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2009/02/12 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第3号
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2009/02/12 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第3号

#1
第171回国会 財政金融委員会 第3号
平成二十一年二月十二日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         円 より子君
    理 事
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
    委 員
                池口 修次君
                川上 義博君
                喜納 昌吉君
                富岡由紀夫君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                水戸 将史君
                峰崎 直樹君
                山下八洲夫君
                末松 信介君
                鶴保 庸介君
                中山 恭子君
                林  芳正君
                藤井 孝男君
                森 まさこ君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
       発議者      峰崎 直樹君
       発議者      尾立 源幸君
       発議者      富岡由紀夫君
   委員以外の議員
       発議者      森田  高君
       発議者      近藤 正道君
   衆議院議員
       発議者      柳澤 伯夫君
       発議者      大野 功統君
       発議者      津島 雄二君
       発議者      七条  明君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        中川 昭一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    与謝野 馨君
   副大臣
       内閣府副大臣   宮澤 洋一君
       総務副大臣    倉田 雅年君
       財務副大臣    平田 耕一君
       厚生労働副大臣  大村 秀章君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      西川 正郎君
       金融庁総務企画
       局長       内藤 純一君
       金融庁監督局長  三國谷勝範君
       総務大臣官房審
       議官       望月 達史君
       財務大臣官房総
       括審議官     川北  力君
       財務大臣官房審
       議官       永長 正士君
       財務省主計局次
       長        木下 康司君
       財務省理財局長  佐々木豊成君
       経済産業大臣官
       房審議官     森川 正之君
   参考人
       日本銀行理事   水野  創君
       日本銀行理事   中曽  宏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十年度における財政運営のための財政投
 融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の
 一部を改正する法律案(衆議院提出)
○平成二十年度における財政運営のための財政投
 融資特別会計からの繰入れの特例及び同年度に
 おける生活・経済緊急対策の実施についての制
 限に関する法律案(直嶋正行君外十二名発議)
    ─────────────
#2
○委員長(円より子君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官梅溪健児君外十六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(円より子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行理事水野創君、同理事山本謙三君及び同理事中曽宏君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(円より子君) 平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案及び平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例及び同年度における生活・経済緊急対策の実施についての制限に関する法律案の三案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 まずは、銀行株式制限法に関して質問したいと思います。
 まず、政府保証枠が二十兆円ということでありますが、この根拠を金融庁の方に聞きたいと思います。若しくは参考人。
#8
○政府参考人(内藤純一君) お答えいたします。
 二十兆円の根拠でございますけれども、政府保証の二十兆円枠につきましては、二〇〇七年度末の銀行等は事業法人株を約十七兆円、子会社株を除く金額でございますが、これを保有しているということ、それから第二点でございますが、事業法人が持ち合いによりまして銀行株を約五兆円保有しているということ、これは推計でございますが、こういう計算が成り立ちますので、こういった数字を勘案をいたしまして、このような銀行、事業法人の保有株式額を十分にカバーをし、市場に対して安心感、メッセージを発することが必要という考え方に基づきまして当該水準を設定をいたしました。
 このような考え方に基づきまして、昨年十二月十九日の経済対策閣僚会議におきまして決定された生活防衛のための緊急対策におきまして、この政府保証枠を二十兆円ということが盛り込まれたところでございます。
#9
○大久保勉君 分かりました。
 二十兆円つくったということなんですが、実際使われるかというのが非常に疑問なんです。銀行の経営者等と話をしましたら、今株価が八千円を切っておりますから、今売ってしまったら損失が出て自己資本が減るから売りたくても売れないといった反応が多いですね。
 そこで、発議者に質問したいんですが、現在の株価八千円割れでどのくらい株式の売却があると見込まれていますでしょうか。
#10
○衆議院議員(大野功統君) まず、どのぐらい売りがあるんだろうかという御質問、これはお答えできません。全く分かりません。
 ただ、問題は、確かに平均値で見ますと株価が下がって売却損が出るから売りたくない、これはもうそのとおりだと思います。しかし、株価というのは平均で見るんじゃなくて、株そのものによって、それぞれによって違いますので、情勢が違いますのでその点は御理解をいただきたいし、それからもう一つのポイントは、銀行が持っている株を全部買取り機構が買い取ることができますけれども、事業会社は持ち合い株だけしか買い取ることをいたしませんので、そこは平均値で見るわけにはいかないんじゃないかな。
 そして最後に、ここが一番大事なところなんですけれども、株価がこれ以上下がる局面、これを是非とも考えていただきたいんです。株価がこれ以上下がる局面では、もう更なる下降局面、これは早く売って処理した方がいいじゃないか、これが銀行の健全性を保って、とにかく貸し渋りとか貸しはがしは起こさないようにする、いかなる場合でも安全のメッセージを送っていく、これが法律の趣旨でありますので御理解いただきたいと思います。
#11
○大久保勉君 株価を下げないということも私は重要だと思うんです。
 この制度の最大の欠陥は、持ち合い株しか買えないということです。できればもう一歩踏み込みまして、いわゆる株価対策、PKO、プライス・キーピング・オペレーションということで、市場から機構が株式を直接買い取る、ここまでもう踏み込んでいいんじゃないかと思うんです。さらには、もし必要でしたら、直接買ったら問題だったら、日本銀行経由とか若しくは政策投資銀行経由でもいいですから、そういったいわゆる危機対応に対して政府のコミット、このことを是非検討してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#12
○衆議院議員(七条明君) 今先生がお話のありましたように、確かにPKOとして株を直接市場から買ってはどうだと、こういう意見を私も聞いたことがございますけれども、今回我々が考えたときに、この機構の本当の目的は何かと、こういうふうに考えましたとき、我々、先ほども申し上げましたけれども、銀行の保有する株式の価格変動あるいは銀行の財務の健全性を、やはり影響を与えることのないようにすることがまず一番だと。
 二つ目には、銀行株の株価が低落をして、そのことが銀行の信用を低下することのないようにすると。そういう意味では、過度の信用収縮が生ずることのないように未然に防止するのがこの機構の本来の目的だろうと、こう考えているところでございまして、当然先生が言われますようなことに関しましても、我々はどう思うかというと、市場から直接買取りを行うことが株価水準の維持を図ることとはならないと、まさにこれは資本市場の公平性あるいは公的な直接介入であるのではないかと。これを考えますときに、海外からの投資家にとっては、我が国が資本市場に人為的に、あるいは不透明なマーケットであるかのような疑念を持たせる、そういう意味では市場の信頼性が損なわれるのではないかというふうに思うところでもございます。
 あくまでも金融機関の公平性であることが大切であり、過度の信用収縮が生じないように未然の防止をすることが機構の設立された目的であるのではないかと思っているわけでございます。
#13
○大久保勉君 市場の信頼性とか、人為的に相場を操縦するのはよろしくない、私も同意見でありますが、これを主張しておりましたアメリカ若しくはイギリスが今何をやっているかといいましたら、できることは何でもやらないといけないほど危機的状況だということですよね。ですから、頭を柔軟にすべきときがあるんじゃないかと思います。
 もちろん、今の株価では私は株を買えとは言いませんが、もし万が一、日経平均が五千円を割ってくるといった状況で危機的状況だったら、それなりの対応が必要だと思います。
 是非、これは与野党合意できましたら、いろんなことを考えていきましょう。
 次に、株式以外の資産も買ったらどうかと思うんです。アメリカには、いわゆる不良債権救済プログラム、TARPというのがありますが、この株式保有機構を日本版TARPにしたらどうかと思うんです。
 じゃ、どういうものを買うかといいましたら、株式以外の、ある程度リスクはありますが株よりもリスクが少ないもの。具体的には、最上格以外のCP、いわゆる日銀が買えないようなCPであったり、若しくは社債、J―REIT、場合によっては不動産向けのノンリコースローン、こういったものを買い取りまして、日本政府は市場を守っていく、貸し渋りをさせない、こういったコミットメントが必要だと思いますが、発議者の皆さん、いかがでしょうか。
#14
○衆議院議員(大野功統君) 大久保先生のアイデア、我々も検討をさせていただきました。さすがに大久保先生、すばらしいアイデアをお持ちだと、このように思っております。しかし、問題点はやっぱりあるんですね。
 一つは、今の法律上、買取り機構というのはメンバーが会費というか出資金を出してつくっております。そのときに、銀行の株だと、こういうふうに言っておる、あるいは銀行が持っている株式、あるいは事業法人が持っている持ち合いの株だと、こういうふうになっていますので、根本からこれをどうするか、これは形式的な議論でありますけれども。もう一つは、物すごく難しいと思いましたのは、範囲をどこまでやるんだろうかと。今幾つかの例をお出しになりましたけれども、J―REITなのかETFなのか、その他コマーシャルペーパーどこまでやるのか、あるいは格付問題はどうするんだろうか、こういう問題が出てくると思います。そこで、問題のもう一つは、事業法人も参加するとすれば、これは持ち合いとなっていないそういうCP等をどう考えたらいいのか、こういう問題も出てくるのではないかと、このように思っています。
 アメリカは確かにそういうふうに万全の構えを見せて、いわゆるトラブルド・アセット・リリーフ・プログラム、何と訳したらいいんでしょうかね、これをつくりました。しかし、実際に発動しておりますのはそういうようなCP等じゃなくて、むしろ資本注入の方へ走ってしまっていると、こういう例もございます。
 したがいまして、これは考えなきゃいけない問題だとは思いますけど、当面は、やっぱり法律ですから、きちっとこの定義付けをできるようなものから出発して、早く出発することが一番大事なことではないか、このように思います。
#15
○大久保勉君 半分前向きで、半分はちょっとちゅうちょされた意見ですが、もし危機の場合は、是非、与野党合意しまして法案修正を提案したいと思いますが、このことに関して御意見がございましたら、是非前向きな。
#16
○衆議院議員(大野功統君) 先生、委員会の皆様にお願い申し上げたいのは、一番大事なのは、セーフティーネットというのは言っているだけじゃ駄目なんですよ、実際に張らなきゃ駄目であります。だから、まず張っていただきたい、張った上でそのセーフティーネットをどういうふうに改善していくか、こういう議論をさせていただければ幸いだと思います。
#17
○大久保勉君 分かりました。悪いセーフティーネットだったら意味がないですから、是非いいものを一緒につくりたいなと思います。
 これで銀行株式制限法に関しての質問は終わりますので、発議者の皆さん、退席されても結構です。ありがとうございました。
#18
○委員長(円より子君) 御退席いただいて結構です。
#19
○大久保勉君 じゃ、続きまして、定額給付金の支払に関しまして質問したいと思います。
 予算委員会の議事録を見ましたら、銀行送金手数料が百五十億円以上であるということで答弁されています。その場合、送金口座数及び一件当たりの送金手数料は幾らでしょうか。
#20
○副大臣(倉田雅年君) 定額給付金につきまして、市町村における振り込み手数料について、給付事務費として約百五十億円ということは分かっているんですけれども、現在、まさにこれは振り込み手数料につきましては全国の各市町村と金融機関との間でその額について個別的に折衝中であります。そこで、その契約の価格形成にこの答弁が影響を与えてはいけないと思っておりますので、お答えはちょっと差し控えさせてもらいたいと。
#21
○大久保勉君 こういう質問だったら質問時間が無駄だったなと思います。
 まず第一の質問としまして、じゃ、日本の世帯数はどのくらいありますか。これは答えることができないことはないですね。望月審議官、お願いします。
#22
○政府参考人(望月達史君) 世帯数でございますが、平成二十年三月三十一日時点の住民基本台帳に基づきます世帯数は、全国で約五千二百万世帯でございます。
#23
○大久保勉君 ですから、五千二百万件掛けるの送金手数料なんですね。単純化のために五千万件としましたら、三百円で計算しているはずです。ですから、相場形成に影響しちゃいけないというんじゃなくて、むしろこのコストをいかに下げるかが本来やるべき話ですよね。民間はそうしますよ。ですから、全く考えが正反対だと思います。
 この相場形成も全くおかしいんです。こちらに振り込み手数料の比較というのでインターネットで調べてきましたが、私は、百五十億円を六十億にすることができると思います。どうしたらいいか。これは、郵便局を全部使ったら、郵便局の十万円以下の手数料は百二十円なんです。百二十円掛ける五千万件、六十億です。どうしてそういう努力をしないんですか。
 ですから、定額給付金の送金先はまずは郵便局を推奨する。また、郵便局は国の財産ですから、口座が増えることは国の資産が上がりますよね。こういった、民間だったら当然やるような、税金を無駄遣いをさせない、若しくはもっと前向きに検討させる、なぜそういうことをしないんでしょうか。副大臣、お願いします。
#24
○副大臣(倉田雅年君) この百五十億円という数字は予算の積算について行っているところでありまして、したがって、それを世帯数で割ったものが標準になるというような考え方は実はしてもらっては困るわけであります。(発言する者あり)いいですか、ちょっといいですか。
#25
○大久保勉君 端的にお願いします。
#26
○副大臣(倉田雅年君) 委員も私も、いずれにせよ税金を使うわけですから、できるだけこれを低く抑えたいということは一致しております。郵便局を使って云々という御意見も非常に参考になると思います。
 ただ、過去の例をちょっとだけ振り返ってみますと、地域振興券のときがありましたね、十年前。あのときは二十三区は八円でやったと。こういうのもあるんですよ。
#27
○大久保勉君 議事録を全部読んでいますから、もう同じ議論は繰り返さないようにしましょう。
 例えば、一月二十一日、予算委員会で岡崎政府参考人は、これは福島みずほ委員の質問に対して、百八十五億円の給付事務経費のうち百五十億円以上が振り込み手数料になるということでございますということで、きっちり議論されています。それじゃおかしいということで私は質問していますから、もっと努力しなさいということです。
 さらに、銀行手数料が三百円というのは、これもおかしいんです。例えば、ATMカードの場合は手数料は無料なんです。いわゆる地方自治体は、銀行に対して指定金融機関として登録しています。大口、例えば一万件とか二万件の送金に関しては、基本的には手数料を減免をしています。それなのに三百円というのは、一般の人がいわゆる店頭で送金する手数料と一緒なんです。ですから、もうむちゃくちゃなんですね。だから、逆に言ったら、政府はどういうことをしているか。銀行業界に百五十億円の、手数料という名目で、いわゆる協力金を渡しますと、選挙に協力してくださいと言っているように見えても仕方ないんですよね。
 ですから、きっちり精査してほしいということをお願いします。望月審議官、是非このことに関してコメントがあったら言ってください。
#28
○政府参考人(望月達史君) 今現在、自治体の方におきましては、手数料につきまして銀行等と様々な議論が始まっているところだというふうに承知いたしております。
 いずれにいたしましても、御指摘のように、なるべく安い手数料で実現することが望ましいことでございますので、私どもも必要に応じまして、いろんな御相談等ありました折には助言をしてまいりたいと、そのように考えております。
#29
○大久保勉君 もう一つ突っ込んで、じゃ銀行と郵便局どちらを推奨しますか。
#30
○政府参考人(望月達史君) これは経費等も勘案しながら自治体の判断によるものというふうに考えております。
#31
○大久保勉君 少なくとも民主党政権でしたら、郵便局を使います、国民の税金を無駄には使いませんと、こういう答弁をしますよ。これがやはり今の政府の限界だと私は勝手に思っています。
 続きまして、地方自治体が出ましたのでこれに関連して申し上げますと、リーマン・ショックで世界中が大混乱しています。その結果、為替・金利市場が大暴落したり若しくは非常に不安定になっています。また、市場自身がなくなったということもございます。その結果、例えば学校法人の場合はデリバティブ取引で大きな損失を出しています。例えば駒澤大学に関しては百五十四億円の損失が出たということです。ほかの大学も同じような状況です。こういったことが地方自治体に起こっているかどうかを確認したいと思います。
 まず、地方自治体が持っております仕組み預金、仕組み債の利用団体数と導入合計金額を教えてください。
#32
○副大臣(倉田雅年君) デリバティブを組み込んだ地方公共団体の仕組み預金につきましては、平成二十年末現在において六十七団体が導入しております。その金額は約千五百億円です。
 それから、仕組み債の方、このデリバティブを組み込んだ仕組み債ですね、こちらの方も同じく平成二十年度末において十七団体が導入しておりまして、発行額の合計は約四千二百億円と、こういうことでございます。
#33
○大久保勉君 非常に大きい金額なんですね。こういったものは、物によっては数%の損失が出る可能性がありますから、精査する必要があります。
 全データをいただきました。その中で、まず仕組み預金に関してちょっと見ていこうと思います。
 例えば、明日香村という団体がありまして、合計で五億円の仕組み預金を行っております。ちょっと分からなかったんですが、満期年月が何か平成五十年とかと書いていますが、これは二十五年の間違いでしょう。審議官、お願いします。参考人。
#34
○政府参考人(望月達史君) 明日香村は平成十九年から平成四十九年までの三十年間満期で運用というふうに承知をいたしております。
#35
○大久保勉君 円の預金で満期が三十年で、金利を見たら六・五%とかなっているんですよ。さらには、金利はいわゆる為替の値によって変動するという形になっています。これを、よく言われていますのはパワーリバース預金というもので、為替が円高になったら金利がゼロになります。ですから、こういう預金がなされているということです。元本保証はありということですから、元本がちゃんと返ってくるということです。ただ、三十年後です。
 そこで質問しますが、もし三十年後に返ってくる、例えば元本を一〇〇としましたら、じゃそれを今中途解約したいといった場合は幾らになるでしょう。いわゆる三十年の金利といいますのは二%ですから、それで割り戻したら幾らになるか、このことを質問します。これは通告していますから、分かりますね。
#36
○政府参考人(望月達史君) 年数とその違約金の設定につきましては契約内容によりまして異なるものというふうに考えております。いわゆる御指摘の割引率の計算につきましても長短によりまして影響がございまして、損失につきまして一概に申し上げることはできませんが、いずれにいたしましても違約金が出てくることは契約上あるものというふうに承知をいたしておりまして、地方団体におきましてはそのリスクに十分留意をして対応すべきものというふうに考えます。
#37
○大久保勉君 実際、二%で割り戻しましたら、一〇〇の現在価値は五五%です。ですから、四五%損失が出るということです。もしこの村で五億円の取引がありましたら、二億二千五百万はもしかしたら違約金として払わないといけないという代物です。ですから、三十年間も地方自治体で預金をコミットできるんですか。また、そういったものが、その損失が最終的には住民税となったり若しくは地方交付税になる可能性があります。
 ちなみに、明日香村の村民税というのは四億八千万。四億八千万しかないところで二、三億の損失が出たら大変なことでしょう。こういった管理を総務省自身は行っているかということです。事実上行っていないと私は見ています。実際にこのリストを見ますと、同じように、加東市というんですか、とか、三田市とか、期間が平成五十年満期の代物がいっぱいあります。ですから、こういったものをもう一度精査して、本当に地方自治体で損失が出ないのか、若しくは本当にそういったことが可能であるか、このことを是非見てもらいたいと思っています。
 じゃ、そこで、尼崎市、加東市、明日香村など、このデリバティブ預金をしていてもし損失が出た場合は国が負担することはありますか、質問します。
#38
○政府参考人(望月達史君) 各自治体におきましては、こういった預金を導入するに当たりましては、歳計現金の金額でありますとかそれから当座使うお金がどうかといったことも十分に勘案しながらやっているものと考えておりますが、いずれにいたしましても、自治法上は歳計現金、現金につきましては最もかつ有利な方法でということで、元本割れということは基本的にはあってはならないというふうに思っております。自治体の方におきましてもそういった運用をするものというふうに承知をいたしております。
#39
○大久保勉君 じゃ、質問しますが、金利はゼロ%で三十年後、三十年間は預金が返ってこない、こういった預金を大量にやっていた場合はどう思われますか。
#40
○政府参考人(望月達史君) 四月から地方財政健全化法もいわゆる施行されまして、自治体におきましては財政運営に非常に今以上に一層に厳しく説明責任が問われることになるというふうに思います。
 いずれにいたしましても、リスク管理でありますとか情報収集に十分努めて、住民に十分説明できる仕方でやっていただくことが必要だというふうに思います。
#41
○大久保勉君 総務省から出た資料に関しては、時価情報はほとんど入っていません。つまり、だれも計算していないということです。どうして総務省は時価情報を算出させないんですか。そのことで、少なくともおたくの市町村はこれだけのリスクがありますと、総務省はそれなりに指導する、場合によっては住民に対しまして、これだけ損失見込みがあるから、これは増税するんですか、若しくは経費カットするんですか、こういったことを情報を出さない限りは大変な問題になるんじゃないですか。
 じゃ、総務副大臣はいかがです。政治家として是非一歩踏み込んだ答弁をお願いします。
#42
○副大臣(倉田雅年君) 委員のおっしゃること、必要性は私はあるなと思います。今後、重要な検討課題だと思います。
#43
○大久保勉君 ありがとうございます。さすが政治家の発言ということで、非常に重みがある発言だと思います。
 続きまして、今度は債券に関して、仕組み債に関して調べましたら、例えば松山市の発行の仕組み債は合計六十億です。金利が最大九・四%まで跳ね上がります。もし突然の金利負担が生じた場合、市の財政は不健全、まあ不健全になると思いますが、このことに関して総務省、どう思われます。
#44
○副大臣(倉田雅年君) 松山市発行の条件を見ますと、通常金利は一般的なものより低くて済むと。その代わりに条件があって、為替レートの変更によって高い金利になる場合もあるということでありますけれども、これよく見てみますと、通常三十年物について言いますと、松山市の発行している、通常金利は二・〇七五に抑えられていると。高い金利を払わなければならない条件に該当するのはドルが五十九円になったときだと。一番高いときでも一ドル四十円にならないとその条件に加担しないと、こうなっております。二十年債の方も同じく、通常金利より上がるのは六十九円、一ドル、それで更に上がるのは五十円と、こういう条件ですから、まずこれはないだろうという想定の下におやりになっているんで、損失は起こらないであろうという具合に思っております。
#45
○大久保勉君 いや、松山市の住民にとりましては、為替レートが六十円とかそういうことを一々チェックはできないんですよね。また、松山市の収入としましてもドルの債券に連動することもありませんから、そもそもドルとは全く関係ないところがドルのリスクを取ることがおかしいんじゃないかと思います。
 今の市長さんはいいんですね。通常よりも低い金利で享受することができますが、ある状況になりましたら急に金利が九%まで跳ね上がってしまいます。そのときの市長さんはびっくりしますよ。最終的に財政がおかしくなった場合には総務省が交付税を出さないといけないと、こういう状況ですから、まずリスク管理をしないといけないと思います。大臣は先ほど仕組み預金に関して前向きな発言がございましたし、仕組み債に関しても同じだと理解しますので、是非、副大臣の方はこの件に関しまして一層のチェックをお願いします。
 同じように、仕組み債に関しては四千二百億あります。例えば、新潟県、大阪府、兵庫県の仕組み債の発行金額は相当大きいと思いますが、どのくらいか、また最悪の場合、金利はどのくらい跳ね上がるか、このことを総務省に聞きたいと思います。
#46
○副大臣(倉田雅年君) 新潟県、大阪府、兵庫県の仕組み債の発行金額は、それぞれ、六百六十八億円、新潟ですね、大阪府が一千五十億円、それから兵庫県が八百九十五億五千万円であります。
 それだけでよろしいですか。
#47
○大久保勉君 幾ら掛かるか、最悪のケースは。
#48
○副大臣(倉田雅年君) ここのところは、大阪府は上限金利が一〇%ですかね。それから、そのほかについてはちょっと私では分からないですね。
#49
○委員長(円より子君) では、総務大臣官房望月審議官。
#50
○政府参考人(望月達史君) 三県におきまして上限金利が設定されておりますが、こういった金利負担でございますが、仮に契約上の上限の金利が一年間適用されたと仮定をいたした場合でございますが、新潟県で仕組み債四百六十八億円に対しまして三十億円、大阪府で仕組み債一千五十億円に対しまして百五億円、兵庫県で仕組み債五百九十五億五千万円に対しまして三十八億円といった金利負担に計算上はなります。
#51
○大久保勉君 先ほどの三十億円とか百五億円とか、これはその金額だけ増えるということで理解してよろしいですね。金利の負担の上昇分ですね。
#52
○政府参考人(望月達史君) これは、言わば根っこの部分も含めた全体の金額でございます。
#53
○大久保勉君 それじゃ駄目です。質問通告では幾ら増えますかということで、今年よりも幾ら増えますかということで質問通告していますから。幾ら増えますか。
#54
○政府参考人(望月達史君) 一年間でこれだけの金額が増えるということでございます。
#55
○大久保勉君 ということは、さっきの新潟に関しては三十億円は増えるということですね。大阪に関しては百五億円増えるということですね。ですから、相当大きい金額なんですね。こういったリスクがあるものを総務省自身が全く、答弁で分かりますが、ほとんど分かっていない、若しくは管理し切れていない、こういう実態なんですよ。ですから、もっときっちり管理してほしいなと思います。
 さらに、これは売った金融機関の問題でもあると思います。例えば、大阪市も同じように仕組み債を発行しておりますが、三百億円。時価は幾らかということで確認しましたところ、金融機関に確認したところ、算出していないと。聞いても、算出できない、していないと。これは非常に問題だと思います。
 では、金融庁に確認しますが、金融商品取引法上、顧客の方が時価を教えてくださいといって、出せませんということは問題じゃないかと思いますが、いかがですか。
#56
○政府参考人(三國谷勝範君) お答えいたします。
 個別取引につきましては答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、金融機関がデリバティブ取引が含まれている融資を行う際には適切な説明を行うことが必要でございます。
 一つには、顧客の知識や経験等を踏まえ、商品内容やそのリスクについて、また二つには、顧客がデリバティブ取引を中途解約した場合には解約精算金が発生する場合がある旨、それから、解約精算金の計算方法について具体的に分かりやすい形で説明をすることが重要と認識しております。また、契約締結後、顧客の要請があれば、定期的かつ必要に応じて随時顧客のポジションの時価情報等を提供することも重要と認識しております。
 仕組み債につきましては、仕組みの部分と証書貸しが組み合わさっている商品もあるようでございます。証書貸しの場合にはなかなか時価が出てこないということもございますが、デリバティブ部分、時価が分かる部分につきましては情報開示に努めることが必要かと思っております。
 私どもといたしましては、金融機関において適切な説明義務が果たされるよう適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
#57
○大久保勉君 要するに適切ではないという状況ですから、この辺りはきっちり金融機関側の方も検査してください。
 総務省の方は、地方自治体に対して、本当に自分たちがリスク管理する能力がなかったら手を出さない方がいいですよということを徹底してほしいと思います。少なくとも、解約した場合にどのくらいのコストが発生するか分からないような商品をやるべきではないと思いますよ。それは首長の責任でありますが、最終的な負担は住民、増税になりますから。このことを申し伝えたいと思います。
 そこで、最後に中川大臣に対しまして質問がございます。
 こういった制度をつくっていくために、金融商品取引法は地方自治体に関してプロかノンプロか、選択制になっていると思います。例えば明日香村、具体的に村長さんと話をしたことがありませんからプロかノンプロかは分かりませんが、少なくとも、ある程度取引を制限する、いわゆる一般個人と同じようなノンプロ扱いにした方がいいんじゃないかと思いますが、この点に関しまして大臣に質問したいと思います。
#58
○国務大臣(中川昭一君) 仕分といたしましては、地方自治体はプロであるという位置付けになっているわけでございます。
 しかし、申出によって一般投資家、アマへ移行することができるということになっているわけでありますが、これにつきましては、自治体との間で金融商品取引契約を締結しようとする金融商品取引業者は、その自治体に対してアマへの移行をすることができるということを告知をしなければいけないということになっておりますので、その辺で明日香村の判断というものが出てくるのだろうと思います。
#59
○大久保勉君 大臣、このリストを見てくださいよ。時価管理せずとかできないとか、若しくは銀行に聞いたが分からないと、こういった自治体ばっかりでしょう。こういう人たちはプロとは言えないと思いますよ。ですから、どのくらいの手数料が取られているかも分かりませんし、もしかしたら、何か起こった場合に解約しようと思ったら法外な手数料を取られる可能性があります。
 ですから、やはり何らかの制限をしておかないと、情報を持った人、いわゆる業者の方が好きな価格で、また好きな条件で取引を締結する、ふたを開けてしまったらいろんな損失が出ると、このことは是非考えてもらいたいと思います。これは私の意見です。
 続きまして、金融危機の現状と対策に関して質問したいと思います。
 あと時間が十五分程度ですが、途中若干飛ばしまして、例えば、最近日経新聞等を見ましたら、日銀とか政策投資銀行がCPを購入するとか若しくは社債を購入する、若しくは企業に対して株式を注入すると、こういった計画があります。
 そこで、まず質問したいのは、政策投資銀行がJAL、エルピーダなどの企業の株式を購入しようと計画しているという報道がありますが、これは事実かどうか、また、どのような基準で購入するのか、このことを経産省の参考人に聞きたいと思います。
#60
○政府参考人(森川正之君) お答えいたします。
 現下の厳しい経済情勢に対応するために、我が国の企業が様々な取組を検討中であると認識しております。ただ、個々の具体的な検討内容については申し上げることはございません。
 一方、世界的な金融危機の影響によりまして、企業の自己資本が減少するおそれもあるというふうに認識しております。このために、産業活力再生特別措置法を改正いたしまして、民間金融機関による出資を円滑化する制度を創設したいと考えております。
 具体的な制度設計の詳細については現在検討中でございますけれども、基準というお話ございましたけれども、産活法の認定企業のうち、世界的な金融危機の影響によりまして急激に売上げ等が悪化し、自己資本が減少しており、融資だけではなく出資が不可欠であるということ、一定期間のうちに当該企業の価値の向上が見込まれる事業計画を持っていること、雇用規模が大きい企業、下請企業など関連産業が幅広い企業、又は、こうした企業に代替困難な基幹部品等の相当割合を供給している企業など、国民経済の成長や発展に及ぼす影響が大きいと判断されること、当該出資を前提に出資先企業に対して他の民間金融機関が融資又は出資を行うことなどにより、協調して認定計画の実現等に取り組む予定であることなどの要件をすべて満たす企業が対象になり得るものと考えてございます。
#61
○大久保勉君 続きまして、日本銀行に質問しますが、日本銀行は企業のCPを購入するということを発表して、実際に購入されているんじゃないかと思います。でしたら、日銀がCPを購入するしない、その基準というのはどういう基準なんでしょうか。
#62
○参考人(中曽宏君) お答え申し上げます。
 適格担保の範囲それから要件につきましては、日本銀行の資産の健全性を確保しつつ金融調節を円滑に遂行すると、こういった観点から、政策委員会において、担保となし得る金融商品の種類を定めますとともに、その種類ごとに信用度、そして市場性に関する基準を定めてございます。
 さらに、CPの買入れの対象につきましては、担保として受け入れる場合に比べ損失発生の可能性が高まることを踏まえまして、政策委員会において、担保として適格であることに加えまして、格付がa―1格相当で残存期間が三か月以内であると、こういったことを要件としたところでございます。
 このように、適格担保の選定、そしてそのCPの買入れは、あらかじめ設定しました基準に基づいて実施しているところでございます。
#63
○大久保勉君 CP買入れの対象先は公表されるんですね。質問します。
#64
○参考人(中曽宏君) 適格対象先の個別企業名については公表してございませんけれども、適格要件については発表してございます。
#65
○大久保勉君 どうして私がこういった質問をしたかといいましたら、いろんな企業が日銀もうでをしているというようなことが言われています。例えば、まあ後で言いますが、オリックスとかは、何とかうちの発行したCPを買ってくださいと。どうしてか。それは、そのことによって資金繰りがうまくいくんです。まあこれは一例です。ですから、日銀がCPを購入する購入しないというのは非常に重要です。死活問題になります。
 そこで申し上げたいんですが、もし日銀がCPを購入して、その先に対して日銀職員が天下った場合は処罰されますか、若しくは日銀の内規に引っかかりますか。質問します。
#66
○参考人(水野創君) お答えいたします。
 日本銀行では、日本銀行法の規定に基づいて制定しております服務に関する準則におきまして役員や局店長級職員等の当座預金取引先への再就職に関して制限を設けておりますけれども、当座預金取引先以外の民間企業への再就職に関しましても、かねて個人の識見や能力を期待して外部から人材を求められた場合に限って慎重に対応するという方針で臨んでおります。また、CPなどの買入れに当たって恣意的な取扱いが介在するという余地はございません。
 こうしたことから、日本銀行によるCP及び社債の買入れ、これがその役職員の再就職に当たって何らかの影響を及ぼすということはあり得ないというふうに思っております。
#67
○大久保勉君 でも、あり得ないと言っているのは日銀さんだけですよ。といいますのは、CPの適格先も開示しませんし、どこを買い入れているかも分かりませんから、秘密ですよね。その基準も非常に抽象的ですから、非常におかしいと思います。
 実際にそういった要件が多いとしましたら、企業は本当に厳しいですから、そこに火事場泥棒的な天下りを日銀がしているんじゃないかという批判があっても、証明できないですよね。ですから、是非こういった天下りとCPの購入は関連ないというような制度をつくって発表をお願いしたいと思います。約束してもらえますか。どうぞ。
#68
○参考人(水野創君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、今の状況でCPの、社債の買入れと役職員の再就職が何らかの影響を及ぼしているということはないというふうに思っておりますけれども、そういうことの疑念を持たれないようにしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#69
○大久保勉君 じゃ、どういう制度をつくる予定ですか。
#70
○参考人(水野創君) それについてはこれから考えていきたいと思います。
#71
○大久保勉君 分かりました。約束してもらえましたので、喫緊につくってもらうことを確認したいと思います。
 これは日銀だけではなくて、財務省等も関係あることなんです。
 例えば、最近の新聞記事には、オリックス信託銀行の社長が元大蔵省出身の、これは潮明夫氏ですか、が就任されたということが発表されています。この潮氏といいますのは、昭和四十七年に大蔵省に入省されまして、国税庁長官官房課長等を歴任されまして、その後、人事院事務総局の局長をされて、それから、いわゆる電源開発会社に天下って、その後、オリックス信託銀行に二〇〇八年に行かれています。二〇〇九年の一月に信託銀行社長と。
 もし政策投資銀行がいわゆる政策金融公庫の資金を使ってCP等を購入するとか出資しようとしたら、こういったケースがもしあり得たら、これは天下りとかわたりの対象になりますか、このことを質問したいと思います。
#72
○副大臣(平田耕一君) 指定金融機関でございます政策投資銀行等が金融公庫等の信用供与を受けて事業者に対して必要な貸付等を行うという危機対応業務でございまして、この指定金融機関の貸付先の選定等につきましては、指定金融機関の融資の可否判断によって行われるものでございまして、主務大臣といたしまして個々の融資判断に関与するものではございません。具体的な事案について言及することは差し控えていきたいというふうに思っております。
#73
○大久保勉君 この説明でしたら、わたり自由ということですね、若しくは天下り自由ということになりますから、これは非常に重大なことだと思います。
 つまり、形式上は政策投資銀行の判断でやっていますから関係ないと。でも、実際、損失が出た場合のリスク若しくは損失は国が負担しています。特に、株式を投入するとか、若しくはCPを購入するという場合、その企業にとっては極めて有り難いんですね。ですから、そういった状況をより円滑にするために、どうぞどうぞ天下りさん来てくださいとか、若しくはわたりさん来てくださいということが可能であるという理解ですね。もう一度お願いします。
#74
○副大臣(平田耕一君) 個別の取引には言及いたしませんし、財務省を退職いたしまして民間人となられました方の再就職につきましては、すぐれて御本人と企業との間の事柄でございまして、我々としてコメントすることではないというふうに承知しております。
#75
○大久保勉君 これは麻生総理大臣の発言よりも悪いですね。もう非常に、容認したというふうに受け止めることができると思うんです。私はおかしいと思うんですね。政府が少なくとも、リスクを取っている、その影響力を行使していますから、そういった企業に天下る場合は、いわゆる公社公団とか若しくは独法に天下りをするのと同じような基準で考えないと、幾らでもこれからわたり、天下りが増えますよ。
 特に、民間企業は非常に厳しいですから、何とか政府のお助けが欲しいと。だったら、天下り官僚に副社長とか子会社の社長のポストは幾らでも与えますと。その結果、お金が出てきて救われると、こういう状況ですよ。これ、済みません、中川大臣、これは質問通告していませんが、大臣の感性としてどう思われますか。
 もう一度言いますね。つまり、オリックス信託の社長としまして、財務省OBが就任しています。で、オリックスグループがもしCP等で政府の金を取りたいとか、若しくは出資をしてもらいたいといったニーズがあるとしましたら、天下り官僚を採ってあげると、だからお金を出してくださいと、こういったことがあり得るとしましたら、問題じゃないでしょうかと。で、先ほど副大臣の方は、いやいや、これはもう民間の判断だから天下りの対象にならないとおっしゃっていますが、中川大臣、是非変えてほしいという意味で中川大臣の個人的な見解を申してください。
#76
○国務大臣(中川昭一君) この潮さんという人は財務省を退職した後、人事院それから電源開発に長くおられたわけでございまして、その後民間に行ったわけでございます。ですから、この方がいらっしゃる会社がCPを買い取ってもらいたいということを言った場合でも、そのときにはこのCP買取りのルールというものがはっきりしているわけでございますから、そこは、この方が行ったから何かCP買取りに有利に働くというような余地は私はないんだろうというふうに考えております。
#77
○大久保勉君 ないと思うのは大臣だけです。僕らはおかしいと思っていますから、むしろそういった余地がないような制度をつくってくださいと言っているんです。これは是非検討をお願いしたいと思います。
 質問時間が終了しましたので、これで終わります。
#78
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会・国民新・日本の峰崎でございます。
 今日は前回に続いて、ちょっと残していたことありまして、今日も与謝野大臣にわざわざお越しいただいたということは、あらかじめ本当に感謝を申し上げたいと思います。また、先日の私とのやり取りがちょっと新聞にもいろいろやゆされておりまして、与謝野大臣いわく、実は自民党は昔は社民主義だったんだと。後ろに社民党の方もおられますし、私も元々日本社会党が当選したときのメンバーで、日本社会党というのは党名はソーシャル・デモクラティック・パーティーという、結党以来そういう政党でございますので、はあ、与謝野大臣とこの私も思わず何だか共鳴して一緒にやらなきゃいけないんじゃないかなんという、こう出しておりましたけれども。
 実は、与謝野大臣、かなりこれは私の持論なんですけれども、やっぱり世の中が大きく変わるときというのは、三つぐらい条件があるんじゃないかと思うんですね。私は税制問題とか財政問題ずっとやっていまして、制度が大きく変わるときというのは、一つは戦争なんですね。もう一つは恐慌なんです。もう一つは、大きく変わるというのは、これは大きく変わったかどうかは分からないんですが、大連立です。
 私がちょうど、自社さ政権というのがございまして、一九九四年から、その当時の自社さ政権で、財務大臣なんかと一緒に税制改革の協議会なんかに入ったりしていました。あのときに実は消費税が三%から五%に上がったんです。そのことはまた今度の税制改革法案の中で議論はしたいと思っているんですが。
 それでいくと、ああいう改革ができたのも、あるいはあのときはかなり医療制度の、医療保険なども改革がございまして、要するに改革を何かやらなきゃいけないときというのは、そういう大きな危機に瀕したときに実は出てきたり、あるいは事情があって大連立になったときに非常にそういうものがうまく前へ進んでいくと。
 そういう意味で、昨日のこの新聞などにも取り上げられていますが、昨日の与謝野大臣の発言を聞いていて、やはりこういう日本が未曾有の危機を今抱えているわけですけれども、そういうときでないと改革というのは私は進まないんじゃないかなというふうに思っているんですが、その辺りの認識はどんなふうに思っておられるか。
#79
○国務大臣(与謝野馨君) 今政党間に、例えば自民党と民主党を比べた場合にイデオロギーの壁というものはもうなくなってしまっていると。そういう意味では、本当は話合いがしやすい状況にあるはずなんです。
 これは象徴的に、何で分かるかといいますと、今から三年ぐらい前に鳩山由紀夫幹事長が自民党との対立軸を見付けると、こうおっしゃったんだけれども、イデオロギーの差がないときに対立軸を見付けるというのは実は相当困難な作業であるということと、それから民主党という政党がどういう政党かということを例えば研究しようと思って民主党の理念とか綱領というのを読みたいと、こう思っているんですけれども、存在すると言う人と存在しないと言う方がおられて、どっちなのかなと今思っております。
 ただ、峰崎先生が心配されているのは、こういう危機に至ったのに、政策決定が国会で法律、予算という形でスピードを持って実現されていかないと、これはやはり危機の大きさを増幅させていく可能性があると。これは私は、与党側にももちろん責任があって、やはり与党側も胸襟を大きく開いて、やはり民主党が主張されていることを十分に取り入れて、自民党も民主党も公明党もその他のあらゆる政党も、守るべきものは国民生活という一点においては私は合意ができると思っておりまして、そういう意味では、こういう異常な経済状況に陥った日本、この方向をより確かなものにするためには、やはり政策で与野党が合意に達して、国会の処理においてはなるべく時間を掛けずにこれを成立させるということが、多分多くの国民が望んでいらっしゃることではないかと私は思っております。
#80
○峰崎直樹君 ちょっと大変重要なところなので、また私は是非与謝野大臣の見解をお聞きしたいなと思っていますし、また、財務大臣も、関連してもしかしたらお聞きするかもしれませんが、実は、各政党それぞれいろいろあるんでしょうけれども、いろいろ議論していく過程の中で、やっぱり政府の規模というのは小さい方が効率的な政府ができると。依然としてやはり、依然としてというか、なお今日時点においても、たしかあれは一九九九年ですか、日本の改革戦略というところで、中谷巌という人が最近、私は間違えていましたということで自己批判されていますけれども、あのときにやはり小さい政府になれば非常にうまくいくだろうと思っていたと、市場で効率的に進めばうまくいくんだというふうに思っていたけれども、実はそうではなかったということをいろんなところで、最新号の文芸春秋なんかにも書かれておりますよね。
 そうすると、依然として竹中平蔵さんなんかはまだ、いやいや、改革をもっと進めなきゃいけないと、改革足りないんだと、こうおっしゃっているわけですね。そうすると、やっぱり小さい政府というか政府の規模の大小が問題じゃなくて、オバマが言うように、これが機能しているかどうかが問題なんだということをおっしゃるんですが、やはり余りにも小さくなり過ぎた政府、それが効率性を追求してきたことが本当に良かったのかなということをこの間も実は大臣がおっしゃられたような気するんですが。
 そうすると、イデオロギーというよりも、それはやはり政府規模を、大小というか、経済を効率化させていくためには、発展させていくためには、国民生活を充実するためには、小さい政府にして政府は余り余計なことをしない方がいいという考え方と、やっぱりある程度政府の規模は最低限のところはしっかりセーフティーネットを確立した上で、その上で市場競争というものをきちんとやればいいじゃないかと、どうもそこの二つが対立して、やっぱりイデオロギーというか基準というか、その二つがあるような気がするんですが、その辺りは与謝野大臣はどのように考えておられるのか、また中川大臣、もしこの件について、大変ポイントなんじゃないかなと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
#81
○国務大臣(与謝野馨君) 実は、自民党も結党五十年を迎えるというんで、自民党の綱領の案を作れと私言われまして、実は私とここにいる宮澤さんが二人で、我々二人で原案を作ったわけです。そのとき、私、小さい政府というのを落としちゃったわけです。こんなもの、小さい政府なんて書いたって意味がないんだと言うんだけど、宮澤さんは意見が違って、小さい政府というのは、行政改革を進めるという意味では小さい政府という言葉を残しておく必要があるというんで、結局小さい政府というのは自民党の綱領の中にも残っております。
 そこで、今は割り切って考えておりまして、行政組織自体は小さい政府と、それから、社会福祉とかそういうところは小さな政府ではあり得ないと。やはり福祉を充実させていけば予算は大きくなるし、大きな政府とは言えないまでも、小さな政府なんてことはあり得ないと、私は今そう思っております。
 小さな政府という概念の中にはもう一つの概念が入っていまして、それは国が経済活動についてなるべく干渉しない、規制をどんどん外していく、それでアダム・スミスが言った見えざる手によって最後は均衡状態に達成するんだと、そういう考え方。これは、私は経済学というのは勉強したわけじゃないんですが、アメリカではやったマネタリストの流れ、またその流れとしての新自由主義経済学派の流れというのはおおよそそっちに行ったんですが、今はそれは違うんじゃないかと。小さな政府、大きな政府というのは、オバマ自身がそんな定義は無意味だということを言っているように、やはり行政組織の効率性の部分と、国と国民との関係、特に所得再分配、社会保障制度等については小さな政府ということは、多分現代社会にはもう後戻りできないところまで来ているほど国と国民との関係は小さな政府でない、中ぐらいか大きな政府でもう既に結び付いてしまっているというふうに私は個人的には考えております。
#82
○国務大臣(中川昭一君) 小さい政府といった場合に、予算をいうのか権限をいうのか、あるいはまた官僚の数をいうのか、いろいろ、多分どれもが小さい政府の一つの要件だろうと思います。ほっておくと、まあパーキンソンの法則じゃないですけれども、どんどんどんどん官僚の数が肥大化していく、増えていくということによる無駄とかいろんな問題が出てくるということは、これは避けなければいけないと思います。
 しかし、民でできること、あるいは地方でできることはどんどんやってもらっていいんだろうと思いますけれども、やはりセーフティーネットをきちっと機能させるということも私は必要だろうと。今回の金融危機対応を、私が日本政策金融公庫に命ずるという、こういう手段が仮になかったとするならば、今回の対応というものも随分と苦しいものになっていたんだろうというふうに思います。
 今、アダム・スミスの話が出ましたけれども、国富論では自由放任、レッセフェールと言っておりますけれども、他方、やはり経済にも道徳性というものは必要だということを別のところでも言っているようでありますから、やはり一定の、自由といってもやはり限界がある。今回のレバレッジの崩壊なんというのはまさに結果的にそうだったかもしれませんし、そして、そのときにはきちっと迅速に政府が対応できるということもやっぱり必要なのではないかというふうに思っております。
#83
○峰崎直樹君 まだまだ本当にお話ししたいことはたくさんあるんですけれども、またもうちょっと今の議論を先に進めさせていただきたいんですが。
 私は、いろんな資料を読んでいて、だんだん分かってきたことというか、なるほどなと思ったのは、慶応大学に権丈先生という方がおられまして、その方のいろんなブログなんかをよく読ませていただいております。その方は、多分、財政改革研究会にも行かれてお話しなさっていると思いますが、世界各国調べてみると、公務員の数だとか、あるいは要するに社会保障、教育を除いて、必要とされている政府の規模とか、あれはどこの国もほぼ同じだというんですよね、調べてみると。政府が大きくなっていくというのは、所得再配分を伴う社会保障とか教育とか、そういう、本来、これ市場でやるべきなのか、あるいは政府でやるべきか、要するに中間的なところがあるわけですね、教育にしたってそうですが。そういうところをしっかりと、要するに所得の多寡によって例えば受けられる医療が変わらないとか、あるいは所得の多寡によって教育費が左右されないとか、そういうところで充実している国はいわゆる大きな政府になっている。それが非常に小さいところは小さい政府、アメリカのようになっている。
 では、日本は一体どこなんだということになるんですけれども、私は、それを考えたときに、今格差の問題だとか貧困の問題だとかいろんなことが起きてきている問題で、要するに社会保障の、あるいは教育費を、階層消費というか、所得の多寡によって、所得が大きい人はいい大学に行ける、所得の高い方はアメリカの大学に行ける、そういうふうにして、実は国民の中で所得の多寡によって行ける大学が変わってくればその後の人生も変わってくるわけですね。それが実は固定化し始めていると。それを何とかしなきゃいけないのが今の時代じゃないかなというふうに思っているんですが、そうすると、当然のことながら、この社会保障の規模を、社会保障というか教育とか、要するに階層消費に任せてはいけない分野を、どこを階層消費に任せてはいけない分野にするのかということが実は大変意見があるんだろうと思うんですね。
 私は、階層消費に任せてはいけないのは、やはり教育と、それから保育と、それから医療と介護と。要するに、セーフティーネットといっても、現金給付ではなくてどちらかというと現物給付、サービスを自由にやるということが非常に重要なんじゃないか。それはなぜかというと、ヨーロッパの国々の、北欧だとかあるいは中欧だとかの国々調べてみると、経済成長とその政府の規模の関係でうまくいっているというのは、余り現金給付に重視を置かないで現物給付のサービスを重視しているところが、非常に経済成長とその政府負担、国民負担というものの負担の度合いが高くてもうまく機能している。特に今大問題になっている雇用問題なんかもそうなんですね。そういう方向へとやっぱり今かじを切っていかなきゃいけないときに来ているんじゃないかなという、私はそんな思いでずっとこの間、予算委員会その他に立たせていただいているんですが、その点についてどんなふうに思っていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#84
○国務大臣(与謝野馨君) やはり自由主義の経済をやっていますと、えらい稼ぐ人、えらい稼げない人、両極できてしまう。これを放置しておくということは穏やかな社会でなくなる可能性があるし、やはり所得再分配ということを考えて近代国家はやってきたわけです。
 日本の国の所得税は所得再分配に非常によく貢献した私は税制だったと思っておりますが、今、世界全体の所得税のフラット化のいわゆる流れに沿って、国税、地方税合わせて五〇のところまで下がってきてしまっていると。
 今度出しております税法改正、民主党には決してお気に召していただいておらないんですけれども、その税法の附則の中の各税目ごとの改正の方向性の、まあ哲学と言ったら大げさですけど、考え方が書いてありますが、やっぱり所得税については所得再配分機能を取り戻すような税制改正の方向ということが書いてありまして、そういう意味では私はこれはきちんとした方向だなと思っております。
 それからもう一つは、やはり日本経済がバブル以降、体力が弱って非正規雇用なんというものを導入せざるを得なかった、また、この機に乗じて導入したというケースもあるでしょうけれども、そこに格差が生じたということはやっぱり正直に受け止めて、やはりこれは容認できる格差というものもありますし、容認できない格差というものに対しては政治が果敢に闘っていくという、そういうある種の正義感というものをどの政党であれ持たないといけないと、私はそういうふうに思っております。
#85
○峰崎直樹君 そこで、実は私もずっとこの間、税制問題と、それから社会保険料の問題と、まあ税は公助だと、社会保険料は共助だと、あとは私的負担は自助だという、いろいろ分けてきたんですが、戦後の社会保障制度を見ていて、最近になって明らかに、その社会保障の保険料で守られてきた雇用保険、あるいは保険料で守られてきた年金制度、あるいは医療保険制度、そこからはみ出てしまう人たちが、本当に部分的なはみ出し方じゃなくて百万単位で出てくるわけですね、ウン百万という。で、年越し派遣村のような問題が起きている。
 ということは、今までは保険料の世界できちんと雇用は守り、あるいは医療や年金もそれぞれ、共済年金であるかどうかは別にして、それぞれやっていたと。ところが、それで救えない人たちが出てきて、じゃいきなり生活保護ですよというところでもない、ないというか、そこになかなか生活保護もまた問題持っていて行けない。
 そうすると、だんだんといろんな議論をしていくうちに消費税のウエートが高まって、議論が今度も附則第百四条で出てくるんでしょうけれども、そうすると、保険と税というのは、今までのように分けられているというものの在り方が、これはこのままでいいのかなという、そんな思いで、これはヨーロッパの国々で最近非常にはやっている言葉なんですが、ベーシックインカムという言葉があるんだそうです。要するに、仕事に就いてないときは、もうミーンズテストとかなんとかじゃない、とにかく一定程度生活できる金額は保障しようじゃないかと。これだけの発達した資本主義国になっていて、経済力豊かになってきているときに、いや、保険だから支出しましょう、あなたはこういう条件に合うから支出しましょうじゃなくて、もう完全にそういうある意味ではベーシックインカムということでインカム差し上げますと。こういう聞いたら大胆な発想をして、これきっと社会民主主義の考え方に立っている人が言っているのかなと思ったら、経営者の人たちもそれに賛同する人たちが出てきているということなんです。
 今日は副大臣も、厚生労働副大臣、わざわざ来ていただいたんですが、そういう意味で保険と税というものを今までは画然と分けてきた。私も税に、例えば年金の基礎年金全額税方式というのは私自身は非常に、じゃ、やがてこれ、税収いかんによって私たちの年金が制限されてしまうということはいかがなものかなと。
   〔委員長退席、理事大塚耕平君着席〕
 それは何かというと、必ず税というのはどう使われるかということに対する非常に厳しい財務当局の規制がかかわってくるわけですよね。そうすると、やっぱり保険料を払っておいたものの方がしっかりと、それは権利として我々は年金、権利としての医療だと、権利としての介護だと、こう主張できるわけですけれども、しかしそれは、先ほど申し上げたように、保険料と税の関係で、保険で救えない人たちが出てきたときの対応として、これは年金、保険料とそれから税との関係についてはどう考えたらいいんだろうかなということで私自身が非常に今、自分で自分が動揺しているという感じがしているところがあるんですが。
 そこら辺りはどういうふうに見ておられるのかということについて、これは大臣、与謝野大臣、余り事前に質問しておりませんでしたけれども、事の成り行きでその延長で、そして副大臣、それからもし財務大臣も見解あればと思って、本当は経済危機のことをお聞きしたかったんです。もう大変な深刻な危機だし、そちらの方を重視しようと思ったんですが、是非その辺りをお聞きしておきたいと思います。
#86
○国務大臣(与謝野馨君) 税も保険料も一人一人の国民のお財布から出ていくという意味では全く変わらないと私も思っております。ただ、意識の問題として、税と保険料に対する意識の違いは、保険料はいずれ自分に返ってくるという意識がどこかにあるわけで、税と保険料というと、保険料の方が自分に回帰してくるというある種の何か予感がして払いやすいだろうと私は思います。ただ、税は、払っちゃうとどこに使っちゃうか分かんないぞみたいな話がもう一つあって、これはなかなか負担をお願いするというのは政治的には非常に難しい。
 しかし、医療制度も年金制度も介護制度も、やはり言わば、税と言わず保険料と言わず、いずれも国民のお財布から出てきたもので成り立っているわけですから、言わば国が負担をしろという言葉は実は成り立たないと思っていまして、これは、税と保険料とどういう仕分で御負担をいただくとより公平感が増すかという考えに基づいて税制改正をやっていかなきゃいけないと思っております。
 ただ、去年の暮れから今年にかけまして、消費税を仮に上げると、これを社会保障に全部使うといった場合の所得再分配に対する貢献はどうなるのかという研究をしてもらったんですけど、これは実に、非常にきれいにこれを全部社会保障制度に使うということになると、みんな逆進性、逆進性という言葉を使うんですけれども、社会保障給付まで入れた消費税のアップということを考えますと、むしろ所得階層の低い方が分配の面においては一番高く受けて、高額所得者の方がどんどん低くなると、そういう面もあって、逆進性の議論だけで税制改正なんかを否定するということはなかなか難しいのかなと今思っております。
 いずれにしても、しかし私は、なるべく多くの国民が、自分はこの社会の中で中ぐらいのところにいるんだという意識を持てるようなことにしないと社会の安定性というものは達成できないんじゃないかという思いはなお一層今強くなっております。
#87
○副大臣(大村秀章君) 税と保険料の関係につきまして、今、峰崎委員からお話をいただきまして、お話をお伺いしたところ、ほぼ私も同じような考えかなというふうに思います。
 やはり自助、共助、公助があって、共助の理念で社会保険がつくられている。ただ、その税と保険料をどういうふうに組み合わせていくかというのは大きな課題だと思います。日本の場合、御案内のように、社会保険といいながら、国民健康保険とか介護保険というのは半分税で賄っている、それから所得の少ない方の保険料の負担も軽減措置とかまた税を投入してやっている、そういったこともございますので、そこをどういうふうにベストミックスでうまく組み合わせていくのか。これはやはりこれからも考えていかなきゃいけない大きな課題だと思います。
 ただ、現実問題、例えば平成十八年度の社会保険給付でいえば、ほぼ九十兆円の給付のうち保険料で賄うのが五十六兆円、税で三十一兆円と、事実上大きな部分が社会保険料で賄われている、そこのところをどういうふうにしていくのか。
 それとまた、委員が先ほど言われましたように、これ全部税でやりますと非常にがちがちになって、機動的、弾力的に運営できないということもございます。やはり社会保険というのは、ある程度弾力性を持って運営をしていくということが必要だと思います。例えば、医療なんかは必要な医療給付はやっぱり社会保険で弾力的に見ていく。これがもし税でとなると、相当財政当局からきちっと、ぎちぎちと査定されて、これもなかなかうまくいかないんじゃないかと、そんなこともありますので、またその辺はこれからもよくよく議論をしながら、日本にとって何がいいのか、そのベストミックスを考えていく、そういうことだというふうに認識をいたしております。
#88
○国務大臣(中川昭一君) 税と公的保険料の関係をどうしていったらいいのかと、これはもう制度的安定性が必要でございますから、中長期的にしっかりしたものをつくっていかなければいけないと思っております。
 そういう中で、今基本的に、私、与謝野大臣と考え方がほぼ同じだろうというふうに思っておりますけれども、いずれにしても、負担の感じ方は違うにしても、負担をしていただく、国民が負担をするということは間違いないんで、国民が納得するような形で今後の制度設計をしていくということが大事なんだろうというふうに思っております。
#89
○峰崎直樹君 もう時間が来ましたので終わりますが、私は、本当に経済の危機というのは、来週月曜日にGDPの十―十二の速報値が出ると聞いていますが、恐らく二けたの削減率、年率に換算して、それぐらい非常にひどいんじゃないかと予測されています。
 その意味で、全治三年とか、いろいろ危機認識というのを本当は問いただしたかったんですが、本当に相当深刻な状態が訪れるということを、改めてこれをまた予算委員会等でもしっかり議論さしていただくということで、今日はちょっとややずれた質問になってしまいましたけれども、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#90
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 今も議論がありましたが、消費税と景気の関係について質問をしたいと思います。本来であれば与謝野大臣にお聞きした方がよかったかも分かりませんが、諸般の事情で中川大臣にお聞きしたいというふうに思います。
 消費税の増税時期については自民党内でも激論があったというふうにお聞きしておりますけれども、結局、政府が今国会に提出した来年度の税制関連法案の附則では、増税の時期とかタイミングについて、要するに、税制抜本改革を行うために一一年度までに必要な法制上の措置を講ずるということと、実施の時期については景気回復過程の状況を見て法制上定めるというふうなことになったんだというふうに思います。
 総理も中川大臣も与謝野大臣も、消費税は景気が良くなってからということを繰り返し御答弁されてまいりました。この景気が良くなったらという場合の景気というのは具体的には指標としては何を物差しにされるのか、まず教えていただきたいと思います。
#91
○国務大臣(中川昭一君) 中期プログラムでは景気、経済状況の好転の判断基準の一つとして潜在成長率の発揮が見込まれるかどうかということを挙げておりますけれども、やはり各種指標、一般的に生産、輸出、消費、雇用等の数字が好転ということに判断できる状況だと思います。
 ただ、数字だけではなくてやっぱり国民の実感とか、あるいは今回の消費税を含めた、減税もあるんでしょうけれども、税制の抜本改正というものが社会保障制度の安定等に資するということを国民の皆さんが御理解いただくということも一つの、これは政治ですから、国民の皆さんの実感や期待というものも考慮していかなければいけないと思っております。
#92
○大門実紀史君 経済財政諮問会議では、一つの物差し、指標ですけれども、現在一・五%から二%とされる潜在成長率、これを実際の成長率、実質成長率がそれを上回った辺りと、つまり二、三%になるんでしょうか、そういうふうに言っておりますが、私は、大臣言われたように、それだけで判断すると危ないなというふうに思っております。
 例えば、今金融危機でございますけれども、その前の景気が回復したと言われていた時期は、大企業主導の景気回復で成長率もそれなりに高まったわけですけれども、実際には一人当たり賃金は減少すると。雇用者所得という点でいきますと〇一年から数年で比べると二・三兆円減少しておりますし、予算委員会で私取り上げましたけれども、いろいろ負担増の関係でいくと累計で五十兆円ぐらい負担増が増えているというふうな関係でございますので、私も、大臣おっしゃるとおり、潜在成長率を実質成長率が上回ったら景気が良くなったんだと、上げていいんだというふうにはならないというふうに思います。
 その辺は大臣としては、経済財政諮問会議は一応潜在成長率を上回るというようなことを中心に言っておりますが、大臣としてはもっと総合的に指標を判断するということをもう一度確認のためにお聞きしたいと思いますが、いかがですか。
#93
○国務大臣(中川昭一君) 諮問会議でも一つとしてというふうなことになっておりますけれども、私は、やはりこれはもう政治そのものですから、この税制改正というのは、ですから単なる指標だけではこれはとてもできないと。経済が良くなるということについての総合的な判断というのは、まさに政府あるいは与党の政治判断ということになるんだろうと思っております。
#94
○大門実紀史君 私、我が党は、御存じのとおり、消費税じゃない方法で、増税じゃない方法で財源をつくるべきだというふうな立場でございますけれども、景気に与える影響で、何といいますか、危うい判断をされないようにすべきだと、それを前提にした増税方針というのは違うんじゃないかという点で申し上げました。
 例えば、九七年に五%に増税したときの成長率でございますけれども、当時は、例えばその前の年、前の年で見ると、九五年度は二・五%の成長率がありました。九六年は二・九%に達していましたし、雇用者所得も年間四、五兆円増えていたという時期でございます。そのときでさえ消費税増税で一気にマイナス成長になったということもありますんで、今出されている景気が良くなったら論というのは気を付けて考えるべきことだと、なったらいいんじゃないかというふうには単純にならないというふうに思います。
 ただ、経済財政諮問会議ではもう少し中身に踏み込んだ議論がされております。それと二〇一一年度との関係でかなりコンクリートされた方向で、しかもこれは諮問会議で皆さんが合意したというふうになっていますんで、そう簡単にあれこれの一つとして見るわけにはいかないと思いますので、質問したいと思いますけれども。
 諮問会議では、消費税引上げ時期を、実際の成長率が潜在成長率を上回る成長率加速局面で実施すべきと、これはもう大筋、民間議員が提言された、お手元に資料を配りましたけれども、これを一つの参考にしながら民間議員が提言して大筋合意しているということでございますし、与謝野大臣ははっきりと、上昇局面のときに、景気循環のサイクルの上昇局面のところで上げるべきだということを具体的におっしゃっております。
 ちょっと内閣府に聞きたいんですけれども、民間議員がまた提出した資料でございますが、この資料に基づいて、どの辺がその潜在成長率を実質成長率が上回るということを想定しているのかと、何のためにこの資料が出されたのかということも含めて説明してくれますか。
#95
○政府参考人(西川正郎君) お答えさせていただきます。
 経済状況の好転後に行う消費税を含む税制の抜本改革、この実施時期に関しましては、昨年十二月の経済財政諮問会議において有識者議員から資料の提出があり、御議論をされております。その資料におきましては、まず経済状況の好転については、経済社会の動向を総合的に見て判断する必要があると、こうした上で経済成長率を一つの目安として考えた場合が取り上げられております。景気循環局面から見て最も適切な時期に消費税を含む税制の抜本改革に着手する必要があるとの観点からの議論がなされたと承知しております。
   〔理事大塚耕平君退席、委員長着席〕
 お手元の資料でございますが、その際の資料の一部を配付いただいておると思います。この実は資料の前に概念図の絵がございまして、配付されたものは、その概念図を一九九〇年代の例に単純に当てはめたものでございます。
 この図の横軸は時系列、時間でございます。縦軸がGDPの水準を表しておりまして、左下から右上への直線は潜在GDPの動きを表しております。この傾きが潜在成長率になります。また、太線で示しておりますこの曲線でございますが、こちらが景気循環により変動する実際の経済の動きを示しております。その傾きが実際のGDPの成長率となるわけでございます。この図では、この曲線は実際の成長率をならして見るため、三期移動平均を取って示しております。
 この図の中央下の方の部分に景気の谷という時点がございます。この例では九三年の第四・四半期となっております。景気循環に沿ってこの時点から経済状況が持ち直し改善していくと成長率が高まっていきます。この傾き方が大きくなっていくということでございます。そして、実際の成長率が高まり、潜在成長率に達し等しくなる点が潜在成長率到達点でございます。この九〇年代の例では九五年の第一・四半期、実質GDPが一・六%という点を示しております。この点ではGDPギャップが残りますが、その後更に成長率が加速し、潜在成長率を上回るような成長が展望できる局面に移っていくと見込まれます。
 つまり、この潜在成長率到達点から右の方では、成長率の上昇に弾み、勢いが付き、GDPギャップも縮小、解消に転じていくことが見込まれる局面でございます。この成長率加速局面において速やかに税制抜本改革を実施できるように準備しておくことが望ましいのではないかという指摘があったというふうに理解しております。
 いずれにしましても、税制の抜本改革の実施時期につきましては、その時々の景気回復の状況や国際経済の動向など見極め、最終的には総合的な判断を行うものと考えております。
#96
○大門実紀史君 私が聞いているのは、そのおっしゃっています潜在成長率を実質成長率が上回ると、そのときに上げるタイミングだと与謝野大臣はおっしゃっているわけですけれども、これはもう過去のラインですけど、これでいえばどのころになるのかということを聞いたわけです。
 今おっしゃったように、その前に言っておくと、九七年のときに、先ほど申し上げたようにマイナス成長に陥ってしまったと、増税をして。これは、景気の循環のピークのときにやってしまったから、後で加速度的におっこっちゃったと。今度、多分おっしゃりたいのは、上がっていくときに、上がっていくときに増税をしたら大丈夫だと、単純に言うとそんな話をされているんだと思いますが、その成長率到達点、つまりこの真っすぐのラインと角度が一緒になるところ以上になってきたと、角度が、そういうことをおっしゃっていると思うんですけれども。
 つまり、こういうことでよろしいですか。九五年の一・四半期から九六年の第三・四半期、このころがこのカーブが潜在成長率を上回っていると。こういうラインのところ、これ一年半ありますけれども、こういうラインのところが上げどきだというふうにおっしゃっているんでしょうか。
#97
○政府参考人(西川正郎君) お答え申し上げます。
 具体的にどの四半期がということでございませんが、御質問にありましたように、この九五年第一・四半期より後、景気が加速していく局面であって、景気の山に近くならない段階において実施すべきであったのではないかという御議論がございました。
#98
○大門実紀史君 これは、このラインは過去の話ですから分かるわけですよ。いつから上がって、どうなって下がったと。これからはどうやって判断するんですか。分からないでしょう、先のことは。今上がっていくと、こういうふうに見えないじゃないですか、先のこと。どうやって判断するんですか。
#99
○政府参考人(西川正郎君) 諮問会議の議論も、経済状況の好転は経済社会の動向を総合的に見て判断するべきものであるということが前提でございます。その際、景気循環局面から見て最も適切な時期にそういう税制の抜本改革に着手する、その観点からどうしたらいいかということから議論を行ったということでございます。
 いずれにしましても、景気回復過程の状況、国際経済の動向等を総合的に見て判断するということは変わりございません。
#100
○大門実紀史君 いずれにしても、余りこれが関係ないなら、もうこういうことを言われないで、与謝野さんはそういう答弁をされるべきじゃないと。これはあれこれの一つで、これは別にこだわっておりませんと。先ほど中川大臣が言われたように、雇用の問題とか国民の実感とか、それで判断するんだということだったら、この諮問会議で合意されて、これを委員会の場でも本会議の場でも与謝野大臣は潜在成長率を超えた場合とおっしゃっているんだから、そういうことを言われない方がいいというふうに申し上げておきたいと思います。
 ただ、何でこんな議論がされているのかと。これ民間議員がまたこういう資料を出してきたわけですけれども、民間議員が出してくる資料というのはろくなものを出さないんですよね。前、私、この委員会で言いましたけど、一兆円消費税を増税して社会保障に回したら所得再分配効果が高まると、でたらめな高まるというような言い方をするような、本当子供でも分かるようなでたらめな資料を出されたりするわけですけれども、これもそうなんです。
 これ、今日は資料は用意しませんでしたけど、先ほど頭にちょっと言われましたけど、先に二〇一一年度ありきなんですよ、ありきなんですよ。
 なぜかといいますと、この配付された資料の、当日の諮問会議で配付された資料の最後にあるんですけれども、要するに何を言っているかというと、八〇年代以降の景気変動期の後退、景気変動における景気の後退期間というのは平均二年程度だと、景気の谷から潜在成長率達成までは一年程度だと。二年と一年、三年になるわけですね。この山を、二〇〇七年十―十二月期が山とすると、今の平均値を当てはめると二〇一一年には上昇に転じると、だから二〇一一年と。何のことはないんですよ。二〇一一年に勝手に今までの逆算して当てはめているだけのことなんです。
 申し上げたいのは、景気が良くなったらとかいうのは後から付けた理屈で、総理が三年とおっしゃったこともあるんでしょうけれども、二〇一一年度ということが先にあって、景気の谷を、今までの平均値を勝手に当てはめていると。百年の一遍の危機で先が見えないときに、そんなものは何の根拠もないというふうに思うわけでございます。
 実は、この景気が良くなったら論というのは、何のことはなくて、先に二〇一一年ありきで、どうでも取れるような今までの平均値を無理やり当てはめただけというふうに思いますが、内閣府はその辺よく分かっているんでしょうか。
#101
○政府参考人(西川正郎君) お答えします。
 当日御議論された際に、確かに、議員御指摘のように、概念図、この御配付の資料の前の概念図におきまして、八〇年代以降の平均的な景気の後退期間が二年程度、景気の谷から先ほどの潜在成長率達成時点までの間は一年程度というふうに平均はなっておりますが、同時にそのとき、最後に表の、もう一枚資料ございまして、その中で、バブル崩壊後の後退期、九一年からの例あるいはオイルショック後の後退期と並べて今回の景気後退期を比較のために並べておりまして、バブル崩壊後の後退期あるいは第二次オイルショック後の後退期においては、やはり景気後退期の期間がそれぞれ二年八か月、三年と長かった。大変厳しい景気後退の時期には景気後退が三年掛かって、そこから更に、景気の谷から一年後ぐらい、GDPギャップが、マイナス幅が最大になる時期まで掛かるということも併せてお示しし、議論をしているところでございます。
#102
○大門実紀史君 もう細かいことを言いませんけれども、そのときでも潜在成長率を上回って二%、三%ということにはなっておりませんので、余り取って付けたような数字を持ってきて先に結論ありきみたいなことを、さも何か信憑性のあるような言い方で打ち出されるべきではないということを申し上げて、今日の質問は終わります。
#103
○森まさこ君 自由民主党の森まさこでございます。本日、私は、民主党から提出されております対案について、民主党の発議者に質問をいたします。
 本案の趣旨説明を民主党の政調会長である直嶋議員が行った際、次のようなくだりがございました。「経済対策の早期実施とは口先だけで関連法案の審議を棚上げし、さらには公党に対しいわれのない誹謗中傷をする」云々でございます。
 しかし、同じ民主党の政調会長代理である福山哲郎議員におかれましては、次のような虚偽の事実の摘示がございました。
 二月三日、弁護士会館、霞が関において行われました消費者庁シンポジウムにおいて、民主党代表としてあいさつをする中で、自民党側から正式に審議入りの申入れを受けたことは一切ない、私は皆様の前で自信を持って申し上げるが、民主党が審議を拒否しているという事実はないという内容の発言をいたしました。しかし、その内容は次のとおり事実と異なるものであります。
 九月二十九日に政府が消費者庁法案を提出し、十月上旬に自民党大島国対委員長から民主党山岡国対委員長に対し審議入りを申し込みましたけれども拒否をされました。
 一月五日には衆議院の消費者問題に関する特別委員会が設置をされましたが、同日、理事懇談会が開催され、岸田筆頭理事から関連法案の審議を申し入れましたが拒否されました。
 一月八日、衆議院予算委員会において、総理から、特別委員会で早急に結論を得るようにという答弁がございました。同じく野田大臣からも同じ答弁がございました。
 一月十四日には、衆議院の議院運営委員会において、与党から野党に向けて消費者庁関連三法案の趣旨説明、質疑を行いたい旨の提案をしましたが、野党側は拒否をいたしました。
 一月十九日に、総理から、消費者庁法案の一日も早い成立が是非とも必要と答弁がございました。
 一月二十六日、二十八日、二十九日、三十日に、並木政務官が民主党の山岡国対委員長、同じく川内国対筆頭副委員長に対し審議のお願いをし、それから民主党の泉特別委員にも審議のお願いをし、社民党、共産党、国民新党の各国対委員長、幹事長にも審議のお願いをいたしました。
 二月二日には参議院の本会議において、代表質問に対して、総理及び野田大臣から消費者庁関連三法案を年度内に成立させていただきたい旨の答弁がございました。二月四日、二月六日にも野田大臣から国対委員長にお願いがございました。その間、岸田筆頭理事からも仙谷民主党筆頭理事に対して、早期審議入りを随時においてお願いをしております。
 こうした事実がありながら、政策を闘わせるならともかく、審議を申入れしているのにしていないという虚偽の事実を公衆の面前で申し述べることが責任ある政治家の態度とは思えません。公党の信頼を失墜させて、自らの信用を上げようとするとしか思えません。政策よりも政局、国民生活よりも自らの利益しか考えていないと思わざるを得ません。猛省を促すものでございます。
 民主党は、補正予算及びこの関連法案に反対する最大そして唯一の理由を定額給付金にあると主張しておられます。しかし、民主党は、これまで景気対策として減税の必要性を強く主張してこられました。この定額給付金は実質は減税と同じであります。なぜ減税ではなく形を給付金にしたかといえば、それは税金を納めていない低所得者に支給をすることにできるため、それから減税というふうにしますと、所得税と住民税の減税時期も違ってくる。速やかにそして一度に支給するためには定額給付金という制度を取ったものでございます。
 なぜ民主党が定額給付金をここまで批判するのか全く理解ができません。まさに政局優先の批判としか思えません。発議者の定額給付金に反対をする理由を改めてお聞かせください。
#104
○峰崎直樹君 森委員に、まず質問をいただいたことを感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、まず私は、やはり国民の皆さんがこの定額給付金に対してどのように判断をされているのかということを冒頭申し上げたいと思うんです。
 どんな新聞あるいはテレビ等の世論調査を見ても、この定額給付金について国民の皆さん方が余り評価されていないんですね。七割から八割の方々がこれについて評価をされておりません。その意味で私は、国民というのは本当に健全だなというふうに思っておりますのは、ただし決まればそれはもらいますよというのは、当然そういう気持ちになるというのは私も理解ができるわけでありますが、しかし、もっとこれは使うべきところが、必要なところに重点的に使うべきじゃないんだろうかという思いが国民の皆さんは持っていらっしゃるんじゃないんだろうか。
 私どももその点について、やはり衆議院における菅代表代行が、これを使う、二兆円を使うとしたらこういうところに使えばもっと効果が上がるじゃないかということについてもう既に述べておりますので、それは繰り返しませんけれども、そういう点でやはりどうしても国民の皆さんから見るとばらまき的に見えてしまうんじゃないんだろうか。
 そのばらまき的というのは、私たちがよく言っているのは、やはりある程度高額の方々に対してこれを支給するということについてはいかがなものだろうかなということを私たちは考えておりまして、そういう意味で、本来であれば重点的に、例えば低額所得者の方々が非常に困っておられる、そういう方々に重点的に例えばこれを給付すると。これについては私たちは大変重要なことだというふうに思っておりまして、それはまた別途、そういう税額控除付きの定額給付金というものについてのアイデアというものを打ち出しておりますけれども、これとそれとはやはり私はこの趣旨その他が違うものだというふうに思っております。
 また、森委員、衆議院の与謝野大臣、皆さん、森委員の質問の中に、こちらの方が何かそれ以上の効果があるということを、減税政策よりも、おっしゃっているんですけれども、私は、低額所得者の方々にかなり集中的に出されたものであれば、これは消費性向が高いですから当然それは景気に対する効果はあるんですが、高額所得者の方々は、総務大臣だったでしょうか、私はそれに倍してどんどん消費をするというふうにおっしゃっていましたけれども、通常は、やはりそういう方々にとってみると、二千万、三千万あるいは一億あるような方々にとってみると消費に与える効果というのは私は非常に少なくて、むしろ将来的にやはり消費税の引上げがあるんじゃないんだろうかとか、あるいは、今貯蓄性向が非常に日本で高いというのは、実は私は、日本の社会保障制度の問題、そこがやはり非常に不十分だということが非常に背景にあって、なかなかそういうところに消費に向かわないということの方がはるかに大きいというふうに思っております。
 以上でございます。
#105
○森まさこ君 お答えありがとうございました。
 私が質問していない与謝野大臣のことまで引用してお答えをいただきましたが、簡潔にお願いをしたいと思います。先ほどの福山議員の発言ではございませんが、よく理解をできませんでした。
 民主党が給付付き税額控除制度というのを、今主張するのではなくて、税制アクションプログラムですか、といったものの中で主張しておられ、先日も発議者の尾立議員からの御説明もございましたが、これは長期的な施策というもので出していらっしゃるんだと思いますが、納税者番号制度が導入が必要でありますのでスピード性に欠けると思います。今諸外国が減税政策を打ち出していることとの整合性がよく分かりません。イギリスも、事務負担が大きいので、減税を最初に考えていたけれども給付金制度に変えたということもございます。
 私は、民主党が定額給付金制度、仮に通った場合に、それぞれ定額給付金を受け取るのかどうかということを質問したいと思います。これまで個々の閣僚の方に民主党の先生方が定額給付金の受取の有無を再三にわたって質問してこられましたけれども、発議者それぞれの御見解を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
#106
○峰崎直樹君 お答えします。
 その前に、先ほど与謝野大臣の発言なんか関係ないわよというふうにおっしゃっているんですが、質問の中に、景気対策として実質的には減税と同じあるいはそれ以上の効果があると。だから、そのあるいはそれ以上の効果があるということに関して言うと、いや、それは消費性向の関係からいってその効果の度合いは、私はやはり低額所得者に重視したものだけ……
#107
○森まさこ君 済みません。紙を読まれているようですが、私が口でしゃべった質問に答えてください。
#108
○峰崎直樹君 いやいや、質問の要項がこれ紙にあるんです。
#109
○委員長(円より子君) 委員長の指名を受けて御発言ください。
#110
○峰崎直樹君 そういうことで、森まさこさんの質問の中にあるいはそれ以上の効果があるということに関しておっしゃったので、実はそういうことについては衆議院の中での議論ではこうではなかったですかということを申し上げた次第でございます。
 さらに、今お話がありました、私どもは、そういう質問をされる前に御党の、つまり与党の側の皆さん方の各大臣、総理大臣ほかが、もらうだもらわないだ、いろいろおっしゃっていること、こちらの方が問題じゃないでしょうかね。その法案を出している側の責任ある態度の方々が依然として、いや、それは法律が決まってからとか、いや、もらうだのもらわないだのという、そちらの方を心配してもらうということが重要なんであって、我が党の場合はまだ党としてどうするということを決めているわけではありません。
 私個人の見解を申し上げます。私個人の見解です。これは先ほど来述べていますように、高額所得者は私はこのいわゆる給付を受ける必要はないと思っております。その意味では、私自身は地元の新聞社のアンケートにももらわないというふうにお答えをしておきました。ですから、そういう意味で私自身の考え方は一貫しているというふうに思っておりますが、決してこれは党の考えではありません。
#111
○尾立源幸君 この定額給付金成立した場合にという質問でございますが、今御承知のとおり、我々はこの定額給付金事業をやめてくださいということのために一生懸命やっているわけでございまして、そういう段階ではないと。この成立を阻止を全面的に今やっているということでございます。
 そうはいっても、仮に、万々一ということでございますが、個人的には私も受け取りません。
#112
○富岡由紀夫君 定額給付金の支給については、今仮定の話になりますので、これまでの政府・与党さんの論理からいうと仮定のお話にはお答えしなくてもいいことになるんですが、それじゃ国会の審議は進まないと思いますので私は答えますけれども、私も個人的にはこれ法案に反対しているわけですから受け取りません。
 ただ、これは世帯で配ってくるわけですよね。これ手続どうなるかは詳細は私、承知していないのであれなんですけれども、家内とか家庭の問題になったときに、それをやっぱり一応別人格ですから、そこの分まで今この場で受け取らないと言うと家庭内問題がまた生じる可能性がありますので、その点は分離できるのであれば家庭の中でしっかり協議をさせていただきます。ただ、それができないというのであれば、家庭の分、家族、世帯全部受け取らないということで今考えているところでございます。
#113
○委員以外の議員(近藤正道君) お答えをいたします。森さん、いいですか。お答えをいたします。
 定額給付金につきましては、私どももこれに反対を今一生懸命しているわけでございますが、仮に通ったらばの仮定の質問でございますが、私は定額給付金は受け取りません。
 以上でございます。
#114
○森まさこ君 ありがとうございます。
 昨日、質問骨子ということでペーパーを出させていただきましたけれども、骨子でございますので、私が今委員会で質問したことにだけ答えていただきますように、峰崎委員、どうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、予算と法律の不一致について質問をいたします。
 当該法案が成立をいたしますと、平成二十年度第二次補正予算との間に不一致が生ずることになります。既に成立している予算について、法律によって政府による執行に実質的に制約を課すことになるわけでございます。
 つまり、現在の経済情勢に対処して国民生活を支えるために重要な意義を有する補正予算の財源確保をするために、政府提案の法案が新年早々、一月五日に提出をされ、十三日には本院に送付をされております。その後、約一か月もの間、審議すら行わず、今ごろ新たな法案を提出してきたわけでございます。これは、いったん国会の意思として成立した予算を事後的に修正をしようとするものであり、第二次補正予算の執行を遅らせるためだけの国民不在、党利党略の観点からの引き延ばしをするものとしか思えません。
 政府提案の財源法案は本来、補正予算と一体のものとして審議、議決すべきものであり、野党は定額給付金に反対をするのであれば、本来、補正予算の採決の際に併せて財源法案についても採決を行い、否決ないし修正の意思を表示すべきではなかったかと思うんです。
 予算は通っているわけです。同じ時期に審議をされるというならともかく、予算が通った後にあえて法律で不一致をつくり出すということによって、いたずらに国民生活を混乱し、予算の執行を遅延をさせることになっていることについて発議者の御意見を伺います。
#115
○尾立源幸君 森委員にお答えいたします。
 御指摘のとおり、本法案、私どもの法案が通りますと、今既に成立しております平成二十年度の第二次補正予算と不一致を生じるということ、御指摘はそのとおりだと思います。
 御承知のとおり、もう先生は法律が専門家でございますので、予算と法律というのは別のものでございますので、じゃ、これまで予算と法律が食い違ったことがなかったかというと間々あったのではないかと思います。特に予算成立後に関連法案が審議されるということ、そういう中で否決をされたり、また修正議決がされたということはあったかと思います。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、予算どおりの、もう予算に書いてあるまんまの執行が全部できたかというと、そういうことではないということをまず御理解いただきたいと思います。
 ただ、じゃ、こういうふうに不一致にあった場合どう解決していくかということが大事なわけでございまして、私ども発議者といたしましては、これはまず政府において考えていただきたいということで、政府には法律による行政の原理、また憲法第七十三条第一号に内閣の法律誠実執行義務、こういうのがございますので、是非こういうものに照らして、新しい国会の意思が示されたわけになるわけですから、それに従って、まさに我々が主張する、三条に示しておりますように定額給付金事業を中止をする、やめていただく、こういう決定をしていただければ私どもの思いどおりかなうわけでございます。
 そういうことでございますので、是非、政府におかれましては、国会の意思を尊重して事業を中止する、こういう決定を下されることを切に希望いたしております。
#116
○森まさこ君 ありがとうございました。
 法案が一月十三日に衆議院から送付されて以降、与党は常に参議院での早期審議を要求してまいりました。参議院で多数を占める野党は法案のつるしを下ろさず、委員会への付託を阻んできたため、そもそも審議の入口に入れなかったということが法案審議の遅れの最大の理由であります。
 私は弁護士でありますが、離婚問題もやります。離婚の際に親と親が子供の手を引っ張り合う、子供が痛い、痛いと言って泣くということがよく例えられます。この法案を審議を遅らせるということによって国民の生活がどんどん苦しくなって、痛いよ、痛いよ、そういったことをわざとして遅らせていくというようにしか私は思いません。
 残念なことだということを言いまして、時間が参りましたので終わらせていただきます。ありがとうございます。
#117
○委員長(円より子君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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