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2009/04/02 第171回国会 参議院 参議院会議録情報 第171回国会 農林水産委員会 第5号
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2009/04/02 第171回国会 参議院

参議院会議録情報 第171回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第171回国会 農林水産委員会 第5号
平成二十一年四月二日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任   
     山田 俊男君     山崎 正昭君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任   
     山崎 正昭君     山田 俊男君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任   
     主濱  了君     平田 健二君
     風間  昶君     山口那津男君
 三月三十日
    辞任         補欠選任   
     平田 健二君     主濱  了君
     山口那津男君     風間  昶君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         平野 達男君
    理 事               
                郡司  彰君
                高橋 千秋君
                加治屋義人君
                佐藤 昭郎君
    委 員               
                岩本  司君
                小川 勝也君
                大河原雅子君
                金子 恵美君
                亀井亜紀子君
                主濱  了君
                姫井由美子君
                舟山 康江君
                岩永 浩美君
                野村 哲郎君
                牧野たかお君
                山田 俊男君
                風間  昶君
                草川 昭三君
                紙  智子君
       発議者      郡司  彰君
   委員以外の議員
       発議者      青木  愛君
       発議者      米長 晴信君
   国務大臣
       農林水産大臣   石破  茂君
   副大臣
       農林水産副大臣  近藤 基彦君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       野村 哲郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
   政府参考人
       内閣法制局第一
       部長       山本 庸幸君
       金融庁総務企画
       局参事官     居戸 利明君
       総務省自治行政
       局公務員部長   松永 邦男君
       厚生労働大臣官
       房審議官     坂本 森男君
       厚生労働省労働
       基準局勤労者生
       活部長      氏兼 裕之君
       農林水産省経営
       局長       高橋  博君
       中小企業庁経営
       支援部長     数井  寛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農業協同組合法等の一部を改正する法律案(第
 百七十回国会郡司彰君外四名発議)(継続案件
 )
○特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(平野達男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業協同組合法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣法制局第一部長山本庸幸君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(平野達男君) 農業協同組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明につきましては前国会におきまして既に聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○主濱了君 主濱了でございます。早速質問に入らせていただきます。
 一つの政策あるいは一つの施策を講ずるに当たりましては、一般的にその必要性あるいは効果、お金が掛かる場合はその財源について十分に検討しなければいけないと、こういうふうに思っております。今回、農協法等について、特定の政党のために利用してはならない旨の規定を設けようとしておりますけれども、その必要性及びその効果、さらにはなぜ今この時期に改正しなければならないのか、まず伺いたいと思います。
#6
○郡司彰君 御質問いただきましたことでございますけれども、特定の政党のために利用してはならない旨の規定でございますが、消費生活協同組合法、中小企業等協同組合法等に置かれておりますけれども、その趣旨は、特定の政党による介入を受けたり特定の政党への傾斜を強めたりすることによりましてその行う事業が阻害をされ、またその組合員等が政治的見解の相違を理由に相互に排斥し合うというようなことが起こった場合に基盤が弱体化をするんではないか、そのことを防止するためにあるんだというふうに言われております。
 このような規定は農林水産業分野の法律には置かれていないわけでございますけれども、農協等の団体についてもその性質上、政治的な中立性というものが要求されるということは当然のことかなというふうに思っているところでございます。しかし、農協等の施設に特定の政党あるいは候補者のポスターが張られているというようなことが話がされていたり、また農協等の組合長名、理事名で選挙活動が行われているんではないか等々のことが言われております。農協等の政治的中立性が疑われる実態が極めて多いのではないかと思っておりまして、そのようなことから、この組織の政治的中立性の意義及び重要性にかんがみまして早急に法改正を行うべきと考えております。
 農協等について消費生活協同組合等と同様の規定を設けることを改正案に提出をした理由でございます。
#7
○主濱了君 総論的にはやや分かったような気がします。あと具体的な関係もちょっとだけ触れていただいておりますが、もう少し具体的に触れていただきたいというふうに、こう思うんですが、結局、この度改正をしようとしているその特定の政党のために利用してはならないと、こういう規定にどのような行為が抵触をし、具体的にですね、どのような行為が抵触をし、どのような行為が抵触しないのか、これを具体的に示していただきたいと思います。
#8
○委員以外の議員(青木愛君) お答えします。
 御質問いただきました、まず抵触する行為でございますが、例えば消費生活協同法における政治的中立の規定につきまして、厚生労働省が該当する行為について通知を出しております。
 その内容には、まず、組合の機関において特定の政党又は候補者の支援を決定すること、また、機関誌等、組合が発行する印刷物によって特定の政党又は候補者の推薦等を行うこと、さらに、組合が管理する施設において特定の政党又は候補者のポスター等を掲示することや、特定の政党又は候補者の選挙運動のために組合が管理する施設等を提供すること等が挙げられております。この法案におきましても、これらが抵触する行為の典型例に当たると考えております。
 次に、抵触しない行為でございますが、農協等の事業目的の達成に資する農政等に関する意見表明ですとか国会への陳情、また立法活動の提案などが挙げられると考えております。
#9
○主濱了君 大体分かりましたけれども、これはまた後でお伺いをしたいと思います。
 それでは、今の話にもあったんですけれども、農協等が自らの事業目的を達成するために必要な政策を取り入れようとする政党と密接な関係を持つこと、これは特定の政党のために利用してはならないの規定に反するのか反しないのか、これが第一点。それからもう一つ、農協等、協同組合と離れて別に政治団体を結成をしまして特定の政党を支持する行動、行為を行うこと、これらは今御提案の規定に私は反しないと思うんですが、いかがでしょうか。
#10
○委員以外の議員(青木愛君) まず最初の御質問ですが、たとえ農協等の事業目的の達成に資する政策を積極的に取り入れようとする政党でありましても、特定の政党と密接な関係を持つことは、やはり節度を保ちませんと、様々な思想信条を持つ組合員に混乱と分裂をもたらすとともに組織に対する誤解や偏見を生みまして組織の健全な活動を阻害する懸念が生じることから、農協等が政党を利用しているからといいましてもこの規定に反しないとは言えないと考えます。
 さらに、二点目の農協等と離れて別に政治団体を結成し、特定の政党を支持する活動を行うことが今回の規定に反するかどうかという御質問についてでございますが、農協等と別に政治団体を結成したとしましても、その政治団体の行動に対する農協等の関与の仕方や程度を基に判断することになると考えます。
 具体的には、政治活動の資金が農協等から出されているかどうか、その活動において農協等の名前が使われているかどうか、政治団体の事務所が農協等の施設内に設置されているかどうかなど、個別具体的な事実から総合的に判断されるべきと考えます。
 以上でございます。
#11
○主濱了君 それでは、実際に既に現行法上に政治的中立に関する規定があるわけですので、それを通じていろいろ伺っていきたいと考えております。
 まず第一に、厚生労働省所管の消費生活協同組合法に特定の政党のために利用してはならない、また労働金庫法の中に政治的中立でなければならない旨の規定が置かれております。その置いた理由、なぜ置いたのか、そしてその経緯あるいは背景、これについてまず厚生労働省からお伺いをしたいと思います。
#12
○政府参考人(坂本森男君) 私の方から消費生活協同組合法についてお答え申し上げます。
 生協法は、昭和二十三年に、一定の地域又は職域において、組合員の生活の文化的経済的改善向上を図ることのみを目的とする相互扶助組織として創設されたものでございます。このような生協の本旨から、生協が政治問題に組織としてかかわることは、生協に対する誤解や偏見を生み、消費者の生協への参加を阻害し、ひいては生協の本来の目的達成を困難にするおそれが強いため、生協法の第二条第二項において、消費生活協同組合は特定の政党のために利用してはならないと規定されたものでございます。
#13
○政府参考人(氏兼裕之君) 労働金庫についてお答え申し上げます。
 労働金庫につきましては、労働金庫法第五条第三項におきまして、「その事業の運営については、政治的に中立でなければならない。」旨規定されておりますが、この規定は昭和二十八年の法制定当時から置かれているものでございます。
 この規定が設けられた背景等につきましては、この労働金庫法が議員立法であるため必ずしも私ども明らかでないところはございますが、労働金庫は労働金庫法制定前の昭和二十五年から、当時は労働金庫法がなかったものですから、中小企業等協同組合法に基づく信用組合として設立されたという経緯がございます。その後、労働金庫法ができてから労働金庫に転換したと、そういう経緯がございます。その当時におきましても、中小企業等協同組合法第五条三項におきまして、「組合は、特定の政党のために利用してはならない。」という規定が置かれていたという経緯が一つございます。
 それから、当然、労働金庫は経済団体でありまして政治団体ではないため、政治に関与し、これに進出することはその目的とすることではないといった観点から、中小企業等協同組合法と同趣旨の規定が設けられたものと認識しておるところでございます。
#14
○主濱了君 ありがとうございました。
 続きまして、経済産業省所管の中小企業等協同組合法及び中小企業団体の組織に関する法律、さらには商工会議所法、それから商工会法並びに商店街振興組合法にそれぞれ、特定の政党のために利用してはならない旨の規定が置かれております。この規定が置かれたその理由、経緯、背景、これについて経済産業省にお伺いをしたいと思います。
#15
○政府参考人(数井寛君) お答え申し上げます。
 中小企業協同組合法は昭和二十四年に制定されておりまして、政治的中立の規定につきましても当初からこの規定がございます。
 これは、中小企業等の相互扶助組織である組合が、例えば特定の政党による介入を受けたり、あるいは特定の政党への傾斜を強めたりすることによりまして、当該組合の自主的な経済活動が阻害される事態であるとか、あるいは組合員が政治的見解の相違によって相互に排斥し合ってその人的基盤が弱体化するといった、こういった事態を防止することを目的として組合が特定の政党のために利用されてはならないという理由からこの規定が入ったものであるというふうに承知しております。
#16
○主濱了君 ありがとうございます。
 今、厚生労働省とそれから経済産業省の方からそれぞれ政治的に中立でなければならない旨の規定の置いた理由等について伺いましたが、この件について、内閣法制局、何か御意見があれば、御見解があればお伺いしたいんですが、ありますでしょうか。
#17
○政府参考人(山本庸幸君) お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては、所管の経済産業省及び厚生労働省からただいまお答えになったとおりでございますが、私ども内閣法制局といたしましては、これに特に付け加える材料を持ち合わせているわけではございません。
#18
○主濱了君 ありがとうございます。
 それでは、次、農林水産省にお伺いしたいんですが、今二省の方からお答えいただきましたとおり、お聞きのとおりでございます。消費生活協同組合や中小企業等協同組合法につきましては、特定の政党のためには利用してはならない旨の規定が置かれております。一方、農協法それから水産業協同組合法あるいは森林組合法にはこれまで特定の政党のために利用してはならない旨の規定が置かれてはおりません。これはなぜなのか、この辺の経緯それから理由、背景についてお伺いしたいと思います。
#19
○政府参考人(高橋博君) 御指摘のとおり、消費生活協同組合法あるいは中小企業協同組合法には特定の政党のために利用してはならない旨の規定、あるいは労働金庫法では政治的に中立でなければならない旨の規定があるのに対しまして、農業協同組合法、これは昭和二十二年でございます。それから森林組合、これは二十六年の森林法が根拠法ですが、現状では五十三年に全面的にこの根拠法が変わって今森林組合法になっておりますけれども、その森林組合。それから水産業協同組合、二十三年の法律。それから、そのほかにたばこ耕作組合法、これは昭和三十三年の法律。それから金融関係では信用金庫法というような、協同組合法制でありましても今のような政治的な中立規定が置かれていないものがございます。いずれも五十年以上前に創設されたものでありまして、基本的にはすべての協同組合法制を通じて統一的に規定されたものではないというふうに承知しております。
 農協法等、立法過程におきましてこのような政治的中立が規定されなかったということについて、一般的に申し上げますと、それぞれの制度が、その創設時におきまして、それぞれの組織をめぐる状況を踏まえてこのような規定を置く必要性があったのかどうか個々に判断された結果だというふうに判断をしているところでございます。
 なお、先ほど申し上げましたように、比較的新しい立法例といたしまして、森林組合につきましては、当初は昭和二十六年制定の森林法を根拠にしておりましたけれども、昭和五十三年に森林組合法としまして改めて規定をし直しております。その際にも、このような政治的中立の規定を置かないままに、衆参両院におきまして全会一致で成立をしているところでございます。
#20
○主濱了君 時代、五十年以上も昔にと、こういうふうなお話ありましたけれども、実は平成に入ってから、例えばNPO法人であるとか例えば地方自治法上の地縁団体であるとか、こういうものについては政治的中立の規定が入っております。ですから、五十年前だからといって入らなくていいと、そういうことにはまずはならないというふうに思いますが、これは後でまたお話をさせていただきたいと思います。今の答弁はまず納得はできません。
 それで、次にまた厚生労働省の方にお伺いしたいんですが、厚生労働省では、特定の政党のために利用してはならない、あるいは政治的中立でなければならないのこの規定に基づいて、実際に消費生活協同組合や労働金庫にどのような指導あるいは措置をしているのか、これについて伺いたいと思います。これが第一点ですね。
 それから、先ほど発議者からの答弁にちょっと触れられておりましたけれども、厚生労働省は国政選挙ごとに協同組合に対して協同組合の政治的中立の確保に関する通知を発出していると、こういうことでございますが、どのような考え方からこういうふうな通知を発出しているのか、併せてお伺いをいたします。
#21
○政府参考人(坂本森男君) 先ほどもお答え申し上げましたが、生協は組合員の生活の文化的経済的改善向上を図ることのみを目的とし、民主的方法により運営される相互扶助組織であるという考え方でございます。
 このような生協の本旨から、厚生労働省といたしましては、生協の政治的中立の確保を図るため、国政選挙や統一地方選挙に関しまして、機関誌、チラシその他組合が発行する印刷物によって、特定の政党又は候補者の推薦等を行ったり、特定の政党又は候補者の選挙運動のために、組合が管理する施設、車両、備品等を提供してはならないという、そういう旨の通知を発出いたしましてその趣旨の徹底を図っているところでございます。
#22
○政府参考人(氏兼裕之君) 労働金庫についてお答え申し上げます。
 労働金庫につきましては、労働金庫に対する立入検査に当たっての確認事項という通達を社団法人全国労働金庫協会理事長あてに出しておりまして、労働金庫法九十四条一項で準用する銀行法二十五条に基づきまして、定期的、これはおおむね二年に一度程度でございますけれども、立入検査を行っているところでございます。また、日々の指導におきまして政治的中立の確保を随時確認しているところでございます。
 私どもとしましては、この検査等によりまして労働金庫については政治的中立性が保たれているものと認識しておりますが、今後とも労働金庫の政治的中立の立場が堅持されるよう努力していきたいと思います。
#23
○主濱了君 次は、経済産業省にお伺いしたいと思います。
 特定の政党のために利用してはならない旨のこの規定に基づきまして、関係団体に対してどのような指導あるいは措置を講じているか、これについてお伺いをいたします。
#24
○政府参考人(数井寛君) お答え申し上げます。
 衆議院総選挙等国政選挙の際に、私どもから、政治的中立の保持に関します法律の趣旨を尊重し、遺漏なきを期すとともに、各所管団体の周知徹底を図るように指導しております。
#25
○主濱了君 大分、厚生労働省それから経済産業省共に、国政選挙の都度にしっかりと対応していただいていると、こういうふうな認識でございます。
 これに対しまして、農林水産省、いかがでしょうか。国政選挙の際、協同組合に対して特に政治的中立に関して何か対応しているか。対応しているのであれば、その内容及び理由についてお伺いをしたいと思います。
#26
○政府参考人(高橋博君) お尋ねの農協等についての国政選挙の際の指導でございますけれども、農林水産省といたしましては、国政等の選挙の際に農業協同組合等に対しまして政治活動に関しての特段の指導は行っておりません。これは、農業協同組合等につきましては、それぞれの現行の各個別法におきまして、立法以来政治的中立の確保に関する規定がない中で、その協同組合の目的の達成のために行う政治活動につきましては、一般の他の法人と同様、農協等の自主的な判断により、公職選挙法あるいは政治資金規正法等に抵触しない限り認められるということによるものでございます。
#27
○主濱了君 端的に申し上げます。端的にお答えをいただきたいんですが、要するに個別法の中に政治的中立を要請する規定がないからやらないと、こういうことなんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#28
○政府参考人(高橋博君) 御指摘のとおりでございます。
#29
○主濱了君 じゃ、ちょっと話題を変えます。
 また同じことでお伺いしたいと思うんですが、ちょっと話題を変えまして、昭和四十一年の六月十日、ちょっと古いんですけれども、古いからといってこれはどうのこうのということじゃないと思うんですよね、昭和四十一年六月十日の商工委員会での農林省の答弁要旨であります。農協等は、明文上ないが、政治的中立の原則の上に立って運営されるべきものと考えておりますと。また、同委員会での、今度は内閣法制局なんですけれども、この同じ委員会の中で内閣法制局の答弁要旨は、ただいま農林省が答弁したところに従って解釈をし、法を運用すべきである、私の方も当然だと思っていますと、こういうふうな答弁をしております。
 一方におきまして、平成十三年の六月二十一日、これは衆議院の方の、衆議院の農水委員会、武部大臣の答弁、これですが、中央会も法律により法人格を付与された組織であり、他の法人と同様、目的遂行に資する限りにおいて政治活動を行うことは認められていると考えていますと。このため、公職選挙法や政治資金規正法に反しない範囲で政治活動を行うことは、目的の遂行に資する限りにおいて認められるものと考えるものでありますと、こういうふうになっております。
 先ほど来いろいろ答弁いただいております中小企業等協同組合法第五条の三、「組合は、特定の政党のために利用してはならない。」と、こういったような規定、解釈から見て、経済産業省は今のこの武部大臣の答弁をどのようにお感じになるか。もしあればお答えをいただきたいと思います。
#30
○政府参考人(数井寛君) お答え申し上げます。
 政治的中立規定の有無又はその解釈、運用につきましては、それぞれ各法律ごとに個別に判断されるべきであると考えております。
 以上です。
#31
○主濱了君 それでは、同じ質問です。
 この武部大臣のこの答弁について、やはり同様の規定を担当しております厚生労働省はどのように考えるか、お伺いをしたいと思います。
#32
○政府参考人(坂本森男君) 協同組合原則の原則につきましては、生協法におきましても加入の自由が規定されているところでございます。昭和二十三年の生協法の制定時におきまして、生協は一定の地域又は職域による一般消費者の相互扶助組織であることを考慮いたしまして、当時の協同組合原則の状況を踏まえ、政治的中立の規定を盛り込んだところでございます。その他の各協同組合法の政治的中立規定の有無につきまして、それぞれの制度の創設時に、各組織をめぐる状況に基づき個々に判断された結果と理解いたしております。
 現在におきましては、政治的中立規定の有無については各法律ごとに個別に判断されるべき問題であると考えているところでございます。
#33
○主濱了君 厚生労働省には大変申し訳なく思っております。質問通告しないで質問をしてしまいました。
 では、内閣法制局。内閣法制局は今の質問について、武部大臣の答弁についてどのようにお考えでしょうか。
#34
○政府参考人(山本庸幸君) お答えいたします。
 私ども実はただいまの二省の答えと同じようなものでございまして、一般論でございますが、ある種の法人について政治的中立性に関する規定を法律上置くべきか否かは、その法律の目的等に照らしてそれぞれ判断すべきものと考えております。
#35
○主濱了君 それでは、農林水産省にお伺いをいたします。
 昭和四十一年、先ほど申し上げました昭和四十一年の政治的中立の原則の上に立って運営されるべきと、このような答弁が一つあります。一方において、平成十三年の公職選挙法や政治資金規正法に反しない範囲で政治活動を行うことは、目的の遂行に資する限りにおいて認められると、こういった武部大臣の答弁があります。
 同じ農林省とそれから農水省と、この中で答弁が大きく変わっていると私は思います。まず、その変化の認識があるのかどうか。こういうふうに変わっていると、答弁の内容が変わっているという認識があるのかどうか、まずお伺いをいたします。
#36
○政府参考人(高橋博君) 昭和四十一年当時の答弁と先ほどの平成十三年におけます武部大臣との答弁との間では、私どもの運用について差があるというふうに認識しております。
#37
○主濱了君 それでは、四十一年は政治的中立の原則の上に立って運営されるべきとはっきり言っていますよね。ここから変わった理由というのは何ですか。認識した以上は理由があるはずです。
#38
○委員長(平野達男君) 大臣答弁ですけれども事務局に答弁させていいんですか、これは。いいんですか、はい。高橋経営局長。
#39
○政府参考人(高橋博君) かなり詳しい事実経過でございますので、私の方から御答弁させていただきます。
 最初の昭和四十一年の国会答弁でございますけれども、これは四十一年六月十日、衆議院の商工委員会におけます当時の農林省からの答弁でございます。これにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、農協法については立法以来政治的中立に関します規定がないということについて、農協は特定の政党のために利用してはならないという条項がないということについて問われた際に、当時、国際協同組合同盟、これは各国の協同組合組織の国際的組織でございますけれども、ここで定めておりました協同組合原則において、当時の協同組合原則には政治的中立がうたわれていたこと、これがまず第一点でございます。それから二点目といたしましては、いわゆる法人の政治活動、これは別に協同組合に限りません、一般の株式会社等の普通法人も含めてでございますけれども、法人が個人と違って政治活動の自由を有しているかどうかということについては、議論が当時ございました。このような状況を踏まえまして、当時、明文の規定がない農協法についての農林省におけます行政運用の考え方として、このような時代背景を踏まえて答弁を申し上げたものであります。
 一方、その後、昭和四十一年九月に、先ほどの国際協同組合同盟の協同組合原則が改正されております。協同組合は、政治に対して必要又は適切な態度を取るための自由がなければならないということで、それまでの政治的中立の条項が除外されております。また、昭和四十五年六月には、法人は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し又は反対するなどの政治的行為をなす自由を有するとの最高裁の判例が示されたわけでございます。
 このような事態を踏まえまして、農林水産省といたしましては、先ほど来申し上げております法律上明文の規定がないという農協法の行政運用については、以降、農協がその目的の達成に資する限りにおいて行う政治活動については、他の一般の法人と同様、公職選挙法や政治資金規正法に抵触しない限り認められ、農協の自主的な判断にゆだねられるべきものという立場を取りまして、武部大臣の答弁にまで至っているものでございます。
#40
○主濱了君 今の御見解には私は反対であります。
 どこが反対なのかというと、確かに、一九三七年の組合原則、ここでは第五原則に政治的中立が含まれておりました。ただ、一九六六年、この政治的中立が削除されました。ただ、削除されても、これ、第一原則の自由加入制の中で、協同組合の組合員であることは自由意思によるべきであり、組合のサービスを利用することができ、かつ組合員としての義務を負う意思のあるすべての者に対して人為的な制限、すなわち、どんな社会的、政治的な又は宗教的な差別もしないで認められなければならないと、こういうことで自由に入れると、政治的な差別なく入れると、こういうことであります。すべての人に開かれているわけであります。
 しかし、加入した組合自体が、まあ政治的な制限なくて入れるんですが、加入した組合自体が政治的に中立でないとすれば、これは大変なことですよ。まさにその組合員の一人である人は、意に反した権利を有し、意に反したサービスを受け、意に反した負担を強いられる、こういう場合があるわけですよ。ですから、私は今の見解にはもう全く反対であると、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
 更に話を続けてみたいと思います。
 同じく、同じ答弁なんですが、今度は答弁者変わりまして、平成十九年一月三十一日の参議院の本会議であります。同僚の谷議員の、農協は、協同組合法に基づき、組合員農家のため最大の奉仕をすることを目的とする非営利団体ですと。中略、このような公益性の高い法定団体が特定の候補者を応援する政治活動を行うことは、農協法の趣旨に反すると同時に、農協の中立性への信頼を失いかねないと言わざるを得ません、こういった質問に対しまして、当時の松岡農林水産大臣、農協組織につきましては、農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上を図ることを目的とする団体であり、このような目的の達成に資する限りにおいて行う政治活動については、他の法人と同様、公選法や規正法に抵触しない限り認められるものと認識していると、こういった同じような、武部大臣と同じような答弁がなされております。
 この中で一つだけ、この他の法人と同様にと言っていますが、この他の法人というのはどういうものを指しているんでしょうか。
#41
○政府参考人(高橋博君) 御指摘の十九年一月三十一日の参議院本会議におけます谷議員に対します当時の松岡大臣の答弁内容におけます他の法人でございます。
 これは先ほど申し上げましたが、昭和四十五年六月の最高裁判決において、いわゆる法人一般につきまして、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し又は反対するなどの政治的行為をなす自由を有すると示されたことを受けまして、政治活動の制限についての明文の規定がないものを除いて、農協についても政治活動の自由を有するという行政運営の考え方を示したものでございます。
 すなわち、同判決におきましては、憲法に定める国民の権利及び義務の各条項は、性質上可能な限り、内国の法人にも適用されるものであるという論旨を示した上で、株式会社についても政党に対する政治資金の寄附の自由を導き出しているものでございます。
 このことから、当時の大臣におけます他の法人とは、特に法律上の制限がなされていない限りにおいて、広く一般の内国の法人を念頭に置いたものでございます。
#42
○主濱了君 これも納得できませんね。
 それでは伺います。農協とか漁協とか、それから森林組合の公益性があるのかどうか。そして農協とか漁協とか、それから森林組合の存在の意義、これをどう考えていますか。
#43
○政府参考人(高橋博君) 農協、漁協、森林組合等でございますけれども、それぞれ、農業、水産業及び森林の生産力の増進並びに農業者、漁業者、森林所有者等の経済的社会的地位の向上を図ることを目的といたしました、これらの方々によります協同組織と認識しておるところでございます。
 そのような意味で、他の協同組合と同様、民間の協同組合という認識でございます。
#44
○主濱了君 また重ねて伺います。それでは、生活協同組合あるいは中小企業等協同組合、ここには政治的な中立の文言が入っております。これとどう違うのか、これをお答えいただきたいと思います。
#45
○委員長(平野達男君) だれに対する質問ですか。
#46
○主濱了君 これは農林水産省にお答えをいただきたいと思います。
#47
○政府参考人(高橋博君) それぞれの協同組合につきましては、それぞれの社会的経済的実態、それから諸情勢の要請等を踏まえた上でその設立に至り、そして現在においてもそれぞれ独自の社会的存在として活動されているものというふうに認識しております。
#48
○主濱了君 それでは、質問にはないんですけれども、土地改良区についても同様にお考えでしょうか。農林水産省、お願いします。
#49
○政府参考人(高橋博君) お尋ねの土地改良区でございますけれども、これは協同組合ではございません。基本的には公法人という形で、加入、脱退等の自由も、またこれについては加入強制というような制限がなされておりますし、また三分の二強制というような事業執行の特殊な状況を有している法人でございまして、私どもといたしましては協同組合とは違った組織という認識を持っております。
#50
○主濱了君 次は、先ほどの答弁に戻ります。松岡農水大臣の答弁の中で、「このような目的の達成に資する限りにおいて行う政治活動については、」と、こういうふうに言っておりますけれども、この政治活動をどのようにとらえているのか、この答弁の中で政治活動をどのようにとらえているのか。選挙活動とどう違うのか、あるいは選挙活動だったらばどうなのか。この辺についてお伺いをいたしたいと思います。農林水産省、お願いします。
#51
○政府参考人(高橋博君) 御指摘の農協等の政治活動でございますけれども、先ほど申し上げましたように、農協等は、農業生産力の増進、農業者の経済的社会的地位の向上を図る、そういったことを目的とする団体でございます。したがいまして、このような組織が行います政治活動等につきましても、このような組織の目的の達成に必要な政治活動というふうに認識をしているところでございます。当然のことながら、法律の範囲内で行われる政治活動であるということが必要でございます。
 なお、政治活動等につきましての具体的なお尋ねでございますけれども、政治活動等についてのお尋ねにつきまして、私どもといたしましては、公職選挙法等、あるいは政治資金規正法等の政治活動ということについてお答えするような立場にないことは御容赦いただきたいと思います。
#52
○主濱了君 この松岡大臣の答弁、この答弁の内容といいますか趣旨といいますか、この考え方は現在も変わっていないと、こういうことでよろしいんでしょうか。農林水産省、お願いいたします。
#53
○政府参考人(高橋博君) 変わっておりません。
#54
○主濱了君 もう一つだけ。
 先ほどお話のあったとおり、この松岡大臣の答弁は政治活動に限定した答弁であるというふうに思うわけですけれども、これは選挙活動の場合でも是認できる答弁の内容だとお考えでしょか。農林水産省、お願いします。
#55
○委員長(平野達男君) 委員長から質疑者に申し上げます。
 政府委員にばかりずっと質問していますけれども、今回の趣旨は議員立法で提案していますから、大臣もおりますし、副大臣もおりますし、政務官もおります。質問の内容等勘案してのことがあると思いますが、是非その辺も勘案していただきたいと思います。
#56
○政府参考人(高橋博君) 先ほどお答えいたしました公職選挙法あるいは政治資金規正法上の政治活動あるいは選挙活動の定義についてのお答えは、私どもとしては差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、先ほど来から申し上げておるように、農協等の活動につきまして、政治的な活動については、公職選挙法あるいは政治資金規正法等の法律規制、そのようなものに抵触しない限りは認められるということでございます。
#57
○主濱了君 それでは、またここでちょっと話題を変えたいと思いますが、今度は経済産業省の方にお伺いをいたしたいと思います。
 これは平成十七年の五月十七日、衆議院の財金委員会の馬淵委員に対する佐藤政府参考人の答弁でありますけれども、中小企業等協同組合法第五条の三、「組合は、特定の政党のために利用してはならない。」のこの趣旨につきましての答弁であります。中小企業等の相互扶助組織である組合が、例えば特定の政党による介入を受けたり、あるいは特定の政党への傾斜を強めたりすることによって、当該組合の自主的な経済活動が阻害される事態であるとか、あるいは組合員が政治的見解の相違によって相互に排斥し合ってその人的基盤が弱体化するといった、こういう事態を防止することを目的として組合が特定の政党のために利用されてはならないということを規定したものと承知していると、こういうふうな答弁がなされておりますけれども、この答弁に変更はありませんでしょうか。
#58
○政府参考人(数井寛君) 委員御指摘の中小企業等協同組合法に関しましての考え方の答弁については、変更はございません。
#59
○主濱了君 これはまた質問通告していないんで大変恐縮ですが、この政治的中立規定を所管をしていると、こういうことで、厚生労働省の方に今度伺いたいんですが、同様の、今、私が申し上げましたその政治的中立について、これについて厚生労働省はどのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。
#60
○政府参考人(坂本森男君) 政治的中立につきましては、先ほど申しましたけれども、各協同組合法の政治的中立の規定の有無ということにつきましては、制度の創設時において個々に判断されたものというふうに考えております。
#61
○主濱了君 大臣にお伺いしたいと思います。
 今までずっとお話を聞いていただいたわけですけれども、結局、それぞれ目的は違っても同じ協同組合という、一つのですね、同じ協同組合というその原則の下にあると考えられる、協同組合はそう考えられるわけですよね。特定の政党のために利用してはならない、又は政治的に中立でなければならないと、こういう点については、私は扱いを異にする必要はないのではないか、同じ協同組合ですから、そういうふうに私は思うわけであります。
 したがいまして、農協法等関係法律に協同組合は政治的に中立でなければならないと、こういう規定を置くことは協同組合として何ら問題はない、逆にむしろ置くべきであると、私はこう考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(石破茂君) 先ほど来政府参考人からお答えを申し上げておりますが、現行の農協法にはその立法以来、明文として政治的中立の規定がございません。このような中で、農協がその目的の達成に資する限りにおいて、ここが大事なんだと私は思っているんですが、その目的の達成に資する限りにおいて行う政治活動については、一般の法律と同様、公職選挙法や政治資金規正法に抵触しない限り認められてきたところでございます。
 そうすると、今回、新たに政治的中立規定を設けることにつきまして、現に農協等が有している政治活動の自由に新たに制限を付加するということになるわけでございます。これを是とするか非とするか。明文上規定がない、そしてその目的の達成に資する限りにおいて行う政治的活動ということがあって、そうであるにもかかわらず新たに制限を加えるということが農協の活動においていかなるプラスになるのかということなんだろうと私は思っております。
 それはそれぞれの価値判断なんだとは思いますが、私として、明文に規定がない、そして政治資金規正法、公職選挙法に抵触しない限り認められたものに新たに制限を課すということについては、私は慎重な判断があってしかるべきだというふうに判断をいたすところでございます。
#63
○主濱了君 ありがとうございます。
 重ねてお伺いをしたいと思います。現に消費生活協同組合法あるいは中小企業等協同組合法に政治的中立の規定があります。これをいかにお考えでしょうか。
#64
○国務大臣(石破茂君) それは、そのときの立法趣旨に基づいて判断をされたということでございまして、農林水産省としてそのことについてどうであるかということにつまびらかにお答えするだけの権能を私どもは持ちません。
#65
○主濱了君 今、現に農協法等の一部改正法案が提案をされております。そして、今審議中であります。これについてはいかがお考えでしょうか。
#66
○国務大臣(石破茂君) 先ほど一番最初の御質問にお答えをしたとおりということになろうかと思います。
 それに加入する組合員に対して、何か不当な制限が加えられるか。どうも委員の御質問は、私の聞き方が悪いのかもしれませんが、例えばどこか特定の、どこでもいいんですが、政党を支持していると。ほかの政党を支持される方がその組合におられて、何か不当な制限、制約というものを受けるのだろうかということなんだと私は思います。そこにおいて何ら差別的な取扱いというのはなされるとは思っておりません。そうすると、農協がその目的達成に資する限りにおいてそういう活動をするということに否定的に考える積極的な根拠が、これは私の個人的な考えでございますが、なかなか理解し難いところではございます。
#67
○主濱了君 御見解としてお伺いしたいと思いますが、最後に、今の大臣答弁も含めまして内閣法制局はいかにお考えなのか、御見解をお伺いをしたいと思います。
#68
○政府参考人(山本庸幸君) 一般論で恐縮でございますが、それを先ほど申し上げまして、それを協同組合について当てはめますと、それぞれの根拠法の目的やら組合の活動の内容、それから組合員のニーズ、それぞれ異なるわけでございますので、一概に協同組合法人の政治的中立性について一律にこれを規定しなければ協同組合としての均衡上問題があるとまでは考えておりません。
 いずれにせよ、お尋ねはすぐれて立法政策の問題でございますから、私どもの方からは答弁を差し控えたいと思っております。
#69
○主濱了君 以上で終わります。
#70
○岩永浩美君 自由民主党の岩永浩美です。
 今日、農協法の一部改正案が提案をされました。私はこの委員会にずっと所属をしていて、民主党の議員さんと農業政策について余り変わった意見というのはなかったんですね。しかし、今回なぜか農協法の一部改正ということについて、何でこれほどまでに違った提案をなさるのか、少々私は疑問に思っているんですよ。現実的に、二十二年度に農協の制度創設があって、六十年の歳月が過ぎているんですね。そして、その中に政治活動の自由も認められてきたんですよ。なぜ現時点で新たな規制を設ける必要があるのか。何か民主党の議員さんには全然応援しないで自民党ばっかり応援しているから、この際、選挙を間近に控えたんで、何とかここで民主党にも応援しろということでこういう提案をしておられるのか。そういう趣旨だとすれば甚だ私はおかしいと思うんですね。
 現実的に、農協というのは大体営農指導とかやっぱり生活指導とかそういうものをずっとやってきているんですね。なぜ今ここで制度の改正又は付加して中立を求めるなんてことを書かなきゃいけなくなったのか、そこら辺の理由をいま一度教えてもらいたいと思うんですね。
#71
○郡司彰君 六十年にわたりましてこれまで政治活動をしてきたではないかと、改めて今なぜそのようなことをというようなことかなというふうに思っております。
 まず、先ほど来からの話にもございましたけれども、昭和二十二年にこの法律ができ上がったということは、これは岩永委員もよく御存じのことだろうというふうに思っております。そして、そこに対しまして、ほかの協同組合では設けられている規定がなぜ農業協同組合に対してはないんだというところからの話もまたあったんではないかなというふうに思っております。
 もう岩永委員御存じのことでございますけれども、いわゆる戦前の産業組合法に基づく、あるいは農会というような組織の在り方から、これは戦時中はまた変わりまして、農業会というような戦時経済の下で、あるいは統制経済の下での行政の下請としての運動というか活動というものが何年かございました。その後、戦争が終戦をした、敗戦をしたということの中で、これまでと違った統治体制の下で、いわゆる進駐軍の下でこの農政改革と農村の民主化というようなことが行われてきたんだろうというふうに思っております。その中で一番最初に、この協同組合の関連でいいますと二十二年に農業協同組合法というものができ上がったわけでありますけれども、まさに先ほど申し上げた農政改革と農村の民主化というものを主にしたところのGHQの部局というものがこの法案をまとめたんではないかという答弁、これは私自身の勝手な考え方ではなくて、先ほど来から言っております四十一年の六月の政府の答弁、農林水産省の答弁として当時はそのようなことがあったということについてはまず申し上げておきたいなというふうに思っております。
 したがいまして、そのような形の中でこれまで運動をしてきた。私どもも、当たり前のことでございますけれども、協同組合そのものは事業と活動を行う、事業と運動を行うということについては何の異論もございません。それが農政活動という形で行われていることについても何ら異論を挟むものではございません。そのことが場合によっては政治的な中立を損ねるような形になるとすれば、それはゆゆしき問題であって、これはなさるべきではない。
 それから、直近の話でいいますと、十六年のときの農協法の改正ということがございましたが、そのときも私どもはその趣旨で申し上げたのでありますけれども、国が農協との関係を自立をしなさいというような中身の法律改正の中身であったんではないかなと、このように思っております。したがいまして、それは本来農業協同組合そのものが自ら行うべきところを法律で先に直された、私はそのときにも、政治的な中立というものが一緒に議論をされてしかるべきだと、このように申してきたところでございまして、急に昨今になってということではなくて、以前からの思いとして、農業協同組合という中にも政治的中立というものがあってしかるべきだというふうに思ってきたところでございます。
#72
○岩永浩美君 先ほど主濱先生から、それぞれの協同組合の中における政治的中立を入れるかどうかということについて、それぞれの役所にお聞きになりました。その折に、それぞれの制度創設時に個々の事情に基づいて入れたり入れなかったりということは御説明があったと、御理解をいただいたと思うね。元々横並びではないんですよ。先ほど大臣からも御答弁いただいたけれども、農協の場合には、そういう時点でその必要がないという前提で政治的中立ということが入っていないんですね。
 今、発議者の郡司先生かな、やっぱり農家の自立を求めていく一つの過程の中でそういう議論があったかもしれない。しかし、まだ私は農家が独自で自立できる段階までなってきていないと私は思いますよ、農業団体は、農業団体というより農家は。私は、そういう政策実現のために農家の営農指導並びに生活改善等々について農業団体が、与党である、今私ども与党ですね、あるいは皆さん方が与党になるかもしらぬ、政策実現のために与党により多く、野党の皆さん方よりも意見を聞く機会が非常に多い。そのことが皆さん方にとってみると政治的中立を保っていないんじゃないかという、そういうことに映っているとすれば、そのことによってこっちの意見も聞けと、いろいろな意見を言い合う。
 特に私は、あの戸別所得補償のときに皆さん方が提案をされた、あれは多くの皆さん方、多くの農家の皆さんのやっぱり評価を受けたんですよ。そのとき皆さん方だって農業団体にも随分行っていろいろな話をしてこられたと思いますよ。農家の皆さん方にも話をされたと思いますよ。直接お聞きをしていく過程の中でこれだって言われた。だから、それぞれの地域の中で民主党の議員さんをすごく応援をする人もおられるだろう。自民党の議員さんをすごく応援する人もおられるだろう。同じ自民党の中でも、農業団体としてこの人はやっぱり同じ与党であっても疎遠だなと思う人もおられると思うんですよ。
 私は長い間陶磁器組合の理事長をずっとしていますよ。私は商工の団体の役職をずっと数多くしてきました。そんな中で、やっぱり政治活動というのは団体でするんじゃなくて政治連盟、そこでちゃんとやっぱりやっていますよ。それをなぜここでこういうことをまたぞろ、横並びでもなかったのに今ここでそういうことを言わなきゃいけないのか、甚だ私はおかしく思うわけ。
 例えば、さきに成立した金融機能強化法案、あのときだって衆議院の附帯決議の中で中立を付加されましたね、付記されました。これは当然のことですよ、当然のこと。それから、中小企業団体、売手と買手、生協なんかについて売手と買手がありますよ。銀行は貸し手と借り手がある。そこに思想的にちょっと違うからとかそういうことで判断されたんじゃ、身もふたもないことは言うまでもない。そこは保たなきゃいけないことですね。
 しかし、農協中央会が今果たしている役割というのは、それぞれの個々の農家の皆さん方の生活をやっぱり守っていくこと。そして、自給率を高めていくために個々の農家をばらばらにして本当にそれだけのことができますか。私は、やっぱり中央会の皆さん方が、それぞれの地域ごと、ブロックごと、県別、同じ県の中でも四ブロックも五ブロックも分かれた、その一つの施策が違いますよ、そういう指導をしていただいていることが農協の一つの役割なんですね。
 私は余り有名じゃないから、県の東部の方に行って職員の人が知らない人もたまたまいるかもしれないけど、しかしちゃんとやっぱり、ああ、今ここら辺では何がありますかと、ああ、こっちの畜産農家に行って今どんなもんですかといろいろ聞いて回りますよ。そういう政治活動をしていく過程の中で要請活動というのは数多く出てくるんですね。
 逆に、私は労働組合とかそういうところ余りお呼びじゃないから行かないんですね。その人たちから余り聞かないんですよ、いろいろな要望というのは。皆さん方の方がよく聞くだろう。しかし、それだからといって、労働組合の皆さん方がほかのところ、皆さん方のところへ行かれたら政治的中立性を保ってないじゃないかなんて言ったことないな。
 私はやっぱり、中央会の皆さん、農協中央会がそういう活動を通してやっている政治活動、政治活動というよりも日ごろの政治活動をしていく過程の中でその要請活動が多くなってくることがやっぱり必要なんで、農協自体で、私は今まで選挙九回やりました、九回、地方議会からね。九回やったけど、農協の組織でやってませんよ。農政連でやってますよ。それを何か二重縛りみたいなことでまたそれをやってというようなことをやること自体が私はおかしいと思うんだけど、それはどう思いますか。
#73
○郡司彰君 今お話を伺っておりまして、まさにそこの最後のところが大事なところだなというふうに思っております。個々のケースについて何県のどこのというような話をするつもりはありませんし、岩永先生のところ、議員のところはまさにそのような形できちんと仕分がされているんだろうというふうに思っております。
 私どもがこれまで伺っているところによりますと、例えば農協の名簿を使って選挙のようなものを出したりするのではないか、あるいは建物という農協全体の財産のところに特定の政党のポスターや特定の候補者のポスターを張るというような形がどうなのだろうか。これは、やはり検討をしていただかなければいけない問題があるのではないかなというふうに思っております。
 それから、余計なことでございますけれども、委員の方から労働組合という話がございました。これは私の今日のところの範疇ではございませんけれども、労働組合の関係につきましては、四十年の福岡高裁の判決を始めとしまして、四十三年の最高裁判決など、政治運動を妨げるものではないという判決が労働組合については確定をしているんではないかというふうに思っておりまして、今回のところと直接の関連でということにはならないのではないかなと思っております。
#74
○岩永浩美君 私も労働組合のことを言おうと思っているんじゃないんですね。今先生言われたけど、民主党さんの看板ね、看板、森林組合の事務所の前に張ってあったりしていますよ。
#75
○郡司彰君 個々のどこどこの何々という話をこの場で私も余りするつもりはないんであります。ただ、そのような形で今回決まって、訓示規定であろうともやはりそういうものは改めていこうということになれば、先ほど言ったような政治連盟というものの中での財産であればそれは結構でございますし、そのような形の区分けというものをやはりしていくということももちろん求められてくるんだろうというふうには思っております。
#76
○岩永浩美君 私は、個々の問題では言いたくないと言われたけど、個々の問題でそういう民主党さんを御支持いただいている農協もあれば、森林組合も水産組合もあるんですね。だから、そういう形で自主的に本当にやっぱり人間関係のコミュニケーションが深くなっているところは、民主党さんであったり共産党さんを支持したりっていろいろありますよ。それを何か、与党がそのことを縛りを掛けて一方にばかり引っ張っているような誤解を与えるような、今またここで中立を求めるなんてこと自体が本当におかしいと思うんですね。
 特に、二〇年代において協同組合の国際機関の国際協同組合同盟が定める協同組合原則に政治的中立は規定されていたが、一九六六年の同盟の大会でこれは除外されている、このような経緯があるんですね。
 そういう点で、政治的中立を設けることが妥当かということを、まずそこを聞くんだけど、その中で議論された際に、削除していくときに、協同組合はそれ自身の経済上の主義をもって立派に定義付けられる経済的利益を代表する運動であるから、それが党争の題目であるなしにかかわらず、性質上政治的である政府が行うこととの関係を避けることはできない、政治に対して誤りを警告して苦情を訴えていく特権を自ら否定することは想像もできないという、そういう一つの議論がなされているんですね。
 だから、今そういうことを言って、中立を入れておかないと、何か与党にばっかり利するようなことをしているんじゃないかなんてせんさくは余りしない方がいいと思う。コミュニケーションが深ければ深いほどやっぱりそこにお願いをするということは当然出てくることなんですから。それについて私はどう思うかということが一点。
 そして、ここの中に農事組合法人も入るんですか。
#77
○郡司彰君 まず、前段のところのお話をさせていただきたいと思っております。
 先ほど、前段のやり取りにもございましたから余り深くは述べませんけれども、一九三七年のパリ大会で項目の中に政治的な中立というものが入っておりました。確かに、委員が言われましたように、四十一年、一九六六年の大会ではその文言が削除をされたような形になっております。
 問題は、その三年前の大会が行われたということがあります。ボーンマスの第二十二回大会ですかね、というのが行われましたが、この時期、背景というものがございまして、このときにセントロソユーズという協同組合、これソ連の協同組合でございますけれども、そこが次回の大会までに議論をして見直しをしようではないかというようなことがございました。これ、時代背景も、委員も御存じのとおり、社会主義という国が誕生をして、まさに協同組合が産業革命から勃発をした資本主義という中の矛盾というものを解決をする組織として生まれた。そういうような運動をする中で、社会主義の国の協同組合というものはもうそういうものをすべて止揚をしたんだと。だから、一党の下で、政党と一緒で、国家と一緒でやっていって何の違和感もないんだと、当たり前なんだというような議論があって、先ほど言われた一九六六年のウィーンですね、ウィーンの大会におきましてまた変わったということなんです。
 しかし、私が問題にしているのは、協同組合の中は、この議論は非生産的だということでやるんではなくて、この議論を糧にして生産的に協同組合というものの脱皮を図っていくんだという中で新たな原則というものを作ってきたんです。そして、今現在は一九九五年の新しい七項目ということになっておりますけれども、そこの第一番目の公開性の問題、それから第四番目の自主自立というような中において、まさに度々この文言として使われるロッチデールの原則というものは生かされる形で、発展をした形で入っているというような認識でございますから、私どもは今回の提案をしているということでございます。
 それから、農事組合法人が入っているかということでございますけれども、これを含めております。
#78
○岩永浩美君 農事組合法人と協同組合と同一に考えているわけですね。
#79
○郡司彰君 ただいまの農事組合法人の関係でございますけれども、農事組合法人につきましては、我が国の農業の実情からして、一気に農業生産工程の全部を協同化して法人に移行をするというよりも、農業機械の共同所有でありますとか、あるいは共同利用施設の設置等の農業生産工程の一部についての初歩的な協同をしているというような形で理解をしております。したがいまして、農業協同組合よりも簡便な方法、形で法人格を取得できる協同組織としての制度として設けられたものと承知をしております。
 こうした農事組合法人の制度ができた経緯からしましても、また農事組合法人の目的が構成員の共同の利益の増進を図るというものであることからしても、農事組合法人は農業協同組合の簡易版とも言うことができることでありますから、今回の法案では、農事組合法人についてもその政治的中立を規定することとしたものでございます。
 これまで述べてきたとおり、今回の法案で設けることとする政治的中立の規定、この規定は、組織が特定の政党による介入を受けたり組織として特定の政党への傾斜を強めたりすることを制限するものでありまして、農政等に関する意見表明、国会への陳情、立法活動の提案など、いわゆる農政活動を制限するものではないということも加えさせていただきます。
#80
○岩永浩美君 農事組合法人は何人から構成すると理解していますか。三人から農事組合法人はできるんですよ。これは農協の、農協というよりも協同組合の組織とは違いますよ。これは個人ですよ。これは協同組合じゃなくて協業ですよ。これは個人ですよ。
#81
○郡司彰君 一応、参加の資格、成員の資格としましては、農民、それから農業協同組合というものも入りましょうし、農地保有法人というか、そういうものも構成成員としてなっているんだというふうに思っておりまして、少ない人数からできるということも承知をしておりますけれども、今回の場合には加えさせていただいております。
#82
○岩永浩美君 協同組合が入った農事組合法人というのは何ぼありますか、じゃ。
#83
○郡司彰君 数についてただいま承知をしておりませんので、後ほど、調べてお答えをします。
#84
○岩永浩美君 農事組合法人は個人でやって、今、集落営農の中で担い手を中心にしてやったり企業が参入したりして、生産から販売までという、そういう一つの付加価値を付けるために農事組合をつくっている人はいますよ。あるいは大豆を作って農事組合があり、加工する農事組合法人がある、異業種からの参入もある。
 これは協同組合とは全然質が違いますよ。個人の集合ですよ。個人の集合を何であなたは協同組合と一緒にするんですか。
#85
○郡司彰君 重ねての答弁になるような形になりますけれども、農事組合法人の制度ができた経緯からしましても、また農業組合法人の目的が構成員の共同の利益の増進を図るということであることからしましても、この法人につきましては協同組合、農業協同組合の簡易版というような解釈ができるのではないか、そのようなことで加えさせていただいているものでございます。
#86
○岩永浩美君 さっき、農業協同組合と一緒になってやっていた農事組合法人が幾らあるか分からないと、こう言われる。少なくとも、今幾ら、私自身も分からない。
 農事組合法人というのは、通常、それぞれの地域の中において同業の人、その人たちの三人から五人ぐらい、あるいは十人ぐらいになっている部署もあるでしょう。人数については私は言いませんよ。少なくとも、農協とか信用金庫とか信用組合とか、同じような取扱いをここの中で縛るということはおかしいですよ。
#87
○郡司彰君 委員の言わんとする実態については、話を聞いていても分かります。
 ただ、私どもの理念としましては、これも委員にとっては大変口幅ったい言い方になるかもしれませんけれども、そもそもの協同組合の発足そのものが二十八人という数字でございました。それが多いか少ないかというようなもちろん論点もあろうかと思いますけれども、私どもの思いとすれば、先ほど来から申し上げているようなことでございまして、その実態を、大きくなっても包含できるような考え方としてのことでもって今回提案をさせていただいております。
#88
○岩永浩美君 今先生からもお話があったように、当初は二十八人だった。しかし、実態が伴わないから三人以上で認めるようになったんですね、農事組合は。
 それなら、実態が合うようになったときに農事組合は入れればいいじゃないですか。ここでこの農事組合法人は外しなさいよ。
#89
○郡司彰君 岩永委員からの、もしかすると温かい御提案かなと。農事組合法人を離すという協議が調えば、全会一致というようなことになりますれば考えても結構なんでございますけれども、今日のところの審議の中で私ども今その時間を与えられてはいないのかなというふうにも思っております。
#90
○岩永浩美君 私は、それを外して全会一致で賛成というわけじゃない。法案そのものが欠陥だから、私はおかしいと言っているんですよ。法案そのものがおかしいから、欠陥だから、私はおかしいと言っているんですよ。もし、これを取り下げなかったら、それを外さなかったら、私は退席しますよ。
#91
○郡司彰君 立法の趣旨は先ほど来から申し上げているようなことでございます。したがいまして、今回のことにつきましては、その趣旨をもって農事組合法人については含めるというようなことで御理解をいただきたいというふうに思っております。
#92
○岩永浩美君 私はね、ここで議論して、その趣旨を理解してと、後に憂いを残すことはしたくない。欠陥です。個人の集まりなんですよ。思想、良心を侵すことになりますよ。農事組合法人は外さなければ、あなた、おかしくなります。私は、それを外せないというなら退席します。
#93
○郡司彰君 度々のお尋ねでございますけれども、経緯については先ほど来から申し述べているところでございます。
 法律上も、農協法において農事組合法人については議決権の平等が定められ、またその配当についても、事業の利用分量や払込み済みの出資の額に応じてしなければならないとされているなど協同組合として遵守すべきルールと同様のルールが定められていると、こういうような形でもって、私、先ほどから農業協同組合の簡易版ではないかというようなことを申し上げてまいりました。
 こうしたことからも、本質的には協同組合としての性質を有しているのではないか、実態としての先ほど来からのお話を承っておりますけれども、その数をもって性質を変えるということではないのかなというふうに私ども思っております。
#94
○岩永浩美君 農事組合法人のやつについては、先ほどから私ども言っているように、それぞれの地域の中における同業の士、同じ生産をしている人、あるいは付加価値を付けてやっていく、異業種からの参入等々を含めてやっていくと、普通の協同組合とは趣を異にするんですよ、実際は。そういう趣を異に、協同組合とですよ、それを一緒くたにして、ほかのやっぱり信用組合や農協や、あるいは森連や水産組合と同じ形の取扱いをして、それを縛りを掛けるなんてこと自体は法案がおかしいんですよ。
 それ、これ以上言ってお互いに平行線、そしてここで採決するというなら、私は審議を先に終えて、私は退席します。
 理事、お願いします。
#95
○郡司彰君 私はそれはちょっとおかしいのでは、本人ちょっといないんであれですけれども、意に沿わない法案のときを退席をするという形だと通常の委員会そのものが成り立たなくなる可能性もございますんで、これは私どもの答弁の問題ではなくて同じ党の皆様方で検討をいただくことではないかなというふうに思っております。
#96
○委員長(平野達男君) 議事録をちょっと止めてください。
   〔速記中止〕
#97
○委員長(平野達男君) 速記を起こしてください。
 委員長から一言申し上げます。
 この委員会はいろんな見解の相違を議論する場です。意見の違いがあるからといって退席をしますと委員会が成立いたしませんので、以後このようなことがないようにお願いを申し上げます。
#98
○岩永浩美君 質問の範囲で戻ってまいりましたので、御理解をいただきたいと思いますが。
 まずは、先ほど来お話をさせていただいているように、この法案そのものにいろいろな問題があり、欠陥の法案だと私は思っています。
 また、先ほど来いろいろ議論をさせていただいた問題等々も十分に審議をし、そしてまたつまびらかにしながら、もっといい法案に作り上げていくべきだと私は思うし、一番当初私が申し上げましたように、民主党の議員さんと農業政策について余り変わりがない議論を今までしてきただけに、今回の法案について、こういう意見の違いが出た法案が出されるということに対して大変不快な思いをいたしております。
 以上で私の質問を終わります。
#99
○牧野たかお君 続いて質問させていただきます。
 先ほど改正案の条文についての説明ございましたけれども、今回の改正案は、農林中金、農協、漁協等の設立法の中にそれぞれは、それぞれというのは今申し上げた農林中金とか農協とか漁協とかそういうことですけれども、それぞれはこれを特定の政党のために利用してはならないという条文を入れるというのが今回の改正ですけれども、先ほどそういうことの、政治的中立についての御説明ありましたけれども、よく私にはちょっと理解できなかったものですから、どういうことを具体的に指しているんでしょうか、もう一度御説明をお願いしたいと思います。
#100
○委員以外の議員(米長晴信君) お答え申し上げます。
 具体的に申し上げますと、例えば組合の機関として特定の政党又は候補者の支援を決定するようなこととか、あるいは、組合の機関誌等で印刷物によって特定の政党又は候補者の推薦という掲示をすること、また、組合の管理の施設に特定の政党又は候補者のポスター又は看板を立てる等の行為、若しくは組合が管理する施設そのものを例えば選挙活動のために利用するというようなことでございます。
#101
○牧野たかお君 そうすると、今お話をされた以外に、例えば職員の問題だったり、それと組織的にどういうことが政治的中立ではないということになるのか、要は私はちょっと定義がかなりあいまいだと思いますけれども、それについてどう思いますか。
#102
○郡司彰君 先ほど来、厚生労働省の通達等がありましたので、お話をしたことが主でございますけれども、具体的に例えばここのところでどういうふうなことになるんだと。もし、法人といいますか、それと個人と、自然人というか、そういう形の違い、組織と個人というものが区別をして考えた方がよろしいのではないかなというふうに思っておりまして、例えば農協そのものの持ち物であるというようなものについて、それをそのまま特定の選挙あるいは政治活動という政治的なものに使うというのは好ましくないだろう。それ以外の形で、個々人が思想信条の自由に基づいていろいろな活動、行動をすることについては何ら差し支えがないということが大きな分かれ目になろうかというふうに思っております。
#103
○牧野たかお君 ちょっと具体的なことで事例を出して聞きますけれども、農協の施設なんか今、例えばそういう政治関係者が借りる場合、賃貸料というかお金を払って借りるケースになっておると思いますけれども、そういった場合も政治的中立が保てないことになるんですか。
#104
○郡司彰君 例えばホール、会議室等がありまして、それを時間が余っているときにはほかの団体にもお貸しをしているというところが多々あるかというふうに思っております。その場合に何が問題になるかといいますと、この団体には貸すけれども、この団体には空いていても貸さないというような区別をすることなく、時間があって空いている分には申込順に順次使わせるというような形であればそれはどこが使おうと構わない、お金を払ってということになろうかと思いますし。しかし、時間があってもここは貸さない、時間がなくてもここは無理に空けるとかというようなことはやってはいけないことだというふうにこれまでの話の中では確認をしているところだと思います。
#105
○牧野たかお君 それは常識的な範囲内の話で、わざわざ規定をするようなものではないと私は個人的には感じます。
 組合員ですよね、農協にしても漁協にしても森林組合にしても、そういう組合員の方はもう本当に個々の方で、元々政治信条は個別ばらばらだと思いますけれども、今回の出されている趣旨でいきますと、その組合員まで政治的中立を求めるものなんですか。
#106
○委員以外の議員(米長晴信君) この改正案の中ではあくまでも農協としての組織を規定していまして、個々人の政治信条あるいは政治活動等を縛るものでは全くございません。
 ただし、個人としての、例えば農協の幹部がその名において農協を利用するとか、あるいは政治団体をつくってその政治団体の名において事実上農協の先ほど申し上げた具体例等で利用するということであれば、抵触する可能性もあるということでございます。
#107
○牧野たかお君 そこら辺が私は今回の改正案というのは非常にちょっとあいまいというか抽象的で、どこからどこまでが政治的中立かというのがこれ定義ができないんじゃないかというふうに私は思っています。
 それで、政治団体のことも先ほど青木発議者が説明されましたけれども、政治団体、まあ農協の場合は農政連、政治連盟ですね、各、大体漁協にしても森林組合もそうですけれども、そういう政治連盟をお持ちで、政治連盟の政治活動まで規制するというのは、後ほど聞こうと思っていましたけれども、私は、憲法二十一条の要は政治活動の自由までを阻害することになるんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
#108
○委員以外の議員(米長晴信君) これは先ほども申し上げましたけれども、政治団体あるいは個人の政治活動を縛るものではございませんので、そこは政治団体をつくって、その政治団体のいかなる政治活動をも縛るものではないということでございます。
#109
○牧野たかお君 先ほど青木発議者の説明だと、資金が要するに農協だったり漁協だったり、そういう団体から出ていたり、またそういう施設を使ったり、そして所在地がそういうところに、農協、漁協とか森林組合とか、そういう中に所在地がある場合は、政治団体としての活動は、これはやってはいけないというような、そういう趣旨の私は説明として受けたんですが、今の米長さんとのお話とちょっと違うんじゃないかなと思いますけれども。
#110
○委員以外の議員(青木愛君) 今回の改正案は、そういったすべての政治活動を一切否定するというものではありませんので、ただ先ほど私がお答えをさせていただきましたものは、おっしゃられるとおり、農協と離れて政治連盟、政治団体を結成してそこがやればいいのではないかというとそうではなくて、やはりその中身を精査する必要があるのではないかというふうに考えております。
 団体は別であっても、やはりそれが一体化した活動としてとらえられる可能性があるかというふうに考えておりまして、先ほども申し上げたように、その政治連盟の政治活動のその資金が農協から出ていたりとか、あとは例えば、その活動において農協の名前そのものが使われていたりとか、政治団体の事務所が農協の中にあったりとかということを、様々なそうした事実を総合的に考えて判断すべきではないかというふうに考えているというふうに申し上げました。
#111
○牧野たかお君 政治団体というのは、政治団体の届出をして、政治活動が許されている団体ですよね。そこの、要するに農協と農政連は全く別の団体なんですよ。その別の政治団体まで規制をするというのは、私は法律上できるのかなと思いますけれども、いかがですか。
#112
○委員以外の議員(米長晴信君) この法律では、政治団体は一切規定しておりません、縛りは規定しておりません。あくまでも農協組合法に基づく、農協という組織が政治的に中立であるべきということを規定しているものであって、農協の組織員の一部が政治団体をつくって、そこで政治活動をする分には一切この法律には縛られることなくということでございます。
#113
○牧野たかお君 そういうことでいいですね、理解させていただいていいですね。はい、分かりました。
 それでは、対象法人の性格、今回の改正案の対象法人の性格について、私、先ほどから伺っているところによりますと、農協を例に出していいますと、農協法でいいますと、農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上を図ることを目的とする団体というふうに規定されておりまして、さっき主濱委員の質疑の中でも政府答弁がありましたように、要は、この目的の達成のためには、政治資金規正法と公職選挙法に違反しなければ政治活動は認められているというのが政府見解で、やり取りありましたけれども、最終的には政府見解だと思います。もうそれは今日もそういうお答えがありましたんで。
 今回、こういう政治的中立性を求めるということからいいますと、じゃ今までに具体的に設立目的に反するような政治活動の行為が実際にあったんでしょうか。さっきちょっと伺いましたけれども、ポスター張った張らないっていう、そういうレベルの話でいうと、全国八百の農協がありますんで、どっかの一か所ぐらい、八百の農協があって、支所までいったら多分何千、何万ぐらいあるでしょうから、そういう一つの例えば、分かりませんけれども、そんなことで私は本来の設立目的に反しているということにはならないと思いますけれども、その重大な過去の、要はそういう目的に反した政治活動の例があるかないか、お答えをお願いしたいと思います。
#114
○郡司彰君 耳にしていることは幾つかございます。しかし、それをこの場でそのまま口にしていいものやらどうやらということを考えるようなところもございます。
 例えば、ある政党の管理職の方は、このJAについては、あるいはこの連合会については全員入党をしなさいというようなことが行われていたりということも聞いたことがございますし、その他いろいろございますけれども、私自身が声を掛けられたということではなくて、その掛けられた本人からは聞いておりますけれども、例えばの例で申し上げますと、そのようなことも聞いております。
#115
○牧野たかお君 はっきりしないということだと思いますが、仮に、もし今の話が仮にあったとしても設立目的には反していませんよね。要するに、農業者の社会的経済的地位の向上をするために、そういう党員になった方がいいという判断で、もしそれを、強制的というのは難しいですが、入っていただけないかというのは、私は何にも設立目的に反する行為ではないと思いますが、いかがでしょう。
#116
○郡司彰君 それも、だれがどの立場で言ったかということによって異なるのではないかなというふうに思っておりまして、管理職がという区切り方であれば多分に職位上の問題でなされたんだろうと。これは私は今回の趣旨からすると逸脱をするんではないかなというふうにも思っております。
 それから、これは当たり前のことでございますけれども、例えば自らの農業協同組合がそのようなことに関してどのようなことを言っているかということを、例えばこの中央会のまとめたもので読まさせていただきますと、政治的社会的活動とその役割という中で、政治的活動をすることによって農協は政党と関係を持たざるを得ないが、農協法に基づいて組織された法人である農協が特定候補者を推して選挙活動をすることはすべきではない、農協が組織として直接選挙運動に携わることは、組合員の政治イデオロギーが違っている現実から種々の弊害を伴うからである、政党との関係は中立的立場で臨むべきであるというふうに例えば記載がされております。
 私は、先ほど来から申し上げておりますのは、そのような趣旨にのっとって行う、自らが規定をしているというところを私どもはそのことをきちんと守っていくことが、協同組合間協同その他のこれからの協同組合の在り方にとっては望ましい第一歩だろうというふうに思っているところであります。
#117
○牧野たかお君 先ほど委員長もおっしゃいましたけれども、立場を異にするところなものですから、私は、農協、漁協、森林組合、また土地改良連合会、そうしたところと、今までの審議の中で、これ金融機能強化法の中で出てきた話ですけれども、今日も出ていましたけれども、そういうところの私は協同組合、団体と、土地改良区は協同組合かどうか分かりませんが、労働金庫と労働組合というのは、労働金庫のかかわりで労働組合、これから質問しますけれども、全然私は全く性格が違う団体だと思っております。
 それで、過去の事例で政治的中立を求められている法人とすると、労働金庫を例に出しますけれども、今農協とか漁協とかそういうところの過去の、それじゃ大きな、要は政治資金規正法とか公職選挙法に触れないものはあったかという、具体的にないわけですよね。
 ところが、労働金庫には、平成十四年なんですけれども、大きな事案がございました。もう一度ちょっと言いますと、平成十四年に、当時二十一あった労働金庫と全国労働金庫協会において四十三億円余りの簿外資金を十八年間にわたってプールして、労働組合幹部の接待に使ったり、政治資金規正法にも一部違反する三億四千万円の政治関連の支出を行っていたことが過去に明らかになっております。これ、私は事業の運営上、本来その金融業務をやっているから政治的中立を求められていると思いますけれども、本来の事業の運営、お金を要するにやり取りする金融機関でありながら、そこで裏金を作ってこんなことをしていたというのは、私は政治的中立が求められているにもかかわらず全く守られていなかったという、私は大きな例だと思います。
 この政治的中立が守れなかったということは、私は特殊なやっぱり元々の法人としての性格があるからだと思いますけれども、何でこんなことが起きたのか。じゃ、ちょっと金融庁に伺ってみます。
#118
○政府参考人(居戸利明君) お答え申し上げます。
 今、先生御指摘の案件でございますが、平成十五年五月から平成十七年四月までの間に当庁、金融庁と、それから厚生労働省は、当時二十一ございましたすべての労働金庫及び全国労働金庫協会に対しまして、労金運動強化基金の取扱いをめぐる問題において内部管理態勢の充実強化等を求めるため、労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第二十六条第一項等の規定に基づきまして業務改善命令を発出をしたところでございます。この業務改善命令を発するに際しましては、当庁及び厚生労働省は関係法令に基づき、これらの労金や協会に対して同基金の取扱いについて報告を求めるとともに一部検査も行って、実態の把握、原因究明をしたところでございます。
 この結果、各労金及び協会におきまして、同基金の経理処理等について、本来、労金等の資金として処理すべきものを長年にわたり簿外資金として役員が直接管理してきており、その使途は一様ではないが、例えば政治関連支出や要償却案件の処理、不祥事案等の処理、役員の海外旅行費用等に利用されていたこと等が認められるとともに、責任ある経営体制の整備が図られず、内部監査による相互牽制も十分に機能していなかったなどの事実を確認し、内部管理態勢に重大な問題が認められたということで処分をしたところでございます。
#119
○牧野たかお君 私は労働組合の存在意義を認めないわけじゃなくて認めておりますが、私は、この労働金庫が業務改善命令を受けた事案というのは、その労働金庫の設立経緯と、今話があったように法人内部の構成にやっぱり原因があると思います。その原因、その特殊性ですけれども、これは何かといえば、やっぱり労働組合と非常に結び付きが強いということが私は特殊性であり、また原因になったと思います。
 労働組合自体は労働組合法第二条で、労働者の経済的地位の向上を図ることを主目的にしなければならないというふうに書かれておりますけれども、政治的活動は認められております。
 後で申し上げますけれども、私は、農協とか漁協とか森林組合というのは、言わば民間の労働組合と同じだというふうに私は思っておりますが、その労働組合は政治活動をしていいわけですから、支持政党もあるし、また政治活動もしております。ですから、労働金庫の政治的中立性というのは、そこの、要は政治活動をしていい労働組合の関与を受けないようにしなければ、影響を受けないようにしなければ、政治的中立性というのはやっぱり本来守られないと思います。
 ところが、その労働金庫には連合傘下の有力な団体であります全労金がありまして、全労金は労金の管理職以外の職員の八千四百四十人のうちの八八%に当たる七千四百三十人の職員が昨年三月現在で加入されております。これ、お配りした資料の下から二番目にありますけれども。
 果たして、こういう状況で労金というのが政治的中立を保てると思いますか。外れておるような質問ですけれども、これは要は今回の対象団体との比較をするために私は今質問をしておりますので、できたらお答えをしていただきたいと思いますけれども。
#120
○郡司彰君 中立の規定が置かれているのは、よって立つ基盤ということよりも、やはり協同組合原則というものにのっとってこの規定が設けられたのではないかなというふうに理解をしております。
 労働組合の組織率が高いということ等々と、もし貸出しの関係が何かおかしなことがあるとすれば、それはやはり法の下で厳正に正すべきは正すということにもちろんなるわけでありまして、言われているような労働組合からの関係が深いから作ったという規定ではないというふうに私は理解をしております。
#121
○牧野たかお君 余りけんかはしたくないですが。私も労働金庫の友人がいっぱいいるんですが、だから余り質問をしたくなかったんですが。
 いろいろ聞いてみますと、労働金庫は今、全労金に入っておりますよね。そこで当然組合費も払っておるわけですよ。そのお金の一部は要は政治活動をしている政党にも行っておるわけですよね。先ほどちょっと出ましたポスターの話だって、さすがに窓口のところには張ってありませんけれども、裏へ行けば、要は職員だけが出入りしているところの部屋に行けばもちろん張ってあるし、さっき申し上げたみたいに、政治的中立性というのは非常に難しいと思うんですよね。だから、労金のことでいうとそういうことが出てきてしまうわけですよ。
 だから、私はこういうことが、政治的中立というのをやっていくと非常に基準が難しいし、労金でさえそういう状況でありますけれども、これは今度厚労省に伺いますけれども、こういう状況で本当に政治的中立性というのは、じゃ保たれていると言い切れるんでしょうか。
#122
○政府参考人(氏兼裕之君) お答え申し上げます。
 御指摘のように労働金庫法第五条第三項におきまして、金庫は、その事業については、政治的に中立でなければならない旨の規定が置かれているところでございます。これは、労働金庫が労働金庫法の制定以前から中小企業等協同組合法に基づく信用組合として設立されたという経緯があり、その当時においても、中企法第五条第三項におきまして、「組合は、特定の政党のために利用してはならない。」旨の規定されていたことが一つの大きな背景になっているというところでございます。
 一方で、労働組合についてでございますけれども、労働金庫の職員につきましても、当然のことながら労働条件の維持、改善等を図るため、労働組合を組織することは勤労者の団結権として憲法第二十八条で保障されているところでございます。労働金庫におきまして、労働金庫の職員で組織する労働組合がいかなる活動方針を有しているかにかかわりなく、労働金庫法第五条第三項の規定により事業運営に当たり厳正な政治的中立性を確保することは当然のことでございまして、今後とも労働金庫の政治的中立の立場が堅持されるよう指導監督してまいりたいというふうに思います。
#123
○牧野たかお君 続けて労働金庫のことを例に出して聞きますけれども、資料をお配りした、人のマークがかいてある、全国十三の労働金庫の常任理事、理事長、全部で百二人いらっしゃいますけれども、その構成を見た場合、労働組合出身若しくは労働組合の役員と兼職している方が、全体の理事の五七%に当たる五十八人もいらっしゃいます。理事長だけ見た場合、十三人中十二人が労組の元役員か兼職者でありますけれども、さっき言ったみたいに労働組合というのは、労働組合自体は政治活動を認められていますよ。だけど、労働組合の出身又は兼務で政治活動をしている、また献金までしている、そういうところの方がこういう役員をこれだけやっていて、これでも政治的中立というのが保てる、保っているというふうに、発議者の方に先に聞きます。
#124
○郡司彰君 保っているかどうかという個々のケースについては何とも申し上げる材料を持っておりませんけれども、先ほど監督官庁からありましたように、この法律に基づいて、労働金庫法という法律に基づいての執行をしているわけでありますから、その中において抵触をするようなことがあればこれは厳に慎むということは当たり前でありますし、場合によっては、法に触れる、そのことによって処罰を受けるということは当たり前のことでございまして、私どもとして、労働組合がかかわっているからそのようなことがあってはいいというようなことは全然、毛頭思ってはおりません。
#125
○牧野たかお君 じゃ、厚労省の方ではどう思うか、お願いします。
#126
○政府参考人(氏兼裕之君) お答え申し上げます。
 労働金庫は、労働組合等を会員とする協同組織金融機関でありますけれども、協同組織においては、会員又は会員の構成員のうちから役員が選任されるというのはこれ通例のことでございまして、労働金庫法第三十二条七項におきましては、会員の構成員以外の理事、すなわち員外理事でございますけれども、これにつきまして定数の三分の一を超えてはならないこととされておりまして、員外理事の数が限定されているというところでございます。
 こうしたことから、会員たる労働組合出身の理事の割合も多くなり、理事の中から選出される理事長につきましても労働組合の出身者の方が多くなっているものと承知しておるところでございます。
 なお、その場合にあっても、労働金庫の理事長を含め常勤役員として就任されている方につきましては、金融業務に専念するということのため、出身会員の団体においては非常勤のいわゆる名誉職的な形が取られているものと承知しているところでございます。
 また、員外の常勤役員として、金融業務に練達した者、事業運営に中立、公正を期し得る信頼できる者が役員に選任されておりまして、理事長を補佐して事業運営に当たっているということから、金融業務の適正な執行には今のところ支障が生じていないものというふうに承知しているところでございます。
 なお、役員個人がどのような政党を支持しようとも、金庫の事業運営に当たってはあくまでも政治的中立を堅持することは当然のことであるというふうに考えてございます。
#127
○牧野たかお君 答弁でおっしゃるとおり中立でなきゃいけないんですが、でも、中立で保っていれるかどうかというのはその人の個人の話になってきますよね。だから、組織論で言うならば、要はこの労金というのは、さっきからくどいですけれども、そういう政治活動と、政党を支持して献金までしている、そういう団体の方たちが役員をこれだけしているというのは、私はこれをどう考えても政治的中立保っているとは私は一般的には言いにくいなと思っております。
 それで、その中でも、その役員のうちの中でも、地方公務員、国家公務員というのは公務員ですので政治活動を禁止されております。また、兼職も禁止されております。今のこの資料でいきますと、二十二人が公務員の労働組合の幹部の御出身でありますけれども、この兼職者というのは、総務省に伺いたいんですが、もう既に役所を退職されているんでしょうね。
#128
○政府参考人(松永邦男君) お答え申し上げます。
 ちょっと私どもの方で、全国十三の労働金庫につきまして、インターネットに掲載されておりました役員の方の名簿のうち、地方公共団体の首長部局における職員団体等の、いわゆる上部団体に所属すると思われる方二十四名につきまして関係地方公共団体に直接問い合わせをさせていただきましたが、現時点において当該団体の現職の職員である者はいないというふうな御回答をいただいたところでございます。
#129
○牧野たかお君 いたら兼職禁止になりますんで、それは大変なことになりますんで、まあいないのは当たり前だと思いますが。
 これだけ元の公務員労組の方が大量に天下っているということ。もう一つは、この労金の原資なんですが、その出資金の中で、官公労、私は別に民間の労働組合は問題だと思いませんけれども、官公労の出資金が百九十七億円もあるんですよ。これを資本金として労働金庫が利益を上げているというのは、これは本当に政治的な中立を保っている、本来の業務の方ですけれども、適切な運営と言えるんでしょうか。これを役所の方に聞いてみます。
#130
○政府参考人(氏兼裕之君) 先ほども申し上げましたけれども、労働金庫は労働組合等を会員とする協同組織金融機関でありまして、会員の構成員が従事する業務内容によって会員資格に区別があるものではございません。その役員につきましても、総会等において適切な手続で選任されているものというふうに考えてございます。
 なお、労働金庫の会員である官公労などの公務員の職員団体出身の常勤役員につきましては、先ほど総務省の方から御答弁ありましたけれども、すべて公務員を退職し、金庫業務に専念しており、また出身団体でも名誉職的な地位にあるものと承知してございます。
 また、労働金庫法第十二条第一項の規定によりまして、労働金庫の会員は出資を有しなければならないものとされているところでございまして、御指摘のとおり、十三労働金庫全体の出資金九百四億円のうち公務員の職員団体に占める額が百九十七億円と全体の二二%となってございますが、これは労働金庫の会員となるための出資義務によるものだというふうに考えてございます。
 なお、労働金庫は労働組合等が協同して組織されたものであり、労働金庫法第五条におきまして、営利を目的としてその事業を行ってはならないというふうに規定されておりますけれども、その事業の維持発展のために一定の利益を確保する必要があるということは当然のことだというふうに考えてございます。
 こうしたことから、労働金庫の事業は労働金庫法に基づきまして運営されていると考えておりますけれども、今後とも、政治的中立かつ健全、適正な運営が図られるよう監督指導をしてまいりたいというふうに考えてございます。
#131
○牧野たかお君 こうして私見てきますと、明らかに私は、労働金庫の例を出しますけれども、政治的中立という条文が入っている、その方針の労働金庫と、農協、漁協、森林組合、そういったところと全く違う性格の私は法人だと思うんですよ。役員の選び方だって、要は出資に応じてその労働組合の代表として役員が選ばれるわけですね、労働金庫の場合は。ところが、農協、漁協、森林組合というのは、本当、個々の農家だったり、漁業者だったり、森林従事者だったり、そういった中で総代会をやって、各地域ごとでまずそこの地域の代表を選んで、それからまたブロックで選んでというふうにやっていって、何段階も行って選ばれるんですけれども、要は、役員だってみんな個々の個人なんですよね。そういう法人と、労働金庫のようなそういう法人と、私は全く性格を異にする法人であり、労働金庫は、さっきからずっと申し上げているみたいに、そういう支持政党があって政治活動している労働組合の代表が役員をやっているという特殊性があるから政治的中立というのは必要かもしれませんけれども、それと今対象としている各団体というのは全く私は違うと思いますけれども、発議者の方に伺いますが、いかがでしょう。
#132
○郡司彰君 例えば労働金庫と農業協同組合というのは、個人あるいは先ほど言いましたように団体で構成をするとか、違いがたくさんあろうかというふうに思っておりまして、そのことは私もそれほど違和感なく聞いております。
 私どもが問題にしておりますのは、労働組合かどうかという法人の主たる構成員というようなことももちろんありますけれども、基本的には、協同組合というもののこれからの在り方を考える上で、例えば農業協同組合等の今回提案をしているところにもこのような規定を設けた方がより新しいステップに進めるんではないかというふうに思っているところでございます。
 御存じのことだとは思いますけれども、一九八〇年の二十七回大会のときに、レイドロー博士というのが報告をなさいました。その中で、例えば食料問題でありますとか、あるいは人間的な仕事をつくっていこうとか、あるいはこれまでの協同組合の再建を考えていこう、そしてもう一つは協同組合というものが主になった地域社会というものをつくっていきましょう。それには、先ほど来から出ておりますけれども、いろんな分野の例えば企業のセクターというものがある、あるいは公的なセクターがある、そのほかに協同組合というセクターをつくって、それが力を持つことによって今の世の中をもう少し人間的なものに変えていこう、私はそういう意味ではJAというのはすばらしい可能性を持った、日本農業にとっては欠かせないものだと思っています。
 それで、そのためには、今もう一つ新しい段階でほかのところと肩を並べるようなところの話合いができて協同組合間協同というものがきちんとできるようにするためには、まず第一歩として、ほかのところと同じような政治的な中立を求めていくと、そのような趣旨でございますので、御理解をいただきたいと思っております。
#133
○牧野たかお君 あと幾つかあったんですが、もう時間がなくなってきましたので、農水省に今と同じ質問をしますけれども、要は対象となっている農林省所管の各法人と今私が申し上げた、例に挙げてきた労働金庫とは全く性格を私は異なっているというふうに思いますけれども、農林省から見てどうですか。
#134
○政府参考人(高橋博君) 各協同組合につきましては、加入、脱退の自由など、制度的に共通している部分も多くございますけれども、他方で、それぞれの根拠法を見てまいりますと、御指摘のとおり、組合員、役員構成等で異なる点もございます。さらに、このような法律上の差にとどまらず、それぞれの協同組合の実態について見てまいりますと、それぞれの協同組合の持つ目的あるいは社会経済上の位置付けの違いというものが色濃く反映されているものと考えております。
#135
○牧野たかお君 私は、先ほどから申し上げているとおりで、全然違う性質の団体だと思いますが。
 最後にちょっと意見を述べさせていただきたいと思いますが、要するに、労働組合の話をすれば、私は労働組合というのは労働者の地位向上また経済的な部分の向上のために必要な存在だと思っております。
 それで、考え方とすると、要するに給与所得者の皆さんにとって経済的や社会的地位の向上を求めているのが労働組合であって、農業者や漁業者や森林従事者の経済的地位向上を求める団体が農協であり漁協であり森林組合だと思うんですよ。労働組合は私は政治活動を認めるべきだと思いますよ。だから、片方を認めて私は農協や漁協まで制限するというと、もうお互いにその制限をしなきゃいけなくなってくる。そういう国というのは、いや本当に、私は本当にそれは自由を制限する暗黒国家になってしまうと思います。だから、失礼ながら、提案された今回の一般通称農協法の改正というのは、私はもう一度提案を考え直していただきたいという意見を申し上げて、私の質問を終わります。
#136
○風間昶君 公明党の風間です。よろしくお願いします。
 ずっと意見を聞いておりまして、まず役所の方に確認をさせていただきたいというふうに思いますけれども、組合は特定の政党のために利用してはならないという、今回その法文上入れることになっておりますけれども、入っていない所管官庁の農水省としては、じゃ特定政党のために利用してはいけないということについて今までどのような指導というとおかしいですけれども、どういうような形で、スタンスで臨んできたのか、まず教えてください。分かりやすく、難しい言葉は要りませんから。
#137
○政府参考人(高橋博君) これまでの農協に対する指導でございますけれども、農協は農業生産力の増進、農業者の経済的社会的地位の向上を図ることを目的とする団体で、その目的の達成に資するために行う政治活動についてはこれは認められるということでございます。ただし、その行使に当たりましては、公職選挙法あるいは政治資金規正法に当然従わなければならないということでございます。
 したがいまして、政治活動に対しまして、一般に関してこれを指導する立場にあるわけではございませんが、法令違反という事態が生じた場合には、農協の場合、単位農協を所管するのは都道府県でございますので、このような都道府県を通じまして健全な運営についての必要な指導を行っているところでございます。
#138
○風間昶君 ということは、今まで法案に明記されていないがために何か問題が起こったとか、あるいはそのことによって弊害が起こったということはないというふうに受け止めていいんでしょうか。
#139
○政府参考人(高橋博君) お尋ねの政治活動の案件での御質問でございますけれども、先ほど申し上げております、単協につきましては基本的には都道府県が指導監督をしております。
 これまで農水省といたしましては、政治活動、選挙運動の定義、判断、これについて示すということではございませんけれども、都道府県等との意見交換などにおいて承知している限りにおきまして、農協組織がその目的を逸脱して政治活動を中心として行う団体と化しているというような事例は承知しておりません。
#140
○風間昶君 一方、消費生活協同組合法でその消費生活協同組合を所管している厚生労働省にお伺いしますけれども、ここには明確に特定の政党のために利用してはいけないというふうに明記されていますが、そのこととの関連で、この明記されていることにかかわりなく、厚労省として、農水省に対してと同じ質問でありますけれども、どのような指導といいましょうか、監督をされていたのか伺いたいと思います。
#141
○政府参考人(坂本森男君) お答え申し上げます。
 厚生労働省といたしましては、生協の政治的中立の確保を図る生協法第二条第二項の趣旨を踏まえまして、国政選挙、統一地方選挙に際し、組合を特定の政党のために利用すると考えられる事例についての通知を発出いたしまして、その趣旨の徹底を図っているところでございます。
 また、具体的な政治的中立違反が明らかになった場合にはこれまでも行政庁として指導を行ってきておりまして、さらに、改善がなされない場合には生協法の規定に基づき報告徴収や検査を行い、その結果法令に違反していると認められる場合には措置命令等を講ずることが可能となっております。
#142
○風間昶君 そこで、先ほど発議者の方から少し話がありましたが、通知を出したことについての、特定の政党のために利用してはいけないという、そのものじゃありませんけれども、中立性の確保という観点で留意点としていろいろな項目を挙げられておりましたが、どちらにしても、具体的にそういう中で事例としてどんなのがあったのか分かりやすく教えていただきたいと、いろいろあると思いますが、教えていただけますか。
#143
○郡司彰君 これまで衆議院、参議院の中でいろいろな議論が行われた中で、衆議院の中でこれに類する議論がなされております。そこのところの議事録を読みますと、ポスターがその施設に張られていた、あるいは、ちょっとはっきり、忘れましたが、組合長か理事長名だったというふうに記憶をしておりますけれども、名でどうも農協の名簿を使って選挙運動用のはがきが出された等のことが具体的な事例として議事録に残っている議論の内容ではないかと思っております。
#144
○風間昶君 それじゃ、済みません、厚労省に。
 先ほどの基本的なお考えを伺いましたけれども、厚労省においてはその通達を発したことがあるのか、あるとするならば、具体的な事例があったから発したんだと思いますけど、その事例というのはどんなのがあったんでしょうか。
#145
○政府参考人(坂本森男君) 厚労省といたしましては、平成八年に地域福祉課長名の通知におきまして、選挙に際し組合を特定の政党のために利用していると考えられる具体的な事例といたしまして、機関誌、チラシその他組合が発行する印刷物によって特定の政党又は候補者の推薦等を行ったり、特定の政党又は候補者の選挙運動のために組合が管理する施設、車両、備品等を提供してはならないことなどを示したところでございます。
 具体的には、地域生協におきまして、職員のための福利厚生施設を特定の政党の支援活動のために提供した事例や、生協が発行する機関紙に特定の候補者の記事を掲載した事例がございました。いずれの事例につきましても、所管行政庁でございます都道府県において当該福利厚生施設の提供の中止や再発防止の指導が行われたところでございます。
#146
○風間昶君 いずれにしても、じゃ農水省所管の農協法には具体的にはない、厚労省所管の生協法にはあるということで、しかし、具体的な法案上に、法案上というか生協法に載っているにもかかわらず具体的な事例が起こった。載っていない法でも事実として、議論になったけれども、郡司さんの方からあったということでありますから。
 私が言いたいのは、法案上明記されているにもかかわらず問題事例が起こっているという事実。そうすると、協同組合におけるこの政治的な中立性ということについて、法案に明記するとか明記しないとかという問題じゃないなと私は思うんです。
 それで、また協同組合からすれば、憲法で保障されている政治活動の権利を奪うような、あるいは阻害する、奪うじゃなくて阻害するような印象を持たれてしまうということからすると、今回の農協法に特定政党のために利用してはいけないと、組合はいけないというふうに、利用してはならないというふうに入れ込んだとしても、単に私は宣言、あるいは訓示的な実効性の担保という観点からその確保は伴わないんではないかというふうに思うんですけれども、そこについてはどのように理解すればいいですかね。
#147
○郡司彰君 まさに、今回の法案には罰則規定等が設けられているわけではございません。したがいまして、訓示規定と言っていい中身だろうというふうに思っております。私どもは、しかしながら、そのことがある、なしというのは非常に大事なことではないかなというふうに思っております。
 ちょっと時間を一、二分いただきたいと思いますけれども、これは新しく農業協同組合に入った人たちの教育用の中の本でございますけれども、この中には例えば、自らどのように書いてあるかというと、この農政活動はJA中央会の活動の一つとして農業協同組合法に組合に関する事項について行政庁に建議することができると規定され、JA中央会を中心にJAグループが一体となって推し進めていると。この運動についてはもちろん異論もないわけであります。
 一方で、この本の中には農政活動の進め方として、JAは組合員の思想信条、政治的意見の違いを超えて組織された農業者の協同組合である、いかなる政党に対しても中立でなければならない。また、JAは経済団体であるから、その農政活動は事業や経営を阻害することのないよう留意をしなければならないというような形で記載がされておりまして、まさにJAの事業と活動、その事業を行うに際しての基本的な理念としてJA自らが記載をしているところでありまして、私どもはこれを法律に明文化することによりまして、より良いJAとしてのあるいは構成員としてのモラルがつくられていくんではないかと思っております。
#148
○風間昶君 一見それは非常に納得してしまいそうなことになりますけれども。
 もう一つちょっと伺いたいのは、提案理由説明の中に、消費者生活協同組合法はきちっと法律で明記されている。だから、そういう例がありますからということで、受け止める側は横並びかと、横並びで示すのかという話というか、受け止めをするわけでありますけれども、個別法はそれぞれ、背景また成り立ちがそれぞれのものを持ってでき上がっているのはもう御承知のとおりだと思います。そういう意味では、協同組合の在り方を示すという在り方論になりますが、示すという意味では、協同組合通則法みたいな、あるいはもっとグローバルに言うと、さっき牧野さんの質問の最後に郡司さんがおっしゃったように、より良い、要するに国際社会に通用するような言わば基本法的な協同組合法、現在の個別法はあったとしても、それを止揚していく、アウフヘーベンしていくというためのワンステップだと先ほどおっしゃいましたけれども、そういうことであるならば、それはそれで一見理解するんですが、個別法はそれぞれのあれがあって、事情が違うからこそ個別法であるから、元々横並びでは私はないんだと思うんです。
 そこで、これも私のこじつけ的な受け止めかもしれないが、生協法にあるからこっちも入れろというふうに私はとらえているんだけれども、それちょっと納得いかないんだよ。もうちょっと納得いくように説明してほしいです。
#149
○郡司彰君 風間委員のおっしゃっていること、私も非常に感覚的には共有ができるかと思っております。
 実は、協同組合としての先ほど言いましたようなレイドロー博士というものが提案をした中身、それを実践していくためには、もう一つ先ほど申し上げなかったことがありまして、それは、これまで協同組合というのは信頼の危機を乗り越えてきた、経済の危機を乗り越えてきた、これから乗り越えなければいけないのは思想の危機だというふうに言われておりまして、だからして、私どもは、やはり先ほどのモラルというのはおろそかにしてはいけないんだというふうに思っております。協同組合というものが力を持って、そのことによって新しい仕事を創造したり、食料、農業というものをグローバルな感覚の中できちんととらえていこうということは、これからの社会にとって大変重要なことであります。
 したがいまして、できますれば、本来は、各省庁ごとの個別の所管をするごとの協同組合の法律ではなくて、例えば協同組合基本法のような形で、この国がもっと大きく協同組合というものを生かす社会にするんだということが私どもとしては考えなければいけないんだろうというふうに思っております。できますれば、その一助として、その前段として、取りあえずは共同の話合いができるところの政治的な中立ということを入れて、その上に立って、さらに、先ほどのような日本型の協同組合を生かした社会づくりというものを行っていきたいというふうに思っております。
#150
○風間昶君 それは、その政治的中立を入れることが要するに基本法につながるというような言い方に聞こえるけれども、そうではないと思うんです、本意は。そうじゃなくて、要はそのこと一つ取ってみても、ICAの基本原則で、社会的な差別、あるいは性差、あるいは宗教的な差別、これを侵してはならないというふうにきちっと決めているにもかかわらず、その一つの部分の政治的中立だけぽこっと盗み出してきて、そこだけ変えろというこの法案は、全くそういう意味では私は欠陥だというふうに思うんです。どうせやるんだったら、ちゃんと男女の問題だとか、あるいは宗教的な差別とか、そういうことについて深まった議論をした上でこれ出してきたんですか。
#151
○郡司彰君 二つのことについてお話をさせていただきたいと思います。
 まず、政治的な中立だけではないのではないかということでございまして、まさにそのことについても私どももこれまで議論をしてまいりました。協同組合は、性別により、あるいは社会的、人種的、政治的、宗教的な差別を行わないとされておりまして、協同組合については政治的な差別はもちろん、その他の理由による差別については認められないとしていることは十分に承知をしております。ただ、これらの差別的取扱いについては、憲法十四条を始めとして労働法制あるいは男女共同参画社会基本法などの個別法でそれぞれ補完をされてきている部分がございます、分野がございます。
 一方、今回の改正案は、その組織の機関による特定の政党や候補者支援の決定、施設への特定の政党や候補者のポスターの掲示といった事例を現実的に見ているというところから、政治的中立の原則を明確にしなければならないという問題意識に立って提案をしたというのが一つでございまして、グローバル的には、先ほど申し上げました。もう一つは、実は、私たちの国のこの農業、食料に関する協同組合が持ってきた、背負ってきたものは、先ほどちょっと岩永委員のときに言いましたけれども、戦前からの組織の形態というのがあります。そして、十六年の農協法改正のときに、私がちょっと先ほど申し上げましたけれども、国が農協系統に対して自主的にやりなさい、自立をしなさいというような形の法案というものを出さざるを得なかった。逆に言うと、ほかの国では余りなかったような行政の下請というものを系統組織そのものが担ってきたというような歴史があります。
 そこのところは、私どもは、本来はきちんと決別をする。だから、政治的な中立というのは、実は政党ということもありますけれども、行政からの独立、自立というものが実は含まれております。そして、そのことは、委員もよく御存じだと思いますけれども、政府の強烈な抱擁はしばしば死の接吻に終わるというような言葉がございますけれども、それをこれまでややもすると看過してきた嫌いがあるのではないか。この機会をつくって行政からの自立というものをきちんと図っていくということが、例えばこの間、六回ほど全農に対しても勧告というものが出されましたけれども、そういうものを変えていくための一つの転機になっていただければと思っているところであります。
#152
○風間昶君 それは一面的には非常に理解できるわけでありますけれども、だからJAは新しい会員のためのあれも出したし、四年前でしたか、綱領を作って、そして協同組合運動の基本的定義、価値、原則、これはICA声明の第一原則ですけれども、それに基づいて行動しますという新たな綱領を決議して今動いているわけですよね。だから、それに比べると、今回のたかだか政治的中立性だけの文をちまっと入れ込んだようなものは、私は、むしろもっとJAは進んでいる、進んでいるというふうに感覚的にはとらえるし、そういう意味ではこの法案は不備だなというふうに思えてならないんです。
 そういう意味では、先ほど郡司さんがおっしゃったように、政治的な側面だけの恣意的な問題だけじゃなくて、社会的差別あるいは男女の差別、こういったものをきちっとクリアしていけるような、もっと基本法的な方向に向かわざるを得ないんではないかというふうに思います。そうしないと、日本の、世界の中でも巨大メガバンクの一つに言われているぐらいのJAというのは非常に危ういものになるというふうに、私はそういう危機認識ですから、その方向に持っていくような議論にしていかないとならないのではないかというふうに思います。ただし、この法案については非常に不備、反対。
#153
○郡司彰君 重ねての発言内容については控えたいというふうに思っておりますが、綱領も、確かに議論をしていただいた内容ですばらしい綱領になっているかというふうに思っております。惜しむらくは、いろいろなところで、都市部で特にですけれども、それ以外の生活協同組合の方々と話をすると、もう少しJAの人たちと付き合いをしたいというような話も聞かされます。そこのところについて、いろんな話がありますけれども、直接的ではないにしろ、田舎の人たちと都会の人たちが結ぶよすがとしては、やはりいろんなところのものをそろえていく、皆さんとそれぞれ違和感がないようなものを作っていくということも必要ではないかと思って、今おっしゃいましたような基本法というものを考えなければいけないというふうに思っております。
 御示唆をいただきましたけれども、今回提案した内容についても格段の御配慮をいただければなというふうに思っております。
#154
○風間昶君 いや、駄目だね、やっぱりね。要するに不備が多いんだわ。それは個人的な言葉でありますけれども。
 例えば、先ほどから議論になっております協同組合の行う政治活動と政治連盟が行う選挙活動って線引きするのは非常に難しいわけですよ。だから、そういうことについての現実的な議論があったのかなと。むしろ、ただ単にポスター張っているだとか、いやいや、あいさつ行ってもけんもほろろだったとかいうようなことばっかりがもわっと醸し出されてきて、現実には、だけど三重県行けば高橋さんのポスターと山田さんのポスター、ダブルで張ってあったりするわけですから。
 そのことを考えて、私はもう少しきちっと、単なる政治的中立性だけに特化した形で、何か被害者意識で出しているのかなと思わざるを得ないような法案ではなくて、もうちょっと、だから第一歩でなくて、第三歩も四歩も行くような具体的な基本法を、きちっとお互いの政党レベルでもあるいは一緒になってでもいいからやっていくべきだと私は思います。
#155
○郡司彰君 もう繰り返しはいたしません。
 できますれば、協同組合の基本法を風間先生の党とも相談をして一緒に提案をできるように努力をしたいなとは思っております。
#156
○風間昶君 終わります。
#157
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 最初に、発議者である民主党の方にお聞きしたいと思います。
 我が党としては、この農協などの協同組合については、そもそもやはり組合員の自発的な意思と相互扶助を原則とするものであって、ですから特定政党のために利用してはならないというのはこれ当然のことだというふうに思っています。
 ところが、にもかかわらず、実際に組織ぐるみで、いろいろお話がありましたけれども、選挙をやったり、線引きできずに一体化してやるという状況もある、あるいは、構成員の政治信条や政治活動の自由を侵害する事態というのがあると。これを正すというのはやっぱり必要なことだというふうに思うわけです。そういう意味では、先ほども訓示的という話がありましたけれども、そういう規定として別にあることに対して、盛り込むことに対して反対する必要はないなというふうに思っております。
 同時に、これも議論になりましたので改めて確認ということになりますけれども、この政治的中立規定が現場で逆に構成員の個々人の思想や信条や良心の自由を抑制したり侵害するような口実に使われないかといったような懸念の指摘もあるわけです。
 そこで、この規定によって構成員個々人の政治信条や政治活動の自由を侵すことはないですねということをまず確認をしておきたいと思います。
#158
○郡司彰君 これまでのやり取りの中にも若干類似の話がございましたけれども、より踏み込んだ中身の御質問かというふうに思っております。
 今回の改正案は、農協等の構成員が個人として行う政治活動を制限するものではないことから、御質問のような懸念は生じないものと考えております。むしろ今回の改正案は、農協等の協同組合において政治的信条による差別が行われてはならないという考えの下で、農協等の構成員が政治的見解の相違を理由に相互に排斥し合うという事態を防止することをねらいとしているという点で、その構成員の政治的信条の自由がより尊重された協同組合の運営に資するものであると考えているところであります。
#159
○紙智子君 はい、分かりました。
 それでは続いて、まあちょっとこれとは少し離れるんですけれども、石破大臣にお聞きしたいと思うんですが、農協が本来の役割を果たしていく上で農協の経営問題というのは非常に大きな問題だというふうに思います。それで、現在やはり避けて通れない問題、金融の問題として農林中金の問題についてお聞きしたいと思います。
 昨年の秋から、世界的な金融危機で農林中金は一兆九千億円を超える有価証券の評価損を発生させました。それで、国内の金融機関では最大の損失を発生させたということなわけです。その原因がどこにあったのか、そして農水省としてもなぜこれ未然に防げなかったのかということについてお聞きをしたいと思います。
#160
○政府参考人(高橋博君) 御指摘の農林中金の有価証券損益でございますけれども、農林中金の発表によりますと、平成二十年九月末におけます有価証券等残高、三十九兆六千三百五十三億円でございます。評価損が一兆五千七百三十七億円となっているところでございます。
 このような評価損の発生原因でございますけれども、委員御指摘のとおり、世界的なサブプライム問題の顕在化以降の金融市場の混乱によりまして、証券化商品等の有価証券の一部に過去に例のない価格下落が発生しております。農林中金におきましても、他の金融機関と同様に影響を受けているものと認識しているところでございます。
 農林水産省といたしましては、農林中金が適切なリスク管理に取り組むことが重要との考え方の下に、これまでも金融庁と連携をしつつ、ヒアリング等を実施してきているところでございまして、今後もこのような取組を通じて、農林中金のリスク管理の状況、金融市場の動向等に十分注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#161
○紙智子君 農林中金の四十六兆円に上る資金の運用について、八割、その約八割が有価証券投資と、約七割が国際部門の有価証券投資になっていて、ドル建ての運用が五割に上るということですから、アメリカへの有価証券投資にのめり込んでいたということは明らかなわけですよね。
 それで、現に、サブプライムローンで経営不振に陥ったアメリカの住宅金融二社、ここの債権保有額が三兆五千億円に上るということですよね。国内の金融機関からは、農林中金については和製ヘッジファンドというふうにも呼ばれていたということが報道されているわけです。
 さらに、驚いたことに、報道によりますと、海外では、農林中金が昨年の十月、値下がりしていたサブプライムモーゲージを裏付けとした資産担保証券、ABSや、債務合成証券、CDO、これを約二百六十億ドル、日本円にしますと二兆六千億ということですけれども、買い増しに動いたということが話題になったわけです。当時の農林中金の債券投資部長は、イギリスの新聞に対して取材に答えて、最近の値下がりで証券化商品の市場が魅力的になったと。この機会にどれだけ証券化商品を中心としたアセットを積み増せるかが農中の戦略投資のかぎになると答えたというふうにされているわけです。もし、これが真実だとしますと、世界的な金融危機のさなかにハイリスクな投資にのめり込んで更に損失を広げたということになるわけなんです。
 これが事実なのかどうかということと、もしこれ事実だったらば、こういうようなヘッジファンドとも言われるような資産運用の在り方そのものが問題じゃないのかなというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#162
○政府参考人(高橋博君) 農林中央金庫等個別金融機関の経営内容にかかわることにつきましてはコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、委員御指摘の点につきまして、農林中金の公表した資料によりますと、証券化商品の残高でございますけれども、平成十九年九月末で四兆八千億円、二十年の三月末で六兆円、二十年の九月末で六兆八千億円、二十年十二月末で六兆円ということになっております。
 御指摘の月刊誌、報道等の記事でございますが、農林中金が、これは二十年ではなくて十九年だと思いますけれども、十九年十月に資産担保証券あるいは債務担保証券を二兆六千億円買い増したというような月刊誌の報道記事があるということは承知しておりますけれども、このような数字について、今申し上げましたような残高の発表との関係におきましても、どのような数字を根拠としているかは私どもとしては承知している立場ではございません。
 いずれにいたしましても、農林中金の投資判断でございますが、農林中金自らの経営戦略、経営判断の下で行われているものでございまして、農林水産省としてコメントする立場ではございませんが、農林中金が適切にリスク管理を取り組むことが重要との考え方の下、これまで金融庁と連携しつつ、ヒアリング等を実施してきたところであります。今後とも、このような取組を通じまして、農林中金のリスク管理の状況、金融市場の動向等について十分注視してまいりたいというふうに考えております。
#163
○紙智子君 大臣はいかがお考えでしょうか。
#164
○国務大臣(石破茂君) これは、個々の経営判断によって行われるものでございます。ただ、私どもとしても、今局長から答弁申し上げましたように、その状況は注視してまいりたいと思っております。
 今、御指摘のような、もし仮に真実であればというお話でございますが、私どもとして、それが真実であるということを申し上げる立場にはございません。
#165
○紙智子君 国内のほかの金融機関では全くそういうふうになっていなかった中で、農林中金についてはそういう事態だということが言われているわけで、やはりもちろん個々のということで、農林中金さんの判断だとおっしゃるかもしれませんけれども、農水省はやっぱり監督する責任があるわけですから、そういう点では、リアルな分析、事態を把握し分析するということが必要ではないかというふうに思うわけです。
 それで、一兆九千億円の有価証券の評価損のために、農林中金は全国の農協や信連から一兆九千億円もの資金を集めると、増資をするということを発表しました。それで、このことが全国の農協や信連にも深刻な影響を与えているわけです。
 農林中金は今、経営再建中だということで、全国の信連から二百五十億円もの資本注入を受けている千葉県の信連に二百三十九億円もの資金要請をしているわけです。それから、静岡や広島、大阪、岐阜などの信連は三百億円以上の有価証券の評価損を出していて、経営的にもこれ影響を与えることは必至だということです。それから、茨城県の信連では、農中へのこの資金提供のために四年間に百五十億円もの資金を県内の農協から借り入れるというようにしているわけですよね。
 だから、こういう中で、農協の中で貸しはがしや貸し渋りということがあってはならないわけですけれども、この農協の経営や信連の経営に与える影響、これをやっぱりどういうふうに考えているのか、そして貸しはがしとか貸し渋りをやっぱり起こらないようにどう防ぐのかということについて、大臣、いかがでしょうか。
#166
○国務大臣(石破茂君) 先月末日までに、後配出資及び永久劣後ローンによりまして約一兆九千億円、この増資を実施したと、このように承知をいたしております。この場合に、それぞれの信連あるいは農協などの経営に与える影響について十分考慮するとともに、それぞれの信連、農協等の増資額につきましては、個別協議の上、信連の貸出余力等を含めました個々の経営の実情に応じた額を決定したと聞いておるところでございます。
 農林中金への資本拠出の方法についてでありますが、信連等が農林中金に既に預けておりますそのような預金を出資に振り替えると、こういう形で行われております。また、農協系統の貯貸率、普通でいえば預貸率ということになるんでしょうか、これ、ほかの銀行等の預貸率が五割以上となっておりますが、これは御案内のとおり二割から三割程度と低いわけでありまして、貸し出す資金に困るという状況にはなっておらない。
 そのようなことを考え合わせますと、農協系統金融機関が農林中金の増資に応じたからといって、農家の皆様方に対して貸し出す資金が減少し、貸し渋りに直結するという事態にはならないものというふうに私は考えておるところでございますが、信連等に対しまして、当省として、利用者の方々から貸し渋り、貸しはがし、そのような苦情が来ていないか、あるいは会員でありますJAに対しても、貸し渋り、貸しはがし等の情報が入っていないか、そのようなことについてきめ細かに確認をしておるところであります。
 今後とも、農林漁業及び中小零細企業の方々に対します円滑な金融が行われるように私どもとして取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
#167
○紙智子君 今詳細に把握して、そういうことが起こらないようにということもお話しされたんですけど、実際に聞こえてきている話があって、毎月きちっと返済しているのに、農協の方がやっぱり厳しい状況の中で、すぐに全額を返してほしいというふうに言われたということもあるわけですよね。ですから、ちょっとそこのところはしっかりと監督指導していただきたいというように思います。
 それから、前回の農協法の改正で、農林中金に全国の農協や信連の資金の運用を集中させるという方向を打ち出しました。それだけに、こうした海外での投資ファンド的な資金運用の在り方を改めるということはこれ言うまでもないことだと思いますけれども、今、農水省としても日本農業の再建が焦眉の課題だということで非常に力を入れようというふうに言っているわけで、本来そこにこそ農林中金の資金も注ぎ込むべきだと思うわけです。
 現在、農林中金の資金の貸出比率ということでいいますとわずか二割で、そのうち系統団体の貸出しというのはわずか五・八%だと。こういう在り方というのも、これだけやっぱり日本農業をもっと再生させていこうとしているときに、こういうふうな在り方でいいのだろうかというように思うわけですけど、これやっぱり在り方そのものも考えるべきではないのかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#168
○国務大臣(石破茂君) そもそも論で恐縮ですが、農林中央金庫法第一条、これには、「農林中央金庫は、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合その他の農林水産業者の協同組織を基盤とする金融機関としてこれらの協同組織のために金融の円滑を図ることにより、農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資することを目的とする。」、このように明確に定められておるわけであります。
 この目的を果たしますために、農林中金は、十九年度末で農協が農家組合員等から受け入れた約八十二兆円の貯金のうち、農協、信連の農家組合員等への貸出金等を除いた余裕資金であります約三十六兆円、これを受け入れまして、これを効率的に運用することによりその収益を農協、信連に還元し、農協系統金融機関の経営基盤を強化すると、このような役割を担っておるわけでございます。
 このように、農業融資につきましては原則として農協、大規模な農業者に対しては信連がそれぞれ行っておるところであります。農林中金自らは更に大規模な農業者や食品企業などに融資を行うとともに、農協、信連の余裕資金を効率的に運用し、収益還元をすると、このようになっておるところでございます。
 私どもとしては、農林中金を始めとする農協系統金融機関が、農林漁業者の経営の安定、農林漁業の発展、これに寄与しているかどうか、一条の趣旨にのっとって本当にそういうようなことが行われているかどうか、このことにつきましては、当然のことでありますが、強い関心を持って見てまいりたいと、それが私どもの責務であると考えておる次第でございます。
#169
○紙智子君 ですから、やっぱり当然農業の発展のためにということなんですけれども、そうであれば、やっぱり今回のような海外での投資ファンドのような、そういう資金運用の在り方というものを見直していかなきゃいけないんじゃないかということを申し上げたいわけです。
 それで、今、米国政府によって巨額支援を受けていますAIG、アメリカ保険大手ですね、アリコの親会社ということでもあるわけですけど、AIGの役員に対する巨額ボーナス問題が世界的にも非常に怒りを呼んでいるわけです。それで、これは巨額の政府支援を受けて破綻を免れながら役員に、幹部役員に対して億単位の高額のボーナスを払ったというので、オバマ大統領もそれこそ怒りの声を、非難をしているわけですけれども。
 一方、日本において、農林中金の今までの理事長を務めてこられた上野さんの退職金が何億という単位だという話も聞いているわけですけれども、全国の農協や信連にこうやって影響を与えている中で一体これはどうなのかというふうに思うわけですけど、この点について、大臣、いかがですか。
#170
○国務大臣(石破茂君) これは、退職金をどうするかというのは農林中金自らが決定をすることであります。農林中金の中でその意思が決定をされるわけでございまして、当省としてそれにお答えする立場にはございません。
 オバマ大統領あるいはアメリカの金融機関の件、それは私も当然承知をしておるわけでございますが、それとこの問題、本当にパラレルに論じられるものであろうかと思っておりますが、いずれにしても、農林中金の中でそれぞれの方々がそれぞれの意思決定というものをなされている。それはもう機関によってなされておることだというふうに承知をしております。
#171
○紙智子君 それぞれの機関で決めているということなんですけど、実際末端の部分では、今ちょうど三月期で総会などの時期ですよね。やっぱり専らその中で出ているのは、どうしてこうなったのか、その責任とか原因も十分説明されないまま事だけ進行していって、我がところの信連からは幾ら出すんだ、農協からは幾らだということが決められていくというのはどうも納得できないと。納得できないまま事が進んでいくということで、そういう声が上がっているわけですよ。
 それで、そのことを指摘しておきたいのと、もう一つの問題として申し上げたいのが農林中金への天下りポストの問題です。
 農林中金の理事長の年収というのは大体四千八十万円というふうに言われていますけれども、退職金は億単位というふうに言われているわけです。このポストが長年、農林水産省の事務次官の天下りポスト化してきたということですね。今回は上野理事長の後任ということで生え抜きの河野氏に替わりますけれども、そうすると今度は、理事長のポストはあるわけだけれども、じゃ副理事長を天下りポストにしようというような動きがあるやに伝えられているわけです。大臣、このことについてどのようにお考えでしょうか。
#172
○国務大臣(石破茂君) それは、副理事長の選任手続というのは、農林中金の中で役員推薦委員会というのがございまして、その推薦等を経て経営管理委員会で決定されるということは委員も御高承のとおりでございます。
 というように、農林中金の副理事長のポストというのは法令に基づく農林中金内部での手続を経て選任されるということでございまして、御指摘のように、これはもう必ず農水省の天下りポストですよというようなことにはなっておりませんし、実際に冒頭から申し上げておりますように、それは経営というものをやっていくわけでございます。経営の手腕のない者を充てればそれはもう経営自体がおかしくなるわけでございまして、どういう人間が一番ふさわしいかということは、農林中金の内部でまさしく経営ということを主眼として決定されるというふうに考えております。
 したがいまして、天下りポストにこう用意をされておるとか、そういうような話合いができておるとか、そういうようなことは私自身あり得ないことだと、あるべきでもないと思っております。
#173
○委員長(平野達男君) 紙君、時間ですからまとめてください。
#174
○紙智子君 はい。
 いずれにしても、農林中金というのはやっぱりその目標に照らして本当にふさわしい形で運用されなきゃいけませんし、そういう意味では国民の不信を買うようなことというのはあってはならないわけで、そういう意味では農林水産省としてのしっかりとした監督を行っていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
#175
○委員長(平野達男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#176
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。
 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、民主党提出の農業協同組合法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 まず、本法律案の内容に関しまして反対の理由を申し上げます。
 第一に、本法律案に示された協同組合組織は、構成する組合員の経済的社会的地位の向上を図ることを目的とする団体であり、このような目的を達成するために行う政治活動については、他の個人や法人と同様に憲法上も認められた当然の権利であります。
 他の法律に類似の規定があるからといって横並びを主張するのは、自らの提案の論拠のなさを証明しているだけであり、ましてや、法的に農家そのものとみなされる農業経営体である農事組合法人まで含めるのは、この提案が全く法的な検討もなされないまま出された欠陥法律案であることを証明しています。この点は我が党の岩永委員が当委員会で質疑したとおりであります。
 第二に、協同組合組織の国際機関である国際協同組合同盟は、一九六六年の大会において、これまで定めていた協同組合原則における政治的中立の規定を除外しているのであります。
 これは、協同組合組織や構成員たる組合員がその目的の達成のために政治的活動を行うことは避けられないし、権利でもあるとしたためであります。本法律案の政治的中立の主張は、世界的な論議の経緯を全く踏まえないものであります。
 もちろん、政治的活動のうちの選挙活動等については他の法人と同様、公職選挙法や政治資金規正法に抵触してはならないことはもちろんであります。先般の衆議院財務金融委員会における附帯決議に盛り込まれている貸出し等の金融業務の実施に際して、政治的意見により差別を行ってはならないという政治的中立の確保は当然のことであります。
 第三に、本法律案の提出を受けて全国農業協同組合中央会、全国漁業協同組合連合会及び全国森林組合連合会がこぞって抗議声明を発出しているところであります。
 厳しい経営環境の中で日夜努力を続けている農林漁業者は、生産現場の切実かつ正当な要望を実現するために行っている主体的な活動を、民主党が選挙対策と絡めて政争の具としていることに怒りの声を上げております。
 このように、本法律案は、憲法が保障する政治的信条の自由に抵触するものであり、かつ世界の協同組合の潮流からも外れたものであり、協同組合組織の活動に圧力を加えるとともに、農林漁業者の不安をあおる危険性が懸念されます。
 しかも、次期衆議院選挙を控えて、本法律案を政治利用する意図があるとしたならば、党派的利害に基づくものであり、議案提出権の濫用と言わざるを得ません。
 我が国の農林水産業を取り巻く環境の厳しさについては、ここにおいでになる各党、各委員が共有する認識であり、危機感であります。
 今こそ我々は共同して全国の農林漁業者や彼らが組織した協同組合組織の切実な要求に耳を傾け、その実現に邁進しなければならないのであります。その切実な要求の実現活動をつぶすようなことをしていいのでありましょうか。
 民主党による本法律案の提出は、農林漁業者の切実な要求を受け止めなければならない政党としての政治的使命を自ら制約するものであると言わざるを得ないのであります。提出者の見識を疑わざるを得ません。
 以上を申し上げて、私の反対討論といたします。
#177
○委員長(平野達男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 農業協同組合法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#178
○委員長(平野達男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#180
○委員長(平野達男君) 次に、特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。石破農林水産大臣。
#181
○国務大臣(石破茂君) 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 本法は、農産加工品等の輸入に係る事情の著しい変化に対処して、金融及び税制上の支援措置を講ずることにより、特定農産加工業者の経営の改善を促進するため、平成元年に、その有効期間を限った臨時措置法として制定されたものであります。
 これまで、本法の活用により、特定農産加工業者の経営改善に一定の成果を上げてきたところでありますが、農産加工品の輸入量の増加や国内消費に占める輸入品のシェアの拡大が続いていること、WTO農業交渉等国際交渉が継続していること等を踏まえると、引き続き特定農産加工業者の経営改善に取り組んでいく必要があります。
 このため、本法の有効期間を更に五年延長することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
#182
○委員長(平野達男君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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