くにさくロゴ
2009/04/14 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第7号
姉妹サイト
 
2009/04/14 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第7号

#1
第171回国会 経済産業委員会 第7号
平成二十一年四月十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         櫻井  充君
    理 事
                藤原 正司君
                増子 輝彦君
                山根 隆治君
                荻原 健司君
               北川イッセイ君
    委 員
                木俣 佳丈君
                鈴木 陽悦君
                津田弥太郎君
                直嶋 正行君
                中谷 智司君
                前田 武志君
                塚田 一郎君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                谷合 正明君
                松 あきら君
                松下 新平君
                渡辺 秀央君
                田中 直紀君
   国務大臣
       経済産業大臣   二階 俊博君
   副大臣
       内閣府副大臣   谷本 龍哉君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       谷合 正明君
       経済産業大臣政
       務官       松村 祥史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       厚生労働省職業
       安定局次長    大槻 勝啓君
       経済産業大臣官
       房審議官     石黒 憲彦君
       経済産業省経済
       産業政策局長   松永 和夫君
       経済産業省産業
       技術環境局長   鈴木 正徳君
       経済産業省商務
       情報政策局長   近藤 賢二君
       中小企業庁長官  長谷川榮一君
       中小企業庁事業
       環境部長     横尾 英博君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○我が国における産業活動の革新等を図るための
 産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局次長大槻勝啓君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(櫻井充君) 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。二階経済産業大臣。
#5
○国務大臣(二階俊博君) 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現在、世界的な資源価格の不安定化や金融危機など、国際経済の急激かつ構造的な変化が起こっており、我が国の経済、雇用情勢も急速に悪化しつつあります。このため、現下の経済情勢への緊急対応として、中小・小規模企業の資金繰り支援や当面の雇用対策といったセーフティーネットを整備しているところであります。
 しかし、この危機を乗り越え、我が国経済が持続的に発展していけるようにするためには、併せて、資源や資金、知的財産や技術などの経営資源の一層効果的、効率的な活用を促進し、我が国における産業活動の革新を図ることが必要であります。これにより、現下の経済情勢の下での雇用を下支えするとともに、将来に向けた雇用を創出するため、本法律案を提出した次第であります。
 これらの措置は、昨年九月に閣議決定しました新経済成長戦略改訂版を実行に移すためのものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 産業活力再生特別措置法の一部改正であります。
 第一に、事業者の資源生産性の向上を支援します。資源価格が不安定な今日、我が国産業をこれに左右されにくい体質へと強化することが必要になっております。このため、事業者が自らの資源生産性を向上させるための計画や、資源制約の下で新たな市場の開拓が見込まれる製品を生産する計画の認定制度を創設します。認定を受けた事業者に対し、設備投資や組織再編等に対する支援措置を講じます。
 第二に、事業者の資金調達の支援を強化します。金融危機により事業者の資金調達が困難となりつつあります。このため、本法に基づき計画の認定を受けた事業者に融資や出資を行う金融機関の信用リスクを軽減する措置を講じることにより、当該事業者の資金調達の円滑化を図ります。
 第三に、将来の成長の芽となる事業活動に対する支援を強化します。今日、成長著しい市場のニーズに対応していくためには、自社の経営資源のみならず、技術や知識など他社の経営資源も有効に組み合わせていくことが重要となっております。また、金融危機により、リスクマネーの供給が大幅に落ち込んでいます。このため、株式会社産業革新機構を通じ、このような事業活動に対して出資等の支援を行う体制を整備します。
 第四に、中小企業の事業再生支援を強化します。経済状況が著しく悪化する中、雇用を始め地域経済を支える中小企業の再生は重要な課題であります。このため、財務状況が悪化している中小企業が、将来性のある事業を他の事業者に引き継ぎつつ再生する計画の認定制度を創設します。認定を受けた中小企業に対しては、営業に必要な許認可の承継や資金供給の円滑化のための措置を講じます。併せて、中小企業再生支援協議会による支援体制を強化します。
 次に、鉱工業技術研究組合法及び産業技術力強化法の一部改正であります。
 第一に、技術が高度化、複雑化する中、鉱工業技術の分野に限らず、サービスを含む産業技術分野全般において、企業同士で協調して効率の良い研究開発と実用化を行う必要があります。このため、鉱工業技術研究組合法の技術範囲の拡大を行うとともに、技術研究組合の株式会社への組織変更を円滑にする措置等を講じます。
 第二に、産業技術総合研究所等による企業の研究開発の支援を充実するため、企業等との共同研究成果を産業技術総合研究所等が承継した場合の特許料の特例措置などの所要の措置を講じます。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
 以上です。
#6
○委員長(櫻井充君) ありがとうございました。
 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎であります。
 昨年まで三年半ほど厚生労働委員会ずっとやっておりまして、経済産業委員会は初めての参加であります。若干これまでの委員会と性格がかなり違う委員会だなという印象を持っております。ちょっとまだ慣れてないんで、ぼちぼち慣れていきたいというふうに思っておりますが、その辺ちょっと雰囲気と合わない点がありましたらお許しをいただきたいなというふうに思っているところであります。
 それで、先週、参議院の本会議の冒頭、私の方から、金融危機の原因となったCDSというものについて、かねてより一部で危険性が指摘をされたにもかかわらず、我が国政府としてアメリカに対して警鐘を打ち鳴らし、有効な手だての実現へと結び付けることができなかったのはなぜかということを与謝野大臣にお聞きをしたわけであります。これに対して与謝野大臣は、金融危機の再来防止の取組について述べるのみ、直接のお答えをしていただけなかったわけであります。私は非常に残念であります。
 私の出身の組織は物づくりの中堅、中小の仲間が集まっているわけです。大臣のおひざ元の島精機の労働組合も私どもの加盟組合であります。昨年の秋以降、とにかく仕事がもう完全に止まってしまって、そのために、世間からはいろいろ言われるわけですけれども、非正規の方々の雇い止めもやらざるを得ない、正規の社員についても一時休業や様々な形で取り組まざるを得ない、収入は大幅にもちろん下がる、経営も大変苦しい、そんな状況がいまだに続いているわけであります。こういう状況だからこそ、政府としてこの金融危機を未然に防止することができなかったのかどうかということをしっかり検証する必要がある。
 麻生総理が、我が国は経験をしているから教えてやるというような意味のことを何回かこれまでおっしゃってきているわけですが、経験をしているんだったら、じゃ、なぜ我が国が今最もGDPが落ち込んでいるのか。被害が少ない少ないという言い方をされているんですが、現場を見る限りにおいては私はとても被害が少ないとは思えない、こういう状況になっているわけであります。
 今日は谷本副大臣にお越しをいただいているわけであります。与謝野大臣のしりぬぐいということになるわけでありますが、防げたなら防げたと、防げなかったのならもうアウトでしたと、きちっと国民が納得できる答弁をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#8
○副大臣(谷本龍哉君) なかなか副大臣で大臣のしりぬぐいというわけにはいきませんけれども、今委員指摘されたように、今回の金融危機というのは、CDS等を用いた証券化商品に代表されるような新しいビジネスモデル、これが広がっていく中で、そのプレーヤーといいますか、市場参加者が十分にその新しいビジネスモデルのリスク管理ができなかったと、そういう中でこれだけ深刻な混乱につながったというふうに理解をしております。
 その中で、御指摘のとおり、CDSなどの金融商品が、まず各金融機関のヘッジ手段として、リスク管理の手段として利用されたという面もある一方で、言われたとおり、その取引量が膨大となっていく中でシステミックリスクについて懸念があると、こういう指摘が確かに一部あったことは事実であります。
 ただ他方で、その取引が実態を十分に把握することが困難な店頭取引等で行われるなど透明性が欠如していたということも事実でありまして、こういう状況の中で、懸念は一部ありましたけれども、その国の金融政策というのは元来その国の政府が最もよく把握しているものでありますし、それに対して他国からなかなか強く指摘をし切れなかったということが現実にあったろうと思います。
 こうした反省を踏まえまして、昨年十一月のサミットでは、CDS市場の強靱性と透明性を強化してシステミックリスクを軽減することが合意をされ、CDSの清算機関の設立など、CDS市場の強化に向けた取組が進められているところでございます。
 いずれにしても、我が国としてはこうした点を踏まえて、二度とこういうことが起こらないように次へ向けてしっかり万全の対策を取っていきたいと考えております。
#9
○津田弥太郎君 アメリカからは対日要求書という形で毎年様々な要求を受けてきた。我が国から、おいアメリカ、いいかげんにしろ、おまえ何やっているんだと、何で言えないのか。結局、今の答弁は言えなかったということをおっしゃっているわけですね。
 前回、先週本会議でも与謝野大臣は、何とかアメリカや各国当局と連携をして金融システムの強化に貢献してまいりたいと考えておりましたという答弁をされた。要するに、考えていたけれども結局何にもやらなかったという答弁だったわけでありまして、今の谷本副大臣は、今後はやっていきたいという意味のことをおっしゃったわけでありますので、是非今後はやっていくという意味のところを、しっかり今後も答弁されたことを実施をしていただきたいなというふうに思います。
 委員長、谷本副大臣は、これで質問を終わりますので、よしなに。
#10
○委員長(櫻井充君) 谷本副大臣、御退席いただいて結構でございます。
 ありがとうございました。
#11
○津田弥太郎君 次に、産活法の計画類型に関してお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。この点に関しまして、本会議での二階大臣の不十分な答弁についても改めてお尋ねをさせていただきたいというふうに思っております。
 私は、計画認定による支援の問題で、既存の計画の九割近くが事業再構築計画に偏るとともに、認定企業の多数が登録免許税の軽減措置を受けるにとどまっている理由及び今後はすべての計画が効果的に機能することになるのかどうかという質問を私はさせていただきました、本会議で。しかし、前段の過去の検証について一切大臣からは答弁はいただけませんでした。時間もなかったかとは思います。大臣答弁は当然事務方が作成しているわけですが、と言い過ぎてはいけないのかな。思われますが、経産省も都合の悪い質問からは逃げているという印象が私にはあったわけで、それはやっぱりいかぬ、そこはしっかり私はくぎを刺しておきたいというふうに思います。
 そこで、二階大臣にお伺いをいたします。
 今回の改正によって従来の事業活動計画から廃止となる二つの計画についてであります。
 まず、共同事業再編計画、これは平成十五年に五件、平成十六年に二件、これが認定されましたが、その後の認定はありません。この計画は過剰供給構造解消の手段として導入されたということと考えておるんですが、今回の廃止に当たって、そもそも国内の過剰供給構造、これは解消されたと言えるのかどうか。仮に解消されていないとすれば、今後、過剰供給構造を解消するための手段としてどのようなものが考えられるのか。これは是非大臣から御答弁をお願い申し上げます。
#12
○国務大臣(二階俊博君) 過剰供給構造については、共同事業再編計画を創設した、ただいまお尋ねもありましたように、平成十五年ごろから解消に向かっていたところであります。世界的な景気後退の中で、現在設備の過剰感が急速に高まっていることは、これも事実であります。一方で、厳しい経済状況の下で雇用を確保するためには、設備廃棄等と併せて前向きな取組を行う事業者を支援することが重要だと考えております。
 こういった状況を踏まえて、過剰供給構造にある事業者が前向きな取組を行わずとも設備廃棄等を行えば支援の対象となるいわゆる共同事業再編計画を、これを廃止して、何らかの前向きな取組を要件とする事業再編構築計画の中で過剰供給構造の解消に向けた取組を支援するということにしたものであります。
#13
○津田弥太郎君 分かりました。
 もう一つ、この技術活用事業革新計画、これ、実は現在まで一件の認定もない。ゼロ件なんです、ゼロ件。これ、ゼロ件のまま今回廃止になる。作ったんだけど魂が一つも入らずに廃止になるというのがこの技術活用事業革新計画。
 これ、用意したスキームを具体的に使われなかったからといって国として実害が生じているわけではありません、ただし。無駄なお金を投じたというわけではない、使われなかったからお金は使わなかったということでありますから、立案者に責任を取れというつもりは毛頭ありません。しかし、この計画についても、企業連携により獲得した技術や知的財産を活用して著しい生産向上を目指すという、これ、大変崇高な理念の下に設けられた制度でありまして、今日まで認定に向けての具体的な相談ぐらいはあったんだろうなと思うんですが、その場合に、認定に当たってのネック、ゼロ件ということは多分何かあったんだろうなというふうに思うわけでありまして、そのネックは一体何だったのか、あるいは制度の周知が不十分であったんではないか、せっかくこれはお勧めですよと作ったこの計画が一件も使われなかったというのは一体どうだったのか、これはしっかり検証する必要があるんではないかな。もっと厳しいことを言えば、そもそもニーズそのものがなかったんじゃないのかという指摘までこれあるわけでありまして、その辺、しっかりした答弁を、これは政府委員で結構です。
#14
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の技術活用事業革新計画でございますけれども、これは御指摘のとおり、他の企業が獲得をいたしました知的財産等を取得をいたしまして事業革新を行うものでございまして、この中には外国関係法人も含めた組織再編成も対象となる計画となっておりました。平成十九年に技術活用事業革新計画を創設をいたしましてから、私ども、業界団体や地方経済産業局等を通じて説明会を開催するなど周知広報を行ってまいりました。具体的な事前の相談もございましたけれども、最終的に認定に至るものは御指摘のとおりございませんでした。
 技術活用事業革新計画における外国関係法人を含めた組織再編成につきましては、企業のグローバル再編のニーズの高まりに伴いまして、今回の改正で事業再構築計画にも拡充して措置することといたしました。このため、技術活用事業革新計画は事業再構築計画で今後とも対応することが可能となっております。
 私ども、この制度そのものにつきましては、制度の本来の趣旨に沿って今後利用されるというようなことに努めていきたいと思っておりますので、そうした意味で、引き続き、関係業界団体あるいは地方経済産業局等を通じまして制度の趣旨というものについてきちんとした説明、周知広報に努めてまいりたいというふうに考えております。
#15
○津田弥太郎君 検証をしっかりやるというのは大変大事なことだと思うんですね。そういう点で今後もそういう検証をやっていただきたいと思います。
 計画類型の中で最も活用されております事業再構築計画、この事業再構築計画において、先月の十九日に大塚化学ホールディングスという会社の認定がなされているわけでありますが、ここでは商法の簡易組織再編が支援措置として含まれているということでございます。例えば経営資源再活用計画では比較的様々な支援措置が活用されているわけですが、事業再構築計画の中で登録免許税の軽減以外のメニューが使われるというのは今回七か月ぶりだというふうに聞いておるわけであります。この事業再構築計画において認定企業の多数が登録免許税の軽減措置を受けるにとどまっている理由について、また答弁を求めようとは思いません。しっかり検証して今後に生かしていくことを私は要望したいというふうに思います。
 それでは、今回の改正で新たに設けられる二つの計画、まず資源生産性革新計画についてでありますが、この資源生産性の算出の分母となるエネルギー消費量又はCO2排出量、これ具体的にどういうふうに算出するか。トップ企業のようなところだったら相当その専門スタッフがいて対応できるかもしれないわけですけれども、中小零細企業になったら一体これどういうふうにしたらいいんだと。特に個人事業主、数値を正確に算出するというのは一体どうやってやるんだろうなと。こういう中小零細あるいは個人事業主、あなたたちはいいんだよということでは必ずしもないんだというふうに思うんですが、この計画の利用を具体的に促す方策も含めて御答弁をいただきたいと思います。
#16
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 御指摘の今回新たに追加をされます資源生産性革新計画でございますけれども、これにつきましては、エネルギー使用量等につきまして、省エネ法の報告と同様のいわゆる一枚紙のフォーマットを提出をしていただくことになっております。省エネ法につきましては、従来から一定規模以上の事業者に対しましてエネルギー使用量やエネルギー起源CO2排出量を国に報告する義務を課しておりますので、この考え方をこの計画の認定に当たりましても使用させていただくことにしております。
 他方、委員御指摘のとおり、省エネ法に基づきますエネルギー使用量等の報告が義務付けられていない中小企業者につきましては、今回この資源生産性計画の認定を申請されるに当たりまして、改めて燃料や電力消費量を集計していただく必要がございます。これにつきましては、言わば新たな御負担をいただく面はございますけれども、政府としては積極的に中小企業者も含めてこの計画認定に申請していただくよう、所要の対応を取りたいと思っております。
 具体的には、政府の補助で無料で受けることができる省エネ診断事業、これは省エネセンターが全国に八か所支所がございまして、現在でもそういう事業を行っております。平成二十年度に一千二百件ほどの言わばこうしたサポート事業を行っておりますけれども、こうした省エネ診断事業を活用していただくことによりまして、一方ではデータの正確性を確保するとともに、申請をされます中小企業者の負担を可能な限り軽くするように努めていきたいと考えております。
#17
○津田弥太郎君 役所というのはそんなに大した負担じゃありませんよと大体言うのが普通なんですよ。だけど、いざやってみると結構大変になるんですよ。だから、その辺は認定企業だけじゃなくて、本当に個人事業主も含めて取り組んでいくということであるならば、やはりその個人事業主の対応の仕方ということについてはより丁寧な対応を心掛けていただきたいなというふうに思います。
 そこで、大臣、資源制約対応製品生産設備導入計画、長い、でもそうなんですよ、こういう計画があるわけでございます。今回、この申請については、一貫生産メーカーに加えて専用部品の製造企業も最終組立てメーカーと共同で計画申請を行うことができることになっていると、これは私も評価をしたいなというふうに思うわけです。つまり、自動車を造っている最終メーカーとか、電気製品を作っている最終セットメーカーだけじゃありませんよと、部品メーカーも参加できますよということになったわけであります。
 ただし、この最終組立てメーカーは、自らの生産設備について単独で申請が可能であります。したがって、部品メーカーを共同申請者として巻き込むインセンティブはこの最終組立てメーカーには私はそれほど動かないのではないかというふうに思うわけであります。
 一方、部品メーカー単独での申請は認められていません。したがって、部品メーカーがこの法律による支援措置を受けようと思った場合、ただでさえ親会社というか完成品メーカーとの間では力関係はこれは対等ではないわけでありまして、その状況の中でメーカーに困難なお願いをしなければならないということになってくるわけであります。
 もちろん、具体的にトップランナー基準を一定以上上回る製品等が市場に出て行くことを後押しするわけでありますので、市場や消費者に近い形で検証が行われることを否定するものではもちろんないわけです。しかし、完成品も結局は個々の部品の集合体であるわけで、今回、法律の名称にも新たに加わったこの産業活動の革新ということに向けて部品メーカーの果たす役割というものは私は極めて大きいだろうというふうに思うわけでありまして、この運用面で重要になっているんです。これ、運用面と私、申し上げているんです。部品メーカーが資源を安くする工夫、運用面で、あるいは今後の制度設計において部品メーカーに更に着目した検討、こういうものが行われる必要があるんではないかというふうに私は思うんですが、大臣、いかがでしょう。
#18
○国務大臣(二階俊博君) ただいま議員から大変重要な御指摘をいただいたと思っております。
 この資源制約対応製品生産設備導入計画は、資源制約の顕在化に対応して優れた省エネ製品等による市場の開拓を促進することが目的であります。この目的を達成するために、単に設備投資計画だけではなくて、ただいまるるお述べいただきましたように、最終製品の生産計画そして販売計画を認定する必要があるため、最終製品メーカーを支援対象とするのが原則的な考え方であります。
 しかしながら、部品メーカーについても、最終製品メーカーがしっかりとした生産計画、販売計画を持っており、さらに最終製品の専用部品を生産している場合には支援対象に加えることにしております。また、部品メーカーが、ただいまお述べになりましたように、最終製品メーカーからの協力を得やすくなるように、手続の簡素化など運用面でも更に工夫をしてまいりたいと考えております。
 いずれにせよ、部品メーカーは我が国メーカーの基盤を成すものであり、こうした措置を含めて今後とも実情に合うようにしっかりとした支援を講じてまいりたいと考えております。
#19
