法の一部改正案、それからもう一点、外国為替及び外国貿易法の一部改正案について質問をさせていただきたいと、このように思います。
 その前に、実は先日、私の地元の中小企業の業者なんですが、もう長年、創業六十年とおっしゃっていましたけれども、歯車の製造をやっている業者がおられます。この業者の方の得意先というかそういうのは、工作機械、それから印刷の機械、船舶、それから発電機、航空機、それから一般の産業機械、いろんな分野で歯車が使われておると、こういうようなことで、その中でも特に工作機械にこの歯車を納めておるという率が非常に多いわけであります。その方からお手紙をいただきまして、これらの歯車の使用について、非常に設備投資が落ち込んでおりますから、実に前年比八五%のマイナスだと、こういうことだそうでございました。八五%になったじゃないんです、八五%減ったと、こういうことでございまして、実は大変なことなんです。こういう状態で果たして物づくりというものがもちますかと。こういうことを書いておられます。
 それから、工作機械というのは、設備投資としてそれを購入されるわけですけれども、今非常に景気が悪いと。大体、工作機械を、設備をぼちぼちやり返さないかぬ、そういう時期に大変な不況に落ち込んだと。こういうことで、買換えをしたいんだけれどもできない。これ、できないままでおりますと、海外その他との競争力がどんどんどんどん弱まってしまう、また効率も非常に悪くなる、こういうようなことだと。これに対して政治の分野で何とか手を差し伸べてほしいと、こういうような内容なんです。
 ちょっと文章の一部を読みますと、我が日本は物づくりの国ですと。中小零細企業は設備が相変わらず古いままです。これを助けてほしい。平成十九年度最高に売れた工作機械業界は年間一兆五千億でしたと。設備、機械、民間銀行はこの機械というのを担保として見てくれない。しかし、国の銀行は見てくれる、日本政策金融公庫なんかはちゃんと見てくれると。これを十年ローンで設備した場合に、その最初の二年間ぐらいについてはそのローンを国が負担するとか、あるいはそれの償却、返済、そういうものを延期するとか、そういうような措置をとってもらえないだろうかという内容なんです。
 例えば、十年ローンのうち二年といいますと、五分の一なんですね。一兆五千億のうち国内向けが六〇%と言われておりますから、内需だけを見れば九千億ですと。そのうちの五分の一、わずか一千八百億でこの工作機械の前年並みの売上げが確保することができるんだと。というようなことであります。その代わりに、例えば、その二年間のローンは国が面倒見ようと、こういうことになりますと、当然、機械は国の名義になると。しかし、それは、もしそれで三年目以降返済しなかったら、その機械を引き揚げて、またどこか使うところで使ってもらったらいいと、こういうようなことで、そういうような方向にかじを切っていくのが政策だと、政治の役割だと、こういうような、要するに非常に厳しい状態。ちなみに申し上げますと、この会社、大臣の出身地の和歌山に工場を持って、大体百十人ぐらい使っておられると、こういうことでございます。
 これがこのまま通用するということではないと思いますけれども、しかし、本当の中小企業の方の声というのはこういうような声でありまして、実に八五%の売上げが減るということになってくると、もう壊滅状態ですよね。ですから、やはりしっかりと国の方では、特に工作機械なんというのは日本の物づくりの基本でありますから、しっかり考えていく必要があるんじゃないかと、こういうように思います。この手紙の写しをまた後ほど大臣にお渡ししておきますから、また見ていただいて、見ていただいたら和歌山のどこに工場を持っているかいうのをお分かりいただけると、こういうように思います。
 今、ここにも出ておりますように、日本の産業の基盤というのは本当に物づくりだと、こういうように思います。その物づくりを支えているというのが中小企業の歯車作っているとかなんとかいうような、こういうパーツ作り、これが基本だと、こういうように思うんです。世界に冠たる自動車の産業についても、そういうものが集まって今の日本の自動車の性能のいい自動車というものができているんじゃないか、こういうように思えてならないわけであります。
 そこで、まず大臣、物づくり産業における中小企業の重要性、これはもう大臣がいつもおっしゃっておるからお分かりいただいていると思いますが、ひとつもう一度お答えいただけますでしょうか。
#8
○国務大臣(二階俊博君) ただいまるるお述べになりました点は、北川先生の選挙区といいますか、大変御縁の深い地域でありますので、よく問題点を熟知された上でのお尋ねでありまして、大変説得力のあるお話だと伺いました。
 基本的には、我が国の物づくり産業において、それを支えておるのは一にも二にも中小企業の役割が極めて高いということを考えなくてはなりません。
 先般、アメリカの航空会社あるいは日本の代表的な企業のトップの皆さんとお目にかかりました際に、やはり日本で何よりも我々が期待しておるのは日本の中小企業であると、そして日本と、製品いよいよ購入の際に、やり取りするときに非常に気持ちがいいと。なぜ気持ちがいいか。クレームを付けるところがほとんどない、約束どおりのことをして提供していただく。ですから、ボーイングの例でありますが、御案内のとおりボーイング社が世界に発注している三五%は日本製品だと。ですから、頭の部分か後ろの部分かは別として、三五%は日本から購入をしておると、こういうことをおっしゃっておりましたが。そのほかの企業のトップの皆さんにも中小企業の役割、評価ということを、経済産業省がとやかくのことを申し上げるまでもなく、それぞれの企業の、大企業のトップに中小企業の評価ということを尋ねておるわけでありますが、みんな高い評価を下していただいております。
 そこで、それらの中小企業が今大変困窮しているわけでありますから、これに政治として手を差し伸べろと、こういうことが北川先生のおっしゃらんとするところであろうと思います。
 こんな席でお名前を申し上げるのはどうかと思いますが、今議員が御指摘になりましたのは歯車で大変大きなシェアを誇っておる大和歯車のことではないかというふうに思います。私も、県の段階において、こういう企業を和歌山県としては誘致をしたわけでありますから、誘致をした御縁とその責任上、県としてどんなことができるか、地元としてどんなことができるか。いわゆる対外的な貿易等には最恵国待遇ってありますが、我々は最恵国、国ではありませんが、最恵国の地域としての待遇をしてさしあげるという気持ちが大事だと思っております。
 その他の企業におきましても、東大阪を拠点として発展しておる企業のその下請のような企業が私どもの和歌山県などへお越しをいただいている場面がしばしばあります。それは、今例えば大阪の例を言われたものですから和歌山と来ましたが、他の地域にもみんなこれと同じような例が存在しておると思うんです。ですから、地域を挙げてお互いに連携を取って協力し合うということが大事であります。
 東大阪の例では、先般、経済産業局やその他の出先がみんな協力し合って、産経新聞の後押しを得てシンポジウムの開催がありました。私も、お呼びかけをいただきましたので喜んでお伺いをしました。千五百人ぐらいの人がお集まりになりまして、中小企業の経済政策に対する期待の大きさということをひしひしと感じながら、これでは何とかこれらの人たちの期待、希望にこたえなくてはならないということを痛感した次第であります。
 しかし、それにもかかわらず、現下の経済情勢は御案内のとおり極めて厳しい環境にあることは申すまでもありません。ここで、しかし我々はめげてはなりません。このピンチをチャンスにという意味で、世界一とも言える日本の中小企業の卓越した技術力をこれからも創造性豊かな産業として引き続き発展を続けていただくために何をすればいいか、議員各位の御指導をいただきながら、経済産業省、とりわけ中小企業庁が懸命の努力をいたしてまいりたいと思います。
 アメリカのリーマン・ショックから始まったわけでありますが、私はとっさに考えたことは、このことで何の罪もない日本の中小企業が割を食うようなことになって、そして不幸な結果をもたらすようなことのないようにしなくてはならない、何が何でも中小企業の融資が大事だということで、問題が発生したときは福田内閣のちょうど終わりのころでございました。まだ十分な資料が入っておりません。十分なデータが来ておりませんときですから、日銀総裁を含めいろんな関係者が集まりましたが、そこでは方針の打ち出しようはありませんでしたが、特に私は発言を求めて、いずれにしても中小企業にしわ寄せが来る、このことに対して十分な配慮を政府挙げてやっていただきたいということを申し上げたことを覚えておりますが、その気持ち、その緊張感を持ち続けてまいりたいと思っております。
 ただ一つ、東大阪では、明るいニュースとしては、先般、「まいど一号」という人工衛星といいますか、長年の研究の成果、中小企業の皆さんが、人工衛星を宇宙へ打ち上げることなんかできるかなんといって言っておった人たちもおりましたが、ついに中小企業の皆さんの実力が今証明されたわけでございます。
 こういうことをきっかけにして、我々は懸命のお支えをしてまいりたいと思っておりますので、どうか与野党の議員各位、是非お力添えをいただいて、日本がみんなの力でこの中小企業を困窮の場から救ったと後々語り継がれるように努力をしてまいりたいと思っております。
#9
○北川イッセイ君 ありがとうございます。
 今大臣からこの手紙の差出人のお名前出てきましたが、誤解しないでいただきたいのは、この手紙をずっと見ますと、自分の企業を助けてくれということじゃないんです。やはり中小企業全体、特に物づくりの基盤産業ですね、そういうようなところに対してしっかりと支援をしてほしいと、こういうことであります。
 実はこの社長、もう随分以前になりますが、中小企業を守る会という会たしかつくられまして、三千、四千のそういう署名を集めて国会に出されたというようなことも実は以前にあったと思うんですね。ですから、自分の企業をどうのこうのの話じゃなしに、この業界全体、あるいは物づくりというものに対する愛着、そういうようなものからの発想だということで御理解をいただきたいと、こういうふうに、いや、別に答弁結構です。よろしいですか、どうぞ、よかったら。
#10
○国務大臣(二階俊博君) 今私があえて名前を申し上げさせていただいたのは、今議員が御指摘のとおり、個人の融資の問題で北川先生に陳情をしたわけではなくて、この際の苦境に立っている日本の中小企業を救えという中小企業のリーダーとしての御意見を言われておると、このように私は解釈をいたしておりますので、あえて名前を申し上げたわけでございます。
 私のこれも地元でございますが、島精機という大変発展をしておる、大企業の位置付けになっておる企業がございます。先般の総理の有識者を八十四名か何かお招きになられたときにも大企業の代表としてそこに社長が参加されておったことを覚えております。
 私は、この企業がもうにっちもさっちもいかないと、もう明日はどうなるか分からぬというときに最後に当時の商工中金へ駆け込んだと、そして自分の持っている技術力、自分の熱意を吐露したところ、大した担保もなく行き詰まっておったときに商工中金は私に、あなたの技術を買いますということで三億円の融資をしてくれた、そのことによって私が今日ありますと。ですから、自分が時々、商工中金の集いを知ったときにはできるだけ日程を割いてそこへ駆け付けるんです。そうしたら、若い商工中金の役員の人が、あなたはこんなところへ来る人ではありませんよ、あなたはもう大企業ですよということを言われた。そんな会社のスケールではなくて、当時助けていただいたその商工中金に対して自分が常に感謝をしているということを態度で示す場合には、商工中金の前を通ったらいつもこうべを垂れる、そういう心境で今日も経営にいそしんでおります、その延長線上に商工中金の行事にこうして後ろの方から参加をさせていただいているんですと。
 私が小泉内閣のこの立場におったときにそういうお話を聞きました。目頭の熱くなるような思いでございます。そして、そのことによって彼は何を言わんとしているか。政府に対して一層の中小企業に対する配慮を期待するとともに、同僚のような人たち、一緒に頑張りましょうということを彼は発信しているんだと思います。
 どうぞ、先生もお手紙をいただくような大変親しい間柄であるとすれば、大和歯車の社長に私の真意をお伝えいただければ幸いでございます。
#11
○北川イッセイ君 今大臣から金融、商工中金の話がありました。今日はこれ質問、違う項目ですから深くは言いませんが、実際は私は民間の金融機関が企業先からそういう思いで見てもらわないかぬと。民間の金融と企業というのはもうこれ一体のものですから、本来は銀行は企業を育てるということに非常に喜びを感じないといけないんですよ。そういうところが今ないんです。
 ですから、商工中金もそれで結構ですけれども、民間金融機関が是非ともそういうところに目覚めていただくと、こういうこと。そして、政治の方でもしっかりとそういう方向に仕掛けをつくっていくということが大事じゃないかと。この話をやりますと、またほかにできへんようになりますので、私の考えだけ申し上げておきたいと、こういうように思います。
 中小企業の支援ということになりますと、もう常に金融の話が出てくるんですね。これは、融資というのはもう中小企業にとっては血液のようなものであると、こう言われます。ですから、非常に大事であるということは私は分かっていますし、最もやはり手を打たなければいけない。今回も特別緊急融資によって大変皆さん助かったと、非常にたくさんのそういう融資を使っていただいた。これはこれで非常に成果があったし、良かった、こういうふうに思うんです。
 しかし、中小企業支援といったらいつも金融ばっかりで終わってしまうというような思いがして仕方がないんですね。やっぱりもっと幅の広い、いろんな支援があっていいと、私はそういうふうに思うんですけれども、そこの認識についてお答えいただけますか。
#12
○国務大臣(二階俊博君) ただいま北川先生がおっしゃったとおりであります。しかし、アメリカに端を発したこういう世界経済の危機的な状況、それがしわ寄せが力の弱い中小企業に押し寄せてくるということを察知した場合には、これは洪水と同じでございますから、まずは土のうを積んででも畳を積んででもこの濁流をいっとき阻止して、後に反転攻勢を考えていかなくてはならないと、こう判断したからまずは融資ということに懸命の努力をしたわけでありますが、私は今、北川議員がおっしゃったとおりであります。
 融資はどこまでも融資でありまして、やがてこれはまた返済していただかなきゃいけないものでもあります。利息も付いているわけであります。そういうことを考えますと、今おっしゃったように、次なることは何かということ、これに取り組んでいかなくてはなりません。今、しかし、関係者の皆さんも相当現下の状況を御理解いただき、前にも申し上げましたが、日本の中小企業も奮起をしていただければ、一人でも二人でも人を雇用していただくことができるんではないかということで、お願いを申し上げるその目標を一千社と置いて、全国の経済産業局を総動員して、文書を配るんではなくて、局長自らが訪問してお願いをして歩きました。そうしたところ、御案内のとおり日本の各社から、一千社の皆さんに協力を要請しましたところ、それを軽々突破して千四百社の皆さんから、私のところは不況になっても首を切らない、不況のときこそいい人材を求められるんだからこういうときに採用するんだと立派な哲学をおっしゃって、採用に協力いただいた方々が一千四百社。
 そのことを私たちは各県に流しました。経済産業省が手の届きかねるようなところまでも今一生懸命やっているわけですから、県はもっと身近にそれぞれ発展している企業、お付き合いのある企業があるわけですから、要請していただきたいということを申し上げましたら、二十一の県で五千八百社の皆さんから協力の要請がありました。昨日、三人の知事がお見えになりましたのでこのことをお話ししましたら、うちも二十五人か三十社、三十人ぐらいこの要請にこたえたということを言っているが、もっとやらしていただきたい、私も陣頭に立ってこのことを協力を呼びかけたいということをおっしゃっておりましたが、まず、今度はそこから先何をするかということですね。
 私も幾つかの企業を訪問してみましたが、みんなおっしゃるんです。オートメーションで会社も人がほとんどいなくても回るようになっているんだけど、幾ら作っても製品が売れないんですから、これ以上作ったら今度自分のところが製品の山になってしまってどうにもならない。仕方がないからロボットにも人間と同じように休みを与えております。土曜、日曜は止めておるんです。夜も止めております。こんなことではしようがないんです。私は今このときに買い増しをしてここへ工場を建てようと思っておったところが、そういう思惑どおりいかないものですから、これを畑に変えて、ロボットを活用して農業をどうすればいいかということを今研究しております。人は整理をするということは私の性に合わないからしない。その間、農業をみんなやってもらっております。その農業を、ただ農業をやるということだけではなくて、本当に農業ということを機械化していくためにはどうすればいいかという、このチャンスに考える。そして、農産物ができ上がるわけでありますが、それは、市場へ持っていったんでは農業に迷惑を掛けてはいけないから、社員でみんな分けて家へ持って帰るようにして今農業をやってもらっておりますと。
 私は、そういう経営者はやがて新たなものを開発研究してこられるということを期待をしておるわけでありますが、どうぞ、今、北川先生の御主張のようなことをもっと幅広くやっていきたいと。農商工連携もその一つでございます。少しずつ成果を上げていく。
 そして、対外的なこともやっていきたいと思っております。中国との間でも、農産物オリンピックということをやってみまして、成功を収めました。カナダ及びアメリカの閣僚たちもそのことを聞いて、うちとの間もやりたい、日本とオリンピックがやりたいと、こういうことでございますから、一緒にそういうことに対しても努力をしてまいりたいと思っております。
#13
○北川イッセイ君 今大臣からいろいろなお話ありました。農業の話、ロボットの話、オリンピックの話、いろいろありました。
 まさしく中小企業の経営者というのは大変なすばらしい発想を持っているわけですよね。それをしっかりとやっぱり生かしていく、伸ばしていく、そういうような体制を政治の中で考えてやらないかぬと、こういうふうに思うんですね。いつも、何かやろうとしたら親会社に頭たたかれる、あるいはいろんな障害がある、そういうことでなかなか思うようにできないというのが実情なのかなというふうな思いがしています。特に中小企業というのはこういうグローバル化の中で非常に弱い立場にあるわけですね。今回のこの不正競争防止法一部改正案、これについてもやはりそういう観点から見て、その一つの支援ではないのかなというように私は理解をしております。
 そこで、この今回の改正案について、中小企業にとってどういうメリットがあるのかということをひとつ御説明いただきたいと思います。
#14
○政府参考人(森川正之君) お答え申し上げます。
 中小企業が持つ技術や営業ノウハウ、これは我が国の物づくりにおける国際競争力の源泉でございまして、極めて重要なものであるというふうに認識しております。有用な技術、ノウハウであって公になっていない情報につきましては、特許権などを取得するということも考えられますけれども、営業秘密として適切に管理するということで、特許権の取得や維持に掛かるコスト負担あるいは出願公開に伴う侵害のリスクというものがないということで法的な保護を受けることが可能になりますので、特に中小企業におきましては営業秘密はその経営戦略の中で極めて重要な位置を占めているものというふうに考えられます。
 今回の改正によりまして、こういった中小企業の営業秘密でございます金型の試作品、工作機械の設計図面などについて、取引先である大企業などが領得した場合にはこれは処罰の対象になるということでございますので、大企業等によるそういった行為が抑止される結果、中小企業の営業秘密の保護が格段に強化されることになります。
 このように、今回の改正は、中小企業にとって極めて重要な技術、営業ノウハウといった営業秘密をより手厚く保護することを可能にすることによりまして、我が国経済を支える中小企業に大きなメリットをもたらすというふうに考えております。
#15
○北川イッセイ君 私の知っている話なんですが、中小企業、本当の零細企業です。それが、ガレージ工場みたいなところでいろいろ物を作っておったわけですね。親会社がそれ見て、いやあ、これはすばらしい発想だと、そういうすばらしいのを作っているんだったら、うちの工場、ひとつ一角貸すからそこでやりなさいよ、よかったら研究者あるいは従業員も貸しますよと。その話に乗ってそこを借りて、結局、最後はその作ったやつ取られてしもうたという、そういうことがあるんですよね。ですから、中小企業の、特に零細企業ですね、この立場というのはもう大変弱いものだと、そういうように思えてならないわけですね。
 せっかく今回こうして一部そういう問題、不正競争防止法の一部改正やっていただいた。しかし、この法律非常に難しいんですよね。先ほども説明の中にありました領得、領得って一体、これ取得と領得とどう違うのかと、なかなか理解できない。私も教えてもらって、ああなるほどと、こういうふうに思ったんですけれども。零細企業、中小企業のおやじさんたちにこういうようなことをしっかりアピールする。こういう制度ができたんですよ、変わったんですよ。こういうことをしっかりやらないと、本当に仏作って魂入れずと、こういうことになってしまうと思うんですね。そこらの点、いかがでしょうか。
#16
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 北川先生御指摘のとおり、今回の不正競争防止法の改正内容の趣旨ということがきちっと、今御指摘の中小企業者、零細企業者の皆様方に周知徹底をされて、この言わば新しい法案の内容を生かして、関係企業の皆様が持っておられるノウハウが確実に成果となって生かされるように、私どもも努力してまいりたいと思っております。
 そうした観点から、不正競争防止法につきましては平成十五年に営業秘密管理指針というものを策定をいたしまして、営業秘密に関します裁判例の考え方、あるいは不正競争防止法における営業秘密に関する規程の具体的な内容、あるいは営業秘密が保護をされるためには適切に管理される必要があるわけでございますけれども、秘密管理性の要件を満たすための具体的な管理方法等につきまして、分かりやすいパンフレットにまとめて普及啓発に努めてきたところでございます。
 今回の法改正に当たりましても、この営業秘密管理指針をかなり大幅に改訂をいたしまして、その改正内容あるいは適切な営業秘密管理の在り方等につきまして普及啓発に努めてまいる所存でございますけれども、とりわけ中小企業の皆様に対しましては、全国約二千五百か所ございます商工会、商工会議所に設置されました知財駆け込み寺を活用いたしまして丁寧な周知に努めてまいりたいと、このように考えております。
#17
○北川イッセイ君 今、零細企業、中小企業の皆さん大変貧乏ですから、この法律を使うのに何か新しい負担が掛かるというのでは困るわけで、その点どうですか。
#18
○政府参考人(森川正之君) お答え申し上げます。
 今回の改正は、違法性の高い営業秘密の侵害行為を新たに刑事罰の対象とするということでございまして、事業者に何か具体的な義務を課すというものではございません。また、営業秘密の定義自体は変わるものではございません。したがいまして、今回の法改正によりまして事業者に新たな負担が生ずるということはなく、営業秘密の侵害に対して法的な保護を受けるために、これまでと同様に事業者において営業秘密が適切に管理されているということが求められるわけでございます。
 先ほど局長から答弁申し上げましたけれども、この営業秘密が適切に管理されるということについては管理指針などで具体的に示しておりまして、アクセスを制限するとか施錠して管理するとかパスワードをきちんと管理するとか、こういったことをきちんとやっていくということでございます。
 私どもとしましては、更にこの営業秘密の管理指針などを通じた普及啓発を一層進めてまいりまして、中小企業に対して特に丁寧に周知してまいりたいというふうに考えております。
#19
○北川イッセイ君 ありがとうございます。
 この不正競争防止法の一部改正によって私は大きないろんな可能性が生まれてくると、今まで以上のものが生まれてくるんじゃないかということで、大変期待をしております。
 それは一つは何かといいますと、例えば異業種交流の事業ですね。こういうものは今までからありましたけれども、なかなか進まぬということもあるわけです。また、海外との連携、これにつきましても、営業秘密とかいろんなノウハウとかいうのはその企業にとっては本当に命より大事なものですから、そういうものを余り安易に出してよそへ流出してしまったら困るという思いがあって、半分ブレーキ掛けながらアクセス踏んでおると、こういうような状況じゃなかったのかなというふうに思います。
 それを思いますと、そういう営業秘密とかそういうものはしっかり守られますよと、こういうことでアピールしていけば、そういう異業種交流、海外との連携、それによって新しい商品、新しい製品が生まれていくと、こういうことが期待できる。
 要するに、今雇用問題とかそんなのもいろいろ大きな問題になっています。個々に即応的に対応していかないかぬということはありますけれども、基本的にはやっぱりパイを増やすという、こういうことだろうと思うんですよね。ですから、そういうことを考えますと、新しい産業を起こしていくということが非常に大事だと、こういうような思いがしているわけです。
 オープンイノベーションということがよく言われますけれども、その推進、促進についてお考え聞かせていただきたいと思います。
#20
○国務大臣(二階俊博君) ただいま委員が御指摘いただきましたとおり、昨今、企業がイノベーションを目指していく過程におきまして、自社のせっかく経営資源として頑張ってこられたその手法を、異業種の交流や海外との連携を通じて組織外部の技術やノウハウを有効に組み合わせていくということが今後極めて重要だと思いますが、この点について経済産業省、また他の出先とも連携をしてバックアップをしていきたいというふうに思っております。こうした異なる組織の間におけるイノベーションを円滑に推進するために、ただいま御指摘がありましたように、営業秘密、これを相手企業に勝手に利用されるような懸念を私は可能な限り払拭するように守っていくということが大事だと思っております。
 今回の不正競争防止法の改正案におきましては、異なる組織の間で共有されている営業秘密が一方の背信行為によって侵害された場合に適切に罰則が科せられるようにすることで、そうした不正行為に対する抑止効果が働くことになると考えております。
 このほか、今後御審議いただく予定の産活法等によるオープンイノベーションの支援を講ずるなど、経済産業省としては更なるイノベーションを促進するための環境整備に努力をしてまいりたいと思っております。
#21
○北川イッセイ君 ありがとうございます。
 もう時間も大分なくなってきましたので、外国為替及び外国貿易法の一部改正案について若干質問を進めていきたいと、こういうように思います。
 この問題は、随分やかましく言われながら、なかなか安全保障上の製品、そういうようなものが出ていくというような事故が新聞紙上にも随分出ておりまして、なかなか徹底されていないと、こういうように思います。これはやはり非常に大事なことで、安全保障上の問題というのはこれは国民に脅威を与えるものでありますし、まず、何といっても海外からの信用をなくしていくと、こういうようなことではないのかなと思います。
 これも非常に大事な改正案だというふうに思うんですが、その改正案の中に技術取引規制を見直すと、こういうような項目がありますが、これについて、具体的にどういうことなのか、御説明いただけますか。
#22
○政府参考人(藤田昌宏君) お答え申し上げます。
 安全保障貿易管理につきましては、貨物と技術の双方の輸出等を外為法によって規制対象としておりますけれども、技術につきましては、現行法では、居住者と非居住者の間の安全保障にかかわる機微な技術を提供する取引に限り許可の対象としているところでございます。
 今般の法律の改正によりまして、技術の取引に関する規制の在り方を見直しまして、居住者、非居住者の別にかかわらず、だれからだれに対するものであれ、安全保障上機微な技術を外国で提供する取引については許可の対象とさせていただきたいと、こう考えております。また、この規制の実効性を確保するために、機微な技術を記録したUSBメモリー等の国境を越えた持ち出し、あるいは電子データの海外送信なども新たに許可の対象としたいという案になってございます。
 これらの措置によりまして、安全保障上懸念のある技術の対外取引がすべからく許可の対象になるという法律の枠組みになりますので、技術の海外流出防止をより徹底することが可能となるというふうに考えております。
#23
○北川イッセイ君 ありがとうございます。
 先般、北朝鮮ミサイル、北朝鮮からミサイルが発射されたというような問題もあります。先日、大量破壊兵器開発に転用できる装置が北朝鮮に輸出されたと。これは何か別の国を介してとかいうようなことだそうですけれども、そういう報道もありました。核開発に転用できる高性能の工作機械を長年無許可で輸出しておったと。これは、その性能を落として申告するというような非常に悪質なものであったというようなことも新聞に出ておりました。そういうような状況を見て、これは非常にそういう重大な事故であるわけですけれども、これに対して処罰が懲役五年、罰金二百万円と。これを見て私も、これはちょっと低過ぎるなと、こういうように思いましたが、この罰則が今度は変わるということですが、どういうように変わるんですか。
#24
○政府参考人(上田英志君) お答え申し上げます。
 今回の改正におきましては、無許可で安全保障上懸念のある貨物を輸出し又は技術の対外取引を行った者に対する罰則を、最高で十年以下の懲役又は一千万円以下の罰金に引き上げるとともに、不正な手段によって許可を取得した者に対する罰則を新設し、また法人の時効の期間を自然人に合わせて延長することといたしております。
#25
○北川イッセイ君 安全保障の貿易管理というものについては、これ非常に大事なんですが、逆に企業者側からいいますと、安全保障の確保ということで正常な経済活動が阻害されるというようなことにならないのかという実は心配があるわけです。そういうことになりますと、企業にとってはもちろん、国家にとっても大変な損失でありますから、そこのところのバランスというか、そういうようなものが非常に大事だと、こういうように思うんですが、この点についてのお考えを聞かせていただけますか。
#26
○副大臣(吉川貴盛君) 先生の御指摘よく理解できるところでございまして、国際的な平和と安全の維持のために安全保障上機微な貨物等につきましては、中小企業であっても適切な輸出管理を行うことが必要不可欠だと思っております。また経済産業省といたしましては、大企業と比較して必ずしも体制が十分でない中小企業にも安全保障貿易管理体制が理解をされて、適切に実施されるようにホームページなどによりまして情報提供を充実するとともに、商工会議所の協力なども得つつ、日本全国においてこの制度説明会を開催をしてまいりたいと思っておりまして、年間一万人程度の参加者を現在までも得ているところでもございます。
 さらに、我が国の国際社会の平和と安全の維持の観点から、国際合意に基づきましてこの大量破壊兵器に関連する貨物の輸出等を管理することは我が国の責務でございまして、他方、規制の運用に当たりましては、貨物の種類や仕向地に応じてめり張りを付けた運用を行うなど、我が国の企業等にいたずらに負担を掛けることにならないよう様々な工夫をしているところでもございます。
 今般のこの改正法案の作成に当たりましても、約三年にわたりまして産業界の代表にも参加をいただきまして、ルール作りに向けた審議会での議論を重ねてきたところでございまして、本法案を成立をさせていただいた暁には、産業界などの関係者の意見も十分に聴取しまして、正常な経済活動を不必要に制約することのないように配慮をしながら、改正法案の施行に向けた準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#27
○北川イッセイ君 どうも済みません。時間がないものでちょっと飛ばしましたが、申し訳ないです。
 最後に、これの規制の問題については世界的な基準というもので規制されているというふうに思うんですけれども、例えばワッセナー・アレンジメントというような枠組みがあります。これは各国協調してそういう取締りをしていこうと、こういうことだと思うんですが、現在入っている国が約四十か国と聞いていますが、アジアの国がほとんど入っていないですね。そうした場合に、日本と最も関係のあるアジアと日本の貿易をする場合にこれでいいのかなと、我が国だけがしっかり守って相手国は守ってくれないと、こういう結果になるんじゃないかなというような思いがして仕方がないわけですね。それで、このアジアの国々との今後の付き合い、そういうような規制があるんですよというような啓蒙活動、そういうことも必要じゃないかなというような思いがしています。アジアの諸国へ行きますと日本製の模倣品がいっぱいある、こういうようなことを見ましても、果たして守っていただけるのかというような気がするわけです。
 北朝鮮に例えば核を作るための部品、そういうものが出るという場合に、日本からはもちろん出ません、これは絶対。しかし、よその国を介して出るという場合もあるわけですから、そこらの点は我が国として一体どう対応したらいいのかなという思いがしているんですけれども、これ最後に大臣、一つ、いかがでしょうか。
#28
○国務大臣(二階俊博君) 今、北川先生の御指摘は大変大事な点を含んでおる、我々はこれに対して相当留意をしていかなくてはならない。アジアの発展のために日本が尽くすべき役割というものは当然あるわけでありますが、アジアとともに進んでいこうという日本の姿勢に対して、こうした問題に対してアジア諸国から協力が得られるような体制をつくっていかなくてはならないのではないか。
 表向きは、私は輸出管理当局間の交流が大事だというふうに思っております。そして、そういうことの訓練のために日本が何かの役割を果たせということであれば、日本は大いに今日までの知見を十分活用してアジアの諸国と胸襟を開いて話し合っていくと。アジアの諸国もやがて発展してきた場合に、明日は我が身の問題であるということを彼らにも十分熟知していただく必要があると思います。
 そこで、私は、早速昨日も経済界、日本経団連等とも意見の交換の機会があったわけでありますが、こうした問題に対して大変関心を経済界も持っております。
 そこで、先般与野党の皆さんの御協力をいただいて結成することができました東アジア・ASEAN経済研究センターというのがジャカルタに本部を置いておりますが、これを活用して、私は、アジアの皆さんに対して研修会を開き、そしてそれぞれの皆さんと意見の交換をし、日本が今各地で被ってまいりました被害に対しても率直に話し合って、こんなことでお互いの協力関係が成り立っていくと思うか、お互いの産業の育成に役立つと思うかということを、私は言うべきところでは日本は率直に語るべきだと思っております。
 こうしたことを通じて、我々はこの知的財産というものに対して、みんなの、アジア諸国の認識を明らかにしていく、そのことによってアジアがまたヨーロッパに対し、アメリカに対し、ウイングを広げていくチャンスにもなるわけですから、これは遠慮しないで堂々と日本の主張をすべきだと考えております。
#29
○北川イッセイ君 終わります。
#30
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
 七日そして本日と質疑がされておりまして、多少私も質疑が重なるところがあるかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。
 近年、企業間の関係は、そのグローバル化が進むと同時に、今までのピラミッド型からネットワーク型に構造が変わってきているというふうに思います。
 先日も当委員会で私が申し上げました世界的なヒット商品でありますアップル社のiPod、これは、実はG20でオバマ大統領がバッキンガム宮殿でエリザベス女王にこのiPodを差し上げたということが記事になっておりまして、話題になっておりましたけれども、このアップル社のiPod、その六五%が東芝製であります。東芝の超小型HDD、ハードディスクドライブですね、これが開発できた結果でこのiPodが完成したと言っても過言ではないわけであります。
 また、iPodの表面を磨く鏡面加工、これは実は、うんうんとうなずいておられる先生おりますけれども、新潟の燕市の技術者集団によるこの鏡面加工も、実は世界一の技術、中小企業が日本で持っておりまして、これがやっているんですね。これ、本当にすばらしいことだと思います。
 まさに、iPod、エリザベス女王がハイテク機器大好きとおっしゃっておりますけれども、これはほぼ日本がその技術を持っていると言って過言でないというふうに思います。
 こうしたイノベーションのオープン化というのでしょうか、自社の技術と他社の技術を組み合わせて、より付加価値の高い商品を消費者の前に提示することで競争優位に立つ、こういうことができる時代になってきたわけでございます。
 しかし、こうした時代になってまいりますと、企業は、技術を供給する先の会社とはオープンな関係であったとしても、今までも出ております、自社の技術を守るために秘密保持契約で固めること、これも重要でありますし、意図しない技術移転、これもさんざん皆様の中でも話題になりました、非常に心配な意図しない技術移転、すなわち技術流出が起こらないように徹底管理をする必要が出てきたわけであります。
 しかし、経済産業省が平成十八年に行った企業アンケートでは、製造関係企業の三五%で技術流出があったと回答しておられます。人、物、技すべてにおいて技術流出のリスクを感じているわけであります。
 近年、退職者に絡むこうした営業秘密侵害のトラブル、これも増加をしておりまして、民事訴訟になっている件数も急増しております。これは避け切れない面もあるわけです。例えば定年退職をして、まだ若いですよ、今六十代だってみんな若い、その方たちが、例えばその企業で働けないとなって、他国であなたの技術はすばらしいからこうした金額で来てくださいと言われたら、それはまあ行きますよね、やっぱり働きたいですし。ですから、避け切れない面もございますけれど、やはり企業を法律の面からも守るという意味で今回の改正は大変重要な手当てであるというふうに思う次第でございます。
 そこで、質問をさせていただきます。
 現在の戦後最大のこの経済危機、百年に一回と言われております、各国が大変に苦しんでおります、こうした経済危機にありまして、近隣諸国のキャッチアップが進行していること等を踏まえれば、これまでにも増して経済活動における無形の知的財産の重要性は高まっているものと考えられます。ここで勝負だというふうになってきております、世界各国とも。我が国経済において知的財産政策の果たす意義について、経済産業省にその見解をお伺いをいたします。
#31
○国務大臣(二階俊博君) 知的財産の重要性について、ただいま松議員からお述べいただきましたとおりでありまして、我々は今まで、比較的アジアの諸外国等に対しては、この問題に対して少し遠慮ぎみに話を進めておったように思います。私は、それらの点について、先ほども申し上げましたように、アジアの諸国とて、やがて大きく成長してきたときには明日は我が身で、この問題であなた自身が苦しまなくてはならない日が来るんだということを申し上げて、アジアの技術力をお互いに協調し合ってイノベーションを活発化していくというためには、このことは避けて通れないということを率直に話し合うべきだと思いますが。
 かねて私は、三年ぐらい前でしたか、松議員にも経済産業省の副大臣として御協力をいただいた新経済成長戦略、この中においてイノベーション創造の重要性を我が国の今後の経済活性化のためのエンジンにしていくんだということを申し上げておりますが、この産業技術等の知的財産に関する法制度をこれから更に諸外国に比べて遜色のないものにするように適切な整備をしていくことが重要だと思っております。ちょうど特許庁ができまして、また特許法が公布されて五十年になるわけであります。このいいチャンスだというふうに心得ております。
 高橋是清初代特許庁長官以来、これも二年ぐらい前でしたか、特許庁に日本の総理がお出ましをいただいたということは一回もないということで、こんなことではしようがないという思いで小泉総理に直談判して、そのときに特許庁へおいでをいただきました。特許庁の職員は総理がお見えになるというふうなことは夢にも考えていなくて、びっくりしたような調子でございましたが、これから特許の重要性ということは国民の皆さん自身にも御理解を深めていただいて、特許に対してこれから相当の力を入れていきたいと思っております。
 対外的にも日本の特許庁が外に打って出るぐらいの気持ちがあっていいと思っておりますし、先ほど申し上げましたERIA、ASEAN経済研究センターのこの組織も活用して、これから諸外国との間でお互いの問題点を共有し合えるような、日本が何か相手を指摘するとか相手に対して誹謗中傷するということだけではこんな問題は解決しません。したがって、そこらに対して十分なる協力を呼びかけて、我々としてはやっぱり謙虚にこの問題に対して諸外国の御理解をいただけるように努力をしていくべきだと思っております。
#32
○松あきら君 ありがとうございます。力強い大臣の御発言に心強い思いがいたしました。
 先ほど、北川先生も物づくりの大事さというものをおっしゃっておられました。まさに我が国はここで勝負をするというところでございます。けれども、忘れてはならないのは、GDPの七割近くを占めるサービス産業であります。先ほど大臣もおっしゃっておられました平成十八年六月に策定した新経済成長戦略、これにも健康・福祉関連、育児支援、観光・集客、コンテンツ、流通・物流等の競争力向上のための施策、これも掲げられているところでございます。今後は、この物づくり産業とともに、こうしたサービス産業、日本の経済の双発の成長エンジンに育成していくことが大変大事だ、肝要であるというふうに私も考えるところでございます。
 まさに、サービス産業においても製造業における技術やノウハウと同様に多くの営業秘密が存在するということは言うまでもございませんけれども、サービス産業の競争力の強化という観点から、今回の法改正はどのような意義を有するのか、お答えをいただきたいと思います。
#33
○大臣政務官(谷合正明君) サービス産業でございますが、委員御指摘のとおりの大変我が国経済として重要な位置付けを占めております。
 日本経済が知識集約型経済へと移行する中で、そもそもサービス産業は無形資産の創造、保護、活用を基盤とする産業であります。こうした無形資産たる営業秘密の保護の必要性が非常に高いものと言えます。この営業秘密には、例えば、今日も報道でされておりますけれども、顧客情報とか、こうしたものの保護であるとか、そうしたものも入るわけでありますが、こうしたサービス産業の営業上の情報、ノウハウというものは必ずしも特許権による保護がなじまないと。いかにして早くスピーディーに市場を席巻するかなどが重要な要素となりますので、特許権を取得するというよりもむしろ営業秘密として自社で管理を行う方法によることにメリットがあると考えておりまして、今回の法改正というのはそもそも営業秘密の一層の保護を図るための法改正でございます。その意味で、無形資産の活用によって高付加価値を実現するサービス産業の競争力を強化するということにとりまして非常に重要な意義を持つものと考えております。
#34
○松あきら君 まさに私どもサービス産業は大事であります。こうした営業秘密の保護というものを是非しっかりとやっていただきたいと思うわけでございます。
 先ほど来、中小企業の話が出ておりまして、私もやっぱり中小企業については一言申し上げなきゃいけないなというふうに思っております。
 この中小企業が取引先などの大企業、例えば技術力のある中小企業、先ほども北川先生が、敷地の中でいらっしゃいよと、場所を提供してあげるからというようなことを言われまして、そこに行って結局は技術を取り上げられちゃうというようなことがある。残念ながらこれはあるんですね、こういうことが。これは本当に憂慮すべき問題であります。中小企業は、つまり法的に訴えられるのは、お金も掛かるし、そんなことをしたらもうこれから親会社から仕事をもらえないということもありまして泣き寝入りをするという状況はあるわけです。
 不正競争防止法でこれを止めるということは本当にできるんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#35
○政府参考人(森川正之君) お答え申し上げます。
 中小企業、物づくりの場合に、試作品とか設計図面、それから先ほど御質問のございました中小のサービス業でもいろんなノウハウというものがございますけれども、こういったものがきちんと秘密として管理されている場合にはこれが営業秘密になり得ると、こういうことでございまして、今回の法改正でそういったものが大企業に領得された段階で刑事罰の対象になるということでございまして、まさに委員御指摘のようなことに対応するということで考えておる次第でございます。
 今回の改正は、こういうことで、中小企業にとって極めて重要なノウハウや技術をより的確に保護することを可能にするということだというふうに考えております。
#36
○松あきら君 領得された時点というのは、私ちょっと頭が悪いので、もう少し分かりやすい言葉で言っていただきたかったなというふうに思います。一般の方がなかなか分かりにくいかなというふうに思います。こういうところが大事だなと思います。
 今回の中小企業、特に営業秘密の保護に向けて、今回のこの法改正のほかに一体どのような対策を講じていくんでしょうか、お答えいただきたい、短く。よろしくお願いいたします。
#37
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 ただいま森川審議官から御説明しましたように、今回の法改正あるいはその普及啓発を通じて中小企業者のノウハウが、営業秘密がきちっと守られていくという形に万全を期してまいりたいと思いますが、今回のいわゆる不正競争防止法の施行という話以外に、下請対策の観点からきちっとした対策も講じてまいりたいと思っております。
 平成二十年の十二月に改訂をされましたけれども、下請適正取引等の推進のためのガイドラインというのがございますけれども、その中に優越的な地位を利用した下請企業の図面、ノウハウ等の取得が下請代金法上の禁止行為に該当するおそれがあるということを明記しておりまして、このガイドラインの周知を図ってきたところでございます。
 こうした施策を通じまして、法改正、それからそれ以外の中小企業施策、いろいろ万般講じまして、万全の対策を講じてまいりたいと考えております。
#38
○松あきら君 ともかく万全の体制で中小企業が不利にならないようによろしくお願い申し上げます。
 それでは、最後です。外為法です。
 今回の外為法改正によりまして、一層厳格な管理を進めていくものというふうに理解しております。こうした取組、先ほど来出ておりますけれども、やはり日本だけで進められるものではありません。国際的にしっかり協調して進めていくべき。
 先ほどアジアのお話が出ましたけれども、日本が規制している物、技術が他の先進国から輸出されるようなことにはなってはいけない。規制対象となる貨物や技術については国際的に取組が本当にされているのか、また、そうであれば、日本は平和国家としてしっかりその議論をリードしていくべきと考えますが、その点について御見解をお伺いしたいと思います。
#39
○政府参考人(藤田昌宏君) 核兵器あるいは生物化学兵器などの大量破壊兵器に転用されるおそれがある貨物あるいは技術の管理につきましては、我が国あるいは欧米諸国等の関係国の合意に基づきまして規制対象とすべき貨物等をリストアップしまして、各国はこのリストに基づいて各々国内法に基づいて輸出管理等の規制を行っております。この規制対象リストは、技術の進歩などに応じて国際的ないろんな会議の場で、レジームの場で不断の見直しを行っているところでございます。
 先生御指摘のとおり、我が国は平和国家として、あるいは技術先進国として、これまでもこうした検討に際しては、最新の技術動向や産業界の実態を十分に踏まえながら、種々の建設的な提案を行って貢献をしてきているところでございますけれども、引き続き、こうした国際的な安全保障貿易管理に資するように積極的な貢献を図ってまいりたいと思います。
#40
○松あきら君 日本は高い技術レベルを持っているハイテク国家でございます。どうか規制対象となる貨物や技術の議論などでもしっかりと国際的な取組に貢献していっていただきたいことを申し上げまして、質問を終わります。
#41
○松下新平君 私は、改革クラブの松下新平です。
 本日の議題であります不正競争防止法の一部改正法案と外国為替及び外国貿易法の一部改正法案、これにつきまして改革クラブは賛成の立場でありますけれども、確認の意味も込めまして、五問ほど用意してまいりました。お付き合いをよろしくお願いいたします。
 まず、不正競争防止法の一部改正法案について、二問お伺いしたいと思います。
 一問目は、不正競争防止法の知的財産保護に果たす役割と、ほかの知的財産法との関係について確認しておきたいと思います。
#42
○政府参考人(森川正之君) お答え申し上げます。
 不正競争防止法は、特許法や商標法などの知的財産権法とともに、知的財産保護の一翼を担う法律でございます。特許法、商標法などの産業財産権法が保護に権利を付与するという方法によりまして知的財産を保護するということをやっておりますのに対して、不正競争防止法は、保護されるべき一定の事実状態を前提にその行為に着目して規制を行うと、こういう方法で知的財産の保護を図っておりまして、お互いにそれぞれの観点から補い合って知的財産全体の保護を図っていくと、こういうものでございます。
 例えば、この不正競争防止法に規定しております営業秘密に係る不正行為の防止に関する規定は、特許法とともに、個人、企業の開発成果を保護するということになります。それから、今回の改正にはかかわらない部分でございますけれども、他人の著名な表示、ブランド等ですね、こういったものを無断で使用する行為の防止に関する規定は、商標法等とともに、営業上の標識、信用を保護すると、こういうことでございます。
 我が国経済が持続的に成長していくというためには、次々に生み出される技術革新の成果、企業が築き上げた信用、これらを適切に保護、活用しながら収益を上げていく仕組みを構築することが重要でございます。今後とも、経済成長の原動力であります知的財産の保護に強力に取り組んでまいりたいと思います。
#43
○松下新平君 ありがとうございました。
 次に、この度の改正によりまして営業秘密の保護を強化するということですけれども、改めまして、この不正競争防止法における営業秘密保護の意義と重要性についてお伺いいたします。
#44
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 不正競争防止法は事業者間の公正な競争秩序を保護するものでございまして、営業秘密は企業の競争力の源泉として不正競争防止法において保護の対象とされております。
 営業秘密でございますけれども、秘密として管理された事業活動に有用な、公には知られていない非公知の情報でございますけれども、これは、現場におきます労働者、技術者によって生み出される企業の長年の取組や多額の投資の結集ということが言えるわけでございます。
 こうした営業秘密は、それから生み出されます個々の製品、財物よりも高い財産的価値を持つ一方で、侵害行為に対する予防措置には限界がございまして、また、いったん侵害されてしまえばその原状回復は極めて困難であると、こういう性質を有しているわけでございます。この点、現在のIT化、ネットワーク化の進展は、こうした営業秘密の侵害を容易にするとともに、一度侵害された営業秘密は瞬時にして拡散してしまう、こういう状況をつくり出しているわけでございます。
 また、我が国が激化する国際競争を勝ち抜いていく上で、御審議の過程でも御指摘をいただいておりますように、イノベーションの促進が求められておりますが、その実現のためには、それぞれの企業が保有をしておりますこうした営業秘密を、場合によっては国を越えて相互に開示をいたし、それを活用していくこと、すなわちオープンイノベーションが重要でございますけれども、そのためには、企業が保有する営業秘密が適切に保護される、そういった制度的な基盤が必要不可欠であるというふうに考えられます。
 今回の改正は、こうした状況を踏まえまして、企業が保有する営業秘密を適切に保護することにより我が国企業の国際競争力を維持強化するものでございまして、極めて重要な意義を有しているというふうに考えております。
#45
○松下新平君 ありがとうございました。
 先ほどお話がありましたけれども、下請企業が保有する営業秘密に対する元請企業による侵害についての事例ですね、私からも、下請企業がその後の取引関係を考慮して訴訟さえも提起できない、泣き寝入りしている実態の改善のために適正な措置を講ずることを求めたいと思います。
 次に、外国為替及び外国貿易法の一部改正法案について二問お伺いしたいと思います。
 去る四月八日に、参議院におきまして、北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案が採択されました。四月五日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルは、日米韓を始め関係国の再三にわたる自制の求めを無視し、強行したものであり、国際社会に対する挑発と受け止められ、弾道ミサイル計画に関するすべての活動の停止を求めた二〇〇六年の国連決議千六百九十五号及び千七百十八号に背くことは明白でございます。
 我が国の国民の生命、財産を危険にさらし、国際社会の平和と安定を脅かし、大量破壊兵器を拡散することにつながる今回の北朝鮮の暴挙に対して、日本政府はその非を国際社会に強く訴え、毅然として厳正に対処すべきであります。
 そこで、核開発やミサイル開発に関連するような物資が北朝鮮へ輸出されることのないよう厳格な輸出管理が求められておりますが、どのように取り組まれていらっしゃるのか、お伺いいたします。
#46
○政府参考人(藤田昌宏君) お答えを申し上げます。
 北朝鮮に対しましては、平成十八年の国連安保理決議に基づきまして、現在、核兵器やミサイルなどの大量破壊兵器関連貨物の日本からの輸出を禁止をしてございます。また、これ以外の貨物でございましても、すなわち輸出許可が必要であるとして政令にその品目が明記してある品目以外のものでございましても、それが大量破壊兵器の開発等に用いられる懸念があるという情報が何らかのルートから得られたような場合には、いわゆるキャッチオール規制と申しておりますけれども、こうしたものについても厳格な安全保障貿易管理を実施しているところでございます。
 平成十四年にこのキャッチオール規制が導入されまして、それ以降、九十件の案件が出ておりますけれども、実はそのうちの大部分の七十四件は北朝鮮関係でございまして、北朝鮮向けあるいはどこかを迂回して北朝鮮に渡る懸念があるこの七十四件の輸出案件につきましては、すべて差止めを行っております。さらに、今回の法改正によりまして無許可輸出の罰則が引き上げられますので、これも一定の抑止力、抑止的な効果を発揮できるというふうに期待をしております。
 経済産業省といたしましては、引き続き、国内外の関係機関とも密接に連携をいたしまして、北朝鮮向けの安全保障貿易管理を厳格に実施してまいりたいと考えております。
#47
○松下新平君 厳格な輸出管理をよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、国際的な安全保障をめぐる情勢としましては、北朝鮮のみならず、二〇〇一年の米国の同時多発テロ事件以降、テロ行為の脅威も高まっております。安全保障にかかわるような物資がテロ組織等に渡らないよう、どのような取組を行っていらっしゃるか、お伺いいたします。
#48
○政府参考人(藤田昌宏君) 平成十三年の、すなわち二〇〇一年の米国同時多発テロ事件なども踏まえまして、二〇〇四年に国連安保理決議一五四〇が採択をされまして、テロ組織等に対する大量破壊兵器の拡散防止のための輸出管理強化が各国に求められております。
 これを受けまして、我が国におきましては厳格な安全保障貿易管理を実施しているところでございまして、テロ組織に対して、例えばいわゆる貧者の核などと呼ばれます生物化学兵器の製造、使用に用いられるおそれがあるような貨物が輸出されることの防止を図っております。
 また、昨年十一月からは、国際合意を受けまして、これら以外の貨物でありましても、大量破壊兵器の関連のみならず通常兵器の開発等に用いられる懸念があるものにつきましても、輸出許可が必要と認められる場合には輸出許可を取っていただくという補完的な規制も導入をいたしております。
 経済産業省といたしましては、引き続き、内外の関係機関と密接に連携をして、こうした輸出管理をしっかりと図ってまいりたいと思います。
#49
○松下新平君 よろしくお願いいたしたいと思います。
 最後に、二階大臣にお伺いいたします。
 この度の不正競争防止法及び外為法の改正に当たりまして、日本の財産であり、国際社会の平和と安定のための、大臣もおっしゃいましたけれども、世界一の技術、この日本の技術の流出防止に向けた決意をお伺いしたいと思います。北朝鮮による核とミサイルの脅威が改めて認識をされました。国民の生命、財産を守る強い決意を是非お聞かせいただきたいと思います。
#50
○国務大臣(二階俊博君) これまでも、産業競争力の強化の観点から、安全保障上の立場と、両方の側面から我が国の貴重な技術、今先生が御指摘になりましたように日本の財産、これを流出させないように努めてきたところでありますが、今後一層力を入れていきたいと思っております。
 今般の提出をさせていただいております不正競争防止法の改正案は、厳しい競争環境の中で、本当に日夜命を削るようにして頑張っておられる企業の方々が、不正な手段によってせっかく築き上げた技術情報を一夜にして奪われてしまう、そういうことに対して競争上の不利を招かないように、我々はその環境をつくり上げてバックアップをしていかなくてはならないと思っております。
 外為法の改正案は、安全保障に関するいわゆる技術が不正に海外へ流出することのないように、厳格に対処をしていきたいと思っております。
 二法が成立をさせていただいた上には、その的確な実施に万全を期し、引き続き技術流出防止に全力を傾けてまいりたいと思っております。
 なお、明日から、国会のお許しをいただいて東アジアサミット、これは麻生総理、中曽根外相、そして経済産業相の私が参加をさせていただくことになりますが、東アジア各国の閣僚やバイ会談もございますから、この法律案が今日こうして可決していただければ、それに基づいて各国への協力、アピールをしてまいりたいと、このように思っております。
#51
○松下新平君 この委員会でも度々指摘されておりましたけれども、迂回輸出を防止するために、世界の安全保障貿易体制の整備に各国と協力して取り組んでいただきたいと思います。
 今ほどお話がありましたけれども、明日からの東アジアサミット、お疲れさまです。特にこの件に関しましてもアジア諸国との連携強化をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#52
○委員長(櫻井充君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、不正競争防止法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#53
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、中谷智司君から発言を求められておりますので、これを許します。中谷智司君。
#54
○中谷智司君 私は、ただいま可決されました不正競争防止法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び改革クラブの各派並びに各派に属しない議員田中直紀君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    不正競争防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 営業秘密侵害罪における構成要件の拡大が、従業者に対して過度の萎縮効果を与えることがないよう、刑事罰の対象となり得る行為類型を営業秘密管理指針等において具体的に明示するとともに、企業における営業秘密の取扱い等に関しては従業者との認識の共有化が重要であることにかんがみ、営業秘密の適正な管理や従業者による理解の促進を図るよう、労使協議の促進等、事業者へ周知徹底するための措置を講じること。
   また、今回の改正が、公益通報者保護制度等による従業者の権利や労働組合等の活動に対する不当な制限とならないようにする観点から、十分な検証を行い、必要があれば見直しを行うこと。
 二 下請企業が保有する営業秘密に対する元請企業による侵害については、下請企業がその後の取引関係を考慮して、訴訟を提起せず、結局は問題を解決できない事態が生じていることにかんがみ、下請企業の営業秘密侵害の防止の在り方について早急な検討を行い、適正な措置を講じること。
 三 刑事訴訟手続における営業秘密の取扱いについては、憲法第八十二条が規定する裁判の公開が被害企業における告訴をちゅうちょさせている実態にかんがみ、当該規定の趣旨及び要請に十分配慮しつつ、営業秘密の実効的な保護強化を図るため、諸外国の法制も勘案しながら、適正な法的措置を講じること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#55
○委員長(櫻井充君) ただいま中谷智司君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#56
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、中谷智司君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、二階経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。二階大臣。
#57
○国務大臣(二階俊博君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
#58
○委員長(櫻井充君) 次に、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#59
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、中谷智司君から発言を求められておりますので、これを許します。中谷智司君。
#60
○中谷智司君 私は、ただいま可決されました外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び改革クラブの各派並びに各派に属しない議員田中直紀君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 特定技術の取引について、新たに導入されるいわゆるボーダー規制の実効性を確保するため、企業等に対し、新制度の周知徹底を図るとともに、関係省庁の連携を一層強化すること。
 二 新たに設けられる輸出者等遵守基準を具体的かつ実効性の高いものとする一方、本法を遵守し適正な輸出を行っている企業等の手続を簡素化するなど、過度な負担を軽減し、経済活動を阻害することのないよう留意すること。
 三 迂回輸出のより効果的な防止のため、世界の安全保障貿易管理体制の整備に各国と協力して取り組み、特にアジア諸国との連携の強化に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#61
○委員長(櫻井充君) ただいま中谷智司君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#62
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、中谷智司君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、二階経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。二階大臣。
#63
○国務大臣(二階俊博君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
#64
○委員長(櫻井充君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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