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2009/06/02 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第15号
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2009/06/02 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第15号

#1
第171回国会 経済産業委員会 第15号
平成二十一年六月二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     風間  昶君     松 あきら君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     姫井由美子君     津田弥太郎君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     木俣 佳丈君     姫井由美子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         櫻井  充君
    理 事
                藤原 正司君
                増子 輝彦君
                山根 隆治君
                荻原 健司君
               北川イッセイ君
    委 員
                鈴木 陽悦君
                津田弥太郎君
                直嶋 正行君
                中谷 智司君
                姫井由美子君
                前田 武志君
                塚田 一郎君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                谷合 正明君
                松 あきら君
                松下 新平君
                渡辺 秀央君
                田中 直紀君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 河村 建夫君
   副大臣
       経済産業副大臣  高市 早苗君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      舟橋 和幸君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        山本 和史君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        寺坂 信昭君
       中小企業庁経営
       支援部長     数井  寛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────
#2
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 お静かに願います。お静かに願います。済みません、私語を慎んでいただきたいと思います。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、木俣佳丈君及び風間昶君が委員を辞任され、その補欠として津田弥太郎君及び松あきら君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(櫻井充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局長舟橋和幸君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(櫻井充君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○塚田一郎君 おはようございます。自民党の塚田一郎でございます。
 質問に入る前に、今朝の各紙の一面、GM破綻というショッキングなニュースが出ておりました。これ質問じゃないんですけれども、大変なアメリカの大きな産業でありますGMが破綻をしたということで政府による介入が行われるようですが、少なからず日本経済にも影響が懸念をされるわけであります。
 GM破綻により、新聞によりますと、日本の百二社が売掛金の回収ができないなど、不良債権を抱える可能性があるという記事が出ております。二階経済産業大臣は、一日に、GM破綻に伴い日本の中小企業などの経営が悪化した場合には政府系金融機関を通じた資金繰り支援を検討する考えを示されているということでありますので、いろんな対応策を御検討いただいているんだと思うんですが、是非経済産業省には、この影響を踏まえてきちっとした対応をお願いしておきたいというふうに思います。
 それでは、時間も限られているので質問に入らせていただきます。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案についてでありますが、まず、課徴金の適用拡大についての御質問をさせていただきます。
 前回の荻原理事の御質問にもありました米インテルの案件でありますけれども、今EUの中で大変巨額な制裁金が課せられているわけであります。実は、その米インテルに対しては平成十七年に公正取引委員会が排除勧告を行い、同社は、勧告事実には同意しないがビジネスを優先させたとして勧告を受け入れたということであります。納得しないけれども受け入れたという、ちょっと変な感じではありますけれども、そういうふうになっているわけです。
 先月、欧州委員会がEU競争法違反で同社に約一千四百億円の制裁金を課すことを決めたわけでありますが、今回の改正で我が国においても私的独占が課徴金の対象となるわけですけれども、前回の質疑の中で、その課徴金の算定率は業種、行為類型によって異なると。ちなみにインテル社の場合は、日本の場合、卸売業で一%という算定率というふうなことをお話しになっていたと記憶しているんですが、これは明らかにこのEUのケースの金額と比べると少額になるんだろうというふうに思われます。
 問題は、日本で既にインテル社が排除勧告を受けて同意をしているけれども、同じようなケースでEUにおいても今回制裁金の対象になっていると。問題は、抑止効果が十分に働いているのかなという疑問がここから起きてくるわけでありまして、その意味で日本で新たな制度として課徴金、課せられるわけですが、これがEUとの、こういう制裁金との比較において十分な抑止効果を持つというふうに考えているのか、この点についてまず御説明をいただきたいと思います。
#7
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のとおり、EUの制裁金と日本の課徴金を比べますと、金額の面ではもう相当の開きがあることは事実でございます。
 課徴金が重ければ重いほど抑止力があるというのもおっしゃるとおりだと思うんですが、やはり我が国は我が国の中で、どの程度の課徴金であれば事業者がそれを勘案して違反行為を思いとどまってもらえるかということが現実には問題になるのかなと。現行の課徴金の水準というのは、そういったところを考えて総合的な判断の下に設定されているわけですが、ただ、今までのいきさつがございまして、日本の場合は、課徴金というのは、やはり独禁法違反行為をすれば不当利得というものが発生するだろうと。典型的には談合とかカルテルでございます。したがって、その不当利得に着目して、だから課徴金を課しても相当であるという考え方が従来からございました。したがって、そういったものを統計的に取れるものは取って、このぐらい不当利得があるじゃないかということで、それも一つの根拠にして現実の一〇%とかいう課徴金の算定率が決まっているという経緯はあるわけでございます。
 ただ、それも、個別の事件について不当利得が幾らあったかということを証明することは、これは日本のみならずどの国でも認めておりますが、これは難しいと。個別の事件で、それぞれ幾ら不当利得、したがって幾ら払えということを個別に不当利得を計算するのは難しい。しかしながら、統計的にこのぐらいのものだろうということを一つの根拠にしているということは事実でございます。
 日本の場合、一%というのは確かに、一%だと、これは仮でございますが、インテルジャパンの売上高というのは約年間二千億円というふうに我々把握しておりますので、一年分で二十億円。最大三年課せられますので、掛ける三で六十億円ということになるわけでございまして、向こうは千四百億円を課していると。これもどうなるか、インテルは争うというふうに言われておりますので最終的にどうなるか分かりませんが、いずれにしてもそれだけの開きがある。我が方でどうしてその排除型について一%に、排除型一%じゃないな、これ、六ですね。失礼しました。今、私、排除型を一%というふうに申し上げたと思いますが、排除型は六%にさせていただいているわけですが、一%は優越的地位の濫用の方でございまして、済みません。
 それで、ただ、インテルの場合は卸売業でございますので、製造業は六%ですが卸売業の場合には一%と、こういうことになるわけでございますが。それで、その根拠はどこかということでございますが、むしろ六%の方にその根拠がありまして、大体こういうことができる、すなわち排除型私的独占をできるという企業は、その営業しているマーケットというのが寡占化している、また独占ないしは寡占市場であるという、そういうところの売上高経常利益率というのを見ますと、ほかより、一般のものより高いわけでございまして、一般は三%とか言われている、これも景気によって変わりますけれども、それに比べると高いわけでございまして、その六%を一つの根拠にしております。後は、その製造業を六%に置いて、それぞれ一種の比例で、小売の場合は幾ら、卸の場合は一%、小売の場合は二%というふうに、これは一つの、カルテルの、談合の場合の一〇%もそうでございますが、業種によって差を付けているわけですが、そういう一種のマトリックスに当てはめまして決めさせていただいているわけです。
 ですから、額面一%、卸売だったら一%というのは低いではないかというふうに思われるかもしれませんが、母数、対象になる売上高というのは大体大きいわけでございますから、インテルの場合でも先ほど申し上げた一年分で二十億ということになるわけでございまして、現行の日本の課徴金の体系の中でこれが極めて些少なものであるということではないというふうに思っております。
#8
○塚田一郎君 日本の場合は、製造業の六%をベースに、排除型私的独占の場合は小売業二%、卸売業一%ということで、それぞれ業種別に比率を決められているという御説明だと思うんですが、やはり実態として少し低い水準なのかなという気もしますので、これはある意味、企業側からすれば予見可能性でどれぐらいのことをしたらどれぐらいの課徴金が掛かるということは分かるわけで、それはある意味では法律的には非常にクリアな部分もありますが、EUの場合はこれぐらい大きくて日本の場合はこれぐらいだということになって、万一、やり得ということはないと思うんですが、そういうことになってはいけないので、この辺のところは今後また適宜、状況の中でお見直しをいただけるようにまたお願いをさせていただきたいと思います。
 もう時間がどんどんたってしまいますので、ちょっと飛ばして、違反行為の立証について御質問いたします。
 独占禁止法違反行為に係る民事訴訟では、違反行為の存在を立証するのが通常非常に困難だというふうに指摘されております。今回の法案でこのような問題への対処も検討されているというふうに伺っていますが、具体的にはどのような内容なのか、御説明願います。
#9
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 独禁法では、不公正な取引方法について、民事訴訟でそれを差し止めてほしいという訴えを起こすことができるようになっているわけでございます。例えば、不当廉売であるとか差別対価とかいうようなことが一つの例でございますが。
 ところが、問題は、例えば不当廉売の場合を立証しようとしますと、被害を受けている方が立証責任を負うわけでございますが、原価が幾らだったのかということは被害を受けている方は分からないわけでございます。民事訴訟法に基づく手続をいたしますと、文書提出命令というのを裁判所に出してくださいとお願いをして出してもらえるわけですが、例外がございまして、営業秘密にかかわることは出さなくてよろしいということになっているわけでございます。そうすると、原価というようなものはこれはまさに営業秘密そのものでございますのでこれは入手できないと。現行の制度では、民事訴訟法の手続の中では入手できない。それでは立証責任を負っている方としては立証できないということになるわけでございまして、その点を、そのアンバランスを少し改善するために例外的な措置、これは文書提出命令の特則と言われておりますが、前例としては特許法にございます。それを我々もモデルにいたしまして、独禁法の民事訴訟においても文書提出命令の特則を設けて、裁判所に原価であってもこれは見せてほしいということが言えるようにする、その道を開くような規定をここに設けさせていただいておりまして、したがって立証責任の負担がある程度改善されるということになる、それがひいては民事訴訟の活性化ということにもなっていくかなと思っております。
#10
○塚田一郎君 民事訴訟、私訴の重要性というのは本当におっしゃるとおりだと思いますので、これからも制度を整備していただきたいというふうに思います。
 次に、企業結合規制の実効性についてお伺いをします。
 企業活動が今日のようにグローバル化して国際的な企業再編が活発化してくる状況では、外国企業が当事者となる企業結合が我が国の市場競争に大きな影響が出る可能性が高まっております。今回の法改正で、外国企業による企業結合に対する規制の実効性はどのように高まるとお考えになっているのか、お願いします。
#11
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のとおりで、昨年はBHPビリトンによるリオ・ティントのTOBという問題が大きく取り上げられたわけでございますが、これからもグローバル化の中で国際的な企業結合が盛んになることが想定されるわけでございます。それに的確に公正取引委員会が対応できるために今回改正をお願いしているわけでございますが、一つは、一番ポピュラーになっている企業結合の方式は株式取得である。合併という形態というよりも、企業結合の場合は株式取得によってそれをするということが非常に多くなる。ところが、現行は、日本の独禁法では株式取得による企業結合が事後報告でいいということになっております。欧米は事前届出になっております。したがって、タイミングの問題がまずあって、欧米には届出をしているにもかかわらず日本には持ってこないと、こういうことがあって、国際的合併の場合、それは非常に不都合でございます。
 それで、事実上、日本の企業であれば事前に相談に来るということが行われておりまして、今までは特に問題はなかったのでございますが、外国企業になりますと、法律にそう書いていないじゃないかと、事後報告ということになっているじゃないかと、こういうことになりまして、話せば分かるだろうというわけには現実問題いかない。そういう問題で不都合がございます。
 それからもう一つは、どういうケースを届け出なきゃならぬかという届出基準の問題がございまして、従来は資産に着目するということがございまして、そうしますと抜け道があったわけでございます。BHPビリトンの場合もそうですが、あちらは日本に日本法人、子会社も持っていなければ、支店もちっぽけな出店みたいなものしかないということでございます。日本国内にそれなりの資産は持っていないわけでございます。ところが、売上げは非常に大きいという、そういう実態があるわけで、資産に着目していると事後報告の網にすら掛からないと、こういう問題があるわけでございます。その点を国内売上高に統一いたしまして、日本法人も外国法人も同じ届出基準にいたしますという改正をお願いしているわけでございます。
 したがって、BHPビリトンと同じようなケースが将来起きた場合には、欧米に届けると同時に日本にもちゃんと届けてきてくれるはずでございますし、その届出の網は邦人企業と同じようなことになるということで、きちんとチェックができるということになると思っております。
#12
○塚田一郎君 ありがとうございます。
 世界標準である事前の届出制に移行をしたということと、もう一つは総資産ではなくて企業グループの売上げに着目をしたという点で世界的にきちっと平仄も合わせてやっていくというような御説明でありました。大変にいいことだと思います。
 参考人の中でも、こういう事前届出制になることは理解をするが、迅速に審査を行ってほしいというような要望が出ておりました。これ質問ではなくて、そういう御意見があったので是非おこたえをいただきたいということにさせていただきます。
 次に、審判の事件記録の閲覧制限についてお伺いをします。
 公正取引委員会は、明文の規定なしで閲覧を制限することはできない等とした東京高裁等の支持をした最高裁決定を受けて、今回の法律で審判の事件記録の閲覧を制限する規定を明確化するということを導入をしたというふうに理解をしておりますが、今後、じゃ、どのような文書の閲覧などが対象から外れることになるのか、お願いします。
#13
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 具体的な事件が発生いたしまして、それにかんがみて今回このような規定をお願い申し上げているわけですが、それは公正取引委員会が処分をすると、それを踏まえて被害者が損害賠償請求なりなんなりができるわけでございまして、現にしたと。そのときには、公正取引委員会の持っているいろいろな審判の記録みたいなものを出してくれと、こういうことに、先ほどの立証責任の話じゃございませんが、なるわけでございます。
 従来から我々は、その場合でも、第三者にかかわることだとかプライバシーにかかわることがその記録にある場合には、それを墨塗りいたしまして提出をしておりました。それに対して、それはおかしいと、全部、どうして公正取引委員会が裁量で情報開示を制限するんだと、こういうことが争われまして、公正取引委員会は実は負けてしまいました。
 私どもは、しかしながら、負けた理由はちゃんと法律に根拠がないからということが裁判所の判断でございます。しかしながら、常識的に考えて、第三者にかかわることを開示するということは必要ないはずでございますし、プライバシーに関することもこれはやっぱり開示はされるべきじゃないと思っておりますので、これからは、この法律を通していただきましたら、私どもは正当な理由があるというものに関しては引き続き墨塗りをすると、情報開示はしないということで運用させていただきたいと思っております。
#14
○塚田一郎君 裁判の結果を受けて今回こういう規定を導入するということなんですが、またそれが、新たなプライバシーはどこまでかとかいう議論になるのかもしれないので、その辺りのところはなかなか難しい議論かと思いますけれども、適宜その辺は対応をいただきたいというふうに思います。
 もうちょっと時間が来ましたので次の質問をお答えいただく時間がないと思いますので、御要望ということで最後に申し上げますが、前回の参考人招致で、やはり審判制度について、従来から言われている、検事と裁判官を兼ねているとか、同じ機関が判断すると同じ結果が出る可能性が高いといった御意見を承っております。したがって、今また議論が続いているわけですけれども、こういう審査と審判の在り方などについても、是非そうした参考意見も踏まえて今後もきちっとした対応をお願いをしたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#15
○松下新平君 改革クラブの松下新平です。
 早速ですけれども、本日の議題であります私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして随時質問させていただきます。
 まず冒頭にですけれども、竹島公正取引委員会委員長におかれましては、今日まで今までにない公正取引委員会の機能を発揮されての御奮闘に対して、改革クラブとしては高く評価していることを申し添えたいと思います。
 深刻度を増す世界金融危機と戦後最大の世界同時不況の中で、我が国経済も、実体経済の悪化が金融の一層の不安定化を招き、それが更なる実体経済の悪化を招くといった事態、すなわち経済の底割れのリスクが急速に高まりつつございます。そして、経済の収縮による悪影響が一部の中小企業、地域経済や非正規労働者等の社会的弱者にしわ寄せされる形で現れております。
 そのような中で、先日、平成二十一年度補正予算が成立いたしましたが、この補正予算は多額の公共事業費も計上されているところ、地域経済の下支えとしての公共工事等の重要性は過去になく増しておりまして、低入札問題への対応や適正価格での契約の推進等を図り、多くの中小事業者の方々に経済対策の成果を肌で感じていただくことが必要不可欠であると考えております。
 そこで、今回は入札制度と独占禁止法に関する質問を中心に七問御見解をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 まず第一点目ですけれども、近年の入札制度改革によりまして、国や地方公共団体におきましては一般競争入札や総合評価方式など新しい発注方法が用いられるようになっておりますけれども、これについての公正取引委員会の御見解をお伺いいたします。
#16
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 国の会計法令では一般競争入札というのが原則に昔からなっているわけですが、例外的に指名競争入札とか随意契約が認められると、こういうことになっているわけですが、現実は随契とか指名競争入札が圧倒的でございまして、一般競争入札は原則であるべきものが例外になっていたというのが日本の現実でございます。
 そういう中で、談合がよく行われてきたということが残念なこととしてあるわけでございますが、談合が摘発されるたびにやはり発注者側もいろいろ工夫をされまして、最近では一般競争入札、で、難しいものについては、価格だけの一本勝負ではきちんとした業者の選定はできないではないかということもありまして、総合評価方式というようなことが導入されてきているということでございますので、それぞれの、一般競争入札にせよ総合評価方式にせよ、本来それに沿った運用がされるということは我々としては結構なことだと思っておりますが。
 これは釈迦に説法でございますが、私、いろんな談合事件を見てきてつくづく思いますのは、世の中、官製談合も結構あるわけでございます、これは国、地方を通じてあるわけでございますが、やはり公務員の側、発注者側が、首長さんを含めて、税金を使う事業でございますので、これは公共工事に限らず物品の調達でもそうでございますし、コンピューター関係のプログラムを作るということもそうなんでございますが、こういったときに、いかにより良いものをより安く買うかということが発注者側のまず基本だという意識になっていただくということがなければ、どんなふうに変えましても、これはカルテル、談合はなくならないと。幾らでもかいくぐる道はあるわけでございまして、最近は総合評価方式といったってどこをどう評価されたのか、ブラックボックスがあるじゃないかという批判もあるわけで、本当にフェアかどうかという問題が問われている。
 したがって、それを発注する側が今申し上げた基本的スタンス、いかにいいものを安く調達するかということで業者ときちんとなされば、そういったブラックボックスとかなんとか言われることもなくなって皆さんが理解をする。透明性もでき、本当の意味のまともな競争ということになると思うんですけれども、残念ながら、一般競争入札にしたから、じゃ指名競争入札時代と変わって談合がなくなったかというと必ずしもそうでもないという現実があるというふうに思っております。
#17
○松下新平君 ありがとうございました。
 次に、今回の法改正では不当廉売に対して課徴金制度を導入することとしておりますが、建設業におけるダンピングの受注も不正競争であり、不当廉売の一種だと考えておりますが、公正取引委員会は現在どのように取り組んでおられるのでしょうか。また、今後、法改正が行われれば、公正取引委員会はこれらの問題についてより抑止力のある措置で臨むことができると思いますけれども、この点についての御決意をお伺いしたいと思います。
#18
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のとおりといいますか、低入札価格とか最低制限価格に張り付いたような入札、それが複数社あるのであとはくじ引だというようなことが行われているわけでございますが、私どもも特に談合の摘発を厳しくやりましたらスーパーゼネコンは談合はやめますという宣言をするというようなことで、そうするとその反動でもって非常に不当廉売、コスト割れの入札というものが行われたということが国会の場でも指摘をされまして、公正取引委員会きちんと取り締まれと、こういうことを御指摘もいただきました。
 私どもは、そういうことも背景にいたしまして、公共事業の発注をする官庁から低入札価格調査で引っかかったものを出していただきまして、データは二千ぐらいありましたが、その中からこれはおかしいな、問題があるな、まさに不当廉売だなというようなものを見付けまして、平成十九年六月に五社、それから二十年七月に三社に対して警告をしております。不当廉売に該当するおそれありということで警告をしております。
 今度の改正法案でこの不当廉売は課徴金の対象になったわけでございますが、当然、建設業もこの対象でございまして、これから先、公共工事について不当な落札をしたと、不当な低い価格で落札をしたということで、この不当廉売の要件に該当する、ただし繰り返し、十年以内に繰り返しということもあるわけですが、この二つの要件に該当する場合には課徴金の対象になるということでございますので、私どもは引き続きデータの収集、それから問題のあるものについてはおくせず課徴金の納付命令もやっていきたいというふうに思っております。
#19
○松下新平君 ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 私も地方議会の経験があるんですけれども、地域経済の活性化のためには公共調達について地域優先、ある程度はこれ必要であるというふうに考えております。実際、近年、地方公共団体が発注する入札等では、入札参加事業者に地元業者の下請利用や地元産品の優先利用を求めている事例が見られますけれども、このような発注方法について公正取引委員会の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#20
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のように、その地元業者を下請として使うようにとか、地元産品を利用するようにということを一種条件付けられるということは、これはそれぞれの首長さんの判断であり得る話だと思いますが、私ども競争当局の立場からしますと、余りにもそれを制限してしまいますと、競争が事実上なくなるというか高いコストを払って行うということになりますので、義務付けが非常に厳しいということはこれは好ましくないというふうに、推奨は結構でございましょうけれども、義務付けまで行きますと、トータルとして、地元業者を育成したいということと、それから高いものを買わされるということのバランスでどう考えるかということになるんではないかというふうに思います。
#21
○松下新平君 ありがとうございました。
 ちょっと関連しますけれども、次の質問に移ります。
 地域経済の振興、地元業者の育成の観点から入札参加を地元業者に限定する、いわゆる地域要件を設けることがございますけれども、このような発注方法についての公正取引委員会の御見解をお伺いしたいと思います。
#22
○政府特別補佐人(竹島一彦君) いわゆる地域要件、これも先ほどの御質問と同じでございまして、そういうことを課していることが非常に多い。これも先ほど、最初に申し上げたことと同じなんですが、いかにいいものを安く調達するかということとの兼ね合いで、地元企業に仕事を下ろすというのは首長さんにしては大事なことであることは理解できますが、それが本当に一方で、いいものを安く調達するということを忘れて、もう地元要件オンリーと、ほかの業者は入ってくるなと、こういうことをやりますと、結局高い買物になる。
 それから、おのずと人数が限定されますので、これは場合によっては談合をやってもいいというサインにもうなりかねない。だから、基本は談合は駄目ですと、いいものを安く調達するんですという方針がきちっと徹底される中で地元要件を、地域要件を課すのはいい。その場合も大きさがあると思いますね。地域要件もちっちゃな市で地域要件を課したんじゃ、これはまあ競争がないに等しくなる。だから、もうちょっと隣の町まで入れるとか、同じ地域要件を入れるのでも工夫が必要なのではないか。限定してしまったら、これは談合をやってきたところではもう好都合そのものになりますので、その辺はまさに、何回も申し上げているようなことで、発注者側の基本的な認識なり方針というものが問われるんではないかと思います。
#23
○松下新平君 ありがとうございます。
 よく、官製談合はもちろんいけないんですけれども、いわゆる話合いというのは必要悪だという考えもあると思います。もちろん、いいものを安くという基本に立ち返って、そして地域の秩序を保つと、このバランスが問題になると思いますけれども、この点についてお伺いしたいんですけれども、談合による弊害は当然除くべきですけれども、一方で、この官公庁の発注において業者のサイドからしますと、計画的に安定した受注が理想であることは当然なんですね。そのバランスについて御意見をいただきたいと思います。
#24
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これは公正取引委員会の所掌範囲を超える御質問かと思いますが、確かに、私も昔は予算の査定をしたこともございますので、公共事業はそんなに極端に振れるのは困るんだといった、もうコンスタントに仕事があるのがいいんだという話は何回も聞いたことがあります。
 さはさりながら、やはりそうもいかない。今回のような大型の補正ということもありますと、大変関係者は忙しいんでしょうけれども、ですから、これは発注者がその辺のニーズも考えて工夫されるということでございまして、公正取引委員会としてそれに積極的に関与するということはできないと思います。
#25
○松下新平君 所掌範囲を超えての最大限の御答弁ありがとうございます。
 でも、大事なのは、委員長が言われたように、いいものを安くということをそれぞれの原点として考えるということが大事だということに思います。
 次の質問に移ります。
 貴重な税金を使って公共事業等を行う限り、事業は効率的に行われるべきであります。官製談合といった官の行為による税金の無駄遣いは許されませんが、官製談合は後を絶たない現実がございます。この官製談合の防止に向けた公正取引委員会の取組と、特に竹島委員長のリーダーシップが求められておりますけれども、御見解を伺いたいと思います。
#26
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 残念ながら、官製談合事件というのが引き続き現在でもあるわけでございまして、私ども、これは議員立法でお作りになられた官製談合防止法、それも強化されまして、唆しというものも直罰が設けられるというようなことで強化されているわけでございます。
 そういう法律もきちんと適用させていただかなきゃいけないということを自覚しておりまして、我々が事件を立入りして調査をした場合に、役所が関与しているかどうかということは絶えずウオッチをしているわけでございます。それで、官製談合防止法に違反するような関与があった場合は、これはきちっと指摘をして、地方公共団体なり中央省庁のその長に対して改善措置を命ずるようにやっております。
 これからもその点は当然厳しくやっていかなきゃなりませんし、それから、関係の公務員の皆さんが官製談合防止法というものをきちんと分かっていただかなければ、これは上から言われたんだからまあいいんだというようなこと等を誤解することのないようにしなきゃいけないということで、これは折に触れて都道府県も含めて研修をやっておりますし、中央省庁同士もやっていますが、都道府県に対しても官製談合防止法の説明をして、こういうことをやれば罰則があるんですよということは極力周知に努めているところでございまして、私は、都道府県レベルは少なくとも官製談合防止法というのがあるんだぞということは、発注に携わっている役人はもう分かっているんではないかなというふうに期待しております。
#27
○松下新平君 ありがとうございました。
 入札制度について、独禁法とのかかわりについて御質問を六問させていただきました。ありがとうございます。
 残りの一問は、ちょっと視点を変えまして、最近の営業形態について公正取引委員会の御見解をいただきたいんですけれども、その形態とは、大手スーパーとかデパートで場所を貸して営業されるテナントについてなんですけれども、これは借りる側は、大手のデパートとかそういったところは信用度を増すということがあると思いますけれども、それを期待してのことでしょうけれども、実際いろいろお話を聞きますと、場所代を取られてそして売上げの何%かを取られるということで、小売業者は大変これでは成り立たないという声も聞かれております。申し上げたように、テナントを出すメリットもあるんですけれども、その形態が実際横行しておりまして、力関係でいいますと小売業者の方は泣き寝入りをしているという現状もお聞きしております。
 この形態はこれからもどんどん広がっていくことも懸念されておりますが、これについて公正取引委員会の御見解をお伺いしたいと思います。
#28
○政府特別補佐人(竹島一彦君) デパートとか大手スーパー、そこのテナントということで、その賃料が高過ぎるとかそういう場合どうかという御趣旨でございますが、残念ながらそれはまさに契約の自由そのものでございまして、そこにそれだけの賃料を払って入る意味があるかどうか、これは入るのも出るのも自由なはずでございますので、そこはそれぞれの経営者が合理的な判断をなさるべきであると。
 我々が問題にしていますのは、そういう大手スーパーとか大規模小売業者が納入業者に対して、納入業者、これはそういう大手スーパーに依存しているわけです、取引関係で依存しているわけですが、そういう場合に納入業者に対して不当な利益の提供を要求すると、こういったものは厳しく取り締まらなきゃならぬと思って、特殊指定の下に積極的に法律を運用しているわけでございますが、テナントは、これはそういう立場にはございませんので、不利な、又はそのように自分にとって赤字にしかならないような場合は、やっぱりそのテナントが判断していただくということにならざるを得ないと思います。
#29
○松下新平君 ありがとうございました。
 おっしゃるとおり、契約の自由ということで、その点は分かるんですけれども、現実はいろいろ問題が出ているようでありまして、その点もまた今後注視していただきたいというふうに思っております。
 いろいろ質問をさせていただきましたけれども、そもそも自由市場経済におきまして景気は常に一定ではありません、当然ですけれども。乱高下する宿命にあります。また、今日もお話が出ていましたけれども、安くて良い品物を提供することは消費者側から歓迎されるものですけれども、これが進むとデフレスパイラルに陥る危険性もあるということで、大変このバランスが難しいわけでありますが、自由市場経済の番人として公正取引委員会の役割が重要でありますので、今後も引き続き番人としての役割を果たしていただきたいと思います。明日から海外出張も予定されているそうですけれども、委員長におかれましては、更にこの改正法案が成立した後の運用についてしっかりお願いしたいと思っております。
 最後に、先ほど塚田先生も述べられましたけれども、アメリカの繁栄を象徴される、百年を超える歴史のあるGMの米連邦破産法十一条の適用申請についてなんですけれども、これは世界経済に大きな影響を与えることになります。日本経済についての影響が大変懸念されるところですけれども、いち早く二階経済産業大臣が中小企業、日本の経済は大丈夫だというメッセージをいただきました。この連鎖破産、連鎖の破綻が大変懸念されるところですけれども、セーフティーネットの貸付け、緊急保証制度、中小企業向けの融資、これに万全を期していただきたいし、この委員会としてもその点しっかり注視してまいりたいと思います。
 時間ちょっと早いんですけれども、質問の予定しておりました項目が簡潔に答弁いただきましたので、以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#30
○姫井由美子君 皆様おはようございます。民主党の姫井由美子です。
 本日は、経済産業委員会で質問させていただくに当たりまして、特に理事の皆様には御努力いただき、また委員長、委員の皆様には御配慮をいただきましたことをまず最初に感謝をいたしたいと思います。
 さて、今回の改正では中小零細、個人事業主に不当な不利益を与える不当廉売、そして優越的地位の濫用などが課徴金の対象とされたことは大変評価できることだと思います。しかし、特にこの優越的地位の濫用に悩まされるフランチャイズのビジネスの問題に焦点を当てて私は質問したいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 特に、このフランチャイズ問題につきましては、本部と加盟店との格差というものは、これはいわゆる今消費者庁、消費者委員会というものが参議院でも通りましたけれども、いわゆるすき間事案ではないかと私は思っております。今日はじっくりと公取委員長等にお伺いしたいと思っております。
 さて、まず公正取引委員会でありますけれども、これは行政委員会として内閣府設置法第六十四条、国家行政組織法第三条、いわゆる三条委員会ということで大変重く位置付けられております。特にその中でも公正取引委員会は委員長、委員以下、事務総局総勢八百人に及ぶという最大の委員会でございます。特にこの委員会の責任の重さ、期待されている役割、こういったものが、消費者庁でいう消費者委員会はいわゆる八条委員会ということで、かなり事実上の役割が違ってくると思っております。
 元々民主党は、この消費者庁につきましては消費者権利院ということでいわゆる外局の三条委員会の方を希望しておりました。この外局という位置付け、あるいは内閣府の審議会、この差も含めて、まず公正取引委員長にこの公正取引委員会の役割の重さ、責任についてお伺いしたいと思います。
#31
○政府特別補佐人(竹島一彦君) お答え申し上げます。
 公正取引委員会はいわゆる独立行政委員会の一つであるということでございまして、一般の審議会と違うところは行政処分を自ら行うことができるということで、各省の大臣とそういう意味では同じ権能を持っていると、かつその判断は他からの介入を許さないということで法律上保障されていると。
 そういうことでございますから、私どもはまさに文字どおり公正中立に、かつ的確に事件を処理していかなけりゃいけない。なるべく明確に国民に御理解がいただけるように、ただ摘発するだけではなくて、こういうことをやれば独禁法違反になりますよと、したがって気を付けてくださいという趣旨でガイドラインを示すとか説明会を開くとか、そういうことも含めましてまさに公正中立に仕事をしていかなけりゃならないというふうに認識をしております。
#32
○姫井由美子君 当委員会の津田議員も独禁法は経済の憲法だというふうに言われております。大臣と同じ強さを持ち、介入を他から許さない。
 こういった中で、今回の改正で課徴金の適用範囲が拡大したことが注目に値するかと思います。新たに五つの行為が課徴金の対象となりました。また同時に、その定義規定が盛り込まれております。優越的地位の濫用もその対象内に入ってまいりましたけれども、今回の改正でこの優越的地位の濫用が課徴金の対象となった背景、理由について委員長に説明をお願いいたします。
#33
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 優越的地位の濫用も、十六あるいわゆる不公正な取引方法の一つでございますが、ほかのものと違う特徴がございます。すなわち、不当廉売とか差別対価といった行為と違いまして、別途お願い申し上げています排除型私的独占というものに準ずるようなことではなくて、言わば独立した特殊な違法行為であると、優越的地位の濫用は。要するに、甲と乙との関係が優越的地位にあるかそうではないかということでございまして、その間で優越的地位にある者がその地位を利用して不当な利益の請求を相手に行うということ。したがって、具体的に申し上げますと、従業員をただで自分の店で棚卸しなり棚替えに使うとか、それから協賛金を、言葉は悪いですが召し上げるとか、そういうことが行われているわけでございまして、これはもう具体的に不当利得そのものが発生するという行為でございます。
 したがって、これについて、ただやめなさいというだけでは社会正義に照らしていかがかということもございます。まともな競争もそういう中ではできるわけがないわけでございまして、したがって、事例も多いことでございますから、加えて、前回、平成十七年の独禁法改正のときには、衆参通じて、この優越的地位の濫用について課徴金を導入すべきである、不当廉売と併せてですね、そういうことが強く議論されまして、附帯決議にもそれが盛り込まれているわけでございまして、そういった経緯をもろもろ踏まえまして、今回、優越的地位の濫用について課徴金の対象にさせていただきたいということを御提案申し上げているわけでございます。
#34
○姫井由美子君 この五月二十八日木曜日のニュースで、またその翌日の新聞各紙によりますと、昨年十月からセブンイレブン・ジャパンの立入調査を公取が行い、近く排除措置命令が出されるというふうに新聞紙面ではありました。先ほども委員長の方から、この優越的地位の濫用にはいろんなパターンがあり、そしてその具体例として従業員をただで使う、協賛金を徴収される。今回の場合は見切り販売等の、厳しくそれをさせないという事案であります。
 この個別の事案に関することでありますけれども、皆様に今日資料を配付をさせておりますが、その一枚目に、これは公取が公開しています「違反行為を迅速に取り締まり、厳正な措置を採っています。」という、違反事件処理の流れという表がございます。
 そこで、この表に従って幾つか質問したいんですけれども、まずセブンイレブン・ジャパンの立入調査は現在どの段階にあって、今後どのような手続になるのでしょうか。
 先ほど述べましたマスコミの報道内容は、大筋ではそのとおりというふうに書いておりますけれども、そういった内容なのでしょうか。
 また、この図には、「違反行為を迅速に取り締まり、」と書いています。この期間については、短い、長い、いろいろ議論が分かれるところではございます。この行政調査に掛かる時間、また事前通知から排除措置命令までに掛かる時間はどのくらいでしょうか。
 このようなフランチャイズをめぐる事件も優越的地位の濫用が課徴金の対象となった理由の一つでしょうか。例えばセブンイレブン・ジャパンのような優越的地位の濫用のケースは課徴金の対象となる事例と言えるのでしょうか。
 そして、この課徴金が適用となるのは改正法施行後の行為でしょうか。例えば既にこの調査に入っている今回の事例等は、施行後は違反行為をやめた場合課徴金の対象にならない、つまり課徴金の対象になる前に立入調査を始めたということでしょうか。
 以上、お伺いしたいと思います。
#35
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 個別の事案に関する御質問で戸惑う点もないわけじゃないんですが。
 率直に申し上げまして、セブンイレブン・ジャパンに対する我が方の調査は昨年の秋に開始をして、今やもう最終段階。最終段階というのは、お示しいただきました資料の、事前通知というのが真ん中辺にございます。行政調査をやって事前通知、それに対して意見の申述、証拠提出の機会、それを経て排除措置命令なり課徴金納付命令が出ると、こういう流れになるわけですが、今はもう事前通知をいたしまして、相手方に対して意見の申述があればしてくださいという段階でございまして、そういうプロセスを経て我々としては最終的な判断、行政処分の判断をさせていただきたい。そんなに遠い将来の話ではなくて、もう近々の話だと思っております。
 それから、いろいろ御質問挙がっていますが、もしこぼれがあれば後でまた御指摘いただきたいんですが、課徴金が掛かるか掛からないか。これはまさに今御提案申し上げている独禁法の構成要件に該当すれば当然課徴金の対象になる。優越的地位の濫用として今回の行為が、我々もそういう問題意識で今調査をしその手続に入っているわけでございますので、構成要件に該当しないとは思っておりませんが、これは具体的にそういう今事態ではありません。課徴金を掛けられるわけじゃない、これは当然さかのぼって不利益な処分はできませんので、これから先も、この法律を認めていただいてそれが施行されてそれ以降の行為について問題になるということでございまして、さかのぼって課徴金ということはあり得ません。
#36
○政府参考人(山本和史君) 事実関係ですので私の方からお答えさせていただきたいと思いますけれども、行政調査に要する時間についての御質問がございました。
 先生御指摘ありましたように、迅速な処理に努めているところでございますけれども、私どもの平成十九年度なり平成二十年度において排除措置命令又は課徴金納付命令という法的措置をとった事案について調査の開始から排除措置命令等までに要した期間を平均して申し上げますと、平成十九年度におきましては平均約九か月、平成二十年度におきましては約十一か月ということになっております。
#37
○姫井由美子君 竹島委員長からは具体的なプロセスまでもありがとうございます。
 でも、今回のケースは課徴金の施行前ということで、優越的地位の濫用が認められたとしても課徴金の対象にならないということをもう一度確認したいことと、それから、通常この行政調査に掛かる時間、今回のこのケースは特別急がれたのか通常だったのかということをもう一度聞きたいと思います。
#38
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これが最終的にどうなるかは、その相手方の対応にも懸かっておりますので予断は持てないわけでございますが、課徴金のことに関してはもういずれにしてもそれは無理でございます。まだ、この法律を通していただいて施行された後の話でございますので、それは課徴金は全く無関係でございます。
 それから、審査期間がどうかというお尋ねでございましたが、先ほど局長から九か月とか十一か月という話がありましたが、私どもは大体そのぐらいですべてのことを処理しようと努力目標としてやってきておりまして、本件についてもその例外ではないと。特別早くしたわけでも遅くしたわけでもなくて、できるだけ早くというのが当然のことでございますが、そういうことで処理してきたわけでございます。特別遅れているというふうには思っておりません。
#39
○姫井由美子君 先ほど塚田委員からの質問の答弁の中で、EUとの比較もありましたけれども、課徴金が重くなるほど抑止力というものが高まるんだということを言われました。是非、この抑止力にも期待したいと思います。今回のことは課徴金の対象にならないということですけれども、今の法律の中でしっかりとやっていただきたいと思います。
 さて、竹島委員長、今日は多くの傍聴人の方がいらっしゃっておりますけれども、実はコンビニのオーナーの方々が今日のこの質問を聞きにいらっしゃっております。北は北海道から南は沖縄まで、本来でしたら名前は出したくない、もちろん顔も出したくない、店の店名すら明らかにしたくないという方々がここに来ているということは、大きな決意の下、腹をくくって来たということをまず御理解いただきたいと思います。
 そこで、経産大臣にお伺いしたいと思ったんですけれども、今回のこの所轄が、この法案が経産の所轄ではないということで、今日は高市副大臣の方に来ていただきました。どうもありがとうございます。
 このフランチャイズシステムということは、独立開業という夢を実現できるという未来志向という、夢がある事業形態の一つでありました。会社勤めを辞めて転職する人にとって重要な選択肢の一つともなっています。フランチャイズ本部には長年蓄積した経営ノウハウがあるので、店舗経営が未経験の人でも意欲と開業資金さえあれば夢を実現できますというのが経営者を募集する、加盟店を募集するフランチャイズ本部のうたい文句でもありました。
 経済産業省では、フランチャイズというビジネスシステムをどのようにお考えでしょうか、まずお伺いしたいと思います。
#40
○副大臣(高市早苗君) フランチャイズシステムといいますのは、加盟者の方にとりましては、本部から商品ですとか経営ノウハウの提供を受けたり、また商標や商号が使用できるということで、個人経営でいきなり得られない様々なノウハウを享受することができるというメリットはあると思います。それからまた、本部の方にとっては多店舗展開ができるというメリットがございます。ですから、フランチャイズシステムというものは、本来は加盟者と本部の双方にとってメリットがあって、その長所が生かされましたら、やはり産業の発展ですとか雇用の拡大というものにつながっていくと思います。
