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2009/06/24 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 行政監視委員会 第4号
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2009/06/24 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 行政監視委員会 第4号

#1
第171回国会 行政監視委員会 第4号
平成二十一年六月二十四日(水曜日)
   午後零時五十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     弘友 和夫君     山本 香苗君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     又市 征治君     近藤 正道君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     川口 順子君     山本 順三君
     中山 恭子君     丸山 和也君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     丸山 和也君     中山 恭子君
     山本 順三君     川口 順子君
     近藤 正道君     又市 征治君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     又市 征治君     近藤 正道君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     中川 義雄君     佐藤 信秋君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     佐藤 信秋君     中川 義雄君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     山下 芳生君     大門実紀史君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     森 まさこ君     岩城 光英君
     近藤 正道君     福島みずほ君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     森 まさこ君
     古川 俊治君     佐藤 信秋君
     大門実紀史君     山下 芳生君
     福島みずほ君     近藤 正道君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     佐藤 信秋君     古川 俊治君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     近藤 正道君     福島みずほ君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     古川 俊治君     衛藤 晟一君
     森 まさこ君     丸山 和也君
     山下 芳生君     仁比 聡平君
     福島みずほ君     近藤 正道君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     古川 俊治君
     丸山 和也君     森 まさこ君
     仁比 聡平君     山下 芳生君
     近藤 正道君     又市 征治君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     又市 征治君     近藤 正道君
 六月十日
    辞任         補欠選任
     森 まさこ君     舛添 要一君
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     武内 則男君     加賀谷 健君
     舛添 要一君     森 まさこ君
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     加賀谷 健君     武内 則男君
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     森 まさこ君     衛藤 晟一君
 六月二十二日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     丸山 和也君
     衛藤 晟一君     森 まさこ君
     中山 恭子君     牧野たかお君
 六月二十三日
    辞任         補欠選任
     主濱  了君     青木  愛君
     牧野たかお君     中山 恭子君
     丸山 和也君     石井 準一君
 六月二十四日
    辞任         補欠選任
     田名部匡省君     金子 恵美君
     白  眞勲君     姫井由美子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山下 栄一君
    理 事
                足立 信也君
                喜納 昌吉君
                林 久美子君
                小泉 昭男君
                山本 香苗君
    委 員
                青木  愛君
                岡崎トミ子君
                金子 恵美君
                島田智哉子君
                武内 則男君
                千葉 景子君
                長谷川憲正君
                姫井由美子君
                松井 孝治君
                松岡  徹君
                水戸 将史君
                石井 準一君
                佐藤 正久君
                中川 義雄君
                中山 恭子君
                二之湯 智君
                古川 俊治君
                森 まさこ君
                山下 芳生君
                近藤 正道君
                松下 新平君
   国務大臣
       総務大臣     佐藤  勉君
       法務大臣     森  英介君
       外務大臣     中曽根弘文君
       文部科学大臣   塩谷  立君
   副大臣
       外務副大臣    橋本 聖子君
       厚生労働副大臣  渡辺 孝男君
       国土交通副大臣  金子 恭之君
       国土交通副大臣  加納 時男君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        並木 正芳君
       法務大臣政務官  早川 忠孝君
       厚生労働大臣政
       務官       金子善次郎君
       農林水産大臣政
       務官       野村 哲郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        西澤 利夫君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       消費者庁・消費
       者委員会設立準
       備室室長     田中 孝文君
       内閣府男女共同
       参画局長     板東久美子君
       警察庁長官官房
       審議官      園田 一裕君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  椎川  忍君
       総務大臣官房審
       議官       佐村 知子君
       総務省行政評価
       局長       関  有一君
       消防庁次長    株丹 達也君
       法務大臣官房審
       議官       團藤 丈士君
       法務大臣官房司
       法法制部長    深山 卓也君
       法務省民事局長  倉吉  敬君
       法務省刑事局長  大野恒太郎君
       外務大臣官房審
       議官       石川 和秀君
       財務省主計局次
       長        木下 康司君
       文部科学省高等
       教育局長     徳永  保君
       厚生労働省医政
       局長       外口  崇君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       農林水産省農村
       振興局長     吉村  馨君
       経済産業大臣官
       房審議官     上田 隆之君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  加藤 利男君
       国土交通省道路
       局次長      西脇 隆俊君
       国土交通省住宅
       局長       和泉 洋人君
       国土交通省航空
       局次長      関口 幸一君
       運輸安全委員会
       事務局長     柚木 浩一君
       海上保安庁警備
       救難部長     向田 昌幸君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    谷津龍太郎君
       防衛省運用企画
       局長       徳地 秀士君
   参考人
       独立行政法人国
       民生活センター
       理事       島野  康君
       日本郵政株式会
       社取締役兼代表
       執行役社長    西川 善文君
       日本郵政株式会
       社専務執行役   米澤 友宏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (政策評価の現状等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(山下栄一君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、弘友和夫君、又市征治君及び主濱了君が委員を辞任され、その補欠として山本香苗さん、近藤正道君及び青木愛さんが選任されました。
 また、本日、白眞勲君及び田名部匡省君が委員を辞任され、その補欠として姫井由美子さん及び金子恵美さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山下栄一君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動等に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山下栄一君) 異議ないと認めます。
 それでは、理事に小泉昭男君及び山本香苗さんを指名いたします。
 なお、あと一名の理事につきましては、後日これを指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山下栄一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房消費者庁・消費者委員会設立準備室室長田中孝文君外二十五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(山下栄一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に参考人として、理事会協議のとおり、独立行政法人国民生活センター理事島野康君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(山下栄一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(山下栄一君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、政策評価の現状等に関する件について説明を聴取した後、質疑を行うことといたします。
 それでは、まず総務省から説明を聴取いたします。佐藤総務大臣。
#10
○国務大臣(佐藤勉君) 御説明に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 本委員会における国政全般にわたる御審議に当たり、政策評価や行政評価・監視の結果を精力的に御活用いただいていることに深く敬意を表します。
 私としましても、効果的、効率的な行政を実現し、国民の信頼を確保するため、政策評価及び行政評価・監視に関する活動について、今後とも真摯に取り組んでまいります。
 山下委員長を始め、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願いをいたします。
 それでは、前回、四月八日の本委員会における御報告以降に公表した案件について御説明いたします。
 初めに、平成二十年度政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告について御説明します。
 この年次報告は、五月二十二日に国会に提出したものです。
 平成二十年度においては、各府省で約七千件の政策評価が実施されています。そのうち、公共事業費等については、総事業費ベースで約二千八百億円の事業の休止又は中止につながるなど、評価結果が政策に適切に反映されております。
 また、経済財政諮問会議との連携の下、重要対象分野として新たに医師確保対策等が選定されたことなどを報告しました。
 次に、配偶者からの暴力の防止等に関する政策評価の結果の概要について御説明します。
 配偶者暴力防止法の制定以降、国、地方公共団体等における体制の整備が進み、相談件数や被害者の保護件数が増加するなど、一定の効果が発現している一方、相談件数などの指標の的確な把握などについて課題が認められたため、関係施策の一層効果的な実施に向け所要の改善を行うよう、五月二十六日に勧告しました。
 以上、最近の取組について概要を御説明しましたが、詳細については行政評価局長から説明させます。
#11
○委員長(山下栄一君) 次に、補足説明を聴取いたします。関行政評価局長。
#12
○政府参考人(関有一君) まず、平成二十年度の政策評価の年次報告について御説明申し上げます。
 お手元の説明資料の二ページを御覧ください。
 公共事業等については、評価の結果、四省で計二十二事業、総事業費ベースで二千八百十六億円の事業の休止又は中止につながっています。これを政策評価法が施行された平成十四年度以降の七年間で見ますと、二百二十七事業、約三・九兆円の事業の休止又は中止となっています。
 三ページを御覧ください。
 平成二十年度におけるトピックといたしましては、経済財政諮問会議と連携した政策評価の重要対象分野の取組に関し、平成十九年度の少子化社会対策関連施策及び若年者雇用対策につきまして、昨年十一月の経済財政諮問会議において、総務大臣から関係府省による評価結果及びその課題を報告したところです。
 また、平成二十年度の重要対象分野として地震対策及び医師確保対策が選定され、現在、関係府省において評価が行われております。
 四ページを御覧ください。
 平成十九年十月から義務付けがなされております規制の事前評価につきましては、着実に実施される一方、評価の質の向上に向けた課題も見られるところです。
 続いて、二枚おめくりいただきまして、六ページを御覧ください。
 自然再生の推進に関する政策評価などの統一性又は総合性を確保するための評価結果を取りまとめ、関係府省に対して勧告を行いました。
 また、各府省の政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保する評価活動として、公共事業については需要予測を的確に行うことなどの課題を提起しました。
 次に、総務省行政評価局が先月二十六日に関係六府省に対して勧告いたしました、配偶者からの暴力の防止等に関する政策評価の結果につきまして御説明いたします。
 七ページを御覧ください。
 配偶者暴力防止法に基づき、関係府省が実施している政策が総体としてどの程度効果を上げているかなどの総合的な観点から評価いたしました。
 その結果、法制定以降、国、地方公共団体等における体制の整備が進み、相談件数や被害者の保護件数が増加するなど、一定の効果が発現している一方、関係施策を一層効果的に実施するためには幾つかの課題が見られたことから、それらについて改善を図るよう勧告いたしました。
 具体的には、@の通報及び相談の効果的な実施の推進につきましては、市町村等が受け付けた相談件数についても把握するよう努めること、Aの被害者の保護及び自立支援の充実につきましては、公営住宅への優先入居等の措置を講じていない都道府県等に対し、住宅事情等を勘案しつつ、当該措置を導入するよう要請すること、Bの関係機関の連携の推進につきましては、連絡協議会への参加が少ない国の機関については、地域の実情等を踏まえ、参加を検討するよう指示することなどを勧告いたしました。
 御説明は以上でございます。更に詳細な点につきましては、お手元に配付の冊子を御参照いただければと存じます。
#13
○委員長(山下栄一君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。
 まず初めに、日本の食文化外交について、橋本聖子外務副大臣にお尋ねをしたいと思います。
 橋本聖子副大臣におかれましては、日々、世界各国を駆け回っていらっしゃるということで、先日もイラクの方に強行日程で行かれたと伺っておりますが、さすがトップアスリートということで、難なく強行日程をこなしておられたということで頼もしく存じ上げておりますが、本日は、日本の食文化外交ということで、日本の農産物、水産物を含めた食材、それから日本酒、こういったものを世界に広めていただきたいと思いまして質問をさせていただきます。
 特に、橋本副大臣は日本酒を愛する国会議員の会の副会長でいらっしゃるということで、日本酒お好きでいらっしゃって、そしてお強いとも伺っておりますけれども、このような農産物の生産者、それから日本酒の蔵元の輸出の振興及び支援体制を強化をしていただきたいと思います。
 特に、中小の蔵元さんは農業と醸造、これによる地場産業として全国各地に存立しておりまして地域経済の核を占めております。こういった蔵元さんの活性化を促していただいて、そしてさらには、食と酒を中心にした日本の食文化、この再認識、そして世界各国へ輸出産業として成長させていただき、この世界不況をいち早く抜け出すための一つの原動力にしていただきたいと御要望をいたすところでございます。
 具体的な施策案としましては、例えば海外への地酒の紹介とPR、地酒ファンの育成のために試飲会を行ったり、業者向けの説明会やイベントの開催をする場合の支援でございますとか、こういったことに関しては、やはり経産省や財務省と協力して関税交渉もしなければならないと思いますが、最近は日本食レストランの海外展開とともに日本酒の商品が伸長しているという点を考えますと、日本食全体の輸出戦略というものを立てることは非常に意義のあることだと考えております。
 一つ私の方で海外に滞在をしておりましたときに気になりましたのは、大使館等でお客様を迎えておもてなしをするときにワインが出てくるといったことがございました。やはりここは日本の食文化最高峰の大吟醸や純米酒を使って紹介をどんどんしていただきたいというふうに考えますので、その点を一つお伺いしたいのと、あわせまして、外交官の皆様、外務省職員の皆様に、日ごろより日本の食材、そして日本酒というものについて基礎的な知識を研修、教育をしていただいて、外交官の皆様が海外に赴任をするときにはもう営業マンとして活躍できるようにしていただきたいと。
 このような外交官、外務省職員に対する日本食、日本酒に関する講習の場を、研修の場を設けていただきたいということについて、御答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#15
○副大臣(橋本聖子君) ありがとうございます。
 今、森委員御指摘いただきましたように、日本の食文化、そしてまた酒蔵文化というものをやはり積極的に外交官が、外務省が勧めるということ、これはもう大切なことだというふうに思っております。我が国に対する理解と、そしてまた信頼の増進を図るために、特に今世界的にも人気の高い日本食、そして日本酒というものを我が国のやはり文化として積極的に取り組むためということもありまして、今外務省といたしましても、それぞれの省庁と力を合わせて積極的に今事業を展開しているところであります。
 例えば、先生からお話がありましたとおり、外交官の在外公館における会食ですとかレセプションにおいても、日本の食材や日本酒などを積極的に活用をしております。ワインが出てきて乾杯という今お話がありましたけれども、これも最近は、まずは日本酒で乾杯ということをするように働きかけをしているところでありますし、また農水省と共同で国産食材の提供を通じて輸出促進や日本食文化の発信を図る事業もしているところであります。このほかにも、在外公館の文化事業の一環としてですけれども、日本食や日本酒を紹介する事業などを実施しておりまして、国際交流基金を通じて日本食文化の紹介、そして文化交流事業をこれも積極的に実施をしているところであります。
 いろいろと御紹介をしたい部分もあるんですけれども、例えば今年でありますと、ブラジルにおきまして三月には日本食ワークショップとしてすしですとかてんぷら、そして日本酒を振る舞ったりですとか、またリマにおきましてはやはり同じように日本酒、そして日本食文化というものを皆さんに公表させていただいたり、またシカゴでは五月に日本酒のテイスティング、鏡開きというものもしまして、鏡開きというものがなぜ日本の文化にあり、そして日本酒でまず乾杯をするのかというような、そういった文化にも触れさせていただくなど、今積極的にこういった日本の、特に先生御指摘の酒文化、蔵元文化ですね、やはりこのこうじ文化というのは、私自身も日本酒を愛する国会議員の会副会長という立場で、お酒大好きで、まあたしなむ程度でありますが、たしなむというのが人によってどの程度でたしなむのかというのはいろいろだと思いますので量は控えたいというふうに思いますが、本当に日本酒というものからその地域のすばらしさ、文化というものがやはり分かってくる。それをやはり正確に伝承するということが更にその地域の発展につながっていき、そして食文化のすばらしさを伝えるものになると思いますので、その部分については外務省もしっかりとやっていかなければいけないというふうに思っているところであります。
 そして、人と人とのつながりだというふうに思うわけでありますけれども、国をまず知るきっかけというのはその人と人とのつながりだというふうに思うんですけれども、外交官が海外に行きましてあらゆる人と接する機会に、自分自身が日本のすばらしい文化と、そして食、お酒、そういったもののやはり文化という食文化の知識というものを知っているだけで私は外交力そのものだというふうに思っております。
