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2009/03/19 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第8号
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2009/03/19 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第8号

#1
第171回国会 財政金融委員会 第8号
平成二十一年三月十九日(木曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         円 より子君
    理 事
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
    委 員
                池口 修次君
                川上 義博君
                喜納 昌吉君
                富岡由紀夫君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                水戸 将史君
                峰崎 直樹君
                山下八洲夫君
                末松 信介君
                鶴保 庸介君
                中山 恭子君
                林  芳正君
                藤井 孝男君
                森 まさこ君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        与謝野 馨君
   副大臣
       総務副大臣    石崎  岳君
       財務副大臣    平田 耕一君
       環境副大臣    吉野 正芳君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官      戸井田とおる君
       国土交通大臣政
       務官       岡田 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      西川 正郎君
       財務省主計局次
       長        木下 康司君
       財務省主税局長  加藤 治彦君
       財務省理財局長  佐々木豊成君
       農林水産大臣官
       房政策評価審議
       官        今井  敏君
       経済産業大臣官
       房審議官     石黒 憲彦君
       経済産業大臣官
       房審議官     西本 淳哉君
       経済産業省製造
       産業局次長    後藤 芳一君
       国土交通大臣官
       房審議官     佐々木 基君
   参考人
       日本銀行総裁   白川 方明君
       日本銀行理事   水野  創君
       日本郵政株式会
       社常務執行役   妹尾 良昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政運営に必要な財源の確保を図るための公債
 の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの
 特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(円より子君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官西川正郎君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(円より子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁白川方明君、同理事水野創君及び日本郵政株式会社常務執行役妹尾良昭君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(円より子君) 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。与謝野財務大臣。
#7
○国務大臣(与謝野馨君) ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案について御説明を申し上げます。
 第一に、平成二十一年度予算においては、歳出歳入両面において最大限の努力を行ったところですが、なお引き続き、国の財政収支が著しく不均衡な状況にあり、特例公債の発行の措置を講ずることが必要な状況となっております。
 本法律案は、こうした状況にかんがみ、平成二十一年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項のただし書の規定による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができることとする特例措置を定めております。
 第二に、世界の金融資本市場が百年に一度とも言われる危機に陥る中で、今年度から三年間のうちに景気回復を最優先で実現するため、集中的な施策を実施することとしているところであり、平成二十二年度までの臨時の措置として、財政投融資特別会計の積立金を活用し、これらの施策及び基礎年金の国庫負担の追加に伴い必要な財源に充てることとしております。
 本法律案は、このため、平成二十一年度及び平成二十二年度において、特別会計に関する法律第五十八条第三項の規定にかかわらず、予算で定めるところにより、財政投融資特別会計から一般会計に繰り入れることができることとする特例措置を定めております。
 次に、所得税法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 政府は、現下の経済財政状況等を踏まえ、安心で活力ある経済社会の実現に資する観点から、住宅・土地税制、法人関係税制、中小企業関係税制、相続税制、金融・証券税制、国際課税、自動車課税等について所要の措置を講ずるため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、住宅・土地税制について、住宅借入金等に係る所得税額控除制度の適用期限を延長した上、最大控除可能額を大幅に引き上げるほか、長期優良住宅の新築等に係る所得税額控除制度の創設、平成二十一年及び平成二十二年に取得した土地等の長期譲渡所得の特別控除制度の創設等を行うこととしております。
 第二に、法人関係税制について、エネルギー需給構造改革推進設備等の即時償却措置の創設等を行うこととしております。
 第三に、中小企業関係税制について、中小法人等の法人税の軽減税率を引き下げるほか、中小法人等への欠損金の繰戻しによる還付制度の適用を可能とする等の措置を講ずることとしております。
 第四に、相続税制について、非上場株式等に係る相続税及び贈与税の納税猶予制度を創設するほか、農地等に係る相続税の納税猶予制度を見直す等の措置を講ずることとしております。
 第五に、金融・証券税制について、上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る軽減税率の特例を延長する等の措置を講ずることとしております。
 第六に、国際課税について、外国子会社からの配当について益金不算入とする制度の導入等を行うこととしております。
 第七に、自動車課税について、一定の環境性能を有する自動車に係る自動車重量税を免税する特例の創設等を行うこととしております。
 第八に、附則において、税制の抜本的な改革に関する検討の規定を設けることとしております。
 その他、住宅用家屋に係る所有権の移転登記に対する登録免許税の特例措置の適用期限を延長するなど、適用期限の到来する特別措置の延長、既存の特別措置の整理合理化等の所要の措置を講ずることとしております。
 以上が、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#8
○委員長(円より子君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより両案について質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。
 今日は税制の問題でございまして、私は、税制による景気への対応をちょっとまず議論をさせていただきたいと思います。
 内閣府が発表をしました需要と供給のギャップというものを見ますと、二〇〇八年、昨年の十月から十二月期を見ますと、約二十兆円の需要不足があると。そして、様々なエコノミスト又は研究所の発表ですと、年間でおおよそ五十兆円の需給ギャップがあるという計算が出ております。したがいまして、今の景気対策、様々な手を今政府も打っておられるわけでございますが、需要をまず伸ばさなきゃいけないというのが大きな課題ではないかと思います。そういう意味で、私、幾つかの手を政府はもう打っておられると思いますが、私は基本的に全く不足していると思います。
 例えば、私が、今回約十万円から二十万円の新しいクリーンカーを、環境に適した車を買うときに減税措置が行われるという話がございますが、アメリカでは約七十万円、一台当たり。ヨーロッパにおいても五十万円から七十万円の減税や補助が行われているという状況でございまして、その車の買換えに対する需要の喚起にしても、やはりもう二倍から三倍も額が違うというふうな状況でございまして、是非とも景気対策というものをもっと深く税制上も考えていただきたいと思います。
 私が一つ提案させていただきたいのは、前の予算委員会でも話をさせていただきましたが、今、金融資産の大きな世代別の分布のギャップがあると。例えば、約千五百兆円と言われています我が国の金融資産、これは日経新聞のある雑誌に書かれたデータでございますが、千五百兆円のうち約四百五十二兆円が七十歳以上の方がお持ちだと。そして、六十歳から六十九歳の方が約四百九十四兆円ということでございまして、何とこの千五百兆円の金融資産、約三分の一が七十歳以上の方がお持ちであるし、約三分の一が六十歳から六十九歳までの方が保有されているという状況でございまして、非常にお金が必要でかつ消費性向が高い二十代、三十代は金融資産が少ないという状況です。例えば、三十代の世帯の金融資産は八十六兆円ということでございまして、六十歳円以上の方の金融資産の何と十分の一以下という状況になっています。
 ここで、与謝野大臣に是非お聞きしたいのは、景気を良くするために需要を起こさなきゃいけないと。その中で、やはり子育て世代や若い世代が金融資産がなく、なかなか消費に行けないという状況の下、贈与税や相続税をいじることによって有効需要の増加を起こすことができるんではないかというふうに考えます。ただ、大事なことは、ただお金だけを移せばいいというものではなく、同時に、贈与税や相続税を制度を変えた後に、例えば先ほど申し上げましたように自動車とか住宅、また、まあ家電はないかもしれませんけど、ある程度大規模な消費に結び付くような税制の設計を行うべきだと思うんですが、与謝野大臣の御意見をお聞かせいただけますでしょうか。お願いします。
#10
○国務大臣(与謝野馨君) 委員御指摘のように、需給ギャップが存在するということは明らかでありますし、これを公需でどの程度埋めるのか、また民需でどの程度埋めるのかと、こういう問題は我々がこれから直面していく問題であると思っております。
 また、先生御指摘のように、貯蓄はやはり高齢者に偏っている。本当にお金が必要な子育て世代等の貯蓄というのは極めて少ないという問題があります。そこで考えなければならないのは、高齢者の有する金融資産を活用し、どのように需要を創出するのかと、これを検討していくというのは極めて重要なことであると思っております。
 今の経済状況の中で景気回復にどう取り組んでいくか、どういう措置があるのかということは、これは高齢者世代から若い世代に資産移転をするということだけではなくて、それが需要創出にどうつなげることができるのか、どういう経済効果が見込めるのかと。それからもう一つは、そういう所得・資産移転を行った場合に、高額資産家だけを優遇することにならないかという議論に対してどうこたえていくのかという問題。それから、こういう制度をどう仕組めるのか、またこういう制度をつくった場合執行面で問題はないのかと、そういうことも考えていかなければならない。ただし、先生の御指摘のあった点は、需要を創出するということのほかに、やはり世代間で大変差のある金融資産の分布をややフラットにするという面からも大事であると思っております。
#11
○藤末健三君 是非、至急議論していただきたいんですよ。今みたいなサイクルで一年に一回見直しますよと、決めたら、来年の春まで待ってくださいだと、私は間に合わないと思います、恐らく。
 一番今必要なことは何かというと、政府が今、もう大臣は財政均衡論者であられますから、政府がこれ以上リスクを取ってお金を出すということに対しては多分少し懐疑的なところがあられると思います。ですから、私はまさしく、民間にある金融資産、これをやはりどんどん循環するようにするというのをやらなきゃいけないと。
 当然のことながら、金持ち優遇云々の話は出ると思いますが、大臣はウイン・ウインでなければいけないとおっしゃっていますけれど、ウイン・ウインであれば市場でできるわけですよ。政府がやるということはどういうことかというと、強制力があるということですね。ですから、そこはやっぱり政治家が意思を働かせ、やっていただくしかないと思います。ウイン・ウインではなく、やはりもし金持ちの方に無理やり使っていただくという方策もあると思うんですよ、あめだけではなく。もし、優遇策で使っていただくこともあるし、逆に規制的なもので強制的に使っていただくという方策も僕はあると思います、政府がやるならば。
 その点を是非御検討いただきたいんですが、いかがでございますか。急いで新しい観点でやっていただきたいということです。
#12
○国務大臣(与謝野馨君) 通常の税制改正は十一月から十二月にかけて検討して通常国会に出すというのが通常でございますが、こういう経済情勢においては年度改正という従来のしきたりにこだわる必要はないんじゃないかと、私個人としてはそういうふうに思っておりますし、それから、多分ウイン・ウインの関係も構築できるのではないかと私は思っております。
#13
○藤末健三君 私は税のプロじゃないので素人的な考えを申し上げますが、例えば高齢者の方々がクリーンな車を買って物品で相続するとか、あと家もエコ住宅、あと太陽光発電とかいうものを、物を買って相続するものについては税の控除みたいなもの、優遇措置を与えるとか、私は新しいスタイルの税制は絶対設計できると思うんですよ。
 何かお話しすると何か難しいとおっしゃるんですけれども、それはやる気がないだけであって、是非とも新しい仕組みを至急検討していただきたいんですけれども、よろしいでしょうか。
#14
○国務大臣(与謝野馨君) やる気がないと言われてしまうと困るんですが、やれるようにするためにはどうしたらいいかというのを今考えているところでございます。
#15
○藤末健三君 是非お願いしたいと思います。
 例えば、もう一つお願いがありますのは、そういう需要創出だけじゃなくてもう一つ大事なことは、やっぱり株価を上げるということが大事だと思います。単純に計算しますと、株価、日経平均が千円上がると約三十兆円の信用創造効果があるんですよね。今どういうことかというと、なぜ株価が落ちるかを見ていますと、個人の取引は回復をしているんです、昨年末ぐらいから。何が回復をしていないかというと、外国資本、外国投資家はどんどんどんどん約月一兆円当たり売り越していると。それでどんどん落ちている状況でございまして、極端な話を言うと、数兆円のお金が株式市場に流れれば株価は僕は上がる可能性があると思っています。そのことも是非検討していただきたいというのをお願いさせていただきます。
 それと同時に、私が重要だと思いますのは、やはり企業の体力を付けていただくことが重要じゃないかと思います。いろんな今厳しい決算報告が出されていまして、恐らくこの三月期の決算は今非常にもう大企業も含め苦しいものになるのではないかと。その中で私が心配するのは、次の世代の投資がどんどんどんどん削られている。多くの会社が研究開発費を減らし、そして設備投資を減らし、そして人への投資も減らすという、解雇が行われている中、私は、例えば研究開発費やあと社員の研修といった長期的な投資に対する税制のインセンティブを是非やっていただきたいと思います。
 特に私は研究開発の税制というのは非常に重要だと思っておりまして、今、研究開発税制は法人税額の二〇%が上限、増加型、高水準型は三〇%が上限ということで、法人税の三〇%若しくは二〇%が限界となっておりますけれど、これから利益率が減る中、この税制の減税のキャップ、利益が減りますから当然その減税のキャップが小さくなっちゃうわけですよ。そうしますと、RアンドD投資が非常に失速するんじゃないかということを気にしておりまして、是非とも大臣におかれましては、この法人税の二〇%という上限、これを何らかの手当てで変えていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#16
○国務大臣(与謝野馨君) 企業の研究開発投資に関しましては、昨年度の税制改正において新たな税額控除制度を創設し、税額控除の限度額を法人税額の二〇%から最大三〇%まで拡大するとの研究開発税制の拡充を行ったところでございます。
 また、企業の人材投資に関しましては、教育訓練費に係る税額控除制度について、従前の制度を改め、教育訓練費が増加していなくとも税額控除を可能とする制度への見直し等が昨年度に行われ、さらに今回の税制改正において適用期限の二年延長をお願いしているところでございます。
 議員御指摘のとおり、我が国の企業の競争力保持の観点から見て、研究開発投資、人材投資、これが大変重要な意義を有するということをよく私どもとしては認識しており、現行措置の十分な活用を期待するとともに、制度の利用状況等を踏まえつつ、引き続き関係者と議論を進めてまいりたいと思っております。
#17
○藤末健三君 特に、このRアンドDの減税の上限は考えていただきたいと思うんですよ。
 もう大臣も御存じのとおり、今どんどん売上げがもう一割二割三割落ちますという世界になっていると。そうすると、利益も、何とか、どういうことかというと、利益はもう十分の一とか半分以下、三分の一とかになるわけですよ。そうすると、例えば今まで法人税が五百億納めていたというところがあるとすると、その研究開発減税の上限は二〇パーだとすると百億円じゃないですか。ところが、もう利益はどおんと一気に百億円に落ちてしまうと、減税の上限が二十億になっちゃうんですよ。そうすると、張り付いちゃうんですよね。この苦しい中、この苦しい中に研究開発の減税のキャップがはまっていますと、一気にこの苦しい中で減税規模が落ちちゃうわけですよ。そうすると、本当は逆に今投資をしてもらわなきゃいけないのにマイナスに働いちゃう、高いレベルから低いレベルに落ちるわけですから。
 ですから、このRアンドD減税、研究開発減税の上限は私は撤廃すべきだと思いますが、いかがですか、大臣。
#18
○国務大臣(与謝野馨君) 研究開発税制では、試験研究費の総額に係る特別税額控除制度等について、控除し切れなかった金額を一年間繰り越すことを可能にしております。したがいまして、議員御指摘の点については、まずはこうした制度の活用が図られることとなると考えておりますけれども、いずれにしろ、この制度の利用状況等をよく見ながら考えてまいりたいと思っております。
#19
○藤末健三君 大臣、一年繰り越しても、あれすごく使いにくいと思いますので、ちょっと一回勉強されてください。ですから、本当に今のこの状況の中で頑張っている企業にやっぱり頑張っていただくということをやらなきゃいけないと思います。
 もう大臣も御存じのとおり、今、中国の方を見ますと、中国は、設備投資、研究開発投資を落としてないんですね。中央政府は号令を掛けて企業の設備投資、研究開発投資を増やさせているんですよ。もしこの状況が三年四年続けば、私は中国が、自動車であれ電機であれ、下手すりゃ逆転する可能性があると思います、日本が今手を抜けば、イノベーションに。
 ですから、至急、我が国の企業がきちんと頑張れる環境をつくるのは、私は政府の大きな責任だと思いますので、急いで検討していただきたいと思います。
 今は研究開発の話をさせていただきましたけれども、もう一つ気になりますのが法人の課税、税率の話でございます。
 いろんなデータを見ますと、私の今から申し上げるデータは、税だけの、法人税だけの話でありまして、社会保険料などは入っていませんけれど、私が持っているデータ、これ二〇〇五年から二〇〇七年の会計年度で、法人税を税調整前の利益で割った税率、実質税率がどうなっているかというデータを申し上げますと、我が国は大体三九・一%です。これは表面税率四〇%とほとんど変わらないという状況でございますが、一方で、例えばアメリカですと三一%、ドイツが二八・四%、お隣の国韓国が二二・六%、台湾は一二・二%となります。これは国の平均の値でございますが、皆様のお手元に資料をちょっと配らさせていただいていますが、実際に企業ごとに比較したらどうなるかというデータです。
 これは企業のPL、財務諸表から取ったデータで作っていただいた資料でございますが、左上に日本がございます。例えばシャープ、二〇〇四年から二〇〇六年の実効税率は幾らかと申しますと三六・八%、キヤノンは三四・八%、そしてトヨタは三七・八%となっています。一方で、お隣の国の韓国、シャープのライバルであるサムスンは何と一六・七%と。LG電子は九・二%、現代自動車が二六・四%と。例えばアメリカでも、GEという会社は一六・五%、インテルは二九・五%というふうになっているという状況で、また中国も表面税率は三三%となっていますが、これはもう今は二五%にもう落ちています、既に。あっ、資料配っておられませんか、済みません。ありますか、ちょっと是非見ていただきたいんですが。台湾に至っては、半導体会社なんかを見ますと二・五%とか三・〇%という非常に低い値になっている。これは表面的に見ると、三〇%と三%の比較ですけれども、これが例えば五年とか四年になると、もう大臣も御理解いただけるとおり、キャッシュフローの回転率が入りますから、これ二倍以上の開きになるんですね、投資意欲は。それだけの差が開くわけですよ。
 ですから、本当に今、私たちのこの苦しい中で企業が新しい投資、研究開発、そして人材開発などをするためには、やはりこの法人税の在り方考えなきゃいけないと思うんですが、いかがでございますか。
#20
○国務大臣(与謝野馨君) 今回御審議をお願いしております税法の附則には、法人税制についても一応その検討の方向を書いてございます。
 先生の御指摘の点、他の国との比較はどうかと。これはやっぱり、国際的な法人税制の動向をも考慮に入れて次の法人税制を考えるべきだということが書いてありますので、先生のようなお考えが多分主要な法人税の論点として次の法人税制改正では取り上げられると私は思っております。
#21
○藤末健三君 私、ここで申し上げたいのは二つございまして、一つは、税制だけじゃなくて社会保険料の企業負担がどうなっているかということも総合的に考えていただきたいということが一つと、そしてもう一つあるのは、私が減税と申しますか法人税を世界的にイコールフッティングにしてほしいと申し上げるのは、国際的に活動している海外の企業とコンピートというか競争しているような企業だけにしていただきたいと思います。
 国内だけで活動している法人は私は要らないと思うんですよ。例えばここにある、もう実名挙げるとシャープやキヤノン、トヨタさん、韓国企業、中国企業と競争していて税率が違う。そうしますと、当然もう投資意欲は全く変わってきますので、少なくともうまくイコールフッティングにまでは持っていっていただきたいなと思います。
 実際にお願いしたいのは、もう法人税を全部下げるという話ではなくて、例えば私も調べ切ってはいないんですけれども、台湾とか韓国の話を聞いていますと、いろんな優遇税制、半導体・ハイテク優遇税制、輸出型企業優遇税制といった国際的に活動している企業に対する特別な支援税制をつくっているんですよ。ですから、そのような形を私は検討していただいた方がいいと思っています。
 今の議論ですと、附則では法人税全体を見直すということではございますけれども、私は国際的に競争している企業のイノベーション、競争力を強化するという目的で、先ほど申し上げましたように、研究開発税制を設計していただくし、あと人材の育成も検討していただくし、あともう一つは設備投資も含め、検討していただきたいということをお願いしたいと思います。
 続きまして、納税者番号と社会福祉番号についてお話をさせていただきたいと思います。
 納税者番号、こちらの方は財務省で議論させていただき、社会福祉番号というかカードの議論、これは厚生労働省さんが議論されていますが、それぞれの検討状況について、また今後のスケジュールについて簡潔に短く御説明ください。
#22
○国務大臣(与謝野馨君) 納税者番号制度は、基本的には的確な所得把握により適正公平な課税の実現に資するものであり、さらに今後、税制を国民の利便向上の観点から柔軟に設計していく上でも必要不可欠であると考えておりますし、また行政の効率化にも資すると、そういう意義も有するものであると考えております。
 納税者番号制度については、今般の税制改正法案附則において、今後の消費税を含む税制抜本改革の基本的方向性として、納税者番号制度の導入の準備を含め、納税者の利便の向上と課税の適正化を図るということとしており、今後、この基本的方向性を踏まえ、検討を進めてまいりたいと考えております。
#23
○大臣政務官(戸井田とおる君) 現在、厚生労働省に検討会を設けまして、年金、医療、介護などの社会保障制度全体を通じた情報化の共通基盤となるものとして社会保障カードの実現に向け、いわゆる社会保障番号の活用も含めた検討を行っているところであります。
 今後、平成二十三年度を目途とした実現に向けて、国民の皆様の御理解を得ながら、関係省庁、関係機関等とも十分に連携しつつ、更に検討を進めてまいりたいと思っております。
#24
○藤末健三君 政務官にお聞きしたいんですが、具体的な連携というのはどういうことをなされていますか。
#25
○大臣政務官(戸井田とおる君) 今、検討会を設けてそこで検討していただいているところでありますけれども、本人を特定するかぎとなる情報、本人識別情報と中継データベースの活用によりまして、プライバシー侵害情報の一元化管理に対する不安が極力解消されるような仕組み、そんなこと等を考えております。
#26
○藤末健三君 与謝野大臣にちょっと是非お願いしたいんですが、ここに二つ資料がございまして、社会保障番号、カードを作っていますという議論は厚生労働省さんが議論していると。なぜか知らないですけれども、コンピューターシステムの開発までもう議論始まっているんですよ、番号じゃなくて。こちらは、一方で財務省さんが納税者番号を議論していると。この二つの議論が両方一緒に進んじゃうというのは非常に危険だと思いますね。
 どういうことかと申しますと、このままいくと恐らく二つの番号ができちゃいます、これは。そうすると、まず一つ問題なのは、ユーザーの国民の利便性、二つの多分恐らくカードを使って処理しますよという恐ろしく不便な仕組みになるんじゃないかというのがまず一あります。
 二つ目にございますのは、社会保険料と税金、別々に処理する。こっちはこっちの口座、こっちはこっちの口座となりかねないと思うんですよ。恐らく手間も掛かるし、あと管理の問題、これは恐らく役人の人たちの管理が多分二重になります、これは恐らく、間違いなく。
 そして、一番私が問題だと思っていますのは、今回定額給付金というやつ、ある意味、ばらまきじゃないですか、正直言って。(発言する者あり)私は、いや、そう思います。これは本当に貧しい方々、お金を持っている方々にはもらっていただかないようにすべきなんですよ。貧しい方々にやっぱり配るべきですよ。
 なぜできないかという話を聞きますと、窓口でシステムでだれが幾ら所得があるかというのは確認できないというんですね、地方自治体で。システムがばらばらだから。もしシステムが一つであれば、窓口でだれがどれだけの収入があると、あなたの収入はこれだけあるからもらわないでくださいと言えるんですよ。ところが、もしこのままただ別々にやっていたら、収入も分からないという話になる。
 例えば、後期高齢者医療制度あったじゃないですか、昨年四月です。私がびっくりしたのは、年金が月三万円の方がおられるんですよ。その方も六千円天引きになっていたんですよ。そういう方何人かおられました。私はもう暮らしていけないとおっしゃっていた。
 私は、厚生労働省の方に何で年金三万円の方が六千円引かれるんですかとお聞きしたら、いや、これがフェアなんですと、公平なんですと言うんですよ。なぜかというと、収入がどれだけあるか分からないから、ある程度分かっているんですけれども、完璧に把握できていないから、みんなから六千円ずついただくのが公平なんですとおっしゃるんですよ。
 実際に、先ほどのデータもありますように、高齢者の方々、金融資産があり配当があり、そしてまた家を持っている方は家を貸しておられる。ですから、本当にきちんと、例えば税務上の収入が全部分かっていますと、ここで。もう一方、同じような画面で社会保険料も管理できたら、あなたはこれだけの収入があるから年金我慢してください、あなたは収入が少ないから医療保険を払わなくていいですと、そういうきめ細かい管理ができるはずなんですよ。
 ですから、これ大事なことですよ、大臣。絶対一本化、一つにする、アメリカはそうなっていますからね、ソーシャル・セキュリティー・ナンバーで。納税者は全部その番号で処理できるんですよ。そういうふうに持ってきていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。お答えください。
#27
○国務大臣(与謝野馨君) 議員御指摘のとおり、二つも番号を作る必要はないわけでして、一つの番号で両方の事務が処理できればこれは理想的なことでございますけれども、そのときよくよく考えなければならないのは、やはりプライバシーをどうやって守るか、あるいは経済取引もいろいろな取引がありますので、そういうものに対してどういう影響があるのか、そういうことをきちんと検討した上で、同じ番号を導入することについては、私は合理性があると思っております。
#28
○藤末健三君 是非、もう官庁の中の官庁と言われているわけですから、財務省が主導して議論していただいた方がいいと思います。少なくともこんな二つのものが議論されているという状況は、僕は非常におかしいと思いますね。ですから、財務省がやらなければ内閣官房かもしれませんが、少なくとも一本化して議論することをお願いさせていただきたいと思います。
 続きまして、ちょっと税と関係はないんですが、農林中金という金融機関の話に移らさせていただきたいと思います。
 ここに日経新聞がございまして、三月十六日付け、農林中金が一兆九千億円の増資を行うということが載っており、またかつ今の現理事長が三月三十一日に辞任されるという話が載っていますが、事実関係を農林水産省の方お願いします。
#29
○政府参考人(今井敏君) 農林中金についてでございますけれども、去る二月二十日の経営管理委員会におきまして、今月中を払込み期日といたします最大一兆九千億円の増資を決定いたしております。
 また、役員の人事でございますけれども、現在、理事長は上野理事長でございますけれども、三月三十一日で退任するということも、同じくその日の経営管理委員会で決定されたと承知しております。
#30
○藤末健三君 この農林中金の理事長の方、今、元々農林水産省の事務次官を辞められて、理事長になられています。歴代、たしか四人おられますよね、理事長が。すべての理事長が農林水産省の事務次官経験者と。そして、現理事長の方は前に一つ公的な仕事をなされている、ある意味わたりという状況になっています。
 そこで御質問申し上げたいのは、今の理事長の方の役人時代の給与、退職金も含め収入、この三十四年十か月で約幾らぐらいであったか、推定で結構ですので教えていただきたいと思います。そしてまた、次の辞められて行かれた基金での給与及び退職金、そして今農林中金でもらわれている給与及び三月三十一日にもらわれるであろう退職金、それぞれお答えいただきたいと思います。お願いします。
#31
○政府参考人(今井敏君) まず一点目の、上野理事長の国家公務員としての、国家公務員時代の給与総額、退職金の額というお尋ねでございますけれども、これ、個人のプライバシーの問題でございますので、農林水産省としてなかなかコメントいたしかねるということでございます。
 二点目、農林漁業信用基金時代の役員の報酬額、また退職手当の額ですけれども、現時点での独立行政法人化された農林漁業信用基金におきましては役員の給与等は公表しておりますけれども、上野理事長が在籍していたのはそれ以前の段階ですので、農林水産省として把握してございません。
 三点目、農林中金での役員の報酬等でございますけれども、それは農林中金が自ら決定する事項でございますので、農林水産省としてお答えする立場にないということで御理解願いたいと思います。
#32
○藤末健三君 今の回答、例えば役人時代の給与云々というのは、一般的な給与基準があるはずですから答えられるはずです、これは。
 これは、委員長にもお願いしたいのは、資料提供を是非理事会で検討していただきたいと思います。
#33
○委員長(円より子君) 後刻理事会で協議いたします。
#34
○藤末健三君 じゃ、ちなみに私が調べましたデータを申し上げますと、当時の理事長が辞められたころ、現理事長を辞められたころの退職金手当は大体七千五百万円です。そして、年間報酬が二千三百五十万円、二千三百五十万円という状況でございます。三十四年勤務されましたので、まあ年間平均一千万円ぐらいの給与だったとすると全部で四億円ぐらいもらわれているんではないかなと。これはあくまでも推測でございますので確かなことは言えませんが、四億くらい行かれているんではないかという気がします、正直申し上げて。
 次に移られた基金、これは大体、今のデータから推測すると二千万円以上はもらわれていると、年収。過去の退職金の規定でいえば、これはまた推定ですけれども、恐らく六千万、七千万はもらっているんではないかと。ほかの事例ですよ。なぜか知らないですけど、ほかの事例は公開されていますからね、データが、ほかの類似の事例は。なぜこれだけ出ないか不思議です、はっきり言って。大体六千万ぐらいはもらわれていると。そうすると、恐らく一億円以上はもらわれています。
 次に、御質問です、これが。農林中金での年収というものが我々民主党の部門会議においては四千百万円ということをおっしゃいましたけど、その四千百万円ということを民主党の部門会議でおっしゃったことが事実かどうかだけ答えてください。イエスかノーか。お願いします。
#35
○政府参考人(今井敏君) 金融機能強化法のときにそういうお尋ねがございまして、上野理事長から十九年度の報酬額として四千八十万円の所得があったということは御報告申し上げております。
#36
○藤末健三君 それは、手当とかを含んでおられますか、含んでいないですか。
#37
○政府参考人(今井敏君) 十九年度一年間のすべての報酬額ということの報告だったと思います。
#38
○藤末健三君 四千百万円の年収。私がこれはあくまでも雑誌とか人から聞いた話なんですけど、これは手当が入っていないんじゃないかという話をされました。たしか、役員報酬が総額で三億二千万ぐらいで、役員が十三人ぐらいおられますという状況。そうすると、一人当たり平均で三千万円なんですね、役員報酬が。理事長が四千万円というのは、ちょっと差がなさ過ぎるんじゃないかという指摘をしている方がおられました。
 そして、もう一つ大事なことをお聞きしたいんですが、ある雑誌には理事長の退職金が三億二千万円だと載っていたんですけど、それについていかがですか。雑誌に載ったことは認識されていますか、まず。お答えください。
#39
○政府参考人(今井敏君) 先ほども申し上げましたように、その退職金の額等につきましては農林水産省としてお答えする立場にございません。
 その雑誌に載ったものにつきましても、申し訳ありませんが、私自身は承知しておりません。
#40
○藤末健三君 今までのものを簡単に、推計、推定になりますけれども、計算しますと十億円超しちゃうんですね、実は、十億円を。これが世間の常識に合うかどうかというのはあると思います。今批判されているわたりというものをして、そして、よろしいですか、これはなぜ、一兆九千億円の増資をしなきゃいけないということですが、なぜ一兆九千億円の増資しなきゃいけないんですか、お答えください。
#41
○政府参考人(今井敏君) 現在、国際的に金融市場の混乱が続いているわけですけれども、今後更にそういう状況が厳しくなった場合におきましても、農林中金として安定的な財務基盤を確保する、そういう必要性を認識して決定したことと承知しております。
#42
○藤末健三君 これ、昨年九月の中間決算期でいくと、アメリカの証券投資、いろんな債券を買われておられて、その含み損が約一兆六千億円というふうになっているんですね。これどうですか、事実関係。──ああ、いいです。じゃ、私答えます。
 これが中間決算期の答えで、金融大臣、一兆六千億円の含み損、この九月で。今どんどんどんどん落ちているじゃないですか、外国の債券の値段は。これはもっと次の決算期では大きくなるんじゃないかという話があります。
 非常に不思議なのは、次の決算を見ずして、理事長、まだ任期終わったわけじゃないんですよ、辞められるわけですよ、答えを見ないままに。それで、少なくとも、昨年の中間決算では一兆六千億円の株価下落などでの損失、まあまだ確定していませんから損失にはなりませんけれど、評価の目減りがありますと。そういう方が、三月三十一日に辞任されて、退職金をもらうかもしれないという状況ですけど、大臣、いかがですか、この状況。AIGの問題とかありますよね。
#43
○国務大臣(与謝野馨君) 農林中金の理事長が交代する旨の発表があったことは知っておりますけれども、個別金融機関の人事に関する事項についてはお答えは差し控えさせていただきたいと思っております。
 いずれにしましても、各金融機関においては、経営者のリーダーシップの下、法令等遵守体制やリスク管理体制等の充実、適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮に向けてしっかり取り組んでいただくことが重要であると考えております。
#44
○藤末健三君 私は、農林中金が悪いという話ではないし、その傘下のいろんな農業系の金融機関が問題があるというか、頑張ってほしいと思っています。
 私が審議官にお願いしたいのは、二つございまして、まず一つは、農林中金という金融機関、これは農業や林業などの方々に対する資金提供なんですね。ところが、実際に何が行われたかというと、ほとんどのお金をそういう農林業者に貸さないで外国で運用しましたと、そして今評価損が出ていますという状況になっていると。これは改めていただきたいと思います。農業のために資金を提供するような組織に変えていただきたいと思いますし、そして二つ目は、少なくともこれだけ天下りがいろいろな問題になっている中において、これだけの表面的な損失を生んだ組織のトップが、よもや三億円以上の退職金をもらって辞めるようなことはないだろうということを所管官庁に確認したいんですが、いかがでございますか。
#45
○政府参考人(今井敏君) 今、先生の方から二点の御指摘がございました。監督官庁としてしっかりと受け止めさせていただきました。
#46
○藤末健三君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 そして、この金融機能強化法が昨年末に通りましたけれど、その附帯決議に、農林中金については、万が一の場合ですよ、万が一の場合、公的資金が注入された場合には、農林水産行政に深くかかわった理事長については、その報酬等処遇の情報は自主的な開示がなされるように強く促すこととございますんで、これを忘れないように農林水産省は新しい農林中金の再構築をやっていただきたいと思います。
 これで質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#47
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。引き続き質問をさせていただきたいと思います。
 まず、与謝野大臣、三大臣の兼務ということで、非常にたくさんの責任を一人で背負われて大変だというふうに思っております。今回の中川前財務大臣の突然の辞任でこういう形になったわけですけれども、何というんですか、今、財政のいろんな補正予算等々で三段ロケットと言われておりますけれども、もう大臣はまさに大臣の三段重ねということで大変本当にお疲れだと思います。
 本当に大変だと思っておるんですけれども、私、平成十八年の五月のとき、こちらの委員会で与謝野大臣に質問したことをちょっと思い出しました。そのときたしか、小泉元総理が引退されて次の総理だれになるかといった議論があったときに、私は、与謝野大臣のような方が総理にふさわしいんじゃないかと、自民党の中でなるんであればということでお話ししたことがあります。それは、なぜそういうことを申し上げたかというと、非常にはっきりと物事をおっしゃっていたんですね。あのとき、いろんなサラ金の問題とかあって、サラ金業者が非常に高利でやっているにもかかわらず、テレビコマーシャルをどんどんやっていることはけしからぬとか、あと、元竹中大臣が成長と金利の問題でごちゃごちゃごちゃごちゃへ理屈を言っていたときも一刀両断でそれをばさっと切っていただいたり、非常に明快なことをずっと発信していただいていたということで非常に期待をしておりました。
 その後も、財政再建に向けて周りからのいろんな意見がある中で財政再建路線を非常に堅持していただいたということで、その点は非常に尊敬申し上げてきたわけでございますけれども、非常にちょっと残念というか心配なのは、ここに来て財政再建路線から路線を少し変えたんじゃないかといったようないろんな報道なりコメントがなされておるんです。
 そのことについて、基本的な考え方はぶれていないのか、それとも、やはり今こういうときはもう財政再建は二の次なんだと、プライマリーバランスはもっと先でもいいんだというお考えに転じられたのかどうか、その辺のまず基本的な考え方をお伺いしたいというふうに思っています。
#48
○国務大臣(与謝野馨君) 現住所はちょっと怪しいんですが、本籍は財政再建論者でございます。
 そこで、プライマリーバランスを始めいろいろな財政再建目標がありますけれども、もう先生すぐお分かりいただけると思うんですけれども、日本の財政をこのまま放置しておくと、財政自体も駄目になりますし、我々が最も大切にしなければならない医療とか年金とか介護の制度が続けられなくなる、最後にはインフレというところに逃げてしまう、あるいは日銀の国債増発というところに逃げてしまうと。これはやっぱりやってはいけないことでございまして、私は本籍はあくまでも財政再建をやらなければならない財政タカ派でございますから、その点はお疑いを抱かないようにお願いを申し上げたいと思います。
#49
○富岡由紀夫君 今の御答弁をお伺いして安心しました。(発言する者あり)いや、財政再建で本籍を動かさなかったということで私は安心いたしました。
 今いろんなやっぱり財政出動が叫ばれているわけですけれども、もちろんそれは今景気を刺激するために必要な部分はあろうかと思いますけれども、もちろんその財政出動の中身、やり方も、従来型のばらまきじゃ駄目だし、いろんな新しい雇用を生むような若しくは新しい環境に貢献できるような、そういった分野に貢献するのはいいと思うんですけれども、ただ、今言ったように、財政再建という大きな、財政赤字という大きなおもしを背負っている以上、その辺はしっかりコントロールしないと、今言ったように、金利が上がったらもう一気にこの国は吹っ飛んじゃうわけですから、国債の利払い費だけで、もうとてもじゃない、予算を組めないと、最終的には、ハイパーインフレじゃないですけれども、インフレで国家をすべてもう本当に財政破綻に結び付けないと、この財政赤字の状況からは脱することができないという状況があるわけです。
 これは、アメリカと日本と、あとヨーロッパの国と日本と比較した場合も、非常に日本の状況というのはほかの国に比べて全く状況が違うというふうに思っております。よく財務省さんが毎年、財政赤字の国際比較の表を、OECDベースの表を皆さんに配って、我々もこれで見させていただいているんですけれども、ほかの国が大体GDP比、財政赤字の比率が大体六割、七割ぐらいのところなんですけれども、日本だけが一七四%ということで非常に突出しているわけでございます。ですから、同じ景気対策、財政出動といっても、ほかの国と同じような調子で私はできないんだというふうに思っております。
 その点についての、昨日の報道なんかを見ると、自民党の与党の中のいろんな調査会というか勉強会の中で、変な話ですけれども、従来型の道路とか橋とか港湾とか、そういったものに十何兆円もまた公共工事をやるべきだといった議論なんかもあるというふうに報道されておりますけれども、よもやそんなことに耳を傾けることはないだろうというふうに思っておりますけれども、国際的な比較の中で日本の置かれた位置、その中でこれからの景気対策、財政出動、財政赤字の再建等の問題とも絡めてどういうお考えをお持ちなのか、お伺いしたいと思っております。
#50
○国務大臣(与謝野馨君) これからいろいろ申し上げますけれども、これは決して平成二十一年度の補正予算を意味しているものではなくて、一般論として申し上げるわけでございます。
 一つは、仮に財政出動があったときにどういうふうに頭の整理をするのか。これは、従来の公共事業の波及効果というのは今は一を切っているという現状ですので、景気対策としての公共事業というのは意外に効果が少ない、そういう問題が一つあります。
 それからもう一つは、公共事業をやる、あるいは財政出動を行うにしても、これは我々のお金でやるんではなくて、我々の後の世代の人たちに結局は借金を払ってもらうという形でやるわけでございます。
 したがいまして、少なくとも心掛けなければならないのは幾つかあって、一つは国民生活に直接寄与するような分野への支出、例えば医療とか年金、これは多分、財政出動は許されるんだろう。それから、地球規模で直面している例えば環境問題あるいはクリーンエネルギー、こういうものに対する支出というものは許されるんだろうと。それから、やはり日本の国の生産性あるいは国際競争力を高める、あるいは後で花開くような研究開発分野、こういうものは財政出動があっても許されるんではないかと、そういうふうに思っておりますが、いずれにしても人様からお金を借りてきてお金を使うわけですから、賢い使い方をしないと笑われるし後の世代に御迷惑をお掛けすると、そのように思っております。
#51
○富岡由紀夫君 先日、予算委員会の中で、今、国の二十一年度末、来年度予算が執行されて二十一年度末の借金の残高をお答えいただきました。それをもう一度確認しますと、国の債務残高、国債と地方の債務残高をすべて合わせると千六十九兆円になるということでございます。一億二千七百五十万、日本全員で割ると一人当たり八百数十万円の借金ということでございまして、今言ったように、後世に、それこそ自分の子供じゃなくて孫にまで負担を、借金を背負わす今状況になっていますから、これはやっぱり本当に限られた予算の中でどれだけ有効的に使うかというのが大変な問題だというふうに思っております。
 そういう中で、景気の回復ももちろん必要なんですけれども、経済成長というものを言っているわけですね。常に成長を目指しているわけですけれども、ところが一方で人口は今減っているわけです。合計出生率なんかを見ると、これから多分ずっと人口は減少していくことになるだろうと思っているんですけれども、その人口が減少する日本の社会と経済成長、これはどうやって両立させていくお考えなのか、お伺いしたいと思っております。
 単純に考えると、GDP、国内総生産を増やすわけですから、で、人口は減っているわけですから、一人当たりのGDPを増やす、逆に言うと一人当たりの消費を増やすという話になりますから、そうするとどういうことかというと、今省エネという問題もあります、地球温暖化の問題とか限られたエネルギーを効率的に使うといった問題があると思うんですけれども、その辺の問題を、非常に二律背反するような問題が非常にあるわけですけれども、その辺をどういうふうにクリアしようというふうに与謝野大臣はお考えなのか、お伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(与謝野馨君) 人口が減っていくわけですから、今の例えばGDPの水準を維持していくためには一人一人の生産性が高くなっていかなければならないわけです。しかし、人間が働くのは限度がありますから、一人一人の生産性というのは実はイノベーションの繰り返しがないとそういう生産性の上昇というのはないと私は思っておりまして、そういう意味では、今なすべきことは、新しい基礎研究を含めて研究開発に今力を入れておかないと後で花開かないということもあって、やっぱりいわゆる賃金ではよその国とは競争できない、資源でも競争は日本はできない、やっぱり知恵と技術で競争をしていくしかないと思っておりまして、そういう知恵と技術で日本の国際競争力、生産する力というものを維持していくということが日本が生きていく私は道だと思っております。
#53
○富岡由紀夫君 イノベーションによって生産性を上げていくということでございます。確かに、それが実現できれば人口が減少していく中でも成長は遂げることができると思うんですけれども、ただ、今言ったように、知恵と技術を国民全員が持っているかというと、実はなかなかそうじゃないんですね。確かに一部の人は、一億人もいるわけですから、一部の人はそういったすばらしい知恵を持って、すばらしいイノベーションをして、すばらしい生産性を上げることができるかもしれませんけれども、そういう人は多分ごく一部だと思うんですね。ほとんどの人は、私も含めてですけれども、そんな画期的な、いろんな生産性を飛躍的に向上させるようなイノベーションは私は実現することはできないというふうに思っております。
 そうすると、それを、生産性を上げるということを一面的な面だけとらえて今日本の社会の中でどういうことが進められているかというと、生産性を上げるイコール効率化ですよね、効率化イコール人件費を下げると、リストラするんだと、そういったところに今行く方向が向けられてしまっているような感じがしております。
 人を切って、リストラをして、人件費を下げて生産性を上げたところはいいんですけれども、切られた人はどうするのかと、リストラされた人はどうするのかと、賃金を引き下げられた人はどうするのかといった問題をやはり考えていかないと、日本国民全体の豊かさの向上とか幸せの向上、そういったものが私は実現できないと思っております。イノベーション、生産性、革新的な技術、基礎研究の開発、知恵、そういったものを言うのはもちろん必要かもしれませんけれども、それで日本を全部引っ張っていけるかというと、私はそうじゃないと。そういった人は本当にごくまれな人だと。そうじゃない大多数の人をどうやって、どういうふうにそういったほかの人たちを豊かにして幸せにするかと、それが私は我々政治家の役目だと思っているんですけれども。
 もうそういったイノベーションをできる人はほっぽっておいてもいいんですよね。自ら生きて、国際社会にほっぽり投げたって国際社会の中で競争して生きていけるわけですから、そういった能力ある人は。そうじゃない人がほとんどなわけですから、そういった人たちをどうするかということにやっぱり力を入れないと私はいけないと思っているんですけれども、そういった観点で、与謝野大臣、何かお考えありますか。
#54
○国務大臣(与謝野馨君) 私がお話ししたのは、どうやって富を創出するかというお話をしたので、社会的に富がどう分配されるべきかというのはまた別の話であると思っております。
 多分、ここ十五年ぐらい起きた話は、やっぱり日本が古来持っていたセーフティーネットを失い始めたと。今まではやはり何といっても老後になれば家族がサポートしてくれるという、ある意味では家族が供給していたセーフティーネットがあった。それから、いろんなことを言われながらも会社も終身雇用というセーフティーネットを実は提供していた。そういうものがなくなったときにやっぱり我々の社会はぎすぎすし始めたんではないかと、私は個人的にはそう思っております。
 したがいまして、そういう意味では、日本人は、富をつくり出すということも大事ですけれども、社会全体として穏やかな社会を形成すると、そのための社会的なセーフティーネット、社会全体としての富の分配の仕方とか、そういうことも実は非常に重要な問題であると思っております。
 それで、私は、自民党の中にいて税制改正やなんかやってまいりましたけれども、例えば所得税制なんかは、日本の所得税制は非常に累進度の高い所得税制だった。世界的には所得税制がだんだんフラット化していく中で、日本も所得税制のフラット化というのをやってきたんですが、今考えると、やっぱり最高税率やなんかのところはちょっと手直しをしないといけないと、今そういうふうに思っております。
 それはなぜかといいますと、最高税率を上げると税収がいっぱい入ってくるということではなくて、最高税率を上げることによって人々に公平感を与えるという効果もあるわけでして、そういうこともやっぱり政治としては考えなきゃいけない大事な点だろうと思います。
 特に、今回の税法の附則の中には、所得税の改正の方向として最高税率のことも考えていただくということになっておりますので、これは国会の論議を通じていろいろ先生方で御議論をしていただきたい重要な私は点であると思っております。
#55
○富岡由紀夫君 附則の中で、最高税率を見直しをして、要するに引き上げて、所得の再分配機能をもう一度取り戻すんだというお話だと思いますけれども、その観点で予算委員会の中でもこういう質問をさせていただいたんですけれども、今税収不足、ばさっと、ざくっと言って十五兆ぐらい足りないというこの間のお話だったんですけれども、じゃ、その税収の観点からいうと、そのときも最高税率、所得税のお話あったんですけれども、たまたま今回、今資料で配らせていただきましたけれども、財務省さんに出していただいた資料を見ていただきたいんですけれども。
 これを見させていただくと、今おっしゃられたとおり、そういった累進税率、最高税率を、高額所得者に対する累進税率を上げても、税収的な、税収増の観点からいうと、そんな寄与はない、大きな税収増にはならないということだというふうに思っています。同じように相続税も、フラット化の流れを少しまた傾斜を付ける方向に戻したとしてもそれほど税収の増には結び付かないと。ただ、今言ったように、みんなの公平感というか、所得なり資産なりの再分配という観点からいうとこれは必要だと私も思っております。そういった意味で、こういったことは必要だと思っております。
 ただ、ひとつ議論の中で、先ほどの議論もちょっとありましたけれども、疑問をちょっと持っているのは、法人税について、私は、ちょっと引き下げる方向だという先ほど御答弁ありましたけれども、本当かなというふうに私は思っております。法人税、法人税率の引下げを国際競争力の観点から引き下げるべきだという議論がいろいろありますけれども、これはよく慎重に考えないといけないのかなと、こういうふうに思っております。
 この附則の中にも書いてありますけれども、法人税の見直しについては、社会保険料を含む企業の実質的な負担を考慮、留意しつつ、あと課税ベースですね、その範囲、そういったものを拡大するといったものを踏まえて実効税率の引下げを検討するというふうに書いてあるんですね。何でこれでいきなりもう引下げになっちゃうのかなというふうに疑問に思っております。
 例えば、政府税調さんのいろんな検討の中で、企業における社会保障の負担と税の負担、これを国際的に比較すると、例えばフランスやドイツより日本の方が税負担率、税と社会保障の負担率を見ると決して高くないといった報告なんかも資料としていただいております。
 ですから、この中で最初から決め付けのように法人税率は日本は高いんだと、実効税率は高いんだと、だから下げるべきだといった議論は私はやや短絡的過ぎるのかなというふうに思っております。もっともっと詳しくいろいろと調べて検討する必要があると思っています。
 たまたま我々民主党、昨日、租税特別措置法の透明化法案、要するにいろんな税の優遇措置をやっていますけれども、それは具体的にどういった企業がその恩恵を受けているのか具体的に明らかにすることを求めている法案なんですけれども、やはりそういったものをしっかりと実行して今の日本の税体系がどうなっているかといったところを確認しないと、ただ単にいつも経団連が言っているように法人税下げろ下げろと言って下げればいいというものじゃないと私は思っております。特に、租税特別措置、いろいろな税制優遇受けている大企業は実効税率というか表面税率というんですか、実体的な面では決して高い税負担じゃないといったいろんな検討資料もあります。
 私も今具体的に数字で調べていますけれども、やはりそういったところをよく調べないと、一律に法人税を下げろといった議論に結び付くわけじゃないというふうに私は思っているんですけれども、その辺について是非もう一度お考え直していただきたいという要望なんですけれども、いかがでしょうか。
#56
○国務大臣(与謝野馨君) ここ十年ぐらい経済界とか言論界でもはやったのは、会社は株主のものであるという思想であったわけです。株主価値の最大化なんという言葉がはやったんですが、私は本当かなと思っていまして、やっぱり会社というのはもちろん所有権は株主にあったとしても、会社というのは従業員のものであり、取引先のものであり、下請のものでありという、そういう社会的存在であったわけです。
 会社は株主のものだという思想だけでやってまいりますと、仮に法人税を下げたときに、それが下げた分だけみんな配当に回っちゃうというようなことであれば、法人税を下げる実は意味がないと思っております。やっぱり法人税を下げるのであれば、法人が新しい研究開発をやるとか技術開発をやるとか、あるいは従業員の待遇を良くするとか、下請との取引条件を良くするとか、そういうことであれば私は法人税を下げる意味があると思いますけれども、配当性向だけをどんどん高くしていく、例えばそういうことのために法人税を下げるというのであれば社会的意味は非常に薄いんではないかと、私はそういうふうに思っております。
#57
○富岡由紀夫君 是非その辺をよく検証していただきたいと思っております。
 先日の予算委員会でもお話しさしていただいたんですけれども、法人税は二十年前と比べて一三・三%下がっております、四三・三%から三〇%になりましたと。法人税収、これは直近の出ている数字が平成十八年度ですので、それで比較すると、法人税収がその平成十八年のときは十五兆円だったんですね、十五兆円。それがもし仮に四三・三%、法人税率が下がる前の数字だったとすると、二十二兆円という数字が法人税として入ってくることになっていたんです。
 どういうことかというと、法人税率を一三・三%、二十年間で下げたことによって、本来入るべき法人税収が七兆円減ったわけですね。その七兆円が例えば下請企業に利益分配として行くとか従業員に給料引上げのために行くとか、それだったら確かに私も納得するんですけれども、実はそうじゃないと。その間、二十年間で配当はどうなったかというと、三兆円の配当金が十六兆円になっているわけです。七兆円の法人税収が下がって、それにプラスされた幾らかが、その分が丸々もう配当金に行ったというふうに考えられるわけですね。
 配当金を払うために法人税収を下げる、配当金を払うことが国際競争力の強化になるかと、私は非常にそれは問題だというふうに思っております。七兆円下げて配当金が十三兆円行っているわけですから。こんなことのために法人税下げる必要はないと私は思っております。
 それで、さっき言ったように、そもそも今、今回、中小企業の軽減税率がまた二二から一八に下がりましたけれども、これ利益上げている企業が初めて恩恵を受けるわけなんですね。今、多分直近の数字だと七割ぐらいの企業が赤字です。それは多分ほとんどが中小企業、今回のこういう軽減税率を適用となる、もし利益があればなるところなんですけれども、そういったところは全部ほとんど赤字ですから。で、今回、この二二%から一八%に下げてどれだけの効果があるのかなといった議論が私はあると思っています。
 税というのは、やっぱり公平とか中立とか簡素とかいろんな原則はありますけれども、やはり基本的には税負担ができる、担税力、税の負担ができるところに相応の負担してもらうということが私は大きな原則の一つであろうかというふうに思っております。
 そういった意味で、大企業のところはまだまだ、売上げが非常に厳しいと、決算は一期、二期先までは厳しいかもしれませんけれども、まだまだ私は底力というか、内部留保なんかも見てもまだ潤沢な企業いっぱいあります。余り個別の企業を言うとあれですけれども、新聞に出ていますから言いますけれども、トヨタなんかは十二兆円も内部留保があるというお話でございます。十二兆というと、韓国の一般会計予算と同じ金額だそうです。ですから、それだけのまだ力を持っているところがあるわけですから、そういったところにはやはりそれなりの税負担をしていただく必要があるのかなというふうに思っております。
 そういった観点で、是非その法人税率の引下げは、政府、後でまた言いますけれども、この海外の配当金の、今回の問題でまた言いますけれども、いろんなやっぱり経団連の言っていることをそのままうのみにするととんでもないことになるんじゃないかと私は思っておりますので、是非その辺はいろいろな、そういった角度からの検証をしていただいた上で方向性を出していただきたいというふうに思います。
 今の話を踏まえて是非ちょっとコメントをいただきたいんですけど。
#58
○国務大臣(与謝野馨君) 私も自民党の中で税制調査会におりまして、いろんな税の議論をしておりますけれども、自民党の中の議論は、比較的経済団体の議論には左右されないというのが平成五年ぐらいから始まっておりまして、意外に経済団体の意向ということではなくて、党の独自の考え方でやってきたというのがここ十五年ぐらいの傾向でありますので、経済団体の意見、すなわち次の税制改革の方向ということには多分ならないと私は思っております。
#59
○富岡由紀夫君 例えば、法人税を納めている企業はどういう企業なのかということをちょっと調べたんですけれども、これ直近の数字でまだ平成十八年度分までしか出ておりませんけれども、法人税を納めている企業というのは大体、法人税というか、対象になっているのが二百五十九万社あるそうでございます。そのうち、例えば法人所得、法人税の課税対象となる法人所得ですね、利益ですね、それが一億円以上の企業は何社あるかというと、三万八千社、四万社弱ですね。一億以上の法人所得を上げている企業。一億以上ですよ。それはわずか四万社弱、三万八千社です。だから、二百五十九万社の一・五%相当です。
 そこの企業でどれだけの法人所得を上げているか、日本全体の法人所得のうちそのわずか一・五%の上位企業ですね、利益を上げている上位企業でどれだけの法人所得を上げているかというと、それで全体の八六・七%、約八七%の法人所得を上げているといった数字でございます。法人所得全体で五十一兆円、十八年度は出ているんですけれども、そのうちの八六・七%、四十四兆五千億円、これが先ほど言いました法人所得一億円以上上げている企業、三万八千社でやっているわけです。ですから、法人税を納めている大宗は、ごくごく限られた一部の企業が課税対象となる大幅な利益を上げて、一億円以上の法人所得を上げて、そこで大体九割近い法人所得を担ってもらっているというのが実態なんですね。
 ですから、何を言いたいかというと、法人税を議論するときに、全部同じで一律に議論するということは私はちょっと乱暴なのかなと思っています。例えば、今回の軽減税率、中小企業の軽減税率ありますけれども、それと同じように、先ほど所得税の累進税率の問題がありましたけれども、法人税もこういった観点を私は入れてもいいんじゃないかと思っております。
 例えば、今言ったように、法人所得一億円以上の企業はそれこそ法人税収を少し見直すと、昔の四三・三に戻す、一気に戻すかどうかは別として、そういったことが私は必要だというふうに思っています。一億以上が問題であるというんであれば、例えば十億以上とか、そういったところでやればいいと思います。十億以上の企業というのは五千八百社です。さっきよりもっと減りますけれども、全体の〇・二%です、日本全体の。〇・二%の企業でどれだけの法人所得を上げているかというと、これで六九%になるわけです。
 ですから、もう本当に偏っているんですね。一部の企業は莫大な法人所得を上げています。だけど、ほとんどの、今の話ですと、九九・八%の企業はもうほとんど利益は、法人所得は上げていないといった状況ですから、どういった企業がどれだけ法人所得を上げているのか、そういったものを見た上でやはり判断していかないと、私は誤った方向、間違ったことになってしまうんじゃないかというふうに思っています。
 この法人所得の偏在というか偏り、一部の大企業だけが莫大な利益を上げていると、このことについて何か改めようとか見直しを考えてみる必要があろうかと、そのような何かお考えありませんでしょうか。
#60
○国務大臣(与謝野馨君) 先生御指摘のとおり、法人税を考える場合、そもそも納税している法人が約三分の一しかないというのは重要な視点であると我々認識しております。一方では、これはもう長い議論があって、法人税に累進税を入れたらどうかというのは長い議論がありましたが、やはり税が会社経営に中立であるというためには単一の税率の方が企業の規模とか形態に中立的ではないかという議論もありますし、またそういうふうに複数税率の世界をつくりますと、税負担回避のために例えば会社分割をやる人が出てきたりということがあったりという、いろんな論点がありまして、当然、先生のような御議論の立脚点というのは私はあると思うんですけれども、今後とも十分に検討する必要があるところだろうと思っております。
#61
○富岡由紀夫君 累進税率という言葉が不適切だというんであれば、今の現状だって実は法人所得八百万未満ですか、未満とそれ以上で分けているわけです、軽減税率を適用しているわけですから。例えば、法人所得一億未満は軽減税率でしますよと、それ以上はフラット化の四三・三にするとかそれなりの法人税率にすると、こういう考え方やれば今と同じことだと私は思っております。
 だから、そこを八百万で切るのか一億で切るのか若しくは十億で切るのかと、そういったことですから、これが、一概にそれがやったことによって累進税率のいろんな企業形態の派生的なそういったマイナスの影響が及ぶということに私はつながらないんだというふうに思っています。
 是非、そういったことをよく検討していただきたいと、私も検討しますけれども、また議論させていただきたいというふうに思っています。
#62
○国務大臣(与謝野馨君) 当然、先生のような立脚点というのは次の法人税の抜本改革のときには議論の大事なポイントになると思いますので、財務省においてもきちんと検討をしておきます。
#63
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。
 あともう一つ、またこれ宣伝するわけじゃないですけれども、昨日我々が出した租税特別措置の透明化法案、これはやっぱり非常に重要な意味を持っていると思うんですね。例えば、どういう隠れた税制優遇があるかというところを一個一個見ていかないと、私は平等な、公平な議論はできないと思っています。
 例えば、さっきあった研究開発税制、こういったいろんな優遇措置、確かに必要な部分もあろうかと思いますけれども、そこはどの企業が恩恵を受けているかといったところをやっぱりよく見ないと駄目だと思っているんですね。特定の有力な企業だけがそういった恩恵を受けられるような税制なのかどうか、それともみんなが公平に受けられるような税制なのかどうか、そういったところをまず見る必要があろうと思います。
 また、そのほかにも、あといろんな引当金、準備金、これが費用計上されて税負担の軽減につながっているといったこともございます。これだけでも多分特定の優良企業だけがこういった恩恵を受けているといった側面もございます。
 あと、この後議論いたしますけれども、みなし外国税額控除、これの問題もやはり考える必要があるのかなと。海外で税金を納めてないのに納めたこととして、その分が控除されると、所得控除されるといったところがあります。こういったところも、どういった企業がそういった恩恵を受けているのか、やっぱり中身を調べていく必要があると思います。特定の例えば大きな商社だけがそういった恩恵を受けている可能性もあるわけですから、そういったものをやっぱり調べていく必要があろうと思っています。
 まだまだ挙げればいろいろあります。例えば、消費税の還付、輸出企業の還付制度、これも本当に厳格に、海外に売る分が消費税分値段が下げられて売られているという、そういったことが確認できればこういった税の公平性も考えられるんですけれども、必ずしもそうじゃないといった議論もされております。ですから、そういった輸出に関する消費税の還付制度なんかも、どういったところがそういう恩恵を受けていて、それがどのように利用されているかというところをやっぱりよく調べる必要があろうかと思います。
 そういったものをトータルで考えないと、本当の実効税率、いわゆる我々が今ふだん使っている法人の負担する実効税率、この議論は私はできないというふうに思っております。ですから、特定の企業だけがそういった税の優遇措置をうまく利用して実質的な税の負担をかなり抑えているというのがありますから、そういったことをやっぱりよく実態を調査した上で、そういった企業が言っていることを聞かないといけないと思いますね。よく経団連、大企業は消費税を上げろと言っていますけれども、消費税を上げると輸出しているところはこれをうまく利用すればその分また還付が受けられるわけですよ。ですから、そういったことをよく中身を調べた上で私は対処すべきだというふうに思っております。
 是非また前向きな御回答をいただきたいというふうに思います。
#64
○国務大臣(与謝野馨君) 消費税は、輸出した瞬間にやっぱり還付というのは当然だろうと思いますけれども、この前も還付制度を悪用している企業があるんじゃないかというので、我々としては、消費税の名を借りて下請いじめみたいなことをするというのはやっぱり法律上も問題であろうと、そのように認識をしておりますので、十分そういう点では目を光らせていきたいと思っております。
#65
○富岡由紀夫君 さっき会社はだれのものかという、議論されたというお話を御説明いただきましたけれども、会社は何のためにあるかといったところをやっぱりもう一度考え直さないと、私は、さっき言ったぎすぎすした社会がまたずっと永遠に続くんじゃないかというふうに思っています。
 利益を上げることが今何か目的のように、要するに、株主の権利が非常に強くなって、会社には利益を上げることが第一優先だと。言うことを聞かない会社の経営者を、それこそ株主総会は首にできるわけですから、更迭できるわけですから、聞かざるを得ないと。
 そうすると、短期的な収益を求められた会社は、下請をいじめるわけです。下請に対する発注価格を下げたり、原材料の仕入価格を下げたり、あと従業員を給料を引き下げたり、正社員から非正規に替えたり、別会社にして給料体系を変えて人件費を下げたり、いろんなことをするわけです。あと、工場を閉鎖したり、リストラをしないといけないと。
 そういったことで、なぜこういうことが起きているかというと、私は、さっき言った株主の権利が非常に強くなり過ぎたことが非常におかしな社会にしてしまった大きな、最大の原因、要因だろうというふうに思っています。
 それをどうやったら直せるかというと、私は、これは簡単なことじゃないというふうに思っていますね。本当は、しっかりした経営者がいて、そんな株主の言うこと聞かねえよと、ちゃんと首にできるんならしてみろといって言える経営者ならいいんですけれども、なかなかそういう経営者ばかりではないと。
 じゃ、そういうときに従業員なり下請企業に対する利益の分配がどうやったら行われるかといった問題が非常に大きな問題だと思っているんですね。その大企業、価格決定権を持つ企業と、それじゃない価格決定権を持たない原材料の納入業者とか下請業者の関係とか、あと会社と従業員の関係、こういったところをどうやったらうまくみんながもうけ、みんなが豊かになるように利益を受けられるようにできるかと。
 昔は多分そうだったと思うんですけれども、今はもうそうじゃない状況になっちゃっていますから、それをまた戻すというのは、これはなかなか簡単にはいかないと思うんですけれども、それをどういうふうにしたら解決に結び付くことができるのかと。私は、今いろいろと悩んでいるんですけれども、その点について、与謝野大臣、何かお考えございますでしょうか。
#66
○国務大臣(与謝野馨君) 一言ではお答えできないような非常に難しい問題なんですけれども、昔、電力会社が発注する発電機とかいろいろな品物をもう厳格に厳格に査定して発注しろという風潮が出てきて、通産省もそういう指導を電力会社にしたわけです。これを電力会社が今度は大手の電機メーカーに、そう言われるものですから、値切って値切って値切って物を発注する。これはまた下請が値切られるということ。
 それから、そういうふうにぎりぎりのところでやりますと、研究開発費に回すお金がなくなっちゃうという、そういうこともあって、やっぱりそういう意味では何か相手にも利益を与えるという、昔は多分日本人は割にそういう商売の慣行があったと思うんですけれども、相手の利益をゼロにするというふうな精神でやると、結局全体としては力がなくなっちゃうという意味があって、相手にも応分の、相当の利益を与えながら商売、ビジネスをやっていくという、やっぱりそういう社会的な雰囲気というのは私は大事なんじゃないかと。これは専ら、こうしなさい、ああしなさいと言うことではなくて、ある種の社会の雰囲気の問題だろうと、私はそういうふうに思っております。
 相手の利益をゼロにしてという風潮は、長期的に見るとひずみを生むんじゃないかと思っております。
#67
○富岡由紀夫君 全く同感でございまして、今、短期的に、そういった収益極大化を目指していたゆえに、今言ったような問題が表面に出てきているというふうに思っています。
 下請はいじめられるし、従業員もいじめられると。そうすると、最終的には、例えば自分たちの商品やサービスの、そういった人たちは購入者でもある、ユーザーでもあるわけですね、買ってくれるお客さんであるわけです。だから、そういった人たちが痛め付けていると、結局は、自分たちが作った商品も、利益を極大化しているつもりでたたいて、下請いじめたり、従業員の給料を下げて作っても、今度それ買ってくれる人がいなくなっちゃうわけですから、これは結局、天につばを吐くようなもので、今、それは巡り巡ってそういった状況になってきているんだというふうに思っています。
 ただ、みんなでもうけようやという昔みたいな、昔の日本みたいな雰囲気にこれは戻れればいいんですけれども、雰囲気だけでなかなか私は戻れないんじゃないかなというふうに思います。何かやっぱりこれは国として政策として取らないと、みんなでそういう雰囲気だから頼むわと言ったって駄目ですよね。生活対策で、経団連の人に少し賃上げしてくれというお話を申し入れたようですけれども、春闘のあれを見ると、なかなかそれも全く聞いていないと。そういう話ですから、雰囲気だけじゃ私、駄目だと思います。
 私は、その雰囲気をやはり何とかいろんな政策の面でつくらないといけないと思っているんですけれども、その一つが、やっぱり法人税のさっき言った引上げがあるんじゃないかなと私は思っているんですね。
 どうしてかというと、企業の経営者として一生懸命利益を上げても、例えば、ある特定の利益までだったらいいですよ、十億とか二十億ぐらいだったらそれはいいですけれども、それ以上利益を上げたら、今度、税率を、さっき言った軽減税率を、段階的な税率をやることによって、例えば百億で線を切ると、百億までは三〇%でいいですよと、だけど百億を超した分については四〇%になりますよというふうに法人税率をもし定めたとすると、百億以上集めたってどうせ四割持っていかれちゃうんだから、そんなに慌ててもうける必要ないよと。だったら、従業員に配って従業員の士気を高めたり、下請企業に利益を還元して、みんなで喜んでもらうと、そういった方がいいんじゃないかという経営の考え方も、私は変わってくるインセンティブの一つになると思うんですね。
 だから、私は、みんなで何もしなくて、雰囲気で頼むよと言っても駄目だと。やっぱり、法人税率を百億以上は少し高くすると、例えば一千億以上はもっと高くするというふうにやれば、余りもうけ過ぎないと。そんなにもうけて税金払うぐらいだったら、経営の感覚でいえば、恐らくみんなに分配して、みんなで幸せになった方がいいよと、みんなで仲よくやった方がいいよと、そういったことに私はつながるんじゃないかというふうに思っております。是非、そういったことも御検討していただきたいなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#68
○国務大臣(与謝野馨君) 確かに承っておきますが、主税局長がそういう長年の議論を知っていると思いますので、一言、主税局長からお話を申し上げさせたいと思います。
#69
○政府参考人(加藤治彦君) 今御指摘の点、先ほど大臣からも御説明しましたが、従来から議論が積み重なってきておるところでございます。
 ただ、企業経営、私ども税制の専門家という立場と、もう一つ、我々がいろいろ御議論をするときに、実体経済、企業経営、そうした現状。そして、特にグローバル化した状況の中で、例えば利益といっても、それは先ほどおっしゃいましたように、配当に回る利益もございますが、実は内部留保して設備投資をし、企業の更なる付加価値を高める分に回る部分もある。特に今、連結経営の時代といいまして、やはり総合的に、決算も連結決算でございます。ということは、規模の大小というものが非常に企業経営にとって大きな要素。
 そうしますと、先ほど大臣からもありましたように、所得だけで判定しますと、非常に大きな所得でも、それは企業経営の規模、グローバルに展開する企業経営の規模、資産、アセット、その資本効率、いろんな点を考えて、この税制をどうするか。先ほど中小企業の八百万円までの軽減税率のことは御指摘いただきました。これにつきましては確かにそういう制度ございますが、これはあくまでも資本金一億円以下の中小企業だけの制度でございまして、大企業は一切そういう適用はございません。まさに単一税率でございます。
 これは世界的な法人税制の流れの中で、我が国はどういう今後道を取っていくか、これは本当に一生懸命勉強していかなきゃならない課題だと思っておりますが、一応これまでの経緯はこういうことでございます。
#70
○富岡由紀夫君 ですから、今までと同じようなやり方をやっているとこういう社会になっちゃうわけですよ。だから、それを改善するために、社会の雰囲気を変えるためにどうしたらいいかと、そういう観点で考えないと私は前向きな議論はできないと思うんですね、今までの話を聞いてやっていた結果が今の社会ですから。余り今までのやっていたこと、若しくは諸外国、特にアメリカみたいなああいう市場原理万能主義みたいな考え方に従って追随してやる必要は私は毛頭ないというふうに思っています。日本が独自の新しい社会、会社経営、企業、そういったものを私は提案してもいいと思っています。これが新しい世界の繁栄の道だといったような道筋というか、そこでリーダーシップを発揮する私はいいチャンスだというふうに思っています。是非、そういった今までの議論にとらわれることなく、今までにやった結果が今なんだということで、是非、そういうことで検討していただきたいというふうに思います。
 続きまして、お話、今回の税制改正の中でありました海外からの配当金に対する税制の見直しについて議論をさせていただきたいと思います。
 今までは海外子会社からの配当金については課税対象になると、海外で納めた税額は控除されるけれども、そうじゃないところは、日本の税率との差額の部分は課税対象になるということだったんですけれども、これはどうして今まではそういうことをやっていたんでしょうか。今回、変える前までのこの税制の基本的な考え方、目的、お伺いしたいと思います。
#71
○政府参考人(加藤治彦君) まず、課税の原則はいわゆる全世界課税、まさに法人の所在地国がその法人のすべての利益を課税するというのが基本原則でございます。したがって、日本企業であれば、日本国の課税権がまず全体がその企業に及ぶ、世界中でどこで利益を上げようが及ぶと。
 ただ一方で、もう一つ、国家主権の発現として源泉地国課税ということがございまして、これは日本で稼いだ利益についてはそれが外国の企業であれ日本の国家に課税権があると。したがって、どうしても外国で稼いだお金というのはその当事国の課税権と本国の課税権がバッティングするわけです。これをまともに課税しますと二重課税になるわけですが、これはやはり企業活動、いわゆる企業所得の適正な所得に対する課税ということでは二重課税になってしまいますので、これを排除する。これは国際的なルールでございます。
 ただ、それをやり方として、二つ、大きな二つの流れがあります。まあ三つという説もありますが、三つ目の話はちょっと租税条約で、それぞれ条約によって当事国間で調整するということなので、これはちょっと度外視しまして、一方的に一国でどういうやり方を取るかという方法として二つあるということでございます。
 一つが、我が国がやっております、これはアメリカもそうですが、外国税額控除、外国で納めた分は日本の自国の税金から控除を認めるという制度でございます。これは、したがって外国の税制の方が安い場合は追加課税が生じるということになります。もう一つの方、これはヨーロッパの大陸系が多いんですが、国外所得非課税ということで、もう海外で稼いだやつは最初から課税しませんと、自国で課税するのは自国内で稼いだものだけにしますという制度を海外所得非課税制度、この二つの方式がございます。
 実はこのOECD、これは国際的な税制の調和を図っている組織でございますが、そこでは、二重課税の排除の方式としてこの二つをどちらを取ってもよろしいという、いずれも認められた制度でございます。
 我が国はこれまで一貫して外国税額控除方式という制度を取っていました。一番これが中立的だろうという、やや制度的には手続的にいろいろ必要でございますが、我が国の税率を全世界に適用するという原則に立ちますと、外国で払った分は除くけれども、残った分には追加で課税するということでよろしいんじゃないかということでやってまいりました。
 ただ、それはいわゆる支店形式でやる場合はもうそれは問題なく執行できるんですが、子会社の場合、これももう当然、子会社の場合はそもそも外国の企業なものですから、子会社である限りはその課税自体の課税権は日本国には及びません。所在地である外国の方で課税をするしかないんですが、それを配当の形で日本に還流してきた場合にどうするかという問題で、我が国としては、配当も当然税が課税された後の送金でございますので、外国で課税された分は配当で来たときも面倒を見なきゃいかぬということで、それは間接外国税額控除制度ということで今までやってまいりました。
 これにつきまして、今回、配当については国外所得非課税という制度を導入させていただきたいということでございますが、これは、今申し上げましたように、配当するかしないかということ、企業の意思によって課税が発生するかしないかという状態を生ずる。これは、子会社で、先ほど申しましたように、利益というのは配当する場合もありますけれども内部留保する場合もある、設備投資に使う場合もある。ですから、その選択は企業の判断にゆだねられておりますが、その企業判断の中立性、つまり税が掛かるから配当をやめるか、やめようとか、そういう状態を生じさせることは適切でない。
 特に、昨今の、これは経産省の方でいろいろ調査されて、かなり内部留保的に海外で所得がたまっておると。かつ、昨今、外国の実効税率が下がってきておりますので、確かに日本に送金すれば追加納税になるという場合が増えてまいりました。そういうことで、そこはやはりむしろ……(発言する者あり)済みません、もうあれしますが、むしろ企業の判断で日本に還流させて、有益に日本で使うということが必要ではないかということで今回こういう提案をさせていただいております。
#72
○富岡由紀夫君 主税局長さんにいろいろと聞くと長くなるので、是非与謝野大臣にお答えいただきたいんですけれども。
 今のお話ですと、二つのやり方があるということです。アメリカ型とヨーロッパ型があります。今回はアメリカ型からヨーロッパ型に配当金のところだけ変えたということでございますけれども、こういうふうに途中で課税方式を変えた国ってあるんですか。それともう一つ、子会社の場合と自分の支店で、要するに支店からの利益を受ける部分と、子会社から配当として受ける部分で考え方が二つ、今言ったヨーロッパ型とアメリカ型で別々の国というのはあるんですか、教えていただきたいと思います。
#73
○国務大臣(与謝野馨君) 本当の経緯を申し上げますと、この税制については主税局はなかなか賛成しなかった。景気対策の上からいって、日本の会社が利益として海外に持っているものを日本に持ってこさせようと、それを使えばやっぱり需要に対する効果があるだろうという論者が多くて、むしろ主税局は押し切られた形で税が決まったというのが本当のところでございます。
 ただ、我々としてはやっぱり、海外でただたまっている、遊んでいるお金が日本に戻ってくると、そこで戻ってきても見かけ、損はしないということであれば、ちゃんと各企業は日本に戻して、それを国内で何らかの形で使ってくれるだろうと、そういう期待を持ってこの税制が決まったわけでございます。
 ですから、言わば恒久税制のように見えるんですけれども、実は景気対策のための税制という側面もあるというふうに御理解をしていただければと思っております。
#74
○富岡由紀夫君 一時的なものだという面もあるということですね。
 じゃ、あと主税局長、これ、押し切られちゃ駄目じゃないですか。ちゃんと筋を通して今までやってきたんだから、ずっとやってほしかったんですよね。何でこんな急に、さっきの二つ、こういう途中で変更した国があるのか、若しくは、そういった子会社と支店で違うそれぞれの考え方を適用している国があるかと。ちょっと簡単に教えてください。
#75
○政府参考人(加藤治彦君) イギリスが、当局の発表で二〇〇九年から、やはり日本と同じようにいわゆる子会社だけの所得を非課税にするという制度を導入すると発表しております。ほか、イギリス。
 もう一つ、何ですか。
#76
○富岡由紀夫君 子会社とあれで違う、それぞれ違う考え方を適用している国。
#77
○政府参考人(加藤治彦君) ですから、今申し上げましたのは、私ども承知しているのはイギリスが、いわゆる外国税額控除制度を取りながら子会社の配当については非課税にするという日本と同じ制度を導入すると発表しております。
#78
○富岡由紀夫君 イギリスぐらいということですね。それはそれとして、今与謝野大臣の説明の方がよく分かりやすかったです。一時的な経済対策という側面を含めてやったというのだったら何となく理解はできます。
 ただ、これは一つ大きな私はマイナスの影響があると思っているんですね。それは、私は産業の空洞化につながるんじゃないかなと思っております。それはどうしてかというと、やはり今まで、国内で生産拠点を持っているのか、海外に進出するのか、これはいろんな要因があります。現地の法人税の税負担の問題とか、あと社会保障の問題とか、あと労働力の問題とか、その質の問題とか、あと人件費、コストの問題とか総合的に勘案して、出ていくところは出ていっているし、国内で生産しているところはしているということでございます。
 ところが、今回、海外の子会社からの配当金を非課税にしますよという話ですから、そうすると、今まで国内にいた会社が、今まではいろんな状況、条件を勘案して国内にいたわけですけれども、今回海外に現地子会社をつくってそこで、例えば税率の低いところにつくってそこで利益を上げれば、そこから配当金で戻ってきた分については課税されないということですから、それじゃ行こうかという私は気持ちになる会社が出てきてもおかしくないと思うんですね。
 ですから、今回やることによって産業の空洞化に私は拍車を掛ける、拍車とまでいかなくても、後押しするこの税制改正はマイナスの影響を持っていると思うんですけれども、その点についてどうですか。
#79
○国務大臣(与謝野馨君) 我が国の企業が子会社の形態で海外進出する場合、その判断は、労働コストや海外市場の将来性等いろいろな要因によって決定されるものであり、本制度の導入のみをもって子会社形態での海外進出を助長するかどうかは一概には言えないんだろうと思います。ただ、先生が指摘されるように一つの要素であることは間違いないと思います。
 他方、仮に我が国の企業が本制度の利用を前提に子会社形態で海外進出した場合、外国子会社が海外市場で獲得した利益が国内に還流され、我が国企業の設備投資、研究開発、雇用等幅広く多様な分野で用いられることになれば、我が国の経済にとっても望ましいということも考えられるわけでございます。
#80
○富岡由紀夫君 その辺の是非検証をよく、税制改正した後どういうことになったかということはやっぱりフォローしていただきたいなというふうに思っています。一時的なあれだというのであればまた戻せばいいし、やって、そういうことを柔軟に対応すべきだと思っています。
 日銀総裁がいらしていただいたので日銀総裁にいろいろと質問したいんですけど、その前に、環境副大臣にもお見えいただいていますので、ちょっと地球温暖化との関係でお伺いしたいと思います。
 どういう観点でこういう質問をさせていただくかというと、さっき人口減少と経済成長のお話をさせていただきましたけれども、景気が今非常に厳しい状況になっている、大変な状況になっていますけれども、ただ一つだけいい点あるとすれば、CO2、温暖化を促進するようなそういったCO2等々の物質が、排出が減っているんじゃないかと。減ること、そういった効果があるんじゃないかと、その点だけは唯一プラスの方向に私は働いているんじゃないかと思いますけれども、景気の低迷とCO2の削減、特に京都議定書の削減目標との観点についてどういう見通しを立てていらっしゃるのか、お伺いしたいというふうに思います。
#81
○副大臣(吉野正芳君) 委員おっしゃるとおり、景気の低迷によって生産活動が落ちれば一時的には温室効果ガス減っていく、このように思います。
 ただ、景気の低迷、いわゆるGDPと温室効果ガスとの関連なんですけど、これをコンピューターに測ってシミュレーションできちんとできるかというと、なかなか困難なんですね。要素が二つありまして、一つはどの分野で減ったか。鉄鋼業で減ったかIT関係で減ったかによって削減量が全く違います。もう一つは原単位です。生産量が落ちれば原単位が大きくなるんです。ですから、この二つの要素をもってして、GDPと温室効果ガスとの関連をコンピューターでシミュレーションして示せというと、なかなかできないと思います。
 また、目達計画との関係なんですけど、今年の夏以降に、二〇〇八年度の排出量と目達計画でやった進捗状況、このデータが出てまいります。ですから、これをきちんと評価をして、目達計画から外れていないようにきちんと管理をしていかねばならないと思っています。
 また、この不景気を利用して、利用してというかチャンスにして、斉藤環境大臣は緑の経済と社会の変革という大きなテーマを掲げております。まさに環境をきちんとやっていく、そういう方向に日本の経済というものを向けて低炭素社会をつくっていかねばならない。大きな転機に、今の状況を利用、利用といいますか、転機にしていかねばならない、こう思っているところです。
 何にしても、目達計画、京都議定書をきちんと厳格なる進行管理をして見守って、低炭素社会をつくっていきたいと思っております。
#82
○富岡由紀夫君 ありがとうございます。
 ちょっと私も個人的に今、GDPとCO2の排出量の関係を、相関どのぐらいあるのかということを今いろいろと研究しております。こういう局面ですから、京都議定書の目標達成に向けて是非間違いのないようにやっていただきたいと思います。
 その中で一つ付け加えさせていただくと、京都メカニズムで排出権を買って下げる部分がありますけれども、私はそこは余り頼ることは本筋じゃないと。そうじゃなくて、やっぱり本来的な、日本の国内でCO2の排出を抑えるようなところに力点を置いて、そこのところはもう一度見直しても、こういう状況ですから私はいいんじゃないかなと思っておりますけれども、その点について一言、もしあればお願いします。
#83
○副大臣(吉野正芳君) まさに委員おっしゃるとおりです。
 京都メカニズム、CDMに頼るようなことではなくて、あくまでも補完的にCDMというものを利用し、一番は原単位を小さくして削減幅を大きくしていくということが、このことがある意味でイノベーションも引き起こし、日本経済の発展の力になるわけでありますので、CDMに頼るということは最後の最後の最後の手段という形で取り組んでいきたいと思っています。
#84
○富岡由紀夫君 ありがとうございました。是非その方向で政策を推し進めていただきたいというふうに思います。
 それで最後、総裁お見えいただきましたので質問させていただきたいと思いますが、日銀さんの中に金融広報中央委員会という組織がおありだそうなんですが、この組織について前質問したんですね。どういう役員の方がいらっしゃって、役員報酬が幾らなのか、天下り若しくはわたりといったものがあるのかどうかといったことをお伺いしたら、最初それは出せないと言ったんですね、それは守秘義務があって出せませんということだったんですが、じゃ委員会で質問しますよというふうに言ったら出てきたといったことがございます。
 この辺はどういう整理のあれになっているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#85
○参考人(水野創君) 今先生が御指摘になられたその出せない守秘義務がというところについて、大変申し訳ありませんが、ちょっと経緯を私自身は聞いておりませんで、今必要な資料については御提出させていただいているというふうに思っておりますし、それについて御説明をさせていただこうというふうに思っております。
#86
○富岡由紀夫君 資料を提出するだけじゃ駄目で、質問すると言わないと出てこないというところは是非改めていただきたいなというふうに思います。
 この歴代の広報委員会の会長の経歴を見ると、日銀出身者の方がいったんどこかへ行って、で、最後またここに戻ってくると、これは俗に言うわたりというんですか、に該当するかと思いますけれども、これはもうそういうシステムで運営されていらっしゃるんでしょうか。
#87
○参考人(水野創君) お答え申し上げます。
 会長でございますけれども、これは金融広報中央委員会の規約によりまして、基本的には金融広報中央委員会の総会において決定されるものでございます。具体的には、金融広報中央委員会には現在、委員会により加入が認められた各種団体の代表者、同じく学識経験者及び日本銀行副総裁のうちの一人、合計三十九名を委員として構成されておりますが、会長はこれらの委員の中から総会の決議を経て選出されております。
 また、金融広報中央委員会は、多岐にわたる各種団体と協力して、国民に対しまして中立公正な立場から金融知識普及や消費者教育活動を行って、もって国民経済の健全な発展に資するということを目的にしているということで、このために、金融広報中央委員会の会長は歴代、当委員会を総理するのにふさわしく、かつ中立公正で金融経済に関する専門知識と幅広い見識、経験を有する方が選出され就任されているというふうに理解しております。
#88
○富岡由紀夫君 このわたりの問題とか、あと事業活動の中身について、ちょっと時間がないのでまた次回お伺いしたいと思いますが。
 総裁にお伺いしたいんですけれども、先日ですか、いろいろと国債の買入れ枠の増加の発表をされました。そしてまた、劣後ローンの引受け等々も受けるというのがありましたけれども、いろんな金融対策、経済対策という側面でこういったことをやっているかと思うんですけれども、ちょっとやっぱり気になるのが、日銀の国債の買入れ枠の増強、増額ですね、これはやっぱり政府の赤字国債の引受けになっていると、担い手になっていると、若しくは長期金利の上昇を抑えるためにこれは一役も二役も買っているというふうな見方がどうしても思うんですけれども、これはどういう、何か与謝野大臣から要請されてやったわけなんですか。何かその辺のいきさつを是非お伺いしたいなというふうに思っております。
#89
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 日本銀行は、金融調節を行うときに様々な資産を購入しております。その様々な資産の中で、従来から長期国債の買入れも行っております。今回、金融市場の緊張が非常に強い、足下、年度末についてはほぼめどを付けつつありますけれども、年度末を越えても非常に金融市場の状況は厳しいというふうに判断しております。そういうときに、金融市場に潤沢に資金を供給する手段の一つとして、この際、短期のオペと並びまして長期のオペをもう少し活用した方がいいということでございます。この目的は、あくまでも金融政策の運営上これが必要であるという判断でございます。
 したがいまして、今先生が御懸念のような、財政のファイナンスを容易にするとか、あるいは国債金利の安定それ自体を目的にして今回オペの増額をやったということではありません。あくまでも、物価安定の下での経済の持続的な発展に貢献するという観点での日本銀行による独自の判断でございます。
#90
○富岡由紀夫君 これはどういう説明するかによって、それ以上我々が詮索できないといった、そういう話になっちゃうと思うのであれなんですけれども、ただ、これは無制限にやっていいというわけじゃないですよね。日銀券の発行残高までしか駄目だといった、そういう上限があるわけです。これは、要は余りそういうことをやり過ぎちゃうと、何かいけないからそういう上限を設けているわけですよね。
 何がいけないんですか、これを買い過ぎちゃうと。どういった問題が起きるのか。今回増やしたことによってそういった問題を少し拡大しているわけですから、これからそういったことを注意しないといけないと思うんですけれども、これから注意すべき点、若しくはこれをやることによってマイナスのどういった面があるのか、その辺をちょっとはっきりと教えてください。
#91
○参考人(白川方明君) 多少技術的になりますけれども、銀行券との関係を中心にまず御説明いたします。
 日本銀行も、これは銀行でございますからバランスシートを持っております。負債には、負債の中心はこれは銀行券でございます。資産の方が、国債を中心とする資産でございます。経済が成長しますと当然銀行券の利用も増えますから負債が増加する、それに見合って国債、長期国債の買い入れも増加していくわけでございます。そういう意味で、基本的に我々は銀行券の範囲内で長期国債を買うというルールを課しております。
 一方、これは我々の生活を考えてもそうですけれども、銀行券は、例えば週末に引き出されて週初に返ってくるとか、あるいは連休の前に引き出されて連休明けに返ってくるという、短期の変動を繰り返しています。したがって、中央銀行はそういう短期の調整も行う必要があるわけでございます。そういうときに、資産サイドで長期の国債だけを買っていますと、今度はその短期の調整をするために長期の国債を売ったりするということで、売ったり買ったり、これは非常にマーケットに対して攪乱的な影響を与えます。そうしたことから、金融調節を円滑に行う必要から、銀行券の範囲内で長期国債を持つということを行っております。これが第一の理由でございます。
 それから第二の理由は、まさに先生が御懸念の点でございますけれども、もしこの長期国債のオペが専ら財政ファイナンスを目的として運営されますと、これはどこかで物価の安定という目的とそごを来すおそれがございます。そうしたことがないという形で中央銀行は金融政策を運営しますということを明確に示す必要がございます。そういうことからも、この銀行券ということがルールになっております。
 いずれにしましても、日本銀行が物価の安定を通じて国民経済の発展に資するという目的以外にこの国債のオペを行いますと、これ結局は、人々の通貨に対する信認を崩し、国債の発行という面でも実は悪影響が出てくるということで、そういう意味も含めて、日本銀行は長期国債のオペの運用をしっかりやっていきたいというふうに思っています。
#92
○富岡由紀夫君 時間が参りましたので、これで終わります。
 ありがとうございました。
#93
○小泉昭男君 与謝野大臣、大変お疲れのところ恐縮でございますが、改めまして、先般のG20、お疲れさまでございました。先ほども話に出ておりましたけれども、三つの大臣を兼務ということで大変な御苦労だと思いますし、お疲れさまでございます。
 この度、世界的な規模での経済危機、世界の国々の中で一番最初に日本は脱出したいと総理が表明されまして、この総理の発言は、苦境に今立たされております中小零細企業、これは大企業にも言えることでございますが、この言葉に大きな期待が掛かっていることも事実でございますが、この最大の危機に対応するために一次補正、二次補正、そして二十一年度予算と切れ目なく継続的にこの対策を打っていくことが最大の経済対策であると、これはどなたも共通の認識であろうかと思いますが。
 これ何回もお話が出ておりますけれども、総額七十五兆円、この規模は先進国の、先進主要国の中でも大分大きな額と伺っておりまして、改めまして、この七十五兆円の規模の意義と大臣の御見解、お伺いさせていただきたいと思います。
#94
○国務大臣(与謝野馨君) 財政面での対策は十二兆円程度でございますけれども、これはGDPの二%程度の規模に達するものであって、諸外国と比較しても遜色ないと考えております。
 これらの対策では、一つ、例えば解雇等により住居を失う方へ住宅・生活支援、中小・小規模企業の資金繰り円滑化に向け緊急保証と政府系金融機関等による貸付け、合わせますと三十兆円、金融機能強化法を改正しまして金融機関に対する国の資本参加枠十二兆等々、挙げれば切りないわけですけれども、現下の課題に適切に対応した措置がたくさん盛り込まれていると思っております。
#95
○小泉昭男君 この数日の間の予算委員会、またこの当委員会の中でも、与謝野大臣の発言というのは物すごく説得力がありまして、私、与謝野大臣に御質問申し上げる機会をいただいたことにすごく有り難い気持ちでございまして、こういう中で大臣から直接いろいろなお話を伺える機会をいただきましたことも、委員長を始め皆さんに感謝申し上げたいと思います。
 今回の法案の中で、二十一年度、二十二年度において二・三兆円の基礎年金の国庫負担の引上げ、それから一兆円の経済緊急対応の予備費、それと住宅ローン減税を始めとした四千億円の減税、それに地方交付税の五千億の特別枠、これを実現するためにはトータルで四兆二千億の金利変動金を活用することとなっておりますけれども、本来、この金利変動準備金に余剰が出た場合、これ原則としては国債整理基金特別会計に繰り入れまして国債償還に充てることが本来ではございますが、しかし今回、この厳しい財政状況下においては、二次補正に引き続き、極力赤字国債に依存しないとして、総理の方針を踏まえ臨時異例の特別措置をとったと理解をいたします。
 今回、金利変動準備金の活用と財政規律との関係、またこの準備金の活用と赤字国債の発行との違いについて、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#96
○国務大臣(与謝野馨君) まず、二次補正をつくりますときに麻生総理から、赤字国債は出したくないというお話がありましてこういうことになったわけですが、やはり世界的に金融市場が混乱に陥る中で財源として赤字国債を発行することは、財政規律自体への影響のほかに、市場に対して国債を出すことによる圧力が加わることになりますので、国債市場にも影響があるということを懸念したわけでございます。
 したがいまして、生活防衛のための緊急対策において、対策等の財源として極力赤字国債に依存しないこととして、臨時特例的な対応として財政投融資特別会計の金利変動準備金を活用したものでございます。従来は先生の御指摘のとおり、ストックからストックへと、原則を採用してまいったところでございます。
#97
○小泉昭男君 金利変動準備金というと、金利が少し動いただけでも大変な状況を心配するわけでありますが、そのことも併せて将来を見据えての御判断と理解をいたします。
 二十一年度税制改正の意義についてでございますけれども、国、地方を合わせて一兆円を超える減税を行うということでありまして、総理の景気対策に取り組む強い決意の表れと高く評価をしたいと思います。
 今回、減税の二本柱とすれば、一つは住宅ローンの減税でありますが、この中でも二つに分かれると思うんですけれども、現在、十年間で最大百六十万を大幅拡充して、最大五百万、それと、長期優良住宅の場合には最大六百万まで認めるということでございまして、これは住宅を求める方、また住宅を造る側、両者にとってすごくいい方向に行くんではないかなと期待をするんであります。
 特に住宅産業というのはすそ野がかなり広いわけでありますから、前回の議論の中にも住宅の建築戸数だとかいろんなものがあったようでありますけれども、この流れの中で、改めて大臣がどういうふうにお考えをいただいたのかを伺いたいと思いますし、また今回、住民税からも税額控除ができる制度を創設する、このことは特に中低所得者の方々にとってはかなり配慮をされたものではないかなと、こういうふうに思いますので、この点について併せてお考えを伺っておきます。
#98
○国務大臣(与謝野馨君) 今般の住宅ローン税制の改正におきましては、住宅ローン控除の最大控除可能額を過去最大にしたというのが特徴でございます。それと同時に、もう一つの特徴は、自己資金による長期優良住宅の新築や省エネ・バリアフリー改修についても特例的に税額控除制度を創設することとなったことでございます。
 これらの施策は住宅投資の活性化を図るものでありまして、資材調達、雇用ほか様々なルートで国の経済に大きく波及するものでございます。これは、内需を力強く刺激し景気回復に資するものとして採用された政策でございます。
#99
○小泉昭男君 外需主導型から内需という話もありますけれども、特にこういう景気の状況のときには内需が活発化しなければ大変だということでございますので、これは一定の方向として期待をしておきたいと思います。
 いま一つの柱としての中小企業関係税制の拡充、極めてこれは今の時期に的を得たものだと思っておりますが、様々な税制上の措置が盛り込まれておると聞きまして、この中で数点、中小企業の事業承継時の自社株について八割相当の相続税の納税猶予を行うと、これは極めて大事なことであろうと、こういうふうに思います。それと、中小企業の軽減税率を現行の、先ほどもお話に出ていましたけれども、二二から一八に引き下げると、この議論はあるところでありますけれども、これも一つの方向であろうかと思います。それと、中小企業の欠損金の繰戻し、還付を復活するという、これは中小企業からすれば大変助かることでございますので、これら中小企業経営支援、かなり期待をされておりますので、その効果のほどと大臣のお考えを伺って、質問を終わりたいと思いますが。
#100
○国務大臣(与謝野馨君) 中小企業は金融不安や景気後退の影響を特に受けやすいことから、資金繰りに苦しむ中小企業へ手厚い支援を行うとともに、その活性化を図ることが喫緊の課題となっているところでございます。
 こうした観点を踏まえまして、今般の税制改正法案では、中小法人等を対象に軽減税率の時限的引下げと欠損金の繰戻し還付の復活の措置を講ずることとしておりまして、これにより中小企業の経営基盤の強化に対して効果が期待できるものと考えております。
#101
○小泉昭男君 ありがとうございます。
 終わります。
#102
○荒木清寛君 まず、財政運営特例法案に関してお尋ねをいたします。
 政府は三段ロケットの経済対策を推進をしているわけで、したがいまして、新年度予算も早期に成立をさせ、また前倒しで執行をすることが政府の責任でありますし、また追加経済対策というようなことも今後あり得べしと、このように思っております。
 そこで、まず前提として、我が国経済の今後の先行きについてどういう見通しなのか、お答え願います。
#103
○国務大臣(与謝野馨君) 我が国の経済については、世界的な景気後退が見られる中で輸出や生産が大幅に減少し、雇用情勢も急速に悪化しつつあるなど、景気は急速な悪化が続いており、厳しい状況にあると認識をしております。
 こうした経済情勢の下、二十一年度予算及び関連法案の早期成立に全力を挙げ、生活者、中小企業、地方の三つに重点を置いた総額七十五兆円の経済対策を速やかに実行していくことが重要であると考えております。なお、経済情勢は流動的でありまして、今後下振れするリスクがあることから、先日、総理より与党に対して、今後の経済情勢の変化に対応するよう対応策の検討の指示がなされたものと承知をしております。
#104
○荒木清寛君 そこで今回、法案では財投特会から四兆二千億円を特例的に一般会計に繰入れをすることになりますが、もしこの財源をすべて赤字公債の発行で賄おうとした場合、建設公債も含めた公債発行額が四十兆円に迫る規模となり、これは私も調査室にいただいた資料によりますと、近年で最悪の水準に達してしまうことになります。
   〔委員長退席、理事尾立源幸君着席〕
 もしこうした形で全部公債で賄うということにした場合には、どういう悪影響が予想されたんでしょうか。
#105
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 御指摘のように、現在の財政状況においては多額の公債の発行を余儀なくされておりますので、先ほどの大臣の御答弁にもありましたように、世界的に金融市場が混乱に陥る中で、対策等の財源として更に赤字国債を発行することは、財政規律への影響のほか、市場に更なる増発圧力が加わることになりまして、その結果として国債市場に対する影響が懸念をされるということで、今回、金利変動準備金を活用させていただくこととしたわけでございます。
#106
○荒木清寛君 一方で、その分、国債整理基金特会への繰入れが減少することになります。それによって将来の国債償還にはどの程度の影響があるのか、国債費がどの程度増えるのか。加えて、今後こうした国債費の増加を抑えるために、あるいは、そうはいっても相当額の発行を当面しなければいけないわけでありますので、それをどう円滑に消化するかということを含めて、どのように適切な国債管理政策を行っていく方針なのか、お尋ねいたします。
#107
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 国債費への影響について御説明させていただきます。
   〔理事尾立源幸君退席、委員長着席〕
 御承知のように、財投特会の金利変動準備金につきましては、特別会計法上必要な水準を超える金額を国債整理基金に繰り入れることができることとなっておりまして、これまでも国債残高の圧縮に活用してまいりました。仮に、今回の四・二兆円を国債残高の圧縮に充てた場合の国債費の軽減効果を機械的に試算いたしますと、平年度ベースで利払い費約六百億円、債務償還費約七百億円、合計約千三百億円と試算されるわけでございます。
 ただ、平成二十一年度予算には国民生活と経済を守るために必要な施策が盛り込まれておりまして、仮に金利変動準備金を活用しないという場合には、その財源として赤字国債を増発する必要がありますので、結果として国債費の軽減効果は相殺されてしまうということになると考えられます。したがいまして、今回、金利変動準備金を活用させていただくというふうにしたわけでございます。
#108
○政府参考人(佐々木豊成君) 国債管理政策についてでございますが、国債の円滑な消化、発行に当たりましては、まず当然のことながら、財政の健全化に向けた取組を通じまして国債に対する信認を確保していくということは第一に重要であろうと思っておりますが、その上で国債管理政策の具体的な取組を申し上げますと、まず第一点目には、市場との対話を重視していくということでございます。国債発行計画の策定に当たりまして、市場のニーズ、動向等を十分に踏まえたものにしていくという努力が必要でございまして、私どもも国債の市場参加者との対話を通じまして、国債の、まあ二十一年度も増発になったわけでございますけれども、そういうものが市場に対して無用の混乱を招かないような対話を行っているところでございます。
 第二点目でございますけれども、国債の保有者層の多様化ということに努めていくということでございます。特に、保有割合が相対的に低い個人や海外部門の保有促進に取り組んでいるところでございます。
 それからもう一点、買入れ消却や流動性供給入札などを通じまして、発行当局といたしましても国債市場の流動性の維持向上に努めているところでもございます。
 今後ともこうした取組を通じまして、国債管理政策の適切な運営に努めてまいりたいと考えております。
#109
○荒木清寛君 次に、これは第二次補正の際の関連法案のときにも相当議論された点でございますが、現在は百年に一度とも言われている景気後退期でありまして、急速な金利上昇の見込みがなかなかないということを勘案しますと、財投特会の五%という準備率を維持するのは慎重し過ぎるのではないかという意見もございます。
 そこで、平成二十年度の準備率引下げの際に財務省が行った金利シミュレーションについても、改めてそうした観点での再考もした上で、もし可能ならば、より準備率を下げて今後の経済対策に備えるといいますか、国民への還元も考えるべきではないかと考えますが、大臣、いかがですか。
#110
○副大臣(平田耕一君) 準備率の上限につきましては、中長期的な観点から設定をいたしております。
 その水準まで積み立てておけば、将来の大幅な金利変動があった場合でも中長期的なスパンで債務超過がほとんど発生しないような水準がポイントでありますけれども、債務超過がほとんど発生しない水準として定めているものでございまして、従来、平成二十年度に従前の千分の百を五十に引き下げたということは御承知でありますが、中長期的な観点から設定をするという金利変動準備金の上限準備率の性質にかんがみますれば、引下げ後間もない現時点において現行の水準を維持することが適当ではないのかなというふうに考えているところでございます。
#111
○荒木清寛君 所得税法等の改正につきまして、一つだけ地元から要請を受けている点を、地域で要請を受けている点を、改善方を要請したいと思います。
 それは所得税の予定納税でございまして、これは前年度の課税総所得金額を基に予定納税金額、予定納税基準額、現行法では十五万円ですけれども、それ以上になる人はこの確定申告の前に予定納税をしなければいけないと。これは制度の趣旨としましては、一遍に納めると納税者も大変だと、あるいは国としても歳入を平準化しなければいけないということでありまして、これは平時であれば十分理解をできる点でございます。サラリーマンは毎月毎月源泉徴収のわけでして、それは自営業者も三回に分けて納めていただくという趣旨は分かりますが、今急激な経済の悪化になっておりまして、本年度は黒字で個人事業者で納税したけれども、来年度はもう一気にこれは赤字になってしまうという事態が相当あるんではないかというふうに予想するわけです。
 ですけれども、そういう方もいったんはこの予定納税をして、最後に還付してもらうんですかね、ということになるわけでありますけれども、それがまた資金繰りとして、それはわずかな金額かもしれませんけれども、なかなかこうしたもう本当にせっぱ詰まった中では何とかならないのかという、そういう要請がございます。
 したがって、こうした緊急事態にかんがみまして、この所得税の予定納税について、零細な個人事業者に配慮した何らかの制度的な対応あるいは運用面での対応ができないのか、要請といいますか、お尋ねいたします。
#112
○政府参考人(加藤治彦君) まず、制度の立て付けを御説明いたしますと、今まさに先生御指摘いただきましたとおりでございまして、給与所得者とのバランス、それから確定申告の際、一括納付するよりは少し分割していただくというのが便宜もあるということで、円滑な申告納税制度の実現のための制度として設けられております。
 これ三回に分けますので、一回目が七月の末、二回目が十一月の末、年間納付所得十五万円以上の方がその翌年三分の一ずつ払っていただくわけですが、今先生こういう経済状況の中ということで御指摘ございました。おっしゃるとおり非常に状況が変化する所得でございますので、前年の所得よりも急激に少なくなるということが見込まれます場合は予定納税の減額をしていただくことができるようになっております。七月十五日までに申告、申請書を出していただければ、合理的なものであれば承認してその予定納税が減額されますので、是非まずその制度の御活用をお願いしたいと思っております。
#113
○荒木清寛君 終わります。
#114
○大門実紀史君 大門でございます。
 早く終わると大きな拍手がもらえるようですけれども、そうはいきませんので時間どおりやりたいと思いますが、まあちょっと税の話ばかりが続いているので少しお疲れかと思いますので、本題に入る前にどうしてもちょっと急いで確認したいこと、明らかにしておきたいことがありますので、先に質問させていただきたいと思います。
 日本郵政の関連、この前、予算委員会で質問した関連でございますけれども、この間、郵政といいますか、国民の財産が一部の企業の食い物になっているということがいろいろ問題になっておりますけれども、私、十六日の予算委員会では、かんぽの宿の売却における日本郵政と三井住友の癒着疑惑について取り上げたわけでございます。
 要するに、郵政が合計三百四十億円で建設した八件の物件をわずか十一億で企業買収グループ、その大株主は三井住友であるというふうな、しかもほとんどが随意契約だというふうなおかしな取引について指摘して、やったわけでございますが、そのかんぽの宿の売却責任者、不動産の売却責任者も三井住友出身の、三井住友から日本郵政に来た方でございますし、西川社長もそしてその売却責任者も今でも三井住友の株を持っていると、利害関係者だということも明らかにして、おかしいんではないかということで、特にかんぽの宿、大問題になりまして、日本郵政の中に第三者検討委員会ですね、をつくってやっていけということで、鳩山邦夫総務大臣も、私の資料を初めて見た資料だと、きちっと調査していくということを御答弁いただいたというのがこの前の予算委員会の流れでございましたが。
 ちなみに、もう一つ言っておきますと、私、三井住友問題、この委員会でもう数年前からいろいろな問題を取り上げてまいりましたけれども、これは総務委員会というよりも、銀行の在り方にかかわりますのでこの委員会の非常に重要なテーマだと思っているところでございます。
 ちなみに、もう一つ言っておきますと、日本郵政のゆうちょが提携したカードは三井住友カードでございますね。あるいは、郵政の資金が巨額に預託されているのは日本トラスティといって、これは三井住友系の信託会社でございます。そういう癒着の関係、いろいろあるので、私、オリックスどころか本丸は三井住友ではないかと思っているところでございます。
 今日は法案審議なのでこれを全面的にやるつもりはございませんが、一点だけ今日確認しておきたいことがございますのでお聞きいたします。
 まず、総務省に伺います。わざわざ石崎副大臣、来ていただいてありがとうございます。
 鳩山大臣の指摘でこのかんぽの宿の売却が大問題になりまして、先ほど言いました日本郵政の中に不動産売却等に関する第三者検討委員会が設置されたと。これは、総務省としてはこの検討委員会に何を期待されるのか、一言お聞きしたいと思います。
#115
○副大臣(石崎岳君) この第三者検討委員会でございますが、今年一月の十四日に日本郵政の西川社長が鳩山大臣と会見した際に、かんぽの宿の譲渡問題についてこの第三者委員会を設置するということを表明されました。そのときの説明では、この第三者委員会は、かんぽの宿の譲渡問題に関しまして鳩山大臣が示された三つの疑問、なぜオリックスか、なぜ一括か、なぜ今かという三つの疑問について対応する、そして不動産売却のスキーム等について考え方を整理するということが目的だというふうに表明をされております。
 したがいまして、私どもとしては、この第三者委員会においては、今回のかんぽの宿のオリックスグループへの譲渡や過去の不動産売却に関して、第三者でありかつ専門家としての客観的な立場から公正中立に十分検証がなされるとともに、今後の不動産売却についての基本的な考え方やルールが整理されるということを強く期待しております。
#116
○大門実紀史君 今日は日本郵政の常務執行役ですか、妹尾良昭さんに来ていただきました。
 あなたはこの検討委員会の事務局責任者ですか。
#117
○参考人(妹尾良昭君) お答え申し上げます。
 第三者委員会の事務局を担当させていただいております。
#118
○大門実紀史君 もう一つ妹尾さんに聞きますけれども、妹尾さんは日本郵政の内部監査部の担当役員ですか。
#119
○参考人(妹尾良昭君) 内部監査部門を担当させていただいております。
#120
○大門実紀史君 もう一点聞きます。
 日本郵政のコンプライアンス統括部の担当役員ですか。
#121
○参考人(妹尾良昭君) コンプライアンス部門も担当させていただいております。
#122
○大門実紀史君 この、このと言って申し訳ない、妹尾さんは、第三者委員会も内部監査もコンプライアンスもすべてあなたが日本郵政の中で仕切っておられます。つまり、あなたは、今回のかんぽの宿の調査、検証の実質的な責任者でもありますし、日常的に、日本郵政が企業と癒着しないように、利権を生まないようにチェックする、防ぐ部署の最高責任者だと、内部の最高責任者だと、担当役員だという理解でよろしいですか。
#123
○参考人(妹尾良昭君) コンプライアンス及び内部監査でございますので、そういうことになろうかと思います。
#124
○大門実紀史君 あなたは、日本郵政に来られる前はどこにおられましたか。
#125
○参考人(妹尾良昭君) 大和証券SMBCに在籍しておりました。
#126
○大門実紀史君 大和というのは、日本郵政グループの中の従業員の持ち株会というのがあるんですけれども、上場するときにみんなもメリットがあるようにということなんですが、そこの従業員持ち株会の事務を取り扱っているのが大和でございます。大和証券SMBCそのものは、これは大和証券が六割出資、三井住友が、フィナンシャルグループが四割出資という会社でございます。
 あなたが最初に就職した銀行はどこですか。
#127
○参考人(妹尾良昭君) 住友銀行に入行いたしました。
#128
○大門実紀史君 言いたいこと、お分かりだと思うんですけれども、大和証券SMBCから日本郵政に来られたわけですけれども、これは何で来られたんですか。何で日本郵政に来る必要があったんですか。
#129
○参考人(妹尾良昭君) 大和証券SMBCで監査役を務めさせていただいておりまして、任期が参りまして退任をいたしました。日本郵政で監査あるいはコンプライアンスができる人を募集しているというお話がございましたので、こちらに採用していただきたいということで参りました。
#130
○大門実紀史君 具体的に言うと、西川社長に声を掛けられて来られたんじゃないんですか。
#131
○参考人(妹尾良昭君) 私の方から、退職をいたしましたのでということで手を挙げて参りました。
#132
○大門実紀史君 手を挙げるってどういう意味ですか。あなた一人手を挙げたってしようがないでしょう。だれに対して手を挙げられたんですか。
#133
○参考人(妹尾良昭君) 私の方から、そういうお仕事があるのであればということで申込みをいたしたということでございます。
#134
○大門実紀史君 別にお隠しになる必要なくって、西川さんとはお知り合いですよね、日本郵政の前から。西川さんに具体的に、手伝ってくれと、助けてほしいということで来られたんじゃないんですか。
#135
○参考人(妹尾良昭君) 銀行時代、当然、頭取までやられたわけでございますから、広い意味ではお仕えをしておりまして、そういう人材があればということはかねがね聞いておりました。
#136
○大門実紀史君 こればっかりやると幾らでも時間掛かっちゃうんですけど、要するに、日本郵政の中に、予算委員会のときも申し上げましたが、チーム西川と呼ばれる存在がございます。これは私が名付けたんじゃなくって、もう何年も前、日経新聞が「「チーム西川」の威光」という記事を書きまして、それが定着してチーム西川と。この中のトップメンバーというのは四人と言われています、役員メンバーと。
 この前委員会でも申し上げましたが、不動産売却の契約責任者をやっています横山邦男さん、今でも専務執行役ですかね、で、あなたと、あとお二人は名前は言いませんが、あとお二人の方、この四人がチーム西川の四天王というふうに言われている重要な存在でございまして、今まで日本郵政のいろんなことを仕切ってこられたということになるわけですけれども、そういう存在だということは自らもう十分認識されていると思いますが、いかがですか。
#137
○参考人(妹尾良昭君) そのチーム西川と、あるいは、何とおっしゃいましたっけ、四天王ということは私自身考えておりません。
#138
○大門実紀史君 つまり、今大問題になっているのは日本郵政の中のオリックスだけではなくって、特に不動産物件の売却でいきますと、担当者が横山邦男さん、元三井住友ですから、その関係も含めて調べろと言われているときに、その調べる第三者検討委員会の事務局統括者、実際の報告はあなたが作ると思うんですよね、第三者検討委員会の報告、外部の方ばかりですから。その報告を作るあなたも住友銀行出身と。これ大変、私まずいことじゃないかと思うんですね。
 どうしてあなたが、そんなところであなたが作ったような報告書が信頼されるわけがないと。ふだんからも、内部監査にしろコンプライアンスにしろ、あなたが全部判断して仕切っているわけだから、これ今までだって、何やったってあなたのところでつぶせたわけですよ、悪く言えば。そういう存在なわけですよね。
 本当は鳩山大臣にお聞きしたかったわけですけれども、この委員会ですので石崎副大臣にお聞きしますけど、やっぱりまずいんじゃないですか。この方が第三者検討委員会の事務局統括者ということで、このまま検討委員会出て、報告出ても信頼されないんじゃないですか。いかが思われます。
#139
○副大臣(石崎岳君) 総務省としても、日本郵政から資料を提出させて、今検討、調査をしている最中でありますし、この第三者委員会というのは西川社長が鳩山大臣に約束をして立ち上げたと、そしてメンバーは、法律、会計、不動産のそれぞれの専門家に参加をしていただいて公正中立に議論をしていただいているということでございますから、最終的には西川社長の責任においてしっかりとした結論が出るものと思っております。
#140
○大門実紀史君 あれですか、石崎副大臣と鳩山大臣というのはちょっとニュアンスが温度差があるんですか。そんなに西川社長を信用、信頼していいんですか。
 申し上げておきますけれども、私は予算委員会の場で三年前に西川さん辞めさせるべきだと。なぜならば、郵政の社長にもう内定か就任されたちょっと後ですけれども、彼は、三井住友銀行が中小企業に対して金融商品を、金利スワップの商品を押し付け販売して、そのときの頭取だったんですよ。するりと逃げて郵政の社長になった方なんですよ。辞めろといって私が求めて、竹中さんは何と言ったかというと、西川さんは知見があるから頑張ってもらうんだと。どんな知見があるのかと。本当に彼の人を見る目がなかったというのは今明らかになったと思いますけれども、あのとき辞めさせておけばこんなに大問題にならなかったと私は思いますが。
 もう一度お聞きしますけど、いいんですか、こういう状態で、私は予算委員会か決算委員会で改めて鳩山大臣にお聞きしますよ。副大臣のあなたのお言葉として、西川社長に任せるでいいんですか。これ初めてお知りになったでしょう、今日初めてでしょう。こういう人が第三者委員会の事務局を統括しているというのを初めてお聞きになったわけでしょう。それを聞いてもいいんですか、任せるって、それだけでいいんですか、ちょっと心配になってくるんだけど。
#141
○副大臣(石崎岳君) その担当者云々ということもありますが、第三者委員会をつくって今四回議論をしているわけであります。まだまだこれから詳細な議論に入っていくというふうに思います。そして、そのメンバーは極めて経験のあるそれぞれの専門家の方が議論をしていただいているわけでありますから、その第三者委員会の役割というものをしっかりと見極めていきたいと思いますし、最終的には西川社長の責任において結論が出されるものというふうに思います。
#142
○大門実紀史君 せっかく来てもらったのに、鳩山大臣にそれじゃ直接お聞きしますけど。少なくとも今日明らかになったことをお伝えください、副大臣の立場として。
 それで、与謝野大臣にせっかくだからお聞きしますけれども、予算委員会でもお聞きになったと思うんですが、この日本郵政といいますか、民営化の中でいろんな企業が入り込んで国民の財産とかを食い物にしたり、事業を随契でどんどん受けたり、非常にもうグレーゾーンといいますかひどい話になってきていますよね。こういうこと、いかが御覧になっています。これ国民のみんなの財産が食い物にされているという話なんですよね。だから、鳩山大臣は怒られておるわけですよね。与謝野さん、いかがお考えですか、この問題。
#143
○国務大臣(与謝野馨君) 郵政改革の基本というのは一体何だったのだろうかと申しますと、やはり通常我々が受けていた郵便事業はそのままの形で残す。ただ、金融部分が肥大化しているからその部分をやはりサイズダウンしようというのが民営化のそもそもの基本的な考え方だったと私は思っております。
 民営化に伴って様々なことが行われておりますけれども、やっぱり国民が疑問に思っている点については、やっぱり政府、具体的には総務省において一つ一つチェックをしていただきたいと思っております。今のところまだ郵政は国が一〇〇%の株を持っておりますから国民のものでありますし、そのことはやっぱり国会のまた責任でもあると思っております。
#144
○大門実紀史君 おっしゃるとおりでございまして、国会としても追及していかなきゃならないし、事実を明らかにしていかなきゃいけない問題だというふうに思っておるところでございます。もうこればかりやるわけにいきませんので、今日はこれぐらいにしておきたいと思いますので、総務副大臣、結構でございます。妹尾さんも結構でございます。
#145
○委員長(円より子君) お二人は御退席くださって結構です。
#146
○大門実紀史君 それでは本題に入りますけれども、もう時間が短いので一点、二点だけ今日はお聞きすることにいたします。
 この前、おとといですかね、この委員会で経済財政諮問会議の資料について若干議論しましたけど、ちょっと時間切れになってしまったものですから、その続きを少しだけやりたいと思います。
 私が申し上げたかったのは、経済財政諮問会議の資料が、消費税というのは逆進性があると。つまり、所得の低い人ほど負担が重くなると。この批判をごまかすために、消費税増税してもそれを社会保障に回せば所得再分配は強化されるんだという、もうそこだけ取り上げた資料を作ってためにする宣伝をしているので、それは違うのではないかということを厳しく、特に西川審議官に申し上げたわけです。ちょっと厳し過ぎたかなというふうにも思いますが、西川さん自身もその後冷静になって何か反省されることございますか。
#147
○政府参考人(西川正郎君) お答え申し上げます。
 前回の御質疑を踏まえまして、これまでの御議論につき大臣に御報告させていただきました。今後、国会での御議論につきましては大臣に的確に報告するよう努めますとともに、御質問に対して簡潔に答弁申し上げるよう努力したいと思います。よろしくお願いします。
#148
○大門実紀史君 本当はいい方だったんだというのがよく分かりました。
 大臣の答弁もちょっとごちゃごちゃなまぜこぜの話だったんで確認だけしたいと思います。消費税に逆進性があるあると言われても、騒がれてもたまらないみたいな言い方をされたんですけれども、ちょっと与謝野さんらしくないなと。消費税というのは負担において逆進性があるというのはもう別に証明抜きにだれだって当たり前の話だと思うんですが、それはそういうことだと思うんですが、いかがですか。
#149
○国務大臣(与謝野馨君) ここは議論が分かれるところでして、例えば間接税、例えばビールは全員飲むわけじゃないんですけど、ビールの酒税に逆進性があるのかという問題があって、多分そんなことはないんだろうと思います。多分それは逆進性と呼ばないんじゃないかと思っておりまして、そこの議論をすることは本当かなという気がするわけです。大門先生言われるように、仮に逆進性があっても、その逆進性が許される範囲の逆進性かどうかということが大事なんです。ですから、仮に三年後なりなんなりに消費税を、負担をお願いすることにしたときに、それが仮に全部社会保障に使われた、年金、医療、介護、少子化対策等に使われたときに負担と給付と合わせて物を考えたらどういう現象が起きるのかというと、所得の低い方々に対しては厚めの給付が行くことになるというので、むしろ逆進性は解消されるというふうに考えることができるのではないかというのがこの前のグラフです。
#150
○大門実紀史君 その議論をする前に、基本的な話として、今のやっぱり間違っていますよ。
 ビールを例えば十本飲んだと、五百円として、外で、五千円だとしますよね。その十本飲んだ人が、五千円使った人が、年収一千万の人が五千円、十本飲んだ場合と二百万の人が十本飲んだ場合、所得に対しては逆進性があるんです、あるんですね。これはもう当たり前の話でございます。
 ですから、まずそういうことと、それと、社会保障というのは元々、本当に基本的な話をしているような、基本的過ぎて国会でするような話じゃないかも分かりませんが、社会保障というのはそもそも所得の再分配効果があるわけです、給付そのものが。その財源を所得税、つまり累進所得税でやるか消費税で賄うかでいけば、累進所得税で社会保障給付をやった方がより再分配は深まる、当たり前のことで、今までやってきたわけですよね。消費税でやった場合は逆進性が足を引っ張るから再分配がむしろ少なくなっちゃうと、所得税でやるよりも。
 このことを、当たり前のことを申し上げているだけで、その上で政府として、それはそうですけれども社会保障に回せばちょっとは再分配効果が残りますと謙虚なことでおっしゃるのなら分かりますけれども、どうもそこを、途中を抜いて、増税したって大丈夫だと、格差は縮まるんだみたいなことを単純におっしゃると、違いますよということを申し上げただけで、こんなことを何回も質問したくないので、基本的なところは押さえていただきたいということを申し上げて、今日は終わりたいというふうに思います。
#151
○委員長(円より子君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#152
○委員長(円より子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(円より子君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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