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2009/06/11 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 厚生労働委員会 第15号
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2009/06/11 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 厚生労働委員会 第15号

#1
第171回国会 厚生労働委員会 第15号
平成二十一年六月十一日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月九日
    辞任         補欠選任
     長谷川大紋君     坂本由紀子君
 六月十日
    辞任         補欠選任
     家西  悟君     大島九州男君
     谷  博之君     谷岡 郁子君
     中谷 智司君     森田  高君
     坂本由紀子君     礒崎 陽輔君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         辻  泰弘君
    理 事
                中村 哲治君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                梅村  聡君
                大島九州男君
                川合 孝典君
                小林 正夫君
                下田 敦子君
                谷岡 郁子君
                森田  高君
                石井 準一君
                石井みどり君
                礒崎 陽輔君
                岸  宏一君
                島尻安伊子君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                古川 俊治君
                渡辺 孝男君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   舛添 要一君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大村 秀章君
       厚生労働副大臣  渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      梅溪 健児君
       内閣府大臣官房
       審議官      西川 正郎君
       内閣府大臣官房
       審議官      湯元 健治君
       内閣府経済社会
       総合研究所景気
       統計部長     杉原  茂君
       文部科学大臣官
       房審議官     戸谷 一夫君
       厚生労働省職業
       安定局長     太田 俊明君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        岡崎 淳一君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       村木 厚子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    木倉 敬之君
       厚生労働省年金
       局長       渡邉 芳樹君
       厚生労働省政策
       統括官      間杉  純君
       社会保険庁総務
       部長       薄井 康紀君
       社会保険庁運営
       部長       石井 博史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(辻泰弘君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、長谷川大紋君、中谷智司君、家西悟君及び谷博之君が委員を辞任され、その補欠として礒崎陽輔君、森田高君、大島九州男君及び谷岡郁子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(辻泰弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長渡邉芳樹君外十二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(辻泰弘君) 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○大島九州男君 おはようございます。
 本日は、私の四十八回目の誕生日でございまして、その有り難いよき日に厚生労働委員会で質問をさせていただきますことを心から感謝を申し上げます。参議院大島九州男でございます。
 それでは、まず一番最初に、今回の国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案、この法律案が国民に与える影響若しくは国民に対してどのような思いを持っていただけるような法案として提出をされたのか、大臣、簡潔に御説明をお願いします。
#7
○国務大臣(舛添要一君) まあ、年金は、特に記録問題をめぐって様々国民の不信を抱かれることになっておりますけれども、やはり老後の生活を支える大きな柱ですから、これは安心して年金がもらい続けることができるなと、しかし片一方で年収の三割、四割をその掛金に払うんじゃ、それはとてもじゃありません。ですから、年収の二割を超えないようにしましょうというのと、それと、まあ現役時代の半分ぐらいの収入で大体皆さん生活できて、それぐらいは確保しましょうと。
 そうすると、そういうことの中でこの今回の法案は、国の国庫負担分を三分の一だったのを二分の一に上げることによって掛金の方の負担が減りますから、それを二分の一に上げることによって、今私が申し上げたような国民が望んでいる年金制度の基盤を固めると。だから、そのための、この国庫負担を五〇%に上げると、そういうことであります。
#8
○大島九州男君 まあ、常々私は政治家は言葉が命というのを信念にしておりまして、今日は、今までの大臣その他皆さんの発言において国民の皆さんがどのような思いを持ち、そしてまたこの法律改正案によってどのような年金制度が今後展開をされていくのかという観点から質問をしたいと思いますけれども。
 まず、平成十九年十一月十六日に、大臣の発言であります。平成二十一年に三分の一から二分の一に国庫負担を引き上げるという方針はいささかも揺るぎはないと。そして、平成二十一年に二分の一にするという約束を取り下げるということはあり得ない、それをむしろ強調しておきたい、基礎年金の財源の三分の一から二分の一に引き上げる、これはきちんと約束したことですから、どういう財源を持っていくか議論があるにしろ、これはきちんとやりたいと思っておりますと、るるこのように二分の一に引き上げるということを明確におっしゃっていらっしゃる。そして、今回、このような形で二分の一に引き上げるということは言行の一致でございますので、それは大変、私としては政治家として評価をさせていただきたいというふうに思っております。
 ただ、財源の問題その他いろいろありますけれども、この法律案に至るに当たる年金の、私なりの歴史を見ながらの考え方を少し整理をしていきたいと思うんですが。実はなぜ私がそういう話をするかといいますと、私、福岡県の直方市というところの市会議員をしておりましたときに、あるおばあちゃんが私の事務所に訪ねてきて、孫から、おばあちゃん、小遣いもくれないようなおばあちゃんは要らないと言われたと、そして息子から、年金のないような親がどこにおるのかと言って、私は年金がないと。だから、そうやって孫からも息子からも罵倒されると言っておばあちゃんが来られたんですよ。私はもうどうしようもないので、そこにあったうちのお米をあるとき持っていってあげて、そして、もう時効ですから、十何年前ですからあれですけれども、お金がないというから、じゃ、おばあちゃん、一万円貸してあげるから、これねと言って渡した、そういったことがあったんです。
 そして、たまたま私が市役所で、こんなおばあちゃんが訪ねてきて、年金ないからと言うからもう困ったんですよねと、そこの課長にちょっと話をしたら、その方幾つですかと。もう相当年なんですよね、だからねと言ったら、もしかしたら年金がもらえるかもしれませんよと。いやいや、その人全然掛けてないと言っていましたよと言ったら、老齢福祉年金という制度があって、そして掛けてなくてももらえる人がいるんですよとおっしゃったので、うそでしょうと。私は全然その当時知識がなかったものですから、それで調べてもらったら、実はもらえたんですよ。そういう方がいらっしゃった。まさに、その老齢福祉年金、その制度について簡単に事務方の方からちょっと御説明をいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。
 老齢福祉年金は、国民皆年金を達成すべく、国民年金制度を昭和三十六年四月一日に発足させた当時に、既に高年齢に達しており、国民年金の受給資格期間短縮措置により、当時、最低十年を満たすこともできなかった方について、拠出制年金の対象とはしなかったけれども、一方で、拠出制年金を補完するものとして全額国庫負担により支給する年金、こういう位置付けでスタートしたものでございます。
 この老齢福祉年金は、厳密には三種類の対象者がいらっしゃいまして、まず第一は国民年金の発足した昭和三十六年四月一日において五十歳を超えていた方、今年でいいますと百十九歳以上百二十歳の方でございます。当時でいうと七十歳に達したときから老齢福祉年金を支給します。
 二番目は、昭和三十四年十一月一日において七十歳を超えている方については同月から直ちにお支払をいたしますということで、その方は今年でいうと九十八歳から九十九歳の方でございます。
 三番目は、昭和三十六年四月一日において四十五歳を超えていた方で老齢年金の受給資格を満たさない者が、国民年金の納付済期間と保険料免除期間を合算して、これも生年月日によりますが、四年から七年という非常に短縮した期間の一定期間を持っておられる方で、七十歳に達したらというような要件に該当する方が三つ目のジャンルでございます。この方たちは現在九十三歳から九十四歳の方でございますが、こうした、いずれにしても国民年金スタートのときに一定以上の年齢であったという方々について支給するものとして設けられたものでございます。
#10
○大島九州男君 今お話がありましたように、昭和三十六年に国民年金が発足したという、たまたま私も三十六年生まれでございますが、この年金はまさしく人を救う年金ですよね。保険を掛けていなくて、本当にそういう人たちをこの新しい制度ができたときに救うための法律であった。まさにその法律も、私が出会ったあのおばあちゃんのように、それを知らなくて、そしてずっともらえなかった。当然、五年しかさかのぼりませんから、そのおばあちゃんが五年分はさかのぼっていただいたという、まとめていただいたことも私も存じ上げておりますけれども、この制度が本当に国民にすべて周知されていたかというと、現実的にはそういう漏れていたおばあちゃんもいたという事実を見たとき、今この老齢福祉年金に該当する人の中で、当然、先ほど今説明があった年齢の中で、受給されていない方の数というのがあると思うんです。それは、当然収入によって停止をされる方もいらっしゃるでしょうが、それは当然申請をしていた中で結局、所得の部分で停止をしていると。そうでない人、今言う、私の知ったようなおばあちゃん、要はそういう請求をしていない人がどれぐらいいるかというのは把握されていらっしゃるでしょうか。
#11
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 この老齢福祉年金、先ほど年金局長の方から発足の経緯もございましたように、無拠出の制度ということでスタートしておるわけでございますけれども、実施の主体というのは、平成十二年、地方事務官という制度が廃止されるまでの間、都道府県知事が裁定をすると。実際の事務の中心は市町村でございました。住民に身近な行政機関という、基礎的行政主体ということもございまして、かなり住民の皆様に周知はなされてきたんだろうというふうに思っております。
 それで、申請していない方の人数でございますけれども、被用者年金各法による年金を受けている方とか、あるいは所得が一定程度あることによって支給停止されている方などいらっしゃるんだろうと思っておりますけれども、大変恐縮なんですが、その具体的な人数というのは、恐縮でございますけれども、把握していないというのが状況でございます。
#12
○大島九州男君 当然、国民の皆さんのいろんな情報といいますかそういう住民票等を調べていけば、年齢で生存されていらっしゃる方が当然分かるわけですよね。そして、受給をされている人も当然皆さんは、社会保険庁御存じでしょうから、その差が単純に言えば申請漏れをしているというふうに考えられるわけですよ。
 だから、その人たちに、じゃ、本来であれば、この年金の制度からいうと、当然、申請主義ですから申請しないとあげませんよというのでは、せっかく救う年金をつくったその趣旨からいうと、漏れているという、特に御高齢ですから、もしかしたら今寝たきりかもしれない、そういう意識がないかもしれない、しかし受けれる権利のある方が申請をしていないということは、皆さんの方で調べていただいて、そしてその方にそういう申請を促すとか、その家族、又はそういう施設に入られているような状況の場合はそういうところに申請を促すようなことをしていただくことが、やはり心ある年金行政ではないかというふうに思うんですが、そこの関係をちょっとお答えいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 現在、社会保険庁においては、御案内のように、年金記録問題というのに集中的に対応しております。相当な業務量、様々なことをやって業務量を何とかこなしつつあるという状況でございます。
 それで、現場、社会保険事務所の職員の業務の負担というのは、大変恐縮でございますけれども、決して軽くない実情にございますけれども、そういう中にあっても、今先生の方から御指摘ございましたように、やはり漏れている方がいらっしゃるというのはやっぱり問題なので、その点は改めて、社会保険事務局、事務所、こちらの方に私どもの方から、本庁の方から指示をいたしまして、改めて市町村とよく連携を取って、そしてそのような方の漏れがないような周知徹底をもう一度徹底するというようなことで対応させていただきたいなというふうに思っております。
#14
○大島九州男君 先ほど御説明があったように、非常に高齢でございます。本当にそういった意味では、こう言うとあれですけれども、先が見えるというか非常に短い状況ですから、我々に比べれば。だから、そういう人は当然優先されるべきなので、今の答弁は私も真摯に聞かせていただきます。
 これは政治家としてやはり、先ほど言わせていただいたように、大臣、副大臣、もしよろしければ、ちゃんと今の社会保険庁の答弁を大臣として担保していただいて、確実にやっていただくということの確認を、どちらでも結構です、じゃ大臣、よろしくお願いします。
#15
○国務大臣(舛添要一君) 今、大島さんの話を聞いていて、私の母親は直方のそばの鞍手郡の出身で、しょっちゅう直方へ行っていました。それで、母親のことを考えると、今言った三つケースがあって、三番目のケースで、実際に生きているときに老齢福祉年金三万ちょっとぐらいもらっていたのを記憶していますが。もちろん今生きていれば九十をはるかに超えているわけで、もう死んじゃいましたけど。
 そうすると、どういう経路で老齢福祉年金もらったのか、もう死んじゃったから聞けないですけども、恐らく、想像すると、住んでいるところは北九州市ですから、六十になる、そうすると、いろんな福祉の関係とかで市役所に行ったりとか手続やったりする。恐らくそこで、こういう制度があるんで申請してくださいと言われてやったんだろうと思います。そして、私自身が仕送りをしていましたから、どの段階でか分からないですけど、どこかの段階で、ああ、こういうものを三万ちょっともらっているんだなという、そのころは厚生労働大臣になるなんて人生設計の中に何にもないですから、興味を持ってそういうことを、年金問題調べていたわけでもなくて、ということがありますんで、恐らくは、一番身近な市役所、区役所、そこでの対応が決めるんだと思います。
 何にもないところで申請しなさいと言っても、六十過ぎた、六十五ぐらいのおばあちゃんが分かるわけないですから、恐らくそこの人たちが、こういう制度こうしましたか、この項はどうですかと言ってやらせたんだろうと思いますから、一番大事なのは市町村との連携、これはきちんと今後やるようにいたしたいと思います。
#16
○大島九州男君 現実の社会で我々も生きているわけで、そういう現実にもらっていなかったおばあちゃんと遭遇をした私も、その当時、国会議員になるとは思ってもみませんでしたし、まさにこの場でそのおばあちゃんの思いをやはり皆さんにお伝えをさせていただいて、それが全国に広がりまして、そういったおじいちゃん、おばあちゃんが一人でも救われることを期待をしておりますので、是非よろしくお願いいたします。
 それでは、もうちょっと先に進ませてもらいますけれども、実は今の国民がこの年金制度に対してどのような思いを持っているかというと、非常に、納付率を見ても分かるように、こんな年金でどうなるのかという思いを持っているんではないかと。その大きな原因は、年金の改ざんその他いろんな不祥事であります。この国会の中でもいろいろ議論をされ指摘をされてきた部分、いろんな改ざんの手法がありましたけれども、社会保険庁に改めて聞きますが、どのような不正でどのような改ざん、どのような手口でいろんなことが行われてきたかというのをまとめて御報告いただきたいと思います。
#17
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 まず、そのような指摘の発端になったのが、一つは、御自身は保険料を納めているという記憶をお持ちでありながら領収書はないと。他方、市町村や私ども社会保険事務所、それからオンラインの記録、そちらの方にも確認できる資料がないというようなことで、総務省に設置されております年金記録確認第三者委員会、こちらの方にあっせんのお申立てをなさって、それであっせんをお受けになった、そういう方の事案、これが一つ、そのパターン示してございます。
 それで、その問題のパターンでございますけれども、特に第三者委員会のあっせん理由の中に、社会保険事務所が一定の、例えばさかのぼった形での訂正処理しているけれども、そうすることに合理的な理由が見出せないというようなことが明記されるパターンの一つが、御指摘もございましたけれども、標準報酬をさかのぼって訂正するという形でございまして、これはやはり一定の滞納状態というのがあって、それでなされるというのがかなりの割合を占めてございます。これは、多くの場合、その事業所というのはその後、結局、経営ができなくなりまして、そして廃業する、厚生年金保険の用語で言えば全喪という取扱いになるわけですが、その全喪後に、事業主の方が多いんでございますけれども、その方の標準報酬をさかのぼる形で訂正するということで清算という形を取るというものが一定数あるのではないかというのが一つパターンとしてございます。
 それから、もう一つ大きなパターンとしましては、会社に入社します、あるいは会社を立ち上げます。そのときに被保険者の資格を取得するわけでございますけれども、経営状況が悪いところでは、いずれそれを廃業するというときに、これ資格の面では喪失ということになるわけでございますね。この資格の喪失日というのを言わばさかのぼって、やはり廃業、全喪後にこの資格喪失の日というものを例えばさかのぼって訂正するという形で、やはりそれまでに発生している滞納保険料、これとの関係で一定の調整を図るというようなパターンがあるのではないかということは各方面から指摘をしているわけでございます。
 こういう事例につきましては、調査を進めていくことを通じまして、特に職員の具体的な関与についての事実関係、問題でございますので、しっかりと確認できれば明らかにしていきたいというふうに思っております。
#18
○大島九州男君 なぜそのようなことが起こったのかということですが、昔は真摯にやはり年金その他掛金、いろんな社会保険料、そういうものを役所の皆さんとかが丁寧にやはり徴収をされていたと、私はそういうふうに理解しているんですが、社会保険庁がこの納付率八〇%という行政目的にして、とにかく上から八〇%の納付率を徹底して守っていけという、そういう指示をした、そういったところに僕は大きな原因があるんじゃないかと思っているんですが、この八〇%を目指すといったこの根拠ですね。平成十九年には六三・九%という現実、納付率が、この二十一年四月の八日の衆議院の厚生労働委員会で大臣の方が、社会保険庁の行政目的として納付率八〇%を目指すと、それがその「等」の中に入っているというような発言をされていらっしゃいますけれども、大臣、この八〇%の根拠、六三・九%であったそれが八〇%にどのようにしたらなるというふうな根拠からこういう目標を立てられたのか、教えていただきたいと思います。
#19
○国務大臣(舛添要一君) それは、私はいつも申し上げているように本来一〇〇%であるべきで、国民皆年金ですから。ただ、いろんな不祥事があったりして減るということと、それとやっぱり景気が非常に良くないんで、そういう様々な要因が相まって今非常に低い納付率でありますけれども、コンビニで払えるとかいろんな便宜を図るような形で、とにかく、私の本音は一〇〇%に持っていきたいんですが、しかしまあ八割ぐらいはこれは目指すのは当然であろうと。そういうことであって、平成九年の納付率が約八〇%、七九・六%まで行っていますんで、それが不可能ではないんですね。平成九年というのは、今から十二年前ですか、どういう状況かというと、それは景気もそんなに悪くなかったと思います。で、今のように年金記録問題も起こってきていない。
 これは大島さん、別の機会に申し上げましたけれども、何か、払わないのがいいよとか、こんな年金制度はどうせ崩壊するんだから、年金もらえなくなるんだからやめた方がいいよと、そういう無責任な記事を書いていられるようなノンクオリティーペーパーもありますけれども、私はそういうのを書くやつはノンクオリティーペーパーだと思っていますけれども、責任取りませんからね、そういうこと言って。
 だから、それは批判すべきは批判し、我々は真摯に受け止めて改善していかないといけない。だけれども、年金制度そのものは損だから払うなと言うけれども、それは自分の積立金だけでやっているわけじゃなくて、まさに半分税金入っているわけでしょう、基礎年金について言うと。
 ですから、そういう意味で、確かに今の現状から見たら非常に高過ぎるじゃないかという御意見はもっともですけれども、やはり努力目標として、過去にもそういう水準がありましたから、これは努力したいと、そういうことでございます。
#20
○大島九州男君 当然、それは一〇〇%を目指していく。この国民皆年金の基本の理念は、相互扶助の精神からいうと、今私たちが納めている年金の掛金は、今までこの国を支えていただいたお年寄りに感謝の、世代を超えて、血縁を超えた仕送りだという、そういう意識で思っている若者がどれぐらいいるのかということですよ。それは、やはり教育の観点からも非常に問題があった。そういう教育をずっとしていけば、子供たちが大人になったときには、ああ、自分は一生懸命働いて、この国をつくってくれたおじいちゃん、おばあちゃんに年金をしっかりと渡すぞという子供になるわけですから、それは、そういった教育の観点からもいうと失敗だったと私は思っております。
 なおかつ、そういう教育もない中で、いろんな不祥事をマスコミにあおられて、常にそういう話を聞かされて、強いて言えば、最近でいえば、新聞に先日出ておりましたけれども、社会保険庁の職員が自分の妻だとかその知り合いに、その二年しかさかのぼって納められないその保険料をまた更にさかのぼって何か改ざんをしていたという記事が出ておりました。衆議院で長妻先生がそういう質問をされておられますけれども、そのときちゃんと調べて御報告したいというふうな御答弁があったと思うんですけれども、その後どういうふうな状況になっているのか、その件についてお答えをいただきたいと思います。
#21
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 言わば、通常ですと、年金の保険料というのは納期というのがあって、そこから二年を経過するともう時効になって、先生がおっしゃるように、もう払いたくても払えないと、そういうルールがあるのに、大阪でございましたけれども、職員である者が身内の者についてそういうルールに反するような、そういう要するに取扱いを他の事務局の方に強いたということでの不適正なケースが発生したというのが発端でございます。
 それで、それを契機に私ども調査を始めて、社会保険オンラインシステムというので情報管理をしてございます。このオンラインシステムに入っている記録のうち、納付の期限から二年を超えて納付された件数、これをまず大くくりに取り出したのが四万四千件ということでございました。それで、この四万四千件の処理記録をずっと見てまいりますと、正当な処理がございます。例えば、債務承認があったとか、それから督促状の発行をしていたとかということで時効中断がなされていて、実はまだ二年たっていないというようなものもございましたんで、そういったものをずっと除外していて、今二千三百件まで絞り込みが進んでいるところでございます。
 作業はまだ続いておりますけれども、職員個々にそれは処理いたしました。職員個々に確認をしなければいけない作業も入るものですから、数もちょっと多いものでございますんで、なお作業は続行中というようなことでございます。
#22
○大島九州男君 二千三百件というその部分、今調査しているというんですが、僕がいろいろ思うのは、先ほどいろんな改ざんの手口がありましたけれども、窓口でお金をいただいて、領収書を発行せずにそのお金がどこかへ消えていたとかいうようなことがあったわけですね。そして、保険料を事前にずっと中小企業の社長が払っていたと。五十万の保険料をずっともらっていて、そしてそれを十万円に改ざんして、何年かにさかのぼってちゃんと未納部分を払ったような形で改ざんをしていた。
 そういう改ざんが簡単にできるわけですから、当然自分の妻の保険料、まあ二年が五年か十年か知りませんが、そういうものを改ざんするような方は、正直、保険料を納めずしてその記録を埋めるということも当然簡単にできたのであるということは推察できるわけですが、そういう二千三百件のいろんな部分、それでいうと非常に難しいと思うので、一つに絞って質問をすれば、この元大阪社会保険事務局職員の妻の未納保険料三年九か月分を奈良社保事務局が受け入れたことが発覚したこの新聞記事によるこの人の場合、ちゃんとその保険料は納付をされていたかどうかという事実は確認していますか。
#23
○政府参考人(薄井康紀君) この事案につきましては、ずっと第三号被保険者、被扶養配偶者ということで来られた方でございまして、そういう形でございます。実は、時効をさかのぼって払われた保険料につきましては、後ほどお返しをいたしております。
#24
○大島九州男君 何か非常にそれはあれですね、払わなくていいやつを払っていたということですか。
#25
○政府参考人(薄井康紀君) 実は、この方、当時の制度でいきますと、六十八で退職をされた方なんですけれども、これ、定年延長というか医療職という特別な分野の職員の方でございましたので、六十八で退職をされております。それまで共済組合の組合員であったわけでございますが、当時の制度でいきますと、その方が六十五歳になったときにその方は共済組合員としての二号被保険者の資格を失うということになっておりました。したがって、その奥様も三号被保険者の資格を失うということでございます。ですから、六十五歳までは第三号被保険者として、第三号被保険者として保険料納付済期間にずっとカウントされてきた。
 六十八でその方が退職されようとしたときに、よくよく確認をしてみたら、三年前、六十五歳になったときに御本人は二号ではなくなった、奥様も三号ではなくなったということで、その間、まだ奥様は六十歳に達しておられなかったので、その間の保険料が未納になっておった部分があったので、それについてきちっと教えてもらっていなかったんじゃないかというふうなお話をされて、それで保険料の納付ということを、そのときあったということです。
 ただ、後ほど、そういうふうな取扱いというのはやはり、どういうんでしょうか、行政側の瑕疵を安易に認めたといいましょうか、そういうことでございましたので、その処理を取り消したと、こういうことでございます。
#26
○大島九州男君 非常に複雑なんですが、要は、本当にこの改ざんをした社会保険庁職員が今のようなことを理解していなくて、それでこういう今おっしゃったような手続をしたということであるなら、それだけ複雑な、職員も分からないような、そしてそれがまた改ざんされていたことを今のように明確に調べて答えられるということは、ほかの案件だってちゃんともう分かっているやついっぱいあるんじゃないですか。どうです、それ。
#27
○政府参考人(薄井康紀君) 今、具体的な事案についてのお尋ねがございました。
 本件につきましては、確かに社会保険庁の職員であったわけでございますが、年金というふうな仕事を担当しておる職員がその御本人であったわけではなくて、その方はずっと医療の関係をされてこられた医療職の方でございます。
 したがって、むしろその方に対して、例えばこれ事業主サイドということでございますけれども、共済組合の方から、あなたは二号でなくなったと、したがって奥さんも三号でなくなったという、これ教示をする義務まであるかどうか分かりませんけれども、そこをきちっと教えてもらっていなかったというお申立て、それから奈良にお住まいでございましたけれども、奈良の事務所の方に行ったときに、あなたは奥さんが今度、三号でなくなって第一号被保険者になるんだということを教えてもらっていなかったというお話があったものですから、それを受けて、大阪の事務局から奈良の事務局の方に、こういう話であればこれは行政の瑕疵ではないかと、こういうふうなことを問いかけて、それを受けて奈良の方でそういう処理がされたと、こういう事案でございます。
 ですから、本件につきましてはそういうふうな事実関係の調べが届いて処理をしたと、こういうことでございます。
#28
○大島九州男君 私も、当選以来ずっと厚労の部門会議に出させていただいておりまして、個別案件を聞くと、それは個別のことだから何かそれは答えられませんという答弁を数多く聞いてきましたが、ここまで詳細に自信を持ってやられるということは、この件については相当自信を持っておられるというふうに思いますので、今後そういうことのないようにしていただき、そしてまたほかの二千三百件の部分を今のような形で明確にお答えをいただけるようにしっかりと調査をして、また報告をしていただきたいということを要請しておきます。
 それでは、ちょっと今日のこれから核心に迫りたいと思いますが、そうなんです、今からです。
 先ほど私が指摘をさせていただきましたけれども、政治家の言葉が命で、今までいろんな大臣がいろんなお話をされて、そして年金の信頼性が失われているというこの現実を見たときに、それはどこに問題があるのかと。
 例えば、平成十九年八月二十九日に大臣が、各地で街頭演説をやるときに最後の一人最後の一円まで頑張ってやるということを公約として申し上げましたと。そして、この公約の最後の一人最後の一円まで確実にやるということで取り組んでいきたいというふうに思っておりますというふうにおっしゃっているんですよね。
 そして、五千万件を三月いっぱいにという言葉が走っていますと。我々も選挙のときは、最後の一人まで最後の一円まで総理がやると言っているのだから、やりますという演説をするわけですと。細かく分けて言っていると聴衆がいなくなるから、最後の一円まで三月いっぱいですよと言っているのですが、もちろんこれは名寄せが三月いっぱいということですというふうに、九月の十九日、十九年、大臣おっしゃっているんですね。それで最後に、いろいろ質問がある中でまず、私たちのように働いている人たちは十月までに出しますよと、そういう工程表を出しているんですけど、既に出しているんだけれども、国会議員にしてほとんどそれが理解できていないと。皆さん私のところへ来て、大臣大丈夫かと、三月までに本当にできるのですかと、十月までにやる作業を三月までと誤解している面があるとか。
 それから、十一月になると、三月までに最後の一人最後の一円までとは言っていませんと。非常に時間が掛かるのだけれども、いろいろなあらゆるデータを確認して、その方が確認できれば、それはまさに最後の一人一円まで払うと、それは姿勢であり、ある意味で公約であると言って間違いないと思いますと。ただ、だれが見ても不可抗力で、これはどなたがやっても、神様がやってもこれはできませんよというのは、それは出てくる可能性がありますから、それは国民の皆さんにも御理解いただきたいと、そういう意味でありまして、最初から公約違反をやるとか、そういう話ではないと思いますと、こういうふうにおっしゃっているということは、何か公約違反という意識がこの発言の流れからするとあるのかなという気がするんですけれども、大臣、そこら辺はどうですか。
#29
○国務大臣(舛添要一君) まず、私が一貫してぶれていないのは、最後の一人最後の一円までやるという姿勢は、これはぶれていません。過去二年間において、党内からも党外からも、民主党の中からも、やれるはずないじゃないかと、もう途中でやめろという声も、民主党の中にも今でもあります、自民党の中にもあります。だけど、私はやるんだと言った以上はやりますということで、今でも続けているというのがまず第一。
 それから、七月五日の工程表、これは政府・与党が作りましたから、それに基づいてこうやってきている。それで、定期的に関係閣僚会議を開いて、今、例えばねんきん特別便、予定どおり送りましたと、七千四百万人から答えが返ってきています、その内訳はどうですというのを説明をしていっている。
 それで、スタートしたときに大きな五千万を含めての、一人が三つぐらい番号を持っていて三億ぐらい紙があるわけですから、やってみないと分からない、ここはよろしいですね、やってみないと分からない。その中で、最後の一人最後の一円までやっているんですよ、やっているんだけれども、架空の人物をでっち上げたその人の記録は、本人がいるわけないんですね。ですから、そういうことはありますよということを申し上げて、今基本的に工程表どおりでやっています。この前の三月の末にそれをおさらいを全部して、ここは全く予期しない問題が出てきました。この点については、ここまでやりましたという数字を、これはもうマスコミ、メディアを通じて国民の皆さんにも公表はしています。今のところ、何とか来年の日本年金機構の発足までに相当程度のめどを付けるまではやりたいと思いますが、そこから先は、これ私は公約違反とかなんとかいうことよりも、むしろ最終的に国民の御判断を仰ぐしかないのかなという感じがしています。
 仮に、ですから私の表現の仕方も悪いのかもしれないんですが、まさに、だれがやっても架空のでっち上げのデータは架空のでっち上げですから、そのスピード、それからどういう手順でやるか、これはいろんな人によって違いがあると思いますけれども、そこは、ですから私自身の自分の気持ちというかその中では基本的な姿勢は変わらずやっているつもりでおりますので、表現の仕方や何かでいろいろ御批判あるのはよく分かっておりますけれども、それは申し上げておけると思います。
#30
○大島九州男君 大臣のそういう真摯な姿勢はこういうところにも表れているんですよね。
 平成二十年の四月一日に、閣議後の記者会見で、選挙のときに自民党のビラや何かで不正確な言葉でPRをしたということについては重々反省しないといけないと、そういう言葉を発言されていらっしゃいますし、平成二十年四月の八日に衆議院の本会議で、「本年三月までに年金記録問題を全面的に解決するとの誤解を与えたことについては、改めておわびしなければなりません。」と。これは、私は大変真摯な姿勢として、大臣、やはり同じ九州人としてすばらしいなと。
 ところが、同じ九州人でもとんでもない方がいらっしゃるわけですよ。私は福岡八区というところで衆議院選挙を二回やったことがあるんですが、私はこれは、正直、別にどうのこうのとかいうことではなくて、政治家の言葉が命ということからいいますと、消費税を一〇%にして基礎年金を全額税負担にしようと、これが安心を取り戻す麻生プランだと。政府がどんなに百年安心とうたっても、自戒を込めて言えば、もはや信用する人はだれもいない、年金制度はまさに負のスパイラルに陥っているというふうに言っているんですね。
 それで、私は、政府は百年安心ということは言ったことがないという大臣のお言葉、確認もさせていただいておりますけれども、実は、この政府・与党と、私は年金の部会でびっくりしたのは、民主党が資料要求をしましたら、それこそ官僚の方が何とおっしゃったかというと、民主党の資料要求については、政府・与党と一体となってやっているので民主党には資料は出せませんというふうに言った方がいらっしゃるわけですよ。私は聞いて疑いましたよ、それは、この耳で聞いてね。それで、まさにその政府・与党一体という部分で一緒になってやられているわけですね。
 そうしたら、政府は、百年安心ということはうたっていないとおっしゃるんですけれども、渡辺副大臣、公明党のマニフェストに、年金百年安心プランという言葉で百年安心ということをうたっていますよね。公明党は与党ですよね。政府と一体となってやっている党ですよね。そのマニフェストに書かれている百年安心プランを、政府はそんなこと言っていないよというふうにおっしゃることについて、どのような感想をお持ちになりますか。
#31
○副大臣(渡辺孝男君) 舛添大臣もおっしゃっていますように、政府としては、百年安心という言葉をうたい文句としたことはないということであります。
 年金制度については、米国等の諸外国におきましても、七十五年等の長期にわたる財政見通しを基に運営しておりまして、マニフェストで公明党が訴えたのは〇三年でございますけれども、〇四年の改正によりまして、おおむね百年程度を見通して長期的な給付と負担の均衡が維持される仕組みとするように定めたわけでありますけれども、このことにつきましては、先般公表されました財政検証でも基礎年金国庫負担を二分の一とすることを前提にしておりますけれども、専門家に検討をいただいた経済前提の下で、こうした長期的な給付と負担の均衡が確保されることが確認をされたと考えております。
 そういう意味で、公明党として百年年金の安心プランということを訴えさせていただいたのは、百年安心にしていきたいという、そういうことを強く訴えたものでございまして、この〇四年の年金改正が行われた後には、それでもまた更に様々改革すべきことがありますので、そういう点を踏まえまして、二〇〇五年のマニフェストでは、百年を見通す改革を踏まえて更に信頼できる年金制度へと、そのように訴えているところでございます。
#32
○大島九州男君 大臣、官僚答弁じゃなくて大臣のお言葉で質問に答えてもらいたいと思うんですが。
 大臣、公明党さんのマニフェストを見てやっぱり公明党を支持される純粋な方は、ああ百年安心だと思ったと思うんです、間違いなく。だから、それは公明党さんとしてのマニフェストです、政府・与党としての公党のマニフェストですから、それを見た国民、特に支持をされる支持者の皆さんは百年安心と思ったと思うんです。それは、公明党のマニフェストは希望ではないですよね。やはり、ちゃんとマニフェストは政策実現とする政策目標として理解してよろしいでしょうか。
#33
○副大臣(渡辺孝男君) 今日は副大臣としての答弁ではございませんけれども、公明党の一員として私の考えを申し上げますと、百年安心、そういうことを目指したそういうマニフェストであります。
 我々がきちんとした与党の中で政策を訴えていって、百年安心の年金の制度をつくっていくということで訴えさせていただいたわけでございます。それがすべて政府としての方針になるかというのは、それはすべてが、公明党の政策が全部が受け入れられるわけではございません。それは御存じのことと思います。
#34
○大島九州男君 私は、政府が言ったことがないというのは、それは舛添大臣が百年安心とうたったことはないというのは私も理解しているんですよ。
 ところが、これは平成十六年六月一日、参議院の厚生労働委員会で、柳田先生が「今回の年金改革というのは百年安心だと今でも思われますか。」と。当時、国務大臣の坂口大臣に答弁をしていただいたら、「百年安心にしたいと思っております。」というふうに、大臣が「百年安心にしたいと思っております。」というふうにはっきりおっしゃっているわけです。これは政府として百年安心というふうにうたったと私は理解するんですけれども、その理解が間違えているのかどうか。
 そして次に、柳田先生が、希望で百年安心、そうおっしゃってくれると僕らも分かるんです。ところが、先日、山本議員が質問に立ったときに、自由民主党、公明党、パンフレットがありましたね、その一ページ目に百年安心と書いてあったんですよ。それを見られた人は、ああ、百年安心なんだ、大丈夫なんだと思いますよね、普通の人だったらですよ。大臣、今でも本当に百年大丈夫だと、希望じゃないですよ、安心だといって胸を張って言えますかというふうに再度御質問されたとき、坂口国務大臣は「百年安心にしていくという案を作ったわけでありますから、」というふうにお答えになっております。
 こういう過去の委員会答弁を踏まえて、政府として百年安心ということは言ってないということを明確におっしゃるのかどうか、舛添大臣、よろしくお願いします。
#35
○国務大臣(舛添要一君) いわゆる政府の公式見解として、これは百年安心プランですよという名称で言ったことはないということであります。
 ただ、いかなる人が年金制度を構築するにしても、平均寿命が八十ないし八十五、八十五年間は、一人一人の人生を見たら、最低それは持続的に安定的でなければいけないんで、そういうスパンから見ても八十五年、もっと長生きする人は百年、これぐらいの長期的な制度設計はしないといけないというのが一つ。
 それから、公約かどうか、政府が言ったか公明党が言ったか与党が言ったかという話になりますけれども、まさに、ですからそういうことを、そういう安心にするというために状況に応じて改正をやっていく。六年の改正をやる、十二年改正をやる、今度、十六年の改正で、先ほど来議論している今の二分の一に基礎年金の国庫負担を引き上げる法案にしても、まさにそのための手段を取っていっているわけですから、ですからそういう意味で大きな方向性は間違っていないだろうというふうに思います。
 もし、だから、逆にいつこれは破綻しても構いませんと、もう五年後に破綻するかもしれない制度ですといったら、こういう改正ごとにマクロ経済調整スライドを入れるとか積立金の運用をうまくやってそれを活用するとかいうことがないんで、今後いろんな社会情勢の変化もあります。それで、例えばこれは私たちみんなで党派を超えて新しい年金制度をつくるような時期が近いうちに来るとすれば、そのときもやっぱり目指すべき方向は最低八十五年ぐらいの長期性があっていいと思いますんで、委員の御批判のなさるポイントはよく分かりますんで、先ほど私が申し上げましたように、どうしても選挙のときのパンフレットというのは分かりやすくするためにはしょっちゃって、それは誤解を与えているのはたくさんあるんで、それは反省しないといけないと思います。
 その上で、是非長期的に維持できるような年金制度を構築したいと思いますんで、そういう方向での議論を今後は進めたいと思っております。
#36
○大島九州男君 大臣のおっしゃることは私も十分理解はできますけれども、やはり公明党さんと自民党さんと、やはり与党ということで政権政党としての発言は非常に重い。まさに、それはしっかりと有権者の皆さんに説明をする必要のあるマニフェストにおいては、今度また解散・総選挙でマニフェストが新しく出てくるでしょう。そのときに真摯にマニフェストを作っていただくこと、我々民主党もそういった観点におきまして真摯に民主党マニフェストも作らしていただくと思います。
 ただ、私は、麻生さんは総理です。総理になる前にこの論文を出されているわけですね。当然、総理になったらこういう年金問題についてはこういう姿勢で臨むという決意を示したものだと理解しているんです。国民皆年金といううたい文句はもはや死語だと、学生や失業者にも一律定額の保険料の負担を求めるのは酷であり、未納問題の解消は難しいと言わざるを得ない、保険料納付が二十五年に満たない場合には年金が全く支給されない仕組みも理解し難いというふうにおっしゃって、そして、だから私はこの際、基礎年金の運営を保険料方式から全額税方式に改めるべきだと提案するというふうに断言しているんですよね。その方が総理になったわけです。当然、その麻生プラン、消費税一〇%上げますよというその部分について、閣内若しくはこの皆さんの中で議論をされたと思うんです。そこの経過があったら是非ちょっと聞かしていただきたいんですが、お願いします。
#37
○国務大臣(舛添要一君) これ、中央公論の論文は二〇〇八年の三月号ですから、総理になられる一年以上前かな、ごめんなさい、半年でした。私もかつて学者の時代に全額税方式でやってはどうかという論文も書いたこともあります。そのときは学者でしたから。
 そこで、総理が提言しているような問題点、例えば二十五年をもっと短縮できないかとかいう、それから未納者に対する対策、まさにこういうことは閣内においても、それから経済財政諮問会議とか安心実現のための会議とか、そういうところで相当な議論を進めておりますんで、国会の中でももちろん議論していますけれども、政府の中でも、二十五年を例えば一気に十年にならなくても十五年まで短縮するかとかいうようなことも含めて、審議会を含めて様々な御提言をいただいているんで、それを一つ一つ今から着実に解決する方向で動いていけば、それは麻生総理がそういうふうに改革したいという方向になると思います。
 ただ、税方式で行くか保険料方式で行くかということについてはそれぞれプラスマイナスがあるんで、いや、総理、それは、こういうマイナスについてはちゃんとお考えですかということはそれは申し上げておりますんで、これは政府としても、あのときはああいうふうに総理はおっしゃったけど、この点忘れていませんですか、それ、できると思いますかと、厳しい意見も申し上げておりますんで、今、特にその具体化については審議会の場、それで、私も経済財政諮問会議の正規のメンバーじゃないですけど、こういう議論をするときには臨時に呼ばれるんですね、今言ったことをかなりきつく申し上げているつもりでおります。
#38
○大島九州男君 まさに、政治家は言葉が命と私が最初に言わしていただきましたが、総理になる半年前にこういう論文にして出すということは、自分の信念を持った政策なんですよ。それが総理大臣になったら急に変わっちゃうという、そこがこの日本の大きな問題なんです。
 なぜかというと、私は「朝ズバッ」を朝見るんですけど、国会で後期高齢者医療保険の話を舛添大臣から答弁聞いていたのは、この制度はすばらしい制度だと、国民に説明が足りてないから、国民の理解ができてないんだからそれで、という答弁を聞いていたんだけれども、朝起きてテレビを見ると舛添大臣が、これはこういうふうに変えなきゃいけないという話をして、そこに長妻さんが、それなら閣議決定してくださいよと。そして、そこに山口那津男先生が、そんなのおれは聞いてねえという話を、あれ、何か夢を見ているのかなと思ったぐらい、テレビの前で言う話と国会の答弁が違うというのは、まさにそれは大臣が政治家として発言をするその方針と、官僚が書いてくる内容が違うということじゃないですか。
 麻生さんも総理になる前は、私は宙に浮いた年金問題で民主党がつくった国家プロジェクトという考え方に賛同しますよとか、そういう年金制度を抜本的に改革しなきゃならないよというふうな強い思いで国民のために総理になって、いざ改革しようと思ったら、官僚の皆さんからいろいろレクチャーを受けていろいろ話を聞いてみると、そうすると、ああ、これは駄目なのかな、どうなのかなと、麻生さんがぶれる一つの大きな原因になっているんじゃないでしょうかね。
 だから、基本的に政治家はこの国のあるべき姿をしっかりと示して、そしてそのビジョンを語り、国民に賛同を得たような政策については、官僚の皆さんがそれに沿ってしっかりと事務を進めていくというのが本来のあるべき姿であると思うんですが、ここで麻生さんが自分の思ったこの麻生プランを曲げなきゃいけないような、そういう根拠が本当にあるのかと、私は非常にそれは疑問です。
 なぜかというと、私自身もやはりこの年金制度、今の制度がずっと続くとは、やはり個人的には思っていません。新しい年金制度ができなければならない。昭和三十六年に国民年金ができたように、そしてそのときにその新しい年金が過渡期として老齢福祉年金があったように、まさに今の国民年金を新たな形に変化をさせていく、その時代とともに変えていく年金の制度というものを、本当に真摯に議論をしなければならないときだと思うんです。
 そして、それは一律に二分の一に国庫負担を引き上げていきますよ、それで安心してくださいねということを国民に言っても、納付率は上がりませんよ。なぜなら、払う側の論点からいくと、今一万四千、一万五千払っているその保険料が、例えば国庫負担を二分の一に引き上げるということではなくて、皆さんが払う保険料が二分の一になりますよというふうに言われたら、ああ、何か得だから今納めなきゃというふうにして納付率は上がるかもしれないけれど、今のような今回の改正案で二分の一国庫負担入れましたから安心ですよと言われても、直接的に自分たちに感じない政策ですよ。
 皆さんが直接、皆さん、国民に一万二千円、二万円配ったのは、直接国民の皆さんに肌で感じていただいて景気を刺激したいという思いで配ったんでしょう。私たち民主党は、国会議員はもらっていませんけど。まさに、そういう国民一人一人の立場に立って、その人がどういう気持ちで年金を納めなきゃならないとか、納めたくなるようなそういう制度としてやるならば、私は今回のこの法案は、はっきり言って国民の心を動かす法案ではないというふうに思うんです。
 当然、皆さんとしては、机上の論理からいうと国庫負担をそれだけ引き上げて安心にしましたよと言うけれども、それは本当に安心かどうかというのは、徴収率も、納付率もどんどん下がっていく中では安心なんてだれも思わない。まさに今回の改正案で、まさしく国民が本当に安心する年金になっていないわけでありますよ。
 まさにそこら辺、政府が本当に国民の立場に立ってこの年金制度を抜本的に改革するとするならば、まさしく払う側の視点に立って、その人たちがいかに納付しやすくなるかと。コンビニで入れられるとか、そういったことも当然それはあるけれども、そんなことよりも、払う金額が高過ぎて払えないというのが現状じゃないでしょうか。
 まさに、そういったことを法案の中に盛り込むような改正案であるなら、ああ、それは非常に分かりやすいと。しかし、今回の皆さんの今まで十六年に約束した二十一年までに二分の一に引き上げると。じゃ、その安定財源は何かといえば、いろんな答弁の中で消費税だというようなことも議論されているのに、今回は二年間だけ埋蔵金を持ってきて埋めてやりますよと。じゃ、三年後はどうなのかと。政府・与党なら、はっきり消費税をしっかり取って安心してやるんだぐらいのことをおっしゃらなければ全然先に進まないと。まさに、民主党に財源論、財源論といつも突っ込まれますけれども、是非それは皆さんがはっきりと襟を正して、その財源も確定をして、そういう年金抜本改革をやっていただくことを要望して、質問を終わります。
 以上です。
#39
○谷岡郁子君 民主党の谷岡郁子でございます。
 厚生労働委員会で発言させていただきますのは初めてでございます。先ほど、同僚の大島議員の方からは、おばあちゃんの思いを代表してここでこういう言葉を言いたい。今日、私は、私の教え子たちの思いを代表してこの場に立っておるつもりでございます。そして、今私どもの大学では多くの教職員や学生がインターネットを通じてこの審議を見守っていると思います。すなわち、この国会で何度も取り上げられている子供や若者たちに対して年金の意義であり、年金の重要性があることを本当にちゃんと伝えるためのこの審議自身が私はよき教材になってもらいたいということを念じております。
 したがいまして、答弁が簡潔で、学生にとって分かりやすいものであること、かつての一大学教師としての舛添大臣もそのこと、学生たちがどう言えば分かるかよく御存じのことだと思いますので、是非聞いている学生たちが分かるようにお答えいただきたいということをまず最初にお願い申し上げます。
 さて、ということで、まず最初の質問でございますが、学生納付特例制度というのがございます。これを学生に分かりやすく端的に、そして重要なポイントを説明していただけますでしょうか。
#40
○政府参考人(渡邉芳樹君) 学生納付特例制度というのは、学生には一般的には所得がないということを踏まえまして、親元の世帯の所得に関係なく、学生本人をつかまえまして、一定の所得以下である場合には保険料納付を当面要しないということをする制度でございます。
 この特例を受けられる期間でございますが、学生の間に事故があったりして障害を得てしまうような方もいらっしゃいます。そういう点も含めて、障害基礎年金や将来の老齢基礎年金の受給資格期間には算入するけれども、老齢基礎年金の年金額にはこれは入りませんよということを教えながら、この手続を希望される方は取っていただくというものでございます。
 似たような制度で保険料の免除制度というものがございますが、これは低所得ということで世帯全体の所得を見ながら免除をし、国庫負担相当額は年金額に反映させます、こういうような仕組みでございます。
#41
○谷岡郁子君 今の説明ですと、学生には全く分からないと思います。
 それで、この学生納付特例制度なんですけれども、学生は何をすればよろしいんですか。そうするとどうなるんですか。
#42
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 具体的なその手続ということでお話し申し上げたいと思いますけれども、私ども社会保険庁の組織というのは、都道府県ごとに事務局というのがあって、更にその下に、少ないところでも三つ、多いところでは二十八、東京のような、社会保険事務所というのがございます。この社会保険事務所というのが言わば働きかけの中心になりまして各大学あるいは専門学校、こちらの学生課の方に御連絡を申し上げて、今、年金局長の方から申し上げたような制度がありますと、そしてそれを御利用することができる方、多数いらっしゃるはずでございますので、その適用の勧奨を私どもとしては、勧奨というのはちょっと分かりにくいかもしれませんが、どうぞ御希望があれば御活用くださいということでの働きかけをまずするということがございます。その際には加入のためのパンフレットなども持って上がるということでございます。
 それで、これは申請書というのがございまして、それに所定のことを記入していただいて、そしてそれを私ども社会保険事務所の方にお届けいただく、そしてその届出に基づいて審査をいたしまして、承認をすればそこから猶予が始まるということでございます。ただし、この手続そのものが非常に煩瑣な面もありますんで、近年ではその手続の簡素化というのを進めてございます。
#43
○谷岡郁子君 私はもう半分ぐらいの学生が今インターネットを切ったんではないかと今心配をしております。学生というものがどういうものであるのか。ここから先はできるだけ大臣に答えていただきたいと、ですから思うのでありますが、学生がどんな人種であるかということを分からずに、先ほど申し上げたように、学生に分かるような説明をしてくださいということに関して全く想像力が欠如していると、これが今日私が申し上げたい第一のポイントであります。
 つまり、学生の側に立って学生が分かるような説明をしない限り、学生たちは制度も利用できないし納付率も上がらないということを申し上げたいわけであります。それができていないということが一番の問題だということをまず指摘しておきたいと思いますし、学生たちは理解すれば、分かればやってくれる子たちがたくさんいる、むしろそういう子が大半であるということを二十数年の教師としての生活の中で私は学んできました。機会があれば、それが学生だというものだというふうに思っています。
 今の説明の中で、まず学生が知らなければいけないことは、国民の義務として二十歳になると年金の支払が始まるというその事実なんですよ。そして、年金を四十年間支払うことによって満額、それ以内でも二十五年以上であれば一定の国民年金を老齢年金として受け取ることもできる。入るだけで、例えば何かの事故が今あって障害者になったとしても、それは障害年金という形でカバーできるんですよ。そして、これに対しては国がこれまで三分の一出してくれてあなた方は三分の二払うという制度であると。今後この法案が通れば、二分の一国が出してくれていてあなたは半分だけ払えばいいと、そういう形で言わば支えられていくものであり、将来に対して得になるものであるから年金は是非払ってほしいんだということを、まずそこの点を言わないと、年金の説明ができてないのに、年金分からない人たちにとって、その加入義務とかそういうことも周知されてない者たちにとって、なぜ特例制度の問題だけから始められたのかということなんですよ。そこの前提、問題だと思われませんか。
#44
○国務大臣(舛添要一君) さすが学長さんの説明はあれで、私も大学の講義をやっているつもりでやりますけれども、まさに非常に大事なことなので、昔は、というのは平成元年より前なんですけれども、学生というのはどういうカテゴリーかっておっしゃったのは、それは自分で稼がないで勉強しているわけですから、基本的にはアルバイトか何かは別としても所得はないわけですね。そうすると、まさに年金なんかの納付の義務は前はなかったんです。ただ、私なんかはそれでいいだろうと思うんだけれども、例えば高校出て働いている人が同じ二十歳になって払っている、同じ二十歳で学生の皆さん払わない、どうなんだということが、そういう議論もあって、とにかく平成元年にもう成人になったらみんな年金の掛金は払いましょうということになりました、まず。実際は平成の三年からそれが実施されますけど。
 ただ、考えてもみてくださいよと。それは、収入もなくて、学業をしているのにそんなお金は出せませんと。これは普通なんです。したがって、そこは免除しますと。ただ、たくさん例えばベンチャービジネスか何か同時にやってもうかっている人、それは払ってもらわないと困るから、それは収入の一定の限度はありますと。
 ただ、あのときもあったのは、学生にまでこの納付義務を強制、もう強制徴収するのかという、それ任意的にやる人は別として、免除措置は今説明あったようにあるんです。ただ、そのときに、いや、しかし利点はありますよと。つまり、高校を出て二十歳からの人は、二十歳から払っていったら全部この期間に換算されるから、二十五年とか四十年とかいう中にぴったり入る。ただ、仮に大学院のドクター課程まで行くと、これは二十七まで七年間ぐらい年金の掛金払うのが遅れるわけですから、そうしたらその分遅くなっちゃいますね。だけど、この制度を入れて学生にも義務化した、特例の納付で免除しますということで期間だけは換算してあげますよということですから、大学院のドクターまでといえば七年間期間が加算されるので、実は学生にとってもそういう面からは有利であるということがあります。
 ですから、そこのところを、これは谷岡さんの説明の方がうまかったかもしれないですけど、ちょっとさかのぼって言うとそういう歴史的な経緯もありますので、是非これは皆さん方にそれを理解いただいて、やはり二十五年、この期間を埋めるためにこの特例納付制度がある。ただ、払っていないわけですから、その分は年金額の金額には反映しませんよと。だけど、先ほど説明あったように、途中で障害を持ったような体になればそのときは年金額にも反映されますよと、こういうことでございますので、これはもっときちんと説明すべきだと思います。
#45
○谷岡郁子君 それで、学生特例納付制度なんですけれども、この制度は学生である限り、卒業するまではいったん支払が猶予されると。これは免除制度の一種であるかのように、私が議事録を調べましたところはずっと語られてきたんですが、実は猶予なんだということなんですね。
 免除と猶予の違いというのは一体何なのか。例えば、その期間は払わなくていいというわけですけれども、それではその半分の、あるいは三分の一の国庫負担というのはその間はどうなっているんですか。卒業して払い始めてから国庫も一緒に負担をするんですか。それとも、そのときには免除されている期間も国庫分は納められている格好になっているんですか。そこら辺はいかがなんですか。
#46
○政府参考人(渡邉芳樹君) なかなか紛らわしいところなんですが、冒頭申し上げましたように、類似の制度である免除制度とは、先生今おっしゃったように、老齢基礎年金の給付に着々とつながっていくとか国庫負担分が付くとか、こういうのはございません。
 何でだろうということでございますが、これも先ほど大臣がおっしゃったように、そもそも二十歳から適用する、学生に適用するということの大きな政策判断をしたことに遠因があるわけでございますが、それをまた任意加入に戻したらいいだろうとか、様々な議論がある中で、そうしたらそうしたなりのデメリットがあるものですから、学生の場合は卒業されたら就職なさるだろうと、それから追ってお払いいただければしっかり老齢基礎年金に四十年お支払いいただくことも可能だろう、こういう考え方から、現在、低所得であるから保険料はなかなかお支払い無理ですね、したがいまして国庫負担分だけは保障しますけれども、免除をさせていただきますというグループの方々と属性が違う。
 卒業したら払ってください、その代わり任意加入に戻せという議論はその間の無年金障害者を発生させるだけですから、せめてそこは協力してくださいと、こういうことでつくられた制度で、違いがあると思っております。
#47
○谷岡郁子君 それでは、猶予期間というのを、その後十年間で学校を卒業して就職して払いなさいということになっているわけです。先ほど大臣が御指摘の点でございますけれども、例えば今大学院に行く生徒、そして博士号まで行く学生、珍しくありません。そして、大臣ならば、同級生や先輩、後輩の方々を含まれ、その博士課程を取るまでの間、楽な生活を、いつまでも親から見てもらえるわけではない形の中で大学院生たちがしているということはよくお分かりだと思いますし、様々な奨学金等の借金が増えているということも御案内だと思います。
 それで、お聞きしたいんですけれども、そういう形で大学四年間、そして学部ですね、マスターで二年間、博士で大体三年間、計九年間、九年間分を、毎月今の時点の金額でためておいて、そうすると十年間でどれだけ払わなきゃいけないか。また、それに対する、延滞金というふうに私は言ってしまうんですけれども、加算金と言われるものは何年分付いてどのくらいの額になるんでしょうか。
#48
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今おっしゃられたケースをすぐ私、頭の中で算術ができるほど今頭が回っておりませんが、御承知のように、百九十八万人以上に上る学生さんのうちでこの制度を利用されている方が百十六万人もいらっしゃいますので、修士になったり博士になったり、あるいはそもそも医学部のように六年制であったりと、様々学生にも態様があるというのは御指摘のとおりで、私どももよく分かっておるんですけれども。
 この制度自身は、ある年に、まあ大学二年生でしょうか、二十歳になる年からもちろん国民年金に入るわけでございますから、そこからの問題がスタートして、それで二年間は何もなしで、三年目の年度から年度単位で返していただきますよと、こういう仕組みでございますので、これを設計された方々も、当然大学四年生、二十二歳まではやって、二十三歳以降の人たちについて、これは就職されている方が非常に多いだろうということでつくられた制度であるというふうに思っております。たまさかそれが、一方で似て非なるものではございますが、免除制度も二年間を置いてお返しになるスキームが始まるということもございまして、そこは整えてあるわけでございますが、学生の態様によってその年数がどんどん延びていったら支払うべき加算金がどんどん大きくなるではないかと、こういうような御議論があります。
 そこで、年数については変えてないんですが、御承知のことと思いますけれども、十六年の改正では、加算金の利率が運用利回りの予定利回りを使っているという、べらぼうだという御批判がございまして、現在では十年物の国債の利率、今でいうと一・五%と、こういうようなところで、年数足しますと、複利でございますから、それを計算すると幾らになるのかなというのが先ほどの御質問だと思いますので、ちょっと算数は今急にはできませんので、御容赦いただきたいと思います。
#49
○谷岡郁子君 ここで御指摘申し上げたい点は、追納といいます、後から猶予された分を払うということ、それが二年以上超すと加算金なるものが掛かってくると、そういうことなんですね。そして、しかもそれが前は四・五%から五%なんていうべらぼうな運用ということがそれによってなされていたと。つまり、学生、卒業して間なしの子たちからそういう形で利ざやを稼ぐということを国がやっていたと。それが今一・五%にまで落ちたけれども、それは複利で行われていると。それは大学へ行く年数が多い子たちにはどんどん大きな形でかぶっていくという制度になっているわけですね。元々猶予されているということで、学生だから猶予されるというのであるにもかかわらず、学生である一部の期間においてしかその猶予期間はなくて、そこには延滞金とも取れるような加算金が付いてしまっている。
 これはやはり何らか見直すような時期に来ているのではないでしょうか。大臣、いかがお考えになりますか。
#50
○国務大臣(舛添要一君) その前に、ちょっとファクツだけよろしいですか。それでお答えいたします。
#51
○政府参考人(渡邉芳樹君) この加算金というのは、制度の創設の趣旨だけちょっと申し上げます。
 各月の保険料を納付していただいている方との均衡のほかに、今利率のお話ございましたが、納めていただければ年金積立金として運用する機会を得るわけでございますが、その機会損失に当たるということで、どのぐらいの機会損失を見込んで年金財政に影響のないようにするかという形で設定されたのがこの加算金の利率でございます。
#52
○国務大臣(舛添要一君) 私は、これ、今の制度を実施しないといけない立場にありますけれども、平成元年ごろの議論を振り返ってみても、基本的には年齢でぴしっと切って、学生であれ何であれ、みんな強制的にこれをやるということが社会的な政策としていいのかどうなのかというのをそのころも疑問に思っていて、実を言うとこれは大きな政策の転換だったんですね。
 学生を甘やかすということでないんだけれども、非常に、同じ二十歳で働いている人の立場でいってみても、それ何か、あんな楽して学生は勉強している、自分はこんなに働いて税金も払っている、社会保険料も払っている、あれは何だという意見もあるんだけれども、逆に言うと、自分は今働いているけれども、一生懸命勉強してくださっていて、それで社会へ出たらそれだけの学業の蓄積があって、もっと大きな仕事、職業の貴賤の差はありませんよ、だけど、もっと大きな仕事をして社会に返してくれるんだと。だから、学生に対しての、まあ甘やかしという言葉じゃないけど、優遇措置があっていいという考えだったはずなんです。
 だけれども、社会的な公平とか財源とかいろんなことを考えて、それを言っているとどんどんどんどんみんな高学歴になって、高校進学率がもう九割ぐらい、八割、九割、大学も相当進学してきた。そうすると、働いている人との不公平ということが前に出てきちゃったんですけれども、私自身は、社会的な政策として学生に対する優遇措置というのをこういう形で改めるということについてはもう一遍議論をしていいと思いますよ。というのは、先ほど言ったように、払った期間には算入されるんだけど、これは二十五年を短縮するとかいうほかの議論とも関連するので、社会全体として学業中の者に対してどういう政策を取るかという根幹にかかわる実は問題だろうというふうに思っているので、谷岡さんの問題意識は私も実は共有しているところであります。
#53
○谷岡郁子君 大変ありがとうございます。
 この二十年間、いろんな変化があったと思います。学生であることがある意味でぜいたくなことだ、そして、ある所得以上のところの家に生まれた者が大学に行けるんだと。そういうことの中で、彼らをどこまで社会的に甘やかすんだというようなことは従来あったことだと思います。しかしながら、大学の教授が必要でなければ博士号まで行くような人というのはほとんどいないだろうと思います。でも、大学の教授が必要とされているから、だから博士号まで行く人たちが一定割合いる。大臣もそうでございますし、私もまたそうでございます。
 そして、この高度化されて複雑化された、そして国際競争力も必要なこの社会を運営するに当たっては、高度な専門家たち、それが社会科学系の分野であれ自然科学系の分野であれ、また工学応用科学系の分野であれ、そういう方たちがたくさん必要とされている。官僚の皆さんもそうだと思います。つまり、大学教育、高等教育というものは、その個人の利益であるだけではなくて、社会全体の利益であり、国家としての競争力であり、また社会を運営していく上にも必要なことでもあると。ですから、本人にとっても生涯賃金等でプラスになるかもしれないけれども、一方においては社会の必要性でもあると。それが一般的な考え方となってきたのがこの世界における二十何年間かだと思います。
 したがいまして、高等教育を無償化をするべきだということが人権条約のA規約という形で出てきて、今、百五十九か国のうちそれを批准していない国は何と日本とマダガスカル、そしてつい最近まではルワンダもそうだったんですけれども、ルワンダはその政策をやめました。つまり、高等教育というのは単なるぜいたく、個人の恩恵ではなくて、まさに社会が必要とするものであって、それをだれもが受けれるように社会としてしていかなければならないんだと。
 ところが、日本の場合は、OECDでもずっと発表していますけれども、高等教育に対する国費の負担というものが本当に先進諸国の中で一番低い。だから親の負担が重くなる、だから行けない子たちが家庭の環境の中で出てくる、だからぜいたくに思えると、そういう形の悪循環なんですね。やはりそこの問題は、もちろん政府全体の問題でございますし、文科の問題でございますし、今後、財務の問題でもあろうし、ここで解決できるような問題ではありませんけれども、その延長上の中に、大学の学生であるうちの二年間分については認めるよと、だけど、それ以上長い学生生活については加算金が掛かるよみたいな、とても変な話になってしまっているんですね。
 この加算金はそれほど大きなものではありません。しかし、何年間かためてきた分を、十年間掛けるかどうかは別として、二年間分しか追納、ただでできないような状況の中で卒業生たちは払っていく、そして払い始めた時点で初めて自分の猶予期間に対して、大学院を卒業したような子たちなどは加算金なるものがあると、それをペナルティーのように感じる。そういうことから年金に対する反感というものが余分な形で出てきてしまうわけです。
 つまり、これは、いわゆる若者の中に広がっている年金不信、そして年金に対する反発、自分たちはもらえないかもしれない、そういう思いに対して若者たちが年金を払ってくれるというハードルをできるだけ下げようとするならば、本当に何%か年金のいわゆる納付率が上がれば、こんな加算金なんかはすぐ取り戻せるわけです。そのくらいのことはできないのかというのが私の問題意識でございます。そして、大臣がそれについて応援していただけることは大変有り難いと思っています。
 で、今、じゃ学生自身がこの納付をするということになり、学生自身がもし学生時代に払えるのであるならば、年金を二十歳から支払い始めるということでございますね。一体、学生自身が払っているケース、それが猶予を使っても、若しくは学生時代にアルバイトをして払う形であれ、学生が払っているケース、あるいは親が肩代わりして払ってしまっているケース、どういう割合なんでしょうか。
#54
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 平成十七年国民年金被保険者実態調査、そういう調査がございまして、これによりますと、二十歳以上の学生は、この調査では百九十八万三千人という数字になってございます。それで、このうち、保険料を納付している者が、一部納付者、これは数少のうございます。まあ六万九千という数字でございますけれども、その部分も入れまして、五十八万五千人、約三〇%というふうになっております。一方、学生納付特例、この制度を利用している方でございますが、百十六万人ということで五八%と、こんな数字になっております。
#55
○谷岡郁子君 これを、実は私は今二十五歳になっているうちの大学の卒業生たち十人に手当たり次第聞いてみたんです、大学時代にどうしていたか。これ、親自身が何らかの形でそういう制度を使っていたのかもしれないんですが、十人のうち、親から、猶予というものがある、こういう特例制度があることを知って、自分でそれをやって猶予された者、十人のうち一名です。そして、そういうことについて、年金の問題というのはほとんど知らなかったという子たちがほとんどなんですけれども、親が払っていた事実を今確認した者が五人なんです。親は、下宿している学生、娘なんかに払わせるのではなくて、自らが払っていたケースが五人です。そして、四人はいまだに分からない、つまり払っていないんです。手帳を見たことない。下宿生で、親元に来ていたかどうか、親もその当時のことを、五年前のことなんですけれども、よく覚えていないと。多分払っていませんし、今は就職していたら厚生年金に入っているんだろうと思います。つまり、現実問題としてこういう実態がある。この制度が余りに大学生たちに浸透していないと。これはうちの大学の特質かもしれません、分かりません。
 ただ、平成十二年の段階で、今皆様にお配りしましたものの一、二、三、四枚目の文書を見ていただきたいんです。これは、平成十二年の三月二十九日に文部省高等教育局学生課長あてに社会保険庁運営部企画・年金管理課長から出されていた文書です。これにプラス、パンフレットが一枚付いてきたんですけれども、平成十二年の制度が変わって強制加入になったときに大学に送られてきた実質の文書は、実はこれと、そのかがみになっております文部省高等教育局学生課から来た各大学あてのこの二枚だけなんです。一体何が変わったのかということ、これで分かるでしょうか。そして、学生課の職員であれ、その教員たちであり、自分たちは強制的な国民年金への加入などなかった時代の人たちは、そして親も含めてです、全くそういう新しい状況に対してリアリティーがない、経験則がない、そういう中で大学にはこの二枚の紙だけが送られてまいりました。
 そして、この二枚目の紙の中ほどを見ていただきますと、このような親の負担を解消し、生徒又は学生が社会人になってから保険料を納付することができることとされました。つまり、親の負担を解消することがこの制度のできた大きな目的であるということが書かれているわけです。にもかかわらず、先ほど申し上げましたように、現実にはやはり収入がない学生ということで、そして猶予の制度の面倒くささもあれば、下宿をしている娘に対して親元の住所のところへほとんどの通知が来るということも含めて実は親が払っているという現実がある。これは、何らかの形でこういう親の負担を軽くするはず、本人の自立を促すはずであったものをやはり親が負担し続けていると。そもそもの制度の目的自身というものがちゃんとできていないという現実があるのではないでしょうか。それについてどうお考えになり、どういう対策をお考えになっているでしょうか。
#56
○政府参考人(渡邉芳樹君) 私事でございますが、三人大学を卒業させましたけれども、結果として親が払っているというケースでございます。したがいまして、御指摘のようなことは年金局長の家でも発生します。ただし、勤めてから返せということで返していただいております。
 事ほどさように、この制度自身が、大臣が先ほど平成元年の改革ということで、学生にも一律二十歳で適用するという大きなかじを切った際から本当にそれで良かったのかという反省が様々ある中で、一方で無年金障害の学生を出しちゃいけないという大きな課題もあって、政府部内も呻吟を繰り返してきたというものでございます。その観点から、この学生納付特例制度というのは、学生の特性ということもありますが、この通知にありますように、親が肩代わりで負担するという現場の実態というものにも十分留意せにゃいかぬという思いを強く持った制度としてスタートしております、平成十二年のことですが。
 なお、その後、私事を申し上げたのもその後の事実でございます。現実にも先生今おっしゃられたような実態があるわけでございまして、現時点でこの問題をどう考えるかということは審議会でも議論の対象となっております。学生、二十歳、一律適用ということそのものもまだ見直す余地があるんじゃないかという御議論があります。
 一方において、法務省の法制審議会においては二十歳を十八歳に下げるという議論が今進められております。国民年金は十八歳から強制適用するのがいいのかという議論も後ろから突き付けられているというのが今の年金の専門家たちの議論の場所でございます。
 そこで、審議会においては、やはり大学進学率の上昇あるいは様々な今の運営実態から見て、納付特例制度はかなり普及をしたという評価もあるけれども、この適用年齢を思い切って上げてはどうかと。もちろん学生の実態、親御さんの実態というものと全部金銭でカウントしております年金制度というものが一律に基準をつくっていかなきゃいけない。とりわけ、国民年金制度は二十歳から六十までの四十年間、そして六十五歳からの二十数年間の受給ということで数字的にきちっとフィックスされているものですからなかなかファジーな加入条件というのはつくり難いんですけれども、しかし年金制度の中で様々今まで工夫されてきたいろんな小道具を駆使すれば、親がまとめてまだ払わなきゃならない実態が横行しているこうした学生の皆さん方、払っているのは納付特例より少数でございますが、それでも五十万人もいらっしゃると、こういう中で何か活路は見出すことはできないのかというような真剣な御議論がございまして、支給開始年齢が今だんだん上がっております、六十五歳に近づいております。なぜ国民年金は二十歳から六十なんですか、なぜ二十五歳から六十四歳じゃないんですかということは私ども真剣に考えなきゃいけない、そういう時代の変化があると思います。ただし、この場合にも、今二十歳前障害に関する障害基礎年金が国庫負担を拡充してありますように、じゃ二十五歳で切っても二十五歳前基礎年金というものをつくるのかということが一つ障害年金の問題としてございます。
 それから、それは二十歳で今やっておるのは十八から二十歳までちょっと特例的なものがありますが、基本的には十八歳で児童福祉、障害福祉の世界というものがあるわけでございます。福祉関係の手当は、どんなに背伸びしても今は二十歳までしか付いてまいりません。年金が一方的に二十五とか二十六、二十七に上がっていったときに、その時点で二十五歳前障害基礎年金という制度をつくっても、二十歳から二十四歳の障害者はどうするんだということに直ちに遭遇してしまいます。
 それらを含めて、しかし大きな目で見ると、六十五歳支給開始年齢の時代になってきている、六十歳定年でもその後の継続雇用のお年寄りがたくさん増えていると、こういう時代状況。それから、なおかつ納付特例制度も利用されているけれども親御さんが負担している、こういうようなケースも多々あるという中で、もう少しそこら辺を専門的に検討して、年金制度としての限界はあるにしても、方針をはっきり立てるべきじゃないかと、こういうのが審議会の議論でございますので、まだ結論は得られていませんけれども、しっかり整理をしていきたいと考えております。
#57
○谷岡郁子君 ありがとうございます。私の次の質問にまで今答えていただきました。
 と申しますのは、本当に四十年間払うということであれば二十五歳から六十五歳という開始年齢までで実は可能であるのに、なぜ二十歳から絶対マストに、所属のない人間にするのかと。
 ということは、この制度を使いましても、二十歳から二十三歳までの分は実は三年間捨てても大丈夫なんです。そこで就職をして、例えば厚生年金なり国民年金なりを何らか働き始めて四十年掛ければやっぱり満額もらえるんです。ところが、このパンフレット等あるいは説明等をずっとお聞きしていますと、千人に一体何人障害者になるのか私もよく分かっていないんですけれども、九百九十何人は多分関係ない部分についてばかり言われるから学生たちははっきり言ってリアリティーがないと。それと同時に、どうしてもいわゆる追納しなければならないと思い込ませているがために、ここから四十年でもオーケーだということが伝わっていないがために、本当に就職し始めたときに非常に重い負担が乗ってくるということで若い人たちが反発を感じるという現状があるんです。
 今日は文科省の方からもお越しいただいていると思います。学生支援機構の奨学金。
 奨学金をフルでマックスで借りると、例えば大学四年間で大体学生はどのくらい借りることができるんでしょうか。
#58
○政府参考人(戸谷一夫君) 一般的なケースで申し上げますと、四年制大学卒の場合、現在、有利子事業、有利子の奨学金事業を最大限活用いたしますと、四年間で最大六百二十六万円まで借りることができるということでございます。
#59
○谷岡郁子君 この六百二十六万円を借りた場合には、何年間で返すことになり、その月額の返済額はどの程度になりますでしょうか。
#60
○政府参考人(戸谷一夫君) この返還につきましては二十年間で返還をするということでございまして、月々の返還額につきましては三万五千百二十六円ということでございます。
#61
○谷岡郁子君 それは無利子の場合ですか、有利子の場合ですか。
#62
○政府参考人(戸谷一夫君) これは有利子事業の方でございますので、まさに最大限、本当の意味の最大限ということでございます。
#63
○谷岡郁子君 それは大学四年間の場合。もし大学院、また言いますけれども、大学院というのは今そんなに欧米では不思議なものでもございませんので言うと、もっとそれがかなり増える状況というものもあるんだろうと思います。
 さて、それに対して、現在の税金であったり保険金であったりするもの、社会保険金というのは当然乗ってきます。年金も乗ります。そういうものに加えて、先ほどの、今現在ですと一万四千六百六十円の返済というものが掛かってくるんです。
 この場合に、例えば二十二歳で今一定の平均的な企業に就職すると、そうすると、その平均賃金等から考えますと二十万ちょっとだと思います。そうすると、この返済金の、学生支援機構の返済金と、そして一か月分ずつ追納分を払っていこうとすると、一か月分以上には砕けないということをこの間お聞きしていますので、そうすると、それでもう五万円近いお金になってしまうと。卒業してすぐの学生たち、一人住まいするかもしれない、そうすると白物家電が要るかもしれない、そうでなくたって新しいスーツや靴などが要るであろうと。いろいろな形で物入りの時期に、さあ払ってくださいよということがそういう形で出てきてしまうんですね。
 大体、文科省としてどの程度がそういう形でいわゆる卒業生に払わせる限度と考えていらっしゃるのか。また、それをそういう形で、社保庁と連携するような形で払う側の負担が重くなり過ぎないように、そういう手当てはしておられるんでしょうか。
#64
○政府参考人(戸谷一夫君) 若干、ちょっと補足的な説明も少し付け加えさせて申し上げさせていただきますと、先ほど制度上最大限六百二十六万というふうに申し上げましたけれども、すべての方が六百二十六万もちろん借りているわけではございませんで、私どもといたしましては、卒業後の返還の負担といったものも考慮をし、本当に必要な額、できるだけ借り過ぎないようにといったようなことも併せて学生に対してお願いをしているということでございまして、実際に学生の借りている金額の規模から申し上げますと、貸与総額で大体二百万から三百万といったところが一番多いという実情にございます。
 それで、御質問のその最大限といった場合につきまして、先ほど申し上げましたように、奨学金につきましての返済月額、返還の月の額は大体三万五千円ということでございますけれども、これが、仮に大学卒の初任給で見ますと、これは厚生労働省さんの方のデータをいただきまして、大体十九万八千七百円ぐらいといったことから勘案いたしますと、生活費で例えば十一万円程度、あるいは税金等で二万四千円程度といったようなことから見ますと、いわゆるそういったものを差し引いた余裕金といいますか、そういった中で三万五千円というのは一応範囲内には入っているということでございます。
#65
○谷岡郁子君 その金額の中にはその一万四千六百六十円というのはどういうふうに考慮されているんでしょうか。今、追納しなければいけない年金の問題をお聞きしているわけですが。
#66
○政府参考人(戸谷一夫君) これも仮定の計算上だけの話ということになりますけれども、今の追納の一万四千四百円があったとしても、まだぎりぎりのところで範囲内に入っているというところでございます。
#67
○谷岡郁子君 つまり、勘案していらっしゃらないということなんですよ。つまり、払う側の立場というもの、その生活実態というものは全く勘案されていないということを今おっしゃっているわけなんですよ。
 私も、そんなにたくさんの奨学金を借りる、もっと借りればいいという、そういう考え方は実はできないと思っております。特にそんなことを言わなくても、女子学生などは大きな借金を抱え込みたくない、奨学金をできるだけ借りたくないと思っております。なぜならば、女の子たちの場合は特にそうなんですけれども、結婚して子育てをしている間はそういう収入が途絶えるかもしれない、返していけないかもしれないという思いの中でいるわけですね。だから、できるだけ借りたくないということをうちの学生などもよく言います。しかしながら、必要があって借りるということが出てくる。そして、それは、返し始める時期は追納は必ず起きてくるわけです。二十歳以上になったら学生は必ず返すわけですから、これをもし自分で、親に払わせないでやるとするならば。
 そのことをやはり、社保庁さんとそして学生支援機構さんなのか、あるいはこの厚労省とそして文科省なのか、その辺のところはちゃんと今後連携をして、お話合いをしていただいて、一体どのくらいの負担をかぶせることが妥当か、それについてはまたいろんな対応を考えていただくということは必要ではないでしょうか。
 そして、もう一つついでに指摘しておきますが、この先ほどの学生の納付特例制度、これは学生のアルバイトが一定額以上になったらその猶予を受けられないんですよ。もしもその学生が何とか親に迷惑を掛けないで、自分でお金を稼いで、一生懸命そのお金を例えば夏休み中とかためて、それで授業料などを払うということになりますと、それが一定額を超すとその途端に特例制度も受けられなく、猶予もしてもらえないという状況になるんです。
 余り時間がございませんのでこの間のヒアリングの結果について私の方からあえて申し上げますと、そういうふうになっているのはほかの人たちとの兼ね合い、収入、そして生活、そういうものだと。でも、学生は授業料を払っているでしょうと私はそのときに申し上げました。授業料、百万円を前後するような大きなチャンクのお金を払っている学生が今どのくらいの額以上になったら特例制度が受けられないんですか。これは社保庁にお聞きしますが。
#68
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 学生納付特例の所得基準でございますが、単身の場合で百十八万円以下とされてございます。これを全額給与所得と仮定して収入に換算した場合には、約百九十四万円以下という数字になります。
#69
○谷岡郁子君 日本の学生の七五%は私立大学に通っております。そして、私立大学であれば、文系の人たちというのは百万弱から百万を超えるぐらいが平均の学生納付金だと思います。また、実習系、理科系、そういうものになりますと百二、三十万はざらでございます。今、百九十万程度が実際の上限だということになりますと、例えば理系の学生が百二十万払ったら七十万しか残らないわけですよ。そこから年額十七万円ぐらいの保険金を、年金を払えということをおっしゃっているんじゃないですか。違いますか。
#70
○政府参考人(石井博史君) 先生の御指摘ですが、結果からいいますと、そういう形になるのであろうというふうに思います。
#71
○谷岡郁子君 本当に親に頼らないで自分の意欲で大学を卒業したいという者があれば、それこそ国が、社会がそのような積極的で頑張り屋の学生たちを支援するのが私は当然だと思います。
 もしもこの学生の言わば計算根拠、この百十万何がしかというもの、これを授業料の、学生納付金を差し引いた結果、必ず領収書を付けろという形でこの範囲というふうにしてもらった途端に、このほとんどの学生たちというのは少なくとも猶予制度を受けることができると思うんですけれども、そうはならないんでしょうか。違いますか。そして、大臣、是非そういうことをお考えいただけないかどうか、お願い申し上げたいと思いますので、御答弁いただきたい。
#72
○政府参考人(渡邉芳樹君) 二点あると思います。
 一点は、学費というものと税金や社会保険料というものを比べてどっち取るかというのは、個人的には迷うんですけれども、制度論的にはこれは明白でございまして公租公課が優先でございます。そのことと、年金制度の中でもう一段の工夫はできないのかということはあって、工夫をすればほかの被保険者の御負担に転嫁するということでございますので、その点についても御理解いただくような分かりやすい議論がされていかなければ、なかなかちょっと結論までは至らないだろうという感想を申し上げて、失礼をさせていただきます。
#73
○国務大臣(舛添要一君) 学生の場合の大変いいポイントを突いて質問していただいているので、私は、昔の制度が良かったとは言えないけれども、先ほど言ったように、学生にこういうことを課していいのかというのはずっと問題意識があって、私が学生だったときを振り返りますと、父親を早く亡くしたものですから四つの手段で生き抜いてきた、自分の力で。一つは奨学金です。もう一つは授業料免除というのがあった。それから、アルバイトもしました。それから、いろんな周りの支えがありました。
 その中で、例えば奨学金制度について言うと、そのころ教育職というのは一般のほかの職業よりも収入が低かったんです。先生になって何年間か働くと免除措置があったので、だから私は学校の先生になったと思うんです。それで、高校のときからもらっていましたから、高校の分は全部払ったかな、だけれども、大学の分はそういうのを利用して、これは決して悪い制度ではないと思っていますよ。
 だから、そういうインセンティブを与える。小林さんと議論してセーフティーネットの真ん中をつくれと言ったから、七千億円より基金を付けた。私は、だからモラルハザードは避けないといけないけれども、あれは基金使って、一生懸命やった人には免除、全額返還免除というようなことをいろいろ入れたわけですよ。
 だから、そういうインセンティブを与える方が私は社会が活力を持ってくるんじゃないかと。そして、二十歳からじゃなくて二十五歳からにしちゃえば、せめてマスターは終わっていますよ。ドクターになったら相当自分で、論文さえ書きゃいいんだから、相当自分で稼ぎもできる。
 今言ったような大きなそういう改革をした方がいいと思っています。ただ、それまでの間の、今おっしゃったように、それは、百万稼いだけれども、ほとんどが授業料に払っているんだったら残りませんから、それをもってそこから払えというのは酷なので、これはひとつ文部科学省とも相談をしながら、そういう形で変えていけるところは努力をして変えていきたいというふうに思っています。
 私は、やっぱりこれからの日本というのは、教育、人材、天然資源ないわけですから、人が一番の資源なので、そこを大切にするというのは日本の未来にとって重要だと思っております。
#74
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 そういう学生が収入がないにもかかわらず二十歳で強制加入という制度ができてから様々な議論が国会で行われまして、そして制度が変わったときには附帯決議が付いているんですね。それは、大学等関連機関とよく調整を行うことということでした。
 そして、実は、先ほどもお見せしましたけど、私が過去の書類を、学校の書庫を全部洗って出てきたのが、平成十二年の先ほどの書類と、十八年と二十年。これは、文科省の方から大学とどういう連携をやり、コンタクトを行っていたのかということで出てきた書類と全く同じでした。つまり、我が校の保管制度もなかなかいいものだなということが分かったんですけれども、それは別問題としまして、この平成二十年に、国民年金の学生納付特例制度についてと、また頑張って来たものがあるんですね。
 それで、これはここにお付けしました資料の中に入っていますけれども、周知徹底のためによろしくお願いしますということで、平成二十一年四月にリーフレット及びポスターを送付させていただくに当たり、御協力をいただくようにお願いしますという形で三月に送られてきた。これは見本という意味だと思うんですけれども、次に送られてきたものを見ますと、ポスター一枚、リーフレット二十枚なんですよね。そして、うちの大学は本当にちっこい大学なんですけど、それでも学生は千五百名おりますし、建物もやっぱり七、八や十個ぐらいあるわけですね。同じやっていただけるのであるならば、注文出さないとというのではなくて、やはり学生に周知徹底させるという意味で、学生の数ぐらいなぜ最初から送っていただけないのかな。これ見て私は本当にのけぞりました、このポスター一枚って一体何だろうって。本当に周知させようと思えば、各ビルぐらいにやっぱり張るということが必要なんだろうなと。
 そういうことにおきまして、一万四千六百六十円を、例えば未成年の学生等を含めて、八百人が納めるか将来納めることになると考えたら、私がざっと計算したら千百七十万でした。それを十二か月ということで考えると、ざっと一億四千万、毎年の年収がうちの学生の年金の納付金として社保庁に入るということであるならば、それなりの、営業費になるのか何になるか分かりませんけれども、周知徹底のための費用というのはやはり必要ですし、そういう努力がなければいけないんじゃないか。
 そして、最後にセミナーのことをお聞きしたいんですけど、今セミナーを啓蒙のためにやっていらっしゃるというんですけれども、それについてはどういう形でやられているんでしょうか。
#75
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 二点お答えさせていただきたいと思うんです。
 一つは、まず学生への納付特例制度への周知の状況、取組の状況でございますけれども、今もお話ございましたように、各大学、大学に社会保険事務局の方から連絡を取らせていただいて、構内に掲示していただくポスター、それから学生課などの窓口に置いていただくリーフレット、こういったものがございますので御利用くださいということで御送付しております。
 やり方といたしましては、学生課の方とあらかじめ連絡を取らせていただいて、そして必要な枚数というのを聞かせていただいて、それでお送りするというのを基本にしながらやっておりますけれども、今の御指摘からしますと、そこら辺のやり方が私ども十分意が用いられていないのかなというふうに思いますので、ここのところは再度この制度の趣旨も併せてきちんと徹底していきたいということを進めたいと思います。文部科学省と連携しながらしっかりやっていきたいというふうに思っております。
 それから、大学のセミナーの方でございますけれども、これは比較的取組が最近でございます。中高校生については平成五年度からやっているんですけれど、大学生に対する、あるいは専門学校の方も含めますが、セミナーは平成十八年度からでございます。社会に間もなくお出になるそういう立場にあるということで着手しておりまして、これはまずそういうような取組をしておりますので、どうぞ御利用の御希望があればお知らせくださいということで、こちらの方から言わば御案内を申し上げます。御希望なさるその大学の方からそれではということで、その御連絡があると。その段階でどういう趣旨のものであるか少し打合せをいたしまして、多くの場合、実施されるその大学の中から、大学の先生方の中から講師役というのが選定されて、そして実施すると、こういう形でございます。
 実施状況でございますが、徐々に広がっておりまして、十八年度は二十一大学、二十二セミナー、千四百、それが十九年度、二十五大学、そして二十年度は三十六大学、四十四セミナーということで、参加されている学生さんの数も四千百名というような形になってございます。
 まだまだ全体からしますと十分な状況にはなっていないわけでございますけれども、しっかりやっていきたいというふうに思っております。
#76
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 実は、国民年金講座というのをそれは多分、地域の社会保険所の方々が親切にやってくださっていたらしいんです。ここに、この資料の中にお付けいたしました国民年金講座というのがまさにそれでございまして、平成十二年の十月二十六日に中京女子大学の第十三番講義室というところで、これは大教室なんですけれども、行われておりまして、三十八名の学生が参加したという。これは、実は職員が作ったメモでございます。レジュメで渡されたのはこれだけなんですよ。その次のページ、申込箱の設置についての御案内、その後、用紙の書き込み方。これだけが言わば資料として、これだけのレジュメで九十分の講義がなされていたらしいんです。こういうものが数年間続いたということで、毎年、難しいし、訳分からないし、ちっともためにならないというようなことが言われて、先ほどの冒頭の御説明にもありましたように、学生にピンポイントで伝わるような説明になっていなかった、学生の語彙に合っていなかった、学生の生活、リアリティーに合っていなかったということだと思いますけれども、学生にとっては何のこっちゃか分からない九十分であった。このメモを、その職員が取ったのを、内容もこれだけというような状況の中で、こんな講義やってもしようがないねと。
 それが今十八年度から始められたセミナーと混同どうもされているようでして、私が我が大学の職員にうちではセミナーどうなっているのって聞いたら、やっていませんと言うから、何でと言ったら、かつてやったものが余りにひどくて、毎年どんどん受講学生が減っていたので、今はやっていませんという返事になったんですね。そうではなくて、これは新しくできた制度で、かつていろいろやられたものではないことをまず大学に周知徹底しないと、これが大学の中に多分広まっていかない。私の大学と同じような体験値を持つ大学というのは意外と多いのではないかということを申し上げたいんです。
 また、学生に対する講座というのもとても重要なんですけれども、こういうふうに時間を決められてこうやってくださいということよりは、言わば本当に学生たちとふだん付き合っている学生委員会のメンバーの教員であったり、あるいは学生相談室で、学生課というところで担当しているスタッフであったり、就職と進路をやっているようなスタッフであったりが一緒にやるような形でもいいですから、何らかの形で彼らをちゃんと研修させた方がいいと。今その学校法人がそういう形で事務取扱いをやると、一件当たり何十円かみたいな形で、そういう事務取扱いの方に慣れるということもヒアリングの説明の中で聞きました。でも、簡単にそれは慣れてしまうということを聞いております。やはり、いろんなことを聞かれた場合に、学生たちに対していろんなケースで懇切丁寧に説明ができるところまで研修をしないと私はうそだと思いますし、むしろ大学の職員、特に学生課担当の職員たちに対するセミナーを開く方が学生直接のセミナーを開くよりも私は最終的には効果的であろうというふうに思っておりますので、是非そういうふうに今後考えていただけないかということを提言しておきたいと思います。
 また同時に、こういうものをいろんな形でやっておかれるときに、やはり学生の声、大学の声、そういうもののヒアリングを是非ともちゃんとやっていただきたいと。我々には我々の体験値がございますし、どうしたら大学などで余分な負担にならないようにやっていけるかということも言って分かっていると思います。そういうことを学生、大学の声を聞いていただく、そしてみんなで一緒になって努力していただけるという中で、実は学生たちの納付率も上がり、年金に対する理解も進んでいくのではないかと。これまでは余りにも徴収側の論理ですべてがやられてきたのではないかというふうに思っています。
 最後に、大臣、いかがでしょうか。
#77
○国務大臣(舛添要一君) 大変いい御質問、ありがとうございます。
 それで、私は、今話聞いていて、例えば成人の日ってありますね。もうばか騒ぎばっかりやって問題になっているぐらいなら、ちょうど免許証更新のときにいろんな交通ルールについてもう一遍講義をする、そうしないと免許証を渡さないような形で、例えばこういう問題について、大人として知っておかないといけない年金について、それをやると。それから、選挙権持ちますね。選挙の制度こうですよというようなことも、もう一遍きっちりやっていく。それだけのものをやらないと日本国国民の成人としては認めないというぐらいのことをやってもいいんではないかというのを思いましたけれども。
 谷岡さんの質問は私も問題意識持っていたことなんで、是非、委員会を超えてこういう質問をするというのは大変有意義だと思いますんで、また足しげくこの委員会にもお通い願いたいということをお願いして、答弁を終わります。
#78
○谷岡郁子君 終わります。
 どうもありがとうございました。
#79
○委員長(辻泰弘君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#80
○委員長(辻泰弘君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○小林正夫君 民主党・新緑風会・国民新・日本の小林正夫です。
 本日、国民年金法の審議ですけれども、職場の方あるいは多くの方から不安の声が上がっているやつが一つあるんです。それは企業年金の確定拠出年金の関係なんですけれども、前半少しこの問題について質問をさせていただきたいと思います。
 老後の所得を保障するという意味では、企業によっては企業年金を設けていると。そして、二〇〇一年からこの確定拠出年金法が施行されて、多くの企業でこういう制度を取り入れているのが今の実態かなと思っております。
 そこで、加入から約八年が経過したわけなんですが、この加入者の運用実績に応じて年金の受給額が変わるという日本版四〇一kと言われるこの確定拠出年金が、実際加入している事業所がどのぐらいあって、加入者は今どのぐらいいるのか、お伺いいたします。
#82
○政府参考人(渡邉芳樹君) 御指摘の確定拠出年金制度は、目的といたしましては、高齢期における所得確保に関する自主的な努力を支援し、公的年金と相まって国民生活の安定を図るということとなっておりまして、既存の企業年金のない中小企業で多く普及しておるわけでございますが、平成十三年十月の創設以来、次第に増えてまいりまして、平成二十一年、今年の三月末現在において、事業所数で一万一千七百六事業所、加入者数が約三百十一万人に達しており、普及のスピードとしては順調であると評価しております。
#83
○小林正夫君 実は、この確定拠出年金法改正案は、今年の三月に衆議院に内閣から法案が出されておりまして、現在審議が進んでいないと、こういう状態でございます。今の答弁ですと、三百十一万人の方が加入ですから、サラリーマン全体から見ると十人に一人はこの制度を活用していることになるのかなと、私はこのように思います。したがって、それだけ影響が非常に大きいと、このように思っているんですが、今、国会に出されている法律については、また参議院に回ってきたときに十分審議をさせていただきますけれども、基本的な問題として数点この機会に確認をさせておいてもらいたいと思います。
 まず、企業型確定拠出年金に従業員にも一定の掛金の上乗せを認めるというのが今内閣が出されている法律なんですけれども、その分掛金が増えれば将来の年金の受給額が増えると、こういうことも言えるんですけれども、昨今の株価の下落や昨年のリーマン・ショック以来、金融恐慌とも言える状況を考えると、従業員に掛金の負担を認めてハイリスク・ハイリターンをさせることがいいのかどうか、このことをよく考えていかなきゃいけないというふうに思うんです。
 そこで、舛添大臣にお聞きをしたいんですけれども、どうしてこれまで企業型確定拠出年金の拠出は事業主だけにしか認めてこなかったのか、その意義をどう考えるのか。その上に立って、今回、なぜ従業員の拠出も認めると、こういう法案が出されているのか、この辺についてお聞きをいたします。
#84
○国務大臣(舛添要一君) これは、まさに小林さんおっしゃったように、ポートフォリオ選択をやるときにハイリスク・ハイリターンでだれがどこまでやるかという話になります。そうすると、いわゆるマッチング拠出というか、個人分認めるということになればもろに個人に掛かってきちゃうので、まあそこはバッファーとしてというか、企業型を認めてきたのはその点にあると思います。
 でも、今回の改正案は、できれば少しの部分、少しの部分というのは事業主の負担以下の部分ですから、それを超えません。それからもう一つは、あくまで労使間の合意があってという、こういう歯止めを掛けているんですけれども、将来、今大変景気悪くて、特に金融危機ですからハイリターンが求められませんですけれども、非常に調子よくなれば、これ老後の資産が増えることになりますから、そういう点でどこでバランス付けるかと。
 それで、企業型の加入者が三百十一万人ですが、個人型は十万ですね、これぐらいの差があります。だから、その背景は、やっぱり四〇一k非常にもてはやされました、あのころは若干景気も良かった。だけど、我が日本国民はハイリスク・ハイリターン型なのかそうなのか、やっぱりちょっと違うんじゃないかなという気がするので、そういうことを全部勘案してのバランスを取った形の案に政府案はしてあるところでございます。
#85
○小林正夫君 私は証券界とは全く縁がないんですけれども、生き馬の目を抜くと、こういうのが証券界だと、こう言われておりまして、なかなか株を買ってももうける人は少ないと、こういう状態がまずはあるんだと思います。
 それで、六月二日の厚生労働委員会で、同僚の森田議員が、年収五千万円を出して百人の腕のいいファンドマネジャーを雇ってもいいのではないかと、このぐらいやらないと実際には運用できないんじゃないかという、こういう質問もございました。私はやっぱり素人同然の私のことを考えると、私に任されてもうまく運用なんかできるわけないと、こう思うんです。
 それで、アメリカの方で始まったこの四〇一kが、既にアメリカの中でも、この制度を廃止をしたらどうかと、こういう意見も出ているというふうに私は聞いているんですけれども。したがって、そういう話を受けると、この投資だとか資産運用は決して簡単にもうかるものじゃないと、したがってそこに対する教育もしっかり行っていかないと各人がどういうふうに選択していくのかという判断すら付かないと、このように私は感じるんです。
 そこで、もう一度舛添大臣にお聞きをしたいのは、アメリカと日本とでは、そもそも資産運用に対する根本的な考え方が私、違うのかなと思うんです。私、アメリカに行ったことは一回しかありませんので、アメリカの社会よく分かりませんが、大臣は多くの世界を経験されておりますから、アメリカと日本ではそもそも資産運用に対する根本的な考え方が違うんじゃないかと思うんですけど、このことに対して大臣がどう思われているのかということと、その上で、投資教育、この重要性と今後の取組についてどうあるべきか、大臣の所見をお伺いいたします。
#86
○国務大臣(舛添要一君) まず、日米の違いがありますけど、基本的なポートフォリオ選択をやるときに世界万国共通だと私が考えているのは三分の一ルール、つまり不動産三分の一、有価証券、株なんか三分の一、キャッシュ三分の一、これが一番安全だろうということなんですが。
 日本について言うと、土地神話がずっとありましたから、不動産重視ということがありました。土地さえ持っておけば何とかやっていける。これも今壊れてきました。その次はキャッシュです。これは非常に健全なんです、実を言うと。この形が一番安全なんですね。
 だけど、やっぱりこういう金融資本主義の下においては有価証券に対する運用ということも考えないといけない。だから、小林さんが能力ないというか、それ、自信がなくても、ファンドマネジャーに、いいファンドマネジャーを見付ければいい。そのいいファンドマネジャーが、だれがあって、どこの投資会社がやっているのがどうかということを判断するためにはやっぱり教育とかいろいろな訓練が必要なので、知っていて悪いことではないんですね。
 ですから、要するにそういう基本的な知識、それから、こういうことをあえて申し上げますのは、十年、二十年の長期的なスパンで考えれば、株式の投資というのは決して損することばかりではなくて、むしろ私は有利なような気がしております。そして、何もかも投機的な話ではなくて、恐らく七割方というのは、きちんと教育を積んで知識があればほぼ獲得できる、その上の三割が非常にいろんな要素に左右されるんだろうと。
 今の日本の問題点は、七割の基礎的なところを全く教育しないで上だけでやってくる、それで非常にロスが多いんだろうというのは考えなので、私は、資産運用、特に年金の運用について言うと、その七割を、しっかりした方々をどうして運用委員にするかということで一部替えたりをしているわけですけれども。それはケインズが、ケインズだけが言ったのかな、だれが言ったのか忘れましたけど、経済学者ができるんだったら学者なんてやっていませんよ、株でもうかるんだったらそっちの方がいいわけで、そういう面もあるということをちょっとお話ししておきたいと思います。
#87
○小林正夫君 私も還暦を過ぎて年金をもらうという、こういう年齢になっているんですが、やっぱり年金は老後のための安心、これが年金なんですね。したがって、この年金の運用に対して勝負をするような、一発かけてみるとか、こういうものは全く私はなじまないと思います。もっとも、その比率の関係もあると思うんですがね。そういう意味で、確定拠出年金の運用というのは、今日の経済状況など考えると悪化をしている、このように私は判断をしております。
 そこで、その実態をよく分かっていないのではないかという訴えをしたいんですけれども、利回りが悪化して、加入者の六割が元本割れ、運用で二〇%以上損をした人が十万人近くいるなどという報道は目にするんです。
 ところが、これはあくまでも報道機関が大手の運用機関から聞き取って報道されているというふうに私は思っているんです。したがって、こういうものに対してまさに政府がしっかりした統計だとか数字を把握をした上で正確な情報を従業員などに知らせていき、その内容をもって自分がそれぞれ判断をしていくと、私は政府としてもここの部分をしっかりやっていかないと多くの方が判断しにくいと、このようになるんですが、こういうことの取組を政府がやっていく必要があるんじゃないでしょうか。
#88
○政府参考人(渡邉芳樹君) 現行法制の下でも私ども政府として様々なデータを取得してはおるわけでございますが、ただいま先生御指摘の点は分からないでもございません。というのは、この制度が企業において任意で実施するものであり、従業員自らの判断で掛金の運用を決定し、これに基づき金融機関等においてその個人の年金資産の運用、そして個人に対する年金給付という仕組みなものですから、何でも政府に報告する、届出をさせる、許認可掛けるという構造ではなく、ポイント、ポイントに絞られているということがございます。
 したがいまして、一定の、政府自らの徴取したデータに基づいてという情報提供というのは一定の限りがあるんですが、一方、運用商品の平均利回り、今下がっておりますが、そういう情報の提供につきましては、もとより金融機関は当然しなきゃいけませんが、そうした従業員の高齢期における所得の充実を図ることを目的として設立されたNPO法人などもこういう領域ございまして、そういったところからの情報提供がなされている、それに対する私どもは指導、支援をしていく、こういうことでございます。
 これまで主に加入者数等の状況を把握し、公表してまいりました。制度を普及するということにまずアクセル踏んでいたわけでございますが、御指摘を踏まえて、まあ民間がやっていることですから、おいこら式に情報を出せという世界ではないんですが、これは加入者の大事な情報でございますから、更に改善すべく努力をしていきたいと思っております。
#89
○小林正夫君 確定拠出型年金、これからも増えていくのかなという、片方ではそう私も思うんです。ただ、やっぱりそれには、判断するには正確な情報がないと判断できないということは間違いありません。したがって、この法案については、先ほど言ったように、今衆議院で法案が提出されておりますので、また参議院に回ってきましたら本格的な論議をさせていただきますので、取りあえずこの確定拠出年金についてはこれで質問を終わりたいと思います。
 それで、次の質問なんですけれども、年金制度に対する問題意識の共有ということで何点か御質問をいたします。
 まず、資料一、お手元に配付をさせていただきました。この資料一の左上の方には人口構成の変化ということで、一九七〇年の我が国の人口と二〇〇五年の我が国の人口の比較です。もうこの表で分かるとおり、六十五歳以上の人が一九七〇年では七・一%だった割合が二〇〇五年では二〇・一%、三倍も伸びているというのが今の私たちの日本の社会となっております。
 そこで、医療、年金、福祉、こういうものに社会保障給付が掛かるわけなんですけれども、この社会保障給付というのは一九七〇年の三・五兆円から二〇〇六年には八十九兆円と二十五倍の規模にこの社会保障給付費というのは拡大をしている、こういう事実がございます。ところが、毎年の一般会計予算のうち、社会保障関係費について一九七〇年を一〇〇とすると二〇〇六年は十七倍にしか増えていない、こういう結果になっております。
 さらに、このグラフを見てお分かりのとおり、八〇年以降は社会給付費の伸びと、それと赤字の社会保障関係費の間が非常に広がってきていると、こういうのが政府が今まで予算を付けてきた実態なのでございます。特に、一九九〇年以降の規模が拡大をしているということは著しいというふうに思うんです。
 そこで、社会保障にお金が掛かるようになっているのに国の予算がその実態に見合って増えていない、このことを私は指摘したいんですけれども、まさに人口構成を念頭に置いた社会保障政策が政府がちゃんと取られてこなかった。特に、社会保障費、毎年二千二百億円を抑制するという、こういう施策をやってきているんですけれども、これは大きな問題点があったと、私はこのように思いますけれども、この点についてどうお考えでしょうか。
#90
○国務大臣(舛添要一君) まず、このグラフ、なぜそうなったかということなんですが、一つは、社会保障給付、先ほどおっしゃったように、大きく分けて年金、医療、福祉。福祉の場合は国費の負担が四〇%、医療が大体ですけれども三〇%、年金は今まだ一七%ぐらいです。つまり、国費の負担割合が年金だと、いずれ二〇になるにしても一七ですから、負担割合が少ない分野の年金が高齢化に伴ってどんどんどんどん増えていっている。
 それで、比率の変化の一つの説明要因はそういうことだと思いますし、それからやっぱり、そのほかは年金とか福祉分野において補助率、これ行革関連法ができましたので補助率がどんどん引き下げられていった。補助の度合いが引き下げられるとこういう結果になるわけですから、まあそういうことが大きな原因だというふうに思います。
 ただ現実に、毎回、毎年の予算を編成するときには、必要な項目を立てて、それに対してどういう見合った形の予算を付けるかということをやっていますので、意図的にもう足りないからカットしろという、そういうことではないということなんで、今後は負担と給付の関係について国民的な合意をいただいた上で必要な財源の措置をやりたいというふうに思っております。
#91
○小林正夫君 私は労働組合の経験も長かったんですが、常に組織にいると自分の組織の人口構成、労務構成がどうなっているのかと、やっぱりこのことが施策をするにしても一番大きな要因になるんですね。したがって、国も、当たり前のことなんですが、日本の国の人口構成を見ながら私たちの納めた税金をどこを最優先として使っていくのか、私はこういう判断をするのが政治だと、このように思っているんです。
 そういう意味で、先ほどの第一図の指摘のように、やはり私は、社会保障費が伸びていくにもかかわらずその手当てを政府がしっかりしてこなかったということは明らかな事実で、これは指摘しておきたいなと思います。
 表の二なんですけれども、これは社会保障給付費の対国民所得との比較ということで、政府から出していただいた資料をグラフだとか折れ線グラフにちょっと直してみました。
 これを見ると、医療は三%台から七%台に拡大している。これはグリーンの折れ線グラフで示してございます。それと、赤線の折れ線グラフが福祉その他ということで、これは一%台から三%台へと拡大をしているんです。ところが、やはり突出しているのは年金ですね。このブルーの曲線です。こういうことで、経済規模の拡大を大幅に上回るスピードで年金関係の支出が増大をしていると、このようなことが我が国の実態でございます。
 これからも高齢化は進みます。大臣も団塊の世代で、私もそうですけれども、私たちがこれから二十年、三十年、年を重ねていきますから、当然、日本の人口構成は頭が重たくなる。こういうことですので、二〇五五年には四〇%に六十五歳以上の人の割合がなっていくということですから、これはどこの政党が政権取ってもこの構図を変えられるというものじゃありませんから、このことを対策、しっかりしていかなきゃいけないということはもう言えることでございます。
 したがって、そういう中で、このグラフから見ても分かるように、私は、社会保障の問題すべてやっていかなきゃいけないんですが、その中でもこの年金の問題がやはり私たちにとって一番大きな課題だと、このように思うんです。
 医療だとか介護、あるいは雇用の問題は、政府が施策をいろんなことにすることによってこれの伸び率を多少抑えられるということはあるにしても、年金というのは日本の人口構成からいってこれは抑えられないという、こういう問題だと思いますので、そういう、やはり社会保障の一番大事な問題は年金問題であると、こういう意識について大臣と共有できるかどうか、いかがですか。
#92
○国務大臣(舛添要一君) 小林さんや私がそうだと言うと、おまえらは団塊の世代で、今から年金もらうからそう言っているんだろうと言われないことを祈りますけれども。
 先日も申し上げたと思いますけれども、成人して八十五ぐらいまで生きる、そのうち四十年間は働いていて二十年間年金ですから、人生の四分の一、三分の一、極端に言えば年金のお世話になる可能性がある。それについて、これは社会保障、セーフティーネットワーク、セーフティーネット、そのセーフティーネットの中で、ある意味では最も重要なものであるというふうに思いますので。
 だから、私が厚労省分割のときに、二分割じゃなくて三分割だといって年金省を独立してやるべきであるということを申し上げたのは、実はそういうことがあって、私たちの、すべての国民の人生の四分の一を担当するのが一つの省の一つの、社会保険庁そこにいますけれども、保険庁でいいのかなというのはあるんですね。
 ですから、どうせこういうことを考えるのなら、霞が関全体の再編成を、大きな再編成を考えつつ、年金が、今、小林さんおっしゃったように、非常に重要だというのなら、一つの年金省をやって、まさにさっきの確定拠出年金の問題も、片手間で運用をやっていちゃ無理ですよ、やっぱり本格的にやらないといけないので。
 そういう思いでありますから、是非これは党派を超えてしっかり年金問題に取り組みたいと思っております。
#93
○小林正夫君 そこで、平成十六年に年金制度の抜本的改革を行ったと。先ほど来、今日の午前中の質疑もあったけれども、百年安心云々なんという話も実はありました。
 でも、正直言って、今回の社保庁の問題だとか、後でお話をしますけれども、厚生年金の受給額がどんどん減ってきているというような状況だとか、国民年金の納付率が悪くなっているとか、こういうことを考えていくと、本当にこの年金、我が国の年金制度は大丈夫なのかと、この不安がいっぱいやはり国民の方は多く持っているんじゃないかと思うんですけれども。
 何をもって年金制度は大丈夫だと、舛添大臣、大丈夫だと言ったかどうかは分からないけれども、そういういつもお顔をしてお答えしていますから、何をもって年金制度は大丈夫だと言い切れるのかどうか、また、この年金制度が持続可能だと、こういうことが言い切れるのかどうか、この辺の見解をお聞きをいたします。
#94
○国務大臣(舛添要一君) いつも申し上げますけれども、日本の社会保障、自助、共助、公助で成り立っている、それは基本で、これはどなたも反対しないと思います。
 やはり、私は、日本人の優れたところというのは、相当皆さん自助努力をやってくださっている。それから、共助も、これも私は最近は共助の概念が少なくなっていると嘆いている方なんですが、しかしながらやっぱり各地域で見たら、NPOの方が一生懸命頑張ってくれたり、社会的連帯の精神はそう廃れたものではないと思いますし、ただ、これはもっと今から強化をしたいと思います。つまり、社会全体の仕送りであると、年金というのは。昔は子供が親に仕送りをしていた。それから最後は、公的な公助、つまりみんなの税金で支えましょうと、こういうことがあって、共助と公助というのは非常に似た面もあるんですけれども。
 その中で、いろんな問題点はありますが、少なくとも今のお年を召された方の生活費の七割ぐらい、たしか七割だったと思いますが、全体で見ると、これは年金で賄っておられるわけで、今のところきちんとずっと世代を超えて機能しています。
 ただ、そこから先は少子化の問題、これから経済成長の問題、いろいろ不安はありますけれども、ただ、これをストップするのかね、どういう状況があったら止まってしまうのかねといったときに、それは給付額の調整があります。だから、もう非常に苦しくなれば減らさざるを得ない、それから保険料の負担も上げざるを得ないと、こういうのはありますし、今回も公費の負担を三分の一から二分の一にすると。こういう調整はありますけれども、基本的に老後は年金の世話になる、そしてその制度は続いていくんだということについて、続けるべきであるということについて国民のコンセンサスはあると思いますので、改革はやらないといけません。
 ですから、そういう意味で、私は、この制度は今後とも改善しながらみんなで守り育てていく。昔のように、社会的な仕送りをやめて、みんな個々に子供が親の面倒を見れといったって、子供の数だって少なくなっているので、それは無理ですし、私は、そういう意味では定着してきたというふうに思っていますから、更に発展させたいと。
 そういう意味で、どういう顔をしているか分かりませんが、自信を持って取り組みたいと思っております。
#95
○小林正夫君 そこで、国民皆年金と、みんなが入る年金だ、これが我が国の年金制度なんですが、今の状況を見て、国民皆年金だと言い切れますか。いかがですか。
#96
○国務大臣(舛添要一君) 国によっては、要するに払っていないやつは年金あげないという、冷たいというか、そういうところも極端に言えばあるわけでありますから、少なくとも、先ほどの老齢福祉年金じゃないですけれども、一応みんな均てんされているという意味では、これは国民皆年金と言うことができると思います。
#97
○小林正夫君 確かに、年金を納めていない人、その人にも大いに問題ありと、このように思いますけれども、今の納付実態などを見ていると、本当は年金に入らなきゃいけない、強制的に年金に入る、こういう仕組みになっているにもかかわらず、年金を納めていない人が国民年金では特に四割ぐらいいるということを、このことをもって皆年金だと本当に言い切れるのかと、大いに私は疑問があるんです。
 それは、今後もやはり日本の国においては国民皆年金として継続してやっていくことは私も重要だと思いますので、ただ、今、舛添大臣が、国民皆年金になっているはずだと、そういう気持ちでいると、このようにおっしゃいましたけれども、午前中の大島議員の論議の中にも出てきましたけれども、二〇〇八年三月の中央公論に、麻生当時の衆議院議員ですね、去年の三月ですから総理大臣になる前ですけれども、中央公論に寄稿した中で、国民皆年金といううたい文句はもはや死語だ、学生や失業者にも一律定額の保険料の負担を求めるのは酷であり、未納問題の解決は難しいと言わざるを得ない、保険料納付が二十五年に満たない場合は年金が全く支給されない仕組みも理解し難いと、こういうふうに当時の麻生衆議院議員がおっしゃって、現在、総理大臣になっていますよね。
 ですから、麻生さんがこのときに言ったこと、その方が今総理大臣をやっているわけですから、総理大臣が思っていることと今、舛添大臣が国民皆年金についての思い、この辺にずれがあるんじゃないでしょうか。いかがですか。
#98
○国務大臣(舛添要一君) 例えば、二十五年をもっと短くしようとか、こういう議論はあっていいと思います。それから、要するに、先ほどの免除制度じゃないですけれども、非常に所得状況が悪くて年金の支払免除できる制度もありますから、その麻生論文が言っていることが一〇〇%確実に正確に現実の実態を反映しているかというと、いささか疑問符もあります。
 しかし、麻生総理がどういう思いでお書きになったか、私は麻生さんじゃないですからそれは何とも申し上げられませんけれども、しかしながら麻生さんが提起した問題で改革すべき点は改革するということを先ほど大島さんにもお答えしたとおりでありますので、それは問題提起としてきちんと対応すべきだというふうに思っております。
#99
○小林正夫君 先ほど言ったように、二〇〇八年の三月の論文ですけれども、そこで明らかにした人が今の総理大臣ですから、それは大臣、一度総理大臣とこの国民皆年金について話し合って、私から見れば、総理大臣と舛添厚生労働大臣の思いが違うから、本当にこれでいいのと、こんなような疑問があるんですけれども、どうですか。
#100
○国務大臣(舛添要一君) より良い年金制度にやるという原点は麻生総理も私も、ここにおられる皆さん方も全く変わらないと思いますから、政権に着く前、一国会議員として同じ与党にあってもこういう点は問題ですよとおっしゃることは私は別に悪いことではないというふうに思いますので、それを踏まえて、小林さんのお勧めに従って麻生さんともまたこの問題をよく議論したいと思います。
#101
○小林正夫君 この年金、今回の法案については重要広範議案ですから、また大臣と総理の出席があって話し合う、そういう審議の場があるかも分かりませんので、そういう中でしっかりこの問題についても聞いてみたいなと思います。
 そこで、今日は多くのサラリーマンの方が後ろに傍聴に来られております。私の方にも幾つか質問もあるんですけれども、実際に自分たちが厚生年金に入っていて、四十年間、厚生年金に入っていたら自分たちはどのぐらいのお金を拠出しているというか、保険料として納めているのかなと、こういう質問をよく聞くんですね。それらに関して少しお話をお聞きしたいと思います。
 六月二日のこの委員会で、同僚の蓮舫議員が世代間の給付と負担の関係の質疑を行いました。そのときに政府参考人から、厚生年金について、一九四〇年生まれの人は納めた保険料に比べ六・五倍、一九八五年生まれは二・三倍、国民年金では、一九四〇年生まれの人は四・五倍、一九八五年生まれの人は一・五倍と、こういう回答が参考人の方からありました。
 一九四〇年生まれの人は既に六十歳を超えておりますから年金をもらっている人なんですけれども、この人は保険料をどのぐらい納めたんでしょうか。
#102
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。
 お尋ねの、一九四〇年生まれで来年七十になる方と思います。
 過去に振り込んだ保険料の負担額は、単純に累計いたしますと、国民年金で約二百万円、厚生年金で約六百万円になろうかと思います。これを単純累計ではなく過去の賃金上昇率を用いて平均いたしますと、国民年金で約三百万円、厚生年金で約九百万円というふうに承知しております。
#103
○小林正夫君 もう一つお聞きをしたいのは、冒頭言ったように、四十年間厚生年金に入っている一般的なサラリーマンの人、この人の場合はおおむね保険料としては四十年間でどのぐらい納めているのかということと、国民年金についてはどうなのか、この額を教えてください。
#104
○政府参考人(渡邉芳樹君) せんだっての公表資料によりましても、世代によって負担する保険料と給付の違いが歴史的、制度的な変化であるということでございますが、そういたしますと、それぞれの世代によって、四十年といっても、どの保険料でどう納めたのかという、個々に違いは、世代ごとに違います。
 そこで、一定の前提を置かなきゃいけないので、私ども今、十六年改正ででき上がりの姿としてお示ししている国民年金、厚生年金の保険料月額というものをベースで先ほどのような計算をさせていただきます。そういたしますと、国民年金におきましては、平成十六年度価格での最終的な保険料月額一万六千九百円を四十年納めたといたしますと約八百万円となります。また、厚生年金におきまして、労使折半でございますので、御本人の家計からの支出ということで見ますと、本人負担分九・一五%、これを、賃金を男子の平均月額四十二万九千円というふうにあえて一定の基準で置きまして四十年間納めた場合を計算させていただきますと、厚生年金の場合は約千九百万円という保険料の納付総額になると。
#105
○小林正夫君 一般的に、四十年納めると、サラリーマンの場合では一千九百万ぐらい自分が納めている、これは折半ですから、企業側も同じ額を負担しているということになると三千八百万円ぐらい自分の年金はあるはずだと、こうなるんですね。
 この年金に対して、どのぐらい年金をもらうときになって支給されるのかと、こういうことが所得代替率かなと思っているんですが、でも、今の所得代替率の出し方は、自分本人が現役時代にもらっていたお金じゃなくて、その時代の平均的な所得者の数字を使ってやっているから、自分が幾ら納めたか、それに対してどのぐらいの倍率の言わば保険がもらえるのかどうかという、この数字は分からないんでしょうか。
#106
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほど、お尋ねのままに単純累計の数字で置きましたが、もう少し数理的な再評価等々を加えたものを公表資料のベースとし、それの一部を公表しておりますので、先ほどの年齢にぴたっと合わないかもしれませんが、こういう数字で見ております。
 基礎年金を含む厚生年金の男子平均の方ということになりますが、それを、計数を使いまして、最も若い二〇一〇年生まれ、来年生まれのゼロ歳と、こういうことで考えますと、今の価格に物価上昇率で割り引いて表示したもので申し上げますと、基礎年金を含む厚生年金につきましては、四千九百万円の保険料負担額に対して給付は一億一千二百万円という構成になります。
#107
○小林正夫君 正直、国民の人たちの関心はそういう数字だと思うんですよね。実際に自分が納めた保険料に対して年金もらうとなるとどのぐらいの倍率になっているかということは、私、大変重要な数字であり、また年金に対する信頼感だとか年金制度がなきゃいけないという思いはそういうところから私は明らかになっていくんじゃないかと思うんですね。
 是非、そういう意味で、今の数字は私は基礎的数字かなと思うものですから、これからの年金を考えていくに当たって是非そういう数字をきちんと公表していただいて、私たちは検討していく必要がありと、このことだけ指摘をいたします。
 もう一つ、無年金者のサンプル調査の関係なんですけれども、これは無年金になっている原因だとか今後の無年金者の発生防止の施策に活用することを目的に、社会保険庁の年金保険課長から五月二十日の日に、地方社会保険事務局長に無年金者に対する実態調査、こういうことが指示文書として出ております。これは民主党の私たちの勉強会の中で、この数字がどうなっているのかと、こういうことを何回にもわたって厚生労働省あるいは社保庁に聞いたんですが、やっとこういう調査をすることになったと。
 この調査の指示を見ますと、この回答が六月二日までに社保庁に回答しろと、こういうことになっているんですね。既にこの六月二日を過ぎておりますから、この調査結果は現在どうなっているんでしょうか。
#108
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 この無年金者にかかわるサンプル調査でございますが、その前に、十九年十二月のことでございますけれども、社会保険庁として、これは推計値でございますけれども、六十歳未満の方、それから六十歳代前半層、それから六十五歳以上の方というふうに三グループに分けて、無年金ではなかろうかと、私どもの社会保険オンラインシステム上、記録から見て推察されるその方の数というのを出しました。六十五歳以上のところが四十二万、六十歳代前半層が三十一万、こういった部分、若い人のところが四十五万と、こんなふうになっておりますが。
 現在、この委員会で御審議いただいている国民年金法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、この御審議が衆議院において、四月でございますけれども、あった際に、もちろんそれ以前から民主党の方より御要請があったわけですが、その審議の過程でも強い御要請があって、大臣の方でも無年金者を発生させないという観点からはこれは中身を、実態を把握することに意味があるんじゃないだろうかというようなことで、いろいろ考えまして、サンプリング調査を開始して、おっしゃるとおり五月二十日にスタートして、各事務局には、これは戸別訪問をした上でよく御事情を整理して、そして回答ということで私どもの方に、本庁の方に六月二日までに出せというふうに指示をしているところでございます。
 それで、非常に担当件数が少ない県と、東京が代表選手ですが、多い県とございます。相手方の御事情も様々というようなこともございまして、六月二日を超えて報告があったというところも幾つもございましたけれども、順次その中身を見ておりまして、そういたしますと、これは再確認が必要ではないだろうかというものが実は一定数出ております。
 したがいまして、それらについてはきちんともう一回現場にどの点を特に再確認すべきかということを明確に伝えながら、そういう指示を行いつつ、今精査作業を進めるとともに全体の集計作業を進めているというような状況でございまして、現段階では調査結果の内容についてはまだまとまってお示しすることはできない状況でございます。
#109
○小林正夫君 委員長、この年金審議、あるいは無年金者対策というのは本当に年金問題を解決するに当たって大きな課題なんですね。このことの調査を求めてやっと厚生労働省も調査、社保庁も調査に入ったんですが、六月二日までにその資料を上げなさいという指示に対して、まだまとまっていなかったり、改めてまた指示するということ。
 私は、こういうデータがないとこの年金審議というのは十分できませんから、この資料の提出を委員長に求めたいと思いますけれども。
#110
○委員長(辻泰弘君) 後刻理事会で協議しますが、めどがありますか。
#111
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 大変恐縮でございますけれども、回答の一つ一つの内容を見ますと、例えば一つの回答をしていただく……
#112
○委員長(辻泰弘君) 簡潔にお願いします。
#113
○政府参考人(石井博史君) はい。つまり、内容的に整合性が取れていないとか、それからお聞きした内容があいまいで趣旨がいま一つ一義的に正確に把握できないとか、そういうような内容のものがあるものですから、これはやっぱりきちんとはっきりさせた上で御報告したいというふうに思っておりまして、今その作業を進めているところでございますから、鋭意進めますけれども、作業の時期については、これはちょっと申し上げられないということで御理解いただきたいというふうに思います。何しろ、しかし急いでおります。
#114
○委員長(辻泰弘君) 理事会で協議することができますが、どうしますか。
#115
○小林正夫君 やっぱり大変大事な資料で、無年金になっちゃっている人もいるわけですから、そういう人たちを解決をしていかなきゃいけないということ、こういうことを政治がやっぱり取り組むべきで、今求めている資料について、それは完璧なものじゃないかもしれないけれども、やっぱりそういう資料を出してもらわないとこの年金審議がきちんと行かないというふうに思いますので、委員長の方にこの資料の提出についてよろしく御配慮いただければと思います。
#116
○委員長(辻泰弘君) これは、かねてより委員会で要求されてきた資料でもございますので、できた段階でまた委員会の方にも御報告いただくということで対応させていただければと思いますが、いかがですか、小林委員。
#117
○小林正夫君 はい、結構です。
#118
○委員長(辻泰弘君) じゃ、そういったことで対応させていただきたいと思います。
 理事会でもう一度お諮りさせていただきます。
#119
○小林正夫君 残された時間が十分程度になりましたので、少し通告の内容をはしょって質問をいたします。
 今日、お手元に資料三と四、五を用意をいたしました。
 資料三については、国民年金の納付率の推移で、今まで多くの議員が提出をされている資料と同じなんですが、あえて今年の二月分までの累計の数字を入れてみた、の表でございます。したがって、今年の二月分までを総合計すると六一・五%が今の納付率になって、これだけずっと下がってきているということなんです。大いに問題ありと。
 そこで、大臣に次の四の資料を見ていただきたいんです。
 これは、今年の参議院の予算委員会のときにいろいろ資料要求をしたところ、厚生労働省からいろんな数字のデータをいただいたんです。その数字を基にして、私の方で折れ線グラフに直してみたんです。折れ線グラフに直してみるともう顕著に分かるところは一番下のところなんですが、この国民年金の年齢別納付率の推移の中で、二十五歳から二十九歳のこの折れ線グラフと、二十歳から二十四歳の折れ線グラフが二〇〇四年の段階で入れ替わっているんですね。要は、それまではやはり年齢の低い人たちが納付率が低かったと、上の方に書いてある年齢の上の方の人たちは八五・五%も納付率があったという、こういうことの推移なんですが、舛添大臣、この二〇〇四年の段階で、二十五歳から二十九歳のランクと二十歳から二十四歳のランクがここで入れ替わっちゃったと、このことは舛添大臣、どういうふうに感じますか。
#120
○国務大臣(舛添要一君) なぜそうなったかはちょっと細かい分析をしてみないと分からないというふうに思いますが、学生さんの時代の方が上になっちゃって、働き始めてというようなのがあるので、恐らくこれはまだ、まさに分析しないと分からないけれども、直感でというか申し上げますと、一つは就職し始めて非常に経済情勢もここのところ良くない、それで初任給水準がどうだったかと、こういうデータも見てみないと分かりませんけれども、やっぱり先行き不安、今若い人たちが、恐らく二十五―二十九だから、まだ今の平均からいうと結婚していない可能性も高いので、単身で生活していて、生活費その他の負担を考えたときに、非常に生活状況は良くないと、そういうことの反映なのかなというような感じがします。ちょっとこれは調べないと分かりません。
#121
○小林正夫君 私はこう思うんです。
 今日の午前中の谷岡議員の質疑でもお話が出ていましたけれども、学生さんに対しては特例措置があると、こういうことなんですが、私は、この二十歳から二十四歳までの人は学生、大学生ということも多いのでこの人たちが一番低くて、そういう理由かなと。ところが、二十五歳から二十九歳の人が二〇〇四年で逆転をして、今は二十五歳から二十九歳の人が納めている割合が一番低いということは、私は、この人たちはもう既に働いて収入がある人じゃないかと思っているんですよ。その収入がある人が自分の意思で納めないと、国民年金を、私はこういう前兆じゃないかと思っているんですよ。
 そういう意味で、この厚生労働省からもらった数字をこうやってグラフに直してみるとこういう現象が起きていた。私は、二十五歳から二十九歳という人たちは、繰り返しになりますけれども、働いて自分の収入がある、あるにもかかわらず国民年金を納めない、そういう国民年金全体に対する不信感と、これから何か年金を納めない人が増えていく前兆じゃないかなと私は受け取ったんですが、いかがですか。
#122
○国務大臣(舛添要一君) そういう可能性もあるかもしれません。ちょっと細かい分析をしてみたいなという気がしますね。
#123
○小林正夫君 それともう一つ、五の資料なんですけれども、これは厚生労働省が明らかにしている各都道府県別の納付状況ということで、赤枠で囲みましたけれども、沖縄県が四二・八%、一番いい数字が島根県で七七・六、おしりから二つ目の大阪府が五四・四、いずれについても三〇%から二〇%以上この島根県から比較すると納付率が悪いという状況ですね。これは、社保庁の方が幾ら努力しても、言わば社保庁の方の努力の範囲を超えた数字だと思うんですよ、これだけの三〇%以上の開きがあるということは。
 このことに対して舛添大臣、どのように思いますか。また、このことをどういうふうに克服していくのか、お聞きをしたいと思います。
#124
○国務大臣(舛添要一君) この地域差の原因もいろいろ調べてみないと分かりません。島尻さんおられるから、なぜ沖縄がこんなに低いか。私の一つの答えは、相互、何と沖縄語で言いましたかね。(発言する者あり)ユイマールという、非常にお互いに助け合うということとともに、私が知っている限りにおいては、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住んでいる、三世帯が住んでいる世帯も非常に多くて、そういう何というか、公的な年金制度に頼らなくても自分たちの相互の助け合いでというような面があるのかなというふうに思いましたし、分かりません、それはなぜそういうふうになっているかということで。
 ただ、なぜ島根が高いかというのは、昔は、投票率が高いところが高いのかなと、これ島根なんかを見て思いましたけれども、分かりません。ですから、ただ、地域差があることは決していいことではありませんので、どういう形でこれを変えていくかということも非常に必要なんで。
 恐らくもう一つは、市町村に徴収義務を頼んでいて、それからある意味で社会保険庁直轄みたいになった、こういうこともどこかで影響しているのかもしれません。
 いずれにしても、多角的に分析しないといけないんで、取りあえずのお答えはそれぐらいしかできません。
#125
○小林正夫君 時間がないので、指摘だけしておきたいと思いますけれども、六番の資料です。これはやはり厚生労働省からいただいた資料をグラフ化してみました。
 二〇〇一年度と二〇〇七年度のこれは厚生年金の老齢年金の受給者の分布ということなんですが、二〇〇一年度を見ると二十万円から二十五万円の人たちが一番多かった。二番目が黄色の層の十万から十五万円であった。ところが、二〇〇七年度を見てみると、十万から十五万円の受給者が一番多い、こういうランクになっている。全体的に見ていただくと、やはり受け取る金額が少ない方に厚生年金がシフトされてきちゃっている、こういうことなんです。
 ですから、今の厚生年金制度を含めて全体的な年金制度自体に不安があるという、私はこういうところも大きな一つの要因になっている、このことについても論議をしたかったんですが、時間がないので、こういう問題があるということだけ指摘をします。
 七の資料ですけれども、これは第一号被保険者の就業状況の推移なんですけれども、平成八年度、十七年度を比較すると、自営業者が極端に少なくなり、臨時・パートがこれだけ多くなっていると。したがって、年金を適用していく事業所だとかパートだとか、こういうところにも年金を、やはり特にそういう意味では拡大をしていかないと、年金を支えていく人のやはり数を増やしていく、このことが私は必要だという、こういう論議をしたかったんですが、是非この表からそういうことを読み取ってもらいたいと、このことをお願いをしておきたいと思います。
 最後になりますけれども、時間がないのでこれで質問を終わりますけれども、やはり未納の問題だとか、今言ったように厚生年金が減少していくと、もらう額が、あるいは百年安心とうたった政府の今の年金制度に対していろんなもろもろの要因から不安要素がある。で、社保庁の大きな問題がありミスがあった。やはり、そういうことを考えていくと、私は、やはりこの年金制度を新たに設けて、本当に年金制度を維持していくという視点で新たな年金制度をつくるということになれば、私は、政権交代して民主党がこの年金制度についてしっかりやっていく、このことしかないなと、こういうことを今日は質疑で強く感じたということを申し述べて、質問を終わります。
 以上です。
#126
○岸宏一君 岸でございます。
 この年金の論議は随分と時間を重ねてまいりました。今日も非常に、私の能力から見ますというとレベルの高い議論もございまして、大変勉強にもなりました。実は、私は一九四〇年生まれですから、何か今日の小林先生の御質問によると大変得をする年代だということで、何かいい年に生まれたのかなという思いもあるわけでございます。
 さて、大臣に一つお答え願いたいんですが、この前、先週の木曜日だったと思いますけど、蓮舫先生とそれから小池先生から例の郵便物の不正事件、これについて御質問がありました。その御答弁の中で、調査チームだったか調査委員会だったかができた、あるいはつくるといったようなお話がございましたが、どうも私の聞き方が悪かったかと思いますが、よく聞き取れなかったんでございまして、ひとつこの問題、非常に重要な問題でもありますし、大臣はこういう不正事件にいっぱいかかわって苦労をしてまいりましたので、かかわってというのは、これは別に直接かかわったんじゃなくて部下の起こした事件ということでございまして、大変恐縮でございますが、このことについて一言ひとつコメントをお願いいたします。
#127
○国務大臣(舛添要一君) 省内の職員が逮捕されたということは、大変これは残念に思います。
 それで、これは省内でもきちんと調査をしないといけないということで、五月の二十七日に省内に調査チームを既に発足をさせております。そして、この今回の事案について様々な観点から、審査のプロセスがどうであったのか、こういうことも含めて徹底的に調査をさせるということであります。ただ、片一方で、今当局による捜査が進んでおりますから、この判断に予断を与えるような形ではできませんと。
 ただ、私が冒頭から申し上げているのは、我々としても明らかにすべきは明らかにする、そして捜査当局のこの一連の捜査については省を挙げて全面的に協力をするということであり、ただ、今捜査が進んでいる段階でありますから、我々の調査も進んでおりますけれども、これは時期を見て、捜査当局による事実の確定が明らかになった暁に我々の調査の内容についても公表したいと、こういうふうに思っておりますので、厚生労働省改革という大きな目標に向かって進んでいるときにこういう事案があるというのは誠に遺憾でございますので、きちんと襟を正し、処分すべきは処分すると、そういう厳しい態度で臨みたいと思っております。
#128
○岸宏一君 調査チームをつくられたということでございますが、恐らくは関係書類等々は警察の方ですか、押収されておられて、内部調査をする上でいろいろ不都合があろうかと思いますが、まずはやっぱり警察の捜査に調査チームも全力を挙げて協力をして、さらに内部でできることについて調査すると、そういった姿勢が必要ではなかろうかと、そういうことがやっぱり国民からも理解を得られるんじゃないかということを考えましたので、一言付け加えさせておきたいと、こういうふうに思っております。
 さて、昨日でございましたか、内閣府で発表しました景気動向指数というのが非常に良くなったと。先月、これ四月分だそうですけれども、三月分と比較すると非常に良くなって、トータル的にいえば下げ止まり、景気のですね、下げ止まりの感があるといったことが出されておりました。
 私の記憶が間違っていなければ、この一月から三月のGDPの伸び率は年率に直すとたしか一五%ほど下がったというふうに聞いておったので、ちょっと間違いかも分かりませんが、それと比較しますと、これ比較をする数字じゃないのかもしれませんが、ちょっとこれ、この一致指数というのをひとつ詳しく御説明をいただけませんでしょうか。
#129
○政府参考人(杉原茂君) 景気動向指数について御説明させていただきます。
 景気動向指数というのは、鉱工業生産指数など景気に敏感な主な経済指標をその量的な動きを合成をして経済の量的な変動のテンポを定量的に把握をするという、そういうことで作成をしておる資料でございます。
 今御指摘にありましたように、四月の数字でございますけれども、確かに改善をいたしました。その数字はCIの一致指数と呼ばれる指数でございますけれども、昨年の後半以降かなり急速に低下を続けておったんですけれども、四月になりまして、前月に比べて一・〇ポイント上昇いたしまして八五・八となったということで、これは十一か月ぶりのプラスになったということでございます。
 景気動向指数につきましては、指数の基調の判断の基準というのを設けておりまして、その判断の基準に従って現在の状況がどうかということを基調判断として示しておるわけなんですけれども、その基準に従いますと、景気動向指数については悪化を示している、しかしCI一致指数の前月差が十一か月ぶりにプラスに転じるなど、下げ止まりの動きも見られるというふうに基調判断が設定されるということでございます。
 ただし、我々としては、この動きがこのまま続くかどうかということは更に注視をしておかなければいけないというふうに見ておるところでございます。
 なお、このCIにつきましては、CIの基調判断ということでやらさせていただいておりますけれども、政府としての正式の景気判断ということは月例経済報告でやらせていただいているということでございます。
 以上です。
#130
○岸宏一君 これ、生産財出荷指数、それから所定外労働時間指数(製造業)となっていますが、これはこのアップが結構大きいわけですよね。これは、中身的にいうとどんな業界がいいとか、そういうことがこの数字から分かるわけでしょうか。
#131
○政府参考人(杉原茂君) 失礼しました。
 CIにつきましては、幾つかの経済の代表的な分野を設定をして、その分野を代表する主要な指標を選ぶということでやってございます。今御指摘にあった生産指数とかいう話はまさに生産関係を表すというものでございます。それ以外に、例えば設備投資とか雇用とかあるいは消費、そういったものを表す指標を取ってございます。
 大ざっぱに申せば、まさに生産関連の指数というのは結構プラスになってきておるということで、生産は比較的いい方向に動いておるということかと思います。ただ、雇用とか設備投資、それから消費などについてはまだ足下それほど改善の動きが見られるわけではないという、そういうような感じの動きになってございます。
#132
○岸宏一君 別の新聞を見ますというと、四月は自動車、電機の生産回復というふうに出ているんですけれども、これはどうですか。これは本当なんですか。
#133
○政府参考人(杉原茂君) 失礼いたしました。
 生産指数の内訳ということで申せば、まさに電機関係とか自動車が、ちょっと手元に資料持っておりませんけれども、特に自動車なんかが相当プラスに寄与しているということだったかと思います。
#134
○岸宏一君 そうしますと、これは恐らく二次補正で自動車のエコ関係とか電気の製品のエコポイント、こういったものも多少影響しているのかなという気はしないでもありませんが、これはお聞きいたしません。
 ところが、一方、求人倍率というのは減っているわけですよね。まだまだその辺までは行っていないということでございます。それから、失業率なんかについては、これは指標として出しているんでしょうか。
#135
○政府参考人(杉原茂君) そのCIの中で三つの種類の指標、指数がございまして、先行指数、一致指数、遅行指数というのがございます。それは、それぞれ景気に先行して動くような指数、同時に動く指数、それから遅行する指数ということでやってございます。
 今御質問がございました失業率については、遅行指数ということで含めてございます。ですから、失業率が上がれば、そういう遅行指数の下押し圧力になるということになってございます。一致指数のうちにも雇用関係の指数というのは二つございまして、製造業の所定外の労働時間、それから有効求人倍率というものがございます。所定外労働時間につきましては、生産の増加につれて四月、増加をいたしましたけれども、有効求人倍率については引き続き倍率の低下が見られたということで、一致指数に対してマイナスであると。つまり、一致の中でも雇用関係はそれほど良い方向ではまだ動いていないという、そういう状況でございます。
#136
○岸宏一君 失業率は、これは遅行指数と言うのだそうですね、今のお話ですと。
 そうしますと、太田局長、ちょっとお尋ねしますが、遅行指数ですから、一致指数がだんだんだんだん良くなっていけば、ある一定の時間がたてば失業率も低下するのかなという我々は期待を抱くわけでございます。この点について、今までの経験則というんでしょうか、過去の例などからどういうふうに判断されるか、あるいはどんな考えを感じているか、これについてひとつ局長からお聞きしたい。
#137
○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。
 現下の雇用失業情勢でございますけれども、四月の完全失業率が五・〇%、それから有効求人倍率が〇・四六倍ということで過去最低水準でございまして、厳しさを増しているという状況がございます。
 今後の見通しなり、今までの経験でどうなるかということでございますけれども、先ほど来お話ございましたとおり、有効求人倍率は景気の一致指標でございますけれども、まだまだ下げ止まったという状況ではございません。また、遅行指標、遅れる指標であります失業率につきましては、通常は景気の回復よりも半年から一年程度遅れるという状況がございます。例えば、前回の景気の谷でございました二〇〇二年一月以降の景気回復局面におきましても、完全失業率は五か月後の二〇〇二年六月に五・五%まで上昇した後、一年三か月後の二〇〇三年四月にも五・五%ということで、半年あるいは一年以上高止まり傾向が続いたということがございます。
 したがいまして、こういう従来の経験からして、あるいは今回の経済の実態、様々な状況を総合しますと、まだまだ今後の雇用失業情勢、引き続き厳しい状況が続くものと考えているところでございます。
#138
○岸宏一君 遅行指数でございますから、確かに遅れて指数として表れてくると、そういう意味なんだと思いますよね。
 しかし、全体的に見れば、下げ止まり感というか、そういう空気が見えてきたということは非常に喜ばしいといえば喜ばしい。したがって、今後半年ないし一年以降に早くこの失業率が下がるように、特に今回は二次補正で様々な雇用対策を局長、予算化して講じたわけでございますから、ひとつ局を挙げて頑張っていただきたい、こういうことを申し上げておきたいと、このように思っております。
 続いて、これも昨日ですか、骨太〇九の素案が出されたわけでございます。これにつきましては、今までの私たちが考えていたものから見ますと、プライマリーバランスについても、あるいは財政再建についても、それから、言ってみればGDPに対する起債額というんですか、公債費率というんですか、公債の割合を下げる、こういうことについても少し先送りになったようでございますけれども、これについて、これも内閣府でございますけれども、こういうことが発表されるまでにいろいろな議論があって経済財政諮問会議に示されて素案として作られたというふうに思うわけですけれども、この素案を出されるに至った経緯というか経過というか、それから背景といったようなものをひとつ御説明をしてください。
#139
○政府参考人(西川正郎君) お答え申し上げます。
 財政健全化目標につきましては、これまでの国、地方のプライマリーバランスを二〇一一年度までに黒字化するという目標を達成することが困難な状況となっております。その背景といたしましては、世界的な金融危機と経済悪化を受けて、我が国経済及びまた税収が想定外のペースで落ち込んでいることなどがございます。
 これまでの骨太〇六の方針では、二〇一一年までにプライマリーバランスを黒字化するというほか、債務残高の引下げについても目標を掲げておりましたが、取りあえずこの二〇一一年度までの黒字化という目標が困難になった状況にございます。
 しかしながら、今後を見ますと、二〇一〇年代初頭以降、団塊の世代が年金受給者となり始めるなど、高齢化が一層進展する中で、歳出、歳入両面での改革を含む財政健全化に向けた取組は重要な課題となっており、現世代の責任であると考えられます。短期は大胆、中期は責任との方針の下で、責任ある財政健全化への取組方針を示す必要があると考えられるところでございます。
 また、他の先進各国を見ましても、景気回復後の財政健全化の基本スタンスを明確化している中、我が国におきましても、責任ある財政健全化への取組方針を示すことにより、市場の信認を得るということが景気の足下回復を実現していく上で不可欠であると考えております。
 こうしたことから、六月九日の経済財政諮問会議におきまして、有識者議員から以下のような新たな財政健全化目標についての御提案をいただいたところでございます。具体的には、財政の持続可能性を確保するため、財政健全化目標の基本として、国、地方の債務残高対GDPを位置付けることとしております。これを二〇一〇年代半ばにかけて少なくとも安定化させ、二〇二〇年代初めには安定的に引き下げることとしております。この債務残高GDP比の引下げの道筋を制御するためのフローの目標としては、今後十年以内に、国、地方のプライマリーバランス、つまり基礎的財政収支の黒字化の確実な達成を目指すこととしております。さらに、当面の経済財政運営に当たっては、まずは景気を回復させ、五年を待たずに、国、地方のプライマリーバランス赤字から景気対策によるものを除いたその対GDP比を少なくとも半減させることを目指すとしております。ただ、この五年、まずは五年を待たずにという目標につきましては、現下の世界経済等の流動的要素にかんがみ、時宜に応じた検証を行うこととしております。こうした有識者議員からの提案につきましては、会議ではおおむね大筋の合意がなされたところでございます。
 現在検討中のこうした新たな財政健全化目標につきましては、今月取りまとめる予定の基本方針二〇〇九においてお示ししたいと考えております。
#140
○岸宏一君 百年に一度の経済危機ということで、大型の二次補正を組んで、三段ロケットなどなどといった、そういう議論がされた、その後にこういう素案が出たということで、何というんでしょうか、いろいろな思いが我々錯綜しておるわけでございますが、例えば大臣、いかがでしょうか、この素案が閣議決定をされるとした場合に、どうも二千二百億円の例の社会保障費の問題、かなり締め付けが厳しいのじゃないかという、そういう心配がなされる向きが非常に声として大きい。こういうことについて厚生労働省の代表者として閣議でいろいろなことを御発言なさる御覚悟もお持ちだろうと思いますが、また我々もそういったことを期待はするわけでございますが、これらのことについて、今のところどんなお考えを持っておられるか、これをひとつお聞きしたいと思います。
#141
○国務大臣(舛添要一君) 何度もこの場でも申し上げておりますように、二千二百億円の社会保障費の削減というのは既に限界に来ている、弊害の方が大きくなっております。そして、国民に安心を与えるために、年金、福祉、医療を含めて社会保障の充実をしないといけません。
 そういう観点から、大胆に政策転換を図るべきだと思いますので、この方針の中で、基本方針二〇〇六等を踏まえという文言が明確にあるということは、解釈のしようによっては二千二百億円の削減をそのまま堅持するというふうに読まれかねません。したがって、そういう懸念をどうして払拭するのかということが必要でありますし、最終的には、昨年もそうでしたけれども、社会保障や医師不足の問題、例外として取り扱っていただいて、二千二百のうちのジェネリックで対応したのは二百億ちょっと、あとは何とか努力をしてひねり出したわけですけれども、そういうことに努力をするのではなくて、いかにいい社会保障制度にするかということに努力をすべきであるというふうに思いますので、引き続きこの新しい骨太の方針について、私なりの考え方は閣内で申し上げていきたいというふうに思います。
#142
○岸宏一君 委員長、内閣府の方々は帰っていただいて結構でございます。
 それでは、今までの長い時間、年金改正法案、年金全体の議論がいろいろなされてまいりました。私、これから申し上げること、既に一部、大島先生からも質疑があったんで少し重複することもあろうかと思いますが、ひとつお許しをいただきたいと思います。
 大臣には、就任以来本当に、最初に冒頭申し上げましたように、厚生労働省内の様々な不正事件に遭遇されたというんでしょうか、なされて、その処理に非常に御苦労なすったこと、これは心から敬意を申し上げたいと、御苦労さまと申し上げたいと、こういうふうに思います。
 いろいろ考えてみますと、先ほどの大島議員の御質問の中にもありましたが、最初は、あれは何ですか、個人情報の盗み見の問題ですね、これがありました。これ私、ちょうど選挙のときでございまして、あの当時、あんたも未納があったんじゃないかということをマスコミからいろいろと言われました。考えてみれば、マスコミが個人情報をそういう形で分かることがおかしいわけでございますけれども、時代の、何というんでしょうかね、あれは大変なものでありまして、様々な有名人や政治家がごめんなさいという話で、要するに盗み見をした方がスターみたいな格好になっちゃう、そういう変な現象があったことを記憶しております。これについて、その後、社会保険局においていろんな反省もし、手だても講じたことだと思います。
 それからさらに、事件として大きな事件は、例の年金の横領事件でございましたですね。年金の横領事件で舛添大臣が、盗人は牢屋に入ってもらう、この一言が国民から喝采を浴びて、一躍この社会保険庁の問題に国民的な関心が深まった。それと同時に、例の年金の問題が発生いたしまして、様々な対応が迫られたわけでございます。
 こういった事件を総括して、舛添大臣、この事件の総括をした上で、一体そもそもこんなにたくさんの不正事件が起きた、これは一体どんな原因だったのだろうかと。調査委員会でも様々出されました。ここで、今回は一月から年金機構に移るわけでありますから、一体この移ることを機会にもう一度ひとつ深い反省を持ってどういう対応をしてきたか、どういうことをなすかといったことについて御覚悟をひとつお聞きしたいと思います。
#143
○国務大臣(舛添要一君) 年金記録問題は、政府・与党の工程表に基づいて一歩一歩進めてきております。ですから、一億九百万人分ねんきん特別便をお送りしまして、七千四百万人から御回答をいただき、そのうちの六千七百万人については処理をしたと。
 この処理の過程でも様々新しい問題が出てきております。これは確実に一歩一歩解決していかないといけないと思いますけれども、しかしいろんな要因があると思います。これは社会保険庁自身の組織の問題、三層構造ということもあり、これをまた変えていく。そして、来年からは日本年金機構に衣替えするわけですから、やはり年金というのは国民の老後の大事な蓄えの元になるわけですから、そういう意味で、政府全体や国家全体に対する信頼を失う大きな問題が年金記録問題などの問題でしたので、この問題を粘り強く解決していきながら、そして新しい組織の中で引き続ききちんと年金が支払っていけるような体制を整えないといけないというふうに思っております。
 これまで様々に議論を与野党を通じて行ってきましたけれども、そういうものが一つ一つ成果として形として表れていかないといけないというふうに思っております。そういう意味でも、できれば、今少し人的資源の投入を行っておりますので、来年の新しい日本年金機構ができるまでには相当程度この記録問題の解決をやっていきたいと思っております。
#144
○岸宏一君 そういう結果において、年金機構を来年の一月でしたか、つくることになったわけでございます。国民は、小林先生からもお話ございましたけれども、年金に対する不信感というものを払拭するには相当な努力と決意が必要だというふうに思うわけです。
 そこで、今回のこの年金機構というのは、閣議決定された基本計画によってつくられることになったわけでございますけれども、今どのようなところまで作業が進んでいるか、これをひとつ御説明いただきたい。
#145
○政府参考人(薄井康紀君) 日本年金機構の設立準備を担当している立場でお答え申し上げます。
 今ほど岸委員から御指摘ございましたように、昨年の七月に日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画というものを閣議決定いたしております。この基本計画の中で、機構の組織体制、それから業務委託の推進あるいは職員の採用、こういったことについての基本的な考え方、大枠が示されているところでございます。
 これに沿いまして具体的な準備を進めていくということで、昨年の十月には厚生大臣の方から設立委員が任命されておりまして、この日本年金機構設立委員会におきまして、これまで都合九回、会を持たれておりますけれども、職員の採用基準、労働条件、それから社会保険庁職員から機構に採用される者の内定、それから機構の業務方法書、こういったものについての決定がなされてきているところでございます。
 また、機構の組織体制、これは本部と、ブロック本部と年金事務所という構造になりますけれども、こういった組織の骨格、あるいは先ほど来御指摘ございますように様々な問題がございましたので、これからはガバナンス、コンプライアンスの利いた組織にしていかなければいけないということで、コンプライアンス委員会の設置等の内部統制システムの構築、こういったことについても設立委員会で御議論をいただいているところでございます。
 また、今年の二月には、厚生労働大臣から、日本年金機構の理事長となるべき者ということで紀陸孝氏が指名されているところでございまして、この理事長となるべき者の指示、判断を仰ぎながら、現在、社会保険庁で実施しております様々な業務を、来年の一月からは日本年金機構で円滑にそれを引き継いで実施をできるように諸準備を進めているところでございます。
 日本年金機構が国民に信頼される組織としてスタートできますように、設立準備に全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#146
○岸宏一君 コンプライアンスでありますとかガバナンスでありますとか、こういったものは、調査委員会の報告を受けてその反省に立ってつくられるということになろうかというふうに思いますが、ところで、その中で、固定的な三層構造を一掃するための人材登用の仕組み、これをやるんだと、こういうふうに書いていますけれども、これはどういうことを考えているんですか。
#147
○政府参考人(薄井康紀君) 従来の社会保険庁の組織というのは、以前、地方事務官ということで各都道府県の中で人事が一般的に行われていると、こういう状況でございました。そして、全体について申し上げますと、社会保険庁本庁幹部に厚生労働省からの出向者がいる、それから社会保険庁本庁採用の職員がいて、その職員が、これは地方の、以前は各都道府県の保険課、国民年金課、平成十二年からは各都道府県の社会保険事務局の局長等として行くと。それから、各都道府県の中で採用された方は主としてその県の中で動かれる、こういう形でございまして、その間の意思疎通といいましょうか、そういうようなのが非常に不十分であったと、こういうことも、年金記録問題を始めとする様々な問題の言わばバックにあったと、こういう御指摘をいただいたところでございます。
 これにつきましては、これを改めていくというのが日本年金機構においても非常に重要な事柄でございますので、基本計画の中におきましても、基本的には日本年金機構の人事というのは全国一体としてやっていくと、そういう形で仕組むということが書かれておりまして、それを踏まえましたいわゆる体制構築ということでございます。
 現在、社会保険庁に勤務しております職員からも新しい機構に移る者がいるわけでございますけれども、採用される者がいるわけでございますが、その採用に当たりましても、これからは基本的には全国規模で異動することがあり得ると、こういうことを前提として募集をしたところでございます。
#148
○岸宏一君 そこで、職員の採用・人事関係についてちょっと疑問があるんでお聞きしたいんですが、大体、この社会保険庁で今までの不正事件、いろいろあったんですよね。その中で、職員全部の人数それから懲戒処分を受けた者のトータル、これの人数はどうなっていますかね。
#149
○政府参考人(薄井康紀君) 正確な数字は今ちょっと手元にございませんけれども、社会保険庁の職員数一万三千名強という数字でございます。それらの者の中で、これ元々は一万七千ぐらいおったわけでございますけど、全国健康保険協会、昨年できました、それに移籍をした者とか医療保険の関係で地方厚生局に移った者等ございますので、平成二十一年四月一日時点で在職しております者が約一万三千名ぐらいとお考えいただきたいと思いますけれども、その職員の中で懲戒処分を受けた職員は七百九十二名ということでございます。一人で複数という者が残念ながらおりますので、件数としては八百十九件ということでございます。
#150
○岸宏一君 その懲戒処分を受けた職員は年金機構には採用しないということ、間違いありませんか。
#151
○政府参考人(薄井康紀君) 日本年金機構の先ほど来申し上げております基本計画におきまして、戒告以上の懲戒処分ということになりますけれども、それを受けた者につきましては日本年金機構には採用されないということになっておりまして、社会保険庁職員からの募集の際の職員の採用の基準の中にもそのことがうたわれております。先ほど、いわゆる日本年金機構への採用の内定というのを先日、設立委員会で行われたと申し上げましたけれども、その中には懲戒処分を受けた者は含まれていないということでございます。
#152
○岸宏一君 そうしますと、懲戒処分、戒告以上の懲戒処分を受けた者は七百数十名ですね。この人たちはどうなるんでしょう。
#153
○政府参考人(薄井康紀君) これは、この懲戒処分を受けた者ということだけではなくて、先ほど申し上げたように、今現在、社会保険庁にいる者全員が日本年金機構に採用されるわけではございません。そういう者につきましては、これは基本計画の中にも書いてございますけれども、分限回避に向けまして最大限の努力をしていくということになると考えております。
#154
○岸宏一君 ちょっとお伺いしますが、この戒告以上の処分を受けた方で一部厚生労働省に回るという人がいるというふうな話を聞いたんですが、これは事実であるかどうか。事実であるとすると、何か変だなと。そういう方々については、いろいろ法的な問題もあろうけれども、もう少し厳正な対処をする必要があるのではないかという声が強いわけですけれども、これ、どなたかの先生も質問されたような、古川先生でしたか、されたように思うんですが、重複しちゃって申し訳ないが、もう一回ひとつお答え願いたい。
#155
○政府参考人(薄井康紀君) 厚生労働省への転任ということでございますので、それは私ども社会保険庁の立場でお答えすることは適当ではないのかも分かりませんけれども、バックグラウンドだけお答え申し上げたいと思います。
 先ほど来申し上げておりますように、昨年七月に決定をされました基本計画におきましては、国民の信頼を得ることができる組織としてスタートするということで、懲戒処分を受けた者は日本年金機構の職員には採用されないということにされたわけでございます。これらの者を含めまして、先ほども申し上げましたけれども、日本年金機構に採用されない者につきましては、最終的には国家公務員法の規定に基づきます分限免職の対象になり得るという形になるわけでございますけれども、分限免職回避の努力を尽くさずにそういうふうな処分をした場合には権利の濫用となるといった裁判例あるいは解釈といったものがございます。
 こういったことも踏まえまして、基本計画におきましては、機構に採用されない職員につきましては、退職勧奨あるいは厚生労働省への配置転換、官民人材交流センターの活用、こういった分限免職回避に向けてできる限りの努力を行うとされているところでございまして、私どもとしてはそういうふうな努力をしてまいるというのがまず第一だろうと思っております。
#156
○岸宏一君 そのことについて答える立場にないということだとすると、これは厚生労働省側が答えるということになるんでしょうか。大臣、いかがでしょうね。
#157
○国務大臣(舛添要一君) 今答えがありましたように、分限回避努力はしないといけないことになっておりますから、民間にあっせんしたりとか人材交流センターを使ったりいろいろやって、それでももう残ったらここで分限免職ということになると思います。ですから、一応そういう努力をした上でというルールになっていますので、それにのっとって行いたい。ただ、厳正なる処分を下して、国民のために働けない者は採用しないと、それが大原則であります。
#158
○岸宏一君 ここでやっぱり厚生労働省が国民から信頼を得るためにはこういうふうな問題をやっぱりおろそかにしてはいけないということが非常に大事なことだろうというふうに思います。一般的に考えても、どう考えても、日本年金機構に移れない者が厚生労働省に行くということ自体、なかなか一般国民には理解はしにくいだろうということだけ申し上げておきます。
 さて、今まで年金の問題について、この法改正、いろいろお話がございましたが、我が国の公的年金は制度として、言わば加入者は七千万人、受給権者は三千四百万人、給付費の総額は約五十兆円、保険料収入は約三十兆円に達していると。しかも、高齢者世帯の六割の人が年金だけを頼りとして生活しているという実態があるというふうにお聞きいたしました。
 基礎年金の原則は、老後生活の基礎的な費用に対応し、現役時代に構築した生活基盤や老後の備えに合わせて一定の水準の自立した生活を可能にする、そういった水準を設定していると、こういうふうにはなっているわけでございますけど、こういうふうに六割の方々が公的年金に頼られるという、そういう実態を考えますというと、やはりこれは、社会保障改革推進懇談会や社会保障審議会年金部会の中間的な整理等々にも提言されておりますように、どうしてもいろいろとこの年金の制度を今後改正していかなければならない、改めていかなきゃならない、充実していかなきゃならない、そういった面が非常に多かろうと思うんですね。
 そういった点で、例えば厚生年金の適用範囲の拡大といったものも、これも一つ非常に重要なことであろうと思いますし、低年金や、それから特に高齢者の単独で暮らしている方の低年金というんでしょうか、こういった態様をいろいろ考え合わせると、やはりこの最低保障年金といったようなものについても考える必要が出てくるんだろうなという思いを強くするものですよ。私も単身老人でございますから、何となくその苦しみが分かるような気もいたします。
 そこで、こういうことを考えて、今後の、大きな意味で、公的年金制度、これはどういうふうに対応していくべきかというようなことについて、大臣あるいは局長、それぞれお話をしていただきたいと、こういうように思っております。
#159
○政府参考人(渡邉芳樹君) 大変大きな観点から年金制度の課題というものをかいつまんで説明せよと、こういうお尋ねでございます。
 確かに、大変な高齢化時代を迎えておりまして、現行制度ですら大変大きな課題を持っている。
 しかし、その中で、昔は、今ちょっと手元にありますけれども、高齢者世帯の収入の中で公的年金が占める比率というのは、昭和五十年ごろには三〇%強だったんですね。今先生、六割の方が高齢者世帯で年金だけ、高齢者世帯全体でいいましても収入の七割は公的年金でございますが、昭和五十年を振り返ると三割だったわけです。
 その間に、もちろん地域社会、家族社会の、家族の変化というのはあるわけですが、公的年金ができましたころには高齢者世帯の中で被保護率が二三・三%、昭和三十六年当時ですが、それが曲がりなりにも年金が頼られるようになってきたというのは、今日大変厳しい時代ですけれども、高齢者世帯の被保護率が五%台にとどまっているというのは一定の役割を果たしているという評価をしておりますが。
 その上で、今日的な課題ということを申し上げれば、やはり、るる御質疑等ございますように、低年金、あるいは単身者等に対する年金制度の設計そのものが低所得に弱いというようなこと、それから非正規で働いておられる方々、それら、いろいろな複合作用あるんでしょうけれども、制度的な起因という面もあります無年金の方々、そうした低年金、単身、低所得、非正規労働者、そして無年金者、この辺りにやはり集中的な政策配慮というものがなければ更に事態を難しくしていくのではないかと、現在の制度だけではもう一つ足りないのではないかというふうに私ども思っております。
 したがって、審議会でも、官邸の国民会議あるいは現在の経済財政諮問会議におきましても、こうした無年金・低年金対策等につきまして、総括して最低保障機能の強化というものが現行制度に安定財源を得て付加していかなければいけないし、また、それをやれば現行制度のいいところというのはしっかりつなげていけるのではないか、こんな考え方を持っておりますので、財源面を含めて具体論というものを専門的に更に明らかにしていく必要があると考えております。
#160
○国務大臣(舛添要一君) 先ほどパート労働者に対する厚生年金の拡大ということもおっしゃられましたけれども、その点も、実は被用者年金の一元化法案の中でそのことも盛り込んでおります。これ、すそ野を広げるというのは非常に重要だと思いますので、そういう点も含めて更なる改革を進めたいと思っております。
#161
○岸宏一君 年金というものが、これだけ国民の生活、特に高齢者の生活と密接なかかわり、関係が強まってきている、そういう時期でありますから、私たち議会も、国民も、政府もそうでありますけど、何としても年金に対する国民からの信頼が得られるような努力というものは今後一層これ進めていかなければならない、こういう決意をこれは新たにしていくべきだと、こういうふうに思います。
 それからもう一つ、私、考えますには、年金制度が一体大丈夫なのかどうかということについて、何というんでしょうかね、破綻するんじゃないかというふうな、そういう危機感を余りあおり過ぎてもいけないし、何百年も大丈夫だよと言い過ぎてもいけないし、実際、実際、(発言する者あり)いや、それはそういう意味で、百年と言うとまた何か言われるからね。国民に、年金を百年たっても大丈夫なように一生懸命みんなで努力してつくっていきましょうよと、こういう気持ちをみんなが持つということは、非常にこれは重要なことだと思うんですよね。
 私は、そんな意味で、今後、まず日本年金機構が不正事件は絶対起こさないこと、まず一つね。それからもう一つ、いつも年金制度については、分かりやすく平明に国民にいつも情報を開示すること、問題点があればいつもそれを開示してみんなで解決する努力をすること、こういう基本的な私たちのこの姿勢というんでしょうかね、対応というんでしょうかね、こういうものをやっぱりいま一度みんなで考えていかなきゃならないと。国民は、分かりやすい年金、分かりやすい説明ということを、しかも安全で安心な年金ということを求めているということを申し上げて、少し時間が余りましたが、終わらさせていただきます。
#162
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日も国民年金法の一部改正案についてお聞きを申し上げたいと思います。
 これまでにも議論をしてまいりましたけれども、公的年金制度のメリットの一つとして、いざという場合の障害基礎年金を受給できる点があるわけでございます。この障害基礎年金は、障害のある人にとっても生活を支える重要な制度でございます。しかしながら、受給対象となるには厳しい審査基準があるため、なかなか受給できないのではないかと、こういった意見もあるわけでございます。
 そこで、本日はこの障害年金に関してお聞きを申し上げたいと思います。
 国民年金法の第一条に、国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基づき、老齢、障害によって国民生活の安定が損なわれることを防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする、こう記されているわけでございます。また、日本国憲法の第二十五条第二項には、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると定めた生存権のことでございます。つまり、障害基礎年金といいますのは、障害があっても健康で文化的な最低限度の生活を営むための制度であると言うことができると思うわけでございます。こうした理念、大変重要であると思います。
 そこで、確認を申し上げますけれども、この障害基礎年金、昭和三十六年に創設されたとのことでございますけれども、創設目的、これは一体どういったものであったのか、御説明をいただきたいと思います。
#163
○政府参考人(渡邉芳樹君) 障害基礎年金、これは、昭和六十年にそれまでの国民年金、厚生年金の体制の中から基礎年金というものを横断的に創設いたしましたときの制度でございますが、そもそも障害年金そのものは、御承知のように、障害による稼得能力の喪失に着目いたしまして、所得保障を行うということが目的でございます。通常、一般的に生じるであろう所得の稼得能力の喪失を伴う老齢という保険事故がこの年金制度においては早期に到来したという位置付けで給付を発生させると、こういう位置付けで障害年金制度というものがスタートしてございます。
 経緯的にも、昭和十七年の厚生年金保険制度の創設、あるいは昭和三十四年の国民年金制度創設当初から老齢年金とセットで障害年金が設けられ、先生もただいま引用されました様々な法律、憲法の条項に沿うべく発展してまいったわけでございます。
 現在の障害基礎年金につきましては一級、二級と分かれておりまして、二級が老齢基礎年金と同じ六万六千円程度、一級障害が八万二千五百円程度ということでございまして、現に障害基礎年金の受給権者は百六十二万人、年金総額が約一兆五千億円に十九年度段階で及んでおりますので、障害者の障害による所得の稼得能力の喪失ということに対する大きな支えとなっているものと理解しております。
#164
○山本博司君 大変大事な部分でございます。
 また、この障害基礎年金のほかに障害のある人の年金といいますのは、主にサラリーマンが加入する年金である障害厚生年金、また主に公務員が加入する年金である障害共済年金がございます。これらの年金と障害基礎年金との給付対象者の概念の違い、これはどのように規定をされているのでしょうか。昭和六十年の改正でそれぞれの障害年金の表現が変更になったとのことでございますので、元々の考え方についてもお答えをいただきたいと思います。
#165
○政府参考人(渡邉芳樹君) 障害基礎年金は全国民を対象とする国民年金の給付といたしまして、日常生活能力の制約に着目して給付を行うものであると位置付けられております。一方、障害厚生年金で申し上げますと、これは民間の被用者でございますが、厚生年金の給付として労働能力の喪失という観点に着目して年金を支給するものと位置付けられております。
 過去を振り返りますと、先ほどもほんのちょっと触れましたが、昭和二十九年の現行の厚生年金法制定時から、また昭和三十四年の国民年金法制定時からこの考え方に沿ってそれぞれ対象者を規定してまいりました。それぞれと申しますのは、一方は日常生活能力、他方は労働能力ということでございます。
 昭和六十年改正の全国民共通の基礎年金制度の導入に伴いまして、厚生年金が基礎年金の上乗せ給付という位置付けが明確にされました。そのことから、その上乗せではない基礎年金の部分はどうするのかということが大きな課題となったわけでございますが、その際には日常生活の制限度合いを基準として国民年金の一級、二級に厚生年金をそろえるという形で障害基礎年金が構成されたという経緯でございます。
#166
○山本博司君 今もございましたように、労働能力の喪失という目的の違いから、厚生年金また共済年金には働けなくなったときの保障をするという意味合いがあるわけでございます。基礎年金よりも年金を受給できる障害の範囲がより広くなっていると思います。
 障害基礎年金は、国民年金の被保険者が障害等級一級又は二級の障害の状態に該当する障害になったときに支給をされます。また、障害厚生年金は、この厚生年金の被保険者が障害等級一級、二級、三級の障害の状態に該当するときに支給されるわけでございます。さらに、厚生年金には、障害の程度が軽い場合には障害手当金という制度もあり、国民年金の障害の程度より厚生年金は広い範囲の障害者を対象として救済をしております。また、共済年金も同様の制度があるわけでございます。これまでのこうした衆議院等での議論の中でも、三級については厚生年金、共済年金にはあるのに対し、国民年金にはないため、加入している制度の違いによって受給対象が違うのは問題ではないか、こうした指摘もあったわけでございます。
 そこで、お聞きを申し上げますけれども、障害等級一級、二級、三級について、障害の程度をどのように規定をしているのか、御説明をいただきたいと思います。
#167
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。
 障害等級一級、二級は、御指摘のとおり、国民年金、厚生年金共通ということになっております。その一級につきましては、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする症状が、日常生活の用を弁ずることを不可能ならしめる程度のものとされており、二級につきましては、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする症状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとされております。一方、厚生年金にございます障害等級三級につきましては、考え方としては、労働能力の喪失という観点に着目した上で、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとされております。
 様々、三級も障害基礎年金に設けるべきかというような御議論も衆議院でもいただきましたが、そうした制度の性格それから給付の趣旨というものの違いもあり、今日に至っているわけでございますが、一点だけ申しますと、今の一級、二級というのは昭和三十六年の国民年金が創設されたときのルールでございますが、その当時、国民年金創設に向けて、政府と申しますか、当時は内閣でございますが、総理府に社会保障制度審議会というものがございました。そこの答申では、新しい国民年金制度は、障害年金としては厚生年金の一級程度に制限するという御意見もあったそうでございます。そのように日常生活に着目するか、労働能力に着目するかということで、当時から大きな見方の違いというのはあったように記録されております。その中で、現在の基礎年金は一級と二級まで共通してカバーをするということとなっておりますので、先ほど言ったような障害年金三級につきまして、かねて来の厚生年金の基準というものが現在存在しておるというものでございます。
#168
○山本博司君 年金を受給できる障害の範囲が異なるにもかかわるこうした認定基準は同じものを用いているために、三級の程度判定となった場合に、国民年金に加入している人は障害基礎年金を受給できなくなってしまうわけでございます。また、先ほどの答弁でもありましたけれども、三級の程度判定、労働が著しい制限を受けるものと、このようになっているわけでございまして、就労をしていると三級の認定になってしまう可能性が高くなるわけでございます。
 ここで一つお聞きをしたい事案があるわけでございます。これは知的障害者団体の方からの就労と年金に関する要望であるわけでございます。知的障害のある方といいますのは、必ず二十歳前の障害の状態にありますので、基本的には障害基礎年金を受給することになっております。しかしながら、様々な方々の支援によってようやく就労がかない、就労した事実を届け出たところ、先ほどの労働が著しい制限を受けるものという規定によって、それまでの二級だった認定が三級に変更されて障害基礎年金が支給停止になったというケースがあるということでございます。これはとんでもないことでございまして、何のための就労支援なのか、こんなことなら一般就労しない方がいい、こういった意見も出ているということでございます。
 そこで、この労働が著しい制限を受けるものという規定が意味するところは何であるのか。また、就労していれば一律に三級の認定になってしまうのか。この点について明快に御見解を伺いたいと思います。
#169
○政府参考人(渡邉芳樹君) 障害厚生年金の障害等級三級につきまして、もう少し補足いたすところから御説明させてください。
 厚生年金保険法施行令別表第一におきまして、目でありますと、「両眼の視力が〇・一以下に減じたもの」、耳でありますと、「両耳の聴力が、四〇センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの」、それから、「そしやく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの」などの外部障害の状態に関する具体的な記述が規定されておりまして、その上で、身体の機能に労働が著しく制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すものと規定をされております。この労働が著しい制限を受けるということに該当するかどうかにつきましては、障害認定を担当いたします社会保険庁において個別具体に判断がされるわけでございますが、軽微な労働も全く行うことができないということではなく、さきに述べた具体的な基準が規定されている外部障害の状態と同程度に労働の制約を受ける状態であるかどうかということが判断となるというふうに承知しております。
#170
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 今、年金局長の方から御答弁申し上げましたように、そのように、就労に当たってその方がどういうような状況にあるのか、制約を受けるのかと、それによってその対応の内容が違ってまいりますので、したがって一律に三級になるんだと、こういうような取扱いにはならないということでございます。
#171
○山本博司君 それでは、ちょっと別の観点から質問をしたいと思います。就労と年金という観点から、別の角度でお聞きしたいわけでございます。
 障害者自立支援法では障害者福祉と障害者雇用の両面から改革を行っておられまして、障害があっても働くことができる社会、政府、これも目指していると思います。政府では、今まで成長力底上げ戦略とか工賃倍増五か年計画、様々な面から障害者の就労支援に取り組んでいるわけでございますけれども、ここで、具体的にどのように取り組んでいるのか確認をしたいと思います。
#172
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 障害者の自立支援、この法律におきましては、障害を持たれる方々もその能力、適性を十分に発揮していただきまして、地域で自立した生活が送れるように御支援を申し上げると。その中では、就労の支援ということが大変重要な柱だというふうに考えております。
 具体的な施策といたしましては、この自立支援法に基づきまして、まずは通常の職場での就労へ向けて訓練を行う、原則二年間程度で集中的に訓練を行いまして就労に向けて頑張っていただくというような事業、あるいは、通常の雇用の場での就労ということは困難な方々につきましても、就労や訓練の機会を継続的に提供していくという就労継続支援事業というようなことを設けて支援の仕組みをつくっておるところでございます。このような仕組みにつきましては、報酬の面で事業者の方々に支援をするということで、この春からの報酬改定でも、定着の状況を見て更に報酬の引上げ等を図らせていただいたところでもございます。
 また、一般の雇用につきましても、雇用率制度におきます雇用の促進、あるいは障害者就業・生活支援センターでの相談支援体制で職場への定着を支援をしていくというふうなことで御支援をさせていただいていると、このような状況にございます。
#173
○山本博司君 ありがとうございます。
 私も四国・中国地域の障害者の施設又は作業所、様々な地域回らさせていただきまして、一生懸命障害の方々が仕事に就いていらっしゃるわけでございまして、その中でも、体力面でも大変厳しい、そういう中で月二万円とか三万円とか、そういう収入を得ているというのが今の実態でございまして、政府はそういう支援をずっとしているわけでございますけれども、一方で、今、知的障害のそういう団体の方からの要望でもあるように、実際、二級の障害者の年金、六万六千円です。これが実際、三級になりましたら一切停止になりますと大変厳しい状況があるということで、現実こういうことがあるわけでございまして、当初、先ほど冒頭に申し上げました憲法第二十五条の生存権とか国民年金法の趣旨にも沿っているかといったら、これはとんでもない、言えない部分ではないかと思うわけでございます。
 そういう意味で、こうしたことが現実あるという意味で、制度運用の改善も含めて、舛添大臣に見解をお聞きをしたいと思います。
#174
○国務大臣(舛添要一君) 単に就労しているということだけで認定を取り消すというようなことがあってはいけないと思いますので、総合的な判断をして、それをきちんと説明して柔軟に対応すべきだというふうに思います。
#175
○山本博司君 実際、こういう形での例ということで、そういう全国の障害者就業・生活支援センター等を含めてしっかり対応をしていただきたいと思うわけでございます。
 実際、その運用の課題という意味では、この窓口業務の改善ということもあるわけでございます。よくあるケース、先ほどのケースもそうでございますけれども、障害のある方からいろんなケースで、市町村また社会保険事務所の窓口に年金の申請に行くというケースの場合があるわけですけれども、窓口の方からそんな障害の程度では駄目だとか受給対象にならないとか、かなり冷たいそういう口調で言われるケースがあるということも聞いているわけでございまして、障害の方々というのは大変弱い立場でございます。また、年金の知識が豊富であるということもありませんし──何かいろんな、一番大事な部分でございまして、大変そういう意味でこの窓口業務に携わる方々、やっぱり障害者の方々の側に立ったそういう対応が必要ではないかと思うわけでございまして、こういう意味で、この窓口の業務の方々の研修とか人材育成、こういう部分が今どのような段階になっているのか、そのまず見解をお聞かせいただきたいと思います。
#176
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 障害基礎年金の受付業務、これは法定受託事務ということで市町村において行っているところでございます。私どもとしても、現場の実態の把握に努めつつ、またそれに応じて、定期的な、この障害の基礎年金の受付業務に必要な知識を中心に研修業務を行うというようなことをやらさせていただいているわけでございますけれども、今先生の方からございましたような例があちらこちらにこれあるとすれば、これは私ども、その研修の中身についても、あるいはやり方についても、いろいろと反省を加えなければいけないのでは、検討を加えなければいけないのではないかと、こんなふうに今拝聴して承っているところでございます。
#177
○山本博司君 是非とも丁寧な対応をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 さらに、障害者の所得保障の在り方についてお聞きを申し上げたいと思います。
 昨年、開かれておりました社会保障審議会障害者部会の報告にもございますけれども、障害者の生活の安定を図る観点から所得保障の在り方について様々な議論があったと伺っております。
 現在、障害基礎年金の二級と老齢基礎年金の支給月額が同額の六万六千円となっております。この点につきまして、障害者には障害を有することに伴って生ずる様々な特別な出費に対する強い経済的なニーズがございます。老齢基礎年金と同額というのは合理性に欠けるのではないかという意見もあるわけでございます。また一方、高齢者の立場からも意見があると思います。
 そこで、お聞きをいたしますけれども、なぜ障害基礎年金二級と老齢基礎年金の満額と同額になっているのか、その理由に関して教えていただきたいと思います。
#178
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。
 確かに、現在、障害等級二級の障害基礎年金の額は月額六万六千八円となっておりまして、満額の老齢基礎年金額と同額となってございます。これは、障害年金が障害による稼得能力の喪失に対して所得保障を行うことを目的として設けられているものであり、通常、一般的に生じるであろう所得の稼得能力の喪失と言えば老齢ということでございますので、老齢による保険事故が早期に到来したとの考え方によって、そうした給付であるという位置付けにして、制度創設当初から老齢年金の年金額とのバランスに配慮して設定されているわけでございます。
 先ほども若干昔のことも申し上げましたけれども、昭和十七年に創設された労働者年金保険制度においても、障害年金に当たる疾病年金と老齢年金に当たる養老年金の額は同様に計算されておりました。二十九年の厚生年金保険制度も同様でございました。三十四年の国民年金制度も同様でございます。
 なお、障害に伴う経費ということの御指摘がございましたが、介護等の必要経費などに配慮して、障害等級一級の障害基礎年金の額は基礎年金の一・二五倍、八万三千円余りと、こうなっておるわけでございます。
 審議会における御議論の中でも、老齢年金につきましても単身高齢者等加算制度という一つの考え方はないのかという御議論がございました。それは、老齢年金におきましても基礎年金は御夫婦で十三万円、お一人になると六万六千円、満額の場合でもですね。それは本当に所得保障機能としていいんだろうかと、個人単位であることはいいけれども、何らか政策的な配慮は要らないのかと、こういう観点からの御議論がありました。単身高齢者等と、等がくっついておりますが、年金制度の中において、高齢者であっても老齢基礎年金をいただいている方と障害基礎年金をいただいている方、あるいは遺族基礎年金というのもありますが、年金の種別によって区別すべきではないという観点から等というのが付いておるようでございます。
 御党の御提言にもありますように、もし仮に何らかの財源をもってそうした加算制度というものが可能であるならば、その場合にどの程度加算することが適切なのかと。こういう議論が今政府部内及び様々なところでの議論の一つのパターンになっておると思いますので、単純に申し上げることはできないのですけれども、障害年金の給付水準はこれでいいのかという論点と、老齢基礎年金の給付水準は一定のパターンにおいてそれでいいのかという御議論はかなり接近した議論であるということを申し上げて、御説明に代えさせていただきたいと思います。
#179
○山本博司君 社会保障審議会障害者部会の報告書では、障害者自立支援法の見直しに関連をして、障害者の所得保障というのは、稼得能力の低下を補うとともに、障害があることによって起こる特別な負担を軽減することが自立支援に必要不可欠であるという考え方を示しているわけでございます。
 また、私もメンバーの一人でございますけれども、一昨年十二月に発表しました与党の障害者自立支援に関するプロジェクトチームの報告書では、障害者の基礎年金の引上げについて検討を行うべきであるという政府に要請をしております。
 そこで、この障害者の所得保障の在り方について、今後どのように検討を進めていくお考えなのか、お示しをいただきたいと思います。
#180
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 今御指摘をいただきましたように、この障害者自立支援法の関係で、まず一昨年のその与党の御指摘もいただいております。さらに、その施行三年目の見直しということで、現在、国会の方に障害者自立支援法の見直しの法案の提出もさせていただいておりまして、御審議をお願いしておりますが、その審議に当たりまして、審議会の方での検討もいただいていると。
 この中で、その障害者の所得保障施策、直接的には年金、手当というもの、あるいはその他の就労支援施策等も含めて幅広いものがあるけれども、それぞれを着実に進めるとともに、特に年金につきましては、障害基礎年金の水準の引上げということも例に挙げながら指摘を受けております。ただ、この点につきましては、年金制度の在り方、これは社会保障制度全体の見直しの議論との整合性が必要であるということで、これを踏まえた検討が必要であるということ。それから、その財源の確保ということもきちんと踏まえて検討を深めていくべきであるということの御指摘をいただいております。このような御指摘を踏まえて、先ほど御指摘いただきました就労の支援の充実策とともに引き続き検討をしていく必要があると思っております。
 なお、今回の法案におきましては、障害者自立支援法の見直しという法案の中では、この住宅の費用ということにつきまして、そのグループホーム、ケアホーム等で地域で生活される場合の費用の助成という仕組みにつきまして創設をするという規定も入れさせていただいているところでございます。
#181
○山本博司君 以上、ずっと障害者の件で申し上げてきました。障害者の所得保障、大変重要な課題であると思います。
 公明党は、この障害者基礎年金の二級の支給月額六万六千円を一級並みの八万三千円にと、一級については更に引き上げて十万円程度にすることを目指しておるわけでございます。また、住宅手当の創設についても検討を進めております。この点は、財源も含め社会保障制度改革の中で論議をすることになると思いますけれども、大臣にこの障害基礎年金の引上げについての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#182
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど来御説明ありましたように、これは老齢年金とのバランスをどうするかという、これが一番大きな問題でありますけれども、もう一つ財源の確保、これまた考えないといけない。大体、一級、二級、二五%ずつ上げるとすれば四千億円ぐらいのたしか費用が必要だと思いますので、これの手当てを考えないといけない。それから、やはり現役世代に余りに過度な負担にならないような仕組みをどうするか。
 いずれにしましても、こういう問題ありますけれども、この問題は非常に重要な問題ですので、今後、国民的な議論をきちんとやってまいりたいと思っております。
#183
○山本博司君 是非とも前へ進める形でお願いを申し上げたいと思います。
 さらに、最後になりますけれども、先日お聞きいたしましたけれども、今日的な年金改革の課題として、最低保障機能をどのように強化していくのか。今日も岸先生を含め様々議論がございました、大きな課題でございます。今回の改正案でも、基礎年金の最低保障機能の強化等に関する検討を進め、制度として確立した場合に必要な費用を賄うための安定した財源を確保した上で、段階的にその具体化を図るものとすると、こうした検討規定を設けているわけでございますけれども、この点につきましては、高齢者だけでなく障害者の保障も重要な視点であると思います。
 基礎年金の最低保障機能の強化ということに関して、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#184
○国務大臣(舛添要一君) 昨年末に中期プログラムを閣議決定しましたけれども、そこでの最重要課題の一つとして、この年金の最低保障機能の確保、拡充、強化ということを言っておりますので、これは低年金者に対する手当てをどうするか、様々な問題があると思いますけれども、これも財源の問題を考えながら、より議論を深めて一日も早く最低保障機能の強化を実現したいと思っております。
#185
○山本博司君 以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。
#186
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 年金の受給資格期間の問題、この間、何度か当委員会でもありましたけれども、お伺いしたいと思うんです。
 日本においては最低加入期間が二十五年で、世界的に見ると非常にこのような長期は少数なんですが、主要国の受給資格期間について簡単に紹介してください。
#187
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。
 諸外国の年金制度における老齢年金の受給資格を得るための最低加入期間につきまして、私ども海外との社会保障協定などを進めておりますので、その範囲での知る限りで申し上げますが、確かに日本以外にも二十五年という国がないわけではございませんが、むしろ逆に設けていないという国まで様々でございます。
 その中で重立った主要国について申し上げれば、アメリカ合衆国の場合は四十加入四半期、あそこは四半期単位でカウントしておりますので、約十年相当でございます。ドイツは五年とされております。現在、イギリス、フランス及びスウェーデンにおいては最低加入期間は設けられていないというふうに承知しております。なお、スウェーデンにおける保証年金の受給のためのスウェーデン居住期間は最低三年とされていると承知しております。
#188
○小池晃君 今紹介があった主要国すべて十年以下なわけですね。それで、最低加入期間そのものがない国が三か国。
 今お話ありましたけれども、社会保障協定を結んだか、あるいは結ぼうとしている国全体を見ても、最低加入期間なしが五か国、五年というのが三か国、十年というのが四か国、十五年が二か国で、二十五年もあるとおっしゃったけれども、これはチェコですよね。チェコは、六十歳から受給するためには二十五年なんですけれども、十五年あれば六十五歳から支給されますから、これは実質的には十五年。
 大臣、やっぱり二十五年の期間というのは国際的に見てもほとんど例がない。これが無年金者を発生させているということになるわけで、この間議論もありましたけれども、やはりこれをなくす、せめて当面第一歩として十年程度にと私ども言ってまいりました。
 大臣は、この問題について、最低保障機能の議論と併せてやらなきゃいけないというふうに答弁されているんだけれども、これはやっぱり別の問題だと思うんですよ。やっぱり少しでも年金保険料を納めていれば受給につながる、受給権を保障するという問題と、それと老後の最低保障機能の議論というのは、これはこれとして別の問題として私はやはり独立させて、まず受給権の保障というものは、それはそれとしてやはり確保していくということが必要ではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
#189
○国務大臣(舛添要一君) 逆に、一つは、短期間でよければ年金額は少なくなりますね。低年金者が増える。これはまさに、じゃ、それに対する最低保障機能をどうするかという問題が一つ出てきます。それから、国民皆年金ということは、年金払っていない方たちに対しても面倒を見る。それから、先ほど来議論が朝からありましたように、免除措置をとってありますね。免除措置があったってその期間は算入されるわけですから、要するに、相当程度の財源を確保するという目的で二十五年というのがある。それを減らせば、それなりの支給も減るし、低年金者も増えてくる。五年しか掛けていなかったらそれ分しかありませんよと。
 片一方で、二十五年働いていた人との差が広がりますよ、当然、年金額。じゃ、その差をどういう財源とどういう手段で埋めるかといったときに、二十五年以上掛けた人と五年しか掛けていない、単純に五分の一でいいんですかという話になってきたときに双方から不満が来るから、これは議論を、そういうことをきちっと問題点を挙げた上で、まあ二十五年が長いなら二十年にするとか十五年にするとかいうような議論はしていいと思います。ただ、メリット、デメリットがあるんで、それをきちっと一覧表にして、そしてこれは国民で議論すべきだと思っております。
#190
○小池晃君 低額年金は、受給期間短くしなくたって既に国民年金受給者の平均四万という実態があるわけで、それはそれでやっぱり低年金の問題というのはあるわけですよ。別に最低加入期間を短くしたからといって、今より年金額が減るわけじゃないんですよ。ゼロの人が増える、ゼロの人が低年金になると。それは問題だけれども、でもゼロなんだから、掛け捨てになっちゃうわけだから。だから、やっぱりそこのところを解決していくというのは、私はそれはそれで、最低保障機能の確保とは別の問題として議論していっていいと思うんですよ。
 大臣、やっぱり二十五年払わなければ掛け捨てになってしまうということが、例えば今若い人で非正規雇用になって、これから先二十五年間払い続けられるかというふうになったとき、ああ、これ無理かもしれないからやめておこうということで、大臣、率直に言ってこの二十五年という足かせがやっぱり納付率を下げる一つの要因になっていると思いませんか。
#191
○国務大臣(舛添要一君) まあ、そういう面もあるかもしれませんけれども、ただ、しかし、例えば二十二で大学出て働き始めたとして、平均寿命まで、まあ六十まで生きたら四十年間は大体働くわけですから、四十年間働くうちの二十五年間というのは何%になりますか、六割ぐらいですか。そんなに長い、そんなにこの日本という社会は不安定で、常に派遣か何かで非正規をやっておかないと生きていけない社会なら、それの方が悪いんですよ。そっちもちゃんと是正しないといけない。
 だから、余りそっちを言うと、もう不安定な雇用でいいようなことになっちゃうから、やっぱり両方、常に小池さん、バランスの取れた議論がこれは必要だと思いますよ。
#192
○小池晃君 いや、私もそうだと思いますよ。それは、そんな雇用状態が続くような社会にしておいちゃいけないというのはそうですよ。
 ただ、率直に、現状を見ればやっぱり厳しいですよ。大臣、甘いですよ。二十五年間保険料を払い続けられるかどうかって、やっぱり自信を持って言える今非正規雇用の労働者どれだけいるかというと、やっぱりこれ結局掛け捨てになっちゃうんだったらというふうにためらわせる一つの原因に私はなっているというふうに思うんですよね。
 だから、やっぱり少しでも納めればそれが給付に反映させていくと。これは年金財政上は、これ財政的に中立なわけだから、やっぱりきちっと納めたものについては反映させていく、最低限受給権を保障するということは、これはこれとしてやっぱり議論していくべきではないかと思うんですよ。
#193
○国務大臣(舛添要一君) 小池さんの方がはるかに私よりいい人で、善良な心を持っていると思うんですね。
 私の人間の見る目をひがんでいるかもしれなくて、二十五年間払わぬといかぬから、私も苦しいときもこつこつこつこつ払ってきた。だけれども、五年でいいよということになると、やっぱり人間は怠け者とか結構いいかげんな面があって、いや今日、この何年間はもう適当にやって生活エンジョイしようと。年金少なくなっても何とかなるだろうと、小池先生に頼めば何とか将来なるよというようなことを思って、やっぱり掛金を払う意欲がなくなるんじゃないかなと、私はちょっと人間に対して見方がひがんでいるのかもしれないけれども、そういう面を思うわけですよ。
 ですから、余り、一年でも二年でも、まあ五年掛けりゃいいじゃないかじゃなくて、やっぱり最低、私に言わせると最低十年は掛けてもらわないと、それは駄目ですよ。なるって、そう。
#194
○小池晃君 だから、せめて最低十年って言ったんじゃないですか。期せずして意見が一致したわけだから、是非そういう方向で議論をしていただきたいというふうに思います。
 それから、社会保障カードの問題について今日は聞きたいんですが、これ実は本委員会で舛添大臣が委員だったときに、当時の安倍首相と論戦されて、そのときにやっぱり年金記録問題で社会保障番号必要じゃないかということで政府・与党の合意になって議論が始まったという、そういう経過がございます。
 そもそも論としてお聞きしたいんですが、年金記録管理のために基礎年金番号を導入したわけですよ。基礎年金番号を導入したけれども、結局、消えた年金問題が起こっちゃったわけですよ。ここに新たに社会保障カードを導入して記録問題解決するんですかという、屋上屋を重ねるだけじゃないかと。結局、消えた基礎年番号が消えた社会保障カードになってしまうだけの話じゃないですかということをまずお聞きしたい。
#195
○政府参考人(間杉純君) お答え申し上げます。
 社会保障カード、今先生から御指摘ありましたような経過で、私どもの方の検討会も報告書をこのほど提出をし、また検討を進めていかなければならないなと考えているところでございます。
 御指摘の年金記録問題につきましては、平成十九年七月五日の政府・与党合意がございまして、まずは基礎年金番号に未統合の記録の問題に優先的に取り組むというふうなことで、現在着実な取組を進めているところでございます。
 一方で、これから将来にわたって年金記録を正しいものにするということで、いつでも年金記録を御自身が簡便に確認できるだけの仕組みとして社会保障カードの導入も挙げられているところでございます。このカードが実現することによりまして、いつでも御自宅等からオンラインで自らの年金記録を確認、入手できると。それから、それによりまして、御自身で正しい情報への修正、あるいは手続漏れ、虚偽報告の抑止が可能になる等の効果をもたらすものでございまして、御本人にも御参加していただく形で年金記録の適正を期すと、こういった意義があるものだと考えてございます。
#196
○小池晃君 まあ、自宅で見れるという話なんだけれどもね、これ、ICカードリーダー必要だし、結構手間掛かるわけですよ。
 既に、利便性という点では、社会保険庁が住基カードを使った年金加入記録照会、年金見込額の試算を電子申請するシステム、稼働させていますが、この利用件数、過去、直近四年間で何件ですか。件数だけでいい。
#197
○政府参考人(石井博史君) 件数だけですか。はい、分かりました。
 お答え申し上げます。
 直近四年間、十七、十八、十九、二十年度、この四か年でございますと、千百九十九件という件数になってございます。
#198
○小池晃君 四年で千百、ちょっと、ちゃんと一年ごとに言ってほしかったんですが、百七十四件、三百二十七件、まあ二〇〇七年が消えた年金大問題になって四百十件、去年はまた下がって二百八十八件。そんなに多いとは言えないですよね、これ。利便性の向上といってもやっぱり利用する人は限られてくるのではないかなと。
 それから、経費どれくらい掛かるのかなんですが、内閣官房の関係省庁連絡会議でかつて試算をしたことがございます。初期費用とそれから経常経費について、幾ら掛かったか御紹介ください。
#199
○政府参考人(間杉純君) 御指摘の十八年九月の関係省庁連絡会議の取りまとめでございますが、社会保障番号を導入するための費用につきまして、様々な前提を置いた上で幾つかの検討が行われてございます。
 これによりますと、簡潔に申しますと、運営機関に要する経費、各保険者に要する経費、ネットワーク構築費、各保険者、医療機関等のカードリーダー導入経費等につきまして、それぞれ初期経費と経常経費が試算をされてございます。それらを単純に合計をいたしますと、初期経費で千二百四十億円程度、経常経費で七百七十五億円程度でございます。
 なお、この試算は幾つかの前提を置いた上で粗い試算を行ったものでございまして、相当な幅を持って見る必要があるとされております。例えば、各保険者、医療機関等のパソコンの導入経費等はこの中には含まれていない、こういうことでございます。
#200
○小池晃君 そうはいっても、ほかには試算がないので、これしか頼るところがないわけです。
 これ、人件費もしかも入っていないわけですね。これだけの多額な費用が掛かる。それから、プライバシーの問題どうかというと、これは、厚生労働省はプライバシーの観点から社会保障カードには個人識別番号は記録しないというふうにしているんだけれども、データベースの中には整理番号を付けるという。この整理番号は国民には見せないんだけれども、ネットワークトラブルなどの危険に備えて、保険者の変更があっても変更されない保健医療番号というのを、単一の番号を付けると。で、これを社会保障カードの表面に表示するというんですね。そうすると、何の意味もないんじゃないかと。
 住基ネットで使用される番号というのは、これは転居によって変更される上に、基本的には本人以外には自治体から知らせることはないんですが、それでも総背番号制につながるおそれがあるということで、他用途使用は法律で禁止をされたわけです。しかし、金融機関が使用しようとするなど、トラブルも起こりました。
 今回はこれ、一生変わらない番号なんですね。その上、カードの表面に、医療、介護の部分については番号が付くということになると、これではやっぱりプライバシーが大臣、本当に保障されるのかと、大変私、危惧があるんですが、大臣、お答えいただきたい。
#201
○国務大臣(舛添要一君) 私は本来、時の安倍総理と議論をしたときは、ソーシャル・セキュリティー・ナンバー、これをきちんと当初から入れなかったから様々な問題があると。ただ、そのときにセキュリティーの観点、プライバシーの問題があるわけです。
 それから、この社会保障カードは、私が当初言ったソーシャル・セキュリティー・ナンバーよりもはるかに統一性は欠いてあります。したがって、これは医療のデータが年金のデータと全然連結しておりません。それぞれが個別になっている。だから、ある意味で物すごく使い勝手悪いんだけれども、その分、プライバシーの確保はやっている。それから、ビジビリティー、可視性というのから見ても、それはここにあれば分かるんだけれども、そしたらばれちゃいますから。
 だから、プライバシーの保護、セキュリティーということとこの利便性ということの、どこにバランスを取るかということが非常に難しいんで、私の立場から言うと、小池さんの声が大き過ぎて、何か利便性よりプライバシー保護ばっかり来ちゃったなという感じがしますよ。
#202
○小池晃君 別々に持っているというんだけれども、やっぱりデータベース、中継のところではつながるわけだから、これはやっぱり危険性というのは否定できないと思うんですよね。膨大な経費も先ほど言ったように掛かってくる。利便性といっても、実態としてはやっぱり国民が家からカードリーダーを使ってアクセスするというのはなかなか大変だと。しかも、いろいろと問題になった住基台帳番号よりもより漏えいしやすい仕組みにこれはならざるを得ないんですね、利便性ということになっていけば。
 厚労省の研究会に出された意見書でも、積極的な導入派は日本経団連だけで、医師会も日弁連などもこれ反対の意見を出しているわけで、やっぱりこれは慎重にあるべきだというふうに思います。
 それに加えて、問題は、社会保障個人会計という問題なんですね。この文脈で出されてきていると。経済財政諮問会議に出された民間議員の提案には、社会保障番号、社会保障カード導入の目的に社会保障個人会計というのは明確にうたわれているわけであります。これ諮問会議では、制度間の利用者負担総合キャップ制なんていうのが導入されるということがうたわれておりまして、社会保障のいろんな分野の併給調整ということが課題になっているんですね。しかし、併給調整という点でいえば、それは今でも高額医療と高額介護の合算制度なんていうのがありますし、労災と年金、医療、介護の併給調整というのもこれはやられているわけですから。
 ちょっとお聞きしたいのは、社会保障給付の併給調整にとって、社会保障番号を導入する、あるいはカードを導入するって、これは必須のものなんでしょうか。
#203
○政府参考人(間杉純君) 御指摘の骨太の方針とか民間議員ペーパーにおきまして様々なキャップ制等が御議論されておりまして、それにつきましては、それ自体今後幅広い観点から検討すべき課題だと考えております。
 御指摘の、厚生労働省でも、個々人における負担の総合的な調整というふうなことで、今回、医療保険制度改革におきまして、医療、介護を通じて自己負担の合計額が著しく高額になる場合の負担軽減の高額医療・高額合算制度というものを導入したわけでございます。
 現在、こういった仕組みは、まず御本人からアクションを起こしていただくと。御本人が自分は確かに介護のサービスを受けましたということで領収書を手に入れられる、それから医療保険の方からこのぐらいですというふうなことで、これを合わせて保険者に提出をするということで、大変その手続も煩瑣な形になっておりますけれども、今後、社会保障カードの実現によりまして、制度、保険者をまたがっての利用者の特定というふうなものは可能になりますので、今度は保険者のサイドからは加入漏れがないようにというふうなことでアクションが起こせるというふうなことでのメリットは期待できるだろうと考えているところでございます。
#204
○小池晃君 いや、私が聞いたのは、併給調整できないということじゃないでしょうと聞いたんですよ。できないことじゃないでしょう、やっているんだからね、それは事実ですから。
 大臣、経済財政諮問会議の民間議員提案では、これは個人会計導入の最大の理由というのは、負担と給付のバランスを目に見えるようにするということにしている。つまり、社会保障の給付を個人が負担した分に見合うだけに限定していく。これだとやっぱり民間社会保険、民間保険商品と変わらないような性格になっていきかねない危険性が私はあるというふうに思うんですね。
 大臣、社会保障には、大臣もかねがね言っているように、所得の再分配機能というのは、これはあるわけであります。社会保障の個人会計という考え方が極端に進んでいくと、やっぱり結局これを破壊して、憲法二十五条が保障している生存権ということを掘り崩すことになるんではないかと。
 大臣、やっぱり厚生労働省、私、聞きたいのは、これは社会保障カードの導入によって個人会計というような方向に進もうという政策的な方向を持っているんですか。そのことをお聞きしたい。
#205
○国務大臣(舛添要一君) それは全くないと思います。一番最大の今日の議論の年金、世代間の賦課方式でやっているんだから、私が出した金で私が年金もらうわけじゃなくて、私より後から来る世代がもらっているんで、大体個人会計という概念自体が成り立ちません、年金について言うと。
 ただ、何のためにそれをやっているかといったら、自分がどれだけ掛金払ったかな、それから給付の見込みは幾らかな、そういう情報が取りやすい、それから様々な利便性があるということで、そういう民間議員がいるかもしれませんけれども、少なくとも今の日本の社会保障制度の考え方からいうと個人会計ではありません。
#206
○小池晃君 憲法二十五条からいっても、社会保障を個人責任、自己責任の世界におとしめるようなやっぱり個人会計というのは導入すべきでないというふうに私どもは思いますので、このカードの導入というのをそういったことの入口にするような議論には是非しないでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
#207
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 舛添大臣、骨太方針二〇〇九の素案で消費税一二%というのが出ておりますが、大臣、これに賛成ですか。
#208
○国務大臣(舛添要一君) 今、骨太方針は議論をしている段階で、これだけの給付をすればこれだけの負担が必要でしょうという案を出しているわけですから、それは社会保障国民会議含めていろんな案を出しています。私はもっともっと議論が必要だと思いますから。今まずやるべきは社会保障制度を充実させるということであって、二千二百億円をきちんと撤廃するということであると思っております。
#209
○福島みずほ君 今後の年金財源は消費税を見込んでいますか。
#210
○国務大臣(舛添要一君) 年金財源ということをおっしゃいましたけれども、それは年金も含めて社会保障財源というのは消費税が当然そこに行きます。
#211
○福島みずほ君 一二%あるいは消費税の値上げには反対なんですが、今大臣は社会保障費二千二百億円をカットすることに関して意見を述べられました。それは同じく、それこそ社会民主主義者として共闘できると思いますが、経済財政諮問会議に対して是非強く言っていただきたい。いかがですか。
#212
○国務大臣(舛添要一君) それは毎日のように、閣内においても、また与謝野大臣に対しても、その経済財政諮問会議においても、まさに限界であると、社会保障の充実こそ国民が願っているものであるということは強く主張しておりますし、今後とも主張していきたいと思っております。
#213
○福島みずほ君 厚生労働大臣がこう強く主張しているにもかかわらず、なぜ財務大臣を始めまだ二千二百億円社会保障費カットと言っているんでしょうか。
#214
○国務大臣(舛添要一君) それは言っている方に聞いていただきたいと思います。
#215
○福島みずほ君 政策転換ができるよう野党の立場としても強く求めていきます。これは転換をすべきだということを強く申し上げます。
 年金に関しては、財政と雇用と少子化、この三つがきちっとならなければ年金財政が安定がされないというふうに考えています。
 まず、現在の年金が所得保障になり得ていないのではないか。日本はこれまで六十歳定年制でした。現在、厚生基礎年金は六十三歳から、国民年金は六十五歳からの支給となっております。また、退職金の規定も今非常に安くなっていますし、ほとんど退職金などもらえていない人がおります。政府としては定年を六十三歳まで引上げと言っておりますが、定年の廃止、定年年齢の引上げをした企業は少なく、実際には八五・四%が継続雇用制度となっている。そのうち、希望者全員を対象とした企業は三八・六%、ほぼ三三%程度の人の継続雇用しか保障されておりません。この高齢者の皆さんにとって所得保障になり得ていないという点についてはいかがですか。
#216
○国務大臣(舛添要一君) だから、自助、共助、公助という枠組みでやってきたときにそういう問題があると思いますから、これは最低保障機能をしっかりしようということと、それからやっぱり御高齢になっても働きたい人に対してはきちんと働けるような仕組みをするということになると、制度設計の変更としてはフレキシブルリタイアメントという制度をやることも可能でありますし、私は在職老齢年金の見直しも考えないといけないと思っております。
#217
○福島みずほ君 高齢者の皆さんと、高齢、六十歳で高齢というと気の毒ですが、皆さんたちと話をするとこの点がやはり非常に出てくるんですね。ですから、是非この点は前進というか改善が必要だと考えます。
 以前も、年金制度のモデルとなる家族形態について問題があるのではないかということを質問をいたしました。政府として目指す社会はどうなのか。それから、先ほど年金のためには雇用と財政と少子化対策が必要だと申し上げました。女性をきちっと社会の担い手として位置付けて、年金の保険料も払い、全部払ってもらう、払えるのであればですね。多様な生き方があっていいけれども、女性を社会の担い手としてきちっと位置付けるべきだと思っています。
 モデル家族形態が四十年間正社員の夫と専業主婦の妻、この世帯は減少しています。これは定点観測で残しているというふうに言っていますが、これもうやめたらいかがですか。つまり、これみんなに誤解を与える、このモデルを中心に五〇・一%だと思うと、普通の人はああそうかと思うわけですね。でも、このモデルはもう少なくなっているモデルで、標準モデルということそのものをやめていただきたい。そして、きちっと少子化対策を行い、基本的には女性たちも社会の担い手と保険料が払えるような存在となるようにやっていただきたい、いかがですか。
#218
○国務大臣(舛添要一君) ですから、モデル世帯とか標準世帯という言葉を変えて定点観測世帯というふうにしちゃえばいいわけですし、定点観測なら東京だけにある必要はないので、北海道にも四国にも九州でもあっていいから、複数定点を設ければいい。ただ、日々刻々働き方とか生活の仕方が変わっているので、ずっと変わらないものをやっているので、そう目くじらを立てぬでいいと思うんです、この点については。
 あとのは全部賛成、女性が一生懸命働くことはもう大賛成ですから、全く意見一致していますね。
#219
○福島みずほ君 これが厚生労働省のデマになっているんですよ。つまり、標準世帯は五〇・一%となっているので、普通の方はああ自分はもう五割保障してもらえると思うわけです。でも、そうはならなくて、だったら、この標準世帯には五〇・一%ありますなんて言い方を厚生労働省はやめていただけませんか。
#220
○国務大臣(舛添要一君) だから前提計算も、前提の財政計算も今後改善しましょうよということを申し上げていて、複数のパターンをつくりましょうということで。それで、もっと言うならば、福島さんのような高額所得者は非常に減りますよ、非常に減ります、それは。代替率三割なんてなりますね。貧しい方は代替率七割ぐらい。こういう正確な情報を今から与えたいと思います。
#221
○福島みずほ君 後ほど保育所のことについてお聞きしますが、何か保育に欠けた子を保育所でやるという発想ではなくて、きちっと応援していく、要するに雇用と年金と少子化対策と財政と、全部やはり一元的にどういう社会を目指すのか。それは、社会民主主義的な社会をこうやって目指すということで一体としてきちっと厚生労働省はやるべきだと思います。
 ところで、現在、パート労働者に対する厚生年金適用拡大の法案が継続審議となっております。今日、大臣もそのことを指摘されましたが、週所定労働時間が二十時間という条件の内容であれば一日に三時間しか働けないパート労働者が増え、掛け持ちパート、ワーキングプアがより増加するおそれがあります。
 社民党は、二十時間とか時間を設定するのではなく、企業にとっては総労働時間に関して例えば保険料を払わせる。要するに、線引きをすると必ずそれ以下で働かせようと企業はなりがちですので、そういう工夫もすべきではないか。あらゆる労働者と企業が負担する形にすることが望ましいと考えますが、いかがですか。
#222
○国務大臣(舛添要一君) 労働時間二十時間というふうに切っているのは、一つは、標準報酬の下限が今九万八千円ですけれども、それを下げないといけない。下げないままやると、国民年金の掛金よりももっと、何というか、低額の保険料負担になるというような様々な問題がありますから、先ほどの小池さんの議論とも重なりますけれども、どういう最低保障機能を与えるか、そのためにどれだけのすそ野を広げるかということであるので、私は、ただ、それでも被用者の一元化法案をやると最低そこまでは拡大できますから、まずそれが一歩だろうと思います。ただ、これはもっともっと議論をする必要があるというふうに思っております。
#223
○福島みずほ君 その線引きをすることの問題点があると思うので、今検討してくださるということだったので、是非よろしくお願いします。
 妻が被保険者である三号被保険者の夫が死別し、子供がいても遺族年金は支払われません。最近は児童扶養手当も父子家庭にやったらどうかなんということがありますが、こういったことを見ても、年金制度そのものの前提がもう現実大きく変わっているんじゃないか。子供のいる夫についても支給すべきと思いますが、いかがですか。
#224
○政府参考人(渡邉芳樹君) 昔、難しい漢字ですが、鰥夫年金というのがあったんですね、私が言うよりも大分昔の話でございますが。まあ一定の要件はありましたけれども、それが年金制度が発達する中で廃止されていき、今の遺族年金制度というのが充実してきたという経緯がございます。それから、母子年金というものがありましたものがまた今の基礎年金の方に変わってきたということでございますので、年金制度の流れの中で見ますと、御指摘のような御批判もよくいただくんですけれども、全体としては年金制度の事情による男女問わず様々な仕組みがあったものがかなり簡潔に整理されて発達してきたと思っておりますので、父子ということに対してどうかというのは、やはりそれでもなおいろんな議論の曲折を経ていかないと簡単には結論は出ないのではないのかなというのが実感でございます。
#225
○福島みずほ君 是非検討をお願いします。
 働くお父さん、お母さんを応援する、あるいは子育てを応援するということがやっぱり大変必要なので、保育所の問題についてお聞きをいたします。
 社会保障審議会少子化対策特別部会が第一次報告を出しました。自治体の仕事は受給権の認定のみで、自治体の責任が軽減されているのではないでしょうか。
#226
○政府参考人(村木厚子君) 今回、第一次報告が少子化対策特別部会から出ておりますが、今回の保育の考え方については、自治体の役割は後退をさせない、むしろ少子化対策は国がしっかり責任を持つ、それから財源を確保した上で国と自治体が協力してこれをしっかりやっていくというのが基本の考え方でございます。
 保育が必要かどうかの認定を自治体がやっていくというのはそのとおりでございますが、それだけではなくて、自治体、市町村でございますが、これに対して例外なく公的保育を保障する責務、それから質の確保された公的保育の提供体制を確保する責務、それから利用支援の責務、利用調整をするような責務ですね、それから保育の費用の支払義務というような四つの責務を掛けて、実施責任をきちんと自治体に負わせるというのが今回の考え方でございます。
#227
○福島みずほ君 第一次報告書は、保育園と保護者の直接契約を提案をしています。しかし、このような方法では、要するに自治体の責任が後退し、保育園と保護者が契約をするわけですから、公正に保育所への入園が可能となるんでしょうか。保育園との関係がある人が優先され、保育の必要性が優先されなくなるのではないか。直接契約となると自治体の調整義務が後退するのではないか。いかがですか。
#228
○政府参考人(村木厚子君) 直接契約という言葉がかなり表に出ましたので、一般的に市場で商品やサービスを買う、そういったものと同じことをしようとしているんではないかという誤解が広まった面があろうかと思いますが、私どもが考えておりますものは、公的保育をしっかりと公が提供をする、その中で保育所と利用者にも契約関係を結んでいただこうということで、これは私的な普通の商品の売買に関する契約とは異なるものと、こういうふうに考えております。
 当然、ある程度利用者が自分のニーズに合った保育所を選べるということは考えていきたい、強めていきたいとは思っておりますが、保育所側が勝手にお客さんを選んでいくと、こういうことはこれは公的保育である以上はあってはならないと考えておりますので、そこの仕組みをしっかり入れていきたいと考えております。
#229
○福島みずほ君 保育園の問題は切実なので、例えばクレームが来たときに直接保育園に来ちゃうんじゃないか。通常であれば自治体がその調整機能を果たすのに、親が、親がというか保護者が直接保育園にクレームを言う、そこの力関係で決まるんじゃないかという心配もよく指摘されているんですが、いかがですか。
#230
○政府参考人(村木厚子君) 御質問の趣旨は、既にもう保育所を利用されている方がいろんなクレームをと、こういうことでございましょうか。
 これは実は両面ございまして、今確かに保育所から見て非常に心配なことはモンスターペアレントのようなことで、非常にユーザーの苦情を保育所が全部受けなければいけないというのは非常に困ることになるんではないかというような懸念が片側でありますが、逆に、保護者の方から、これは自治体から委託を受けて我々は保育をしているので、皆様方にどういうニーズがあっても、これは自治体から請け負った仕事をしているのですから、保育のやり方を皆さんのニーズに合わせて変えるわけにはいかないんですよというお答えが保育所から返ってくるというようなお話もあります。
 そういう意味では、仕組みはしっかりと公的保育として国と自治体で制度をつくるということにした上で、やはり実際にサービスを提供する方とそれから保育のユーザーの方がしっかり向き合うという、この関係はつくっていくべきではないかというふうに考えているところでございます。
#231
○福島みずほ君 今までは行政が仲介や調整機能があったと。この直接契約ということでみんなやはり自治体の議員や皆さん、大変保護者が不安がっているんですね。再度確認いたしますが、一義的に自治体に責任があるということでよろしいですね。
#232
○政府参考人(村木厚子君) これは公的保育の提供でございますので、一義的に自治体に責任がある制度というふうに考えております。
#233
○福島みずほ君 今例えば特養老人ホームの待機が四百人だ、五百人だという話と同時に、保育園のまた待機児童がという話が本当にもういろんなところで出てくる。働きたいんだけれど保育園がないという話はよく聞くのですが、規制改革推進会議第三次答申で東京都の認証保育所制度についての記述があります。
 ですから、今、区の持っている保育園に入れないと東京都のいわゆる認証保育園に行くと。どこも一生懸命やっているとは思うのですが、この中には、東京都の認証保育所制度は、都市部特有の事情から、例えば、乳児のほふく室の面積の最低基準について二・五平方メートルまで緩和が認められていると。また、認可外という取扱いであるため、国からの補助金は一切入っていません。
 それから、園庭、お庭がないんですよね。東京は地価が高いからですが、庭がないと。国会にできる保育園も考えてみたら庭がないというので、思っていますが、東京都の認証保育園、園庭、お庭がないんですよね。ですから、仕方ないと思う反面、やっぱり子供にとっていいのか。
 また、認可保育所と比べて保育料が高くなる場合がある。ですから、東京都という固有の問題はあるにしても、東京であっても児童にとって必要な基準については安易な緩和は問題だというふうに思っています。
 このような指摘についてはどう思われますか。
#234
○政府参考人(村木厚子君) 保育は小さい子供が本当に長時間過ごす場所、ほとんど子供の暮らしの場所でございますので、やっぱりこの質は担保をしていきたい。一番大きいのはやっぱり広さやそれから保育士の数だろうと思います。これについては常に科学的な検証をしながら、本当に必要な最低限の基準というのはしっかり守っていかなければいけないだろうと思っております。
 ただ、他方、審議会でも非常に大きな議論になりましたが、実際に保育所が足りないことは事実でございまして、この中でいわゆる認可外の保育所が一定の役割を果たしていることは事実でございます。これに対して公的な補助がないことをそのままほうっておいてよいのかどうか、これは入れた人と入れない人の余りにも大きな不公平感があるのではないかという議論がございました。
 一次報告の段階でございますので、最終的にはもっと議論を重ねなければいけませんが、そこで出てきた考え方は、やはり最低基準はしっかり守ろうということと、それから認可外の保育所の中で、少しサポートをすればその最低基準をクリアできるようなところにしっかり予算を投入をしていこうということまでは議論をしました。
 それから、東京都とか過疎地に少し役立つかもしれませんが、もう少し小規模なものというのを少し考えられないか。まとまった土地がないというのが一つ大きな問題でございますし、過疎地だと子供の数が非常に少ないということですから、そういうやや柔軟な仕組みは入れるにしても、最低基準を守っていきたいというのが今のところの審議会でお考えをいただいている方向だというふうに理解をしております。
#235
○福島みずほ君 例えば、沖縄では認可外、無認可の保育所が多くて何とかしてほしいというような声、つまりは補助金が全然入っていないということなどいろんな声を聞きます。今言っていただいたように、是非、認可外、無認可のところの保育所をどうするかというのをよろしくお願いします。
 それで、第三次答申において、効率よくサービス供給量を拡大するために、利用者の選択による、柔軟な設置基準により運営するとともにとあって、やっぱり規制緩和になっていくと子供たちにとって良くないんじゃないか。
 それから、第三次答申では、子供の給食の外部搬入について緩和するよう求めています。でも、やはり外部搬入だとどうなのかと。今まで保育園には調理室を持つことが義務付けられてきました。そのことから、やはり基準の悪化を招くようなことは許すべきではないと思いますが、いかがですか。
#236
○政府参考人(村木厚子君) 規制緩和については、先ほど申し上げたとおり、やっぱり基本になる基準というのを守っていかなければいけないだろうと思いますし、それから余りにも事細かな規制というのは、確かに見直すべきところがあればそれは見直していく必要があろうかと思います。
 給食の外部搬入でございますが、これは今公立保育所について特区の枠組みでやってきました。これについては、特区の実施に関して政府として二月に一つの方針が出ております。この方針は、今後、地方自治体や栄養・保健衛生の専門家に対するヒアリング等を行い、保育の質の確保及び資源の有効利用の観点から、保育所における給食提供に当たっての留意点、本特例措置を全国展開して外部搬入方式により給食を行う場合の改善方法や留意点等の検討を行うとし、その結果も踏まえて、平成二十一年度、今年度でございますが、に評価を行い、弊害の除去のために必要な要件を含め結論を得るということで、これは政府全体の方針でございますので、私どもも、やはり保育所のお子さんにとって食事というのは非常に大事なものでございますし、食育の観点も含めて、子供の立場からこういったことがマイナスの影響が本当にないのかどうかというようなことをしっかり検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#237
○福島みずほ君 保育所にはゼロ歳の子供もいるので、給食の外部搬入はやはり問題があるというふうに考えています。検討中ということですが、規制緩和ではなく、また給食の外部搬入はやめていただきたいと、こういう様々な規制改革推進会議に負けるなということを申し上げて、私の質問を終わります。
#238
○委員長(辻泰弘君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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