 外務省といたしましても、そういったことを効果的に発信していくために外務省の職員が食文化を含めた日本文化に精通していることが大切だということで、在外研修に出発をする前の若手職員や赴任直前の職員に対して食を含む日本文化に関する講義を行っておりますし、また茶道の実践も講義の一環として入れております。また、各省庁から外務省に出向していただいて、そして海外に赴任をしていただく、そういう方のためにも、日本食、また日本酒、あるいは食文化そのもの、そういった伝統も含めて講義を設けて、知識を豊富にしていただき海外に行っていただくというようなことを行っております。
 こういった御指摘を踏まえまして、これからも研修等の場を通じて若手職員に日本文化をより深く理解をさせるために、そして、それがまた一つの大きな外交力、ひいては国益となるように努力を続けていきたいというふうに思いますので、是非先生からも御指導を賜ればというふうに思います。
#16
○森まさこ君 ありがとうございました。日本の食文化と日本酒に対する愛が感じられる御答弁、本当にありがとうございました。
 それでは次に、追い出し屋の問題を取り上げたいと思います。
 追い出し屋というのは住宅の問題でございます。賃貸の住宅の契約において、一回程度の家賃の滞納をきっかけとして、別のかぎを付けて住居に入れなくするですとか、勝手に賃借人の家財一切を撤去してしまうというような問題が全国に広がっております。この追い出し屋となる主体は管理会社でありますとか家賃保証会社ということで、家主自身ではなくて第三者にやらせるというところに特徴がございます。
 この追い出し屋問題が出てくるその背景には、やはり派遣切りによる寮を出されるという問題もありましたけれども、労働環境の悪化などが非常に影響をしていると思いますが、そもそも法律的には一か月の家賃滞納で退去をしなければならないという理由はございません。家主と賃借人との信頼関係が破壊されたと、これは何回も家賃を滞納するなどの総合的な事情によって判断をされますけれども、そういった事情がなくては追い出されることはないんです。人が最低限度の健康で文化的な生活を送るその基本となる住まいというものを勝手に奪われるということはないのであります。
 そしてさらに、実際にそのような事情が、原因があったとしても、自力救済で追い出すということは、これは我が国の法律では禁じられておりますので、この追い出し行為が違法であることは明らかであるんですが、我が国の状況ではなかなかこれに即刻対応をすることができないという状況にございます。
 そこで、まず国土交通省の方にお聞きをしたいと思いますけれども、このような住宅の追い出し行為に対して、現在、国交省で何か規制をするような法律がございますでしょうか。
#17
○政府参考人(和泉洋人君) 今、委員御指摘の規制をする法律があるかという点について言うと、今はまだないということでございまして、現在の委員御指摘のようなトラブルが増加してございます。
 そこで、実態調査をしまして、その結果に基づきまして、本年二月十六日には業界団体等に対しましてその適正化を要請いたしました。また、そういったことを各公共団体の住宅部局に通知をしまして、そういった情報提供を行っているところでございます。
 さらに、加えまして、社会資本整備審議会に対しまして、今委員御指摘の家賃債務保証業務の適正化の問題を含めまして、民間賃貸住宅政策の在り方につきまして一月から審議を開始しておりまして、そういった成果も生かしてまいりたいと思っています。
#18
○森まさこ君 この間の国土交通省の動きは大変迅速で、私も評価をしております。一月にたしか金子大臣の方から諮問が出されて、民間賃貸住宅部会、こちらの方で追い出し屋問題の規制を検討しているということでございますが、急いでやっても八月ぐらいに中間取りまとめをして、年内を目途に何らかの規制を掛けるということでございますが、なかなかそれでは現在起こっているこの被害の救済をするということが難しいというふうに思います。
 そこで、法務省の方に御質問をしてみたいと思いますが、追い出し屋の主体となるのが主に保証会社ということでございます。これは、家主さんの方で何らか探してきた保証会社に借主と保証契約を結ばせているので、家賃を一回滞納するとそれを代払いしたという前提の下、保証会社が事前求償権又は事後求償権を行使して追い出し行為をするということでございますが、保証については民法に規定がございます。
 我々消費者弁護士としては、保証を使ったいろんな悪徳ビジネスに今まで苦しんでまいりましたので、いろいろな法律を改正してまいりました。そのような歴史を踏まえて法律の改正が行われてきました。例えば、民法の根保証のところも平成十六年にたしか改正されましたし、それから、これは金融庁と法務省で持っている貸金業法、こちらの方も平成十六年に保証人の規制は非常に厳しく掛けられております。ところが、やはりその二つの法律ではカバーし切れないような部分でまたこのような問題が起きているわけでございます。
 法務省の方としては、法務省がこのような追い出し行為、これに対処をできるような法律をお持ちでしょうか、又は他省庁にそのような法律があるかどうかというような御認識をお持ちでしょうか、その点を確認したいと思います。
#19
○大臣政務官(早川忠孝君) まず、民法の保証に関する規定、これは金銭債務の保証でありますので、私人間における保証契約についての一般的なルールを定めるものであります。この家賃債務保証業務を業法的な観点から規制するという、そういう条文は民法にはございません。自力救済等の問題はまた別途検討をしなければいけない問題ではあろうかと思いますけれども、業法的な規制は現在はないというふうに理解をしております。
#20
○森まさこ君 私は、そこで思いますには、国土交通省にもない、法務省にもないということで、消費者庁がもうすぐできますけれども、消費者庁がやはりやるべきすき間事案の問題ではないかというふうに思っております。国交省が法律の規制を検討をしているので、それを待ちながらも、その間のすき間の期間は、しっかりとやはり消費者庁なり消費者担当の内閣府の、現在内閣府の方だと思いますけれども、そちらの方で司令塔としての機能を発揮をして、被害者の救済又は被害の防止に他省庁と連携を取って取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
 この点、国民生活センターの方に一つお聞きをしたいのは、現在、国土交通省が取り組んでいて、業者あてに通告を出したというようなことでございますが、この通告を国民生活センター並びに消費者生活センターの方で入手をして、相談のときにそれを相談者に、このような通告が出ておりますからそういうような行為は違法ですとか、気を付けましょうというようなことを私はしていくべきだと思うんですけれども、現在そのような状況にあるかどうか、教えてください。
#21
○参考人(島野康君) 国民生活センターが運営するPIO―NETというのがあります。全国の消費生活センターに寄せられた苦情相談、あるいは国民生活センターに寄せられた苦情相談を収集している仕組みということなんですが、賃貸マンションとかアパートに関する相談というのは毎年もう三万件以上あるということで非常に上位なわけではありますが、委員御指摘の今回の追い出し屋とかゼロゼロ物件についてはそう多くはございません。ただし、深刻な、先ほど追い出し屋なのか締め出し屋なのか、かぎを替えてしまうとか、保証人であるお母さんに度々、もう夜でも何でもどんどんどんどん電話が掛かってくるというようなことがあります。
 ただ、先ほど申しましたように、PIO―NETにはそういったのは余り多くはございません。例えば、国民生活センターの相談部というのは窓口を開いておりますが、ここには一件そういう相談がありました。実際のまだそういった取立てではなくて、自分のところで滞納したので、ゼロゼロ物件なので心配だと、どうしたらいいかと、そういうのが一件あったわけであります。
 しかしながら、問題が深刻ではございまして、ゼロゼロ物件については、国民生活センターが発行している「月刊国民生活」という雑誌があります。これは各地の消費生活センターに働く相談員さんが必携の書といいますか、必読というか、我々はそう思いますが、そこの五月号で、まあ四月発行でございますが、トラブルの概要とか、裁判例とか、今御指摘の国交省の文書が、こういうのが出ていますよと、発出されていますよというようなことで、相談員さんに提供したということであります。
 国交省とはPIO―NETの端末といいますか、どういう苦情が入っているかというのを、国交省にも平成二十年の三月に置いていただきまして、いろんな面で情報共有を図っているということでございます。
 以上であります。
#22
○森まさこ君 ありがとうございます。
 国民生活センターと消費者生活センターのこれまでのやはり消費者被害におけるお取り組みは、本当に少ない人員、少ない予算の中でしっかりやっていただいて、評価をいたしております。消費者庁に向けてますますその活動が期待をされるところですが、今の御答弁にもありましたように、国交省の方からの通告はまだ行っていないようでございますね。私も国交省の方から、まだ国民生活センターの方には送っていないという話を聞きました。
 ここで、私は並木政務官の方に質問をしたいわけでございますが、消費者庁の立ち上げに今奮闘なさっていると思います。秋にも消費者庁が立ち上がるということでございます。消費者庁の役割としては、やはりこのようなときに国交省と国民生活センターをつないでいく。せっかくいい通告が出ているわけです。法律を改正をする準備をしながら、それまでの間に業者に対する通告、これをやはり相談窓口の方で活用していただかなくてはいけませんので、消費者庁としてはこのような各省庁の連携を促していくような司令塔機能を発揮していただきたい、そして秋に発足する消費者庁がこの追い出し屋問題をいち早く解決をしていっていただきたいというふうに思います。この点についての並木政務官のお考えをお聞かせください。
#23
○大臣政務官(並木正芳君) 消費者行政を担当しております政務官でございますけれども、森先生には、消費者庁設置に向けて御支援いただきましてありがとうございます。
 家賃債務保証業務については現在規制する法律がないということで、そうした中で社会問題化している事案ということなんですけれども、いわゆる省庁の俗に言うたらい回しのような形ですき間になってしまうと。そういうようなことではなくて、一義的には、国交省が今、社会資本整備審議会ですね、社会資本整備審議会の部会ですか、の方で指導強化等々を考えていただいている、こういったところでありますけれども、消費者庁としては、いわゆる少しでも迅速に対応をして被害を拡大させないと、こういうことが大きな任務でもあります。
 そうしたことを考えますと、こうした事例が現在寄せられているということですから、そうしたものを国民に周知して、一つはその注意喚起の中で気を付けていただくと。さらに、先生も先ほど御指摘ありましたとおり、あちらさんがもっともらしく、法を盾というような、ない法みたいなものを盾に出ていけというようなことになると戸惑ってしまうというようなことですから、そういった点についても、身近な消費者センター等を通じてしっかりと法的な知識もフォローさせていただいて対抗するような知識も持っていただくと、こういうようなことを是非進めていきたいというふうに考えています。
 そして、国交省の方でいろいろ進めていただいているようですけれども、こうした国交省としっかりと提携しまして、必要な措置がとるべきというときには司令塔としての機能も果たさせていただければというふうに思っております。
#24
○森まさこ君 ありがとうございます。
 私ども国会議員でつくっておりますセーフティーネット議員連盟では、このような今現在の被害、今すぐ救わないと大変な方たちの声を政策につなげるということで活動をしておりますが、この追い出し屋問題、それから富士ハウスで有名になりましたけれども、最近はアーバンエステートや、それから群馬の方では花菱というハウスメーカーが倒産をしまして、やはり住まいを奪われるという深刻な被害が出ております。これらを取り上げて政策提言をしております。しっかりと政府の方でも取り上げていただきたいとお願いをするところでございます。
 それでは、最後になりますけれども、寿和丸転覆事件について御質問をいたしたいと思います。
 昨年の六月二十三日に寿和丸が沈没をいたしまして、四名が死亡、十三名が行方不明という重大な被害が生じました。この件に関しては、やはり遺族の方々を中心として、その事故の原因が何であったのか調査をしていただきたい、できれば潜水調査をしていただきたいということで、私も地元の事故でございますので度々お願いをしてまいりました。一月二十二日には、遺族の方々と一緒に関係政府機関に陳情に伺ったところでございます。
 ところが、実は六月三日に、こちらは海上保安庁、六月三日に海上保安庁の方で、死亡をした漁労長の方を業務上過失致死で検察庁に送検をするといったことが起こりまして、大変関係者、驚いているところでございます。その送検の理由は、沈没の原因が波によるものであった、そしてそのときに漁労長が避難命令を出さなかったということで、業務上過失致死ということで送検をされたわけでございますけれども、ほとんどの者が死亡をしている中でどうしてそのような認定をしたのか非常に不可解な部分もございますし、やはり遺族の心の傷に更に大きな傷を与えてしまったというようなことが起きたわけでございます。
 そこで、私が質問をしたいのは、海上保安庁のその送検とはまた別に、運輸安全委員会の方でも事故の原因を調査をしているようでございます。そして、その運輸安全委員会のホームページを見ると、まだ事故原因は調査中となっております。そして、運輸安全委員会が沈没事故に係る解析調査という、そういう表題で海技研というところに調査を外注した、約百二十万円で外注をしたということになっております。これは一体何を調査をするということで外注をしたのか、これを運輸安全委員会にお聞きをしたいと思います。
#25
○政府参考人(柚木浩一君) お答えいたします。
 今先生が御指摘いただきました委託調査でございますが、これは第五十八寿和丸の船体の安定性、いわゆる復原性、これがどういう状況にあり、波を受けた場合にどういうメカニズムで転覆あるいは沈没に至るのか、そういったことにつきましてシミュレーションの調査をお願いしております。あるいは、油が相当程度流れたのではないかというお話もございましたので、どの程度の油が流れたのか、そういったことが事故の原因の解明に当然必要な情報ということで、そういうものの推計調査ということで、今御指摘のありました海上技術安全研究所に委託調査を行っているところでございます。
#26
○森まさこ君 そうしますと、事故の原因の調査をすべて海技研に委託をしているわけではなくて、今おっしゃったような二つの事項に限定をして委託をしたということでございますか。
#27
○政府参考人(柚木浩一君) 先生がおっしゃるとおりでございまして、私どもの調査の上で更に専門的な調査といいますか解析が必要な部分について、必要に応じて外部に委託をするということでやっておりまして、今回の全体の調査の中のおっしゃるように一部について海技研の方にお願いをしてあると。過去のもろもろの調査でも、必要な部分に対して、必要に応じて調査をお願いするということをやってまいってございます。
 以上でございます。
#28
○森まさこ君 というのは、これ百二十万円で委託をしていて、十七名の方が行方不明あるいは死亡ということは、一人頭にすると七万円ぐらいの金額なんですよね。私どもはずっと潜水調査をお願いしてきまして、潜水調査がやはり莫大な費用が掛かるということで難しいんだということは伺ってきましたけれども、まさか一人頭七万円のたったそれだけの調査で事故原因をもう片付けられて、それで漁労長が送検されたということになると、これは納得のいかない問題でございますので、確認のために質問をしたわけでございます。
 今は、その事故の原因を全部これだけのことでは認定をしないというような御答弁を伺ったということで聞いておきます。
 それから、漁労長の送検についてですけれども、海上保安庁の方にお聞きをしたいんですけれども、送検をした理由は何でしょうか。
#29
○政府参考人(向田昌幸君) 今回、漁労長につきましては船員法上の船長の職務を執っていたということでありますけれども、まず海難の原因のところでありますけれども、今回、業務上過失往来危険罪ということと業務上過失致死という二つの容疑があったわけでございますけれども、まず業務上過失往来危険罪につきましては、当時の大変大しけの中での結果の可能性を予見することが非常に難しいということで、これは不可抗力ということで立件を見送っております。
 また、この漁労長につきましては、当時、船橋に海上強風警報下の中で見張りを立てるべきところを立てていなかったという点、それと、いざといったときに乗組員の安全を確保するために避難経路を確保するとか乗組員にサイレン等で避難の予鈴を出すとか、そういう手はずをあらかじめ講じていなかったということがありまして、業務上過失致死ということで送検した次第でございます。
#30
○森まさこ君 今の御答弁で納得できませんので、また時間になりましたので、引き続きこの問題は質問をさせていただきますが、最後に加納副大臣の方に、御遺族の方にやはり調査についてしっかりと原因を調査をしていただきたいというような御要望が参っております。今、先ほど調査はまだ済んでいないということですので、御決意をお聞かせ願いたいと思います。
#31
○副大臣(加納時男君) この第五十八寿和丸の転覆沈没事故によりまして、地元で漁業に携わっておられた十七名の乗組員の方の尊い命が一度に失われたということは誠に痛ましいことでございまして、心から御冥福をお祈り申し上げているところでございます。
 今、御質問の事故原因の調査でございます。これにつきましては、もちろん、専門的な知見を有し独立した調査機関である運輸安全委員会で科学的かつ客観的に行われておりまして、今いろいろ質疑がございましたように、生存された乗組員や僚船等の関係者からの口述ですとか、当時の気象それから海象状況、それからまた、専門機関へ委託していろいろ調べてきたところでございます、また調べているところでもございます。お尋ねの、また先生からも御要望のございました潜水調査も含めて、どのようなことが具体的に可能であるか、そしてどのようなことがそれで分かり得るかということも含めまして、これらの専門機関に委託したものを運輸安全委員会の責任において整理をしてもらっているというところでございます。
 結びといいますか、先生の御要望でございますけれども、かつて予算委員会でも私は答弁したところでございますけれども、運輸安全委員会において徹底した原因究明をしていくということでございまして、これによりまして、今日いろいろまた御要望もございましたので、これを真剣に今日は受け止めさせていただきまして、原因究明に向けた調査にこれを生かさせていただくということをお約束させていただきます。
#32
○森まさこ君 ありがとうございました。
 終わります。
#33
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。本日は、過疎対策、次いで離島対策について質問をしたいと思います。
 まず過疎対策ですけれども、過疎あるいは中山間地域は、豊かな森そして水を守り、伝統文化を継承するなど、美しい国土と環境を未来に継承するかけがえのない地域であり、また、都市部に対して食料とか水、エネルギー、これを供給している地域というふうにも言われております。しかしながら、過疎、中山間地域から都市部への人口流出というものに歯止めが掛からず少子高齢化が進んでいる過疎集落というものは、これまで以上に極めて深刻な状況に直面しているという状況です。私のふるさとの福島県も同様で、五十九市町村のうち約四割の二十三市町村が過疎地域に指定されており、面積的にも約四割が過疎地域という状況です。
 私の実家がある集落は過疎地域には指定されていない山際の地域ですけれども、小学校は複式学級で、今年の新入生はゼロでした。六十五歳以上の人口比、高齢化率を見ても、過疎市町村ほど高齢化率が高くて、十七年度の全国市町村の高齢化率の上位の五つの中に福島県の昭和村と三島町が、二つが入っているという状況です。また、過疎指定の、これも福島県の金山町というものがありますけれども、平成十七年のデータによりますと、生まれた子供が町全体でたった五人、亡くなられた方が五十八人と。この数字から見ても人口減と高齢化の進捗が推測されると思います。
 六十五歳以上の高齢者が半数以上を占める集落が福島県には全部で百十八もありまして、地域のコミュニティーあるいは農山村の持つ多面的機能が失われつつあると、集落の維持も将来危ういという陳情もございます。
 過疎対策を行政が行う場合、現状の評価と分析が極めて大事だと思います。過疎集落の抱える主要な課題としてどういうものがあるか、そういうものをどういうふうに認識しているか、総務省の方から御答弁いただきたいと思います。
#34
○政府参考人(椎川忍君) ただいま御指摘のありましたとおりだろうと思っておりますけれども、平成十八年度に国土交通省とともに、過疎地域等におきます集落の状況に関する大規模な調査を行っておりまして、十九年三月に取りまとめを行っております。
 それらによりますと、過疎地域の集落は、引き続く人口減少と著しい高齢化が進んでおりまして、大変厳しい状況にあるというふうに思っております。そのために、冠婚葬祭等の日常生活扶助機能の低下、こういうものが従来はできていたものができなくなってきている、あるいは身近な公共交通が不足をしている、さらに放置された空き家が増加をする、森林の荒廃が進む、耕作放棄地が増加するといったような課題を抱えておりまして、このことが住民の安心、安全にかかわる深刻な問題を招来しているというふうに思っておりまして、さらに後継者の確保が難しいという状況にあって、将来の維持が危ぶまれる集落も相当数出てきているという、ただいま御指摘のとおりのような状況にあると思っておりまして、総務省におきましても、現在、有識者で構成しております過疎問題懇談会の方で、集落問題も含めまして、時代に対応しました新しい過疎対策の在り方について議論を進めていただいておりまして、昨年は集落対策について具体的な提言もいただき、それに基づいて集落支援員制度といったようなものも制度化をし、全国で今取り組んでいただいているところでございます。
#35
○佐藤正久君 ありがとうございます。
 やっぱり現状評価をどういう形で分析し事後の政策に持っていくかと、これは非常に大事なところですので、できるだけ霞が関からやっぱり実際の現場の方に出て生の声を、痛みを自分の肌で感ずるということが大事だと思います。今言われたほかにも、実際には伝統的な祭事とか行事もなかなかできなくなってしまう、本当に大事な大事な文化がなくなってしまうということもよく言われております。よろしくお願いしたいと思います。
 また、今、現行の過疎地域自立促進支援特別措置法、過疎特措法というものが今年度末で失効いたします。今言われましたいろんな現状分析というものを踏まえてまた新しい過疎法というものを作り、またそれに対しての予算措置というものも今後大事だというふうに思います。
 資料一を御覧いただきたいと思うんですけれども、これが福島県内の過疎市町村の財政力指数と過疎債の割合を表にまとめたものです。現在、国の財政再建をやっぱり優先するという施策によりまして地方交付税等も大幅に削減されております。福島県でも、平成十五年と二十年度を比較しますと約六百六十二億円が減額されている。そういう中において、過疎地域の市町村も経営をしていかないといけない。財政力が弱い過疎市町村ほど過疎債が非常に重要な役割を果たしているということがこの表から見ても分かるというふうに思います。
 新たな過疎対策法に基づいていろんな事業をこれから実行するということが来年求められるわけですけれども、そのときにやっぱり財源確保というのはやっぱり非常に自治体にとっては大事な大事な課題だと思います。特に、重要な財源であります過疎債の所要額を確保する必要があると私は深刻に考えておりますけれども、総務副大臣の御認識をお伺いしたいと思います。済みません、総務大臣、お願いします。
#36
○国務大臣(佐藤勉君) お答えを申し上げたいと思います。
 過疎地域での人口減少、先生がおっしゃるように、高齢化に直面して財政状況も厳しく、維持が困難な集落の発生、そして医師不足、身近な足の不足など、大変深刻な問題が生じているというふうに認識をしております。
 過疎地域においては、これまでも過疎対策事業債を活用して、道路、下水道、診療施設などの整備が進められてまいりましたけれども、現状を踏まえると、今後とも国の支援は私は必要だというふうに認識をしております。
 今後の過疎対策については、現在、有識者で構成をする過疎問題懇談会を総務省に置きまして議論をいただいているところでございまして、また各自治体の問題意識も高いというふうに思います。過疎対策事業債を含め、この支援方策については、こうした議論、そして地域の声を十分にお伺いをして検討すべきものと思いますし、先生の御意思をしっかりと伺った方向付けを私どもも行ってまいりたいというふうに思っております。
#37
○佐藤正久君 ありがとうございます。
 大臣の地元でも、やっぱり過疎地域の市町村からはいろんな要望が来ていると思います。
 うちの福島県の市町村のアンケートの結果として、新しい過疎法というものの中で新たな支援策に入れてほしい、過疎債が使えるものとしてほしいというものの回答の一番は、基盤整備というもののほかにソフト面の支援というものがありました。やっぱり市町村のコミュニティーが非常に今崩壊しつつあるという観点から、定住とか二地域の住居、交流施策、集落対策等のソフト事業への支援についてもこの過疎債が使えるようにできないかとか、あるいは医師確保の問題とか、そういうのに柔軟に対応するということが要望でありますので、政府側の方も、こういう現場の意見あるいは現場目線というものをしっかりと踏まえた上で今後の予算措置をお願いしたいと思います。
 続いて、離島の振興についてお伺いしたいと思います。
 我が国の面積は世界で六十番目という状況ですけれども、領海を含む排他的経済水域は世界で六番目と、六十番目から六番目になってしまうというぐらい広いと。これは離島の存在に負うところが非常に多くて、今後の資源やエネルギーというものが期待の高まる中で離島の持つ国家的な役割ももう一回見直さないといけないというふうに思います。
 しかしながら、今の過疎の問題と同じように、離島というのは人口減少、これがやっぱり非常に大きな問題になっておりまして、さらに離島というのは一つの一定の地域内で経済とか生活を行わないといけないという面で、やっぱりいろんな制約がどうしても本土と比べるとあるという現状があります。
 そこで、現状についていろいろこれから議論をしていきたいと思います。
 最初に、経済産業省にお伺いいたします。今週月曜日時点の全国平均のレギュラーのガソリン、リッター当たりの値段と、それと東京都の御蔵島村での値段は大体どのぐらいか、これをお伺いしたいと思います。
#38
○政府参考人(上田隆之君) お答え申し上げます。
 月曜日時点のレギュラーガソリンのまず全国の平均小売価格は、石油情報センターの調査によりますと、一リッター当たり百二十二円となっております。他方で、御蔵島の小売価格について現地に確認をいたしましたところ、同じく一リッター当たり二百十円となっております。
#39
○佐藤正久君 百二十二円対二百十円、これが現状です。さらに、東京都で更にもっと南の小笠原諸島の母島に行きますと二百七十円です。こういう中でやっぱり生活している方がいらっしゃる。
 また、そのほかにもいろんな面でハンディというものがございまして、特に普通の離島ではない国境離島というものにこれからちょっと焦点を当てて議論を進めていきたいんですけれども。
 国境離島と、国境付近の離島という観点でいいますと、そういう単なる離島振興という観点のほかにどうしても領土問題とか安全保障という側面というものもございます。また、排他的経済水域の保全という問題もございます。やっぱりそういう面でいうと非常に今大事な分野だと思いますけれども、今、離島振興については離島振興法とか小笠原特措法、奄美大島特措法あるいは沖縄とありますけれども、国境付近の離島、国境離島というものに焦点を当てた特別な制度とか施策があるかどうか、イエスかノーかでお答え願いたいと思います。
#40
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。
 お尋ねの国境離島についてでございますが、この国境離島というものについて明確に定義をしたものはございません。ございませんが、外海に位置する離島のみを対象とした離島振興に係る特別な措置はございません。ただ、これは先ほど先生からもお話ございましたように、外海に位置する離島を含めまして、離島につきましては、現在、離島振興法等に基づきまして、生活基盤や産業基盤の整備の促進の観点から、公共事業の補助率のかさ上げ等の様々な措置を講じております。そうしたことを通じまして、離島振興のための施策を講じているところでございます。
#41
○佐藤正久君 ありがとうございます。
 離島振興法についてやっているのは私も承知しています。国境離島というその特性に基づいての施策というのは、多分まだこれからの分野が多いのかなというふうに思います。
 国境離島と言われる対馬、これは長崎県でございますけれども、私も昨年十二月に訪問させていただき、財部市長とか議員の方々からいろんな話をお伺いしました。人口でいいますと、一時期約七万人ぐらいいたと。ところが、今は四万人を切ったと。ピークと比べると約半分という状況です。地元にもいい就職口というのはなかなかないという観点で、どうしても大阪とかあるいは名古屋あるいは福岡の方に就職口として若者がどんどん出ていってしまう。また、第一次産業の主なものは漁業なんですけれども、スーパーに行って魚の値段を見ますと、福岡よりも高い。これは流通の関係で一回福岡に揚がって来る関係もあって高くなってしまうという状況もあると。実際に韓国の方が距離的に近いという関係もあって、韓国からの観光客に頼らないと経済がなかなか成り立たないという特性もございます。
 そういう中で、御存じのとおり、韓国資本による対馬の土地の買占めというものも問題になっているという状況もございます。日本人が減って仮に韓国の方が増えた場合、あるいは土地を韓国の方がどんどん購入した場合、国境付近の離島という観点では新たな問題が発生するかもしれないということはよく指摘されているものだと思います。
 同じ九州の与那国島、これは喜納委員もおられますけれども、与那国島、これも国境離島というふうに言われます。東京から約千九百キロ、沖縄本島の那覇からも約五百キロあります。一番近い大きな島の石垣島からも百二十数キロで、その代わり台湾には百十一キロ、台湾の方が近いという状況です。
 そこで、総務省の方にお伺いします。最新の与那国町の人口は何人でしょうか。
#42
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。
 総務省が把握、公表しております直近の与那国町の住民基本台帳上の人口は、平成二十年三月三十一日現在のものでございまして、千六百十八人、七百七十六世帯でございます。
#43
○佐藤正久君 ありがとうございます。
 約千六百人。これ、一番多いときは、町の統計見ますと、約六千人いたと。これが今千六百人。多いときは百人近くも減っていると。
 尖閣諸島に魚釣島というものがございます。これ、一番多いときは、仕事の関係もありますけれども、九十九の家があって二百四十八人が住んでいた。今もう人がいなくなってしまって、その後にいろんな問題が、今、領土問題というふうにうちは認識していませんけれども、ほかの国からは自分の領土だと。人がいなくなってしまうと領土問題というのは発生しやすいという特性が国境離島においてはあると思います。与那国の方々も、いずれ与那国が少なくなってしまったら、同じような魚釣島の二の舞になってしまうんじゃないかという心配をされている方もいらっしゃいました。
 与那国町というのは基礎自治体です。町の運営をやっぱり町長はやらないといけないという観点があります。当然、町の安全も図らないといけない。国境離島の対馬には陸海空の自衛隊があります。北海道の国境離島の礼文島にも自衛隊がございます。与那国町には、与那国島には自衛隊はおりません。海上保安庁も保安官を引き揚げました。ただ、警察官はおられます。
 現在の駐在所の数、警察官の数は幾らか、警察庁にお伺いいたします。
#44
○政府参考人(園田一裕君) お尋ねの与那国町でございますけれども、当町には駐在所が二か所現在設置されておりまして、それぞれの駐在所に警察官が一人ずつの計二名が配置されているように承知しております。
#45
○佐藤正久君 警察官が二名、島の方々はけん銃二丁で守られているということを言われておりました。確かに周囲約二十八キロの小さな島ですが、やっぱり国境ですから、非常に警察官の方には一生懸命頑張ってもらっているなということを私も現地の方で認識しました。
 次に、消防なんですけれども、消防はどうしても基礎自治体の責任です。現在の与那国町の消防車、何台あって、それが何年製か、総務省の方にお伺いいたします。
#46
○政府参考人(株丹達也君) その前提でございますけれども、与那国町におきまして、消防については実は消防本部あるいは消防署というのは設置されてございません。常勤の消防吏員はおらないということで、消防団がその任に当たってございます。
 与那国町消防団が所有をしております消防車は二台でございまして、平成三年、平成七年製のものというふうにお聞きをしてございます。
#47
○佐藤正久君 これがやっぱり実態です。
 資料二を御覧ください。これが今言われた消防団が保有している二台の消防車なんですけれども、右側の下の方のものが前使っていたやつ。もうさびています。だけど、これでも現役なんです。プレートがあって、しっかりとこれはまだ一応走るのは走ると、さびてはいても。お金がないからなかなか買えない。この左側の新しく見える実は消防車は、これは沖縄本島の宜野湾市がもう使わないといったやつをもらってきたと。これが現状です。それで、やはり住民だけではなく、観光客も来られますから、その分の安全を守らないといけないという、これが与那国の何か実情のようです。
 次に、ごみ処理について聞きます。与那国町のごみ処理の施設、体制はどのようになっていますか。
#48
○政府参考人(谷津龍太郎君) お答え申し上げます。
 まず、一般廃棄物でございますが、現在、一般廃棄物焼却施設は休止しております。このため、平成十九年四月より稼働しておりますリサイクルセンターにおいて瓶、缶、ペットボトル等がリサイクルをされまして、残りの廃棄物につきましては島内に町が設けた最終処分場に直接埋立てをされております。
 また、産業廃棄物につきましては、島内に処理業者が存在しないというふうに承知しておりまして、船で島外へ搬送し処分されていると伺っております。
#49
○佐藤正久君 私も行って陳情を受けてきたんですが、非常にごみは大きな問題になっていて、どうしても一つの島だけで処理っていうのはもうかなり難しいですから。普通のまた福島県の場合でもなかなか一つの町だけで処理するというのも難しくて、いろんな地域と連携しながらやっていると。ただ、島の場合はなかなかそれができない、そういう状況もあると。非常にそういう面で、一般のごみ焼却の施設が非常にないということも大きな問題というふうに承りました。さらに、今漂着ごみが年々増えていて、これもやらないといけないということで、このごみ問題というのも大きな要素のようです。
 そのほかに、航空運賃とか船に対する補助というのも当然離島ですから必要です。
 また、医療についても大きな問題があるというふうに聞きました。現在の与那国町の医療機関の数、医師、看護師の人数はどのぐらいでしょうか。
#50
○政府参考人(外口崇君) 与那国町に所在する医療機関は、町立与那国診療所のみであり、当該診療所に勤務する医師及び看護師は、常勤の医師一名、常勤の看護師一名であります。
#51
○佐藤正久君 非常に、専門医というのがいないために、どうしても何か大きな病気になったりすると総合病院、島外に行かないといけないと。出産の場合も前後一か月ぐらいは沖縄本島か石垣の方に行かないといけない。そうなると、普通のちょっとした病気にかかってしまったら、治療費だけではなく交通費あるいは滞在費も掛かると、これが実際の離島の状況です。
 また、与那国には空港もありまして、おかげさまで台湾への直行便、花蓮という市が友好姉妹都市らしいんですけれども、それが直行便もあります。じゃ、その飛行経路、この直行便の飛行経路はどのようになっていますか。
#52
○政府参考人(関口幸一君) お尋ねの与那国空港から台湾花蓮空港への直行便でございますけれども、与那国空港離陸後、いったん東方向の石垣島上空を経由いたしまして台湾に向かう国際航空路により飛行いたしております。
#53
○佐藤正久君 資料三を御覧ください。ここに防空識別圏と飛行情報区というのがございます。今どうして、わざわざ一回東の方に戻ってUターンをして台湾の方に行かないといけない理由は、この飛行情報区というものが一つの原因かと思います。まず、防空識別圏が与那国の真上を通っている、飛行情報区がその東側、こういうところは普通ありません。最初に、普通、日本から遠いところに飛行情報区があって、それからその内側に防空識別圏があって、スクランブルとかいろいろやっている。
 これは台湾から防空識別圏を引き継いだという関係もあるんでしょうけれども、これというのは地元住民からすると非常に大きな問題だというふうな認識を持っているようです。私も陳情を受けました。これは、やはり台湾の方との交渉をしないとなかなか勝手にはできないというのがありますけれども、やっぱり自分の国の自分の上を防空識別が通っていて、半分は台湾のこれは防空識別圏だと。将来的に、これは万が一、中国との関係で台湾が統一されたら、うちの国の半分は中国の防空識別圏になってしまうということもまた言っています。
 そういう面では、今後とも、国境離島というのに特性を当てながらいろんな形で新法を作る。住んでいただいていることが国境を守るということになると思います。それについて、最後に国土交通省の方に、この国境離島というものに対する今後の考え方についてお伺いしたいと思います。
#54
○副大臣(金子恭之君) 佐藤先生、実は私も五、六年前に、先生と同じような問題意識を持って同僚議員三人と与那国島に行きました。防空識別のお話とかあるいは地域の産業のこととか見てきたわけでありますが、本当に目の前に台湾があって、天気がいいときは見えるそうです。あるいは、大陸がもうそばにあるわけで、ここに人がいなくなったらどうなるんだろうか、安全保障の問題でも大変我々も心配をしたわけであり、今先生が言われたように、人が住む、それが一番の最低条件なんだろうと思います。
 先ほど局長からもお話ししましたように、離島におきましては人口減少とか少子高齢化が継続的に進行して、基幹産業である農林水産業が低迷する等、離島を取り巻く状況が厳しいものとなっているというふうに認識をしております。
 国境離島という意味では明確になった定義はないわけでありますが、現在の外海に位置します離島を含め、離島につきましては離島振興法等に基づきまして、与那国島は沖縄振興特別措置法なんでございますが、一般的に離島につきましては離島振興法に基づきまして、人が住みやすい生活基盤あるいは産業基盤、サトウキビやらあるいは観光とか、そういう産業基盤の整備の促進の観点から、公共事業の補助率のかさ上げなどの措置を講じているところでございます。
 今後とも、引き続き先生のいろいろ御指摘いただいたことも踏まえまして、地元からの要望やら地域の実情等を踏まえた上で、取りあえず現行の法制度を十分活用した上で離島振興を図ってまいりたいと思います。
#55
○佐藤正久君 よろしくお願いします。
 終わります。
#56
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 先ほど報告聴取をいたしましたDVに関する政策評価についてまずお伺いをさせていただきたいと思っております。
 通常、こうした評価や勧告が出た場合というのは、半年後にその勧告を受けた省庁の方から改善策というものが示されるわけでございますけれども、今回の評価は大変的を得ているいい評価でございまして、また、中には今すぐにでも対応をしていただきたいと思われるものもたくさん含まれております。是非、半年と言わずに早くやっていただけるようなことを促していきたいと思っておりますが、その中で、本日は、特にDV被害者の就労支援につきまして、渡辺副大臣にお越しいただきました、お伺いをさせていただきたいと思っております。
 被害者の自立支援をする上で就労支援というのは極めて重要であります。そのために、平成十九年の九月に、離婚が成立していないけれども、子供を連れていらっしゃるDV被害者の方については、母子家庭に対する各種の就労支援、これを受けれるようにするという形にしたわけです。
 にもかかわらず、今回の総務省の評価におきましては、その就業支援を受けたことがありますかという問いに対し、あると回答した方というのは二六%しかおられないと。就業支援を受けなかった理由として一番多く挙げられているのが、受けられる支援があることを知らなかったということが挙げられております。せっかく我々一生懸命やったんですが、それが使われていないということであれば意味がないわけでございまして。
 そこで、渡辺副大臣にお願いしたいんですけど、是非、この平成十九年九月の通達を再度御徹底を、現場の隅々までしっかり徹底していただくとともに、DV被害者の就労支援の在り方について、この政策評価の中にいろんな観点が入っておりますので、速やかに改善策を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#57
○副大臣(渡辺孝男君) ハローワーク等におきましては、これまでもDV被害者の方が相談に来所をされた場合には、状況に応じてきめ細かい就職支援に努めてきたところでありますが、先ほどお話がありましたとおり、平成十九年の九月に通知を発出しまして、子供のいる被害者の方を支援するために、離婚が成立していない場合であっても、市町村が証明書を発行した場合には、一つは公共職業訓練所の受講あっせんをする、それから二つ目には特定求職者雇用開発助成金の支給をする、三つ目には試行雇用奨励金の支給をすると。そのようなことを含めまして、様々な母子家庭の母等に対する支援の措置の対象としたところであります。
 また、今般の、先ほど御指摘もございましたが、総務省からの勧告も踏まえまして、被害者の方が母子家庭の母等としてこれらの支援対象となる旨を再度周知徹底するとともに、都道府県や、これらが設置する配偶者暴力相談支援センター等関連機関ともよく連携をしまして、被害者の方に対して、これらの施策の対象となるということを十分情報提供が行われるように徹底していきたいと考えております。
 さらに、平成二十一年度の補正予算におきまして、DV被害者等を含む婦人保護施設等の退所者等について、職場開拓、それから面接等のアドバイス、さらには就職後の相談等を行う事業のほか、母子家庭について、就職、社会活動困難者への戸別訪問を行う事業、また職業訓練時の託児のサービスを提供する事業等、また高等技能訓練促進費等事業の拡充などに取り組み、就業支援策の強化を補正予算に盛り込んだところであります。
 今後とも、被害者の方に対する就職支援につきましては、これらの施策を通じまして更に強化をしていきたいと、そのように思っているところでございます。よろしくお願いいたします。
#58
○山本香苗君 今副大臣がおっしゃっていただいたように、ハローワークと市町村の担当部局との連携というのは非常に重要なんですが、そこがうまくいっていなかったというのが今回の評価の中に出ているわけでございまして、是非ハローワーク側が積極的に、いわゆる地域で協議会を持っています、その中に必ず入るということをしていただきたいとともに、評価の中で、有識者の方が研究会を持っていらっしゃって、そこの中の意見が付されているわけなんですが、ハローワークだけではなくて、いわゆる職業訓練施設に対しても、被害者やその子供の心身、経済状況を理解するための研修をやってくださいとか、また、その状況を理解した上での就業のための実践的な訓練コースを設置してもらいたいと、そういう意見も付されておりますので、これ職業安定局のみならず能開局の方の話も加わってくる。
 厚生労働省として、全体として、今回のこの政策評価を受けていただいて、是非しっかりとした対応を取っていただきたいと思っておりますので、是非この点持ち帰っていただいて改善策を早急に取っていただければと思っております。
 今回、DV法は二回ほど改正がなされて、その二回ともかかわらせていただいたわけなんですが、その第二次改正の大きなポイントの一つが市町村の役割のところでございました。
 市町村はDV被害者の自立支援において極めて重要な役割を担っているので、市町村の基本計画の策定やセンター設置の努力義務というものを明記をさせていただいたわけであります。しかし、実際、内閣府の調査を、近々のものでもDVセンターの設置は全国でまだわずか十二市区で、基本計画におきましても策定が十九にとどまっていると伺っております。
 この点につきまして、我々も市町村の担当の部局の方なんかといろんな話をさせていただきましてざっくばらんにいろいろ聞いていくと、やっぱり市町村のDV施策を進める上での財政的なツールが特別交付税という形になっていると、そのために何か難しいんだという声がかなり強くあるわけです。
 今回の政策評価におきましては、国のDV施策推進のための行政コストについては、費用対効果を分析する手法が確立されていないので、また諸外国の参考となる例も把握できなかったことから評価できなかったということは、評価の対象から外れているわけです。もちろん、市町村の取組具合というのは財政的なところだけによるわけではありませんけれども、今後、各市町村でしっかりとこれを取り組んでいただけるようにするために財政的な支援の在り方についても検討し直すべきときに来ているんじゃないかなと、そういう認識を私は持っているわけなんですけれども、内閣府としてはどういうお考えをお持ちでしょうか。
#59
○政府参考人(板東久美子君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、市町村というのは住民にとりまして非常に身近な存在であるということで、そこにおきます被害者の支援の取組というのは非常に重要であるというふうに思っておりまして、そういった御趣旨で第二次のDV法の改正におきまして市町村の役割が強化をされたということだというふうに思っております。
 今御指摘がございましたように、市町村が策定を努力義務化されております基本計画、それからDV相談支援センターの設置ということにつきましては、まだ数字的には十分ではございませんけれども、ただいまいろいろな市町村におきましてその準備が進められてきていると。特に、計画の策定などの準備が進められてきているということでございますので、内閣府としてもその支援をいろいろな形でしていきたいというふうに思っております。
 今、財政的な支援についてのお尋ねでございますけれども、これにつきましても今御指摘をいただきました特別交付税におきまして、昨年度からでございますけれども、計画の策定に必要な経費と、それから配偶者暴力相談支援センターの運営に必要な経費ということにつきまして、特別交付税の算定基準というところに盛り込まれたということでございまして、これからそういった措置を踏まえての計画策定とか、あるいはDV相談支援センターの設置が更に進んでくるものというふうに期待をしているところでございます。
 その支援につきましては、今財政的な支援だけではないというお話もございましたけれども、内閣府もアドバイザー派遣をして、そういう相談支援センターの取組というのが質的にも充実していくような形での支援を行わせていただいておりますし、様々な形での情報提供、連携の推進をさせていただくための全国会議もこれ市町村の関係者にも来ていただいた形でしているということで、総合的な支援の取組をさせていただきたいというふうに思っております。
 今後、ただいま御指摘のいろいろな財政的な問題も含めまして、市町村の関係者とも連絡、それからいろんな課題についての協議というのも密にしながら、このDV施策の推進、それを身近なところでも十分な施策の推進が図られていくように努めていきたいというふうに思っております。
#60
○山本香苗君 補助事業を立ち上げるのが難しい中で、とにかくゼロよりはという思いで特別交付税措置をするという形を今まで取ってきているわけなんですけれども、市町村においてはやはりかなりの取組の差が生じている中で、財政的な支援の在り方について工夫をするべきではないかなという思いで申し上げたわけでありまして、是非そういう認識を持っていただきたいと。そして、来年度の予算編成に向けて、我々もしっかり頑張りますので、その辺りのところをしっかり内閣府として御認識をいただきたいなと思っております。
 次に、森大臣、大変お待たせをいたしまして済みません。裁判員制度におけます性犯罪被害とプライバシーの保護についてお伺いをさせていただきたいと思っております。森法務大臣には初めて質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきますが、まず、裁判員制度の対象となります性犯罪事案というのはどれぐらいあると想定されていらっしゃるんでしょうか。
#61
○政府参考人(大野恒太郎君) 平成二十年中に地方裁判所で受理されました裁判員裁判の対象となるいわゆる性犯罪事件は合計四百六十八件であります。その内訳を多いものから三つ申し上げますと、強姦致死傷が百八十九件、強制わいせつ致死傷が百三十六件、強盗強姦が百二十五件となっております。
 平成二十年中の裁判員裁判の対象事件全体の起訴件数は二千三百二十四件ということになりますので、このうちの約二割がいわゆる性犯罪事件に当たるわけでございます。
#62
○山本香苗君 その性犯罪事案についての裁判員選定手続がスタートするのは早くていつぐらいからとお考えでしょうか。
#63
○政府参考人(大野恒太郎君) 裁判員制度は今年の五月二十一日にスタートしたわけでございます。その後、六月二十一日までの間、起訴されました裁判員裁判の対象となる性犯罪事件は、私どもが把握している限りでは二十五件あるということでございます。
 ただ、まだ具体的な裁判の日程はセットされておりません。裁判員裁判につきましては、第一回公判前に公判前整理手続という手続を行うことになっておりまして、この手続に一定程度の日数を要します。そして、そうした手続を終えた後、裁判員等選任手続の期日の六週間前までに裁判所が裁判員候補者を呼び出すための呼出し状を発送する必要があります。
 そうしたことから、今後、やはりこうした期間を経た上でいわゆる性犯罪事件についての裁判員裁判が実際上スタートすることになるわけでありますけれども、今申し上げたような状況でございまして、現時点においてそれがいつになるのかということは確定的なことは申し上げられない状況にあります。
#64
○山本香苗君 一昨日の新聞に公判前整理手続の日程が掲載されたものが出ておりましたけれども、ちょっとレクチャーのときに聞いた段階では、原則、公判前整理手続、スタートして大体早くいけばプラス六週間ぐらいで選定手続の方に行くということを伺っておりました。そうすると、早くて八月半ばぐらいなのかなというところではないかと。今のお話もそういうことでよろしいんでしょうか。
#65
○政府参考人(大野恒太郎君) おっしゃるとおりでございます。
 公判前整理手続が終了してから六週間、間を置いて第一回公判といいましょうか、裁判員の選任手続の期日が入ると、こういうことでございます。
#66
○山本香苗君 その裁判員選定手続がスタートするに当たりまして、裁判員候補者に対して被害者の名前が、氏名が公表されることによって性犯罪被害者の方々から懸念の声が上がっているわけであります。この問題は法務大臣もよく御認識をされて、御関心を持っていらっしゃると伺っております。
 そこで、改めて森大臣にお伺いをしたいわけですが、この問題に対します御見解、また御見識をお伺いさせていただきたいと思います。
#67
○国務大臣(森英介君) 御指摘のとおり、性犯罪の被害者の方々に関しましては、刑事手続において、その精神的負担や名誉、プライバシーに特に配慮する必要があると認識しております。
 法務省としても、これまで、被害者に関する情報の保護措置として、まず性犯罪の被害者の氏名等を裁判所の決定により公開の法廷で明らかにしないこととすることができること、また同じく、被害者の氏名等について検察官が証拠開示の際に弁護人に対しみだりに他人に知られないようにすることを求めることができることなど、様々な立法措置を講じてまいりました。
 また、検察当局においても、被害者の方の心情に配慮した施策を講じてきたものと承知をいたしております。
 裁判員制度の下におきましても、犯罪被害者の方々のプライバシーの保護を適切に図っていくことは制度の円滑な実施のためにも極めて重要であり、被害者の方々からの御要望については真摯に受け止めて適切に対処していく必要があるものと考えております。
 裁判所や検察当局においても、被害者の方々の懸念の声も十分に踏まえて、被害者の方によりその心理的な御負担の少ない運用に努めていくものと承知をいたしているところでございます。
#68
○山本香苗君 私は、この問題は、今大臣の御答弁の中にありましたけれども、おっしゃるとおり、円滑な裁判員制度の実施に向けて極めて重要なものだということでありますけれども、ただ単に重要だとか配慮すべきだとか、そういう問題ではなくて、必要不可欠なことではないかと思っております。
 そこで、具体的に伺ってまいりたいと思いますが、性犯罪被害者の安全とプライバシーの確保を裁判員選定手続においてどのように図っていくのか、具体的な御答弁をお願いいたします。
#69
○政府参考人(深山卓也君) ただいま裁判所における裁判員の選任手続の運用にかかわるお尋ねをいただきましたけれども、この手続は、御案内のとおり、裁判員法に定められた不適格事由の該当性を判断する必要があることから、その前提として裁判員候補者に対して被害者に関する一定の情報を提供することがあり得るものでございます。
 そこで、裁判所においては、性犯罪事件のように被害者のプライバシー保護を図る必要性がひときわ高い事件の選任手続では、例えば裁判員候補者全員を対象としたオリエンテーション、これを行うわけですけれども、オリエンテーションにおける事件概要の説明においては必要最小限の範囲の情報提供にとどめ、具体的な必要に応じて個別質問の場で裁判員候補者の側から思い当たる名前や住所その他の特定事項を言ってもらうというふうにして、被害者と裁判員候補者との間に裁判員法で不適格事由と定められる親族関係あるいは被用者関係といったようなものがあるかを確認する方法をそういう形でとるというようなことや、裁判員候補者名簿を事前に検察官は開示を受けますので、事前開示を受けた検察官において、被害者と候補者との間の関係の有無を判断するために裁判員候補者の氏名を被害者御自身にお伝えして、親族あるいは知人であるかといった点を確認するといった運用を考えていると聞いております。
 このような運用上の工夫によって、裁判員候補者に提供する被害者に関する情報の程度を必要最小限度にしながら、被害者と裁判員候補者との間の関係の有無を判断をするということが考えられているわけでございます。
#70
○山本香苗君 ただいまの御答弁の中で、裁判員法第三十一条の規定に基づいて検察官が選定手続の期日二日前までに裁判員候補者名簿等の情報開示を受ける形になっておりますけれども、その場合に、その名簿を被害者に見せて、そして関係者を特定してもらって外すというようなこともあり得るんだという御答弁がありました。
 そこでお伺いしたいんですが、確認したいんですが、今答弁にあったとおり検察官はしっかり対応するということでよろしいんでしょうか。
#71
○政府参考人(大野恒太郎君) 検察当局におきましても、性犯罪事案において被害者の方々が氏名等の個人の特定につながる事項を裁判員候補者に開示してもらいたくないというような御希望を持たれている場合には、当該事件の被害者の方に対しましてその意向を十分に確認をさせていただいて、その上で裁判員候補者の名前を教示、お知らせして被害者の関係者が含まれていないかどうかを確認し、事案に応じまして裁判員候補者に対する不選任の請求権等を行使するなどいたしまして適切に対処するというように承知しております。
#72
○山本香苗君 きちんと確認するということでございますね。
 他方、被害者が認識していなくとも、裁判員候補者の方が逆に被害者のことを知っているというケースも考えられ得るわけであります。そのために、裁判所の方々が、できるだけ裁判員候補者に被害者特定事項を知らせずに、被害者と裁判員候補者との間に関係があるかどうかを質問の中で個別にやっていくんだということは何度も何度もこの間のレクチャーの中で伺ったんですけれども、であるならば、いっそのこと、性犯罪事案に関しては、裁判員に選ばれて守秘義務が掛かってから被害者との関係者であったならば解任するという手続を取ったらいいんじゃないかと思うわけでございますけれども、そのような運用はできないものでしょうか。できないと言うなら、そのできない理由をはっきりさせていただきたいと思います。
#73
○政府参考人(深山卓也君) まず、裁判員法でこの裁判員の選任手続がどうなっているかということを最初に少し説明させていただきたいと思うんですが、この手続においては、まず第一に、裁判長が裁判員法に定められた辞退事由や不適格事由の該当性を判断するために裁判員候補者に対して必要な質問をすることができるとされていまして、当事者、つまり検察官、弁護人ですか、も裁判長に対してこういう質問をしてほしいということを言うことができると、そういう質問の段階があります。
 第二に、裁判所は、裁判員候補者が辞退事由や不適格事由に該当すると判断したときは、その候補者について不選任の決定をしなければならないことになっています。
 次の第三番目に、当事者、検察官、弁護人の方も、一定数の人数を限度として理由を示さない不選任請求をすることができまして、その請求がされた場合は裁判所がこの者については不選任の決定をする、最後にこれで残った候補者の中から裁判所は裁判員を選定すると、こういう段階的な手続が法定されているわけです。
 そういたしますと、裁判員法のこの仕組みというのは、不選任決定を行う前提としての質問手続の段階で、被害者との人間関係、人的な関係の有無やその内容、つまり不適格事由があるかどうかということを判断するために被害者に関する情報を提供するということを前提としている、あるいは予定している仕組みではないかと考えられるところでして、今委員の御指摘のあった、裁判員候補者と被害者との関係についてはまずは調査しないで、つまり不適格事由の有無については判断しないで裁判員の選任手続を終えてしまうといった運用というのは、法の想定するところではやっぱりないんではないかと、そういうふうに考えられるところです。
 もっとも、先ほども申し上げたとおりの運用上の様々な工夫によって、できる限り裁判員候補者に被害者の氏名等を伝えないで不適格事由の有無について判断するような工夫をする、あるいはそうすべきであるというのはもとよりそのとおりでして、そういった点、プライバシーの保護の必要性と、しかし一方では不適格事由をきちっと判断をする、しなくちゃいけない、この両方について十分工夫を凝らした運用をすべきであることは言うまでもないところでございます。
#74
○山本香苗君 いろいろと今御答弁されたんですけど、要するに裁判員候補者に対して被害者の氏名等を全く告知せずに裁判員を選任した後に初めて告知するというのは、法の想定するところではないからということなんですよね。
 しかし、そもそも裁判員候補者に対して被害者特定事項を告知すべき時期に関する明示的な規定はないんですよ。運用で被害者の方々のプライバシーが守れるのであればそういう運用をすべきじゃないかと、法律が想定されていないとしても法律の趣旨には反しないはずだと思うんですが、もう一回答弁お願いします。
#75
○政府参考人(深山卓也君) まさに今御指摘のとおり、被害者の特定事項をいつ開示するかという点について、法律が明文でいつの時期だというふうに規定しているわけではございません。
 しかし、先ほど述べたような段階的な手続が法定されていて、なぜこういう手続になっているかというと、やはり被害者との関係がある関係者かどうかというようなことというのは不適格事由ですので、不適格事由の有無というのを適切に判断できるように順番を追って手続を法定されているということにかんがみますと、不適格事由についての判断をするに必要な事項を調査しないで、それで選任をしてしまって後から不適格事由があるかどうかを判定するというのは、明文で禁止されているわけではないんではないかと言われればそのとおりなんですけれども、やはり法律が予定しているこの手続の仕組みにややそぐわないものではないかというふうに考えております。
#76
○山本香苗君 もう時間が来ましたので、最後に大臣に是非伺っておきたいんです、御答弁をお願いいたしたいんですが、性犯罪はまだまだ世間的に十分理解が進んでいるとは言い難い状況にあります。司法関係者でさえ理解のある方は少ないというふうにも言われております。守秘義務のない候補者の方が、たった一人でも不用意にインターネットに流したり、だれかにお話ししたり、さらに不特定多数の人がそういうことによって知る可能性というのが出てくるわけです。心と体に大きな傷を負った被害者の方が、この裁判員制度によって更に多大な苦痛を受けるということは絶対にあってはならないことだと思います。性犯罪被害者の方々は、被害を他人に知られることを恐れて訴えることさえできないというケースもあるわけです。このままだと訴えるハードルというものが高くなってしまって、性犯罪の助長につながるんじゃないかという声もあるわけです。
 是非、性犯罪被害者の方々とプライバシーの保護について、被害者の方々が安心できるような明確な方針というものを、是非この選定手続が始まる前には法務省として示していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#77
○国務大臣(森英介君) 私も、いろいろな方からいろいろな形で性犯罪の被害者の方の中に大変御懸念を抱かれている方がいらっしゃるということについては聞いております。そのような方々の切実な思いには誠心誠意こたえていかなければならないというふうに思います。
 その方法については、今法制部長から様々いろいろと御答弁したことなど考え、またその対処されるわけでございますけれども、いずれにしても、犯罪被害者の方々のプライバシーの保護を適切に図っていくことは裁判員制度の円滑な実施のためにも極めて重要でございますので、こうしたお気持ちにどうやって報いていくかということは真摯に考えてまいりたいというふうに思っております。
#78
○山本香苗君 是非、その手続が始まる前にそれは出していただけるものと期待してよろしいでしょうか。
#79
○国務大臣(森英介君) 具体的には、今申し上げられることは、先ほど事務方から御答弁したようなことを考えているわけでございますけれども、いずれにしても、少しでも御懸念を払拭できるような方策を私どもとしても誠心誠意考えてまいりたいということは申し上げておきます。
#80
○山本香苗君 終わります。
#81
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、大学生の就職活動について塩谷文部科学大臣に質問をさせていただきます。
 昨年の七月に、国立大学協会、公立大学協会、日本私立大学団体連合会の各会長が連名で、日本経済団体連合会に要請書を出されました。
 そこにはこう書いてあります。「企業における採用選考活動の早期化は、正課教育及び正課外教育等、学生が能力・資質を高めるための貴重な「学び」の時間を奪うことに繋がり、大学教育及び大学院教育に悪影響を及ぼすほか、教育機能や学位の質の維持・向上を阻害する要因となっております。また、このことにより、十分な教育を受けることができないまま学生を社会に送り出すことは、教育機関として憂慮しなければならない問題であり、大学が果たすべき使命の遂行が困難になります。」と。大変憂慮すべき事態だと思います。
 企業における大学生の採用選考活動の早期化について、文部科学大臣の認識をまず伺いたいと思います。
#82
○国務大臣(塩谷立君) 就職活動の早期化につきましては、今委員がおっしゃったように、大学側としては大変憂慮してこういった文書を出したわけでございまして、私どもとしても、ある程度その早期化、長期化については当然ながら是正が必要だと考えておりまして、学生が一定期間出席ができないとかあるいは研究活動ができないというような実態があるわけでございますので、これは企業側にとっても、やはりしっかり勉学を修めて、そしてそれなりの成果を出した者が採用される方がいいということだと思いますので、私どもも同じような考え方でおります。
#83
○山下芳生君 去年の秋の世界経済危機以降、事態は一層深刻化していると私は思っております。
 ちょうどおととい、NHK朝七時のニュースがこの問題を特集しておりました。企業の合同説明会の広い会場に学生が大勢集まっておりまして、参加者の中心は三年生でした。合同説明会を企画したスタッフの方は、去年とは真剣さが違うと、こうコメントをしておりました。取材を受けた学生たちは、四年生の先輩から、おまえらはまじやばいぞと言われるとか、周りがみんな何社回ったとか就活しているから、とにかく自分もやらなきゃと思うとか、不景気なので就職できるか心配などと語っておりました。学生が企業で一週間ほど就業体験するインターンシップという取組も大はやりだそうでして、これも三年生だけではなくて二年生も参加しているということでした。昨年の秋以降、例の内定取消しが多数出る中で、学生は就職活動への不安と焦りをますます募らせていると思います。
 大臣に伺いますけれども、大学生の就職活動の早期化、長期化は昨今より深刻化しているという認識はおありでしょうか。
#84
○国務大臣(塩谷立君) 私どもとしましても、就職活動の長期化、そして早期化については大変憂慮をしているところでございまして、今お話ございましたように、三年生からということではやはり勉学、研究活動の時間が当然損なわれるわけでございまして、同時に、やはり企業側としても、先ほど申し上げましたように、しっかり勉学を修め、あるいはしっかり資格を取り、あるいはそういった成果を出した人材を採ることが一番好ましいことだと思っておりますので、そこら辺の共通なところを是非見出して、これはどういうふうな形でやるかというのは、かつての就職協定とかがなかなかうまくいかなかった例もありますし、お互いの、これは学生にとってもそういった状況からある程度焦りもあって自分が早く動いてしまうということもあるので、そこは両者のよくよく話合いをしてと思っております。
 インターンシップについては、これはいろんな形があると思いますが、大学でのいわゆるキャリア教育としての一環としてやっている場合には大いに結構だと思っているんですね。お互いに企業からも、企業の方としてもそういった人材をいろんな指導することも必要だし、インターンシップ自体は、私はキャリア教育なんかでは非常に重要だと思っておりますので、それがどういう形でやられているかということによると思うんです。
#85
○山下芳生君 おっしゃるとおりだと思いますね。大学側が学生のいろいろな職業観を充実させるために行うものと、そうじゃない、企業側の意向でやるもの、これは区別する必要が私もあると思いますが、さっきの早期化、長期化の深刻化という点では、国大協などでつくる就職問題懇談会の調査でも、開始時期が早まっていると回答した大学等が〇六年度以来三年連続して五割を超えていますから、これは深刻化していると思います。大臣もうなずいておられますので、それはお認めになられると思うんですが。
 その下で、大学生活で今何が起こっているか。先日、六月の十二日に、全日本学生自治会総連合の皆さんがこの問題で国会要請行動に取り組まれました。全国各地から八十人の学生が参加をされまして、就活の実態がリアルに報告されました。私は、彼らや彼女らの訴えを聞きながら、就職活動の早期化、長期化が学生たちに三つの問題を生じさせているなと感じました。
 第一は、学問、研究する時間が奪われているということであります。例えば、卒論を書く指導を受けるゼミでさえも就活のために出席できないとか、何を学んだんですかと説明会で聞かれても答えにくくて、何のために大学に行っているんだろうと思うとか、月曜日から金曜日まで全部説明会で就活、四年生になってまだ一回も大学の授業に出られていないという人も複数ありました。大学生は学問が主体なのに、就活によって学問をする時間が削られるのはおかしい、これが多くの大学生の思いだと思います。
 それから第二に、自分を見詰め、働くことの意味を考える余裕がなくなっているということであります。例えば、考古学の学芸員に本当はなりたかったけど、周りから仕事を選ぶなと言われて一般企業にエントリーしたとか、自分も周りも、取りあえずどこでも就職できたらという雰囲気がある、こんな声が聞こえました。本当は自分の将来を考える時間が欲しい、みんな何かしらの目的があって大学に来て、それを生かしつつ働きたいと思っているのに、これが彼ら彼女らの思いだと思います。
 大学の就職指導の担当を長らくやられていたある方はこう言っております。自分の就職観を持ち自分の独自性を知る、それは単なる就職対策ではない、社会に出てからどう働くかにつながり、働くモラルを支えることになると。こういう学生に就職活動の現場で大事なものを体得させ、人間的に成長させることが今残念ながらできなくなっている、この代償は大きいと、この方はおっしゃっておられます。
 それから、私が感じた三つ目は、就職活動の長期化、早期化というのは経済的にも大学生に大変大きな負担を与えているということであります。説明会の会場が遠い場合は交通費が千円、二千円と当たり前に飛んでいく、新幹線を使えば一万円以上掛かる。交通費を稼ぐためだけのアルバイトをひたすらやらないといけないとか、アルバイトをしようにも、月曜日から金曜日、下手すれば一週間就活で、アルバイトをする時間もなく、しても全部交通費に消える。奨学金は就職したら返済するお金なのに、交通費に消えていくのがつらいという声もありました。
 今申し上げた三つは、これは個々の学生の問題にもはやとどまらず、大学が果たすべき社会的な機能が喪失しかけていると、ゆゆしき問題だと私は感じました。
 大臣の御感想と御意見、まず伺いたいと思います。
#86
○国務大臣(塩谷立君) ただいまのそれぞれ三点につきましては、まさに私もそのとおりだと考えております。
 特に、今お伺いして、二番目の点は非常に重要ではないかなと思っておりまして、それだけ学生が就職活動に熱心なのに、就職してすぐ辞めてしまうようなニート、フリーターが何で増えているのかということ。そうすると、やっぱり就職に対するいわゆる思いだけで、本当にどういう仕事に就いたらいいのかと自分を見詰めて、しっかりとそれに取り組むことないまま就職してしまうのかなと。したがって、結果的には、早期にいろんなこと、企業としても人を採っても、結局いい結果が出ていないのかなというそういう感じがしますので、やはりここは、企業としてもしっかりそういう点を見て、大体最近だと三年ぐらいまでに辞めてしまう率が相当高いということも聞いておりますので、先ほどの学芸員になりたいという話がありましたし、そういったところにやっぱり個人的なそういう思いをしっかり遂げられるような環境づくり、また本人もやっぱりそういうことをしっかり自己の意志を持って進むような環境をつくることが大事ではないかなと。それが結果的にお互いにいい仕事を見付け、あるいはいい人を採ってしっかりと長い間頑張ってもらえるような状況をつくるんではないかなという気がしておりますので。
 ただ、現状はなかなかお互いに、多分学生の方も早くという、この厳しいときは、企業も早くいい人材をというのが、両方の思いは一致してそうなっているんじゃないかなと、現状はですね。したがって、今後私どもとしても両者に働きかけをして、やっぱり共通点を見付けながら適正なルールをつくっていただきたいなと思っておりまして、何回かそういった直接の話合いもさせていただいておりますので、また努力をしたいと思っております。
#87
○山下芳生君 私、是非学生の生の声を大臣聞いていただきたいと思うんですけど、機会あれば、いかがですか。
#88
○国務大臣(塩谷立君) 是非また機会あればそういう生の声も聞かせていただきたいと思いますし、私のやはり文部科学省の範囲の中でたまにそういうことは聞いておりますので、また機会があればよろしくお願いしたいと思います。
#89
○山下芳生君 現状は、学生たちにこうした時間的、精神的あるいは経済的な負担を三年生の早い時間から長期に強いながら、しかしながら就職できる保証は何もないわけです、学生は。落ちたら自己責任で、自分が悪いと、自分は社会から必要とされてないんじゃないかと落ち込んでしまうんですね。こんな不合理、理不尽は一刻も早く改めなければならないと思います。
 大臣も何とかしたいとおっしゃっておられますけれども、私は今、政治の責任で、学業と両立できて差別を許さない就職活動のルールを作る必要があると思いますけれども、大臣の御認識、伺いたいと思います。
#90
○国務大臣(塩谷立君) 私どもも、できればルールを作って、それに基づいてお互いのいわゆる考え方等が両立していけることが望ましいと思っております。
 したがって、先ほど申し上げましたが、かつては就職協定というのがあって、今は倫理憲章という下にお互いにやっていると思っておりますが、なかなかそれが現実的には守られてきてないわけでございまして、少なくとももう少し実態を把握しながら、先ほどお話あった三つの問題点等が私は結果的にお互いに良くなくなっているんではないかなという気がしますので、そういうことも踏まえて、よりしっかりと話合いの下で、少なくとも平日は就活のいわゆる会合をしてはいけないとか、企業の方も、土日は休みですから、要は授業がある日はやっちゃいけないとか、そのぐらいのルールは最低限作ってもらいたいなと思っております。
#91
○山下芳生君 なかなか具体的な御検討内容も披瀝していただきましたけれども、かつて経営者団体と大学が取り決める就職協定というものがございました。これは大学四年生の七月一日に会社訪問が解禁され、十月一日に採用内定は開始されるというものでありましたけれども、しかし、これは協定破りをする企業が多いからということで廃止されました。一九九七年に廃止になりました。違反者が多いからルールをなくすというのは私は逆さまだと思いますね。以来、就職活動というのはノンルールになって激化の一途をたどって、今や青田買いどころか種もみ買いというような状況まで生まれております。
 先ほどの倫理憲章は企業側の申合せにすぎませんので、先ほどおっしゃったように効果は出ておりません。やっぱり実効性のある新たなルールが私はどうしても必要だと思いますし、先ほど大臣は、平日は就職活動はしないようにと、採用活動はしないようにと、これも一つの内容だと思いますが、加えて私は、就職活動が学業を妨げることのないように、会社訪問や採用試験の開始日などで実効性のある公的なルールを確立すること、それから違反した企業には企業名の公表などのペナルティーを科すということなどがやはりこの内容としては考えられると思いますが、これ、いかがでしょうか。
#92
○国務大臣(塩谷立君) 適切なルールを作ることが必要だと思っておりまして、ただ、それをどこまでいわゆる公的なものとできるかというのは今後検討しなければならないと思っております。ペナルティーを科すとかそういうことも含めて私ども是非検討をさせていただきたいと思っておりますし、やはり企業側としてもいい人材が当然欲しいわけですから、そのために例えばまだ研究活動とか勉学も修めていないのにその人材を採るようなことはやっぱりちょっと趣旨に合わないんでしょうから、そこら辺をもう少し本当に具体的な形で話合いをして、お互いに合意できるようなところで協定あるいはルールを作っていくことは当然必要だと思っております。
 これについては、やはり就職活動の基本的なやり方といいますか、そういうことも含めて、今、ガイダンスとかいろんな形で人を集めてやったり、インターネットを使って様々な方法が考えられているようでございますが、やはりそれは、どちらかというともう少し、何と言いますか、学校と大学側と企業が協力して何かできるような形ができないかなというような気がしますが、これはもうちょっとそれぞれの意見を聞いてお互いの共通点をルール化するということで、更にまた努力もしていきたいと思っております。
#93
○山下芳生君 それで、努力の方向なんですけれども、三月十二日に文科大臣の下に企業側と大学側の意見交換会がやられまして、そこでどういう発言がされたのかちょっとペーパーを文科省からいただいたんですけれども、企業側の発言として、企業の採用活動は自己責任原則に基づき自主的に行うべきものだという発言が、事ここに至っても出ているんですね。要するに、新しいルールなんて要らないと、こういう感じの発言ですけれども、現状に全く胸を企業側が痛めていないんじゃないかと。むしろ、何と言いますか、超買手市場で、これはチャンスとさえ思っているんじゃないかという節を私は感じるわけですね。これではいけない。やはり企業としても、自分の企業が選り好みできるというだけではなくて、やはりこの問題でも企業の社会的責任というものを問うていかなければならないと思うんですが、大臣、ここは大臣の役割だと思うんですが、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(塩谷立君) 私どもとしましても、企業に対しては、やはり今お話がございましたように、社会的責任において人を採用するということに対してもう少し、それぞれの私企業の考え方ではなくて、やはり社会の一つの構成員としてのやり方というのはあるんだと思いますので、そこら辺はある程度規律ある、節度ある方法で考えていただきたいなと思っておりますが、現状では、まさに個々の企業がそれぞれ行っているということで、これは競争というか争奪戦ということになっておりますので、そこをどうとらえるかということで、そこら辺が根本的にどういうふうに考えるかということをしっかりともう一度検討していかなければならないところだと思っております。
#95
○山下芳生君 大学生活の大半が就職活動と。これでは学生本人にとって大きな負担になるだけではなくて、学生を受け入れる社会にとっても、大臣がおっしゃるように企業にとってもこれは大きな損失だと。やはり、学業と両立できる就職活動のルールをつくる、企業にも社会的責任の立場から守らせる、これが政治の責任だと思います。
 あと時間本当に少ないんですけれども、最後に一問だけ。
 奨学金の返済猶予の期間が五年間というふうになっておりますけれども、これは実態は、五年たてば返済できるような収入が得られる保証はないと思うんですけれども、これ、実態に合わせて、五年間で返済猶予の期間が終わるということをもう少し弾力的に検討すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#96
○政府参考人(徳永保君) 奨学金の猶予期間ということにつきましては、これは昭和十八年に現在の日本学生支援機構の前々身団体でございます大日本育英会以来やっているわけでございます。こういう中で、私どもといたしましても、五年間の猶予期間をもって奨学金の返還ができるように生活基盤を確立をしていただきたいと考えております。
 現状におきましても、それでもなお返還が困難な場合には、様々な返還者からの相談に基づきまして具体的な資力を勘案しつつ、規定で定められた返還割賦額より低額の分割返還といったようなことについても特例で認めているということでございます。
 私どもとしては、日本学生支援機構の方に今後とも積極的に御相談賜りたいと思っているところでございます。
#97
○委員長(山下栄一君) 山下君。時間が来ております。
#98
○山下芳生君 昭和十八年に五年と決めたときの背景は、病気なら五年で治るだろうとか、兵役も五年たったらもう終わっているからと、これ非常に戦前の理由なんですね。
 今、年収三百万円以下の割合が、大学卒業して二十五歳から四十四歳までに二四・五%ですよ。だから、五年たったからといって三百万円超える保証ないわけでね、そこはゆっくりよく見て現実的な対応をしていただきたいということを申し上げて、終わります。
#99
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。
 最初に、中山間地域の直接支払について質問をいたします。
 中山間地の直接支払制度でありますが、条件不利地域に直接所得補償をする地域政策でありまして、平成十七年度からの第二期対策は平成二十一年度、今年度をもって終わります。耕作放棄地の発生防止あるいは農業の多面的機能が維持されると農村でも評価が高く、私もこの制度の存続、恒久化を強く求めるものでございます。
 一方、配付資料にも明らかなとおり、交付面積率は対象面積の八割にとどまっております。農業者、あるいは私の地元であります新潟県を始めとして多くの自治体から制度の継続、改善要望が出されております。
 問題は、国が半分、都道府県、市町村が四分の一ずつという交付金の財政負担にまずあります。これが原因で地方が認定をちゅうちょしているのではないかと言われている問題でございますが、最初の質問は、地方に財政負担をさせるやり方、これは改めるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#100
○政府参考人(吉村馨君) この中山間地域直接支払制度でございますけれども、これは今委員まさに御指摘のとおり、条件不利地域であるところで、特に過疎化、高齢化の進行が著しい中山間地域で農業生産活動の継続的な実施や集落機能の活性化等をねらいとしておるところでございまして、そういう意味で本制度は地域の振興に寄与するという面があるというふうに考えております。
 一方で、これらを通じて国土保全などの多面的な機能が適切に発揮され、その恩恵は中山間地域のみならず下流地域の都市住民など国民全般に及んでいるというふうに認識しております。
 そういうことから、この制度を発足して以来、平成十二年度以降ということでございますが、国と地方公共団体の緊密な連携の下に、応分の負担を行いながら実施しているところであります。具体的には、国が二分の一を、残りの二分の一を都道府県と市町村が負担して実施してきたところでございます。
#101
○近藤正道君 改めるべきではないですかということですから、端的にお答えいただきたいと思うんです。
 仮に、二分の一を都道府県、市町村で負担させる今の制度を維持するとするならば、その地域の実情を考慮した認定要件など、負担割合に相応の裁量を地方に認めるべきではないでしょうか。また、地方財政措置の確保についても、是非農水省として御尽力をいただきたいと、こういうふうに思っています。
 また、一団の農用地一ヘクタール以上という団地要件でございます。また、五年の協定で、途中で一部でも耕作放棄が出た場合には、連帯責任で協定集落全体の交付金を全額遡及して返還しなければならないといういわゆるペナルティー措置でありますが、これも高齢化が深刻な山村が取組を進める上で大変厳し過ぎるんではないか、こういう声が強いわけでございます。
 質問でございますけれども、団地要件について、地域の実情に合った要件緩和を検討すべきではないか。特に、同じ集落内でも傾斜要件を満たしている、あるいは満たさない農地は交付対象にならないため除外される、こういうやり方ではなくて、集落全体を交付対象にできるよう改める必要があるんではないでしょうか。いかがですか。
#102
○政府参考人(吉村馨君) まず、冒頭、委員御指摘のありました、地方に負担させる以上、地域の自主性をということでございますけれども、この制度、先ほど申しましたように、国と地方で役割分担をしながらやるということでございますが、その中で対象地域や対象農用地等につきましては、都道府県知事の特認とか市町村長の特認、例えば高齢化率や耕作放棄率が高い集落の農地は市町村の判断で対象に加えることができるというようなことを設けて、地方公共団体の裁量性にも十分意を用いているところでございます。
 また、地財措置につきましては、これは私どもとしても総務省ともよく御相談をして、現在、地方の負担について普通交付税、それから特別交付税それぞれの措置をいただいているところでございます。
 また、次の御質問でございました、一つ目は、一団の農地一ヘクタール以上というまとまりの要件の問題、それからいわゆるペナルティーといいますか、耕作を継続しなくなったときに、その農地だけではなくて全体について返還を求めていると、こういう点の御質問がございました。また、更にもう一点、集落全体を対象にすべきではないかと、こういう御意見もございました。
 これについては、一つ目の一ヘクタール以上の団地要件というところでございますが、これは、原則は物理的に連担をしている一ヘクタール以上と、こういう団地要件でありますけれども、ただ、実際にはまとまった農地が少ないという中山間地域の実態を考慮して、耕作者あるいは農作業の受託が重複するというような場合には、営農上の一体性を有するということで一ヘクタールの団地要件に当てはまるという運用をいたしているところでございます。
 それから、もう一点でございますけれども、ペナルティーの問題でございますけれども、これは協定を中止した場合、あるいは対象農用地の中に耕作放棄が発生した場合には、交付金の交付を受けている協定農地全体について、協定締結年度にさかのぼって交付金の全額返還を求めているところでありますが、ただ、やはりこれもいろいろやむを得ない理由があります。一つは、農業者が死亡したり病気、あるいは自然災害、こういった場合には免責事由に該当するということで、遡及返還ではなくて、当該農用地に限って当該年度以降の交付停止としているところでございます。
 また、もちろん中山間地域の農地も、条件不利に該当する農地とそうではない農地がございます。それを集落全体としてまとめて対象にできないかということでございますけれども、これについても、やはりこれは傾斜等、条件が不利と認められる農地を直接支払の対象にすると、こういう制度でございますので、同じ集落内であっても支払の対象外になる農地が生ずるということは事実でございます。ただ、これは交付の対象とそれから実際の取組活動というのは別でございまして、実際にもそういった形で交付を受けたお金は多くの場合に共同活動に充てられておりますけれども、それは集落の農地全体を対象に取組活動をしているという地区もございます。
 今申しましたようなことが実態でございますけれども、委員御指摘のあったような点も、これまで私ども地域のいろいろな意見を聞いておりまして出てきた問題でございます。そういった実態も含めて、私どもとしては、有識者から成る中山間地域等総合対策検討会におきまして今御議論をいただいているところであります。そういった実態についても評価、検証を行っていただいております。そういった議論を踏まえて、平成二十二年度の概算要求時までに基本的な方向を整理したいというふうに考えているところでございます。
#103
○近藤正道君 是非実態を踏まえていただきたいし、山村のやっぱり声を聞いて是非いただきたいというふうに思っています。
 農水省が想定したよりもはるかに速いスピードで山村の高齢化が進んでおります。申し込んだら五年間耕作を続けなければならないけれども、集落は多くが独り暮らしのお年寄りかあるいは老夫婦ですよね。自分が死んだりあるいは体が動かなくなったら集落の皆さんに迷惑を掛ける、高齢者だけであと五年もつかどうか、こういう心配の中で、中山間地の直接支払の制度、大変いい制度でございますけれども、申し込むのをあきらめている、そういうケースを私はたくさん聞いております。
 是非、このペナルティー措置、これについてはさかのぼって全部について金を返せというんじゃなくて、実情を踏まえて、未達の面積割合だけとか、あるいは未達の期間のみの必要最小限度のものにやっぱり絞っていただきたいし、いろいろセーフティーネットがあるというんなら、それは是非しっかりともっと周知をしていただきたい。知らないと、そんな制度があるのを知らないという人たくさんおりますので、そこは是非周知も徹底していただきたい。
 いずれにいたしましても、冒頭申し上げましたように、私は、この中山間地直接支払制度、これは経営安定対策と車の両輪でまさに出てきたわけで、私は経営安定対策はこれは選別だということでこれは改めるべきだというふうに思いますけれども、中山間地の直接支払制度は大変いい制度だと、地域政策でいい制度だと、是非これをこれからも発展させていただきたい、使い勝手のいいものにして川上をしっかりと守っていただきたいと、こういうふうに思っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、今年で二期目が終わるわけで、この後どうされるのか。是非これを継続して、是非できれば恒久的な制度として残していただきたい。農水省は多分そういう方向で検討されているんだろうと思いますけれども、今の段階でどうされるのか、これを農水省にお聞きしたいということと、財務省はいろいろ金の立場で一期目から二期目のときもいろいろ慎重な意見をたくさん言っておられましたけれども、財務省としてはこの中山間地直接支払制度について基本的にどういうふうに今お考えなのか。これはもうこの夏の概算要求の段階では決着を付けなけりゃならぬ問題だというふうに思っておりますので、基本的に皆さんの態度は、方向性ぐらいは出ているんではないかと私は思っております。それぞれからお考えをお聞きしたいと、こういうふうに思います。
#104
○大臣政務官(野村哲郎君) 近藤委員の御指摘また御意見、私どもも全く、私個人としても同感でございまして、御承知のとおり、この十年間この事業をやってまいりまして、大変私どもの地元でも評価をいただいているところでございます。
 ところで、今現在、この十年間の評価をどう見るかということで各県なりあるいはまた地方の自治体の皆さん方の評価の報告を今いただいておるわけでありますが、大変このことによって集落が活性化してきたとか、いろんなそういう評価をいただいているところでございますので、是非とも私どもとしても、この評価を受けながら、第三者委員会を今立ち上げております。先ほど局長の方から答弁申し上げましたように、第三者機関を通じましてこの評価をすると同時に、先ほど来御指摘がありますように、いろんな課題もまたあることも私どもも存じ上げておりますので、この検討委員会の中で十分な御審議を賜りながら、この事業についての今後の方向性を見出していきたいというふうに考えておるところでございます。
#105
○政府参考人(木下康司君) お答えをさせていただきます。
 この制度は現在第二期でございますが、今年度が最終年度に当たるものでございますから、まずはこれまでの事業の実績や成果等を客観的なデータに基づいて評価をすることが必要であると考えております。
 いずれにしましても、この事業の二十二年度予算における取扱いにつきましては、今後の概算要求を踏まえて政府部内で議論していく事柄でございますので、現時点において私どもの方から方向性についてコメントできる状況にないということを何とぞ御理解いただければと思います。
#106
○近藤正道君 農業者、地域の声をしっかりと受け止めていただいて、来年度以降もより良い制度として継続できますよう、できましたら恒久的な制度としてしっかりとつくり上げていただきますよう、そして財務当局も配慮いただきたいということを申し上げて、この質問を終わって、時間は短いわけでございますが、農地・水・環境保全向上対策事業についてお尋ねをしたいと思います。
 この事業は、農村資源を保全する共同の取組を支援する一階部分と環境に優しい営農活動を支援する二階部分から成り立っております。これらも農業者からは高い評価を得ております。しかし、全国平均で、共同活動で、一階部分ですね、これは農振農用地の三一%、二階部分、営農活動では一%しかカバーしていない、これは配付資料の右側の資料を見ていただくと一目瞭然でございます。とりわけ二階部分の営農活動については一%とかゼロ%というところがたくさんございます。二年ほどたっているわけだけれども、何もしていないわけですよね。しかも、頑張っているところと頑張っていないところの格差が非常に大きい。滋賀県なんか物すごく頑張っているけれども、何もしていないゼロというところが何県もあります。
 是非、このカバー率を上げるべきだと。国の働きかけが弱いんではないかと。まさに地方の自治かもしれませんけれども、国はちゃんと周知徹底というか働きかけをしているのかどうか、大変疑問に思えてしようがございません。とりわけ、このゼロというのは、私は是非これは実態をよくお聞きいただきたいと、こういうふうに思っております。
 農水省にお尋ねをいたしますが、この営農活動支援、つまり二階部分が大変低い、この理由は何だというふうに考えておられますか。この営農支援活動、二階部分では、対象地域で一定のまとまりを持って取り組むというそのまとまりの要件、そして慣行農業から化学肥料、化学合成農薬使用の五割低減という要件をそれぞれクリアしなければならないわけでございます。これが非常にハードルが高い、参入を難しくしているそのポイントだと、こういうふうに聞くわけでございますが、これらの要件はもう少し緩和できないんだろうか。
 私は、入口、つまり高いハードルでお断りするというんではなくて、入口はできるだけ低くする、参入は広く認める。そして、いったん取り組んで規模がまとまれば、つまり、まとまり要件が増えればそれに従って、あるいは化学肥料だとか化学農薬の低減が進めばそれに従って加算をしていく、まずいったん制度に入れてそれから誘導していく、こういうインセンティブを働かせるような制度設計に見直すべきではないかと、こういうふうに思うんですが、なぜこんなに低いのか、どこに問題があるのか、農水省のお考えをお聞かせください。
#107
○政府参考人(吉村馨君) この農地・水・環境保全向上対策、これは、今まさに委員御指摘になりましたように、共同取組活動の一階部分と、それから営農活動支援の二階部分で成るわけでございますけれども、共同活動支援の方は、これはいろいろな見方はあるかと思いますけれども、かなりやれるところはやれているという状況に来ているというふうに認識しております。もちろん、まだまだ取組が増やせるところは増やしていきたいという考えでございます。
 一方、営農活動支援の方は、確かに委員御指摘のございましたようにまだ実績が十分でないということはあるかと思っております。ただ、初年度十九年度に比べますと、二十年度におきましては取組面積で一・五倍に増加をしている。面積でいいますと六万六千ヘクタールということで、一・五倍に増加をしているということでございまして、私どもとしても、更にその取組を強めることによってこれを是非拡大をしていきたいと考えております。
 そのために、一つは、これは農地・水・環境保全対策の共同活動、いわゆる一階部分を行っている活動組織というのは既に一万九千あるわけでございますので、これを母体に、その中の話合いを通じて営農活動、二階部分につなげていくというようなこと。それからもう一つは、やはり慣行農業の農薬、化学肥料を五割削減という部分、これは代替技術を伴ってきちっと生産をしながらということが重要でありますので、その代替技術、これが現実に存在をしているわけでございますので、この普及指導を進めると、こういったことでこの対象面積の拡大をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#108
○近藤正道君 御答弁内容が大変、お役人の皆さんに役人答弁だと言うのも変な話だけれども、そういう現象的な話じゃなくて、こんなに低い、しかもこんなに差があるわけですよ。滋賀県とほかのところではもう二十倍も違うわけですよ。こんなのおかしいでしょう、これ。
 野村政務官、政治家として、これ非常に肝いりでいい制度で、多くの人たちが物すごい期待していますよ。何でこんなに伸びないのか、何が問題だというふうに思っているのか、政治家としてどうしてこれを引き上げていくのか、簡潔に政治家としての御答弁をいただけませんか。
#109
○大臣政務官(野村哲郎君) 十九年から始まった事業でございまして、先ほど来お話がありますように、一階部分、二階部分というのがあるわけでありますが、要はやはり、今滋賀という県名を具体的にお出しになりましたけれども、やっぱり地域の工夫、創意工夫を引き出して、地域の多様な実態に合ったそういう事業展開をしていただこうと、こういうことで地域の裁量を拡大しているわけでありますが、滋賀が何で多いのか、あるいは秋田が何で多いのかというのは、やはりこれは湖沼、いわゆる湖だとか沼地、これの水質保全を充実していると、そういう取組をやっぱり地域でやっている。あるいはまた、近藤委員のところの新潟だとか、あるいは北海道、今日お見えになっておられますが、北海道の皆さん方は積雪地域での融雪剤の散布だとか、いろんなそういう地域の具体的な取組をしていただいているところが、私はこの数字上見て、非常にこのカバー率が高くなっているんだろうというふうに思います。
 ですから、もう少し、やはりこれは地域の活力を生んでいく、あるいは地域の環境をやはり整備していく、そういうような取組でございますので、是非、地元地元での創意工夫をしていただきたいなと、こういう思いでございますので、私どもとしましてもやはりこの事業をもう少し普及させていきたいという考えでございます。
#110
○近藤正道君 時間が来ましたのでやめますけれども、是非、これは私は大変いい制度、中山間地と農地・水・環境というのは大変これはいい制度だというふうに思っておりまして、ここは本当に力を入れて頑張っていただきたい。制度がやっぱり分からない、誤解している人もたくさんおりますので、是非お力添えをいただいて、何年やってもゼロとか一%などという、こういう恥ずかしい事態をやっぱり一日も早く越えていただきたい。強く要望を申し上げまして、質問を終わります。
#111
○松下新平君 改革クラブの松下新平です。
 私からは、この度の直轄国道十八事業凍結の問題について、いわゆるBバイC評価の問題ですけれども、お尋ねしたいと思っております。本日は国交省から金子副大臣お出ましいただきまして、ありがとうございます。
 東京のマスコミは、この道路の問題を取り上げますと、もう無駄遣いであると、あるいは利権だとすぐ決め付ける報道が多いわけですけれども、選挙区でそれぞれ道路問題を活動されている委員の皆様は共有されると思うんですけれども、この住民からの要望の半数以上が生活に密着する道路であるということでございます。
 また、この道路は命の道だという表現があります。これも大げさの問題ではなくて、実際、私の地元でも、高速道路が整備されていたら、あるいは道路が整備されていたら助かった命、具体的には病院がないんですね、近くに。それで、その運搬に道路をどうしても使う、そのときに道路の整備がまさに命の道路として役割を果たすわけですから、そういった観点で質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、今年三月末に費用便益比が一未満であるとの理由によって十八直轄国道について事業が凍結されました。その後、五路線については事業再開が認められましたけれども、残りの路線については現在事業再開の可否について検討が行われていますけれども、まずこれまでの経緯、そして今後の見通しについてお伺いいたしたいと思っております。
#112
○副大臣(金子恭之君) さきの通常国会での議論も踏まえまして、新たな交通需要予測と評価手法の見直しを昨年の十一月に取りまとめました。これらの見直しを受けまして、二十一年度予算に向けて高規格幹線道路及び直轄国道などのすべての事業についてBバイCの点検を実施をいたしまして、三月三十一日に公表いたしました。点検の結果、BバイCが一以下の十八事業につきましては、既に支払が約束済みのものを除きまして、平成二十一年度の事業執行を当面見合わせたものでございます。
 実は、私たまたま、この凍結、当面見合わせた日から数日後に、元々、都城、宮崎で凍結になった路線の近くに行く用件がございました。まさに地元の皆さん方、宮崎で今回の凍結の対象になった首長さんやあるいは経済団体の皆さん方が大勢お見えになって要請をされたわけであります。今、松下先生からおっしゃったように、私も熊本でよく状況は似ていると思うんですが、あの道路については、透析の患者さんがいらっしゃったり、あるいは学校に通う学生さんがいらっしゃったり、あそこは雨が降ると結構規制がされるんですね。そうすると、随分遠回りして町に行かなければいけないという意味では、大変もう深刻なお話でございました。
 そういうことも踏まえまして、その後、それぞれの十八路線、地域の関係者の御意見を十分に伺った上で、一つにはコスト縮減など事業内容を見直す、あるいは三便益以外の、さっき言われたような命の値段とかあるいは経済、災害に遭ったときどうするかというような、そういった多様な便益の評価などについて検討を進めてきたところでございます。
 現在、各地方整備局において事業評価監視委員会を開催しまして、今後の方針について審議いただいているところでございます。松下委員は先ほど五事業というように言われましたが、昨日までで四地方整備局九事業について審議を進めまして、今日も午後から一地方整備局でやる予定にしております。
 今後は、必要に応じまして、知事さんとか御意見をいただいた上で、事業評価監視委員会の審議結果を踏まえて対応する予定でございます。
#113
○松下新平君 ありがとうございました。
 私の地元の路線についても触れていただきましたけれども、国道二百二十号線、青島―日南改良の道路なんですけれども、これはかつて新婚旅行としてお使いいただいて、海岸沿いの見晴らしのいい場所と評価をいただいている路線なんですけれども、金子副大臣も四月に宮崎に来られて、直接その沿線の方のお話もお伺いしていただきました。
 繰り返しますけれども、税金の無駄遣いは許せませんし、官製談合はもってのほかであります。その前提に立って、今回の再評価区間について、工法の見直しなど、どの程度のコスト縮減が進められるのか、事業再開のかぎを握ると言われておりますけれども、この宮崎の区間は残りの事業も少なくて、このようなケースでは具体的にどのようにしてコスト削減を行うことができるか、地元関係者は苦慮しております。副大臣、この場合どうしたらいいんでしょうか。
#114
○副大臣(金子恭之君) 私自身も学生時代、大学の友達を連れてあのきれいな道路を回ったり、三回ぐらいあそこは通ったことがあるんですね。そういう意味では非常に観光的にも産業的にも必要な道路だと思っております。
 もう釈迦に説法かもしれませんが、国道二百二十号線、青島から日南の改良事業というのは、宮崎市から日南市にかけて縦断する延長二十三・五キロが対象でありまして、地域の生活や観光、産業の基幹ルートであることは間違いございません。この当該事業につきましては、青島地区の渋滞解消を目的とした延長五・二キロのバイパス事業、今言われた部分と、青島から日南地区の延長十八・三キロ区間を対象とした防災対策事業から構成されておりますが、今までに事業費五百七十七億円をもって延べ十六・三キロメートルの区間について事業を実施してきたところでございます。この当該十六・三キロの区間における総事業というのは、青島バイパスの四車線化事業分としての約九億円であり、当面予算の執行を見合わせているところでございます。
 一方、今事業をやっているところといまだに着手をしていない区間があるわけでありまして、その区間においては、先ほども申し上げましたように、防災用の対策箇所や、あるいは異常気象時に通行規制区間が存在する、あるいはがけ崩れなどのおそれがあって安全なトンネルの設置とか、防災上の観点から必要な事業があると考えているところでございます。
 この区間も含めまして、地元の皆さん方からも、あるいは宮崎県知事からも、沿線住民の生命、生活を守る上で非常に重要な主要幹線道路であり、事業の実施が要望されております。
 このような状況の中で、今週の二十五日には、九州地方整備局において事業評価監視委員会が開催されます。この委員会では、青島バイパスの今言われた四車線化の残事業に加えまして、残っております区間における防災対策事業についても幅広い観点からこの路線を総合的に御審議いただけると思っております。
#115
○松下新平君 ありがとうございます。
 明日、福岡で委員会が開かれるということですけれども、それを注視してまいりたいと思います。
 副大臣、今回のBバイCの問題、もちろん無駄は徹底的に排除しなきゃいけませんけれども、このBバイCの指摘があって見直しがあって、この作業、その間に国民の皆さんから、地方の道路はやっぱり無駄じゃないかと、必要じゃないんじゃない、そういう声も聞かれていたわけですね。大変残念なんですけれども、私も機会があるたびに地方の道路の必要性を訴えているわけですけれども、それについて副大臣としての御所見をお願いしたいと思います。
#116
○副大臣(金子恭之君) 松下先生、同じような考えでおります。
 今回の見直しに当たっては、もちろんBバイCでありますから、コストをできるだけ、できる限り削減するという意味では事業内容の見直しもしなければいけません。一方、今言われたような、無駄遣いというような印象を国民に与えているというふうに言われましたが、一方、道路整備によって各地域に及ぼされる多様な、さっき言いましたような、先生から御指摘もありましたような、地域にとっては必要な道路であると。命を守り、あるいは地域の産業を活性化させる、最低限の生活をしていくにもこういうものは必要だということであります。そういう多様な便益の評価についても検討を進めているところでございます。
 ですから、具体的には、各地方公共団体等からも、多分十八路線あって、すべて一緒だとは思えないんですね。それぞれの地域においてその道路が必要な理由というのはおのずと違ってくると思います。迅速な救急医療活動、あるいは観光振興ですときれいなあの日南海岸等々の観光資源、あるいは地域活性化、あそこで取れたおいしい農林水産物を市場に送るという意味でもございますし、道路ができたおかげで企業立地をするということもございますし、防災対策とか、その地域の事情を勘案した便益として加味すべきとの具体的な提案を多数いただいているところでございます。これは、今回の凍結をしたことによって、各地域から大きな声として我々に届いているところでございます。
 こうした提案を基にいたしまして、地域における多様な道路の役割や効果についても適切に評価を行った上で必要な道路整備を行っていくことが重要であると思っております。
#117
○松下新平君 ありがとうございます。
 最後になりますけれども、お願いいたします。
 現在、BバイCの対象となる便益は、走行時間短縮、走行費用減少、交通事故減少の三便益のみでありますが、それらの便益は、交通量の絶対値が大きい都市部に効果的に働く一方で、地方ではそもそもその効果が余り期待できません。道路整備が地域の維持発展には必要不可欠である地方を地元とする立場からいたしますと、BバイCが一を基準に事業の可否を判断することに意味があるとは思えませんし、むしろ不公正だというふうに考えます。また、BバイCとは別に、総合的に評価するとしても、評価が恣意的になるなど客観性の面で問題が生ずると思われます。
 そこで、真に必要な道路整備は都市、地方を問わず進められるべきであり、だれもが納得できる基準作りを急ぐ必要があると思いますけれども、御所見をお願いいたします。
#118
○副大臣(金子恭之君) 先生も盛んにそのことは訴えていただいております。また、多くの先生方からもそういうお話は聞いております。そういう国会での議論とか、あるいは地方公共団体ですね、そこに住んでいらっしゃる方々、あるいは学識経験者を含めた有識者からの意見においては、現行の今おっしゃったような三便益によるBバイCでは道路整備による効果のすべてをとらえることはできないと、先ほどから再三出ておりますような命の道とか観光振興とか、重要な要素が抜けているという指摘をいただいております。世界を見渡すと、各国の事業評価を見ても、日本のような三便益だけではなくて、多面的効果を取り入れるよう各種の取組がなされているというふうに承知しております。
 一方で、先生御指摘のとおり、そういう多様な効果、三便益以外の効果については非常に難しい部分がありまして、便益の計測精度とか、どうやってきちんと測っていくのか、あるいは二重計上になるのではないかというふうな課題も言われているところでございますので、個々の事業ごとに事情も異なるところでございますので、そういうところをきちんとこれから精査をしていかなければいけないと思います。
 このため、今後、様々な場で議論を重ねながら、多様な便益を適切に評価する仕組みの確立に向けて検討してまいりたいと思いますので、先生にも応援方よろしくお願い申し上げます。
#119
○松下新平君 ありがとうございます。
 予定しておりました質問は終わったんですけれども、道路の必要性については共有できたと思うんですが、昨日は公用車談合で国交省、改善要求がなされました。これ、二回目の公正取引委員会からの改善要求であったわけであります。答弁は要りませんけれども、やはり幾ら道路の必要性を訴えても、その執行側がこういった状況では、またもう振出しに戻ってしまうんですね。それはもう副大臣も重々御理解いただいていると思いますけれども。今日の議論をお伺いして、先ほど、与那国島にも行かれたという話もお伺いしました。行動派の副大臣、大臣の答弁よりも副大臣の答弁は大変勇気付けられました。私も、しっかりまた地元の実情を、持ち帰りまして活動してまいりたいと思います。
 本日はありがとうございました。
#120
○水戸将史君 民主党の水戸将史でございます。
 時間も限られておりますので、一点だけテーマを絞りまして順次御質問させていただきたいと思っております。特に介護保険の問題、たしか先般もこの委員会でも資料等もお配りいただいたものですから、それに沿った形でこの介護保険制度の見直し等々につきまして改めて御見解をお述べいただきたいと思っております。
 御案内のとおり四月から、これ、私も質問主意書でもお出ししたことあるんですね。六月二日にその御回答もいただいております。その質問主意書の中でもよく分からない部分ありますものですから、それも含めて今日はまた明快な御答弁をいただきたいんですけれども、この四月から要介護認定の方法の見直しがなされているんですね。新しい介護認定基準を設けまして、そして順次今までやってきた方々を更新しよう、また新規の認定をしていこうということでやってきているわけでありますけれども、非常に不満の声が現場では聞かれるということでして、たしか四月の十三日の段階で舛添厚生労働大臣も、これはまずいんじゃないかということで、新基準を検証する委員会の設置を表明されているんですね。
 そもそも、今まで三月末まで行われてきた旧基準というんですか、これが新しい基準になって現場ではいろいろなトラブルがあるということでありますけれども、今までの経過の中で、まず従来の認定基準ではいけなかったのかどうか、これについて具体的に、かつ明快に簡潔にお答えください。
#121
○大臣政務官(金子善次郎君) お答えいたします。
 今回の要介護認定の見直しでございますが、これは、これまでの要介護認定が最新のケアの状況というものを必ずしも踏まえている面がちょっとずれが出てきたんじゃないかということが一点ございます。
 具体的というお話でございます。例えば、おむつの着用から排せつ誘導介助というようなケア量の増加という問題。それから、認定にばらつきがあるんじゃないかと。具体的には、例えば下肢麻痺等の出現率でございますが、これは、抽出してみたところでかなりの市によって開きがあるというようなことでこの改正に踏み切ったところでございまして、見直しに当たりましては、公開の場における議論、モデル事業や研究事業というものを通じてこの度のこれを踏み切ったということでございます。
#122
○水戸将史君 先ほど申し上げましたとおり、これ朝令暮改をしているわけですね。新基準がスタートしたといえども、現場ではいろんな不満の声がいろいろな形で伝えられてくる、これはやばいということで、基本的に、いわゆる既存のというか、従来認定をされていた方は、これを継続される方、更新される方に関しては旧基準でもいいという経過措置を今設けているんですけれども、そうすると、自治体も四月から新しい基準でスタートするんだという形で受付をしている、自治体も非常に振り回されているんですね。結局その認定をやり直しているわけですよ、旧基準に戻そうという形で。
 実際、これ、四月に入ってこうして今自治体が本来新基準で見直しをしなきゃいけないものです。また旧基準に改めて見直しをするというのが一体どの程度あったのか、数的には把握されていますか。
#123
○政府参考人(宮島俊彦君) この要介護認定は四月分のデータというのが六月から国の方に上がってくるという段階でございますので、今、どのぐらいその変更があったかということについてのデータは持っておりません。
#124
○水戸将史君 じゃ、データ出次第、またお示しをしていただきたいと思っています。要望しておきます。
 この検証委員会ですか、新基準に対して非常に自信がないというか、旧基準でもいいというお話で今経過措置を設けているんですけれども、検証委員会を設置しているんですけれども、この検証結果はどうなっているんですか。
#125
○大臣政務官(金子善次郎君) 先生御指摘の検証検討会の件でございますが、現在進行中ということでございまして、できるだけ早くこの検証結果を出していきたいと、このように考えておりますが、現在のところ、その途中であるということで御理解いただきたいと思います。
#126
○水戸将史君 それじゃ、具体的に何を検証して、どの期間の部分を検証すると、今それでスタートしたんだから、まずそういう具体的なめどというか計画がなきゃいけないと思うんですが、それはどうなっていますか。
#127
○政府参考人(宮島俊彦君) 先ほどもお答えしたところでございますが、今度の改めた要介護認定の基準によって四月から始まったわけですが、今回の経過措置によって、四月から新しい基準でやって、変更になる人については旧基準のままで、従来のとおりでいいというようなことでの経過措置を四月に講じたということでございます。
 そのデータが上がってくるのが、今六月、今まさに上がってきているところでございまして、そのデータを基に、それではそのばらつきがどの程度是正されたのとか、あるいは重度に変更された方、あるいは軽度に変更された方が従来に比べてどのように変わったのかというののデータを私ども今集計中でございまして、七月ぐらいには今政務官の方からお答えした検証会議でデータをお示しできるんではないかというふうに思っているところでございます。
#128
○水戸将史君 いや、だから、具体的にその検証期間をじゃいつからいつまでやったんですか、検証期間というのは、具体的に。
#129
○政府参考人(宮島俊彦君) 検証期間というよりは、その四月のデータを基に検証委員会で検討をいただくという段取りを考えているところでございますので、この経過措置がいつまで続くかということについてはまだ現在のところ決まっていないと、そういうことでございます。
#130
○水戸将史君 それは後から聞こうと思ったんです。
 四月中の一か月間の検証期間でやるということですね。そうですね。四月の一か月間でいろいろと、現場のどういうふうにして不満があるのか等々ですね。旧基準と新基準の比較をするということでございますが、実際、新規受付に関しては、もう既にこれは新基準でやっているんですね、新規の場合はですよ。いわゆる従来認定されている方々が継続されるとか更新する場合に認定を受ける場合は、これは旧基準でもいいという、今そういう形で経過措置とっているんですけれども、いわゆる今現時点においては、更新だろうが新規だろうが同じ基準でやるのが普通じゃないですか。それをこういうふうに経過措置するのだったら不平等という声が当然あるんですけれども、それについてはどう思われます。
#131
○大臣政務官(金子善次郎君) 基本的には、新規の認定についてはあくまでも新しい基準に基づいて判定を行っていくと、こういうことになっているわけでございまして、これまでの旧基準で判定された人に対しましては、あくまでもこの経過的な期間のみこのいわゆる検討会におきまして検証すると、その結果に基づいて最終的には判断されるわけですが、新しく申請される場合につきましてはあくまでも新基準で行うと、こういう方針で臨んでおります。
#132
○水戸将史君 だから、それは不平等でいろいろと問題があるんじゃないですかという話をしているんです。それについてどう思われているんですか。
#133
○大臣政務官(金子善次郎君) 必ずしも不平等ということでは当たらないんではないかと思いますが。
 実際のところ、モデル事業あるいは研究事業でも我々の段階で検証した結果として新基準を採用したわけでございますけれども、従来より重度に判定された人でも一七%、軽度になった者が二〇%とか、これはモデル事業です。それから、研究事業では、従来より重度に判定された二一%、軽度というのは一一%とか、そういう数字が出ておりますが、そういうことに基づきまして見直しを図っているわけですが、必ずしもその見直しによって従来より軽度に判定されているということではないわけでございまして、ただ、いろいろ利用者の間に不安が生じたというようなことで、それをさらにこの検討会をつくりましてその不安がないようにするという趣旨でございまして、新規の者につきましてはあくまでも新基準で臨んでいくと、そういう方針でございます。
#134
○水戸将史君 いや、不安じゃなくて不満なんですよ。現場は不満が充満しているんです。不安という言い方はちょっと私は当たらないと思うんですけれども。
 非常に二重的なこれ基準なんですね。これは経過措置といっても、だったら旧基準でずっと経過措置で全体対象にすりゃいいんですよ。新しく新規の人は新しい基準で、古い人は不満があるんだったら昔の基準でいいよと。何かやっていることがまちまちというか、先ほど言った朝令暮改的なことをやっているわけですね。
 実際この経過措置も、経過措置といいながら一体いつまでの経過措置かというのは、先ほど若干お答えになりましたけれども、これどうするんですか、これから。
#135
○大臣政務官(金子善次郎君) できるだけ早くということで進めているわけでございますが、ただ、新規の認定申請をされた方が、例えばその新規認定の介護の度合いと実際の状態が合わないという、利用者御自身が判断された場合は、区分変更の申請手続を起こすことができます。また、審査請求という不服申立ての制度もございますので、もしも実態に合わないんじゃないかというふうに御自身が、利用者がお考えになった場合には、そういう方を救済するというこういう手段も設けているわけでございまして、そういう制度を活用していただきたいと、このように考えております。
#136
○水戸将史君 それは厚労省側の逃げの一手なんですよ。審査請求をしてくださいなんという、そんなもう面倒くさいというか、一々、これで不満があるんだったら、新基準に不満があるんだったら新規の認定者は審査請求の手続を踏んでくださいって、そういうことを、そういういわゆる受皿もありますよという言い方が、非常に僕はこれはますます現場の不満と混乱を生じるもとになってきていると思います。
 ですから、認定に関して、やっぱり速やかにというか、もちろん検証して、また好ましいスタイルにベターな方策を考えるんでしょうけれども、やっぱりこれは、経過措置は極力短めにしてきっちりとした対応をしていただきたいということを強く要望したいと思っております。
 介護報酬に関しましても、この四月から介護人材を確保するということで、非常に現場の介護の世話をしてくださる方々に対する報酬が今まで低過ぎるんじゃないかということで非常に現場離れがあったと、それに拍車が掛かってきて、なかなか介護職員の人材確保もままならないというような今までの経過がございました。そういう形で、昨年のいわゆる経済対策、生活支援対策の一環として介護報酬を月二万円アップしていこうという形で、昨年の第二次補正でもこれが一千百億円以上の、一千百五十四億円のものが予算として計上されて、ゴーしているんですね。
 でも、実際、御案内のとおり、ふたを開けてみれば、二万円アップする予定であったものが五千円程度しかアップしていなかったということで、また付け焼き刃的に、言い方は悪いんですけれども、この補正予算におきましてもまた新たに四千億円弱、三千九百七十五億円ですけれども、今回の補正でもこれは上積みをしたんですね。何とかこれで五千円プラス一万五千円、合計二万円、介護人材の確保のためにこうした報酬のアップにしていこうということをつじつま合わせ的にやったんですね。
 実際、ここに関しまして何点かお伺いしたいんですけれども、まず、去年の十一月の段階でこう予算を組んでやっていこうといったときに、舛添大臣も、これで三%部分、いわゆる二万円のアップに資するという、胸を張っておっしゃっていたんですけれども、実際には今言ったように五千円程度しかアップできなかったと、アップしなかったということなんですけれども、その原因はいろいろと言い訳はしているわけですね。いろんな議事録を見てみましても、いろんな要因があって、直接的にすべてのお金が介護職員の報酬アップにつながらなかったという言い方はしているんですけれども、当初からそういうことを予想していたんですか、この予算を組んだときに。
#137
○政府参考人(宮島俊彦君) 私ども、このプラス三・〇%の改定ということで昨年の生活対策で決められたわけですが、その金額、プラス三・〇%の改定金額というのは、お金にしますと二千三百億円でございます。これを、介護職員というのは常勤換算で八十万人おるわけですが、この八十万人に月額二万円を配るために必要な経費というのは千九百億円ということで、二千三百億円がその千九百億円を上回っているわけですので、なるべくこの二千三百億円を介護職員の報酬に回していただきたいというようなことで申し出たというようなわけでございます。
 ただ、今委員の御指摘のとおりでございまして、実際には介護の報酬に回るかどうかというのは、それぞれの事業主の経営状況、それからこれまでの賃金の形成の在り方等々に影響されるということでございまして、必ずしもこの介護報酬はすべて賃金に回さなければならないという性格のものではないので、そのようなことにはなっていないというような話を今聞いているところでございます。
#138
○水戸将史君 ちょっとよく分からない答弁なんですが、結局、昨年の第二次補正で千百五十四億円、これ基金として設置して処遇改善の名目でこれ計上しているわけですね、昨年の第二次補正で千百五十四億円。だから、その気になればというか、元々そのためにこの予算を計上して拠出をしているわけでありますから、当然そういう形で行政からも各現場に対して、これはあくまでも介護従事者、介護職員の処遇改善だという形で、そういう形で使ってくださいということを徹底しなかったんですか。
#139
○政府参考人(宮島俊彦君) 今の千百五十四億は、これは介護報酬三%アップしますと市町村の保険料が上がってしまうので、その保険料の上昇分を半分抑えるための基金の経費でございます。
 介護報酬三%アップに掛かった経費は二千三百億円でございますが、これは介護報酬改定ということで、各事業者の収入になるようにお配りするというようなことで改定を行ったわけで、その改定の中では、例えば介護福祉士が多い事業所にはより多くの介護収入が行くようにとか、あるいは常勤職員が多いところには介護収入が多くなるようにとか、そういういろいろな手だてでなるべく介護職員の処遇改善を図っていただきたいということで事業者の方にお願いしたわけでございますが、介護報酬はあくまでこれは事業の運営全体に係る経費に対する報酬ということになっておりますので、個別の事業者が、それじゃ自分の経営状況を見てどれだけ賃金の改善に回せるんだということは、私どもお願いはしておりますが、そこは個々の事業者の判断になるということでございます。
#140
○水戸将史君 今般のこの補正予算で三千九百七十五億円、これ上乗せしたんですね。先ほど言ったように、五千円程度しか上がらなかったから一万五千円を上乗せしようと、いわゆる当初の二万円アップということを目指してやる。三千九百七十五億円、これ、介護職員の処遇改善という名目でこれは計上されているんですが、これも同様のことですか、これも要するに処遇改善で使われない可能性もあるということを言いたいんですか。
#141
○政府参考人(宮島俊彦君) 今回の介護職員処遇改善交付金は、これは介護報酬ということではなくて、各事業所にいる介護職員数に、ありていに言えば一人頭一万五千円を掛けた分をお配りするような形で交付率を決めてやるということで、これは介護報酬と別の補助金ということでございますので、これはやはり介護職員の賃金改善を行うことを含む処遇改善計画を各事業者から出してもらって、その賃金を上げますよという改善計画がなければ差し上げないというようなことですので、これは必ずそういう処遇改善に充当されるという性格のものでございます。
#142
○水戸将史君 これ、三年間なんですね、三年間でこれ、まあ平たく言えば二年半なんですけれども、二年半、約三年間の中で三千九百七十五億円を基金として取り崩していくというんです。じゃ三年後、まあ四年後となるんですか、これになると補助金がなくなっちゃうと、これまた一万五千円下がるんですか。これ、どうなるんですか。
#143
○大臣政務官(金子善次郎君) 三年後のお話でございますが、今般の交付金につきましてはただいま局長から御答弁申し上げたとおりでございますが、基本的には三年単位で介護報酬も見直していくということでございまして、平成二十一年から二十三年度が第四期の介護保険事業計画の期間中と。この手当てを行うということでございます、この度の制度は。
 三年後についての御指摘でございますが、これは介護職員の処遇の改善状況等も見ながら、介護報酬を始め介護保険制度の在り方全体の中で検討をしていくこととしているところでございます。
#144
○水戸将史君 もう我々も、民主党も、本当に最初の第二次補正のときに三%部分、一人当たり二万円を上げるんだというその予算を計上したときも、それじゃ足りないというふうにして、我々自身も人材確保法というのを、介護労働者のこういう法案も出しているんです。我々の言っていることがもうまさに的中したわけでございまして、それを穴埋めするためにまた改めて今回補正では四千億円近いものを上積みしたんですね。非常に僕は政府、厚生労働省の失態だと思っておりますが。
 そもそも、この介護職員の方々の報酬体系について非常にこの算出根拠があいまいなんですね。現場に聞いても、何でこんな介護職員の報酬体系なんだろうということで、いろんな形で不満とか批判があるんですけれども、これ賃金体系はどういう形でなっているのかという、その辺のそちらの算出根拠もあるだろうけれども、これ非常に分かりづらいというか、全然それは開示していないんですね。私は、やはりこういう介護職員のこの報酬体系どうなっているのかということをこれやはり明らかにしてもらいたいと思います。
 実際、どうなんですか、普通は大体、大卒とか高卒とかいろんな形で生涯賃金とか、まあそういう生涯賃金があって、その中で例えばこの何年間はこういう形でこういう報酬体系になっていくよという、そういう形でこの介護職員の報酬体系というのは決めていないんですか。
#145
○政府参考人(宮島俊彦君) 介護職員は、これは国家公務員とか、そういう公務というかそういうものに属している者ではありませんので、国や自治体がこの賃金体系というか、そういうものを決めているというものではありません。事業主体も社会福祉法人、医療法人、それから株式会社、NPO法人等、多々ございます。それから、大きなところもございますが、本当に十人未満の零細でやっている事業者もございます。
 概して言いますると、介護職員、男性も女性も二十万少しぐらいの常勤で月収というようなことになっておりますが、問題は、だんだん年齢が上がるにつれて上がっていくかというと、そこは上がっていかないと。それから、割と短い期間で離職してしまうような傾向があるということで、このキャリアパスというか、この賃金体系をどういうふうに構築していくかというのがこれからの課題だというふうに受け止めているところでございます。
#146
○水戸将史君 もう時間になりました。最後に一点だけ。要するに、賃金体系についてはもうちょっと積算、算出根拠を明確にしてもらいたいんですよ。今言ったように総合的に、その人の一生のあれですからね、そういう形で全体的なことをちゃんとした形で出していただいて、それも落ち着いた形でやはりこの人材の確保を図っていただきたいということを強く要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#147
○喜納昌吉君 最初に、日米間の密約について質問します。
 東京地裁の杉原裁判長は、六月十六日、一九七二年の沖縄施政権返還に伴い日米間で交わされた密約文書をめぐる情報公開訴訟の第一回口頭弁論で、文書を保有していないという主張をする国側、つまり政府、外務省に対し、その理由を合理的に説明する必要があると指摘した上で、次回口頭弁論までに回答するよう要求しました。
 外務大臣、杉原裁判長からこのような要求が出たことをどう受け止めていますか。
#148
○国務大臣(中曽根弘文君) 六月の十六日に、本年三月に国を被告として提起をされました情報公開に関する行政事件訴訟の第一回口頭弁論が東京地裁で行われました。
 本件情報公開請求に対する不存在による不開示決定は、情報公開法に基づき適切に判断して行ったものでございます。本件は訴訟係属中でございまして、詳細についてはコメントを差し控えたいと思いますが、裁判の場におきましても、政府の立場をしっかりと説明をし、適切に対応していきたいと考えております。
#149
○喜納昌吉君 今のお答えは、要求に正面からこたえるということですか。
#150
○委員長(山下栄一君) もう一回、喜納さん、お願いします。
#151
○喜納昌吉君 今の答弁というのは、その裁判長の問いに対して正面からこたえるというお気持ちですか。
#152
○国務大臣(中曽根弘文君) 今御答弁申し上げましたけれども、この訴訟の、係属中でございますので、詳細につきましてはコメントを差し控えたいと思いますけれども、私どもといたしましては、裁判の場におきましても、これはしっかりと政府の立場を御説明をして、適切に対応していきたいと、そういうふうに思っているところでございます。
#153
○喜納昌吉君 言っていることがはっきり分からないんですけれども。
 密約があった当時の交渉責任者、吉野文六元外務省アメリカ局長は、沖縄の施政権返還の見返りに本来米国が支払うべき土地の復元費用を日本が肩代わりしたという密約があった事実を二〇〇六年に認めています。杉原裁判長は国側に対し、吉野氏を証人として法廷に招くよう原告側に促しました。
 もう一つ、別の密約問題で質問します。
 共同通信が五月三十一日にスクープし、東京新聞などが六月一日に報じた記事があります。一九六〇年の日米安保条約改定に際し、核兵器を積んだ米軍艦船、航空機の日本立ち寄りを黙認することで合意した核持込みに関する密約を外務事務次官ら外務省中枢官僚たちが引き継いで管理し、官僚側の判断で橋本龍太郎、小渕恵三ら一部の首相や外相にだけ伝えていたことが四人の次官経験者の共同通信への証言で明らかになっております。
 政府の長年の主張を覆す証言になっているんですね。非核三原則を国是とする政府が、有権者、国民を長年だまし続けたことになるわけなんですけれども、外務大臣、元次官たちの証言をどう受け止めているのか、よろしくお願いします。
#154
○国務大臣(中曽根弘文君) 最初の御質問でございますけれども、沖縄返還国会の当時から歴代の外務大臣が一貫して繰り返して御説明申し上げておりますとおり、沖縄返還に際しましてのこの支払に関する日米間の合意は沖縄返還協定がすべてでございまして、密約は一切存在しないわけでございます。先ほど、不存在による不開示と、そういうふうに申し上げましたけれども、これまで累次の機会に関連すると思われるファイルを調査いたしましたが、密約の存在を示す文書は見付かっていないところでございます。
 なおまた、外務次官経験者などによります密約の存在についてのお話がありましたけれども、御指摘の発言そのものにつきましては承知をいたしておりますけれども、政府といたしまして一個人の著述、発言等について云々することは適当でないと考えておりますが、米軍によります我が国への核持込みは、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文、いわゆる岸・ハーター交換公文でございますけれども、これにおける事前協議の対象となっているわけでございまして、米国政府から我が国政府に対しまして事前協議の申入れが今まで行われたことはございません。米国政府も、最高レベルを含めまして、我が国の立場、関心を十二分に理解をしているということで、我が国政府といたしましては、そういう核持込みの事前協議がない以上、核持込みがないことについて全く疑いを有していないところでございます。
 また、政府が従来から申し上げておりますとおり、御指摘のような密約は存在しないわけでありまして、先ほど申し上げましたけれども、この点につきましては、歴代の総理大臣及び外務大臣がかかる密約の存在を明確に否定をしているところでございます。
#155
○喜納昌吉君 官僚の秘密主義に政府首脳が丸め込まれているというのが我々の感覚なんですね。もしそうであるなら、国が非常に誤った方向に導かれている実態があるんですね。
 もしそうでないということを大臣おっしゃるならば、この元の官僚、事務次官なんかは非常に、単なるうそを述べているということなんですか。よろしくお願いします。
#156
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほども申し上げましたけれども、政府といたしましては、これはもう繰り返しになりますけれども、御指摘のような密約は存在しないと、そういうことでございますので、事務次官の発言につきましては、私どもが一々云々することは適当でないと考えております。
#157
○喜納昌吉君 大臣に、それでは西松事件についてちょっと質問します。
 大臣に確認したいんですが、五月二十九日、ニューヨーク・タイムズは、東京新聞が小沢代表代行と同様の献金を受けていた自民党議員の調査報道をしたことで検察から三週間の出入り禁止処分を受けていたことを報じています。法務大臣、これは事実ですか。
#158
○国務大臣(森英介君) 特定の新聞における個別の記事について、法務大臣としてコメントすることはございません。
 あくまで一般論として申し上げれば、検察当局は事件報道の重要性を深く理解し、報道機関の報道の自由を十分に尊重していると考えております。
#159
○喜納昌吉君 報道の自由を尊重している、これは私から見ると言論の統制という感がするんですけれども、大臣は本当にそう思っているんですか。法務大臣。
#160
○委員長(山下栄一君) もう一度、済みません、喜納さん、お願いします。
#161
○喜納昌吉君 言論の尊重という言葉をお使いになったんですけれども、私から見れば言論の統制に感じるんですけれども、大臣はそう思っているんですか、本当に。
#162
○国務大臣(森英介君) それは主観の相違でありまして、私は全く言論を尊重しているものと思っております。
#163
○喜納昌吉君 次に、西松建設ダミー団体経由で自民党所属の二階俊博経済産業相のパーティー券を大量に購入した問題について質問します。
 東京地検は、さきに政治資金規正法違反を問うには嫌疑不十分として不起訴処分にしたんですね。その結果、世論が不公平だと反発したことは記憶に新しいところです。
 検察審議会は、六月十六日付けで二階派について不起訴不当を議決しました。法務大臣、この議決をどう受け止めていますか。
#164
○国務大臣(森英介君) 委員のおっしゃった検察審議会は恐らく検察審査会のことだろうと思いますけれども、六月十六日付けで検察審査会がお尋ねの事件につきまして起訴相当あるいは不起訴不当の議決をしたということは承知をいたしております。
 個別の事件における検察審査会の議決について、法務大臣としてコメントすることは差し控えさせていただきます。
 なお、検察当局においては、議決を踏まえ適切に対処するものと承知をいたしております。
#165
○喜納昌吉君 いつもそういう同じ返答になるんですけれどもね。
 民主党が設置した政治資金問題三者委員会の報告書には、今回の事件に関し、法務大臣は、高度の政治的配慮から指揮権を発動し、検察官の権限行使を差し止め、あえて国民の判断にゆだねるという選択肢もあり得たと考えられるとありますが、この指摘について法務大臣の見解を聞かせてください。
#166
○国務大臣(森英介君) 今御指摘のありました政治資金問題を巡る政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会の報告書に御指摘のような記載があることは承知をいたしております。
 しかし、私は、検察権が行政権に属することによる法務大臣の責任と、検察権が司法権と密接不可分な関係にあって、司法権の独立を確保し刑事司法の公正を期するために検察権の独立が要請されることとの調和を図るという検察庁法第十四条の意義をしっかりと受け止め、検察当局に全幅の信頼を置いて、個別の事件の捜査や処理について検察の捜査に不当な制約を加えるような指揮権の行使は毛頭考えておりません。
 それどころか、御指摘のような高度な政治的配慮に基づく指揮権の行使は検察権の独立を損ない、検察権行使に対する政治的介入につながりかねないおそれがあり、全く不適当であるというふうに思っております。
#167
○喜納昌吉君 それじゃ、大臣は、大臣が持っている権限である指揮権を放棄しておるということなんですか、大臣。
#168
○国務大臣(森英介君) 今お答え申し上げたとおりで、そんなことは申し上げておりません。
#169
○喜納昌吉君 なぜ私がそういうことを質問するかといいますと、軍隊を統制するために我々はシビリアンコントロールがあるんですね。それは重要だと思っているんですね。同時に、検察機構を統制させるためのシビリアンコントロールも私たちは必要だと思っているんですね。だから、そういう意味での指揮権というものは、大臣の客観性というものが非常に試されるという私はものだと思っているんですけれども、どうですか、法務大臣。
#170
○国務大臣(森英介君) 最初に申し上げているとおり、検察はあくまでも厳正公平、不偏不党を旨として、その捜査の対象がだれであっても、刑事事件として取り上げるべきものがあればこれに適切に対処しているものと思っております。また、検察当局において、政局に影響を与えようとするなどの政治的意図を持って捜査を行うことはあり得ないと確信をしております。
 もちろん、法務大臣が検事総長を指揮するということは、法務大臣のその責任として確保されているわけでございますけれども、それを行使するしないは、もちろん十分な節度を持ってするべきであって、少なくとも現下において私が指揮権を行使しようということは、一切考えたことはありません。
#171
○喜納昌吉君 一番強制執行権は持っていますが、検察がね。検察審議会というのはその後の審議会ですから、ちょっとあるんですけれども、その以前の、もし軍隊がちょっと暴走を起こすとか、検察が暴走を起こしたときのその一つの在り方として僕は指揮権があると思っているんですね。だから、その意味でも一つ、そういう観点から質問しているので、今回のことに関してという問題ではないんですね。まあまあ、それはさておいて。
 憲法四十一条は、国会は国権の最高機関であると定めています。衆議院議員を選ぶ総選挙は、有権者、国民にとっても国権にとっても最も重要な政治的行事です。その総選挙の行方を左右するような出来事をつくり出すことは、国会の下位にあるいかなる権力機関もしてはならないという、これは四十一条の精神から明らかなんですね。
 法務大臣、国会と検察庁との権力上の位置関係をどうとらえているのか。
#172
○国務大臣(森英介君) それは、今申し上げましたとおり、検察当局においては、常に法と証拠に基づいて、厳正公平、不偏不党を旨として、その捜査の対象がどなたであれ、刑事事件として取り上げるべきものがあればこれに適切に対処しているものと理解をしておりまして、それは十分にそういったもろもろの根拠に基づいた上でのことでございますので、私はそのことについて全幅の信頼を置いているところでございます。
#173
○喜納昌吉君 これ、今は全幅の信頼の問題ではないんですね。この法的な解釈でどちらの方が上なのかと言っているんですね、この国会と検察庁と権力上の位置関係を、それを聞いているんです。
#174
○委員長(山下栄一君) 喜納君に申し上げますが、喜納君の御主張を先ほどから繰り返されていますけれども、大臣は大臣のお立場で明快に答えていると思うんですが、その大臣のお立場を超えた御答弁をお聞きですか。
#175
○喜納昌吉君 ちょっと待ってください。いいですか、委員長。
#176
○委員長(山下栄一君) じゃ喜納君、どうぞ。
#177
○喜納昌吉君 これは大臣の個人的な心腹の問題ではないんですね。これ、ただ、憲法四十一条に沿って大臣はどうお考えですかと聞いているんです。国会は国権の最高機関であるとうたっているんです、これ、憲法四十一条で。そういう中で、要は、国会と検察庁との権力上の位置関係をどうとらえているんですかという、法務大臣に聞いているんです、私は。よろしく。
#178
○国務大臣(森英介君) ちょっといま一つ御質問の趣旨が分かりかねますけれども、国会は国権の最高機関でありますけれども、同時に三権分立の重要性というのもこれは大切にしなきゃなりません。
#179
○喜納昌吉君 いや、だから、三権分立というのを本当に権衡的に運営するためには、本当にこの国に三権分立が機能していることを考えなくちゃいけないですね。そうであるならば、検察という行政であるならば、もうちょっとその国会の運営に関しては配慮すべきではないですか、これは、選挙であるとか。そういうことを私は大臣に聞いているんです、これは。
#180
○国務大臣(森英介君) 私は、今委員長がいみじくも御指摘いただいたように、私の立場できちんと答弁をしております。委員の御発言を聞いておりますと、あたかも私に指揮権を行使しろということを要請されているように聞こえますが、そうなのでございましょうか。
#181
○喜納昌吉君 私が質問を受けてしまって、ちょっと困っているんですけれども。
 とにかく、要は、一番強制執行権を持っている検察という組織が、ある暴走をしたり、違法行為をして不正をしたときのチェック機関は必要だという考え方あります、それならば、大臣。
#182
○国務大臣(森英介君) 繰り返し申し上げますけれども、私は現時点において検察に全幅の信頼を置いております。
#183
○喜納昌吉君 私も検察を非常に信頼しているんですよ。ただ、日本に民主主義が本当に機能しているかということを今確認しながら私は質問しました。是非、次はこの辺を準備して私の質問にお答えしてくださればと思っています。よろしくお願いします。
 いいです、それじゃ、もう。どうもありがとう。
#184
○武内則男君 民主党・新緑風会・国民新・日本の武内則男です。本日は、御質問の時間をいただきましてありがとうございます。
 また、西川社長におかれましては、午前午後それぞれ取締役会もある中で、大変お忙しい中を当委員会へ御出席をいただきましたこと、ありがとうございます。本当にお疲れさまです。
 日本郵政の社長人事についてお伺いをしたいというふうに思いますが、質問に入る前に、若干今の郵政の現状について、この間の出来事を検証をしながら御質問したいというふうに思います。
 平成十九年十月一日から郵政民営化がスタートをいたしました。民営化の是非を問うた平成十七年、二〇〇五年の総選挙のときに、当時の小泉総理や竹中郵政民営化担当大臣は、郵政を民営化すれば郵便局のサービスは良くなる、経済活性化につながるとまでおっしゃいました。ところが、現状はどうでしょう。簡易郵便局の多くが閉鎖に追い込まれ、集配郵便局の統廃合によって、毎日毎朝届いていた郵便物が夕方あるいは次の日まで届けられない、あるいは不在通知郵便物をこれまでは近くの旧集配特定局まで歩いて取りに行けたのに、統廃合された集配センターまで車で取りに行かなければならなくなった、また、分社化によってマネーレタックスはできなくなった等々、聞こえてくるのは郵便局のサービスは悪くなったとの声ばかりです。
 私は、郵政民営化もそうですが、構造改革という何か本当に国民の耳触りにいい言葉の下で、地方あるいは地域のコミュニティーがめちゃくちゃに破壊をされ、日本の大切な伝統文化がどんどんどんどん壊されている現状をこの国会に、国政に身を置く者として大変憂えております。
 この郵政民営化の問題については、昨年の九月十六日に、我が党と国民新党との間で三項目にわたる郵政事業の抜本見直しを行うことで合意をいたしました。来る総選挙でしっかり政権交代を果たして速やかに実行していかなければならない、そのように思っております。
 私は、今回のかんぽの宿オリックス譲渡を皮切りに、障害者団体向け郵便物料金割引制度悪用事件、日本トラスティ・サービスのオリックス株式買い支え疑惑、三井住友社宅提供の問題等々、数々の問題発覚による日本郵政社長人事については、郵政民営化の見直しとははっきり分けて考えなければならないというふうに認識をしています。
 今の日本郵政の現状は、国家国有の資産を心ない一部の者が何か自分のものであるかのように利益誘導しているように思えてなりません。多くの国民が、疑惑に満ちた西川社長や横山専務を筆頭とするチーム西川と呼ばれる人たちが占領しているかのごとく見て取れる現在の日本郵政に対して、ノーの意思表示を示されています。
 鳩山総務大臣は本当に頑張っていらっしゃったというふうに思います。日本郵政の様々な疑惑を国民の前に明らかにしたのは、一月の六日夜の鳩山前大臣の会見でありました。なぜオリックスなのか、なぜ百九億円なのか、なぜ今の時期なのか、国民の多くが疑問を抱き、その声に呼応するように、鳩山前大臣は疑惑解明に向けて報告徴求、あるいは業務改善命令等、担当大臣として毅然と対応をしてこられました。我々は野党の立場でありますが、こうした疑惑解明に努力される姿勢を高く評価をしておりました。
 この社会問題となったかんぽの宿オリックス譲渡について国会、マスコミ等で多くの議論がされてきましたが、いまだに国民の多くは納得をしていません。その中で、鳩山前総務大臣は、西川社長の続投は認められないとのごく当たり前の判断をされたのだと思います。
 ところが、この判断に元総務大臣の竹中氏やあるいは自民党の菅選対副本部長が横やりを入れたとの報道がなされています。竹中元総務大臣は民間のやることに政治家が介入してはならないと何か正論っぽいことをしゃべっておられますが、何の権限もないこういった人が官邸に横やりを入れること自体がよっぽど悪質極まりない政治介入ではないかというふうに思います。
 去る六月十二日、混乱を生じたような印象を与えたことは甚だ遺憾だとして、麻生総理は鳩山総務大臣を更迭をされました。しかし、この対応に国民の八割は、麻生総理の判断はおかしい、西川社長は辞めるべきだとの判断を示されています。その週末行われた世論調査で、麻生内閣支持率は朝日新聞が一九、毎日新聞も一九、共同通信が一七・五%と急落をしております。
 六月十七日に行われた党首討論で、民主党の鳩山代表は、我々が政権を奪取した暁には西川社長にはお辞めいただくと、今の日本郵政の疑惑を国民のために徹底的に追及していく姿勢を明らかにしております。
 また、去る五月十五日に、社民党さん、そして国民新党さんと一緒に西川社長を東京地検に刑事告発をし、五月二十七日、正式に受理していただいたところです。
 今の日本郵政の利益誘導とも取れる実態について、国民は全く信頼をしておりません。郵政事業が開始をされて百三十八年が経過をしておりますが、郵便局の信頼がここまで失墜をしたことはなかったのではないかというふうに考えます。全く残念で仕方ありません。この一連の問題について我々は、佐藤総務大臣と日本郵政は国民に対してきちんとした説明責任を果たすべきだ、そのことを強く要望をしておきます。
 また、とても残念なことに、佐藤総務大臣は六月の二十二日の月曜日夕方に、西川社長から自らの減給処分等の報告を受け、西川社長続投を了承されました。国民の麻生内閣、佐藤総務大臣に対する失望感が広がったというふうに思います。佐藤総務大臣は、再任をするための説明責任を果たさなければなりません。私は、国民は絶対にそうした説明責任をきちっと納得のする説明がない限り国民はそのことを許さないというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
#185
○国務大臣(佐藤勉君) 今先生からお話しをいただきました。正式には今日、改善命令の回答が出てまいりまして、その回答をもって正式に判断をさせていただくということになりますが、御趣旨を踏まえてしっかりと、国民の皆様に分かるようなこと等々を私どもとしてはしっかりと表してまいりたいというふうに思っております。
#186
○武内則男君 いや、それはしかし、確かにこれまで業務改善命令を出したと、それが返ってきてその中を精査した上で正式に判断するというのは、それはそれでいいですよ。しかし、二十二日にあなたは既にそのことを認めているんです。そして、二十二日の夜から二十三日の各種報道機関やマスコミ等の新聞でもしっかり出ています。西川氏に近い四人の幹部が退官し、かんぽの宿の売却選定に関与した担当部長一人を配置転換する方針も示されている。あるいは、そうした三〇%の処分をもってそのことを了承した等々、そのことが既にマスコミで、各種新聞報道で発表になっているんですよね。これは、通常国民から見たときには、正式に発表されるのは、それは出てきた後、それでいいんですが、続投するということをあなたは既に判断しているんですから、それに対して今日きちっと説明してください。
#187
○国務大臣(佐藤勉君) 今回の判断につきましては、日本郵政がかんぽの宿等をめぐる一連の指摘に関しまして、反省の上に立ちということで、先ほど申し上げましたように、その改善命令に対しての責任をもって実施するということが二十二日の日に前もって私どもに連絡がございました。その連絡を踏まえて、前々から申し上げておりますように、財務大臣、そして官房長官にお話をし、そして総理に御報告をし、了解をいただいた後、正式には本日の夕方にその正式な回答をさせていただくという、回答をいただいた上の御判断を私どもするということで、前もっていただいたものに対しましてその判断をまず仰いだということでございまして、正式には今日の夕方に御回答するということになっております。
#188
○武内則男君 じゃ、こうして取材を受けて、取材の中でも、日経新聞の中でもこう答えています。記者団から続投を認めるのかと問われたら、一応、そういうことですというふうに続投について認められていますよね。二十二日の段階で社長とお会いになって、いわゆる業務改善命令に対する答申を、答えをいただく骨格を説明されたんだというふうに思います。
 いずれの報道を見てみても、それだけではなくて、自らこの間のかんぽの宿等の今回の改善命令に対して役員の報酬を返上をするという、そういう措置をとるということが明示をされて、そのことを受けて大臣は続投を総理や官邸、そうしたところと相談をして続投を容認をした、認めたというふうにしか取れないんですが、もう少し詳しくきちっとした説明をしてください。
#189
○国務大臣(佐藤勉君) 今申し上げましたように、私といたしましては、その報告書の細部にわたりましては事務局に検討させ、基本線を了承したということでございまして、正式には今日受け取ってそれを了承するという形を取っていくということでございます。
#190
○武内則男君 そうすると、報道機関が取材で続投を認めたということですかということに対して、そうですというふうに答えたのは、これは間違いということですか。
#191
○国務大臣(佐藤勉君) 今申し上げましたように、その基本線を了承するということでございまして、正式には今日、何回も申し上げますが、了承するということになります。
#192
○武内則男君 大臣、どうも私は、この間の一連の、一月六日、郵政が民営化され、二〇〇五年の選挙は別にしても、郵政の民営化の是非が問われた選挙が経過をして郵政民営化が実施をされました。多くの附帯決議がされて、そして、ユニバーサルサービスは低下をさせないし、民間になればサービスは良くなります、経済効果も上がります、そして選挙を経て、そして郵政民営化法が成立をして、この間公社を解散し、二〇〇七年の十月、郵政民営化が正式にスタートしたわけです。
 今年に入ってからのいろんなこともお話もさせてもらいましたし、これまで何度となく業務改善命令が出されていますし、いろんなことがあってますから、そうしたことの経過を踏まえて、月曜日にその業務改善命令の基本線のようなものが説明をされて、その説明を、基本線を了承した。そのことでいいですかということで官邸とも相談をして、最終的には業務改善命令のすべてが出そろう今日、出そろった段階で中身を精査して正式に決断をするということですか、じゃ。
#193
○国務大臣(佐藤勉君) おっしゃるとおりでございます。
#194
○武内則男君 ということであれば、私は、各報道機関を含めてしっかりこの取材に対する内容について是非精査をしていっていただきたいし、そうではないということを、大臣自らが記者会見を開くなりして、これでは違います、これはということを正式に表明しないと、国民は報道を見、そしてこの新聞、マスコミのニュースを見て、それで既に動いているんですから、そういうふうに皆さん取っていますから、違うのであればきちっとした筋を通してください。そのことを要請しておきます。
#195
○国務大臣(佐藤勉君) おっしゃるとおり、御趣旨はよく分かりましたので、そのとおりにさせていただきたいというふうに思います。
#196
○武内則男君 そうしたら、私はどう見ても、私も総務委員会に所属をしておりますから、この間ずっと郵政問題については鳩山総務大臣の下で審議をずっとしてまいりましたし、各委員の皆さんが必死になってやっぱり日本郵政の将来のために、日本郵政がこうあるべきだというところを含めて、改善すべき点についてきちっとした掘り下げた議論を国会の委員会の中でされてきた事実をこの目で見てきております。
 改めて、少し個別の問題、昨日の財金と少しダブるかも分かりませんが、御容赦いただいて、少し個別の問題で質問をさせていただきたいというふうに思います。
 去る三月十日の予算委員会で社民党の又市議員が質問をされましたが、三井住友社宅提供問題について伺います。
 三井住友から日本郵政に来られている役員は何人いらっしゃいますか。
#197
○参考人(西川善文君) 人数は四名でございます。
#198
○武内則男君 済みません、私が日本郵政グループ五社の役員で社外役員を除いて三井住友の企業グループ出身の役員何人おりますかと言ったら、六名というふうにお伺いをしているんですが、どちらが正しいでしょうか。
#199
○参考人(西川善文君) 銀行を退職いたしまして日本郵政に加わってくれたのは、これは銀行の現役の人間でございましたですから四名でございます。それから、ほかにOBは何名か公募というような格好で来ております。
#200
○武内則男君 そうすると、資料要求でいただいたあれで、退職をして来られた方が四名で、その他、西川社長を含めて二名の方がそのOBというか、そういうことに当たるということの理解でよろしいですか。
#201
○参考人(西川善文君) 私、今、私を含めてOBの人数をしかと頭の中に入れておりませんが、二名ではないと思います。
#202
○武内則男君 そこの人数については資料要求もしていますので、ここをちょっと主に置いてはおりませんので、またの機会にしたいと思うんですが。
 それで、その中でいまだに三井住友の社宅にいらっしゃる人はいますか。いるとすると、毎月の三井住友に支払っている家賃の額について教えてください。
#203
○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 今私がお答え申し上げた四名の退職者、退職して日本郵政に参りました四名のうち一名が銀行の社宅に住まいをいたしております。
#204
○武内則男君 住まわれている役員の方はどなたですか。
#205
○参考人(西川善文君) 横山専務執行役でございます。
#206
○武内則男君 支払っている家賃の方は私も前もってお伺いはしていたんですが、なかなか分からないということなんですが、御本人に確認すれば分かる話なんですが、調べておられませんか。
#207
○参考人(西川善文君) 私自身、家賃が幾らかということは調べておりません、存じません。
#208
○武内則男君 先週の金曜日に通告をして、昨日レクをやらせていただきました。いわゆる日本郵政側としては、なかなか住友のその家賃が幾らになっているのか、社宅が、調べようがないというお話をいただきましたが、御本人に毎月幾ら払っているか聞けば分かる話ですので、できれば是非確認をしていただいて、後ほど御報告をいただければというふうに思います。
 そこで、三月十日の予算委員会において又市議員は、三井住友銀行から日本郵政にお連れになった、今名前の出ました横山現専務等についてですが、みなし公務員になったのに依然銀行の社宅に元の家賃で住んでおられる、これは日本郵政株式会社法違反の収賄ではないかとの指摘をされています。
 三井住友から日本郵政にいらっしゃった方が日本郵政のためでなく三井住友やその関連団体に利益誘導しているかのような印象を国民に与えることは良くないとの指摘なんですが、それに対して西川社長は、横山専務につきましては非常に優秀な人材でございますので日本郵政で採用させていただきまして現在に至っております、社宅につきましては、いずれ三井住友銀行に戻ってほしい人材であるということを踏まえまして三井住友銀行側で決められたことでございまして、日本郵政の執行役であるということを理由として便宜供与を受けているということではございませんという、全く国民世論、一般常識から懸け離れた答弁をされているというふうに言わざるを得ません。
 大臣、この西川社長の答弁をどうお考えになりますか。日本郵政の社長が、幹部について優秀だから三井住友銀行に戻ってほしいというふうにおっしゃっているんです。これは、ある意味本当に問題だというふうに思います。私は、優秀な社員であればずっと日本郵政で、もう退職をして来られているんですから、ずっと日本郵政で頑張ってほしいというふうにおっしゃるのが郵政の社長、トップとしての考えだというふうに、言うべき言葉だというふうに思いますが、本当にどうも社長の言葉を、国会議論を聞いていますと、日本郵政を、郵便局の現場で頑張っている二十万人の職員のことだとか、あるいは国家国有の財産であり、国民生活すなわちユニバーサルサービスを堅持をしていくだとかという考え方に立った経営者とはとても思えないというふうに思いますが、大臣、御所見をお伺いします。
#209
○国務大臣(佐藤勉君) 今名前の出た横山専務執行役の話については、今日正式にお話をいただくことになっておりますけれども、西川社長からは辞める方向にあるというふうに伺っております。
 私としては、先生がおっしゃられるように、国民から見て不透明なことが行われているとの疑いがある以上、速やかにお辞めいただきたいというふうに思いますし、新しいスタッフにより、より良い郵政民営化のための施策を進めていただきたいと考えております。
 もとより、郵政事業は国民にとって重要なサービスであることから、単に優秀な人間であるだけではなく、先生おっしゃられるように、熱意があって、そして民営化をどうする、そして郵便事業をどうするかという熱意が伝わらないようでは私は務まらないというふうに思っておりますので、そんな方向の仕事をしていただきたいというふうに思っております。
#210
○武内則男君 じゃ、もう少し突っ込んでお聞きしたいと思うのでありますが、西川社長はこういうふうにも答弁されています。これらにつきましては、私どもの場合いろんなケースがございますので、それぞれの処遇でありますとかあるいは社宅等についていろんなケースがございますので、よく実態を調査した上で一定のルールを設けてまいりたいと考えているところでございます。これ、三月十日の答弁です。
 この社宅問題については、マスコミやあるいは予算委員会、総務委員会で大問題になりました。あれからもう三か月がたちました。国民の皆さんが納得いくような改善がなされたのかどうか確認をしたいと思いますが、その確認の答弁の中身で御要請したいのは、西川社長の言葉を借りれば、三井住友から非常に優秀な人材として採用されている横山専務等、チーム西川の皆さんはいつ住友銀行にお戻りになるんでしょう。あなたは三井住友銀行へいずれ戻ってほしい人材というふうにおっしゃっています。私も一日も早くお帰りになられたらどうかというふうに思っています。
 西川社長、実質、出向を解消するために、出向という言葉をお使いになっていますから、出向を解消するために三井住友銀行とはどんな協議がなされているのか、あるいはなされたのか。この様々なケースを含めて調査の上、一定のルールを作りたいというふうに三か月前に答弁しておられますから、その内容について詳細に御説明いただきたいと思います。
#211
○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 現在、様々な関係先の意向を確認しつつ、ルールの策定に向けまして先方との協議に着手したところでございます。例えば、社宅の家賃を市場価格、近隣の家賃相場、これによるとか、あるいは社宅を使う期間を一定期間に制限するとか、そういったことも含めてただいま先方と協議をしておるところでございます。
#212
○武内則男君 六月二十九日は株主総会というふうに聞いています。
 国会の審議においてそうしたいろんな疑惑ができ、しかし、いろんなケースがあるので調査をした上で一定のルールを決めたいというふうにおっしゃられました。もう既に三月がたっています。なぜ今に至ってもそういう状況なのか、全く国会における答弁について少し軽く扱われておるんではないかというふうに私自身言わざるを得ないというふうに思っています。
 時間がないので、ちょっと次に行きたいと思いますが、大臣、予算委員会で鳩山前総務大臣は、李下に冠を正さずと私は申し上げているわけでございまして、その横山専務執行役という方は日本郵政のもう中核におられる方で、その方が三井住友銀行の社宅に住んで、家賃を五十万でも払っているんなら別ですが、相当社宅というのは格安の家賃ということは、その差額分はどういうふうに考えられるかということになりますと、もし日本郵政が三井住友グループ関係と何らかの契約を結ぶようなことがあれば、当然、李下に冠を正したんではないかと国民は疑うでありましょうというふうに前総務大臣は答弁をされています。
 しかし、現在、日本郵政の契約先だとかいろんなその額等を散見をすると、三井住友やその関連団体へちょっと偏っていっておるのではないかというふうに見受けられるところもございます。国民の日本郵政への信頼は失墜をしていると言わざるを得ません。いろんな新聞や週刊誌で巨大利権などという言葉が飛び交っておりますが、今週の週刊ポストでも、JPバンクカードの発行について問題となっています。これは一つの例であります。西川社長は共用カードを廃止し、民営化前に四百二十二万枚のシェアを持ったクレディセゾンと提携せずに、シェアわずか〇・二%の三井住友カードと提携をした。その選定にかかわったのが元三井住友カードの宇野ゆうちょ銀行常務取締役である。国会で西川社長は、私は最後に報告を受けた覚えはあるが、最初から一切この選定作業には加わっていないとおっしゃっています。昨日の委員会での、財金委員会と質問ダブりますが、これで間違いありませんか。
#213
○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 確かに、私は最後に報告を受けた覚えがあるけれども、当初からこの選定作業には加わっていないと申し上げました。それはそのとおりでございます。
 ただ、報告の了承をいたしました後、文書上の最終的な決裁は私でございまして、その決裁の点に国会で触れなかったということについては、結果的に誤解を与えることになりました。この点についておわびを申し上げたいと思います。
#214
○武内則男君 それでは、おわびをされたわけなんですが、実は、おわびをされて、済みません、はい、分かりましたとなかなかなりませんので、この稟議書を資料でいただきました。見ると、確かにあなたは報告を受けたのではなくて、しっかり左の上の端で、西川代表取締役社長という名前があって決裁をしています。当然、決裁をしているわけですから、報告を受けたとかということではなくて、それでいいですよというゴーサインの最終判断をあなたはこの決裁でされているんです。そうですよね、それで間違いありませんね。
#215
○参考人(西川善文君) 決裁をいたしました以上は、その内容について了承をしたということでございます。
#216
○武内則男君 記憶にございませんと答弁されたら困るんですが、この稟議書で三井住友カードに契約をするというあなたが決裁をしたときに、この決裁書を含めてその決裁をするに当たっての、これでよしというふうにあなたが判断をし決裁をするに当たって、その決裁の最大の根拠となったのは何ですか。
#217
○参考人(西川善文君) お答えいたします。
 これは八社の企画提案コンペを行いまして、評価者が五名おりましたが、この五名による評価をきちんとやった上で結論を出したものでございます。そこで選ばれたのが三井住友カードとそれからJCBカードでございます。二社でございました。三井住友カードの場合はVISAそしてマスターカード、そしてJCBはJCBカードということでございます。
#218
○武内則男君 前段で申し上げましたが、決裁をするときに、シェアわずか〇・二%の三井住友カードと契約をするのではなくて、ゆうちょ銀行が改めてこうしたバンクカードで新たな事業展開をしていこうとしたときに、通常であればきちっとした大きなシェアを持っているところと契約するというのが、後のコストのことも含めれば私こちらの方が正解だというふうに思うんですが、私の認識は間違っているんでしょうか。
#219
○参考人(米澤友宏君) 今お尋ねにございましたカードにつきましては、共用カードとそれから民営化後新しく行いましたカード、実は性格が大きく異なっております。
 民営化前にやっておりましたのはいわゆる共用カードというものでございます。これは、公社時代に業務の制限がございまして、自分でカードを発行できないというそういう制約の中で、できるだけお客様にサービスを提供しようということで共用カード。この共用カードというのは、言わばそれぞれのクレジットカード会社のカードの上にキャッシュカードの機能が乗っているというもので、それは郵貯のカードというよりはそれぞれのクレジットカード会社のカードでございます。
 我々が今度新しく始めましたJPバンクカード、これはゆうちょ銀行が発行するカード。したがいまして、どういうサービス内容にするかとか、そういうものについてはゆうちょ銀行が決めてお客様にサービスを提供する。そして、それによる収益というのはゆうちょ銀行の収益になると。一方、共用カードの場合は、ゆうちょ銀行には収益は全く入らないということで、全く性格は異なります。
 JPバンクカードで業務委託をいたしましたのは、プロセッシングといいまして、いろいろな事務作業でございますね、これを委託をするということをお願いをしている。したがいまして、今までの共用カードでやっていたものとは全く別種のものを今度お願いをするということでございます。そうした中で、業務委託をあるところに、二社程度に委託をいたしますことがボリュームディスカウント等を生かして我々の利益になると考えたところでございます。
#220
○武内則男君 明確に説明できる資料を提出してください。お願いします。
 最後に、時間参りましたので最後にお二人に、社長と大臣それぞれにお伺いをしたいと思います。大臣、この後記者会見か何かをされてきちっとしたことを、筋を通されるというふうに思うんですが、一つ組織の在り方として、最後質問をしたいと思います。
 今回三〇%の報酬、これは社長、自主返納ですか、それとも処分ですか。
#221
○委員長(山下栄一君) 時間がもう参っておりますので、簡潔な御答弁をお願いいたします。
#222
○参考人(西川善文君) これは自主返納という形を取っておりますが、社内における処分でございます。
#223
○委員長(山下栄一君) もう時間も過ぎております。
#224
○武内則男君 分かりました。済みません。
 処分であれば処分の理由を明らかに是非国民にしていただきたいというふうに思いますし、自分が連れてきた、自分の片腕としてしっかり頑張ってほしい、日本郵政をきちっとしたものにしていきたい、連れてきたその者たちを返して自分が残る。これは、この日本郵政が将来どうあるべきかをやっていこうとするときに、新たな前向きな気持ちが多くの役員や郵政に働く人たちの心の中で生まれることはありません。改めて人事を刷新して、きちっとしたスタートを切られることを要請をして、私の質問を終わります。
#225
○委員長(山下栄一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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