くにさくロゴ
2009/05/08 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 厚生労働委員会 第11号
姉妹サイト
 
2009/05/08 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 厚生労働委員会 第11号

#1
第171回国会 厚生労働委員会 第11号
平成二十一年五月八日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     佐藤 公治君     下田 敦子君
     中山 恭子君     橋本 聖子君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     橋本 聖子君     島尻安伊子君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     下田 敦子君     大島九州男君
     石井みどり君     山田 俊男君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     渡辺 孝男君     浜田 昌良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         辻  泰弘君
    理 事
                中村 哲治君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                梅村  聡君
                大島九州男君
                川合 孝典君
                小林 正夫君
                谷  博之君
                森田  高君
                石井 準一君
                岸  宏一君
                坂本由紀子君
                島尻安伊子君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                古川 俊治君
                山田 俊男君
                浜田 昌良君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   舛添 要一君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大村 秀章君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       外務省北米局長  梅本 和義君
       厚生労働省医政
       局長       外口  崇君
       厚生労働省健康
       局長       上田 博三君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高井 康行君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       石塚 正敏君
       農林水産大臣官
       房審議官     梅田  勝君
       農林水産省生産
       局畜産部長    佐藤 一雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (新型インフルエンザに関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(辻泰弘君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、佐藤公治君、中山恭子君、石井みどり君及び渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君、島尻安伊子君、山田俊男君及び浜田昌良君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(辻泰弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長上田博三君外六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(辻泰弘君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、新型インフルエンザに関する件を議題といたします。
 まず、舛添厚生労働大臣から報告を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(舛添要一君) 日本時間の四月二十七日二十三時、WHOにおいて専門家による緊急委員会が開催され、その結果を踏まえて公表されたWHO事務局長のステートメントの中で、継続的に人から人への感染が見られる状態になったとしてフェーズ4宣言が正式になされ、また、四月三十日には、感染が更に広がっていることが確認され、フェーズ5宣言がなされたところであります。
 こうした事態を受けまして、厚生労働省としましては、フェーズ4に引き上げられた段階で、今回のインフルエンザを感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、いわゆる感染症法に規定する新型インフルエンザ等感染症に位置付けたところであります。同時に、政府においては、内閣総理大臣を本部長とし、内閣官房長官及び厚生労働大臣を副本部長とする新型インフルエンザ対策本部を設置し、新型インフルエンザ対策は国家の危機管理上重大な課題であるとの認識の下、必要な対策に取り組んでおります。
 現在、検疫法に基づき、新型インフルエンザの蔓延防止のため必要な措置を講ずるとともに、新型インフルエンザ対策行動計画等にのっとって、関係省庁と密接に連携しながら、国民の生命と健康を守るため万全の対策を講じているところであります。
 まずは、ウイルスの国内への侵入を阻止するための水際対策についてですが、ゴールデンウイーク中も関係省庁の協力を得まして、政府一体となって対応したところであります。本日までの時点において、国内での新型インフルエンザの発生は幸いにも確認されておりません。
 また、国民等に対する相談体制については、各地方公共団体でも保健所等において相談窓口が設置されておりますが、国民の皆様の不安解消に努めるため、厚生労働省内にコールセンターを設置し、新型インフルエンザに係る様々な相談に対応しております。引き続き、適時適切な情報提供を行い、国民の皆様に冷静な対応を呼びかけてまいります。
 さらに、今後、新型インフルエンザが国内で発生した場合に備え、保健所等に設置する発熱相談センター及び感染防止対策を講じた医療機関である発熱外来を整備したところですが、更にこれについても対応してまいります。また、抗インフルエンザウイルス薬の速やかな供給体制の整備を図るほか、パンデミックワクチンの製造に取り組んでまいります。
 また、国立感染研究所において開発した新型インフルエンザの確定検査に必要なPCR法の検査試薬の地方衛生研究所への配付等により、検査体制の整備が進んでいるところであります。
 加えて、ウイルスの感染力、毒性等の性質について、特に感染国の状況に関する調査に係る情報の入手、国立感染研究所等を通じた専門家ネットワークを活用した情報収集等により、全力を挙げて情報を収集してまいります。
 以上、御報告申し上げますとともに、厚生労働省としては、今後とも新型インフルエンザに適切に対応してまいる所存でございますので、委員の皆様におかれましては御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
#7
○委員長(辻泰弘君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○足立信也君 おはようございます。民主党の足立信也でございます。
 先ほどエレベーター内で大臣にお会いしましたけれども、この十日前後といいますか、大変な御苦労だったと思います。それから、もちろん関係省庁の方々も大変だったと思いますが、私は、ちょっと今までの取組、科学的にといいますか、科学的に考えるとちょっと間違っているんじゃないかなという気がします。その点を、私は感染症及び公衆衛生の専門家ではありませんけれども、その取組がちょっと違うんではないかということについて質問したいと思います。
 それで、まずは、やはり今いろいろメディアを通じて拝見しておりますと、かなりの混乱があることはもう明らかですね。それは、まず国民の皆さんが一番心配されているのは、これは毒性が強いのかどうか、それから感染力がどうなのか、蔓延するのか。これは本来的には余り相関のない話でございます。強いて挙げれば弱毒型の方が蔓延しやすい、そこら辺の混乱もあると思いますが。そこで、まず第一に、これまで講じてきた対策ということでお聞きします。次に、これからやるべきことという二段階でいこうと思います。
 まずは、私、今厚生労働省のいろいろ行っている事業を調べておりますと、感染症の発生、蔓延防止に必要な経費として二十年度は六億四千五百万円、二十一年度は八億四千八百万円の予算が組まれているわけです。これは研修等あるいは啓蒙、そういったことになると思いますが、ちなみに十九年度、二十年度の新型インフルエンザ発生に備えた研修会とかあるいは推進事業の予算は幾らで、どこが何を行ったんでしょうか。
#9
○政府参考人(上田博三君) 新型インフルエンザ対策に関する研修会等につきましては、平成十九年度において厚生労働科学研究費補助金新興・再興感染症研究推進事業により、まず新型インフルエンザに関するセミナーを開催しました。平成二十年度におきましては、都道府県向けに新型インフルエンザ行動計画等にかかわるブロック別会議を全八回開催しまして、それにより都道府県から市町村に対して今回の行動計画などの内容の伝達を行ったところでございます。
 また、厚生労働科学研究費補助金新興・再興感染症研究推進事業により新型インフルエンザ対策セミナーを二回実施したところでございます。また、このほかにも平成二十年度より都道府県が行う新型インフルエンザ診療従事者研修事業に対して支援を行うことにより、発生時における医療機関の対応や院内感染防止対策の強化を図っているところでございまして、十九年度の予算でございますが、先ほど申し上げましたセミナーの費用が六百万円、二十年度行動計画にかかわるブロック会議全八回のものが、これは講師派遣費用等で三十万円、それから先ほど申し上げましたインフルエンザに関するセミナー二回分が約一千万円でございます。
#10
○足立信也君 そこで、都道府県の担当者のブロック会議というのが八回というのがありましたけれども、一般の方々を対象としたいわゆる今の混乱を防止するという意味でも大変重要だと思いますが、その研修あるいは推進事業、これが十九年度が六百万、二十年度が一千万と、これで果たして、当時は当然のことながらH5N1の新型を想定していたわけですけれども、新型インフルエンザ等であったわけで、何もそれだけに限定した話ではなくて、こういう事態はいつでも起きると、時間の問題だということは分かっていたわけですね。この予算でセミナー、昨年度は二回と、恐らく四、五百名だと思います。こういったことで国民の皆さんが、この新しい我々が遭遇しようとしている病気についての理解が進むのかどうかと。これは大変な問題だと思います。
 ちなみに、我が党が昨年十一月に経済対策というものの中で出した政策では、医療が全体としてOECD各国に比べて極めて貧弱な状況になっている、一兆九千億円つぎ込むんだと。その中で、ちなみにインフルエンザ対策として一千億円ぐらい必要だろうというような試算をしております。一千億円と一千万という話です。これはもっといろんなメディアを通じてやはり今まで啓蒙、研修、周知といったようなことを図るべきだった、これがまず第一点。
 次に、先ほど大臣からありましたけれども、四月二十七日に、WHOの事務局長ですね、マーガレット・チャン、彼女がフェーズ4に引き上げたときに、集団発生の封じ込めは現実的ではないと、封じ込めは現実的ではないと、被害を緩和する手段に集中するべきである、このように発言しています。これはある意味当然でして、潜伏期で入国することが極めて多いと思われます。
 昨年五月に法改正で、民主党としては修正したわけですが、無症状で入国する方、これらが相当数多いと想定したわけですね。そこでその修正加えたわけですけれども、昨日、WHOのフクダ博士ですね、事務次長の記者会見で、科学者会議では潜伏期間は一日から一週間、一週間あると。アメリカで最初に亡くなった二十二か月の男の子も、メキシコからアメリカに渡って四日たって発症していると。つまり、一週間前後はあるだろうと、潜伏期がですね、この問題。それから、どの経路から入国してくるか分からない、このグローバル社会でですね、その問題。それから、弱毒型であれば毒性弱いわけですから症状も軽い段階、あるいは潜伏期がある、そこの段階で入国するわけですから水際では分からないわけですね、といった問題があると。そして、アメリカの感染者のうちメキシコに滞在していた人というのは一〇%にも満たないわけですね。今国内で人―人感染で広がっているという実際があるわけです。
 でも、どうも見ておりますと、水際対策、つまり検疫に偏重して、そこに異常に労力を注いでいるように見えてなりません。そういう水際対策を今取っているというのは恐らく日本と中国だけではないかと、そのように思います。あの九十年前のスペイン風邪のときも、これも第三波あって、日本で爆発的に死者が出たのは第二波ですね。もう入った後です。そこの対策の方がはるかに大事だと。それに、WHOも水際対策というのはもう現実的ではないと、封じ込めは。そういう宣言をしたわけですね、記者会見。そういった対策の誤りがまずあるんではないか。
 そこで、封じ込めの手段として使われていますサーモグラフィーですね、熱を画面で見るサーモグラフィー。これ恐らく四月の終わりに新型インフルエンザ対応機というのが突然登場して、システムで約三百万、二百九十八万ですね。これ今までの型のタイプだと百八十万円です。これを一体何台購入して、そのサーモグラフィーを見るために検疫官を何人増員したんでしょう。
#11
○政府参考人(石塚正敏君) サーモグラフィーの設置状況について御報告いたします。
 現在、検疫所全体で百五十一台のサーモグラフィーを配置しているところでございます。サーモグラフィーは機内検疫及びブース検疫に使用されまして、一台ごとに一名の検疫官が配置されているという状況でございます。成田空港検疫所の例で申しますと、現在、機内検疫用に手持ち型として十六台、それからブース検疫用として据置型を十三台使用しております。このため、計二十九名の検疫官を配置しているというところでございます。
#12
○足立信也君 実は、今まで使っておられたタイプと、それから突然出てきたこの新型というもの、ホームページですけど、カタログを取り寄せてみたんですけど、どこが変わったのかよく分からないぐらい極めて似ている感じがします。値段としては一台当たり百八十万と約三百万と、こういうことになったわけですが、非常事態ということなんでしょうが、これ随意契約ですか。
#13
○政府参考人(石塚正敏君) 申し訳ございません。ちょっと手持ち資料がございませんので、この場ではお答えしかねます。
#14
○足立信也君 これは、経過上恐らく随意契約で、あるいは、そして新型って、対応機ということで、ぽっとそれを購入した百五十一台という感じがいたします。ちょっとこれは、今日は時間がそれほどありませんから、追ってこの契約について、それから有効性について更に詳しく質問したいと思います。準備をしておいてください。
 ところで、このサーモグラフィー、これは今までにその有効性が本当に示されたのかと。例えば、重症急性の呼吸器症候群というSARSのとき。このときは、私の知っているデータでは、三千五百万人のスクリーニングが行われたけれども、発見がゼロ。それから、検疫所のデータでも、サーモグラフィーを使って症状がある人を発見したと、この確率が、これもあるデータですけれども〇・〇二%。三百万円前後のものを百五十一台緊急購入と、こういうふうになったわけですけれども、果たしてこれ費用対効果として本当にあるのかなという感じがまずしております。このサーモグラフィーの件。
 それから、先ほど、ゴールデンウイーク中も人員の不足が考えられるので検疫業務支援を医系技官が行うことになったと、だから緊急に集めましたですよね。医系技官の方々も大変だったと思いますが、このゴールデンウイーク、特に五月五日、六日の入国してくるタイミングを計って増員されたと。このときにはどれぐらい増員できたんですか。
#15
○政府参考人(石塚正敏君) 現在、検疫所におきましては、新型インフルエンザの発生を受けて、水際対策を可能な限り徹底するため、メキシコ、カナダ及びアメリカ本土から到着いたしますすべての便を対象に機内検疫を実施しますとともに、発生国から第三国を経由して入国する者を把握するため、すべての入国者に対して健康状況の質問票を徴収、審査をしているところでございます。
 こうした検疫体制の強化に伴いまして、機内検疫等に従事する医師が更に必要となったため、延べ五十八名、実人員では三十七名の本省医系技官を検疫所に派遣したところでございます。
#16
○足立信也君 済みません、ごめんなさい、何名でしたっけ。
#17
○政府参考人(石塚正敏君) 延べ五十八名、実人員で三十七名でございます。
#18
○足立信也君 そこで、これだけの人数をそこに集中させたと。要は水際作戦で、空港でスクリーニングしようと。しかも、そのサーモグラフィーというのを使ってやる部分が相当あったと思います。
 例えば、イギリスでは空港でスクリーニングはこれやっていないですね。その後の調査、監視というか、どこに住んでいてどこに行ってという情報に基づいて、極めて綿密にといいますか、かなり詳しく調査、監視を行っていると、こういうことになっているわけです。国境封鎖等は意味がないというふうにシミュレーション結果としても書いております。四月三十日のニューヨーク・タイムズでも検疫強化というのは妥当ではないというふうに、それは何に基づいているかというと、これは先ほど申し上げましたSARSのとき、検疫強化というのは妥当ではないというふうに書かれております。
 そこで、今までの直近の事態というとやっぱりSARSだったと思うんですが、このときに検疫強化というものが、入国の検疫が有効だったというふうに今まで、厚生労働省としてはそういう結論に基づいて今回の行動を取られたのでしょうか、有効だったんでしょうか。
#19
○政府参考人(上田博三君) まず、検疫の目的というのは、一定程度水際でそのウイルス等の侵入を防止をして、その間に国内体制を整備するということが非常な大きな要素だというふうに考えております。
 今御指摘のございましたSARSにつきましては、WHO西太平洋地域事務局が作成しました「SARS いかに世界的流行を止められたか」の概要におきまして、この二十一世紀の病気と闘うため、加盟国は接触者の追跡、検疫、隔離といった十九世紀の方法で対応した。これらの古くさく大勢を動員する方法はウイルスの拡散を遅らせ、最後は封じ込めに貢献したと、このように記載をされております。
 このように、WHOにおきましてもSARSのときの入国の検疫は一定程度有効だったと評価をしているものと考えているところでございます。
#20
○足立信也君 だとしたら、なぜフェーズ4に上がったときに事務局長は封じ込めは現実的ではないという発言になったんでしょう。
#21
○政府参考人(上田博三君) WHOの事務局長の考えというのは、まず貿易を止めるというような国境封鎖はよろしくないと。それから、封じ込めというのは、地域レベルでどんどんどんどん広がっていくことについては無理だけれども、それを完全に止めることは無理かもしれないけれども、しかしながら、まだ国境で封鎖というんではなくて、一定の検疫で、そこでできるだけ入ってこないようにすることまで禁じているものではないと、私はこのように理解をしているところでございます。
#22
○足立信也君 恐らく、これから言おうとしていることは、その比率の問題だと思うんですよ。やっぱり、日本、今までの取組を見ていると、検疫水際作戦といいますか、そこに余りに集中している。じゃ、これが知らない間に日本に入ってきて、日本で感染、人―人感染が広がっていったときに、じゃその体制はどうなっているんだと、このことの不安の方が更に大きいし、恐らくもっと大きな混乱、もう既に起き始めているということがあります。そのことについて、行きたいと思います。
 要は、先ほど実人数で三十八名ですか、動員したと、実際延べとして五十八人と。このような人が、実は医療機関あるいは現場の方にシフトして指示をしていった方が更に有効な手段が取れるのではないかというような指摘をしたいと思います。
 四月二十九日、結核感染症課長の通知によって、これは疑似症患者の届出基準というのがありますね。これです。都道府県、政令市、特別区の担当部長あてに出されたものです。この中で、疑似症患者の届出基準、三十八度以上の発熱又は急性呼吸器症状、これがあって、かつ、四つ条件があるんですけれども、その中の「エ」というところに、新型インフルエンザが蔓延している国又は地域に滞在若しくは旅行した者と、こういうふうに書かれているんですけれども、これで言う蔓延している国又は地域というのは、蔓延しているというのはどういう状態を言うんでしょうか。
#23
○政府参考人(上田博三君) 蔓延の定義というのは、持続的に感染が起こっている、アウトブレークという言い方もございますけれども、二次感染、三次感染ということで、要するに家族などのような限定した集団の中でじゃなくて、それが地域レベルで広がりつつあるということを蔓延というふうに考えております。
 先ほどの通知でございますが、新型インフルエンザにかかわる症例定義及び届出様式を示したものでございます。新型インフルエンザ疑似症患者の基準の一つとして、十日以内に新型インフルエンザが蔓延している国又は地域に滞在若しくは旅行した者として示しているところでございまして、ここで言う新型インフルエンザが蔓延している国又は地域につきましては、五月一日と五月五日に事務連絡を出しておりまして、メキシコとアメリカ本土、それからカナダを対象としているところでございます。
#24
○足立信也君 今現在はメキシコとアメリカ本土とカナダということですね。極めて広い、極めて広いですね。それが一点。
 それからもう一つは、同じく届出基準で、先ほど、三十八度C以上の発熱又は急性呼吸器症状があって、「かつ」のところですけれどもね、その「ア」として、実際の新型インフルエンザの患者さんとの接触のことがあるんですが、これ患者さんと特定された場合に、その接触についてはずっと調べなきゃいけないわけですけれども、これ患者さんの潜伏期から発症に移る、直前も入ると思いますけれども、これ行動様式すべて公表するんですか。
#25
○政府参考人(上田博三君) これはプライバシーにかかわることですから公表の対象にはなりませんけれども、私どもが疫学的な条件として判断をし、この方が、要するに疑似患者さんではありますけれども濃厚接触者であるということでみなし患者とすると、そういうことによって様々な検査とかあるいは入院措置をとると、こういうことの条件としては、まさに疫学条件、接触の状況などを把握をして対処いたしますけれども、公表を前提としたものではございません。
#26
○足立信也君 公表を前提としない場合は、そこに接触したかどうかという可能性はどうやって分かるんでしょうね。例えば、発症直前で成田に入って、鉄道といいますか、使って、あるいはバスを使って移動して、地下鉄に乗って、そのルートだけならまだしも、その後、例えば映画館に行ったとか飲み屋さんに行ったとか、そういう行動は接触した機会があるかどうかということを判断するのにすべてないと判断できないような気がするんですけれども、それは公表しないということはどうやって調べるんですか。
#27
○政府参考人(上田博三君) ちょっと私の言い方が正しくなくて、御本人の行動経路についてはこれは原則公表すべきものだというふうに思っています。でないと、接触した方に気付いてもらえないということがございます。もちろん、その中での経路につきましては、私どもで分かる範囲については御本人から聞き出して、それから接触した人が分かる場合には直接保健所等から接触することはあるわけなんですけれども、それでもとらえ切れないような、本当に不特定多数のところに出られたような場合にはこれは分かりませんので、むしろそういう場合には御本人のプライバシーに十分留意をしつつ、その行動経路については公表するのが適切ではないかと考えているところでございます。
#28
○足立信也君 先ほど言いました条件で、三十八度C以上の発熱又は急性呼吸器症状ということで、それにア、イ、ウ、エという条件が加わっているんですけれども、非常に広いんですよ、非常に広い。これがまた地方の方の保健所を始めとして、あるいは保健対策課、健康対策課含め、これまた相当混乱が起きている。私の地元の大分でももう既に十五件の報告があるということですが、これが極めて広過ぎるというのもある意味また科学的でないなという気がしております。
 次に、これ国立感染症研究所の感染症情報センターの新型インフルエンザ診断の流れという五月六日のものです。これは大事なことなんですけれども、新型インフルエンザを疑う症状を有する患者さんが電話連絡もなくて医療機関を受診することがないように書かれているんですね。これは考えてくだされば当然。医師法違反という大臣の発言もありましたけれども、電話連絡なしに病院、医療機関を受診することがないために書かれているものです。この情報はそれを十分徹底させるために書かれてあるわけですけれども、これは十分に徹底させることができているんでしょうかというのが一点。
 そして、これ発熱外来のない病院に行く方は当然いらっしゃる。その場合もこれに書かれておりますけれども、それでも、当然のことながら、そこに行って多くの患者さん、状態の悪い方もあるいは元気な方も含めて多くの人と接するわけですね。ということは、当然そこで隔離する施設は必要になってくる、疑いがあって行っているわけですから当然必要です。そういうことにならないためにこういう情報が出ているわけですが、この徹底というのはどういうふうにされているんですか。
#29
○政府参考人(上田博三君) まず、これはこういう事態も想定いたしまして医療体制に関するガイドラインが定められておりますけれども、新型インフルエンザへの感染を疑う方はまず発熱相談センターへ電話等により問い合わせることとしております。都道府県等は発熱相談センターを整備すると。これ今全国に既に整備をできておりますけれども、整備をしまして、ポスターや広報紙などにより、この発熱相談センターについて周知をすることにしております。
 また、この四月二十八日付けで都道府県に対して発熱相談センターの設置を一斉に依頼したところでございまして、現在、全都道府県に設置はされておりますけれども、御指摘のように、完全にそれが国民にすべて今周知できているかというと、それはまだ私としては十分ではないというふうに考えているところでございます。
#30
○足立信也君 要は、もちろん電話相談された方々、それから指示されて発熱外来に行く方いるでしょう。今五百三十六か所ですか、あると。しかし、そこにも、あるいは電話相談せずに医療機関に訪れた人たちも、やはり疑いのある、あるいはもう既に発症している患者さんはそこで隔離措置をとらないと、やっぱりそこで新たな感染をどうしても起こしてしまうわけですね。じゃ、病院に行くから、病を持っている人同士だからお互いうつってもいいだろうというわけではありませんし、じゃ病院の外で、診察時間が来るまでそこの外にいれば一番、何といいますか、距離が離れれば感染する機会は少なくなるわけですから、じゃ本当に青空診療でどこかの野戦病院みたいな形にするのかと。
 要は、隔離室、それからインフルエンザのウイルスが外に出ないように陰圧室ですね、そういったことの整備。それから、もちろんひどくなれば人工呼吸器も必要でしょう。これは昨年議論しましたから圧倒的に足りないのは分かっていますが、要は、隔離する部屋あるいは陰圧室。今医療現場もそれから患者さんも一番知りたいのは、どの病院に陰圧室あるいは隔離する部屋が何床ぐらいあるんだろうと。それがあればある程度安心につながるんですよ。実際今どれぐらいあるんでしょう、日本に。
#31
○政府参考人(上田博三君) これは二十一年三月末現在でございますが、感染症法に基づく特定感染症指定医療機関、ここに本当に最高級のものが八床、それから第一種感染症指定医療機関及び結核病床を除く第二種感染症指定医療機関の感染症病床、これが全体合計で千六百八十七床、そのうち、いわゆる陰圧病床という陰圧装置の付いているものが千二百五床あるところでございます。
#32
○足立信也君 先ほど言いましたように、今回はまだまだ感染症の患者さんは増えております、死亡例はさほど多くないようではありますけれども。スペイン風邪のときも、世界中で四千万人亡くなったわけですけれども、日本が被害が大きかったのは第二波ですね。それは、国内で新たな感染が広がって蔓延していったというときです。しかも、季節は夏から秋にかけてだったと思います。必ずしも、これから夏に向かうから心配は要らないんだということでもないというのはもう過去に実証している。しかも、時間があるということは、これから整備できるわけですよ。
 新型インフルエンザのH5N1のときの想定も、国民の四分の一が感染して医療機関を受診すると、六十四万人が亡くなるのではないか。それを考えた場合には、圧倒的に今の隔離室、それから陰圧室の整備は足りない。まだ間に合いますよ。そういうものが全国、公立病院を始めとして、空き病棟、それから病院そのものがなくなるという事態も相当ありますけれども、やっぱり確保しておくということは非常に大事なことだと思う。
 そこで、具体的に一つなんですけれども、これ、新型インフルエンザの患者さんが発生したときにこれ搬送しなきゃいけないわけですけれども、基本的に救急車というのは感染症が明らかな患者さんは搬送しないのではないかと思うんです。搬送したら、その後、じゃ患者さんを搬送するときにその車を使うまでにはまた相当時間が掛かるだろうと。実際に搬送するその手段というものの検討はされているんですか。
#33
○政府参考人(上田博三君) 御指摘のとおり、法第十九条の規定に基づく入院措置の対象となられた新型インフルエンザの患者さんにつきましては、都道府県がその移送体制の整備について責任を持つとともに、原則として都道府県が移送を行うことになっていまして、具体的には保健所等の車両を使うということが想定をされているところでございます。
 ただし、医療体制提供に関するガイドラインにおきましては、この法第十九条の規定に基づく入院措置の対象となる患者が大変もう増加をした場合に、都道府県などによる移送だけでは対応し切れない場合がございます。こういう場合には消防機関等関係機関の協力が不可欠でございまして、都道府県等は事前に消防機関等関係機関と協議し、新型インフルエンザ流行時における患者さんの移送体制の確立をする必要があると、このようにしておりまして、現在、関係省庁にこのことをお願いをし、順次手配が進んでいるというふうに考えているところでございます。
#34
○足立信也君 都道府県がやることになっているという冷たい話が今ありましたけれども、これはやっぱり保健所の車で運ぶといったって次はもう運べないという事態になるわけですよ。これはやっぱり搬送手段ということをしっかり考えておかなきゃいけない。
 最後に、もう時間がないので最後に大臣に。何を言いたいかというと、ここは金を掛けなきゃ駄目ですよ。しっかり予算を組まなきゃいけないと思います。
 まずは、まずやるべきことというのはワクチンの開発、パンデミックワクチンの開発がありますね。これ、有精卵だけではなくて細胞培養をやるべきだということもある。
 それから、今、日本で開発する四社だけでやるのではなくて、海外との連携、協力ですね。ワクチンができる間は待っているのではなくて、これはプレパンデミックワクチンの考え方もあって、交差免疫を利用すればH1N1のワクチンは今あるわけですよ。これにアジュバントを加えるなりして、その交差免疫を利用している皆さんの免疫力を高める、この約半年間、そういう手もあると思う。アメリカはもう既にGSKに対してそういう契約を行っていますね、プレパンデミックワクチンに対して。日本はまだそこは全然手を付けていない。このワクチンのこと。
 それから、繰り返しますけれども、国内体制の整備をまずやるということですよ、今できることは。幸いなことに日本ではまだ発生していないから、今体制を整備するということ。国内体制の整備というのは、要するに隔離する設備、それから新型を振り分ける専門スタッフ、検疫所だけに集中するのではなくて、そういう振り分ける専門スタッフの養成と、そこを確保すること。そういったようなこと、スタッフの増員というのがまず大事だと私は思います。
 それのためにはやっぱり予算を付けて、私たちはこういう形で新型インフルエンザに対してはしっかりした対応をするんですというのを示すことですよ。それが安心につながると思いますし、今やるべきことは、恐らくこれから何度も、補正の審議もあってまたもう一回あるでしょうが、しっかりここに予算を付けるという主張を大臣がすべきです。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
#35
○委員長(辻泰弘君) 答弁は。
#36
○足立信也君 もし発言があれば。
#37
○国務大臣(舛添要一君) いろんな貴重な御意見賜りましてありがとうございました。
 手短に申し上げますと、水際対策、これはこれで一定の効果があるんで、全く何もやらないかというと、私は、英語で言うとミティゲーションというか、影響を少なくするとともに時間稼ぎなんです、時間稼ぎ。それはもう自治体含めて全く何も体制整っていなかったところもある。十日たったら相当変わりましたんで、一日でも稼いでいくということをやっていく。ただ、いろんな不便もあり、どうするかということをこれは今後検討しないといけない。
 それから、検疫官にしても、様々な人的な、その他の機器含めての資源にしても、これが潤沢にあれば問題ありません。二十個師団で戦えというのは楽なんですけれども、八個師団しかない。その八個師団でどうして目に見えない敵であるウイルスに勝つかということは、戦略的にどう人員配置するか。それは相当戦略的にやっているつもりでありますし、仮に国内で発生したときはどうするかの体制は整えています。
 予算についていろいろ御心配いただいてありがとうございます。
 ワクチンの製造、これはCDCから株が来ていますけれども、これは検体チェック用の株なんで、すぐこれが使えるかどうか。恐らく、うまくいけばもっといい株が近々入ると思います。ただ、そのときに、季節性のワクチン、それから今回の新型へのワクチン、それからパンデミック、どういうふうな組合せでやるのか。生産ラインが一気に拡大するわけじゃありませんから、もちろん海外に対してもいろいろ要請しますが、やはりどうしても自国民を守るということを優先してなかなか我々に輸出してくれないというような問題も一つあります。
 それで、予算なんですけれども、この二十一年度予算では百四十四億円を計上していまして、それから二十年度の一次補正で四百九十一億円追加の補正をやりました。今議論されています補正予算案で約千二百七十九億円の要求をしています。今のところは、これを上手に回していけば何とかいけると思っております。しかし、臨機応変にそれ以上の必要な経費があればこれはまた考えたいと思いますが、今のところ既定の予算の中で、特に千二百七十九億円計上しています。
 そして、今回、地域医療の再生計画ということでこの補正で三千百億円入れてありますから、地域の医療ということでこのお金も必要になれば使えると思いますんで、そういうことで、これは党派を超えて、これは見えない敵ウイルスとの闘いですので、特に厚生労働委員会の皆様方の御協力を得て必要な手はきちんとしたいと思っております。
#38
○足立信也君 ミティゲーションというのは時間稼ぎじゃなくて、体制の整備、緩和策ですね。そのことだけ指摘をしておきます。
#39
○森田高君 おはようございます。国民新党の森田でございます。
 医師としては同門の先輩に当たります足立議員に続いて質問をさせてもらいます。
 まず冒頭、舛添大臣始め厚生労働省の皆さん、そして現場で一生懸命頑張っていらっしゃる皆さんのこの十日余りの御奮闘ぶりには心から敬意を申し上げたいと思っております。
 おかげさまで、国内を始め世界的にも、当初脅威として、今でも当然脅威ではございますが、想定された被害よりも今のところは少なく済んでいる、そういうような可能性も自分としては受け止めております。
 しかし一方で、さっき足立先生からも話がありましたけれども、スペイン風邪でも第二波、第三波、その間にウイルスがどんどん変異していくと、そういう過程で病原性が高まっていくということで、これからがやっぱり本当の闘いになってくると思うんですね。そういう意味で、今回の今我々がいるのは明らかに第一波だと思うんですが、この第一波の経験をいかに財産にして蓄積して、いろんな体制をつくっていくかということはもう非常に重要なことでございますんで、自分もそういう観点から質問をさせてもらいたいと思っております。
 まず冒頭、質問通告していないんでちょっと恐縮なんですが、今朝の報道各社の配信を見ますと、米国在住の六歳の日本人男児が新型インフルエンザの感染が確認されたという状況が報道されています。幸いにも、この男児は記事を見る限り快方に向かっているということなんですが、この男児の感染を含めて、在外邦人の安全情報ですね、インフルエンザに関する罹患の状況というものを各国の健康当局と連携して我が国の当局が把握できる体制が整っているかどうか、簡潔にお願いいたしたいと思います。
#40
○政府参考人(上田博三君) 今回の事例につきましては、在外公館で捕捉をし、その家族に対しても保護をしているということでございます。
 それから、各地の在外公館で今非常にメールというものを使っておりまして、そういう危険情報、危害情報を大使館から在住邦人にメールで一斉に流すというようなこともやって、そういうことで領事部を中心に各在外公館で対応していますし、また、それぞれの在外公館でそこにいる邦人のためのタミフルなども用意しているところでございまして、それなりの対応はしていると考えているところでございます。
#41
○森田高君 ありがとうございます。
 続きまして、資料、多分お手元に配らしてもらっていると思うんですが、今回の新型インフルエンザウイルスに関しては、WHOの緊急委員会の委員でございます、あるいは国立感染症研究所の田代先生からも弱毒型であるということがコメントされています。自分も医者の端くれですから、今の状況を見てこれが高病原性であるとは到底思えないし、弱毒性の感覚は正しいと思います。ところで、HA、新型インフルエンザウイルスというのは、でも非常にちょっとしたことで病原性が変異するということも今まで我々が学んできたことでもあり、これが第二波、第三波への備えとして極めて重要だと思うんです。
 アメリカのジーンバンクのホームページを見ますと、毎日のようにどんどん新しい型の、まあ採取されたサンプルのウイルスがコンプリートコードで公開されていて、さっき大臣も、これからもっといい株がワクチン対象に入るかもしれないとあったんですが、いい情報がこれからどんどん出てくると思いますので、ここもしっかり見ていただきたいなと思うんですが、結局、弱毒性と強毒性の違いというのは、田代先生の本を読むと、HAの遺伝子の構造が少し変わっただけで、これは局所感染性、肺や気道だけの感染で済むのか、あるいは全身に行って腎臓や肝臓や脳炎を起こすような極めて致死率の高いようなウイルスに変異するか、本当にささいなことで変わってしまうというように聞いています。
 となっていくと、第二波、恐らく数か月後にはやっぱりこれは波が来ると覚悟しないといけないし、そのまた三か月、四か月、半年後ぐらいには第三波、スペイン風邪のときはやっぱり第三波まで明らかに確認されたわけですから、そういう時間軸の中で考えていった場合、HA遺伝子の変異、つまり強毒性への変化ということもやはり準備しないといけない。そのために、やっぱりワクチンというものをしっかり整備していって国民の皆さんに免疫をしっかり持ってもらうという対策が何より必要になってくると思うんですが、これからのことを考えた場合、やっぱりこの構造の変異をどの程度の確率論で考えていくかということは極めてこれ政策上の根幹になってくると思うんですが、現時点でどの程度の確率で構造上の変異が起こり強毒性に変わる可能性があると認識されていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
#42
○政府参考人(上田博三君) 米国疾病管理センターによりますと、米国における新型インフルエンザ、今回のH1N1の病原性については穏やか、マイルドだという、こういう表現をしております。一方、御指摘のとおり、インフルエンザウイルスの遺伝子の変異の速度は非常に速うございまして、今後は遺伝子の変異により病原性が強くなる可能性は否定できませんが、今一概にその予測をすることは困難だと思っています。
 ただ、可能性として、突然変異で一つのジーンが変わっていくという形と、もう一つは、いろんなインフルエンザウイルスが再集合をして、例えば豚の体内で、それで毒性を強化をすると、こういう面もございますので、様々なことを想定をしてこれから分析をしていかなければならないと、このように考えているところでございます。
#43
○森田高君 全くそのとおりで、インドネシアではH5N1のウイルスが既に一〇%以上の豚の体内に存在するというのが神戸大の調査チームの研究で分かったと。だから、突然変異と交雑ということでいろんなやっぱりバリエーションが出てくるんですが、やっぱり今は人類はコンピューターを手にしているわけですから、まさにこれはシミュレーションで確率統計しっかり進めていって、それに基づいた準備というものはやっぱり必要になるのかなと私は思っています。
 それで、今回の新型インフルエンザ、まだWHOが宣言してから十日余りで大変恐縮なんですが、やっぱり被害の状況というものがある程度把握できるような状況になってきています。これからちょっと地理的特性というところと、あるいは年齢特性ということに関して、まだやっぱり十日しかないんで恐縮なんですけど、ちょっと聞いていきたいと思うんですが。
 メキシコは発生源であるとされています。メキシコに患者さんが集中する、今、北米全体に広がって、欧州にも行っていますけど、やっぱり被害者の数というのはメキシコが圧倒的に多いという状況には変わりないと思います。メキシコの場合はやっぱりいろんな特性が、これは先進国ではあるんですが、やっぱりG7とはかなり段差があるということを認識しなければならないと思うわけです。それは、医療の供給の状況は、OECDレベルの医師の数では日本よりも少ない、そういうこともありますし、貧困層が非常に多いだろうと思われること。そして、メキシコシティーが標高二千二百メートル以上の高地に存在していますので、極めて人口密集地が、呼吸条件の悪いところで暮らさざるを得ないと、そういう状況もあるんだろうと。そして、大気汚染がメキシコシティー、有名ですよね。
 いろんな悪条件が集中してやっぱりメキシコというのは被害が起こったのかなというふうに自分なりに総括しているんですが、今までのところ、メキシコの地理的特異性に関してどういうふうに考えていらっしゃるか、見解をいただきたいと思います。
 そしてもう一点、昨日、CDCの報道官の人も言っていましたけど、年齢特性がやっぱり極めて高齢者が少なくて若年層に集中しているというんですね。我々も新型インフルエンザ問題をもう数年前から勉強させてもらっていますけど、H5N1の段階でもやっぱり若年者の方が被害者が多いんじゃないかと。それはサイトカイン・ストームとかいろんな機序が考えられるゆえんだと言われるんですが、今回の場合はそこまで話が大きくならないかもしれないんですが、田代先生はおとといぐらいの記者会見で、高齢者特有の免疫というものがあるんじゃないかということも口にしていらっしゃいます。
 じゃ、高齢者特有というのは何なのかなというふうに考えて、じゃ感染症の歴史を振り返ると、もちろんスペイン風邪がブレークしたのは一九一八年から一九年です。アジア風邪が出たのが一九五七年ころだと言われていますから、それから大体四十年近くH1N1、スペイン風邪をルーツとするウイルスがある意味世界を席巻したわけですね。だから、今六十歳の人というのは一九五〇年ごろに何らかのやっぱりH1N1の暴露を直接、ワクチンだけではなくて受けていたというような背景は考えてもいいんじゃないかなというふうにも思うわけなんです。
 本当に、じゃその当時のH1N1が免疫として有効であるのならば今のソ連型だって、あれは一九七七年にアウトブレークしたわけですけども、一九五〇年ごろのH1N1とほとんど遺伝子型は酷似していると言われているんですね。それは不思議なところなんですけど。だったら、HAのワクチンである程度効いてもいいんではないかと思うんだけど、だけどHAワクチンは効かない、だけど高齢者は罹患していない。だから、これ、HAの表面の抗体だけじゃなくて、もっと何か別のところで免疫が作用して高齢者が免疫獲得しているというふうにも推察できるわけですよね。
 年齢特性と地理的特性、こういうことを総合的に見ていって、今のところの現状認識をお聞かせいただきたいと思うわけです。
#44
○政府参考人(上田博三君) まず、メキシコで感染者と死亡者が多いということでございますが、これはメキシコで、ちょっと現在は変わったかもしれませんけれども、メキシコ自体で最終診断までできないということがございまして、カナダとかアメリカへ持っていっているようでございまして、その結果、なかなかデータが定まらないんですが、御指摘のように、メキシコでは患者さんも死亡者も多いということでございます。
 この原因については、御指摘のように、貧困とか医療供給不足も考えられると思います。それから、そのほかに、一つ専門家の間で言われておりますのは、メキシコでは報告されている以上に何万という患者さんがいて、亡くなっているのはその一角だということだというふうな説もございまして、今WHO等がこれ調査に入っておりますので、その辺が徐々に明らかになってくるのではないかというふうに思っています。
