くにさくロゴ
2009/07/02 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第22号
姉妹サイト
 
2009/07/02 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第22号

#1
第171回国会 経済産業委員会 第22号
平成二十一年七月二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月三十日
    辞任         補欠選任
     藤谷 光信君     直嶋 正行君
     加藤 修一君     松 あきら君
 七月一日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     武内 則男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         櫻井  充君
    理 事
                藤原 正司君
                増子 輝彦君
                山根 隆治君
                荻原 健司君
               北川イッセイ君
    委 員
                木俣 佳丈君
                鈴木 陽悦君
                武内 則男君
                津田弥太郎君
                中谷 智司君
                前田 武志君
                塚田 一郎君
                松田 岩夫君
                松村 祥史君
                谷合 正明君
                松 あきら君
                松下 新平君
                渡辺 秀央君
                田中 直紀君
   国務大臣
       経済産業大臣   二階 俊博君
   副大臣
       経済産業副大臣  高市 早苗君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       谷合 正明君
       経済産業大臣政
       務官       松村 祥史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       農林水産省総合
       食料局次長    平尾 豊徳君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        寺坂 信昭君
       経済産業大臣官
       房審議官     大下 政司君
       経済産業省経済
       産業政策局長   松永 和夫君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        北川 慎介君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○商店街の活性化のための地域住民の需要に応じ
 た事業活動の促進に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤谷光信君及び加藤修一君が委員を辞任され、その補欠として武内則男君及び松あきら君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(櫻井充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省総合食料局次長平尾豊徳君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(櫻井充君) 商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○中谷智司君 皆さん、おはようございます。民主党の中谷智司です。
 商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきたいと思います。朝一番でございますので、張り切って質問をさせていただきたいと思います。
 日本の商品先物市場は、まだまだ利用者にとって使い勝手が悪い、あるいは利用者トラブルによってイメージを大きく損なっているなどの理由で大きく低迷をしています。本法律案によってこういった問題が解決されて、日本の商品先物市場が世界の商品先物市場をリードする魅力ある市場になることを期待して、質疑をさせていただきたいと思います。
 商品先物市場における取引量は今世界全体では大幅な増加傾向にありますが、日本では平成十五年度の約一億五千六百万枚をピークに、平成二十年度には三分の一以下の約四千六百万枚まで減少しています。減少の原因をどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
#7
○大臣政務官(松村祥史君) 中谷先生御指摘のとおり、世界の商品取引の出来高は過去五年間で四倍に増加しております。他方で、我が国を見てみますと、その同じ時期で三分の一となっております。
 この主な原因といたしましては、まず上場商品の品ぞろえや取引システム、ルール、関連サービスの充実といった面での使い勝手が悪く、取引所の魅力が欠けていること、また商品取引業者の信頼性が欠けていること、こうしたことから、商品取引に対する不安感の存在などによりまして事業者などプロの商品先物取引への参加が十分に進んでいないことにあると考えております。
#8
○中谷智司君 今、松村政務官がお話をくださったように、今の日本の取引所に魅力がないなどの幾つかの理由があってこの取引量が減少しています。
 それでは、この商品先物市場の取引量の減少によって日本経済はどのような影響を受けておられるでしょうか、お答えください。
#9
○大臣政務官(松村祥史君) 冒頭申し上げましたように、商品取引の取引量は過去五年で三分の一になっております。このように市場が縮小していくことが進んでまいりますと、事業者などの利用者にとって、買いたいとき売りたいときに自由な取引が行いにくくなるという弊害や、大きな取引をやるとそれ自体で価格が乱高下してしまうおそれがあります。このような事態に陥った場合には、商品先物取引市場の本来の機能が十分に果たされずに、ひいては日本の国際競争力に悪い影響を及ぼす可能性があるものと承知しております。
#10
○中谷智司君 今、松村政務官がお話をしてくださったように、日本の商品先物市場はいろいろな問題を抱えていて、そして日本の経済にも悪い影響を与えています。
 この取引量は平成十五年度をピークに毎年毎年減少しています。私は、もっと早く対策を打つことができたんじゃないかと思いますけれども、この件について二階大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#11
○副大臣(高市早苗君) 今委員が御指摘のとおり、取引量の減少、そして松村政務官からお答え申し上げましたような要因というものがございます。これに関しましては、過去数年間、商品取引所の利便性と信頼性を向上させるために必要な措置が何かということで、取引所の関係者や有識者と徹底的な議論を行ってまいりました。その議論の結果、東京工業品取引所が株式会社に移行し、それから世界最先端の取引システムを導入するといったことなど、既に実現したものもございます。我が国の商品先物市場でございますけれども、伝統的に個人投資家に依存した構造でございましたけれども、こうした取組の中で、現在はどちらかといえばプロ市場へ転換していくという、ちょうどその過渡期にあるかと思われます。
 さらに、今回の法改正によりまして、取引所は品ぞろえ、それから関連サービスを強化することによりまして、取引参加者にとっての利便性を向上させるということとともに、他の取引所との資本提携でございますとか、それから持ち株を利用したグループ経営を行うことが可能となってまいりますので、その経営戦略の幅というものが拡大していくと考えられます。
 このような基盤整備に加えまして、取引所を始めとする市場関係者の努力が行われることによりまして、我が国商品取引所の競争力が強化されるということを期待いたしております。
#12
○中谷智司君 今のお話では、対策を打つタイミングに関しては早急に打てている、そして方向性も間違っていない、そういうふうに受け取ってよろしいんでしょうか。
#13
○副大臣(高市早苗君) そうでございます。できるだけ速やかに打てることをどんどん打っていると。今の答弁で申し上げましたこと以外にも、様々議論の結果を反映させまして、順次、取引時間の延長ですとか市場運営ルールの構築ですとか、それから、さっき株式会社化ということを申し上げましたけれども、東京証券取引所、大阪証券取引所との相互協力協定ですとか、こういった取組を進めていっているということでございます。
#14
○中谷智司君 日本の商品先物市場が世界をリードするためには、やはり取引量を増やしていかなければなりません。今具体的に対策を打たれているというようなお話をされていましたけれども、その対策を打ってどのように強化されて、具体的にどのように成果が出るとお考えでしょうか。高市副大臣、お答えください。
#15
○副大臣(高市早苗君) まず、今回の法案では、商品取引所がその創意工夫によって上場商品の品ぞろえの多様化を図って、関連サービスを充実させることができる制度としております。また、投資家の利便性を向上するという視点から、商品取引所と金融商品取引所との相互乗り入れを可能といたしておりますので、このような環境整備が行われ、また先ほど申し上げましたように、関係者の努力が相まって我が国の取引所の国際競争力は強化されていく、取引高も回復していくだろうと考えております。
#16
○中谷智司君 それでは、二階大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 今、高市副大臣から、取引量が落ち込んでいることに対して対策を打たれているというお話がありました。これからこの日本の商品先物市場が世界の市場に対して何で勝負をして存在感を発揮するのか、これだけは世界の他の市場には絶対に負けない、こういう点があれば是非ともお聞かせください。
#17
○国務大臣(二階俊博君) 世界の商品市場におきまして、取引所間の国際競争が最近は大変激化しておるわけであります。こうした中におきまして、東京工業品取引所では世界最先端の取引システムを導入し、最初のときには若干のトラブルが生じたりしておりましたが、最近ではその力を発揮して、最先端の取引システムだということを豪語してはばからないような状況になっております。この遜色のない、世界に伍して遜色のないこの取引環境、このことを実際に定着していきたいと思っております。
 上場商品のうち金や原油等については、世界の価格形成を先導する役割を果たすことはまだできておりません。一方、ゴムについては、非常に大きな取引高になっていることに加え、世界の価格形成にも大きな影響力を持っております。また、白金については、世界で有数の取引高を実現しています。これも、ゴムについては有数の生産地であるタイやマレーシアに近く、また日本が大消費国であること、また白金については自動車産業の重要な資材であることがその背景にあると考えております。
 このように、我が国が成長するアジア各国と地理的に近接しておるわけでありますから、国内に競争力がある産業を有しているというメリットを生かし、だれもがこれだと言えるような商品市場を構築することが重要であります。このために、市場関係者がこうした強みを生かすことができるような商品設計を行うとともに、世界に発信し、営業力を強化する必要があります。経済産業省としても、我が国ならではの競争力のある取引所が実現するよう、取り組んでまいりたいと思います。
 ごく最近就任しました江崎さんに対しましては、国会での審議等、各党の皆さんの御意見等につきましても直ちに連絡を取るようにいたしておりますから、今日もこの委員会の終了後、委員会での御意見等は十分、この商品取引市場を立派なものに仕上げていくために各党の皆さんの御意見を生かしていきたい、この点も十分考えておるところでございます。
#18
○中谷智司君 数々の取組をしてくださっていることは本当に有り難く思います。
 今、日本の市場は世界の市場の中で魅力を失っているんだと思います。日本の市場は、例えば今二階大臣がお話をされましたように、世界最高水準の電子取引システムを導入している、あるいは取引時間を延長したので世界一使い勝手がいいだとか、あるいは、今回法律を改正しますけれども、法律が整備されていてその上運用もうまくいっているので世界一トラブルが少ないだとか、あるいは世界一の取引量で価格形成機能は世界一であるだとか、そういった世界の他の市場には絶対に負けない、こういった世界一のものをつくって、世界の市場をリードしていただきたいと思います。
 日本の商品先物市場を活性化するためにどのような利用者を求めていますか。そして、その利用者をどのように保護していますか。経済産業省、お答えください。
#19
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 我が国の商品先物市場の健全な発展のために、事業者あるいは金融機関、あるいは機関投資家、そういったいわゆるプロを中心としつつ、その多様な参加者が市場に参加していくと、そういったことで市場の厚みも持たせていくと、そういったことが重要であるというふうに考えております。
 こういったことのためには、参加者が安心して取引に参加できる環境の整備が重要な課題であるというふうに考えておりまして、今回の法案におきましても、すき間のない横断的な商品先物取引に関する規制体系とすること、あるいは利用者がプロかアマかによりまして行為規制、いろんな、やっちゃいけないとかこういうことをしなきゃいけないとか、そういう行為規制に強弱を付けまして、いわゆるプロ・アマ規制と呼んでございますけれども、そういったプロ・アマ規制を導入するなどの措置を講じているところでございます。
 アマの方にとってはより保護が強く、それからプロの方にとっては円滑に使いやすい、そういった措置を講じているところでございまして、ただ、そのプロ・アマ規制におきましては、例えば投資家におきまして仮にプロの範囲に該当する、そういった方でございましても、その方自身が希望いたしますとアマに移行することが選択できると、あくまでもそこは選択ということでございまして、そういった形によりましてアマとしての十分な保護、そういったことが受けることができるようにしているところでございます。
#20
○中谷智司君 日本の商品先物市場の取引量が減少し続けたのは、ターゲットとなる利用者を明確にして、その利用者にとって使い勝手がいい、あるいは安心感がある、そういう市場をつくっていく努力を怠っていたように思います。今お話をしてくださいましたけれども、きちんとした対策を打っていただきたい。そして、もちろん利用者の方が本当に安心してこの市場を使えているのか、そういうふうな現場のこともきちんと理解をして政策を打ち続けていただきたいと思います。
 注文処理の迅速化や売買コストの引下げなど、利用者の使い勝手の面から見ると、所管省庁の垣根を超えて、工業品、農産物、金融と分かれている取引所の再編も必要ではないでしょうか。この件についてお答えください。
#21
○政府参考人(寺坂信昭君) まず、商品取引所同士の統合、合併、そういったことでございますけれども、平成二年に商品取引所法を改正いたしまして、商品取引所間の合併規定を設けました。そういった規定の整備などによりまして、一九九〇年時点で十六ありました取引所は現在四取引所となってございます。
 それから、もう一点の金融商品取引所との関係でございますけれども、この再編につきましては、今回の法案におきまして商品取引所とそれから金融商品取引所、これの相互乗り入れ、そういった規定を導入してございまして、これが可能とするようにしているわけでございまして、例えば商品取引所が金融商品取引所を子会社とするなど、これは逆もあり得ると思いますけれども、そういったことでの再編、そういったものも可能としているわけでございます。
 商品取引所あるいは金融商品取引所との関係、そういったものの統廃合に関しましては、まずは取引所の利用者の声を踏まえながら、当該取引所それぞれが経営判断として行われるというふうに考えておるところでございますけれども、既に関係の取引所の中でも、そういったことについての具体的な議論、そういったものがございます。
 経済産業省といたしましても、こういった取引所間の再編、そういったものについての動きがありました場合、利用者の使い勝手の向上の観点、そういったことを含めまして、内容についてしっかり検討をしてまいりたいと考えているところでございます。
#22
○中谷智司君 市場における取引量を増やしていくためには、何よりも利用者の満足感を上げていくことが大切です。是非とも省庁の垣根を超えて、利用者が満足をできるように取り組んでいただきたいと思います。
 商品先物取引のトラブルについてお伺いしたいと思います。
 商品先物取引は、国内、海外物共に取引が複雑で、高齢者を始め一般の利用者には取引の仕組みが分からないまま被害に巻き込まれている事例が多くあります。不適切な勧誘によるトラブルなどによって信頼感や安心感が損なわれています。このことも市場で取引量が減っている原因になっていると思いますけれども、悪いイメージを払拭するための対策について、二階大臣、お答えください。
#23
○大臣政務官(松村祥史君) 中谷委員御指摘のとおり、商品先物取引につきましては多くのトラブルが発生しておりまして、この不安感を解消していくことは極めて重要なことだと認識をしております。
 このため、まず平成十六年に再勧誘の禁止規定の導入等の勧誘規制を強化いたしました。また、平成十八年には、断定的判断の提供の禁止や広告に関する制限を導入したところでございます。このことによりまして、委託者保護の強化のための改正を今日まで行ってきたところでございます。
 また、本法案におきまして、トラブルが増加している取引所外取引や海外取引所取引について新たに許可制を導入した上で、一般個人を保護するための十分な行為規制を課すこととしております。さらに、顧客から要請なく一方的に勧誘を行ういわゆる不招請勧誘を禁止する規定を設けております。このことで一般個人を相手方とする場合には、すべての取引所外取引のほか取引所取引についても、初めの投資額以上に損失が発生する可能性がある取引を対象とする方針でございます。こうした措置によりまして、一般個人を相手方とする被害は抜本的に解消していくものと考えております。
#24
○中谷智司君 今お話をくださったように、数々の取組をしてくださっていて、確かにトラブルの相談件数は減少傾向にあります。しかし、まだまだ深刻な被害が存在をしています。そして、その多くが、今さっき松村政務官がお話しをされたような不招請勧誘、電話勧誘や訪問セールスが発端となっています。
 そして、どのような方がターゲットにされているかというと、高齢者をターゲットにしたものが多く、このトラブル件数は毎年増加をして深刻な状況になっています。高齢者を守る対策をお考えでしょうか、経済産業省の御見解をお聞かせください。
#25
○政府参考人(大下政司君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、消費生活センターに寄せられます商品先物取引に対する苦情相談件数、減少いたしているとはいっても、依然として相当の数がございます。また、これらの苦情の相談の中には多額の被害を被った事例も見受けられ、それらは電話勧誘や訪問セールスが発端となっているものも多いというふうに認識いたしております。
 特に、高齢者をターゲットにしたトラブルも多いではないかという御指摘でございますが、商品取引所法は、顧客の知識や経験、財産、それから商品取引契約を締結する目的に照らして、不適当と認められる勧誘を行ってはならないという規定がございます。この規定に基づきまして、具体的な適用につきましては経済産業省と農林水産省がガイドラインを定めております。
 そのガイドラインの中では、七十五歳以上の高齢者に対する勧誘は原則として禁止といたしております。また、勧誘に際しましては投資可能額を確認することを事業者に義務付けておりまして、投資可能額を超えた投資を勧めることも禁止いたしております。そして、仮に事業者がこれらに違反した場合には行政処分の対象となることとなります。
 経済産業省といたしましては、こうした制度の厳格な執行を通じまして、高齢者などの社会的に弱い立場の方々の被害の防止に取り組んでいるところでございます。
#26
○中谷智司君 国民生活センターの資料によると、商品先物取引の相談をされた方の約三分の二を六十歳以上の方が占めています。今お話をされたように、平成十六年の改正ではガイドラインの制定をして、七十五歳以上の高齢者に対する原則勧誘の禁止を盛り込んでおられますけれども、実際に被害に遭われている方はもう少し年齢が低い方も多く含まれています。この方々に対する対策はお考えでしょうか。
#27
○政府参考人(大下政司君) ガイドラインの中では、これ以外にも不適当と認められる勧誘として、様々な人に対する勧誘を決めております。それから、収入に見合わないような勧誘をすることも禁止をいたしているということでございますので、こういったガイドラインの遵守を通じて、七十五歳まで至らなくても、高齢の方々の被害が増えないようにということで執行に努めてまいりたいと考えております。
#28
○中谷智司君 六十歳になって会社を退職されたときの退職金をねらわれたり、あるいは自営業者やあるいは農業に従事をされている方々が退職金をもらっている友人の方を見て、自分が不安に思って少しでも資産を増やさなければならないと思ってこの商品先物取引に手を出してしまう、そういうふうな例もあります。そして、この国民生活センターの資料を見てみますと、六十歳以上だけではなく、五十歳以上の方々も非常にたくさんの被害に遭われています。こういった実情もきちんと理解をして、そしてこういった方々が被害に遭わないように取り組んでいただきたいと思います。
 この商品先物取引は、先ほども申し上げましたけれども、複雑な上、証拠金取引によって手元資金の何倍もの額の取引ができてしまい、膨大な損失を抱えてしまう例があります。もっと悪質なものになりますと、その損失を取り戻す方法や取引を打ち切る時期を助言をする業者もありますが、実際には、こういった業者に相談をしたところ、役に立たない助言だけで改めて高額の請求をされたといった、元の損失に加えて更に費用を請求される二次被害を受けているような例もあります。
 こういった被害に対する対策は打たれていますでしょうか。
#29
○政府参考人(大下政司君) どのような二次被害が出ているかということにつきましては、個別の事情がいろいろあろうかと思いますけれども、一般論として申し上げますと、業者が商品先物取引におきまして、損をした顧客に対しまして損を取り戻す取引によって必ずもうかるというようなことを告げる行為は、いわゆる断定的判断の提供を行うことに該当するというふうに解されます。そして、このような行為については商品取引所法に違反することになりますので、行政処分の対象となります。
#30
○中谷智司君 悪質な業者は、本当にいろいろな方法によってこういった方々をトラブルに巻き込んでいます。是非とも、こういった現状をきちんと理解をして、どんな被害に遭われた方もその被害から救出をできるような取組をしていただきたいと思います。
 本法律案の大きなポイントの一つであり、トラブルの原因となっている不招請勧誘についてお伺いをいたします。
 本法律案によって不招請勧誘の範囲はどのようになるでしょうか。高市副大臣、お聞かせください。
#31
○副大臣(高市早苗君) 先ほど松村政務官からも答弁申し上げましたが、この対象は政令で定めることといたしております。
 具体的に、一般個人を相手方とする場合には、すべての取引所外取引に加えまして取引所取引につきましても、初めの投資金額以上の損失の発生を防ぐ仕組みとなっている取引以外のものをその対象とするということでございます。
#32
○中谷智司君 この不招請勧誘については、我が民主党でも非常に大きな議論になりました。全面禁止すべきだとの意見も出ましたし、有識者の方々からの御意見を聞いていても、そういうふうな意見が出ています。
 商品先物取引に対する信頼性やあるいは安心感を高めるため、すべての取引の不招請勧誘を禁止するお考えはありませんでしょうか。二階大臣、御見解をお聞かせください。
#33
○国務大臣(二階俊博君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、商品先物取引に対する信頼感、安心感を高めるということ、これが根本的に極めて重要なことだと思っております。したがって、今回の法案において不招請勧誘の禁止規定を導入し、一般個人を相手方とする場合には、すべての取引所外取引に加え取引所取引についても、初めの投資金額以上の損失の発生を防ぐ仕組みとなっている取引以外のものをその対象とする方針です。これによって、一般個人が意図せずトラブルに巻き込まれる事例は抜本的に解消していくものと考えております。
 しかしながら、その後も被害が解消しない場合には、一般個人を相手方とする商品先物取引の全般について不招請勧誘の禁止の対象とすることにしております。
#34
○中谷智司君 もう少し踏み込んで、少しでも早い時期に、この法律案に対する衆議院の審議の中でも、附帯決議の中に、「施行後一年以内を目処に」禁止も考えていく、そういうふうなことが盛り込まれています。もう少し踏み込んで二階大臣の御意見をお聞かせください。
#35
○国務大臣(二階俊博君) 御質問の、被害が解消しているかどうかの判断時期等について、商品先物取引に関する被害の動向を常に把握し、今お話しの一年ということ、私はその際、答弁に際して、必要な場合には、一年といわず、もっと早期に判断することとしたいという考えを申し上げたところでありますが、このことに関しては今後宿題として、この被害をできるだけ未然に防ぐという観点からも努力をしていきたいと思っております。
 被害が解消しないかどうかについて、被害の発生が限りなくゼロに近づきつつあるか否かによって判断したいと思います。
#36
○中谷智司君 この件については、衆議院の附帯決議では一年以内と書かれています。つまり、一年を掛けてもいいということではありません。規制の効果や、先ほど二階大臣がお話をされたように、被害の実態に照らして必要に応じて迅速に対応をしていただきたいと思います。
 不適切な勧誘を行った事業者に対する処分、罰則はどのように設定されていますか。違反の抑止力を高めるため、場合によってはより高額な罰金等を設定すべきではないでしょうか。この件について、経済産業省の御意見をお聞かせください。
#37
○政府参考人(寺坂信昭君) 商品取引所法におきましては、顧客、お客様に対しまして虚偽のことを告げて勧誘を行いました商品取引員、いわゆる商品取引業者でございます、商品取引員につきましては、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金、又はこれらを併せて科したり、あるいは法人に関しましては重科として二億円以下の罰金、そういったことが処することとされております。
 それから、断定的判断の提供など不当な勧誘行為を行いました商品取引員、商品取引業者に対しましては、主務大臣は業務改善命令やあるいは業務停止命令、こういったことを行うこととしておりまして、例えばその業務停止命令に違反した商品取引員に関しましては二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金、あるいはこれらの併せて科したり、法人重科といたしましては三億円以下、そういったことに処することとしているところでございます。
 したがいまして、商品取引員に対します不当な勧誘行為は大臣からの行政処分の発動事由に該当しておりまして、抑止力として機能していくものというふうに考えているところでございますけれども、ただ、今後、委託者トラブルが増加するなど商品先物取引業者の不当な勧誘行為が抑止されない、そういったような場合におきましては、罰則の強化を含めました商品先物取引業者に対します規制の在り方について検討していく必要があるものと、そのように考えているところでございます。
#38
○中谷智司君 今の御答弁では、現時点では抑止力が働いている、そういうふうな御答弁がありました。この件についても、トラブルの実態を見ながら柔軟な対応をしていただきたいと思います。
 平成十六年の法改正時の附帯決議では、商品取引員に対する監督体制については、農林水産省及び経済産業省の緊密な連携を図り、委託者保護に万全を期すとともに、アメリカの商品先物取引委員会、CFTC等も参考にして、今後の体制強化について検討を行うこととなっていますが、この平成十六年以降、どのような検討を行われましたか。
#39
○政府参考人(寺坂信昭君) まず、今御指摘がございました経済産業省と農林水産省との連携の件でございます。
 この連携に関しましては、日々の意見交換あるいは情報交換、そういったものは当然でございますけれども、具体的なものといたしまして、平成十七年以降、商品取引員、商品取引業者に対します検査、これを個別、ばらばらではなくて両省共同で行う、そういったことでの更なる緊密な連携に取り組んでいるところでございます。
 それから、監督体制の方でございます。
 人員の数で申し上げたいと思いますけれども、経済産業省におけます監督体制につきましては、担当部局、担当課の定員は平成十六年度時点で二十八人でございますけれども、二十一年度、今年度におきましては六十三人まで増強をしてございます。それから、同じ期間におけます地方経済産業局、こちらの定員につきましても、十六年度十一人でございましたけれども二十一年度は二十三人まで増加されるなど、その附帯決議なども踏まえまして商品取引員に対します監督体制を強化してきたところでございます。
 今後とも、経済産業省といたしまして、商品取引員に対します十分な監督体制を更に確保していくとともに、違法行為を行います商品取引員に対しましては厳格な法執行に努力を重ねてまいりたいと考えているところでございます。
#40
○中谷智司君 ここにいらっしゃる委員の皆様の御地元でも、多分この件に関するトラブルが起こっていると思います。とりわけ地方では商品先物取引の実態を監督する体制が弱いため、やはり地方において人員の増強やあるいは監督体制の強化をしなければならないと思います。その件についての御見解をお聞かせください。
#41
○政府参考人(寺坂信昭君) 御指摘のとおりでございまして、先ほど地方におけます人員の強化について申し上げましたところでございますけれども、確かに、確かにといいますか、一番消費者、委託者、あるいはトラブル、そういった現場に近いところに地方はあるわけでございまして、地方についての体制の強化、こういったものについて引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#42
○中谷智司君 こういった消費者のトラブルは、やはり地方で起こった場合にきちんとした監督ができていない、そういうふうな例が多く見られますので、是非とも、中央だけではなく地方のことも考えていただきたいと思います。
 本法律案において当業者、特に中小企業はトラブルから守られるでしょうか。中小企業が被害に遭う例もたくさん見られます。その件についてお聞かせください。
#43
○大臣政務官(松村祥史君) 中小企業の保護についてのお尋ねかと思いますが、まず、本法案におきましては、中小企業につきましてプロ・アマ規制におけるアマに該当することとなっております。ただし、中小企業でありましても一定規模以上の当業者にあってはプロに該当する場合もございます。この場合も、当該事業者が希望すればアマに移行することを選択することが可能でございまして、そのことによりまして十分な保護を受けることができることとしております。また、当該事業者がアマに移行することを希望するか否かについて確認をする義務を商品先物取引業者に課しております。
 このような仕組みによって消費者保護を図ることができるものと考えております。
#44
○中谷智司君 個人や中小企業者など弱い方々が被害に遭われている例がたくさんあります。商品先物取引によるトラブルが原因となって商品先物市場から離れていく利用者も数多くいます。利用量を増やすため、トラブルのない市場に育てていくよう全力で取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、商品先物取引に対する監視体制についてお伺いいたしたいと思います。
 株式を始めとする金融商品取引を監視する金融庁と比べて、経済産業省の監視体制はどのようになっていますか。
#45
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 経済産業省におきましては、商品市場におけます相場操縦行為などの不公正な取引、これの監視体制を強化するために、昨年九月でございますけれども、市場分析監視室、人員は六名ということでまず設置をしたところでございます。
 この市場分析監視室におきましては、東京工業品取引所あるいは中部大阪商品取引所、そういったところから日々取引状況の報告を受けております。また、市場監視システムの開発にも努めてございます。それから、アメリカ、イギリス、そういった海外との市場監視のための協力枠組みの合意もしたところでございまして、市場監視体制の強化に向けました諸外国規制当局との協議など、そういった業務を行ってきているところでございます。
 それから、お尋ねの金融庁さんの関係でございますけれども、金融庁におかれましては、証券取引等監視委員会の市場分析審査課、ここにおきまして監視を行っているというふうに承知をしてございますが、そこの平成二十一年度の定員は四十六名であるというふうに承知をしてございます。
 それから、もう一つ別の観点でございますけれども、我が国最大の取引所でございます、商品取引所の最大でございます東京工業品取引所におきましては平成十八年の一月に、これ世界各国で利用されているシステムでございますけれども、取引監視システムで俗にSMARTSと呼ばれているものでございます、そういう取引監視システムを導入するなど、取引所自身も操縦行為に対します監督を強化しているというふうに承知してございます。
#46
○中谷智司君 今御答弁してくださいましたように、市場分析監視室をつくられたり市場監視の体制を強化されているということについては評価ができます。しかし、金融庁との比較をしてみますと、まだまだこの監視体制が、もちろん市場の大きさからいうと経済産業省が監視をするその市場が小さい、そういう面もあると思いますけれども、まだまだ監視体制がきちんとしていないところもあると思いますので、その点についても是非とも前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 現在、市場取引監視委員会が設置されていますが、今回規定された自主規制委員会との違いを教えてください。また、こうした組織は、商品取引所の機関ではなく全く外部の機関若しくは政府の機関として設置する方がよいのではないでしょうか。この件に関する御見解をお聞かせください。
#47
○政府参考人(寺坂信昭君) 市場取引監視委員会と、それから本法案に規定されております自主規制委員会のその違いでございます。ちょっと似たような感じのところがありまして大変恐縮でございますが、市場取引監視委員会は、これは商品取引所におけます取引の方法あるいは取引の管理、そういった商品取引所の業務の運営につきまして第三者の立場から事後的に監視をする、そういうものでございまして、学識経験者等の外部の委員によって組織されているものでございます。
 一方、今回規定をしてございます自主規制委員会、これは株式会社でございます商品取引所の取引参加者など、そういった取引参加者につきます法令遵守の状況の調査、あるいは場合によってはその処分、自主規制的な処分でございますね、そういった処分などの自主規制業務の執行に関します意思決定を行うところでございまして、過半数が社外取締役によって組織されるというふうになると考えてございます。
 自主規制委員会は、取引所が自らの取引参加者等の業務につきまして自らがきちんと自主的に規制しようと、そういう機関であるということでございますので、取引所に設置することが適切であるというふうに考えてございます。ただ、自主規制を含めました取引所の監督、これは常に国におきましても法律に基づきまして厳正に行っていくことは当然でございまして、こういった委員会がございますけれども、国としてもしっかりと監督を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#48
○中谷智司君 このそれぞれの委員会は、市場取引監視委員会は、今お話をされたように外部の委員による機関、自主規制委員会は内部の委員による機関だというお話でした。ただ、どちらも実際には内部につくっている機関ということになっています。私は、きちんとこういった監視をするためにはやはり外部に出した方がいいのではないかと思いますが、その件についてはいかがでしょうか。
#49
○政府参考人(寺坂信昭君) 市場監視委員会、それから自主規制委員会、先ほど御答弁申し上げましたように、その委員構成、そういったことにおきまして外部から、直接の当事者じゃなくて外部から見ていくと、そういった構成としているところではございます。
 それで、繰り返しでございますけれども、政府におきましては、そういった委員会があるなしにかかわらず日々監督を進めているところでございまして、ただいま御指摘ございましたような外部的なものが更に有効なのではないかというようなそういう御意見があることは踏まえまして、これからの委員構成とかそういったものについては、基本は既にお答えしたとおりでございますけれども、更にその内容を検討してまいりたいと考えてございます。
#50
○中谷智司君 アメリカでは、アメリカ証券取引委員会、SECと先ほど申し上げたCFTCの権限の見直し等の動きもあるという指摘もあります。日本において証券取引等監視委員会に商品先物取引を監視させること、こういったことは考えられないでしょうか。
#51
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 そもそも論で恐縮でございますけれども、商品先物市場、これ資産運用を可能にすると、投資家と申しましょうか、そういった側面でいきますと、金融商品と共通の性質を持っているというふうに考えてございます。
 他方で、商品先物市場には事業者によりますリスクヘッジを可能とすると、そういった側面では金融商品取引と性質を異にするところがございまして、上場商品となってございます鉱物あるいは農産物など、そういった現物の生産、流通に係る施策と密接な関連を有しているというふうに考えてございます。
 証券取引等監視委員会の場合に、そういった現物の生産、流通という観点からいきますと、その熟度と申しましょうか、そういったものについて必ずしも十分なものというふうには限らないというところがあるわけでございますので、証券取引等監視委員会が商品先物市場自体、これを監視することについては慎重な検討が必要というふうには考えておりますけれども、ただ、冒頭申し上げましたように、共通した政策課題について連携して取り組む、そういうことは極めて重要なことだと思ってございます。
 そういった意味合いにおきまして、実務者によります連絡会議を設置して、そういったところで日々の情報交換、そういったものを進めているところでございます。
 それから、お尋ねがございましたアメリカの関係でございます。
 アメリカにおきましては、証券取引委員会、SECと呼んでおります証券取引委員会と、商品先物取引委員会、CFTC、ここの統合につきましてはいろいろな議論があるというふうには承知しております。特に、昨年、原油とかああいったものの価格の大きな動きがあったようなことで、またその辺りの議論があるということは承知しておりまして、統合をした方がいいんじゃないかとか、あるいは別に、性格の違うところがあるので統合じゃなくてもいいんじゃないかとか、いろんな議論があるというふうに思っております。
 ただ、今年、一番最近時点でございますけれども、この六月にアメリカの財務省から発表されました二十一世紀金融規制改革プログラムか何か、正式な名称はあれですけれども、六月の十七日に発表されました二十一世紀金融規制改革におきましては、この両機関の統合については言及はなされていないというふうに承知をしてございます。
#52
○中谷智司君 不公正な取引が行われないように、とにかくあらゆる手だてを使って監視をしていただきたいと思います。
 近年、世界的な規模で商品先物市場への資金流入が増大をして、実需と乖離した不当な価格形成や相場操縦行為が行われるおそれが生じています。日本において相場操縦行為や不公正取引の発生状況、摘発状況はどのようになっていますか。また、早期発見に向けてどのように経済産業省は取り組まれていますか。
#53
○政府参考人(大下政司君) お答え申し上げます。
 我が国の商品先物市場におきまして、相場操縦行為や不公正取引につきまして、現時点まで行政処分又は処罰を行うに至った事例はございません。
 一方、アメリカにおきましては、例えばプロパンガスの現物を買い占めることによりまして現物や先物の価格を人為的に操作したということなどから、過去七年間に三十三件の相場操縦行為が摘発をされているというふうに承知をいたしております。
 近年、商品市場の国際化が進んでおりますので、市場の透明性を向上し、このような相場操縦行為を摘発するということの必要性は高まっているというふうに認識をいたしております。
 この市場監視という観点から申しますと、まず一義的には取引所が当たる必要があるわけでございますが、東京工業品取引所におきまして、相場操縦行為に対する監視を強化するという目的で、平成十八年一月に世界最先端の取引監視システムというものを導入して相場操縦行為の監視に当たっているところでございます。
 また、政府といたしましても、商品市場における相場操縦等の不公正取引の監視体制を強化しなければならないということから、昨年の九月に市場分析監視室を設置をして、市場分析、市場監視を行うということを始めております。具体的には、現在、市場監視を効率的に行うための取引監視システムの開発をいたしておりまして、来年四月からこれが稼働する予定といたしております。
 経済産業省といたしましては、今後、職員の監視能力の向上や体制の整備等を通じまして、不公正取引に対する監視体制の一層の強化に努めてまいりたいと考えております。
#54
○中谷智司君 日本ではこういったことがまだ起こっていないというお話でしたけれども、今お話をくださったように、アメリカなど海外ではこういった事例が見られます。やはり、市場に透明性をつくる、そして安心感をつくるためには、こういったことが起こらないようにする取組が大切です。
 この不公正取引に対する罰則などのような措置が本法律案には盛り込まれていますか、お答えください。
#55
○政府参考人(大下政司君) 商品取引所法におきまして、公正な価格形成機能を確保するという観点から、相場操縦行為等の不公正取引は禁止されております。仮にこうした相場操縦行為を行った場合には、現行法上、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処され、又はこれらが併科されることとなっております。また、法人等がこのような行為を行った場合には、法人重科と呼んでおりますけれども、五億円以下の罰金刑が科せられることになっております。
 加えて、今回、法律改正をいたしまして、こうした相場操縦行為によって得られた財産については没収の対象としているところでございます。
 また、近年、商品の現物を買い占めることによって取引所の相場を引き上げようとするような行為が行われております。したがって、取引所外の現物取引を利用した相場操縦行為が行われる可能性が高まってきているということでございますので、今回の法案におきましては、このような現物取引を通じた相場操縦について、新たに処罰の範囲を拡大して、これを処罰対象に加えることといたしているところでございます。
#56
○中谷智司君 今、先物取引市場の監視の強化や、あるいは透明性の向上についてお伺いをいたしましたけれども、これらについても国際間の連携を進めていく必要があると思いますし、経済産業省では国際間の連携強化に努めると衆議院の委員会でもお話をされていました。具体的にどのように連携を取るとお考えでしょうか、二階大臣、御見解をお聞かせください。
#57
○国務大臣(二階俊博君) 投資資金が国境を越えて活発に移動しておる今日でありますから、商品市場の透明性を高めるためには海外の規制当局との連携強化が何よりも重要な課題であると認識を持っております。このため、昨年十月にはアメリカと、また本年五月にはイギリスとそれぞれ市場監視に関する二国間の協力の枠組みに関する合意を行ったところであります。
 また、本法案においては、外国の商品先物市場の規制当局の要請に応じて、経済産業省が我が国取引所における個別取引情報を外国規制当局に提供するための規定を盛り込んでおります。これによって、各国の商品先物規制当局から構成される証券監督者国際機構が策定する多国間情報交換枠組み合意に我が国が参加する前提条件が整うことになります。現在、この機関には百九十のそれぞれの国の機関が参加をしておるところであります。
 今後とも、国際的な規制当局の連携の強化、極めて重要なことだと考えておりますので、この努力を怠らないようにしてまいりたいと思います。
#58
○中谷智司君 是非とも、そういった取組を前向きにされて、透明な商品先物市場の実現をしていただきたいと思います。
 本日は、この法律案の内容や、あるいは経済産業省の商品先物市場の取組についてお伺いをさせていただきました。私も今日の委員会での質疑や、あるいは事前の経済産業省の方々とのお話によって様々な取組をされているということが分かりました。是非とも、本法律案によって、そして何よりも現場の方々が、利用者が満足できるような、そういうふうな現場のことをきちんと理解をして、そしてこの商品先物市場が今まであった問題点が解決をされて、世界の中で日本の市場が一番だと、そういうふうに思っていただけるような市場づくりをしていただきたいと思います。
 本日は本当にどうもありがとうございました。
#59
○増子輝彦君 おはようございます。民主党の増子輝彦でございます。
 今日は、商取法改正の法案の審査でございます。我が党の中谷議員が大変内容のあるいい質問をされて、また大臣や関係者の皆さんの御答弁もいろいろいただきました。これらについて、私も少し補足をしながら質問をさせていただきたいと思いますが、その前にひとつ、日本の今の景気動向や経済の現状について、少し時間をちょうだいしてまず質問をさせていただきたいと思います。
 二階大臣、昨日幾つかの指標が発表されました。日銀短観あるいは完全失業率、有効求人倍率等々の数値が出されました。与謝野大臣も、日本の景気は底を打ったというような見解を早々とされたようでございますし、先般中小企業庁のヒアリングをさせていただいたときにも、日本は底を打って改善の兆しが見えてきたというような話も伺いました。
 しかし、本当にそうだろうかと、私自身は全くそんなことはないんだろうと。昨年来、特にリーマン・ブラザーズの破綻以降、日本経済、極めて深刻な状況になっている。急激な坂を転げ落ちて泥沼に入ってしまったと、その泥沼も底なしの私は沼ではないかというような心配をしているわけであります。そこから少しだけ数値が、指標が改善されたといっても、これはとんでもない実は状況であることは間違いありません。
 日銀短観も、大企業の製造業が一〇ポイントほど上昇したということでありますが、これはあくまでもひどいところから一〇ポイントだけでありまして、去年の、かつて、私はそうではなかったと思うんですが、イザナギ景気を超えて日本は戦後最長の景気だというようなときから仮に比べても、これは本当にひどい状況にあるわけであります。
 また、大企業の非製造業は二ポイント上昇の小幅な改善だったという日銀短観、特に中小企業の製造業は横ばいであり、非製造業は九八年の九月に並ぶ極めて深刻な過去最低の水準であると。
 こういう状況を見てもお分かりのとおり、景気の状況は中小企業と大企業の格差が非常に更に拡大をしているということを示しているわけであります。
 完全失業者も三百四十七万人と、一年前に比べて七十七万人も増加をしていると、完全失業者数は七か月連続の増加であると、五月の完全失業率は五・二%となっているわけであります。しかし、これは表に出た部分だけでありまして、実際は潜在的な失業者はもっといるんですね。
 御案内のとおり、雇用調整助成金というものがつくられました。この対象者が現在五月で二百三十四万人ぐらいいると言われております。合計、合わせれば五百八十一万人。この雇用調整助成金対象者、これを失業者とみなすかどうかということについてはそれぞれの見解があるかと思いますが、これは実質、私は失業者と同じものだというふうに認識することが必要なんだろうというふうに思っております。この中で大企業、いわゆる従業員が五百人以上の方は五万人減り、中堅企業、四十四万人も実は減り続けている、中小企業も同じように四十四万人も減っているということを考えていくと、大変厳しい状況であることは間違いありません。
 有効求人倍率も〇・四四と過去最低であります。最悪ですね。特に地方は深刻であります。大臣の御地元の和歌山はどのぐらいなんでしょうか。東北ずっと見ても大変厳しい。まさに、都市部あるいは地方との格差、大企業と中小企業との格差、これが私はむしろ以前よりも広がっているんではないかと。
 そういう現状の中で、大臣の現在の経済に対する認識や景気動向についてはどのようにお考えか、見解をお聞かせいただきたいと思います。大臣。いや、これは大臣に聞きたいんです。
#60
○国務大臣(二階俊博君) 日銀短観についてのお話もございましたが、大企業が幾分改善はしたものの依然として厳しいという判断は、私どもとして、今後の経済対策、経済運営、そして将来にどういう手を打っていかなくてはならないかということは真剣に考えていかなきゃいけない、そういうことを表しておると思いますが、同時に、大変お互いに現下の経済事情に対してみんなが悲観に暮れておりましたときに、我々は打てる手はできるだけ幅広くやっていこうということで、金融にしても雇用にしてもいろいろの対応を取ってまいりましたが、今日我々は、これで万全とは申しませんが、ある一定の成果は収めつつあると、これは率直に国民の多くの人たちが認めているところだと思います。悪く言おうと思ったら幾らでも悪く言えるんです。しかし、我々は着実にいろんな分野で実行してまいりました。これからもこれらの点についてしっかりした対応をやっていかなきゃいけない。
 我が国の景気は、生産、輸出など一部に持ち直しが見られておることも事実であります。当然、今の失業率の問題と雇用情勢等については思ったような数字の結果は表れておりませんが、それでも、自動車の世界を見ましても十分復活の気配は見受けられるわけでありますし、下請産業等もたくさん抱えておられるわけでありまして、それらはもう自動車の注文も、今年注文しても年内に需要者に届けられるかどうかが分からないというぐらいの忙しい状況が生じてきておるわけですから、それは必ず中小企業にも影響が及ぼしていくわけでありますから、統計的に見れば依然として厳しい状況にあるものの、我々は希望を持って、日はまた昇るということを確信してこれからの対策を打っていきたいというふうに思っております。
 経済危機対策等につきましても、我々は、なし得る範囲、財政的な問題もありますからおのずから限界はありますが、精いっぱいの対応をしてきたところでありまして、常に経済界等の御意見もちょうだいしながら対処しているところでありますが、私は、今後においてこの景気動向に細心の注意を払いながら、日本経済が回復軌道に乗ることができるように全力で取り組んでいきたいと、このように思っております。
#61
○増子輝彦君 私も、マインドの面では悲観的にならずに、やっぱり明るい希望を持ってということは共通の認識でございます。しかし、これはイザナギ景気を超える日本最長の、今、日本は好景気だと言われたときと、私は、今大臣の御答弁の中に同じような、ある意味では見解の違いといいますか、間違いと言っては失礼ですので見解の違いがあるのではないのかなと。大企業は少し改善の兆しが見えてきたとおっしゃいますが、やっぱりトヨタ自動車やあるいはパナソニックを始め多くのいわゆる世界を市場にして仕事ができる企業と、それ以外の企業というものの格差というのは極めて深刻だと思うんです。今まさに、私は、あのときと同じようなことを大臣がおっしゃるようなことでは、本当に日本のこの景気動向というものを的確におつかみになって、適切なそういったものを、手を打つことができるのかというと、ちょっと私は違うのではないのかなというふうに思います。
 例えば、また、その改善の兆しだということの指標の一つに設備投資というものがあるんだと思うんです。設備投資の意欲といいますか、設備投資に対する考え方が具体的に数字で表れていくことによって、これもまた改善の兆しの指標だと思うんです。
 ところが、六月における調査として、今年度の設備投資の計画は、製造業において大企業は、前の年度と比べて二四・三%、実は大臣、減少なんですよ。そして、中小企業でも、すべての産業の合計で前の年度から三六・六%実は減少なんです。この設備投資意欲がこれだけ実は低下している、これは過去最大の減少なんですね。
 今おっしゃったように、改善の兆し、それがどん底から少し数値が上がったということになれば兆しなのかもしれませんが、一か月とかわずか二か月の中で少し上昇基調にあるからといって、果たして本当にそんなものなのかなと。これからはもっと大臣にも的確な対策も打っていただかなきゃなりませんし、私たち民主党としてもそれらに対応して私たちなりの提言や考え方もお示しをさせていただいておりますが、是非ここのところの考え方はもう少し、何も絶望的なものではなくて私もいいと思います。しかし、楽観的であってもこれはいけないという考え方を私は持つべきだというふうに思っております。
 加えて、大臣、今のような話の中で、これは前にも質問をさせていただきましたが、外需依存型の日本の産業構造を内需型に転換をしていくということが極めて大事だという話はもう口が酸っぱくなるほど我々も言い続け、耳にたこができるほど聞いているわけであります。
 しからば、内需拡大策というのは具体的に一体どういうものがあるのか。これはまさに、日本の産業の構造の転換ということにつながりながら、景気の動向、消費が日本は六割も経済の中に占めているということを考えれば、本当に内需拡大というものがどういう形で進んでいくべきなのか。この内需拡大策についての御見解を大臣、お聞かせ願えれば有り難いと思います。大臣、答えられる用意があるなら是非お願いします。
#62
○国務大臣(二階俊博君) 我々は、地方の経済産業局等においてそれぞれの地域の経済状況等を常に調査をいたしておりますが、調査をするだけではなくて、関係者にいつも集まってもらっていろいろ状況を直接伺っておるところでありますが、沖縄を除いてそれぞれの局は、積極的にこの経済の不況からの脱却にそれぞれの企業の皆さんが頑張っておる状況が披瀝されておりましたが、我々は悲観に陥るだけではなくて、これからはどう対応していくかということを積極的に考えていくということがまず大事でありますが、どういう面でこれからやっていけるか。医療の面、介護分野におきましても新たな需要というもの必要でありますし、農業分野も、これは昨日も農業分野あるいは国際的な農業の進展等についての会合等をやらせていただきましたが、今後この内需産業としての期待というもの、私は十分ここらにも潜んでおるというふうに思います。
 そして、本年四月に未来開拓戦略というものを策定したわけでありますが、今後このような戦略に基づいて、現下の危機を突破していくために、中長期的に我々は我が国の経済の成長を実現できるように全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。
 なお、中小企業の場合には特に融資の面が極めて重要でありましたが、融資の面も昨日で保証六十万件を突破したと、こういうことでございますから、あらゆる面できめ細かく対応しておる、それらのことの実績は、形として、数字として必ず表れてくるというふうに思っております。必ずしも悲観をするだけではなくて、厳しい状況にあるということは、世界的に、国際的にそういう状況にあったわけでありますから、我が国にとってその中でも特に難しい状況の中に追い込まれておったことは数字が示しておったとおりでありますが、我々はそこからどう脱却するかということ、これを努力していきたいというふうに思っておるところであります。
#63
○増子輝彦君 制度の面とかいうものだけで本当に大丈夫なんだろうかと、内需拡大は私はそれでは全く起きないんだろうなというふうに今心配しながらお聞きしておりました。農業問題を含めた、農商工連携もせっかく指定はされたけれども、それを生かすものがないという大変な各地での私は悩みも聞いております。これについてはまた改めていろいろお話をさせていただきたいと思います。
 さて、本法に入っていきたいと思います。
 実は、秋田県の、これ地方の方ですが、方から、やっぱり今回の金融先物取引会社が倒産をいたしましたけれども、そこにおいての様々な被害が出たということも、鈴木陽悦議員の御地元ですが、そこからの情報もたくさん参っておりますし、全国各地、地方にも多くの被害が出ております。これは先ほど中谷議員もそういう問題も指摘をさせていただきましたが、これらの問題について、やっぱり私は、かなり行政の監督・監視体制に問題があったんではないのかなというような気がしているんですが、これらについて、地方にもかなりの被害者、これは前から我々も申し上げておきましたけれども、高齢者や独居世帯の独り暮らしの方やあるいは年金生活者という、特に弱い方々が大きな被害に遭っているという事例がたくさんあるわけですが、地方を特に考えてみたときに、行政の監督体制、監視体制に問題があったのではないのかなというふうに思わざるを得ませんが、今日までどのようなこの件について取組をしてきたのか、お答えを願いたいと思います。
#64
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 商品先物市場の健全な発展のために、個人投資家を含みます多様な参加者が安心して取引を行うことができる環境整備、これが極めて重要なことでございます。このため、経済産業省といたしまして、違法行為を行う商品取引業者に対します厳格な法執行に努めてきているところでございまして、その体制についても人員の増強など強化を図ってきているところでございます。
 具体的には、これは農林水産省もございますので、経済産業省と農林水産省の担当部署の合計でお答え申し上げたいと思いますけれども、こういった法執行のための体制といたしましては、両省合わせまして、合計平成十六年度に七十二名でございましたけれども、平成二十一年度には百四十一名まで増強をしてございます。また、地方につきましても増強を図ってきているところではございます。こういった人員の体制、あるいはそれぞれの体制、一人一人の職員の力を増していくと、そういったようなことが大事なわけでございます。
 今現在の商品先物市場、日本での先物市場の規模は、一番近いところで八十兆円余りというふうに承知をしてございます。そういった八十兆円を超えます規模の市場を監督する体制として、今申し上げましたような数字、これが十分かどうかにつきましては様々な御意見があるというふうに私どもも考えております。
 それでございますけれども、いずれにいたしましても、今後とも、この体制の充実に努めまして消費者保護に万全を期してまいりたいと、そのように考えておるところでございます。
#65
○増子輝彦君 しっかりと取り組んで今後ともいただきたいと思います。
 実は、不招請勧誘禁止の範囲について私もお尋ねしようと思ったんですが、中谷議員の方からこれについては質問をしていただいて御答弁をいただきました。その中で、再度確認をしたいと思うんですが、いわゆるロスカット契約、取引といいますか、これについてどういう取引か教えてください。
#66
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 ただいま先生からお話がございましたロスカット契約、通称でございますけれども、一般的には、あらかじめその委託者、例えば消費者でございますけれども、委託者が示しました損失の限度、この限度に達した際には、あらかじめ定められました方法によって委託者が保有しておりますその未決済の契約高、これが決済されると、言わばそこで終わりにすると、しまうという、そういう仕組みの契約を指すものというふうに承知をしてございます。
 不招請勧誘禁止の対象との関連で申し上げますと、るる御答弁申し上げておりますように、今般、取引所取引に関しましても、初めの投資額以上の損失の発生を防ぐ仕組みとなっている取引以外の取引について禁止の対象とする方針でございまして、このこととそのロスカット契約とが同様に語られることがあるわけでございますけれども、大切なのは、その契約そのものがロスカット契約と呼ばれるかどうか、そういったことではなくて、今申し上げましたような初めの投資額以上の損失の発生を防ぐ仕組みとなっているそういう取引なのかどうか、そういったことによって禁止の対象ということを判断していくということと考えております。
#67
○増子輝彦君 今の答弁が非常に大事だと思うんです。いわゆるロスカット取引というものを、まあ通称ですが、やればこれは被害が非常に少なくなると、取引所の中ではですね。だけど、これロスカット契約取引まがいというものが結構横行しているんだと思うんですよ。ここで被害を受ける方も多分たくさんおられたのか、これから出てくるのかという心配があります。ここのところは本当に、通称ロスカットということがちゃんと守られるのか、初期投資以上のものの損失は拡大しないというようなことをきちっとここは押さえないと駄目なんだと思うんです。これについてしっかりと対応はできることになるんでしょうか。
#68
○政府参考人(寺坂信昭君) ただいま先生御指摘のとおりでございます。ロスカットまがいといいますか、ロスカットのようなそういう名前で呼んで、だから、ロスカット契約は不招請勧誘の禁止の対象外なんだということで消費者、委託者、そういった方について誘いを掛けていくと、そういうことがあってはいけないわけでございまして、先ほども御答弁申し上げましたとおり、その契約、取引の内容が大事でございます。その内容につきましては、私ども日々の監督あるいは検査、それから個々に消費者センター、あるいは消費者相談室、あるいは国民生活センター等々、そういったところに寄せられますその相談の内容、そういったものは一つ一つしっかり見ていって、御指摘のとおりロスカットまがいのようなことで、結果的にその不招請勧誘の禁止対象が外れてしまう、それが緩くなってしまうというようなことにならないよう、これはしっかりと監視をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#69
○増子輝彦君 大臣、先ほども御答弁いただきましたし、衆議院の大島議員の質問に対しての答弁も大変大臣の力強い、はっきりとした答弁をいただいております。ここで、中谷議員の質問にも少しダブりますが、もう一度、ここだけはどうしても確認をしておきたいということで再度質問させていただきますが、今、寺坂さんからもお話があったとおり、取引所取引のうち、初めの投資金額以上の損失を防ぐ仕組みとなっている取引については不招請勧誘の禁止の対象としないという先ほど来の答弁があるわけですが、仮にこのような取引の被害が解消しない場合、どういうふうにするのか。そこを再度大臣の方から御答弁いただきたいと思います。
#70
○政府参考人(寺坂信昭君) 今の御質問でございます。一般個人を相手方とする取引につきましては、繰り返しでございますけれども、すべての取引所外取引のほか取引所取引につきましても、初めの投資金額以上の損失の発生を防ぐ仕組みとなっている取引以外のものを政令で指定して不招請勧誘を禁止する対象とする方針でございます。その後もその被害が解消しない場合には、一般個人を相手方とする商品先物全般について不招請勧誘禁止の対象といたします。
 その被害が解消しないかどうかについては、先ほども大臣から御答弁申し上げましたけれども、その被害の発生が限りなくゼロに近づきつつあるか否か、そういったことによって判断をいたしたいということでございまして、そういった被害が解消しているかどうか、これの判断時期につきましても、商品先物取引に関します被害の動向は常に把握をしてまいりたいと思います。そういった状況把握の中で、必要な場合には、一年といわず、もっと早期に判断することもいたしたいと考えているところでございます。
#71
○増子輝彦君 一年とは以内とはいわず解消されなければということで、そこは大事なんだと思うんですね。そこのところをしっかりと私は対応していただかないと、健全な市場もできないし、消費者も守ることはできないということになるんだと思うんです。
 ただ、今のような仕組みの中であっても、もし、引き続き被害がどうしても思ったより減らないと、やっぱり、なかなか相手は法の網をくぐって更にいろんな勧誘をしてまた被害者を出してくるということも考えられないわけではありません。ここのところが私は今回の法案の一番大事なポイントなんだと思うんです。
 やはり不招請勧誘の禁止を本来であれば全面的に掛けるべしという声も非常に多いんです。これはもう事実なんです。それだけの被害者の方もたくさんおられるわけです。確かに、前回の法改正から見れば減ったことは減ったわけですが、絶対数は依然として多いと。先ほど申し上げたとおり、そういう意味では、本当に弱い人と言っては失礼ですが、高齢者の皆さんや年金生活者やあるいは主婦や独り暮らしの方々や、こういう問題についての取引について全く知識のない方々がその被害に遭うということが極めて深刻な状況になっていることはもうよく御存じのとおりだと思います。
 是非ここのところを、大臣、再度大臣の決意をお聞かせ願いながら、私どもは消費者を守ると同時に健全な市場もまた日本にはつくっていかなければいけないという考え方も当然持っているわけですので、是非しっかりと経済産業省としては取り組んでいただきたいと。大臣、再度力強い御答弁をお願いしたいと思います。
#72
○国務大臣(二階俊博君) 衆議院でも今御紹介のありましたような御答弁を申し上げてまいりましたが、私は一年と言わずできるだけ早期に結論を出していきたいというふうに考えております。そして、我々も日常の仕事に追われておりますので、なかなか足を延ばして取引所にもお伺いするということは実際正直私はまだ一度もございません。今度、私も現場へも行かせてもらうと。そして、先ほど申し上げましたように、新しい責任者にも国会の質疑の状況、この生々しい質疑の状況を現地の仕事に携わる人たちも日常やっぱりこれを頭の中へしっかり入れておいていただかなきゃいけない。
 今、商品知識の少ないといいますか、十分でない方々を保護しなきゃいけない、これは当然のことでありまして、我々はそういう卑劣な行為を行うようなことをこのまま看過することはできない。ですから、新しく就任された江崎さんに対しましても相当の決意を持ってやってもらいたいということを申し上げておるわけでありますが、今後においても十分監視をして、必要があらばまた新たな法規制も考えていかなきゃいけないと思いますが、でき得れば現行、今回の法改正を基にして関係者が緊張感を持って対応してもらうということは厳重に申し入れるつもりであります。
#73
○増子輝彦君 終わります。
#74
○委員長(櫻井充君) 議事の進行上、申し上げたいことがございます。
 議事の進行は委員長に一任されているはずでございますので、指名はこちらで決めさせていただきたいと思っております。
 先ほどの点は、民主党の次の内閣の経済産業大臣に当たる議員からの質問でございました。大きな質問だと思っておりましたので、私の方で大臣に指名をさせていただきました。その点だけは御理解をいただきたいと、そう思います。
 引き続き質疑を行います。
#75
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎でございます。
 本日、午前中最後の質疑になると思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 毎度毎度私が質問をしているので、もう顔が飽きてこられたのかもしれませんが、我が社はちょっと一人転勤をしてしまいまして平社員が私一人になりましたので、御容赦をいただきたいと思います。
 若干論点が重複する点があるかもしれませんが、御了解をいただきたいと思います。
 まず初めに、中国あるいはインド等での商品取引が非常に大きく増大をしているという点について御質問をしたいと思います。
 我が国の商品取引所の取引高が著しく減少する一方で、中国やインドの商品取引所においては原油、銅あるいは鉄といった我が国産業にとって基幹的な資源が上場され、取引量も著しく増加しているというふうに伺っております。
 中国やインドにおいてこれらの資源価格が事実上決められるような場合、それらの国内情勢に左右され、資源価格で我が国の企業は事業活動を行うこととなります。それはまさに我が国企業の国際競争力を損なうことにもなりかねないという懸念があるわけですが、我が国の商品取引所の競争力を強化すること、これはまさに産業政策上も不可欠な課題であると考えますが、二階大臣のまず御所見をお聞かせをいただきたいと思います。
#76
○国務大臣(二階俊博君) 塚田議員がお述べになりましたように、近ごろは中国やインドの商品取引所の取引高が急速に拡大しておることは御承知のとおりであります。
 これらの取引所の中には、我が国では上場されていない鋼材、銅、亜鉛などが上場されている取引所もあります。現段階において、海外市場におけるこれらの重要物資の価格形成が我が国の企業の競争力を損なうような事態に陥っているとまでは考えておりません。しかし、産業の基盤となる重要物資について、我が国企業の国際競争力が損なわれるような価格形成が進むことのないように、我が国の商品先物市場が適切に機能することは極めて重要であります。
 さらに、我が国の中小企業等が、為替や使用される言語の負担なく商品価格の変動リスクを回避する手段として商品先物取引を利用しやすくするという観点からも、商品先物取引所の機能強化をするということは極めて重要なことだと考えております。
 以上のことから、我が国の商品取引所の国際競争力の強化は我が国の産業政策上極めて重要な課題であると、この認識の下に、商品取引所の問題について経済産業省としても今後積極的に関与してまいりたいというふうに考えております。
#77
○塚田一郎君 大臣からは、我が国産業政策上も非常に重要だと、これからも積極的に取り組んでいきたいというお答えをいただきました。
 それでは、実際、商品取引所の出来高ランキングというのを今拝見をしているわけですが、どれぐらい今動いてきているかといいますと、平成十六年、東京工業品取引所は世界第三位の位置付けでありました。これが十八年には六位、そして平成二十年にはついに十位ということで、ベストテンランキング落ちしそうな状況になっているというわけであります。
 一方で、十六年時点では、東京の三位以上の取引は、中国では、ニューヨークを除くと大連の商品取引所だけだったんですが、これが平成二十年になりますと、ベスト十の中に、二位の大連、そして三位の鄭州、六位の上海、さらにインドのマルチ商品取引所がこれ八位ということで、十位の中にアジアからこれだけの多くの取引所がランキングをされている。それだけ大きく取引高を伸ばしている、出来高を伸ばしているということが分かるんですが、それでは、この近年の出来高の増加、特に中国、インドにおける目覚ましい出来高増加の理由について経済産業省はどのように分析をされているか、御説明願います。
#78
○政府参考人(大下政司君) 御指摘いただきましたとおり、世界の商品先物市場の出来高は急速に拡大しておりますが、その中でも特に中国、インドの取引所の出来高が伸びているということは御指摘のとおりでございます。
 この背景といたしましては、中国、インド等の経済成長によりまして資源や食料等の需給構造が変化したことや、年金基金やインデックスファンドなどの新たな市場参加者が登場したことなどが挙げられております。
 特に中国、インドの取引所が伸びている理由ということでございますが、このような商品取引所は事業者や金融機関を始めとする利用者のニーズを踏まえた商品設計や取引システムの整備を行うなどの経営努力を行っております。さらに、中国、インド等の取引所については、その経済発展に合わせて投資人口が急速に拡大しており、これが取引量の急増に貢献しているというふうに承知をいたしております。
#79
○塚田一郎君 今、資源、食料に対する需要もさることながら、年金ファンド等の投資も伸びているというような御説明があったわけでありますが、もう少し詳しく、実需と投機ということで考えるとどれぐらいのバランスになっているということが分かれば御説明をいただけますでしょうか。
#80
○政府参考人(大下政司君) ただいま手元に統計があるわけではございませんけれども、基本的には商品取引所は商品の需給を反映して価格変動するということが基本でございますが、近年は年金基金などのような投機資金の流入があって、これが資源価格の急騰あるいは急落の原因の一つになっているという指摘が行われているところでございます。
#81
○塚田一郎君 是非、実需が伸びているという要素は当然あると思うんですけれども、中国などは非常に投資ブームがこのところ進んでいるということでありまして、株もそうですが、昨年のリーマン・ショックで大分そこは価格が調整に入っているようでありますが、今後もこうした投資的な商品取引の増大というのが目立ってくる可能性もありますし、これだけ取引所がリストアップされてランクしているということは、そういう部分も否定できないと思いますので、その辺についても今後とも注視をしていっていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。
 先ほど中谷委員からも御指摘がありました、世界全体では約四倍の増加にもかかわらず、日本では三分の一という状況であります。こうした状況下で、これは経済産業省では先ほど御説明をいただいたわけですが、農林水産省に関しても、我が国商品取引のこうした管理を行っていただいているわけで、それぞれの省にお伺いをしたいんですが、まさにこうした出来高の減少の理由をどう分析しているか、そしてこれらの商品取引競争力の強化のために、政府としてどのような取組が必要だと考えているか、それぞれ御説明いただきたいと思います。
#82
○政府参考人(平尾豊徳君) お答え申し上げます。
 世界の農産物の商品先物市場でございますけれども、委員御指摘のとおり、シカゴのほかアジアの商品先物市場、非常に拡大しているわけでございます。例えば、シカゴの商品先物取引所では、ここが世界の穀物関連の価格指標を形成するというふうなことが一般的に言われているわけでございますけれども、二〇〇四年から二〇〇八年の五年間で出来高が二・五倍になっておるわけでございます。
 一方、じゃ国内はどうかということでございますけれども、我が国の商品取引所における農産物の出来高でございます。これは、二〇〇四年が大体三千万枚強でございます。その後、急速に実は減少しておりまして、二〇〇八年度ではその五分の一程度になっているというふうなことでございます。
 こういうことをどのように分析しているかというふうなことでございます。
 まず、我が国の商品市場と外国の商品市場を比べましたところ、まず第一に、商品先物市場が非常に国際化が進んでいるという状況の中で、それに対応した我が国の取引システムについては電子システムの高度化が進んでいない、あるいは取引ルール、商品設計の見直しが十分でなかったというふうなことから、金融機関等の大口投資家の呼び込みができていなかったというふうなことがまず一つだと思います。それから、あわせまして、個人投資家を中心とした市場構造になっているというふうなこと。もう一つは、取引上の損失をめぐるトラブルが非常に多くて、最近は減っておるわけでございますけれども、そういうことから先物取引に対します否定的な評価が非常に根強いというふうなことが背景にあるというふうに理解しております。
 こういうことを踏まえまして、今回の法律改正でもきちんとした我が国の商品取引所が機能を発揮するというふうなことができるように、より使いやすく、さらに透明性が高く、トラブルのない商品市場が形成できるような措置をとっているところでございます。
#83
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 商品取引所の出来高の推移は先生御指摘のとおりでございまして、その主な原因といたしましては、ただいまの農林水産省さんと重なるところでございますが、取引所の魅力が欠けていて、具体的には、上場商品の品ぞろえやあるいはシステムそのもの、それから取引ルール、関連サービスの充実といった、そういったもろもろの面での使い勝手、利便性が十分ではないといった点が挙げられます。
 また、商品取引業者の信頼性が欠けていて、その結果、商品先物取引全般に対します不安感があること、そういったことなどから、事業者などのプロの商品先物取引への参加が十分に進んでいないということもその要因になっているというふうに考えてございます。
 今回の法案におきましては、商品取引所がその創意工夫により上場商品の品ぞろえの多様化などを図りまして関連サービスが充実させることができる、そういう制度としているところでございます。また、いわゆるプロ・アマ規制の導入も行います。
 それから、取引所自身の取組というものも進めてきているわけでございまして、こういった、経済産業省といたしましては、このような環境整備と、それから商品取引所などの関係者の努力とが相まちまして、我が国の商品取引所が利用者のニーズにこたえ、安全なそういう信頼のある市場として本来の機能を発揮する、そういうようなことになることを期待しているところでございます。
#84
○塚田一郎君 今回の法改正を踏まえて、まさに使いやすい、透明性のある、トラブルの少ない市場をつくっていきたいということの御説明でありました。
 個人に比べて大口投資家が少ないというような農水省からの御指摘があった、大変興味深い点です。株式市場などはむしろ個人取引が少ないというような指摘もありますし、逆に言えば、これから大口のそうした取引を確保できるようになれば我が国の商品市場は非常に有望だということの裏返しにもなるわけでありますので、是非頑張っていっていただきたいというふうに思います。
 今農水省からのお話であった、使いやすさということにつながるんだと思いますが、利便性向上のために東京穀物商品取引所の取引システムを東京工業品取引所の取引システムに一体化することが重要ではないでしょうかという指摘であります。
 取引システムの一本化に関して、農林水産省はどのような御見解でしょうか。
#85
○政府参考人(平尾豊徳君) お答え申し上げます。
 取引システムについての東京穀物商品取引所と東京工業品取引所との統合の件でございます。
 私ども、先ほど申しましたように、商品先物市場が活性化して使いやすくなるというふうなことのためには、やはりこの取引システムをより使いやすいものにしなきゃならないというふうな認識を持っております。さらに、このことについては、取引所自体も非常に深刻に考えておるわけでございます。
 そういう観点から、東京穀物商品取引所は今年の四月に中期経営計画を作っております。その中で、この取引システムについては、二〇一〇年、来年でございますけれども、の十月を目途に、東京工業品取引所と取引システム等を共同利用する方向で準備を進めると、そのことによって取引参加者の利便性の向上とコストの軽減に努めるというふうな計画を作っておりまして、これに向けて今進んでおるわけでございます。
 私ども、この中期経営計画に基づいて東京穀物商品取引所がしっかり機能強化を図り、利便性の向上を図られることを期待しておるわけでございまして、そのことについてしっかり指導してまいりたいと思っております。
#86
○塚田一郎君 取引システムの統合は世界的にはスタンダードだと思いますので、是非早く進められるようにお願いを申し上げます。
 また、次の論点に入りますけれども、流動性の拡大を目指していくということは重要なんですが、同時に、先ほども御指摘が出ておりますが、市場の透明性が確保されるということが大変重要であります。
 昨年の原油価格の高騰というのは大変記憶に新しいわけですが、この局面で百四十ドルぐらいまで行ったわけですね、百四十五ドル二十九ですか、まで最高値が行ったわけでありますけれども、バレルが。まさに投機マネーが非常に大きく影響したというふうに指摘をされていますが、その後の分析も含めて、この原因について改めてお伺いをしたいと思います。
#87
○大臣政務官(松村祥史君) 原油価格につきましては、昨年七月に、御指摘のとおり、最終値で百四十五ドルという最高値を付けたところでございますが、その後急落をいたしまして、十二月には三十ドル台まで下落をしたところでございます。また、その後緩やかに上昇をいたしまして、現在は七十ドル前後で推移しているものと承知をしております。
 先生御指摘の原油価格高騰につきましては、需給要因、産油国での政情不安に加え、これらの要因によりまして価格が上昇することを見込んだ金融市場からの資金の流入といった複合的な要因によるものだと考えております。
 また、資金流入の要因といたしまして、昨年来のサブプライムローン問題の表面化以降、世界的な株式市場の低迷、債券利回りの低下から、新たな資産運用先として商品先物市場への投資が進んだものと考えております。このように分析をしております。
#88
○塚田一郎君 実需と投機が一体になったという話はよくお伺いするんですけど、前にもちょっと御指摘をしているんですが、どれぐらいが実需でどれぐらいが投機かと、一概に言えない部分があると思うんですが、この辺はその後もう少し分析が進んでいるのではないかと思うんですが、参考人の方でも結構ですけれども、その辺、どういう影響があって、その百四十五ドルなんというのはこれはまさに投機の金が入ったために行ったと思うんですが、その辺、もう少し御説明いただけたら補足願います。
#89
○政府参考人(北川慎介君) お答え申し上げます。
 今年のエネルギー白書でその点は分析をしてございまして、昨年、先ほどございました百四十七ドル、このような乱高下を示したわけですが、これにつきまして、需給によって決まりますファンダメンタルな価格と、それから金融要因などによるプレミアムというように分けて分析をいたしました。
 白書で試算したところによりますと、特に昨年の第二・四半期、これは一番高くなったときでございますけれども、このときの平均値が大体一バレル百二十四ドルぐらいだったわけでございます。これの中でプレミアムという部分が大体六十ドル以上を占めているというふうに分析をしてございます。したがいまして、半分ぐらいがそのプレミアムといいますか、金融的な要因も含めた、ファンダメンタル以外のところではないかと分析をしたわけでございます。
 その後、価格は急落してございます。それに伴いまして、プレミアム、急激に減少いたしまして、この一月、先ほど三十ドルぐらいになったという御説明がございましたけれども、その際にはファンダメンタルの価格とほぼ同水準というふうに考えておるわけでございます。
 最近また上がってございます。これはまた金融要因によるものがあるのであろうと考えてございます。
 以上でございます。
#90
○塚田一郎君 今、最大五〇%ぐらいまでプレミアムの要素が考えられるということですから、今後もまたそうしたことが起きないとは限りませんし、既に原油価格がまた大分上がってきております。七十ドル・バレルぐらいまで、近いところで来ているようですが、週末に地元のガソリンスタンドを見るとやっぱり百二十二円ぐらいですかね、百二十円を超えたレギュラーガソリンの価格で、またちょっと高くなってきているので懸念をしておりますので、その辺よく注視をしていただきたいということと。
 実需はともかくとしても、投機マネーの影響で原油や食料品の価格が乱高下することは大変に我々の生活あるいは産業にも大きな影響があるということになるわけですが、これらのことについて政府としてどのような取組が行われているのか、経産省と農水省、それぞれ簡単で結構です、御説明願います。
#91
○政府参考人(平尾豊徳君) お答え申し上げます。
 まず、農産物でございます。
 委員御指摘のとおり、農産物の国際相場は実は二〇〇六年から二〇〇八年にかけて上昇し、二〇〇八年に過去のピークに達したわけでございます。この原因にはいろいろあるわけでございますけれども、商品市場への投機資金の流入というのも指摘されておるわけでございます。
 このことについて、やはり国民あるいは人類の生活に非常に影響があるというふうなことで、昨年のG8北海道洞爺湖サミットで議論されました。また、これに加えまして、今年の四月にG8農相会議でも取り上げられたわけでございます。特に、今年の四月のG8農相会合におきましては、投機を含めて商品市場における価格の不安定性に潜在的に影響を及ぼす要因について、モニタリングと更なる分析が行われるべきというふうな最終宣言が盛り込まれておるわけでございます。
 こうしたことを受けまして、私ども昨年十月末に、農林水産省と経済産業省とが共同でアメリカの商品先物取引委員会との間において情報交換のための取決めを締結し、また今年の五月には、イギリスの金融サービス機構との間で同様の取決めを締結しているところでございます。こういうことによりまして、相互に商品先物市場における規制政策などの情報交換やあるいは相互協力を行うこととしております。
 また、これを実効あらしめるために、今回の改正法案におきましては、各国の商品先物規制当局と連携して監視を行うための情報交換が可能になるような規定を整備しているところでございますし、また国内的にも、相場が過熱したときには緊急時に証拠金の引上げができるような措置もしているところでございます。
 そういうことを併せまして、私どもはしっかり監視をして対応していきたいと思っております。
#92
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 原油や食料品など、その価格が決定されます商品先物市場につきまして、その透明性の向上が国際的に重要な課題と認識してございます。
 我が国といたしまして、国際的な取組といたしましては、四月のアジア・エネルギー産消国閣僚会合におきまして、商品先物市場の監視の強化や透明性の向上に関しまして、規制当局に更なる協調行動を要請することにつき、参加国から賛同を得られたところでございます。
 続きまして、五月にローマで開催されましたG8エネルギー大臣会合におきましても、そうしたアジア・エネルギー産消国閣僚会合の結果に参加国の賛同が得られ、商品市場の透明性の向上や店頭市場の監視の強化に向けました関係当局による努力を支持し、更なる協調行動を検討する旨が共同声明に反映されたところでございます。
 商品先物市場におけます二国間あるいは多国間についての協調については、先ほど農林水産省さんからお答えしたところでございますけれども、さらに、今回の法案におきましては、国内の公正な価格の形成に関する取組を強化するために、一定程度の数量を超えます取引を行っている者につきまして、その状況を政府に対しまして報告、その状況について商品取引所が政府に対して報告をすると、そういうことを課したり、あるいは相場が異常に加熱しているような局面におきましては、政府が商品取引所に対しまして証拠金の引上げ等こういったことが法律的に命じることができるよう、それを可能といたします規定を設けるなど、一層の規制の整備を行っているところでございます。
 今後とも、こうした取組を通じまして、商品先物市場の監視の強化や透明性の向上に努めてまいりたいと考えております。
#93
○塚田一郎君 それに関連して、今年の三月に、証券監督者国際機構の方で最終報告書が公表されているようでありますが、簡潔で結構ですが、その勧告内容についての概略を御説明願います。
#94
○政府参考人(大下政司君) 洞爺湖サミットにおける合意を踏まえまして、昨年十月に各国の先物規制当局から成ります証券監督者国際機構、IOSCOと呼んでおりますが、ここに商品市場タスクフォースというものが設けられまして、今年の三月に報告書が報告されたところでございます。
 その報告書の中身でございますが、各国の規制当局がより適切に市場を監督し、当局間の協力をより進めるという観点から、まず第一として、各国規制当局が取引所外の商品市場につきまして情報をより適切に把握できるようにすること、二番目に、一国又は複数国の現物市場や店頭市場を利用するなど複雑な手法による相場操縦行為への対応を行い得る法制を整備すること、三番目に、規制当局間の協力を更に推進することなどが重要であるという勧告が行われたところでございます。
#95
○塚田一郎君 先ほど来から各国連携というお話も出ておりますけれども、エネルギー市場などの現物需給情報の整備を進める必要性ということも指摘をこの勧告の中でされているということでありますが、我が国としてはどのように取り組んでいくつもりか、経産省、お願いします。
#96
○大臣政務官(松村祥史君) 石油価格の乱高下を抑制し、市場の安定化を図るためには石油データの透明性を確保することは極めて重要なことだと考えております。こうした観点から、二〇〇三年に石油データ共同イニシアティブ、いわゆるJODIが創設され、世界各国から原油及び石油製品の需給情報等を収集し、その内容を公開する体制が整っておるところでございます。
 本年四月に我が国が開催したアジア・エネルギー産消国閣僚会合や五月にローマで開催されたG8エネルギー大臣会合におきまして、JODIを継続することに加え、報告対象データに上流、下流の生産能力や天然ガスを追加することの重要性が合意されました。我が国におきましても、これらの会合の成果を踏まえまして、JODIの継続と拡大について、各国と連携しつつ、積極的に推進してまいる所存でございます。
#97
○塚田一郎君 いろいろ御説明をいただきましてありがとうございました。
 為替は、従来から非常に各国で為替相場というのを注視をしているんですが、為替のボラティリティーもそれなりにあるわけですけれども、まだ百円近辺でドル・円であればずっと推移をしているわけですが、一方、商品市場は、先ほどの原油価格の例にもあるように非常にボラティリティーが高いわけですね。逆に言えば、少しの投機のお金で非常に大きく値がつり上げられてしまう、それぐらいの相場状況があるということなんで、むしろこれからはこうした商品取引の時代だと言われていますので、世界的にこの商品取引の監視体制というのを強化をしていっていただくという時期にいよいよ来たんだなと私自身は思っております。その意味で、今いろんな試みについて御説明がありましたが、是非、引き続きこうした連携を強化をしていっていただきたいということをお願いをさせていただきます。
 次に、商品取引所の規制緩和で温室効果ガスの排出量及び金融商品等の市場開設などが、兼業が可能になるということですが、商品取引について具体的にどのような商品の新たな上場が想定されているのか、御説明願います。
#98
○政府参考人(寺坂信昭君) 本法案におきましては商品取引所の競争力強化のために上場商品に関します規制緩和の規定を設けているところでございます。
 具体的には、一つは、金融商品取引所との相互乗り入れを可能とすると、そういったことがございます。それから、ただいま御指摘ございましたように商品取引所の兼業業務でございますけれども、その兼業業務といたしまして排出量に関します、温室効果ガスの排出量に関します取引等、これを行うことを可能として、さらに三つ目に、手続の関係でございますけれども、株式会社の商品取引所が新規に商品を上場する場合には、株主総会の特別決議を必要といたします定款の変更ではなくて業務規程の変更をもってこれを行えるようにしたと、そういった手当てをしてございます。
 東京工業品取引所におきましては、その魅力を向上させるために既に軽油取引、これの再開や、あるいは商品指数、これの上場につきまして検討を開始しているというふうに承知をしてございます。今後、取引所におきまして、本法案におけます規制緩和を踏まえまして金融商品や排出量取引に関しましても既存の金融商品取引所での取引状況、あるいは例えば排出量に関しましては東京証券取引所などにおきましてこれを取扱商品とすることについて検討が進められているというふうにも承知をしてございます。
 そういった検討状況などにも留意しながら具体的な検討が進められていくものというふうに考えているところでございます。
#99
○塚田一郎君 規制を緩和してこれからいろんなそうした上場が増えてくるだろうということだと思うんですが、やはり品ぞろえがそろうということは商品取引所の活性化にもつながるので是非取り組んでいっていただきたいんですが、海外の商品市場は既に排出量、電力、天候などが上場されているというふうに伺っていますが、こうした状況、実態はどんなふうに把握されているのか、御説明いただけますか。
#100
○政府参考人(寺坂信昭君) 海外におけます排出量あるいは電力、天候、こういったものに関する取引の実態についての御質問でございます。
 まず、温室効果ガスなどの排出量取引に関しましては、イギリスにありますインターコンチネンタル取引所、あるいはアメリカのシカゴの天候先物取引所でございますけれども、天候先物取引所などに上場をされております。それで、その規模でございますけれども、世界の先物業者の団体でございます世界先物業協会、FIAと呼んでおります、そこの数字によりますと、二〇〇八年で世界における取引量、これ数量でございますが、三百万枚で伸び率は前年比の二・六倍でございます。三百万枚のイメージでございますが、世界におけます商品先物取引量に占める割合といたしましては〇・二%、そういった規模でございます。そういうふうになっていると承知をしてございます。
 次に、電力でございます。電力の先物につきましては、ニューヨーク商業取引所、俗にNYMEXと呼んでおります、そこや、オーストラリアのシドニー先物取引所、こういったところなどに上場をされております。先ほどと同じくFIAの数字によりますと、二〇〇八年で取引量は約四十三万枚、伸び率は前年比一・一倍、ですから一〇%の伸びということでございます。一・一倍となってございまして、商品先物取引全体に占める割合は、これは〇・〇三%でございます。
 それからもう一つの、天候デリバティブ取引でございます。天候デリバティブ取引につきましては、シカゴ商業取引所、CMEや、先ほども申し上げましたシカゴの天候先物取引所、ここで上場されてございます。同じくFIAの数字でございます。二〇〇八年の取引量は約二十六万枚、これは前年比で見ますと、実はマイナス四・六%、約五%のマイナスでございます。それから、世界全体の商品先物取引量に占める割合は約〇・〇二%となっております。
#101
○塚田一郎君 まだまだ大変小さな割合しかないということはよく理解できました。
 最後の質問にさせていただきます。
 プロ・アマ規制に関してでありますが、プロ・アマ規制を商品先物取引に導入するねらい、そして金融商品取引におけるプロ・アマ規制との相違点について御説明をお願いします。
#102
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 今回の改正法案におきまして、御指摘のプロ・アマ規制を導入いたします趣旨は、アマと呼ばれるそういうお客様に対しまして十分な保護を実現するとともに、我が国の商品先物市場のいわゆるプロ市場化、こういったことを推進する観点から、プロのお客様に対してはその商品先物市場の利用を円滑すると、そういうことにあるというふうに考えてございます。
 このプロ・アマ規制におけますプロとアマの区分を始めといたします基本的な考え方は、既にございます金融商品取引法の規制と同様でございます。すなわち、プロはおおむね機関投資家やあるいは金融機関、あるいは大企業、そういったものを言いますし、アマという区分は、おおむね個人や中小企業の方を言うものと考えてございます。
 ただ、金融商品取引とは違いまして、この商品先物取引の場合に、事業の中でその商品、上場された取引の商品ですね、その商品の生産や売買を行っていて、それからその商品の需給状況や季節性といった、言わばその商品に関します知識、これを有しておって、それに伴ってヘッジ取引、これを行う方が存在するわけでございます。そういった方につきましては、この法案では当業者と呼んでいるわけでございますけれども、こういった当業者の方に関しましては、これは金融商品取引にはない概念でございますので、こういった方については投資目的で取引を行う方よりも若干広い範囲のプロ、広い範囲の方をプロとして位置付けるということが可能となるような、そういう制度としているところでございます。
#103
○塚田一郎君 ありがとうございました。
 こうしたプロ・アマ規制もきちっとやっていただくことがより透明な市場、そしてまた、投資を行う方にとっても重要でありますので、引き続き頑張っていただきたいということと、あわせて、やはり商品取引所の日本の東京の地位が非常に低下してきているという現状からの起死回生であります。為替じゃないですけれども、やはり東京は世界の主要市場の一つとして、まさかベストテン落ちすることのないように、これからも是非こうした改正を踏まえて頑張っていっていただきたいということをお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#104
○委員長(櫻井充君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ─────・─────
   午後一時十九分開会
#105
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#106
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ちょうど三年前でございます。商品先物取引の改正は、財政金融委員会におきまして、証券取引法等の改正の際に一緒に審議をいたしました。
 実は、私はそのとき経産副大臣を務めさせていただいておりまして、財金に三日間ほど呼ばれまして、大変スリリングな三日間を過ごしたわけでございます。こちらにお座りの櫻井委員長が当時民主党の筆頭理事でいらしたと思います。
 それで、忘れられないくらいなんですね。一番始めに櫻井、当時理事でいらっしゃいましたけれど、御質問で、いろいろありましたけれど、大事な不招請勧誘の禁止、特にこれでありますけれど、松さんは経産の副大臣かもしれないけど、その前に一人の国会議員なんだと、公明党の参議院議員でしょう、だから一人の国会議員としての、役所の書いたものを読むなと、こうおっしゃいまして、自分の言葉で答弁しろと、こういうふうに、最初でございました、これが。それで私は、途中まで読みましたけれども、こうひっくり返して置きまして、ここからは私の個人的見解でございますと、こういうふうに申し上げて、以下、自分の思っていることを申し上げました。
 当時は、やはり役所の立場といたしましては、改正施行されてまだ間がないということでもう少しお待ちいただきたい、この結果が出てから更にまた被害等々が、これがという問題が出てきたらきちっとこれはまたそのときに対処させていただきますけど、今回ではまだ間がないということで申し上げました。
 ただ、個人的な見解といたしましては、やはり国内あるいは海外の規制がばらばらだという、人間は厳しい方から緩い方へどうしても行ってしまうということがありますので、海外が緩いということになりますと海外の先物取引にいろいろな被害が増えてしまったり、そういうことになると私は心配なので、その不招請勧誘の禁止ということも私個人的にはありではないかというようなことを申し上げたんです。そうしたら、すごく櫻井理事がお褒めいただきまして、でもそれは褒め殺しだったんじゃないかと後で思うんですね。
 それ以来、三日間、いろんな方が質問に立たれましたけれど、通告があったのはその一問たしかだけぐらいで、ほとんど皆さん通告なしの質問だったんですね。ですから大変スリリングで、もう、えいっ、一か八かだ、通告ないということは答弁書がないんですよ、要するに。ですから、私の当時の秘書官が五年間は寿命が縮まったと、こう申しておりましたけれども。
 自分が思うこと、感じたこと等を一生懸命に発言をさせていただいたということを覚えておりまして、ちなみにその後もまだありまして、たまたまその後に公務でイギリスへ行きましたら、金融取引所だからここはもうこうやっているのを見ているだけでいいですよといって行きまして、あっ、そう、じゃもうこれから、いろいろな公務が終わりまして、ここはもう見学だけですということで行きましたら、何と金融ではなくて金属先物取引のところに連れていかれました。
 それで、初め、おかしいな、現場じゃないな、応接間みたいなところ通されたなと思いましたら、ずらずらっと向こうの方が出てきていろんなことを話すんですね。でも、私は英語は、自慢じゃありません、できないんですけれど、できない私でも何か金属って言ってないかなと思って、隣の課長に小さい声で、ねえ、金属って言ってないと言ったら、言ってますと言うんですね。つまり、先物取引所でありまして、いろいろなことをお話しになったと。はい、副大臣どうぞと、こういうふうに私に振られたんです。
 で、私はあの三日間ぎゅうぎゅう言わせられたあれが役に立ちまして、いや、貴国は国内、海外の規制が同じだというふうに伺っておりますけど、私どもの国は違うと、不招請勧誘の禁止ということもこれから視野に入れていかなければいけない等々のことを結構いろいろしゃべれたんですね。後で聞きましたら、課長が不招請勧誘の禁止というのはどうやって訳そうかと悩んだというふうにおっしゃっておりましたけれど、まあ思わぬところで、行きまして、ですから、もちろんその金属先物取引の現場にも足を運んで見せていただいたわけでございます。ちょっと長くなりましたけれども。
 今回、実はその後、私も選挙がありましたりいろいろ忙しくばたばたと過ごしておりまして、改正というこの間に、この不招請勧誘の禁止がすべてに入ったわけではなかったということを今回ようやくまた再びしっかり勉強いたしまして、さはさりながら、役所的にも精いっぱい私どもの言うことを聞いていただけたかなという思いもいたしているところでございます。
 しかし、この十八年の改正以来、業務停止命令等の数、これも急増しました。商取法に基づいた規制や刑事罰をもって対処に臨む、これなんか私は、悪質な業者を退場させて健全化に努めた、これはすばらしいこと、どんどん本当はこういうことはやるべきだと、こういうふうに思っております。しかし、委託者トラブルというものは過去五年間で五分の一程度に減少はいたしましたが、やはり先ほどから出ておりますロコ・ロンドンまがいの取引等で海外先物取引等に関する苦情相談件数等がやはり近年、ここ増加をしているというふうに私も聞いておりますし、承知をいたしております。
 今回の法案では、委託者トラブル防止のために不招請勧誘の禁止規定を導入をいたしましたが、これで委託者とのトラブル、解消ができるのでしょうか、まずお伺いをしたいと思います。
#107
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘ございましたように、今回この法案におきまして、顧客からの要請なく一方的に勧誘を行ういわゆる不招請勧誘、これを禁止する規定を設け、対象を政令で定めることとしております。
 繰り返しでございますけれども、具体的には、一般個人を相手方とする場合には、すべての取引所外取引を禁止対象とするとともに、取引所取引についても、初めの投資金額以上の損失の発生を防ぐ仕組みとなっている取引以外のものを禁止対象とする方針でございます。
 このような措置に加えまして、業者に対する厳格な法執行を引き続き行うことによりまして、一般個人を相手方とする被害は抜本的に解消していくものと考えておりますが、しかしながら、その後も一般個人の被害が解消しない場合には、一般個人を相手方とする商品先物取引の全般について不招請勧誘の禁止の対象といたしたいと考えてございます。
#108
○松あきら君 かなり前向きな御答弁を今いただいて、非常にうれしいというふうに思っておりますけれども、やはりこの商品先物市場は、価格変動のリスクヘッジや価格形成という事業者にとって大変重要な機能を持っているわけですね。
 我が国は、一六二〇年代で、大阪の米問屋淀屋というところが日本で最初の先渡し取引、これは相対取引だそうでございます、これが行われました。差金決済、この決済を含んだ世界初の先物取引は一七三〇年に大阪の堂島米会所というところで誕生したわけであります。すなわち、江戸時代には世界に先駆けて整備をされた先物取引市場があったということで、これはすごいことだなというふうに思っております。
 しかし、日本も、先ほども塚田先生おっしゃっておりましたが、ここのところ本当に日本は残念な状況でありまして、大体十六年ぐらいまでは世界で二位か三位に付けていたんですね。でも今、中国やインドがもう非常に台頭してきておりまして、日本の地位は低下をしていると。例えば中国などは、もちろんその人口は十倍多いわけでございますし、ギャンブルもないんですね。ですから、パチンコもないし、競馬は香港にはあるけれども、最近、大連とか天津にできたそうですけれども、どちらかというと個人の投資家が多いということは、そうした個人の方たちがそれぞれのそういう少し思いもあってやっていらっしゃるのかとは思いますが、しかし、このまま中国の取引所に世界の取引が集中してしまって、商品の価格形成も中国中心になってしまう、これも私は非常に問題があるのではないかと。やはり我が国は国際競争力強化のために再びプロ市場化を整備していくことが急務ではないかと思うんです。
 これに対してはもう一回審議官、御答弁いただけますでしょうか。
#109
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、商品先物市場の本来的な機能といたしまして、公正な価格形成あるいは事業者の方の価格変動リスクをヘッジをする、そういった本来的な機能がございます。そういった本来的な機能を発揮するためにも、信頼される市場を形成するということが極めて大事でございます。
 そういった意味で、委託者保護を始めとするそういった委託者、消費者の方の保護と、そして競争力を強化する、プロの方にとっては円滑な利用が可能になるような、そういう市場形成をしていくということが大切でございまして、今回の法改正、もとより取引所あるいは関係者の努力によりまして産業インフラとしての商品先物市場の本来的な機能がしっかり発揮できるような、そういう市場にしていくということが大切なことだと考えてございます。そのように努力してまいりたいと考えております。
#110
○松あきら君 よろしくお願いいたします。
 消費者、特に個人のそうした消費者を守るとともに、やはり国際競争力には勝っていきたい、やはり日本がそうした意味では私はもっともっと頑張らなければいけないというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本当は、特にお年寄りの、社会的弱者と言われる高齢者の方たちが自分の資産以上に過剰な投資を行わないような本来は規制というものも必要かなと思ったんですけれども、お金持ちの高齢者もいらっしゃいますし、どうやって資産を、じゃそれを把握するんだということもあるので、これは少し難しいかなと思いまして、それでこの次なる提案をこれ最後にさせていただきたいと思います。
 それは、ドント・コール・レジストリーという、アメリカであります電話勧誘拒否登録制度、これが実はアメリカではあります。この制度は二〇〇三年に連邦通信委員会、FCC、連邦取引委員会、FTC、この共同運用によりまして発足しまして、業者からドント・コール・リスト登録者に対して電話勧誘を行うことを禁止するんです。これはもう非常に、この電話勧誘を行おうとする業者はこのリストを有料で購入しまして、自らの電話勧誘名簿と照らし合わせて削除しなきゃいけない。無差別の電話勧誘はもう不可能になるんです。ですから、もし登録者が電話勧誘を行った場合は一件最高一万一千ドル、大体百二十万円の罰金が科せられます。登録数は二〇〇八年十月現在で一億七千二百五十二万件だというそうでございます。これが、ドント・コールという制度が使われますと、不招請勧誘で使われる、例えば先物取引だけじゃないですね、すべてのものに対する電話勧誘のトラブルはもう激減する、大幅に減らせると私は思う次第でございます。
 この制度を導入するとなると、多分消費者庁が所轄官庁になるのではないかと思いますが、私は是非これを導入すべきではないかと、こう考えますけれども、最後に大臣、いかがでございましょうか、これについてもし大臣のお考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
#111
○国務大臣(二階俊博君) 衆議院におきましても同趣旨の御質問がございましたが、アメリカにおいて商取引横断的に迷惑電話勧誘を希望しない電話番号の登録制度が導入されていることは承知をしております。このような制度は、事業者の営業の自由を確保する観点から、議論はあるとは思いますが、消費者の立場を守るという観点から、消費者にとって煩わしく、また悪質商法のきっかけになる迷惑電話による勧誘を抑止し得るためにこのような制度の導入の是非については有効な方法の一つとして十分検討に値するものであると考えております。この点につきましては、少しチームでも組んで真剣に検討してみたいというふうに思っております。
 アメリカにおけるこの制度については、商品先物に限らず、取引一般について電話勧誘を希望しない者を対象として制度化されており、我が国における導入の是非については、消費者関連取引全体の制度の在り方の一つとして、これは他省庁とも連携を取って考えていくべきことだというふうに思っておる次第であります。
#112
○松あきら君 大臣、大変前向きな御答弁、ありがとうございました。
 終わります。
#113
○松下新平君 改革クラブの松下新平です。
 早速ですけれども、本日の議題であります商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 限られた時間でもありますので、私は、その中からエネルギー関連に関して三問御質問を用意いたしました。また、最後には、大臣の方から商品先物市場の健全な発展について決意をお伺いしたいというふうに思っております。
 それでは、まずエネルギー関連に関して三問質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一問ですけれども、我が国におきましては、昨年十月から元売各社がガソリン卸値を決定する際の方法が東京工業品取引所等の市況に連動する方式に変更されたと聞いておりますけれども、経済産業省は我が国のエネルギー政策の観点からこれをどのように評価されているのかをお伺いいたします。
#114
○政府参考人(北川慎介君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、昨年十月以降、石油元売の各社は卸価格の決定方式を、原油コストなどの変動、これ月単位で考えてそれを反映させるという方式から、透明性向上といった目的によりまして、先物あるいはスポット価格といった市場指標に連動する方式へ順次変更してきておりまして、大手七社についてはこの七月でほぼ完了してきてございます。
 経済産業省といたしましては、このように市場指標に連動する方式に移行するということで小売価格がより透明で分かりやすくなると考えてございまして、消費者や需要家の納得も得られやすくなるものと考えてございますし、また石油産業界にとりましても、市場価格をベースとした経営や取引を行うことで生産あるいは供給の体制の効率化につながるという意義もあると考えてございます。例えば、特に中小のガソリンスタンド事業者の方からは、この卸価格の透明化ということで経営努力が一層発揮できる競争的環境が整ってきたというような評価も得ていると承知してございます。
 この卸価格の決定方法を行うようになった背景といたしましては、平成二十年度、審議会でございます総合資源エネルギー調査会石油分科会におきまして議論がなされまして、需給あるいは市況変動を適切に反映しました透明で公正な卸価格の決定方法の必要性が提言されてございます。今般、石油元売各社がこのように方法を変えてきたという背景には、このような議論を踏まえてのことであると理解してございます。
 経済産業省といたしましては、この新方式の趣旨が十分に発揮されれば国内エネルギー安定供給の基盤が一層整ってくるものと、このように考えてございます。
 以上でございます。
#115
○松下新平君 ありがとうございました。
 次に、午前中の議論でもありましたけれども、エネルギー価格の乱高下、原油の価格の乱高下で、昨年、営業を閉じざるを得なかったところも出てまいりました。その悪影響といいますか、私の地元でも、こういった生活の基礎となるようなそういったエネルギー関連はこの先物にはなじまないんじゃないかという声も出るぐらいなんですけれども、先ほどありましたように、江戸時代から日本が商取引を開始して、むしろ本来は計画的に安定的に営業、事業ができるようにというシステムだったんですけれども、それが昨年の原油の乱高下は逆の作用だったということをちょっと質問したいと思っております。
 先物取引のイメージが非常に悪いことも一因となって、我が国の中小企業を始めとするガソリンスタンドや流通業者は先物取引を利用していない現状にあります。ヘッジ取引を積極的に行うことによってエネルギー価格の乱高下による経営への悪影響を避けることができるのではないかと思うんですけれども、御見解をお伺いいたします。
#116
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおりでございまして、商品先物市場には原材料等の価格をあらかじめ確定できるという価格変動リスクのヘッジ機能が存在をするわけでございまして、それは本来機能の重要な機能でございます。中小企業などの事業者の方が商品先物市場を活用することによりまして原材料等の価格の乱高下による悪影響を回避する、それが経営の安定化につながると、そういった活用の仕方があるものというふうに認識しております。
 ただ、実際におきまして、この我が国の商品先物市場におきまして中小企業等の事業者による利用が十分に進んでいないという、そういう御指摘があることも事実でございまして、そういう利用が十分に進んでいないというその背景といたしまして、そもそも先物取引というものはどういうものなのか、何か難しいそういうようなものとか、あるいは、どうもここの先物取引に関係してしまうと何か難しいというか損をするとか、そういったことになってしまうんじゃないかというような、そういう意識がその背景にあるというような指摘があることもまた事実でございます。
 そういったことでございますので、商品先物市場、ここが本来的な機能をしっかり発揮していくために、今回、この法案におきましては、商品先物取引について、専門的な知識、経験などを有します事業者等のいわゆるプロの方につきましては市場のより円滑な利用を可能として、個人や中小企業のいわゆるアマの方につきましてはその十分な保護を実現する、そういうプロ・アマ規制を導入しているわけでございます。
 こういった制度整備、それから事業者そのものの努力、そういったことによりまして、委託者トラブルの解消、安全で信頼ある市場をつくるということが極めて大事なことです、それが大前提でございまして、そういったことと併せまして、中小企業者等の事業者にとりまして使いやすい商品先物市場を実現してまいりたいと考えているところでございます。
#117
○松下新平君 ありがとうございました。
 この先物取引、これがうまく機能したらほかの商品、いろんなことも、これも取り上げてほしいとかいうのが出てくると思うんですね。それで、現実に軽油とか天然ガスなどのほかのエネルギー商品についても東京工業品取引所への上場を求める声もあるんですけれども、これについての見通しをお伺いいたしたいと思います。
#118
○政府参考人(大下政司君) お答え申し上げます。
 一般論として申し上げますと、事業者のヘッジニーズが想定されます商品につきましては、商品取引所が収支の見込みや受渡しの可否などを踏まえながら、その上場について積極的に検討されるべきものであるというふうに考えております。
 そこで、今御指摘いただきました軽油でございますが、近年、原油や軽油などの石油製品の価格変動が激しくなっております中で、石油販売業者への卸値を市場価格に連動させる動きがあることを背景といたしまして、石油販売業界等から東京工業品取引所における軽油の再上場が要望されております。
 また、天然ガスについてでございますが、現時点で私ども具体的な要望としてはお伺いしておりませんけれども、潜在的にはそのようなニーズはあり得るものというふうに考えております。
 経済産業省といたしましては、産業界のニーズを尊重しながら、今後、軽油その他の商品に関する具体的な上場認可の申請がありました場合には適切に対応してまいりたいと考えております。
#119
○松下新平君 ありがとうございました。是非検討をお願いしたいと思っております。
 最後に、大臣に決意をお伺いしたいんですけれども、本改正法案、商品先物市場の健全な発展、全体的な健全な発展に向けての御決意をお伺いして、終わりたいと思います。
#120
○国務大臣(二階俊博君) 商品先物取引市場の本来的な機能は、申すまでもなく、第一に、市場において商品の需給状況や将来の動向に関する情報が集約され、商品の公正な価格形成につながることにあります。その本来の目的を十分発揮できるように、我々はこれからも監視を怠らないようにしてまいらなくてはならないと思っております。各国の商品先物取引規制当局と協力し合って、市場の透明性を高めるということ、これが重要だと思っております。第二には、中小企業を始めとする事業者にとって、商品価格の変動が事業に及ぼす影響を回避する手段を提供することにあります。そのためには、商品先物市場は、事業者にとって使い勝手が良く、信頼される市場である必要があります。さらに、市場の健全な発展を促すためには、一般個人が意図しないで商品先物取引に関するトラブルに巻き込まれることがないようにしていく必要があります。
 経済産業省としては、こうした要請にこたえ、商品先物市場の健全な発展を実現し、我が国経済全体の成長につなげていきたいと考えております。是非御協力をお願い申し上げたいと思います。
#121
○田中直紀君 無所属の田中直紀でございます。
 本日の議題といたしております商品先物取引及び市場に関する二法案について伺います。
 先ほどから出ておりますように、商品先物市場の出来高を見ますと、世界全体では二〇〇三年の約五億枚、一枚が金でいうと一キロだそうですし、ガソリンでいうと五十キロリッターが単位になっておるようでありますが、二〇〇八年には約十八億枚と五年間で約四倍に増加しておる。一方で、我が国では、二〇〇三年度の約一億五千六百万枚をピークに減少し続け、二〇〇八年度には約四千六百万枚と三分の一になっておるということでありますが、市場として、産業インフラとして活性化していかなきゃいけない、これは大きな重要な点だと思います。
 一方で、商品先物トラブルがなかなか減ってきていないと、こういう状況でありまして、商品先物取引をめぐるトラブルは、全体では減少傾向にある中、海外や規制対象外であるものにつきましては急増しておると、こういうことでありますから、利用者のいわゆる取引の安全性というものが重要だと。
 こういう二つの重要な点をこの法案は対象にしておると思いますが、私はまずはトラブルを何とか減らしていくということが最優先ではないか、そしてまた、その中で使いやすい市場を確立をして、そしてその取引は透明性があるかと、こういう状況をつくり出すのが私は望ましいんではないかと感じております。
 そういう中で、商品先物取引仲介業者を今回創設をするということなんでありますが、これは事業者等の商品先物市場へのアクセスを容易にする観点ということでありますけれども、媒介行為のみを行う商品先物取引仲介業者制度が導入されて、登録制という緩やかな状況の中で登録をして取引を始めるということでありますから、どうも法案の中でいろいろないわゆる目的を考えながらも、肝心なところで、この登録制にする、あるいは仲介業者がどこまでチェックできるかと、登録制ですから、私は逆にトラブルが発生してしまうんじゃないか。
 行政サイドとしては、大変そういう面では、この法律に従って新しい事態になった場合に、皆さん方の役所がどう対応していくかということがまず一番大事だというふうに思うわけでありますけれども、登録制になったということはどういう理由によりますのでしょうか。
#122
○政府参考人(大下政司君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、今回の法律改正の中では、事業者が商品先物市場へ容易にアクセスすることを可能にするという観点から、専ら媒介を業として行う人を商品先物取引仲介業ということで登録制で新たに認めることといたしたものでございます。
 なぜ今回登録制にしたかという御質問でございますが、同じように主として媒介行為を行う業者を規制している例えば信託業法や保険業法などの法律におきましても、いずれも登録制とされていることを踏まえまして、本法律においても許可制ではなくて登録制といたしたところでございます。その登録制にした結果として、悪質業者が登録されてしまうんではないかという御指摘かというふうに思いますが、この商品先物取引仲介業者の登録要件につきましては、資本の要件を除いた要件につきましては取引員の許可条件と同様の要件となっております。例えば、商品取引員の許可の取消しを受けて五年を経過しない者や商品先物取引仲介業を的確に遂行することができる知識や経験を有しない者につきましては登録を拒否することといたしております。
 このことから、不適切な業者が商品先物取引業に参入して登録を受けることはないものというふうに考えております。
#123
○田中直紀君 登録されることはないものと思われるということでありますけれども、許可制と登録制というものが歴然とこの制度が違うわけでありますから、そして受託業務というのは大体資金を積んでいただいて取引を始めるということでありますけれども、見てみますと、二十億ぐらいの資本金をもって対応していくと。その次に、取次業務を扱う事業者がございますね。ここは一けた違った二億円ぐらいの資本でありますが、これは、そういう面では大変大規模な商品取引が先物取引の大きないわゆる市場というか、これは細かい商品はなかなか扱えないということですから、ハイリスク・ハイリターンですね。そういう市場でありますから、私は登録制というのはちょっと合わないんではないかと。やはり、あくまでも許可制にしてそしてやっていくというのが筋ではないかというふうに思いますが、仲介業者というのはどのぐらいの資本金でどのぐらいの人数でどういうふうな業務をやると、こういうことを想定されておりますか。
#124
○政府参考人(大下政司君) 先ほど申し上げましたとおり、この仲介業者の登録要件でございますが、仲介業者は直接お客様のお金を預かるという性格のものではございませんので、資本要件は課しておらないということでございますので、どの程度の資本規模ということを登録要件といたしているものではございません。しかしながら、それ以外の要件につきましては、先ほど申し上げましたとおり取引員の許可要件と同様の要件といたしております。
 また、この法律上は、商品取引仲介業者が事業を営むためには、媒介する先であります商品先物取引業者から委託を受ける必要がございます。そして、仲介業者が違法行為によりまして顧客に損害賠償義務を負うこととなった場合には、この商品先物取引業者は連帯して責任を負うことといたしております。このため、その委託を受けます商品先物取引業者にとっては、もし不適当な者を仲介業者として契約した場合には自ら大きな運営上のリスクを負うということになるわけでございます。
 したがいまして、商品先物取引業者の方から仲介業者を選ぶというチェックが働くのではないかと思います。また、仮に万が一こうした仲介業者の業務に委託が行われた場合でありましても、委託者の損害は商品先物取引業者が連帯して補償することといたしておりますので、委託者の保護の観点から問題はないものというふうに考えております。
#125
○田中直紀君 そうしますと、受託事業者と取次事業者と媒介行為をする仲介業者というのは一切資本的な関係もない、人的な関係もない、非常に公平な扱いの中で、株でいうとインサイダーみたいなものがございますが、そういうものは一切排除できるという認識に立っておりますか。
#126
○政府参考人(大下政司君) この仲介業者を認める趣旨自体は、商品取引員が数がだんだん減ってくるということの中で、全国各地の事業者の方々が先物市場を利用するというときになかなか利用し難いのではないかということで今回仲介業者を認めたということでございます。
 ここで、この仲介業者を認めることによって逆に被害が増えてはいけないということから、先ほど申し上げたような登録要件とか連帯責任というのを定めておるところでございまして、先生の言われる趣旨に沿うように、運用に当たっては厳正に対応してまいりたいと考えております。
#127
○田中直紀君 新しい法律の下に健全な市場の育成に努めていただきたいと思います。
 大臣に最後にお伺いしますが、自主規制委員会あるいは監督体制という、こういう制度も強化されてきておるようでございますので、経済産業省あるいは農林水産省として、大臣として御指導をいただくわけでありますが、その方針について最後にお伺いいたしたいと思います。
#128
○国務大臣(二階俊博君) 規制委員会の今後の業務でありますが、株式会社商品取引所、取引参加者等の法令遵守の状況の調査や処分などの自主規制業務の執行に関する意思の決定を行うことにあります。一方で、市場取引監視委員会は、商品取引所の業務の実施状況について、第三者の立場から事後的に監視するものであります。このように、両委員会は異なる役割を担っており、それぞれの委員会が業務を的確に果たすことにより、適切な自主規制がなされると考えております。
 今回、この法案の審議におきまして、各党の皆様からちょうだいしましたいろんな議論がございました。押しなべて、この商品取引ということに関するいろんな疑問も投げかけていただきました。こうしたことに対して、経済産業省、一から取り組むつもりで商品取引というものに対してもっとしっかりした取組を行い、この商品取引を通じて日本経済の発展にどうつなげていくか、あるいは資源外交にどうつなげていくか、重要なこの任務を担っておるわけでありますから、商品取引という単なる今までのような感覚だけではなくて、もっとしっかりした対応をしていきたいと、この審議を通じてそう痛感をいたしておる次第でございます。
 よろしくお願いします。
#129
○田中直紀君 ありがとうございました。
 終わります。
#130
○委員長(櫻井充君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#131
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、中谷智司君から発言を求められておりますので、これを許します。中谷智司君。
#132
○中谷智司君 私は、ただいま可決されました商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び改革クラブの各派並びに各派に属しない議員田中直紀君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 ロコ・ロンドンまがい取引などの取引所外取引や海外商品先物取引をめぐるトラブルが急増していることにかんがみ、不招請勧誘を禁止する規定においては、当面、一般委託者を相手方とするすべての取引所外取引及び初期の投資金額以上の損失が発生する可能性のある取引所取引を政令指定の対象とすること。
   また、本法施行後一年以内を目途に、規制の効果及び被害の実態等を踏まえて政令指定の対象を見直し、必要に応じて適宜適切に一般委託者を相手方とするすべての取引に対象範囲を拡大すること。
   さらに、商品先物取引未経験者や高齢者等の被害状況を踏まえ、悪質業者に対しては、警察等の関係機関と連携しつつ、立入検査、行政処分等を含めた迅速かつ厳正な法執行を行うこと。
 二 商品取引におけるプロ・アマ規制の導入に当たっては、委託者保護の観点からプロ・アマを区別する基準を明確に定めるとともに、本来アマであるべき委託者がプロとして扱われないよう十分配慮すること。
 三 商品取引所と金融商品取引所との相互乗り入れについては、商品市場の国際競争力を強化する観点から、商品取引所の経営努力を一層促すとともに、取引所の更なる統合等も視野に入れつつ、多様な商品取引を一元的に行う仕組みの導入や商品取引清算機関と金融商品取引清算機関において共通の清算方式に基づく共同決済機関の創設の検討を促すなど利用者の利便性向上及び市場の活性化に向けた取組を支援すること。
 四 商品市場の透明性を向上させることが重要であることにかんがみ、実需とかい離した不当な価格形成により中小企業等の事業者に悪影響が及ぶことがないよう、相場操縦行為等に対する規制を強化するなど市場の公正な価格形成機能の確保に万全を期するとともに、農林水産省、経済産業省及び金融庁は緊密に連携しつつ、専門人材の確保と監視能力の向上を図るなど国際的な市場監視体制の強化及び市場の管理・監督体制の充実に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#133
○委員長(櫻井充君) ただいま中谷智司君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#134
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、中谷智司君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、二階経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。二階経済産業大臣。
#135
○国務大臣(二階俊博君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、これら法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
#136
○委員長(櫻井充君) ありがとうございました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#138
○委員長(櫻井充君) 引き続き、商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。二階経済産業大臣。
#139
○国務大臣(二階俊博君) 商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 昨今、商店街は、市場競争の激化や消費者ニーズの多様化が進む中で、後継者不足などの構造的な課題を抱えており、加えて、最近の景気後退に伴う消費の冷え込みにも直面し、非常に厳しい環境下にあります。一方で、地域に根差し、住民の交流を促す「にぎわいの場」でもある商店街に対しては、子育てや高齢者の生活を支えるなど、地域住民のニーズに応じた活動を行うことで、住民の生活の利便性を向上させるとともに、地域コミュニティーを維持発展させることが期待されています。
 こうした状況を踏まえ、意欲ある商店街が、地域住民の生活の利便性を向上させるために取り組む事業活動に対して支援を強化することにより、商店街への来訪者を増加させ、それにより商店街の活性化を図ることを目的として、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、商店街が行う、地域住民のためのサービスの提供やイベントの実施などの事業を支援します。商店街振興組合や事業協同組合等が作成する事業計画を認定し、無利子融資などの法律による支援のほか、予算措置や税制措置も合わせて、資金調達を総合的に支援します。また、組合員等の個々の商店主に対しても、認定された計画の下で行う、地域住民のための事業に必要となる設備を導入するための資金について、無利子融資枠を拡大するなどの支援を行います。
 第二に、これらの事業に対する市町村の支援を促進することで、商店街が地方公共団体と協力して、地域コミュニティーの機能を向上させるように促します。そのため、これらの事業に必要な資金を商店街振興組合等に貸し付ける市町村に対し、独立行政法人中小企業基盤整備機構が資金の一部を貸し付けることができるようにします。
 第三に、後継者不足等を解決するために商店街の担い手を育成します。そのため、商店街の人材育成を国の責務として法律上に規定し、全国商店街振興組合連合会や全国商工会連合会等と連携して、積極的な支援を行います。また、関係省庁で連絡会議を開催するなど連携を強化し、商店街等が支援策を利用しやすい環境を整備します。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
#140
○委員長(櫻井充君) ありがとうございました。
 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト