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2009/03/24 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第9号
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2009/03/24 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第9号

#1
第171回国会 財政金融委員会 第9号
平成二十一年三月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         円 より子君
    理 事
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
    委 員
                池口 修次君
                川上 義博君
                喜納 昌吉君
                富岡由紀夫君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                水戸 将史君
                峰崎 直樹君
                山下八洲夫君
                末松 信介君
                鶴保 庸介君
                中山 恭子君
                林  芳正君
                藤井 孝男君
                森 まさこ君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        与謝野 馨君
   副大臣
       内閣府副大臣   谷本 龍哉君
       財務副大臣    平田 耕一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      梅溪 健児君
       内閣府大臣官房
       審議官      湯元 健治君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   大藤 俊行君
       金融庁検査局長  畑中龍太郎君
       金融庁監督局長  三國谷勝範君
       総務大臣官房審
       議官       佐藤 文俊君
       財務省主計局次
       長        木下 康司君
       財務省主税局長  加藤 治彦君
       財務省理財局長  佐々木豊成君
       財務省国際局長  玉木林太郎君
       国税庁次長    岡本 佳郎君
       中小企業庁事業
       環境部長     横尾 英博君
   参考人
       株式会社日本政
       策金融公庫代表
       取締役総裁    安居 祥策君
       日本銀行理事   水野  創君
       日本銀行発券局
       長        大泉  琢君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十一年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十一年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(金融庁)、財務省所管及び株式
 会社日本政策金融公庫)
○財政運営に必要な財源の確保を図るための公債
 の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの
 特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(円より子君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局総括審議官大藤俊行君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(円より子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁安居祥策君、日本銀行理事水野創君及び同発券局長大泉琢君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(円より子君) 去る三月十八日、予算委員会から、三月二十四日の一日間、平成二十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管及び株式会社日本政策金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 委嘱されました予算について政府から説明を聴取いたします。与謝野財務大臣兼内閣府特命担当大臣。
#7
○国務大臣(与謝野馨君) まず、平成二十一年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は八十八兆五千四百八十億円余となっております。
 この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は四十六兆千三十億円、その他の収入は九兆一千五百十億円余、公債金は三十三兆二千九百四十億円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は二十二兆九千八十三億円余となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十兆二千四百三十七億円余、経済協力費は一千五百三十七億円余、経済緊急対応予備費は一兆円、予備費は三千五百億円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 国債整理基金特別会計におきましては、歳入百八十三兆三千九百三十五億円余、歳出百七十一兆三千九百三十五億円余となっております。
 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきまして、収入二千三百九十四億円余、支出一千六百三十八億円余となっております。
 このほか、同公庫の農林水産業向け業務等の各業務の収入支出予算につきましては予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださるようお願い申し上げます。
 引き続きまして、平成二十一年度における内閣府所管金融庁の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。
 金融庁の平成二十一年度における歳出予算要求額は二百十六億円余となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費といたしまして百八十四億円余、投資者等の保護に必要な経費といたしまして二十億円余、金融機能の安定確保に必要な経費としまして七億円余を計上いたしております。
 以上をもちまして、平成二十一年度内閣府所管金融庁の歳出予算要求額の概要説明を終わります。
 よろしく御審議くださいますようにお願いを申し上げます。
 以上でございます。
#8
○委員長(円より子君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、財務省所管の予算の説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 まず、与謝野大臣に金融庁の予算に関して質問したいと思います。
 リーマンショックから半年が経過しました。その間、国際的な枠組み若しくは物の考え方も大きく変化したと思います。そこで、金融行政の基本方針は引き続き堅持しているか。例えば金融立国構想、ベターレギュレーション、こういった構想がございましたが、これに対して変化はございますか。
#11
○国務大臣(与謝野馨君) 今般の金融危機は百年に一度とも言われる厳しい状況であり、これを克服するために様々な措置を講じているところでございます。
 他方、金融庁においては、従来から、我が国金融資本市場の競争力強化に向けた取組や金融規制の質的向上に向けた取組を進めてまいりました。少子高齢化社会が到来する中で、家計の資産運用の多様化や経済社会全体への適切な資源配分を進めるとの観点から、我が国金融資本市場の競争力を強化することは引き続き重要な課題であり、最近の金融資本市場の動向も踏まえつつ、強力に推進してまいりたいと思います。
 また、現下の金融経済情勢を踏まえれば、重要なリスクを早期に認識し、行政資源を効果的に投入することなどを柱とする金融規制の質的向上に向けた取組も極めて重要と考えております。
#12
○大久保勉君 分かりました。一つだけ、コメントとしましては、金融資本市場の競争力は重要である、私も同感であります。
 特に、これからは金融市場の枠組みをどうやってつくっていくか、国際的な会議がございますが、その中で日本がどういう形でリーダーシップを発揮するか、日本の主張をどうやって他国に納得させるか、このことが是非とも必要だと思います。今日はこういった論点に従いまして幾つか質問していきたいと思います。
 まず、次の質問としましては、平成二十一年度の金融庁の予算に関しまして、どういった組織編成をするのか、人員等に関しまして金融庁の参考人の方に質問したいと思います。
#13
○政府参考人(大藤俊行君) お答えいたします。
 グローバルな金融市場の混乱を受けまして、海外当局との協調、連携の強化や、金融市場における公正性の確保、金融仲介機能の適切な発揮等がますます重要となっております。
 こうした政策課題に的確に対応するため、平成二十一年度における金融庁の予算案におきましては、所要の機構を手当てするとともに、金融庁全体でネットで四十五名の増員を行うほか、これらの増員に必要な経費を含む所要の予算を確保したところでございます。
 具体的に申し上げますと、まず国際担当の総括審議官の設置を含む海外監督当局等との連携強化、証券取引等監視委員会の体制強化や格付会社に対する規制対応などの市場に対する監視・監督体制の強化、また中小企業金融の円滑化に係る体制の強化等、金融システムの安定性強化、金融仲介機能の適切な発揮のための体制整備などを行うこととしているところでございます。
 金融庁といたしましては、ただいま御説明申し上げましたこれらの機構、定員や予算を最大限に活用しつつ、引き続き現下の政策課題に的確に対応してまいりたいと考えております。
#14
○大久保勉君 続きまして、今後G20若しくはバーゼル委員会等で国際的な枠組み、特にBIS規制、さらには時価会計がこれまでどおりでいいのか、そういった議論がなされると思います。実は私ども民主党の方でも、峰崎委員を会長としまして企業会計小委員会というのを設置しまして、時価会計の在り方、さらにはいわゆるBIS規制の在り方等を議論しております。
 そこで、政府の方針を確認したいんですが、考え方としましては、時価会計を修正する若しくは後退させる、こういった考え方もあります。もう一方で、いやいや、時価会計というのはそのままにしまして、いわゆる時価会計というのは鏡みたいなものであります、それから映ってくる実像に対しましてBIS規制若しくはいろんな証券規制でもってマーケットのひずみ若しくは金融機関のひずみを直していく、こういった考え方があると思います。
 そこで、日本は現在、時価会計を凍結するという方向なのか、それとも時価会計はそのままにしまして種々の規制を変えていく、こういった方向で考えているのか、このことに関して確認したいと思います。
#15
○国務大臣(与謝野馨君) 時価会計についてでございますが、財務情報の透明性を確保する観点から導入されたものであり、今日でも国内外でその意義は失われていないと考えております。また、国際的にも時価会計の凍結といった議論は支配的になっていないものと認識をしております。
 また、銀行の自己資本について、先般のG20声明では、景気回復が確実になるまで所要自己資本を変更しないことが重要とされる一方で、金融規制が景気循環を増幅するのではなく抑制するようにするとされており、金融危機の再発防止の観点から金融システム強化の方向が示されているところでございます。
 なお、現下の金融危機への当面の対応については、先般のG20の声明でも、必要に応じ、一、流動性支援の継続、二、銀行の資本増強、三、不良資産の処理等が重要とされております。
 我が国としては、こうした短期的な対応に加え、中長期的な危機の再発防止に向けて国際的な議論に引き続き積極的に参画してまいりたいと考えております。
#16
○大久保勉君 ありがとうございます。
 この問題は非常に重要でありまして、明日参考人質疑がありまして、うちの会派からは峰崎委員の方が参考人に対しても質問しまして、より一層の議論をしていきたいと思います。
 続きまして、金融機能強化法に関して質問したいと思います。
 政府参考人に質問しますが、三月までに何行がこの金融機能強化法に応募し、また幾ら資本注入をする予定か、聞きたいと思います。
#17
○政府参考人(三國谷勝範君) お答えいたします。
 三月十三日に、金融機能強化法に基づきまして、北洋銀行、福邦銀行及び南日本銀行の三行に対しまして資本参加の決定を行ったところでございます。
 資本参加の額につきましては、北洋銀行が一千億円、福邦銀行が六十億円、南日本銀行が百五十億円、三行合計で千二百十億円となっておりまして、各行に対しましては三月末までに払込みがなされる予定であります。
#18
○大久保勉君 たしか金融機能強化法が昨年、可決、成立したときは二兆円の枠だったと思います。今年に入りまして、二兆円では足りないから十兆円増やすということで十二兆円になったと記憶しております。まだ一千二百十億円しか応募がないということは、当初の目的から考えて、達成していないのか、いやいや、私は以前から主張していましたが、もうこれは使わなくてもよろしい、保険だと、日経平均が例えば五千円になっても金融システムは盤石であります、なぜならば十二兆円公的資金を準備していますと、こういった考え方もあると思います。
 そこで、この質問は実は中川前大臣に質問しました。中川大臣は是非とも取ってくださいというような議論になったと思いますが、与謝野大臣、この件に関してどう思われますか。
#19
○国務大臣(与謝野馨君) それぞれの金融機関は自力でやりたいと思っておられますし、また資本が足りないときには自分の力で調達したいと思っておられるようでございます。この国の資本参加に関することは、これは国が資本参加とこっちから押しかけていくわけではなくて、やはり先方様から申請があるという、金融機関の御自分たちの経営判断に基づくものでございます。
 今般、資本参加を決定した三行以外の金融機関においても、この法律の目的を達成できるように本制度を積極的に活用していただくことを期待をしております。
#20
○大久保勉君 大臣が期待されても使い勝手が悪かったらだれも利用しないと思いますが、その点に関して、どうです、どうしたら使い勝手が良くなりますか。
#21
○国務大臣(与謝野馨君) 多分、国が資本参加をすると国がああでもないこうでもないと言うのではないかという気持ちを恐らく金融機関側が持っておられるので、本当にメガに関してはどうにもならないという状況にならないとなかなか申請してこられないわけですけれども、先ほど局長が御説明したように、地方銀行から始まりまして資本が必要なところは申請を始めている、また必要な定款の改定等をやっておられますので、一つのきっかけとして徐々にこの法律を利用していただいて地域経済や中小企業のために貸出能力を高めていただきたいと期待をしております。
#22
○大久保勉君 まだ抽象的に見えるんですけれどもね。結局は、使い勝手が悪かったら一年たっても二年たっても申請はないと思うんですよね。
 ですから、二つの方法しかないと思います。一つは、本当に貸し渋りが蔓延するんだったら強制注入をすると、法律を変えて強制注入をすると。こういう方向か、若しくは、いわゆる国の政策、中小企業に対してお金を貸し出すという政策を代行するためには金融機関に何らかのインセンティブを入れるということです。
 具体的には、優先出資証券の例えば配当金をゼロにするというような、いわゆる借りなかったら損だと、場合によっては株主代表訴訟を起こされるような状況に持っていく。じゃ、国から補助金を渡すことに意義があるか。これは、公的資本をといいましたら、場合によっては十二・五倍の金額だけ中小企業にきっちり融資をする、もし融資しなかったら罰則を科す、こういっためり張りの利いた制度が必要だと思います。
 大臣としましては、一番の強制注入の方向か、若しくは二番のインセンティブを入れるか、どちらの方向がいいと思いますか。
#23
○国務大臣(与謝野馨君) インセンティブか強権的にやるかという御質問だとしたら、この制度とは関係なく、強権的に物事をやるというのは多分そんなにうまくいかないと思っていますから、インセンティブの方だろうと。二つしか選べないものがあるとしたら、そちらの方ではないかと思っています。
#24
○大久保勉君 具体的にインセンティブの出し方も検討してもらいたいんですが、もう一つは、やはりいったん公的資金を取ったら金融庁の検査で非常に嫌がらせがあるからと、そういったおそれがあるとしましたら、そういうことはないですよということを是非大臣の方が金融機関に対して宣誓してもらいたいと思いますが、どうですか。
#25
○国務大臣(与謝野馨君) 私は、度重なる機会に金融関係者には、前回の資本注入とは全く違って是非お願いしたいと、金融庁も国が資本参加をしたからといってああでもないこうでもないと言うようなことはないのでございますと言っているんですが、なかなか信じていただけないと、こういうことでございます。
#26
○大久保勉君 金融制度というのは信頼というものが重要ですから、是非お互いの信頼感を構築してください。与謝野大臣はできると私は信じています。
 では続きまして、財務省に関する質問をしたいと思います。
 まず、外為特会に関して質問したいと思いますが、こちら、外為特会というのは現在残高が百兆円あります。日本のGDPの二〇%、相当な金額であります。これまでは円とドルの若しくは円と外貨の金利差がございまして、それで剰余金が非常にたまっていました。過去には、五%の金利差があった時代には年間で五兆円の剰余金がたまり、そのうちの半分、二兆円近くを一般会計に繰り入れていました。金利差が四%でしたら、四兆円の剰余金がたまり、二兆円が一般会計に繰り入れています。その意味では親孝行な特別会計だと言われています。実際、平成十九年で一・六兆円、平成二十年で一・八兆、平成二十一年で二・四兆円の一般会計繰入れがあります。
 ところが、最近非常に困った状況になっていると思います。いわゆる世界的な不況で、全世界の金利がほぼゼロ金利になりつつあります。特に、ドル、イギリスのポンド等はゼロ金利でありますから、円と外貨の金利差はほとんどゼロになっています。こういう状況では、為替リスクはありますが、金利差はなくなっていますから、いわゆるリスクに対するバッファーがなくなってきています。さらには、円高に行った場合に為替介入をしようとしましたら、更に外為特会の残高が増えまして百兆円から場合によっては百五十兆、二百兆円になりましたら、GDPに対して三〇%、四〇%になってしまいます。非常に大変な状況かと思います。そこで、外為特会の運営方針をそろそろ見直す時期が来ているんじゃないかと私は思っております。
 そこで質問したいと思いますが、今後見直す気はあるのか、若しくは見直すとしましたらどういった方向性で見直していくのか、この点に関して与謝野大臣に確認したいと思います。
#27
○国務大臣(与謝野馨君) 今の日本は相当の外貨準備を持っておりますけれども、日本国が財産を持っているから外貨準備を持っているのではなくて、外貨準備、ドルを買うために市場からお金を借りて買っているわけでございます。これは為替リスクを常に内在をしておりまして、多分九十九円ぐらいのところでプラス・マイナス・ゼロ、九十九円以上に円高が進みますと外為特会自体が潜在的な評価損を持つことになります。
 しかしながら、安全性や流動性に最大限の配慮をしながらも、その範囲内で可能な限り収益性を追求するという基本方針で実は運用がされております。例えば、現下の国際金融情勢、国際金融危機に対応するために、IMFに対する最大の一千億ドルの貸付け、これは外為特会から出ていくものです。それから、アジア諸国との通貨スワップの取決めの拡充それからJBICに対する外貨資金の貸付けといった国内外の経済に資するような使い方もさせていただいております。
 それから、もう一つ皆様方にもお考えいただきたいのは、やっぱり日本が一体どのぐらいの外貨準備を持っていることが適正規模であるか。これは国際的にも一致した意見もないわけでございますけれども、こういうことは常に我々に課せられた考えなければならない課題だと思っております。
 いずれにしても、現下の金融危機の下では、外貨準備を活用して為替市場の安定を図っていく、このことが大事だと考えております。
#28
○大久保勉君 外貨準備の適正な金額が重要であるというコメントがございましたが、ちなみに、これは質問通告していませんから、もし御存じだったら教えてください。例えば、ユーロ、米国、イギリス、こういった国の外貨準備はどのくらいか。分からなかったら結構です。
#29
○政府参考人(玉木林太郎君) ユーロエリアの二〇〇七年末の計数をまずお答えしますと、ユーロエリア全体で外貨準備高は二千三百四十九億ドルでございます。英国が四百九十五億ドル、同じ時点です。
#30
○大久保勉君 GDPに対して。
#31
○政府参考人(玉木林太郎君) GDPに対して。ユーロエリアは二千三百四十九億ドルの外貨準備に対してGDPが十二兆一千五百八十四億ドルでございますので、対GDP比は一・九%となります。
#32
○大久保勉君 米国はいかがですか、GDP比。あとイギリス。ほとんど二%以下になっているというのを確認したいと思います。
#33
○政府参考人(玉木林太郎君) 同じく二〇〇七年の計数で見ますと、米国が外貨準備のGDPに占める比率は〇・五%、英国の場合は一・八%となっております。
#34
○大久保勉君 ここで分かったことは、イギリスが一・八%、米国が〇・五%、ユーロが一・九%、いずれも二%以下なんです。ですから、けたが一けた違うんですね。
 ですから、日本は二〇%の外為特会を持っている、これは事実であります。これを増やす必要があるか、減らす必要があるか。これは一概に言えないと思います、為替に対する影響もありますから。
 ただ、ここで注文を付けたいのは、この二〇%の外為特会を賢く運用しましょうという発想です。この一年間で財務省はかなり賢く運用されていると思います。ここで何度も議論しました。例えば、JBICに対して五十億ドルの貸付けをしております。実は、これはかなり財政上インパクトがあると思います。この資金を仮に例えばシティとか若しくはUBS、外銀に対してオーバーナイトで一年間運用したときの金利とJBICに一年間運用したときの金利、どのくらい差が出てくるのか。一応、昨日質問通告していますので、参考人に質問したいと思います。
#35
○政府参考人(玉木林太郎君) 御指摘の外為特会からJBICに対する貸付けは、JBICが相応のコストで調達できる長期の外貨資金に量的な制約があることにかんがみ、その不足分について貸付けを行うものでございます。このため、JBICへの貸付けはJBICの外貨調達市場における調達状況を踏まえた金利とすることとしておりまして、御指摘の今年三月に実施する五十二億ドルの貸付けについては、米ドルLIBOR六か月の金利に〇・三%を足した金利で貸付けを行うこととしております。
 米ドルLIBORの六か月に〇・三%を足した金利とオーバーナイトの米ドルLIBORとを昨日のレートで比較いたしますと、前者が約二・〇六%、後者が約〇・二九%と金利差が約一・七七%になります。これを、機械的な計算となりますが、三月中の貸付額五十二億ドルを継続していきますと、その金額は約九千二百万ドルという差になろうかと思います。
#36
○大久保勉君 九千二百万ドルということは、約九十億ぐらいですか。ですから、運用の仕方だけで九十億円のプラスなんです。それも国にとっては信用リスクは減りますね。
 といいますのは、外銀に対してオーバーナイトで貸すということは、外銀の信用リスクを取っている。一方で、JBICに対して融資をしておりますから、これは国に対する融資ですから、リスクはない、信用リスクはございません。さらに、JBICはこの資金を何に使うかといいましたら、例えばトヨタとかホンダとかソニーの海外現法に対して貸付けをして、いわゆる輸出企業等の外貨資金繰りを助けると、こういったことになりますから、是非どんどん実行すべきだと思います。
 さらには、じゃJBICだけに貸し出して十分か。私はそう思いませんで、もし金融危機が一層深刻化しましたら、メガバンクに貸出しをするとか、さらには政策投資銀行、場合によってはゆうちょとか、こういった別の金融機関にも貸出しをしまして日本の持っている外貨の有効活用を是非すべきだと思いますが、このことに対しまして大臣の御所見を確認したいと思います。
#37
○国務大臣(与謝野馨君) 現下の国際金融秩序の混乱の中、諸般の資金ニーズに対応するJBICの積極的な対応を可能とすることが必要となっておりまして、来年三月末までの措置として、外為特会から外貨資金を貸し付けることとしたところでございます。外為特会からJBICに対する貸付けは三月中は五十二億ドルとなりますけれども、四月以降についても、今後、JBICに対する融資のニーズやJBICの資金調達の状況を踏まえまして、JBICが引き続き適切に融資を行えるよう外為特会から貸付けを行うこととしております。
 現時点ではJBIC以外の機関に対して中長期の外貨資金の貸付けを行う必要があるとは考えておりませんけれども、いずれにいたしましても、今後ともJBICによる円滑な外貨資金の供給に万全を期してまいりたいと考えております。
#38
○大久保勉君 現時点ではJBIC以外は貸出しする必要がないということですが、是非前向きに、例えば政投銀とか若しくはメガバンク等にも貸出しをするということを考えてほしいと思います。
 現在、約八兆円外銀に対して預金をしています。この一部を政投銀とかメガバンクにいわゆる長期のドル資金として貸出しをして、その資金は必ず日系企業に出してくださいと、こういう条件を付けましたら、かなり資金繰り対策になると思うんですね。恐らく大臣の決断次第でできると思いますから、大臣、どうですか、是非ここで決断してくださいよ。
#39
○国務大臣(与謝野馨君) JBIC以外のいわゆる日本の銀行、邦銀、ここは、ドルの流動性の確保を含めまして邦銀の資金の流動性を確保するのは日本銀行の役割でございまして、その原資を何に求めるかは、まずは日本銀行において判断される事項であると考えております。しかしながら、日本銀行からの御要請があれば、当然外為の方でも真摯に検討しなければならないと思っております。
#40
○大久保勉君 少しがっかりしましたね。まだ平常時の考え方かなと思います。是非、百年に一度の金融危機でしたら、非常に柔軟な発想で決断してください。大臣しかこの決断はできないと思いますから、今後是非検討してもらいたいと思います。
 続きまして、いわゆる外為特会、百兆円ありますが、これは何人で運用しているか御存じですか、政府参考人。
#41
○政府参考人(玉木林太郎君) この外為特会の運用を担当をしております者は、直接これを管理しております財務省国際局為替市場課で十九名、それから日本銀行国際局において二十五名となっております。
#42
○大久保勉君 事実上フロントで運用しているのは十九名ということですよね。ということは、一人五兆円も運用しているんですよ。実は、もっと人を配置しまして、さっき言いましたように、JBICにお金を貸し出すだけで百億円近く利益が上がるんです。利益が上がるというか、運用利回りが上がっていきますから、もっと賢くかつリスク管理をしていくべき分野です。もっとここは重点的に投資すべきだと思うんです。さらに、こちらのいろんな情報収集能力とかそういったものに関してもまだまだ不十分だと思います。能力は高いんですが、百兆円という規模、つまり国家財政、一般会計よりももっと大きい金額を運用していますから、それなりに対応すべきだと思います。
 そこで、インフラとか資産規模に合った設備投資等をしたらどうかと思いますが、大臣の御所見を聞きたいと思います。
#43
○国務大臣(与謝野馨君) 必要なものはお願いして、当然きちんとしたディーリングができるようなことにしなければなりませんけれども、今のところ、ディーリングに必要な機器は一応全部そろっております。
#44
○大久保勉君 そうなんですか。じゃ、大臣はディーリングルームに行かれたことありますか。
#45
○国務大臣(与謝野馨君) ございません。
#46
○大久保勉君 行ったこともないのに、十分というのはどうやって分かるんですか。
 実は、民主党でディーリングルームに視察に行きました。夏場でも冷房が効かない状況で、本当に狭い一角に押し込められています。それで百兆円も運用していたら、本当にかわいそうですよ。是非ここは、百兆円を運用しているということで、それに合った設備若しくは条件の改善をお願いしたいと思いますが、大臣の決断をお願いします。
#47
○国務大臣(与謝野馨君) もちろん、ディーリングルームには行ったことがございませんけれども、世界の為替の動向には常に職責上関心を払って注視をしております。
 ただ、財務省の建物は、非常に古い、天井の高い冷房も暖房も効かないところでございまして、そういうところで働いている方はお気の毒の一語に尽きるとは思っております。
#48
○大久保勉君 そうですね。是非改善をしてください、長期的な意味で結構ですが。実際にひどいものです。
 また、大臣は為替の動向は気にされていますが、じゃ、ドル金利の動向とか、ドル金利の動向は注視されていますか。ドルの金利、LIBORの金利は幾らとか。
#49
○国務大臣(与謝野馨君) もちろん専門家が詳しく見ているわけですけれども、大臣としての判断が必要なときにはきちんと判断をしております。
#50
○大久保勉君 模範的な回答かもしれませんが、為替というのは金利とかいろんなものによってでき上がりますが、是非専門家をもっと養成しまして、百兆円を運用しているということに値するだけの設備投資若しくは人材投資を是非お願いしたいと思います。
 特に、財務省は十九名しかいませんが、ここで何回か議論していて、一名だけ民間から人を採用しておりますが、その方は実際のトレーディングはされません、ただ単に情報収集だけです。公務員の採用というので難しいのでありましたら、日本銀行から人を採用するとか若しくは出してもらうとか金融庁から人を出してもらう、このことを是非実現してもらいたいんです。
 このことは日銀の職員にとりましても、外為特会の運用の現場でいろんな知識を吸収してまた戻っていってバックオフィスでいろんな仕事をする場合に、より密接な仕事ができるはずなんです。さらには、金融庁の職員がこういったところで研修しましたら、海外の為替動向若しくはマーケットの動向が分かりますから、同じような為替取引、資金取引をしている金融機関に対するより親切な若しくは的確なアドバイスができると思うんです。
 このことに対して御所見はございますか。
#51
○政府参考人(玉木林太郎君) 外貨資金の管理の充実を図るためには、御指摘の人員の増加だけではなくて、多様な知見あるいはバックグラウンドを有する人材を確保することが重要だと考えております。こうした観点から、今般、資金管理専門官として為替市場課に債券市場の実情に精通した民間金融機関出身の方を採用したことはそうした意義があると考えております。
 政府機関からの出向者、日銀あるいはその他の政府機関からの出向者を受け入れるという点につきましては、必要なスキルを持つ方が確保できるということであれば考えていきたいと思っております。
#52
○大久保勉君 質的な問題と量的な問題、両方とも足りないと思うんですね。わずか一名の採用だったらもう全然駄目で、少なくとも人を倍増するとか、そういった抜本的な改革が必要じゃないでしょうか。実際に人が少ないから新しいことはしたくないということでしたら、大きい方向性を誤ると思うんです。もう円とドルの金利差はほとんどゼロになっていますし、今後為替介入をしようとした場合に、外為特会がどんどん膨れ上がっていきますから、なかなかこれまでと同じような為替介入というのは難しくなる可能性がありますから、是非前向きにいろんなことを考えてもらいたいと思います。
 そこで、一つ提案といいますか、こういったこともできますよということで御紹介しますが、外為特会がどうして百兆円かといいましたら、これまでずっと円売りドル買い介入がたまってドル価で一兆ドルになっています。どうしてそういうことが必要かといいましたら、日本は輸出産業が強いということで、為替が円高になってしまったら輸出が伸びず国内景気が悪くなっていると、こういった状況からでき上がったものだと思います。
 じゃ、為替を円安に持っていくための方法としましては、例えば今ドル価で、ドルで買っております米国の国債、若しくは、エージェンシーといいますが、ファニーメイ、フレディマック等の社債を、もうドルだったら買わないよ、ただ円建てだったら買うといったことを表明したら大分違うと思うんです。例えばサムライ債で三十年とか五十年の債券を円建てで発行したら、日本にとりましては為替リスクはありません。そういったものを買ってあげるんです。そうしましたら、発行体の方はどうするかといいましたら、非常に三十年、五十年というのはいわゆるスワップ市場というのはございませんから、もし必要となれば、もらった円を、例えば一千億円資金調達をしたら一千億円の円を為替市場で売却してドルを調達して、自国のドル資金に使っていく。もちろん三十年とか五十年後の償還時には反対取引がありますが、短期的には円売りドル買いということで為替市場に対して円安要因になります。
 こういったことも踏まえて、いろんなことを検討したらどうでしょうかということです。この点に関して、いかがでしょうか。
#53
○政府参考人(玉木林太郎君) 米国政府あるいはGSE等が円建ての債券を日本で発行するサムライ債の発行というのは、当然のことながら一義的には各国当局等の判断によるものでございますが、仮に外国当局がサムライ債を発行した場合であっても、これを外為特会で直接保有するということは法律上できないと考えております。ただ、サムライ債の発行については、円の国際化あるいは我が国投資家にとっての為替リスクのない投資対象の拡大といった利点があることから、当局としてもできる限りこれを促進することが望ましいということは考えております。
 こうした観点から、一つ例を挙げますと、先般、インドネシア政府が発行するサムライ債。これは、従来インドネシア政府が専らドルで資金調達していたものに加えて円建てのサムライ債を発行してはどうかという働きかけをしまして、それに対してJBICが二年間で最大十五億ドル相当円の保証を付与するといった支援措置を表明したところでございまして、こうした努力を今後とも継続してまいりたいと考えております。
#54
○大久保勉君 では続きまして、国際的ないわゆる租税逃れの動き若しくはタックスヘイブン国に対する規制、こういったことに関して質問したいと思います。
 例えば米国の例で申し上げますと、米国のIRSといいまして日本の国税に当たる機関がスイスのUBSに対しまして訴訟を起こしまして、いわゆる脱税等の手助けをしているんじゃないか、幇助をしているんじゃないかということでいろんな議論がございました。最終的には、UBSの方が和解しまして、顧客口座を一部明らかにしているということです。さらには、ドイツではリヒテンシュタインという国に対しましていろんな捜査をすると、こういった動きが世界的に出ています。
 やはり税の公平化のためにはどうしても脱税をさせない、こういった努力が必要だと思いますが、日本はこういった流れに対してどういうことをやろうとしているのか。つまり、アメリカ並みに若しくはヨーロッパの各国並みに、ちゃんとした国際的な脱税に関して捜査しようとしているのか、この点に関して質問したいと思います。
#55
○政府参考人(岡本佳郎君) 事実関係ですので、まず私の方からお答えさせていただきます。
 委員御指摘の米国の制度でございますけれども、まず米国においては、納税者に一定額以上、一万ドル以上の外国口座の有無を報告することが義務付けられていると、そういう制度がございます。我が国はそういった義務付けがされていないということで、制度に違いがあるところでございます。
 それでは、我が国の方はどうするかということでございますけれども、国外への一定額以上の、現在のところ二百万円以上ですけれども、送金等を行った場合に、その内容を記載した国外送金等調書、これを税務署に提出することを金融機関等に義務付けることなど、こうした情報を活用するなど課税上有効な資料情報の収集に努めているところでありまして、今後もこうしたことを積極的に活用していきたいと考えております。
#56
○大久保勉君 じゃ、アメリカのIRSがスイスの銀行に対して米国人の口座を明らかにしろということを言っていますが、日本の国税は、例えば海外の金融機関に対して脱税をしているらしい口座に関して開示を求めることはできますか。
#57
○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 たまたま今挙がっておりますのがスイスとの関係ということですと、ちょっと条約の関係がまだ規定が設けられておりませんけれども、我が国が締結しております四十五の租税条約、スイスを除きましてすべての租税条約に情報交換規定が設けられております。最近ではこれで年間二十万件以上の情報交換を実施しているところでありまして、こういうことを活用して口座に関する資料等も情報交換できるものというふうに考えております。
#58
○大久保勉君 情報交換をされていることは一歩前進ですが、具体的にどの程度税金の取り漏れがあるかとか、そういった実態が調査されているかなんです。
 実は昨年、質問主意書で日本のタックスギャップはどのくらいかと、いわゆる税金の取り漏れはどのくらいかということで質問しましたが、調査してないということなんです。昨年の委員会でも是非この辺りは調査してくださいということをお願いしましたが、現在のところタックスギャップに関して調査される方向性はございますか。若しくは、されましたか。
#59
○政府参考人(岡本佳郎君) タックスギャップについての議論は承知いたしておりますけれども、実際どのくらい脱税が、国の内外を問わずですけれども、捕捉されているかいないかということについては、根本的に我々として把握するのが難しいのではないかというふうに考えております。
 ただ、いろいろな情報収集を通じて極力そのタックスギャップをうずめていく、なくしていくということは重要な課題であると考えております。
#60
○大久保勉君 具体的にどれだけ大変かということを質問したいと思いますが、例えば、海外送金はチェックできるということですが、じゃ、もし宝石とか若しくは貨幣とかそういったものを海外に持って出ていって、海外で口座を開いた場合、開くことは可能でしょうか。その場合に、恐らくは、税関でそういったいわゆる金地金の持ち出しとかそういったことがチェックできるような体制になっていますか。もし、これは質問通告しておりませんが、可能な範囲でお答えください。
#61
○政府参考人(岡本佳郎君) 実際に税関の現場でというのはちょっと私どもの方から正確にはお答えできかねますけれども、我々も、国外取引、海外取引それから海外への資産流出ということについても強い関心を持ってフォローしているところでございます。
 具体的には、個別には申し上げられませんけれども、先ほど申し上げました租税条約に基づく情報交換の件数で見ましても、直近の十九年度で約三十万件に上る情報交換をいたしております。そういう中で必要な解明を図っていきたいと考えております。
#62
○大久保勉君 与謝野大臣に質問したいんですが、与謝野大臣は、景気が回復したら二〇一一年に消費税アップも考えていらっしゃると承知しておりますが、まず増税の前に税の公平性や脱税をさせないと、こういった決意が必要だと思いますから、今からでも遅くありませんから、きっちりこの辺りに対して、現場に対して指揮する若しくはタックスギャップをチェックする、そういったことを是非表明してもらいたいと思います。
 さらには、具体的に現場といいますのは、国税職員であったり税関の職員の人数を増やすとか若しくは質を向上する、さらには研修をする、特に海外事例でございましたら専門家を増やすとか、いろんなことが必要だと思いますが、これを一つ一つ実行してもらいたいと思いますが、大臣の決意を聞きたいと思います。
#63
○国務大臣(与謝野馨君) 国税は万年人手不足でございまして、この職員の増強というのは、我々は要求しているわけですが、ある程度は認められますけれども、なかなか十分な体制とは思えない。
   〔委員長退席、理事大塚耕平君着席〕
 それともう一つは、やはり各国との租税に関する取決めというものをより幅広い国々、より中身の充実したものにするための努力というのは怠ってはならないと思っておりますので、先生の御質問の趣旨を十分体しながら税務行政をやってまいりたいと思っております。
#64
○大久保勉君 公務員制度改革とかもございまして、公務員の人数を増やすのは非常に難しいのは承知しております。ただ、考え方を整理した方がいいと思うんです。つまり、歳入対歳出。つまり、歳出に係る職員、これは当然ながら削減すべきだと思います。ただ、一人の職員を増やして歳入が増えるんでしたらそれは増やすべきだと思うんですね。ですから、費用対効果、そういったことも必要だと思います。
 特に国税職員とか税関職員というのは、その方を増やすことによりまして歳入が増える、脱税が減るということで、いわゆる税の不公平感も減らすことができますから、この辺りはいわゆる一般の公務員の削減とは別枠が必要じゃないでしょうか。こういった考え方はいかがでしょう。
#65
○国務大臣(与謝野馨君) 税というのは、税制自体の公平性、それからもう一つは徴税の段階での公平性、公平性と言われる場合には二つの意味を実は持っております。
 租税自体の制度の公平性は国会で御議論いただいて決めていただくこと。やはり徴税の公平性というのは、税をいただくには人手が要るということで、やっぱり最終的には納税者番号等を国会で御議論をいただく必要があるのではないかと思っております。
#66
○大久保勉君 納税者番号は当然でありますが、それなりに歳入を増やすようなところには人を重点的に配置すべきだと思います。
 ここは国税だけの問題ではありませんで、先ほど申し上げました外為特会でも、運用をうまくすることによって国家財政に寄与するんでしたらそこには重点投資すべきですね。その辺りの考え方の整理をしたいんですが、大臣、是非、今後の財務省の運営、期待しておりますから頑張ってください。
 では続きまして、日本銀行に対して質問したいと思います。こちらは資料を配付しておりますので、これを見ながら質問したいと思います。
 過去に日本銀行の予算に関しまして、いわゆる投資が適切に行われているかということで戸田分館の問題を質問しました。これは平成十八年十一月ですから二年半前。国会で質問した結果がどの程度日銀にとってプラスに働いているのか、いわゆる改善されているか、そういった検証のためにあえて質問します。これまで国会の場合は、そのとき質問したら役所の方も対応して、時間がたったらもう全く何も変わっていないと、こういった現象がありますから定期的にチェックすることが私は必要だと思います。
 その観点から質問したいと思いますが、まず資料の一の議事録に関して、実は福井総裁に対しまして戸田分館に関しては非常に問題じゃないかということで、読み上げますと、「八百億の施設を投資しなくても日本橋の既存施設を手直しをするだけで十分対応できたんじゃないかと私は思いますが、いかがでしょうか。」ということで福井総裁に質問したんです。それに対して福井総裁はどういうことをお答えになったかということで、日銀の参考人、下線の文を読み上げてもらってよろしいですか。
#67
○参考人(水野創君) 読み上げさせていただきます。
 しかし、銀行券の受入れ物量は戸田分館の建設前に比べましてやはり少しずつ増加してきておりまして、今のような状態であっても既に本店の施設のみではこの受入れは対応できない、こういう量に達しております。
 以上です。
#68
○大久保勉君 資料の二を見てください。当時使った資料で、日銀の方から提出いただきました。
 ですから、平成十五年から十六年に関して日銀券の受入れが三十三億枚から三十四億枚に増えていますし、支払の方は三十一億枚から三十二億枚に増えているから増加傾向だなということで、そのときは承知しました。そもそも日本銀行本店の受入れ能力は歳入が三十三億枚ですから、ほとんど造成しなくても足りていたという議論をしていたわけです。さらに、日銀券の支払に関しましては、本店の能力は四十二億枚ですからずっと下なんですね。想定というのがありますが、これは戸田分館を新たに新設する、これは八百億掛かっています、そのときにどのくらい日銀券が伸びるかということで想定していますが、その想定に比べて実績は相当低かったわけです。
 二年半前に質問しました。今どうなっているかということで、三ページ、資料の二の二を見てください。実際に平成十六年から十七、十八、十九、ほとんど増えていないんですね。福井総裁、当時の総裁は日銀券は増えますよと言っていますが、ほとんど増えていませんし、支払の方に関しては逆に減っている状況です。ですから、総裁といえどもそのときの答弁がいかにいいかげんかです。
 ですから、実際に、平成十九年に関しましては、想定では四十三億枚受け入れるということなのに実際は三十五億枚しか扱っていません。さらに、支払に関しましては五十二億枚支払わないといけないというのに、実際は三十億枚です。こういったギャップに関して、日銀、どう考えますか。
#69
○参考人(水野創君) お答え申し上げます。
 御指摘のように戸田分館における取扱物量の実績が足下までのところで想定物量から乖離しているというのは事実でございます。
 これは繰り返しになりますけれども、建設の構想の当時、将来の取扱物量を想定するに当たって、長い目で見れば経済規模の拡大に見合って増えていくということを基本としていたのに対し、実際には景気の低迷などの影響を受けて取扱物量がさほど伸びていないということが原因でございます。
 ただ、そのときに、同じく当時の福井総裁がお答えしておりますけれども、御指摘のとおりではありますけれども、しかしこれはこの先二十年、三十年、あるいはそれよりも更に長い期間を展望しながら是非お考えいただきたいというふうに申し上げておりまして、私どももそういうふうに考えております。
 以上です。
#70
○大久保勉君 長期で考えましたら私どもは追及できませんから、長期ということで逃げないでください。
 今、五十二億枚の想定が三十億枚ということは、六割しかないんですよ。一つだけいい方法を教えましょうか。政府紙幣が発行されましたら流通量は増えますよ。そういうことをしない限りは無理です。
 ですから、戸田分館というのは、実は日銀内部でもう戦艦大和と言われているんです。ですから、もう発券局の暴走に対して、いわゆる関東軍みたいな暴走に対してだれも止めることができなかった。こういった情勢ですから、やはりきっちりガバナンスを利かせてほしいと思います。
 資料の四ページを見てください。歴代の発券局長がどこに天下ったかです。
 例えば、平成二十年五月六日に富山銀行に天下っております。確かに、日本銀行の場合はいわゆる当座預金取引先に関しては二年間は天下ることができないと称しておりますし、どうして天下っているんですか。
#71
○参考人(水野創君) お答え申し上げます。
 日本銀行では、局店長級の職員の再就職について、退職前二年間に就任していた職位が当座預金取引を有する営利企業、当座預金取引先と密接な関係がある場合、当該当座預金取引先への就職を退職後二年間自粛するというルールを設けております。
 お尋ねですけれども、この当座預金取引先と密接な関係がある場合ということについて、私どもは、様々な取引や考査など中央銀行の中核的な業務を通じて民間金融機関の経営に大きな影響を及ぼし得る意思決定に携わる職位にある場合ということを考えておりまして、発券局長の場合はそうした職位には該当しないということで再就職をしております。
#72
○大久保勉君 うまいことを考えますよね。
 密接な関係、常識的に考えましたら、この富山銀行というのは日銀券を扱っているんでしょう。日銀券を納入したりいろいろやり取りしていますから非常に密接な関係先と考えますけれども、違うんでしょうか。私は非常識ですか。
#73
○参考人(水野創君) お答え申し上げます。
 常識、非常識ということでは必ずしもお答えになっているかどうか分かりませんけれども、先ほど申し上げましたように、様々な取引や考査などの中央銀行の中核的な業務を通じて民間金融機関の経営に大きな影響を及ぼし得る意思決定に携わる職位にある者については密接な関係があるということで、再就職を二年間自粛するというふうなことが適当というふうに考えておるわけでございます。
#74
○大久保勉君 立派な規則を作っても、実際に運営している人が非常識でありましたら非常識な結果になってしまいますね。是非、説明できるようにもう一度綱紀を粛正してください。
 次のページ、資料の四を見ます。これは、平成二十年の四月から十二月におけるいわゆる契約金額の上位二十件です。
 ここで注目しますのは、何と随意契約が多いことか。国土交通省の随意契約もチェックしていますが、国土交通省の方がまだましですよ。ですから、もうほとんど随意契約で。
 それで、再就職者の人数ということで、全部ゼロですねということで、一社以外はゼロになっていますが、何か変だなということで調べました。特に、日本アイ・ビー・エムとかエヌ・ティ・ティに対しては非常に取引が多いんですね。次のページで、資料五、こういう基準で新たに出し直してくださいということで言いましたら出てきました。例えば日本アイ・ビー・エムには一名天下っていた、エヌ・ティ・ティ・データに関しても連結子会社に出ている、そういう意味では非常に問題だと思います。
 さらに、資料もありますが、例えば日本アイ・ビー・エムには理事が平成十六年に天下っていますし、平成十六年に京都支店長がエヌ・ティ・ティ・データに天下っている、平成十七年度にエヌ・ティ・ティ・データ経営研究所に理事が天下っている、こういった実態があるんですね。
 ですから、日銀としては常識的なことが世間から見たら非常識になっていますし、場合によっては中央官庁にとっても非常識に見えます。ですから、この辺りは是非改善をお願いしたいと思いますが、水野理事、いかがでしょう。
#75
○参考人(水野創君) 私どもでは、民間への再就職につきましては、個人の識見や能力に期待して外部から人材を求められた場合に限って、世間からいたずらに批判を招くことがないように留意しつつ慎重に対応するという基本方針で臨んでおりますし、そうしたことになるように細心の注意をもって運用しているつもりでございます。
 引き続き、御理解を得られるように頑張っていきたいと思っております。
#76
○大久保勉君 相手企業としましては、随意契約という形で是非とも来てくださいということでお願いしていますから、そういった点を是非考えてほしいと思います。
 最後に、今日は、日銀にとりましては国際会議とか国際対応が非常に重要ということで国際関係の担当理事をお呼びしようと思いましたが、残念ながらOECDに出張ということで呼ぶ機会がございませんでした。次の機会に、是非とも日銀の国際政策に関して質問したいと思います。
 これで終わります。
#77
○椎名一保君 私からは、中小・小規模企業の資金繰り対策と政策金融改革について若干お尋ねを申し上げたいと思います。
 いいあんばいに緊急保証制度の実績が大分上がってきて、これは大変喜ばれているところではあると思いますけれども、それと同時に、旧債への振替という話が依然たくさん私どものところに来ております。このことについてどのように対策を取っておられるのか、金融庁と中小企業庁からお伺いしたいと思います。
#78
○政府参考人(三國谷勝範君) 景気が急速な悪化を続ける中で企業の資金繰りも大変厳しい状況となっておりまして、金融機関によります適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮が一層重要となっていると考えております。
 緊急保証制度は、こうした現下の厳しい経済環境の中で中小・小規模企業の資金繰りを支援することを目的としたものであります。したがいまして、金融機関が緊急保証付融資の見返りに企業債務を返済させるいわゆる旧債振替が行われるとすれば、制度の趣旨に反するものであると考えております。
 金融庁といたしましては、中小企業庁と連携しながら、緊急保証制度の活用に当たり、いわゆる旧債振替を行わないことはもちろんのこと、制度の趣旨を踏まえた円滑な資金供給の確保に一層努めるよう、金融機関に対し文書による要請を行っているところでございます。
 また、先日、二月二十四日でございますが、金融機関の代表者を集めまして、そこで与謝野大臣並びに二階経済産業大臣から緊急保証制度の趣旨を踏まえた適切な活用と年度末金融の円滑化に向けた要請が行われているところでございます。
 いずれにいたしましても、中小企業に対します円滑な金融は民間金融機関の最も重要な役割の一つであると認識しております。今後とも、民間金融機関に対しまして、緊急保証制度の適切な活用を含め、中小企業に対する円滑な資金供給に努められるよう促してまいりたいと考えております。
#79
○政府参考人(横尾英博君) いわゆる旧債振替につきましては、信用保証協会と民間金融機関の約定で原則禁止をされておりまして、緊急保証の実施に当たりまして、今金融庁からも御答弁ありましたが、二月二十四日の金融機関の代表者を集めた会合も含めまして、保証協会それから金融機関に対して徹底をしてきてございます。また、直接旧債振替に当たらなくとも、信用保証協会への保証付融資を拡大する裏で別途民間金融機関が回収に走ったりすると、その結果、中小企業金融の円滑化が図られないというようなことがあってはならないというふうに思っております。
 この旧債振替の有無につきましては、保証協会で精査をするほか、私ども中小企業庁それから各地方経済産業局に設置をしました貸し渋り一一〇番、あるいは金融庁と共同で全国で中小企業者の方から直接ヒアリングをして地域の声を幅広く聴取する中で把握をいたしまして、疑義がある場合には金融庁とも連携をして個別に調査、指導するといったような対応で臨んでいるところでございます。
 この信用保証制度による中小企業向け支援を効果的にするためにも、中小企業金融の八割を担う民間金融機関の頑張りが引き続き重要でございます。私どもとしては、金融庁とも連携をいたしまして、緊急保証の適切な活用を含めまして、中小企業の資金繰りの円滑化に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#80
○椎名一保君 それでも旧債振替をさせられているという話が止まらないわけですよ。
 これは罰則とかはあるんですか、金融庁。
#81
○政府参考人(三國谷勝範君) いわゆる日ごろの検査あるいは監督等を通じまして、そういった適切な業務運営が行われるよう私どもとしても適切な対応を促しているところでございます。
#82
○椎名一保君 やっぱりこれは止血なんですよね。なかなか中小・小規模企業の需要が見込まれないというようなことがやっぱり根底にはあると思うんですけれども。
 不良債権にならないために必要な経営改善計画について、計画完了までの期間が五年に緩和されましたけれども、やはり声は五年ではなくて十年、十五年という、そういう要望が私どものところにも大分届いておりますけれども、この件についてどのような御所見をお持ちでございましょうか、金融庁。
#83
○政府参考人(畑中龍太郎君) お答え申し上げます。
 昨年十一月に監督指針と検査マニュアルを改訂をいたしまして、中小企業向け融資の条件緩和を行っても不良債権にならないために必要な経営改善計画の要件につきまして、ただいま御指摘ございましたように、計画完了までの期間を従来の三年から原則五年に緩和いたしました。あわせて、おおむね計画どおりに進捗している場合には十年まで緩和したところでございます。
 委員から五年では短いので十年ないし十五年という御指摘ございましたが、これは現在、いわゆる破綻懸念先から要注意先にランクアップするために必要な経営改善計画、これにつきまして最長でも十年と相なっておるわけでございまして、このように、企業の経営の見通しにつきましては、企業再生の実務あるいは現実の再建計画の期間等を踏まえますと、ある程度合理的に予測できる期間としては長くとも十年程度が現実的であると考えております。
 この点は是非御理解をいただきたいわけでございますが、今回の見直しにおきましては、例えば計画完了まで十年以内となっている計画につきまして、進捗状況の確認ができない計画策定直後でございましてもこれを適正な経営改善計画として取り扱うこと、あるいは計画が完了する十年後の状況につきまして、債務者が正常先になるような場合だけでなく、借り手の自助努力によって事業の継続性を確保できるような場合には、いわゆる要注意先にとどまる場合であっても同様の適正な経営改善計画として取り扱うなど、借り手に配慮した措置も併せて講じているところでございます。
 いずれにいたしましても、中小企業を取り巻く現下の情勢、大変厳しいものがございますので、金融機関に対しましては、条件緩和への取組についても引き続き借り手の実情に応じたきめ細かな対応を促してまいりたいと考えております。
#84
○椎名一保君 しっかりとお願い申し上げたいと思います。
 あくまでもこれは借り手側の救済策でございますから、貸し手側に対する支援策というのはそれなりにきちっとされているはずでございますから、徹底して両省庁にやっていただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
 与謝野大臣、政策金融改革について現在の実情をきちっと認識をされて、率直な忌憚のないお考えを参議院の予算委員会等でお述べになられておられます。私は大変敬意を表するところでございます。これは決して小泉構造改革に逆行するとか構造改革が失敗したんだとかというそういう話ではなくて、やはり金融というのは経済の血流でございますので、常にそれがきちっと流れるかどうかということを前向きに、それに向かっていくというやはりお気持ちというのは非常に大切なことであると思いますので、そういう観点で私は大変評価をしておりまして、そういう観点から少し御質問をしたいと思いますけれども。
 金融改革後、政策金融と日本の民間金融がきちっと協力、補完して、総合的に経済の血流を支えてきたかどうか、それに対して大臣の率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#85
○国務大臣(与謝野馨君) 実は私も政策金融改革をやったときの責任者の一人でございますから、今振り返りますと、やはり金融危機対応に関しては少し見通しを誤ったなと実は率直に思っております。
 それから、JBICの役割というのはもう少し対外的に明確にして、日本という国はこういうことをしているんだということがはっきり分かる形に随分努力したつもりなんですけれども、やっぱりJBICの存在というものをもう少し強くアピールできるようなことができなかったかなということを実は心配をしております。
 しかしながら、統合されたとはいえ日本政策金融公庫はきちんと業務をやっておりまして、今回も金融公庫のセーフティーネット貸付けについての金利引下げ等の拡充や、また信用保証協会の緊急保証の拡充等により中小・小規模事業者への資金繰りを行っているなど、公的部門の政策金融はそれでもこういう状況の下で一応その機能を果たしていると思っております。
 ただし、政投銀、商工中金等々考えますと、やはりこれから、まあ三月は仮に乗り切れるといたしましても、四月、五月、六月、この秋等を考えますと、世界の状況がどう変わるか分からないと。そういう中で、もう一度日本の政策金融の果たすべき役割ということを国会の皆様方にお考えをいただく時期は来るのではないかと私は考えております。
#86
○椎名一保君 ありがとうございます。
 政策金融改革の評価と大変重要な問題提起を今大臣が率直にされたということは、大変私は意義深いことだと思います。これからも前向きに議論をして、実情に合った金融政策をやっていっていただきたいと思う次第でございます。
 事務方に少しお伺いしたいんですけれども、昨年この委員会で峰崎委員長の下で視察に参りまして、東京都内でございましたけれども、行政担当者や中小の小規模の経営者たちからいろいろ御意見を拝聴したんですけれども、とにかく政策金融が統合されてから使い勝手が悪いという、非常に何というんですか、素朴ないろんな御意見が出てまいりまして、そういったことに対してきちっと事務当局として、もう統合してしまったんだからそれでいいということではもちろんないという御認識をお持ちだと思うんですけれども、どの程度きちっと把握をされているか、ちょっと御所見をお伺いしたいと思います。財務省。
#87
○理事(大塚耕平君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#88
○理事(大塚耕平君) じゃ、速記を起こしてください。
#89
○椎名一保君 余り単純なことなので、参考人の登録をしなかったようでございますので。
 いろいろ、これからはいろんな見直しが将来行われるに当たっても、やっぱり現状をきちっとその辺りのことでやっていただかなければ困りますので、その辺りのことを大臣に、非常に窓口の話で大変恐縮なんですけれども、そういうことも大臣からしっかりと担当者に申し付けをしていただきたいと思う次第でございます。
 以上で終わります。
#90
○荒木清寛君 それではまず、大臣に民間金融機関による金融仲介機能の発揮についてお尋ねいたします。
 経済情勢の先行きが厳しい中にありまして、中小企業に対する金融機関の融資姿勢は更に慎重になっております。政府の緊急保証に頼り、保証枠がなければ融資を断るという実情も一部で報じられております。本来は銀行プロパーで貸せるような事案であってもまず保証を取ってきてくださいと。これは、今議論になった旧債振替のように何か違法ということではないにせよ、余りにもちょっと安易に過ぎると思います。そうしたセーフティーネットあるいは緊急保証制度の活用は当然であるとしましても、金融機関には適切なリスクを取って融資をするという金融仲介機能の発揮が今こそ求められると考えます。
 予算委員会の参考人質疑の中で、構造改革についてこれは参考人質疑をしたわけでございますけれども、そうした中である参考人は、この構造改革によりまして不良債権問題は解決はしたけれども金融機能、金融政策の正常化はできなかったとしまして、現在銀行が巨大な不良債権を抱えているわけではないのに金融仲介機能が低下をして企業の支援をしにくくなっているという、こういう指摘をされておりました。まさに今、本当にこの構造改革の真価というか、何のための不良債権の処理だったのかということが問われているような事態でございます。
 そこで、与謝野大臣に、こうした今の経済の危機の中にあって金融機関の融資の現状といいますか、この金融仲介機能を十分発揮しているとは言えないと思いますけれども、こうした現状についてどういう大臣として認識をしているのか、まずお尋ねいたします。
#91
○国務大臣(与謝野馨君) 景気の悪化が続く中で、金融機関の融資態度が厳しいと感じる中小企業が増加をしていると認識しております。
 例えば、日銀発表の中小企業の貸出態度判断というインデックスを見ますと、マイナス幅が拡大をしております。より厳しくなっていると。また、金融庁が中小企業庁と合同して行っております全国の中小企業者との意見交換会においても、金融機関の融資姿勢が慎重になっているとの声が多く聞かれております。
 御指摘のとおり、中小企業の資金繰りが大変厳しい状況の中で、金融機関による適切かつ積極的な金融仲介機能の発揮が一層重要となっていると認識をしております。引き続き、我々としては金融機関に対して中小企業に対する円滑な資金供給に努めるよう促してまいりたいと思っております。
#92
○荒木清寛君 大臣は新聞のインタビューでもそうした金融機関に対して促していくということを報告されておりますが、より具体的な政策の対応として金融庁として是非展開をしていただきたいと思います。
 もちろんこうしたときこそ、まさに政府系といいますか、旧来の政府系金融の機能を十全に発揮しなければいけないわけですけど、先ほども報告がありましたように八割は民間の貸出しですから、民間の銀行がしっかりこうしたときに貸出しをしてくれなければ中小零細企業というのは生き残っていくことはできない、こういう状況かと思います。
 そこで、昨年改正になりました改正金融機能強化法に基づきまして、北洋銀行、福邦銀行、南日本銀行の三行に対しまして資本増強を行うことが決定をされました。是非またこれについて、どんどんこの十二兆円という枠を使っていただくような対応を期待したいと思いますけれども。
 また、金融庁は三月十日に金融円滑化のための新たな対応というのを発表いたしまして、それを見ますと、主要行等への集中検査等も今後実施をしていくと、このことが第一項目として、特別ヒアリングと集中検査の実施というのが第一項目として挙がっているわけでございます。
 これに対しましては、主要行側も、いやいや、我々も中小企業でも融資できるところにはもう十分に貸しているんだという、こういう反論といいますか意見もある一方で、当然これは私どもの方にも貸し渋り、貸しはがしを訴える意見、特に業種によってはもう全く応じてくれないという深刻な意見が聞こえる報告があるわけでございます。
 そこで、金融庁としましても、あらゆる措置を講じて中小企業にお金が回るようにしてもらいたいと考えますが、この三月十日の新たな対応については今後具体的にどう展開をしていくのか、このことについて概要を御説明願いたいと思います。
#93
○政府参考人(三國谷勝範君) 三月十日に公表いたしました新たな対応は、景気の急速な悪化が続く中、中小企業はもとより中堅・大企業や住宅ローンを抱える個人も厳しい状況に直面していることを踏まえまして、企業金融や個人向け融資の円滑化に向けましてこれまでも様々な措置を講じておりますが、更に追加的な措置を講ずることとしたものでございます。
 具体的には、五つの措置でございます。
 第一に、金融円滑化への取組状況等に関する詳細なヒアリング、この結果を踏まえまして、原則として四月から六月に主要行及び苦情の著しく多い地域金融機関等に対しまして金融円滑化に向けた集中検査を実施することとしております。
 第二に、信用保証協会による緊急保証付融資につきまして、特例的に自己資本比率規制上のリスクウエートを一〇%からゼロ%に引き下げることとしております。今後、速やかに告示の改正を行いまして、本年三月期決算から本措置が適用できるようにしたいと考えております。
 第三に、コベナンツの変更、猶予を行いましても、それのみで不良債権、いわゆる貸出条件緩和債権に、これに該当しないことを監督指針に係るQアンドAにおきまして明確化しますとともに、コベナンツを機械的、形式的に取り扱わないよう金融機関に対して要請したところでございます。
 第四に、直接金融の機能低下と間接金融へのシフトを踏まえまして、リスク分散を図ることによりまして資金供給を促進する観点から、シンジケートローンの積極的活用を金融機関に対して要請したところであります。
 第五に、金融機能強化法を積極的に活用し、金融仲介機能を適切かつ十分に発揮してもらうための環境整備を行うこととしております。具体的には、国が資本参加を行うための株式等の商品性につきまして、金融仲介機能を平時に復するという制度の趣旨を踏まえ、配当利回りなどは平時の水準に設定するといった対応を行うこととしております。
 いずれにいたしましても、企業等に対する円滑な金融は金融機関の最も重要な役割の一つであると認識しており、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#94
○荒木清寛君 次に、BIS規制の強化について、動きがありましたのでお尋ねいたします。
 株式市況の急激な変動により金融機関の自己資本が目減りをし、貸出しの抑制につながっているのではないかとの指摘がしばしば行われております。昨年の改正金融機能強化法、この法改正もそうした観点から自己資本を充実をして中小企業の円滑化を図ろうと、こういう立法目的であったと理解をしております。
 そうした中で、バーゼル銀行監督委員会は銀行システムにおける資本水準の強化が必要というプレスリリースを公表しまして、いわゆるBIS規制を強化をする方針を打ち出しております。もちろん、この世界的な現在の状況でございますので、この現在八%としている最低自己資本比率の引上げについては二〇一〇年に検討するということで、今すぐやるということではないわけでありますけれども、この点につきましては、ドイツを除く欧州各国は自己資本比率の引上げに積極的である、このように言われております。
   〔理事大塚耕平君退席、委員長着席〕
 我が国としましては、こうした中で増資をして自己資本比率を引き上げるということはなかなか容易なことではありませんし、慎重といいますか、反対という立場ではないかと、このように思っております。そうした中で、欧州主導でこうした問題について議論が進んでいきますと、ただでさえ金融仲介機能が十分に果たされていないと言われる状況の中で、大変これは我が国にとってうまくない事態になっていくのではないか、こうしたことを心配をしております。
 そこで、この問題につきましても是非日本が議論をリードしていくべきであると考えますので、大臣のこの問題についての取組をお尋ねいたします。
#95
○国務大臣(与謝野馨君) バーゼル委員会が先日、三月十二日に公表した文書においては、先生御指摘のように、銀行システムにおける資本水準の強化の必要性が示されるとともに、現在の経済及び金融のストレスが継続している間は、世界的な最低所要自己資本の引上げは行わないことも併せて明らかにされているところでございます。こうした点について、さきのG20においても、景気が確実に、回復が確実になるまで所要自己資本を変更しないことが死活的に重要との認識が共有されたところでございます。
 金融庁としては、御指摘のとおり、金融機関の健全性の確保と金融仲介機能の充実の両立が図られるよう、国際的な議論に引き続き積極的に参画してまいりたいと決意をしております。
#96
○荒木清寛君 最後に大臣にお尋ねいたしますが、昨年来の原材料高また金融危機を受けましての三十兆円という枠組みでの緊急保証制度またセーフティーネット貸付けの実施、あるいは民間金融機関の融資についても今御説明があった様々な対策を金融庁として講じてきているわけでありまして、それは私も評価をしているわけでございます。
 ただ、まだまだしかし中小企業の現場では悲鳴が収まらないといいますか、融資条件を緩和してほしいですとか、あるいは融資の審査を迅速化してほしいですとか、あるいは支払の延長を容認してほしいですとか、特に金融機関の柔軟な対応について様々な声があるわけでございます。
 こうした中小・小規模企業の金融円滑化についての声にどう大臣としてこたえていくのか、最後にお尋ねいたします。
#97
○国務大臣(与謝野馨君) まず、これから考えなければならないのは、信用保証二十兆の枠で十分今年度乗り切れるかどうかという問題、また、政策公庫に十兆円の枠を設けましたけれども、これで十分かどうかという問題、また、中小企業以外の中堅企業、大企業の金融というものが三月末は仮に乗り切れるにしてもそれ以降大丈夫なのかと、そういうことも考えなければならないわけです。
 そういうことですから、日本の金融機関は健全でありますけれども、貸出態度が非常に厳しいし、かなりの用心深さというものを今持っておりますので、やはり実際の必要なところに必要なお金が行くように政策的にこれを補完していくということ、これを更に充実するということを政府も考えますが、また、国会でもまたお考えをいただかなければならない、なるようになるのではないかと私は考えております。
#98
○荒木清寛君 終わります。
#99
○大門実紀史君 大門でございます。
 私は、北洋銀行の一千億円の公的資金注入について質問いたします。
 これは昨年成立したばかりの金融機能強化法に基づくものでございますけれども、民主党の皆さんとか公明党の皆さんはもっとこれを使うべきだという質問をされましたが、私はこのスキーム、大変問題があるというのはもうこの北洋銀行問題で分かってきたんじゃないかなという点で質問したいと思いますけれども。本来であれば、経過からいって中川前大臣にお聞きすべきことがたくさんあるのですけれども、おられなくなりましたので、金融庁の担当局中心にお聞きしていきたいと思いますが、まずそうはいっても与謝野大臣に大きな点だけ先にお聞きしたいというふうに思います。
 資料を二枚お配りいたしましたけれども、要するに、この北洋銀行というのは、有価証券取引、リスクの高い有価証券取引に大変のめり込んだわけでございます。しかも、ほかの銀行もそういうところあったんですが、特にほかの地銀よりもこの北洋はちょっと異常なぐらいこれにのめり込んだわけですね。そういうところにまず公的資金を一千億も入れるということと、もう結論だけ先に申し上げますけれども、二枚目に、これは金融庁が認めた経営強化計画の中にあるんですけれども、中小企業に対しての融資でございますが、一千億公的資金を入れても二年半で中小企業融資は八百十三億円しか増やさないと、率にすると一%どころか〇・七八%しか増やさない。こういう計画を金融庁はこれでいいですよということを認めたわけでございます。
 一千億円、資本増強一千億円で八百億増やすというのは多いか少ないのかよく分からない方もいるかも分かりませんけれども、資本が一千億増えるということは、これは信用供与の世界ですから回していくわけですから大体十倍ぐらいの融資を増やしてもいいわけですね。一千億だと、全部それを融資に回すと、融資で考えていくとしたら、一兆円ぐらい融資が増えてもいいわけなんですよ。ところが、八百十三億という、もうその何十分の一といいますか、一千億入れて、それ以下の効果しか中小企業融資はないということでございます。
 こんなものを金融庁は認めて公的資金の注入を決定したわけですけれども、こういうふうなことだったら、あのときさんざん、去年議論をしたんですけれども、中川大臣に。中川大臣も、もう年末で大変だから、とにかくこの法案通してくれと、中小企業を救うんだと、中小企業融資を増やすんだと。与党の議員ももうそればっかり質問されていたわけですね。これだったら何のために、そんな何の効果も出ていないというか、全然違う話になっているんじゃないかと私は思うわけでございます。
 要するに、じゃ一千億円どこへ行ったのかというと、この有価証券取引での穴埋めにほとんど回って融資には回らなかったというのがこの数字じゃないかと。厳しく見れば、見なくても、普通に考えてもそういう話でございまして、何か中小企業の貸し渋り、貸しはがし防ぐためというのをさんざん中川大臣はここで答弁されたんですけれども、話が違うじゃないかと私は思います。
 これじゃ、ただの銀行の不始末のしりぬぐいを、しかも経営責任を問わないというおまけ付きでやってやったと、それに公的資金を入れた、これだけのことになっているんじゃないかと。もうこれは数字が示しているんじゃないかと思いますが、こんなのおかしいんじゃないですか。与謝野大臣、いかが思われますか。
#100
○国務大臣(与謝野馨君) 北洋銀行は、今般提出した経営強化計画において、中小企業の潜在的な資金需要を喚起するよう、課題解決の提案や経営改善支援への積極的な取組、中小企業向け営業人員の強化等の施策を展開し、中小企業向け信用供与の残高を着実に増加させる旨を明らかにしております。
 同行では、厳しいと見込まれる地元経済の中でこうした取組を着実に実施することで、二十年九月末に一兆七千四百二十七億円であった中小企業向け信用供与残高を二十三年三月末には一兆八千二百四十億円へと八百十三億円増加させるとともに、中小企業向け信用供与残高の総資産残高に対する比率について、二十年九月末の二四・二五%から二十三年三月末には二五・〇三ポイントへと〇・七八ポイント上昇させると計画しているところでございます。
 北洋銀行においては、本制度の趣旨、目的を踏まえ、経営強化計画で掲げた各種方策の確実な履行を通じて、中小企業向け信用供与の残高等の目標の達成はもちろんのこと、地域の中小企業等に対する円滑な信用供与に努めていただきたいと考えております。
 金融庁としても、同行の中小企業向け貸出しの取組状況について適切にフォローアップしてまいりたいと考えております。
#101
○大門実紀史君 いや、それはこれの説明なんですよね。私、この数字を与謝野さんはどう思われますかと。こんな一千億も入れなくたって、一%や二%中小企業融資を増やす、そういう計画を立てているところはどこでもありますよ。一千億入れて何でこんなしかならないのかと、〇・七八と、これおかしいじゃないかと、この法案の趣旨からいってと。普通の話をしているので、普通に与謝野さん自身の言葉で答えてもらえませんか。
#102
○国務大臣(与謝野馨君) 単純に一千億の資本増加があったからその十倍ぐらいになるだろうというのは、そうは多分ならないと思っております。
 これは、北洋銀行の自己資本比率が厳しくなっているという状況の下で資本充実をするために一千億の国の資本の供与を申請したわけでございまして、当然ながら、その一千億がなければ他の中小企業に対する信用供与というものが続けられるかどうかという問題はありますので、この一千億の増分がそのまま融資残高の増加につながるというのではなくて、やはり北洋銀行が全体として、中小企業を含めた大中小の企業に対する金融仲介機能を今後とも発揮していくための私は増資だと思っております。
 中小企業の増分が二年掛かりで八百億しか増えないというのは、そういう御指摘を受けるとそういう気にもなりますけれども、北洋銀行には北洋銀行の事情があっての国の資本注入の御申請だと思っております。
#103
○大門実紀史君 ですから、中川大臣と本当はやりたかったんですよね。もうさんざん中小企業融資を増やすためだと。これは普通の銀行でも出している程度の融資計画だと、何のあれにもなっていない。ただ、私は、その十倍というのは普通の話をしただけで、全く十倍にしろと言っているわけではないんですよ。少なくとも、もっと増えていいんじゃないかと。こんな程度の計画で、何が中小企業のためにあの法案を通したんだと言えるんですかと、これを言っているわけでございます。
 与謝野さんはちょっと御予定もあるみたいだし、もうちょっと研究して、次のときまたお聞きしますので、きちっとしてもらいたいと、三國谷さんに聞いていきたいというふうに思います。
 それで、まずこの経過がちょっとうさんくさいんですよ。大体、北洋銀行頭取の横内さんは、十二月の時点では、この機能強化法を利用しないと、もう自力で資本増強やると。北洋が大変なのはみんなも知っていたこと、周知の事実だったんですけれども、自分で、自力で、劣後ローンなども含めて自力で資本増強を考えていたわけですけれども、わずか一か月後に百八十度方針転換して、一月の十九日ですか、公的資金の申請を検討するということを突如表明されて、その後、金融庁と相談して、それで検討の末、一千億の資本注入が決定されたという流れなんですが。最初は自力でやるといっていたのが、急に、急にこの金融機能強化法を使うというふうに変わったんですけれども、これはあれですか、金融庁がこのスキーム使ってくれというふうに要請されたんですか。
#104
○政府参考人(三國谷勝範君) まず、私どもとしては、広く金融機関に対しまして、この法律が積極的に活用されますよう、本制度の活用の検討につきまして積極的な呼びかけを行ってきているところでございます。
 その一環といたしまして、他の金融機関と同様に、北洋銀行に対しましても本制度の活用の検討について呼びかけを行ったところでございます。こうした中、同行におきましては、自らの経営判断に基づき国の資本参加の検討に着手し、今般の申請に至ったものと承知しております。
#105
○大門実紀史君 金融庁は、この法案が成立してどこも使われなきゃメンツ丸つぶれですから、使ってくれ使ってくれと地銀業界とかに要請されていたわけでございます。
 しかも、この北洋は第二地銀協会の会長行でございます。経営内容も良くない、この北洋が自力でやりますと、自力で資本増強しますと公言していたわけですよね。そんなことを見過ごしたら、許しちゃったら、金融庁としては、この法案もうどこも使わなくなりますよね。会長行が、一番ひどいと言われている会長行が自分自身で、自力でやるといったら、もうほかのところはこの機能強化法案のスキーム使わなくなってしまうわけですね。
 また、北洋は前大臣の中川さんの地元である北海道でございます。そういう点からいくと、私は非常に政治的に、北洋は自力でやろうとしたのを、使ってくれという相当な働きかけがあったんじゃないかと思いますが、平たく言えばそういうことじゃないですか。
#106
○政府参考人(三國谷勝範君) 私どもは、この金融機能強化法の運用に当たりましては、北洋銀行さんにつきましても他の金融機関と同様に、私どもは事務的に一般的な呼びかけを行いますとともに、その結果として自らの判断に基づきましてこのような申請に至ったものと承知しております。
 過去におきまして、恐らくいろんな報道等ございますけれども、その時々の報道についてはコメントする立場にございませんが、私どもはいろんなこの法律の活用等を広く呼びかける中で三行の申請と参加に至ったものでございまして、北洋銀行につきましてもその一つということでございます。
#107
○大門実紀史君 そもそも一千億円というのはどういう根拠の数字なんですか。
#108
○政府参考人(三國谷勝範君) 金融機能強化法に基づきます国の資本参加額は、金融機関が申請時に必要額を記載いたしまして、当局の審査の上、決定されるものでございます。
 北洋銀行に対します国の資本参加額一千億円につきましては、同行の経営強化計画によりますと、一段の有価証券価格の下落への耐性を確保し、金融市場に急激な変動が生じた場合でも、財務基盤を安定させ、適切かつ積極的な金融仲介機能が発揮できるようにする、そのために必要な金額として一千億円の申込みがなされたものと承知しているところでございます。
#109
○大門実紀史君 だから、一千億円の内訳を言ってくださいよ。融資には回らないんだから、どこを埋めたんですか、一千億円で。
#110
○政府参考人(三國谷勝範君) 一千億円というのは、全体としての資本の強化につながるというものでございます。この考え方につきましては、今申し上げましたとおり、同行の経営強化計画の中で一段の有価証券価格の下落への耐性を確保し、金融市場に急激な変動が生じた場合でも、財務基盤を安定させ、適切かつ積極的な金融仲介機能が発揮できるようにすると、こういった観点から一千億円の申請がなされたものでございます。
#111
○大門実紀史君 北洋は、この一千億円の資本注入がなければ自己資本比率は何%になるのかということに対して、大体七%台になると言っていますね。国内行ですから四%以上あれば十分なわけですが、七%でも十分な自己資本なんですけれども、だったら別にこんな、自分たちで資本増強すると言っていたわけですし、一千億なくたって八%ぐらいの自己資本比率は確保できたということになりますけれども、全然心配なかったんじゃないですか。
#112
○政府参考人(三國谷勝範君) 北洋銀行の資本参加につきまして、これも同行の経営強化計画によりますと、一つには、世界的な有価証券相場の混乱にいまだ出口が見えない中、当行も更なる有価証券価格の下落リスクに備える必要があり、二点目といたしまして、今後、金融市場に急激な変動が生じた場合でも、安定的に北海道内での中小企業向け信用供与を維持、拡大していくためには、予防的に自己資本の積み増しが必要であると判断したものと承知しております。
#113
○大門実紀史君 いや、そうじゃなくて、金融庁がこの決定されたのは、この経営強化計画を含めて金融庁の判断を私は聞いているんだけど。とにかく法案作ったと、使ってもらわないと困ると。それで押売セールスのように使ってくれ使ってくれといって、自分たちでやると言っているのに使ってもらって、金額も何かよく分からない腰だめの一千億で、自己資本九%ぐらいになっちゃうんですか、これで。じゃ、貸出しやるのかといったら貸出し増やさないと。何のための資本注入なのかと。まだこれで貸出しがわっと増えるという計画なら、少なくとも頑張ってほしいという気にもなりますけれども、こんな計画でよく認めたなというふうに思います。
 実は、北洋銀行は元々この間、去年一年でいくと七百億も中小企業融資を減らしているんですよ。これは資金需要がないからだけとは限らないんです。確かに北海道経済大変ですけれども、もう一個一個取り上げませんが、貸し渋り、貸しはがしの苦情がいっぱい来ております。ですから、元々貸し渋り、貸しはがしをしていたわけですね。していたわけです。何も資金需要がなくて、借りてくれなくて数字が伸びなかったんじゃないんですよ。そのときにこうやって公的資金を入れて、それでも伸びないと、こんな程度の計画だと。これはどう考えてもちょっとこれが明らかになっていくと納得されるものではないというふうに私、思います。
 少なくともこの計画は、このわずか八百十三億、〇・七八%というのは、これ以上、これはクリアしなさいという意味でしょう、三國谷さん。──ですよね。これでいいですという意味じゃないですよね。こんなものでいいわけないということで、これよりもっと頑張れという指導は少なくともされるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#114
○政府参考人(三國谷勝範君) まず金融庁といたしましては、こういった資本参加した銀行につきましては、その後の中小企業向け貸出しの取組状況などにつきまして適切にフォローアップをしていくこととしているところでございます。
 北洋銀行におきましては、本制度の趣旨、目的を踏まえました経営強化計画で掲げました各種方策、この確実な履行を通じまして中小企業向け信用供与残高等の目標の達成はもちろんのこと、地域の中小企業等に対する円滑な信用供与に一層努めていただきたいと考えているところでございます。
#115
○大門実紀史君 時間が来たので終わりますが、金融機能強化法というのは何だったのかというのがのっけから、のっけからぼろを出したというふうに厳しく指摘して、質問を終わりたいというふうに思います。
#116
○委員長(円より子君) 以上をもちまして、平成二十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管及び株式会社日本政策金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後二時十六分開会
#118
○委員長(円より子君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官梅溪健児君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#120
○委員長(円より子君) 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#121
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
 前回に引き続き、確定申告のお話からさせていただきたいと思います。
 先日、大臣は、自分で申告用紙を書いた方が自分と国とのつながりを感じると御答弁をされました。この点につきまして私と大臣は意見が一致しておりまして、やはり納税者は自ら税計算を行い、そして税にもっと関心を持っていただきたいという、そのように私も考えております。大臣からいいものは広い心で取り入れていきたいとの御答弁もいただきましたので、私もいいものを御提案していきたいと勇気付けられております。今日も積極的に、前向きな議論ができればと思います。
 資料一を御覧になりながら聞いていただければと思います。
 そこで、大臣に早速お伺いしたいのですが、日本のNPO制度の制度設計の詰めの作業をしたのは与謝野大臣と堂本千葉県知事であったと大臣からのお話で伺いました。日本のNPOの制度設計においては、寄附金のシステムは組み込まれずに、結果として税務当局の裁量に任せられているとの御答弁も印象的でした。
 さて、前回もアメリカを例として取り上げさせていただきましたが、アメリカの寄附文化がなぜ広まっているのかという点についてはいろいろな分析があると思います。私は、制度面がきちんとしているから寄附しやすいんだと考えております。
 御存じのとおり、アメリカは多種多様な人種が集う国ですから、一言でアメリカと言っても様々な文化が混在していると思います。ですから、寄附文化が元々あったものではあるとは言えません。むしろ寄附行為は税の制度面から整備されているものであって、この制度がきちんとしているからこそアメリカに寄附文化があるのだと思います。つまり、寄附を制度化することによって多種多様な人々によって構成されているアメリカ人一人一人の方が、寄附システムを活用することによって他人を助けることですとか自己満足の両立を図ることができると思うんです。ですから、大臣御答弁の寄附を妨げているのは税なのか文化なのかという問いかけに対して、私は、むしろ税の制度面から寄附文化をつくり出しているのがアメリカであるとお答えしたいです。
 仮に文化的な問題だとしたら、私は、前回も申し上げましたけれども、日本人はどこの国の人にも負けない思いやりを持っていると思いますので、逆に制度面の不備によって日本人が本来持つ善意を示す機会を失ってしまっているのだと考えております。
 大臣にコメントを求めたいのですが、NPOの制度設計時に寄附の制度設計については真剣に議論がなされなかったとのことですから、だったら今こそそのチャンスではないでしょうか。寄附の制度設計を再構築してみようというお考えは、お気持ちはおありでしょうか。
#122
○国務大臣(与謝野馨君) NPOを制度設計しましたとき、いろんな方がかかわっておりましたけれども、最終的に私が考えましたのは、法人格を取得できないで困っておられるボランティア活動の方々がたくさんおられるので、そういう意味では法人格の取得を容易にしようということでNPOのあの法案ができたわけです。
 しかし、そのときにどうしても私は避けたかったのは、やっぱり暴力団その他が仮装、隠ぺいのためにこういうNPO法人なんかを使うということは制度上断固阻止しようということと、NPOをつくったからすぐ税制上の恩典を受けられると、これもやっぱり不合理な面があるんだろうというので、これは実は二つとも法律の中で考えてそういう形になったわけです。
 しかし、先生が御指摘のように、やはり社会のために、他人のためにいい仕事をしようというときに、やっぱり個人の善意が税制上一定の恩恵を受けられるというのは決して悪いことではないと私は思っておりますが、私どももそういうことについては随分言ってきたわけですけれども、やっぱり伝統的な日本の税に対する考え方は、寄附については寄附の目的となる団体の事業等を相当精査して、やっぱり相当な社会的価値がないとそういう寄附に対して税制上の優遇を与えないと、そういう点ではなかなか日本は昔から厳しい制度を取ってきた。
 さてこれからどうするかというのは、もう一つ議論をしなければならないところであると思っております。
#123
○牧山ひろえ君 私も、やはりこの制度を悪用する方は避けなくてはいけない、そういう方がもしいらっしゃるとしたら悪用されないように気を付けなくてはいけない、高い認定基準をこれからも保ち続けなくてはいけないという思いは大臣と一致すると思います。
 また、大臣は前回、日本の寄附制度は文化的な要因と他の税との整合性の二つの大きな課題があり、容易に語ることはできないとおっしゃっておりました。
 仮に文化面と税制面と両方に、両面にこの問題が起因するならば、税制面の管轄と責任は大臣だと思いますが、いかがでしょうか。
#124
○国務大臣(与謝野馨君) これだけ文化と思われるものが多様化しているときに、どの文化に対して税制上の優遇措置をとるかというのはなかなか難しい問題であります。それから、社会的ないろいろな福祉活動、慈善活動等も非常に多岐にわたっておりますので、どういう分野にそういう税制上のいろいろな措置をするか、これも判断の基準が実は非常に難しい。そこのところは考えなくてはならないんですが、そういうボランティアのほかに、やっぱり日本の伝統的な文化、新しい文化を育成するには、やっぱり予算上の措置あるいは税制上の措置、そういう両面にわたって物事が考えられていかなければならないのではないかと私は思っております。
#125
○牧山ひろえ君 私も大臣と同じ考えですが、文化的な面もありますけれども、税制面では是非大臣に検討していただきたいと思います。
 まず、制度面についてお話を進ませていただきたいと思います。資料二を御覧ください。
 私は、先日、個人が寄附をするときに五千円の足切り、五千円の壁によって寄附をちゅうちょしてしまうのではないかと問題提起いたしました。この点に関して大臣は事務が大変過ぎるという御答弁を終始したと記憶しておりますが、一方では税務作業の電子化が毎日進んでいる、日進月歩しているということが今の現状ですから、事務作業が電子化によって軽減されていることも事実であります。また、政府参考人の岡本さんはe―Taxが大幅に増加をいたしておりまして今後も発展させていきたいと語っておられました。大臣もお役人の方も税務作業の電子化によって事務負担が軽減されつつあるという同じ認識を示しているのです。
 ですから、手間が掛かるから五千円で足切りをするという理屈は通らなくなると思います。やはりそろそろ現行の五千円の足切り基準を千円ぐらいにしてみてはいかがでしょうかと再度提案しておきたいです。良い提案は取り入れてくださるという大臣の有り難い御答弁をいただきましたので、是非ともこの考えを大臣として受け入れていただきたいのですが、いかがでしょうか。
#126
○国務大臣(与謝野馨君) これは専ら事務上の問題でございまして、先生が確定申告を御自分でおやりになった場合、寄附金控除に該当するかどうかという部分を書き入れたときに千円、二千円を書いて自分の所得からそれを控除するというほどのことがあるかというので、多分これは税の実務あるいは執行上の問題から五千円ということをしてあるわけで、これは加藤主税局長に答えさせますが、五千円というのは別にこの数字が絶対というわけじゃなくて、やっぱりおおむねこの辺で足切りをしておけば事務も繁雑にならないし事務量も多くならないということで決めた、言わばアビトラリーな数字だというふうに私は思っております。
#127
○政府参考人(加藤治彦君) 済みません。前回も御指摘いただいて恐縮ですが、まさに今大臣から御説明させていただきました、あの五千円という数字というのはまさに決めていただく数字だと思います。
 それで、私ども、前回もちょっと申し上げたことを補足させていただきますが、事務上の問題、それは課税当局及び寄附者本人の事務上の問題もございますが、私、前回ちょっと舌足らずでございましたが、結局、寄附金控除を受けるためには、寄附を受けた団体から領収書ですとか、それから当該団体が寄附控除の対象となる特定公益増進法人等である旨の証明書の写しを発行いただかなきゃいけません。したがって、寄附を受ける側のそういう事務も含めて、全体としての事務負担ということで私、御説明をさせていただいたところでございます。
#128
○牧山ひろえ君 寄附される側の負担というお話についても後ほどお話をさせていただきたいと思いますが、やはり多くの方々に寄附をしたいという気持ちがある方に参加していただくためにはやはり五千円という数字はとてもハードルが高いと思います。そして、先日お話にもありましたように電子化が今進んでいるわけですから、これが不可能だということはちょっと理解に苦しみます。また、電子化がどんどん進めばより細やかな数字、本当に一円単位でいろんなものが容易に計算できる、そういう時代がやがてやってくると思うんです。ですから、いつまでも五千円じゃないとという考えに固執するのはどうなのかなと思います。
 では、これまで紙ベースで申告をしていた方にコンピューター上の電子申告に乗り換えてもらうためにはどうしたらよいか。当然ながら電子申告に乗り換えるメリットを設定するべきだと思います。この資料一を見ながら是非話を進めていきたいと思いますが、大臣又は参考人の方でも結構ですから、電子申告に切り替えるインセンティブはございますでしょうか。
#129
○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 e―Taxにつきましては幾つかインセンティブがございますけれども、まず代表的なものといたしまして、e―Taxを利用していただいた場合に還付申告につきましては処理期間の短縮を図るということを行っております。それから第二に大きな柱として、電子認証の普及拡大のために電子証明書等特別控除などの施策を取っておりまして、こうしたことにより普及を図ってきているところであります。
 また、現在御審議いただいておりますこの法案には、電子証明書等特別控除の適用期限の延長が盛り込まれているところでございまして、今後ともe―Taxの一層の普及拡大に努めてまいりたいと考えております。
#130
○牧山ひろえ君 今いただいた情報、インセンティブについてですが、これで急激に利用者が増えるかどうか、これも検討する必要があると思います。賛否両論あると思うんですが、電子申告をする場合、寄附金控除額の算出時には、現行の寄附総額から五千円を引く仕組みではなく例えば千円を引くとか、民主党が提案しているようにある一定の限度額を設けた税額控除制度を設けてみるのも方法ではないかと思います。やはり納税者はよりメリットのある申告方法を選択するでしょうし、電子申告による税務の事務負担軽減も両立できるのですから行政負担の軽減にもつながると思います。
 いいことずくめだと思うんですが、大臣いかがでしょうか。
#131
○国務大臣(与謝野馨君) インセンティブというのはこの制度が普及するまでの過渡的なものでございまして、これをどの程度にするかというのは、余りインセンティブを与えますとe申告ができない人に著しく不利になるということもありまして、まあ五千円ぐらいがいいところではないかということで決めた水準でございまして、絶対的な水準というものは実はないと思っております。
#132
○牧山ひろえ君 コンピューターがうまく触れない方もたくさんいらっしゃると思います。そのためには、やはり税務署でそういった方が入力作業、電子入力作業ができるように、電子申告を進めるためにももっとスタッフや税理士の人が必要だと思うんですけれども、そういった意味でもそういう状況をいろんな観点から考えていかなくてはいけないと思います。
 もう一点、総所得に対する控除限度額の件です。現行では四割となっていますが、もしかするといろいろな理由からたくさん寄附したいという方がいらっしゃるかもしれませんから、その受皿として上限を更に緩和するべきだと思います。もちろん、大臣が懸念する脱法の温床にならないために高い認定基準を保つべきだと考えますが、脱法の温床になることを避けつつ善意の受皿をつくっていかなくてはいけないと思っております。例えば、人の命にかかわることや公益性が極めて高い活動をしている団体には上限を緩和する措置をとるべきだと考えております。また、実際、現行の寄附税制において法人が指定寄附金に寄附をした額は全額損金算入という扱いになっておりますから、この提案は無理難題ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#133
○国務大臣(与謝野馨君) この限度を設けているという背景の思想は、個人が自分のお金の使い道は自分で決めていいということはあっても、やっぱり自分の好きなところだけに使われてしまうと国としては困ると。やっぱり控除をするにしても限度があるだろう。例えばこれを一〇〇%にすると話はすぐ分かるんですけれども、国の関与が全くなくなる、国民全体の意思の関与がなくなるということで、アメリカは五〇%ですから、日本も三〇から四〇に上げて、まあいいところまで来ているのではないかというふうに私は思っております。
#134
○牧山ひろえ君 私が申し上げているのは、NPOでも本当に人の命を助けるですとか高い公益性がある、そのようなNPOを指しているわけであって、そういった高い基準を満たしている、そういうNPOは支えるべき、私は応援するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(与謝野馨君) NPOというのは、公益のためにやっていただく、自分たちの、自分の利益のためにやっていないという団体です。これは、より優遇するというのは、多分そのメルクマールは国の仕事、公の仕事の代替性をどのぐらい持っているかということによって決まってくるんだろうと私は思います。これはまさに国や地方団体がやらなきゃいけない仕事、それを代わりにやっているという場合と一般的な慈善活動というものは、多分理念の問題としては取扱いが違ってもいいのではないかと私は個人的には思っております。
#136
○牧山ひろえ君 是非、高い公益性のあるNPOは積極的に応援していただきたいと思います。
 先ほど参考人の方から、寄附を受ける側の領収書の発行ですとか、そういった事務的な手続の懸念のお話がありましたけれども、これは具体的にどの団体から言われたことなんでしょうか。具体的な例があったら教えていただきたいと思います。
#137
○政府参考人(加藤治彦君) これは一般論としてこれまで指摘されてきたことでございまして、例えば赤い羽根の共同募金のように小口の集める募金も結構ございます。そういうような場合に、赤い羽根募金に一つ一つ領収書を発行するということは実際なかなかできませんので。ただ、制度として寄附金控除制度の適用になれば当然求められれば出さざるを得ないということについて、実際問題として現場で対応ができるかどうかという議論はかねてから私ども検討の過程で議論をさせていただいております。
#138
○牧山ひろえ君 具体的な例がないのにそういうことをおっしゃるというお話を伺うと、何かとても消極的なお話を伺っているような感じがして残念なんですが、是非、そういった声がない限りは、少額の寄附でも受け入れてくれる、有り難く受け入れるNPOはたくさんあると思いますので、そういった方々を応援していただきたいと思います。
 また、前回ホームページについて伺いましたけれども、NPOのうち税の優遇が受けられるものをどのように拡大するか、以前から課題になっておりますとの御答弁がありました。要するに、国税庁は認定NPOの存在を広く国民に御紹介する立場にあるわけだと思います。
 前回の質問で私は、国税庁のホームページ内にある認定NPO法人名簿のページについて、せめてそれぞれのNPO法人名にリンクを張るべきじゃないか、ちゃんとどういう活動をしているか御紹介するべきではないか、そのようなお手伝いをするべきではないかと、そういう意味を込めて申し上げましたけれども、その後変更された形跡はないんですが、そういうお気持ちはないんでしょうか。
#139
○政府参考人(岡本佳郎君) ホームページについてのお問い合わせがありましたので、ちょっとお答えをさせていただきます。
 そもそも、国税庁長官は、認定NPO法人として認定をいたしましたときに、その法人の名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名並びに認定の有効期間を官報に掲載することにより公示することとされています。また、この公示された事項に変更があったときや認定を取り消したときも同様に公示することとされております。これを受けまして国税庁では、認定NPO法人について公示したこれらの事項を広く周知するために、国税庁のホームページに認定NPO法人の一覧を掲載しているところであります。
 それ以上の詳しい事業報告とか、そういったことなんですけれども、これは分量が非常に大きくもなりますので、また制度的にも、まず所轄の税務署において認定NPO法人の事業報告書や収支計算書等を閲覧させるということにいたしております。また、御承知のように認定NPO法人自体もこれらの書類を閲覧することとされておりまして、認定NPO法人の行う広報活動と併せてこれらの制度も御利用いただきたいと考えております。
 そしてさらに、ホームページにリンクを張るぐらいはするべきではないかという御質問ございました。我々の国税庁のホームページに各種のリンクについてのお問い合わせもあるんですけれども、国税庁のホームページから個々の認定NPO法人のホームページにリンクを張ることにつきましては、法人側のホームページのアドレスを継続的に管理していく必要があるということなどの問題があることから、慎重な検討が必要と考えているところでございます。
#140
○牧山ひろえ君 そんな大げさな問題ではないと思います。せめてリンクを張るということは容易なことです。それによって、各ホームページはそれぞれの団体が管理しておりますから、そんなに大げさに考えなくても大丈夫だと思います。
 さて、時間の関係から前回御紹介できなかったハンガリーの事例を取り上げます。資料四を御覧ください。
 ハンガリーではパーセント法を導入しております。これは納税者が納税額の一%から二%相当を指定したNPOなどに振り分けることができる制度です。日本のふるさと納税とはお話が違いますので、ここではあらかじめ申し上げておきます。
 このパーセント法は一九九七年から始まったとのことですが、二〇〇四年には納税者の三人に一人がこの制度を利用して、何と二万三千ほどのNPO法人、団体などに寄附をしていたそうです。わずかであっても納税者が自分の税の行き先を決めることができれば納税者意識の向上にもつながりますし、結果として税を受け取る行政側も税を大切に使わなくてはいけないという良い緊張感が生まれると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#141
○国務大臣(与謝野馨君) ハンガリーの例については私全く詳しくないのでコメントができないのは残念でございますけど、一般論として申し上げれば、国の予算編成においては、政府はやはり全国の国民各層の多種多様なニーズを総合勘案、調整して予算を作成し、それを国民の代表機関である国会に提出して御審議をいただいて御承認をいただくというプロセスになっておりまして、税金を集めるときからそれが決まってしまうという制度については慎重にならなければならないと思いますが、唯一例外は、日本の場合は政党助成金じゃないかなと私は思います。
#142
○牧山ひろえ君 参考までに、パーセント法は九六年にハンガリーで導入されて以来、ほかにもスロバキアですとかリトアニア、ポーランド、ルーマニアなどに広まっています。国によっては税務当局が振り込み手数料を負担するなど、そういった興味深い内容になっております。ハンガリーの例は寄附金ではなく税金そのものを納める場面での事例ですが、日本においてもこうした先進的な事例を参考に考えていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。
#143
○国務大臣(与謝野馨君) 先生も御承知だと思うんですけれども、このハンガリーにおける一%ルールというのは、一九九〇年代に共産主義時代に没収された教会財産の返還方法として提案され、さらに、アメリカやEUから東欧のNGOに対する資金援助がだんだん小さくなってきたと、したがいまして教会や宗教団体やNGOを含む公益団体を対象として一九九七年に一%ルールというものを導入したわけで、ハンガリーの場合は特別な政治的、社会的な背景があったものと私どもは理解をしております。
#144
○牧山ひろえ君 資料五の私の試案で示すように、やはり選択納税についての検討をする価値があると思います。今、そういった国々だけのお話みたいなようなお話ですけれども、実はアメリカにもタックス・チェックオフという制度が連邦と州の双方にあって、納税申告時に税や寄附などの選択ができる仕組みもあります。ハンガリーだけではないんです。アメリカでも似たようなシステムがあります。日本でも実現の可能性があるんではないでしょうか。
#145
○国務大臣(与謝野馨君) 牧山試案はとても良くできていると思うんですけれども、このチェックする項目が六つですけれども、恐らく実際やったら千とか二千になるんじゃないかと思って、ちょっと心配でございます。
#146
○牧山ひろえ君 私の案はたたき台にしていただければと思います。
 時間となりましたので終わらせていただきたいと思います。
#147
○尾立源幸君 民主党の尾立源幸でございます。
 本会議質問に続きまして、与謝野大臣に質問をさせていただきたいと思います。
 財政特例法、そして所得税法等改正案を中心にお聞きしたいと思いますが、まずその前に、連休中休みなく経済危機克服のための有識者会議というのを、大臣もかなり出席されたと思うんですけれども、出席された御感想として、何かこれはいいなと思ったアイデア、提言、一つで結構ですから、一番気に入ったのを御披露いただけませんか。
#148
○国務大臣(与謝野馨君) 人様の御意見はやっぱりきちんと聞くべきものであると思いました。ずっと伺ってみますと、一つは教育、これは教育を受ける機会についてやっぱり格差が生じているのではないかという私は疑問を一つ持ちました。それからもう一つは、一時的に日本の経済を加速させるのではなくて、やはり将来に力が出るような根っこの部分、研究や開発、根っこの部分に対する投資ということを言う方が多かったように思います。それからもう一つは、医療現場等がやっぱり財政的に大変苦しくなっているということで、今後の経済対策で我々が考えなければならないのは、教育とか研究開発とか、あるいは医療、介護とか、それから意外だったのは生産性が低いと言われる分野、すなわち漁業とか林業とか農業、こういう分野というのは意外に雇用を吸収する可能性があるというふうにお話を伺って感じました。
#149
○尾立源幸君 そういう意見を盛り込んだ補正予算というのはいつ作られるんですか。
#150
○国務大臣(与謝野馨君) お恐れながら、二十一年度当初予算を御審議いただいているときに二十一年度補正などということは、全く、寸毫も考えたことはございません。
#151
○尾立源幸君 まあ当然そういうことだと思いますけれども。
 今、与謝野大臣おっしゃいましたように、そういう人への投資といいますか、将来、持続可能また発展するようなところに資金を使っていくべきだという話だったと思うんですが、私も本会議のときにも申し上げましたように、この危機と言われている状況をチャンスに変えて、思い切って産業構造を変えたり、また社会構造を変える、そういうきっかけに私は今回のクライシスというか危機を活用していくべきだと思っておりますが、いかがですか。
#152
○国務大臣(与謝野馨君) 私はそのとおりだと思いまして、やはり日本の経済が耐える力を蓄える、また将来の飛躍のための準備段階としてとらえれば、私は今の時期は我々日本人にとっては良い試練の時期だと思います。
 ただ、人によっては、抗生物質を打つんだったら大量に打てという人がいて、一気に経済を回復させるという方もいますし、駄目だと、鎮痛剤、モルヒネを使うと、たくさん使うと中毒になっちゃうという、実は両説がありまして悩んでいるところなわけでございます。
#153
○尾立源幸君 恐縮ですが、我が党はずっとそういった観点で、スローガンとしてコンクリートから人への投資という考え方でずっと政策をつくっております。今お聞きしておりますと、政府・与党、当然こういう考えは既に私はお持ちでそういう方向に向かっているものだと思っておったんですが、余りそうでもないということなので少し残念に思って聞いておりました。もう既に政府・与党では、こういう人への投資というのは大事だということで、そういう観点から政策づくりが私は行われているものだと思っておりましたし、今更有識者の方から聞いてなるほどなと思うのでは政権与党とはちょっと言えないんじゃないかなと、こう苦言を呈しておきます。
 それでは、財政特例法についてお聞きしたいと思います。
 繰り返し繰り返し私申し上げております埋蔵金、あっ、埋蔵金ではないとおっしゃいます。確かに貸借対照表等で差額としてきっちり出してあるし、また全部つまびらかになっているので埋蔵金とは言えないと、まあそのとおりかもしれませんが、これは分かりやすく比喩的に使っておることだと思います。昨年もこの委員会に、高橋洋一、今教授でございますが、ここに来られて、あれは埋蔵金じゃないと、露天掘りだと、こういうふうにおっしゃっていたので、我々としてはその露天掘りの方がすっきり胸に入るのかなと思うんですけれども、いずれにしても、言葉はどうであれ、今回また財政投融資特会から準備金を四兆二千三百五十億ですか、取り崩して一般会計に入れるということになっております。
 これも何度も聞いておりますが、その結果、準備率は千分の三十五になるわけです。このことに関して大臣は、実際に総資産を千分の五十の水準の上限まで金利変動準備金を確保しておかなくても即座に財投特会の財務について問題が顕在する、顕在化というか、顕在する可能性は低く今後の金利変動リスクに対応できると考えておりますと答弁されておりますが、この根拠、なぜそういうふうに思ってこのようなお話をされたのか、御説明いただきたいんです。問題が顕在する可能性は低いと言い切っておられるので、その根拠についてお聞かせいただきたいと思います。
#154
○国務大臣(与謝野馨君) これは言わば長期金利がどう変動するかという判断の問題ですが、千分の三十五というのは意外に大きな数字で、三・五%ですから、日本の長期金利が三・五%も短期間に変動するということはそんなには私は考えられないんじゃないかなと、私はそういうふうに思っております。
#155
○尾立源幸君 隣で違うというふうに言っておるんですけれども、少なくとも財務省はこれまで千分の五十は必要だとおっしゃっておったんですね。それで、今回は千分の三十五になっていると。
 この、じゃ、十五のギャップをどう説明するのかということについて、改めて、参考人の方でも結構ですから御説明いただきたいと思います。
#156
○政府参考人(佐々木豊成君) 千分の五十が必要だと申し上げてまいりましたのは、もう先生御存じのように、いろんなシミュレーションをやって、千分の五十の水準の上限を設けておけば、中長期的、二十年の試算をやっておりますけれども、その中で累積赤字が生ずるケースが極めて少ない、財投特会としては非常にそういう意味では安全であるという水準を設定しているわけでございます。
 それと、今回それを取り崩しまして、千分の三十五に二十一年度なるということでございます。それとの関係でございますけれども、中長期的にそういう水準を設定しておけば安全であるという試算でございますが、今回様々な事情によりまして一般会計の方に繰り入れるという必要が生じてこうなっているわけでございますが、当面は、財投の構造といたしまして、過去の比較的高い金利の資産を持っておりまして、負債の方は、かなり長きにわたる低金利の時代で低い金利になっているということで、当面は赤字になると、これが赤字にどんどんなっていくということは考えにくいのではないかということでございます。
#157
○尾立源幸君 それじゃ、モンテカルロ・シミュレーションで、千分の三十五という場合は、何本これシミュレーションで該当するんですか。三千本やっていらっしゃるんでしたっけ。
#158
○政府参考人(佐々木豊成君) 誠に恐縮でございますけれども、二十年度の予算編成でモンテカルロ・シミュレーションをやっておりますけれども、千分の三十五でのシミュレーションは行っておりませんので、そのうち何本というのをお答えする資料はございません。
#159
○尾立源幸君 それじゃ、その近いところ、多分千分の四十とか、その辺りでやっていらっしゃる、二十とか三十とか。
#160
○政府参考人(佐々木豊成君) これも二十年度の編成に当たりまして試算をしたものでございますけれども、千分の四十でございますと、信頼区間九九%、片側九九%で、マイナスになりますのは三十五本ということでございます。
#161
○尾立源幸君 何本中ですか。
#162
○政府参考人(佐々木豊成君) 全体で三千本ございまして、足切りが三十本、一%分ございますから、残り三十五本、一%分加えれば六十五本ということでございます。
#163
○尾立源幸君 それこそ百年に一回の話なのかなと聞いておるんですけれども、同じようなものは、まず最初に、この千分の三十五又は千分の五十とか決められるのは、これ法律じゃなくて、皆さんの、政府の中で決められるということでいいですね。
#164
○政府参考人(佐々木豊成君) そのとおりでございます。政令で定めるということになっております。
#165
○尾立源幸君 そうすると、ほかの特会も、私、見させていただいているんですけれども、外為特会はもう有名でございますが、労働保険特会、また地震再保険特会なども、これまた同じように政令でこの準備金の積立率というのは決まるんですか。
#166
○政府参考人(佐々木豊成君) 恐縮でございますが、ちょっと手元に、特会の所管ではございませんので、ちょっとその点の知識はございません。
#167
○尾立源幸君 恐らくそういうことだと思うんですけれども、同じ理屈でございます。特に地震再保険特会、これも今一兆一千二百八十億積み上がっております。外為特会はもう言わずもがなでございますし、さらに労働保険特別会計雇用勘定等々に四・八兆、一・二兆等々積み上がっております。これも、今回のように特別な法律を作れば、政治が判断すれば活用できると、使途についてはそれに関連するものなのかどうかの議論は別として、可能だという理解でよろしいですね。
#168
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 地震特会等を始めその積立ての仕方について、数字的なものは法律で決めるという仕組みにはなっておりません。
 ただ、それぞれの積立金については、これまでも繰り返しお答えしているようにそれぞれ理由があって積み立てておるわけでございますから、それとの関係で法律がそれを打ち破ることが可能かという御質問であれば、まさにどういう趣旨で、どういう法律の形式でとか、そういう点をきちんと議論した上でないとなかなか一概には今お答えすることは難しいのかなと思います。
#169
○尾立源幸君 今まで財投の金利変動準備金もそういうことでやっていたわけですよね、同じ形で。だから、できるということなんですけれども、なぜ、じゃ今回は財投の金利変動準備金だけを、財務省管轄だけを取り崩したんですか。
#170
○政府参考人(木下康司君) ただいまの御質問の趣旨は、なぜほかの積立金を活用しなかったのかという御質問でございますけれども、やはり我々いろいろ検討いたしましたけれども、例えば今御議論のありました外国為替資金特別会計等々にしろ、それぞれ為替リスクへの備えなどに必要なものでございます。その点で、いろいろ中でも検討いたしました結果、臨時特例的な対応として、やはり活用を図る上では財政投融資特別会計の積立金というものが一番そういう意味では、何と申しますか、害が少ないと申しますか、適切な言い方かどうかあれでございますが、そういう点、総合勘案して国会での御承認をお願いをしているということでございます。
#171
○尾立源幸君 財務省の所管の特会だということと、自分のところから出すのが一番トラブルが少ない、余計な摩擦もない、出しやすいと、こういうことだと思います。そういう意味で、他の会計であっても使おうと思えば使えるということだと思います。これはしっかり、この点は大事でございますので、これからですね、その点を確認をさせていただきましたが、よろしいですか、大臣。
#172
○国務大臣(与謝野馨君) 地震特会のお金は私は使ってはいけないと、そう思っています。
 これは、地震特会というのはやはり大きな地震が来たときに地震保険に入っている方に支払うためにためているお金ですから、将来の、言わば将来債務の一種だと私は思いますので、そんなものをばたばた使っていいわけはない、そういうふうに思っています。
#173
○尾立源幸君 そういうふうに今まで財務省は財投の準備金も説明されてきたんですよ。なのに使っているから、同じ理屈じゃないですかと言っているんですよ。いや、これは将来の何か金利変動があったときに使っちゃいけない、手を付けられないんだというから使ってこなかったわけでしょう。それが地震特会に変わっているだけじゃないですか。どっちも国民の損害ですよ。
#174
○国務大臣(与謝野馨君) 地震というのは保険加入者が保険料を払ってためたお金なので、そんなものをばたばた使っていいわけはないと私は思います。
#175
○尾立源幸君 いや、私はだから使い道はいろいろあるだろうと最初に言いましたのは、例えばこれは保険料を下げるというのも一つの手です、国民に還元するという意味では。もう一つは、例えば耐震化なんかにこれを使うというのも一つの手だと思うんですよね。それは、何でもかんでもこれを使ってもいいと私は思っておりません。やはり特別会計ですし、目的があると。そういう意味で、使おうと思えば、地震の損害を低くするため耐震化みたいなものに使ってもいいんじゃないかというアイデアなんですけど。
#176
○国務大臣(与謝野馨君) 火災保険とか自動車損害賠償責任保険とかというのは、これは保険料率を計算できるだけの、火災の発生とか事故の発生というのがあって料率計算がしっかりできますけれども、地震保険というのは、地震の発生の確率なんというものは、そんな保険理論からぴたっとはこないと私は思います。だから、そういうときにはきちんといただいたものはためておくというのは多分常識なんじゃないかなという気がいたします。
#177
○尾立源幸君 この議論をやれば相当長く続くので、例えば地震再保険特会、阪神大震災のときで被害が約四千億ぐらいだと言われているんですね。関東大震災が来た場合はどのぐらいかというと四・四兆でしたかね。ということで今一兆二千億ぐらい積み上がっているんですけれども、この水準というのはすごい幅があるわけです。大臣のおっしゃるように関東大震災級のものが来ると一・二兆では全然足りないわけでして、そういう意味では全然、何というんですかね、備えになっていない、まあ、ないよりましなんですけれども、そういうたぐいのものなんですよ。じゃ、この一・二兆、なぜこう決まっているかと聞いても分からないんです、この率がですね。保険料率じゃないですよ、積立率ですよ。こんなたぐいのものなんですね。
 その一・二兆、これは絶対必要なんだ、将来に備えているんだと言われても、これだけ幅のあるものを一・二兆でどうやって賄うのかと私は思うわけですけど、どうですか。
#178
○国務大臣(与謝野馨君) 少なくとも、どうせ足りないんだから使っちゃえという話には多分ならないんじゃないかなと。小さい額でもきちんと事が起きたときに備えておこうという方が、その方が少し誠実な態度じゃないかなと。どうせ足りないんだから使おう、使ってもいいんじゃないかと、地震が起きたときはどんと予算措置をすればいいじゃないかと、それも一つの考えだと思いますけど。
#179
○尾立源幸君 私が申し上げているのは、この率というのがもっともらしいんだけれども、いかにいいかげんな率を計上しているかということを申し上げたいわけで、何の根拠もなく、まあ政令で決めているとおっしゃいましたけれども、適正かどうかというのは分からないわけですよ。
 確かにあった方がいいに決まっているんです。それは、二兆、三兆あった方がいいと思います。しかしながら、すぐに使わないものでもあるし、またその率もいいかげんということであれば、これは一時的にお借りしてもいいんじゃないかなと、そういうことを言っているわけです。
#180
○国務大臣(与謝野馨君) このお金を使っちゃっていいという先生のお許しをいただければ、我々は積極的に使うことにいたします。
#181
○尾立源幸君 もう我々は是非許したいと思いますので、活用方法を我々が考えていきたいと思っております。
 それでは、所得税法の方でございますが、今回、中小企業者等の法人税率の特例、二二パーから一八へ引き下げたり、欠損金の繰戻し還付制度の復活等々、非常に我々の主張も取り入れていただいております。が、まだ未実現のものとして給付付き税額控除また自動車関係諸税の簡素化、資産課税の負担適正化、納番制の導入など、これは中期プログラムで書いてあります。これも実は我々の主張とほぼ重なっておるわけなんですが、税調会長も務められた与謝野大臣でございますからお聞きしますが。
 しかしながら、オーナー課税の廃止いわゆる、これがなぜか入っていないんですね。しかしながら、自民党の税制改革大綱ですか、これでは時期を見て判断するというような書きぶりなんですが、これ評判悪いというのは大臣の耳にもいっぱい届いていると思うんです。しかも、一年でその基準を変えるぐらい、制度の悪い、評判の悪いものだったわけなんですが、なぜこれ素直に廃止しないんですか。
#182
○国務大臣(与謝野馨君) これは、個人事業主が法人成りを行うことによっていわゆる経費の二重控除が発生すると、そういうことに対応して、個人事業主との課税の公平を図るための適正化措置として平成十八年度税制改正において導入されたものでありまして、私どもとしては引き続きこの制度は維持する必要があると考えておりまして、むしろ廃止することは適当でないと思っております。
#183
○尾立源幸君 自民党の、与党さんの税制改正大綱には、この損金不算入制度についてはその適用状況を引き続き注視するということでとどまっておるんですけれども、まあ問題意識は多分持っていらっしゃると思うんですね。私どもはこの廃止法案を出しておりますので、これは可決をして早急に廃止をさせていただこうと思っております。そのことだけ申し上げます。
 もう一点。法人税率の引下げについても触れられておりますが、一点ちょっとお聞きしたいんですが、租税特別措置の例えば試験研究費の税額控除を限界まで利用した場合、一体法人税率というのは実際何%になるのか、お答えいただけますか。
#184
○政府参考人(加藤治彦君) 法人税率は表面税率が三〇%でございます。試験研究税制の最大は当期の法人税額の三〇%まで税額控除ができるわけでございますので、七掛けということになりまして、表面税率ベースでは二一%。実効税率、事業税の損金算入を考慮した実効税率ベースでは二七・九%が一九・五%まで最大限使いますと引き下げられるということになります。
#185
○尾立源幸君 少なくとも法人税だけで九%下がって二一%になるわけですよね。なのに、今法人税率の引下げというのが声高に言われております。その前提として私は課税ベースの適正化、すなわち特定の業界の利権になっているこの租税特別措置の大幅な整理が必要だと考えますが、与謝野大臣、いかがですか。
#186
○国務大臣(与謝野馨君) 当然、必要のないものは、二年ごとのものもありますし一年ごともありますけど、やっぱり毎年毎年、特別措置が政策誘導の目的を果たしているかどうかということも点検しながら見直していくということが私は適当なことであって、租税特別措置というのはあくまでも特別措置なのであって、特別の事情の下でつくられた税制なので、不必要なものはどんどん廃止していくべきものだと考えております。
#187
○尾立源幸君 もうこの問題点というのはよく御存じだと思いますけれども、五十年ぐらい続いているものとか、数にして国税三百、地方税二百ある、さらに、与党の税調会長やられたということで今日は与党のお考えを聞きたいんですけれども、この税制改正大綱、半分以上が租特の羅列になっているわけです。どうやって、これ、この租特がいいのか悪いのか、政策判断されたんですか。与党の立場でお聞きしたいと思います。
#188
○国務大臣(与謝野馨君) 与党が物をどう決めるかというのをこの委員会で御説明するというのは非常に恐縮なんですけれども、よろしいですか。
 税調に来る前に、各部会が自分の守備範囲のいろんな団体とか業界とか、あるいは役所が主導をするものもありますし、そういうところから要望を拾い上げて一連のリストを作ります。その一連のリストが全部まとめられて、税調の総会、小委員会、幹部会等にかけられて審議をされます。一つ一つの租税特別措置というのは、話をよく聞くと実にもっともらしい議論によって成り立っていまして、しようがないかなと思うものばかりであるわけでございます。それでも結局、包丁を振るって相当切っているつもりでございますけれども、残りが税制改革大綱に書いてあるものでして、それはそれぞれ存在理由のあるものでございます。
#189
○尾立源幸君 実は、私たちも峰崎委員を中心に全部聞きました、租税特別措置の内容については。おっしゃるように、もっともらしくて、ううんとそれぞれ聞けばうなるようなものがあるんですけれども、ただその前提となっているデータがめちゃくちゃいいかげんなんです。多分、大臣はもっともらしく集計されたデータを見ていらっしゃるんでしょうけれども、適用実績とか額とか、これが実は業界へのアンケートとか、また役所の推計であって、実際の減税額等がきちっと集計されたものではないんです。そのことを我々知って、あきれ果てたわけなんです。
 そういう中で、租税特別措置透明化法案というのを今回出させていただいているんですね。これは、統一的にきちっと減税実績を網羅的に把握しようと、そういうものなんですね。中身についてまだ御存じないかもしれませんけれども、税務当局でしっかり減税、特に減税ですね、これは補助金の裏返しでございますので、しっかり把握する必要があると思いませんか。
#190
○国務大臣(与謝野馨君) 額も大事だと思いますし、それから、租税特別措置をつくった政策目標がちゃんと実現できているかどうかという、その税制が、政策誘導がうまくできているかどうかという、その機能の面もやっぱり非常に大事なことじゃないかと。それは、おっしゃるように、租税特別措置を存続させるかさせないかというのは、やっぱりその額もさることながら、政策誘導としての手段として有効であるかどうかということも非常に大事な視点ではないかと思います。
#191
○尾立源幸君 終わります。ありがとうございます。
#192
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会・国民新・日本の峰崎でございます。財政金融委員会、今年に入りまして三度目の質問ということになります。
 与謝野大臣に質問させていただきたいと思いますが、今の租特透明化法の話をしてもいいんですけれども、その前に、ちょっと最近気になったことがございまして、アメリカのAIGという会社に公的資金を入れて、何と巨額のボーナスが支給されるということで、オバマ大統領は思わず何か怒りの声を発せられたと、最近何かボーナスもらった人は九〇%税金取るぞと、こういうことになったようなんですが、大臣、これについてはどういうふうに考えておられますですか。
#193
○国務大臣(与謝野馨君) 何か公的資金で援助を受けたところが考えられないような額のお金を山分けしているという感じで、日本では当然そんなものは社会的に許されないでしょうし、さすがにアメリカもそんなものは許されないと。こういうことで九〇%税金取るというんですけれども、税金ってさかのぼって取れるのかなと、日本の憲法ではなかなか、さかのぼって税金取るという法律は日本憲法では無理じゃないかなと、そういうふうに私は感じました。
#194
○峰崎直樹君 今度の金融危機を振り返ってみたときに、非常に大きな問題の一つとして指摘されているのがインセンティブ体系というんです。
 要するに、いわゆる投資家が、投資家というかファンドマネジャーが、自分のボーナスは、利益を上げた者に対して非常に高い利益があるんですね。どのぐらいかというのは大久保さんに聞いた方が早いのかもしれませんが。ところが、これが成果上がらなかったときはそんなに罰せられるわけじゃないんです。そうすると、このファンドマネジャー、あるいは強欲なというふうに申し上げていいのか分かりませんが、アメリカのそういう投資家の人たちの利益を実現しようとするそのモメンタムというかきっかけというか意欲といいますか、それが非常にアンバランスなんですよね。
 こういう体系にメスを入れなきゃ駄目なんじゃないかということを指摘している、これは今週号というか今月号のフォーサイトという雑誌に、インド人でラグラム・ラジャンという方がおられるんですね。これは私、何度も引用しているんですが、「セイヴィングキャピタリズム」ということで、私もある程度読んだことあるんですが、非常にこの点を鋭く指摘しているんです。しかも、これは二〇〇五年の辺りから、このサブプライム問題が起きる前に、こういうやり方は金融危機をもたらすから大変大きな問題点だということを指摘しているんです。
 その意味で、このAIGの問題については、実はそういうインセンティブ体系の見直しということをこれは全世界的にやっていかないと、証券化商品を売りさばいていく、そして時価会計によって利益を取り込んでいく、こういうやり方がこのAIG問題に表れているんだと思うんですね。ですから、その根っこのいわゆるインセンティブ体系を改革しようと、こういう問題を私はG20あるいは今度のFSFの答申の中でこの問題をきちんと出さないと、同じような問題が起きてくるんじゃないんだろうかと思うんですよね。
 そういう意味で、与謝野大臣は財政も金融も担当されておりますので、そういう観点からこの問題を、アメリカの問題だから、ああ、つまらぬことやっているな、日本ではできないよじゃなくて、こういうインセンティブ体系を国際的にある意味では一つのコントロールするというか、そういうふうに提起するという考え方はございませんか。
#195
○国務大臣(与謝野馨君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、やはり自分の上げた利益と報酬がほとんど正比例しているという、そういうファンドマネジャーや高給ディーラーの報酬、これはしかも四半期ごとという非常に短期間の話がもう一枚加わっているということで、G20の財務大臣・中央銀行総裁会議でもこの話が問題になりまして、この中の声明の一部を、七というのがあるんですけれども、我々は、規制目的に用いられる格付を提供するすべての信用格付機関の登録及び証券監督者国際機構の基準への準拠を含めた規制上の監督、非連結事業体も云々とありまして、最後に、報酬に関するFSFの健全な慣行原則、これはファイナンシャル・スタビリティー・フォーラムというものがありますが、ここでやっぱり健全な慣行原則を合意したというので、先生の御指摘のところはそろそろ国際的にも大きな問題として取り上げられ始めたというふうに私は思っております。
#196
○峰崎直樹君 時価会計についてはどんな議論になっているんですか。
#197
○国務大臣(与謝野馨君) 時価会計は特に大きな議論はなされなかったわけでございますが、むしろ時価会計よりは自己資本比率。これは驚いたことに、最低自己資本比率のパーセントを上げようという議論が実はヨーロッパを中心に出てまいりまして、これは日本はさすがに、こんな時期に自己資本比率の最低の水準を上げたら信用収縮が起きるということで反対しましたが、会計基準は時価会計がいいとか悪いとかという議論はありますけれども、それは大きな議論としては出てまいりませんでした。
#198
○峰崎直樹君 恐らく時価会計との関連でいくと、自己資本比率規制の中で、資産価格が上昇し始めた、つまり景気が良くなり始めたら自己資本比率が高くなって、そして景気が悪くなって資産価格が落ち始めたら逆に自己資本比率規制を弱めていく、これが恐らく議論の素材になってくる大きな要因だと思うんですよね。つまり、恐らくそれでプロシクリカリティー問題というのをどう克服するかというところはやっぱり時価会計と連動しているんだろうと思います。
 今日は金融の問題じゃなくて税の問題をやろうと思っておりましたのでそのぐらいにしたいと思ったんですが、もう一点どうしても気になる言葉がありまして、これは最後、締めくくり総括のところで総理自身に聞いたらよかったんですが、もう何日間かに八十何人の方々集めて専門家の会合で総理大臣が、株屋は信用されていないんだ、大体まゆにつば付けてどうのこうのと、こう発言をされたというふうに聞いているんですが、たしか同席されていたんで、そういう発言があったのかどうか、そしてそういう発言は適切なのかどうか、与謝野大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#199
○国務大臣(与謝野馨君) 我々仲間内で会話があるときはそういう言葉を使うことはありますけれども、やっぱりあの方は証券業協会を代表して来られていたので、もう少し丁寧な言葉を使った方が適当だったんじゃないかなとそのときも思っていました。
#200
○峰崎直樹君 これは、実は証券市場というのが、株式市場というふうに言い換えてもいいんでしょうが、恐らく日本の国民から見たときに余り縁のないよう、本当は大変縁があるんですけどね、実は私たちは株なんかは関係ないよというふうに思っているかもしれない。だけど、株式市場で行われていることが恐らく、公正なというか、ある意味では証券取引法、今でいえば金融商品取引法がまともにきちんと運用されていないから恐らく日本の株式市場に対する様々な問題が出てきているんじゃないかな。そういう観点から、これは株屋は云々かんぬんというんじゃなくて、そういう信頼される株式市場に持っていくために何をしなきゃいけないのかというふうに考えないと、こんなことばっかり茶飲み話のように、いや、うちの地元に帰ったら、おまえそんな、まゆにつば付けて株屋なんて信用されておらぬよと、こんなことを一国の総理大臣が語っているというのは、これはいかにも私は異常だと思いますので、これは御本人に今度直接問いただす機会があるようですのでやりたいと思うんですが、そのことだけ申し上げて。
 また、証券市場の問題についてはたくさんございますので。ライブドア問題だ、いや日興コーディアルだとかいろいろ出ていました。この間のBNPのパリバの問題なんというのは、何であんなのが課徴金だけで済まされるのかというのは、これは後で行く行く、いつかゆっくり議論したいなと思っておりますので楽しみに待っておいていただきたいんですが、是非その点についてこれから引き続きこの委員会で質疑をさせてください。
 そこで、さっきの税の問題で、今日は細かいことに入るまいというふうに思っていたんですが、ちょっとその前に、どうしても今年の税の中で、租特の中で、住宅ローン減税、とにかく過去最大規模にしたと言っているんです。何のためにこれは最大規模の住宅ローン減税を導入したんでしょうか。
#201
○国務大臣(与謝野馨君) これは一定水準以上の住宅建設を確保しようと、これは需要を喚起するためでございます。
#202
○峰崎直樹君 私は、二〇〇〇年だったか一九九九年だったか、同じように十五年間にわたって六百万円近い大減税をやったんですよね。その結果、主税局後ろにおられるから、加藤さん、もし必要だったら答弁していただきたいんですが、細かい数字。あれ以降、いわゆる住宅ローン減税、十五年間にわたって非常に続いています。まだ続いているはずです、そのときの減税は。それによって本当に、じゃ、住宅は伸びたんですか、増えたんですか。
#203
○国務大臣(与謝野馨君) 平成十一年度改正では、住宅ローン減税は、最大控除額、最大控除可能額を百八十万から五百八十七万五千円に大幅に引き上げる等の改正を行いました。
 この改正の効果について、国土交通省では、平成十二年度年次経済報告における住宅着工モデルを用いて住宅ローン減税が住宅着工戸数を十一万八千戸押し上げたと推計をしております。なお、この報告においても、住宅ローン減税の拡充や住宅金融公庫の金利の引下げなどの住宅建設促進施策が民間住宅投資を増加させ、景気の下支え役を果たしたと分析をしております。
#204
○峰崎直樹君 今、私ちょっとその白書を持っておりませんけれども、確実にそれは推計ですよね。
 実績値で見ると、もう人口がある意味では余り伸びなくなってきている社会で、子供もなかなか結婚しない、子供も生まれてこなくなっている、率が低い。そうなってくると、アメリカと違って、住宅というものに対する需要というのは、もう元々それほどこれから爆発的に伸びていくものじゃないんですよ。それに史上最大規模として、どおんと、はい、二軒目でも三軒でも買ってくださいよと、それが景気を良くするんならということで、たしか六百万円ぐらいに当たるんですね、十五年間にわたって。それだけの、そのいわゆる減税効果を、減税をするということはそれだけ実はおまけをするというか補助金を与えているようなものなんですよね。
 そうすると、そういうところにまでやって、さっきの推計で十何万戸伸びたというふうには言っているけれども、私は、実際上、建築戸数を見たらほとんど伸びてなかったですよ、調べたことありますけれども。ということは、推計値では伸びているように計算を、どういうモデルをつくったかは知らないけれども、もうこれではほとんど効果ないんですよ。多分、これやったって伸びないですよ、絶対数として。
 しかし、よくよく考えたら、この間見てくださいよ。年越し派遣村じゃないけれども、低所得者のいわゆる住宅はどうだったのかというと、ぽおんと追い出されてしまって何もないような人たちが増えているんですよ。住宅政策を建設省の所管に置いて、経済政策の道具としてずっと考えてきた歴史があるんですよ。しかし、ヨーロッパなんか見ると、この住宅というものは実は社会保障の政策としてとらえられているところもあるんですよ。もちろん、日本でも低所得者向けの住宅というのはないわけじゃないんです。
 だけど、今なけなしの、毎年、これ恐らく、減税総額は幾らになるんですか、相当の金額になるんでしょう。六百億だったか一千億、ちょっとそれだけ。いいですよ、もう細かい数字だから。
#205
○委員長(円より子君) 登録なさっていませんが、よろしいですね。では、加藤主税局長。
#206
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 今回の住宅ローン減税の拡充、これは従来からあった制度と今回追加して新しく拡大した部分の差額でございます。これによる減収額は初年度で百十億、平年度で千五百三十億、これは国税の方でございます。それで今回、地方税の方で新たに控除制度を導入していただきましたので、その分が平年度で千六百六十億ございます。これがいわゆる追加的な拡大部分の、去年まであった制度との比較における減収額の拡大分でございます。
#207
○峰崎直樹君 租特における規定による増減収額の試算というのがあって、ここに八千二百四十億円と、要するに十何年間にわたるとそれぐらい当たるんでしょう。要するに、私が言っているのは単年度のことを言っているんじゃないんです。十何年間続くわけですよ。八千億円近い減税を実は予定しているけれども、それだけの減税をやるとした場合に、お金をこういうところに本当に投下して、今そういう時期なんだろうかなと。本当にそれで、じゃ景気でこれから住宅がどんどんどんどん建っていく呼び水になっていくのかと。そうならないんですよ、もうこれからの時代は。しかも、これは住民税にまで食い込んでいくやつですよ。そして、この六百万円近い減税に該当する人は、要するに高い所得でないと支払が、毎年の借金総額が三千万円ぐらいにならないと、恐らくこれ該当しないんですよ。もうそういう時代ではないんじゃないかなというふうに思えてならないんで、これは皆さん方はもうそういうことで決めてきておられるので、私個人はこれは本当は反対なんです。民主党はどういうふうに今見ているかどうかは別にしても。
 そういう意味で、今、私は租税特別措置の問題一つだけ取り上げましたけれども、そういう租特の在り方について徹底的にこれはやっぱり議論した方がいいと思うんですよ。そのために私たちは租特が、財務省に聞いても国税庁に聞いても、幾ら租特がどの企業でどれだけの、あるいはどういう産業で規模別に見たらどれだけ減税になっているかということは分かりませんと言っているんですよ。こんなばかな話ないんじゃないんですか。予算であれば一円たりともその統計表出てきますよ。ところが、減税になったら全然それが出てこないんです。しかも、こういう減税試算をやるときは十億円単位で出てくるんですよ。しかも、その結果がよく分からない。これを変えようというのが租特透明化法案なんです。
 どうです、大臣、これ、賛成だというふうに思われませんか。与党の皆さん、どうですか。
#208
○国務大臣(与謝野馨君) 先生は住宅減税には反対のお立場だということはよく分かりましたけれども、我々は住宅を造っていただくといろいろな消費が発生するという意味で、住宅減税というのは経済に効果があるというふうに信じてやっているわけでございます。
 租特は各個別企業にどうやって聞くのかと、これはなかなかサンプルどこかやれば分かるんですけれども、全企業について調査するというのは、国税庁いるかどうか分かりませんけど、なかなか難しい作業なのではないかと思っています。
#209
○峰崎直樹君 大臣、我が方の租特透明化法案は、租税特別措置を申請する、当然申請しますわね。そうすると納税書、納税の中に租特の申込書を書いて、研究開発税制、今年我が社はこれだけですというのをずっと書いていってくれればいいんですよ。そうすれば租特で、はい、これだけ私たちは減税やりましたと、増税部分もあるかもしれませんけどね。そういうふうに一枚出せばいいんであって、それで全く租特と関係ない企業ありますよね。赤字企業なんてほとんど関係ないんですから。そうすると、やっぱり関係してくるのは巨大企業なんですよ。
 ですから、そういう意味で、我々は租特が駄目だと言っているんじゃないんですよ。必要な租特やりましょう。しかし、二年に、三年に一回を、これがもう十年も二十年も三十年も四十年も掛かっているやつがあるわけですよ。名前を変えていますよ、うまく。昨日のあの議論じゃないですけどね、あの予算委員会の議論じゃないけれども。これはなくなったけれども形を変えるんですよ。この名人は経済産業省。企業行動課というのがあって、全部そこがチェックして、昔はエネ革税制、何とか税制、今恐らく環境税制と名前変えてね、内実はほとんど変わらないんですよ。こういうふうにして、もう本当に私は見ていて、これは透明化した方がいいと思っております。これはまあ与党の皆さんが駄目なら我々野党が政権取ったら変えようと思いますけれども、是非皆さん方も賛成をしていただきたいなというふうに思っております。
 さて、次に行きます。
 附則第百四条の問題について入りたいと思うんですが、ところでこれ読んでみると、昨年十月三十日に総理大臣が記者会見をされて、声高らかに消費税を上げるぞ、三年後には景気を良くして二〇一一年には消費税を上げるんだと、何%とは言っていませんけどね。そういうふうに総理の記者会見をして、しかしトーンが変わって、去年の閣議決定までは比較的まだいろいろと結構いいことを言っているんですよね、具体的に。ところが、この百四条に入ってくると途端に何か非常にあいまいな表現が、この附則第百四条の第一項というんですか、括弧一というところで出てくるわけですが、何でこういうふうに変わったんですか。
#210
○国務大臣(与謝野馨君) 実は我が党の、私の所属している自民党の話をして恐縮なんですけど、党内議論もいろいろありまして、あからさまに消費税を上げるのは嫌だという人もいますし、年限を書くのも嫌だという人もいまして、いろんな意見がありましたが、最後はここに収れんしたわけですが、これは中期プログラムの閣議決定と中身は少しも変わっていないと私は思っております。
#211
○峰崎直樹君 大分変わっているんじゃないですか。極めてあいまいになって、ああ、これはもう骨抜きだなと、私は中期プログラムから見たら変わっているなというふうに思ったんですが。
 今日はそこに入る前に、この税制改革にかかわるときに税制抜本改革は政府の生活対策においてどういうことを言ったかというと、持続可能な社会保障制度の構築に必要となる安定的な財源を確保するため、中期プログラムの中で云々と、こう書いてあるんですね。そういうところから始まったんです。どんな社会保障制度を確立しようとしているのか、その中身は何なのか、これがはっきりしないと、与謝野大臣からすれば、財政改革派の旗頭としてはまあ書けるぎりぎりのところまで書いたんだということを、最近の日経新聞のヴェリタスに書いておられますよね。
 そうすると、その基本となっている持続可能な社会保障制度の構築に必要となる安定的な財源を確保するためと、こう書いてある。どんな持続的な社会保障の姿を考えておられるんですか。
#212
○国務大臣(与謝野馨君) 社会保障については学派が二手に分かれていまして、一つは、今の中福祉中負担もほころびが来ているんだと、だから将来税制改革をやって少々お金ができたら、まず現在の福祉の制度のほころびを直すのに使うべきだという学派。それから、もう別の学派は、お金がどんどん入ってくるんだったらやっぱり医療などの機能強化に使おうという学派、両方あるんですけれども、実はここに書いてあるのは両方の学派が読んでも多分余り怒らないように書いてあるわけです。
 これは何が書いてあるかというと、そんな難しいことが書いてあるわけじゃなくて、消費税を含む税制抜本改革、特に消費税の負担をお願いした場合には、それは全部年金、医療、介護、そして少子化に使います、だから是非国民の御理解をいただきたいと、こう言わば目的税化したところで国民の御理解をいただくという思想が入っている、それの文章でございます。ただ、これは、三年後に消費税お願いしたいと十月三十日に総理が記者会見で言われた。三年後にどういう状況になったらそういうことが可能かと。これはやっぱり経済が良くなっていないとそんなのお話にならない。それは私はもうそのとおりであって、割にこの附則の書き方は率直に物事を私は書いてあるというふうに思っております。
#213
○峰崎直樹君 最初の、何か二つの派があるという、派が何となくよく分からなかったんですよね。ほころびが出ているところに、何のほころびですか。
#214
○国務大臣(与謝野馨君) 最初の方の学派は、消費税上げてお金が入ってくるんだったらどんどんどんどん新しい福祉制度の仕組みをつくっちゃおうということは勘弁してくれという、やっぱり今の例えば医療も年金も介護も中福祉にほころびが出ている、それをとにかくきちんとするのが大事なんだと、新しい制度なんか議論している余裕はないじゃないかというのがほころび学派で、もう一つの方は、消費税を上げるんだったら、新しい福祉制度とか医療の新しい機能強化とか、そういうことも考えていいんじゃないかと、こういう二説あったわけですが、私はどっちかというと今のほころびを直すのが先決だというふうに思っておりますけれども、そうでない方もおられるわけです。
#215
○峰崎直樹君 さすがに、御党の中のことでよく分からないし、もう与党にも、かつてはおりましたけれども、もう今は与党におりませんので、ニュアンスがよく分からないところがあるんですが、私が聞いていると、何か両方同じことじゃないかなと思っているんです。
 それよりも、今お話しなさっている大前提で、私、この間から実は与謝野大臣が、社会民主主義、自由民主党というのは社会民主主義の考え方に基づいて今まで政権運営やってきたということをおっしゃって、私も一時ちょっと目を白黒した。この間、社民党の福島党首にもおっしゃっていた。
 それで、戦後のシャウプ税制以来、この税制がどういうふうに転換してきたかというときに、与謝野大臣が立っている位置というのは一体何なのかなと、一遍それを聞いてみたかった。と申しますのは、戦後のシャウプ税制、これは共産党の大門さんがよくお話しなさる。これは私、所得税を中心にしながら進めてこられたんだろうと思うんですね。戦後の福祉国家をある意味では所得税を中心にしながら支えてきたという意味では非常に重要な累進性を伴った制度だったと思っているんですよね。あと中身はちょっといろいろ言いますけれども。それが、八八年、八〇年代に入ってサッチャー、レーガンの流れの中に、日本においても実はその流れが変わったというふうに大臣は理解していますか。
 つまり、八八年、八九年のあの消費税が入ったことを抜本税制改革とよく言いますよね、財務省の方々は。つまり、あの段階で、これまでは所得税を中心にしながら、法人税というのはやや、これは何というんでしょうか、これも評価はいろいろあるんだろうと思うんですが、ちょっとやはりウエート的には弱かったと思うんですけれども、そういう超過累進税制を伴った、つまり所得再配分機能を持った所得税体系をベースにして進めてきたけれども、八〇年代の後半になって、その租税の理念を大転換したんだと、それが実は消費税の導入だったんだと。
 古くはそれは大平さんの一般消費税の時代から流れはあったんだと思うんですが、その転換というのは、やっぱり転換したんだと、それはやむを得ない転換だったんだというふうに見るのか、それとも、それは一時的に進んでいったけれども、やはりこれはまずかったね、元の所得再配分機能を所得税の世界で戻した方がいいんじゃないかと。
 なぜそういうことを私が言うかと。この中に、最高税率を上げるとか、あるいは相続税のところなんかも比較的これは増税をしようと考えているのかなと思えるような節がある。つまり、所得再配分機能を弱めたことが格差をもたらし貧困をもたらす今日までの大きな要因になっているかもしれない。つまり、小泉、竹中さんのいわゆる市場原理主義に対する批判というものをお持ちだということをこの間お話を聞きました。
 それは、税制の世界では八〇年代のあの消費税の導入というのはその流れの延長線上に来たんじゃないんですかと、そういうふうに理解をしておられるんですか、どうなんですか。そうすると、シャウプ税制はあの段階において大きく転換をしたというふうに理解されているのか、いや、あれは一時的にちょっとグローバリズムという流れに逆らえないものだからそうなっちゃったんだよということなのか。その辺りはどういうふうに理解をされています。
#216
○国務大臣(与謝野馨君) まず、消費に着目した税制というのは日本の社会は必要だったと思います。
 それからもう一つは、日本はヨーロッパの社民党的な福祉制度を実は自民党は取り入れてきた政党だと私は思っております。これは、その当時の日本社会党の影響は実は大きかったと、思想的には大きかったと私は思っています。福祉制度はかなりのところまでやりましたけれども、やっぱり財源の手当てをしなかったということが一つあると思います。
 それからもう一つは、やっぱり所得税の税率構造というのは非常に厳しいものだった。厳しかったんですけれども、最高税率を下げ、それから国税、地方税合わせて五〇%というのは今、正直言ってやり過ぎだったなと、私は正直そう思っていまして、これは所得再分配機能の話だけではなくて、やっぱり世の中の人が税制を見て公平感が持てるかどうかということが大事なことであって、最高税率のところで税収が稼げるとは私はそんなには思わないけれども、実際の所得再分配機能のほかにやっぱり公平感というものを持てるかどうかというところが私は一つの大事なところではないかなというふうに思っているわけでございます。
#217
○峰崎直樹君 その前に、大臣はシャウプ税制というのは、シャウプ税制、シャウプさんが日本に来られたのは一九四九年だそうです。ちょうど六十年前です。勧告したのは翌年なんですけれどもね、一次勧告です。その勧告についてはどのように評価をされているんですか。
#218
○国務大臣(与謝野馨君) 昔、シャウプさんという人はもちろん、その業績は存じ上げませんけれども、やっぱり日本を占領して、日本に来ていろんな例えば憲法とかあるいは税制とかに影響を与えた方々というのは、いわゆるぴかぴかの資本主義の権化ではなくて、むしろかなり進歩的な人たちが来ていたのではないかなと思いますし、あのような高い累進税率、最高税率を持った税制を導入したというのは、非常に私は実はシャウプ税制というのはアメリカ人がやったこととしては驚きを持って今でも見ております。
#219
○峰崎直樹君 実は、シャウプ税制でシャウプの最初に勧告した中身について、所得税が現代において最も優れた税だということを前提に、一つは総合課税です。もう一つ、税率は最低税率五から五五%の累進課税、八段階なんです。その後、十何段階までぐっと上がっていくのはその後なんです。
 なぜそういうふうになっていくと思います。これは総合課税をあきらめて、つまり、キャピタルゲインだとか利子課税だとか、そういう資本性所得をずっと一時期無税だった時期があるんじゃないですか、これ主税局の方よく御存じのように。要するに、シャウプさんは、総合課税ということを前提の上にこの八段階の五五%。五五%だったら、今だったら四〇、今だって五〇ぐらいでしょう、四〇だったか、その前が六五だったから、おっしゃるように最高税率九〇、地方税まで入れたら九五まで行ったことがあるんですよね、そんな高い税制じゃないんですよ。だから、要するにシャウプ税制で僕らが一番失われている視点というのは、実は総合課税でないということなんですよ。
 ちょっと、お手元に資料があります、所得税の平均実効税率ということを見てください。上の黒い方が全部これ、所得階層別に見て二千五百万円ぐらいになると。ちょっと何か国会議員もこの辺りに位置するからややあれなんですけど、国会議員はこんなことはないはずなんですが、要するに平均的な実効税率、分離課税による課税漏れというのが黒いところです。
 要するに、キャピタルゲインなんですよ、これ。あるいは資産を持っておられる方の配当所得、利子所得あるいは土地を売った所得、こういったものがここで全部漏れ落ちるんですよ、分離課税なものだから。今、何%ですか。一〇%でしょう。IPOで株を公開したときのキャピタルゲインは五%でしょう。後でまた違ったら教えてほしいんだけれども、かつてたしかそうだったと思ったけど。まあそれはいいわ。今一〇%でしょう。平均的なサラリーマンの実効税率というのは大体どのぐらいになるかといったら、やっぱり一五、六%になっているんじゃないですか。それよりもうんと低くして、そして来ているわけで、シャウプさんが一番大切だと言っているのは、最高税率の高さよりも総合課税の徹底が重要だと。
 だから、戦後の自由民主党を始めとする与党の皆さん方は、このいわゆる資産性所得を把握しようとする努力を一貫してやってこなかったということですよ。そうじゃないですか、主税局の皆さん。私は、この問題をずっと置いているがゆえに、最高税率を上げたらどうだと言っても、いや、大してもう税は増えないよ。税増えないような分離課税にしているからそうなっているんじゃないですか。だから、そこは総合課税にできない、総合課税にしない理由というのはあるんでしょう、それは。どうして総合課税にしないんですか。──いやいや、大臣からちょっと聞きたいですね。自由民主党の税制調査会の会長もやられて、二十年以上、しかも社会党の考え方も含めて、どうしてこうしていわゆる資産性所得に対する把握というのはこんなにお粗末な状態になりつつあったんですか。
#220
○国務大臣(与謝野馨君) 自民党の中でも総合課税論者ももちろんいます。それから、金融資産課税の特殊性に着目して、やっぱり分離課税にすべきだという議論の方もおられます。いつもそちらの方が議論は勝つということでございます。
#221
○峰崎直樹君 納税者番号がない、それは僕は理由にならぬと思うんですよ。例えば、配当所得とか利子所得とか資産性所得を税率を例えば三〇%にしようと、一律。分離課税で結構。そうすると、それよりも低い税率の方々あるいは税を払っていない方々には還付する、申請によって。こういうやり方もあるわけでしょう。要するに、総合課税は番号制がないから所得が通算できないとかと言うけれども、やり方として考えたときに、この資産性所得に対する漏れが非常に大きいわけですよ、今日。
 ですから、税率を上げる、この百四条にも出てくるんですけれども、何で最高税率を上げるということでごまかそうとしているのか、私は思えてならない、ごまかすと言ったら変ですが。
 何かというと、何かといえばすぐ消費税となってくるんですよ。私は、税制改正をやる場合に、行政改革とか無駄なところを省く話はまたこれ別途ですよ。税を上げていくときの優先順位というのは、何から始めるかというのはすごく重要だと思うんですよ。消費税からいきなりぼんと始まったら、これは恐らく相当反発を食らうと思います、私は。それはなぜかというと、まず税制全体を見直してみて、日本のいわゆる税制の落ち込んでいるところって何だろうかと、ひずみをもたらしているのは何だろうかと。ここをまず明確にして、そしたら所得税の累進度が下がっている、所得再配分機能が弱っている、じゃ、どうしたらそれを回復できるのか。安直に最高税率をぽんと付けたらできる、こんなものじゃないんじゃないですか。
 だから、まずそこは所得税をもう一回、これシャウプ税制じゃないけど、総合課税が所得税の、日本の税制の基本なんでしょう。これから外れたら租税特別措置になるんでしょう。ということは、総合課税ということをずっと言っていながら、その総合課税ということを追求してこなかった与党の皆さん方はやっぱり怠慢だったと私は思っているんです。どうでしょうか。
 そして、できれば順番としては、やはりどういう順番で改正していかなきゃいけないのかというのは、消費税がやっぱり一番ですか。そこら辺もちょっと教えてください。
#222
○国務大臣(与謝野馨君) もちろん総合課税という考え方がありますけれども、金融所得課税については個人投資家にとって簡素で分かりやすい税制を構築して金融所得間の課税の中立性を確保する必要があると。
 今、証券税制だけ一〇%というのはもう非常に例外的なことで、やはり私どもは二〇%に統一すべきだと。こういうことで徐々に二〇%に戻そうとしたわけですが、証券不況が来ましたのでまた元に戻っておりますけど、それは二〇%がいいのか三〇%かは別にして、少なくとも総合課税にしないのであれば金融商品間の税率は同じにしなければなりませんし、他の給与所得者から見て妥当だと思うところで分離課税を払わなければならないと私は思っています。
#223
○峰崎直樹君 そうすると、やっぱり分離課税でいいというふうに思っていらっしゃるんですか。
#224
○国務大臣(与謝野馨君) 実は個人的には、アメリカなんかで総合課税をやっているのを見ますと、総合課税でいいんじゃないかと。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 それで、総合課税にして、やっぱり納税者番号制度を入れて、きっちり物事をやった方がみんなが気持ちいいんじゃないかというふうに私は思っております。
#225
○峰崎直樹君 そうすると、税制改革を進めていくときの優先度が出てくる。上げていく優先度はやっぱりあれですか、まずは消費税を上げるということを優先されるんですか。それとも今の所得税の在り方を優先されるのか。一遍に同時にやるんですか。あるいは、相続税というのも一つの超過累進性を持っているんです。所得再配分機能を持っているし、この百四条というのは、これは相続税、贈与税をある意味では安くする方向へ行くんですか。それともこれを強化する方に考えているんですか。どちらなんですか。そういった点についてちょっとお答えください。
   〔理事大久保勉君退席、理事大塚耕平君着席〕
#226
○国務大臣(与謝野馨君) イメージとしては、仮に二〇一一年から税制改正が可能になったら段階的に全部の税制を改正しようという、段階的にということが書いてあります。これは、読み方によって消費税を段階的に上げていくというふうにも読めますし、いろんな税制を順番よくやっていくという意味も含まれています。それで、相続税は、相続税の課税方式を変えようという話で、結果的には数千億の増税になる可能性はもちろんあります。
#227
○峰崎直樹君 そうすると、段階的に上げていくというのは消費税を段階的に上げていくという理解ではないんだと。いろんなやらなきゃいけない課題を、どこからやるかはまだ決めてないけれども、それはこれから考えると、こういう理解ですか。
#228
○国務大臣(与謝野馨君) どこから手を着けていくかということを含めて消費税を含む税制の抜本改革、一一年から始めて二〇一〇年代の半ばにはこれを完成させると、そういうことでございまして、どこから手を着けるか、消費税を何段階にするとか、そういう詳細はまだ議論をしていないわけでございます。
#229
○峰崎直樹君 それじゃ、その一番最初の元に戻ります。どんな社会保障を組み立てていくのかと。
 そのときに、お手元にちょっと資料を差し上げました。これは慶応大学の権丈先生という年金問題では我が党に大変厳しい批判をなさっておられる方ですが、非常に社会保障の問題について分かりやすい議論を展開してくださっております。予算委員会の方はこの間参考人のときに出したやつです。
 図表四は、国の規模は、現代国家はどうなるのかということで、何が書いてあるかといいますと、政府による消費と投資というのは基本部分であって、社会保障給付がどれだけあるかによって国の大きさは変わってくると、こういう理屈なんです。
 次のページを開けていただきますと、その大前提が図表六であります。日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンをずっと見ても、十四番目、いわゆる十二引く十三というところで、財政支出のうち社会保障支出を除いたものはアメリカも日本も、二〇・五、二〇・四、二四・一、一九・六、二五・三、二六・六、それほど大きな差はない。まあ五、六%ある。例えばこれは、公務員の比率が高い、例えば女性が非常に就業率が高くてみんな公務員になっているスウェーデンのような例もある。ところが、社会保障給付だけ見てみると、これ御覧になっていただくと分かるんですが、日本は一七・七、アメリカ一六・二、ずっと行って、十三番ですけれども、スウェーデンは三〇・〇と。要するに、国の大きさは何によって決まるかというと、社会保障の在り方で決まるんです。
 そして、その社会保障の在り方の中の医療を見てください。図表五です。所得と医療サービスの支出の日米比較。御覧になっていただいたら分かるんですが、日本の所得は高かろうが安かろうが医療費の支出というのはほぼ横ばいです。アメリカの場合は、所得が低いと非常に低い医療しかできない、所得が高いと非常にいい、高い医療費が、受けられる。これは皆保険制度がないからですね。どっちがいいか。いや、これは日本の方がいいですよ、優れていますよと。
   〔理事大塚耕平君退席、委員長着席〕
 社会保障というのは、私は、この権丈さんも書かれているんですけれども、普通の人の所得というのはその企業に対する貢献度、それによって所得が配分されている。当然格差が出てくる。しかし、国民にとって必要とされるものは何かというと、それは必要原則で実はこれは設置しなきゃいけない。医療もそうですよ。介護もそうです。子育てもそうです。あるいは雇用もそうかもしれない。教育もそうかもしれない。
 日本の教育は、今これはアメリカの医療と同じです、これ。所得が高い人ほど高い教育費を支出し、所得が低いほどこれは下がっているんです。なぜ医療はここで保っているかというと、これは医療保険制度というものに入っているから、半分は入っているから、半分か四分の一か二分の一か、保険という制度が財政の負担を伴いながら実はこれが皆保険を辛うじて支えている。教育は、教育保険というのを我々は掛けていないんです。ただし、教育というのは税で賄われているわけですよね。だから、そういう意味で、教育の在り方は本当は将来の日本を決める大変重要な問題なわけですよね。
 そうすると、私は先ほどちょっと質問しなかったんですが、年金というのが出てきた。年金というのは今三分の一から二分の一に国民年金、基礎年金を上げようとしているけれども、これの優先順位ってそんなに高いんですか。つまり、税制を上げなきゃいけない、負担を上げなきゃいかぬというときに、今医療もこれ崩れかかっています、それから介護も崩れかかっている。もう崩れかかっているだらけのところがたくさんある中で、日本の社会保障でまあまともに世界で見られるというのは、高齢者に対する医療や高齢者に対する年金というのは社会保障のいわゆる所得再配分が割と効いているところなんです。それ以外の分野の子育てだとか保育、まあ一緒ですわね、子育て、教育、こういったところの所得再配分機能というのはほとんど効いていないんです。母子家庭に至ったら、子供の貧困というところを見たらびっくりするのは、高額所得者の方が逆進性でよりいい所得をもらっていらっしゃるというか、いわゆる母子、子供の、いわゆる所得に対して、社会保障支出が高額所得者の方が多くなっちゃったりしている、逆転現象を起こしているところがあるんです。
 そういうことを考えてきたときに、社会保障、一遍に何十兆も上げられないとしたら何から社会保障は手を着けていくべきなのか。そうすると、三分の一から二分の一へ無理して、安定財源が見付からないから埋蔵金引っ張り出してきたわけです。そうまでして二兆六千億円というお金を年金に掛けるというのは優先度として高いんですかと、私はそれを言っているんです。
 我々の考え方からすれば、いやいや、その所得比例年金は、最低保障年金というのは実は税でやってもいいけれども、それは低所得者を中心に最低保障年金でいいんだということを言って高額所得者までわざわざこんなに税を高くしてその二兆六千億円を負担をすることないでしょうと。専業主婦の方を抱いた年収一千万円以上、二千万円以上の方々の、専業主婦の方だったら三号被保険者になっちゃって、実は年間八十万円ぐらい自動的に税金が専業主婦の皆さん方に行くんですよ。
 そういうことを見て、これに二兆六千億円の、いわゆる年金の基礎年金、財源を投入することがいいのか。それとも、ぼろぼろになってずたずたになって今みんながあえいでいる医療、特に小児科あるいは産婦人科。あるいは介護保険で介護従事労働者がとんでもない生活をしているわけじゃないですか。もうみんな辞めていっている、寿退職といって。そういうところにどこから入れるべきなのかということも考えていったときに、私は今の与党の皆さん方が考えておられるこの附則百四条の前提になっている考え方がはっきりしないと、この案というのはなかなか理解しにくいなというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#230
○国務大臣(与謝野馨君) 大変この中期プログラムも附則も素朴なところがありまして、今少なくともやっている医療、年金、介護の制度は続けたいと。社会保障国民会議のいろんな試算を見ても、目に見えてとにかく医療、年金、介護もほったらかしにしておくと制度の持続可能性がなくなってしまうと、そういうので消費税を含む税制の抜本改革をお願いしたという、非常に素朴な実は考え方であるわけです。
 先生言われたように、なぜ年金、政府の負担三分の一を二分の一にするんだと、もっと緊急性があることがあるじゃないかという議論は一つの大事な実は立脚点でして、これは当然そういう議論があっても私はしかるべきだと思っております。ただ、これも今回は、国民年金法の附則に書いてありますことを正直に読みますと、あれは安定財源を求めて国民年金三分の一を二分の一にするということで、安定財源を求められていない言わば仮の姿なわけで、その点はやっぱり三年後にはちゃんと安定財源を求めないと国民年金法の附則の精神にはかなってないと私は思っております。
#231
○峰崎直樹君 そういう議論を土台にしないで、やっぱり安易に上げるということに私はなかなかこれは国民の理解は得られないと。
 もう一つあるんですよ。政府に対する信頼なんですよ。
 これは先日、予算委員会の公述人の中に、横浜国立大学の井手英策先生からお話を受けたときに、実はやはりユニバーサルサービスを今はきちっと早くつくらなきゃいかぬという。なぜか。それはやはり政府に対する信頼というものがつくられないと。要するに、障害者あるいは生活保護の人たちという、部分的にずっとやっていても、恐らく中産階級の皆さん方はああいう人たちのために増税されるのは駄目だと、こういうふうに見られると。税というのは、中産階級の皆さん方も含めて、みんながやっぱりそうだ、これは必要だというふうに認めなきゃいけない。そういう意味での国に対する信頼というものがつくられない限り、私はこれ、増税自身に対する納得性が得られないと思うんですよ。だから、総理大臣に対する支持率があんな状態であったら、これはもうとてもじゃないけどできないと思っているんですが、これは解散・総選挙をやれば当然それは審判下りますが。
 もう一つ、国民の皆さん方が、なるほど、今の政府のやってくれていることは私たちにこんなに安心できる社会をつくってくれている、老後の生活のためにも貯金をしなくてもよくなったということになってきたとき初めてやっぱり負担増に対してそれなら認めてもいいんじゃないかということがあると思うんです。
 私はもう時間ないので、私の一方的な発言で終わります。
 一九九四年から五年にかけて与党で消費税の引上げについて議論をし、参加をさせていただきました。まだ、そこに、後ろにおられる財務省の方々はまだ恐らく課長さんにもなってなかったかもしれません。そのときには、かなり与党の皆さん方というか財務省の皆さん方の応援によって、なるほどこんなものかなと思ってやってみて、今思うと、あのときに求められていた、つまり消費税を引き上げる、所得税を減税して消費税を引き上げるというやり方は、直間比率の是正とやったんだけれども、あの時点においては、ちょうど実は高度経済成長が終わって、バブルが終わって、いわゆる日本型福祉社会と言われる企業における福祉、家族における、特に女性の犠牲による福祉、こういうものが非常に崩れてしまって、何とか福祉を充実させてくれ、年金、医療を充実させてくれ、こういうことでやるんなら増税も私たちは賛成だという声が一九九四年の朝日新聞の世論調査に見事に出ているんですよ。
 ところが、あの改正は何をやったのかとなると、その後は財政構造改革という形で実は何をやったんでしょうか。増税は財政改革のためにやったんですよね。そして、医療費を引き上げるとか、そのおかげで、一九九七年のあの消費税引き上げた後に九兆円の引上げで一気に景気がどん底まで落ちて金融危機に陥ったというふうに言われています。これは検証しなきゃいけませんけれども。
 そういう意味で、私は何をしなきゃいけないのかということを今振り返ってみたときに、そういう方向にきちんとやはり向けなければ恐らくこの百四条は生きてこないんじゃないかなというふうに思っております。
 これはもし何か感想があればお聞きしますが、私の言いっ放しで、時間が来ているようなので終わらせていただきたいと思います。
#232
○白浜一良君 与謝野大臣、連日お疲れさまでございます。
 今日もちょっと時間が押しておりますので、もう十分程度で終わりたいと私思いますので、よろしくお願いしたいと思いますが。ですから、今日は二点だけ少し確認をさせていただきたいと思うわけでございます。
 今回、特別会計から一般会計に財源を使えるように特例の法案になっているわけでございますが、当然、特別会計で余裕があれば一般財源で使うと、これ当たり前の話でございまして、そういう流れが、財政が厳しいということでしょうけれども、そういうことが行われているということは、それはそれでいいことだと思うわけでございます。
 ただ、いわゆる平成二十年度の第二次補正予算なんかを見ますと、これは政策が限定されているということもございますけれども、いわゆる特別会計から持ってくる金額は明示されていますね。これに使いますと、こういうふうに明示されているわけでございますが。今審議している法案というのは、二十一年度、二十二年度両年にわたって三項目の使途を明確にして、それで特別会計から繰入れができると、こういう建前になっているわけでございます。
 これは、機動性という面ではいいかも分かりません。その都度必要な財源を確保できるという面ではいいことかも分かりませんが、しかしいろいろ問題もはらむわけでございまして、今回の平成二十一年度本予算のいわゆる執行分を引きますと、財投特会だけ見ますと金利変動準備金の残額は六・五兆円ですか、そういうふうになるそうでございます。これで、今後、二十一年度も補正予算を組まないかぬということもあるかも分かりません。二十二年度もどういう予算が組まれるか分かりません。そこにここから使うという場合、例えばこの準備金六・五兆円がゼロになってもいいのかと、最悪ですね、極端に考えてですよ、そこまでいわゆる想定されているのかどうかということをちょっと確認したいんですが。
#233
○政府参考人(木下康司君) お答えをさせていただきます。
 委員、補正予算そのものについては、先ほど大臣がお答えをしたとおりなんでございますけれども、そのときにその財源として、一般論として申し上げれば、財投特会から一般会計への繰入れを行うことは法律上は排除されない、その場合に一体幾らまで使っていいのかと、こういう御質問だろうと思うのでございますが、やはり金利変動準備金の水準というものは、千分の五十から下回れば下回るほど、その程度に応じて財投特会が将来財務の健全性を維持できずに債務超過になる可能性が高まることになるわけでございますので、仮に今後、金利変動準備金の更なる活用を検討するという場合には、やはり金利変動準備金を確保することの必要性とか金利変動準備金の意義等を総合的に勘案して決める必要がある等ございますので、現時点でもゼロにしていいかどうかは、ちょっとにわかにはなかなかお答えしにくい事柄かなと考えております。
#234
○白浜一良君 まあそれは答えにくいかも分からぬけれども、要するに、まだまだ使えるというぐらい言える。まだまだ財源として使えるというぐらいは言える。
#235
○政府参考人(木下康司君) 法律の立て方からいえば、まさに先生御指摘になったような法律の趣旨に沿った施策であれば、財源として財投特会から一般会計への繰入れを行うことは法律上排除されないと思います。
 ただ、いずれにせよ、その金額については現在ちょっと予断を持ってお答えできませんし、それは予算で定めるところにより、また一般会計により繰り入れるものでございますので、そのときに国会の御判断がまた必要になるとは思います。
#236
○白浜一良君 それと、この三つの使途が明確になっているんですが、第二点目に「当該施策により見込まれる租税収入の減少」と、こういうことにも使えると。これは、当該施策により見込まれる租税収入の減少ということなんですが、これ二十一年度の予算案を今審議しておりますけれども、税収見積りはされていますけれども、予想以上の景気が悪いと、これはそういう見通しですよね。そうすると、税収が多分見積りよりも減るだろうということで、もしそうなった場合、そういう税収減の場合これを補てんするというこの二の概念というのは入るんですか、入らないのか。入らないと考えた方が普通やろうね、これ。
#237
○政府参考人(木下康司君) 法律の中身でございますので、ちょっとお答えをさせていただきますと、やはり景気の落ち込みによる租税収入の減少という意味でございますれば、それを補うためにやはり財投特会から一般会計への繰入れを行うことは、この法律の趣旨には適合し難いのではないかというふうに考えております。
#238
○白浜一良君 それで結構です。
 それと、非常に単純に考えますと、いわゆる基礎年金部分の公費負担の分が三分の一から二分の一にするんですが、来年度と再来年度はやりくりして財源を確保すると、こうなっていますよね。そういう趣旨からいくと、少なくとも二十二年度分は二・三兆円要りますよね。ということは、もうこれは財投特会だけでないかも分かりません、ほかの特会いっぱいありますから、だけども、それは当然確保されておくべきだということは言えるんですよね。
#239
○政府参考人(木下康司君) そのために確保すべき金額というのは二十二年度予算編成において確定されるので、現段階で確たる数字ということをなかなか申し上げることは難しいのですが、委員御指摘のように、この法律におきましては、二十二年度までの臨時特例的な対応として基礎年金の二分の一を国庫負担で負担するための財源というふうに考えてございます。
 したがいまして、二十二年度においても基礎年金の二分の一を国庫が負担するための財源として金利変動準備金を活用することは予定されておりますので、その点についてはやはり留意してやらなければいけない、確保しておく必要はあるだろうと考えております。
#240
○白浜一良君 はい、分かりました。今の問題はもうそれで結構です。
 もう一点、先ほど大臣がおっしゃっておりましたが、私も国会に来てから、所得税が随分フラット化されて、もう最高税率も下がってフラット化されてきておるのをずっと委員会で経験いたしましたが、先ほども大臣述べていらっしゃいましたが、最高税率を下げてフラット化し過ぎたと、それがいわゆる所得の再分配機能を低下させているというふうにおっしゃっておりまして、それはそうだと思います。
 今回、次の税制の抜本改正の場合、一つの大きな理念として、格差を是正するということも確かに大きな理念であるわけでございまして、その意味でこの附則に所得税の考え方を明示されておるんですが、これは最高税率を上げようということなんでしょうか。フラット化して、税負担が高額所得者だけじゃなしに中堅所得者も下がったということもある。だから、今までのいわゆるフラット化してきた経緯の中で、どことどことどこが問題だったのかということを明確にしないといけないと思うんですが、お考えがございましたら。
#241
○国務大臣(与謝野馨君) 個人所得税につきましては、これまで税率の引下げや累進構造の緩和等を通じまして、御指摘の中堅所得者層を含めすべての所得階層において税負担水準が低下しているところでございます。一方、こうした改正の結果、所得税における所得再配分機能の低下が指摘されているという事実もございます。
 今後、所得再配分機能の回復や格差是正の観点から見直しが必要であると考えておりまして、こうした方向性は必ずしも中低所得者の税負担の引上げを意味するものではなくて、平成二十一年度税制改正法案の附則で示された税制抜本改革の基本的方向性においては、所得税の最高税率の調整等による高所得者の税負担の引上げや歳出面も併せた総合的な取組の中で、子育て等に配慮した中低所得者世帯の負担の軽減を検討することにより所得再配分機能を回復させていくこととしているところでございます。
#242
○白浜一良君 終わります。
#243
○大門実紀史君 大門でございます。
 分かりやすい話をしたいというふうに思いますが、今日は働く女性、中でも家族経営の中で働く女性やお母さん方の処遇、特に税にかかわる問題について取り上げたいと思いますけれども、まず大臣に伺いたいと思いますけれども。
 自営業者の多くというのは家族経営で成り立っているケースがほとんどといいますか、多いわけですね。大臣も、与謝野さんは東京一区でございますから、特に新宿とか港区にはもうお父さん、お母さんでやっているお店というのはたくさんあると思いますし、そういう自営業の方も多いと思いますけれども。
 私は、本当に働くお母さん方というのは、お父さんを支えながら大変御苦労をされていると、そういう姿も与謝野さんも御覧になったことあると思いますが、案外、余り日の当たらない、焦点にならないところがありますけれども、こういう業者婦人といいますか、そういう方々、事業主あるいは家族従業員を含めて今三百万人を超える方々でございますけれども、私は経済全体に対する役割、果たしている役割とか、あるいは社会的位置付けというのは決して小さいものではないと、大変大きなものがあると思いますが、与謝野さんはふだんからどういうふうにお考えか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
#244
○国務大臣(与謝野馨君) 今、私の地元では、商店等は従業員はなかなか来てくださらないので、御主人と奥様ないし家族の方が商店、中小企業をやっておられるということで、そういう意味では、私の選挙区でもはや商店とか中小企業で従業員を雇える人というのはほとんど実はいないということで、家内労働的に商店も中小企業もやっておられるということが実情でございます。したがいまして、おやじさんが亡くなるともう後継者がいない、店を閉じるというケースが非常に私が遭遇しているケースでございます。
#245
○大門実紀史君 私も大臣と同じ認識でございますので、今日はそういう方々の長い間の希望になっていることについて、是非改善の方向でとらえてほしいということで取り上げたいというふうに思います。
 資料の一枚目に、所得税法第五十六条廃止を決議したあるいは意見書を国に上げた地方議会と税理士会を地図の中に落としてございます。所得税法五十六条については初めてお聞きになる方もいらっしゃると思いますので、委員の中にも。とにかくこれをやめてくれと、廃止してくれという要望が物すごい出ているわけです。ここに書いてある税理士会だけではなくて、全国商工団体連合会、全商連の皆さんも長い間要望してきている事項でございます。
 まず、ちょっと財務省、簡潔に、この所得税法五十六条というのは何なのかと、何の目的で定められたのか、ちょっと簡潔に説明してもらえますか。
#246
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 所得税法第五十六条では、事業主から生計を一にする親族が事業に従事したこと等により支払を受ける対価については、その事業主の事業所得の計算上、必要経費に算入しないこととしております。また、その親族の必要経費については、その事業主の必要経費に算入する旨、規定されております。
 ちょっと具体的に申しますと、まさに事業主が御主人で奥様が一緒に働いておられる、生計を一にする親族を奥様といたしますと、だんな様から奥様にその事業に従事したことによる対価を仮にお支払いになった場合に、その支払ったものは事業主の所得計算上は必要経費に算入しない、つまり、それはあくまでも事業主の事業所得として計算をいたしますという規定でございます。
 これは、昭和二十四年のシャウプ勧告において所得税の課税単位を個人単位とするように指摘がされましたが、その際、家族従業員を雇用することによって所得分割を抑制する措置を併せて導入すべきという指摘がございましたので、この制度が昭和二十五年度税制改正において導入されたものでございます。
#247
○大門実紀史君 要するに、家族従業員の給料は経費に認めないと。その理由は、お父さんの所得を分割して課税を低くする目的で使われる可能性があるということを、民主的なシャウプ税制ではありましたけれども、そういう提案をしたときに、当時の国税庁といいますか、そういう心配があるということで認めないということになってしまったわけですね。シャウプ税制そのものは、それまでは、戦前は家族単位、世帯単位に課税するのを個人単位に課税するという点では先ほどありましたけれどもちょっと進歩的な改革だったんですが、個人単位といってもこれだけは認めないというふうなことが、もう六十年以上前ですか、定められたわけでございます。
 これについて、先ほどありましたとおり、もう廃止してくれとそろそろ、もうやめてくれとこんなものはと、税理士会からもいろんな団体からも出ているわけですけれども、どういう実害が出ているから皆さん廃止してくれとおっしゃっているのか、財務省は把握しておりますか。
#248
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 地方議会や税理士会の方から所得税法第五十六条の廃止についての決議や要望があることは承知いたしております。この御要望の内容につきましては、私ども幾つかの論点を承知しております。
 一つは、白色申告者も生計を一にする配偶者が事業に従事している場合、その就労形態は青色事業専従者と何ら変わることがないのではないか、税法上では青色申告にすれば給料を経費にすることができるが、同じ労働に対して青色と白色で差を付ける制度自体が矛盾している。それから、ドイツ、フランス、アメリカなど世界の主要国では自家労賃を必要経費としている中、大きな見直しの声も出ていると。こういったことを御主張されていることを私ども承知しております。
#249
○大門実紀史君 つまり、もっと具体的にもいろいろ実害出ているんですけれども。
 外国と比べて、例えば韓国から日本に来て日本人の方と結婚した女性がお父さんの仕事を手伝って、自分の給料が経費に日本ではならないというのを聞いてびっくりして、何と遅れている国だというふうに言われたそうでございます。
 更に言えば、例えば、今ありましたね、二枚目に資料を付けてありますけれども、青色申告を届出をして青色専従者ということならば一定のものがそのまま経費にできるというふうにしているわけですね。そうじゃない白色事業専従者控除だと、もう定額の、奥さんの場合だと八十六万しか引かないよと、こうなっている、こういうふうな今現状になっているわけです。
 その中で、例えばこの白色の方なんかは、こういう八十六万の控除しかありませんから、保育園にお子さんを預けようと思ったときに、所得証明が取れないと、働いているという証明が出せないと。それで、民生委員の方に頼んでわざわざ働いているという証明をしてもらわなきゃいけないとか。例えば人の保証人にもなれないと。働いているんだけれども、この八十六万ということだけですから、所得がないということで人の保証人にもなれないし、御自分が、お母さんも一緒に仕事したりして車を運転したりするわけですよね、運んだりするわけですね、いろんなものを。そのときに事故に遭ったりすると、死亡したときだってそうなんですけれども、休業補償だって低い金額でカウントされると。例えば、専業主婦だったら一日五千幾らの補償になるんですけれども、この白色専従者給与のお母さんの場合だと、今の時点だと二千三百五十六円しか休業補償の金額として認めてもらえないと。こういういろんな不公正といいますか、不利益が実際出ているわけでございます。
 この二枚目の表でいくと、大体今、青色専従者給与にすると二百万ぐらいが平均みたいなんですけれども、例えばあるお店でお父さんも含めて事業所得が一千万ぐらいだとします。奥さんが一緒に仕事をやっていると。控えめで二百万だけ奥さんの給料を青色専従者控除で引いた場合と、それができなくて白色で八十六万しか引けなかった場合、この税額を比べてみると、青色の場合だったら奥さんの分、二百万円引けますので、税金は約八十万円ぐらいです。白色のままだと、白色だと百十五万円、三十万円ぐらい差が付いてしまうんですね、払う税金も。同じ仕事をやっていてですよ。同じ仕事をやっているのに、申告制度でこういう差が付いてしまうと、これはやっぱりおかしいんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか、財務省は。
#250
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 事業所得につきましては、個人事業者が売上げ及び必要経費を適切に記録、記帳しまして、適正申告を行うということが大変重要でございます。
 ただ、我が国におきましては、すべての個人事業者について記帳、帳簿等保存義務を課すのではなく、帳簿書類を基礎として適正な申告を奨励する観点から青色申告制度を設け、青色申告者については、正確な記帳と帳簿書類の保存を求めまして、その申告には各種の税制上の優遇措置の適用を認める、こういう税制の構造になっておりますので、その点はまず前提として御理解いただきたいと思います。
 このような所得税の構造の下で、青色申告者につきましては所得税法第五十六条の例外といたしまして、労務としての対価として相当と認められる範囲内の専従者給与について実額での必要経費算入が認められ、この青色事業専従者給与については、その専従者の給与所得として取り扱われることになります。
 他方、青色以外の一般の個人事業者、白色の方は、青色申告者と異なりまして、記帳、記録等保存の程度が十分ではなく、対価の支払の実態について確認ができないことから、家族従業員に対する給与について必要経費算入を認めることについては種々問題があるということで、現状、五十六条によって税法上給与収入とは認められないことになっております。
 是非、青色申告者以外の方も所定の帳簿等を整備していただきまして、青色申告によって適正な記帳、帳簿保存をしていただく、それによってこの青色専従者の給与制度の適用を受けるということを是非ともお願いしたいと思っております。
#251
○大門実紀史君 青とか白とか、その前提が私、間違っていると思うんですよ。この問題をどう考えるかといいますと、そもそも実際に働いている人がいて、税法上、その人の人権を、人格を、存在すると、働いているという事実を認めるかどうかという、これは人格とか人権という税法上の概念の問題で、申告でどうのこうのはその後の話なんですよ。まず、働いているということを税法上認める。その人が働いている、つまりその人の人格を認めるかどうかというのが大前提の話でございまして、これを青だったら認めてあげるとか白だったらどうのこうのというのは、これは勝手に財務省というのか、元々大蔵省といいますか、国税庁が勝手にそんな、本当に非常に大事な基本的な権利にかかわることを勝手に制度で分けちゃっていると。これは越権行為であり、もうおごりなんですよ。やっちゃいけないことなんですね。
 だから、本来そういうことで考えたら、そういう制度によって人が働いていることを働いてないと、認めないというようなことはあっちゃいけないというのが基本的な考えだと私は思うんですけど、与謝野大臣、いかがお考えですか。基本的な話として、まず。
#252
○国務大臣(与謝野馨君) 同じように働いている人、同じ税制が適用されるというのは先生のおっしゃるとおりだと思いますが、やっぱり税務署が見てある程度の確信を持てなきゃいけないわけでして、そういう意味では帳簿とかそういうものを整備していただくかいただかないかというのがやっぱり差が出てしまう。これはやむを得ないことだと私は思っています。
#253
○大門実紀史君 ですから、与謝野さんね、税務署が見てという考え方が間違っていますよと申し上げているわけでございます。
 じゃ青色申告なら、なぜこういうふうにしたかというと、帳簿を付けてもらう人だけ、昔ですよ、今は白色だって付けろとなっていますけれども、昔ね、人だけ、所得を分割して課税逃れといいますか、低い税金で済まそうとするおそれがあるから帳簿を付けてもらおうと。何かそこが飛躍しているわけですよ。
 例えば、じゃ青色申告だって、帳簿に付けたって実態と違う給与を書いちゃったらどうするんですか。結局は調査でしか分からないでしょう、そういう悪意な人がいた場合としても。同じなんですよ、白色でも青色でも。そうでしょう。書いてあるからといって、行ってみなきゃ分からないわけでしょう。税務署はだから疑って調査しているわけでしょう。だから、そういうことなんですよ。関係ないんですよ、青とか白というのは。分割して課税を低くしようということを防ぐには関係ないんですよ。まずそこが基本なんです。その上で、だから青色申告だってそういうふうになるわけですよ。
 考えてみると、そんなことじゃなかったと私は思うんです。今おっしゃったとおり、税務署が見て、あるいは税務署が行って調べてと、このときに帳面を付けてくれていれば調査がスムーズにいくと、これだけの話ですよ。資料を保存しておいてくれれば調べやすいと。そのインセンティブとして、あめとしてこの青色だけ専従者給与を認めるということを続けてきた以外、今となっては何の意味もないというふうに思います。
 三枚目に資料を付けましたけど、これはもう恥ずかしい話で、ほかの先進国は大体認めているわけです、家族従業員の経費を。これはもう時代遅れといいますか、ほかの国では認めているわけですから、日本でもそろそろ改めたらどうかと。もう遅きに失しているのではないかと私思いますけれども。
 多分、今まで、先ほどの話だと、ほかの国は記帳義務がありますと、日本は青色はありますと。しかし、ここに書いてあるでしょう、財務省。白色だって昭和五十九年から記帳義務になっているわけです。ですから、私から言わせると、昭和五十九年から、もう白とか青とか言わないで、全部必要経費に認めるべきだったと。百歩譲って皆さんの理屈に従ったとしても、昭和五十九年の白色申告者も記帳義務、資料保存を義務化したわけですから、これはアメリカとかイギリス、ドイツ、フランスは、こういう青色とかないですよ。韓国は緑色申告というのをつくりましたけれども、普及しないのでやめちゃったんですよ。だから、日本だけなんです、この青色とか白色とかやっているのは。
 あえて、そういう記帳をしてほしいと、記帳した人にはやっぱり負担掛けているから何らかのメリットを与えようと思うならば、こういう人にかかわる、人の給与とか税法上の人格にかかわることではない特典を、今でもありますね、青色申告特別控除とかありますよね、別の特典で、帳簿を付けていただいたこととか資料をきちっとそろえてもらったと、青色申告の方だけ特別に負担掛けていることについてはほかのことでインセンティブ、特典を設けるべきであって、人格にかかわるもので差別をするというのはもうおやめになるべきだと。私は、そういう時代、もうそんな、当たり前の話をしているわけですけれども。
 大体、有識者の方々、よくいろんな今の意見を見てください。もうほとんど、どんな立場の方であれ、この五十六条はもう所得税法の中で本当に化け物みたいなものだと、いまだに残っていると、これはそろそろもう変えるべきだ、考え直すべきだという意見が非常に多いんですよね。そういう点でいきますと、これを置いておく根拠は何もないですから、青色とか何だとか言うならば、ほかのことで特典付けなさいよ。人にかかわることは本当に検討すると、研究、検討すべきだというふうに思いますが、大臣、いかが思われますか。
#254
○国務大臣(与謝野馨君) 少し研究してみます。
#255
○大門実紀史君 そうおっしゃってもらうともう聞くことはありませんので、これで終わりたいと思います。
 非常に時代遅れになっているということは財務省全体でよく認識してもらいたいと思います。
 ありがとうございました。
#256
○委員長(円より子君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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