 それから、今回、比較的若年者に死亡割合が多いということも大きな問題でございまして、おっしゃるように、高齢者が免疫を持っているのではないかという可能性は一つ仮説としては重要な仮説だと思っております。おっしゃるように、ワクチンなどではそれほど免疫が持続をいたしませんので、本当のインフルエンザにかかってしまえばその免疫はかなり持続するのではないかと、この辺の違いが言われておりますので、この辺も検討の要素にはなるのではないかと。
 さらに、先ほど申し上げましたように、確定検査が行われている年齢がひょっとしたら若い年齢に偏っている可能性もあって、こういうものも少し総合的に評価をしなければいけないというふうに思っているところでございます。
#45
○森田高君 これからも状況分析、よろしくお願いします。
 それで、ちょっとこれから問題提起したいと思うんですが、資料二と三を見ていただきたいと思うんですが、現場の水際対策で実にたくさんの人たちが頑張っていただいたと思うんです。水際が有効かどうかというのは足立先生も言ったように議論があるところで、日本と中国は一生懸命やって、中国はかなり徹底的にやっているので、飛行機で追い返された人もいるくらいですから、日本はそれに比べると温度差はあるわけですが、逆にイギリスとか欧州各国はそれほどの水際をやっているわけでもないというのは確かにそうだろうと思います。
 しかし、水際対策をやるんだったらそれなりの覚悟でやらないといけないと思うんですが、自分、この連休中、大臣は大変汗を流されて、私はいろいろ情報収集しながらテレビにくぎ付けになったり、インターネットやったりしていたんですけど、すごく違和感を感じたのが、やっぱりガウンを着て廊下をどたどたっと走っていく検疫官の方々の映像がもう何度となく流されるということに、自分もやっぱり医療人ですから、すごく違和感を覚えるんですね。
 ガウンテクニックというのは大体何のためにやるのかということをいえば、一に、検疫作業をする人あるいはそれに携わる医療人のその人への暴露を防ぐこと、感染を防ぐことということ、そして外界から余計なものを持ち込まないということ、この二点に集約されてくると思うんですね。
 そう考えると、僕が病院で勤務医やっているときというのは、例えば感染症の患者さんが部屋に個室で隔離されているとすると、普通に白衣来て歩いてきた医師や看護師は部屋の前で立ち止まって履物を履き替えて、手を消毒して、ガウンを着て、帽子をかぶる、中に入っていって診察をする。終わったら同じことを繰り返すわけですね、手を洗って、帽子を外して、ガウンを替えて、白衣を着直して、履物も替えると。そうやって初めて患者さんへの感染の予防、そして外界へのウイルスの拡散を防ぐということが成立するんですが、疑似感染者も伴う飛行機に乗り込んでいるはずの検疫官が恐らくガウン来たまま廊下を走っているということであれば、もしかすると、潜伏期間中の可能性の人も含めて、ウイルスを到着ロビーなりいろんなところにまき散らしているという可能性になりはしないかという不安感が非常にこれは大きいんですよ。これはやっぱり、ガウンテクニックというのは相当神経使ってやらないと、そもそもやる意味がない、水際対策にならないという話にもなってくるわけですね。
 具体的には、やっぱり航空機の中というのは疑似感染区域ですよ。到着ロビーは内地です。これは清潔区域ですよね。清潔区域と疑似感染区域をしっかり境界線で分けないと意味がなくなるんじゃないかと思うわけです。だから、これは具体的にはボーディングブリッジで、これは忙しい中早くしろとみんなにどやされて汗かいていらっしゃる検疫官の人には申し訳ないんだけど、ボーディングブリッジで履物を替える、ガウンを着直す、帽子を替える、使ったガウンは一回ごとに取り替えるということをやらないと多分意味がないと思いますが、どういうふうに解釈されていらっしゃいますか。
#46
○政府参考人(石塚正敏君) 御指摘の点につきましては、有症者が診断キットでA型の陽性反応を示した場合、あるいはA型で陰性であっても臨床症状から見て感染の疑いがあるとされた方を診察した場合、その診察等に従事した医師等は、機内検疫又は有症者の病院搬送の終了後、所定の消毒区域において汚染部位をアルコールで消毒し、ガウン、手袋、マスク及びゴーグルのすべてを衛生的に取り外して廃棄をしている。要するに、次の検疫に向かう際にはすべて取り替えているということを行っております。
 今後とも、周囲の者に対する感染の防止に万全を期してまいりたいと考えております。
#47
○森田高君 やっぱりこれ大臣にもちょっと言葉をいただきたいんですけど、この写真なんか見ると、上から下まで着替えて、靴も履き替えているだろうという人もいれば、全く自分の靴履いて、自分のズボンで歩いている人もいるんですよね。こうなると、やっぱり本人の感染リスクもさることながら、この洋服、家に着て帰るわけでしょう、万が一潜伏期間中の患者さんに暴露された場合、家族の人も感染リスクを伴う可能性が排除できなくなってくるんです。
 だから、やっぱり衛生管理の危機感というのは相当持っていかないと、この検疫の当事者たち、頑張っていて体調崩した人も中にはいるかもしれませんけど、本当に感染しちゃう可能性も出てくると思います。現実、やっぱりシアトルの小児科医は感染したんじゃないかということも報道されていますし、ドイツのバイエルン州の看護師さんは新型インフルエンザの人を看護した後に自分が感染したということもやっぱり世界的にはもう報道が出ていますから、しっかりと、やるんならしっかりやるということをちょっと御決意いただきたいと思うわけです。
#48
○国務大臣(舛添要一君) 映像なんかで流れているのは今から出動するときだと思います。ただ、これ見ると、頭の先から足の先まで完全に覆っている方と、自分の革靴履いている方いますから、これは徹底をしたいというふうに思います。というのは、とりわけ潜伏期間でまだ外には現れていない、しかし他者に対してうつす能力のある状態になっている場合が危険ですので、更に徹底をしたいと思っております。
#49
○森田高君 検疫に関してはもう一点ちょっと伺いたいんですが、航空機内の隔離対象ですね。疑似感染者が出た場合、おおむね半径二メートルがいったん空港に留め置いて、結果が出るまで待機してもらうと。二メートルというのがちょっといかがなものかなというのは、これ今は弱毒性だから、まあ死亡例まで直結する可能性は少ないとしても、仮に高病原性が出た、あるいはH5N1が出たというときになると、これはしゃれでは済まなくなるような気がします。
 というのは、やっぱりトイレに行くときというのは、国際線、時間長いですから、いろんなところ歩くわけですよね。あるいは、飛行機の乗り降りするときというのは、もうタラップとかボーディングブリッジ、いろいろあるでしょうけど、順不同ですよね、全く、のろのろのろのろ歩いて乗るわけですよ。そうなると席順なんか余り関係なくなっちゃうんで、もう少し厳格にやる方法がないのかなと思います。
 これ例えば、話が人間から鳥に飛んで恐縮なんですけど、鳥インフルエンザが国内で勃発するという話になったときは、物すごい、ちょっとこの国はヒステリーな対応をし過ぎなところもあると思うんですけど、発生農場の鳥は、それは何百万羽いようが全員殺処分ですよね。半径五キロあるいは病原性みたいに十キロは完全なる移動制限区域になって、すべての鳥の移動、生産物の移動は禁止されると。それで結構大きな障害が出ちゃうんですけど。
 まあ鳥と人間違うんですが、多分、感染症対策というのはこれは人畜共通のところもありますんで、原理原則という立場を取るならば相当厳しい対応も必要になってくる可能性はあると思うんですよ。だけど、人間の場合は二メートル、鳥は半径十キロ、ちょっとこれは、幾ら何でもやっぱりちょっと温度差があり過ぎるような気がします。それは、人間は文句言いますからね、やっぱりこれは難しいと思うんです、現場は。だけど、感染症の拡散とか被曝リスク、暴露リスク考えた場合はもう少し知恵を出した方がいいんではないかと思うんですが、厚労省、どういうふうに考えますか。
#50
○政府参考人(上田博三君) インフルエンザの感染様式でございますが、インフルエンザに感染した方のせきとかくしゃみなどの主として飛沫とともに放出されたウイルスを周囲の人が吸入することによって起こるものと考えられております。空気感染が全くないというわけではありませんけれども、主として飛沫感染であると。
 このせきやくしゃみなどの飛沫は、おおよそ一メートルから一・五メートルの距離であれば直接的に周囲の方の呼吸器に侵入して感染が起こると、まあこういう可能性は非常に低いということでございますので、まずは、リスクの高い患者さんと考えられる方の二メートル以内の乗客の方々を濃厚接触者として停留との措置を講じることとしたものでございます。
 なお、隔離対象になる方が感染性のある患者であることが確定した場合には、速やかにより幅広い、二メートルより外の接触者に対しても積極的疫学調査が開始できるよう、名簿の確保などの準備も並行して行っているところでございます。
#51
○森田高君 水際に関していろいろ言わしてもらったんですが、要は、欧州は余り一生懸命やらないわけですよ。日本と中国はやろうというわけです。だから、やるんだったらきちんとやってほしいと。それで初めて猶予される時間が出てくるのかなというふうにも思うわけでございます。始めからうまくいかないのは当たり前ですから、こういうことをやっぱり問題をどんどん整理していっていい方向にやっていけば、それはそれでいいと思うんです。
 時間も大分なくなってきたんで、最後、大臣に質問したいと思うんですが、発熱外来の件、足立先生からも話がありました。全国で六百二か所ぐらいが開設されて、少ないところは県に一個、東京は六十か所ぐらいあるという話なんですが、やっぱりこれ、発熱のコールセンターに電話が行って、患者さんは自分がかかっているかどうかというのは知る由もないし、電話受ける人もセーフティーファーストでいく方向になると思うんで、発熱外来にやっぱり相当負荷が掛かるというのは想像できるんですよね。
 一方で、実際の一般病院の外来に関してはやっぱりいろいろ考えるところはあると思うんですよ。大臣は、医師法違反のことで応招義務のことを言っておられるんだと思うんですが、僕も勤務医をやっているときに、新型インフルエンザのことがやっぱりテーマになるときがあるんですよ、医局の話合いで。冬になるとインフルエンザがはやるけど、これが例えばH5N1だったらどうしようかとか、六〇%死ぬという話だと、これは医療人、本当に病院に出てこれるのという話はやっぱり真顔で話するときあるんですね。おれは休みたいとか、看護師さんなんかは、自分は妊娠しているから自分だけの命じゃないと、やっぱりこれは、自分はだれが何と言おうと休ましてもらうとか、これは多分、医師法における社会的責任、応招義務という問題と、人間個人が持っている急迫不正の危機から回避する行動を取るための権利というものの、この整理が絶対に必要になってくるはずなんですね。
 今は弱毒性だから生命の危機まで発展する可能性はないから、できるだけやることはやってくださいという大臣の気持ちはよく分かるんですが、これが高病原性になった場合、果たして応招義務という言葉だけで私は絶対整理できないし、自分が外来にいる立場だったら相当悩むと思います。それはそのときの強毒性の在り方にもよりますよ。致死率が何%かというものにもよりますけど、決して応招義務だけでは整理できないと思いますが、どのように今のところお考えか、そしてこれからどうしたいか、聞かしてください。
#52
○国務大臣(舛添要一君) 私は医者じゃありませんけれども、安全保障、危機管理の専門家として言いますと、まず危機管理というのは最悪の事態を想定してやらなければならない。しかも、いろんな矛盾した要素があるんです。マニュアルどおりにやれということを部下に徹底しないといけない。しかしながら、マニュアルどおりにやれないときにどうするか、これはトップのリーダーが考えないといけない。
 そういう中で、ウイルスという敵との戦争をやっているわけですから、敵の能力はどれぐらいあるのか、弱毒性か高毒性か、敵がどこまで我が領土に入ってきているのか、こういうことを状況を見ながらやっていく。そして、きょう今日の状況で、メキシコにも海外にも行っていない、ただちょっと頭が痛いよという方が行かれたときには、それはお医者さんは普通どおりマスクをしてちゃんと消毒してきちっとやると、これが今の段階ではいいと思います。ただ、もう国内に蔓延して、人から人へコミュニティーで感染する、そして頭痛いというときは、これは疑わないといけないから、それは発熱外来をやらないといけない。
 先ほど足立さん言ったように、まさにミティゲーションと、私は時間稼ぎというのはそういう意味であって、時間を稼ぎながら今のような最悪の事態に想定して、例えば診療所の横にバラックの青空診療所のような隔離をやるというようなことを含めて、次第次第に敵の能力と敵の侵入経路、侵入拡大の状況に合わせて変えていかないといけないというふうに思っています。
 ですから、もちろん国民の命を守る、お医者さんも国民ですから医療サービス提供者も守る、そういう形で一番いいような方向を取っていきたいと思いますけれども、是非、ここが足りない、ここはどうだというようなことであればおっしゃっていただければと思います。
 そして、昨日段階で日本医師会の方も、新型インフルエンザ蔓延国への渡航歴や患者との接触がないと判断される発熱患者への診療は通常診療の対象となりますので、受診の際にマスクの着用など患者に対して感染防止上必要な指導を行った上で、それぞれの医療機関において診療を行っていただきますよう協力方お願いしますというのを医師会も出しておられます。
 恐らく、国内感染になったらこれとは違うガイドラインを医師会も我々も出すことになると思いますので、そういう思いで柔軟に弾力的に、そして最終的には国民の生命と健康を守ると、そういう方針でやりたいと思っております。
#53
○森田高君 どうもありがとうございました。これからもお体に気を付けて、過労に注意して頑張ってください。
 終わります。
#54
○山田俊男君 私は、十分間だけ時間をいただきまして、そして当初、豚インフルエンザというふうに言われて、いかにも豚に原因があるかのような言われ方をし、また、そう言われかねないという中で、大変大好きな豚と、かわいい豚の立場で質疑をさせていただきます。
 御案内のとおり、我が国の養豚は、それこそ大変衛生管理の行き届いた管理がなされているわけであります。ましてや、豚舎に入る場合もしっかりきちっと隔離された形で入ることになっているわけでありまして、元々豚が原因だとは言ってもらいたくないわけであります。そこで舛添大臣に、新型インフルエンザとして名称を特定の動物由来からしっかり変えられたということは誠に適切であったというふうに思います。国際的にもそういう形で進められているということでありますので、当然だ、こんなふうに思うところであります。
 ところで、なぜ鳥インフルエンザないしは豚インフルエンザという形で動物の名前が冠されるのかということについては大変疑問があるわけでありまして、豚もインフルエンザにかかるわけです。しかし、かかりましても軽い症状で一週間ほどですぐ治ってしまうということのようであります。これが人間に感染する、また、その相互作用の中で変異していくというふうに言われておりまして、それが更に毒性を持ってくると、こんなことであります。当然そういうことは今の御質疑の中でもありますように、あり得るんだろうと、こんなふうに思うわけでありますが、変化したウイルスが人から人へ感染するというような段階に至ったときに、もはや豚インフルエンザというふうに言う必要は毛頭ないわけであります。
 是非、このメカニズムを早急に解明していただいて、そして迅速な対策を取っていただきたい。その結果として、もう人間が死に至るような形でのインフルエンザに動物の名前を冠するようなものはなくなるようにしていただきたい。こんなふうに考えるわけでありますが、大臣の考えをお聞きしたいと思います。
#55
○国務大臣(舛添要一君) 四月二十八日に私がこれは新型インフルエンザと宣言した瞬間に、すべてのメディアが豚インフルから新型インフルに変えて、言い間違えたアナウンサーなんかいると、ああ、済みません、これはもう豚じゃなくて新型というふうに言い換えたわけですから、今後ともそういう形で、風評被害というか、これで豚肉の消費が落ちるとか養豚業者の方々が御迷惑になるようなことは避けないといけないと思っていますので、今後ともきちんとその名称については的確な指導をしていきたいと思っております。
#56
○山田俊男君 農水省は、豚インフルエンザによる感染、そして死者が出たというメキシコ等からの報道で養豚農家や豚肉の需要や消費に影響が出かねないということから早速対策を講じられたわけでありますけれども、風評被害の回避に向けてどんな対策を講じられたのか、お聞きしたいと思います。
#57
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 新型インフルエンザにつきましては、適切に扱われた豚肉あるいは豚肉加工品を食べることによって感染するものではない。そしてまた、加熱処理、中心温度七十一度Cでございますが、これによりまして他のウイルスと同様死滅するといったものでございまして、このことにつきましては食品安全委員会あるいはWHOでも同様の趣旨の見解を示していただいているところでございます。
 農林省といたしましては、今、山田先生の方からお話ありましたように、国民の皆様あるいは消費者の皆様方に対して、これらの情報についてホームページや、あるいはマスコミ等を通じまして説明するとともに、食品関係業界にも周知徹底すること等により国内の不安を招かないように努めておるところでございまして、具体的には四月二十七日に、外食産業業界を含めた食品産業業界に対しまして、豚肉の安全性に問題があるかのような告知や安全性を理由とした豚肉商品の販売停止等を行うことのないよう文書等で担当課長名で指導したところでございます。
#58
○山田俊男君 豚肉は屠畜の段階で洗浄をいたします。さらに、加工、調理するときには七十一度以上で加熱するわけでありますから、もう完全にウイルスは死滅しますし、全く問題がないということはもう明らかなわけですよね。だから、我が国は、御案内のとおり、米国からも、さらにメキシコからも豚肉は現状も輸入しているというのが実際であります。
 ところで、しかし生きた豚についてはやはり感染している可能性があるわけですから、これは、それこそ人以上にこの問題については隔離、検査、その対策は必要だということでありますが、それはどんなふうになされているのかお聞きします。
#59
○政府参考人(梅田勝君) 生きた豚の輸入に当たりましては、輸出国において輸出検査が行われるとともに、動物検疫所において家畜防疫の観点から十五日間係留した上で、獣医師である家畜防疫官の臨床検査に加え、豚コレラ等を診断する血清学的検査等を実施し、問題ないと確認した場合のみ輸入を認めております。
 今般、新型インフルエンザ対策上の重要性にかんがみ、我が国においても動物検疫所における水際検査を強化し、発生地域からの輸入であるかを問わず、全頭についてインフルエンザウイルス分離検査を行うこととしたところでございます。引き続き、防疫の徹底に努めていく考えでございます。
#60
○山田俊男君 今数字がなかったんですが、お聞きしたいんですが、生きた豚というのは一体どれだけ輸入されて、その用途は一体何なんですか。
#61
○政府参考人(梅田勝君) お答えします。
 平成二十年度で四百二十一頭輸入されておりまして、これは繁殖用に使われるものでございます。
#62
○山田俊男君 わずかの頭数であるわけでありますが、しかし今のような手続でしっかり対策を講じていただきたい、こんなふうに思うところであります。
 私の友人に手広く地方で食肉店を経営している者がおりますが、しかし、そうはいいましても大変心配しているわけです。今後の豚肉の需要、消費は一体どうなるんだろうかということを心配しているわけであります。今もありましたように、適切な風評被害対策を講じておられるというふうに思いますから、風評被害は現段階では出ていないというふうに思うわけでありますが、直近の豚肉の売行きや価格はどんな状況なんですか、お聞きします。
#63
○政府参考人(佐藤一雄君) 国産の豚の枝肉の卸価格の動向でございますが、四月以降、四百円をやや上回る水準で推移してきたところでございますが、大型連休に入った四月末からは、例年のとおり連休中の手当て買いということもございましてやや上昇しておりまして、五月一日現在におきましては、東京・大阪市場の平均価格で四百八十五円と相なっておるところでございます。
 いずれにいたしましても、油断することなく、引き続き価格や消費の動向をも注視するとともに、何と申し上げましても風評被害のないように、卸、流通の関係業者の皆さんに対して正しい知識の提供に努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
#64
○山田俊男君 連休後の動向がまだ分からないということのようでありますが、今後心配があるわけですから、今後の動きを含めましてよく見られて、そして適切な対策を引き続き講じてもらいたい、こんなふうにお願いします。
 以上で終わります。
#65
○古川俊治君 続きまして、自由民主党古川俊治から質問をさせていただきます。
 今日は医者ばかりが質問に立って、この後、小池議員もやられるようですけど、大変細かいことばかり申して恐縮なんですが、私のところへも、恐らく民主党の先生方のところも来ていると思いますけど、いろんな医者からいろんな文句が来ています、この対応についてはですね。医者は文句を言いたがるのが好きなので。ただ、水際対策の有効性、いろいろ議論はあります。ただ、今までの国民の方を向いて行政をしていくという立場から、舛添大臣やまた厚労省の皆さんは本当に一生懸命連休中やられて、しっかりした対応が私はできていると、これは医者の一人としてもそう評価したいというふうに考えております。
 その中でちょっと水際対策のことが話がございましたけれども、我が国は今まで国内未発生の段階でございますね。だから、ここはやはり早く見付けてこれを追い返すことがやっぱり重要で、ここで引き止めるということが……(発言する者あり)失礼しました。ごめんなさい。ここでウイルスを生かさないというか、そこで治癒させる、水際で止めることが一番大事でありまして、既に欧州は国内既発生の段階でありまして、これは早期発生段階でございますから、それは対策が違ってくるんだろうというふうに考えられると思います。
 ただ、医者が厚労省に文句を言うのはちょっと理由がないんじゃないかと私も思うんですけれども、逆に厚労省がちょっと今回、医療機関についておっしゃったことについては私はちょっと意見を申し上げさせていただきたいというふうに考えておりまして、この場からちょっと質問を始めさせていただきます。
 先ほど森田議員からも質問がありましたけれども、六日に厚生労働省の方で、この新型インフルエンザ感染の可能性の低い患者が医療機関から診療を拒否されるケースが相次いだということで、時事通信によりますと、舛添厚労大臣はこれは医師法違反なんだということを言われたということなんですね。この件で、六日に基本的な考えというのがそちらから、厚労省の方から出されまして、一つが、蔓延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者が、発熱相談センターを通じずに発熱外来を置かない医療機関を受診した場合、これは、発熱相談を受けていない、一般外来に来てしまったという場合には、まず発熱センターに相談をしてから、必要に応じて紹介される適切な医療機関を受診するように勧めろと書いてあって、この場合は要するに診療を拒否するんですね。いいですか。もう一方で、センターの指導に従って発熱外来を置かない医療機関に受診したと、従ってここでいいですということで来た場合には、感染予防に必要な措置と指導を行った上で、その医療機関が診なさいと言っているんですね。
 この医師法十九条一項の応招義務との関係で、上は診療を拒否している、これが医師法十九条一項の応招義務に当たらないのか。すなわち最初の場合ですね、お断りしている。で、後の場合、すなわち相談センターに電話をしてそこに来た場合ですね、この場合にはその点がどうなのか、この点を明確にお答えいただきたいと思います。
#66
○政府参考人(外口崇君) 医師の応招義務については、医師法第十九条第一項において、診療に従事する医師は、診療、治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければこれを拒んではならないと規定されております。この正当な事由に該当するか否かは、個別具体的な各事案において諸事情を総合的に勘案し、社会通念に照らして判断されるべきものであると考えております。
 議員御指摘のような場合については、新型インフルエンザの感染拡大の防止が必要な現時点においては、蔓延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者に医師が他の医療機関の受診を勧めた場合に、個別の事案に即して考える必要があるものの、医師法第十九条の応招義務違反にはならないのではないかと考えております。
 こうした考え方に基づき、平成二十一年五月六日の新型インフルエンザ対策推進本部の事務連絡が出ているわけでございますけれども、この事務連絡の後段の部分、「発熱相談センターの指導に従って発熱者が発熱外来を置かない医療機関に受診した場合は、患者にマスク等を使用するように指導するなど、感染予防に必要な指導を行った上で、当該医療機関が診察すること。」、これを示しているわけでございますけれども、これは発熱相談センターにおいて新型インフルエンザの可能性が極めて低いと判断した場合の対処方針を示したものでありますことから、基本的には一般に発熱した場合の患者と同等に扱うべきものと考えられると思います。
#67
○古川俊治君 そうすると、十九条一項には触れるというふうに承りましたけれども、その後段の場合なんですね。これは、医療機関におきましては、やはり入院患者さんへの感染の拡大の恐怖というか、の可能性ですね、危険性。それから、先ほどもちょっとありましたけれども、その機関における人員体制で、やはり感染症患者を入院させて医療スタッフが出てこられなくなった場合の診療体制が組めないですとか、あるいは、他の患者さんへの危険からこういった患者さんについて非常に扱いが難しいという医療機関もあって、従来お断りするケースも私はあったということがもう現場のことで分かっております。
 その場合に、今までのこのリーディングケース、医師法十九条一項のリーディングケースである千葉地裁の昭和六十一年七月二十五日の判決は、この医師法十九条一項の正当に関する、その正当な事由、すなわち診療を拒否していい事由というのは、いろんな患者さんの状況ですとか、医療機関の人的・物的能力、代替医療機関、施設の有無などの具体的状況によって変わるという判決を下しているんですね。今までその患者さんをまさに診ないと、そこで引き受けなければその患者さんが亡くなってしまう、悪化して明らかに状態が悪くなるということが分かれば、これは仮にベッドが満床、専門医がいない、そういう事情があっても引き受けなきゃいけないと、ところが、その患者さんがほかに行って適切な医療を受けるべき医療機関があるのであればそちらに紹介するということでいいと、これが判例の私、解釈だと思ったんですね。
 先ほど日本医師会のことが大臣の方から御案内ありましたけれども、あれは倫理的な義務でまさに言っているのであって、医師会の方が、職域団体として、これは法的な義務付けとはまた違うわけですよ、厚労省がやるですね。そういう意味で、今までの解釈といった、そういった患者さんの状況、個別な機関の能力も考えて判断しなさいという点から十九条一項を解釈していたのを、今回の場合は、まさにそこを、相談センターを通したらみんな受けなきゃいけないみたいに通知が来ていますよね。この点についてはちょっとどうお考えになるんでしょうか。
#68
○政府参考人(外口崇君) 十九条に規定する正当な事由に該当するか否かは、これは個別具体的な各事案において諸事情を総合的に勘案して判断されるべきものであると考えております。
 それで、発熱相談センターにおいて新型インフルエンザの可能性が極めて低いと判断した場合は、これは基本的には通常のインフルエンザを受診したときと同じような扱いになると考えております。
#69
○古川俊治君 通常のA型インフルエンザであっても、これは既に、診療拒否とは違いますけれども、入院施設がないと、うちに入院されてもケアができないということで、その可能性が高い場合にはお断りするというのが果たして十九条一項に違反するのか。私の、今までの判例の流れですと、そういう場合はほかの病院に紹介すればいいわけですから、これは違反しないという解釈であったと思います。これが具体的にいろんな事案で厚労省がおっしゃるような解釈に至るかどうか、義務付けができるか、本当にすべきかどうかということも十分に勘案して、今特に地域医療崩壊の危機に掛かっていますから、指導を行っていただきたいと、ちょっとこれは要請しておきます。
 いろんな医療機関において、本当に蔓延期になってくれば医療スタッフが一番やっぱり危険性を受けるわけですよね。出てくる人員も減ってくるだろうし、そういう意味で、やはり限局をした施設がこれを診ていくというのが一つの本当に具体的な方法なのではないかというのはちょっと提言させていただきます。限局、みんなの施設が全部そこをやる、広く診ていくというのは基本的には非常に感染症の場合は難しいだろうというふうに思いますので、特に医療全体を管轄する厚生省にはその点の御理解を是非お願いをしたいと思っております。
 もう一点、今回、この新型インフルエンザがちょうど広がる最中なんですけれども、私は今月一日、実は国会が終わった後、これ胃がんの手術をしていたんですね。そうしていましたら、胃がんの手術中に、先生、これからヘルニアの手術は何件入っているかと言うから、何でそんなことを聞くんだと聞いたら、ヘルニアはやめてくれと言うんです、しばらく。これ五月一日の話なんですけれども、何でそんなことを言うんだと思ったら、要するにパンデミックが来た場合に備えて病棟を空けなきゃいけないと言うんですね。だから、待機的な手術はやっちゃ困るということを言うんですね。
 正直申し上げて、待機的な手術といいましても、大学病院なんかだと、がんも含めて一か月、二か月先までは手術がどんどん入っている、入院予約も入っているわけですね。そういう状況で結局、インフルエンザが来て本当に準備をしなきゃいけないというと、大学病院としてはもう国内未発生の段階から準備に入らなきゃいけないんですよ。慶応病院も当然そういった診療を期待される病院の中にありますから。こういったことから、一般診療が非常に阻害されてくるという状況に置かれるんですが、この点についてどうお考えなんでしょうか。
#70