 しかしながら、本部の情報提供が不十分なために、このフランチャイズの加盟希望者が契約内容を十分に理解できないまま加盟されてしまうという場合には、この本部と加盟者の間にトラブルが発生するという可能性が出てまいります。
 経済産業省は、この加盟希望者が適切な情報を得て契約内容を十分に理解された上で契約できる環境、これを整えることが非常に重要だと考えております。
#41
○姫井由美子君 このフランチャイズ事業というものは、九〇年代以降急成長を遂げている分野です。二〇〇七年度の日本国内のフランチャイズチェーン数は千二百四十六チェーン、前年比四・三%の増、五十二チェーンの増加です。そして、店舗数は二十三万五千六百八十六店舗で、前年度比〇・一%の増、二百四十六店舗の増加となっています。
 しかし、このような成長の陰で、実は、本部は成長しておりますけれども、本部の陰で泣いている加盟店が非常に多いという実態が最近明らかにされております。幾つかの本も出されておりますけれども、特にこのコンビニ加盟店の場合ですと、高額のロイヤリティー、セブンイレブンではチャージというふうに言われておりますけれども、本部に取られてアルバイトを雇う余裕もなく、また二十四時間営業を強いられているために、オーナーである、例えば御夫婦あるいは親子が多いですけれども、そういった家族で不眠不休で働いて体を壊し、ひいては売上げが思ったように上がらない、そういった中で借金が増え自殺に追いやられる例も幾つかある、少なくないというふうに私も感じておりますし、聞いております。
 こういった実態を経産省はどのように、どこまで把握しているのか。具体的に言いますと、コンビニ加盟店がフランチャイズ本部を訴えて訴訟になっている事件はどれくらいあるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#42
○政府参考人(寺坂信昭君) 訴訟の件数についてのお尋ねでございます。
 社団法人の日本フランチャイズチェーン協会によりますと、同協会に加盟しておりますコンビニエンスストア十一社ございます。この十一社で売上げの九割以上はカバーしているというふうに承知しておりますけれども、二〇〇三年度から七年度までの数字を申し上げたいと思います。最近までの数字でございます。
 二〇〇三年度が七件でございます。それから、二〇〇四年度が八件。それから、二〇〇五年度が十七件、二〇〇六年度十三件、二〇〇七年度六件。この二〇〇三年度から二〇〇七年度までの五年間で、この加盟者又は加盟者であった方から訴訟、訴えを受けました件数の合計は、今申し上げました五十一件というふうに承知をしてございます。
#43
○姫井由美子君 経産省は、この五十一件という訴訟の数をどのように感じていらっしゃるのでしょうか。もちろん、訴訟ができるオーナーはまだいい方です。そして、この加盟店は一人対巨大な本部という形になってしまうわけです。非常に一人一人の力は小さく、訴訟をするところまで頑張れない、泣き寝入りをしているというオーナーが多いということまで把握されていますでしょうか。
 このフランチャイズ事業というものは、知識や経験で圧倒的に誇る本部に対して、そういった部分が余り知識を詰め込まれたり経験を積み上げることなく経営者ということになっている体系上、本部の強い指導の下で進められております。加盟店に不利益が押し付けられることが多く、現実は対等の事業者としては私はとてもとらえられるものではないというふうに思っております。
 経産省は、本部と加盟店はあくまでも対等の事業者、プロとプロという構図で考えているというようなパンフレットを以前見たこともあるんですけれども、それでは加盟店の保護に欠けるのではないでしょうか。今の訴訟の事例、それから、本当に親身になってそういった実態を認識しようという努力をされていたのかどうかも含めてお伺いしたいと思います。
#44
○政府参考人(寺坂信昭君) フランチャイズ契約そのものについてどのように考えるかということをまずお答え申し上げたいと思いますが、フランチャイズ契約、これは本部が設定いたしました内容をその加盟者が受け入れる契約であると、あるいはその加盟者をその本部の系列の中に組み込むと申しましょうか、そういう契約であると、そういった性質を持つということがあると思います。
 それから、加盟をされようとする方につきましては、これから事業を始めようとするそういう方と、それから本部は、その前から事業をしてきたそういう本部、これから事業を始めようとする方とそれから本部としてずっとやってきたそういう人との契約と、そういう場合もあるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、経営に関します情報量など、そういったことで本部と加盟店、加盟者との間では差が生じやすい、そういう性格のものだというふうに考えてございますので、対等の事業者間で締結される契約というふうには考えておりません。
 したがいまして、経済産業省では、これまでもフランチャイズ本部に対しましては、加盟希望者に対します契約事項等についての書面の交付義務あるいは説明義務、そういったものを課してきているところでございまして、こうした情報量の差を緩和するなどの措置を講じているところでございます。
 それから、先ほどの訴訟件数との関係でございますが、今申し上げましたことと重なる部分がございますが、情報の開示というものをしっかりすることによりまして、契約前でございますね、お互い本部も加盟者も納得の上で、相互に理解をした上で進められていくということが全体にとりまして、お互いにもいいシステムということになるわけでございまして、そのような意味合いにおきますと、更なる改善の余地があるのではないかというふうに考えているところでございます。
#45
○姫井由美子君 本部と加盟店に経験あるいは知識の上で差があるという認識を今経産省が示されました。これは、加盟店希望者ではなく、加盟店契約をした後も差があるということで、確認ですがよろしいのでしょうか。
 そして、済みません、通告なかったんですけれども、竹島委員長、公取の方ではフランチャイズの本部と加盟店、これは対等の事業者同士であるからこそ独禁法で取り締まるんだというような公取委員会では見解だったと思うんですけれども、今の差があるという、加盟店と本部で、この発言についてちょっと感想を聞きたいんですけれども、よろしいでしょうか。
#46
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 今回の事例を御覧いただいても御理解いただけると思うんですが、私どもは優越的地位の濫用に当たるという問題意識で対応しているわけでございまして、文字どおり、片方が相手に対して優越的地位にある、今経産省からお話がありましたように、情報の格差もあるでしょうし、いろいろなことがあって、現に今のような契約なりその実態であれば本部は優越的地位の立場にあると私どもは判断しております。
#47
○委員長(櫻井充君) 姫井さん、ちょっとお願いがあります。質問は一問ずつやっていただけないでしょうか。そうしないと、どなたに答弁をお願いしたらいいのか困りますので。
 二問、今質問されているはずであって、最初の質問にまだ答弁いただいていないというふうに私は理解しておりますが。
#48
○政府参考人(寺坂信昭君) 先ほど契約前のことを中心にお話を申しました。契約をした後のことでございますけれども、形の上で事業者と事業者の契約であるということは、形の上ではそういうことでございますけれども、契約した後も、契約の中にいわゆる経営指導とかそういったものがあるわけでございまして、そのような意味合いにおきまして、お互いが対等な契約関係であるかということは、形と、それから先ほど竹島委員長の方からのお話もございましたけれども、そういう実質的な経営情報とか、あるいは経済情報とか、そういったものについての量的、質的な差があり得るわけでございますので、そのような意味合いにおきまして、形だけを見て対等の契約関係にあるということではないんではないかということでございます。これは契約の後においても同様のことだと受け止めております。
#49
○姫井由美子君 それでは、今、契約した後も、だからこそ加盟店にとって本部は優越的な地位にあるということが前提という中で、皆さん認識したということで、非常に今日来ている加盟店の皆様も心強く思われたのではないかというふうに思います。
 実は、契約時以前の問題ですね、加盟店希望者、フランチャイズ取引の適正化に向けてということで、フランチャイズ取引の適正化に関する法律案要綱というものをフランチャイズ取引適正化法研究会、ちょっと長いですけれども、二〇〇一年、はるか十年昔ですけれども、研究されていたグループがございまして、そこでは、加盟店を希望する人たちというものはまさにフランチャイズシステムという商品を購入しようとしている消費者であるという観点から問題をとらえなければならないというふうに言われております。
 私も、今回のこのフランチャイズ事業というものに関しましては、この加盟店募集する段階では希望者は消費者であるという、こういった見解でスタートしていただきたいというふうに思っております。今国会では消費者庁関連法案が成立し、今秋には消費者庁が発足する予定です。
 こういった意味で、消費者であるととらえると契約関係でも大変保護が厚くなると思いますけれども、これに対する御見解をお伺いしたいと思います。
 また、フランチャイズ本部と加盟店の間の……
#50
○委員長(櫻井充君) 一つずつにしてください。
#51
○姫井由美子君 一つですね、じゃお伺いしたいと思います。
#52
○委員長(櫻井充君) しかも、今の質問は経産省に対してですか、公正取引委員会。
#53
○姫井由美子君 経産省に対してです。
#54
○副大臣(高市早苗君) フランチャイズ契約というのは、本部から商品ですとか経営ノウハウの提供を受けながら、そしてまた小売や外食といった事業を事業者が行っていくというものでございます。ですから、これから事業を行おうとする者ということで、その方々を消費者ととらえるかどうかというお尋ねなんですけれども、契約に基づいて今後事業を行おうとされる方をその商品やサービスを消費する消費者と同一視するということは難しいんじゃないかなと考えております。
 私自身が、もうおととしになりますけれども、内閣府におりまして、PIO―NET、あのシステムを構築した本人でもございます。国民生活センターにたくさん消費者の方々からいろんな御意見や苦情が寄せられて、それは様々な省庁の所管業界に及ぶものですから、これを内閣府の方で全部チェックしてすぐに対応できるかというと、かなり時間がたっちゃいますので、できるだけその国民生活センターに来た情報をいち早く各省庁にインターネットを活用して見ていただいて、そして必要な指導、改善を行っていただく、こういうことを目指したわけでございます。
 今回、このフランチャイズチェーンの件でたくさん加盟店の方々がおつらい思いをされているということにつきまして、この国民生活センターの方にもいろいろ意見があるのかしらと思ってこれも尋ねてみたんですけれども、今のところは消費者として認識をされて御相談をされているといったことは承知をいたしておりません。むしろ、先生おっしゃいましたように訴訟案件ということで、私どもの経済産業省の方にも、個々の加盟店の方が相談に見えるというよりは、むしろ経済産業省の方でいたしました調査の中でこういったところに問題があるんだということが分かってきたり、また弁護士さんを通じて漏れ聞いたりといったような状況が現状であるかと思います。
 むしろ私は、本部が適切な情報提供をしっかり行うということで、これから加盟をしようとされる方が事業に対して内容を十分に理解して契約をすること、その状況を確保することこそが大切だと思いますし、またそれが私ども経済産業省の重要な責務だと思っております。
 それで、中小小売商業振興法の中で、契約事項についてあらかじめしっかりと開示する項目というものを定めております。本部に対してその書面交付義務と、それから説明義務というものを課しております。それで、これに違反した場合に、先ほど答弁をいたしましたように、報告を徴収したり、場合によっては勧告をしたり、勧告にも従わなかったら企業名を公表すると、こういった措置をとっているところです。
 今年の三月には社団法人日本フランチャイズチェーン協会に対しまして、一層やはりフランチャイズ取引を適正化していただかなきゃいけないということで、トラブルの実態調査をして、また本部と加盟者のより良い関係を構築するための検討の場も設置してほしいということをこちらから要請をいたしております。協会の方ではこの要請を受けてちゃんと取組もするということを公表しておりますので、経済産業省では、まずは業界団体の取組をしっかりとフォローアップしながら、必要であれば私たちがやるべき措置をしっかりと講じてまいりたいと思っております。
#55
○姫井由美子君 たくさん丁寧に答えていただきましたけれども、でもやはりその取組では甘いんじゃないでしょうか。PIO―NETに相談が来ないというのは、加盟店の方々はコンビニという形態は続けていきたいんです。やめたくないんです。何を恐れているかというと、契約更新のときに一方的に契約を解除されることを恐れているわけです。名前を公表する、何か意見を言う、それは加盟店の集まりがあるからそこで言えばいいかというふうに言われますけれども、そこで声を上げることすら怖くて言えないのが実態でありますので、勝てるという事案で多くの費用があって弁護士が付かない限りは訴訟を起こさないという実態を見ていただきたいというふうに思いますし、契約事項、これを書面で開示あるいは説明義務、これ本当にもちろんのことなんですけれども、以前はこれさえされていなかったということ自体が非常に問題な案件なのがこのフランチャイズシステムの問題であります。
 実は、このフランチャイズ本部と加盟店の取引関係、この契約が適正かどうかを規制するフランチャイズ取引法なるような法律が日本にはないわけですね。この必要性をどう思われますでしょうか、経済産業省に聞きたいと思います。
#56
○副大臣(高市早苗君) フランチャイズ取引法、具体的にその内容ですね、どういったことを姫井先生がお考えなのかお聞かせをいただけたらと思います。私は先ほど、現在ある法律に従って私どもが必要に応じてとっている措置について説明をいたしました。これについて、フランチャイズ取引法ということで具体的にあとどういったところが足りないのか、少し先生の御意見をお聞かせください。
#57
○姫井由美子君 実は、高額なロイヤリティーと言いましたけれども、ロスチャージの問題ですとか、あるいは本部はもうかって加盟店はもうからないという、こういったやり方をやっぱり全面的に見直さない限り、実はコンビニの数は増えているといいましても、それは同じ人が続けていて増えているわけではないんですね。入れ替わりされているわけです。実は、本部がもうかっているからこの事業、この経営形態はうまくいっているのではないかと思われていますけれども、それは、加盟店から本部が吸い上げているから売上げが上がるという形を取られているから本部はもうかっている形になっているわけですね。その陰で加盟店は全然もうからない。
 一部の例を申しますと、年間、本部には三千万円のチャージを払いながら、自分たち夫婦は八百万円しか手元に残らないというのが実態であります。こういった実態を見ていただきまして、実はこのフランチャイズ契約についても適正なロイヤリティーの在り方等やはり指針を示す必要があるのではないかということを私はここで、ごくごく一部、本当に一部の問題ですけれども、訴えたいと思います。
 そこで、このフランチャイズの問題は、今日は資料の配付の、ページの、こちらですね、中小企業庁が改善指導へということで、実は中小企業庁はこういった契約の問題について改善指導をしているわけですね。これは事実ですかという質問主意書を出しましたけれども、返ってきた回答が、「記録が残っておらず、お答えすることは困難である。」というとても誠意のないものでした。これに関して、改めてここでこの事由について経済産業省にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#58
○政府参考人(数井寛君) お答え申し上げます。
 本年四月二日に提出されましたフランチャイズ契約の改善についての行政指導に関する質問主意書において姫井委員から、昭和五十四年三月七日付けの日刊工業新聞に掲載されました、セブンイレブンのFC契約、中小企業庁が行政指導へとの見出しのある記事についての事実関係の御質問を受けております。
 昭和五十四年と申しますと、ちょうど一九七九年、三十年前のことでございます。当庁として、御質問を受けまして、当時の記録がないか省内をまず確認いたしました。あわせまして、当時の関係者にも問い合わせを行いました。しかしながら、記事にあるような行政指導についての事実関係の確認ができませんでした。
 我々としては、公正取引委員会とも連携いたしまして、現行法の厳正な運用及び業界の自主的な取組によりまして、トラブルの防止、解決にいずれにせよしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。
#59
○姫井由美子君 当時お答えになりました高島中小企業庁小売商業課長は、その後、特許庁長官を務められまして、現在は富士通総研会長も務めております。現実に高島氏に聞こうと思えば聞けたはずと私は思うんですけれども、残念ですけれども、今御答弁いただいたようにしっかりと、答弁いただくことが目的ではありませんので、やっていただくことが目的ですので、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、済みません、問題の、私が撮影したというこういった写真ですけれども、これはあるコンビニの、一日じゃないですね、この両面で一回分で、廃棄のために取り下げられた食品の山です。このコンビニは都内にあるコンビニですけれども、一日八回、私が行きました日は七十三点廃棄に回されました。大体平均で一日十回百点、そしてそれに掛かる廃棄処分料、これはコンビニのオーナー負担ですが、二万円だというふうに聞いております。オーナーたちは、今環境問題等あります、お弁当のリサイクルもしたい、でも、泣く泣くこれを廃棄に回しているという状態です。
 そして、これを今回やっと公取が調査に入りましたから、皆さんこうして傍聴に来るぐらい勇気を持てましたけれども、今までできなかったのは、報復措置という、本部による、これが非常に怖かったわけです。連合も、中小企業などが取引停止などの報復を恐れ公取に申告できない実態もあると。そして、我が民主党の津田議員も、前回の質問の中で、この報復措置、ここをしっかりと防がないとこの独禁法改正の実効性も薄くなるというふうに言われます。私もそう思うんですけれども、公取委員長の御見解をお伺いしたいと思います。
#60
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 報復措置も、これ独禁法違反になることがあるわけでございまして、いやしくも大企業が報復措置をとるというのは普通は考えられないんですが、私どもは、そういう御懸念、これは下請事業者の場合もそういう話がたくさんありまして、したがって、私どもがわざわざ能動的に働きかけてアンケート調査なり実態調査をして、それで下請法違反がないかどうかということを今探してやっているわけなんです。
 そのときと同様に、こういう報復を恐れる方々に対しては、私どもは匿名でよろしいと。それも、いらっしゃらなくてもEメールでも何でも結構ですと。ただ、情報が具体的でないと、ただ困りましたという情報をいただいても私どももどうしようもないんですが、そういうことであれば、匿名性とかいうことについてはきちっと情報管理をいたしますし、それに基づいて現にほかの事案では事件としてやっているわけでございますので、どうか関係の方々には、報復報復とそればっかりおっしゃらずに、おかしなことがあればきちっと、匿名で結構なんですから、公正取引委員会に情報をもたらしていただきたいと思います。
#61
○姫井由美子君 信じていいかどうか、それは本当に加盟店の方々に聞いてみたいと思いますけれども、是非安心して通報、申告できるような体制を、その信頼回復もしていただきたいと思います。
 最後に、四十八年の新聞を付けさせていただきました。当時から公取はフランチャイズ規制ということでかかわっているわけですね。四十年たっておりますけれども、今まだこの問題が、課徴金に入れるなど問題になっている。長年放置されてきたと思わざるを得ないんですが、これは人員不足等公取の何か体制が不十分な原因があったんでしょうか。それとも、公取としては迅速に取り締まってきたと、できる限りのことをしたというふうに自己評価されているのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#62
○政府特別補佐人(竹島一彦君) このフランチャイズに関しては、今から三十年ぐらい前になるんでしょうか、時々公正取引委員会は実態調査をしたりしてウオッチをしてきたわけでございます。確かに事件処理としては少ない。
 これは、昔のことはよく分かりませんが、恐らく二つ理由があると思うんですね。一つは、きちんとした情報が得られなかったと、違反行為を立証するに足る情報が得られなかったということも一つあると思いますし、御指摘のように体制が不十分だったということもあろうと思います。
 それと、もう一つは、今回も問題になっていますが、私どもは、だんだん業界が寡占化してくる、フランチャイズもこういう大規模なものが発生してくる、そういう中で、優越的地位の濫用だとか又は市場支配的地位の濫用ということが起こりやすくなってきているということで、大規模小売業者の納入業者いじめもそうでございますけれども、今の公正取引委員会はそういうことについて絶えずウオッチしているということも関係すると思いますけれども、いずれにしても、これからは課徴金の対象にもなるわけでございますので、きちっと当事者がウイン・ウインの関係になっていただくのが一番いいわけでしょうから、一方的なことで片方が不当な不利益を被っているというようなことがあれば、法律の厳正な執行に努めてまいりたいと思っております。
#63
○姫井由美子君 竹島公取委員長のリーダーシップには大変皆さん期待しているからこそ、今日はこうして出かけてきたわけです。
 そして今日は、経済産業の高市副大臣、ありがとうございました。この実態を聞いていただけるということがもう一番のスタートですので、是非取組の期待をしたいと思います。
 以上で終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#64
○委員長(櫻井充君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午前十一時二十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#65
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#66
○田中直紀君 無所属の田中直紀でございます。
 引き続き、独禁法の改正案につきまして御質問申し上げます。
 今回の改正につきましては、課徴金の適用の範囲の拡大、あるいは主導的事業者に対する課徴金を割増しする、そしてまた不当な取引制限等の罪に対する懲役刑の引上げ等、いろいろ重要な問題を抱えての改正だと思っております。特に、今回注目されておりますのは、優越的地位の濫用に対する課徴金の導入ではないかと思っております。企業が優越的な地位の濫用と判断された場合には、取引額の一%を課徴金として課されることになります。
 公正取引委員会は、最近の大規模小売などの優越的な地位を濫用して中小企業から不当な利益を得ておるんではないかと、そういう問題点に対しまして取締りを強化されておると伺っております。急転直下の大変厳しい景気の後退の中にありますが、特に中小企業、厳しい環境にあります。
 そういう中にあって、商習慣とはいいつつも、優越的地位の濫用を取り締まるに当たって、この法案が成立後、どういう姿勢で公取委員会は取り組もうかと、その使命をどういうふうに果たされるかということにつきまして委員長からまずお伺いをいたしたいと思います。
#67
○政府特別補佐人(竹島一彦君) かねてから、典型的には大規模小売業者による納入業者いじめでございますが、そういった不公正な取引方法、具体的には優越的地位の濫用については厳しい姿勢で取り組んできておりまして、幾つもの排除措置命令を出しているということでございます。
 それで、今回はそれに加えて課徴金の対象にしていただくということをお願い申し上げているわけですが、そうなるともっと抑止力が高まるというふうに思っています。今まではただやめなさいと言うだけでございまして、これからは、ただやめなさいだけじゃなくて、加えて課徴金を払うということになりますので、こういった方面の優越的地位の濫用というものに対しては抑止力が高まるだろうと、こういうふうに思っています。
 引き続き、厳正に法律の執行に当たっていきたいと思っております。
#68
○田中直紀君 我が国の経済の構造においては中小企業は非常に大きな立場を占めておるという状況の中でありますが、競争条件を進めていきますと寡占状態になっていくということはまた出てくるわけでありますので、経済が大変発展をしてきておる我が国においてそのバランスを取っていくというのは非常に大事だと思いますが、一方で、商習慣の中で、先ほども出ておりましたが、契約がある、そしてまたいろいろの条件を事業者間でやっておると、こういう状況になるわけでありますが、どういうポイントに焦点を当ててこの問題に委員長としては対策を講じていかれるのか、もう少し具体的にお話をいただければと思います。
#69
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 契約の自由、取引の自由ということを大事にしなきゃならぬとはもちろん思っております。そういう意味で、過剰な行政による介入ということは控えなきゃいかぬと思っていますが、その反面、正当な理由なく力ずくで相手に対して不当な不利益を負わせるということは、これは能率競争という独禁法が大事にしているものからしますと、そもそも能率競争が成り立たないということになりますので、したがって、大きいことが悪いことではありませんけれども、大きい者がその地位をまさに濫用して、不当に有利な取引をするということについては厳しく取り扱っていかなきゃいけない。
 具体的には、もう今までのことが物語っておりますが、例えば銀行が相対的に不利な地位にある中小企業の借り手に対して、融資を続けてほしいんであれば別途こういう金融商品を買ってくれと、買わなければもう融資はやめると、こういったことが現にあったわけでございまして、これから先もそういうことが起こらないとも限りません。
 それから、再三申し上げています大規模小売業者による優越的地位の濫用の問題、それから荷主がトラック業者に対して同じように優越的地位の濫用を働くということが言われておりまして、ただ、せっかくこれは特殊指定を作りましたけれども、なかなかきちんとした情報が我々入手できておりませんで、言われているほど荷主の運送業者いじめということは具体的には摘発できておりませんけれども、ただ、こういうものも我々としては引き続ききちっと取り締まっていきたいというふうに考えております。
#70
○田中直紀君 今、委員長から大変焦点の当たったお話をいただいて、なお一層進めていただきたいと思います。
 先般の参考人の意見といたしまして、不公平な取引方法のうち、優越的地位の濫用あるいは不当表示に当たる行為は不当利得が明白になるということからいえば、課徴金を課すということの導入は大変妥当ではないかという意見がございますし、そのほかはどうかなというような項目もございましたけれども、やはり課徴金の抑止力というものを持ちながら取締りをしていただくということであれば、私は、優越的な地位の濫用そしてまた不当表示に焦点を当てて、大いにその使命を果たしていただきたいと思う次第でございます。
 そういう中で、先ほど言われましたけれども、公正取引委員会は、今の経済状況の中で排除勧告が非常に急増している百貨店やスーパーを規制対象とする百貨店業の指定を廃止したりした経緯があるわけでありますが、今はコンビニや専門店、通販業者などにも拡大した、先ほどお話ありましたけれども、大規模小売業等、また物流業ということでございます。
 今の現状の中で、その問題点、大規模小売店あるいは物流業、若干触れられましたけれども、もう少し具体的にお話をいただければと思います。
#71
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 典型的には、家電量販店とか大規模なスーパーマーケットそれからホームセンター等が、納入業者に対して、自分の店を新しく開いたり又は中で模様替えをするといったような場合に、それから棚卸しとか棚替えとかいろいろあるんですが、こういったときに従業員をただで派遣してくれということを一方的に通告してくる。そのときも、同じ町ならばまだしもと、これも言えないんですけれども、そうじゃなくて、例えば九州の店に東京から行けと、こういうことを、飛行機賃も払わずに、人件費も払わずに、そういうことがまかり通っているというか、行われているわけでございます。これはもう金額に直すと大変な金額になるわけでございまして、そういう形。それから、協賛金を持ってこいとか、何々の催しをやるから、そのときはあなたはこのチケットを買いなさいとか、いろんな形でもって不当な不利益を負わせているということがございます。
 これらは、日本特有とまではいかないにしても、欧米では余り言われないことで、相手がやっぱりそこは日本の中小企業の皆さんよりはしっかりしているのか分かりませんが、そういう理不尽なことについて付き合っているという話はないわけでございます。ところが、日本はそれがある。
 消費者は、家電量販店にしても、安いものが買えるのはそれはいいかもしれませんが、私どもは、やはりきちっと上手な仕入れをし上手な経営をして効率性を上げて安く提供するというのがこれは望ましいわけですが、そうじゃなくて、今申し上げたような、まさに優越的地位にある者がとにかく腕ずくでもってそういう経済的な不利益を相手に与える、また、自分がそれを享受するということは、これは決していい競争にはなりませんし、長い目で見て消費者のためにもならないと。それから、自分自身が努力もしないで腕力でもって人の成果を横取りするということでございますので、こういったことは何も大規模小売業者に限りませんけれども、あちこちで見られますので、ここはまず、公正な競争を成立させる前提条件としてきちんとしていかなけりゃいけないと思っております。
#72
○田中直紀君 私も、東京都の中央卸売市場に見学をいたしました。朝五時ごろには競り売りというのが始まるわけでありますけれども、一方で、制度として入札あるいは相対取引というんでしょうか、量販店は午前二時ごろ商いが始まると。量販店が相対取引をしますとやはり競り売りよりも相当安く仕入れができるというような状況を聞きまして、やはり一般の商店街の皆さん方とは最初から価格の差があると。そこに、また利益を得ようというようなところになりますと、やはり流通の問題、そしてまた、そういう面では優越的な地位の濫用というものが生まれてくるというのは大変不健全な状況ではないかと、そういうふうに思ったこともございます。
 しかし、公取といたしましては、制度がある、商習慣がある、契約があるというようなことであると思いますが、その辺をどうクリアして取締りを強化していただいて健全な市場を形成してもらうかと、そういうところがあると思いますが、その辺の厳しい環境の中での取組というのは、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#73
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 私どもは、やはり具体的な事件を取り上げて、こういうことが法律に違反するんだということを明らかにする、それがメディアを通じて広められて、同業他社に対して、あっ、それはまずいんだと、こういうことになるということが一番有効かなというふうに思っております。
 したがって、課徴金もその大きな手段でありますし、課徴金減免制度もそうでありますし、いろんな情報を我々得て、まさに有意義な、インパクトのある事件処理をしていくということが大事かと。先ほど例に挙げました銀行の場合も、それから家電量販店の場合も、これは業界内ではもう知れ渡っているわけでございまして、同じようなことはしちゃいかぬということで、それぞれの社内のコンプライアンスも引き締められているとは思っておりますし、私は、それなりに効果がある、要するに、一罰百戒と言っちゃなんですけれども、具体的な事例を示して、それに対してきちんとした命令を下して、それを世の中にオープンにすると、こういうことが大事だと思っております。
#74
○田中直紀君 事務局の方からお出かけいただいておりますので、最後の質問になりますが、この法案の施行期日は、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定めるということになっておりますので、実施は政令で定めることになるんだと思いますが、そのほか、一か月を経過した日から施行するという項目も非常に羅列をしておるのですが、具体的に、この法律が成立をいたしましたらどういう取り運びで実施が移されていくかということについて具体的にお話をいただきたいと思います。
#75
○政府参考人(舟橋和幸君) 御説明申し上げます。
 公布になりましたら、いろいろこれまでも御議論ございましたような排除型の私的独占、これは中身がどういうふうになっているかはっきりさせる必要がある、明確化を図る必要があるとか、いろいろ御意見ございますので、そういった御指摘に従ってガイドラインの原案をお示しして御意見をちょうだいして、ファイナルの案をできるだけ早く作っていくと、そしてその周知徹底に努めていくというふうに考えております。
#76
○田中直紀君 終わります。
#77
○中谷智司君 皆さん、こんにちは。民主党の中谷智司です。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきます。
 内閣府が発表した日本のGDP成長率は、二〇〇八年十月から十二月期が年率換算マイナス一四・四%、二〇〇九年一月から三月期が年率換算マイナス一五・二%と、戦後最大の大きな落ち込みが二四半期続いています。
 午前中にもお話がありましたように、アメリカ・ゼネラル・モーターズが破産法を申請しました。このように経済が大変厳しい状況の中で、日本企業、とりわけ中小企業はもがき苦しんでいます。本法律案が日本企業、中小企業の皆様方の思いを酌み取るようなものになり、公正な取引が行われ、日本経済の健全な発展につながることを期待して、質問をさせていただきます。
 午前中の質疑の中で、少し竹島委員長の御発言で気になった点がありますので、その点について、まず最初に御質問をさせていただきたいと思います。
 良いものを安くが原則というふうに竹島委員長はおっしゃられましたけれども、良いものを適正価格でという表現が正しいのではないでしょうか。
#78
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 適正価格とは何ぞやということになるわけで、結論的にはより良いものがより安くというのが私は正しい表現だと思います。適正というと、これはその方によっては一定の利潤をちゃんと保証したようなものでなきゃならないとか、いろんな意味で適正についての物差しがございますので、そうなってくると、いろいろ、言葉は分かるんですけれども、具体的なイメージが出てこないと、やっぱり同じ質ならより安いものがいいし、同じ値段だったらより質の高いものがいいと、こういうことだと思います。
#79
○中谷智司君 今のお話に関しては分かりましたけれども、ただ、より安くとなるとどこまで安くてもいいのかというふうに取られるような方もいらっしゃいますので、是非ともそういうふうなお話をされるときにはきちんとお話を、説明を付けてしていただきたいと、そういうふうに思います。
 それでは、本題に入らせていただきます。
 審判制度について御質問をさせていただきたいと思います。
 審判制度は、二〇〇五年の改正によって事前審査型審判から不服審査型審判に変更されました。変更前後における審判申請件数と、高等裁判所への訴訟件数の推移はどのようになっていますか。
#80
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 審判手続の開始件数の推移でございますが、平成十六年度二十七件、平成十七年度十九件、平成十八年度十六件、平成十九年度十九件、平成二十年度が十一件となっております。
 また、審決取消訴訟の提起件数の推移は、平成十六年度が二件、平成十七年度が一件、平成十八年度が四件、平成十九年度が七件、平成二十年度が八件となっております。
#81
○中谷智司君 それでは、それらの結果も踏まえて、不服審査型審判に対してどのような評価をされていますか。
#82
○政府特別補佐人(竹島一彦君) そもそも平成十七年度の法律改正で、それまでの事前審査型審判制度を不服審査型審判制度に、事前を事後に変えさせていただいた大きな理由、それは、事前の時代は公正取引委員会の勧告に従わない場合は、これは一回棚上げになるわけで、課徴金の納付命令も言わば効力をその間失うわけでございます。
 そういう手続だったものですから、例えば談合の場合に、談合をやめなさいと言っても、これに対して分かりましたとは言わないわけです。それで、審判に持ち込む。それで、その間は課徴金は払わなくてもいい、最終的に負けても利息を払うこともない、そういうことだったものですから、要するに時間稼ぎ、悪く言うとごね得、こういうことが起きていました。
 そういう状態であれば、発注機関から指名停止も受けない。業者にとっては指名停止を受けるというのは非常に大きなことでございますので、工事が出てくるときに、指名停止をもらいますと、当然取れないわけでございますから大変痛手が大きい。そういうことをかいくぐるために、取りあえず審判制度に持ち込もうということで時間稼ぎをしていたと言わざるを得ない事態がたくさんあったわけでございます。
 したがって、建前はいいんでございますけれども、実際上言わば悪用されていると私は思いまして、勧告も、当時いいかげんな気持ちで勧告しているわけじゃないわけでございまして、きちんと調べて、勧告といえども実質的に命令に等しい、内容をきちっと調べた上でやっているわけでございますから、そうであれば逆にして、まず命令を出すと、課徴金納付命令も同時に出すと、それで、それに不服のある方は審判をやってくださいというふうに変えたわけでございます。
 その結果、何が起きたかというと、先ほど件数は申し上げましたけれども、どのぐらい命令に対して不満で審判制度に持ってくることになったかというのを見てみますと、改正前は約二〇%、特に課徴金の金額をめぐっての争いがありまして、約二〇%が言わば不服があるということで審判制度に持ち込まれたわけでございますが、改正後は何と二%に激減をしておるわけでございます。
 したがって、私どもは、十七年改正で審判制度を変えたわけですが、今の審判制度は非常に有効だと、無駄な争いをしないで済むと、こういうことになっているので効果的だというふうに思っておるんですが、国会ではなかなかその辺は御理解いただけずに、参議院のまだ附帯決議いただいておりませんが、衆議院の附帯決議でも、今のままということはないようにと、昔のままに戻すということもないようにという趣旨の附帯決議が付けられているということでございますので、政府としてはそういう御意見を尊重しなきゃならぬ立場にございますけれども、改正後の審判制度は、今申し上げたようなことで、必要な不服審査をしているという意味では効果的である、又は能率的であるというふうに思っております。
#83
○中谷智司君 今のお話から、現時点では高い評価をされている、そういうことは理解をできましたけれども、適正手続確保の面で十分とは言えない、あるいは審判手続に求められる中立公正さに欠ける、そういうふうな点も指摘されているのも事実ですので、こういったこともきちんと理解をして、そして運用をしていただきたい、そう思います。
 事前審査型審判や不服審査型審判は、いずれも処分を行う公正取引委員会自らが審判を行うことについて不信感を持たれている、そういうふうな面があります。審査と審判の分離の在り方について竹島委員長はどのようにお考えでしょうか。
#84
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 先ほどの御答弁でも申し上げたんですが、この審判制度については、今、中谷委員御指摘のとおり、一人二役ではないかと、欧米にはこういうのはまずないと言っていいと、こういう御批判がありまして、全面的に見直せと、その場合は廃止がしかるべしであるという御意見もございますし、いやいや、それはそうとばかり言えませんと。
 前回の参考人の中のお一人はそのメンバーでいらっしゃったわけですけれども、経済法学者が集まって、改正前の事前審判手続が非常に重要であると、それに戻すべきであるという御議論が学者の中、全員ではございませんが、数十名集まった学者はそういうことを言っておられる。それは、適正手続上、まさに丁寧に、不服審査を丁寧に扱うという意味、それから公正取引委員会の専門性というものを発揮できる、そういうことで、独立行政委員会たる公正取引委員会にとってまさに必要な必須の機能ではないかと、こういう御議論があります。
 それからもう一つは、事柄によって分けたらいいではないかと、振り分け方式と我々言っておりますが、あるものはいきなり裁判所に行く、しかしそうじゃない残りのものは公正取引委員会の審判制度にゆだねるというのが、これが効率的又は弾力的な事件の処理に資するんではないかと、こういう考え方があるわけでございまして、これら大きく三つのタイプの考え方をどうするかということが今我々に迫られていると。
 今回は、残念ながら、そのどれかということについて関係方面の御意見を収れんさせることができませんでした。そこでもう一年お時間をいただきたいということをお願いしているわけでございまして、衆議院の附帯決議で示されているお考えも十分踏まえながら、これから一生懸命、来年の通常国会にその答えが法律の形で御提案申し上げられるように詰めていきたいと思っております。
#85
○中谷智司君 今お話をしてくださいましたけれども、この審判制度については多くの論点があります。
 竹島委員長は、衆議院経済産業委員会において、「審判については、もう論点はある意味では出ているといえば出ている。あとはどうそれを決断するかということかとも思います。」というふうに答弁をされました。そうした中で、今の御答弁の中では、一年間掛けて考えていく、そういうふうなお話をされましたけれども、実際にここで、この衆議院の経済産業委員会のときに言われた論点とは具体的にどのようなものを指されるんでしょうか。是非とも踏み込んでお話を伺いたいと思います。
#86
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 先ほど御答弁した三つが、私の言う論点というか考え方というか、論点というのが表現がどうかという感じもしますが、要するに考え方、審判制度を見直す場合にどういうじゃオプションがあるのかという意味で論点というふうに言わせていただいたんですが、それは先ほど申し上げた三つでございます。
   〔委員長退席、理事増子輝彦君着席〕
 その三つを、それから選択制ということも、それを入れると四つになるのかもしれませんが、その会社が好きな方を選んだらいいじゃないかと、裁判所に行くんなら裁判所、公取なら公取という選択制というようなものがありますけれども、アイデアとしてはもう出尽くしていると私は思っておりますので、それぞれのメリット、デメリットを考えた上で、あとは一本に絞るという作業が残されているという、そういう意味で衆議院では申し上げました。
#87
○中谷智司君 私たち民主党は、審判制度廃止をする、そういう方向であるということを考えとしてきちんと述べさせていただいております。二〇〇五年改正以降、公正取引委員会では検討に検討を重ねておられるわけですから、このことも十分に考慮に入れて方向性を示していただきたいと思います。
 河村官房長官、お忙しいところ当委員会にお越しいただきましてありがとうございます。河村官房長官に御質問をさせていただきます。
 この制度の変更は、優先順位を付けて今回の改正案、本法律案に盛り込み、速やかに対応することもできたのではないでしょうか。
#88
○国務大臣(河村建夫君) 審判制度の在り方につきましては、今、竹島委員長からも御答弁があったかと思いますが、昨年三月に提出した法案の附則で平成二十年度中に見直すということを踏まえながら、鋭意検討、調整をやってきました。関係各方面、経済団体、法曹関係、学識経験者、消費者団体、様々な意見がございまして、現段階で結論を得ることが難しいと判断をして、一つの方向付けは出たんではないかと、こう言われておりますが、今回、方向付けといいますか、いろいろな判断の一つの基準的なものはあるんではないかということもありましたが、今回提案した改正法案については二十一年度中に検討するということになったわけでございます。
 今、竹島委員長言われた審判制度の見直し、どのような形にしていくか、やっぱりこれは重要な課題でもございますので、更に関係方面の意見を聞いて、少なくともしかし本年度中にはもうこれ結論を出さなきゃいけませんので、精力的に検討をしてまいりたいと、このように考えておるわけであります。
#89
○中谷智司君 審判制度は、今、河村官房長官がおっしゃられたように本法律案の大きな大きな柱です。そして、私が竹島委員長やあるいは河村官房長官のお話を聞いていると、どうも先送り先送りしているように感じます。是非とも、最後に強い御決意を言っていただきましたけれども、先ほどの御答弁の中で、論点を整理をして意見集約に積極的に取り組んでいただいて、きちんとした案を御提示をいただきたい、そういうふうに思います。
 続きまして、海外の競争当局の動向や対応についてお伺いをいたしたいと思います。
 午前中の審議の中にもありましたけれども、EUやアメリカを中心に世界的に競争法違反に対する取締りが活発化しています。特にカルテルについては取締りの厳格化や厳罰化の傾向が顕著です。本法律案では、課徴金の適用範囲の拡大など、課徴金制度の見直しがされました。私たち民主党は、不公正な取引を課徴金の対象にすべきと訴えてまいりましたので、その点が本法律案に盛り込まれたことは高く評価をします。
 午前中に塚田委員が竹島委員長に御質問をされましたが、河村官房長官がお越しくださいましたので、改めてお伺いをいたしたいと思います。
 EUではカルテルなどについて高額な制裁金が適用されていますが、日本の課徴金は海外と比較してかなり低額です。この点についてお考えをお聞かせください。
#90
○国務大臣(河村建夫君) 競争法違反に対する処分でございます。
 これは、外国では日本の場合と前提となる法制度等にも違いがございます。そんなことで、EU等の制裁金と日本の課徴金だけを単純に比較することは果たして適当であるかどうか、むしろ適当ではないのではないかと考えております。カルテル等に対する課徴金の算定率は、今回提案したものも含め、抑止のために適当な水準にあると考えておるわけでございます。
 特に、我が国の課徴金の中にはカルテル等には刑事罰がある、ヨーロッパの制裁金には刑事罰がない、裁量的な面がEU側にあって日本にはない、いわゆる定率でやっております。このような違いもございますが、少なくとも今回の提示においてさせてもらっているもの、提案しているものは抑止のための適切な水準であると、このように考えておるところでございます。
#91
○中谷智司君 今、河村官房長官が抑止力になっているというふうにお話をされましたけれども、衆議院やあるいはこの参議院の委員会を通しても、この日本の課徴金の金額がEUあるいはアメリカに比べて低くて抑止力になっていないんじゃないか、そういうふうな疑念を持たれている方々もたくさんいらっしゃいます。本法律案の課徴金の効果をきちんと見極めつつ、課徴金を国際水準並みに更に引き上げる、あるいはこのままでいく、そういうふうなことはきちんと効果を見極めて決めていただきたい、そういうふうに思います。
 海外において日本企業も巨額の制裁金を課されています。EUで売上げがゼロでも、制裁金が四百億円にも上ったという例もあります。中には巨額の制裁金等を求められるのが必ずしも合理的ではないケースもあるのではないでしょうか。
 竹島委員長、このことに対する事実関係を把握されているでしょうか、また、どのように受け止めておられるか、お考えをお聞かせください。
#92
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 御指摘のとおりでございまして、特に最近のEC、欧州委員会の競争当局がやっております制裁金の賦課の決定というのは大変厳しいものがある、そういうふうに我々も見ております。
 それで、その事実関係は私どももきちんと入手しております。EUとの間は、日本とEUとの間で独占禁止協力協定というのを結んでおりまして、お互いこういうことをやりましたよという場合には通報するということにもなっていますので、そういうルートもございますし、大きな案件だとすぐマスメディアが報じますので、そういう形でも知っているわけでございます。
 それで、今売上げがないのに日本の企業が、売上げがないというのは、ヨーロッパ市場において売上げがないのに大きな制裁金を課されているではないかと、こういうことがあって、日本はそういうことがないじゃないかと。これはまさに日本の課徴金とEUの制裁金の違いでございまして、向こうは文字どおり制裁金。ですから、法律違反に対してはしかるべき制裁金を賦課すると、こういう考え方でございます。売上げがなくてもEUの競争法に違反しているということが認定されて、それで制裁金を求められているということです。
 これは具体的に何かというと、市場分割カルテルというものをやっておりまして、日本企業はEUの市場では売らない、その代わりEUの企業は日本の市場では売らないと、こういう市場分割カルテルをやっているわけです。そうすると、当然のことながら日本の企業の売上げはEUでは起きないわけでございます。しかしながら、そういう形でもって国際カルテルをやっていると、欧州の市場はそのために競争がゆがめられたと、日本の企業もその一員であると、こういう認定を受けているわけです。したがって、その日本の企業にもしかるべき制裁金を下さなきゃいけないと。そのことがいろいろ計算されまして、幾ら、百億円とか、かなり多額の金額が請求された、こういうことです。
 日本の課徴金は、あくまでも日本国内において売上げがあればそれに対して一〇%とか何%掛けると、こういうスキームになっておりまして、純粋な制裁金ではないわけでございます。純粋という意味は、裁量性を持った、要するに刑罰のような、刑罰と同じような適用をするというものではない。したがって、日本でも同じようにそれは、EUの企業はそういう市場分割カルテルに入っていた場合には、日本は当然EUの企業に対して排除措置命令を出しますが課徴金を掛けられないと、こういうことになっているわけでございまして、その辺は課徴金なり制裁金制度のまさに基本的な違いであることはそのとおりでございます。
#93
○中谷智司君 竹島委員長が今、日本の法律と海外の法律が違うというお話をされました。もちろんこの法律の内容は、日本とEUあるいはアメリカ、それぞれの国によって違います。日本企業が海外に進出する際に、海外の法律を十分認識しておらず制裁金を課されるなど、厳しい措置を下される可能性があるんじゃないか、私はそう思っています。
 海外の法律に対する企業対応の在り方、公正取引委員会の日本企業への情報提供などについてどのような御見解をお持ちでしょうか。
#94
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 私どもも公正取引委員会のホームページで、海外ではこういう競争法になっていますよと、具体的には最近こんな事件がありましたよということはホームページに載せてあるわけです。それから、中小企業は分からない、知らないということもあるかもしれませんが、欧米と取引するような企業は大体皆さんもう既に分かっていて、向こうは大変厳しいんだということは分かっていて、したがって契約とかする場合も必ず弁護士を立ち会わせるとかいうことで注意深くやっているのが普通だと思います。
 したがって、私どももそれなりの情報提供はしますけれども、日本の企業は、当然のことながら、海外に出ていった場合には海外の法律がどうなっているのかということも調べた上で、どういうことをやれば摘発されるのかということも調べた上でなさるのがまず基本的には求められるわけでございまして、私どもはそれのお手伝いになる程度の情報かもしれませんけれども、先ほど申し上げたようにホームページ等でそういうことは説明していますし、それから講演会とかそういう場では、お気を付けなさい、こうなっているんですよと、日本では売上げがなければ課徴金を払わなくてもいいんだけれども、向こう側はそうじゃありませんよというようなことも私自身触れております。
#95
○中谷智司君 今、竹島委員長は、海外に進出をされるような企業は当然こういうふうな事例に関しては知っているというふうにお話をされましたけれども、私はちょっと違うんじゃないかなと思っています。すべて海外に進出するような大企業がこういう情報を知っているとは限らないと思います。まさか自社が競争法違反を犯すはずがないと考えて、危機感を持っていない日本企業も多数存在するんじゃないかと思いますし、海外競争当局から競争法違反で摘発を受けて初めて制裁の重さや会社経営への影響の重大さに驚くことも少なくないと思います。
 中小企業のお話を先ほどされましたけれども、私は、地元徳島で中小企業の方とお話をする際に、この独占禁止法のお話をさせていただいたことがあります。私は、すべての方が御存じじゃないにしても、かなり多数の方が御存じなんだろうなと、こういうふうな、それこそ津田委員が経済の憲法とおっしゃられていたような大切な法律ですから、知っているだろうと思っていましたけれども、私がとある集会で集まった中で聞いた中では、名前さえも知らなかったり、名前を知っていてもその内容については知らない、そういう方がほとんどでした。
 ですから、そこの認識は是非とも改めていただいて、とりわけ大切な事項に関しては、あるいは大切な大きな事件に関しては、それに関連するような企業には公正取引委員会の方から知らせていく、そういうふうな取組を是非ともしていただきたいと思います。
 それでは、海外の事例とは変えて日本の事例を伺いたいんですけれども、公正取引委員会が外国企業に課徴金を課した事例について、件数や金額の推移はどのようになっていますか。
#96
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 外国企業に課徴金を課した事例でございますが、これは今までありません。課徴金を課した事例はありません。これは、そのときの外国企業というのは、まさに日本で活動していない外国の企業という意味ですが。
 ただ、我が国に拠点を有する外国企業に課した例はあります。これは、平成十年に日本機械保険連盟という機械保険の集まりがありまして、これが独禁法違反をやっていたということで課徴金。そのときは、AIU、これアメリカ法人、チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー、スイス法人、これが日本国内でやっていたということで課徴金を掛けたことがありますが。
 それ以外、最近の例では、国際カルテルで平成二十年二月、マリンホースという油とか何かを船から陸に引っ張るそのホースの国際カルテル事件がございまして、このときは、日本企業二社のほかにイギリス、フランス、イタリア、アメリカ、合計八社が日本の独占禁止法違反だということで、排除措置命令を出しました。
   〔理事増子輝彦君退席、委員長着席〕
 しかしながら、日本の場合は過去三年間までしかさかのぼれないものですから、その期間中は先ほど申し上げた日本での売上げが今申し上げた外国の企業はなかったものですから、課徴金の納付命令は出せませんでした。
 いずれにしましても、これから、外国の企業に遠慮しているわけじゃなくて、外国の企業が日本において売上げがあれば当然掛けます。そういう事例はこれからあり得るわけなんで、それについては内外まさに無差別で課徴金を掛けていくということでございます。
#97
○中谷智司君 先ほどの制裁金や課徴金の話にもつながると思うんですけれども、今、竹島委員長がお話をされたように、日本において措置を行った事例が少ないことからも、日本の法律や体制が海外に比較をして甘いんじゃないか、そういうふうなことも想像ができると思います。是非とも、国際水準並みに法律やあるいは体制を厳しくすることも御検討をいただきたいと思います。
 海外競争当局との連携、情報交換、さらには国益を守るための折衝などが重要だと思います。海外競争当局との情報交換に関する規定が整備されることとなりますが、これまで情報交換はどのように行われてきましたか。また、今後海外競争当局とどのような情報を交換し、どのような事案に対処できると想定していますか。
#98
○政府特別補佐人(竹島一彦君) これまでも日本は、アメリカ、EU、そしてカナダ、この三つと独占禁止協力協定というのを結んでおりまして、お互いに執行面の協力をしますということになっております。
 そういう中で、具体的な証拠とか供述調書を交換するということは、これはお互いそれぞれの国の守秘義務が掛かっておりますからできませんけれども、簡単な話としては、国際カルテルであれば、いつ立入調査をやるぞと、こういうことにつきましては、過去にもアメリカ、カナダ、EUと、若干時差の問題はありますが、ある日を期して立入りをやろうと。それでないと、ばらばらになっちゃいますと、ほかのところが証拠隠滅に走るということもあり得ますので、そういった調整。
 それからもう一つ、内容にわたってもう協議が可能なのは、国際的な企業結合案件。国際的な企業結合案件について、どういう範囲でその企業結合をとらまえるべきかと。これを我々市場の確定と言うんですけれども、どういうマーケットがこの合併なり企業結合によって影響を受けるのかと。これ、広く取れば問題ないということになりますし、狭く取れば問題があるんだということになります。その辺の土俵の決め方についてお互い意見を言い合うとか、それから問題がさてあるとして、じゃどういう問題解消措置があるのかというようなことについていろいろアイデアを交換するということは、現に今までもやってきたわけです。
 これからますますそういうことが多くなるだろうということが考えられますので、従来はしかるべくやってきたというのが実態でございますが、基本的には守秘義務が掛かっているものを外国といろいろやるわけですから、やはりしかるべくやってくるというだけじゃなくて、法律にちゃんと根拠を持って、それでやる方があるべき姿だろうと思いまして、運用面が基本的に変わるわけじゃございませんが、法律の裏付けをこの際いただきたいと、こういう意味で規定を整備させていただくと。それは、お互い相互主義、こちらがやれば向こうも同じことをやってくれるとか、それから目的外には使用しないとか、これは刑事事件とは違いますよとか、そういったことがお互いに確認できる相手と情報交換をすると、こういった考え方が今度の改正法案に盛り込まれているわけですが、そういうことで、きちんとした基盤の上で情報交換をやりたい、そういうふうに思っております。
 それからもう一点、先ほどお触れになって、日本は何か緩いんではないかと、欧米に比べてと。それは確かに、国際カルテル、典型的に国際カルテルについてそうなんです。その大きな理由は、課徴金減免制度というものが日本になかったから。これは、EUは何かすごい探査能力があって、何か悪いことしているのをすぐ捕まえられるような能力が高いというふうにお考えになられるとこれは非常に我々としては困るんで、そうじゃないんで、ああいう大きな事件は、アメリカもそうですしEUもそうですが、全部自主的な申告なんです。申告をしてきた者には、課徴金でも制裁金でも罰金でも掛けないということで、日本で課徴金減免制度、英語でリーニエンシーと言っていますが、そのリーニエンシープログラムというものがあって、それでああいうことがなされている。
 日本も遅ればせながら平成十七年にそれを入れさせていただいた。したがって、国際的な企業は、従来は日本には話は持ち込んでこなかったんです。昔大きな事件で、ビタミン剤の、これは大変大きな事件で、ロシュという会社が一番大きな制裁金を食らいましたけれども、このときは日本には言ってこなかった。何となれば、日本はそのときに課徴金減免制度を持っていなかったから、言ってくるメリットがないものですから言ってこなかった。アメリカ、EU、韓国には言っていたと。今や日本も持っていますから、同じように情報が入ってくるということになっていますので、今度整備していただく情報交換の根拠規定もきちんと使えることになると思っております。
#99
○中谷智司君 海外の国との関係は、EUとアメリカは、個別事案の処理に係る協力にとどまらず双方の制度の調和や共通のルール作りにまで及んでいます。EUとアメリカのような緊密でバランスの取れた協力関係を日本も各国と是非とも築けるように取り組んでいただきたいと思います。
 今日は法律の中身のお話をずっとさせていただきましたけれども、公正な取引が行われるためには、法律の内容を変えるとともに、やはり私は運用も非常に大切だと思います。
 先ほど少しお話をさせていただきましたけれども、中小企業の経営者にとっては、まだまだこの法律はきちんと浸透をしていません。中小企業の経営者が法律を十分に認識、理解をして、そして、法律を遵守する立場、法律を活用する立場のそれぞれが本法律や海外の関係法律を理解することが大変重要だと思います。
 河村官房長官に、こういったことに対する政府の取組についてお伺いをいたします。
#100
○国務大臣(河村建夫君) 独占禁止法は経済の基本ルールでありますから、中小企業の方々にこの独占禁止法とそれから関係法令を十分に認識して理解していただくということは極めて大事なことでございまして、まさに今大事なことを御指摘をいただいたと思っております。
 公正取引委員会では、例示といたしまして、平成十年度から、御理解をいただくために、商工会議所とそれから商工会の御協力をいただきまして独占禁止法相談ネットワークというものを運営しております。具体的には、全国の商工会議所等の中小企業者等に対する相談窓口において独占禁止法等の相談を受け付け、そして同時に公正取引委員会に取り次ぐ体制が整っております。
 また、商工会議所では実際に相談業務に従事する経営指導員がおられますが、こういう方々に対しても独占禁止法ガイド等の資料を配付して、また、経営指導員に対する研修会には講師を派遣する等々活動を行って、まさに中小企業の皆さん方がこの法律をしっかり理解をしていただいて、またこれを活用できる、必要に応じて活用できるその体制の整備にまさに取り組んでおるところでございます。
#101
○中谷智司君 今いろいろな取組についてお話をしてくださいました。しかし、私は、まだまだこれだけの取組では日本にある企業にきちんと伝わらないと思います。
 商工会議所やあるいは商工会、今までお使いになられていたようなルートを使うだけではなくて、是非とも、地域にはいろいろな窓口がありますので、そういうふうなところへの働きかけを、ホームページを見てくださいというそういうのではなくて、こちらからきちんと一つ一つの企業にお知らせをしていくような、そういうふうな活動をしていただきたいと思います。
 もちろん、公正取引委員会は、法律を作る、そして法律を施行する、あるいはそういうふうな地域での活動だとかいろいろな職務があって大変なお仕事だとは思いますけれども、是非ともこれが、日本経済において公正な取引をすることによって日本経済を良くするんだ、そういうふうな誇りを持ってお仕事をしていただきたい、そういうふうに思います。
 私の御質問はこれで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#102
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
 河村官房長官、大変お忙しい中を本当にありがとうございます。
 皆様、私が最後の質問者でございますので、もうしばらくお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
 金融経済の危機にのみ込まれた世界は少しずつ出口に向けて進んでいると思っておりますけれども、同時不況の大きな波はついにアメリカ・ビッグスリーの一角でありましたGMを、昨日、連邦倒産法の適用によりまして経営破綻へと追い込んだわけでございます。製造業としては世界最大の経営破綻、負債額は千七百二十八億ドル、約十六兆四千百億円だそうでございます。家族で二代、三代と勤務をする従業員は世界で三十二万七千人。高額年金やあるいは医療費全額補助など手厚い待遇が自慢で、創業以来百年余りにわたってアメリカの象徴的な企業でございました。
 このため、日本では、午前中にも出ましたように百二社が売掛金が回収できない。このうちの年間売上高が百億円未満の中小企業が五十二社あるそうでございまして、経産大臣も、経営が悪化した場合、資金繰りの支援をするというふうに表明をなさったわけでございます。
 一方、中国では、国内の自動車販売台数は今も伸び続けているというわけでございますので、世界経済のパラダイムシフトというものは確実に進んでいるなという印象を受けるわけでございます。
 その中国ですが、今年三月に、中国商務省がアメリカの飲料大手コカ・コーラによる中国果汁飲料最大手中国匯源果汁集団、ここに対する二十三億ドル、約二千百八十億円の買収提案を認めないと発表いたしました。コカ・コーラは中国当局の判断を尊重して買収を断念したんですけれども、これは二〇〇八年に中国が制定をしました独禁法によって却下された初めての買収計画になったそうであります。
 中国商務省は、世界での年間売上高が百億元以上、約千三百九十億円以上ですね、中国国内での年間売上高が四億元を超える企業の商取引すべて審査をしておりまして、ベルギーの大手ビール会社がアメリカの大手のビール会社を五百二十億ドルで買収して世界最大規模となったときも、中国のビール会社二社を買収しないという条件付きで承認をしたというふうに言われております。
 こうした中国のまるで国がビジネスの経営主体であるかのような動きについて、専門家は保護主義的であると批判をしておりますし、言葉の定義や明確な基準を求めております。別に専門家じゃなくたって、私だって、まあ本当にこれは大変なことだ、どうするんだろうこれからはと、本当に心配になるわけであります。
 アメリカは反トラスト法、EUは競争法で独占禁止の規定を行っておりますが、各々を比較しますと、執行上の相違点は大きいにもかかわらず、実体規定は収れん傾向にあると言われます。企業のグローバルな経済活動を考えれば、競争規制当局が国際的に連携をして協調することは十分に考えられるわけであります。今回の我が国の法改正も、そうした世界の流れに対応するものだと思います。
 ところで、午前中、竹島委員長もおっしゃっておられました。昨年、鉱物資源の大手企業BHPビリトンが同業者のリオ・ティントを買収する大型提案をしていると。これを私知ったときは大変に驚きました。何しろ、この両社は鉄鉱石事業では世界二位と三位でございます。ちなみに、一位はヴァーレ社というんですけれども、この三社は実は世界のシェア七五%ぐらい持っているわけですね。この二位と三位が合併すればどうなるか。買収が実現すれば鉄鉱石の市場は完全に牛耳られてしまうのではないかと私は心配しておりました。もしそうなれば、鉄鉱石の価格高騰、自動車産業等、影響もう計り知れないと思っております。
 BHPビリトンは日本国内に拠点や財産がないので、例えば公取が幾ら命令を出しても無視し続ける可能性もあったわけでございます。幸いにというか、公取が初めて行う海外企業同士のMアンドA計画の被疑案件は、世界経済の悪化によりまして買収は厳しいという状況になってBHPが断念したことで終わっておりますけれども、もし仮に状況がまた好転をしてくれば再び株主最大の利益という、こういう理由を挙げて買収に乗り出すかもしれないんです。
 ちょうど一年前にこういう記事がありました。生き返ったオールド・エコノミーの恐竜、BHPビリトン社の野望という、こういうことであります。二〇〇八年度、去年ですね、鉄鉱石、原料炭そして発電用一般炭の価格が、資源メジャーによる値上げ攻勢によって急上昇している。それも半端ではない。対前年、鉄鉱石はブラジルのヴァーレ社からのものが六五%アップで決着、BHPビリトン社とリオ・ティント社には八〇%アップを要求されていたんですね。
 それはどういうことかというと、ブラジルに比べてオーストラリア、これ、英国とオーストラリアの企業です、日本に近いので運賃差額分をよこせ、信じられないような傲慢なこういう要求をしていたわけでございます。そして、原料炭は三倍、一般炭は二・三倍といった具合で、鉄鋼、電力、セメント会社を直撃しているという、こういうことなんですね。
 これ見ますと、例えば二社でも、鉄鉱石、原料炭、金、銅、ニッケル、ボーキサイト、ダイヤモンドと、もう本当に、まあすべてと言っていいぐらい、まだこのほかにもあるんですけれども、これ握っているわけでございますので、大変なわけであります。これらすべて事業対象とすると、世界最大の総合資源会社、例えばBHPビリトンであるわけでありますけれども、オーストラリア、中南米、アフリカ、インド、そのほか世界二十五か国の百か所で操業を行っているということでございますので、これは大変なことでありました。
 しかし、一年たって、今年三月でございます。新日鉄やJFEスチール、この鉄鋼大手各社は大手のBHPから、今年、〇九年ですね、購入する鉄鋼原料用石炭の価格について一トン当たり百二十八から九ドルで合意した。これは、経済が悪くなっているので、去年比で約六〇%も下がったという。やっと一息ついているわけでありますけれど、現在、主要原料の鉄鉱石についても価格交渉が行われているわけであります。
 日本は、鉄鋼の主力原材料である鉄鉱石と原料炭についてすべての量を外国からの輸入に頼っているんですね、すべての量であります。全体の六〇%はオーストラリア産で占められておりまして、特にBHPは日本にとって最大の調達先であるわけでございまして、やっとここから質問でございます。
 実は、何でこう長々としゃべったかといいますと、私が通告をしておりましたのはほとんどすべて出尽くしたわけでございます。ですから、私は何とか、やはり時間も、もうただ単にやめちゃうというんじゃなくて、やっぱり今大事なことをお話をして皆様に分かっていただくと。ですから、例えば除斥期間を三年から五年に延長することも必要だし、カルテル、入札談合といった違反行為に対しても行政処分に加えて刑事罰がある、これも違反抑制の観点から非常に重要、分かっておりますので、もう聞かないと。すべて省略する。
 しかし、先ほど中谷先生も御質問になった、そして午前中は塚田先生も御質問になりました、外国における外国企業同士の企業結合に対して、公正取引委員会が排除措置命令を出した場合にその実効性がどう確保されるかについて、私は残念ながら竹島委員長のお答えはちょっと明確ではないなというふうに感じました。
 例えば、アメリカやEUなど主要な競争当局が当該企業結合を問題視しない場合、日本の公正取引委員会だけが単独による排除措置命令によって当該企業結合を阻止するといった実効的な対応を本当にできるのかどうか。だって、外国が問題ないですよと言った場合、日本が駄目だ駄目だ、命令出しますと言ったら、ああ分かりました、じゃ日本には売りません、外国には売ります、オーケーしてくれた国だけ売りますなんということになったらどうなるのか。本当に実行可能な対応できるのかどうか、これを竹島委員長にお伺いしたい。
 そして、私は今さっきもお話しいたしました、鉄鉱石と原料炭のすべての量を輸入している、日本は資源がないわけでございますので大変でございます。仮に、私は、BHPビリトン、リオ・ティント、これ、景気が良くなってきたらあり得る話であると思います。こうした国際的な資源メジャーが結び付いて、日本に大きな影響を与えるようなもし企業結合が行われた場合、省庁間の連携というのもこれ当たり前なんです、当たり前。けれども、それだけでは絶対駄目なんです。国際間の、G20とは言いません、G8でもいいです、国際間の連携あるいは協力が絶対に必要だ。やはり何らかの体制の整備をされているのか否か、これはまさに国のかなめである重要なお立場にいらっしゃる官房長官に是非お伺いしたい。もし体制が整備されていないのだったとしたら、転ばぬ先のつえ、整備をしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 よろしくお願い申し上げます。
#103
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 外国企業同士の企業結合、今BHPビリトンのリオ・ティントに対するTOBにお触れになったわけですが、これが仮に日本の独禁法に違反すると、日本国としては認められないという命令を出した場合にそれが本当に実行できるのかと。
 この問題は、どの国でも、日本ができなくて外国ができるということは私はないと思うんです。それは同じ状況にありまして、日本の場合どうなっているかといいますと、日本がこの株式取得は駄目だと、日本の独禁法に違反するということで、仮にそれをやろうとしたら、やめなさいという排除措置命令を出したと。そうすると、向こうが言うことを聞かないという場合には命令違反になりますから、これは刑事罰の問題が発生してくるわけでございます。じゃ、その刑事罰を本当に執行できるのかという問題はございます。オーストラリアに乗り込んで捕まえてくるわけにはいきません。そういう問題はございますが、あくまでも日本に来たらそれを捕まえるとか、罰金は、罰金を払えということは、公示送達その他でもってできるわけでございまして、それも無視した場合にどうなるかと。
 これは、それ以上は公正取引委員会としては無理なんですが、このことは同じことでございまして、アメリカのシャーマン法違反で日本の大企業の取締役なんかはお尋ね者になっている人が何人もいて、これはアメリカに入れないわけで、入ったら捕まるから。ということは、日本までは来れないわけでございまして、それはお互い同じようなことになっている。しかしながら、事柄が談合やカルテルではございませんので、企業結合ということで、いやしくも日本が六割を、鉄鉱石については日本の高炉メーカーが買っているわけでございます。そういうところの国の公正取引委員会がこれは駄目だと言っているのにそれを無視したことが行われるのかと、このグローバルな中で、私はそれほどばかにされたものではないだろうと思っておりますし、これはやってみなけりゃ分かりませんが、そういうふうに思っております。
 そういう段になったら、まさにこれは資源外交とか、日本国を挙げてオーストラリアとの関係になってくるだろうと。まさに外交問題にもなり得る話である。法律的には、確かに来た場合にしか逮捕はできないかもしれませんけれども、そういうふうに思っていますので、決して外国企業同士だからといって指くわえて眺めているということはするつもりはございません。
#104
○国務大臣(河村建夫君) 松あきら議員は既に経済産業副大臣を経験をされておりまして、その方面から大変勉強をされておりまして、私は今お聞きしながら、重要な指摘、また勉強もさせていただいたと思っております。
 今御指摘がございましたように、資源分野に係るものを含めながら、確かに国際的に大変大規模なといいますか、企業再編、活発化しております。その中には、今御指摘があったように、日本の市場にも大変大きな影響を与えかねないものがある、これは一義的には公正取引委員会が独占禁止法の適切な運用によって対処しなきゃならぬ、そのことはまず当然なことだと思っております。
 さらに、今回の改正によって、さきの公正取引委員会委員長、答弁、今までやってきましたように、まず株式取得については事前の届出制を導入すること、これで届出基準を原則として当事会社の属する企業グループの国内売上高にこれを改めるということをやっておりまして、これによって他の主要国の企業結合規制との整合性を図る、このことができるわけでありまして、企業結合審査における海外競争当局との協力、これが一層促進されるものと考えております。
 一方では、我が国の資源、今も御指摘のような鉄鉱石等、あるいはエネルギーの安定供給確保、これは独占禁止法の適切な運用だけでは対応できない部分があります。これは今御指摘があったとおりであります。
 そこで、政府としては、平成二十年三月に重要な資源獲得案件を支援していくための資源確保指針を定めております。まさに国家戦略をもってこれに対応していこうというわけでございますので、政府これは一丸となって、重要な資源確保案件の支援に当たりながら、当然外交面でも積極的に展開をしていかなきゃなりません。と同時にODA、政府開発援助もございます、政策金融、貿易保険、こうしたもので、経済協力等の戦略的な推進ということでございまして、定例的に海外経済のための閣僚会議を持ちまして、絶えずこういう問題について戦略を図っておるところでございます。
 例示されたBHPビリトン、リオ・ティントの買収というのは大きな問題がございます。日本もただそれを手をこまぬいて見ていただけでもありませんで、このブラジルのヴァーレとの提携等も考えながら戦略も練ってきたところでございますが、今後こういう問題が起きます。国を挙げての資源確保外交といいますか、これは非常に大事な御指摘でございますので、今後とも十分注視をしながらやっていきたいと、このように思っております。
 ありがとうございました。
#105
○松あきら君 ありがとうございました。まさに資源戦略、本当に国家の一大事でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 二〇〇〇年以降、既にメジャー企業九社が消えたという事実もあるわけでございまして、私は確実にこういうことが起こってくると思います。しかし、今官房長官のお答えのとおり、公正取引委員会だけではまさに、性善説を取ればそういうことはまあないだろうということでありますけれども、しかしどれだけ努力をしてもやはり公正取引委員会だけではいかんともし難い、国を挙げての対策が必要だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#106
○委員長(櫻井充君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#107
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、中谷智司君から発言を求められておりますので、これを許します。中谷智司君。
#108
○中谷智司君 私は、ただいま可決されました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び改革クラブの各派並びに各派に属しない議員田中直紀君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  最近の急激な経済情勢の変化に伴い、かつてなく中小企業者や下請事業者の利益が不当に害されるおそれが高まっていることにかんがみ、市場における公正な競争秩序を確保するため、政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 審判手続に係る規定については、本法附則において、全面にわたって見直すものとし、平成二十一年度中に行う検討の結果所要の措置を講ずることとされているが、検討の結果として、現行の審判制度を現状のまま存続することや、平成十七年改正以前の事前審判制度へ戻すことのないよう、審判制度の抜本的な制度変更を行うこと。
 二 公正取引委員会が行う審尋や任意の事情聴取等において、事業者側の十分な防御権の行使を可能とするため、諸外国の事例を参考にしつつ、代理人の選任・立会い・供述調書の写しの交付等について、我が国における刑事手続や他の行政手続との整合性を確保しつつ前向きに検討すること。
 三 不公正な取引方法に対しては、経済社会状況の変化や、本改正により課徴金の対象となる行為類型が優越的地位の濫用等に拡大することを踏まえ、ガイドラインの作成等によって、構成要件がより明確かつ具体的に示されるよう十分配慮しつつ、規制措置の積極的な運用を図ること。その際、下請関係を含め大企業者と中小企業者の間における公正な取引の確保及び中小企業者の利益保護に配慮すること。
 四 談合・カルテルに係る課徴金減免制度については、減額対象事業者数が拡大されることや、企業グループ内の事業者の共同申請制度が導入されることを踏まえ、違反行為の発見、事件の解明がこれまで以上に迅速かつ的確に行われるよう、公正取引委員会の調査・分析能力の向上に努めること。また、同制度の運用に当たっては、制度の悪用を許すことがないように適切な法執行に万全を期すること。
 五 企業の経済活動のグローバル化を踏まえ、競争政策や競争法の国際調和を図るとともに、各国の競争当局間の協力を一層進め、外国企業に係る企業結合や国際カルテル等に対する規制の実効性を高めること。
 六 公正取引委員会事務総局の人員体制の一層の強化を図り、法曹資格者や経済学の分野において高度な専門知識を有する者等の登用を積極的に進めるとともに、公正取引委員会と関係省庁との緊密な連携体制を確立し、きめ細かく実態の把握に努めつつ、不当廉売や優越的地位の濫用等の問題行為を迅速かつ効果的に取り締まること。
 七 不公正な取引方法の差止請求における文書提出命令の特則については、事業者及び国民にその趣旨及び内容の周知徹底を図るとともに、民事訴訟を通じた救済の促進に資するため、当事者の負担軽減に向けた方策の検討を継続すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#109
○委員長(櫻井充君) ただいま中谷智司君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#110
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、中谷智司君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、河村内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河村内閣官房長官。
#111
○国務大臣(河村建夫君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#112
○委員長(櫻井充君) ありがとうございました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(櫻井充君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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