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2009/01/21 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 予算委員会 第4号
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2009/01/21 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 予算委員会 第4号

#1
第171回国会 予算委員会 第4号
平成二十一年一月二十一日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十日
    辞任         補欠選任
     藤本 祐司君     津田弥太郎君
     関口 昌一君     石井みどり君
     山口那津男君     草川 昭三君
     大門実紀史君     山下 芳生君
 一月二十一日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     郡司  彰君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                犬塚 直史君
                小林 正夫君
                前川 清成君
                峰崎 直樹君
                森 ゆうこ君
                岩永 浩美君
                坂本由紀子君
                鶴保 庸介君
                荒木 清寛君
    委 員
                相原久美子君
                石井  一君
                尾立 源幸君
                大石 尚子君
                大河原雅子君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                郡司  彰君
                自見庄三郎君
                下田 敦子君
                鈴木  寛君
                津田弥太郎君
                富岡由紀夫君
                広田  一君
                福山 哲郎君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                蓮   舫君
                石井みどり君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                岩城 光英君
                木村  仁君
               北川イッセイ君
                佐藤 信秋君
                南野知惠子君
                林  芳正君
                山田 俊男君
                山本 一太君
                加藤 修一君
                草川 昭三君
                澤  雄二君
                山下 芳生君
                福島みずほ君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方分
       権改革))    鳩山 邦夫君
       法務大臣     森  英介君
       外務大臣     中曽根弘文君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        中川 昭一君
       文部科学大臣   塩谷  立君
       厚生労働大臣   舛添 要一君
       農林水産大臣   石破  茂君
       経済産業大臣   二階 俊博君
       国土交通大臣   金子 一義君
       環境大臣     斉藤 鉄夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 河村 建夫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     小渕 優子君
   副大臣
       財務副大臣    平田 耕一君
       農林水産副大臣  近藤 基彦君
       経済産業副大臣  吉川 貴盛君
       国土交通副大臣  金子 恭之君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       野村 哲郎君
       環境大臣政務官  古川 禎久君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       土屋 喜久君
       内閣府男女共同
       参画局長     板東久美子君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        山本 和史君
       金融庁総務企画
       局長       内藤 純一君
       金融庁監督局長  三國谷勝範君
       総務大臣官房総
       括審議官     岡崎 浩巳君
       法務省民事局長  倉吉  敬君
       国税庁次長    岡本 佳郎君
       文化庁次長    高塩  至君
       厚生労働省医政
       局長       外口  崇君
       厚生労働省職業
       安定局長     太田 俊明君
       農林水産省農村
       振興局長     吉村  馨君
       経済産業大臣官
       房審議官     石黒 憲彦君
       経済産業省商務
       情報政策局長   近藤 賢二君
       資源エネルギー
       庁長官      石田  徹君
       中小企業庁長官  長谷川榮一君
       国土交通大臣官
       房長       増田 優一君
       環境省地球環境
       局長       寺田 達志君
   参考人
       社団法人日本経
       済団体連合会常
       務理事      川本 裕康君
       日本労働組合総
       連合会事務局長  古賀 伸明君
       学習院大学経済
       学部教授     宮川  努君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十年度一般会計補正予算(第2号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成二十年度政府関係機関補正予算(機第2号
 )(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十年度第二次補正予算三案審査のため、本日の委員会に社団法人日本経済団体連合会常務理事川本裕康君、日本労働組合総連合会事務局長古賀伸明君及び学習院大学経済学部教授宮川努君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(溝手顕正君) 平成二十年度第二次補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、まず、参考人から御意見を聴取した後、質疑を往復方式で百二十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新・日本五十六分、自由民主党三十分、公明党十一分、日本共産党八分、社会民主党・護憲連合八分、改革クラブ八分とすること、また、午後一時三十分からは一般質疑を五十九分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新・日本三十分、自由民主党十五分、公明党五分、日本共産党三分、社会民主党・護憲連合三分、改革クラブ三分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)、平成二十年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題といたします。
 本日は、まず平成二十年度第二次補正予算三案及び福山哲郎君外七名提出の平成二十年度一般会計補正予算(第2号)に対する修正案及び平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)に対する修正案について参考人の方々から御意見を聴取した後、三案及び福山哲郎君外七名提出の両修正案について質疑を行います。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。
 当委員会は、目下、平成二十年度第二次補正予算三案の審査を進めておりますが、本日は参考人の方々から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、会議の進め方について申し上げます。
 まず、お一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後で委員の質疑にお答えを願いたいと存じます。
 それでは、川本参考人からお願いいたします。川本参考人。
#6
○参考人(川本裕康君) ただいま御指名いただきました日本経団連で常務理事を務めております川本でございます。
 本日は、雇用問題を中心に日本経団連の基本的な考え方を四点ほど申し上げたいと思っている次第でございます。
 まず第一点目といたしまして、企業を取り巻く経済環境について申し上げたいと思います。
 御承知のとおり、百年に一度と言われます世界同時不況の様相を呈している中で日本経済も例外なく厳しい状況に置かれており、景気は日を追うごとに悪化をしている状況でございます。特にこれまで経済を牽引してきました輸出産業は、海外経済の一段の減速とそれから急激な円高の影響を受けまして、需要が急速に落ち込んで大幅な減産を余儀なくされておるところでございます。当面はこうした状況に大きな変化が生じることは期待しにくいと考えられますので、輸出は引き続き大幅な減少が不可避な状況にあるのではないかと思っているところでございます。
 また、内需につきましても、企業の設備投資というものは、企業の収益の急速な悪化を受けまして今後計画の下方修正が相次ぐのではないかと思われます。さらに、個人消費につきましても、雇用情勢の悪化あるいは将来不安の拡大などによって消費者マインドというものが冷え込んで、伸び悩むおそれが強いかと存じます。
 このように、内需、外需両方を見渡しましても日本経済を牽引し得る材料を見付け難い状況ですので、景気後退が更に深刻になることも覚悟しなければいけないという状況にあるのではないかと思っている次第でございます。このように、今回の不況はこれまでの経験と想像をはるかに上回る規模とスピードで進行してございます。したがいまして、雇用情勢につきましても大変厳しい状況が続くことが避けられないのではないかというふうに思っている次第でございます。
 そこで、二点目といたしまして、雇用安定に向けました企業の努力の重要性について申し上げたいと思います。
 日本経団連では、例年、春季労使交渉・協議に向けました経営側のスタンスを示すということで、経営労働政策委員会報告というものを取りまとめております。昨年十二月十六日に公表いたしました二〇〇九年版の報告書におきましては、大変異例な形ではございましたけれども、通常、交渉・協議において、賃金あるいは賞与というものがメーン、あるいは人材育成の幅広いテーマということが話し合われるわけでございまして、それに対するスタンスを示すわけでございますが、今年はそのテーマに先んじて雇用の安定に努力するということが求められるという点を明記をいたしたところでございます。雇用情勢が悪化する中ではございますけれども、日本的経営の強みであります人的資本の蓄積あるいは労使の信頼関係の構築などにも言及しつつ、雇用の安定を重視した交渉・協議を基本とすべき点を強調したわけでございます。
 私どもの御手洗会長も、会員企業に対しまして内定取消しの回避やあるいは法令遵守を始めとすることを、あらゆる機会を通してこの雇用の維持安定についても訴えるところでございます。昨今、雇い止めや解雇の問題が取りざたされておりますけれども、当然のことながら法令遵守は大前提ということでございまして、労働契約の終了に関するルールにつきましても、経営者始め企業の方々、改めて確認しておく必要があることを私どもといたしましても周知に努めているというところでございます。
 さらに、企業としましては、新たな雇用の創出を通じて雇用の安定を図ることも重要であると思っております。そのためには、新たな付加価値を生み出すイノベーションの推進、ビジネスモデルの構築といったことに積極的に取り組まなければなりません。激動の時代であるがゆえに、消費者のニーズを迅速にかつ的確にとらえることも求められております。まさに経営者にとって、企業労使にとって知恵の出しどころでもあり、その真価が問われていると言っても過言ではないと思っております。
 三点目といたしまして、雇用のセーフティーネットの強化についてでございます。
 現在のようなグローバル化が一層進む経済の中にありまして、個々の企業が存続、発展していくというためには、いかに競争力の維持強化を図っていくかということが大変重要な経営課題となってございます。雇用の維持安定というものは、この国際競争力の維持強化があってこそ成り立つものであります。実際に経営者はこの二つのバランスに日々心を砕いているのが実情だと思っております。しかしながら、現状のようなだれもが予想し得ないような経営環境の悪化の中で、やむを得ず雇用調整に踏み切らざるを得ない状況にもございます。
 もちろん雇用調整の方法についてはあらゆる選択肢を検討して慎重に進めていくべきものであると考えておりますが、今回のような非常事態の中で厳しい判断を迫られている企業があることも事実でございます。このようなときにこそ、官民が一体となってセーフティーネットを充実させていくことが非常に重要だと思っております。
 昨年来、政府は矢継ぎ早に経済政策をまとめておりますけれども、国民の安心のためにはこれらの対策の早急かつ着実な実施が求められますので、第二次補正予算、それから平成二十一年度予算の早期成立を是非お願いをしたいと思っております。
 また、失業給付の拡充を始めといたします雇用保険法の改正につきましても今後審議が行われるということになろうかと存じますけれども、一刻も早く雇用のセーフティーネットを強固に張り巡らせることが不可避であると考えますので、是非、改正法案につきまして速やかな成立というのをお願いしたいと思っているわけでございます。
 四点目は、雇用創出についてでございます。
 私ども、この今月十五日でございましたけれども、日本経団連と連合で雇用安定・創出に向けた労使共同宣言というものを取りまとめ、発表いたしたところでございます。
 共同宣言では、雇用の安定と創出に向けまして労使が真摯に向き合っていくことを確認するとともに、政府に対してセーフティーネットの拡充と新たな雇用創出に向けた対策の実行を求めさせていただいたところでございます。農林水産業や介護、保育などを中心に、社会が必要とする分野における雇用創出策を公的支出も拡大しつつ推進していくことを盛り込んでいる次第でございます。
 当面の厳しい経済状況に対処していくことの必要性は申すまでもありませんけれども、今後、中期的に持続的な経済成長へつなげていくという視点も重要でありまして、そのためには今後の成長と生産性向上につながる分野、あるいは雇用を創出する分野に対して集中的に政府支出というものを大幅に拡大していくということも非常に重要であると思っております。
 無論、政府だけではなく、労使といたしましても、この雇用安定と創出に向けた諸課題について今後も連合との間で協議や研究等も行っていきたいと思っている次第でございます。
 なお、新たな雇用創出の推進に当たりましては、実は産業間をまたがった労働移動というものも円滑にしなければなりません。その意味では、必要な能力開発や資格の取得といった問題もございますので、公的職業訓練を充実させていくということが非常に重要な課題だと思っておるところでございます。
 また、あわせまして、訓練だけでなく実際に人をつないでいくハローワーク等のそういう機能の充実、あるいは相談、あるいはカウンセリングといった、そういうものも非常に重要になっていくのではないかと思っております。
 最後になりましたけど、本日は予算委員会という場に意見を申し上げる機会をいただきましたので、本当に感謝している次第でございます。一刻も早い景気回復に向けた取組について改めてお願いを申し上げたいと思っている次第でございます。補正予算等一日も早い成立をお願いいたしまして、私の説明とさせていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。
#7
○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。
 次に、古賀参考人にお願いいたします。古賀参考人。
#8
○参考人(古賀伸明君) 皆さん、おはようございます。御紹介をいただきました連合で事務局長を務めております古賀でございます。
 本日は、短時間ではございますけれども、雇用失業状況に関する認識及び必要な政策について私どもの考え方を述べさせていただく場を設けていただきまして、誠にありがとうございます。
 もう私が言うまでもなく、現在、日本経済は極めて厳しい状況にあります。輸出、生産共に減少、企業収益も悪化、そして雇用失業情勢はますます深刻化しています。
 連合が昨年十一月に緊急雇用実態調査を実施をいたしました。その結果でもそれらの状況は明白であり、過去三か月に何らかの雇用調整を実施した企業は対象企業の三五・一%と、三社に一社強の割合でございました。そして、今後三か月間に雇用調整が実施される見通しがある企業は約四割近くに上ります。
 このように雇用失業情勢は一層深刻化することが懸念され、国民の間には雇用不安が広がっているのが実態だと思います。この不安を払拭するためには、緊急の雇用対策と雇用の安定・創出策に向けて政治のリーダーシップが極めて重要だということをこの場で訴えておきたいというふうに思います。
 私どもは既に、昨年の十一月中旬、厚生労働大臣に、十二月の上旬には総理大臣に緊急雇用対策について要請をいたしました。その要請内容のポイントは大きく六点でございます。
 一つは派遣労働者等の住居を喪失した労働者に対する住宅支援、二つ目に雇用調整助成金の支給要件緩和や対象労働者の拡大など企業の雇用維持に対する支援策、三点目には雇用就業形態の多様化に対応した雇用保険制度の改革、四点目に新規学卒者の採用内定取消し問題への迅速な対応、そして五点目に職業訓練の拡充、最後に雇用の創出策でございます。
 政府の施策や予算案に既に盛り込まれたものもありますけれども、残された課題もございますので、数点指摘しておきたいと思います。
 まず、雇用保険については、昨年十一月以降、労働政策審議会において議論し、おおむね私ども連合の考え方、提起した内容が反映されたと思っています。
 しかし、実質的にはかなり検討期間が短期であり、例えばマルチジョブホルダーへの雇用保険の適用など、手付かずのまま残っている課題もあります。また、六か月以上の雇用見込みがなく短期の雇用契約の場合は、雇用保険の加入対象とならず、当然のことながら支給の対象となりません。
 雇用保険制度と生活保護制度との間をつなぐ就労・生活支援給付制度を創設すべきであると私どもは考えています。政府の緊急雇用対策の中に、条件付ですけれども、事実上の給付制度もできました。こうした制度をベースに雇用保険ではカバーできない労働者の生活就労支援を行っていくことが必要だと思います。
 さらに、今回の改正案では、二〇〇九年度に限りということでございますけれども、雇用保険料率を引き下げることになっています。私どもは、雇用失業情勢がこれだけ厳しくなるときに料率を引き下げるということにはやはり疑問が残ります。失業給付を手厚くするなど雇用対策に有効に活用する、そのことが本筋ではないかというふうに考えます。
 なお、今回の改正案は、雇用保険の被保険者となる加入要件として、一年以上の雇用見込みが六か月以上の雇用見込みと緩和、我々としては前進したものと受け止めています。改正法の速やかな施行が必要だと考えていることも申し添えておきたいと思います。
 次に、有期労働契約の課題、問題についてです。
 派遣労働者や期間従業員の契約期間の労働契約の解除や雇い止めが問題になっていますが、そもそもこの有期労働契約に関してのルールが周知されていないこと、また、法が未整備であることに問題があると私たちは考えています。
 有期労働契約については、労働契約法第十七条において、使用者は、期間途中の解約はやむを得ない事由がある場合でなければ行うことができないとしており、この場合のやむを得ない事由というのは、解雇が有効とされる客観的に合理的な理由よりも限定的に解釈されるものです。こうした規定があるにもかかわらず、安易に何の保障もなく中途解除が行われていることがまず問題です。さらに、有期労働契約については、労働基準法において上限期間が設定をされているだけです。これらの働き方の入口、出口の規制と均等待遇原則が必要だと考えます。
 雇用の原則から見て、有期労働契約がどうあるべきなのかということを抜本的に検討してこなかった、そのことが今日の問題につながっていると考えています。
 次に、職業訓練についてです。
 特に、非正規労働者は、能力開発の機会が乏しく、スキルアップができない状況です。加えて、非正規労働者の能力開発はコストが伴います。したがって、能力開発はやはり国が責任を持って整備することが必要です。特に、短期間のメニューだけではなくて、訓練期間の生活保障もきちっと受けながら技術、技能を身に付ける長期の訓練メニューが必要だと考えます。もちろん、職業訓練、能力開発を行いスキルアップするだけではなくて、雇用の受皿、すなわち職を失ってしまった失業者を、社会が必要としていながら人材が不足している分野での雇用につなげることが必要です。
 私どもは、このような観点から、百八十万人の雇用創出プランを策定をいたしました。その中では、介護、医療、保育、教育、環境、治山治水、農業などの分野での雇用創出を掲げております。国民の安心、安定の点から、各省庁、地方自治体とが連携して雇用創出プランを練り上げて、早期に実行に移していただきたいと思います。
 最後に、今回のこの雇用失業問題の特徴は、その速さにあり、特に非正規労働者を直撃したことにあります。この要因の一つは、やはり非正規労働者を増やし過ぎてしまったことにあると思います。日本企業は、バブル崩壊後の九〇年代後半以降、業績回復の過程でも正社員を増やさず、有期雇用労働や派遣労働、そして請負労働などの活用で対応し、その結果、雇用労働者の三人に一人が非正規労働者となっています。労働者派遣法の相次ぐ規制緩和や有期雇用労働の上限の延長などの労働基準法の緩和もこうした動きを後押ししました。
 しかし、雇用の原則は、私どもは期間の定めのない直接雇用であるべきだと考えます。そして、そのような原則に立って、その原則から外れることが容認されるのはどんな場合なのか、どのように労働者を保護できるのかという視点で労働法を見直すべきだと考えています。労働者保護が不十分なままに行ってきた労働分野の規制緩和が日本社会に今何をもたらしているのか、これこそ検証をされなければならないことだというふうに考えているところでございます。
 以上をもちまして、私の意見陳述とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
#9
○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。
 次に、宮川参考人にお願いいたします。宮川参考人。
#10
○参考人(宮川努君) 学習院大学の宮川でございます。
 本日、私は、現在御審議中の補正予算案を含みますこれからの経済政策全般について、経済学者の立場からお話をさせていただきたいと思います。
 お手元に資料を配付しておりますので、その資料に沿いましてお話をさせていただきたいと思います。
 本日の述べさせていただきます内容でございますけれども、三点ございます。まず、なぜ景気は急速に減速したのかという、その要因についてお話をさせていただきます。続きまして、それを前提として、今取るべき経済政策とは何かということを短期的な視点とそれから長期的な観点に分けて御説明をさせていただきたいというふうに思っております。最後に、私の希望といたしまして、明日につながる政策をお願いするという形にさせていただきたいと思います。
 それでは、なぜ景気は急速に減速したかということでございますが、今年はうし年でございます。私、うし年の時期をたどってみますと、うし年の時期というのは大きな経済危機が続いております。昭和四十八年の第一次石油危機、それから昭和六十年の円高ショック、それから平成九年の金融危機と、まさに日本の戦後の経済の中での十大ニュースにも記されるような大きな経済危機が起きております。恐らく、昨年来のリーマン・ショックに端を発します米国の金融危機、それに伴う世界的な経済危機もこの一つに加えられるだろうというふうに思っております。
 ただ、今回の不況の性格といたしましては、私自身は一番目の石油危機に似たという感じを持っております。その理由といたしましては、平成九年の金融危機と違い、日本の金融部門の傷は比較的浅いものでございますが、一方で日本のリーディング産業の傷が非常に深くなっております。これを裏付けますように、お手元の資料の図の一で景気のピークのときから生産がどれだけ落ちたかということを示した図がございます。太線が今回の生産指数の落ち方でございますけれども、それをたどっていきますと、昭和四十八年十一月からの石油危機のときの生産の落ち方とほぼ同じような急激な落ち方を示しております。
 一方、図の二の方では、今回の景気後退局面におきます就業者数を示しております。こちらは生産ほど急激な減少を示しておりませんけれども、先ほど参考人の方がお述べになりましたように、非正規雇用の部分については非常に急激な減少を示しているというふうに思っております。
 それでは、今回の景気が急速に減速した要因でございますけれども、これはその前の二〇〇二年からの景気回復にその要因を求めることができます。前回の景気回復は極端な輸出依存でございました。これはそれまでの景気回復と比べても顕著でございます。二〇〇二年からの景気回復におきます純輸出の伸びは年率三五%という激しい伸びでございました。これに対しまして、それを除く過去四回の景気回復の平均の伸びは四・四%ということでございますから、いかに二〇〇二年からの景気回復が大きな輸出依存であったかということはお分かりいただけるかと思います。
 したがいまして、アメリカ発の金融危機が世界全体のマーケットの縮小をもたらし、それがかなり大きな波及効果を伴って日本の実体経済に影響を与えたということが今回の景気の急減速の一番大きな要因であったというふうに思われます。
 それでは、こうした景気の低迷を受けて、今取るべき経済政策というのは一体何だろうかということをこれから述べさせていただきたいと思います。
 まず、その前に政策を行う上での原則ということを三点ほど述べさせていただきたいと思います。
 一つは、政府と民間の役割分担をきっちり決めておくということ、政府と民間の対策の中に一線をきっちり引いておくことだと思います。昨今、私が新聞等で見させていただきますと、かなり民間企業に政府がやるべきような雇用対策を求めるような論調もございます。この点につきましては、やはりきっちりとしたルール付けが必要かというふうに私は思っております。
 もう一つは、政策を行う上での政府の規模ということでございます。一方で、小さな政府を志向するような考え方もございます。この場合には実は政策はできるだけルール化すべきだというのが対応した考え方です。もしきめ細かな政策を行うというのであれば、政府はそれ相応の規模を持たざるを得ないだろうということです。
 もちろん、それに代わるものがございます。それはNPOやNGOの存在でありまして、例えば米国などでは小さな政府をこれまで志向してきたわけですけれども、一方で、表の一にもございますように、非市場部門、つまり非営利部門、NGOとかNPOの労働のシェアというのは経済全体の四分の一にも上っております。欧米ではほぼこうした非市場部門が二割を超えておりますが、日本や韓国では一五%にも満ちません。こうしたいわゆるNGOやNPOが補完的な役割を果たせるのかどうか、特に雇用対策の場合において、そうしたことが果たせるかどうかということも含めて政府の規模又は政策のきめ細かさというものを決めていくべきだろうというふうに思っております。
 三番目には、余りに情緒的な観点から政策を決めるというのではなく、やはり過去の経験とデータに基づいた政策を実施するということが大切だと思います。これは、後に定額給付金の観点から少し述べさせていただきます。
 次に、大本といたしまして、これから取るべき経済政策は、やはり新たな経済政策ビジョンの下に短期及び長期の段階的な経済政策を行うべきだと考えております。二〇〇〇年代に政府もいろいろな経済ビジョンを打ち出しておりますけれども、これはアメリカの金融危機によっていったん頓挫したというふうに考えて、新たな目標を据えるべきだと思います。私個人の考え方では、新たな目標としては、やはり安定した社会保障制度の下で自由で多様かつ創造的な経済社会を目指すべきだというふうに思います。
 この社会保障を維持するために、できるだけ税負担を抑えるならば、一・五から二%の経済成長が必要だと思います。そして、その経済成長の基になるのは労働、資本、生産性でございますが、少子高齢化の下では新技術に基づく設備投資と生産性の向上が必要であると考えます。
 その下での短期の経済政策というのはどういうことであるべきかということですが、これはやはり当面の国民生活の安定のためにできる限り財政出動をすべきだというふうに思っております。そうしたことは、今回の第二次補正予算案、それから、これから提出されます恐らく来年度の予算案にも述べられているというふうに思っておりますが、大きな方向性を言えば、私としては広い意味でのインフラとそして雇用対策に使うべきだということを考えております。
 先ほどもお話がありましたように、雇用保険の改定、それに伴う私自身は失業手当の給付期間の延長といったようなことも考えられてよいと思います。それは、今回の景気後退期間がかなり長くなるだろうというふうに予想するからであります。また、社会資本の更新の前倒しということも考えて、地域の経済の維持ということにも配慮すべきだろうというふうに思っております。
 それから、今論争になっております定額給付金の評価でございますが、経済白書の中にはかつて地域振興券の景気浮揚効果を検証した文献がございます。そこでは、やはり景気浮揚効果は一時的だったという評価でございます。今回はもちろん地域振興券に比べて広範な給付対象となるわけでございますけれども、景気後退の長期化に対応できるというふうには考えられないと思います。もしこれを景気対策ではなく社会政策として考えるのであれば、やはり税制の変更で対応していくべきだろうというふうに私は思っております。
 それから次に、短期的な経済政策で見落とされている点でございますが、今回は米国発の経済危機でございます。現在の日本の経済構造を前提とすれば、国内向けの経済政策だけでは十分ではありません。国際的にも積極的な政策の関与が必要であると思います。一つは、金融面では、国際的な金融システムの再構築をアメリカだけに任せずヨーロッパとも協調して行うということ。それから、実体経済面では、昨今のビッグスリーへの支援に見られるように、欧米が自国産業の保護に走る前に、欧米でも日本のような産業再生機構をつくり、構造転換を迅速に働きかけるということが世界経済全体にとっていいことだと考えております。
 それから次に、長期的な政策について述べさせていただきます。
 長期的には、人、物、金の活性化ということが重要でございます。恐らく金融危機が一段落すれば、先進国は新たなリーディング産業の創出競争を行うと思います。特に、昨日発足いたしましたオバマ政権は、かつてのクリントン政権がIT産業やバイオ産業をつくり出したように、新産業の創出を通じて雇用の回復を図ろうとすると思います。日本でも同様なことを行っていかざるを得ないというふうに思っております。
 時間の関係もありますので少し飛ばさせていただきまして、人の活性化に移らせていただきたいと思います。
 まず最初の人の活性化でございますが、サービス産業は先ほども話題に上りました派遣労働者の活用ということで生産性を上げてきました。したがいまして、内需中心で売上げが伸びておらず、派遣労働者を使っているということもありまして、人材の育成というのも頭打ちになっているというふうに私は思っております。これらのサービス産業がどうしてこのような対応を取らなくてはいけないかというと、内需の伸び悩みの中で生産性の向上を図るからでありまして、私自身はこうした生産性の向上は長期的には維持できないと考えております。
 これからのサービス産業は内需依存を脱して海外でも通用するビジネスモデルへと転換しなくてはいけませんけれども、それには従来型とは違った人材の育成を必要といたします。それは、従来型の製造業型の人材育成ではなく、やはりグローバルに活躍する人材育成への転換ということでございます。先ほど来、職業訓練というのも出ておりますが、より高度な職業訓練のための助成制度ということが必要とされております。
 図には、九〇年代以降、非正規労働者の一部でありますパート比率が非製造業を中心に増えてきたということを述べておりますし、その次の図の四では、これは日本が実は物への投資が多く行われていて、無形資産投資、人や企業の組織という実は実体のない、技術も含みますが、目で見ることのできない投資は物への投資とかなり格差がある。実はアメリカが二〇〇〇年代になって物への投資よりも人や技術、そういったものへの投資の方が増えているということを示しております。日本の場合は、失われた十年ということもありまして、企業の研修費も頭打ちになっております。それがこうした差を生んでいるものだと思います。
 二番目として、物の高度化ですが、これはやはりIT化ということが挙げられると思いますが、実は、次ページの図に示しておりますように、日本のIT化は九〇年代は先進国中最低でございました。ちょっと時間が長くなりましたので、簡単にまとめます。物のこうした環境技術も含めた高度化を行うべきだということでございます。
 最後に、お金の使い方ですが、これまで述べてきましたように、物への投資だけではなくて、人や技術へお金が流れるような形で金融システムを変えていくことが重要だろうというふうに思っております。
 先ほども申し上げましたように、今回の景気後退は外生的なショックでございます。これまで日本人は、外的なショックの場合は経済の体質転換を通して新たな成長ステージへと脱皮してきました。今回も、政策手段を誤らなければ新たな経済へと脱皮することができると思います。
 これからの皆様の政策論議が希望のわだちとなることを願いまして、私の話を終わらせていただきます。長い時間、御清聴ありがとうございました。
#11
○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 それでは、これより平成二十年度第二次補正予算三案及び福山哲郎君外七名提出の両修正案に対する質疑を行います。小林正夫君。
#12
○小林正夫君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の小林正夫です。
 参考人の三名の方、本当に貴重な御意見、ありがとうございました。今のお話を基にしながら質疑をさせていただきたいと思います。
 また、昨日まで二日間の基本的質疑が行われました。その上に立ちまして、私は労働問題を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 まず、舛添大臣にお聞きをしたいんですが、日本の国力の源は何か、この見解をお聞きをしたいんですが、私は、日本には生活保護もあり、あるいは災害が起きたときに日本の力で早く復旧ができるという力を持っている、またさらには経済活動も、今は大変落ち込んでいますけど、世界から見れば一定の力がある国だと、そうして日本の国力がつくられてきた、このように思います。
 したがって、舛添大臣としては、日本の国力の源は何なのか、この御見解をお聞きをしたいと思います。
#13
○国務大臣(舛添要一君) 資源のないこの我が国において、私は日本の国力の最大の源は人であるというふうに思っております。優秀な人材が育ち、そしてこの資源のない日本で加工品を作って海外に輸出する、まさにこの人こそ宝、そして働く人たちの力でここまでの国力が保てたものだと思っていますので、まさに人が資本である、ヒューマンキャピタリズムということを言いたいと思っております。
#14
○小林正夫君 私は、人が額に汗して働く、まさに人も大事、働くことも大変大事、勤労にありと、私はそのように思っております。
 そこで、宮川参考人にお聞きをいたしますけど、宮川参考人は日本の国力の源は何だとお思いでしょうか。
#15
○参考人(宮川努君) 私も小林先生の御意見に賛成でございまして、日本が戦後、資源のないところからここまで豊かな国になったのは、ひとえに人、人材だと思います。
 ただ、その人材もやはり時代に合わせてどんどんと変わっていく必要があるというふうに思っております。それをやはり政府、民間一体となって、今後の方向性で新しい時代に適応した働く人を創造していくということがこれからの日本にとって重要なことだろうというふうに思っております。
#16
○小林正夫君 私は、その一番大事な、人が働く、ここの雇用の問題が今の日本では大変崩れてしまった、このことがもう大変心配なことでございます。その原因は、極端な規制緩和とか、あるいは市場経済主義だとか、いろんな要因があると思いますけど、それはこっちの問題へ置いておくとして、要は、今我が国の雇用が崩れ安心して働ける状態じゃない、ということは安定した社会になっていないと、このように思っておりますので、以下、その線に沿って幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、働くことにとって大事なことは、しっかり技術を身に付ける、どこの職場で働くにしてもやはり技術力が必要だと思います。そういう意味で、先ほど川本参考人もおっしゃいましたけれども、公的訓練、要は国が責任を持って一定の訓練を行う必要もあるんじゃないかというふうに川本参考人もおっしゃいましたけれども、舛添大臣、私たちは、去年の暮れから今日にかけて、あるいは今年の三月にかけて、八万五千人ぐらいの非正規労働者が雇用を失うと。その中でも、特に派遣切りは五万七千三百人ほど、六七%ぐらいの人がその中に要は派遣切りとして実際に生じてくるんじゃないか、このようなことが数字が言われているんですが、今言ったように、この人たちは労働市場からほうり出されてしまって本当に路頭に迷うと、こういう状態が見受けられるわけですけれども、そういう意味で私は、雇用保険の抜本的見直しだとか、先ほど連合の事務局長がおっしゃったように、生活保護の手前に新しいセーフティーネットの構築だとか、こういうことが必要じゃないか、このように思っているんです。
 そこで、職業訓練の在り方について国はどう関与していくのか、国の責任について舛添厚生労働大臣はどのようにお考えでしょうか。
#17
○国務大臣(舛添要一君) その具体的なことにお答えする前に二つ申し上げたいと思いますのは、戦後日本の高度経済成長を支えたその中でのセーフティーネットは、基本的にまず家庭があり、とりわけ企業、大企業を中心とした、これがきちんと、例えば住宅を社宅であるとかフリンジベネフィットの形でやっておりました。しかしながら、グローバル化が進む中でそういうことを構っておれないという状況になり、企業の国際競争力ということでセーフティーネットを企業に頼るわけにいかなくなった。したがって、これは中央、地方を問わず政府がやらないといけない。しかし、これが私は十分に拡充されてきたかというと、そうでないことが今回のような問題を生んでいるということが一つでございます。
 したがって、もう一つ、私は常用雇用を製造業で基本にすべきだと申し上げておるのは、まさにオン・ザ・ジョブ・トレーニングを含めてそこで職業訓練を積み重ねていってスキルアップしていく、これが国力の大きな源になってきた。しかし、そういう点を勘案しますと、基本的には政府の役割でこの職業訓練をやるべきであって、それがセーフティーネットを張り巡らすということの一つの意味であろうというふうに思います。
 先般、昨年の十二月二十四日に、雇用・能力開発機構の廃止について閣議決定されました文言の中に、国の産業政策、中小企業政策等との連携を強化し、雇用対策や国際競争力に資する物づくり支援の一環として、国の責任において職業訓練を行う組織としてとの方針の下でこの機構を移管するということをしたわけでありますので、私は、中央、地方を問わず政府がきちんと職業訓練の責任を果たすということで、今後ともそういう施策を実施してまいりたいと思っております。
#18
○小林正夫君 日本は、九九・七%が中小零細企業で占められていて物づくりの技術が世界に誇れる、こういうことだと思います。そういう点では、いろいろ中小企業で研修をしたり、あるいは研さんを積むということのなかなか環境も難しいということになれば、やはり国が責任を持ってこの訓練を行っていく、私は今後もそうすべきだと思いますので、是非そういう意味では国の責任を明確にして取り組んでいただくことをお願いをしておきたいと思います。
 そこで、長期の訓練メニューなんですけれども、この補正予算でどのような職種に何人分ぐらいの長期訓練メニューが入っているんでしょうか、具体的に教えてください。
#19
○国務大臣(舛添要一君) 特に長期的な職業訓練メニューで介護や医療の分野で人材が非常に少ない、人が足りないということで悲鳴を上げている、片一方で職を求めている方がちまたにあふれている。このミスマッチを何とか解消しようということで、先般、十六日の金曜日に厚生労働省内にプロジェクトチームを設けて、同じ部局が同じ省にあるわけですから、同じというか、二つのことを担当している、求職と求人。
 それで、特に介護人材の養成につきまして行う、全体でやっぱり二万六千人ぐらい。具体的に申し上げますと、まずは三か月、これでヘルパーさんの二級を取ってもらう、そして六か月で一級。二年間まで、介護福祉士取るには二年間訓練すればいいので。こういうことを全部勘案しますと、約二万六千人ぐらい介護の分野で人材を長期的に見て養成しようということを予算に計上してございます。
#20
○小林正夫君 是非、訓練あるいは人が技術を身に付ける、このことを惜しまずしっかりやっていくことが必要だと思います。
 そこで、働き方の関係ですけれども、やっぱり非正規労働者というのは安定した働き方じゃない、このことが言えると思います。そのことが結局日本の不安定につながっていくと、このように思いますので、非正規労働者から正社員へ転換を促進をしていく、政府もこのようには言われるんですが、少しこのことについて質問をさせていただきたいと思います。
 非正規労働者は全雇用者の三分の一を占める、こういう状態になっているということは御承知のとおりであります。それに加えて、就職氷河期の人たち、二十五歳からあるいは三十四歳の年長フリーターですね。このときに順調に就職ができなくてやむを得ずフリーターになってしまった人がその後どうなっているかというと、正規社員に就けないという、今でもフリーターになっているという、こういう人たちが非常に多いと、こう思います。
 そこで、やはりこの人たちを正社員化して直接雇用をすると、このことにしっかり取り組んでいかなきゃいけないと思うんですが、厚生労働省、舛添大臣としては、この問題についてどう取り組んでいくんでしょうか。
#21
○国務大臣(舛添要一君) 小林委員がおっしゃった問題、全く私も同じ問題意識を持ってございます。そのために、まず、フリーター常用雇用化プランということで様々な施策を行うとともに、パートタイム労働者やいわゆる有期契約労働者の正社員化に向けた支援を行いますとともに、ジョブ・カード制度というのを入れまして、安定雇用への移行を促進するようにしております。
 それで、今の二次補正予算と来年度予算案において、今おっしゃった年長フリーター、二十五歳から三十九歳ぐらいでしょうか、や派遣労働者を今度正規雇用した事業主に対して、中小企業だと百万、大企業だと五十万の支援をすると。それから、ジョブ・カード制度において雇用型の訓練を実施してくれる、そういう企業にも助成金を差し上げると。それから、先般、私も現場見てきましたけど、キャリアアップのハローワークを新たに増設するというような形で効果的な対策をやっていきたいと思います。
 それで、特に年長フリーターについて、どうしても企業が新卒者、二十二歳ないし十八歳で学校を卒業してすぐじゃないと、新卒じゃないと駄目だと。これだと、年長フリーターはいつまでたってもできないんです。これは、経済団体に対して私は、ちょっとそういうことをよく考えていただいて、新卒じゃなくても是非採用をしてくださいということをお願いしてございます。
#22
○小林正夫君 確かに、厚労大臣おっしゃるように、日本の社会においては三月に学校を卒業して四月一日にそこで入社をすると、そこでそのチャンスを逃しちゃうと、何か中途採用ということが一生自分の肩書に付いてしまうと。こういう社会全体をどう見直していくのか。これは大変いい論議だと思いますので、これはまた別の機会に論議をさせていただきたいと思います。
 そこで、雇用の受入れ、あるいは非正規雇用者を正社員化ということになると、経営者団体の皆さんが、どうそれを考えて受け入れるかと、こういう問題になると思いますけれども、今の問題について、川本参考人はどのようにお考えでしょうか。
#23
○参考人(川本裕康君) 今、採用の仕方並びに非正規従業員からの転換の話があったと思います。
 先ほど、私、最初の御説明のときに、この十二月に経営労働政策委員会報告を発表いたしましたと申し上げました。これは、今年のものもそうでしたけれども、昨年もそうでしたけれども、まず一つは、極力非正規従業員さんから正規従業員に転換する制度を企業内で設けていただきたいということをずっと発信し続けております。特に、非正規の方でも、より教育をして、優秀な方がいらっしゃり、本人も正規になりたいという方があれば、まず転換をするシステムということを訴えてきたわけでございます。
 今、非常に景気状況が悪いですので、この辺も含めて、企業の対応というのは難しい面もあろうかと思いますが、中期的な視点をとらえて考える、あるいは、今の状況でも人手不足の企業、あるいはそれだけの支払能力に余力のある企業もあると思います。そういうところでは一層進めていただきたいというメッセージをお願いをしているところでございます。
 それから、もう一つでございますけれども、採用の在り方でございます。
 これも新卒採用に偏重をしないで、中途採用あるいは通年採用と、幅広く採用の機会を与えてもらうということが重要であること、また、新卒採用に偏る原因の一つとして、いわゆる年功重視の賃金制度という問題もございますので、賃金制度の改革も含めて、企業としていろんな改革を図っていっていただきたい旨をページを割いてお願いをしているということでございます。
 以上でございます。
#24
○小林正夫君 私は常々、労働組合の役員をやっているときから日本の雇用の特徴としては終身雇用とそれと年功序列だと、こういう言い方をされていました。ただ、年功序列という言い方あるいはそれを聞いた人たちのイメージは、余り努力もしないのに一年たてば賃金上がっていく、それが年功序列じゃないか、こういうふうに思っている方たちも、受け止めも私は世の中に多いんじゃないかと思うんですね。
 今、川本参考人がおっしゃったように、やはり私たちの賃金を上げてほしいという要求は、それだけ一年、一歳年を取れば自分の技術力が身に付いた、高い労働力が会社に対して提供できるから賃金を上げてほしいと、ここが本来の趣旨なんですね。ですから、私は、個人的な意見ですけれども、年功序列という言葉の見直しをして業務蓄積型の賃金制度と、やはり自分にそれだけ技術が身に付いたんだ、したがって一年たてば賃金を当然上げてもらうという、こういうことも私たちは検討しなきゃいけないし、是非そういう意味でとらえていただければ有り難いなと、このように思います。
 もう一つの非正規労働者を生んでしまいそうな心配が二〇〇九年問題でございます。
 今日も八時から厚生労働省に来ていただいて、民主党は部会を開いていろいろお話を聞きました。
 その中で、三年間の契約期限切れが今年終了して二〇〇九年問題が起きるわけなんですが、実際に今日の数字を見てみますと、今から三年前の二〇〇六年六月一日現在の製造業への派遣者が二十三万九千二百四十三名いて、今から二年前の二〇〇七年六月一日の段階では四十六万人の人が派遣として製造業で働いていると、こういう実態になりますね。今の決め事でいくと、三年たつとそこで派遣については打切りと、直接雇用するか、あるいは企業としては今までどおり操業を続けるならば多分請負という一つの方向を転換しなきゃいけないということになる。今の、現在の雇用情勢あるいは社会の情勢を見ると、これだけ景気も悪化しているので、便乗して派遣切りということも私は世の中で起きていると思うんですがね。
 この二〇〇九年問題と絡んで、この人たちが職を失う非常に可能性がある、このことに対して厚生労働省としてはどういう手を打っていくんでしょうか。
#25
○国務大臣(舛添要一君) この二〇〇九年問題ですけれども、これは今委員御指摘のように最長三年間の派遣可能期間が満了すると。ただ、その満了後は直接雇用又は適正な請負にすべきだということでありまして、これは派遣労働者の雇用が失われることがあってはならないと、こういうことで昨年の九月二十六日にこの基本的な考え方を各都道府県労働局に通知を発出して、現場の指揮監督をしっかりやれ、指導監督をやれということを行っております。
 ただ、こういう今の極めて厳しい経済情勢が今後とも続くということになると、派遣先が直接雇用って、なかなかこれはためらって行えないんではないかというようなことがありますんで、少なくとも派遣期間が満了するまでに派遣労働者を直接雇用するような派遣先に先ほど申し上げましたように奨励金を出すというようなことで、こういう予算措置をとりますんで、こういうことを活用しながら三年の間に少しでも直接雇用していただくということで、あくまで、二〇〇九年問題は問題でありますけれども、今申し上げた基本的な、派遣期間が終わったら直接雇用ですよ、そして適正な請負ですよ、こういう方向での指導を徹底してまいりたいと、そして、今委員が御指摘になったような懸念が現実のものにならないように努力をしたいと思います。
#26
○小林正夫君 労働者派遣法の問題は別途機会を見てお話をさせていただきたいと思いますけれども、当時、論議の中では偽装請負など非常に悪い環境にもあり、派遣労働法の見直しも行われてきたということも確かだと思いますので、この請負問題についても今後どういうふうにしていくのか、このことも改めてまた別の機会に検討したいと思いますけれども。
 今、厚生労働大臣がお話をしましたけれども、このことに対して川本参考人と古賀参考人にお聞きをしたいんですが、それぞれ経営者の立場、あるいは古賀さんについては働く側の立場、この二〇〇九年問題を中心として非正規雇用の方が大量に首を切られるんじゃないか、このことに対して、受入れ側の川本参考人と働く側の立場の古賀参考人、どのように思っていらっしゃるか、また対応策としてはこういうことがある、こういう提言があればお話をお聞きしたいと思います。
#27
○参考人(川本裕康君) 今、二〇〇九年問題というお話があったところでございます。
 先ほどから、今経済情勢が非常に厳しいというお話がそれぞれの参考人からもあったところでございますので、まずはこの派遣という話でなくても、今非常に雇用の厳しい状況を迫られている企業も多々あるということで起きてくる問題というのが一方であろうかと思います。
 また、一方で今の派遣のいわゆる三年間という制限という中で起きてくるこの二〇〇九年問題でございます。したがいまして、こちらは当然法令遵守ということになれば、そこの三年で打ち切って正規の方に、直接雇用に転換を図っていくのか、あるいは打切りになるということであれば今度は派遣元会社さんの方で次なる派遣先を探すかと、こういうお話になってくると思います。したがって、当然派遣元企業として次なるところを探していくということも非常に重要なことになっていくんだろうと思います。
 ただ、先ほどこの雇用創出のところで私申し上げましたが、実は雇用が、非常に雇用量が縮小している、つまり減産を余儀なくされている、世界が非常に物量が減っているということは市場が収縮しているということでございますので、そこの分野と、一方で、これから伸ばしていかなければいけないところ、あるいは今人手不足のところがあるわけですから、本来であれば派遣もそういうところにうまく教育ができて転換をしていくということも必要になってくるし、そうしますと、派遣元会社における教育あるいは公的教育によって能力向上を図って、そしてそういうところに結び付けていく、そんなような対応もすごく重要になってくるのではないかというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
#28
○参考人(古賀伸明君) 二〇〇九年問題などと言われておりますけれども、我々は、先ほど冒頭の意見陳述でも申し上げましたように、労働者派遣は、本来、臨時的、一時的なもの、したがって恒常的に必要な業務については少なくとも直接雇用で対応すべきだというふうに思っております。二〇〇九年問題があるから期間制限を延長しろなどという議論がどこかの会議でやられているようでございますけれども、まさに本末転倒な議論だと思っております。
 加えまして、先ほど川本さんからもありましたけれども、企業も歯を食いしばる、企業経営者も歯を食いしばってやっぱり雇用という大事さをきちっと認識をする。しかし、どうしても、どうしてもそこから労働力を移動しなきゃならないということはこれある、発生してくるわけです。そのときには、教育訓練、人材育成、職業訓練のセーフティーネットがきちっと引かれ、そして生活支援、訓練ということがあり、新たな雇用の場に移っていく、このセーフティーネットをどう引いていくのかということについては国の役割も非常に大きな役割ではないかということもあえて申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
#29
○小林正夫君 次に、舛添大臣に質問をいたします。
 昨日の基本的質疑の中でも、大臣が答弁された中に、製造業の派遣問題について常用雇用が望ましいと思っていると、こういう趣旨の発言がございました。さらに、衆議院の予算委員会においても、基本的に、今の二〇〇九年問題はありますけれども、常用雇用化をどうして図るか、こういう発言をされています。それと、昨日の閣議後の記者会見において、基本はやっぱり常用が基本であると、こういう言葉を使われているんです。
 大臣にお伺いしたいのは、この常用あるいは常用雇用という用語を一体どういう意味でお使いになっているのか、こういうことについてお聞きをしたいと思います。
 そこで、実は今日、資料として皆さんのお手元には配付をしておりませんが、私の手元に二〇〇八年七月三十日の労働政策審議会の職業安定分科会労働力需給制度部会第百十六回で配付された実は資料があるんです。この資料には派遣法における常時雇用の定義というものがあるんですね。ですから、常用とは違うんです。常時雇用の定義について明らかになっておりまして、これを読んでいきますと、常時雇用をされるとは、雇用形態の形式のいかんを問わず、事実上期間の定めなく雇用をされている労働者のことをいうと。これは業務取扱要綱に定められているということになります。
 ただ、具体的には次のいずれかに該当する場合に限り常時雇用されるに該当するという、こういう文章があるんです。これは@からBありまして、@は期間の定めなく雇用されている者、私はこれが労働の基本だと思うんですね。直接雇用であり、期間の定めなく雇用される者。二番目に、一定の期間を定めて雇用されている者であって、その雇用期間が反復継続されて事実上@と同等と認められている者、すなわち過去一年を超える期間について引き続き雇用されている者又は採用のときから一年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者というふうに書いてあるんです。となると、この常時雇用というイメージは、そこに入ったら長期雇用、定年まで働ける、そういう環境じゃなくて、有期雇用の人もこの常時雇用の定義の中には入っているんだということをここは言っているんですよ。
 そういうことを考えますと、舛添大臣は常時雇用という言葉は余り使われていないと思いますが、この派遣労働法の中には常時雇用されている者という、こういう表現が幾つか出てくるんです。
 そこで、大臣のおっしゃる常用雇用というのはこの常時雇用の定義と同じなのかどうか、この辺についてお聞きをいたします。
#30
○国務大臣(舛添要一君) 常用雇用それから常時雇用、今委員が御引用くださいました。私は全く同じ意味で使っております。つまり、基本的には期間の定めない労働契約法に基づくこの雇用ということでございます。
#31
○小林正夫君 一般的に、常時雇用とか常用雇用と耳から入ると、ああ、長期雇用で安定されて長く雇用されるものだなと、このような印象だから、常時雇用が望ましいというと、ああ、みんなそうだよなと思うんですよ。
 ところが、ここに書いてある常時雇用の定義は有期雇用もこれ入ってくるんですね。そうすると、大臣が今までの予算委員会でおっしゃっていることあるいは記者会見でおっしゃっていること、常用雇用が望ましいという中に、それは有期雇用も含めているんだよということに大臣の発言はなるんですよ。この有期雇用が、なおかつこの常時雇用でも一年以上云々と言っているから、一年以上雇用されていてそこで切られちゃっても常時雇用だというふうにこれ言えることになっちゃうんですよ。
 ですから、ここの辺の言葉遣いと、常用雇用というものをどういうことなのか、やはりこのことを明らかにしていって、私たちは本当に常用雇用になればいいなと、有り難いなと本当に素直に思えるような私は環境にしていかなきゃいけないんだと思うんですけど、大臣、どうでしょうか。
#32
○国務大臣(舛添要一君) それは全くそのとおりで、今委員がいみじくも御引用くださったのは、これは労働者派遣制度における常時雇用される労働者ということの御定義をおっしゃったわけでありまして、私は一般的に期間の定めない労働契約での雇用、これを常時雇用と、これが望ましいということを申し上げているんで、厳密にそういう意味でいえば、先ほどの資料で御引用なさったのは、これはあくまでも派遣という、派遣労働者制度において常時雇用とは何を意味するかという定義であって、その一番目はそれはもう期間の定めのないということなんで、そういう意味では、派遣法の、今継続審議になって、今から皆さんで一緒に議論をしようという改正案におきましても、派遣元の事業者に対して、期間を定めて雇用する労働者を期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進しようという努力義務を設けています。それは一気に最終ゴールまで行けないんで、やっぱりこういうのはいろんな賛成反対もありますから、一歩ずつ積み重ねていく。
 派遣のまず制度の下において派遣元が常時の雇用という形へ転換してくださいよと、これを努力義務として今回の改正案にまず第一歩として盛り込んでおりますので、私が製造業においての働き方の中で、製造業だけについて言うと、そこでの派遣労働というのはいかがなものかということ、これはもうずっと私は一貫して同じ問題意識を持っていますから、そういう中で、私が一人で決めるわけではありません、労使の皆さん、そして国会でお決めいただく中で、そういう議論の中でやっぱり一歩一歩少しずつ扉を開けていく必要があるというふうに思っていますので。
 そういうことで、常用雇用が望ましいということでは、取りあえず派遣という制度が製造業においてあった中でおいてもまずそこをやる。しかし、全体の、一般の雇用ということを考えたときにはやはり期間の定めのないということを申し上げているので、ちょっと厳密に言えばそういうことでございますので、委員が御指摘になったのが派遣ということにおいての紙でしたから、ペーパーでしたので、今ちょっと正確なところを申し上げた次第でございます。
#33
○小林正夫君 大臣の期間の定めのない雇用というイメージは、いきなり定年までは難しいよという、そういう趣旨のお話だったと思うんですが、その期間の定めのない雇用というイメージはどのぐらいの期間のことを言っているんですか。
#34
○国務大臣(舛添要一君) いや、もうそれは基本的に期間が定めないわけですから入社したら退社するまでということであって、ただ、経済情勢が変わったり自分の趣味が変わってこの会社は途中で嫌だになれば別なんですが、基本的には期間の定めないというのは定年退職までということでございます。
#35
○小林正夫君 これも私の手元しかないんで大変恐縮なんですが、少し古い資料で、平成十六年に厚生労働省が派遣労働者実態調査という、した資料があるんです。これは常用型の派遣労働者であっても有期雇用となっている者が一定程度存在すると、こういう資料なんですね。これを見ますと、期間の定めのない人が残念ながら四三・二%なんです。常用型といいながらも五六・八%の人が本当に短い期間で働いていると。でも、それでも常用型と言っているという、これがこの資料なんですよ。
 したがって、古賀参考人にお聞きしますけれども、やっぱり働く人たちが安定して安心して働ける、先ほど大臣おっしゃったように、やっぱり入社したら定年まで自分の人生設計をしながら働くんだ、こうおっしゃいました。連合としてはこの問題についてどのようにお考えでしょうか。
#36
○参考人(古賀伸明君) 先ほどの意見陳述でも申し上げましたけれども、私たちは雇用の原則は期間の定めのない直接雇用だと思っております。したがって、それが原則、基本となりながら、しかし、そうじゃない場合に許容できるものは何なのかという例外事項としてその他の働くための法律が存在する、そういうことであろうというふうに考えているところでございます。
 以上です。
#37
○小林正夫君 大事なことは、安心して安定して働けると、こういう社会をつくっていくということですから、大臣のおっしゃった期間の定めのない雇用というのはそういうものだと、そういう社会になるように、これは政府としても厚生労働大臣としても鋭意努力してもらいたい、このようにお願いをしておきます。
 そこで、次に、皆さんのお手元に今日は資料を配付をさせていただきました。これは、先ほど古賀参考人がおっしゃった生活保護の手前に新しいセーフティーネットをつくる必要があるんじゃないか、このように参考人おっしゃいましたけれども、実は我が党、こういうことを今検討していまして、新たにこういう制度を法律で作っていく必要があるんじゃないだろうか、このように考えておりまして、少しこのことについて御意見などお聞きをしたいと思います。
 まず、この資料一番の社会的セーフティーネットの再構築を、二〇〇九年度版のイメージ図というふうにございます。そこの水色で表示をした第二のネットというところでございますけれども、まず一つは、今回、年末をなかなか越し切れないと、そういうことでテント村などできて、皆さんが協力をしながら一定の改善をしたり、あるいは生活保護を割合簡単な手続で受けられるようになった、このような改善は進んだと思うんですけれども、能力開発だとか住宅確保、特に非正規の人たちが職を失うと同時に住居も失ってしまうと、こういうことを私たちは現実問題として見てまいりました。さらに、先ほど言った二〇〇九年問題もあり、経営の悪化ということになっていくと更にこういう人たちが増えていくんじゃないだろうか、ここが心配なんです。
 そこで、やはり第二のネットの中の@番として、能力開発、住宅、生活あるいは就労支援制度の、こういうものをきちんと法律で雇用保険二事業として実施をしていくんだと、政令だとかそういう改正じゃなくて法律で二事業としてこういうことを行っていくんだということを明記した新しいセーフティーネットが必要じゃないかと、こういうことに考えているのが一つです。
 もう一つは、長期失業者に教育訓練を受けている間手当を支給したらどうだろうか。私たちは能力開発手当の創設というふうに仮称として呼んでおります。これは、先ほどの年長フリーターもそうですけれども、一定の期間、雇用保険の受給をします。ところが、その間職業訓練やなんかして再就職で努力をするんですけれども、雇用情勢あるいは社会情勢が厳しいと、雇用保険のお金をもらっている間に再就職ができないという人、あるいは自営業者で頑張ってきたけれども、この保険に入っていない人たちも自分の家業が倒産してしまってこれからどうしていこうか、こういう人たちに対して、雇用保険の受給資格が終わっちゃった後まだ就職ができない人、こういう人たちに対して私は能力開発手当の創設など一般会計からこの費用については捻出をして新たな制度をつくることが必要じゃないか、このように思っております。月に十万円程度は支給をしていかなきゃいけないんじゃないかなと、こう思うんですけれども。
 こういう新しいセーフティーネットをつくる必要がありと、このように思いますけれども、厚生労働大臣はどのようにお考えでしょうか。
#38
○国務大臣(舛添要一君) 様々な形でセーフティーネット、この網の目を緻密にしていくという努力は必要であろうと思っています。
 今委員がお示しくださいましたこの資料で、まずは、やはり基本は雇用保険の機能を高めるということが必要だというふうに思いますから、先ほど申し上げました、例えば介護福祉士を資格取りたいという方はこれ二年間まで雇用保険ずっと出るわけでありまして、それからしかもその訓練のための費用も全部国が持ちますから、こういうことはどんどん進めていって、まず第一段階でこれをやりたいというふうに思っております。
 それから、第二段階、既に能力開発その他は二事業として実施をしております。それで、生活保護の場合も今回のこういう職業訓練も常に一つのジレンマというか、それを考えておかないといけないのは、やはり離職されて失業なさった方、一日も早く新たな仕事に就かれる、そしてきちんと給料をもらって住居も確保できるということをやらないといけない。だから、そのためのインセンティブのために、もう釈迦に説法ですけれども、早期に仕事を見付けた方々に対するインセンティブ、いろいろ与えていますね。だから逆に、こういう厳しい状況で、一年なら一年という範囲内で見付けられない方はどう救うかという問題があるんですが、片一方で早く再就職していただくというインセンティブも上げないといけない。それのバランスの取り方だろうというふうに思っています。ですから、法律化するかどうかはこれはまた御議論すればいいと思いますが、具体的にきめの細かい今のような施策ができるかというようなことが必要だと思います。
 そして、基本的には、やっぱり雇用保険二事業の場合、特に企業主が出しているわけですから、この人たちが基本的に御意見があって、いや、そういうことのために使われるんじゃ私は出さないよと言われたらそれまでですから、その人たちの意見も聞かないといけない。
 しかし、この雇用保険でカバーできない人に対しては今融資制度を相当拡充してやっていますので、今政府としてはそういうことで全力を挙げておりますけれども、委員がおっしゃった一つの問題提起、それから予算上は労働特会で基本的にやるとともに、今回の予算でも一般会計も相当使っています。この二つを機動的に組み合わせて今の時代のニーズに合った形をやっていきたいというふうに思っていますので、貴重な御提言として賜りたいと思います。
#39
○小林正夫君 そこで、川本参考人にお聞きをしますけれども、この第二ネットの@番の能力開発、住宅、今回起きている現象に対して雇用保険二事業を使ってやはり私たちは手当てをしていくべきだと、こう考えて、このことを、二事業としてやるんだということをしっかり明記したものにしていかなきゃいけない、このように考えているんです。
 この雇用保険二事業は、まさに経営者の方から出ているお金ですね、端的に言えば。このことに対して、こういう使い方を、セーフティーネットとして使っていくことに対して川本参考人はどのようにお考えでしょうか。
#40
○参考人(川本裕康君) まず、今の御指摘でございましたけれども、御指摘のとおり、雇用保険制度につきましては、労使折半を基本としつつ政府からもお金が入っている失業給付を中心とする部分と、それから失業予防ということで、職業訓練あるいは雇用調整助成金等のものにつきましては、雇用保険二事業ということで事業主負担ということでやっているわけでございます。
 したがいまして、今御質問がありましたこの雇用保険二事業としての話になりますと、能力開発というのは今でも基本的にここからかなりのお金が出ているということでございます。先ほど、私どもあるいは連合等も今後の教育訓練のメニューの拡大あるいは長期化等は必要だということで申し上げておりますが、当然この分野につきましてはこの部分の支給ということになってくるかと思います。
 一方で、今言いました住宅支援等、今回の政府の方向でも、いろいろ厚く継続的な貸与をしたところには事業主も助成する、あるいは個人の方にも貸与をしていくような話がございます。こういうものは少しやはり本質的な問題が違うので、どうするかということにつきましては、公労使の三者機関で話し合っております労働政策審議会等でちょっと慎重な議論が必要なんじゃないかなと思っております。理由は、やっぱり雇用保険制度なんだというところに基本があるということであろうかと思っております。今、一番のところの御質問で。
 以上でございます。
#41
○小林正夫君 去年の夏以降、大変日本の景気が悪化をして、昨年末に見られるような非正規労働者が首を切られ路頭に迷うと。そのことが終わったわけじゃなくて、これからも更にそういう心配がある。
 私は、社会、国民からの政治に対するメッセージは、ここの第二ネットという、私たちが示している、ここに新たなセーフティーネットをつくらなきゃ駄目だよというのが今の私は社会から政治に対するメッセージだと思っているんです。そういう意味で、是非この取組について、厚生労働省あるいは国としても是非こういう制度をつくっていく必要がありと、この辺のお話を大臣の方からしてくれませんか。
#42
○国務大臣(舛添要一君) セーフティーネットの、先ほど申し上げましたが、張り巡らす、これはもうある意味で企業の、今の国際競争にさらされている企業に頼るわけにはまいりません。したがって、それは政府、中央、地方を問わずやらないといけないわけでありますので、そういう意味では、今回の補正それから本予算においても、先ほど申し上げましたように、訓練をする、それからこの訓練期間中雇用保険がカバーしなくても生活支援のための融資ということをやる、様々な施策を取っておりますので、現実に今委員がおっしゃったことは相当程度盛り込まれていると思います。
 ただ、しかし、急速な経済情勢の悪化、特に雇用情勢、これは昨日の月例経済報告でも、雇用の数字というのは遅行指数ですから後からしか出てきませんで、ぱっと見た限りそんなに悪くなってないじゃないかと思われるかもしれないですけれども、少し遅れてもっとひどい状況来るという懸念をしておりますので、そういう意味でも全力を挙げてこのセーフティーネットの拡充ということを政府でやりたいと思いますので、この国会の場においても様々な議論を通じていいアイデアがあれば前に進めていくということで議論をしていきたいと思っております。
#43
○小林正夫君 この問題はこれで終わりますけれども、やはり極端な規制緩和やってきた一方で、もう今日の状況はある意味じゃ想定される問題だったんですね。そこにセーフティーネットを初めからつくってこなかったというのが私は政権与党の失政だと思いますよ。是非そういう点ではこういうセーフティーネットが必要だということを改めて私は指摘をしておきたいと思います。
 そこで、このセーフティーネットの資料の上の雇用保険の関係です。
 私は、この雇用保険も大いなるセーフティーネットなんです。保険ですから、自分たちが失業したときに一定の期間給付が受けられる保険なんですね。私もサラリーマンの経験をしましたけれども、有り難いことに、この雇用保険をずっと長年納めましたけれども、それをもらわなくて済んだ、今のところこういう人生になっているんですね。だから、保険なんですよ。ですから、保険だから、多くの人に保険に入っておいていただいて、万が一あったときにはそれが適用を受けられると、このようにしていくことがもう私はセーフティーネットの一番かなと、こう思うんです。
 そこで、政府の方も、この四月以降、この雇用保険の適用条件について一年以上雇用の見込みという条件を六か月以上の雇用の見込みに変えたいと、こういう今考え方が示されて、これから論議、四月一日の施行を目指すと、こういうことになっていくんだと思いますけれども、そこでイメージ図に資料二を用意をいたしました。
 これ、大臣、明らかなんですが、三十日までの日々働いている人たちについては日雇雇用保険という制度があって、こういう保険に入っていると。ところが、政府の考えている一年以上雇用の見込みを六か月以上にしたとしても、この三十一日以降六か月未満の人が抜け落ちちゃうんですよ。ここをしっかりしなきゃいけないんじゃないかと私は考えるんです。むしろ、非正規雇用の人たちはこの三十一日以降六か月間の間という働き方をしている人が多いんじゃないかと、このように私は思うんですが、大臣、どうでしょうか。
 政府の今考えていることは、今私たちがこれだけ厳しい局面にあって雇用保険でもセーフティーネットをつくらなきゃいけないと口では言うけれども、ここにとどまっちゃうんですよ。この抜け落ちているところを、やはり原則として働いているのならば保険にみんな加入してもらうと、こういう制度にしていかなきゃ、私たちが今回いろんな世間から政治に言われているそのことがしっかりこたえることができないんじゃないでしょうか。このことについてどう思いますか。
#44
○国務大臣(舛添要一君) 委員のおっしゃることはよく分かりますが、片一方で、私は常用が基本であると、期間の定めのなくみんな働く。
 イメージ的に、このイメージ図がありますけれども、申し上げますと、やはり、いったん就職する、そうすると、もうころころころころ首切られるとか仕事変わるんじゃなくて、やっぱり最低六か月ぐらいいて定着するということが期間の定めのない働き方になるわけですから。私は、例えばそういう観点から見て、これはもうまさにバランスの問題で、定着をすることのインセンティブ、そして期間の定めない長期な雇用に、それは例えば派遣についていうと、派遣先、派遣元の経営者についてもそうですけれども、そういう人たちについてきちんと定着させる。例えば常用的に使うにしても、最低あなた六か月ぐらいはエンドじゃないのと、ころころころころ変えさせるんではなくて。そういう意味でもやはり片一方できちんとした定職を、恒産なければ恒心なしと常に私は申し上げますが、それを持つためにもやはりそういうインセンティブの面もあると。
 逆に、それは本当に困っている方々、三十一日以降でも入れるというのも一つの手ではあります。しかし、これが逆インセンティブになってころころ変わることがあるかなと。よく循環的な離職という、峰崎委員の選挙区の北海道、これ特に冬場雪が多いですから、そういう形の形態よくございますですね。だから、余りそれを進めるのもどうかなというので、問題意識は共有いたしますけれども、そういう全体のバランスで六か月ということを今考えているということでございます。
#45
○小林正夫君 そうすると、大臣、六か月以上の雇用の見込みがあることが条件になるんですね。仮に私が契約をして三か月という働き方になってしまったと、これは私は三か月の雇用しか見込まれていないから、その段階で雇用保険には入れないと、こういうことになっちゃうんですね。いかがですか。
#46
○国務大臣(舛添要一君) 厳密に言えばそういうことになりますけれども、しかし、繰り返ししかしその後また三か月継ぎ足して六か月になるよという見込みがあれば、そこはフレキシブルに適用はできるというふうに思います。
#47
○小林正夫君 私は、ちょっと今の大臣の答弁が、そんな政府の案できちんとなるかどうかよく分かりません。この六か月以上の雇用の見込みで、政府の統計によると、ここの部分で改善できる人は非正規雇用のうちの百四十八万人しか対象にならないんですね。
 それで、去年の十一月の十四日に我が党の長妻衆議院議員が厚生労働委員会でこの関係で質問したところ、政府の答弁としては、非正規の労働者約一千七百三十二万人のうち、最大の見込みとしては約一千六万人が雇用保険の被保険者となっていないと、こういうふうに回答がありましたから、実に非正規労働の一千七百三十二万のうちの約六割がこの雇用保険に入っていないということになるんです。
 そこで、今回、政府の六か月以上一年、まあ六か月以上の雇用を見込めたとしたとしても、これは政府から出された資料でいくと、百四十八万人しか新たに雇用保険に入れないということになるんです。実に八ポイントしか雇用保険に入る人が増えないということなんですよ。ですから、六か月以上にしたとしても五〇%の人しか入っていなくて、五〇%の人は入れないということなんです。まして三か月の見込みしかない者は、先ほど大臣はそれが、だって先のことが分からないから三か月という雇用になっちゃうんですよ。多分、その人は雇用保険に入れないということになる。ここが、一年間で例えば二百日以上とか一年間トータルすると六か月以上働いている人、この人たちも含めて雇用保険に入れていかなきゃ私はいけないんだと思うんです。私たちはそう考えているんです。
 そこで、細切れに働いていて一年間で百八十日以上働いている人、この数字はつかんでいますか。
#48
○国務大臣(舛添要一君) そういう数字は把握しておりません。
#49
○小林正夫君 そこで、資料三なんですけれども、これは総務省の就業構造基本調査、平成十九年度です。いろいろそれを加工してこのような分かりやすい資料に作ったんですが、もう一歩分かりやすく作ればよかったかなと、このように思うんですが、このピンク色の部分、これは左側に一から七番の番号が振ってあって、一番が正規の職員・従業員という数になっているんです。二番目以降がまさに非正規労働の、正規の職員・従業員以外のトータル。これをトータルすると、一千六十五万人の人が二百日以上は働いているということになるんです。それで、この中で六か月間ずうっと連続で働いている人もいれば、細切れで一年間二百日以上働いている人もいるんですよ。
 今政府の考えているのは、六か月の見込みがなきゃいけないというんだから、六か月連続で働いている人たちについては雇用保険に入れさすけれども、そうじゃない、これだけ多くの中のすべてが細切れとは言いませんが、この人たちをきちんと雇用保険に入れていくというのが私たち政治の役目じゃないでしょうか。この辺についてはいかがですか。
#50
○国務大臣(舛添要一君) 今委員がいみじくもおっしゃったように、細かいそれぞれの労働者がどういう形かというのはなかなかつかめないわけですけれども、ただ、今一年を六か月に短縮しようということなんですけれども、現行の一年の場合でもちょっとこういうふうな適用をやっているということを御紹介したいと思います。
 基本的には週の所定労働時間は二十時間以上とか一年以上というのはあるわけですけれども、例えば有期契約労働者については、契約に更新規定が設けられている場合、それから更新規定がない場合でも当該事業所において同様の雇用契約に基づき雇用されている者の過去の就労実績を見て契約が一年以上にわたって反復していると認められる場合、これは今度、一年が六か月に変わるわけです。
 それから、例の派遣労働者についても、二月程度以上の派遣就業を一月程度以内の間隔で繰り返し行うとなっている場合とか、それから一月以内の派遣就業でも数日以内の間隔で繰り返し行っている、繰り返しが想定されるという形で、それを今は一年以上、今度は六か月に法律が通ればなりますけれども。ということにしておりますので、一年を六か月に適用拡大することによって相当程度これはセーフティーネットのカバーができると思います。
 もう一つの問題は、これは給付と負担のバランスの全体をほかの労働者も含めてどう考えるかという問題もあるということを、これはまたいずれゆっくりまた議論をしたいと思います。
#51
○小林正夫君 与えられた時間が来ましたのでぼちぼち終わりにしますけれども、最後に、古賀参考人、今の雇用保険の在り方、あるいはセーフティーネットをつくってこなかった私は与党政治の失政だと思いますけれども、このことに対して参考人の御意見を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#52
○参考人(古賀伸明君) 私は、競争とか効率とか経済性の追求をすべて否定するつもりはございません。しかし、余りにもそれが優先をした国の経済政策、社会政策が今のような日本社会をつくっているんじゃないかと思えて仕方がありません。経済性、競争、効率という価値観と、そして社会性、共に生きる共生、あるいは共につくる協同という価値観がバランスの取れた政策をつくっていくべきだというふうに思っております。
 そのような観点からいえば、ここ数年のとりわけ社会政策周りは、まさに片一方のセーフティーネットを準備せずに片一方の規制緩和をどんどん行っていく、そしてそこから落ちこぼれた人は自己責任で立ち上がれ。本当にこの政策が今のようなぎすぎすした日本社会をつくり出したのではないかと思えて仕方がないわけでございます。
 そういう意味では、今、民主党から提案がございました第二という点でのセーフティーネット、一層、二層、三層という考え方は、冒頭申し上げましたように我々も就労・生活支援制度として提唱をしているものであり、全く意を同じにするものでございます。雇用保険についても、すべての働く者に雇用保険が適用されるということが基本的原則であろうと思います。
 ただ、細部、いろんな意味では制度の細部については様々な課題もあるというふうに思いますので、それについてはきちっと細部の議論をしていく中でより良い方向にそれらの制度をつくり出していかなければならないのではないか。とりわけ、最後議論しておられました件については、私はその前に提案があったセーフティーネットのあれとかみ合わせるような仕組みもできるのではないかというふうに思っておりますので、そのことだけお伝えをしておきたいと思います。
 以上でございます。
#53
○小林正夫君 ありがとうございました。終わります。
#54
○委員長(溝手顕正君) 以上で小林正夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#55
○委員長(溝手顕正君) 次に、坂本由紀子君の質疑を行います。坂本由紀子君。
#56
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。
 今日は、三人の参考人の皆様には大変お忙しいところ、急なお願いにもかかわらず御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。
 今大変大きな問題でございます経済、雇用について、皆様方の御意見を伺う中で議論を深めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 先ほど川本参考人からは、労使で雇用安定・創出に向けた労使共同宣言を出したというお話がございました。私もあらかじめ新聞報道等で承知しておりましたので、この共同宣言を拝見してまいりました。
 古賀参考人からは特にこれについてのコメントはなかったように思いますが、この共同宣言について、連合としてはどのようなものとしてとらえ、どのような行動を取っていかれるおつもりなのか、まずは古賀参考人にお伺いをいたします。
#57
○参考人(古賀伸明君) 川本さんの方から意見陳述の中でございましたので、時間の関係で私の方からはそれについて触れませんでした。ただ、川本さんからもございましたように、一月十五日の日本経団連と連合との首脳懇談会の中で、雇用安定・創出に向けた労使共同宣言というものをお互いに確認をし、それをメッセージとして発信をし、その当日に政府の窓口でございます厚生労働大臣に報告と、そして政府に対する要望も行ったところでございます。
 したがいまして、今後は労使で様々な議論をする課題について早急に詰めていきたい。そして、その議論をしながら、当然のことながら、そこには国の政策や政府の力を借りなければならないこともたくさんあるわけですから、政労使の役割をどうしていくのかも含め、それらのことを詰めていきたいというふうに考えているところでございます。
 とりわけ、政府については、我々としては雇用のセーフティーネットの拡充、雇用の創出について要望、要請をしていきながら、それが各地域でもそのような取組ができるような、そんなことを日本経団連の皆さんとも協議を重ねながら具体的に活動、論議をしていきたいというふうに思っているところでございます。
 以上です。
#58
○坂本由紀子君 先ほど川本参考人からは、この労使共同宣言が政府に要請している雇用対策、この中で指摘しているものが今回の補正予算あるいは来年度の本予算に含まれているので、早期にこれを成立させてしっかりとした対策を講じてもらいたいという御意見の陳述がございましたが、基本的には今おっしゃった古賀参考人も同じスタンスでいらっしゃると思いますが、その点は違うのでしょうか。
#59
○参考人(古賀伸明君) 現在、政府に要請している具体的政策について、その政策のどれが今回の補正予算に入った、あるいは二〇〇九年度の予算に入ったという厳密な精査はしておりません。ただ、もちろんのこと入っているものもあるでしょう。しかしながら、やっぱり政府の政策と、それとこれらの与野党の協議というのはこれは非常に重要なことでありまして、野党の提案あるいはいろんな意味でのそれらのことがこの国会で議論をされながらより良い方向に我々としては持っていっていただく、そんなことで見守りたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#60
○坂本由紀子君 雇用問題は、先ほど宮川参考人のレジュメのところにもございましたように、政府と民間の役割分担をきっちり定めやっていくこと、そして労使それぞれに行うべきことはしっかりやっていただく、政府がやるべきことは政府がしっかりやるということだったように思います。
 そういう意味で、まずは労使のそれぞれのお取り組みの認識を伺いたいのですが、川本参考人には、このところ急激に派遣等の非正規を中心とした雇用の削減が生じてきております。万やむを得ない経営問題もあるのかと思いますが、この点について、経営者としては特に雇用を守るということについてきちっとやるべきことはやって十二分な努力をしてきているかどうかということについての御認識を伺いたい。
 そして、古賀参考人には、今回、連合においては二〇〇九年の春季生活闘争方針というのが出されております。あるいは各単組、特に自動車総連であるとか、雇用の問題が急浮上しております。組合もこの問題についてはどのようなお取組をしておられるのか。非正規の方たちの契約が打ち切られるというような事態に対して、それぞれ連合本体として、あるいは自動車総連として、あるいは個別の組合としてどのようなお取組をしていらっしゃるかということについてお伺いをいたします。
#61
○参考人(川本裕康君) ただいま雇用が削減状況等もある中で、企業としてどういう対応をしているのか、努力をしているのかというような御質問だったのかと思います。
 各社の置かれている状況が様々なものですから一概には申し上げられないわけでございますけれども、例えば減産に伴います残業停止とか、あるいは操業日数を削減するとか、あるいは配置転換とか、あるいは出向等なども考えられているかと思います。いずれにしましても、個々の企業さんの労使で話し合った上で個別会社ごとの取組が行われてきているというのが実態であろうかと思います。
 それから一方で、先ほどもちょっと触れましたけれども、人手不足が元々あった企業さんとか余力のある企業においては、人を今逆にチャンスとしてとらえて採用を拡大していっている企業、そういう取組をしているところもあろうかと思います。
 ただ、申し上げておきたいのは、現在の環境は、やっぱりこの世界同時不況という中で、需要が大幅かつ急激に縮小しているという一つの不況要素と、もう一つ日本の円高がすごい進んでいる、二つの要素の不況が重なってやってきている未曾有の事態であるということだけは申し上げておきたいと思います。
 そういう中で、経営者は皆さん、従業員の雇用あるいは国際競争力の維持どうして図っていくのか、あるいは企業の存続、発展どう図るのかということで非常に心を砕いていると、こういう状況だろうということを申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
#62
○参考人(古賀伸明君) 連合、労働組合としての取組について御報告をさせていただきます。
 先ほども少し御紹介をさせていただきましたけれども、まず我々連合本部としては、やはり対政府、政党、行政に対しての現下の情勢に対する政策を早く打つべきだという要請に取り組んでまいりました。特に地方自治の観点からも、全国知事会あるいは全国市長会等への要請も行いました。
 加えまして、主体的に雇用にかかわる緊急アンケートを実施をする。あるいは、内定取消しや労働相談のダイヤルの実施をやっていく。加えて、労働金庫、全労済と連携をしながら、それらの人たちへのサービスの拡大、拡充ができないかということに対するアイデア等々についても出し、一部実施をしてきたところでございます。
 そして、構成組織そして単組という現場が一番大切でございますけれども、それぞれの構成組織では、産業別の労使会議や労使懇談会でこの雇用・能力開発に対する要請を行いながら、それが個別労使間の労使協議、労使交渉となり、そして職場における相談窓口も設置をするような格好で取り組んでまいったわけでございます。
 加えまして、私ども、全国、北は北海道から九州まで地方連合会が四十七都道府県に設置をされております。ここでは、ワンストップサービスを展開をしながら、その地域の事務所に行けば様々な支援に対するワンストップサービスの拠点としての活用を拡充をしていく、あるいは、当然のことながら、地方における政労使での雇用問題に対する対応を協議しその実施を図っていく、それらのことにもリーダーシップを発揮したことを御報告をしておきたいと思います。
 以上でございます。
#63
○坂本由紀子君 私は、個別にもう少し具体的なお取組を伺いたかったのですが。
 この闘争方針の中では、この厳しい状況の中でもベアの確保等をうたわれております。特に自動車総連は、報道等によれば、昨年、自動車会社が史上最高の利益を得ていたと言われた昨年は千円以上の賃金改善分の設定という要求だったんですが、今年はこれだけ厳しいと言われている中で昨年を上回る四千円以上の賃金改善を要求するというようなことをなさっておられます。
 企業の中の資源が有限であるとすれば、正規社員だけの利益を守るということではなくて、むしろ、そういうところに入っていない、そういう方たちを下支えしている非正規の方々の雇用安定というのに私はもっと個別に御尽力をしていただく余地というのは大きいのではないかというふうに感じて今伺った次第でございますが、そういう具体的なことについてのコメントはございませんでしたので、次に移りたいと思います。
 特に派遣労働者についての問題が大きく国民の関心を呼んでおります。派遣労働者については雇用の安定が図れていない、つまり期限が切られておりますので、元々特定の派遣、そもそも派遣ができたときに認められた専門的業種についてはその期限の定めがございませんが、ポジティブリストからネガティブリストに変わったときには、本来常用雇用が原則だということで、一般の常用雇用がこの派遣の業種を広げることによって損なわれることがないようにということで、期限の上限を定めたわけです。
 そういうことで、派遣労働者についてはともすればそういう意味での不安定さというのがあったわけですが、特にこのような雇用を創出するという事態になりますと、雇用保険が適用されているかどうかということは大変大きな課題だろうと思うのでございます。
 それで、雇用保険の適用状況をあらかじめ厚生労働省に聞いたところ、派遣については、平均して雇用保険の適用は八八・七%適用されている、特に常用型では九一・八%適用されている、製造業についていえば九九・二%雇用保険が適用されているというデータをいただきました。
 つまり、言われているほど、派遣の人たちは切られて雇用保険の適用すらなくてかわいそうだということではなくて、実はそういうセーフティーネットは、この派遣についていえばかなりの程度整っている。中には法令を守らない悪質な業者もいますので一〇〇%ではないけれども、この派遣労働者で雇用保険が適用されていないのは、例えば通訳の方だとか、もう専門的に、自分はその仕事があったときだけ行くというような方は適用されていないようですが、どうも世上言われていることと実態とが違うという状況にございます。そして、今特に大きな問題になっているのは、製造業については派遣をやめさせるべきだというような議論が出てきております。
 そこで、川本参考人には、この製造業について派遣を禁止した場合に国内の雇用にどのような影響が出るというふうにお考えなのか、この点についてお伺いをいたします。そして古賀参考人には、この製造業の派遣の禁止の問題についての御見解を伺いたいと思います。そして宮川参考人には、このような派遣というような働き方が日本の雇用形態としてどのようなものとして御認識をされているのかということについてお伺いをいたします。
#64
○参考人(川本裕康君) 今の御質問でございますが、製造派遣がもしも禁止ということになればどういう影響があるかということであろうかと思います。
 現在、製造業に従事している派遣労働者、二〇〇七年で四十六万人というふうに統計で聞いて見ているところでございます。今、雇用失業情勢大変厳しい状況でございますが、こういう中で一律に禁止した場合にこの四十六万人の雇用というものが守れるのかというものが本当にあって、影響は大変大きいのではないかというふうに思っているところでございます。
 また、製造業派遣を主力とする派遣元事業主には地方の中小企業というものも多いわけでございます。これは禁止するのみということになりますと、多くの企業倒産を誘発して地域経済にも更なる影響というのが出てくるのではないかということを危惧しているところでございます。
 さらに、景気が回復していったときのことでございますが、知名度や採用吸収力のある大企業に比べましてそういう動員力が不足しております中小企業においては、人材、人を確保していくということが非常に難しくなるのではないかと、そういうことから操業に悪影響を与えるということにもなるのではないかなと思っております。
 一方、好不況にかかわらずでございますけれども、やっぱりうまく需給調整ができない人たちもいるわけで、そういう方たちにとっては、この雇用の需給調整機能を果たしている派遣制度というのも非常に役割を果たしているわけでございます。こういうこともよく考えておかなければいけないのではないかと思っております。
 また、あわせまして、もしも派遣制度の見直しという議論を行うということであれば、まず問題の所在というのを明らかにすることだろうと思っております。今、坂本先生の方から、この派遣につきましては、雇用保険、ほとんどの方が製造派遣では入っておられるという指摘がございましたが、ある意味では、この雇用保険制度の中ではこの派遣のシステムというのが逆によく守っている部分もあるというところも考えなければいけませんので、そういう様々な実態を分析した上でないとなかなか議論というのはできないのではないかというふうに思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、こういう派遣制度、抜本的見直しということがあるとするならば、やはり政労使三者構成によります労働政策審議会での議論が欠かせないんだろうというふうに思っております。
 以上でございます。
#65
○参考人(古賀伸明君) まず、昨今のいわゆる派遣切りについては、労働者派遣契約を中途解除するという派遣先も問題ですけれども、そもそも派遣元が雇用主としての責任を果たしているかどうか、ここにも大きな問題があるのではないかと思っています。
 加えて、先ほど坂本先生の方からございました物の製造業務への労働者派遣の件でございますけれども、連合としては現在の政策は製造業などといった派遣先の特定の業種だけを問題にしているのではありません。我々は、登録型派遣という構造的に極めて不安定な雇用形態にこそ基本的、抜本的な問題があり、メスを入れなければならないと思っています。
 したがいまして、私どもは一昨年、二〇〇七年九月に連合としての労働者派遣法改正についての考え方を取りまとめました。その基本的なスタンスは、労働者派遣のあるべき姿は一九八五年の法制定当時の専門業務限定であるべきだろうと、しかし当面は九九年に解禁をした一般業務のうちの登録型を禁止するということでございます。今の登録型派遣の働き方というのは、極めて雇用の不安定さ、労働者の保護という観点から見直しを行うべきだというふうに考えております。
 加えまして、先ほどとんちんかんな答えを私したんでしょうか、労働組合としての雇用に対する取組を報告せいということでしたから私なりに報告したつもりでございますので、また何か具体的に御質問があればお答えをしますので、そのことを付け加えておきたいと思います。
 以上でございます。
#66
○参考人(宮川努君) 私は、派遣につきましては、まあ労働者の方が選ぶ一つの形態としては存在してもいいというふうに考えておりますけれども、ただ、二〇〇〇年代前半からの派遣の増加を見ますと、必ずしもそれがやはり労働者の質を上げるというふうにはなっていないというふうに思います。したがって、より高度な職業訓練を受けたいと、そういうような人にとってみると、例えばそうした派遣でずっと過ごさなくてはいけないということについては非常に不利であって、そうした方にはやはり正規雇用への道というのを用意すべきだというふうには考えております。
 ただ、重要なことは、余り派遣の問題という労働面だけに焦点を当ててしまうと、企業の方は、必ずしも日本で人を雇用しなくてはいけないという制約がないわけですので、例えば海外へ移ってしまうと。実際に一九九〇年代の後半にはかなり産業の空洞化ということがあって、地域経済全体にも大きな影響がありました。そういうことを考えますと、そこまでに企業を追いやってしまうというのは日本経済全体にとっても望ましいことではないと思います。
 要は、日本の労働者は非常に高度化するといいますか、非常に日本の労働者の技能を高めて、そして企業にとっても日本で雇用をして業務を行うことが有利になるというような雇用状況をつくることが大切であると思っております。
#67
○坂本由紀子君 ありがとうございます。
 今日はせっかく労使の団体の方においでいただいたので、実は昨年末に、厚生労働委員会でわずか二時間の審議時間で民主党ほか野党から提出された雇用四法案なるものが参議院で採決をされました。衆議院でも短時間で結論が出たので、私はこういうのを短時間で結論を出すのはいかがなものかなと思っておりましたので、その中身についての御意見を労使に伺うべきだということを申し上げたものですから、是非この場を借りて伺いたいのであります。
 特に、有期の労働契約というのがあります。有期労働契約については、臨時的、一時的な業務であるとか、あるいは休業労働者の代替だとか、そういう一部限定的な場合を除いてはこの有期労働契約というものは認めないというもの、そしてこれを次回の契約更新時に、そのときから施行するというような法律が中にあったんでございますが、こういう有期労働契約を一切認めない、原則として認めないということが今の日本の企業が活動していかれるについてやっていけるものなのかどうかということについて、川本参考人から御見解を伺いたいと思います。
 また、古賀参考人からも、非正規の方たち、できるだけ安定した仕事に就くということは私も大変大事なことですし、ただ、有期を一切認めないということが現実的にいいのかどうかということについて御見解を伺いたいと思います。
 そして、宮川参考人には、これからの日本の発展を考えると、私は、先ほどおっしゃった欧米にあるような柔軟な働き方が大変いいのではないかという御指摘がありました。特に、イギリスなんかでも教育訓練付社会的企業というようなものもあって、様々柔軟な働き方があるというお話がございました。これからの私たち日本の社会において求められている雇用の在り方について一言御見解をいただけると有り難いと存じます。
#68
○委員長(溝手顕正君) 残り時間少ないですから、簡潔に皆さんお願いします。
#69
○参考人(川本裕康君) ただいま御質問、有期労働契約禁止法案のことについてどう考えるかということだったと思います。
 労働契約のまず原則でございますけれども、これは労働契約法の第三条一項に規定がございます。労働者及び使用者の対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとするということであろうかと思っております。したがいまして、有期労働契約につきましても、使用者と労働者の双方の合意を何より尊重すべきであるというふうに思っているところでございます。
 民主党案につきましては、労働者の選択をも制限することになる場合も考えられ、労働契約の成立を難しくする点もあろうかと思いますので、結果として雇用が縮小していく可能性が強いのではないかとも考えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、労働契約法というのは労働契約関係の基本的なルールを定めるものでございますので、その修正を行おうということになった場合には、労働政策審議会で十分な審議、検討を行う必要があるのではないかというふうに思っている次第でございます。
 以上でございます。
#70
○参考人(古賀伸明君) 有期の労働をどう考えるかという御質問であろうというふうに思いますので、それにお答えをしたいと思います。
 私は、有期労働を一〇〇%、一二〇%すべて駄目だと言うつもりはございません。しかし、今日議論にはなりませんでしたけれども、そこには最低二つの前提が要る。その一つは本人の意思が反映をされること。もう一つは均等待遇です。同一価値労働同一賃金の原則が貫かれていること。これらのことが前提条件としてきちっと担保されておれば、有期労働というのも一つの働き方として認めても私は何らおかしくないというふうに思っているところでございます。
 いずれにしても、この間、経営側はコスト削減のために有期労働者を雇ったと、これはもう事実です、どうあがいても。したがって、そういうことでの、やっぱり労働者の保護という観点についての片一方での規制というのは必要である、そう感じることを御報告をさせていただきます。
 以上でございます。
#71
○参考人(宮川努君) 今後の雇用といいますか、の在り方ということで御質問をいただいたかと思いますけれども、私は、先ほども申し上げましたように、人材の活用、高度化ということが非常に重要だと思っておりますが、それは、従来の産業で見ますと、製造業型というものだけでなく、サービス業というのはもっと別の形態もあっていいだろうというふうに考えております。
 そういう意味では、私はサービス業はより高度な人材を生み出す必要があるというふうに考えておりますし、その結果、もっと固定化ではなく契約型のようなフレキシブルな雇用形態も出てきていいでしょうし、それがサービス産業の生産性の停滞を打破する一つのかぎになるかというふうに思っております。それはまた、労働者の方にとっても選択肢を増やすということであります。もちろん、最低限のセーフネットが必要であるということは言うまでもありません。
 以上です。
#72
○坂本由紀子君 雇用の問題は経済を支える大事な問題でございますので、これからも十分議論を深めていただきたいと思います。
 参考人の皆様には大変ありがとうございました。
#73
○委員長(溝手顕正君) 以上で坂本由紀子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#74
○委員長(溝手顕正君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木清寛君。
#75
○荒木清寛君 公明党の荒木清寛でございます。
 今日はお三方には大変ありがとうございます。お三人にそれぞれお尋ねいたします。
 まず、川本参考人に聞きますが、ワークシェアリングにつきまして、今年に入りまして御手洗経団連会長は改めて、一つの選択肢である、こういう表明もしておられます。そこで、これはなかなか本格的な実施ということについてはまだ検討すべき課題があろうかと思いますけれども、いわゆる緊急避難型のワークシェアリングですね、つまり、こうした急激な生産減少に対応するために社員一人当たりの労働時間を短縮をして、その分全体の雇用数を維持をするという、こういう緊急型のワークシェアリングにつきましては、もちろんこれは労使で協議をしなければいけないんですが、何とか早急に実施できるように経済界としても取り組むべきではないでしょうか。
#76
○参考人(川本裕康君) ただいまワークシェアリングに対する御質問をいただいた次第でございます。
 まずは一つお断りしないといけないのは、実はワークシェアリングって余り定義がはっきりしていないところがございまして、それぞれの方が考えているものがちょっとばらばらなところがございます。一番狭い範囲で言いますと、労働時間を短縮して雇用を創出する、外から持ってくるという考え方でございますし、もっと広く言いますと、実は先ほどちょっと私言いましたが、操業を短縮するとか休業して雇用調整助成金をもらいながらも雇用を守っていく、ある意味ではこれも大きな意味ではワークシェアリングとも言えるわけでございます。
 ちなみに、私どもの会長の御発言ということがございましたが、これは時間外削減あるいは時短によって雇用を維持するというワークシェアリングの考え方も企業にとっては一つの選択肢ではあるだろうということで、そういうことをやる企業もあるんではないかということで御提示をしているというところでございます。
 実は、このワークシェアリングも、過去に行われた例を見ていきますと、やっぱり幅広に見ますといろいろ企業さんやられておりますが、範囲を短くすれば、狭くすれば狭くするほど実は余り行われた例が少ないということにもなっていきますので、こういうことも含めまして、私どもとしても、現在のこのワークシェアリング、どういうメリットがありどういう難しさがあるかについても研究は進めてまいりたいと思っているわけでございますが、ただ、個別の企業の実情に応じたやっぱり雇用維持をどう図っていくのかというのが最大の問題なのかなというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
#77
○荒木清寛君 川本参考人に続いてお尋ねいたしますが、今回の春闘につきましてはベースアップは困難であるということを早々と表明をされております。各社これは収益が、経常利益がもう急激に悪化をしておりますから分かるところでありますけれども、しかし一方で、この間、過去最高収益を続けて内部留保がたまっているということもこれはよく知られていることでございます。
 そこで、この点はよく春闘で議論をしていただきたいと思いますが、その中で、そうした内部留保というのを原資としまして、何とか非正規労働者の雇用を確保するという、その原資として一部使うというような形で対応できないのかと、このようにも思いますけれども、この点、お考えがありましたら御報告願いたいと思います。
#78
○参考人(川本裕康君) ただいま私どもが賃金困難というお話が、御指摘が一つ、それから質問として内部留保のお話があったかと思います。
 まず、今の賃上げの話でございますが、まず申し上げておきたいのは、私どもとしては、春季労使交渉においては雇用の安定ということをまず初めに労使で話し合っていただきたいというメッセージを出したということ。二つ目、賃金につきましては、これは従来からの原則論は変えてございませんで、総額人件費の決定は自社の支払能力に即して決定すべきであると、この主張は一切変えてございません。
 そういう中で、今非常に厳しい企業さんも多く出てきている。一方で、恒常的な生産性の裏付けがある、そういう支払能力がきちっとある会社につきましては人材確保あるいは処遇改善にも重点的に振り向けることも考えられるだろうと、こういうことを言っているということをまず御理解いただきたいと思います。
 その上で、今回なおということで、減益傾向が一層強まる中でベアは困難と判断する企業も多いと見込まれるということを付け加えさせていただいたということでございます。まず、誤解をされているとあれですので、ちょっと解説をさせていただきました。
 また、今内部留保のお話がございました。まず、内部留保でございますけれども、これは何に使われているかといえば、企業がその安定と成長に資するべく、株主の承認を得て、その利益のうち配当金などの形で株主へ分配を回せなかった金額の蓄積だということなんであります。そして、この内部留保は必ずしも現金や預金として保有されているわけではございませんで、実際には相当割合は生産設備になっている、あるいは商品の在庫などの形で保有されているということでございまして、これらを売却して現金等に換えることというのはほとんど不可能だという面もございます。
 また、バランスシート上に計上されております現金、預金につきましては、企業が活動する上で仕入れ代金の支払あるいは賃金の支払など必要な運転資金として一定の現金を常に確保することが求められているところでございます。現在黒字経営でもあっても、資金のショートがあって倒産に至るというところもございますけれども、こういうところで日銀が今CPの買取りを検討する状況にも至っているというのも御案内のとおりでございまして、なかなか今資金繰りというのは難しいということでございます。
 いずれにつきましても、内部留保は有限でありまして、積み立てない限り、取り崩しをしておりましたら崩壊してしまうわけでございます。自己資本に積み立てる、一方で他人資本ということでございます。これを合わせたものが総資本ということも考えながら、あとは個々の企業さんの経営状況の中で御判断ということになるのかと思います。
 以上でございます。
#79
○荒木清寛君 次に、古賀参考人にお尋ねいたします。
 同じくこのワークシェアリングについてですが、二〇〇二年三月二十九日に政労使合意があったわけですけれども、しかしこの間、ワークシェアリングは実際には進みませんでした。これはどこに原因があったのかということと、それから、先ほど申し上げたようなこの緊急避難型のワークシェアリングについての連合のお考えをお尋ねしたいと思います。
#80
○参考人(古賀伸明君) ワークシェアリングにつきましては、先ほど川本さんからもございましたように、一度労使でワークシェアリングの定義をきちんとしなければならないというふうに考えております。
 私独自の考え方は、今それぞれの企業が行っている様々な時間短縮あるいは休業による制度は、これはワークシェアリングと呼ばれていますけれども、私は、個々の企業の労使が知恵を出した雇用調整であり、生産調整。本来の意味でのワークシェアリングは、やはり政労使が日本全体の中でのワークをどうシェアしていくのかというシステムをどうつくり上げていくかということだと思います。したがいまして、日本という、どちらかといえば企業内というところに閉ざされた人事処遇制度を持っているところが多い、あるいは欧米のように産業横断的な賃率もない等々では、かなり難しい面もあるんじゃないかというふうに思います。
 しかしながら、それらの課題がやっぱり幾つあるのか、どういう課題があるのかということを詰めながら、いずれにしましても大きな意味でのワークシェアリングというのは追求をしていかなければならないでしょうし、そのためには、やっぱりまずは我々の視点は労働時間。労働時間がやっぱりきちっと残業が減り、九時から五時の人たちが標準になっていく、そういう中で初めてワークシェアリングが達成できるのではないか。それともう一つは、やっぱり均等処遇ということだというふうに思います。
 以上でございます。
#81
○荒木清寛君 もう時間がわずかになりましたが、最後に宮川参考人に、今後の景気回復への対策を考えますと、アメリカ依存ではなくて、成長が著しいと期待される新興国向けの輸出をどう増やすかという、そういう政策が必要だと思いますが、この点、何か示唆がございましたら教えていただきたいと思います。
#82
○参考人(宮川努君) 既に製造業の競争力の強いところは世界中で日本の技術を蓄積した製品を販売していると思います。これからはやはりサービス業もある程度そうした形で海外に展開していく。実際に、アパレル関係の小売店や、それから例えば回転ずしといったような、そうした日本独自のビジネスモデルを持っているところが積極的にアジア地区を中心にビジネスを展開していると。そういうことで、業況を広げているところはやはりこれからも伸びていくだろうというふうに思いますし、そこに必要な人材を提供していくということがこれからの政策的な役割ではないかなというふうに思っております。
#83
○荒木清寛君 終わります。
 ありがとうございました。
#84
○委員長(溝手顕正君) 以上で荒木清寛君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#85
○委員長(溝手顕正君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
#86
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 大きな社会問題となっております非正規切りについて舛添厚生労働大臣に伺います。
 大阪に本社のあるダイハツ工業は、昨年末、三月までに契約期間が満了になる派遣・期間労働者のうち五百人ないし六百人を減らすと発表いたしました。先日、労働者から話を聞いて驚きました。期間社員として契約を繰り返し、十年近く働いてきた労働者が昨年十二月で雇い止めになっておりました。別の労働者も、期間社員として十六年働いてきましたけれども、今年の一月に雇い止めにされました。
 厚労大臣、こういうことが許されるんですか。
#87
○国務大臣(舛添要一君) 個別の事案についてのコメントは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げますと、裁判の判例をいろいろ調べてみました。雇い止めについて争われた裁判所の判例でございますけれども、有期労働契約が反復更新されている事案では、解雇権の濫用法理が類推適用されるとしているのがあります。ただ、雇い止めについて、正社員の整理解雇の判断基準とは異なるとの理由で雇い止めを認めた事案がかなり見られる、これが今の判例の状況でございます。
#88
○山下芳生君 ダイハツの期間社員がどのように仕事をしているか。ボディーを組み立てるラインでは、長年、正社員八人、期間社員七人で組を作って生産に当たっております。期間社員がいなければ生産ラインは動きません。このラインで十六年期間社員として働いてきた労働者は、職場の人がてっきり正社員だと思っていたというぐらい長くおられます。正社員の中には、この期間社員の方に作業を習って、今では職制として働いている人もおります。まさに実態は常用雇用です。こういう方が何人も雇い止めにされております。これは是正指導すべきではないですか。
#89
○国務大臣(舛添要一君) 繰り返しになりますが、個別の事案についてのコメントは差し控えますが、雇い止めにつきましては、労働基準法に基づきまして、有期労働契約の締結、更新及び雇い止めに関する基準というものが、これは大臣告示がございまして、そこで、契約の締結時にその契約の更新の有無を明らかにする、それから、雇い止めの理由について労働者が請求した場合は証明書を交付すること、これが定めてございます。
 この大臣告示を含めまして、最近、法令や裁判例につきましてのパンフレットを作成して事業主に対して啓発・指導を実施しているところでございまして、また、雇用調整助成金などを活用して、安易に労働者を解雇することなく雇用の維持を図るよう要請しているところでございます。
 昨日、国会に提出した雇用保険法の改正案におきましても、非正規労働者への適用基準の緩和などの見直しを行うこととしておりまして、こういう施策を講じて雇用の維持ということに努力をしているところでございます。
#90
○山下芳生君 昨年の十二月九日に厚労省が通達を出されてパンフレットも作られたと。そういうところで、判例に照らして解雇権の濫用に当たる場合もありますよと具体的に例示されてこれを指導する、徹底するということが言われております。
 今私が申し上げた事例は、私はパンフレットを読んでも、もう明らかに業務内容は恒常的であります。正社員と同一であります。こういう人をどんどんどんどん雇い止めにするというのは解雇権の濫用に当たると私は思いますよ。これが止まらないんだったら、このパンフや通達は何の役にも立たないと私はいうことになると思いますが、大臣、これでいいんですか。少なくとも調査して、正すべきは正すべきじゃないですか。
#91
○国務大臣(舛添要一君) 何度も繰り返しになりますが、個別のケースについてのコメントは差し控えます。ただ、厳しい啓発・指導を今お示しくださったこのパンフレットに基づいてやっております。
 それから、調査を含めてですけれども、これももう個別の事案にかかわりますので細かい点は申し上げませんですが、きちんと指導をするということは繰り返し申し上げておきたいと思います。
#92
○山下芳生君 調査も含めて厳しい指導をするということであります。
 もう一つ、ダイハツでは、これまで期間社員の契約期間は原則六か月だったんです。ところが、昨年末から三か月契約、今年に入ってから一か月契約での更新が増えております。どうしてか。御存じのように、契約中途の解約は違法になります。それを回避するために、非正規切りを行う三月に合わせて契約期間を短くしている。そこまでして期間社員を企業の都合よく使い捨てようというやり方だと私は思います。こういうやり方は労働契約法十七条一項及び二項に照らして許されるんですか。
#93
○国務大臣(舛添要一君) もう何度も前置きになりますが、個別の事案についてのコメントは差し控えますが、今御指摘になりました労働契約法十七条がありますが、ここの二項に、使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないように配慮しなければならないというふうになっておりますので、基本的には必要以上に短い期間にならないように配慮をすべきであるというふうに思います。
#94
○山下芳生君 ダイハツは確かに減産いたします。しかし、止めるラインは一本なんですね。全部止めるわけじゃない。ほかのラインは動いているわけですよ。ですから、一か月の細切れ契約にする必要はない、ほかのところに異動してもらえばいいわけですから。ところがそういうことをやっているというのは、本当に企業の都合よく雇い止めするためのこれはやり方だと。これは是非調査してください。
#95
○国務大臣(舛添要一君) 個別の事案についてのコメント、それ具体的にどうするというのは避けますけれども、しかしながら、労働契約法の十七条がございますので、我々は法律に基づいて行政としてきちんと責務を全うするということはやりたいと思います。
#96
○山下芳生君 ダイハツで三月までの一か月更新となった若い期間社員は、もうすぐ子供が生まれるのにと私に不安を語ってくれました。別の二十代の期間社員は、生産活動に必要な数値をコンピューターに入力したりQC活動でもリーダー役を務めるなど、生産の中心として頑張ってきました。彼も三月末で雇い止め、契約が切れます。
 期間社員や派遣社員の多くは、いつかは正社員になりたい、いつかはなれると思って歯食いしばって頑張っているんです。そのささやかな願いですら今断ち切られようとしている。この不安、この悔しさ。私は、政治家だったら、これしっかり胸に刻んで、非正規雇用をこんなに増やしたのは政治なんですから、彼らに責任ないんですから、政治の責任で、非正規切り、これを止めるために今知恵と力を尽くすべきだということを申し上げて、時間参りましたので終わります。
#97
○委員長(溝手顕正君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#98
○委員長(溝手顕正君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
#99
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 参考人のお三方、本当に今日はお忙しい中ありがとうございます。
 まず初めに川本さんにお聞きをいたします。
 派遣切りということで、これは正社員であれば正当な理由なく解雇できない。整理解雇であれば、整理解雇の四つの要件で、企業が倒産しない限りは解雇できない。にもかかわらず、派遣切りは問答無用に起きています。
 経団連にお願いしたいことは、派遣切り、何とかやめさせてほしい。いかがですか。
#100
○参考人(川本裕康君) 今派遣切りのお話であったかと思います。
 まず、派遣元事業主という面からこの派遣の問題でいいますれば、雇用主が責任を負っているわけでございます。したがいまして、派遣契約の解除に際しても、可能な限り雇用の維持に努めるということが求められているのかなと思います。
 また、現在、産業横断的に不況は深刻してございますけれども、こういうところの需給調整機能という働きも期待されるところかなと思っております。
 また、派遣の問題でいえば、派遣先につきましても、中途解約行う際には、指針等に基づいて対応の中身というものが規定されてございますので、可能な範囲で努力すべきということだろうと思います。
 また、全体の話といたしましては、私ども経労委報告で、今年、まず雇用の安定に努めてもらいたい、労使で話し合ってもらいたいというメッセージを出しましたが、その際の雇用というのは、いわゆる正規従業員のことだけを言っているわけじゃございません。いわゆる有期契約等々含めて、雇用全般についてとにかく安定に努めてもらいたいというメッセージを一生懸命発信をしているというところでございます。
 以上でございます。
#101
○福島みずほ君 派遣先の大企業と労働者の間には雇用契約がありません。最も利益を得ている、安い労働力で最も利益を得ている大企業が何の責任も負えないと。
 さっきおっしゃった指針は何の役にも現状立っておりません。ですから、派遣先の大企業、もう経団連にたくさん入っていますが、経団連として、所属する大企業に対して、とにかくつらいかもしれないけれども、派遣切りやめろと言ってくださいよ。お願いします。
#102
○参考人(川本裕康君) そういう御指摘があったということは関係の委員会には伝えておきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#103
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 経団連が一九九五年、日本企業の国際競争力を維持するため、会社を構成する従業員を三階層に担う、幹部正社員、専門職、そして単純労働に分けると、この方針にのっとって労働法制の規制緩和が行われたと社民党は考えております。この三層構造にやったことで非正規雇用を拡大した、それが現在のワーキングプアを大量に生んだというふうにも思いますが、これはまだ経団連、いまだに維持していらっしゃるんでしょうか。
#104
○参考人(川本裕康君) 今御指摘がありましたのは、多分九五年に、今の経団連の、二つの団体が一緒になりました前の日経連というところが出した新時代の日本的経営の中の話であったかと思います。
 これについては確かに、ちょっと今名称が浮かんでまいりませんですけれども、三つのパターンの組合せということを言ったわけでございますが、その際、その私も文書を読み返してみたのですが、そこにやはりお互いのニーズ、つまり企業側のニーズと働く皆さんのニーズ拡大という中での対応としてこの雇用のポートフォリオの考え方を提示したというふうにあの文書を読んで理解をしているところでございます。したがって、今後、社会の経済構造の変化、あるいは労働者の働き方に対するニーズの多様化が相まって多様な雇用形態が広がったというふうに考える、ということがあるのではないかなと思っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、従業員全般につきまして雇用の安定に向けて最大限に努力していくという旨を一生懸命メッセージを発しているところでもございますし、今後とも発していきたいと思っているということでございます。そうはいいましても、なかなか今の雇用の問題、厳しい状況ございますので、強固な雇用のセーフティーネットの構築というのも重要なんだろうということでお願いをしているところでございます。
 以上でございます。
#105
○福島みずほ君 オバマ大統領の就任演説で、テロとの戦いはいただけないと思いましたが、社会連帯ということに一番心を打たれたんですね、富める者ばかりを優遇する社会は長続きしないとかですね。社会連帯ということでいえば、例えば大分キヤノンが派遣切りをやったときに、百万円匿名で寄附する人がいる、あるいは高校生が街頭でカンパをやる。派遣村には千七百人のボランティア、四千三百万円のカンパが集まりました。日本の社会、世の中捨てたもんじゃないと思いました。
 そこで、大企業にお願いです。是非、社会連帯ということでいえば、例えば社民党は去年、基金構想などを官房長官にどうだろうかということで話しに行ったんですが、是非、経団連の会長も一月一日の新聞で基金構想を話していらっしゃいますが、やはりここで社会連帯という観点から大企業も少しはお金を吐き出す、まあ大分と言いたいですが、いかがですか。
#106
○参考人(川本裕康君) 今、基金構想というお話がございました。
 まず、私どもの会長があの基金についても発言があったということでございますけれども、実は経団連として基金云々ということを具体的に検討しているわけでもございませんし、あれは一つの企業としての社内のことというふうにちょっと聞いておるところでございます。したがいまして、ちょっと詳しく分かりませんのでコメントを避けたいんですが。
 一方で、全体の大きな基金という話になりますと、実は雇用保険制度そのものの中で、雇用保険二事業というのは、やはり事業主のみの負担で拠出しながら、いざ社会的に厳しい状況が来たときの教育訓練あるいは失業の事前予防のために積み上げているお金ということも言えるわけでございます。
 今般、政府におきましては、たしか四千億程度だったと思いますが、一般財源のものと、それから雇用保険二事業からの予算を積み立て、各県にこの基金をつくって雇用の創出あるいは職業能力開発あるいは労働の移動等々、かなりその地域に根差した対応ができるようなものをつくっていこうというふうにしていると聞いておりますので、そのような形で対応を進めていただければというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
#107
○福島みずほ君 連合にお聞きをいたします。
 派遣法の抜本改正についての連合の考え方を教えてください。
#108
○参考人(古賀伸明君) 先ほど申したとおりでございます。
 私どもは、二〇〇七年九月に連合としての労働者派遣法に対する基本的考え方を確認をいたしました。その基本は、一九八五年、法令ができたところに戻す、しかし当面は一般業務の登録型派遣の禁止ということで、審議会その他にもその考え方で論議に参画をしております。
 以上です。
#109
○福島みずほ君 終わります。
 どうもありがとうございました。
#110
○委員長(溝手顕正君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了しました。(拍手)
    ─────────────
#111
○委員長(溝手顕正君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
#112
○荒井広幸君 お三方にはありがとうございます。
 昨日、事務局を通して私の考え方のペーパーをお渡しいたしましたが、急でございましたからもしかしたらお目通しをいただいていないかもしれません。また、委員の先生方にはこの資料をまた昨日に続きお渡しをさせていただきました。(資料提示)
 まず、定額給付金についてのお話もございましたが、お三方に御順にお考えをお聞かせいただきたいんですが、定額給付金のいわゆる経済的効果やあるいは社会政策としての生活支援、こういったこと以外に、やはり価値観を転換していかないと雇用も経済も成長やら安定というのはしないと思うんですね。また、そういう天罰を、我々人類は今回の世界的金融経済危機で天罰を受けているようなものだろう、このように思うわけですね。そういう意味では、助け合いというもののところに我々一人一人の給付されるお金を活用してはどうかと。
 それが、お手元にございます、例えば寄附という行為はいかがだろうと。自分の町でお世話になっている人が多い介護施設に寄附をする、NPOに寄附をする、これも一つでしょう。そして、ニューディールで、忘れられますが、文化ニューディール。実は芸術家や教育の機会として音楽、舞台などを無料で開放する、こんなことをやって今のハリウッドがあるわけですが、そういう文化、芸術の面も寄附をする。そして、市町村にふるさと納税というのがございますので、そのふるさと納税という意味で、大体の町が、私も感心いたしましたが、どんなものに使うかというちゃんと志を活用するために寄附の分野というのをきちんと分けているんですね。そういうような形で寄附をしてみると。
 同時に、恐らく家族で話合いをする人も多いと思うんです、どういうふうに使うと。家族のきずなが戻ってくるなという感じもしますし、自分のそのお金が他者に生かされるという助け合いの心、そういったものを復活することが直接、間接的に雇用やあるいは経済、その安定や成長をもたらすものと、このように考えますが、定額給付金に例えばこのような寄附という概念で助け合う心をみんなが持ち、考え、協力していこうという価値の付け方というものはどのようにお考え、お聞きになりますでしょうか、御評価をいただければと思います。
#113
○委員長(溝手顕正君) 三人ですね。
#114
○荒井広幸君 はい、三人にお願いします。
#115
○参考人(川本裕康君) 今初めてこの紙を見させていただきまして、今ちょっとどうコメントしようかまだ頭が実は整理付いておりません。
 ここで定額給付金の使い方を言っているんですね。
#116
○荒井広幸君 そうです。
#117
○参考人(川本裕康君) 定額給付金につきましては、私ども景気の下支えにプラス効果はあると思っておりますし、いずれにしましても今は第二次補正予算とパッケージになっておりますので、関連法案も含めて一日も早い成立というものを求めているところでございます。
 給付金は、受け取った人間が今ここに書いてあるような生活支援、何かを買うということによって市場に対してお金が流れて活性化を図るということ、あるいは何かこういう文化的なものに寄附をしていくと、それはそれぞれ家庭の中でお話をされながら考えていくことかなというふうに思います。
 いずれにいたしましても、お金が流通していくということは非常に大事なことなんだろうというふうに思っております。
 以上でございます。
#118
○荒井広幸君 ありがとうございます。
#119
○参考人(古賀伸明君) 私ども連合としましては、現行政府が出しております定額給付金、反対でございます。もちろん、低所得者に対する生活保障はきっちりとした上で、二兆円の財源があれば医療や雇用に回すべきだというふうに思っております。したがいまして、定額給付金の使い道までまだ頭が行っておりません。
 以上でございます。
#120
○荒井広幸君 ありがとうございました。
#121
○参考人(宮川努君) 私も、もし支給されればという仮定の話でお話をさせていただきますけれども、確かに荒井先生の御案というのは非常に心温まるようなお話だというふうに思いますけれども、私自身は政策というのはやっぱりきちっと制度化されていくべきだというふうに思っております。そういう意味では、例えばそういうお金を、例えば先ほど私も申し上げましたように、非正規労働者の方が職を失った場合に支援をしていくようなNPO、NGOの立ち上げのお金に使うとか、そういう形で制度として何か継続するようなものに使うということであれば政策の趣旨に沿うものではないかというふうに思っております。
 もちろん、私も教育者ですから、例えばこういう案があるといったようなことの紹介ということはできますけれども、あくまで、もし例えばもらった場合の使い道はやっぱりその人その人が自由に判断する、それが私はこの社会のいいところだというふうに思っておりますので、そうであってほしいというふうに考えております。
 以上です。
#122
○荒井広幸君 貴重な意見、ありがとうございました。また、突然で申し訳ありません。
 後付けのように聞こえるかもしれないんですが、実は後付けなんですが、大勢の方々に聞いていたら、何で国会でいいか悪いかだけの話なんですか、荒井さんやっていた郵便局の話と同じじゃないかと。お互いの立場に乗り合って議論したら違う道があるんじゃないかということも言われたんですね。そうしたら、私は、民主党さんが言うのは、今のお話にもありましたけれども、まあこれ一回限りですけれども、今使える、必要としているところに投資をしていくというやり方ありますね、国がですね。そしてもう一つ、今度逆に言えば、その分野に、国がじゃなくて、個人の発意でいただいたものを生かしていくというのは、もう一つの価値観の転換につながる私は非常にいいことだなと、このように思ったんです。
 ですから、いろいろな課題というのがあるわけですけれども、私は草の根民主主義という言葉があるとすれば、いつまでも上から下にお金を、国会がその代弁をしているわけですが、国民の意見をもらって、例えば耐震構造に使うということであればそれも一つかもしれませんが、自分たちも相談をして町に寄附をして耐震化の一助にしていくと。こういう上から下じゃなくて、下の発意で上を動かし横が連帯していく、そういう時代に切り替わる今変わり目にいるのではないだろうかと。
 ですから、そういうものを私も一つの価値として今回の定額給付というところに私は見出したというところを一つ御紹介を最後にさせていただいて、お礼の言葉にさせていただきます。
 ありがとうございました。
#123
○委員長(溝手顕正君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 この際、参考人の方々に一言御礼を申し上げます。
 本日は、有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。(拍手)
 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#124
○委員長(溝手顕正君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十年度第二次補正予算三案を一括して議題とし、三案及び福山哲郎君外七名提出の両修正案について質疑を行います。大久保勉君。
#125
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 これまで、定額給付金に関しまして大きな論争がございました。そこで、質問に先立ちまして、定額給付金についての公聴会開催を我が会派としても要求したいと思います。是非とも委員長の方でお取り計らい、お願いしたいと思います。
#126
○委員長(溝手顕正君) ただいまの御要望につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#127
○大久保勉君 昨日、アメリカにおきましては、オバマ大統領の就任式がございました。そういったこともございまして、オバマ大統領に対する期待は非常に高いと思います。
 そこで、株式市場の方、ニューヨーク市場の方はどうだったかということで、御祝儀相場もあったんじゃないかと思いますが、通告しておりませんが、中川大臣の方でもし御存じだったらお答えください。
#128
○国務大臣(中川昭一君) 日本時間の未明、オバマ大統領が就任されました。アメリカ国民だけではなくて、日本、私、また世界が期待をする御活躍をしていただきたいと思います。
 マーケットの様子でございますけれども、残念ながらいろんな要素で、昨日のアメリカの株式マーケットは就任日の下げ幅としては史上最大の下げ幅になってしまったということのようでございます。これは、いろんなオバマ大統領に対する期待と同時に、いろいろな経済、金融の不安というものがあったんだろうと思います。
 日経平均株価、昨日の終値は八千六十五円七十九銭、本日の前場の終値は七千九百九円八十五銭で前日比一・九三%、百五十五円九十四銭の株安となっております。日経ダウは、昨日は七千九百四十九・〇九ドル、これはたしか月曜日は休みだったと思いますので、一月十六日比四・〇%、三百三十二ドル十三セントの下落ということになっております。
#129
○大久保勉君 非常に株式市場が厳しいという状況です。
 実は、金融株に関しましては、バンク・オブ・アメリカが二九%のダウンです。さらには、シティコープが二〇%、またJPモルガンが二〇%なんです。
 一昨日、イギリスのバンク・オブ・スコットランドの株が暴落しています。といいますのは、約三兆八千億円の損失を出しています。ですから、定額給付金の約二年分が吹っ飛んでしまったという状況です。ですから、もう大変な状況であると思います。
 麻生総理大臣は百年に一度の金融危機で全治三年とおっしゃっていますが、本当に経済のことを分かっていらっしゃるのかなと思っています。
 実は、ここにジョン・ガルブレイス、「大暴落一九二九」という本があります。非常に名著です。そこで、ある項目を描写しますと、一九二九年の大暴落の際立った特徴は、最悪の事態が実は最悪でなく、更に悪化し続けたことである。今日こそこれで終わりだと思われたことが、次の日にはあれは始まりにすぎなかったということが分かるのだったということです。
 ですから、リーマン・ショックで投資銀行がおかしくなったら、今回は世界中の商業銀行がおかしくなっているという状況です。それも定額給付金の財源の二倍近くの損失が一銀行で失われているという状況です。こういった状況で、是非日本も新たな政策が必要であると思います。
 そこで質問したいのは、金融機能強化法で、政府保証枠二兆円を十二兆円まで今回の補正予算で増額されています。このことに関して大臣に御質問します。この理由はどういうことでしょう。
#130
○国務大臣(中川昭一君) 私もそのガルブレイス教授の「大暴落一九二九」、読ませていただきまして、大変ひどい状況が、その数日前までは株価が非常に良かったのにすとんと下がり、またちょっと戻って、ずるずるずるずると長い期間掛かったと。それ以外でやっぱり現在と似ているところも幾つかあるなと。証券取引所の理事長がインチキやったとか、非常に参考になるというふうに思っております。
 御質問でございますが、金融機能強化法で十二兆円にした根拠というのは、これは申請方式でございますから、予定を決めて、さあここに幾ら注入するというものでは決してございません。あくまでも健全行が金融仲介機能を強化するために申請をして、一定の審査をして、その上で公的資金を注入して、そして地域経済、中小企業に資金供給をするというものでございます。
 二兆円から十兆円増やして十二兆円にした根拠というほどのきちっとしたものは、実はございません。多く用意して使われない場合もあるかもしれませんし、用意した金額を超える場合もこれは否定できないわけでございますが、十二兆円とした根拠は、以前いわゆる金融危機の中で公的資本増強をした金額、これは目的がさっき申し上げたようにある意味では全く逆でございますけれども、厳しい状況の金融機関に公的資本を注入したときの金額は十二・四兆円でございました。
 それから、仮に預金取扱金融機関の半数がこの制度を活用すると仮定した場合で、おおむね中核的自己資本、ティア1を五〇%引き上げた場合、あるいは金融機関が自己資本比率を四%強引き上げることになった場合がそれぞれ十二兆円あるいは十一兆円というふうに試算できますので、まあ十二兆円ぐらいあれば、この目的に沿った形で我々としても資本参加ができるというふうに考えたわけでございます。
#131
○大久保勉君 根拠がないというようなこともおっしゃいましたが、仮の数字ということは、十二兆円の枠をつくって使わなくてもいいということですか。
#132
○国務大臣(中川昭一君) 強制するというものではございません。しかし、なぜこの金融機能強化法を成立をさせていただいたかといえば、今おっしゃられたように、この金融機能の強化によって中小企業あるいは地域経済に果たす役割が大きいということでございますので、私としては是非活用して、その目的が達成できるようにしていただきたいという気持ちでございます。
#133
○大久保勉君 午前中の小林委員の議論でもありましたが、いわゆる保険、雇用保険だったら使わないにこしたことがないと。この金融機能強化法も、十二兆円は設定しますが使わない方がいいんじゃないかと、そういった議論に対してどう考えられますか。
#134
○国務大臣(中川昭一君) 金融機能強化法に基づきます、使う、つまり金融機関に資本参加をする、そして使っていただくという意味で、是非使っていただきたいというふうに思っております。
#135
○大久保勉君 もしそうでありましたら、もうちょっと根拠をきっちりすべきだと思います。例えば、ストレステストといいまして、日経平均が例えば五千円になった場合と、為替の方が例えば急激な円安で百五十円になっても資本は十分ですよ、だから十二兆円と、そういうふうにするのが筋じゃないでしょうか。
#136
○国務大臣(中川昭一君) 先ほども申し上げましたように、使っていただきたい、そしてどのぐらい使うかについては個々の経営判断ということになります。報道等でも検討に入ったという金融機関があるやに聞いておりますけれども、それがどのぐらいになるのかというのは率直に言って個々の経営判断であり、我々としてはその判断に対して関与することができないという意味で、この十二兆円ということの数理的な意味での根拠は明確にはないというふうに率直に申し上げたわけでございます。
#137
○大久保勉君 実は、一月七日の毎日新聞一面に載った記事があります。金融庁は六日、地方銀行、第二地方銀行、百八行の半数近くに当たる四十行以上に対し、今年度末に公的資金を使い一斉に資本注入する方向で検討に入った。金融庁は検討に入った。下の方に行きますと、金融庁は昨年度末以降、自己資本比率が四から五%台と相対的に低い地銀、第二地銀や不良債権処理が遅れているところをターゲットに、個別に接触して公的資金を使った資本注入の申請を促してきた。
 大臣が言っていることと、現場、金融庁の事務方がやっていること全然違うんじゃないですか。どっちが本当なんですか。
#138
○国務大臣(中川昭一君) その新聞記事が本当であれば、現場がやっていることと私が申し上げていることは違うわけでございますけれども、さっきも申し上げましたように、ある金融機関が検討段階に入ったということを見ても分かりますように、その記事は間違いであったということでございます。
#139
○大久保勉君 記事が間違いでしたら、是非、金融庁は強制注入はしませんとここで宣誓してください。強制注入をしないということを言ってください。
#140
○国務大臣(中川昭一君) するしないも、法律上できないわけでございます。
#141
○大久保勉君 非常にシンプルです。ただ、行政指導、いわゆる金融検査で脅すとかいろんなことができますが、そういったことも含めてしないということを約束してください。
#142
○国務大臣(中川昭一君) 法律にのっとって強制的なことはいたしません。
#143
○大久保勉君 実は、ある地銀協、第二地銀協の関係者と話をしたらもらいたくない、もらったらその後が大変だと、こういった発言もございました。ですから、大臣の意向が現場に伝わっていないと思います。是非このことをきっちり宣言しておく必要があると思います。
 続きまして、配付資料を御覧ください。
 八ページあります。実は、この一年間道路財源の無駄遣いを調べてきました。私のみならず優秀な新聞記者さんと一緒に調べておりまして、一部はタクシーチケットとか若しくは公用車の談合が出てきました。この資料は、六月以降、昨年の通常国会が終わった以降の資料を集めたものです。これでこの問題というのはいろんな広がりがあるんだなということで、今日質問したいと思います。公用車談合、天下りの問題、そして雇用のテーマであります偽装派遣という問題がございます。
 そこで、まず一ページに関連しまして御質問します。平成十九年度と平成二十年度のタクシーチケットの使用状況の変化、このことに関して国土交通省の本省、関東地方整備局に関してそれぞれ質問したいと思います。
#144
○政府参考人(増田優一君) お答え申し上げます。
 平成十九年度におきます国土交通本省と関東地方整備局のタクシーの使用実績金額でございますが、本省分が十二億六千七百万、関東地方整備局二億四千三百万となっております。また、平成二十年、これは十月末までの数字でございますが、本省と関東地方整備局のそれぞれのタクシー使用実績金額でございますが、本省分が二億四千八百万円、関東地方整備局が八百万円となっております。
 タクシーの使用につきましては、昨年三月に全国的な統一基準を制定いたしまして、タクシー使用に関する管理責任の明確化、使用手続の厳正化、関係書類の保存期間の明定等の改善措置を講ずるとともに、昨年六月二十三日からは国土交通本省におきましてタクシーチケットの使用停止及びタクシー使用に係る立替払制度を試行するなど、その運用の適正化に努めてきたところでございます。
 なお、超過勤務の縮減のためにも、管理職員の意識改革等の徹底にも取り組んでいるところでございます。
 このように、平成二十年度のタクシー使用実績金額が大幅な削減となったのはこれらの取組によるものと考えており、引き続きタクシー使用に関しまして各種の改善措置を実施するとともに、併せて業務の効率化に向けた取組を着実に実施することにより、公費の支出につきましてより一層の適正化を図ってまいりたいというふうに考えております。
#145
○大久保勉君 資料一には「関東地方整備局やればできる」ということがありましたが、国土交通省もやればできるということですね。
 ただ、一つだけ指摘したいのは、タクシーチケットが必要なのは国会があって残業があると。国会議員の質問があるから残業が増えると。でも、実際は七月、八月と九月とそれほど国会もありませんでした。閉会中なのにタクシー代が減っています。要は、要らないタクシー代を使っていた。ここに居酒屋タクシーの問題が浮き彫りにされると思います。
 続きまして、公用車談合に関して質問したいと思います。
 まず、政府が保有する公用車の総数及び政府が雇用する運転手の総数、また民間委託した場合の運転手の総数を教えてください。
#146
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 お尋ねのございました政府が保有する車両につきましては、平成十九年度末の時点で私どもが公用車という形で整理をしております運転手付きで専ら人、職員の移動に使用しておりますいわゆる公用車につきましては二千六百七十二台ございまして、このほかに各府省が各種の業務用として保有をしております乗用の車両が一万七千九百九十七台ございます。これらを合わせて二万六百六十九台となっております。
 また、これらの車両を運転する運転手につきましては、各府省が直接雇用をしている運転手の数が二千二百七十四人、運転業務を民間委託をしている運転手の数が三千八百十八人となっております。
#147
○大久保勉君 今日の問題は、民間委託している三千八百十八人。ちょっとこの数字は少なそうですけど、公用車が二万六千台ありましたら基本的には運転手が二万六千人いて、そのうち公務員が二千二百七十四人ですから、一万八千人相当の人件費を業務委託費として払っているんじゃないかと、こういうふうに解釈しているんです。その運転手は、実は派遣ではなくて偽装派遣という行為がなされているというのが今日の論点です。
 じゃ、そこで資料の、まずその前に資料三を見てください。この公用車委託業務がいかに問題があるかということで読売新聞の記事があります。天下り先三社九割受注しておりまして、かつ落札率が九七%になっています。こういったことが指摘されておりますが、まだ調査中ということでしたが、その後どういうことが分かったでしょうか、またどういう改善をなされたか、質問します。
#148
○政府参考人(増田優一君) 今先生からお話ありましたように、国土交通省で二〇〇三年から二〇〇七年までに発注いたしました車両管理業務のうち、日本道路興運株式会社、それから日本総合サービス株式会社、北協連絡車管理株式会社の三社の受注は、道路関係事務所で申し上げますと約九割でございました。また、当該期間の道路関係事務所全体の平均落札率は九七%でございます。
 国交省では、昨年七月の当時の冬柴大臣の御指示によりまして、そういった公用車利用の適正化を図っていこうということでございまして、まず、昨年十月に公用車及び車両管理業務の委託台数につきまして、公共交通機関等の利用に転換するなどの措置によりまして、必要最小限の台数に縮減するという計画を取りまとめたところでございます。
 それから、昨年からの、まあ今年度後半でございますが、車両管理業務の発注につきましてより多くの事業者が入札参加できるよう、入札参加資格要件につきましては、例えば過去の受注実績を要件としないなど大幅に緩和をいたしまして、かつ、すべて一般競争入札で実施するなどの改善措置を講じたところでございます。この結果、年度後半発注におきましては、これは発注をしませんでした北海道を基盤とする北協連絡車管理株式会社を除く、先ほど申し上げました二社のシェアでございますが、七七%が四四%に低下、それから全体の落札率が八三%に低下したというような改善が見られたところでございます。
#149
○大久保勉君 一般競争入札にしましたら落札率が九七%から八三%になった。この点に関して、国土交通大臣、感想を聞きたいと思います。
#150
○国務大臣(金子一義君) 道路財源一般化と併せて、少しでも無駄を排除していくということの一環として国交省として取り組んでまいりました。結果として、こういう入札改善が行われ、平均落札率も八〇%に下がってきたという一つの成果が出てきたのであると思っておりまして、引き続き無駄をなくしていくように継続してやっていきたいと思っております。
#151
○大久保勉君 続きまして、資料の五を御覧ください。これは産経の六月二十日の記事で、元社員が談合があったということで、日本道路興運の元社員がこういうことを証言しております。そういうことで、国交省の談合に関して公正取引委員会も調査を開始したということですが、現在の状況に関して質問したいと思います。
#152
○政府参考人(山本和史君) お答え申し上げます。
 今先生から御指摘のありました事件につきましては、昨年六月に衆議院の国土交通委員会の場におきまして川内議員から申告をいただきました。その後、公正取引委員会といたしましては、昨年の七月に立入検査を実施いたしまして、以降、鋭意調査を進めているところでございます。ただ、具体的な調査の内容等につきましては、現在調査中の事案でございますので、お答えを差し控えさせていただきます。
#153
○大久保勉君 是非、政治的中立をお願いします。といいますのは、後で申し上げますが、対象の日本道路興運等に関しまして麻生政権の閣僚と非常に強いつながりがあるところもあると私は考えています。具体的にはパーティー券の購入であったり、若しくは株式の保有、こういったことがあるんじゃないかと思いますので、後で質問したいと思います。政治の圧力に屈しない、是非お願いしたいと思います。
 続きまして、厚生労働省は二〇〇六年十月に道路管理や設計業務委託について、国交省の出先二か所に対して、委託職員に直接指示を出しているということから偽装請負にならないように指導しているという記事が毎日新聞十月二十日付けの夕刊が指摘しています。このことに関して事実確認をしたいと思います。厚生労働大臣、お願いします。
#154
○国務大臣(舛添要一君) 個別の事案についてのお答えは差し控えますが、一般論として申し上げますと、業務委託又は請負と称しつつ労働者が発注者による直接の指揮命令を受けて行われるものは労働者派遣に該当し、適正な請負業務とは言えないものでございます。仮に偽装請負等の労働者派遣法違反があれば、これは現場で厳正に指導しているところでございます。
#155
○大久保勉君 同じ質問を、国交省、お願いします。
#156
○政府参考人(増田優一君) お答え申し上げます。
 昨年十月に広島労働局が私どもの二つの事務所に調査に入ったという事実については承知をいたしております。
#157
○大久保勉君 続きまして、今日は公用車の偽装請負というのがありますが、まず厚生労働省の参考人に、これはどういうものですか。もし使うんでしたら資料六を使いながら御説明をお願いします。
#158
○政府参考人(太田俊明君) 個別の事案はお答えを差し控えますが、一般論として申し上げますけれども、適正な請負と判断されるためには、発注者からの発注を受けて、請負事業主が自己の雇用する労働者に対し自ら指揮命令する必要があります。発注者がその労働者に対して直接命令することは偽装請負になりますので、法律違反になるということでございます。
#159
○大久保勉君 まだ分かりづらいですから、具体例としまして、こちら、大手業者の運転手は仕事内容から勤務時間まで職員から、国交省の職員からすべての指示を受けている、こういった状態だったらどうでしょうか。
#160
○政府参考人(太田俊明君) 一般論でございますけれども、発注者がすべてその労働者に対しまして指示を行うということになりますと、これは偽装請負という形で労働者派遣法の違反になるということでございます。
#161
○大久保勉君 まだ具体的に分かりませんから、河村官房長官にちょっと、質問通告しておりませんが。
 もし河村官房長官が役所の公用車に乗った場合に、運転手に対して急遽ホテルに行ってくれとか、ホテルの前に買物に行くと、そういうことはございますか。
#162
○国務大臣(河村建夫君) 予定表があるわけでありますが、急遽指示があったりして場所が変わったとか、こういうことはありますので、その場合には、私の場合には公務員の運転手でありますから指示をいたします。そこへ行かせる、こういうことはあり得ると思います。
#163
○大久保勉君 いや、すばらしい回答です。つまり、私の運転手は公務員の運転手だからと、これがみそです。これが請負、例えば日本道路興運の運転手でしたら偽装になります、偽装請負になります。
 ですから、私も調べました。参議院の運転手はすべて公務員ということで私はほっとしています。じゃ、国交省はどうであったか。実は、すべて道路興運とか委託しております。そういった人に対して直接あそこへ行け、ここへ行けとか、そういうことをしているんじゃないかということで新聞記事が幾つか指摘しております。
 このことに関して、まず国交省は内部調査をされましたでしょうか。
#164
○政府参考人(増田優一君) お答えを申し上げます。
 最初に、先ほどの答弁の中で昨年十月と申し上げましたが、大変申し訳ございません、今年の一月ということで、おわびして訂正をさせていただきます。
 それから、今の御質問でございますが、私どもの車両管理業務につきましては、私どもは業務の委託契約、これは運行だけではなくて、例えば油、ガソリン、オイルの交換でありますとか、あるいは車検業務でありますとか、日常の点検でありますとか、そういった車両の管理に関するものを総合的に委託という、業務委託という形でさせていただいておりまして、従来より、車両管理員、まあ運転手さんでございますが、その運転手さんに対する指示につきましては、当然、受注企業、会社側の派遣されている車両管理責任者から指示が出て業務を行うということでやっておりまして、偽装請負というふうには考えてございません。
#165
○大久保勉君 それはおかしいでしょう。
 でしたら、前にいる運転手さんに右側に行ってくれとは言えないんですよ。そうしたら、携帯で道路興運の会社に言って、道路興運の会社からまた携帯で運転手に指示しないといけませんから。そんなことできるはずがないじゃないですか。高速を運転中に携帯を使えるんですか。質問します。
#166
○政府参考人(増田優一君) お答えいたします。
 現場事務所におきましては、原則、前日に翌日の車両運行計画表を作りまして、その運行計画表につきまして委託業者の方で管理をすると。それに基づきまして、会社から派遣されております車両管理責任者がその都度運転手に指示をするというふうにさせていただいております。
 なお、今お話ありましたように、場合によりましては急遽変更になる、あるいは、特に災害等の場合で緊急対応が必要な場合につきましては、電話等によりまして連絡をし指示を受けた上で変更する。これにつきましても後ほど運行計画表の訂正を行っているというところでございます。
#167
○大久保勉君 質問主意書で確認しましたが、国交省には運転手が管理責任者を兼ねているケースも多いということです。ですから、実際、自分の運転手に指示するのに、別の車を運転している運転手に指示して、その人が自分の車の運転手に指示をしないといけないと、こういうことになりますから、事実上不可能です。
 資料八を御覧ください。
 いわゆる国交省は偽装工作までやっています。「後日まとめて作成」、つまり国交省は公用車運行計画書を後でまとめて作成していると、隠ぺい工作までしているというのが毎日新聞の記事でございます。
 こういった状況に関して、舛添大臣、管理監督する立場からどう思われます。
#168
○国務大臣(舛添要一君) 個別の事案についてはお答え差し控えますけれども、一般論として申し上げましたら、適正な請負と判断されるためには、発注者からの発注を受けて請負事業主が自己の雇用する労働者に対して自ら指揮監督する必要があるわけでございます。
 この場合に、今委員が御指摘になった運行計画書のいかんを問わず、実態として請負労働者が発注者による直接の指揮命令を受けているということであれば、これは労働者派遣に該当するわけでございますから、適正な請負事業とは言えないと言えると思います。
#169
○大久保勉君 資料四を御覧ください。
 実際にこういったものに関しましては、広島の広島国道事務所に対しまして、広島労働局に是正勧告申告がなされております。その顧問弁護士のコメントを申し上げますと、運転手は入札結果によっていつ解雇されるか分からない不安定な状況だ、偽装請負は国交省がつくり出した官製ワーキングプアと考える、こういったことも言っています。ですから、この問題は非常に奥が深いと思います。
 じゃ、どうしてこういった事例になったのか。まずは、公務員を減らそうということで公務員運転手を減らした。これは国会でも議論していることです。それに対して、本来でしたら派遣運転手にすべきところを請負契約にした。どうしてか。天下りを押し込むためです。さらには、その道路興運とか大手は非常に政治家との癒着がございまして、政治家に対してもそれなりの政治献金をする、あるいはいろんな便益を図っていると、こういうことがあるんじゃないかと思います。
 そこで質問したいと思います。国交省OBが多く天下っております最大手、日本道路興運から利益供与を受けた可能性がある閣僚がいるかいないかに関して質問します。
 パーティー券の購入、政治献金、秘書、運転手派遣等、日本道路興運からもらった可能性がある方、例えば小渕大臣は何かこの会社との関係はございますか。
#170
○国務大臣(小渕優子君) お答え申し上げます。
 パーティー券の購入、秘書、運転手等の派遣、株式の保有はございません。
 政治献金につきましては、平成十八年に同社の前社長から百万円の個人献金を、また、十二年から十六年にかけて計二百四万円の企業献金をそれぞれ受けております。政治資金規正法に基づき適切に処理をしております。
#171
○大久保勉君 じゃ、例えば塩谷大臣はいかがでしょうか。
#172
○国務大臣(塩谷立君) お答えいたします。
 パーティー券につきましては平成十六年から二十年まで毎年二十万円を購入をいただいております。
 政治献金につきましては、十二年から十五年まで寄附を収支報告書に計上しているところでございます。
 以上でございます。
#173
○大久保勉君 非常にあっさりとしていますですね。例えば、どうも平成十二年から平成十五年までに秘書給与の肩代わりがあったということが報道されておりますが、いかがでしょう。
#174
○国務大臣(塩谷立君) それにつきましては、給与相当分を寄附として計上し、人件費として支出の旨を記載して、そういうことで訂正をさせていただいたわけでございます。
#175
○大久保勉君 それは幾らでしょうか。
#176
○委員長(溝手顕正君) もう一回聞いてください。
#177
○大久保勉君 それは幾らでしょうか。金額を確認します。
#178
○国務大臣(塩谷立君) 年間二百八十万円の、トータル九百十三万円でございます。
#179
○大久保勉君 どうも、資産報告書によりますと、日本道路興運の株、四千株をお持ちということですが、本当でしょうか。
#180
○国務大臣(塩谷立君) はい、所有をしております。
#181
○大久保勉君 これは非上場株ですから、市場で購入することはありませんから、これは縁故ということで購入したのか、それとももらったんでしょうか。
#182
○国務大臣(塩谷立君) これは父の、平成元年に亡くなった父から相続したものでございます。
#183
○大久保勉君 仮名とかいうのもありますから、いつその父親はこれを譲り受けたか若しくは購入したんでしょうか。また、幾らでしょうか。
#184
○国務大臣(塩谷立君) 同社が創立した昭和四十年ごろと聞いております。一株五百円ということで聞いております。
#185
○大久保勉君 大臣は、平成十八年九月二十八日から平成十九年九月十日まで衆議院の国土交通委員長だったと承知しております。また、こちらは一株当たり百円の配当ですから、毎年四十万安定的に入っています。これは配当利回りで計算しますと、例えば、東京電力は二・三六%、ソニーが一・二九%、仮に四%で計算したら一千万円の価値があるんですよね。こういったことは御存じでしょうか、大臣。
#186
○国務大臣(塩谷立君) 配当は普通の株主と同じように受けております。それも自分の収支報告書で出しております。
#187
○大久保勉君 こちらの会社は、いわゆる談合をしているという指摘もございますし、偽装派遣をしているという、偽装があります。株主としてこのことに関してどう思われますか。
#188
○国務大臣(塩谷立君) 昨年七月からですか、そのことが、今調査中と聞いておりますので、その中身はまだはっきり分かりませんので今何とも申し上げられませんので、その状況に応じて適時適切にまた判断をしたいと思います。
#189
○大久保勉君 こういった問題があるということを指摘したいと思います。つまり、公用車談合の問題といいますのは、安定的に利益を会社に落とし、派遣労働者たる運転手は低賃金です。で、利益をプールして、その一部がパーティー券とし、一部の政治家に寄附し、公用車を派遣するケースもございますね。さらには株式を渡すと、こういう形で、政官業の癒着構造にあるということであります。
 是非このことはただしていきたいと思います。
 時間が参りましたので、これで失礼します。
#190
○委員長(溝手顕正君) 関連質疑を許します。藤末健三君。
#191
○藤末健三君 民主党・新緑風会・国民新・日本の藤末健三でございます。
 私は、雇用と、そして中小企業の問題について御質問申し上げたいと思います。
 まず、今の失業の問題についてお話しさせていただきたいんですが、今、派遣切りなんかの問題がございますけれど、私が思いますのに、先日、同僚の峰崎議員からも話がありましたように、株主至上主義がこの失業を生んでいるのではないかという議論がございます。企業が収益を配当や自社株買いに回す金額がどんどん高くなり、一方で労働分配率は落ちていると、したがいまして消費は伸びないという状況。
 このようないわゆるアングロサクソン型の会社制度というものがこの失業を生み出しているという議論がございますが、これにつきまして、まず、経済産業省の政府委員で結構ですので、現状認識を教えていただけますでしょうか。お願いします。
#192
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えを申し上げます。
 昨今の数字でございますが、労働分配率、六年までは非常に低かったという状況がございますけれども、景気の直下を受けまして、経常利益率の大幅な減少を受けまして、労働分配率に関しましては急激に最近上昇いたしております。それから、収益率につきましては相当悪化をしているという状況でございます。
 それで、これからのガバナンスの在り方でございますけれども、従来から、日本の企業につきましては日本型経営と言われることで、従業員を重視する経営をしてまいりました。今後も、その基本につきましては私どもは大きく変わらないというふうに信じております。昨今の厳しい情勢の中で、また新たな企業統治の在り方、そういったものを私どもとしましても勉強してまいりたいというふうに思っております。
#193
○藤末健三君 お手元に資料を配らさせていただいています。是非とも財務大臣、金融大臣、そして経産大臣、法務大臣に見ていただきたいんですが、何かと申しますと、今、自社株買いとかあと配当というのは異常に増えているというデータです。
 一番目にございますのはアメリカ企業の自社株買いのデータでございますが、これは何かと申しますと、二〇〇六年のデータを見ると、何とアメリカの企業は、株式市場から資金を調達するのではなくて、何と資金を戻しているという状況です。マイナスになっている。ですから、株式市場が自社株買いにより企業の収益を株主に配る仕組みに変わっているというのがまず一枚目。
 では、それがどうなっているかというと、日本も実は二〇〇一年ぐらいからそれを追いかけています。二〇〇一年と二〇〇七年を比較しますと、自社株買い、配当金、その率は何と三倍まで上っていると。ですから、どんどんどんどん会社は利益を上げるが、その利益は自社株買いや配当により株主に返還されるというものを日本も追いかけているという状況になります。
 そして、三枚目を見てください。これは、ヨシモリさんという方と、あとまた別のアレンという方の論文から引用したものでございますが、会社はだれのものですかという質問を、これは二〇〇〇年のデータになります、両方とも。二〇〇〇年に質問をすると、イギリス、アメリカは、それは株主のものですよと。ところが、ドイツ、日本は、ほとんどの経営者が、会社はステークホルダー、例えば雇用者、取引先企業、顧客、地域といったもののためにあると答えている。ただ、二〇〇〇年のデータです、これは。二〇〇八年、今やると変わっていると思います。
 そして、配当のためにリストラするかという話を聞くと、二〇〇〇年において、イギリス、アメリカ、UKはイギリス、USはアメリカでございますが、イギリス、アメリカの経営者は配当するためにリストラをすると答え、一方、日本の経営者はほとんどが配当するためにリストラしないと答えているんですね。
 ところが、一方、どうなっているかと申しますと、昨年、配当するために借金をするという企業まで出ている状況。それだけ株主の圧力が強まっている。会社の利益が出ないのに、借金してまで配当しているんですよ。その状況はどうかと。
 では、次のページ、是非御覧ください。これはちょっとイメージでございますが、このデビッド・ジェームズ・ブルナーというのはこれはハーバード大学の研究者です。ハーバード大学のビジネススクールにおいては、もう一年半前から次の資本主義の在り方、次の会社の制度の在り方を研究を始めています。
 彼の論文から持ってきたやつを日本語にしたのがこれでございまして、これは何かと申しますと、過去のアメリカにおいても日本においても株主の利益の取る割合、それほど多くなかったと。やはり顧客であり社員であり、そういう本当に会社の継続性に重要なところにお金が行っていたものが、今はどうなっているかと申しますと、ほとんど株主が取っていると。そして、重要なことは何かと申しますと、一番大事なステークホルダーである国にさえも企業が利益を回さなくなったと。一番右側に国ってあるじゃないですか。
 これはどういうことかと申しますと、次のページ御覧ください。アメリカの企業は税が安い海外にどんどん移転しているんですね、製造業も含めて。ですから、国に税金を納めたくないよと、利益は株主に渡しますよということで、国さえも見捨てているという状況です。
 私が申し上げたいのは、もし我が国がアメリカの制度をそのまま利用していたら恐らく同じ轍を踏むんではないかということでございまして、例えば先日、峰崎委員から紹介ありましたように、八六年から九〇年、二〇〇二年から二〇〇六年の大企業のいろんな収益データを比べますと、従業員の給与の上昇率、八六年から九〇年は一八・四五%、二〇〇二年から二〇〇六年は従業員の給与の上昇率は二・一一%です。一方、配当は、八六年から九〇年、上昇率が一・六八だったものが、二〇〇二年から二〇〇六年、一九二%、ですから配当がどんどん増えていると。
 そして、もう一つ大事なことは、経産大臣に申し上げたいんですけど、何と企業の利益、売上げ、配当は増えているんですけど、研究費は減っているんですね、この期間の間。ですから、企業はどんどんどんどん人件費を削り、研究費を削り、そして株主に回している、利益を。この状況をどうお考えでしょうか。そして、この問題についてどう検討をやるかについて、法務大臣と経産大臣にお答えいただきたいと思います。法務大臣からお願いします。
#194
○国務大臣(森英介君) 私も議員になります前に、十五年民間企業に勤めておりましたものですから、藤末委員と基本認識はおおむね非常に共感するところが多くございます。
 やはり御指摘のとおり、会社にとっては株主だけでなくて従業員とか取引先、顧客、地域といったステークホルダーというか、その辺につながる関係者、極めて重要な存在であって、やっぱりそういう人たちの利益あるいは福祉ということも十分に担保されなきゃいけないというふうに思います。
 そういうことで、労働分配率が確かに、今政府委員から説明ありましたように、六年以降は上がってきているということですけれども、大局的な流れでいいますと、かつてから比べると随分下がってきました。これは、しかし、かつて日本の賃金というのはもう非常に各国と比べて群を抜いて高くて、そのままではやっぱり国際競争力を持ち得なかったので、ある程度の調整局面というのは必要であったというふうに私は思います。しかしながら、それが余り行き過ぎて、やっぱり会社が株主だけの利益あるいは目先だけの利益を考えるようになっちゃいかぬというふうに私は思います。
 しかしながら、それが法制度との関係でどうかといいますと、資本主義社会においてはやはり株主が会社の持ち主だということはこれは基本的な事実でありますから、私は法制度の関係というよりも、むしろやはり優れた経営者、株主から経営を委託された取締役の経営側の姿勢あるいは見識によるところが大きいというふうに思います。
 そうは申しましても、やはり従業員などのステークホルダーの会社経営への関与の在り方についても、会社法の根幹に影響を及ぼす事柄でありますから、やはりその検討に当たっては関係官庁との連携や国民各界各層、また関係各界における多角的な観点からの御議論がこれから必要ではないかというふうに思っております。
#195
○国務大臣(二階俊博君) ただいま基本的には法務大臣がお答えになったとおりでありますが、御指摘のとおり、会社は株主だけではなくて従業員の皆さんや取引先、そして顧客、また地域といった多様なステークホルダーと健全な関係をお互いに維持発展させていくことによって初めて企業価値、いわゆる存在価値を生み出していくわけであります。会社は企業価値を高めながら存続していく組織、そういう意味では、株主はこの企業価値が高められてこそ配当などによる利益を受けることができるわけであります。日本の会社の競争力の源泉が現場の優秀な従業員などにあるとすれば、そうした従業員などの利益の保護は企業価値を向上させる上で最終的には株主にも利益をもたらすものであって、この点については十分配慮をすべきものだと思っております。経営者は株主に対してそうした点を十分御説明をして、御理解をいただく努力が必要ではないかと考えております。
 我が国の会社法は企業価値、ひいては株主の共同の利益を最大化することを会社の目的としておることは議員も御承知のとおりでありますが、したがって今ここで改めて法改正の必要というところまでは考えておりませんが、今御指摘のありましたような点について、我々も経営者の団体、その他の関係者とも機会があれば話し合ってみたいと思っております。
#196
○藤末健三君 是非、経営者のみならず学術的な研究からも進めていただきたいと思います。我々民主党におきましても、公開会社法という形で、会社というのは世の中の公器であるという概念の下に法体系をつくろうということでやっていますので、お互いに競争しながらいい制度をつくっていきたいと考えております。
 次に、中小企業対策に移らさせていただきたいと思います。
 中小企業は御存じのとおり雇用の七四%、四人に三人を担っておりまして、今、政府におかれましては信用保証の対象業務を順次拡大されているということで、現在、六百九十八業種まで増えています。元々百八十五業種でした。この拡大の経緯と理由を御説明ください。
#197
○国務大臣(二階俊博君) 拡大の数につきましてはただいま議員がお話しになったとおりでありますが、元々はそんなに多かったわけではありませんが、今度の経済対策を打っていく上において、どうしても業種の拡大を図っていくということが重要であると思い、各地方の商工会議所、商工会、あるいはそれぞれの都道府県等からも御意見を伺い、ここで必要なものはどれほどあるかと、そしてだんだんと金融関係が緊張してくる状況の中で、各業種の皆さんから要望、要請等がたくさん経済産業省にも寄せられました。中小企業関係者をお預かりする立場から、我々はこの際、このことの拡充を図って期待にこたえていかなきゃいけない。今現在のところ、全業種の約八割方をこれでカバーしておるというふうに見ておるわけであります。
#198
○藤末健三君 二階大臣に二つ申し上げたいと思います。実際には、具体に言うと、私が山口に十一月末に伺ったら、木工細工の会社の方は保証を受けられませんでした。現在においても、東京にある特別派遣会社は対象外になっています。八〇%以上までこれ対象を増やしましたら、私は基本的に全部もう、大体私は大丈夫だろうという人は全部受けられるようにしていただきたいんですね。
 理由は二つあります。一つは、窓口まで行ってあなたは対象業種じゃありませんよといって断られる例が幾つもあるということが一。二は、窓口は混乱しています、どんどんどんどん変えていますんで、頻繁に。窓口の方が対象業種かどうか追いかけられなくなっているんですよ。ですから、基本的に九九%は対象業種であるという形まで拡大していただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
#199
○国務大臣(二階俊博君) 議員の御主張のとおり、そういう声はあちらこちらからお聞かせいただいております。
 しかし、このことは、対象業種としたその業種の方々の経営を安定化させる、そのための資金を特定の業種に流していくということが基本であって、どれもこれもみんな同じだというふうにしてしまえばそれだけ薄まっていくわけでありますから。私たちは、このことに関しては今現在は八割程度カバーしたところでありますが、いまだに今お話しのようにそれぞれの業種によって是非これを入れてもらいたいというふうなお声はあちらこちらから時々ちょうだいしておりますので、一定の時期に少し拡充する方向で考えていかなきゃいけない。これは、全部拡充してしまっても、実際それだけの効果があるかどうかということを金融全体の面で考えた上での対策であります。
#200
○藤末健三君 政府委員にお聞きしたいんですが、百八十五業種、五百四十五業種、六百十八業種、六百九十八業種に増やしたわけですが、それぞれシェアがどれだけ拡大したかという、対象シェアがどれだけ拡大したかというのを教えてください。
#201
○政府参考人(長谷川榮一君) お答え申し上げます。
 シェアというのが業種に属します企業の方の数かあるいは売上げか、これによってカウントの仕方もちょっと変わるわけでございますけれども、私ども、五百四十五ということで今回、これは先生の属する党からも御承認いただきまして一次補正予算をお認めいただいておるわけでございますけれども、この当時に、ちょうど経済情勢が大変緊迫を極めました十月の末からでございますが、この当時、約六割をちょっと超える、三分の二をちょっと割るところでございます。百八十五のころは、ちょっと申し訳ございませんけれども、恐らく業種が大分限られております、建設とかトラックとか限られておりますので、今回のこの対策の前でございますので、業種の数の算定につきましては私ども正確にしておりません。
 その後、三分の二弱から六百十八にしたということで大体七割を超えるという程度で、今の六百九十八で先ほど大臣から申し上げましたとおり約八割ということはカバーしておりますけれども、いずれにしましても、同時にお認めいただいておりますセーフティーネット貸付け、これによりまして中小企業、小規模企業の方々は基本的には全部、業種ですね、対象にして貸付けを行うと、こういうような対象にしておりまして、その中で特にその業況が厳しいというような業種につきまして、その分、そのパイが少なくなった分を中小企業の方が窮屈な中で競い合うということになりますので、加えて第二段目の上乗せ措置として緊急保証をさせていただいておると、こういう仕組みでございます。
#202
○藤末健三君 小出しに業種をどんどんどんどん拡大するというやり方はおかしい、はっきり言って。それは是非やめてもらいたいし、これははっきり言って賛成できません、この小出しのやり方は。それだけ申し上げます。
 それと同時に、保証の枠が六兆円、緊急保証枠がございますけれども、これの使用状況を、承諾、許諾の状況を教えてください。お願いします。
#203
○政府参考人(長谷川榮一君) お答え申し上げます。
 緊急保証に限って申し上げますと、一月の二十日、昨日まででございますけれども、営業日数にいたしまして、開始いたしましてから五十一日目、これで四兆五千三百六十七億三千八百万円というのが承諾額の累計でございます。
#204
○藤末健三君 いつ枯渇するかということを、推測を教えてください。六兆円がいつ枯渇するか。
#205
○政府参考人(長谷川榮一君) これは、私ども、毎日、皆様方の御希望の要請を受けまして、そして保証の判断をしております。そういうことで、現在のその四兆五千億強ということで今御答弁申し上げました額がいつ六兆円に達するかということにつきましては推測になじまないものではないかというふうに考えております。
#206
○藤末健三君 それはちょっと無責任じゃないですか。このまま行ったらどうなるかと、早く補正を成立させてくださいとおっしゃったらいいじゃないですか、正直に。余りにも無責任だと思う、それは。本当にそんなね……。
 じゃ、大臣、どうぞ。
#207
○国務大臣(二階俊博君) もう質問者の藤末先生から答弁も大体おっしゃっていただいたようでありますが、私どもとしては、一日も早く補正を成立させていただきたいというのはこれは政府としては当然でございますが、中小企業関係を預かる経済産業省としては、このことを毎日グラフを見ながら我々は日報のように毎日毎日検討しておりますが、これは早期に成立させていただきたいという思いは人一倍持っております。
#208
○藤末健三君 必要性をおっしゃるのであれば、将来の展開などをちゃんと予測しなければ駄目じゃないですか。それを申し上げているんですよ、私は。それをちゃんとしないでやるのはやめてほしい。
 そして、もう一つございます。金融庁にお話ですが、この信用保証の対象となっている貸出し、何と自己資本比率基準一〇%のリスクを積まなきゃいけなくなっています。これについて金融庁さんから理由等をお話しください。
#209
○政府参考人(三國谷勝範君) お答えいたします。
 自己資本比率規制上、中小企業向け融資につきましては、一般的にはリスクウエート七五%でございますが、この信用保証が付いているものには一〇%にしているところでございます。
 バーゼル合意におきましては、いろいろな基準がございまして、政府保証が明確に付されているものなどはリスクウエートをゼロにすることも可能でございますが、それ以外のものにつきましては一〇あるいは二〇、そういった数値になってございまして、私どもは一〇%ということでこの制度を運用しているところでございます。
#210
○藤末健三君 バーゼルルールのチャプター五十八の脚注の二十三の頭の部分を読んでください。
#211
○政府参考人(三國谷勝範君) 脚注二十三というところかと思います。これは相当の部分から成るわけでございますが、頭の部分というのはその総論の部分かということで申し上げますと、脚注二十三、特定の属性、すなわち財源力、これはレベニュー・レージング・パワーズ、一般的には徴税権という具合に解しておりますが、これに着目してPSE、これは中央政府以外の公共部門でございますが、これを分類する方法例を以下に示すということで示されております。ただし、例えば中央政府による保証の度合いに着目するなど、PSEの分類について異なる取扱いを定めることも可能であると、こういう具合に記されております。
#212
○藤末健三君 保証協会はPSEに該当しますか。
#213
○政府参考人(三國谷勝範君) ここのところはその脚注の更にその下のところになるわけでございますが、これが二段に分かれておりまして、やや細かくなりますが申し上げますと、まず一点目、地方政府及び地方公共団体は、特定の財源力、これを持ち、デフォルトのリスクを削減するような特定の組織的制度を持つ場合、ソブリン又は中央政府向け債権と同じ取扱いを受けられると書いてございます。
 次に、政府又は地方公共団体が所有する、中央政府、地方政府若しくは地方公共団体の監督下にある行政団体及びその他の非営利事業体は、財源力若しくは上述のその他の制度がない場合、ソブリン向け債権と同様の取扱いを受けられない。そういった場合には、いろいろ条件ございますが、二〇%と、こういった形で指定されているところでございます。
#214
○藤末健三君 該当するかしないかというと、するということですね。
#215
○政府参考人(三國谷勝範君) 私どもはこの〇%というのは適用なかなかできないと考えておりまして、一〇%という形にしております。
#216
○藤末健三君 このBISでPSEに保証協会が該当するかだけをまず答えてください。
#217
○政府参考人(三國谷勝範君) PSEには該当しますが、〇%ということではなくて一〇%の方に該当するということでございます。
#218
○藤末健三君 この脚注には、PSEにおいては中央政府への保証の度合いに着目する等、例外規定があるんですよ。例外規定で〇%できるはずですが、いかがですか。
#219
○政府参考人(三國谷勝範君) この取扱いにつきましては、政府の保証と明確にリンクしている場合には〇%という取扱いがあるわけでございますが、例えば貿易保険などにつきましてはこれによりまして〇%になっているところでございます。これは信用保証協会の保証でございますので、一〇%ということでございます。
#220
○藤末健三君 諸外国の事例はどうですか、調べておられますか。
#221
○政府参考人(三國谷勝範君) 諸外国におきまして、例えばこれはイギリスの制度でございますけれども、同じように、政府の保証にリンクしている部分とそうでない部分があるものがございます。政府の直接の保証とリンクしている部分は〇%でございますが、それ以外は一般の発行体の信用力による、こういった制度がございます。
#222
○藤末健三君 二階大臣、聞いてください、あと中川大臣。これ、いいですか、BISという規制、ルールが決まっていますと、解釈によっては保証協会の保証のリスクをゼロにできるんですよ。今一〇%あります。したがって、保証しても借りれないケースがいっぱい出てきているんですよ、もう既に。もしよろしければ、お二人の大臣、答えてください、これについてのお考えを。お願いします。
#223
○国務大臣(二階俊博君) ただいまのような問題といいますか御要望は、中小企業の皆さんからも時々懇談会等で提示されております。したがって、我々もそのことについては十分念頭に入れて今後検討の対象にしていかなきゃいけないと、こう思っておりますが、今直ちにこれに対してどうするということを申し上げられる段階ではありません。
#224
○国務大臣(中川昭一君) 私も詳しいことは分かりませんが、藤末委員の御質問の準備の段階でこのことをいろいろと議論をしたわけでございます。
 こういう御質問が出るのも、中小企業の資金繰りといいましょうか調達に非常に御苦労されているということが前提だろうと思います。バーゼル条約に明らかに違反するということはあってはならないと思いますが、リスクウエートをできるだけ低くするように少し研究しろという指示を今朝出したところであります。
#225
○藤末健三君 是非、金融庁と経済産業省で一緒にリスクウエートを低くする議論をしてください。
 私が思いますのは、金融庁の方に申し上げたいのは、官僚の役割は国内で一生懸命国際ルールを運用することじゃありません。国際ルールを日本の国にとってどれだけ有利なものに作るかだからね。それ忘れないようにしてください、絶対。金融庁、いかがですか。
#226
○政府参考人(三國谷勝範君) 自己資本比率規制の策定を行っているバーゼル委員会における議論につきましては、これまで私どもも積極的に参画してきているところであります。
 例えば、現行の規制の策定過程におきまして、我が国は、中小企業向け融資の小口分散効果、これを反映するような議論を主導いたしまして、その結果、中小企業向けの与信のリスクウエートは、これはバーゼル2で一〇〇から七五%に引き下げられております。それから、私どもの職員が二〇〇三年から二〇〇六年にかけてバーゼル委員会の事務局長に就任するなど、私どもも日本の実情を踏まえながら積極的に対応しているところでございます。
#227
○藤末健三君 中川大臣、是非もっと強力にやっていただきたいんですよ。国際ルールをきちっと作ることと、やはり国益にかなうルールの解釈をきちんとやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。もう一度お願いします。
#228
○国務大臣(中川昭一君) 私もWTOの交渉なんかもやってまいりましたけれども、やっぱり新しいルールを作るということは、各国が合意できる内容にしなければいけないということが当然でありますけれども、それぞれ各国は、その国を代表している、逆に言うと国益を背負って参加しているわけでありますから、これが両方調和できた結論が出ればこれはいいんですけれども、なかなかそういうわけにもいかないということも現実だろうと思っております。
 一般論としては、国益をきちっと守りながら国際的なルールを作っていくということが大事だろうと思っておりますが、言うはやすく実現は、このWTO交渉、二階大臣大変御苦労されておりますけれども、こういう現状でございます。
 いずれにしても、このバーゼル条約についても、日本の状況、あるいはこれは、世界の金融状況というのはある意味じゃ日本よりも欧米の方がもっと厳しいわけでございますから、そんなことも、今の非常事態においてはやはりその辺のこともよく考えるということもやはり金融行政としては大事なことなのかなというふうに思っております。
#229
○藤末健三君 是非この保証の問題、そしてバーゼルの運用の問題は片付けていただきたいと思います。保証枠は幾ら伸ばしたとしても、これが残っている限り銀行は融資できません、はっきり申し上げて。是非変えていただきたい、早急に変えていただきたいと思います。
 続きまして、厚生労働省に対してお聞きしたいんですが、雇用調整助成金、これは大分条件緩和を行っていただいています。そして、条件緩和に伴いまして非常に今申請が増えて込んでいるという状況で、私はいろいろ、実はハローワーク、年末に伺ってきました。すごく込んでいまして、今この雇用調整助成金、申請してもお金が入るのに六か月掛かるよと。ひどいときにはもう満杯だから来ないでくれとか言われたことも聞いています。
 このような混雑に対してどのように対応するか、厚生労働大臣、お願いいたします。
#230
○国務大臣(舛添要一君) 支給にかかわる条件、特に中小企業はこれは緩和いたしましたけれども、今委員御指摘の点でございますが、特に事業主の皆さん方の事務負担を軽減するために支給申請書の様式、それから提出書類などの見直しを進めまして、申請手続の簡素化に取り組もうということでございます。
 それからもう一つは、休業についての規定が実は現行制度にはございまして、一定期間による休業の延べ日数が同一期間における所定労働延べ日数の十五分の一以上とかですね、中小企業だったら二十分の一ですけれども、この要件が掛かってきていますので、このことについても事業所全体じゃなくてもう部門ごとに柔軟に休業できるように要件を撤廃しようという方向で検討を進めます。
#231
○藤末健三君 舛添大臣、本当に前向きな話をありがとうございます。是非早急に進めていただきたいと思います。
 そして、ついでに申し上げますと、窓口に対してサポーターみたいなものを入れていただければと思うんですよね。保証協会は窓口に審査の補助として中小企業診断士を入れているんですよ。そういうこともやっていただきたいということをお願いさせていただきます。
 また、この雇用の問題につきましては法務省にちょっとお聞きしたいんですけれども、鳩山大臣は、優しさをもってホームレスそしてネットカフェに滞在されている方、ドメスティック・バイオレンスで逃れている方々に対して定額支給金、給付金を出したいとおっしゃっています。私は、これはもうはっきり言って定額給付金は大反対ではございますが、本当にホームレスの方々やネットカフェの方々、DVから逃れている方々に対して支給できるのか。
 私は、年末にネットカフェに伺ってきました。そこには大体五十人ぐらいの方が宿泊されているんですね、ずっとネットカフェに。ただ、びっくりしたのは、そのうち三人の方が、地元の蕨市から住民票を受けていました。ですから彼らはもらえる。ただ、それは蕨市の方が自分でリスクを取ってやっているんですね。そういうネットカフェにおられる方々が住民票なんかを取って安定してできるようにやっていただきたいんですが、その点いかがでございましょうか。
#232
○国務大臣(鳩山邦夫君) 最初にちょっと固いことを申しますが、ホームレスとかネットカフェ宿泊者、DV被害者、すべて定額給付金をお配りすると言ったことは私は一度もないわけでございます。
 ちょっと最初は固いことを申しますが、結局、定額給付金はできるだけシンプルにしろと言っておりますのは、五千万件を超える世帯数に応じた申請があるんだろう、その仕組みは簡素にしようと。やっぱり二重給付はまずい、基本的にはそう思っておりまして、そういう観点から、住民基本台帳か外国人登録原票というものを基にして給付を行うことにしたわけでございまして、基準日である二月一日現在でいずれかの市町村に住民登録がなされていさえすれば、実際にその住所に住んでいなくても、現に居住している場所が違っていても住民登録されている市町村に郵送で申請をすることができるということでございます。ですから、住民登録されている方にはすべて給付することができると。
 何らかの理由でいずれかの市町村においても住民登録がない、昨日も申し上げましたが、住民登録しているんですがどう調べてもそこに住んでいないというときには職権消除といって住民登録が消えるわけですね。そういう方については、基本的には基準日までに住民登録をどこかにしていただくという住民登録の復活が必要であると考えております。しかしながら、非常に困難な事情、やむを得ない事情で結局二月一日に住民登録がどこにもないと、ただそれは非常に気の毒な事情があるという場合については、何とか支給できる方法がないだろうか、つまり二月一日というのを大幅に超えて住民登録が復活した場合に支給できる方法はないかというので、その辺の具体的な方法について今検討させているわけでございます。
 生活保護の方と、生活保護という制度と住民登録とは直接関係がないわけですね。例えば、生活保護はケースワーカーが調べて生活保護が必要であるとすれば出るんだと思うんですが、生活保護を受ける、例えば、今非常に困難な生活している方が生活保護を受けることによって、じゃこの辺に住んだらいかがですかということで住民登録が復活して定額給付金を差し上げることができるという可能性がかなりあるだろうと思います。
 DVの方については、もう釈迦に説法でしょうが、平成十六年にいわゆる支援措置というのが始まったわけで、つまり新しいところで住民登録しても加害者には連絡が行かない、加害者が閲覧もできないという仕組みになったわけですから、でき得る限りそうした方は今住民登録を新たな住所でしていただけると有り難いと正直言って思っております。
 こういう原則がございますので、何でもかんでもということではありませんが、政党は違っても私と兄は共に友愛精神という優しい政治を目指しておりますので、できる限り優しく対応するということが大事だと思う。これは私ども兄弟の基本的な思想でございまして、例えば私がやっている仕事の中で年金記録確認第三者委員会というのがございます。これは大体あっせん認めるのが四割ぐらいで、あっせんできないのが六割ぐらいなんですが、この間も中央委員会へ行きまして、ぎりぎりというような方々はなるべくあっせんを認めるような方向で優しくと、これが私の政治姿勢でございます。
#233
○藤末健三君 鳩山大臣におかれましては、友愛精神を発揮して、是非民主党に来ていただきたいと思います。
 そして、もう一つお願いしました、ネットカフェに泊まられている方々に対して、それをもっと幅広く国が認めてほしいということについてお答えください。
#234
○国務大臣(鳩山邦夫君) 今ネットカフェについて触れませんでしたが、蕨の件は私も存じ上げております。ネットカフェとかあるいは類似のものもあろうかと思いますが、長期契約をして明らかにそこに居住していると。居住しているというのは、客観的な状況と居住の意思と両方で確認するんだと思いますが、明らかにそれが認めることができればそういう方も救済というか、定額給付金、つまり住民登録できるようにして定額給付金を配れるという方向に持っていきたいと思っております。
#235
○藤末健三君 鳩山大臣、時間がないんで、早めに各自治体に告知してください、早めに。あと、ネットカフェで泊まられているところ大体分かっていますから、やっていただきたいと思います。(発言する者あり)ネットカフェの問題は、就職するときに戸籍があるかどうかが大事なんですよ、言っておきますけれども。それを覚えておいてください。
 そして、一つ、午前中に坂本委員からありました雇用保険の加入状況につきまして、坂本議員が製造業の派遣労働者の加入率は九九・二%とおっしゃいました。お聞きしますと、このデータは平成十七年のデータで、恐らく今は状況は変わっているんじゃないかということをちょっと申し添えたいと思います。
 また、本日、民主党の部会で得ました情報によりますと、雇い止め、解雇による労働者は八万五千十二人、そのうち加入者は五万九百八十人となっています。そして、そのうち派遣労働者については、判明したのが、三万六千四百四十六人中、雇用保険に加入したのが三万六千四百十一人ということでございまして、少し状況は変わっているのではないかということを申し添えさせていただきたいと思います。
 雇用の問題からまた中小企業の話に移らさせていただきまして、今、信用保証協会の保証を受けた貸出し、保証料は今〇・八%、金額の、払っています。この貸出しが、地方に行きますと保証を受けなくても保証を受けても金利は同じという状況がございますが、私は保証を受けたものはリスクがゼロになりますんで金利を下げるべきと思いますが、金融大臣、いかがでしょうか。お願いします。
#236
○国務大臣(中川昭一君) ほぼ同じリスクの貸出しについて保証が付けば金利が下がるというのは、ある意味では自然というか、そうなるべきだと思います。
 個別の状況等もいろいろあるとは思いますが、金融庁でいろいろヒアリングするとそういうふうにやっている金融機関も多いようでございますが、全く変わりがないというのは私はある意味では合理性がないというふうにも思っておりますので、今までもきちっとした、特に中小企業向けの金融をしっかりやるようにということを言っておりますけれども、そのしっかりの中には、信用リスク等で金利に差が出るというのも私は金融機関としてのしっかりした対応を取っていただきたいというふうに思っております。引き続きよく状況を把握していかなければいけないと思っております。
#237
○藤末健三君 今、私が伺った信用保証協会、幾つかございますけれども、例えば首都圏の川崎市は、市が保証を出すときに金融機関に金利を下げてくれと要請しているんですよ。ところが、地方に行くとそういうことをされていないので、やはりある程度全国一律にそういうことが展開できるように進めていただきたいと思います。
 そして最後に、景気の対策につきましては、今まで中小企業対策、雇用対策を申し上げましたが、一番重要なことは需要の創造だと思います。まさしく本日と申しますか昨日、アメリカはオバマ大統領が誕生し、グリーンニューディールという、緑の公共事業ということをおっしゃっているわけでございますが、このグリーンニューディールについて環境省の方、御説明いただけますでしょうか。お願いします。
#238
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 環境基本法の立法に参画され、東大の助教授時代は環境法の本をまとめられて講義に使われていた藤末議員にはまさに釈迦に説法でございますけれども、私もあの御本を読ませていただいて、技術者、理科系の目から書かれた環境立法ということで大変参考にさせていただいておりますが、まさにその考え方に基づいてグリーンニューディール、日本でも日本版グリーンニューディールを行おうというものでございます。
 基本的な考え方は、ニューディールですから、需要と雇用を創出すればそれでいいというものではなくて、その需要と雇用の創出、その仕事の先に私たちが目指すべき社会があると、そしてその切り口として環境というものがある、これがグリーンニューディールについての基本的な考え方だろうと思っております。
 今、経済の霧が濃いわけですけれども、この霧を吹き払うためにとにかく何でもいいからお金をつぎ込んで仕事をしようということではなくて、その霧が晴れた先に環境を軸にしたそういう低炭素社会づくりを目指す、そういうところに集中をして投資をしていく、こういうことがグリーンニューディールの基本的な考え方だろうと思っておりますし、私どももそういう考え方に基づいて新しい投資をしていかなくてはならないと思っております。
#239
○藤末健三君 アメリカのグリーンニューディールの年間予算、予定されている予算を教えていただけますでしょうか。環境省、政府委員でいいですよ。
#240
○国務大臣(斉藤鉄夫君) ちょっと通告がございませんでしたので、ちょっと今ここで正確にはお答えできませんが、まだオバマ新政権においてこれだけの予算をいわゆるグリーンニューディールにつぎ込むということは発表されてないと思っております。
#241
○藤末健三君 今発表されているやつで年間一・五兆円で十年間です。それだけの予算を手当てしなきゃいけないと思うんですが、今政府でそれだけの手当てができると思われますか。環境大臣、財務大臣、どちらでも結構ですけれども、お答えください。
#242
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今年度の補正予算、そして来年度予算案におきまして、私ども今正確な数字は申し上げられませんけれども、数千億円の、これは環境省予算だけではありません、関係省庁の予算をすべて集めてそれだけの投資がなされていると思いますが、今後、日本版のグリーンニューディールの案をまとめてまいります。その中で、二百二十万人を超える雇用の創出等、また百兆円を超えるグリーンビジネス、環境ビジネスを生み出していく。これは三年間というロングレンジでございますけれども、そのようなものを目指していきたいと私自身は考えております。
#243
○藤末健三君 今のアメリカのグリーンニューディールは、追加的に一兆五千億円を十年間のせるんですね。それが、もし日本でできるかどうかというふうなことはいかがですか、斉藤大臣。私は定額給付金をやるよりも環境に使った方がいいんじゃないかと思いますよ。いかがですか、その点。
#244
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今その一・五兆ドルを超える投資ができるかどうかこの場でお答えできる段階にはございませんけれども、日本もそれに匹敵するだけの投資をしていきたい、日本版のグリーンニューディールでこれをつくり出していきたいと、このように思っております。
 また、定額給付金のお話でございましたが、今回、定額給付金は大きな経済対策、七十五兆円の経済対策の一部でございまして、この二兆円を回せばそれで済むという話ではございません。
#245
○藤末健三君 アメリカのグリーンニューディール、これを読みますと、何かというと、もうこれは環境で公共事業をしようという話じゃないんですね。今新しい環境に対応した産業を長期的につくろう、環境に対応した社会を長期的につくろうという、長期的にこれから社会と産業の構造を根本的に変えるという発想です。そのためにも新たな予算の枠組みをつくり、そして年間一兆五千億円を十年間出しますと、これは最低ですよ。そういうことは私は今の政府・与党ではできないと思います。
 民主党の同僚議員がいますのでお聞きしたいんですけれども、民主党のこの大きな予算の枠組みの変更についてお答えください。お願いします。
#246
○尾立源幸君 藤末委員にお答えいたします。
 手短に申し上げたいと思いますが、まず大原則を、官僚頼みの予算編成から予算編成を国民の手に取り戻すというのを我々の第一の目標にしております。すなわちそれは、我々が選挙でマニフェストをお示しするわけですが、その中に書き込んだ政策を最優先に実現する、そのために財源を使うということが原則でございます。
 そして、そこで一番大事なことが天下りのやはり全面禁止、そして無駄遣いの徹底排除でございます。特に、無駄遣いの徹底排除についてはこれまで政府では十分になされておりません。その原因は何かということで、少し専門的になりますが、お話をさせていただきます。
 それは、これまで一般会計、特別会計、国の総予算、実は二百十二兆、一年間ございますけれども、この予算が事業別に仕分をされております。例えば、社会保障関係費ということで六十六兆円の予算が計上されておりますが、この中には、実は人件費や庁費や施設費、委託費、そして本来給付に使われる部分がまぜこぜになっておりまして、なかなかここに切り込むことができませんでした。我々はこれを企業会計並みに、事業ごとではなく、どういう費目別にお金を使うかということに見方を転換し分析し、ここに一つ一つ切り込んでまいりたいと思っております。そうすることによって、二百十二兆の総予算の約一〇%、二十兆近くをこの最優先の財源に使っていくこと、これをお約束をさせていただいておるところでございます。
 失礼します。
#247
○委員長(溝手顕正君) 時間が来ております。
#248
○藤末健三君 簡単に。
 ありがとうございました。私は、国会は、今の近々の短期的な景気対策、雇用対策はもうみんなで一致してやらなきゃいけないと思います。しかしながら、長期的な抜本的な改革は我々民主党でしかできないということを申し上げまして、質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#249
○委員長(溝手顕正君) 以上で大久保勉君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#250
○委員長(溝手顕正君) 次に、石井みどり君の質疑を行います。石井みどり君。
#251
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。
 本日は、経済・雇用対策について御質問をさせていただきます。
 今、日本中の経営者、大企業を始めとして中小零細、皆さん大変な御苦労をされておられます。先ほども藤末委員の方から御質問があったかと思いますが、緊急保証制度、これにつきまして随分全国の医療機関からお問い合わせがございますので、二階大臣、大変先ほども御答弁されて恐縮でございますが、これについて少し御説明をいただければと存じます。
#252
○国務大臣(二階俊博君) 御質問の緊急保証制度は、当初、原油、原材料高に対応するという観点から、ちょうど昨年の八月ごろであったと思いますが、緊急総合対策で導入が決定されたわけであります。その後、国際金融不安、それに伴う国内の景況悪化等を踏まえて制度を拡充してきており、十月のいわゆる生活対策で二十兆円に保証枠を拡大することにいたしました。また、原油、原材料対策だけではなくて、売上げの減少などに苦しむ業種の方々に対して幅広く対象とするなど、まさに百年に一度と言われる経済情勢の悪化から日本経済をどのように守るかという観点で制度を実施しております。
 十月の三十一日から昨日まで五十一営業日数となりますが、これで約二十万件、約四兆五千億円の承諾実績となっております。第二次補正予算の成立により、保証・融資を合わせて三十兆円規模とし、またこの中で、商工中金による国際金融不安に対応した一兆円規模の危機対応業務を発動するなど、更に力を入れたいわゆる資金繰り対策を講ずることとしております。
 いずれにしましても、第二次補正予算の早期成立を改めてこの際お願いを申し上げておきたいと思います。
#253
○石井みどり君 このセーフティーネットの保証制度の中に実は医療機関が入っておりませんで、たしか十年ぐらい前、一九九八年のときは入っていたというふうに、これ全国、医療機関何か所からか、以前は入っていたのに今回なぜ入っていないんだと。そしてその中に、十二月の追加指定の中に、医療用品あるいは医療用品の卸とか医療用機械器具製造業辺りは指定をされていますが、医療機関の指定が入っておりません。非常に医療機関も、低医療費政策が続き、そして医師不足等が主な原因でございますが、非常に厳しい経営に追い込まれています。
 これに、なぜこの対象業種に医療機関が指定されなかったのか、その理由をお教えいただければと思います。
#254
○国務大臣(二階俊博君) なぜ医療機関が排除されているかと言われる趣旨だと思いますが、厚生労働省において業況の実態等を把握しておられるわけでありますから、診療報酬等との関係もいろいろと調査をされておるわけであります。これらの提案をよく我々も整理した上で今の御質問に対して判断をしてまいりたいと思いますが、我々は、経済産業省が掌握しておる各企業の問題、特に中小企業対策、このことに没頭しておりまして、医療がどうだこうだというところまでは正直言ってまだまだそこまで気が及びません。こういうお話は今日正直言って初めて聞いたと申し上げても過言ではないんです。
 ですから、厚生労働省とよく話をしていただいて、我々は厚生労働省と政府内でよく調整して対処したいと思っております。
#255
○石井みどり君 大臣から大変前向きなお答えをいただきました。
 是非、厚生労働省と連携を図っていただいて、こういう業種の追加をお願いをしたいと存じます。(発言する者あり)そうですね。後ほど、これ聞かせていただきます。
 続いて、私が聞きましたのは、実は医療、福祉に関しては、独法でありますが、独立行政法人の福祉医療機構というのがある。これ私も非常によく覚えておりますが、かつて医療に関しては医療金融公庫といって非常に歴史等がございます。
 私は医業の家に生まれて育ちましたので私自身が借りる申請の手続をしたこともございますが、これがあるので今回のこのセーフティーネットには入らなかったんだというふうに聞き及んだわけでありますが、実は今日資料で出させていただいておりますこの中に、資料一で出させていただいた経営安定化資金、長期運転資金というのがございます。これが、私が何か所か聞きましたところは、非常に使い勝手が悪い。申請してから資金交付までも時間は掛かるし、それから市中銀行よりか高い利率だと。
 それと、この資料を見ていただきますと、担保を取るというのはこれは通常だろうと思うんですけれども、施設の建物、敷地に加えて診療報酬債権等を担保にするという。診療所、医療機関を開設してまだ間がない方の場合は、当然土地、建物は担保に入っているわけですね。これが私は、施設の建物、敷地若しくはとか、そういうことであれば理解できるんですが、これ両方なければ借りれないのかと。そういうところが非常に使い勝手が悪いと言われるゆえんだろうというふうに思っております。
 今、本当に日本中、先ほど申し上げたように経営者とおよそ名が付く方は大変な苦労をされておりますが、医療機関もしかりであります。私が聞き及んだところでは、もう昨年銀行から貸しはがし、貸し渋りに遭っている病院、診療所があるというふうに聞いておりますので、この福祉医療機構の経営安定化資金を是非現下の経済状況に合わせて使い勝手がいいように見直していただきたいんですけど、舛添厚生労働大臣、いかがでございましょうか。
#256
○政府参考人(外口崇君) 独立行政法人福祉医療機構におきます経営安定化資金につきましては、昨年八月の政府・与党による安心実現の総合対策の一環として、昨年十月より、物価高騰により経営に必要な資金が一時的に不足している医療機関に対しまして、貸付金利を通常の場合から〇・五%優遇する、償還期間を原則五年以内から七年以内に延長するなどの措置を講じているところであります。
 さらに、現在、経済・金融情勢が悪化している現状にかんがみまして、原因が物価高騰によるものに限らず、資金繰りに困難を生じている医療機関に柔軟に対応すること、担保の軽減、これは不動産担保がない場合は診療報酬債権のみの担保でも可能とすることでございますが、このような措置について検討を鋭意進めているところでございます。
#257
○石井みどり君 言葉じりをつかまえるわけではありませんが、検討を鋭意に進めているということは、その方向で見直していただけるということでよろしゅうございますね。
#258
○政府参考人(外口崇君) ただいま申し上げました方向で進むよう努力しているところでございます。それを目指しております。
#259
○石井みどり君 是非その方向を実現していただきたい。本当に今、全国の医療機関、大変、むしろ黒字倒産に追い込まれるようなところもございます。そうすると地域の医療が更に崩壊をするという結果につながりますので、厚生労働省、ここはひとつ大いに頑張っていただきたいと思います。
 続いて、この独立行政法人の福祉医療機構でありますが、どうも独法の業務の見直しが行われております。独立行政法人整理合理化計画というのがこれは進められているというところでございますが、これが見直しされるという根拠が、かつてよく聞いた民間ができることは民間でということであったというふうに思っております。
 しかし、今民間の金融機関が貸し渋り、貸しはがしが起こっている状況で、今こそこういう政府系の金融機関の出番であろうというふうに思っているんですけれども、この福祉医療機構の役割、これこそが本当に今一番苦しんでいるときに役割、機能を果たしていただきたいと思いますが、ここについて大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#260
○国務大臣(舛添要一君) 今委員もお触れになりましたように、平成十七年十二月に閣議決定されました行政改革の重要方針ということがありまして、ここでは、もう政策金融は三つの機能に限定して、それ以外は撤退するという方針があります。例えば中小零細企業、個人の資金調達支援ということになっているんで、例えば大きな病院とみなされるところは、これは対象外になります。
 しかし、経済情勢が変わってきておりますから、そういう方針は方針でありながら、これはやはり政府全体でいろんな面で政策を見直す時期に来ているというように私は思っていますのは、例えばハローワーク、今大変大車輪で活動して大変皆さん方に感謝いただいていますが、大きな行政改革で定員削減という枠の中で閉鎖をしないといけない、統廃合しないといけないハローワークもたくさん出てきています。こういうこと全体についてどうするのかということを、問題提起を政府の中でしているところでございます。
 しかし、今この金融環境がこういう状況でありますから、先ほど医政局長が申し上げましたように柔軟に対応するような形でやっていく。先ほど委員の資料、ホームーページからお取りになったと思いますけれども、そこに書いてあることが、例えば不動産担保ができなければ、それじゃなくて診療報酬債権もこの担保にできますという書き方をしたつもりだと思いますが、それが不明確であれば、早急に例えばそういうことについてだれが読んでも分かりやすいような文言に変えさせるというようなことも含めてやりたいと思いますけれども、せっかくあるわけですから、経営安定化資金の柔軟な活用をしていく、そして五百床以上の病院に係る整備費用についても政策優先度の高い部門に限定するなど、融資の重点化ということを行いながら、今委員が御指摘になった問題に対して対応をしていきたいと思っております。
#261
○石井みどり君 先ほど厚生労働大臣にも伺ったらいかがという声がありましたが、私が聞き及んだところでは、こういう機構があるから、きちんと福祉、医療の機関はお金が借りれるところがあるからセーフティーネットも入らなかったという、そういうようなふうに私は伺いましたので、是非、せっかくある機関でございますので、しかも長い実績がございます。本当に医療機関が安心して借りれるところでございますので、是非そういう、政府で閣議決定はされている、その閣議決定の重みは十分理解はいたしますが、やはり今の状況は、だれもが想定し得なかった本当に大変な世界同時不況というぐらいの状況でございますので、例えば医療機関であっても、普通、医療機関は不況には強いと言われている、それであっても、実は受療控えがもう相当起こってきているのであります。
 ある特定の地方を出したら恐縮ですが、東北のある地方辺りは、治療中の患者さんであってももう治療が中断したとか、それから良性腫瘍である場合は、本当に良性なんですねと、良性であれば少し手術を延期したいとか、そんな考えられないようなことが起こっていて、その結果は、すべて患者さんに結局は負担が行ってしまうわけでありますので、やはりその地域の医療機関を、地域の医療を守るという視点で是非この融資の重点化も柔軟にお考えいただきたい、そのようにお取り組みいただきたいというふうに是非お願いをします。
 そして、続いてですが、実は私が少しびっくりいたしましたのは、一月の十六日に、閣議の後、舛添大臣が記者会見をされておられて、ああ、やっとこれで日本の需給の、雇用のミスマッチングが多少これで解決、すべて解決するとは言いませんが、少しでもその端緒になるのかなと思ったのが、介護分野での雇用拡大を目指して二万六千人分の職業訓練を実施するという方針を何か記者会見でされていた。ニュースでちょっと拝見したんですね、多分一月十六日だったと思うんですが。
 そうしますと、一月十八日の日曜日の新聞の投書欄に介護職員の方から投書がございまして、先ほど来随分出ている雇用を、失職した方あるいは雇い止めになったとかいろんなことが出ていました。そういう方々の中にも福祉関係の仕事に就きたい人がいるんではないか、そういう方を行政は是非資格取得の支援をしてほしいと、そういう趣旨の投書がございました。やはり介護の現場で働く方ですので、いかに介護の現場が厳しい労働状況かということ、そして絶えずスタッフの入替えがあって定着しないというようなことも御存じの方が、しかしそれであってもやはり生きがいがあって、そして本当に最後までその人らしい人生を送っていただくということをサポートする大変すばらしい職種であるということでこういうことをお勧めされているんだろうと思うんですね。
 しかしながら、こういうことが出るということは、せっかく政府がそういう対策を取られても、余り国民の方にニュースで取り上げたぐらいでは知られていないのかなというふうな気がいたしましたので、もう少しそこを大臣、御説明をいただけますでしょうか。
 また、今回初めてこういう職業訓練を受けているときに生活保障をするという給付が、私は今回が初めてではないかなという気がいたしますが、これも更に充実させるというふうに伺っておりますので、その辺りも含めてちょっとお話をいただけますでしょうか。
#262
○国務大臣(舛添要一君) 委員が御用意いただいて皆さんに御配付いただきました資料の三というのに簡単にまとまってありますけれども、基本的な問題意識は、ここのところ介護や医療分野の人手不足、それで非常に現場で困っておられる、それで例えば介護報酬を三%上げるという手当てをやっております。こちらでは人手の不足、ところが派遣労働者を含めて雇用のない方がちまたにあふれている、このミスマッチをどうするかと。しかも、一つの厚生労働省の中にその両方の部局が入っているということで特別のチームを編成して、今鋭意作業を進めております。
 そして、そういう中で、この図にございますように、例えば離職者訓練で、既に、例えば三か月の訓練でヘルパーさん二級取れますから、これだと二千七百三十人、それからもう二年間びっしり訓練していただく、それで介護福祉士の資格を取れます。その間、例えば雇用保険は受けながら、その二年間分はずっと受け続けることができるとともに、こういう受講に、つまり訓練の費用はすべて国が持つということですから、是非そういう職種をお望みになる方はこれを御利用していただいて資格をお取りいただければというふうに思います。全体で約二万六千人の予算を計上しておりますし、それから雇用保険給付の延長とともに、生活費の貸付けも十二万円までこれをやるということで、これは午前中、小林委員がおっしゃった、ある意味で第二のセーフティーネットの第二段階にも相当するものだというふうに思っております。
 それから、一方、介護の未経験者をお雇いになる例えば老健施設の経営者の方々に対して都道府県労働局を通じて五十万円を支給する。その場合に、年長フリーターの方だったら、これはほかの制度がありますので、これで百万円まで中小企業では負担するということをやりたいと思っております。
 そして、こういうことを第二次補正、そして本予算を通じてきっちりやっていって今の雇用のミスマッチを解消したいと思いますので、是非経営の側も、それから新しい仕事にチャレンジしたい方も御利用いただきたいと思いますとともに、一日も早く補正予算、そして本予算を実現させていただきたいということをお願いしたいと思います。
#263
○石井みどり君 是非一日も早い二次補正、そしてまた始まります本予算、来年度本予算が成立することを私も強く願っております。大変、今回の対策は、一次補正でもいろいろ返還免除要件とかありましたが、二次補正で更にそこを充実させたというふうに今お聞きしておりますので、一日も早いこの政策が実行されることを希望いたします。
 私は開業医として働いておりましたが、そのときも随分たくさんの母子家庭のお子さんを診療いたしました。そして、本当に、育児をしながら、そして必死で働いて何とか生活を成り立たせ、そして子供にもできるだけ教育を受けさせたいと努力をしておられるお母さん方とお付き合いをいたしました。しかしながら、お子さんが小さいときは、やはり幼少のお子さんを抱えて職業訓練を受けるというようなことが非常に難しいということも聞き及んでおります。
 やはり、子供がどんどん大きくなるから、それに伴って安定した職場で正社員として働きたい、できるだけ自立したいという希望があっても、なかなかそういう職業訓練を受けるということが少なかったというふうに、そういう機会がないという話をかつて聞いておりますが、職業訓練実施に当たって、やはり母子家庭の女性、お母さんだけじゃなくて、やはり女性がこれから先、更にもう一度再就職したい、働きたいというときにやはり託児サービスというのが私は必要になってくるんではないかと思っておりますが、その辺り大臣はいかがお考えでございましょうか。
#264
○国務大臣(舛添要一君) まさに委員がおっしゃるとおりでございまして、例えば母子家庭のお母さん、それからそうじゃなくても女性がキャリアアップする職業訓練を受ける、その間お子さんだれが面倒見るんだということでございますんで、来年度の予算で三百二十人ぐらいを対象にしましてこういう問題の解決をしたいというふうに思っております。
 それで、例えば三か月間、民間機構とかポリテクセンター、こういうところでしっかりと訓練をしていただく、その間の受講料を無料にするとともに、その間は託児サービスも行い、これも無料にするということで予算措置を今行っているところでございますんで、これは二十一年度の本予算でございます、是非とも一日も早く成立させていただきたいと思っております。
#265
○石井みどり君 託児サービスが付くというのは私が知る限りでもまさに画期的だと思うんですが、ただ一つ文句を付けますと、大変残念ながら三か月で終わってしまうんですね。せっかくそこできちんと職業訓練を受けた方が、三か月ですから、これから先本格的な専門教育、あるいは例えば今ITにしても相当日々進歩していますので、その次の段階というところにやはり行かなければいけない。残念ながら、これで終わっているんですね。
 せっかくいいことをしていただいているんで、まずは来年度の予算を成立させて、補正で結構でございますので、続いてその次の、でも本当にこれをやはり続くような職業訓練にやっていただきたい。どうも私拝見していて、厚生労働省は女性の方も多く働かれておられますが、まさにちまたで本当に社会で働いてどれほど子供を抱えて苦労されているかというところがいま一つ御理解が少ないんではないかという気がしておりますので、大臣は随分御家庭へ帰られて育児にも参加されておられるというふうに聞き及んでおりますので、是非その辺りをこれから先更に、せっかくこういうことをされたわけですから、更に次の段階ということをお願いをしたいと存じます。
 それでは、最後になりますが、先ほども小林委員の方からもお話があったかと思いますが、年長フリーターのことでございます。
 私は、先ほど申し上げたように、もう時間ございませんが、開業医のときにもやはり就職氷河期の人たちとも随分お付き合いして、私が診ていた子供たちがちょうど就職の時期にそういうときでした。この人たちがまさに今年長フリーターになって非正規になっているのかと思うと、とても胸が痛みます。そういう年長フリーターの方々の正規雇用化に向けての二次補正での対策を是非お願い申し上げます。
#266
○国務大臣(舛添要一君) これは、年長フリーターの方々を雇用してくださった方々、企業については百万円、中小企業。大企業五十万というような様々な年長フリーターの対策を取っておりますんで、今後とも全力を挙げてこういう方々に対して光を当てていきたいと思っております。
#267
○石井みどり君 ありがとうございました。
#268
○委員長(溝手顕正君) 以上で石井みどり君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#269
○委員長(溝手顕正君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木清寛君。
#270
○荒木清寛君 それでは、まず舛添大臣にお尋ねいたします。
 今月の九日、仙台、川崎、横浜、名古屋、京都、大阪、堺の各市長が厚生労働大臣に対しまして、雇い止めとなった非正規雇用者等への緊急支援の実施等についてという要請をされたと思います。これは、各自治体で宿泊場所の確保等様々な対策をしておりますけれども、財政負担が大変でなかなか一自治体では対応できないということで、主に財源措置についての緊急要望であります。その中の一項目は、三項目のうちの一番のメーンでありますけれども、雇い止め等をされた非正規雇用者等に対して地方公共団体が特別に実施した支援策に対しては必要な財源措置を行うこと、このことについて厚労省としてどうこの要請にこたえていくのか、大臣の取組をお尋ねします。
#271
○国務大臣(舛添要一君) 厚生労働省におきましては、既に全国のハローワークに特別相談窓口、これは百九十か所を開設いたしました。そして、この雇用促進住宅への入居あっせん、それから賃貸住宅入居の場合には資金の貸付けと、こういうことを既に行っておりますし、相当の数の実績が既に上がっております。
 それから、雇用を維持しながら、つまり解雇せずに労働者に休業や訓練などを行わせるというような企業に対しての助成措置も拡充しているわけでございます。
 それから、これらに加えまして、この二次補正予算、来年度予算におきまして、まず都道府県においては、雇用確保のために過去最大規模となります約四千億円の基金を創設いたします。そして、派遣先が派遣労働者を雇い入れた場合の助成金措置を行うということをやっておりますので、各都道府県にあります労働局それからハローワーク、労働基準監督署、あらゆる組織を使いまして、総合的に先般の市長さんたちのお申入れにおこたえできるように対応してまいりたいと思っております。
#272
○荒木清寛君 財務大臣に対しましてもお尋ねしますが、七日の参議院本会議で、全会一致で雇用、住宅など国民生活の安定を確保する緊急決議を可決をいたしました。これには、離職者の住宅の確保ですとか就職支援、また生活保護制度の活用等についての政府の対応を求める決議になっておるわけでありますが、これは財務大臣としてはどうとらえて取り組んでいくのか、述べてください。
#273
○国務大臣(中川昭一君) 政府といたしましても、この雇用というものは非常に重要であるというふうに考えておりまして、特に年末対策を緊急に、雇用あるいは住居、暮らしについて対策を取ったところでございます。
 また、御審議いただいております第二次補正予算におきましても、雇用の基金四千億円を積むでありますとか、あるいはあらゆることをこの補正予算の中でも盛り込んでいるつもりでございます。また、引き続き本予算の方にでもやっていかなければいけないと思っております。
 いずれにしても、参議院の御決議の趣旨を踏まえまして、雇用、住居などの国民生活の安定のために全力を、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
#274
○荒木清寛君 これは、政府として雇い止め対策に全力を挙げておることは私も承知をしておりますが、ただ、各自治体の事情も深刻でございまして、各自治体もいろいろな対策をする中で、財政が逼迫をしておる中、なかなかその財源を捻出できないという事情があります。
 私は愛知県の名古屋市に住んでおります。政府のこの推計によりますと、本年の三月までに雇い止め等で職を失う非正規の方が八万五千人ということですけれども、そのうちの少なくとも一万五百九人が愛知県ということで突出をしているわけですね。その県都が名古屋市でありまして、そういう状況の中で、名古屋市でも民間のアパート等も借り上げをしまして緊急宿泊援助措置をやってきたんですが、これがもう終了してしまったわけなんです。要するに、余りにも多くの需要があってこたえられない。
 それは、今の愛知県の状況もありますし、他の都市からも来るわけです、それは県内の他の都市からですね。市町村の役場に行って相談をしますと、うちではそういう住居は紹介できないからと言って、名古屋駅までの切符を渡して行ってくださいというようなこともありました。さらには、愛知県以外からも来ているということで、相当そうした需要に対しては、もうさすがの名古屋市もこたえ切れないということで打ち切らざるを得なかったという本当に状況にあるわけなんでございます。
 もう一歩、この住宅の確保について、このニーズにこたえるようなことをやっていただきたいと考えますが、いかがですか。
#275
○国務大臣(舛添要一君) 特に自動車産業が集中している愛知県の状況というのは大変だということはよく理解をしております。そして、そのためにも、緊急の住宅対策として雇用促進住宅への入居あっせん、これ、先ほど申し上げましたけれども、既にこの一月二十日現在で二千六百七十四件あっせんしておりまして、私の記憶が正しければ、一番数の多いのはやはり愛知県でございます。
 そして、今度は自分でアパートを借りるという方に対する融資も六百七十四件に上っておりますんで、これを是非御活用願って、それから、これは総務大臣含めすべての閣僚に私がお願いして、各関係省庁、あらゆる省庁、そして地方自治体の持っている都営住宅とか市営住宅とか、そういうものも開放しろと、我が厚生省の持っている住宅もたしか二百戸開放したわけでありますんで、そういうことを全力を挙げてやりたい。
 それから、住み込みできる社員寮付きのあっせん、これは年末の日比谷のテント村の方々に対しては四千件あっせんをいたしました。そして、キャリアアップ、これは新宿にもありますし、愛知にも前倒しで開設しましたけれども、そこに行っていただければ求人票がたくさんございます。そして、職が決まればその日から住み込みで仕事ができる。これも、全国のハローワークにおいて相談窓口を開いておりますんで、是非こういうことを活用していただいて、今の大変な状況に地方自治体の方々も対応していただければと。国も全力を挙げてこういう施策をやっていきたいと思っております。
#276
○荒木清寛君 総務大臣に定額給付金につきましてお尋ねいたします。
 昨年、昨秋からの金融危機に伴う消費減退の中で、これも自治体がいろいろ工夫をしておりまして、その地域内で使用できるプレミアム付きの商品券の発行も各地域で行われ、大体それをやりますともう完売になっておるということでございまして、これは明らかに地域の活性化には効果があるわけであります。
 今回の定額給付金は、もう現金というか振り込みで、金券ではできないわけでありますけれども、それに、その定額給付金の支給に合わせてこうしたプレミアム付きの商品券を発行し、そうした給付金で買っていただいて活性化しよう、こういう取組もやられております。
 東京の中央区ですとか長崎県の佐世保市ですとか、そのほかにもあろうかと思いますが、是非やはりにぎにぎしくこの定額給付金の事業を実施をして地域がにぎわうように、こうした取組については総務省としても慫慂するといいますか、それぞれの自治体で決めることではありますけれども、各自治体での活発な取組ができるように総務省として取り組んでいただきたいのですが、大臣のリーダーシップに期待をいたします。
#277
○国務大臣(鳩山邦夫君) 定額給付金は、もちろん緊急の生活支援ではありますが、やはり消費の拡大、追加的な消費を生むことによってGDP押し上げ効果があると。一般に〇・二%と言われておりますが、うまくいけばこれが〇・三%にも〇・四%にもなり得るわけでございます。
 したがいまして、十年前になるんでしょうか、地域振興券のときの例もいろいろと地方には紹介をしていきたいと思っておりますが、今回も、佐世保市では、一〇%プレミアムの付いた商品券のようなものを発行するという計画があるようでございます。佐世保市の場合は、一〇%のプレミアム分、つまりその分をだれが負担するかということですが、市が半分、商工関係団体が半分というふうになっていくようでございます。
 ですが、既にプレミアム付き商品券というのは、中央区、板橋区、北区、豊島区、練馬区等、東京では相当発行の実績がございまして、私の昔の選挙区でございます中央区では、矢田区長の発案で四億円のハッピー買物券を発行したところ、たしかこれは一人五万円まで購入できると。即日完売、二回に分けて発売して即日完売であったようでございます。四億円のプレミアム券ですから四億四千万円の買物ができたと。この四千万円分は、実は、財政の状況もあるんでしょう、中央区が全額負担できたわけでございます。
 地方自治体の財政事情によっていろいろあろうと思いますが、このプレミアム付き商品券というのは相当人気があるようでございます。私がしばらく前に地元へ帰って、ある商工会議所の会でその例をお示ししたところ、相当ざわついて、本当かと、じゃ我々もやるかという機運が急速に高まっているようなので、結局、全国千八百近い市町村に今までの事例、あるいは今計画している事例を紹介することが重要だと思っておりますので、先生御指摘のように慫慂してまいりたいと存じます。
#278
○荒木清寛君 終わります。
#279
○委員長(溝手顕正君) 以上で荒木清寛君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#280
○委員長(溝手顕正君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
#281
○山下芳生君 厚生労働省の昨年末の聞き取り調査で、三月末までに八万五千人の非正規労働者が雇い止めされることが明らかになりましたが、この数字、更に増えるんじゃないですか。
#282
○国務大臣(舛添要一君) これは、昨年の十二月十九日の時点で状況を把握して、三月までに解雇される方も含めた数でございますので、今後経済情勢が悪くなればもっと増える。それで、雇用の数値というのは遅行指数でございますから、ほかの経済指標に比べても遅く出ますから、そういう悪化するということを非常に懸念をしております。
#283
○山下芳生君 実際、八万五千の数字が発表された後だけでも、新聞に載っただけでも、たくさん新たな非正規切りが発表されております。
 平成十八年度の製造業務に従事した派遣労働者の数、何人ですか。
#284
○国務大臣(舛添要一君) 平成十八年の製造業務の派遣労働者は約二十四万人でございます。
#285
○山下芳生君 同じく、平成十九年度は何人ですか。
#286
○国務大臣(舛添要一君) 約四十七万人でございます。
#287
○山下芳生君 そうしますと、派遣労働の受入れ期間は原則一年、最大でも三年ですから、今年度は少なくとも二十三万九千人。今日の派遣切りのように企業が三年を待たずに雇い止めすれば、最大四十六万人が職を失うこともあり得るということですね。
#288
○国務大臣(舛添要一君) 中途で解雇されればそういうことになります。
#289
○山下芳生君 実際、厚労省の調査でも八万五千の半分以上は満了でない、中途解約ですので、これ満了になったら、もういっぱい切られてくる可能性があるわけですね。
 ということは、大変な事態です。昨年末よりもけた違いに深刻な事態が今年度、三月末、それから今年度中に起こるということですが、可能性があるということですが、大臣、どう対応されますか。
#290
○国務大臣(舛添要一君) これはもう非正規労働者の雇い止め、そういう事態が起こる懸念がありますから、あらゆる今施策を展開しているところでありますし、派遣先、派遣元に対して様々な指導を行う。法的な問題点があればきちんとこれは対応する。そして、例えば経団連などに対して中途解除をしないように、どうしても解雇しないといけないときには、これは再就職先をあっせんするように、そしてまた雇用を続けられるように従業員を訓練させてください、休業させてください、その間に雇用調整助成金で八割まで面倒見ますよと。様々な施策を準備をし、対応しているところでございます。
#291
○山下芳生君 私は、職を失ったすべての人に住居、生活、職業を保障することは緊急の課題であると思いますが、その点でまず、一昨日、派遣村からの緊急要望書には、全国にシェルターを増開設し総合相談窓口の設置をというものがありますけれども、これ緊急に検討すべきじゃないですか。
#292
○国務大臣(舛添要一君) 年末年始の日比谷の派遣テント村などに対して、緊急事態に対して対応を行ってきたところですが、まずは職、そして住居ということでありまして、今一番問題なのは、職を失った途端にアパートから追い出されるというようなことがあって住居がなくなる方々なんで、例えばこういう方に対してはそのまま社宅に、ないし社員寮にいてもらえればということを措置してもらえれば、その雇主に対して家賃の補てんを六万円まで行うというようなことをやって、解雇とともに住居を失わないようにする。
 それから、様々な融資制度もやっておりますし、先ほど申し上げています雇用促進住宅及び様々な役所が持っている、中央、地方を問わず、その住宅へのあっせんということをやっておりますので、こういう形で、特に全国ハローワークで住み込み、つまり社員寮付きの求職、あっせんというのを全力を挙げてやっていますので、これを是非活用していただいて、職とともに住居を確保していただくような政策をやっていっておりますので、是非御活用いただければと思っております。
#293
○山下芳生君 大臣、まず職とおっしゃるんですが、私はもう職も住まいも既に失った方にとっては、まず住むところと食べるものの心配をなくす、そうしてこそ落ち着いて自分に合った常用労働を探すことができるんだと、派遣や非正規のワーキングプアから抜け出すことができるんだと。そのためにシェルターのようなものがやっぱり必要なんだと。是非そこのところをしっかりと受け止めて検討していただきたいと思います。
 同時に、今現に非正規で働いている人たちの雇用を守ることがどうしても必要です。大臣、今言った対策でこれ以上の非正規切り、止めることできるんでしょうか。
#294
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど申し上げました政策をフル回転させてこの問題に対応していく、そして経営者の団体にもそういうこともお願いしておりますし、特にこの雇用調整助成金を御活用いただきたいと思いますし、それからもう様々な支援を国も地方自治体もやっているところでございますので、是非こういう政策を、あるんだということを、お困りの方も御活用いただいて、我々も全力を挙げて努力をしたいと思っております。
#295
○山下芳生君 残念ながら、雇調金などの政策が発表された以降も、一昨日、トヨタが期間工をゼロにするということを発表するなど、非正規切りは全く止まっていないわけですね。
 厚労省に、自動車産業関連事業所における雇調金及び中小企業緊急雇用安定助成金を活用した企業数と対象労働者数、報告してください。
#296
○国務大臣(舛添要一君) まず数字でございますが、平成二十年十二月一日から十二月二十二日までに十二の主要な都道府県労働局に休業等の実施計画届出を提出している自動車産業関連事業者数が百四、対象労働者が一万三百十一人でございます。そのうち大企業にかかわる事業者数は四、対象労働者は千七十九人となっております。
#297
○山下芳生君 結局ごくわずかなんです、自動車の大手は。雇用調整助成金は使っていないんですね。ですから、非正規労働者もせっかく対象にしたんですけれども役に立っていない。現にトヨタは期間工をゼロにすると言っております。ですから、大企業にお金をあげるからお願いしますという姿勢では雇用は守れないと。私は、まず契約中途の解除は違法を始め、現行法や判例で示された内容を大企業に守らせるべきだと思いますけれども、いかがですか。
#298
○国務大臣(舛添要一君) 自動車産業だけじゃなくて、全体の休業実施計画の受理件数で見ますと、十一月五十七件が三百三十九件に約六倍に増えておりますので、そういう意味で雇用調整助成金に対してニーズがどんどん高まっているということをまず申し上げた上で、先ほど申し上げました派遣元、派遣先に対して必要な指導を徹底して行っているところでございます。
#299
○山下芳生君 大企業は残念ながらそれ活用する前に切っているというところが問題だと思いますね。同時に、契約満了による雇い止めがこれから大量にやられますけれども、これは現行法でこれを救うのはなかなか困難もあるでしょうから、やはり、しかし契約満了であっても、例えば常用代替の場合などは濫用を許さない、こういう非正規切り防止の緊急措置、実効ある、これ新規立法も含めてとることがどうしても必要だと。私は、今こそ政治の責任という点では、そこに踏み出さなければ、二十三万とか四十六万と言われる大量のこれから非正規切りが起こってくる、大変な問題になると、そのことを提起して終わりたいと思います。
#300
○委員長(溝手顕正君) 以上で山下芳生君の質疑は終了しました。(拍手)
    ─────────────
#301
○委員長(溝手顕正君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
#302
○福島みずほ君 まず、定額給付金についてお聞きをします。
 事務処理経費八百二十五億円の内訳と積算根拠を示してください。
#303
○国務大臣(鳩山邦夫君) 定額給付金の事務処理経費として八百二十五億円を計上いたしておるわけですが、私も一度だけ細かい数字見ましたが、例えば大変大きいのは人件費で、やっぱり超勤ですね。すごい数字ですよね、全国ですから。何十万時間とか何百万時間とかなんかそういうような単位で計算をする。これが超勤手当や賃金等が二百三十三億円、それから発送費が二百七十億円、それから給付事務経費、消耗品費、印刷製本費、口座振り込み手数料、これが百八十五億、この辺が大きなところですね。あと、本省経費としても若干は計上はいたしておりますが、大きいところは人件費と発送費と給付事務諸経費となっております。
#304
○福島みずほ君 社民党はこの八百二十五億ももったいないというふうに思っておりますが、今日できた交付要綱で、現金、これは基本的に口座振替で原則としてやるというふうになっております。口座振り込み手数料は幾らになるんでしょうか。
#305
○国務大臣(鳩山邦夫君) これは、口座振り込みの手数料はそれぞれの自治体と金融機関との契約によるわけでございまして、ちょっとそれを、全国一律ではないものですから、それぞれの契約によるものですから、申し上げることができないわけです。申し訳ありません。
#306
○福島みずほ君 ちょっと理解できないんですが、給付事務経費百八十五億円のうちかなりの部分が口座振り込み手数料ということでよろしいですか。
#307
○政府参考人(岡崎浩巳君) 百八十五億円の給付事務経費の中のかなりの部分が御指摘のとおり振り込み手数料でございます。
#308
○福島みずほ君 きちっと答えてくださいますか。
#309
○政府参考人(岡崎浩巳君) 振り込み手数料につきましては、自治体がそれぞれ各指定金融機関と交渉して決めるということでありまして、余り水準がはっきりしてしまうということで事務上の支障が出るのではないかということでありまして、具体的な単価につきましてはお答えをいたしかねますが、百八十五億円の中の七、八割方、その手数料になると思っております。
#310
○国務大臣(鳩山邦夫君) これは、それぞれの地方自治体が契約をしていくわけですから、かなり多めに見込んでおるわけです。だけれども、実際にはもっといろいろサービスしてくれる金融機関が多いということを期待いたしているわけです。
#311
○福島みずほ君 これ、税金の貴重な使い道で、八百二十五億事務処理経費があって口座振り込みだけで百八十五億使うと。やっぱり巨額だと思うんですね。
 もうちょっときちっと説明してください。どれぐらい積算でやっていますか。
#312
○国務大臣(鳩山邦夫君) これは、積算の根拠の数字、持っていると思いますけど、それを言うとまるでそれが公定価格みたいになるわけでして、できるだけやっぱりサービスしてもらおうという気持ちは各自治体も持っているし我々も持っておりますし、ですからそういう数字は申し上げにくいと、こういうことなんです。
#313
○福島みずほ君 要綱は、ほとんど銀行振り込み口座でやれと、銀行振り込み口座でやれないときにだけ現金で渡すとあるんですね。積算根拠でいいじゃないですか、ざくっと、どれだけの人が口座でやるか分からないわけですから。振り込み口座としての事務経費として計上している金額を教えてください。
#314
○政府参考人(岡崎浩巳君) 今大臣からもお話出ましたけれども、実は十年前の振興券のときにそういう積算単価が一部流れたりして大変混乱が起きまして、市町村からも強く、その辺は交渉に影響するので余り、要望がございました。
 そこで、今後のいわゆる事務契約の価格形成に影響が及ぶおそれがあるということでございますので具体的な単価については差し控えさせていただきますが、先ほど申し上げた百八十五億の給付事務経費のうち百五十億以上が振り込みの手数料になるということでございます。
#315
○福島みずほ君 口座番号は個人にとって最も貴重なデータの一つです。これは、集めたみんなの国民のデータは、このもし給付金交付した後どう処理されるんですか。
#316
○国務大臣(鳩山邦夫君) これは、以前、税務情報や納税者番号の話を昨日もさせていただいておりますが、これは大変な個人情報でございまして、ただ、市町村において、その支出内容を証する書類を整備して補助事業の完了の日の属する年度の終了後五年間は保存することといたしておりますが、そうしたことが絶対に外に漏れないように厳重に管理するということになります。
#317
○福島みずほ君 振り込み詐欺やいろんな問題が出てくると思います。八百二十五億のこの問題、振り込み口座の問題等、今後も指摘していきます。
 次に、社民党は、雇用創出としてこの四つ、「社民党・雇用創出政策「いのちと緑の公共事業」 ヒューマン・ニューディール」を掲げています。医療・介護・教育関係者の大幅増員、農業、林業、水産業で雇用創出、自然エネルギー産業で雇用創出、学校、病院の耐震化工事の一斉対応などを掲げております。
 自然エネルギーなんですが、二点。
 社民党はかつて自然エネルギー促進法案、買取り価格制を出しましたが、国会で通りませんでした。産業を育成するというのであればそういう法律が必要だと考えますが、いかがですか。
#318
○委員長(溝手顕正君) どなたに。
#319
○福島みずほ君 経産大臣と環境大臣、お願いします。
#320
○国務大臣(二階俊博君) 電気事業者に対し長期間にわたって高価格で買取りを義務付ける固定価格買取り制度については、ドイツなどで導入されておりますが、太陽光発電の導入がこれによって増加しておることはそのとおりであります。
 固定価格買取り制度は、固定価格での買取りを電気料金に転嫁するために、電気料金の恒常的な値上がりの要因につながるという点があります。発電事業者のコスト削減インセンティブが働きにくいといった側面も有しております。このような観点から、我が国では、総合資源エネルギー調査会での議論を踏まえて、固定価格買取り制度ではなくて、RPS法に基づく導入促進を図っております。
 経済産業省においては、今後、RPS法について長期エネルギー需給見通しの水準を踏まえた運用を検討するとともに、規制的措置のみならず、予算や税制における各種の支援措置、自主的な取組について総合的に強化を図ることにより、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでまいりたいと思います。
#321
○国務大臣(斉藤鉄夫君) お答え申し上げます。
 再生可能エネルギーの導入拡大は、地球温暖化問題の解決、それから、先ほどもありましたように、雇用の拡大、国際競争力の増強ということに非常に資するわけでございまして、重要な課題だと思っております。
 固定価格買取り制度については、諸外国において再生可能エネルギーの導入拡大に寄与する成果を上げておりまして、有効な導入拡大策の一つだと認識をしております。
 今後については、我が国における再生可能エネルギー大量導入のための方策の一つとして、経済産業省ともよく連携しながら、相談しながら検討していきたいと思っております。
#322
○福島みずほ君 いや、環境省は、これ経済産業省を説得してください。
 ボンで国際自然機関の発足会議がありますが、日本は消極的で参加をしません。これは極めて国際的な流れとももう遅れていると思いますが、いかがですか。
#323
○国務大臣(二階俊博君) 経済産業省としてはこの委員会にオブザーバーで参加をさせていただくということになっておりますが、経済産業省としてはそれなりのレベルの高い担当者を派遣しようと、こういうことでありまして、その状況を十分把握し、今後対応していきたいと思っております。
#324
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今後の再生可能エネルギーの導入拡大にこの国際機関の役割というのはある一定の役割を果たすのではないかと、このように認識をしております。
 環境省としては設立会合に実務責任者を派遣する予定でございますが、今後の加盟については、この機関の役割、具体的な活動内容等を確認した上で関係省庁とも検討していきたいと思っております。
#325
○福島みずほ君 防衛省の予算は五兆円、農水省の予算は二兆五千億円。私、社民党などは逆転してもいいんじゃないかと思ったりしますが、農水省の予算の拡大、農業などで雇用の創出について、農水省、御意見をお聞かせください。防衛予算については結構です。
#326
○国務大臣(石破茂君) 恐れ入ります。防衛予算については申し上げませんが。
 今回、いろいろ御説明をいたしておりますが、補正予算案において新規就業を強力に進めますため二十四億、また当初予算においては六十三億を要望いたしております。(資料提示)また、実践的な研修を行う場合の費用、お一人様一月当たり九万七千円、最大、を支援をいたします農の雇用事業を創設をいたしまして、農林水産で合わせまして五千名、この雇用創出を図りたいと考えております。
 問題は、農業で働きたい、漁業で働きたい、林業で働きたいという人はいる。ただ、どこへ行けば何の仕事があるのというのが分からない。そして、農業をやりたい、林業をやりたい、漁業をやりたいといっても、今まで一度もやったことがない、大丈夫だろうかという不安があります。また、求人する側もどこにその情報を出せばいいのかよく分からぬということがあります。
 このマッチングを何とか図りたいと思っておりまして、今、中間段階でございますが、一月十五日、全国で農林水産の現場から千八百二十三人求人が出てきております。これ、かなり県別にばらつきがありまして、九州だけで見ますと、福岡が二十七人、佐賀が八人、長崎六十四人、熊本が百四人、大分が十五人、宮崎は六十五人、鹿児島二十人ということで相当のばらつきがありますが、いろんな情報を集積をしてそのマッチングを図りたい、そして初めてやりたい人に支援をちゃんとしたい、これが農の雇用事業でございます。補正予算でお願いをいたしております。
 もう一つは、この間も御説明をしましたが、田舎で働き隊という話は何かというと、都市部でいろいろ農村に行って何かやりたいという人は実はたくさんいます。農山漁村にもこんな若い人来てもらいたいなというのはあるんですが、このマッチングをどうするかです。NPOとか大学とか企業、そこを仲介機関といたしまして、国がその支援、支援の内容は研修手当を出すとかそういうことですが、そういう事業を補正予算で考えております。
 エステじゃないんだっておしかりをいただきましたが、きっかけコースというのをやってみましょうと。最初十日間ぐらい短期で研修する。つまり、今まで一度も行ったことないわけですから、どんなところだか分からない。十日間で短期研修、これは八百人程度。研修手当は一日七千円。旅費は上限十五万。これでなるほど面白いねということになりましたらば、今度はお試しコースということで、最長一年、人数は五十人程度を当初は考えておりますが、研修手当十四万ということでございます。
 こういうように、とにかく一回やってみましょうと。ただ、十分なスキルがないまま、また夢破れてということになってはいけませんので支援をしたい、そしてマッチングに支援をしたいということで、補正予算でもお願いをいたしておるところでございます。
 農林水産予算の増額に対しましては、先生の応援、本当にありがとうございます。
#327
○福島みずほ君 七月に女性差別撤廃委員会が開かれます。日本は委員も送っております。九十六か国個人通報制度は批准しておりますが、日本はまだ批准をしておりません。日本は批准すべきだと考えますが、いかがですか。
#328
○国務大臣(中曽根弘文君) 昨年の十月に国連の自由権規約委員会は、我が国が二〇〇六年に提出をいたしました第五回政府報告書の審査の最終見解の中で、自由権規約の下での個人通報制度を、これを批准することを検討すべきであると、そういう旨の勧告を行ったわけでございます。
 人権に関するいろいろな条約で規定されております個人通報制度につきましては、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から非常に注目すべき制度であると考えられますが、一方、個人通報を受理した委員会の見解と今度は我が国の裁判所の確定判決の内容が異なる場合なども考えられるわけでありまして、我が国の司法制度との関連で問題が生じるおそれがあるということで慎重に検討すべきであるとの指摘もありまして、政府としては、この個人通報制度の受入れの是非につきましては、研究会等を開催して慎重に、またかつ真剣に検討しているところでございます。
#329
○福島みずほ君 是非、七月の女性差別撤廃委員会までには批准するとの決意を示してくださるようお願いします。
 厚労省に、じゃもう時間ですので、総合相談窓口、基金とシェルターの問題などずっと質問しておりますが、是非、あっちへ行けこっちへ行け、あっち行けこっち行けとしないで済むように、一つの場所でハローワークとそれから医療、法律、生活保護の相談ができるようよろしくお願いします。
 終わります。
#330
○委員長(溝手顕正君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#331
○委員長(溝手顕正君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
#332
○荒井広幸君 環境大臣に冒頭お尋ねします。
 昨日、私の質問で鳩山総務大臣が、多分、環境省の方が税制改正要望を出されたんでしょうかね、冷蔵庫とエアコンのグリーン化というんでしょうか、グリーン税制というんでしょうか、テレビへの買換えということが一つの検討課題だとは思いますと、こう言っておられます。環境大臣、どう思われますか。
#333
○国務大臣(斉藤鉄夫君) テレビの省エネ型テレビへの買換えというのは、我々環境省としても進めていきたいと思っております。
 ただ、一つ問題は、昨年度の税制改正で、エアコンとそれから冷蔵庫については税制優遇の要望を出しました。しかし、テレビについては出しませんでした。その理由は、エアコンと冷蔵庫の場合、性能のいいものに置き換わって、確実にこれが二酸化炭素排出抑制につながるということが明らかなんですが、テレビの場合は置き換わるというよりも付け加わる、台数が増える、また今大型化の傾向がございます、大型化するということで、結果的に二酸化炭素を排出する、排出抑制にならない、結び付かないという理由で、昨年、税制改正要望に出さなかった次第でございます。
#334
○荒井広幸君 一億数千万台あるんです。アナログが見えなくなるという二〇一一年七月二十四日、あと五千万台は実は一番電気量を食うブラウン管型アナログなんですね。ですから、これ買い換わるんですよ。買換えの督励をやっていかないといけないというのが昨日の私の趣旨なんです。
 そこで、財務大臣もよくお聞きいただきたいんですが、実はここに、通産省の景気対策にもなるわけですね。そして、総務省は、地デジの買換えということで、このブラウン管、いわゆるアナログからデジタルが見れるようになる。そこに環境で、CO2を出さなくなる、家庭部分の排出量も下がる。この三省連携というのが不十分なんじゃないでしょうか。ここをやらないと実は税金の無駄遣いということになってくるんだと思いますが。
 総務大臣にお尋ねするわけですが、どうでしょう、三省と連携して、いわゆるデジタルテレビ、これに買換えも同じように三省共管で家電の買換えの中に入れて税制要望するべきではないでしょうか。
#335
○国務大臣(鳩山邦夫君) 昨日から御質問いただいて、先生の御指摘は非常に有意義なものでございますので、そういう連携を取っていきたいと思います。
 実は、今日、NHKの新しい国際放送が六十七か国へ向けて、二月一日の午前九時から二十四時間、毎正時には、正時というのは零時零分、一時零分、三十分のニュースを流すという、新しいスタジオが二つできて、そこへ見学会があって参りましたら、やはり先生御指摘のように、当然デジタルでございますが、すべてが、今までのスタジオに比べると電力消費量が四分の一あるいは五分の一だっていうんです。だから、そういう科学技術というのか、要するに今まではそれこそブラウン管的だったものが液晶になれば大変な違いがあるわけで、スタジオが四分の一ぐらいになるというんですから、ああ、二月二日から始まるようですが、失礼しました。
 やっぱり、こういうことで三省連携取ってやっていく必要があると思います。
#336
○荒井広幸君 三省連携で今度お出しになるということですから、総務大臣、どうぞ、財務大臣、よろしく対応をお願いしたいと思うんです。
 そこで、次は、もう皆様に飽き飽きされているかもしれませんが、いわゆる弱肉強食から温かいお金の流れへということで、文化と芸術のいわゆる投資というの、非常に重要だと思うんです。
 そこで、文科大臣、展覧会などでやるあの美術品の借りたもの、これに対しての保険料が高くて入場料が上がって大勢の方が見るという機会が減る可能性が出てきました。九・一一のテロで壊される。そして、日本は地震がある。ジャパン・プレミアムあるんです。どうでしょう。国が美術品の補償をするという制度をお考えいただけませんか。
#337
○国務大臣(塩谷立君) 文化に関心をいただいてありがとうございます。
 特に美術品については、国際間で展覧会を行うとか、いろんな意味で大変今後文化政策にも有意義だと考えておりまして、今委員おっしゃったように、最近は入場料が高くなったり、そして展示会場等の美術館の競争も激しくなってなかなか厳しい状況にありますので、国家補償制度を導入すべく我が省としても今調査をしているところでございまして、これによって美術館関係者の今後の、いわゆる入場料の低下、あるいは保険負担を低める、そして展覧会の国際的な信用もこういった補償制度によって高まるだろうと思っておりますので、できれば美術品を鑑賞する機会を拡大していきたいと考えておりまして、来年度の予算も計上しておりますので、今後各国の在り方、また調査研究をしながら検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
#338
○荒井広幸君 いいお話をいただきました。財務大臣、御見解ございますか。
#339
○国務大臣(中川昭一君) 今、荒井委員御指摘のようなコストが掛かっているということは私も知っております。
 私は大いにやるべきだと正直思っておりまして、フランスとかアメリカの例なんかを見ても一定の要件で例えば無制限まで補償するなんという国家制度もあるわけで、一定の要件の良質な展覧会を特に子供たちにできるだけ見せたい。そうすると、コストの問題が出てまいりますので、財政当局としては非常に慎重にと言わざるを得ませんが、一定のルールの下で私はこれは前向きに考えていくことが必要だろうと思っておりますんで、むしろ文化庁から早く要望を出していただいて、話合いというか検討をしていきたいと思っております。
#340
○荒井広幸君 非常に有り難い話でございます。
 いわゆる定額控除というものが、景気対策や生活支援ということだけではなくて、いただいたお金を温かいお金に変えるという意味では、美術、文化、例えば美術館への寄附ということでこのお金を生かすこともできるわけです。なおかつ、今、文科大臣そして財務大臣からお話しいただいたような意味で、やはり苦しいときに勇気を与え、そしていやしを与え、そして我々の文化に、さらに伝統に磨きを掛けて子孫に伝えていく。こういう文化、芸術、教育のいわゆる振興というものも併せてこういう時期だからこそ投資をすべきだと申し上げて、質問に代えます。
#341
○委員長(溝手顕正君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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