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2009/07/01 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号
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2009/07/01 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号

#1
第171回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号
平成二十一年七月一日(水曜日)
   午前十一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十九日
    辞任         補欠選任   
     加藤 敏幸君     藤原 正司君
     丸川 珠代君     水落 敏栄君
 七月一日
    辞任         補欠選任   
     佐藤 泰介君     谷岡 郁子君
     水落 敏栄君     森 まさこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         市川 一朗君
    理 事
                岩本  司君
                今野  東君
               北川イッセイ君
                伊達 忠一君
    委 員
                喜納 昌吉君
                佐藤 泰介君
                高嶋 良充君
                谷岡 郁子君
            ツルネン マルテイ君
                藤原 正司君
                円 より子君
                横峯 良郎君
                島尻安伊子君
                中川 義雄君
                水落 敏栄君
                森 まさこ君
                義家 弘介君
                木庭健太郎君
                西田 実仁君
                紙  智子君
                山内 徳信君
   衆議院議員
       沖縄及び北方問
       題に関する特別
       委員長      前原 誠司君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  佐藤  勉君
   副大臣
       内閣府副大臣   宮澤 洋一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        岡本 芳郎君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        藤崎  昇君
   政府参考人
       内閣府地域再生
       事業推進室長   上西 康文君
       内閣府政策統括
       官        原田 正司君
       内閣府沖縄振興
       局長       清水  治君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  河村 潤子君
       国土交通省航空
       局長       前田 隆平君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄科学技術大学院大学学園法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○北方領土問題等の解決の促進のための特別措置
 に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院
 提出)
    ─────────────
#2
○委員長(市川一朗君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六月十九日、丸川珠代君及び加藤敏幸君が委員を辞任され、その補欠として水落敏栄君及び藤原正司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(市川一朗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄科学技術大学院大学学園法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府地域再生事業推進室長上西康文君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(市川一朗君) 沖縄科学技術大学院大学学園法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○岩本司君 民主党・新緑風会・国民新・日本の岩本司でございます。
 国民の皆様方に分かりやすい質問をさせていただきますので、分かりやすい御答弁、よろしくお願いいたします。
 まず、大臣にお伺いいたします。
 本法案に対する大臣の決意と、また覚悟をお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(佐藤勉君) 私、昨年の九月二十四日にこの立場を拝命をいたしまして、正直、最初はいろんな意味で不安もございました。そういう中で、いろいろ現地を視察し、そしていろんなお話を伺い、そしてブレナー理事長を始めとする先生方のお話をお伺いし、そして忌憚のないお話をさせていただきながら、ここまでいろんなことを学ばさせていただきました。
 正直、沖縄に行くまで本当にこれでいいのかという思いは正直ございましたが、沖縄に行って、皆さんの熱意、そして環境、そして建物、そして現在進んでいるいろんな状況等々を拝見をし、そしてお話を伺ったときに、これはやはり本当の意味での大学院大学をつくらなければいけないという気持ちにならさせていただきました。
 また、正直、先生方からもるるお話がございましたように、何で沖縄なのだというお話もございましたけれども、沖縄の振興等々を考えても非常に私は適地を選んでいただいたのかなというふうに思いますし、これから時間は掛かると思います、そう簡単に短期で私はいろんなことがなし得るとは思いませんけれども、やはり長期的な観点に立って、日本が今できる世界への情報発信、そして大学院大学としての一つのモデル、この経済状況の中で私は世界でできるのは日本だけではないかという思いをさせていただきながらこの法案に取り組まさせていただいているつもりでございます。
 そして、ひいては沖縄の自立型経済の発展ということに必ずつながると思いますし、私はこれは五年、十年ででき上がるものではないというふうに思いますし、この大学院大学がしっかりと沖縄に根付き、そして日本の、何といいますか、誇れる、そして世界のモデルとなり得るような大学院大学に私どもはしっかりと育てなければいけない、その基本をこの法案でつくらせていただくというのが私の思いでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
#8
○岩本司君 ありがとうございます。
 大臣も現地に足をお運びになられたと。私ももう何度も現地に行きまして、県民の皆様と直接触れ合い、御意見も聞いてまいりました。勉強すればするほど、この大学院大学に対する県民の皆様の希望といいますか、夢が膨らんでいるのを実感しているところでございます。
 この大学院大学でございますけれども、私がいろんな方から聞いたお話の中に、こういうことを教えていただきました。日本に沖縄が復帰するに当たって、県民の皆様から当時の政府の、与党の幹事長、当時の幹事長は三木武夫さんでございます、その方に、沖縄県民を代表した方々が、上京され、数十項目日本政府に対して要望をされたそうです。その数十項目の中の一つにこの大学院大学が入っていたというふうに伺っております。この沖縄が、もう地上戦どころか、沖縄だけではなく世界中から戦争がなくなるように、世界から学生に沖縄に来ていただいて、それで沖縄で世界の秩序、モラルを学んでまたそれぞれの国に帰っていただく、そして沖縄が世界の平和を引っ張っていくと、そういうような沖縄にしたいという当時の我々の先輩方のそれこそ夢と希望が詰まっている法案であるというふうに私も実感しているところでございます。
 大臣、この沖縄の科学技術大学院大学でございますが、アメリカのカリフォルニア州のサンディエゴを参考にしていると伺っております。カリフォルニア大学のサンディエゴ校、ソーク研究所、スクリプス研究所等の国際的にもトップレベルの大学、研究機構が集積しているわけであります。ライフサイエンス分野においてそうした大学、研究機関からスピンオフした企業が約二百社にも及ぶと。
 ただ、カリフォルニア州のサンディエゴというのは大きな軍港もありますし、アメリカとは陸続きでございます。しかしながら、沖縄の場合は、周りを海で囲まれているわけであります。サンディエゴのように二百社というような企業がスピンオフする、また大学院大学の近くにそういう研究所が今からどんどん増えてくるという、そういう期待もあるわけでございますけれども、この点につきまして大臣の御所見をお伺いいたします。
#9
○国務大臣(佐藤勉君) 先生、もうサンディエゴの話は先生が一番よく分かっている話だと思いますが、いずれにしても、大学とか民間の研究所、さらにはベンチャー企業等が集積をし、そして新たな産業が創出、発展をする、知的クラスターの形成に取り組むということが大事だというふうに思います。その代表的なサンディエゴの地域もクラスターというふうに伺って、私は直接見たことはございませんけれども、伺っておりまして、目指すべき私は成功事例の一つというふうに思います。
 そこで、クラスターの形成といっても核となる世界レベルの研究開発の存在というのが必要、必ず必要だというふうに思いますし、そこが核になってクラスターという形になるんだろうというふうに想像しておりますけれども、とにもかくにも大学院大学がその拠点になるような研究開発をできるような環境をまずつくらせていただくということだと思います。
 そして、沖縄という観点で考えれば、成長力の高いアジアの中心に位置をし、主要都市にも近接をすること、そして豊富な亜熱帯の生物資源等に恵まれていること、研究資源として活用できる可能性がございます。そして、とにもかくにも豊かな自然があるということ、そして研究環境の生活に優れていること等々いろいろ条件を備えておりまして、私は可能性としてはかなり高いものがあるのではないかなというふうに期待をしております。
 ただ、これを成功させるのは、これだけの感覚、大学院大学をはぐくむという感覚だけでは私はなし得ないと思います。各省これに相まって協力体制をいただき、そして企業が大学院大学に対して非常に興味を持っていただくというのがまずは大事なことでございまして、そういう意味も含めて、大学院大学の経営というものも加味したこれからの取組というのが必要なのではないかなというふうに思います。
 もとより、先ほども申し上げましたように、数年でクラスターが形成できるなんていうことは私はないと思います。それをいかに成功させていくかというのは、政府の取組ももとより、地元の沖縄県そして恩納村の取組等々も含めて、そこで受入れ体制ができるような地域の開発等々も含めて、私はしっかりとした構想の下この大学院大学をはぐくむということがまずは大切なことではないかなというふうに思っております。
#10
○岩本司君 確かに数年で結果が出ることは難しいと思います。しかし、せっかくつくるわけですから、サンディエゴやシンガポール、そういうところよりも、もう世界一の本当の大学院大学をやっぱりみんなで一緒につくろうじゃないですか。そこの私は覚悟をお伺いしたんですけれども、多分そのぐらいはいきそうだろうと、先のことだから分からないというようなニュアンスの答弁では、我々もちょっと迷うわけであります。
 やはり、大臣がリーダーシップを取って、もちろん私どももしっかりと支えてまいりますけれども、もう少し強い、力強い、沖縄県民、日本国民に向かって、また世界に向かってのアピールをもう一度ちょっとお願いいたします。
#11
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほども申し上げましたように、意識としては私は世界一になるというふうに思っておりますし、また、これだけのお金を掛けてなれなかったらちょっとおかしい話になります。そして、陣容を見ても、すばらしい陣容を抱えながらこれから大学院大学を運営をしていこうという意識、そして意気込みというのは私はだれにも負けないものがあるというふうに思います。
 そういう中で、世界一を目指すというのは当然、当たり前のことだというふうに私は思っておりますし、この大学院大学の成功が日本の行く末を決めるぐらいの感覚を持たなければいけないというふうに思いますし、これがひいては世界に貢献できる日本というものも含めて、私は世界一の大学院大学を目指したいというふうに思っておりますので、先生方の御協力をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#12
○岩本司君 ありがとうございます。
 沖縄の北部も、まだ高速道路も行き届いていない、インフラもまだ整備されていないわけでございますけれども、沖縄全体的なそういう開発も今後必要になってこようというふうに思います。木を見て森を見ずじゃなくて、沖縄の五十年、百年先を考えて、我々は真剣に議論をしていかなければならないと思います。
 また、先日の参考人の質疑の中でシドニー・ブレナー理事長が、自主財源の確保について、企業から委託を受けた研究よりも、むしろより長期的な関係の下で企業との共同研究を進めて協力関係を築いていきたいという御発言がありました。企業から、じゃ、こういうものを研究してくれと請け負うんではなくて、共同に研究開発をしていくと。もう既にホンダですとかほかの幾つかの企業と共同研究を始めているわけでございますけれども、自主財源の確保も、これ重要なことでございます。
 しかしながら、そういう企業に対するアプローチといいますか、その辺が、私も現地で工事現場も見せていただきました。もう七割、八割方進んでおります。研究所の中も見せていただいたり、現場の方の意見交換もしましたけれども、もう少し精力的に企業との連携を図る、そういう取組が必要だと思いますけれども、大臣の御所見をよろしくお願いします。
#13
○国務大臣(佐藤勉君) 先生おっしゃられるとおりだと思います。
 したがいまして、大学の経営に関しましては、私は研究だけでいいという方向付けは決してしたくないというふうに思います。そこにやはり企業との関連をしっかり模索する経営的感覚を持った方の陣容というのは必ず必要になるというふうに思いますし、ひいてはそれが産学官の連携という形を取って大学院大学の運営にもかなり影響を及ぼしてくるんではないかなというふうに思いますし、もちろん今先生がおっしゃられました予算の問題もございますが、そういうことも含めて、ある意味では、大学院大学としてそういう連携の下にある程度の資金の確保みたいなものが模索をできれば、将来的にということでございますけれども、そういう意味で企業との連携というのが構築をできるんではないかなというふうに思います。
 したがいまして、冒頭申し上げましたように、経営的感覚を持った大学院大学側の陣容というものもしっかりと見据えていかなければいけないというふうに思っております。
#14
○岩本司君 ここは非常に重要な点でございまして、国民の税金でこの大学院大学を運営するわけでございますけれども、スタート時点は、まずは十年間ということでございますけれども。やはり、大学側もリーダーが中心になって、僕はブレナー理事長が全国世界を回って営業してくださいと言っているわけではないんですね。しかし、リーダーが、なぜかというと、もう御高齢でもありますし、立派な研究者でございますけれども、そういうリーダー的な方が大学の経営にかかわる、リーダー的な方がやっぱり率先して企業を回ったり、大阪や東京に足を運んで会社を回って、何が、お宅の会社で、どういう研究が必要でしょうかと、そういうことから持ち掛けていってアプローチをしていかなければなかなか難しいんではなかろうかと思います。
 例えば、仮にサンディエゴのように二百社の企業が生まれたとします。百人の会社であれば、これでもう二万人の雇用は生まれるわけですね。もちろん、雇用だけじゃございません。先ほども申し上げましたけれども、沖縄県民の所得を上げることも必要ですけれども、それと同時に、日本で生まれたその技術を世界で活用してもらえるような、そういう世界平和につながっていくような、そういう科学技術大学院大学になってもらいたいと思うわけであります。
 私も、今後も現地に足を運びながら、また私自身、そういう企業との接触があれば、こういう大学院大学がありますよと、共同研究、委託ではなくて、そういう、することありませんかということも声を掛けながらしっかりサポートしていくことをお誓い申し上げて、私の質問を終わります。
#15
○今野東君 民主党の今野東でございます。
 この大学院大学構想ですけれども、私は当初から大変疑問を持っておりまして、この法案については賛成をしなければならないのかなとは思っておりますが、疑問の点もたくさんあります。
 まず、大臣も今お話しでいらっしゃいましたが、地元の方々が大変熱心だったと言いますが、その熱心な地元の方々というのを見ていると、県庁の方、それから内閣府が呼びかけた推進委員の方々、この方々だけです、熱心というのは。私、実際に沖縄に行って一般県民の方々に聞いてみると、来てもらうのは、別に我々が負担するわけじゃないから来てもらってもいいけれどもというのが普通でした。
 もう一度ここで、何度も恐らく大臣もおっしゃっていると思うんですが、振興特別措置法に基づく沖縄振興計画の主要な施策の一つとしてこれは平成十七年から準備をされてきたわけですけれども、沖縄振興特別措置法には、沖縄の自立発展に資するとともに、沖縄の豊かな住民生活の実現に寄与することを目的とするとあります。この大学院大学ができると、どのようにして沖縄の豊かな住民生活の実現に寄与するのか、豊かな生活の向上につながっていくのか、どうも私には何度聞いても分からないんです。
 ここで、もう一度、大臣に伺いたいと思います。
#16
○国務大臣(佐藤勉君) 大学院大学でございますけれども、沖縄において国際的な教育研究拠点を築くものというのは御承知のとおりでございますし、沖縄が科学技術の情報発信や交流の拠点に成長するとともに、ほかの大学の、民間の研究所、さらには企業等々が集積をし新たな産業が創出、発展をする、先ほど申し上げましたように知的クラスターの形成ということになり、ひいては沖縄の振興に間違いなくできるような方向付けをしていかなければいけないというふうに思います。
 また、大学院大学の存在が私は刺激となりまして、次世代を担う人材の育成が図られるというふうに思います。また、キャンパス周辺の生活環境を整備すると同時に、文化面を含めた国際色豊かな地域振興にもつながるというふうに思いますし、もちろんかなりの先生方がおいでになる。もちろん文化面のことも、私は、そういうほかの国から来られた著名な、また能力の高い先生方がお見えになったときに、ある意味では文化というものを沖縄に根差していただけるんではないかなという思いもございます。
 したがいまして、いろんな答弁の中で、大学院大学の下の方に門前町なんというのは私は自然にできるものというふうに考えておりますし、文化という観点からいえば、非常に高いレベルの方々がいろんな文化をはぐくんでいただくという意味では、非常に重要な文化、また沖縄の方々にプラスになるような文化というのも当然生まれてくると思います。そういうもの等々を含めて、大学院大学が沖縄に根差すということになれば、冒頭申し上げましたように、企業等々の集積ができ、ひいては沖縄の県民の方々の雇用が増え、所得の向上にもつながるというふうに思います。
 ただ、すぐには先生おっしゃられましたように効果が出るというものではないと思いますし、そういう効果が出るような方向付けを私どもが一生懸命サポートすることによって沖縄振興に必ずつながっていくものというふうに私は思っております。
#17
○今野東君 大体これまで伺ってきたお話の範囲の中なわけですけれども、私、泡瀬干潟の埋立事業のときの質問でも触れましたが、沖縄県の社会資本整備は進んでいるとはいっても、県民所得は二〇〇六年度で平均二百八万九千円、東京都民の平均は四百八十二万円というところからすると、すごい格差だなと思います。こういうところにどのように手当てをするかという発想からこの大学院大学が生まれてきたのではないということははっきりしている。
 沖縄の自立発展、あるいは豊かな県民生活の実現ということを考えると、じかに効力のある話ってあるんじゃないかなと思うんですね。
 例えば、今モノレールが完成して空港から首里城まで走っていますけれども、あの料金、基本料金、大臣、御存じですか。質問通告してないので、二百円なんですね。東京の地下鉄は百六十円なんですよ。平均所得四百八十二万円ある人たちが百六十円で地下鉄に乗り、平均所得二百八万の沖縄の人たちが二百円でモノレールに乗っているんです。こういうことを是正するのが政治なんじゃないかと私は思うんですね。
 振興策というのならば、この予算でそこに補助をしてモノレールを百円にする。これは県民の人たちが喜ぶし、観光に来た人も大いに利用すると思うんですが、少し大学院大学の話とは違いますけれども、大臣、どう思われますか、こういうこともしなきゃいけないんじゃないですか。
#18
○国務大臣(佐藤勉君) 先生のおっしゃられる趣旨はそのとおりだと思いますし、長期的に、私、この大学院大学の問題は考えなければいけない、まあ大学院大学だけの話ではないというふうに理解させていただきますが。もちろん先生がおっしゃられたすぐにやらなければいけないこと等々たくさんあろうかと思います。
 そういう意味では、今モノレールの話がございましたけれども、ほかの面についても、例えば高速道路等々、本土とはかなり安くさせていただいている部分もありますし、目の届かないところがあれば、私は先生がおっしゃられたような趣旨は踏まえて改善をしていくべきだというふうに思いますし、すぐに役立つことがあれば、もちろん先生の趣旨にのっとって改めるべきところは改めていかなければいけないというふうに思っております。
#19
○今野東君 このモノレールを百円にする計画はすぐに役立ちますよ。是非検討していただきたいと思います、沖縄振興策、特措法の中で。
 大学の話に入りますが、ブレナー理事長においでいただいてお話を伺ったときに、ブレナー理事長は、ノーベル賞受賞者は学校、大学の運営の仕方を知りませんとおっしゃっていました。やはり大学の経営には専門のそれなりの知識を持っている人が必要で、そういう人たちに運営をしていただかなければならないんだという、ブレナー理事長がそういう意識でいらしたと思うんですが、この大学の経営に関して、高度な知識、経験を有する人をどのように選んで引き受けてもらおうと思っていらっしゃるんでしょうか。
#20
○政府参考人(清水治君) 大学院大学の運営についての、経営についての能力のお尋ねでございます。
 まず、大学院大学の最高の意思決定機関でございます理事会、そのメンバーでございます理事についてでございますが、今回の御提案の中でもお示ししているとおり、ノーベル賞受賞者等の卓越した科学者に参画していただく、それから、大学経営に関し豊富な知識と経験を持った人材に参画していただく必要があると考えております。特に学長については、学識のみならず経営能力にも優れた方に御就任いただく必要があるということでございます。
 学長や理事の人選を含めた学園の設立準備につきましては、この法案お認めいただきましたら、その後任命いたします設立委員が行うことになりますが、これにつきましては、継続性の観点から、基本的に現在の沖縄研究機構の運営委員の先生方等が任命される予定でございます。
 そういった中で、学識のみならず経営的な感覚を踏まえながら検討していく。その際に、優れた、そういった経営能力を含めたより優れた人材を採用していくためには、国際的に競争力のある人事や処遇制度の構築も必要でございますし、内外の研究大学の実態調査も踏まえながら具体的な検討を進めているところでございます。
#21
○今野東君 これ、学長と理事長は別になるんですか。
#22
○政府参考人(清水治君) 私立学校法、学校法人の制度では、学校法人の理事長と、それからそのうち教学面を、学校法人が設置する大学、この大学院大学の場合でいえば大学です、大学院大学とその教学面とを区別した形になっています。制度的には理事長及び学長というのは別のポジションでございますが、一方で簡素な経営という、この大学の場合は大学院大学のみを設置する学園でございますので、そこについては基本的に同じ方がやられるということが想定されるのではないかと考えてございます。
#23
○今野東君 いや、同じ人であってもいいんですが、このブレナーさんがおっしゃったように、ノーベル賞受賞者は大学、学校の運営の仕方は知りませんとおっしゃっていた。これは何もノーベル賞受賞者だけじゃなくて学術研究を一生懸命やっている人は経営まではなかなか手が回らないんですって。むしろそこは専門家の方にやっていただいて学術研究をきちんとやりたいというのが本音なんじゃないかと思うんですね。
 そういう、一人で学長も理事長もやれるという人が実際に想定できますか、いますか。もう間もなく開学するわけですから、具体的な人というのはイメージしておかなければなりません。
#24
○副大臣(宮澤洋一君) 今、大変重要な御質問をされていると思うんです。
 この大学院大学、ともかく成功させなきゃいけないということでありますと、やはりその求められる能力というのは、まさにノーベル賞受賞者のように独創的な研究が自分でできるという方、恐らく後輩を育てるという教え方のうまい方というのもあります、それから経営能力に優れた方、この三つがうまくバランスできるような学校の体制というのをつくっていかなければいけないわけですが、今局長から申し上げましたように時々そういう方がいらっしゃるわけでございまして、そういう方をどうやって見付けていくかということを、これから何人かの候補者、恐らく局長の念頭にはあると思いますけれども、その中で絞り込んでいくと、こういうことになろうかと思います。
#25
○今野東君 いや、時々いて、たまたまその方がポジションに就いていなくて空いていて、うまく来てくれればいいんですけれども、そこは一人の方と特定して考えずに、場合によっては学長はこちらで理事長はこちらと考えてもいいんじゃないですか、柔軟に。
#26
○政府参考人(清水治君) 御指摘のように、大学の経営ということで、その中で具体的な経営の方針決定について御考察いただきますと、教育研究の重要な方針については当然理事会の中で決定がされるわけですけれども、その理事会が意思の決定・監督機関としてございまして、それの下に理事長、学長が具体的な日々の執行ということでやっていきます。またさらに、理事長なり学長を支える事務組織も必要でございまして、その事務組織の中には財務的な部分もございますし、また教学面、いろいろな研究者の方、様々な方を束ねながら運営ビジョンを持って指導していく、そういった意味で、そういった事務体制も含めて考えていく必要があると考えております。
#27
○国務大臣(佐藤勉君) 今野先生の御趣旨はよく分かります。そういうことも含めて検討させていただきたいというふうに思いますし、名称等々またいろいろ変わることがあるかもしれませんけれども、御趣旨に沿った考え方の下で、もし、先ほど副大臣がお答えを申し上げましたように、たまたまいらっしゃったらそれということになるかもしれませんけれども、御趣旨を踏まえた考え方も検討してまいりたいというふうに思っております。
#28
○今野東君 そこのところに私少しこだわりたいと思うのは、やっぱりブレナーさんが機構の理事長として今まで何年間かいらして、果たしてその機構の中が、研究者を集めるという重要な役割もブレナーさんがおやりになって、機構の中の人事あるいは財務的なこともブレナーさんが責任を持っておやりになっていたわけです、最終的には。だけれども、必ずしもその点がうまくいっていたかというとそうではないということが私のところにいっぱい来ておりまして、それは元々、八十歳を過ぎたノーベル受賞者に、世界中を駆け巡って沖縄にほとんどいなくて、研究者を集めるという仕事を主に一生懸命やっていただいていて、その上に更に機構の中の人的なあるいは財務的な、経理的な関係まで負わせてしまうというのは不可能だったろうし、その部分は切り離されて、実は別のところで、何というか、だれかが力を持ってしまって、そういうことになったら大変だから、それは柔軟に考えて、学長と理事長と分けてそれぞれの専門家に頼んだ方がいいんじゃないかと思っているんです。
 ですから、そこに、一人の人にどうも、今聞いているとだれか想定しているんですかね、だれかいるんですか、学長として、理事長として置きたい人。どうもそこにこだわっているように感じてしようがないんですが。そこにこだわらずに、是非その役割を分けて、普通ですよ、学長と理事長を分けるのは、これだけ巨額なお金を投じてできる大学で、さっきからおっしゃっているように、失敗は許されないとおっしゃっているんだから、そこのところはそれぞれの専門家にお任せするという考え方でいいんじゃないかと思うんですが、もう一度どうでしょうか。
#29
○国務大臣(佐藤勉君) 今答弁申し上げましたように、よく検討させていただきたいと思いますし、また検討結果につきましては先生方に御報告をさせていただきたいというふうに思っております。
#30
○今野東君 ブレナー理事長のお話ですが、こうもおっしゃっていましたね。
 失敗というのが日本では余り許容されていない。何人かがちゃんとリスクを取っていくことが、失敗をした場合は何人かがちゃんとリスクを取っていくことが必要だと発言されました。私も、この事業は失敗は許されないと思っています。今八百兆円とも言われる借金を抱えた我が国が、それでもなお国民の税金を毎年百億円以上も注いでつくる大学だからであります。
 このリスクを取るということをどのように認識していらっしゃいますか。
#31
○政府参考人(清水治君) 大学院大学の学園の構想プロジェクトをきちんと成功させていくという重要性の御指摘、御指摘のとおりでございます。
 先般の参考人質疑の際に、リスクについてのやり取りがございました。その中で、ブレナー理事長、これ議事録から拝見いたしますと、御質問の中では、知的クラスターを形成するための必要な条件はどういうことかということに対して、一つの必要条件として申し上げるのであれば、やはり人々がリスクを取ることが必要になる。お国柄としてリスクを回避される傾向がある。特に科学的な研究について言われたのかなと思いますが、科学的な研究は継続的なリスクの継続ですと。うまくいくかどうかいつも分からない、うまくいくと分かっていたら研究など必要ありません、リスクがないということです。私たちはいつもリスクを取らなければいけない。これを試みてみよう、やってみよう、うまくいけばすばらしい、失敗したらまた違うことをやってみようという態度、そのような環境が必要だということを御発言をしております。
 科学的な研究の中でリスクを取り、失敗してもその失敗から学んで再挑戦していく態度が必要だという、そういったところを特に御認識を述べられたんではないかと承っております。
#32
○今野東君 いや、科学的な研究、研究者の方々には三年に一度でしたか、成果をきちんと見極めていくというチェックといいますか、節目節目をつくっておりますが、ブレナー理事長にお伺いしたときはもちろんそういうお話でしたけれども、経営上これ失敗をしたということになったら、これはどういうふうなリスクの取り方をするんですか。
#33
○政府参考人(清水治君) 経営の面と研究の面がございます。経営の面についてのリスクということでございますので、これについては、国からの大きな支援も踏まえて行われる事業でございますので、適正な業務執行が行われるようにいろいろな仕組みを設けてございまして、例えば沖縄振興との整合性等を図るための事業計画の認可を要することですとか、そういった仕組みを設けておりまして、必要があれば報告を求めるといったことができます。
 また、研究の評価について今お話ございました。基本的には五年の期間の中で三年なり四年の研究成果を専門的な先生方、そういった外部の委員も踏まえた評価のチームを設けてその中で研究を評価し、その厳正な評価を踏まえまして、その主任研究者について更に継続をしていくか、あるいはその任期いっぱいで終了するか、そういった形で評価をするという形に考えているところでございます。
#34
○今野東君 つまり、経営的には責任を取る体制はつくられていないということですね。研究者に対しては、成果が上がらなければ責任を取ってもらって帰国してもらうなりほかの大学に行ってもらうなりするという仕組みにはなっているようだけれども、経営的にはこれはだれも責任を取らなくていいということになっている。ここは問題じゃないでしょうか。どうするんですか、ここ。
#35
○政府参考人(清水治君) やっぱり、研究評価の中で、例えば研究の方向付けとかそういったことについてはまさに三年なり四年での研究評価もございますが、その以前の段階でも学内で研究面での学長以下の指導、また理事会でもそういったことに、研究の状況については状況を把握しながらいろいろな方向付けなり指示を出していくことになろうかと思います。
#36
○今野東君 ちゃんと責任の体制を取れるように体制づくりをしてもらいたいと思います。
 さて、研究者ですけれども、今現在で二十人ですよね。開学までに五十人集めるというふうに言っているわけなんですが、これなかなか研究者を集めるのに条件そのほか大変だろうと思います。ブレナー理事長も大変御苦労をしていらっしゃるようでしたが、研究者、世界で一流の、ノーベル賞クラスの研究者を招聘するに当たって、どのような条件を出しているんでしょうか。
#37
○政府参考人(清水治君) 基本的には、優れた研究者を内外から広く集めるということで、これまでも国際公募したり、またいろいろな研究者のネットワークを通じながら候補者を集めて、それに対して、これまでの研究実績、論文の状況等を把握しながら採用してきているというふうに承知しております。引き続き、そういう形で進められていくことになると承知しております。
 ブレナー理事長は、特に最初の方の研究者の採用というのはなかなか御苦労があるという趣旨のことを言っておられたかと思いますが、研究の実績を重ね、さらに国際ワークショップですとかセミナーをやって、いろいろな大学院大学、その前身である現在の沖縄研究機構での研究の実績を重ねております。そういった知名度が向上するとともに、優れた研究者がより応募ができるようになると考えております。
 また、研究環境も大事でございますので、若手の研究者に対して非常に自主性を与えたような制度も立ち上げてきておるところでございます。
#38
○今野東君 いや、私は条件、待遇面を聞いている。年収幾らで、どういう待遇でと。そこのところはどうなっていますか。
#39
○政府参考人(清水治君) 充実した研究費や研究設備も重要でございます。そういう面でいいますと、機構の主任研究者一人当たり現在の研究費等の規模で二億円程度となってございます。開学後も同程度の規模で、そのぐらいの研究環境を提供しながらやっていく。また、待遇についても、米国等の主要な研究機関等の事例も調査しながら、国際的に競争力のある待遇の具体的な検討を進めているところでございます。
#40
○今野東君 ここに支出振替書というのがあるんです。平成十九年の一月二十二日起案になっておりまして、これ、借り上げ住宅新規契約、それから車の借り上げ、そしてこれは応接セットかな、そしてさらには幼稚園の入園料まで運営費交付金の中から出ているんですよ、機構の。研究者の子供の幼稚園の入園費、こういうものもこれは待遇の中に入っていて、おいでいただく条件になっているんですか。
#41
○政府参考人(清水治君) 個別の今御指摘の事例、ちょっと直接は今手元にございませんけれども、研究者をいろいろ内外から採用するに当たりましては、子供の養育環境等も含めて、そういったところにある程度の補助的なサポートも含めて採用していることはあろうかと考えております。
#42
○今野東君 この支出振替書を見ますと、借り上げ住宅新規契約が一か月二十八万円の家賃で、これ何か月分か、百六十一万七千円、自動車借り上げが十二万八千円、什器借り上げ、これ応接セットのようですが三万七千円、それから幼稚園の入園料四万一千円、それから研究者のお子さんの送り迎え、幼稚園そのほかに行くのに、これも負担している、運営交付金の中で。
 これ、異常ですよ、こんな待遇は。これ、そういうことまで、研究者のお子さんの幼稚園の送り迎え、そして送り迎えのために人を雇っているんです、機構で。こうやって集めているんですか。実態はどうなんです、どこまで面倒見てやるんですか。
#43
○政府参考人(清水治君) 研究者の待遇とかそういったことには、適正なルールにのっとって行われなきゃいけないというふうに考えてございます。そういった点についてはきちんとした運営が行われるように引き続き助言、指導を行っていきたいと思います。
 具体的な事例、ちょっと今御指摘の事例についてはコメントを、直接の事例はお手元に承知しておりませんが、一方で子弟の養育環境とかそういったことについても整備をしていかなければいけないという課題も抱えているところでございまして、いずれにしても研究者の採用あるいはその待遇についても適正な運営がされる必要があると考えてございます。
#44
○今野東君 契約者の名前も書いてあるんですよ、研究者の。よかったら言いましょうか。これ知らないんですか、こういう実態を、機構として。どうやって集めているの、研究者を。子供の送り迎えまで人を機構で雇って、そういうところまで面倒を見てやらないと研究者は集まらないんですか。そして、今もそのようなやり方をしているんですか。もしよかったらここで名前言いますよ、どなたか、研究者の名前。
#45
○政府参考人(清水治君) 個別の御指摘は、よく御指摘を踏まえて、適正に行うべき点があればまた指導、助言をしてまいりたいと思います。
#46
○今野東君 いや、あなたがおっしゃった、今、適正というのはどういうことですか。
#47
○政府参考人(清水治君) 具体的な研究者の採用あるいは待遇の条件の中がきちんとしたルールにのっとって行われているかどうか、そういった観点からよくそこを担保する必要があると思います。
#48
○今野東君 だから、こういう実態を、もう一度確認しますが、知っていますか。
#49
○政府参考人(清水治君) 個別の採用等について、我々直接に一つ一つ毎回採用について報告を受ける立場ではございません、独立行政法人の運営でございますが。
 一方で、様々ないろいろな運営について適正に行われるべきという御指摘でございますので、そういった点については、よく実情も見て、我々としても把握して、指導、助言を努めていきたいと思います。
#50
○今野東君 報告を、こういうことについて報告をさせるということが可能になっていますよね、今。ですからこれは、そのような実態について報告を受け、そしてそのことを教えてください、どのようになっているのか、今もそうなのか、そこまで細かく面倒を見なければならないのかということについて。
#51
○政府参考人(清水治君) 先生の今の御指摘の点については受け止めて、また調べて御報告したいと思います。
 いずれにしても、研究者の採用のためには国際的に競争力のある条件も出していかなきゃいけませんし、一方で、その場合の様々な条件が適正、まあ合理的なものであるかということも大事な判断でございますので、そういった点も踏まえながら指導、助言を行っていきたいと思います。
 御報告させていただきます。
#52
○今野東君 いや、ノーベル賞クラスの研究者においでいただくのだからそれなりの処遇はしなければならないということは分かりますよ。だから、何千万になるということもあるでしょう。
 ですけれども、これ、ほかの研究者は、自分の住んでいるところのシーツ、まくらカバー、カーテン、そういうところまでこれ運営の交付金の中から支払されているんです。それは生活でしょう、研究者の方の。だから、多額な報酬を支払うというのはまだ分かりますよ。これ、その中でやるべきことじゃないですか。子供の幼稚園の入園料とか、シーツ、まくらカバーまでですよ。こういう実態を知っているんでしょう。だけれども、それを見逃しているんでしょう。
 今ちょっとアドバイスがありましたので、これ、来てもらう条件なんですか。まくらカバーまですべてを、子供さんの教育、入園料まで、幼稚園の、それが条件になっているんですか。
#53
○政府参考人(清水治君) 個別の条件については我々直接は把握してございませんけれども、研究者来ていただくに当たって、住居の面とかいろいろな採用の際の交渉をした契約の条件というのもあろうかと思います。そういうものが適正かどうかということであろうかと思います。
#54
○今野東君 何だかよく分からないんですが。
 いや、これも、こういうことも含めて、例えば報酬は一千万だから、あとは家族の方々のを全部面倒を見るんですという基準があるのならば、それはそれでいいか悪いかはまたそこで議論をすることで、そこがよく分からないんですよ。それ、どうなっているんですか。皆さん、そうだと思いますよ。別にいいとか悪いとかじゃなくて、そうなっているのかどうかということです。
#55
○副大臣(宮澤洋一君) 今、私も初めて内容を承っておりました。
 これはまさにいい研究者を呼ぶときにどういう条件かということであろうと思って伺っておりまして、また、その支出が適正かどうかというのはまた別途の考えかと思いますけれども、ただ一般的に言いますと、報酬に乗っけるということになりますと何年にもわたってその報酬になる。一方で、当初、遠くから移動されてくるときに、生活を立ち上げるために幾らぐらいの枠は用意しますということはあってもいいのかなという気がいたしました。
#56
○今野東君 いや、そういうことを言うとかえって複雑になりますよ。
 待遇面どうなのかというその基準を、枠をちゃんと持っていて、こうなっているんですという説明をしていただければ今すっきりするんです。大臣。
#57
○国務大臣(佐藤勉君) いずれにいたしましても、今私ども承知していない問題でございますので、先生の御意見等々を伺って調べさせていただきたいというふうに思いますし、条件等々も含めてしっかりとしたディスクローズをしていきたいというふうに思っております。
#58
○今野東君 いや、人を集めるのに様々な工夫をしなければならないということはよく分かります。そこに多額なお金も掛かるだろうということも想像できます。いろんな条件も出さなければならないだろうということもよく分かります。だけれども、そこのところが、人によってこうなのか、あるいは決まっていて全部こうやって丸抱えなのか、まるで家庭教師のような人まで機構で雇ってしなければならないのか、そこのところはやっぱり明確にしておかないと、どこまで行ってもずぶずぶで訳が分からなくなります、こういう待遇面も。
 それから、時間がないのでちょっと最後の質問にいたしますが、先ほど学長と理事長を別にした方がいいと、学術的な面のリーダー、責任者と、それから経営面の責任者と別にした方がいいというのは、やっぱりブレナーさんは中を見通せないんですよ。それはそうですよ、沖縄にめったにいなくて世界中を駆け巡っているわけですから。そうすると、だれか力のある人に集中してくるんです。
 私のところにいろんなのが内部の人から来ました。特定の人物に集中しておりました。これは東矢という人ですけれども、この人は三木さんが理事だったときに面接をして採用されたんですが、日本語もよくできなかったので業務上問題だというのでブレナーさんの秘書になりました。ブレナーさんの秘書になって、ブレナーさんに大変かわいがられて信頼を受けて、中枢の様々な仕事をすることになりました。自分で六段階給与を上げています。こういう実態は知っていますか。
#59
○政府参考人(清水治君) 基本的には個別の処遇、職員の給与等については報告を受ける立場でございませんが、この点については今野先生からも御質問がございましたので、そういった、それに対していろいろ御報告申し上げている点は私どもも把握させていただいております。
#60
○今野東君 もう時間ですから最後にしますが、東矢部長は複数の社員について辞めさせてやるなどと言っていた。そのため、人事に関する業務にかかわる通知人は東矢部長に対し、仮に辞めさせようとしても正職員については解雇する合理的な理由がなければ解雇権の濫用になりますからよくよくのことがないとできないのではないですかと進言をすると、人事担当者として法令遵守の必要性を東矢部長に助言をしていたが、そういう助言はおかしいと言って一切聞き付けてもらえることができなかった。それからそのことについて遠ざけられるようになり、実際にこの人は解雇されているという実態もあります。パワハラがあるという話もある。確定ではありません、外から入ってきた話ですから。
 ですから、これはこの特定の人物にどうも集約をしておりますので、そこのところは調査をする権限があると思いますから、調査を是非してください。
 終わります。
    ─────────────
#61
○委員長(市川一朗君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤泰介君が委員を辞任され、その補欠として谷岡郁子君が選任されました。
 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#62
○委員長(市川一朗君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、沖縄科学技術大学院大学学園法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#63
○喜納昌吉君 よろしくお願いします。
 最初に、おもろまちの地域再生計画について質問したいと思っております。
 前回の委員会で、那覇市の設置した地域再生協議会の委員の人選と議題について問題があると指摘しましたが、その後、内閣府は那覇市にそれらの問題点について確認したのか、お答えください、内閣府。
#64
○政府参考人(上西康文君) お答えを申し上げます。
 今お話がございました前回の委員会は、四月の行政監視委員会のことをおっしゃっておられるかと存じます。その折も、都度御説明を申し上げているところでございますけれども、この地域再生法に基づきます地域再生協議会の運営に必要な事項につきましては、協議会自らが定めることとされております。地域の自主的、自立的な地域再生の取組を支援するという同法の趣旨にもかんがみまして、お話ございました協議される項目あるいはその構成等につきましても、協議会自身において適切に定められるべきものであると承知をしております。こうした協議会の自発的な取組であるということにつきましては、前回、お話ありました委員会で大臣からもお話があったところかと存じます。
 こうしたこの法の趣旨あるいは仕組みにつきましては、私ども従来から那覇市に対し適切にお伝えをしておるところではございます。
#65
○喜納昌吉君 適切なことが、もうちょっと具体的なものが知りたいんですけど。
 今建設予定のこの高層マンションは現時点でも着工されてないようなんですが、世界的な金融危機の影響もあると思いますが、地域再生計画でほかにも工事が遅れた事例はあるのか教えてください、内閣府。
#66
○政府参考人(上西康文君) 私ども、この地域再生計画というのを担当しておるところでございまして、那覇市も地域再生計画の中でこの事業をやっておるわけでございますけれども、この地域再生計画につきましては、その内容は実は様々なものがございます。こうした施設関係、言わばハード的なものと申しましょうか、から、さらに産業を振興するとか、あるいは人材を育成していく、雇用を創出していく、様々な地域再生計画があるわけでございます。
 今、全国の各自治体におきましてこの地域再生計画、千以上のものを今内閣府でも認定をいたしまして実施をしていただいております。したがいまして、私ども、この個々の計画の中の個々の施設の工事の状況があるかというようなことについて逐一把握をしているわけではございません。ただ、もちろん、フォローアップしていないかということは、そういうことは全くございません。御参考までに申し上げますと、事後評価のプロセスの中で、こうした地域再生を策定した地方公共団体に対しまして、その実施状況あるいは目的の達成状況などについては聞いておるところでございます。
#67
○喜納昌吉君 那覇市のやり方には周辺住民から大きな不満が出ているんですね。だから、内閣府としてもその不満にこたえるようなやっぱりアプローチをしてほしい気持ちがあるんですね。その意味では、さっきのお答えで本当に届いているかに疑問があるんですけど、佐藤大臣、その辺はどうですか。
#68
○国務大臣(佐藤勉君) 本那覇市計画につきましては、認定された計画より建設工事の着工が遅れていることは承知しておりますが、工事着工に向けた調整が進められているというふうに伺っております。
 このため、本件計画について、現時点において計画を直ちに取り消すまでの状況に至っているものではないと考えておりまして、国としては、その地元の状況を見守るとともに、必要に応じて那覇市に対してしっかりとした報告を求めるなど、適切な対応を行ってまいりたいと思います。
#69
○喜納昌吉君 有り難いお言葉ですね。是非適切な那覇市に答えを求められるよう、もっと強く求めてくだされば有り難いなと思っております。
 次に、大学院大学について質問したいと思っております。
 大学院大学法案については、私の地元、民主党沖縄県連でも、この大学院大学がより良いものになるよう議論を積み重ね、政府案に対する修正案も提案したんですね。
 今回の修正案で十一年目以降も五〇%を超えて支援できることになりましたが、この大学院大学は私学法の規定を超えて二分の一以上の補助を行うことができるとされています。それは五〇%から一〇〇%までの幅があるということで、実際の補助額はどのように決定するのか。佐藤大臣、よろしくお願いします。
#70
○政府参考人(清水治君) 御指摘のような財政支援の補助規定の下で、実際の補助金額については、毎年度の事業計画を拝見させていただいて、その中でそれを審査して、それを踏まえて予算を確保した上で決定されることになるところでございます。
#71
○喜納昌吉君 分かりました。
 このように、国立大学よりも高率の補助をすることになった以上、その運営に関してはより厳しい透明性の確保が必要だと思います。十年後をめどに一度見直すと書かれていますが、それ以後、二十年、三十年ごとのチェックに関してはどのようにお考えですか。是非。
#72
○大臣政務官(岡本芳郎君) 大学院大学は国からの高水準の支援を受けることから、運営につきましては透明性を確保し、説明責任を果たすことが重要であると考えております。
 大学院大学は、事業計画の認可を要するほか、事業報告書や財務諸表等の情報を公表することとしており、独立行政法人と同水準の透明性を確保し、説明責任を果たすための措置をとることとしております。
#73
○喜納昌吉君 募集する学生については大学卒業者という、あるいはそれと同等の学力を持つ者とされていますが、論文や研究計画などはかなりの高水準を求めていくということがうたわれていますが、大学の目的にもある沖縄振興の観点をその人選にどのように反映させていくのか。佐藤大臣。
#74
○国務大臣(佐藤勉君) 大学院大学でございますけれども、沖縄において国際的な教育研究拠点を築くものでございまして、沖縄が科学技術の情報発信、そして国際交流の拠点に成長していく上で大変有意義なものというふうに考えております。
 このため、大学院大学では、単独の研究分野では解決できない課題を含みまして、かつその研究成果や医療や創薬等への幅広い応用に関連する生命システムやサンゴを始めとする海洋生物の研究を含めた環境科学分野における研究を対象として想定しているところでもございます。
 さらには、世界最高水準の教育研究を行う大学院大学がその核となって、ほかの大学、そして民間の研究機関、さらには先ほど来から議論をさせていただいておりますベンチャー企業等が集積をして、新たな産業が創出、発展をする知的クラスターという形で形成をされることが、ひいては沖縄の振興に必ず私は役に立たせていただけるのではないかなというふうに思います。
 ただ、すぐにというわけにはまいらないと思いますので、その点を十分に踏まえて、しっかりとはぐくんでまいりたいというふうに思っております。
#75
○喜納昌吉君 大学院大学の研究者を今後五十人まで増やす計画があると聞いていますが、その五十人の研究成果がすべて沖縄振興に直結するものになるとは私は思っていないんですね。
 そこで、研究プログラムに沖縄枠を設けて何人かの研究者に沖縄振興に特化した研究をしてもらえるようにしたらいいと思いますが、佐藤大臣の見解を聞かせてください。
#76
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほど申し上げましたように、サンゴを始めとする海洋生物の研究等々、沖縄ならでの研究等々も含めていきたいというふうに思いますし、先生の御趣旨に沿った研究というのは当然あるべき話ではないかなというふうに思います。
#77
○喜納昌吉君 ならば、大学院大学は企業からの委託研究もすることになっているんですよね。県や内閣府からも沖縄振興に関する研究を大学に委託することがあってもいいんではないのかという、この辺の具体性はどうですか。
#78
○政府参考人(清水治君) 大学院大学では、科学技術の分野における先端的、学際的な分野を中心に研究しています。現在では、大臣が申し上げましたように、生命システムや環境科学分野の研究をしてございます。そういった点で、いろいろなこういった分野についての企業からの委託研究というのはできるだけ努力していく必要があるかと思っています。
 基本的には、そういった委託研究の努力も必要だと考えているところでございます。
#79
○喜納昌吉君 世界トップクラスの大学を運営するように、国が長期的に財政面の支援など運営に関与をすることが重要だと思われるんですね。
 大学院大学は文科省ではなく内閣府が担当するんですね。内閣府に大学運営のノウハウはあるのか、佐藤大臣。
#80
○政府参考人(清水治君) 大学院大学の具体的な運営についての関与についてのお尋ねかと存じます。
 大学運営についての一般的な事項については、大学、私立大学の所轄である文部科学省においても所管されるわけでございますが、内閣府としては、沖縄振興政策の観点から施策を所管する立場からここに対して支援をしてまいるところでございますので、いろいろな関与をさせていただくこととしておりまして、補助金の適正な執行や沖縄振興計画との整合性といった観点から、事業計画の認可、財務諸表の提出等を定めているところでございますし、また、適正な学園の運営を確保する観点から、報告徴収や立入検査等の実施等も行い得ることとしているところでございます。
#81
○喜納昌吉君 内閣府にとっては初めての大学運営ですから、文科省との具体的な協力体制をつくるのか、その辺も含めて、さっき、何というんですか、今野さんから話があったんですけど、たまに、学長と理事長が一つであるということはちょっと無理があるんじゃないかということを伺ったときに、一瞬、将来だれかに一つのポストを空けているのかという疑問を持ってしまう部分があるんです、どこかでね。だから、そのポストは天下りが入ってくるのかというちょっと心配があるんですね。
 なぜそういう思いがあるかといいますと、ある人たちの話聞きますと、沖縄ほど官僚天国はないという、天下りが一番行きやすい場所はないという話が公然と話されているんです、どこかではね。だから、ある意味じゃ利権が、もうこの本土内では生きることができない利権が沖縄では生きることができるという、もうちまたでは流れるんですね。だから、その同じような流れがまた起きてしまったら、これは沖縄に幾ら予算を投じても意味がないような感じがするんですね。
 このような状態から、今後、文科省としっかり内閣府がどういう形、お互いが監視するという感覚の中でどういう形で具体的に持っていくのか聞きたいですね。
#82
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほど今野先生のお話にもございましたように、やはりいろんな情報開示があってしかるべきだと思います。そして、今、喜納先生がおっしゃられるようなこと等々、皆さんの目から見て決してそんなことのないような流れをつくってまいりたいと思いますし、これからしっかりと形態をつくっていくわけでございますので、御趣旨を踏まえて、情報開示をしながら、皆さんの御理解がいけるような方向で持っていきたいというふうに思いますし、何も隠す必要は全く私はないと思っておりますので、すべてを御理解をさせていただく。
 今野先生も、先ほど理解の中で、そうあれば、それは仕方がないということがあれば当然そういうことだというお話もいただきましたので、そういう、皆様方にお話をさせていただいて、そういうものが理解できないようなことがあれば改善をしていかなければいけないというふうに思っておりますので、先生の御趣旨をよく踏まえた上で運営をしてまいりたいというふうに思っております。
#83
○喜納昌吉君 沖縄は、良いか悪いかはちょっと知らぬですけれども、ブラックジャーナルが余り進歩していないというのか、だから結局、マスコミが沖縄のやみの世界までは届くことができないという、それを理由に非常に利権が暗躍するという素地がまだ残っているんですね。だから、その辺もやはりマスコミが中心に、先頭に立つんじゃなしに、本当ならば行政の方が中心に立って、そういうことが起こらないようにしてほしいという気持ちがあるんですね、そういうことを。ちょっと質問からずれたんですけれどもね。
 沖縄の優れた自然環境がこの大学の大きな魅力なんですが、その大学が沖縄の自然を壊すものであってはいけないと思っているんですね。キャンパスは恩納村の山を開発して建設されるわけなんですが、この大学の建設、運営に関する環境対策はどうなっているのか。佐藤大臣、お答えください。
#84
○政府参考人(清水治君) 環境対策についてのお尋ねでございます。
 まず、大学院大学の施設につきましては、御指摘のように、恩納村の豊かな自然に十分配慮して整備を進めるとの重要性にかんがみまして、平成十七年四月より、県条例に準拠した自主的な環境アセスメントを実施してございます。
 具体的には、基本設計において造成面積を可能な限り低減するなど自然環境に配慮した計画とする、また、毎年環境モニタリング調査を行い、赤土の流出防止や生態系の保全など環境に配慮した施工を行っているところでございます。
 また、研究施設からの廃液や化学物質といったもの等についても、これが流出することがないように配慮をすることとしているところでございまして、例えば給排水設備計画については、バイオハザード排水について滅菌処理等により問題ないレベルまで排水処理を行うなどの法令に基づいた対策を適切に講じることとしております。
 大学院大学の整備に当たりまして、自然環境に十分配慮したキャンパス造り、引き続き地元とも協力しながら行ってまいりたいと考えております。
#85
○喜納昌吉君 前回でしたか、ブレナーさんが来たときに環境科学ということを申し上げていたんですね。ただ、その話の中でも、分子生物学という概念が最初は、当初は早かったんだけれども、後でみんながそこに付いてきたという、言わば旧態依然の科学史観から、全く新しいトータルサイエンスというんですかね、の方向に向かいつつあるという。
 だから、知的クラスターというのは、私はそこに重要なポイントがあると思っているんですね。言わば概念革命というんですかね、概念革命。科学というものを、地球単位で物を見るという、そこからあらゆる科学というものをどうして使っていくかという問題があると思うんですね。
 私は、その視点から見たときには、環境問題は避けて通れない人類の命題、課題だと思っているんですね。そういう意味では、この大学院大学が、人類が抱える様々な問題を解決する技術を開発する研究機関になってほしいと私としては願っているんですね。
 地球白書によると、人類文明の爆食をそのまま続ければ地球三個あっても足りないと言われているんですね。このままだと、遅かれ早かれ人類は地球を運営するという、地球との共生を打ち立てていかなければならないという、言わば人類の滅びの道、滅びの道は戦争だけではないという、我々の生活の在り方にも懸かっているということを言っていると思うんですね。
 世界に不安が立ち込める中、国連に新しい概念が今生まれつつあるんですね。人権問題については一昨年、国連総会で先住民族の権利に関する国際連合宣言が採択されているんですね。それは、光を当てられなかった人権にまで踏み込んでいるんですね。
 しかし、事の本質はそうではなくして、先住民族の悲劇でありまして、先住民族の魂の中には地球が健康のまま記憶に残っているという、だから地球運営の案内人であるという、文明社会が地球から離れてしまったという、エデンの園以降、アダムとイブ以降、自然から離れてしまった世界に案内してくれる一つのスピリットを持っているということなんですね。そのことが僕はあると思うんですけれども。
 それから、安全保障問題においては、自国民の保護という国家の基本的な義務を果たす能力、意思のない国、国家に対して、保護を受けるはずの人々を守る、保護する責任の義務を課すということなんですね。それが、ちょうどミャンマーとか、いろんなファシズム、全体主義の国家では国民が、今度のイランでもそうだったように、そういうものに対する国民を保護する義務を課していくという流れが出てきたんですね。
 それを実現する手段として生まれてきた概念が、軍隊派遣ではなく、国連安保理直下に個人単位で募集された各国各分野のプロで組織される国連緊急平和部隊、UNEPSという新しい構想なんですね。こうした構想を研究して、人類の未来につながる技術、アイデアが沖縄から世界に発信されることは、大変私は有意義なことだと思っているんですね。
 そういう意味では、沖縄に極東最大の基地があるということ、この基地問題、一番地球を破壊する戦争ですからね。それから、今非常にグローバルなステータスとして環境問題、温暖化の問題が台頭してきているんですけれども、なぜその時期に沖縄の泡瀬干潟を、酸素を生産する泡瀬干潟を無理やりに開発して埋めようとするのか。
 そういうものを含めて、佐藤大臣、私のちょっと長い文句であったんですけれども、ちょっとひとつ意見を聞かせてくだされば。
#86
○国務大臣(佐藤勉君) 先生のおっしゃりたいことというか、御持論でございますでしょうか、全くそのとおりだと思います。
 大学院大学においては、そういう環境面も含めて、あのロケーションの中で、やはりあの環境というものはしっかりと守っていかなければいけないという思いをあそこに行けば当然させていただくことになります。いろいろ沖縄全体で物を考えれば、先生のおっしゃることもこれありでございまして、そういうものに配慮してしっかりと、大学院大学においては、皆様方の御批判を得ないような形で、特に環境についてはしっかりとやっていかなければいけないというふうに思っております。
#87
○喜納昌吉君 言わば世界のグローバリズムの先端を日本の方が握ってほしいというテーマで沖縄をうまく扱っていけばすばらしいことが起きるのではないかという、私、予感でいろいろな質問をさせてもらったんですけれども。
 一つ、言わば中国の共産主義とアメリカの資本主義が経済では結婚しているような状態ですね。その結婚が思わしくいかないから、両方とも株の暴落で沈没しそうな状態があるんですね。だから、そういうところに日本が真ん中に立ち上がっていって、EUの台頭をつかまえながら、国連をどういう改革していきながら、人類は一つ、地球は一つという形でまとめていく力が出れば、私は、新しい政治の概念がこの日本から出て、良き日本民族というのは世界の盟主となれるのではないかという期待感を持ってずっと参加しているんですけれども。よろしくお願いします。
 先日、六月十七日に仲井眞沖縄県知事も直接佐藤大臣に要請にお伺いしたと思いますが、那覇空港の件ですね。沖縄県が求めているのは那覇空港の空港使用料についてなんですが、那覇空港の国際線の着陸料と航行援助施設利用料を国内線と同じ六分の一にしてほしいということがあるんですね。それから、国内線貨物便の航空燃料税を旅客機並みの二分の一にしてほしいということですね。
 いずれも既に沖縄の空港に特別に認められた軽減措置の枠を国際線や貨物線にも適用してほしいということなんですが、今回の地元からの要請に対する佐藤大臣のお考えはいかがなものでしょうか。
#88
○政府参考人(前田隆平君) ただいま先生の御指摘されました空港使用料等でございますが、これはもちろん沖縄も含む空港の運営、整備あるいは航行援助サービスの財源として活用されているところでございます。
 私どもの空港整備勘定でございますが、実は非常にこれも厳しい状況にございまして、真水としての一般財源、これは平成二十一年度予算で六百四十八億円繰り入れている状況でございまして、このような状況の下では、現行の特例措置に加えて、ただいま申し上げましたような空港使用料等の引下げを行うことは困難であるというふうに考えております。
#89
○喜納昌吉君 それならば聞きたいんです、詳しく聞きたいんですけれども、那覇空港では既に国内線旅客機の利用料は軽減されていますが、このことによって利用者の運賃にどのくらいの軽減があるのか、数字でお答えください。国交省、よろしくお願いします。
#90
○政府参考人(前田隆平君) 沖縄路線につきましては、沖縄振興の観点から、着陸料とそれから航行援助施設利用料、これ六分の一、それから航空機燃料税について二分の一に軽減を行っております。
 国内航空運賃については、航空運送事業者の方でその収支状況でありますとか需要の動向とかいろんな要素を踏まえて判断して決めて私どもに届け出ることになっておりますので、現在講じている空港使用料の軽減がどの程度運賃設定に反映されているか定量的にお示しすることは困難であると思いますが、ただ、実際の運賃がどうなっているかということを申し上げれば、沖縄路線については距離当たりの運賃、国内のほかの路線よりも極めて安くなっておりますので、先ほど申し上げたような軽減の効果というのは運賃の方にも反映されているというふうに思っております。
#91
○喜納昌吉君 私がなぜそういうこと、この運賃にこだわるかといいますと、沖縄はいろいろな特別措置法でフリー・トレード・ゾーンであるとか金融特区であるとか、今回問題になっている大学院大学であるとか、そういう特典は与えられていくんですけれども、しかし、競争力、沖縄県民の競争力としては非常に弱いという、だから、どうしても自ら物事を打ち立てていく力がないという感じがあるんですよ、どこかではね。そのことが結局は航空運賃の中にあるかと思うんですね。
 沖縄の人たちがそこまで来るのに八万円掛かるんですよね。それとホテル代、食事代、タクシー代、またほかの外国に行くとプラスアルファくっついていってどうしても負担が大きいという。負担が大きいとこれは競争が、島に閉じ込められてしまって、意識が。やっぱり島から飛び出していって、出てくるという自由度ができたときに人間というのは非常に知性が開放されていって非常に力が付いていくと思うんですね。情報量も多くなっていくしね。
 だから、その辺でも私はやはり、かつての何というんですか、ハワイがアメリカに帰属したときに運賃を百ドル以内で行ったり来たり、百ドルにしたという例があるんですね。今はそこまでは行っていないと思うんですけれどもね、今はちょっと高くなっていると思うんですけれども。やはり沖縄に何らかの自由度を高めていくと。それから私は、特別措置法でも、運賃になると、これは言わば非常に所得の低い者から高い者まで皆平等にもらえるということなんです、これはね。しかし、ほかのものというのはどうしても特別な才能がある人間、特権階級という人たちだけしか特典をもらえないような措置法なんですよね。
 だから、この辺をすべて考慮して、大臣、今後、沖縄に対して、沖縄が本当に、今年はちょうど沖縄が島津に侵略されて、日本に侵略されて四百年でもあるんですね。だから、沖縄が本当に念願であるアイデンティティーの確立、それで経済的アイデンティティー、基地の問題、あらゆるものを解決していくためにはこの自由度を勝ち取ることにあると思っているんですね。その意味で航空運賃に対して非常にそういう期待感があるので、よろしくお願いします。
#92
○国務大臣(佐藤勉君) 今先生がおっしゃられた様々な問題、沖縄に対する様々な問題、もちろん振興策でやらなければいけない問題等々もございますが、やはり先生がおっしゃられるように、そういう意識を持たないような沖縄という形を私ども目指したいと思っておりまして、すべての方々が平等に暮らしていただくということを観点にしっかりと振興策等々を行ってまいりたいというふうに思っております。
#93
○喜納昌吉君 どうですか、具体的には航空運賃の値下げに対してはかなりアプローチってできますか。
#94
○国務大臣(佐藤勉君) 私の立場で頑張ってみたいと思います。
#95
○喜納昌吉君 立場というのは、大臣としての立場で、あるいは政府としての立場でということですか。
#96
○国務大臣(佐藤勉君) そのとおりでございます。
#97
○喜納昌吉君 もし具体的にそういう話を進めていくためには、どのような具体的な作業を、沖縄県とどのような具体的なものを、プロジェクトが想定できるんでしょうか。
#98
○国務大臣(佐藤勉君) 現在、沖縄発着の国内便について、沖縄観光振興等の観点から、旅客航空機の航空機燃料税の軽減措置及び旅客貨物航空機の空港の使用料、先ほど答弁をさせていただいたと思いますけれども、軽減措置が設けられているというのは先ほどの御説明にございました。
 今般、沖縄において、国際物流拠点形成の観点から、航空機燃料税の軽減対象の貨物への拡大のほか、空港使用料の軽減対象の国際便への拡大を求めておりますが、本件についてはなお議論調整を要して問題が山積しておりまして、今後、県とよく、関係省庁とよく意見を交換させていただくということから始めたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
#99
○喜納昌吉君 分かりました。
#100
○谷岡郁子君 民主党の谷岡郁子でございます。本当に私どもの会派の仲間たちの支援をいただきまして、沖縄、大学という私にとっては非常に大切なテーマでありますものを、二つにかかわる今回の法案について質問させていただくことをうれしく思っております。
 そこで、最初、午前中の議論を聞いておりまして思ったことなんですけれども、成功させなければいけない、この大学院大学は成功させるのだとしきりに言われていたんですが、大臣、端的に申し上げて、成功というのを具体的にこれだと、分かりやすくみんなが目指せるものというふうに考えたときに、何を成功のメルクマールとなされるのでしょうか。
#101
○国務大臣(佐藤勉君) 専門家である先生に申し上げるのはちょっと恐縮でございますけれども、当然、これだけの資金を掛けてこれだけの大学院大学を立ち上げるということになれば、私は世界一の大学院大学を目指したいということ、それと、ひいてはそれが沖縄振興策につながるということと、いろんな研究成果が世界に対してのメッセージ、そして人類のために、大変生意気なことを言うようですけれども、お役に立つような先端的な大学院大学ということになり得る大学院大学でなければいけないのではないかなというふうに思っております。
#102
○谷岡郁子君 大変ちっぽけな、申し上げると失礼なんですが、予算規模からいいましても、それから人数からいいましても大学院大学なんですよ。そんな欲張られていいんでしょうか。
 私なんかが考えるのは、例えばどの分野でもいいからとにかくノーベル賞一個だとか、留学してくる学生たちが開発途上国などへ帰って、本当にそれぞれの国々のために頑張られるような例えば教育をやるんだとか、沖縄を、例えば食料的にでもいいですしエネルギー的にでもいいですけれども、何年以内に自立させるんだとか、やはり具体的にこれを目指すという目標をやっぱりちゃんと持つ。
 今、私は研究レベル、そして教育のレベル、あるいは地元との関係という三つの指標の例を挙げて申し上げたわけなんですけれども、例えばその中で、やはりこの沖縄の大学院大学が目指すべきは特にどこなんでしょうか。
#103
○国務大臣(佐藤勉君) 私ども内閣府の発想としては、いずれにしても振興策というのが当然ございまして、先生から見れば小さいものかもしれませんけれども、非常に遅れてしまった沖縄の状況を改善をしていくというところにあるのではないかなというふうに私は思っております。
#104
○谷岡郁子君 私が本当に聞きたいお答えをいただけました。ありがとうございます。
 私も沖縄に大学院大学を造るのであるならばまず何よりも沖縄のため、沖縄の振興、沖縄の自立、そこへ向けて邁進されるべきであるというふうに思っておりますし、それがなければこの沖北の委員会でやる意味もなかろうと思いますし、内閣府にわざわざ、文科につくればいい、大学院大学をつくる意味もなかろうというふうに思っております。したがいまして、沖縄ということを本当に大事にしていただきたい。
 そこで、この大学院大学のこれまでの研究等の内容を見ておりまして、これが沖縄を将来において自立させるんだ、経済的な自立なのか、むしろエネルギー、食料的自立なのか、何でもいいんですけれども、その辺がちょっと、環境的自立なのか、見えてこないんですね。これは、特に大臣がこれを目指せと思うような分野というのはおありでしょうか。
#105
○国務大臣(佐藤勉君) 沖縄という環境というか位置付けからすれば、当然、自然環境という、まあ分かりやすいというかそういう面でいけば、そういうものを中心に基礎的な研究をしていただけるのがいいのかなと私は思っております。
#106
○谷岡郁子君 全く同感でございます。
 私は、ですから、ここで一つの例を申し上げたいと思います。
 イスラエルという国は一九四八年に独立をしておりますが、実はその二十五年前にヘブライ大学をつくっております。礎石を置きましたのはアインシュタイン博士と、もう本当、ワイズマン等、そうそうたるメンバーが礎石を置いて、そして国の独立二十五年前につくりました。そして、ヘブライ大学におきまして一番優秀な生徒たちは、海外へまず水のマネジメントで研究に行かされました。そして、社会科学で有効な人たちは、国家の運営、イスラム、その理解というようなことを学びました。また、人文関係などで優秀な者たちがやったことは、古代ヘブライ語であるものを近代のヘブライ語ということに編さんし直すと。電気器具などがなかった旧約聖書の時代にあったものをすべて近代の語学のヘブライ語をつくり直すというところまでやって、言葉からつくり始めるような壮大な試み、国家の戦略といったものをつくる上で、そのヘブライ大学。
 また、後にはワイズマン研究所というのができまして、ヨーロッパなどで学んできた水のマネジメントということを今後は自然科学、工学の分野で応用科学として、ですからスプリンクラーでありますとか、水を極力抑えて利用するための農作業に使われる現在のコンピューターのモニターによるパイプを通じての一滴ずつ落とすような水のマネジメント、そういうことをワイズマン研究所がつくり出したわけですし、またそこからは多くのノーベル賞をいただいたような学者たちが育っております。
 これは何を申し上げているかと申しますと、本当に大事なことは、その場所にとってどういうことなのか。イスラエルは、たかだか人口二百五十万から三百万人ぐらいの小さな国でございます。国のほとんどは砂漠地帯と言ってもいいと思います。水は、実はヨルダン川というどぶ川のような川が一本ということなんですね。ガリラヤ湖という湖が一個だけある。そういう状況の中から、建国をするに当たって何が必要であるかということをさすがユダヤ人たち、徹底的に考えて、そこに必要な大学を、そして研究所を生み出したということを申し上げたい。
 琉球大学という大学が既にございます。これ、恐らくヘブライ大学のようなものであろうかと思うんですね。それに対して今度ワイズマン研究所と、先ほど紹介いたしましたようなものに対して、この沖縄の大学院大学、言わば自然科学の研究、そしてその応用を中心としたものができるのであろうというふうに考えております。
 そこで、私が申し上げたいのは、沖縄はまず島であると。先ほど同僚であります喜納昌吉議員から出ましたように地球の環境をこれから何とかする時代に入っているんで、地球という宇宙の中で閉鎖系でございます。島も、また海に浮かぶ閉鎖系なんですね。そして、その島を、例えば環境的に、エネルギー的に、あるいは食料的に自立させ得るということは、それを広げていけば、いずれ地球自身を自立させ得るというような地域を増やしていくということにほかならないと思います。太平洋の島々は今様々な環境問題、温暖化で苦しんでおります。また、世の中が温暖化するということにおいて、熱帯、亜熱帯化が進んでいるということを言ってもいいかと思います。
 その中で亜熱帯の農業、熱帯の農業というのは、これまで植民地農業としてプランテーションを中心とした一作主義というようなものが培われてきました。イスラエルが砂漠を農場にしたように、この島というもの、亜熱帯という気候の中で、そして水のマネジメントが難しい中で、本当にちゃんとマネジメントし得るような状況というものをこの研究所からつくり出すことができるなら、島学、亜熱帯学、エネルギー、そして食料等の生命の自立というものをお考えになれば、私はかなりのことがやれる可能性もありますし、東南アジア、太平洋の島々への恩恵もあろうかと思いますし、またODAを使って留学生をたくさん呼び寄せるということの意味も出てくるかと思うんですけれども、こういう考えに関しまして、沖縄大学院大学の中で取り入れていただけるようなお考えは、大臣、今の私見でよろしいんですけれども、お考えありましょうか。
#107
○国務大臣(佐藤勉君) 大変アカデミックなお話をいただきまして、ありがとうございました。
 今先生がおっしゃられた状況等々、島の成り立ち、地質からいっても、サンゴ礁等々ででき上がっているような島等々たくさんあるわけでありまして、そこで水の問題というのは歴史的に苦労されて、沖縄の方々、今まで生活をしてこられたんだと思います。
 そういう環境という、どうにもならない環境という中でこの研究をすることによって、先生がおっしゃられたような方向に一つの観点として進めればかなり環境の問題等々については解決をできるというお話がございましたけれども、全く私も同感でございまして、テーマをそれに絞ってということではないとは思いますけれども、そのテーマの中にそういう問題があって一つの拠点になり得るという部分では、非常に状況からいってもレベルの高いものができ得るものというのはでき上がってくるんではないかなというふうに私も期待をさせていただいておりまして、ある意味、自由に研究をしていただいて、見出すものが何であるかということをやはりテーマ的にも絞った上でやっていくというのも一つの大学院大学の在り方かなというふうに、よく先生の御趣旨も踏まえて、運営についてもよく話合いをさせていただきたいというふうに思っております。
#108
○谷岡郁子君 なぜ私がこういうことを申し上げたかといいますと、学際的というのがある意味で総花的にもなりがちなことがよくあるからなんです。
 学部、学科など、あるいは講座などがはっきりしておりますと、そこはもうおのずと明らかになるわけですが、学際という名の下にそれぞれが勝手をやるということではそこから大きなものは何も生まれてこないと。むしろ学際というのは、様々な分野の専門家たちが集まりながら一つのテーマの下に結集することによって初めて実は学際ということが可能になるわけですね。
 だから、学際学際とこの間言われてきているんですが、じゃ何を目指して集まった学際なのかと。沖縄の振興ということを自然科学的な、生命科学的な意味でいうとそれはどういうことになるのかということをやはりはっきりさせませんと、そしてまたそのゴール、例えば、二十五年以内にエネルギーの自立でもいいですし、二十年以内に水のマネジメントをきちんと自立してやり得るようにし得るでもいいですし、何でもいいんですけれども、農業であろうと沖縄のサンゴを守るでもいいんですが、そこはやはりここへ向けての学際なんだということをちゃんとしませんと、本当に集めるべき研究者も集まりませんし、ちゃんとしたことがやっていけないと思います。
 ここで、私ははっきり申し上げて、これほど夢があって、必要性があって、そしてまた世界が、本当に島の自立というものに貢献し得るならば、多くの太平洋の島々や東南アジアあるいはカリブ海の島々にまで大きな恩恵を与えることができるかもしれないプロジェクト、これが、言わばその育ち方が、逆子で産まれて、とても難しい状況に陥っているということを一方では悲しく思います。言ってみれば、建物が土台よりも先にできてしまった、その土台というものを造って、本来その上に建物を建てるべきであるのが、何かプロデューサーが生まれ、こういうことを目的としたこういうことを追求する大学ということの前に、取りあえず有名な、往年の名優、女優を集めるかのようにノーベル賞の関係者が集められてしまって、言わば統制が利かなくなっている状況もあるのかなということも感じたりするわけです。
 ただ、まだ大学できておりませんので、ここから先でもいいので、先ほど来申し上げたような、やはり何のためにつくるどういう目標を持った大学ということをきちんとやっていただきたいということをお願い申し上げたいと思うんですが、よろしゅうございますか。
#109
○国務大臣(佐藤勉君) 御趣旨はよく分かりますし、そういう観点も含めて検討してまいりたいというふうに思っております。
#110
○谷岡郁子君 先ほど、一流の研究者を集めるならばそれなりの待遇をしなければいけないという議論が同僚の今野東議員の提起によってなされたわけです。
 私は、ここで指摘しておきたいことがあります。一流の研究者がどういう形で集まるかといえば、何よりもまずそういうドリームである部分ですね、チャレンジであるもの。それは、ヘブライ大学やワイズマン研究所に集まってきた人たちも、集まってきた理由というのは、お金ですとか待遇ですとか、そういうものではありませんでした。本当に今まだ見果てぬ人類の夢であり、自分たちのふるさとへの夢であり、国の夢であるところのものによって世界中から最高の頭脳であるユダヤ人たちが集まってきたという姿でありました。それを掲げるということが、まず第一に資質のいい学者たちを集める理由であるということ。
 そして、何でも研究していいということではなくて、そのテーマの中で、自分の守備範囲の中でその方策だとか、ありようにおいては自由な研究ができ、そこにはたっぷりとした秘書やアシスタントを含めての研究費がそこに与えられるということを、実は研究者たちは求めます。そして、自分の、仕事を公として、私的な部分ですね、家庭、家計に関する部分、この公私を混同するような者に、まず第一に、私は一流の学者を見たことがないという点を指摘しておきたいというふうに思います。
 私自身がノーベル賞をもらった学者たち何人かと個人的な親交がございましたし、今もある方がございます。例えて言いますと、ポール・サミュエルソン博士、彼はMITで、いつも駐車場すら固有のものを与えられていなくて、彼の秘書の主な仕事は、いつも彼が何か用事があると車をその辺に止めて行ってしまうので、その罰金を払うのがその秘書の主な役割であったというような話を、私はこれ秘書自身から聞きました。
 そして、例えば同じくノーベル経済学賞をもらったケネス・アロー博士、この方はスタンフォード大学ですけれども、彼はノーベル賞を取ったから、研究室としてはその研究棟の角部屋をもらっていた。二方に窓がある部屋をもらえていると、これが僕のノーベル賞への御褒美なんだよということを言って、私もそこへ連れていっていただきました。そして、彼はそこへ通うのに自転車で通っておりました。なぜ自転車で通うのか、二つ理由がある。一つは健康のためである。もう一つは、駐車場スペースを大学から与えられていないというサミュエルソン博士と同じ悩みを言われておりました。
 また、その話をしていたときにちょうど横から割って入ってきたのがミウォシュ先生というポーランドの詩人で、同じくノーベル賞、文学賞をもらった方だったんですけれども、その方も全く同じことを言われたんですね。つまり、ある種の特権を与えることによっていい学者が集まってくるわけではない。そして、給料がそれだけ大きいから集まるわけではない。いい研究環境、刺激ある学生たち、そしてグループとして持つよき壮大なテーマ、研究目標、こういうものの下に私はいい研究者というものは集まってくるのだと思っております。
 それを、先ほどのように、何か幼稚園の送り迎えがどうとかいうような形で甘やかすようなことというのはやはりやってはならない。むしろ、そういうことを恣意的に、個人によって様々な、柔軟性あるといいますか、いいかげんな運用がなされているとすれば、それは決裁をしている人間の私は背任行為であるというふうに思わざるを得ないわけです。
 それに対しては、やはり今後、言わば様々な規定集でありますとか契約書のフォーマットでありますとか、それから境界線の引き方、スタンダードな物差しというもの、柔軟性を持てば持つほど、スタンダードな物差しについてその基準についてはきちっとしたものをはっきり持たないと、これはやっていけないと思うので、その辺については今後御用意なさる準備をなさっているんでしょうか。
#111
○国務大臣(佐藤勉君) 今おっしゃられた点、よく理解をいたします。したがいまして、先ほどの議論にございました点等々も含めて、反省の下にしっかりとした体制をつくってまいりたいというふうに思っております。
#112
○谷岡郁子君 ありがとうございます。これは、もちろん様々な規定集、これが必要でございましょうし、それから契約に関する規定も必要でございますし、また、そういうものがしっかり整っていない形で人的な、ある特殊な人が特殊な理解によってということでやると、これはばらばらになると思います。
 次の質問は、そのばらばらさというものを助長しかねない条件がこの大学院大学は私は一つあると思っておりまして、それは言葉の問題なんです。つまり、教育研究については基本的に英語で行うと、しかしながら内閣府が管理運営については一定の責任をお持ちになって、同時に大学の申請書は当然文科省等へもう日本語でお出しになっている。それは、会計書類というものはそれなりの言わば透明性を持つためには、決算、予算というものは日本語で、例えば国会に出てくるとしますと、日本語と英語が混在するのか、共在するのか、どこからどこまでをどういうふうにするのか、あるいは両方そのまま全部やって、通訳の費用等も含めて考えて、それを両方の言葉を公用語にしていくのかということ、これ考えていきませんと、言葉の壁がもっと訳の分からない状況をつくり出す可能性があるわけなんですね。
 この辺について、言語問題を今どのようにお考えになっているんでしょうか。
#113
○政府参考人(清水治君) 御指摘のように、国際的な運営を行う、海外からも教員、学生が多数集まってまいりますので、そういう観点から英語が公式な言語として基本となるわけでございます。
 具体的には、御指摘のように、授業あるいは研究指導などは原則として英語で行うこととしておりますし、理事会とか教授会その他の各種会議にも英語が使われることが想定されます。
 他方、御指摘のように、大学の設置認可にかかわる書類、寄附行為ですとか、その他いろいろな申請の書類、あるいは毎年度の事業計画、財務諸表など、政府に提出する書類については日本語で作成する必要があります。ただ、そのほかの学内の諸規則やその運営に係る基本的な主要な法人の文書については、基本的には、お互いにそれを理解して運営していくわけでございますので、英語、日本語双方で作成されるということが想定されるところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、多くの日英双方の文書が多数作成されますので、文書管理等混乱、支障が生じないように事務処理の体制についてはきちっと考えていく必要があると考えております。
#114
○谷岡郁子君 私がこの点を指摘申し上げたのは、本当に組織運営、そして国際的な様々なバックグラウンド、カルチャーというものをお持ちになった方、そして場合によっては重立った人たちが世界中に動いて常に常駐しているのではないような状況、東京から離れた沖縄に対する国の関与というような形の中で、ただでさえ途切れがちな状況の中で、言葉の壁を持ってもっと錯綜する可能性というものは、今後、効率的でそして機能的な運用というものを大きく阻害する可能性がある。そこを見越した上でやはり組織というものをちゃんとつくることであり、バイリンガルな人あるいは通訳業務ができる人、こういうところはふだん以上に、一般で考えられている定数以上に事務的な陣容というもの、あるいは法人運用の人間的な数も問われる部分があるであろうと。
 そういうことを加味した上で、全体的な経営構造、それから財務の資源の割合、研究費はもちろんたくさんあればあるほどいいわけですし、教育費もあればあるほどいいわけですけれども、そこの根幹が揺るがないような形をやっていくということになると、今おっしゃっている規模というのは、決して私は、先ほどちゃっちいということを言いましたけれども、それはハーバードやMITやスタンフォードに比べて申し上げたんであって、中京女子大学に比べて申し上げたわけじゃ全然ありませんし、そういう意味では潤沢だと思います。
 ただ、非常に困難も大きいという状況を抱えていらっしゃると。そのためには、やはり非常に効率的で、そしてお金が無駄にならないような使い方というものを組み立てて、フレキシブルであるけれどもばかげた重複みたいなものがないということをしていただかなきゃいけないと。
 そういう意味におきまして、やはり先ほどの公と私の部分ですね、例えばそれが給料なのかあるいはフリンジベネフィットなのか、それとも元々の契約の内容なのかそうでないのか、そういうことをそれぞれ個人個人に合わせていると切りがないんで、やはりそこのスタンダードをちゃんと持っていただいて、そして必要なところにはお金も資源も出すけれども、必要でないところは本当に機能的にしていただけるようにしなきゃいけないと思うんですけれども、そこの工夫については今考えていらっしゃるんでしょうか。
#115
○政府参考人(清水治君) 効率的な運営、その中で柔軟性も生かしながら、そのためにはいろいろな工夫、配慮が必要だという御指摘だと思います。
 例えば、先ほど最初に御指摘の通訳面についても、現在も準備段階の法人でも英語能力の高い方、あるいはいろいろな文書の作成に当たって、基本的には和文であっても同時に英文のものも作っています。そういった人的資源も御指摘のように通常の組織よりは多い形で配分されているかと思いますが、今後ますますそういう事態もよく頭に入れる必要があると思っておりますし、またいろいろな規定、そういったものもきちんと適正なものを作りながら考えていく必要があります。そういった点での柔軟性と適正なルール作りといった、そういったことにも十分考えていかなきゃいけないという問題意識を持ってまいりたいと思います。
#116
○谷岡郁子君 とにかく、柔軟性があるということは微に入り細に入りルールを作るというんじゃなくて、いわゆる優先順位と基本的なルールということをいかに明確に、明快にするかということであり、そこに対しての責任と権限というものをいかにするかということだろうと思うんですね。
 その意味におきまして、先ほど今野さんが言ったことはとても大切なことでありまして、経営とそれから教学運営、教育研究の運営ですね、これはやはり違うものだと。
 私は、理事長はプロデューサーであって、映画を作るためのお金をつくってくる人間であり、それをやれる布陣をつくるものであって、学長というものは基本的に映画を撮る人といいますか、そういう意味での教育研究というものについてのプランニングを立てる。そこに研究者たる俳優や女優が出てくる、また大道具、小道具たる建物、ハードウエアがあるというふうに考えているわけなんですけれども。
 その伝で考えますと、やはりこの二か国語を使いこなしながら、異文化にわたりながら、でも国とも関係を持ってということをやりますと、私は学長は海外の有名な研究者でもいいと思うんですけれども、理事長はやはり日本人で、その基盤としての沖縄も分かりながら運営できる人を持ってこないと絶対不可能だと思うんですが、そこについてのお考え、これまでと変わらないんでしょうか。
#117
○政府参考人(清水治君) 基本的に、この大学の適正な運営のためのガバナンスをしっかりやるという大前提を踏まえた上での御指摘だと思います。そこは午前中の御議論でもありまして、いろいろな御指摘を踏まえて検討をしていくべきことでございますが、理事長について申し上げますと、理事長も理事の構成メンバーということで、学識とかそういった基本的な要素も要求されております。そういう中で、具体的な決定・監督機関である理事会と執行機関である理事長、学長の役割分担をどういうふうに徹底するか、その際どういう適正な観点がいいか、それにまたそれぞれの経営能力や学識といった点を踏まえながら検討していく。
 その際に考慮すべき点としては、学校運営の組織の簡素性の問題とか、それからアメリカの研究大学では、これは日本と全く同じ法律制度ではないと承知しておりますからあれですけど、プレジデント、学長さんがかなり渉外的な、企業や州ですとか国との関係、要するに対外的な、今の機能分担でいうと理事長的な部分も含めてやられる例もある、そういったいろいろな例も踏まえながら検討していく必要があると考えているところでございます。
#118
○谷岡郁子君 全くおっしゃるとおりだと一方で思うんですが、そうしますと、学長をアメリカで選ぶ場合には、学識ですとか研究レベルということよりもアドミニストレーション能力、アメリカの大学では、学長は教育学でハイヤーエデュケーション、高等教育ということの分野から出てくる人たちが圧倒的に多いんです。つまり、学長職というものはそういう意味で日本の理事長職に近いものというふうにアメリカでは考えられておって、チャンセラーというような別の教学の長を持つことによってプレジデントはそっちになっているという観点なんですね。今おっしゃったことはちょっとその辺のところが混同しておりまして、どちらにしろ経営とそれから教学の代表というものと何らかの形で分ける必要性があると。
 まして、初期に、最初の立ち上げの、まあ私こうやって今参議院議員をやらせていただいておりますのは、二十年間にわたり理事、学長をやっておりまして、それなりの組織とかいうものが全部でき上がっていて、いつでも連絡が取れて、しかしそれでも週に一回は必ず行って授業もやりという状況をつくっているわけですね。それは本当に、立ち上げ期から、最初の五年間のうちに学長や理事長が常駐できないなどということは、初めから失敗を約束するための行為としか思えないんですね。やはりそこは基本的に、常駐ということが基本だと思います。
 そして、日々いろんなことが出てくる中で決裁者がいないということになると、どちらかです、問題が先送りされて取り返しが付かなくなるか、そうでなかったら、権限もないのに勝手にそれを、権限を使い出す人が出てくるという無責任状態を生むかのどちらかになるんですね。
 こういう危機をあえてお考えになるということは、私は本当に信じられない思いであって、そのままで本当にこれだけの国民の血税が使う事業を行っていかれるということであるとするならば、私はこれ以上の無責任さというものはあり得ないと思うんですよ、大臣。いかがですか、大臣、この辺はちゃんと考えていただけませんか。
#119
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほど来からの御議論を踏まえて、当然この大学院大学に合った組織というのはあるべきだというふうに思っておりますし、先生の御意見も踏まえて、いろんな例も含めて、うまく運営ができるような形態を取りたいというふうに思っております。
#120
○谷岡郁子君 私などは、まあここは一人のたわ言として聞いていただければいいんですけど、個人的には清水局長辺りが直ちに内閣府を辞めて理事長におなりになればいいんじゃないか、そのぐらい考えて、もうずっとあとはもう骨を沖縄にうずめていただくのがいいんじゃないかぐらいに思っているわけです。というのは、一つの大学なんというのはそういうものだからです。だれかが命懸けになって人柱になる覚悟をしない限り、まともな大学なんというのはできないんですよ。
 というのは、それ、人なんですよ。その人がその学校、大学のありようを体現するんですよ。福沢諭吉だって大隈重信だって、みんなそうだったんですよ。そういう人たちがいて、そこを中心に大きなうねりができていくことによって、その大学、そこにおける人間的な営み、人間の最高のものとしての知的営みというものが言わば折り重なり合っていくと。その中心点がいたりいなかったりすることによって、どうやって熱を持ち、そこが一つの強いうねりを生み出していくことができるのか、そのことを考えていただきたい。
 そして、そのかいらいの、トラの威を借りたキツネのような、そういう人たちが大きな顔をし出して権限、権力を振るい出したときにどうなるかというのは、それは大学を問わずどのような組織でも同じだろうと思うんです。
 ここに私は一つだけ資料をお示ししたいと思います。先ほど人件費に係る問題のところで今野議員よりも御指摘がございましたけれども、私は実は、どのような今研究のための機器、備品の装置を入れていらっしゃるんですかと、そのリストをちょっと見せていただきたいというふうにお願いをいたしましたら、なぜか光学機器リストというのが参りました。確かにこれも機器リストと書いてあるんですけど、機器、備品というのは研究系の機器、備品とかいろいろあろうかと思うんですけれども、これだけが来てまだあと来ていないんで、これから続きが来るのかもしれません。
 取りあえずこれを見て、全部光学、光の学の光学の機器リストになっていまして、これ三ページ分全部、これ何かというと顕微鏡なんです。二十人の研究者に対して何とここは九十五台の顕微鏡がございまして、顕微鏡といっても電子顕微鏡だとか手術用の顕微鏡とかいろいろありますので、それは仕方がないんですが、普通の顕微鏡だけで四十三台あるんです。一人当たり二台なんですね。私が、もし皆さんであれば、キャンパスに帰られたら、直ちにこれが今九十五台、そして普通顕微鏡四十三台がちゃんとそこにそろっているかどうかというのは確かめたいぐらいだと思うんですね。
 というのは、過去二年間に八十八名の人が入れ替わっているということも聞いているわけなんですけれども、ここが先ほどの人間の言わばお金に関する管理があれだけいいかげんなものであるとすると、例えば機器、備品の管理というようなもの、そしてその手入れというものがどうなっているのか。本当に必要なものが必要だけ入っているのか、あるいはもう欲しいだけみんなが、隣の部屋の人が買ったら自分も欲しいぐらいのたぐいで買っているのか、この辺のところがここから明らかになろうと思います。
 どうお考えなんですか、大臣。二十人で、やっぱり九十五台の顕微鏡で、四十三台の普通顕微鏡でちょっと多くないですか。
#121
○政府参考人(清水治君) 今の光学機器、顕微鏡等について参考まで申し上げますと、今研究者の方が約百六十名おりまして、主任研究者は二十名でございますが、その中で、これはどの研究分野もかなり顕微鏡を使っているんで、そういう意味で、そういう百六十名規模の研究スタッフがいるという前提の中での器具数だということでございます。
 以上でございます。
#122
○谷岡郁子君 私はそうは思わないんですね。
 様々な研究というのは、顕微鏡をのぞくというのはある種最終段階でございまして、そこへ行くまでの採集ですとか培養ですとか、そこからいろんな形での処理ですとか、研究というものを、例えば顕微鏡をのぞくという段階に入る作業とかというものは二%、三%の時間、エネルギーの内容のはずなんです、それをしょっちゅう使う人であったとしても。
 そうしますと、やはりちゃんとできるだけ合理的に、そして全体としてできるだけ機能的に、そして費用対効果を大きく使おうとすれば、この数というのはあり得ないんですね。顕微鏡は顕微鏡だけで独立するのではなくて、そこへ行くまでの遠心分離器であったり、いろんな培養するためのケースであったり、もう様々な試験管のたぐいであったり、たったこれだけいただいても、ここから推測できるほかの装置の物すごさというものが、私どもも一定、割り掛け分かりますんで、あるわけですよ。どれだけじゃぶじゃぶとしたお金の使い方をしてきたんだろうかということをやはり考えざるを得ない。
 これまでは研究だけやってきたかもしれないけれども、今度は教育用ということになります。教育用になれば、教育というのはやっぱりクラス単位で行うわけですから、幾ら大学院でもクラスの中に十人とか二十人とか入ってくる。そうなりますと、そのときに本当に二十台、三十台とかというスタンダードのものは何であってというようなことで用意をしていかないと、実験なんかが回せないような状況になっていくわけですね。
 ここから今見えてくるものというのは、やはりかなり、世界最高のものをつくるんだぞという掛け声の下で、だから世界一お金が掛かってもしようがないんだぞ的な、もう使いたい放題というような状況が浮かび上がってくると。世界一を目指すがために、世界一のある種機能性であり合理性を持ってやっていただかなきゃいけないところで、何だか来た人の天国になっちゃって、いいよね、日本人気前いいからみたいな状況になっている可能性がやはりあると思われるんですけれども、その辺の管理などについては今どういう状態になっているんでしょうか。
#123
○政府参考人(清水治君) 貴重な税金を元にして取得いたしました研究機器の適切な管理という御指摘は、極めてそのとおりだと我々も肝に銘じているところでございます。
 なお、機器の取得については、現在、主任研究員も始めといたしまして研究スタッフがここ数年拡充してきたところで、言わばその研究ユニットを立ち上げる段階での基本的な顕微鏡などの取得も入っていますので、毎年毎年その数のあれが必要になるというんでない部分もあろうかと考えております。
 いずれにしても、効率的な予算の執行、あるいは研究費の使用ということには十分それを肝に銘じてやっていく必要があると考えているところでございます。
#124
○谷岡郁子君 そのとおりだと思います。
 ですから、そういうことを含めてやはり日常のお金の出入りであり、人の出入りであり、その仕事ぶりであり、そこについてちゃんとした人がマネジメントのスタッフとしてそれを見張る状態がないと、ここは本当に国民の血税というものが意味のない形に使われられかねないと。ある意味で、これから自分がいろんなところで出世していきたい研究員のある意味で踏み台になりかねないというふうに思います。
 だから、世界最高のものをつくる、そのためのしかるべき環境というものを用意するということと、それから、なめられてそういう形で利用されることということはもう雲泥の差だと思いますし、それでは日本のためにも沖縄のためにも決してならないと思いますので、また私どもでよろしければいつでもいろんな形で、苦言も含めていろんなことを言わせていただきたいと思いますので、どうか本当に真剣に頑張って、夢を大きく、しかし着実に、堅実にこの大学院大学を育てていっていただきたいと思います。
 まだ少し時間はございますけれども、私が言いたいことは基本的にはそういうことですので、これで終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
#125
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。
 本日は貴重な機会お与えいただき、ありがとうございます。
 私自身、教育再生会議に属してきまして様々な議論を続けてきましたが、その中でも今こそ日本に、世界トップレベルの大学を日本につくることが必要であるという議論もし、そして提言も行ってまいりました。もちろん、日本にもすばらしい実践を行っている大学はたくさんありますが、留学手続の難しさ、あるいは言語の問題、様々な問題もあり、優秀な学生が日本を飛び越えて別の国に行ってしまうという現状の中で今回、世界最高水準の国際的な大学院大学を沖縄に設置するための法案が提出されたと非常にうれしく思っています。
 その上で、改めて、まずは沖縄に新しい大学院大学をつくる意義、そして目的を改めて大臣にお話しいただきたいと思います。
#126
○国務大臣(佐藤勉君) 先生おっしゃられますように、現在、諸外国でございますけれども、優秀な人材を引き付けるための大学等に重点投資を行っておるというふうに伺っております。我が国におきましては、世界的な知的競争時代というべき状況に置かれているんではないかなというふうに私も思います。
 我が国でありますけれども、東アジア地域の中心に位置する沖縄で世界の学術界の協力を得て、世界に開かれた、そして中核的な教育研究機関を実現を目指すことはこういう競争に打ち勝つための取組としては大変大きな意義を持つんではないかなというふうに思います。また、沖縄振興の点からも、科学技術に関する国際的な拠点の形成を図ること、そして自立的発展へのかぎとなる重要な取組だというふうに位置付けられると思います。
 そして、大学院大学、このような拠点の形成に向けまして、先端的な分野、学際分野において世界中から優れた研究者、学生を獲得し、世界最高水準を目指すものでございまして、将来、世界の科学技術の発展に寄与するとともに、沖縄の自立的発展、ひいては我が国の国際社会への大きな発展に資するものと考えております。
#127
○義家弘介君 ありがとうございます。
 谷岡委員のお話の中でもありましたが、手段と目的をしっかりと分けて、その目的、ゴールをどこに持っていくのか、より今こそそれを鮮明にして進めていくべきだと私自身も心から思っております。
 この法案では、ノーベル賞の受賞者を始めとする著名な科学者らが新法人の学外理事として参画し、教育研究等の重要方針を決定する仕組みになっているとお聞きしています。このように、世界の英知を結集して大学運営を行っていく、これは非常に画期的な手法であると思っています。
 他方、時代の流れを敏感にとらえ、新しいことにチャレンジするためには若い研究者の力が何よりも必要であり、彼らが自らの権限と責任で大胆に研究を進められるようにすることも必要だと考えます。先日、参考人質疑の際に、シドニー・ブレナー理事長も、日本の大学では若い研究者が独立して研究を進めることが難しいのではないかとおっしゃっておりましたけれども、この若手研究者の活用についてどのようにお考えになっているでしょうか。
#128
○政府参考人(清水治君) 御指摘のように、優れた若手研究者に活躍の場を与えるということがこの大学院大学構想の言わば核となっているところでございまして、現在の沖縄研究機構でも、若手研究者を対象といたしまして様々な国際ワークショップ、あるいはいろいろなテーマに応じたセミナーを開催して、その育成に努めております。また、こうした活動は機構内にとどまらず、機構の外部からも多くの若手研究者の参加を得ておりまして、国際的にも評価が高まってきているところというところでございます。
 また、若手研究者の活躍の場を広げるということから、今般、新たに若手代表研究者制度を立ち上げて、より独立した研究をできるような仕組みも立ち上げたところでございまして、こうした取組を通じまして若手研究者の活用を推進していくものと考えております。
#129
○義家弘介君 続いて清水局長にお伺いしたいと思いますが、なぜ、ならば現在の日本の大学では若い研究者が独立して研究を進めるのが難しいとお考えになっているでしょうか。
#130
○政府参考人(清水治君) これは、ブレナー理事長の御指摘等これまでいろいろ伺ったところでも、やはり今の大学の教授なり、そういった学科の仕組みというんですか、その中でより独創的、独自の研究をできる機会をどれだけ大きく取れるかという問題、それから、またさらには、そういった際に、学部とか学科とかいろいろな既往の、何というんですか、分野を超えたいろいろな交流の刺激の機会をいかに多くしていくかが重要な課題であるという問題の下での問題意識ではないかと受け止めております。
#131
○義家弘介君 さて、そういう若手研究者が積極的に研究に専念できるという環境をまずしっかりとつくっていく、しかし、その優秀な若手研究者をどのようにしてこの沖縄大学院大学にリクルートしてくるのかということも重要だと思いますけれども、その優秀な若手研究者をどのようにリクルートしてくるのか、方針がありましたらお聞かせください。
#132
○政府参考人(清水治君) 優れた研究者をいかに採用して集めていくというのは、まさにこの大学院大学を構築していく上での基本的なポイントになるわけでございますが、できるだけ幅広くいろいろな形での国際公募、学術誌ですとか関連のウエブサイト、あるいは学会誌などを通じまして積極的に人材を求める、また、ワークショップなどの際にいろいろ参加していただいた人たちの口コミというんでしょうか、そういった形での評価の広まり、そういった国際的な知名度の向上ということが必要でございます。
 また他方で、理事長がいろいろ国際的な中でいろいろな研究者を発掘して採用していくと、そういった形で特に若手を中心に採用していくことが必要だと考えております。
#133
○義家弘介君 いつの時代でも世の中を変えていくのは若者の力、そして若者の活力であると。是非、若い研究者がより大きな権限を持って自由に活躍できるような大学を実現していただきたいと思います。
 続きまして、先ほども話が出ましたが、大学院大学の設置に向けて沖縄では、既に二十人の代表研究者を含む百五十人以上の研究者らが先行研究の実施、それからワークショップの開催等の活動を行っていると聞いております。これらの教育研究活動の実績について、今現在の実績についてどのようにとらえていらっしゃるかお話しください。
#134
○政府参考人(清水治君) まず、研究スタッフでございますが、主任研究者二十名、このうち外国人十一名でございまして、これにその他の研究スタッフを入れまして総勢約百六十名でございます。
 また、これまでの研究活動について一端を申し上げますと、生命システムを中心的な課題とした融合分野を研究しているわけでございますが、例えば神経ネットワークの解析、あるいはその神経ネットワークの数学的なモデルの構築など、そういった研究を進めているところでございます。また、最近では、これまでも御議論がございましたが、沖縄の自然環境や地理条件に適した環境分野や海洋生物学の研究をやっているところでございます。
 また、セミナーや国際ワークショップも様々な交流あるいは人材育成のために重要ということで考えておりまして、これも年間相当回数を開催しているところでございます。
#135
○義家弘介君 ありがとうございます。
 続きまして、現在の沖縄機構は研究型の独立行政法人ですが、平成二十四年度から大学として正式に学生を受け入れることになります。学校の使命、学校というものは、生徒に対して、学生に対して人生の選択肢をしっかりと広げてあげること、これ抜きにやはり学校というものはあり得ないと私自身は思っております。その中、この大学院大学も例外ではないと考えます。
 博士課程であれば研究者志望の学生が中心になると思いますけれども、ポスドクの就職先は現在の日本でも限られており、定職に就けないポスドクが大量にあふれているという現状があります。もちろん、大学院大学では優秀で目的意識がはっきりとした学生を厳選して入学させるのだと思いますけれども、優秀な学生であればこそ、その能力と意欲に見合ったキャリアパスが実現できるように大学としてしっかりサポートしていく必要があろうかと思います。
 出口は非常に多様で、例えば中には、研究者を目指す以外に、研究の成果を生かしてベンチャービジネスを起こしたいという学生も当然出てくるでしょう。例えば、北海道では一九八〇年代に北大の大学院生がITベンチャーを立ち上げたことがきっかけになってIT企業の集積が進み、サッポロバレーと今では言われるまでになっています。そのように、大学院大学を源として沖縄で新たな産業が生まれることは沖縄の地域振興にとって非常に重要な意味があると思いますし、そういうことをサポートしていく体制というのも必要であろうと思います。
 また、この大学では教員や学生の半分以上が外国人で授業も英語で行うと聞いていますが、日本人の学生がそのような国際的な環境の中で切磋琢磨することによって世界で通用する実力を身に付けることは確かに必要なことです。他方、この大学を出た生徒たちが、みんな日本以外の国に出ていってしまう。これはせっかく目的を持ってつくったことが本末転倒になりかねない事態にもなってしまう。頭脳流出になってしまうこともあるでしょう。
 日本国民の税金を投入して運営を行う大学ですから、卒業生が日本の科学技術水準の向上のために是非とも貢献してほしいと思います。そのためには、外国人の学生が例えば日本で就職するという選択肢も準備する必要があろうかと思います。そして、彼らに対しての、英語だけではなくて日本語の教育のキャリアサポートも重要になってくると私は考えます。
 大学院大学ではどのような学生を受け入れ、修了後はどのような進路に進ませるつもりなのか、大学としてそれをどのように支援していくのか。大学院大学の学生の受入れと卒業後の進路、そしてキャリアサポートの在り方、この三点について是非考えを聞かせてください。
#136
○政府参考人(清水治君) まず、学生受入れでございますが、広く国際公募を行いながら、いろいろなバックグラウンドを持った中から厳格に評価して優れた学生を選抜する必要があると考えております。
 また、この大学院大学を修了後の進路、キャリアパスでございますが、御指摘のように、内外の主要な大学あるいは研究所で研究者として活躍するほかに、やはり御指摘のように、ベンチャー企業など産業界でも先導的な役割をするようなことも期待されます。そういう意味では、専門分野に関する高度な教育だけではなくて、起業家教育も視野に入れたカリキュラム編成についても検討しているところでございます。
 また、その間の指導については、学生の研究指導を行う指導教員が進路指導についても主要な役割を担うことになりますけれども、さらにサポートをする体制、専門的なスタッフの配置も必要でございます。そういったことと並行して、さらには内外の大学や研究所と緊密に連携したネットワーク、国際的なネットワークを活用して意欲を持った学生がそれぞれ進んでいけるような多様なキャリアパスを実現する支援がございます。
 また、日本語の問題についてもありました。そういった研修も必要ということで、既に現在でもそういった外国人対応とした日本語の研修も行っていると承知しているところでございます。
#137
○義家弘介君 世界トップレベルの大学を実現するためには、まず研究者の質、学生の質、これは確かに重要ですが、優秀な学生を引き付けるためには、何よりもほかの海外の大学にはない魅力、これを明らかにしていかなければならないと思うわけですけれども、例えばアメリカ等の大学にはないこの大学院大学の魅力、簡単に言ったらどんなところがあるでしょうか。
#138
○政府参考人(清水治君) やはりブレナー理事長もおっしゃっておられたかと思いますが、世界的にも非常に豊かな自然環境の下で研究に取り組めるという研究環境、その中で、ある意味、都会の喧騒から離れたところで研究に没頭できるような研究環境がある。
 施設整備面でいうと、いろいろな分野の研究者、学生さんがかなりお互いに刺激でき合うような、そういったスペースを意識するような設計も行われているところでございまして、そういったことが少しでもそういったいい質の向上に貢献できればと考えております。
#139
○義家弘介君 進路指導も含めて、学生の教育面でも世界最高水準の大学になるように取り組んでいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事伊達忠一君着席〕
 続きまして、生活環境についてです。世界中から優秀な研究者や学生を集めるためには、大学自体の教育環境はもちろん重要ですが、住環境や子供の養育環境など、家族を含めて安心して生活できる環境が整っていることが重要であると思います。
 例えば、秋田にある国際教養大学あるいは大分にある立命館アジア太平洋大学、世界中から留学生を集めるために生活環境の整備に努めていると聞いていますけれども、新大学院大学についても研究者や学生の住環境及び家族の養育環境の整備が重要だと考えていますが、この辺については、進捗状況はどのようになっているでしょうか。
#140
○政府参考人(清水治君) 大学自体の整備に並行して地元と協力をして周辺環境の整備に取り組んでおりますが、沖縄県において周辺市町村、地域住民と連携を図った周辺環境整備を取り組む中で、具体的な取組としては、教育面では、この大学院大学のスタッフ子弟、そのほかの県民の皆さんの子弟のための国際的な教育環境ということでインターナショナルスクールの設置が現在決まっておりまして、二十三年の開校を目指して進められているところでございます。また、生活面では、大学院大学のキャンパスの周辺の門前町の地区における複合商業施設の立地促進といったことも今、推進協議会を進めて、進められているところでございます。
#141
○義家弘介君 ありがとうございます。
 次に、この大学院大学が地元の人材育成、沖縄の人材育成に与える影響についてお尋ねしたいと思います。
 残念なことですけれども、沖縄県は小中学校の全国学力テストで全国最下位という結果が出ております。地元の教育委員会でもいろんな対策に乗り出して、例えば教員交流等も進めていますが、せっかくこのような大学院大学が設置されるのですから、子供たちに夢を持たせるというか、モチベーションになるという意味ではもう活用しない手はないと私自身は思いますが、例えば大学院大学の教員が中高などに出向いて、そして講義を行ったり、科学技術に関心を持たせるような啓蒙を行ったりと、そして将来、大学院大学の研究者や学生を目指そうという者がその中から出てくると、こういった状況になることが非常に望ましいと私自身は思います。
 いずれ沖縄からノーベル賞受賞者が出るのは夢ではないと私自身は思っておりますけれども、大学院大学として地元の人材育成にどのように貢献していくおつもりか、お聞かせください。
#142
○政府参考人(清水治君) 御指摘のように、地元の人材育成への貢献ということも極めて重要な役割だと考えております。
 出前講義についてお話、御指摘ございましたが、例えば現在でも教授クラスの研究者が中学、高校に出向きまして、一例でいいますと、バナナからDNAを取り出す実験の実演をしたりする、あるいは研究内容を分かりやすく解説するなどをやってございまして、昨年度では八校で実施したと。それから、高校生、大学生を対象とするシンポジウムも開かれておりますし、また現在の研究施設を公開する行事、オープンキャンパスみたいなことも小中学生向けに行われてございます。
   〔理事伊達忠一君退席、委員長着席〕
 こういったことの刺激によって、一例でございますが、現在の機構の研究者の講演に、数年前ですが、大変刺激を受けた地元の高校生の方が大学、これも本土の大学に行かれて、さらに大学院まで進学して、現在は機構の研究室に志願して、応募して戻ってこられて研究に取り組んでいるというような例もあると伺っております。自発的な挑戦を促していくことが将来の沖縄を担う人材の育成にもつながるものと考えております。
#143
○義家弘介君 学力向上、これの一番大事なことはモチベーションであろうと私自身は思います。どういうモチベーション、夢を子供たちに示してあげるのか、それによって取組は全く変わってくると思います。いい授業をするから単純に成績が上がる。確かにいい授業は成績を上げるために大事かもしれませんが、それ以上に大事なモチベーション、是非この大学院大学が沖縄の子供たちの夢になっていただきたいと心から願っております。
 最後に、大学院大学の設置は、我が国の他の大学にとっても改革のモデルとなるような画期的な取組であろうと思います。我が国の高等教育の未来のために政府としてもしっかり取組を進めていく必要があると思いますが、最後に、世界最高水準の大学院大学の実現に向けた、先ほどから聞いていますと何かこう元気がないというか、言葉を慎重にお選びなのかな、大臣もと思いながら聞いていましたが、是非大臣の前向きな、そして力強い御決意をお伺いしたいと思います。
#144
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほど来から申し上げておりますように、この大学院大学というのは、今の世界の経済状況の中では私は日本しかできないのではないのかなという思いがございます。そういう中で、やはり世界最高水準の大学院大学を目指すということになれば、それなりのものをつくらなければいけない。そういう中で、先生方から御指摘のあるいろんなディスクローズもしながら、モデルになり得るような大学院大学をつくり、そして最高水準の研究をできる大学院、そして成果が生まれ、ひいては沖縄の振興に資する大学院大学でなくてはいけないというふうに思いますし、行く行く沖縄が情報の発信源になり得るような大学院大学を目指してまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
#145
○義家弘介君 ありがとうございました。
#146
○木庭健太郎君 今日は沖縄科学技術大学院大学法案の審議でございます。
 先日、私たち参議院はシドニー・ブレナー機構理事長に参考人としてお越しいただいて、本当に貴重な意見や諸課題についてお伺いしたばかりで、今日の議論の中でも様々なそういった指摘もございました。
 まず、今日も議論になっておるんですけど、理事や理事長、学長の選任の問題なんですけれども、法案を見るとどうなっているかというと、学園の理事としてなる人はどんな方かというと、七条第一項を見ますと、「人格が高潔で、学識が優れ、かつ、学園の業務を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者でなければならない。」としておりまして、さらに、七条二項を見るとどうなっているかというと、「科学技術の発達に関し特に功績顕著な科学者」、「沖縄の振興に関して優れた識見を有する者」、「大学の経営に関して高度な知識及び経験を有する者」が含まれるようにしなければならないと法案は規定しているんです。
 これをどう本当に整理しながらやっていくのかと思いまして、まずちょっと聞いておきたいんですけれども、設立当初、この理事とか理事長、役員の選定はどんなふうになって決まっていくんですか。
#147
○政府参考人(清水治君) 学校法人の理事の選任手続は、開学以降であれば、私立学校法上、法人の寄附行為にゆだねられるということになりますが、設立当初の理事につきましては、本法案に基づきまして政府が任命することとされています設立委員が選任することとされているところでございます。
#148
○木庭健太郎君 それで、先ほど議論になった、学長と理事長がどうなるか、私もどちらかというときちんと立て分けた方がいいというような気持ちは正直にあるんですけれども。
 いずれにしても、理事長並びに学長となるような方が、確認しておきたいんですけれども、今の機構の場合は、シドニー・ブレナー機構理事長は、いろんなほかのお仕事もなさっていますから常駐ではございません、常駐ではございません。ただ、今度、理事長若しくは学長ですか、そういった方になる方がいらっしゃったら、まさかこの方が非常勤みたいなことはないですね。ここに常駐する方になるということだけはちょっと確認しておきたいんですけれども。
#149
○政府参考人(清水治君) 基本的に学校の業務、それから教学という意味での学務を担当しますので、沖縄を中心として常駐していくことになります。
 なお、ブレナー理事長も常勤でございますが、採用、国際連携等でいろいろ国際的に活躍をいただいているところでございます。
#150
○木庭健太郎君 それをちょっと確認させていただいたところでございます。
 今おっしゃったように、じゃ、この理事、理事長を選ぶためには、その前にまず内閣総理大臣が任命する、設立の前は設立委員がその職に当たるということになるわけですね。どのような人物が、これは何人命じられることになるのかと。
 また、もう一つここで伺っておきたかったのは、これまでの大学院大学の経過を知るのは機構の方々でございますが、この機構の運営委員はこれにかかわることになるのかどうか、ここも御答弁をいただいておきたいと思います。
#151
○政府参考人(清水治君) 設立委員については、基本的に現在の機構、これは大学院大学の開学を準備することを法律上の業務としているわけでございまして、ですが、そこの現在の機構との継続性を確保する観点から機構の運営委員等を設立委員として任命することを予定しているところでございます。
#152
○木庭健太郎君 是非、そういった経過を通じて、今日、当委員会では様々なこの問題について指摘を皆さんがなさいましたから、大臣も是非参考にしてとおっしゃいましたから、今日寄せられた意見を本当に十分踏まえた上でそういった選任をやっていただきたいということを私も強く申し上げておきたいと思います。
 そして、やっぱり大事なのは、どんな主任研究員、研究者がこの大学院大学に集まり、どんな学生がこの大学院大学に集ってくるのかというのが大学院大学を考えるときの一番の基本でございまして、先ほどから、主任研究員というのは最終的には五十名程度、現在二十名ということで、ブレナーさんも、開学まで、大丈夫、五十人ぐらいきちんと集められますとおっしゃっておりましたが、やはり何か、現在二十人が先行でやっていらっしゃるという現状を考えると、本当にちょっと大丈夫なんだろうかなと、どう確保するかということについて更に努力をしていただきたい。
 今お聞きしていると、例えば学術誌とか関連ウエブサイト、学会とか、あらゆる機会を通じて積極的に人材を求めていくというようなこともおっしゃっておりますが、是非、今ある意味じゃ、施設でいうと、機構の理事さん、また理事長さんも含めてなんですけれども、先ほど一つあっておりましたが、是非何か世界各国の学会でこの大学院大学をPRする場、そしてPRする際も、この大学院大学が何を目指しと、そういうことに興味がわかなければ来ないという御指摘もありましたから、是非そういった趣旨をはっきりさせるような、そういう宣伝というか積極的な活動、PR、このようなことをやるべきだと考えますが、どうお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#153
○政府参考人(清水治君) 御指摘のように、優れた研究者、学生を獲得していくために大学院大学についてのPR、広報活動が極めて重要であるというのは、大変重要な御指摘だと思っております。先ほど申し上げましたように、様々な手段を通じた広報活動を通じましてできる限り知名度を高め、またワークショップ等の活動等への参加もそういった知名度の向上に貢献するものでございまして、そういった形でPR活動に引き続き取り組んでいく必要があると考えているところでございます。
#154
○木庭健太郎君 もう一つ、学生の方なんですけれども、この大学院大学というのはどうなるかというと、博士課程で、学位は博士として、特定の国や地域等の入学枠は設けずに学生を募集するということがうたわれているわけでございますが、じゃ、そういう枠を決めていない中で本当に国際的に卓越した有能な学生の確保といっても、やはりそこはこちらの側、やる側が一つの戦略を持って、例えば一つさっきいい指摘があっておりました。沖縄という地にこの大学院大学ができるのであれば、東アジア、特に今開発途上の国々の若手の方々をどう位置付けるかというような問題、それも一つ戦略的な考え方になっていくでしょうし、またもう一つは、これはブレナー博士がおっしゃっておりましたが、優秀な学生といったらどうやったら集まるんだというふうにお聞きしましたら、ブレナーさんがおっしゃったのは、それはいい主任研究者がいればその下に自然と集まってきますということもおっしゃっておりました。そういった意味では、戦略的な取組という中の一つに、主任研究者をある意味ではどういう分野のどういう人を引っ張ってくるかというのも一つの戦略的取組だろうと思います。
 こういったことをどうお考えになっていらっしゃるのかと、優秀な学生を確保するためにどんな戦略的取組をなさろうとしているのかを伺っておきたいと思います。
#155
○政府参考人(清水治君) 例えば、先ほどの御答弁ともちょっと重なりますが、ワークショップの開催の際に内外の学生を受入れを行いますと、それを踏まえたいろいろな形での評価が高まっております。毎年サマースクールを開催してきてございます。神経科学という分野でございますが、内外の大学から多数の学生が参加しておりますが、例えばそこでの研究水準については、ドイツやフランスの大学で博士課程の単位として認定されるといったような形で評価も確立がされてきているところでございますので、こういった活動を更に積み上げていきまして、通じて、できる限り優秀な学生の獲得に努めていきたいと考えております。
#156
○木庭健太郎君 もう一つは、やはりどういった研究をやるにしても、ポイントになるのは、じゃ、本当に研究費としてお金が確保できているのかどうかということでございまして、今、政府の方としては、一研究班当たりですか、大体二億円程度を考えながら一つの仕組みを考えていくというようなことが報道もされておりますが、これをどう確保していくかというのは極めて大きな課題だと思いますし、法案そのもので見ますと、衆議院で法案修正がなされております。国は学園に対し業務に要する経費についてその二分の一を超えて補助することができることに改めるとともに、十年間に限り業務に要する経費の二分の一を超えて補助できるものとする規定を削除する。
 分かりにくいような話なんですが、何をこれは言っているかというと、安定的な研究費の確保については先々まで担保するという修正がなされたと私どもは理解はしているんですが、いずれにしても、そういった仕組みができたとしても、やはり一つのポイントは、学園、大学院大学による自主的な経営努力というのは私はなさなければならないことだろうと思いますし、例えば、企業の外部研究など外部資金を獲得していくような努力も一つあるだろうと思いますし、そういったことについてどのように考えていらっしゃるか伺っておきたいと思います。
#157
○国務大臣(佐藤勉君) 国の補助金に単に依存することなくという先生の御趣旨だと思います。自立に向けて努力する姿勢が私も極めて重要だというふうに思います。
 国の財政支援についても、先ほど御説明にございましたように、安定的なものと同時に、大学院大学が内外の大学と熾烈な競争の中で、競争的研究資金、そして企業の受託研究等の外部資金の獲得に果敢に挑戦することを強く促すような仕組みを取るべきではないかなというふうに思います。
 こうした考え方の下で、現行の沖縄科学技術研究基盤整備機構の中期目標においても、目指すべき大学院大学の姿として、自立経営に向けての外部資金の充実に戦略的に取り組むこととしておりまして、果敢に挑戦していっていただきたいというふうに思っております。
#158
○木庭健太郎君 是非そこは、本当に大学院大学自体が自立した形でいろんなことができる、逆に言うと、そのことをきっかけにして、企業から研究費を取る取らないみたいな問題から始まってそれが知的クラスターの問題につながっていくというようなことも私はあり得ると思うんで、ここは積極的にある意味では取り組んでいかなければならない課題じゃないかなというふうに思うんです。
 そして、これもずっと皆さん方は議論されておりましたし、私もこれ、やっぱり沖縄の自立的発展につながるという期待がある一方で、やっぱり地元の皆さんは基礎的研究というふうにどうしても大学院大学が見えるものですから、本当に沖縄の経済発展に役立つのかなというような思いも一方でやっぱり地元の方々にあるわけでございます。
 先日、これ、ブレナー理事長が来られたときに、やり取りを少ししたときに、今どんなふうになって、日本の企業とのつながりのような問題をちょっとお聞きした答えが、ブレナー博士はこんなこと、日立、ホンダといった日本を代表するような企業が機構の先行的研究事業の支援を行っている。つまりそういう大企業、ある意味では日本を代表するようなところとはもう支援関係というのがちょっとあるんだという話があったんですよ。
 でも、沖縄ということを考えたときに、私は、大企業もそれはいいですけれども、やっぱり沖縄の中小企業と、言わば地場の企業との中で、こういう研究開発という分野はどんなつながりが持てるのかというようなことが大事じゃないかなという気は本当しておりまして、何とかこの大学院大学と沖縄の中小企業が一緒に取り組んでいくようなそういうものが出てくれば、まさに沖縄振興の面、沖縄の自立ということでこの大学院大学が一つの大きな役割を担うというようなところにつながっていくと思うんですが。
 確かに難しい課題だと思いますよ。世界の最高水準の科学技術をやっていこうと、こう言っている。一方で、沖縄の産業振興という、もう一つ追いかけようとすると。そういった本当に二つの難しい面を、これはでもそのためにつくった大学院大学ですから、是非とも、難しいかもしれませんが、そこに挑戦をしていっていただきたいと思うし、そういった取組を強めるためにどう努力されるのかをちょっとお聞きしておきたいと思うんです。
#159
○国務大臣(佐藤勉君) 今、先生がおっしゃられますように、ややもすると、研究開発ということになりますと大企業というイメージが強くなってしまうという一面はあるかと思いますが、それは沖縄の状況、そして成り立ち、いろいろ歴史的なものもございますでしょうし、生物学的なものもあるでしょうし、また中小企業として非常に先進的な意味合いの持った研究をしているような企業もあると思います。
 したがいまして、そういうところの企業がもちろん入りやすいように、そして費用負担等々については、もちろん国の支援もあるわけでありますから、そういうものを加味して、中小企業がすべて資金を提供するという仕組み等々ではなくて、やっぱり沖縄の企業の振興ということも重点に考えながら柔軟に対応していくということも必要なのではないかなというふうに私は思っております。
#160
○木庭健太郎君 大臣、そうなると、ひとつやっぱりこの大学院大学の基礎研究の分野と沖縄の重点産業分野というのを並び合わせると、これがなかなか合わないんですよね。
 確かに、サンゴを始めとする、海洋生物を始めとするそういうものの研究、環境分野で大変大事な問題で、それは沖縄というものとつながるかもしれない。
 ただ、沖縄自体が重点産業分野で是非伸ばしたいと思っているのは、例えば観光であってみたり情報通信産業であってみたり、こういうところを主眼にしようとしている。そういったものと、じゃ、この大学院大学の基礎研究というものになったときに、どう結び付くのかということが地元の皆さん、なかなかこれ分かりにくいんですよね。
 そういう意味で、やっている基礎研究が沖縄振興のこういったところのこうなんだと、どう役立つんだというのもやはりきちんと何か説明する必要があるんじゃないかなと感じるんですが、大臣、どうでしょうか。
#161
○国務大臣(佐藤勉君) もちろんすべてが合致するというわけにはまいらないと思いますが、ただ、ベンチャー企業についても研究機関についても、情報通信というのはどうしても必要な部分だというふうに思います。
 それを無理やり結び付けるという必要はないのかもしれませんけれども、決してそれが結び付かないというふうに私は思っておりませんで、これが知的クラスターという形で形成ができればいい方向に進むのではないかなというふうに思いますし、そんなことにも気を遣いながら進めてまいりたいというふうに思っております。
#162
○木庭健太郎君 最後に、この大学院大学のこと、もちろん地元の沖縄ではいろんな意味で皆さんに知られている部分もあります。ただ、やはりまだまだ国民全体にしてみると、何で沖縄にそういうことをするのというのをまだ思っていらっしゃる方もいるぐらい、全体の理解が至っているかというと至っていないと思います。
 そういった意味では、なぜ沖縄にこういうものをつくる、意義も含めて、つまり広報活動というものをもう少し、この大学院大学のこと、世界トップレベルを目指すものをつくるわけですからそういった広報活動の充実をしていただきたいと思いますが、その重要性をどう考えられるかをお伺いして、質問を終わります。
#163
○国務大臣(佐藤勉君) おっしゃられるように、正直、私もお恥ずかしい話でありますが、昨年これだけの意識があったかというと、正直ございませんでした。したがって、その広報活動の重要性については御指摘のとおりだというふうに思います。
 機構において、これまで日本語、英語の双方でパンフレットやニュースレターを作成したり、関係機関等に広く配付する。そして、ホームページの情報掲載、メディアの広報等々を積極的に努めてきたところでございますが、おっしゃられるように、戦略的な広報、情報発信を行う必要があるというふうに考えておりますし、この辺は、本当に沖縄にこういう大学が日本人だったら全部知っているぐらいの広報啓発をしなくちゃいけないというふうに思っておりますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
#164
○木庭健太郎君 終わります。ありがとうございました。
#165
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 主任研究員の確保の問題は今もお話がありまして、前回、ブレナー理事長が来られたときにも、ブレナーさんの任期は夏までということなんですけれども、それ以降も含めて開学までには五十人にはできるんだという話がありまして、本当に大丈夫なのかというのは同じ思いなんですけれども、今やり取りがありましたのでこれはちょっとおいて、その次から質問をしたいと思うんですけれども、奨学金や学費の減免などの問題です。
 それで、主任研究員の確保ができるかどうかというのは非常に大事なわけですけれども、その次に、院生を集めることができるかどうかと、これが大きな課題だというように思うわけですよね。それで、学部を持たない大学院大学というのは、院生の確保ということで見るとどこも大変な状況だと。それで、世界最高水準を目指す大学院大学ということになりますと、やっぱり学費も米国の有名私立大学並みじゃないかということになると、年間二百五十万ぐらいとか、そういう話も聞いているわけですけれども、そういう点からも、じゃ二百五十万払ってやるという人たちがどれだけ集まるのかということを考えてしまうわけです。
 大体、学費でいうと年間どれぐらいの水準になるのかということ、それから充実した奨学金制度や学費の減免制度というのも不可欠なわけですけれども、これらについて検討されているのかどうかということを、これ局長にお聞きしたいと思うんです。
 それで、その後大臣にお聞きしたいんですけれども、沖縄の振興、沖縄の人材を育成するということに結び付けるという観点から、この問題では、是非学費の安い沖縄枠というものも設けるとか、あるいは沖縄の学生を対象にした奨学金ということなんかも併せて検討していただきたいという声があるわけですけど、これについてどうかというのは大臣の方からということでお願いします。
#166
○政府参考人(清水治君) まず、学費でございますが、国内外の主要な研究系の大学の例を参考にしながら適正な金額を設定するよう検討が進められてございます。他方で、御指摘のように、海外の大学においても、特に博士課程の学生に対しましては、授業料の減免あるいは奨学金の支給、あるいはリサーチアシスタントとして雇用するというような形での支援が多く見られるということでございまして、海外の大学と競争の中で優秀な学生を獲得するためには、学生支援も重要な課題と認識しているところでございます。
#167
○国務大臣(佐藤勉君) 今先生からおっしゃられた点、重要な点だと思いますし、沖縄にできて沖縄の方が一人もいなかったなんという話でもないような気がいたします。しっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。
#168
○紙智子君 先ほど資金の確保の問題をめぐって、またこれも議論があったところですけれども、企業の共同研究、委託研究という問題についてです。
 それで、前回、ブレナー理事長が、業界からの委託研究はコストが安いので、むしろ共同研究を進めることで非常に強力な基盤づくりができるというふうにお話をされていたわけです。
 それで、これまで、じゃ機構が民間企業と行ってきた共同研究というのは一体どうなっているのかなということで、資料をいただいて実績を見てみますと、平成十七年から平成二十一年の三月まで、ここまでに共同研究は七件と。NECソフト、それから日立、本田技研、それからTDKなど契約をしているわけですけれども、これらのうち企業側からの経費が支払われた共同研究というのは本田技研の一件のみなんですね。五件は企業からは一円も提供を受けていないと。逆に、機構から日立には五百万円支払っているのもあるんですよね。
 それで、共同研究のほとんどがこれ研究経費を受けていないというのは、どういう理由によるものなんでしょうか。
#169
○政府参考人(清水治君) 民間企業との共同研究でございますが、まずその意義につきましては、この大学院大学、現在の機構の研究者と企業の研究者が共通の研究課題について共同で取り組む、相互に刺激し合って、単独でやるよりはより優れた研究成果を生まれることが目指すということでございます。
 その際の研究資金については、企業が用意する場合もありますし、企業と研究機関双方で用意したり、あるいは研究機関が用意するという場合もございます。それは個々の共同研究の契約によるわけでございますが、資金提供以外にも機器、資材の提供ですとかあるいは研究施設の提供など、協力の在り方についてはいろいろな形態がございます。
 いずれにいたしましても、こういった共同研究を積み重ねまして、産業界との有効な研究のネットワークを構築していくことが大事だと考えております。
#170
○紙智子君 ちょっと今の答弁どうなのかなと思うんですよね。
 それで、大学と民間企業との共同研究というのは、必要経費は企業から支払われるというのが通常なわけですよね。いろいろある中の一つということじゃないと思うんですよ。例えば、東京大学でいいますと、民間等共同研究取扱規則というのがあって、ここで定めているんですけれども、通常、大学側は施設設備を提供し、その維持管理に必要な経費を負担し、企業が消耗品、光熱水道費等の直接的な経費を負担するということになっているわけですよね。機構が日立グループの会社の施設維持管理費や光熱水費、消耗品まで支払ったというのは、これは本来、共同研究の契約の在り方として適切とは言えないと思うんですよ。何か、もらうんじゃなくて出してあげてというのはちょっと違うんじゃないかと。
 そして、大学院大学が財政基盤を強化して運営していけるのかどうかと、この問題にも結び付いてくるわけですよね。今のこういう状況のままでは不安は消えないわけで、果たしてこれで本当に財政的な基盤つくってやっていけるのかというふうに思いますし、やっぱり大企業がきちんと研究経費を支払う共同研究を獲得していく必要があるんじゃないかと。これ、大臣、いかがですか。
#171
○国務大臣(佐藤勉君) 詳しい話はちょっと私承知しておりませんので後でまたよく詳しく伺いたいと思いますが、先生の御趣旨はごもっともだと思います。したがいまして、今後、そういうことのないようにちゃんとチェックをして、もちろん利益になることはちゃんとその大学側に還元をさせていただくということにさせていただきたいと思います。
#172
○紙智子君 今、きちっと調査をして報告をするというお話もありましたので、それきっちりやっていただきたいと思うんです。
 それで、ブレナー理事長が言われているような共同研究で強力な基盤をつくるためには、企業が研究の直接経費だけでなく、さらに、大学院の運営を支える間接経費を多く提供することも必要だということなんですよね。この間、間接経費の実績では、共同研究の本田技研が約二千三百万円の研究経費に対して間接経費が七百万と。それから、委託研究のNECは研究費四百八十万円に対して間接経費は百四十五万円ということですから、大体割合で見るといずれも三〇%程度なんですよね。
 米国ではこの率というのがすごく高いわけですよね、間接経費の率は。尾身大臣がかつて米国などを視察してまとめられた報告書を見ると、二〇〇二年のものですけれども、スタンフォード大学がオーバーヘッド、間接経費ということですけれども、直接研究費の五七%です。それから、マサチューセッツ工科大学が六五・五%、ハーバード大学が六三%というふうになっているわけですよ。
 米国では、企業が大学に共同研究、委託研究を求める場合には、研究費だけではなくて大学の運営を支える経費も負担するというのが当然だというふうに言われているわけです。やはり、今後、この沖縄大学院大学が共同研究を進めるに当たっては、日本の大企業も少なくともこういう米国並みの間接経費を提供し、運営を支えることが求められるんじゃないかと思うんですけど、この点、大臣の所見を伺いたいと思います。
#173
○国務大臣(佐藤勉君) 先生おっしゃるとおりだと思います。私もそう思います。
 企業としては研究機関が要らないというメリットも出るわけでありますから、そのパーセンテージについてはちょっと私詳しくつまびらかなことは分かりませんけれども、当然それなりの経費はいただいて運営をしていくというのが趣旨ではないかというふうに思いますし、最初が肝心でありますから、そういう面も含めてしっかりとした体制をしてまいりたいと思います。
#174
○紙智子君 一覧表でその資料をいただいたときにちょっとびっくりしたわけですよね、全然、空欄になっていて、どこからも受け取っていないのかって、二件しかなかったということなので。是非そこのところはしっかりと位置付けてやっていただきたいと思うんです。
 それから、政府は知的クラスターの形成ということをずっと言われているわけですけれども、日本国内ではこれまでのところは、緒に就いたばかりということもあるわけですけれども、余り成功してないということが現実問題としてあるわけです。
 それで、経産省の委託調査で、今年三月に発表されています大学発ベンチャーに関する基礎調査実施報告書というのがあるわけですけれども、ここでは、企業業績としては営業利益は依然赤字が続いているというふうにされているわけです。単年度黒字、累積損失なしとしている大学発ベンチャーは二〇・一%で五十五社というふうになっています。
 沖縄振興につなげるために大学院大学と地元の中小企業の連携と、これも先ほどいろいろ御議論あったところですけれども、やっぱりこれは是非必要だというふうに思うわけです。
 ブレナー理事長が、中小企業に科学技術がないため、どこの国にとっても今後の課題なんだということを言われていたんですけれども、是非ここをやっぱり地元の中小業者との連携を強めていただきたいということについて、最後にそのことを大臣の意見を伺って、質問にしたいと思います。
#175
○国務大臣(佐藤勉君) 中小企業にとりましては大変厳しい経営環境の中で今経営をしているということになります。したがって、研究経費等々、ややもすれば捻出できないということなのかなというふうに思います。
 一方、大企業においては余裕もあってというところもあるかもしれませんけれども、やはり地元の中小企業にとって研究が必要だとすれば、私は国の関与もあってしかるべきかなというふうに思いますし、そういう関与も含めて中小企業を支援するという立場で、内閣府が所管をするのか、これは経済産業省が所管をするのか文科省が所管をするのかよく検討しなければいけない点はありますけれども、そういう面で地元の中小企業を支援するという観点から、私は、積極的に果敢に参加をしていただいて、利益になるならないはここは除外視をして、中小企業の発展という観点からこの大学院大学でのいろんな研究開発というものは積極的に取り組むべきではないかなというふうに私自身は思っております。
#176
○紙智子君 終わります。
    ─────────────
#177
○委員長(市川一朗君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、水落敏栄君が委員を辞任され、その補欠として森まさこ君が選任されました。
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#178
○山内徳信君 私は、十五分の持ち時間の中で、最初に、沖縄出身の議員として感謝の言葉をあらかじめ申し上げたいと思っています。
 私は、やっと日本政府が沖縄に対する責任を果たす具体的な動きが今回の大学院大学の構想であると思っております。そして、衆議院における法案あるいは修正、そして、今日、各政党の質疑者の質疑を通して、この過去に経験のない沖縄の自立という、沖縄の大地にしっかり足を据えて、そして対外的には国際的な技術のそういう国際貢献ができるようにというこの構想は、私たち沖縄の者にとっては初めての喜びであり、感慨ひとしおでございます。そういう意味で、私は心から関係者の御努力に敬意を表したいと思います。
 私は、沖縄が復帰して十年たったときに、国会に参考人として衆議院から呼ばれたことがあります。復帰十年間、沖縄はどう変わったかと。そのときたしか七分でございましたから多くは申し上げられませんでしたが、私は、戦前の日本政府は沖縄に大学をつくらなかった、朝鮮だとか台湾とか日本の植民地であったところには国立の大学をつくったが、なぜ沖縄につくらなかったのかと、そして、これからもやはり沖縄の人材と文化高揚のための施策が必要だということを申し上げておきました。
 そして、そういう意味でまず感謝を申し上げて、以下、質問に入るわけでございますが、第一条には、申し上げるまでもなく、二つの大きな目的がございます。世界の科学技術の発展に寄与するということと、二つ目は沖縄の自立発展に役立つような大学にしたいと。
 沖縄は、かつて琉球王国の時代は、沖縄という琉球王国は実に自立的な創造的な文化的な、そして中国を始めジャワ、スマトラ、ボルネオ辺りまでも交易に行った自立した国家であったわけです。そして徳川幕藩の鎖国体制の時代であっても、独立国家でございましたから中国と貿易をし、中国から世界の情勢を情報を入れておりました。そこに薩摩島津藩が目を付けて侵攻してきたわけです。そして沖縄の自立性が次第次第に失われていく。明治十二年に沖縄は廃藩置県の結果、日本政府に、日本に併合されていくわけです。そしてその後、沖縄戦という、沖縄の自立を日本政府は全く考えなかった、利用はしても自立は考えなかった。
 しかし、今回のこの法案を見ますと、沖縄の自立的発展、しかも沖縄だけの大学にするんじゃなくて世界の科学技術の発展に寄与できる、そういう大学をつくろうと。こういうふうなこの構想に対しては、やはりこれは時宜を得た、二十一世紀、日本が世界に羽ばたいていくに当たっても、こういう大学をつくって世界への貢献と同時に、自立し得なかったこの沖縄の自立を支えていくことがひいては日本全体のためになると、こういう発想だというふうに受け止めております。
 そこでお伺いいたしますが、政府が今考えていらっしゃる沖縄の自立的発展とはどのような姿、どのようなイメージを描いていらっしゃるのか、それを大臣からお伺いしたいと思います。
#179
○国務大臣(佐藤勉君) 沖縄振興特別措置法、その目的として、沖縄の自立的発展や沖縄の豊かな住民生活の実現を掲げております。それを踏まえまして、沖縄振興計画において、沖縄の特性を積極的に生かしつつ、自立的発展の基礎条件を整備し、豊かな地域社会を形成するとともに、我が国ひいてはアジア太平洋地域の社会経済及び文化の発展に寄与する特色ある地域として整備を図り、平和で安らぎと活力ある沖縄県を実現することを目標としておりまして、今後目指すべき自立した沖縄の姿としてこのような姿をイメージしております。
#180
○山内徳信君 ここら辺で論議を深めたいとも思いますが、持ち時間が少のうございますから、次に進めていきたいと思います。
 沖縄の自立的発展は何によって阻害されておるとお考えですか。特に、これはもう一九四五年のあの沖縄戦以後、今日までのことに限定をして質問をしておきたいと思います。
#181
○国務大臣(佐藤勉君) 沖縄振興特別措置法は、沖縄が二十六年余りにわたり我が国の施政権の外にあったこと等の歴史的事情、そして離島県であり本土から遠隔地にあること等の地理的事情、亜熱帯地域にあり、また台風常襲地帯であること等の自然的事情、県内に米軍施設・区域が集中しているなどの社会的事情など、沖縄の置かれた特殊な諸事情を総合的に勘案し、沖縄振興について特別の措置を講ずることにより、その自立的発展を目指したものでございます。
 現在まで、沖縄振興計画に基づきまして各般の振興策を積極的に進めてきたところでございまして、今後とも地域特性を生かした振興に努め、県民生活の向上を図ってまいりたいと思います。
#182
○山内徳信君 沖縄の自立を阻害してきた戦後の要因は幾つかありますが、多くは申し上げません。
 一つは、日米安保体制ができて、そのことによって基地負担が今日でも日本全体の七五%が沖縄にあって、土地利用がやはり思うように進められない、都市計画が思うように進められないと、こういうことだと思います。
 その他幾つもございますが、その他に触れる時間はございませんが、やはり今の沖縄の基地の実態に対して、沖縄担当大臣として、この沖縄の自立的発展と結び付けて、グアム協定の中身じゃなくして、大臣の率直なお気持ちを伺っておきたいと思います。
#183
○国務大臣(佐藤勉君) 沖縄の自立的発展に向けましていまだ多くの課題が残っている原因としては、先ほど申し上げましたように、沖縄におかれた特殊な諸事情が総合的に影響しているものと考えております。
 御指摘のように、基地が集中していることが沖縄振興に影響がなかったかと言えば、言えないのも事実と考えております。
#184
○山内徳信君 私は、大学院大学をつくろうと、こういうふうに構想をまとめられた方々は、従来のいわゆる既成概念を乗り越えて新しい時代を日本の一県である沖縄につくろうと、こういう思いがあったんだろうと思います。
 したがいまして、二十一世紀、環境の世紀の初頭において大学院大学を沖縄というところにつくろうというこういう大胆な発想、そして今日は各政党の皆さん方から法案をめぐる非常に重要な御指摘がございました。是非、そういう指摘も生かされて、この大学院大学が成功して、日本の国民としてこの大学の成果をもって世界に誇れるようなそういう大学院、世界に誇れるようなそういう日本の文教行政にしていく必要があると思っております。
 そこで、私は、基地問題についてもそういう既成概念を乗り越えた発想で取り組まない限り、沖縄の基地問題は動きません。今からもう十三年も前に、橋本総理のときに普天間は七年以内に返そうとおっしゃったが、これはもう十何年もたっても全く動かない状況です。
 したがいまして、政治的なしがらみ、安保的なしがらみ、沖縄に押し付けておけばいいじゃないかと、こういうふうなことじゃなくして、この大学院大学の発想に立って、沖縄の基地問題についても是非、担当大臣、取り組んでいただきたいということであります。お気持ち、お伺いしておきます。
#185
○国務大臣(佐藤勉君) 沖縄にでございますけれども、在日米軍施設・区域の約七五%が集中しておりまして、県民の皆様に大変大きな負担をお掛けしているものと承知しております。政府の対応として、この基地負担の軽減できるような、誠心誠意取り組む必要があるというふうに考えます。
 こうした観点も含めまして、抑止力を維持しつつ地元の負担軽減という観点から日米間において協議が進められ、平成十八年五月一日に再編実施のための日米のロードマップとして合意したところでございます。政府として、その内容を踏まえ、平成十八年五月三十日に閣議決定が行われたところでございまして、普天間飛行場の移設・返還については、政府として、平成十八年五月三十日の閣議決定に沿いながら、地元の意見を丁寧にお伺いし、理解を得ながら進めていくことが重要と考えております。
 私は、今後とも、この問題の早期解決に向けまして、協議会等の場において、沖縄県民の立場に立って政府と地元の橋渡し役を務めてまいりたいというふうに思っております。
#186
○山内徳信君 終わります。
#187
○委員長(市川一朗君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 沖縄科学技術大学院大学学園法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#188
○委員長(市川一朗君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#189
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#190
○委員長(市川一朗君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#191
○委員長(市川一朗君) 次に、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員長前原誠司君から趣旨説明を聴取いたします。前原誠司君。
#192
○衆議院議員(前原誠司君) ただいま議題となりました北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその主な内容を御説明申し上げます。
 まず、北方領土の歴史的経緯について申し上げます。
 我が国は、ロシアより早く北方四島、樺太及び千島列島の存在を知り、既に一六四四年にはクナシリ島等の地名を明記した地図が編さんされ、幾多の日本人がこの地域に渡航していました。我が国の松前藩は、十七世紀初頭より北方四島を自藩の領土と認識し、徐々に統治を確立してきました。
 これに対し、ロシアの勢力は、十八世紀初めにカムチャツカ半島を支配した後にようやく千島列島の北部に現れて我が国と接触するようになり、一七九二年には、ロシアの使節ラクスマンが北海道の根室に来訪して我が国との通商を求めています。当時の幕府は、これを拒否しつつ、国後島、択捉島や樺太の実地調査を行い、これら地域の防備に努めるとともに統治しておりました。このため、ロシアの勢力がウルップ島より南にまで及んだことは一度もありませんでした。
 一八五五年、我が国はロシアとの間に通好条約を締結しましたが、条約調印に際し、ロシア側の全権代表プチャーチン提督も、将来の紛争を避けるため細心の調査を行った結果、択捉島は日本国の領土であることが証明されたと述べています。
 一八七五年には樺太千島交換条約を締結しましたが、同条約第二条には、日本がロシアから譲り受ける島としてシュムシュ島からウルップ島までの十八の島々の名を列挙しております。このことは、択捉島、国後島、色丹島及び歯舞諸島が、一度も他国の領土になったことがない日本固有の領土であることをはっきり示すものであります。
 一九〇五年のポーツマス条約においても北方四島の位置付けに何ら変更はありません。
 第二次世界大戦終結に当たり、我が国が受諾したポツダム宣言は、領土不拡大の原則を確認したカイロ宣言の条項は履行されなければならないとしており、ソ連も、ポツダム宣言に参加した結果としてカイロ宣言の領土不拡大の原則を認めたものと解されます。
 しかし、当時有効であった日ソ中立条約を無視してソ連は対日参戦しました。日本がポツダム宣言を受諾した後の八月十八日、ソ連軍はカムチャツカ半島から千島列島の占領を開始し、八月二十八日から九月五日までの間に北方四島のすべてを占領したのであります。
 一九五一年のサンフランシスコ平和条約により、我が国は千島列島と南樺太を放棄しましたが、同条約は千島列島の地理的範囲をはっきり定めていません。同条約の起草国である米国政府は、一九五六年九月七日の国務省覚書で、択捉、国後両島は北海道の一部たる歯舞群島及び色丹島とともに常に固有の日本の領土の一部を成してきたものであり、かつ、正当に日本国の主権下にあるものとして認められなければならないものであるという公式見解を明らかにして、我が国の立場を支持しました。
 以上述べてきましたように、北方領土は我が国固有の領土であることが明らかであります。
 次に、本案の趣旨及びその主な内容について申し上げます。
 いまだかつて一度も外国の領土となったことがない我が国固有の領土である北方領土が昭和二十年八月以来旧ソ連に不法に占拠されたことにより、北方地域の元居住者は、北方地域に帰島することはもとより、その周辺の漁場において我が国漁業者が円滑に操業を行うこともできないという特殊な状況のままに今なお置かれています。
 また、根室市、別海町、中標津町、標津町及び羅臼町の一市四町は、かつては北方領土と一体の社会経済圏を形成して発展した地域にもかかわらず、北方領土問題が未解決であることから地域社会として望ましい発展が阻害されるという特殊事情の下にあります。
 こうした特別の事情を抱えた北方地域元居住者や北方領土隣接地域に配慮し、昭和五十七年、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律を制定し、北方領土問題等についての国民世論の啓発、北方地域元居住者に対する援護等措置の充実並びに北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画の策定及びその実施の推進を図るための特別措置について定めました。
 北方領土の返還実現に向けた様々な活動が行われる中、昭和三十九年から実施されていた北方領土への墓参に加え、いわゆるビザなし交流と呼ばれる四島交流が平成四年から、自由訪問が平成十一年からそれぞれ開始され、交流等事業が定着した一方、元島民の高齢化の進展や北方領土返還運動参加者の減少傾向といった経年による変化、北方領土隣接地域における活力の低下が顕著になってまいりました。
 本案はこのような情勢の変化を踏まえ所要の改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、法律の目的に、北方領土が「我が国固有の領土」であることを明記すること。
 第二に、四島交流、墓参及び自由訪問の交流等事業を定義に追加するとともに、国は、北方領土問題が解決されるまでの間、交流等事業の積極的な推進に努めることとし、交流等事業の円滑な推進のため必要な財政上の配慮をすること。
 第三に、国は、北方地域元居住者が北方領土返還運動の有力な担い手として引き続きその重要な役割を果たすことができるよう、返還運動の後継者の育成を図るために必要な措置を講ずること。
 第四に、振興計画に基づいて特定事業を行う北方領土隣接地域の市及び町が実質的かつ確実に特別の助成が受けられる仕組みに改めること。
 第五に、国は、北方地域の領海における我が国漁業者の操業の円滑な実施を確保するために必要な措置を講ずるよう努めること。
 第六に、北方領土隣接地域振興等基金の対象事業として、技能研修に係る事業に加え、知識の習得に係る事業を加えること等であります。
 なお、この法律は、平成二十二年四月一日から施行するものとしております。
 以上が本法律案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#193
○委員長(市川一朗君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#194
○委員長(市川一朗君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#195
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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