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2009/07/09 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第24号
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2009/07/09 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 経済産業委員会 第24号

#1
第171回国会 経済産業委員会 第24号
平成二十一年七月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月七日
    辞任         補欠選任
     塚田 一郎君     舛添 要一君
 七月八日
    辞任         補欠選任
     木俣 佳丈君     姫井由美子君
     鈴木 陽悦君     藤末 健三君
     前田 武志君     室井 邦彦君
     佐藤 信秋君     松村 祥史君
     舛添 要一君     塚田 一郎君
     丸川 珠代君     礒崎 陽輔君
 七月九日
    辞任         補欠選任
     姫井由美子君     木俣 佳丈君
     藤末 健三君     鈴木 陽悦君
     室井 邦彦君     舟山 康江君
     礒崎 陽輔君     山田 俊男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         櫻井  充君
    理 事
                増子 輝彦君
                山根 隆治君
                荻原 健司君
               北川イッセイ君
    委 員
                木俣 佳丈君
                鈴木 陽悦君
                津田弥太郎君
                直嶋 正行君
                中谷 智司君
                姫井由美子君
                藤末 健三君
                舟山 康江君
                室井 邦彦君
                礒崎 陽輔君
                塚田 一郎君
                松村 祥史君
                山田 俊男君
                風間  昶君
                谷合 正明君
                松下 新平君
                渡辺 秀央君
                田中 直紀君
   国務大臣
       経済産業大臣   二階 俊博君
   副大臣
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       防衛副大臣    北村 誠吾君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  柴山 昌彦君
       経済産業大臣政
       務官       谷合 正明君
       経済産業大臣政
       務官       松村 祥史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       中島 明彦君
       経済産業大臣官
       房審議官     小川 恒弘君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   藤田 昌宏君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     上田 英志君
       経済産業省製造
       産業局長     細野 哲弘君
       経済産業省製造
       産業局次長    立岡 恒良君
       中小企業庁長官  長谷川榮一君
       防衛省防衛参事
       官        岩井 良行君
       防衛省防衛政策
       局次長      松本隆太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○クラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給
 等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に
 基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務
 を課する等の措置を講じたことについて承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に
 基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物につき輸出
 承認義務を課する等の措置を講じたことについ
 て承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、鈴木陽悦君、前田武志君、木俣佳丈君、丸川珠代君及び佐藤信秋君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君、室井邦彦君、姫井由美子君、礒崎陽輔君及び松村祥史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(櫻井充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 クラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官中島明彦君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(櫻井充君) クラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。
 本日は、このようなクラスター弾規制法案の審議の時間をいただきまして、本当にありがとうございます。
 私自身、このクラスター弾の規制につきましては、クラスター弾禁止条約を進める超党派の議連に所属させていただきまして、ずっと続けさせていただきまして、今回、国内でこの条約を実施する法律が成立することを非常にうれしく思っております。
 幾つか質問がございますので、簡潔にお答えいただければ幸いでございます。
 まず一つ目でございますが、クラスター爆弾はその不発弾が一般市民に大きな被害を与えている、そして今、政府がクラスター弾に関する条約に定める義務を国内的にも担保すべく本法案を出されておられるわけでございますが、私は非常にもう歓迎させていただいています。
 まず、この法案を所管される経済産業省としての基本的な取組について、その方針をお教えいただければと思います。お願いいたします。
#7
○国務大臣(二階俊博君) 我が国がクラスター弾に関する条約を締結することは、クラスター弾による市民への今日までの被害を一掃する国際協力を推進する観点から極めて有意義であると考えております。
 経済産業省は、これまでにも約十年前に対人地雷規制法を担当し、人道上の懸念をもたらす兵器の規制に取り組んでまいりました。今回のクラスター弾につきましても、これを保有しているのは自衛隊だけですが、経済産業省としては、対人地雷のときと同じように、本法案に基づくクラスター弾の製造の全面禁止、所持の規制等を通じ、我が国が条約上の義務をしっかりと履行できるように万全を期する考えであります。
 今後とも、平和国家としての基本理念を踏まえ、外務省、防衛省等と協力をしながら、法律の目的を的確に執行できるように兵器の規制に取り組んでまいりたいと思っております。
#8
○藤末健三君 本法を所管される経済産業省におかれましては、是非とも他省庁との連携をきちんとやっていただき進めていただきたいと思います。
 続きまして、現在保有されているクラスター爆弾の種類と数について、衆議院の審議においては、条約が発効するまで配備しているものについての数などを発表できないという答えをいただいています。しかしながら、一方、イギリスは数量の発表を行い、破棄作業を行っております。そしてまた、イギリスを含めましたベルギーやカナダ、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スイスというこの八か国は、条約署名の開始の前に独自にもう破棄を進めているという状況でございまして、是非とも我が国も条約に署名した精神を生かして、発効を待たずにクラスター爆弾を配備から外し、数量を発表し、破棄を開始していただくべきではないかと考えますが、防衛省の北村副大臣、いかがでございましょうか。
#9
○副大臣(北村誠吾君) お答えさせていただきます。
 我が国といたしましては、昨年の十二月に署名を行いましたクラスター弾に関する条約の趣旨を踏まえますと、防衛省としては条約の発効前でありましてもクラスター弾の使用は極力慎むべきであると考えております。しかしながら、我が国に対する武力攻撃等の事態に際しましては、国際法規を遵守いたしながら国民の生命と財産を守るため、なし得る限りの対処をすべきことである。ですから、条約の発効前からクラスター弾の廃棄を行うことによりまして、万やむを得ずクラスター弾を使用する、この可能性を完全に排除することは適切でないと考えております。
 このため、ただいまの時点では我が国防衛のための装備品であるクラスター弾の保有数についても、我が国の防衛能力にかかわるものでございますから、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。他方、条約が発効すれば百八十日以内にその保有をいたしておりますクラスター弾の数、廃棄の計画などの状況について国連事務総長に対し報告いたすこととなっておりますから、可能な限り速やかに報告をいたしたい、かように考えておるところでございます。
 よろしくお願いいたします。
#10
○藤末健三君 防衛省のお考えは確かにそうかもしれませんが、僕は特に外務省の方が来られているから申し上げたいんですけど、このクラスター弾の問題は非常に国際的に関心が高まっていまして、実は海外からも来るんですね、いろんなコメントが。このコメントは実は海外から来たやつも含めて申し上げていまして、是非ともこのクラスター弾の廃棄などについては、国際的に日本はどう見られているかということをやっぱり見た上で考えていただきたいと思います。防衛省から見れば多分、適正な法律、適正な条約の執行で結構かもしれませんけれども、国際的にどうかということは外務省さんが考えるべきだと思うんですが、国際的な評価の観点も是非検討をすべきだということを申し添えさせていただきたいと思います。
 続きまして、クラスター爆弾の廃棄過程をプレス又はNGOなどの関連団体に公開する予定はあるかどうかということをお聞きしたいと思います。
 海外の事例ばかり申し上げて申し訳ないんですが、イギリスでは実際にこの廃棄の過程を公開して、ニュースでも流れているという状況でございまして、我が国におきましても過去には対人地雷の処理のときには実際に公開し、非常に対人地雷の廃棄が進んでいるということを国民の皆様に実感していただくことができたわけでございますが、今回も同様のことをやるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。北村副大臣、お答えいただけますでしょうか。
#11
○政府参考人(岩井良行君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、対人地雷の際には、その始める際あるいは終わる際にその廃棄の公開を、特に廃棄の実態につきまして映像でお見せをするというような形で公開をしたところでございます。
 クラスター弾の廃棄につきましては、最終的にどのような廃棄方法を取るかという点をこれから決めていくことになりますので、安全面でどういうような配慮が要るのかということを詰めていく必要がございますけれども、これを公開する場合、その安全面の確保をするということを前提に、基本的に公開できるものは公開させていただくということで臨んでいく所存でございます。
#12
○藤末健三君 是非お願いします。
 続きまして、先ほど冒頭で、国内の自衛隊の保有するクラスター爆弾について今回法的な手当てを行うということでございますが、在日米軍のクラスター爆弾の扱いについてどのような対応を取っていく御予定かというのをお聞かせいただきたいと思います。
 海外の事例ばかりで申し訳ございませんが、私はちょっとイギリスの事例などを調べておりますと、イギリスの政府は条約発効後八年以内に領土内の、外国のクラスター爆弾であっても撤去する方策を研究しますと。ですから、イギリス政府は条約発効八年以内に領土内の外国が持っているクラスター爆弾を撤去する方法を調査研究をしますよということを発表しているわけでございますが、私もやはり、やってくださいということは申し上げませんが、イギリスのように検討をちょっとやるということだけでもする必要があるんではないかというふうに考えますが、その点をまずお聞きしたいと思います。
 そしてまた、同時に、日本の領土内での移動に関して、日本の民間業者が扱うことに対する規制などを行う必要があるかどうかということを考えておりまして、この点につきましてお答えいただけますでしょうか。お願いします。
#13
○大臣政務官(柴山昌彦君) まず申し上げておきたいのは、アメリカに関してはこの条約を締結しておりません。ですので、米軍に対してこの条約上の義務が課されることはありません。
 また、この条約は第九条におきまして、締約国に対して、この条約が禁止する活動であって自国の管轄又は管理の及ぶ範囲にあるものを防止し、及び抑制するため、あらゆる適当な措置をとるよう求めていますけれども、米軍によるクラスター弾に係る活動はこれに該当しないため、我が国は同活動を防止し、抑止する義務は負っておりません。
 さらに、条約第二十一条3及び4は、締約国は、自らクラスター弾を使用、貯蔵、移譲しないことなどの一定の条件を満たす限り、締約国に対しては禁止されている活動を行うことのある非締約国との間で軍事的な協力等を行うことができる旨規定しています。したがって、我が国の民間業者が米軍の委託を受けて米軍が保有するクラスター弾を運搬することもこのような協力等に含まれているというように解釈されます。
 藤末先生おっしゃることは非常によく分かるんですけれども、我が国を取り巻く安全保障環境は今なお不透明、不確実な要素が残されていまして、政府として、この条約上の義務を超えて米軍のクラスター弾などの保有等の可能性をあらかじめ完全に排除することですとか、この条約上認められている協力をあえて行わず日米安全保障体制の円滑な運用に不必要な制約を課すということは適切であるとは現在のところ考えておりません。
 ちなみに、英国の措置についてお尋ねがありましたけれども、英国はまだこの条約を締結しておりませんで、駐留米軍によるクラスター弾に係る活動の扱いについては今米国と協議中であり、最終的な措置については固まっていないものと承知しております。
#14
○藤末健三君 御指摘のとおりでございまして、政務官がおっしゃったことはこちらも承知しております。
 ポイントは何かというと、柴山政務官に特に申し上げたいのは、このクラスター弾の問題は、安全保障の問題という話であればクラスター弾はもう保有していた方がいいという話になると思うんですよ。一方で、国際的な大きな流れがあって、私のところまで外国の方がお越しになって話をされるような状況になっている。それも、ほかの、イギリスの方も来られるわけですよ。
 何があるかというと、やはり外交上、我が国が率先していろいろこういう武器の廃絶とかを進めてやっているという形を見せることは非常に重要だと思っていまして、条約を履行するというだけではなく、私は思うのは、やはり我が国の安全保障をきちんと確保しながらも、軍備をなくして、減らしていくという努力をやはり日本がイニシアチブを取って世界でやっているという形を僕はつくるということは重要だと思います。
 我が国は特に武器輸出三原則ございまして、武器を輸出していない国。他国は、もう三千億、四千億、五千億、下手すると兆を超すような武器輸出している国もあるような状況の中で、私はやはり、その強みを生かして、軍縮などできちんとイニシアチブを取り、国際的な位置付けを我が国がつくっていくということはやっていただきたいと思います。
 ですから、安全保障上のいろんな問題はもう重々承知しているんですけれども、一つ大きなことは、やはり我が国がこの軍縮的な問題をイニシアチブを取り、国際的な評価を得ていくということを非常に重要な観点として持っていただきたいというのが私のお願いでございます。条約で決まったことをやっていくのは当然、法律で決まったことをやるのは当然ですけれども、その法律や条約を作るときに我が国がイニシアチブを取り、そして他国の評価を得るということが我々や外交に課された義務だと思いますので、是非お願いしたいと思います。
 今回、このクラスター弾、非人道的兵器ということでございまして、禁止する条約が生まれ、そして我が国も批准し、そして国内法が整備されるわけでございますが、日本政府として、核兵器をどう考えるかと。
 私は、核兵器こそ非人道兵器の最たるものではないかと考えておりまして、私自身、母親が九州に住んでおりまして、長崎に落ちた原爆の雲を見ております。母からいろいろ聞いていますと、原爆の雲の話とか聞いていますと、やはり核兵器の非人道性というのは極めて大きく、かつ我が国は世界で唯一の被爆国でございますので、やはり核兵器の使用を非合法化するような国際法規の策定に向けて我が国が音頭を取るべきではないかというふうに考えますが、いかがでございましょうか。
#15
○大臣政務官(柴山昌彦君) 御指摘のとおり、我が政府としては、国内、国外、様々な場面でかねてから明らかにしてきたとおり、核兵器の使用はその絶大な破壊力あるいは殺傷力のゆえに国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないと考えて、人類に多大な惨禍をもたらし得る核兵器が将来二度と使用されることがあってはならず、現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことが重要であるというように考えています。
 しかし、他方で、御指摘の核兵器による威嚇又はその使用の非合法化という問題につきましては、例えば核兵器の使用を禁じる条約に向けての交渉の開始について、核兵器国を含む多くの国は受け入れておりません。こうした中で、国際社会として、こうした国際約束の作成を直ちに要請することは現実的ではなく、かえって逆効果を発せしめることにもつながりかねません。ですので、政府としては、核兵器の使用を禁止するための条約の締結を目指すことよりも、核不拡散及び核軍縮における着実な進展を達成することの方がより重要であると考えております。
#16
○藤末健三君 確かにそれは一つの見識でございまして、私は、何と申しますか、二者択一じゃないと思うんですよね。核不拡散は当然やりましょうと、短期的にやらなきゃいけない。あと、その前にはCTBTという核兵器の実験をやめましょうというものや、核兵器の材料を造ることはやめましょう、カットオフ条約とか、いろんなレベルがあると思うんですよ。CTBTをやりましょう、カットオフ条約をやりましょう、STARTをもう一回やりましょうと、次にNPT、核不拡散条約を再構築しましょうと。じゃゴールは何ですかといったときに、核兵器を使わなくしましょうという次のゴールがある。そして、最終的には核兵器をなくしましょうというゴールもあるはずなんですよ。
 ですから、政務官、もう一回答えてください。これは二者択一じゃありません。時間の問題、短期的にはこれをしましょう、中期的にはこれもしましょう、長期的にはこうしましょう、最終的には兵器をなくしましょうという議論なんですよ。その答えはおかしいですよ、いかがですか、自分の答えで答えてくださいよ、これは。
#17
○大臣政務官(柴山昌彦君) 御指摘のとおり、やはり最終的な目標、長期的な目標と、今行っていくべき事柄ですね、不拡散あるいは軍縮というものとをやはりある程度仕分をして考えていくべきだと思っております。最終的に目指す目標につきましては、先般オバマ大統領がプラハでスピーチしたように、核兵器のない世界ということを訴え、そして世界全体がそれに向けて進んでいこうという中にある中で、じゃ次のステップとして、短期的にはどのように考えていったらいいのかということで現実的な方途を模索していると、そういう段階であるということで是非御理解をいただきたいと思っています。
#18
○藤末健三君 柴山政務官も五月に行われました核不拡散条約の準備会合、NPTの準備会合に出られましたけれども、私も出たんですよ、政務官が帰られた後に私は入って。やはりそのとき感じたのは、オバマ大統領が四月五日にプラハで演説を行い、彼が言ったのは、核兵器を使用した唯一の国としての道義的責任という下に核兵器がない世界を目指すと言ったわけですよ、政務官、それは非常に有名な話じゃないですか。なぜ我が国が、核兵器を落とされた唯一の国として核兵器がない国を目指すと言わないのかって、これは非常にみんな不思議がっていますよ。実際に私言われましたからね、そのように、外国の人たちから。なぜ言わないんですか。目先の議論を多分することも重要かもしれないけれども、それは官僚的な話ですよ。我々政治家が最終的なゴールを示し、中期的でもいいですよ、それに向かってやっていくのが僕は政治の役割だと思いますけれども、いかがですか。
#19
○大臣政務官(柴山昌彦君) ちょっとそこは前提の認識にそごがあると思っておりまして、我が国は、おっしゃるとおり、核の惨禍を二度と繰り返さないという唯一の被爆国としての強い決意の下で非核三原則を国の基本政策として掲げ、そして核の廃絶に向けて着実かつ具体的な一歩一歩を積み重ねる必要があるという立場を表明しておりますし、国連総会に核軍縮決議案を提出するなど積極的な核軍縮外交を既に行っているわけです。
 そういう観点で、今年の四月、中曽根外務大臣も核兵器のない世界に向けた我が国の考え方についてスピーチを東京ではありますけれども行い、核軍縮を世界的に進めるため、すべての核保有国による核軍縮、国際社会全体による措置及び原子力の平和利用を志す国のための措置という三つの大きな柱に沿って具体的な十一の指標、ベンチマークを世界に提案をし、来年の早い段階で核軍縮に関する国際会議を主催するということを発表したわけであります。
 また、今御指摘のとおり、五月、ニューヨークにおいて開催された二〇一〇年NPT運用検討会議第三回の準備会議におきましても、この中曽根大臣の東京で発表された指標を私から改めて国際社会に向けて提案したところであります。
 また、オバマ大統領の演説については、麻生総理から同大統領に親書を送りまして、麻生総理として、同大統領がプラハで行った演説において平和で安全な核兵器のない世界を追求するということを明確に宣言したことを強く支持するというメッセージを伝えております。
 我が国としては、今後とも、世界的な核軍縮の促進のため、以上のような積極的な努力を米国を含む関係国と連携をしながら継続していくという考えです。
#20
○藤末健三君 十一のベンチマークスは、十一のベンチマークスというか、日本語で何か言うと分からないですけど、中曽根外務大臣が宣言された内容についてはもう存じ上げていますし、ただ、本当にやろうと思うならば、なぜNPTの準備会合でおっしゃらなかったのかなというのは思いますね、正直言って。
 今回、例えば、アメリカのオバマ大統領とロシア、メドベージェフが核廃絶目指して一緒にやりましょうねということを話をしたと国際的に流れているということ。私が求めたいのは、核廃絶というのは私たち日本の外交の一つのカードだと思うんですよね。それから武器をなくすことも。それをちゃんと使っておられないような気がするんですよ。NPTの準備会合があり、そこには大臣は来られなかったと。十一のベンチマークスの話はされたけど、私は海外の国連で行われた会合に行ったとき、その話は外国人から聞いていません、はっきり言って。新聞にも調べましたが載っていませんでした、正直言って。
 今回、ロシアとアメリカがやりましょうという話になっているのに、なぜ日本は入っていないんですか、そこに。落とした国が核廃絶をしますとおっしゃっているわけですから、落とされた国も一緒にやりましょうということを言えばいいじゃないですか。なぜそういう仕掛けをしない。
 どうですか。いや、柴山さん、それは紙見ないでくださいよ。外務省の役人の方は一生懸命やっているかもしれない。僕はそれは思います。しかし、本当に大きなゴールを示すのは政治の役割であって、我々が核廃絶というものに対して、外交のカードとしてどれだけの位置付けを置き、そして何を進めるかということを示さなければ、官僚の方々は動かないと思いますよ。ここでおっしゃってください。お願いします。
#21
○大臣政務官(柴山昌彦君) 再三申し上げているように、日本が、もちろん広島、長崎の市長も今おっしゃった準備会合には出席されて、両市長と、私もニューヨークで会議をする中で、しっかりと日本としての、非常に大きな立場をしっかりと国際社会において明らかにしていくということを申し上げております。
 御案内のように、来年のこのNPTの会議に先立ちまして私どももしっかりと準備を進めておりますので、その中で我々の立場をきちんと対外的にアピールをしていきたいというふうに思っております。
#22
○藤末健三君 是非お願いしたいと思います。
 ちなみに、我が民主党は、ちゃんとマニフェストと申しますか、政策集の中に核廃絶を掲げましたし、あと鳩山代表、代表選に出るときに核廃絶を掲げて彼は出ていますので、我々民主党が政権取らせていただければ確実にもう核廃絶は今以上に加速します、はっきり申し上げて。それは約束させていただきます。
 一方、一九九六年にICJ、国際司法裁判所がこの核兵器についての判決を出しました。勧告的な意義がございますが、このICJの勧告的意見についての政府見解をお聞かせいただくとともに、このICJの勧告的意見では、国際秩序の安定性の確保のために完全な核軍縮が不可欠であり、そのためにも核不拡散条約の第六条に基づく核軍縮のための条約交渉義務の重要性を強調しておりますが、我が国としましても、この国際司法裁判所の勧告意見を尊重しまして、来年十月五日にNPT、核不拡散条約の再構築の検討会議があるわけでございますが、このNPTの運用検討会議に関しまして具体的に取組を進めていかなきゃいけないと考えますが、いかがでございましょうか。柴山政務官、お答えください。
#23
○大臣政務官(柴山昌彦君) まず前段の勧告的意見、ICJの勧告的意見についての政府の見解ということに関してですけれども、政府としては国際連合の主要な司法機関であるICJ、国際司法裁判所が同意見の中で示した見解について厳粛に受け止めるべきものと考えています。
 政府としてかねてから明らかにしてきたとおり、核兵器の使用は絶大な破壊力、殺傷力のゆえに国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないと考えていて、人類に多大な惨禍をもたらし得る核兵器は将来二度と使用されるようなことがあってはならず、核兵器のない世界を目指した現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことが重要であるというように考えております。
 そして、後段の具体的取組についてなんですけれども、さきにも述べたとおり、四月、中曽根大臣が具体的な十一の指標を世界に提案し、また五月にニューヨークで私からその十一の指標について改めて国際社会に提案するとともに、オーストラリアと一緒に設置した核不拡散・核軍縮に関する国際委員会、川口元外務大臣とエバンスさんがリードしておりますけれども、今年の末までにNPT体制の維持のために有意義な報告書を発表すべく活動しております。
 こうした取組を通じて、来年のNPT運用検討会議の成功のため積極的かつしっかりと目に見える形での努力を継続していく考えです。
#24
○藤末健三君 政務官がおっしゃるICNND、川口元外務大臣とオーストラリアのエバンス元外務大臣がなされている会合がございますが、私も実際直接お会いして話をお聞きしております。
 ただ、政務官にお話ししたいのは、非常に我が国の取組としては重要だと思います。オーストラリアとか、またあらゆるいろいろな国の方々が参加している国際会議を運営し、そして意見を出していくことが重要だと思います。ただ、これは我が国の意見じゃございません、御存じのとおり。セカンドトラックという位置付けでございますので、NPTの外枠で別の意見を提案するための取組として他国が集まり議論をしているというところ、我が国の意見ではない、はっきり申し上げますと。ですから、私が申し上げたいのは、いや、本当にそうですよ、そういうふうに見られていますからね、国際的に。ですから、私はくどく申し上げますけれど、我が国がこの核廃絶又は軍縮といったものにおいて外交上の評価を得るべくやらなきゃいけないということをずっと申し上げているわけですよ。クラスター弾の話もそうです。早期実施やるという話。防衛省の方は多分なさらないですよ。それをやったら防衛省じゃないです。防衛省は国の安全を守るためになされる。ですから、条約で決まったもの、法律で決まったものを守らなきゃいけない。しかし一方で、外交的な配慮として、条約が動き出す前からクラスター弾を破棄するという手続を進めるということは外交的にはあり得ます、これは。外交的には。それは外務省の関係者が判断しなきゃいけない。
 一方で、核廃絶の問題も一緒でございまして、アメリカが今オバマが核廃絶の問題に対して動き出している。今アメリカ国内の、私は直接アメリカに行っていろんな議員と話をしましたが、あらゆる反対者に押しつぶされそうになっています。私が会った議員はほとんどが核廃絶は反対であると、多分オバマは動かないだろうということをおっしゃっている。そういう中において、我が国がアメリカのオバマ大統領が発言した内容を重くとらえ、日本とアメリカがこの核廃絶に対して取り組んでいくということを確実にやるならば、私は日米関係を強固にする補完になると思いますね。そういう位置付けでやっぱり核廃絶の問題、軍備縮小の問題を考えていただかなければ、恐らく安全保障が大事であると言えば多分進まないですよ。
 今、非核三原則の議論がいろいろ起きそうな状況になっていますけれど、核の傘がなければ安全保障は守れないという話になったらばそうかもしれませんで終わってしまう。ただ一つだけあるのは、国際的な状況を見ながらこの核軍縮の問題そして軍縮の問題において我が国がイニシアチブを取り国際的に評価されるという意思を示すことが私は重要だと思いますが、いかがでございますか。
#25
○大臣政務官(柴山昌彦君) 今おっしゃっていることは実は相矛盾する話じゃないと思うんですね。当面のやはり国際秩序において核による抑止力というものが働いているということはオバマ大統領御自身が認めているわけなんです。その上で、トータルとして核のない世界を目指していくというアプローチを、特に核保有国、超大量保有国である米ロがまず自ら隗から始めろということで進めていくということで、トータルとしての軍縮を徐々に目指していこうということを目指しているわけですから。
 核抑止力というものに対する評価と現実的な核軍縮に向けてのプロセスを踏むということは、私は決して矛盾していないんだろうというように思っておりますし、また日本における、やはりしっかりとこの議論をリードするべきだということにおきましても、先ほど私が言っているとおり、核廃絶決議について我が国が提出し、圧倒的な国際社会の支持も受けているわけです。そのことについては私のこの五月のニューヨークでのスピーチにも含まれております。
 それから、私は、包括的核実験禁止条約、CTBTの発効促進ですとか、若い世代を含む市民社会における軍縮不拡散教育の推進ですとか、そういうことの重要性についてもきちんとスピーチをしたところですし、また、セカンドトラックということで表現をされましたけれども、先ほどの核不拡散・軍縮に関する国際委員会が有意義な報告書を提示するよう期待しているということも私のスピーチの中では盛り込まれているということを付言します。
#26
○藤末健三君 取りあえず、もう時間もあれなので申し上げますけれども、政務官、ポイントは何かというと、やりましたじゃないんですよ。やりましたといったらみんなやっているんですよ、外務省の方々も、みんな。我々のパフォーマンスを世界で、国際社会で示さなきゃいけない、日本の。それが外交じゃないですか。それだけ申し上げて、質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#27
○風間昶君 公明党の風間ですけれども、三条にクラスター弾の製造禁止がありますが、現在、クラスター弾は製造されていないというふうに承知していますけれども、製造に当たった企業については、この製造禁止をされたことによって、ほかに、じゃ何がその会社ができるのかということがあると思うんですけれども、経営的な、造っていた会社に対しての影響をどのように今考えて、そしてどういうふうに把握しているのか、教えてください。
#28
○大臣政務官(谷合正明君) 我が国におきましては、これまで三社、このクラスター弾の製造事業者がございまして、これまで自衛隊に納入してまいりました。
 議員がおっしゃるとおり、平成十九年に自衛隊によるクラスター弾の調達が終了したことに伴いまして、これらの製造事業者におけるクラスター弾の製造はすべて終了いたしました。しかし、これは平成十三年にもう納入を終えているところ、平成十五年に納入を終えているところ、そして平成十九年に納入を終えているところとありまして、もう既に納入を終えているという問題、また当該事業者はクラスター弾の製造のみに依存していたわけではないということで、現在、経営的に大きな影響はなかったというふうに認識しています。
 したがいまして、クラスター弾等の製造が本法案の施行により全面的に禁止されましても、これらの製造事業者への影響が生じることはないものと考えております。
#29
○風間昶君 分かりました。
 最近では、中小企業を中心に、防衛産業というか防衛部門からの撤退が始まって、恐らく考えられることは、今度、大きな企業の方も撤退が予測されるわけでありますけれども、この防衛生産関連の技術って、いったん切れちゃうと大変な、基盤を回復することが困難になってくるわけでありまして、国際的に見ても部品を含めた優位性の高い技術というのは残しておく必要があるんではないかというふうに考えるわけでありますが、実際に調達するのは防衛省としても、技術という観点からいうと、やっぱり経産省がどのようにこれを維持発展をしていくのかということについては努力が必要だと思います。
 そこで、どんなふうに今その科学技術の部分について維持に取り組んでいくのかということについて伺いたいと思いますけれども。
#30
○副大臣(高市早苗君) 風間委員御指摘のとおり、既に経済情勢の変化によりまして中小企業を中心に防衛部門から撤退が始まっているという状況でございます。
 防衛装備品の生産ということを考えますと、まず初期投資が非常に大きいということ、それから特殊かつ高度な技術が必要でございますので、この技術がいったん途絶えてしまいますと基盤の回復が困難であるということもまさに御指摘のとおりです。
 しかしながら、我が国のかなり深刻な安全保障上の課題、現状というものを考えますと、この課題への対応に必要な優れた装備品、これをしっかり供給するということのためにも、また、装備品の維持や整備といった日常的な運用を支援するためにも、国内の防衛産業の生産・技術基盤、この確保が大変重要になってきております。
 我が国の防衛産業ですが、素材ですとか情報通信、生産管理技術など、民生分野での高度な技術力に支えられてきた面がございますので、こうした日本の強みを最大限に生かしながら、我が国の安全保障上不可欠な中核技術を中心に防衛産業基盤を充実させるということが必要だと考えております。
 今、年末の防衛大綱の見直しに向けまして、総理官邸の有識者会議であります安全保障と防衛力に関する懇談会においてこの防衛産業基盤の在り方についても議論が行われておりますので、この議論の行方、結果を踏まえながら次の手を打っていきたいと考えております。
#31
○風間昶君 分かりました。
 これは極めて大きな課題だと、要するに省にとっても大きな課題と、省というだけじゃなく日本にとって大きな課題。物づくりのある意味ではその一つの先端を行っているところでございますので、是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 次に、この法案とリンクしている条約関連についての質問をさせてもらいますけれども、不発弾による一般市民への被害というのは深刻になってきて人道的な問題になっていることから、我が党も条約の批准、承認に向けて積極的に取り組んできましたけれども。この条約の中に、保有国に対しての規制もあるんだけれども、もう一つは被害国への援助が規定されておりますけれども、今現時点で被害国に対しての不発弾処理をどういう形で支援をやってきているのか、実態、そして今後の方向性について外務省に伺いたいと思いますけれども。
#32
○大臣政務官(柴山昌彦君) 我が国の支援の状況についてなんですけれども、今問題となっているクラスター弾、それからそれと一体になっていることの多い地雷、こうしたものなどの不発弾の除去活動ですとかあるいは被害者に対する支援、これをこれまで実施してきておりまして、一九九八年以降のこれらの支援実績は、四十か国に対して約三・四億ドル、約三百八十億円に上ります。
 最近の例を幾つか挙げますと、まずレバノンでは、職業訓練等の提供によるクラスター弾被害地域の経済復興活動及び不発弾除去に対して、国連PKO局地雷対策サービス部、UNMAS等を通じて三億三千八百万円の支援を実施しております。今年の三月は、コンゴ民主共和国及びチャド共和国における不発弾及び地雷除去計画にUNMASを通じて七億六千二百万円の支援を実施しているほか、カンボジア政府に対して不発弾及び地雷除去関連機材の整備のために五億四千八百万円を限度とする支援を行っています。
 また、そういったお金のみならず、実際除去活動に携わっている我が国NGOに対する活動資金の供与を始めとした支援、これを例えばアフガニスタンやラオスにおいても実施をしております。つい先週、去る六月末から七月初めにかけては、ラオス及びカンボジアに不発弾除去及び被害者支援のための外務省・NGO合同調査団を派遣したところです。
 そういうわけで、我が国としては今後とも、国際機関を通じた支援、日本NGO連携無償資金協力、草の根・人間の安全保障無償資金協力によるNGOへの支援等も活用しつつ、不発弾の除去活動や被害者に対する支援への貢献を積極的に行っていくという考えです。
#33
○風間昶君 条約発効には三十か国が締約することになっていますけれども、まだ三分の一ぐらいの国しか締約、条約が発効されていませんけれども、そういう意味で、先ほども議論がありました、日本がイニシアチブを取ってどういうスタンスで署名国参加の働きかけをするのかということが極めて重要だと思いますけれども、このことに関しては、今、単年度でなくて何年掛かりでもいいから計画を立てていると思いますけれども、その部分について教えていただければ有り難いと思いますけれども。
#34
○大臣政務官(柴山昌彦君) まずはこの条約を可能な限り早期に締結を完結するということ、それから、今委員御指摘のとおり、より多くの国がこの条約を締結するよう働きかけていくことによって、クラスター弾がもたらす人道上の懸念への対応に向けた国際的な協力を主導していきたいというように考えております。
 昨年十二月三日には中曽根外務大臣がオスロにおいてこの条約の締結を行った後も、現にアメリカ、ロシア、中国、韓国等の未署名国に対して条約の締結の働きかけを行ってきております。引き続き、既に署名済みの国を含む締約が完結していない国に対しまして、二国間及び多数国間の軍縮に係る協議等の場における働きかけを通じてこの条約の批准等を奨励するという第二十一条1に規定された義務を果たしていく考えです。
#35
○風間昶君 具体的に、例えば今年度あるいは来年度、いろんな会議があるわけでありますけれども、きちっとその獲得目標を掲げていらっしゃるんですか、どうなんですか。
#36
○大臣政務官(柴山昌彦君) 今申し上げたように、様々な場面、二国間の軍縮・不拡散や安全保障に係る協議、それからあとは国連総会、また条約発効後毎年開催される締約国会議及び五年に一度開催される検討会議、そういったものを始め様々な機会における働きかけを通じて、先ほど申し上げた第二十一条1に規定された働きかけの義務というものを果たしていく考えであります。
#37
○風間昶君 まだ政務官の方では把握十分されていない感じが私は今の答弁で感じましたけれども、やっぱりきちっとターゲットを絞っていくということが大事じゃないかというふうに思います。そういう上に立って様々な国際会議があるわけでありますから、当然そこに臨んでいくというふうにしていくべきではないかと思いますけれども。
 次に、今年の二月と四月、ジュネーブでCCWの専門家会合がありまして、クラスター弾の定義、あるいは禁止、規制の対象等々、いろんな国の立場が少しずつ近づいている印象を受けるわけでありますけれども、議定書合意のために来月また非公式会合が行われるというふうに伺っていますけれども、我が国としては、当然トップは欧州の大使なんでしょうから、どういうスタンスで臨んでいくのか、日本本国と現地の連携を含めて、その臨む姿勢について伺いたいと思いますけれども。
#38
○大臣政務官(柴山昌彦君) どういうスタンスで臨んでいくかということですけれども、来月ジュネーブで開催が予定されております特定通常兵器使用禁止制限条約、今CCWという略語で呼んでおりますけれども、こちらの非公式政府専門家会合では、前回の会合において配付された統合議長テキストに基づいてクラスター弾の定義及び禁止事項、廃棄終了期限等、残された争点についての最終的な合意を目指して交渉を継続することとなっています。
 政府といたしましては、アメリカ、中国、ロシアなどのクラスター弾の主要な生産国と保有国が参加するCCWの枠組みにおける国際約束の作成を重視しています。八月の非公式会合におきましても、既に私どもが行っておりますクラスター弾に関する条約等の整合性に配慮をしつつ最大限厳格な規制内容を伴うとともに、不発弾対策や被害者支援の分野における国際協力の推進、国際人道法の遵守といった人道面を重視した国際約束が本年中に作成されますように引き続き積極的に交渉に貢献していく考えです。
    ─────────────
#39
○委員長(櫻井充君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として鈴木陽悦君が選任されました。
    ─────────────
#40
○松下新平君 改革クラブの松下新平です。
 早速ですけれども、本日の議題でありますクラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律案につきまして、賛成の立場から質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、この条約を締結していない国に対しての働きかけ、先ほど風間委員からもありましたけれども、日本のイニシアチブについて、重要な問題でありますので、再度確認をさせていただきたいと思っております。
 このクラスター弾の条約、締結していないのが、G8ではアメリカ、ロシア、アジアでは主要国として中国、韓国が挙げられております。この条約は、武力紛争に用いられる兵器による人道上の被害を防止するという目的があるわけですから、より広い締結をして国際社会に働きかけるというのが重要であると思いますけれども、再度、柴山外務大臣政務官から御答弁をいただきたいと思います。
#41
○大臣政務官(柴山昌彦君) 御指摘のとおりで、本条約は、クラスター弾の禁止という法規範を国際社会において進展させて、クラスター弾がもたらす人道上の懸念への対応に向けた国際的な協力を促進させるものであり、政府としてはできる限り多くの国がこの条約を締結することが重要であると考えております。
 このような考えから、昨年十二月三日に中曽根外務大臣がオスロにおいて署名を行った後も、今御指摘のあったアメリカ、ロシア、中国、韓国などに対しまして条約の締結の働きかけを行っております。
 引き続き、非締約国に対しまして、二国間及び多数国間の軍縮に係る協議などの場における働きかけを通じて、この条約の批准等を奨励するとの第二十一条1に規定された義務を果たしていく考えでおります。
#42
○松下新平君 是非、戦略的によろしくお願いします。
 続きまして、クラスター弾等の所持につきましてお伺いしたいと思います。
 先ほどの答弁で、現在はこのクラスター弾、製造はしていないと、所持しているのは自衛隊のみということでありましたけれども、この法律案の下では条約で認められた目的のためにのみ例外的に許可されていますが、この所持について、どのような目的やケースで許可されるのでしょうか。今後、廃棄以外の目的で想定される具体的な事例は何でしょうか。また、経済産業大臣が所持の許可に付することのできる条件とはどのようなものか、お伺いいたします。
#43
○政府参考人(細野哲弘君) お答えを申し上げます。
 本法案におきましては、条約の規定を踏まえまして、廃棄を目的として所持する場合のほかに、クラスター弾等の探知あるいは除去、若しくは廃棄のための技術開発を行うと、こういうことを目的としてクラスター弾等を所持する場合、あるいは正当な所持者からの委託を受けて運搬をするというような場合においては、その所持を例外的に認めるということを想定してございます。
 所持の許可に際して、その際に付す条件といたしましては、今申し上げました技術開発を目的とするような所持の場合には、開発の進捗状況を定期的にきちんと報告を求めるというようなことが考えられます。また、所持の許可を受けた者がクラスター弾等の運搬を他者に委託をするような場合につきましては、所持の許可証の写しを、正当な所持者からの委託である旨を証する書面を委託者にちゃんと手交するというようなことを条件とすることを想定をしてございます。
#44
○松下新平君 最後に、防衛産業の将来展望につきましてお伺いしたいと思います。
 これも風間委員からありましたけれども、私どももこの技術の継承というのは大変重要な問題だと考えております。そこで、先ほどの御答弁で、クラスター弾の製造に関しては、もう事業をされていないと、事業者にはこのことによって影響はないということでございましたけれども、全体的な問題でお伺いしたいと思います。
 我が国の防衛産業は市場が国内に限定されております。防衛省向け生産額が我が国の工業生産額全体に占める割合は一%以下ですが、生産に関連する企業数は多い状況にございます。また、大手の防衛メーカー、これは防需依存度が低いことが多いわけですけれども、逆に小規模な企業の中には防需依存度が五〇%、この防衛の事業に五〇%を超えている企業も相当数あるとお伺いしております。
 我が国を取り巻く安全保障環境や国内の経済財政状況を踏まえて、経済産業省は我が国の防衛産業の将来をどのように展望されているのか。冒頭に申し上げましたけれども、この技術の継承は、経済産業省とそして防衛省と連携して取り組んでいただきたいんですけれども、この点についての展望をお伺いしたいと思います。
#45
○副大臣(高市早苗君) 今御指摘があったように、確かに我が国の防衛産業の場合、需要が国内に限定されてしまうということと、それから大企業は防需依存度が低い場合が多いですけれども、小さな規模の会社になりますと、その依存度が高い場合が見受けられるということで、かなり防衛予算の変動ですとか、それから景気の状況に影響を大きく受けております。
 そんな中で、じゃ経済産業省が何をできるかということなんですが、まさにスピンオフ、まず軍事技術が民生部門に活用されるスピンオフと、それの反対に民生部門の技術が防衛技術に活用されるスピンオン、この両方を応援していくことだろうと思います。そして、併せて外国の技術もいいものを取り入れながらイノベーションにつなげていくということではないかと思います。
 私たちが使っている電子レンジでもデジカメでも、それからカプセル型の内視鏡でも、こういったものは軍事部門の技術から生まれて私たちの身の回りにあるものでございますし、最近議員宿舎ではやっておりますお掃除ロボット、ルンバも、これも地雷除去の、これ海外の会社ですけれども、そういう企業が売り出しておりますし、こういったものを海外でも日本でも、そういった民生と軍事の技術の交流があって国民生活につながっていくという面がありますので、そういった活用を私たちは応援をしていきたいし、交流を進めてまいりたいと思っております。
#46
○松下新平君 ありがとうございます。
 先ほどの答弁で、初期投資そして設備投資に莫大な費用も掛かるという側面もあるということでしたので、是非技術の継承も防衛省と連携を取って進めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#47
○委員長(櫻井充君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 クラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#48
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#50
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、室井邦彦君及び姫井由美子君が委員を辞任され、その補欠として舟山康江君及び木俣佳丈君が選任されました。
    ─────────────
#51
○委員長(櫻井充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業大臣官房審議官小川恒弘君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#53
○委員長(櫻井充君) 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#54
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 本委員会で三度目の質問になると思います。今日の質問は恐らく今国会における私の最後の質問になるのではないのかな、可能性が高いんではないかというふうに思うわけでございまして、是非大臣、政府委員の皆さん、明快な答弁を賜りますようお願いを申し上げたいと思います。
 この本委員会において、未曾有の経済危機、これにどう対応するかということをこれまでるる取り組んできたわけでございます。この間、産活法、これは非常に重要な法案であったわけですが、これは既に改正法が施行されて、地方経済産業局ごとに連日説明会が開催をされているという状況でございます。ちょうど本日、七月九日、東北経済産業局が主催となりまして、あと三十分後、午後一時半から、櫻井委員長の御地元であります仙台のパレス宮城野で説明会が開催されるようでございます。本委員会で議論して成立をさせた法律が、運用面も含めて現下の経済危機に適切に対応したものとなるかどうか、これは極めて関心を有するところであります。是非万全を尽くしていただくことを経産省には御要請を申し上げたいというふうに思います。
 さて、来週十三日の関係閣僚会議に提出をされます政府の七月の月例経済報告におきまして、景気の基調判断を三か月連続で上方修正をする検討に入ったということが昨日新聞各紙で報道されておったわけでございます。ここにいらっしゃる委員の皆さん、それぞれの御地元で景気がどんな状況であるか、本当にそういう回復基調にあるのかどうか、恐らくここで賛否を採ればほとんどまだまだだという方が圧倒的ではないのかなというふうに思うわけでございます。
 失業率が五・二%、どんどん上がってきている。有効求人倍率が〇・四四倍、これもどんどん悪化をしてきているわけでございます。私の出身組織のJAMにおきましても、実は正規従業員の人員整理があちこちで提案をされておると。つまり、体力がだんだんなくなってきている、そんなことを非常に感じているわけでございます。
 私は、この委員会の中で、雇用調整助成金の拡充についての質問もさせていただきました。これまでこの雇用調整助成金が相当程度、ここまでは効果を持ってきたな、去年の九月以降、十、十一、十二、この辺ではかなり、有給休暇の一斉取得とかいろんな形を取りました。しかし、だんだん雇調金の使い勝手を良くしていただいて、一月、二月、三月、かなりこの雇調金の制度を使って何とか解雇される人を防いでいこうという取組がされてきたというふうに思うわけでございます。
 ただやっぱり、体力がある、なし、これはやっぱり時間がたってくるとどうしてもその差が出てくる。これは大変残念なことでありますけれども、そういう状況ではないのかな。雇調金の申請企業が休業等を行った場合、助成金の申請から実際の振り込みまでの約二か月、この期間の資金繰り、これ非常に困難を来している、そういうケースも少なくない。
 中小企業庁では、金融庁とも連携をして、雇調金支給までの資金繰りについて三月以降取組を行っているわけでございます。休業や教育訓練を行い、雇調金の申請を行った企業が、およそ二か月後に支給される金額についてこれが直ちに必要となる場合どのような資金繰りをすればいいのでしょうか、お尋ねをいたします。
#55
○政府参考人(長谷川榮一君) お答え申し上げます。
 雇調金、大変重要な制度でございまして、私ども、厚生労働省に対しましても、中小企業者の立場から少しでも早くそして要件も簡素化をして交付をいただけるようにお願いも働きかけもしております。
 今御指摘にございましたように、申請をされる方が大変多いという現実的な問題があるために、実際にその給付に至るまである程度の期間が掛かっているという現実もございます。
 そこで、三月に商工中金、日本政策金融公庫、民間金融機関に私どもと金融庁で分担をいたしまして要請をいたしましたが、ある意味で利用者が増えているということで、なかなか現実にはまだまだこの辺の徹底が必要だということで、この五月十一日から、雇用を維持される中小企業の経営者の方に向けまして、日本政策金融公庫によります低利融資を、更に別枠の資金を設けまして、こちらは金利も優遇いたしまして現在御利用いただいております。
 五月十一日からの御利用実績は、これまでに百三十八件、百三億円ということでございますけれども、この点は更に徹底するように今後ともしっかりと対応していきたいと思っています。
#56
○津田弥太郎君 御案内のように、厚生労働省の調査では、雇用調整助成金の制度を活用している事業所が七万事業所、約二百三十三万人というのが最も新しい数値として報告がされているわけでございます。
 いずれも今ぎりぎりのところで頑張っている、何とか失業者を出さないように努力をしているということでございますので、その点は是非、経産省におきましてもその間の資金を、つまり雇調金というのは、前も申し上げましたように、先にお金をくれるんじゃなくて後にくれるものですから、そこまでのつなぎ資金というのがないとやっていけなくなってしまうということでございますので、是非その点につきましてはタイムリーに行っていただくよう再度御要請を申し上げておきたいというふうに思います。
 さて、今回のEPAは、スイスという、我が国にとっては初めてヨーロッパの先進国との間で結ばれるものでございます。その意味で、非常に今後を占う先駆的なモデルとして位置付けられているわけであります。
 世界的な貿易に関する枠組みにおいて、言うまでもなくWTOが存在をし、二〇〇一年から始まったドーハ・ラウンドもこの十一月で丸八年になろうとしているわけでございます。このように、世界全体として多角的な自由貿易体制を目指す努力がWTOをベースとして行われている中で、本来はWTOの無差別原則の例外であったEPA、FTA、これの位置付けというのはまさに日を追って高まっているのではないかというふうに考えるわけでございます。
 そこで、大臣から改めて、貿易立国である我が国において、EPA、FTAの今日的な意義というものについて政府としての見解をお聞かせいただきたいと思います。
#57
○国務大臣(二階俊博君) ただいま津田先生から、スイスとのEPAについて一定の評価をいただいたわけでありますが、まさにヨーロッパ最初のEPAでありますから、我々はこのことを大切にしてヨーロッパとの交渉、そして先進諸国との交渉に臨んでいく一つの模範例としていきたいというふうに考えております。
 お尋ねのとおり、貿易立国である我が国にとっては、世界各国との間で緊密な協力関係を築きながら、更に自由貿易を進め、貿易と投資を促進していくこと、これは極めて重大な課題であります。したがって、保護主義を抑止しながら、WTOのドーハ・ラウンドの早期妥結を目指すとともに、恐らく今行われておりますサミットにおきましても、ドーハ・ラウンドの妥結について首脳間での積極的な意思の表示があろうと思われるわけでありますが、その意思の表示とは裏腹に、実際それぞれの国内事情というのは御承知のとおり複雑なものがございますから、容易にまだその先が見えてこないということでありますが、今先生からもお話しのとおり、八年掛かっておるわけでありますから、幾ら何でも、WTOはただラウンドテーブルで議論しているだけの団体かということになってしまうわけでありますから、ここらでそろそろ結論を出す、結論を出すためにはその結論を出すための準備が必要でありますが、私ども、政府挙げてこの問題の解決に向けて今後努力をしていきたいと思っております。
 これまでASEAN内の七か国、ASEAN全体、あるいはメキシコ、チリ、そしてスイスとの間でEPAを締結しましたことは御承知のとおりでありますが、現在、中東湾岸六か国による湾岸協力会議あるいはインド、豪州との間で交渉を既に続けておりまして、今年五月よりペルーとの間で交渉を開始することにしました。このほか、東アジア十六か国による広域的な経済連携構想でありますいわゆるCEPEAなども推進をしております。
 経済産業省としては、一層の貿易の自由化や各国との協力関係の強化を図り、我が国経済の発展を促進するため、引き続きEPAに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#58
○津田弥太郎君 分かりました。
 そこで、我が国は、食料とエネルギーという生活の根幹部分を輸入に頼っている国であります。直近の数字で食料の自給率は四〇%、エネルギーに至っては自給率が一六・三%という実情にあるわけでございます。その意味で必然的に、外貨を獲得していかないと日本という国の経営そのものが成り立っていかない、国民も安心して生活できないということになるわけでございます。
 近年、観光とかコンテンツ産業、外貨を獲得するための新たな産業育成について政府も力を入れているということは分かるわけですが、やはり戦後の我が国を支えてきた、今後も含めて基幹産業として輸出競争力を有しているというのは、私は製造業、これはもうナンバーワン、これはもう製造業にほかならないと私は考えているわけであります。
 そこで、お尋ねするわけでありますが、自動車あるいは電機、工作機械、各種産業機械、建設機械、こうした我が国の製品のアメリカやEUへの輸出について、仮にですよ、仮に、我が国にとってライバルになる中国とか韓国とかベトナムだとかそういう国々がアメリカ、EUとの間でEPAを締結をした場合、いまだ締結をしていない我が国との比較においてどのような差が生じるのか、大変これ関心があるというか、心配な点なわけでありますが、具体的な例で説明をいただけますでしょうか。
#59
○政府参考人(小川恒弘君) お答え申し上げます。
 ライバル国と我が国の主要な輸出先でありますアメリカとかEUとの間でもしもFTAが締結された場合につきましては、御指摘のとおり、我が国企業の競争環境を悪化させる可能性がございます。
 例えばEUでは、薄型テレビが一四%、それから乗用車につきましては一〇%など比較的高い関税が課されております。それで、例えばライバル国の韓国とEUとの間のFTAの交渉の進展を背景に、我が国産業界は日本とEUとの間でも経済統合協定の実現を強く要望しているところでございます。この日・EU間の経済統合協定につきましては、政府においても、骨太の方針におきまして、日本とEUの経済関係の更なる発展を促す方策について真剣に検討を進めるということとされておるところでございます。
 以上のとおり、EUとかアメリカにつきましては、引き続き、産業界の意見を踏まえまして、関係省庁とも協力しながら二国間の経済関係の強化に向けて積極的に検討を進めてまいりたいと思います。
 また、これと同時に、先生御指摘のとおり、大臣も申し上げましたとおり、FTAはWTOを補完する性格のものでございます。現在交渉中のドーハ・ラウンドの早期妥結により関税削減に全力を尽くす所存でございます。
 以上でございます。
#60
○津田弥太郎君 今申された関税分のハンディキャップ、これというのはちょっと軽視できる話じゃないわけであります。先月決定をされました基本方針の二〇〇九におきまして、あるいは昨年も決定された、二〇一〇年に向けたEPA工程表に基づいた取組を行うということにされているわけですが、主要な貿易相手国との間のEPAの締結に向けて、これ本当に政府が努力をしていかなきゃいけないというふうに考えるわけであります。
 そこで、問題になってくるのは農業です。これ、どうしてもこの問題がネックになってくるのかな。平成十六年十二月に発表されました経済連携促進関係閣僚会議の交渉相手国・地域の決定に関する基準の中にもこういう文章が入っているんです。「農林水産分野については、我が国の食料安全保障の視点や、我が国で進行中の同分野の構造改革の努力に悪影響を及ぼさないか。」。この問題というのは、本当に二者択一の問題ではないんではないか。これ、農業に従事をしている方々の不安を解消しつつ我が国の貿易を促進する、貿易促進を図るということは、これはできることじゃないのか、これ進めていかなきゃいけないことではないのかというふうに考えるわけです。
 私どもの党におきましても、EPAあるいはFTA対策の小委員会を設置をして検討を深めるということにしておるんですが、是非、経産省と農水省との間で、国家ビジョンとしてのEPA、FTAに関する戦略をしっかり深めていただくということを、大臣、やっていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
#61
○国務大臣(二階俊博君) 現下の政治上最も重要でかつ困難な問題に対して、今、津田先生から大変適切な御提言をちょうだいしたと思っております。
 EPAは関税の削減や投資環境の整備により貿易、投資の拡大を図るものであって、我が国の経済の発展を促す意味におきましてこれは避けて通ることのできない極めて重要な、重大な問題であるということは議員が御指摘のとおりであります。
 そこで、問題は農業分野でありますが、国内の厳しい、しかも難しい問題を抱えていることも承知をいたしております。
 私も、先般、郷里の方で県選出の国会議員と農協の各代表との意見交換がございましたが、農業問題に対してそれぞれ相当厳しい御意見があったことも事実であります。
 私は、即刻、遠いところでラリーの応酬をしているようなことではなくて、直接農林水産大臣にもお話をなさったらいいと、その場はつくろうということで、先般、そういう協議会を開催をいたしました。これ大変、双方に理解を深める意味で効果があったと思うんですが、そうしたことなども今後積極的に全国各地でも開催するなどして、農業分野との間の理解の度合いに対する距離感を縮めていくこと、これが大事だと思っております。
 農林水産省を始め、私は、特に外務省、財務省などの関係省庁と密接に連絡を取りながら、農業のこの難しい問題にどう処していくか、そして、日本全体としてバランスの取れた最も望ましい内容の協定となるように政府は一丸となって交渉を進めてまいらなくてはならない。私は、その上で農商工連携ということも特に強く推進をしてまいりたいと思っておりますし、例えば植物工場を、経済産業省の庁舎の中に植物工場の見本のようなものを設置して、経済産業省そのものも農業問題に深い理解、そして勉強をすると同時に、農林水産省関係の皆さんにも、経済産業省がそうしたことに対する取り組んでおることに対して理解をいただく。
 今急速冷凍などという言葉が大変はやってきておりますが、急速冷凍が進んでまいりますと、あの豊作貧乏とか豊漁貧乏とかという言葉が農業の世界、水産業の世界に存在していることは事実でありますが、急速冷凍をうまく活用することによって、たくさん取れ過ぎたときにはそこで冷凍しておいて、そして値段を調整してこれを市場に出すということになれば、消費者も助かるし、そして生産者も貧乏などという言葉をぬぐい去ることができるわけでありますから、そうした面においても相当力を入れて対応していかなくてはならないと思っておるわけでありますが、また、議員のような御提言をちょうだいしながら我々は真剣な取組をしてまいりたい、これが今経済産業省に課せられた最も重大な問題だと考えております。
#62
○津田弥太郎君 是非、農家の方々が、おれたちは自動車や電機産業の犠牲になっているなんという話にこれならないようにしなきゃいけない、お互いに共存共栄していかなきゃいかぬ、日本国全体のためにはそういうことだと思うんです。是非全力を尽くしていただきたいなと思います。
 さて、法案の具体的な内容についてお尋ねをしたいと思います。
 今回の法案は、自己証明制度を採用しているスイスとの経済連携協定締結ということで、相手の国に合わせて自己証明制度を我が国も初めて取り入れるということでございます。
 第二種特定原産地証明書を発行することのできる認定輸出者については経産省令で定める基準を満たす必要があるわけですが、この点について衆議院段階で、過去に一定回数の原産地証明書の発給を受けた実績があること、二つ目、その企業において担当部門や責任者がきちんと特定される社内体制が整っていることという二点が藤田局長から答弁をされているわけであります。
 この一定回数というのはおよそ何回程度ということを言うのか、また、この社内体制というものについてはしっかりしたものが求められる一方で、中小企業にも過度の負担とならないことが求められるわけですが、これらを両立できるものとなっているのかどうか。さらに、認定輸出者として現時点で経産省では何社程度を見込んでいるのか。また、その属性について、例えば業種別あるいは中小企業と大企業との別などについてどのような想定をされているのか。まとめてお答えください。
#63
○政府参考人(藤田昌宏君) お答え申し上げます。
 まず、自己証明制度の場合の認定基準の一つといたしましての原産地証明書の発給を受けた実績でございますけれども、これ、具体的には法律が成立させていただいた暁に省令で決めることになるかと思いますが、私ども今内々に検討しておりますのは半年間で八回以上の実績、受給した実績を要件とすることを考えております。
 それから、社内体制についても御質問がございましたけれども、委員御指摘のとおり、中小企業の方々に過大な負担を強いることのないように、担当部門あるいは責任者を特定する等の必要最低限の内容を基準とすることを考えております。
 それから、認定企業数についてもお尋ねがございましたけれども、昨年私どもアンケート調査を実施をしておりますが、その結果を踏まえまして、大体当面は、この認定を受けられる輸出者、二十社程度になるのではないかと見込んでおります。内訳につきましては、自動車メーカーあるいは商社が大体それぞれ二割ぐらい、それから電機・電子メーカーや測定機器メーカーがそれぞれ一割程度を占めることになるのではないかと。また、事業規模別では、当面大企業が中心になるということを想定しております。
#64
○津田弥太郎君 分かりました。
 それでは、ちょっと懸念すべきことが一点あるんです。この自己証明制度の問題でございますが、スイスとの取引の場合にはこれが通用するわけです。ほかの国との問題ではこの第三者証明を受け続けなければならないということになるわけで、そういう自己証明の社内体制がきちっとできる企業にとっては非常に煩雑になるんではないかという懸念があるわけでございます。
 これ、今後、既に協定を結んでいるEPAあるいはこれから結ぼうとしているEPAの中に、この自己証明制度というのをどういうふうに展開をしていくつもりなのか、その辺についてお答えください。
#65
○政府参考人(小川恒弘君) お答え申し上げます。
 近年、EPA協定の利用が進みまして、産業界からもより使いやすい証明制度を望む声を伺っておるところでございまして、政府としても、認定輸出者による自己証明制度の採用につきましては、今後の非常に重要な課題の一つであるというふうに考えております。
 これまでEPAを締結してまいりましたASEAN諸国などの側では、自らの国において自己証明制度が実際に運用が可能か否かなどの実効性も含め検討中でございます。したがいまして、今後のEPA交渉、それからEPA改定交渉におきましては、日本の産業界のニーズ及び相手国の事情も踏まえまして、自己証明制度の採用について積極的に検討を行ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#66
○津田弥太郎君 分かりました。是非そういうふうに進めていただきたいと思います。
 もう時間でございます。最後の質問になるだろうと思います。
 もう一つの懸念の点は、第一種の原産地証明書の発給申請者、あるいは第二種の原産地証明書を作成する認定輸出者、これらが当該物品の生産者ではない場合には、生産者が特定原産品であることを誓約する書面を交付して、これを特定原産品であることを明らかにする資料に代えるということが可能になるということでございます。
 問題は、この原産品誓約書を交付することが可能な生産者について何ら公的な信頼性の確保策が行われていないというふうに見受けられるわけであります。これ、我が国とスイスとの間における信頼関係にあるわけで、認定輸出者とか発給申請者がしっかりしてりゃ大丈夫じゃないかという話があるかもしれないんだけれども、我が国国内でもいろんな事件が起きておりますので、本当に生産者のところでのきちっとした対応ができるのかどうか、その辺について見ておく必要がないのかどうか。そこら辺どんなふうに考えているかをお聞きしたいと思います。
#67
○政府参考人(藤田昌宏君) 委員御指摘のとおり、今回の法律の改正によりまして、原産品誓約書制度というのが新たに導入されるわけでございますが、この制度はスイスなどの欧州では一般に行われている方式でございまして、今回初めて日・スイスEPAにも盛り込まれたものでございます。
 本制度の導入に伴いまして、改正法において、原産品誓約書を提出した生産者に対しては書類の保存義務が輸出者と同様に課せられております。また、相手国から原産品であるか否かについての情報提供要請があった場合などには、経済産業大臣が生産者に対しても必要な報告徴収あるいは立入検査を行うことができるということともされております。また、生産者が虚偽の原産品誓約書を作成した場合には、罰則も掛かる、罰金刑も掛かるようになっておりますので、一定の担保措置はとられていると考えております。
#68
○津田弥太郎君 終わります。
#69
○荻原健司君 自民党の荻原健司です。
 この度、スイスとEPAが締結をされるということで、原産地法が改正をされるということでございます。
 スイスという国、私もかつてスキーの選手のころに何度か行って、競技会等開催をして、参加をしてまいりましたので、大変私の中ではなじみ深い国の一つでございます。スイスというのは、もう皆さん御承知のとおりですが、欧州連合に加盟をしておりません。ヨーロッパの地図をがっと広げて、欧州連合に加盟をしている国々を塗りつぶしていきますと、そこだけぽつりと穴が空いたような状況になっております。
 それがスイスの現状でございますが、もちろん通貨は、EU連合に加盟しておりませんので、ユーロではなくて地元通貨のスイス・フランということです。為替で言うと今、一スイス・フランが八十七円程度だということを伺っておりますが、このスイス・フランというのは世界で最も安定した通貨であるというふうに言われております。スイスというのは国内の物価、もちろん賃金の水準も高くて、国民の貯蓄高も日本並みに高いと。輸入関税率は低く、例えば高級外国車などが比較的安く購入できると。ですから、スイスの欧州連合加盟の賛否を問う国民投票においては、いつも国民の過半数が反対ということになっております。
 要は、EUに加盟しても我々には何らメリットがないというのがスイスの姿勢なのかなと、こう思うわけなんですが、ちょっと、私もスキーの選手として何度か行っておりましたので、ちょっとスポーツのことで少しスイスをどんな国かというのを紹介したいと思いますが、スイスというのは実は、冬のオリンピックを二度開催をしております。サンモリッツという高級リゾート地で、随分前ですけれども、一九二八年、四八年。非常に、何というんでしょうか、スポーツには大変理解の深い国かなと思うのが、例えば国際サッカー連盟なんというのは実はスイスの都市のチューリヒにある、これ本部があると。また、第四の都市と言われるローザンヌにはIOCですね、国際オリンピック委員会の本部があったりすると。
 例えば、つい先日、テニスの男子ウィンブルドンなんというのがあって、優勝した方、ロジャー・フェデラーさんという人はスイス人ということで、意外と、我々からすると小さな国のようなんですが、いろんなところで頑張っている国がスイスかなというふうに思っております。
 一般的には、特に観光地としては人気が高いのではないでしょうか。マッターホルン、ツェルマット、ユングフラウ、アイガー、メンヒとか、そういったヨーロッパアルプスの代表的な山々がありますし、もちろん精密機器というんでしょうかね、時計ですよね、これは有名な話ですし、多分これは一度は買ったことがある方も多いんじゃないかと思いますが、よくいうアーミーナイフ、ビクトリノックス、旅行に行くとなぜか必ず買ってしまうというビクトリノックス、ああいうものも大変非常に優れた製品としてあります。
 早速質問に入らせていただくわけなんですが、ちょっとまず第一点目、一点目といいながら、細かく分けると三つぐらいあるんですが、まとめてお答えいただければ有り難いと思っております。
 まず、全体的な御質問なんですが、先ほど来御質問にもありました。これまで我が国が締結した締結済みのEPAは九つに上るわけでございますけれども、これまで締結しました協定あるいはその運用についてのまず全体的な評価をお伺いしたいと思っております。また、日本とスイスでEPAが締結されることによりどのような効果が期待をされているのか、さらには、今後のEPA、FTAをどのように進めていくのか、まずお伺いしたいと思っております。
#70
○大臣政務官(谷合正明君) まず、これまでの全体的な評価、効果ということでありますけれども、EPAを利用しまして我が国の企業が関税削減効果を受けているというふうに認識をしております。特に、このEPA締結から一定期間が過ぎておりますメキシコ、マレーシア、チリ及びタイとの貿易額は、EPA発効後に拡大をしております。EPAは、そうした意味で貿易を促進して、相手国との経済関係の強化に役立っているとまず考えております。
 次に、スイスとのEPA締結による効果ということでありますけれども、現在、スイス向けの輸出額の約八割に関税が課せられておりますが、このEPAによりましてその大部分が無税となります。また、スイスは現在多くの国とEPAを締結しておりますので、そうした中でスイス向け輸出に関して日本企業が置かれている不利な立場が是正されると考えております。
 最後に、今後のEPAの取組でありますけれども、まず、現在交渉中の中東湾岸六か国より構成される湾岸協力会議、インド、オーストラリア及びペルーとのEPAについては、早期に締結できるよう努力してまいります。そして、韓国とのEPAにつきましては、今月一日に交渉の早期再開に向けて協議を審議官級に格上げして行いました。それから、東アジア十六か国による広域的な経済連携構想でありますCEPEAの推進を始め、様々な国とのEPA締結について積極的に対応してまいりたいと思っております。
#71
○荻原健司君 ありがとうございました。
 次に入りたいと思っておりますが、これまでEPAを使って製品や産品を輸出しようとする企業が、日本製であることを証明するための特定原産地証明書、これを発行してもらうためには、煩雑な手続やコストが掛かって、それを嫌って通常の関税で輸出をするという事例もあったということを伺っております。EPAを利用するつもりがコスト高で断念をした企業もあったと推測できるのではないかなと思っております。それでは自由貿易を推進をしていく上での新たな障壁と言えると思いますし、これでは本末転倒ではないかというふうに思います。
 そこで、この度、自己証明方式を導入することとなったわけでございますが、この自己証明方式というのは手数料がゼロ、時間も取らないということで大変効果があるものだというふうに思います。ただ、これ、多国籍企業、先ほど藤田局長の方からもありましたが、一般的には大手企業、大企業、こういうものがこの制度を利用するのかなということを予想されます。一方で、既存の第三者証明発給手続の改善がこちらも図られることになるというふうに伺っております。より簡単な手続でいけるということになるんだろうと思いますが、自国内で生産、製造したという商工会議所の判定の有効期間を現行の一年から原則無期限にすると、繰り返しですけれども、申請に必要な書類も減らしていくということであると思います。いずれにしても、この第三者証明発給手続についても、結果的にはやはり申請者がきちんと自己判定をしていくと。ですから自己判定制度に近いものになっていくのではないかなと個人的には考えております。
 いずれにしても、とにかく制度が変わるということですから、やはり大企業、中小・小規模事業者問わず、この制度が変わるということをきちんと周知を徹底をすると、あるいは、マニュアルというものが各申請企業に提供されるということが大変重要なことではないかなというふうに考えておりますが、この点についてどのように取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。
#72
○政府参考人(藤田昌宏君) 委員御指摘のとおり、経済産業省としては、原産地証明制度の利便性の向上を図ることと併せて、利用者に対する制度内容の周知徹底が重要と考えております。
 このため、具体的には、中小企業を含む利用者に対し、原産地証明取得のための手続等のアドバイスを行うEPAアドバイザーという方々を日本商工会議所に配置をしております。さらに、日本商工会議所やジェトロがこの制度の周知のために年に四十回程度セミナーも実施しておりまして、これに対する支援も当省で行っております。
 今回の法改正によりまして新たにこの自己証明制度というのが創設されるわけですけれども、この制度の、新しい制度の内容はもとより、既存の第三者証明制度につきましても、委員の御指摘のとおり制度が変化してきておりますので、引き続きこれらの広報、周知の取組を進めたいと考えております。
 さらに、発給の申請あるいは認定申請の手続等に係るマニュアルの整備も行って、中小企業等においてもEPAの利用が一層図られるように私どもとしても万全を期してまいりたいと考えております。
#73
○荻原健司君 どうもありがとうございました。
 是非とも申請者の方々が大変使いやすい仕組みにしていただければと思います。また、先ほど質問もありましたけれども、今回これはスイスとの間のということですから、締結済みあるいはこれから協定を結ぼうとする国々との取組についても、是非ともこの自己証明制度、やっぱり、何というんでしょうか、使い回せるというんでしょうかね、何度も何度も繰り返し手続をしなくても済むような制度にしていただければ有り難いのではないかと思っております。
 最後になります。二〇〇八年の経済危機発生以来、世界各国で保護主義的傾向が高まっていると思っております。私もこれまでこの委員会で何度か質問をさせていただきました。例えば中国のITセキュリティー製品への強制認証制度、あるいは、かつて塚田議員が御質問されたと思いますが、韓国のリチウムイオン電池の認証を求める規制とか、最近はこういう保護主義傾向が高まっておりますが、政府としては今後こうした保護主義の抑止にどのように取り組んでいかれるのか、最後にお伺いをしたいと思います。
#74
○政府参考人(小川恒弘君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、保護主義が蔓延している傾向があるわけでございますが、その蔓延は日本政府としては断固として防がなければならないというふうに考えております。御案内のとおり、昨年十一月のG20ワシントン首脳会合では新たな貿易障壁を設けないとの宣言が出されておりますけれども、その後、各国、一部の国では関税の引上げであったり、政府調達における国産品優先、独自の強制規格の導入など、宣言に反する事例が多く見られるところでございます。これらの動きに対しましては、その都度日本政府として相手国に対しまして措置の撤廃などを申し入れてまいっているところでございます。
 先生御指摘の中国のITセキュリティー製品の強制認証制度につきましては、導入しないよう強く働きかけを行っているところでございます。
 また、韓国のリチウムイオン電池規制につきましては、運用面での見直しが発表されましたけれども、引き続き、貿易阻害効果が生じないよう議論を韓国側と継続をしたいと考えております。
 今後とも、各国が保護主義に向かうことがないよう努力を続けてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#75
○荻原健司君 頑張ってください。
 終わります。
    ─────────────
#76
○委員長(櫻井充君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、礒崎陽輔君が委員を辞任され、その補欠として山田俊男君が選任されました。
    ─────────────
#77
○松下新平君 改革クラブの松下新平です。
 早速ですけれども、本日の議題であります経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、賛成の立場から質問をさせていただきます。
 まず、二階経済産業大臣にお伺いしたいと思います。
 これまで日本とEPA締結、お話がありましたとおり、九の国・地域にまたがっております。そして、今回スイス、スイスはヨーロッパで最初ということで、それでまた、この原産地証明の発給という枠組みが今回法案として出されたわけですけれども、ヨーロッパで最初ということもありまして、これからこのEPAの交渉が大きく展開されることが期待されるわけですけれども、交渉中のEPAの今後の進展状況、そしてそれ以外の新たな国・地域とのEPA交渉に向けた取組について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#78
○国務大臣(二階俊博君) ただいま議員も御指摘のとおり、現在までに既にASEAN内の七か国、そしてASEAN全体、さらにメキシコ、チリ、そして今議題になっておりますスイスとの間でEPAを締結しております。
 今議員もお述べになりましたように、スイスはヨーロッパ初でありますから、ヨーロッパの他の国々もこの状況を見ておると思いますから、模範的なといいますか、EPAを日本との間で締結して良かったと、こう思われるようなスムーズな貿易の運営に意を用いてまいりたいと思っておるところであります。本法案をお願いしているゆえんでもあるわけであります。
 現在は、中東湾岸六か国によって構成されるいわゆる湾岸協力会議、これとインド及び豪州との間で交渉を始めております。
 さらに、本年五月、ペルーとの間で交渉を開始をいたしました。
 また、韓国とのEPA交渉は、二〇〇四年の以降はずっと中断しておりましたが、昨年末以来、三回にわたって、日韓首脳会議における合意を受けて、今年の一月から交渉早期再開に向け協議を行ってまいりましたが、現在のところ、いわゆる両国合意の上に審議官級に格上げして協議を行おうという、その申合せに基づいて審議官級の協議を開始をしておるところであります。先般も韓国の大統領がお越しになりました際にもこのことについて言及がありましたし、先般、また、韓国の中小企業団体、中小企業経営者の代表者百社の皆さんが日本に大挙しておいでになりました際にも、日本とのEPA交渉の早期妥結について積極的な要請があったところであります。
 東アジア十六か国による広域的な経済連携構想であります御案内のCEPEAの推進を始め、我が国は経済的利益の確保、相手国や地域の状況、EPAの実現可能性といった視点を総合的に判断をして、様々な国とのEPA妥結について積極的に推進をしてまいりたい、そして具体的な成果が上がるように努力をしてまいりたいと、このように考えているところであります。
#79
○松下新平君 ありがとうございます。
 将来の国家像を見据えたEPA・FTA戦略を構築した上で、貿易立国として我が国が重視してきたWTOの理念との整合性を確保しつつ、是非推進していただきたいと思います。
 次に、EPA締結国との貿易額の拡大につきましてお伺いしたいと思っております。
 経済財政改革の基本方針二〇〇八で示されておりますEPA締結国との貿易額全体に占める割合ですけれども、二〇〇八年が約一五%、二〇一〇年に二五%以上とする目標を掲げられておりますけれども、この達成の見通し、これ、目標は高いんですけれども、この見通しについてお伺いしたいと思います。
#80
○政府参考人(小川恒弘君) 先生御指摘のとおり、基本方針の前提となりました二〇〇七年の貿易額に基づきますと、現時点での我が国の貿易総額に占めるEPAを締結した国との貿易額の割合は、先ほどおっしゃられたとおり一五%となっております。
 この数字、この計算方法と同じようなやり方で、この貿易額にさらに署名済みのスイス、それから交渉中の韓国、それから先ほど大臣も申し上げました湾岸協力会議、オーストラリア、インド、ペルーを加えますと、貿易額の割合は三五%となり、目標の二五%を上回ることとなります。
 私どもといたしましては、この目標に向けて、今後とも、これらの交渉を着実に積極的に行ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#81
○松下新平君 よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、保護主義の抑止について、これは先ほど荻原理事の方からありましたので答弁は結構ですけれども、二〇〇八年の経済危機発生以降、世界各国で保護主義的傾向が高まっている現状は先ほどお述べになりました。G20で新たな障壁を設けないというルールを、枠組みをつくったにもかかわらず今足並みが乱れつつあるんですけれども、そういった点についても、大臣の方でもしっかりまた国益のために御努力をいただきたいと思います。
 次に、最後になりますけれども、このEPA締結、その効果についてなんですけれども、これについても先ほど御答弁がありました。着実に拡大しているということでありました。
 視点を変えてもう一点、この輸出入等に携わる企業の皆さんはどうかという点からお述べいただきたいんですけれども、この締結済みの協定やその運用につきまして、輸出入、これに携わる企業から政府に対して様々な要望がなされていると思いますけれども、それに対して政府はどのように対応されているかをお伺いしたいと思います。
#82
○政府参考人(小川恒弘君) お答え申し上げます。
 発効いたしましたEPAに基づきましては、通常、両国のビジネス環境を整備、改善するための小委員会を設けているところでございます。この委員会では、政府関係者に加えまして、先生御指摘の産業界、ビジネス界の代表の方々も参加をしていただきまして、産業界の要望を踏まえました対応を相手国に求めるといったようなことをやっているところでございます。
 例えば、日本とメキシコのEPA、これはもう締結をして四、五年たつわけでございますが、日本とメキシコのビジネス環境整備小委員会というのがございまして、既に四回開催をされまして、日本企業からの要望、例えば治安の向上であったり模倣品対策など様々な日本企業の要望についてメキシコ政府による対策が講じられているところでございます。
 EPA協定の実施に当たりましては、相手国政府と協力をいたしまして、その着実な執行に努め、実際の経済的なメリットを享受できるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#83
○松下新平君 是非頑張ってください。
 終わります。
#84
○委員長(櫻井充君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#85
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、中谷智司君から発言を求められておりますので、これを許します。中谷智司君。
#86
○中谷智司君 私は、ただいま可決されました経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び改革クラブの各派並びに各派に属しない議員田中直紀君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)は、経済、産業・就業構造、雇用、食料安全保障など多くの面において重要な影響が及ぶものである。したがって、将来の国家像を見据えたEPA・FTA戦略を構築した上で、貿易立国として我が国が重視してきたWTOの理念との整合性を確保しつつ、これを推進していくことが必要である。
  ASEAN等我が国周辺諸国においてFTA締結が急速に進んでいる一方で、我が国については、主要な貿易相手国である中国、アメリカ合衆国、韓国等との間においても、いまだにEPAが締結されていない現状を踏まえ、政府は、本法案提出の背景となった日・スイスEPAに続く今後の締結交渉を進めていくに当たり、交渉中の韓国等とのEPA締結プロセスを加速するとともに、その他の国とのEPA締結の検討やアジア・太平洋における広域経済連携に向けた取組を積極的に推進すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#87
○委員長(櫻井充君) ありがとうございました。
 ただいま中谷智司君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、中谷智司君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、二階経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。二階経済産業大臣。
#89
○国務大臣(二階俊博君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
#90
○委員長(櫻井充君) ありがとうございました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#92
○委員長(櫻井充君) 引き続き、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件及び外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物につき輸出承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。二階大臣。
#93
○国務大臣(二階俊博君) 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮からの貨物につき輸入承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国は、平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を始めとする我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、同年十月十四日より、四度の延長措置を経て、平成二十一年四月十三日までの間、北朝鮮からの輸入の禁止等の措置を厳格に実施してまいりました。しかし、拉致、核、ミサイルといった諸懸案に対する北朝鮮の対応や、六者会合、国際連合安全保障理事会等における国際社会の動き等その後の我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、平成二十一年四月十日の閣議において、引き続き、外国為替及び外国貿易法に基づき、北朝鮮からの輸入の禁止等の措置を実施することとしました。なお、諸懸案の解決に向けた北朝鮮側の姿勢に大きな変化が見られない中で、これまで四回にわたり半年間の継続が繰り返されてきた点を考慮し、今回はこれらの措置の延長期間を一年間といたしました。
 これらの措置のうち、同法に基づき国会の承認が必要な措置について、承認を求めるべく、本件を提出した次第であります。
 次に、本件の要旨を御説明申し上げます。
 本件は、外国為替及び外国貿易法第十条第一項の規定による平成二十一年四月十日の閣議決定に基づき、同年四月十四日より平成二十二年四月十三日までの間、北朝鮮からのすべての貨物の輸入について経済産業大臣の承認を受ける義務を課す措置を講じたことに加え、北朝鮮から第三国へ輸出する貨物の売買に関する仲介貿易取引について経済産業大臣の許可を受ける義務を課す措置を講じたことについて、同法第十条第二項の規定に基づいて国会の承認を求めることを内容とするものであります。
 以上が本件の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
 次に、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物につき輸出承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 平成二十一年五月二十五日、北朝鮮が再び核実験を実施した旨の発表を行いました。
 このような北朝鮮の行動は、北朝鮮が大量破壊兵器の運搬手段となり得る弾道ミサイル能力の増強をしていることと併せ考えると、我が国の平和及び安全に対する重大な脅威であります。政府は、北朝鮮に対し厳重に抗議し、断固として非難するとともに、諸般の情勢を総合的に勘案し、北朝鮮に対し更なる厳格な措置をとることが必要と判断しました。本措置の一環として、平成二十一年六月十六日の閣議において、外国為替及び外国貿易法に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出を禁止する等の措置を講じることとしました。同法に基づき、これらの措置について承認を求めるべく、本件を提出した次第であります。
 次に、本件の要旨を御説明申し上げます。
 本件は、外国為替及び外国貿易法第十条第一項の規定による平成二十一年六月十六日の閣議決定に基づき、同年六月十八日より平成二十二年四月十三日までの間、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出について経済産業大臣の承認を受ける義務を課す措置を講じたことに加え、北朝鮮を仕向地とする第三国からの貨物の移動を伴う貨物の売買に関する仲介貿易取引を行うことについて経済産業大臣の許可を受ける義務を課す措置を講じたことについて、同法第十条第二項の規定に基づいて国会の承認を求めることを内容とするものであります。
 以上が本件の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
#94
○委員長(櫻井充君) ありがとうございました。
 以上で両件の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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