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2009/03/17 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第7号
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2009/03/17 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第7号

#1
第171回国会 財政金融委員会 第7号
平成二十一年三月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         円 より子君
    理 事
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
    委 員
                池口 修次君
                川上 義博君
                喜納 昌吉君
                富岡由紀夫君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                水戸 将史君
                山下八洲夫君
                尾辻 秀久君
                末松 信介君
                中山 恭子君
                林  芳正君
                藤井 孝男君
                森 まさこ君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        与謝野 馨君
   副大臣
       財務副大臣    平田 耕一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      梅溪 健児君
       内閣府大臣官房
       審議官      西川 正郎君
       内閣府大臣官房
       審議官      湯元 健治君
       総務大臣官房審
       議官       望月 達史君
       総務省情報流通
       行政局郵政行政
       部長       吉良 裕臣君
       財務省主計局次
       長        真砂  靖君
       財務省主税局長  加藤 治彦君
       財務省理財局長  佐々木豊成君
       財務省国際局次
       長        中尾 武彦君
       国税庁次長    岡本 佳郎君
   参考人
       日本銀行理事   中曽  宏君
       日本郵政株式会
       社専務執行役   佐々木英治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (財政政策等の基本施策及び金融行政に関する
 件)
    ─────────────
#2
○委員長(円より子君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官梅溪健児君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(円より子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行理事中曽宏君及び日本郵政株式会社専務執行役佐々木英治君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(円より子君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○大塚耕平君 民主党の大塚耕平でございます。改めまして、おはようございます。
 大臣におかれましては、G20でお疲れのことと思いますが、大変多難な局面でございますので、引き続き御尽力を賜りたいというふうに思っております。
 今日は、大臣の所信とG20でのコミュニケの内容につきまして、今後の我が国の対応を考える上で何点か確認をさせていただきたいというふうに思っております。通告をさせていただいております順番と多少変わりますが、先に所信の方から入らせていただきたいんですが、じっくりと大臣の所信について改めて拝読をさせていただきました。もちろん直接も伺わさせていただいたんですが。
 まず、確認をさせていただきたいんですが、こういうくだりがございます。「景気回復を最優先としつつ、財政健全化の取組を進めてまいります。」と。これは当然といえば当然のことをおっしゃっておられるわけでありますが、この景気回復と財政健全化を両立させるというのは本当に難しい今局面になりました。
 そこで、まず確認させていただきたいんですが、改めてでございますが、二〇一一年のプライマリーバランス黒字化を目指すというこの方針は、現時点においても一応堅持されているというふうに理解してよろしいでしょうか。
#8
○国務大臣(与謝野馨君) 二〇一一年にプライマリーバランスを到達するというのはもう極めて困難なことになっているということは、だれしもが理解してくださることであると思っております。
 去年の十二月から、政府内でもあるいは与党の中でも、一体この二〇一一年という旗はどうするんだと。降ろしてしまえと、できないものは降ろすべきだという意見と、相当旗はぼろになっているけれども、やっぱり財政規律を常に考えていくんだという象徴的な意味でこれは残しておくべきだという両方の意見がありまして、最終的には、二〇一一年、プライマリーバランス到達は極めて困難になったけれども、到達していこうというその意思は言わば財政規律のシンボルとして残しておこうと、そういうことになったわけでございます。
 到達できないことをシンボルとして残すというのは変だという意見の方もおられましたけれども、やはりそれを努力目標としてなくすということもまた財政規律そのものを忘れてしまいかねないと、こういう意見、両方がありまして、結局は、困難となっていることはきちんと申し上げているんですけれども、財政規律のシンボルとしてのプライマリーバランスの表現は残してあるわけでございます。
#9
○大塚耕平君 大臣の所信というのはもちろん毎回きっちり拝聴し読ませていただいているんですが、信頼する与謝野大臣の所信でございますので、いつにも増して私も熱心に読まさせていただいたわけでありますが。であるからこそ、やはり大臣の一言一言というのは、もちろん総理大臣も含めてですが、非常に重いものであるという、そういう価値を我が国は取り戻していかなくてはいけないという思いが、私もこの八年間国会で仕事をさせていただいていて痛感をしております。取りあえず言ってみたとか、この場をしのぐにはこういう言い方しかないなという、余りにもそういう御答弁が歴代の大臣が多うございましたので、そこは我が国の重要な構造問題だというふうに思っているわけであります。
 そういう観点で今の問題についても考えますと、例えばこの所信の中には、「基本方針二〇〇六等に基づく改革を継続しております。」と、こういうふうにも書かれているんですね。改めまして二〇〇六を取り出して読んでみましたら、やっぱり二〇〇六にも「二〇一一年度には国・地方の基礎的財政収支を確実に黒字化する。」というふうに書かれているんですね。
 だから、与謝野大臣のお気持ちは非常によく分かるんですが、与謝野大臣が今お話しになったことが多分一番正直な御答弁だと思うんですが、片や、しかしこの所信の中には二〇〇六を踏襲しているとも書かれ、そして恐らく今週中には本会議で審議入りするであろう来年度の所得税法の改正案の例の附則の部分であります。附則の部分についても恐らく衆議院でも問題になったでありましょう百四条のところで、平成二十年度を含む三年以内の景気回復に向けた集中的な取組を行う、そして平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずる、二〇一〇年代の半ばまでに持続可能な財政構造を確立すると、非常にいいことがいっぱい書いてあるんですけれども、今の大臣の率直な先ほどの御答弁と照らしてみるとなかなか難しいことがいっぱい書いてあるなというのが正直な印象なんです。
 そこで、この附則についても所信との絡みで何点か、まだ審議入りしていないものを先に聞くのも恐縮ですが、今後の審議の前さばきということで聞かせていただきたいんですが、まず、この附則の百四条に書いてある「平成二十年度を含む三年以内の景気回復」、この景気回復の定義について何か現時点で大臣のお考えがあれば、あるいは今日は財務省も来ていただいているんで、事務方の方でこういう定義で法案を作ったというものがあれば聞かせていただければと思います。
#10
○国務大臣(与謝野馨君) 最初、政府が閣議決定した、あるいは閣議決定に至る過程では、景気回復というのは一体何なんだと、潜在成長力の発揮なのかとか、いろんな議論があったわけですけれども、やはり税をお願いするときの判断というのは多分数字だけではないんだろうと。やはり国会という国民にインターフェースを持つところが総合的に物事を判断していただくわけですから、景気回復というのは数字の上ではいろんな表現の仕方がありますけれども、すぐれてやはり政治的、総合的な判断としてこれは景気回復だと、こういうふうに政治家があるいは政党があるいは国会が判断するということが景気回復だと、何か数学的にあるいは数字的にこの指標とこの指標とこの指標がそろったら景気回復だと、そういう議論はやめようという話になりました。
 やはりこれは、どの党がその当時、そのときに政権を取っているかということは別にして、やはり政権政党あるいは国会全体が総合的な政治的な判断をして税の改革というのを行うので、これは景気回復ということが書いてありますけれども、これは具体的なこういう条件とこういう条件とこういう条件がそろったら景気回復というのではなくて、すぐれて総合的な判断だということにしてあるわけでございます。
#11
○大塚耕平君 総合的な判断ということであれば、それは私も賛成でございます。
 そこで、今日はあえて内閣府を呼んでいないんですけれども、いないところできっちりした議論をしたいなという思いで呼んでいないんですが、例の潜在成長率を基準にするというような話が中期プログラムに書いてございましたですね。この中期プログラムの税制抜本改革の全体像の原則の二に、「潜在成長率の発揮が見込まれる段階に達しているかなどを判断基準とし、予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとする。」と、こう書いてあるんです。だから、この中期プログラムが出たときには随分潜在成長率を基準にするという議論が行われていたやに記憶をしているんですが、今の大臣の御答弁で、そうではなくて総合判断だというふうに現時点では変わっているというふうに私は受け止めましたし、私はその方が正しいと思っているんです。
 一応、これ事務方にも、今日、真砂さんが来ていらっしゃるので確認をしておきますが、もちろん閣議決定のものを事務方が御答弁されるのもいかがなものかと思うんですが、この潜在成長率ではなくて総合判断で景気回復は考えるんだという、これは財務省としてもそういう立場でいいですか、事務方としても。
#12
○政府参考人(真砂靖君) 今まさに大臣が御答弁されたとおりだと私ども考えております。
#13
○大塚耕平君 これは当然、大臣がそうおっしゃったんですから、そういうふうに当然事務方として御対応いただきたいと思うんですが。
 これ、なぜこんなことを聞くかというと、今日、私もほとんど余り十分な準備せずに言わば丸腰同士で議論をしたいなと思って参っておるんですが、あのとき議論された潜在成長率というのは、あるいは今でも潜在成長率というのは、内閣府や財務省の方が我々のところにレクにいらっしゃると潜在成長率を基準にしてとかいろんなことをおっしゃるんですけれども、潜在成長率ってどういうものだというふうにお考えになっておられますか。これは大臣でも結構ですし、次長でも結構ですが。
#14
○国務大臣(与謝野馨君) 内閣府の定義を申し上げますと、内閣府が推計している潜在成長率は、経済の過去のトレンドから見て平均的な稼働率で生産要素を使用したときに実現可能な成長率、こういうふうに定義をして使っております。
#15
○大塚耕平君 急な質問で恐縮ではあるんですが、今まさしく読んでいただいたとおり、これ平均的な潜在成長率を言っていて、ところが去年の年末の衆議院や本院での議論も聞いていると、潜在成長率というのは何やら日本が最も潜在的な力を発揮できる最大値のような議論も行われていたんですが、これ平均なんですね、内閣府が出しているのは。
 従来の消費税の議論は、潜在成長率が発揮できるようなごくごく平均的な日本の経済状況になったら消費税を上げるという議論をしていたのは、実は物すごく危険な議論だと私は思っているんです。その平均値ではなくて最大値まで発揮できるような、要するにそれ以上行くと少し過熱ぎみになるというときなら消費税の話をしてもいいですけれども、内閣府の出している潜在成長率が最大ではなくて平均だということをどれだけ意識をしてこの中期プログラムを書かれたのかなというのは非常に疑問なところでございましたので、潜在成長率ではなく総合判断だというふうに言っていただけたことは大変良かったと思いますので、我々もそういう考えでこれからやりたいと思います。
 加えて、潜在成長率を一体どうやってはじいているかというのは、内閣府の担当者の方に聞きましたら、非常に若い担当者が仕事に燃えてきっちり計算しているのはいいんですけれども、もしこの潜在成長率を基準にするなんということになると、その担当者は非常に重い責任を負うわけですね。計算間違いだってありますしね。一体、それを計算する前提となっている、私ももう大分忘れましたけれども、コブ・ダグラスの生産関数とか、一体この議論をしている人間の何人が分かってこの消費税を上げる上げないという大事な議論の基準に潜在成長率というものを使うのかというのは非常に不安に思っておりましたので、そうではないというふうに理解をして今後対応させていただきたいと思いますが、もし何か一言ございましたら。
#16
○国務大臣(与謝野馨君) 実は、大塚先生御存じのように、経済はある種の波を打つわけですが、経済が一番いいときに税を変えるのかと、あるいは底を打って上がりぎみのところで変えるのかと、この議論が実は去年ありまして、実は、経済が頂点に立ったところで税制改正をやって国民に多くの負担を求めると下降速度がすごい速くなるという危険があると。であるから、去年の閣議決定のときの表現というのは、おおよそ経済が底を打って少し上がりぎみのところからやっぱり御負担をお願いを段階的にしていくというのが経済運営からいっても正しいんじゃないかという議論があって、それですごいややこしい表現になったんですけれども。
 やっぱり法案を提出する以上、国民にも分かりやすい、なおかつ政治がきちんと判断できる、そういう表現に直したというのが総合的な判断と。そういうところで、潜在成長力なんという言葉を使っても、我々も本当のことを言うと分からないし、国民に御説明申し上げてもなかなかすぐに理解していただく方は少ないと思っていますので、税法では総合的な判断をするということでお願いしているわけでございます。
#17
○大塚耕平君 例の循環の波のグラフは私も随分拝見しましたけど、上昇局面になったときでなければできないという今の御説明は、それはもう理解できますし、それで結構かと思うんですが、ただ、先ほど申し上げましたように、あの絵自身が潜在成長率を基準にかかれているんですが、その潜在成長率が最大値ではなくて平均値の議論だということを是非改めて再確認していただいて、間違っても初めに消費税引上げありきという前提でいろんな国会への説明とか対外的な説明を構築されることのないように事務方をしっかり御指導いただきたいというふうに思っております。
 もとより、私たちも、社会保障のことを考えますと、いつまでも税負担を少し高める方向で国民の皆さんにお願いしなくてもいいと思っているわけではありませんので、そこは御理解をいただきたいと思います。
 その上で、次に、やはり財政規律との関係で、無利子国債と政府紙幣について現時点での大臣のお考えを拝聴しておきたいと思いますが、先週辺りの報道を見ていますと、大臣も無利子国債については少し弾力的に考えていいかなというようなことを述べられたというように聞き及んでおりますけれども、無利子国債及び政府紙幣について現時点ではどのようにお考えでありましょうか。
#18
○国務大臣(与謝野馨君) 政府紙幣というのは論外であると思います。
 それから、無利子国債については、無利子国債を買った人もいいことが起きる、政府にもいいことが起きると、両方同時にいいことが起きてウイン・ウインの状態がつくれるかという問題があると、なかなかこれが難しい。そこで、もう一工夫必要、何かないとなかなか、投資家もいい目に遭ったと、政府もいい目に遭ったと、こういう状況がつくれないというところが問題点なんですけれども、これを主張している方々が相当学問的にきちんとした研究をされていますので、やっぱり我々としてもそれに対して真剣な検討をしていくということが必要なんだと思っていまして、これを研究されている方も党内にもおられますし党外にもおられますから、そういう方々のまじめな研究に対しては我々もまじめな研究でおこたえをしていきたいと思っております。結論が出ているわけではございません。
#19
○大塚耕平君 私も、この間のたしか財政金融委員会の二次補正の総括のときにも、総理も御一緒のときにお話をさせていただきましたが、こういう状況ですから、あらゆる政策手段について虚心坦懐に考えてみるということ自体は必要だと思いますので、その部分も大臣と考えは一致しております。政府紙幣が論外であるということも、虚心坦懐に考えるといいながら論外というのもいかがなものかと思いますが、一応これも一致をしております。
 無利子国債については、これはちょっと現時点の私の考え方を述べさせていただきますが、もし無利子国債を持っていただくために何かメリットを付けるために相続税減免というような今の巷間言われているようなことをおまけに付けるとしたら、これは中長期的には相続税の先取りと一緒でありますので、世代間の公平の問題を抱えているということが一点であります。
 それから二点目は、これ、無利子国債がやがて何らかの形で巡り巡って日銀のバランスシートに載るというようなことになりますと、これ持っていなければ相続税減免されないという意味では、じゃ一体日銀にどう還流するのかというそこのプロセスの問題はありますけれども、最終的にもし日銀が持つようなことになりますと、これは有利子国債の利子収入で日銀が国庫納付金の言わば果実の元を吸収する手段を失うわけでありますので、結局これは国庫納付金の先取りと一緒だと、もし日銀にこれが還流する場合はですね。これが二点目であります。
 それから三点目としては、この無利子国債というもの、今ちょっと三点目がふっと浮かんだんですけれども一瞬消えてしまいましたので、また思い出したらお話をしますけれども、相続税の先取り、それから日銀の国庫納付金の先取り、こういう問題があると。思い出しました。三点目は、だからこれ、市中に滞留しているたんす預金を有効活用するというようなことをおっしゃる方もいらっしゃるんですけれども、しかし、本当に滞留しているもので無利子国債を買われれば意味がありますけれども、じゃこっちの方がいいわといって有利子国債を売却してその代わり金で買ったり、株を売却してじゃ無利子国債を買うということでは何の意味もありませんし、むしろほかのマーケットを混乱させることにもなりますので。
 以上三点ほどの理由から、私自身は今現在、無利子国債も相当難しい政策手段だなというふうに思っております。以上、三点について、もし現時点で大臣の御所見があればお伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(与謝野馨君) たんす預金を出してきてこの無利子国債を買ったときに国税庁がそのお金の出場所を追及したらどうなるかといったら、これは相変わらずたんす預金で残っているという説もありまして、いろんな検討はなされているんですけれども、比較的まじめな検討をやっております。
 でも、両方の立場が良くなるという、そういう案が一体あるのかという問題があって、納税すべき人にとってもいい、あるいは税をいただく方の国にとってもいい、多分これはゼロサムゲームなので、どっちかが良ければどっちかが悪いということにしかならないということをおっしゃる方があります。だけど、これを議論している方々の顔ぶれを見ると相当きちんとした方が議論されているので、我々もきちんとした議論でやっていこうと思っております。
#21
○大塚耕平君 もちろん我々もきっちり議論はしたいと思いますが、是非、余り軽々に飛び付くことのないようにということだけお願いをしておきたいというふうに思っております。
 さて次に、恐らくお配りいただいていると思いますG20の声明と、それから附属文書で貸出しの回復という文書が配られましたので、今日はこの中身について少し議論をさせていただきたいと思います。
 まず、去年のリーマンショック以降、累次に渡る国際会議が行われ、その声明文やコミュニケ、昨日改めて全部事務方の皆さんからちょうだいをしてざっと読ませていただきましたら、やっぱり今起きている現象の問題がはっきりしてきたということもあって、今回のロンドンのコミュニケ辺りは大分数か月前のものに比べると具体的になってきているなという、そういう気がいたします。
 そこで、まず大前提として、百年に一度の危機というこの表現が定着をしておりますが、私もそうだとは思うんですが、一九二九年の大恐慌の後の世界で行われた様々な対策と、現在、百年に一度の危機と言われて去年の秋以降、もういろんな動きが各国で行われ、大分メニューが出そろってきているんですけれども、遠目に見て一体、その大恐慌のときの対応と今現在行われている対応と、どこが同じでどこが違うというふうに大臣はお感じになっておられますか。
#22
○国務大臣(与謝野馨君) 一九二九年のときの人たちは、我々は一九二九年の恐慌と言っていますけれども、残念ながら一九二九年の人たちは危機が目前に来ているということは実は自覚をしていなかった。あらゆる政治家、金融関係者は、例えばアメリカにおいて演説をやった最後に、とはいえ我が国の経済は基本的に健全であると常に言っていたくらいであります。これはガルブレイスの本の最後に書いてありますけれども、そのぐらい危機感がなかった。今回、一九二九年と決定的に違うのは、やはり危機が目前にあるということをきちんと自覚しているということだと思います。
 それともう一つは、やはり各国の中央銀行の総裁、財務大臣等が携帯電話一本できちんと連絡が付けられる。それは、やはりこの経済危機を国際協調によってのみ克服できるということは各国が自覚していることです。
 それからもう一つは、やはり保護主義というものが破滅的な効果を持っていて、世界貿易を大幅に縮小させるというデフレ的な効果を持つと、これもみんなが分かっていること。
 それから、やはりある種の恐慌の経済学ということをみんなそのとき学んでいて、すなわちこういう恐慌から脱出するためにはクレジットフローを確かなものにすること、これが一分野、それから需要、ディマンドをしっかりつくり出していくこと。このクレジットフローとディマンド、この二つの薬を適宜使わないとこの状況から脱却できないということは、恐らく各国の専門家の共通した考え方になっていると思いますし、長い間続いたマネタリストの世界からもう一度ケインジアンの世界に戻ったというふうにも言う方もおられると。二九年よりは人類は少し進歩しているんじゃないかというふうに言う方もおられます。
#23
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 お伺いした手前、私なりの認識をお話し申し上げますと、まず同じ点は、大恐慌当時ないしはそれ以上にやはり深刻な危機であるということは、これは同じ点だと思っております。だから、あのときはニューヨークの株価が十分の一まで下がりましたけれども、今回はまだ半分弱ぐらいでとどまっておりますが、その半分弱でとどまっているというところが逆に今度違うところでありまして、それは今大臣がおっしゃったような、例えば首脳間の連絡も密に取れるということもありますし、元々あの当時と比べると金融市場が非常に整備をされましたので、そういう点も十分の一まで行かずに済んでいる理由だと思います。さらには、金融システム、金融機関や証券会社に対する管理監督の仕組みが、枠組みがしっかりしているというのも十分の一まで行かなくなっている理由だと思います。
 ただ、私なりに今非常に気になっておりますのは、その政策対応として、遠目に見たときに、一九二九年の後の対応は、やはり結果として各国が保護主義という大きな政策手段に頼って対応していったと。その結果、多少国際紛争というものの火種になった部分もあると思いますが。今回は、この半年間振り返ってみて、そしてここに来ての各国の動きを見ていると、キーワードは政府信用というキーワードだと思うんです。これはあと何十年かたってみないと振り返れないかもしれませんが、大恐慌のときは世界は保護主義に頼った、そして二〇〇九年危機のときは世界は政府信用に頼ったと、こういうふうに総括をされる可能性のある今展開になってきております。つまり、政府信用をいかにどれだけの量を効果的に賢く使うかと、このことの競い合いになっているような感じが今私はいたします。
 だからといって、大型補正予算をやればいいとかそういうことを申し上げているわけではなくて、例えば先般私たちの党で御提案申し上げた中に、例えば企業の資金繰りが苦しければ、日銀の持っている国債を企業に貸すという形で、言わば今は金融機関の間で行われている国債の貸借取引を企業との間でも行うことで、しかも最終的に中央銀行の資産を毀損させてはいけないから、それに政府保証を付けたらどうだという提案を申し上げました。
 これなども、先ほど申し上げました今は政府信用の使い方が問題になり始めているんだろうなという問題意識に立って、直接使うんじゃなくて、いざとなれば政府信用を供与するよという保証というものを上手に使うとある程度妙案も見えてくるんじゃないかなと、これを御提案申し上げたわけであります。つまり、企業に政府保証なんか付けると倒産したときどうするんだという方がたくさんいらっしゃいますけれども、何も好きこのんで企業を倒産させたいと思っている人はいませんし、保証を履行してもらう方がよりラッキーだなどと思っている人はいませんので、真水の政府信用を出すぐらいなら政府保証という仕組みを上手に使った方がいいんじゃないかなと、こう思っているんです。
 そういう観点から、実は先にこの貸出しの回復の附属文書の方からお伺いしたいんですけれども、附属文書の最初のところに四つ丸がありまして、危機対応の行動には必要に応じ以下が含まれるということで、最初の丸に金融機関の負債に対する政府保証等を通じた流動性支援の提供、これは分かります。二番目、金融機関に対する資本注入。三番目、貯蓄及び預金の保護。四番目、不良資産処理等を通じた銀行のバランスシートの強化と。
 これ、企業に対する項目あるいは家計に対する項目が入ってないんですね。家計は、この貯蓄及び預金の保護は家計といえば家計なんですが。企業の今の資金繰りに対するコミットメントがここには何も入ってないんですが、これはG20の場では何か議論が行われたんでしょうか。企業についてはここに一言触れなくていいのかとか、そういうことについては議論されたかどうかをちょっとお伺いをしたいんですが。
#24
○国務大臣(与謝野馨君) 貸出しを確保するという意味では企業に触れていると私は思っておりますけれども、大企業に対してどうするとかと、そういう議論には実はなっていないわけでございます。
 ただ、先ほど先生が言われましたように、日本では中小企業に実は地方の信用保証協会が信用保証をしていますが、実際はあれは国がやっているのと同じことでして、そういう意味では先生の、国が更に企業金融に対して保証を与えると、これは日銀がやろうが一般の銀行がやろうがやっぱり国が信用を補完する、そういうお考えでしたら私は先生の御提案に全面的に賛成であって、その政策を使うかどうかは別にして、やっぱりそういう政策を用意して非常時に備えるという、そういう姿勢が私は危機を防ぐのではないかと思っております。
#25
○大塚耕平君 昨日私のところに質問取りに来てくださった事務方の皆さんにも申し上げたんですが、国際交渉というのは、もちろん私は大臣たちのように直接自分でやったことはないので偉そうに申し上げられませんけれども、もう今やカードの切り合い、いかに自分たちのカードをうまく有効に切るかという、そういう場だというふうに思っておりますので。
 例えばここに企業が入らなかったということについて、ところがアメリカなんかは現実にGMに対してもう既に事実上の政府信用を供与しているわけでありますし、私がこの間御提案申し上げました日銀法三十八条というのも、あれは政府が要請をすれば日銀は誤解を恐れずに言えば何をやってもいいという条文なんですけれども。例えば、自動車や電機の本当に大きな企業、雇用について大きな影響を持っている企業が厳しくなったら、もう変な政策的、制度的な枠組みをつくるよりも、まさしく政府の要請できっちり日銀信用、最終的には政府信用という形で資金繰りなりを助ける、ないしはその企業を救済するということをやれば、最終的になぜそれをやらなくてはいけなかったかということは政府が説明責任を負うわけですから、実は国民に対しては一番分かりやすい、これだけの危機においては一番分かりやすい対応だと私は思っているんです。どこを救済してどこは救済しないかという説明責任を政府が負わなきゃいけないですから。
 そう考えたときに、この四つの項目の中に企業というのが入っていないのは、入れないでおいて、しかしアメリカとかはもう既にやっているわけですよね。何か、日本は非常に実直な国なので、こういうコミュニケができると、直接企業については書かれていないので日本はまだできませんという、そういう対応になりがちな国なんですけれども、しかしその一方で、現実にはあちらの国はやっているわけですよね。つまり、手遅れになりはしないかという気もいたしておるんですが、もし何かコメントがあれば。
#26
○政府参考人(中尾武彦君) お答えいたします。
 今回のG20で明確にその点が入っているかどうかという点に関しては、先生が御指摘の貸出しの回復、リストアリング・レンディングというこの文書自体が、金融機関の資本が毀損したりして金融機関の貸出しが資本注入なんかいろいろやってきたけれどもうまくいかないということにどうやって対応していくのかということに焦点を置いた文書でして、そういう意味では企業側に保証を与えるという部分が余り入ってないんですけれども。
 これまでの国際的な議論の中では、借入れ側をやっぱりきちっと助けていかなきゃいけない、日本の経験なんかも、産業再生機構とかいろいろつくってまいりました。それから、先生おっしゃるように、アメリカでもビッグスリーを支援している、それから最近は住宅の借入れを行って抵当でそれがなくなってしまうようなところをどう救済するか。つまり、借入れ側も救済しないと金融システム全体としてうまくいかないんだということは国際的に議論されてきておりますし、日本も信用保証制度なんかを活用するということは十分説明しておりますので、その点は国際的な理解になっておる、また日本もそれを主張してきておると思います。
#27
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 熱心に議論をして準備しておられることは理解できるんですよ。ただ、やっぱりシェルパの皆さんが、事前に調整されるシェルパの皆さんがテクノクラートとしてこういう合意文書を調整して物事がうまく運ぶ時代と、政治的な判断を加えつつ合意文書をダイナミックに調整していくということをやらないとうっかり足をすくわれる局面と、やっぱり違いがあると思うんです。
 今私はあえて一九二九年の後の状況と比較すると、あのときも結果として振り返ると、第二次世界大戦の理由についてはいろんな見方がありますけれども、しかし日本は追い込まれたという見方もあるんですよね。今回も、国際協調は大事なんですけれども、やっぱり世界の経済交渉、外交交渉の場はそんなにお人よしな人たちが集まってやっているわけではないという自覚も持っていただきたいなと。ひょっとしたら、この局面のこういう合意文書作りというのはシェルパの段階から政治がもっとコミットしなくてはいけないことではないかと、私はこの半年間そう思って見ております。
 そういう観点で申し上げると、今回、財政出動の二%については明記をされなかったんですが、そもそも、大臣はガイトナーさんとお会いになられて、この財政出動の二%というのは、なぜ二%というふうにガイトナーさんが言っているのか、その論拠について御質問をされましたですか。
#28
○国務大臣(与謝野馨君) ガイトナー長官は、自分は二%というのはIMFの言っておられた数字を注意深く引用したという説明をされておられました。
 私どもは、平成二十年度一次補正、二次補正、当初予算で累次の経済対策をやっておりますと。数え方によっては一・八という方もおられるし、二%を超えるという方もおられますので、日本としては日本で考え得る財政出動は既にやっておりますと。加えまして、私が出発する日に総理が与党に対して金融経済情勢のいかなる変化にも対応できるようにいろいろ政策的な考え方をまとめるように指示をされたので、また与党の方から新しい政策が出てくる可能性がありますと、はっきりしたことは四月かのロンドンで麻生総理から皆様方に申し上げられるという段階になればいいとは思っておりますけれどもと。極めて限定を付けて長官には申し上げたところでございます。
#29
○大塚耕平君 ガイトナーさん以外とは個別に会談はされましたですか、よその国の方と。
#30
○国務大臣(与謝野馨君) 会議の前、会議の後、各国首脳が狭い部屋で一堂に会して会話を交わしておりますから、必要な首脳のところにはごあいさつに行ったという程度で、会談したという程度の話はありません。
#31
○大塚耕平君 私が今日あえて丸腰で大臣と議論させていただきたいと思った理由は、そろそろやはり日本の外交交渉、経済交渉の在り方から与野党の間で、これ与野党というのは国内では与野党ですけれども対外的に見たら日本の政治を担っているみんな政治家なわけでありまして、日本国をどうやって運営していくのかということをちゃんと議論しなきゃいけない。そのためには、経済交渉、外交交渉をどういうスタンスでやっていくかということについて政治的コンセンサスがなきゃいけないという、そういう思いがあるものですから、あえて今日はこういう質問をさせていただいているんですが。
 何を申し上げたいかというと、その二%を、もしガイトナーさんがIMFの言っていた数字を慎重に引用したという程度の説明であるならば、是非もっと突っ込んでいただきたかったと。二%を財政出動すると一体何がどう変わって、世界はどうなるんだと。その二%というのは、本当によその国にも全部適用し得る何か合理的根拠のある数字なのかと。首脳同士が余り細かい話をするのもいかがなものかと思いますが、今この二%という数字は、そのぐらい詰めてみてもいい重要なキーワードというか数字になっていると私は思っているんですが。つまり、最初に、先に日米会談をやって、アメリカと同じ主張をするために会議に臨むというのが本当の日本の国益、あるいは世界が権謀術数の駆け引きをやっている中でお人よしの日本がうっかりだまされるということになりはしないかという懸念を持っているんです。よく私たちの代表の小沢さんの発言で、何か民主党は日米同盟を軽視しているのかとかいろんな御批判もありますが、私たちはそんなことは全然思っていません。
 ただ、やっぱり前回の大恐慌の後、世界で戦争があって、その後、東西対立、つまり二極時代が始まり、二極時代は明らかに日本は西側の一員としてやっていればよかったんです。しかし、その後、G7の時代に入り、七か国の中でやっぱり多数決で三対四で物事が決まるわけですから、アメリカ側にくっついてやっていくというのはよかった。しかし、G7の時代から今度は五極時代、日、欧州が一つになって、米、欧、インド、中国、ロシア、この五極時代になったときに、本当に今までと同じように国際会議の前にアメリカとだけ会談をしてそれで国際会議に臨むことが日本の国益にかなうのか。更に申し上げると、もう五極時代はあっという間に過ぎ去ってG20の時代になるかもしれない。G20の時代に入ったらますます日本の立ち回りというのは難しくなるわけでありまして。
 私が申し上げたいのは、例えば今回もガイトナーさんに会われる前に、あるいは会ってからでもいいですけれども、EUとも会談の場を持つとか、あるいは中国とも会談の場を持つとか。つまり、日本がアメリカと同じスタンスに立って国際交渉に臨むというカードを切るためには、それは何がしかの条件を引き出すという行動を日本はやらなくていいのか、そういう思いなんです。
 だから、先ほど、国際局の次長ですか、説明をしてくださいましたが、そのときに申し上げたように、事務方の皆さんにも是非一緒になって考えていただきたいのは、何か二十世紀後半の国際会議に臨む定番のプロセスを踏むやり方で、本当に日本はこの経済危機を乗り切り、乗り切った後に、何だかはたと気が付いて振り返ってみたら随分不利な立場に追い込まれているということになりはしないですかということを懸念をしているんです。
 実はお伺いしたいポイントはいっぱいあるんですけれども、例えばコミュニケの方では最初の方に、あらゆる形の保護主義に対抗し、開かれた貿易と投資を維持することにコミットするというくだりがあります。だから、これはバイ・アメリカン条項はおかしいじゃないかと、アメリカはこんなコミュニケを作って同意をしながら、しかし自国の中では何をやっているんだということを公式の場でだれか発言するように根回しをしたかとか、いろいろやるべきことはあったと思うんですけれども。事細かにここですべてを何か明らかにしていただく必要はないんですけれども、今私がるる申し上げましたような私なりの問題意識に関して、今後更に国際交渉、経済交渉の場に臨まれる大臣として、少し御所感を聞かせていただければというふうに思います。
#32
○国務大臣(与謝野馨君) 国際金融の場は特にそうなんですけど、やはりみんな、行ってみますと各国の財務大臣同士が知り合いで親友なわけですよ。やはり私なんか行くと新参者という感じがして、やっぱり国際金融の世界、中央銀行とかまた財務省の財務官とか、非常に各国の皆さんと深い交わりを持っておられますけれども、財務大臣というのはなかなか、しょっちゅう政権が替わったり、しょっちゅう大臣が替わりますものでそうはなかなかいかないんですが、やっぱり一か所に長くとどまって世界の首脳たちと一対一の本当に腹を割った話ができるというところまでいかないといけないんじゃないかなと、そういうことをつくづく感じたわけです。
 あともう一つは、やっぱり英語というのは世界語になっていますから、世界語でだれしもが話している世界で、悔しいのですけれども、世界語としての英語はちゃんと使えるということが望ましいことではないかと思っております。
#33
○大塚耕平君 終わります。
#34
○川上義博君 民主党の川上でございます。ハスキーな声になりまして、お聞き苦しいことがあるかもしれませんが、四十分、与えられた時間であります。
 ちょっと順番を変えまして、まず金融庁にお尋ねをしたいと思うんですけれども、銀行に有価証券、この評価損を自己資本に反映しないという、昨年だったでしょうか、自己資本比率を弾力化したということでありまして、これはこれで評価されるものだと思いますけれども。ところが、こういった特例が保険会社、生保、損保にはないわけでありまして、評価損が出れば例のソルベンシーマージンに反映されるわけでありまして、是非、生保、損保もこういった評価損をソルベンシーマージンに反映しないという弾力化がやはり必要だと思うんですね。それを是非お伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(与謝野馨君) 銀行等の自己資本比率規制の弾力化措置は、世界的な金融市場の混乱の影響を踏まえ、預貸業務を中心とする銀行等の金融仲介機能の低下を防ぐための監督上の措置でございます。他方、保険会社においては、銀行等のような金融仲介機能は相対的に限定されていることから、銀行等と同様の弾力的措置を実施する必要はないと考えられております。
 なお、各保険会社は、経営効率化の推進や資本増強等経営基盤の強化に努めており、財務の健全化が図られているところでありますが、金融市場の動向が保険会社に与える影響については引き続き緊張感を持って注視してまいりたいと考えております。
#36
○川上義博君 今、緊張感は持って臨みたいと、ところが必要性がないんだと、理由は述べられました。ところが、ある生保、大体そうなんですけれども、株式で有価証券運用しているのは七〇%ぐらい運用しているというのがあるんですね。だから、評価損がどんどん出るとたちまち経営に影響するのは確実なんですね。
   〔委員長退席、理事大塚耕平君着席〕
 だから、先ほども損保ジャパンと興亜火災ですかが合併したというのはその前兆だと思うんですよ。だからこれは考える必要があるというふうに思うんですね。グループ化していないような生保、損保は、それから外されているところはたちまち経営危機に陥ることは確実だと思うんですよ。だから、今からその手当てを打つというのは政府としての責任があるんじゃないですか。
 だから、今緊張感を持つというだけじゃ困るんですよ。破綻したものが出てきたら、今の答弁でどういう責任取るんですか。破綻するのは目に見えているかもしれないんですよ。どうですか。
#37
○国務大臣(与謝野馨君) 例えば生命保険会社は、その使命として、やはりお預かりしたお金を資産として運用して一定の利回りを確保するというのは、これは生命保険会社のある種の使命でございますから、株及びその他の有価証券を保有するということは私は自然なことだと思っております。これは、否定しては生保の資産運用というのはできないと思っております。
 そこで、我々考えておりますのはやはり、党の方でも考えておりますけど、株価と経営というものが余りにも直結しているという部分、これをどうするのかという問題は確かに存在をいたします。しかしながら、会社を評価するときに資産を過大に評価をして世間に公表するということは、それは正直なことではないという側面もあって、これは資産評価は正直に正確に行うというのがやっぱり責任だろうと思っております。
 ただし、こうした株価の変動が激しい時期に我々何をやっているかといいますと、金融庁も銀行、保険会社等の経営状況については大変心配をしておりまして、もちろん、株価が変動したらどういう経営上の影響があるかということはいろいろなケースに対してシミュレーションをして、一応いろいろな危機に対応することは考えております。
#38
○川上義博君 今の答弁、本当に是非、検討するんだと、やるかどうかは別ですよ、検討して、これはやはりやらなければいけないという判断が出ればやるんだということだと思うんですね。だから、これは検討してくださいよ。どうですか。
#39
○国務大臣(与謝野馨君) それは、これからの経済対策の基本というのは、やっぱり銀行とか生保、損保、それから大型の会社の倒産、こういうのはどんな手段を使っても防いでいくというのがこういう危機における経済対策の私は基本であると思っております。
#40
○川上義博君 納得できませんけれどもね。危機に対応するための制度設計というか、それはやっていくということで理解していいんですね。よろしいですね。──分かりました。
 一つ地方交付税のことについてお伺いしますけれども、二十一年度の税収の見込みが四十六・一兆円なんです。交付税特別会計からの借入残が、今地方負担分が約でしょうけど三十四兆円。これが元金返済、元利とも返済するというのが初年度が二十二年度から返済すると。今までは利息だけ返済していたんですね。二十二年度からかけてこれを返済すると。なぜ二十二年度なのかということが一つあるんですね、なぜ二十二年度か。それからもう一つは、十九年度の決算で過払い分が五千億円、既にもう使っちゃった、ところが決算で穴が空いた、だからこれは返してくださいよ、地方に返してくださいよと。これが二十三年から返すと、こういうことなんですよ。それからもう一つ、二十年度の当初見込みが五十三・六兆円あったんですね、見込みで。ところが、減額修正して御案内のように四十六・四兆になった。これに伴って一兆二千四百億円の返済が地方に求められていると。これがまた二十三年なんですね。
 これはうがった見方すると、消費税をもう少し高くしないと地方はやっていけないですよと、だから、地方から是非消費税を上げてください、地方六団体から上げてくださいという、これはまきえをやっているんじゃないかなと思うんですよ。なぜ二十二年、二十三年から始まるんですか。二十五年とかであってもいいんじゃないですかね。その辺りは、これ大臣、共管ですから、地方交付税は、どうお考えですか。
#41
○国務大臣(与謝野馨君) 将来の話ですけれども、将来消費税上げるときには当然、地方は自分たちの分というものを考え、それを当てにされていると私は思います。しかし、私が鳩山総務大臣に申し上げているのは、消費税上げるというのは容易なことではなくて、地方もやはり国民にこのことを理解していただくために努力をしていただかないと、上がったら、はい、いただきますというのでは事は進まないと私は思いますということは申し上げておりますけれども、将来消費税が国民に受け入れられるという場合には、やはり当然地方のことも考えていくということは当然のことだと私は思っております。ただ、地方も多少これに対してお手伝いをいただかないとなかなか物事は達成できないと思っております。
#42
○川上義博君 当然、消費税を上げるというときには地方のことも考えなければいけないと。
 これは質問というか、これはやめようと思ったんですけれども、今消費税が地方交付税に算入しているのが三〇%弱なんですね。これを維持しますか、上がったらやはり上がった分だけの今までどおりの三〇%弱、これを地方交付税に入れますかという、これは間違いないんですか。それともう一つ、二五%の四対一、地方消費税ですね、これもやはり上がったら維持されますか。
#43
○国務大臣(与謝野馨君) 今の消費税は原理的には地方が一、国が四ということになっていますが、四繰り入れた、国が取った分の中から地方交付税でまた地方に配分しておりますから、実際の配分率は五四対四六とかそのぐらいの数字になっていると思います。半々までは行っていませんが、国が取っている分は四、五%余計に取っているだけの状態です。
 将来消費税が変わったときにこの比率が維持できるのかどうかと。維持するのかどうかということは、専ら地方が次の消費税についてどのぐらいの声を出してくださるかということに懸かっているんだろうと私は思っております。
#44
○川上義博君 先ほど議論聞いていましたら、潜在成長率の話があって消費税の話が出てきました。GDPギャップのことだと思うんですね。それが、ギャップが広がれば広がるほど失業率が高まると、大変な失業率が発生するんじゃないかと言われているんです。特に失業率は、若年層とか地方の方が失業率が高いと思うんですね。一〇%以上超えるような可能性があるかもしれないですね。その辺りの御認識はどのように、ひょっとすると地方はもっとすごい、大恐慌のときも四人に一人失業しているという、地方はそのようなことになるかもしれないんです。その辺りはどうお考えですか。
#45
○国務大臣(与謝野馨君) やはり地方は、今回の経済危機は直撃するような形で打撃を受けていると思います。それは、一つはやはり公共事業が地方で減っている。農業予算も二十年、三十年単位で考えれば減っている、それから農業所得も一時六兆ピークであったのが今は三兆円ぐらいになっているということで、地方は大変厳しいわけでございます。
 地方は厳しいということを前提に政策をつくらないと、私は間違えると思っております。東京のこの辺ですと何となくにぎわいもあるけれども、地方都市に行くとやはりそうはいかないということは十分自覚した上で政策をつくりませんと、都市と地方の格差というのはますます広がってしまうと、私はそう思って政策を考えていかなきゃいけないと、そういうふうに思っております。
#46
○川上義博君 先ほど議論ずっと聞いていると、今大臣は、大変な状況にあると、だからデフレの状況だと、極めて深刻だと、そのようにお考えだと思うんですけれども、それでよろしいですか。
#47
○国務大臣(与謝野馨君) 結局、デフレというのは物価が継続的に下落している状況という定義もあるんですけれども、今我々は、世界が直面している状況というのは言わばデフレスパイラル、いわゆる需要が縮小する、生産が縮小する、また賃金の縮小を通じて購買力が減る、消費が減る、生産が減る、それのらせん状の階段のように縮小していくということを世界経済、場合によっては日本経済も直面していると私は思っておりまして、これはどこかで力で断ち切らないといけない現象だろうと思っております。
#48
○川上義博君 おっしゃるとおりなんですね。力というのは、政治の力というか政策、今こそしっかりした政策を打たなければ、民間とか市場ではこれは無理だということだと思うんですね。
 デフレのスパイラルというか、デフレのときの財政とよく言われますよね、まず財政が主導的役割を担う。そして、インフレのときは金融なんだと、こうよく言われているんですけれども。ところが、ここずうっと見ていますと財政が緊縮なんですよ。ずうっと緊縮財政で、義務的経費というか消費支出の方は財政上出ているんですけれども、投資が減額しているんですよね。投資がどんどん前年対比、例の三%減とかやっているんですね。それをやりながら、ずうっとここ何十年近くやっていて景気が良くなるわけないですよ、緊縮財政やっているんだから。
   〔理事大塚耕平君退席、委員長着席〕
 先ほども、景気回復と財政再建、同時にやるんだと、これは難しいと思うんですよ。二兎を追うものは一兎も得ずという中途半端なことになってしまっている。だから、財政を大胆に出動しなければいけない。と同時に、今のデフレに追い打ちを掛けているのが金融の資産査定なんですね、それから会計基準なんです。だから、会計処理とかこういったものが更に追い打ちを掛けている。
 だから、すべてのこの今の状況にしてしまった原因は、私は政策にあると思っているんですよ。アメリカの危機を、アメリカがグローバルな経済になっているからこれはしようがないんだというような責任回避のことを政府は言っているんですね。そうじゃなくて、景気というのはあくまでも国内でつくり上げるものでしょう。だから、財政をこれから不健全財政をやってもいいと思うんですけれども、その辺りのことをどうお考えですか。
#49
○国務大臣(与謝野馨君) これは仮定の議論でございまして、いろんな方の議論を御紹介申し上げますと、仮にデフレギャップ、需給ギャップが二十兆あったという場合に、これを公の需要で全部埋めるのかという問題がある。もう一つの議論は、埋めるんだけれども公の需要プラス民間の需要を誘い出す方法を考えるべきだと、そういう議論。それから、需給ギャップ、例えば二十兆生じているんだけれども、これはほとんど何年かは埋まらないと。これはやはり輸出が減ったために生じた需給ギャップなんだから、今年二十兆やったら来年も二十兆、毎年二十兆やっていかないと追い付かないよという議論もある。あるいは二十兆のうち半分は公需でやれという議論もある。
 ただ、そこは私の所属しております自民党の中でも議論が始まったようですし、また民主党内でもあるいは国会でも、国が、公がどこまでやるんですかというやっぱりコンセンサスをつくる必要があると思っております。その需給ギャップを全部全部、一時的な現象で起きている需給ギャップなら埋めてもいいんですけれども、どうも輸出が大幅に減ったことによるというやや構造的な需給ギャップという側面があるので、そこのところをどう考えるかというのは、これから二、三週間、相当皆様方にお考えをいただかなければならない点であると私は思っております。
#50
○川上義博君 今、需給ギャップの話が、埋めなければいけないというのは、内需を拡大をしなければいけないというのを前々から言われていたんですね。前々から言われたにもかかわらず、なかなかそれを構築できないということを、要するに経済構造が内需の拡大のための経済構造ができていない、だから輸出に頼らざるを得ないということなんですか。輸出に頼らざるを得ない。ところが、輸出はアメリカが例の調子ですから、輸出はどんどん下がっていく。だから、最後の買手のアメリカが消滅していっている。
 じゃ、その辺りのことを、内需を喚起するために財政が、公的なものがそのギャップを埋めていくというのは当たり前のことじゃないですかね、その基本的なことをお伺いしたい。
#51
○国務大臣(与謝野馨君) こういうふうに大経済危機、金融危機に直面したときには、一つの方法はやはり金融政策ですけれども、これは日本銀行がやっておられる金融政策、それから一つはやはり政府の財政出動、一つはやはり企業に対する銀行の貸出しを促すという、そういう三つの政策の組合せであると思っておりまして、財政出動というのを本当に危機が来たときにはためらってはいけないんだろうと、私はそういうように思っております。
#52
○川上義博君 ところが、本年度、この二十一年度の予算で、どうもその予算の中に経済が成長するというものがどこを読んでも出てこないんですよ。
 先ほども、先週だったでしょうか、経済見通しの話が出ていたんですけど、経済見通しというのは一言で言えば税収見通しなんでしょう。税収見通しがどのぐらいになるかと。ところが、四十六兆円なんですね、税収見通し。四十六兆円というのはもう二十年ぐらい前の税収なんですよ。ひところは六十何兆とか、六十兆ぐらいあったと思うんです。これは、経済が成長しないということを予算上に表しているんじゃないですか。それを、経済が成長しないということを予算上に表しておってそれで経済対策をするんだというのは、これはおかしな話だと思うんですね。だから追加の経済対策をやるということだろうと思うんですけれども。
 この四十六兆円が本当に確保できるとお思いですか、二十一年度。もっともっと減額する可能性あるでしょう。
#53
○国務大臣(与謝野馨君) 政府経済見通しは昨年の十二月、十二月にその当時持っていた最善のデータと最善の知識に基づいて作った経済見通しでありまして、既にその後のいろんな出てきております経済指標を見ますと、すべての指標は下向きの方向に動いておりますから、税収見通しも法人税収を中心にかなり厳しいことが私は予想されると思っております。
#54
○川上義博君 四十六兆円を確保できるかどうか、大変厳しいんじゃないかという大臣の認識がありました。
 二十年度の税収見込みは五十三・五兆円だと、補正後は四十六・四兆円、こう減額修正したんですね。二十年度決算をすれば、この四十六・四兆円も、これはまたもっと税収額小さくなる可能性あるんじゃないですか。その辺りはどうですか。
#55
○国務大臣(与謝野馨君) 税金は入ってくるまで分からないと思いますけれども、それが見込みより上回るというケースは多分ないんだろうと思っております。
#56
○川上義博君 見込みより上回ることはないというのは当たり前なんです、だれが考えても。下がる可能性はあるということなんですか。
#57
○国務大臣(与謝野馨君) あり得る話でございます。
#58
○川上義博君 もう一つは、経済成長の見通しが二十年度は二・〇%だったんです。年末の先ほどの経済見通し、実質でマイナス〇・八と。最近の一月―三月期のものがちょっと速報で出ていたかもしれませんけれども、経済情勢を考えればマイナス〇・八よりはもっとまた下がるんじゃないかというふうなことも考えられるわけでありますけれども。
 過去、たしかマイナス二%、何か史上最悪のマイナス成長をしたと。二%、二・何%、それを下回るようなことになっていくんじゃないだろうかと、そういうおそれがあると思うんですね。その辺りはどのようにお考えですか。
#59
○国務大臣(与謝野馨君) 去年の十―十二の数字の改定値が出ましたけれども、やはり年率にしてマイナス一二・一というびっくりするような数字が出ております。また、今年の一月あるいは二月の速報値を見ますと、輸出も、対前年比、去年の一月、二月に比べまして輸出が四五%も落ちていると。そういうことですから、当然成長率も相当な、ほっておきますと相当大きな幅のマイナス成長になるおそれはあると私は思っております。
#60
○川上義博君 相当大きなマイナス成長ということなんですけれども、史上最悪なマイナス成長になる可能性もこれは十分考えられるということなんですね。
#61
○国務大臣(与謝野馨君) もちろんそうでございます。
#62
○川上義博君 それで、先ほど私が、この今の総予算というか、これでは経済成長も見込めないし税収も見込めない、どんどんどんどんスパイラル的に力が低下していくというような予算ではないんですかというように言っているんですね。
 だから、なぜ、総理はスピードが大切だとおっしゃったんです。スピードが大切だとおっしゃった総理が今度の補正を五月か六月だと言っているんじゃないですか。今の状況の認識が物すごく甘いと思うんですよ。何で本予算の中に入れないんですか。切り分けして何でやるんですか。五月、六月、大型の補正をやるんだと。その辺りはどうなんですか。この予算では駄目だから、だから補正を組むんだということなんですか。
#63
○国務大臣(与謝野馨君) やはり政府も国会に対して礼儀正しく振る舞わなければならないわけでして、やはり平成二十一年度の当初予算を御審議いただいているときに次の補正を言うということは、それはやってはいけないんだろうと思います。
 ただ、頭の体操をやっていないのかといえば、ちゃんと頭の体操をやっている方はたくさん党の方にも政府の中にもおりますので、私はやっていませんけれども、やっていますので、その点は、御懸念は御懸念として理解いたしますけれども、いろんな状況を考えながら物事を考えているということはきちんとやっております。
#64
○川上義博君 なかなか、はぐらかされている感じがするんですけれどもね。
 補正が出てきた、大型のものを組んだ、真水も何十兆円かになった。やはりスピードと量と質だと思うんですね。だから、スピード感があって、量も中途半端じゃ駄目で、量もたくさん出さなくちゃいけない、量も大きく構えると。それから、質も、地方が厳しいという認識に立っていると。だから、そういった事業で地方にお金を還流させると。それは、質というのは役人の皆さんが考えることだと思うんですよ。だから、そういった事業をどんどん、新しい事業か、あるいは農業とか環境とか巷間言われていますけれども、それをやっていくと。だから、大臣は、量はどの程度で、これから補正の、それから質という、事業はどんな事業をやるんだというように、頭の体操をしていないとおっしゃったんですけれども、直観的にどう思われますか。
#65
○国務大臣(与謝野馨君) 今、追い抜き禁止のところを走っていますので、なかなか追い抜けないのはお分かりいただけると思いますけれども、それじゃ需要は一体どういうところにあるのかということはちゃんと考えておりますが、やっぱり需要というのは、従来のように公共事業中心の需要というのは幾ら探してもなかなかない。やはり医療とか介護とか、社会保障関係とか教育とかあるいは農業、林業とか、意外にそういうところに需要は見付けることができるんではないかというのが今までの勉強の結果でございます。
 需要というか、雇用も見付けなきゃいけないわけですけれども、例えば雇用といったときに、やっぱり医療とか介護とか農業、林業、教育とか、そういうところが意外にまだまだ未開発の分野があるのではないかと思っておりますけれども。
#66
○川上義博君 じゃ、先ほど私がちょっと言いました減損会計、時価会計、そのことと、それからBIS規制、これは何度も取り上げられているんでしょうけれども、少なくとも国内行については、四%というのは日本だけの基準ですから、これを凍結するというようなことをやはりやる必要があるんじゃないだろうかというふうに思っているんですね。国際のBIS基準八%というのは、私ちょっと横文字でいろいろ助け船出してもらってやったんですけれども、八%というのはどこにも書いてないと。要するに、自己資本の十二・五倍程度の貸出しが健全なんですよということなんですね。八%というのは書いてないんですよ。なおさら四%というのはどこにもないです。日本独自の基準なんですね。この少なくとも四%基準というのは凍結されたらいいんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
#67
○国務大臣(与謝野馨君) やはり金融機関は預金者からお金をお預かりしているわけです。一方で、銀行が本来の使命である金融仲介機能というのを完全に果たしていただかなければならないわけですが、それと同時に、やはり預金者の預金をきちんと保護する、これも大事な使命であります。そういう意味では、健全性の目安として自己資本比率に一定の規制を掛けるというのは必要なのではないかと思っております。
 ただ、G20なんかで議論されているのは、実は最低自己資本比率を上げようというような動きが今ヨーロッパを中心に出てきておりまして、我々は、こんなことしたら物すごい信用収縮になると、現在の水準で十分だということを主張しておりますが、やはり客観的な指標としては自己資本比率というのは大事なものであるというふうに私は認識をしております。
#68
○川上義博君 時間が来たんでまた次の機会に質問しますけれども、最後に、これは時価会計とそれから資産査定の第W分類の話をもっと緩和すべきであると。絶対これはしなければいけないと思うんですね、緩和を。甘くすると、査定を。
 これを最後にお伺いしたいのと、それから、かんぽの宿の質問主意書を私はいろいろ出したんですけれども、この質問主意書の中に、日本郵政が、役員が外資のだれかとよく会って議論したり、場合によっては会食したりしているんじゃないかと。そうしたら、把握していませんという話があったんですね。だから、例えば日本郵政の役員が接待を受けたという事例があるかどうかですね。これはうわさに乗っていますから、はっきりとそういう事例はないということをおっしゃっていただきたいと思うんです。あるいは、あるんだと。額が高ければ例の防衛省の話みたいになってきますから、その辺りはどうなんですか。それで質問を終わらせていただきます。
#69
○参考人(佐々木英治君) 先生御質問の外資系企業の範囲というのは必ずしも定かでございませんけれども、日本郵政株式会社の現在の常勤役員に確認してみましたところ、いわゆる外資系企業と会食を行ったことはございますけれども、それらはいずれも社会通念に照らして常識の範囲内であったものと聞いております。
#70
○国務大臣(与謝野馨君) やっぱり時価会計というのは、会社の状況を正確に表すためにはなくてはならないものだと思っております。
#71
○川上義博君 ありがとうございました。
#72
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
 今日は、日本の寄附税制について財務大臣にお伺いしたいと思います。
 この御時世でなぜ寄附の話題と思う方もこの中にいらっしゃるかもしれませんが、この経済状況だからこそ社会で助けを求めている人々のためにNPOや公益法人の活動の活性化を図ることが必要だと思います。またさらには、これらの団体の活性化によって雇用の創出にもつながると思うんです。
 また、寄附をする人にとって寄附行為とは善意の表明と社会とのつながりを実感する意義深い行為だと思いますし、寄附を受け取る側はその善意を社会に還元していく原動力に変えて責任を持った行動をすることとなると思います。この一連の動きが寄附をする方の思いや夢を社会に実現させることにつながると思うんです。
 実は、先週の木曜日、私は与謝野大臣がある医師会の勉強会の場で発言された内容をよく覚えております。大臣は、社会保障で内需を拡大することは経済の発展につながるとおっしゃっておりました。やはりこの寄附の文化を日本にも広めていくことが、社会保障に大きな役割を果たすNPOですとか公益法人の活性化、やがては大臣がおっしゃるとおり経済の発展につながるのではないかと私は信じております。
 また、冒頭で申し上げておかなくてはいけないのは、私がこれからお話ししたいことは、お金持ちによる高額の寄附についてのお話ではなくて、いかにして一般の人々が寄附を気軽に、またある意味メリットにしていくことによって、寄附のみならず税金に深い関心を皆さんにも持っていただくかということです。
 日本の寄附文化を発展させるためには、まず諸外国の実態を把握するとともに、税制など制度面の更なる見直しが必要であるというスタンスの下、質問を始めさせていただきたいと思います。
 まず、税制の制度面から確定申告について伺います。
 昨日、ちょうど三月十六日は平成二十年度の所得税、贈与税の申告納税の期限日でした。多くの方々が申告を済まされたと思います。私も以前から確定申告という形を取って自分で税を納めていますので、自分の税金を把握するとともに、その税金で国を支えているという意識を持ち続けていました。しかし、一方では、多くのサラリーマンや公務員の方々は年末調整において納税をされております。ですから、余り納税者意識に敏感ではないと指摘されることもあります。
 それでは、大臣にここでお伺いしたいんですが、この確定申告と年末調整のメリットとデメリット、そして大臣としてはどちらの納税のスタイルが望ましいとお考えでしょうか、お聞かせいただければと思います。
#73
○委員長(円より子君) 財務省加藤主税局長。
#74
○牧山ひろえ君 大臣にお願いします。
#75
○委員長(円より子君) 先に加藤さんにしていただけますか。
#76
○政府参考人(加藤治彦君) ちょっと事実関係だけ先に申し上げます。
 年末調整制度は、納税者の手続を簡便化して納税のための社会的な費用をできる限り小さくする観点から行われているものでございまして、これは、やはりこれを廃止するということについてはなかなか、すべての納税者に確定申告を義務付けるということになりますので、かなり大きな問題になるものと思っております。
 いずれにいたしましても、確定申告を行うということの意味はもちろん十分承知しておりまして、給与所得者でございましても医療費控除や寄附金控除等の適用を受けるためには確定申告が行われておりますので、給与所得者も確定申告を行う機会というものが用意されているということはこういう状況でございます。
#77
○国務大臣(与謝野馨君) 私は、会社が税務署に代わって税金を控除したり、保険料を役所に代わって集めたり、あるいは年末調整をやったりというのは極めて行政効率の上では優れた制度であると思っております。そういう意味では、申告制度とそれから会社それぞれがやっている年末調整、両方とも私はいい制度ではないかと思っております。
#78
○牧山ひろえ君 では、納税者の立場を考えて、どちらの方が自ら納めている税の意識を高める効果があるとお考えでしょうか。
#79
○国務大臣(与謝野馨君) それは、細長い紙っぺら一本毎月いただくよりは、自分で確定申告書を書いた方が自分と国のつながりは出てまいります。ただし、所得税を納税されていない方が一千七百万人もおられますので、そこで国と国民との間が断ち切れているという実は重大な問題があるということです。
#80
○牧山ひろえ君 私も大臣と同じ考えで、やはり自ら納めている税の意識を高める効果としては確定申告の方が望ましいと思います。
 数字を確認したいのですが、確定申告をする人は二千三百六十万人と聞きますけれども、確定申告と年末調整の比率はどれぐらいでしょうか。参考人の方で結構です。
#81
○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 確定申告自体の申告者数は、御指摘のとおり二千三百六十二万人、十九年分でございますけれども。正確な年末調整の対象となる納税者数というのは、我々としては把握をいたしておりません。
#82
○牧山ひろえ君 後ほどその点についてはお伺いしたいと思います。
 より多くの人が確定申告をするようになれば、自分が納めている税の使われ方に関心を持ち、更なる民主主義の発展に寄与することにもなると思いますけれども、いかがでしょうか、大臣。
#83
○国務大臣(与謝野馨君) 私は税理士に教わって自分で確定申告を何度も書いたことはありますけれども、これをみんな個人個人にやらせるというのはなかなか手間なことであると私は思います。
#84
○牧山ひろえ君 釈迦に説法だと思いますけれども、非常に便利になりました。納税者にとっては、確定申告を大臣がおっしゃっていた理由で望まないという声も確かにあることはありますけれども、例えば医療費控除の足切り額十万円を見直すことや今日議論させていただきます寄附金の税制の見直しを行えば、納税者の税への関心が高まり、自分で納税作業をしたいという気持ちが皆さんの中で増えて、結果として広い意味での民主主義の発展に寄与するものだと私は考えております。
 私は、昨年六月、我が国の寄附税制に関する質問主意書を実は提出させていただきました。資料一を御覧ください。
 この質問主意書では、私の問題意識、外国では寄附先の選択肢が広いこと、また、少ない額でも寄附控除の対象になることから寄附をしやすい環境であることを前提にいたしました。質問の趣旨は、主要国の寄附金に関する税制において日本では優遇される団体数がとても少ないこと、また寄附控除額に五千円の壁があること、また三つ目に、寄附金優遇団体においては財務報告などの透明性を担保するべきであることなどです。
 これに対して政府は、優遇団体数の少なさについては、諸外国における公益活動についての沿革やこれに対する社会の意識などがそれぞれの国により様々であり、我が国と諸外国との間で単純に比較することは適当ではないというお返事をいただきました。寄附活動に関して非常に消極的なのだなというのが私の印象でした。とても残念でした。
 これまで三度の税制改正を経て現在の寄附金控除制度が確立してきていることは私も知っておりますけれども、財務大臣、この答弁について私は先ほども言いましたとおり本当に寄附について消極的だなという印象でしたけれども、その後、政府の認識には変更はありましたでしょうか、大臣。大臣、お願いします。
#85
○国務大臣(与謝野馨君) 先生の御質問ですけれども、寄附金を妨げているのが税であるのかあるいは日本人が持っている文化なのかという根本の問いはあるわけでして、税の方はなるべく寄附金文化というものを盛んになるようにいたしますけれども、やっぱり税を考えていくときに、脱法的に使われないようにするということも考えなければなりませんし、不公平なことが発生しないようにも考えなければならないと思っております。
 ただ、アメリカの大統領選挙とかアメリカのいろんなところのいわゆるアートギャラリーとか、そういうのを見ますと、やっぱりどこかアメリカと日本は違うんだということで、個人の意思がもう少しいろいろな国の文化に反映できるように、あるいはいろんな慈善活動等に反映できるように何とかならないのかと。あるいは、大学なんかもそういう寄附によって支えられているというのを見るにつけ、税制か文化か、どっちかが欠けているんじゃないかなと私は思っております。
#86
○牧山ひろえ君 私は、隣の方々また周りの人々を思いやる気持ちとか、そういう気持ちというのは日本人ならではの、本当にだれにも、どの国にも負けない気持ちを日本人は持っていると思います。
 私は、文化というのは、ある意味制度でつくるものだと思っております。
 例えば、アメリカを例に挙げますと、公立でも私立の学校でも福祉活動を取り入れています。例えば、年に何度かベークセール、焼き菓子を持ち寄ってそれを販売した収益金を困っている方々に寄附するという習わしが古くからアメリカの各地で行われております。また、先日、予算委員会でもお話ししましたが、大学の入学要件の中で福祉活動や経験が重視されますので、大学を卒業した後、社会人になってからも何らかの福祉活動に参加することや寄附活動をすることが一般的です。
 じゃ、日本ではやっていないかといったら、そうではないです。福祉活動を取り入れている学校やサークルなどありますけれども、アメリカに比べればやはり大臣がおっしゃるとおり低調であると言えます。例えば、福祉活動を大学の入学要件にしていないなどの事実が人間形成における福祉の心をはぐくんでいないとも私は考えます。
 今回の質問に関連して言うならば、寄附の税控除や寄附先の選択肢の狭さなど、社会の制度をもう一度見直していただけないかなというのが私の思いであります。
 まず、日本の寄附金制度を諸外国の事例と比較しながら確認していきたいと思います。資料二を御覧ください。
 左の図がアメリカの国税庁に相当するIRS、内国歳入庁が二〇〇五年に公表したデータです。それによりますと、個人による寄附総額は十九・三兆円、法人による寄附総額は一・七兆円です。税制の違いがありますから一概には比較できないと思うんですが、右側の日本の寄附総額を御覧ください。これ、一目瞭然ですよね。寄附総額には雲泥の差がございます。これを単純に寄附文化の違いだとして片付けてはなりませんが、大臣、いかがでしょうか。
#87
○国務大臣(与謝野馨君) これだけ差がありますと、税制だけではなくて、やっぱり文化的背景もまたあるんじゃないかなということがあります。
 先生がこういう部分は直せと、こういうことを御提案いただければ我々も努力をしてみますけれども、これは、税制というのはやっぱり他の税制との整合性とかそういうことも大事なので、この一部分だけ取り上げていいものをつくるとよその部分との整合性が取れないとかいろんな問題があるんですが、こういうところだけは直せと、こういう御提案であれば我々も広い心でちゃんと勉強してみますので。
#88
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 では、寄附金に関する税制に関しての国際的な比較について、資料三を御覧ください。
 この資料の下の表では、各国の優遇団体数が掲載されています。アメリカでは、約百十三万団体が寄附金控除を受けられる団体であることが分かります。その一方で、日本は優遇される団体が非常に少ない上に、特定非営利活動を行う法人、NPO法人の認定が極めて少ないのが確認できます。
 内閣府によりますと、日本には三万六千五百五十二のNPO団体があります。ですが、そのうち寄附金控除の対象となる認証団体はわずか九十二件にとどまっていて、寄附する側から見ると豊富な選択肢があるとは到底思えません。認証団体が少ない背景には、もちろん国税庁による厳格な認定基準が存在することは承知しているんですが、厳格な基準を保ちながらも優遇団体を増やしていくことと寄附先の選択肢を広げることが非常に大事だと思います。
 アメリカの政府資料では、アメリカの寄附金控除の対象となるNPOは、二〇〇五年のデータによりますと九十五万団体とのことですから、当時、同じ二〇〇五年のデータを見ますと、日本の場合は三十八ですから、九十五万団体と比べて三十八というのはやはり余りにも少な過ぎると思います。無論、NPOを寄附金控除の対象団体とする場合の認定基準を緩和してきていることは承知していますが、基準を緩め過ぎるのも良くないとの意見も聞かれますから、この点に関しての議論を進めていかなければならないのだと思います。
 大臣、日米の優遇団体数がなぜこれほどまでに違うのだと思いますか。
#89
○国務大臣(与謝野馨君) 私、実はNPO法人の法律を千葉県知事の堂本さんと最後二人っきりで作っていて、そのとき思ったのは、NPO法人、いろんな種類の活動のNPO法人、堂本さん、これも入れるあれも入れるというんで、全部入れていただいて結構ですということになったんですが、そのときに私が考えたことは、NPO法人をつくって怪しげな暴力団とかそういうものが利用するということだけは避けたいということと、それから、NPO法人を舞台に税金逃れをするような、そういうことだけは回避したいということで、NPO法人を寄附金等が元々控除できるような、そういう仕組みにはつくらなかったわけです。それで、その後、税務当局として、実際にこれは寄附金を税法上優遇するかどうかというのは税の当局で判断してほしいということにしたわけで、その判断基準というのはちょっと今、税務当局から御説明をさせていただきたいと思います。
#90
○政府参考人(加藤治彦君) 今お話のございましたNPOのうち税の優遇が受けられるものをどのように拡大するか、これは先生御指摘のように以前から課題になっておりますので、私どもも、結局もう一つの制度としての特定公益増進法人制度がございます。要は、先ほど大臣から申し上げましたように、公益をきちっとやっていただく、そしてそれからそこが明瞭に公開される、我々としては、客観的な基準で、公開された形でチェックシステムを働かせるということで基準を設けております。御覧いただくと分かりますように、すべて客観的な計数基準を中心にしております。それも順次緩和しておりますが、それにつきましては、更に勉強をしろというお声、私どももよく伺いますので、事務的にも関係者と協議をしておるところでございます。
 ただ、もう一つ、今回新しいお話として、事実関係でございますが、昨年十二月から新公益法人制度、これができまして、これは、従来は特定公益増進法人制度は税制の当局の立場でチェックをする、それが税制優遇の条件だったわけでございますが、今回はそれをすべて一元的に公益の委員会の方でやっていただくということになりました。これも一つ大きな転換だと思いますので、その辺の運用状況の拡大等が進めば、それとのバランスにおいてNPO法人もまた一ついろんな新しい展開が生じるのではないかと私どもは期待しておるところでございます。
#91
○牧山ひろえ君 私は、なかなか認定団体が増えないというのは、苦労してせっかく優遇団体になったのに期待しているほど寄附金が集まらないという、そういうことも考えられるのではないかと思います。
 私は、国税庁として、こういった方々がどういう活動をしているか、どういう団体があるのかというのを十分に公開していないような気がします。例えば、私、ホームページ最近見ましたけれども、リストはあるんです。でも、リスト、名前だけです。どういう名前のNPOかという団体の名前だけで、リンクを張ったりすることもないし、そもそもどうやったらその方々がどういう活動をしているのかというのを国民の方々が知るのかなと思いました。
 もう一つ、優遇団体に比べ、所得控除となる範囲も議論としたいと思います。
 資料三をもう一度見ていただきますと、税制上の取扱いとして個人と法人、それぞれの扱いが掲載されています。今日は個人の所得税に焦点を当てていますので個人の項目についての比較をしたいのですが、やはりここでも特徴的な違いがございます。例えば、アメリカでは寄附先の団体によって所得の三割か五割の所得控除が受けられます。特徴的なのは、最低限度額が全然ないんですね。ですから、極端に言えば一セントでも控除の対象となるわけです。この点に関しては説明だけに終わらせて次に進みたいと思いますが、先ほども私がお話ししたとおり、やはり寄附文化はまだまだ浸透していないなというのが私の印象です。
 更に伺います。ここ数年間でe―Taxとしてコンピューターによる電子申告が社会に浸透しつつあります。平成十九年度に確定申告をした方のうちe―Taxを利用した方の割合を御報告いただきたいんですが、参考人の方、お願いします。そしてまた、増加傾向にe―Taxはあるかどうか、政府として今後も推進していくおつもりなのかどうか、併せて参考人の方、御答弁ください。
#92
○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 昨年、十九年分の確定申告に係る所得税の申告に係りますe―Tax利用件数は約三百六十三万件というふうになっております。それで、これは過去数年間を見ましても大幅に増加をいたしておりまして、この間、私どももオンライン利用計画にのっとり目標を掲げるとともに、各種の簡素化措置、メリット措置などを講ずることによって、今後も発展させていきたいというふうに考えております。
#93
○牧山ひろえ君 では、増加傾向になるというわけですね。ある方によりますとe―Taxは単なる入力システムとのことでしたけれども、入力されたデータは国税をつかさどるホストコンピューターに集積されるのでしょうから、結果としては電子処理がなされていることにつながると思うんです。要するに、今後もe―Taxを始め電子申告は増えると想定できるわけですから、税務に携わる事務作業は軽減されていくということですね、大臣。
#94
○委員長(円より子君) 大臣ですか。
#95
○牧山ひろえ君 大臣にお願いします。
#96
○委員長(円より子君) 取りあえず、国税庁岡本次長。
#97
○政府参考人(岡本佳郎君) 委員御指摘のとおり、このe―Taxは導入に当たりまして、納税者の利便ということと税務行政の効率化ということも併せて目標といたしておるところでございます。
#98
○牧山ひろえ君 ここまでの検討を基に、日本の寄附税制を、では今後どのようにしていくべきなのかということを議論していきたいと思います。
 まず、寄附金控除の計算方法です。寄附金控除は優遇団体への寄附総額から五千円を差し引いて、個人の場合ですと総所得の四割を限度に認められることになっています。私はどうしてもこの五千円の足切りというのが根拠がよく分からないんですね。平成十八年度税制改正で適用限度額を一万円から五千円に下げたということも私は承知しております。では、なぜ今五千円なのでしょうか。財務大臣、お願いします。
#99
○政府参考人(加藤治彦君) 恐縮でございますが、経緯もございますのでちょっと私から説明させていただきます。
 元々、寄附金控除は民間による公益活動に対する寄附を促進するというために、誘因的な措置でございます。それで、当初から、より多くの寄附をしていただきたいということでこの制度を創設されました。元々ドネーションということで志、厚意を重視する。一般的には可処分所得の中で行っていただくわけですが、それをプラス税金分も上乗せすることによってより多くの金額が寄附されるのではないかということで一つ仕組んでおるわけでございます。
 したがって、当初一万円という足切り額があったわけですが、これは少額の寄附の場合はいろいろと恩典が非常に少ない、税をまけることによる効果が小さいということもございますし、さらに、これは寄附を受け取る団体の方でも、もし少額まですべて対象にするとなればそれに対して領収書を発行するとかいろんな事務が生じるという懸念もございまして、当初は一万円ということで足切り限度額を設けたところでございます。
 先生御指摘の十八年に一万円から五千円に引下げが行われました。これにつきましては、当時の議論では、やはり少額といえども寄附を広く集めるということも意義があると。特に一万円の壁というのは、一万円を寄附するという人が非常に当時の議論でございますが多いということで、ところが一万円では全く控除の恩典がないと、それではせっかく控除があるのが生かされないのじゃないかということで、一万円でも控除が受けられるということは五千円ぐらいにすれば一万円の方は五千円分について控除対象になるということで、引下げが行われました。
 これにつきましては、先ほど申し上げましたように、少額の寄附金についてどうするかということと、それから広くあまねく寄附を募るという両方の調和ということでいったんこの五千円という水準が定められた経緯がございます。
#100
○牧山ひろえ君 今の御答弁を聞いてとても残念に思いました。少額の寄附だと戻りが少なくなるとおっしゃいましたけれども、例えば五千円で五%の戻りですと二百五十円ですよ。二百五十円でパン一斤、おいしいパン一斤買えるんですよ。私は、あと金額の、戻りの金額のものだけじゃないと思います。その寄附をする方の気持ちを考えてください。一番に考えてください。
 例えば百円だとしても、十円だとしてもですよ、それは国からのある種メッセージです。自分が善意の行動をしたということに対するお墨付きですよ。それで自分は評価されたんだ、ちゃんと自分の気持ちとして、これだけしか寄附できなかったけれども、国はちゃんと自分の行為を認めてくれたんだというメッセージです。どうしてそういう観点から物事を考えていただけないのか、非常に残念に思います。いかがでしょうか、大臣。
#101
○国務大臣(与謝野馨君) それはそうなんですけれども、事務が大変過ぎるという面もございますので、その点も御考慮いただければと思います。
#102
○牧山ひろえ君 事務に関してはこれからお話ししたいと思います。
 私は毎年確定申告をしているから分かりますけれども、資料の四、右側のとおり、確定申告の用紙には肝心な項目である課税される所得金額の欄に下三けたがゼロ、ゼロ、ゼロと三つ並んでいます。要するに千円単位での計算となるわけで、納税者にとっては有利な計算方法です。また、申告納税額では百円単位での税額が算定される仕組みになっているので、千円単位と百円単位の双方の仕組みが導入されています。
 その理由を役人の方々に先日質問しましたところ、事務処理の軽減、特にすべて手作業だった時代からの名残だそうです。これは昔の話です、今e―Taxが普及しておりますから。ならば、なぜe―Taxが普及している今も五千円なのか、更になぞは深まるばかりだと思います。寄附金の考えを広く社会に浸透させるお考えがおありなのでしたら、いわゆる足切り額をまずは千円ぐらいにしてみるのもよいと思います。
 更に言えば、昨年は三百六十三万人がe―Taxによる納税を済ませているわけですから、百円どころか一円単位に至るまで正確に納税額を把握できているはずです。大臣、せめて千円の寄附ならしてみようかという方々のために、やはり現行の五千円を段階的に切り下げ、まずは千円ぐらいにしてみようと思いませんか。
 私が思うには、五千円ってすごく高いです。皆さんの平均的なお給料で考えてみてください。私は子育てをしておりますけれども、五千円といったら一か月の習い事の月謝料ぐらいになります。それをやめてまで寄附という方はなかなかいないと思います。でも、千円の、ちょっと高いランチですけれども、千円のランチをちょっと我慢して寄附してみようかという方はたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか、大臣。
#103
○国務大臣(与謝野馨君) そういう御厚志を持った方を大切にするということは社会としては大事なことだと、私は全くそのとおりだと思います。
 一方で、納税者の事務とかあるいは税務署の事務とかということを考えますと、余り少額のところまでやるということというのは、やっぱり少し考えてからではないかと私は思っております。
#104
○牧山ひろえ君 時間もないのでちょっと次に行きたいと思います。
 アメリカで私が実際に経験した事例を紹介したいと思います。資料五を御覧ください。
 これはニューヨークのオペラ座での寄附の話です。こんなところでも寄附控除が受けられるんです。オペラ座の運営、維持を支えることをしながら、ここにチャリティーをすれば控除が受けられる。大げさに言えば、興味のある、あるいは趣味の活動に寄附をして、さらには税金の控除を受けることができるわけですから、自分が支えたい団体に自由に寄附できる喜びを感じることができるんです。
 こうした良い文化を日本にも広めるべきだと思いますが、大臣、何かコメントございますでしょうか。
#105
○国務大臣(与謝野馨君) これはメトロポリタンオペラの定期刊行物に対する税の優遇措置で、多分そういうことをすることによってメトロポリタンオペラをサポートしている仕組みだと思うんですけれども、実は、加藤主税局長に詳しく説明させますが、日本でもこの種のサポートの税制はございますので、それを説明させていただければと思います。
#106
○政府参考人(加藤治彦君) 今御指摘の点につきましては、実は公益特定法人のいろんな類型の中でこういう例えばオーケストラとか劇場とか博物館とか、それぞれ類型がございますが、それを特定公益法人にしております。したがいまして、そういうところに寄附をしていただければ日本の税額控除は受けられるというふうになっております。これも、あくまでもメトロポリタンの側からこれが寄附ですよということを明示されているわけでございますので、それはそれぞれの公益法人の方がそういう活動をして寄附を募っておられると私は聞いております。
#107
○牧山ひろえ君 本当でしたらハンガリーでのパーセント法もここで、こういうのを導入して納税者が所得税の一、二%相当の使い道を国民が選ぶ、納税者が選ぶという方法も皆さんに御紹介して、大臣にお伺いしたかったんですが、時間となりましたので、こちらで終わらせていただきたいと思います。
#108
○大門実紀史君 大門でございます。
 資料を見ていただきたいんですけれども、今日は金融所得と税制の在り方について質問をいたします。
 この資料は、折れ線グラフが国の税金、国税の所得別の負担率が折れ線グラフでございます。ピークになっているところを見ますと、これはちょっと帯で測っているんですが、言い方としては所得五千万から一億円のところが国税の負担率としては二六・五%、ピークになりまして、それを超える所得になりますと負担率が下がると、下がってきております。ちなみに、百億円の所得がある方は日本には十数人ぐらいかも分かりませんが、その方々の負担率というのは年収、所得一千三百万ぐらいの人と同じぐらいの負担に下がってしまうということでございます。
 仮にも今まで日本は累進税率の国でございました。つまり、所得が高くなるほど負担率も高くなる国でございましたけれども、今こういう状況になっているわけでございます。なぜこんな事態になってしまったのか、与謝野大臣はいかがとらえておられますか。
#109
○国務大臣(与謝野馨君) 議員御指摘のように、合計所得金額に占める税負担率は所得五千万円を超えたところで低下している状況でございます。これは、上場株式等の譲渡所得等について一〇%の軽減税率が適用されていることを含め、金融所得課税の在り方が影響している面があると思われます。
 金融所得課税については、総合課税ではなく、他の所得と分離して一律の税率で課税する分離課税とすることが適当であり、また国際的な潮流でもあるということも主張をされております。
#110
○大門実紀史君 おっしゃるとおりでございまして、この薄い方に金融所得の分布を入れておきました。つまり、高額所得者になるほど金融所得が増えるわけです。ほとんど金融所得ということになるわけです。それが、大臣おっしゃっていただいたように、この証券優遇税制で半分の税金にしているところからがばっと減税になって、こういう国税負担率のゆがみが生じているわけでございます。
 今、格差格差と格差問題言われていますけれども、年収二百万以下の層が増えている一方で、超大金持ちがどんどん増えていると。もちろんこの間大損されている方もいると思いますけれども、増えてきているというのは、実はこの税制が大きく影響を与えているということでございます。
 国際的には、証券優遇税制云々という話がありましたが、実はアメリカもヨーロッパも金融に関しては総合課税にしているところが多いわけですね。ですから、実際にはこういうゆがみはそういう国ではほとんど生じていないというふうに見た方がいいわけでございます。証券優遇税制が必ずゆがみを、その部分だけ優遇したからといって必ずこんな大きなゆがみをもたらすとは限らなくて、総合課税にすればここまでのゆがみにならないということもあるわけですね。
 こういう点でいきますと、私、今回また延長するんですか。これは、尾身大臣のときでしたかね、そのときにはここまで詳しいグラフじゃありませんでしたけれども同じような資料をお見せしたときに、もう延長はしない方向だというような御発言をされていたんですけれども、今回金融危機だからということでまた慌てて延長とか拡大とかになっていますけれども、私は税をゆがめるという点では本当にどうなのかなと思います。それと、これを個々で優遇したからといって、個人投資家が増えるという根拠もないわけですね。何をばたばた慌ててまた延長しようとしているのかと思いますけれども。
 この税のゆがみという点を考えて、総合課税の問題もありますけれども、今後どうされるか、与謝野大臣、もう一言お願いしたいと思います。
#111
○国務大臣(与謝野馨君) おととしの暮れは私は党の方の税制の方をやっておりまして、そのとき、金融から出てくる利益、これはやっぱり一本の税率でやることが正しいのではないかというので、段階的ですけれども、二〇%に統一しようという段階的な措置を決めたわけですが、金融危機が参りまして株価も下がるというので、将来はまた二〇%に一本化することはあっても当面は一〇%でお願いしようということで元に戻すことにしたわけですが、将来的にはやはり金融課税はすべてのものが同じ課税であることが望ましいし、そうあるべきだと考えております。
#112
○大門実紀史君 このゆがみは今申し上げたとおり整理しますと二つありまして、証券優遇税制ともう一つは分離課税になっている、この二つでこういうことが起きているわけですね。私は、証券優遇税制もそれほど思われるような効果はありませんからやめた方がいいと思いますし、総合課税にすべきだというふうに両方思うわけでございます。是非そういう方向に、思っていらっしゃることを実現の方向で踏み出されるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 ただ、今金融担当大臣と財務大臣兼ねておられますけれども、元々これは、財務省はこれを見直したいと、この証券優遇税制ですね、そういう考えでずっと来て、金融庁は延長してくれ拡大してくれと、こう来ているわけですね。今両方とも兼ねておられますけれども、その辺はどういうふうに判断されるんでしょうか。
#113
○国務大臣(与謝野馨君) 前回私が金融担当大臣をやっておりますときに、金融庁が要求した、したいと思った税制は全部無理だといって止めたことがありますので、別に金融担当大臣やっているから金融庁の味方するというわけではないと。税制として正しい姿を追い求めるというのはどこにいても同じことであると思っております。
#114
○大門実紀史君 それでは次の問題で、二枚目の資料でございますけれども、私、ずっと気になってきた問題、ちょっと機会ができましたので伺いますけど、先月ですかね、峰崎先生の質問のときに与謝野大臣が答弁をされて、耳に残っていて気になっていたんですけれども、消費税を上げても社会保障に全部使えば所得再分配に貢献すると、貢献度は大きいというふうな趣旨の発言をされて、逆進性の議論だけでは消費税は否定できないんだという意味の発言をされたんですけれども、それについて聞きたいなと思って聞いたわけですが、聞いてみようと思いますけれども、資料をお配りいたしましたが、これ前、去年の十二月にもこの委員会で内閣府、与謝野大臣が呼べないということでございましたので、内閣府の審議官にただしたんですけれども、この資料が頭の中に残っておられてああいう発言をされたんじゃないかというふうに思いますけれども、そうなんでしょうか。
#115
○国務大臣(与謝野馨君) まず、二つのことを申し上げなければならないわけです。
 一つは、ずっとこの十年以上やってまいりました所得税制のフラット化によりまして、所得税自体が持っている所得再配分機能というのが相当落ちてきたと。これは、我々としては直さなければならないと実は思っているということが一つ。
 それから、消費税ということを言いますと逆進性ということを非常に強く言われまして我々も本当に往生するわけでございますが、消費税を仮に御負担をお願いをしても、これが全部社会保障費、医療、年金、介護プラス少子化対策に回ると、実は所得の低い階層の方の方に配分は余計行くということで、逆進性というのは消滅するというふうに我々は考えておりまして、その点を御説明するためにさきの答弁になったというふうに御理解をしていただきたいと思います。
#116
○大門実紀史君 まさにそれがこの諮問会議で議論された中身であり、この資料だと思うんですが、私はこの資料は、もう二回もこんな、委員会で言いたくないんですけれども、いかにでたらめな話かと、このタイトルも含めてですね。
 大体、これを出したのはトヨタの、諮問会議の民間委員が提案する資料というのはろくなものがないんですよ、提案する内容というのはね。よく内閣府が何か事務方で資料を作っているみたいなんですけれども、本当にこのタイトルからいっておかしいでしょう。大臣が言われている意味と違うんですよ、これは。
 要するに、消費税を増税しても社会保障に充てれば所得再分配は強化されると。もう途中の言葉を抜きに、いかにも社会保障目的税は再分配機能を強化するというふうな書き方、そういう資料になっていて、これは違うと。これ当たり前の話で、所得税でやればもっと再分配機能が強化されるわけです、所得税でやれば。ところが、消費税でやりますと逆進性、大臣がおっしゃった逆進性がありますから、社会保障の再分配機能が足を引っ張られて、足を引っ張られて少なくなると。しかし、それでも差引き、それでも所得再分配機能が残りますよというのがこのグラフなんですよ。グラフなんですね。
 ですから、そういうふうなことで説明するならまだ分かりますけれども、いかにも社会保障目的に使えば再分配機能が強化されると。もうこんなことを、そしてこの言葉だけを、総理も以前おっしゃっていましたので、そのときは総理もいらっしゃいましたから、そういう誤解されるというか、欺瞞的な宣伝に思われるので、お使いになるべきじゃないということを御指摘したところでございます。
 なぜ、私の指摘を西川さんは大臣に伝えなかったんですか。
#117
○政府参考人(西川正郎君) 議員御質問の資料でございますが、こちらの資料では頭のところに「社会保障目的の消費税増税により所得再分配は強化される」と書いてございますが、今回こういう試算が出てきます背景としましては、社会保障の安定財源確保の考え方については、新たな国民負担はすべて国民に還元するのである、経済動向等に左右されにくい消費税をこれらの費用を賄う主要な財源として位置付けた上で社会保障財源を充実することを検討すると、そういう基本方針がございまして、そういう基本的な考え方を踏まえられて有識者議員が御提出されたんだというふうに理解しております。
 その有識者議員のお考えの中では、社会保障制度の持続可能性を基本理念とするんだと、そのためには国民全体の広く薄い負担である消費税を軸に安定財源を確保することが重要であり、社会保障に係る負担はそれが給付として国民に確実に戻ってくる仕組みとするべきであるという趣旨の御意見を御提示された上で、こうした試算を御提出されているというふうに理解しております。
 したがいまして、ここでは、消費税一兆円の社会保障に還元した場合と消費税による安定財源確保も社会保障への還元も行わなかった場合を比較した、そういう試算を出されているわけでございます。
#118
○大門実紀史君 もういいよ。私が言っているのは、わざわざ国会の場でこの資料をそういう言葉の使い方で総理大臣とか財務大臣とか経済財政担当大臣がお使いになると、お使いになるとその言葉だけ、消費税増税しても社会保障に回せば再分配機能は強化されると、その言葉でしか国会では答弁されていないから、そんなふうに使われると、違うんじゃないかと、この資料は、ということをあなたに指摘したでしょう。大臣にそのことをお伝えしたんですかと聞いているんですよ。国会の質問を何だと思っているんだ。国会で指摘されたことを大臣にちゃんと伝えたんですかと、その後、与謝野さんはそういう発言をされているわけだから言っているわけでしょう。伝えたのかどうかを聞いているわけで、ぺらぺらしゃべるんじゃないよ、本当に。
#119
○政府参考人(西川正郎君) 御質問いただきました趣旨は、この民間議員の資料についてお問い合わせを受けましたので、その説明をさせていただいたわけでございます。
 答弁につきましては、私どもの方で、政府参考人として答弁したものでございます。
#120
○大門実紀史君 大臣にあなたが伝えたのかと聞いたんだよ、私の質問は。
#121
○政府参考人(西川正郎君) 大臣に直接伝えるということはしておりません。
#122
○大門実紀史君 どうして。なぜ伝えないの。国会で指摘されたことについて、なぜ大臣に伝えなかったんですか。国会で指摘されたことは何なんですか、そしたら。国会議員が質問するということは何なの。何で大臣に伝えないの、これ。与謝野担当大臣がこの委員会に来られたならば、大臣と直接議論する話だったんです。この委員会には来られないということだから、あなたに代わりに質問してただしたわけですよ。何で大臣に伝えないの。それを聞いているんです。
#123
○政府参考人(西川正郎君) 諮問会議におけます民間議員の提出資料の趣旨について御質問を受けましたので、その説明をさせていただいたというふうに理解しております。そのため、直接御報告するということはしておりません。
#124
○大門実紀史君 とにかく、国会で質問されていろいろ指摘されたことというのを大臣にも伝えないと。ただあなたの答弁求めただけじゃないんで、私は指摘したんですよ、この諮問会議の資料について。しかも、総理大臣までこんなことをぺらぺらしゃべっておられるから、そこに麻生さんがおられたときに。それを担当大臣に伝えないというのは何事だ、それは。
 与謝野さん、私言いたいのは、誤解されますから。正確にお使いになるならいいですよ、この意味も含めて。知らない人は、ああ、そうか、社会保障目的税だったら格差は縮まるのかと思っちゃいますから。使うならば正確に、所得税ならこうだけど消費税ならこうだと、まだまし、まだ少しは再分配機能が残りますよと、そういう謙虚なことでお使いになるならいいけれども、そういう宣伝に使われているので厳しく指摘したわけでございます。一言コメントをいただけますか。
#125
○国務大臣(与謝野馨君) まず、元々フラット税制である消費税について逆進性ということを論ずることが適当な議論なのかどうかという根本的な実は問題があります。しかし、仮にそういう議論が許されたときに、何か所得の高い階層が一方的に助かるというようなイメージは持っていただきたくない。やはり社会保障制度を通じて、集めるときにはフラットな税制として集めるけれども、やっぱり分配するときには所得階層の低い方々の方に統計的に見ればより手厚く分配がなされると、こういうことを申し上げているわけでして、私らが申し上げていることは正しいことを申し上げているつもりでございます。
#126
○大門実紀史君 もう時間なのでやめますけれども、私はそういうことを申し上げているんじゃない。そういう議論は大いにいたしましょう。この資料の扱い、この資料の言葉、それを指摘しているわけですから、正すものは正してほしいし、まだホームページにその資料載っかってますしね。何だよ、この審議官、大臣にちゃんと伝えないなんてね。ちょっと、ちゃんと注意してください、後で。
 それだけ申し上げて、質問を終わります。
#127
○委員長(円より子君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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