くにさくロゴ
2009/04/23 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第16号
姉妹サイト
 
2009/04/23 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第16号

#1
第171回国会 財政金融委員会 第16号
平成二十一年四月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任   
     水戸 将史君     藤田 幸久君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任   
     藤田 幸久君     水戸 将史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         円 より子君
    理 事
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
    委 員
                池口 修次君
                川上 義博君
                喜納 昌吉君
                富岡由紀夫君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                水戸 将史君
                峰崎 直樹君
                山下八洲夫君
                尾辻 秀久君
                末松 信介君
                鶴保 庸介君
                中山 恭子君
                林  芳正君
                藤井 孝男君
                森 まさこ君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
       発議者      峰崎 直樹君
       発議者      尾立 源幸君
       発議者      水戸 将史君
   委員以外の議員
       発議者      直嶋 正行君
   衆議院議員
       修正案提出者   中川 正春君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        与謝野 馨君
   副大臣
       内閣府副大臣   谷本 龍哉君
       財務副大臣    石田 真敏君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        宇野  治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       羽田 浩二君
       財務大臣官房審
       議官       永長 正士君
       財務省主税局長  加藤 治彦君
       国税庁次長    岡本 佳郎君
       経済産業大臣官
       房審議官     石黒 憲彦君
       防衛省防衛政策
       局次長      松本隆太郎君
   参考人
       日本銀行副総裁  西村 清彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (金融危機対応に関する件)
○租税特別措置の整理及び合理化を推進するため
 の適用実態調査及び正当性の検証等に関する法
 律案(峰崎直樹君外五名発議)
○金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○資金決済に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(円より子君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官羽田浩二君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(円より子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁西村清彦君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(円より子君) 財政及び金融等に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件及び金融危機対応に関する件の両件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。
 短時間ですので、早速質問に入らせていただきたいと思っております。
 預金保険機構がこれまでいろんな金融危機、日本の危機に対していろんな役割を果たしてきたと思いますけれども、破綻金融機関が、足利銀行の処理を終わって一段落したんではないかというふうに思っておりますけれども、それを踏まえて、今後の預金保険機構の役割についてどのようにお考えなのか、与謝野大臣にお伺いしたいというふうに思います。
#8
○国務大臣(与謝野馨君) まず、預金保険機構がしょっちゅうしょっちゅう用事があるようでは困るんだろうと思っておりますが、いざというときにはこの預金保険機構がないと困ると私は思っております。
 預金者保護というのは大事なことでございますし、将来金融機関が破綻した場合に備えて、その破綻処理等を円滑に行っていくための重要なインフラでもありますし、また民間金融機関から預金保険料という形でお金をいただいているわけでございます。
 また、現在も、金融機能強化法に基づく資本増強に関する業務を行うとともに、買い取った不良債権の適切な回収や金融機関への資本増強として引き受けた優先株式等の適切な管理、処分等を行っているところであり、引き続き金融システムの安定に重要な役割を果たしていくと考えております。
#9
○富岡由紀夫君 役割はそのとおりだと思うんですが、ただ、破綻金融機関のいろんな処理とか対応についていっぱい抱えているときは組織なり人員なりやっぱり増やしてそれに対応できるようにしないといけないと思っているんですけれども、大きなそういう破綻処理が一段落していますので、組織のスリム化というか、人員の見直しとか、そういった今後の見通しについてお伺いしたいというふうに思っています。
#10
○国務大臣(与謝野馨君) 当然、余計な人員を持っている必要はないという、先生の御主張のとおりでございますが、預金保険機構の人員の推移を見てみますと、平成十四年は四百九人、このときがピークでございまして、平成二十一年度の職員は三百六十一人となっております。
 業務の合理化、効率化というのは当然のことでございますが、一方、必要な人員については適正に確保していかなければならないと思っております。
#11
○富岡由紀夫君 先日のFRC報告の中で、足利銀行については一段落付いたという報告がございまして、その引受先が野村ホールディングスの野村グループだというふうに報告をいただきました。
 これの、何というんですか、今回の直接の引受会社である野村フィナンシャル・パートナーズという会社は、これは野村グループの中でどういう位置付けなのか、もしお分かりになれば教えていただきたいというふうに思います。
#12
○国務大臣(与謝野馨君) 足利銀行の処理については、私が以前金融担当大臣をやっておりますときに、いずれ足利銀行、国が預かっているものは民間にお返しするということですが、その当時の金融庁長官に申し上げた幾つかの原則があります。それは、足利銀行は何といっても栃木の地域銀行なので、やっぱり地域経済を心配してくださる方に引き受けていただくことが一番いいんではないかと思うけれども、やはり本当に公明正大な競争によってのみこの足利の引受手を決めるということが大事であるということで、その後、政治の世界とは全く関係なく極めて淡々と金融行政の中で引受先を決め、野村の一連の御関係で引受先が決まったと、非常に自然な決まり方だったと思っております。
#13
○富岡由紀夫君 今日の新聞記事で、その野村証券の子会社である野村フィナンシャル・パートナーズの検査監督権限というか検査権限が及ぶか及ばないか、金融庁が検査監督できるかというところについて、法的にはそこまで権限が及ばないんじゃないかといった記事がございました。
 これからいろんないわゆる投資銀行業務、こういった証券業務について国際的にも規制を強化していこうという中で、日本の場合は金融庁なり証券取引等監視委員会なりがそういったところに監督検査の手が及ばないといったことが心配されるわけですけれども、その点について金融庁は、どのように対応したらいいのか、どういうふうにお考えなんでしょうか。
#14
○国務大臣(与謝野馨君) アメリカの有名な証券会社、アメリカの有名なインベストメントバンク、こういうところが出しました損失等と比較いたしますと、野村の損失というのは随分小さいという印象を私は受けます。これは、やはり野村が世界の証券会社の風潮、はやりというものに乗らないで、かなりリスクに対しては慎重な姿勢で投資をしてきたものだと私は判断をしておりますし、七千億は相当痛い損失でございますけれども、野村という会社はそれに堪え得る会社であると確信をしております。
#15
○富岡由紀夫君 今言いました野村フィナンシャル・パートナーズについて金融庁は監督指導なりそういった権限があるんですか、ちょっと端的にお伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(与謝野馨君) 当然、証券、金融に関しては監督権限がございます。
 持ち株会社に対してどうかというのは、専門家の意見を聞かないと分かりません。
#17
○富岡由紀夫君 じゃ、野村フィナンシャル・パートナーズについても検査に入ったり監督権限があるということでございますね。
 今お話ありましたように、野村証券はそういったリスクの高い商品には手を出さないだろうという、そういう信頼しているというお話でしたけれども、これは確かに性善説としてそういう考え方も取れなくもないと思うんですけれども、ただ、それだけを信じ切って全く野方図に、野村だから大丈夫だといったやり方でやっていくというのはいかがなものかなと私は思っております。
 多分、アメリカのいろんな今回の投資銀行業務の失敗も、まさかそんなことないだろうということで、格付会社もいい格付を付けてその取り扱う商品については取り扱っていたわけでございまして、やっぱり危ないところを危ない、そういったことをするんじゃないかというふうに最初から思っていてこういった事態になることはないと思うんですけれども、その点について、先ほどの答弁からすると、ややちょっと心配な部分があるんですけれども、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(与謝野馨君) 個別の企業について云々するつもりはないんですけれども、野村証券は損失を出したことはこうして発表されておりますし、また増資も発表されていると伺っております。それは、野村も国際的な会社でございますから、国際的な金融危機の荒波をかぶったということは事実でございますが、かぶり方は他の、例えばアメリカ、イギリス等の一流の証券会社、インベストメントバンクに比べればはるかにはるかに小さいものであって、足利銀行に関する野村のポジションを揺るがすということはあり得ないと我々は判断しております。
#19
○富岡由紀夫君 だからといって、今後それがずっと担保できるかというと私はそうじゃないと思っているんですけれども、そういったところで、こういった野村についてもしっかり、そういった関連会社というか、証券業務を行っているところについてもちゃんとしっかり検査に入ったり監督権限をしっかりと発揮してやっていくということで理解してよろしいんですか、証券取引委員会等々で全部把握できると。
#20
○国務大臣(与謝野馨君) ホールディングであっても、証券、銀行の主要株主に対しましては金融庁の権限は当然及びます。
#21
○富岡由紀夫君 じゃ、しっかり検証していただきたいというふうに思っております。
 それと、また今日の記事なんですけれども、アメリカの大手金融会社が黒字になったという報道がございます。いろいろと今回のサブプライムローンで傷ついた会社、金融機関なんですけれども、あっという間に黒字回復したということで報道を受けて私も驚いているんですけれども、ただ中身を見ると、やや疑わざるを得ないというか、ちょっと心配になるような内容が記事として載っておりました。負債評価益というので利益がかさ上げされていると。実態はそんなに収益がないのに、そういった会計上の操作で利益が計上されているという報道もございましたけれども、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
#22
○国務大臣(与謝野馨君) 海外でも日本でも、これが良くなった、あれが良くなったという幾つもの楽観説が今出てきておりますけれども、そういう楽観説に振り回されることなく、堅実な前提で金融行政もあるいは経済対策もやっていかなければならないと思っております。悪いニュースよりいいニュースの方がいいに決まっているんですけれども、それをもってして世界の経済、アメリカの経済がどうなるかというようなものでもないと思っております。
#23
○富岡由紀夫君 ちょっとお伺いしたことと違うお答えなんですけれども。要は、いろいろな会計操作によって実態の収益力等を反映していない決算が出てきてしまっているという記事なんですね。要はいろんな、今時価会計とか減損会計とかいろいろ問題になっておりますけれども、この会計のいろんな、会計工学ともいうべき操作、これによって実態と懸け離れた数字が決算で出てくるということについて私は非常におかしいと思うんですけれども、国際的な、これからいろんなG7とか行かれるわけですけれども、その中で、これから規制を強化していく中で、この会計制度の基準の見直しについても考えていくべきだというふうに思うんですけれども、今回まさしく、この負債評価益なんて私も初めて聞いたんですけれども、そういったこともあるということを踏まえて、その会計基準の在り方について、これから日本のスタンス、これからいろんな中で基準を定めていく中で、日本としてはどういうことを主張していくおつもりなのか、大臣の方針をお伺いしたいというふうに思っております。
#24
○国務大臣(与謝野馨君) 今はそれぞれがそれぞれの国の会計基準で決算等をやっておりますが、望ましくは一つの尺度で物事が判断される必要があると、私はそういうふうに思っております。
 ただ、会計基準で判断しましたときに、今その会計基準自体で時価評価制度をどうするかという流れと、もう一つは現行の善しあしを判定するときの自己資本規制をむしろ強化しようという動きとかいろいろありまして、日本としては大変どういう方向性で行くのかというのは判断が難しいところでございますけれども、やはり金融機関の実態が世間に明らかにされると、やっぱり透明性を持った会計基準に従って明らかにされるというのは、どの国であっても、こういうふうに取引が極めて国際的になっているときには極めて重要なことだと私は思っております。
#25
○富岡由紀夫君 国際的な会計基準を定めてそれに各国が従うというのは基本的にはそのとおりだと思うんですが、ただ、その基準がおかしな基準で定められたら、今回のようなマネーゲームに翻弄された金融危機を引き起こしてしまったわけですから、その会計基準の在り方を、国際基準を決めるときに日本が何か提言をしたらどうなんですか、実態に合うような、もう少しそういったいわゆる、何というんですか、余り言うとあれですけれども、マネーゲームで要するに会計工学を駆使して、金融工学などというそういったものを駆使して見せかけの商品を作ったり、そういったことができないような、基本的な、もっと分かりやすい、シンプルな会計に戻すべきだといった議論を日本が提言してもいいと思うんですけれども、そういうおつもりはないんですか。
#26
○国務大臣(与謝野馨君) 会計基準の問題は、一つは、こういうときになったら急に会計基準を緩めて時価会計をやめようなんというのは、むしろゲームの途中にゲームのルールを変えるような話であって、それは多分やってはいけないことだろうと私は思っております。
 もう一つは、やはり会計基準とは直接関係はないんだろうと思いますけれども、やっぱり大きな金融機関の簿外取引の問題であって、連結対象になっていない会社等に貸し込んでそこが投機的な取引を行うと、結局はそれが連結対象でありませんから決算には出てこないと、ところが実は大変な大きな損失を内在していると、そういうケースは今後、日本では多分出てこないんだろうと思いますけれども、世界各国ではそういう現象も私は可能性として考えられるのではないかと思っております。
#27
○富岡由紀夫君 余り見直す御予定がないというふうに受け止めたんですけれども、今の会計基準、時価会計になったといっても、これはつい最近そういったトレンドが変わってきたばっかりであって、そこでやっぱりおかしな結果を生じさせてしまったということですから、それは見直すのは私は全然やぶさかでないというか、やることについて何の、何というんですか、後ろめたいことはないんじゃないかと思います。
 元々、ずっとやってきた会計制度を急につい数年の間に、ここ十年ぐらいの間に会計制度を変えてきたわけですから、それがおかしな結果を生んだということが、事実があるわけですから、そこで見直すというのは当然のことだと私は思っております。トレンドだからといって後戻りできないという考え方は私はおかしいと思います。世界のそういった誤ったトレンドを改めるのが私は日本の役割だというふうに思っております。是非その点はしっかりと御検討いただきたいなというふうに思っております。
 それと、今回いろんな補正が検討されているわけですけれども、補正予算も概要が出てきておりますけれども、補正予算を今回もし成立させた後なんですけれども、その後のことでやっぱり一番心配しているのは私は日本の財政赤字、財政収支について心配しているわけですけれども、この補正予算が成立した後の日本の国の借金、トータルでどのぐらいの金額になるのか、教えていただきたいと思います。二十一年度予算が出たときにお示ししていただいた同じ基準で教えていただきたいというふうに思っております。
#28
○国務大臣(与謝野馨君) 国及び地方の長期債務残高、平成二十一年度末は、当初予算編成時は八百四兆円でございました。これはGDP比にして一五七・五%と見込まれておりましたが、月曜日提出いたします補正予算を考えに入れて数字を足し合わせますと八百十六兆円程度、GDP比一六〇%に到達する見込みでございます。
#29
○富岡由紀夫君 昨日の質問、レクのときにお話ししたんですけれども、二十一年度の末に国と地方の債務残高、トータル、二十一年度の予算が出たときには千六十九兆円、国が九百六兆円、地方の債務が百九十七兆円、重複している分が三十四兆円ありまして、トータルで千六十九兆円というベースでお答えいただいたんですけれども、それと同じベースでの金額を昨日質問させていただくということで通告させていただいたんですが、それについてお答えいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(与謝野馨君) それでは、詳しく数字を申し上げさせていただきます。
 平成二十一年度末における国と地方の債務残高について、当初見込みは、国の債務残高は九百六兆円でございました。これは、増えた分として、普通国債の追加発行十・九兆円、財政投融資特別会計の国債が六・一兆円、日本政策投資銀行危機対応業務国債の発行一・四兆円。補正後の見込みは、九百六兆円に今申し上げた数字がプラスになって、補正後の見込みは九百二十四兆になります。これに地方の債務残高を足し、百九十七兆、これから重複分を引きますと一千八十七兆円になり、当初見込み一千六十九兆を二十兆近く上回るということになります。
#31
○富岡由紀夫君 このGDPの倍に近い、倍ぐらいの債務残高、これは国際的に見ても先進国の中では日本だけだというふうに思っておりますけれども、またこんなに財政赤字を拡大していくと、それこそ、今度金商法のところで議論になりますけれども、格付がまたボツワナ以下になっちゃう可能性があるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、この国債の大量発行、そして赤字の拡大、これは今後将来大きな禍根を残すことになるんじゃないかというふうに思っていますけれども、これについて、何か中期プログラムの見直しをされるそうでございますけれども、どのようにこの問題について対処していくつもりなのか、お伺いしたいというふうに思っております。
#32
○国務大臣(与謝野馨君) これは、政府が無駄をしてきたからだという御意見もあり、行政改革が足りないからこうなったという御意見がありますが、いずれも、そういう問題はありますけれども、それらが債務残高を大きくしたとは考えておりません。
 やはり、日本の社会保障制度等の非常に大きな伸び、また制度の充実による予算の増大、少子高齢化という特殊な条件、こういうものが相まってここまで来た。それから、小渕内閣等では十兆円になんなんとする減税をやったと、こういうものがやっぱりすべて財政悪化の原因でございます。したがいまして、社会保障制度を持続可能なものにするという観点に立てば、やっぱり社会保障に関しては特別の特定財源を皆様方にお考えいただくことが必要な時期に私は来たんではないかと思っております。
 しかしながら、当面はやはりこれだけの債務残高、また新たな国債発行をいたしますから、我々が心配するのは二つございまして、一つは長期資本市場で長期金利がどうなるかという問題、それから先生が御指摘された国に対する信認の問題、こういうような問題もありますし、我々としては、補正予算が通過するときから六月に向けて中期プログラムを書き直して、日本の財政再建の道をきちんと国民の前にお示しをしたい、またお示しをすることが政府の責任であると考えて作業をしております。
#33
○富岡由紀夫君 今日、日銀にもお越しいただいておりますので、今の財政赤字の問題、これ日銀も毎月の国債の市場からの引受額を大量に増額させたということでございまして、私は日銀にも同じような責任があるんだと、この政府の財政赤字拡大についての責任の一端を担っているんじゃないかというふうに思っているんですけれども、この日本の財政赤字の状況について副総裁はどのように認識されていらっしゃるのか、そして日銀がどのように関与しているというのか、どのような責任を担っているのか、もしお考えがあれば教えていただきたいと思います。国債の大量発行と長期金利との関係についても、是非含めてお答えいただきたいと思います。
#34
○参考人(西村清彦君) お答え申し上げます。
 長期金利ですが、御指摘のとおり長期金利は最近若干上昇しており、最近で一・四%台というところに推移しています。
 日々の市況について私の立場からコメントすることは差し控えたいと思いますが、やはりこうした動きの背景については、市場では急激に悪化してきた景気に若干の底入れの期待が生じているということと、それからやはり長期金利の世界的な連動関係ということが影響を及ぼしている、特に米欧で長期金利が上昇しているということを指摘する向きもあるということであります。
 日本銀行としては、我が国の財政が国債残高が累積するなど非常に厳しい情勢にあるということについて、これは長期金利の動向を見る限り、そうではありますが、まだ財政規律に対する市場参加者の信認というのは維持されているというふうに考えております。
 もっとも、我が国を含めた各国において、これは日本だけでなくて各国ですが、財政支出の拡大が検討されそして実施されている中では、財政規律の維持に対する市場参加者の信認を確保するということを強く意識する必要があるというふうに考えています。
 そのためには、やはり財政の持続可能性を維持するように政府が中長期的に財政再建を進めていくことを示す、そういうきちんとしたプログラムを出していただくということ、先ほどの大臣からの御答弁にありましたような、そういう人々の信認を守るための方策ということをお願いすると同時に、やはり中央銀行が財政ファイナンスをしているということを避けると、そういうことがこの財政規律に対する信認確保という点で極めて重要だというふうに思います。そうすれば、財政面でのリスクプレミアムの発生というのが回避されることになり、金利の安定的な推移も確保できるのではないかというふうに考えております。
 こういう観点から、日本銀行は、特に金融市場の安定というのを重視する立場から、これまでも様々な場において今までのような、今申し上げたような基本的な考え方を申し上げてきたというところであります。
 以上であります。
#35
○富岡由紀夫君 何か今日の記事によると、日銀さんのリポートで、戦後の財政悪化の原因を、日銀が国債を引き受けたことによって、これ高橋財政のときのレポートでということで報道されているんですけれども、是非そういうことにならないようにしっかりとやっていただきたいと思います。
 そして、日銀さんも日本の経済の今年度の見込み、下方修正されるということでございます。それと、あと政府も下方修正されるというふうに報道されておりますけれども、下方修正したときの歳入の減、税収の減、これは補正予算の中での歳入、要するに赤字国債の発行額で賄うわけですけれども、それは反映されているんですか。見込んだ数字でつくった補正の予算なのかをちょっとお答えいただきたいと思います。
#36
○国務大臣(与謝野馨君) 平成二十一年度当初予算、これの歳入見積りは下方修正されるべきことは現時点でみんな分かっております。税収は期待したほど入ってこない。しかしながら、それをはっきりと皆様方に根拠を持ってこのぐらい減収になりますということを申し上げる段階に至っておりません。しばらく時間が掛かります。
 これは、平成二十年度の税収の決算あるいは平成二十一年度の税収の徴収実績、それから今度改定いたします経済の見通し、あるいは経済の四半期ごとの実績、こういうもののデータがそろった段階で減収幅はこのぐらいになりますということを国会の皆様方にお話しすることが可能になります。
 しかしながら、減収の方向で全体が動いていることは間違いないし、その予想どおりになると思っております。
#37
○富岡由紀夫君 ちょっとよく分からないんですけれども、もう織り込んであるということですね。当初予算のときに、今年度の三%のマイナス成長を織り込んだ税収の見込みということで織り込んであると、その数字だけ説明できないということですか。どうですか。
#38
○国務大臣(与謝野馨君) 二十一年度当初予算の税収見積りは、昨年十二月政府が出した経済成長率プラス・マイナス・ゼロということを前提に計算したものでございます。
#39
○富岡由紀夫君 補正は。
#40
○国務大臣(与謝野馨君) 補正は減収になるということは分かっておりますけれども、減収幅というものは皆様方にお示しできないと、現段階では。ただ、減収になって、また減収について国会にお諮りする時期が来るということは間違いありません。
#41
○富岡由紀夫君 ということは、二十一年度予算でまた新たな赤字国債の発行もあり得ると、千八十七兆円の国の債務のトータルがまた増えるということもあるということですか。マイナス成長への修正によってそういうこともあり得るというふうに考えてよろしいんですか。
#42
○国務大臣(与謝野馨君) 減収になれば当然そういうこととなります。
#43
○富岡由紀夫君 もう時間になりましたから終わりますけれども、じゃこれからますます財政赤字はまだ拡大する可能性があるということでございますね。非常に心配しております。是非、中期プログラムでは、財政構造改革の中身が具体的に分かるようにしっかりとしたものを作っていただくことをお願いして、私の質問を終わります。
#44
○喜納昌吉君 よろしくお願いします。
 地球白書によると、人類がこのままの爆食を続ければ地球三個あっても足らないと言われているんですね。その地球の温暖化による自然環境の悪化や、鳥インフルエンザのパンデミック危機、テロや地域紛争、海賊対策など、安全保障を含め人類が抱える問題というのは国境線を越えて存在しているんですね、国境線を越えてね。人類が抱えている病は地球規模であるのに、様々な問題への対処は国家単位の次元に置かれていますね。病は地球規模で治療は国家単位、これでは間に合わないというのは一目瞭然だと思うんです。持続可能な発展とは、この問題の解決なくしてはあり得ないと私は思っているんですね。
 今私たちが直面している世界規模の金融危機もそうだと私は思っています。サブプライムローンに端を発した百年に一度の恐慌というものは底知れぬ問題を抱えていると言われています。震源地であるアメリカはオバマ政権の景気対策法によって景気が持ち直したと言われていますが、IMFとアメリカのサマーズの意見はちょっと食い違いがあるんですね、食い違いが。実際は、商業不動産の焦げ付きや個人のクレジットカード破綻によって今後更なる底割れが起こると専門家は言っておられるんですね。
 今政府が取っているGDP至上主義の経済政策はこの危機を乗り越えることができるのか、与謝野大臣、よろしくお願いします。
#45
○国務大臣(与謝野馨君) まず、国際機関が出した日本の経済の見通しというのは、かなり日本の見方と違っております。
 昨日IMFが出されました日本の経済の成長は、暦年で二〇〇九年一月から十二月ということで、マイナス六・二ということになっておりますが、実は、我々の計算は会計年度で計算していますので、会計年度で計算し、なおかつ今回お出しして国会の御承認を求めようとしております補正予算が通りましてその効果が出てまいりますと、日本の経済のマイナス幅はほぼ欧米並みの水準になります。
#46
○喜納昌吉君 私が聞きたかったのは、欧米並みの経済の発展の数値ではなくして、この国民総生産というものと、これを地球規模でいえば人類総生産になりますからね、今のような人類の文明の在り方でいくと、これは将来、本当に人類に未来があるかということを質問したいんですけれどもね。だから、根本から経済の在り方を変えていく必要があるんじゃないかと私は思っているんですね、人類規模でね。そのことを質問したかったんですけれども、具体的に質問します。
 国際連帯税について質問したいと思いますが、国際連帯税。いいかな、いいですか。国際連帯税について質問したいと思います。
 国際連帯税とは、為替取引に課税して、その税収を世界の様々な問題解決に使用しようとするという考え方なんですね。既にフランスでは、飛行機の国際線運賃に課税し、その収益をアフリカの諸問題解決に充てることを検討しています。ベルギーはEU全体で導入することを条件に通貨取引へ課税する法案を採択しています。日本で行われる為替取引は一日に三千二十億ドルに上ると言われています。このうち二千億ドルが円との取引で、これには日本の消費税がまだ掛かっていないんですね、これを将来消費税を掛けて国際連帯税に持っていくということの検討を与謝野大臣はどう思われます。
#47
○国務大臣(与謝野馨君) 国際連帯税については、私は専門家ではございませんけれども、開発資金の在り方について議論するために有志各国により設立された開発資金のための連帯税に関するリーディンググループにおいて議論されてきたものと承知をしております。こうした途上国を支援するための新たな枠組みについては、国民負担を伴うものとなれば、そもそもの前提として、社会保障の安定財源の確保が課題となっている中で、国民がつくり出した富を他の国にどれだけ移転するかについてのコンセンサスがまず形成される必要があると考えております。いずれにしても、今後とも、リーディンググループにおける議論を踏まえ、幅広く国際的な動向の把握に努めてまいりたいと考えております。
 なお、日本も無償、有償を含めて相当なODAを既にやっているところでございます。
#48
○喜納昌吉君 この国際連帯税の意味の本質というのは、地球規模の問題に対処していくものが根底にあると思います。特に、地球の砂漠化であるとか熱帯雨林の破壊であるとか、さらには温暖化の問題だとか、そういうものに対処していく一つの僕は出発点になると思っているんですね。だから、そこに日本政府としてどういう考え方があるのかということを聞きたいと思っているんですね。
 かつて、日本はアジア通貨基金の創設を提案して、アジア版IMFですか、アメリカにつぶされたことがあるんですね。現在、その案は中国が率先して提案しています。経済的に中国に押されぎみの日本の国際的存在感を増すためにも、私は、日本が国際連帯税を導入して、その資金を管理する国際センターの創設を日本が率先して各国に働きかけ、世界をリードしていくべきだと思っているんですね。
 だから、IMFに十兆円出すよりも人類の未来に対しては良い政策だと、私は国際連帯税の在り方は新しいと思っているんですよ。IMFというのはもう古いと私は思っているわけで、もう古い時代になっている、システムが。だから、その意味で、ひとつ国際連帯税のセンターをつくるために日本が率先してやることには大臣はどう思われます。
#49
○国務大臣(与謝野馨君) 国際連帯税はちょっとお答えの外に置きまして、どういうことを日本が世界に対してやっているのかというのを少し考えてみますと、これは無償資金協力、それから円借款又はその他の形のいわゆる技術協力等、いろんなODAもやっていますし、今回の経済危機に関しましては、IMFに一千億ドル出すとか、あるいはアジア開発銀行の増資に応じるとか、チェンマイ・イニシアチブでは中国と日本と韓国が全部のお金の八〇%を担って、その他のアジアの諸国もお金を出して、この経済危機を乗り切るための基金づくりをやろうと。およそいろんなことを日本ができることはやっておりますが、先生の国際連帯税というのも、自由民主党の中でもこういうものをやって世界に貢献しろという方も随分おられます。
 したがいまして、こういうやっぱり考え方が広がってまいりますと、広がっていって、一定水準以上のコンセンサスが得られると、物事が動き出すのではないかと思っております。
#50
○喜納昌吉君 まあ大体IMFも世界銀行もその役割に近いものだったと思うんですけれども、基本的には開発という方向にどうしても向かっていって地球が破壊されているんですね。
 それから、どうしても戦争というものを超えられないと、人類が。だから、今回のサブプライムローンの在り方に関しても、基本的には米国がイラク戦争に介入したところから、この担保の安定しないサブプライムのローンをつくり、世界にまき散らしたところから始まっているんですね。だから、結局は、今人類が抱えている今日のこの損失というのは全部戦争という方向に吸収されて破綻しているんです、これは。だから、戦争を超えるような新しいシステムをつくらなくちゃいけないと私は思っているんですね。
 だから、その一つの新しいシステムが私は国際連帯税を中心にする、まあ何というか、世界に税金を掛けるというんですかね、この税システム、特に投資とか投機、株とか。そこで、それを集めて、それを本当に地球規模、人類規模で使っていくシステムがもう要求されていると思うんですね、世界的にも。だから、そういう意味でのコンセンサスはもうそろそろできつつあると思っているんです。
 そこに日本が、特に日本のすばらしいところは、中国もよく知っておられるし、アメリカもよく知っておられるし、言わば東洋と西洋を非常にリンクしているという。それから、勤勉な富があるし、優秀の技術があるし、そういうものをシフトしていく流れ、日本の特性生かしていく流れを、そろそろ日本の政府は目覚めて、そこに国の在り方を求めていくというんですかね。私は、個人の論理なんですけれども、不完全な国益というのは戦争をせざるを得ないです、これは。やはり人類益、地球益と整合性を持っていく国益をつくり上げることに懸かっていると思うんですね。
 与謝野大臣、この辺はどう思われます。
#51
○国務大臣(与謝野馨君) 人類全体のためにいろいろな仕組みをつくろうというのは、この百年間ぐらいの人間の私は努力であったと思います。これは、国際連盟、国際連合、ユネスコ、WHO、挙げれば切りのないほどの国際機関をつくってお互いに助け合おうと。これはやっぱり二十世紀の人間の私は成し得た大きな成果ではないかと思っております。
 この先生の提唱される国際連帯税も、言わばお互いに助け合おうと、特に地球という我々の住むこの天体、これを大切にして、環境も守り、子孫にもきちんとした形で残そうと。そのために、やっぱり発展途上国を中心とした乱開発やあるいは乱開発によってもたらされる砂漠化とか汚染とかそういうものを全部何とか抑止しようという考え方で、これはそういうことを抑止しようという考え方は私は大変優れた考え方だといつも思っております。これが国際連帯税という形でやるのかまた別の形でやるのかということは、もう一つの問題だというふうに思っております。
#52
○喜納昌吉君 グローバルというものの中には、国連もそうですし、それから国際司法裁判所もそうですし、IMFもそうですし、ほとんどグローバルというもののシステムをつくっているのは、言わば人種的に言えば白人圏の人たちが全部つくっているんですね。そうすると、やはりこれ白人マインドというものを考えたときには、地球全体を見たときに限界があるなと思わざるを得ないですね。
 そこで、一番白人圏のマインドをよく勉強なさっている国、日本が、東洋の心も持ち、東洋のマインドも持ち、西洋のマインドも理解できる日本が新しいグローバルなシステムを提供するぐらいの大胆な政策を僕はもうすべきだと思っているんですよ、今。そういう一つの日本の大胆な政策を今僕は世界は待っていると思っているんです。
 だから、もし、そもそもアメリカで起きた、アメリカがせきをするとこちらが風邪を引くというものではなくして、今回我々が悩んでいる財政の問題もすべては基本的には日米同盟という追随主義から来ているような感じがするんですね、どこかでは。だから、アメリカに対してもはっきり物を言うという。アメリカにノーと言うだけではなくしてはっきり物を言うと、そのぐらいの、あるいは新しいシステムを教えていくというぐらいの勇気を持ってもいいんではないかと思っています、私は。またこれもひとつ時間を掛けてゆっくりゆっくりいきたいと思うんですけれども。
 次に、グアム協定に係る売上税について質問したいと思っています。これは元々外交防衛委員会の担当でしょうが、日本の財政支出に係る問題なので質問したいと思っています。
 沖縄の海兵隊をグアムに移転するためのグアム協定の審議が外交防衛委員会で行われていますが、日本はグアム協定での施設工事に関して二十八億ドルの真水を支出すると言っていますね。米政府がその支出に関して売上税四%を日本に負担させることを外務省は受け入れたと聞いていますが、外務省、これは事実ですか。
#53
○政府参考人(羽田浩二君) お答えいたします。
 いわゆる真水事業というものは米国内において米国政府が実施する事業であり、事業の実施に当たっては、グアムにおいて今御指摘の売上税に相当すると考えられる収入税は課税されることになります。ただし、この真水事業に対する課税分も本グアム移転協定に基づいて我が国が提供する上限二十八億ドルの貢献に含まれる、すなわち内数となるということとなっております。
#54
○喜納昌吉君 上限に含まれるという理屈は分かりますけれども、そもそも駐留米軍のこの移設経費は本来は日本が払わなくていいんだよね、これは、どこかでね。米軍を駐留させている国が負担するというのは世界的にも前例がないんです、これはね。米軍移転のために日本が負担する施設工事に対しこの売上税を払うということ自体、どうも二重な上前はねているような感じがするんですね。
 これはやっぱり、財務大臣、税の精神及び日本の──こういうハプニングもいいですね。ハプニングがあると和むという。
 日本は、グアム協定の施設工事に関して二十八億の真水プラス、これはその真水の中に入っているということです、上限の中に。そういうのは最初からそれを引いて渡せばよかったと思うんですけれども。後から言い繕ったような感じがするんですけれども。
 ただ、それは、財務大臣、税の精神及び日本の財政の観点から、アイデンティティーというんですかね、から疑問を持たないですか。
#55
○委員長(円より子君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#56
○委員長(円より子君) 速記を起こしてください。
#57
○喜納昌吉君 それじゃ、ちょっと。
 そもそも、駐留米軍のその移設経費を米軍を駐留させている国が負担するというのは世界的にも前例がないんですね。米軍移転のために日本が負担する施設工事に対して売上税さえも支払うことについて、財務大臣は税の精神及び日本の財政の観点から疑問を持ちませんかという質問です。
#58
○国務大臣(与謝野馨君) これは長い歴史がある話でございまして、日本とアメリカのいろいろな交渉の経緯があって決まったことでございますから、それはそれで日本が受け入れたことでございますから、当然のこととして日本が分担すべきものだと思っております。
#59
○喜納昌吉君 私は、その前に、アメリカに物を言える日本という、長い歴史だからという形で、本来ならばこれは駐留の負担を持つべきではないですよ。日米地位協定に外国に移転する駐留経費は持つ義務はないんですよ、日本は。さらに、義務もないのも持って、更に税金も取られるというのはちょっと屈辱的ではないですかと言っているんです、私は。それはちょっと言っておきます。
 それから、米国では、一部、連邦政府が発注する場合には売上税が免除されることがあるんですね、売上税が、連邦政府が発注する場合には。これは連邦政府を通じていきますから。
 財務大臣に私はもう一度、日本の財政の無駄な支出を減らすためにも、外務省や防衛省にもっと交渉してもらう作業はできませんか。
#60
○政府参考人(羽田浩二君) お答えいたします。
 我が国国会において在沖縄海兵隊のグアム移転事業との関連で米国内税の取扱いが議論されたことも踏まえ、政府としては、真水事業に対する米国内税の免除を働きかけました。また、これに関しては、日米両政府は、本件グアム移転事業が沖縄県の負担の軽減と抑止力の維持を図るという日米双方の利益を実現するものであるという点を踏まえつつ、次のような点を考えた結果、真水事業に対する免税措置の規定は本協定に盛り込まれないこととなりました。一つは、真水事業は米国内において米国政府が実施する事業であるということ、二つ目は、先ほども申しましたけれども、真水事業に対する課税部分も、本グアム移転協定に基づいて我が国が移転する上限二十八億ドルの貢献に含まれることということでございます。
 いずれにせよ、本件グアム移転事業に伴う日本側負担の具体的な額というのは個々の事業の進展とともに明確になるものであり、今後、我が国政府自身が厳しい財政事情を踏まえて適切に精査をして、その都度予算案を国会にお諮りしていく考えでございます。
#61
○喜納昌吉君 防衛省は防衛調達問題でも不透明な取引をしてきた経緯があるんですね。いまだにその二十八億ドルの中身をまだ公開していないんですね、この真水の二十八億ドルのね。
 グアム協定では上限二十八億ドルとうたわれているんですけれど、コストが上限以下で抑えられたときは、財務省はどのように監査のメスを入れるんですか、教えてください。
#62
○国務大臣(与謝野馨君) 申し訳ないんですけれども、質問通告がなかったのでお答え準備していないので、もし必要であれば後ほどお答えを持ってまいります。
#63
○喜納昌吉君 日本の外貨準備高について質問します。
 日本銀行が作成している資金循環統計によると、日本の個人金融資産の合計は約千四百兆円です。世界二位と言われる豊富な個人資産をいかに守るかが政治の役割だと思います。日本は貿易で得た多額の資金でアメリカ国債を買っていますが、米国債の発行残高は過去最高の一兆九千億ドルになり、専門家の間では、米国にインフレと国債の価値下落を引き起こす可能性があるとの見方が出ています。
 財務大臣、日本が保有する米国債の残高は幾らですか。
#64
○国務大臣(与謝野馨君) 日本と米国の外貨準備の内訳という御質問でございましたが、日本の外貨準備は三月末時点で一兆百八十五億ドルとなっており、為替介入に必要な通貨を保有するとの考え方の下、米ドル中心に保有をしております。
#65
○喜納昌吉君 米国の国債は。
#66
○国務大臣(与謝野馨君) 一方、米国の保有する外貨準備については、米国財務省が公表している資料によれば、四月十七日の時点で外貨準備は七百四十八億ドルとなっており、ユーロ建ての資産を百九十五億ドル、円建ての資産を約百九十四億ドル、その他の借金等を三百五十九億ドル保有をしております。
 外貨準備の通貨構成については、為替介入に必要な通貨を保有するとの考え方の下、東京外為市場の外国為替取引高に占める米ドルの比率が八割以上であることを踏まえ、米ドルを中心に保有しているところでございます。
#67
○喜納昌吉君 米国債の価値が下がれば日本は巨額の損失を被ることになると思うんですね。そのような損失を回避する対策は準備されていますか、大臣。
#68
○国務大臣(与謝野馨君) それは、円高ドル安になれば日本の持っているドル資産は目減りをいたします。
#69
○喜納昌吉君 世界の投機マネーは金に逃げ始めているんですね。多分それは金が普遍的な安定通貨の役割を果たしているからだと思うんですね。二〇〇七年の総務省統計局資料で各国の外貨準備の内訳を見ると、金による保有はほとんどの国が一%未満なんですね。日本は〇・一%なんです。米国だけは一九・五%、非常に突出しているんですね。
 財務大臣、この理由をちょっと教えてください。
#70
○国務大臣(与謝野馨君) アメリカは基軸通貨を持っている国であるので、他の国々の外貨準備と同じ概念でその外貨準備を論じていいかという問題があります。
#71
○喜納昌吉君 基軸通貨であったし、前は金本位制だったからいいんですけれども今は変動相場だしね、その金と今の基軸通貨とリンクするというのはちょっとおかしいと思うんですよ、私はね。
 資料によると、米国は六一・九%は他国の外貨で所持しているとなっているんですね。これはどこの国の通貨で持っているのか、ちょっと内訳をよろしくお願いします。
#72
○国務大臣(与謝野馨君) 米国の外貨準備で、半分はドル以外で持っておられる。半分の半分、すなわち二五%程度は円を持っておられる、二六%はユーロで持っておられると。
#73
○喜納昌吉君 金とユーロですね。日本もそれならばユーロを持ってもいいんではないかと私は思うんですけれどもね。金と他国の通貨の保有高が高いということは、アメリカ自身がドルの基軸通貨の役割の終えんを本来感じているんじゃないかと私は思っているんですね。もし、米ドルが下落したときのリスクを回避する意味でも、私は外貨を米国債だけではなく他の国の国債や金で保有すべきだと思いますが、財務大臣。
#74
○国務大臣(与謝野馨君) 一時期ユーロが非常に上がったときに、やっぱりユーロを持っていた方がよかったんじゃないかという議論がありましたけれども、その後、ユーロはレートを落としておりますし、どの通貨で対外資産を持っていたとしても一定のリスクは伴うわけでございまして、これはやむを得ないことだと思っておりますが、それでも世界中の方々のドルに対する信仰、信任というのは厚いのではないかと思っております。
#75
○喜納昌吉君 ドルに対する信仰はあったとしても、それならば、この前ですかね、先日、日中議員会議の中国議員団が沖縄に視察で訪れたんですね。そのとき、李建国全人代副委員長は、一国だけの繁栄ではなく人類全体の繁栄のためにも米国債保有高が一位、二位の中国と日本の協力が極めて重要だと言ったんですね。たしか数字も言っていましたよ。日本は六千億ドルの米国債を持ち、中国は七千億ドル持っていると言ったんですね。
 だから、むしろ、そこまで本当にアメリカを信じるならば、これは中国と力を合わせて日米中の連関。元々、中国とアメリカというのはこれはおかしい関係なんですよね、実は。経済で結婚しているんですよね、共産主義と資本主義が。だから、共産主義と資本主義が経済で結婚している、これは必ずどこかでひずみが出てきますよ。だから、そのひずみを埋めていく作業が本来日本にあるべきなんですね。だから、もし中国にそういう考え方があるならば、例えばアジア版のIMFでもいいし、あるいは連帯税でもいいですね、そういう方向に中国のマインドを、頭をシフトさせていくという作業をなさってもいいんではないかと思っているんですね。この辺はどうですか。
#76
○国務大臣(与謝野馨君) 経済に関しては、米中の関係も日米の関係も同じぐらい重要な関係であると思っておりますし、アメリカ側から見て米中関係、米日関係というのは同じ比重を持っておられるのではないかと私は思っております。
 中国は今二兆ドルになんなんとする外貨準備を持っておられます。しかし、中国もまた、例えばチェンマイ・イニシアチブ等で国際的に貢献しようという考え方が随分強く出てまいりましたので、日本としては、中国や韓国と協力しながら、我々のアジアあるいはその他の新興経済国のためにできることは何でもやっていくと。日中韓の協力というのはこれから我々のこの地域の安定のために、また経済発展のために私は極めて重要なものになってきたと思っております。
#77
○喜納昌吉君 西洋と東洋といいますかね、中国も日本が説得して、アメリカも説得して、今後台頭してくるだろうというEUのヨーロッパ合衆国ですか、それも台頭してくるだろうし、国連も、どういう形で日本が介入していて、国連外交をしていて、地球を運営するかぐらいの大きい経済的なビジョンを持ってもいいと思っているんです、私はね。
 そういう意味では、欧米では社会的責任投資という、SRI、ソーシャル・リスポンシブル・インベストメントという考え方の流れができていますね。その影響を受けて日本でも今注目が集まっているんですけど、先日、私もアースデー、二十四万人集まった若者のところで演奏してきたんですけれども、環境に意識の高い人たちがたくさん集まっているんですね。そこで私が発見したことは、エコ貯金というのがあるんですね。預金者が銀行に預金したお金を環境を破壊をする企業や軍産複合体に融資しないでほしいというメッセージが込められているんですね。今まで預けた資金というのはほとんどどこに運営されているのかも分からないというのが現状なんですね。それを、預金者が融資先の選択をしていくという、そんな意識が芽生え始めてきたんですね。
 だから、ひとつ、何というんですかね、やはりさっきも申し上げたんですけど、今回のサブプライムローンというのは基本的には、ブッシュ政権のときにイラクに介入して戦争を起こしてしまって、世界を恐慌に巻き込んでいるんですね。だから、そのようなパターン、破壊から生まれる経済ではなくして、もっと地球を再生していく、循環させていくところから経済を生む循環経済というものをひとつイメージはできないでしょうか。財務大臣、よろしくお願いします。
#78
○国務大臣(与謝野馨君) 融資先の選定等でどこにするかという点はもちろん金融機関の経営判断でございますけれども、環境への配慮を含め、金融機関が自主的に企業の社会的責任を重視した取組を行うことは望ましいことだと考えております。
 金融庁においては、金融機関によるコーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティー、CSRを重視した取組の実態調査を行い、CSR事例集として公表を行っているところでございます。このような金融庁の取組と相まって、我が国の金融機関において環境に配慮した取組がより一層充実していくことを期待をしております。
#79
○喜納昌吉君 どうもありがとうございました。終わります、それじゃ。
#80
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は金融危機対応との関係でタックスヘイブンについて質問したいと思いますが、その前に一点だけ確認とお願いをしておきたいというふうに思います。
 三月二十四日の質問で、私は所得税法第五十六条の問題を取り上げました。つまり、中小業者の家族従業員の給与がいまだ日本では経費に認められていないという問題でございます。これはもう各地の税理士会や各団体からも早く廃止してくれという声がたくさん上がっているところで、世界的にも日本だけまだこんなことやっていて恥ずかしいという問題を指摘したわけですけれども。
 この問題、財務省はもう何十年も同じ答弁を繰り返してきました。経費には認めないと、認めてほしければ青色申告にすればいいとか。歴代の大臣も役所と同じことを言われてきたわけですけれども、ところが、そのときに与謝野大臣は初めて、研究をすると、歴史的な答弁をされたわけでございまして、さすが与謝野さんだなと私は思っております。与謝野さんの選挙区の、四谷選挙区ですよね。四谷のお店でそういう話をしたら、大変喜んでおられた御婦人がおられましたので、褒めておられましたのであります。
 実は、国税当局の中でもこれについてはもう既に議論がありまして、ちょっと、加藤さん、是非読んでなきゃ読んでほしいんですけれども、平成十年の六月三十日に出ている論文ですけど、親族が事業から受ける対価の取扱いについてと、ちょっと長い論文ですけれども、税務大学校研究部教育官の齋藤さんという方が書かれております。これは私、自分の質問をした後に発見したんですけど、全く私と同じ主張をされております。
 要するに、今は、これを最初に経費と認めないとやったときとはもう五十年以上たっていて、当時の時代とは随分いろんなことが変わっているんだと。白色申告者に対する記帳義務が法制化されたということもあって、もうこの五十六条の存続の根拠が本当ないんだということを、税務大学校の教官の方も十年前にもう既におっしゃっていたんですよね。そういう問題だというふうに認識してほしいと思います。
 私、もう繰り返しませんけれども、要するに申し上げたかったのは、実際にそういう小さな個人経営のところで働いている、奥さんとか家族従業員が実際に働いている、しかし税法上それを経費として、給与として認めてあげないというのは、税の世界でその人格というか労働を認めないことになりますから、これはもうおかしいんですよね。それを申告の云々で認めてやるやらないというのは本当に失礼な話で、それがまず大前提です。
 その上で、百歩譲って、今までの大蔵省、財務省、国税庁の理屈に百歩譲って乗ったとしても、皆さんは少なくとも記帳をしてくれれば経費と認めてあげるよと言ってこられたわけですよね。昭和五十九年に白色申告者も記帳義務というふうになったわけですよ。皆さんが記帳義務にしたわけですよね。私はその時点で手を打つべきだった、経費に認める動きをすべきだったと。それをもうずっとほったらかしにしてきているわけですよね。皆さんの理屈ももう成り立たなくなっているわけです。もちろん青色申告の人はもう少し精緻な記帳が求められますから、それはそれで何か特典を付けてあげればいいわけで、この問題は本当に解決していってほしいというふうに思います。
 いずれにしても、ただ、大きな問題ですから、税制改正全体にかかわると思うんで、今月何とかしろというふうにならないのはよく分かっております。ですから、これから税調とか年末に向けて研究をしていってほしいと思うわけですね。大臣がせっかく研究するとおっしゃったんですから、当局として研究せざるを得ないと思いますけれども、今日はちょっと加藤主税局長のスタンスというかお言葉を聞いておきたいと思います。
#81
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 所得税法第五十六条の見直しにつきましては、先般大臣からの御答弁ございましたが、この問題、記帳、帳簿等の保存義務の在り方も絡みます。まさに個人事業者の所得の把握をどうするかということとも連関します。
 それから、先ほど現行の記帳義務制度導入の御指摘もございましたが、この記帳義務の導入も必ずしも、何といいますか、無条件ではございません。一定の条件がありますので、そうしたものをどうするかということもございます。
 ただ、いずれにいたしましても、委員御指摘の点、それから外国での取扱いも含めて、きちっと真摯に研究して、抜本税制改革の中できちっと研究していきたいと考えております。
#82
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 もう一つ、せっかくの機会なんで、これに関連するんですけれども、この間、中小企業に対する減税措置というのは政府も考えてこられました。ところが、個人経営の、お父ちゃん、お母ちゃんでやっている小さなところの減税措置というのは、ずっとエアポケットになっているんですね。そういう点でいきますと、これ本当に改善してもらえれば、そういうところに対する減税措置にもなっていくというふうに思います。
 ちょっと、それは研究しながらで結構なんですけれども、与謝野大臣に伺いたいんですけれども、そういう父ちゃん、母ちゃんでやっている規模のところにもやっぱり減税措置を考えていくべきじゃないかと、ちょうど抜けちゃっているんじゃないかと思いますが、大きな話で結構ですから、与謝野さん。──じゃ先に。
#83
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 基本的に、事業所得であれ給与所得であれ、個人の所得税ということで、課税所得に対する税負担というのは同一でございますので、そこのところは、税負担の在り方の問題としての問題とそれから制度としての仕組みの問題と分けてきちっと議論をさせていただければと思っております。
#84
○大門実紀史君 いかがですか、本当にお父さん、お母さんでやっているような規模のところ。私ちょっと、例えば中小の法人税率も、やっぱり法人ですよね。個人の、もう法人にする規模じゃないと。個人の、おっしゃったように、新宿とか港区にいっぱいあるわけですよね、そういうお店ですね。そういうところの、ちょっと手厚い踏み込んだ減税措置というのはやっぱり考えるべきではないかと思うんですけれども、いかがですか。
#85
○国務大臣(与謝野馨君) 今のケース、減税を考えるべきだと言われてはいと言うわけにもなかなかいかないんで、それは検討の項目にはちゃんと入れておきます。
#86
○大門実紀史君 それは是非検討、研究してもらえればと思います。
 じゃ、本題のタックスヘイブンの方の質問に入りたいと思いますけれども、G20でも金融危機との関係でタックスヘイブンが相当議論になりました。つまり、ヘッジファンドとか投機マネーがタックスヘイブンを利用しているというところで、規制強化というところが議論になりましたけれども、報道でございますけれども、日本政府はG20を受けてスイスとも税務調査の連携強化のために租税条約改正の交渉に入ったというふうに報じられているところでございますが、このタックスヘイブン問題について今後そういう国際協力をどうやっていくかという、まあ大きな筋の方針で結構ですけれども、ちょっと教えてもらえますか。
#87
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 先般のG20首脳会議におきまして、すべての国に対して税に関する情報交換の国際基準、これいわゆるOECD基準と言っておりますが、の遵守を求めること、それから、こういう情報交換の国際基準を満たすことに非協力な国、地域に対しては国際的な措置を講ずる用意があることについて合意がなされたところでございます。
 私ども日本としては、これまでもこの国際的な情報交換の国際基準を守るということについては二国間で積極的に租税条約交渉を通じて慫慂してまいりましたが、今回改めて国際的な機運が高まってまいりましたので、今後積極的にこの国際基準に基づく租税条約ネットワークを構築していく必要があると思っております。
 御指摘のスイスにつきましては、既に租税条約の交渉をしておりますが、その中では今回改めてこういう形で情報交換の規定が必要だということが認識され、スイス当局もこの問題については積極的な対応をするということで我が国に意見表明をしておりますので、そういうまずは二国間条約できちっとした対応をしていくということが大切だと思っております。
#88
○大門実紀史君 是非それは進めてもらいたいと思いますが、もう一つ諸外国で議論になっていますのは、タックスヘイブン税制、租税回避を防ぐというのと、それぞれの国のタックスヘイブン税制についても強化しようという議論が今されているところでございますが、日本のタックスヘイブン税制はどうなっているか、簡潔にちょっと仕組みも含めて御説明をお願いしたいと思います。
#89
○政府参考人(加藤治彦君) いわゆるタックスヘイブン税制と言われております外国子会社の合算課税制度でございます。
 これは先ほど情報の問題を御指摘いただきましたが、それ以外に、まさに諸外国の側での対応というよりは、我が国企業が諸外国の制度を悪用するといいますか利用して租税回避を図ることを防止するものでございまして、実体のない子会社を使って取引をしてそこに利益をためると。そこが非常に低税率の国でありますと我が国の本来行使されるべき課税権が行使されないので、それを防止する。したがって、非常に低い国で形式的に租税回避のために所得をそこに集めているような場合は、それを我が国の法人の所得とみなして合算して日本の法人税を課すると、こういう制度でございます。
#90
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 その外国子会社合算税制、タックスヘイブン税制にかかわる、これは十九年度事務年度の申告状況ですけれども、対象となる子会社の数が三千三百五十四社もある、課税対象留保金額が千八百億円にもなっているということでございます。
 日本から、今おっしゃったように、タックスヘイブンの国とみなされている国とか地域への投資額というのは大変な金額になっておりまして、ケイマン諸島の直接投資も残高で三兆六千億、証券投資で四十兆円以上あるというふうに言われています。公開されていないところが多いので、いろいろ含めると百兆以上あるんじゃないかと言われているところでございます。
 そういう中で、各国もこのタックスヘイブン税制強化しようというふうに、方向にはなっていますけれども、イギリスと日本は今御説明いただいたようにほぼ同じなんですが、アメリカは日本よりも厳しい形を取っております。加藤さん、御存じでしたら、アメリカはどんな形を取っているか教えてもらえますか。
#91
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 日本の場合はすべての所得を全体で一括して適用しておりますが、アメリカの場合は所得項目ごとに税率格差を判定をするという、やや制度が異なっております。
 それから、合算対象の所得の基準を、我が国の場合は基準税率二五%ということにしておりますが、アメリカの場合は三一・五%ということでございます。
 あと、基本的には、ただ、実体の規定とか、その辺も若干の相違はあると聞いております。
#92
○大門実紀史君 現在どうなんですか、そういうアメリカ、全くアメリカのまねをするというか追い付くというのは別として、財務省の中でこのタックスヘイブン税制強化の議論とか強化しようというふうな研究も含めて、されているんでしょうか。
#93
○政府参考人(加藤治彦君) この問題については常に課税の適正化という見地から議論はしております。ただ、この問題は、先ほどちょっとお話がございました相手国の情報交換の義務の問題とリンクするところもございます。それから、要するに租税回避という見地から申しますと、実体のある事業が子会社で行われている場合は適用除外をするという制度もございます。したがいまして、どの程度の場合を合算対象にするかということについてはいろんな考え方があるわけでございますので、私どもも今後こういう情報交換の制度の充実とそれから実体、いわゆる子会社の事業活動の実体をどういう条件でとらえるか、そういった点は不断の見直しをしていく必要があると考えております。
#94
○大門実紀史君 イギリスもほかの国もそうですけど、日本もこの前まで、ここで法案が通りましたけど、外国税額控除でしたよね。それが今度やり方変わりました。そのときにやっぱりタックスヘイブン税制厳しくしようとしたり厳しくした国が多いわけですね。外国税額控除をやめる代わりに租税回避防ぐためにタックスヘイブン税制を厳しくすると。そういう点では、イギリスなんかも日本と同じように外国税額控除をやめて、この前の国外所得の制度にするときに厳しくしようというふうな政府では提案したけど、なかなか反対があってまだすぐは実現しておりませんけど、そういう流れになっておるところでございます。
 また、この子会社の範囲が出資比率が五〇%以上になっているということもやっぱり相当抜けているんじゃないかというふうに思います。大体、何といいますか、タックスヘイブン税制というのはまさに事業実体のないペーパーカンパニーを対象としているわけですから、五〇%よりももっと低くして厳しくしても全然構わないんじゃないかと思ったりするところでございます。
 いずれにしても、今、加藤さんからありまして、いろいろ検討はされているようですけど、最後に大臣にこのタックスヘイブン税制ですね、やっぱり強化の方向できちっとやっていくという方向で、お金はいただくものはいただくという方向で全体として努力されるべきだと思いますが、与謝野大臣、いかがお考えでしょうか。
#95
○国務大臣(与謝野馨君) 我が国におきましても、今後とも、適切な課税権の確保に向け、制度、執行両面において連携を図りながら租税回避行為の防止と適正公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
#96
○大門実紀史君 終わります。
#97
○委員長(円より子君) 両件に対する調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#98
○委員長(円より子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長加藤治彦君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#100
○委員長(円より子君) 租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#101
○川上義博君 川上でございます。
 まず最初に発議者に、この租特措置の問題点、これを御質問したいですね。問題点を簡潔にお願いします。
#102
○水戸将史君 まず冒頭、税制の中立、簡素から様々な研さんを積んでおられる川上委員に敬意を申し上げます。
 今御質問をいただきました租税特別措置法の問題点はどこかということでございますけれども、そもそもこの租税特別措置法というものは、特定の対象者の税負担を軽減することによって特定の政策目的を実現させようということ、ひいては、これはもちろん日本経済の健全なる発展、成長に資するものである、それを目的とするものであります。
 そういう形で、本来税負担を行ってもらおう、税を負担してもらおうということに関して特例的に当分の間例外的な措置としてこれを掛けないということになるわけでありまして、本来税金として納めるべきものを納めない、これはある意味、補助金、実際の金銭的な授受は行いませんけれども、補助金と同じような効果が期待されるものであります。
 その前提となるものは当然やはり、補助金もそうでありますとおり、どういう特定の対象者がどれだけのその恩恵に浴するのかということを公明公正な観点から、これは透明性を図りながら示していくべきものが前提となりますけれども、私たち民主党は、各省庁からこの租特の延長とか新設を要求される段階におきましていろんな資料を提出を求めました。
 それを見てみましても、この租特に関しましては、やはり今言ったように、だれがどの程度利用しているかという利用実績、またそれによってどの程度の恩恵に浴しているかというその効果、政策的な評価を、またその活用実績をほとんどというか全くと言っていいほど把握をしていないんじゃないかということが今回の租税特別措置法の大きな問題点。
 またこれは、一たびこれが適用されると、これが既得権益化しまして、これをずっと、ある一定の期間でありますけれども、しかしこれが、優遇措置がこれは永遠に続いてしまうんじゃないかという懸念すらこれは考えられるということが大きな問題点であると思っております。
 以上であります。
#103
○川上義博君 今答弁がありましたけれども、この答弁に、民主党が出している透明化法案、これに対する大臣の評価、どのように今の答弁聞いてお考えですか。
#104
○国務大臣(与謝野馨君) 恐れ多くも議員立法で出されたものを評価するということはなかなか難しいわけでございますが、やはり実際この法案がどういう問題にぶつかるかといえば、昨年の国会審議の過程で参考人の有識者から、企業秘密や企業戦略の観点から慎重な検討が必要という御指摘もありましたし、個々の納税者の事務負担の増大など、制度面、実務面からの様々な論点というものがあるんだろうと思っております。
 我々も、租税特別措置につきましては、その存否につきましては、一年ないしは二年に一回いつも見直しておりますけれども、やはりその利用状況等というのは大事な論点であるということは変わりはないと思っております。
#105
○川上義博君 今、当分の間、一年か二年に見直すという話があったんですけどね。これは既得権益化して半永久的にこの措置がとられているというおそれがあるという、だからはっきり世間にどれだけ優遇されているかというのを明らかにする責任があるということで議員立法を出されていると思うんですよ。
 だから、一年か二年ということ、ずっとこれ延長、延長に次ぐ延長なんですね。だから、はっきりとやはりしなければいけない時期というのが来ていると思うんですけど、その辺りどうですか。
#106
○国務大臣(与謝野馨君) むしろ、二年の措置とかそういうことを決めております租税特別措置は、やはり不断の見直しが必要だということで短期間の存続期間を決めているわけであると私は思っております。
#107
○川上義博君 今の大臣の答弁を受けられまして、発議者が再度というか、これをまた提出されるこの理由を改めてお聞きしたいと思います。
#108
○水戸将史君 我が議員立法として発議する理由、我々は全く今の大臣の答弁とは見解を異にすることでございまして、やはり先ほど申し上げたいろんな問題点があるという中におきまして、やはりこれは白日の下にさらして、その政策的な効果はどうであったかということは当然これ検証してしかるべきだと思っております。
 ですから、延長、新設に関しましても、これが本当に社会的な形で受け入れるべきなのかどうか、引き続き継続すべきなのかどうかということを、やはりこれはいろんな客観的な観点からも、これはいろんな形で検討、検証を加えていく必要があるということで、そういう形で整理合理化をしていく必要があると思っているわけでありまして、この法案の意図するところは、今言った検証業務と、また、整理合理化をしながら、より一層納税者が納得できるような公平で透明性の高い税制度を目指していきたいと思っております。
 以上です。
#109
○尾立源幸君 一点ちょっと補足をさせていただきたいんですが、法人関係で租税特別措置、例えば十五年以上続いておりますものが三十六ばかりございまして、五十年以上ですと三件、四十五年以上ですと五件、四十年以上ですと九件、こう多数になっていると、この事実をまずお知らせをしておけばと思っております。
#110
○川上義博君 今、相当、私が生まれる前からのやつが、生まれているかどうかまだ、そういうことからずっとやっているというのは不思議なことだなと思うんですけど。
 まず、租特による減収額、見込み、見積りが、二十一年度の税収額が四十六・数兆円だったですかね、それにどのくらいの減収、これが適用されなければどれだけオンされるのか、これをちょっと言ってもらいたいと。
#111
○政府参考人(加藤治彦君) お答え申し上げます。
 租税特別措置による減収額でございますが、これは計算の関係上、二十年度ベースで申し上げさせていただきますが、租特による減収分が七・五兆円ございます。租税特別措置による増収分が二・三兆円、差引き五・二兆円程度の減収と試算をいたしております。
#112
○川上義博君 五・二兆円といえば消費税何%分に相当するわけでありますけど、二兆円ですか。(発言する者あり)あっ、二%だ。二%、相当なものなんですね。だから、これを検討するというのは政府の責任であると思うんですけれども、大臣、福祉の関係で、福祉政策の関係で最初に措置、措置っていうのは、要するにその対象に対しての優遇しているわけですよ、措置っていうのは。それが、応益負担という今度は負担になっていって、応能負担とかという負担になっていくんですよ。利用者に優遇から負担を強化している政策を、福祉政策をどんどん続けてきているんですね。ところが、今回のこの税の措置は逆なんですよ。そういったことを全く配慮しないでそれを延々と続けると。
 だから、これを優遇されているんですよと、この業種とこの企業は優遇されているんですよということを、あるいは減税されているんですよということを、片一方は負担しながら片一方はそうだというのは、やはりこれはっきりさせる責任が政府にはあると思うんですよね。
 どうですか、その辺り。私は絶対そう思うんですね。障害者に対して物すごく負担を強いる。母子に対してもそう。弱い者に対して負担をして、例えば強い業種とか、ナフサなんかもそうなんです、そういうところに優遇しているというのは、それは社会的ニーズとか、これは時代によって政策ニーズとかあるかもしれない、それは認めます、否定しません。それから、さっきの四十年も五十年も続くっていうのは、時代が相当変化していっているんだから。その辺りはどうなんですか。
#113
○国務大臣(与謝野馨君) 私も党の方の税制調査会の小委員長をやったことがあるんですが、一つ一つの項目を租税特別措置の検討しますと、全部合理性があってやってあげたいという心境になります。これは多分、先生も恐らく一項目一項目で、これは一つ一つの項目の説明を聞くとなるほどというのが多いということは、私は申し上げておきたいわけです。
#114
○川上義博君 私も自民党の電話帳をやったことがあるんですよ。部会に所属しているんですよね。その一つずつといって、そういう何とかしてあげたいという心境があるんだとおっしゃるんですけれども、心境じゃないんですよ、あれは。部会に所属している部会が陳情をいただいて、その業界から、それを一生懸命応援団としてこれをやれ、あれをやれ、これを続けろって言っているんじゃないですか。私、自民党におったからよく分かるんですよ。心境どころじゃないですよ、それは。癒着の何物でもないと思いますよ。あのときは、そうだなとか思っていましたけれどもね。どうなんですか、その辺り。
#115
○国務大臣(与謝野馨君) それは参加意識を持たせるためにやっているだけのことでして、実際のものとは、きちんと静かに一つずつの項目を検討しております。
#116
○川上義博君 ところで、この法案で国民、納税者はすべからく協力しなければいけないと、この施策にね。これは発議者と政府側両方聞きたいんですけれども、これは、政府は国会に対して全部の所得の適用についての調査を求められているんですね。これに協力しなかったら、罰則規定もないわけでありますけれども、協力しなければどうなるんだろうかという疑問があるわけですね。発議者と政府の方にお伺いしたいと思います。
#117
○峰崎直樹君 大変先ほどは生々しいお話を聞かせていただいて、まさにそのとおりだろうというふうに私たちは思っておりますが、今お話がありましたこの調査、本当にある意味では新しい仕事が増えるわけでございます。それは、あと税務職員の問題はまた別にしまして、直接減税を求める方々のいわゆる証明をしてもらう調査をお願いするということを、ある意味では私たちは罰則抜きで実はお願いをしているわけであります。当然考え方としては、ある意味では租税特別措置という、本来は利益が上がっている企業がそれを減免してもらえるということの措置でございますから、先ほど水戸議員のお話がありましたように、本来これは隠れた補助金なんだろうというふうに思っております。ですから、そういう企業がそういう補助を受ける以上は是非それに協力していただきたいなと、こういうお願いベースでございます。
 実際に、これは協力しなかったらどうなんだというお話があるわけでありますけれども、ある意味では法人ベース、法人の場合は、ある意味では公開企業というような大きな企業の場合などになると、私は、やはりこれを公開をしない場合は、あるいは記載をしてもらえないという場合はこういった企業の名前を明らかにするとか、そういうことを通じて社会の中でもう少しやはり透明度を高めてもらいたいと。せっかくこれは本来の公平性の原則から反して利益を享受、政策目的のためにやっているわけでありますから、その点はそういう形で我々としては最終的には対応できるものだというふうには考えております。
#118
○政府参考人(加藤治彦君) これは実施の段階におけることで、国税庁から答弁することが適当なのかもしれませんが、私ども、法案を拝見して、まさに納税者の協力によってすべての申告、報告が出るということで制度が構築されておるわけですが、ただ実際には、協力されない方の分も含めて政府に対しては実態調査を行ってその報告をするということになるので、実際のところは、その部分のずれの部分をどうするかということはかなり行政的には大きな問題があるのではないかと考えております。
#119
○川上義博君 行政的に大きな問題があるというか、負担があると言うんだけれども、これは本来、業務であるというか当たり前の話じゃないですか。行政の本分、本旨であるというふうに思うんですけれども、局長、もう一度、やればやれるんだと、当たり前の話なんですね。それをもう一回、もう一度答弁をお願いします。
#120
○政府参考人(加藤治彦君) 適用の実態の調査につきましては、あらゆる税目に関する租税特別措置すべてに御要請があるわけでございます。かつ、その納税者の協力が得られない場合は当局が調査をすると。これがすべての調査を行うということになりますと、行政的に私問題があるというのは、そういう課題がある、そのための体制について整備しないと、まさに本来業務といえども対応ができるかどうかという議論が残るということでございますので、もちろんあらゆる努力を傾注して税務調査というのは行っているわけですが、それでも現在の実調率等は、ちょっと最近の数字は分かりませんけれども、かなり実際の納税者の数に比べれば低い。これは人的、物的な制約の下で国税行政が行われている。その一環としてこの問題についても、この法律の執行という観点から税制の執行と同じようにひとつまた議論を、そういう体制整備の問題があるということを御指摘させていただいたものでございます。
#121
○川上義博君 一生懸命努力、今徴収も徴収率がどの程度か分かりませんけれども、一生懸命努力しているんだと。だから、努力義務があるということはお認めになっていると、こういうことだろうと思います。
 今の、何年もずっと延長しているという話がありましたけれども、これは政府に質問したいんですが、期限のないものというのはどのぐらいあるのか。どのくらいあって、その減収額、見込みはどのくらいなのかというのをお伺いしたいと思います。
#122
○政府参考人(加藤治彦君) 租税特別措置法に基づく特例措置のうち、適用期限のない項目、これは一定の前提の下に整理させていただいておりますが、私どもの整理では百九十項目ございます。これらに係る減収額、先ほどと同じ平成二十年平年度ベースで五・五兆円と試算をいたしております。
#123
○川上義博君 これはあれですか、先ほども五・二兆円という数字が出ましたけれども、期限のない措置に限ってですか。限ってその百九十項目、税目か、あって、五・五兆円だということなんですか。
#124
○政府参考人(加藤治彦君) 先ほど、前回答弁いたしましたのは減収分と増収分、租税特別措置の増収がございますとネットアウトした数字で五・二兆で、今回は、今申し上げたのは適用期限のない項目の減収額そのものですので、こっちの方が五・五兆円ということでございます。
#125
○川上義博君 先ほど私が言ったように、この措置というのは特定の業種、特定の企業に対する優遇なんですね。これはやはり透明化しようとすればできるわけなんです。これは納税者も期待しているだろうと思うんですね。民主党が出している法案に似通った実数とか実額とか実態、これをやはりやってみるというか、そういうことをやはり行政はやらなければいけないというふうに思うんですね。なぜその実態を把握しようとしないのかということなんですよ。その辺り、どうですか。
#126
○政府参考人(加藤治彦君) 租税特別措置の適用実態につきましては、従来から、まず第一に関係省庁、これは政策担当官庁が中心でございますが、直接関係団体からヒアリングや利用状況の把握をする、そういったデータを求めていただくということと、もう一つは、これは国税庁の方で申告データに基づく標本調査等を行いまして、一部の措置から推計をするとか、いろいろな形で可能な範囲でその把握は努めさせていただいておるところでございます。
#127
○川上義博君 先ほど発議者は、補助金と同じ効果が出ているんだという話がありました。補助金を出しているようなものなんですね、特定のものに対して。この関係、この補助金と減税措置の関係、これをもう一度、どのようにとらえていらっしゃるのか、お伺いしたい。
#128
○水戸将史君 御指摘のとおり、本来納めるべき税金を納めなくてもいいという、税の負担の公平性の観点からはある意味これは逸脱する話でありますけれども、特定の政策目的の実現のためにということで、特定の機関ということになりますが、そもそも補助金の場合はどの企業、団体に対してどれだけの金額を拠出をしたのかということが明確に分かりますが、先ほど、行政の姿勢にもこれは問題があるかもしれませんけれども、いわゆる税務当局の秘守義務が前面に立って、このいわゆる租税特別措置法を適用される企業、団体に対しては全く非公開というか、一切公表されていないというのが実態でございます。また、補助金の場合は、これは違った観点から我々自身の問題になりますけれども、政治献金が、一定の期間補助金をもらっている企業からは政治献金を一定の期間受けることはできませんが、この租税特別措置法を適用される企業、団体にはそういうものは一切ないというような違いがございます。
 以上です。
#129
○川上義博君 最後に、政府並びに発議者にお伺いしますけれども、この法案が施行された場合の納税者に対する負担の増加、やはり負担が、増減税明細書、どんな書式になるか分かりませんけれども、これをやはり添付しなければいけないと。だから、今まで何もないのにやるんだと、協力してほしいと、負担が増加するわけですね。これに対してはどのようにお考えなのかということを政府と発議者にお伺いします。
#130
○政府参考人(加藤治彦君) 私どもが今承知している範囲でございますが、申告に当たって必要なデータをきちっと提出していただくということでございますが、それについては今現在の租税特別措置の適用と直接関係ない、例えば貸倒引当金の特例なんかをする場合は、その他の一般的な貸倒れ実績率のデータまで中小企業の方から出していただくとか、そういう必要が出てきますので、そういった点、どこまで求めるか、細目まだちょっと分かりませんけれども、それぞれ項目ごとにいろんな形で検討していく必要があるのではないかと考えております。
#131
○尾立源幸君 納税者の負担という観点でお答えさせていただきますが、本法案は、新たに納税者の方に納税義務以上の義務を生じさせるものでもございませんし、また過度な負担を求めるものでもないというのが前提でございます。
 そういう前提で、ただ、納税者の方の御理解をいただきながら適用実態調査というものを行っていくというのがスタンスでございますが、その際、やはり納税者の、先ほどからございますように、協力は求めていかなければならないと、こういうことでございます。
 そこで、具体的に協力していただく仕組みの一つとして増減額明細書というのが先生の御指摘のとおりあるわけでございますが、この記載内容や書式というのは、今後財務省令できちっと決めていくものにはなるんですけれども、これまで申告をされている方に関しましては、租税特別措置等の利用によって減税を受けられる場合は別表というものに一つ一つ基本的には記載をしていただいております、もう既に。ということで今回は、この明細書は、その個々の租税特別措置の適用状況を一覧表にしたような、一まとめにしたような形のものを一枚作っていただくことで増減額明細書に代えていきたいと思っておりますので、それほどの負担にはならない。転記をしていただくような、これまで計算していたものを別の紙に書いていただくような、そういうイメージであるということでございますので、過度の負担にはならないと思っております。
#132
○川上義博君 終わります。
#133
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。
 私も、引き続きまして、我が民主党が発議しました租税特別措置透明化法案について御質問申し上げたいと思います。
 私は、税制につきましてはもう国の基盤だと思っております。戦前にアメリカのイエール大学で歴史学の教授をしていました朝河貫一という方がおられまして、その方は、日露戦争後の日本の中国政策の間違いを指摘した「日本の禍機」という本を書いた方でございますが、非常に世界的に有名な歴史学者がおられます。その方が日本の改革、二つ挙げておられまして、一つが大化の改新、一つが明治維新です。
 この二つに共通するのは何かと申しますと、例えば大化の改新は律令制度を導入したということでございますが、一番大きいことは何かというと、租庸調という税制を導入したこと。そして明治維新も、大政奉還、廃藩置県等はございますが、やはり経済的に一番大きいものは何かと申しますと、地租改正であったと。このように、歴史をさかのぼりますと日本の二つのその改革、税制が基本にあるということでございます。
 ということでございまして、今、総選挙の議論はいろいろございますけれども、我々民主党が政権をいただきましたら、恐らく税制を改革をするというのが我々民主党が担う大きな役割だと思っています。今予算の使い方などもいろいろ議論されておりますが、やはり一番重要なことは税収、税制をどうするかということの観点から、今日は御質問を申し上げたいと思います。
 まず、参法の発議者にお聞きしたいんですが、先ほども議論がございましたけれども、自民党の政権の税制改革プログラムは非常に複雑でかつ不透明ではないかと思います。このたびの法案は税制改正プロセスを透明化するという一環として行うものだと理解しております。発議者として、現在の税制改正プロセスの問題は何であるかということを教えていただけないでしょうか。お願いいたします。
#134
○峰崎直樹君 実は、私も与党で税制改正にタッチしたことがございまして、一九九四年、九五年の両年だったというふうに思います。消費税を三%から五%に上げたときの、最終的には通称言われているインナーと称するところに入ったことがございます。
 そのプロセスを、実はあの当時の与党税調と今の政権与党側の税制決定の仕方が変わっているかどうかちょっと私は定かには存じませんが、やはり見ておりますと、与党と政府と、それから政府税調と、いろんなところで税制が議論をされておりますが、それらが非常にばらばらであるという感じがすると同時に、実は先ほど川上委員の方からもありましたように、どうも不透明じゃないかということがございます。
 先ほど、二年に一回あるいは二、三年に一回ずつ実は見直しをしているんだと、こうおっしゃっているんですが、どうもその見直しが実際にどのように見直されているのかということを私たちは検証してみても、非常にその効果があいまいである、あるいは十分な効果、積算が、根拠がはっきりしていない、そういうものが次々と変わっていく。あるいは、私の知っている限りでは、例えば昭和二十六年に制定されたという国際観光旅館の登録に関する減税の措置がございました。これも、実は今どうなっているのかと見たら、ちょっと名称が変わっているだけで中身は変わってこない。
 そういう意味で、もう半世紀以上にわたってそういうものが延々と続いているということで、一体政策減税の在り方として、本来、そういう長く続いているもので必要なものは私は本則に入れるべきであって、二年に一回あるいは三年に一回税制改正をやっていくというようなやり方を取るべきではないんじゃないかなというふうに思いますと同時に、そういう二年に一回、三年に一回そういう形で与党の電話帳と言われているものに記載をするたびごとに業界の方々の陳情あるいは所管官庁の役人の皆さん方が関与すると、そういう政官業の、ある意味では一つの、癒着という表現を使っていいかどうか分かりませんが、そういう構造をやはり形作っているんじゃないんだろうか。そのことを私たちはやはりしっかり透明化させなきゃいけないし、与党とそういう税制改革の決定の仕組みというものをやはり変えなきゃいけないと、こういうふうに思っておりまして、その重要な作業としてこの租税透明化法案を準備したということでございます。
#135
○藤末健三君 私も、実は前、経済産業省というところの役人をやっておりまして、そのときに租税特別措置法を作ったサイドにおりました、実を申し上げますと。今から十五年ぐらい前です。
 与謝野大臣にお聞きしたいんですが、先ほど峰崎議員からございましたが、自民党のその税調が税の形成に大きな影響を与えているという話が先ほどの議論でもございましたけれども、与謝野大臣の御認識はいかがでございましょうか、お教えください。
#136
○国務大臣(与謝野馨君) 税は政治の基本でございますから、与党として税に関して十分な発言をし、ベストと思われる案を作るというのは毎年やっている作業でございます。
#137
○藤末健三君 それはあれですか、大臣、確認ですが、政府・与党が税制についていろいろのチェックを行い、関与しているかどうかといったら関与しているということをおっしゃっているわけですね。お願いします、関与しているかどうかをお答えください。
#138
○国務大臣(与謝野馨君) 政府税調での意見もありますし、自民党全体の意見もあります。個別税制は、業界から出てきたもの、あるいは党の部会から出てきたもの、あるいは社会保障関係の団体、あるいは教育関係の団体等々、もろもろのいろんな要望が出てまいります。
 その要望は、自動的に承認していいものもありますし、やっぱり相当議論をしないと結論が出ないものもありますし、ぴしゃっとお断りするのは政治的にはやや厳しいので、長期検討という形で残すものもありますし、様々でございますけれども、なるべく多くの方の意見を吸収しながら公平にやっていこうという考え方でございますし、議論はもとよりオープンでやっておりますから、何か、だれか数人で全部物事を決めてしまうという話ではない、非常にオープンな議論でございます。
#139
○藤末健三君 大臣がおっしゃっているオープンというのは、自民党内の議員に対してオープンということですか、それとも世の中一般に対してオープンということですか。お答えください。
#140
○国務大臣(与謝野馨君) 自民党の議論は会議室で行われていますけれども、中身は事実上、世間に対してオープンになっております。
 また、税法は租税法定主義に基づいて国会に提示されますので、租税特別措置のすべての項目について皆様方はチェックをする機会があるわけでございます。
#141
○藤末健三君 先ほども電話帳という話がございましたですよね。いろんな租税特別措置法の要望を一つにまとめた資料、多分それは、先ほどの議論でいくと、あることは認められていると思います、先ほどの大臣の議論でいくと。
 じゃ、その電話帳は公開されていますか。大臣、いかがですか。
#142
○国務大臣(与謝野馨君) 党の方は資料がたくさんあると大変なんで、項目別に目次的なものを作っておりますが、国会に出されますときにはきちんと全部条文に落として、中身がはっきりしたものとして御提示をしているわけでございます。
#143
○藤末健三君 ですから、結局は、個別個別の要望をきちんと自民党の皆様が税調でヒアリングをされ、そしてその内容をきちんと個別個別ごとにこういうふうにすべきじゃないかということを意見、提言されているというふうに私には聞こえますし、実際そうなっていると思います。
 それで、大臣にちょっと伺いたいのは、私はその租税特別措置法で非常に気になるのが一つございまして、石油化学の原料である、プラスチックの原料であるナフサというのがございます、ナフサ。このナフサ、世界で唯一課税されているのが、原料ナフサに課税している国が我が国なんですね、世界で唯一。そして、課税を外しているのが租税特別措置法になります。世界で唯一、租税特別措置法という特別な法律で、工業原料であるナフサに課税をしないことを決めていると。そして、このナフサに対する課税の特別措置法は一九七八年、三十年前です。三十年来、二年ごと、ずうっと繰り返し繰り返し繰り返し十五回、十六回、租税特別措置法を繰り返しのようにやっているんですよ。そして、私の聞くところによると、この業界は本則に租税特別措置から移してくださいというふうにおっしゃっているわけですけれど、なぜ租税特別措置を繰り返すのか、もし分かるならば教えていただけませんでしょうか。
#144
○政府参考人(加藤治彦君) ちょっと私ども、それぞれの項目について関係省庁との間で議論をし、与党と相談して最終的な税制改正をつくるわけでございますが、ナフサにつきましては二年、期限が来るごとに一応チェックするということで期限が付いていると思いますが、それ以上ちょっと今の段階であれなので、また後日改めて、調べさせていただきます。
#145
○藤末健三君 与謝野大臣にお聞きします。
 このナフサの減税規模、約三兆円近くあります、実は。そして、この三兆円の減税がなければ石油業界はほとんど利益が出ないんですよ、実は。毎年毎年、二年に一回、二年に一回、自分の業界が、もし減税措置がなくなったらもう崩壊するような状況。そして、ほかのあらゆる先進国は本則、基本的に課税しないようになっているんですよ。我が国だけがずうっと租税特別措置法というもので減税しているんですよ。何か異常だと思われませんか、大臣。
#146
○国務大臣(与謝野馨君) たしか私の記憶では、ナフサというプラスチックの原料に課税をすると国際競争力も失うということで、租特の中で措置をしているわけでございます。
#147
○藤末健三君 確認してあるという理解ですか。
#148
○国務大臣(与謝野馨君) それは次の機会に検討してみます。
#149
○藤末健三君 じゃ、次の機会、絶対あれですよ、大臣、おられたらされてくださいね。是非、大臣は、おられたらやっていただきたいと思います。
 ポイントは、与謝野大臣、これからが大事なところなんですよ、これからが。この石油業界は自由民主党の政治資金管理団体である国民政治協会に、毎年大体調べましたら二千万円ぐらいの寄附をされているんですね。二千万円の寄附をされているという状況です。恐らくいろんなものがあるから一概には言えないと思うんですけれど、そこでちょっと大臣に御質問申し上げたいのは、今、我々の方では企業献金はもうなくそうという話をやっていると。今、現状においては政府から補助金をもらっている企業は寄附はできませんと、政治には、となっていますと。
 そこで、一般的なこととしてお聞きしたいんですけれど、政府から減税のメリットを受けている企業が政治、特に与党に寄附をする、どう思われますか、大臣は、このことを。
#150
○国務大臣(与謝野馨君) 政府から減税のメリットを受けているという表現は正確ではないと思います。国会で定められた法律によって減税の措置を受けているということだろうと思います。
#151
○藤末健三君 ですから、ますますそうですよね、もう。国会議員が減税の措置を決めていますと、ある特定の業界が租税特別措置法で減税措置を受けていますと。その特定のところが、これは業界だけじゃありません、企業もそうですよ。相当の減税措置を受けているであろう、恩恵を被っているであろうという企業が政治の資金管理団体に寄附すると。一方で、補助金を受けているところは駄目ですよとなっているんですよ。大臣、おかしいと思われませんか。いかがですか、お考えをお聞かせください。
#152
○国務大臣(与謝野馨君) 政治資金規正法のことは詳しく分かりませんけれども、政治資金規正法が禁止をしておりますのは、多分、直接的な利益を受けたところからの例えば寄附、例えば公共事業を受注しているという明らかな関係のあるところからあれしているので、減税まで話を広げますと、所得税減税があったときに個人寄附はいけないんじゃないかという議論ができるんじゃないかと思いますけれども。
#153
○藤末健三君 よろしいですか。もう余り固有名詞は挙げたくないんですけど、与謝野大臣。
 例えばですよ、ナフサの原料、先ほど申し上げたナフサ原料に対する減税措置は石油化学業界だけがメリットを被るわけですよ。よろしいですよね。その業界は寄附をされていると、自民党の政治資金管理団体に。そして、またございますのは、例えば住宅等の特別控除とかありますと。そうするとどこがメリットを被るかというと住宅業者ですよね。例えば住宅業者も寄附されています。そのほかに、例えば地価税の課税の問題があると。それも減税措置を受けているわけですよ。そうすると不動産業界も寄附されていると。特定のところにしか恩恵が行かないような税制はいっぱいあるわけですよ、その二百幾つあるうちに。例えば畜産業もあると、牛の話。
 で、よろしいですか、特定のところに行くということになっていれば、それは減税と特定の公共事業等の補助金とか、そういうのと同じように考えられるのではないかと思うんですけれども、いかがですか、大臣。所得とは違いますよ、そういう広いものじゃなくて、租特には特定のところに行っているものはいっぱいあるわけですよ。そこを私はお聞きしているわけですから。お答えください。
#154
○国務大臣(与謝野馨君) 租特に入っている項目というのは、きちんと理論的にそれが必要であり、また効果があり、多くの方が要望しているということの上で決めてある制度でございまして、政治資金とのかかわりで議論をされるのは少し早計かなと思っております。
#155
○藤末健三君 これはちょっと非常に重要な議論でありますが今後させていただくとしまして、租特そのものの議論にちょっと戻らさせていただきたいと思います。
 租税特別措置法、先ほど言ったナフサ原料については、例えばもう先ほど大臣が見直しの方向で行こうということをおっしゃっていただきましたので、是非やっていただきたいと思いますし、我々も政権を取らせていただければすぐに本則に返させていただくということはもう決まっております。
 そこで、まず大臣にお聞きしたいのは、幾つか、もう非常に小さな規模、ほとんど使われていないような租税特別措置法がございます。
 例えば、これも非常に典型的な租税特別措置法のあしき例かもしれませんが、肉用牛に係る事業所得の免除措置というのがありまして、売却価格が百万円未満の肉用牛については無税となっているんですね。
 それで、私の同僚議員である尾立議員がこれは質問しました。なぜ牛だけですかと、なぜ豚と鳥は対象じゃないんですかという話をしましたら、基本的に、いや牛肉、牛を育てるのはリスクが高くて、豚と鳥はリスクが高くないから牛だけやっているというお答えだったんですよ。ところが実際にデータ調べてみますと、鳥なんかの方がリスク高いんですよね。鳥インフルエンザとかそういうのがありまして、一気に壊滅的な打撃を受ける可能性があるという状況、そういう幾つか例を挙げれば切りがないんですけれども。
 大臣はそのような税制についていかがお考えですか。使われていないし、特定の本当に小さなところだけにスポットが当たったような租特税制いっぱいあります。それについてどうお考えか、教えてください。
#156
○国務大臣(与謝野馨君) その肉の件については全く知りませんのでコメントする能力がございませんが、小さいといって過小評価してはいけない、その小さい租税特別措置が命であるという団体や業界というものがあるわけでございます。
#157
○藤末健三君 済みません、局長、さっきの牛肉等、とにかく百万円台、一千万円以下の減税しかやっていないやつが相当あるはずなんですよ、幾つか。ちょっと分かっているやつだけでおっしゃっていただけませんか。一千万円以下の減税規模のもの、三つ四つお願いします。
#158
○政府参考人(加藤治彦君) 減収額ベースでございますか。
#159
○藤末健三君 減収額です。──じゃ、次の質問に行きましょう、その間に。──いいですか、じゃどうぞ。
#160
○政府参考人(加藤治彦君) 十億円単位で集計をしておりますので……(発言する者あり)ゼロで、適用がないということですか。
#161
○藤末健三君 適用がないんじゃなくて……
#162
○委員長(円より子君) ちょっと待ってください。
#163
○政府参考人(加藤治彦君) はい。
 ちょっとお待ちください。
#164
○藤末健三君 調べるのに時間が掛かりそうなので、次のちょっと話をさせていただきたいと思っています。
 このように、今まで議論申し上げましたように、本来本則であるべきものがずっと何十年と租特でなされていると。そして、関係あるかどうか分かりませんけど、そういうところが寄附をされているという現状、事実があったという話。
 その中におきまして、これは法案の発議者にお聞きしたいんですが、民主党が政権を取られたらどのような税制改正プロセスを取るつもりかというのを是非お聞かせいただきたいと思います。お願いします。
#165
○峰崎直樹君 お答えいたします。
 実は、ずっと今お話を聞いていて、与党側の皆さん方はどういうお気持ちで聞かれたかちょっと分かりませんが、実は、二元的に物事を決めていくために、与党は与党、政府は政府ということで、税制改革の決定に参画をしておられながら、内閣の一員でない場合は実はそこで責任が問われなくなるということになるわけであります。
 私たちは、そういう二元的な意思決定が今日大変大きな問題をもたらしているのではないか。これは、野党議員が業界の方々の意を受けて質問をし、そしてそれに見返りのような形で例えばその政治献金を受けるというようなことになると、これは間違いなくこれ逮捕されるわけでございます。ところが、与党議員の方々は、決定権限は持っていながら実はその説明責任を問われないということは、これは私は今の内閣あるいは与党の二元的な体制の持っている致命的な欠陥ではないかというふうに思っております。
 その意味で、私たち民主党が政権を取った場合には、そういう意思決定に参画をするメンバーというのは内閣にやはり入って、そして、今の自由民主党でいえば与党税制調査会というものではなくて、政府の中の税制調査会の仕組みをきちんと取り入れていくと。そして、その方々は責任を持ってやはり物事を意思決定をし、そしてその答弁に当たっても国会で説明責任を果たしていく。さらに、その討議内容もできる限りこれは公開を原則として進めていくということで進めていく必要があるのではないかなと。そういう意味で今までの意思決定の仕組みを抜本的に変えていくと。
 よく百名から百五十名ぐらいの国会議員を内閣に登用するというふうに言っていますが、その細かい制度設計は我々なりに考えていることはございますけれども、時間の関係で省略したいと思いますが、今申し上げたような基本的な趣旨で我々としては税制改革の仕組みを進めていきたいなと。
 そうすると、今ある政府税制調査会はどうするんだと。この政府税制調査会が私どもは最近は余り機能していないというふうに見ております。その昔は非常に、小倉武一さんだとか東畑精一さんだとか中山伊知郎さんだとか、そういう古い時代が懐かしいわけでありますが、最近は余り政府税制調査会は与党税調の決定におもんぱかったようなことしか出ていないということもございますので、できれば、例えばアメリカだったり、カナダですとカーター委員会とか、あるいはミード報告とか、そういう一人の税の専門家に委嘱をしながら、日本の将来の税制はどうあるべきかというような専門家委員会をつくっていただいて、そこが一つの理論体系を一貫させていただいて、そういう提言を内閣に基に進言をしていただくような、そういう委員会制度を設けてはどうかなというようなことを考えております。
 取りあえず、以上でございます。
#166
○藤末健三君 与謝野大臣にお聞きしたいと思うんですが、先ほど峰崎委員からもお話ございましたけれど、やはり党におけるそういう税制の検討機構が提言を行いますと。そして、実際に政府が案を作り、国会が認めるという話になっていると。
 一番大事なことは何かと申しますと、法的な形でいくと権限が実は及んでいない形になっています。それで、一方で寄附は、これは関係は全然証明はできませんけど事実関係としてだけ見ると、その税制の恩恵を受けている企業は寄附をされているという状況になっている。
 このような状況をやっぱりもっと透明化するということが必要だと思うんですけれども、与謝野大臣、いかがでございますか。
#167
○国務大臣(与謝野馨君) まあ峰崎先生の言われたことも私は一理あると思いますが、百人も政府の中に政治家が入っていくと恐らく政府は機能しないんじゃないかと思っていまして、そこはやっぱり立法府と行政府はけじめを付けて分けた方がいいと私は思っております。
 ただ、峰崎先生が言われた政府税調の在り方というのは、言われたとおりでございまして、昔は小倉さんとか東畑さんとか中山伊知郎さんとか、このときはやっぱりそこの政府税調で言われたことというのはかなりの権威をもって国会でも受け止められたということがありますんで、やっぱり政府税調にもう少し力強い発言をしていただいて社会を、また世論をリードしていただくと、そういう責任も担っていただきたいと。何か与党が決めたことを追認するだけの政府税調、あるいは総論だけしか言わない政府税調というだけではやっぱり時代の要請にはこたえていないと私は思っております。
#168
○藤末健三君 ありがとうございます。
 是非とも政府税調をきちんと軸に税制の議論をするというのは、もう今からでもやっていただきたいと思います。
 ただ、一つだけ申し上げたいのは、百人が多いという御意見がございましたけれども、やはり私はイギリスに伺いましてイギリスの議員たちと議論して、イギリスの二大政党制の議院内閣制における議員とその役所の方々の関係というのは一つの私はモデルだと思っていまして、やはり選ばれた政治家が行政府の中枢に行き、そしてきちんと行政府を管理させていただく、一緒に仕事させていただくというのが議院内閣制のあるべき姿だと私は思っております。
 それで、最後に大臣に御質問申し上げたいのは、今回この租税特別措置、我々は大幅に大胆に整理合理化すれば相当な財源が生み出されると考えています。そしてその財源を、我々が申し上げているのは生活重視の政策に充てていこうということを申し上げておりまして、今までのこの巨額の財政赤字という問題がある中、そして今回、政府は経済危機対策と称され大規模な国債追加発行を行う予定と、十兆円とお聞きしていますが、財政諮問会議でも議論があると聞いておりますけれど、近い将来、与謝野大臣は今まで三年後の消費税増税ということ等をおっしゃっておられましたが、その増税の第一候補として考えている税目は何か、そして最低どのくらいの増税が必要というふうにお考えかということを教えていただけないでしょうか。お願いいたします。
#169
○国務大臣(与謝野馨君) まず先生には租税特別措置のどの部分をばっさり整理されるのか教えていただきたいと思っております。
 我々は税制全体を抜本改革しようと言っていまして、一つの税目だけにスポットライトを浴びせるのではないということは理解していただきたいと思っております。
#170
○委員長(円より子君) 時間来ておりますが。
#171
○藤末健三君 我々民主党は約三兆円租税特別措置法の見直しから税源が生まれると思っていまして、増税等につきましてはまずその政府の無駄遣いをなくすことが第一じゃないかというふうに考えることを申し上げまして、質問を終わらさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#172
○委員長(円より子君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#173
○委員長(円より子君) 速記を起こしてください。
 加藤主税局長。
#174
○政府参考人(加藤治彦君) 私どもの今、先ほど御説明した三百八項目のうち減税項目は三百五項目ございます。そのうち十億円以上の減収の項目が七十四項目で、差引き二百三十一項目は十億円未満の措置でございます。
#175
○委員長(円より子君) では、終わります。
 午後一時半に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#176
○委員長(円より子君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#177
○荒木清寛君 この法案の基本的な方向につきましては一定の理解をしておりますが、ただ、その手段として個別企業名の公表までしなければいけないのか、納税者の理解が得られるのか、あるいは行政運営に対する影響はどうか等々で極めて慎重な制度設計が必要であると考えております。私、去年もこの同趣旨法案について質疑をしておりますので、今日は時間も限られておりますから、ポイントのみお尋ねをしていきたいと思います。
 まず、法人の減免措置に関しまして個人企業名の開示を求めていることにつきまして、まず、経済産業省にも今日は来てもらっていますので、こうした場合に企業側の事業活動にどういう影響があるのか、見解を求めます。
#178
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えを申し上げます。
 租税特別措置につきまして、その適用に関する情報の収集及びその効果の検証を行うことは意義があることと考えております。他方、個別の租税特別措置の適用状況の個別企業別の公表というのは、主要国では実施されておりません。私どもの平成二十年の調査では、英米独仏、中国、韓国、台湾、シンガポールにおいては、個別企業名の公表も減税額の公表もしておりません。
 我が国において、我が国のみが個別企業別の公表を行いますと、個別企業の研究開発投資、IT投資の投資額等につきまして、必ずしも財務諸表で開示されていないものも含めて国内外の企業が知るところとなるわけでございます。国際競争にさらされている我が国企業にとって不利となるおそれがあるといった懸念があるかと存じます。また、企業の適用実績のみ公表するのは、平成十八年度に所得税、法人税等の公示制度が廃止されているということとも逆行するおそれがあるかと存じます。
 具体的な制度設計に当たりましては、こうした諸点、実務上の問題点を含めまして検討する必要があるかと考えております。
#179
○荒木清寛君 発議者に、昨年の参考人質疑でも、参考人からも反対の意見が出ておりました。これは当然、大企業になればこの減免額も大きくなるのは当然でありますけれども、そういうランク付け等で発表した場合に、そうした大きな企業を中心にそうした租特の適用を受けにくくなるというか、そういうことも懸念されるわけで、その個人企業名の開示までしなければこの検証というのはできないんですか。
#180
○峰崎直樹君 荒木議員にお答えしたいと思いますが、本当に先ほど、冒頭、一定の理解を示されたということで、本当に我々としては我が意を得たりということでございますが、御指摘なさった点はたしか去年も、私、委員長席に座っておりまして、荒木委員から鋭い御指摘があったなというふうに思っております。
 今も経産省の方からお話がございましたけれども、これやはり我々としては、先ほど来何度も強調しておりますが、やっぱり隠された補助金ではないんだろうかと。これは昨年の調査の場合は、租特の場合は、研究開発税制の場合はたしか全体として六千億円という巨大な規模でございました。社によっては、私どもあるいは大門委員の資料などもほぼ大体共通してやや近く、一千億近く支出すると。つまり、それだけ税の恩典を受けるということでございました。
 そういう意味で、私はやはり、これは効果性あるいは透明性、公平性といういろんな観点から見ても、ここはそれだけの租税の恩典を受けるとすれば、それは企業名を、これはすべて公開しろと言っているんじゃありません、本当に上位何社かで、しかも法人だけというふうに限定を付けておりますので、それらの点についてはやはり私どもとしてはしっかりと進める必要があるんではないかなと思っております。
 ただいま御指摘のありました、昨年、たしか土居丈朗先生だったでしょうか、参考人として出されました。私ども聞いておりまして、やはり金融商品取引法による企業の情報の開示ということでかなりの程度進んでおりますので、このことによって企業行動にそれほど私は大きな影響が出るというふうには思っておりません。
 そして、先ほど、所得と法人の番付が廃止をされたと。少なくとも私は個人については理解をいたします。しかし、法人についてまで、あのとき、いわゆる法人所得の番付が外されたということについては、なぜ法人を外したんだろうというふうに思っております。
 これらの点について、法的な問題、いろんなところをいえばいろんな見解を私も持っておりますけれども、これ以上申し上げませんが、以上申し上げたような観点から、個別の企業名というものの開示というのは、限定された範囲ですけれども、今申し上げたような観点で私は進めていく必要があるんじゃないだろうかというふうに思っております。
#181
○荒木清寛君 次に、昨年の私に対する答弁の中で「透明化法案の対象は国税でかつ法人ということでございます」というのがございましたが、法案上は、ただそうした限定はされておりません。
 したがいまして、この法案によりますと、納税者に増減税明細書の提出を求めることができるという規定がございますので、個人の所得税の申告の際にも、住宅ローン控除の適用を受ける人ですとか、一々出さなければいけない、増減税明細書を提出しなければいけないということで、なかなかこれは納税者の理解は得るのが困難ではないかと思うんですが、これもそこまでやらないと、納税者に負担を求めないとこの検証というのはできないんですか。
#182
○峰崎直樹君 お答えいたします。
 個人にも一応増減明細書を出していただくということなんですが、実は今お話ありました中で、例えば今年もありますが、住宅ローン減税とか、これらの点については、私も今住宅ローン減税の恩典を受けている一人なんですけれども、毎年申告のときに、実は簡単にそれを記載をし、資料なども取り寄せることもできます。
 その意味で、確かにその部分、個人は煩わしいなということがあるんだろうと思うんですが、たしか私が受けたときの二〇〇〇年だったか二〇〇一年の減税の恩典というのは五百六十五万円、すなわち十五年間で大変な金額の恩典を受けるときに当たったわけであります。それがあったから造ったのかということではないのでありますが、たまたまそこにぶつかったわけでありますが、そういうことを考えると、それだけの金額を恩典を受けている、それが本当に実際効果があるものなんだろうか。
 つまり、このことが導入される、この制度が導入されることによって住宅需要というものが本当に増えていくんだろうかとか、様々な検討を加える上に当たって、どうもやはり住宅促進減税を要求した、今年も調査をいたしましたけれども、なかなか国土交通省から出てくる資料も、いや、これは推測ですとか、これは住宅建設会社のアンケート調査ですとか、どうもそういうところにお尋ねしても余りきちんとした資料は出てこないな。やっぱり肝心の国税庁がきちんとそういったデータをしっかり持って、ここは私たちは開示しろと言っておりませんから、そういうことをやはりきちんとやった上で、ああ、なるほど、住宅促進減税は効果があるんだなということが分かれば、私たちはこれはもう本当に、場合によっては本則に適用したっていいじゃないかというぐらいの位置付けをすることだって必要だろうと思いますので、そういった点を是非御理解をいただければ住民の皆さん方、納税者の皆さん方の御理解も得られるんではないだろうかなというふうに思っております。
#183
○荒木清寛君 そこで、個人も増減税明細書を出さなければいけないということになりますと、個人の場合には、率直に言って出さない人もいると思うんです。そういう場合には、申告書本体からまた抽出しなければいけないということになるんですが。
 そこで、行政に与える影響につきまして、今日は国税当局も来てもらっていますので、本法案では増減税明細書の導入、そしてまたそれに記載されたものを読み取って数値で集計をする等々のシステム開発とまた作業が必要になるわけでありますけれども、こういう新たな対応については、どのぐらいの経費、また人員の増が必要となるのか、教えてください。
#184
○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 国税当局におけますシステム面、人員面から本制度への対応を考えた場合には、大きく言って三つ検討課題があると思います。
 そのまず第一は、法人だけでも三百万社ございます増減額明細書の集計でございますけれども、現状では手作業で行わざるを得ず、合理化のためのシステム開発には一定の開発期間が必要となります。二番目に、システムの開発の後も税務署の現場では相談や入力、集計等に新たな事務負担が生じ、相応の人員確保が必要となることが見込まれます。それから三番目は、法定の申告期限との関係から、法案に示される報告期限までに作業を完了することには困難が予想されます。特に初年度、二十一会計年度につきましては、国会への報告まで極めて短期間しかなく、手作業で集計せざるを得ないこと、こうした検討を要する課題が見込まれまして、既存事務への影響は避けられないものと考えております。
 ただ、今の段階で具体的な人数とか金額等までは、まだ今のところ詳細が分かっておりませんので、お答えすることはできません。
#185
○荒木清寛君 提案者に、この委員会でも例年三月末のこの国税の法案の審議のときには附帯決議を付けまして、国税職員の機構と定員の充実というのをやっているわけです。そういうかいがあって、まあ数名ずつでも定員の純増を勝ち得ているわけなんですが、限られた資源ですから、私はやっぱり実調率を上げるとか、そうすると必ず税収が増えるわけですから、そういうところに限られた資源はやはり使わなければいけないと思うんですね。
 そこで、今回の法案に、本来業務であるということはそうかもしれませんが、新たな業務を追加すれば当然これは相当のコスト増になるわけですけれども、そうした経費を見込んでいないのはなぜなんでしょうか。
#186
○尾立源幸君 お答えいたします。
 本来業務ということで、やはり国税として租税特別措置の政策の検証、整理合理化というのは絶えずこれやってこなければいけなかったもので、そもそもそこがしっかりなされていなかったというのが出発点にございますので、今回当委員会で附帯決議も全員で付けましたように、やはり本来必要な業務に関して必要な人員等の措置は、これはしっかりやっていくべきだろうと、このようにまず理解をしております。
 その中で、適用実態調査というのをやるわけで、やはりこれは新たな業務ということではそのようなものが生じてくると思います。しかしながら、こういう不断の見直しを行うことによって、これまで必要でなかった減税がなくなったり、またそれにかかわる行政コストが減ったり、そういうことで私どもは費用対効果という意味で十分補って余るものがあると、このように理解しております。
 それともう一点は、現在国税庁の方でも標本調査ということで、租税特別措置の調査をサンプル的にやっておられます。これは全部各税務署に手作業でお願いをしてやっておるものでございますので、こういうことも今回の新たな仕組みでやりますと必要なくなりますので、そういったプラスマイナスを考えますと、また七兆五千億というそういう大きな減税額を考えますと、必ず費用を補うだけの効果は出てくるというふうに思っておるところでございます。
#187
○荒木清寛君 私はその標本調査でまずは十分検証ができるのではないかと考えているんですが。
 最後に、法案を施行するにしましても、もう少し周知期間がこれは必ず要ると思いますね。特に平成二十一年度上半期の法人税減免措置につきましては、平成二十二年一月三十一日までに報告書を国会に提出をするということになっておりますが、この本年九月決算法人は推定三十二万社、その申告期限は十一月末、うち一万三千社は十二月末ということですから、場合によっては十二月末の申告に基づいて翌年の一月末に報告をするというのは、もうかなりこれは困難といいますか、しかもその間にシステム開発もしなければいけないわけで、これは施行時期というのはちょっと非現実的じゃないんでしょうか。
#188
○尾立源幸君 まず、今回の法案八条におきまして、財務大臣は国会への報告を毎会計年度終了後七か月以内にと、こういうふうに規定をさせていただいておりますのは御承知のとおりでございます。
 このなぜ七か月としたかといいますと、二つ理由がございまして、一つは、行政側での集計、分析の期間を最低限やっぱり確保しなきゃいけないという問題と、例えば三月末決算の場合、六月末にすべての申告が出そろいますので、それからの期間ということで十月末とさせていただいております。なぜ十月末としたかといいますと、これもう一つの理由なんですけれども、次年度の税制改正にしっかりこの調査の結果が反映されるということを考えますと、どうしても、今申し上げましたように、十月末までにはその調査分析結果を国会に提出していただかないとならないということになっています。
 そういう意味でぎりぎりの判断をしたわけでございますが、これは私たちの方では可能であると、このように思っております。
#189
○荒木清寛君 それにしましても、この二十一年度上半期分の対応についてはちょっと幾ら何でも無理ではないかなと、こう思っております。
 以上、終わります。
#190
○大門実紀史君 大門でございます。
 我が党は、この法案、賛成でございます。大変重要な提案を民主党の皆さんはされているというふうに思います。ただ、もう既に議論は出尽くしたような気もいたしますけど、お聞きすることも幾つも残っていないんですが、ダブっていないところで何点かお聞きするだけにしたいと思いますけれども。
 まず、去年のこの法案の審議のときに、財務大臣、当時は額賀さんでございましたけど、私、なぜ賛成できないんですかということをお聞きしたら、同調する部分もたくさんあると、ただし、もう既に二十年度予算については済んでしまっているので、来年度以降またいろいろ議論する場合に参考にさせていただきたいというふうに額賀大臣が、当時の財務大臣がおっしゃったわけです。
 それから大臣はちょっところころ替わってしまいましたけど、大臣の答弁というのはやっぱり重いと思うんですが、財務省は、この前の、今年度の予算を審議されるときに、この法案を参考に実際されたんでしょうか。
#191
○国務大臣(与謝野馨君) 租税特別措置については、実は、少なくとも政府の中でも、あるいは、私は党の局面にしかおりませんでしたけれども、非常に丁寧に一つずつ洗っていきます。期限の到来したものについては、自動的にパスする、これは続けていいだろうというもの、それからこれはもうどうしても続けられないと、政府も言っているし余り党内でも賛意がないと、あるいは続けるのか続けないのか微妙な問題があるというのは、相当な議論が部会のレベルでもされますし、また党税調でもされますし、それから幹部の間でもされます。したがいまして、残された租税特別措置というのは、私は、一つ一つの事柄についてはかなり自信を持って御説明できる内容であると思っております。
 これは大企業優遇ではないかとかいろいろな御意見もありますけれども、多く含まれている社会保障にかかわるものとか、あるいは住民生活、学校教育、いろいろな分野でやはり国民生活にかかわっているものもたくさんありまして、一概に租税特別措置と言うと何か悪いもののように聞こえてしまうんですけれども、実際はやっぱり非常にきめ細かい政策的な配慮を税制を通じて行っていると、こういう私は政策的な効用というものも是非認めていただきたいと思っております。
#192
○大門実紀史君 私も、租税特別措置が全部無駄とか、そんなふうに全然思っておりません。検証をきちっとやるべきだということなんですけれども、ちょっと民主党の皆さんにお聞きしたいんですけれども、民主党さんはあれですかね、租税特別措置はもう全廃するんだというようなことをちょっと言われたときもあったんですけれども、今現在どういうふうにお考えなんでしょうか。
#193
○峰崎直樹君 私どもも、大門委員と同じように、すべてこれが駄目だということを言っているわけではありません。
 ずっと今年も去年も同じように各省庁から租税特別措置を要求されるときの根拠、それから過去同じものをやるんであれば、どんな成果があったのか、それからそれはどのようなこれから効果、一番大きかったのは効果の測定でございますが、そういった中で実はそういうものがほとんど、何といいましょうか、主観的な判断でこれは効果があったとか言っているものについては私はこれは駄目だと。やはり客観的に見て、これはなるほど租税特別措置を使って効果が上がっているなと、こういうものは私たちは時限を限ってやるべきだと。その中で、しかも、これはかなり長い期間ずっと続いているもので、やっぱり効果があるんであればこれは本則にしようと。そして、余り効果が上がっていないものについては率直に言ってこれはやはり廃止をしていこうと。
 その判断をする材料が余りにもなさ過ぎる。しかも、それは率直に申し上げて、財務省すら十分それはつかんでいないというのが私は実態だと思っておりまして、そこをある意味ではきちんとやりましょうというのが今回の租税特別措置の透明化法案だというふうに思っておりますので、これはもう去年の額賀財務大臣もその趣旨は認めていただきましたし、与党側の皆さん方も、本当に我々からすれば、もし個別企業名を挙げることについてこれがネックであるんなら、本当にこれを実現させるんだったら私は修正協議に応じてもいいんではないかと思うぐらい、ある意味では非常に重要な制度的な基盤をつくるものだというふうに自負をしているわけでありまして、是非よろしくお願いしたいと思っております。
#194
○大門実紀史君 私は、今大変重要なことを峰崎先生はおっしゃったと思うんですけれども、大臣、ですから余り何も違ったことを言っているわけじゃなくて、検証した上で、ちゃんと効果とか見た上で、その上で、大臣言われたのは、これは必要だと思ってやっているんだと。だから、その必要かどうかの前に効果とかをちゃんと検証してみようというあれですから、それほど違いがないんじゃないかと私思うんですね。
 必要かどうかというのは、まさにこれ政治判断、各政党のいろんな思いとか、それが入りますから、それはそれであると思うんですけれども、少なくとも今のこれだけ放置されてきた在り方をもう少しきちっと効果とか検証してみようということだから、私は、あながち何にもそれほど政府もできないとかおっしゃることではないんじゃないかと思うんですね。とにかくばっさり切るんだと言われると、それはちょっととなるのは分かるんですけれどもね。
 その辺で、どうなんですか、別に賛成してもいいんじゃないですかね、与党の皆さんは。
#195
○国務大臣(与謝野馨君) この法案は、租税特別措置、それぞれの税目の効果の実証的な検証をせよと、こういう法律だろうと思うんです、一言で。
 ただ、手間がすごい掛かるという問題があって、個人の納税事務負担あるいは企業の事務負担あるいは税務当局の事務負担、こういうもろもろのことがありますということが、多分なかなか政府が全面的に御賛成ですということを言えない理由であります。
 それからもう一つは、やっぱり個人個人の納税の秘密、あるいは納税のいろいろなことを知った税務署側の守秘義務、こういう細目にわたってやっぱり検討しなきゃいけない問題も多分あるんだろうと思います。是非、与党というか、自民党、公明党の皆さんとよく話し合っていただきたいと思っています。
#196
○大門実紀史君 私もよく話し合っていただきたいなと思います。
 つまり、やっぱり三十年も五十年もほったらかしで、たまりにたまったものがありますから、それは一遍検証するのは最初は物すごい時間が掛かると思うんですよ。手間も掛かると思うんですよ。一遍検証しちゃったら、翌年からそれほど掛からないと私は思うんですよね。検証すべきことをもうため込んできちゃった責任があって、それは一遍やっちゃえばそれほど、おっしゃるように、毎年毎年大作業でということにはならないなと思うんです。ですから、この後、採決ということですけれども、是非、歩み寄れないものなのかなと思っているところです。
 あとは、尾立議員がホームページの中で言われていることも重要かなと思ったのでお聞きしたいと思いますけれども、民主党のホームページに載っているんですけれども、この租税特別措置が国税二百、地方税三百、合わせて五百種類あって、これまで政官業の癒着の仕組みの一環として長年使われていたとお書きになっていますけれども、具体的にどんなケースを思っていらっしゃるのか、教えてもらえますか。
#197
○尾立源幸君 ホームページをお読みいただいていまして、ありがとうございます。
 具体的にということなんですけれども、我々が検証する中で感じたことをまとめてあるんですけれども、先ほど藤末議員がお話しございましたように、本来も世界的に見ても本則で減税すべきものなのに、なぜ十五回も十六回も三十年以上にわたってこの減税、租税特別措置を続けてきたのかなと。例えば、あれが一つ例で出てきたわけでございます。そこには業界の団体がございまして、そこに省庁のお役にあった方はいわゆる天下りをする等ございますし、またそこから何らかの形で議員サイドに、これは与野党というわけではございませんけれどもお金が渡ると、こういうぐるぐるぐるぐる、この租税特別措置という装置をきっかけにこういう構図ができているというのを私実感しております。その旨を書かせていただいたということでございます。
#198
○大門実紀史君 もう私、お聞きすること、用意したものがもう既にお聞きになったものもありますので、なくなりました。
 総選挙があって、次政権がどうなるか分からないということもありますので、せっかくの機会ですから、余りお聞きする機会がないので、民主党のちょっと税についての考え、前、大塚さん、答弁席にいらしたときは消費税のことをよくお聞きしたんですけれども、ちょうど今日、私話題にしました所得税法五十六条、家族従業員の給与ですけれども、これは民主党さんとしてはどうお考えか、ちょっと聞かせてもらえますか。
#199
○峰崎直樹君 その前に、ちょっとせっかくの機会なので、先ほど余り論点にならなかったんですが、私どもがいわゆる少し早めにこの租特透明化法の調査の結果を欲しいと思うのは、実は税に対する国会論戦というのは、特別委員会を開いて、例えば消費税を上げるとかなんとかになる場合はもちろん本格的にやるんですけれども、こんなに大変重要な国の政治の基幹となっている税制が、時にはもう衆議院なんか一日でぽんと上がってくるというような、そんな論議の経過をたどっているということについて、これはいかがなものかなと。やはり秋のこれ臨時国会というか予算編成の前にこの種の租税特別措置というものを集中的に衆参で論議してみる価値があるんじゃないかと、そんなことがあって、私どもは、この問題を可能な限りスピーディーに調査をして、それを国会論戦に上げ、翌年度予算編成に生かしていこうと、こんな思いを実は持っているということだけ、先ほどちょっと答弁ができませんでしたので、お答えしておきたいと思います。
 その上でなんですが、先ほども実は午前中の審議を聞いておりまして、私ども、この所得税の青色と白色というものの、よくきちんと記帳しているかしていないかということが根拠になっていたものが、白色も実は記帳しなきゃいかぬということになっているので、これは根拠が、これまで税務当局がおっしゃっていた根拠はなくなったんではないかという御指摘は、これは私ども非常に説得的だったなというふうに思っています。
 ただ、大門委員もよく御存じのように、この所得税をどのように変えていったらいいのかということについては、これは相当やはり、特にクロヨンの問題だとか、あるいは不払労働というかシャドーワークというんでしょうか、こういったことも含めて、今実は大臣にもお渡ししたんですが、ベーシックインカムという考え方なども出始めておりまして、そういうものを考えてみたときに、例えば還付付きの税額控除とか、そういうものの在り方も全部一回見直してみる必要がある。所得控除、税額控除、還付ができるかどうか、その場合、納税者番号は必要なのかどうか、こういう論議をしながら、実は零細企業の方々の、今お話しなさったような配偶者の労働に対する対価をどのように測ったらいいかと、これ本当にしっかり議論しなきゃいかぬなと思って、私も午前中、大変いい御指摘をしていただいたなと思っておりますので、民主党の税制調査会の会長代行をやっておりますが、是非それをしっかり議論の俎上にのせていきたいなと思っております。
#200
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 ちょっともう質問することございませんので、これで終わります。
#201
○委員長(円より子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 租税特別措置の整理及び合理化を推進するための適用実態調査及び正当性の検証等に関する法律案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#202
○委員長(円より子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#203
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#204
○委員長(円より子君) 金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び資金決済に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。与謝野内閣府特命担当大臣。
#205
○国務大臣(与謝野馨君) ただいま議題となりました金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び資金決済に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、金融商品取引法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 現在の国際的な金融資本市場の混乱等を背景として、我が国の市場の機能の強化、利用者保護の充実を図り、信頼と活力ある金融資本市場を構築することが重要な課題となっております。このような状況を踏まえ、必要な制度整備を行うため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、市場の公正性、透明性を確保するため、信用格付業者に対し、登録制を導入するとともに、利益相反防止措置を含めた体制整備、格付方針の公表等を義務付けるなどの措置を講ずることとしております。
 第二に、利用者保護の充実を図るため、金融分野における裁判外紛争解決制度、いわゆる金融ADR制度を創設し、紛争解決機関の指定制を導入するとともに、金融機関等に指定紛争解決機関との契約締結義務を課すなどの措置を講ずることとしております。
 第三に、公正で利便性の高い市場基盤の整備を行うため、金融商品取引所による商品市場の開設等を可能とするための制度整備を行うこととしております。
 また、この法律案は衆議院において修正が行われたところであります。
 次に、資金決済に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 社会的なインフラである資金決済に関するサービスにつきましては、信頼と活力のある金融資本市場を構築するため、利用者保護の充実を図りつつ、利用者利便の向上やその適切な実施の確保を図ることが重要であります。こうした観点から、必要な制度整備を行うため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、利用者利便の向上を図るため、利用者に引き渡すべき資金と同額以上の資産保全を義務付けるなど所要の措置を講じつつ、銀行のみに認められた為替取引を、銀行以外の者でも行うことができるよう、所要の制度整備を図ることとしております。
 第二に、発行者がコンピューターのサーバーなどに金額を記録する前払式支払手段についても、現行の商品券やプリペイドカード内に金額が記録されるカードと同様に規制の適用対象とし、利用者保護の充実を図ることとしております。
 第三に、銀行間の資金決済の円滑な実施を確保する観点から、資金清算を行う者に対する適切な監督等を行うため、所要の制度整備を図ることとしております。
 以上が、金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び資金決済に関する法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
#206
○委員長(円より子君) この際、金融商品取引法等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員中川正春君から説明を聴取いたします。中川正春君。
#207
○衆議院議員(中川正春君) それでは、ただいま議題となりました金融商品取引法等の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本修正は、衆議院財務金融委員会における議論を踏まえまして、与野党の修正協議の結果、取りまとめられたものでございます。
 その内容は、政府原案において設けられている一般的な検討条項に加えて、より一層の利用者保護の充実を図る観点から、政府に対して、この法律の施行後三年以内に、指定紛争解決機関の指定状況及び紛争解決等業務の遂行状況その他経済社会情勢等を勘案し、消費者庁及び消費者委員会設置法附則第三項に係る検討状況も踏まえ、消費者庁の関与の在り方及び業態横断的かつ包括的な紛争解決体制の在り方も含めた指定紛争解決機関による裁判外紛争解決手続に係る制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする、その旨の責務を課す検討条項を追加するものであります。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
 以上です。
#208
○委員長(円より子君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分についての説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト