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2009/03/09 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 予算委員会 第9号
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2009/03/09 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 予算委員会 第9号

#1
第171回国会 予算委員会 第9号
平成二十一年三月九日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     藤田 幸久君
     佐藤 昭郎君     岩城 光英君
     二之湯 智君     山本 一太君
     山谷えり子君     関口 昌一君
     加藤 修一君     鰐淵 洋子君
     木庭健太郎君     草川 昭三君
     西田 実仁君     澤  雄二君
     小池  晃君     山下 芳生君
     福島みずほ君     近藤 正道君
     大江 康弘君     荒井 広幸君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     相原久美子君     徳永 久志君
     石井  一君     姫井由美子君
     中谷 智司君     広田  一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         溝手 顕正君
    理 事
                犬塚 直史君
                小林 正夫君
                前川 清成君
                峰崎 直樹君
                森 ゆうこ君
                岩永 浩美君
                坂本由紀子君
                鶴保 庸介君
                荒木 清寛君
    委 員
                相原久美子君
                尾立 源幸君
                大石 尚子君
                大河原雅子君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                郡司  彰君
                自見庄三郎君
                下田 敦子君
                鈴木  寛君
                徳永 久志君
                富岡由紀夫君
                姫井由美子君
                広田  一君
                藤末 健三君
                藤田 幸久君
                藤本 祐司君
                牧山ひろえ君
                蓮   舫君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                岩城 光英君
                木村  仁君
               北川イッセイ君
                佐藤 信秋君
                関口 昌一君
                南野知惠子君
                林  芳正君
                山田 俊男君
                山本 一太君
                草川 昭三君
                澤  雄二君
                鰐淵 洋子君
                山下 芳生君
                近藤 正道君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方分
       権改革))    鳩山 邦夫君
       法務大臣     森  英介君
       外務大臣     中曽根弘文君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融、
       経済財政政策)
       )        与謝野 馨君
       文部科学大臣   塩谷  立君
       厚生労働大臣   舛添 要一君
       経済産業大臣   二階 俊博君
       国土交通大臣   金子 一義君
       環境大臣     斉藤 鉄夫君
       防衛大臣     浜田 靖一君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 河村 建夫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、食品安
       全))      野田 聖子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     小渕 優子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  鴻池 祥肇君
       内閣官房副長官  漆間  巌君
   副大臣
       外務副大臣    橋本 聖子君
       財務副大臣    竹下  亘君
       財務副大臣    平田 耕一君
       厚生労働副大臣  渡辺 孝男君
       国土交通副大臣  加納 時男君
       環境副大臣    吉野 正芳君
       防衛副大臣    北村 誠吾君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  早川 忠孝君
       文部科学大臣政
       務官       浮島とも子君
       経済産業大臣政
       務官       谷合 正明君
       国土交通大臣政
       務官       岡田 直樹君
       環境大臣政務官  古川 禎久君
       防衛大臣政務官  岸  信夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      梅溪 健児君
       内閣府政策統括
       官        松田 敏明君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   大藤 俊行君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  椎川  忍君
       総務省自治財政
       局長       久保 信保君
       総務省自治税務
       局長       河野  栄君
       総務省総合通信
       基盤局長     桜井  俊君
       消防庁長官    岡本  保君
       消防庁次長    株丹 達也君
       法務省刑事局長  大野恒太郎君
       外務大臣官房参
       事官       石井 正文君
       財務省主計局長  丹呉 泰健君
       財務省主税局長  加藤 治彦君
       文部科学大臣官
       房長       森口 泰孝君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       布村 幸彦君
       文部科学省初等
       中等教育局長   金森 越哉君
       文部科学省高等
       教育局長     徳永  保君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  河村 潤子君
       厚生労働省医政
       局長       外口  崇君
       厚生労働省健康
       局長       上田 博三君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高井 康行君
       厚生労働省職業
       安定局長     太田 俊明君
       厚生労働省職業
       安定局次長    大槻 勝啓君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       村木 厚子君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省政策
       統括官      間杉  純君
       農林水産省農村
       振興局長     吉村  馨君
       経済産業大臣官
       房審議官     石黒 憲彦君
       経済産業省通商
       政策局長     岡田 秀一君
       資源エネルギー
       庁長官      石田  徹君
       中小企業庁長官  長谷川榮一君
       国土交通大臣官
       房官庁営繕部長  藤田 伊織君
       国土交通省総合
       政策局長     大口 清一君
       国土交通省道路
       局長       金井 道夫君
       国土交通省住宅
       局長       和泉 洋人君
       海上保安庁長官  岩崎 貞二君
       環境大臣官房長  南川 秀樹君
       環境大臣官房審
       議官       小林 正明君
       環境省地球環境
       局長       寺田 達志君
       防衛省運用企画
       局長       徳地 秀士君
   参考人
       日本銀行副総裁  西村 清彦君
       日本銀行理事   水野  創君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十一年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(溝手顕正君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十一年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁西村清彦君及び日本銀行理事水野創君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(溝手顕正君) 平成二十一年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、一般質疑を百二十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新・日本五十七分、自由民主党三十五分、公明党十一分、日本共産党六分、社会民主党・護憲連合六分、改革クラブ六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(溝手顕正君) 平成二十一年度一般会計予算、平成二十一年度特別会計予算、平成二十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。鈴木寛君。
#6
○鈴木寛君 民主党・新緑風会・国民新・日本の鈴木寛でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、冒頭、内閣官房副長官漆間巌氏に対しまして、私どもは、先週の金曜日からこの委員会への出席を求めてまいりました。実は、土曜日、日曜日、そして今朝に至るまでこの副長官の出席が拒否をされ続けてまいりました。やっと本日の理事会で、理事の皆様方の御尽力によりまして出席の運びとなりました。理事の皆様方には大変感謝を申し上げたいと思いますが、今日の、まさに直前まで官房副長官の出席が拒み続けられたということは、これは大変遺憾なことだというふうに思いますし、そして、その理由がこれまでの慣例によりと、こういう理由でございます。
 内閣官房副長官(事務)は事務次官会議の主宰者でありますが、実はこの国会不出席の慣例というのは、内閣官房副長官に加えまして、各省庁の事務次官もこのような慣例があります。しかし、この慣例自体、何らの法律的な根拠もありませんし、そして今、事務次官会議自体が法的な根拠は全くございません。
 しかしながら、我が党の菅直人代表代行が著書で書いておられますけれども、内閣提出の法律、予算、政令始め我が国の重要案件は、閣議とは名ばかりで、この事務次官会議においてほぼ実質的な決定がなされているわけであります。まさに、この十数名の官僚トップが国家権力を独占し、事実上何でもできる。彼らは、国権の最高機関である国会にも出席しなくていい、あえて言えば、民主主義の根幹にかかわる法律の解釈や運用を何らアナウンスなく突然変更してもしばらくはだれからのチェックも受けない、国会による民主的統制すら直接には及ばないという絶対的な特権を有しております。
 我々は、この構造的な問題を一貫して指摘してまいりましたし、問題にしております。こうした官僚主権国家を打ち壊し、民主的に国会で決めたルールである法律に基づいて、そしてその中立公正で透明な運用に基づくまともな法治国家を構築するために我々民主党は頑張ってまいりたいと思います。
 そこで、麻生総理に伺いたいと思います。
 この事務次官会議を主宰し、官僚機構の頂点に立つ事務の官房副長官が国会に来なくてもいいというとんでもない慣例をこの際改めるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
#7
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 事務の内閣官房副長官につきましては、これは官房長官の職務というものを助けて、総理官邸に常駐して内閣官房の事務を取りまとめる立場にあるというのがこれは職務だと思っております。したがいまして、従来から国会には出席をしていないということだと思っております。
 事務次官につきましても、主たる答弁というのは大体今は大臣が答弁することになっておりますので、昔より更に国会議員の答弁というのが増えておるというのが昨今の傾向だと思っております。いいことだと思っておりますよ。
 しかしながら、今般の件は、これは漆間長官のオフレコの記者懇での発言の内容が誤って報じられて、そのことについて河村官房長官からも、テレビでの発言があったものでもあり、先例としない扱いで国会に出席をさせることにしたというのが経緯です。
#8
○鈴木寛君 私は、その先例を変えるべきではないかというのが私の質問の趣旨でございます。長官を是非補佐していただくのは大いに結構でございますが、なぜ国会に来れないのか、そこがおかしいというのが私の質問でございますが、いかがでございますか。
#9
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今御答弁を申し上げたとおりでありまして、官房長官という立場が、主に基本的にここに出てきておるというのが国会議員としての仕事だと思いますので、それを補佐する官房副長官というのが一緒に出てくるということもいかがなものかと存じますし、また、そういった意味でこれまでも官房長官が主たる答弁者ということになっておるということだと思っておりますので、それを変えるというつもりは今ございません。
#10
○鈴木寛君 政府の参考人というのは、これはどういうふうな位置付けにあるのかと総理はお考えでございますか。
#11
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 政府の参考人は、政府の各省を代表する大臣という者の答弁というものには全部が全部詳しいわけではありませんので、御質問者に応じてその質問にいろんな意味で補佐をする、細目、細かいわけ、詳しいはずもないと思いますので、それを補佐するというのが主たる業務だと理解をいたしております。
#12
○鈴木寛君 ただいまも申し上げましたけれども、この事務次官会議というのは非常に重要なことを決めていると。そのまさに現場にいた、その議論をフォローしていた人でないと答えられないということも一般論としてはあり得ますよね、個別論としてもあり得ると思いますが。そうしたときに、その専門的ないろいろな経過あるいは背景、これについて説明を求めよというようなことを求められたときに、この慣例というのはやはり問題ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#13
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 私の知っている範囲ですけれども、事務次官会議で物が決定されたということは過去例がないと思います。(発言する者あり)例がありましたか。事務次官会議で事が決定されたことなど例がないと思いますね。
 次官会議は少なくともそれまで各省庁の横の連絡ということを最終的にお互いに確認をし合っているだけの場であろうと存じますので、最終決定はあくまでも閣議でなされるものだと理解しておりますので、事務次官会議で物が決定されたという例はないと思います。
#14
○鈴木寛君 事務次官会議は何の議題を閣議に上げるかということを決定していると思いますが、違いますか。
#15
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 事務次官会議に上がってくるまでの段階で通産省と大蔵省の間で細目にわたっての決定というものはほぼ出されておる、それを全省庁でお互いに確認をし合っているだけであって、決定されている場だと考えたことは一度もございません。
#16
○鈴木寛君 麻生総理がこの官僚主権国家を変えるつもりが全くないということはよく分かりました。もとより、この戦後の体制というのは吉田茂総理がおつくりになったものでありますからやむを得ないと思いますが。
 通告はしておりませんけれども、鳩山総務大臣、この国の形というのは、戦後、鳩山一郎先生と吉田茂先生とではいろいろなことがあって、そこに、日本の戦後史を見てみますと、鳩山一郎先生が公職追放になっていなければ別の国の形というのもあったのではないかなと、こういう気もするわけでございますが、このまさに慣例、要するに事務次官とかあるいは内閣官房副長官(事務)が国会に来なくていいという慣例、それを盾に、この金曜日、土曜日、日曜日、そして今朝までこれでもめているわけですね。こういう事態、そしてこの慣例を変えるということの私の意見についてどのような感想をお持ちでしょうか。
#17
○国務大臣(鳩山邦夫君) 今の慣例のことと吉田茂先生と祖父がいろいろな関係にあったことと、直接は話がつながらないと思っております。
 確かに、祖父は戦争反対論者でございましたから、いわゆる大政翼賛会非推薦というんでしょうか、戦争中は軽井沢にこもっておりまして、そしてその後、戦後、大命降下ということが予想されて組閣名簿まで書いた段階で公職追放になる。そのときに、だれか総理をやっていただけないものだろうかという中で、なかなか私がやってあげましょうという方がおられなくて、盟友である吉田茂先生にお願いをしたと、こういうふうないきさつから始まっていることでございまして、今、鈴木先生御質問のような慣例がいつごろから確定してきたかは分かりませんけれども、事宜に応じて、今日もお見えになっていますし、こんな形で判断していかれればいいのではないかと。
 慣例は慣例として意味があるわけでしょうから、それは総理が御答弁になられたように、各官庁に常駐すべき事務次官とか、あるいは官房副長官もそういうような、事務の副長官もそういうような扱いをしてきたということにも意味があるんでしょうけれども、今回例外的な取扱いになっておるわけで、慣例自体を今変えるということがどの程度議論すべきことであるかは私はよく分かりません。
#18
○鈴木寛君 私の尊敬する邦夫先生をもってしても、自民党政権においてはこの慣例が壊せないということがよく分かりました。
 私は、要するに事案に応じて出るときは出る、出ないときは出ない、これでいいのではないかというふうに申し上げているわけでございまして、したがって、やはりきちっと政権を替えて真の民主主義をつくっていかなければならないなということを確認をさせていただきました。
 そこで、漆間副長官に本日おいでをいただきましたのは、資料でもお配りをしておりますが、三月の六日の朝刊に、各紙でございます、自民に捜査及ばずと伝えております。自民党に捜査が及ばないという情報や証拠を、この報道を信じれば、どこから入手をされたのか、どのように入手をされたのかと。仮に検察から入手をしたということであれば、これは明らかに検察の独立性を侵害しております。仮に入手していないにもかかわらずそのようなことをおっしゃったということであれば、明らかに検察への圧力を掛けたことになります。いずれにしても大問題で、そのことはまさに真の法治国家のために明らかにしなければならないというふうに思います。
 では、漆間副長官にお伺いをしたいと思いますが、記者の皆様方に何をおっしゃったのか、その発言を克明に再現をしていただきたいと思います。
#19
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 三月五日の夕刻に行われた記者懇での私の発言というのがこの今お配りになった資料の中で出てくることを意味するんだろうと思います。そこで、そのときの状況をお話ししながら、私が何を申し上げたか、お話ししたいと思います。
 その記者懇というのはいわゆるオフレコで行われておりまして、私も記者もお互いにメモを取らない、それから録音もしないという、こういうルールで行われております。したがって、私自身もメモを取っておりませんので、ここで私がそのときの記憶を喚起してどういうことを述べたかと言わざるを得ませんし、また、そのときは、通常は私の三人の秘書官がその場に同席しておりますので、その三人の秘書官もどういう記憶をしていたのかということを聞きまして、それをもって私がどういう発言をしたかということについて、その際に出た検察の捜査に関する話題に関する私の発言について記憶の限りでお話をしたいと思います。
 私は述べたのは三点ございまして、検察側の捜査の行方についてコメントできる立場にはありませんが、この種の事件では、一般論として違法性の認識を立証することがいかに難しいかということは私自身の経験に照らして言えると思うと言っております。
 それから二点目は、金額の多寡ということは違法性の認識を立証する上で大きな要素となるであろう、また、請求書があるということは傍証の一つと思うが、それだけで立件できるかどうかは疑問である。
 三点目は、検察がこの時期に秘書を逮捕した以上、本人が否認しても起訴に持ち込めるだけの証拠を持っているのであろうというふうに述べております。
 私としては、特定の政党の議員への捜査の帰趨など、検察による捜査の中立性あるいは公平性を否定するような発言はしていないと考えていたわけでありますが、その日の午後九時ごろに、共同通信が政府高官が自民党側には捜査は及ばないと発言した旨の記事が配信しているというのを私は確認いたしまして、それで大変驚いたわけであります。
 私の発言を記者の皆さんがどのように認識したということは、それは私の方からは分かりません。私の真意が伝わらないという形で報道され、これが多くの皆様に御迷惑をお掛けしたという結果を招来したわけでありまして、誠に申し訳ないというふうに思っております。
#20
○鈴木寛君 今のお話のどこが問題だというふうに考えておられますか。
#21
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、今の私の発言は私は一般論として申し上げておりまして、また、検察の捜査の行方についてはコメントする立場にはないということも申し上げておりますので、私は問題になる発言ではないと思っていたのでありますが、そういう記事が突然出ましたので、私としてはこれは大変なことだという認識はいたしました。
 ただ、いずれにしても、この関係についてはだれも録音テープを取って証拠を残しているわけではないという状況ですので、先ほど申し上げましたように、私が記憶していることと私のその席に同席していた秘書官の記憶、それを基にして私が再現したことでありまして、あとは記者がそれをどういうふうに理解したかということについては私の方からは何も、基本的に私の方から記者の認識について申し上げるということは、これは私はできないというふうに思っておりますので、あとは記者の認識の問題でそういう記事になったんだというふうに思っております。
#22
○鈴木寛君 昨日、官房長官から厳重注意を受けたというふうに承っておりますが、何が不適切で、御発言に問題がないのであれば、何が不適切なので厳重注意を受けられたんでしょうか。
#23
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 たしか六日の夜の七時ごろに官房長官室に伺いまして、この件について申し上げました。その際に、官房長官からは、基本的には一般論として述べたことであろうと思うけれども、私が警察出身の者ですから、それのことによってあらぬ誤解を受けるようなそういう発言をしたということは不適切であるということで、今後厳重に注意するようにというような注意を受けております。
#24
○鈴木寛君 昨日の報道だと思いますけれども、今のお話ともほぼ符合するわけですが、立件する場合には請求書などの傍証ではなくきちんとした証拠がなければできないという一般論を述べたということを官房長官、河村長官が報道におっしゃって、そのことが報道されております。一番、三点目の話とも通ずると思いますけれども。
 これ、聞いておりますと、逆に少し気掛かりになります。聞きようによれば、漆間副長官は東京地検が押収している証拠の種類や中身まで知っているかのように、とも聞こえるわけでありますが、いかがでしょうか。
#25
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 私の立場というのは、内閣官房長官を補佐して、それで内閣としての重要な政策についての企画立案あるいは総合調整をするという形での補佐をする立場でございますが、私が検察の捜査について事前に、本件についてもですが、事前に報告を受けるとか、あるいは事後にでもどうなっているかと聞いたとか、全くそういうことはございませんし、それから、もちろん法務省の関係についても全くそういうことを聞いておりません。したがって、今回の件について私が情報を持っていたということは全くございません。
#26
○鈴木寛君 それと、今おっしゃった二つ目の点ですね。金額の多寡、この言及でございますが、私の理解をするところ、これも報道での理解でございますので、検察から伺ったわけではないので何とも言えないわけでありますが、私も倫選特の委員長をしておりました。今回問題になっているのは虚偽記載あるいは記載漏れと。これは形式犯であります。そこの限りで申し上げると、金額の多寡は関係ないのではないかと。要するに、違法献金の場合は、これはまさに金額の多寡が違法性の事由に当たるという可能性は論理的にはあろうかと思いますが。
 そうしますと、この虚偽記載などというようなことで今回の逮捕がなされているときに、金額の多寡云々の話を持ち出されるということはどういうふうに理解をしたらいいんでしょうか。
#27
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 違法性の認識を立証するという場合に、どの事件でも同じでありますが、これは私も一般論として申し上げたわけでありますが、金額が多いかどうかということは、まさにどこから来たかということについて基本的にその認識をしている可能性は高くなるわけでありますので、やはり金額の多寡というのは違法性の認識を立証する上ではそれは重要な要素であるというふうに私自身は理解しておりましたし、私自身も今までの経験で、この事件ではありませんけれども、その種の事件を扱ったことはありますので、その私自身の見解を申し述べたものであります。
#28
○鈴木寛君 それでは、資料をもう一回御覧いただきたいんですが、三月六日のこの報道と今の漆間副長官の御発言とで、重要な部分が幾つか食い違いがございますので、一つ一つ確認をさせていただきたいと思いますけれども、例えば読売新聞で申し上げますと、自民党の方にまで波及する可能性はないと思う、あの金額で違法性の認識を出すのは難しいと述べと書いてあるわけですね。あるいは、毎日新聞でも、この件で自民党の方までやることはないと思うと述べというふうに書いてありますが、これは事実に反しますか反しませんか、いかがでしょうか。
#29
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、これは記者の側もメモを取らない、したがって、私の話について逐一メモを取って聞いているということではありませんし、もちろん録音もしてはいけないということでやっておりますから、基本的には記者の方は私の発言をとらえて後でメモを書かれるわけです、その記憶に基づいて。
 それは、だからまさに、それは私からすれば、私が警察出身者でありますので私の発言がそのように誤解して受け取られたんだというふうには思っていますが、まさに基本的に、マスコミ側の方が私の発言をどう認識されたかということは私は全く分かりません。
 したがって、これは、このメモについて、そのメモというのがもしあったとすれば、それが正しいか正しくないかというのは、私自身も、録音をしているわけではありませんし、何らのそれを具体的にこれは駄目だと言えるような話ではございませんが、私の基本的な記憶というのは、先ほど申し上げたように、まず一般論として物事を言っているということ、それから特定の政党あるいは特定の政党の議員、それについて検察の捜査が及ぶか及ばないかと、そういうことについて申し上げたという記憶はございません。
#30
○鈴木寛君 私の質問は、副長官がお述べになられたのかなられていないのかという質問でございます。それがどう受け止められたかどうかは聞いておりません。
#31
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、私が記憶している部分については、先ほど申し上げたとおりのことしか記憶しておりません。
 これは、やはり、そこの場に同席していた者とも突き合わせをして私はこういうふうな発言をしたということなので、私自身はそれを述べただけだというふうに思っておりますが、それ以上のことについては、それはあとは記者の認識の問題だろうと思っております。
#32
○鈴木寛君 この新聞、読んでいただければ分かると思いますが、自民党の方は金額が違いますから、西松からの献金という認識があったというのは難しいと思う、やっているんじゃないでしょうかとも述べたと。この述べたというかぎ括弧付きの引用がいっぱいございます。述べてないということでよろしいですね。
#33
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、私は、少なくとも特定の政党を挙げてどうのこうのとかそういう話はしておりませんので、基本的にはそれをどういうふうに引用するかというのは私自身が決める話ではございませんので、それは私自身は、先ほど申し上げた私の記憶に基づく再現のとおりの発言をしたという記憶でお話をしております。
#34
○鈴木寛君 分かりました。御答弁はよく分かりました。
 ということでありますと、例えば共同通信などは、これは認識を示したですからまだいいんですけれども、ほかの新聞は述べたとか語ったとかというふうに書いていますから、これはやっぱり事実誤認ということ、今のお話を前提にすればですね、ということでありますので、きちっとやっぱりその点は記者会見などで明らかにされるというふうに、例えば抗議される、ここは違うということをおっしゃるということでよろしゅうございましょうか。
#35
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 今日は定例の記者会見がございますから、後ほどその機会があればきちっとお話ししますが、少なくともその述べた述べないという部分については、私自身も録音テープで確認しているわけではございません。したがって、これは、それはまた記者の皆さんも同じだと思います。
 だから、記者の皆さんがどう判断するかということについて、私は基本的には、それは記者の皆さんの判断だということで、これはまた私の方で本当に録音テープがあってこういうことですよということが言えるのであれば、それはきちっとその旨お答えできると思いますが、今は取りあえず、私の記憶と私のところを補佐していた人間の記憶に基づいてお答えをしております。
#36
○鈴木寛君 一つ前の答弁はノーだとおっしゃったと。それで私は確認して次に行ったんですけど、また戻っちゃったんですけど。述べたのか、述べてないのか、どっちでしょうか。
#37
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたしますが、先ほど申し上げましたように、私は、記事に出ているような特定の政党の、それから議員の方にそういう捜査が及ぶというようなことを述べたという記憶は全くございません。
 そういうことでございます。
#38
○鈴木寛君 ということであれば、この三月六日の各紙は誤報であると、こういうことが今の御答弁で確認をされました。
 では、副長官に伺います。
 別に本件に限らず、日ごろ検察とはどのようなコミュニケーションがあるんでしょうか。就任以来、検察官、検察庁と公務、プライベートを問わず、面会あるいは電話、メール、やり取り、どのようなことがあるんでしょうか。別にこれはいかぬと言っているわけじゃなくて、例えば予算折衝とか法律の改正とか、それは必要に応じてコミュニケーションを取ることはあろうかと思いますので。
#39
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 昨年の九月二十四日に現在のポストに就いて以来、検察当局と私は一切の接触をしておりません。
#40
○鈴木寛君 これは、官房副長官、総理、そして法務大臣に伺いたいと思いますが、今回の事件の逮捕が事前に、直前にかもしれませんけれども、聞いておりましたか、聞いておられませんか、お三方。
#41
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 私が最初に知ったのは、たしか朝日新聞の夕刊じゃなかったですかね。
#42
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 私も新聞報道で知ったわけであります。
#43
○国務大臣(森英介君) 私は、今回の逮捕について、その直前の段階で検察当局から法務当局を通じて報告を受けました。
#44
○鈴木寛君 直前というのは、何分、何時間前ぐらいでしょうか、あるいは前日でしょうか。
#45
○国務大臣(森英介君) その日のまさに直前でございます。
#46
○鈴木寛君 副長官、一切面会はない、コミュニケーションはないということでありますが、部下を通じての情報交換もないということでしょうか。
#47
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えします。
 部下というのはどういう意味を指しておられるのか分かりませんが、もし私のところにいる秘書官であれば、秘書官を通じても全く接触をしているという事実はございません。
#48
○鈴木寛君 これは一切ということですから公私問わずと、こういうことで理解をさせていただきますが、だとすると、どうして検察の捜査にこのようなことで、先ほどの一般論とはいえ言及されたんでしょうか。
#49
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 基本的には、私は今まである意味では警察で、特に捜査二課の案件も長いことやってきましたので、自分の捜査ではどういうことだということを基本的には一般論として述べたわけでありますけれども、私はそういうことまで言う必要はなかったと、今になってみればそれは反省しております。
 そういうことを言ったことによってあらぬ誤解を受けてしまったということについては、大変申し訳なかったというふうに認識しております。
#50
○鈴木寛君 自民党サイドからも不適切だというふうな指摘が挙がっているように私も報道で伺っておりますが、その不適切な内容についてはどういうふうに考えておられますか。
#51
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 先ほど申し上げた中で、検察側の捜査の行方についてコメントする立場にないということだけでとどめておけばよかったというふうに思っております。それ以上のことを申し上げたということがあらぬ誤解のもとになったのだということで、今私は反省しております。
#52
○鈴木寛君 今日、まさに、明らかに官房副長官の御記憶、事実認識と、そしてこれ一社じゃないんですよね、マスコミ。各社がこれ違う認識を、しかもこれ極めて重要なことでありますから、恐らく各社確認の上、このような報道がなされているんだと思いますけれども、そこに明らかに溝が全く埋まっていないということでありますので、引き続き、きちっと情報を収集をさせていただきながら、更なる調査が必要だというふうに思っておりますので、是非御協力をお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、法務大臣に伺いたいと思います。
 法治国家の大原則は、法の下の平等だというふうに思いますが、民主主義の根幹にかかわるこの事案の逮捕などにおいては、検察もきちっと公式に会見をして、私は、報道の自由をどんどん促進するためにも、そのことが中立公正、偏りのないものであるということをやっぱりきちっと説明をされるということが望ましいのではないかというふうに思いますので、その旨、御指導をいただきたいと思います。
 そして、三月の五日の民放の朝の情報番組で、捜査情報に抵触する可能性がある内容について、キャスターの方が検察幹部が語ってくれたという御発言があり、そのことが放映をされております。これが事実だといたしますと、職務上知り得た秘密の漏えいを禁じた国家公務員法第百条に違反する可能性があるかもしれませんが、いかがでございますか。
 私は、報道機関が独自に様々な取材をしてそれを報ずることは大変望ましいことだと思っております。したがって、きちっと検察等々も公式の会見をやるべきだというふうに思っておりますが、しかし、公務員法百条の違反に当たるような捜査情報の漏えいということは、これは厳正な法運用という観点から問題だと思いますが、そういう意味で伺っております。
 また、このキャスターが言及された検察幹部というのはどなたか、お答えをいただきたいと思います。
#53
○国務大臣(森英介君) お答え申し上げます。
 個々のテレビ番組における出演者の個別の発言について法務大臣としてコメントするべきものとは考えておりません。
 なお、検察当局においては、従来から、捜査上の秘密の保持については格別の注意を払ってきたものと承知をしております。
#54
○鈴木寛君 連日、様々な報道がなされております。これはもちろん報道機関による取材の成果だというふうに思っておりますけれども、法治国家というのは、やはり身内の違反行為の疑いに対しても厳正に対処をしていただくということがこれは大事だと思いますので、その点しっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#55
○国務大臣(森英介君) 再々御答弁申し上げているところでございますけれども、検察当局においては、常に法と証拠に基づいて、不偏不党、厳正公平を旨といたしまして、その捜査の対象がどなたであっても、刑事事件として取り上げるべきものがあれば取り上げて適切に対処しているものと認識しております。
#56
○鈴木寛君 是非そのようにお願いをしたいと思いますが、私の今日の指摘は、まさに捜査上知り得たその機密を漏えいをするということについて、国家公務員法の趣旨に関してきちっと厳正に対処をお願いしたいということでございますので、その点は御理解をいただきたいというふうに思います。
 それでは、雇用問題を伺いたいと思います。
 アメリカの失業率が発表になりまして、失業率八・一%、失業者数六十五万人ということでございますけれども、日本においても派遣切り、内定切り、そして育児休暇を取ったまま要するに切られてしまうという、本当に許し難い状態にまで来ているわけであります。
 最近の、直近の日本の失業率の現状と今後の見通し、この対策についてお聞かせをいただきたいと思います。
#57
○国務大臣(与謝野馨君) 完全失業率は上昇傾向で推移しております。直近の一か月分については、前月比〇・二%低下し、四・一%になっております。今後につきましては、急速な減産の動きなどが雇用の大幅な調整につながることが懸念され、雇用調整圧力は累次の対策の実施によって緩和されるものの、完全失業率は上昇することが見込まれております。
#58
○鈴木寛君 内閣府、来ていらっしゃるかと思いますが、乗数理論とか乗数効果、そして所得階層別の貯蓄性向について御説明をいただきたいと思います。
#59
○政府参考人(梅溪健児君) お答え申し上げます。
 乗数理論でございますが、例えば政府投資の増加あるいは所得減税などを行った場合、どの程度GDPに効果があるかというものをマクロ的に見たものでございます。具体的に申し上げますと、需要が増加し、それが生産の拡大につながり、それが更に所得の増大につながる、すると消費などの需要が増加するという形でマクロ経済における景気拡張的なメカニズムが働くことと位置付けております。
 所得階層別の貯蓄率でございますが、第一所得階層、これは所得の低いところでございますが、平均貯蓄性向でございますが、これは一四・一%、第五所得階層、これは所得の高い方でございますが、平均貯蓄性向、これは三三・一%でございます。
#60
○鈴木寛君 そうすると、第一階級に対する支援と第五階級に対する支援を比較したときに、乗数効果でどれぐらいに、何倍になるんでしょうか。
#61
○政府参考人(梅溪健児君) お答え申し上げます。
 乗数効果はマクロ経済全体における数字を示すものと考えておりますので、今申し上げました所得階層別の乗数というものは推計いたしておりません。ただ、一般論として、経済全体の貯蓄率、これが小さければ結果として乗数は大きくなると考えております。
#62
○鈴木寛君 つまり、定額給付金という制度はこの乗数理論を無視している制度だということを申し上げたいと思います。なぜ麻生政権はこの乗数理論を無視した経済財政政策を行い続けておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
#63
○国務大臣(与謝野馨君) 今回の経済対策においては、まず景気の底割れを防ぐことを最重要課題として、金融円滑化、雇用対策、雇用創出、社会的に弱い立場にいる方々に対する支援などの速やかな実施に全力を挙げているところでございます。同時に、内需の振興を図る観点から、家計の消費や将来の成長につながる企業投資を促進するための施策を盛り込んでおります。
 このように、経済対策の策定は、短期的な需要創出効果のみに着目するのではなく、以上の考え方に基づいて総合的な視点から行っているところでございます。
#64
○鈴木寛君 私申し上げているのは、ですから、内需刺激の観点からも低所得、第一階級、第二階級を中心にした政策が望ましいし、それからもちろん、生活に困っておられる方の支援対策からしても、要するにここに集中することが、非常に貴重な税金でありますから、一円たりとも無駄にしないという観点からは望ましいのではないかということを申し上げたんですけれども、いかがでしょうか。
#65
○国務大臣(与謝野馨君) いろいろな御批判があることは承知しておりますが、例えば二兆円の定額給付金は、それは御批判あるにせよきちんとした効果を持った政策であると私は確信をしております。
#66
○鈴木寛君 大臣が確信をしておられるのはいいんですけれども、理論的にどうなのかということを深めたいわけでありますけれども、いろいろな民間の経済シンクタンクなどはやっぱり〇・一%と言っていますよね。この使い方をもう少しきちっと議論をしたならばもっと効果的な景気浮揚、経済浮揚にもなったのではないかというのが私の意見でありますが。
 私は、ピンチをチャンスに変えていくということは、これはまさに共通の理解だと思います。戦後、まさに日本は工業立国ということでやってきたわけでありますけれども、その就業構造、産業構造をきちっともう一回どういうふうに再構築していくかと、この議論をやはりこの予算委員会などで、あるいは政策を通じてやるということが大事じゃないかと私は思っております。
 私は、初当選以来、コンクリートから人へと、人の命へということをキャッチフレーズに、医療、介護、子育て、教育と、こういった分野に予算を重点配分をして、かつ低所得者層への再分配を促進し、これは森議員が先日もやりましたけれども、そして、まさにソーシャルヒューマンサービス、社会的、人的なサービスというものを中心とした二十一世紀型の産業・就業構造ということを構築していくべきだと思っております。これは決して物づくり否定ではなくて、例えば医療なんかは、医療機器産業もこれによって刺激されるわけでありますし、それからもちろん、医療の対面のいろいろなヒューマンサービス、それから薬というのは、これはソフトウエア、要するにソフト、知的財産の塊ですから、そういう意味で、こうしたソーシャルヒューマンサービス中心でもハードウエアもソフトウエアもヒューマンウエアも同時に浮揚できると、こういう考え方でございます。
 介護・医療サービスにおける人件費の割合、そして経済波及効果、お答えをいただけますでしょうか。
#67
○政府参考人(宮島俊彦君) 介護サービスにおける職員の人件費の割合ですが、サービスによって若干違いますが、訪問介護系の訪問サービスでは約八割、特別養護老人ホーム等の施設サービスでは約六割となっております。
#68
○政府参考人(間杉純君) 御指摘の介護分野の経済波及効果でございますけれども、平成十六年に財団法人の医療経済研究機構が取りまとめました分析研究報告書によりますと、先生御指摘の一次波及効果、それから二次波及効果を含めまして、指数で介護サービス四・二となってございます。全産業平均の四・一よりも高くなってございます。
#69
○鈴木寛君 まさにこの分野というのは雇用創出効果の即効性極めて高いと。それから、経済波及効果も要するにアベレージより高いということでありますから、やはりこういった分野、教育、医療合わせてですね、への社会資源の投入、とりわけ税金の投入ということはやっぱり非常に意味があるというふうに思っております。
 舛添大臣に伺いますが、現在、有効求人倍率というのが出ています。これも丁寧に見ていくと、今申し上げましたように、産業構造、就業構造の転換という観点から非常に示唆的なデータが出ておりますが、まず、そういう職業別の分類なども御紹介いただきながら、どのような政策を取っていったらいいのか、お答えをいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(舛添要一君) 端的に言って、人が足りない業種と逆に余っているというところがあるわけでありますけれども、有効求人倍率という数字を使ってみますと、例えば生産工程・労務〇・三九倍、事務的職業〇・二三倍で、これは低い。ところが、保安の職業三・八一倍、接客・給仕二・八二倍、それから今御指摘の医療・介護分野ですけれども、保健師、助産師等が二・七五倍、介護関係二・三四倍、医療技術者二・一五倍。まさに職種間のミスマッチが生じているわけでございまして、特に介護の人不足ということで、二万六千人の介護の専門家を育てたいということで、特別に今、厚生労働省、求職をやる方と求人をやる方、両方いるわけですから、チームをつくって、そういう方向で動いてみたいというふうに思っています。
 それから、ちょっと一点、先ほどの委員の前の質問に対しての私のコメントなんですが、私も大体委員と、医療・介護サービスの重要性は分かるんですが、ただやはり、人口が三千万人じゃなくて一億二千五百万人が食っていかないといけないためには、どうしても輸出をする。そうしないと油も買えない、食料も買えない。それで外貨を稼がないといけない。その中に、今おっしゃったように、私は、医薬品なんというのはこれからの輸出産業になると、医療機器もそうだと思いますから、我々の介護・医療分野で培った知財、こういうものを輸出に向けるという戦略がやはり必要だというふうに思っていますので、こちらの、後者の方ももう少し強調したいような気がいたします。
#71
○鈴木寛君 今の文脈で申し上げれば、日本の医療というのは水準としては非常に高いですから、もちろん医師不足の問題とかは解決しなきゃいけないです。今現在はその余裕はありませんけれども、水準的に言えば、アジアからまさに日本にこの高度な医療を受けに来るという、そういった潜在需要もあるんですね。アメリカというのはもう本当に盲腸をやるだけでも百五十万とか二百万ということでありますから、技術水準が同じで価格競争力が日本があるわけですから、これはそういったサービスの輸出ということでもってもこの医療という問題をきちっととらえていただきたいと思います。そのときに、国内産業できちっと医療機器、医療サービス、手術、そういったもののレベルを上げておいて、そして、そうした余力を培っておくことによってアジアからの需要も引き込めるという観点できちっと考えていただきたいと。
 それから、加えまして、やはり我が国は個人消費、住宅投資を入れても六割です。フランス、ドイツで七割。イギリスになると七五%。アメリカは八五、これはちょっと特別ですけれども、いずれにしても、やはり一〇%ぐらいはこれ内需比率を上げていき、その中で、内需でもって世界に通用する新しい産業を育て、そしてそのことが結局はアジアを始めとするいろいろなところの需要を生む。それから、ITとか環境とか、これも国内で非常に培いながら、これはまさに技術として世界に発信をしていくと。
 こういうことがまさにこれからの経済政策に望まれると、こういうふうに私は考えておりますので、何か今まで医療をコストばかりで考えていると、こういう風潮がありましたが、むしろ積極的にこの分野を投ずることによって、産業論じゃないんですね、これは要するに、まさに新しい付加価値を生むという、そういう意味でのことを考えていただきたいと思います。
 その観点で、介護人材待遇改善のために三%の報酬改定が行われましたが、このことはもちろん是としますが、これでは足らないんだと思いますが、いかがでしょうか。
#72
○委員長(溝手顕正君) 鈴木君の質疑時間は終了いたしましたが、質問は続行していただきます。後順位の民主党の質疑の持ち時間から差し引くということで、引き続き質問を継続いたします。
#73
○国務大臣(舛添要一君) 物価上昇率その他、他産業と比べて、これはほぼ一%ぐらいですから、三%でそれより上乗せになっています。
 しかし、これは各事業所をよく細かく調べて、更にもっと上げないといけない処遇にしかない方々もおられるので、よくこれを調べたいというふうに思いますし、それから、それ以外に、例えばこういう経営モデルをやれば事業所がうまくいくんじゃないかとか、それから、本当に介護従事者のことを考えてくださっている経営者に対して更にインセンティブを与える、そういうようなことで思っておりますが、これは私も、三%で、もう少しという声があるのは聞いております。
 ただ、二つぐらい注意しないといけないのは、一つは他の産業との比較で、例えばタクシーのドライバーの方々がおられる、こういう方々が、じゃ介護をそこまでやってくれるなら自分たちもという声にどうこたえるか。それから、本来は介護保険料でやるべき話であったわけですが補正で三%をやりました。ですから、自然増の、お一人七十円ぐらいはそれはアップしますが、こういう御時世のときに介護保険料ということになると、このバランスもあるんで、これは与野党を超えてよく議論をして、国民が納得すればいいわけですから。私はもう心情的には、これだけ大変なところで働いてくださって、先回申し上げましたけれども、寿退社なんという、男性に対してそういう言葉があるような職場であってはいけないと思っていますので、引き続きあらゆる側面を考慮に入れながら前に進めていきたいと思っております。
#74
○鈴木寛君 結局、この三%の改定というのは今まで下がってきた分の補てんでしかないんですね。ですから、実質減になっているのがやや緩和されたにすぎないと。結局、三%増えてもこれは人件費にはほとんど回らないで、今までのいろいろな借入れの返済だとか、それからいろいろな設備、施設、そして様々ないろいろなツール、こうしたものをぎりぎりでやってきた、あるいはそれにちょっと不十分な点、そういったところにまずは回すと、こういうことでありますから、全く介護人材の待遇改善にはつながっていないんです、今の現状では。したがって、そのことを踏まえていただいて、もちろん、まさに予算委員会等々で、国会で議論を深めていったらいいと思いますが、その認識をきちっと持っていただきたいというふうに思います。
 それと、実はこれは、介護の場合は毎月収入が入ってくるわけでありますが、地方経済においてはそういった、要するに月給というんでしょうか、月々にきちっと、かつ男性も女性も入ってくる収入というのは極めて重要な職種でありまして、そのことが地方経済の消費を安定的に支えていくということもありますので、多角的にここは更なる支援をお願いを申し上げたいと思います。
 加えまして、介護という仕事は、今まで別の仕事をしていた方があしたからすぐできるほどそんな甘い仕事ではありません。そこは大臣がよく御存じだと思いますが、我が党は、介護人材育成のための教育機会、こういう産業構造、就業構造を転換していく上で、やっぱりこれを抜本的に充実をしていかなきゃいけない。ここにはいろいろな学校法人とか、いろいろな学校あるいは様々な機関、これはまさに省を挙げて、厚労省の枠を超えて取り組んでいかなければいけないと、こういうことを考え、主張し、またお願いもしたいわけでありますが、その際に、国家資格の介護福祉士の試験、これは今、年一回しか行われておりません。
 総務省の行政評価局もこれは指摘をしているんですけれども、介護福祉士の試験回数をこれは増やしていただきたいと。そうしますと、まさに、この養成の拡充と、そして資格の充実と、そして適正な能力、そして研修を受けた方々がきちっとそういったところに行くという流れができると思うんですが、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(舛添要一君) 今そういう方向で検討を進めています。取りあえずそのプロセスで、まずは国家試験を実施する都道府県の数が十七年度は十二か所しかなかったのが今十九か所に広げる。それから手数料、受験手数料が一万三千三百円だったのを一万二千八百円に下げました。ただ、今おっしゃるように、年一回ですから、これで、大体一月に実施するんですけれども、十四万人が受験しておられる。一番今ネックになっているのが試験問題の作成体制、これをちょっと強化しないと、同じ問題を出すわけにはいかないものですから、そういう点も含めて今委員のおっしゃったことを今後更に検討していきたいと思っております。
#76
○鈴木寛君 これはまさに速やかに是非やっていただきたいと思います。
 今日は塩谷大臣にもお越しをいただいておりますが、ちょっと時間になってしまいまして、大変申し訳ございませんが、また次回に医療の問題、教育の問題、そして雇用の問題の深掘りについてさせていただきたいと思いますので、本日の質問は以上とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#77
○委員長(溝手顕正君) 以上で鈴木寛君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#78
○委員長(溝手顕正君) 次に、木村仁君の質疑を行います。木村仁君。
#79
○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。
 漆間副長官に御質問があるのでありますが、官房長官がお見えになってから質問をいたしたいと思いますので、申し訳ありませんがしばらくお待ちをいただきたいと思います。
 最初にちょっと感想を申し上げますけれども、これは首相も御存じであったようでありますが、イギリスでは野党のことをクイーンズオポジションと、こういうことを言うようであります。もっと丁寧に言えばハー・マジェスティーズ・オポジションということであります。これに対して、与党についてはそういうことは言いません。単にルーリングパーティーあるいはガバメントという言い方をするようであります。クイーンズオポジションというのは、もちろん直訳して女王陛下の野党ということであります。どうしてそういうことを言うかというと、英国の野党はいつ何どきでも政府の側に立って行政を行う責任を負わなければいけないかもしれない。したがって、それに常にそのことを準備をし、そして、それゆえ、余りむちゃなことはしない。それから、特に国益に関係のあるような問題については与党と調整を取って行動するという、そういう習慣があるようでございます。残念ながら我が国にはそういう習慣がございませんから、相当むちゃなことをおやりになるわけであります。
 クリントン米国務長官が二月十六日に日本においでになりました。日本をパッシングして中国や韓国に行かれるのではないかということを心配する向きもありましたけれども、やはりアジア外交の主軸は日米同盟関係にありと、こういうことで日本に最初に来られたのであります。そして中曽根外務大臣と会談をされ、二月二十四日に日米首脳会談をセットされました。これは、オバマ大統領が世界の首脳のうち最初に会う首脳であったと、こういうことでありまして、これは我が国にとっては非常にいいことであったと思います。
 ところが、二月二十四日に会談が行われました。国会の間を縫って、大変厳しい日程でありましたが、それに対して小沢民主党代表はどういうコメントをされたか。これは私もテレビで見ておりましたけれども、ぶら下がりのコメントでありましたから、前後があって、その中の面白いところだけ取ったというコメントではなかったことは明らかでありますが、中身はほとんどなかった、日本国内で信頼を失った首相が有効な交渉をできるはずがないし、米国も本気になって話をしていないのではないかと、こういうコメントでありました。私はこれを聞いて大変驚きました。一体どこの国の野党なんだろうかと思ったのであります。
 そのことについて総理がどうお感じになったか、そういうことは御質問いたしませんが、私はここで、オバマ大統領との会談の本当に具体的な雰囲気、あるいはそこで話された話題について多く報道されておりますけれども、この席で総理大臣自らのお言葉で印象及び得られた具体的な成果をお聞きしたいと思います。
 我々の関心は、両首脳間に密接な個人的つながりをつくる、そういうきっかけができただろうか、日米同盟を主軸としてアジアあるいは世界の外交を展開することについて意思の疎通があっただろうか、あるいはグローバルな金融危機を克服する意思とそして方向性について見解の一致があったのだろうかどうか、あるいはまた拉致、核、ミサイル等の問題、そういう問題についても言及されただろうかと。
 一時間二十分限りの懇談でありましたから、すべては尽くされておりませんでしょうけれども、麻生首相は帰国後の早い時期に公明党太田代表と懇談を持たれてその様子を報告されたようであります。是非、ここでもその内容についてお話をいただきたいと思います。
#80
○内閣総理大臣(麻生太郎君) アメリカの国務長官が最初の公式の海外訪問をアジアにしたというのはこれまで例がなかったと記憶します。また、ホワイトハウスに呼ばれる最初の外国首脳が日本ということも過去に例がなかった。これだけは確かだと思いますが、日米重視ということに関しては、これは大統領選挙のときから両候補者、クリントン候補者もオバマ候補者も両方、大統領選挙戦の最中から述べておられたと記憶します。そのとおりに実行がなされたというのがこの第一歩だったと思いますが、少なくともコーナーストーンという言葉がたしか何度となく出てきたと記憶しますが、そういう言葉を使われて、太平洋の島国として両極、東と西ということだと思いますが、そういった言葉やら何やら幾つか記憶をするところでありますが。
 いずれにしても、まず最初の印象は、拉致問題の話を今言われましたけれども、これは、クリントン国務長官に対して中曽根外務大臣並びに私の方からこの問題、拉致、核、ミサイルの話ということについてクリントン国務長官の訪日のときに話をいたしております。そのほぼ全容というものは正確にオバマ大統領に伝わっておったということは事実であります。かなり詳しく御存じでありました。
 したがって、これは今、大統領選挙を終わった後、両国において、両候補者間若しくは国務長官と大統領の間において、少なくとも拉致、核、ミサイルというこの問題に関しては、意思の疎通は極めて明確というのは、我々としてはその関係、ちょっとほかの関係はよく知りませんけれども、少なくともこの問題に関しては正確に伝わっていたというのが正直な印象でありまして、極めて真摯かつよほど勉強熱心じゃないとあれだけ短期間の間にあれだけのことはなかなか頭に入らないものですから、そういった意味では私どもとしては、そういった意味では日米重視という姿勢を裏付ける資料だと私どもとして思ったところであります。
 また、この同盟を基軸としてアジア太平洋の平和と繁栄ということを我々ずっと言っておるわけですけれども、やはり今回の中で大きな問題は、金融危機に端を発した経済問題というのはこの会談のかなりな部分を占めたということであろうと存じます。そのほか、アフガニスタンとか気候変動とかエネルギーとかいろいろございましたけれども、この金融経済というものにつきましては非常に大きな時間を割いたと思っております。
 両方とも、これは少なくとも経済大国の一位と二位でありますから、そういう意味では責任は極めて重いんで、自国の経済の立て直しはもちろんだけれども、少なくともそれが他国に与える影響というのを考えないといかぬのであって、今から七十数年前のいわゆるウォールストリートの株のあの話の、一九三〇年代の話からいきますと、一方的に平価の切下げ、また関税障壁の引上げなどなどによって結果的にはあのときは失業率がたしかアメリカでも四七%とかいうような数字に上ったと思いますが、そういうようなことになって、結果的に金融恐慌に端を発して経済恐慌に行った、あれだけは我々は断固避けねばならぬ。その責任は、やっぱり経済大国の一位と二位に課せられている義務は大きいと。アメリカの通貨、またそういったその他に与える影響というものを考えて対応してもらわないとというような話を率直に話し合えたと、また認識も共有できたということは極めて成果が大きかったと、私自身としてはそう思っております。
 おかげさまで、目先は今一番経済なものですから、この経済の問題に対して双方で緊密に協力をしていく関係をきちんとつくり上げられたと思っております。
#81
○木村仁君 オバマ大統領が経済の問題について積極的な話をされたということは大変意味の多いことであります。当然、現在の喫緊の課題でありますから話題がそこに及ぶのは当然でありますが、一つには、私は思いますが、総理がダボス会議に行かれてそして演説をされた。それが非常にやはりオバマ大統領にとっても印象が強い、そこにはまだおられなかったわけでありますが、ことであったと思います。
 総理は、ともかく、世界は悲観論に陥ることなく難局に当たっていこう。そして、当面の市場安定のために幾つかの施策を提案しながら最大一千億ドルの世銀に対する融資を、最大限それくらいのものをやっていこうと。あるいは深刻な状況の世界経済を回復させるための取組、保護主義の回避、開かれた成長センターとしてのアジアの支援、アフリカ、TICAD、アフガン、中東、そういうことについて言及されておりますし、また気候変動に関し六月までには日本の中期目標を示そう、こういうことを言っておられます。
 そこで、今後は第二回のG20がロンドンで行われますし、イタリアでG8が少し先でありますが行われるということになります。これらの重要な会議に当たって総理はどのような、まだ今決まっていないでしょうけれども、施策あるいは考え方をもって臨まれるのでしょうか。
#82
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 昨年の十一月、ワシントンで開かれましたいわゆる緊急金融サミットのときにも、私の方からは日本のこれまでの金融危機、一九九七年、八年のあの金融危機の経験から、少なくともゼロ金利にすればうまくいくなんていうほど簡単なものじゃないと。各銀行は、今トキシックアセットという言葉を使っていますけれども、不良資産と訳すのかな、不良資産というようなものはきちんと、財務諸表というか、いわゆる帳簿の外に出してきちんとするということをやらないと、少なくとも帳簿の中にトキシックアセットと言われる危なっかしいものが、資産が入っているという状態では事は前に進まないと。
 したがって、そういうものは外に出して、少なくともバランスシートをきちんとした形にしないと信用は回復しない。また、いわゆるワールドスタンダードみたいなものがあたかもあるような顔になって、スタンダード・アンド・プアーズとかいうような格付会社というものの格付というのがえらい横行したけれども、その格付会社が一番危なかったじゃないかと。こういったようなものは、我々はそれに押し付けられてえらい勢いでやったけれども、結果的に世界中皆迷惑したじゃないかと。
 したがって、格付会社はこういったものをきちんとアジアでもつくらにゃいかぬだろうし、ヨーロッパでも、またアメリカでもそれぞれみんな、かつそれを横の連絡をし合うというようなことをきちんとやるべきだというようなことを言って、これは首脳宣言に取り入れられております。
 また、今言われましたように、IMFに対して一千億ドルの融資をやりますから、これで前回はIMFの金がないためにアジアの国々は多大な迷惑を被って、いわゆる金融危機というのをタイ、韓国、みんなえらいことになりましたんで、ああいったようなことが起きないようにするために、IMFはアジアで評判が悪いけれども今何もできるだけの資金源を持っていませんから、それに対して日本としては一千億ドル融資をしますから、増資じゃありませんよ、融資をしますから、そういった意味で、こういった意味でやってもらうことによってといって、おかげさまで評価はそこは高かったんだと思いますが、それをこのロンドンのサミットにおいてこういったようなことがきちんと本当にフォローされているかと。言っただけでは話にならない、フォローされているかということがきちんとできないといかぬと思っておりますので、いわゆる国際金融機関の規制、何せグローバルでとにかく規制緩和が一本やりみたいな時代でしたから、そういったものに対して規制とか監督とかいうことに関する国際協調体制というものはきちんと確立させておかなければならぬ。
 もちろん、その中に格付会社も入りますけれども、そういったものを含むこういったものをやった上でかつ保護主義というようなことになると、一部の国々で鉄の輸入関税を引き上げてみたり幾つかの国でちょこちょこ出てきておりますので、こういったことが大事だと思っておりますので、是非、ダボス会議でも日英で首脳会談をやらせていただきましたけれども、そのときに打合せをいろいろしておりますけれども、是非ロンドン・サミットにおいて、あのとき話した話が加速してきちんとこういったものができ上がるような、ここらのところがロンドンのサミットにおいて一番の大事なところかなと思っております。
#83
○木村仁君 是非これらの国際場裏で総理が積極的なリーダーシップを発揮されることを期待をいたしたいと思います。
 アジアの諸国との連携、これは日本にとっては本当に大事なことであると思いますが、これについては最近ASEAN、それからASEANプラス3、あるいは東アジア首脳会議等が次々行われることになろうかと思います。どのような基本的態度で臨まれるか、簡単に御説明をお願いしたいと思います。
 特に、ASEANはホアヒンで首脳会議を開きまして人権機関を十月までにつくろうと、そういうことを決めたようでありますが、しかし、新聞等を見ますと、これは二〇一五年に構築するASEAN共同体のお飾りにするつもりなのかと、人権問題を持っている国の問題に直接は触れないというようなことを申し合わされたりしていると、こういうことであります。ミャンマーの問題についても私は関心を持っておりますが、これらの問題について、これは外務大臣で結構でございますから、お答えいただきたいと思います。
#84
○国務大臣(中曽根弘文君) アジアの地域が豊かで、そして安定して、また開かれたそういう地域であるということは、我が国の安全とかあるいは繁栄にとっても不可欠でございます。そういう中で、我が国は日米同盟をまず基軸といたしまして、アジアの各国とともにそういうようなアジアを築くというそういう努力をしておるところでございます。
 昨年の十二月に麻生総理大臣は、従来はASEANのいろいろな会議のときに行われておりました日本、中国、韓国、この会談を独立した形で初めて行いました、委員御承知のとおりでございますが。そして、そういう会談の中で、日中韓の三か国が当面の重要課題であります国際金融の問題、あるいは気候変動の問題、そういうような諸課題に対して一致して協力して取り組んでいくと、そういうことを合意をしたところでございます。
 引き続きまして、そういう地域の安定と発展のために、中国との間では戦略的互恵関係の構築を進める、韓国との間では成熟したパートナーシップ、これを構築を進めていくと、そういうような形で進めていくわけですが、同時に日中韓の協力を強化していきたいと、そういうふうに思っております。
 また、我が国のみならず、地域の安全保障上大変大きな懸念であります北朝鮮の問題、これにつきましては、先般、日米首脳会談、そして私の訪韓、訪中、また、日米、日韓、日中、それぞれの会談におきまして北朝鮮問題を連携してやっていくということで一致をしているところでございます。引き続きまして拉致問題、核問題、そしてミサイル問題等につきまして包括的な解決に向けて関係各国と連携してやっていきたいと考えております。
 また、大変我が国にとりまして重要な戦略的なパートナーであります委員おっしゃっておられるASEANの地域につきましては、二〇一五年の共同体形成に向けてASEAN諸国は今努力をしているところでございますが、我が国といたしましては、引き続いてASEANの統合と発展を力強く支援をしながら、ASEANとともに、EASとかあるいはASEANプラス3、こういう会議におきまして積極的にまたこの指導力等を発揮していきたいと、そういうふうに思っております。お話ありましたような人権やいろいろな課題につきましても、十分に、慎重に、また積極的にこれに努力していく予定でございます。
#85
○木村仁君 ODAの問題について、ほんのちょっとでありますが、意見をお聞かせいただきたいと思います。
 まず、総額の問題。これはみんなが言っていることでありますが、ピーク時と比べると十二年間で約四割削減されております。これは全く公共事業の削減と同じペースで削減されてきたわけであります。その理由としては、手続その他が不透明であるとか、汚職が付きまとっているとか、国民の税金を意味のない海外で使っているとか、いろいろな理由があって減額されてきたのでありますけれども、私どもは、このODAというのはやはり日本が世界の外交を推進していく上で、特にアジア諸国との友好関係を深めていく上で非常に重要な役割を果たしていると思っておりますし、近時ではDAC等に入っていない中国がアフリカあるいはアジアの諸国で物すごい勢いでこのODAを駆使して地歩を築いております。
 そういうことも考えると、是非漸次この総額の回復をお願いしたいと思うのでありますが、平成二十一年度の予算を見ましても、公共事業とほぼ同じ四%減で計上されております。この総額の回復について、総理に御所見をお伺いしたいと思います。
#86
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 私もこのODAというのは日本の外交手段としては非常に重要なものだと思っております。かつては世界第一位でしたけど、今五番ぐらいになったかな、というほど下がってきておりまして、このままいくとイタリアより下になるとかいろいろよく言われているところですが、少なくとも、途上国と言われるような地域の安定、発展、また、いわゆるテロ、感染症、その他いろいろ、環境問題含めていろいろありますけれども、こういった問題を取り組んでいくときに、やっぱりこういう国々と一緒にやっていくということを考えたときに、このODAというのは非常に大きなツールだと思っております。したがって、ODAの事業量としては、少なくとも私どもとしては今回大幅に増やさせていただきました。昨年よりはっきり申し上げて増やすということにさせていただいております。
 また、アフリカ向けのODAというのはこれは先進国が軒並み削っておりますんで、そういった中にあっては、国際的には倍増しますと約束をしておりますんで、それを着実に果たしていきますために、いわゆる重要課題推進枠として総理枠のある部分から九十五億円をこれに増して行わせていただいております。
 また、アジアというのは、やっぱり世界の経済においては、こういった今のような昨今の国際経済情勢の中においては、アジアというのはやっぱり経済の成長センターとして、それは二けたが一けたに落ちたとはいえ、八%だ六%だという経済成長というものをやっております国、地域というのはこのアジアでありますので、これは後押ししていく必要も極めて大きいと思っておりますので、ダボス会議において、アジアの支援策として一兆五千億のものをここに話をさしていただいたりいたしております。
 いずれにしても、このODAの事業量というのは極めて大きいものだと思いますし、いろんな意味で、アジア全体の一体感を増していく中にあって、各地でばらばらにいろいろな案件を、出てきたやつをきちんと統合して、全体としてアジア地域全体の経済がうまくいくためには、いわゆる流通を含めまして、単に橋を架けるとかいうんじゃなくて、それによって起きます国境問題の中において通関手続などなどいろんなこれはソフトが必要な部分もあります。そういった部分も含めまして、我々としてはこういったODAを積極的に活用して地域の繁栄に大いに貢献したいと考えております。
#87
○木村仁君 時間の関係がありますので、以下、小さなことについて三つほど続けてお尋ねいたしますので、外務大臣にお答えをいただきたいと思います。
 第一は、ODAの執行の時間の問題でございます。外務大臣がフン・セン首相と会談されたときの記録を見ておりますと、この例えば南部経済開発支援について、第二メコン架橋、これは時間が掛かっている、麻生総理とも是非話をしたい、それから大メコン、アジアハイウエーという観点からも重要であると。これについては若干いら立ちが見られて、そして何ならもう中国に頼んじゃおうかというような動きもあるやに私も聞いております。私もフン・セン首相とお会いしてそのことをお話ししましたけれども、そういう感じが伝わってまいります。しかし、日本人は自分の友人である、必ずやってくれるだろうと、こういうことを言っておりますので、すべて手早にやるということは大事ではないかと思います。
 例えば、カリブ海にアンティグア・バーブーダという小さな国があります。これはもう一万二千ドルぐらいの個人所得が平均ありますのでODA外でありますけれども、ここでバーブーダ島零細漁業計画という水産無償をやっておりますけれども、これは何年も何年も掛かるわけです。首相がいら立ってもう早くやってくれというんで心配をしたことがありますが、そのスピード感を上げていただきたいということであります。
 しかしながら、それについては、第二に、環境、社会配慮というのがだんだん強くなってきております。例えば、プノンペンの第一号国道、もうすばらしい道路が整備されておりますけれども、プノンペンの一番入口の大事なところが進まない。これは補償問題あるいは社会問題で、メコン・ウォッチというような、これは日本の方々でありますが、それなりの考えでやっておられると思いますけれども、そういうのが入ってまいりますと非常に時間が掛かるということであります。こういう問題については何らかの対策があるかということであります。
 それから、中国などは、ODAの基準外の小さな国でお金持ちというところはどんどんやるわけであります。このアンティグア・バーブーダの首相は、一万一千二百十ドル平均個人所得がある、しかし掛ける八万人で何ができるか日本は考えてくれと、こういうことを言っておりました。これはDACの基準に従ってやっているんだと思いますけれども、この辺り、いかがでしょうか、特例はつくらないのかということ。済みませんけれども、簡単にお答えをいただきたいと思います。
#88
○国務大臣(中曽根弘文君) 途上国におけるこの開発事業、これの効果を上げるということは非常に大事でありますし、我が国の援助のまた戦略的な有用性、これを高めるということも大事なことでございます。そういう観点から、円借款業務の迅速化はもう言うまでもございません、大変有益であり、また必要であると私も認識をしております。
 迅速化の方策につきましては、委員も御承知のとおり、平成十九年に政府といたしましても迅速化を進めるための対策といいますか、方針を検討しているわけでありますけれども、それ以降、先方の政府の協力を得ながら、案件の形成段階、それから要請から供与の段階、そして事業の実施の各段階において迅速化のための施策を実施をしているところでございます。
 また、新しいJICAが発足いたしましたけれども、より迅速かつ効果的にこの円借款事業のための調査等が新しいJICAができましたことによって行えるようになりました。こうした仕組みを最大限活用して、引き続きまして円借款の迅速化を図っていきたいと、そういうふうに思っております。
 お話のありましたカンボジアの国道一号線の改修計画、これも完了しておりません。お話がありましたように、フン・セン首相との間で委員が今御紹介になりましたようなお話がありました。
 この国道一号線は、プノンペンとベトナムのホーチミンとを結ぶメコンの南部経済回廊の要衝でございますけれども、御質問のこの改修計画は、この回廊のうちプノンペンからネアックルン間の約五十六キロの道路改修を行う事業でございますが、現在まで四十三キロの改修を完了いたしました。できるだけ早くこれが完成しますように、また適切な環境社会配慮がなされるように、カンボジア側に働きをしながら最大限努力をしていく予定でございます。
 また、アンティグア・バーブーダについてのお話ありましたけれども、アンティグア・バーブーダは、二〇〇七年の国民一人当たりのGNIが一万一千五百二十米ドルという、比較的所得水準が高い国でございますけれども、委員も訪問されてよく御存じの国でございますけれども、水産分野におきまして我が国と大変良好な協力関係にあると。そういうことから、同国に対しましては技術協力や水産無償資金協力を実施をしているところでございます。
 この国に対しましても、引き続いて機動的な援助を行っていきたいと、そういうふうに思っているところでございます。
#89
○木村仁君 最後に一つ、これは重要な問題でございますが、この円借款において、従来は日本タイド、つまり日本の企業にその仕事をやってもらうという枠を付けてやっていたのが多かったのでありますけれども、これには世界の批判もありますし国内の批判もありまして、なかなか取れないと。それから、STEP、本邦技術活用条件というのを付けて、本邦の技術を活用してやるということであります。中国はもうすべて自分でやって、すべて労働者まで連れていってつくってしまうというようなことをやるものですから、大変中国の国内の産業にも裨益しているわけであります。日本はなかなかそれができない。
 しかし、本邦技術活用を条件とするのであれば、日本の技術は恐らくどの分野でも世界に冠たるものでありますから、もっともっとこのSTEPとかあるいは日本タイドを重要視していただけないだろうかと。そうすると日本の経済そのものがまた潤うことになる。そうしますと、国民も、おれたちの金を何でよそに持っていって使うかと、そういうことを言わなくて済むわけであります。これを是非枠の拡充をしていただきたいと思いますけれども、可能性があるのかどうかということと、あるとすればどんどんやっていただきたいということを希望とともに御質問をいたします。
#90
○国務大臣(中曽根弘文君) 私も委員と基本的に同じような考えでございます。ODAを効果的に推進をしていくためには、我が国の企業を含む国民各層の理解と支持が必要なわけでございますが、ODA活動への積極的な参加を、これらの各層の参加というものを進めていくということが大事だと、そういうふうに思います。
 このような問題意識から、二〇〇二年度より、我が国の優れた技術やノウハウを活用いたしまして、途上国への技術移転を通じて我が国の顔の見える援助を行うべく、お話にありましたSTEP制度を導入をいたしました。外務省といたしましては、先ほど申し上げましたけれども、新しいJICAが発足したと、そういうことによりまして、より迅速、また効果的にこの円借款事業のための調査が行えるようになりましたので、こうした仕組みを最大限に活用いたしまして、STEP制度が借入国政府にとってもより魅力的なものとなるよう、STEP制度の改善を図っていきたいと、そういうふうに思っております。
#91
○木村仁君 官房長官がお見えになりましたので、漆間官房副長官に御質問をいたします。
 先ほどの質問の中でほぼ明らかになりましたが、おっしゃられたこと、つまりどういう話合いがあって、そしてどういう結果になったかということをもう一度整理をしてはっきりとお答えいただきたいと思います。
#92
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 三月五日の夕刻の記者懇につきましては、私自身の記憶と、それからそこに同席していた三人の秘書官の記憶とを突き合わせまして、私が発言した内容というのは、検察側の捜査の行方についてコメントできる立場にないが、この種の事件では、一般論として違法性の認識を立証することがいかに難しいかということは私自身の経験に照らして言えると思う、金額の多寡ということは違法性の認識を立証する上で大きな要素となるであろう、また、請求書があるということは傍証の一つと思うが、それだけで立件できるかどうかは疑問である、検察がこの時期に秘書を逮捕した以上、本人が否認しても起訴に持ち込めるだけの証拠を持っているのであろうという発言をしたと記憶しております。
#93
○木村仁君 前回の御答弁と合わせますと、要するに、自民党に波及することはないというようなことは一切言っていない、すべて一般論であって、個々の具体的な話には立ち入っていないということが第一点であります。それだけですね。結局、そういうことであるということで間違いありませんね。
#94
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 私としては、先ほど申し上げたことで、特定の政党の議員への捜査の帰趨など、検察による捜査の中立性、公平性を否定するような発言はしていないというふうに記憶しております。
#95
○木村仁君 官房長官にお尋ねをいたします。
 官房長官が副長官に注意をされたということでありますが、その注意は、一般論としてではあれ、疑念を醸し出すような発言は慎んでいただきたい、特にあなたは警察関係の御出身であるから注意をしていただきたいと言われたのであって、自民党に波及するのがあり得ないことだというような具体的な話をしたということを前提として注意をされたものではないと理解をいたしますが、いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(河村建夫君) お答えします。
 御指摘のとおり、一般論であっても誤解を受けやすい発言であるということで、不適切であるということで私の方で注意をしたと、こういうことでございます。
#97
○木村仁君 分かりました。要するに、一般論としてであれ、官房副長官たる者は、特にその出身の母体等を考えれば、軽はずみな発言をしてはいけないと御注意をされたと、こういうことであると理解をいたします。したがって、それ以上ばたばた騒ぐのはおかしいと私は思っております。
 元に戻ります。
 地方重視の政治ということについてお尋ねをいたしたいと思います。
 十九世紀の前半にシュタインというプロシアの大宰相がおります。この人は、何度戦争をやっても負けるものですから、なぜ自分は負けてばっかりおるのかというて考えて、そして全国を行脚して国内の実態を見るわけです。そして、結論として何を考えたかというと、結局我が国は地域に力がないと、地域が疲弊しているから国が弱いんだという結論に達します。そして、それならば地方行政をきちっとしなきゃいかぬといってつくったのが、シュタイン市制という立派なイギリスの伝統と、もう一つヨーロッパの伝統をつくった法制度をつくったわけであります。
 五十年後に、日本の調査団が憲法の調査に行ってこのシュタイン市制と巡り合います。そして、これを勉強したのが山県有朋で、それで日本に帰って明治二十三年の市制町村制という制度をつくるわけであります。彼は非常にこれを急いで、枢密院がぐずぐず言うのを詩を送ってハッパを掛けて、百年の長計遅疑するなかれと、ぐずぐずするなというハッパを掛けてこの法律を通します。そして、でき上がった市町村が日本の基礎的な教育である小学校の経営に当たるわけでありまして、これが成功して日本は今日の大を成していると言っても、一部過言ではありません。
 そういう歴史がありますが、僕は、麻生総理は、総裁選挙の前後に百六十一か所の地域を回っていろいろお話合いをしておられます。総理になられた後でも、外国に行くというのが忙しくなりましたけれども、できるだけ機会を見付けて地域に回っておられます。恐らくそれは、民主党の代表は麻生総理よりももっともっと多く地方を回っておられると思います。しかし、彼は何をしていたかというと、自分の夢を売って歩いたのであります。
 しかし、我が首相は、我が首相と言うとちょっと余り、首相は地域の実態を見て歩かれたわけであります。そして、やはり日本の地域社会というのは相当くたびれている、疲弊している、これは政府の一つの方針として地方を重視しなければならない、こういう結論に達されたわけでありますから、シュタイン大宰相並みの立場であられると私は思っております。
 そうして、第二次補正の六千億の地域活性化・生活対策臨時交付金、それから一兆円の地方交付税の上乗せ、それから地域活力基盤創造交付金、これは道路特定財源の一般化においてこれだけのものを確保して、大宗は道路でありますけれども自由に使えるお金をつくられたと。実質的な地方交付税を二十一兆まで拡大しております。
 特に、この地域活性化・生活対策臨時交付金というのは、もう既に最高額が内示されておりまして、そして各市町村が、都道府県が全部自分たちのプランを持ち寄っております。本当に地方自治体が自分たちの意思で作り上げた計画でありますから、まさに地方分権というか地方自治そのものであります。こういうことは非常に良いことである、そして私はやはり市町村、地域の力があってこそ国力が増進すると、そう思っておりますので、この地方重視の姿勢をずっと持ち続けていただきたいと思いますけれども、御所見をお伺いいたします。
#98
○内閣総理大臣(麻生太郎君) シュタインという方がつくられた時代、日本に合わせて十九世紀半ばぐらいから後半になりますが、このころは木村先生御存じのように、三百諸公をむしろ明治政府に統括して、近代化して、そして当時列強の侵略に対抗せねばならなかったというのが国際情勢の中における日本の立場であったと思います。したがいまして、中央集権は極めて強い色彩というのを持たざるを得ないのがあの時代だったと思いますが、それでも今言われましたように市町村、また都道府県というものをいろいろ整備していかれた、そういったところは、我々は廃藩置県というのは非常に大きかった一つの要素だったと思っております。
 しかし、時代が更に変わって、今地方の時代とよく言われますけれども、敗戦をした後、やっぱり昭和十六年の国民学校令引くまでもなく、ああいったものに猛烈な勢いで集中していったのはかなりな部分敗戦後も残っておった、それをうまく利用して経済政策というものをやっていったというのは否めない事実だと思います。
 しかし、それは成功したからこうなったんだと思いますが、しかし、今ここまで来て、地域が更に、いろいろな事情がそれぞれの地域によって違いますので、その地域に合わせて地域が自分で考えてやるというようなものを考えていかないと、中央集権で一律というものではなかなかうまくいかなくなりつつあるのではないか。正直な実感です。回ってみましても、地域間によってかなり格差があるように思っております。したがって、その地域にはその地域に合った自分の発想でやってもらわにゃいかぬというところだというのは改めて感じます。
 ただ、問題は、同じような条件であって同じような人口であって、うまくやっている県とうまくやっていない県とある。それは何かといえば、多分そこにおいてその地域を経営しておられる方々の能力、地域を経営する、すなわち知事であったり市町村長であってみたり、そういった方々の地域経営に対するノウハウなり、またそういった地域に合ったアイデアなりという、人がかなりな要素を占めていることは、私、回った感じ、正直な実感であります。いい人だからといっていい知事とは全然限らない。これははっきりしております、経営者も同じですから。いい人が必ずしもいい経営者にならぬというのは、もういつの時代でも同じです。
 したがって、いい経営者の定義というのはなかなか難しいんだと私いつもそう思っておりますが、いずれにしても、我々としては、今御指摘のありましたように、いろんな形で、一兆円の交付税に始まりいろいろやらせていただきましたけれども、こういったものを、地方を支援する一応のバック体制という財政的なものを今回の予算で一応計上させていただいております。
 問題は、これをいかにうまく活用するかです。これは、地域の方々が御自分で、権限はある、財政もある程度来た、なら、後はそれを使ってどうするかというのは、掛かって地方の方々のいわゆる能力、経営能力、まあいろんな表現があろうかと思いますが、そういったものをいかに工夫して有効に利用していただくかということだと思っておりますので、地方重視の姿勢というのはきちんと今後とも進めていくべきものだと思いますが、それをいかに利用していただくかというのは、かかって経営能力、地方経営の能力に懸かってくるのではないか、すなわち人にということになるんだと思っております。
#99
○木村仁君 従来の内閣にないすばらしい考え方であると思いますから、是非よろしくお願いしたいと思います。
 時間の関係がありますので、環境大臣お見えになっておりますから、この問題は財政出動の一環としてお聞きしたかったんでありますが、独立して、簡単なことでございますから聞かせていただきます。
 私どもは、従来から下水道に対応する合併浄化槽というものを非常に重視してまいりました。御党の弘友先生が大変熱心でありまして、私も熱心では変わらないんですが、ちょっと能力が落ちるものですから余り質問等はしないんであります。これは、昔自治省がヘッド・ツー・ヘッドという手紙を市町村長と交換した時代があって、その中でこの合併浄化槽がいいから是非それを進めようということを言ったわけであります。ここにいろいろメリットがありますが、もうその部分も含めて、是非強く推進するというようなお答えをいただければ幸いだと思います。
#100
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 汚水処理にはいわゆる下水道、それから農村集落排水、そして合併浄化槽、この三つの方法があるわけでございます。
 今全国で汚水を処理する地域に住んでいらっしゃる人口は全国で八四%なんですけれども、人口五万人未満の市町村においてはまだ六八%と低い水準にございます。したがって、大都市は九九%を超えております。今残っている地域というのは、まさに中心市街地から離れた分散地が残っているということでございます。
 そういうことを考えますと、比較的安い合併浄化槽、一週間で設置ができます。そして、その出てくる水は下水道や農村集落排水、品質上も全く劣らないということでございますので、今後、人口分散地域での汚水処理ということを考えれば、この合併浄化槽を推進することが大変重要だと。そして、それは各市町村の財政負担を大きく減ずることにもなると、このように考えております。
 浄化槽整備に対してのニーズ、市町村のニーズは極めて高く、第二次補正予算でも二十五億円計上したわけですが、すぐ売り切れました。そして、現在御審議いただいている来年度予算案でも、国の交付率を従前の三分の一から二分の一に拡充したモデル事業の創設を始めとする循環型社会形成推進交付金に百四十三億円、これは前年度比一〇%増でございますけれども計上したほか、内閣府の地域再生基盤強化交付金においても浄化槽整備の予算を計上しているところでございます。
 今後、市町村の財政の健全化とそして水環境の浄化推進ということを考えれば、この合併浄化槽が今後の水行政の中心にしていくべきではないか、このように考えているところでございます。
#101
○木村仁君 これは提案でありまして、したがって国土交通大臣等にはあえてお聞きいたしませんが、失礼ですけれども。
 元々、私の理解でありますが、建設省というのは穴掘りが上手で、都市下水路といって下水道を造って、しかし汚水は垂れ流しという制度がずっと歴史的にはあった。ところが、それではいけないというんで、当時の厚生省が一生懸命になって水をきれいにすることを考えて、終末処理場というのを造ったわけです。だから、水をきれいにすることは厚生省が上手、穴を掘るのは国土交通省が上手、当然だと思います。
 ところが、昭和四十年代の初めに佐藤改革か何か、行政改革か何かで、二つのところに別にあるのはけしからぬということでこれを一つにしろといって随分もめたという記憶があります。そして、その結果、力の強い建設省が合併、終末処理場を移管して自分のものにして、下水道がめでたく一つになった、若干管理は後に残りましたけれども一つになったわけです。ところが、厚生省の水をきれいにするのが得意な人たちは、悔しいものだから懸命になって水をきれいにすることを考えて、でき上がったのが合併浄化槽なんです。それが今は環境省にあると。下水道はあれだと。そこへ、間に、穴を掘ることも下手、水をきれいにすることも下手な農水省が入ってきて中間地をやり始めたんです。非常に非効率であります。
 そこで、今一生懸命調整してうまく非効率が起こらぬようにしておりますが、やっぱりこれはもう農村の部分も下水道か合併処理槽でやりましょうということにしてしまってこれをやめて、そして、ここはしかられるかもしれませんが、下水道を環境省に移して、あの下水道の人たちというのは一つにまとまっておりますから、どこにいようとまとまってしっかりやれれば幸せなんですから環境省にいって、それで環境省で汚水処理の系統を一本にすると、こういうのが本当の行政改革じゃないかと思うんですけれども、所見だけ、結論ではありません、所見だけお伺いしたいと思います。
#102
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 下水道、農村集落排水、それから合併浄化槽、それぞれ特徴がございまして、今、木村委員からお話ありましたように、それぞれの特徴を生かしながら進めてきたのがこれまでの歴史だったのではないか、このように思っております。
 これからは、地方公共団体の財政負担ということを考えながら合理化をしていくことが重要でございますが、今日、金子国土交通大臣も来ておられまして、常にこのことについて話をしているところでございます。
 木村委員のその方向性というのは非常に重要な観点を含んでおると思いますので、石破農水大臣、金子国交大臣ともよく話し合いながら進めていきたいと思っております。
#103
○木村仁君 なかなかお話は尽きそうもありませんけれども、是非お考えをいただきたいと思います。
 お許しを得て、あとは午後一時からにしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございます。
#104
○委員長(溝手顕正君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#105
○委員長(溝手顕正君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十一年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。木村仁君。
#106
○木村仁君 約束の持ち時間がないそうでございますので、慌てて総務大臣に三つお尋ねをいたしたいと思います。
 第一に、定額給付金のことであります。
 支給が始まりました。多分、私は、三月中に四割から五割配分を終えて、四月にはあとの残りを配分して、そして連休明けに上がるか上がらないかという辺りではないかなと、そう思っておりますが、いかがでございましょうか。
#107
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先週、三月四日に二次補正予算の財源関連法が成立をしましたので、五日から七日の土曜日ですね、だから木曜、金曜、土曜の三日間で五つの市と村が実際住民に給付を開始をいたしました。給付を受けた方々が大変笑顔で喜んでおられる姿をテレビで拝見等いたしますと、担当大臣として感無量であったわけでございます。給付金方式にして本当に良かったなと。というのは、ただの減税方式では喜ぶことができない方が出てしまうわけでありますから、そう思いました。
 二月二十日調査で、ちょっと遅い、まだ最新の調査ではなくて前の調査でございますが、年度内に約二割の四百市町村が給付開始、四月上旬までですと三分の一を超える六百十一市区町村が給付開始、残念ながら四月下旬以降と予測されるところが八百数十あるかと、こう思いますが、いわゆるプレミアム付き商品券のことも触れますと、これを発行を予定しておりますところが約七百市区町村ですが、これまだ増えると期待をいたしております。消費拡大セールは百十七市区町村から予定だと聞いております。寄附を募って他の施策に活用する、つまり、受け取って寄附してくださいという呼びかけをするという予定のところが六十四市区町あるというふうに聞いております。
 また、これは新聞報道等でございますが、定額給付金をきっかけとした商品の開発を行っているという企業が数多く紹介されておりますので、必ず消費拡大、そして、地域で使いますから、地域活性化に役立つものと期待をいたしております。
#108
○木村仁君 もう一つ、総務大臣と建設大臣にお伺いをいたします。
 これから財政出動という形でいずれは大きな財政需要が地方公共団体に掛かっていくと思いますけれども、その中で、直轄事業の負担金、これを何とかならないかという声が非常に強いことは御承知のとおりでございます。
 私は、制度の骨格はそのままにしておいて、当面、この一、二年の間、給付金とかそういう形で対応していけないものだろうかということを考えておりますが、手短にお答えをいただければ有り難いと思います。
#109
○国務大臣(金子一義君) 手短にお答え申し上げます。
 先般、知事会の麻生福岡県知事がおいでになられまして、今先生がおっしゃった問題点も含めて、包括的に話合いをしようというお話合いをさせていただきました。今、知事会あるいは私の方で、どういう観点からという課題の論点整理をしている最中であります。
#110
○国務大臣(鳩山邦夫君) 木村先生御指摘の直轄事業の件でございますけれども、やはり仕組みとして、地方負担が三分の一あるというのがそのままでいいかどうかというのは正直疑問に感じますし、国が計画してこういう直轄事業を行う、負担が自動的に地域に三分の一行くというのは、これはある意味では、地方の財政事情等を考えますと酷な部分があろうかと思っております。
 というよりも、本質的には直轄事業を減らす方向を考えるべきではないだろうか。つまり、直轄事業じゃなくて、それが都道府県の事業に移管できるものはできるだけ移管すると。都道府県に移管すれば、これは都道府県の責任で行うのは、もちろん補助金を受けるとしても当然のことになってまいりますので、そういった意味では、直轄事業の今の在り方がそのままでいいとは全く考えておりません。
#111
○木村仁君 制度の問題でありますから、長期的に処理しなければいけない問題と、当面何がやれるかという問題があろうかと思いますので、当面何がやれるかということを御一緒にお考えをいただければ大変有り難いと思います。
 ドクターヘリの問題について、何点か取り急ぎお伺いをいたします。
 いつまでに全都道府県に出回りそうでありましょうか。
#112
○国務大臣(舛添要一君) 本年度十六都道府県に運航が開始される予定でありまして、二十一年度予算案において二十四機となる見通しでございますので、まだ全部の都道府県に行き渡るというには少し時間が掛かります。
#113
○木村仁君 一県で二機運航しているところがあって、それは二機とも国庫補助で認めてやろうというように聞いておりますが、それはそうでよろしいでしょうか。
#114
○国務大臣(舛添要一君) 大体一機の運航するのに一億七千万から八千万掛かります。今のところ、国が半分、都道府県が半分ということで、非常に地方の方からは、この地方の負担何とかならないかという声が聞こえておりますので、目下検討中でございます。
#115
○木村仁君 補助単価が一億七千万円では飛べないと。二百五十回ぐらい飛ぶということを前提に設計をしたら、本当は四百五十回ぐらい飛ぶと、こういうことでありまして、そのチャーターの主の会社の方が少し値上げをしてくれないかと、こういう要望が議連の方にありました。議連としては、別にそれに答える資格も持っておりませんので、聞きおくということにしてありますけれども、そういう単価の見直し等についてお考えがおありになりましょうか。
#116
○国務大臣(舛添要一君) これは今委員御指摘のように、飛べば飛んで、つまり活躍すれば活躍するほど、特に燃料費の高騰というようなこともございましたので、赤字が膨らんでいくということで、補助額の増額の要請が来ておることはよく分かっております。都道府県との負担の公平さということも含めて、よく精査して検討させていただきたいと思っております。
#117
○木村仁君 悩みはフライトドクター、フライトナースがなかなか確保できない、その教育訓練が必要であるということを聞きますが、その点、いかがでありましょうか。
#118
○国務大臣(舛添要一君) この点につきましては、これは補助全体についてやる形になっておりますので、その中からフライトドクター、ナース、こういう方の訓練にということで一定の補助はしておりますけれども、これもやはり今後の課題だというふうに思っております。
#119
○木村仁君 残る問題として、来年が議員立法の見直しの時期になります。そのときまでには支援団体を指定すると、寄附を集めてそれで応援しようという団体を指定するということになりますが、この問題については我々は深くかかわりませんので、どうか公明正大にやっていただきたいと思います。
 それからもう一つは、健康保険の請求の中で一部カバーできないかということ、これも附則で書かれております。その点についての、これは来年そういう議論ができるかどうかと、なかなか危ないところでありますから、前向きの返答、御回答が得られれば幸いだと思います。
#120
○国務大臣(舛添要一君) これは、ドクターヘリを助けてやろうという例えばNPOの方々がおられますので、これは厚生労働大臣の登録を受けることができるということがありますので、今幾つかの団体が申請に来ておりますので、速やかに所定の手続をやりたいと思っております。
 それから、やはりドクターヘリやドクターカーを使った方々の診療報酬というのを上げないといけない。それで、緊急搬送診療料ということでございまして、例えばお医者さんがヘリコプターの中で診療する、そのときには診療報酬点数を二倍に引き上げるということで、そういう措置を二十年度の報酬改定で行っておりますので、今後とも、このドクターヘリが全国に定着し、更に活動の場が広げられるように全力を挙げてまいりたいと思っております。
#121
○木村仁君 最後に、消防ヘリとか自衛隊のヘリとか海上保安庁のヘリ、そういうものとの連携関係、特に消防ヘリというのは、情報はすべて消防が出すわけでありますから、消防防災ヘリを使ってやっているところもあるけれども、やっぱりドクターヘリには格段のレベルの差があるわけでしょうから、ここのところをひとつ相互に十分協議をしていただいて、うまく全体として運用できるような御努力をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#122
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先般国会に提出いたしました消防法の一部改正案について、都道府県に消防機関と医療機関の連携を強化する協議会を設ける、つまり、消防機関と医療機関の連携ということが今回の法改正の最大の目的でございまして、消防防災ヘリは、機能は私はよく分かりませんが、はるかに大型でございますから、中で応急処置をするそういうスペースはより広いということでございます。ただ、ふだんドクターが乗っているわけではありませんから、消防と医療機関が緊密に連携することによって消防防災ヘリがいつでもドクターヘリになれるという、そういう連携が大事だと考えております。
#123
○木村仁君 大事な問題でありますが、大変おざなりの質問で失礼をいたしました。
 海賊問題について二、三点、せっかく来ていただきましたので、お伺いをいたしたいと思います。
 一月二十八日に準備をせよという下命を下されたそうでございます。それから一月近くたつわけでありますが、本当の下令が出て海上警備活動をなさるのはいつごろになるんですか。
#124
○国務大臣(浜田靖一君) 今の御指摘の海上警備行動の時期についてでありますけれども、これに関しましては今までずっと準備をさせていただいてきたわけでありますので、そういったことも含めて、近日中に出せるような体制が整うというふうに思っているところであります。
#125
○木村仁君 立法が準備されております。自衛隊の艦船が二隻、ソマリア・アデン湾の方へ向かいますと、大体二週間から三週間掛かるだろうと、こう言われております。立法にはなかなか難しい問題があって、その点について詳しくお尋ねする時間がありませんけれども、ともかく早く立法をして、向こうに着くまでには海賊対応の活動ができるようにしてあげないと、仕事に従事する自衛隊の皆様にも、また海上保安庁から乗る方々にもお気の毒ではないかと思います。
 これは、立法は金子担当大臣の方でなさっていると思いますが、進捗状況、そして、これは野党もあることでございますから簡単にはいかないと思いますけれども、準備の方はいかがでございましょうか。
#126
○国務大臣(金子一義君) 今の海賊対策につきましては、日本を含む国際社会への脅威でありますので、緊急に対応すべき課題であります。
 今、国連の海洋法条約にのっとりまして、外国船舶を含めた海賊行為への対処を図るため、海賊行為の処罰を規定すると同時に、我が国が海賊行為への適切かつ効果的に対処するための必要な事項を今検討しております。関係府省庁と連携をしまして、今国会に法案を提出すべく最大限努力をしてまいります。
#127
○木村仁君 立法作業の過程で自衛隊サイドもいろいろ御協議いただいていると思いますが、特に武器使用の問題、切迫してくる、なかなか離れていかない、そういうものに対してどういう攻撃ができるかというような点が一番微妙な問題であろうと思います。大体でき上がったのかなと思いますけれども、自衛隊としてはほぼ満足のいく対応ができているんでしょうか。
#128
○国務大臣(浜田靖一君) 今先生の御指摘のあった法案に関しましては、これは我々の足らざるところ、今先生が御指摘になりましたように、海上自衛隊員がそこで迷うことなく対処できる部分をその中に付与をしていただいているというふうに私自身は思っています。
 いずれにいたしましても、その法律を作っていただく中で、我々もその中でいわゆるROEと言われるものも含めてしっかりと定めることによって海上自衛官の不安等を取り除くべく努力してまいりたいというふうに思っているところでありますので、いずれにしても、これからまたいろいろな御議論をいただいた中で我々もしっかりと対処していきたいというふうに思っているところであります。
#129
○木村仁君 制度の整備とともに、ROEというんですか、それがきちっとできていることが大切だと思いますので、よろしく御検討のほどお願いいたしたいと思います。
 実は、私がお尋ねしたかった一番の財政出動の部分が残ってしまいまして、また何か機会を得て御質問したいと思いますので、よろしくお願いします。
 終わります。
#130
○委員長(溝手顕正君) 以上で木村仁君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#131
○委員長(溝手顕正君) 次に、富岡由紀夫君の質疑を行います。富岡由紀夫君。
#132
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。午前中に引き続きまして質問させていただきたいと思います。
 まず、漆間官房副長官に午前中の発言を踏まえて質問したいと思います。
 ちょっと、いらっしゃらない。
#133
○委員長(溝手顕正君) 止めてください。
   〔速記中止〕
#134
○委員長(溝手顕正君) 速記を起こしてください。
#135
○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。午前中の質疑に続きまして、引き続き質問させていただきたいと思います。
 まず、漆間官房副長官にお伺いしたいと思いますが、事務の副長官ということでお仕事されていらっしゃるわけですけれども、いま一つよく具体的な仕事の中身が分かりませんので、官房副長官、そして漆間副長官の役割、お仕事の役割というものについて分かりやすく御説明していただきたいと思います。
#136
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 私の職務については、内閣法あるいは下位法令に規定がございまして、私は内閣官房長官の補佐をするというのが主たる任務であります。内閣官房長官は、まさに内閣官房、内閣における重要な政策についての企画立案あるいは総合調整というのをするのを主たる役目にしておられますから、それを私が補佐をしておるという形になります。
 私の場合は、基本的には関係の省庁がいろいろな政策を持っておりますので、その政策についてそれぞれ法律を出すとか、あるいは政策をまとめるとか、その場合に、複数にわたるような場合にそれを私のところで総合調整しながら、それを具体的に実現化を図るというのが私の主たる任務であります。
#137
○富岡由紀夫君 ちょっと抽象的で具体的な中身が理解できなかったんですが、そういった調整というのは具体的に、例えば法務省さんとかそういったところの関係でいうとどういった情報のやり取りをされているのか教えていただきたいと思います。
#138
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 今、例があった法務省のような場合には、法務省で例えば国籍法だとかいわゆる法律の案を出すとかそういうような場合に、基本的に他省庁にもいろいろ関連する部分もございますので、その辺のところの全体の調整具合がどういうふうに進んでいるのかというのを私のところに御報告ありまして、それを私のところで必要な場合は調整をし、もう既に調整が終わっているものについてはその形で官房長官や上の方に上げていくということになろうと思います。
 いずれにしても、具体的な捜査について私が調整をするとか、そういうようなことは全くございません。
#139
○富岡由紀夫君 いろいろとお答えいただきまして、ありがとうございます。
 午前中の中で、マスコミに報道されました自民党には波及しないとか自民党側では立件できないといった報道がたくさん具体的な新聞の記事を出されて、今日議論がありましたけれども、自民党については波及しないとかそういったことは発言しなかったというふうにおっしゃられたのか、もう一度確認させていただきたいと思います。発言をしなかったのか、それともその発言そのものを記憶になかったのか、どちらだったのかちょっとお伺いしたいというふうに思っています。
#140
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 私が発言した内容というのは、まさに私の記憶と同席していた秘書官の記憶と合わせてお話ししたわけでありまして、それを私の記憶では特定の政党の議員に捜査が及ぶかのような発言をした記憶はないということであります。
#141
○富岡由紀夫君 発言をした記憶がないということでよろしいわけですね。それにもかかわらず、全紙というか多くの報道機関が自民党……(発言する者あり)全紙ですか、自民党の名前を出して、自民党には捜査が及ばない若しくは波及しないといったことを報道しているわけですけれども、これはすべて誤報というふうに考えていらっしゃるということでよろしいんでしょうか。
#142
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 先ほど、私の記憶というのはまさに私自身の記憶の喚起によるものでありまして、それでその場は確かにメモがありませんから、記者の皆さんの方も基本的にどういうふうに認識されたかということについてはそれぞれの御認識があったんだと思います。したがって、私自身が言ったこととそれをどういうふうに受け止められたかということについては、私は全然、どういうふうに受け止められたかということについては、全く私はそれを分かる立場にはございません。
 ただ、私が基本的に私の本意でないという形で報道されたという形については、その結果でいろんな方に御迷惑をお掛けしましたので、私としては大変申し訳なく思っているという今心境でございます。
#143
○富岡由紀夫君 記者というのは何人ぐらいいらっしゃったんですか、大体。
#144
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 具体的な人数まではちょっと覚えていませんが、基本的には通信社、それから各新聞社、それからテレビはほとんどの方が出ておられたんだというふうに認識しております。私の場合は毎週月曜日から木曜日まで夜に定例懇談会をしておりますので、そのときには必ずしも常に同じメンバーが出ているというわけではありませんし、人数も変わります。
 したがって、私の感じでは、これは私の全く感じでございますけれども、二十名前後ではないかと……(発言する者あり)ええ、二十名前後ではないかと思っております。
#145
○富岡由紀夫君 二十人の方が聞いていてああいう報道がなされたわけでございまして、それが誤報と言い切るというのはすごい御回答だなと私は思っております。二十人が全員思い込みしたということでございますから。
 それで、もしそれがそうで、先ほど午前中のお話ですと、記事を見て驚かれたというふうにおっしゃっていました。自分の言ったことがちゃんと記事になっていないということであれば、ちゃんと抗議して、もう一回記者会見を開いてお話、説明されたらどうだったんですか。
 話によりますと、五日の発言を踏まえて六日の日に、例えば朝日新聞からオフレコをオンにしてくれと要請があったり、またその翌日、七日ですか、これは記者クラブというか記者会として総意として、国会の記者クラブの総意としてオフレコをオンにしてくれという要請があったんですけれども、それをいずれも駄目だと拒否されたという報道がございます。本当に自分がやましいことを言っていない、そういった問題を抱えた発言をしていないということであるのであれば、ちゃんとオンにして記者の皆さんにちゃんと名前を出して堂々と説明がされてもよかったんではと私は思っておりますけれども、それはなぜオンにしなかったのか、教えていただきたいと思います。
#146
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 五日の日の翌日、六日の日に自宅懇というのがありまして、自宅で記者の方が来られてここで懇談するという場がございます。その場で、基本的にはこの場をオンにするのかオフにするのかということは私の方からもお聞きしました。一応記者の方が皆さん私のいない場で御相談をされまして、それはオフでいくというふうに言われましたので、それはオフとなっています。そのときだけに、某新聞社から、それは変えていただいてオンにできないかという話ありましたけれども、私は記者の皆さんの総意でオフと決めたのではないですかというふうに申し上げて、それで私は、オフでありますから、基本的に記者の皆さんの総意に従ったというわけであります。
 その後、五日のオフの会見をオンにしてくれという話がたしか土曜日だったかにあったと思います。しかし、私は、オフの会見というのは、先ほど申し上げましたように、私もメモ取っていませんし、記者の方もメモ取っておられないわけでありまして、それをオンにするというのは私は普通考えられないというふうに思いましたので、それはオフの会見をオンにするということについては、私はそれは受けられませんということを申し上げたということはあります。
#147
○富岡由紀夫君 最終的には官房長官がオンにされたわけですけれども、その前に総理にもオンにしていいかどうかを御相談されたといった報道がありますけれども、総理はオンにしろという指示をされたんですか。総理にお伺いしたいと思います。
#148
○国務大臣(河村建夫君) 今、私が会見をオンにしたと、こうおっしゃいましたが、そういう事実はございません。私の方が、じゃオンにしてやりなさいとか、それはございません。そのことはちょっと、何かそういう記事がありますか。(発言する者あり)それは私、そういう事実はありませんので。
#149
○富岡由紀夫君 昨日、テレビで名前を公表したというんですけれども、何でそれまでこういう伏せていたものを急に名前を出されたんですか。
#150
○国務大臣(河村建夫君) オフレコでおやりになったことではありますけれども、既に政府高官という形であのように出ている。政府高官と言われますと、もう官邸の中、限られてまいりますから、私の方もそれを無視するわけにいきません。
 それで、各関係者にこれに類する発言があったかどうかを調査をしたところ、漆間副長官から、記者懇においてこの西松献金問題について一般的な話をしたと、こういう話がありましたから、そうするとほかにないわけでありますから、漆間副長官であるということを私は翌日のマスコミとの懇談で、懇談といいますか会見といいますか、その席で言明をしたわけであります。
#151
○富岡由紀夫君 八日の番組の出演の後、記者団に、オフレコ懇談といえども説明責任を果たさないといけないと、いつまでもオフレコだから知らないで済む話かどうか判断しなければならないと語られたということはいいんですね。
 その後、麻生総理からも、七日の夜、副長官が説明責任を果たすべきだろうと電話で指示を受けたということを明らかにされたわけですけれども、総理から指示を受けたわけですね、そういう。
#152
○国務大臣(河村建夫君) 私も総理に御報告をして、指示をいただいて、二人の意見が一致したと、こういうことであります。
#153
○富岡由紀夫君 それは総理に、オフレコで名前を伏せていたものをオンにしたと、許可を取ったということになると思うんですけれども、総理はなぜオンにしたんですか、名前を急に公表するように指示をされることに変更されたんですか。
#154
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 官房長官から電話をもらったので、名前を出すという話であって、オフレコの内容をしゃべるということはオフになりませんから、だから……(発言する者あり)そこまで聞いていない、先に教えてあげたって悪くはないだろう、時間の無駄になるじゃないか。したがって、名前を出すという話に関して私の方から、その名前を、こういう政府高官という名前でいろいろうわさだけ出るよりはきちんと出した方がいいのではないかという話をしておりましたので、少なくとも内容の話が出ましたから、内容は少なくとも、だってレコードがないのに内容なんかというものはどうやって出せるんだという話をして、名前を出すということに関してオンに、その名前を出すという話をオンにしたらという話をしたということであります。
#155
○富岡由紀夫君 漆間副長官が説明責任を果たすべきだろうというふうにお話しされたというんですけれども、それは事実ですか。総理が指示をしたと、副長官がちゃんと説明責任を果たすべきだというふうに。
#156
○国務大臣(河村建夫君) 漆間副長官のあのオフレコの懇談で言われたことが報じられた。それが自分の意図するところでの方向でないと、こう言われることでありますから、それはきちっと説明すべきことだと。政府高官と名指しされた以上、そして名前を出す以上はきちっと説明する方がいいのではないかと。私の方から総理に、説明責任を副長官に果たしてもらう必要がありますと、私はそう申し上げて、それはそうだと、こういうことで今日に至っているということであります。
#157
○富岡由紀夫君 そうですね、名前だけ公表したらいいということを言ったんじゃなくて、ちゃんと説明もしなさいということをお話しされたわけですよね。総理、どうですか、名前だけじゃなくて説明もしなさいと。
#158
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 前の話ね。分かりました。
 まず最初に、この種の話は言葉じりだけつかまって話がどんどん飛びますので、ちょっと富岡先生、きちんとしておかないかぬところがあると思いますので。
 まず、午前中、午前中のオフレコ発言が誤って報じられたと私が発言をしておるんですが、あのオフレコの発言について、漆間副長官の記憶と記者の受け止め方の間にはずれがあったというのが正確なところだと思っております。いずれにしても一般論なんだと思いますが、先ほどの、今お話がありましたように、誤解を招きやすい発言だったということだったという、私はその内容を全然詳しく知りませんから、誤解を招きやすい発言であったということは不適切だから、官房長官としてそこのところはきちんとした方がいいのではないか、たしかそういったことを言ったと記憶いたします。
#159
○富岡由紀夫君 言葉じりをとらえるわけじゃないんですけれども、今も漆間副長官のお話が誤って報道されたというふうにおっしゃいましたけれども、これはやっぱり誤って報道されたという認識は今も変わっていませんか。
#160
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 重ねて答弁をさせていただくようで恐縮ですが、オフレコの発言について私が誤って報じられたと午前中申し上げたという点を言っておられるんだと思いますが、漆間長官の記憶と記者の記憶と受け止め、記憶かどうか知りません、受け止めとの間にずれがあったということを意味しておるとお答えいたしております。
#161
○富岡由紀夫君 二十人の記者の前でお話しされて、二十人はみんなそういうふうに認識したのに、一人だけ違う認識をしていたという説明ですよね。これで十分説明責任が果たされたというふうにお考えでしょうか。
#162
○内閣総理大臣(麻生太郎君) この中を見ますと、随分内容は違っておると思いますね。自民党には絶対及ばないと書いてある新聞社もあります。こういうのはちょっと普通じゃないんじゃないかなと思ったりもしますけれども、これ受け止め方は随分違うんだと思っておりますので。
 少なくとも、そういったことで二十人の意見と一人と言いますが、官房副長官の後ろに三人秘書官もおられたという、秘書官がいた記憶をみんな足しておるわけですから、少なくともそういった方々の話と少し違うのは、一人だけの記憶ではなくて三人の副長官の秘書官に確認を取ったと先ほど言われたと思いますので、その上での話だと思います。いずれにしても、受け止め方の違いにずれがあったということだと理解しておりますが。
#163
○富岡由紀夫君 時間ももったいないので、ちょっともう一度確認しますけれども、今はオンになったというふうに考えてよろしいんですか、発言の内容はオンになったと、今日の説明でオンにされたと。漆間長官の発言に、今日の説明によってその先日の五日のときのオフレコ発言がオンになったというふうに考えて整理してよろしいんでしょうか。
#164
○国務大臣(河村建夫君) この場合のオンという意味が、そのオフレコ会談でやられたことをそのままオンにするということは現実にはあり得ないことで、ただ、今日ここで説明されたことはもうまさにオンになっているわけですから、それを受け止めていただくことだというふうに思います。
 それから、私もこういう受け止め方は何でこんなに違っているのかという思いもいたしまして、一部マスコミの皆さんの意見も、報道についても聞いてみました。ただ、マスコミの皆さんおっしゃるのは、あの場合は、自民党に及ぶんではありませんかという質問をしたと、それに対しての答弁だからそういうふうに取ったんだと。ただ、ただ、そのときに副長官は一般論としてお述べになった、そこに考え方の大きな違いがあったためにこういうふうにずれたんだと、こういうことでありますから、そこのところはやっぱりきちっと説明をする必要があると、自分の本意ではないということをきちっと説明される必要があるんだと、こういうことを申し上げて、やはりさっきも、午前中の御答弁でも、捜査について述べるべきでなかったと、こうおっしゃった。まさに、僕はそこのところが、そこを一歩自分の体験的なことを述べられた、そこが不適切だったということで誤解を招くと、こう申し上げたわけでありますから、そこのところはきちっと説明されるべきだと、そういうことで、今日の、出席をしてきちっと説明した方がいいと、こう申し上げたわけであります。
#165
○富岡由紀夫君 この問題は、例えばこれは定例の記者会見、これからもずっとされるわけですけれども、その中で記者の皆さんと明らかにされるおつもりはあるんですか。これは漆間官房副長官にお伺いしたいと思います。
#166
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 今日、午後三時から、私、定例記者会見がございますので、その場で私がその三月の五日にどういう趣旨の発言したということについてしっかりと御質問に答える形でお答えしたいというふうに思っています。
 いずれにしても、月曜日と木曜日に記者会見があります。定例の記者会見がありますので、いずれの場でもこれはオンできちっとお話ししたいと思っています。
#167
○富岡由紀夫君 いずれにいたしましても、是非マスコミの皆さんとどっちが本当のことを言っているのか、明らかにしていただきたいというふうに思っております。
 じゃ、本題に入りたいというふうに思っております。
 今度、財政問題について質問をさせていただきたいと思います。
 財務大臣にお伺いしたいと思いますが、今、今回この二十一年度予算を審議されているわけですけれども、二十年度の補正予算、そして今年度の予算も大量の国債を発行しております。これは財政赤字を更に拡大しているわけですけれども、今、国と地方の債務残高、トータルで幾らあるのか、二十一年度末の見込みを教えていただきたいというふうに思っております。
#168
○国務大臣(与謝野馨君) 平成二十一年度末における国と地方の長期債務残高は八百四兆円、対GDP比で一五八%になると見込まれております。我が国の財政は主要先進国の中でひときわ厳しい状況にございます。この債務残高は、財政運営の観点から、将来の負担ともいうべき長期の債務について、その利払い、償還、債務償還が主として税財源によって賄われる債務を集計したものであり、一時的な資金繰りを目的とする政府短期証券及び資金運用先から回収金によって利払い、償還を行われる財投債は含まれておりません。
 仮に、国と地方の長期債務残高に今申し上げました政府短期証券と財投債の発行残高見込額を加えますと、平成二十一年度末で一千六十九兆円と、一千兆円を超えるということでございます。
#169
○富岡由紀夫君 あれ国民一人当たりで割るとどのぐらいになるんでしょうかね。これ八百数十万円になると思いますけれども、この規模というのは大変な問題だと思っているんですけれども、与謝野大臣の、この財政赤字の規模について、国際的な水準から見てどのように認識されているのかお伺いしたいと思います。
#170
○国務大臣(与謝野馨君) 結局、今の世代が使った、あるいは使うお金を後の世代の方の負担に回しているということも言えるわけでして、辛うじて我が国の財政が守られているのは長期金利が非常に低いということのおかげであると思っております。
 しかしながら、財政の持続可能性というものを我々考えていかなければなりませんし、その財政の持続可能性を図る中で年金、医療、介護等の制度も持続可能になる、このことを忘れてはなりませんし、特に少子高齢化社会を迎え、社会保障関係費が増大していくということが確実である中で、いつまでも今の財政状況を放置するということは、私は無責任なことであると思っております。
#171
○富岡由紀夫君 国際的な比較をした場合、日本の状況はどのような水準だというふうにお考えですか。
#172
○国務大臣(与謝野馨君) 各国の債務残高とそれぞれの国が持っているGDPを比較した数字がございますが、日本は一年間のGDP比に対しまして一五八%、アメリカは七八%、イギリス六四、カナダ六六、ドイツ六六、イタリアで一一四、フランス七六、スウェーデンは四一、日本だけ際立って高いことを御理解いただきたいと思います。
#173
○富岡由紀夫君 じゃ、どうしたらいいとお考えですか。日本はどうしたらいいとお考えですか。
#174
○国務大臣(与謝野馨君) これは、四つのことを組み合わせなければできないと思っております。
 それは、一つは無駄の排除、行政改革を含めて歳出削減をできる限りやるということ。それからもう一つは、やはり歳入の面で税制の抜本改革をやって、日本のいろいろな制度の持続可能性を図っていく歳入改革の部分。しかしながら、この二つだけでは多分目標は達成できないわけでして、やはり日本の経済が順調に成長していくということにも懸けなければなりませんし、もう一方では、金融情勢としては日本政府あるいは日本の中央銀行たる日本銀行に対する社会の信認というものを確保しながら長期金利を一定水準以下に抑えていく努力、この四つが必要であると思っております。
#175
○富岡由紀夫君 いろいろな国際的な基準で比較の仕方はありまして、IMFベースとかOECDベースとか、いろいろ国の債務の残高のとらえ方が違ってくるんですが、大まかに言うと日本もアメリカも大体千兆円ぐらいの借金を持っているということですね。
 片や日本はGDPが五百兆。五百兆に対して千兆の借金。アメリカはGDP千四百兆ぐらいですか、千四百兆に対して千兆の借金。これだけ違うわけですね。アメリカのオバマ政権が財政出動をしていろいろな景気対策を打っていますけれども、置かれた状況が違うと思います。日本とアメリカが同じような財政状況なのか、なら日本も同じような対応が取れるかと思いますけれども、私は決してそうじゃないというふうに思っております。
 今、与謝野大臣がお話ありましたけれども、具体的に日本の歳入不足というか、財政赤字の問題、総理はどのようにとらえて、今後どのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
#176
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今基本的な考え方として、歳出削減の話、歳入改革の話、そしていわゆる経済成長をしなきゃならぬ話、またいわゆる円というものの信用、中央銀行の信用等々、これは、基本的な考え方というのは四つは同じだと思っております。
 ただ、優先順位の付け方として、今我々としては、この三番目に申し上げた経済成長、景気対策、経済というものが今目先大事だということで、景気が当面の一番の問題、続いて中期的には財政再建という、私のところでいえば、あえて言わせていただければ、優先順位の付け方がそういう順にしておるというところは基本的には同じですけれども、今触れられなかった点を言わせていただければその点だと存じます。
#177
○富岡由紀夫君 これは総理でも財務大臣、どちらでもいいんですけれども、具体的に、経済成長はいいとして、第二段目の改革といたしまして歳出削減と歳入改革、それぞれ幾らぐらいの規模で行う予定なのか、計画をお持ちなのか、教えていただきたいと思います。
#178
○国務大臣(与謝野馨君) 幾らぐらいの規模かと言われると大変難しいんですけれども、例えばプライマリーバランスに到達するために幾ら掛かるのかという計算をしても、昨年で十一兆ありましたから今年は更に増えております。ですから、絶対額は多分、歳入改革やりますと十五兆前後のものを確保しないと恐らくプライマリーバランスも到達できないというふうに考えております。これは非常にラフな直感的な数字なので、大体その辺ではないかなと思います。
#179
○富岡由紀夫君 十五兆というのは、具体的にどこでお考えなのか、何税でお考えなのか、教えていただきたいと思います。
#180
○国務大臣(与謝野馨君) 今回の税法の附則には税制抜本改革のことが書いてございます。この中でやはりすべての税目について一定の改革の方向が書いてございます。法人税は、簡単に申し上げると国際的な動向を考えよう、所得税は最高税率のことも考えよう、格差是正のことも考えよう、所得再分配のことも考えよう、これが書いてございまして、それから、法人税、所得税についてはそうですけれども、消費税については、やっぱり消費税を社会保障費に直結するような物の考え方、今後の消費税を仮にお願いするとしましたら、それは社会保障に充てると、そういう考え方をにじませた附則になっております。したがいまして、それプラス相続税あるいはその他の諸税、こういうものを全部まとめて税制改革をしなければならない時期が来る。
 ただ、なぜ今やらないのかという御質問がありますけれども、今は経済状況からいってとても税制の抜本改革を国民にお願いできる状況ではないというので、経済回復後にということで、経済回復後にお願いをし、かつ、国民生活や経済にショックを与えないように段階的にこれを実現していくということもうたっているわけでございます。
#181
○富岡由紀夫君 今、法人税、所得税、そして消費税、お話しされましたけれども、それぞれのところで大体どのぐらいの規模で歳入改革をお考えなのか、教えていただきたいと思います。
#182
○国務大臣(与謝野馨君) 額は分かりませんけれども、消費税というのはどのぐらい実力のある税金かと、一%でどのぐらい実力があるのかといいますと、おおむね一%相当で二兆五千億から二兆八千億ぐらいと推計されます。三年後にどのぐらいの実力を持っているのかといえば、恐らく二兆五千億から二兆八千億ぐらいのことだろうというふうには想像はできます。
#183
○富岡由紀夫君 法人税と所得税はどのような実力があると考えていますか。法人税と所得税。
#184
○国務大臣(与謝野馨君) 税率というのは、経済の動向、国民生活の動向、また国会における物事の考え方、そういうことによって決まるわけでして、私がここでにわかにすべての税制の税率の上げ下げをまだ云々するところまでは議論は進んでいないと思っております。
#185
○富岡由紀夫君 法人税は上げるんですか、下げるんですか、どちらなんですか。
#186
○国務大臣(与謝野馨君) 税制の抜本改革をやるときに、多分、消費税という項目があったときに、下げると思っている方はどこにもおられないんじゃないかなと思っております。
 法人税は国際的な動向を見て考えるということですから、ベクトルは下向きになっていると思いますが、実際そうなるかどうかはそのときの経済状況によると私は思っております。
#187
○富岡由紀夫君 歳入改革十五兆をやろうとすると、兆円単位で税収増が図られるのは消費税と、あと考えられるのは多分法人税ぐらいしかないと思うんですよね。所得税とか相続税、さっき最高税率の見直しのことをお話しされたんだと思うんですけれども、最高税率を少し戻すといったことをやっても数百億円とか数千億円単位しか税収増にならないわけです。ですから、そこだけじゃ十五兆には全然行きません。そうすると、消費税だけでやるのか、若しくは法人税を考えた歳入改革をしないと、日本の財政バランスの赤字を解消することはできないと私は思っております。
 国際的な比較をして法人税を下げろ下げろという声がありますけれども、今法人税を納めているところというのは非常に厳しいわけですけれども、景気が回復した後も法人税というのは、やはり非常に、何というんですか、力のあるところはたくさん収益上げているわけですけれども、そうじゃないところはなかなか納めたくても黒字にならないところが非常にいっぱいあるんですね。だから、税の担税力というか、負担するところを考えると、そういった税を納める力のある大企業、利益をたくさん上げているところにはやっぱりそれ相応の負担をしていただかないと私は日本の歳入改革というのはできないというふうに思っているんですけれども、与謝野大臣はどういうふうにお考えですか。
#188
○国務大臣(与謝野馨君) 今法人税を納めておられる法人数というのは全法人の三割でしかないという問題があります。もう一つは、よその国の法人税というものはやっぱり物を考えるときに参考にしなければならない。これは、やはり国際競争力の面で同じ土俵に立つという必要性も言われているわけです。
 一方、消費税率をどうするのかというそのお答えは現時点ではできませんけれども、他の国の消費税率がどうなっているのかといえば、日本と同じ消費税率は台湾だけでして、お隣の韓国は既に一〇%になっておりますし、スウェーデンを理想の福祉国家と言われる方は多いわけですが、この消費税率は二五%。結局は、総理が言われました中福祉中負担というのは一体いかなる社会かという、その社会の基本をやっぱり国会で議論をしていただかなければならないと私は思っております。
#189
○富岡由紀夫君 法人税は私は体力のあるところは負担してもらう方向に考える必要があると思っております。
 例えば、直近の財務省さんの資料で見ますと、法人税収、これ平成十八年度までが集計されているそうですけれども、五十一兆円の法人税収があるということでございますけれども、そのうちの七割、三十五兆円が法人所得が十億円以上の企業からなんですね。十億以上の利益を上げているところが法人税収の約七割を日本は占めているということです。だけど、それ以外のところ、十億未満の企業は、税収に、納めたくても利益が上がらなくて納められないところも含めてそういったところはたくさんあるわけです。
 十億以上の利益を上げているところには法人税の負担をしていただくべきだと私は思っておりますけれども、その数がどのぐらいあるかというと、わずか五千八百社しかないんですね。二百六十万社のうち〇・二%の企業だけが莫大な収益を上げていて、そこで法人税収全体の七割納めているということでございます。極めて一部の企業だけが利益を上げているというのがこれは実態からも分かるかというふうに思っております。
 だから、余りそこの、一部の〇・二%の企業の言うことだけを聞いて法人税を下げろ下げろと、さっき言った社会保障の問題とか、トータルで考えた、国際比較をしないで、それにうのみにする必要は私はないというふうに思っております。やっぱり法人税が、一部の大企業は利益を上げているけれども、下請企業、中小企業は全部搾り取られているというのが今の実態ですから、これを変えない限り私は日本の景気全体の底上げができないというふうに思っております。
 こういった下請いじめについて、どのようにしたら解消できるというふうに大臣はお考えですか。一部の大企業だけが利益を集中的に上げる、ほかの企業がなかなか利益を上げられない、これを改善するいい方法は、何かお考えお持ちでしょうか。
#190
○国務大臣(与謝野馨君) 大変難しい御質問ですが、今先生言われたように、法人税を下げても多分ちゃんとした設備投資とか研究開発投資とか従業員の給与とか、こういうことに回していただければいいんですけれども、配当に回してしまわれるのでは、何のために法人税を減税したかという意味があると思っております。
 いずれにしても、法人税の税率を下げるということは、やはり海外との同一平面、同一の土俵で戦うというただ一点が法人税を下げるときの理屈でして、やっぱり国際競争力という観点からのみ私は許されることなんだろうと思っております。
#191
○富岡由紀夫君 国際競争力ということでずっと法人税を下げられてきたわけですけれども、例えば二十年前と比べて法人税率が四三%、四三・三%から二十年間で今三〇%まで引き下げられました。十八年度ベースで法人税収を比較してみると、もし一三・三%下げられなかったら約六・七兆円法人税収が増えていたことになるんですね。ところが、法人税を下げたことによって六・七兆円法人税収が下がったと。その六・七兆円が研究開発に行ったのか、そういったところに、労働者の賃金に行ったのかということだったらいいんですけれども、実はそうじゃないんですね。この二十年間で配当金が三・二兆円から十六・二兆円に十三兆円も増えているわけですよ。六・七兆円法人税を下げて、その分十三兆円が配当金として、それを上回る金額として株主に行ってしまったと、従業員の給料は上がっていないということが私は問題だと思っているんです。
 企業から言われるだけでそれをうのみにするんじゃなくて、中身をよく精査していただきたいというふうに思いますが、大臣と、そして総理大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#192
○国務大臣(与謝野馨君) 先生おっしゃるとおりでございまして、やはり法人税率を下げてきたのは会社が活力を持って活動できるようにしようという意図でございまして、やはりその間配当性向はどんどん高くなる、労働分配率は上がらないと。これは我々が望んだ世界ではないと、そう思っております。
 やはり研究開発費も減税いたしましたし、やはり企業の責任は、設備投資を行い、なるべく働く方々の賃金を上げると、そういうことでないと私は理屈は通らないものと思っております。
#193
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今の企業の利益、それがいわゆる税金というんで、バブルの一番景気いいときでも日本の会社で税を納めていたのは五割なかったと記憶するんですね、今は悪くて三割ですか。ですから、基本的にこの国は長いこと法人税というものは半分の会社しか払っておられなかったという歴史で、その背景、分析についてはまた別にいろいろ御意見があるんだと存じます。それがまず第一点です。
 二つ目には、今国際競争力と言われましたけれども、これはすごく大事なことで、本社をどんどん海外に移されるというのはこれは断固避けにゃいかぬ、これは物すごく大事なところだと思って、企業は国を選ぶということになりかねぬ時代というのは十分に頭に入れておいて国としては対応していくというのは必要なことだと思います。
 傍ら、今減った分だけ配当率また労働分配率でいけば、私ども社長していたころは、三十何年前は労働分配率七五、六%あったと思いますが、今は六十幾つまで下がっていると思いますので、そういった意味では考え方が随分変わってきた点が一つ。もう一つは、やっぱり株式上場の関係で株価というものにえらくみんな関心を持たれて、配当率を上げられるということで配当性向が極めて高くなっていったのが我々のころと違う、我々というのは三十年ぐらい前と違うところで、あのころは一割配当すりゃ、株価に対して、額面に対して一割配当というような感じはそれでよしというイメージが随分変わっていったのがこの十年間ぐらいの間かなという感じはしますので、いろんな意味で世の中の流れというものがあったんだと思いますが。
 いずれにしても、法人税というものを国際比較で見るときに、今御指摘のあったような点、また与謝野大臣が答弁された点などなど十分に考慮した上で決められるべきものだと存じます。
#194
○富岡由紀夫君 法人税率と、そういった企業が海外に移転してしまっている、若しくは海外の移転企業がもし日本の法人税下げたら戻ってくるかといった内容の調査を経済産業省さんはしていると思いますけれども、その点についてどういうふうに御認識されていらっしゃいますか。
#195
○国務大臣(二階俊博君) お尋ねのアンケートでありますが、私たちの方では、平成十九年の九月の時点でありますが、アンケート調査をいたしております。
 仮に法人実効税率を国際水準並みの約三〇%まで引き下げたとしても、既に海外に進出している企業の約七割は国内に回帰しないという回答をしていることは事実であります。
 そこで、他方、この調査におきまして七二%の企業が法人税負担が重いと、こういう回答を寄せておるわけであります。また同時に、経団連及び経済界の皆さんとのいろんな意見交換の中で法人税率を引き下げてもらいたいという声が非常に強いということ、これも我々は参考にしておるわけでありますが。
 今後、ただいま与謝野大臣から基本的な方向性といいますか今後の取組について御答弁されたとおりでありますが、企業の四〇%が移転理由として税負担を含めた公的負担ということを挙げているわけでありますから、今後におきまして国際競争力の観点ももちろん踏まえて検討を総合的に進めてまいりたいと思います。議員の御指摘の意見は大いに参考にさせていただきたいと思います。
#196
○富岡由紀夫君 法人税率を四割の企業が考えて海外移転を考えているという話ですけれども、それは複数回答のうちの四割ですので、ちょっとその辺はよく御説明していただきたいと思います。
 それと併せて、下請いじめ対策というかそういったことについて、経済産業省さん、あと今日はあれですか、公正取引委員会さん、もしいらっしゃれば、今、現状についてお伺いしたいと思います、それぞれ。
#197
○国務大臣(二階俊博君) こうした不景気の状況が続きますと必ず下請にしわ寄せが及ぶということは想像が付くわけでありまして、我々は今回の景気対策の上において、今議員御指摘の下請いじめということがないようにという点で随分配慮をしてきたつもりであります。
 今議員もおっしゃっておりましたが、我々は公取とも十分連携を取って、下請代金支払遅延防止法の精神にのっとりしっかりした対応を行う。同時にまた、下請問題についていろんな御心配、御意見を持っておられる方々がいつでも相談にお越しになれるように、いわゆる駆け込み寺と、こう称しておるんですが、そうしたものを設けて、弁護士等については無料相談に当たれるような体制を取って下請の皆さんを保護する面で対応しておりますし、どうしても我々の説得が通じない場合には公取委において断固とした対応をしていただくと、こういうことで取り組んでおります。
#198
○委員長(溝手顕正君) 公取は来ていない、呼んでいない。
#199
○富岡由紀夫君 済みません。
 ちょっと与謝野大臣に、先ほど、もう一度戻るんですけれども、いろいろと財政赤字の改革で、長期金利の問題があるというお話されていたんですけれども、今、長期金利、これから各国がいろんな債券を発行しようとすれば金利上昇圧力が非常に高まってくるというふうに思うんですけれども、金利が上がったときにどうなるか。これ、二十年度予算ベースで、資料五なんですけれども、ちょっと試算をしたケースがあります。今の日本の国債の、平成二十年度の国債の残高ベースで計算した数字です。
 今、国債の平均加重金利というのが一・四一%ですか、非常に低金利で、これ資料四にありますけれども、推移しているので、国の一般会計予算が九・数兆円で、九・四兆円ですか、今年度は済んでいるわけですけれども、これが三%、五%、七%になると金利の利払い費だけで資料五のようになるわけですね。七%になると三十八兆円も利払い費だけで飛んでいってしまうと。だから、八十数兆円の予算がそのうちほとんどすっ飛んじゃうということになるわけですから大変な問題だと私は思っているんですけれども、この問題についてどういうふうにお考えですか。
#200
○国務大臣(与謝野馨君) 私、先ほど先生にお答えしましたように、日本の財政が辛うじてもっているのは長期金利が低いからであって、先生が御指摘のように、利払い費をこういうふうに上昇すると仮定しますと、日本の財政はもう立ち行かなくなると。
 今、長期金利が一・三%前後、それで十年物を出しておりますけれども、今のところは消化できるわけです。それから、資金の出し手の方も、政府は財政規律をきちんと取り戻すであろうと、そういうことを前提に政府を信用されていますから長期金利は上がらないんですけれども、仮に少しでもお金の出し手が政府に対する信認を失えば長期金利も上がるわけですから、我々は財政規律を守るというその姿勢を強く堅持しないといけないと思っております。
 借換債だけでも百兆前後、毎年実は出しているわけで、金利の上昇がすぐには効いてきませんけれども、少なくとも借換債を含めた新しい国債には即効いてくるわけですから、七%などという世界は想像したくもありませんけれども、各国の長期金利は日本よりはるかに今も高いと、これを忘れてはならないことだと思っております。
#201
○富岡由紀夫君 この財政改革というのは金利上昇の爆弾を抱えているというふうに思っておりますので、是非、対応を早めに手を打たないといけないと思っておりますので、是非御検討を一緒にさせていただきたいというふうに思っております。
 それと、ちょっと話は時間の関係で飛びますけれども、尖閣諸島の問題についてお伺いしたいと思います。
 二月の二十六日の衆議院の予算委員会で麻生総理は、尖閣諸島は日本固有の領土である、それゆえ日米安全保障条約の対象になるというふうに述べられて、それに基づいてアメリカにも確認したいということで確認されたというふうに思っておりますけれども、総理はどのように確認されたと御認識していますか。
#202
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは富岡先生よく御存じのように、外交上の個々のやり取りに関しては、これはお答えというのは基本的にやらないことになっているんですが、適切な形で米国の見解に変更はないということに関しては確認を得ているということだけ申し上げておきます。
#203
○富岡由紀夫君 河村官房長官はこの件についてプレス発表をされていますけれども、どういった内容だったのか改めて教えていただきたいと思います。
#204
○国務大臣(河村建夫君) この件につきましては、さきの国会の委員会におきまして御党の前原議員の方から、改めてアメリカに確認をすべきだと、こういう御指摘がございましたので確認をさせていただいたということで、今総理が答弁されたように、アメリカの見解は従来からのものであって変更はないと。
 すなわち、一九六〇年の日米安保条約第五条においては同条約は日本の施政の下にある領域に適用されているということ、そして尖閣諸島は、一九七二年の沖縄返還の一環として我が国に返還されて以来、日本国政府の施政下にあるということで、その点が従来からの変更はなしと確認ができたと、こういうことであります。
#205
○富岡由紀夫君 ただし、その領土問題については違うんじゃないかというようなお話をされましたけれども、その点についてはどのようにお話しされましたか。
#206
○国務大臣(河村建夫君) 領土の主権の問題については、これは両国が平和的に解決されることを望むと、こういう見解であったと思います。
#207
○富岡由紀夫君 尖閣諸島は日本の施政下にあるんだけれども、領土問題とは別ということですか。それがちょっとどうもよく分からないんですけれども、施政下にあるのに領土じゃないというふうに受け止められかねない説明なんですけれども、どうでしょう。
#208
○国務大臣(河村建夫君) アメリカの見解は、尖閣諸島の最終的な主権については立場を有していないと、こういう表現でありました。我々は、この問題は権利を主張している当事者の間で平和的な手段により解決することを期待すると、こういうことでありますが、しかし、日本国政府の施政権下の下にあるということは明確にいたしておるところであります。
#209
○富岡由紀夫君 二十六日の衆議院予算委員会で麻生総理は日本の領土だというふうに宣言されていますけれども、この点について総理は見解の訂正か何かございますか。
#210
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは、竹島、北方四島を含めて皆日本の固有の領土であると主張しているということを重ねて申し上げたと記憶しますが。
#211
○富岡由紀夫君 今の発言と、さっきおっしゃいました領土問題については平和的に解決してくれといったアメリカの見解、官房長官はどのように整理されていらっしゃいますか。
#212
○国務大臣(河村建夫君) もう一度申し上げますけれども、尖閣諸島に対する日本の国の立場は今総理述べられたとおりであります。そして、これまでアメリカも尖閣諸島をめぐる日本の立場ということはこれまでやり取りを通じて十分承知をいたしておると、こういうことでありまして、それで、さっき申し上げましたように日本の立場は明らかにしており、尖閣諸島をめぐる他国との間で解決すべき領有権の問題はそもそも存在しないと、こういうことを日本政府としては確立しているところであります。
#213
○富岡由紀夫君 ちょっとまたよく整理をさせていただきたいと思います。
 ちょっと時間の関係でまた飛びますけれども、今日は関係大臣においでいただいていますのでちょっと質問をさせていただきたいと思いますけれども、漢字能力検定協会という協会がありますが、これはどういったところなのか、具体的な中身、問題点も含めて御説明いただきたいと思います。
#214
○国務大臣(塩谷立君) お尋ねの日本漢字能力検定協会につきましては、漢字検定を毎年各級において実施しているところでございまして、現在多くの受講者がいるということで、いろいろ問題点は、かなり利益を得ているというような形で、ここ数年来その利益をどう使うか、あるいはその内容等、私どもとしても指導をしてきたんですが、現状において利益の使い方あるいはその他の事業の展開の仕方等、運営の仕方等、幾つか問題点が指摘されているところでありまして、現在のところその内容を精査しているところでございます。
#215
○富岡由紀夫君 具体的な中身についてお伺いしますけれども、先日、この協会の貸借対照表をいただきましたけれども、現預金、これ幾らぐらいあるんですか。ちょっと教えていただきたいと思います。現預金、資産の残高です。
#216
○国務大臣(塩谷立君) 現預金、これは三月三十一日の対照表でございますが、十二億六千九百万、ごめんなさい、十二億六千九百十七万二千四百十二円でございます。済みません。
#217
○富岡由紀夫君 ちょっと聞こうと思ったんですけど、お気の毒なので申し上げますと、特定資産としてほかにも現預金資産があるんですね。これは何を買うのかよく分かりませんけれども、そういうのをトータルすると五十八億九千六百万円の現預金があるというのがこの貸借対照表であります。
 この五十八億九千六百万もためた会社がどうやって利益をそこから出しているかというと、ファミリー企業に出しているという報道ですよね。この理事長がやっていて、理事長の息子の企業に毎年仕事を発注して資金を、利益の移転をやっているということですけれども、この辺の実態について教えていただきたいというふうに思っております。
#218
○国務大臣(塩谷立君) 取引関係の実態につきましては、漢検の代表者と役員が代表しているところが四社ございまして、そことの取引について具体的に不適切な取引等があるということで新聞等にも報道されておりまして、そのうち二社、この二社については、具体的には株式会社メディアボックス、そして文章工学研究所という、取引については必要性も含めて問題があるということで認識をしておりまして、現在、具体的に更に詳しく今精査をしているところでございます。
#219
○富岡由紀夫君 これ公益法人ということで非課税になっているわけですね、公益事業については非課税になっていると。そこが六十億近くの現預金をためて、自分の、理事長の息子の会社に全部仕事を出して利益を付け替えていると。息子はレーシングカーにいろんな投資をしたり、いろいろやっているということでございます。
 公益法人というのはどこまで管理できるのか甚だ疑問だと思うんですけれども、公益法人を管理している今の日本の、公益法人についてどのように見ているのか。非課税のそういった恩恵を与えているわけでございますけれども、その中身をちゃんとチェックしているかどうか非常に疑問に思いますけれども、その点についてその担当大臣にお伺いしたいと思います。公益法人を担当する大臣にお伺いしたいと思います。
#220
○国務大臣(野田聖子君) 甘利大臣の所管でありますけれども、私も公益法人の制度の方を担当させていただいておりますので、一般論になるかもしれませんが、今現在、それぞれの主務官庁が指導監督基準を持っておりまして、それぞれの公益法人が適切に運営されているかどうかについては監督しておられ、そうでない場合にはしかるべき指導がなされるものと了解しておるところです。
#221
○富岡由紀夫君 ちょっと消化不良なんですけれども、時間が参りましたので、この後は次の議員に譲りまして、私の質問は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#222
○委員長(溝手顕正君) 関連質疑を許します。藤田幸久君。
#223
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
 麻生総理、私は麻生総理が総理大臣になっていただいて本当によかったと思っている理由があります。それが捕虜問題でございます。捕虜問題というのは、ポツダム宣言及び吉田総理が調印をされたサンフランシスコ講和条約に裏付けをされた戦後日本の外交の礎でございます。したがいまして、この捕虜問題について大きな進展を進めていただくには、私はやっぱり麻生総理をおいてほかにはない、そんな立場の総理であるというふうに理解をしております。
 そんな立場から御質問させていただきたいと思いますけれども、この捕虜問題の対応がこのポツダム宣言及びサンフランシスコ講和条約で日本政府に課せられているわけであります。戦後の日本の外交の基礎になっておるわけですが、その内容は何か、それから日本はそれをいかにその後実行してきたのか、その二点について、まず総理にお伺いしたいと思います。
#224
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 日本としては、これはさきの大戦にかかわる賠償並びに財産及び請求権の問題につきましては、サンフランシスコの平和条約及びその他関連する条約に従って誠実に対応をしてきたところだと考えております。これらの条約などの当事国との間では、個人の請求権の問題も含めて法的には解決済み、御存じのとおりです。
 その上で、さきの大戦にかかわる政府としての認識につきましては、我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、元捕虜を含め旧連合国諸国を含む多くの国々の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたとの歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを平成七年及び十七年の内閣総理大臣談話を始めとして、これまで様々な機会に一貫して表明をしてきたところだと理解をいたしております。
 また、このような反省の上に立ちまして、関係国、関係者との和解に向けて、日本は一九九五年より関係諸国との間で平和交流事業を実施してきた、御存じのとおりであります。
#225
○藤田幸久君 ポツダム宣言におきましても、捕虜問題を含む戦争犯罪について対応ということがございますので、それも時間がないので私の方から申し上げておきますが、そのポツダム宣言の受諾というものがサンフランシスコ講和条約以前にあったということを、御存じでしょうけれども指摘をしておきたいと思います。
 しかしながら、この捕虜問題というものが、やはりその戦後外交のいろんな意味でとげとなってきたという背景から、私はこれを是非解決に向けて努力を払っていただきたいと思っておりますが、これは去年の十一月にも私質問いたしましたが、二〇〇六年の十一月に、麻生当時の外務大臣でございますが、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン、ニューヨーク・タイムズの姉妹紙でございますが、この新聞において麻生鉱業の捕虜使役に関する記事が出ました。これに対する反論をニューヨークの日本総領事館のホームページに掲載するよう麻生外務大臣が公電で指示をしたというふうに外務省から書面で報告をいただいておりますけれども、麻生外務大臣はある意味では当事者であります。したがって、外務大臣であると同時に、麻生大臣御自身の、御家族にとっても名誉と責任を懸けた内容だろうと思いますけれども、それをあえてこのホームページまで掲載をする、公電まで打って指示をした、その理由は何か、お答えいただきたいと思います。
#226
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 藤田先生、これは三回目の御質問だと思いますんで、同じようなことの答弁しか申し上げられないので大変恐縮ですけれども、御指摘の報道は、さきの大戦中に我が国企業における強制労働などについて扱ったもので、その一部に旧麻生鉱業についての記述が含まれていたと承知をいたしております。
 当該記事につきましては事実誤認など種々含まれておりましたので、外務省が通常業務の一環として在ニューヨーク総領事館のホームページに反論を掲載したというのが経緯であります。こういう報道記事に対する反論というのは、必要な場合にはこれは随時に行っているところであって、別に異例なものだったというように考えておるわけではございません。
#227
○藤田幸久君 私が麻生総理にこの件で質問をしたのは今回が二回目でございます。多分ほかの方々がいろいろ質問したんだろうと思いますが、まあそれはさておき、ただ重要なことは、いろいろなことが書かれたニューヨーク・タイムズの記事ですけれども、この麻生鉱業に関して外務省のホームページでは、強制労働に関与したという情報は得ていないと断定した上で、ニューヨーク・タイムズがエビデンス、証拠なしにこのような批判を行うことは極めて不当であるというふうに書いてあるわけですね。したがって、実はこの麻生鉱業に対する捕虜の存在が分かった途端に今度はこれを削除しているわけですから、やはりこの事実関係というものは非常に大きかったんだろうと思うんですけれども。
 それで、このホームページ、全く不当であるというふうに言っているわけですけれども、しかも、そのニューヨーク・タイムズ紙に対して根拠もないのに失礼だと言っているわけですが、ということは外務省で根拠があったということだろうと思うんですが、これは麻生鉱業には聞いたけれども情報がなかったというような答弁がほかの議員に対してございましたが、これはやはり外務省のホームページとして、外務大臣御自身が外務大臣に関係した企業に関して反論をしているということは、これは外務省として当然のことながらエビデンスを得て反論のホームページを掲載しなければこれは不自然であると思いますが、どういうエビデンスを外務省は得てこの反論記事を書いたのか、その証拠を挙げていただきたいと思います。
#228
○委員長(溝手顕正君) 外務省ですか、藤田さん、外務省。
#229
○藤田幸久君 ただ、大臣御自身が公電でホームページを変えられたんですよね。当時の外務大臣ですよね。
#230
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 委員長。どちらでも、どちらでも結構なんで、御指名のあった方をいただければよろしいんで。藤田先生がこちらと言うんであれば、こちらで答弁させていただきます。
#231
○委員長(溝手顕正君) 麻生総理大臣。
#232
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 当時、外務省において必要な確認を行って、その時点で得られた情報に基づいて行ったのは当然であります。当該記事においてなされております必要な確認を行ったということですけれども、外務省の部局間で事実関係及び対応部について確認を行った上での話であろうと存じます。
 その当時は、御存じのように、厚生労働省においてこの種の資料が保管されている事実は我々には知らされておりませんでした。報道記事への対応という限られた時間の枠内で素早く可能な調査を行ったということであります。しかし、結果として関連資料が厚生労働省の部内で存在をしていたということが判明をいたしまして、当時の対応としては必ずしも政府全体としては十分ではなかったと認めざるを得なかったのではないかと思っております。
#233
○藤田幸久君 厚労省だけのせいではなくて、これ、捕虜の問題、外交関係は外務省が元々終戦のときからGHQの機関も含めて対応していたわけですから、これ、厚労省の資料が、知らなかっただけでは済まない。そして、政府全体とはおっしゃいますけれども、総領事館でホームページを掲載するということは政府全体の話だろうと思いますので、政府全体であるという話も承服が難しいですけれども、先に行きたいと思います。
 これも別の議員が質問した件です。
 峰崎委員が予算委員会で今年質問されたんですが、二〇〇七年の六月に久留米工業大学のアンダーウッドという講師が麻生外務大臣あてに手紙を出したということでございます。これが資料の@でございます。今日は資料をたくさん、十五枚ほどお配りしておりますが、この一枚目の資料が麻生外務大臣あてで議員会館あてに行っております。
 これは、この一枚目の手紙に加えて、二枚目、三枚目にございますところの、この麻生鉱業が杉山陸軍大臣に対して捕虜を三百人派遣してほしいというふうに要請をした十六枚の文書のうちの二枚入れてございます。これは、私自身が麻生総理にそもそもこの件について御質問をしたときに付けた二枚でございます。
 アンダーウッドさんは、麻生鉱業によるこの文書、それからもう一つGHQの文書を添えて麻生事務所の麻生外務大臣あてに送ったというふうに言われておりますけれども、と同時に、最近分かったことですが、この同じ二種類の文書を真崎さんという九州のやはり大学関係者の方が麻生事務所の飯塚事務所の秘書の方に、このアンダーウッドさんが麻生外務大臣に手紙を出す以前に、飯塚ですか、福岡の方でジョイフルというレストランでこの文書を渡しているというふうに聞いておりますけれども、そうすると、麻生事務所の、少なくとも外務大臣になられたときに国会の事務所と福岡の事務所と両方でこの文書を受け取ったというふうに相手方の当事者は言っておりますが、大臣は受け取っておられなかったんですか。いかがでしょうか。
#234
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 私自身は、当時外務大臣だったということですけれども、御指摘の文書を受け取ったという記憶は全くありません。
 一方、確認をさせていただきました。私の事務所の秘書が当時アンダーウッドという人から文書の写しを受け取ったことがあったということであります。ただし、受け取った文書の写しは真正な旧麻生鉱業あるいはGHQの文書であるか否かについては全く確認はできなかったとの認識であります。また、当時事務所としては、旧麻生鉱業関係者、もう大分年取っておりますんですが、アンダーウッド氏にも丁寧に対応し、可能な限りの対応をさせていただいたということも言っております。
 なお、当時事務所におきまして、アンダーウッド氏より送付のあった文書の写しが旧麻生鉱業の真正な文書であるかを含め、旧麻生鉱業関係者に照会を行いましたが、関連する情報を見出すことはできなかったと承知をいたしております。事務所では毎日、御存じのように、数多くの連絡や情報を各方面からいただいておりますんで、それを一つ一つ私のところに報告することは困難であろうということは御理解いただけるところだと存じます。また、その前年、米国メディアで報道された案件であったということは事実でありまして、自分にも報告がなされるべき事案であったのではないかと思っております。
 いずれにしても、この本件は確実な根拠に基づき確認する必要がある問題と考えておりますが、昨年の厚生労働省の調査によりまして、旧麻生鉱業において連合軍捕虜を労役させていた事実が旧政府自身の資料で明らかになったと承知をいたしております。
#235
○藤田幸久君 そうしますと、確認をしますが、この十六ページのうち二枚、今日コピーを付けております、昨年十一月にこれを提示をして、それから総理の方で調査をしていただいて、厚生労働省の方でほかの書類が発見をしたので、この真正さというものを確認されたということですが、ということは、この書類自体は事務所で受け取っておられたと。だけれども、その真正さを確認するのに、その段階においてはいろいろ関係者に聞いたけれども、これが真正な文書であるということの確認が取れなかったということでよろしいですね。
#236
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 極めて古い資料で、これ正直、我々のところで、御存じのように、これ片仮名で書いてある、ずっと、かなり古い資料でして、正直申し上げて、これが確認できるかといえば、昭和二十年の話でして、残念ながらこれ関係者で生きているという人がおりませんので、正直申し上げて、これについての確認が取れたと、これが間違いなく麻生鉱業株式会社鉱業所のものであるという資料と確認ができているわけではございません。
#237
○藤田幸久君 時間がないので申し上げますが、これ、社印でございます、麻生鉱業の。Aページ。それから、社用便せんでございます。それで、これ、現物は赤い判こが押してあるそうでございます、アメリカの国立公文書館にあって。
 それから、厚生労働省来ていると思いますけれども、厚生労働省はこの書類そのものが真正だということ以上に、ほかの数十ページの厚生労働省の中にある資料とこの内容が一致しているので真正であるというふうに政府として認めたというのが十二月であります。したがいまして、この社印等々の確認においては、当時の方で恐らく生きている方はいたけれども話ができなかったんだろうと思いますが、この真正さを確認する方法は私は多々あったんだろうということを指摘して先に行きたい。ですから、私は確認できなかったというのはやっぱり確認をする意思がなかったんではないかというふうに申し上げて先に行きたいと思います。
 次に、今度は二月二十七日の私の質問主意書に対する答弁書で、二〇〇六年に実は麻生鉱業に自分たちはいたんだというオーストラリア人の捕虜の方がオーストラリアの国営放送、ABC放送、NHKに当たるんでしょうか、のようなテレビでインタビューして、自分は麻生鉱業の捕虜としていたんだよということを証言をされ、当時のジ・エイジとかジ・オーストラリアンというオーストラリアの有力紙、全国紙に取り上げられて報道されたんです。
 少なくとも、外務省の在外公館、キャンベラかシドニーか分かりませんけれども、外務省にこういう実は捕虜の人が存在しますよと、テレビに出ていますよという報告は外務省にしたというふうに答弁書では言っておりますけれども、当時の外務大臣までその報告は来たんでしょうか。
#238
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今お話のありました二〇〇六年、御指摘の報道について報告を受けたという記憶は全くございません。
#239
○藤田幸久君 時間があと四分しかないですね。
 ちょっと先に行きますが、この外務大臣自体にかかわることがこれだけ報道されてテレビにも出ていながら、当時の外務大臣に直接関係あることが報告をされないと。当時の外務報道官だろうと思いますけれども、事務の取扱は。私は極めてこれは遺憾な話で、本当はこれ外務大臣としてほうっておけない話だろうと思いますけれども、ちょっと先に行きたいと思います。
 それから、実は麻生百年史という本があります。これは麻生総理が発行者兼編集委員長として出版された本でございます。これだけの莫大な資料であるわけですけれども、これを読んでみると、しかもこのCページを見てみますと、編さん委員会には当時の鉱山に関係していた方々がたくさん入っておられるけれども、この捕虜収容所については一切記載がない。ところが、年表を、Dページを見ていただきますと、九州のほかの炭鉱には捕虜収容所があったということが、ほかの炭鉱、三つ、四つ、五つぐらいのところには書いてあるんですね。ほかの炭鉱に捕虜収容所があったといいながら、御自身の炭鉱に三百人も捕虜がいたのにそれを記載していないと。それから、この本の中では、朝鮮人労働者とか中国人捕虜のことは記載しているけれども、肝心の御自身のところについて私は書いていないというのはこれはおかしい。知っていないはずがないと思いますけれども、なぜこの百年史に出版者兼編集委員長として記載をされなかったのか、その理由についてお答えいただきたい。
#240
○内閣総理大臣(麻生太郎君) この麻生百年史というのは、私がたしか社長に就任した昭和四十八年、麻生が創業百年と、明治から数えて百年ということで創業記念として出版をさせていただいた。その年に私、社長になりましたので、麻生百年史が発行されましたその当時のことで、私自身、社長にはなっておりますけれども、その編集内容について、巻頭文を書いた記憶はありますけれども、その編集に関して、中に関して私がかかわったことがありませんので、正直申し上げて当時の事情に関しましては不明であります。
#241
○藤田幸久君 歴史に残ることですから、これだけ重要なことについて書いていないということはやはりこれは歴史的にも大変まずいんではないかと思う。何か意図があるのかなと思いますけれども。
 時間がないんで、私は先週、麻生炭鉱の桂川町に行ってきました。当時の捕虜の方に会った人も結構おりました。若い子供たちでありました。捕虜の方が出てきていろいろな工作作業に当たっているとか、終戦があった後、いろんな物が下りてきて、米軍の方から、それを物々交換に、チョコレートと卵とか、ガムと鶏とか、そういう実際たくさんの人が見ているんですね。それから、その当時の捕虜の方々の状況は写真等々も入れておりますけれども。
 それで、実は今私が確認しているだけで四人ぐらい生きていらっしゃいます、オーストラリア、九十歳前後。私は三人の方と電話でお話をいたしました。当時の状況についていろいろと聞き出しました。
 それで、その三名の方から麻生総理あてに二月の段階で手紙が出ております。この九ページにございますけれども、御覧になっていないですかね。英語の原文と、H、それからその和訳を付けてございます。
 それで、これは三人の方から総理に三つのことを言っていらっしゃる。私はなかなか配慮のある手紙だろうと思っているんですけれども、一つは、この六十四年間にわたって真実を無視したことに対する謝罪をしていただきたいということと、いわゆる補償とかいうことよりも世界の規範にのっとった形で不正義を償う形での対応をしてほしいということでございます。
 私は、なかなかこれだけ苦労された方々が、九十歳の数名の方々が今生きていらっしゃるということは、私は貴重な話だろうと思っています。消された年金で、額は分かったけれどももらえないまま亡くなっていった方を想定いたしましたけれども、私は是非一つ提案を申し上げたいけれども、是非総理は、この三名、四名の方で可能な方を日本にお呼びいただきたい、そしてその方々と和解の交流をしていただきたい。私は、そういうことの方がはるかに意味のあることであるし、私は、総理、いつまで総理でいらっしゃるか分からないけれども、そういう形をされた場合には、私は歴史に残る、これ捕虜問題というのは国際スタンダードで非常に重要な外交関係であります。今年は国連の和解の年であります。是非そうした思い切った対応をお願いをしたいと。是非、このお手紙にどうこたえられるのか、そして私の、具体的には三名あるいは四名を日本にお呼びいただいて交流をしていただきたい、そのことについてお答えをいただきたいと思います。
#242
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これはきちんと藤田先生しておかないと、これはいろいろなものが混線をいたしますので少々堅苦しく申し上げないといかぬところだと思いますので、最初に答弁を申し上げたのとまた重なると思いますが、さきの大戦にかかわります賠償及び財産及び請求権の問題につきましては、サンフランシスコの、先ほど講和条約と言いましたが、あれは平和条約が正しいんですが、平和条約及びその他関連する条約に従いまして誠実に対応してきたと、我々としては政府としてそう思っております。これらの条約などの当事国との間におきましては、個人の請求権の問題も含めて法的にはすべて解決済みであるというのが基本的なこの種の話の一番の問題点としてきちんとしておかにゃいかぬところだと思っております。
 他方、先ほどお答えをいたしましたとおり、政府として、元捕虜の方々を含め旧連合国諸国を含む多くの国々の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたとの歴史の事実というものを謙虚に受け止めて、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを、平成七年及び十七年の内閣総理大臣談話を始めとして、これまで様々な機会に一貫して表明をしてきたところであります。
 日本として、関係諸国との信頼関係というものを強化するために引き続き誠実に対応していくと、まずこれが基本であります。その上で、元捕虜の方々というのを日本という国に、オーストラリアに限らずいろんなところから外務省としてこれまで呼んでお話をさせていただいておるというのは外務省でやってきている事業の一環でありますので、その事業の一環としてということで検討をさせるということは可能でありますが、私の麻生鉱業にいたからといって恣意的にすることはできませんのは当然のことだと存じます。御理解をいただきたいと存じます。
#243
○藤田幸久君 その部分が重要だろうと思いますので、申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#244
○委員長(溝手顕正君) 以上で富岡由紀夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#245
○委員長(溝手顕正君) 次に、鰐淵洋子君の質疑を行います。鰐淵洋子君。
#246
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、官房長官にお伺いいたしたいと思います。
 西松建設の違法献金事件につきまして、当初、民主党側からも国策捜査ではないかとの指摘がございました。漆間官房副長官がもし報道各社が伝えたような内容を発言したとすれば、この問題について内閣が捜査の動向に関与しているかのように取られかねません。事実はどうなのか、改めまして官房長官の方から御説明を願いたいと思います。また、あわせまして、この副長官の発言をどのようにとらえて、どのように対応されたのか、お伺いしたいと思います。
#247
○国務大臣(河村建夫君) お答えいたします。
 既に当委員会で漆間副長官も答弁をいたしておりますが、官邸側から検察側に働きかけを行ったり、捜査の予定であるとか見込みについて情報提供を求めるということ、こういう事実はございませんし、またあり得ないことであると考えます。
 それから、一方、副長官のことでありますが、オフレコの懇談ではございました。一般論であったということで説明があったところでありますが、しかし誤解を招きやすい発言であったわけでありますから、この点については極めて遺憾であるということで、私の方は厳重に注意をしたところでございます。
 御案内のように、検察当局は、これまでも常に法と証拠に基づいて、不偏不党、厳正公正を旨として、その調査対象がだれであっても刑事事件として取り上げるべきものは取り上げる、この姿勢で対応してきておると考えております。
 だから、このことが否定されるような発言がですから政府側から出るということはもうあり得べかざることであって、これからもそういうものだと、このように確信をいたしておるところであります。
#248
○鰐淵洋子君 続きまして、法務大臣にお伺いをしたいと思います。
 政治家にかかわる事件の捜査が内閣の意向により万が一にも左右されるようなことがあっては絶対にならないと思いますけれども、本件の違法献金問題につきまして検察としてどのような対応をされているのか、御説明を願いたいと思います。
#249
○国務大臣(森英介君) 捜査機関の活動内容にかかわる事柄でございますのでお答えを差し控えさせていただきますが、なお、申し上げるまでもないことですが、検察当局は、これまで常に法と証拠に基づいて、不偏不党かつ厳正公平を旨として、その捜査の対象がどなたであれ、刑事事件として取り上げるべきものがあればこれを取り上げて適切に対処してきたものであります。
 検察が御指摘のような政治的な意図あるいは外部の圧力によって捜査を行うことは決してあり得ないと確信をしているところでございます。
#250
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 今回の西松建設の違法献金問題につきましては、今後の推移を見守りまして、政治とお金の問題について立法府として対応すべき点がありましたら、我が党としましてもしっかりと対応していきたいということを申し上げまして、次の質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、総理の方にお伺いしたいと思いますが、青年、子供たち、これをどのように育成していくのか、これによりまして今後の日本の方向性も決まってくるかと思っております。そういった観点から、まず青少年対策につきまして総合的に、また具体的に質問させていただきたいと思っております。
 総理は、昨年の臨時国会、また本国会におきまして、施政方針演説におきまして、「ニートや引きこもりなど困難を抱える若者を支援するため、新法を作ります。」、このようにおっしゃいました。それが青少年総合対策推進法であるかと思いますけれども、まずこの法案策定に至ります総理のお考えと、またこの法案の具体的内容につきましてお伺いいたします。
#251
○内閣総理大臣(麻生太郎君) いわゆるニートとか引きこもりとかいろんな表現がありますけれども、それぞれ難しい、なかなか折り合いが付かないとか友達ができないとかいじめられるとか、いろんな背景はあるんだと思いますが、少なくともこういった少子化の時代の中にあって自立できないというのは、これは国全体としても、これはその本人はもちろんのことですけれども、御家庭にとっても、我々国にとっても社会にとっても、少なくとも自らのきっちり足で立ってもらう。
   〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕
 そういったようなことでは、これは社会全体として、とにかく足りなくなる、少子化だというんであれば、これはなるべくそういった人たちが自立できるように支援をするという社会全体の意識みたいなものが涵養されないとなかなか出てこない、何となく落ちこぼれでアウトというような感じじゃ全然前に進まないと、私自身はそう思っております。
 そこで、今回の法案、いわゆる若者支援法というような言葉で言われますけれども、この育成の施策というものを国と地方公共団体、国の場合少し遠過ぎますので、市町村等々地方公共団体の方が近くにおりますので、ああ、だれだれさんの子供というのが分からぬわけじゃありませんので、そういった意味で公共団体の仕事として位置付ける必要があるのではないか。
 そして、自立というものに困難を抱えている若者の支援のため、いわゆる関係機関、団体、これは何も公共団体に限りませんよ、NGOとかいろんな、町を明るくする、社会を明るくする何とか会とかいろんなのがございますので、そういった団体を、個別にやっておられますが、これネットワーク化するといろいろ随分効率も良くなるし、えっ、あの子おたくのすぐ近くなんですが実は、というような話ができますので、早朝野球の会とか剣道青少年育成会、もう実にいっぱいございます、今。そういったものを総合的にネットワーク化して相談、助言を行う。また、そういったことをやっている人たちのためには、市として、また町として何らかの形で支援をする、そういったようなことを考えられるようなものを考えたらどうかなというのが基本的に背景にございました。
#252
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 官房長官の記者会見があるということでございますので、御退席していただいて結構でございます。ありがとうございました。
 以前、私も、足立区のあだち若者サポートステーション、視察をさせていただきました。あだち若者サポートステーションです。足立区です。この地域では、今総理からも御説明していただいたような、地域一体となりまして連携を取って若者の自立を支援をしていこうということで、地域のネットワークを既に整備をされて取り組んでいる、そういった地域を視察をさせていただきました。
 こういったネットワークは大変に理想的なもので、こういったものが各地域で整備されていくことは大変に重要なことではあると思いますが、しかし様々課題がございまして、その一つといたしまして、やはり人材の確保、育成が大きな課題になるかと思います。
 そこで、具体的に担当大臣、小渕大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、こういった教育、医療、福祉などの専門分野の方、また何よりも熱意のある方に携わっていただかなければいけないと思いますが、こういった人材をどのように確保して育成していくのか、国としてどのように支援をしていくのか、担当大臣にお伺いいたします。
#253
○国務大臣(小渕優子君) お答えをいたします。
 委員御指摘のように、若者の支援に携わる人材をしっかり育成していくということは大変大事な観点ではないかと思っています。私も先ほどお話がありましたあだち若者サポートステーションに行ってまいりましたし、有識者の方やまた支援にかかわる方々といろいろな懇談を通じて、何が必要かということ、また問題点を探ってまいりました。
 若者にかかわる人材というのは、やはり幅広い知識が必要です。それとともに、やはり同じ気持ちを持つという意味では共感力、また熱意のある人材をしっかり養成していかなければなりません。しかし、そうした支援する方々を支援する体制というものがこれまでやはり不十分だったということで、支援する方々というのは本当に経済的なことも含めて大変厳しい中でこうしたサポートにかかわっていただいているという問題点がありました。
 三月六日に提出いたしました青少年総合対策推進法案におきましては、こうした人材の養成の必要性を法律上しっかり明確に位置付けさせていただいたところであります。内閣府におきましても、相談員の養成プログラムを作成するとともに、モデル事業を実施しているところであります。
 今後、こうした取組を充実させ、青少年の支援にかかわる人材の育成に一層努めてまいりたいと考えております。
#254
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先ほども、ニート、フリーターに対する支援ということで総理の方からもお話ございました。このニート、フリーターになった方の原因といいますのは個々に違うかと思います。先ほどお話ありましたとおり、いじめだったり、また学力の問題だったり児童虐待、そのほか、最近ですと両親の所得とか学歴、そういったものも影響しているという、そういった御指摘もあるわけでございます。
 しかし、そういった中で、こういった分析、検証は全くないわけでございまして、是非ともこのニート、フリーターの自立と同時に、ニート、フリーターになる前のその支援、ならないで、本当に一人一人がそれぞれが活躍できる、そういった青少年の育成ということが大事ではないかと思っておりまして、そういった意味で、しっかりと様々青少年の置かれている環境、分析をしていただいて、検証をしていただいて、そういった一人一人が個性を発揮できるような青少年の育成ということで、是非とも今回の法案にあります推進大綱の中にも重要課題として取り上げていただきたいと思っております。
 この点につきましても、担当大臣にお伺いをしたいと思います。
#255
○国務大臣(小渕優子君) ニートや引きこもりの背景としては、やはり幼少期に受けた虐待や学生時代のいじめ、また不登校、中退等、そうしたことが存在するということが指摘をされています。こうした問題は、対応が遅ければ遅い分だけ状況が深刻になっていくため、早期に発見し、対応していくことが何よりも重要なことだと考えています。このため、昨年の十二月にまとめた青少年育成施策大綱におきましては、こうした早期発見、早期対応の仕組みをしっかりとしていくように強化をしたところであります。
 また、高校を中退した方々、中学校の不登校になった皆さん方というのは、やはりどこにも所属をしない、だからといってニート、フリーターになって、ニートや引きこもりになっているというわけではない。そういう方々が実際どうしているのかということで、現在内閣府におきまして、そうした必要な施策を検討するために緊急の追跡調査を行っているところであります。また、成長段階に応じた様々な体験、交流の機会を充実することにより、青少年の成長の支援にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#256
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 頑張りたいけれどもそういう気持ちが起こらない、また、そこまで追い込まれているような環境があったり課題があるのであれば、そういったことを改善していくのが私たちの役割でもあると思いますし、そういった意味で、今様々述べていただきましたけれども、引き続きこの課題につきまして検証していただきたいと思っております。
 続きまして、喫緊の課題につきまして質問させていただきたいと思いますが、まず、厚生労働大臣、お願いしたいと思います。
 我が党におきまして、雇用生活相談の窓口、様々視察をさせていただきました。そういった中で、様々御意見をいただきましたので、具体的に要望させていただきたいと思いますが、まず、この職員と相談窓口の増加を図っていただきまして、待ち時間の短縮に努めていただきたい。そのほか、土日、祝日、夜間にも相談できるような体制をお願いしたい。また、どこに相談すればいいのか分からないという、そういった声を多数いただいておりますので、電話の相談窓口、これを一本化をしていただいて、解決のきっかけとなる情報を案内する雇用一一〇番、こういったホットラインを創設していただきたい、これを検討していただきたいと思っております。
 今後、雇用情勢の悪化が進むことが予想されておりますので、更により一層の相談体制の充実を要望いたしますが、厚労大臣の御見解をお伺いいたします。
#257
○国務大臣(舛添要一君) 大変この雇用相談、ニーズが高まっておりますので、まず、一次、二次補正予算で相談員を千三百人増員するということで今待ち時間の短縮に努めております。それから、人口二十万人以上の都市、県庁所在地などの利用者のニーズの高い地域において平日の夜間とか土曜日に開庁するということで対応しておりますとともに、ハローワークインターネットサービスというので、これはパソコンからアクセスしてインターネットで御相談をできますので、二十年一月だと、例えば千百三十四万件という、若者の皆さんを含めて相当のアクセスありますし、それからキャリメールということで、パソコンや携帯サイトとのいわゆる相談もあります。
 今、雇用一一〇番のようなものを創設したらどうかというお話でありましたけれども、雇用の相談というのは、やっぱり一人一人いろんな状況がありますから、是非窓口に来ていただいて、フェース・ツー・フェースでじっくり、そのための相談員もおりますので、そういう入口としてさっき言ったインターネットなんかも含めてやりたい。これは私は、やっぱり雇用相談というのは対面できちっとやるという形で対応したいと思っております。
#258
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 大臣が指摘されたように、対面式が一番望ましいかと思いますが、その以前の問題で、どこにどう行ってどうすればいいのか分からないという方が多数いらっしゃいますので、そういった意味での対応策ということで、これは引き続き要望をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、国交大臣と厚生労働大臣にお伺いしたいと思いますが、この若者の自立を促す支援といたしまして、就労支援等は大変に重要なことでございますけれども、この生活の基盤であります住宅が確保できてこそ就業にもつながりますし、また就業の継続にもつながると考えております。最近ですと、非正規労働者が解雇と同時に住居を失ったという問題もございましたし、またそのほか、所得が余り高くない若い世代にとっては、住宅費の占める経済的負担というのは大変に大きいものがあると思っております。
 そういったことから、私は、この若者の自立を促すためには、住宅のセーフティーネット、若い方の住宅セーフティーネットの強化充実を更に進めていただきたいと思っております。
 あわせまして、雇用と住宅、この連携も更に強めていただきたいと思っておりますが、この課題につきましてそれぞれ御答弁をお願いしたいと思います。
#259
○国務大臣(金子一義君) 若者向けの住宅セーフティーネットの充実強化、住宅政策上の重要な課題だと認識しております。
   〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕
 公営住宅の空き家の若年単身、UJIターン希望者向け住宅としての活用など、公営住宅のストックの活用が円滑に行われますよう、公営住宅の使い方を幅広くする手続を先月、二月の二十七日に講じたところであります。
 それから、今御指摘の雇用と住宅のセーフティーネットということで申し上げれば、雇い止め等で住居を失う若年派遣労働者等の居住の安定確保に向けまして、都道府県の住宅部局の情報、ですから、住宅部局の担当者、電話番号、連絡先、それが主要のハローワークで共有されるよう、つまり、ハローワークに行けばその地域の地方自治体の住宅の関係の人に連絡が取れるように情報を提供すると。
 同時に、今度は、地方自治体の住宅部局に対しまして、道府県の労働局とハローワークとの連携強化してくれよということを、特段の配慮をこの点に関しまして要請するなど、住宅施策と雇用施策との連携を図ってきたところであります。
 全般として、若者向け、子育て世帯向け公営住宅、あるいは単身世帯を含む多様な世帯向けの賃貸住宅のストックの充実に向けましては、地域住宅交付金等を通じまして公的賃貸住宅の供給を支援してまいっているところであります。
 公的賃貸住宅ストックの充実、特に有効活用、さらには雇用施策との連携等を通じまして若年世代の生活の安定確保が図られるように努めてまいりたいと思っております。
#260
○国務大臣(舛添要一君) やっぱり住居の確保というのは極めて大事なので、それで、まず雇用促進住宅、これずっと入居あっせんしまして、三月五日現在で四千七百十五件あっせんいたしました。それから、おうち借りたいという方に資金を融資する、この就職安定資金融資、やはり三月五日段階で四千百五十二件。それからもう一つは、社員寮なんか、住み込みで仕事があると。これ、例の正月の日比谷の派遣村五百人に対して私は四千人分の求人票を持っていった。職をいとわなければ四千人分、今日から仕事があって住み込みできる、住居もあると、こういうこともやっています。
 それから、おかげさまで第二次補正予算通していただきましたから、この中で、緊急雇用創出事業、これ一般会計から千五百億円持っていきますけど、これ使いまして都道府県に求職者総合支援センターというのを設けます。我がハローワークから一人そこに、一人というか、人員を配置しますので、言わばワンストップサービスで、その各都道府県の拠点であります求職者総合支援センターにいらしていただくと、ハローワークの人間がそこにいて、仕事もそうであるし、住居も見るということで、言わば皆様方から、これは与野党を問わず御要望ございましたワンストップサービス的なもの、今回の補正予算でできることになりましたので、こういうことを御活用いただいて、我々も就職ということとともに住居に対しても全力を挙げて御支援していきたいと思っております。
#261
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 続きまして、大麻問題について質問させていただきたいと思います。
 大学生などの若者が大麻取締法違反容疑などで逮捕される事件が相次いでおりまして、先週も高校一年生が現行犯逮捕されたということで、そういった報道もございました。この大麻汚染の広がっている背景、原因の一つといたしまして、大麻取締法におきまして種子が規制の対象になっていない、また大麻の使用がないから、そういった指摘がございます。これらの指摘につきましてどのような御見解をお持ちか、またどのように取締りを行っているのか、厚生労働大臣にお伺いをいたします。
#262
○国務大臣(舛添要一君) これはいい質問をいただきまして、ありがとうございました。
 法に不備があるから大麻の取締りができないというような誤解があると思います。私も克明にこの大麻取締法、種子の提供者、それから種子の購入者、調べてみましたけれども、現行法体系ですべて取り締まることができます。
 例えば、これは不正使用で、譲受けとか所持の段階で使用に至る前、使用に至る前持つわけですから、そこで取り締まれる。それから、本人が持っていなくても、回しのみというか、これも共同所持という概念でそういう連中も取り締まれる。それから、種についていうと、種をまく前であっても不正栽培の予備行為としてこれは種持っていれば処罰が可能でありますし、それから、例えば譲り渡す側も不正栽培の幇助、不正栽培のための種子の提供罪として処罰が可能でありまして、最近の例で具体的な取締り申し上げますと、インターネットなんかを通じて観賞用として大麻の種子を販売していた者、これが不正栽培の幇助罪として摘発されておりますので、これで最近相当の効果が上がっております。
 このように、大麻の不正使用、不正栽培への種子の取締りについて、現行法をきちんと適用すればその取締りが可能でありますので、これは警察含め取締り機関と十分連携を図りつつ、現行法の規定を最大限活用することによって、今大きな問題となっている大麻について徹底的な取締りをしたいと思っております。
#263
○鰐淵洋子君 分かりました。是非よろしくお願いしたいと思います。
 そのほか、意識啓発活動、これが大変に重要になってくるかと思いますけれども、やはり大麻に手を染めてしまった方は、少しぐらいなら大丈夫だろうとか、友達がやっているからとか、そういった軽い気持ちでやってしまったということをよく伺っております。引き続きまして、小中学生への意識啓発、教育の取組、それと併せまして高校生、大学生も更に充実をしていただきたいと思っております。これも、各世代に合った対応ということで、一律に行うのではなくて、各世代に合った対応を是非ともお願いしたいと思っております。
 あわせまして、青少年の皆さんに影響の大きい団体とか業界の皆さんにも御協力をいただきまして、この広報啓発活動、より一層力を入れていただきたいと思いますが、この点につきまして厚労大臣と文科大臣にそれぞれお伺いいたします。
#264
○国務大臣(舛添要一君) これは子供たちの発達段階に応じてやる必要がありますので、まず全小学六年生の保護者に対して、すべての保護者に対して大麻を含めた薬物乱用についての啓発読本を配っております。それから、全中学一年生に対して大麻等の違法薬物についての予防啓発リーフレットを配付する。それから、来年度からは、大学等に入る前の段階での啓発を強化するため、高校生、学年何年にするか今検討中ですけれども、これに対して大麻、覚せい剤に重点を置いた啓発教材を作成、配付するということをやる予定でございます。
 それからまた、地域における啓発活動が必要でありますので、薬物乱用防止キャラバンカーを全国の小中学校に運行しておりますし、それから、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動の実施等を行っているところでございますので、これはまた文部科学省とも協力しながら、徹底的な啓発活動を行っていきたいと思っております。
#265
○国務大臣(塩谷立君) 文部科学省としての薬物乱用防止について、今厚生労働大臣からお話ございましたように、協力して行ってまいりたいと思っておりますが、まずは授業を通じた薬物乱用防止の指導の徹底、そして二番目としては、小学校五年、中学校一年、高校一年の各段階で、すべての児童生徒に行き渡るよう薬物乱用の危険性等を解説したパンフレットの作成と配付、そしてすべての中学、高校において薬物乱用防止教室を開催すること、さらに平成二十一年度においては、新たに大学生向けの啓発資料を作成し、配付するための経費を計上しているところでございます。
 小中高大と、それぞれの発達段階に応じた薬物乱用防止に関する指導が行われるよう努めてまいりたいと思っております。
#266
○鰐淵洋子君 健全な青少年の育成という観点からも、是非この問題、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 次に、斉藤環境大臣に子供の健康と環境について質問させていただきます。
 環境省におかれましては、子どもの健康と環境に関する全国調査、これを実施をするということになりまして、この円滑な推進を是非ともお願いしたいと思っておりますが、しかし、この調査の結果を待ってからでは対応が遅いのではないかと思っております。
 東京都におきましては、一九九七年のG8環境大臣会合、マイアミ宣言を受けまして、独自に化学物質から子供たちを守るためのガイドラインを策定をしております。このように、予防原則の考え方に立ちまして、この問題につきましては更に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
#267
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 子供のいろいろな化学物質やいろいろな物質に対しての感受性は大人よりもはるかに高い、このように言われております。したがいまして、これまででも分かった事柄に対してはきちんと対応しようということで、例えば、今、鰐淵委員のおっしゃった東京都のガイドラインや、それから環境省といたしましても、子供、胎児を化学物質の暴露から守るための化学物質管理戦略、また二十一世紀環境立国戦略等を作ったところでございます。
 しかしながら、まだ基本的な科学的なデータが少ないということで、来年度から数万人規模で大規模な疫学調査をやることになったところでございまして、今年度から予備調査を始めております。そういうことで、きちんとした科学的なデータを集めて、それに基づいてやりたいと思っておりますが、今、鰐淵委員の御質問は、それも当然やるんだけれども、分かったところからすぐにいろいろガイドライン等を出してほしいという御質問かと思います。分かったところからいろいろな対策を打っていきたいと思います。
 例えば、今は予備調査で子供の高い感受性のリスク評価に関する研究というのをやっておりますが、いろいろなことをやっておるんですが、例えば親御さんや学校の先生などにその恐ろしさをどう子供たちに伝えるかという研究も予備調査でしておりまして、もうじきこれが出てきます。そういうことをできるだけ早く具体化して、手を打てるものは打っていきたいと、このように考えております。
 御質問の趣旨を体してしっかり対応していきたいと思います。
#268
○鰐淵洋子君 是非積極的にお願いしたいと思います。
 次に、総理にお伺いいたします。
 イギリスでは、人的資本形成への支援はコストではなく投資、こういった考え方で、青少年対策、育成につきまして、中長期的、また戦略的に取り組んでおります。冒頭も申し上げましたが、日本の将来を考えるのであれば、青少年の育成につきまして、教育、就労、医療など総合的に、また戦略的に取り組んでいく必要があるかと思っております。
 総理におかれましては、改めてこの青少年に懸ける決意と、また具体的にどのようにされていくのか、その点をお伺いをしたいと思います。
#269
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 青少年若しくは子供の話と高齢者の話というと、何となく高齢者の話の方が物すごく、話題としては両方大事な話にもかかわらず、えらくこちらの側の方の、高齢者の話の方がよく語られると思いますが、私は、こちらの方は実は物すごく大きいのではないかというのが率直な実感です。
 少子化というのはすごく大きいと思っているんですが、日本の場合は、今特殊合計出生率、一・三二ぐらいになっているのかな。だから、そういった意味では、私どもとしては、こういった部分というのは、少ない少ないと言うけれども、これは韓国やら中国に比べりゃ高いと思いますね、一・一とか一・幾つですから。その意味では、高いからいいんだという話をされるから、全然違いますよという話は私はよく申し上げるところなんです。これはすごく大事なところだと思っています。
 幸いにして、日本の場合は幼児の死亡率というのが千人で多分日本は三ぐらいだと思いますね。日本より低いところは先進国じゃあるかな。フランスが四ぐらい、アメリカが七ぐらいという、ちょっと漠とした記憶ですけれども、大体それぐらいだと思うんですが、これはすごく日本にとって大事なところです。
 この問題は、死亡率が少なかったんだから、この人たちの育っていく過程で、ちょっと具合が悪くなる、今の大麻に限らずいろんなところでということになるところが国としては非常にもったいない話なんだと思いますし、社会としてもせっかくというところもあると思いますので。これはどこが問題かといえば、これは多分みんなそれぞれいろいろ問題で、昔はこんなになかったと。
 確かに、昔は兄弟が多い、私なんか六人兄弟おりましたので、もう母親なんか子供の名前なんかしょっちゅう間違えるぐらいいましたので、別に驚くことはなかったんだと思うんです。ところが、今は子供は一人っ子というのが多くなってくると、それはもう大事大事になってくるのが一つ。核家族が増えているから、じいちゃん、ばあちゃんと何とかとか、いろんな方が教育の話になったら、一億二千万総評論家みたいな感じになってみんなおっしゃいますので、これはなかなかいろんなことを総合してやらなくちゃいかぬところなんだということをまず考えていく。
 教育だから文部省という、僕はそういう話じゃないんじゃないのかと思っておりますものですから総合的にということを申し上げたというのが背景なんで、是非こういったものを、何となく家庭だけに任せておけばいいとかなんとか、とにかくだれかに任せておけばいいという話の種類ではないので、是非総合的にということを考えたのがこの背景でありますので、鰐淵先生がおっしゃっていること、ほぼ私なりに理解しているつもりですけれども、そういったことを考えて、国全体としてこういったものに取り組んでいく姿勢が大事なんだと思っております。
#270
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非、今後とも青少年の皆様の声を直接また聞いていただきまして、それぞれの悩みだったり不安、また逆に、本当に将来に対する希望を持って頑張っていらっしゃる方もいらっしゃいますし、そういった意味で、一人一人の声をまた聞いていただいた上でそれを反映する対策を是非ともお願いしたいと思います。
 次に、外務大臣にお伺いをいたします。
 女性差別撤廃条約選択議定書が批准に向けてどのような取組状況なのか、我が国の状況をお伺いしたいと思います。
#271
○副大臣(橋本聖子君) 女子差別撤廃条約選択議定書を始め、人権に関する様々な条約で規定されている個人通報情報制度については、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から注目すべき制度だということを考えられております。ですが、一方では個人通報を受理した委員会の見解と、もう一方での我が国の裁判所の確定判決の内容が異なる場合などがありまして、その結果、やはり慎重に検討すべきであるというふうな指摘もあります。司法制度との関連で問題が生じるという、そういった指摘がやはりかなりあるものですから、個人通報制度の受入れの是非について、真剣かつまた慎重に検討をしていきたいというふうに思っております。
 そして、今年は特に女子差別撤廃条約の採択から三十年の年に当たりますし、またこの選択議定書の採択から十年ということで、ちょうど節目の年に当たるということもありまして、我が国としても早急にこの選択議定書を批准すべしというふうな要望が様々な団体ですとか様々な方々から寄せられてきております。このことの要望をしっかりと認識をしながら引き続いて検討を進めていく所存でございますので、先生もよろしくお願いいたします。
#272
○鰐淵洋子君 総理も御存じかと思いますが、OECD加盟諸国の中でこの選択議定書を批准していないのは日本とアメリカだけでございます。アメリカはオバマ大統領がこれを批准するということで既に公言をしておりますので、今後、我が国の動向が更に注目されるかと思っております。
 この女性差別撤廃条約選択議定書の批准は、人権、民主化、平和構築などの分野で今後更に我が国が貢献をしていくための基盤づくりにもつながるかと思っております。そういった意味で、一刻も早く批准すべきと考えております。是非とも前向きな対応をお願いしたいと思います。総理、いかがでしょうか。
#273
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今この難しさにつきましては橋本副大臣の方から御指摘のあったところなんで、これは裁判所と意見が違ったときにどうするかという話が一番なんで、これは更に検討していかなくちゃならぬところがいっぱいあるんだと、基本的にはそう思っております。
 その中で、いわゆる第二次男女共同参画基本計画か、あれに基づいて計画的に今推進しているんですが、少なくとも各種の国際文書というものがいろいろございますので、そういったものを踏まえて施策というのをやっていかないと、そごができるとかいろんなことになります。
 いずれにしても、今後とも、いわゆる男女の差別というものが、すべての個人の能力とか個性とかいうものが十分に実現できる社会というのが肝心なところだと思っておりますので、こういったものが実際的にできるに当たっての支障になっておるというようなことなんであれば、そこをきちんとやっていくというのが大事なことなんで、ちょっとこの部分だけ取り上げますとなかなか難しいところがあるのかとは思っておりますが、総合的には判断をしなけりゃならぬところだと思っております。
#274
○鰐淵洋子君 繰り返しになりますが、是非とも前向きな対応ということで今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 時間になりましたので、以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
#275
○委員長(溝手顕正君) 以上で鰐淵洋子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#276
○委員長(溝手顕正君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
#277
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 まず、二階大臣に西松建設の違法献金問題について伺います。
 報道では、同社が二階大臣側に直接現金を提供した疑いがあるとされておりますけれども、二階大臣自身あるいはあなたの政治団体が西松建設から献金を受けたことはありませんか。
#278
○国務大臣(二階俊博君) 西松建設に限らず、政治資金を提供された場合には政治資金規正法にのっとって報告をいたしております。西松建設側からそういう資金を受け取った記憶はありません。
#279
○山下芳生君 麻生総理に伺います。別の新聞では、自民党有力国会議員側に十年以上にわたり総額六千万円前後の現金を渡していた、原資は裏金、裏献金という報道があります。調査すべきではありませんか。調査すべきではありませんか。
#280
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 新聞情報に基づいて個別の案件というものについてコメントをするというのは通常しないことにいたしておりますので、今の御質問については、すべきではないかと言われて、私どもとして、今その情報の源、不正確と存じますので、それに基づいて調査をするということはございません。
#281
○山下芳生君 不正確というお話でしたけれども、議員本人と一対一の場で渡したこともあったと西松建設関係者が供述していると生々しく報道されております。私は、自民党の総裁として調査し、国民に明らかにする責任があると思います。いかがですか。
#282
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 一対一に渡したという本人が生々しくしゃべろうと苦々しくしゃべろうと、我々としてはそれに基づいて直ちにそれは嫌疑になるというようなことを考えることはございません。
#283
○山下芳生君 私は、これだけ大きな問題になっているときに、総理・総裁がそういう姿勢を取っていることが政治不信を招いているということだけ指摘しておきたいと思います。
 次に、子供の貧困について伺います。
 私は、家庭の経済的な困窮によって子供の発達、成長が阻害されてはならないと考えますけれども、麻生総理の認識を伺いたいと思います。
#284
○内閣総理大臣(麻生太郎君) それは当然のことです。
 いわゆる子供の貧困率というものについての御質問なんだと思いますが、若干の改善というのはこの一年ないわけじゃありませんけど、長期的に見ると子供の貧困率というのは上昇傾向にあるという、数字ではそうなっておるように感じております。
 したがって、子供が生まれた家庭環境の差によって、少なくとも子供の一生に受ける教育とかまた将来というものが大きく左右されるというようなことは、これは甚だよろしくないのであって、そういった意味では、保育のサービスとかいろいろあろうとは思いますけれども、基本的なところは、結果論としてそういった差が出てくるというのはいかがなものかという問題意識というのは常に持っておかなければならないものだと思っております。
#285
○山下芳生君 では、現実がどうなっているか。
 塩谷文部科学大臣に伺いますが、就学援助制度の目的と制度の内容について簡潔に説明してください。
#286
○国務大臣(塩谷立君) 就学援助制度につきましては、義務教育機会均等を図る目的から設けられておりまして、学校教育法十九条において、経済的理由により、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対して、市町村は必要な援助を与えなければならないということになっております。
 この規定に基づきまして、市町村において、条例や教育委員会規則等に基づき要保護及び準要保護児童生徒を対象に学用品あるいは修学旅行費、学校給食費等の援助を実施しているわけでございます。また、国は、就学困難な児童及び生徒にかかわる就学奨励について、国の援助に関する法律等に基づいて市町村が要保護児童生徒に対して行った援助について補助を行っているところでございます。
#287
○山下芳生君 就学援助というのは、憲法上の要請であり、義務教育の命綱だと思います。
 文部科学省に伺いますけれども、一九九七年度と二〇〇六年度の就学援助受給者数、就学援助率、それぞれどうなっていますか。
#288
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
 就学援助の受給対象者数でございますが、要保護、準要保護の児童生徒を合わせて、一九九七年、平成七年度は約七十八万人、対象率は六・五七%でございました。二〇〇六年、平成十八年度は約百四十一万人で、対象率は一三・五七%となっているところでございます。
#289
○山下芳生君 就学援助を受ける子供は十年で実数、率とも二倍になりました。全国でおよそ七人に一人の小中学生が経済的理由によって就学困難と認められていることになります。
 文部科学省に伺いますけれども、援助を受ける子供がこんなに増えた要因、背景について説明してください。
#290
○政府参考人(金森越哉君) 私どもでは就学援助に関する調査を平成十八年に行っておりますが、そこでは百二十五の市区町教育委員会に対し、就学援助の受給者数の変化の要因等に関するアンケート調査を行っております。
 その結果によりますと、受給者数の増加の要因として考えられますことは、複数回答でございますが、企業の倒産やリストラなど経済状況の変化によるものが九十五、母子・父子家庭の増加が七十五、就学援助制度が知られるようになったというのが十五、就学援助を受ける保護者の意識が変化してきたというのが八などの回答を得ているところでございます。
 先ほど、それと私の答弁の中で一九九七年、平成九年と申し上げるべきところを間違って申し上げたかと存じます。訂正させていただきます。
#291
○山下芳生君 今ありましたように、倒産、リストラ、離婚など家庭の経済状況の変化で就学困難となった子供たちの学ぶ権利を就学援助制度が支えていると。とても大事な制度だと思います。
 ところが、いわゆる三位一体改革で二〇〇五年度以降、準要保護者に対する国庫補助が廃止され、一般財源化されました。当時、国庫補助の廃止で就学援助が縮小するのではないかと危惧する声に対し、中山文部科学大臣は国会でどのように答弁しておりましたか。
#292
○政府参考人(金森越哉君) 当時の国会での答弁でございますが、平成十七年三月十六日の衆議院文部科学委員会における石井郁子議員の質問に対しまして、当時の中山文部科学大臣は、準要保護の財源については、所得譲与税として税源移譲されるとともに、所要の事業費が地方財政計画に計上されて、地方交付税を算定する際の基準財政需要額に算定されることになっており、市町村における事業が縮小することはないと考えていると答弁しているところでございます。
#293
○山下芳生君 実際はどうなったか、調査結果を報告してください。
#294
○政府参考人(金森越哉君) 準要保護児童生徒の認定基準の変更の有無等について平成十七年度に調査を行いましたところ、調査を行った二千九十五市区町村等のうち、平成十七年度に準要保護児童生徒認定基準の引下げなどを行った市町村が百五市町村となっているところでございます。
#295
○山下芳生君 国庫補助廃止の初年度から認定基準が引き下げられたり支給額が減らされるなど、就学援助を縮小する市町村が生まれました。
 〇六年、七年、八年度はどうなりましたか。
#296
○政府参考人(金森越哉君) この認定基準につきましては平成十七年度に調査を行ったところでございまして、二十年度の認定基準の変更について今調査を行っているところでございます。その間の調査は現在ないところでございます。
#297
○山下芳生君 私は、三年間調査すらしなかったこと自体が無責任だと思うんですね。大阪市就学援助制度をよくする会は、毎年、大阪府下の自治体の認定基準を調査しております。それによりますと、二〇〇五年度と比較して〇八年度の認定基準が引き下げられた自治体は、把握できた二十市中十七にも上っております。大阪市が所得三百二十八万円から三百九万円に、堺市が所得二百七十四万円から二百五十九万円に下げました。多くの自治体が就学援助を縮小させております。文部科学大臣、約束と違うじゃありませんか。
#298
○国務大臣(塩谷立君) 就学援助につきましては、三位一体の改革で市町村に自治事務が課せられているということでございまして、私どもとしては、特に準要保護の認定基準は各市町村の地域の実情に応じて定めていると認識しておりまして、準要保護に対する就学援助が適切に行われるよう、都道府県に対してそれを促しているところでございますので、今年度調査をして、またその結果において指導しなければならないと思っているところでございます。
#299
○山下芳生君 市町村が判断したということですけれども、子供の学ぶ権利が保障されなくなっているときに、文部科学省は関係ないという態度でいいんですか。
#300
○国務大臣(塩谷立君) 先ほど申し上げましたように、各市町村が地域の実情でということで、三位一体の改革で、その改革に従ってこの事務が行われておりますので、また今年度の調査を進め、しっかりと対応していく予定でございます。
#301
○山下芳生君 市町村に責任転嫁しちゃ駄目ですよ。
 子供の実態どうなっているか、大阪の教師の皆さんから話を聞きました。小学校では、百円ショップでリコーダーを買ってくる子がいる、音が狂って合わないと。また、百円ショップでコンパスを買ってくる子がいる、うまく円が描けない。そんな子供たちの気持ち分かりますか。
 私は、経済的な理由でつらい目に遭う、就学困難になる子供が増えているときに、就学援助のネットを縮小する、こんな逆行はないと思いますよ。文部科学大臣、直ちに是正するよう指導すべきじゃありませんか。
#302
○国務大臣(塩谷立君) 先ほども申し上げましたように、二十年度調査を今実行しておりますので、その実態踏まえて援助に対して適切に行われるよう、これから努力をしてまいりたいと思います。
#303
○山下芳生君 適切というのは、縮小をやめさせて元に戻すというふうに指導するということでいいですか。
#304
○国務大臣(塩谷立君) 子供たちが就学できるような形に努力をしていきたいと思っております。
#305
○山下芳生君 今それが排除されているんですけれども、それを許さない、戻すんだという決意に立って文部行政をやりますか。
#306
○国務大臣(塩谷立君) 今調査して、それに対応して、しっかりと子供たちが就学できるように対応してまいります。
#307
○山下芳生君 大阪で調査したら縮小されているんです。これ、正すという立場で調査しますね。
#308
○国務大臣(塩谷立君) 何度も申し上げますように、就学できるようにしっかりと対応していきます。
#309
○山下芳生君 私は、これだけ子供の叫びが広がっているときにしっかりと正すということが言えない、これでは文部行政を担う資格がないと私は感じました。
 次に、自立の問題で、子供の貧困の問題で特に深刻なのが母子世帯であります。
 母子世帯の年間平均収入、幾らですか。
#310
○政府参考人(村木厚子君) お答え申し上げます。
 平成十八年度全国母子世帯等調査によりますと、母子家庭の平均年間収入については約二百十三万円となっております。また、母子世帯も含めました全世帯の平均年間収入で申し上げますと、平成十八年国民生活基礎調査によれば約五百六十四万円となっております。
#311
○山下芳生君 要するに、一般の世帯の三割台なんですね。めちゃめちゃ低いです。そして、もう既に八割の母子世帯は就労して頑張っております。しかしなかなか仕事が見付からないと。
 厚労省、新規求職者数、母子世帯の、〇四年度から順に報告してください。
#312
○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。
 ハローワークにおける母子家庭の母の就職支援の状況でございますけれども、今の新規求職申込件数でございますけれども、平成十九年度が十八万六千五百六十九件となっているところでございまして、平成十六年度が十三万四千七百十四件でございますので、比較いたしますと約三八・五%の増加でございます。
#313
○山下芳生君 急増しております。
 では、就職件数、今の順で報告してください。
#314
○政府参考人(太田俊明君) 就職件数でございますけれども、平成十九年度、二〇〇七年度が七万三千七百十六件でございまして、平成十六年度、二〇〇四年度が六万四千六百三十八件でございますので、比較いたしますと約一四%の増加でございます。
#315
○山下芳生君 求職者数に比べて就職数は少ないんですね、増え方が。結果、就職できた率は〇四年度四八%から〇八年度三五%へ急降下しております。こんなに最悪な状況になっているんです。何でこんなに最悪なんですか、舛添大臣。
#316
○国務大臣(舛添要一君) これは、全体的な経済危機、雇用危機、そういうものが効いているというふうに思いますが、生活の支援と自立の支援、これをどういうふうに組み合わせて、どういう政策パッケージでやるかということが最大の問題なので、これは御質問があれば、どういうふうにやっているかということはお答えをいたします。
#317
○山下芳生君 残念ながら質問に答えていただいておりませんけれども、こういう最悪の状況のときに母子加算を廃止していいのかと、四月から、これが問われていると思います。
 保育所で五歳の子供が熱を出したときに、ママに電話しないでと、ママお仕事休んだら首になるからと、こう言ったそうです。母子世帯の母親の多くは非正規で低賃金で働いております。ある高校生は、おかん、おれ友達おらへんから修学旅行行かへんよと母親に言ったそうです。経済的な困窮で成長がなかなかできなくなっている、保障されなくなっている、そういう子供たちが増えているときに、就学援助を縮小し母子加算をやめるなんという逆行は撤回すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
#318
○委員長(溝手顕正君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#319
○委員長(溝手顕正君) 次に、近藤正道君の質疑を行います。近藤正道君。
#320
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 私も、漆間官房副長官の質問から始めさせていただきたいと思っています。
 午前中からこの質疑が続いております。既に、金銭の多寡とか、あるいは請求書でもあればなどと、相当具体的な内容にも言及をしております。私が注目をしたいのは、漆間さんの発言が、記者の皆さんのオフレコとはいいながら、自民党側に捜査の手は及ぶのかと、こういう質問の中で出てきた一連の発言だというところに注目をしたいというふうに思っています。オフレコという巻頭言を付ければ何を言ってもいいということではないというふうに思っています。
 とにかく二十社、それも日本のまさに文字どおり大手のマスコミ、新聞社が全部自民党への捜査は及ばないということをみんな書いているわけですよ。まさに言わなければそれは書かないわけでありまして、あなたはそういう自民党への捜査は及ぶのかという脈絡の中でその及ぶという趣旨のことを発言したんじゃないですか。あるいは、そういうふうに受け止められてもしようのない答弁をしたんじゃないですか。絶対言ってないというふうに断言できますか。マスコミはみんなうその記事を書いたんだとあなたは言い切るんですか。答弁願います。
#321
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 先生も、私の記憶に基づいて私はこういう発言をしたということでありまして、それを受け取った記者の皆さんがどういうふうな反応をしているかというのは私は全く分かりません。ただ、前にも申し上げておりますけれども、やはり私は昔警察庁長官というものをやっておりましたので、そういう人間が捜査について、一般論といえども、捜査について言及するということは、やっぱり私は大変不適切な発言をしたということで反省しております。
#322
○近藤正道君 総理は、この小沢さんの秘書の逮捕のころ、官邸の執務室で漆間さんと二人で執務室に入っている。これは総理の日誌、マスコミに載る日誌を見て私が今質問をしているんですが。
 例えば、逮捕当日、三月三日、夕刊で総理は逮捕を知ったと、こういうことでありますが、午後の七時から七時三分少々まで、漆間官房副長官と執務室で二人でおられました。そして、この逮捕の翌日、三月四日午前十一時四十六分から五十四分まで漆間さんと総理は執務室で二人で会っておられました。当時、マスコミはこの逮捕の記事であふれかえっていたわけでありますが、この際に、この事件の捜査のことについての話は出なかったんですか。
#323
○内閣総理大臣(麻生太郎君) それこそ、今の私の記憶と秘書官のあれとの記憶で、両方で総合して、漆間官房副長官が、財政諮問会議の後だったと思いますが、財政諮問会議が終わった後入ってこられたのが事実だと思います。多分それで日にちが合っているんだと思いますが。
 そのときには既に小沢党首秘書逮捕の話というのはもう既に出ていたんじゃないですかね。たしかその話が出ましたという話をもう既に聞いていましたから、その話もあったかと思いますが、別の話の方が多かったと記憶します。
#324
○近藤正道君 当時の状況からいって十分そういう捜査の話、進展はあったので話が議題になっていたんではないかと、こういうふうに思いますが、漆間さん、どんな話をされたんですか、ちょっとおっしゃってください。
#325
○内閣官房副長官(漆間巌君) お答えいたします。
 確かに逮捕という話がありましたが、逮捕という事実をお伝えすることはありましたけれども、そこのときにお話ししたのは、私は全く別件のお話をしておりまして、それは捜査とは全く関係ありません。
#326
○近藤正道君 総理にお尋ねをいたしますが、先ほど来お話ししておりますけれども、漆間さんの話は、自民党に捜査が及ぶかと、そういうマスコミの質問に対していろいろ答えられている。そして、すべてのマスコミが自民党に捜査は及ばないと、証拠の具体的な分析までして、見通しまで含めてお話しになっている。
 これは、まさにあの時期、あの状況を考えれば、私は極めて官房副長官として不適切だと、検察の捜査にやっぱり介入をしていると、こういうふうに思われてもこれ申し開きができないんではないかと、私はそういうふうに思えてなりません。まさに法の支配の根幹にかかわる話でありまして、だからこそ官房長官は厳重注意をしたんだろうと思いますが、私は厳重注意などで済む話なのかなと。
 まさに総理の任命責任が私は問われていると、更迭することも含めてやっぱり検討すべきではないかと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#327
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 近藤先生とは見解を異にしていると思います。まず最初にそうお答えしておきます。
 その上で、先ほど官房長官からも答弁があったと記憶しますが、一般論として申し上げたにしても、誤解を招きやすい話だったというところが不適切と申し上げているんだと思いますので、官房長官からその点を注意されたんだというように理解をいたしております。
 それから、先ほど、今、官房副長官の方から、その後何の話をしたかといえば、もう既に逮捕というのが多分新聞だかテレビだかに出ておりますという話は秘書官から先に聞いておりましたし、漆間長官の方はむしろ後ぐらいだったと記憶します、会議の真っ最中でしたので。そういった時間帯だったとあのときは記憶しますが、その後で入ってこられて、もう知っていますという話を申し上げたというように記憶をします。そのときの後の話は、その長官の話は、その話の確認と、そのほかは全然これとは関係ない話をしたと記憶しております。
#328
○近藤正道君 二階大臣にお尋ねをいたします。
 先ほどお話がありましたけれども、大臣はパーティー券の件で金曜日もいろいろ質疑を受けられましたけれども、数日来から、大臣個人に対して言わば裏献金、やみ献金というものが行われている可能性、そういうものがあるという新聞がいろいろ出されているわけでございます。
 今ほど明確に否定をされましたけれども、否定されるだけではなくて、事実無根だということであれば、大臣には強大な職務権限があるわけでありますので、法的な対抗措置をとられたらどうですか。
#329
○国務大臣(二階俊博君) ただいまのお話も参考にして、今後対応したいと思っています。
#330
○近藤正道君 エネルギー政策についてお尋ねをいたします。
 二月の十日の日に、環境省は再生可能エネルギーの普及のために固定価格買取り制度を提言をいたしました。二十四日でありますが、経産省は日本版買取り制度を発表いたしました。その根拠となるエネルギー供給構造高度化法案、これは問題が私はたくさんあるというふうに思っています。
 再生可能エネルギーの導入目標を始め、エネルギー政策全般を経産官僚が握ると、経産官僚が一層権限を強める、まさに包括的に白紙委任をエネルギー政策を経産省の役人に与えるような、まさに官僚政治そのものを強化するような中身になっているんではないかというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
#331
○国務大臣(二階俊博君) 太陽光発電の問題につきまして、純国産エネルギーとして貴重であること、しかもそれが国際競争力を持っていること、現時点では高いコストについて技術革新及び需要の拡大により発電原価の低下が見込まれる技術であること、関連産業のすそ野の広い産業であり、地域経済に及ぼす影響、いわゆる活性化に資するなど、産業政策の視点からも重要であるという理由から、私どもは、今後三年ないし五年、これを正念場ととらえ、その対象を太陽光発電に限定しておるところであります。
 そして、買収の対象を余剰電力部分に限定することは、自家消費電力を減らして余剰電力を増やす省エネ努力を行うこと、高額な国民負担をできるだけ避けるという、この視点が必要であると考えます。
 もっと年限を縮めてやったらどうだという熱心な御意見をちょうだいしておりますが、余りこの年限を縮めますとそのときの負担が多くなりますから、今十年ないし十五年ということを言っているんですが、もっと短くする方法はないかという御意見をちょうだいしているところであります。
 いずれにしても、これから、今制度設計に取り組んでおるところでありますから、各党の国会等でのいろんな御意見等も参考にさせていただいてすばらしい案を作って、今までドイツに勝っておった我が国の太陽光、これは斉藤環境大臣の方でも世界一を奪還するんだという意欲を示されておりますが、私どもも世界一を奪還するその意気込みで対応していきたい。そのためには、まずこの制度を改めて、何とか多くの国民の皆さんの御理解をちょうだいすることができるようにこれから努力をしていきたいと思っています。
#332
○近藤正道君 最後の質問でありますが、なぜ余剰電力なんですか、なぜ太陽光だけなんですか。もっと風力とかバイオマス、全体を対象にした固定価格買取り制度がどうしてできないんですか。
 そしてまた、消費者の負担というふうにおっしゃいますけれども、少なくとも家庭用の小口電気料金については電源開発促進税、これを免除あるいは軽減をする、こういう措置も講じたっていいんではないか。こういう公金を投入をしてとにかくこの固定価格買取り制度の普及を図ると、それが今、日本に求められているんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#333
○国務大臣(二階俊博君) 今議員御指摘のように、他のエネルギーの分野にも広めていってはどうか、これは一つの考え方だと思います。したがって、我々は今、新エネルギーパークというものを全国十三か所造らせていただいて、地域の皆さんと一緒に新しいエネルギーということに対して検討、研究をしていただいておるところでありますが、いかんせんその電力の量、いわゆるカロリーの量がいかにも少ないわけであります。それで将来原子力に対抗していけるようなことになろうか、あるいは日本のエネルギーを担うところにまで伸展していくだろうかということは今にわかに判断付きにくいような状況でありますから、取りあえずは太陽光発電に絞って真剣なチャレンジをしてみたいと、このように考えておるところであります。
#334
○近藤正道君 再生可能エネルギーの拡大は、地球温暖防止の問題と同時に、内需拡大とかあるいは景気対策の柱なんです。そういう意味では、是非地域経済振興につながるように、地元企業とかあるいは工務店などが受注できるような仕組みを是非考えていただきたいというふうに思いますし、地域の雇用創出につながるように、地域における職業技能訓練も是非行っていただきたいというふうに思いますが、もし御意見があれば。
#335
○国務大臣(二階俊博君) ただいま議員御指摘のとおり、職業訓練、直ちに取り組めるように予算的措置もいたしておりますので、これに取りかかります。
 そして、今おっしゃったように、工務店あるいは大工さん、それからいろんな方々が、自分たちにも太陽光で何か仕事ができないだろうかというのは、今ちまたに流れている声であります。私は、それらの人たちに仕事をやっていただけるように、臨時の研修センターのようなものを次々に考えて、そしてそれらの人たちが、これ安全の確保がまず大事ですからね、相手は最終的には電気をいらうわけでありますから、これは技術的な専門的な知識が必要なんですが、そこへ持っていくまでの間はどうすればいいかということを民間の皆さんと御一緒に取り組んでいけるように、経済産業省は全国各地の産業局を通じて一緒に勉強させていただきたいと、このように考えておるところであります。
#336
○委員長(溝手顕正君) 斉藤環境大臣、手短にやってください。
#337
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほど、なぜ固定価格買取り制度、太陽光発電だけでスタートするのかということで、提案をした環境省でございますので簡潔に答えさせていただきます。
 一つは、この太陽光発電において日本の技術力が世界一、もうそういう産業政策の立場からこの産業を伸ばしたいということと、そういう形で大量生産をすればコストが大幅に下がるという見通しが立つと、この二点から、まず太陽光発電から始めようということになった次第でございます。
#338
○近藤正道君 終わります。
#339
○委員長(溝手顕正君) 以上で近藤正道君の質疑は終了しました。(拍手)
    ─────────────
#340
○委員長(溝手顕正君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
#341
○荒井広幸君 今ちょうど太陽光発電のお話がありましたので、財務大臣、また総理、これに関連して続けさせていただくことになりました。改革クラブの荒井です。
 まず、太陽光に関連する一つは住宅ローン減税、私はこれは大変評価をしております。後ほどその理由を明らかにしたいと思いますが、国交省にお尋ねをいたしますが、去年とおととし、住宅の新規着工実績をお示しください。
#342
○政府参考人(和泉洋人君) お答えいたします。
 二〇〇七年の着工数は百六万七百四十一戸、二〇〇八年は百九万三千四百八十五戸でございます。
#343
○荒井広幸君 その二年にどの程度、GDPに占める割合は幾らであり、同時に、いわゆる雇用、就業者数にどのような影響を及ぼしたか、根拠を示してください、効果を示してください。
#344
○政府参考人(和泉洋人君) 二〇〇七年の住宅投資は十七・三兆円でございまして、対GDP比は三・四%でございます。二〇〇八年は同じく十六・四兆円、対GDP比は三・二%でございまして、このような住宅投資で、これはちょっと若干古いわけでございますが、二〇〇〇年の産業連関表を基に推計しますると、二〇〇七年で雇用者は約百二十六万人、二〇〇八年で雇用者は約百十八万人、こういった方々がこの住宅投資で仕事をされていると、こういったことでございます。
#345
○荒井広幸君 そうしますと、今度の二十一年度の税制改正、住宅ローン減税、長期優良住宅、そしてリフォーム型、こういったものを含めて減税をしていくと。それによってどれぐらいの新たな着工を見込むんでしょうか。この点についてお願いします。
#346
○政府参考人(和泉洋人君) 二十一年度の住宅税制では、総理の御指示によって、過去最大の住宅ローン減税、こういったことになっておりますが、この住宅ローン減税の拡充による効果につきましては、住宅着工戸数約九・三万戸の増、直接の住宅投資額の増加額が約一・九兆円、生産誘発効果、これ一・九兆円と合わせまして三・七兆円。また、こういった新規の住宅が建ちますと家具等も買いますので、その分が〇・三兆円、都合合わせて四・〇兆円の経済波及効果があると見込んでおります。
#347
○荒井広幸君 改めて住宅というもののすそ野の広さというのを感じるんですが、ただ一点、また今日、あした、あさってと、私の番に回ってきて六分ということになりますので、何度か掘り下げさせていただきたいんですが、今日はその手だてになるという意味で、結局、新たな方に対しての投資という形が今優先しているんです、景気対策、雇用対策というのがあります。しかし、じゃ今まで組んでいた人に対してはどんなことがあるか、こういう角度で聞いてみます。どうでしょう。
#348
○政府参考人(和泉洋人君) 住宅税制でございますので、これは新規の方に対する手当てでございます。
 過去にも住宅ローン減税、委員御案内のようにございましたが、二十一年度は、今の経済状況を踏まえまして大幅な住宅ローン減税を組もうとしておりますけれども、これはあくまでも新規の分について新しい住宅税制は適用される、過去の分については過去の住宅税制が適用されると、こういったことでございます。
#349
○荒井広幸君 そうしますと、例えば定額給付金もそうだったんですが、いわゆる生活支援という意味も非常にこれからも大切にしなくちゃいけないんです。景気も困って所得も大変だと。この点をまた後ほど改めてお聞かせいただきます。
 では、雇用はどれぐらい見込まれますか、九・三万戸。
#350
○政府参考人(和泉洋人君) 先ほど御紹介したこの住宅ローン減税の拡充によって、生産誘発効果、経済波及効果は四・〇兆円でございますが、それによって約二十万八千人の雇用が創出されると、こう見込んでおります。
#351
○荒井広幸君 では、財政出動をしたと同じですね。減税するんですから、上がってこない。しかし、それらの経済効果でどれぐらい税収がありますか。税収について、財務省、総務省、お聞かせください。
#352
○政府参考人(加藤治彦君) 先生今御指摘の、今回の住宅減税によって住宅着工戸数が九・三万戸増える、これによる税収の増はいかがかという御質問でございます。
 これにつきましては、私ども、確かに総需要の増加等により、それが経済の効果を現し一定の税収に影響を及ぼすことは承知しておりますが、これは非常に法人税、それから雇用にかかわるものと複雑に絡んでおりまして、この具体的な九・三万戸による税収増を見込むということは困難だと思っております。
#353
○政府参考人(河野栄君) 地方税につきましても、同様に、増収効果というのは試算をいたしておりません。
#354
○荒井広幸君 総理、財務大臣、これが実態なんです。アバウトにはできるかもしれませんが、細かくできない。だったら一つ一つ聞くぐらいのことをしないと、実際はそれだけの持ち出しをするという説明が立たないんですね。これについてはまた後ほど別の機会にさせていただきます。
 では、そこに太陽光パネルというものは試算されていますか。太陽光発電を計算して、今言ったような誘発、いわゆるこれぐらいの経済効果があると、こういったことを言っているんでしょうか。
 そして、経済産業省は住宅用の太陽光の補助金を今度設けると言っているんですが、この予算で。どういう関係があるんでしょう。
#355
○政府参考人(和泉洋人君) まず住宅投資でございますが、基本的には住宅投資の金額、住宅建設戸数をいわゆる被説明変数にしまして、片や説明変数、そして税制とか所得とか、あるいは従前事業の建設戸数、こういったものをベースに推計してございますので、今委員御指摘のような太陽光発電が付いた場合とか付いていない場合と、そこまで精度の高い推計じゃございません。過去のトレンドをベースにして、こういった税制を講じればこの程度の建設戸数が増えると、こういった趣旨の見込みでございます。
#356
○荒井広幸君 では、続いて、経産省は地域新エネルギー等導入促進対策事業で地方自治団体が取り組む、例えば庁舎とか学校、そういったものにも太陽光が付けられるような、そういう対象になっているんでしょうか。今度の予算はそういうことでしょうか。そして額を教えてください、補助率。
#357
○政府参考人(石田徹君) ただいまのお尋ねでございますが、地域新エネルギー等導入促進事業というのを予算要求いたしておりますが、この中では、地方公共団体や非営利法人が行います新エネルギー等設備の導入、これは当然太陽光発電の設置も含むわけでございますが、これにつきまして、導入費用の二分の一を上限として補助を行う制度といたしております。このため、自治体の庁舎でありますとか学校に太陽光発電設備を導入する際にも本補助金の対象とすることが可能となっております。
 なお、平成二十一年度予算政府原案におきましては、本補助金の予算として六十二・六億円を要求いたしております。
#358
○荒井広幸君 総理、大臣、よくお聞きください。
 では、総務省にお尋ねします。
 太陽光発電施設を、地方自治体に対してのそういう支援制度を持っていますか。
#359
○政府参考人(椎川忍君) 私どもの場合、地方財政措置ということで地方債なり交付税ということになるわけでございますけれども、まず、地方公共団体が単独事業としてあらゆる公用施設、公共施設に太陽光発電設備を導入するという場合には、地域活性化事業債という特別な地方債の対象といたしまして、その元利償還金の一部について後年度、普通交付税の基準財政需要額に算入するということをいたしております。
 また、小中学校のような国の補助金が出る事業でございますけれども、こういうものにつきましては、学校教育施設等整備事業債というこれまた特別な地方債がございまして、その対象といたしまして、これも後年度、元利償還金の一部を普通交付税の基準財政需要額に算入することといたしております。
#360
○荒井広幸君 財務大臣、経済産業省も小学校できる、総務省も小学校できる。経済産業省は五〇%なんです、補助。そして、片や総務省がやるのは、物によってですけど、七五%起債を発行させて後年度で三〇%まで面倒見ますから、大体五分の一と見ればよろしいんじゃないでしょうか。どっち自治体は採択すると思います。財政がないんですから。通産省は半分、片方は五分の一、だれが見たってこれ総務省で起債しますよ。ということは、本当に地方の立場で考えたら選択肢があるようでないんです。金がないですから、総理。
 そういう二つのものを最初からきちんと見ながら私は対応していくべきだと。このようにしないと財政というのはもたないんじゃないかと。景気対策だからといってばらまきではならないし、ばらまきというんじゃないですよ、そういう意味じゃなくて、やっぱり急いでやっているからこういうあらが出てくる。やっぱりきちんと省庁連携するべきだと思いますが、財務大臣、どうですか。
#361
○国務大臣(与謝野馨君) 先生の仰せのとおりだと思います。
#362
○荒井広幸君 では、文科省に聞きます。
 耐震構造、今、前倒しですね、総理の下で。これも大変立派なことです。では、これは公明党さんが一番先に言ったことなんです。それは、避難所になるんです、小中学校、体育館も含めて。この耐震構造にソーラーパネルを置いたときの重さが耐えれるかどうか、今別にそれを付けるということはやってないんですよ、これ計算して設計しているんでしょうか。
#363
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 今先生お尋ねのとおり、学校施設の耐震化を最優先課題として推進を図っているところでございます。その際、当該市町村、学校において太陽光発電パネルを一緒に設置したいという場合であれば、耐震構造設計の際にその重さ、二十キロワットの太陽光発電ですとおよそ六トンという重さがありますので、その重さに耐えられるかどうかは判定した上で設置しているという状況であろうと思います。
#364
○荒井広幸君 財務大臣、まあ学校は何とかそれも計算に入れて金を出してやると、こう言っているんですが、どうでしょう、ソーラーパネルを付けると、物づくり、先ほど大臣が言っておりました。そして景気対策、裾野が広い。そこに住宅というのがあるわけですから、合わせ技でやったら、これは雇用の場と景気対策そして経済、波及効果でかいですよ。財務大臣、耐震化と一体で小学校、ソーラーパネル一緒にやる、いかがでしょうか。
#365
○国務大臣(与謝野馨君) まだ新しい経済対策を考える余裕がないのでございますが、仮にそういう必要性が出てまいりましたら、先生の御意見を最大限に尊重してやりたいと思います。
#366
○荒井広幸君 そこで、総理、今後、今後庁舎とか学校などの国の施設で公共事業を、建て直すときには無駄をしちゃいけません。一緒に、ある一定割合は太陽光発電を義務付けるということをやれば、呼び水になって価格が下がって低所得者の人もソーラーパネル、二百五十万ですが、だんだん下がって買えれるようになる、一石二鳥。総理、どうですか、義務付けをする。
#367
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 五秒で答弁は不可能です。したがって、これで終わりますと言うと、また更に具合が悪いでしょうから。
 今の話は、荒井先生、なかなか今の点は、ちょっとどこからスタートするかが難しいところです。その意味で、ソーラーパネルというものを付けることによる波及効果の広さというのは、省エネの話と、地球温暖化の話と、地方の工務店の話と、新しい建て替えの話と、波及効果が大きい。しかも、この太陽光パネルの数が増えれば、多分、相対的にコストが削減されるであろうという確率は高い、これはシリコンの問題がありますけれどもね。
 そういった問題は非常に波及効果が大きいという観点を十分に考慮して考えさせていただきたいと存じます。
#368
○荒井広幸君 取りあえず終わります。
#369
○委員長(溝手顕正君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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