○政府参考人(上田博三君) 確かに、蔓延期あるいは蔓延の初期にお産だとか救急医療だとか、あるいはがんとか、そういうことについては、非常にそういう方々が感染をしないように配慮をしなければいけないというふうに考えているところでございます。
 それで、医療体制に関するガイドライン、できておりますけれども、第三段階の蔓延期以降は原則としてすべての医療機関において新型インフルエンザの診療が行われる可能性があることから、国内未発生の第一段階から流行の第一波が終息する第四段階までの各段階に医療機関に分けてそれぞれの対応を求めているところでございまして、例えば感染の可能性のある方とその以外の方を動線を分けるなり機能を分けるなり、こういうことに対して今ガイドラインで示しているところでございます。
#71
○古川俊治君 医療機関の対応としては非常に難しい面があると。他科との、通常診療との対応ですね。診療体制を工夫してくれと言っていますけれども、これちょっとお聞きしたところによると、病棟を分けて接触しないようにするとか、そういう処置だと言いますけれども、すぐにはできないということを御理解いただきたいんですね。これはいろんな病院の中の事情がございますから、それについては周到な準備が要って、国内発生の早期というのが海外発生の二週から四週であると、また蔓延期は六週後と言っているんですね。そうすると、この期間で、厚労省の今発表ですと大体一か月半ぐらいの猶予があるというふうに考えていらっしゃるんですが、その根拠というのは何なんでしょう。この一か月半は待てるという根拠、これを教えてください。
#72
○政府参考人(上田博三君) 新型インフルエンザの流行規模については、出現したウイルスの病原性とか感染力の強さなどに左右されるものでございます。
 現時点で完全に予測するのは難しいわけでございますけれども、新型インフルエンザ対策行動計画の策定に当たりまして、対応方針の検討の参考として、欧米諸国のガイドラインや専門家の意見を参考に、海外発生期の二から四週間後を国内発生早期、それから四から六週間後を感染拡大期、六週間以降を蔓延期と設定をいたしました。これは、大体最初の二週間程度あるいは四週間ぐらいまでは検疫で頑張れるのではないかと。その後はだんだん国内に入ってくるので、大体一か月後から六週間後には最悪の場合蔓延すると、それまでに体制を整えたいということで、この二ないし四ないし六という時期を設定したわけでございます。
#73
○古川俊治君 今まで、過去にパンデミックになったという人類の経験というのは非常に少ないわけですね。これはウイルスにはっきり言ってよります、どういうタイプのウイルス。ですから、過去がこうであった、それに基づいて指針を作っていくというのは非常にある意味でエビデンスとしては足りないんですね。だから、やはり新しい病原体が入ってきたときに、どの程度の速度で感染が進んでいくのか、その間にどういうふうに医療体制を組んでいかなきゃいけないのか、これはやはり六週間、一つの目安だとは思いますけれども、それが早かった場合、それからずれた場合のことを十分勘案をして作っていかなきゃいけないと。ただ、通常診療の問題というのはやはり優先して行わなきゃいけないことも十分ありますので、その点も考えて感染症一途に走らないようにお願いをしたいというふうに思っています。
 実は、私の大学病院も感染症法におけます第二種感染症指定病院なんですね。感染拡大期において新型インフルエンザを診るべき病院、医療機関は、特定の感染症指定医療機関が今は三医療機関八床、それから第一種の感染症指定医療機関が三十二施設六十一床、我々も含めた第二種のやつですね、一般の病院が多く入っていますけれども、これは感染症指定病院で五百五十医療機関の一万五百三十七床であって、大体九九・三%が第二種に頼っているんですね。こういう状況であるという状況なんですね。
 今、これは都道府県知事がここに指定を行って指導を行っているそうなんですけれども、都道府県としてどういう指導を行っているんでしょうか。
#74
○政府参考人(上田博三君) 感染症法第三十八条三項において、感染症指定医療機関は、同法に基づき、公費負担医療の対象となった患者の医療を担当しなければならない旨規定されているほか、感染症指定医療機関医療担当規程、これは平成十一年の厚生労働省告示第四十二号によるものでございますが、これにおきまして、感染症指定医療機関が遵守すべき事項を規定をしているところでございます。感染症指定医療機関がこうした規定を遵守していない場合などには、当該感染症指定医療機関に対して、感染症法第三十八条第六項に規定する指導が行われることになるわけでございますが、その指導内容については個々状況に応じて必要な指導を行うというふうになっているところでございます。
#75
○古川俊治君 ガイドラインに沿って今指導しているというお話でございましたけれども、感染症予防法の三十八条八項によれば、第二種感染症指定医療機関がその指定を辞退しようとするときは、辞退の日の一年前までに都道府県知事にその旨を届けなければいけないと書いてあるんですね。
 医療機関として、正直申し上げて、その新型感染症の毒性ですとか、あるいは致命率、重症率ですね、こういうものを見極めてから、うちの物的、人的な施設でそれが診療できるんだろうか、こういうことを見てからやはり手上げをしたいという事情があるわけなんですけれども、一年も前から予測できないんですよ、そういうことが。そうすると、その場になって、うちでは無理だと合理的に判断される場合に、実際はこれを引き受けなきゃいけないということに法律上なっちゃうわけですよね。その点はどうお考えなんでしょうか。
#76
○政府参考人(上田博三君) 御指摘のように、第二種感染症指定医療機関が指定を辞退する場合には、地域の医療体制をあらかじめ構築する必要があることから、他の医療機関の指定の手続や施設の改築などの時間が必要でございますから、その辞退の日の一年前まで、結核指定医療機関にあっては三十日前までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならないものとなっております。
 いろんな御指摘のように、ウイルスの性状等でなかなかその病院によって対応できないということもあろうかと思いますけど、この場合、感染症指定医療機関の役割を果たしていただけないとなった場合に、特段罰則はございません。ただ、補助金を返してもらうとかそういうことはあるわけでございますけれども、何分、今回のような新型インフルエンザの発生という公衆衛生上の重大な事態におきましては、感染症医療機関の役割は非常に重大でございます。是非ともその責務を果たしていただくようにひたすらお願いをしたいと、このように考えているところでございます。
#77
○古川俊治君 罰則が置かれるようでは困ってしまうんですけれども。
 これは感染症早期にもそういう問題がありますし、さらに蔓延期になった場合に厚生労働省の方はすべての医療機関が診療を行うんだともう自分の方でつくっちゃっているんですね、話が。もちろん医療機関の方でも、これは国民の衛生面を守っていくのが義務ですから積極的に診なきゃいけないわけですけれども、二五%、人口のですね、が今厚労省のモデルですと蔓延期になれば罹患するだろうという考え方によるわけですね。そうすると、今、先ほど挙げた感染症指定の病床だけでは一万六百床程度なんですね。そうすると、当然、一般医療機関の中でもそうした感染症の方を隔離していくような病棟を確保しなきゃいけないわけなんですけれども、そういうガイドラインを厚労省の方でもお作りになっているわけですけれども、それを今カウントをしなさいと書いてありますね、どの程度。
 今、一般医療機関における入院治療も行われた場合、病床というのは最大でどのぐらい確保できるのか、そういう見込みなのか、お願いします。
#78
○政府参考人(上田博三君) ちょっと細かい答弁で恐縮でございますが、新型インフルエンザ国内初発例を確認してから三段階の感染拡大期までは、新型インフルエンザの患者さんは病状の程度にかかわらず感染症法に基づく入院措置となるため、新型インフルエンザ対策ガイドラインにおいて都道府県は新型インフルエンザ患者の入院可能病床数を事前に把握しておくこととなっております。
 さらに、法に基づく新型インフルエンザの患者の入院に係る医療を提供する医療機関を、一つは感染症指定医療機関、それから二つ目、結核病床を有する医療機関など新型インフルエンザ対策行動計画に基づき都道府県が病床の確保を要請した医療機関……
#79
○委員長(辻泰弘君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
#80
○古川俊治君 蔓延期についてお願いします。蔓延期について。
#81
○政府参考人(上田博三君) 現在、第一種、第二種の指定機関は一千二百五床でございます。このほかに全国で結核病床が八千五百五十八床ございますが、これを含めて現在、協力医療機関について調査し、確保していきたいと考えているところでございます。
#82
○古川俊治君 蔓延期について前提として伺っているのであって、その数としては先ほど私が申し上げているので繰り返していただかなくていいんですけれども、まだ、要するにこれからカウントするというお話なんですよね、どうなんですか。蔓延期において、一般の病院も含めて二五%が罹患した場合に何床確保できているのかということを伺っているんです。
#83
○政府参考人(上田博三君) 蔓延期の場合には、先ほど申し上げましたように、八千五百五十八床ある結核病床をベースにしまして、そのほかに我が国九十万床の病床がございますので、この中からできるだけ応分のものを出していただくようにお願いしたいと考えているところでございます。
#84
○古川俊治君 できるだけというのではお答えにならないと思うんですね。具体的にそういうパンデミックでモデルを作ってあるのであれば、さらに医療機関に病床を算定してくれと言っているのであれば、国としてどの程度確保できているのか、この点は是非把握をしていただきたいというふうに思います。それによって医療機関の方も協力の仕方があるということを御理解いただいて、これ、ただ医療機関もみんな診るということをガイドラインに書いてあったって、医療機関の働く方の現場にとってはこれ命懸けでやるわけですから、その点は十分御理解いただきたいと考えております。
 ワクチンについてちょっと伺いたいと思うんですけれども、そこで、ちょっと先ほどからも議員からも質問が続いておりますけれども、第二波が来るんではないかということがずっと新型インフルエンザについて言われているんですが、その二波の出現に対する現在の厚労省としての予測というのはどうなっているでしょうか。
#85
○政府参考人(上田博三君) 御指摘のように、スペイン・インフルエンザでは第二波が来まして、そのときの方が非常に重篤化をしたということはございます。
 まだ今回のものについては分からないわけでございまして、今後、CDCあるいはWHO、様々な関係機関とも情報共有をしながら、これについては検討していきたいと考えているところでございます。
#86
○古川俊治君 世界的な動向をよく調べていただきたいと思います。
 先ほど足立委員からもありましたけれども、Aソ連型、H1N1というA型香港、A型のインフルエンザウイルス、あるわけです。これに対するワクチンを接種した場合、今回の新型インフルエンザに対する効果についてどういう見解をお持ちでしょうか。
#87
○政府参考人(上田博三君) これは非常に難しい課題でございまして、これからもう少し科学者で検討する必要があると思いますけれども、H1N1ということは同一なんですけれども、その免疫原性がどれだけ違うかということを十分検討する必要があると考えております。
#88
○古川俊治君 そうですね、既知のA型、Aソ連型を打っていてもA型インフルエンザが流行するという現象から見ても、やはりクロスリアクティビティーというのはそう高くはないというふうに思われるわけでございまして、それから考えると、やっぱりしっかりとした対象のワクチンを製造することが課題なんだろうと思っています。
 実は、新しいインフルエンザに対する対策で、ワクチンのガイドラインというやつですね、これが実はできていないんですね、まだね。読みますと、追って発表することになって、策定するということになっているんですけれども、これ、いつワクチンのガイドラインというのはできるんでしょうか。
#89
○政府参考人(上田博三君) これは内閣官房とも相談をして、要するに社会機能維持者というものを確定をし、その方々から打っていこうと。これは当然その中に医療従事者も入るんですが、そういうものを第一接種順位として、それでそれ以降の接種順位についてはまだよく固まらないと。これは相当国民的な議論をしなければいけないということでまだ固まっていないんですが、これについても議論を進めたいと考えております。
#90
○古川俊治君 一つ申し上げたいのは、これはガイドラインが作られたのが鳥インフルエンザが問題になったときの話をずっとしているんですね。ところが、厚労省が今年、今度、四月二十九日にぼんと一個出してきまして、その中に、この青いやつのガイドラインが、計画作りというのが入っていまして、この中で、このガイドラインを十分参考に、参照にしてくれと言っているものだから、新型インフルエンザ対策についても鳥インフルエンザのが基本になっちゃっているんですよ。そういう実は混同があるということをまず指摘させていただきたいと。
 その上で、プレパンデミックワクチンについてちょっと伺いたいんですけれども、プレパンデミックワクチンの新型インフルエンザウイルスにおける位置付けというのはどういうふうに考えたらいいんでしょうか。
#91
○政府参考人(上田博三君) もう御存じのように、プレパンデミックワクチンはH5N1の株から取ったワクチンでございますから非常にH1N1とは遠い関係にございますので、これは恐らく効かないというふうに考えた方がいいと思います。
#92
○古川俊治君 ですから、新型についてはプレパンデミックワクチンは存在しないということでよろしいですね。
#93
○政府参考人(上田博三君) そのとおりでございます。
#94
○古川俊治君 だから、もう一つは考えられるのは、今のA型をどういうふうに打っていくかというのが一つ問題点として残ってくるのと、それからもう一個、パンデミックを作っていくわけですけれども、新しく製造すると、もう製造を開始すると今日、大臣が先ほど述べていらっしゃいますので製造を開始するんだと思いますけれども、パンデミックを作っていく場合に、既に問題になっていると思うんですけれども、従来のA、B、Aソ連、A香港及びB型の混合のワクチンとの製造関係、これについて今どういう予定になっているのかをお教えいただきたいと思います。
#95
○政府参考人(高井康行君) 製造でございますけれども、新型インフルエンザA、H1N1の重篤性あるいはWHOの提言等も勘案して、季節性インフルエンザワクチンの製造を中断して新型インフルエンザA、H1N1ワクチンの製造に切り替えることの適否の判断を行うなど、必要な対策を実施したいと考えております。
 現在、この製造をするとした場合のシミュレーションを行っているところでございまして、事態を注視しながら必要な対策について万全を期していきたいと考えております。
#96
○古川俊治君 両方がどうなっているか、よく分からないところがまだありますけれども、恐らく通常のインフルエンザも流行するということもおそれとしては考えられるわけでございまして、その点についてしっかり対応していただきたいと、ワクチンなしではいられなくなっていますので、お願いしたいと思います。
 最後なんですけれども、今回の新型インフルエンザの感染というのはまだ終えんしたわけではないと思いますけれども、仮に強毒である鳥インフルエンザがこれから人から人へ感染を始めたということになった場合にかなり問題はもっと大きくなるんだろうと思っておりますけれども、今回、この新型インフルエンザに関して、厚労省がこういった新型のインフルエンザ対策について得た教訓というのはどういうことでしょうか。
#97
○政府参考人(上田博三君) 御指摘のように、まだこの闘いは始まったばかりでございますので教訓化するには尚早かもしれませんけれども、今回の新型インフルエンザ発生に伴い、水際対策を強化し、国内侵入を防ぐ間に、地域における国内発生を念頭に置いた相談体制とか医療体制の整備ができたところでございます。また、情報収集や国民への迅速な情報提供も努めているところでございます。
 仮に、H5N1型の鳥インフルエンザウイルスが人―人感染した場合にも、同様に今回の教訓が十分に生きるものだというふうに考えておりまして、今回もしこの形が完全に終息した場合には、十分それを評価をして次の対策に備えたいと考えているところでございます。
#98
○古川俊治君 うまくいったというのは結果であって、国内未発生だからそういうふうに見えるということはあると思うんですね。ただ、やはり、先ほども意見ありましたけれども、ちょっと過剰反応し過ぎかなというところは私も感じておりまして、危険になれば危険になるほど冷静な行動が求められるわけでありまして、その点について十分反省もしていただきたいというふうに考えています。
 以上で質問を終わりにさせていただきます。
#99
○委員長(辻泰弘君) 大臣から求められて、よろしいですか。
#100
○古川俊治君 はい。
#101
○委員長(辻泰弘君) 舛添厚生労働大臣。
#102
○国務大臣(舛添要一君) いろいろ貴重な御意見、ありがとうございました。
 ちょっと御報告ございます。
 今朝から検査しておりました帯広の疑わしき症例ですけれども、PCR検査終わりまして新型インフルエンザではないという結果が出ましたので、御報告申し上げます。
#103
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、新型インフルエンザ対策についてお伺いを申し上げたいと思います。
 四月二十七日にWHOがフェーズ4の宣言をしてから世界中で感染者が拡大する中で、我が国では、感染の疑いがあったにもかかわらず、幸いにもいまだ感染者が発生していない状況でございます。今後も、水際対策に万全を期すとともに、感染者がもし発生した場合でも、国民の生命と健康を守るために全力で取り組んでいただきたいと思います。
 初めに、水際対策とその初動体制につきまして、現状に関してお聞きを申し上げたいと思います。
 発生後、十日間近く経過をいたしました。この間、ゴールデンウイークもございまして、現場の皆様休みなく対応されている状況だったと思いますけれども、これまでの対応状況につきまして、特に機内検疫の状況、また厚生労働省でのコールセンターでの相談状況につきまして御説明をいただきたいと思います。
#104
○政府参考人(上田博三君) 四月二十七日、WHOにおいて正式にフェーズ4宣言がなされたことを受け、厚生労働省として、感染症法に規定する新型インフルエンザ等感染症に規定したところでございます。
 現在、同法や検疫法に基づき、新型インフルエンザの侵入防止及び蔓延防止のため、水際対策、国民等に対する相談体制の整備、国内の医療体制の整備等を進めております。
 水際対策としましては、蔓延国でございますメキシコ、アメリカ本土及びカナダからの航空機に対して機内検疫を実施しており、四月二十八日の発生から五月七日までに三百七十八機の乗員、乗客延べ八万七千二十六名について検疫を実施し、四名の疑い患者を探知したところでございます。なお、いずれの疑い患者も季節性インフルエンザに感染したものであることが判明しております。
 国民に対する相談体制としましては、厚生労働省内にコールセンターを設置し、国民からの相談に対応しており、五月七日までに合計七千三百八十八人の方から御相談がございました。発生の初期段階には渡航の是非とか豚肉の安全性等に関する質問が多く寄せられたものでございますが、渡航に関する注意喚起や豚肉の安全等が周知されて以降は、発熱した患者さんなどからの健康相談や政府の対応に対する質問が多く寄せられている傾向がございます。
 それから、五月七日現在、発熱相談センターを全国に合計七百十九か所、また発熱外来は全国に合計五百九十一か所配置されているところでございます。
#105
○山本博司君 引き続き、しっかりした対応をお願いをしたいと思います。
 機内での検疫の体制、これも大事でございますけれども、その後の保健所等での国内の体制も大変大事でございます。四月二十八日以降入国した乗客を対象に保健所がその体調を確認をする健康観察の実施状況についても含めまして、どのように国内体制の強化を実施しているのかお聞かせをいただきたいと思います。
#106
○政府参考人(上田博三君) これはまさに現在、都道府県、市町村と連携を密にして国内体制の強化を図っているところでございますが、まず水際対策では、メキシコ、アメリカ本土、カナダからの航空機に対して先ほど申し上げましたように機内検疫を実施するとともに、入国前十日間にメキシコ、アメリカ本土及びカナダに滞在したことのある入国者について健康状態質問票の記載及び提出を要請しているところでございます。
 さらに、この記載事項について検疫所においてデータ入力をしまして、各都道府県の保健所による健康観察に資するよう情報提供しているところでございます。新型インフルエンザ発生当初は、成田空港検疫所取扱分について入力作業が間に合わず、各都道府県等への情報提供に遅延が生じましたが、現時点においては、作業従事者を増員し、早急に提供できる体制を整備したところでございます。保健所における健康観察が適切に実施されるよう最善を尽くしてまいりたいと考えております。
#107
○山本博司君 この大変大事な部分でございます。すべてを、今現場では外国人の追跡状況も含めて大変だということもございますので、きめ細かな対応をお願いをしたいと思います。
 続きまして、この新型インフルエンザ対策の行動計画に沿っての対応での医療関係の対策についてお聞かせをいただきたいと思います。中でも発熱相談センター、また発熱外来の設置状況につきましてもお聞かせをいただきたいと思います。
#108
○政府参考人(上田博三君) 私どもといたしましては、都道府県等に対し、新型インフルエンザに係る相談に対応する発熱相談センター及び新型インフルエンザの可能性がある方を診療する発熱外来を整備するよう要請してきたところでございますが、四月三十日現在、すべての都道府県に発熱相談センター及び発熱外来が整備されたことを確認しております。
 また、五月七日現在でございますが、全国の発熱相談センターは七百十九か所、発熱外来が五百九十一か所との報告を受けているところでございます。
#109
○山本博司君 この発熱外来の設置状況ですけれども、地域差があるとも言われております。また、今後、新型インフルエンザが感染が広がっていく場合、この医療体制、大変大事であると思いますので、医師の体制も含めた中長期的な対応をしていただきたいと思います。
 大臣にお聞きをしたいと思います。
 新型インフルエンザの感染の疑いが一時ございました横浜の事例にもあったように、大臣は迅速な対応をしたいという思いと現地の状況とでぎくしゃくしたとの報道もございましたけれども、もし今後事態が深刻化した場合には、地方自治体との連携、大変大事であるわけでございます。先ほどの保健所の対応なども含めて、国と都道府県また市町村の地方自治体が一体となって危機管理上動くことが大変大事であると思いますけれども、この地方自治体との連携に関しまして大臣の見解を伺いたいと思います。
#110
○国務大臣(舛添要一君) 横浜の例については、現場の状況を知らない方がいろんなところでいろんなコメントをなさっていますけれども、先ほど申し上げたように、危機管理というのは最悪の事態を想定してやらないといけない。したがって、深夜にもかかわらずそういう対応を取ったわけですけれども、最大の問題は、組織としてきちんと対応ができないことに問題があるわけですから、それは直さないといけない。ですから、ホットラインがないという状況では話になりませんですから、すべてこれ今ホットラインをつないでおります。
 ですから、一つ一つ改善すべきは改善していかないといけない。私があのとき申し上げたように、国の方も地方の方も、問題あれば直さないといけない。もう今直してあります。例えば、名古屋で市長になったばかりの河村たかしさん、私は名古屋の事案があったとき、すぐ彼を探してつかまえて、そこから完璧に名古屋市長とは、こういうときはこうしようということをトップ同士で連携をしてやっています。これが必要なんですね。
 それから、各担当の部長と部長との間のホットライン、こういうことをやっていって、やはり国も全面的に支援はいたします、しかし市民や県民の健康を守るというのはそこの首長さんの最大の仕事なんですね。ですから、それは、どの町に住んでいるかによって命や健康の守られ方が異なるということであってはいけません。まさに地方自治が問われているんです。
 そういう意味で私は申し上げているんで、私は能力ないかもしれないけれども、大臣の資質とか大臣が落ち着けとか、そういうレベルの話ではないんで、危機管理というのはそういう話ではありません。そこは明確に申し上げておきたい。
#111
○山本博司君 ありがとうございます。
 続きまして、今後の対策ということでお聞きをしたいと思います。特に、大変大事になってまいりますワクチン製造に関してお聞きをしたいと思います。
 既に何人かの委員の方からも御指摘ございました。今回の新型インフルエンザワクチン、また季節性のインフルエンザのワクチン、また鳥由来のワクチンも含めて、三つのワクチン製造に関しまして、バランスも含めて今後どのように実施していくのか、御見解をお聞きをしたいと思います。
#112
○政府参考人(高井康行君) ワクチンの製造でございますけれども、新型インフルエンザA、H1N1の重篤性あるいはWHOの提言等も勘案して、季節性インフルエンザワクチンの製造を中断して新型インフルエンザA、H1N1ワクチンの製造に切り替えることの適否の判断を行うなど、必要な対策を実施していきたいと考えております。
#113
○山本博司君 その上で、卵の問題、大変大事でございます。この有精卵の確保策が大丈夫かどうか、また、先ほどの国内四社以外に海外という一つのルートの、道筋を付けるだけではないかと、こういう御意見もございますけれども、この辺の御見解を聞きたいと思います。
#114
○政府参考人(高井康行君) まず、有精卵の確保でございますけれども、現在、季節性インフルエンザワクチンを製造を行っております。そのための有精卵が確保されているところでございますが、さらに、今回の新型インフルエンザA、H1N1の発生を踏まえまして、直ちにインフルエンザワクチン製造企業に対しまして可能な限りの有精卵の確保等、原材料の確保を依頼しているところでございます。
 また、海外企業でございますけれども、この輸入につきましては、国際物流の確保など入手可能性に係る多くの課題があるということで、国内の生産体制の整備を優先的に行うべきと考えているところでございます。
#115
○山本博司君 この卵以外のワクチン、細胞培養等でございますけれども、こうしたワクチン製造の体制強化に関しまして、補正予算、今出されていると思いますけれども、これに関連してお聞かせをいただきたいと思います。
#116
○政府参考人(高井康行君) 新型インフルエンザに対するパンデミックワクチンの早期供給体制をより充実強化させるためには、細胞培養法等による新型インフルエンザワクチンの製造体制の構築が必要と考えております。このため、細胞培養法の開発、あるいは生産設備の整備等に係る経費をこの平成二十一年度補正予算案に計上することとしたものでございます。
 引き続き、新型インフルエンザワクチン開発・生産体制の強化のために取り組んでまいりたいと考えております。
#117
○山本博司君 ありがとうございます。しっかりした対応をお願いをしたいと思います。
 大臣に二問お聞きしたいと思います。
 新型ウイルスとの闘いといいますと、大変長期戦になるとの覚悟も必要でございます。約四千万人が死亡した二十世紀初めのスペイン風邪は終息までに足掛け三年を要しました。医療技術や医療薬品開発レベルは格段に進歩しているとはいえ、その分地球は狭くなり、国境を越えた人々の往来は当時の比ではございません。人類共通の脅威に立ち向かう中長期の対策を早急に確立しなければならないと思います。
 具体的には、様々なこうした予防のための新ワクチンの開発等を急ぐ中で、大事なのは途上国の医療支援が大事であると思います。WHOが指摘するように、衛生状態の良くない途上国に感染が広がりますと、事態は一層深刻化し、ウイルス変異を起こす可能性もございます。日本が医療衛生体制の面での途上国支援、国際的な貢献をすべきと考えますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
#118
○国務大臣(舛添要一君) 昨年の秋、私も参りまして、中国、韓国、日本、これで共同訓練をやりました。こういうことも続けておりますし、今日まさに、私は国会の都合で参れませんでしたけど、WHOのアジアでのASEAN会議を今やって、渡辺副大臣に出ていってもらっております。あのSARSのときを覚えていらっしゃいますでしょうか、ベトナムなんかに我々の医師団が行って相当頑張ってあれを食い止めたということもあります。
 ですから、我々の持てる能力、それはウイルスの開発含めて国際的な協力をやっていく、そしてWHOを中心とするネットワークの中で全力を挙げて発展途上国の支援もしたいと思います。メキシコに対しては既にマスクその他の機器も援助しているところでありますので、今後とも国際的貢献をやっていきたいと思っております。
#119
○山本博司君 ありがとうございます。
 それで、最後の質問でございます。
 世界では二十四か国・地域で発生している中で、日本はまだ幸いにも発生をしておりませんけれども、今後、国内で発生に備えた場合の体制整備についてどのように考えているのか。五月一日の政府の国内発生の方針に関して、弱毒性であるので柔軟な対応ということも言われておりますけれども、最後に大臣の決意を聞かせていただきたいと思います。
#120
○国務大臣(舛添要一君) 私は、今、水際相当努力していますけれども、早晩このウイルスが国内に入ってくるのは時間の問題だろうというふうに思っていますので、そのときの体制、これは様々なシミュレーションをやりながら準備をしております。
 基本的にはH5N1を前提とした対処方針がありますが、今のところ、弱毒性であるとか様々な情報がありますので、弾力的、機動的に運用して国民の自由や経済活動をいたずらに阻害しない形で、しかし国民の生命と健康を守る、全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。
#121
○山本博司君 ありがとうございます。是非とも、大臣のリーダーシップを含めて、よろしくお願いをしたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#122
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 新型インフルエンザに対する空港や港での水際対策が行われているわけですけれども、今日はもう一つの水際である在日米軍基地での対策についてお聞きをしたいと思います。
 最初に、日米合同委員会の合意では、およそ三か月ごとに米軍人軍属の入国者数、出国者数、報告を受けているというふうに聞いているんですが、数を教えてください。
#123
○政府参考人(梅本和義君) 御指摘の点でございますが、日米地位協定についての合意議事録の第九条に関する規定に基づきまして、日米で合意された手続に従い米側からしかるべく定期的に通報を受けておりますけれども、その具体的な内容については公表することについて日米間の合意がございませんので、申し訳ございませんが、公表することは行っておりません。
#124
○小池晃君 知っているけど言えないんだと。
 問題になるのは、直接米軍基地から入国するような数だと思うんですが、これは知っているんですか。把握しているんですか。
#125
○政府参考人(梅本和義君) 繰り返しで恐縮でございますが、地位協定についての合意議事録の第九条に関する規定に基づき、合意された手続に従い米側からしかるべく定期的に通報を受けておりますけれども、その具体的な内容については、どのような形式、内訳で報告されているかも含めて公表することについて合意がございませんので、公表しておりません。
#126
○小池晃君 これで独立国なのかなという感じがするんですが、在日米軍基地には検疫官はどれだけいるんですか。
#127
○政府参考人(梅本和義君) 政府としては、それぞれの在日米軍施設・区域における検疫官の数については承知をしておりませんけれども、米軍は、米軍人等が入国する可能性のある横田飛行場や嘉手納飛行場等、すべての施設・区域に検疫官を配置をしております。
 また、この新型インフルエンザが発生している地域を旅行したかもしれない者等で米軍施設・区域内において日本に入国する者にはスクリーニングを行っているということでございます。
#128
○小池晃君 数把握していないのに、置いていますというのは矛盾じゃないですか。だって、九六年の検疫に関する合同委員会の合意では、これは港及び飛行場ごとに一又は二以上の者を検疫官として任命すると合意しているのに、数知らないと。実際にこれが実行されているかどうか分からないじゃないですか。
#129
○政府参考人(梅本和義君) 繰り返しでございますが、米軍人等が入国する可能性のある施設・区域については検疫官がきちんと配置をされているというふうに聞いております。
#130
○小池晃君 これでは担保になっていないと思うんですね。
 しかも、基地から直接入国する米軍人軍属には、日本の検疫法に基づく積極的な疫学調査、これは適用されるんでしょうか。外務省、答えてください。
#131
○政府参考人(梅本和義君) 一般国際法上、駐留を認められた外国の軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令はそのまま適用されません。このことは我が国に駐留する米軍についても同様でございます。したがって、感染症法は在日米軍に対しては適用されませんけれども、一般国際法上、駐留軍は接受国の法令を尊重する義務を負っておりますので、在日米軍は我が国の感染症法についても尊重する義務を負っているわけでございます。
 新型インフルエンザに対する行動計画につきましても、在日米軍を直接対象とするものではないということでございますけれども、同行動計画については、米側に相当詳しくきちんと説明をし協力を求めているところでございます。これに対して米側は、在日米軍施設・区域内の新型インフルエンザ対策については、基本的に日本側と同様の措置をとることについて万全を期していきたいというふうにしておりまして、これまでも水際対策を含め適切に対応してきているというふうに聞いております。
#132
○小池晃君 それは次に聞く予定だったところなんですが、検疫法に基づく積極的な疫学調査を今、日本でやっているわけですよ。入国した人については滞在市の保健所に連絡をするとか、あるいは入国後の健康調査、これはやっているんですかと、米軍人軍属について、米軍基地を通じての。
#133
○政府参考人(梅本和義君) 今般の新型インフルエンザの発生を受け、政府としては、先ほど来申し上げているように、米側に万全を期すように申入れをしておるわけでございます。
 その中で、追跡調査についても、日本側の措置について説明をしつつ、米側においてもしかるべく追跡調査が行われるように申入れを行っているわけでございます。これに対して、米側よりは、在日米軍施設・区域における新型インフルエンザ対策について、基本的に日本側と同様の措置をとること等によって万全を期したいというふうにしておるわけでございます。
 追跡調査につきましては、米側は、在日米軍施設・区域から入国するのは基本的に米軍人軍属及び家族のみでございますので、不特定多数が出入りする一般空港に比べても、これらの者の居どころあるいは職場ということを追跡することは容易であるということでございますので、連絡体制の確立等を含め、きちんと適切に追跡調査をしているというふうに承知をしております。
#134
○小池晃君 でもね、いやいや、容易だったら、きちっと日本と同じように健康調査を十日間やってくださいと言っているんですよ。
 大臣、今の議論を踏まえて、要するに、基本的に日本側と同様の措置、お願いをしているんだということですが、その検疫体制の実態がどうなのかの把握すらできていないわけですよ。
 誤解していただきたくないんですが、別に米側の検疫レベルが高い低いとか云々と言っているわけじゃないんです。どういうことをやっているのか、日本政府としてきちっと把握をすると。そして、やっぱり日本と同様の措置をとるということをやらなければ、幾ら水際対策やったって水漏れになるし、そんなことだったら、みんなが頑張ってやることが水の泡になるということになると思うんですよね。
 私、厚労大臣、米軍の検疫体制について把握もできていないというのは問題ではないだろうか。米軍からやっぱり報告を受けて公表すべきだと。だって、米軍人だって町に出ていくわけだから。きちっとやっている、やっていると言うけど、ちゃんと実態を報告を受けて公表すべきだと。それから、保健所にちゃんと届け出て積極的疫学調査もやると。日本と同様のルールをきちっと厳格に守らせるということを言うべきじゃないかと思うんですが、大臣、最後にお伺いします。
#135
○国務大臣(舛添要一君) 基本的に、日本の行動計画と同様のことはやってくれということは言っておりまして、先般、横田基地で赤ん坊が疑いがあるという事例ありました。これは同じように、公表して、チェックをし、そしてこれは感染していなかったと、新型インフルエンザに、これも同じように公表しました。全く、ですから、そこの取扱いは日本の疑わしき事例と同じでしたので……
#136
○小池晃君 疫学調査をしていない。
#137
○国務大臣(舛添要一君) そういう意味で、疫学的な調査についても、これは細かく、実はこれは我々の方の国立感染研究所で委託を受けて調査はいたしました。つまり、CDCまで空路持っていくというのは時間掛かりますから、我々に能力があるところは協力してやる。
 これは米軍であれ、アメリカであれ、日本であれ、感染を蔓延しようという国際協力の輪の中にあると思っていますので、今後とも万全の体制を取っていただくように、外務省を通じて、これはアメリカ側、米軍側に要請してまいりたいと、そして、我々もできるだけの協力はやっていきたいと思っております。
#138
○小池晃君 近隣自治体からも声が上がっていますし、やっぱり付近の住民、不安に思っていますので、日本でやっているのと同じルールを厳格に適用してやるということを最低限やらせるべきだということをきちっとチェックをして、米軍側の検疫体制についてもきちっと公表を求めてください、報告を求めて公表してください。そのことを最後に求めておきます。
#139
○国務大臣(舛添要一君) 外務省を通じて、日本国民の健康、命を守る、そして駐留している米軍の人たちも同様ですから、万全の協力体制を取っていただけるように今後ともお願いをしていきたいと思っております。
#140
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 この間の厚生労働省を始め各関係諸省庁、各人、医療関係者の皆さんの努力に、それは本当に敬意を表します。
 私も、米軍基地内における感染の問題に関して外務省から報告を受けたんですが、厚生労働省は、基地内の問題については全く把握していないという答えをもらったんですね。これはひどいと思いますが、いかがですか。
#141
○委員長(辻泰弘君) 梅本北米局長。まずは簡潔にお願いします。
#142
○政府参考人(梅本和義君) はい、あの……
#143
○福島みずほ君 いや、時間がないんでいいです。
#144
○政府参考人(梅本和義君) 厚労大臣から御答弁ございましたように、米側においても日本側と同じ措置をとっております。また、米側、これは大使館、在日米軍、それから私ども厚労省の関係者は連日のように協議をしておりまして、日本側でどういう措置をとっているのか、またどういうことを米側にやってもらいたいのか、米側として今何をやっているのか、こういうことについては緊密に連絡を取っているところでございます。
#145
○福島みずほ君 しかし、現在において厚生労働省としては基地内における情報を全部把握していないわけじゃないですか。それは問題だと考えますが、いかがですか。
#146
○国務大臣(舛添要一君) 基本的には外交ルートを通じてやるということですから、外交ルートで上がってきたものは私はすべて把握しております。
#147
○福島みずほ君 厚生労働省が全くその米軍基地内において直接きちっとできないというところが極めて問題だというふうに考えています。この部分については実際感染の疑いがあるということが出たわけですので、きちっとやってください。
 二点目に、危機管理でとことん一番最悪のことを考え行動するというのは理解ができるのですが、私が思ったのは、やっぱり午前四時に例えば学校の校長先生が記者会見をすると。テレビは、高校生がいつカナダに旅行したのか、どの飛行機か、帰国して何度登校したか、事細かく報道し、横浜市は電話回線がパンクをしたというふうに報道されております。
 感染症四十四条の二第二項は、「情報を公表するに当たっては、個人情報の保護に留意しなければならない。」とあり、一項は、「感染症が発生したと認めたときは、」というふうになっております。やっぱりプライバシーの保護ということが書いてあるわけで、それとの関係で、この学校は、校長先生は新入生歓迎の集いを中止したと、しかし翌日、高校生は陰性と分かったわけですね。ですから、まあ陰性で本当に良かったわけですが、プライバシーの侵害、個人情報の保護についてはやはり問題があったんじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
#148
○国務大臣(舛添要一君) 横浜の事案、十一時過ぎに私のところに入ってきて、そのときはPCRの検査でもこれは新型である疑いが極めて高い、しかも五日前に入っていた。そのときから修学旅行で行っていたのも分かっています。横浜の高校生であることも私には分かっている。しかし、今のことがありますから、正確に最終的に分かるまでは神奈川県在住の男性でということしか申し上げません。
 そして、ちょっと前言訂正しますと、横浜の高校生まで分かっていて、修学旅行というのはこれはもっと後になって分かりました。しかし、修学旅行に行っているということになると、集団感染が当然予想されますから、そこは気を付けないといけない。
 ところが、日本において私が危機管理をやってきて、私は欧米でこういうことを学んできて実践してきたんです。何が違うかといったら、情報がどこからか分からないけれども、どんどんどんどん流れていくということなんです。ですから、そういう国においての危機管理のやり方は、一番最高責任者で一番正しい情報が集まる人間が先に言わないと収拾付かない情報の混乱が起こってくる。
 見てくださいよ、神奈川県と言っているときにテレビで横浜市ともう出てきちゃっているんですから。そして、学校の行事かどうか分からないから私は今調べていると言っているのに、もう修学旅行と書いてある。そして、私のときに、その会見をやる前後に高校の名前まで出ましたけれども、当然そこは配慮しないといかぬ。そうしたら、もうその高校にわんさと報道陣が行っちゃっている。だれがどこで出したのか。私はもう常に省内に言っているのは、情報のそういう管理はしっかりしなさいよということを言っている。で、こういうことを今調べています、だれがどこで出したか。で、カウンターパートは横浜市ですから、横浜市から来た情報でこちらも動いた。ですから、やはりこの国の危機管理の難しさというのは情報が、情報が守れないというか、ころころころころ出る、この国における危機管理というのはちょっと違うなという感じで私はそういう対応を取っています。
 もちろんおっしゃるように、それはプライバシーの保護というのは大変大事にしないといけないと思っていますので、そういう苦悩の中でぎりぎりの判断を下しましたので、責任があれば私に責任がありますから、それはきちんと責任を取ります。
#149
○福島みずほ君 厚生労働省と横浜市長、大臣と横浜市長の間で非常にやり取りがあったというふうに報道されておりますが、やはりそれは感染者が出たとき、疑いのある人間があるときに報道、言うことは分かるんですが、それはやはり、すぐ神奈川、横浜と特定され、修学旅行、学校で、陰性と分かったときに校長先生が涙を流したのがまた報道されるというのも、それは陰性だったからよかったけれども、子供たちの心の傷にやっぱりなるんじゃないかと。
 ですから、感染症における、第二項、個人情報の保護、もしこれが陽性だったらその学校めちゃめちゃになる可能性もありますので、その点、私たちも考えなければなりませんが、記者会見一つ取っても、やはりこれからも感染症の四十四条の二第二項をどう私たちが守るかという視点も大事だと思います。
 感染の疑いのある人を在宅で治療する場合、外出できないことからその食事などを行政が提供するケースでは、その費用を徴収することができるとされています。一方、飛行機や港において感染の疑いのある人を隔離、停留させた場合、その費用は徴収してはならないとされています。
 この徴収の基準というものは何なんでしょうか。
#150
○政府参考人(上田博三君) 検疫法に基づく隔離、停留につきましては、罰則を伴う強制措置でございますことから、対象者が危険度の高い感染症に感染している、又は感染しているおそれがある者であって、公衆衛生の観点から、国内に常在しない感染症を水際で防ぐため、確実に措置を完遂させる必要があることなどの理由から、隔離、停留にかかわる費用については公費負担としております。
 一方、感染症法第四十四条の三に基づき、外出の自粛を要請した場合の当該対象者に対する食事の提供等にかかわる費用につきましては、当該措置が罰則を伴う強制措置ではないこと、対象者は感染していることが確定している者ではなく、外出を自粛することは御本人にとっても感染リスクを下げるというメリットがあること、こういうことを考慮して対象者から実費徴収を可能としておるところでございます。
 ただ、この辺の運用については適宜、弾力的に運用していきたいと、このように考えているところでございます。
#151
○福島みずほ君 終わります。
#152
○委員長(辻泰弘君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト