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2009/04/23 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 文教科学委員会 第9号
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2009/04/23 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 文教科学委員会 第9号

#1
第171回国会 文教科学委員会 第9号
平成二十一年四月二十三日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     松野 信夫君     大石 尚子君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     中曽根弘文君     神取  忍君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 雅治君
    理 事
                佐藤 泰介君
                鈴木  寛君
                関口 昌一君
                水落 敏栄君
    委 員
                青木  愛君
                大石 尚子君
                神本美恵子君
                亀井 郁夫君
                友近 聡朗君
                那谷屋正義君
                西岡 武夫君
                藤谷 光信君
                横峯 良郎君
                神取  忍君
                西田 昌司君
                山内 俊夫君
                義家 弘介君
                浮島とも子君
                山下 栄一君
       発議者      鈴木  寛君
   委員以外の議員
       発議者      水岡 俊一君
   国務大臣
       文部科学大臣   塩谷  立君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡井 敏雄君
   政府参考人
       文部科学省生涯
       学習政策局長   清水  潔君
       文部科学省初等
       中等教育局長   金森 越哉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国公立の高等学校における教育の実質的無償化
 の推進及び私立の高等学校等における教育に係
 る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の
 支給等に関する法律案(鈴木寛君外六名発議)
    ─────────────
#2
○委員長(中川雅治君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、松野信夫君が委員を辞任され、その補欠として大石尚子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(中川雅治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校等における教育に係る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の支給等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省生涯学習政策局長清水潔君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(中川雅治君) 国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校等における教育に係る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の支給等に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○那谷屋正義君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の那谷屋正義でございます。
 まず、発議者におかれましては、まさに真の教育改革の第一歩たる大変な法案をこの度提出に至り、御努力をされたことに敬意を表しながら質問をさせていただきたいと思います。
 まず、政府の方にお答えをいただきたいと思いますけれども、この間の趣旨説明の中にも、日本政府は留保しておりますが、国際人権A規約における中等教育に係る条項云々というところがございました。
 このことについて、国連の社会権委員会、これは〇一年、二〇〇一年に行われたわけでありますけれども、そこで経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会の最終見解において、拘束されない権利の留保の撤回を検討することを要求するとして、日本政府には〇六年、二〇〇六年、今はもう二〇〇九年ですけれども、二〇〇六年までにこの勧告を実施するために取った手段についての詳細な情報を含めることを要請すると求められておるわけでありますけれども、その時点で報告がなされているのかどうか、あるいはその報告をもしなされていないのであれば、どのような今状況で、どのような認識を持たれているのか、お尋ねをしたいと思います。
#7
○政府参考人(金森越哉君) 国際人権A規約第十三条2(b)におきましては、種々の形態の中等教育は、すべての適当な方法により、特に無償教育の漸進的な導入により一般的に可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとするとされているところでございます。
 我が国といたしましては、後期中等教育に係る経費について、負担の公平や無償化のための財源をどのように賄うのか等の観点から、これらの教育を受ける生徒等に対して適正な負担を求めるという方針を取っておりまして、この国際人権規約の批准に当たりましては、当該規定に拘束されない旨、留保したところでございます。
 二〇〇一年、平成十三年九月に、御指摘がございましたように、国連の経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会が最終見解として、日本に対し国際人権A規約第十三条2(b)、中等教育に関する無償教育の漸進的導入に関して留保の撤回を検討することを要求しておりますが、我が国といたしましては、二〇〇二年、平成十四年十一月に国連に提出をいたしました経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会の最終見解に対する日本政府の意見におきまして、我が国の行った留保については、締約国として条約法条約に規定する正当な手続に従って行っているものであるところ、貴委員会がその権限の範囲内において正当な関心を有することは理解し得るが、これらを撤回するか否かは締約国の主体的な判断にゆだねられるべきであると考えるとの意見を表明しているところでございます。
 なお、我が国としての政府報告書は外務省で取りまとめておりますが、外務省によりますと、当該報告書は関係する府省庁が多岐にわたり、また作業も膨大なものであることから、作成に時間を要しているものと伺っているところでございます。
#8
○那谷屋正義君 つまり、まだ報告が出されていないということで、外務省が取りまとめているということで今お答えをいただきましたけれども、しかし、二〇〇六年までということで、もう二〇〇九年になっているわけで、既に三年がたとうとしているわけでありまして、これは学校の宿題をいつまでにやってこいということが、三年というのはあり得ないんですけれども、三日四日遅れたらこれは大変なことになるわけでありまして、これは文科省の一義的な責任ということではないと思いますけれども、やっぱりそういう意味では日本の外交の在り方というものも改めて、ここは違う委員会ですから申しませんけれども、やはりちょっとそこは問題だなというふうに思いますし、それから、今の文科省の見解についても、確かに日本国内の問題であるというふうなことで言い切っちゃって本当にいいのかどうなのかという問題は私はあるだろうと思います。やはり日本の国として、あるいは教育立国としてどのようにこの後期中等教育というものを考えるのかということについて、今こういうふうに考えていると、そしてそういう流れの中にあって今日本としてはどういうところを検討しているとか、そういうふうな話を報告するのであれば分かるんですが、ただそういう何かつれない報告の答えだと何となくそれでいいのかなというのを感じます。
 それで、今、世界標準というふうにもなりつつあります国際人権A規約ですけれども、「中等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。」というふうになっておりまして、これは締約国の百五十一か国ある中で、つい先日までは三か国がまだ留保だったわけでありますけれども、ところが三か国のうちのルワンダという国がその留保を解きまして、いよいよ日本とマダガスカルのこの二か国になってしまったという状況がございます。
 それはともかくとして、世界標準となりつつある教育の無償化の意義について、まず文科省はどのようにお考えかをお尋ねをしたいと思います。
#9
○国務大臣(塩谷立君) 後期中等教育を受ける機会をどのように国民に保障するかということでありますが、これも各国それぞれの事情を踏まえて政策判断がなされるところであり、高等教育については特に私立学校の占める割合が多い我が国としましては、負担の公平等の観点から公立学校の進学者に対しても一定の負担を求めているところでございます。
 一方、教育を受ける機会を均等、実質的に確保するために、我が国としては、経済的な理由により就学の機会が奪われることのないように授業料の減免あるいは奨学金事業の充実によって支援を努めているところでございまして、今後とも、全員一律無償化ということではなくて、主に低所得者に対し、対象とした、重点的に支援することで後期中等教育を受ける機会の確保が図られるように今後とも努力をしてまいりたいと考えておるところであります。
#10
○那谷屋正義君 発議者はその辺りをどのようにお考えでしょうか。
#11
○委員以外の議員(水岡俊一君) 発議者の水岡俊一でございます。
 那谷屋委員の御質問にお答えをいたします。
 現在、高等学校等の後期中等教育機関への進学率というのは九八%と言われております。これらの教育機関は準義務教育的な役割を担っているということは、もう皆さん御承知のとおりだと思うところであります。
 本法律案は、その教育費に係る保護者の負担を軽減し、次代、次の時代を担うすべての子供たちに教育の機会をひとしく保障することによって教育の格差を是正していくということを目指しているわけであります。
 今回の制度設計というのは、高等教育の無償化を目指す民主党、今国際人権規約の御紹介がありましたが、民主党は高等教育の無償化を目指しているわけでありまして、その民主党としては、この前段として後期中等教育の無償化実現に向けた大きな一歩を踏み出したいと、こういうふうに考えたところであります。
 先ほどから御紹介をいただいております国際人権規約A規約の第十三条では、まず、この規約の締結国は教育についてのすべての者の権利を認めるとし、第二項に中等教育についても記述がされているというところ、そして、今、那谷屋委員から御紹介がありましたが、ルワンダが留保を解き、そしてマダガスカルと日本だけになったということは、我が国にとって大変恥ずかしいことだというふうに思うわけであります。その国の主体性に任せるということだからこそ、私たちは恥ずかしいことではないかというふうに考えています。高等教育とともに、同項の無償教育の漸進的な導入の部分を私たちは何としても解いていくべきだというふうに考えているということを御理解をいただきたいと思います。
 こうした経緯を踏まえて、すべての義務教育修了者に次なる教育の機会を保障するための第一歩を踏み出してまいりたい、それがこの法律の考え方であります。
 以上です。
#12
○那谷屋正義君 もう九七%から九八%の進学率ということでありますけれども、そのやはり後期中等教育の在り方というものについて、先ほど大臣が少し触れられたかと思いますけれども、再度、この後期中等教育にかかわって、日本の教育行政としてどういうふうにあるべきなのかということについて、改めてお考えをお聞きしたいと思います。
#13
○国務大臣(塩谷立君) 先ほども御答弁申し上げましたが、後期中等教育につきましては、ある点、受益者負担という観点からもあり、また国公私の状況もあり、授業料の負担については在学者あるいは保護者に求められているところでございます。
 しかしながら、今お話ございましたように、九八%の進学率という国民の教育機関となっておりますので、経済的理由によって就学困難な高校生に対して、その機会が奪われることのないように最大限の支援をしていかなければならない、授業料の減免あるいは奨学金の事業の充実によってその負担の軽減を図っていかなければならないと考えておりますし、最近の経済状況の中で、やはり家計負担の問題も具体的な議論をして、将来的にどうあるべきかということは当然検討を要するところであると考えておりますが、財源の問題もありますし、やはり基本的な考え方をどうするかということをしっかりと議論をしていかなければならないと、そういった思いでございますが、今の時点でこれをすべて無償化ということはかなり現実的にも困難でありますので、今のところ、我々としては、授業料減免あるいは奨学金の充実ということで負担軽減に努めてまいりたいと考えております。
#14
○那谷屋正義君 今、大臣自ら現在のこういう状況の中ではその無償化というのが困難だというふうな、もう何か半ばあきらめられたようなお話がございましたけれども、本当にそうなのかどうなのかということについてはやはり再度検討する必要があるだろうというふうに思いますし、減免措置というものが必要のない方法というのはやはり無償化であり、九八%の進学率ということであればもう準義務化であるということ。この部分について、やはりこの日本の教育のシステムをどういうふうにするかという大きな、大上段に構えた形でやはり考えていくべきときなのではないかというふうに思うわけでありまして、そういうスタンスに立っていただけるのであればもう我々も本当に全面的に文科大臣を中心とした文科省を応援したいなというふうに思うんですが、もう走る前から、始めからあきらめられているというのについてはちょっと今がっかりしたところであります。
 それで、今この部分について保留をしているということの理由の一つに、やはり私学の問題を今挙げられました。今回の法案の中では、私立高校等における教育費負担等の軽減を図るというふうにもございます。とりわけ、一定の年収が少ないところにはそれなりの配慮も含めた措置をするというふうにうたわれておりますけれども、そのことの意義を改めて発議者にお尋ねをしたいと思います。
#15
○委員以外の議員(水岡俊一君) お答えをいたします。
 我が国の高等学校における生徒数の公私の比率を調べてみますと、公立は私立の二・二倍となっています。しかし、県別に公私の比率を調べてみると、東京都においては私立が公立を上回っている、一部の県では全生徒数に占める私立の割合が四%、五%にとどまっている。そういうような、私立校の位置付けは地域によって大変大きく異なっているのが現状であります。
 また、公立高校全日制ではほとんどの都道府県において授業料月額は九千九百円前後となっているのに対し、私立では学校によって大きな開きがあります。全国平均によって公私を比較いたしますと、私立高校の授業料は公立の約三倍となっているのが現状であります。また、納入金すべてを計算をしますと、公立の五倍から六倍と言われているわけであります。
 こうした我が国の全国的な高等学校の設置の形態と授業料の水準、私学進学者の志望動機などをかんがみれば、現時点においてすべての私立高等学校の授業料を全額国庫で保障するという選択肢は多くの国民の理解を得ることは難しいのではないかという、そういう判断もございます。そういったことから、本法律案においては、当面、公立校と同じ水準の支援を行うということを第一義に考えたところであります。この措置によっても教育費に掛かる家計負担は随分緩和をされるのではないかというふうに考えております。
 また、本法律案では、私立高校への進学者のうち家計の状況が厳しい世帯に対しては支援の増額を行う規定も併せて設けております。今後、高等学校での教育を希望するすべての生徒にその機会を保障できるよう、私学助成の在り方等も含め、教育費負担の在り方について幅広い視点から論議を深めてまいりたいと、こういうふうに考えているところであります。
 以上です。
#16
○那谷屋正義君 私学の問題からなかなかこの問題には留保を解くことができないという大臣からのお話がございましたけれども、今のような一歩踏み込んだ考え方というものがなかなかどうしてこれまでされてこなかったのかなということについて、私自身ちょっと残念だなというふうにも思うわけでありまして、そういう意味では、やはりこれは保護者全体のそういった負担軽減というふうなもの、まして九七%、八%が進学率あるということでありますから、単に受益者負担という話ではなくて、やはりもうほとんど全体にかかわってくる問題であるというふうなことを考えると、やはり公的に国としてきちっとそこのところを保障する、高校へ行きたい人すべての人たちにそういう機会を保障するということ、これはやっぱり国の大きな役目ではないかというふうに思うわけであります。
 また、もう一つ、大臣から言われた、いわゆる授業料の減免ですとかあるいは様々な奨学金制度、そういった措置が今されているというお話でしたけれども、実は先日、ちょうど四月の十五日、NHKのアンケート調査みたいのが報道されましたけれども、そこで出てきた話というのが、昨年の秋から大変景気の悪化が深刻になったということで、それ以降授業料を滞納する生徒が増えたかどうかというような質問に対して、増えたと感じるというふうに答えた高校が約四二%あったということであります。
 それから、滞納の理由についてというのは、これは複数回答でありましたけれども、やはり経済的に厳しい家庭が多いというふうなところが二九%、それから離婚など家庭の事情というのが二五%、それから、授業料を滞納している割には飲んだりパチンコしたりとかというふうな話の中で、いわゆる保護者のモラルの低下ということが二二%というふうに出ているわけでありまして、いずれにしましても、高校で後期中等教育を受けたいと思うその個人ですね、生徒個人について相当影響が出てきているということは間違いございません。
 さらに、お手元にお配りいたしました資料の、まず、ちょっと後ろからで申し訳ないんですが、資料の三、四枚目ですけれども、資料の三であります。
 これは収入別階級五つに分けて消費の比率を表したグラフでありますけれども、やはり、第一階級、年収が三百六十七万未満のところは八二・五、一方で八百七十九万以上のところは六六・四という、こういうふうな大きな差が出てきておりまして、ここが何が差が出てくるのかということになりますと、その後の資料四というのを御覧いただけたらと思いますが、今回は授業料等を国の方で負担をするという法案になっておりますが、実は高校では授業料のほかに、これは鳥取県の例でありますけれども、約、授業料と同じぐらいの額、私費として負担をしなければならないというふうに出ているわけであります。
 そうすると、先ほどの資料三と比べてみても、例えば、もう現実に修学旅行代が払えないですとか、あるいはクラブ、部活の部費を集めると、そこにはちょっと払えないということの中で、部活動をしたくても部活動をあきらめざるを得ないような子供たちも出てくるということの中でいうならば、これはやはり機会均等というふうなところからは逸脱する大きなものになっているんではないかなというふうに思うわけであります。
 そして、資料の二を御覧いただけたらと思いますけれども、これは「年収四百万世帯における子どもに対する学校教育費負担等」ということで、学校費負担等ということは、この一番下の薄い緑色のは、これは年金等の保険料等を含むわけでありますけれども、そうした中で見てみますと、大体二人の子供がいて二人とも大学に通っているときには、その年収に占める学校教育費等の負担が何と七三%になるというようなことでございます。これは本当にこういったことで機会均等なのかということはやはり私は疑問に思わざるを得ません。
 そういうふうな状況を踏まえる中で、文科大臣として、こうしたNHKのデータの結果も踏まえて、どのようにお考えか感想をお聞かせいただけたらと思います。
#17
○国務大臣(塩谷立君) NHKのアンケートの結果等、最近の経済状況を踏まえたいろいろな結果が出ていると思います。
 先ほども申し上げましたが、そういう状況の中で、当然、家計費負担の問題、教育費全体の問題、あるいは義務教育ということで高等学校をどうとらえるかといった大きな課題としては今後当然検討をしていかなければならないと考えており、現状においては、そういった状況において、私どもとしてはできる限りの授業料減免あるいは奨学金制度の充実を図って、できる限り経済的な理由によって就学の機会が損なわれることのないように努力をしていこうと思っておりますが、将来的にいろいろと検討しなければならない今の現状の状況は私どもも受け止めながら、今後努力をしてまいりたいと考えております。
#18
○那谷屋正義君 それじゃ発議者の方に、同じように、今のこうした収入の格差が恐らく教育の格差に物すごく直接的にも影響するだろうというふうなことを踏まえて、今私が申し上げましたことに対しての見解、ございましたらお願いしたいと思います。
#19
○委員以外の議員(水岡俊一君) 那谷屋委員が御指摘いただいた高校生の授業料以外の負担分というのはかなりございます。教科書代であるとかあるいは副教材費、制服代、修学旅行費などというのは考えられるんですが、私は更に加えて通学の定期代だとかということも非常に大きな要因になってくるというふうに思っております。
 もうアンケート調査によるまでもなく、高校生のそういった経済的な負担によって退学を余儀なくされているという生徒が増えているということは、もう皆さんお感じになっているとおりだというふうに思っております。また、学校は続けるけれども修学旅行に行けないという生徒が出てきたり、あるいは高等学校に通いながらアルバイトをしなきゃいけないという子供たちも増えているということでありますから、そういった部分を何としても私たちは解消していきたいというふうに、支援をしていきたいというのが考え方として持っているわけであります。
 先ほど文科省からは負担の公平という観点から難しいんだというお話がありましたが、私は難しくないと思っております。民主党としては、負担の公平化をやるならば無償で公平化をすればいいというふうに思っているわけです。私費、私立学校へ通う生徒の負担を家庭がしなきゃいけないということから公平化ができないというのは、論理的に僕はおかしいというふうに思っておりまして、民主党としては無償化による公平化を目指していくべきだというのが考え方であります。
#20
○那谷屋正義君 ありがとうございました。
 授業料の減免というものを考えたときに、これも実は設置者にゆだねられる部分が多くて、そういう意味では地方財政の財政力にも相当な格差があるわけでありまして、減免制度と一概に言っても、これはどの県に行っても同じだということではなくて、あるいはその枠をちょっとでも超えた人、大変厳しいけれどもそれを超えてしまったという人は減免制度を受けられない状況にもなるわけでありますし、沖縄なんかはこれまで全額免除だったものがそれを半額免除というふうに変えたんです。そうしたら物すごくその適用者が増えてしまってきているというような現状もありますし。そういう意味では、やはり地方の財政力がそうしたところへまた随分違いが出てきてしまっているということも現実としてあるわけでありますから、減免に頼るということだけでは国としての役目を果たしているということにはならないというふうに私は思うところであります。
 さて、お配りしました資料の一―Aというのを御覧いただきたいというふうに思います。
 これは「一人の生涯から見た「社会保障」の給付と負担の姿」というものでありまして、それをシミュレーションしたものでありますけれども、これを見ていただければ、御案内のように、いわゆる日本の社会保障の給付というのは高齢者に非常に多くなっていると。これがいけないとかいいとかという問題じゃなくて、まだ足りないぐらいだと言われているぐらいですから、ここの部分について高齢者においては非常にこの給付が多くなっている。ところが、いわゆる生涯の前期の部分でありますね、教育を受けるような段階のときになると、それほどの給付を受けていない。
 やはりここで一定のそういったものを、このバランスを取るということによって、いわゆる社会保障が継続したものになっていく。そういったことを受ける個人も、やはり私は国のこういったものを受けながらやってきているということ、それから、そういうものを受ければ受けるほど、今度は高齢者に対するこの社会保障の給付の部分に対しての貢献度も非常に高いというデータも出てきていますから。そういう意味ではこのバランスという意味からも、やはりここで思い切り後期中等教育というものについて考え直す、今回の御提案のように授業料を実質無償化するそういう制度というものが非常に今望まれているのではないかなというふうに思うわけでありますが。
 この制度の実現に向けて、最後に発議者に決意をお聞かせいただけたらと思います。
#21
○委員以外の議員(水岡俊一君) 小泉構造改革と規制緩和により家計への教育費の負担が増している。そういった中にアメリカ発の経済危機が保護者家庭を襲って、以前にも増して経済格差が、厳しい教育格差が生まれているということを皆さんと共有しているわけでありますが、そういった中で、改めて考えてみますと日本の公財政教育支出の対GDP比というのは、OECDの中で最低の日本は三・四%であります。
 そういった中で、授業料の滞納者、退学や大学進学をあきらめるなどの子供たちが増えておりますから、子供たちや保護者の皆さんに今回の法律案を提示をし、そして経済的な支援をわずかではありますがすることによって大きな夢を与えることになるというふうに思っておりますし、そういったことで那谷屋委員がおっしゃっている世界的な標準というものに近づくことができるのではないかというふうに私は思っております。
 以上です。
#22
○那谷屋正義君 教育立国あるいは教育が大変大事だと言っている我が国において、この世界標準、目指すべき一つの指標だと思いますけれども、これにやはり追い付くということはもうまず最低限のハードルなのではないかなというふうに思いますので、是非この実現に向けてこれからも頑張っていただくことを祈念いたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#23
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 今、那谷屋委員からもいろんなところ、観点から質問があったんですが、私は民主党さんが出されましたこの無償化案なんですが、ちょっと違和感が実はあるんですね。今の質問を聞いていましても非常に感じますのは、前回、この提案の趣旨についてあったんですが、そこでおっしゃっているのが、要するに教育の格差を是正するんだということをおっしゃっているわけなんです。確かに教育の格差が貧しい方、家計の多い少ないであったりするのかなとも思うんですが、その一方で、現実問題九八%進学されているわけなんですね。
 そうしますと、要するに私が申し上げたいのは、所得が低いからといって行けていないわけじゃなくて、ほとんど、準義務教育というふうにおっしゃいましたけれども、それだけ、九八%の方が進学されているという現実は、そういう意味でいいますと格差がないんじゃないかなと。むしろ貧しい方に、所得の低い方に手厚くしていけというのなら僕は意味が分かるんですが、皆さん方がおっしゃっているのは、この九八%の進学率があるのを格差だというふうに果たして言えるのかと。ちょっと、まず初めのこの提案の趣旨からなんですけれども、その辺のところをお伺いしたいわけなんです。なぜこれが格差と言えるのかと。
#24
○鈴木寛君 御質問ありがとうございます。
 格差といいますのは、まさに今九八%の進学率があることは、これはいいことだと思っております。しかし、この二〇〇〇年以降、小泉内閣登場以降いわゆる経済の格差が広がっていると。そして、そのことが教育のチャンスの格差に広がっていると。そのことが更に言うと希望格差という意欲の格差に広がっている、こういう連鎖が始まり始めたわけですね。
 そのことを我々は心配をいたしましてこの法律を作り始めたわけでありますが、とりわけ昨年の九月の十五日にリーマン・ショックがありましてこの心配がより加速をしていると。このことにきちっと手を打っておかなければいけないなと、こういうことでございます。
 昨日、たまたま経済財政諮問会議がございまして、そこで非常に重要な情報がその会議でプレゼンテーションされたんですけれども、例えば高校卒業後の予定進路、年収別で見ますと、四百万円以下は四年制大学三三・九%なんですね。それで一千万円超は六〇・七%と。もうまさにこれ、要するにチャンスの格差が広がっていますよね。
 それから、都道府県別で申し上げると、一番高い平均県民所得四百八十二万円の、これは東京でありますけれども、の大学進学率は五九・一%。一方で、県民所得が二百二十八万三千円のある県の大学進学率は二九・二%なんですね。実に大学進学率において三〇%違う。同じ国でこれまで違うと。これがまさにこの高校のところにその元凶があると。
 先ほど御説明申し上げましたように、アルバイトを高校の時代からしながら何とかかんとか高校に行っている方、あるいはお父さん、お母さんが失業されて、やむなく経済的な理由で中退をせざるを得ない。一方で、塾にも行き、予備校にも行き、そして更に大学、高等教育機会をねらっている。ここのまさに高校段階での格差を埋めていかないとここは埋まらないと。
 これ本当に教育の格差、大問題でございまして、例えば家計調査をいたしますと、第一階級、すなわち三百六十七万円以下と、それから第五階級、八百七十九万円以上ですね、ここでの教育費の支出の格差は十・一八倍なんですよ。ほかの消費支出全体を見ますと二・四四倍なんで、大体二・四四倍のものが、教育だけは特別に十倍の格差が広がっていると。そのことがさっきの将来のまさに学ぶチャンスにつながっているということで、やっぱりここは問題ではないかなということでございます。
#25
○西田昌司君 今、所得の差があるんだということなんですね。それは僕もそうだろうなと思うんですね。
 だから、それを格差として是正していくということになると、まさに所得の低い方に手厚く保障していけと、これなら分かるんですよ、僕が言いたいのは。つまり、それを所得制限をなしにして一律無償化するとどういうことになるのかというと、要するにお金持ちは本来負担できるんだけど全部もらっちゃうわけですね。貧しい方はもらえるからもちろんそれはいいですよ。いいんだけれども、格差は何も埋まらないんじゃないのかと。むしろ格差が開くとは言わないけれども、本来皆さん方がおっしゃっている意見をそのまま法案にするとこういう形にならないんじゃないのか。むしろ、できるだけ所得の低い方に対して手厚い、例えば今も実際に授業料の減免措置とか奨学金の措置とかいろいろありますが、もっとそれを手厚くしてやるべきじゃないかという発想なら僕は分かるんですよ。ところが、なぜそれが無償化になるのかと。
 教育の格差を是正するとおっしゃっているんだけれども、これが是正することになるんだろうか。もちろんプラスになるところもあると思いますよ。あるんだけれども、本来所得差があるところに両方とも足すよりも低い人を上げていくと、これが格差を是正するには一番いいと思うんですよ。なぜそうされないんですか。
#26
○鈴木寛君 二つのことを申し上げたいと思いますけれども、先ほど来、水岡発議者の御答弁にもありましたけれども、世界人権規約では、要するに後期中等教育、これは無償化をすると、これは世界の常識なんですね。現にイギリス、フランス、ドイツ、フィンランド、オランダ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、スペイン、ギリシャ、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ほかもずっとありますけれども、これは無償化なんです、高校。ですから、まずやっぱりこれは基本的な人権として高校の無償化を実現をしたいと。その精神に立って私どもはこの高校無償化、実質的なですね、ということを法案に言っております。
 特に低所得者に手厚くすべきではないかということは、これはもうおっしゃるとおりでございまして、したがいまして、私どもは、五百万円以下の低所得者世帯の家庭においては二倍をやっていこうということを考えております。そのことによって、先ほど第一階級と第五階級の格差が十・一八倍だということを申し上げましたが、公立の場合はこれが大体、試算で申し上げますと三・一三倍ぐらいまでに縮小します。私立の場合は二・二一倍まで縮小するということがこの法律によって期待されます。
 そこで、低所得者対策はもう既に行われているんではないかというお話なんですけれども、ここは大変我々と今までの考え方の違いをクリアに、明確になる極めていい論点で、いい御質問をいただいたことを感謝申し上げますが、今までの考え方は、生活保護世帯に対していろいろな措置が講ぜられています。特に京都は大変充実をしておられると思いますが、もちろんそこにやることは重要です。しかし、生活保護世帯というのは、これは憲法二十五条に基づく措置なんですね。私どもは、憲法二十六条、教育の機会の観点と世界人権宣言の観点で、教育機会の実質保障を生活保護世帯よりももう一段踏み込んで、具体的に申し上げますと、生活保護世帯というのは大体二百万円台ぐらいですよ。私どもがやりたいのは四百万円あるいは五百万円、まさに貧困世帯と言われているところです。そこには今手当てがないんですね、特別の手当てが。ここに対してやはりきちっと手当てをしていかなければならないと。
 つまり、大体今四百万円ぐらいのところ、五百万円ぐらいのところで申し上げますと、現状の低所得者対策というのは生活貧困世帯、大体二百万円強ぐらい以下の所得に対して二百億円ぐらいのことがやられているんです。そこを我々今回やりたいことは、四百万円以下のところに対して九百億円ぐらい、だからそこに四倍ぐらいですね。それから、五百万円以下で申し上げると一千四百億円ぐらい。まさにここの層にもきちっとしたいわゆる低所得者対策を拡充、充実させる必要があるという認識でございます。
#27
○西田昌司君 今おっしゃったんですけど、ちょっと私それが理解できないんですよね。
 といいますのは、今、国際人権A規約におけるという、そのあれですね、中等教育に係る状況、そこで書いてあるじゃないかと。これ民主党さんのにあったので読みますと、「すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。」というこの条項なんですよね。ここで、だから言っているのは、何を言っているのかというと、無償化をせいと言っているんじゃないんですよ。無償化をこれどんどんやっていくことによってすべての者に対して機会が与えられるものにすることと言っているわけなんですよね。だから、僕さっき言ったのは、要するに、今現在、高校進学率九八%なんですよ。それがすべての者に対する機会が保障されてないというふうに言えるのかということなんです。
 なるほどそれは、低所得者には非常に授業料だけじゃなくて様々な負担があるから大変じゃないかとおっしゃる。それは分かるんですよ。だから、私はそれなら、そこでもっと拡充すべきじゃないかというならなるほどと僕もうなずけるところがあるんですが、皆さん方がおっしゃっているのは、この条項を取り出しながら、結局、この条項というのは教育の機会を与えると言っているんだけれども、それは既に日本の場合にはできているじゃないかと。数字の上からでも、少なくとも九八%というのはこれはかなりのものだと思いますよ。
 だから、やるべきなのは、むしろ、その中でも実際にはいろんな差があるから、じゃ低所得者の方に対してはもっと拡充すべきじゃないかと。今おっしゃったように、いわゆる四百万、五百万の方とかの話も出ましたけど、そこをどんどんやっていくというなら、またこれはこれで議論の仕方があるのかなと思うんです。しかし、皆さん方おっしゃるのはそうじゃないんですよね。
 そこを一律に無償化するという、その意味は一体どこにあるのかなということを考えますときに、やっぱりこれはかなり、そう言っちゃ失礼ですけれども、だれも文句言いません、喜びますよ、それはもちろん、家計的にはね。だから、喜ぶんだけれども、本来、皆さん方おっしゃる趣旨というのは、格差を是正して機会を保っていくという話は、むしろそれは外れてくるんじゃないのかなと。むしろ格差は埋まらないんです。埋めるためには下の人を上げる方がいいんですよ。それじゃなしにこういう形でやっていくのは、言い方は悪いけれども、ある種のばらまき的な政策だと、そういうことになってしまうんじゃないでしょうか。
 だから私は、その皆さん方が言っておられる提案趣旨自体が、そこの条項読みましても、ちょっと行っている方向が違うんじゃないか。むしろ低所得者の方にどうやって、もっと手厚くやっていけというなら、ああなるほどと、民主党の方々もさすがに弱者を視点に当てた、格差を埋めていくという意味では我々もそうだなと思うところあると思うんですよ。だけれども、それがこういう形で一律にやってしまうということになると、もちろん私学の方に関しては言われているようなところがあるのも分かりますよ。でも、ちょっとそれはどうなのかなと。それは結局、予算というものをどれだけ考えておられるのかということを、余り考えずに、取りあえず全部やっちゃおうというような、そういうふうに聞こえてくるんですよね。
 ですから、まず、今言いましたけれども、要するに格差是正とか機会の話は今現在できているので、もし格差を埋めていくというなら低所得者にやっていくべきで、普通のいわゆる高い方も低い方も全部一律無償化しちゃいますというのはどうなんでしょう。むしろ皆さん方が本来思っておられるところには反することになるんじゃないですか。
#28
○鈴木寛君 私どもは、先ほど申し上げましたように、低所得者のところには手厚くということで、その部分については西田議員に今賛成をしていただいたということで、かなり我々のあんこの部分について同意をいただいたこと、大変有り難く今聞かせていただきました。
 ただ、一点申し上げますと、二点申し上げたいんですけれども、先ほど那谷屋議員の御指摘にもありましたけれども、沖縄なんかは八%で頭打ちということにしてしまいまして、結局、全額免除が半額免除にこれは後退しているんですね。今までのいわゆる低所得者に対する減免というのは都道府県がやってまいりました。国は何にもしていないです。
 私どもは日本国教育基本法案という法案を出しまして、その中で、まず学ぶ権利の保障ということと、それからやっぱりこういう経済的なことというのは国が最終的に保障するということでありますから、今この手当てをしないとそういう財政力の悪い都道府県はむしろ後退してしまうということで、その部分は非常に重要だと思いますので、そこのところはやれと、こういうことでございますので、我々はもう是非御賛同をいただく方向で、附則でこの条項は先にやってこれは待っておけとか、そういうお話があれば幾らでも応じたいと思いますが。
 もう一つ申し上げたいことは、これも経済財政諮問会議が、きのう御説明をいただいた資料がここに、手元にあるんですけれども、世の中全体で申し上げると二人以上子供がいる世帯というのは二三・二%あるんですね。しかし、いわゆる相対的貧困、要するに四百万円以下ぐらいですけれども、となると一四・八%になるんです。
 そうすると、基本的にこの国ではきちっと高校生は無償なんだということをあらかじめ社会制度として設計しておくことが、将来の所得、とりわけ子供が十五歳になったときの所得というのは十五年後の話ですから、これは分かりません。分かりませんから、こうしたことを私どもの、民主党では、ゼロ歳から十五歳までは子ども手当、年額でいいますと三十一万二千円、今度十六歳、十七歳、十八歳になると高校無償化になりますよと。まさに生まれてから十八歳まで、そしてその後、希望者全員奨学金制度ということで、二十二歳、二十三歳、四歳まで、親の所得の変動にかかわらず、きちっとそうした学ぶ権利が保障されているよということをメッセージ出すことは、まさに少子化の問題にも極めて資すると。
 ここは貴重な税金をどういう順番で使っていくかと、そこのところは大いに議論させていただきたいと思いますが、そういう考え方でお示しをしているということでございます。
#29
○西田昌司君 ちょっとずれるんですよね、ですから。
 僕は、だから、さっきから言っていますように、低所得者の格差を埋めるためにやっていくというならこれはまた話が分かってくるし、より明確だと思うんですよ、それの方が。それを一律やっていくのがどうかという思想的な問題ね。
 それともう一つは、さっきもちょっと言いましたが、財源なんですよ。そもそもそこまでやっちゃうとどういうことになるのかというと、これ何か四千五百億円ぐらいを見込んでおられるんですか。そうしますと、これかなりの金額ですよね。それをじゃどういう財源でどういう予算手当てをしていくと。
 しかもこれを、例えば一過性の、今回とにかく目玉でやっちゃいましょうというなら、例えばこの給付金がそうですよね。だから、あれは何かというと、やはり今の経済的な危機をどうやって皆さん方に支えてもらうかと。家計を助けると同時に、それによって消費を活性化していこうと。だから、今の危機に対応しての一過性の話なんですよ。ところが、皆さん方がおっしゃっているのはそうじゃないですよね。これはとにかく継続的な政策としろということですから、常にこの四千五百億円を用意しなくちゃなりませんよね。
 そうすると、これは一体、かなりの金額になるんですが、それをどういうふうに手当てされているか。つまり、そのために財源どこから持ってくるのかと。例えば、そのために、これは教育特別税で、例えば消費税も含め上げるんですよとか言うのか、結局そういう話にならないと駄目なんですが、そこがやっぱりもう片っ方で皆さん方のお考えを聞かせていただかないと。全部出しちゃいますよと、皆さん方、だから、もらえるというと国民は、まあ所得の多い方も、低い方はもちろんですけれども、文句言われる方は基本的におられないと思いますよ。しかし、その負担はだれが出すんだという根本的な話も一緒にしないと、これは、要はうまい話には何かあれがあるよと、裏があるよという話になっちゃうんじゃないでしょうか。
 だから、これを言われるなら、僕がさっき言ったように、低所得者をどっと上げてくるという話ならまだ分かるんだけれども、全体をやって、無償化して、やるためには莫大な予算が掛かっているけれども、その予算について説明なしでなるというのはいかがなものかと思うんですよ。だからそこを明確にお示しいただきたいと思うんです。
#30
○鈴木寛君 今日は二十三日ですかね、非常にいいタイミングで御審議をいただいた委員長始め理事の皆様方に感謝を申し上げたいと思うんですが、昨日、参議院の本会議で道路特定財源の一般財源化に関する改正道路整備事業財政特別措置法が可決、成立をいたしたわけであります。まさに二兆六千億円の道路特定財源を一般財源化をすると。私ども、こういうまさにこれ五十五年ぶりに大きな予算構造の抜本見直し、そこに合わせてこういう政策を出させていただいているんですが、この二兆六千億の中で、私どもの考え方としては、教育に五千億程度のものを入れていくということは妥当だと思います。
 自民党、公明党の予算編成の中では、少なくとも今年度予算においては、この二兆六千億から教育に回されているのは、私の理解するところゼロ円ということだと思います、六百億円は社会保障ということでありますが。そこはまさに我々と目指すべき教育についてのビジョンが、そこは若干違うのかなという気はいたします。
#31
○西田昌司君 結局、皆さん方がされるお話というのは、最終的に予算の付け替えということなんですよね。今あるやつを減らします。だから、それも一つの考え方でありましょう。ということは、逆に言うと何が減るんだと。減るところを示さなきゃならないと思うんですよ。だから、道路特定財源を、二兆六千億を、その中からやるんだというなら、もちろんそれは、されることは可能でしょう、それは、そういう意味では。ところが、その代わり今やっているいろんな事業が止まりますよね。だから、この事業要らないからこれやめちゃうんだと、それで五千億円出すんだという、減らすところを言わないと、付け替えのばくっとした話だけでは、これはやっぱり私は予算書は書けないと思うんですよ。
 つまり、僕いつも言うんですけれども、皆さん方のお話というのは、ある種、聞くと何となくいいかなというところもあるんですが、そこが、さっき言いましたように、詰めていくと、果たして格差是正になっているのかなということもあるし、もっと大きな執行するための予算が示されない。それが付け替えだと言うんだったら、何を減らすかということを言ってもらわないと。つまり選択なんですよ、要するにこれはね。納税者が、国民が選択するわけで、こっちをやめます、やめてこっちにしますという、こういう話なんですね。
 ところが、道路の話、道路は今一般財源化になっていますから、道路だけにしろということになっていないんで、これは特定財源じゃなくて一般財源になっているんだけれども、その一方でやっぱり道路の需要があることも事実ですし、それぞれの委員の皆さん方のお地元へ行かれると、恐らく皆さん方のところにも首長さんなり議員の皆さん方なり地元の方々が、いわゆるミッシングリンクもそうですけれども、早くつないでくれという話があるんですよ。そのことに、それはもう今度から道路財源は教育の方に五千億使っちゃうから無理ですよ、あきらめなさいと、そういう話されているんなら、ああ、さすがだと、これは。これはこれで立派なものだと思いますよ、それはある意味ね。
 ところが、現実問題、僕なんかが地元へ帰りますと、民主党の方々が道路財源でできている道路の開通式に来られて、万歳というか、やっているわけですね。これは一体どうなのかなと。それで、僕はもうそのときにあえて、本当に失礼なんですが、来られている先生に言うわけですよ。先生、あなたはこの道路財源を反対しているんじゃないんですかと。いや、西田さん、地元の方は賛成ですよと、こう言うわけね。そうなると、これ国民にとっては非常に分かりづらいんですよ。
 じゃ、皆さん方は付け替えだと言っているんだけれども、その付け替える、減らす分は何なのかと。具体的にやっぱりそういうリストを挙げていただいてやらなきゃならぬのじゃないでしょうか。その辺はどうお考えですか。
#32
○鈴木寛君 私は党の政調副会長もさせていただいておりますので、先週、我が党の経済対策についての中間的な考え方というのを小沢代表も発表させていただきました。そこで我が党の考え方を示させていただきましたので明白でありますが、自民党さんはミッシングリンクをちゃんとやられると、こういうことが経済対策に入っておりましたが、私どもは入っておりません。いわゆる従来型の公共事業というものはメニューに入っていません。そこはもう御指摘のとおりであります。
 これはどの党でもそうでありますが、貴重な税金をそれぞれの目指すべき社会あるいは価値観に基づいて、政治というのは非常につらいもので、どれも大事ですけれども、その中にあえて優先順位を付けていくと、これを国民の皆さんにお示しをして、これを選挙等で御意見を伺うということですから、まさに私どもはコンクリートから人づくりへということを目指すということであります。
 御指摘の、我々二つのことをやりたいと思っております。世界の常識、人権である学習権を保障するためにこれはきちっと無償化をやっていくということと、それから二つ目の、ここは先生と同じ考えでありますが、特に今まで何のカバーがされていなかった四百万円、五百万円といった辺りの、要するに生活保護世帯にはならないけれども厳しいところがあります。
 生活保護というのは、これは補足性の原則というのがありまして、例えば貯金を持ってはいけないとか、あるいは親族が極力助けるとか、ありとあらゆることをやった後になお必要な場合は生活保護世帯ということでありますから、その収入要件だけ満たしたら生活保護がもらえるわけではないわけですね。したがって、かつ、私は今の運用でおおむねいいと思いますけれども、なかなか生活保護というのは一つのやっぱりハードルが相当高い。そこに全部追い込むのかということは私は良くないと。
 したがって、我々は二重のセーフティーネットという考え方を民主党では言っていますけれども、教育については憲法二十五条生活保護対策よりもう一段高い段階で子供たちの学ぶ権利を保障するための枠組みということですから、だからそこは一致していますから、どうぞその分を先出しをしようという御提案があれば、これは我々はウエルカムであります。その予算は九百億円とか千五百億円でできますので、そこは是非財源、調達していただきたいと思います。
#33
○西田昌司君 残念ながら私にそれを決める権限がないんであれなんですが、考え方としましては、僕はその分は賛同できるところはあると思いますね、それは。それともう一つ、はっきりミッシングリンクは我々は行わないとおっしゃった。これもなかなか、さすが鈴木先生立派なものだなと敬意を表したいと思います、本当に。それで国民に選択を問うべきだと思うんですね。
 ただ、先ほど言いましたように、私は、今のそういう皆さん方のお考えはそれなりに私は分かりましたが、しかしやっぱり現実を考えると、格差を是正するためにはもっと低所得者、貧困世帯とおっしゃったのかな、そういう方も含めて、そこに重点的にやるべきで、全体をやっていくというのは果たしてどうなのかなと。今のような日本のように、ある種、九八%の進学率でやっているところでは、むしろ限られた財源を使うという意味ではいかがなものかなという印象を持ちました。
 これで質問を終わらせていただきたいと思います。
#34
○山下栄一君 御苦労さまでございます。これで最後でございますので、お付き合いよろしくお願いしたいと思います。
 まず最初に発議者に確認させていただきたいと思いますが、今回の法律は、国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進、後期中等教育の無償化実現に向けた第一歩と、こういう位置付けされておるわけでございます。
 それで、これは趣旨説明の中で、高等学校等の進学率が九八%に達し、これらの教育機関が準義務教育的な役割を担っていると、こういうふうにおっしゃっているんですけれども、無償化イコール義務教育化とは私はつながらないと思いますので、発議者の皆さんは、今の高校、後期中等教育の三年間を義務教育にするという考え方に立っておられるのかどうかということを確認させていただきたいと思います。
#35
○鈴木寛君 私どもは、あくまで高校教育の無償化の推進でございまして、高校の義務教育化を目指しているわけではございません。これは山下委員御承知のように、学校教育法第十六条は保護者に普通教育を子弟に受けさせる義務を負わせているわけでありますから、義務教育化ということは保護者に就学年限に達した十六歳、十七歳、十八歳の子に後期中等教育という普通教育を受けろということを義務化するということでありまして、このことは我々考えておりません。という理解をしていただければと思います。
#36
○山下栄一君 今日はちょっと短い時間ですので、今も重要なお話だったんですが、就学義務の話はちょっとまた別かなと思っている部分もありまして。要するにすべての国民にどこまでの教育を保障していくかと、保障ですね。というふうに、私は、九年間の教育内容、小学校、中学校の教育内容、すべて一人残らず、すべての国民という観点からすれば、私は、年限は別として、もう九年という数字も教育基本法から外れましたし、要するにこの今日本で行われているそれで十分なのではないのかなと。更にその上三年、ちょっと更に難しいことをすべての国民ということにはならないのではないかという意味で、義務教育というのは、無償化についてはいろいろ考え方はあると思いますけど、私も全く反対ではございませんので。ただ、義務教育化するということはちょっと違うなと。鈴木発議者と同じ考え方でございます。
 二点目に、二点目の前にちょっと文科省に確認をさせていただきたいのは、お手元に配付されている資料でございます。発議者に二つ目の質問する前にちょっとこれ確認させていただきたいことですけれども、私はこれ前、三月十七日の質問でも同様の趣旨の質問をさせていただいたんですが、中学校を卒業してどうしますかと、いわゆる義務教育を終わってどうしますかということなんですけれども。
 これももうこの前、生涯学習局長に数字を分けて説明していただいたんですが、これは平成二十年三月、去年の三月卒業者の進路別の状況なんですけれども、要するに百二十万人弱のうち高等学校等進学者、これはAですから、下のこの二つ目の表に詳しく書いてある。三年間ということで、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、特別支援学校、そこに行った人は百十七万人、九七・八三%と。これがいわゆる九八%と言われている理由だと思うんですね。私はこれはちょっと多過ぎるのと違うかなというふうに思っていまして、これはすべての、この九七・八三%の人に高校学習指導要領を課すわけですから、そんなのとてもじゃないけど付いていかれへん人がたくさんおるんじゃないかということで、こういう行き方はちょっとまずいんじゃないかなと思っていますもので。
 その横なんですけれども、専修学校(高等課程)とは別で、今から言う二点を学習局長にちょっと教えてもらいたいんですけれども、それは、専修学校(一般課程)等入学者千三百九人、それと就職者七千三百三十一人、この二つの中身をもうちょっと詳しめにお願いしたいと思います。
#37
○政府参考人(清水潔君) お尋ねの専修学校(一般課程)等入学者は、専修学校の一般課程又は各種学校、予備校等でございますけれども、それに入学した者、あるいは入学し、かつ就職した者がその内訳となっております。
 また、就職者でございますけれども、就職の場合には給料、賃金、報酬、その他経常的収入を得る仕事に就くことを申し上げ、一つの類型としては、自家、自営業に就いた者、それから家事手伝い、臨時的な仕事に就いた者は就職者とはしません。すなわち、申し上げるならば、派遣社員、契約社員等、雇用期間、正規雇用でなくても一年以上であり勤務形態が正職員に準ずる者は就職者として扱われております。
 以上でございます。
#38
○山下栄一君 それで、この学校基本調査をもうちょっと詳しい調査をしていただけたらなと、御検討願いたいと思うんですけれども。
 この専修学校(一般課程)というのは私よく分かっていません。一年以上、高等課程とか、専攻課程だったかな、専門課程ですか、じゃない、別に一般課程というのがあるようなんですけれども、これよく分からないんですけれども、その専修学校、それから各種学校ですね。各種学校というのは、今予備校も各種学校に入れる場合もあるみたいですね。商法法人もあるんだと思うんです。いずれにしても、この専修学校(一般課程)と各種学校を分けてできたら調査してもらいたい。される側は大変かも分かりませんけれども、ちょっと私は大事なことかなと思っていまして。
 専修学校の高等課程も今はもうどんどん減っていまして、少なくとも高校卒業ということが前提になりつつあると。だから、本当に中学卒業したら行くところがないと。私は高校はちょっと行きたくない、だけれども、じゃどこに行ったらいいんでしょうね、もうちょっと勉強したい、学びたい、だけれども余りこういう主要科目みたいなことはちょっと嫌いだと。だけれども、技術に直結するような進路とか、そんなところあったらいいのになと。昔の美容学校とか理容学校、今こういうところも高校卒業を前提にした専修学校が増えており、コンピューターの学校もそうです。
 要するに、中学卒業して、胸張ってというか、心満足に受け入れてくれるところがどんどん減ってきていると。高等学校以外ですよ、私が言っているのはね。そういう意味で、専修学校(一般課程)と各種学校を分けてもらいたいと、一つは。これは御検討ください。
 それから、就職者というのも、これも前、特別支援学校のときに申し上げましたけれども、これも正規か非正規かと。ここではアルバイト入っていませんよということだそうです。一応一年以上、臨時の二か月、三か月は入れません。それはさっき以外のものに入っていますということを聞きました。就職者もだからもうちょっと、これだけ就労形態が多様化していますので、就職者をもうちょっと分けていただきたい。是非御検討いただきたいと、これ注文です。
 これは七千三百三十一人就職している。就職しているけれども、ずっと就職しているか、これのフォローは分かりません、すぐ辞めているのか。そういうことが非常に重要なことやとは思いますけれども、これ、どこもフォローしていないのと違うかなと思うんですけれどもね。
 その上でちょっと発議者に確認したいんですが、要するに高校に行くという、高校学習指導要領が課されるのが前提やと思うんですね、高校というところは。ここでいう百十七万人、九七・八%の方々です。これは現実は無理があるので、やっぱり義務教育をちゃんとよく分かっているか分かってへんかということも大事だと思うんですけれども、私は義務教育の内容を分かっておったらもう大体世の中のことは知識的にも分別的にもできるんじゃないかなという先入観もございまして、発議者にお聞きしたいのは、この九七・八%の実情をどのようにお考えかと。こういう在り方がちょっと劣等感抱かせる原因にも、私は勉強できへんのやというふうな、そういうことにもつながっているんじゃないかなという意識が強くございまして、発議者はこの高校進学者、高校無償化ということをおっしゃっていますので特に気になるわけですけれども、後期中等教育を受ける人間、人数がこんなぎょうさんということに対する、実情に対するお考え、御見解というか御意見、お聞かせ願えたらと思います。
#39
○鈴木寛君 私どもは、この法律で、二条の第一項の第四号で「高等学校等」ということにしているんですね。「等」の中で、四号というのは専修学校及び各種学校ということでございます。ですから、山下委員御指摘の専修学校に行かれる方も極力対象にしていきたいと思っていますし、それから就職された方も、例えば定時制とか、就職しながら定時制に行っていただくということもあろうかと思いますので、まず私どもは、いわゆる高校に進学をするという、そのことを推奨する意図は全くありません。十六歳以上の学びにおいては多様な学びが望ましいと思っておりまして、多様な学びに対して、しかし極力支援をしていきたいと、こういうふうに思っています。
 その前提で、この四号ですが、「高等学校の課程に類する課程を置く」というところがポイントになるわけでありますが、そもそも私ども民主党は、現在の高等学校の学習指導要領が細か過ぎると思っております。私どもは、既に過去の政策、インデックスとか公約の中で学習指導要領の大綱化、大ぐくり化、とりわけ高等学校については学習指導要領の大綱化、大ぐくり化、そして学習指導要領というのはいわゆるミニマムガイドラインだと、リクワイアメントだと、最低限求めることだということがこの数年前の議論でも確定をいたしましたので、そういう意味でいえば、学習指導要領というのは物すごくもっとシンプルに、特に高等学校段階のものはシンプルになるべきだと、こういうふうに思っています。したがって、この高等学校課程に類するというところを極力広く対象に加えていきたいと、こういうことを考えております。
#40
○山下栄一君 高等学校の学習指導要領の在り方について、私も共有する部分がありまして、できたら一回この委員会も、議員間のいろいろ意見を交換する場を持ってもいいんではないかなどということを今お聞きしながら感じた次第でございますけれども。
 ただ、今回の法案は無償化ということなので、私がお聞きしているのは、要するに、後期中等教育に学習指導要領が課される、この学習指導要領の中身も見直した方がいいということであればちょっと私の質問が違うのかも分かりませんけれども、後期中等教育を受ける対象というのは各種学校が入っていないと思いますので、いわゆる高校ということですわな、高等学校、第一条校の高等学校。そこに九七・何%も行くというのがどうかなということで、それについてのお考えを聞きたいと。それは、新たな義務教育の上の段階の学習指導要領、それは弾力化することは別として、その上の段階がまた始まるという、そういう路線にいらっしゃる方が九八%もおるということが多過ぎるんではないかと。そういう意味で、ちょっと再確認です、済みません。
#41
○鈴木寛君 私どもも、いわゆる高校ですね、この九七・八三%、これが例えば九五とか九三とかになって、その代わりに専修学校とかがパーセンテージが増えていくということが結果としてあったとしても、これはむしろ望ましいことだと思っております。
 ただ、類するという判定をどうするかということですが、これは山下先生よく御存じのように、学習指導要領の中には大きく言うと二つありますね。つまり、いわゆる授業数のような客観的な外的条件を規定した部分と、それからいわゆる学習の中身のようなことを規定した部分と、これ両方あります。中身の方は私は多様性を確保すべきだと思いますが、例えば授業数とか、もちろんこれは定時制になればこれを五年とかどんどんどんどん広げていいんですけれども、少なくともトータルとしてその過程で、プログラムで提供されるものはやっぱり一定の水準とボリューム、要するにちゃんとした教育をやっているよと、中身は任せますよ、多様でいいですよと。しかし、やはり国の貴重な税金を使って応援をさせていただくわけでありますから、そこのところはそういう客観、外的条件でもって類するか類しないかという判定、それに基づく文部科学大臣の指定ということは必要なんではないかなというふうに考えております。
#42
○山下栄一君 どうもありがとうございます。
 私は、ちらっと前も、三月十七日にも申し上げましたけれども、技能学校的な、今の専修学校に近いのかも分かりませんけれども、そこを学校体系の中に位置付けてしまって、高校、いわゆる中卒の複線化ですけれども、後期中等教育のコースと、そこの学習指導要領、技能学校的な、今でいう専修学校(高等課程)かも分かりませんけれども、そこをもう少し財政保障もできるような形の、一条校という言い方かどうか分かりませんけれども、本来の学校体系に位置付けるような枠組み、グループ分けというか、そういうのもあるべきではないのかなというふうなことを考えていますもので、こういう御質問をさせていただいたところでございます。また引き続き機会がございましたら意見交換させていただければと思っております。
 それで、これは初中局長になると思いますけれども、要するに中学三年生卒業するときに、例えば百十九万人の、どれだけ理解して中学卒業するのかということを是非やっぱり検証すべきではないかなと。余りよく分からぬままに高校へ行ったとしたら不幸なことですし、劣等感の再生産につながるのではないかということから、中卒の段階、いわゆる九年間義務教育をどれだけ理解して、とりわけ中学三年生の教育内容をどれだけ理解しているのかなということ、して卒業するのかということを是非検証してもらいたいと。
 そういう検証方法というか、学習理解度を測る方法をどのようにお考えかと。これが全国学力テストの一つの目的だったのかも分かりませんけれども、この辺のところを現状、文科省、どのようにお考えで、どのようなことを今検証という観点からされているかということをお聞きしたいと思います。
#43
○政府参考人(金森越哉君) 義務教育の九年間で子供たちが身に付けた学力状況の検証についてでございますけれども、文部科学省では、学習指導要領における各教科の目標や内容に照らした学習の実施状況を把握し、教育課程や指導方法等の改善に役立てるため、小・中学校教育課程実施状況調査を実施しております。この教育課程実施状況調査は、小学校第五学年から中学校第三学年までの児童生徒を対象といたしまして抽出で実施しておりまして、直近では平成十六年の一月、二月に実施をしたところでございます。
 また、全国学力・学習状況調査は、国や教育委員会、学校等が教育の改善を図り、児童生徒一人一人の学習状況の改善につながることを目的やねらいとして、小学校第六学年及び中学校第三学年を対象として国語、算数・数学について実施をしているところでございます。
 私どもといたしましては、こうした調査を通じて児童生徒の学力の状況の把握に努めているところでございます。
#44
○山下栄一君 今おっしゃった教育政策研究所の、何調査言いましたか、最初おっしゃったやつも分かりにくいんですね、いろいろ。それで本当に今どれだけの子供が理解しているか、検証になっているのかなというふうに私は疑問に思いましたんです。
 それで、例えば全国学力調査、昨日、おととい終わったばかりですけれども、ちょっとこれ理事会で確認しなかったんですけれども、もうこれ持ってきてしまっておるんですけれども、ここに例えば、生徒への質問の中に、中学校三年生の、例えば数学の授業の内容はよく分かるというこれは質問項目です。その中に四つ選択があって、当てはまる、当てはまらない、どちらかというと当てはまる、当てはまらないというようなことで四つ書いてある。これ見てもそこそこ検証できる。数学の授業の内容よく分かりますかということやと思うんですけれども、国語の授業の内容よく分かりますかというふうなことも質問にありますし、また学校の質問の中にも、これは学校側に聞いているんでしょうけれども、学力・学習状況の把握のこととか、聞く項目が若干これでいいのかなという部分もあるんですけれども。
 全国学力調査は私はもう毎年やる必要ないかなと思っていますけれどもね。思っていますが、三回せっかくやったから、今回入れて三回、悉皆調査なんてとてもやる必要ないと思っていますけれども、それは極めて重要な検証の、どれだけ理解しているんでしょうねと。ただ、三年生の初めに、これ四月にやっているから難しいんですけれども、中学二年間の理解度を踏まえて三年生、四月に試験を受けていると思うので、全国すべての、すべてというかほとんどの子供たちが受けていますので、これは一つの検証に大きな役割を果たすのではないかと。
 七五三というふうに言われた理解度、中学では半分ぐらいしか分かっていないというのが大ざっぱな、雰囲気的な数字はありますけど、どれだけの子供に分かっているんでしょうねというようなことは、やっぱり検証をするということは極めて重要だと。検証することは物すごく難しい面もあると思いますけど、全国学力調査をされたわけでございますので、是非これを有効に使って検証をお願いしたいと、これはもう要望でございます。
 最後に、文科大臣に、これは、いじめ問題の解決、直接今回の法案とは関係ないんですけれども、まあ関係ないこともないとは思いますので、学校へ行くことがかえってストレスもたまって、うつ病になったり不登校になったりする。それほど今はむしろ難しい時代でございます。携帯の言葉によって傷つく、またパソコンで傷つくような子供たちも、それで自殺にまで、不幸になってしまうような事件もございます。
 それで、これはもう文科省も既に予算の手当てもしておられている非常に有り難い取組がございます。それは、子どもの人権オンブズパーソンで有名になりました川西方式、川崎市でもやっています。それが今着実に広がりつつございます。市町村レベルです。県レベルでも埼玉とか大阪とかでやっているようですけど。
 それは、学校の先生にも言えないと、親にも言えないと、苦しんでいることをですね。それぞれに言うとそれがまたかえっていじめの、回り回っていじめの原因になるということをそこそこ想像できるので、子供たちは親にも言わない。中学二年、三年ぐらいから増えてくると思いますけど。学校の先生に言うとこれまた難しい面もあるということで、どちらにも言えないでずっと抱え込んでしまうというようなことがいじめの不幸な事件につながることもあると思います。
 そういう意味で、第三者機関を設置して、その第三者のメンバーは三人、五人ですけど、それは弁護士さんとか、それからそういう児童心理の話に詳しい大学の先生とか、また児童養護施設等で、現場で豊富な体験を持って子供のことをよく理解されている、人格も、みんなから推薦されている。そういう方々を川西の場合は、兵庫県川西市の場合は条例でつくって、条例で予算の手当てをやってきたのです。それを文科省がサポートしていただいている、非常に有り難いことなんですけど。
 この方々の、この方式の役割は非常に大きいと。その三人、五人の専門家が親にも学校にも言えないような方々をとらえている。そこにはスタッフがいらっしゃって、スタッフもそこそこ経験豊富な方々で、若い方々で、走り回って、学校にも家にも地域にも走り回っていろんな情報を集めながらアドバイスできることを一生懸命考える。子供たちは聞いてもらうだけで大分解決できるというほどの非常に大きな存在になっている、この第三者機関方式です。いじめ問題解決のための第三者機関方式、これが今着実に広がっております。
 いろんなほかにもいじめの解決のことを政府も文科省もお考えでございますけど、私は今申し上げたこの方式の意義をもう一度正面に据えていただいて、これをやろうとしている自治体が増えつつございますし、首長部局に条例で設置してやっているところもございます。その方式を是非とも大臣にも、既に御理解いただいていると思いますけど、ちょっとサポートすることを強めてもらいたいなというふうに思いますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#45
○国務大臣(塩谷立君) ただいま山下委員御指摘の第三者機関についてでございますが、いじめなど子供たちが抱える問題について、学校ではなく、また教育委員会ではない第三者機関が、その第三者的な立場から専門家等が相談や調査を行って、必要に応じて学校あるいは機関に対して勧告や意見表明をするということは大変重要なことであると認識をしております。
 文部科学省としましても、問題を抱える子供等の自立支援事業の中で、一部自治体に対して第三者機関を活用した取組の調査研究を委託しているところでございまして、この第三者機関の役割は大変重要だと思っておりますので、学校や教育委員会ではなく、今お話あった、なかなか子供たちが直接話ができない、そういったことをしっかりと受け止めて適切な指導を行うということは大変重要な点だと思っておりますので、また、その地域の実情に合わせた取組等、今後、第三者機関を活用した取組に対して国としてもしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。
#46
○山下栄一君 どうもありがとうございました。
 終わります。
    ─────────────
#47
○委員長(中川雅治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として神取忍君が選任されました。
    ─────────────
#48
○委員長(中川雅治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本法律案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本法律案に対する意見を聴取いたします。塩谷文部科学大臣。
#49
○国務大臣(塩谷立君) 参議院議員鈴木寛君外六名提出の国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校等における教育に係る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の支給等に関する法律案につきまして、政府としては反対であります。
#50
○委員長(中川雅治君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校等における教育に係る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の支給等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#51
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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