○津田弥太郎君 部品メーカーが支援措置を得られることが分かった最終メーカーは、またその単価を下げるぞという話になるのは非常につらいわけですね。やっぱり自分たちで努力した成果は自分たちで享受を受けたいと思うのは、これは企業として小なりといえども私は当然のことだろうと思うわけで、そういう点で今大臣が運用面で工夫をしていくよという御答弁をされたわけでありまして、是非そこのところ、更に工夫をしていただければというふうに思います。
 次に、オープンイノベーションの促進に関してお尋ねをいたします。
 私は本会議で、株式会社産業革新機構、これがなぜ十五年に限定されているのかということをお尋ねしましたところ、二階大臣の答弁は、機構は、オープンイノベーションの成功事例を先導的に創出することにより、その自律的な計画を促進するための時限組織であり、十五年間を年限にしますというふうに御答弁をされたわけであります。つまり、十年でもない、二十年でもない、なぜ十五年なのかと。これ、具体的にこの十五年間のタイムテーブルにおいてどのようなオープンイノベーションの成功事例を先導的に創出し、自律的な計画を促進していくのでしょうか。
 私は、現場上がりの人間なんで、どっちかというとこういう話というのは、えいやっという話なのかなという気がするわけですが、必ずしもそうじゃないんだ、根拠があるんだということであるならば是非お教えをいただきたいなと思いますし、この十五年の経過後にはいわゆる特定事業活動は特別の推進機関がなくても我が国において行われることが常態となっているのか、併せて御答弁をいただきたいと思います。
#20
○副大臣(高市早苗君) 産業革新機構は、基礎技術の事業化への投資というものも対象にいたしておりますので、投資回収までにはベンチャーキャピタルと同様の期間が必要になるだろうと考えられます。ベンチャーキャピタルの平均的な存続期間というのが大体八年から十二年間ということを参考に、機構は最大十五年間活動を行う予定ということにしております。
 どのようにこのオープンイノベーションを進めていくかということなんですが、企業や大学、これがしがらみを超えて分散している技術を組み合わせていくことによりまして、付加価値の高い事業を創出する潜在力があるんだということにつきまして、ふだんから関係者の共通意識の醸成を図る、それと同時に、実際の投資案件を通じましてオープンイノベーションの事例の実現を図ってまいります。
 十五年後どうなるんだということなんですが、今後、機構がオープンイノベーションの成功事例をどんどん創出していきながら民間人材を糾合していく、そして育成していくということによりまして、機構が活動を終えるころにはこのような案件が民間主導で組成される。そして、投資可能な環境が整っていくということを期待しているということでございます。
#21
○津田弥太郎君 果たして十五年後にどうなるか、これは今のところだれも分からないわけであります。
 そこで、私は本会議の場でも申し上げましたが、旧通産省と郵政省で二千八百八十五億円の出資を行って回収金額が九十八億円、実に二千七百八十七億円の欠損金を生じさせた基盤技術研究促進センター、この事例を挙げました。この轍を踏まないということが大変重要なわけでありますが、二階大臣の答弁は、今回の機構は、基盤技術研究促進センターと比較をすると、試験研究ではなく、その事業化プロセス、試験研究ではなくてこの事業化プロセスに対して資金提供を行う点では異なるんだという旨の御答弁をされたわけであります。これは、衆議院段階での政府委員答弁を踏襲したものであります。
 私は、果たして今の試験研究とこの事業化プロセスというふうになったから大丈夫なんだというのを、本当にそうなのかな。試験研究だから、これまだほんまもんになるかどうか分からぬと、事業化プロセスまで行ったから、ここまで来れば大丈夫だろうと、まずその見込み違いはないだろうというふうにお考えなのかもしれません。しかし、私はこの事業化プロセス段階だからこそ、ある面ではどの案件もそれらしく装っているわけです。そんな不安な状況を書くことはあり得ない。そういう中で、投資対象の収益性の精査あるいはリスクを適切に評価をして支援対象を決定していく。これは相当な目利きが必要になってくる。目利きですよ。これはなかなかこの勘どころというか、目利きというのはこれは大事なところなんですが、この機構には民間人材を結集するというふうにされているわけですが、この具体的に発起人あるいは取締役を含めて、どのような分野の人材を集めることになるのか。
 昔は銀行なんかにも、非常にその手の優れた人がいたんだけれども、最近の銀行はろくな者がおらぬ、私はそういう気がしてならないわけでありますけれども、そういう点で、どんな分野の人材を集める予定になっているか、お述べをいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、産業革新機構におきまして、御指摘のように有望なシーズの評価、具体的な投資判断、それからまた投資後の経営支援といったようなものを的確に行えるような人材というのが不可欠でございます。
 具体的には、目利きという面でいきますと、多分、御本人の技術的知見というだけでは当然足りませんで、大学との例えばネットワークというのがどれだけあるかと、技術の専門家からどれだけアドバイスをもらえるか、それからまた実際の事業化という段階になりますと、大企業のサイドの新事業部門なんかとのネットワークがどれだけあるかといったようなところも大事なポイントだろうと思います。そういう意味で、投融資の実務だけではなくて、どれだけネットワークを張れるかどうか。
 それからまた案件の幾つか技術がありますところをどうやって経営資源を組み合わせて組成をしていくかといったような、調整能力といったようなところも不可欠だろうというふうに思っております。民間でもまだまだ人材、層が薄いという議論がございますけれども、ファンドといったようなものを通じながら、そういった人材が徐々に育ってきております。
 こういった経験を有する人材の中から、我が国経済の将来の発展に資する事業に投資するという公的色彩の強い業務、これが今回の産業革新機構でございますが、そういった日の丸をしょって投融資をしたいということについて御関心を持っておられる方を是非選んでまいりたいというふうに思っております。
 具体的な発起人による機構の設立及び取締役の選解任の認可については、そういった面で適切な業務執行体制が確保されているか、必要な専門性を有するかといったような点に留意して検討を進めてまいりたいと思っております。
#23
○津田弥太郎君 答弁になっていない。
 具体的に人の名前まで言えとは言いませんよ。しかし、この目利きというのは大変重要で、ここにいらっしゃる皆さんが、ああ、そういう分野の人なのかと、そういう人が入って見るならかなりいい判断ができるんじゃないかというふうに、だれもこれ思っていないですよ。
 もうちょっと具体的に説明してください、もう一回。
#24
○政府参考人(石黒憲彦君) 繰り返しになる部分もございますが、現実にはベンチャーキャピタルあるいは再生ファンドといったようなところにおいて、実際にその投融資実務をやっておられる方がございます。それからまた、現実に目利きという面におきますと、日本にも実は既に大企業の技術者、OBといったような方々をネットワークしたような組織がございます。
 そういったようなところと実はネットワークを張れるような人材、そういう意味ではコンサルティングなどの業務をやっておられた方も一つの候補でございます。そういったファンド関係、ベンチャーキャピタル、それからまた、コンサルティング、投融資実務、また、もちろん銀行だとか金融界の方もおられると思いますし、産業界のそういった目利き人材といったようなことのネットワークをお持ちの方、そういった方々に御参集をいただきたいというふうに思っております。
#25
○津田弥太郎君 やっぱり経産省として、どういうところにどういう人材が埋もれているかということをしっかり探し出すそういうツールをいろいろお持ちをいただきたいと思うんです。
 これ以上詳しくは多分なかなか申し述べにくいと思いますので、是非その辺、人選に当たってこれ大変重要なところでありますので、御努力をいただきたいなというふうに思うわけであります。
 次に、大臣にお聞きをしたいわけでありますけれども、日本政策金融公庫によるこの政投銀の行った出資に対する損失補てんであります。
 衆議院段階でも我が党の委員を中心に最も質問が集中をした分野でございます。場合によっては損失の補てんに税金が使われることになるということで、この認定要件の明確化が求められるということは、これは当然のことだというふうに思うわけでありますが、これ難しいのは、一方で余り要件を厳格化すると、今度は使い勝手が悪くなって結果として効果が上がらないのではないかという、これ非常に難しい判断があるのかなというふうに思うわけであります。
 さっきは目利きですが、今度はさじ加減、これ本当難しいところだというふうに本当に私も思います。私は、要件は厳格にしつつも、この要件を明確化することで支援の予測可能性を高めていく、そしてその要件を周知徹底し、当該要件を満たす企業は即座にそして堂々と制度の利用を行える、そうしたことが求められているのではないのかな、こんなふうに思うんです。
 大臣としても、かなりここはちゅうちょしないで、一定の要件を満たせばやっぱりゴーという判断を下されていくことが必要ではないのかなというふうに思うんですが、そんな認識でよろしいでしょうか。
#26
○国務大臣(二階俊博君) ただいま、出資円滑化のための損失補てん制度の対象となる企業のことでありますが、私どもは第一点として、雇用規模がまず大きい企業など、国民経済の成長や発展に及ぼすいわゆる影響が大きいと判断されること、これが第一点であります。次に、当該出資を前提に、出資先企業に対して他の民間金融機関がいわゆる融資等により協調して認定計画の実現等に取り組む予定があること、これらをこの要件として重要視してまいりたいと思いますが、これらの要件を満たす企業、これを対象としてまいりたいと思っております。
 今、そうしたことに、満たす企業に対して即座に対応するようにということでございましたが、誠にそのとおりでございまして、そうした要件が満たされれば速やかな対応が必要だと思っております。
 今後の問題でありますが、例えば雇用規模が大きい企業というのは一体どういうことかと言われれば、関連の下請企業や取引先企業を含めて五万人以上の国内雇用に影響を与えるような、具体的には連結ベースで国内雇用五千人以上の企業を想定しているところであります。
 対象となる企業が本制度を利用しやすいように、先ほど申し上げました数値も含めて本制度の要件を告示に明記することなどを通じて、要件の具体的内容を、議員御指摘のように、そこを明確に周知徹底していくことが重要だと考えております。
#27
○津田弥太郎君 これ、すべてがうまくいけばいいんですけれども、この手のもので一〇〇%うまくいくという保証は何もないわけでありまして、しかしそうはいっても、一定の要件を備えればこれはやっぱりゴーということにしていかないと、せっかくこういう制度をつくって、先ほど別の事例でゼロ件というのがあったわけですが、それじゃ意味がないわけでありまして、そこのところは大臣の言ってみれば主導性で決まるのかなと。役人はどっちかというと自分が責任取りたくないから逃げ回る傾向があるわけですが、是非大臣の主導性を出していただきたいなと。
 今、大臣告示として示されております四要件、これについてお尋ねをしたいというふうに思うわけであります。
 四要件というのは、出資しないとこれはもうどうにもならないよという、出資が不可欠であるということ。あるいは二番目には、当該企業の価値向上が見込まれる、つまり当然その出資をすることによって仕事が拡大し、一定の利益が出るということ。それから三番目は、今もおっしゃいましたが、雇用規模が大きい、あるいは造っている製品が代替困難であると。それから四番目は、その出資先企業に対して他の民間金融機関が言わば協調して同じように融資をするという、こんなような要件が付されているわけでございます。
 衆議院段階で、雇用要件については連結ベースで国内雇用が五千人規模という、今大臣がおっしゃいました、という答弁がありましたし、代替困難な基幹部品の供給に関する相当割合とは三割から五割程度という答弁がございました。これは定量的なものですから、きちんと詰めていけるだろうというふうに思うわけであります。
 ただし、例えばこの代替困難な基幹部品とはそもそも何か、これはなかなか判断難しいわけであります。この点について、自動車のピストンリングの例示がなされました。これは御案内のように、新潟の地震で柏崎のリケンというピストンリングを造っている会社が大きな被害を受けたと、そうしたら国内で車が造れなくなったという非常に大きな事件があって、これは大変なことだと。
 私は、そのリケンという労働組合も私の出身組織の加盟組合でありますので事情はそれなりによく知っているわけでありますが、ピストンリングというのは日本では大体三社がほとんどシェア九〇%以上握っているわけであります。このリケンと日本ピストンと帝国ピストン、この三社でほぼ市場を制覇しているわけであります。
 トヨタやホンダが自分のところの車で使うピストンリングを、同じ車種のものを三社に共同発注すれば、この間の地震のときでも、リケンが駄目なら日本ピストンがあるさという形で対応ができるんだけれども、これ千個の同じ製品を三社で三百、三百、四百と作れば、これコスト高くなっちゃうんですね。ところが、一社で千個作ればコストは低くなるわけであります。ということは、やっぱり少しでもコストを下げようと思えば一社に発注をする、二社、三社発注はしないと、こういうことになるわけでありまして、そうすると、この間の地震のときみたいなことになってしまうという非常に悩ましい部分があるわけであります。
 この代替困難な基幹部品というのは、そういう意味でピストンリングなんかはそういうものに当たるんではないかということであるわけですが、それらに関してもう少し、ピストンリングだけだとうんうんとうなずけるんですけれども、ほかにどんなものがあるのか、この制度を活用する多くの企業が分かるような詳しい説明を求めたいと思います。
#28
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 今回の出資の円滑化制度の代替困難な基幹部品の事例でございますけれども、委員御指摘のとおり、私どもが念頭に置いておりますのは一つの典型的な例でございまして、今委員御指摘のピストンリングの例でございます。
 ただ、こうした事例は我が国にはかなり幅広く存在しているのではないかと思います。日本の言わば世界をリードする産業、自動車あるいは情報家電等ございますが、もちろんこれらの最終的な組立てを行っている企業というのは世界的にも非常に競争力が高いわけでございますけれども、これらの企業の競争力を言わば一番基盤的なところで支えておりますのは、非常に精密な部品、部材を供給をしておりますこうした部品メーカーでございます。かつまた、今御指摘のとおり、例えば自動車部品でございますとか情報家電の分野で、フィルムでございますとかコンデンサーといったようなたぐいでございますけれども、かなり高度な技術力を要し、かつまた供給者が限られていると、こういうケースが多々ございます。
 こうしたものにつきましては、もちろんそれぞれの個々の案件ごとにこれから告示をいたします要件に即してきちっと判断をするわけでございますけれども、今御指摘のピストンリングに限らず、こうした分野というのは結構見ることができるのではないかというふうに考えております。
#29
○津田弥太郎君 分かりました。
 是非、例示列挙をできる限りやっていただきたいなというふうに思います。
 同様に、他の民間金融機関の協調要件、これについても、どの段階でどの程度の合意が行われていなければならないものか、ここはしっかり明確にしておく必要があるんじゃないかと思うので、政府委員から分かりやすく説明してください。
#30
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えを申し上げます。
 今回の措置でございますが、元々、損失補てん制度は、個々の企業を救済するというよりは、資金繰りに苦しんでおります企業が財務状況等の関係で出資が不可欠だといったようなケースの場合に今回措置させていただくものでございます。したがいまして、当然のことながら、前提となりますのは、民間の金融機関が一緒に融資しようという姿勢がきちっとあるということでございます。
 今回の産活法の認定の場合には、必ず円滑かつ確実な実施が行われるかどうかというのが明確な要件になっております。その言わんとする意味は、資金計画がちゃんとできているのかできていないのかということをチェックをさせていただくということでございます。
 私どもは、そういう意味では、申請書類の中に、どういう資金計画で今後三年間、キャッシュフロー、それからその後、設備投資等についてはどんな資金が使われていくのか、そこに対してどのような銀行が協力するのかといったことについて書面で審査をさせていただき、お話を伺わせていただきながら、じっくりそこら辺は認可の際に判断をさせていただきたいというふうに思っております。
#31
○津田弥太郎君 分かりました。
 さて、今回、国の資金で形成されました試験研究成果の活用等を促進するための措置、これ具体的には、一定期間実施されていない国有、国が持っている特許、この特許を時価よりも低く許諾することができる制度の導入、これが産業技術力強化法の改正で盛り込まれているわけであります。これ見てみますと、二〇〇七年三月末時点の国が持っている国有特許の実施許諾率は約一二・九%ということでありまして、また様々な観点で、同列に論じにくい防衛省関連、防衛省関連というのはちょっと特殊なんで、これを除外してみても、利用率は二〇・二%ということになっており、これどういうふうに見るかというと、必ずしも高い利用とは思えないわけであります。
 この点、今回の改正によって公的な研究成果の有効活用に期待は寄せられるわけでありますが、一方で、これまで余り利用されていなかったということは、大変失礼な言い方になるかもしれませんが、本当に価値がある特許を持っているのという、失礼ですけれども、そういうことも考えられないわけでもない。そもそも国有の利用されていない、未利用の特許の中に実際にイノベーションの源泉となり得るそういうものがどの程度存在しているのか、自画自賛しないで客観的に説明をしていただきたいと思います。
#32
○政府参考人(鈴木正徳君) ただいま先生から御指摘いただきました国有特許でございますけれども、国が保有します特許は三千四十七件ございまして、そのうち利用されておりますのは三百九十八件、残り二千六百四十九件が実施をされていない、利用されていないという状況でございます。
 私ども、これらの未実施の特許につきまして、悉皆調査はできておりませんけれども、実は七十件弱ほどサンプル調査を民間の方にお願いをいたしまして、これが使えるかどうかという調査をいたしました。そういたしましたところ、燃料電池の燃料ガスを効率的に精製するための特許とか、レーザーの照射によりまして大気中の微量な化学物質を検出し得るというような特許、こういう特許が一定数あるということが分かりまして、これらは専門家の方からもこれは高い特許だということで評価をいただいております。かつ、これらの特許が中小企業の方々に利用されまして事業化ができるかということも併せて調査をさせていただきましたところ、やはりこれも事業化ができるということが分かりました。
 じゃ、どうしてこれまで使われてこなかったかというところは私どもも大いに反省するところもございます。一つには、国有特許こういうものがあるという広報を十分してこなかったということもございますし、また、特許料につきましてやはり中小企業にとっては重荷になっていたという点もございまして、今回の法律改正として御提案を申し上げたところでございます。
#33
○津田弥太郎君 分かりました。
 この国有特許の許諾の対価、これ時価より低く定めることができるというふうになっているわけであります。委員の皆さん、そもそも特許の価格というのはどういうふうに決めるんやと。なかなかこれ専門的な話になってもちろん私も分からないんですけれども、これ相当難しい、価格を決めるというのは難しいことではないのかなというふうに思うわけであります。この特許の時価、時価よりも低く定めることができるということは、時価が何ぼやという話になるわけでありまして、これは具体的にどのように決定し、どの程度時価よりも低い対価となるのか、これ明らかになってこないと、いいものがあるんだよとおっしゃって、でも高いから手に付かなかったんだと。これが今度こんなに安くなるんだよ、こんなにいいものがこんなに安くなるんだと、さあいらっしゃいというふうになっていかなきゃいかぬわけでありまして、その点について御説明をいただきたい。
 それから、この実施許諾は特に政令で定める者に対してのみ許諾を行えると規定されているわけでありますが、この政令で定める者に対してのみというのが、恣意的な運用がされるんではないかという見方もこれあるわけでありまして、具体的にどのような規定を想定しているのか、お答えをいただきたいと思います。
#34
○政府参考人(鈴木正徳君) ただいま先生から御指摘いただきました特許の時価でございますけれども、具体的には、実施料率が大体二%から四%になっておりまして、その実施料率を基にいたしまして、例えばその特許がその製品を作る際にどの程度寄与したか、一〇〇%この特許でできたものか、それとも一〇%かと、そういう寄与率を掛けましてその実施料率を計算させていただいたところでございます。大方申し上げますと、その製品の売上高に応じまして、約四%以下、二%の場合もございます、一%、〇・二%の場合もございますが、その四%以下が時価となっております。
 今回、その時価よりも低い対価の定め方でございますけれども、例えば国有のほかの施設、これはハードでございますけれども、そういうものにつきましても、利用料について時価の半額と定めているという例がございますので、私ども、このような例を参考にいたしまして、大方半額という程度を基に今後調整をさせていただきたいと考えております。
 それから、この対価を低く定めることができる政令で定める者ということにつきましても、具体的には中小企業それからベンチャー企業、こういうところを対象に考えているところでございます。
#35
○津田弥太郎君 その政令で定める中小企業とかベンチャー企業というのは、要は選別をしないという、そういう考え方でいいわけですね。はい、分かりました。
 ここでちょっと、どうしても長く厚生労働委員会をやってきたもので、厚生労働省、見えていますよね。
 実は、私の出身組織で、これまでの過去の第一次オイルショック以降、何回もオイルショックや円高ショック、たくさんの不況期を経験してきたわけですが、その時代の経験と今回のこの雇用動向、違いがあるかどうかということについて少し検証をしてみますと、私はやっぱり顕著な違いが幾つかあるように思うわけです。
 一つは、評価はいろいろありますが、非正規の従業員の雇い止め、これが今回については極めて早期の段階で大量に発生をした。これは、これまでの不況期とは違う傾向として私は特徴があるのではないのかなというふうに思うわけです。もう一つが、いろいろ批判も受けておりますけれども、正社員への雇用に手が付けられることが一定程度防げている、こういう特徴があるのかなというふうに思うわけであります。この後者の点について、私は、一定程度防げている理由というものが何なのかということを考えますと、雇用調整助成金、これが有効活用されているのではないかというふうに思うわけであります。
 政府が昨年秋以降、この雇用調整助成金の要件緩和あるいは支給の充実を累次にわたって行ってこられました。私ども民主党もさんざん提案をしたんで、パクりだという批判をする人もいますけれども、私はそういうことは言いません。よくやっていただいているなというふうに思っているわけであります。
