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2009/06/04 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第18号
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2009/06/04 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 財政金融委員会 第18号

#1
第171回国会 財政金融委員会 第18号
平成二十一年六月四日(木曜日)
   午前十時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任   
     松浦 大悟君     川上 義博君
     森 ゆうこ君     喜納 昌吉君
 六月四日
    辞任         補欠選任   
     水戸 将史君     平山 幸司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         円 より子君
    理 事
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小泉 昭男君
                椎名 一保君
    委 員
                池口 修次君
                川上 義博君
                喜納 昌吉君
                富岡由紀夫君
                平山 幸司君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                水戸 将史君
                峰崎 直樹君
                山下八洲夫君
                尾辻 秀久君
                鶴保 庸介君
                中山 恭子君
                林  芳正君
                藤井 孝男君
                森 まさこ君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        与謝野 馨君
   副大臣
       財務副大臣    石田 真敏君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       松村 祥史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       内藤 純一君
       金融庁監督局長  三國谷勝範君
       総務省自治行政
       局選挙部長    門山 泰明君
       財務省主計局次
       長        真砂  靖君
       財務省主計局次
       長        香川 俊介君
       財務省理財局長  佐々木豊成君
       厚生労働大臣官
       房審議官     渡延  忠君
       農林水産省総合
       食料局次長    平尾 豊徳君
       経済産業大臣官
       房審議官     大下 政司君
       国土交通省河川
       局長       甲村 謙友君
       国土交通省道路
       局次長      西脇 隆俊君
   参考人
       日本銀行総裁   白川 方明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○資金決済に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(円より子君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六月二日、松浦大悟君及び森ゆうこ君が委員を辞任され、その補欠として川上義博君及び喜納昌吉君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(円より子君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#4
○委員長(円より子君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、連合審査会開会の日時については、これを委員長に御一任いただくことに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(円より子君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#6
○委員長(円より子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び資金決済に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長内藤純一君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(円より子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び資金決済に関する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(円より子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(円より子君) 金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び資金決済に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。よろしくお願いしたいと思います。
 まず、ちょっと冒頭、大変言いづらいお話なんですけれども、補正予算が先週可決したわけでございますけれども、予算委員会等々の中でのやり取りの中で、与謝野大臣のいろいろな答弁、お聞かせさせていただきましたけれども、その中で、私は、与謝野大臣は非常に信念を持っていて、財政再建にもしっかりと方向性を定めてその道に進んでいただけるものだというふうに信じておりまして、もう何年か前の自民党の総裁争いのときに与謝野大臣が私はふさわしいんじゃないかといった発言もさせていただいたことがありましたけれども、もうだれのときか、毎年のようにやっているから分からない、忘れてしまいましたけれども、そういったことありましたけれども、ただ、今回の補正のいろんな審議、通常の当初予算の審議等々を通じて拝見すると、やや失望したというか、がっかりした思いがあります。
 財政再建路線から少し、非常にずれてしまったと、少しじゃなくて大幅にずれてしまったということもありますけれども、あと、答弁に対する、まあ特に野党に対する答弁の仕方も、非常に、大変、そういうつもりはないのかもしれませんけれども、慎重に、失言をなさらないつもりでそういう形になっているのかもしれませんけれども、非常に野党議員に対する質問が、まあ見下したというか、ばかにしたみたいな、そういった印象が非常に強く残っております。
 我々に対して、そういう木で鼻をくくったような答弁だけであるならいいんですけれども、我々も後ろには、国民の代表として出てきているわけですから、国民をばかにしたようなことに間接的に私はなるんじゃないかと、我々をばかにすることは国民をばかにすることにつながるんじゃないかというふうに思っておりまして、是非そういうことのないようにお願いしたいなというふうに思っております。
 それで、ちょっと質問に入らさせていただきたいと思いますが、金商法についてまずお伺いしたいと思います。
 格付会社の取扱いについて、今回この法案の中で取り扱われているわけですけれども、格付会社のこれまで果たしてきた役割、特にサブプライムローンの金融の大問題を起こした元凶の一つというふうにされておりますけれども、これまでどういう役割、そして今日の経済の中でどういった過ちを犯してしまったのか、そしてこれからどういったことを格付会社には期待するのか、与謝野大臣のお考えを、あればお伺いしたいというふうに思います。
#12
○国務大臣(与謝野馨君) 私は他党を決してそういう感じで御答弁したのではなくて、民主党の御提案は御提案として我々は勉強しますけれども、やはりもう少し研究していただきたい部分があるということは正直に申し上げたわけでございます。
 そこで、御質問ですけれども、格付は信用リスク評価の参考として金融資本市場において非常に広範に利用されており、投資者の投資判断に大きな影響を与えております。このように、格付会社はこれまでも金融資本市場における情報インフラとして一定の役割を担ってきたと考えております。
 ただ、サブプライムローン問題をめぐって証券化商品の格付について様々な問題点が指摘されているのも事実でございます。特に発行者と投資者との間の情報の非対称性を縮小させるという格付会社が担うべき役割は今後とも変わらないと考えております。新たな規制の枠組みの下で、格付会社が求められる役割、機能を適切に発揮していくことを期待をしているところでございます。
#13
○富岡由紀夫君 格付会社が今回のサブプライムローン問題の戦犯というふうに言われておりますけれども、これ以前から格付会社に対するいろいろな問題点は指摘されていたというふうに思っております。エンロンとかワールドコムの大変大問題を引き起こした粉飾の問題とか、そういったときも直前まで格付会社は投資者に対して誤った信用度合いを示す格付を示していたりしておりました。それにもかかわらず、今回もまた同じような形で、サブプライムローンの関連して同じ失敗をしたということで、なかなかこの格付会社に対する投資判断するときの位置付け、これは根本的に考え直さないとまた同じような失敗を繰り返す懸念があるんじゃないかというふうに思っております。
 格付会社はサブプライムローンのときに一人だけ大もうけして勝ち逃げしたというふうに言われております。何千億円もの利益を上げて格付会社だけが傷つかないで済んだというふうに言われております。こういったことを考えて、投資をするときに、今はどちらかというともう格付会社の格付に頼ってみんな投資をせざるを得ないような状況になっているというふうに思っておりますけれども、本来の投資のあるべき姿というのは、格付会社に頼るのではなくて、自己責任の下で、自分たちでしっかりその商品リスクを把握して投資するべきだというふうに思っておりますけれども、その格付会社と投資に当たっての基本的な考え方の関係について大臣はどのように認識されているか、お答えいただきたいと思います。
#14
○国務大臣(与謝野馨君) まず、格付会社というのはやはり投資の世界では私は必要な存在だと思っております。投資者がすべての投資対象について深い知識を持っているとは限らないわけでございますから、格付会社の格付を信用して投資行為を行うというのは通常の私は経済行為としてこれからも存在すると思います。
 ただし、格付会社は、そういう意味では、格付する以上、責任はあるわけでございまして、特に格付対象の金融商品の発行者との間に利益相反の可能性が内在しているのではないかなどの問題が指摘されているところでございます。
 このような問題に対して今回の法案では、禁止行為として、格付会社が格付対象商品の金融商品の設計など格付の評価に重要な影響を及ぼす事項について助言を行った場合には、その金融商品について格付の提供を禁止するとともに、格付会社に利益相反防止、独立性確保のための体制整備を義務付けることを通じて利益相反の防止を図っております。
 このような枠組みの下で、検査監督を通じて規制の実効性を確保するように努めてまいりたいと考えております。
#15
○富岡由紀夫君 格付を依頼する会社、社債とかいろんな債券を発行するときの依頼主と格付会社との利益相反については確かにそのとおりだと思いますけれども、それと今回私が非常に懸念しているのは、もう今までもそうだったんですけれども、国は格付会社を、五社ですか、今指定しておりまして、その格付があればいろんな社債発行等の手続を簡素化できるという内容になっているというふうに思っておりますけれども、今回登録制にすると、それを更に強化する、お墨付きをまた政府が与えるようなことになるんじゃないかと私は思っております。政府が登録を認めて、登録を許可した会社ですから、ますます投資者は、ああ、ここの格付だったら間違いないやといったことになるおそれがあるんじゃないかというふうに思っております。
 それと、やはり一番私が利益相反の一つとして懸念しているのが、政府と格付会社との利益相反関係はどうなのかというふうに思っております。
 今回登録制にして政府が格付会社を審査するわけですけれども、それで監督するわけですけれども、一方で、格付会社はいろんな、政府の発行する国債の格付なんかも付与しております。そうなってくると、政府から格付の認定をちゃんとしてもらう、登録してもらうために、政府に対して国債の格付を、まあそんなことはないと信じたいんですけれども、そういったことも考えながら政府の国債の格付を行う懸念があるんじゃないかと、私はそういう心配を、余計な心配かもしれませんけれども、思っております。
 圧力を掛けることなんかはしないと思いますけれども、日本の国債の格付が大幅に引き下げられたときに、政府が、はい、そうですか、そのままでいいんですかという形で済むのかどうか。登録制を盾に取って、何らかの見える、そして見えないいろんな形での圧力を掛けることになるんじゃないかといった心配も私はしているんですけれども、その点について、政府と格付会社との間の利益相反関係についてどういう認識をされていらっしゃるのか、お答えいただきたいというふうに思います。
#16
○政府参考人(内藤純一君) お答えをさせていただきます。
 今回のこの格付会社に対する登録制度の導入についてでございますけれども、格付会社の独立性の確保、利益相反回避、格付プロセスの品質と公正性の確保、市場参加者に対する透明性の確保の観点から、格付会社に情報開示や体制整備等の義務を課すものでございます。
 格付は将来の不確定な信用リスクについて専門的知見に基づき表明される意見であるということにかんがみまして、個々の格付の実績、内容そのものを規制対象とすることは適切ではないというふうに考えているわけでございます。
 そこで、委員お尋ねの、政府の方からこの登録制度をてこに何らかの格付会社に対する圧力を掛けるんじゃないかと、そういう懸念でございますけれども、私どもとしてはこのIOSCOの基本行動規範にものっとりまして、この格付制度、登録制度というものが制度化された暁におきましては、より明確な形でこの個々の格付の実績、内容そのものを規制対象とするものではないと。格付会社の格付を行うことについての内部管理体制でございますとか、あるいは禁止行為、利益相反行為の防止、情報開示、そういった形で適正な開示のプロセスが行われるような、そういう対応を促していくというふうに考えております。
#17
○富岡由紀夫君 心配しているのは、これから国が大量の国債を発行いたします。そうすると財政赤字が大変厳しい状況になって、日本の国債がまた将来大幅に格付の見直し、引下げが行われる可能性があると私は十分思っているんですけれども、そうなったときに、政府が今言ったような対応で、本当に何も圧力を掛けないで何も言わないで、格付会社に対して中立なスタンスでいられるのかどうか、非常に私は疑問に思っております。そういった場合を想定した場合、そういったことも含めて、与謝野大臣はどのようにこの関係を、政府と格付会社との関係を見ていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(与謝野馨君) そういう情けないことを格付会社にするということは、政府としてはあり得ないことでございます。
#19
○富岡由紀夫君 いや、日本の格付がボツワナより低くなったとき、財務省は大騒ぎをしていたと思っております。そういったことがあるからこういった質問をさせていただいているんですけれども、それでもそういったことないというふうにお答えできるんですか。
#20
○国務大臣(与謝野馨君) 格付会社が格付をするに当たって、持っている基礎的なデータが間違っていれば正しいデータを提供するということはあり得る話ですけれども、格付を変えてくれというような情けない話を日本国政府がするはずもありません。
#21
○富岡由紀夫君 まあそれを信じたいというふうに思っておりますけれども、基本的にやはり投資するときには投資家がその商品をちゃんとリスクをどれだけあるのかということを理解した上で、本来自己責任の下で投資するのが原則だというふうに思っています。格付会社にお墨付きを与えて、格付があるからもう大丈夫だから投資家の皆さんそれを信じてやってくださいよというのは、自己責任の原則というか、今回のサブプライムローン問題の教訓を生かす意味でも、やはり投資する商品についてはよく自分で理解するべきだという原則と逆行することになるんじゃないかというふうに思っておりますけれども、その点についていま一度、与謝野大臣はどういうふうに思っているか、逆行しているんじゃないんだというのであれば明確にお答えいただきたいというふうに思います。
#22
○国務大臣(与謝野馨君) 格付会社の格付を信じて投資をするという方は、ほとんどの方が多分そういう投資行動を取られるということは多いと私は思っております。
 日本の格付が高い方がいいに決まっていると私は思いますけれども、それを人工的に格付を高くしたいとかそういうことではなくて、やはり客観的な格付の過程において日本政府の財政に対する熱意、努力が評価される、日本の経済の将来について評価されるという、やはり大きな目で見ればそういう客観的事実に基づいて格付が決まってくるんだろうと、私はそう思っております。
 したがいまして、今までの格付会社の歴史の中で、私は社債とか国債の格付というものはきちんと行われてきたと思っておりますけれども、証券化商品の格付については各国政府とも格付会社のやったことに対して言わば満足をしていない、そういう状況は日本政府においても同じだろうと思っております。
#23
○富岡由紀夫君 政府との関係についてはもう質問ここまでにしますけれども、やはり依頼する側と格付会社との利益相反関係についてはみんな心配しているところですから、例えば幾らの手数料を払って格付をしてもらったのか、依頼するときに報酬のやり取りが、幾らもらっているんだということを表明させるといったようなことは私はさせてもいいんじゃないかというふうに思っております。それが通常の価格より大幅に金を出していれば、何らかの違った思いがそこの中に含まれているのかどうか、そういったことが投資家が分かるような、やることを考えるのも一つの方法かと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#24
○政府参考人(内藤純一君) 報酬のことでございますけれども、格付会社は金融商品又は法人の信用状態に関する評価を行うものでございまして、評価対象の金融商品の発行者等から報酬を受領するビジネスモデル自体に利益相反の可能性が内在しているのではないかという問題が従前より指摘されているところでございます。
 これにつきましては、この報酬そのものにつきましては格付会社による言わば自主的な開示というものが基本ではございますけれども、この点につきましての利益相反行為というものに対してきちんとした体制が整備されているか、あるいはまた、禁止行為という形で法律上は規定されておりますけれども、例えば格付プロセスに参加しているアナリスト等の報酬体系が格付対象の金融商品の発行者等から得られる手数料とは切り離された、つまり格付プロセスの客観性を損なわないものであることを要請する、そういった形でアナリスト等の独立性確保のための規定が設けられている。こういうことをIOSCOの基本行動規範でも規定されておりますけれども、これを法律上も規定するという形に考えているところでございます。
 そのほか、透明性の確保の観点から、年一回の説明書類の公衆縦覧を義務付けをいたしまして、記載事項として、体制整備の状況や発行者等との報酬の取決めというものに関する一般的な性質などを内閣府令において規定するということを予定しているところでございます。
#25
○富岡由紀夫君 そういうことは事前にレクチャー受けて分かっているんで、その上で質問させていただいているんで。
 今言ったように、依頼者と格付会社との報酬の開示について与謝野大臣はどのようにお考えなのか、それから私は開示すべきだと思っているんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#26
○国務大臣(与謝野馨君) 実は、諸外国でも格付会社にお金を払って格付してもらうこと自体おかしいという説もあるんですけれども、そうじゃないという説もあります。格付会社に一体幾ら払うのかというのは、それは一つ一つの個別企業の私は経営判断の問題であると思っております。ただ、懸念されるのは、通常の常識を超えてたくさん格付手数料を払って、結果、高い格付になって、投資家が正しい判断ができない、こういうことはやっぱり避けなきゃいけない問題だと、私はそういうように思っております。
#27
○富岡由紀夫君 余り検討していただけないようですので、これ以上質問はしませんけれども。
 次に、資金決済法についてちょっと質問させていただきたいと思います。
 今日は経済産業省さんからも来ていただいておりますので経済産業省さんにお伺いしたいと思いますが、今回の資金移動業者の登録に当たっていろんな金融審議会等々で議論をしていただいて、そういった議論を踏まえて今回の法改正に意見が反映されたというふうに伺っておりますけれども、その中の金融審議会金融分科第二部会というんですか、のところで答申として一月十四日に出たものがありまして、その中を見させていただきますと、収納代行サービスについて議論が報告されております。
 ちょっと読まさせていただきますと、収納代行サービスについては、銀行法、今回の場合は為替取引ですね、に抵触する疑義がある、サービスを提供する事業者が破綻した場合には収納を依頼した者に被害が生じる可能性がある等から法整備を行うことが適当との意見がありました。それに対して、為替取引にそれは該当しないんだ、支払人に二重支払の危険はない、利用者の利便性を低下させる等から制度整備は必要ないといった意見もあったというふうに書いてあります。サービスを提供する事業者と、あと関係省庁からも制度整備に対する強い異論が出されたというふうになされています。
 この関係省庁というのは、異論を出した関係省庁というのは経済産業省だというふうに伺っておりますけれども、何でこれに対して異論を出されたのか、お伺いしたいというふうに思います。
#28
○大臣政務官(松村祥史君) 私もこの金融庁金融審議会金融分科第二部会報告書を読ませていただきまして、詳細な議論については詳しく参加をしておりませんけれども、収納代行サービスにおきましては、経営の観点から申し上げると、コンビニエンスストアにおける公共料金や通信販売の代金の支払など、利便性の高いサービスとして社会的に定着しているものと考えております。
 そういう観点から申し上げると、今日まで大きなトラブルも起きてはおりませんし、過剰な規制が必要なのかという経営の観点からもこういった御意見があるものと承知しております。
#29
○富岡由紀夫君 経済産業省さんは異論を出したわけですけれども、これはどこで出したんですか。この金融審議会金融分科第二部会という中に入っているんですか、経済産業省さんは。
#30
○大臣政務官(松村祥史君) この委員会には経済産業省は参加をしておりません。
#31
○富岡由紀夫君 じゃ、この法整備についての意見を求めた金融庁はどこから経済産業省が異論を出したというふうに、この答申の中で意見が出たというふうに認識していらっしゃいますか。
#32
○政府参考人(内藤純一君) 私ども、金融審議会の部会の報告書をまとめるという段階で、この報告書の中に盛り込まれた関係する関係者の御意見というものも参考的にお伺いをする。それから、この金融審議会の検討を進める過程におきまして、様々な関係者、もちろん今御指摘の収納代行サービスの関連業界も始め関係各省庁の御意見もいろいろお伺いしながら総合的に取りまとめていくという作業をしております。
 ですから、いろいろ御意見があるということを全体的に議論として、あるいは結論的にまとまり得ないものにつきましてはそれを正確に報告書の中に反映させていくという手続を取っております。
#33
○富岡由紀夫君 金融庁は、今、経済産業省さんから今までの収納代行サービスについては問題ないといった今御説明でしたけれども、それでよろしいんですか。為替取引に、銀行法に抵触しないということで金融庁もオーケーということでよろしいんですか。
#34
○政府参考人(内藤純一君) 私どもの考え方は、この収納代行サービスというものが為替取引に当たるかどうかということについては、この金融審議会のワーキンググループ等におきまして非常に大きな御議論がございました。
 先ほど先生御指摘のように、この収納代行サービスについて為替取引に当たるかどうか、考え方が大きく二つに分かれておりました。この中で、直接の裁判例もございませんし、これまで利用者保護の観点から大きな問題が生じているとの情報も寄せられていないという状況もございました。そうしたことから非常に大きな議論になりまして、必ずしもこれが為替取引に当たるかということに判然としないという状況でございましたので、金融審議会におきましては、今回についてはこれについて結論を出し得なかったという形で締めくくったということでございます。こうした状況を踏まえまして、私どもとしては、現段階におきましてこの収納代行サービスが為替取引に該当し、ある意味では違法であるというふうな判断は行ってはおりません。
 ただ、いずれにいたしましても、こうしたサービスの提供というものが為替取引に当たるかどうかについてはそれぞれ個々のケースというものに即して判断をしていくべきものである。それから、利用者保護に欠ける事態あるいは資金決済システムの安全性等を損なう事態が生じている状況になっていないかどうか、こういったところを引き続き注視をしていく必要があるというふうに考えております。
#35
○富岡由紀夫君 何かよく分からないです、結論を先送りしただけでよく分からないんですけれども。
 最高裁でもこの為替取引の定義がされていて、解釈があって、それを見ると、隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して移動するものは為替取引だというふうに最高裁の方で言っているので、収納代行サービスはこのまま読むと該当するんじゃないかと思うんですけれども、金融庁は、これに該当しないということで、そのままほっぽっておいてもいいんだというスタンスだということでよろしいんですか。
#36
○政府参考人(内藤純一君) もう少し補足いたしまして、金融審議会での御議論を御紹介いたしますと、収納代行サービスにつきましては隔地者間での資金移動の方法として用いられており、為替取引に該当するという考え方がございました。
   〔委員長退席、理事大塚耕平君着席〕
 一方、収納代行サービスは商品等の販売に伴いまして販売業者がコンビニエンスストアに代金の受取を依頼しているものである、商品等の購入者である利用者が支払を行い、コンビニエンスストアが領収書を渡した時点で利用者の代金債務が消滅しており、その後のコンビニエンスストアが受け取った代金を販売業者に渡す行為は利用者による支払とは別の行為であるなどの理由から為替取引には該当しないという考え方もあるということでございまして、言わば両論併記的な整理という形にならざるを得なかったということでございまして、私どもとしては、必ずしもこれが為替取引には当たらないということで全く問題がないという、必ずしもそういう立場ではございませんで、この金融審議会の立場も、これについては個々のケースに即した判断というのも必要であろうし、一律的に今結論を出すということは控えるという形で締めくくったわけでございまして、私どもとしては、この今後の収納代行サービスなどにおける個々の展開というものを注視を更にしていきたいというふうに考えております。
#37
○富岡由紀夫君 よく分からないですけれども、今回こういう形で資金移動業者の登録を法案の中で義務付けているんですけれども、金融庁は必要だと思っているんだけれども今回は見逃すということなんですか。今回は登録は必要ないんですか。収納代行サービスの業者はこの資金移動業者登録の登録が要らないということでいいんですか。
#38
○政府参考人(内藤純一君) 金融審議会の御議論は今申し上げたようなことでございまして、最終的に、現段階において結論を見出し得なかったというものについては、規制の対象とすることについて現段階においては行わないという結論が出まして、それを受けて私ども金融庁としては、この収納代行サービスについては、現段階において新たな義務を課すというものではないというふうに考えております。
#39
○富岡由紀夫君 分かりました。結論を出さないということで理解しておきます。
 続きまして、先ほど格付会社の問題でちょっと触れさせていただきましたけれども、日本の国債がこれからどうなっていくのかと、格付を含めて財政再建に向けてこれからどうなっていくのかという議論をさせていただきたいというふうに思っております。
   〔理事大塚耕平君退席、委員長着席〕
 今回、補正予算を組んで大幅な国債を発行したわけでございますけれども、それで、予算委員会の中でもプライマリーバランスの黒字化はもうあきらめたと、無理だという説明もございましたけれども、そんな簡単にこの問題は済まされるものなのかどうかと非常にちょっと心配に思っております。
 与謝野大臣は財政再建派ということで、この財政規律についてはしっかりと運営していただけるものと期待していたんですけれども、その期待にこたえていただけなかったということで非常に残念な思いなんですけれども、今回、四十四兆円という国債を発行、これまで赤字国債を大量に発行し続けて国債の借金残高が膨大に膨らんでいる上に、更にまたその上乗せをしたということで、今後、日本の財政赤字はどうなるかということで非常に私は心配に思っております。
 小泉元総理は、公約で国債発行額は三十兆円という公約をされて、だけど公約を守れなくて三十兆円を超したときに、そんなこと大したことないというふうに開き直っておりましたけれども、今思ってみると本当に大したことないですね、もう三十兆どころか四十四兆も発行しているわけですから。小泉さんが言っていたことはやっぱり本当に大したことなかったんだと、逆の意味で、本当にやっぱり小泉さんはただ者じゃなかったなというふうに思っておりますけれども。
 そういった意味で、今回、非常に今まで財政再建に一生懸命取り組んできたと、それこそ社会保障費の増加額二千二百億円、毎年削ってでもやってきたんですけれども、それを一瞬にして葬り去ってしまったといった意味で、今までの努力は何だったのかと、骨太の方針というのは何だったのかというふうに思わざるを得ないというふうに思っております。幾ら骨が太くても、抜かれてしまったら、骨抜きになってしまったら全く意味ないというふうに思っております。
 この今までの骨太の方針に基づいて財政再建に取り組んできたことに対して、与謝野大臣はどのように思っていますか。今回、全くそれを、一遍に骨を抜いてしまったことに対してどのようにお考えになるのか。
#40
○国務大臣(与謝野馨君) 二〇一一年にプライマリーバランスを黒にすることは困難になっているということは、既に予算委員会の答弁で申し上げているところでございます。
 二〇〇六のときの前提、すなわち、二〇一一年にプライマリーバランスを何とか黒にしようという前提は、一つは歳出カットを徹底的にやっていくこと、歳入改革を前提にしていること、それから一定の経済成長率を前提にした到達目標であったわけでございます。
 歳出改革の方については当初予算に関しては厳格にそれを守っておりますけれども、歳入改革並びに成長の部分については二〇〇六で想定されたことが全く現実的なものではなくなったというわけでございまして、今先生御指摘のように大きな補正予算を作ったわけでございますが、補正予算作成前から実は日本の経済、財政というのは非常に懸念の大きい経済財政状況であったわけでございます。
 そこで、何をするのかと、政府としての責任ある態度はどうあるべきかと。これは昨年の暮れの中期プログラム、また国会で御承認をいただいた税法の附則の中に税制改正の方向性を書いていただきました。これが一つでございます。それからもう一つは、今月の末には骨太方針二〇〇九というのを書きます。その中に新たな財政再建目標というものをきちんと書いて、またその道行きについてもきちんと御説明できるような前提をつくって、皆様方にも、また国民の皆様方にも御説明する責任があると思っております。
 いずれにしても、このような財政状況を放置しておくわけにはまいりませんので、補正予算は緊急的な事態における例外的なことであり、財政再建というのはやっぱりその姿勢を内外に示すことが国としての信認を高めるゆえんであると思っております。
#41
○富岡由紀夫君 景気回復、確かに必要かもしれませんけれども、今言ったように、国の信認を、ベースをどこに置くかといったところだと思います。やっぱり財政再建のところがしっかりしておかないと、それこそ日本の信用、幾ら経済成長、景気対策、いろんなことを言っても、そこがぐらついてしまったら日本はもうもたないと、一遍に吹っ飛んでしまうというふうに思っております。今何とかやり繰りできているのは、金利が非常に低い水準で推移しているからこれで済んでいるんですね。今年度予算も九・五兆円ですか、利払い費、計上しておりますけれども、これはもう非常に過去に類を見ないような低い金利水準で推移しているから何とかやっていけるというふうに思っております。
 金利というのは、これはそれこそいろんな経済要因、様々な要因が関係しますけれども、いつまでも低い水準でいることはできないというふうに思っております。必ず景気の循環、金利のいろんな循環があって上がってくることがあります。一%上がると、これはもうそれこそ八百十六兆円、純債務八百十六兆の一%でも八兆円ですか、それこそ社会保障費なんかはもうほとんど、ほとんどというか、二十八兆のうち八兆また削らなきゃいけなくなったり、どこで削るかは別として、予算が全く組めなくなるというふうに思っております。金利が上がってくると、削ることはもちろんなかなかできないでしょうから、そうするとまた追加的に赤字国債を発行しないといけない。赤字国債を発行するということはまた国債の供給が増えるわけですから、金利の上昇要因になってくるということで、金利上昇の完全なスパイラルに入る懸念が非常に高くなってくるわけですね。そうすると、経済活動もなかなか、金利が上がってくれば低迷していきますから税収の方も少なくなってくる、そうするとまた赤字国債を増やさなきゃいけないということで、二重、三重に、一度金利が上がり始めるともう歯止めが効かなくなってしまうリスクが非常に私はあると思っています。
 そうじゃなくても今回、世界中がこういう景気対策ということで国債、債券を発行しておりますので、債券市場は供給過剰になってくるということが容易に想像できます。実際、日本の長期金利なんかも上がってきておりますし、アメリカなんかもその心配を今しているところですけれども、金利が上がったらどうなるのかと。私は、もう一遍に日本の財政状況は、予算なんか全く組めなくなってしまって、それこそ国家破綻にあっという間につながってしまうんじゃないかというふうに思っておりますけれども、そういった懸念について、財務大臣はもちろんお考えはあるんでしょうけれども、そういった私の今の見通しというか、これは長期的な仮定の話かもしれませんけれども、金利というのは生き物ですから、いつ上がるか分からない、どういった要因で上がるか分からない。そういったことになったときに対処できなくなってしまうのがこの財政赤字の問題だというふうに思っておりますけれども、この点について日銀総裁に、今回お越しいただいたのは、国債を日銀さんは大変毎月の引受額を増やしたりされておりますので、私は、財政赤字をつくった、財政赤字を増やすことに加担してしまったんじゃないかと思っているんですけれども、そういったことはないというふうにずっとおっしゃっていますけれども、結果としてそういうことに私はなっているんじゃないかというふうに思っておりますので、そういった面も含めて、この金利上昇リスクについて、そうなった場合どうなるのかということを含めて、お考えがあればお示しいただきたいというふうに思っております。
#42
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 長期の国債の金利の決まり方でございますけれども、今議員御指摘のとおり、これは経済全体の動きの中から決まってくるものでございます。市場のことですから日々の金利はいろんな要因でもちろん動きますけれども、少し長い期間を取ってみますと、結局、長期の国債の金利は成長率、それから先々の物価に対する見通しで基本的には決まってくるということでございます。仮に、経済が持ち上がってくるということになりますと、そうするとそのことを前提にしていろんな行動が始まります結果、それに応じて長期金利も上がってくるということでございます。そうした場合の長期金利の上昇は、それ自体が経済に対して悪影響を及ぼしていくというよりか経済活動の言わば体温として変動するということだろうと思います。
 問題は、今まさに議員御指摘のとおり、将来の財政に対する運営あるいは金融政策に対する運営について、これが疑念が生じてくる、つまり長期的な安定にコミットする政策ではなくて、短期的な動向で財政なり金融が運営されることになりますと、そうすると今度は、そこにプレミアムというものが上乗せされることになります。この分は、これは経済活動に対して悪影響を及ぼしていくというふうになります。
 そういう意味で、長期の国債市場の金利が安定的に形成されていくというためには、長期的にしっかり財政のバランスを維持していくという姿勢が大事だと思いますし、それから金融政策も本来の目的である物価の安定を通じて持続的な成長に貢献していくということでしっかり運営されていくということが大事だと思っております。
 また、後から御質問あるかもしれませんけれども、私どもの長期国債のオペにつきましては、これはあくまでも金融調節を円滑に進めていくために必要な範囲で行っているということでございます。決して財政のファイナンスを側面から支援していくということで行っているものではございません。万が一にもそうした目的で運営されているというふうに認識されますと、これはまさに先生がおっしゃったようなプレミアムの発生を通じて経済に対して逆に悪い影響が出てくるというふうに思っております。
#43
○富岡由紀夫君 金利の問題はいろんな要因でそれこそ変わって影響があるんだというふうに思っておりますけれども、私は、一番やっぱりダイレクトに影響があるのは、国債の、債券の需給バランスが大きな影響を持っているんじゃないかと思っています。
 今少し株価も上がってきたし、いろんな商品市場なんかも上がってきています。ということはどういうことかというと、そっちにお金が入っていくわけですね。今まで国債で運用していた人たちが違うところにシフトし始めるといった動きが出てくると思うんです。そうなってくると、どういうことが起きるかというと、国債の引受手がいなくなってくる。そうすると、まさしく金利が、これが悪循環でどんどんまた上がってくる、長期金利が上がる要因になってくるというふうに思っております。
 それで、これからの今後の政府の見通しですと、やはり赤字国債、この国債の発行は簡単にはもう減らないんだということをこれは示しているわけですから、もうプライマリーバランスは二〇一一年にはならないということを示しているわけですから、これから需給バランスはますます国債の供給過剰になってくるというふうに考えておきますと、金利上昇リスクというのは、私は非常に高い確度で高まってきているんじゃないかというふうに思っております。そうなったときに財政がもう破綻するということになるわけですから、この問題については、やはり本当は今回補正なんか、あんなばらまきで組むんじゃなくて、財政再建でやるんであればその枠の中で景気対策も私は行うべきだったというふうに思っております。
 今申し上げました国債がこれから大量に供給されると、もう既に供給されていますけれども、この問題と、長期金利、金利の上昇の問題と、今後の財政運営、利払い費の負担について与謝野大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(与謝野馨君) 私ども、補正予算は、項目別に御点検いただければ、いわゆる悪い意味でのばらまきという要素はないと確信をしております。ただ、この補正予算を作るについては、結局、国債発行に頼らざるを得ないということで、長期金利市場にどのような影響を与えるかということもよく実は検討をいたしました。
 先生御指摘のように、日本の財政構造は金利上昇に対して極めて脆弱な構造を持っております。特に一年間の借換債を含めた国債の発行は百二十兆から三十兆に及ぶということですから、一年、最初の年でさえ一%で借換債を含めた国債発行額の金利が上がりまして、一%上がるとそれだけ影響が出てくる。これは深刻な問題でございまして、我々、これぞまさに、財政の健全性もさることながら、経済そのものを破壊してしまうことになると、こういう観点から財政再建に取り組んできたわけでございます。
 補正を作ったからといって財政再建目標を放棄したわけではありません。補正は現在の経済を底抜け状況にさせないためのやむを得ざる緊急的な措置でありますけれども、やはり財政の健全化を目指して歳出削減努力も歳入確保努力もそれから成長政策も併せてやっていくということが政府の責任であり、また国会としてお考えいただかなければならないことであると思っております。
#45
○富岡由紀夫君 補正の在り方はもうさんざん議論したので改めて何度も言いませんけれども、端的に言うと、今回の補正は一時的なその場しのぎの私は対応じゃないかと思っているんですね。やはり日本の持続的な成長を本当に考えるのであれば、長期にわたった内需が生まれるような、そのベースとなる雇用のいろんな、これからの育成という雇用のいろんな問題を対応できるような政策を取らないといけないと思っていたんですけれども、それが例えば、いろんな介護の問題もそうですし、林業のいろんな雇用創出、いろんな分野ありましたけれども、やはり一時的なものだけであって、長期的なそういった雇用、ずっと長く働きたい人が将来のビジョンを持ってその仕事に就きたい、就ける、安心して就けるというような政策になっていないというところが私は問題だというふうに思っております。
 この問題はもうさんざん予算委員会の中でも議論したのでもうこれ以上は申し上げませんけれども、ただ、そういった長期的な、何というんですか、考えなしにその場しのぎで作ったような補正予算、これが私はもうどう考えてもばらまき以外何物でもないというふうに思っております。財政再建を論じるのであれば、まずはこの補正予算を本当はやめるべきだったと私は思っております。
 言っていることとやっていることが最近、与謝野大臣は少し、かなり乖離してしまっているんじゃないかということで思っております。口では社会民主主義とか言っておりますけれども、やっていることは全く違うことをやってきたんじゃないかと私は思っているので、余りおかしな変なことはおっしゃらない方が私はよろしいんじゃないかというふうに思っております。
 先ほど言いましたけれども、国債の借換債、二十一年度は百四十九兆だから百五十兆ですね、もう今年だけでも百五十兆の国債の借換えが発生するわけですから、今後ますますこの金額は増えていくということになってきますから、やはり金利上昇リスクへの備えというか、そういったものは本当に考えておかないと私は駄目だと思っております。
 金利上昇リスクのやっぱり備えというのは、基本的には財政赤字を減らすことなんですけれども、そのためには歳出と歳入の改革を徹底的にやらないといけないわけですけれども、具体的な、これから骨太の方針を、まあ今月末いろいろと検討されているようですけれども、歳出歳入改革の具体的な中身をどういうふうに組んでいこうとお考えなのか、与謝野大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
#46
○国務大臣(与謝野馨君) 申し訳ないんですが、経済対策の必要性というのは、民主党の政策でも経済対策の必要性はお述べになっているわけでございます。我々はやはり経済対策は必要だという観点から補正を組んだわけで、元々こういうものが必要なかったという議論はなかなか我々としてはできないわけでございます。
 いずれにしても、歳出改革だけでは財政の立て直しはできない、これはもう明白でありまして、やはり歳入改革ということについてお考えをいただかないと、日本の財政は立て直すことはできません。
 また、一部我が党の中で上げ潮派という考え方を言っておられた方がいて、この方々は、四%、人によっては五%の経済成長率、インフレ率がまあ二、三%、長期金利はまあ成長率より低いというような前提で、何もしなくても大丈夫なんだと、こういうことをおっしゃっていたんですけれども、どうもそういう考え方は我々は取れないと。やっぱり愚直に歳出削減をやり、それから、なかなかお認めいただけないんだけれども、税制の抜本改革を愚直に進めると、経済成長もあらゆる政策を取ってやっていくと、この三つの努力をしなければ日本の財政は健全にはならないと、その考え方は別に私は変えたわけではありません。
 今回の補正予算において実現しようとしている経済対策は、緊急的なもの、一時的なもの、それによって失業を増やしたり、あるいはゆえなき中小企業の倒産を防いだりと、極めて善意に基づいて作った補正予算だと私は信じております。
#47
○富岡由紀夫君 同じことを何回も予算委員会では聞いているんでもうこれ以上議論しませんけれども、日銀総裁にお伺いしたいんですけれども、いろんな日銀さんの役割があると思いますけれども、その中で、やはり政府のやっていることに対していろんな影響を受ける部分も多々あるというふうに思っております。まさしく国債の発行なんかは、いろんな金利の問題、いろんな債券市場、いろんな金融市場の影響が大きいというふうに思っておりますけれども、ヨーロッパなんかは、財政規律を守る意味で、EU加盟国に対してはマーストリヒト条約という条約をちゃんと守りなさいよということで、GDP対比の毎年の赤字の率と、あと国債、借金のGDP対比の枠組みが規定されていて、それを守るべきだという財政規律があるんですけれども、私は日本にもこういった規律を、財政規律として、ルールとして定めてやるべきだというふうに思っているんですね。骨太の方針、幾ら掲げても簡単に骨抜きになるわけですから、こんなの全く財政規律の歯止めにならないというふうに思っております。
 そういった意味で、マーストリヒト条約、EUのそういった財政規律みたいなものを導入すべきだというふうに私は思っているんですけれども、その点について総裁の御意見をお伺いしたいというように思います。
#48
○参考人(白川方明君) マーストリヒト条約がなぜ生まれたかという背景を考えてみますと、域内の各国がそれぞれの通貨の主権を放棄して金融政策は一本で行う、経済の安定化政策というものについて金融政策を放棄する、そのときに財政政策についても各国が規律を持っていませんと、先ほど来の先生のお話でございますけれども、結局通貨のコントロールもうまくいかないということで、各国が共通の枠組みを設けて、それが財政の規律、今おっしゃった基準だというふうに思います。
 欧州の場合はそういう形で具体的なルールを設計したわけでありますけれども、各国、例えばイギリスも、それからアメリカも、それから日本もそうでございますけれども、各国のそれぞれの法の枠組みの中で財政規律をしっかり保つためのいろんな工夫をしているというふうに思います。そういう意味で、日本の中でマーストリヒト条約と全く同じやり方がいいかどうかについては私は発言差し控えますけれども、ただ、大事なことは、まさに先生がおっしゃっているように、財政の規律を長期的にしっかり守っていく、それから金融政策についても本来の目的に沿って運営していくということについて政策当局がしっかりコミットをし、それから、それを国会あるいは国民がしっかりサポートしていくということが大事だというふうに思います。
#49
○富岡由紀夫君 日銀総裁も必要性は認めていただきましたけれども、やはり骨太の方針、今までの方針のようなプライマリーバランスの黒字化というのも、これも一つの大きな目標ではあったけれども、簡単に目標が流されるようでは目標にはなっていないと私は思っています。ちゃんと守られるような、今言ったような国債の、借金のフローとか残高でちゃんとある程度の水準を設けて、それは絶対守るんだという、公約というか、そういったものをやっぱり日本も作るべきだというふうに思うんですけれども、与謝野大臣のこの点についての御意見をお伺いしたいというふうに思います。
#50
○国務大臣(与謝野馨君) 今考えておりますのは、フローの目標、これはプライマリーバランスなんですけど、それに関して、すごい長い先のことなのか、割に手の届きそうなところの目標なのか、そのプライマリーバランスの目標も立てます。これはフローの目標として立てます。
 それからもう一つは、やはり債務残高対GDP比を発散させないための目標も作ります。作りますが、先生言われるように、そうは言ったって骨太方針というのは閣議決定であって法律じゃないと。これは、そういう財政再建目標あるいは財政再建の手法を法律に書くというのは、例えばアメリカでもやったことがありますし、日本の場合はどうかといえば、そういうがっちりしたものができるということであればそれは国会の御判断ですが、厳しい目標であってもみんなが目標を作るという、そしてその目標の中で財政をやっていくという、厳しい縛りを掛けながら財政再建をやっていくというのは一つの私は有力な手法であると、そのように思っております。
#51
○富岡由紀夫君 時間が来ましたので、これで質問を終わります。
#52
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。
 私、金融商品取引法に関しまして三つの観点で御質問したいと思います。
 まず一つは、今回、株式市場のいろんな運用の強化を行うということ。そして二つ目に、ほかにございます商品の取引所の関連の法案も改正の議論がされていまして、総合的な取引所、金融のみならず現物までも含めた総合的な取引所を実現するということがうたわれていますので、その点について。そして三つ目に、市場が中小企業等に対する影響はどういうふうにあるかということを御質問させていただきたいと思います。
 ただ、一番初めに、先ほど富岡議員からも御質問あった点で、これはちょっと質問登録させていただいていませんが、私もやはりこの補正の問題につきましてはいろいろ議論をさせていただいたんですが、一つやっぱり大臣にお聞きしたいのは、将来の収入をどう考えておられるか。よく世間では消費税を上げるということだけが取り上げられていますが、実際に税法の附則を読むと、消費税のみならずほかの税収の上げ方も読めるようになっていると私は思っておりまして、例えば、これは個人の意見でございますけれども、私が思っている重要な税制の基盤は、一つは納税者番号制の導入、そしてもう一つは総合課税だと思うんですね。収入を得るとともに、この納税者番号ができれば、恐らくある程度収入がある高齢者の方々などに対する社会保障の支出を減らすこともできるというふうに考えておりまして、大臣はそのような点についてどうお考えか、そしてまた検討を進めるおつもりがあるかどうか、まずお答えいただけませんでしょうか。お願いいたします。
#53
○国務大臣(与謝野馨君) 昨日も財政制度審議会が開かれまして、全く先生と同じ意見が審議委員から出てまいりました。
 私は、納税だけでなく社会保障、医療その他の社会福祉制度、これはやっぱり番号で整理しませんと事務的にもう間に合わないと思っております。ただ、番号制度を導入するときの一番大きな問題点はやはり個人情報保護をどうするかということだろうと思っております。むしろ、そういう納税者番号あるいは社会保障番号、安心社会番号とか、そういうやっぱり名寄せの利く番号制度をつくらないと、実は事務効率ばっかりじゃなくて不公平なことも見逃してしまうということになりますし、やっぱり番号で管理しないと事務的なミスもたくさん発生するという意味で、やはりこの番号は、税と言わず社会保障と言わず、日本の社会として早急に決めて実施しなきゃいけない問題の一つだと私自身は思っております。
#54
○藤末健三君 是非、大臣におかれましては、もう至急もっと細かく検討していただきたいと思うんですよ。
 今私が財務省などの方のお話をお聞きしていますと、納税者番号という概念だけで考えておられますんで、もっと広く、例えば先ほどおっしゃっていただきましたように納税者番号というか国民番号みたいなものができれば行政事務が相当効率化されます。一回韓国のデータを見たことがあるんですけれども、事務の効率化の支出削減は大きいです。そしてもう一つは、先ほど申し上げました社会保障、きめ細かい社会保障ができると、またその削減もできるであろうと。そして、最後一番大きいのは、番号を入れることと総合課税が同時に行うことができれば恐らく今の税率を維持したままでも税収は私は上げられると思います、間違いなく、これは。是非研究していただきたいです。
   〔委員長退席、理事大塚耕平君着席〕
 なぜかと申しますと、我々民主党はもうその二つは政策に入っています、総合課税と納税者番号は。ですから、我々はすぐ実行できるんですね。同じお考えをお持ちですので、財務省を中心に今厚生労働省も社会保険番号ということで議論されているんですよ。ただ、それぞれ皆さんタコつぼに入って議論されていますんで、もっと広い、日本国にとって何が大事かという観点から検討をもっと進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 そこで、まず御質問の方に移らさせていただきまして、皆様のお手元に資料をちょっとお配りしていると思いますが、この三枚目をちょっと御覧になっていただけますでしょうか。
 中小企業に対する金融機関、ちょっと名前まで出しておりますが、の融資の状況を、平成二十年三月期のデータ、そして平成二十一年三月期のデータ、昨年度と一昨年度のデータを比較したものでございます。これは各銀行のディスクロージャーから、データから持ってきたものでございます。
   〔理事大塚耕平君退席、委員長着席〕
 ここで、まず上の表を見ていただきますと、早期健全化法の対象となって税金、公的資金の注入を受けた銀行のリストがございます。そして、下にございますのは、これは改正前の金融機能強化法でございますが、金融機能強化法の対象となった二つの銀行がございます。そのうち、一番上にありますりそなホールディングスを見ていただきますと、右端に増減というのがございますが、中小企業等に対する融資、実はマイナス〇・三%となっていると。そして、その他というのは何かと申しますと、全体の融資から中小企業分を引いたもの、これはまた主に大企業等と言われていますけれども、大企業等に対する融資は一三・三%増えているということ。
 そして、もう一つ御覧になっていただきたいのは、金融機能強化法の対象となりました豊和銀行、見ていただきたいと思います。これを見ていただきますと、中小企業等に対する融資はマイナス七・八%、減っている。一方で、その他、大企業等については四・七%ということで増えているという状況でございまして、先ほどの質疑の中におきまして、与謝野大臣は、中小企業に対する支援を行うことが重要であるということをおっしゃっております。
 そういう観点から見て、この公的資金を注入された金融機関が、今非常に資金繰りが厳しい中小企業に対してこのように融資を減らし、一方で大企業に対する融資は増やしているという状況をどのようにお考えか、教えていただけますでしょうか。お願いいたします。
#55
○国務大臣(与謝野馨君) 公的資本増強行については、引き続き、中小企業向け貸出しの状況を含め、経営健全化計画等の履行状況をフォローアップしまして、必要があれば法令等にのっとり適切に対処してまいりたいと考えております。
#56
○藤末健三君 大臣、私は、今指導が必要じゃないかということを申し上げているんですよ。いかがですか、このデータ見られて。これはもう本当に最新のデータですよ。いかがですか。今私は必要じゃないかということを申し上げています。お願いします。
#57
○国務大臣(与謝野馨君) やはりそういう場合は、指摘された銀行からは報告を徴求した上で、金融庁の持っている権限の範囲内で適切に対応していくということでございます。
#58
○藤末健三君 実はこのデータ、私の事務所の方が早く作っていたんですよ。金融庁さん御存じなかったんですよ、本当のことを言うと。ですから、是非とも、一つだけお願いします。このデータは、私はもうディスクロージャー誌から取っていますので、もっと細かいデータを取っていただいて、特にこの二つの銀行についてはきちんと対応することだけ約束してください。もう一度お願いいたします。
#59
○国務大臣(与謝野馨君) 当然、そういう御指摘があれば金融庁においてしかるべき対処をいたします。
#60
○藤末健三君 是非お願いしたいと思います。やはり我々の血税を使わさせていただいているわけでございますので、この今の景気の問題などにも対応していただくということを金融庁がきちんとチェックをすると、それがやはり私たちの税金を使っていただくということの信頼につながると思うんですよ。そこをまず是非お願いしたいと思います。
 そして、同時に、またこの同じ表の下側をちょっと見ていただきたいんですが、参考ということでメガバンクというのがございます。これちょっと金融庁の方にお聞きしたいんですが、メガバンクの平成二十年三月期、そして平成二十一年三月期で締められたこの融資の状況について、中小企業に対する貸出しと、そして大企業に対する貸出しの比率はどうなっているかということをちょっと教えていただけませんでしょうか。お願いします。局長、お願いします。これですよ。──済みません。時間がないんで私が代わりに御説明申し上げますと、三菱UFJ銀行プラス信託も含むんでございますが、これは、平成二十年三月期、一昨年度を見ますと、中小企業に対する貸出しは二%減り、一方で大企業に対する貸出しは一三・六%増えていると。三井住友銀行、これは昨年度、中小企業に対する貸出しは前年度比マイナス一・三%、一方で大企業に対する貸出しは一八%増えていると。そして、みずほファイナンシャルグループ三つ合わせたものは、昨年度、中小企業等に対する貸出しはマイナス三・五%、一方で大企業等に対する貸出しは二〇・五%も増えているという状況でございます。
 実際に私がなぜこのデータを調べたかと申しますと、周りにいる企業の社長とこの間話をしていましたら、黒字を出しましたと、決算、ところが黒字を出したにもかかわらず、あるメガバンクからは融資を返してほしいと言われたと。だから、彼は、キャッシュフローはちょうどあったので、それはお返ししますよということで済んだんですが、もし自分がキャッシュフローなかったら多分つぶれていただろうとおっしゃっていたんですよね、つぶれていただろうと。
 金融庁でも大臣でも結構ですけど、このようなメガバンク、下見てくださいよ、有力地銀。有力地銀はちゃんと増やしているんですよね、中小企業に対する貸出しを。見てください。地銀が一生懸命中小企業に対する貸出しを増やしている中、メガバンクは中小企業からの貸出しを減らし、一方、大企業に貸出しを一気に増やしているわけですよ、二割とか。この状況をどうお考えですか。是非御答弁いただきたいと思います。
#61
○政府参考人(内藤純一君) 私の方からお答えをいたします。
 委員御指摘のように、二十年三月期と二十一年三月期、この二期を比べますと、おっしゃるような数字になっているということは事実でございます。私どもといたしましては、特にこのメガバンクの貸出しの減少、特に中小企業に対する減少というようなものがあると、そういうことについてどうかというような御意見もございまして、それも踏まえまして、金融庁としては、現在、メガバンクを含めました金融機関に対しまして特別ヒアリングでありますとか集中検査というものを行いまして、この中で、リスクをきちっと取る中で貸出しを円滑に行っているかどうかという観点も盛り込んだ検査、措置も講じているところでございます。こういったことによりまして、仮に何らかの問題があるというようなことがあれば適切に是正をしてまいりたいというふうに考えております。
#62
○藤末健三君 局長、まず、いつまでになさるか教えてください。いつまでに検査をされ、是正措置を行うかというようなことを教えてください、期限。
#63
○政府参考人(内藤純一君) 特別ヒアリング、特別調査、集中検査ですね。特別ヒアリングや集中検査については六月までに結果を出すということで今やっております。
#64
○藤末健三君 なるべく急いでやっていただきたいと思います。
 そして、私は大臣にちょっと申し上げたいのは、これ聞いてみますと、クラウディングアウト、ほかの資金需要が増えているんで中小企業からお金を移しているという状況があるように聞くんですよ。まず一つあるのは、今、後、話を申し上げますけれど、大企業が市場からお金を取れなくなっている、社債とか株式からお金を取れなくなっているんで、融資、銀行から借りるしかないから、大企業の資金ニーズが増えて中小企業から移っているという話がまずありますし、あともう一つ、私は是非調べていただきたいのは、国の資金ニーズが民間の資金ニーズに対して圧迫を掛け始めているんじゃないかと思うんですよ。
 局長にお願いなんですけれど、今回銀行に話を聞かれるときに、国が借金をしますと、その借金のお金のニーズが民間企業が借りようとしているお金を逆に取っているんではないかという僕は可能性があると思いますので、その点もきちんと聞いていただきたいと思いますが、いかがですか、局長。
#65
○政府参考人(内藤純一君) 昨年の年末から今年にかけまして、特に今お話しのようなクラウディングアウトといいますか、そうしたものがあるんではないかというような御指摘があったことも事実でございます。
 これを踏まえて、私どもも、これ監督局サイドでございますけれども、主にヒアリングをいたしまして、この中で、政投銀でありますとか、それから日本銀行もそうですけれども、CPの買取りであるとかあるいは社債を適格担保化するであるとか、そういった形で流動性の供給というものに対して本格的に取り組んできたということで、最近につきましてはCP市場、社債市場がかなり落ち着いてきたというようなものもございます。
 他方、貸出しにつきましても、そうしたことで全体としては私どもとしてはこの状況を見守っているという状況でございますけれども、先ほど申し上げたように、個々の問題ございましたら的確に対応するように対応していきたいというふうに考えております。
#66
○藤末健三君 是非、先ほどおっしゃっていただいた、各銀行からヒアリングをし適切な指示を行っていくことは、もう本当になるべく早く行っていただきたいというのがまず一つありますし、そして大臣にお願いがありますのは、個別の銀行のことも非常に重要ですけれども、マクロのことも把握していただきたいと思うんですよ。
 今回、いろんな信用を供給する政府のシステムはできたわけでございますけれども、本当に私が一番、先ほど富岡議員も指摘ありましたけれども、国の赤字がどんどん増えることによって資金需要を本当に増やして供給と合わなくなる、そしてクラウディングアウト、金利は上昇しますよということが私は起こる可能性はあると思います、正直申し上げて。
 ですから、その点も含めて、ミクロの動きも見ながら金利の動きなんかも把握していただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。
 次に、株式市場の話に移らさせていただきたいんですが、今いろんな対策を打っていただいているわけでございますけれども、基本的に政府が信用を担保するような方向だけに進んでいると私は思います、今。ではなく、やはり基本にあるのは、市場からきちんと資金が企業でありそして民間の消費部門でありにお金が流れることが景気対策の基本じゃないかと。
 そういう意味におきまして、この株式市場というのは非常に大きな機能を果たすんではないかと思いますが、私は今、実際にこの市場を通して流れるお金のフローの流れとかを見ている範囲では、私は今機能不全に陥っていると思います。ですから、是非とも、この法律を通すこととともに、やはり株式市場の機能をもう一度復活させるということをしていただきたいと思います。
 その中で、やはり一番重要なことは何かと申しますと、まず一つあるのはやっぱり株価を上げること。株価が上がれば、試算しますと、株価が大体一割上がると三十兆円の信用供与能力ができるという計算がございまして、株価が上がるとそれだけ信用が供給されると、三十兆円。
 政府が一生懸命頑張って法律を通しても、恐らく三十兆ぐらいじゃないですか。株式市場であれば一気にできるということがございますので、株価を上げる取組、そして株価を上げるためには、私は、一つあるのは、この金融機能強化プランにもございますけれども、やはり一般投資家、千五百兆円と言われている金融資産をどれだけ市場に呼び寄せるかというのがポイントになると思うんですが、その点につきまして、大臣若しくは局長、お答えいただけますでしょうか。お願いします。
#67
○国務大臣(与謝野馨君) やはり一般の方が市場に参加するためには経済自体の先行きが明るいというのがないと、なかなか投資を手控えるというところがあります。税制では株式投資をして得た利益は一〇%という法律をまた継続していただきましたけれども、やっぱり基本的には株式市場に対する一般の投資家の方の信頼感、その前提にあるのは、やっぱり日本の経済あるいは世界の経済に対する少し明るい見通しというものが前提になっていると思います。
 多分、株価は九千五百円を超えてまいりましたので、確たるデータはありませんけれども、個人の投資家も少しずつ市場に戻ってきてくださっているのではないかということを言われる方も出てまいりました。
 やはり株が一定水準以上でないと、銀行のバランスシート、生保のバランスシート、また一般の企業のバランスシートも傷みますし、社会全体としての活力がなかなか出てこないというのは、先生の仰せのとおりだと私は思っております。
#68
○藤末健三君 これ、ちょうど一年半前に出されました金融・資本市場競争力強化プランというのがありまして、これは金融庁がまとめていただいたものでございますけれども、その中にもやはり一般投資家の資金を導入することが非常に大きな柱として立っているわけでございますけれども、実際にこの計画が作成された後の動きを見ても、そんなに大きな、ある程度上がっているんですよ、実はデータで見ますと、上がっているんですが、それほど大きな動きにはなっていないと思います。
 大臣、是非この資料をちょっと見ていただきたいんですけれども、お配りした一枚目です。一枚目の左側にございますのは、主要取引所、証券取引所の売買代金の推移を見ておりまして、ナスダックと例えば東京証券取引所のお金のフロー、流れですね、売買の額を見ますと、もう六、七倍違うという状況になっています。私は、やはり株価も上げることも重要なんですけれども、お金の流れ、ストックとしての価値も重要だと思いますが、お金がどれだけ流れ、そして投資家から企業に渡っていくかというのも一つの重要な指標だと思うんですけれども、その点につきましてどういうふうにお考えですか。
 例えば、私が危惧していますのは、二〇〇八年の夏、これはちょっとリーマンショック以前のデータでございますけれども、中国の三つの市場、深センと上海ともう一つありますけれども、その時価総額を合わせますと東証を抜いたということですが、記事になっておりまして、実際にこのマネーフローベースで見ますと、その東証はナスダック、アメリカの一つの証券取引市場の六分の一ぐらいの機能しか果たしていないという状況でございますが、その点についてどんなふうにお考えかということをちょっと教えていただけますか。局長、お願いいたします。
#69
○政府参考人(内藤純一君) まさに先生が御指摘のような問題点というのは私どもも痛切に感じておりまして、そういったところでこの証券株式市場というものをどういうふうに活性化していくかという問題で、言及ありましたけれども、市場強化プランというのを出しまして、これで、これを法案化していくという形で、今回の御提案している法案の中にこの市場の活性化策という形で盛り込んだということでございます。
 既に、昨年も金融商品取引法の改正の中で、プロ向け市場の導入というようなものも盛り込んでおります。後で御質問あるかもしれませんけれども、プロ向け市場についてはTOKYO AIMという名前で既に六月の、この今月の一日から業務を開始をするという形で、こういう中長期的な取組というのをこれ本格的に現在やっております。
 他方、昨年の特に秋以降、大幅な株安というようなものがございましたので、これについてはその時々における緊急対応という形で取っております。
 そういうことで、この中長期的な対応、そしてまた短期的な対応というものを含めまして、この投資家というものをいかにすそ野を広く、また厚くしていくかということで、特にこの個人投資家というものに着目いたしまして、その育成のためにこの税制の改革というものの中で個人投資家の取り込みということで、市場のこの厚みを高めるということに努力しているところでございます。
#70
○藤末健三君 先ほどのAIM、これロンドンにあるプロ向けの証券市場の話を出させていただいたんですが、私は、実はこれは前の商取法の改正のときに、実際にロンドン・ストック・エクスチェンジに伺って、AIMのボードメンバーにお会いして話を聞いたんですよ。それで、私は提案したんです、実は、プロ向け市場をつくるべしと。そういう意味で、動き出したのは非常に有り難いとは思います、正直申し上げますと。
 ただ、このAIMを私はこのまま導入するだけじゃ成功しないと思っておりまして、難しい話しますと、この市場に参加される方々、ノーマッドと言われている方々、そういうものをどういうふうにお考えかというのをちょっと教えていただけませんでしょうか。プレーヤーをどうするか。例えば、日本の国内の一般の方々が私は参加したいと言った場合にそれは参加を認めるかどうか、そういうことをちょっと教えていただけませんでしょうか。お願いします。
#71
○政府参考人(内藤純一君) お答えいたします。
 ノーマッド、いわゆる指定アドバイザーと呼ばれておりますけれども、これは、TOKYO AIMのマーケット、これはロンドンのAIMのマーケットの仕組みを例に取りまして制度化したものでございますけれども、上場企業というものに対して上場審査を行う、そしてまた、上場した後きちんとした情報開示がなされているか、あるいは行動規範というものにのっとって上場企業というものが対応しているかというものを常に監視をしていくという形で市場の健全性を守る、透明性を守るということでノーマッドが機能してもらうという制度でございます。
 現在、これはTOKYO AIMというマーケットのビジネス上の問題になろうかと思いますけれども、日本の金融機関というものを中心にいたしまして、ノーマッドになりたいという形で現在話が進んでいるように聞いております。
 もちろん、このTOKYO AIMというものの取引所の今後の発展というものは、このノーマッドがどういう形で機能していくのか、あるいはまたすそ野が広がっていくのかということが非常に重要であろうというふうに思いますので、これについては積極的な対応、私どももこれにサポートしていきたいというふうに考えております。
#72
○藤末健三君 是非お願いしたいと思います。
 そしてまた、この金融・資本市場競争力強化プランの中にもございますように、デリバティブの清算機能を我が国でも持とうという話がございます。
 実際に調べてみますと、サブプライムローンで非常に問題になりましたCDS、クレジット・デフォルト・スワップの清算をする業務は、もうアメリカでは、インターコンチネンタルか何かが多分実際に動き始めていて、ニューヨークとかCME、シカゴ・マーカンタイルもたしか動いているはずだと思うんですよ。
 そういう中で、我が国のこのCDSの清算業務、それはどのようにお考えでしょうか。局長、お願いします。
#73
○政府参考人(内藤純一君) お答えいたします。
 まず、各国の状況でございますが、現在は業務開始というものが二社あるようでございます。ICEという会社、これは米国と欧州にまたがっている会社でございますが、それとヨーロッパのNYSE、これもヨーロッパとアメリカの会社ですが、NYSEユーロネクスト、この二社が既に業務を開始したということでございまして、そのほかもCMEでありますとかLCH、ドイツ証券取引所などが今後の設立業務の開始に向けて準備中であるというふうに承知をしております。
 そこで、CDSを含む店頭デリバティブ取引につきましては、今回の金融危機の中でシステミックリスクの軽減が非常に重要な課題でございまして、その軽減策の一環として各国において清算機関の設立に向けた取組が進められているというふうに承知をしております。清算業務の提供が行われるということになりますと、デリバティブ取引につきまして市場の透明性が確保される、カウンターパートリスクの削減など適切なリスク管理が可能となるといった意義があるものと考えております。
 我が国におきましての現状でございますが、現在、東京証券取引所及び東京金融取引所が清算業務を提供すべく検討を進めているところでございます。
 金融庁といたしましては、清算業務の提供の具体化に向けた取組が進展することを期待しておりまして、引き続き関係者の検討をフォローしてまいりたいと考えております。
#74
○藤末健三君 CDSの清算業務について二つの組織が動き出しているのは存じ上げているんですけど、この二つの組織、東証さんと金融市場さんがやろうとしているのは伺っているんですが、計画を聞くと、来年度若しくは来年の頭とかいう話になっておりまして、今のCDSの清算処理というのはもう喫緊の課題で、急速に進んでいるはずなんですよ。
 データが私ちょっと手元にないので、もし御存じだったら教えていただきたいんですけれども、今CDSを清算したいという人たちは多分ヨーロッパやアメリカが中心かもしれませんけれども、その清算に対する資金を提供しているのは我が国だと思うんですよね、恐らく。そうしますと、至急国内にCDSの清算の仕組みをつくらなければ、我が国のお金は結局海外で清算されちゃうのに使われるだけじゃないかと思うんですけれども、もっと早くする必要ありませんか、これ。局長、いかがですか。
#75
○政府参考人(内藤純一君) CDSを含みます店頭のデリバティブ取引につきましては主に金利スワップという取引が中心でございまして、あと、通貨デリバティブでございますとか株式のデリバティブといったものがあろうかと思います。
 そこで、主にこれは、やはり取引のボリュームから考えますと、アメリカのマーケットそれからヨーロッパのマーケットで、主に取引所ではなくて店頭で行われている。今回の金融危機といいますのが、取引所で行える取引でございましたら、まあ問題が起きましても最小限の問題にとどまる、そういう形で秩序立った清算が行われるという仕組みになっていたわけでございますけれども、これが店頭で行われる、CDSが特に広範に行われていた。AIGという会社がかなり仲立ちをしたことで有名でございますけれども、そうした取引のボリュームというのを考えますと、アメリカ、ヨーロッパが極めて大きな問題を抱えてきたと、そこでこういう問題認識に立ち至ったということでございます。
 日本につきましては、主に金融デリバティブにつきましても取引所の取引においてかなりのものが行われているというふうに承知をしておりまして、店頭のマーケットでの問題というのは欧米と比べますとかなり小規模であるということは事実ではないかなというふうに思っております。
 ただし、世界的にこういった問題についての認識が高まってきているわけでございますので、これにつきましては、今申し上げたような関係者の検討というものを的確にフォローをしていきたいというふうに考えております。
#76
○藤末健三君 局長は、そのCDSの清算処理の、市場による清算処理のボリュームって御存じですか、把握されていますか。
#77
○政府参考人(内藤純一君) これはOTCデリバティブ取引の状況で申し上げますと、二〇〇八年の十二月の数字でまいりますと、世界全体でこれが約五百九十一兆九千億ドル、日本が二十八兆七千九百億ドルと、こういう数字でございます。
#78
○藤末健三君 多分、今局長がおっしゃったのはストックの話で、今マーケットでフローで処理されているやつというのは恐らくもう数十兆になっているはずなんですよ。それだけ巨大な仕事が、ビジネスがあると推定されているんですよね、このCDSの清算業務は。それを我が国内できちんとするようなことを早急に進めなければ市場の魅力、競争力というのは僕はないと思います、はっきり言って。
 大臣、いかがですか、そういうマーケットの本当に大きなビジネスというものをもっと早くつかませるように金融庁が指導すべきじゃないですか、いかがですか、大臣。じゃ、局長、お願いします。
#79
○政府参考人(内藤純一君) 今お話しのOTCデリバティブについての清算機関という問題意識、私どもも十分持っているつもりでございまして、関係者も鋭意現在取り組んで、来年に向けて鋭意取り組んでいるというところでございます。
 他方、この問題につきましては、これを実際にやっております日本の、まあ日本のといいますか、日本にベースを置く外資系も含めた金融機関が、これについて、やはり一つは取引の安全性という問題、それからもう一つは、そういう清算機関をつくってそこを通して取引をするということですので、コストはむしろ非常に増えてまいるということでございますので、そうしたコストを言わば超えてでも当然やるべきことはやるというような形に欧米の場合にはかなりそれが明確な意識になってきている。ただ、日本の場合には、まだボリュームとしては非常に小さいということですので、その問題については必ずしもそうではないという御意見もございまして、現在各国の問題意識について共有しつつ検討を進めているということでございます。
#80
○藤末健三君 デリバティブの清算業務というのはもうボリュームが大きいことは、多分もう局長御存じだと思うんですよ。そして、問題を抱えているのはアメリカですよ、欧米ですよというのは、もうみんな知っている話ですよ。申し上げたいのは、清算をお願いする人じゃなくて清算を助けるのは恐らく我が国の金融機関である可能性が高いですよ、はっきり言って。それを考えた上で我が国で処理できるようにしなきゃと私は思いますけれどもね。
 ちなみに、これちょっと確定データじゃないんですけれども、五月に、先月、中国は深セン市場にデリバティブの清算の業務をやり始めたというのが流れているんですよ。これちょっと調べ切れなかったです、中国語だったから。
 局長は御存じですか、この話。深セン市場はデリバティブの清算業務をやり始めたというのが流れているんですよ。ただ、確定情報じゃないからこれは申し上げることはできないかもしれませんけれども、どう思われます、これがもし事実だとしたら。中国は動いているんですよ。
#81
○政府参考人(内藤純一君) 私どももこの問題については、東証のグループ、それから東京金融取引所においてもそれぞれ勉強会を立ち上げて鋭意勉強をしつつ、今後の設立に向けての対応を考えているわけです。
 中国の動きについても、今委員御指摘のようなことについては更に詳細に私ども調べたいと思いますけれども、こうした動きも視野に置きながら、金融機関、金融デリバティブの取引を実際に行っている金融機関の考え方というものも聞きながらこの問題について取り組んでいきたいと思っております。
#82
○藤末健三君 申し訳ないですけれども、局長、市場にお任せしますよ、民間企業にお任せしますよという話じゃないですよ。金融庁が政策的にプランを作られているわけじゃないですか、プランを。なぜ金融庁が意思を持って実行されないんですか。中国は政府が主導してやっているんですよ、本当に。市場を監視しておきゃいいという話じゃないですよ、金融庁の役割は。
 これちょっと一枚目の紙見ていただけます、大臣、これ。これはちょっと古いデータなんですけれども、二〇〇八年の二月の取引市場の時価総額を比べたものなんですよね。これ見ていただきますと、左から三つ目、香港、この時点で何と時価総額二兆円ですよ。一方、大阪は一千億円行くかどうか。あと見ていただきたいのはシンガポール。シンガポールもこの時点で五千億円。実際に、今年の四月に、日経新聞の記事を見ますと、今の、この四月のデータで見ますと、シンガポールも大体四千億円になっているというデータがございまして、この日経の記事を見ますと、東証の実際の株式の売買、一株六万二千円で行われたというのがありまして、三月に。それで計算すると東証の時価総額は千四百二十六億円になるという状況になっていると。
 なぜこれだけ差が付いているかと。ここには上海とか深センは載っていませんけれども、恐らく東京の市場の競争相手は僕はどこかというと、私は香港だと思います、シンガポールだと思います。実際に時価総額で見るとこれだけの差が付いているんですよ。これは何なのかという話。
 大臣、これどう思われます、ちょっとあいまいな御質問ですけれども。これは大きなメッセージが込められていますよ。
 今、例えば東京証券取引所を株式上場させましょうという話があります。もし上場された場合、今の感覚でいくと千四百億円ぐらいの価値しか付きませんと。一方で、シンガポールは四千億円、香港の市場は恐らく一兆円近いという状況。その中で、東京の市場の評価ってそれだけしかないということなんですよね。
 私が思いますのは、是非とも、さっきの深センの市場がデリバティブの清算業務をやり始めたという話、これはちょっとネットでしか検索できていませんけれども、動きがある中、是非とも競争力という観点から僕は政策を練り直してほしいと思うんですよ、それもアジアを。アジアの中における日本がこの取引市場をハブとして機能するようにやっていただきたいと思うんですが、いかがでございますか、その点につきまして。
#83
○国務大臣(与謝野馨君) 東証の時価総額が幾らかということよりも、東京の証券市場が国内の資本調達、資本取引等についてどれだけ貢献しているのか、また国際取引においてアジアを中心とした経済発展のためにどれだけ貢献し得るのかと、こういう観点は先生御指摘のように極めて大事だと。表面的な時価総額ということよりは、恐らく先生がおっしゃっているのは、東証が持っている機能をもっと充実させろと、こういう御指摘であるならば、私と全く同じ考えであると思っております。
#84
○藤末健三君 まず一つあるのは、御指摘のとおり、資金をきちんと供給するという機能があると思います。それは今の話だと思うんですよ。私が思うのは、市場というのは僕はインフラだと思うんですよね、社会のインフラ。ずっとこれは申し上げているんですよ。
 どういうことかというと、やっぱりロンドンのシティーに行って思うのは、やっぱりロンドン・ストック・エクスチェンジや、あとメタルの取引所があるからあそこに情報が集まり、あそこに人が集まり、あそこにお金が集まっているんですよ、間違いなく。それがゆえにイギリスはその資産で利益を生んでいると私は思いました。
 私が思いますのは、私たちの子供たち、孫たち、十年後、二十年後、三十年後のために、やはりこの市場という資産をきちんとして私は残してやる必要があると思います。それもきちんと競争力があり、競争力はどういうことかというと、アジア全体の取引所、市場というものをやはり日本国内、東京若しくは大阪なりに置くことが将来に対する大きな財産になるはずなんですよ。その点いかがですか、大臣。私はこの点を忘れちゃいけないと思います。
#85
○国務大臣(与謝野馨君) これは、日本というのはどういう国であるべきかという議論にもかかわってくるわけでございます。
 一時期、金融大国になって生活の糧を得るようにしたらいいじゃないかと、こういう議論も日本にあったわけです。ただ、ロンドンの現状を見ますと、この金融危機によってイギリスのGDPは二五%失われるという惨たんたる状況でございます。
 金融というのは不可欠な存在でございますけれども、金融というのは経済の主役ではないと、私はそう思っていまして、健全な金融市場、資本市場を持つことは大事ですけれども、それが主役であるというよりも、私はむしろ、産業資本に対していかに必要な資本を供給し得るかと。これは日本国内の産業資本あるいはアジアにおける産業資本、これが恐らく市場の役割だと思っております。
 金融というのは大変大切な分野ですけれども、やっぱり一国の経済にとっては必要不可欠なものですけれども主役ではないと、日本が生きていくとしたら、やっぱり愚直な物づくりではないかなと私は思っております。
#86
○藤末健三君 私も与謝野大臣と全く同じ考えでございまして、やはり産業を支えるのが金融というのがもう当たり前だと思います。
 ただ、私が思いますのは、結局、産業はありますと、じゃ電力を供給しますと、港湾がありますと、鉄道がありますと、それは社会インフラとして支えているわけじゃないですか。私は、その一つの社会インフラとして金融があるんではないかと申し上げているんですよ、資金を供給する金融が、情報を提供する金融が。
 ですから、私はやはり社会のインフラとして、産業のインフラとしての金融市場をつくっていただく必要があると思います。本当にこれは大事、本当ですよ。何が大事かというと、企業は今、自分はどこに行くかというのを結局、私は金融で稼ぐためということを言っているんじゃないんですよ、産業を強化するために金融市場というインフラを整備するという観点がなければいけない。
 それはどういうことかというと、上海に持っていきますか、深センに持っていきますか、シンガポールに持っていきますか、それとも香港ですかというときに、やはり一番機能が高い安定したところに行くはずなんですよ。僕はそういうものを目指すべきじゃないかということを申し上げておりまして、一つ大事なことは何かというと、本当に投資家を保護することも大事だと思いますけれども、社会インフラとして競争力があるもの、競争力とは何かというと、ひたすら絶対的にいいというものではなくて、相対的に優れていることが重要だと思うんですよ。
 ですから、是非ともアジアのいろんな市場を分析しながら、そして金融庁などが責任を持って政策的に引っ張っていっていただきたいと思うんですけれども、いかがですか、大臣、その点につきましては。
#87
○国務大臣(与謝野馨君) それは当然よその市場に内容において負けるような貧弱な市場では困る、やはり東証もいろいろ今後も改革を積み重ねて国際的に、またアジアの国々で通用する信頼ある市場として育てていく必要があると思っております。
 現時点でも東証の信頼度というのは高いわけですけれども、やはりその点については更に更にアジアにおける最も信頼度の高い市場を目指して努力をすべきであると思っております。
#88
○藤末健三君 私は、香港の取引所に行ってきまして思ったのは、恐らく制度的な信頼という意味では私は東京のが高いと思います、はっきり言って、法制度も整っているし。ただ、実際の問題として、フローの問題、あと株価の問題とかもございますけれども、やはり使い勝手の良さとか、そういうものを考えていただかなきゃいけないと思いますし。
 そしてもう一つ、このちょっとお渡しした表のメッセージは何かというと、ドイツ、あとシカゴ・マーカンタイルとか、香港、ニューヨーク・ストック・エクスチェンジ・ユーロネクスト、この四つに共通しているのは何かというと、これは総合取引所なんですよね。ですから、金融だけではなく、石油、穀物の先物、現物の取引ができるようになっているんですよ、あと当然先ほど言ったデリバティブも。そういうところとその次にあるロンドン・ストック・エクスチェンジ、ロンドンは低くなっています。あと日本も低いんですけれども。やはり、ここでこの表が言っていることは何かというと、総合取引所というものが非常に市場から見ると評価が高いということ。あと当然のことながら利益も高くなっています。
 今回の法改正におきまして、一つの大きな動きとして、総合取引所ができるということでございますけれども、この総合取引所をどうつくっていくかというロードマップはあるんでしょうか。法改正は今回、金商法を変え、そして工業、農業、取引法も変えますと。制度的にはできるようになりますけれども、じゃ実際にどういうふうにつくっていくかということについてはだれもしゃべっておられないんですよ。局長、もし御存じでしたら、ちょっと教えていただけませんか、総合取引所につきまして。
#89
○政府参考人(内藤純一君) お答えいたします。
 まず、世界の主要取引所のグループにおいて、今委員の御指摘のような総合取引所化をしているというのは、例えばNYSEユーロネクストグループ、そしてまたドイツ取引所グループがあろうかと思いますが、これらも取引所そのものが全く完全に相互乗り入れをするというよりはグループの中でそういう商品取引所と金融商品取引所が統合をしていく、そういうふうなことでございます。
 そこで、私どもの今回の法案におきまして相互乗り入れができるというような規定を盛り込んでおりますけれども、この相互乗り入れが可能となることになりますと、取引所の取扱商品の多様化とか経営基盤の強化というもので、図られることによって競争力がある利便性の高い市場の実現に資するものと考えております。
 そこで、既に取引所間におきましてはこういった動きを見込みまして、例えば東京証券取引所グループと東京工業品取引所の間で包括的な相互協力協定、いわゆるMOUというものを結びまして、連携協力を深める体制を既に取ってきております。今回の改正案を成立をさせていただいた後には、各取引所が相互乗り入れの枠組みの活用も含め具体的な問題に対処するということで、積極的に創意工夫の発揮に取り組んでいただくということで、我が国市場の機能強化が図られることを期待しております。
 いずれにいたしましても、この問題につきましては、今後、それぞれの取引所がどういう対応をするかというのは極めてビジネス上の問題でもございますけれども、そうした動きが出てまいりますれば、私ども金融庁といたしましてはこの動きをできる限りサポートをしていくというのは当然だと考えております。
#90
○藤末健三君 法律を作って制度をつくったから、後はお任せですよというのがおかしいと申し上げているんですよ、私は、局長、本当に。やっぱり意思を持ってくださいよ、政策的な。これは政府が意思を持って誘導しなければ動かないと思います、私は、市場に任せていては。絶対合成の誤謬は起きますよ。
 どういう合成の誤謬が起きているかというと、次の二ページ目、ちょっと御覧になってください。
 これは商品先物市場がどうなったかという話で、上の表は世界の取引と日本の取引を比較したものでございまして、世界の取引はこの五、六年で何と三倍以上、四倍近くなっています、商品先物市場の取引は。一方で、我が国を見ると三分の一に落ちているんですよね。
 下の表で出来高ランキングを見てください。二〇〇四年東京工業商品取引所は世界ランキング第三位だったんです。それが五位になり、六位になり、九位になり、とうとう二〇〇八年は十位。そして一方、東京穀物商品取引所、二〇〇四年は九位だったものが二〇〇八年は十三位ということで落ちて、出来高も見ますと、東京工業商品取引所は二〇〇四年、二〇〇八年を比べると何と半分です。東京穀物商品取引所は、二〇〇四年と二〇〇八年を比べると、何とたしか三分の一ですね、三分の一ぐらいに落ちているという状況でございまして、世界の市場が三倍、四倍となっている中、逆に二分の一、三分の一になっているという状況でございますが、この点につきまして、簡潔になぜこうなったかということを農水省さんと経産省さんに教えていただければと思います。
#91
○政府参考人(大下政司君) 先生御指摘のとおり、世界の商品取引所の出来高が伸びる中で日本の商品先物市場が停滞をし、相対的な地位が低下をいたしております。
 この原因はいろいろあると思いますけれども、日本の商品先物市場自体が国際競争力を失い、魅力を低下させているということによるものと思っております。まず、個人から見ましてもなかなか信頼を得るに至っていないということがございますし、事業者から見ましてもなかなか使い勝手が悪いという問題があるというふうに思っております。
 こういう中で、取引所を始め関係者が競争力を回復すべく努力をしている途上にあるというふうに認識いたしております。
#92
○政府参考人(平尾豊徳君) 農産物の商品取引でございますけれども、先生御指摘のとおり、平成十五年から直近比べますと、約六分の一ぐらいに減っておるわけでございます。これは、基本的には、経産省さんの御説明と同じでございますけど、我が国の農産物商品先物市場、個人投資家が中心に形成されているというふうなことでございますけど、ここでいろんなトラブルがあるというふうなことで、そういう意味から先物取引に対する否定的な評価が非常に根強いというふうなことでございます。
 それから、実需家に対しても、海外の商品取引所と比べまして非常に利便性に問題があるというふうなことで、こういう改善を、今御指摘のありましたように、商品先物取引法を改正して取組を進めていきたいと思っております。
#93
○藤末健三君 私、二〇〇五年に証取法と、あと取引法の改正やったときに担当させていただいていまして、そのときからもう大連に抜かれてどうするのという話を申し上げていたんですよ、私。そうしたら、抜かれるどころかますます離された。そのときも同じ答弁されているんですよ、お二人のように、今やるから大丈夫ですって。結局これじゃないですか。
 大臣、本当に申し上げたいのは、今各国は総合取引所に向かっているんですよ。ところが我が国はどうですか。金融庁さん、経産省さん、農水省さん、ばらばらに議論をしているんですよ。だれも責任取らない、失敗しても。本当は取るべきですよ。民間企業では、本当の純粋民間企業であれば経営者は首ですよ、こんなふうになったら、はっきり言って。だれが責任取りましたか、本当に。
 大臣、是非お願いしたいのは、これは絶対やってほしいんですよ。是非お願いしたいのは、金融庁さんが中心となって、総合取引所のロードマップをかいてください、国際的に。それも、是非アジアのほかの市場との比較をしてほしいんですよ。私が金融庁の担当の方とお話ししたら、ほとんどの方がシカゴ・マーカンタイルとか、でかいところしか行っておられないんですよ。じゃなくて、やっぱり香港に行き、深センに行き、鄭州に行き、その現場で見てきてほしいんですよ、シンガポールに行き。そして、アジアで我々日本の市場がやはり評価され、そして情報や資金を集め供給できるような仕組みをつくらなければ我々の本当に子供たちのためにならないと思いますが、今検討をやっていただきたいんですよ、三省庁を横断した。それについて是非大臣お願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
#94
○国務大臣(与謝野馨君) 商品先物市場というのは賭博場ではないと思っておりまして、やはり商品の価格の平準化を図るという作用を持っているものと私は思っております。
 日本の商品先物市場がどの程度の規模であることが適正かというのは、実は実体経済に裏付けられた規模でなければならないと思っておりまして、先般もここで申し上げましたように、ニューヨークの石油市場のように、投機資金が一気に流れ込んで石油、原油価格の暴騰を招く、そういうような場所であってはいけないと、市場取引を通じて商品価格の平均的な価格形成が行われると、そこが私は大事なんだろうと思っております。
#95
○藤末健三君 まさしくおっしゃるとおりだと思うんですよ。ただ、問題は何かというと、例えば先物と金融商品と規制が違うわけですよ、今、本当に。逆に、各省庁さん、ばらばらやっているから穴が空いている。今回も穴をふさがれるということなんですけど、一つふさいだらまたできますよ、きっと。なぜかというと、統合して議論されてないから。
 ですから、私は一つだけです、お願いは。三省庁がきちんと集まって研究を進める場をつくってください。それだけで結構ですから。お願いします。検討だけやってください。
#96
○国務大臣(与謝野馨君) もちろん金融庁は先生のような御主張に対して謙虚に耳を傾け、今後検討をしてまいります。
#97
○藤末健三君 是非大臣、私しつこいですからね、もう、必ずまた結果をお聞きしますから、是非進めてください。
 そして、本当にお願いがありますのは、やはり市場というのは社会のインフラであること。インフラを整備することによって、やはり道路や港湾とかと一緒だと思うんですよ、整備されたところに集まりますから、産業が。そして、やはり我々の子孫に残すということをイメージして、省庁のセクショナリズムを超したものを議論していただきたいと思います。
 私の質問、これで終わらさせていただきます。ありがとうございました。
#98
○委員長(円より子君) 午前中の審議はこの程度にとどめ、午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ─────・─────
   午後一時十六分開会
#99
○委員長(円より子君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、金融商品取引法等の一部を改正する法律案及び資金決済に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#100
○尾立源幸君 民主党の尾立でございます。与謝野大臣、よろしくお願いいたします。
 今日は資金決済に関する法律案を中心にお話をお聞かせいただきたいと思いますが、その前に二点ほど一般論でお聞きをしたいと思いますが、五月の二十四日に与謝野大臣はクルーグマン教授とテレビで対談されて、クルーグマンさん、ノーベル賞の受賞者の教授と対談をされて、そこで定額給付金はゼロ点だというような、こういう厳しい評価をお受けになったと思うんですけれども、その点に関して、与謝野大臣、御感想いかがでしょうか。
#101
○国務大臣(与謝野馨君) クルーグマン教授は、対談の前に二人で話をしていましたら、実は自分は日本のことは余りよく知らないんだということを言っておられましたが、多分テレビの筋書どおりのお話をされたんだと思います。
 ただ、定額給付金というのは、よく考えますれば給付金付定額控除という税制と実は非常に似ているという点もあるんで、その点は是非御理解をいただきたいと思っております。
#102
○尾立源幸君 よく知らない割にはゼロ点という具体的な点数で、ちょっと失礼じゃないかなと。三、四割は効果が消費に回るというような話もある中、ゼロ点というのはすごいなと思ったんですけれども、まあテレビの筋書どおりだったのかもしれませんが。
 もう一点、昨日の財政審の意見書をお受け取りになっていらっしゃると思うんですけれども、その中で、ここでもいろいろと厳しい財政に対する注文が付いていると思うんですが、記者会見で大臣は、今後の債務残高、また財政改革の目標としてフローとストックの両方の目標を決めないと定かな結果をもたらさないと、こういうようなお考えを述べていらっしゃるんですけれども、ちょっと与謝野大臣がどういうことをイメージされていらっしゃるのか、今の分かる範囲で教えていただきたいんですけれども。
#103
○国務大臣(与謝野馨君) まず第一に、二〇一一年プライマリーバランス黒というのは達成できないということはもう明白になっております。しかしながら、次の財政再建目標は掲げなければならないと思っておりまして、これはフローの面での目標、併せて、債務残高対GDP比などストックとしての目標、両方を掲げなければならないんですが、今の時点で変動要因が多過ぎて、本当に確かなものを掲げられるかという問題はあるんですけれども、やはり五年前後とかあるいは十年後とかというイメージをきっちり国民にお示しするということが政府の責任であろうと思っております。
 まだ作業が道半ばでございますので先生の御質問に完璧な形でお答えできないんですが、作業はそういう方向で今進んでおります。
#104
○尾立源幸君 フローとストックの両方の目標をきちっと決めなきゃいけないというのはよく分かります。
 フローについては異論はないと思うんですけれども、ストックといった場合、いわゆる債務残高を総債務で考えるのか、純債務で、政府の持っている資産を引いた純債務で考えるのか、二通りいろいろ意見もあるわけなんですけれども、大臣はどっちが適切だと現時点ではお思いですか。
#105
○国務大臣(与謝野馨君) 実は、国民からお預かりしているお金等で、見かけの現金、債券というのは持っているわけですけれども、本当に純資産であって、なおかつ売却可能あるいは流動化できるという資産は実はほとんどない。ですから、引き算をすることが意味があるかどうかということはもう一つ検討しなければならない。
 今考えておりますのは、国、地方を通じての公的な債務残高、すなわち国債、地方債の発行残高という考え方でございます。
#106
○尾立源幸君 そうすると、ストックに関して言えば、債務残高に関して言えば、どちらかというと、引けるものは引くにしても、総債務に近いものにならざるを得ないということと、あとは国、地方、両方やっぱり一括して考えていこうと、こういう考えでよろしいですかね。
#107
○国務大臣(与謝野馨君) そういうことでございます。国、地方を通じての債務残高ということは、国と地方は地方交付税を通じてつながっておりますし、また地方税体系はどんな場合であっても国会の議決で決まるわけですから、国と地方というものを全体分離することの方が正しい理解を与えないおそれがあると思っております。
#108
○尾立源幸君 済みません、もう一度お聞きしたいんですが、国と地方、分離しない方が正しい理解を得られるとおっしゃったんですか。
#109
○国務大臣(与謝野馨君) 国と地方の公的債務、公債残高という考え方、もちろん内訳は付けていますけれども、それを一定ないしは比率を下げるということはやっぱり、時間は掛かりますけれども、目標にしなければならないと思っております。
#110
○尾立源幸君 そうなると、究極その話を詰めていきますと、交付税改革等、また国と地方等の在り方もありますけれども、国と地方の債務を一括して管理をして、ある意味、地方の債務を引き取るというような選択肢も突き詰めていけば出てくるんでしょうかね、大きな構造改革になりますけれども。そんな発想はお持ちですか。
#111
○国務大臣(与謝野馨君) それは余りないんですが、実は国のプライマリーバランス、地方のプライマリーバランスというのを比べてみますと、既に地方財政はプライマリーバランス、黒になっております。地方の方に言わせると、自分たちの努力で黒になったのでこれを余り過大評価しないでくれとおっしゃるんですが、やっぱり地方交付税あるいは地方税制を通じてつながっていますから、やっぱり国民の言わば借金と同じ意味ですから、国、地方を通じての公債残高、これを考えなきゃいけないと思っております。
#112
○尾立源幸君 これは私の私見なんですけれども、過去十年以上前にまた景気対策と称して様々な箱物を地方に負担をさせつつ造らせた部分もございます。そういった部分はいったん国で引き取ってあげるのもいいんじゃないかと私なんか思うんですけれども、そういう御発想はないですかね。
#113
○国務大臣(与謝野馨君) 残念ながら、ありません。
#114
○尾立源幸君 これは新しい政権になって考えさせていただきたいと思います。
 それでは、本論に入らせていただきたいと思いますが、今回の資金決済法は、大きく分けますと二つ、情報通信技術等の進展への対応というところと銀行間の資金決済の強化、この二つに分かれるわけでございますが、さらにその情報通信技術等の進展への対応の中は、資金移動という部分と前払式支払手段、この二つに分かれております。今日は、私は、資金移動の部分に限って質問をさせていただきたいと思います。
 まず、金融庁にお伺いしたいんですが、今回この資金移動に関する法律ができますと銀行以外の者による為替取引が可能になるという内容でございますが、具体的にどのようなサービスが提供されるようになるのか、御説明をいただきたいと思います。
#115
○政府参考人(内藤純一君) お答えをいたします。
 資金移動業の解禁によりましてどのような新しいサービスができるようになるかということについては、これはビジネス上の問題もございますので現時点で確たることを申し上げるのは困難ではございますけれども、あえてその前提を置きました上で申し上げさせていただきたいと思いますが、例えば、インターネットによるサービスを提供する事業者自身が利用者との間でサービスの提供に併せて、第三者を介することなく資金のやり取りを可能とするため参入することにより利用者サイドの手続が簡素化されたサービスであるとか、銀行に海外送金を依頼する場合には一般に現在におきますと五千円から六千円程度の定額の手数料というものが掛けられることになりますが、少額送金の場合には手数料負担が相対的に高いという指摘がある一方、海外で行われている送金業者による少額送金の手数料はより低額となっているという事実がございまして、このような点が改善されるようになるのではないかなというふうに考えております。このほか、携帯電話会社でございますとかコンビニエンスストアのように、全国的に店舗を展開している事業者が資金移動業者となることなども考えられるところでございます。
 いずれにいたしましても、各事業者においては、新たな枠組みの下で創意工夫を発揮し、多様な形態の新たなサービスを提供することを通じて利用者利便の向上を図っていくということを期待しているところでございます。
#116
○尾立源幸君 今回、この法律の中では、認められる為替取引の額を少額の取引に限るとされておりますが、少額とはどの程度なんでしょうか。
#117
○政府参考人(内藤純一君) 少額の取引の水準につきましては、現在銀行で行われております為替取引の一件当たりの平均金額、これは、参考に申し上げますと、銀行等の為替取引の一件当たりの平均金額でございますが、業態別でまちまちな点もございますけれども、八十万円から二百五十万円というような幅になっております。そういった平均金額でございますとか、現金書留の損害要償額、これは五十万円というふうになっておりまして、こういったものを踏まえまして、一つの目安といたしまして五十万円から百万円程度とするのが妥当ではないかと考えておりますが、利用者の利便性等も考慮いたしまして、今後更に検討を詰めていきたいというふうに考えております。
#118
○尾立源幸君 各国の比較の表をいただいておるんですけれども、アメリカ、EU等ではこの取引の上限、制限がなしということになっておるんですが、なぜこの上限を設定されたのか、理由を教えていただきたいと思います。
#119
○政府参考人(内藤純一君) これは、この制度、法案を詰める段階におきまして、私どもの検討におきましても、やはりこの新しい制度、銀行の今取引そのものについても振り込め詐欺等々でいろいろ事件も起きている現状がございます。そういった中で、取引の安全性というものを勘案しながら、他方、利用者の利便というものも図っていく必要があるということを考えますと、まず、制度をスタートさせるというときに、まあ余り大きな金額、もちろん余り大きな金額をこういう業者にゆだねることがあるだろうかというような御議論もございましたけれども、少額のある程度の目安を置いた上で、取引の安全性を勘案しつつ制度をスタートさせていくということが適当であろうというふうに考えたわけでございます。
#120
○尾立源幸君 じゃ、最初の第一歩ということで、これがうまくいけば今後拡大される方向性があるということでよろしいんですか。
#121
○政府参考人(内藤純一君) まあその問題についてはまたその時点で考えさせていただくということでございます。
#122
○尾立源幸君 それじゃ、一件当たりの取引については今おっしゃったように五十万から百万程度ぐらいを目安にと、政令ですか、で決められるということなんですけれども、それじゃ、最初に預け入れる上限の額というのはどういうふうに決められているんでしょうか。
#123
○政府参考人(内藤純一君) この資金決済業につきましては、送金の仕掛かり中の資金、これについては原則一〇〇%を供託でありますとかあるいは金銭信託でありますとか、きちっと区分管理というような形の方法を取りまして利用者の取引の安全というものを考えていきたいというふうに考えております。
 したがいまして、この業者そのものがどういう資本を持ち込んで業者の登録をするかということについては、特段の定めはございませんけれども、あくまでこの仕掛かり中の送金というものについての資産を保全させるという形で、一種のナローバンク的な要素を込めまして制度設計をしているということでございまして、銀行のような自己資本比率規制でございますとかあるいは業務規制でございますとか、そういったものはございませんけれども、資金の保全というものを第一義的に考えた、そういう制度設計になっております。
#124
○尾立源幸君 ちょっと質問のポイントと答えが違うんですけれども。
 お手元にお配りいたしました資料の一枚目、送金業の例一でペイパル、これは有名な、元々アメリカ発の会社だと思うんですけれども、ここは収益で十五億ドル、取扱高で三百五十億ドルと大変な大きな会社なんですけれども、私がまずお伺いしたのは、このペイパルという例えば会社を使った場合に、送金者Aというのはこのペイパルの中に口座を持ち、また受取人の方はペイパルの中に口座Bというのを持つと。ペイパルの中にそれぞれが持つ、まあ私書箱のようなものでしょうかね、持つという感覚なんだと思います。
 お尋ねしたのは、AからBへの資金の移動については一取引五十万から百万ぐらいの上限だとおっしゃったと思うんですが、この一の顧客Aの口座にまず送金者が預け入れる上限はどうなんですかということをお聞きしたんですけれども。
#125
○政府参考人(内藤純一君) 特にそれは決まっておりません。
#126
○尾立源幸君 規制なし。
#127
○政府参考人(内藤純一君) はい。
#128
○尾立源幸君 じゃ、まあ規制がないということで、お金がある人は十億円でも十億ドルでも入れられるということなんですね。
 その前提で、まさにこのお客さんの、顧客Aの資産の保全というのが大切になってくると思うんですけれども、今、先ほどおっしゃいました供託や金融機関による保証等、そういうことで保全をされるということなんですけれども、この保全の仕組みを少し詳しく、一か月に一度のような形でこの残高を確定させていくというふうに聞いておるんですが、少し詳しく教えていただけませんか。
#129
○政府参考人(内藤純一君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたけれども、送金の仕掛かり中のその資産の保全ということで、原則その金額について一〇〇%を区分経理をするということでございます。
 そこで、かなり日々変動いたしまして、それをもう実務的に対応できる範囲内ということで考えざるを得ませんので、一か月以内の中でこの残高を常時把握をいたしまして、その都度の金額について資金の保全を図っていくというふうに考えております。
 かつ、この仕掛かり中の送金の金額というのは変動いたしますので、ある程度この最低の要保証の金額というものを定めまして、その金額は少なくとも維持をしてもらう、それを超える場合についても、この仕掛かり中の資産の、資金の一〇〇%、プラス、事が起きたときの、清算を伴いますので、そのためのコストを上積みをいたしまして、そのコストの分だけは保全をしていただくという形で十分な保全を図る、そういう体制を取っております。
#130
○尾立源幸君 最低の保証金みたいなものを積んでもらうこと、プラス、それを上回る分については一〇〇%プラス事務経費の手数料を上乗せしたものを保証又は供託してもらうということかと思うんですが、いつの時点の残高をベースに、月一回ほどとおっしゃったんですが、それ分かっていれば教えてください。
#131
○政府参考人(内藤純一君) 今考えておりますのは、この未達債務残高でございますけれども、これを各営業日ごとに計算をいたしまして、そこで、これに、先ほど申し上げましたように還付の手続等々の清算に係るコスト、そういうものを加えました額を、現在内閣府令で考えていますけれども、定める期間、今のところ一週間程度を予定しておりますけれども、一週間ごとにそれを更新をしていくという形でその最高額、要供託額を計算をし、その実行を求めていくというふうに考えております。
#132
○尾立源幸君 じゃ一週間ごとに洗い替えをしていくというようなイメージなんですね。分かりました。
 それともう一点。EUなどは、小口の仕掛かり債権というんでしょうか、債務というんですかね、業者から見ると債務、その分についてはこの保全対象から除くことができるという規定を作っているんですが、今回そういう小口のものももう一切合財含めてということなのか、ある一定限度額は除けるのか、その辺教えてください。
#133
○政府参考人(内藤純一君) これは制度設計の考え方の問題でございますけれども、最初に御説明いたしましたように、今回はそもそもの一回の取引というものが少額というものに限定をした、そういった形で制度設計をいたしておりますので、その資産保全というものについては、これはもう日々値洗いをした、この計算をした中でそれを全額保護をしてもらうという形、原則を取っております。
#134
○尾立源幸君 制度設計上保全がいくように考えていらっしゃると思うんですけれども、万が一そういう不測の事態が起こった場合なんですね。今、供託したり保証したりして資産自体は守られるということなんですが、返還請求をして、実際に例えば送金者Aさんに一億預けたお金が戻ってくる。どのぐらい考えておけばいいんですか。
#135
○政府参考人(内藤純一君) 実務的にどのような形でその問題が処理をされてくるかというのは現段階において制度論的にはなかなか申し上げにくいものでございますけれども、原則その資金、資産については一〇〇%は保全されておりますので、これは倒産等がありましたときのそういう手続の中で円滑に実行されるということが十分期待されるというふうに考えておりますし、そうなるように金融庁としても、問題が起きましたら、監督する立場から努力をしていくということでございます。
#136
○尾立源幸君 振り込め詐欺の場合も同じ話がございましたよね。被害はストップできたんだけれども、御本人に戻るのがなかなか難しかったというような話ございます。今回は特定はできているんで戻すことはもっと早くできるんでしょうけれども、これ、送金者Aにとっても大切なお金ですし、Bにとっても、例えば業者さんであれば、売上げの一部でございますので、例えば日々の資金繰りにこれ絶対必要なわけなんですけれども、そういうときに、今のような御答弁ですと、不安でしようがないんですよね。
 例えば、私、感覚的に考えても、やはり一日、二日で戻るはずはないだろうと、こう思うわけなんです。それが一週間なのか、一か月なのか、その辺はどうなんですか。こういうことは検討されなかったんですか。
#137
○政府参考人(内藤純一君) 先ほど申し上げましたように、これ、資産保全が一〇〇%というのはかなり厳しい、厳格な規定だというふうに考えております。これは、先ほど申し上げましたように、銀行ではない業者というものを新たに資金移動業というものに組み込んでいく、こういう制度を導入するわけでございますので、何よりも取引の安全性というものを考えていく。同時に、利用者の利便というもので、手数料を引き下げていくというもう一つの期待もございます。そういう観点から考えてこういう形にしておりまして、問題が仮に発生するということになりましたら、これは私どもとしても全力を挙げて、区分管理されておりますので、これはきちっと資金が戻るような、そういう対応をしていきたいと考えております。
#138
○尾立源幸君 まだこの審議は続きますので、もう少しその辺を詰めていただかないと、なかなか、はい、そうですかということでオーケーするわけにはいかないと思うんですけれども、局長、どうですか。
#139
○政府参考人(内藤純一君) これは、今繰り返し御答弁いたしておりますけれども、あくまでもこの資金の保全というものがまず第一にあるということで、この区分管理、分別管理をするということが、この制度の基本設計のまず基本にございます。そういう中で、これをどういう形で問題が起きたときに実際に払戻しをするかということでございますけれども、私どもとしては、これはかなり円滑に行われるのではないかというふうに考えております。
#140
○尾立源幸君 今回、この参入資格は登録制ですよね。
#141
○政府参考人(内藤純一君) はい、登録制でございます。
#142
○尾立源幸君 ですから、銀行等は当然免許制なんですが、アメリカ、同じこのサービスやるには免許制、EUでも認可制ということでハードルが高いんですけれども、今のような問題点を抱えながら、なぜ登録制というイージーな、簡易な方法になっているんでしょうか。
#143
○政府参考人(内藤純一君) 各国の制度そのものについて、免許制、ライセンス制ということだろうと思いますけれども、免許制と日本の登録制というものの隔たりというのはどの程度あるだろうかと、実質的な隔たりがどの程度あるだろうかというふうに考えますと、私どもの登録制につきましても、この内部管理体制、そして一番問題は、その未達債務の保全というような問題の、そういう体制がきちっと整備されているかどうかというようなことを始めとする管理体制の整備というものが登録をするための要件にされておりますので、ここの点をきちっとチェックした上で登録を認めていくという形になろうかと思いますので、この点は諸外国と大きな違いはないというふうに考えております。
#144
○尾立源幸君 じゃ、免許制にすればいいじゃないですか。
#145
○政府参考人(内藤純一君) 最近のこの制度設計におきましては、免許制ということではなくて、登録制という形で、実質的にはかなりの管理体制、内部管理体制というものを要求した上で、それが整備されていなければ登録を拒否するというような形で法律的に定めることによりまして、登録制というものでその諸制度を構築をしていくという考え方になっているのではないかなというふうに考えております。
#146
○尾立源幸君 問題の多い新銀行東京も免許制ですよ。
#147
○政府参考人(内藤純一君) いや、銀行は免許制という形でやってまいっておりますので。今回のこの資金移動業は、利用者の利便というのがもう一つの目的でございます。利用者の利便というものでこういう業者が参入をし、そして新たなサービスを展開をしていくという中でコストを非常に安いものを提供していく、そういう環境づくりが今回の法案の目的でございます。
#148
○尾立源幸君 一方で緩くしつつ、その資産保全はやっていると言いつつ、実際にお金が返るかどうかは、これは日にちがどのぐらい掛かるか分からないということでございます。
 金融大臣、担当でございますが、そういう意味で、何とか問題が起こったときに早くこの顧客Aや顧客Bに、ここの参加している方たちに保全された資産を返す仕組みを具体的に考えていただけないですか。今の局長のお話ですと、いや、それはこれからということで、なるべく早くという抽象論で終わっているんですが、一日も早く返せる仕組みをつくるとか、また、たくさん基金もつくられました、これに使えるものはないのかも分かりませんけれども、何か政府として一時的に保全された資産が返却されるまで資金を融通してあげるとか、そういう仕組みは考えられないんですか。
#149
○国務大臣(与謝野馨君) 私的な取引の分野まで公が保証するような形というのはなかなか難しい制度ではないかと思います。
#150
○尾立源幸君 じゃ、銀行のペイオフとのこの整合性はどう考えればいいですかね、局長。
#151
○政府参考人(内藤純一君) ペイオフ制度は、これは預金保険制度の問題でございますけれども、これは少額預金者に対する保護ということだろうと思います。少額預金者の保護を通じてこの金融システム全体が不安定化するということを防止するというところが制度の主眼であろうと思いますので、そういう金融、特にこの決済サービス、決済機構の安全ということが大きな目的だろうと思います。
 他方、この送金業、今回の資金移動業につきましては、資金の移動をするという決済だけということでございますので、これは、基本的には少額のものがAからBに流れるということについて、それをこの区分、分別管理という形できちっとその資産の内容を保全するということで、おのずからそれぞれの制度の目的が異なるというふうに考えております。
#152
○尾立源幸君 お金に色はございません。例えば、顧客B、売上金の例えば三億円がここにたまっていて、突然何かが起こった場合に、じゃどうするんだということなわけです。
 大臣、もし自分の売上金がここにたまっていて、会社が倒産しちゃったと、保全はされているけれども、いつお金が入ってくるか分からない、こういった場合、大臣だったら困りませんか、自分が会社の経営者だったら。
#153
○国務大臣(与謝野馨君) 預金保険との違いを言われましたけれども、預金保険は少なくとも預金保険料という形で保険料が、預金者、銀行、両方で負担していると思いますが、そこでやっぱりある種の保険がありますので、その損害に対して一千万円までは保証するということですけれども、この送金業務で事故が起きたときに、それについて何か保証をしろとか保護をしろというのは、やっぱり少し無理なんじゃないかなと思います。
 ただ、そういう場合に、例えば政策金融機関がそういう事情を知って救済融資をするとか、そういう別の方法はありますけれども、送金業務そのものを元々政府が保証するとか、公の機関が保証しながら送金業務をやるという意味ではないんだろうと思います。
#154
○尾立源幸君 それじゃ、局長にお伺いしますが、日本国内の銀行間の送金業、送金に関しては保証されていると思うんですけど、いかがですか。保険料を払っていないのに。
#155
○政府参考人(内藤純一君) それは、保証されているというよりも、銀行システムというものの、これは銀行監督を通じまして自己資本比率規制でございますとか、もろもろの健全性規制というものを課すことによりまして銀行システム全体の安全性を高めて、その中で送金業も、あるいは預金を受け入れて貸出しをするというような銀行の信用創造行為も安全に行われるということを基本的に確保する、そういう制度になっているわけです。
 他方、この資金移動業につきましては、これはアメリカも同様でございますけれども、これを余り重い制度にいたしますと、これはもう銀行とほぼ同じ制度になってまいりまして、利用者の利便というものが図れないというもう一方の問題がございます。
 したがいまして、規制は緩やかではございますけれども、銀行には求められておりません資金の保全、これを一〇〇%原則確保させると、その中で問題が起きましたら、そこからきちっと分別されておりますので資金の回収が速やかに図られると、こういう制度で設計されているわけでございます。
#156
○尾立源幸君 ちょっとこればっかりやっているわけにいかないんですけれども、いずれにしても、これから皆さんが制度として提案されて、我々が判断して国民の皆さんにこれ利用してもらうことになるわけですね。
 そのときに、今申し上げましたように、保全、何億という、何十億か分かりません、それが上限がないということですから、たまったお金が万が一のときには、すぐには手元に戻りませんよということをちゃんと言ってあげなきゃいけないんじゃないですか、大臣。そういう告知をしないと大変なことになりますよ、何か起こったときに。
#157
○政府参考人(内藤純一君) これは、例えばこの法律の五十一条に利用者の保護等に関する措置という条文がございまして、資金移動業者は、内閣府令で定めるところにより、銀行等が行う為替取引との誤認を防止するための説明といった、あとそのほか書いてございますけれども、そういった説明を行うあるいはそのための必要な措置を講じなければならないということでございまして、これはあくまでも資金の移動業というものであると、そういうサービスの提供であるということで、銀行の預金ではないということも説明しなければならないという規定がございます。
#158
○尾立源幸君 いずれにしても、また質問の機会はあると思います。それまでに考えていただきたいと思います。何か起こってからではまたいけませんので、そこは真摯に考えていただいて、また御答弁をお願いしたいと思います。
 それでは、次に行きたいと思います。
 この法律が通った後の話で恐縮なんですが、今のようなペイパルなどを使って政治団体や政党への寄附、あるいは学校、大学とかNPOなどに寄附することについては、法律上何か問題、規制があるのかどうか、金融庁と総務省にそれぞれお伺いをしたいと思います。
#159
○政府参考人(内藤純一君) この資金移動業を使って政治団体、政党への寄附等についての法律上、規制上の問題ということのお尋ねでございますが、本法案におきましては、資金移動業者が行う為替取引、いわゆる送金につきましては、その資金の使途について制限は設けられておりません。
 したがいまして、資金移動業者は、御指摘の政治団体や政党あるいはNPO団体などもございますでしょうけれども、これらへの寄附を含め、様々な送金を取り扱うことが可能だというふうに考えております。
#160
○政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。
 政治資金規正法におきましては、政治資金団体に対しましては、原則として、政治資金団体の預金又は貯金の口座への振り込みによることなく寄附をしてはならないと、こういう規定がございますけれども、それ以外につきましては、政治活動に関する寄附の支払方法につきまして特段の規制はございません。
#161
○尾立源幸君 相手はどこでも大丈夫だということですね。
 では次、経産省にお聞きしたいんですが、今政治資金また寄附金の問題でいろいろと国会で議論されておりますけれども、今はなかなか個人の寄附が伸び悩んでいるという現状がございます。
 そこで、今クレジットカードを使った寄附というものが一つ考えられると思うんですけれども、この点、経産省はクレジットカードを所轄する立場から、政党や政治団体、ユニセフとかそういう慈善団体等あると思うんですけれども、クレジットカードで寄附をする、そういうことについては何か特段の問題があるのか、規制があるのか、同様の質問をさせていただきたいと思います。
#162
○政府参考人(大下政司君) 割賦販売法という法律でクレジットカードを規制いたしておりますけれども、クレジットカードを利用した寄附につきましては、割賦販売法上はこれを禁止する特段の規制はございません。
#163
○尾立源幸君 割賦販売上も問題ないということでございますね。
 それでは次に、総務省にまたお聞きしたいんですが、政治資金規正法上の問題で、個人が国会議員関係政治団体やその他の政治団体にクレジットカードを使って寄附することについて、政治資金規正法上の問題はありますでしょうか。
#164
○政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。
 政治資金規正法におきましては、寄附の授受に関します量的制限ですとか質的制限、こういったものはございますけれども、その制限の範囲内でありますれば、クレジットカードを利用して政治活動に関する寄附をすること自体について特段の制限はございません。
#165
○尾立源幸君 それではもう一つ、総務省に更に突っ込んだ質問をさせていただきたいんですが、各政党に対する寄附ということで、この場合、政治資金規正法六条の二第一項に基づいて届出をした政治資金団体に対する寄附は銀行振り込みによらなければならないという規定があります。
 先ほど、このペイパルであればそれに相当するので大丈夫だというようなお話ございましたが、じゃ、例えばクレジットカードの場合はどうなんだと。この場合、個人がクレジットカードを利用して寄附を行った場合、クレジットカード会社から一括して例えば政党の口座に振り込まれるわけなんですね。政治資金団体に入金されるということでございます。これについて、法律にある銀行振り込みの範囲内なのか。当然明細はあります。その場合、法律上問題ないのか、お聞きしたいと思います。
#166
○政府参考人(門山泰明君) 政治資金団体に対する寄附に関するお尋ねかと存じますが、条文は政治資金規正法二十二条の六の二の第一項のお尋ねかと存じますが、ここにおきまして、原則として、何人も政治資金団体の預金又は貯金の口座への振り込みによることなく寄附をしてはならないと、こういう規定がございます。
 それとの関係で、お尋ねのクレジットカードの場合でございますが、クレジットカード会社から政治資金団体の口座へ振り込まれる形で寄附がなされるというものでありますれば、同項の規定には反しないというふうに解釈されると思っております。
#167
○尾立源幸君 反しないという明確な答弁をいただき、ありがとうございます。
 それでは、資金決済及びその他クレジットカードの問題はこのぐらいにいたしまして、直近の話題で資料の二ページ目を見ていただきたいんですが、昨日の新聞だったかと思うんですが、おとといですね、二〇〇八年度の国の税収が四十五兆円を割り、補正後の見通しを下回ることになりそうだと。仮に二〇〇八年度に見通しを下回った場合、何年連続になるんでしょうか、財務大臣、お願いいたします。
#168
○国務大臣(与謝野馨君) 二〇〇八年度、すなわち平成二十年度の国税収入については、企業収益の大幅な減少等にかんがみれば、法人税収を中心に補正後予算額の達成は難しいものと認識をしております。決算において補正後の見通しを下回った場合には、二〇〇六年度から三年連続で見通しを下回ることとなります。
#169
○尾立源幸君 そういう結果でございます。
 それでは、税収等の歳入が歳出を下回って歳出超過となる場合、それは、今年というか〇八年度がそういうことになると聞いておるんですけれども、どのようにして歳入不足を補うのでしょうか。
#170
○政府参考人(香川俊介君) お答えいたします。
 二十年度の決算処理につきましては、歳出歳入共に現段階では未確定でございますが、仮に決算上の不足額が発生する場合には、決算調整資金に関する法律に基づきまして、当該不足額を補てんするため、決算調整資金から当該年度の歳入に組み入れることとなります。
#171
○尾立源幸君 それでは、決算調整資金から一般会計に繰り入れるという話と、さらに、決算調整資金はいかにして捻出されるのか、その仕組みについて簡単に御説明ください。
#172
○政府参考人(香川俊介君) 決算調整資金は今ゼロということになっておりますが、決算調整資金に関する法律の附則第二条に基づきまして、国債整理基金特会から決算調整資金に繰り入れることができることとなっております。
#173
○尾立源幸君 それじゃ、皆様方のお手元にお配りした資料の三ページ目なんですが、これが国債整理基金特会の一覧でございます。
 十五年度からずっと書いてございますが、例えば、見ていただきたいんですが、二十一年度のこの特会への繰入れが、合計が、見にくいですが、六十四兆八千百三十三億、真ん中辺なんですが、この程度になっております。歳出の方、出の方は、償還等が六十三兆七千七十九。それで、年度末基金残高ということで翌期以降に繰り越すのが十一兆九千三百二十九億円。
 これでよろしいでしょうか、こういう理解で。
#174
○政府参考人(香川俊介君) それで結構でございます。
#175
○尾立源幸君 この年度末基金残高というのは、当然、前年度の発行残高の百分の一・六ですか、そういうものを六十年ルールということで積み立てていったもののたまり等々があるんですけれども、要は、このたまりを一時的に借りて税収の不足を補って、ルールによると、これは翌年度内にまた返さなきゃいけないと、こういう話でよろしいんでしょうか。
#176
○政府参考人(香川俊介君) おっしゃるとおりでございます。約十兆円の残高がございますが、決算調整資金に関する法律によりますとおり、基金の状況、国債の償還見込みその他の事情を勘案して、国債の償還等基金の運営に支障を生じないようにしながら、ここから組入れをするということでございます。
#177
○尾立源幸君 そうしたら、この年度末基金残高から一時的に借りるのは、ある意味、最高限度額、この残高全部借りることも可能だということなんですか。
#178
○政府参考人(香川俊介君) 国債の償還に支障のないようなことでということでございます。
#179
○尾立源幸君 例えば、二十年度、予定でもう帳じりが合っているわけですから、そういう意味では、平時におければこれは全部借りることも可能だと、理論的に、ということでよろしいでしょうか。
#180
○政府参考人(香川俊介君) 国債の償還に支障が生じない限り大丈夫だということでございます。
#181
○尾立源幸君 分かりました。
 それでは、そういうことで借りましたと、今年借りることになるんでしょうけれども。じゃ、これどうやって来年、今年度になるんですか、返していくんでしょうか。
#182
○政府参考人(香川俊介君) 決算調整資金に関する法律によりますと、当該繰り入れた日の属する年度の翌年度までに、当該繰入金に相当する金額を一般会計から資金に繰り入れなければならないということで、過去五回ほど繰り入れたことがございますが、補正予算あるいは翌年度の当初予算で繰入れをしております。
#183
○尾立源幸君 そうすると、そのとき一般会計から繰り入れると、百分の一・六というのと、その借りたものと足して繰り入れることになるんですね、国債整理基金特別会計に。それは分けて表示されるんですか。それとも一括でもう表示されるんですか。
#184
○政府参考人(香川俊介君) 恐らく国債費ということで一本になると思いますけれども、内訳はそういうふうに書いております。ちょっと予算の費目上、決算調整資金への繰戻しということになっているのか、国債費になっているのか、今定かじゃありませんけれども、いずれにしても百分の一・六とは別の数字ということで整理されると思います。
#185
○尾立源幸君 まあ全体像は分かりました。ということは、税収の見積り不足があった場合には、結局その赤字を埋めるためにここから一時的に借りて調達をして来年の予算で手当てをして返すと、こういうことになろうかと思うんですが、そうすると、例えば今回、今年の政権運営、予算編成の見積りの失敗を来年に回すことになりますよね。大臣、どうですか。来年でカバーしようという話になるんですか、どうですか。大臣。
#186
○政府参考人(香川俊介君) 二十年度の決算につきましては、先ほど申し上げましたようにまだ確定しておりません。恐らく法人税収の収入は相当落ちると思いますけれども、歳出の不用額がどれぐらい出るか、あるいは税外収入についてもまだ確定しておりませんので、いかんにもしようがありませんけれども、予測し難い税収の見通しの狂いによりまして今年生じた赤字を整理の上では来年返すということになります。
#187
○尾立源幸君 結局、赤字の先送りですよね、俗に言う。それで、今回はたまたま税収不足というのが原因なんですけれども、この資金不足というのは別に税収不足に限りませんよね。ほかの理由で資金不足が生じた場合でもこの附則二条を使って国債整理基金特会からお金を借りてこれると、こういうことでよろしいんでしょうか。
#188
○政府参考人(香川俊介君) 税収の不足が一番大きいと思いますけれども、税外収入が落ちるということもあろうかと思います。
#189
○尾立源幸君 そうしたら、もう一つは、じゃ税収不足以外でもいいということなんですけれども、そうすると、当初の予算の見積りを非常に甘く税収をしといて、国債の発行残高を低くしといて、何かあったときにはこれで借りて翌年返すと、こういう民間からいうと見積りの甘さと、もっと言えば粉飾ぎみのことが国家の会計の中でできるということじゃないですか。
 また、このお金は、そういうことを皆さんが安易にできるように十兆から十二兆もの金を常にローリングさせていつでも使えるような、これ第二の埋蔵金じゃないんですか。
#190
○政府参考人(香川俊介君) 税収見積りにつきましては、入手できる最も正確な客観的なもろもろの数字を前提に税収見積りいたしまして、歳出をできるだけ抑制した上で足らざる部分を国債発行するということでございまして、今おっしゃったような財政運営をいたしてきたことはございません。
 それから、基金の残高の十兆円につきましては、こういう予測し難い税収不足というものに充てるためにある程度のものを積んでいると。あるいは国債の償還が円滑にいきますように、これは市場の問題とかなんとかで多少残高を持っておかないといけないということで持っているわけで、埋蔵金と言われるようなものではございません。
#191
○尾立源幸君 そうしたら、私の理解は、百分の一・六を積み立ててずっときたと、まさに計画的に国債を償還するために積み立てていると思っていたんですけれども、今のお話ですと、多少のバッファー的な予備的なお金と、税収が不足したときの何かのためと、それと国債の償還と、こういう三つぐらいから成るという理解でよろしいんですかね。
#192
○政府参考人(香川俊介君) 国債のこの残高ですけれども、これは第一に国債の償還を円滑に行うために積んであるわけでありまして、決算上の不足に充てるというのは二義的な目的だと思います。
 昭和五十年代以降、五回ほど決算上の不足が生じたことがございまして、その五回におきまして、昭和五十六年度、平成四年、五年、九年、十三年、この五年間におきまして国債整理基金のこの残高から繰入れを行っております。
#193
○尾立源幸君 ちょうど与謝野大臣がいらっしゃらないのでちょっと石田副大臣にお聞きしたいんですが、これは第二の埋蔵金じゃないんですかね。何かこう議論を聞かれていてどう思われました、副大臣。
#194
○副大臣(石田真敏君) 私は、今次長の方から答弁させていただきましたように、決してそのようには思っておりません。家庭でもこういうようなある程度のゆとりを持っていろんなものに対応するということはあるわけですから、そのように思っております。
#195
○尾立源幸君 このように政府にあちこちある程度のゆとりがたくさんございます。その辺はまた我々の方で指摘をさせていただきたいと思いますが、これはまさに今年度の見積りの甘さ、失政のツケを来年度に回すシステムなんですよね。そういうある意味、言い方悪いかもしれませんが、マネーロンダリング的な調整弁がこの決算調整資金、こういうことでございますね。もう少し透明性を持った、また正確な見積りをしていただきたいと思います。
 そこで、今年度、これも当初より指摘させていただいておりますが、相当甘いのではないかと言われておりますが、これは次長でよろしいんですかね、今年の税収見積り、そして歳出超になるんじゃないかということに関してはどのような御見解をお持ちでしょうか。
#196
○政府参考人(香川俊介君) 毎年度の決算上、剰余金が生じるか、あるいは歳入欠陥となるかということは、歳入面におけます税収あるいは税外収入の動向、それから歳出面におきまして節約等を行った結果によります不用額、こういうものも出ます。したがって、現段階でそのようなことは申し上げられません。
#197
○尾立源幸君 財務大臣はお帰りになられませんか。まあ後で最後に聞きます。
 それともう一点。摩訶不思議なことがもう一個起こっておりますが、直轄事業負担金をめぐる問題でございます。
 今回、国土交通省は、直轄事業の一部負担金の額について、これは地方に持っていただくものでございます、三度目の、三度目の訂正を発表しました。なぜ三度もこの地方負担金、一部負担金が訂正されるのか、理由を説明をいただきたいと思います。
#198
○政府参考人(西脇隆俊君) お答え申し上げます。
 直轄負担事業に係ります地方公共団体への通知と記者発表につきまして資料の訂正がたびたび生じ、関係者の皆様に多大な御迷惑をお掛けしております。まず冒頭、率直におわびを申し上げたいと思います。
 今、三度という話ございました。まず、四月三十日に通知及び公表いたしました二十一年度の負担金の予定額通知につきましては、営繕宿舎費などの業務取扱費の負担額を明示するなどの内容の充実を図ったわけでございますが、一部作業ミス等により当日に訂正をいたしました。次に、五月の二十九日に通知及び公表いたしました二十年度の直轄事業負担金の内訳、内容につきましては、知事会の方から補助事業と同程度の開示を行うようにという意見がございまして、それを踏まえまして人件費などの詳細な内訳資料を作成したわけでございますけれども、そうした詳細な内訳を算出するために作業プログラム、従来の計算プログラムが使えない中で、手作業で膨大なデータを入手したということで計算ミスが多発いたしまして、結果的には二度の訂正ということになったわけでございまして、重ねておわび申し上げますとともに、今後こういうことが起こらないように徹底してまいりたいということでございます。よろしく御理解いただきたいと思います。
#199
○尾立源幸君 今まで余りクローズアップされていなかったので、そういうずさんな管理だったんだと思うんですけれども、いかに公金をいいかげんに扱っているかとの、その証左だと思います。
 これから、幾つものミスとおっしゃいましたけれども、また議論をさせていただきたいと思いますが、きっちり、中身も今議論されていますし、この額自体もこんなことでは到底理解が得られないと思いますので、しっかりやっていただきたいことを申し上げて、今日の質問を終わらせていただきます。
    ─────────────
#200
○委員長(円より子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、水戸将史君が委員を辞任され、その補欠として平山幸司君が選任されました。
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#201
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は四十五分もいただきました。ただ、質問は時間より中身でございますので、前向きないい答弁をいただければ若干早く終わってもいいのかなと思っておりますんで、お含みおきのほどお願いしたいと思いますが。
 今日は、金融商品取引法のお客さん保護といいますか、利用者保護の趣旨を全く分かっていない銀行について取り上げたいというふうに思いますが、大体全部の銀行がそうなんですけれども、話を具体的にするためにあおぞら銀行と住友信託銀行の具体例で質問していきたいというふうに思います。
 中身、本題に入る前に、まず、あおぞら銀行というのはどういう銀行なのか、簡潔にまず説明をしてくれますか。
#202
○政府参考人(三國谷勝範君) あおぞら銀行の前身は、日本債券信用銀行でございます。平成十年十二月から十二年九月の間、金融再生法に基づく特別公的管理により一時国有化され、その後、あおぞら銀行へと行名変更されたものでございます。
#203
○大門実紀史君 そうですね。
 それで、そのあおぞら銀行は、現在、新生銀行と合併、統合しようという交渉中だというふうに報じられております。両行とも、まだ公的資金の、受け取っていますけれども、いまだ完済の見込みが立っていないということだと思いますけれども。
 新生銀行は、この委員会でも何度も取り上げられましたけど、私も取り上げましたが、外資のリップルウッドが大もうけをするとか、あおぞらでいえばサーベラスがやはり株の上場のときに大もうけをするということで、大変批判の多い、何といいますか、ぬれ手でアワの大もうけをした、外資がですね、そういう銀行でございます。
 そういうところが公的資金を返さないというのは非常に誠にけしからぬ話でございますけれども、あおぞら銀行が返済していない公的資金というのは幾ら残っているのか、ついでに新生銀行も幾ら公的資金返済していないのか、ちょっと教えてもらえますか。
#204
○政府参考人(三國谷勝範君) まず、あおぞら銀行でございますが、資本注入した額は平成十年三月の旧安定化法に基づく六百億円、平成十二年の早期健全化法に基づく二千六百億円でございます。現在残っております残高、注入額ベースで申し上げますと、安定化法分の六百億円、早期健全化法千五百五十二億円、合わせて二千百五十二億円でございます。
 新生銀行につきましては、注入した金額が旧安定化法と早期健全化法でそれぞれ千七百六十六億円と二千四百億円、現在、残高は、安定化法分が千三百億円、早期健全化法分千二百億円の計二千五百億円でございます。
#205
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 あおぞらでいえば三千二百億円の公的資金注入されて十年近くなるのに、まだ二千百億円も残っているということでございます。
 ちなみに、ついでに教えてほしいんですけど、あおぞら銀行の役員報酬、新生銀行の役員報酬、平均で結構ですから、幾らになっていますか。
#206
○政府参考人(三國谷勝範君) 両行から公表されております経営健全化計画によりますと、両行の常勤役員に対する役員報酬の一名当たり平均額は、二十一年三月期の計画値を見ますと、あおぞら銀行においては四千八百万円、新生銀行においては一億四千百万円となっているところでございます。
#207
○大門実紀史君 大変、超高額報酬受けているわけですね。
 このあおぞら銀行と新生銀行が合併をしたら、金融機能強化法に基づいて公的資金の再注入を要請するかもしれないというふうなことも報道等、関係者の話でも私も聞いておりますけれども、大体、金融機能強化法による公的資金注入というのは、あのときさんざん議論になりましたけど、仮にも地域経済への貢献とか中小企業資金繰り対策とか、そういう大義名分があって鳴り物入りであの法案が通ったわけでございますけれども、少なくとも、このあおぞら、新生もそもそも中小企業取引というのは少ない銀行でございます。
 先ほど藤末さんの資料で、公的資金注入行で資料が出ておりましたけれども、この資料は中小企業等になっておりますが、この等には個人に対する住宅ローンも含まれておりますからこんなに多くはございません。中小企業そのものでやると大変少ない銀行で、二行とも少ないわけでございます。
 そういうところが、ですから、あおぞらは海外投資のマネーゲーム主体にやってきましたし、新生銀行は何をやっているかというと、今、サラ金、ノンバンクと変わらないようなことをやっているところでございまして、この金融機能強化法の趣旨とこの二行のビジネスモデルというのはそもそも合わない、私はどう見ても合わないというふうに思っておりますので、この二行に金融機能強化法での公的資金再注入というのはどう考えても私は理屈が通らないと思いますけれども、しかも、いろんな経過があって、ハゲタカが入り込んだ銀行だとかいろんな批判があったところでございますので、到底この二つが合併したからといって公的資金再注入なんていうのは国民の納得が得られないと思うんですけれども、大臣はいかがお考えですか。
#208
○国務大臣(与謝野馨君) まず、原則だけ申し上げますと、金融機能強化法においては、既に公的資金を注入している銀行であることをもって対象外とする制度とはなっていません。
 ただ、金融機能強化法の審査基準、銀行合併の場合は、一つは収益性、効率性等の向上が見込まれること、地域における中小企業に対する金融の円滑化等が見込まれること、申請額が経営強化計画実施のために必要な範囲内であること等々法律に書いてございまして、実際そういう事態が起きたときには自動的に資本注入ということはあり得ない。やはり提出された経営計画等を金融庁で審査をした後に物事が決まると、こういう手順であると思います。
#209
○大門実紀史君 とんでもない話だというふうに思いますのでそのように判断してもらいたいと思いますが、そもそも、この二つの銀行の今までのいろんな歴史がありますが、与謝野さん、大臣、十分御存じだと思いますけど、こういうところが公的資金まだこれだけ返さないで、役員報酬をがばっともらって、この間ちょっと報酬カットしましたけど、業績悪いので。この二つの銀行をいかが思っていらっしゃいますか、与謝野さんとしては。
#210
○国務大臣(与謝野馨君) 先ほど局長からお話し申し上げましたように、あおぞら銀行の前身は債券信用銀行、債券信用銀行の前身は不動産銀行、その前身は多分朝鮮銀行の資産を引き継いだものじゃないかと思います。
 日本長期信用銀行は日本勧業銀行が中心になって設立された、いわゆる旧長期信用銀行法による興銀、長銀、それから不動産銀行とあったんですが、ここのもうビジネスモデルは成立しなくなったということで、長銀、日債銀が破綻して、興銀は合併によって生き残ったと。
 しかし、あおぞら銀行、新生銀行も大きな銀行ですから、やはりビジネスモデルとして成立するような経営というものをお考えいただかないと私はいけないと。大門先生御指摘のように、新生銀行がサラ金まがいとおっしゃったんですけど、まあそれじゃやっぱり長銀、新生銀行の歴史が泣くと、私はそう思います。
 そういう意味では、新生銀行、あおぞら銀行ともなかなか経営陣も苦労されていますけど、やっぱりきちんとしたビジネスモデルを日本の金融界の中で確立していくということが一番肝心なことじゃないかと、そういうふうに思っております。
#211
○大門実紀史君 おっしゃるとおりだというふうに思いますが、それを自力でやらせるべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
 では、本題に入りますけれども、このあおぞら銀行では、資料をお配りいたしましたけど、利用者保護ともう懸け離れたことが行われております。まず、金融庁の三國谷さん、確認したいんですけれども、この資料、一枚目にありますが、主要行向けの総合的な監督指針ですね。これには抜粋で、今日問題にする部分を抜粋で書いておきましたけれども、営業部員や役職員の給与・賞与体系が短期的な収益獲得に過度に連動し、成果主義に偏重していないか、また、手数料収益の獲得に傾注した云々、そういう取引、そしてもう一つ傍線引きましたが、乗換取引、回転売買、これは大変厳しく問題にされたことなんですけれども、そういうものをやっちゃいけないということが書かれております。
 この趣旨はどういう趣旨でこの監督指針に入ったのか、あるいはいつごろからこの監督項目に入ったのか、ちょっと教えてもらえますか。
#212
○政府参考人(三國谷勝範君) この監督指針の規定につきましては、利用者保護の観点から平成十七年十月に主要行等向け監督指針、これを策定いたしました際に設けたものでございます。
 趣旨は、今先生御指摘になりましたようなことがありました場合には、商品販売に際し適切な説明がなされないなど利用者保護に欠けるような問題が出てくるおそれがありますことから、監督上の着眼点として設けたものでございます。
#213
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 つまり、リスクのある金融商品をこういうノルマで与えてばんばん売るとそれだけ被害が広がると、だからこういうことはやらせないということに、まあそういうことだと思います。私自身もこの委員会で、明治安田の保険不払とか三井住友のスワップ商品とか、あるいは地銀の投資信託販売の問題を取り上げてきましたけれども、すべてこの根底にノルマ主義があったわけで、いまだそれが是正されておりません。
 そういう監督指針、しっかりと書かれているわけですから、これにきちっと従ってやってもらわなきゃいけないんですけれども、ところが、二枚目に資料を付けましたけど、あおぞら銀行ではこの監督指針を公然と無視するようなことが行われております。
 これはぱっと見て何のことかというのでちょっと説明をいたしますけれども、これはあおぞら銀行のある支店の契約社員で働いておられる、まあAさんとしておきますが、男性の方でございまして、家族はまだ小学校のお子さんと奥さんがいて、働き盛りでございますけれども、このAさんという方は渉外、外務員など幾つもの資格を持っておられるベテランでございます。投資信託とか保険商品などリスク商品の販売スタッフとしてあおぞら銀行では、その前にも経験ありますが、あおぞら銀行では三年間働いてきた方です。
 このAさんの給与体系はどうなっているかといいますと、毎月わずか二十万円が基本賃金です。手取りにするといろいろ引かれて二十万円を切ることもあるそうですけれども、あとは、金融商品の販売に伴う手数料収入に応じて半年に一度賞与といいますかそういう、半年に一度歩合で手当が入るという仕組みでございます。
 ちなみに、あおぞら銀行の社員の平均給与というと九百七十万ぐらいですけど、このAさんの年収はその半分ぐらいでございまして、正社員以上の知識をお持ちですけれども、販売もこなしてきましたけれども、そういう状況で、待遇で働かされてきたわけですが、そのあおぞら銀行がこの六月末でAさんを解雇する、契約を打ち切ると通告してきました。それに対してAさんが、その理由を明らかにしてほしいというふうに要請をされました。それに対して答えたのがこの文書でございます。なぜAさんの首を切るのか、二つの理由が書かれております。
 一つ目は、要するに経営状態が厳しいからと、リストラしたいということで、ここまでならよくある話といえばよくある話でございますけれども、驚いたのは(2)のところでございまして、これもちょっと前の話をしなきゃ分かりにくいですけれども、そもそもこのAさんとあおぞら銀行の雇用契約というのはどうなっているかというと、それぞれの契約社員、有期契約の方々の手数料収入の目標をまず決めるわけですね。それで契約を交わすわけですが、それが達成できないときは解雇するという形になっております。
 例えばAさんの場合ですと、一年目の目標が一千八十万円、二年目が一千百万円だったんですけれども、三年目がここに数字が出ておりますとおり一千四百万と急に引き上げられたわけですが、この三年目というのは去年の四月一日から今年の三月三十一日、ちょうど金融危機が襲来したときでございますけれども、ですから金融商品なんか売れるわけがない時期なんですが、それでも目標が達成できなかったと、だから首だというふうなことになっておるわけでございます。
 私は労働組合出身で、国会へ来てからも非正規雇用問題、雇い止め問題をやってきましたけれども、こういう契約書というのは初めて見ました。しかもこれはあおぞらだけではありませんで、ちなみにほかでも広がっているという意味で、二枚目には住友信託銀行のケースを資料で付けておきましたけれども、この住友信託銀行のケースは先ほどのあおぞらみたいに露骨な書き方はしていませんが、中身は全く同じでございます。
 この住友信託の場合は、手数料収入を上げるとそれでポイントが付く、販売員の方にポイントが付くと。ポイントがたまるとその所属しているグループのクラスが上がったり下がったりするわけでございます。そのクラスが上がらないと辞めてもらうという契約書になっているわけで、基本的には先ほどのあおぞらと同じな仕組みになっているわけですね。
 あおぞらは生の数字をこう出しているので、あからさまといいますか非常にアングロサクソン的でございますけれども、住友信託は非常に日本人らしいというか巧妙な契約書になってなかなか一見分かりにくいんですが、あおぞらの方が分かりやすいので、あおぞら中心に申し上げますけれども、こういう契約形式というのは、この労働問題、ちょっと分からないという方もいらっしゃるので言っておきますが、例えば業者間の契約、委託販売とか業者同士の契約なら何個売らないと次は契約しないよというのはこれはあることかも分かりません。ただ、このAさんにしろ信託銀行のBさんにしろ、これはもう労働者でございます。社会保険に入っている労働者でございますので、労働者に対してこういう、ノルマが達成できなかったら首を切りますよという契約というのは今まで余りなかったケースでございます。今、国会でも非正規雇用とか雇い止めがこれだけ問題になっているときに、派遣法の見直しも国会で議論になっているときに、それにまさに逆行するようなことが雇い止めの形として金融のところで進んでいるということで、極めて悪質な例だというふうに思います。
 これは想像してもらいたいんですけれども、こういう契約で働く人はどうなってしまうかですよね。仕事がありませんから、もうこういう契約でもとにかく仕事に就かなきゃと、家族食べさせなきゃということで契約をのまされるわけですね。働き出したらどうなるかというと、とにかくノルマ達成しないと首を切られますから、家族は路頭に迷いますから、もう達成のために一生懸命やるわけですね。健康を害してまでやってしまう、そういうふうになるわけです。目標に達しなかったら、もう契約にそう書いてありますからばっさりと首を切ると。大変、何といいますか、人を人とは思わないような契約の形式でございます。
 もう一つ言いますと、こういうノルマを、こういうものを入れないで、雇われてから、それは会社は企業ですから業績目標を立ててそれぞれ頑張ってくれよと目標を立てると、これは十分あり得ることですし、今も行われております。それは普通、歩合に反映したり昇進に反映したり昇給に反映したりするということでみんなに頑張ってもらう仕組みなんですけれども、こういう達成しなければ首を切るというのは、こんなのは人間のやることではございません。こんなことが行われておりまして、労働の在り方としても大問題だというふうに思います。
 ここは財政金融委員会ですので、金融の先ほどの監督指針に戻って、いかにこれがひどいかと、監督指針に違反しているかということでもう少し指摘したいと思うんですけれども。
 要するに、営業部員、役職員の給与・賞与体系が、短期的な収益獲得に過度に連動して成果主義に偏重していないかと、これが監督指針に問われるわけですけれども、まさにこの有期契約の人たちは営業部員でございます。もう今各行ともこういうセールススタッフがほとんど主力で契約を取る形になっております。この有期雇用労働者でございますね。
 この監督指針ではまだ給与・賞与体系が連動しちゃいけないというふうなことを書いていますが、これはもう給与、賞与どころか首が懸かっているという、首を懸けさせるというようなこと、しかも短期的な収益獲得ですから、まさに指針にあるような過度の連動ですね、成果主義の極みになるというふうに思います。現場ではこういうことが行われていますから、管理職の人も、リスクの説明は程々にして一通りやればいいよと、早く売れということが今やられております。
 二つ目には、この監督指針の後半の方に書いていますけれども、手数料収入でノルマを与えているという点でございます。まさに指針が指摘している、手数料収入をノルマにしてそこにまさに傾注しているということがもう明らかでございます。
 手数料収入が高い商品というのはリスクが高い商品なんですよね。変額の年金保険とか投資信託でも債券型じゃなくて株式型とか、リスクが高いほど手数料収入も高くなるんです。したがって、手数料収入をノルマにして稼ごうとすると、リスクの高いものを売る、売ろうというインセンティブになるわけでございます。それでもせざるを得ないと。そうしないと職を失う、家族を路頭に迷わすということで、そうやって追い込んでやらせようということでございます。
 もう一つは、今、これは現場でお聞きしたんですけれども、どんなことが進んでいるかというと、この監督指針のさらに最後の方に書いていますけれども、乗換取引、回転売買、これが横行しております。なぜならば、今もうこの金融危機で投資信託そのものを新たに買おうという人が警戒して少なくなっているわけですね。そうすると、今まで投資信託を持っている人に損切りをしてもらって別の投資信託を買ってもらうと、これで手数料を稼ぐと、これが今、それを中心にやっているわけです。したがって、監督指針がやっちゃいけないと、過去に厳しく問題になって指摘されてきたこの乗換取引、回転売買による手数料を稼ぐというのが実は現場で横行しているわけでございます。
 今申し上げたとおり、どこからどう見ても、これはこの監督指針に大きく逸脱するやり方をこの雇用契約という形を通じて、あおぞらとか住友信託、ほかの銀行もそうですけれども、やっていると。
 これについて、ちょっと説明長くなりましたけれども、ずばりお聞きしたいんですけれども、これは監督指針逸脱違反じゃないかというふうに思いますが、いかが金融庁はお考えですか。
#214
○政府参考人(三國谷勝範君) 御指摘の監督指針、一点目、営業部員等の給与等の体系が成果主義に偏重した場合、二点目、手数料収益獲得に傾注した有価証券等の乗換取引、回転売買等に不適正に注力した営業体制や商品構成となっている場合には、商品販売に際し適切な説明がなされないおそれがあると考えられます。また、金融商品を提供する金融機関におきましては、顧客の知識、経験、財産の状況、投資目的やリスク判断能力等に応じた適切な販売勧誘体制が構築される必要があると考えております。
 個別金融機関の個別の対応につきまして直接お答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、検査監督を通じまして実態把握に努め、このような監督指針で示されている着眼点に照らし問題と認められる事案があった場合には、当局として必要な指導監督を行うことになると考えております。
#215
○大門実紀史君 すっぱり答えていただきました。
 もう具体的には、あおぞらを含めて指導に入っていただいていますので、是正させるということで頑張ってもらいたいと思います。
 与謝野大臣も初めてお聞きになるケースだと思いますけれども、いかが思われたか、一言御感想をいただければと思います。
#216
○国務大臣(与謝野馨君) 一般論でございますけれども、やはりここ十数年間で日本の企業の雇用形態というのは大きく変化した。これは必ずしも日本の長年培ってきた文化や伝統とは無縁のものでして、やはり外国の制度をうのみにして輸入して日本の土壌に定着させようとしたと、そういう弊害があちこちに出てきたと、やっぱりこれは直さなきゃいけないというのが私の正直な気持ちでございます。
#217
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 せっかくの機会ですから、金融庁にもう一つ情報としてお知らせしておきたいと思います。
 先ほど申し上げた手数料稼ぎのために乗換え、回転売買が横行しているという話なんですけれども、これは本当にかつて大問題になって、金融庁も厳しく指導されて、金融機関なんかも、ある銀行なんかは投資信託を売ったら半年間は乗換えといいますか、はしないというようなことを内規で決めたりいろいろやったんですけれども、それがどんどんどんどん崩れてきまして、今やもう金融商品、新しく投資信託売れませんので、その乗換えで、回転売買で手数料を稼ぐということでやれということになっちゃっているわけですね。
 その中で、これびっくりしたんですけれども、金融庁が検査に来たら多分指摘されるんじゃないかということを銀行はちょっと察知しておりまして、販売した人に、乗換えした場合、なぜその人が乗換えしたのかと、それを記録で書きなさいというふうに管理職が販売員に、これがそうですけれども、出させるわけですよ。これは何かというと、金融庁が検査に来たときに、余りにも乗換えが多かったときに、ちゃんとこれは理由があってやっているのかと言われたときに、ありますと、理由はありますと言うために、金融庁に見せるために作らせているんですよね。こんなことがやられております。
 しかし、実際、その販売している方々に聞くと、書けと言われたって書きようがないと、本人のニーズじゃないと、こちらが手数料欲しいから乗換えさせているんだと。そんなの書けないですよね。だから書きようがないものなんですけれども、何らかのことを書けということで指導していると。これは金融庁対策としてやっているわけなんですよね。
 こんなことまで今やっているわけですから、この資料、後でお渡ししますけれども、検査の方にこれも伝えていただいて、もうとにかくやっちゃいけない乗換取引、回転売買というのは大問題になったわけですから、こういうことも含めて検査できちっと是正させるように検査の方に伝えてほしいと思いますが、いかがですか。
#218
○政府参考人(三國谷勝範君) いずれにいたしましても、適切に検査監督、対応してまいりたいと考えております。
#219
○大門実紀史君 それでは、労働問題として幾つかお聞きして終わりたいと思いますけれども、厚生労働省来ていただきました。
 今や、金融だけではなくて、こういう有期雇用の現場では、これだけ雇い止めが問題になっているにもかかわらず、こんなことをはめ込むやり方がむしろ広がっております。NTTでも問題になり始めていますけれども、広告代理店でもそうですけれども、これが蔓延したら、せっかく今、国会で非正規雇用問題、雇い止め問題を何とかしようとみんなが考えているときにこんなものがまた蔓延したら、まさに非正規労働者というのは過酷な仕事をやらされて使い捨てにされるという、一番非人間的な形で使い捨てにされるということが広がってしまうと思うんですよね。
 是非、厚生労働省としても、まだこういう実態を余りつかんでいらっしゃらないでしょうから、至急実態調査を少なくともやってほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#220
○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。
 厚生労働省といたしましては、有期労働契約一般について、本年二月に学識経験者による研究会を立ち上げまして、調査研究に着手したところでございます。今後、この研究会において有期契約労働者に関する実態調査や関係者からのヒアリングなども行いつつ、有期契約労働者の実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
#221
○大門実紀史君 もう一つは、あおぞら銀行、新生銀行で、こういう非正規の方々だけじゃなくて正社員の方々のリストラが行われておりまして、退職強要、違法ですね、これは、裁判例からいっても、これが平気で、外資系というのは特に平気でやるんですけれども、行われております。
 あおぞら銀行では今年の三月三十日から四月十五日まで希望退職百人の募集がされまして、いろんなケースが、後で厚労省に資料をお渡しいたしますけど、ある方は二十日間で五回も呼び出されて、辞めろ辞めろと執拗な強要をされました。これ判例違反ですね、違法な強要でございますし、新生銀行でも三百人の希望退職募っておりますけど、その中で退職強要が行われております。あんた残っても席はないよと、残っても給料一〇%カットするとかボーナスはないという脅しですね、やっちゃいけないんですけれども、やっちゃいけないことですが、これが堂々と行われておりますので、こういう正社員の退職強要についても、後で資料をお渡しいたしますので、きちっとした指導をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#222
○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。
 ただいま先生から御提起がありました個別の事案についてのコメントは差し控えさせていただきますが、一般論としましては、裁判例において、労働者の自由な意思決定を妨げる退職勧奨が違法な権利侵害に当たるとされた例があることは承知しておるところでございます。
 私ども厚生労働省といたしましては、こうした労働契約にかかわる民事面での紛争に関しましては、各都道府県労働局等におきまして、総合労働相談コーナーにおける相談、情報の提供、さらには紛争調整委員会におけるあっせん制度等を設けておりまして、こうした取組の利用をお勧めし、対応を図っておるところでございます。
#223
○大門実紀史君 今日は局長も大臣も前向きな積極的な御答弁をいただきましたので、これから現場の方々、大変助かるんじゃないかなというふうに思います。
 もう申し上げることございませんので、今日はこれで質問を終わります。
#224
○委員長(円より子君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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