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2009/03/24 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 外交防衛委員会 第4号
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2009/03/24 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 外交防衛委員会 第4号

#1
第171回国会 外交防衛委員会 第4号
平成二十一年三月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         榛葉賀津也君
    理 事
                浅尾慶一郎君
                一川 保夫君
                白  眞勲君
                浅野 勝人君
                木村  仁君
    委 員
                石井  一君
                犬塚 直史君
                風間 直樹君
                谷岡 郁子君
                広中和歌子君
                藤田 幸久君
                岸  信夫君
                小池 正勝君
                佐藤 正久君
                橋本 聖子君
                山本 一太君
                浜田 昌良君
                山口那津男君
                井上 哲士君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     中曽根弘文君
       防衛大臣     浜田 靖一君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松本  純君
       内閣官房副長官  鴻池 祥肇君
   副大臣
       外務副大臣    橋本 聖子君
       防衛副大臣    北村 誠吾君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        並木 正芳君
       防衛大臣政務官  岸  信夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       野田  仁君
       内閣官房拉致問
       題対策本部事務
       局総合調整室長
       兼内閣府大臣官
       房拉致被害者等
       支援担当室長   河内  隆君
       外務大臣官房長  河相 周夫君
       外務大臣官房審
       議官       中島 明彦君
       外務大臣官房審
       議官       廣木 重之君
       外務大臣官房審
       議官       知原 信良君
       外務大臣官房参
       事官       香川 剛廣君
       外務省北米局長  梅本 和義君
       外務省欧州局長  谷崎 泰明君
       外務省国際協力
       局長       木寺 昌人君
       海上保安庁警備
       救難部長     城野  功君
       防衛省防衛参事
       官        岩井 良行君
       防衛大臣官房長  中江 公人君
       防衛省防衛政策
       局長       高見澤將林君
       防衛省運用企画
       局長       徳地 秀士君
       防衛省人事教育
       局長       渡部  厚君
       防衛省経理装備
       局長       長岡 憲宗君
       防衛省地方協力
       局長       井上 源三君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十一年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十一年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (外務省所管、防衛省所管及び独立行政法人国
 際協力機構有償資金協力部門)
    ─────────────
#2
○委員長(榛葉賀津也君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管、防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官野田仁君外十七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(榛葉賀津也君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(榛葉賀津也君) 去る十八日、予算委員会から、三月二十四日の一日間、平成二十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管、防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 審査を委嘱された予算について、順次政府から説明を聴取いたします。中曽根外務大臣。
#5
○国務大臣(中曽根弘文君) 平成二十一年度外務省所管予算について概要を説明いたします。
 平成二十一年度一般会計予算において、外務省は六千六百九十九億六千六百五十万円を計上しています。これを前年度と比較いたしますと、一・四%の減額となっております。また、ODA予算は、外務省所管分として、対前年度比一・〇%の減額の四千三百六十三億二千百二十五万円となっております。
 外交は、中長期の観点を踏まえ、国益を確保することを目的とするものであります。我が国の国益、すなわち我が国の安全と繁栄及び我が国国民の生命、財産の確保は、世界の平和と繁栄の実現なくしてあり得ません。
 このような考え方に基づき、平成二十一年度については、以下の三つの柱から成る重点外交政策を踏まえて、予算案を作成させていただきました。
 第一の柱は、オールジャパンの総力を結集した機動的外交であります。
 まず、クールアース・パートナーシップ、その他の環境・気候変動問題への取組、対アフリカODAの倍増等、昨年、議長国を務めたG8北海道洞爺湖サミットと第四回アフリカ開発会議、TICADWの成果を着実にフォローアップし、ODAの戦略的拡充と国際競争力を付けるための援助効率の更なる向上に向けた取組を強化してまいります。また、経済上の国益の確保、増進、タイミングをとらえた機動的外交、海外の邦人や日本人社会の安全と安心の実現、知的交流の抜本的強化についても積極的に取り組んでまいります。
 第二の柱は、平和協力国家として、国際社会の平和と発展への一層の貢献であります。
 我が国の安全及び国際社会の平和と発展に向け、アフガニスタンの安定と復興のための支援、国際平和協力活動への協力や平和構築分野の人材育成に取り組みます。また、日米同盟とアジア近隣諸国との関係の強化や領土問題等諸懸案の解決に取り組みます。さらに、国連等における積極的貢献、軍縮・不拡散、原子力の平和利用及び科学技術分野での国際協力についても積極的に推進をいたします。
 第三の柱は、外交力の基盤強化であります。
 我が国が国際社会の諸問題に機動的かつ的確に対応し、国益を踏まえた力強い外交を展開するため、外交実施体制の強化を中心とする総合的な外交力の強化を図ります。特に、定員、機構については、合理化の努力を一層進めると同時に、必要な人員、体制を整えるべく、定員の百名の純増及び五大使館の新設を図ります。
 また、我が国のメッセージを戦略的に発信するための体制の強化や情報収集・分析機能の強化、情報防護のための基盤整備を推進してまいります。
 以上が平成二十一年度外務省所管予算案の概要でございます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#6
○委員長(榛葉賀津也君) 大臣に申し上げます。
 説明並びに答弁等の発言は座ったままで結構でございますので、よろしくお願いします。
 浜田防衛大臣。
#7
○国務大臣(浜田靖一君) 平成二十一年度の防衛省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成二十一年度予算については、安全保障環境を踏まえた防衛力の質的向上や国際平和協力活動のための体制強化など着実な防衛力整備の実施に必要な事業に要する経費や、油の購入費、修理費や営舎費など、自衛隊の活動や教育訓練の実施に必要な経費を計上しております。防衛省としては、歳出歳入一体改革への取組など、財政事情が引き続き厳しい中にあって、徹底した経費の合理化、効率化に取り組み、国民の御理解をいただけるよう予算の編成に努めました。
 平成二十一年度の防衛省所管の歳出予算額は四兆七千七百四十一億三千五百万円となっております。また、新たな継続費の総額は、千四百五十五億五千七百万円、国庫債務負担行為の限度額は一兆六千二百三十二億五千万円となっております。
 次に、平成二十一年度の防衛省関係予算において、特に重点を置いた施策について御説明申し上げます。
 第一に、防衛省改革です。防衛会議の法律上の新設や防衛大臣補佐官の新設など、防衛大臣の補佐体制の強化を図るとともに、防衛調達における透明性、競争性を確保する体制の整備や情報保全態勢の強化等を行います。
 第二に、安全保障環境を踏まえた防衛力の質的向上です。防空能力の向上のため、現有の戦闘機F15の近代化改修を集中的に実施いたします。また、警戒監視能力の向上のため、早期警戒管制機E767レーダーシステムを機能向上させます。さらに、最先端技術に重点を置いた航空機技術の研究として、高運動ステルス機の研究を実施いたします。
 第三に、国際平和協力活動のための体制の充実強化です。我が国が国際社会の平和と安定の維持に向けた活動においてより幅広い役割を果たせるよう、国際平和協力活動のための装備品等の改善充実や教育・広報体制の充実を図るとともに、戦略的な安全保障対話・防衛交流の推進に取り組みます。
 第四に、新たな脅威や多様な事態等への対応です。弾道ミサイル防衛システムの運用基盤の充実強化等を図るとともに、テロやゲリラ、特殊部隊による攻撃等や大規模・特殊災害などへの対応能力の充実を図ります。
 第五に、一層の合理化、効率化への取組です。我が国をめぐる財政事情がますます厳しさを増す中、優先度と効率性を踏まえた防衛力整備を実施するために、装備品の短期集中調達や総人件費改革などコスト削減のための取組を推進します。
 以上に加え、宇宙開発利用、海洋安全への取組、先進的な装備品の研究開発の実施や高度な情報通信態勢の構築、米軍再編への取組、基地対策等の推進、人材強化への取組、教育研究体制等の強化などの諸施策も実施してまいります。
 これをもちまして、平成二十一年度の防衛省関係予算の概要の説明を終わります。
#8
○委員長(榛葉賀津也君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 この際、お諮りいたします。
 外務省及び防衛省関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(榛葉賀津也君) 異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
 今日は、外務大臣、防衛大臣、それから官房副長官もおいでいただきましたが、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、北朝鮮のミサイル問題でございますが、人工衛星の打ち上げと称して四月の四日から八日まで弾道ミサイル発射実験に備えていると。これに対して防衛省は、弾道ミサイル等破壊措置、ミサイル防衛システムの命令を今月中に発令すると報道をされております。
 この命令には、八十二条の二で、いわゆる日本に飛んでくる可能性の高いもので閣議決定を必要とする一項の命令と、日本に飛んでくる可能性は定かでないけれども防衛大臣が決定をする三項の命令があるということで、大臣はどちらの命令を考えているのかというのが昨日の質問通告でございましたが、今朝の報道によると、三項の命令で決めると。非公表で命令をする、そして命令を発動した後、記者会見で報告をするというような報道もありますが、これでよろしいんでしょうか、浜田大臣。
#11
○国務大臣(浜田靖一君) 先生、その件に関しましては、その内容についてはもう先生の方が御存じでございますので、私の方からは説明は省かせていただきますが、基本的に我々とすれば、政府部内でまだ議論、いろんな各省庁において考えをまとめておるところでございまして、まだ現時点においてそのどちらというふうなことを決定してはおらないところでございます。
 いずれにいたしましても、我々としては、適切に判断することが極めて重要でありますので、この問題につきましては万全の体制で臨んでいきたいというふうに思っているところであります。
#12
○藤田幸久君 それではお伺いしますが、つまり、日本に飛んでくる可能性ありやなしかということと、この一項の命令か三項の命令かというのは関係しているのか。つまり、日本に飛んでくる可能性というものが断定できない場合には防衛大臣の決定とせざるを得ないという関係はありますね。
#13
○国務大臣(浜田靖一君) それは、基本的に飛んでくるおそれがあるかないかというのが問題でありますので、その意味においては今後、それも含め、人工衛星ということを北朝鮮は主張しておるわけでございますので、我々とすればその辺も含めて今後政府部内でしっかりと議論していきたいというふうに思っております。
#14
○藤田幸久君 政府内で議論、議論とおっしゃっておりますところ、今朝のやはり報道で政府筋という方が、突然撃ってきたら当たるわけがないと。発射から七、八分で日本に到達すると。浜田大臣から麻生首相に報告したときにはもう終わっている、だから間に合わないと。あらかじめ迎撃の準備をしているだろうという政府筋の報道がありますが、これは御存じでしょうか。
#15
○国務大臣(浜田靖一君) 報道では承知をしております。
#16
○藤田幸久君 政府筋の方がこういうことをおっしゃっているということについて、主管の大臣である浜田さんとすれば、この内容についてこれは当を得ていると思うんでしょうか、それとも外れていると思うんでしょうか。
#17
○国務大臣(浜田靖一君) そういう意味では、余り内容を把握されていないかなという気がいたします。
#18
○藤田幸久君 であるならば、大臣として、この政府筋の方がこういう形で出ているということに対して訂正を求めるべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
#19
○国務大臣(浜田靖一君) その政府筋というのが、私とすれば今現時点でどなたかということは分かりませんが、基本的にもう一度その八十二条の二項をきちっと、理解するように努力をしていきたいというふうに思っております。
#20
○藤田幸久君 三項じゃないんですかね、今二項とおっしゃったけれども。
#21
○国務大臣(浜田靖一君) 済みません、間違えました。八十二条の二であります。ですから、二の中の一項と三項ですから、私とすると、その法律部分を読んでいただければ分かるように、これは当然、対処するにはこの法律をしていざというときに、そのための法律をここに作ってあるわけですから、そこをもう一回読んでいただければと思います。
#22
○藤田幸久君 一つ飛ばしまして、それで、今防衛省の体制として、弾道ミサイル防衛のウエポンシステムの配備状況で、イージス艦二隻、ペトリオットPAC3が首都圏に四個隊、静岡に四個隊、岐阜に一個隊と報道されておりますが、間違いございませんか。
#23
○国務大臣(浜田靖一君) 我が国の整備を進めている弾道ミサイル防衛システムの現在の配置状況は、今先生がおっしゃったように、イージス艦が二隻に対して弾道ミサイル対処機能を付加するとともに、ペトリオットPAC3については、おっしゃるように計九個高射隊の配備が完了しているところであります。
#24
○藤田幸久君 北朝鮮から飛んでくる可能性に関しては、このPAC3を東北地方に移動させる考えはあるかというのが昨日の質問通告でございましたが、これまた今朝の報道で秋田と岩手に配備をするという報道がありますが、岩手と秋田で対応できるんでしょうか。
#25
○国務大臣(浜田靖一君) そのことも含め、今我々とすれば検討の最中でありまして、まだそれを決定しているわけではございません。
#26
○藤田幸久君 じゃ、この報道についてはかなり可能性が高いと。したがって、訂正を求める必要はないということでしょうか。
#27
○国務大臣(浜田靖一君) 報道については、私どもあることは承知しておりますけれども、我々とすればあらゆる可能性を含めて対応していきたいというふうに考えておるところでありますので、その報道いかんに問わず、我々のなすべきことをしっかりやりたいというふうに思っているところであります。
#28
○藤田幸久君 かなり可能性の高い報道というふうに認識をいたしました。
 大臣は、先週金曜日に北京を訪問され、中国の国防大臣ほかと会談をしたということでございますが、北朝鮮のミサイル発射問題について中国の国防大臣は、撃たないなら一番いいし、日本などが冷静な態度を取った方がいいと自制を求めたと報道されておりますが、実際に直接お話しになったニュアンスをお聞かせいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(浜田靖一君) これは、今報道にあったことは、これはもう私とすれば、実際に梁国防相とお話をしたわけでありますけれども、北朝鮮がまず発射をしないことが一番いいということはおっしゃいました。それがもう要するに彼らの言わんとするところで、ただ、我々の方も、日本も、そこは日本の認識もよく分かるけれども、各関係国がやっぱり冷静に対処すべきだということを併せておっしゃっておりましたので、そういう意味では、とにかく北朝鮮が発射するということに対しての問題意識はしっかりと持っていて、それが、北朝鮮が自制してそれを撃たないというのが一番いいということをおっしゃったというふうに私自身は思っているところであります。
#30
○藤田幸久君 この報道だけですと、それから今のお話でも、先方の国防大臣は浜田大臣にそういうことをおっしゃったということは伝わっているわけですが、私は逆で、浜田大臣の方から中国の防衛大臣に対して、北朝鮮に働きかけをして発射しないように自制を求めるべきであったと思うんですけれども、そういう発言は浜田大臣の方から中国の大臣に対してはおっしゃっていないんでしょうか。
#31
○国務大臣(浜田靖一君) 当然私の方からもそのお話はさせていただきましたが、とにかく梁部長の要するに考え方とすれば、私の言ったことを含めて認識をして関係各国が冷静に対処すべきだということをおっしゃっているわけでありまして、その点については私の方からも、その前にお会いした呉委員長とも我々の立場をしっかりとお話をしているところであります。
#32
○藤田幸久君 確認ですが、浜田大臣の方から中国の防衛大臣ほかに対して北朝鮮に対する自制を求める働きかけをおっしゃったわけですね。
#33
○国務大臣(浜田靖一君) 今お話ししましたように、呉邦国・人代の常任委員長にお話をしたときに、そのときにも国防部長もそこに同席をされていましたので、その点は私の方から申し上げたところであります。
#34
○藤田幸久君 つまり、国防大臣と一対一のときには自制を求めていないということですね。つまり、呉邦国、大臣同席したときはおっしゃったけれども、一対一のときにはこちらから自制を求めることを先方の国防大臣にはおっしゃっていないということですね。
#35
○国務大臣(浜田靖一君) いや、それは、私の方から申し上げたのは、我々とすればそれに対して懸念を持っているということは申し上げた上で、それに対する問いに対してお答えをしたということでありますので、当然のごとく、我々の立場を承知した上で国防部長がお話しになったというふうに思っております。
#36
○藤田幸久君 つまり、懸念は表明したけれども自制は求めていないというふうに理解をいたしまして。
 次に、これまた今朝の報道によりますと、中国の関係者が北朝鮮ミサイルの発射中止はあり得ないというふうにおっしゃっているという報道がありますけれども、これは発射中止はあり得ないとかなり強いことでおっしゃっている。ということは、中国側は、つまり、せっかく防衛大臣行ったにもかかわらず、もうこれは止められないとあきらめ切っているというようなニュアンスですけれども、やはり先週かなり努力をされたけれどもなかなか止めることは難しいという感触を持ってお帰りになったんでしょうか。
#37
○国務大臣(浜田靖一君) それは、我々の立場は申し上げて、そしてまたそれを理解をしていただいていることは事実でありますので、その後のことに関しては、私の方としては感触だけで今ここでお答えすることではないと思いますので、更に我々とすればそれを求めていきたいというふうに思っているところであります。
#38
○藤田幸久君 更に求めているというよりも、直接先週直談判したけれども、その後にこういった形で強い報道が出て、まあ報道が全部正しいとは思いませんけれども、もっと強く働きかけを更にしていただきたいというふうに思います。
 次に、拉致問題について移りたいと思いますが、先週の十六日に参議院の北朝鮮拉致問題等に関する特別委員会で新潟県の佐渡市を視察してまいりました。委員会として曽我ひとみさんにお会いをいたしましたが、いわゆる家族の方とお会いしたことはあるそうですけれども、被害者の方とこういう形で委員会でお会いしたのは初めてだということでございましたが、六年間という帰国から歳月がたち、その家族の方々の状況も私どもも聴取をした状況でございますけれども、この方々の最近の状況について政府の方でどういうふうに把握をされておられるか、まずお伺いをしたいと思います。
#39
○大臣政務官(並木正芳君) 先生のお話のとおり、平成十四年の十月に拉致被害者が、地村さん夫妻、また蓮池さん夫妻、そして曽我ひとみさんですね、帰国されて既に六年がたったわけですけれども、この間、政府としましては、拉致被害者等支援法に沿って、地元の関係自治体とも連携協力して、帰国の被害者及びその家族に対して鋭意支援を実施してきたところであります。
 その効果というのも考えられるかと思いますが、帰国被害者の御努力によって、現在、地元の自治体や大学へ就職され、また御家族も大学や専門学校で勉学に励んでおられる、こういうふうに着実に自立の道を歩んでいられると。しかし、また同時に、先生もお聴き取りなられたように、将来への不安というのも大きいというふうに承知しております。そうした面でこれから更に配慮をする必要もあるかと、そういうふうに承知しております。
#40
○藤田幸久君 おっしゃるとおり、この間、佐渡市長さんもずっと同行していただきましたけれども、非常に細やかなケアをしておられるということを伺って、意を強くした次第でございます。
 帰国被害者の具体的な支援として、支援法による給付金の支援がございます。曽我さん、地村さん、蓮池さんとその家族が二〇〇五年の三月に日本に永住をすることを宣言をされた。それ以来、毎月この支援金の支給を受けているわけですけれども、ちょうど来年の三月にこの五年間の期限が終わってしまうと。ジェンキンスさんは六十八歳だと。この方は日本人と違って年金も受け取れない。それから、曽我さんとお話を伺いましたら、大変お嬢さんたち二人の将来も心配されておられました。それから、当然のことながら、二十四年間日本にいらっしゃらなかったということもございますので、お父さんも亡くなられました。したがって、家族としての蓄えもないと。したがって、来年期限が切れてしまうというのは大変不安があるということでございますけれども、この支援法の五年というのは期限が短いんではないか。それで、是非延長を検討してほしいと思うんですけれども、その辺について政府はどうお考えでしょうか。
#41
○大臣政務官(並木正芳君) 政府としましては、先ほども申し上げましたように、関係地方自治体と連携協力しながら、拉致被害者等支援法と、同法に先立って取りまとめられました政府の総合的な支援策と、こういう二つの支援枠組みの下で拉致被害者等給付金の支給や自立・社会適応促進施策を実施しているところであります。
 今お話しのとおり、永住の意思決定後、平成十七年四月ということになりますけれども、五年を限度としてその給付金の方は支給しているわけでありまして、平成の二十二年三月が期限となっております。そうしたところで、今お話しのとおり、五年というのが短いのじゃないかというふうなことがありましたけれども、先生ももう重々御承知のとおり、拉致被害者等支援法制定時には適度な年数を設定して被害者等の自立支援と、そういう自立実現という一つの目途とすることがむしろ望まれているということを総合的に考慮して決めたものだと、そういうふうに承知しております。
 そうしたところでありますけれども、二十二年四月以降の問題になりますが、先ほどのように、給付金だけじゃなくて支援は必要な支援というのを行っていくわけでございますけれども、この自立の状況というのもそれぞれに違っておりますので、そうしたものを御本人、御家族の要望等や御意見を伺いながら、必要な見直しを含め適切に対応してまいりたいと、このように思っております。
#42
○藤田幸久君 必要な点を勘案して、見直しも含めてというお言葉、是非更に進めていただきたいと思います。
 それから、給付金の運用上の問題についてお伺いしたいんですが、恒常的な所得が年額五百八十万円を超える場合、その五百八十万円を超えた分の二分の一に相当する額を給付金から減額することになっていると。もちろん、自立をという認識もあるんだろうと思いますが、ただ、元々支給を受けてきた給付金が減額をされるというのは、余りにも過酷な運命をたどってこられた拉致被害者に対して、これは非常に酷なことではないかという印象を持ちました。
 曽我さん親子の自宅のちょっと手前で拉致されて、川に連れていかれて小舟で、しかも政府も認定しておられるように、女性の工作員が先導をして、まさに日常の生活のすぐ近くで、曽我さんおっしゃっていましたけれども、自分がお母さんを買物に誘わなければお母さんと別れる必要はなかったんだと、いまだに八月十二日が来ると自分は自責の念に駆られますというふうなこともおっしゃっておられます。
 してみると、この減額も含めて大変酷ではないかと思いますが、政務官もお感じていらっしゃると思いますけれども、改めて政府の見解をお伺いしたいと思います。
#43
○大臣政務官(並木正芳君) 支援法の目的というのは、今申し上げたとおり自立を促すということなんですけれども、減らすということは、五百八十万円という収入、これは大体今の平均的な年金被保険者とかそういう収入を勘案してのことですけれども、更にそれをプラスして今給付金がいただくということになると九百何十万、一千万近い額になっているわけです。それに対して、この五百八十万より増えれば、その増えた分のところの半分でございますので、その九百何十万から収入としては半分ずつはどんどん増えていくということで、一千万を超えるような収入になる、例えばですけれども可能性が多いと。そういうことからしますと、自立というふうな面からは一つの目的は達しているんじゃないか。
 さらに、補償とかそういう問題になるとまた違うとは思いますけれども、そういった考えからすれば、ほかの支援ももちろんあるわけですから、収入としてはある程度の目的を達したという考え方ですけれども、さらに、先ほども申し上げましたとおり、今後生活基盤の更なる充実に向けた取組に向かって支援に遺漏がなきようにしていきたいというふうに考えております。
#44
○藤田幸久君 自立という場合に、生まれてから日本で大人まで教育を受けて育った人の基礎的な要素がそろった上での自立と、いわゆるジャンプ台の部分がない人が自立をする場合の条件が違うんだろうと思います。その部分を、かつ一千万云々の話がありましたが、来年までのあと一年の話でございます。その後、年金のないジェンキンスさん、それからジャンピングボードとしての社会的な経験のないお嬢さん方お二人ということも是非勘案をして、今の点も是非前向きに検討していただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたい。もし、コメントあれば一言。
#45
○大臣政務官(並木正芳君) 年金等については、御存じのとおり政府が代わって、今まで納めることができなかったわけですから、それは納めていくということなんですけれども、ジェンキンスさんの場合いろいろまた違った境遇というのもあります。だから、そういうものも更に検討する必要はあろうかと思います。
#46
○藤田幸久君 ありがとうございました。
 次に、捕虜問題について移りたいと思いますが、中曽根大臣、先日も予算委員会で麻生総理に質問したんですが、二〇〇六年に麻生外務大臣の在任中に、実は旧麻生鉱業で捕虜として使役をされていたという方がオーストラリアに現存されておられて、オーストラリアの国営放送、ABCとか全国紙で報道されていたと。そういう報道があったということをオーストラリアの在外公館から外務省には報告をしたと。ところが、麻生当時の外務大臣自身が自分は全然そんなこと聞いていないという報告をこの間予算委員会でおっしゃっていましたけれども、ということは外務省には届いたけれども、どこかで止まって、当事者である外務大臣に報告が行っていなかったということですけれども、だれのところで止まって、かつ、外務大臣の名誉にもかかわる重要な案件が大臣そのものに到達しなかったというのはなぜかということについてお答えいただきたいと思います。
#47
○国務大臣(中曽根弘文君) 海外における報道につきましては、外務省には、もう委員も御承知のとおり、毎日山ほどの報告が在外公館から寄せられているわけでありまして、そのうち重要な報道につきましては、随時外務大臣に報告をされているわけでありますが、御指摘の報道につきましては、麻生外務大臣、当時でございますが、大臣に報告されるべきものと認識をされていなかったと、そういうことでございます。
#48
○藤田幸久君 外務大臣自身のお父さんがおやりになっていた会社で、数人じゃなくて三百人もの捕虜の方がいたということが、実際に生きておられて、そしてNHKのような公共放送機関でインタビューを受けていろいろ訴えられていたということを、当事者であり、麻生大臣にとっては極めて名誉にかかわる重大なことを、それを報告すべき案件であると判断されなかったとはどういうことなんですか。だれが判断したんですか。
#49
○国務大臣(中曽根弘文君) 今申し上げましたけれども、一つは、恐縮でございますが、情報の伝達について、外務省の中での、それについてお答えすることは差し控えたいと思いますが、当時のその担当ですか、受け取ったところが大臣に報告されるべきものではないと、そういう判断をされたという、過去のことでありますが、その結果そういうことになったということでございます。
#50
○藤田幸久君 その結果、外務省は、翌年だったと思いますけれども、この年の秋かな、ニューヨークの総領事館のホームページに、つまりニューヨーク・タイムズが言っていることはけしからぬと、間違っているという掲載までして、昨年実は、いや、それが正しかったと、三百人捕虜がいたということに分かった途端に削除しているわけですね。これ、国としても、外務省としても、麻生大臣としても、大変なこれ名誉を傷つける、そして信頼を失うことをやってしまったという判断をこの方も非常にかかわったということですよね、外務省として。これ、その程度で放置していていいんですか。
#51
○国務大臣(中曽根弘文君) だれが担当してどうだったかという詳しいことを私は存じませんけれども、今委員がおっしゃいましたことにつきましては、委員のお話のとおり、ホームページで訂正のということでありましたけれども、外務省の調査が十分でなかったということで、そのことにつきましては、当時の対応について私からも遺憾であったということは表明させていただいているところでございますが、麻生総理の個人の名誉にもかかわるというお話でございますが、確かに麻生鉱業ですから麻生総理の御関係した会社でありますが、多分ですよ、多分担当者からすれば、総理御自身が今経営していることでもないというようなことから判断されたのではないかと私は推測いたします。
#52
○藤田幸久君 しっかり検証していただきたい。これは御自身が今経営しておられないということではなくて、実際に御自身が社長のときに厚い本を書いてそれに触れていないというようなこともあるわけですから、私は、その当時のことを麻生今の総理に旧悪を逆なでて問うことは一切しておりませんけれども、ただ国の信頼の問題でございますので、しっかり検証していただきたいと思います。
 それで、次の質問に移りますが、実は昨年、厚生労働省の資料が出てきて初めて、麻生総理自身もこの三百人の捕虜がいたということをお認めになったわけですが、実はその厚生労働省の資料以外にも、この防衛研究所の図書館にもたくさん資料が存在しております。要するに、防衛研究所の図書館は旧日本軍の資料を全部引き継いで、全部でないかもしれませんけれども、あるんですね。
 ということは、これ、それから一般の書物、文書等もありますけれども、結局、政府全体としてこの捕虜問題に対する担当の部署も決まっていない。外務省の中でも、これ質問主意書で出てきましたけれども、担当の恒常的な主管の部署がないと。したがって、結局情報の引継ぎ、共有ができていないのでこういう間違いを犯してしまうんだろうと思うんですけれども。
 実はこれに関して、小泉内閣の当時の福田官房長官及び細田官房長官が、こういう戦後処理問題を官邸で対応するというふうに言明しておりますけれども、具体的にどういう形で官邸が総合的に対応するという仕組みができたのかということについて、官房副長官の方からお答えいただきたいと思います。
#53
○内閣官房副長官(松本純君) 政府といたしましては、これまでの取組を踏まえまして、次の対応をすることとしております。
 戦後処理問題は、内容が非常に複雑多岐にわたり、種々の経緯があることにかんがみまして、政府として統一的な対応を行う必要があるため、内閣官房が総合的な政策調整を行うこととしております。また、対外関係事務の側面を有する戦後処理問題は多岐にわたるところでありまして、その窓口業務については外務省が一義的に行うこととしております。
 なお、個々の戦後処理問題につきましては、これまでどおり関係府省が各々の所掌に従って処理を行っていくことといたしますが、所掌が明らかではない事案が出てきた場合には内閣官房がこれを明らかにするなど、内閣官房の総合調整の下、関係府省間で連携を密にして適切に対応をしてまいりたいと存じます。
#54
○藤田幸久君 今の引用は、二〇〇五年の内閣委員会の福田官房長官の答弁書と全く同じです。それから、その後の細田官房長官の答弁書と全く同じです。
 ということは、二〇〇五年に当時の福田官房長官がおっしゃっていながら、今申し上げて、あるいは先日来申し上げているように、二〇〇六年にこんなことやっちゃっているわけですよね。ということは、官邸としてのこういう調整機能が機能していなかった。つまり、官邸が調整をしていたならば厚生労働省の資料も発見できたはずだし、防衛研究所の図書館にも資料があることを官邸として把握できたはずじゃないですか。つまり、去年の段階で厚生労働省から出てくるまで知りませんでしたというのでは、この二〇〇五年のその当時の福田官房長官のこの答弁どおりのことができていないということになるんじゃないんでしょうか。
 松本官房副長官、いかがでしょうか。いや、要するに、二〇〇五年に官房長官としては答弁をしながら、実際にそういう機能をしなかったから去年こういうことが出てきたということになるんじゃないですか。いかがでしょうか。
#55
○内閣官房副長官(松本純君) 今、個々の戦後処理問題についての取組でありますが、これは関係府省が各々の所掌に従って処理を行っていくというこの基本で動いておりまして、この多岐にわたる諸問題の対応につきまして、その事項に応じて、政府において担当するそれぞれの責任を持つ部局が担当するということでの動きでこれまでどおり進めさせていただいているところでございます。
#56
○藤田幸久君 つまり、個々にやって失敗した例じゃないですか。去年から、つまり厚労省に資料があるのを知らなかったという、総理自身が知らなかったという、大変信頼を失うようなことになってしまった。
 それから、捕虜の問題というのは、これは中曽根外務大臣も、それから総理もおっしゃっていただいているように、ポツダム宣言受諾とサンフランシスコ平和条約で義務付けられた戦後日本の最大の国際公約であります。ほかのその戦後処理問題と質が違うんですね。日本の戦後の国際社会における信頼の基礎になることでありまして、それを、個々の省庁で云々のレベルをはるかに超えたものにもかかわらずこういうふうになってきたということについては、これはやはり、まるで体制をつくり直していただかないと、同じようなことがまた起きてしまうということだろうと思いますけれども、うなずいておられる中曽根大臣、いかがでしょうか。
#57
○国務大臣(中曽根弘文君) 今の捕虜問題につきましては、今副長官からも御答弁ありましたけれども、外務省におきましては、いろんな事案があるわけでありますけれども、この捕虜につきましては、捕虜の例えば出身国との関係とか、それから関連の国際法規、そういうものの様々な事情があるわけでありまして、そういう関係する部局が連携をして、そして今までは対応してきているわけであります。例えば、細かいことを申し上げてもあれですが、国際法は国際法課とか、海外報道担当とか、捕虜出身国との関係とかあって、そういうところの連携が確かにうまくいっていないということもあったかもしれませんが、こういうところはやっぱり緊密に連携をしっかりやるということが大事だと、そういうふうには当然思っております。
#58
○藤田幸久君 ですから、そのレベルでは対応できなかったということが外務省としても政府全体としても明らかになったということでございますから、しっかりそういった恒常的な部局をつくっていただきたいと思います。
 それで、ちょっと次に移りますが、昨年の十二月のこの委員会で中曽根外務大臣は、戦争中にインドネシアで日本海軍の「電」と「雷」という船が英国の軍隊の船を撃沈したけれども、その四、五百名の英国の兵士が海上に漂っているのを全員助けて、服を与えて食料を与えたと。そのとき助けてもらったイギリスの軍人が来日をし、その歓迎会を行ったと。自分もその実行委員を務めたという大変美しい、いいお話を紹介されましたが、その四、五百人の方々が日本の工藤艦長の下で救助をされたと。その後、そういう方々がどこに連れていかれたのか。例えば日本の炭鉱などで働かされたようなことがないのか、その辺については御存じでしょうか。
#59
○政府参考人(谷崎泰明君) お答えいたします。
 ただいま御質問ありました日本海軍の「雷」の話でございますけれども、これは元海上自衛隊の恵隆之介氏の書いた本がございます。これによれば、日本海軍の「雷」に救出された英国人兵士は、ボルネオ島バンジェルマシンに停泊中のオランダの病院船、オプテンノールと申しますけれども、これに収容されたということでございます。
#60
○藤田幸久君 ですから、どこに連れていかれたかということ。
#61
○政府参考人(谷崎泰明君) はい。
 その後、先日来日したフォール卿によりますと、その後、マッカサルの捕虜収容所に収容され、その後、セレベス島東岸に移され、そこで終戦を迎えたということでございます。
#62
○藤田幸久君 資料を三枚ほどお配りしておりますが、その二枚目に、麻生鉱業で終戦の二週間ぐらい後、つまり八月末に撮られた写真がございます。これはオーストラリアの御家族から提供いただいたもので、現在生きていらっしゃる方もこの中にいらっしゃいますが、実は最近確認をいたしましたが、この一番後ろの列の右から五番目、一番後ろの右から五番目の方がこれはジェームズ・マクアナルティという方で、この「雷」「電」に救出をされた方のお一人だそうでございます。この方がつまり後に麻生鉱業で捕虜として使役をされたということを、このジェームズ・マクアナルティさんの息子さんのジェームズさんという方とアイリーン・サンテンさんという方が数日前ですが確認をしております。つまり、この救助された方の中にも麻生鉱業を含めて日本の炭鉱等で働かされた方がいるという事実を確認をいたしました。
 したがいまして、私は、この工藤さんですか、大変いい功労をされて、いいことをどんどんどんどん伝えるというのは賛成でございます。ただ一方で、こうした現実もあるし、そして次の質問に移りたいと思いますが、この私の資料の一枚目が、オーストラリアに今生きていらっしゃる数名の方のうちの三名が今年、麻生総理に手紙を出されました。つまり、麻生総理が初めて三百人麻生鉱業に捕虜がいたということを確認をされた後、この手紙を出されたわけでございます。この手紙に対して、官邸の方で接受、受けたと。ただ、まだ対応を検討しているところであり、返事は出していないということでございましたけれども、二月四日付けの手紙ですから、もう一か月半以上たっております。
 それで、私、三つの要請のようなことが書いてありますけれども、これ、今までの捕虜の方と違って、直接的な金銭補償は求めておりません。むしろ、六十三年間無視をされてきたことに対する謝罪とか、我々が存在したんだということをまず認めてほしいという言葉を求めているということが、私は九十歳近い捕虜の方々の大変思いやりのある言葉ではないかと思っておりますけれども、これに対して政府として、官邸としてどのような返事をされるおつもりなのか、官房副長官の方からお答えをいただきたいと思います。
#63
○内閣官房副長官(松本純君) 先般、総理も御答弁の中で触れられていると存じますが、このお尋ねにつきましては、その対応につきまして引き続き検討をしているところでございます。
#64
○藤田幸久君 先ほどの「雷」等々の救われた方の、このイギリスの方については、御自宅までリムジンで迎えに行って、相当な待遇のことをして日本に呼んでこられているんですね。もう九十近い方々がまだ生きていらっしゃる。私はこの間も総理に申し上げましたけれども、こういう方々こそ日本にお呼びになって、言葉を求めていらっしゃるんですね、この方々は、お金というよりも。そういうやっぱり交流の、是非発信を私はしていただきたいということを、官房副長官、是非総理にもお伝えをいただきたいと思います。
 それから、時間がないので、ちょっと海賊対策のことについて数分お時間をいただきたいと思います。
 資料の三枚目に、去年ですか、海上保安庁が、瀬戸内海でフェリーの中で盗難事件が起きたと、そのときに、ある方がどうも高校生らしい人たちがその現場にいたということで、指紋を採取したそうです。五十三名の高校生が指紋採取を受けたと、ところがその犯人ではなかったと。結果的に、その五十三名の方々、地元に帰っても、結局その高校というのは泥棒がいたんじゃないのとうわさも立ってしまったというようなことで、大変傷ついたというようなことを聞いております。それで一部には、したがって、自分の子供をその高校に行かせるのをやめようというふうに言ったというようなうわさもあるそうですけれども、こういうやり方で、結果的にこれ犯人捕まえてないんですね。その第一通報者という人の存在もはっきりしていないようですけれども。
 こういうやり方、これ海上保安庁、やがてソマリアの方にも行っていただくわけですけれども、こういったことの事例について不備はなかったのかどうか、まず確認をしていただきたいと思います。
#65
○政府参考人(城野功君) お答え申し上げます。
 先生お尋ねの、平成二十年十一月十八日に発生しました瀬戸内海を航行中のフェリー船内で発生しました窃盗事件についてでございますけれども、海上保安庁は、同フェリーから事件の通報を受けますや否や、直ちに巡視艇により職員を現場に臨場させ、関係者からの事情聴取、指紋の採取等所要の捜査を実施したところでございます。本件につきましては、フェリーや乗客に与える影響を最小限にすべく、関係者からの事情聴取の結果等を総合的に勘案した上で、高校生の方から指紋を採取したところでございます。
 結果的に、先生おっしゃられましたように、現場に残された指紋とは一致しなかったわけでございますけれども、指紋の採取は捜査上必要なものでございまして、また、採取に当たりましては、引率されております先生の理解を得ますとともに、高校生の同意も得ているところでございますので、適正に捜査をしたものと認識をいたしておるところでございます。
#66
○委員長(榛葉賀津也君) 藤田幸久君、時間が来ておりますので、おまとめください。
#67
○藤田幸久君 それで、一言、一つだけ、済みませんが、これに関係して、こういった逮捕の事例、捜査というものが今後のソマリア沖の行動においても必要だろうと思うんですけれども、現在想定されております八名とか、いろんな装備とかやり方について、海上保安庁の方で十分な体制取られておるかどうか、それだけについて簡単にお答えいただきたいと思います。
#68
○政府参考人(城野功君) 海上保安庁では、今回のソマリア沖の海賊対策につきまして、八名の海上保安官を犯罪捜査のために派遣しているわけでございますけれども、この八名につきましては、海賊事案発生時における必要な初動捜査を行うこととなりますが、その初動捜査に必要な身柄拘束のための手錠やあるいは現場鑑識用の資機材等必要な装備、機材等を携行させて適正な捜査手続をできるように準備をしたところでございます。
#69
○藤田幸久君 しっかりやっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#70
○谷岡郁子君 おはようございます。民主党の谷岡郁子でございます。
 ただいま我が党の藤田議員の質疑を聞かせていただきまして私が強く感じますことは、アメリカを始め多くの海外の友邦で、今、麻生総理が先ほどの捕虜問題に対してどういう対応を取るのかということをかたずをのんで見守っておりますし、私の元にも多くのメールが寄せられているということを指摘しておきたいと思います。
 それは、先ほど麻生総理個人の名誉にもかかわる問題だという指摘ございましたが、私に言わせれば、海外の反応というのは、麻生総理の資質、過去にあったことはその当時の事情に基づいて、過去の状況、倫理観に基づいて、またやむを得ないような形において行われたことであっても、現時点において日本国の総理として、その方が過去の過ち、これは国であり私企業であり犯したと感じられる、今から考えては問題であったと感じられることに対してどういう態度をお取りになるのかということは、これは現在における総理の資質の問題であるという受け止め方がされているのだなということを私は、この間、海外からの報告、メールを通じて強く感じております。したがいまして、そのことについては、くれぐれも、やはり日本が名誉ある国家として、尊敬される国として、安全保障理事会にふさわしい国として考えられますように、私からもよろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、質問に入らせていただきます。
 先日、三月十七日、同僚議員であります風間直樹議員の方から、今、自衛隊内におけるセクハラ訴訟と、その原告の任用継続の問題についての質問がされました。この当該自衛官、現在の身分はどうなっていますでしょうか。防衛大臣、お願いいたします。
#71
○政府参考人(渡部厚君) お答えいたします。
 当該隊員につきましては、先日三月二十一日をもちまして任期満了ということになりましたので、退職ということでございます。
#72
○谷岡郁子君 残念でございます。
 私は、この問題というもののその対応ははっきり間違っているというふうに感じております。しかし、これは今後裁判で争われるのであろうということで、私ども国会としては、司法の現在行われている問題には一定の敬意を持って今後見守るということとするべきかなと感じております。
 しかし、この件の中であらわになってきた問題としてここで取り上げるべき問題というのもまた存在すると思います。当裁判において国側が主張しておられますのは、自衛隊というのは精強さ、精神の精に強さで精強さというものを旨とした環境におけるということで、そこの士気、また精強さということが主張としてあると。その中でいわゆる該当するセクハラ事件などが起こってきたということを言っておられるわけですね。つまり、言ってみれば、男らしさ、女らしさとでもいうようなそういう概念、そして伝統、秩序という名の下に、ある意味でセクハラ的なこと、場合によっては女性蔑視的なことがやむを得ないのであるというような主張がなされているというふうに私は様々な文書から読み取ったわけであります。本当にそうなのだろうかと。
 ここでお尋ね申し上げたいことは、やはり行き過ぎた言わばますらおぶりとでもいうような文化というものが、言わば女性にとって生きにくい仕事場を生んでいるのではないかということについて、いかがでございましょうか。
#73
○国務大臣(浜田靖一君) 防衛省といたしましては、男性と女性が互いに人権を尊重し、また性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮できることが重要であると考えておりますし、その能力に着目して、男女平等の人事管理方針の下に、自衛隊の精強性に配慮しつつ、従来から女性自衛官の積極的な登用に努めているところであります。
 今後とも、自衛隊の任務の性格、母性の保護そしてまた男女間のプライバシーの確保等に配慮しつつ、男女共同参画社会基本法の趣旨等も踏まえまして、女性自衛官の積極的な登用に努めてまいりたいと思っているところでございます。
#74
○谷岡郁子君 今のお話を聞きまして、男女差別はさせないという大臣の意思をということで確認させていただいてよろしゅうございますか。
#75
○国務大臣(浜田靖一君) はい、結構です。
#76
○谷岡郁子君 では、この当該元自衛官、元と付けざるを得ないかと思いますが、この自衛官、私どもヒアリングをいたしました。その中で彼女が訴えていた状況といいますのは、彼女自身未成年であったにもかかわらず酒の席にいることを強要され、お酌を強要されということが何度もあったということであり、またそれはその彼女だけの問題ではなく、多く行われていることであると。
 これは、私どもから見れば、やはり未成年に対する配慮の欠如であり、また女性に対する配慮の欠如だと思われますが、今後そのようなことはさせないということをちゃんとやっていただけますでしょうか。
#77
○国務大臣(浜田靖一君) 基本的に当然未成年の飲酒というのは禁じられておるわけでありますので、そういう意味では我々としてもしっかりと対処していきたいというふうに思います。
#78
○谷岡郁子君 では、そのようなことが実際に行われていたということが言われておりますが、自衛隊でしかるべくきちんと第三者による評価ですとか調査、そういうものが行われておりますでしょうか。
#79
○政府参考人(渡部厚君) お答えいたします。
 いわゆるセクハラの実態把握についてでございますけれども、平成十一年にセクシュアル・ハラスメントの防止等に関する訓令というものを制定いたしまして、相談員を設置するとかいろんな施策をやっております。その中で、相談員への苦情相談の状況把握でありますとか、あるいはこの苦情相談を端緒としまして懲戒処分が行われているケースが多々ございます。
 そういう懲戒処分の状況でありますとか、あと三つ目といたしまして、隊員に対するアンケート調査をやっております。セクハラの実情あるいはセクハラ防止の施策について隊員に対して徹底されているかどうかということでアンケート調査等を行っておりますが、これにつきましては、いわゆるセクハラ対策が講じられ始めました平成十年に一回やっております。それから平成十九年にも一回やっております。こういうアンケート調査等を通じまして実態を把握に努めまして、それを踏まえて対策を講じているということでございます。
#80
○谷岡郁子君 今多々あったというふうにおっしゃったんですけれども、多々というのは一体どれほど多々とおっしゃっているのか。また、その多々あるという状況に対してどういう対応をなさっているんでしょうか。
#81
○政府参考人(渡部厚君) これまでのセクハラに関する苦情相談の状況、それからそれを踏まえた懲戒処分の状況でございますけれども、平成十一年度から十九年度まで九年間の統計を取っております。それによりますと、苦情相談が四百六十五件ございました。年に平均しますと五十件ぐらいということでございます。懲戒処分につきましては合計六十七件、年平均七件程度ということでございます。
#82
○谷岡郁子君 これはやはり大きな問題であるというふうに思います。早急にその問題についてはこれまで以上の力を入れて、女性側の仕事しやすい自衛隊にしていただくように大臣にお願いしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。お願いいたします。
#83
○国務大臣(浜田靖一君) 我々としても、そういったことのないように今後もしっかりと対応していきたいというふうに思っておるところであります。
#84
○谷岡郁子君 また、自衛隊員が今回裁判をやっているということが言わば任用不継続の事由ではなかったかという声が多々ございます。その事実は裁判でもちろん争われることですので、私はここでは立ち入りません。が、自衛隊員の裁判権、それは侵害されてはならない基本的な人権であるということを大臣はお認めになりますでしょうか。
#85
○国務大臣(浜田靖一君) 当然、裁判を受ける権利につきましては憲法において認められた国民の権利でもありますし、自衛隊員においても当然奪われることのない権利であるというふうに思っておるところであります。
#86
○谷岡郁子君 そうしますと、もし裁判の原告になって、例えば国を相手に裁判を争うような者が今後出ました場合に、その当該隊員が何らかの形でパワハラでありますとか、また差別的な扱いでありますとか、非常にいづらくなるような言動をされる、そのようなことがないように、やはり隊全体として気を付けていただけるということもお約束いただけますでしょうか。
#87
○国務大臣(浜田靖一君) 当然今までもそうでありましたし、我々とすれば今後ともそういうことのないようにしていきたいというふうに思っておるところであります。
#88
○谷岡郁子君 ありがとうございました。
 それでは、今回のもう主要テーマであります外交防衛予算というところに私の質問を移らさせていただきたいと思います。
 私、今回、予算を初めて外交防衛委員として拝見しておりまして大変奇異に感じたことがございます。それはこのバランスでいいんだろうかという問題なんであります。
 外交問題としまして中曽根外務大臣にお伺いしたいんですけれども、やはり外務省の予算は足りないんじゃないですか。いかがですか。
#89
○国務大臣(中曽根弘文君) 外務省の予算につきましては、いろいろな委員からこれで大丈夫かというような御意見も衆参両方の委員会でいただいておるところでございますが、外交活動が非常に多岐にわたり、またいろいろな情勢の変化があるわけでありますし、御案内のように海賊の問題とかいろんな新しい問題も出てきているわけでございます。そういう中で、これらに的確に対応するにはやはり予算面でしっかりとした裏付けをいただいた上で効果的な活動をしたいと、そういうふうに思っておりまして、正直に言わせていただくと、在外公館の数も中国等に比べればまだまだ少のうございますし、そういう意味で外交力強化というものが大事ですから、更なる予算の増額というものもお願いしたいと思っています。
 ただし、それに見合うだけのしっかりとした活動をしなければならない、それから無駄を省かなければならないというのは言うまでもないことだと思っております。
#90
○谷岡郁子君 現在、アデン湾へ自衛艦を派遣するということがございます。そのアデン湾がいかに日本の重要な動脈であるか、日本経済、日本人の生活にとって大切なものであるかということをこの何か月間にわたって私どもは学ばせていただいたわけでございます。
 調べてみましたら、アデン湾岸諸国には日本の外務省の派遣者がほとんどいない。一番近いのはエチオピアのアジスアベバ若しくはケニアのナイロビの大使館であると。ジブチにもエリトリアにも、もちろんソマリアにも大使館はないということを発見いたしました。そして、オマーン、イエメンでございますけれども、オマーンのマスカットというのははるかに実は離れた場所であるわけですし、イエメンにも十人程度ということで、これほど重要な地域に人を配せないということがなぜこれほど長きにわたって見過ごされてきたのか。もし潤沢に人が与えられ、また公館がその地域につくられていたならば、この間の対応というものも変わったものであり得たのかなという感慨を抱かずにはおらなかったんですが、なぜこの地域に公館はつくられてこなかったんでしょうか。
#91
○政府参考人(河相周夫君) お答えいたします。
 今御指摘のございましたソマリア、これについては、今実質的にはきちっとした政府が存在しない状況でございますので、大使館が設置できないと。
#92
○谷岡郁子君 分かっております。
#93
○政府参考人(河相周夫君) それから、ジブチにつきましては現在のところ公館がございませんが、現下の状況にかんがみて事務所を、実質的に外務省職員を数名派遣をして活動を開始しておるところでございます。
#94
○谷岡郁子君 ですから、今になってそれをしなければならないということ、でもアデン湾が重要であったのはずっと重要であったろうと。スエズ運河ができましたのはとっくの昔の話でございます。そして、荷物は今ここを行き来し始めたわけではないと。それならば、ずっと重要であった地域をカバーできないような外交予算が組まれてきたということが問題ではないかということを私は指摘しておきたいと思います。
 そして、ここで私は地域別外交費というのを在外公館の予算概要で見せていただいて、あっけに取られました。これが一体何を意味するのかが分かってないのかもしれませんが、その総額が五億九千三百万。そして各地域における外交政策の実施に必要な経費といいまして、中南米地域は、中南米地域全部ですよ、何十か国かあって、それが計二百万、欧州で四億五千万であり、中東地域、このイラク、アフガニスタンがある重要な地域において千二百万、アフリカ地域におきまして今のこの問題があって三千二百万、これは一体どういう費用の割り付け方なのか。かつ、在外公館の広報、文化交流、報道対策費は、これに対して九億八千百万ございます。約十億あるわけですね。
 つまり、本当に外交の仕事をしていただくことに関して六億ぐらいしか全部でなくて、広報費に対しては十億ある。しかも、その各地域、これほど重要な地域にこれほど少ないということを私は驚愕したんでありますが、これでやっていけるのでしょうか。
#95
○政府参考人(河相周夫君) いろいろな費目がございます。それで、それぞれの地域、若しくはその根っこになる、基本になります大使館の諸活動を踏まえながら、適切な、限られた予算の中で配分を行ってきているということでございまして、活動の重点によって、地域によってその配分が変わってきているというところがございます。
 ただ、先ほど委員からも御指摘があり、外務大臣からも御答弁申し上げたように、私たちとしては、もっといろんな分野での予算が多ければ更なる活動ができるというのが基本的なことではございますが、厳しい財政状況の中で今行われているような予算配分になっている、これをいかに効率的にうまく活用していくかということで努力をしているところでございます。
#96
○谷岡郁子君 昨日、ヒアリングのときにもお聞きしたんですけれども、現在、先ほどジブチに事務所をとおっしゃいましたけれども、大使館としてはまだ管轄ができていない中で、ケニア大使館であるとかあるいはエチオピア大使館からの応援で行くと。ところが、アフリカ全体で三千二百万しかないような状況で、何回か飛んだら終わってしまうようなそんな費用しか今与えられてないという状況があるという、この事実を私は指摘しておきたいわけです。
 一方、防衛省から日本共産党の資料請求に対して出されております資料というのがございます。日本共産党二十六(防衛省)自衛官一人当たり維持費、陸海空軍別維持経費、活動的経費の区分というようなもの。そして、その二十七、これが大事なんですけれども、自衛隊パイロット一人当たりの養成経費(二十一年度)という資料がございます。そして、養成経費、一人当たりですよ、F2の操縦者は七億一千三百四十二万円、F15の操縦者は六億二千二百五十七万五千円、F4EJ操縦者は七億九千七百四万一千円。一人当たりの養成費、これに平均七億ぐらいの費用が掛かると。もちろん、とても特殊なんだと思いますし、特殊技術なんだと思いますけれども、一人の養成費に七億余りが掛けられているということは、これ防衛省から出されている資料でございます。
 私は、言ってみれば防衛、最終的な手段である自衛隊の出動というようなことは、外交が失敗した、そういう状況の中で起こってくる問題であろうと思います。日本国憲法を素直に読みましても、外交で日本は頑張る、そして平和のプロモートをやる、できたら自衛隊が出動するようなことはない状況を、国家として平和を求めて頑張っていくというふうに素直に読むわけでございます。したがいまして、やはり外交でまずせき止めるということが国家としての基本的な思想であろうと思います。
 私は何も、本当に掛かるのかもしれませんから、本当に必要であれば自衛隊のパイロットの養成に一人当たり七億掛けるということを絶対やっちゃいけないというふうに申し上げるつもりはございません。これに対して、バランスの問題として、我々の戦争を防いでもらわなければならない外交官一人一人が使えるお金、外交官一人一人を育てるお金というものが十分に確保されているのだろうかと。一人のパイロットの養成も大事であるけれども、一人の優秀な外交官の養成もそれ以上に実は大切な問題ではないのだろうかと、国民のお金を使うべきことではないのだろうかという考えを持つのですが、この考えは間違っておりますでしょうか。外務大臣、お答えいただきたいと思います。
#97
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員の、私基本的におっしゃるとおりだと、そういうふうに思います。
 外交活動は、先ほど申し上げましたけれども、非常に多岐にわたりますし、また非常に能力も要する、あるいは人脈等も必要でありますし、そういう意味では、優秀な人材を特に在外公館におきましても配置するということが大事でありまして、先ほど官房長から御答弁いたしましたけれども、限られた予算の中でそういう点を重視しながら今後配慮していきたいとは思っておるところでございます。
#98
○谷岡郁子君 私ども、今のアデン湾の状況、そして、これは単に海賊退治というような問題ではなくて、やはり内政を安定させると、先ほどありましたけれども、暫定政権などが今後ちゃんと政府になっていき、そして安定した国情ができてくるということ。そして、その沿岸の警備に関しても周辺国を含めてのキャパシティーというものが向上していくこと。このキャパシティービルディング、そのエンパワーメント、こういうことを日本が支援していくということが、多分、中長期的に見て大事なことであろうと思います。
 それを、その前線に立ってやはり方策を考えやっていただくのが外交官のお仕事であろうと思います。これは大変重要な問題だと思いますので、この地域を含めて、そして、今年はこれ最優先的な事項としてはやはり本当に何とか捻出していただくと。また、防衛省にも御協力いただいて、シミュレーターをもうちょっと使うとか、そういう意味においてはパイロットの養成費も少し下げていただいて、そういうところが外交官の費用に回るといいんだがなと、これは、でも専門家ではございませんのでこれ以上申し上げませんが、今後は考えていただきたい点だということでお願いを申し上げたいというふうに思います。
 アデン湾の海自の派遣に関して、今日はまだ法案等もここでは審議ではありませんので、背景的な問題を理解したいと、また予算の使い道の問題として理解したいということで御質問を申し上げたいと思います。
 まず、派遣の決定について、派遣の決定を政府がなさったと。これは先ほどの警備行動をなさるということだと思うんですが、この法律は基本的には日本の領海内若しくはその近海というものを想定して作られていると思います。そういう意味では、かなりの拡大解釈をして警備行動を発令されたという理解でございますが、いかがなんですか。これについて本当に慎重な検討がなされたと考えてよろしいんでしょうか、そのことをまずお伺いしたいと思います。
 本当は官房関係の方にお伺いしたいんですね。この全体的な政府の調整というのは内閣府の問題ですよね、官房の問題じゃないでしょうか。
#99
○政府参考人(野田仁君) お答え申し上げます。
 内閣官房への御質問でございますので、私どもから申し上げますが、我が国といたしまして、ソマリア沖の海賊の根絶に向けまして、中長期的な観点から、例えば周辺沿岸国の海上取締り能力の向上などのために、イエメンやオマーンの海上機関の職員の招聘、研修などにも取り組んでございます。
 それから、背景……
#100
○谷岡郁子君 私の聞いたことにお答えいただけますか。慎重にも慎重を期して決定されたのかということをお聞きしただけです。
#101
○委員長(榛葉賀津也君) 委員に申し上げます。
 委員長の指示を待ってから発言をしてください。
#102
○谷岡郁子君 はい。
#103
○政府参考人(野田仁君) じゃ、それを先に申し上げますと、おっしゃったとおり、慎重な審議の結果ということでございます。
#104
○谷岡郁子君 その慎重な審議というものは、いつごろから始まってあの三月十三日に至るのでしょうか。
#105
○政府参考人(野田仁君) これは、それぞれの役所、それぞれのレベルでの検討によりまして、いつごろからというのを一つまとめて申し上げるのは難しいと思いますけれども、内閣官房あるいは内閣全体におきましては、昨年あるいは少し前のしかるべき段階から、ソマリア沖・アデン湾周辺での海賊行為が増えてきた段階からというふうにお答えしたいと思います。
#106
○谷岡郁子君 今年になりまして、一月二十八日に安保会議が開かれたと伺っております。そのときに概括的な方向性というものがほぼ明らかになったかなというふうに感じるわけでございますが、これに関しまして総理に様々なオプションが提示されたのはいつごろでございましたでしょうか、これ以前、以後。
#107
○政府参考人(野田仁君) おっしゃいましたとおり、一月の二十八日にも安保会議が開かれまして、ソマリア周辺での海賊対策について審議が行われたのは事実でございます。
 その前に総理に様々なオプションがとおっしゃいましたのは、もちろん、それよりも大分前から報告がなされております。
#108
○谷岡郁子君 自衛隊の派遣、海上保安庁の派遣、あるいはその海上保安庁に自衛艦を貸し付けるような形で、また自衛官をそこへ乗せるような形で派遣するという第三のオプション、あるいは喜望峰を回っていただくことに対して補助金を付けるようなオプション、民間の船を改造するために補助金を付けるようなオプション、あるいは民間が警備のために費用を使われるというようなことに対して何らかの支援をするようなオプション、私は様々なオプションが可能であったというふうに感じられるわけですけれども、幾つぐらいのオプションが総理の元に提示されたんでしょうか。
#109
○政府参考人(野田仁君) 先生おっしゃいましたようなものも含めてたくさんのオプションと申し上げたいと思いますが、幾つかというのを一つ決めて申し上げるのは難しいかなと思います。済みません。
#110
○谷岡郁子君 その過程の中で、最終的な判断というのはやはり総理であろうというふうに私どもは理解をしているわけですけれども、総理からこのプロセスの中で何らかの留保、何らかの条件付けあるいは何らかの疑念等が出されたという、そのことによって言わば最終的な対策が決まったというようなことはありますでしょうか。
 これは何も秘密を暴露してくださいという意味で申し上げているのではなくて、総理の問題意識がどの辺におありになるのかということを伺いたくて申し上げているわけでございます。
#111
○政府参考人(野田仁君) 総理からの留保、条件付けというような形で申し上げるのは、繰り返しで申し訳ございませんが、簡単ではないと思います。
 他方、申し上げましたように、総理はずっとこの問題も御自分で真剣に取り組んでこられましたので、総理からもいろんな御指示、御意見があったのは、それは事実でございます。
#112
○谷岡郁子君 最終的な案というものが明らかになったのは三月十三日、ここで三つの会議が行われたというふうに思っておりますが、そのことを確認させていただいてよろしゅうございますか。どのような会議が三月十三日に行われたかということについて。
#113
○政府参考人(野田仁君) 三つとおっしゃるのは、最後を閣議にいたしまして、その前の安全保障会議、それからその前の、済みません、ちょっと名前は正確に言えないんですけれども、海洋法制に関する法制チームの会議、この三つのことを指しておられるのであれば事実でございます。
#114
○谷岡郁子君 私の方がいただいている資料によりますと、第二回総合海洋政策本部法制チーム会合、これが国土大臣が座長で、三月十三日の七時五十分から行われております。よろしゅうございますか。そうですか。
#115
○政府参考人(野田仁君) 国土交通省がいないのかもしれませんので私どもから申し上げますが、大体そのような時間でございます。
#116
○谷岡郁子君 次に、二番目の安全保障会議、これが八時十分から内閣総理大臣を議長として行われたと、この理解でよろしゅうございますか。
#117
○政府参考人(野田仁君) おっしゃるとおりでございます。
#118
○谷岡郁子君 そして、最後に閣議が八時三十分から参加者全閣僚ということで行われたという、これでよろしゅうございますか。
#119
○政府参考人(野田仁君) そのとおりでございます。
#120
○谷岡郁子君 この会議はそれぞれどこで行われたかというのは私は定かではございません。同じ部屋で行われたのかもしれないけれども、そうでないかもしれない。同じ部屋ならば人の入れ替わりがかなりあったろうと。引き続き参加しておられる方もちろんあります。そして反対に、移動したのであるならば移動時間と着席等の時間というものがあったろうと思います。これがそれぞれ二十分間隔で設置されているという状況で、その移動だ、その準備だ、入替えだということを含めてそういうものに三分から五分掛かったとしますと、十五分の会議でそこで資料が出され説明が出され、そして議論する時間などあったのでしょうか。その点について伺います。
#121
○政府参考人(野田仁君) この問題以外の問題も扱いました会議につきまして私が申し上げるのは適当でないと思いますが、このアデン湾での海賊への対策に関する問題につきましては、その場できちんと御審議いただいたと認識しております。
#122
○谷岡郁子君 私は奇跡が起こったと思います。なぜならば、今申し上げましたようにかなりの資料が出され、そして人が入れ替わり立ち替わり二十分以内にその資料が説明されて、そして緻密な審議がなされて、かつこの日には、その同じ会合の中で新法の法案も出されて了承しているというふうに聞いているからです。違いますか。
#123
○政府参考人(野田仁君) 新法の審議も行われたという点についてはおっしゃるとおりでございます。
#124
○谷岡郁子君 先ほども申し上げましたように、このように遠くまで海自を出動させるということは、本当に様々な疑問もあり、また不安もあり、そして疑念も生じるところであります。それをこのような形で形式的に安易に、本当にしっかりした議論もなく最終的に決定されたということは、ただいまの私の質問から明らかであろうと思います。やはりこの点は非常に強く私は抗議したいと思います。
#125
○国務大臣(浜田靖一君) 基本的に、これまでに、先ほどもお話があったように、去年の暮れからずっと各省庁においていろんな意見の積み重ね、そしてまた海洋政策本部においての議論も含めて、すべて積み上げた結果こういった形を取ったわけでありますので、その日だけですべての議論が行われたわけではないということだけは申し上げておきたいと思います。
 そして、私のパーツから言わせていただければ、立場で言わせていただければ、防衛省の中で今回の海上警備行動に関する発令についての議論というのは積み重ねて積み重ねて、そしてまたいろんな形を想定しながらそれに対応してきたところもございますので、その最後のときに安全保障会議の部分で我々のこの海上警備行動についての御理解を得たということでございます。
 その前の七時五十分からの方の話は、これは新法に対する議論、そしてまた閣議決定も同じように併せて行われたということでございますので、私とすれば、その時間帯だけでそういった御判断をされるのは少々我々とすれば違うのではないかなと、我々とすればしっかりとその以前に議論を積み重ねてきたということだけは私の方からお話しさせていただきたいと思います。以上です。
#126
○委員長(榛葉賀津也君) 谷岡郁子君、時間が経過しておりますので、おまとめください。
#127
○谷岡郁子君 もちろんそのとおりだと思います。ただ、私が申し上げてきたのは、最終的な形が明らかになった、すべての資料が出そろったのはここが初めてであったはずであり、そしてその必要な方々が集うのはここが初めてであったはずであり、最終確認、このような重大なことについてなさるのに十分な審議が行われたかどうかということに疑念を持ったということでありまして、今後、本当にこの問題に対してはやはり慎重に、オプションしっかり検討してやっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#128
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。
 まず最初に、防衛省の方にお伺いしたいと思います。最初は中国の軍備の増強、近代化についてお伺いいたします。
 防衛大臣、本当、連休間、中国の方へ訪問されて多大な成果を上げていただきありがとうございます。その中でも、恐らく軍備の近代化とかいう話も出たと思います。二十一年連続の国防費の前年度比二けたの伸び、あるいは原子力潜水艦やH6中距離爆撃機の整備とか運用、第四・五世代の戦闘機の数の増加、そういう動きの中で、今回、会談の中でもありました、中国が将来空母を建設するという情報があります。その中国の空母建設というのは、我が国のシーレーンの安全確保とかあるいは尖閣諸島を含む領土、領海、領空、その防衛に影響を与えると思います。
 大臣におかれましては、それが、どのような空母建設が我が国の防衛に影響を及ぼすというふうに認識されておられるのか、またそういう認識に基づいて、今回の国防部長との会談の中でどういうメッセージを発せられ、また今後の防衛力整備にどのように生かしていこうというふうにお考えなのか、認識を聞きたいと思います。
#129
○国務大臣(浜田靖一君) この中国の空母の保有については、中国自身大変強い関心を保有に対して持っておりますし、また空母の保有するための技術の研究開発も行っているというふうに考えられます。
 中国は従来から、空母建造計画の有無も含めて、具体的な装備の整備計画等について明らかにしておりませんので、現時点で中国の空母建造が我が国の安全保障に与える影響について予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思いますが、しかしながら、我々としては空母保有を含めた中国軍の近代化の動向については引き続き注目し、また中国が軍事に関する具体的な情報開示などを通じてこの透明性の向上を図るように働きかけてまいりたいというふうに思っています。
 また、今回の訪中でのどのようなメッセージを伝えたのかということに関しましては、我々はそういう意味では大変、中国の軍事力整備の現状、意図そして将来の目標水準等について具体的な形で情報開示を行うことが重要であるという旨を指摘をさせていただきまして、またそこで空母保有の考え方も、これもただしてきたところであります。
 中国の国防政策は防御的でありまして透明性の向上を図っている等の説明があって、空母についても、永遠に持たないわけにはいかないが、空母を持つためにはいろいろな要素を考慮しなければならないというような発言もございまして、空母保有を含む中国軍の近代化動向については引き続き注目しながら、そしてまた軍事に関する情報、具体的な情報開示を通じた透明向上も働きかけていきたいというふうに思っています。
 今後、この防衛力整備についてどのようにしていこうかということも今御質問があったわけでございますけれども、中国は海軍力の近代化を推進し、また空母の保有にも強い関心を有しているわけでございますので、これに対して我々としては、中国軍は軍事力の近代化を推進しておりますけれども、軍事力の近代化の具体的な将来像は明確にされておりませんし、また中国の軍事力が地域情勢や我が国の安全保障にいかなる影響を与えていくのかが、大変、我々としては懸念をするところでございます。
 防衛省としては、今後この防衛力の在り方について、中国の軍事力の近代化を含めた現在及び将来の安全保障環境等を勘案しつつ、しっかりと検討していきたいというふうに思っているところであります。
#130
○佐藤正久君 恐らく、大臣レベルの会談で正式に空母を中国が持つと明言したのは今回の会談が初めてだったと思います。そういう意味で、今後しっかりとやっぱりこの件についてはフォローしないといけないと思いますし、仮に向こうが持った場合、中台の軍事バランスとか、あるいはアメリカとの関係でも西太平洋のバランスという面にも大きな影響が出ると思いますので、外務省等と連携をしながら引き続きウオッチをしていただきたいと思います。
 次に、やはり我が国周辺で気になるのは北朝鮮でございます。
 よく核とかミサイルというものも話題になりますけれども、今までの拉致問題やあるいは大韓航空機の爆破事件というもの、そして日本の原子力施設とか火力発電所が海岸線に多く所在しているということを考えると、やはり特殊部隊のあるいは工作員の存在というのも無視できないと思います。とりわけ韓国の防衛白書によりますと、この一年間で北朝鮮特殊部隊が六万人ほど増強されて、今十八万人も特殊部隊だけでいると。特殊部隊だけで十八万いるというのはこれは普通に考えても尋常じゃないわけで、これは我が国にとってもやっぱり考えなきゃいけない存在だと考えます。
 この北朝鮮の特殊部隊というものを大臣はどのように認識をされ、今後防衛力整備にどのように反映していこうかとお考えなのか、その認識をお聞かせ願いたいと思います。
#131
○国務大臣(浜田靖一君) 北朝鮮の軍事面における資源を重点的に配分している状況というのは、これは当然、我々とすればこの特殊部隊というのはこれは見過ごせない問題でもありますし、大量兵器そしてまた弾道ミサイルの開発等、大変そういう意味ではいわゆる非対称的な軍事力、軍事能力を維持強化しているというふうに考えておるところでございます。
 今御指摘にありましたように、特殊部隊については十万人というふうに我々は情報を得ているわけでありますが、これがまた情報収集から破壊工作まで、そしてまたゲリラ戦まで各種の活動に従事しているというふうに考えておるところでございまして、こういった北朝鮮の軍事的な動きについては、朝鮮半島の緊張を高め、また我が国を含む東アジア全域の安全保障にとって重大な不安定要因になっているということを認識しているところであります。
#132
○佐藤正久君 やはり北朝鮮の特殊部隊というのは非常に使い勝手がいいと一般には言われる部隊ではありますので、我が国の安全保障、特にこれだけ長い海岸線を北朝鮮に面している日本ですから、是非その辺の防衛体制の整備というのは非常に大事だと私は認識しています。
 また、北朝鮮関係で藤田委員からも指摘がありました人工衛星対処ということで、一点だけ確認させていただきたいと思います。
 総理とか防衛大臣が言われておりますように、弾道ミサイルであれ人工衛星であれ、日本の領土、領海の中で降ってくるものは法に基づいて対処するんだと。これは当然のことで、やっぱり政府としては日本国民の主権、安全を守るというのは当たり前のことだと思います。その意味で、今回は経路をある程度指定しているわけですから、その経路上にしっかりとした警報なり態勢を取るのが当然だと思います。
 その意味で、防衛省が持っているいろんな各種手段というものを使うと同時に、在日米軍あるいは第七艦隊が持っておりますBMDの対処のシステムもありますので、情報共有というのも当然ですけれども、トータルで、いろんな面で日米と連携をして態勢を構築すると、万全の態勢をつくるということが大事だと私は考えますが、防衛大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#133
○国務大臣(浜田靖一君) 我々とすれば、今、佐藤委員がおっしゃったように、私、この日本の国民の皆さん方の安心、安全そしてまた生命、財産を守るというのはこれは当然のことだと思っておりますので、我々のできることはすべてやって対処していきたいというふうに思っております。
 そしてまた、今米軍との関係等もお話があったわけでありますが、当然我々も緊密に情報交換しながら今後もやっていきたいというふうに思っていますので、その点は先生の御指摘のとおりしっかりとやっていきたいというふうに思っているところであります。
#134
○佐藤正久君 次に、FXの話に移ります。
 二十一年度は今防衛力中期整備計画の最終年度となります。しかしながら、主要な装備でも装備漏れというものが計画と比べるとやっぱりあります。とりわけFX、次期主力戦闘機というものがやっぱり一つの大きな目玉だったわけですけれども、それが結果として二十一年度予算要求から見送られたという事実がございます。
 この先送りというのは、周辺国の兵器の近代化という状況を考えると、F15の近代化改修を前倒してやったとしても、抑止あるいは対処といった観点からは今後やっぱり影響が出るものと私は思っております。
 FXの機種選定、整備についての認識をお伺いしたいと思います。
#135
○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。
 先生御指摘になりましたように、近年、我が国周辺諸国におきましては、経済発展や航空技術の進歩を反映いたしまして新しい戦闘機の取得が進んでおります。こうしたことによりまして、その航空戦力は総じて向上しているというふうに認識をしております。
 このため、中期防におきましてもFXを早期に選定するということでございましたけれども、二十一年度予算案におきましては、我が国の防空能力を早急に強化するということで、F15の近代化改修事業を集中的に実施するということでございます。
 ただ、他方、今後中長期的に我が国の防空能力を維持強化していくためには、現在持っておりますF4戦闘機の後継機でありますFXにつきましても引き続き検討を進める必要があるというふうに考えております。
 現在、諸外国の最新型戦闘機に関する情報収集等を行いながら要求性能等について多角的に検討を行い、できるだけ速やかに対応してまいりたいというふうに考えております。
#136
○佐藤正久君 二十一年度は取りあえず先送りということになったわけですけれども、今後の議論として、じゃ、二十二年度、二十三年度はどうするんだという議論が当然出てくると思います。周辺国の装備の近代化という動きをにらんだ上で、例えば何年ぐらい先までFXの整備を待てるというふうに認識をしておられるのかをお伺いしたいと思います。
#137
○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。
 FXの選定につきましては、現有のF4戦闘機の厳正管理の限界というのがございますので、そういったことも考慮しながら、現在進めております調査対象機種に関する情報収集の進捗状況というのを踏まえながら適切な時期に開始をさせていただきたいと思います。
 それで、当面どういったことをやらなければいけないかということでございますけれども、一つは、我が国の防空あるいは島嶼部に対する侵略への対応、まずこういったことをきちっと考えなければいけないと。それから、将来起こり得る多様な事態に適切に対応できるようなものでなければならないと。さらには、戦闘機に関する技術革新の成果というのがございますので、調査対象機種に関する最新の情報収集というのを進めていかなければならない。そういった要素を考えながら、また周辺諸国の動向にも注視しながら適切な時期に判断をしたいと。できるだけいいものをできるだけ早く選びたいということでございます。
#138
○佐藤正久君 やっぱりFXの選定というのは非常に大事な、日本の空の守りという観点で非常に大事な要素だと思います。今後とも精力的に情報収集をしていただいて、できるだけF4の運用の方に負担を掛けずにしっかりと国民の安全を守れる体制で整備をお願いしたいと思います。
 次に、防衛生産あるいは技術基盤の維持についてお伺いいたします。
 近年、防衛予算の縮減に伴って、防衛分野から撤退をする企業、あるいは実際に倒産をしてしまった下請企業というものもございます。九〇式戦車であれば約千三百の関連会社がある。船であれば二千社以上がある。主要な大手のプライムだけではなく、下請、孫請、みんなで兵器を、装備を造ってもらっているという状況があると思います。ただ、どんどん調達する数が少なくなりますと、武器輸出三原則の関係もあり、生産基盤の維持が難しくなり、またそれを造る技術者の維持も難しくなる、先行投資も難しくなるという状況があると思います。
 今現在、防衛計画の大綱の見直しに向けて防衛力の在り方検討というものを進められているというふうに認識しておりますが、仮にその検討結果に防衛産業が付いていけないといった場合は防衛体制に穴が空いてしまうということも懸念されます。一度失った防衛生産基盤あるいは技術基盤の回復というのは非常に難しいという状況がありますから、今後ともその点については十分配慮をしないといけないと思います。必要があれば、大臣自ら町工場というものを視察をしていただいて、本当の現場の痛み、苦労と知恵というものを見ていただければと思います。
 そういうことも踏まえて、今後の防衛生産基盤、技術基盤の維持についてどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#139
○副大臣(北村誠吾君) お答えいたします。
 基本的な認識につきましては、佐藤委員のおっしゃるとおりだというふうに承知しております。そういった意味合いから、おっしゃられたように、一度、生産技術基盤、また人材というものを失いますと、その再生のためには大変なコスト、時間というものを要するであろうということでありますから、防衛省といたしましては、厳しい財政事情をしっかりと踏まえながら、やはり国の安全保障上不可欠な中核技術、これらの分野について、真に必要な国内生産あるいは技術基盤の確立に努めるということで努力を重ねておるところでございますので、現在も全省的な取組を真剣にいたしておるところであります。
 なお、そういった技術等につきまして、技術の温存あるいは発展、開発等に真剣に取り組んでいただいております我が国の防衛を支える国内防衛生産あるいは技術基盤の現場ということにつきましては、装備品関係の製造工場あるいは下請関連、こういったところにつきましても、大臣始め我々も、実際現場を見せていただくというふうなことに是非努めたいというふうに考えておるところでございます。以上です。
#140
○佐藤正久君 是非お願いしたいと思います。
 とりわけ、下請、孫請の方で本当に歯を食いしばって頑張っている現場と、もうこれがなければ、本当オンリーワン企業もございますので、そういう面ではお願いしたいと。実際に、この一社が、この会社が、工場が撤退してしまったら、もう国産ではできないというものも多々ありますので、是非ともそういう現場の苦労あるいは知恵と努力というものを評価をして、しっかりとした防衛生産基盤、技術基盤の維持、育成を図っていただきたいと思います。
 次に、外務省の方にお伺いいたします。
 まず最初に、復旧・復興支援の継続性という観点で予算も使うべきだと、あるいは人も使うべきだという観点で質問をさせていただきます。
 この三月二十日でイラク開戦から六年が経過しました。この間、日本も奥大使、井ノ上一等書記官を始め日本人の方々が犠牲になられました。
 アメリカが軍事的作戦の重点をイラク、アフガニスタンの二正面からアフガニスタンの一正面に移行させるということを表明しておりますが、これまでのイラクに対する国際社会あるいは日本のいろいろ払ってきた犠牲あるいは努力を実りあるものとするためには、今後とも、来年のアメリカ軍の撤退を円滑にするという観点も踏まえても、これから来年にかけて物すごくイラク支援の継続性、大事な時期だと考えます。とりわけ今、日本は非軍事面の支援がイラクの重点になっております。これについて外務大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#141
○国務大臣(中曽根弘文君) イラクの状況、特に治安状況は、もう委員も一番御存じのように、改善されつつあるわけでありますし、また地方選挙も実施をされたりしてきておりまして、結構な状況進展が進んでいると思っています。
 しかし、まだまだ不安定なところもありますし、こういうイラクの情勢が安定が根付くためには、引き続いて国際社会が協力して支援をしていくということが大事だと、当然のことだと思っておりますが、昨年の末に自衛隊の任務が終了いたしました。私も航空自衛隊の皆さんがお帰りになったときに防衛大臣とともに式典に参列させていただきましたけれども、大変な環境の中で五年間にわたる任務を無事に終えていただいたということには、まず心から感謝をしておるところでございます。
 そういう自衛隊の任務が終了いたしました後も、我が国のこのイラク支援に対するコミットメントは変わることはないわけでありまして、引き続いて、例えば円借款事業、これを着実に実施をしていくとか、あるいは技術協力、キャパシティービルディング、これの実施をするとか、また経済、ビジネス関係を強化するなどして、こういうような支援を行いながら更に両国間のパートナーシップというものを強化していくと、そういう考えで進めておるところでございます。
 具体的には、円借款事業につきましては、プレッジ額が最大三十五億ドルのうち、これまで電力、運輸、石油、かんがいなどの分野の十二案件で約二十四億五千万ドルに関する交換公文を署名済みでございます。これを円滑に実施をしていきたいと思っております。
 さらに、技術協力につきましては、これまで三千名以上のイラク人に対する研修を実施済みでございますけれども、今後とも積極的に実施をしていこうと、そういうふうに考えております。
#142
○佐藤正久君 やっぱり引き続き継続支援というのは大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 私も、派遣された当時、多くのほかの国の復興支援のプロの人から言われたのは、継続性が大事だと、途中でやめるならもう初めからやらない方がいいと言われました。大きなグランドデザインに基づいて、多分自衛隊というのは第一走者であって、次に第二走者のODAを中心とした今復興支援がなされていると。それで、アルビルの方にはJICAの事務所ができたり、あるいは橋本副大臣にも行っていただきましたサマワの発電所の運営が始まったり、あるいは日本とイラクの経済セミナーがバグダッドで開かれたり、徐々にODAを中心として今動きつつあるということが大事だと思います。
 でも、一番最後として大事なのは、イラクの人たちが自立をする。一番いいのは、産業を興してあげて自分たちの産業の中で回すことができるというのが理想だと思います。そういう意味でも、これからはODAを主体という段階から民間企業の進出という段階に徐々に移行すべきだというふうに考えます。そのための環境構築というのは、やはりイラク政府と日本政府が来年の夏までに、米軍の撤退までにいかにその環境構築をするかと、非常に私は大事な分野だと思います。例えば、日本企業のイラク国内での活動基盤をつくってあげるための環境整備、例えば脱出が容易なバグダッド空港周辺に一つの拠点を設けて、その安全確保を両国政府で担保を取ってやるとか、いろんな知恵があると思います。
 今後、そういう両国政府が知恵を出し合って環境構築を民間企業の進出のためにすべきだというふうに考えますが、外務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#143
○国務大臣(中曽根弘文君) 日本とイラクの政府の間では、今委員がおっしゃいましたような民間企業が進出できるような環境づくりというものを意識して取組を進めているところでございますが、昨年の七月には、ヨルダンの首都のアンマンにおきまして日本・イラク経済フォーラムを開催いたしまして、両国の企業など関係者二百五十名が参加をいたしました。それから、今年の一月には、安倍元総理が麻生総理の特使としてイラクを訪問をされまして、経済、ビジネス関係強化を通じた新しい関係の構築を目指す、これは日本・イラク・パートナーシップ宣言、これを発出をしたところでございます。また、三月の一日には、日本を代表する民間企業十二社及び経産省、外務省から成るイラク経済ミッションがイラクを訪問いたしまして、マーリキー首相を始めとするイラクの政府首脳と大変率直な意見交換をしたと、そういうふうに聞いております。
 日本政府といたしましては、引き続いて、今委員がおっしゃいましたようなそういう経済関係、自立できるようなそういう環境づくりというのは大事と、そういうふうに考えておりますので、長期的また戦略的、そしてかつ互恵的なパートナーシップの構築に向けまして、円借款はこれは着実に実施するというのはこれはもう当然でありますが、研修生の受入れなど技術協力などにも加えまして、さらに日本企業のイラク進出支援を継続していきたいと、そういうふうに思っているところでございます。
 なお、今、バグダッドの空港についてのお話がございましたけれども、これは渡航情報についての御質問でございましたか。これはちょっと、もう一度確認させていただきたいんですが。
#144
○佐藤正久君 これは例えば、バグダッド周辺、空港周辺辺りに日本企業の進出拠点を設けるような、そういうアイデアというのを含めてやっていくのはどうかなという一提案でございますので、答弁は結構でございます。
 次に、ミャンマーに対する復旧支援の継続についてお伺いします。
 昨年の五月に発生しましたサイクロンのナルギス、これで多くの被害が出たわけですけれども、日本の方からも、緊急人道支援という形で当時の木村副大臣が緊急物資を持っていっていただいたり、あるいは宇野外務大臣政務官もヤンゴン港の支援表明というものもなされて、現地の方では高い評価を受けたというふうに認識しておりますが、やはり継続性に若干課題があるんではないかなというふうに私は認識しております。
 支援は継続しないと逆に期待が失望に変わり、反感に変わってしまう可能性もあろうかと思います。例えば、ヤンゴン港における沈船対処というものについて日本政府が支援を表明をし、非常に期待が高かったんですけれども、約十か月経過した現段階でもまだ大型船七隻が沈んだままで、危険な状態は続いていると。
 デルタ地帯の特性ということを考えますと、内陸水運も非常に重要だというのも現場に行けばもう一目瞭然です。そうなると、内陸水運の基盤となる桟橋というのも人道的な観点からある程度整備も必要でしょうし、あるいは消防船も沈んでしまって、年間約四回ぐらい船の火災があるそうですけれども、それも今対処できていないと。これも人道的な観点から日本の方に支援要望はしているけれども、まだ検討中という回答のままだということのようです。また、デルタ地帯の住民はまだ非常に仮設的な住宅に住んでおり、サイクロン用の避難シェルターの整備もまだ不十分です。警報伝達のシステムもまだこれからという状況であります。
 もうすぐまたサイクロンシーズンがやってまいります。こういう面では、シーズンの前に何らかの支援表明をする、あるいは案件を作るというのも継続性という観点から大事だと思います。その意味で、今後のミャンマーのサイクロン被害に対する支援の継続性について外務省の見解をお伺いいたします。
#145
○副大臣(橋本聖子君) ミャンマーの方には、先般、佐藤委員にも行っていただいて、御指摘をいただいております。本当にありがとうございます。
 ミャンマーのサイクロン被害支援はこれまで緊急性が高くありまして、まさに人道的なものであるとの観点より行っております。これまでのところ、約四千六百万ドルの支援を行う旨表明をしておりますが、現在、この支援を誠実に履行しているところであります。我が国のこれまでのサイクロン被害の支援はミャンマー側からも大変な評価をされておりますが、今後の支援等の継続については緊急かつ人道的な観点より検討をしていく考えであります。
 今御指摘いただいたヤンゴン港の復旧ですとかあるいは消防船、またシェルター、また警報伝達のシステム等の個別の今の進捗状況等の説明が必要であれば、またお答えをさせていただきたいと思います。
#146
○佐藤正久君 時間がありませんので、最後にグアム移転の件だけ確認させていただきます。
 今回、在沖海兵隊のグアム移転に係る協定というものを、クリントン国務長官が訪日時に大臣にもサインをいただきました。今回そのポイントは、真水部分の二十八億ドルを上限とする拠出を日本の方に求め、アメリカ政府はその資金の適切な使用、そのほかに工事等の事業に参加する者の平等な取扱いを求める内容になっております。
 ただ、その中で、協定の中にこのようなくだりがあります。グアム移転は、普天間飛行場の完成に向けての日本政府による具体的な進展にかかっていると記載されております。これ、非常に重要なポイントだと思います。
 普天間の移設と二十八億ドルの拠出との連動をどのように理解したらいいのか、また、この文言の法的な意味合いはどのように理解したらよいのか、また具体的な進展とは何か、簡潔にお答え願えればと思います。
#147
○政府参考人(梅本和義君) お答え申し上げます。
 二〇〇六年五月のロードマップに記載されておりますとおり、在沖縄海兵隊のグアム移転は、普天間飛行場の代替施設の建設を始めとする沖縄に関連する他の再編案と相互に関連をしておるということでございます。このグアム移転もまさにそのロードマップに従って行う、そのための法的枠組みを決めるものでございますので、この協定におきましても、グアム移転事業の前提となっております再編案の相互の関連を改めて確認をしたと、こういうことでございます。
 また、普天間飛行場の代替施設の建設、それから普天間の返還ということについては、これは日本政府としてこれを着実に進めていきたいということは従来から御答弁しているとおりでございますが、この協定の第三条第二文にあるとおり、日本政府の意図というものをまた協定で表明したものでございまして、何ら新たな法的義務を課すものではございません。また、本協定に言う具体的な進展というのは特定の措置を意味するものではございません。このグアム移転も二〇一四年までの間、また普天間の代替施設建設も二〇一四年までの間、いろいろな措置を積み重ねていくわけでございます。
 そういうことで、様々な要素を総合的に勘案して判断されるべきものであるというふうに考えておりますが、政府としては、累次御答弁申し上げているとおり、この抑止力を維持しながら沖縄を始めとする地元負担の軽減を図るためにもこの再編を着実に進めていきたいということでございまして、普天間の代替施設建設についても、環境評価の手続を進めていくに当たりまして、地元とも誠意を持って協議をしながらロードマップに基づいてこの移設・返還を着実に進めていきたいと、こういうことでございます。
#148
○佐藤正久君 終わります。
#149
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 本日は、外務省の予算について御質問させていただきます。浜田大臣、済みません、質問がなくて。
 その質問の前に、ちょっと前回のこの委員会で核軍縮について質問したんですが、若干その答弁でちょっと納得できないところがございましたので、追加に質問したいと思っています。
 前回、この委員会で私が言いたかったことは、時代認識、三つのことが重要かなと。
 一つは、いわゆるキッシンジャー、シュルツというアメリカの元国務長官、またハードというイギリスの外務大臣、こういういわゆる従来は核の抑止論によっていた人たちが、しかも実務家の人たちが、政治家がいわゆる核廃絶という、核のない世界という議論をし出していると。その背景には、これは早急に核の拡散を防止しないと国際テロに渡ってしまうんじゃないかと、こういう認識があるのが一点ですね。
 もう一点は、今年、来年というこの二年間は、国際的な核軍縮また核廃絶にとって非常に重要な年であると。一つの例は、アメリカとロシアの間でSTARTTの後継条約を今年の年末までに作る。さらに、来年の五月にはNPTの再検討会議でどういう方向に出るのか。こういうのがある二年であると。これが二点目ですね。
 三点目は何かというと、こういう非常に重要なときに、我が国は国連の安全保障理事会の理事国としてメンバーに入っていると。そういう中で、じゃ、日本はどういう決意をしてどう動くのかというのが問われてくるんだと思うんですが、これはもはや今までの核軍縮論の延長線で議論するんじゃなくて、かなり不連続な判断をこの二年間はしなきゃいけないだろうと。そういうときには、いわゆる官僚というか役所に任せていくんじゃなくて、ある程度政治的な大決断、大英断というのが求められてくるんではないかと思うんですね。
 そういう目で見ますと、前回の答弁でちょっと何か理解できないところがあるんですが、つまり、前回、外務大臣より、消極的安全保障の考え方、いわゆる核保有国が核を持っていない国に対して先制的には使わないということについては基本的に我が国として支持すると、こういう前向きな答弁があった一方で、事務方からは、五つの核兵器国の宣言に種々相違が見られ、その相違については詳細に説明する立場にないと、まさに官僚的な答弁があったんですね。私自身、元役人なんで分かるんですが、こういう自分の所掌と関係ないことは分からないと言ってしまうと。
 しかし、この二〇〇〇年のNPT運用検討会議の最終文書によれば、NPT上の非核兵器国に対する五兵器国による法的拘束力を持つ消極的安全保障が核不拡散体制を強化することに合意し、さらに、二〇〇五年のNPT運用検討会議に勧告をなすように準備委員会に要請していたわけです。残念ながら、これはその二〇〇五年では結果を結ばなかったわけですが、しかし、唯一の被爆国である我が国が、国連事務総長の昨年十月の呼びかけを受け、安全保障理事会メンバーとして地位を最大限活用して、五つの核兵器国の宣言の違いがあるのであればそれを埋めるという、我が国がそういう労を取ること自体が、そういう政治意識をなぜ持たないんだろうと。その点について、まず外務大臣の政治的な決意をお聞きしたいと思います。
#150
○国務大臣(中曽根弘文君) 国連事務総長が行いましたいわゆる消極的安全保障の提案でございますけれども、これは基本的には我が国が目指しております核軍縮の政策と軌を一にするものが含まれていると、そういうふうに前向きに評価をしているところでございます。国連の安保理などにおいて核軍縮について適切な議論が行われるということは大変大事でありますし、これは歓迎されるものであると考えておりますけれども、さらに消極的安全保障につきましても、我が国は基本的な考え方、これは支持をしてきているところでございます。
 他方、消極的安全保障を供与するのは核兵器国でございます。したがいまして、こうした議論を進めるに当たりましては、核兵器国の間で共通の理解を醸成していくということが不可欠であるということはもう言うまでもございません。そして、今までの議論におきましては、消極的安全保障に関する交渉をどこで行うかというそういうような基本的な問題、こういうものに加えまして、さらにこれをどういうふうに実現していくかと、そういうことにつきまして各国の立場に違いが見られるということも、これも事実でございます。
 したがいまして、我が国の政府といたしましては、消極的安全保障につきましては、やはりすべての国が賛成をし得る、そういうような考え方をつくるということはなかなか容易ではないと考えておりますけれども、実効性のある議論にしなければならない。そのためには、まずはやはり五核兵器国の信頼醸成と核軍縮における前進、これが必要だと、そういうふうに考えております。
 いずれにしましても、我が国といたしましては、この昨今の核軍縮をめぐる国際的な議論、これの状況というものを踏まえまして、委員が御指摘されましたように、我が国が安保理の非常任理事国になったと、そういう点も生かしながら、核軍縮の分野において引き続いて国際社会の中でリーダーシップを発揮をしながら積極的にそういう役割を果たしていきたいと、そういうふうに思っておるところでございます。
#151
○浜田昌良君 まさに今大臣がおっしゃったように、消極的安全保障を供与するのは確かに五核兵器国かもしれませんが、NPTの議論でも、この五つの国以外でもこれについていろいろな提案がなされています、メキシコ等もやっておりますし。そういう意味では、それ以外の国が提案をしたりすることはできないわけではないと思っています。
 特に今、先ほど言いましたように、二〇〇〇年のNPTの運用検討会議の最終文書で、消極的安全保障については法的拘束力にするところは意義があるということを最終文書で決めて、そして次の二〇〇五年でこれをやろうと、そう要請していたんですが、結果はそれはうまくいかなかったわけです。そういう意味では、この件については、今度、来年、二〇一〇年には再度この検討会議がありますので、日本としては、消極的安全保障の法的拘束力化を議題として取り上げるべきと考えますが、日本としてその立場についてお考えをお聞きしたいと思います。
#152
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員おっしゃいましたように、来年、運用検討会議が開かれるわけでありまして、これの議題案につきましては、現在、第三回の準備委員会の議長が過去のいろいろな議題に基づきましてすべての国が賛成し得る議題案を検討していると、そういうふうに承知をいたしております。
 一方、消極的安全保障のための国際約束作成の是非につきましては、さっき申し上げましたけど、交渉をどこで行うかということも含めまして各国の立場に現在大きな隔たりがありまして、すべての国が賛成し得る考え方をつくるのは容易ではないと先ほど申し上げましたけれども、そういうふうに認識をしております。
 それで、二〇〇五年の運用検討会議が議題案を含む手続事項に時間を費やしてしまった、そして実質的な議論を含む最終文書に合意できなかったと、そういう経緯も踏まえまして、まずは今年の準備委員会で議題案につきまして関係国が合意に至ることがまず重要であると、そういうふうに考えておるところでございます。議題案の合意に向けて準備委員会議長の努力を我が国としては支援をしていくと、そういう考えでございます。
 消極的安全保障を供与するのは、さっき申し上げましたけれども、核兵器国でありまして、議論を進めるに当たりましては、この核兵器国間の共通理解の醸成が不可欠でありますけれども、この件につきましても、我が国としては有意義な議論がなされるよう、今年五月の第三回の準備委員会、そして来年の運用検討会議、そういうところにおけます議論に可能な限り貢献をしていきたいと、そういうふうに思っています。
#153
○浜田昌良君 確かに、まだ五大国の間で共通理解ができていないかもしれませんが、まずは今年の五月の最後の準備会合に向けてその五大国の理解がなるべく進むように、日本としてあらゆるチャネルを通じて御尽力をいただきたいと思います。そういうこと自体がこの二年間の非常に抜本的な核軍縮又は核不拡散の大きなステップになっていくと思いますので、お願いしたいと思っています。
 また、前回の委員会でこの消極的安全保障に関しましてこういう御発言もありました。何ら検証する方法のない、そういう各国の表明された意図だけに依存しては日本の安全保障の万全を期すことは困難と、そういう答弁がありました。確かにそういう見方もあるんですが、一方で非核地帯条約というのがあるわけですね。これは百か国以上が消極的安全保障を実現している、法的拘束力もこれはあるものだと思っているんですけれども、この拘束力についてそういうお考えでいるんであれば、この非核地帯条約というのも危ういものと我が国は評価しているんでしょうかと。私は、この二年間の抜本的な、非常に非連続的な核軍縮が進むためには、いわゆる検証方法云々よりもまずは表明された意図を重視する、そうしない限り今までの延長線になってしまうんじゃないかと。
 そういう意味で、外務大臣の政治家としての決意を私はこれについてもお聞きしたいと思います。
#154
○国務大臣(中曽根弘文君) 今まで作成されましたいわゆる非核兵器地帯条約、これにおきましては、核兵器国が非核兵器地帯の域内国に対していわゆる消極的な安全保障の義務を負う、そういう旨の議定書が作成されているわけでございますが、核兵器国がこの当該議定書を署名、批准している場合には国際法上法的拘束力が確保されていると、そういうふうに今考えております。
 他方、我が国の安全保障につきましては、先般御答弁申し上げましたとおり、現実の国際社会にいまだに核などの大量破壊兵器、これを含む多大な軍事力が存在している中で、こういう検証する方途のない消極的な安全保障のみに依存して我が国の安全保障に十全を期すことは困難であると、そういうふうに考えております。
 消極的安全保障を供与するのは、先ほどから申し上げております、繰り返しになりますけれども、核兵器国でありますし、この議論を進めるに当たりましては核兵器国間の共通理解の醸成が不可欠であるわけで、我が国としては、関係国間で有意義な議論が行われるように、来年の五月の第三回の準備委員会、そして、これも繰り返しになりますけれども、今年の五月の準備委員会ですね、そして来年の運用検討会議の場などにおきましてできるだけこの議論に貢献をしていきたいと、そういうふうに思っています。
#155
○浜田昌良君 ちょっとまだ納得ができないんですが、時間もありませんので、予算の関連でお聞きしたいと思いますが、今回、中曽根大臣から御紹介ございました予算の概要でも、第三の柱は外交力の基盤強化と挙げられているわけでございます。
 これにつきましては、平成十九年からいわゆる百五十館体制、マンパワーとしても二千人を純増するんだという目標で、三年目に着実に結果を残してこられているということには評価をしたいと思っておりますが、一方、国民の方からは、こういう外交力強化をするんだけれども、余り予算が肥大化するのも良くないんじゃないかという考えもあるわけでありますので、この目標の百五十館体制、マンパワー二千人増を実現しながらも、予算というものは、平成十八年度比ですね、その前の、どの辺のレベルで抑えようと考えておられるのか、それについて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#156
○政府参考人(河相周夫君) 予算に関連しますので、私からまず補足的に答弁させていただきます。
 御指摘のように、外務省として十年間で百五十の大使館体制、それからマンパワーで二千人純増ということで、外交実施体制の強化を目指してきております。過去三年間で十六の大使館、そして二つの総領事館を新設をしたわけでございます。
 他方、今御指摘のとおり、片っ方で節約をいろいろ工夫をしていかなくてはいけないということで、一つは、相対的にその必要性が低下をしたという総領事館については廃止をして、より小規模な駐在官事務所にしようという措置を進めておりまして、本年度を含めて三年間で四つの総領事館を廃止をするということで進めております。
 また、合理化を進めるという観点から、大使館についてもコンパクト公館、若しくは総領事館についても人数をある程度絞り込むということの導入を行っているところでございます。
 十年後の予算は一体どうなるかというところは、なかなか今予断できないのでございますが、十八年度と二十一年度の予算、これを比べた場合、例えば物件費という視点で見ますと、十八年度は四百八十億円でございましたが、二十一年度は四百六十一億円というところで、大使館増設を図っておりますけれども、経費についてはかなりむしろ切り込んでいるというのが現況でございます。
#157
○浜田昌良君 終わります。
#158
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 横須賀を母港とするアメリカ海軍の原子力空母ジョージ・ワシントンに関連してお聞きいたします。
 アメリカ・ワシントン州の地方紙、キットサップ・サンの一月十六日付けは、横須賀基地でこの空母ワシントンのメンテナンス作業が行われているということを報じております。五百五十名のピュージェットサウンド海軍造船所の労働者が外国での原子力空母の初めてのメンテナンス作業のため日本にいる、作業は一月五日に開始され、五月に終了するというものであります。さらに、こう報道しておりまして、今後多くの集団が毎年四か月間横須賀に派遣されることになる、同造船所は横須賀に既にその分遣隊を設置したと、こうしております。
 まずお聞きしますけれども、ピュージェットサウンド造船所の労働者は軍属として来ていると思いますが、一体何人入国をしているのか。それから、ここで言われている分遣隊の設置という事実は外務省として確認をされているのでしょうか。
#159
○国務大臣(中曽根弘文君) 御指摘のような報道があることは私も承知をいたしておりますけれども、外務省といたしまして、この空母のジョージ・ワシントンの横須賀寄港との関係で、井上議員が御指摘のピュージェットサウンド海軍造船所から来日をしている労働者の数とか分遣隊の結成などの、そういうことについての詳細については承知をしておりません。
#160
○井上哲士君 元々、横須賀基地には艦船修理廠があります。SRFと呼ばれていますが、住友重機工業が通常メンテナンスを行ってきているわけですね。このSRFについては、米軍の高官も海外では最も高い能力を有する艦船修理廠であるということを繰り返し述べております。ですから、通常のメンテナンスであればこのSRFで十分できるはずなのに、なぜわざわざアメリカ本土から五百五十人もの労働者が来ているのかということで、当然疑問がわいてくるわけですね。
 現在、横須賀基地に来ているピュージェットサウンド海軍造船所の労働者の、一体どういう作業をしているのか。このことは、それでは把握をされているのでしょうか。
#161
○政府参考人(梅本和義君) 御指摘の労働者、技師が行う具体的な作業の内容については政府として承知をしておりませんけれども、いずれにせよ、米政府からは累次にわたり、日本においては原子炉修理や燃料交換は一切行わない方針であるという説明を得ているところでございます。
#162
○井上哲士君 今答弁がありましたけど、しかし、九八年のアメリカの会計検査院の報告では、原子力空母は二年に一度数か月を掛けて埠頭に停泊した状態で原子炉のメンテナンス作業を行うというふうにしております。そして、今回のこの地元紙の報道でも、キティーホークの推進機関をメンテナンスしてきた労働者はジョージ・ワシントンの原子炉をメンテナンスすることができないので、このピュージェットサウンド海軍造船所の労働者が派遣されることになったと、こういうふうに言っているわけですね。
 ですから、こういうことを見ますと、ジョージ・ワシントンの原子炉のメンテナンスをしているのではないかということが当然思われるわけでありますけれども、日本政府としてはアメリカに対して作業内容について照会をしたのかと先日事前にレクで聞きますと、していないということでありましたけれども、現時点においてもこういう中身についてはアメリカに照会をしていないということでしょうか。
#163
○政府参考人(梅本和義君) お答え申し上げます。
 もちろんこの原子力空母ジョージ・ワシントンのメンテナンスということにつきましては、専門的知見を要するというようなこともあろうかと思います。そういうことで、アメリカから専門家がやってくるということも当然あるだろうというふうに私ども考えているわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、私ども累次アメリカから説明を得ておりますのは、日本においては原子炉の修理や燃料交換という作業は行わない方針だということでございます。したがって、アメリカの原子力艦が日本において行うのは、いわゆる放射能の管理を必要としないような通常のメンテナンスであるというふうに私ども承知をしておりまして、したがいまして、従来からも行われてきたものの延長線上にあるメンテナンスということだろうというふうに考えております。
 したがいまして、私ども、一々アメリカ側にどういうことをやっているのかというようなことを照会するということはしておりません。
#164
○井上哲士君 照会をしていないと、しかし合意には反してないんだと言われるわけですね。なぜそれが言えるのかと、極めて疑問なんですね。今申し上げましたように、いろんな報道でも、従来のことではできないのでこのピュージェットサウンドから五百五十名が来ていると、こういうふうに言っているわけですね。
 ジョージ・ワシントンの原子炉というのは、美浜原発一号機の出力にほぼ匹敵するわけです。それが三千万人が住む首都圏に、言わば原発が設置されたに等しい状況があるわけですね。しかも、空母の原子炉というのは、狭い艦内に設置をするために設計に余裕がないとか、それから常に波や離発着の振動にさらされるということから、やっぱり危険性が高いということも指摘をされているわけですね。
 だからこそ私は、今この問題でいろんな市民からも不安の声や情報開示を求める声が上がっているのは当然だと思うわけですから、当然、市民のこういうことにこたえるためにもきちっと今回の問題をアメリカに照会をすべきだと思いますけれども、これ外務大臣、いかがでしょうか。
#165
○国務大臣(中曽根弘文君) 米国政府は、この米国の原子力艦の安全性に係る日本側は非常に高い関心を持っておるわけで、それに配慮いたしまして、地元を始めとする日本の国民の理解を得られるようにということで、ファクトシート、そういうものによりまして原子力艦の構造とか運用、また安全措置などについて非常に詳細な、また広範な情報を提供しているところでございます。
 政府といたしましては、これらの米国の政府によりまして表明されました累次にわたる安全性の保障、それから安全運航の実績などを踏まえまして、原子力空母を含む原子力艦の我が国寄港時の安全性を確信をしているところでございます。
 また、政府といたしましては、この原子力空母のジョージ・ワシントンの横須賀寄港に際しましても、原子力艦の安全性を一層確実なものとすることが重要であると、そういう観点から、万が一の場合を想定しまして、主体的また厳格に放射能に係るモニタリングを実施しているところでございます。
 具体的には、委員も御承知と思いますけれども、文部科学省が原子力艦の放射能調査指針大綱に基づいて、原子力艦が寄港するたびごとに二十四時間体制で放射能の監視を実施をしておりまして、その結果は必ず公表をしているところでございます。その結果、これまで千三百回を超えるアメリカの原子力艦の寄港を通じて、人体とか環境に影響を及ぼすような放射能の放出は一件も発生していないところです。
 こういう形で、日米の双方が米国の原子力艦の安全性の確保には万全を期していると、そういうところでございますので、米側に対して安全性に関しての更なる情報提供を求めると、そういう考えはございません。
#166
○井上哲士君 いや、それで本当に国民の安全が守れるのかと私は極めて疑問なんです。日本の原子炉もそうですし、世界中の原発でもいわゆる安全神話ということが言われ、そのことが様々な事故に対する備えの問題がおろそかになるということで指摘をされているわけですね。
 しかも、このジョージ・ワシントンは昨年の五月に、あり得ないはずの火災が艦内で発生をしました。当初はぼやだと言っておりまして、日本政府もほぼそれをオウム返しに言っておりましたけれども、その後、調査、発表されました報告書では、第六甲板から第二甲板まで燃え広がった大火災だったと。そういう本来あり得ないような火災が現に起きているわけですから、私はやっぱり、今回の問題でこれだけの労働者が来ている中で、きちっとその中身を問い合わせることぐらいなぜできないのかと、こう思うわけですね。
 今、ファクトシートのことも言われていますけれども、それじゃ、燃料の交換及び原子炉の修理はやらないと言っていますが、それは具体的にどういう作業を指しているのか。例えば、冷却水の廃棄、燃料棒の交換、放射能で傷んだ部品交換等、これなどは行われるんでしょうか、行われないんでしょうか。
#167
○政府参考人(梅本和義君) 私ども、その作業の内容の詳細につきましては必ずしも承知をしておりませんけれども、アメリカ側から累次説明を得ておりますのは、放射能管理を必要とする作業というものはやらないんだということであります。これは、放射能が漏れるおそれのあるような作業については一切行わないということでございまして、これは、ファクトシート等の中で外国では行われないとされている原子炉修理あるいは燃料の交換というものはこういう作業に当たるんだろうというふうに考えております。
 いずれにしても、私ども、今回のメンテナンス作業というのも、これまで米軍が民間業者との間でいろいろ結んでいるメンテナンスというようなものの延長線上にあって、通常のメンテナンスだというふうに認識をしているところでございます。
#168
○井上哲士君 原子炉の修理はしないけれども、原子炉そのもののメンテナンスはやるということなんでしょうか。
 外務省は、これは地元に配られたんだと思いますが、アメリカ海軍の原子力艦の安全性というパンフレットを配られておりますが、この中で、固定廃棄物も適切に密封された上で米国内で処理されますということを外務省自身が書いているわけですね。つまり、こういう固定、失礼、固形廃棄物が出るというわけですね。これなどはやはり原子炉のメンテナンスから出てくることだと思うんです。
 つまり、いわゆる大規模修理をしなくても、原子炉に関する作業を一切しないということではないんじゃないかということだと思うんですが、そういうことでよろしいんでしょうか。
#169
○政府参考人(梅本和義君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、私どもは、原子炉の修理、燃料の交換というような作業は一切行わない方針であるというふうに聞いておるところでございます。
 ただ、もちろんこういう非常に高度のシステムでございますから、いろいろなメンテナンスというのは当然必要になるだろうというふうに考えておりまして、今回もそのような活動だというふうに私ども認識をしているわけでございます。
#170
○井上哲士君 そうしますと、このパンフに書いてある、固形廃棄物も適切に密封された上で米国内で処理されますとありますが、放射性物質を含むということだと思いますが、固形廃棄物というのはどういう作業で出てくるというふうに想定をされているんでしょうか。
#171
○政府参考人(梅本和義君) 繰り返しで恐縮でございますが、私ども、米側がそのメンテナンス、あるいはそれ以外にどのような具体的な作業を行うのかということについて一々詳細を承知しているわけではございません。
 ただ、いずれにしても、まさに今委員が御指摘になりましたように、固形廃棄物につきましては、適切に密封され米国内で処理するということになっているわけでございますので、私は、もしそういうものが出てくれば、そういうふうに適切に処理されるんだというふうに考えております。
#172
○井上哲士君 ということは、原子炉にかかわる一定の作業は行うということなわけですね。
#173
○政府参考人(梅本和義君) 私ども、アメリカの作業の一々が、どれが原子炉にかかわるかあるいは原子炉にかかわらないのかということの詳細まではなかなか承知をするわけにいきませんけれども、いずれにいたしましても、このシステムが安全に正常に働くようにということで一定のメンテナンスというのはあるんだろうというふうに考えておりますが、先ほど来御説明をしておりますように、原子炉の修理あるいは燃料交換というように放射能管理を必要とするような作業は行われないというふうに理解をしております。
#174
○井上哲士君 幾ら聞いても、なぜこの固形廃棄物が出てくるのかとか、市民の今不安には全くこたえたものではないと思うんですね。これはやっぱりきちっと問い合わせをしてもらうべきだと思うんです。
 このピュージェットサウンド海軍造船所は、ニミッツ級の原子力空母の大規模メンテナンスを実施してきた、そういう実績のある造船所でありますが、この造船所から今回労働者の受入れを現地でしておりますのがノースロップ・グラマン社、ニューポート・ニューズという会社でありますが、このグラマン社のジョージ・ワシントンに関するメンテナンスで百八十万ドルの契約を受注しております。それを発表しているニュースリリースを見ますと、米国で唯一原子力推進型空母の設計、建造、燃料交換を行う会社なんだと、我が社はと、こういうことを書いているわけですね。つまり、アメリカでも原子力空母のこの核燃料交換を含む大規模メンテナンスの能力を持つ二つの施設がかかわって今回の横須賀で行われているわけですね。
 これはやはり原子力に関する作業をしていないのか、国民の安全にかかわる問題ですから、是非このノースロップ・グラマン社とアメリカとの間で原子炉のメンテナンスについてどういうような契約になっているのか照会をして、国民の前に明らかにしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#175
○委員長(榛葉賀津也君) 梅本北米局長、時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁願います。
#176
○政府参考人(梅本和義君) 繰り返しになりますけれども、今回のメンテナンス作業も放射能の管理を必要としない通常のメンテナンス作業であるというふうに承知をしております。米軍が民間業者との間で結んでおりますその作業の一々について政府として米側に情報提供を求めたこともございませんし、また今回の契約についても、そのような詳細について米側に情報提供を求めるという考えはございません。
#177
○井上哲士君 納得できません。
 終わります。
#178
○山内徳信君 社民党の山内徳信でございます。
 十五分ですから、通告順には参りません。四番目から参ります。
 防衛大臣に最初に質問いたします。
 辺野古の新基地建設計画が2プラス2で合意して後、名護市長と宜野座村長を防衛省に当時の防衛大臣が呼んで話をしております。この辺野古新基地建設計画の同意を何としても取り付けたいと、そういう思いであめとむちを巧みに使って、飛行場ができても住民地域の上空は飛ばない、こういう趣旨の説得をして、基本合意という一枚の紙に、私が見る限り、あれはボールペンだと見るんですが、ボールペンでサインをさせております。また、そういう状況だったと言われております。
 宜野座の村長は、呼ばれる前の日まで、辺野古新基地建設反対の宜野座村の実行委員長を務めて村民とともに集会を開いて、ところが防衛省に呼ばれて基本合意にサインをして帰ってきて、村民から追及を受けたときに、住民地域の上空は飛ばないという説明であったと、こういうふうに村民に説明をしております。
 〇七年の十月の衆議院における辻元清美衆議院議員の質問に対して防衛省は、訓練の形態によっては住民地域の上空飛行もあり得ると答弁しております。
 今日、明確にしてほしいんですが、いよいよ環境アセスの調査も終わって、準備書の作業に入っておると思います、沖縄局は。そういう時点において、住民地域の上空は絶対に飛ばないと、あの基本合意で政府が示したように絶対に飛ばないと言えるのか言えないのかということを明らかにしてほしいと思います、防衛大臣。
#179
○国務大臣(浜田靖一君) 普天間飛行場の代替施設の飛行経路につきましては、集落地域の上空の飛行を基本的に回避する方向で対応するとの認識は変わってございません。その上で、緊急時の場合や訓練の形態によっては集落上空を飛行することもあり得ると考えておりますけれども、これは例外的なケースであると思っております。
 防衛省としては、地元の意向を踏まえつつ、引き続き米側と調整してまいりたいと思っております。
#180
○山内徳信君 要するに、緊急時とかいろんな言葉を使って、実際は、造ってしまえばアメリカ軍は一度も、守ったことありますか、防衛大臣。嘉手納飛行場の訴訟、普天間飛行場は司令官が訴えられて全部負けておるじゃないですか。実態はあんた方が言うとおりじゃない。実態は、普天間をちょっと申し上げますと、普天間の大型ヘリが近くの大学構内に墜落した。現在は、海兵隊のヘリの旋回、FA18戦闘機の飛行、艦載機の離発着、タッチ・アンド・ゴーなどの訓練が頻繁に行われていて、しかも、米軍は騒音防止協定の時間をオーバーして夜の十一時までも市街地の上空を飛んでいるというのが実態です。アメリカ軍は全くこの防止協定を守っておりません。したがって、沖縄県民も何とか協定、何とか協定といっても今後守らないようにしますから、そこ覚悟しておいてください。
 したがって、外務大臣にお伺いしますが、協定を結んだら米軍といえどもなぜ守らさぬのですか。守らす責任がありますでしょう。守らさないのは政府が甘やかし過ぎていますよ。短い言葉で、守らすのか守らさぬのかという返事をお聞きしたいと思います。どうぞ。
#181
○国務大臣(中曽根弘文君) この騒音につきましては、我が国政府からも米軍に対しては十分な配慮をするように当然のことながら要請もしておりますし、また米軍もこの規制措置、これに対する遵守にもコミットしておりますけれども、今後とも米側に対しましてこの規制措置を遵守することを求めるとともに、また訓練移転などの取組を通じて可能な限り地元の負担を軽減するように今後とも努力していきたいと思っております。
#182
○山内徳信君 その趣旨の答弁は何度も聞いておるんですが、現地は一向に守らない。だから甘やかしておると言うんです。防衛大臣も外務大臣も、司令官ぐらい防衛省と外務省に呼んで談判してくださいよ。それが外交でしょう。それが生命と財産を守るとか、こういうことですよ。
 次に進めてまいりますが、これも私は重要なことと思っております。
 辺野古新基地へのオスプレー配備計画のあることについては、在沖米四軍調整官のウエーバーは何度もそのことを言っております。日本政府はオスプレーの配備については言を左右にしてあいまいにしておりますが、アセスメントが調査終わって、準備書を作っていよいよこれからというときに、ここでとぼけた答弁をして沖縄県民をだまして、周辺には騒音被害はないと、爆音被害はないと、こういうように言ってきた立場、これは明確にしてほしいと思います。
 アメリカ軍はオスプレーの配備は計画しておると言っている。日本政府はそんなのはアメリカから正式に聞いたことないというのが今までの答弁です。どっちかね、外務、ああ防衛の方に。北村さん、長い答弁要りませんよ、官僚書いたものは。肉声で一言二言、お願いします。
#183
○副大臣(北村誠吾君) お答えいたします。
 先生ももうよく御存じのことですから、さきに大臣が御答弁したことがあります。昨年の十月三十日、外交防衛委員会で先生の御質問に対して御答弁で申し上げたとおりでありまして、確認いたしますと、オスプレーが沖縄に配備される可能性も否定できないというふうに認識はいたしておりますけれども、オスプレーの沖縄への配備については、これまで外交ルートにおいて累次にわたりアメリカ側に確認をいたしておるところですけれども、従来から具体的に決まっていないとの回答を得ているというところであります。
#184
○山内徳信君 高村外務大臣の答弁を今読み上げていらっしゃるんです。オスプレーについては、高村大臣は今のように将来的には可能性があるということをにおわせていらっしゃるんです。私は、アメリカの四軍調整官が言っておるように、これはもう間違いないと。ところが、今この時点において沖縄県民に現在飛んでいるヘリよりももっと高性能のオスプレーの話をやると、これは県民の抵抗は大きくなると、こういう思いでひた隠しに隠しておるんだろうと思います。外務大臣、どうですか。ああ、向こうですか。
#185
○副大臣(北村誠吾君) 先生いろいろお詳しいわけでありますけれども、あくまでもアメリカの海兵隊が計画を持っておって、海兵隊は、もう釈迦に説法で大変恐縮でありますけれども、アメリカ国内において、予算のことについても、いろんな計画の承認についても、国防総省あるいはアメリカの議会というところにきちんと海兵隊の計画を上げていって予算化し、実現する。あくまでも海兵隊の中の計画であるというふうに私は認識しております。
#186
○山内徳信君 ですから、そうおっしゃればいいんですよ。予算云々は関係ありませんよ。アメリカ軍はそういうふうに計画をしておると、オスプレーの配備を計画しておるとおっしゃったらいいわけですよ。そうでしょう。
#187
○副大臣(北村誠吾君) アメリカの海兵隊の中でそういうふうな考え方を持っているということを申し上げておるんです。
#188
○山内徳信君 アメリカ政府はそんなに日本政府をばかにしておるんですか。彼らはそういう計画持っておるのに、外務省にも防衛省にもオスプレーの話を全く伝えてこないというのは、こんな外交がありますか、中曽根外務大臣。だから、アメリカ軍を甘やかしておるとか私は言うんですよ。違いますか。これは明確にしてください。配備、四軍調整官が言っておるとおりでしょう。
#189
○副大臣(北村誠吾君) あくまでもオスプレーの配備ということについては、海兵隊は世界中にもちろん存在しておるわけですから、その海兵隊全体の計画の中でいろいろな海兵隊の計画を持っておるという、私は、海兵隊の、言葉として適当かどうかあれですけれども、海兵隊の内部の計画である、考え方であるということを示しておる、おられる文書があるとすれば、そういった文書があるのではないかと思っております。
#190
○山内徳信君 今新規に計画されておる辺野古の基地は、空軍の基地ですか、陸軍の基地ですか、それとも海兵隊のものですか、どっちなんですか。
#191
○政府参考人(梅本和義君) 辺野古の普天間代替施設というのは、現在、普天間が海兵隊の基地でございますから、私ども当然代替施設を造りますと、現在キャンプ・シュワブの中に造っているわけでございますが、キャンプ・シュワブも海兵隊の施設・区域ということでございますので、海兵隊の施設・区域になるというふうに考えております。
#192
○山内徳信君 皆さんに今こういう資料を差し上げてあります。今、時間通告はあと三分とありますが、あと二分ぐらいだと思います。
 問題点を指摘いたします。
 この大浦湾、辺野古沿岸域の海域は、沖縄県としては保全すべき第一級の地域として、海域として指定しております。
 二番目は、今回の計画は辺野古ダム周辺を削ってダムさえも埋めるとかいう話です。それから、海砂は、深さ一メートル、幅百メートル、百五十キロに及ぶ沖縄の三分の一の砂を集めて埋めると。こういうでたらめな自然破壊の計画。しかも、日本中にこういうV字型の滑走路があることを私は知りません。こういうふうに、無理に無理にこういう狭いところにきれいな海をつぶして飛行場を造ると、こういうのが日本政府ですか。これは間違っておりますよ。
 それから、常識では考えられない。何が常識で考えられないかというと、辺野古川の河口、大浦川の河口、スギンダ川の河口、なぜ河口に飛行場を造るための作業ヤードを海を埋めて造るんですか。自然破壊の最たるものではありませんか。今自然環境を守ろうという時代でしょう。
 あと一つだけ申し上げます。この飛行場から辺野古集落までは六百メートルしか離れておりません。その北には二見、瀬嵩、汀間、カヌチャベイホテル、そして安部という集落が、六つのそういう集落圏があります。普天間の二の舞を踏みます。嘉手納飛行場のあの二の舞を見ますよ。
 だから、ここにはやはり新しい基地は造ってほしくない、今からでも遅くないから中止をしてほしいと、こういうふうに県民も私も地域の人も訴えておるんです。そのことを真剣に受け止めていただきたいと思います。
 時間ですから終わります。ありがとうございました。
#193
○委員長(榛葉賀津也君) 以上をもちまして、平成二十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管、防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(榛葉賀津也君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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