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2009/03/24 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 内閣委員会 第3号
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2009/03/24 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 内閣委員会 第3号

#1
第171回国会 内閣委員会 第3号
平成二十一年三月二十四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         愛知 治郎君
    理 事
                松井 孝治君
                柳澤 光美君
                岡田  広君
                中川 義雄君
    委 員
                工藤堅太郎君
                自見庄三郎君
                芝  博一君
                島田智哉子君
                徳永 久志君
                藤本 祐司君
                藤原 良信君
                森 ゆうこ君
                市川 一朗君
                岩城 光英君
                鴻池 祥肇君
                山谷えり子君
                山本 香苗君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 河村 建夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    佐藤  勉君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、食品安
       全))      野田 聖子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     小渕 優子君
       国務大臣     甘利  明君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鴻池 祥肇君
   副大臣
       内閣府副大臣   宮澤 洋一君
        ─────
       会計検査院長職
       務代行
       検査官      西村 正紀君
        ─────
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  宮崎 礼壹君
   事務局側
       事務総長     小幡 幹雄君
       常任委員会専門
       員        小林 秀行君
   法制局側
       法制局長     大島 稔彦君
   衆議院事務局側
       事務総長     駒崎 義弘君
   裁判官弾劾裁判所事務局側
       事務局長     濱坂 豊澄君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事務局長     白井  始君
   国立国会図書館側
       館長       長尾  真君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       原  勝則君
       内閣官房内閣審
       議官       滝本 純生君
       内閣官房内閣審
       議官       丸山 剛司君
       内閣官房内閣参
       事官       井内 正敏君
       内閣官房内閣参
       事官       南  俊行君
       内閣官房地域活
       性化統合事務局
       長代理      上西 康文君
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       本部事務局審議
       官
       兼国家公務員制
       度改革推進本部
       事務局審議官   渕上 俊則君
       内閣官房内閣審
       議官
       兼国家公務員制
       度改革推進本部
       事務局審議官   古賀 茂明君
       人事院事務総局
       人材局長     尾西 雅博君
       内閣府大臣官房
       長        浜野  潤君
       内閣府政策統括
       官        藤田 明博君
       内閣府政策統括
       官        原田 正司君
       内閣府政策統括
       官        松田 敏明君
       内閣府男女共同
       参画局長     板東久美子君
       内閣府沖縄振興
       局長       清水  治君
       警察庁生活安全
       局長       巽  高英君
       警察庁刑事局長  米田  壯君
       外務大臣官房審
       議官       中島 明彦君
       財務大臣官房審
       議官       原  雅彦君
       文部科学大臣官
       房政策評価審議
       官        土屋 定之君
       文部科学大臣官
       房審議官     徳久 治彦君
       厚生労働省職業
       安定局次長    大槻 勝啓君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部精神・
       障害保健課長   福島 靖正君
       防衛省地方協力
       局次長      山内 正和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十一年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十一年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所
 管(人事院を除く)及び内閣府所管(内閣本府
 (沖縄関係経費を除く)、国際平和協力本部、
 日本学術会議、官民人材交流センター、宮内庁
 、警察庁、消費者庁))
    ─────────────
#2
○委員長(愛知治郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官原勝則君外二十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(愛知治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(愛知治郎君) 去る十八日、予算委員会から、本日一日間、平成二十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、人事院を除く内閣所管及び内閣府所管のうち沖縄関係経費を除く内閣本府、国際平和協力本部、日本学術会議、官民人材交流センター、宮内庁、警察庁、消費者庁について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 国会所管及び会計検査院所管の予算の説明の聴取をいたします。
 まず、国会所管のうち衆議院関係予算の説明を求めます。駒崎衆議院事務総長。
#5
○衆議院事務総長(駒崎義弘君) 平成二十一年度の衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成二十一年度の国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は六百八十五億二百万円余でございまして、これを前年度予算額と比較いたしますと二十二億六千万円余の増額となっております。
 その概要を御説明申し上げますと、まず、国会の権能行使に必要な経費として四百三十七億五千五百万円余、衆議院の運営に必要な経費として二百十二億四千百万円余を計上いたしております。これらの経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の事務を処理するために必要な経費でございます。
 増加した主なものは、議員の任期満了に伴う総選挙関係経費及び新会議録作成システム関係経費でございます。一方、減少した主なものは、退職手当、九段議員宿舎の維持管理経費でございます。
 次に、衆議院施設整備に必要な経費として十四億一千六百万円余、民間資金等を活用した衆議院施設整備に必要な経費として二十億八千二百万円余を計上いたしております。これらの主なものは、議事堂本館外部建具整備費、九段議員宿舎解体整備費及びその他本館等庁舎整備費並びに新議員会館等の整備に係る不動産購入費でございます。
 次に、国会予備金に必要な経費でございまして、七百万円を計上いたしております。
 以上、衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#6
○委員長(愛知治郎君) 次に、国会所管のうち参議院関係予算の説明を求めます。小幡参議院事務総長。
#7
○事務総長(小幡幹雄君) 平成二十一年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成二十一年度国会所管参議院関係の歳出予算額は四百八億三千三百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと八億二千百万円余の増額となっております。これは、主に、議員秘書及び職員の人件費の増額等によるものでございます。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 まず、国会の権能行使に必要な経費として二百十九億九千二百万円余、参議院の運営に必要な経費として百六十四億六千万円余を計上いたしております。これらの経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費であります。
 次に、参議院施設整備に必要な経費として十六億九千六百万円余、民間資金等を活用した参議院施設整備に必要な経費として六億七千九百万円余を計上いたしております。これらの経費は、国会審議テレビ中継施設整備、本館外壁・建具改修、清水谷議員宿舎改修及び本館その他庁舎の整備等に必要な経費並びに新議員会館の整備に係る不動産購入費であります。
 次に、国会予備金に必要な経費でありまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。
 以上、平成二十一年度参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#8
○委員長(愛知治郎君) 次に、国会所管のうち国立国会図書館関係予算の説明を求めます。長尾国立国会図書館長。
#9
○国立国会図書館長(長尾真君) 平成二十一年度国立国会図書館関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成二十一年度国立国会図書館関係の歳出予算要求額は二百十五億八千四百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと二億百万円余の減額となっております。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、運営に必要な経費でありまして、人件費等として九十五億八千九百万円余を計上しております。これを前年度予算額と比較いたしますと一億五千万円余の増額となっております。
 第二は、業務に必要な経費でありまして、資料費及び情報システム経費等として九十一億八千七百万円余を計上しております。これを前年度予算額と比較いたしますと二億四千九百万円余の減額となっておりますが、内容的には、歴史的音盤アーカイブ資料の購入などを重点事項として必要な経費を計上しております。
 第三は、科学技術関係資料の収集整備に必要な経費でありまして、十一億七百万円余を計上しております。
 第四は、施設整備に必要な経費でありまして、十六億九千九百万円余を計上しております。これを前年度予算額と比較いたしますと一億二百万円余の減額となっておりますが、内容的には、国際子ども図書館の拡充整備、本館耐震改修工事を重点事項として必要な経費を計上しております。
 以上、平成二十一年度国立国会図書館関係の歳出予算について御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#10
○委員長(愛知治郎君) 次に、裁判官弾劾裁判所関係予算の説明を求めます。濱坂裁判官弾劾裁判所事務局長。
#11
○裁判官弾劾裁判所参事(濱坂豊澄君) 平成二十一年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成二十一年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は一億一千七百九十四万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと二百五十二万円余の増額となっております。
 この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長の職務雑費、委員旅費及び事務局職員の給与に関する経費、その他の事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費及び庁費であります。
 以上、簡単でありますが、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#12
○委員長(愛知治郎君) 次に、裁判官訴追委員会関係予算の説明を求めます。白井裁判官訴追委員会事務局長。
#13
○裁判官訴追委員会参事(白井始君) 平成二十一年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成二十一年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は一億三千七十六万円余でございまして、これを前年度予算額と比較いたしますと十一万円余の増額となっております。
 この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費でございます。
 以上、簡単ではございますが、裁判官訴追委員会関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#14
○委員長(愛知治郎君) 次に、会計検査院所管予算の説明を求めます。西村会計検査院長職務代行検査官。
#15
○検査官(西村正紀君) 平成二十一年度会計検査院所管の歳出予算について御説明申し上げます。
 会計検査院の平成二十一年度予定経費要求額は百七十四億百四十四万円余でありまして、これを前年度当初予算額百七十五億一千二百五十一万円余に比較いたしますと一億一千百七万円の減額となっております。
 ただいま申し上げました要求額は、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく会計検査院の運営及び会計検査業務に必要な経費等であります。
 この要求額の主な内容について御説明申し上げますと、人件費として百三十九億八千百万円余、旅費として六億八千四百万円余、その他の経費として二十七億三千四百万円余を計上いたしております。
 以上の経費には、会計検査機能を充実強化するため、次のような経費を計上しております。
 第一に、国会からの検査要請と行財政改革の動向に適切かつ機動的に対応した検査や民間の手法及び民間人の視点を導入した検査を遂行するための検査体制の充実強化経費として、一億六千三百万円余を計上いたしております。
 第二に、情報通信技術を活用した検査及び海外検査等の充実を図るための検査活動充実強化経費として、二十億八千七百万円余を計上いたしております。
 第三に、検査活動に資する研究及び検査能力向上のための研修の充実を図るための研究・研修経費として、二億二千万円余を計上いたしております。
 以上、会計検査院の平成二十一年度予定経費要求額の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#16
○委員長(愛知治郎君) 以上で予算の説明聴取は終わりました。
 説明者は退席いただいて結構です。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#17
○松井孝治君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の松井孝治でございます。
 今日は委嘱審査ということで、最初に、今まさに御説明がありました衆議院、参議院の事務局の予算、こういう話はほとんど委嘱審査でも質問する人が少ないものですから、私あえて取り上げさせていただきたいと思います。ちょっとほかの案件も多いので、場合によっては、事務総長ほかおいでいただいておりますが、御答弁をいただかないで私の方から御説明させていただくことになるかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。
 基本的に、ここしばらくの間、衆議院、参議院の立法調査支援のスタッフの方々、予算的にも人員的にも横ばいあるいはそれを抑え込んでおられます。これは、一つは、政府が行革推進法というものを作って、政府全体の人員を削減をするということ、これは甘利大臣の御所管でございますが、国会の職員の方も同じようにしようということで、国会は衆参の議院運営委員会でそういう議決をして、それに基づいて予算、定員を削減していると。
 これですが、ここしばらくの間で物すごく実は議会のスタッフの仕事というのは変わってきているんです。議員立法を皆さん方も大変な数で、例えば、しています。具体的に言いますと、参議院の議員提出法案、これが平成十五年が五十件でありましたが、平成二十年は九十八件、これだけ増えてきているんですね。
 参議院の法制局の方々は、私たちもよくお世話になるんですが、一つの役所、大体三名か四名ぐらいのチームで二つとか三つの役所の分の法案を担当しているんです。これ、クライアントの守秘義務がありますから、ほかにどういう方の法案を受け持っているかとはおっしゃいませんけれども、相当重なって実は我々議員立法を出していると、別の方の議員立法のお世話もしている。例えば国会で議員立法の質疑になるとその答弁作成の補助までしていただいていまして、もう大変な状況になっている。
 ですから、これは議院運営委員会でしっかりと従来の方針でいいのかどうか見直すのが私は根本であり、これは委員長や与党の皆さん方もよく考えていただきたいと思うんですが、もし国会があるいは政治が官僚に対して優位に立つというのであれば、私は、このスタッフを役人の人員削減と同じような横並びの水準で国会が立法府として自分たちのスタッフを切り刻んでいていいのかということは是非皆さん方に問題提起をしておきたいと思います。
 例えば、今法制局の話をしましたけれども、調査室も、わずか十年前に比べてリファレンスといういろんな調査依頼、こういうものの数も六千件から八千件ぐらいに増えています。衆議院の調査局のリファレンスは平成十六年が五千件台だったのが平成二十年で今一万六千件台、これぐらい増えているんですよ。こういうことを本当にどう考えるかということをまじめに考えないと、みんな横並びで人員カットしましょうと言っていて、結局だれもきちんとした法案あるいは政策の立案ができていない。よく官僚機構の何か質の劣化ということを自民党の幹部の方でおっしゃる方がいらっしゃいますけれども、それもあるかもしれませんけれども、じゃ、そういう政策人材をきちんと育てようということを国会は考えているのかということをそちらにいらっしゃる政府側の皆さん方も、国会議員が、法制局長官もいらっしゃいますけれども、いらっしゃるわけですから、よく考えていただきたいと思うんですが。
 これ、河村官房長官、もし我々がきちんと議院運営委員会で、ここの国会の職員の配置についてはもう少し今の仕事の中身に応じて見直していこうじゃないかということになったら、それは政府としてはそういう国会の判断を尊重されるかどうか、一言御答弁いただきたいと思います。
#18
○国務大臣(河村建夫君) 私も政府側であると同時に議員でもございます。いわゆる政党政治、いわゆる国会主導といいますか、当然のことだと思います。
 今、松井委員の御指摘の方向というのは私は間違っていないと、こう思います。ただ、十八年の議運で一つの方向付けが出たものでありますからそういう方向になっております。今後、議運での方向も検討され予算が提示されれば、これはもう国会のことでありますから、我々としてはこれを尊重したい、当然のことだと思います。
#19
○松井孝治君 官房長官、前向きな御答弁をいただきましたので、これはあとは、我々参議院ですから、参議院の議院運営委員会で、与党の方々もいらっしゃいますので、是非私はこれは一回見直して、しっかり、例えば法制局の人員なんかも、外部にもいろんな有識者といいましょうか優秀な方々たくさんいらっしゃるわけですから、今日後でお伺いする公務員制度改革じゃないけれども、外部のそういう専門家ももっともっと登用して、しっかりと我々、議員立法の策定活動をできるように体制を強化すべきだということを、これはむしろ委員の皆様方に私は御提案をしていきたいと思います。
 それで、今日は与謝野大臣が、本来この内閣委員会の担当の大臣、経済財政担当大臣を兼務しておられるわけですが、財務大臣、金融担当大臣ということで、財金委員会も同時に動いていますので、宮澤副大臣においでをいただきました。
 後でちょっと所管外のことも伺いますが、まず所管について伺いたいんですが、三月の十六日ぐらいからでしたか、官邸でいろんな有識者の会合を開いておられますね。私もインターネットテレビを見て、まあよくこういう雑談をインターネット中継をずっとしておられるなと思いながら、有識者の方々の貴重な意見にもかかわらずそれに対する質疑がどうなんだろうなと思いながら拝見をして、しかしああいうのが全部インターネットで見れるということはそれはそれなりに有意義なことだなと、複雑な思いで拝見をしておるところですが。
 宮澤副大臣、あれは、今予算委員会で、森理事もお見えですが、平成二十一年度予算を議論しておられるところでありますが、二十一年度予算を、補正を作るための弾込めの会議なんですか。
#20
○副大臣(宮澤洋一君) 有識者会合、人数を絞るということで私は出席させていただけなかったんですけれども、来年度の補正予算というお話がありましたが、今まさに二十一年度の本予算の審議をお願いしているところでありますから、来年度の補正予算について政府側としては口が裂けてもそういうことは言えませんし、また当然そういう準備も一切しておりませんが、一方で、大変なスピードで大変な大きさで今経済が動いているということは事実でございまして、そういう中で、今後の金融、財政、経済政策の在り方について、やはり幅広くいろんな観点から議論をし御意見をいただくということが必要だということでこの有識者会合を開かせていただき、中身についていろいろ御発言がありましたけれども、私自身なかなか時間があって聞いてないものですからコメントできませんけれども、いろいろすばらしい意見をいただいているものと考えております。
#21
○松井孝治君 模範答弁で、ありがとうございます。宮澤副大臣が御出席であればもう少し実りある議論が行われていたんではないかと思うんですが、総理の御発言、有識者の御意見はそれぞれ個性があって、しかし、有識者の御意見を三分間に限定している割にはその後の質疑が少しピントが外れているようなものが多いのかなという気がいたしますけれども、官房長官は司会役ということで発言されていませんので、あえてコメントは必要ございません。今日、宮澤副大臣に来ていただいたのは本件がメーンでは実はございませんので、もう少しお掛けをいただいて議論をお聞きいただければ有り難いと思います。
 それでは、少し本題の方に移らせていただきたいと思います。
 甘利大臣にも今日おいでをいただきました。委嘱審査の予算ということでいうと、本来は平成二十二年度にいろんな予算が入ってくることかもしれませんが、本来二十一年度に入れるべきだという議論とやはり慎重に議論して二十二年度に予算措置を講ずべきというような議論があった公務員制度改革、昨今の新聞報道でいうと、今朝も各紙に載っておりましたが、内閣人事・行政管理局と言われていたものが結局内閣人事局ということで基本法案どおりの名称に収まったようでございます。
 まず最初に、そこのトップの人事について新聞紙上いろんな話がにぎわっております。今日の新聞辺りでいいますと、内閣人事局長には内閣官房副長官を充てると、それは事務を充てるということが各紙の新聞報道で行われています。ここについて、これは事実としては、内閣人事局長には内閣官房副長官を充てると決まったのか。それから、あれはいつでしたかね、昨日辺りの毎日新聞とかいろんな新聞に出ていましたが、そのときに、要するに事務を充てるんだと、これは要するに政治家がそんなものに就いたらろくなことはないと、いろんな介入があってろくなことがないと、したがって事務を充てるんだということを官房長官と甘利大臣で、両者でお話をされた上でお決めになったと。しかも、それは鳩首会談で総理が、それは事務、役人にしようということで決められたというふうに新聞報道上はなっていますけれども、事実関係としてそういうことでいいのかどうか、これ、まず甘利大臣の方から御答弁ください。
#22
○国務大臣(甘利明君) 党内外にいろいろな意見がありました。この案ならば全員が賛成するという案は、正直な話、ありませんでした。そこで、官房長官、官邸側と私と、それから党の行革本部長の三者の間で調整をいたしまして、内閣人事局長は官房副長官をもって充てるということに決着をしたわけであります、その三者間では。今、党内、与党内手続に諮っているところであります。
#23
○松井孝治君 じゃ、甘利大臣から御発言がありましたので、次、官房長官に伺いたいと思いますが、この間、法案がもう霞が関に各省協議で流れています。今日、恐らく与党にもこの後、ちょっと甘利大臣もいろいろ御公務が詰まっておられるのでどこかで御退席いただくつもりにはしておりますけれども、この後、法案の議論も与党内で具体的に条文の議論がされるというふうに私は伺っております。
 官房長官に伺いますが、官房副長官というのは法律上、事務とか政務の区別はありますか。
#24
○国務大臣(河村建夫君) 法律上にそういう明記はされておりません。
#25
○松井孝治君 法律上明記されていないで、これは法律上どういう位置付けになるのか知らないけれども、恐らく官房副長官をもって充てるという充て職にするということなんだと思います、今の甘利大臣がおっしゃるようなことであれば。
 そうだとしたときに、新聞報道で、これは、政治家の人事介入はおかしいと。政治家の人事介入がおかしいって、今役人の任命権者は大概大臣ですよ、政治家なんですけれども。こういう報道が行われること自体が、どなたがどういう思惑でこういう解説をしておられるのか私は全く解せないのでありますが。
 法律上、そうすると、事務の官房副長官に限定するという充て職規定になるんですか。官房長官、聞いておられるでしょう。
#26
○国務大臣(河村建夫君) 法律的にはそういうことは明示いたしません。また、できないものだというふうに私は理解しております。
 これは、まず、いわゆる最高責任は総理大臣にあるわけでありますが、これは一義的には官房長官が責任を持たなきゃいけないことでありますから、そこの任命の仕方によって決まっていくことだろうと、こういうふうに思います。
#27
○松井孝治君 それでは、官房長官伺いますが、新聞報道で、今日の新聞報道の中でも事務の官房副長官を充てるという報道が各紙に出ていますよね。どなたが発言されたのか知りませんが、これは麻生政権としては、法律上は官房副長官をもって充てるけれども、麻生政権としては、今でいうと漆間さんですか、事務の官房副長官をそれに充てるという方針であると、まあ漆間さんが人事局長ができるときに官房副長官であるかどうかは私存じ上げませんから分かりませんけれども、事務の官房副長官をもって充てるというのが麻生内閣の方針であるということですか。
#28
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘のとおり、麻生内閣の方針であるということであります。
 それで、今、三名官房副長官おるわけでございます。この中に、二名が政治家で一名が事務の副長官。そういう視点から見ると、政治家を充てないということであれば当然事務になるであろうと、こういうことで新聞はそういう書き方をしているんだと思いますけれども、麻生内閣の方針としても、総理としては責任は官邸主導でやる、しかしこれは、全体の官僚機構等も踏まえてきちっとこのことについて方針が出せる副長官がふさわしいと、こういうことで、麻生内閣としては今御指摘のとおり事務の副長官を充てたいと、こういうことでございます。
#29
○松井孝治君 鴻池副長官、おいでをいただいております。
 私は、政治家でも確かにおかしな人事介入が、過去、私役人しておりましたから、役人の目から見てどうなのかなという人事はなかったかというと、それはいろいろあったかもしれない。だけど、事務の官僚であれば適切な人事が必ずすべて行われているのかというと、私、昔古巣でいろんなお家騒動もありましたけれども、それは別に、よく言われているのは、どなたか政治家の方が人事介入をされたと言われていますけれども、それは実は背景には役人同士のいろんないざこざがあったという部分もあって、すべてを政治家の責任にするというのはやっぱり僕はおかしいし、それはやっぱり人物本位で、今官房長官ああいう発言をされましたけれども、どの官房副長官がいいかということはそれこそ人物本位で選ぶべきではないかと、法律が官房副長官をもって充てると書いてあるのであればですよ、そう思いますが、鴻池官房副長官はどう思われますか。
#30
○内閣官房副長官(鴻池祥肇君) ただいま官房長官が御答弁なさいましたとおりに進んでいくというふうに私は思っております。
 ただ、松井委員がおっしゃいましたように、官僚が駄目で政治家が良くて、あるいは政治家がマルで官僚がペケだという基本的なものは、私は全く委員と同じような気持ちでおります。万が一この鴻池にその職をやれと言われれば、喜んでお受けするつもりでございます。
#31
○松井孝治君 ということは、まだ麻生内閣としては官房副長官をもって充てるというふうに決めているけれども、今でいうと鴻池副長官がいいのか漆間副長官がいいのか、そこはまだ今の鴻池副長官の御発言から見れば決まっていないというふうに考えてよろしいですね、官房長官。これは副長官がどうこう言われることではなくて、その上司がどう判断されるかですから。
#32
○国務大臣(河村建夫君) 今の御指摘のような両論があることは十分踏まえた上で、麻生内閣として、いわゆる総理、官房長官の考え方としては、この今回のスタートに当たっては政治家でない形で、そして総理と私の下できちっと官邸主導、政治主導の人事をやっていこう、こういう基本的な考え方にあるということでございます。
#33
○松井孝治君 官房長官もいろんな記者会見の場で、政治家がやることが政治優位になるとおっしゃったり、いろんな経緯があったでしょうから逐一申し上げませんけれども、やや振れておられるという感覚を正直言って抱きます。
 私は、これはもう役人であるか政治家であるかを含めて、余り属性で議論するんではなくて、そのときにどういう人材がいて、だれが一番フェアに判断できるかということを政権によって判断すればいいと思いますし、自民党政権が結局のところそういうふうに官僚でやると。今の御判断は、漆間さんでやるということではなくて官僚でやるという話ですから、結局、そこは官僚という属性でこの人事局長を選んでおられるというのは自民党政権の一つのお考えなのかなと。
 私は、修正協議宮澤先生とやらしていただきましたけれども、それは公務員制度というのはある種のインフラですから、それを使って自民党は自民党のカラーで運営されればいいし、我々が政権取らせていただければ我々は我々のカラーでしっかり運営をできる。だから、官房副長官だったら我々は我々の考え方でやらせていただくし、ああ自民党はなるほどそういうことかなというふうによく理解できましたので、今の答弁で私は結構ですので、次の話に移りたいと思います。
 次の問題ですが、これ、甘利大臣が御公務があるということで途中退席を私も了解しておりますので、甘利大臣にお伺いをしておきたいと思います。
 これは幹部職の問題なんです。もうこれ一々ここで議事録を読み上げるということは避けたいと思いますけれども、しかし、この二月の二十三日に衆議院の予算委員会で、甘利大臣が私どもの同僚の松本剛明衆議院議員の質疑の中で幹部職というものについて非常に大事な答弁をされています。一部分だけその衆議院の予算委員会の議事録からクオートしますと、「普通にやっていても、さらに能力のある人が来ればそのポジションから押し出されるということが可能になる」という表現をされて、「例えば、大臣から見て、適性はこっちの方があるぞという、ある種のそこは主観的判断というのも当然入ってくる」、「もちろんその大臣との相性もあるでしょうし、大臣の感性もあるでしょうし、それは政権が任命した、内閣が負うわけでありますから、そこについては、まさに、それから上はある種政治任用の世界の感覚が入ってきていい」、こういう御答弁をされています。この御答弁においては、松本剛明議員もその場でもおっしゃっていたと思いますが、我々民主党の考え方と甘利大臣の考え方は非常に類似していると私は聞いておりました。
 そういう状況なんですけれども、大臣、今大臣は各省協議に出されている条文というものを御覧になっているかどうか私は定かではないんですが、もう少し前から霞が関、各省協議に流れていますから、私のところにその条文、もう私は持っています。別にここでは配っていません。恐らく、今日、自民党の平場の会議でもその条文はかかるんでしょう。その条文を見ますと、甘利大臣がおっしゃっているような幹部職の、そもそも幹部職の任用の在り方、そことおよそ懸け離れた条文が今各省協議に付されていて、今日与党の会議にかけられようとしていると。ちょっと長いですけど、読ませていただきます、記録のために。
 国家公務員法の第七十八条に分限という規定があります。その第七十八条の二というのが今回新たな項目として追加されていて、こうあります。
 任命権者は、幹部職員、括弧、括弧、これは省略します、について次の各号に掲げる場合のいずれにも該当するときは、人事院規則の定めるところにより、当該幹部職員が前条各号に掲げる場合のいずれにも該当しない場合においても、その意に反して降任、括弧、ここの括弧内が大事です、直近下位の職制上の段階に属する幹部職への降任に限る、括弧閉じ、を行うことができる。
 要するに、七十八条の本体というのは分限事由が書いてあります。明らかなもう勤務懈怠であるとか、事実上非常に厳格に縛っていて分限できないんですね。そこを除外する項目として書いてあるんですが、まずその柱書きに書いてあるのは、直近下位の職位にしか降格はできないと書いてあるんです。これは基本法でいうと、ある幅の中で昇格も降格もできるというのが基本法の規定であるにもかかわらず、まず第一に直近下位しか降格できないというのが柱書きにあります。
 しかも、今読みましたが、下に、次の各号に掲げる場合のいずれにも該当するときはということで、要件が三つ並んでいます。その要件の一つ目を申し上げます。
 一号、当該幹部職員が、人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、他の官職、括弧、括弧、を占める他の幹部職員に比して勤務実績が劣っているものとして人事院規則に定める要件に該当する場合。
 これを分かりやすく言いますと、その役所の中でその人が、例えば局長なら局長クラスの中で一番レベルが下だということ、そういう要件を満たしていること、これが第一号要件であります。これは一つの要件ですよ。だから、局長クラスの中で一番出来の悪い人だということが第一の要件です。
 第二の要件は何かというと、当該幹部職員が現に任命されている官職に幹部職員となり得る他の特定の者を任命すると仮定した場合において、当該他の特定の者が、人事評価又は勤務の状況を示す事実その他の客観的な事実及び当該官職についての適性に照らして、当該幹部職員より優れた業績を挙げることが十分見込まれる場合として人事院規則で定める要件に該当する場合。
 要するに、ほかの人は客観的にその局長よりも優秀であるという要件をクリアしなければならない。これが第二の要件です。これは要件は、第一と第二は、かつでつながります。第三の要件、これも重複的に、かつ三つの要件を満たしていかなければいけない。
 第三の要件は、三号、当該幹部職員について、欠員を生じ、若しくは生ずると見込まれる他の官職についての適性が他の候補者と比較して十分でない場合として人事院規則で定める要件に該当すること又は他の官職の職務を行うと仮定した場合において当該幹部職員が当該他の官職に現に就いている他の職員より優れた業績を挙げることが十分見込まれる場合として人事院規則で定める要件に該当しないことにより、転任されるべき適当な官職がないと認められる場合その他の幹部職員の任用を適切に行うため当該幹部職員を降任させる必要がある場合として人事院規則で定める場合。
 これを直ちに分かる人がいたら私は天才だと思いますけれども。
 要するに、霞が関中探してきて、その外す局長が横滑りで同列のポジションに外すようなポジションがどこを探してもないようなときに初めて降格できる、こういう三つの要件が要件として書かれていて、なおかつ一つ下のランクには落とせますよというのが、今大臣がこれをどこまで、皆さん、大臣の部下の役所の方々が大臣にきちっと決裁を仰いで僕はこういう条文ができているのか知りませんが、こういうものが実際に各省協議に流され、恐らく今日の与党の部会でも流される。こういう状況というのは私は極めて悲しいことだと思っています。
 大臣、時間がありませんから、本来であればもう少しゆっくりとここでまず御意見をいただいてから次の質問に行くんですが、併せてもう一つの材料を出します。
 私が持っているのはこれはインターネットからプリントアウトしたものですが、公務労協という労働組合の団体があります。二〇〇九年度公務労協情報ナンバー三十三、ちなみに私は公務労協の方とこの二週間以上コンタクトは一切ございません。ホームページを拝見して、これを発見いたしました。今日、参考人要求しておりますが、大臣の部下のお二人が、これはいつですかね、九日、公務員事務局と三回目の交渉、協議を実施した。大臣はいつごろからこういう法案を部下からブリーフされておられたか知りませんが、三月九日に既に、公務労協という団体と大臣の部下の方々、二人の審議官は三回目の交渉を実施しておられます。
 これはホームページにアップされているその交渉の状況ですが、「任用の弾力化について、」、ホームページにアップされていますが、この公務員事務局の方は、「幹部職員の降任については、争い、裁判になっても持ちこたえられるような客観的な事実がないとできないと考えており、そんなに起こるものではない。」というふうに説明しておられます。
 これは一体どういうことなんですか。これは私は大問題だと思いますよ。去年の、宮澤先生今日お聞きいただいているのは所管外のことで恐縮でございますが、大変な騒動で、我々だって大変いろんな議論がある中で、しかしやっぱりこれは政治主導で、幹部職というものをしっかりつくって、それは政治主導はいいけれども、アプリオリに今の類型でいう特別職というふうにはしなかった。しかし、一定の範囲内で身分保障はあるけれども降格ができる。
 元々、宮澤先生と話をしていたときには、民間でいうと役員みたいなものだなと、役員というのはやっぱり責任を問われると。そのときに一々、上司が役員の首飛ばすときに、これこれこういう評価だから首を飛ばしますなんて説明責任は負わないと。それと類似のもので、ある種の裁量労働みたいなもので、ここについてはある程度きちんと大臣が判断をして、降格をしたり、あるいは下からぼんと上に上げたり、それはある種のリスクを、ハイリスク・ハイリターンというか、それだけの責任があるけれども、それだけのリスクも伴うものにしようと。ただ、政治家がそれをいきなり首にするというのもなんだから、ある範囲内のレンジの中で、要するに次官から部長のレンジの中でそれは処遇するようにしようということで決めたものです。
 それを、先ほど申し上げたような条文が各省協議に回っている。しかも、事もあろうに三月の九日の時点で、その事務方が外部の団体に対して、そういう幹部職員の降任については、裁判になっても持ちこたえられるような客観的な事実がないとできないからそんなに起こるものではないですよなんということを説明している。
 これ、大臣、やっぱりね、幾ら何でもこれはひどいんじゃないですか。この条文、本当にきちんと大臣はブリーフをされていたのか。あるいは、こういうことが現実に、部下の方がそういうふうに、こんなことはめったに起こることじゃないですよということを外部に対して御説明されているということを含めて、ちょっとこの条文の規定、一回、今日与党でどういう議論がこれから行われるのか知りませんけれども、大臣として、私はこういう細かな文書を今私が読み上げたって、私役人でしたけれども、読んだってすぐにはこれはどういう意味かなということを直ちに分かりかねるような文案をきちんと大臣に説明、役所はしていましたか。あるいは、大臣がきちんと決裁していましたか。ひょっとしたら、その大臣の決裁の前に、こんなことは起こりませんということで外部の団体に大臣の部下が説明しているということはありませんか。
 そのことも含めて、大臣のお考えを伺わせていただきたいと思います。
#34
○国務大臣(甘利明君) まず、条文の説明は受けております。
 先生も御承知のとおり、国公法七十八条というのは、その職を全うするにふさわしくない人なんですね。ですから、そういう人であるならば、幹部職、管理職を超えて、そのひどさの状態にもよりますけれども、何段階でも落ちるわけであります。今回は、その国公法七十八条に新しい規定を入れるんです。それは適格性審査を通っている人なんです。つまり、その職を全うするに十分な能力があるという認定されている人なんです。その人をなおかつ降格させるという話なんですよ。
 その場合には、つまり、十分にその職を全うする能力を持ち得ているという審査を通った人であっても、その人よりも更に優秀な人が来たら押し出されるという話ですからね。つまり、能力が劣っているのに、その職を全うする能力がないのに一段階しか落とせないというんじゃないんです。その職を全うする能力がない人はもっと落ちるんです。それは国公法七十八条でそのとおり書いてあるわけであります。
 それに新しい規定を入れるということは、適格性審査をクリアしたと、つまり十分その人はそのポストをやっていける能力があると、だけれども、その人よりもっと優秀な人が来た場合には押し出されるわけです。横に行くポストがない場合に下に行くということになるわけであります。
#35
○松井孝治君 全く残念な答弁です。
 というのは、適格性審査というのは、そもそもまず幹部職に入るところのプール人材であって、適格性審査で個別の役所の事務次官への適格性があるかどうかということを判断するものではありません。これは大臣に昨年、この参議院の内閣委員会でも議論させていただいたとおりであり、適格性審査というのは、あくまでもプールに入るための一応の適格性があるか、要するに、情実人事とかで例えば政治家が後援会の役員をそこの局長クラスあるいは全体の幹部職のプール人材に入れるということがあってはいけないからスクリーニングするということでありまして、そこのクオリティーと、特定の例えば国土交通省の道路局長としてしっかり働けるかどうかというこの人事評価とはイコールではありません。
 ここの国土交通省の例えば道路局長にどういう人材を充てるのか。今、一生懸命働いている人がいますと、だけれども、道路局長にもっとふさわしい人が来たときには、そのふさわしい人はもちろん適格性審査を通ってプール人材、プールに入っていなければいけないけど、それは場合によってはこの人を押しのけて道路局長に選任され得る、そういうことを僕は大臣はおっしゃっていたと思います。
 だけど、今の話でいうと、そもそも適格性審査云々ということではなくて、ここを降格させるためにはまず一格下しか降格できないなんていうのは全然基本法に書いていない話であります。一点、まず、全く基本法にない世界をつくり出している。加えて、これを降格させるためには、その第二要件は、しかるべき、これは本当にこんなものを一々客観的条件で証明する必要があるかどうかというのは私は疑問でありますが、しかし、より良い人材がいるということが第二要件ですね。
 でも、第一要件は、この国土交通省の道路局長は、国土交通省の局長の中で、これは港湾局長とか航空局長とかいろんな局長がいますわね、国土交通省はたくさん局長がいるから、十人ぐらいいる。この国土交通省の局長の中でそもそも一番この人は能力が低い順位にいるんだよということを証明しなさい、なおかつ、もしこの人を国土交通省の局長ではなくて部長に降格するときには、霞が関中から局長クラスを見出してきて、空きがないかどうかを、空きがなければ部長クラス、審議官クラスでもいいけれども、もし霞が関でどこかに局長クラスの空きがあったらそこに押し込みなさい。
 これは、大臣、申し訳ないですけど、修正協議を与野党でやってきたときの、やっぱりプール人材をまずはきちんとスクリーニングしましょうよと。その上で、その上でですよ、やっぱり大臣が一番適切な人を、この人を次官にする、この人を局長にする、いや、この人は局長かもしれないけどこっちの局長にする、それをきちっと政治主導でつくっていきましょうよ、人事局長だったらそこをきちんとサポートしましょうよ、変な情実が起こらないようにやっぱり入口のところでスクリーニングしましょうよということとは全然違っている話だとしか私には思えません。しかも、この三要件というのは、客観的要件とか、大臣が大変好んでおられる人事院がすべてその要件を定める、そういうことになっているわけですよ。何でこんなことになるか。
 しかも、さっき大臣がおっしゃったけど、七十八条本体というのは、ほとんどこれでの降格はできないわけじゃないですか。昔、武村大蔵大臣が事務次官に引導を渡して、悪いけど勇退してくれと大臣室で事務次官を呼んで言ったときに、その事務次官が、あえて名前は言いませんけれども、大臣、それはできません、なぜならばそれは法律が許しませんと。国家公務員法の第七十八条ですよ。私は毎日出勤しています、私は毎日きちんと仕事をしています、あなたはどういう法律のどの条文に沿って私を、次官を退けと言うのですか、法律はそれを許しませんとおっしゃったというのがその七十八条なんですよ。
 だから、七十八条をよりどころにされる限りにおいては、それは成績優秀でなければ七十八条で降格できるというふうにおっしゃるんだとしたらばそれは大きな間違いで、恐らく大臣はそこら辺も含めてもう少し実務のいろんな御意見を、場合によっては自民党の平場の御意見も聞いて御判断をいただきたいと思います。
 予定していた時間を過ぎてしまいましたので、甘利大臣は、委員長、ここで私は御退席をいただいて結構ですので。これからも十分よくいろんな方々の意見を聞いて御判断をいただきたいということを申し上げて、甘利大臣、御退席いただいて結構です。
#36
○委員長(愛知治郎君) 甘利大臣は退席されて結構です。
#37
○松井孝治君 官房長官、甘利大臣は御公務で御退席をいただきましたが、これは一行革担当大臣の問題ではなくて、まさに政治と役所をどうとらえるか。我々が基本法で合意をしていたものが、いつの間にかこういう条文ができておると。私もさすがに愕然とします、ここまでやられるというのは。
 官房長官は、こういう条文が流れていること、これは内閣官房の人事局ですから、官房長官の下に置かれる人事局がまさに幹部職の任用については担当することになるわけですから、官房長官の下の組織での実際の降格基準なわけですけれども、これが条文に書かれているということを官房長官はきちんと事前に役所から説明を受けておられましたか。
#38
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の点でございますが、今、事例を挙げての詳細的なものは、この質問が松井委員から出るということで今朝伺った部分がありますけれども、全体的な法案がこういう形になっているということについての説明は受けておるところでございます。
#39
○松井孝治君 大事なことは、具体的にどういう規定があって、本当にこういうことであって、先ほどの話に戻りますけれども、公務員事務局の方は公務労協、よく自民党の方々は民主党は公務労協の回し者だみたいなことをおっしゃいますけれども、公務員改革の事務局の、私はこんな何かもう三月の九日で三回目の協議をしておられるなんてことをホームページを見て初めて知ったわけですが、民主党の多くは別に公務労協の方々とそんなに日常的に接触していませんよ。
 だけど、こんな条文が、大臣にも条文を上げていないときに、いや御心配なくと、そんな降格なんて起こりません、裁判もちませんからというような話を説明されているということについて官房長官はどう思われますか。
#40
○国務大臣(河村建夫君) どういう形でどういう説明されたか、私は寡聞にして今そういうホームページを見ておりませんので、今、松井先生が言われたことに準拠するならば、これはやっぱりきちっとした説明をやって、所管担当者といいますか、大臣の了解を取ってやるべきことだろうというふうに思います。
 ただ、私が聞いているのは、与野党間でいろいろ協議をされて新たに降格の在り方もやっていこうと。先ほどその精神に反しているとおっしゃいましたが、私が受けている説明は、与野党協議の中で、新たに降格の形をつくっていかなきゃならぬ、今おっしゃった次官の降格についても、より優れた人材があればそれを登用するんだと、そのために今の次官を降格させるなり横に行かせるなりすることができるようになる、これは今までなかったものであって官僚にとっては極めてドラスチックな制度であると、このように私は聞いておるところであります。
#41
○松井孝治君 いや、ですから、ドラスチックなんじゃなくて、そういうドラスチックなことを、どこまでをドラスチックか、僕はマイルドだと思っていますけれども、そんなに過激なものではなくて、身分保障をしていますから。一番過激な、ドラスチックとおっしゃるのなら、以前官房長官をなさっていた塩崎先生なんかがおっしゃっている、そんなものは退職金払って、幹部職になるときは退職金払って、あとはもう時限でいつでも場合によっては首にできる。こういうのは本当にドラスチックだと思いますよ。
 だけど、いろいろ議論をして、まあ、そこまでやってしまうと逆に民間から幹部職になろうという方々も身分の安定性がないだろう、だから、ある範囲内での身分保障はしようと。やたらめったらそれは降格が起こるかどうか、これは運用の問題ですから、そこは政権のスタイルにもよるだろうし、そこは判断だけれども、ある範囲内ではそれは降格、昇格できる、そういう民間でいうと役員あるいは執行役員のような制度にしたらどうかということでやったものが、堂々と役所の方が、担当者の方が外部に行って、いや、そんなものは裁判になりますからめったやたらとできませんということを勝手におっしゃっている。
 やっぱりそれは、もしあれだったら、これ今御覧に、ちょっと回していただいて御覧いただければ結構ですが、ホームページ印刷しただけのものですよ、ちょっと御覧いただいて、こういう説明が現実に行われていることについて、大臣、何らかの注意なりをされるおつもりはありませんか。
#42
○国務大臣(河村建夫君) 今突然のお話でございますから、これを私は拝見させていただいて、どういう説明の仕方であったのか、またどういう意図でこういうことが行われたか、担当大臣もおられますから、私の方からも聴き取りをしてみたいと、このように思います。
#43
○松井孝治君 鴻池副長官、場合によっては人事局長になられるお立場で、私は今までのやり取りは別に誇張しているわけでも何でもないし、私が入手した、正式に協議をされている条文案をベースに申し上げていますし、それから、今お渡ししていますから、公務労協のホームページに堂々と載っている、別に内部文書でも何でもない。そういうところにはもう三回目の交渉をされているそうでありまして、政府が国会に条文を出す前にその内容について外部の団体に交渉するのがいいのかどうか、公務労協さんとですね。そこもちょっとおかしいんじゃないかなと。
 鴻池官房副長官は、まさにこの人事局絡みのこの法案について今まで御説明を受けられたことがあるのかどうか。それから、基本法の趣旨、今の条文、私が読み上げたことで頭に入りにくい点もあったかもしれませんが、今までの議論を聞いておられて、これ、いいと思いますか、こういうやり方が。
#44
○内閣官房副長官(鴻池祥肇君) 私は、松井委員から今日何か私に対してお話があるやに聞きましたものですから、早く起きましていろいろ勉強をいたしました。勉強いたしましたけれども、全く中身が分かりませんままでここに座りました。ところが、条文等を松井委員が読まれまして、これが分かれば天才であるというお話でございました。私はつくづく天才ではないなと自分で思ったわけでございます。
 私は実は、御高承かもしれませんが、サラリーマンを経て、二十九歳から本当に小さな会社の社長をいたしました。四十一歳までやっておりました。人事というのは非常に難しいものであると思います。しかし、その人事というものをしっかりと経営者が見詰めて、この人事をうまく遂行することによって企業というものは非常に生きてくるし、それにはまっておる、はまっておるというか、使われている人は生き生きとしたり、あるいは精神的に全く駄目な状況になるということもよく私は見てまいりました。
 そういう意味で、私は、このお役人の人事というものにつきましては、松井委員のお述べになりました、一つのやはり刺激を与える、いい意味で、そういう意味で昇格あるいは降格というものをきちっと政治が主導して定めるべきであるというふうに私自身は思っておりますけれども、官房長官のただいまの御答弁を上回るような表現は立場上いたしません。
 以上であります。
#45
○松井孝治君 十分心情的に上回っていただいたと思っております。
 宮澤副大臣、所管外の件で恐縮でございますが、一言だけで結構です。今の政府の一員として、官房長官の御発言は、それはなかなか否定できないでしょうけれども、そもそも先ほど申し上げてきた今の政府案の条文、あるいは今のこの公務労協に行政が説明しておられるその内容と、私たちが昨年五月にいろいろ苦労しながら議論をしていたような幹部職のイメージと合っているか合っていないか、そこの点だけ御感想をいただきたいと思います。
#46
○副大臣(宮澤洋一君) 昨年の五月から六月にかけて随分議論を松井委員とさせていただきました。国家公務員、特に幹部職員にやはりダイナミズムをともかく導入する必要があろうというような議論も随分させていただきまして、例えば指定職というような単なる形ではなくて、指定職であっても国家の重要かどうかというところでまあ重要でない部分もあるかもしれない。一方、指定職じゃなくても重要な役職というのはあるだろう。そういうところもフレキシブルにできるような制度が大事だというような話とか、また、例えば他省の次官経験者であっても例えば財政を握る主計局長になるというようなことも、いろんな経験をしてくるというようなこともいいことじゃないかというようなことを議論し、一部国会でも答弁させていただきました。
 そういう流れからすると今の公務労協に対する説明というのはちょっと違うなという気がいたしますが、一方で、公務員制度の中で人権に係る部分というので、大変御苦労されて甘利大臣、官房長官、まとめられた結果これなのかなという気もしないでもないというのが率直な意見でございます。
#47
○松井孝治君 ちょっと違うかなというところが正直な感想だと思いますね。
 何でこんなことになるかというと、結局、一般職の枠内に押し込めているからなんですよ。一般職の枠内に押し込めたら、別に、私は今日そこに名前の載っている審議官をお呼びしていますけれども、その審議官のせいにするつもりはないんですよ。一般職の範囲内で議論するとこういうことになるんですよ。人事院は、国家公務員法第七十八条の分限事由は厳格に解釈してきたんですよ。それの系でとしか解釈できないからなんですよ。
 だから、私が問いたいのは、そこを従来の一般職の範囲内に幹部職を押し込めたということなんですよ。ところが、特別職というのは今までほとんどノールールなんですよ。だから、私がずっとヒアリングのときに公務員事務局に言ってきたのは、これは新しい特別職、あるいは新しい一般職でもいいけれども、従来の国家公務員法に規定していない別のルールの一般職を規定して、そこについての処遇のルールを決めなければ駄目だと言っているにもかかわらず、従来の一般職の枠内での、基本的に国家公務員法第七十八条に沿ってしか分限できないようなものの系として位置付けているからこういう訳の分からぬことになるんですよ。
 そこを、私は、官房長官、しっかり見直すことも含めてこれ検討していただけるかどうか。与党の中でもまだ通ってないわけですから。そこは、しかし、もう一度しっかり役所の意見も聞いて再検討いただけませんか、官房長官。
#48
○国務大臣(河村建夫君) これまでの経緯もありましょう。そして、御案内のように与党の意見も今日、付しておりますし、法案の審査にもかけておる段階でございますので、今の御指摘に対してどのように対応するか、甘利大臣の意見も伺いながら考えてみたいというふうに思います。
#49
○松井孝治君 是非、再検討をしていただきたいと思います。そうでないと、私は、この一番根幹の幹部職という部分、内閣一元人事、幹部職の部分についてこんな、これは恐らく非常に私、今日人事院の尾西局長もおいでいただいていますが、尾西局長に事前に聞いたらこれは別に人事院が作った条文じゃないというふうにおっしゃいますが、極めて人事院的条文だと思いますね。私は、もうこの条文がある限り、とてもじゃないけれどもこんなものは、基本的な魂の部分を換骨奪胎している法案ですから、一切私、これ自分が担当者としてこんな法案は賛成できない。
 だけれども、私は、宮澤先生と一緒にこの法案の修正案を作った人間としては、できるだけ修正案の趣旨にのっとっている限りにおいては、余り積極的に対応せずに、これはどういう政権交代が起ころうと、しっかり役所の方々も安心して働ける、しかしやっぱり政治優位をつくっていくという意味でぎりぎりの法案を基本法は作ったつもりなので、そこはもう一回議論をしていただいて、この条文だったら私は一切のめないけれども、本当に政治主導で議論されるなら私はまだ扉は開いていると思いますんで、是非御議論をいただきたいと思います。
 時間がほとんどなくなってしまいまして、ほかにも聞きたいことは実はいっぱいあったんですが、それ全部すっ飛ばします。
 内閣法制局長官においでをいただきました。実はこれ何かといいますと、国家戦略スタッフ、あるいは政務スタッフというものが基本法で合意されました。これは、今、政府・与党内で議論をしておられて、政治家も兼職できるようにするというふうに法律的な手当てをされるということで、今恐らくそういう条文が各省協議にも流れているんでしょう、同じようなタイミングで。
 政治家の兼職規定というのは実は国会法の規定ですね。要するに、原則として国会議員というのが、公職というのはそう簡単には兼職できないんです。国会法で例外として認められているものしか兼職できないということになっているわけですが、今回の法案は、閣法、内閣が提出される法案ですが、この国家戦略スタッフと政務スタッフは政治家が、国会議員が兼職できるという規定を、国会法を改正するというのを閣法でやっておられます。
 これは、僕は余り自然なことではないのではないかなというふうには思っているわけですが、しかし、国会議員が兼ねられるようにしておいていただいて、それは政権の判断で国会議員がたくさん国家戦略スタッフとして官邸に入る、結果として大混乱を招くような、そういう政権も過去にあったような気もしますが、そういうことになるのかもしれませんが、それはそれで、私自身は個人的には国会議員が兼職したっていいんじゃないかと思っているものですから、中身については別にいいのかもしれないです。
 ただ、僕は法制局長官にちょっと一言聞いておきたいのは、これは、国家戦略スタッフとか政務スタッフの定員というのは、私の知る限り、それは政令とか内閣が予算定員の中で決めていくものだと思うんですね。それはひょっとしたら三十人になるかもしれないし、五十人になるかもしれない。そういうものを閣法で、今の法案がどうこうといって聞いているわけじゃないですよ、法案はまだ閣議決定していないから法制局長官としてはお答えがないでしょうけれども、そういう何名ぐらいの定員になるか分からないようなものを、しかもそれは政令で内閣が決めるようなものを、そういうポジションを国会法を閣法で抜くということが、そういうことをやったケースは過去にありますか、そういうことをやることは法律的に、あり得るでしょうけれども、理念的には、適切だと思われますか。
#50
○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) 国会法三十九条は、御指摘のとおり、国会議員の兼職禁止を原則定めておりまして、例外を幾つか定めている法律の条文でございますが、これまで内閣提出法案におきまして三十九条を改正した例がないわけではございません。例えば、平成八年に内閣総理大臣補佐官の職を創設することを内容といたします内閣法等の一部改正法案というものをお出ししたときに、これに伴い国会議員が内閣総理大臣補佐官を兼職することができるように同条を改正する内容を同改正法の附則で盛り込んで、そのとおり成立を見たことがあると承知しております。また、同様の三十九条を内閣提出法案で改正しにいった例が数件あると承知しております。
 ただ、今お尋ねの定員の上限がないものについてどうかということにつきましては、結論的に申し上げますと、具体的な人数や上限が法律に規定されていない職について直接に三十九条の改正を内閣として国会に提出した例というものはないと思っております。
 それをどう考えるかにつきましては、御指摘になりましたように、今回の法案の予定につきましては、まだその内容について策定中でありまして正式に審査に上がってきておりませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#51
○松井孝治君 心強い御答弁をいただきました。できるということですね、結論からいうと。今の段階では閣議決定もされていないから答弁できないけど、できるということですね。それは非常に、我々が与党になったときには、そういう定員の定めのないものも閣法として出させていただいて、大いに今の法制局長官の答弁を活用させていただいて、そういう一つの事例、突破口を開いた。たしか九六年の事例は、内閣総理大臣補佐官は三人の定員のものを閣法でそれは国会法を抜いたということであって、そういうものは僕はできたんだと思いますけれども、今回みたいに、場合によっては三十人ぐらい、政務スタッフも含めれば何十人という国会議員の兼職の解禁というものを閣法でできるのであればそれはそれとして将来には非常に心強い法制局の解釈であるというふうに考えますので、ありがとうございました。
 最後に、国家公安委員長、済みません、長い時間お待たせをいたしました。一つだけ伺っておきたいんです。
 これはいきなり話題が変わりますが、出会い系喫茶についてでございまして、芝委員が専門でいらっしゃるので、私は専門ではないんですけれども、この前、警察庁の方に来ていただきましたら、こういうティッシュをいただきまして、何か出会い系喫茶というのがあって、私の地元の京都でも何か割と大きな宣伝カーが出ていて、女性はただでジュースでも何でも飲めると。それで、何かこういう、私残念ながら行ったことないんであれなんですが、ガラス窓があって、そこに女性が雑誌を読んだりお茶を飲んだりして、それを指名し、男性の、逆もあるのかもしれませんけれども、私が聞いたのは、男性のお客さんが入場料を払って、この人と言って指名料を幾ら払う、さらにお話をされて連れ出しをするときには幾らか払う。非常に最近、こういうので売買春とか、未成年の売買春みたいな問題がたくさん出てきている。
 ただ、これ、今風営法の店舗型の特殊性風俗営業の指定にもなっていないんです。これは、まさに先ほどから出ているようなものでいうと、政令で指定すればいい。もう一日も早くこういうのは政令指定すべきだと思うんですが、何か、ついこの間研究会を、大臣の下でというか、生活安全局長の下での研究会ですかね、開催されたと思いますが、まあ研究会で議論されるのはいいですけど、なぜ明らかなこういうもので、実際、検挙者も出ていて、被害者がたくさん未成年で出ているものについて、もう研究会で議論というのも遅きに失したぐらいで、もう早く政令指定で、パブリックコメントをもらって政令指定してしまった方がいいんじゃないかと思うんですが、まあ研究会始めたばかりですからまだ何とも言えないのかもしれませんが、大臣のこの出会い系喫茶を風営法の対象にするということについての決意を一言承りたいと思います。
#52
○国務大臣(佐藤勉君) お答えを申し上げたいと思います。
 今おっしゃられたように、いわゆる出会い系喫茶につきましては、十八歳未満の青少年が店舗に立ち入りまして児童買春等の契機になっているとの指摘があるなど、少年の健全育成の悪影響が懸念されておる営業であると認識をしております。
 警察といたしましては、関係法令を積極的に活用した出会い系喫茶の取締りに努めるとともに、営業者に対しまして、十八歳未満の青少年の営業所への立入り制限等の自主規制措置をとるよう働きかけているところでございます。
 また、今月十八日に、先ほど先生がおっしゃられましたように、第一回の会合を開催した風俗行政研究会では、出会い系喫茶に対する規制の在り方について部外有識者の方々に御議論をいただいておりまして、五月上旬をめどにいたしまして議論の結果を取りまとめていただく予定でございます。そして、国家公安委員会及び警察庁といたしましては、同研究会の論議を踏まえまして、風営法の委任を受けた政令を改正をいたしまして、出会い系喫茶の規制を行いたいと考えております。
 いずれにいたしましても、出会い系喫茶につきましては、今後とも、関係法令を積極的に活用した取締りがなされるよう警察を指導してまいりたいと思います。風営法による規制に向けて迅速な対応を進めたいというふうに思っております。
#53
○松井孝治君 ありがとうございました。
 時間がなくて、ほかにもたくさん質問したかったんですが、御質問できなかった政府参考人の方々も含めておわびを申し上げたいと思います。
 国家公安委員長、是非、この問題は今方向性ははっきり出されたと思いますので、できるだけ迅速に対応いただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。
#54
○柳澤光美君 おはようございます。
 民主党・新緑風会・国民新・日本の柳澤光美でございます。
 内閣委員会での私の質問はいつも自殺対策かというふうに言われるかもしれませんが、今日も、実は自殺対策に取り組んでくる中で、特に内閣府との関係というのがいろんな形で出てまいりました。そんなことも踏まえて、やってくる中で、内閣官房あるいは内閣府の在り方というものについて私が今率直に感じていることを、松井先生みたいに理路整然ではなくて、むしろ私は感情の部分も少しこもるかもしれませんが、お伺いをしたいというふうに思っています。
 お手元に資料を配らせていただきまして、一ページ目に内閣官房に平成十三年以降設置された政策テーマがずっと並んでいます。次のページに、内閣府発足の後できた、事務局を含めたいわゆる政策課題が並んでいます。平成十三年以降、内閣官房と内閣府に設置された政策課題というのは、この星印が議員立法なんですが、特に基本法を中心に他府省にかかわるテーマというのがここにのっかってくる。しかも、これが毎年増え続けてきているというのが実態だというふうに思います。実は、私も、自殺対策基本法を作ることによって内閣府に、見ていただくと、一番下の星印にありますが、自殺対策という政策課題がのることになりました。
 しかし、問題は、ここまで進めてきてみて、内閣官房や内閣府に本部や事務局ができることによって政策課題が実現されているのかということをしみじみちょっと感じています。平成十八年に実は自殺対策基本法、これ超党派で作らせていただきました。十九年に内閣府に自殺対策推進室ができました。その六月に自殺対策大綱が閣議決定をされて、秋には白書が出ました。私は、実はこれで一件落着というふうに思っておりました。ところが、実際は十九年も自殺者は三万人超えました。十年連続で三万人を超えています。昨年がまだデータ出てきておりませんが、このままの推移だと三万人を超えるんではないかなと。
 資料の別紙というか参考資料を一枚付けさせていただいておりまして、じゃ、今自殺がどんな状況になっているかというのは、これ実は昨年の十八日に野田大臣の方に緊急の要望書を出させていただいて、一ページ目に、今自殺がどういう状況かと。金融危機が起きた九八年の三月の決算期に二万から三万にがんと上がって、三万台が続いていると。今回の百年に一度の危機がこの三月に向けてどれだけ大きな、実は失業率と自殺者の率というのは全く同じトレンドを描いているんです。
 そのことを踏まえて、これ是非またお目通しをちょっといただいておきたいんですが、後ろに五項目の緊急要請を出させていただきました。なぜ自殺者が減らないのか。私は、行政も私たち政治家も法案を作ったり対策を立てるということが目的になってしまっているんではないかと。法案とか対策というのはこれあくまでも手段であって、それによって政策課題を実現するということが目的だというふうに私は思っていますし、自分自身も反省をしています。ということで、十九年の秋からこの内閣委員会を中心に大騒ぎをちょっとさせていただいておるんですが。
 実質的に、私思うのは、内閣府や内閣官房に上がってくる政策課題というのは、そこにつくるととても机上論の、制度上は非常に格好よくなります。しかし、むしろ複数の省庁にまたがる、これは非常にある意味で調整が難しい。会議はたくさん開かれるんですが、具体的に調整がなかなか進まない。実効性やスピードというのは、私は逆に遅くなっているんではないかと。率直に言わせてもらうと、自殺の問題は厚生労働省に責任持って徹底的にやってもらっていた方がよかったかもしれないというふうに率直に感じる感覚を今持っています。
 実は、昨年十二月の二十六日、会期末の後、全国の自殺に取り組んでいる東尋坊の茂さん、あるいは奄美大島の市役所の禧久さんとか、あるいは中小企業の経営の相談に乗っている秋田の蜘蛛の糸の佐藤さん、あるいは関係団体百四十名を超える皆さんに集まっていただいて、もう民間の皆さんも一緒に動いてほしいと、その中でいろんな声を寄せてほしいということで緊急集会を行いました。その中で徹底的に、私、もう答えにくくていろいろ言われたのは、柳澤さん、政治も行政も動き、遅過ぎるよと、もう自殺の問題はこんな議論しているときじゃないじゃないですかということを本当に強く言われました。このことも踏まえて、幾つか、じゃどういう問題があるかというのをちょっと具体的にお伺いしたいと思っています。
 一つは、その最大の問題というのは、内閣官房とか内閣府にいろんな政策課題が来るんですが、予算の裏付けというのはほとんどないんですね。会議費等の微々たるものになります。すべての予算は関係省庁の方から積み上がってきます。
 お手元の三ページ目に、自殺対策に関係する各省庁の今年と来年度予算の枠組みを出させていただきました。実は自殺対策というのは規模的には非常に小さくて、ほかの政策課題にしたら本当に微々たるものだと、こんなもので寂しいぐらいなんですが、それでもこれだけの省に関係をして予算が組まれています。
 その中でも、見て分かるように全体で百五十九億しかないんですが、そのうちの八十二億五千万、ほぼ半分以上が厚生労働省の予算になります。一番上の内閣府はもう九千万ちょっとしか持っていませんから、ほとんど会議費用とか事務レベルの予算しか持っていないということになります。
 そうなってくると、内閣府として何か主体的に取り組むということに関して言いますと、人、物、金、もっと言わせていただくとほかの省に対する権限というか力というのも非常にないと、結果として。この予算というのもほとんどが縦割り行政の中で各省庁が積み上げてきているものであって、もっと言わせていただくと、その決算だとか実績というのを、じゃ内閣官房とか内閣府できちんとチェックをして、予算編成の中に再編もひっくるめて、再配分もひっくるめて議論されているかと。ほとんどないと、それぞれが積み上がってきているだけだと、全然ないとは言いませんよ、というふうに思っています。
 その中で、ちょっと具体的にお伺いしたいのは、この厚生労働省の予算の中で一番大きいのが実は科学研究費補助金と言われるものです。これが過去どうなっているか、ちょっとデータを出してくれということで出してもらいました。平成十七年のときに、緊急決議という、まだ法案を作っていなかったときに超党派で参議院の厚生労働委員会で緊急決議を行ったんですね。ですから、それまで、十六年までは八千八百万でした。それが十七年に二億二千万、十八年が二億五千五百万、十九年が二億七千万、二十年が二億八千五百万というふうに、八千八百万に比べると自殺の問題が大きな話題になったところから予算ががんと上がっているんですね。
 じゃ、それがどういうような状況で行われているかということをちょっと聞きたいと思うんですが、後ほどちょっと触れますが、自殺予防総合対策センターで心理的剖検について、これがいつ始まって、これまで幾ら使って、これまでどういう調査をして、自殺対策にどのように生かされたか、済みません、簡潔にちょっとお答えいただけませんか。
#55
○政府参考人(福島靖正君) 自殺の心理学的剖検に関する研究につきましては、自殺総合対策大綱の重点施策である自殺の実態を明らかにするということに基づきまして、厚生労働科学研究費補助金、こころの健康科学研究事業によりまして、平成十九年度から三か年計画で実施をしているものでございます。
 この研究は、自殺された方の御遺族に面会調査を実施いたしまして、社会的要因を含む自殺の原因、背景、自殺に至る経緯、自殺直前の心理状態を様々な側面から把握をいたしまして、自殺予防のためにいつ、どのような支援を行うべきかを探るためのものでございます。これまでの研究費補助金につきましては、平成十九年度と二十年度の合計で八千六十万円を交付しております。
 現在、面接調査の実施過程にございまして最終的な成果はまだ取りまとめられておりませんが、本研究によりまして自殺に至る詳しい原因や経過が明らかになり、効果的な自殺対策の推進が可能になるとともに、自殺について国民の正しい理解が深まるものと期待をしております。
#56
○柳澤光美君 大体、心理的剖検というのは解剖の剖に検査の検と書くんですが、このポイントは、自殺で残された遺族の皆さんに聴き取り調査もしてどういうところに原因があるかという調査をすると。
 済みません、何名の方の調査を行いましたか、教えていただけますか。
#57
○政府参考人(福島靖正君) これにつきましては、症例としては二百の症例を集めるということでございますが、昨年度末ではまだ五十件にとどまっております。
#58
○柳澤光美君 幾つ。
#59
○政府参考人(福島靖正君) 五十件でございます。
#60
○柳澤光美君 実は十九年度、報告書が出たということで、私、この内容が全く無意味だと言っているつもりは全くないんです。一生懸命やってくださっているのも決して分からないわけではありません。ただ、半分以上はそのときの設問をどういうふうにやりましたとかという資料なんですよ。
 具体的にどうかと。これが実は民間のライフリンクの清水さんが中心に去年六月に出した自殺実態白書です。これは各議員のお部屋にも全部配らせていただいたんですが、これは、遺族の皆さん、三百五名、今その後も継続して四百名を超えました。
 そのことをすべてまとめることによって、内容を、これ説明している時間はちょっとないんですが、自殺のプロセスの分析まで全部行われたんですね。うつ病になるんだけれども、うつ病でなっているんじゃないと。うつ病になる前に、一つは、例えば失業をする、そうすると収入がなくなる、家庭の中がおかしくなる。一つは、借金に行って多重債務に行く、でも就職がなかなかできなくてうつ病に落ち込んでいく、そして自殺になる。あるいは、仕事場で配置転換になる、あるいは縮小をされて全く違う職場へ行く、そこの職場の人間関係がうまくいかなくて精神的におかしくなって、家庭の中もおかしくなって、うつ病になる。大体三つから四つぐらいの原因があってうつ病まで下りてくる。これは全部聴き取りの中で分かっているわけですね。
 しかも、私が、国家公安委員長が来られていますが、警察庁の方に自殺のデータを早く出してほしい、市町村別に出ないかと。これは所轄別にやっと去年三月に出させてもらった。
 たった三か月。それが地域別、要因別特性が全部、五百ページです。このお金は国から一銭の補助も行っていません。されている方は民間団体の方とそれから東京大学澤田教授を中心に研究室の学生の皆さんがボランティアで、法律家、あるいは先生方、そういう皆さんが全部集まってこれを作っているんですね。
 そうすると、もっとこういうふうに効果的にどう使うかと。もう一つだけ、私、ちょっとお伺いしておきたいんですが、自殺対策の戦略的研究というのが行われているというふうに聞いています。いつから始めてどこが行って、どのくらいの予算を掛けてどのような実績を上げているか、ちょっと説明していただけますか。
#61
○政府参考人(福島靖正君) 自殺対策のための戦略研究につきましては、厚生労働科学研究費補助金によりまして、平成十七年度から五年間の予定で自殺防止策の確立を目的として実施をしているものでございます。
 具体的には二つの研究を行っておりまして、一つは、全国の七つの地域で自治体への支援を行い、地域特性に応じて普及啓発、研修、うつ病対策等の複合的自殺予防介入プログラムを実施いたしましてその効果を検証する地域介入研究、それからもう一つが、二十一の救急医療機関にケースワーカーを配置いたしまして、搬送された自殺企図者の方に対して継続的な支援を行うことによる再発防止効果を検証する救急介入研究、この二つの研究を行っておりまして、いずれの研究も、その介入したケースと介入しないケース、その間で自殺の発生状況を比較することによりまして科学的な効果の検証を行おうとするものでございます。この研究には平成十七年度から二十年度の四年間で約八億三千万の研究費を交付しておりまして、二十一年度予算案には一億九千万円を計上しているところでございます。
 これはどこが行っているかということでございますが、先ほどの地域介入研究の方につきましては、慶応義塾大学の大野教授を研究リーダーとするチームで行っていただいております。また、もう一つの救急施設に係る研究については、横浜市立大学平安教授の下で研究を進めておるところでございます。
#62
○柳澤光美君 その成果はどういう形で発表されるんですか。どういうふうに生かされるんですか。
#63
○政府参考人(福島靖正君) これは、先ほど申し上げましたように、それぞれがどういう介入をすればどれだけの効果が上がるかという、その科学的根拠を明らかにするものでございまして、現在の時点ではまだそれぞれの地域、医療機関で取組が行われている段階でございまして、結果の集計は今後行われるということでございますが、この結果によりまして科学的根拠を持った自殺予防対策が明らかになり、将来的な自殺対策の推進に活用できるというふうに考えておるところでございます。
#64
○柳澤光美君 これだけ予算がない中で十億です。しかもまだ結果は出てきませんと。
 私は、その自殺の対策というのは、地震が来るから、どういう地域に地震が起きて、その研究をどうするかというレベルのときではなくて、これはリスクマネジメントですよね。もう自殺は目の前で毎年三万人以上。実は、この前の日曜日、また東京マラソンがありました。必ず自殺の説明するときにあの東京マラソンの映像を映します。三万人、男性も女性も年齢も違う人たち一人一人、全部個人です。三万人以上が走り切るのには道路いっぱいの人が二十分掛かります。それだけの方が毎年自殺に追い込まれている。これはもうクライシスマネジメント、早く言えば阪神・淡路大震災みたいに直下型の地震が起きているんだと、目の前で命を救ってあげなければいけないんだというときにこんな状況にある。
 あえて私は資料をもう一つ出させてもらいましたが、毎日新聞にこんな記事も出ました。これは決算委員会の方で、この費用だけでも四百億以上のお金が掛かっているということですから。決して私は全く効果がないと言っているんじゃないんです。ただ、あれもこれもではなくて、こういうときになったらあれかこれかって絞ってやっていく、あるいはそれがどう生かされているかということをきちんとチェックをしていく、私はその機能がむしろ内閣官房とか内閣府あるいは事務局の中になければ駄目だというふうに思っています。
 自殺対策推進室ができました。ちょっと推進室の方に聞きたいんですが、その辺のチェックを推進室としてされているのか、あるいは私が問題提起していることに対しての感想をちょっと聞かせていただけますか。
#65
○政府参考人(松田敏明君) 先生の御指摘でございます。
 推進室できて、これまで施策の総合調整ということで大綱を作り、昨年は加速化プランを作り、それでまた本年はまた緊急対策ということで各省なりあるいは地方に緊急要請を行ったりといったことをやっておる中で、先ほど話も出ましたところでございますけれども、決算等々につきまして白書等を通じまして国民に公表する、そういうところでございます。
 そういった中で、予算につきましては政策評価というような、点検、評価という形で有識者によります推進会議等の場でチェックといいますか報告をし、その評価を得ているということでございまして、今先生が言っておられます個別の研究の中身の、個別の評価までやっておるのかということにつきましては、ちょっと私どももそこまでは手が回っていないと、正直申し上げてそういうところでございますが、全般的な先ほど出ました百五十億ベースでの自殺対策関係予算、これが近年着実に充実をし、その中身についてもそれなりに有識者のチェックも経て充実を図っていると、そういうことにつきまして、そのプロセスを私どもきちっと見守っておるというところでございます。
 お答えになっているかどうか……。
#66
○柳澤光美君 昨日レクをしたときに、基本的にやっぱり野田大臣にお伺いしたいと言ったら、参考人で推進室が出てこないということでしたから、それでいいのかいという話をして今日出てもらいました。
 後ほど人員体制でもちょっとお伺いしたいんですが、推進室ができて、室長以下二人の幹部が来られて、一年で替わりました。ですから、松田室長はやっと今度一年たとうとしています。この人事というのはどこが行っているんですか。だれか分かる人います。聞かせていただけませんか。せっかく来て一年慣れて、もうすぐ、いわゆる出向で来ていて、入れ替わってしまう。
#67
○政府参考人(松田敏明君) 私自身につきましては、十八年に議員立法ができて、基本法ができまして、その法施行の準備に当たりますときにちょうど担当審議官でございまして、また今回、当時、準備室の次長ということでございましたが、再度室長ということで、人事的にもそういった経験を生かして二代の室長になっているというふうに承知をいたしております。
#68
○柳澤光美君 ごめんなさい、別に個人的に僕は意地悪するつもりなくて。後ほど、内閣官房あるいは内閣府の人員体制の在り方というのも、非常に出向者がいてくるくる動いていってしまう。その事務局の体制がきちんとしていて、しかも、そこに就いた人が、特にこれ自殺とかなんかの問題になったときは、興味があって情熱を持っている人がある程度計画的に持っていくパワーがないとなかなか進まないというのが実態だと思うんです。
 ちょっと話を変えます。
 昨年十二月の十八日に、急なお願いにもかかわらず野田大臣には貴重なお時間をいただいて、議員有志の会は超党派なんですが、尾辻先生に会長をしていただいておりまして、緊急要請をしました。そのときにもかなり、ちょっと長時間お時間をいただいて、いろんな大臣の苦しみというかお話も率直に聞かせていただいたんですが、ただそのおかげで、一つだけ先にお礼を言っておかなきゃいけません。この裏にある五つの緊急要請を出したんですが、一番私たちが強く要請したのが一番目の、実態を緊急公表してほしいというお願いをしまして、その後、野田大臣の方で大変な御努力をされると同時に、佐藤国家公安委員長の方からも御協力いただいて、この一月の実態をできるだけ早く翌月に出す努力をするということで、三月の五日に一月の実態が出てきました。
 これが、問題は去年の一月の警察データがないものですから、一年たって翌年の六月しか出してこない、その比較の数字が取れないんですよ。ですから、厚生労働省の人口動態の比較をしてみると、恐らく百七十名ぐらい昨年に比べて増えている。これは、ですから九八年の三月ショックみたいに何千人もばんと増えるというところまで行っていない。それでも増えているわけですから心は痛めているんですが、大きな状況にはなっていないということで、今そんな判断をちょっとさせてもらっているんですが、むしろ問題は、この二月、三月がどうなるかということを一番懸念をしています。
 ですから、ここで再度お願いをしておきたいんですが、できるだけ早く二月分も三月分も出していただきたいということをお願いをしておきたいと思います。一応、分かりましたということで力強い御返事いただけますか。
#69
○国務大臣(佐藤勉君) 積極的に努力をさせていただいて、なるべく早く公表できるように努力をしていきたいと思います。
#70
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 その中で、実は、野田大臣がお話しになるんだけれども、私も調べてみたらびっくりしたんですが、自殺の担当もしていただいているんですが、すごいたくさん担当されているんですよね。特命大臣といっても、これだけのものをこなすというのは超人的でなければ私できないんじゃないかなという、率直に感じるぐらいです。しかも、そのときにもお話しさせていただいて、やはり予算も持ってないし、スタッフも手足でいるわけじゃないし、結局お金もスタッフも全部関係省庁のところにあって、そこに対してどうやっていくかというのは非常に苦しまれているというお話もお伺いしました。
 ただ、私は、是非そのことを、使わなければ、いわゆる予算も自分で持っていなくても、できれば確保してほしいんですが、強い要請、そうはいってもこの財政状況ですからそうはいかない。とすれば、それをどう有効に使うか、あるいはどう再配分できるかという辺りのところには取り組んでいただきたいと思いますし、是非お願いは、その内閣府の推進室のところで各省庁が行っている政策がどう実行されて、そこにどう予算が使われて、トータルで見たらどうなっているかというのはむしろきちんと内閣府ですべきだと。そこからでなければスタートをしないというふうに私は思っておりますが、大臣、いかがでしょう。
#71
○国務大臣(野田聖子君) 優しいお言葉を掛けていただき、大変ありがとうございます。
 私、ちょうど十年ぐらい前に郵政大臣を自見先生の後にさせていただきましたけれども、やはりそのときは予算もあり人もありということで、今内閣府の大臣をやっていて、本当に大変厳しい状況で、役所の皆さんも本当に頑張ってくれているなという思いがあります。さっきどれだけ情熱を持っているかというお話がありましたけれども、私、先生らに触発されて、ずっとここのところ国会の合間を縫って自殺対策関連の視察をいろんなところに行かせていただいていますけれども、わずかな人数ですけれども、激務をいとわずずっと私の同行をしていただき、共に共鳴してくれている頼りがいのある仲間たちですので、少人数でありますけれども、一生懸命取り組んでいくので、是非とも今後とも激励をいただきたいと思います。
 また、予算の使い道についてですけど、現在は、大綱に基づいて法律ができまして、その後、御指摘の大綱に基づいて各省がそれぞれの分野に応じてやっていただいているわけですけれども。実際に私が直接にそれを監視しているわけではないんですが、大綱の下にできた自殺対策推進会議の有識者の、先ほどお話があったような方たちの有識者の会議の方では予算の裏付けがなされたそれぞれの各省の施策についての評価をしていただいておりますし、これでいまいちだなというところはその会議の中で見直しをしていただいているということなので、それをますます強化していただいて、私たちもコミットしていかなければならないと思います。
 私が担当している一つに科学技術政策というのがありますけれども、そこでも総合科学技術会議というのがございまして、そこでは、そこもよくばらまきだと批判されるんですけれども、結果としてそこで、評価をするんですね、S、A、B、Cと、これはもう最重要だ、次はAランクだ、Bランクだ、Cはやらなくていいみたいな。それが必ずしも一〇〇%機能しているとも言い難いけれども、それに近いような形でやっぱり今後自殺対策の方もできるように、総合調整の旗振り役として頑張っていきたいなと思っております。
 ありがとうございました。
#72
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 正直言いまして、野田大臣の前が岸田さんが大臣をされていまして、国家委員長は泉さんがされて、その後、野田大臣それから佐藤国家公安委員長と、自殺に理解のある大臣が続いたから私はここまで来れたのかなというふうに率直に思っておりまして、これをどうまたつなげていくか、是非この後ももう一歩踏み込んでお願いしたいと。
 これは、自殺は、百五十九億といえば大きいお金ですが、内閣官房とかあるいは内閣府に置かれている政策課題というのは非常に大きなお金の、横断型の、各府省を横断する取組になっています。
 私、決算委員会でも指摘をしたんですが、内閣官房と内閣府のすべての、いわゆる各府省に横断的に取り組んでいる経費の執行状況というのは、予算書でも決算書でも見えないんですね。決算、これから予算というときに、こういう形で各省横断をしてくるというのは、むしろそこで横のくぎ刺しで一回全部チェックをしてみるという機能を私は持たせなければ駄目だというふうに思っています。
 決算委員会の中で、実は平成十六年度の決算審査措置要求決議の中でその要請をしました。その結果、少子化社会対策関係費予算というのは十九年の六月に出していただきました。白書にも載りました。ただ、男女共同参画推進関係というのはそこまで行きませんでしたが、秋の白書の中に一部、それに伴ってどういう省庁でどういうお金が使われたかというのは出たんですが。
 私、ここで官房長官にお願いしたいと思うんですけれども、特に内閣官房とか内閣府でいわゆる府省横断型にやっている大きな政策課題という、例えば防災だとか科学技術だとか青少年だとか高齢化社会、障害者、食育だとか、たくさんあります。それを横にきちんと決算と予算が見えるような形にして、そのことをむしろ内閣官房なり内閣府の事務局がきちんとすると、そのことがもう一歩ステップを踏む、あるいは官房とか内閣府の大きな仕事の部分でもあるんではないかなと。それを是非公表する努力を、もう予算はあれですけれども、決算のところではしていただきたいなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(河村建夫君) 内閣府あるいは内閣官房で行っております企画調整、またあらゆる政策の調整、実施等ございます。そういうものが国民に見やすい形できちっと伝わっていく、これは非常に大事なことだと思います。また、高額な予算も使っているわけです。
 したがって、今おっしゃるように、この予算の段階では、それからその使用実績、こういうものについてはやっぱり明らかにする必要があるということで、実は内閣府においては、平成十八年度以降の決算額についても取りまとめて、これはホームページあるいは白書の形で公表はいたしております。例えば防災についても、平成十九年度の決算額から白書とそれから内閣府のホームページに公表することとしております。その他、科学技術も、これも大きなお金になっております。これもまた国民に分かりやすい形で情報提供が、必要がございますので、これについてはまだ今御指摘のような点が不十分だと思っておりますので、これは早急にやりたいと、こう思っております。
 今の御指摘を踏まえて国民の前に明らかにしていくことは非常に大事でございまして、すべての点について、決算額についても公表すると、こういう方向で今進めておるところでございます。
#74
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 むしろそこが中心となって、会議の中でそれぞれ真剣な議論が、本部であれば、総理大臣以下閣僚が集まったらお互いに言い合うぐらいの議論が私は絶対必要だろうと。
 特にこういう時代ですから、私は労働組合上がりですけれども、今回の賃上げもみんな苦しんでいます。組合が今一番議論しているのは、一%、二%上げれるのが一番理想なんですが、一%しか上げれない中でどこに一番上げるんだという配分が一番大きな議論になるんですね。
 私は、国の財政にしてもそのことがとても大事で、どんな少ない予算の中でも一番効率で、いわゆる効果が出るところに人、物、金を持っていく、それを調整するために官房なり内閣府に本部があるんだと、あるいは事務局がいるんだというふうに是非お願いをしておきたいと思います。
 もう一つは、一回これができてしまうと、どこまでこれずっと残っていくんだろうというふうに思っていることがあります。一回できると、組織というのはなかなか壊れない。
 実は、自殺の問題でいいますと、平成十七年に法案ではなくて緊急決議を参議院の厚生労働委員会としてやりました。その緊急決議で、受皿がないもんですから、国立精神センターの中に自殺予防総合対策センターというのをつくって一応形をつくったんです、そこが受皿になって調整をしなければいけないと。しかし、きちんと基本法ができて対策推進室ができたわけですから、このセンターを私はなくした方がいいと思っているんです。でも、ちゃんと生き残っているんですね。ないよりあった方がいいと言うかもしれませんが、だからそこに研究費用が行ったり、調整役に推進室が中心でやるんではなくて、もう一個形で残っている自殺予防総合対策センターという組織があれば、こういうふうにしますとか人員をやったりと。
 できるだけこういうのを統廃合を私はしていくべきだというふうに思っておりまして、これ野田大臣にお伺いして、どうか一度その辺チェックしてみていただけませんか。
#75
○国務大臣(野田聖子君) 御指摘の自殺予防総合対策センター、厚生労働省やっておみえになるんですけれども、今のところ内閣府の推進室とは定期的に連携を取り合っておりまして、厚生労働省ならではの精神科医療、またメンタルヘルスみたいなことの拠点の場として今ワークしているということを承知しています。
 今後、まさに私も実際出かけさせていただきましてしっかり調べさせていただいて、検討させていただきたいと思います。
#76
○柳澤光美君 何でこんなことを言うかといいますと、組織があって人が付くと、何もしないということはないんですね。それぞれが動きを始めちゃうんです。そうではなくて、もっと単純にしておいた方が私はいいというふうに思っています。なまじ自殺予防総合対策センターというセンターになって、センター長がいて看板も掛けて、そうではなくて、もう推進室が中心に内閣府が全体のところを調整するんだというふうに、だったら名称変えてもらった方がいいなというふうに、対策センターではなくてということも踏まえて。
 何でこんなことを言うかというと、例えば内閣官房でいえば、十九年の十月に閣議決定で、都市再生本部と構造改革特別区推進本部と地域再生本部、そして中心市街地活性化本部、これ全部法案があって本部ができているわけですね。でも、集まっているメンバーは総理を中心に全閣僚だから、これを、いわゆる事務局を一本化しようということで地域活性化統合事務局というのができて、会議を一つでやるというふうに動きました。実際どういうふうになっているかというと、活性化本部は五回その後会議が行われて、構造改革特区の方は五回、地域再生は四回、しかし都市再生本部と中心市街地活性化本部というのは一回も会議も開かれていない、そのテーマでは。
 というので、私は、こういうのも本当は地域活性化統合本部というのをきちんと明確にして、それ以外のは必要であればその下で議論をすればいいわけで、ただ、お伺いしたらやっぱり法案を作り直さなきゃいけないから面倒くさいというか大変だというお話があるんですが、こういう屋上屋を重ねて訳が分からなくならないように、やっぱり私は、法案を変えてでも本当はこういうのを整理していかないと、毎年毎年、本部なり事務局が積み上がっていくんではないかなというふうに率直に感じているので、官房長官、いかがでしょう。
#77
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の点も、これからのこうした本部の在り方の一つの示唆だと思います。
 私も、本日、柳澤先生からこういうことの指摘があるということでレクを受けました。もう事務局は一体化になって、一つのところになっているんだったら、これは一緒にしたらいいと。本部長はそれぞれ皆、総理大臣が本部長になっているんだそうで、これ一つにして、あとは必要なものであれば各委員会なりにして、そこで機動的にやればいいじゃないかという指摘をいたしました。
 これ、今御指摘のように、法律がそれぞれ法律により立っておりますから、この改正も含む。それから、これはかなり、これを今即一つの法律にするというのは非常に法律的に複雑になるのでという回答でございましたから、これも含めてやっぱり今後検討する必要がある。統廃合すべきものは統廃合して、不断にそういう見直しをやっぱり絶えずやっていかなきゃいけないんではないかと、こういう指摘を今いたしたところでございまして、今の御指摘も踏まえながら検討していかなきゃいかぬ課題だと、このように考えておるところでございます。
#78
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 その辺の整理をしておかないと、ますます毎年毎年、訳が分からなくなってしまうと言ったら大変失礼ですが、屋上屋が重なっていって見えなくなっていってしまう。私は当選してまだ四年半ですけれども、毎年こうやって法案ができてそれがずっと生き残っている。本来、法案というのは、五年とか三年とか期限を切って時限立法にしておいてそこになったら自然消滅すると、本当に必要ならもう一回そこで作るというぐらいの仕組みが、特に内閣官房とか内閣府辺りのところは基本法を中心に集まってきますから、私はそんなことも検討すべきじゃないかと、これは私の思いだけちょっと述べておきます。
 それからもう一つ、そこに集められている人員体制の問題です。
 内閣官房は、先ほどの資料の一ページと二ページに内閣府と内閣官房ありますが、これは定員であって、内閣官房でいえば、トータルでは千八百二十五人、現在、定員が七百十六名で、これは全部出向で来ていると。内閣官房はもうほとんど全部出向です、プロパーはほとんどいないと。ただ、このほかに他省庁の併任者、ほかのをしながら働いているという方が千百九人もいると、しかもそのうち常駐が六百七十五人いる。二千人近くの人がいるわけですね。
 これは他省庁の人件費だから内閣官房では掛からないとかというふうになりますけれども、トータルの人員を見ていくときに、こういう内閣官房ができた、そうしたらそこに定員が七百名増える、各省庁からも千名以上が来る。トータルでは私は人員が増えちゃっていると思っているんです。もっと問題なのは、そこに来て帰っていっちゃうわけでしょう。さっきの推進室も一緒です。本当に、寄せ集めの皆さんがいっときだけ腰掛けみたいにやっているようなテーマなんだろうかと。
 さっきの四本部を統合したら今百人いるそうですけれども、これだって本部を統合したらやっぱり減るんじゃないかなと、スリム化がもっとできるんじゃないかなと。そうしないと、ここは人の問題も含めて膨らむだけ膨らんでいってしまうおそれがあると。内閣官房と内閣府はその懸念があります。その辺も是非官房長官の方でチェックしていただきたいと思いますが、決意をちょっといただけませんか。
#79
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の点でございます。ふだんからそういう視点を持って組織というのは動かしていかなきゃいかぬと思っております。もちろん非常に重要な政策課題がございまして、それに対して迅速かつ柔軟に取り組んでいかなきゃならぬということもあります。そういうことで、必要最小限の人員でやらなきゃいかぬ、だからその人員がむやみに膨大化していくということも許されない状況下にございます。
 特に、個別の課題について専門性を有する人たちを集める必要もあるわけでございます。そういう意味で、やっぱり併任制を取ったりとか、その辺いろいろやりくりは苦労しておるわけでございますが、ともかく少数のスタッフで組織をつくり機動的な組織運営をやると、これが基本だろうと考えております。
 そういう意味で、必要不可欠な人員は確保いたしますし、また関連する個別政策、専門性を有する、そういう形で企画立案、総合調整をやっていかなきゃならぬと、こう思っておりますが、ふだんから御指摘のような視点を踏まえながら、全体を見ながら組織の在り方を考えていく、これは我々は絶えず所管をする者として考えるべき課題だと、このように心に留めさせていただきます。
#80
○柳澤光美君 私は官僚の皆さんを否定するつもりないし、一人一人の皆さんは大変優秀でまじめに一生懸命されているというのは十分理解はしておりますが、官僚機構というのは、組織ができ上がってしまうと、その組織が動いて、これは人間のさがですから、それのために動いてしまう。こういう基本法とか法案ができて内閣官房に本部ができる、あるいは内閣府に事務局ができる。そうすると、各省庁はそこから、いかに予算を取るか、そしてどれだけの人をそこにはめ込めるかということを中心に動いてしまう。これはその組織が抱えているどうにもならない部分だと思うんです。
 とすれば、それをどう切っていくかというのを、特に内閣官房とか内閣府の方で徹底的なメスを入れていかないと自然増殖をしていってしまうということを私は一番懸念をしています。もちろん公務員制度改革を踏まえた上で抜本的な改革、あるいは一番いいのは、大変失礼な言い方ですが、政権交代して一回全部組み替えてみるというのも私は一つの方法だろうというふうにも率直に感じているところはあるんですが、その辺が内閣官房、内閣府が抱えている、気を付けないと膨脹だけをしてしまうというところだというふうに思いますので、是非その辺を心して対応していただきたいというふうに思います。
 なぜかといいますと、もう一つ、例えば地域活性化統合事務局というのができたときに、これは、むしろ地方にきちんとそのことが分かっている、四本部のことを理解している窓口と人をやらなきゃ駄目だということで、全国の八地域に地方連絡室というのができているんですね。これに対しては、全国知事会長の麻生福岡県知事が、地域のことは地域の責任でもってやると、国が本来のことをやればいいんで、こんなことは必要ないという批判もされているんですが、必ずそういうふうに、統合して、そうすると今度は地方にまで組織と人が広がっていってしまうという現象が次々に起きてくる、とすれば、本当にそのことをチェックする機能を持っている、そのための会議をきちんとするということも併せてお願いをしておきたいなというふうに思います。
 何か御決意がいただければ。
#81
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘の点、十分踏まえて対応したいと思いますが、組織がアメーバのようにどんどんどんどん膨脹していくということは避けなきゃなりません。しかし、地域再生ということになりますと、やはり、都市再生もそうでありますが、中央官庁だけで企画だけ立ててそれでいいというわけにいきません。やっぱり地方の意見をしっかり聞くような仕組みはどうしてもつくっていかなきゃいかぬ。それはやっぱり地方の知事会なり市長会なり、そういうことの意見を十分踏まえた形で連携をしっかり取ってやっていくということも大事だろうと、こう思いますので、中央からどんどんと手が伸びていくという在り方はやっぱり避けなきゃいかぬ、このように思います。
#82
○柳澤光美君 時間がだんだんなくなってきてしまいました。
 もう一つ、政策会議の問題がここのところマスコミで大変話題になっておりまして、昨年、麻生総理も河村官房長官に、整理するものは整理しろという御指示が出たというふうに聞いておりますが、官邸に設けられている政策会議、聞きましたら、有識者会議もひっくるめて七十あると。これが、じゃ来年度予算の中でその政策会議としてどういう形で予算を組まれているのか、どのくらいになるのかというのをちょっと聞かせていただけませんか。
#83
○政府参考人(井内正敏君) お答えします。
 会議によって実情が様々でありますので一律に取りまとめることには困難が伴っておりますが、御要望があれば可能な範囲で取りまとめるという対応をさせていただきたいと考えております。
#84
○柳澤光美君 という意味で、実は見えていないんですよね。
 一番話題になったのは、安倍内閣のときに平成十九年の四月に設置した「美しい国づくり」企画会議というのがありまして、これは会合を二回やってアンケートをやっただけで四千九百万掛かっているんですね。
 ですから、会議のための会議みたいなのが、これも増殖をしてしまう。ただ、きちんとくぎ刺しをして、どういう会議が、もちろんお金が掛からない会議もたくさんありますよね。本部だったら総理以下閣僚が集まるといったら人件費も要りません。
 しかし、有識者会議、この辺は私の方もまた決算委員会に向けて少しいろいろまたお伺いさせていただいて、実態をこの後出していただいて精査もちょっとさせていただきたいというふうに思いますので、是非よろしくお願いしますね。
 もう時間がないんでこれ以上触れませんが、そういう問題が内閣官房あるいは内閣府が平成十三年にできてから、いつの間にかそういう問題が次々と広がってきている、もう一回この辺を本当に見直さなければいけないときに来ているだろうというふうに思っています。
 時間がないんで、警察庁にも今日は、済みませんね、国家公安委員長、松井さんのときも私のときもずっと最後まで座っていただいた上に時間がなくなりますというお話になってしまってあれなんですが、私は、実は内閣の調査室がこの三月に警察の資料を詳しくまとめていただいて、その中を見ながら、本当は感謝の言葉も述べたいぐらいで、事件関係も平成十四年がピークだったのが、そういう意味では急激に改善が進んでいる。特に、私も安全と安心の問題で、空き交番の問題で、どんなに人員削減する中でも警察の人員というのはある一定確保しなければいけないし、特に数だけではなくて質の問題で、ちょうど私たち団塊の世代のベテランが辞めていく、その質をどうつなげるか、あるいはそういうOBの皆さんを本当にもっと有効にどう使うかという中で取り組んでこられて、その成果が着実に出ているんだろうというふうに思っております。是非その辺の話を少し話してもらおうかと思ったんですが、私が聞きたいのは違うところにある。
 でも、国家公安委員長から少しその辺の思いを是非一言述べていただこうと思います。
#85
○国務大臣(佐藤勉君) 先生おっしゃられましたとおり、警察の改革後、積極的に意識改革をする等々、もちろん先生方のおかげで警察官の増員等々も図られまして、そういうことにつながっていったのかなというふうに理解をしております。
 次年度の予算等々も、また増員等々九百五十九名という大きな地方の警察官の増員等々も含めて要望しているところでもございまして、御趣旨に沿うようにこれからも警察を督励していきたいというふうに思っております。
#86
○柳澤光美君 その中で一つ要望がございまして、実は警察が扱った死因不明の異状死体の件数というのが急激に伸びています。平成二十年には十六万一千八百三十八体と言われています。これは、一つは自殺の問題もあります。それから、高齢者の孤独死の問題もあります。これはもう毎年毎年増えてきている。十年前の今一・五倍になっている。
 ところが、一方で司法解剖とか行政解剖を執刀する解剖医というのは、十九年の十二月時点で百三十二人しかいない。年間どうやっても一万五千体が限界。だから、十分の一もできない。しかも、今後解剖医のなり手がますますいなくなる。小児科医、産科医に比べもっと、本当に開業医になることも難しいという中で、実は解剖率は今もう一〇パーを切って九%台をうろうろしているんですが、アメリカでは五〇%、イギリスが六〇パー、実は自殺対策を国を挙げて取り組んだフィンランドは一〇〇%なんですよ。そういうことも踏まえて、フィンランドは三割以上の自殺者が減るという対策を取られているんですが。
 この辺、是非警察として対応していただきたいし、あるいはもっと地方に死因究明医療センターというのもつくるべきだというふうに私も思っておりますし、これは日本法医学会からも強い要請が出ているというふうに思いますが、警察の方で今どんな考えで取り組まれているか、ちょっとお話聞かせていただけますか。
#87
○政府参考人(米田壯君) 委員のおっしゃるとおりの今問題状況でございまして、そして警察は、異状死体といいますか不自然死体をまず最初にすべて扱います。その扱っている時点では、権限上これを解剖するという権限はございませんので、外から見るいわゆる検視を行います。したがって、まずその検視の精度といいますか、能力が高くないと見過ごすというのが、現行制度上はそうでございます。
 そこから犯罪の疑いありということになりますと、いわゆる司法解剖ということになってくるわけでございますが、御指摘のとおり解剖医の先生方の数がなかなか増えないと。それは、なり手がいないというお話もありますし、ポストがないのでなかなか、また結局はなり手がなくなってしまうというようなお話も解剖医の先生方からお聞きしますけれども、そういう状況にあります。
 したがいまして、これは警察として努力すべき点、すなわち検視の能力を高める、体制を強化するという点については、着々と今体制を強化して来年度の予算におきましても増員もお願いをしているところでありますけれども、それだけでは問題は解決しないということで、現在内閣官房の方で警察、法務省、文科省、厚生労働省など関係省庁が集まっていろんな検討会をしておりますし、また法医学会からは先ほどお触れになりました提言もございます。是非、様々な議論が起こる中でより良い方向に向けて物事が進めばよいなと思っておりますし、私どもも努力してまいりたいと考えております。
#88
○柳澤光美君 済みません。確かに警察庁の問題を超えていまして、官房長官、医療改革の中で、産科医とか小児科医の問題もあるんですが、この解剖医の問題というのもこれは国として対応しなければ駄目な問題だというふうに思っていますし、その辺、お考えをちょっとお聞かせいただけますか。
#89
○国務大臣(河村建夫君) このことは一つの大きな課題になっているということ、私も承知いたしております。今、一義的には法務省がこの対策について検討もしているようでございますが、やっぱり全体として医療の中で解剖医をどういうふうにつくっていくかということも大事なことでありますから、一体として考えてまいりたいと、このように思います。
#90
○柳澤光美君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 今、警察庁の方からお答えいただいたように、むしろ今力を入れていただいているのは検視の問題ですよね。実は、現在、異状死体の九割というのは専門知識の不十分な警察官とか、立会いのお医者さんもほとんど経験がない方が、見るだけでもう判断をする。それが解剖に回るとかというルールもない中で十六万体を超える処理がされていってしまう。
 二十年は一四・一%で十九年の一一・九%から少し良くなっているんですが、十年前は一五・七%臨場率というのがあったんですが、逆に悪くなっているんですね。そうすると、本当に検視官というのをどう養成して増やしていくかと。お話を聞いたら、今予算の方も要請されているというふうに聞いていますけど、その辺のところを少しお話しいただけますか。
#91
○国務大臣(佐藤勉君) 御指摘のように、検視官の数というのは非常に少のうございます。先ほど先生に申し上げましたように、九百五十九名のお願いをしている中、今回初めて百八十二名について検視官という形で採用をすると。急に採用できませんから、各県警でその検視に当たる人材を発掘をするというやり方を初めてさせていただくという方向で予算付けをさせていただいているところでもございます。
#92
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 本当に今の情勢というのは、昔は日本もこんな事件たくさんなかったよなというふうに思っているんですが、自殺も含めて、それから高齢者が増える中で死因がなかなか分からない、死の尊厳ということも含めて、本当にきちんと一人一人の命というのを対応をしていくということが今一番求められているというふうに思っております。
 ということで、この後も、私はいろいろあっても内閣官房、内閣府の責任あるいは力というのは大きいというふうに思っていますし、警察庁にもまた頑張っていただきたいということをお願いをしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#93
○委員長(愛知治郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#94
○委員長(愛知治郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十一年度総予算の委嘱審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#95
○中川義雄君 今日は、大きく分けて二点について内閣府の考え方をただしたいと思っています。第一点は道州制について若干質問させていただきたいと同時に、もう一つは科学技術の振興について、いろんな問題があると思いますのでただしたいと思っています。
 まず、道州制についてでありますが、道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律、この制定がなされましたが、この経過について、まずこの法律の基本理念について、今日は総務大臣が他の委員会に出ていますので、宮澤副大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#96
○副大臣(宮澤洋一君) 副大臣で恐縮でございますけれども、お答えさせていただきます。
 この法律は、将来の道州制導入の検討に資するため、特定広域団体の区域を道州制特別区域として設定し、当該区域において広域行政を推進することにより、地方分権の推進や行政の効率化、北海道地方その他の各地方の自立的発展に寄与しようとするものであります。
 基本理念につきましては法律の三条に規定しておりまして、広域に分散して存在する産業、福祉、文化等の有する機能及び経済活動、社会活動その他の活動に利用される資源を有効かつ適切に組み合わせて一体的に活用すること。二つ目が、地域の特性に配慮しつつ、地域における住民の福祉の向上並びに経済及び社会の発展に寄与すること。三つ目が、国と特定広域団体との適切な役割分担及び密接な連携の下に特定広域団体の自主性及び自立性が十分に発揮されることということでございます。
#97
○中川義雄君 確かに、今言われたことが目的だと思います。また、それがこの法が制定された経緯の本質だと思っておりますが、ただ、まだ道州制という制度がこの国では取り上げられていませんので、この法律においては道州制という話は全然、特区の話は出ていますが、入っていないわけです。しかし、法律案の提案理由の中では今言われたようなことがしっかり書かれておりますから、あくまでも道州制の、何というんですか、先にこの問題をやることによって将来の道州制の制度がスムーズにいくことが最大のねらいだと、こう思っております。
 この法律の中で、基本的な方針を定めなければならないとしていますが、その結果は今大体副大臣が説明されたことに尽きると思いますから、そのことはちょっと一つ飛ばしまして、同法による特定広域団体、今のところ北海道だけになっておりますが、広域行政の推進に関して内閣総理大臣に対し、その基本方針の変更について提案することができるとなっております。これまでにどのような提案がなされたのか、政府参考人の説明をいただきたいと思います。
#98
○政府参考人(滝本純生君) お尋ねでございます、お答え申し上げます。
 まず、北海道の方からは、平成十九年十二月に最初の提案がなされております。そこでは、水道法やいわゆるJAS法に基づきます監督権限の移譲など五項目の提案がございまして、昨年、平成二十年三月に基本方針の変更を行いまして、四項目について措置したところでございます。
 それからまた、平成二十年四月の第二次提案におきましては、廃棄物処理法に基づく権限の移譲や特定免税店制度の創設など、環境あるいは観光、地方自治に関する十項目の提案がなされております。
 それからまた、十月には第三次提案が行われておりまして、道道の管理権限の町村への移譲、あるいは福祉運送サービスに係る規制緩和など五項目の提案がなされているところでございます。
#99
○中川義雄君 そこで、今も説明がありましたが、平成二十年に北海道知事から、観光地として魅力を高めるために、道内の空港において携帯輸入品について関税を免税するよう新たな立法措置を求めてきているわけでありますが、その結果はどうなったのか、お知らせいただきたいと思います。
#100
○政府参考人(滝本純生君) お答え申し上げます。
 まず、道州制特区制度と申しますのは、将来の道州制導入の検討に資するためのものでございます。この制度で講ずる措置といいますのは、ほかの特定広域団体あるいは将来のすべての道州に適用し得るということが前提となっております。したがいまして、昨年四月に北海道から提出されました特定免税店制度の創設に係る提案内容をこの道州制特区制度として措置することはなかなか難しいものであると考えているところでございます。
 このために、別途、提案の趣旨を実現するための別の手法を取り得ないか検討をいたしまして、北海道の地域振興、あるいは北海道の観光振興を図る観点から、北海道の固有の制度としてこの特定免税制度の創設につきまして国交省それから内閣府において関税制度の改正要望を行ったわけでございますが、実現には至らなかったものでございます。
#101
○中川義雄君 そこで、関税制度を担当している財務省の担当者に対して、これを財務省としてはやはり否定した結果がこうなったと思うんですが、財務省の見解をお伺いしたいと思います。
#102
○政府参考人(原雅彦君) 御案内のとおり、関税は我が国全体として必要な国内産業を保護するために課される国境措置でございまして、全国的にあまねく一律的に関税を課することによってその本来の保護機能を発揮しているものでございます。
 この御提案のございました特定免税店制度といいますものは、全国的な関税制の中に空けられるいわゆる穴ということになりますので、その制度を拡大していくということは、関税の国内産業の保護機能、これを空洞化させ、関税により保護されている国内産業に大きな影響を与えるおそれがあるということから、その実現は極めて困難であるというふうに考えているところでございます。
#103
○中川義雄君 今この国内にはない関税制度で穴を空けると言ったが、それはそうなんですか。これは全国的に全然ないんですか。
#104
○政府参考人(原雅彦君) 御提案のありました特定免税店制度に類似するものといたしましては、沖縄にいわゆる沖縄型の特定免税店制度というものがございます。ただし、これにつきましては、復帰前の沖縄、これが我が国の施政権の外にございまして、関税法上も外国扱いとされていた特別の地位を復帰後も継続させると、このために観光戻税制度、戻し税制度を導入した経緯を踏まえたものでございます。
 さらに、沖縄につきましては、さきの大戦で国内最大の地上戦を経験し、苛烈な戦禍を被ったことや、その後の二十六年余りにわたり我が国の施政権の外にあったこと、また我が国における米軍施設・区域の約七五%が沖縄に集中していることといった沖縄県の歴史等、その特殊事情も考慮したものでございます。
#105
○中川義雄君 沖縄の特殊性を維持するというか、やっぱり一時米国の施政権下にあった沖縄のいろいろな問題から考えたとき、これをつくったということは私は非常に立派なことだったと思いますし、高く評価しているんです。
 ただ、これはやっぱり国内法で制定されているんであって、もし北海道でやったとしたら風穴を空けるというような言い方は間違いではないのか。これは何も日本の保護体制の中でしっかりつくられている、特に沖縄振興の法の中にしっかりこれはあるわけですから、もし北海道の特区の中で取り上げたとしても、風穴を空けるなどという言い方をされるのは私は心外でありまして、この風穴はもう既に空いているわけですから、そういった何か我々北海道が風穴を空けて悪いことをするようないわれを受けるような、関税当局の皆さん方からそういういわれを受けるようなものでないということだけははっきりさせておきたいと思っています。
 私は、この問題について本当にいろんな思いがあるんです。ちょうど昭和四十七年の年に復帰がなされたわけでありますが、ちょうど四十六年の年から第三期北海道総合開発計画というのを策定準備中だったわけです。私はそのときの経済政策の担当者として、北海道における苫小牧東部の大開発だとか千歳空港の国際化といった問題がその中で大きく取り上げられておりまして、その地域に一定の機能を持たせなければならないということで研究していたわけです。
 そういったときに、我々は北方圏構想というものを作り上げました。というのは、当時、北海道からヨーロッパを見たとき、北欧の地域が非常に高い既に水準になっていた。所得水準からいっても福祉水準からいっても、それから犯罪が非常に少ないといった意味で、北欧の水準というもの、ヨーロッパへ行けば、北へ行けば行くほど、そういった意味でも、所得水準から、いろんな点で我々の目標になっている。ところが、この国を見ると、東京を中心にして外れていけば外れていくほど停滞しているような構造になっている。そこで、北海道の将来を考えたとき北欧型の発想というものがあっていいのではないかということで北方圏構想というものを作ったわけです。
 その当時、私はデンマークのコペンハーゲンに行っていろんな勉強をさせていただきました。当時、コペンハーゲンにはベラセンターというすばらしい施設があったんです。これは北欧四国に、協力し合って、デンマークはその中で商業的な特性を持たせようと。スウェーデンはどちらかというと重工業やそういったものを中心としたような特性を持たせようと。フィンランドは森林だとかそういったものに特性を持って、家具だとか何かで特性を持たそうと。そして、ノルウェーは周辺が非常にすばらしい海に囲まれているものですから、石油と、それから漁業、水産物を中心にした開発をしようと。そういうことで、その商業行為の中心にあったデンマーク、ベラセンターというのは一種の保税制度を利用したセンターだったんです。
 そこへ行きますと北欧四国のいろんな特産物が展示されております。これは保税展示でありまして、関税が掛けられないで展示されています。そして、その中にすばらしいレストランがある、それから会議場がある。会議場は商談をするための会議場であります。そして、デンマーク人は自由に入れないんです、これは。なぜ自由に入れないかと当時疑問を持って聞いたら、デンマーク人が入ると、非常に安いものが展示されていて、なぜこんなに安いものが国内では高くなるのかというそういう不満が出るから、デンマーク人にはなるべく専門家、要するに商取引に関係する人たちを中心にしか入れないと。しかし、外国人だったらパスポートさえ見せればだれでも自由に入れるということで、私も興味を持って見に行ったんです。
 そのとき非常に面白い話を聞いたのは、すばらしいレストランがあるんです。さっきも言ったように、ノルウェーだとか何かはすばらしい漁業資源に恵まれている。デンマークは御承知のように乳製品その他ですばらしいものを作っている。そういったもので、その中にあるレストランは保税展示場になっていて試食が許されるんだと。ここはあくまでも試食だから、関税が掛けられないで、この中で食べたものは安く食べられるんですよという宣伝があった、面白い宣伝であります。しかし、保税制度ですから、そこで物を買ったり何かをしたりしたら、それがデンマークの国へ入るときはそこで関税が掛かるはずなんです。そのときの説明では、食料品というものは食べてしまったら物から肉体に変わっちゃうんだと、だからそれには税金を掛けなくてもいいということで、どうぞ自由に食べてくださいというそういう話を受けて、非常に興味を持って帰ってきたんです。
 例えば、そういう制度を北海道の千歳空港辺りにつくって、それが保税展示場として地域指定を受けて、その中で観光のためのレストランその他が、関税が掛からないで、それで作られたものを提供できたら面白いなと、これ面白い程度で帰ってきたんです。
 帰ってきて、そのことを当時の関税局の企画課の担当者に、こういうことを北海道でできないのかということを私はお話をしたときに、そのときの責任者が非常に目を輝かせて、それは面白いと。なぜ面白いかというと、ちょうどそのころ、沖縄の返還になったとき、沖縄は御承知のようにフリー・トレード・ゾーンになっておりますから、それが日本の国内法の適用をすることによって、今説明したように、沖縄に一種の経済的なリセッションを起こしたくないと、そのために工夫しているんだと。
 そういったときに出てきたのが、自由港より自由な港、ロッテルダムという冊子だったんです。なぜそこでそんなものが冊子として出てきたかというと、関税局の当局者も、なるべく国内の保税制度を利用して沖縄にそれを総合的に設置することによって自由港的な雰囲気をつくれると、フリー・トレード・ゾーン、ロッテルダムでそう言ってやっているこれを宣伝しながら、保税制度でこれを何とか救済したいという話があったんです。私も、そういった意味で非常に面白く感じてきております。
 ところが、その沖縄振興法、復帰になったとき、唯一それに近いものが先ほど言った言わば免税店制度、難しい言葉で書いていますけど免税制度であります。それは携帯品だけなんです。世界中の免税店というのはどこでもそうなんですけど。お客がそこで買って、要するに身に着けたものだけは例外的に関税を掛けないというのがこの免税店制度なんです。日本の国内にも、何も沖縄だけではありません、保税制度の中で、関西空港へ行ってもどこへ行っても免税店はあります。保税制度を利用してやっているわけです。それを免税店と、こう言っているわけです。
 それで、沖縄の振興法の中で、これを、観光振興のための免税店という、沖縄振興法の二十六条、二十七条にこのことが掲げられているんです。しかし、あの当時、関税局の若い企画課の人たちが、総合保税制度、保税制度を巧みに使って自由港的な雰囲気を沖縄につくりたいということが当時できなかったと聞いていたんです、できなかったと。この免税店はできたが、保税制度を利用して自由港的な雰囲気をつくる、そして中継貿易に貢献すると、そういうことができなかったということを後から聞かされたんです。
 ところが、最近になって、これはびっくりしているんですよ。この沖縄振興法の中に、第四十一条から五十四条の中で、自由貿易地域というのが最近になって突然、突如として出てきているんです。自由貿易地域といったら、そのままフリー・トレード・ゾーンじゃありませんか、自由貿易地域といったら。英語に訳したら、私は英語は余り詳しくありませんが、それこそフリー・トレード・ゾーンなんですが、これが沖縄振興法、こっちの方がよっぽど免税店という非常に小さな規模、点です、免税店は。これはゾーンですから面です。点と面では経済効果も違いますし、もしこれが非常に機能していたら、沖縄にとっては大変立派なものだと思うんですけどね。
 この沖縄振興特別措置法の中に自由貿易地域という問題が掲げられたのはいつからであり、どういう概念で、どういう制度なのか、ここで説明していただきたいと思います。
#106
○政府参考人(原田正司君) まず、自由貿易地域の制度は、沖縄振興開発特別措置法、旧法でございますが、昭和四十七年に設けられております。その背景は、先ほど財務省から説明ありました背景の中で、沖縄の振興に国が特別の責任を負っているという背景の下で沖縄振興開発特別措置法が制定されたわけでございますが、その中で自由貿易地域の制度が盛り込まれております。それが平成十一年に強化されまして、先ほどの自由貿易地域は那覇市の一定地域を指定しておるわけですが、その後、平成十一年に制度が拡充されまして、特別自由貿易地域という制度が設けられておりまして、これは沖縄県のうるま市の一定地域を指定しておるということでございます。
 それぞれの地域は、保税上の扱い、あるいは関税についての、製品課税と材料課税の選択制が設けられておるなど関税上の一定の優遇措置を受けるほか、国税、地方税について一定の優遇措置を受けているということでございます。特に、うるま市の特別自由貿易地域におきましては、法人税の所得控除三五%ということで、大変手厚い税制上の優遇措置を受けているということでございます。
#107
○中川義雄君 今、ちょっと変わった説明をしているわけですけれども、私が聞きたかったのは、今あなたが説明したような話は、フリー・トレード・ゾーンじゃないんですよ、これは。
 そして、関税暫定措置法の中でこの問題が取り上げられています。その十三条の中では、沖縄振興措置法に基づいてそのフリー・トレード・ゾーンについての記述が関税措置法の中に書いてあるんですけど、これ関税措置法の中では立派なんです。自由トレードゾーンではないんですよ、これは。全部ここに書いてあるのは保税制度なんですよ。いいですか、ロッテルダムでも、自由港より自由な港はロッテルダムといって、あれ保税制度なんですよ。自由港でないから、自由港より自由な港、ロッテルダムというPRをしてやったわけです。
 この関税暫定措置法十三条の規定を読んだら、どこにも自由港的な規定はないんです。全部、今現にある国内法に基づいた保税制度を書いただけなんです。それを何でトレードゾーンというような言葉に置き換えたのか、その真意は何なのか、間違いでないのか、こんなことを書くと。だから、北海道も誤解を持って、こんなことが国内法でできるんだったら北海道もしてみたいと思うのが当然のことで、これは違うんじゃないですか。これどこを読んだって自由港という言葉にふさわしい法規定にはなっていないんです。関税法担当政府参考人の意見をお聞きしたいと思います。
#108
○政府参考人(原雅彦君) ただいま御指摘のございました関税暫定措置法第十三条の規定の内容でございますけれども、これ保税工場、それから総合保税地域内の保税作業によりできました製品、これを国外に持ち出すのではなく国内に引き取る場合には、輸入品に対する国内産業……
#109
○中川義雄君 そんな話はもう知っていますから。そんなことはあなたに聞かなくても。
#110
○政府参考人(原雅彦君) はい。これは、原則、そういう場合には原料課税となるものが、この暫定措置法第十三条の規定によりまして、沖縄の場合には製品課税、製品に対する関税を課することを選択することができると、そういう規定でございます。
#111
○中川義雄君 要するに、この中で、自由貿易地域の指定という規定があるんです。いいですか。しかし、これどこを読んでも保税制度を使っているだけなんです。あのロッテルダムでさえそんな言葉は使っていない。自由港より自由な、自由港じゃありませんよと、自由港より自由なロッテルダムということで、だから保税制度を使ったという書き方をしているんです。
 しかし、日本の法律の中、自由貿易地域の指定の規定というのは沖縄振興の規定です。そういう法体系がつくられたんですから、これは間違いじゃないかと聞いているんですよ。それについて、これを沖縄振興法でこう書いた責任者の説明を聞きたいと思います。
#112
○政府参考人(原田正司君) 先生の御指摘のように、完全な意味での自由な、関税上の自由な取扱いがされていないということはそのとおりかもしれません。
 ただ、昭和三十三年、当時復帰前ですけれども、その当時から沖縄の那覇地域において、この自由貿易地域という言葉の下で一定の特別な扱いがされてきたと。それを昭和四十七年、旧法ですが、沖縄振興開発特別措置法の中で制度化し、今日に至っているということでございます。
#113
○中川義雄君 あなた、そういう説明すると、全く素人に説明するような言い方してもらったら困るんですよ。
 昭和三十三年というと、当時は沖縄はまだアメリカの施政権下にあったんですよ。そして、沖縄から見ると、本国の日本が外国だったんですよ。沖縄が一番その当時から経済的に取引していたのは、本国たる日本国との取引が多かったわけですよ。その沖縄県にアメリカの法律の下で自由貿易地域を設定して、そこで作られたものを日本に輸出するときは関税が掛からない、そういう地域に指定していたんですよ。だから、一番利益が上がったのは、日本との取引が一番多かったからこの意味合いも大きかったんですよ。
 ところが、昭和四十七年に沖縄県が日本に復帰した。その時点から日本の国内法の指定が受けるわけですよ。それで、沖縄振興法においては、まがいものの自由貿易地域という制度をつくったのは誤りではなかったのかと。一つも要するに、関税が掛けられないで外国と取引できるというような内容ではないんですよ。外国じゃなくて、国内で関税が免除されるという内容じゃないんですよ、これは。唯一あるのはその免税店の中の携帯品のやつだけはそうなんですよ。その点をはっきりしないと大変な過ちを犯すので、この辺はこの辺にしておきます。
 それでは、この沖縄における免税店とこの自由貿易地域の経済効果はどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#114
○政府参考人(原田正司君) まず、観光の特定免税店制度でございますが、平成十九年の利用者で見ますと約六十万人ということですので、沖縄に来訪されている観光客の約一割の方が利用されておるということでございます。売上高は平成十九年で百七十億でございます。観光の支出額が四千億強でございますので、金額としてはそう大きなボリュームを持っておりません。
 それから、自由貿易地域の関係でございますが、自由貿易地域及び特別自由貿易地域、両方合わせまして立地企業者が平成十九年で四十社、域外への搬出額が八十三億一千七百万になっておるところでございます。これも、沖縄の製造業は全国平均で二〇%強、国民総生産の中に二〇%以上を占めている中で、沖縄は物流コストなど大変製造業にとって厳しい条件がありますので、現時点で四%程度ということでございます。
 そういう中で、加工貿易型の産業を振興しようという趣旨、目的で自由貿易地域及び特別自由貿易地域が設けられているわけでございますが、先ほど申したように搬出額で見ますと八十三億ということでございまして、金額的には大変小さな額にとどまっているところでございます。
#115
○中川義雄君 もうちょっと分かりやすく言うと、このゾーンですから、ゾーンで団地を形成して、団地を売っているはずですね、日本の製造業者に。その結果はどうなっているんですか。一〇〇の面積があったとしたら何%、さっき四十何の業者があるというけど、零細企業から大きな企業からいろんなことがあるんであって、今数字を聞いたらもう微々たるものですね。微々たるものですよ。私の北海道の一農協でさえ、大きいところでは五百億からの出荷をしていますよ。自由貿易地域などと言っている割には非常に小さなものだと思いますが、分かりやすく言うと、いいものだったらばんばん売れるはずなんですよ、土地が、団地が。その団地の売れ具合、ちょっと報告してくれませんか。
#116
○政府参考人(原田正司君) 特別自由貿易地域、これはうるま市内でございますけれども、その中で貸し工場方式と分譲方式がございまして、貸し工場方式は比較的順調に企業立地が進んでおりますが、分譲方式につきましては伸び悩んでいるのが実情でございます。全体の分譲面積や販売可能面積に対しまして六%台ということで、大変厳しい状況にございます。
 那覇市内の自由貿易地域につきましては、全体で今十六社が立地しております。これも企業立地の会社数につきましては微増にとどまっておるところでございます。ちょっと分譲面積の比率につきましては今手元に資料がございませんので、後ほど報告いたしたいと存じます。
#117
○中川義雄君 これはもう話にならぬ。六%ですよ。全然話にならない制度、魅力のない制度なんですよ、実質は魅力のない制度で、さも魅力のあるような大げさな名前を付けているところに沖縄県民をばかにしているような制度だと私は思うんですよ。だから、これはきちっとした現実に合った、間違った解釈をするような法律は直した方がいいですよ。これは自由貿易地域じゃないんです、フリー・トレード・ゾーンじゃないんですよ、ここは。日本の国内法で指定される保税制度を活用したというだけの話であって、それ以外の何物でもない。そこへこういうおおよそな名前を付けてだけはいただきたくない。そして、北海道から出てきたやつは、関税当局は先ほどのような理由で否定する。これも、これがいいものだったら否定もしてもらったら困るという話なんです。
 ところで、先ほどベラセンターの話で、自由という、保税展示の中でレストランがあって、そこで食べてしまうのは試食に値すると私聞かされて、試食だから、展示会へ行ったら試食制度というのがあるんですよ。分かるでしょう。試食制度をちょっとうまく使えばもっと面白い制度ができると思うんですが、関税当局の、又は、そういう意味で、北海道から出てきているこの特区制度を使ってのこの制度をもっと前向きに面白いものに、何も免税店だけが面白いんじゃないんですよ、もうちょっと保税制度なら保税制度を有効につくってやればもっと面白くなるんですけど、そういう思いは特区制度を担当している当局にはないのかどうか、聞かせていただきたいと思います。
#118
○副大臣(宮澤洋一君) 中川先生の北海道に対する思いというのは本当に私もいろんな局面で伺わせていただいておりまして、大変尊敬をしております。
 今、食べるだけの保税といいますか特区というようなものとかというような御提案があったわけでございますが、一つ、道州制特区のこの制度自体でいいますと、いずれ将来の道州制導入の検討に資するためということで、全国展開し得る制度という前提が出てくるんだろうと思います。そうした意味で、いろんな御提案の中で今後全国展開してもいいという種類のものがあれば、積極的に最初に北海道に導入していくということは十分可能だろうと思います。
 一方で、全国でなかなか難しいなというような話になりますと、これは逆に、沖縄の場合は沖縄振興特別措置法といった法律で手当てをした上でいろんなことをやっているということでございますので、別途の法律といったものが必要になってくるのかなという気がいたします。
#119
○中川義雄君 このことについて余り北海道の話ばかりすると、何か道益だけを代表する政治家に聞こえますからちょっと我慢して、もうちょっとやるときはしっかりやらせていただきますけど。
 それでは、今、野田大臣が見えておりますが、科学技術の振興というのは、この国のように非常に面積が小さくて資源が乏しくて、そこで活力ある社会をつくるとしたら、科学技術を使ってやっぱり立国する以外ないと思うわけでありますが、そういう現下の国際情勢の中で我が国の科学技術の振興という観点から見ると、大臣はどう把握しているのかお示しいただきたいと思います。
#120
○国務大臣(野田聖子君) まず初めに、国際情勢について少し御報告を申し上げますと、先進国はもちろんのこと、最近ではインド、中国またBRICs諸国の目覚ましい活躍の中で世界競争自体が大変激しくなっております。でも、今先生御指摘のとおり、この国の資源の足りないこと、また国土の狭いこと、あわせて、最近は急激な少子化、高齢化の中で科学技術力における優位性は保つ必要があると認識しています。
 少し世界の最近の動きを御報告しますと、今世界中で金融危機によりまして経済が大変なダメージを受けているわけですけれども、その中においてアメリカでは、さきにオバマ大統領の演説では科学技術の重要性を強調しておられました。ドイツでは、第二次景気対策の中で中小企業の研究プログラムの支援とか燃料電池等の開発の促進をしています。
 さらに、フランスでは、去年十二月の閣議決定において投資の重点化項目の一つに研究を挙げておりまして、研究イノベーションに関する戦略計画を策定することを表明しています。それぞれ将来の成長を見据えて、成長の原動力となるイノベーションの創出と、それを支える科学技術力の強化に注力するということを高らかに表明しているところであります。
 では、日本はどうかと申しますと、最近ではスイスのIMD、国際経営開発研究所が発表している国際競争力ランキングというのがあるんですが、実は総合順位は二十二位で、昨年に比べて二位、二〇〇六年が二十四位で、今回ちょこっとだけ上がって二十二位、まあそれでもいい方ではないと思います、という状況にあるんですが、科学インフラだけは幸いまだ二位を確保しているところであります。最近では、山中教授を中心としたiPS細胞の作製が成功したり、ハイブリッド自動車又はロボットに関する技術など、これまでも世界に誇る科学技術というのは日本がたくさん生み出していることは事実であります。それに、うれしいことに、昨年には四名の方がノーベル賞を受賞しておられるところです。
 ですから、これからも、今現在は第三期科学技術基本計画の下で動いているわけですけれども、研究開発システムの改革や世界のトップレベルを目指すという中で、革新的技術戦略など強力に推進していくことで、世界を見つつ、政府一体でこれからの将来の成長の芽というのを育てていきたいと思います。
#121
○中川義雄君 今、野田大臣の意気込みというものは私も高く評価しますし、そうなってほしいと思いますが、現実はそうなっていないというのが、調べれば調べるほどそういう事実が出てくるんです。
 そこで、まず科学技術に関する教育の問題から取り上げていきたいと思っております。
 OECDが二〇〇〇年から行っている国際学習到達度調査、PISAですね、の結果がどうなっているのか、その概略を文部省当局から示していただきたいと思います。
#122
○政府参考人(徳久治彦君) OECDが二〇〇〇年から行っております国際学習到達度調査、略称PISA、ピザと呼んでおりますが、PISA調査においては二〇〇〇年、二〇〇三年、二〇〇六年と三年ごとに調査を実施をしております。
 その調査における科学的リテラシーの結果につきましての我が国でございますけれども、OECD加盟国中二位から三位と、国際的に見て上位に位置をしております。一番直近の調査、二〇〇六年調査でございますけれども、そこで申しますと、科学的リテラシーの順位がOECD諸国中で三位となってございます。
#123
○中川義雄君 随分大きな声で三位と言って、立派なことを言いましたが、このPISAの、何というんですかね、年次別の結果を見ていただきたいと思います。おたくの方で出した、文部省の出した資料に基づいて私が言います。
 数学的リテラシーという項目があります。二〇〇〇年には一位だったんです、日本は。一位だったのが二〇〇三年には六位、二〇〇六年には十位になっているんです。いいですか。ずっと下がってきているんですよ。それから、科学的リテラシー、文部科学省は日本は上位グループだと、こう言っているんですが、これも二〇〇〇年には二位だったんですけれども、六位に低下しているんです。
 このことをどう評価しているか。ずんずんずんずん良くなっているというのなら大変いいんですけれども、ずんずんずんずん後退しているんですよ。文部科学当局はこのことをどう評価するのか。今、大した、三位とかといっていいところだけ言いましたが、どう評価しますか、今のことは。
#124
○政府参考人(徳久治彦君) 大変失礼申し上げました。
 OECDのこのPISAの調査につきまして、私は科学的リテラシーのところだけ、済みません、取りまして三位というふうにお答えをいたしましたけれども、確かに読解力についてはOECD諸国中十二位、数学的リテラシーについては六位と、こういうことになっているのは御指摘のとおりでございます。
 それで、これにつきましてでございますけれども、やはり私どもといたしましては、この調査でございますけれども、やはり子供たちの特に読解力ですね、これがPISA型の調査の特徴と言われておりますけれども、ただ単に知識を暗記をしてそれを解くという、そういう能力は比較的日本の子供たち高いんですけれども、そういう知識を活用して社会生活で実際使っていくような、そういう力であるとか読解力、そこのところは弱いということで、後ほどまた答弁させていただくことがあるかと思いますけれども、やはりそういう読解力とか、活用の力と言っております、知識、技能に比較して活用の力と言っておりますけれども、そういうようなところの教育を充実していく必要があると考えてございます。
#125
○中川義雄君 そのOECD平均の中で、今の話でも、科学について学ぶことに子供たちはどんな興味を持っているかというと、OECDの平均では六五%ぐらいそれに興味を持っていると。残念ながら日本は五〇%なんです。これも将来のことを考えると大変厳しい数字になっているんです。そう余り自慢した話ばかりしないで、現実を直視していただかないと良くなりません。
 もう一つ、国際数学・理科教育動向調査、TIMSSというのがあります。その結果はどうなっているのか明らかにしていただきたいと思います。
#126
○政府参考人(徳久治彦君) 委員御指摘の調査でございますけれども、国際教育到達度評価学会、IEAという機関が国際的に実施をしている国際数学・理科教育動向調査というのがございます。一九七〇年ぐらいからやっておるんでございますが、ここ十年ぐらいの少し結果を見させていただきますと、小学校と中学校実施をしているんでございますけれども、小学校に関しましてここ十数年程度を見ますと、一九九五年調査、その次が二〇〇三年調査とございました。ここでは理科の平均得点、得点五百点というところを標準偏差的に平均得点を取るように偏差しているんですけれども、その理科の平均得点が低下をしております。それから、中学校に関しましては、調査年が一九九九年、その後二〇〇三年となっておりますけれども、ここにおいては数学の平均得点が低下をしたということでございます。
 ただ、しかしながらでございますけれども、二〇〇七年調査というのが一番最近の調査でございます。これは昨年末に公表されたものでございますけれども、これは前回が先ほど言いました小中とも二〇〇三年調査でございますけれども、その平均得点と比較してすべて前回の二〇〇三年調査結果の平均得点以上となってございまして、二〇〇三年調査は、先ほど言いましたように、小中とも小学校理科、中学校数学の学力低下ということが言われたわけでございますけれども、その学力低下傾向に一定の歯止めが掛かったものと受け止めてございます。
#127
○中川義雄君 これも文部科学当局と私の見解は大いに違っております。
 いいですか。このTIMSSの調査結果によると、一九七〇年第一回から今まで四回やっているんです。一九七〇年では小学校も中学校も理科は一位だったんです、全世界で。それが、最近の第四回調査では、中学校は六位に低下し、小学校は三位に低下している。良くなっていないんです。ずんずん悪くなっている。
 もっと私は厳しく思っているのは、そのときに勉強に対する意識調査をやっているんです。いいですか。日本人は優秀だからこれでもまだここまでもっているんですよ。ただ、勉強に対する意識調査、要するに教育の環境がどうなっているのかということで見ますと、勉強に対する意識、勉強は楽しいと思う、中学校数学で日本は、OECDが平均で六五%に対して日本は三九%なんです。いいですか。勉強が楽しいと思うというもう一つ、中学校理科では、OECD平均が七七%、日本は五九%なんです。子供たちの能力が、我々日本人として誇りに思って、能力があるから環境が悪くてもまだある程度六位だとかそういう、しかし教育環境が非常に悪くなってきているから低下するんですよ。
 問題は、文部科学省がこの教育環境をどう良くするかという条件をしっかり見ていかぬとならない。そうなってくると、勉強に対する態度のところの辺りをしっかり見て、勉強に対する態度というのを調べているということは、将来にとって大変意義があるから調べているんだと思うんですよ。その点についてどうですか。もう一回何か、評価は変わっていきませんか。
#128
○政府参考人(徳久治彦君) 日本の子供たちにつきましては委員御指摘のとおりでございまして、勉強が好きであるかということを聞かれますと、やはり好きであるという比率がOECD平均よりかなり低い。それから、例えば一日、宿題をするかというような、勉強時間の点についても他国に比べてかなり低いという状況にあるのは委員御指摘のとおりでございます。
 ただ、これについてもちょっと言い訳のようで恐縮でございますけれども、TIMSSの二〇〇七年調査、先ほど言いました一番最近の調査でございますけれども、今言いました勉強が楽しいと思う割合は小学生では増加傾向が見られ始めました。特に、理科では国際平均を上回ったという結果が出ております。ただ、中学生はやはり国際的に見て数学、理科共に依然低いということで、この辺に大きな課題があるということで承知をしているところでございます。
#129
○中川義雄君 そこで、このTIMSSの調査で興味があるのは子供たちの生活態度なんです。これも非常に危機的なんです。いいですか。宿題をするというのは、OECD平均で、子供、中学生一日当たりの平均が一・七時間宿題をすると言っている。日本は約半分、一時間弱なんです。それに対して、テレビやビデオを見るというのは、OECD平均は一時間ちょっとなんです。日本は二・七時間なんです。家の手伝いをするということになったら、OECD平均は一・三時間家の手伝いをする。日本は、子供たちは〇・六時間なんです。
 これを見ますと、日本の子供たちの生活態度が非常に悪いということが分かると思うんです。これでは将来の子供たちがどうなるか、私は心配なんですが、その点に対する、今の数字に、私はうそを言っていませんから、それに対する評価をひとついただきたいと思います、それにどう文部省は対応するのか。
#130
○政府参考人(徳久治彦君) 今委員御指摘のとおりでございます、数字は。二〇〇七年調査、TIMSS調査において今言ったように国際平均よりかなり低いようなところがございます。これは、先ほど来申し上げておりますように、二〇〇七年だけの特徴ではございませんので、それ以前からやはり宿題をする時間が、家において宿題をするというような、そういうような時間が少なくなっております。
 これに対しまして、我が文部科学省といたしまして、やはり子供たちに学習課題を与えて家でしっかり家庭学習をするような、そういう習慣を付けていただくことも大事だと思っておりますし、そういう意味からいたしまして、先ほど言いましたように、二〇〇七年では小学校がちょっと一部回復してきたというようなそういうところがありますけど、まだまだ中学校……
#131
○中川義雄君 いいところだけ言うなって、ちょっと。
#132
○政府参考人(徳久治彦君) はい、分かりました。ですから、そういうような中学校のときじゃ大きな課題と考えておりまして、今後とも今言ったような取組等を含めまして、学習習慣付け、こういうような学習意欲を持たせる、やっぱり勉強を好きにさせる、そういうような授業展開を図ってまいる必要があると考えてございます。
#133
○中川義雄君 野田大臣、これが教育の現場なんです。これは学校教育ばかりじゃありません。家庭教育も非常に大きな問題があると思うんです。しかし、全体から見ますと、科学技術立国を目指す我が国としては、これでは将来に非常に黄色い信号が、ひょっとしたら赤信号がつきかかっているんではないかと私は思うんですが、大臣、そのことに対してどう評価するかお伺いしたいと思います。
#134
○国務大臣(野田聖子君) 私も、二〇〇六年のPISAの結果というのは大変懸念されるなと思っておりますし、TIMSSもぎりぎり歯止めが掛かったという表現程度で、決して科学技術を柱として生きていく国にしては、かつて一位を取っていたのにその一位を奪還できないという今の現実はやはりどの国よりもゆゆしきものととらえてやっていかなきゃならないと思っています。
 実は、せんだって、総理大臣の下、有識者会議が行われたときに、科学技術関係の有識者の方がお集まりになられ、そこで黒田玲子先生という科学者の方が御提案をされたことに、やはり理科というのは理科の好きな、そして理科をきちっと教えられる先生に子供たちに理科の指導をしてほしいという、これがやはり一番の基本だということをおっしゃっておられたのが印象に残っています。
 つまり、先ほど私が申し上げたiPS細胞にしてもハイブリッドにしてもロボットにしても、例えば原子力にしても宇宙開発にしても、今の科学者、研究者が頑張ってくれているわけであって、ここで今問われていることは、次世代のやっぱり科学技術を担う人たちがちゃんと育っているかどうかのバロメーターなんだと思います。大変厳しくなるよ、競争も厳しくなるよという中で、やはりこのままでいいということでは決してないということは先生と認識一緒であります。
#135
○中川義雄君 私は、ここにちょっと統計数字をうっかりして忘れてきましたが、持っていませんが、間違いなく私の記憶では、OECDのこの調査の中で、基礎教育段階、小学校、中学校の段階で数学や理科といったものを勉強して、将来科学技術を使って自分たちの社会のために貢献する、そういう気持ちがあるのかないのかということを子供たちに問いただした数字では、OECD三十か国のうち最下位に近いんです、最下位に。これも大変大きな問題なんです。勉強せい、勉強せい、いい大学に入りたいために嫌々勉強しているんであって、それでもまだ。しかし、将来、今勉強して将来社会のためにどう役立たせようかという意識では、OECDの中で最下位なんです。私、うっかりして今日その数字を持ってくるのを忘れたから、具体的に何位という数字は言えませんが、最下位の方です。これはもう間違いありません、私の記憶そんなに、強力に印象に残っていますから。こういうことも非常に大きな問題だと私は思うんです。
 そこで、やはりこれは教育の中でこれをどう正していくかということが大事だと思いますので、文部科学省はこの要因をどう分析しているのか、評価しているのか。なぜこうなってきているのか、文部科学省としてどう評価しているのか。その評価をしっかりしなかったら文部科学行政のしっかりした道が開かれないわけですから、明らかにしていただきたいと思います。
#136
○政府参考人(徳久治彦君) 委員御指摘のとおりでございまして、このような国際的な学力調査の結果を見ますと、我が国の子供たちでございますけれども、知識、技能の習得については一定程度成果は上がっているのかなと認められる一方で、先ほど言いました読解力とか思考力、判断力、表現力、そういうようなもの、それから、同じテストでも択一みたいな選ぶ点はいいんですけれども、いわゆる記述式の問題に弱いというような、そういうような結果も出ております。それを、私どもは知識、技能というものに比較して活用というちょっと用語を使わせていただいていますけれども、そういう活用に関するところに問題があるということ、それが課題意識でございます。
 それから、これも委員御指摘でございまして恐縮でございますけれども、やはり子供たちが勉強を好きで学びたい、理科が好きだ、数学が好きだ、それから、その子が将来数学なり理科の知識を活用したそういう職業に就きたいというのも非常に少ない。それからまた、学習習慣、先ほど言った、家で宿題をするとか勉強をするとかいう時間もOECD各国に比べて短いという現状があります。やはりこういうようなところは大きな教育上の課題として受け止めなければいけないというふうに考えております。
#137
○中川義雄君 そこまではだれが考えたって分かることなんです。
 それじゃ、具体的に、文部科学省では教育の中でこの問題をどのような施策で解決しようとしているのか示していただきたいと思うんです。
#138
○政府参考人(徳久治彦君) まず、私ども、初等中等教育ですね、そちらの方の理科教育、数学教育を充実する必要があるというふうに考えておりまして、御案内のように、新しい学習指導要領というのが昨年の三月に改訂をされまして、早ければ今年の四月から一部前倒しで先行実施されることになるわけでございますけれども、その新学習指導要領におきまして、算数、数学、理科につきまして、まず一つは、先ほど言いました国際調査でございますので、国際的な通用性、つまりどういう教育内容をどの学年でどう学んでいるかという、そこについて合わせる必要があるということから、かなり、必要な指導内容の充実、理数教育について、最近の新しい知識等につきまして新たに子供たちに学ばせるような、そういう指導内容の充実を図ったということがございます。
 それから、指導要領の改訂の二点目でございますけれども、特にこれがポイントかと思っておりますけれども、理科、数学の授業時間数を増加をいたしました。授業時間数の増加率だけで申しますと、小学校の算数で一六%の時間増、小学校の理科でも同じ一六%の時間増、中学校の数学ですと二二%の時間増、それから中学校理科等は三三%、これは現行に比して新しい指導要領ではそういうような一割から三割ぐらいの授業時間数の増を図りまして、そういう中で先ほど言いました子供たちにやはり興味を持って理科、数学の授業に取り組んでいただこうと。ついつい知識の詰め込みになりますと無味乾燥な授業になってしまうようなこともありますので、そういうような、子供たちが自ら実験をする、自ら調べるということで、それからそういうようなものをレポートを書いたりとか、そういうのに時間を十分取れるような、そういうような授業時間数を増やすような指導要領の改訂を行ったところでございます。
 それから、当然のことながら、指導要領の改訂を行えばそれで済むということではございませんで、そのための条件整備というのも大事な点でございます。
 条件整備につきましては、今申しましたように、実験をたくさん入れることになりますので、いろいろ実験器具が必要になる。その辺の設備を伴うような予算も措置をしたところでございますし、それから、授業時間数の増ということになりますれば教員の授業時間数の問題がありますので、そういう指導体制も非常勤のような形で措置するような、そういう条件整備も併せて行いまして、今言った理数教育の充実に取り組んでまいっているということでございます。
 先ほど来申しましたように、小学校では平成二十三年度から、中学校では二十四年度からこの学習指導要領が実施されるわけでございますけれども、この四月からは一部先行して授業時間数増も含めて実施をできるようにしております。
#139
○中川義雄君 私は非常に残念なのは、これは人間教育が欠けているんだと思うんです。今、辛うじて理数科でも国際水準の中ではそんなひどい数字になっていない。辛うじて数字は残しているんです。しかし、これは、進学するためだとか、上の学校に入るためだとか、学校の先生がそういう指導をするから、親たちもいい学校に入れ入れと言うから嫌々勉強しているということなんです。
 問題はそうじゃなくて、人間として、どういうような人格を持った人間として育てていくかという基本的な教育態度が教育現場にないこと、家庭にもないこと、私はそれが一番大事だと思うんですが、いかがですか。そういう人間教育をどうするのか。
 いいですか。楽な職業に就きたい。やはり科学技術を使って、職人的な仕事をするよりは、何かパチンコでもやって、マネーゲームでもやって楽な人生を送りたいというような風潮が非常にあると。それがこういう、子供たちが質が悪くなったんじゃない、一般の社会がそういう方向に向いていっているから、子供たち、実際はそういう影響を受けているんだと私は思うんです。
 ですから、社会教育も含めて、我々大人もやっぱり人間教育というものをもっと真剣に考えてやっていかないと私はならないと思います。これは、あなた、そういうことについてはどうも不適当と思いますけれども、いや、自信があって私はこうやりたいということがあったら答えていただきたいですけれども。
 それでは、今度は教育の現場から、日本の科学技術向上のための体制について少し内閣府や担当大臣の考え方をお聞きしたいと思うんです。
 総合科学技術会議の設置に伴って科学技術予算の重点課題に対し集中的に投資できる仕組みが構築されたとよく言われるんですが、それはどのようなことでそう言われているのか、示していただきたいと思います。
#140
○政府参考人(藤田明博君) お答えを申し上げます。
 総合科学技術会議におきましては、毎年六月ごろに翌年度の科学技術に関する予算におきます重点課題を明記をいたしました資源配分方針を決定をいたしまして関係府省に対して意見具申を行い、関係府省はこの方針に基づいて概算要求を行っておるというふうなところでございます。
 さらに、総合科学技術会議におきましては、各府省が予算要求をしました後、具体的には大体十一月ごろでございますけれども、各府省の概算要求をしている施策につきまして、先ほど申し上げました資源配分方針を基にして優先度判定などを行っております。そして、その結果は予算編成過程で積極的に活用がされているというふうなところでございます。
 例えば、平成二十一年度の予算におきましては、総合科学技術会議の方では、革新的技術、環境エネルギー技術、科学技術外交、それから科学技術による地域の活性化、そして社会還元加速プロジェクト、この五つを最重要政策課題として掲げて各府省に対して重点化を要請をしたところでございます。これらの予算額について平均をいたしますと、対前年度比一五%増というふうなことに今御審議をいただいております予算案の中でなっておるということなど、予算の重点化が図られつつあるというふうなことでございます。
#141
○中川義雄君 それでは、第三期科学技術基本計画についてお伺いしたいと思うんですけれども、その中で成果の還元、人材育成と競争的環境の重視ということを大きく掲げておりますが、この背景にある問題意識、そして現時点での成果について当局のお話をお聞きしたいと思います。
#142
○政府参考人(藤田明博君) 今委員から御指摘のとおり、第三期の科学技術基本計画では、社会、国民に支持され成果を還元する科学技術、そして人材育成と競争的環境の重視、これを基本姿勢として位置付けをしているところでございます。
 これの背景としての問題意識でございますけれども、これも先生方よく御承知のとおり、科学技術政策というのは国民の理解と支持を得て初めて効果的実施が可能であって、国民に成果を分かりやすく説明するとともに、社会、国民に還元する努力を強化していかなければならないというふうな認識を基に、基本姿勢に位置付けているところでございます。
 また、人材の関係につきましては、科学技術力の基盤は人ということでございます。優れた人材を育て活躍させることに着目をして投資することが重要だということで、科学技術人材につきまして、創造的な発想が解き放たれ、競争する機会が保証され、その結果が公平に評価されるよう競争的環境を醸成するというふうなことが問題意識としてあったものでございます。
 政府としましては、これらの基本姿勢を実現するために様々な取組を進めてきているところでございます。例えばということで、政府で行いました世論調査の中におきまして、平成十六年二月と平成十九年の二月で科学技術に関心を有する方たちの割合というのを調べているところでございますが、十六年のときには五二・七%が科学技術に関心を有するというお答えだったものでございますけれども、平成十九年、三年たちました段階で六一・一%に、一〇%近く上昇をしているというふうなことなど、様々な理解促進活動を通じて徐々に国民の科学技術への関心が高まってきているというふうに考えております。
 また、平成二十年度、今年度から、より一層府省の壁を乗り越えて政府一体となって研究成果の国民への還元を加速していくために、再生医療でございますとか、それから新道路交通システムなど、社会還元加速プロジェクトを開始をしたところでございます。
 また、人材に関しましては、斬新なアイデアの基礎研究を推進するという観点から、大挑戦研究枠というのを新たに二十一年度から約百六十億円の予算を確保させていただくなど、競争的資金を拡充して、競争的環境の醸成に努めているところでございます。
 なお、基本計画の進捗状況につきましては、ちょうど約三年経過をいたします現時点で、ついせんだって、先週から専門調査会を立ち上げまして、第三期の科学技術基本計画の進捗状況等についてフォローアップ活動を開始したところでございます。本年六月を目途に結果を取りまとめて、総合科学技術会議の本会議に報告をしたいというふうに考えているところでございます。
#143
○中川義雄君 大変いいことずくめで、立派になることを私は期待しています。しかし、期待どおりにはなかなかいかないということで、これからお話しさせていただきます。
 それでは、この基本計画では、平成十八年度から二十二年度までの五年間で政府の研究開発投資の総額規模を二十五兆円とたしかしているはずであります。平成十八年から二十年までの総額は幾らであって、二十一年度の予算ではどうなっているのか、その概要を示していただきたいと思います。
#144
○政府参考人(藤田明博君) 御指摘のとおり、第三期の科学技術基本計画では、五年間、平成十八年度から二十二年度の五年間で、政府の研究開発投資、総額二十五兆円というのが目標として掲げているわけでございます。
 平成十八年度から二十年度までの三年間、これは国の科学技術関係の研究費と、それから地方公共団体の経費、これも含めました累計につきましては約十二兆三千億円という数字になっております。
 それから、平成二十一年度当初予算につきましては、総額で科学技術関係は三兆五千五百四十八億円というふうな数字でございます。これを足し上げますと、二十一年度の当初予算まで加えました数字では約十六兆円というふうなことになっております。
 二十一年度につきましては、科学技術関係経費の中で、特に科学技術振興費につきましては対前年度一・一%増ということで、厳しい財政事情の中ではございますけれども、科学技術についての一定の配慮がなされているというふうに認識をしております。
#145
○中川義雄君 聞いていること、間違っていることを聞いたら訂正してもらってもいいけど、聞いている話を同じことを繰り返さないでください。時間がなくてやっているわけですから、ちょっと協力してほしいんですよ。私が言ったことと同じことを繰り返さないでくださいよ。間違っていたらこれは違いますといって訂正して結構ですけど。
 そうすると、二十五兆円との乖離はどのぐらいになっているんですか、今。
#146
○政府参考人(藤田明博君) 二十五兆円との差は、二十一年度の当初予算までとの差で大体九兆円というふうなことになります。
#147
○中川義雄君 九兆円ですよね。これ、二十二年度予算で九兆円しっかり手当てすることができるんですか。できないと、これ、二十五兆円は紙に書いた、それだけにすぎなくなってしまうんですよ。それに対する考え方を示していただきたいと思います。
#148
○政府参考人(藤田明博君) 今申し上げましたように、差が九兆円あるわけでございます。二十一年度につきましては、これは当初予算ということでございまして、国の関係の二十一年度の当初予算だけを足し合わせたものでございますが、地方公共団体の科学技術関係予算などが今後どれだけの規模になるかということにもよりますが、目標とする二十五兆円の達成というのは大変厳しい見通しであるというふうに考えてございます。
 私どもといたしましては、先ほど大臣も申し上げましたように、科学技術、我が国の成長の原動力でございますので、財政事情が厳しい中ではございますけれども、二十五兆円の目標に向けまして引き続き全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
#149
○中川義雄君 言い訳みたいな話しないでくださいよ。これ、できないですよ。できないから、どうするかということを今考えぬとならないんですよ。何か努力すればできる、しかも地方の責任に。今財政事情は地方ほど厳しいですよ。そんな中で、できっこないんですよ。それをちゃんと認めた上で、次善の策はこうするということを考えていかないと駄目なんですよ。
 それじゃ、もう一回聞きますが、簡単に答えてください。これまで、第三次まで入れて過去二回の計画の達成度はどうなっていますか。
#150
○政府参考人(藤田明博君) 第一期につきましては五年間で十七兆円の目標でございました。これに対して、実績は十七兆円を上回る結果となっております。
 ただ、第二期の基本計画、二十四兆円を目標に掲げましたが、五年間で約二十一兆円だったかと思います。目標に達していないというところでございます。
#151
○中川義雄君 年々悪くなっていっているんですよね。これだけはちゃんと認識して、大臣もそのことだけはちゃんとしっかり覚えておいてください。
 この科学技術基本計画のこの額、諸外国の数字と比較したら、どうなっておりますか。
#152
○政府参考人(藤田明博君) 二十五兆円の金額を算出をいたしました前提といたしまして、二十二年度末までに政府の研究開発投資を対GDP比で一%まで高めるというふうなことを政府の目標といたしました。そして、その算出の前提条件としては、十八年度から二十二年度まで日本のGDPが平均で名目三・一%で拡大をしていくということを仮定をしたわけでございます。
 この一%という対GDP比率を達成することができれば、主要国との比較においても遜色のない対GDP比の投資額を確保するということができるのではないかというふうに考えたものでございます。
#153
○中川義雄君 そこで、委員長の了解をいただいて、世界の科学技術政策の動向という表を出させていただいております。
 これ見たら、今言っていることが全く、いいですか、まず伸び率。二〇〇〇年を一〇〇として、二〇〇五年までの伸び率は日本は九七でありました。米国は一四六、EU合わせて一六一、ドイツ一三七、フランス一六二、イギリス一六三、中国二二三、韓国一九〇であります。これ、ずば抜けて低いんじゃないですか、ずば抜けて。
 それから、総額でも、この横に書いてあるのが傾向でありますが、現時点での総額はこの縦軸に示しております。総額でも、例えばアメリカと比較したらこれどうなんですか、EUと比較したらどうなんですか。伸び率でも総額でも大変大きな問題があると思いますが、これは大臣、ちょっとこの表を見て、大臣の所見を伺いたいと思います。
#154
○国務大臣(野田聖子君) 私、去年の八月に科学技術政策担当大臣というお仕事をいただきました。それまで、恥ずかしながら、私自身も科学技術というとICTを専門にしておりましたので、これだけ広範囲にまた研究者が頑張ってくださるという現場を知りませんでしたので、もう日々驚きと感激と、本当に感謝の気持ちでいっぱいになったわけですが、翻ってみますと、さっきの子供の教育にもかかわってくるんですけれども、これだけの世界に冠たる科学技術をもってこの国が成り立っているということを国民総意というか、さっき五〇%、六〇%が関心があるというけれども、そういうやはり国民がこぞって科学技術に対してのそれだけの思いがあるかというと、なかなか担当大臣としては国民生活と科学技術の乖離というのを日々感じているところであります。
 ですから、予算をやっぱりしっかり取らなきゃいけないと思っていても、自分もそうでしたけれども、やはりどうしても福祉とか教育とかそういうところの目の前にある予算に対しては非常に繊細になるんですけれども、科学技術という中長期的なスパンに立って研究開発費を付けていかなきゃいけないということに対しては国民の理解度もまだまだなのかなと、そういう思いを強くいたしたところであります。
 こういう生の数字をいただきますと、まさにその現実があらわになっているわけでありまして、大臣の任期もそんなに長くないわけですけれども、いる限りはもう一生懸命取り組むしかないなという悲壮感いっぱいで頑張っているところです。
#155
○中川義雄君 ただいまの大臣の率直なお話、私は期待します。そういう率直な大臣がしっかりとした施策をやってこそ、日本の国は将来があるし、野田大臣の若さも私は非常に期待しておりますので、よろしくお願いします。
 それから、もう一つ問題は、科学技術者の処遇の問題なんです。
 我が国の研究開発システムにおいて、産学官それぞれの課題がありますが、例えばポストドクターの問題、民間部門では在籍するポストさえ非常に少ない。せっかくしっかり勉強して高度な専門性を身に付けても、活動の場が限られている。もったいない話ですよね。このことをどう評価しているのか、文部省の政府参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
#156
○政府参考人(土屋定之君) 御説明申し上げます。
 本格的な知識基盤社会の時代を迎えまして、高度な知識あるいは能力を身に付けたポストドクターなどが十分に活躍できる社会が形成されることは極めて大事なことだというふうに認識しております。
 しかしながら、ポストドクターの進路につきましては、ポスドク自身が大学等の研究者になることを当然視する意識が強く、企業等への研究職への関心が低いと。一方で、大学におきましては若手研究者の雇用が十分でないという状況にございます。また、産業界におきましては、企業が求める人材像といったようなものを大学に対して明確に示していない、あるいはポストドクターの能力を客観的に評価した採用が必ずしも十分に行われていないといったような状況になってございます。
 こうした状況を踏まえまして、ポストドクターの多くが次の自分の就職先を見付けることは極めて厳しいというふうに考えておりまして、文部科学省といたしましては、優秀な若手研究者が多様な場で活躍できる環境づくりを図るということから……
#157
○中川義雄君 時間がないから短くして。
#158
○政府参考人(土屋定之君) はい。産業界等の実社会のニーズに合った研究者の養成に取り組む大学などを支援しておるところでございます。また、大学院におきましても、それぞれ専門分野の知識を応用する力などを養うなどのことが必要と考えております。
 文部科学省といたしましては、今後ともポストドクターが十分活躍できるように関係の施策の推進に努めてまいります。
#159
○中川義雄君 大臣にだけですね、政府参考人への質問は、要りません、もう。
 我が国の自然科学ノーベル賞受賞者は十三人。他の分野から見たら群を抜いていると思いますが、大臣はこれをどう評価しておりますか。
#160
○国務大臣(野田聖子君) 大変国際的な研究水準が高いと、着実に高まってきているということだと思っていますが。ただ、先ほどの繰り返しになりますけど、現時点の科学技術力ではなく、やはり先輩、人生の先輩たちでございまして、七十代、八十代の大先輩が今回も受賞されたことを踏まえると、やっぱり当時の努力が長年の研究成果によって今回受賞されたということをちゃんと謙虚に認識しておかないと道を誤ると思っております。
 ただ、やはり、さはさりながら、ノーベル賞が取れたという世界的水準があったという背景には、当然それぞれ個人の努力もさることながら、その時々の国がオファーした研究環境なんかの整備も当然寄与したと思っているわけで、これからもそれに匹敵するだけの、やっぱり非常に分かりやすいですから、ノーベル賞を受賞するということは、非常に分かりやすいことですので、そういうターゲットをきちっと定めて、それの環境整備というのは引き続きこれを機にまた頑張っていきたいなというところでございます。
#161
○中川義雄君 大臣の今のお話は結構なんです、それは。ただ、否定するつもりはありませんが、どうも他の国で研究した成果が評価されてノーベル賞の対象になっている人が日本で多いんです。逆に本当は欲しいのは、他の国から来た科学者が日本でいろんな研究をした結果、ノーベル賞を受けたというのはもう例がゼロなんです。これはやっぱり大きな問題だと思うんです。
 要するに、日本の研究開発環境が他の地域から見ると劣っている証拠だと思いますが、これに対する大臣の考え方を示していただきたいと思います。
#162
○国務大臣(野田聖子君) おっしゃるとおり、十三人中四名の方が海外での研究業績によって受賞されております。
 これから、じゃ私たちがしなければならないことは、先生御指摘のとおり、まず国の中で国内の研究者をしっかりやっぱり育てていくとともに、刺激、いろんな世界の人たちと交流し合うことで切磋琢磨をする環境というのをつくらなければいけないと思います。
 先週、国会の御理解いただいて韓国に行ってまいりました。韓国、非常に今科学技術に力を入れているところで、KAISTという大学院大学の総長と会ってきたんですが、ほとんどアメリカの大学とかを出られた教授で、日本からの出身が非常に韓国では少ないということで、是非とも韓国の学生さんが、とても近いですから日本に来て学んでほしいという御要請もしてきたところであります。そういうことについては是非しっかりと推進していきたいと思います。
#163
○中川義雄君 科学技術立国日本の復活に向けての処方せんをどう描くか、非常に大切なことだと思いますので、最後になりますが、野田大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
#164
○国務大臣(野田聖子君) 本日は中川大先輩に活を入れていただきまして、科学技術というのが本当にこの国のもう背骨に当たるというところを改めて担当大臣として、この日々確認させていただく中で、これまではよかったけど、この先の展望が、人材の枯渇とかやっぱり研究費の伸び悩みで不安材料になっていますので、しっかりとそういうところは多くの国民の応援をいただけるよう頑張っていきたいと思います。
 とりわけ、やはり日本はこれまでも世界に冠たる科学技術力を持っており、様々な先駆的な、先ほどの繰り返しになりますけど、ハイブリッドにしても万能細胞にしても、次々とかなり多くの個人の努力で成し遂げてきた実績があるわけですから、今後はもっともっと多くの研究に関する支援をすることによって、引き続き今のきちっとした基盤を保ちつつ、これからは日本はこの科学技術をもってして立派な国際貢献をしていかなければならないと思うし、当然、外交のツールにもなっていかなければならないし、最終的にはやっぱり、今ちょっと低迷しているこの国の経済を守り立てるのみならず、精神性を高める意味でも、若い人たちの、次世代の将来の夢や希望となるような、そういう開発に向けて今だからこそ全力を挙げて取り組んでいきたいと、そういう決意でおりますが、私一人の決意ばかりではどうにもなりませんので、多くの国民の共感いただけるような広報活動にもいそしんでまいりたいと思っております。
#165
○中川義雄君 終わります。
#166
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 本日は、やみサイトの問題について質問させていただきたいと思います。
 インターネット上、犯罪仲間を募るいわゆるやみサイトの実態につきまして、どうなっているのか、どれぐらい把握をされていらっしゃるのか、警察庁に現状をお伺いいたします。
#167
○政府参考人(巽高英君) お答え申し上げます。
 やみサイトにつきましては、まずそもそも何がやみサイトに当たるのかという問題で、難しい問題があるわけでございますし、また、犯罪仲間を募るということでありましても、文言上は一般の求人情報にしか見えないような形態を取っているものが多いわけでございまして、犯罪仲間を募っているのかどうかというのは現実に被疑者を捕まえてみないと分からないというのが現実でございます。
 こうした中で、インターネットを通じて共犯者を募った事件で、警察が検挙によって把握したものとして三つの事例をちょっと御紹介させていただきたいと思います。
 一つは、昨年三月に検挙した事件でございますが、携帯電話の掲示板に電話を掛けるだけでもうかる仕事というような書き込みがあって、これは実際には振り込め詐欺の実行犯を募っていたわけでございまして、応じた男性が振り込め詐欺を実行したと、こういう事件がございました。
 それから、昨年七月に検挙いたしました事件では、高収入、日払い、詳しくはこのメールアドレスに連絡というようなインターネットのサイトの書き込みを見て応募して、偽造免許証を使って銀行口座や携帯電話の開設契約を行ったという事件がございました。
 また、本年二月に検挙いたしました、携帯サイト用のやみの職業安定所に、書類を海外から持ち帰る仕事、旅行してお金がもらえます、報酬は十万円から十五万円などと書き込んだということで、応募してきた者にマレーシアなどから覚せい剤を密輸させた事件があるということでございます。
#168
○山本香苗君 今三つほど事例を挙げていただきましたけれども、いわゆるそのやみサイトを利用した犯罪で非常に衝撃的だったのが、二〇〇七年八月のあの名古屋市の若い女性がやみサイトで仲間三人に拉致、殺害された大変痛ましい事件でございまして、それ以降も後を絶たないというのが現状であると思います。
 それどころか、その二〇〇七年の八月の後の十二月には、元交際相手の女性を拉致するためにやみサイトで知り合った、共犯者を募って襲った事件が岐阜県で起きて、その主犯格の男は、名古屋市の事件の報道でやみサイトというものの存在を知って、そして利用することを思い付いたんだということも供述しているわけであります。
 そのほかにもいろいろと、偽造のクレジットカードを使って電化製品をだまし取ろうとすることをやみサイトに通じた仲間でやっていたというようなこともあったわけでありまして、非常に大変大きな問題になっているんだと私は認識をしております。
 先ほど申し上げました名古屋市のやみサイト殺人事件について、名古屋地裁の判決が言い渡されました。先日の判決でありますけれども、この判決の中では、本件犯行は、三被告がインターネット上の掲示板を通じて集まり、犯罪を計画し実行したという点に特色があると。素性も知らない者同士がお互いに虚勢を張り、悪知恵を出し合うことで、一人では行えなかった凶悪、巧妙な犯罪が実行可能となる危険性があるが、本件はこの種の犯罪が持つ危険性がまさに現実化したもので、悪質性が極めて高い。匿名性が高く、仮に犯行後、集団が解消され、それぞれが連絡を絶ってしまえば、犯罪者を発見し、捕らえることは著しく困難になると予想され、犯罪が模倣されるおそれも高い。このような犯罪は誠に悪質であって、社会の安全に与える影響も大きい。
 こういうことを指摘をしているわけです。つまり、この種の犯罪は社会の安全にとって重大な脅威だと言われているわけでございます。
 そこで、佐藤国家公安委員長にお伺いしたいと思うんですが、いわゆるやみサイトを通じました犯罪につきまして、どのような御認識をお持ちになって、またどう対処すべきであるとお考えになっておられるのか、是非率直な、御自身の御意見も踏まえて御答弁をいただきたいと思います。
#169
○国務大臣(佐藤勉君) お答えを申し上げたいと思います。
 今先生からおっしゃられたこと等々を踏まえてお答えを申し上げたいと思いますが、インターネットには光と影の部分があるというふうに思います。今回の事件に当たりましては影の部分が出てしまったものというふうに感じております。本件はインターネットを利用して共犯者を集めまして凶悪犯罪を行ったものでありますが、インターネットの手軽さや匿名性の高さなどから、今後同様の犯罪が発生することも懸念をされるというふうに思います。
 そして、警察におきましては、サイバー犯罪について取締りと予防の両面から施策を進めておりまして、インターネット上にはんらんする違法情報、有害情報については、インターネット・ホットラインセンターを通じた削除依頼を行っているところでもございます。しかし、例えば犯罪仲間を募集するサイトにつきましては、文言上は一般の求人情報と今局長が説明したような見違うような形態を取っておりまして、取締りや削除依頼を行うということは、現実、なかなか困難という状況にございます。
 いずれにいたしましても、警察だけではこの問題は解決は難しい問題が多くて、関係省庁連携して取り組む必要があるというふうに私は認識をしております。
#170
○山本香苗君 まさしく佐藤国家公安委員長がおっしゃっていただきましたとおり、非常に巧妙な求人広告が多くて、読んでも犯罪と一見すると関係あるかどうか分からないものが非常に多いわけであります。また、次々とURLも変えていったりとかして大変捕捉も難しいと。難しいのはもうよく分かっているんです。分かっているんですが、何とか何かできないかというところを是非考えていただきたいと思うんです。
 例えば、インターネット上のやみサイトでは、今一番最初に局長がおっしゃっていただいたようにいろいろあるんですけれども、例えば裏バイト、高収入とかいった形で書いてあったりとかして、仕事内容とか労働条件なんか全く書いてないようなもので非常に違法性の高い求人広告じゃないかなと思われるようなものがあるわけなんですが、そこで、厚労省の方に来ていただいておりますけれども、職安法でこれ何とか対応できるようなものはないんでしょうか。
#171
○政府参考人(大槻勝啓君) お答え申し上げます。
 いわゆるやみサイトについての御指摘でございます。この点につきましては、一見求人に類するような情報ということでありますけれども、その多くが労働者の募集ということではなくて、例えば犯罪等にかかわる業務委託であったり、あるいは業務の請負の募集サイトという性格のものであることが多いというふうに認識をしているところでございます。したがいまして、こういった場合につきましては、これらの募集というものを行う人あるいはサイト管理者等に対しまして職業安定法に基づき対処するということは難しいと考えているところでございます。
 一般論として申し上げますれば、個別の事案につきましてその内容がまさに労働者の募集であると、かつ職業安定法に抵触するような行為があるというそういう事案があれば、これにつきましては当然ながら労働者の募集を行う者等に対しまして安定法に基づいて適切に対処していくというのは当然のことかと考えております。
#172
○山本香苗君 本件につきましては、過去に、今おっしゃっていた答弁のように一律にやるということは難しいということをおっしゃっているわけなんです。確かに一律は無理だと思っても、全くできないわけではないと思うわけです。明らかに違反しているものもあると思うんです。それらについてきちっと指導する、対応する、その結果、サイトが減る、アクセスが減らせる、こういう形で少しでも減らしていこうという姿勢で臨んでいただけないでしょうか。
#173
○政府参考人(大槻勝啓君) 御指摘の、インターネットに記載された内容が職業安定法における労働者の募集に該当するかどうかということが一つのポイントになるわけでございまして、まさに安定法で言うところの、労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託をして、労働者となろうとする者に対しまして、その被用者となることを勧誘するものであるかと、これを見た上で、そのインターネットでの求人と言われるものの内容が職業安定法の規制の対象になるのかどうかということを判断しなきゃならないものだと思っております。
 一律に、一概にこれは労働者の募集であるというふうには言えないものだと思っております。
#174
○山本香苗君 じゃ、明確な判断基準というのはお持ちだということでよろしいんですか。
#175
○政府参考人(大槻勝啓君) 先ほど職業安定法における労働者の募集の定義を申し上げたんですけれども、まさに労働者、労働基準法で言うような労働者を募集する、そういう内容であるのかどうかということでもって職業安定法が適用になるかどうかが決まるということでございまして、一般的には、先ほど申し上げましたように、いろいろ伺っておりますと、労働者の募集ということではなくて、まさに共犯者を募るという内容のものが多いということでございますので、これに対しては、一般的には職業安定法に基づく規制を掛けていくことは難しいということを申し上げました。
 ただ、もちろん、まさに労働者の募集という内容でありまして、これが職業安定法に違反するということであれば、当然これは適切に対処していかなくてはならないものでございます。
#176
○山本香苗君 もちろん、厚生労働省だけでこの問題解決してくださいと言っているわけではないわけです。
 内閣官房にはIT安心局長会議及びIT安心会議連絡会議というものが設置をされております。この枠組みの中では、インターネット上の違法・有害情報やITに関連する様々な社会問題の実態把握や対処方法等、省庁間の緊密な連絡、連携を図るとされております。
 まさにやみサイトのような、もう各省にまたがるような事案というものを取り上げる場であるわけでして、ですから、今までもやみサイトの問題ということを取り上げて、その対策のフォローアップをして、そして状況をホームページにアップしておられるわけでございますが、その中身を拝見させていただきますと、まとめていただいてこう言うのもなんなんですが、残念ながら、各省がそれぞれやったことをただまとめた、がっちゃんこしたというだけのものに、そういう域を出てないように思うわけなんです。もちろん、IT安心会議という形を設けていただいて、そしてどの省庁がどの対策にきちんと責任持ってやるのかと、責任の所在を明確にしてその進捗状況を追っていくというのは極めて重要なことだとは思うんです。思うんですが、それで目的が達成されたわけではないわけです。
 各省庁の担当者の方々がせっかく、時間が忙しい中、顔を突き合わせて情報を共有し合って、知恵を出し合って、例えば警察で、先ほど委員長がおっしゃったように、ここまではできますけれどもここからはどうにかできないだろうかみたいなところを、例えば厚労省どうだとか、法務省どうだとか、いろいろ横横連携を取って、何か知恵を出してどうにか対応しようという、そういう姿勢が必要なんじゃないかと。何とかしてこのやみサイトを利用した犯罪をありとあらゆる方向からなくしていきたいんだと、そういう姿勢を持った検討をやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#177
○政府参考人(南俊行君) 今先生から御指摘いただきましたとおり、私ども、IT戦略本部の命を受けまして、本問題、非常に社会問題化しつつあるという実態を踏まえまして、いわゆるIT安心会議というものを内閣官房に設置をさせていただいております。ここは、青少年にとって有害な情報にもちろんとどまらないで、今先生御指摘のような様々な違法情報の取扱いも含めまして、とにかくスピーディーに関係省庁間で情報を共有して新しい手を打っていくと、そのための集中対策を取りまとめ、そのフォローアップをさせていただいているところでございます。
 御指摘のように、最近の悪質な犯罪、後を絶たないという状況を本委員会からも何回も御指摘を賜っておりましたので、関係大臣にもお入りいただくような形での局長級の会議というものを開催をさせていただいているところでございまして、警察庁さんから御説明、大臣の方からも御説明ありましたサイバーパトロールでございますとかあるいはインターネットホットライン・センターの強化というものに加えまして、例えばこの世界では様々な隠語が使われていることが多うございまして、その隠語はなかなか普通の形では読み取れないと。それを犯罪予防の観点からすると一定のコンテクストの中から読み取るような、そういう技術の開発というものを今急ピッチで関係省庁で進めていただいているところでございますので、そういった施策なども加えながら、できるだけやれるべきことを省庁挙げてやっていけるようにこれからも努力をしてまいりたいというふうに思っておりますし、各省のやったことを単純にホッチキス止めすることに終わらないように、関係省庁の一層の連携強化と実効ある対策の検討を更に進めさせていただきたいというふうに考えております。
#178
○山本香苗君 参事官は議長をされているわけですよね、安心会議の方は。こうしたことができないかとか、いろんな知恵を出し合って、是非省庁挙げて取組をやっていただきたいと思います。
 ただ単に内閣官房は調整する機関ではない、企画立案もするところであるということであります。是非しっかり取組をやっていただきたい、言葉だけで終わらないでいただきたいと思いますし、国家公安委員長におかれましては、御就任前には総務副大臣もされていらっしゃったということで、大変お詳しいと伺っております。ですから難しい面もよく御存じであると思うんですが、でも、今まさにこのやみサイトが犯罪に簡単に手を染めるきっかけになっているということは看過できないことだと思いますので、まさしく国家公安委員長というお立場でこの問題に是非積極的にお取り組みいただきたいとお願い申し上げまして、質問の方、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#179
○糸数慶子君 無所属の糸数です。
 前回に引き続きまして、自民党さんの方からお時間少しいただきまして、ありがとうございます。さらに、中川先生にはとりわけ今回沖縄問題をいろいろ御質問いただきまして、ありがとうございます。今後とも応援の方よろしくお願いいたしまして、小渕大臣に御質問いたします。
 まず、加害者更生プログラムの検討状況ということで、DV関係でお伺いをしたいと思います。
 女性に対する暴力に関する専門調査会におきまして課題として挙げられ、DV法改正の際にも検討されました加害者更生についてでありますが、DV法、この防止法の第二十五条におきまして、国及び地方自治体に対する加害者の更生のための指導の方法などに関する調査研究の推進を努力する義務として規定がされています。この規定を踏まえて内閣府は、配偶者からの暴力の加害者更生に関する調査研究を行い、二〇〇六年に報告書を出しています。
 この調査研究におきまして地方自治体の協力を得た試行的な実施も行っており、それらを踏まえて今後の加害者更生プログラムの在り方について検討を行っておりますが、この中で、義務付けによる実施については、種々の法的あるいは実際上の問題が生じ得ることから慎重な検討が必要であり、今後は本格的な検討が行われることが望まれるというふうにされておりますが、具体的にどういう問題なのか、その後の検討状況と併せてお伺いいたします。
#180
○国務大臣(小渕優子君) お答え申し上げます。
 報告書につきまして、加害者更生のプログラムを義務付ける場合の問題点といたしまして、司法制度全般との整合性の問題が生じること、また現行の保護命令と同様の通常の裁判よりも簡易迅速な手続により決定すると、加害者の人権との関係で問題が生ずることなどの指摘がされております。
 こうした指摘を踏まえまして、現在、諸外国における加害者更生の制度や取組について調査研究を行っているというところです。
#181
○糸数慶子君 DV防止の施策を行う現場の地方自治体でありますが、実際にはその加害者更生の重要性を実感して様々な取組を行っています。
 今、沖縄県におきましても、県内でDV問題が深刻化していることを踏まえまして、二〇〇四年度からDV加害者対策事業に着手をしております。具体的にはDV防止のための教育プログラム、DV加害者更生相談など取り組んでおりますが、その結果や具体的な事例を生かした広報活動も今活発に行われているところです。
 現在の日本におきましては被害者に対する支援策が十分とは言えずに、被害者の自立支援など取り組まなければならない問題も数多くありますが、しかし同時に、やはり加害者に対する対策に取り組まなければDV被害というのはなくなりません。加害者更生あるいは被害者の安全を確保するために欠くことのできない取組でありまして、地方自治体は危機感を持って今行っております。
 国におきましても、検討にとどまらず早急な対策を行うべきであるというふうに考えますが、小渕大臣の御所見を再度お伺いいたします。
#182
○国務大臣(小渕優子君) 加害者更生につきましては、まさに委員御指摘のとおりでありまして、DV被害を減らしていくためにも大変重要な取組であると認識をしております。しかし、先ほど申し上げましたように、この加害者更生プログラムに関しましては現在調査研究中ということでありまして、なかなかすぐすぐに実施をするというようなところにまでは正直至ってないというのが現状であります。
 現在、配偶者からの暴力の防止の取組として、まずは若い世代からの予防啓発、そして被害者支援の現場における加害者対応の支援に重点的に取り組んでおるところであります。ただいま沖縄での、自治体での様々な取組も御紹介をいただきましたけれども、そうした点も注視しながら、またこのような取組を通じて加害者に対する適切な対応を進めていきたいと考えております。
#183
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 私もせんだってオーストラリアあるいはカナダ、アメリカなど先進国の調査をしてまいりましたけれども、やはり加害者に対する対策を法的な専門家、弁護士の方々やケースワーカー、ソーシャルワーカー、いろんな方々が力を合わせて被害者対策と同時並行でと申しましょうか、真剣に執り行っているその状況を見まして、是非とも、すぐすぐにはできないかもしれませんけれども、しかしそういう目標を持って実際に取り組んでいる国もありますので、是非今後とも取り組んでいただきますように心からお願いを申し上げたいと思います。
 小渕大臣に対しましては以上でございます。御公務多忙だと思いますので、御退席いただいて結構でございます。
#184
○委員長(愛知治郎君) 小渕大臣は退席されて結構です。
#185
○糸数慶子君 次に、沖縄における米軍用地の賃貸契約についてのお伺いでございます。
 沖縄の地元紙の報道によりますと、沖縄県金武町の伊芸区の伊芸財産保全会は三月の二十二日に総会を開きまして、保全会が米軍キャンプ・ハンセン内の七か所に持っておりますおよそ三百二十六平方メートルの軍用地について、これまで沖縄防衛局と交わしてまいりました賃貸借契約を二〇一〇年度以降は締結しないことを決めたと報道がございました。
 この賃貸契約拒否に関する政府の御見解をお伺いいたします。
#186
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。
 キャンプ・ハンセン内に所在しております金武町伊芸の土地の一部につきましては、伊芸財産保全会会長を代理人として現在、沖縄防衛局長と賃貸借契約を締結しているところでございます。
 委員御指摘の報道については承知しておりますけれども、現時点におきまして金武町伊芸財産保全会から二〇一〇年度からの賃貸借契約を更新するといった旨の申入れを具体的に受けておる段階ではございませんので、防衛省の見解につきましては現時点で具体的にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#187
○糸数慶子君 今御答弁ございましたけれども、この賃貸契約を拒否する金武町の方々の行動というのは、実際には政府に対する抗議であります。住民無視、そして原因究明が進まない金武町伊芸区の被弾事件やそれから度重なる騒音被害などに対する抗議の意思を示すためのものでありまして、島袋会長は、伊芸区民の生命と財産を守るため、区と一緒になって基地撤去を求めていくというふうにおっしゃっています。
 四月以降、防衛局との交渉で契約拒否の意向を正式に伝えるというふうなことでありますが、政府はこの地域住民の賃貸契約を拒否する行動に対してどのように対応されていくのか、お伺いいたします。
#188
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、現時点において金武町伊芸財産保全会から具体的な申入れを受けているわけではございませんけれども、いずれにいたしましても、キャンプ・ハンセンは米軍の演習場などとして必要な施設であり、今後、金武町伊芸財産保全会の理解と協力を得て、引き続きこの土地が円滑に使用できるよう努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#189
○糸数慶子君 先ほども申し上げましたけれども、国が本当に責任を持って、こういう米軍の基地の中で起こる事件や事故に対する対応の遅さ、そして腰が引けているという地元住民の怒りの声の表れであり、今度どういうふうに対応していくか、地元住民の意向を是非しっかり踏まえていただくことを強く要望いたします。
 次に、普天間での飛行場での燃料漏れについてでありますが、普天間飛行場からジェット機の燃料の流出がございました。今月三日、沖縄県宜野湾市の普天間の飛行場で、ジェット燃料が八百ガロン、およそ三千二十四リットルが漏れる事故が発生いたしました。
 そこで、お伺いしたいのは、このジェット燃料など油の流出事故、今回含めて何件ほどありましたか、明らかにしていただきたいと思います。
#190
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。
 平成十五年度から平成二十年度までに、平成二十年度と申しますのは平成二十一年三月二十三日現在でございますが、防衛省が米側などから通報を受けました米軍施設・区域関連での油漏れの件数につきましては、普天間飛行場が一件、キャンプ瑞慶覧が七件、嘉手納飛行場が五件、陸軍貯油施設が二件、ホワイト・ビーチ地区が二件、那覇港湾施設が二件、キャンプ・ハンセンが一件、キャンプ・シュワブが一件の合計八施設二十一件でございます。
#191
○糸数慶子君 この事故を踏まえた米軍側の通報体制に問題があるというふうに思います。地元の宜野湾市では、沖縄県に連絡が入ったのは二日遅れの五日でありました。
 今回の事故に限らず、米軍基地内で起こる事故の通報、先ほど八施設で二十一件あるというふうに今おっしゃったわけですが、やはり通報体制が常に遅れて、地元住民を不安に陥れています。米軍から国や県、市町村への連絡通報体制には不備があると思いますが、この件、政府は十分に機能しているというふうに今お考えでしょうか。
#192
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。
 防衛省といたしましては、油漏れを含みます在日米軍に係る事件、事故などが発生した場合には、平成九年三月に日米間で合意されております通報手続などに従い、関係地方自治体などに速やかに通報することとしておるところでございます。
 なお、本年三月三日の普天間飛行場における油漏れにつきましては、三月四日、在京米大使館から外務省の日米地位協定室を通じ防衛省に対して連絡があり、日米の関係当局間で累次にわたり事実関係の確認を行ったところ、翌五日、普天間飛行場での油漏れに係る具体的な事実関係が確認できたことから、関係自治体である沖縄県及び宜野湾市へ通報させていただいたところでございます。
 いずれにいたしましても、今回の油漏れを含めまして、日米当局間におきまして迅速かつ正確な情報伝達及び地元への伝達は不可欠なものと考えておりまして、本件につきましては、三月十日、沖縄防衛局長から在沖の米海兵隊基地司令官に対しまして、再発防止の徹底と迅速かつ積極的な情報提供などを文書により申し入れさせていただいたところでございます。
#193
○糸数慶子君 通報を受けて、それから安全確保と原因究明、そして燃料の流出漏れの通報体制に関して防衛局とそれから海兵隊にいろいろ申入れをされたということでありますが、実際には、宜野湾市には十三日やっと職員が現場に入れるような状況を取ったと。そして、入れたんですけれども、中での土壌や草などのサンプル採取や写真撮影が認められなかったというのが現状であります。事故の原因究明や土壌の汚染について政府は調査するのかしないのか、お伺いいたします。
#194
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。
 今回の普天間飛行場における油漏れにつきましては、米側によれば、米軍によりますと、原因は燃料貯蔵所から燃料タンクに航空機燃料JP5を補給した際、タンクのゲージ、計測器でございますが、その誤作動により約二百ガロン、約七百六十リットルの航空機燃料が流出したものであり、現場におきましては直ちに米側の流出対応班が出動し対応を行ったとのことであり、また、再発防止策としては、ゲージ、計測器の回収及び作業手順の見直しを行ったとのことでございます。
 さらに、先ほど委員御指摘ございましたように、三月十三日には沖縄県、宜野湾市及び沖縄防衛局が油漏れ現場への立入りを行いまして、米軍から事故の概要及び今後の処理などについて説明を聴取したところでございます。
#195
○糸数慶子君 先ほども、施設の中で実際に油が漏れて、そして日数が実際にたってから通報ということなんですが、これはゲージの誤作動で今回はこういう状況になったというふうに御報告いただきました。
 実際には、この基地の使用実態でございますけれども、在日米軍の施設や区域での土壌汚染、環境問題、いろいろございますけれども、実際は基地から派生するごみ処理の問題にも実は大きな環境破壊があります。在日米軍はこういうふうな環境問題、事故が発生すると国内法で本当に適用できないと、いわゆる日本の環境基準で調査ができないということで、環境問題には全く私たち県民から見れば政府の対応は無関心のように思われます。
 在日米軍には国内法令を実際に尊重し、公共の安全に妥当な配慮を実際に払う義務があるというふうに思います。政府もその趣旨をしっかり踏まえて、米軍側と協議をして、環境保全に努めるべきだというふうに思います。現在の基地の使用実態においては、土壌汚染に対する処理一つ取っても実際にはきちんと行われていない。そして、再発防止というふうにおっしゃいますけれども、米軍側の発表にのみ頼っています。
 政府がかかわって、実際に調査や環境汚染の実態を掌握することが重要だということを指摘いたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#196
○委員長(愛知治郎君) 以上をもちまして、平成二十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、人事院を除く内閣所管及び内閣府所管のうち沖縄関係経費を除く内閣本府、国際平和協力本部、日本学術会議、官民人材交流センター、宮内庁、警察庁、消費者庁についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#197
○委員長(愛知治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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