 特に、この対象要件が明確に定まっていなかったため、現場のハローワークで扱いに困っていたのが教育訓練でございました。私も、それこそしつこく厚労省の担当者に対して、この具体的な要件、どういう内容の教育を行えば教育訓練給付が得られるのかと、このことを相当しつこくやり取りをしてきました。先月の三月六日と十三日に厚生労働省から相次いで全国に通知を発していただきました。この点、私は、厚労省に対して感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 その上で、積み残しになっている問題がございます。
 一つは、雇用保険上の事業主を移さないまま在籍出向しているケースであります。分かります。分かんない、分かんないね。
 A社に勤めている。A社の売上げが減ってきたんで、従業員の仕事がなくなったんで、B社に出向させる。で、B社で働く。ところが、雇用保険はA社にある。ところが、そのうちB社も具合が悪くなってきた、仕事がなくなってきた。そうすると、休業しなきゃいけないということになってきた。ところが、雇用保険はA社にあるから、B社で一時休業しようと思っても、その人は対象になってこないわけです。分かりました。はい。これ、何としても早急に手だてを講じていただきたいというふうに思うわけであります。
 また、もう一つ、現在、外部講師を招いて行う教育訓練、これは三時間単位で認められているわけですが、自前の社内講師、資格を持った社内講師で教育訓練を行う場合には一日単位という形になっているんです。確かに社内講師というのは、おいおい、本当に中身はちゃんとやっているんだろうなと、モラルハザードの問題は確かにあるんですが、しかし丸一日のカリキュラムを準備するというのは、大企業ならともかく、中小企業になるとなかなか大変であります。
 従業員が自宅で週に、今、週休三日とか週休四日になっちゃっている。土日はともかくとして、月曜と金曜が休業になっちゃう。これ、言い方はいろいろありますけれども、余り休むとろくなことはないんですね、人間。一日ぐらいならともかくとして、週に二日も休業になると、一日ぐらいはやっぱり会社に行ってちゃんとお勉強する、これ大事なことだと私は思うんです、感覚をやっぱり常に研ぎ澄ませておくという意味でも。
 だから、教育訓練というのは非常に大事なわけでありまして、そういう点で、この社内講師による教育訓練も半日単位でも使える、例えば半日は社内講師による教育訓練で半日は休業というようなやり方は今できないわけですけれども、私は是非検討していただきたいなというふうに思うんですが、厚生労働省、御出席いただいていると思うんですが、いかがでしょう。
#36
○政府参考人(大槻勝啓君) お答え申し上げます。
 現行の雇用調整助成金制度の解釈等につきまして、運用につきましてお尋ねございました。
 二点ございましたが、一つ目の在籍出向者が出向先で休業等をした場合の取扱いでございますけれども、お話のように、出向先の雇用保険被保険者となっていないという場合につきまして出向先においての助成対象とはしていないという現状になっています。それからもう一点の、社内講師を使った教育訓練についてのお尋ねございましたけれども、教育訓練の場合には一般的に、訓練効果を最大限上げると、また支給申請手続の簡素化を図る観点から、基本的に助成額を日額単位で設定しているということもございまして、例えば半日単位など、一日未満の教育訓練につきましては御指摘のような取扱いをしているところでございます。
 ただ、現下の雇用失業情勢、厳しさを増しておるということでございます。そういった中で、今御指摘のような点につきまして事業主の方からも御要望なり御意見が出ているということは十分承知しておりますので、こういった二点につきましての御要望に係る対応の可否等につきまして早急に検討してまいる考えでございます。
#37
○津田弥太郎君 景気が上向いてくれば、ああ、あんな話をしたなということで済めばいいんですけれども、残念ながら休業は更に増えることはあっても今減る状況にはないわけでありまして、是非よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
 雇用関係の質問を続けます。
 今回の改正案による中小企業承継事業再生計画、これについてはどの程度活用されると考えているのか、またそれに伴う雇用確保、これ大きな目的になっているわけですが、どの程度になるというふうに想定をされているでしょうか。
#38
○大臣政務官(松村祥史君) 津田委員お尋ねのありました計画の活用と雇用の確保についてでございますが、現段階におきましては定量的な見込みを一概に示すことは困難であると考えておりますが、しかしながら、我が国におきましては、抜本的な債務処理を行えば価値のある事業が再生をし、雇用の確保と取引先の保護に資する中小・小規模事業者が存在すると理解をしております。こうした企業に対しまして、再生計画の活用によりましてしっかりと再生を支援していきたいと考えております。
 また、全国の中小企業再生支援協議会の実績から申し上げますと、債権放棄型の再生案件のうち第二会社方式を活用した割合は、平成十五年度の三六%から平成二十年度は七一%へと増加しております。こうした計画の活用によりまして、第二会社方式によります事業再生が更に迅速かつ円滑に進むように努力してまいりたいと思います。
 また、雇用についてでございますが、平成十九年度におきましては、第二会社方式の活用によりまして一社平均六十名強の従業員の雇用が確保されております。今後とも、本計画の活用によりまして、雇用の確保をしっかりと図ってまいりたいと思っております。
#39
○津田弥太郎君 今おっしゃいましたこの第二会社方式、これは不採算部門の清算が伴う再生計画であります。つまり、不採算部門は言ってみれば切り捨てるというのかな、そういうことが伴う。したがって、雇用に影響がないわけがないわけであります。したがって、企業の再生ということ、第二会社方式を使って再生をするということと、一方でできる限り雇用の維持確保を図るというある面では見方によっては矛盾したことを何とかやっていかなきゃいかぬということになるわけであります。そういう点では、この取組が本当に必要な再生計画であるかどうか、場合によっては人員整理のためにやるというようなことがあってはならないわけであります。
 その意味で、この中小企業承継事業再生計画の支援対象の要件となる過大な債務、この過大な債務というものの基準は制度を適切に運営していく上で極めて重要なポイントになるだろうということで、私も本会議で指摘をさせていただきました。是非、この定量的な目安というものを、あればお答えをいただきたいと思います。
#40
○大臣政務官(松村祥史君) 先生御指摘の支援の要件となります過大な債務についてでございますが、まず、実施のための指針において定める予定でございます。
 具体的な定量的要件につきましては現在検討中でありますが、これまでの第二会社方式の実績を参考にいたしますと、まず企業の有利子負債を年度のキャッシュフローで割った比率が約二十倍以上であることが一定の目安と考えられます。こうした再生をより確実に行うために、事業再生の計画終了年度には有利子負債、キャッシュフロー比率が十倍以下となることを目安に目標を設定させてまいりたいと考えております。
#41
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 二十倍という具体的なお話がございました。これが一つの大きな目安になるだろうというふうに思います。是非そういう点で、この再生計画が本当の目的にのっとって行われるように、是非しっかり大きな目を開けてチェックをしていただきたいなというふうに思います。
 時間もなくなってまいりました。大臣に最後の御質問をさせていただきたいと思います。
 実は衆議院で附帯決議が付けられておるわけであります。既存の計画、新たな計画のすべてについて、事業者が雇用の安定等に十分な配慮を行うことを確保するという附帯決議が付されているわけでございます。
 これ、大臣、具体的にどのようなことを指しているのか、またそれを行わない場合どのような指導を行うのか、それらについてお答えをいただきたいと思います。
#42
○国務大臣(二階俊博君) 労働組合等に関しまして大変見識の高い津田先生から、特にこの法案の審議に際しまして、労働組合との協議、具体的にどう行うのかと御質問をちょうだいしたわけでありますが、新設の計画、既存の計画、共に事業者が労働組合等との協議により十分話合いを行うことを認定のまず要件にしております。次に、計画の実施段階においても、労働組合等との協議により十分に話合いを行い、労働者の理解と協力を得ることを努力義務と課しておるところであります。計画の実施状況は毎年度事業者から報告を受けており、その中で計画の変更を指示するなど必要な対応を行うことにしております。
 厳に適切な運用を行い、労働者の雇用の安定について、経済産業省としても意を尽くして努めてまいりたいと思っております。
#43
○津田弥太郎君 この法律は、本当に厳しい環境の中で何とかして企業を再生させる、あるいはそこで頑張っている労働者が更に努力をし、雇用も守られていく、様々な要請があるわけでありまして、これらがしっかり実現されるよう、これは国会だけではなくて、現場で私もしっかりチェックをしていきたいなというふうに思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
#44
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。津田委員に引き続きまして、産業活力再生特別措置法について二階大臣中心に御質問をさせていただきたいと思います。
 今回は〇七年の改正に引き続いての改正ということになるわけですが、過去を振り返りますと、この法律は九九年にできましてから〇三年、〇七年と過去二回改正をしてきております、今回は三度目の改正ということなんですが。それで、特に〇三年以降の六年間の産業活力再生特別措置法の様々な計画類型別に認定状況を見ますと、トータルで二百八十六件あるんですが、そのうち事業再構築計画、まさに選択と集中の本家本元の計画でありますが、こちらが二百三十二件を占めています。それと、経営資源再活用計画というのが四十三件、実はそれ以外のもの、共同事業再編計画とか事業革新設備導入計画とか、その他のものはほとんどないわけですね、認定されているケースが。若干ありますが、六年間というスパンで見ますとゼロに近いんじゃないかというふうに思うんです。
 ですから、今回見直すんであればこういうことも含めて、今回二つの計画を廃止というふうに聞いていますが、全体的なところも含めて評価をすべきじゃないかと思うんですが、こうした少ないものについてどう評価されているのか、あるいは今後この法律を運用していくに当たりなぜ活用が促進されないのか、これらの点についてまず最初に大臣の御所見を伺いたいと思います。
#45
○政府参考人(松永和夫君) ややこれまでの経緯を含めまして事務的な答弁の方をさせていただきたいと思います。
 今委員御指摘のとおり、これまでの産活法の幾つかございます計画類型の活用状況につきましては、事業再構築計画というものが数としては非常に多かったということでございます。本来の趣旨といたしまして、いわゆる三つの過剰というものを言わば解消していくということが大きな流れとしてはございまして、当時の言わば、これまでの経済環境というものを反映した結果だというふうに考えております。
 しかし、一方で、前向きな言わば対応といたしまして、技術をてこにし、あるいはまた新しい設備投資を共同で行うような形で事業革新を行って企業価値を高めていこう、こういう課題というものは現状におきましても極めて重要な課題でございまして、今後ともこうした計画について産業サイドから中小企業も含めまして積極的な対応があることを期待をしておりますし、先ほども御答弁させていただきましたけれども、私どもといたしまして、これまで以上に関係業界団体等を通じて、あるいは地域の経済産業局を通じて制度の申請の趣旨あるいは仕方ということについてきちっと広報、周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
 委員御指摘の、今回新たに三つの計画を追加をするに当たりまして、共同事業再編計画とそれから技術活用事業革新計画、この二つの計画を廃止をいたしました。これは、両方とも事業再構築計画という中で引き続きこうした計画の方向を目指そうとする企業につきましてはカバーをすることができるということで、今回新たに三計画を創設するに当たりまして廃止をしたと、こういう経緯でございます。
#46
○直嶋正行君 今御答弁あったんですが、例えば共同事業再編計画も技術活用事業革新計画も、事業再構築計画、名前がよく似ているんでややこしいんですけれども、こちらで吸収できるとこういうお話なんですが、例えばそれだったら共同事業再編計画というのは何で作ったのかということになるんですよね。ほとんど使われていないし、かえって政策を複雑にするだけで、無駄ではなかったのかとすら思うんですけれども、それはそういうことも含めて今回見直したと、こういうことでよろしいんですか。
#47
○政府参考人(石黒憲彦君) 委員御指摘の共同事業再編計画でございますが、私、実は平成十五年度で担当課長で作らせていただきました。この計画の趣旨でございますが、共同して廃棄をすることだけで実は当時税制の恩典を付けるという仕組みでございました。当時は実は三つの過剰ということで、いわゆる過剰設備をいかに消化するかというのが課題でございましたので、平成十五年、共同事業再編計画ということでこれを新たに改正させていただいたわけでございます。
 その後、全体的なマクロ情勢は、委員御案内のとおり全般としては過剰供給がなくなった状況にございます。ただ、昨年の金融危機の以降急激にこれが、過剰感がまた出てきたというのも先ほど津田議員との御質疑の中で答弁させていただいたとおりでございます。
 ただ、今回の場合には、単純な設備廃棄だけで応援をするということではなくて、設備廃棄と併せて前向きな努力をするというものについて応援をさせていただきたいというふうに思っておりまして、その部分につきましては、過去の制度を一部廃止して前向きな取組をするということが新たに要件として付加された形で事業再構築計画の中で応援をさせていただくと、そういう趣旨でございます。
#48
○直嶋正行君 元々できたんじゃないかというふうにお聞きしたんですけれども、事業再構築で。それはできたんですよね。
 それから、もう一つお聞きしたいんですけれども、この技術活用事業革新計画というのも今度なくなるんですが、これは今回の改正案でも産業革新機構をつくってこれからイノベーション、企業間の連携によるイノベーションを推進しよう、こういうことになっているんですが、これを見ますと文字どおり認定されたケースゼロなんですよね、過去二年間でゼロなんですよ。こんなことで、そういう企業間の連携でのイノベーション推進なんてできるんですかね。だから、なぜこうなったかということをもっときちっと分析して整理しないと、いろいろ前向きなことをおっしゃっていますけど、実際には進まないんじゃないかという心配をしていますけど、大臣、どうなんですか、これ。
#49
○国務大臣(二階俊博君) 今までの我々も反省の上に立って、今後この産活法を活用して、今置かれている我が国の企業の、大変なピンチの状況にあるわけでありますから、それを一つでも二つでも救い出せることができるようにという辺りからこうしたことを考え付いたわけでありますが、我々は、今、直嶋議員が言われるとおり、今までの反省の上に立ってしっかりした対応をしなきゃいけない。せっかくの制度をつくっておいたって、何年間もだれからも申込みがないというようなそういうことは、どこかに欠陥があるわけでありますから、それは十分反省してまいりたいと思います。
#50
○直嶋正行君 話を始めたついでにもう一つ言わせていただきますと、その一方で、経営資源融合計画、それから事業革新設備導入計画というのはこれからも存続することになっているんですよね。これも、できたのが〇七年の、平成十九年の改正なんですが、ほとんど実績ないんですけどね。これはこのまま続けていく、何か工夫もなしに続けていくと、こういうことで本当によろしいんでしょうか。この点もちょっと聞かせていただきたいと思います。
#51
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えをさせていただきます。
 経営資源融合計画でございますけれども、確かに件数が一件しかございません。具体的な実例を申し述べますと、三菱重工及びその他一社が一緒に出資をいたしまして三菱航空機ということで、MRJと言っておりますけれども、次世代型の航空機の開発の新会社をつくるということで使われております。この件は、この計画そのものは、今申し述べたように、それぞれの会社の事業部門を切り出してきて新事業をやっていくというのが経営資源融合計画ということになっております。
 これにつきましては、今後とも、オープンイノベーションという全体の今回の法律のコンセプトがございますが、その中で引き続き新たに提案をさせていただいております産業革新機構などの施策と相まって更に使われるというふうに私どもは考えております。
 それから、もう一点の事業革新設備導入計画でございますが、これも平成十五年に新たに措置させていただいたものでございます。これは確かに三件しか使われておりません。ただ、これ実は、ほかの事業再構築が言わば企業の中の事業部門の再編を伴うものというものに対しまして、事業革新設備導入計画そのものは、過去において、設備投資だけを支援するという格好で設備投資の関係で特別償却税制というのがございますが、それを使わせるという趣旨でやっております。具体的には、シャープ等が亀山工場の設備投資に使ったといったような事例がございます。
 今後とも、こういった類型につきましては使われる可能性がございますので、今回残させていただいているということでございます。
#52
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 ただ、それ以降余り実績が出ていないということですから、例えばこういう考え方を、それこそ事業再構築だとかいろんなところへ応用して入れられるはずだと思うんですけどね。この種のものというのは、たくさんあればあるほど総花的になって複雑になって政策としては分かりづらくなりますので、是非そういうところも含めて今後の課題ということで御指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 続きまして、今回新たに加わりました、資源生産性の向上という新しい概念が入ったわけでありますが、これの趣旨と目的についてまず御説明を伺いたいと思います。
#53
○国務大臣(二階俊博君) 新興国の成長等を背景とした、将来的に資源の需要は確実に増加することが見込まれております。資源価格は中長期的には上昇の方向に向かっていくという判断をいたしております。資源小国と言われる我が国がこうした状況に対応するためには、資源価格の変動に余り左右されない経済産業構造を構築していく必要があります。
 このため、人、物、金当たりの生産性の向上を目的とする産活法に、エネルギー使用量当たりの付加価値である資源生産性を新たに位置付け、これを向上するための事業者の取組を支援する措置を追加することにさせていただきました。
 これにより、二十一世紀にふさわしい経済産業構造を構築し、我が国経済の持続的な発展を実現してまいりたいと考えている次第であります。
#54
○直嶋正行君 今大臣から御説明がありましたように、こういう資源高であるとか、将来の多分低炭素社会と言われているこういうものを視野に入れた考え方だということ、その部分に関しては理解できるんですが、今回これが必要ないという意味で申し上げているんじゃなくて、その資源高時代の後に、去年の秋のリーマン・ショック以降、経済情勢ががらっと変わっていると思うんですよね。
 そうすると、例えば、ちょうど九九年から二〇〇一年ぐらいですか、さっきお話のあった三つの過剰が問題になって、あのときは国内の金融不安というのが発端だったわけでありますが、企業の経営効率を改善するためにこの産業活力再生法が作られて、それを更に強化してきたと、こういうことなんですが、今回の不況とそのときの状況とどういう点が一緒で、どの点が違うというふうに受け止めておられるのかお聞きしたいんですけれども。
 私の理解で申し上げますと、金融の問題は確かに大きな要素としてありますが、もう一つは、日本の経済全体でいいますと、やはりいきなり輸出がどんと落ち込んでしまったと。つまり、そういうことで、我が国が輸出依存体質であったためにマーケットが突然小さくなってしまった、なくなってしまったと。したがって、やはり依然として十年前の状況と似たいわゆる三つの過剰感というのはあるんじゃないかと。だけれども、それだけじゃなくて、そういう状況を前提にして考えますと、やはり市場をつくっていくということが大変大きな要素になるんじゃないかというふうに思うんですけれども。
 そうすると、確かにこの資源生産性というのは大事なんですが、むしろ、これまでやってきた事業再編だとか、いわゆる選択と集中の部分をもっともっと使い勝手を良くして、さっき一部のものに偏っていましたからと申し上げたんですけれども、もっともっと使い勝手を良くして、この不況下で企業が体力を付けられるようにしていく方がむしろ話としては先なんじゃないかなと、そういうふうに私は思うんですけれども、この点は今回の改正の中でどういうふうに整理されたのか、お聞きしたいんですけれども。
#55
○国務大臣(二階俊博君) 仰せのとおり、平成十一年の産活法制定に至る景気後退局面、これは、アジア通貨危機や我が国の金融機関の破綻が生ずる、そういう状況の中で設備投資などの国内民間需要が減少したことは御承知のとおりであります。多くの企業が過剰な設備やあるいは負債等を抱えて収益性を低下してしまいました。また、労働や技術などの経営資源が有効に活用されていないという状況にもありました。このような流れの中で、中核的事業への選択と集中を図るということにより、傷んだ日本経済を持続的成長が可能な状態まで回復させるために産活法を制定していただいたわけであります。
 一方、資源価格の乱高下や、とりわけリーマン・ショックに端を発する世界的な金融危機とそれに伴う世界経済の減速の中で、輸出が大幅に減少しております。我が国の景気は急速な悪化が続いていることはだれもが御承知のとおりでありまして、この間、企業の資金繰り等は厳しさを増す一方であって、設備の過剰感も高まってきております。
 このような状況の中で、国際経済の急激かつ構造的な変化に対応するために、今回の法改正では、資源や資金という点に経営資源の一層効果的、効率的な活用を促進するというための措置を新たに追加をさせていただいた次第であります。
 私は、ごく最近、中国の閣僚やあるいは韓国の関係者といろいろ話し合ってまいりましたが、経済の困難なこの情勢の中で、この際、国際的な協力をしっかりすることによって、例えばWTOの問題一つ考えてみても、これから日中韓の三角形を中心にやっていかなきゃいかぬという大変強い要請を、要請といいますか、一緒にやろうという、そういう御意見が強かったわけでありますが、我々もそうしたことに備えて、我が国として今何をなすべきかということを十分考えながら、今回のこの法改正におきましても、先ほどから御指摘をいただいているような点に十分配慮しながら取り組んでいきたいと思っております。
#56
○直嶋正行君 今の点については後でもう少し議論を深めたいと思いますが、ちょっと話が横道へそれるようですが、先般麻生総理の方から、第四回の追加経済対策といいますか、経済対策が発表されました。ちょっとそれとの関係で若干お伺いしたいんですけれども、そうはいっても詳しい内容というのは、まだ補正予算も出ていませんし、私の方も全く分からないので、ちょっと教えていただきたいということでお尋ねをする部分もございます。
 一つは、今回の資源生産性革新計画の対象になる企業というのはどういう産業を想定しておられるのか、まず確認をさせていただきたいと思います。
#57
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 資源生産性革新計画でございますけれども、製造業全体のエネルギー消費量の約七割を占めます鉄鋼、化学、窯業・土石、紙・パルプの四業種を始めといたしまして、比較的エネルギー消費量の少ないサービス業に至るまで業種の区別なく幅広く申請ができる制度になっております。
 事業全体を個々の企業で見直しをしていただいて、創意工夫を凝らして資源生産性向上に取り組みます事業者を幅広く支援をしていく、そういう考え方でこの計画を設計をしているところでございます。
#58
○直嶋正行君 ということは、特にここは対象じゃありませんよというところは、逆に言うと、ないというふうに受け止めてよろしいわけですね。
 それで、例えばその中で、それでちょっと申し上げますと、先ほどお話ししたこの新たな経済対策という中を見ますと、例えば低炭素革命を進めるための太陽光発電を促進する、あるいは太陽光パネルの開発に至る支援、電気の安定供給を実現するための制御システムの開発支援、中小企業の太陽光発電設置、電力会社のメガソーラー設置支援策というのが、こういったものが政府の経済対策の中に織り込まれていますが、例えばこういう政策と今議論しています産業再生特別措置法の資源生産性革新計画で行う支援との関係はどういうふうになるんでしょうか、お尋ねしたいと思います。
#59
○政府参考人(松永和夫君) 今回の緊急経済対策でございますけれども、景気の底割れ回避のための緊急的な対策、それから未来への投資を行いますいわゆる新たな成長戦略、それから政策総動員によります安心と活力の実現と、この大きく言いますと三本柱から成り立っているわけでございますけれども、委員御指摘の資源生産性革新計画で目指しております政策の方向性は、特にこの二番目の柱でございます成長戦略、その中でも低炭素革命と非常に関連が深いというふうに考えております。一言で申し上げますと、この二番目の柱でございます成長戦略、なかんずく低炭素革命と相乗効果というものを上げて我が国経済の成長基盤の回復、強化をすることを期待をしているわけでございます。
 今御指摘の太陽光発電を促進するための技術開発を含めます様々な政策がこの中に盛り込まれていくと思いますけれども、こうした形で太陽光発電の技術開発が促進をされますと、そうした製品を活用して投資をすることによって自らの企業の資源生産性革新計画というものを作り上げていくということが可能になってくるのではないかと思います。
 また、今回の対策で省エネ製品の高いグリーン家電に対しましてエコポイントという制度を設けまして、その民生部門におきます購入促進を促す政策を設けておりますけれども、これは消費者サイドの言わば購買意欲というものを促進することによりまして市場を拡大する政策でございまして、資源生産性革新計画の言わば生産者側の省エネ投資を刺激をして経営基盤の強化を図る計画と言わばこれも車の両輪として機能していくということを期待しているわけでございます。
#60
○直嶋正行君 ということは、今後これらの政策に資源生産性革新計画あるいは、もう一つありましたよね、資源制約型製品ですかね、これを有効に使っていこうと、こういう理解でよろしいわけですか。
 そうすると、今エコポイントのお話ありましたが、もう一つ、今回の政策の中に環境対応の自動車の話も入っていますけれども、こういうものはどういうふうにとらえればよろしいでしょうか。
#61
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 グリーン家電の購入促進政策と並びまして、いわゆる環境対応車、エコカーの導入促進というのは、特に民生部門あるいは運輸部門におけるCO2の排出削減という課題に非常に言わば強力に対応し得る政策だと考えております。
 資源生産性革新計画は、主として企業サイドにおける設備投資というものを通じてCO2の削減、エネルギーの消費の効率化ということを目指すわけでございますけれども、この環境対応車の買換えの促進という政策と相まって、言わば産業サイドそれから民生部門、運輸部門、その日本経済を構成をしております三つの大きな部門が言わばこぞってCO2の排出削減に効果を発揮すると、そういうことを期待しているわけでございます。
#62
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 じゃ、続きまして、もう少し具体的なところについてお聞きをしたいと思うんですが、ちょうだいしました資料等を拝見しますと、今回の資源生産性革新計画で企業が目標とする指標を表されております。これは、分子が付加価値それから分母にエネルギー消費量又は二酸化炭素排出量と、こういう分数で生産性を計算すると、こういうことになっておりますが、こういう理解でよろしいんですかということと、もう一つは、この付加価値について具体的にどういう内容になるのか確認をさせていただきたいと思います。付加価値というのはどういう定義をされておるのか、確認したいんです。
#63
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 資源生産性の概念でございます。今委員御指摘のとおり、分母がエネルギー消費量又は二酸化炭素排出量でございまして、分子が付加価値でございまして、この資源生産性の向上を目指す計画を認定をいたしますのが資源生産性革新計画でございます。
 付加価値でございますけれども、これは言わば粗利ということでございますので、売上げそれから人件費それから減価償却費、これを言わば足し合わせた概念におおむね等しいと考えております。
#64
○直嶋正行君 そうすると、企業の側から見ますと、分子の付加価値を高めることによって生産性を上げるという方法が一つある。それから、分母の、いわゆる簡単に言うと、省エネを進めて、そのことによって生産性が上がると。両方ありますよね。
 そうすると、ちょっと焦点が今度は絞りにくいといいますか、例えば分母の省エネを例に挙げますと、これは省エネ法という法律でそれぞれもう規制をしているわけですよね。計画を出させて、こういうふうに省エネを促進しますという規制をしている。しかし、企業からすると、こういうものが出てくると、まあ省エネはちょっと置いておいて付加価値を上げればいいと。これは十分つじつまが合うわけですが、そういうことにもなりかねないわけですよね。それはそれでいいと、こういう理解でよろしいんですか。
#65
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 先ほどの私の答弁でちょっと一つ修正をさせていただきたいんですが、付加価値の概念でございますけれども、先ほど売上げと申し上げましたが、営業利益でございます。営業利益と人件費と減価償却費、この三つを足し合わせた概念でございます。恐縮でございます。修正をさせていただきます。
 今委員御指摘のとおり、資源生産性を高めるためには、付加価値を上げるというやり方と、それから言わば省エネでございます、エネルギー消費量を下げるというやり方。いずれにしましても、分数でございますから同じ効果が得られるわけでございますが、私どもとしましては、この資源生産性革新計画というものを今回新たに追加をしていただきまして、企業の前向きな行動を促す観点から、企業においてこの両方を言わば企業経営として見定めて付加価値を上げていくということ、企業価値を高めていくということと、そのためには、今の経済環境からしますと、あるいはまた先ほど委員御指摘の大変厳しい国際環境の中で新しい市場をつくっていくという観点からしますと、よりエネルギー効率のいい生産の仕方あるいはエネルギー効率のいい製品を市場に出していくということが非常に大事でございますので、そういった面も併せてトライをする、そういう企業行動というものを促していきたいというのが背景にある考え方でございます。
#66
○直嶋正行君 ということは、ちょっと極論的に言いますと、エネルギー効率が良くて付加価値の高い商品をつくって販売をしてくれれば、自分のところの例えば工場なら工場は余り省エネ努力しなくてもいいよと、こういうことになるんじゃないかと思うんですが、その整合性は付くんですかね。
#67
○政府参考人(松永和夫君) 省エネ法に基づきます言わば省エネを進める義務というのは引き続きございますので、この対象になっている企業につきましては、当然省エネ法に基づきまして自らの工場での省エネの推進ということは達成をすることが求められております。その上で、今回、資源生産性革新計画ということで認定を受けました企業につきましては、今申し上げました付加価値を上げながら、同時に、その製品を生産するに当たりましての省エネあるいはエネルギー消費量の効率化というものを図っていくということが求められると、こういうことでございます。
#68
○直嶋正行君 理屈としては分からぬことないんですけれども、ちょっと具体的に聞きますと、例えば今回の支援策の中に設備の即時償却というのがありますね。これは一年目で一〇〇%償却できるという、なかなか思い切った政策なんですが、全く同じものが省エネ法でもございますよね。
 そうすると、どっち使うんですかね。さっき私が申し上げたのはそういう点なんですよね。これが、じゃ、合わないからこの法律で申請をする、仮にそういうことになると、今度は省エネの推進がやはり予定どおりいかなくなるということになりかねないんではないかというふうに思うんですが。
#69
○政府参考人(石黒憲彦君) 委員お尋ねの件は、エネルギー需給構造改革投資促進税制との比較といいますか、関係をお尋ねかと思います。
 エネルギー需給構造改革促進税制の方では、実は設備を単体で定めております。例えば高効率ボイラーという格好で、あらかじめ設備を単体で指定をするというやり方をして、それを即時償却するというのが今回の税制の改正措置でございます。
 一方、この法律に基づきまして、いささか計画という格好でスキームをつくっておりますのは、ある企業が設備投資をします場合に全体、あらかじめ決められた設備というわけではございませんで、その企業、企業が創意工夫で自分たちの生産プロセスをどう改善していくかということについて計画を丸ごと出していただきます。その丸ごと出していただいた計画の中で基本的にエネルギー効率に貢献するよというものを、我々としては広く、あらかじめ定めず、見させていただきます。それで一定の効果が保証されているねということであれば、それを即時償却をするということでございます。
 要するに、簡単に言うと、単体で定めているのとシステム全体で眺めているのとの違いでございます。そういう意味で、事業者としては使い勝手のいい方を申請をしてくると。産活法の場合には計画という格好になりますので、若干手間等が、計画という形になりますので、出していただく書類等が増えるという部分ございますけれども、機器で見るのか、設備単体で見るのか、システム全体で考えるのかというところが大きな違いになっております。
#70
○直嶋正行君 しかし、企業会計上でいうと、減価償却はすべて設備単体で見ますよね、機械単位ですよね。そうすると、今お話しのシステム全体で見ても、結局、最終的に償却をするときは単体になるんじゃないんですか。そうすると、そこで違いが出てくるんじゃないんですか。
#71
○政府参考人(石黒憲彦君) 説明がちょっと言葉足らずで申し訳ございませんでした。
 まず、もう一回申し上げますと、おっしゃるとおりでございまして、個々の減価償却費の積み上げは単体ごとに積んでいくことは御指摘のとおりでございます。
 ただ、制度のまず趣旨の違いを申し上げますと、エネルギー需給構造改革投資促進税制の方は、ある一定の性能を持った設備があらかじめ定められております。例えば高効率ボイラーでありますと、エネルギー効率が何%のかくかくしかじかの設備という格好で明示的に設備が特定をされているというのがもう一つの方の、税制の方の即時償却制度でございます。こちらの方は、個々の企業は、例えば紙パ産業でありますと、自分の生産ラインをこう変えたいんだと、それで、こう変えるに当たってこういう機械を入れたいと、これは私ども実はあらかじめ分かっておりませんので、むしろ企業の方に御説明をいただきながら、なるほど、こういう新しい生産ラインであればエネルギー効率が相当良くなるねと、じゃ、しからば応援させていただきますよという格好で、その設備について掛かったお金を今度は、元に戻りますが、減価償却する際に即時償却ということで全額償却ができて、それが全部積み上がっていくということになります。
 ですから、繰り返しになりますけれども、単体ではなくて設備投資計画全体の中で意味のある、何といいますか、あらかじめ我々が定めていない設備につきまして御説明を受けた後、即時償却の対象として減価償却費を積み上げていくというやり方を取らせていただくということでございます。
#72
○直嶋正行君 ああ、なるほど。ということは、単体ではなくて、例えば一つのシステムならシステム全体がこの対象になれば即時償却できると、こういうことになるわけですか。なるほど。そうすると、ますます個別の省エネ機器の導入ではなくて、こちらの方にシフトしますね、企業はね。
 そうすると、さっきお話しした省エネとの関係がどうなるのかなというのが率直に言って残るんですが、それが一つと、今お話しの計画を出させて目標を設定するという場合ですが、どのくらいの生産性のアップを考えておられるんでしょうか。それも、今の二点、ちょっと聞かせてください。
#73
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 今、石黒審議官からお答え申し上げましたように、典型的な例を申し上げますと、個別企業名は申し上げられませんけれども、ある紙・パルプメーカーが新設の工場を設ける、この工場の熱源をすべていわゆる再生可能エネルギーで賄うと、この場合、太陽光発電にせよ、その他の再生可能エネルギーの設備にせよ、エネルギー需給構造対策の個々の即時償却制度の対象になっている設備の基準に満たなくても、言わば通常の製品でありましても、それですべてその工場の熱源を賄うというような計画を仮に作りますと、これは資源生産性革新計画の対象になるということになります。
 しかし、こういう計画を立てるということは、すべての企業、中小企業が同時にできるわけではございませんので、あらかじめ定められておりますやや性能の高いそういう省エネ機器を単体で導入することによって、あるいは省エネ法のこれからの基準を達成しようとする企業というものも同時にこれから出てくるのではないかというふうに考えております。
#74
○直嶋正行君 二点目、ちょっと答えてください。
#75
○政府参考人(松永和夫君) 済みません。質問を、済みません、失念をいたしました。
#76
○直嶋正行君 一つはその話と、生産性の向上というのはどのぐらいを、ここ一番ちょっとポイントになると思うので。
#77
○政府参考人(松永和夫君) 大変申し訳ございません。失礼いたしました。
 これは省エネ法で定めております目標というものを念頭に置いておりまして、エネルギー効率を毎年一%以上というものを向上させるということが言わば省エネ法の目標でございます。計画は通常、原則三年計画でございますので、三年間でこの省エネ法の求めております基準以上のところでこれから目標というものを設定をしたいというふうに考えております。
 ただ、余りこれ高い水準を課しますと逆に非常にトライしにくい状況になりますので、基本的にはこの省エネ法の目標というものをベースに考えていきたいというふうに考えております。
#78
○直嶋正行君 今のお話だと、本当にシステム全体を対象にしていくということですから、相当魅力的な計画ですよね、意欲的なというか。
 そうすると、やっぱりさっき申し上げたように、省エネ法は省エネをどんどん推進していこうということですから、こっちはさっき言った分母、分子の関係がありますから、必ずしも省エネ計画どおりにいかなくても、さっきお話しされた付加価値が上がればその分は生産性が上がるわけですよね。そうすると、ちょっとそこでそごが出てくるんじゃないかと思うんですけれどもね、元々組んでいる省エネ計画と。簡単に言えば、もうかれば、省エネ計画は多少速度を落としても資源生産性計画でもっと全体的に恩恵を受けることができると、こういうことになるんではないかと思うんですが、ここは大丈夫なんですかね。私の取り越し苦労か誤解か何かですかね。
#79
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 省エネ法で追求をしている政策目的と、それから今回の産活法で求めております資源生産性の革新、大きな方向ではそろっていると思いますが、当然違う制度でございますので、今委員御指摘のとおり、細部におきましてはややその違いといいますか、完全に同じものではないのではないかと思います。
 ただ、一方でこの資源生産性革新計画が今回認定をされましても、先ほどもお答え申し上げましたけれども、省エネ法に基づきますエネルギー効率の改善という言わば責務といいますか責任というものは、省エネ法に基づきましてこれからもきちんと守っていただくように法の執行には万全を期してまいると、これが基本的な考え方でございます。
#80
○直嶋正行君 もう一点確認させていただきたいんですが、今議論していましたように、資源生産性革新計画というのは、資源高の中で競争力を保つということで、ある意味では非常に重要な計画だと思うんですが、基本的に浮かぶのはやはりこれは大手企業というか大企業が念頭にあるんじゃないかと。そうすると、中小企業の場合は省エネ法の対象としてもちょっと大企業とは異なる対応になっていると思うんですが、中小企業についてこの法律ではどういうふうに考えておられるんでしょうか。
#81
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 産活法全体も、企業の区別にかかわらず計画が申請されれば認定されることになっておりますし、今回の資源生産性革新計画につきましても幅広く中小企業者の方々も含めて取組を行っていただければ支援をすることができるような枠組みになっております。
 先ほども御答弁申し上げましたとおり、基本的には企業が言わば創意工夫をしてそれぞれの事業、工場における資源生産性の革新、向上というものを目指していただくということでございますので、中小企業者には中小企業者なりのいろいろな創意工夫というものが生まれてくるんではないかと思います。これまでも、活用状況を見ましても、平成十一年以降現在まで約三〇%の部分は中小企業者の認定ということになっております。
#82
○直嶋正行君 じゃ、続きまして株式会社産業革新機構についてお伺いしたいと思います。
 今回のこの産業革新機構の目的というのは私もよく理解はできるんですが、その必要性といいますか、あるいはこういうものが必要だろうなというふうに思うんですが、一方で日本の現状というのを見ますと、特にここで考えておられる企業の中でいえば社内ではなくて社外、別の会社、企業とか、そういういわゆる外部との技術連携、これは企業だけじゃなくて大学等もあると思うんですが、これが極めて数も少ないといいますか、伸びていないといいますか、そういう現状にあるのは間違いないと思うんですよね。
 これ経産省の調査だと思うんですが、例えば技術連携の数で比較しますと、八〇年代の前半を一〇〇とした場合、欧米諸国では今こういった技術連携が二・五倍になっていると。しかし、日本はまだ一・一倍ですから、ほぼ横ばいぐらいだと、これが実態であります。
 また、民間企業の研究開発動向に関する実態調査というので見ますと、外部資源の効率的活用が我が社は弱いと回答したところが四五%あると。それから、お金の面でいうと企業における外部支出研究費の割合というのは、大体その研究費の一割ぐらいでほとんど伸びていないと、こういう現状で、非常にそういう意味では難しいなというふうに率直に言って思うんです。
 日本の企業の場合はやはり個々の得意分野は強いんですけれども、一つのものを掘り下げていくんじゃなくて、横並びで手を組んだりいろいろ組合せを考えていくということについてはどうも苦手じゃないかなと、そう思うんですけど、こういうものを超えていかなきゃいけないんですけどね。
 こういう現状と併せて、大臣、これからのやり方というか方向というのをちょっと聞かせていただきたいんですが。
#83
○国務大臣(二階俊博君) ただいま直嶋先生が御指摘のとおり、従来、日本の大学や企業において過去の様々なしがらみ、いい意味でいえば伝統というようなものを持っておりますから、この組織の壁を超えた連携がなかなか進みにくいという状況にあることは、私はもう率直に御指摘のとおりだと思っております。
 しかし、産業革新機構は、大学、大企業、中小企業や、さらにベンチャー企業等に分散している技術を組合せをして付加価値の高い事業を創出するということを可能とするような取組を行ってまいりたいと、意欲的な取組を考えておるところであります。産業技術総合研究所等の外部の組織とも日常的に協力しながら、オープンイノベーションの重要性について関係者の共通意識を深めてまいりたいと思っております。
 また、具体的な案件を発掘する場合でも、公的な性格を有する機構が一定のリスクを取って長期資金を提供し後押しをすることで、民間市場のみでは通常実現し難いような関係者間の合意形成を促すことができると考えているものであります。
 ちょっと一例を挙げさせていただきますと、今、中国と日本との間で環境ビジネス、そして省エネという問題をテーマとする三回にわたる大々的なフォーラムを続けてまいりました。その中で、早く言うと企業同士のお見合いのようなものが中国と日本との間で進んであるわけですが、お見合いから交際に移る、交際から次の段階に移るというようなことで、先般、十九の事業において双方合意がなされて、今新たな方向に向かって進んでおります。私は、これらは必ず新たな産業の方向を見出すものと思っておりますし、中国政府もこれを支援したいということでありますから、私はこうしたことを、やっぱり機会をたくさんつくって、そこにチャンスを見出す、そういう努力をこれからもしていかなくてはならない。
 今回のこの法案の立案に当たっても、民間関係者からも再々御意見を聞いてまいりましたが、この機構が新たに果たす役割に対して期待の声も上がっていることも事実であります。この期待を無にすることのないように、機構が率先して我が国の組織間にある、議員が先ほど御指摘になりましたような壁を取り除いていく役割を担っていくこと、これが重要な責任だと思っております。
#84
○直嶋正行君 ありがとうございました。
 今、中国との例も含めて、ということはこれは国際的なことも含めて積極的にやっていこうと、こういう理解ですよね。
#85
○国務大臣(二階俊博君) 将来はそういう展開をしていきたいというふうに思っておりますが、今私が述べた中国との関連におきましては、これはもう先生も御承知のとおり、我々は、環境問題に日本が取り組もうと思ったときに、中国がやはり環境問題に同じように取り組んできてくれないことには、日本だけでこの日中間の環境問題を解決することはできないと。そういう意味で、是非中国も御一緒にということで、随分長い時間が掛かりましたが、今千人規模のフォーラムを中国と日本と、また中国とということで交互にやっておりまして、そして、そこに新たな共同企業が発生してきたということを御報告申し上げたわけでございますが、これらと産活法の今度の問題とも十分対応できるように念頭に入れて努力をしてまいりたいと思っています。
#86
○直嶋正行君 この種の話になりますと、どうしても我々は、企業と大学との連携とか、もちろん企業同士、研究者同士というのはあるんですが、何といいますか、イノベーションという視点で見るんですが、もっとこれさかのぼると、結局、科学者というんですか、サイエンスの世界の在り方まで含めて考えなきゃいけないんじゃないかなという感じがします。
 以前、ここで山根議員がヒトゲノムの開発過程の話を取り上げられたことがあるんですが、このときのゲノム科学総合研究所の和田先生というのが、そのときの私もちょっと文献取り寄せたんですが、「なぜ米国に逆転されたのか」という、こういうレポートを出されていまして、これは結構やはり我々読んでみて反省しなきゃいけないというか、そういう御指摘があると思うんですが。
 その中で一つ指摘されていたのは、この和田さんというのは元々、生物学者じゃなくて物理学者なんですよね。物理学者だから、日本の一番強いITのそういう技術ですね、生産技術をうまく使ってこのゲノム解析をやれないかということで、そういうアイデアを持たれて、いろいろやったんだけれどもうまくいかなくて、アメリカが逆にそれを使って、そのアイデアをアメリカが取ってアメリカに先行されたと、簡単に言うとそういう内容なんですが。
 その中でおっしゃっているのは、学者の世界の話なんですよ。要するに、彼が物理学者なものですから、ゲノム解析というのは主流は生物学者です。そうすると、物理屋に生物のことは分からぬと、簡単に言うとこういうことで、仲間の学者の世界で自分の主張が受け入れてもらえなかったと、これが大きな彼の指摘の一つです。
 それからもう一つは、この研究過程でおっしゃっていることは、我が国の予算の在り方で、要するに、このときも彼は、文部省、まだ文科省ができる前ですので、文部省からの要するに予算が中心だったんですが、この研究は科学技術庁ですね、当時の、の研究予算をもらっていたと。それで、物理学者であるということでいうと、彼のところにこの研究の費用が直接下りてこないそうです。ちょっとこれはよく分からないんですが。だから間に入ってもらったと、理化学研究所というところに入ってもらって、そこが受けて研究費をもらっていたと。ところが、やっているうちに、真ん中に入っているところの意見がどんどん強くなって、本来の目的ではなくて、要するに削られていったと。それから、最後には科学技術庁の当時の担当者が打ち切っちゃったと、こういうことがこの中に書かれています。
 そうすると、結局、縦社会と言っていますけど、これは企業もそうなんですが、我が国の研究費の出し方とか、あるいは省庁のこういうものに対する、研究に対するお金の使い方とか、あるいは学者の世界の様々な縄張みたいな意識とか、そんなものが要するに、さっきちょっと縦割り社会の中でと申し上げたんですが、実は企業が横断的にというだけではなくて、むしろ我が国の行政とか研究の在り方も含めて縦割りがしっかりし過ぎちゃっていて、いろんなところで、これは言わば横ぐし通す話ですから、研究分野それぞれをね。そういう意味でいうと、非常にその縦割りがきついものですからことごとく行き詰まってしまうと、こういう話なんですよ。
 ですから、そういう点でいうと、こういう産業革新機構をおつくりになって、これは一つの大きなトライアルだと思いますが、私は非常に楽しみにしているんですが、一つは、その技術の組合せをやるだけじゃなくて、我が国の体制そのものをやはり新しい分野にどんどん広がりが持てるような仕組みに変えていかないと、やはりアメリカとかヨーロッパに付いていけないんじゃないかと、こんな感じがするんですけれども、こういうところはどんなふうに受け止めておられるかということと、じゃどうすればいいのかということをちょっとお考えがあればお聞かせいただきたいんですが。
#87
○政府参考人(石黒憲彦君) 直嶋議員の御指摘、誠にごもっともだと思っております。
 タコつぼということで、逆に言えば事業化できないものというのは相当ございます。そういうものをいかに乗り越えていくかというのが課題でございまして、先ほど大臣が答弁させていただいたとおり、産業革新機構の一つのミッションといいますのは十五年後、この機構が終わったころにはもっとオープンなイノベーションが盛んに行われているということが一つの目的でございます。
 そういう意味で、事業化という、私どもが今回目指しておりますのは研究開発段階というよりは事業化の段階でどう結び付けていくかということがポイントでございまして、いわゆる大学発ベンチャーも千五百社を超えておりますけれども、個々のベンチャー一個一個を見ていきますとなかなか事業化できないという部分がございます。それをどうやって組み合わせていくか、あるいは大企業とどうやってリソースを合わせていくかといったようなところが今後のかぎだと思っておりまして、その辺についてこの機構が一つの機能を果たせればと思っております。
 そういう意味で、この機構の一つのミッションは投融資でございますけれども、そのプロセスの中で、委員御指摘のようなネットワークをどうつくっていくか、この日本の中に人脈を含めましてどういうネットワークをつくっていくかということが一つかぎでございますので、そういったある種の組織づくりといったようなこともきっちりやってまいりたいというふうに思っております。
#88
○直嶋正行君 組織づくりきっちりやっていきたいと、一言で言えばそれに尽きるんですけれども、私はちょっと率直に言って、今おっしゃったようなそういう様々な研究分野をコンバインして一つの事業に仕上げていくという人材が日本に本当にどれくらいいるのかなというのは疑問持っているんですけれども、そんな人いるんですかね、たくさん。経産省で何かあるんですかね、そういうものが。
#89
○政府参考人(石黒憲彦君) 先ほど津田委員からの御質問もございまして、目利きとしての人材をどうやって得るかというのは非常に大きな課題だというふうに思っております。
 先ほどもちょっと申しましたとおり、バックグラウンドとしては投融資の実務の御経験のある方がメーンだというふうに思っておりますので、ファンドとかVECでありますとか、そういったようなところなんかの御出身の方が一つの候補でございます。
 ただ、それに加えまして、実は委員御指摘の点が非常に重要だと思っておりまして、要するに例えば目利きの場合でも技術の目利きをする場合にはその人自身に別に知見がある必要は必ずしもございませんで、大学の先生方等に対して広範なネットワークを持っているか持っていないかで実際には目利きができる部分がございます。
 それから、事業化につきましても、その方自身のもちろん知見もさることながら、大企業が例えばその技術をどう見ているかとか、そういったことについてのまた人脈を持っているか持っていないかということも非常に重要だというふうに思っております。
 そういう意味では、先ほど申しました投融資の実務経験のほかにそういったネットワークを張る力という意味で、例えばコンサルティング会社でございますとか、事業会社の例えば御経験のある方とか、そういったようなところから人材を見付けてまいりたいというふうに思っております。
#90
○直嶋正行君 今回のこの産業革新機構というのは、運営の主体は民間になるんですよね、民間がということですよね。
 そうすると、今こうやって法案審議していますから、ある程度そういう方は大体当たりは付けていると、こういうふうな理解でよろしいですか。
#91
○政府参考人(松永和夫君) 御答弁申し上げます。
 今、石黒審議官が申し上げましたように、この産業革新機構を構成する人材というのは非常に重要だと考えております。
 今申しましたような考え方に沿って今検討しているところでございますけれども、現段階で、例えばこういう人がという形でその考え方が集約されていると、まだそんな段階には至っておりません。
#92
○直嶋正行君 さっきファンドの話もされましたけれども、こういう人は例えば日本人じゃなくて外国人でももちろんいいと、国の内外問わず人材を集めると、こういうお考えなんですかね、そこもちょっと確認しておきたい。
#93
○政府参考人(石黒憲彦君) 基本的には私ども日本人の方で探してはおるんでございますけれども、いわゆる観念的に例えば海外の方との御協力あるいは一緒にやっていただくということも当然あり得ると思っております。先ほど大臣、答弁させていただきましたとおり、ある程度基盤が固まり、実際に投資案件等が詰まってまいれば、当然海外展開というのもございます。そういう意味では、海外のコンサルタントのような方を例えば入っていただいて、一緒に仕事していただくなんということも当然あるだろうと思っておりますので、今すぐさま外国人のマネジャーを念頭に置いているということは決してございませんけれども、そういった連携の仕方、実際に働いていただくということはあり得るというふうに考えております。
#94
○直嶋正行君 今、欧米の国なんかでこういう種類のファンドをつくったりして、例えば日本の企業も含めて様々なロイヤリティーとか技術を買い集めているという話を私聞いたことがあるんですが、もう結構日本の企業の技術も彼らに買われているんじゃないかという話もありますけれども、そういう状況を考えると、それこそ日本だけ考えていたんじゃなかなか厳しいんじゃないかなと率直に言って思わざるを得ないんですけれども、是非それは幅広くお考えになった方がいいんじゃないのかなと。
 それからもう一つは、これは半額国が財投で出して、残りは民間からの出資ということですが、そちらは大丈夫なんですかね、大体。
#95
○政府参考人(松永和夫君) 御答弁申し上げます。
 今委員御指摘のとおり、基本的な考え方といたしましては、民間企業からもこの産業革新機構に対する出資を念頭に置いております。ただ、一方で、現下の経済状況を考えますと、なかなか民間企業も資金繰りに苦慮している、大企業も含めてですね、そういう環境下でございますので、現段階において当初見込んでおります出資を得ている状況ではございません。
 ただ、今後、産業革新機構が設立をされまして、新しい非常に魅力的な案件を組成する形で産業革新機構が出資をする個々の案件に対しまして民間企業が出資をするということは、厳しい環境下ではございますけれども、かなりこれが期待できるんじゃないかと思っておりますので、そうした案件の発掘、生成過程を通じて、当初考えております官民による言わば協調した形での活動という所期の目的を達成していきたいというふうに考えております。
#96
○直嶋正行君 もう時間ですから、最後に一言申し上げたいんですが、大臣の方にちょっと申し上げておきたいんですけれども。
 私は、今回のこの産業革新機構の発想は必要な発想だというふうに思っていまして、一つの、これから我が国が様々な新しい産業を起こしていくとか、そういう点で考えましても重要だと思っています。ただ、ちょっと言葉は悪いんですけれども、さっき産業再生法のところで、冒頭にもちょっと申し上げましたように、やはり法律作って枠組みつくるだけじゃ駄目なので、是非こういう場も含めて、もうちょっと先の展望とか、それから、やはりこういうものができるんだということで国民の皆さんも将来に夢を持てるような、そういうことを併せて御提案いただけると、かなり受け止めもまた変わってくるんじゃないかというふうに思うんですけれども。
 少なくとも、法律を作って制度をつくったらもうこれで役割は終わったということではなくて、先々、非常に道が長いんだということも是非自覚していただいて、積極的にまた我々にもアピールをしていただきたいというふうに思っていまして、その点申し上げて、大臣、何か一言あればお伺いするということにして、私の質問を終わりたいと思います。
#97
○国務大臣(二階俊博君) 先ほど来、直嶋議員から大変含蓄のある、種々にわたる御質問をいただきました。我々はそのことをしっかりと受け止めて、今度の法改正の後に備えていきたいというふうに思っております。
 なお、私は今日は、今日だけではありませんが、津田先生の御意見等も伺いながら、我々は、今、直嶋議員が御指摘のように、法律を作って制度をつくってそれで第一巻の終わりというのではなくて、そこから始まるわけでありますから、時々当委員会にも中間的な御報告を申し上げ、また御意見をちょうだいしながら、中小企業のためはもちろんでありますが、日本のあらゆる中堅企業、大企業に至るまで今日のこの閉塞状態を何とかして脱皮していく、そのための支援をしたいという気持ちで取り組んでおるわけでありますが、結果が我々の思っているとおりいかなければ何にもならぬわけでありまして、そういう途中経過におきましても先生方の御意見を十分承って、そして反省するところは反省し、またしっかり皆様の御支援、応援をいただきたいところは応援をお願いしながら立派なものに仕上げていきたいと思っておりますので、今後とも一層の御指導、また御指摘をちょうだいできますようにお願いを申し上げて、私が今、直嶋議員から何かあれば一言と言われましたので、私の方からそのように申し上げて御協力をお願いする次第であります。
#98
○直嶋正行君 終わります。
#99
○委員長(櫻井充君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#100
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#101
○丸川珠代君 自由民主党の丸川珠代でございます。ちょっとお聞き苦しい声でございますが、お許しをいただきたいと思います。
 まず、産活法の質問に先立ちまして、一言、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所が十一日の夜に起こした火事の件に関しまして、ようやく知事の承認が得られるかなという段階でこういう事態になって非常に残念であると思っております。経済産業大臣におかれましては、まずは地元の皆様方の不安払拭のために原因の究明、そして再発の防止の指導を徹底していただきたいと、このようにお願いを申し上げます。
 さて、先週末、私、東京地元でございまして、中央高速道路に乗って多摩の方へ出かけましたらば、調布から八王子まで十七キロ、まあお天気が良かったこともあるのでしょうが、込んでおりました。このゴールデンウイークも、渋滞予想、例年の二倍になりそうだということで、高速道路の割引の効果か、あるいは経済政策の効果、ほんの少しかもしれませんけれども、国民の皆様に少し安堵感を持っていただけたのかなと思うところもあります。
 が、一方では、この四月の八日、九日に、私、東京で開催されました派遣村に行ってまいりまして、先ほど津田先生の方から、正社員の雇用は随分前のこれまでの不況に比べると守られているというお話でございましたが、年越し派遣村に比べますと正社員の方の問い合わせというのが出てきたと。年越し派遣村のときはなかったんだと。正社員の方あるいは契約社員の方が途中で切られてしまう、あるいは解雇された、それから、要は給料が減ってしまって、つまりワークシェアをした結果給料が減ってしまって家族を養えなくなってしまったんだがどうしたらいいのかといったような相談があったということで、報道によりますと、東京都豊島区のハローワークでも四月に入って例年の一・六倍の混雑をしているということでございます。
 やはり、まだまだこれから先、一体経済がどうなるのかというのは本当に不安のあるところでございまして、何よりもまず我々は、その雇用を吸収できるように景気を回復し、なおかつこれを機会としてより先に成長力のある産業へと構造を転換していかなければいけない、そういう場面にあると思います。
 そういう中で、新しい産業の芽となるようなところになかなか今リスクマネーが行かない状況になっている、リスクマネーが本当に世界的に収縮をしている状況でございます。お手元に今資料をお配りさせていただきましたけれども、資料二の表の二ですね、ベンチャーキャピタルの年間投融資額というのが今ここにちょっと出ておりますけれども、急速に減少しております。ベンチャーキャピタルのみならず、あらゆるリスクマネーというものが今市場からさっと引いている、ポートフォリオが掛かっているというような中で、未来の産業となる新しい技術を事業に育てようという、そういう資金を国が供給する、そういう仕組みをつくるというのは本当に有り難いことだと思っておりまして、私は是非この株式会社産業革新機構というものは絶対に成功してもらいたいという思いでおりますが、改めまして、この株式会社産業革新機構を立ち上げる、このスキームを立ち上げるねらいを二階経済産業大臣からお伺いしたいと存じます。
#102
○国務大臣(二階俊博君) 最初に、丸川先生から御指摘のありました柏崎刈羽原発の件につきましては、よく心して対応したいと思いますし、今朝ほどの閣議後の記者会見におきましても、東京電力及び経済産業省などに対して厳しい私の見解を述べておきました。これからは、せっかくの原子力に対する御理解が進んでおる最中にこういう事故、しかも単純な事故なんですよね。ですから、こうしたことが起きないように、緊張感を持って関係者は対応していただくようにと申し述べておりまして、丸川議員の御指摘と同じ思いでございます。
 御質問でございますが、現下の経済危機や世界経済の構造変化に対応していくために、我々としては環境、エネルギーなどの分野で次世代の産業、すなわち将来の成長の芽を育成することが急務となっておるわけであります。我が国にはこうした分野を支える技術は多く存在しているわけでありますが、今朝ほど来の御意見等を伺っておりましても、大学、大企業、中小企業、ベンチャー等に分散している結果、これらの技術を十分生かし切れていないのではないか、新たな事業の創出につながっていないのではないか、そういう嫌いがあるという御指摘をいただいておりましたが、この点は我々も全く同感であります。
 したがって、今後、産業革新機構は産業や組織の枠を超えて、技術等の経営資源を組み合わせて新たな付加価値を生み出す、いわゆるオープンイノベーションを促進するために、現在の金融危機のこの中にあっても、特に不足しておる、先ほどお話しの長期リスク資金を供給することを通じてこうした事業を数多く生み出していくということをねらいとしておるところであります。
#103
○丸川珠代君 ありがとうございます。
 私、今日はこれ一本で質問させていただこうと思っているんですが、というのは、これもしうまくいけば、技術が産業に育っていくってすごくスケールの大きなことだと思うんですけれども、それだけではなくて、投資のノウハウというものも育っていくと思うんですね。ひいては、今非常にリスクに対して及び腰になっている国内の投資家、機関投資家の考え方というのももしかすると変わってきて、お金の流れが変わってくるんじゃないかなと、産業を育てる方向にどんとお金が来てくれるんじゃないかなと、そういう大きな夢を持ってこの機構を見ているわけでございまして、だからこそどうしても最初が肝心と、これをしっかりと実のあるものに育てて、そういう機構をつくって育てていただきたいという思いでおりますので御質問させていただいておるわけでございます。
 うまくいかなければ最終的に一千億、二千億というお金が無駄になってしまうこともありますので、このうまくいくかいかないかの差は大変激しいので、是非しっかりとお願いしたいと思っておりますが。
 まず、今皆様のお手元にお配りをさせていただきました資料の一、これは経済産業省がこの株式会社産業革新機構についての御説明でお作りをいただいた資料でございますけれども、この一番下のところ、投資の対象イメージという図がございます。私、どういうものに投資をするかというところから、ではどういう人材が必要か、そういう人材を集めるのであればどういう組織の形が必要かという順番で発想するのが正しかろうと思いますので、まずどういうところに投資をするのかというところを注目させていただきたいんですが、これ拝見しますと、研究開発ステージ(基礎)、研究開発ステージ(応用)とございまして、製品化の前に既に二つステージが書かれております。この図を参考にいたしますと、経済産業省のお考えでは、事業化のかなり前、研究開発の段階から投資をするようなおつもりでございましょうか。
 といいますのは、開発段階への投資といいますとどうしても基盤技術研究促進センターの例が脳裏に浮かんでしまうんですけれども、今回はどのような段階からの投資をするつもりでいらっしゃいますでしょうか。
#104
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えを申し上げます。
 一言で申し上げれば事業化段階というふうに考えております。ここの資料で、課題@というところに最先端技術の結集といったようなところがありまして、これが委員御指摘の、いささか懸念のあるとおっしゃられる意味での研究段階ということかと思いますが、ここでイメージしておりますのは、むしろ技術開発はいったん終わってむしろ知的財産権に既になっていると。山中教授のiPS細胞なんかが典型でございますけれども、技術の成果がある程度出たものを漏れなく特許化して一つのグループを作って、それをライセンスすることによって初めて事業化ができるというケースがございます。
 ここで扱います案件はむしろそういうものを想定をいたしておりまして、基礎研究、試験研究の段階にこのファンドがお金を投資するというよりは、そこで既に上がってきた成果をライセンスするための一つの例えばプロジェクトカンパニーをつくる、そういうようなときにこのファンドが出資をするといったようなものをイメージしておるところでございます。
#105
○丸川珠代君 実は、私のもう一つの懸念というのは、まさに今、石黒審議官がおっしゃったそのことなんですが、この資料、「事業の目的」のところの二つ目の丸にもそういうふうに書かれていますが、「大企業、中小企業、ベンチャー、大学等に分散している結果、十分実力を発揮できない技術、事業を集約化・組み合わせて、」と、分散しているものを集約化するということが書かれています。それから、「投資対象のイメージ」の課題@のところにもやはり「組織の壁を超えて技術を集約し、組み合わせて」と書いてあるんですが、非常に集約するというところに力が入れられているように思うんですね。
 これ、集約するというのは、つまり技術や知的財産権をひたすら集めて、言葉は悪いですけれども買いあさって、そしてライセンシングで回収するというようなことをお考えになっているんでしょうか。
#106
○政府参考人(石黒憲彦君) 今回の機構が考えております投資形態は、大きく言うと三つあると思っております。
 一つは、今私が御説明もし、委員が御指摘になられたようなパターンでございまして、いわゆる一つの出口を想定して、例えば二次電池でございますとかそういったような例えばターゲットを想定して、これに関連する知的財産権を集めて、それを事業化したいと思う会社にライセンスをするといったようなまず形態が第一のタイプでございます。
 それから第二のタイプは、私どもセカンダリーベンチャー型と言っておりますけれども、大学発ベンチャーなどが既にある程度技術を確立したものがございまして、それを例えば幾つか組み合わせる、あるいは大企業の経営資源と組み合わせることによって事業化ができそうだといったような場合にセカンドステージとして投資をするといったようなものが第二の類型でございます。
 それからもう一つ、第三の類型として想定をいたしておりますのは、更にもっと後ろの段階になってまいりますけれども、ある程度もう企業と企業がそれぞれ事業部門を持っている、そういったようなものが例えば統合することによって、よりシナジーを発揮して大きな産業に育っていきそうだと、例えば環境のビジネスなんていうのはそういうものがあろうかと思っておりますが、そういったようなものについて投資をしていくといったような、三つぐらいの類型があろうかと思っております。
#107
○丸川珠代君 それぞれのやり方に関していろいろまた伺いたいことはあるんですけれども、少なくともその一つ目の、出口を想定して知的財産を集めてきてライセンシングするというようなやり方に関しては、是非、買いあさって当たりが出ればラッキーというようなそういう集め方を絶対になさらないようにしていただきたいと思います。そういうやり方で失敗している知財ファンドというのはたくさん見られますし、それでは本当に寄附行為になってしまいますので、必ず出口を想定してというところに重点を置いていただきたいと思います。
 先ほど石黒審議官、午前中の質問にお答えになられまして、大学ベンチャーを組み合わせることが必要だとおっしゃっていましたけれども、これも組み合わせただけで必ずしもうまくいくとは限らないので、やっぱり出口がどうなっているからこう組み合わせたらうまくいくという、やっぱり出口が何かということを想定していないとうまくいかないというふうに私思うんですね。
 もちろん、買いあさって当たりが出ればという商売をやっているところもあるかもしれませんが、そういうことができるのは、けたの違うお金を集めているところだと思いますので、四百億円、しかも国民の税金で集めたお金というのを最初から元手に始めるのであれば、私は、やっぱりしっかりと出口の想定できるものを集めていくというような思考でやっていただきたいと思っております。
 私はなぜそこにこだわるかと言いますと、やっぱり今我々が直面している問題の根本というのは、いい生の素材、いい技術はあるんだけれども、それを料理できる、事業化できる優れた料理人がほとんどいないんじゃないかということにあるんじゃないかと思います。
 私は、幾つかの投資のやり方があるとおっしゃいましたけれども、やはり市場や買手のニーズというものを把握して、出口を想定しながら技術を事業に育てていくというマーケットアウトの発想、そして育てる投資というものが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。政務官、お答えいただけますでしょうか。
#108
○大臣政務官(松村祥史君) 丸川委員の御質問にお答えしたいと思います。
 御指摘のように、我が国には将来の産業の芽となり得る技術がたくさんあると把握しておりますし、残念なことに、それらが大学や大企業、中小企業、ベンチャー等に分散をしておりまして、その結果、具体的な事業につながらないというような実情もあると認識をしております。
 こうした事態を打開するために、丸川委員御指摘のように、将来のニーズを把握し、これに対応できる製品やサービスをマーケットの出口をしっかりと見据えて具体的に構想するとともに、その実現に産業や組織を超えて集めるという発想が必要であると考えております。
 このため、この度の産業革新機構におきましては、事業化の可能性から技術を見極める能力、具体的な事業化のノウハウを有する人材を集めまして、その能力を結集するとともに、具体的な技術の組合せが具体的な市場の開拓につながるように取り組んでまいる所存でございます。
 また、そうした取組に長期のリスクマネーを提供して、先生御指摘のような点を踏まえましてしっかりと支援をしてまいる所存でございます。
#109
○丸川珠代君 ありがとうございます。人材の件については、もう少し後でまたお伺いをさせていただきたいと思うんですが。
 済みません、ちょっと事前の通告にない質問を一点伺いたいんですけれども。集約ということにポイントがやっぱりあるんだなという中ですごく気になることがありまして、そうなると、単独の企業には投資ができないということなんでしょうか。
#110
○政府参考人(石黒憲彦君) 必ずしも単独の企業に対する支援というのを排除はしておりません。
 ただ、今回の趣旨が、大臣が冒頭に御説明申し上げさせていただきましたが、それぞれの組織の中に埋もれている技術をいかに組み合わせてやっていくかというのが趣旨でございますので、観念的に直ちに単独の企業に対する支援を否定するものではございませんが、基本的には、一応政府がやる以上、乾坤一擲、事業化をするに当たっては幾つかの事業を、あるいは技術というものを集約するのを基本的な前提にはしているということでございまして、排除はしておりません。
#111
○丸川珠代君 是非、こだわり過ぎることなく、壁を超えてこなければ、何か組織の壁とか、何か壁を超えて集めてこなければこれには意味がないんだというようなことにこだわるのではなくて、単独でも、本当はいい技術なんだけれども事業化までのプロセスが見えていなくてお金が集まらない、でも本当はいい種なんだというのも絶対あると思いますから、こだわらずに是非シーズを探していただきたいと思っております。
 今、出口出口と私さんざん申し上げましたので今度は出口の話をしようと思うんですけれども、またこの経済産業省の出していただいた資料にお戻りいただけますでしょうか。
 この資料の図では、波線がずっと上がってきて、最後に公開資本市場と書いておりますが、これは基本的には出口としてIPOを目指すということなんでしょうか。
 と申しますのは、その資料のページをめくっていただきますと御覧いただけますとおり、このところの新興市場の凋落ぶりというのは著しいものがあります。これは市場の信頼性によるものもありますし、加えてこの経済状況が打撃を与えているという部分もございますけれども、こうなってきますと、短いスパンではIPOを主な回収手段とするようなベンチャーキャピタルのビジネスモデルというものにも限界が見えてきているのではないかという指摘もございます。
 日本では、IPOをしたんだけれどもその後資金もうまく集まらない、何となく発展しないでぐずぐずといった、塩漬けになったような企業というのも散見されるところでございます。
 私は、技術を事業に育てるといったときに、IPOをしました、はい、おしまいというのではなくて、IPOをしたけれども、その先に大企業にMアンドAで買い取ってもらう、あるいは、最初から大企業が自分でここは欠けているなと認識しているような技術分野や事業分野、そういうものを最初から確実にとらえて、それを目標として事業を育てていくというような投資のやり方も必要ではないかと思いますが、いかがお考えになりますでしょうか。
#112
○政府参考人(石黒憲彦君) 御指摘のとおり、出口といたしましてはいろいろなものがあると思っております。それで、まず一つは新規の株式公開、それからまた、委員御指摘のとおり、大企業への売却、それからまた、冒頭御説明いたしました第一の類型に絡みますが、特許のライセンス付与といったようなものが、それぞれこの機構の場合の一つの収益の上げ方、出口だというふうに思っております。
 新規株式公開につきましては、御案内のとおり、出資側から見ても、株式の市場売却によりまして投下資本の回収が容易になるメリットというのがございます。ただ、委員御指摘のとおり、市況の低迷によりまして最近非常に公開が減少しているという状況がございます。したがって、もう一つの出口といたしまして、例えば大企業への売却を念頭に置くということも当然考えられるわけでございます。
 それからまた、目的はあくまでも委員御指摘のとおり新産業を育てていくというのが趣旨でございますので、決して株式公開だけがゴール、あるいは大企業に対してあるシーズを売ったからそれで卒業と言うつもりは毛頭ございませんで、どうやって日本の産業を育てるかという観点から育てるということも重要なことだと思っております。そういったことに留意しながら出口戦略をきっちり立ててまいりたいというふうに思っております。
#113
○丸川珠代君 十五年の間には市場の環境も変わってくるでしょうし、その段階段階に応じた考え方の転換というのは必要になってくると思いますけれども、少なくとも今スタートの段階においては、何を目指して育てるかというところはしっかり見据えていただきたいと思います。
 さて、この機構の成功というのは、やはりどういう人材を集められるか、私が申し上げました言い方で言いますと、優れた料理人を集められるかどうかというところに懸かっていると私は思います。特に、投資の初期段階についてのノウハウを持った人材が必要だと考えます。なぜならば、そのステージが一番リスクが高いからです。最初の目利きが悪いと、後にその投資したお金は死に金になりますから、目利きが悪いと死に金が膨らんでしまうということになってしまいます。
 ほとんど皆様御承知のとおり、日本では技術投資の歴史というのは非常に浅い状況になっております。ただでさえ人材が少ないと思われますけれども、何度も出ている質問ですけれどもあえて伺いますけれども、人材確保についての現状の御認識はいかがでございましょうか。
#114
○政府参考人(石黒憲彦君) 午前中の御質疑でも答えさせていただいております。
 確かに、日本におきましてVC、ベンチャーキャピタルの例えば歴史が長いかといいますと、時間だけはたっているんですが、投資量そのものは余り多くないとかいう意味において、それほど人材が厚いと言えないというのも事実かとは思います。ただ、それ以外にも、例えば再生ファンドとか、それから様々な投融資の実務を御経験された方々は各層にいらっしゃいます。
 そういう中で、今回私ども、実はこの機構において特に必要な人材といいますのは、一つは、まず投融資の実務の御経験が不可欠ではございますけれども、委員御指摘のとおりなんでございますけれども、プロジェクトフォーメーションをちゃんとできるかどうかといったような辺りが非常に重要でございます。そういう意味では、午前中もお答え申し上げましたが、技術の部分でネットワークをどれだけ組めるか、それから事業化の段階で今度は企業サイドの中でどれだけネットワークが組めるかといったような、ネットワークを組む力といったようなものが一つの重要なポイントだろうと思っております。
 それに加えて、CEO、COOといったようなところにつきましては、多彩な人材を生かすようなマネジメント能力といったようなところが課題になってまいると思っておりまして、そういったような人材を、先ほど申しましたVC、ファンド、それから証券、あるいはコンサルティング業界、さらには事業会社といったようなところから広く探してまいりたいというふうに思っております。
#115
○丸川珠代君 今、ベンチャーキャピタルの歴史は決して浅くはないというふうにおっしゃったんですけれども、やっぱりこれ、もちろんベンチャーキャピタル的な要素もあると思うんですけれども、技術投資ということになりますと、また、今まさに石黒審議官おっしゃったように、ネットワークですとか技術に対する知見ですとか、その市場というものがどういう流れで動いてきていて、じゃ次に何か出したときにそこの市場にどんなインパクトを与えられるか。これはまたちょっとベンチャーキャピタルの中でも特殊な能力というか、蓄積がなければならないと思いますので、やっぱりそこはちょっとよく線引きをして、安易に考えない方がいいのではないかなという思いがいたします。ましてや、大手の証券会社系、銀行系ファンドというところはもちろん人数もいるし経験もあるのかもしれませんけれども、一方で、非常に大きいバジェットの中で割とバジェットを消化するような投資の仕方をしてもそんなにリスクを背負わなくて済むような投資の仕方をしていらっしゃるところもあるようですから、これ、人材は必ずしもそういう経験があるからといって、じゃ今回技術投資をやったからうまくいくかというと、必ずしもそうではないであろうという予想もされますので、ここのところは是非慎重にお考えをいただきたいと思います。
 私、この産業革新機構というのは、無から有を生み出さなければいけないということで、非常に大きなリスクを取る能力を持っている人がないといけないと思うんですね。なおかつこれ、技術はまず人がありきということで、これもし企業同士であれば、お互い利益が合致すればそれで、じゃ話を付けましょうということになりますけれども、技術を開発した例えば教授に掛け合ってこれをやらせてください、あれをやらせてくださいという話になると、それぞれあいつは嫌いだとかあいつとは一緒にやりたくないとか、そういう話もあって、現実に今技術投資をやっていらっしゃるキャピタリストの方なんかは、その先生のところへ日参して説得するというような、そういうこともできなければ投資がまとまらないと、話が前へ進まないということもあるわけで、実は非常に泥臭いこともできる人でなければいけないわけですよね。
 そうすると、単に技術に知見がある、市場を知っている、金融を知っているというだけじゃなくて起業家精神のある人、自分で自らリスクを取って、目標を設定して、自分で足を運んで物事を解決して前へ進める、そういう精神の持ち主でなければとても務まらないんじゃないかと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#116
○政府参考人(石黒憲彦君) 委員御指摘のとおりだと思っております。これから慎重に人選を進めてまいりたいと思っております。
#117
○丸川珠代君 是非じっくりと選んでいただきたいと。時間は余りありませんので、幅広くいろんな方に意見を聞いて確実な情報を得ていただきたいと思いますけれども。
 ただ、非常に懸念されるのは、そういう優れた能力を持ったアントレプレナー的な、起業家精神の持ち主たちというのは、実はもう既にベンチャーキャピタルなどで活躍をされて、高額な報酬を得ていらっしゃいます。もしこの方たちを引き抜こうと思いますと、国が高額な報酬を用意するということになります。そうしますと、国民の反発を招くことも考えられます。あるキャピタリストの方がおっしゃっていたんですが、この産業革新機構は失敗すれば税金の無駄遣いをしたといって非難をされ、成功すれば税金でもうけて高い報酬をもらったと非難をされ、いずれにしてもいい思いをするわけがないので機構に入るのは火中のクリを拾うようなものだと、僕は頼まれても断ると、そういうふうにおっしゃっていました。非常に有力な候補の一人だと思うんですが。となりますと、産業革新機構はファンドの運用者及び機構において投資の責任を負う幹部の方たちにどのような報酬を用意して、また投資の結果に対してはどのような責任を負わせるつもりでいらっしゃるんでしょうか。
#118
○政府参考人(石黒憲彦君) 委員御指摘のような問題、課題がありますことはよく承知をいたしております。ただ、私どもは、実は先ほど午前中の方の答弁でも申し上げましたが、公的な色彩を帯びた乾坤一擲、我が国の主力産業をこれからつくっていくんだという使命感の中で投資をされることにある種生きがいを感じていただけるような人材も必ず見付けられるというふうに思っております。その上で、実際にそういう方たちに対してどういう生きがいを持って働いていただくかという意味においては、そこでの成功、失敗というのがある意味では個人の方に明示的に結び付いているという形がもう一つ重要だというふうに思っております。
 今回の産業革新機構で投融資実務をやられて現実に成功されれば、その方のある意味では社会的評価が上がり、その後の、例えばこの機構自身は十五年を最長にしてミッションを終えるつもりでございますけれども、その後のキャリアパスに非常に役に立つ。そういう意味では、トラックレコードと我々言っておりますけれども、投融資の実務の実績というものが御本人ときっちり結び付いた格好で責任を取っていただくというのがもう一つの働きがいの与え方ではなかろうかと思っておりまして、そういう方向で今回仕組みを考えてまいりたいというふうに思っております。
#119
○丸川珠代君 もちろん日の丸をしょって産業を育てるということに生きがいを感じていただける方はいらっしゃると思いますが、そういう方が実際にリスクを取ってこの機構に来ようと思うにはそれなりのリターンがなければならないと思います。条件が同じなら日の丸しょうけど、そうじゃなかったらどうかなという方が多いのではないかと、実際にそういうお答えをいただいた方がいらっしゃいますので申し上げさせていただきますが。
 本当にこのファンドで損をしないつもりであるならば、私はそれなりの報酬を用意することが必要であると思いますし、そうして新しい産業が育つということはこの国にとって本当に希望のあふれる未来を開くすばらしいことだと思いますから、ここはひとつ、そういう優秀な人を私たちがこの機構に持つことには日本の未来の成長のために意味があるんだといってしっかりとした報酬を用意すると同時に、それを国民に対してしっかりと説明をしてほしい、言葉を尽くして説明をして、この機構が本当に意味のあるものになるようにしていただきたい、心からそうお願いを申し上げます。エールでございます。
 ただ、一点申し上げますけれども、機構自身が投資をするというのは、特に初期の段階ですね、技術が、事業化成るか成らないかというような初期の段階におきましては非常にリスクが高い。機構が直接人を雇って直接投資するには余りにもリスクが高いのではないかと私は思います。ましてや、ノウハウの蓄積が日本全体で浅い中でどれだけの人材を引っ張ってこられるか分からない。そういう状況を考えますと、私はファンド・オブ・ファンズ、いわゆる幾つかのファンドを選び取ってそのファンドにお金を入れて競争させながら投資をさせる、そういう段階をまず初期の段階経まして、ある程度これはもう事業が成り立ちそうだと、もうこれ成り立ってきたと、更に大きい段階へ進めようというときに、今度は産業革新機構が直接投資をするというような投資のやり方をするのはいかがかと御提案をさせていただきますが、いかがでしょうか。
#120
○副大臣(高市早苗君) 機構が投資を行っていく上にはやはり十分な投資規律ということを働かせるのが必要だと思います。それはまさに先ほど来丸川議員が御指摘の優秀な人材による案件の見極め、それからやはり公的資金を民間資金と組み合わせることによって進めていくということなんでございますけれども、そうした投資規律といった観点からも、御提案のファンド・オブ・ファンズの仕組みということを活用することも含めまして、最も適切な仕組みが選択されるようにしてまいりたいと思っております。
#121
○丸川珠代君 ファンド・オブ・ファンズも含めてということでお答えをいただきました。
 今、皆様のお手元にあります資料の一枚目、実施体制のところを拝見しますと、投資事業組合に産業革新機構が出資をする、場合によっては組成、つまり自ら産業革新機構が組成をすると書いてありまして、これを見ますと基本的にはファンド・オブ・ファンズ型が幹なのかなと、メーンなのかなと、場合によっては自分でもファンドを持つのかなという印象を受けるのですが、今のお答えですと、ファンド・オブ・ファンズ型も含めて検討しますということでございますので、これはどういうバランスでどの程度の資金を振り向けるのかというところが気になるところなんですが、機構が自ら立ち上げるファンドというのはどのような投資先を選ぶのかも含めてお答えをいただけますでしょうか。
#122
○政府参考人(石黒憲彦君) ファンドのポートフォリオそのものにつきましては、これから実際に経営に携わっていただく民間の人材の方々の経営戦略にゆだねられる部分がございますので、今この段階で明示的に何%ぐらいを念頭に置いているといったようなことはちょっとお答えをしかねる部分がございます。
 ただ、委員の御質問に確認のために申し上げれば、ファンド・オブ・ファンズの形態で出資する場合もございますれば、あるいはプロジェクトカンパニーというようなものに対して直接出資をするというケースと両方ございます。
 これで今イメージしておりますのは、例えばバイオベンチャーなんかはむしろファンド・オブ・ファンズのような形態で出資をする方がいいのかなというふうに思っております。ただそれも、バイオベンチャーが例えばある程度事業が立ち上がってきていよいよこれから治験に入ると、そうしますと製薬会社なんかと組んでやらざるを得なくなってまいります。そういったような場合に後ろから後押しのために出資をするといったようなケースもあります。そういう場合には、むしろプロジェクトカンパニーに直接出資をするといったような形態になろうかと思います。
 そういったことで、様々なちょっと投資形態の組合せの中で出資が行われるということで御了解いただければと思っております。
#123
○丸川珠代君 この実施体制のその中に、国という黄色い四角の中に支援基準というのがあるんですね。この支援基準に例えば産業革新機構が組成するファンドはどういうところに投資をしますとか、どういうところに傾けて特に重点的に支援をしますということを書き込むんだと思うんですが、どの程度のことをどのくらい書き込むつもりでいらっしゃるんでしょうか。
#124
○政府参考人(石黒憲彦君) 支援基準につきましては大きく言いますと四項目あると思っております。
 一つは、国際経済への構造的な変化への対応、もっと分かりやすく言いますと、社会ニーズのあるものに対して出資をするというのが一点目でございます。それから二点目といたしまして、成長性という観点から二つ目の要件を設定をさせていただこうと思っております。それから三点目は、革新性ということで、事業形態が革新的であるとか事業が何らかの意味で新規性を持っているといったようなところが三つ目のポイントでございます。それからさらに、最も重要な点ではございますけれども、収益性ということでございまして、この四つの観点から支援基準を書かせていただきたいと思っております。
 ただ、これ、委員多分御理解いただけると思いますが、余り細かく要件を設定いたしますと実際の投資活動を縛り過ぎてしまう部分もございますので、こういった大枠の中で実際には民間の有為なる人材にリスクをしょって投融資活動をしていただくということを考えておるところでございます。
#125
○丸川珠代君 今、社会ニーズ、成長性、革新性、収益性と挙げていただきましたが、実は私がこの件について経済産業省の方から御説明をいただきましたときに、いや、これをつくる意味というのは、一つには民間のお金が行かないところにお金を充てると、まだ割と初期の早い段階で民間がお金をつぎ込まないようなところにお金をつぎ込むんですというお答えをいただいたので、私びっくりいたしまして、確認をしたいと思って質問をさせていただきました。
 というのは、民間が出ていかないのは、現状では今そこに投資をしても回収ができないから行かない判断があるからであって、もし革新機構が非常にノウハウを蓄積した後で、しかも市場に潤沢にリスクマネーがあるという状況であればそういうところへ突っ込んでいってもいいんじゃないかと思いますけれども、はなから民間のお金が行かないところに突っ込んでいくんですというのは、私はいかがなものかと思います。
 そもそも、御承知かと思いますけれども、ベンチャー企業というのは、創業から歴史が浅いと、あなたには実績がありませんという理由でほとんど融資が受けられる枠がございません。ですので、出資が頼りでございます。頼みの綱が、一つは身内による投資なんですけれども、もう一つがベンチャーキャピタルの投資でございますよね。ところが、このところ新興市場が先ほどの資料で御覧いただいたような非常な収縮状態でございますので、ベンチャーキャピタル自身ももうお金を集められません、お金が出せませんというような状況になりつつある。うまみが薄れてきているわけですね、ベンチャーキャピタルにとっても。ということで、ベンチャー企業にお金の入る先がどんどんなくなってきていると。そういう中で、これでもまだ景気が良ければ力のあるベンチャー企業は何とか市場で株式を公開して更に資金を集めようということになりますけれども、それもこの景気の悪化の中で二、三年待たなきゃいけない。その二、三年待っている間にお金が続くかどうかと、そんなような状況でございます。
 本来なら育っていけたはずのそういうベンチャー企業が息絶えて死屍累々となるような状況を私は見たくないと思っておりますし、そういう状況下であるからこそこの産業革新機構に期待が集まっているのではないかとも思います。一方で、投資する先は分かっているんだけれども、この市場の状況で資金も集まらないというようなベンチャーキャピタルも見られます。こういうところは当然資金を待っているわけでございますよね。
 というわけで、直接リスクの高いところに自ら投資の手を突っ込んでいく前に、この産業革新機構ができること、やるべきことというのは私は山のようにあると思っております。まずそれらに注力することなしに自ら直接投資をすることにこだわるのであれば、それは市場は期待外れだという評価をいたします。そうなると出資した最初の四百億円以上のお金を集めるのは非常に難しくなると。そうしますと、本当にもしこれがうまくいけば一千億、二千億集まって、日本に新しい産業が育って、投資の蓄積もノウハウの蓄積もできてというすばらしい機構になるはずのものが、最初でこけちゃうわけですね。
 私は、そうはなってほしくないし、こういうことを言われるのは非常に悔しいんですね。この産業革新機構のことを聞いたあるキャピタリストが、そもそも官僚組織に投資なんてできるわけがないんですよと、税金を市場性のない技術や特許に寄附して終わりだと、そういう言われ方をして私非常に、皆さんも悔しいと思われると思うんですね。そう言われてほしくないです。
 ですので、この機構を慈善事業にしない、ちゃんと回収できる、投資が回収できて産業に育てられる、そういう仕事ができる機構であるために、私は、国だからこそアーリーステージに手を突っ込むと、そんなはなからそういう考え方を持つのはやめていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
#126
○政府参考人(石黒憲彦君) 私の方で今日幾つか御説明をしている中で何度か繰り返させていただいているのは、基本的には事業化段階のところから出資をするつもりでおります。ですから、いわゆるベンチャーキャピタリストが例えば大学発ベンチャーに対して非常にアーリーステージで投資をするというような段階をこの革新機構が代わってやるというつもりはむしろございません。
 大学発ベンチャーなどがある程度成熟した技術を持って、次のステージに行きたいんだけれどもなかなか行けないと、そういったような場合に対して、プロジェクトカンパニーをつくる場合、あるいはもう一度そのベンチャー企業を組成してやる場合もございますでしょう、いろんな形で出資をして補完をするというのが基本的な機構の役割だと思います。
 それから、繰り返し、前に三類型と申し上げましたが、もっとレーターのステージにおきまして、企業のある事業部門とある事業部門とが統合してまたもう一段階大きなステージに向けて新事業をやっていこうといったようなケースもあろうかと思います。そういったようなものを中心に扱ってまいります。
 それから、民間投資との兼ね合いでございますが、基本的には私どもこの革新機構の中にも民間会社の出資をいただきたいと思っておりますが、同時に、出資案件のところで実は民間の資金を混ぜることを念頭に置いております。ですから、一〇〇%あるプロジェクトカンパニーに対する出資をこの機構が負うというケースもなきにしもあらずではございますが、基本的にはそこに必ず事業会社の出資とかあるいはそれまで育て上げてきましたVCの出資とか、そういった民間の金が当然混ざっているというのが基本的なイメージでございます。
#127
○丸川珠代君 ありがとうございます。今の言葉しっかりと聞かせていただきましたので、是非よろしくお願いいたします。
 火中のクリと言っていたキャピタリストも、ファンド・オブ・ファンズだったら非常に希望が持てる、参加したいというようなことも言っていましたので、資金を集める上においても、是非どういう手法で投資するのかというのはじっくり御検討をいただきたいなと思っております。
 産業革新機構でもう一つ人材とともに重要であると私が思っておりますのが、その人材を生かすような組織になっているかどうかという点でございます。
 産業革新機構は産業再生機構の組織を念頭に置いたと伺っておりますが、それでよろしいんでしょうか。ただ、産業再生機構というのは産業革新機構と全く真逆の条件でございまして、向こうはもう既に企業がある、キャッシュフローがある、ある程度の将来の姿が描きやすいというような状況でございますけれども、産業革新機構は全く無から有を生み出す、将来の姿というのは全く描けない、それを育てるための人集めからやらなきゃいけないというところでございまして、本当に産業再生機構に比べても、リスクをより大きく取っていかなければいけないと私先ほど申し上げさせていただきました。より柔軟な発想で動けるような組織になっていなければならないと思います。
 そうした中で、産業再生機構ですらこの再生委員会のメンバーというのは民間人だけ、ほとんどは民間人だったのではないかと思います。取締役においても官僚出身の方、たしかお一人だけだったと存じますけれども、意思決定プロセスの近くに官僚や官僚のOBの方がほとんど入っておりませんでした。
 この民間の英知を最大限に生かしたのはこの仕組みのおかげだったのかなとも思うんですけれども、産業革新機構については、官僚やそのOBの方は取締役会や産業革新委員会に入るという予定はあるんでしょうか。
#128
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 産業革新機構の組織でございますけれども、委員御指摘のとおり、人材を生かす組織にしていく必要があると思いますし、また、その組織のこれからの形成に当たりましては、産業再生機構、これは一つの先例として参考にはしてまいりますけれども、委員御指摘のとおり、より柔軟で迅速な意思決定ができる体制にしていく必要があるというふうに考えております。
 こうしたことから、必要かつ最小限の体制が望ましいと考えておりまして、法律上、出資先の決定に当たります産業革新委員会でございますけれども、法律上、取締役である委員として三人以上七人以内で組織すると書いておりますし、また、取締役につきましても、こうした趣旨に合致するよう、その選解任の認可の際にはきちんとチェックをしていくつもりでございます。
 また、マネジングディレクター等、実務部隊でございますけれども、これにつきましては、経営陣にとって最も適切にその業務の実施ができる体制をつくり上げられますように、経営陣にその選任につきましてはゆだねてまいりたいと考えております。
 取締役等に関する具体的な人選でございますけれども、機構の業務が高度に専門性を要するものでございますので、るるお答え申し上げておりますとおり、民間での投資事業の実務に精通した経験豊富な人材が業務の中枢に就くということが不可欠であるというふうに考えております。
#129
○丸川珠代君 済みません。何も官僚の皆様が何か悪さをすると思って言っているわけじゃなくて、こういう組織って前例にないリスクを取らなければいけないと思うんですね。なので、どうしても官僚の組織というのは前例を重んじるというところがございまして、前例にないものに飛び付こうとすると、ちょっと待てよというような声の方が大きくなりがちでございますので、懸念をして申し上げたまでなんですが、今の局長のお答えですと、官僚の方は入るんですか入らないんですか、意思決定プロセスには。
#130
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 ただいま申し上げましたとおり、基本的には民間での実務に精通した方がその中枢に就くということが不可欠ではないかというふうに考えておりますけれども、最終的な具体的な人選につきましては、これから加速的に速やかに進めていくわけでございますけれども、現段階ではまだ最終的には決定はされていないということでございます。
#131
○丸川珠代君 済みません。基本的にはとおっしゃったので、一応、例外的にはどういうところにどういう役割の方が就く可能性がありますか。
#132
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 官僚出身者につきましての御指摘でございますけれども、一つの可能性といたしましては、コンプライアンス、これをチェックをするということが案件の決定に際しましては極めて重要なことであると思います。産業再生機構以上に、委員御指摘のとおり、今回の産業革新機構の具体的な案件決定に当たりましてはコンプライアンスをどうチェックするのかということが非常に大事だと思っております。これは私が申し上げました案件を決定する人員の中枢とは言えないかもしれませんけれども、ある意味では非常に大事なことでございまして、産業再生機構の場合は現役の検察庁出身の職員の方に現役出向という形で来ていただいておりますので、これはまだ最終的に決めたわけではございませんけれども、こうした前例もきちんと参考にする必要があるのではないかというふうに考えております。
#133
○丸川珠代君 ありがとうございます。
 実は私は、官僚の皆様はもちろんですけれども、政治の雑音も入ってはいけないと、そのように強く思っておりまして、これはもう徹底して排除されなければならないと考えております。産業再生機構ではたしか、こういう政治の介入がありましたというのを産業再生委員会に報告していたと思うんですが、産業革新機構ではどういうふうにするおつもりなんでしょうか。
 また、もう一つ、これはちょっと二階大臣を目の前にして言いづらいところではあるんですけれども、実は産業再生機構では所管大臣は意見聴取を受けるのみで決定権はございませんでした。やっぱりここまで徹底してこそ何の雑音もなくリスクを取っていったというのが成功の秘訣だっただろうと思うんですね、再生機構の。
 ですので、その点も併せて、産業革新機構では政治や行政からの独立性、透明性というものをどういう仕組みで担保するのか、教えてください。
#134
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 産業革新機構による支援の対象者や支援内容の決定につきましては、委員御指摘のとおり、その客観性、中立性を担保するということが非常に重要でございます。こうしたことから、この機構におきましても外部取締役を含む産業革新委員会を設置をいたしまして、そこで意思決定を行うということにしております。
 支援決定に際しましては経済産業大臣と事業所管大臣が必要に応じて意見を述べることができるということにしておりますけれども、御指摘のとおり、最終的な意思決定というのは一義的には産業革新機構が行うこととされておりますので、そういう意味で独立性を担保されているというふうに考えております。
 また、機構の取締役につきましては、その職務に関しまして国家公務員並みの厳しい罰則を適用するよう、御指摘のように、外部からの不当な影響力ということが受けることなく適切に投資判断ができる、こういう体制を整備をしてまいりたいと考えております。
 また、先ほどもお答え申し上げましたけれども、政治や行政サイドからの問い合わせ等があった場合にはすべてコンプライアンス担当部署等に報告をして、産業再生委員会等での決定の際にはこれらの者からの連絡の内容を開示をすることとしておりまして、またコンプライアンス組織につきましては、検察庁出身の職員ということを配置をするということも含めて参考にしていきたいというふうに考えております。
#135
○丸川珠代君 ありがとうございます。
 この再生機構ばかり例えに出して本当申し訳ないんですけれども、もう一つ、あの組織がどうしてあれだけ自分たちの判断で動けたのかといいますと、恐らく後ろにいたその担当の大臣が、ちゃんと後ろ盾になっていたと言うと変ですけれども、自分たちで決めてやって、最後に報告だけでいいですよというような姿勢で向き合っていた、民間人に任せるということを徹底したというところにあると思います。是非二階経済産業大臣におかれましても、この革新機構に集まった民間人の皆様を官僚及び政治家の介入から守ると、そして大臣自身も彼らにどんと任せるという、そういう御決意を持っていただきたいと思うんですが、その決意のほどをお伺いできますでしょうか。
#136
○国務大臣(二階俊博君) 決意を持っていただきたいという御要望は承っておきますが、民間人だから必ずいいと、政治家だから必ず悪いと、そういう分け方はおかしいんじゃないですか。
 私は常に思うんですけど、よく天下り問題ということをしゃあしゃあと役人の前で言いますけど、これ言われている人やその家族はどれだけ傷ついているかということですよ。そんな高くもない月給で一生懸命国家のために働いて、それを天下りがどうだこうだと言って、もうみんなから非難集中ですよ。野党から言われるんだったらそれは仕方がないですよ。しかし、与党からもそんな発言があるということを聞いて、私も本当に先ほどから複雑な思いで聞いておりました。
 つまり、私は、そういう官僚の皆さんというのは、これは本人の努力ももちろんですが、国家がやっぱり相当の訓練期間を与えてそういう人材を育ててきておるわけですから、その人材を将来ともいい適切な場所があったら活用するということはあっていいのではないかと思います。官僚だから駄目だと。第一、天下りという言葉そのものが余り官僚を尊敬し過ぎているんじゃないですか。何も天下りと言うことないじゃないですか、同じ平地にみんなおるわけですから。
 私は、そういう意味で、今言われる意味は分かりますよ。私は、結論としては、天下りなんかさせませんよ、私の権限の中にあれば。
 何となれば、前にも商工中金を始め金融機関の民営化の際に、なぜ経済産業省は反対するんだと、小泉内閣のころにそういう意見がありました。私は官邸へも出かけていったし、いろんなところへ行って、経済産業省は天下りなんかのことで期待を込めてこの民営化に反対しているというふうな人はおりませんよと、申し訳ないけど引く手あまたで、卒業生は何も天下りなんか希望している人なんか一人もおりませんよということを申し上げましたら、皆関係者は一同、それはそうですねということになって収まったんですが、どうぞ私どもの経済産業省から、今新しいこの法案、法律を皆さんにお認め願って、そこへ天下りを送り込もうなんてけちな考えは持っておりませんので、天下りはさせるかさせないかといったら、させませんとお答えしておきます。
#137
○丸川珠代君 天下りをさせないという御決意は承りましたが、官僚だからいけないという話かどうかというところにいきますと、私の判断では、マーケットで切った張ったやって、自分でお金背負って、リスクも背負ってということをやった人が官僚の中にいらっしゃるのかどうかという点を懸念しておりまして、実際に商品先物買いをやったとか、自分で巨額のお金を背負って投資したとか、そういう方がもしいらっしゃって、なおかつその技術のネットワークとお金が結び付いたところに身を置いた方がいらっしゃると、例えば転職してきていらっしゃってそういう経験があるというのであれば、それは別な話かもしれませんけれども、それが先ほど言った例外的というところに当てはまるのかなと思います。
#138
○国務大臣(二階俊博君) 官僚の中にそういう投資の方で切った張ったなんてやる人なんかいないの決まっているじゃないですか。それよりも、そこは常識的にやっていきましょうということを私は申し上げておるわけですよ。
#139
○丸川珠代君 ほかにも質問申し上げようと思っていたことがあるんですけれども、時間が来てしまいましたので、またの機会にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#140
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
 本日は、私の質疑で最後でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さきのG20では、二〇一〇年末までに五兆ドル、日本円で五百兆円ですね、この財政出動をするというなどの合意がなされたわけでございます。事ほどさように、世界の金融危機は深刻度を増して、戦後最大の同時不況の中で世界は苦しんでいるわけでございます。日本経済にも大きな需要不足が生じまして、二〇〇八年十月から十二月期のGDPはマイナス一二・一%と、需要ギャップが約二十兆円という数字が出ております。
 今年の一月から三月期も同じ程度か若しくはそれ以上の数字が出るだろうと残念ながら言われております。需要ギャップも五十兆円ほどまで膨らむという、こんな悲観的な見方をするエコノミストもいるわけでございます。また、今年の一月から二月の生産や輸出が歴史的な減少局面にあるということも現実なのでございます。
 こうした中で、個々の企業収益は縮小、悪化するとともに、事業の継続のための資金調達が大変困難になっていると、これは午前中からもいろいろ指摘がございました。景気の底割れを防ぎ、世界経済が回復軌道に乗るまでの間、円滑な金融仲介機能の発揮を促すために政府は万全を期す対応をお願いしたいと思っているところでございます。
 さて、先週十日に政府が発表しました新しい経済危機対策ですね、これは財政支出が十五兆四千億、事業規模五十六兆八千億、世界最大の、過去最大の対策でありまして、政策総動員という言葉どおりインパクトがある私はまさにものとなったと思います。
 昨年の夏以来三度にわたる経済対策で、事業規模合計七十五兆円、これを投じてまいりましたが、このときの場合でも真水は十二兆でございますので、今回は十五兆四千億、本当に大きな、私はまさに景気の底割れを防ぐために大型の財政出動を決意をしたというふうに思っております。
 アメリカのノーベル賞の経済学賞をいただいたクルーグマン教授も、財政出動を恐れるなと、こうおっしゃっているわけでございます。特に今中小企業の金融の面では緊急保証枠、現在の二十兆から三十兆に、セーフティーネット貸付けは十五兆などなど非常に企業にとっては心強い対策が打ち出されております。
 今回の産活法ではどのような金融対策が取られているのか。さきの経済危機対策でも取っておりますけれども、今回の産活法ではどのような金融対策が取られているのか。また、今残念なんですけれども中堅企業と言われる企業の倒産件数が増えて深刻な状況になっております。この中堅企業に対する対策も併せてお伺いをしたいと思います。
#141
○国務大臣(二階俊博君) 世界的な金融危機の影響で企業の資金繰りの厳しさも増しておるわけでありますが、中でも中小企業、中堅企業に及ぼす影響というのは極めて大きいわけでありまして、先ほどお述べになりました経済危機対策の一つの柱は、何としても企業の資金繰りの支援策、これを盛り込んでいただいたところであります。
 特に、現在御審議をいただいております改正産活法の法案におきまして、我々は今お話のありました資本金で三億円から十億円未満、この中堅企業に対する民間金融機関からの融資を円滑化するための債務保証を可能とするための措置を講じておるわけでありますが、事業規模としては二兆円を確保いたしております。その他の資金繰り支援策も併せて講じることによって、取引先、中小・小規模企業の雇用の安定化などにも大いに寄与してまいりたいと考えております。
 今後とも、企業の資金調達の実情をきめ細かく把握しながら一層努力を重ねて、機動的に政策を実現すべく万全の取組を進めてまいりたいと思っておりますので、是非とも御協力をお願いを申し上げたいと思います。
#142
○松あきら君 ありがとうございます。
 とにかく経済対策もさることながら、今回の産活法の改正でも二兆円という規模をお示しいただきましたけれども、とにかくありとあらゆる手を尽くして支えるということであります。まさにこの資金繰りというものが大変な困難なときでありますので、その手を打つという大臣の力強い御答弁をいただきました。ありがとうございました。
 当面する緊急的な金融対策についてお伺いしたんですけれども、次は中長期的な課題につながる観点から質問をしたいと思います。
 我が国は世界に冠たる環境技術を有しているわけでございます。そのことで世界中が私は日本に期待している、そういうふうに思っております。これは自負ではない、本当にそうだと思います。日本が世界的な課題である気候変動問題を解決するために率先して環境対策に取り組んで世界に範を示すことは、説得力のあることだというふうに思っております。しかし、現在景気が後退して将来の見通しが不透明な中では、多くの企業はキャッシュフローの縮小に合わせて設備投資の計画を縮小又は先送り、これが現実、現状であろうかと思います。
 折しも、オバマ政権はグリーンニューディール政策の実行に動き出しました。スマートグリッド、これは高性能の電線だそうでございますけれども、スマートグリッドなどの技術開発、普及策、投資優遇税制、減税策などを打ち出しまして、今後十年間で毎年一兆円の連邦予算を再生可能エネルギーに投資をすると。再生可能エネルギーの割合を二〇二五年までに二五%へ高める、二〇一五年までには百万台のプラグインハイブリッド車を導入、こんな目標がアメリカでは掲げられているわけでございますけれども、これによって五百万人のグリーンカラー、つまりブルーカラー、ホワイトカラーという言い方がございますけれども、緑の雇用が生み出されるとしております。
 我が国は、アメリカですら本気に動き出したと、これを追い風に、世界に先駆けた低炭素・循環型社会を構築するために、政府の後押しによりまして環境・エネルギー技術の一層の開発、導入促進を図るべきだと思います。先ほど大臣は、中国と日本で環境フォーラム三回催したというお話でございまして、十九事業が決まったというお話もいただきました。我が国が、企業が行う省エネ・新エネ、生産性向上に対する支援、どのような取組がなされているのか、お伺いをしたいと思います。
#143
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、資源、エネルギーを海外に依存しております我が国の経済産業構造を資源制約による影響を受けないより強固な体質へ転換していくということは、中長期的にも極めて重要なことでございますし、今世界で最も進んでいるエネルギー効率というものを更に次のステージへ高めていくために、国を挙げて取り組むべきだと考えております。
 一方で、現在の経済環境下で、設備投資につきましては、確かに少し弱気のムードは流れておりますけれども、企業関係者の方々に伺いましても、資源・エネルギー効率を高める、そういう前向きな投資につきましては可能な限りこれからも増やしていきたいと、こういう環境下にあるというふうに考えております。
 そういう意味で、今回、産活法の改正に当たりましては、こうした企業努力を引き出すための言わば装置として二つの計画を新たに追加をしております。その一つが資源生産性革新計画でございまして、もう一つは資源制約の顕在化に対応して新たな市場の開拓が見込まれる製品の生産を支援するための資源制約対応製品生産設備導入計画でございます。これらの計画の認定を受けた事業者に対しましては様々な面からの支援をしておりますけれども、とりわけ設備投資額の初年度全額即時償却という大変強力な税制措置を講じておりますので、この計画の具体的な形成というものがこれから多く期待できるのではないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、こうした支援措置によりまして企業の体質を更に強化をしていくということで、取組を続けてまいりたいというふうに考えております。
#144
○松あきら君 大事な点でありますので、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それでは、省エネ家電等の普及支援について伺いたいと思います。
 政府の経済対策に省エネ家電の購入補助、あるわけでございますけれども、エコポイントの対象商品がテレビ、冷蔵庫、エアコン、三点になっております。エコ三点セットと呼んでおりますけれども、勝手に呼んでいるんですけれども、その理由をしっかりと啓蒙しないと大事な意義が薄れる、これ理由があってエコ三点セット、しっかりこれ意義を皆さんに啓蒙していただきたいんですね。地球温暖化対策に基づいてこの三点に絞られた理由と啓蒙についてどのように取り組むのかお伺いしたいのが一点。
 また、この対策で、大手家電量販店の株価が軒並み上昇した。これ、テレビで見て、結構なことだな、市場も政府の対策に敏感に反応したというふうに思っておりますけれども、これらの大手家電量販店では、対策実施までの間の買い控え、これができてから買おうと思って買い控え、これを防ぐために相次いで自社のポイントに上乗せを始めたそうでございます。
 一方で、地域の電気屋さんからは私のところにメールが寄せられまして、エコポイントはいいんだけれども、大手の量販店には大変有利でも、私たちの小さな店ではなかなか対応が難しそうだと。
 ちょっとメールを読まさせていただきます。
 私は、小さな家電品の販売店を営んでおります。
 昨日、与党の経済対策のニュースを見て眠れなくなってしまいました。四月五日の毎日新聞に、家電販売の不振は幅広い分野に影響することから、政府・与党は公的補助による下支えが必要と判断したと。家電量販店のポイントカードを使えば早期実現が可能だが、政府内には、システムを持たない小規模販売店から客を奪う結果になるとの記事があり、ポイントカードシステムでの方法ではなく、もっと公平な方法で決まるものとばかり思っていました。
 昨日テレビをお届けしたお客様に何と説明したらいいのか、週末に液晶テレビをお届けする予定のお客様には説明できるようよく調べなければ、実施前にポイントカードシステムを導入しなければいけないのか、私のような小さな店で導入できるのかと、いろいろ考えてしまいました。
 売上げは年々少なくなり、現在何とか商売ができているのは、アンテナ調整等の必要な液晶テレビ、修理などでエアコンの交換と、工事の必要な部分での家電商品で支えられていると思います。そこで今回のポイントカードを使っての景気対策では、私たち小規模業者は息の根を止められてしまいます。これでは家電量販店の販売の下支えとしか見えないのですが。
 ヤマダ電機、ビックカメラ、ヨドバシカメラなどは、家電リサイクル法での不正がありました。その都度、下請業者が……と言い訳をしております。しかし、家電リサイクル法のマニフェストは五枚複写になっており必ず照合ができるようになっており、下請が行ったもので分からなかったとは、とても納得がいきません。お客様から預かったリサイクルは量販店の懐に入り、リサイクルセンターからの請求が来ない。また、その金額は、ニュースになった台数からいえば何百万単位です。もしそれが下請の不正だったとしても、それが分からなかった会社なんですよ。そんな会社固有のポイントカードシステムを利用して量販店のために販売の下支えとは納得がいきません。
 私の店では、営業も私、取付けも私、集金も私、リサイクルの処理も私、すべて責任を人のせいにせず一人でこつこつやっております。そんな私たち零細業者も公平に扱ってほしいのです。
 私は、毎日新聞の記事が間違っているということを知っていてこれを読んでいるんです。量販店のポイント制度を利用したポイント制度では全くないんです。本来は、私どもも、例えばエコ家電商品券ですとか振興券などがあれば、本当はそれが一番簡単。けれども、御存じのように今は物すごい偽造の技術で、これを偽造されないように作ろうと思ったら、もう物すごい莫大なお金と時間が掛かる。
 環境省がやっているエコポイントというのは非常に評判がいいということで、少しでも一般の方々にと思ってこのエコポイント制度をしたんですね。ですけれども、やっぱりまだまだちゃんと、このただのエコポイントというだけでは分からないんですよ。量販店はもうエコポイントというのはやっていますから、前から。それとリンクしているんじゃないかと、御不安があるのはもう当然だと私は思うんですね。
 ですから、町の、地域の電気屋さんでもちゃんとこのエコポイントというのは使えるんですよ、簡単に使えるんですよ、これを使ってもらえば次のも安くなるんですよと、ちゃんときちんと説明をしていただきたい。不安を払拭していただきたい。
 併せて御答弁をお願いいたします。
#145
○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。
 まず、第一点目の三点セットの意義でございます。
 二〇〇七年度の我が国の家庭部門の二酸化炭素排出量は、一九九〇年度と比べまして約四〇%増ということで大幅な増加となっておるところでございます。こういう中でございますので、家庭部門における省エネルギー対策の推進というのは極めて重要な課題でございます。
 この家庭部門のエネルギー消費のうち、約四〇%が電力でございます。その電力の消費のうちの約半分が今先生が御指摘のエアコン、冷蔵庫、テレビの三点、三商品でございます。この最新型のエアコンや冷蔵庫、テレビというのは相当技術が発達をしてきておりまして、この十年間、約十年前のものに比べましてそれぞれ約四〇%省エネ、要は十年前に比べて六割のエネルギーで稼働ができると、こういうような形になってきておりますので、最新型の省エネ家電への買換えを進めるということは地球温暖化対策としても非常に有効だと、このように考えているわけでございます。
 そういう理由から、今般の経済危機対策におけるグリーン家電の普及促進事業では、エアコン、冷蔵庫、テレビの三品目を対象とさせていただきました。この三品目のうち省エネ性能の高いグリーン家電、これの購入に対しましてエコポイントを付与することを通じてグリーン家電の購入、普及を図りたいと考えているところでございます。この事業の推進に当たりましては、経済産業省のみならず、環境省、総務省と全面的に協力をして、その着実な実施に努めてまいります。
 それから、今先生から御解説もありましたので私からもうこれ以上重ねて答弁をする必要もないのかもしれませんが、少し整理をしてもう一度申し上げますと、今御指摘のありましたような家電量販店のポイントカードにエコポイントを上乗せするといったような間違った記述が一部の報道でございました。それにつきましては、私ども、全くの誤りでございますし、この報道をした機関に対しましても、正確な情報に基づく報道に努めてくれという申入れもいたしました。今先生のおっしゃったとおりでございまして、私どもは地域の電気店、家電量販店、スーパー、通信販売事業者など、すべての方々にとって公平な新しい仕組みにするべく制度設計をしているところでございます。
 今、町の電気屋さんというお話がございました。例えば、電気屋さんでデジタルテレビを買うと、買ったときに、そのデジタルテレビを買ったのに付いたポイントを活用してその町の電気屋さんに工事を頼むと、工事を頼んでそのポイントで何千円分かの割引になると、こんなこともできるような仕組みにしたいと思っておりまして、地域と密接に連携をしながらやりたいと思っているところでございます。
 今回の事業は地域の電気店の皆様にも非常に重要な役割を担っていただきますので、引き続き中小のこういう販売をする方々とも意見交換を行いながら、具体的な仕組みづくりを早急に構築してまいりたいと思っております。これは何といっても仕組みについて十分な普及活動をしなければいけません。周知を図らなければいけません。地域の電気店を含めて国民の皆様に御理解をいただけるようにできるだけ努力を重ねてPRに努めていきたいと、このように考えているところでございます。
#146
○松あきら君 ありがとうございます。
 四〇%省エネというのももちろんちゃんと啓蒙をしっかりとしていただきたいし、今みたいに、例えばそうしたデジタルテレビを買うと次のアンテナの工事に云々というような、そういうことまでちゃんと中小・小規模企業の方たちに例を挙げて私は教えていただきたい。そうすると、やっと、ああそうか、じゃそうやって説明して、うちで買ってくださればこの工事は、例えば全部で一〇%ですよね、テレビの場合は、だからそれに、じゃ、分かりませんけれども、あるいはただで付けてもらえるの、あるいは物すごく安く次のアンテナが付けられるのねとか何とかなのねと、こういうことが分かることが大事だと思いますので、どうか、皆様方とやっぱり一般国民の方とはあれが違いますので、よく分かりやすく御説明いただきたいと思います。
 では、次に参ります。
 現下の危機的な経済状況、先ほどから申し上げておりますけれども、新しい産業構造への下地がつくられていく過程、こういう見方もあるわけです。厳しい厳しいと言わないで、次の新しいことをつくっていく下地だと、こう思わなければ明るい未来がないわけでございまして、足下の危機に対応しつつも、我が国経済の将来の芽を育てていくことが私は必要だと思っております。成長著しいグローバル市場を獲得していく、この間からオープンイノベーションの話もいたしておりますけれども、こうしたオープンイノベーションを推進していくことが必要でございますが、金融収縮が起きている現状では、まさに午前中から今まで問題になっておりますが、新たな成長分野に投資するリスクマネーの担い手が圧倒的に不足をして新たな産業が起こって育っていかない可能性すらあるわけでございます。このために、政府は、リスクマネーを供給するとともに、オープンイノベーションを起こしていく環境を整備していくことが必要だと思います。
 昨年、ノーベル化学賞を受賞した日本の学者、三名いらっしゃいました。そのうち、下村脩さん、クラゲから蛍光たんぱく質を発見して精製することに成功したことが受賞の理由であったわけでございますけれども、これによって細胞を壊さないでたんぱく質の動きが追えるようになって、アルツハイマー研究やがん移転のメカニズム解明などに役立てられていて、しかもこの技術を使った論文は年間一千本以上に上っているわけですね。すばらしいです。
 だけど、この下村教授のところは、家族総出で何年も何十万匹というクラゲを収集して、大変な御努力だったと思いますよ。もうクラゲ、クラゲ、クラゲ、家族がもう何年も何年も、そしてそれをスライス、研究してするんですね。大変な発見ですけれども、こうやって地道な地道な活動、基礎研究をされていたんです。しかし、日本はこうした基礎研究に実に冷たい。そのため、下村氏は渡米して研究を続けたんですね。
 この基礎研究に冷たいというのは、以前当委員会でも小柴教授もおっしゃっておられました。実は、この基礎研究がすごく大事なんですよ、ここをおろそかにしちゃいけない、一生懸命おっしゃっておられました。その新たな成長分野に投資をするというリスクを担うものがなければ新しい産業の種は外国へ流出していってしまうと思いますけれども、こういうときにこそ新しい芽に投資をしていく必要があるというふうに思っているわけでございます。国としてそれをどういうふうに手当てしていくのか。
 実は、アメリカの話いたしましたけれども、アメリカでは、物すごくアメリカはこういう研究開発にしっかりお金を掛けているんですけれども、最近変化が出てきまして、この状況ですからアメリカも大変で、こうした研究部門にお金が減らされているそうであります。やはりそういうふうになってきたそうであります、支援がなかなかできにくくなった。だからこそ、あるいは今こそ、こういうときだからこそ我が国は、その次世代産業の育成の体制整備、リスクマネーの支援、しっかりと私は取り組むべきだというふうに思います。
 具体的な取組をお聞かせいただきたいと思います。
#147
○副大臣(高市早苗君) 松議員がおっしゃるとおりだと思います。今みたいな時期だからこそ次の時代の国富を生み出していく、そういう産業を育てていくべき時期にあるかと思います。
 それはやはり環境でありエネルギーであり、日本に強みのある、技術的な強みのある分野ということになっていくかと思うんですが、今非常にいい技術は日本にあるんだけれども、それが大学ですとか企業ですとか、それも大企業、中小企業、ベンチャーといろんなところに分散していてなかなか事業化に結び付いていないということで、今回、基礎研究も含めて、その事業化へといった形のリスクマネー、長期リスクマネーを提供する仕組みといたしまして、この産業革新機構を通じて今の金融危機下で不足している長期的なリスクマネーを提供していくといったことで先生方の御理解を求めているところでございます。
#148
○松あきら君 高市副大臣、ありがとうございました。まさに、今だからこそしっかりと取り組んでいただきたいというふうに申し上げておきます。
 ところで、少し気分を変えましょう。このパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)こちらはパロちゃんの、アザラシロボット、パロちゃんでございまして、私はこれ七年前に、パロちゃん、産総研に見に行きましたけれども、このとき、外見は同じなんですけれども、実はもう全然変わってきていますね。少し前に荒川区の高齢者の施設へ行きましたらこのパロちゃんがありまして、本当にかわいいんです、なぜるとしっぽ振ったり手をこうやったり。高齢者の方の認知症などに非常に効果が上がると、実際の動物を飼えないので。余りほっておくとすねるんです、構ってくれ。本当なんです。私、もう技術もすばらしいなと。区長がしっかりとこれを荒川区の場合、導入しようということで、このパロちゃんを導入した。これがパロちゃんでございました。
 こちら側が、これは産業技術総合研究所の知能システムを研究する部門が開発したHRP―4Cという女性のロボットであります。できる限り人間に近いロボットというコンセプトで開発をされたわけでございます。これ動画でお見せしたかったんです。本当に動くと人間の女性とそっくりなんです。ちょっと気持ち悪いという言い方をしたらいけないんですけれども、そうなんです。
 個人的に言いますと、お顔はちょっと私の好みではありません。幼過ぎる。万博のときの女性のロボットは動かなかったですけれども、余り、ほとんど、もうちょっと大人の顔でヘアスタイルも良かったかな、これはちょっと子供っぽ過ぎるかなと、こう思いますけれども。
 とにかく動画を見ますと、もう人間に近い歩き方をして、音声を認識してあいさつもするんです。身長は、十九歳から二十九歳の女性の平均身長である百五十八センチにしてあります。本当は体重は、この平均の体重五十三・五キロだそうでございますけれども、五十三キロにすると多分重過ぎるのでしょう。これは、この子ちゃんは四十三キロにしてあるそうでございますけれども、これを開発してからテレビ局やイベント関係者から出演依頼がもう殺到しておりまして、大人気でありまして、三月の二十三日には日本ファッション・ウイーク、これにも出演をしたわけでございます。
 この技術の粋が集められたロボットは、民間企業と産総研の研究で協力して作ったもの。先ほど高市副大臣も、技術があるけれども、これが分散していてなかなか事業化に結び付いていない、ここが問題であるからしっかりこれに取り組みたいとおっしゃっておられましたけれども、まさにこれは、ココロという企業が協力を得て産総研と一緒に作ったそうでありますけれども、人間に近い歩き方が可能となるようなアルゴリズムというのを開発されていて、また音声を認識するためのコンピューターも特に開発されたわけでございます。
 要するに、もうこういう新しいことがどんどんできているわけですね。何か少し楽しい、委員会でも、思いになっていただきたいなと思って、本当は動画をお見せできたらとても良かったんですけれども、こうして厳しい経済情勢の中で産総研など公的研究機関の蓄積している技術を民間企業に移転していくためにも、公的研究機関と民間企業が協力しやすいような体制、これを整備することが必要だと私は思っているんです。
 今回の産業技術力強化法の改正のその意義とそしてその概要を教えていただきたいと思います。
#149
○政府参考人(鈴木正徳君) ただいま先生から御指摘いただきましたロボット、二つの例でございます。民間企業と産総研を始めといたしました公的研究機関の連携が新しい製品を生み出しまして市場を創造していく大変良い例になるというふうに期待しております。今先生にお示しいただきましたパロは、大臣自ら大臣室にも飾っていただきまして、お客様に皆さんには見ていただいているところでございます。
 今回の産業技術力強化法の改正法案におきましては、こういたしました公的研究機関と民間企業の連携を促進するために、改正法案に基づきまして、政令で定める例えば産業技術総合研究所等の機関と共同研究を行う企業に対しまして、租税特別措置法におきまして試験研究税制がございます、その控除率を二%から四%上乗せする優遇措置を講じておるところでございます。
 またあわせまして、公的研究機関の責務といたしまして、研究開発の企業への移転を積極的に進めるべき旨規定しているところでございます。またあわせまして、様々な予算措置等を講じますことによりまして民間企業と公的研究機関の共同研究を一層促進してまいりたいと考えております。
#150
○松あきら君 ありがとうございます。
 今経済は大変に厳しい状況であります。これはもう皆様の御認識のとおりであります。しかし、今ちょっとお見せしましたし、御答弁もいただきまして、このようなときこそイノベーションを加速させて将来の新製品を作っていかなければいけないと私は思っておりますし、研究開発の活性化、大変重要な私は政策だと思っております。
 今回の産活法の改正案の中には、研究開発を活性化させるために鉱工業技術研究組合法の改正法案、これが盛り込まれております。鉱工業技術研究組合は、JRのSuicaでおなじみでございますけれども、非接触型定期乗車券の技術を開発をしました汎用電子乗車券技術研究組合や、太陽電池の基本構造を開発した太陽光発電技術研究組合など、重要なテーマを扱ってきているわけでございます。
 共同研究開発の推進というのは、技術が複雑化している今日、大変重要な政策課題であります。今回の改正法案に盛り込まれている鉱工業技術研究組合法の改正のポイントを分かりやすく御説明願いたいと思います。
#151
○大臣政務官(谷合正明君) 鉱工業技術研究組合につきましての法改正の意義と概要についてのお尋ねがありました。
 厳しい経済状況であるからこそ、研究開発を続け、またその成果を迅速に実用化できる環境を整えていく、そのことが重要であると考えております。そのためにも、企業同士で協調できるところは協調して効率の良い研究開発を促進するということが重要と考えております。
 今回の改正案でありますが、その企業の共同研究開発を更に一層容易にしていくということに着眼しまして、鉱工業技術研究組合の株式会社への転換を可能とする措置を盛り込んでおります。また、共同研究を更に活性化するため、鉱工業技術の分野に限らず、サービスを含む技術分野の全般において研究組合を設立することを可能にしております。さらに、大学や研究開発独法が組合に参加できるような措置を盛り込んでおります。
 以上の措置によりまして、厳しい経済情勢ではありますが、共同研究開発とその迅速な事業化を推進して、我が国経済の再活性化に役立てていきたいと考えております。
#152
○松あきら君 ありがとうございます。
 この部門は余り質問が出ないので、しっかりと質問をさせていただきました。私も大事な観点だと思っております。
 我が国の競争力の源泉は四百万を超える中小企業が有する技術力、これは皆様御存じのとおりでございます、御認識のとおりでございます。世界経済の減速に伴う輸出の減少、また我が国の景気後退の影響によって中小企業の景況感は悪化をしております。地域の経済活動に貢献している優良な事業部門を有する中小企業さえも事業存続の危機に瀕しておりまして、いかにして優良な事業の破綻を防いで地域経済の活力や雇用を維持するか、これが最重要課題だと私は思っております。日本の九九・七%、雇用の七〇%が中小企業に支えられている、大事なことだと思っております。
 中小企業の将来性ある事業部門を新会社に承継させ、新しいスポンサーの下で再生を図る手法である第二株式会社の活用策の課題として、許認可あるいは税負担あるいは新規資金の調達などがありますけれども、これらをどのように支援をされるのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
#153
○大臣政務官(松村祥史君) 松委員御指摘のように、第二株式会社方式は中小企業の再生には大変有効な手段であると考えております。
 現在、中小企業が第二会社方式を用いるに当たりましては、主として三つの課題があると思っております。まず一つ目が、許認可の再取得でございます。二つ目が、事業の承継に伴います租税の負担でございます。三つ目が、事業を承継する第二会社の資金繰り等でございます。
 このような課題を克服するために、今般の法改正によりまして中小企業承継事業再生計画を創設をいたしまして、まず事業の承継と同時に営業上の許認可も承継できる特例措置を行います。次に、事業譲渡等による不動産等の移転に伴う税負担を低減するために、登録免許税や不動産取得税を軽減する措置を行う予定でございます。次に、日本政策金融公庫による第二会社への低利融資や信用保険の別枠化の特例等を行うなどの措置を講じております。
 これらの措置を行うことによりまして、第二会社方式によります事業再生がスムーズに進むように支援をしてまいる所存でございます。
#154
○松あきら君 ありがとうございます。
 事業を承継できる特例、あるいは登録免許税、不動産取得税の軽減、そして金融の支援ということで、大きなことであるというふうに思います。
 時間がなくなりました。最後の質問にさせていただきたいと思います。
 物づくりは世界に冠たる日本であります。物づくり基盤技術や次世代産業を支える技術を有する中小企業の支援、この経済危機対策の中で、そしてまた今回の産活法の中で、特に中小企業に思い入れが深い大臣、この支援についてはどのように手当てをされるのか、最後にお伺いをしまして、質問を終わりたいと思います。
#155
○国務大臣(二階俊博君) 中小企業に対して大変力強いエールを送っていただきまして、ありがとうございました。
 また、ロボットの件につきましても、改めてこうした公式の場で御紹介をいただきまして、関係者には大変勇気付けるものがあったというふうに感謝をいたしております。
 今、ロボットの件でちょっと申し上げれば、国立高専などが中心になってロボットを盛んにやっておりますし、世の中よくロボットのことがテレビで放映されていることがしばしば伺うわけでありますが、だんだんとロボットのファンが増えてまいりました。今ほど御紹介のありましたロボットにつきましても、私ども経済産業省であらゆる事業を展開する場合に、先方の御都合さえ良ければロボットに参加してもらって、そして玄関でお迎えしてもらったりいろんな役割をしてもらっているんですが、大変喜ばれております。
 前に東京ファッション・ウイークの際に、私は日本のそれぞれの企業が持っておる自慢のエコカーをずっとホテルの前に並べていただきました。ファッションショーとエコカーとどういう関係があるかということですが、みんな立ち止まって真剣に見ておられる。私は、同じこと来年もやっちゃ駄目ですよ、来年は別のことやりましょうと。今年はロボットに並んでいただきまして、大変好評を浴びました。次の年は何をするか、今から考えなきゃいけない。私は、野菜か果物でも並べたらどうだって、こう言って冗談を言っているんですが、農商工連携ですから、それも一つでございます。
 そこで、ただいまの最後の御質問でございますが、私ども経済産業省、思えば、松先生も副大臣の当時御協力いただいたわけですが、二〇〇六年から四百二十万社ある中で上位三百社を選んで、元気なモノ作り三百社というのを三年連続やらせてもらいましたから、ちょうど今九百社になっているんです。これも、同じことばっかりやっていたんでは駄目、何か工夫が必要だ。今年は、選ぶ三百社の中の半分の百五十社は今までと同じような基準で優秀な中小企業を選ばせていただきますが、今度、そのあとの百五十社は、小さい、一人でも、五人でも、六人でもの企業の中から選んでいこうと。ですから、中小企業よりももっと規模の小さい方々で、元気を出して国際的にも頑張っておられるような人たちがたくさんおられるわけですから、この人たちを参加してもらおうということでやっております。
 そして、全国に散らばっております私どもの出先、これを総動員して、この前は、少し中小企業も人を雇っていただけませんかと、我々は精いっぱいのことをしますから人を雇ってください、金融の面でも協力しますからということで呼びかけましたところ、目標は一千社を目標に呼びかけましたところ、前にも申し上げたかと思いますが、千四百社集まってきてくれました。この実情を地方の知事及び関係者の皆さんに申し上げましたところ、我々も協力しようということで、やっていただいた県が二十一県ございます。それで、五千八百の企業が参加してくれました。残りの県に対してもこれからも呼びかけていこうと思っておりますが、おいでになった知事さんの方々なんかにお話ししますと、我々も協力しますよと、こういうことでありますから、きめ細かい雇用関係をしっかりやっていきたいと思っております。
 また、先般から経済対策、いろいろ対策を講じておりますが、その中で、この間自動車工業会がおいでになりまして、我々が注文を付けておりました必ず雇用に対してしっかりした対応をしてもらいたいということを申し上げましたら、文書でもって、雇用に対して十分な配慮を行いますということを書いてきてくれました。恐らく経済界がこういう態度に出るというのは初めてのことじゃないかと思います。ごく最近までは、雇用の問題について相当各方面からいろいろと御意見を寄せられておったわけでありますから、それだけに雇用問題に対して対策を講じようということを決意をしてくれたようでありますが、政府がやっておる、応援をしておることでありますから、この恩恵を受けた企業は必ず私は雇用問題にしっかりした対応をするということは当然のことだと思いますが、だんだんそういう機運が出てきた、出てきかけたということはうれしいことだと思っております。
 これから、こうしたことを総合して、一刻も早く中小企業の皆さんが元気を取り戻すことができますように努力をしてまいりたいと思っておりますが、この法案を通していただいて、その上で各党の御意見等を十分伺って、法律が通ればそれでいいというのではなくて、法律が通って、そういう対応がしっかりできるようになった上にも、先生方の御意見を十分伺いながら、慎重にこの業を運営していきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
#156
○松あきら君 ありがとうございました。
#157
○委員長(櫻井充君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#158
○委員長(櫻井充君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る十六日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト