くにさくロゴ
2009/06/25 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 厚生労働委員会 第19号
姉妹サイト
 
2009/06/25 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 厚生労働委員会 第19号

#1
第171回国会 厚生労働委員会 第19号
平成二十一年六月二十五日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十三日
    辞任         補欠選任
     加賀谷 健君     小林 正夫君
     金子 恵美君     谷  博之君
     古川 俊治君     鈴木 政二君
 六月二十四日
    辞任         補欠選任
     佐藤 信秋君     西島 英利君
     鈴木 政二君     古川 俊治君
     長谷川大紋君     野村 哲郎君
 六月二十五日
    辞任         補欠選任
     野村 哲郎君     島尻安伊子君
     小池  晃君     紙  智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         辻  泰弘君
    理 事
                川合 孝典君
                中村 哲治君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                梅村  聡君
                小林 正夫君
                下田 敦子君
                谷  博之君
                森田  高君
                紙  智子君
                福島みずほ君
       発議者      中村 哲治君
       発議者      川合 孝典君
   委員以外の議員
       発議者      島田智哉子君
       発議者      神本美恵子君
       発議者      前川 清成君
       発議者      藤末 健三君
       発議者      大河原雅子君
       発議者      近藤 正道君
       発議者      小池  晃君
   国務大臣
       厚生労働大臣   舛添 要一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       総務省統計局長  川崎  茂君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       北村  彰君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    阿曽沼慎司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○児童扶養手当法の一部を改正する法律案(島田
 智哉子君外八名発議)
○生活保護法の一部を改正する法律案(中村哲治
 君外八名発議)
○理事の辞任及び補欠選任の件
    ─────────────
#2
○委員長(辻泰弘君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、金子恵美君、加賀谷健君、長谷川大紋君、佐藤信秋君及び小池晃君が委員を辞任され、その補欠として谷博之君、小林正夫君、島尻安伊子君、西島英利君及び紙智子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(辻泰弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 児童扶養手当法の一部を改正する法律案及び生活保護法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長北村彰君外二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(辻泰弘君) 児童扶養手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、委員長から申し上げます。
 現在、自由民主党及び公明党所属委員の出席が得られておりません。
 委員長より出席を求めますので、そのまましばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(辻泰弘君) 速記を始めてください。
 自由民主党及び公明党所属委員に対し出席を求めましたが、現在まで出席が得られておりません。
 委員長といたしましては、理事会の協議に基づき、議事を進めることといたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。
 法案の審議に入る前に一言言わせていただきたい。
 今日は、この参議院の厚生労働委員会で児童扶養手当改正案、生活保護の母子加算復活法案、審議をさせていただきます。これは、父子家庭のお子さんの育ちを国が責任を持ってお支えをする、あるいは母子加算が廃止されて本当に困っておられる、子供さんにそのしわ寄せ集まっていて、子供の将来が狭まるとお母さん方が心配している声にこたえる、非常に重要な大切な法案だと私は認識しています。
 その委員会にもかかわらず、自民党、公明党の委員は委員会に参加すらせず、審議もしないと言われています。与党としてこの自民党と公明党の姿勢には、大変残念に思うと同時に、遺憾だということを一言述べさせていただきます。
 それでは、法案の審議、始めさせていただきます。
 今の日本というのは、昨年からの金融危機あるいは経済不況、悪化する雇用情勢の中で、お子様の貧困、子供の貧困の問題が大きな社会問題になってきています。子供たちが日本の中央値にある可処分所得水準の半分未満の世帯で生活している場合、貧困と算定されるんですが、日本はこの貧困率がOECDの平均より上、非常に高い。
 厚生労働省にお伺いしますが、この貧困率が高い原因はどこにあると考えておられますか。
#8
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 OECDのファクトブック二〇〇九の報告によります子供の貧困率の数値の関係でございます。この数値を比較するに当たりましては、各国の経済水準によって例えば貧困ラインが異なったり、あるいは現物給付、あるいは消費税などの間接税の影響が加味されていないといったようなこと、あるいは各国の調査手法が異なるといったようなこと、こういったことに留意が必要ではございます。
 各国のデータを単純に比較することは難しい面はございますけれども、そういった前提はありますものの、日本の子育て世帯の状況をかんがみますと、一つは、日本の若年の失業率が相対的に低く、また、一人親世帯の割合が相対的に低いということから、失業給付あるいは一人親を対象とした給付などを受ける世帯が少ないというふうに考えられること、またもう一つは、日本の社会保障の構造が比較的高齢者に手厚く、子育てなど家族関係の社会支出が少ないこと、こういったようなことが背景原因としてあるのではないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、私ども、子供が生まれた家庭環境によりましてスタートラインに大きな差が出ることが望ましいということは決して思っておりませんで、すべての子供が健やかに育ちますよう、子供を持つ家庭に対する支援を今後とも充実してまいりたいというふうに考えております。
#9
○蓮舫君 今局長が言われた理由、原因、それ以外にも、両親とも非正規、不安定雇用で働かざるを得ないですとか、こうした雇用情勢の悪化で両親が共に失業されるですとか、あるいは一人親世帯が増えているという理由も私は大きいと思うんですね。
 今回の児童扶養手当法案では、父子家庭にも母子家庭と同じように児童扶養手当を支給するとなっていますが、それはなぜでしょうか。
#10
○委員以外の議員(島田智哉子君) ただいまの我が国における子供の貧困の問題につきましては、委員の御指摘のとおり、私どもも大変深刻な問題と受け止めておりますので、少しでもその問題の解消に向けて政策の見直しが必要であると思っております。私ども国会議員のそれが責務であると認識をいたしております。子供の貧困率の中でも一人親家庭の世帯が突出して高くなっておりますので、その解消のためにも本改正は急務であると思います。
 この児童扶養手当を母子家庭と同じように父子家庭に対しても支給すべきではないかという議論は、これまで長年にわたって与野党問わず多くの議員によって行われてきました。また、当事者の方々からの要望はもちろんですけれども、今月、私どもが全国の都道府県のアンケート調査を行いましたところ、父子家庭に対しても児童扶養手当を支給できるようにとする本法律案の改正を求める要望を出しているのが二十八都道府県と十八の政令市でございまして、多くの地方議会においてそうした意見書が採択をされております。
 そうした要望も受けまして、厚生労働省が父子家庭のニーズや現状を正確に把握されておられませんでしたので、私どもは、全国の都道府県を対象に父子家庭に対する手当、支援金等に関する調査を行いまして、父子家庭に対して何らかの手当、支援金などを支給する制度を行っている自治体が二百以上に上っているということを確認をいたしました。
 蓮舫議員がおっしゃったように、やはりお父さん方というのは、今この経済雇用情勢の中で本当に一生懸命父子家庭のお父さん頑張っておられます。保育園の送迎ですとか子供たちのためにと幾ら頑張っても、残業ですとか、転勤がある正社員として働き続けることが難しくなって、結果的に収入の低い不安定な就労を余儀なくされるというような状態になっております。
 一人親家庭の支援に対しては、男性か女性かを問わず必要なものですから、男女共同参画社会を目指す国としてこういったことを放置することはできないというふうに思います。
#11
○蓮舫君 厚労省に伺います。
 どうして父子家庭は児童扶養手当の対象になっていないんでしょうか。端的にお答えください。
#12
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 母子家庭の生活状況を一般的に見てみますと、やはり離婚によりまして母子家庭になった後にその生活状況は大きく変化することが多いわけでございます。母子家庭のお母さん、就業された経験が少なかったり、あるいは結婚、出産などにより就業を中断しておられたりといったようなことに加えまして、事業主側の母子家庭に対する理解が不足しているといったようなこともございます。そういったような事情で就職あるいは再就職に困難を伴うことが非常に多いということ、また、先ほどお話ありましたけれども、就職しても不安定な雇用状況にあるということが多いということでございます。
 そういったようなことを考慮いたしまして、私どもとしては、母子家庭特有の問題に着目して、子育て・生活支援、就業支援、養育費の確保、児童扶養手当の支給を含めた経済的支援という四つの柱に基づきまして、特に母子家庭に特化した支援を行っているところでございます。
#13
○蓮舫君 もういいです。
 児童扶養手当の目的は、児童の福祉の増進を図るんです。今、母子家庭に特有だから児童扶養手当は母子家庭にしかお支払いをしない、父子家庭にはお支払いしないと言うんですが、じゃ父子家庭のお子さんは福祉の増進はどうやって担保されているんですか。
#14
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 父子家庭につきましては、先ほど申し上げましたように、父子家庭と母子家庭に全く同じような構造的な課題があるというところまでは言えないというふうに私ども思っておりまして、児童扶養手当法に基づく支援の対象とはなっておりません。
 しかしながら、父子家庭の父が子育てをしながら安定した生活を送ることができ、すべての子供が健やかに育つことができるように支援を行うことは重要な課題であるというふうに考えておりまして、例えばヘルパーの派遣など様々な施策を講じておりますし、補正予算におきましても必要な手だてを講じているところでございます。
#15
○蓮舫君 いや、認識が違います。
 平成十八年に行われた全国母子世帯等調査結果を見ると、父子家庭の父の年間収入は、構成割合を見ると三百万円以下の父子家庭の年収は三七・二%。児童扶養手当の一部支給における所得制限は三百六十五万円なんで、父子家庭の中で約四割が対象となっているんですよ。これ、どうして手当を支給しないんですか。
#16
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 児童扶養手当につきましては、先ほど申し上げましたように、母子家庭に対しまして特に経済的な支援を行っているというところでございますけれども、現下の厳しい経済雇用情勢の中で父子家庭の中にも、今お話ありましたように、経済的に厳しい方もいらっしゃるということでございます。
 しかしながら、父子家庭であることをもって直ちに児童扶養手当を支給ということにつきましては、ほかにも例えば両親がいらっしゃる御家庭のお子さんなど経済的に厳しい方がいらっしゃる中におきましては、慎重に検討すべき課題が多いのではないかというふうに考えております。
#17
○蓮舫君 他方で男女共同参画社会を進めておきながら、この児童扶養手当だけは母子特有の問題だというのは、私はこれは考え方を改めていただきたいと思います。
 発議者にお伺いをいたしますが、今回の法案を作るに当たって、お父さん方、父子家庭のお父さん方の意見はどういうものがありましたか。
#18
○委員以外の議員(島田智哉子君) 私ども、これまでの調査におきまして、実際にお父様方から実情をお伺いしました。
 そのときの話では、やはり父子家庭になる以前の仕事のままでは家事、育児との、そして仕事との両立というのが困難なために、仕事を辞めて、そして住んでいたところも離れて親族のいる実家の方に戻っていくということをせざるを得なかった方ですとか、メールをいただいた方ですと、奥さんが二人目のお子さんを出産直後お亡くなりになって、そしてもうどうしようもない状態で、ですけれども頑張っていかなければいけない、遺族は家族を失った悲しみを抱えるだけじゃなくて、精神的、体力的、経済的、三つの苦境に立たされていますというお話がとても胸を締め付けられました。
 この方は、やはり残業ができなくなって、時短勤務となって、亡くなった奥さんも働いていらしたそうなので、その収入もなくなったということで、結果、収入はそれまでの四割以下になってしまったということですので、母子家庭同様に経済的支援を行ってほしいという切なる願いが込められた内容でした。
 そうした様々な意見をお伺いする中で、家事や育児支援が必要なことも、経済的支援が必要なことも、これは母であっても父であっても同じことであって、親の性別ということではなくて、それぞれの個々の状況に応じた支援制度にしていく必要があるというふうに強く思いました。
#19
○蓮舫君 父親でも母親でも祖父母でも、一人で子供を育てる負担というのは私はやはり相当重いと思います。その部分で、今回の発議者の趣旨には賛同します。
 法案の内容について若干確認をしますが、父子家庭の父等について児童扶養手当の対象、支給対象に入れなくて、附則で給付を行うとしたのはなぜでしょうか。
#20
○委員以外の議員(前川清成君) 児童扶養手当法のまず沿革を申し上げたいんですが、昭和三十四年に国民年金法が制定されまして、その中で無拠出の福祉型年金として、死別母子家庭に対する母子福祉年金が創設をされました。しかし、一方において、死別でも離婚という生き別れであっても母子家庭の社会経済的な実態は変わらないではないかという議論と、他方において、離婚は社会保険としての年金の保険事故かというような議論があって、昭和三十六年に国民年金法から切り離しまして、新法である児童扶養手当法が制定されまして、離婚か生別、かかわらず新法が制定されました。
 このような経緯がございますので、児童扶養手当法というのは元来は母子家庭を射程に入れております。ですから、一条の文言にも「父と生計を同じくしていない」というような文言がございますので、今回は附則ということにさせていただきました。できるだけ早く法案を成立させて、一日も早くお父さん方を応援したいと、そういう趣旨が含まれております。
#21
○蓮舫君 その意味で、父子家庭の父に対し給付を行うということは、児童扶養手当法の目的を逸脱はしませんか。
#22
○委員以外の議員(前川清成君) 今、簡単に申し上げましたけれども、なぜ児童扶養手当法が制定されたのか。その立法目的は、母子家庭という一人親世帯、これはお母さんが一方において子育てを頑張りながら、他方においては生計を担うために一生懸命働かなければならない、一人二役をこなすと。そういう意味において、一人親家庭にはハンディが大きいので、経済的に苦しいこともあると。そこで、児童扶養手当を支給して応援をさせていただく、こういう趣旨でございまして、母子家庭を特別扱いするという趣旨ではありません。
 ですから、一人親家庭のハンディを社会全体で支え、一人親家庭の子育てを応援するのがこの法案の立法趣旨ですので、そこで言う一人親家庭の親が母であって、あるいは父であると区別する理由はなく、むしろお父さんの一人親家庭に対してもお支払いすることは法の趣旨を敷衍するものではないかと、そんなふうに考えています。
#23
○蓮舫君 平成二十年の四月から、この児童扶養手当は一部支給停止措置が盛り込まれました。支給開始から五年を過ぎて就業意欲が見られない場合は手当が半分になる。
 民主党は、第百六十八国会で、この一部支給停止規定を削除する改正案を提案していました。ところが、今回の法案には、父子家庭の児童扶養手当の支給と、対象を拡大をしているんですが、減額措置撤廃を盛り込んでいない、これはなぜでしょうか。
#24
○委員以外の議員(神本美恵子君) 委員御指摘のとおり一部支給停止措置になっておりまして、これについて我が党といたしましては法案提出をいたしましたけれども、今回は父子家庭に限って緊急措置として提案をいたしております。
 母子家庭の多くは依然として高い就労率を維持しておりますけれども、その収入はやや不安定であり、就労の状況も不安定な状況にあります。この一部支給停止措置が多くの母子家庭に不安を与えるとともに、政府・与党はこういう状況を見て一部凍結という措置をとりましたけれども、それによってより煩雑な事務手続を求めることになって無用な負担を強いておりますので、当然この一部支給停止措置は削除すべきであるというその認識については変わっておりません。
 ただ、今回は緊急措置として父子家庭への支給に特例措置を設けたということでございます。当然、この法案の附則において、児童扶養手当全体の在り方について、例えば一部支給停止措置を規定する十三条の二の削除はもちろんのことでございますが、十四条の四号において理由なく求職活動をしなかった部分は支給を削減するという問題や、DV法では暴力とみなされるようなメールや手紙、これを、子供の安否を気遣うということで児童扶養手当が受給できなくなるというような他の法律との関係もございますので、全体的な児童扶養手当法の見直しが必要だと考えております。
#25
○蓮舫君 今回の法案が成立すると、予算規模はどれぐらいで、財源はどこに求めると考えておられますか。
#26
○委員以外の議員(藤末健三君) 本法案が成立しました場合の経費については、平年度ベースで約百十四億円、月額に直しますと月平均九・五億円となります。したがいまして、施行期日に応じて所要の経費が必要となります。
 一方で、過去の児童扶養手当に係る予算・決算額の推移を見てみますと、平成十八年度は約二十九億円、平成十九年度は約三十七億円の予算が残っています。一方で、今年度におきましては予備的経費が、予算が千五百億円ございますので、これらのもので十分対応できると考えております。
#27
○蓮舫君 百十四億財源規模があるという答弁でした。アニメの殿堂は百十七億です。
 改めて舛添大臣、今日、与党が出席しておりませんけれども、与党の皆さんにこそ是非この問題を私は審議していただきたいと思うんですが、アニメの殿堂にお金を使うのであれば、本当に生活に困って、そのしわ寄せが子供に行っている、児童扶養手当を父子家庭と母子家庭と分ける理由がもう今の時代見当たらない。見直していただけませんか。
#28
○国務大臣(舛添要一君) 社会保障のセーフティーネットをどういう形で張り巡らすか、私はできるだけ数多く重層的であった方がいいと思いますのと、最終的に財源は皆さんの税金でやるわけですから、国民が納得をするものでなくてはならない。
 そうすると、例えば基礎年金的に、例えば生活保護だったらあらゆる困った方は画一的にこれだけ支給いたしますよと、そこから先は父子家庭、母子家庭、あるいは極端に言ったら、生活保護の中でも、両親ともそろっていても下手をするとその家庭の状況で子供はもっと困っている状況にあるのかもしれません。そういうことも含めて、きめの細かい手当てがやっぱり必要だろうというふうに思っています。
 それで、例えば母子だけになぜ特定するんですかという御意見がある。そうすると、年金関係のものなんかは、これは完全に男女差別ですね。扱いが全く違うんです。そうすると、それはなぜそこから来ているかというと、就労構造全体、それは男も女も、男性の中の八割、女性の中の八割、これは両方同じ比率で仕事をしているし、それから収入も全く同じだったら完璧にそれは同じでいいんですけれども、私はだから、そこの就業構造とかということも含めて、トータルな形での大きなデザインが必要だろうというふうに考えていますので、問題の意識は非常に共有していますけれども、そういう一つ一つの年金関係なんかで男女差別があるのをどうするかというようなことも含めて、これは一遍、社会保障制度全体を再構築するという観点から議論するべきときに来ていると思っております。
#29
○蓮舫君 時間になりましたが、確かに就労構造が変わって、それに対応するセーフティーネットになっていないのがすべての抜本的問題なんですが、ただ当面、この法案は今すぐ行わないと育っていく子供さんの育ちを支えることができないというのが私どもの主張ですので、是非お支えをいただきたいなと。大臣、そこだけははっきり言っていただけないのが非常に残念でしたが、この法案の一日も早い成立を望みます。
 終わります。
#30
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 与野党そろって本当はやるべきものだと思っていたので非常に残念ですけれども、しかし質問させていただきます。
 それで、この児童扶養手当法の一部改正について、当然、父子家庭も含めるべきだというふうに思っていますので、今回の出されている法案は我が党、賛成であります。
 その上に立って、舛添大臣にお聞きをしたいと思うんですが、五月の予算委員会のときに我が党の山下議員が大臣に質問をいたしました。そのときに、父子家庭の場合、年収四百万円以上の世帯が四五%あるということを理由としておっしゃって、児童扶養手当、必要ないということを言われたわけです。
 しかし、問題にしているのはその四五%、四百万以上の四五%ではなくて、三百万以下の、三七%いらっしゃるわけで、そこに対して、結局、年収、受けている収入は変わらないのに、一人親世帯で、片方は母子家庭だから受け取れるけれども片方は父子だから受け取れないということ自体がやっぱりどう考えてもおかしいんじゃないかということを問題にしたわけで、それに対してなかなか聞いていて納得できる答弁でなかったので、再度それをお聞きしたいと思います。
#31
○国務大臣(舛添要一君) 今、蓮舫さんに対してもお答えをしたんですけれども、これ非常にそこのところは難しくて、先ほど、一人親の家庭もありますけれども、両親そろっていて生活保護で例えば苦しんでいる家庭があるとしますね、生活。仮にそういう立場に立ったら、なぜ母子家庭と父子家庭だけにやって、我々にそういうものをくれないんですかと、特別の加算をくれないんですかという意見もあり得るわけですよ。
 ですから、戦後すぐの、もう我々が子供のころ、みんな白い御飯食べれないというような、そういうときには大きな平均像でやることができた。だけれども、一定の豊かさを保った段階、水準に達した段階では、私は、やっぱり総合的にきめの細かい、手間暇掛かりますけれども、この家庭は例えば教育の面で子供さんが大変だからそこに重点的に、この家庭は別の面でということができれば、それは最適なんですね。
 ですから、今、私は、やっぱりこの背景にあるのは、基本的に格差が拡大している。非常に貧富の差が拡大し、まさに戦前、終戦直後まで戻ったとは言わないけれども、高度経済成長とは違った意味で、要するに格差の拡大というのは、非常に困った、貧しい方々にしわ寄せが非常に来ているので、そういうことの背景もあるというふうに思いますが。
 この前、一般的なデータを申し上げたので、もうそこから先は、むしろ私は、両親そろっているけれども、極論ですよ、極論しますよ、もうおやじが飲んだくれで、DVはやるし、ひどい家庭だと、こんなのなら、おやじいない方がもっといいよという家庭だってあり得るわけですね、極端に言えば。そういう人から、そういうところのお母さんから見たら、うちはおやじがいるがために母子加算ももらえなきゃ、もちろん父子加算ももらえない。これどうするのという声をどうするかということをちょっと疑問提起です。
#32
○紙智子君 ほかとの、いろんなケースがあると、それとの整合性ということで言われるのであれば、やっぱりそういう困った人たちをすべて支援するというふうにしなきゃいけないんだと思うんですよ。だから、どうして母子家庭はいいけれどもほかは駄目かというと、やっぱり今の説明を聞いているだけでも、急を要している中ではどうもやっぱり納得できないなというのは率直に言ってあります。
 それから、父子家庭自身も、いろいろ調査している中で、財政的な支援、経済的な支援をやっぱり求めるというのは本当に多いわけですよね。港区がやった調査の中でも七割がそういうふうに言っているというので、区として独自にそういう対応策を取るということもやってきているわけで、そういう面でも必要だというふうに思うんです。
 今、蓮舫さんの方からもお話ありましたけれども、やっぱり正社員としてなかなか働き続けられないと。出張ができないとか残業ができないということでどうしても転職しなきゃいけないということに置かれてしまうというのは、母子家庭もそうですけれども、父子家庭もそういう状況というのがあって、どうしても働き方が非正規で働かざるを得ないということになっていて、とりわけ去年から今年にかけての派遣切りとか雇い止めの中で、不安定な状況の中で本当に苦労されているわけですよね。
 ですから、そういうことを考えますと、やっぱりどうしても必要だし、子供から見ると、父子家庭か母子家庭かなんというのは関係ないわけですよ。関係ないのに、結局、子供から見たら、一人親でもう精いっぱい頑張っているところにそういうふうな分け方をすると、貧困が、そういう差別が子供のところに行ってしまうというふうに思うんですね。
 そういうことからもここは改善する必要があるんだというふうに思うんですけど、ちょっと一言でいかがですか。
#33
○国務大臣(舛添要一君) 貧困の再生産、これは絶対避けないといけないです。ですから、補正予算の中でも例えば再就職の支援や何かをやっているんで、いろんな政策があるということが重要だというふうに思っております。
#34
○紙智子君 それと、二〇〇二年の法改正で、五年間受給したら児童扶養手当が一部支給停止と、これも今やり取りはありましたけれども、それで関係者の反対運動があって事実上凍結となって、一定事由に該当する場合は適用除外だと。それでも停止されている家庭が出ているわけですよね。
 昨年十二月の支払のときで児童扶養手当の一部給付が停止されているわけですけど、これ、最初ちょっと事務方にお聞きすると言っていたんですけど、時間がなくなったので併せて聞きますが、これが三千五百十四人が一部停止になっているわけですよ。それで、手当の必要な人、必要じゃないからそうなったんじゃなくて、必要な人でも、いろんな事情で証明書が取れないとか、あるいは手続をすることができないために切られるということがあってはいけないんだと思うんです。
 それで、やはり就労意欲などの証明書をさせたり、適用除外の手続をさせるということは、これやめるべきではないのかと思うんですけれども、いかがですか。
#35
○国務大臣(舛添要一君) 体が悪いとかそういう特別な事情がないのに、就職活動もしないしのんべんだらりと、言葉は悪いけれども、やっているということに対してのある意味では歯止めをやっているわけですが、ただ、今の状況は、職探しても見付からないという状況がやっぱりあるんだろうと思います。ですから、これはむしろ、今ハローワーク含めて一生懸命雇用をどうつくるかとやっている。こっち側からむしろアプローチすべきではないかというふうに思っております。
#36
○紙智子君 それであれば、やっぱり今までやってきている、わざわざ就労証明だとか、障害があるとか病気だとか、こういう証明の手続を取らせるようなことはやめるべきだというふうに思うんです。
 やっぱり、日本の母親世帯の多くがこの児童扶養手当を受給しているというのは、就労意欲がないからじゃなくて、必死に働いても、児童扶養手当の所得の制限を超えるような収入を得ることができないことなんですよね。それがあるからだと思うんですよ。
 ですから、既に精いっぱい働いている母親たちにもっと働けというふうに迫るということは、母親自身の体力ももたなくなると、健康を害するということにつながりますし、そのことは子供たちにも更なる負担と犠牲を強いることになるというふうに思いますので、是非見直しをしていただきたいということを述べさせていただきます。
 最後に、一言回答をいただいて、質問を終わりたいと思います。
#37
○国務大臣(舛添要一君) 本当に困っている方々をみんなで助けようということに反対する国民はいないと思いますから、よく議論をしたいと思っております。
#38
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 民主党、社民党、発議者の皆さん、本当にありがとうございます。
 午前中はこの児童扶養手当の問題、午後は生活保護の母子加算復活法案の審議です。これは子供たちの未来に係ることで、子供たちが本当に涙を流さなくて済むように、親ももちろん涙を流さなくて済むように、これはもう早急に、できるだけ早く手当てをすべきところだと思っています。これは、与野党関係ない、もう与党、野党関係なく、子供のことで心を痛めない人はいないと。今日、与党が欠席していることは本当に残念です。対決法案ではなく、こんな法案でなぜ審議すらしないのか、全く理解ができません。本当に残念です。
 まず、児童扶養手当法十三条、五年間受給後あるいは七年経過後の一部支給停止についてやっぱり撤回をしていただきたい。十四条の四、「正当な理由がなくて、求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動をしなかったとき。」を、改正、削除していただきたい。いかがですか。
#39
○国務大臣(舛添要一君) この十四条の規定は、十四条四か、この四号というのは本当にまれなケースにしか適用されませんし、今までもそういうことだったので、まあ運用をしっかりやればいいというふうに思っております。
#40
○福島みずほ君 四十二万五千件のうち停止は三千五百十四件。ただ、これ、出さなくちゃいけないとか、やっぱり物すごいストレスになると思いますし、原則、例外も逆転して、これをなくしていただけるよう強く要請します。
 児童扶養手当五年間受給後の一部支給停止適用除外の手続簡素化のことなんですが、実際は二〇〇八年から始まったけれども、手続の煩雑さによって未手続者が続出と。その後、自治体等の努力により減少したものの、未手続者も残存をしております。これは、五年後と五年後の後の八月に現況届時に就労証明あるいは就労できない理由の証明などを出すことを要件としています。しかし、就労している証明は毎年、現況届時に所得証明を出すもので、一年前には働いていたということは証明できるわけですから、あえて現時点にこだわらず就労証明を出させる理由はないと考えますが、いかがですか。
#41
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 児童扶養手当の受給開始から五年を経過した場合の一部支給停止措置でございますけれども、障害あるいは疾病によりまして就業が困難な特段な事情がないということにもかかわらず就業が見られない方以外には、児童扶養手当の一部支給停止は行わない取扱いとしているところでございます。
 したがいまして、この要件に該当するか否かについて確認を行って、その自立に向けた適切な相談支援を行うためには、できる限り受給者の最近の状況に基づき判断する必要があるというふうに考えておりまして、賃金の支払証明書など、直近の状況について必要な書類の提出を求めているものでございます。
 なお、この手続につきましては、受給開始から五年を経過した際に最初の手続を取った後は、一年に一度、毎年八月の現況届のときに併せて書類の提出をしていただけば足りるというふうにしておりますほか、就業していることを確認するための書類につきましても、雇用証明書のほか賃金支払明細書など、受給者が就業しているということが明らかにできるような書類であれば幅広く可能な限り認めているものでございまして、できる限り手続上の負担が重くならないように配慮しているところでございます。
#42
○福島みずほ君 この事務手続が大変なために事務費等を自治体に交付するなど、逆に無駄が蔓延していると考えます。これは、手続を簡素化し現況届時だけにすること、証明書類は課税証明書だけでオーケーであるように是非政令改正すべきを強く申し入れます。
 児童扶養手当の水際作戦のような支給抑制は改めるべきではないか。例えば、児童扶養手当申請時に夫の住所地が近隣だと偽装離婚だとして申請を受け付けない京都府内の対応が見られたり、緊急避難で旅館に宿泊したところ、旅館に男性がいるということで申請拒否されたと。これはおかしいじゃないかということで、これは市も不手際を認め、本人にも謝罪し、資格喪失届出の撤回が行われたということで解決をしたわけですが、適正な手続があれば手当の支給申請は当然受けられるというふうにしていただきたい。いかがですか。
#43
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 児童扶養手当は、受給者の申請に基づきまして、支給要件を満たしているかどうかにつきまして必要な審査を行った上で支給しているものでございます。
 今お話がございましたけれども、児童扶養手当制度におきましては、まずは申請を受け付けた上で、支給要件に照らしまして実態を確認の上、認定又は却下の処分を行うということにしているものでございます。したがいまして、国としても申請の受付自体を拒むようなことはあってはならないというふうに考えておりまして、万一そのような事例があるということであれば、確認の上適切に指導するなど、きちんと対応してまいりたいというふうに考えております。
#44
○福島みずほ君 事実婚ではないという証明を非常に求められたりとか、これってなかなか難しいんですね。それは、例えば、やっぱりだれか男性が仮にいない、あるいはいると思われる、あるいはいるように疑いがあるなんてあるかもしれませんが、それで、例えば別に経済的援助を受けている場合でなかったり、結婚しようかななんて思っている例もあると思うんですね。ですから、事実婚だとみなして児童扶養手当をカットしていくということは是非気を付けていただきたい。いかがですか。
#45
○国務大臣(舛添要一君) すべてこの問題は、今までの設問もそうですけれども、納税者、これが納得いけばいいんです。逆のクレームが来るんですよ。
 こういうケースがあって、我々の税金から生活保護をこういう人に出していいんですか、私、もっと苦しい生活なのに税金払っているよと。それから、生活保護受けない母子家庭、私、歯食いしばって税金払っているのに、あの方ああいうことやっているじゃないのというクレームがやっぱり来るから、窓口の役所としてはそういうことにも答えられないといけないんで一定のルールを置いているわけで、それがルールが煩雑過ぎて、今おっしゃったように、ちょっと行き過ぎだということになれば、それは、国民がそれはちょっと常識外れていますねというところは是正すればいいと思っております。
#46
○福島みずほ君 貧困比べをして、あそこがいいと言うよりも、やっぱり必要なところには……(発言する者あり)いやいや、そういう議論で必要なところに本当に行くように、是非、厚生労働省としてもきちっと指導をしてくださるようお願いします。
 ドメスティック・バイオレンスの被害を受け、遺棄区分、遺棄するというあの遺棄ですが、遺棄区分で児童扶養手当を申請する場合のメール、電話、手紙等があると一年間申請を待機するということになっております。しかし、御存じドメスティック・バイオレンス防止法で、嫌がらせのメールとかは、これも保護命令の対象になっております。
 ですから、これは是非、夫から単にメールがあったら一年間待機という、このようなことを改めていただきたい。いかがですか。
#47
○政府参考人(北村彰君) お答え申し上げます。
 児童扶養手当の支給要件であります一年以上児童が父に遺棄されている状態に該当するという場合には、父母がまだ離婚をしていなくても児童扶養手当の支給対象としているところでございます。
 DV被害者が、ただ単に父親からのメール、手紙があったということのみをもって一年間支給を認めないというふうな取扱いは国としては示しておりません。仮に、家を出た場合、後に、父からメール、手紙などがあった場合であっても、その内容によって遺棄に該当するかどうかを判断するという取扱いをしているところでございます。
 また、遺棄に当たるかどうかの判断につきましては、自治体における認定事務の参考として一般的なケースを想定した判断基準を示してはおりますけれども、これは、単に機械的に適用するのではなくて、事実関係を総合的に勘案して判断していただく取扱いとしているものでございます。
#48
○福島みずほ君 遺棄状態についてのフローチャート、事実婚の規定など、一九八〇年に作られたものです。その後の人権状況の進展、特に子どもの権利条約、DV防止法等に違反しているおそれもあると考えますので、再検討を是非していただきたいということを強く申し上げます。
 是非、この法案がきちっと成立をし、父子家庭についても児童扶養手当が支給されるよう強く望み、質問を終わります。
#49
○委員長(辻泰弘君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本法律案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本法律案に対する意見を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。
#50
○国務大臣(舛添要一君) 参議院議員島田智哉子君外八名提出の児童扶養手当法の一部を改正する法律案につきましては、政府としては反対であります。
#51
○委員長(辻泰弘君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 児童扶養手当法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#52
○委員長(辻泰弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時三十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#54
○委員長(辻泰弘君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 生活保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、委員長から申し上げます。
 現在、自由民主党及び公明党所属委員の出席が得られておりません。
 委員長より出席を求めますので、そのまましばらくお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#55
○委員長(辻泰弘君) 速記を始めてください。
 自由民主党及び公明党所属委員に対し出席を求めましたが、現在まで出席が得られておりません。
 委員長といたしましては、理事会の協議に基づき、議事を進めることといたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#56
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫です。
 今から生活保護の母子加算を復活させる法案の審議をさせていただきますが、午前中に引き続き、自民党、公明党の委員が出席をされていない、審議に参加しない。本当にこの国で育っていく子供たちのことをどのように考えているのか、非常に残念です。
 さて、今にして思えば、四年前の小泉元総理が掲げた骨太の方針というのは一体何だったんだろうか。二千二百億の社会保障費の削減を続けてきて、今何が残ったのか。介護も医療も現場からは悲鳴が聞こえる。中でも、今年廃止をされた生活保護の母子加算、この結果、十八万人のお子さん、十万人のお母さん、残されたのは生活苦、精神的な苦しさだと私は思っております。
 法案提出者、発議者に伺います。この法律を提出した理由をお聞かせください。
#57
○中村哲治君 今、子供の貧困が社会問題となっています。貧困に直面した子供は、子供のうちに教養を身に付け、体を鍛え、将来に備えなければ貧困は再生産されてしまいます。母子家庭の貧困率は六六%、生活保護受給世帯の中でも、母子家庭、父子家庭といった一人親世帯は特別な需要がある。
 母子加算はマイナスを埋める制度として機能してまいりました。しかし、政府が母子加算を廃止をした、そのことによって悲痛な叫びが私たち聞かされております。育ち盛りのお子さんの食費や衣服費を切り詰めないといけない、修学旅行に行けなかった、高校をあきらめざるを得なかった、だから何とかしたい。
 私たちは、この数年来、これは法案で解決できないのかと模索をしてまいりました。しかし、生活保護基準が厚生労働省の告示によって決められてしまう。なかなか規定ぶりを編み出すことができませんでした。長い時間掛かって、山井和則衆議院議員が衆議院の法制局と詰めることによってこの問題は解決してまいりました。やっと法案化することができました。
 今日この場所に与党の議員の皆さんがいらっしゃらないのが非常に残念です。政府・与党がつくった政策の転換、これによってこれだけ多くの人が苦しい思いをしている。私たちは何とかしてこの法律を提案させていただき、審議させていただいて、成立させていただきたいと、そういうふうに考えております。
#58
○蓮舫君 そもそも、厚労省はなぜ母子加算を廃止したんですか。
#59
○政府参考人(阿曽沼慎司君) お答えを申し上げます。
 生活保護の母子加算でございますが、昭和二十四年に生活保護の生活扶助基準自体が低かった時代に、まず母子家庭の生活費の上乗せとして支給するものでございました。その後、生活保護の基準は引上げを重ねてきましたが、平成十六年に母子世帯の生活費について検証を行いました。その結果、母子加算を含む支給総額が一般の母子世帯の平均的な消費水準を上回っていることから、専門委員会において、一律、機械的な給付を見直し、世帯の自立に向けた給付に転換するというふうに方向性が示されました。
 それを受けまして、厚生労働省としては、この方向性に沿って母子加算を五年掛けて段階的に縮減、廃止するとともに、母子家庭が抱える多様な課題に適切にこたえられるように、教育支援あるいは就労支援といった給付の転換を行ったところでございます。
#60
○蓮舫君 〇四年十二月の生活保護制度の在り方に関する専門委員会の報告書で、母子加算は給付の見直しを提言されたと厚労省は説明しているんですが、委員会のメンバーであった静岡大学の布川教授にお伺いをしますと、廃止という提言はしていない、検討を続けるべきだという結論だと。
 委員の考えが間違っているんですか。
#61
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 専門委員会におきましては自由闊達、活発な意見交換が行われました。これは厚生労働省のホームページにも議事録をちゃんとアップしておりますし、それから資料も提出をいたしております。
 その最終的な報告書では、現行の母子加算は妥当とは言えないとした上で、母子加算については一律、機械的な給付を見直し、世帯の自立に向けた給付に転換するという見直しの方向性について意見が集約されたというふうに考えております。
#62
○蓮舫君 専門委員会の委員が検討を続けるべきだという結論を出したものを厚労省が廃止すると政策判断をして決定したんです。
 専門委員会では、一般の母子世帯と生活保護を受けている母子世帯の消費水準の比較の検討をされた。この検討で使われたデータは何ですか。
#63
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 総務省の平成十一年の全国消費実態調査のデータを特別集計したものでございます。
#64
○蓮舫君 平成十一年のデータですよね。今から十年前のデータを使って五年前に専門委員会の報告を受けて、今年、母子加算を廃止。この十年間の経済の変化とか雇用状況の悪化、母子世帯のみならず一人親をめぐる環境が大きく変わっているにもかかわらず、平成十一年の調査結果が比較の基礎となっていること、これ、発議者はどのように思いますか。
#65
○川合孝典君 お答え申し上げます。
 御指摘のありました調査の件につきましては、この母子加算を加えた保護基準は一般母子家庭の平均的な消費水準と比較して高いというふうなことを言われておりますが、実はその分析の対象となった世帯が子供二人世帯で五十七サンプル、それから子供一人世帯ではわずか三十二サンプルということで、実態を反映しているとは言えないというふうに私どもは考えております。
 さらに、政府は、先日、この特別集計自体が統計的に有意なものであるかどうか確認できないという答弁書を閣議決定しておりますし、またさきの、二月二十四日の衆議院予算委員会においても、我が党の川内博史議員の質疑に対して、基のデータとなった全国消費実態調査を行っている総務省統計局長が、この統計調査の結果は必ず、特に標本調査ですと標本誤差がございますので、その大きさを勘案する必要がある、この趣旨の答弁をしておられます。
 すなわち、今回問題となっているようなこの特別集計のように、標準誤差率の計算や評価をしていないこの統計は有意さが確保できないということになるわけでございます。
#66
○蓮舫君 母子世帯は七十五万世帯います。今回、生活保護の母子加算を廃止したサンプル数は、三十二とか五十七世帯。
 実は、第十七回の専門委員会において、岩田委員長から、この集計数が少ないため不安定な数字が出ている、安定した集計数、母子世帯を本当に代表するような形で出ていない、危惧するといった発言もあるんですね。世帯人数の調整を行えばかなり高いと言われていたところが、これ消費です、下がるという指摘もされている。その上で、委員会としては明確な結論というよりは変更の可能性を示し、その後は基準の委員会で詰めてもらうとまとめている。
 この委員長の指摘はどのように反映されたんですか。
#67
○政府参考人(阿曽沼慎司君) ちょっとその前に、山井議員の質問主意書において、ちょっとだけお答えをいたしますが。
#68
○委員長(辻泰弘君) 簡潔にお願いします。
#69
○政府参考人(阿曽沼慎司君) はい。これは、現存する資料においては御指摘の数値が統計的に有意なものとは確認できないということを申し上げたので、それは現時点ではできないということを申し上げたことになると。
 それから、今の後半の御指摘でございますが、確かに岩田委員長からそういう御発言ございましたけれども、最終的には、専門委員会でいろいろ議論がございまして、起草委員会でまた最終的な文案を練りまして、最終的に報告書案がまとまった。
 その報告書の中では、サンプル数が少ないという指摘もございましたが、最終的には現行の母子加算は妥当とは言えない、それから、一律、機械的な給付を見直して、世帯の自立に向けた給付に転換をするということで、母子加算見直しの必要性なり、その見直しの方向性というのが明記されておると私どもは認識しております。
#70
○蓮舫君 いや、この調査に関して、結果に関して、山井衆議院議員の質問主意書への答弁で資料の数値については何て答えていますか。
#71
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 質問主意書におきましては、このサンプル数で有意な結果は出るのかという御質問書であったと思いますが、それに関しまして、現存する資料によっては御指摘の数値が統計的に有意なものであるかどうかは確認できませんというふうに答弁をいたしました。
#72
○蓮舫君 有意なものであるか確認できないということは、厚労省としてこの調査が有意かどうか分からない。この調査をもって、一般母子世帯と生活保護の母子加算を受けている母子世帯の消費支出が違いがあると言い切れないんじゃないですか。
#73
○政府参考人(阿曽沼慎司君) ちょっと専門的な話になりますけれども、統計学上の精度は十分かどうかという議論をいたしますと、その場合には標準誤差を評価しないと、普通、標準誤差率と言っておりますけど、それを評価しませんと、そのサンプルが母集団を反映しているかということが必ずしもはっきりしないわけでございますけれども、今の時点でその調査票が、私ども、廃棄されておりますので標本のばらつきを求めることができないということから現時点では確認はできないということを申し上げたわけでございます。
#74
○蓮舫君 現時点で確認できなくても、これは、じゃ総務省にお伺いしますが、調査の有意性、統計の有意性って何をもって担保されますか。
#75
○政府参考人(川崎茂君) 統計の結果から有意であるか否かということを判断するためには、通常、標準誤差又は標準誤差率というものを算出するというのが一般的でございます。この標準誤差あるいは標準誤差率を算出するためには、標本のばらつきの尺度であります分散というものを求めるのが必要となります。
#76
○蓮舫君 いや、統計の有意性を確保する標準誤差率の計算を行っていない、当時の資料がないから調査が有意なものか確認できない。これ、有意じゃなかったら、生活保護の母子世帯、母子加算を廃止されて今苦しんでいる母子家庭の人たちは仕方がないということですか。
#77
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 専門委員会に、当時の議論でございますが、当時、標準誤差率の計算とかあるいは仮説の検定を行ったかどうかというのは、現存資料、現存する資料からは確認できませんでしたが、全国消費実態調査といいますのは、家計消費に関する最大の調査、最も詳細かつ最大規模の調査でございます。そしてまた、母子家庭全体のサンプル数は約五百でございますので、私どもとしては当時としても全体としての精度面に問題はなかったんではないかと考えております。
#78
○蓮舫君 いや、これ調査結果を見ると、不思議な数字もあるんですね。母子世帯で母と子供一人の世帯よりも子供二人の世帯の方が消費支出額が小さいんですよ。一般的に子供の数が多ければ食費とか学費あるいは被服費など支出は高まるんですが、これ逆のデータ結果が出ている。
 これ、どんな分析を行ったんでしょうか。たしか民間会社に分析調査を委託しておりますが、成果物残っていますか。
#79
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 整理をいたしますと、まず総理府の方に全国消費実態調査という詳細な調査がございます。それを、目的外使用でございますけれども、特別集計をいたしました。特別集計をするときに、民間の会社に集計の委託をいたしました。そして、集計委託をして、その成果物をもって、その成果物を集約したものを審議会に提出していると、そういうことでございます。
 それで、委託をいたしました民間の事業者でございますけれども、私ども確認いたしましたところ、その集計結果については残っていないというふうに聞いております。
#80
○蓮舫君 民間会社にも集計結果が残っていない、厚労省にも集計結果が残っていない。でも、分析を行った、分析の結果を見て明らかにおかしいなと思うものがあるけれども、この分析結果は正しいから、だから母子加算を廃止してもいいんだと厚労省は言うんですが、何をもってその主張が正しいと担保されるんですか。
#81
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 専門委員会での議論は、当時、標準誤差率の計算とか仮説検定はやったかどうか分かりませんけれども、全国の消費実態調査というのは極めて詳細な調査でございます。全国的に実施する唯一の調査でございますし、母子家庭のサンプルも五百ということでございます。五百というサンプルはそれなりに全体の精度を獲得するんではないかという御判断もあったんだと思います。
 したがいまして、最終的には、専門委員会でいろんな御議論があったけれども、報告書はああいう形でまとまったというふうに私どもは理解しております。
#82
○蓮舫君 いや、報告書をまとめた専門委員会の委員が廃止を提言していないんです。その上で、厚労省は、そのときの調査分析結果、成果物も何もありません、民間会社にもありません、でも母子加算の廃止はこれは適切だったとお考えなんですか。
#83
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 先ほど来申し上げましているように、審議会に提出した資料がございます。要するに、その集計結果を一部集約した形でちゃんと提出しておりまして、それは今でもホームページで御覧いただけると思いますが、その結果を見て専門委員会で御議論されて、いろんな意見があったと思いますけれども、最終的には報告書がまとまったと。報告書は、先ほど来申し上げておりますように、見直しをすべきだという方向が書いてあるということでございます。
#84
○蓮舫君 発議者に伺いますが、この厚労省の姿勢といいますか、資料も何にもない、でも分析は正しかった、専門家委員会も廃止だと言っていた。なぜか結果ありきで、途中経過はどうでもいいというような答弁に私には聞こえるんですが、いかがでしょうか。
#85
○川合孝典君 お答え申し上げます。
 委員御指摘のデータの安定性の欠如ということについては、当時から専門委員会の委員の皆さんからも発言があったということは議事録を確認したら記載されております。ちなみに、この委員長、専門委員会の委員長はこの委員会の中で、平成十一年度の全国消費実態調査を基に議論してきましたが、もう全国消費実態調査の新しい調査の時期になっているわけですから、その結果が出た時点で十分検証していただくという結論にするのが妥当であろうということを平成十六年の段階でおっしゃっているという、こういう事実がございます。
#86
○蓮舫君 大臣、やり取り聞いていて、どうお考えか。
 つまり、私たちは疑いたくはないんですけれども、二千二百億の社会保障費削減という大目標、これをクリアしなければいけないから、何かを削らなければいけない。そのときに、専門家委員会が廃止と提言はしていないけれども見直すという、そこだけを取り出して、じゃ廃止をさせてしまおう。データは残っていないけれども、当時の判断は間違いじゃなかったんだと。何だか、その結果ありきでこの政策が決められたように私には思えるんですが、いかがでしょうか。
#87
○国務大臣(舛添要一君) データ検証、今いろんな御指摘の問題あると思いますし、私も報告書を読みまして見直しという方向も出ていたと思います。
 一番やっぱり大事なのは、生活保護を受けている母子家庭とそうじゃない母子家庭との比較、そして根本的な考え方として丸めてぽっとこの加算金を終えるんではなくて、様々な就労支援、就学支援、そういう手を打って総合的にやろうということで、支援の手を引くということではないと思いますので、そういう方向での改革の一つの検証会議だと思っております。
#88
○蓮舫君 いや、支援の手を引いているんです。生活保護の母子加算というのは都市部で月二万三千円、これが廃止されるということがどれだけ大きなことか。進学をあきらめる、修学旅行をあきらめる、おなかいっぱい食べられない、自分のやりたいことを我慢する。最も痛いのは子供だし、その子供の姿を見て精神的につらいのは母親だと私は思っております。
 麻生総理は鳩山民主党代表との党首討論の中で、母子家庭を支援していく視点ははっきりしている、二百億の母子加算を廃止して生活保護の母子世帯等に対する総合的な支援策をされると実は答弁されているんですが、二百億の母子加算を廃止して政府が講じた総合的な支援策は百七十八億で、額でも足りないんですね。
 発議者にお伺いしますが、母子加算を復活しなくても、この麻生総理が言うような政府の対策で十分だとお考えでしょうか。
#89
○委員以外の議員(大河原雅子君) 今、蓮舫委員がおっしゃったとおり、百七十八億円の内訳は大変なずさんなものとなっております。
 母子家庭、生活保護、母子家庭を対象としたものは、その中でも一人親世帯就労促進費だけでございまして、それは二十年度推計でわずか四十億円です。しかも、約十万世帯の母子世帯等のうち半分の、約五割の世帯は様々な理由で就労することが困難です。一人親世帯就労促進費の支給対象にはならないということがあるわけなんです。
 さらに、就労して支給対象となっている世帯でも、満額の一万円を受給するためには就労収入が月額三万円以上という壁がありまして、この満額を受給しているのはわずか三・九万世帯。ですから、母子加算を廃止してそれに代わる総合的な支援策を立てたと政府は言うわけですけれども、実際には実質的に支援策は皆無と言っていい。そして、多くの母子加算世帯、この対象世帯は切り捨てられているのが状況でございます。
#90
○蓮舫君 厚労省に確認をしますが、生活保護制度の目的というのは最低生活の保障と自立の援助でよろしいでしょうか。
#91
○政府参考人(阿曽沼慎司君) お答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、生活保護制度は、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とするという制度でございます。
#92
○蓮舫君 廃止した母子加算は、最低生活保障の枠内ですか、それとも上乗せですか。
#93
○政府参考人(阿曽沼慎司君) お答えを申し上げます。
 母子加算は、かつて最低生活費の一部として生活扶助基準に上乗せして支給、給付されておりました。そういう意味では最低生活保障の枠内であると思います。
 しかしながら、最低生活費としていったん定めた保障基準でございましても、国民生活の変化あるいは社会経済情勢の変化に応じて見直していくことは必要でございますので、見直しの結果、最低生活費が増加することもあれば下がることもあるということでございます。
#94
○蓮舫君 枠内ですね、最低生活保障の。
 そうであれば、今回、疑いのある調査なんですけれども、一般母子世帯の支出の方が生活保護の母子加算を受けている母子世帯よりも少ない。であれば、一般母子世帯の生活保障をどうするかというのを考えなければいけないのに、最低保障の枠内である母子加算を切って、その方たちを更に貧困の枠に落としてしまうというのは、これは厚生労働省としてやってはいけないことなんじゃないですか。
#95
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今回の母子加算の見直しといいますのは、専門家委員会にございますように、一律の加算ということではなくて、ニーズに応じた、それに対応した給付というものに転換をしていこうということでございます。そういう意味で、私どもとしては今回の見直しの方向性というのは正しい方向ではないかというふうに考えております。
#96
○蓮舫君 大臣、確認しますが、大臣もこの方向性は正しいということでよろしいですか。
#97
○国務大臣(舛添要一君) 一つは、これは私が決めて今私がすぐやっているわけではなくて、十六年度に決めて、五年掛けて段階的にこうやっていこうということなんです。ですから、一年目に大問題が生じれば、そこで国会の場で法律を変えるとかいうようなこともできていたわけで、少しずつ変えていっているということをまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、様々な施策で総合的にきめの細かい政策を取ると、これは間違っていないと思います。
#98
○蓮舫君 舛添大臣が決めていなくても、今廃止されたときの所管担当大臣は舛添大臣です。
 で、問題が出ているんです。今日、傍聴席にも母子家庭の方もたくさん来ておられますけれども、私たちの部門会議でも実に多くの母子世帯の方たちのお母さんに話を聞きました、この母子加算がなくなって生活はどうなったか、お子さんにどういう影響が与えられているか。その声を受け止めて私たちは、やはりこれは、母子加算は復活させた方がいい、だから法案を提案させていただいて、こうして審議をさせていただいているんですけれども。
 発議者に確認をしますが、今回のこの母子加算を復活すると財源は幾らぐらい掛かるんでしょう。
#99
○中村哲治君 下半期で今年度の場合は約九十億円掛かります。
#100
○蓮舫君 舛添大臣にもう一回お伺いいたしますが、下半期で九十億、見直しませんか。
#101
○国務大臣(舛添要一君) 私が先ほど五年で段階的にということを申し上げたのは、ある一つの政策を転換するときに、激変緩和しないといけないですから、急激にやるわけにはいきません。
 それで、やっぱり諸般の事情を考えると、ここに来て大変こういう問題がクローズアップされてきて、本当にお困りの方が多いというのは、母子加算の廃止だけにあるのではなくて、やはりこの未曾有の経済危機だということが背景にあり、労働環境、金融を含め経済環境も非常に悪くなっているということがありますから、そちらについての手当てをする、様々な施策をする。私は、母子加算、それを、例えば仮にですよ、復活するだけですべての問題が解決するわけでもないというように思っていますから、それは様々な施策をやる必要があると思いますから、それは総合的に今それをやっているということでございます。
#102
○蓮舫君 いや、母子加算の廃止だけではなくて、社会保障費二千二百億円の削減が、それがすべての原因なんですよ。でも、それを進めてきたのは自民党なんですよ。政府じゃないですか。政府が進めてきたもののしわ寄せが本当につらい方たちのところに今集まっているからそれを正そうというときに、母子加算だけの問題じゃないんだという答弁は、それはおかしいと私は思います。
 定額給付金の事務費に八百億掛かったんですよ。思い付きのばらまきの事務費に八百億掛けて母子加算の二百億をひねり出せないという政治は、私はおかしいと思っています。本当に困った人たちのために政治をやっていくんであれば、私はここは思い切って考え方を変えていただきたいし、それは政治判断一つで変えられると思っています。今の与党がその判断をされないというのであれば、是非、私たちは次、総選挙で結果を受けて政権交代をしたら、すぐ実現したいと思っている。
 最後に発議者に、今までのやり取りを聞いて、そして改めてこの法案をどうしても通したいんだという思いがあれば、一言。
#103
○中村哲治君 今年の補正予算でも、この安心こども基金で一千五百億追加に予算が付けられています。その部分を九十億回すだけで実現できるんですよ。本来ならば、今いろいろと答弁ありましたけれども、母子加算を廃止するのであれば、それに対応する細かな、きめ細やかな福祉政策が必要なんです。そういうこともやらない。だから、私たちは当面の間これを実現させていただきたいということを申し上げているというところでございます。
 以上です。
#104
○蓮舫君 終わります。
 ありがとうございました。
#105
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 十分の質問時間ですので、答弁の方はできるだけ簡潔にお願いしたいと思います。
 それで、生活保護の母子加算が就業支援の転換ということを理由にして廃止をされて、十万の一人親世帯、約十八万人の子供たちが一層の貧困を強いられているわけです。中でも、働きたくても働けないと、こういう家庭がもう困窮を極めていると思うんですね。三万人が何の代替措置もとらずに二万数千円の母子加算が廃止をされたわけですけれども、それがどういうことなのかということを、私、少し具体的にお話をしたいと思うんですよ。
 それで、今、生存権をめぐって札幌地裁に提訴している川口さんの場合。実は、私、この方は直接お宅を訪問していろいろ事情を聞かせていただきましたし、テレビでも一度放送されて、全国放送で御覧になっている方多いと思うんですけれども、子供さんが四人いらっしゃるんですね。この四人のうち三人が障害を持っているわけですよ。そして、二人は施設に入所されていると。そして三男が重度の障害なんですけれども、この子と、それから中学生の長女とお母さんと住んでいるわけですね。それで、三男の介護をしなきゃいけないから働きに出れないわけですよ。そういう中で、とにかく、三男の方ももうかなり体が大きいですから、介護をしている間に本人も腰を痛めているんですね。椎間板ヘルニアで自分も治療しなきゃいけないと。
 そういう状況の中で中学生の長女と一緒に協力しながらやっているんですけれども、二〇〇七年の三月まで二万五千百円あったこの加算がゼロになったわけですよね。食事以外削るところはないということで、とにかく自分は食事を一日一回というふうに切り詰めて、それでも子供たちに満足な、食べさせられないというふうに言っているわけです。だから、働きたくても働けない状況に追い込まれている、こういう一人親の家庭にとって、生活保護というのは最後のとりでになっているわけですよね。
 心身ともに本当にダメージを受けていて、そういう中で、働けない一人親、こういう家庭はどうやってここを乗り越えたらいいのかと。もうほっておいたらもたないですよ。どうしたらいいんですか、これは。大臣にお聞きしたいと思います。
#106
○国務大臣(舛添要一君) 個々は様々なケースがそれはあると思いますけれども、今のその生活保護の水準でいうと、まあこれ地域によって違いますけれども、東京の区部でいいますと、例えば母子家庭で未就労の場合でも高校生と小学生、子供のときには月額約二十七万、小学生の子供一人の場合でも月額約二十一万円ということは、それぞれ三百二十万円、二百五十万円と、この最低は保障されております。
 さらに、その上で、先ほど来申し上げていますように、例えば子供の学習支援のためにクラブ活動に対する費用を小学生で二千五百五十円とか高校生で五千十円、こういうのをやっていますし、それから今の病気のような話のときには、これは生活保護の場合にはきちんとそれは対応しておりますんで、午前中にも申し上げましたけれども、普通のタックスペイヤーというか納税者が、それは国民は困った人をみんな助けようと思っていますが、そこまでだったら納得できるという線でないといけないと思いますし、それからこの母子加算云々だけの話ではなくて、今の場合はまさにおっしゃったように就労ということが非常に必要ですから、それは雇用をつくり出す、七千億円の基金もそのためにつくったわけですから、様々な施策をやっていきたいと思っております。
#107
○紙智子君 いろいろなことをやっているというふうにおっしゃいました、障害者の加算とか医療の問題とか。でも、それは母子加算に代わるものじゃないんですよ。
 それで、やっぱり生活保護を受ける際のハードルってすごく高くて、子供の進学や将来のことを考えると、大体一人親の方は日中と夜ともう二つとか三つの仕事を掛け持ちなんですよね。とにかく、そうやってもう無理を重ねているわけです。
 先日、札幌でお話聞いた女性の場合は、子供が小学三年のときに離婚されたわけですけれども、朝から夕方まで介護の仕事をやって、その後は夜もコンビニで十時まで働くと。ずっとそうやって働き続けて、子供さんが中学三年になったときにとうとう体壊しちゃったんですね。こういうふうに、自立するために必死に働いて体を壊している人や、DVの被害者や、あるいは障害があったり病気の子供がいるということに対して、経済的自立だけを強調して一律に母子加算を切るというのは母親にとっては本当につらい話で、こんなふうに言っていますよ、まるで懲罰受けているようだと。こういうふうに言わせなきゃいけないような事態というのは本当におかしいと思うんですよ。
 やっぱり、より困難に置かれている子供や家庭、家族を排除するようなことがあってはならないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(舛添要一君) いや、だから、そういう様々なケースに対しては、それはケースワーカーにしろ、市町村の生活保護の担当の方にしろ、きめの細かい手を差し伸べなさいということを言っているわけであります。
 ですから、全体の大きな政策を決めるときに、納税者の御納得がいただけるような水準がどこにあるのかと。そして、先ほど来申し上げていますように、五年を掛けて段階的にやっているけど、ここに来て極めて厳しい状況だというのは、様々な経済情勢も反映している、雇用情勢も反映している、こういうところに対しての手当てもきちんとやっているということであります。
#109
○紙智子君 納税者の納得とおっしゃいますけど、多くの世論はどうしてこういうものをほっておくのかというふうになっていると思うんですよ。だから、やっぱり一人一人の実情を見ていただきたいというふうに思うんです。
 それで、次に法案の提出者にお聞きしたいと思います。
 政府は就労促進費で代替措置をとっていると言うんですけれども、それでも二万数千円が一万円とか五千円に減るわけですよ。それによって生活がどうなったということになると、例えば札幌の方で、十六歳になったときにもう支給停止になったと。子供の教育費を確保するために切り詰めるだけ切り詰めて、とにかく本当に自分自身の食べるものを削り、子供にもできるだけ回したいと思うけれども十分に行かないと。で、ある男の子が、そのお母さんの子供が言うそうですよ。進学本当はしたいんだけれども、それは言わずに、お母さん、僕いいよと、いいからねというふうに言われるというんですね。こんなつらい話はないわけです。
 それで、母子加算というのは、一人親家庭であるがゆえに特別に必要な出費を補うためにあったもので、最低生活費に上乗せさせたものじゃないと思うんですよ。そういう意味で、こういうことが子供の貧困にももうつながっていくと、将来の行き先も決めてしまうということは本当に重大な問題だと思っていまして、この点についてお聞きしたいんですけれども、この子供の貧困をずっと連鎖させていくという問題をどう考えるのか。そして、今回の法改正の意義についてお聞きしたいと思います。
#110
○委員以外の議員(小池晃君) お答えいたします。
 今御指摘がありましたとおり、母子加算の廃止は、母子家庭の子供の就学の機会も奪い、貧困の連鎖を拡大していると思います。
 先ほどより政府からきめの細かい対応が必要なんだという答弁が繰り返されているんですが、それは母子加算の上に更にきめ細かく加算をしていけばいいわけであって、母子加算廃止の理由にはならないというふうに思います。
 母子加算廃止に伴って、今御指摘がありましたように、政府は一人親世帯就労促進費を導入いたしましたが、これは一万円ということで、母子加算二万三千二百六十円の半分にもなりませんし、そもそも今お話があったような病気や障害で働けない世帯には支給をされません。しかも、収入が三万円以下になると五千円に減額されるわけで、この不況の中で解雇が広がっていますけれども、収入の道が閉ざされると行政の助けも打ち切られるという、極めて矛盾した仕組みになっております。この結果、長男が修学旅行に行かないと言っている、高校は卒業させたいと思っているんだけれども、将来が狭まってしまうとか、あるいは生活の不安から高校二年の長男が学校をやめて定時制へ入ろうか悩んでいるという声も寄せられております。
 そもそも今回の母子加算の廃止ですが、消費実態調査を基にして、一般の母子世帯と比較して生活保護費の方が高いからという理由で行われたわけですが、これも先ほどから議論があるように、このデータそのものには様々な問題があって、根拠はもう完全に崩れているというふうに言わざるを得ません。仮に生活保護費の方が高かったとしても、憲法二十五条の最低生活保障の具体化である生活保護水準以下で暮らしている母子世帯が生活保護を受給できていないことこそ行政の怠慢を示しているものであって、母子加算を廃止する理由には全くならないというふうに思います。
 そもそも政府自身が認めておりましたように、母子加算というのは、配偶者が欠けた状態にある者が児童を養育しなければならないことに対応して、通常以上の労働に伴う被服費、片親がいないことにより精神的負担を持つ児童の健全な育成を図るための費用というふうにされていたのであって、貧困の再生産、貧困の連鎖防止が必要というのであれば、まさに母子加算の復活こそ必要だというふうに思います。
 付け加えれば、経済危機対策の中で最も苦しい人を応援することこそ求められる経済対策であって、先ほど九十億円という話もありました。よく言われるように、アニメの殿堂百十七億円ということに使うのが経済対策なのか、やっぱりそういうお金があるんであれば一番苦しい暮らしを強いられている人に使うべきではないか。総事業費一兆円を超えるという外郭環状道路一メートル一億円と、こういったところに経済対策でお金を使うというのは全く間違いであるというふうに思いますので、是非この法案を成立させたいというふうに思っております。
 以上です。
#111
○紙智子君 ありがとうございました。
 今回のこの法改正で少しでも改善され、そして少しでも希望が持てるように、そのことを願って、質問を終わります。
#112
○福島みずほ君 社会民主党の福島みずほです。
 四野党の皆さんが生活保護の母子加算復活法案を出してくださったことに心から敬意を表します。今日、残念ながら与党がおりません。全く理解ができません。これは、子供の貧困を私たち政治が解決をすべきであり、審議すら応じないということは本当に理解ができないことです。これは与野党対決ではなく、生活保護の母子加算復活ということで、この参議院、衆議院で何とか可決し成立をしたいというふうに思っております。
 まず、発議者に、この生活保護の母子加算復活法案を提案したそもそもの理由、私が最後の質問者ですので、答えてください。
#113
○委員以外の議員(近藤正道君) 母子加算を完全に復活させる本法案の意義は極めて大きいというふうに考えます。
 その第一の理由でございますが、母子加算の完全復活を通じて、再度、一人親世帯、母子家庭に憲法二十五条の息吹を吹き込んで、健康で文化的な最低限度の生活の水準をしっかりと確保しようとするものでございます。育ち盛りの子供の食費や衣服代を切り詰める、高校進学を断念させる、修学旅行をあきらめさせる、一人親世帯の子供たちにそんな肩身の狭い思いをこれからは決してさせない、子供たちへの貧困の連鎖を断ち切り歯止めを掛ける、そういうものでございます。
 第二に、母子加算の完全復活は、母子加算の縮減、廃止を打ち出した小泉構造改革以来の社会保障を良くし、今ほど出ました二千二百億円の削減、弱肉強食の政治と完全に決別して、新しい、人を大切にする政治の実現に向け大きくかじを切る、そのことをはっきりと内外に宣言する、そういうものだというふうに思っております。
 第三に、本法案の提出に当たりまして、母子加算の廃止が何ら合理的な理由、客観的な法律、事実に基づかずに強行された、それは今ほどの論議で明らかになりました。また、母子家庭の生活実態を正確にとらえるならば、極めて厳しい実態であり、本来生活保護を受けるべき多くの一人親世帯が生活保護の対象から排除されている、この理不尽な事態こそ直ちに正されなければならないというふうに思っておりますし、我が国では生活保護の捕捉率は一五から二〇%程度という低い水準にとどまっていることも明らかになりました。こうしたこともありまして、我が国の子供の貧困率、明らかに増加の傾向にあって、昨年のOECDの報告によると、我が国の子供の貧困率は約一四%に達して、極めて深刻な事態であることが明らかになりました。
 今回の母子加算の完全復活、これは憲法二十五条の理念をしっかりと踏まえた生活保護制度の見直しに向けたその第一歩と位置付けることができるのではないかと私は思っております。
 この数年間、母子加算の縮減、廃止によって一人親家庭、母子家庭の子供たちに長く苦しい生活を強いてまいりました。大変申し訳ないというふうに思っております。しかし、今ようやく立法府、国会は子供の貧困問題と正面から向き合い、その責任を果たすところに到達をいたしました。
 本法案を速やかに採決していただいて、どの子に対しても安心して学び育つ環境を保障するという参議院の意思を今こそしっかりと示していただきたいと考えております。
#114
○福島みずほ君 生活保護制度の在り方に関する専門委員会報告書は、二〇〇四年十二月十五日に出ております。妥当であるとは言えないということですし、ここはどこも、廃止せよなんてどこにも書いてありません。見直すことが考えられるということだけなんですね。にもかかわらず、二〇〇五年から段階的に母子加算を廃止をしています。
 おかしいじゃないですか。見直すとしかなっていないのに、なぜもう二〇〇五年から、年末ぎりぎりに報告書を出して、二〇〇五年にすぐさま母子加算の廃止なんでしょうか。
#115
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 先ほど来申し上げておりますように、専門委員会の報告書では、母子加算の在り方を見直して、やはり就労支援の方向に考えるべきではないかということでございました。
 私ども、この問題は水準の問題と、やはり一律の加算という仕組みでいいかどうかという二つの問題があると思っております。したがって、大臣も申し上げましたように、五年間掛けて段階的にこういう形で縮小、廃止、それに逆に、代替する形で就労の支援、あるいは教育の支援、あるいは子供に対する支援という形でやってまいりました。したがいまして、私どもとしては、この見直しの方向というのは妥当なことではないかというふうに思っております。
#116
○福島みずほ君 いや、全く駄目ですよ。これは、例えば就労支援に関しても、生活保護受給者等就労支援の利用者は、昨年四月から十二月で約二千人と少ない上、就労率は約六割です。自立支援プログラムは三割です。また、これ、うつ病や様々な点で働けない人たちは、この就労支援ってもらえないわけですよね。
 ですから、全然違うものをちょっとだけばらまいて、一律にがさっと母子加算を取ってしまったわけで、みんなは本当に悲鳴を上げています。しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子さんは、母子加算は塾やカウンセリング、母親の病気など、子の将来を見据えてある程度自由に使えたと。一人親家庭に対する根本的な底支えなしに、ぽろぽろ予算を付けても仕方ないというふうに答えています。
 発議者の皆さん、どうですか。厚労省の政策では全く駄目だと思いますが、いかがですか。
#117
○委員以外の議員(近藤正道君) 全くそのとおり、付け加えるようなことはございません。
 厚労省の説明に一点の正当性もないと、私はそういうふうに思っております。
#118
○福島みずほ君 現在の生活保護のことに関しても様々な問題点があります。
 車を保育園の送迎、食料品、日用品の買い物、通勤、職業訓練、求職などのために使うことが必要だと。特に地方都市ですと、バスが半日に一本とか、ないんですね。車を売っても五万とか一万円という中古車を資産扱いすることは問題ではないか。特に地方都市で車を手放すということになると、実は生活ができない、こういうところなどを見直すべきだと考えますが、いかがですか。
#119
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 生活保護制度における自動車の保有の問題でございますが、一般家庭との均衡、あるいは自動車の維持費などの問題もございますので、原則として保有を認めていないというのが原則でございます。しかしながら、保育所の送迎とか通勤とか求職活動のための自動車につきましては、公共交通機関の利用が著しく困難な場合、例えば大変非常に過疎の地域といいますか、そういうようなケースの場合には自動車の保有とか使用を認めております。
 なお、平成二十年度、二十一年度におきまして、自動車の保有に関する取扱いに関する関係通知等を改正しまして、保有要件等の緩和を行っておりますので、引き続き実態に即して、地方自治体の意見を聞きながら検討してまいりたいというふうに思っております。
#120
○福島みずほ君 今日、就労促進費のことがよく出ておりますが、病気、介護、障害のある方々で働いていないと、これは就労促進費が出ないと。ですから、ここもというか、最も困窮しているところ、ドメスティック・バイオレンスに遭ったりとか、最も困窮しているところに就労促進費が出ない。ここに母子加算がちゃんと出ればやっていけると思います。
 大臣、二千二百億円社会保障費カット、おかしいじゃないかという点で、いつも意見が一致しておりますね。そして、私はその中でも、社民党は子供の貧困ゼロ社会へ、どんな子供も確かなスタートが切れる。どんな地域でどんな親の元に生まれても子供が希望を持てるって一番大事なことだ、しかも、子供の一日、半年、一年、取り返しが付かないと思います。
 大臣、もうこれはメンツとかそういうことではなく、生活保護の母子加算、百九十億じゃないですか。今日も出ています。もっと、例えばエコカー、中央官庁が買うのに五百億、六百億使う。優先順位が違うわけですよ。
 厚生労働省では、生活保護の母子加算、これ、復活させる、何らかの形で復活される、決断してください。
#121
○国務大臣(舛添要一君) まあ二千二百億円、これは来年度はもうなくなるということでありますんで、そこはもうそういう形で政府で決めますから、二千二百億円の削減はありません。
 したがって、そういう方向でやりますけれども、しかし、私が申し上げているのは、福祉社会はどういう形の福祉社会を描かないといけないか。それは、私も母子家庭で苦労したから、私が苦労していた一九六〇年代に比べれば相当な施策をやっていますよ。そういう中で、負担と給付の関係をどうするかということを考えないと、どんどんどんどん税金が増えていくならば、それはだれが払うんですかということになるから、そこは議論をして、大きなグランドデザインをやっぱり描きたいと思いますから、ちょっと今日はこれはもう時間がありませんけれども、そういうことを本格的に議論をするべき時期に来ているということを申し上げて、簡単ですが、答弁に代えます。
#122
○福島みずほ君 本格的な議論をすべきだというふうにおっしゃいました。これ、巨額じゃないじゃないですか、百九十億ですよ。福祉がまさに必要なところなんですよ。子供じゃないですか、母子家庭じゃないですか、生活困窮世帯ですよ。ここに百九十億円出せない日本の政治は、これこそ政治の貧困ですよ。
 これを一緒に変えましょう。というか、私たちで変えますと言うべきか分かりませんが、とにかく今国会で何とかこの法案が成立するよう、与野党問わず、政府も問わず努力をしていくべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。
#123
○委員長(辻泰弘君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本法律案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本法律案に対する意見を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。
#124
○国務大臣(舛添要一君) 参議院議員中村哲治君外八名提出の生活保護法の一部を改正する法律案につきましては、政府としては反対であります。
#125
○委員長(辻泰弘君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 生活保護法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(辻泰弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#128
○委員長(辻泰弘君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 蓮舫君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#130
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に川合孝典君を指名いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト